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絶望の悲鳴が、絶叫に変わる時

#カクリヨファンタズム #戦後

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#カクリヨファンタズム
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#戦後


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●カクリヨファンタズム
 ある日を境に『昼』が消えた。
 その影響で、幽世は常に黒い闇に覆われた。
 故に、妖怪達は思った。
 世界の終わりが訪れたのだと……。
 実際に、まるで世界の終わりが訪れたような光景が、辺りに広がっていた。
 しかも、影響はそれだけに留まらず、無数の骸魂が飛び交い、妖怪達が次々と飲み込まれ、オブリビオンと化していった。
 石の守護者『キンバーライト』も、元は被害を受けた妖怪達であった。
 西洋妖怪『狼男』……それがオブリビオンと化したのが、キンバーライトであった。
 それが地面を埋め尽くすほどの勢いで、闇の中に広がっていた。
 だからと言って全く動かなくなった訳では無い。
 石のように動かなくなっているが、侵入者を見つけると、一斉に攻撃を仕掛けてくる。
 しかし、それは狼男の意志ではなく、狼男を支配している骸魂の意思だった。
 そのため、狼男は悲鳴にも似た叫び声を上げ、まわりに助けを求めたが、その声に応える者はいなかった。

 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)からの依頼は、妖怪達の救出であった。
 そもそもカクリヨファンタズムのオブリビオンは、骸魂が妖怪を飲み込んで変身したモノ。
 飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出する事が出来るため、キンバーライトおよび『遮光器土偶妖怪』アラハバキを撃破して欲しいという事だった。
 ただし、キンバーライトは大群で攻撃を仕掛けてくるため、油断は禁物。
 アラハバキに至っても、元は惑星開拓用巨大ロボだったという噂があるため、注意をしてほしいという事だった。


ゆうきつかさ
 どうも、ゆうきつかさです。
 今回の依頼は、オブリビオンの撃破が目的です。
 そのため、難しい事を考える必要はありません。
 ノリと勢いと格好良ささえあれば何とかなるので、ガンガン行きましょう。
 また今回の依頼は2章までとなっています。

 第1章は石の守護者『キンバーライト』との戦闘になります。
 キンバーライトは石化効果のある鋭い爪を振り回し、空を飛ぶようにして攻撃を仕掛けてくるので注意しておきましょう。

 第2章は『遮光器土偶妖怪』アラハバキとの戦闘になります。
 アラハバキは物理&射撃攻撃のダメージを反射するバリアで全身を覆い、【混沌】属性のテラフォーミングビームを降らせてくるので注意しておきましょう。
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第1章 集団戦 『石の守護者『キンバーライト』』

POW   :    空中強襲
【空中】から【地上への強襲】を放ち、【力強い拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    石群像罠
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【石化ガスが噴き出す石像】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ   :    石化鋭爪
【石化効果のある鋭い爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。

イラスト:なかみね

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シフィル・エルドラド
POWの行動
アドリブや他メンバーとの共闘歓迎

●心情
妖怪達が飲み込まれてオブリビオン化してしまうなんて、
これは放っておく訳には行かないね。
必ず妖怪達を救って見せるよ!

●行動
勇者の一閃(UC)を使用して戦うね。
聖剣エデンを振って戦うよ。
敵は数が多いみたいだから、【範囲攻撃】で複数を狙いつつ
【なぎ払い】で一気に斬りつけるね。
「どんなに敵の数が多くても、私は退かないよ!」

敵の空中強襲に対しては、私も【対空戦闘】を駆使して戦うね。
自分の立ち位置には気を付けて、周囲に目を配りつつ
敵に囲まれない様に注意しながら戦うよ。




(まさか妖怪達が飲み込まれて、オブリビオン化してしまうなんて……)
 シフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)の前に広がっていたのは、漆黒の闇だった。
 見渡す限り、闇、闇、闇。
 まるで自分の身体まで闇に染まりそうな勢いで、闇が広がっていた。
 その闇に溶け込むようにして、石の守護者『キンバーライト』達がいた。
 その姿をハッキリと見る事は出来ないが、気配だけは感じ取る事が出来た。
 だが、まだ攻撃を仕掛ける時ではない。
 この状況で戦うのは、目を閉じたまま、戦うのと同じ事。
 そのため、目が慣れるまでの時間を稼ぎつつ、聖剣エデンに手を置いた。
 その間も、ゆっくりではあるが、確実に石の守護者『キンバーライト』達が距離を縮めてきた。
 しかし、シフィルは一歩も動かなかった。
 全神経を集中させつつ、深呼吸。
 辺りの気配を探りつつ、自らを無の状態に近づけた。
(……見えた)
 そのタイミングを見計らって、シフィルが範囲攻撃でエンバーライト達を薙ぎ払った。
 次の瞬間、キンバーライト達が飛び上がり、一斉にエネルギーの塊を飛ばしてきた。
 それが眩い光を放ちながら、雨の如く降り注いだ。
「どんなに敵の数が多くても、私は退かないよ!」
 即座に、シフィルが素早い身のこなしで、エネルギーの塊を避けていった。
 その途端、エネルギーの塊が地面に食らいつき、シフィルを照らすようにして光を放った。
 そのおかげでまわりにいたキンバーライトの姿がハッキリと浮かび上がってきたため、反撃する隙を与えないようにしながら勢いよく飛び上がり、次々とキンバーライト達を撃破していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高柳・零
「久しぶりの依頼で肩慣らしに丁度良さそうですね」
 この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

