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電子の海に深紅の骸骨は嗤って

#UDCアース

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#UDCアース


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 それは、前世紀に遡る都市伝説。

 曰く、とあるURLへとアクセスすると始まる荒い画像の動画。その動画を最後まで再生されると、深紅の髑髏が映る……その髑髏は呪いの髑髏であり、観た者の命を奪う危険な存在だという。

 その深紅の髑髏を観た者は、手足を引きちぎられ赤く赤く血に染まり死に絶えるという。その呪いの動画は、現代もまだ残っている――形を変え、死の呪いを振りまくために……。



「……などという都市伝説のUDC-Nullがいるらしくてな」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう渋い表情で顎髭を撫でながら言った。ファンタジー世界の住人であるガングランに、インターネットはわからない。だが、呪いの恐ろしさはよく知っていた。

「UDC組織の過去資料――まだろくに電子化もされていない、紙や書籍や巻物やビデオテープや8mmフィルム……そんな中から、この問題のURLを発見して、まずはURLにあくせす? する必要があるようじゃ」

 本来なら、まずは大量の犠牲者の怨霊である「見えない怪物の群れ」が出現する。だが、正しいURLにアクセスして動画を確認すれば、この見えない化け物の群れ――ジャガーノーツ-Nullは視認できるようになる。

 このジャガーノーツ-Nullの脅威を退け、最後まで動画を観る事ができれば都市伝説深紅の髑髏……の力を宿した遺骸の甲殻が出現するだろう。

「このUDC-Nullの力を得た遺骸の甲殻は、動画の最後に現れる深紅の髑髏の映像を観た者を狙う習性がある。この習性をうまく使えば、標的を絞れるじゃろう。一般人が間違って観てしまう前に、処理を頼んだぞ」


波多野志郎
初期のインターネットにはありがちな都市伝説なのです、どうも波多野志郎です。
今回はUDC-Null深紅の髑髏に関連する依頼となっております。

まず第一章は、この深紅の髑髏に関するURLをUDC組織の過去資料から発見していただきます。どんな資料に書かれているか、どう見つけるかは皆様のアイデアがものを言います。ぜひ、ふるってご参加ください。

それでは、古き都市伝説の向こう側でお待ちいたしております。
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第1章 日常 『電子化されてない資料を漁る憂鬱な仕事』

POW   :    気合いで黙々と資料を漁る

SPD   :    速読などを活かして迅速に資料を漁る

WIZ   :    効率の良い調査方法を考える

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グレートスカル・キングヘッド
あぁん?深紅の骸骨…だぁ…?んなもん本当にいるのかよ?
まぁ、丁度暇な身だ、傭兵として金も得れて暇も潰せ、更にホラーで納涼ならまぁ悪くないな…
というわけでその資料探し手伝わせてもらうぜ!ギャハハハハ!


URLを探すなら大体そういうネットの生まれた後の年代
んで大量の犠牲者の怨霊…それが出てるなら、その呪いの内容と同じ不審死の事件の情報はここにはねえか?
そいつが見つかればその前辺りに出たものにURLはありそうだが…

絞れたら後は虱潰しにといこうか…
やれやれ、骨が折れそうだぜ


リオ・ウィンディア
深紅の髑髏!命を奪う呪いの技!あぁ、なんて魅力的なの!
髑髏に関する情報ならこの溢れんばかりの愛で一発で発見よ!
・・・と言いたいところだけれども、まさか、ね。

この膨大な資料から探すのは呪いの気配そのもの、第六感で探してみるわ
死霊術師の名前は伊達ではないの。
ネクロオーブも使用して占い感覚で目星をつけてみるわ。

「この辺りは混沌とした闇の気配が濃いわね?」
「えぇきっと。この私が骸骨を見つけられないはずないじゃない」
「あぁ、ちょっとそのこの幽霊さん、こんな動画の話(かくかくしかじか)があるのだけれども知り合いに被害者いない?」