 戦闘中、敵の死角や射程外からの攻撃を狙います。
「邪神タィラリスは言いました『汝が均したい場所を均すが良い』と」
 石の守護者『キンバーライト』の「空中強襲(POW)」に対し、ユーベルコード「フォース・ペタニメイション(フォース・ペタニメイション)」を使うことで、翼を平にして墜落を狙います。
 最大の目的は、いち早く敵の群れを殲滅することです。
 その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。

え?7ねんくらいやってるやつが初心者用のガイドきのうをつかって手ぬきをするな?
何の事でしょう?


山梨・玄信
零殿(f03921)と

「リハビリと称して阿保な事をしに行った盟友に突っ込まねば」
 この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

 戦闘中、ツッコミと敵の迎撃に力を入れます。
「玄信、わたくしも戦いましょう。さぁ、共に正義をなすのです」
 石の守護者『キンバーライト』の「空中強襲(POW)」に対し、素早く褌一丁になりユーベルコード「脱衣の国より来たりしもの」を使うことで、敵を吹き飛ばして地上への強襲を阻止します。
 最大の目的は、いち早く敵の群れを殲滅することです。
 その為なら、ある程度のボケやしょうもないハプニングも許容します。

全力で手抜きして、人を依頼に誘って来るな!

アドリブ、共闘歓迎じゃ。




「久しぶりの依頼で肩慣らしに丁度良さそうですね」
 高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)がリハビリも兼ねてやってきたのは、『遮光器土偶妖怪』アラハバキによって光が失われた幽世だった。
 すべてを飲み込む勢いで広がった闇の中に、一ヶ所だけボンヤリと光る場所があった。
 そこで戦闘が行われているらしく、石の守護者『キンバーライト』達が飛び回っていた。
(心の声:リハビリと称して阿保な事をしに行った盟友に突っ込まねば……)
 そんな中、山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)が、警戒した様子で零に視線を送った。
 何やら嫌な予感がするものの、今のところ不審な行動はしていない。
 それどころか、零はシリアスモード全開。
 今にも太字で『キリッ!』と表示されそうな勢いで、真剣そのものだった。
 そのせいか、顔に『真剣』と書かれた全身白タイツの幻影達が、『大丈夫、俺達がいるから!』とばかりに、玄信を見つけてグイッと親指を立てた。
 この時点でツッコむべきか、スルーすべきなのか、悩むところであったが、玄信はぎこちない笑みを浮かべる事しか出来なかった。
「邪神タィラリスは言いました。『汝が均したい場所を均すが良い』と……」
 すぐさま、零が有難い言葉と共に、【フォース・ペタニメイション(フォース・ペタニメイション)】を発動させ、敵の存在と起伏を許さぬ不可視の重圧を放ち、キンバーライト達を墜落させた。
 それに合わせて、白タイツの幻影達が、アクロバティックな変態技を繰り出しながら、キンバーライト達を倒していった。
 だが、零自身はマトモそのもの……いわばマトモの化身であった。
(どうやら、疲れているようじゃな)
 それを目の当たりにして玄信が、ネットリと纏わりつき幻影を振り払い、気持ちを切り替えるようにして、キンバーライト達を迎え撃った。
「キィシャアアアアアアアアアアアアア!」
 次の瞬間、キンバーライト達が耳障りな鳴き声を響かせ、眩い光と共に次々と拘束具を放ってきた。
 それは猿轡や、手枷、足枷のような形をしており、バチバチと光を放ちながら、玄信達の動きを封じるようにして迫ってきた。
「そんなにピカピカさせていたら、攻撃を避けてくださいと言っているようなモノですよ」
 零がキンバーライト達を挑発しながら、素早い身のこなしで、拘束具を次々と避けていった。
「これでは、わしに『脱げ』と言っているようなものじゃな。ならば、その気持ちに応えてやろう!」
 続いて、玄信が【脱衣の国より来たりしもの(ダツイノクニヨリキタリシモノ)】を発動させ、自らの服を脱ぎ捨てる事で、白タイツの幻影達と熱い友情を育み、脱衣の国からやってきた神々しい女性(?)の幻影を出現させた。
 その幻影は顔に『裸王』と書かれており、何故か劇画タッチになっていた。
「さあ、一気に片付けてしまいましょうか!」
 その女性(?)と息を合わせるようにして、零が再び【フォース・ペタニメイション】を発動させ、キンバーライト達を地面に叩きつけるようにして圧し潰した。
(……クッ! 盟友にツッコミを入れるはずが、何故こんな事に……。じゃが、乗り掛かった船じゃ! 例え、それが泥船だろうと、飴細工だろうと、乗りこなして見せるのじゃ」
 その流れに乗って半ばヤケになりつつ、玄信もキンバーライト達に攻撃を仕掛けていった。
 その間も、キンバーライト達が次々と拘束具を飛ばしてきたため、そこだけ光の包まれているような感じになった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター(サポート)
【サポート】
他の猟兵の行動が成功するようにサポートに徹し、下記のような行動をとります。
・機動力が必要であれば宇宙バイク「エアハート」に仲間を乗せる。
・仲間の攻撃が当たるように、敵の行動をUC「風の友」で読んだり、氷系のUCを使って敵の機動力を封じる。
・仲間の攻撃を強化するために支援系UCを使ったり、鼓舞をする。
・敵の注意を逸らすため、宇宙バイク騎乗や空中にて囮となる。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
 UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
 『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
 ※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。

 ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
 痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
 公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
 記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。


七詩野・兵衛(サポート)
『アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長 七詩野兵衛である!』
アドリブや他の猟兵との連携と絡みは歓迎だ。

多少の怪我は厭わず積極的に行動する。
よほどの事情でやらなければいけない時以外は、
他の猟兵に迷惑をかける行為や、公序良俗に反する行動はしないぞ。

戦闘は応援団としてバーバリアンの力強さと、
スカイダンサーの身のこなしを駆使して応援するのだ。
我輩の「ダンス」と「パフォーマンス」で皆を「鼓舞」するのだッ!

応援する相手がいなければ仕方ない、自分で戦闘する。
後はおまかせだ。よろしくおねがいしよう!


グンヒルド・メリーン(サポート)
 クリスタリアンの闇医者 × 悪魔召喚士、20歳の女です。
普段の口調は大人(私、~君、~嬢、だ、だね、だろう、だよね?)
時々 女性的(私、~君、~嬢、ね、よ、なの、なの?)です。



人命が最優先。カナズチ。 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


フォルセティ・ソルレスティア(サポート)
◆性格
明るく元気で、好奇心旺盛で何にでも興味を持つけど、少し飽きっぽいところも。
年齢より子供っぽく(見た目に近い)、味覚も完全にお子様。
よく女の子に間違えられるが、言うほど気にしていない。
口調は「ボク~だよ」「わー、~だね」

◆戦闘
聖なる箒を振り回して、遠距離からの魔法系UCを使用。
グアルディアン・サトゥルノで相手のUCを相殺したり、ラビリント・ネプトゥノで
行動を制限したりすることもある。
フィニッシュはカラミダド・メテオーロが多い。
TPOに応じて愛用の宇宙バイクで戦うことも。意外と乗りこなす。
負傷者がいれば楽器演奏と歌で癒すことも多い。

◆非戦闘
情報収集を中心にしつつも直感を信じて行動することも




 その幽世は漆黒の闇に包まれていた。
 だが、たった一ヶ所だけ光に包まれている場所があった。
 その場所で、猟兵達と石の守護者『キンバーライト』達の戦いが続いていた。
(あの場所で誰が戦っているのか分からないけど……助けなきゃ!)
 すぐさま、グンヒルド・メリーン(たけのこ医者・f12254)が、【翠雨(イシャトシテ)】を発動させ、キンバーライト達に突っ込んだ。
 それはある意味、自殺行為に等しかったが、グンヒルドに迷いはなかった。
 例え、キンバーライト達が追ってこようと、ピカピカと光り輝く拘束具を飛ばしてこようと、グンヒルドの考えが変わる事はなかった。
 むしろ、不安が確信に変わり、心の中の迷いが消えた。
(ひょっとして、誰かが怪我を……。だったら、なおさら助けないと……!)
 グンヒルドが最悪の事態を想像しながら、降り注ぐ拘束具の中を突っ切った。
 しかし、キンバーライト達は、諦めなかった。
 グンヒルドを拘束具で捕縛して、見せしめにでもするつもりなのか、攻撃する事を決して止めなかった。
 その影響でグンヒルドの背後に、光り輝く道が出来た。
 それでも、グンヒルドは前に進む事を止めなかった。
 この場所で戦っている『誰か』を助けるため、徐々に速度を上げていった。
「……!」
 その行く手を阻むようにして、キンバーライト達が自分の姿を模した石像を、壁の如く並べていった。
 それと同時に、石像の口から吐き出されたのは、大量の石化ガスであった。
 これにはグンヒルドも驚き、迂回する事を余儀なくされた。
「ひょっとして、そのガスで私達を石化するつもりでいたの? だったら、残念ね。全部、風が教えてくれたわ」
 即座に、アメリア・イアハッター(想空流・f01896)が【風の友(カゼノトモ)】で石像の攻撃を予測し、宇宙バイク「エアハート」に乗ったまま、わざと煽るようにして石化ガスを避けていった。
「……!」
 そのため、石像達の狙いが、アメリアに集中した。
 本来であれば、ほとんど逃げ場のないような状況であったが、風が味方をしてくれたおかげで、石化ガスが当たる事はなかった。
 それは石像達にとって、予想が出来ない事であり、信じられない事だった。
 故に、集中攻撃。
 後先考えず、逃げ道を塞ぐようにして、石化ガスを吐き続けた。
 その隙間をすり抜けていきながら、グンヒルドとは別方向に飛んでいった。
「お、お待たせ~」
 そんな中、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)がFlying Broom GTS(空飛ぶ箒)に乗って現れ、石像の気を引くようにして空を舞った。
「……!」
 標的がふたつに増えた事で、石像達が戸惑った。
 この状況で、どちらを優先すべきなのか。
 どちらか片方を集中して狙った方が効率的なのか。
 あるのかないのか分からない程、小さな脳ミソをフル回転させ、結論を導き出そうとしているようだった。
「出来るだけ引きつけて、一気に倒してしまいましょう」
 その間に、アメリアがエアハートを操り、石像達の注意を引くようにして、まわりを飛んだ。
 その挑発に乗った石像達が、次々と石化ガスを吐いてきたが、アメリア達には一発も当たらなかった。
 それでも、石像達は諦める事なく、石化ガスを吐き続けた。
「うん、任せて!」
 フォルセティが元気よく返事をしながら、【クラロ・デ・ルーナ】を発動させ、閃光と衝撃を伴う高エネルギー波を発射した。
 それが次々と石像を破壊し、何の変哲もない石ころに変えていった。
 しかし、石像達に迷いはなかった。
 そもそも、石像達に仲間意識はない。
 そのため、いくら石像が破壊されても、石化ガスを吐く事を止めなかった。
「キィシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 それと同時に、キンバーライト達が、鋭い爪を振り回した。
 その爪には呪いが込められており、触れたモノすべてを石化する力があった。
「何やら面倒な事になっているようですね」
 すぐさま、高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)が、ウィザード・ミサイルを発動させ、炎属性の魔法の矢を放った。
 その一撃を食らったキンバーライトがド派手な爆発音と共に、崩れ落ちるようにして動きを止めた。
 だが、キンバーライト達の勢いは、止まらなかった。
 狂ったように爪を振り回し、一気に距離を縮めてきた。
「だが、我輩達が力を合わせれば、造作もない」
 そんな中、颯爽と現れたのは、七詩野・兵衛(空を舞う熱血応援団長・f08445)であった。
 即座に、キンバーライト達が兵衛に襲いかかっていったが、気合を込めた一喝で一瞬にして大人しくさせた。
「サポート頑張るのにゃ!」
 それに合わせて、ミルディア・ディスティン(人間のシャーマン・f04581)が、茉莉と連携を取るようにして、キンバーライト達に斬りかかった。
「喝ッ! 問答無用ッ!」
 その間も、兵衛がダンスとパフォーマンスで仲間達を鼓舞しつつ、【応援活法『大喝一声』(オウエンカッポウダイカツイッセイ)】で気合の咆哮を響かせた。
 それだけで、キンバーライト達が警戒し、攻撃を躊躇っているようだった。
 おそらく、兵衛の背後に浮かんだ『何か』に怯えているのだろう。
 その強大な存在に圧し潰されそうなほどの恐怖を覚えているのか、全く動こうとしなかった。
「今のうちに壊して壊して壊しまくるにゃ!」
 その隙をつくようにして、ミルディアがキンバーライト達に攻撃を仕掛け、次々と物言わぬ石ころに変えていった。
「ちょっと待ってください。何か妙な音がしませんか?」
 その途端、茉莉がビクッと身体を震わせ、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 最初は単なる気のせいだと思った。
 しかし、次第に大きくなっていく音を、無視する事など出来なかった。
「オロロロロロロロロン!」
 次の瞬間、漆黒の闇の中から飛び出してきたのは、『遮光器土偶妖怪』アラハバキであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『遮光器土偶妖怪』アラハバキ』

POW   :    》敵性存在ヲ確認、力場反転装置ヲ起動。
全身を【物理&射撃攻撃のダメージを反射するバリア】で覆い、自身の【稼働年数】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    》管理者権限ニヨリ、惑星初期化ヲ実行。
【【混沌】属性のテラフォーミングビーム】を降らせる事で、戦場全体が【原初の惑星】と同じ環境に変化する。[原初の惑星]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    》エラー発生。直チニ上位管理者二連……ピ……ガ…
骸魂【狂えるアラミタマ】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【内部メモリストレージの容量】を消費し、無くなると眠る。