電子化されていない情報、すなわち超自然現象な方法で探るわ

アドリブ・絡み歓迎



●過去を探り、行き着く答え

 薄暗い部屋は、独特の匂いに満ちていた。古本屋でよく嗅ぐ、古い紙の匂いだ。

「あぁん? 深紅の骸骨……だぁ……? んなもん本当にいるのかよ?」

 グレートスカル・キングヘッド(地獄の告死骨烏・f33125)が、カンラカンラと笑う。前世紀にはインターネットが存在したが、その頃は未だ電子と紙の過渡期とも言うべき時代だった。どんな便利なものでも、扱う人間がそれに対応できるようになるには『ズレ』が生じる……目の前にあるのは、そんな過渡期に生み出された紙の資料の山だった。

「まぁ、丁度暇な身だ、傭兵として金も得れて暇も潰せ、更にホラーで納涼ならまぁ悪くないな……というわけでその資料探し手伝わせてもらうぜ! ギャハハハハ!」

 グレートスカルは、紙の束を前に視線を巡らせる。とはいえ、今のままでは砂浜に紛れたガラス片を探し出すようなものだ――だからこそ、絞る必要があった。

「URLを探すなら大体そういうネットの生まれた後の年代。んで大量の犠牲者の怨霊……それが出てるなら、その呪いの内容と同じ不審死の事件の情報はここにはねえか? そいつが見つかればその前辺りに出たものにURLはありそうだが……」

 グレートスカルがまず始めたのは、古新聞に目を通す事だ。不審死の事件、その記事を時代に沿って探していく。膨大な量ではあるが、それでも目に見えて資料の量が減っていた。

「やれやれ、骨が折れそうだぜ」

 虱潰しに探していけば、絞られる。実際に、不審死の集中した時期を見つけたのだ。まことしやかに告げられる、深紅の髑髏の都心伝説――有名所の大きな新聞ではなく『政府の高官、宇宙人と会食している場面を発見か?』とか『某パ球団、エリア51から四番打者をスカウトか!?』などという碌でもない見出しが踊る某ゴシップ紙で語られている辺り、誰も信じられないような戯言として流された事は間違いなかった。

 それでも、まだ完全には絞りきれない――そのグレートスカルの後を継ぐ者がいた。

「深紅の髑髏! 命を奪う呪いの技! あぁ、なんて魅力的なの!髑髏に関する情報ならこの溢れんばかりの愛で一発で発見よ!」

 そう口元を綻ばせるのは、リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)だ。

(「……と言いたいところだけれども、まさか、ね」)

 リオは膨大な紙の束を前に、ネクロオーブを手に覗き込んだ。

「この膨大な資料から探すのは呪いの気配そのもの、第六感で探してみるわ。死霊術師の名前は伊達ではないの」

 深呼吸を一つ、膨大な資料の前にリオは手を伸ばす。少なくとも、この場にあるのはUDC組織が集めた資料なのだ……少なくないモノに、濃い反応があった。

「この辺りは混沌とした闇の気配が濃いわね? えぇきっと。この私が骸骨を見つけられないはずないじゃない」
「そいつは頼もしい限りだな」

 リオが自分に言い聞かせるように言い切ると、グレートスカルも笑って手伝う。かなりの量がグレートスカルの手で絞られていただけに、かなり手早く調査は進んでいき――。

「あぁ、ちょっとそのこの幽霊さん、こんな動画の話があるのだけれども知り合いに被害者いない?」

 リオの問いかけに、手首だけ先が見える幽霊の手が一冊の資料を指差す。それは、警察の捜査資料だった。日付は二十世紀末頃の一九九六年から七年、二十数年前のものであり――。

「複数の事件がまとめられているわ。共通点があったみたい……」
「ああ、パソコンの電源が入ったまま――」

 捜査資料をめくるリオの手元をグレートスカルが覗き込み、そして気づく。何故、共通点があるとされていたか? それは同じサイトにアクセスしていたからだ――。

「これよ」

 当時の警察は、そのURLから情報を得られていなかった。警察庁が電脳警察を設立したのは一九九八年、それ以前の事件ということもあり、不審死の未解決事件として処理されていたのだ。