イラスト:井渡

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シフィル・エルドラド
SPD判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
土偶みたいなオブリビオンだね、神秘的な感じもするけど
紛れもなく皆を脅かす存在。
放っておく訳には行かないよ。

■行動
勇者の勘(UC)を使用して戦うね。UCと【第六感】を併用し
ビームを回避するよ。
混沌属性は、【狂気耐性】で耐える様にしておくね。

その後は、『聖剣エデン』による【2回攻撃】を行って戦ったり
敵が遠距離に居る場合には、『英雄の機関銃』による
【一斉発射】で攻撃するね。
敵を怯ませる為に【威嚇射撃】も組み合わせておくよ。

「勇者シフィル、そう簡単に退く訳には行かないよ!ここで倒してあげるからね!」




 『遮光器土偶妖怪』アラハバキの中で、不要とされた幽世があった。
 その幽世からは光が奪われ、新たな世界を創造するための土台と、新たな世界の住民達だけだった。
「土偶みたいな姿で、神秘的な感じはするけど……オブリビオンである以上、皆を脅かす存在である事は間違ないだろうから、ここで倒させてもらうよ!」
 シフィル・エルドラド(ハイカラさんの勇者・f32945)には、アラハバキが神の化身のように見えた。
 それは正しくもあり、間違いでもあった。
 しかし、自分にとって都合よく世界を書き換えようとしている時点で、倒すべき存在である事は間違いなかった。
「管理者権限ニヨリ、惑星初期化ヲ実行」
 次の瞬間、アラハバキを【混沌】属性のテラフォーミングビームを降らせ、周囲を原初の惑星と同じ環境に変えた。
 それはアラハバキにとっては、理想の世界。
 だが、その世界にシフィルは必要ないと、アラハバキが判断した。
「……排除、排除、排除……」
 それと同時に、アラハバキが不気味な機械音を響かせ、大量のビームを雨の如く降らせてきた。
 そのビームは周囲の環境を変えるモノではなく、シフィルの命を奪うモノだった。
「私には手に取る様に分かっているよ!」
 しかし、シフィルには当たらなかった。
 【勇者の勘(ユウシャノカン)】と第六感を併用し、まるでビームの方からシフィルを避けていったのではないかと錯覚するほど当たらなかった。
「勇者シフィル、そう簡単に退く訳には行かないよ!ここで倒してあげるからね!」
 そして、シフィルは聖剣エデンによる2回攻撃で斬りかかると、距離を取って英雄の機関銃による一斉発射で攻撃した。
 だが、戦いは終わらない。
 まだ始まったばかりなのだから……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「この姿は、親の顔よりは見ていませんが教科書では見ましたね。」「こちらの世界だと妖怪になるとは、不思議なものです。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の嵐】で、『『遮光器土偶妖怪』アラハバキ』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。




「……この姿は教科書で見た事がありますね。まさか、その現物を見る事になるとは、夢にも思いませんでしたが……。しかも、それがこちらの世界だと、妖怪になるなんて……。不思議なモノですね」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は複雑な気持ちになりながら、『遮光器土偶妖怪』アラハバキを見上げていた。
 一体、どのような経緯を経て、アラハバキが妖怪になったのか分からない。
 それでも、アラハバキが、敵である事は間違いない。
 すべての元凶であり、倒すべき相手……。
 それだけ分かっていれば、他の事を知る必要はない。
「》エラー発生。直チニ上位管理者二連……ピ……ガ……」
 次の瞬間、アラハバキが耳障りな機械音を響かせ、骸魂【狂えるアラミタマ】を呼び寄せた。
 狂えるアラミタマは、アラハバキのまわりをグルグルと回った後、吸い込まれるようにして合体し、一時的にオブリビオン化した。
 その影響で、見た目は先程よりも凶悪になっており、禍々しい雰囲気が漂っていた。
「……とは言え、私を敵として認識している以上、戦うしかありませんね」
 明がキリリとした表情を浮かべ、アラハバキをジロリと睨みつけた。
「オロロロロロン」
 その視線に気づいたアラハバキが飛び上がり、雨の如くビームを降らせてきた。
「何処を狙っているんですか? そこにいるのは、残像ですよ」
 すぐさま、明がビームを見切り、オーラ防御を展開しながら、残像を身代わりにした。
 そのおかげで致命傷には至らなかったものの、アラハバキがいる場所からは、だいぶ離れてしまった。
 しかし、明に迷いはなかった。
(少しでも骸魂にダメージを与えて、次の方に……)
 その気持ちを前面に押し出すようにして、明がフェイントを絡めた【銀色の嵐(ギンイロノアラシ)】で、幾何学模様を描いて複雑な飛翔すると、無数の魔法剣でアラハバキを包囲し、躊躇う事なく串刺しにした。
 それがアラハバキの身体を貫き、骸魂に直接ダメージを与えた。
「ハカイ……ハカイ……ハカイィィィィィィィィィィィ!」
 その事に苛立ちを覚えたアラハバキが、執拗に明を狙って、ビームを放つのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより


ギルティナ・エクスキューション(サポート)
わ…私はギルティナと申します…
鞭のヤドリガミでして…その…人を様々な方法で苦しませ追い詰めることが得意…です…
それと…人から情報収集したりとかも…

戦闘はあんまり得意じゃないですけど…
鞭をふったり針を投げたり…最低限はなんとか…

あ…それとですねぇ…
人体の構造とかに結構詳しくてですねぇ…壊す方は勿論ですけどぉ…治す方もちょっとだけ自信が…あるかも…
やりすぎても…治してしまえばまた…やりすぎれますから…

あぁ…最後に私の趣向の話なんですけどもぉ…
女の人が大好きでしてぇ…
味方にいても張り切っちゃいますし…敵にいてもいっぱい張り切っちゃいますから…
いえ、男の人も普通に相手できるんですけど…やる気が…ねぇ…


大崎・玉恵(サポート)
妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。


ナイツ・ディン(サポート)
「ディロ、行くぞ!」
『竜たる我が力を見るがいい!』

ナイツは「」、一人称俺、冷静でありつつ好奇心旺盛
ディロ(竜槍/紅竜)は『』、一人称我、不遜な暴れん坊
ローア(竜槍/蒼竜)も『』、一人称私、丁寧な保護者

小柄な妖精種を生かして飛びながら(空中戦)ヒットアンドアウェイ、回避(見切り、第六感、盾受け、武器受け)してから弱点(鎧無視攻撃)を竜槍で突いたり薙ぎ払ったりカウンターが基本。場合によっては弓の援護射撃も有り。

UCは適宜使っていくぞ。
「暴れ倒してやるぞ、ディロ!」

援護よりも押せ押せ、アタッカー気質。変身系UCを使った場合は激痛耐性、火炎耐性、、氷結耐性でゴリ押すことも多い。


ライザー・ヴェロシティ(サポート)
・出身世界「アックス&ウィザーズ」の猟兵だ
元の世界でも傭兵として活動していた
依頼の傾向は純戦闘
重視するのは報酬だ(金銭、食事等)

仕事は仕事として割り切るスタンスだな
あとは強敵と戦う依頼を好む


・性格は荒っぽいほうだろう
デジタルとか近未来の文化にゃ馴染みがない

・風属性の魔法を主体とするマジックナイトだ
剣に風属性を付与して行う近接戦闘を主とするぞ
使用するユーベルコードは主に近接の強化
または攻撃のレンジや範囲を補うモノだ


・耳がいい
乱戦時とかにゃ僅かな音を頼りに見えない敵の位置を把握するぜ

ただ耳がよすぎるんでな、歌や高音は聞きすぎると頭が痛くなる
特に歌は嫌いだ
味方なら兎も角、敵が歌ってんなら全力で止める


月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!

「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」

一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象

基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。

敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。

指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。

後はお任せします。よろしくお願いします。


リディア・スカーレット(サポート)
 ダンピールのビーストマスター×パラディン、女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 恋人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

静かな場所や花などの自然が大好きです。
人との会話は淡々とこなし、あまり私情を入れない様にしてます。
仲間は大切に思っており、仲間とは協力し合い
依頼の成功を目指します。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です。
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です。

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました。
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります。
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します。
【豹貓】は睡魔を呼ぶ、【胡蜂】は恨みの毒(理由は秘密の設定にて)という感じです。

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります。

なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます。

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません。
あとはお任せします。




「いきなり真っ暗な場所に放り出されたと思ったら、何よアレ」
 音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)は、不満げな様子で『遮光器土偶妖怪』アラハバキを見上げた。
 アラハバキは、先程まで別の猟兵と戦っていたらしく、ズタボロになりつつも、漆黒の闇の中で青白い光を放ちながら、激しい敵意を鬱詐偽に対して向けていた。
「とにかく……アレを苦しませれば……いいんですよね? 戦闘は……あんまり得意では……ないんですが……。とにかく……頑張ります……」
 ギルティナ・エクスキューション(有罪死刑執行人・f14284)が、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 いかにも危険な雰囲気が漂っているものの、ここまで来た以上やるしかない。
 これで相手が女性であれば、もう少しヤル気になるのだが、どう見ても違う。
 そのせいが、既に気持ちが萎えているものの、だからと言って回れ右をして帰る訳には行かなかった。
 故に、目の前にいる敵が女性であると思い込む事で、強引にテンションを上げようとした。
「……無理ですね」
 しかし、断念ッ!
 速攻で、白旗である。
 そもそも、アレを女性だと思い込もうとする時点で、ハードルが高過ぎた。
「まあ、とにかく……こいつをぶっ壊せばいいんだろ? だったら、何の問題もねえ。最初から、そのつもりでここに来たわけだしな。だったら、さっさと壊しちまおうぜ。この幽世に光を取り戻すために……!」
 ライザー・ヴェロシティ(Sturm Jaeger・f00188)がアラハバキを見上げ、含みのある笑みを浮かべた。
 『アックス&ウィザーズ』で傭兵をしていたライザーにとって、大切なのは報酬であった。
 それは金であり、食事。
 だが、それよりも優先されるのは、強敵と戦う事だった。
「……頼むから、俺を失望させないでくれよ」
 ライザーがルーンソードを握り締め、アラハバキに斬りかかった。
 その一撃を食らっても、アラハバキは怯まなかった。
 それどころか、両目からピカンと光らせ、ビームを放って反撃した。
「確かに、このままでは、やられっぱなしじゃろうからな。それに、説得の応じる訳でもないから、倒すしかないじゃろ」
 その巻き添えを食らった大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)が、アラハバキの放ったビームを避けながら、何かを悟った様子で答えを返した。
 いまのところ、アラハバキが攻撃を仕掛けてくる様子はないものの、それはこちらの様子を窺いながら、データを分析しているだけ。
 それが容易に分かってしまう程、アラハバキが躊躇いもなく、玉恵達をスキャンしていた。
 そうする事で最善の戦闘を行うつもりでいるようだが、まったく隙がないため、不意打ちを仕掛けるのは難しかった。
「……」
 その隙をつくようにして、月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)が、抜き足差し足忍び足でアラハバキの背後に忍び寄り、メイスを振り上げて、アラハバキを思いっきりブン殴った。
「ピィー、ピィー! 警告、ケイコク、警告ッ!」
 その一撃を食らったアラハバキが、一気に殺気を爆発させ、左京を裏拳で殴り飛ばした。
「はわっ!?」
 そのため、左京は受け身を取る事が出来ず、そのままポフっと尻餅をついた。
 だが、そのまま座っている訳には行かなかった。
 先程の不意打ちでアラハバキもカチンと来たのか、左京めがけてビームを飛ばしてきた。
「はわっ! はわわわわわ!」
 その事に危機感を覚えた左京が、悲鳴を上げながら、第六感と見切りを駆使して、アラハバキが放ったビームを避けた。
 それでも、アラハバキが執拗にビームを放ってきたため、左京が何度もコケそうになりながら、必死になって逃げ続けた。
「……そこまでだ。そもそも、貴殿の敵は、ひとりではない。その事を忘れた訳では無いだろう?」
 すぐさま、厳・範(老當益壮・f32809)が、アラハバキの前に陣取った。
「……ハイジョ……排除……ハイジョ……」
 その途端、アラハバキが耳障りな音を響かせ、両目からビームを放ってきた。
「……愚かな」
 だが、範はまったく臆する事なく、最低限の動きでビームを避けた。
「……!」
 それを目の当たりにしたアラハバキが、信じられない様子で、全身を青白く光らせた。
「そんなに殺気を剥き出しにして、わしを倒せると思ったら、大間違いだ」
 そこに追い打ちをかけるようにして、範が【桃花・侵(タァォフゥア・チィン)】を発動させ、麻雀牌を無数の桃の花弁に変え、アラハバキの身体を斬り裂いた。
「》エラー発生。直チニ上位管理者二連……ピ……ガ……」
 即座に、アラハバキが骸魂【狂えるアラミタマ】と合体し、一時的にオブリビオン化した。