 リオの指先が、共通項目に書かれた文字――URLを指先で確信を込めてなぞった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ジャガーノーツ』

POW   :    I'm JUGGERNAUT.
いま戦っている対象に有効な【能力を持つネームド個体のジャガーノート】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    You are JUGGERNAUT.
自身が操縦する【子供に寄生する同族化装置(破壊で解除可)】の【寄生候補の探索力・捕獲力・洗脳力・操作力】と【ジャガーノート化完了迄のダウンロード速度】を増強する。
WIZ   :    We are JUGGERNAUTS.
【増援】を呼ぶ。【電子の亜空間】から【強力なネームド個体のジャガーノート】を放ち、【更に非ネームド個体の軍隊からの援護射撃】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:tel

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ジャガーノーツ

 場所を変えて、コンクリートむき出しの部屋の中。ノートパソコン、そのブラウザに打ち込まれたURLは、長い時間をかけて一つの動画を映し出す。映し出してしまえば、後の操作は必要なかった――いや、必要なはずの操作を、勝手に行なわれてしまうのだ。

『ガ――、ガガ、ガ――、ガ――』

 砂嵐だけが映る動画、その中からノイズが溢れ出していく――「見えない怪物の群れ」、犠牲者たちの魂が新たな犠牲者を求めて這い出して来たのだ。

 電子亡霊、ジャガーノーツはそのまま次から次へと姿を現し、荒れ狂い始めた……。
リオ・ウィンディア
うまくいくと信じて・・・
犠牲者の恨みつらみ、それは私をくすぐる魅惑的な声
さぁ、ハーモニーを奏ましょう

アーケオプテリクスで【楽器演奏・歌唱】UC発動
犠牲者の悔しさを戦場の仲間と認識
【呪詛】をふんだんに取り込んだ歌を披露するわ

おぉ、なぜたかが小さな好奇心で命を奪われなくてはいけないのか
今も彷徨う電子の海の向こうで
ここは寂しすぎるからお前も来いと手招きする
あぁ、なんという呪いの連鎖
このままでは僕らは終われない

呪歌による【属性攻撃:音・精神攻撃・浄化】
ウィンディアの【結界術】で周りを覆って反響音ばっちりな即席の舞台を作成
自身はギターの早引き、鬼気迫る音楽で【オーラ防御】

イメージ、フラメンコギター



●始祖の鳥が、歌うがごとく

 砂嵐のようなノイズが、部屋に鳴り響く。ノートパソコンから這い上がるように生み出された無数の影を見て、リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)が呟く。

「さぁ、ハーモニーを奏ましょう」

 リオは羽ばたく始祖鳥が彫り込まれた撥弦楽器を爪弾き始める。その音に反応して、ジャガーノーツ達が動いた。

『ガガ――ガガガガガガガガガガガガガガガ――ッ!!』

 電子情報が生み出す砲塔、そこから放たれる射撃、射撃、射撃――その砲撃を、リオの早引きによる鬼気迫る音楽が、弾いた。

『ガガガガガガガガ!!』

 真紅に染まるジャガーノーツが、リオに向かって迫る。砲撃が届かなければ、直接の打撃で――だが、リオの結界術がその接近を阻む!

「Muchísimas gracias. お礼をしてあげるわ♪」

 Reproducción(レプロドゥシール)――紡ぐリオの歌声を、結界による即席の舞台が反響させ拡げていく。

「おぉ、なぜたかが小さな好奇心で命を奪われなくてはいけないのか 今も彷徨う電子の海の向こうで」

 戦場の仲間が受けた精神的、肉体的苦痛に比例した威力と攻撃範囲の呪歌を放つのが、リオのReproducciónだ。ギターの激しい音楽に乗った歌声が、犠牲者であるジャガーノーツの無念や悔しさを戦場の仲間と認識。呪詛をふんだんに取り込み、響き渡る!

『ガ、ガガ――ガ――!?』
「ここは寂しすぎるからお前も来いと手招きする あぁ、なんという呪いの連鎖」

 音は大気を震わせ、呪歌を届ける――それだけではない、歌に込められた想いは――。

「――このままでは僕らは終われない」
『ガ、ア、ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!』

 パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパン! とジャガーノーツ達が爆ぜ、浄化されていく。ただ、苦しかった。ただ、恨めしかった。だから、同じ被害者を――理解者を求めた。

 それを理解してくれるのだ、と。背負い、拭ってくれるのだという確信をジャガーノーツ達に伝えるリオのReproducciónは、戦場に想いを伝え続けた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です。
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です。

亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました。
「放っておけぬのよ」

動きとしては、主にサポートに回ります。
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します。
【豹貓】は睡魔を呼ぶ、【胡蜂】は恨みの毒(理由は秘密の設定にて)という感じです。

また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります。

なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます。

依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません。
あとはお任せします。


夜城・さくら(サポート)
キャバリアでの戦闘をメインに。
『オーバーフレーム換装』では、装甲を犠牲に攻撃力か射程を上げて仲間を援護するように攻撃します。【スナイパー】技能使用。
手数が必要な時は『無限射撃地獄』です。敵がビット攻撃してきた際には相殺するように展開することも。

キャバリア以外では、『ギタギタ血まみれの外科手術』で仲間の治癒と戦闘力増強に励みます。
「ちょっと痛いですよ? でも大丈夫。すぐに元気すぎるくらいになりますからね」
笑顔でノコギリを振るいます。大丈夫怖くない怖くない。


風見・ケイ(サポート)
風見慧、探偵です
なんて格好つけてみましたが、物語の名探偵とはほど遠く
時間をかけて観察すれば、私でも真実は見えるでしょうが
依頼の多くは素行調査や人探しに……猫探し
ということで、私は主に調査担当
元警察官の経験や伝手を活かしての『情報収集・失せ物探し・追跡』などはお任せください
今は猟兵ですから、少しくらいなら法よりお仕事優先です

私も鍛えてはいるものの、身体能力は常人の域を出ず
武力担当の二人(螢や荊)にならない限り、狙撃や怪力等は使えません
『拳銃』での『援護射撃』や一般人の『救助活動』によるサポート
緊急時は、ライターの火や煙草の煙の巨大化による牽制や攪乱
……無理して、他人の前で右腕を露出したくないので


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオン(最後の一体)に止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。



●電子に漂いて――

 ノートパソコンに映る動画は、ひどいノイズを走らせながら呪いを生み出し続けていた。

『ガ、ア、ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!』

 呪いが、溢れ出す。堰き止められていた堰が切られたように目の前に溢れていくジャガーノーツの群れ――それを前に、厳・範(老當益壮・f32809)が立ち塞がった。

「放っておけぬのよ」

 麻雀牌を手に、範は虚空へ放つ――十四牌が生み出す役、それを示し範は告げる。

「来たりて力に」

 使令法:胡蜂(フーフォン)――召喚されたスズメバチの群れが、ジャガーノーツの群れと激突した。一体一体であればジャガーノーツが勝るものの、数の密度で大きく引き離している。恨みの毒は、ジャガーノーツ達を蝕んでいった。

『ガガガガガガガガガガガガガガ――!』
「この波長……見きった!」

 増殖しようとしたジャガーノーツへ、ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)がUDC神拳:逆位相キャンセリング(ギャクイソウニヨルソウサイ)による魔力を放ち、その数が増える事を防ぐ。

「今です!」
「任せて」

 夜城・さくら(不思議ちゃんの量産型キャバリア・f30006)が、ティモシーの声を受けてオーバーフレーム換装によって量産型キャバリアAZを変形――ガシャガシャガシャガシャン!! と装甲の代わりに攻撃力を増強、砲撃を叩き込んだ。

 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォ!! と連続した爆発が、巻き起こる。その爆風に散らされるように、味方を盾に生き延びたジャガーノーツが散開する!