 その事で自らの内部メモリストレージの容量を消費するほどの負担が掛かっているものの、アラハバキに迷いはなかった。
「この状況で帰る訳には……いかないわよね」
 鬱詐偽が半ば諦めた様子で、動画撮影ドローンに視線を送った。
 ……既に答えは出ている。
 そう言わんばかりに、動画撮影ドローンが距離を縮めてきた。
「うう、これも番組のため……番組のため……よ」
 鬱詐偽が呪いの言葉の如く、繰り返し自分自身に言い聞かせた。
 この状況で、退く訳には行かない。
 それが分かっていても、帰りたい。
 そんな迷いが心の中に渦巻いているものの、ここで背中を向ければ、アラハバキがビームを放ってきそうな勢いである。
 そのため、鬱詐偽は半ばヤケになりつつ、【サウンド・オブ・パワー】で、仲間達の戦闘力を増強する歌を歌った。
「ある意味、これも運命じゃな」
 玉恵も覚悟を決めた様子で、【通力・岩戸開放(ツウリキ・イワトカイホウ)】を発動させた。
 それと同時に、神通力によって念動力と、あらゆる身体能力が一時的に増強され、神にも等しいほどの神々しいオーラが解き放たれた。
「解析フノウ……解析フノウ……」
 その気迫に圧倒されたアラハバキが、身の危険を感じて、後ろに下がった。
「エネルギー充填、完了! 発射ァァァァァァァァァ!」
 それに合わせて、左京が【飛空戦艦ワンダレイの主砲(ワンダレイ・ブラスト)】を発動させ、飛空戦艦ワンダレイから何らかの高次エネルギーを充填した主砲を放ち、アラハバキの動きを一時的に封じ込めた。
「……風よ、俺に続け!」
 続いて、ライザーが【Storm of Ghis Ghan(ストームオブギスガーン)】を発動させ、風属性の魔法刃でアラハバキの身体を斬りつけた。
「》管理者権限ニヨリ、惑星初期化ヲ実行」
 次の瞬間、アラハバキが怪しく瞳を輝かせ、混沌属性のテラフォーミングビームを雨の如く降らせてきた。
 その影響で周囲が原始の惑星に変貌し、巨大な生物の気配がした。
「……何だか妙な事になったわね」
 リディア・スカーレット(孤高の獣使い・f24325)が、ゆっくりと辺りを見回した。
 見渡す限り、原始の世界。
 まるで何処か別の世界と入れ替わったのではないかと錯覚してしまう程の変貌っぷり。
 しかも、漆黒の闇の中から、奇妙な生物の鳴き声が響いていた。
「そこまでして……私達を殺したい理由って……なんですか? あ、別に……答えなくても……いいですよ……。何となく……予想がつきます……から……」
 ギルティナが【真実を謳いたまえ(シンジツヲウタイタマエ)】を発動させ、質問と共に、アラハバキに鞭を巻きつけ、ジリジリと締め上げた。
 だが、アラハバキは、何も答えない。
 答える必要がないと思っているのか、妖しく瞳を輝かせるだけだった。
「まあ、何であれ、やる事は同じでしょ? だったら、何の問題もないわ」
 その間に、リディアが【ライオンライド】を発動させ、黄金のライオンを召喚し、勢いをつけて飛び乗った。
「……ハカイ……破壊……ハカイ……」
 それを迎え撃つようにして、アラハバキが両目をピカピカと光らせ、超強力なビームを放ってきた。
 それでも、リディアはまったく気にせず、黄金のライオンに乗ったまま距離を縮め、アラハバキに攻撃を仕掛けていった。
「》……力場反転装置ヲ起動」
 すぐさま、アラハバキが全身をバリアで覆い、自らの戦闘力を増強させた。
「ディロ、行くぞ!」
 それでも躊躇う事なく、ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)が、ドラゴランス:ディロ(紅い竜『ディロ』が宿る槍)に声を掛け、アラハバキに攻撃を仕掛けていった。
 しかし、アラハバキの身体はバリアで守られているため、いくら攻撃しても弾き返されるだけだった。
 その事が分かっていても、ナイツに迷いはなかった。
 小柄な体型を活かして飛び回り、攻撃するたび後退する事で、アラハバキを翻弄し、プレッシャーをかけていった。
「……排除、ハイジョ、排除……」
 その事に危機感を覚えたアラハバキが、ナイツを狙ってビームを放ってきた。
 そのビームは、まるで意志を持っているかのように、ナイツの後を追ってきた。
「それで俺を仕留めようって訳か。随分と馬鹿にされたものだな。だったら、早く当ててみろ。俺は……ここだ!」
 ナイツがアラハバキを挑発しながら、わざと距離を縮めて飛び回った。
「……ハイジョ、排除、ハイジョ……」
 その挑発に乗ったアラハバキが、狂ったようにビームを放ってきた。
 だが、当たらない。
 怒りに身を任せて、ビームを放ったところで、当たる訳がない。
「ディロ、仕事だ! あのデカブツをブッ壊すぞ!」
 ナイツが【ドラゴンバースト】を発動させ、ドラゴンランス:ディロを飛竜形態に変化させた。
 それと同時に、ディロがアラハバキに体当たりを仕掛け、近距離から高威力の炎のブレスが放ち、アラハバキの身体を炎に包んだ。
「オロ……ロロロロロ……ロロ……ロロロロロッ!」
 即座に、アラハバキがバリアで身を守ろうとしたが、度重なる攻撃で限界に達していたバリアは、音を立てて跡形もなく消え去った。
 そのため、アラハバキは炎のブレスをモロに食らい、激しく身体を痙攣させながら、大爆発を起こして消滅した。
 それと同時に漆黒の闇が光に包まれ、幽世に昼が戻ってきた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年07月05日


挿絵イラスト