「切りがないね」

 なおも迫るジャガーノーツ達を風見・ケイ(星屑の夢・f14457)は拳銃の銃弾で牽制、冷静に言い捨てる。状況が好転しない状況は、明白だ。I'm JUGGERNAUT.やWe are JUGGERNAUTS.による戦力の追加、呪いによって死に絶え、さらなる拡散を果たすジャガーノーツの習性そのものが脅威なのだ。

「大本を断つべきだが、それでは意味がないね。そうなると、順当に尽きるまで叩き潰すしかなさそうか」

 ケイは、小さくこぼす。名探偵ならば、ここで一発逆転の名案が出てくるのであろうが……多くの探偵は、そういうフィクションとは無縁だ。

 重要なのは、状況を正確に判断すること。そういう意味では、ケイの堅実かつリアルな判断こそが遠回りのように見えて一番の方策だった。

「手が足りないなら、力を貸すぞ……」

 アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は、前に出る。ヴン、とフォースセイバーに青白い光の刃を生み出しながら、迫るジャガーノーツ達を一体、また一体と確実に切り倒していった。

『ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ――ッ!!』

 新たに生み出される深紅の装甲を持つジャガーノーツ達が、猟兵達へと襲いかかった。

●深紅の元へ至る、そのために――

 ジャガーノーツ達を、ただ止めるというのなら簡単だ。ノートパソコンの動画を止めてしまえばいい、それだけでこれ以上増える事はなくなるだろう。

(「でも、それでは意味がないだろう」)

 ケイが下した判断が、全てだ。深紅の髑髏が現れる前に動画を止めてしまえば、意味がない――だからこそ、倒し尽くす。それだけの戦力、攻撃力が必要なのだ。

(「……無理して、他人の前で右腕を露出したくないからね」)

 全力ではない、だが本気を尽くす――ケイは視線を走らせ、言った。

「見えるものが全てではないさ」

 間違い探し(リット・ア・ライト)、ケイにとって観察時間は充分だ。カシュ、とMeteor trail――彗星の意匠が施されたオイルライターに火を点す。そして、火を付けた煙草の煙をケイが吐いた、その瞬間だ。

『ガ、ガガガガガガガガガガガ!?』

 音もなく広がった煙が、ジャガーノーツ達を包んでいく。文字通り煙に巻かれたジャガーノーツの群れ、ケイの牽制に合わせて動いたのはさくらの量産型キャバリアAZだ。

 即座に、気配で察したジャガーノーツ達が動く。しかし、その動きはさくらの目には丸わかりだった。

「貴方達は蜘蛛の巣に捕らわれた蝶。哀れな蝶に終止符を」

 ヒュオン! と量産型キャバリアAZによって増幅された思考波で制御されたBS-Fダズルビットが、ジャガーノーツ達の先へ回り込み、無限射程地獄(オールレンジヘル)によって撃ち落としていく!

(「よく見える、楽なものね」)

 ケイの煙は、ただの牽制ではない。外側から煙の動きでジャガーノーツ達の行動を事前に読みやすくしていたのだ。だからこそ、さくらの無限射程地獄を持ってすればそこに射撃を『置く』だけで撃ち落とせるようになる――即興のコンビネーションだ。

「隙を見せるとは……そこだ!」

 そして、アスのブルーブラスターが叩き込まれる。ヒュガガガガガガガガガガガガガ! と熱光線が放たれるが、それを受け止めるように深紅の巨大な盾を持ったジャガーノーツが立ちはだかり、残りが射撃で猟兵達の足止めに徹した。

「――抜くのは、骨か……」
「乗るがよい」

 半人半獣形態となった範の言葉に、アスはすぐにその意図を察する。瑞獣の背へと、アスは一飛びで跨ると、範が駆け出した。

『ガ、ガガガガ、ガ!!』

 ドドドドドドドドド! と放たれるジャガーノーツ達の深紅の砲弾を、範は左右にステップを刻みながらかわしていく。そして、隊列を組むジャガーノーツ達へ勢いそのままに蹴りを放つ!

「止まらぬよ」

 ガゴン! と蹄による蹴りは、ジャガーノーツ達を粉砕した。そこへ深紅の大盾を構えたジャガーノーツがシールドを叩きつけるように突進してくる。

「『魔に惑わされたその心! 破邪の刃で断ってみせる!」

 それに反応したのは、アスだ。念動力を籠めたフォースセイバーを大きく振りかぶり――そのまま、一直線に刺突した。

「退魔念導破邪斬!!」

 ヒュガ!! とアスの繰り出した退魔念導破邪斬は、大盾をすり抜けジャガーノーツに突き刺さり、消し飛ばした。その一撃は、小さなジャガーノーツ達を穿って一本の道を生み出す。

『ガ、ガガガ、ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!』

 その道を、塞ごうとジャガーノーツ達は数を増やそうとする――だが、それを防ぐ者がいた。ティモシーだ。

「今です! 行ってください!」

 UDC神拳:逆位相キャンセリングによってジャガーノーツの増殖を防ぎ、ティモシーが告げる。逆位相の魔力を込めた魔法のカードによって舗装した道を作り、ティモシーは仲間達が生んだその道を確保、次の仲間を先へと送り届けた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ロイド・テスタメント
ヒッツェ(f16146)と共に

・心情:
過去の力であれば、未来へ生きる私たちなら不可能ではない、と?

・行動:
「了解」
鋼糸で【罠使い】を駆使して罠を張る
攻撃は【第六感】もしくは、召喚されたジャガーノートの一体で【敵を盾にする】
「……まぁ、そうだろうな。親父は」
力任せではなく、動きを封じながらナイフで【二回攻撃】で【部位破壊】【傷口をえぐる】ろう
召喚されたのを倒してしまえば、あとは呼び主が残るだけだ
「人の記憶の中だけに生きててくれ」
UCで足止めし、アイアンメイデンでぶん殴ってやる!

毒は毒で征しろ、て事か……


ヒッツェシュライア・テスタメント
ロイド(f01586)と共に

・心情:
ジャガーノート、止めることの出来ない力、か……

・行動:
「そういう事だ。使い方を学習される前に倒してしまえ!」
UCを使い胡蝶で【結界術】を張って【第六感】で攻撃に備える
「しかし、酷い歌だ……俺は好かん」
さっさと、召喚されたジャガーノートを倒してしまいたいな
弱っているのから【誘導弾】で息の根を止めてやる
「ジャガーノートという名は、過去の飾りなんだろうな」
【力溜め】てから大鎌で【なぎ払い】
足りないならば、【全力魔法】で【呪殺弾】を近距離で打ち込んでやろう
「さぁ、帰れ。存在するべき人の想像する世界へ」



●深紅へと至る、そのために

 仲間が生み出したその道を、ロイド・テスタメント(全てを無に帰す暗殺者・f01586)とヒッツェシュライア・テスタメント(死を恐れぬ魔術師・f16146)が駆け抜けた。

「ジャガーノート、止めることの出来ない力、か……」

 バシン! と放電光を弾きながら迫るジャガーノーツ達、その姿にヒッツェシュライアは言い捨てる。それに、ロイドが呟く。

「過去の力であれば、未来へ生きる私たちなら不可能ではない、と?」
「そういう事だ。使い方を学習される前に倒してしまえ!」

 ヒッツェシュライアの胡蝶の幻影(ユメノマタユメ)による召喚した胡蝶の群れが、結界を生み出しジャガーノーツ達の肉迫を阻む! だが、数が数だ。完璧ではない――抜け出てきたジャガーノーツへ、ロイドが視線を送る。

「了解」

 ヒュオン! と一体のジャガーノーツをロイドはBlau Kreuzで絡め取ると、そのまま自分達の前へと引き寄せ、盾に使った。ヒュガガガガガガガガガガガガガ! と穿たれるジャガーノーツ、形を失うほど削られたのを確認すると、ロイドは十字架に封じられている青い鋼糸を引き戻した。

『ガ、ガガガ、ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!』
「しかし、酷い歌だ……俺は好かん」
「……まぁ、そうだろうな。親父は」

 周囲を囲むジャガーノーツ達の重なるノイズに、ヒッツェシュライアとロイドは背中合わせに身構える。そうする事で、お互い後方への意識を前面に集中できる――それだけの信頼が、二人にはある。

 周囲のジャガーノーツの群れが、同時に襲いかかる。それをヒッツェシュライアとロイドは迎え撃った。

●そして、呪いは完成し――

 全身を深紅の鎧で身を包んだジャガーノーツが、そのガントレットに包まれた拳を振り下ろす。それに対し、横へと回り込んだロイドがBlau Kreuzの鋼糸を操り拳に巻きつけ――大きく引いた。

「親父」

 グン! と拳を引かれて軌道を狂わされ、ジャガーノーツが体勢を崩す。そこへ、ヒッツェシュライアがAttentatを振りかぶり、Dementoへ魔力を注いだ。

「ジャガーノートという名は、過去の飾りなんだろうな」

 ザン! とヒッツェシュライアの一閃が、鎧ごとジャガーノーツの巨大を切断。ずるり、と斬られた箇所からズレていったジャガーノーツが床に倒れる前にかき消えていった。

『ガ、ガ、ガ、ア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 明確な怒りと殺意を持って、ジャガーノーツが迫る。ジャガーノーツの大剣をロイドはΤισιφόνηでギギギギギギギギギギギギン! と火花を散らして受け流し――青い鋼糸で周囲を囲んだ。

「逃がさん、貴様は俺が殺る――ッ!」
『ガ、アアアアアアア、ア!?』

 ロイドの追う死神(デス・チェイサー)によって、ジャガーノーツに突き刺さった鋼糸の先端が無数の棘へと変形。体の内部で突き刺さり、その動きを封じた。

「人の記憶の中だけに生きててくれ」

 そして、即座にロイドはVirgin of Nurembergを叩きつけ、ジャガーノーツを爆発・四散させた。

「さぁ、帰れ。存在するべき人の想像する世界へ」

 そして、残ったジャガーノーツの群れへヒッツェシュライアは全力魔法による呪殺弾を掃射、消し飛ばす!

「毒は毒で征しろ、て事か……」

 毒には毒を、呪いには呪いを――ついに呪詛の産物であるジャガーノーツが完全に消え去ったのを見て、ロイドは呟いた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『遺骸の甲殻』

POW   :    怨念の甲殻爪
単純で重い【怨念の宿る甲殻の爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    怨念呪詛の衝撃
【怨念の宿る甲殻の爪】から【呪詛の衝撃波】を放ち、【呪い】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    刺し貫く怨念の爪弾
レベル×5本の【呪詛】属性の【怨念の宿る甲殻爪の鈎爪】を放つ。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は八剣・花蓮です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●深紅の遺骸

 荒い動画は、もはや完全な砂嵐に飲まれていた。ザーザー、と音だけがする砂嵐の向こうで、ノイズに混じって小さな笑い声がした。

『ハ、ハ、ハハ、ハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハッハハハハハ!!』

 やがて、ノイズよりも大きな音量となると、砂嵐から浮かび上がるように深紅の髑髏がかんらかんらと口を開けて笑って――否、嗤っていた。

 悪意に満ちた嗤い、その髑髏は明確な殺意と悪意を持って巨大化――現実へと、実体化する。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 見上げんばかりの巨大さ、深紅の髑髏をまとう遺骸の甲殻が、死の呪いを振りまくそのために黄金の爪を振り上げた……。
ソウジ・ブレィブス(サポート)
なんかこんな感じのー間延びした口調で喋るよーう?
年齢にしては頭悪そう、って感じが理想かな
僕より年下の子には~ちゃん!って呼ぶかも
気分で呼ばないことも在るから、深く気にしないでねえ

単体攻撃系ユベコがわりと捨て身な攻撃になり得るから
怪我や流血は必要経費だね、へへへ
攻撃武器は足の鉤爪が飛び出す仕込み靴が基本だよ
ユベコ次第では持ってると、不便だからねぇ……
藍銅って愛刀なら持ってるかも
必要なら投擲道具に使うし、雑に扱うよ?

誰かが話をしてるなら奇襲系はしかけない
ボスの話、主張は聞きたい派
「へえ、ふーん?そうなんだ?」
自信ありげな表情で、戦闘狂気質でいるけれど
僕はお話、聞くの好きだからね
大いに語って?


燐・梟羽(サポート)
 長い一つ結びの白髪で、常にメンフクロウの仮面を付けた25歳の男僵尸です。
 普段の口調は「仮面の上(私、~君、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、独り言は「仮面の下(俺、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」です。

 ユーベルコードは指定したものを使用します。
 非戦闘時は基本的に周囲を警戒しつつ周りに合わせて行動、不測の事態等があれば仲間に知らせます。
 自分が僵尸、即ち死体であると自覚しているため、多少の怪我は厭わない反面、生者が傷つくことを嫌います。
 危険がない日常では楽しむべきものは満喫し、生きる喜びを堪能しようとします。

他、細部は自由に使ってください!


陽環・柳火(サポート)
 東方妖怪のグールドライバー×戦巫女、21歳の女です。
 普段の口調は「チンピラ(俺、てめぇ、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」

悪い奴らはぶっ潰す。そんな感じにシンプルに考えています。
戦闘では炎系の属性攻撃を交えた武器や護符による攻撃が多い。
冒険等では割と力業を好みますが、護符衣装を分解して作った護符などを操作したりなどの小技も使えます。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗りません



●深紅の呪い

 ――呪いとは、何なのだろう?

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 それは負の感情。怒り、憎しみ、妬み、恨み、焦燥、悲壮――世界を蝕むにたる、感情にほかならない。

 ならば――嘲笑とは、その根幹から世界を蝕むのにたるもっとも強い呪いの一つだ。

「ふーん、で?」

 だから、何? そう言いたげにソウジ・ブレィブス(天鳴空啼狐・f00212)は切り捨てる。聞くのは好きだが、それをソウジが拾うことはない――それは、ある意味でもっとも呪いに対する正しい対処法であるだろう。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 深紅に染まる髑髏が動き、遺骸の甲殻が赤く染まる黄金の爪を振り下ろした。ソウジはそれをバックステップで回避、キィン! と蒼を奏でる狼に包まれたつま先で蹴り飛ばす!

 だが、遺骸の甲殻は弾かれながら止まらない。即座に横回転、薙ぎ払いに移行する。

「はははは! てめぇ、悪い奴だな!」

 笑い、陽環・柳火(突撃爆砕火の玉キャット・f28629)が名刀『マタタビ丸』を振るい――ギ、ギギギギギギギギギギギギギギギギギン! と巨大な鉤爪と、無数の火花を散らした。

「――ここよ!」

 そこへ、大きく跳躍したイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)が迫る。イネスは遺骸の甲殻、その深紅の髑髏に降り立つのと同時に巨獣槍を突き立てた。ギ、ギン! と表面が削れるが、突き刺さるまでは至らない――だが、今はそれで充分だった。

『ハハハハ――――!!』
「ッ!」

 遺骸の甲殻の意識が上に向いた、その瞬間に深く低く鋭く踏み込んだのは燐・梟羽(仮面の僵尸・f33366)だ。尸震脚(シシンキャク)――踏み込んだ脚から地面に勁へ放ち、ガゴン! と足場を破壊したのだ。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』
「笑い上戸か何かで?」

 呪いも酔いと似たようなものでしょう? と梟羽は言い捨て、間合いを開ける。巨体との戦い方の基本は足を止めての有効打稼ぎだ。それを知っているからこその、梟羽の選択だった。

 状況によれば、完封もあっただろう――ただし、それが鉤爪を振り回すだけしかできなけばの話だ。

『ハハハハ――――!!』

 かんらかんらと深紅の髑髏が嗤い、呪いを乗せた衝撃波――怨念呪詛の衝撃が、周囲を薙ぎ払った。

●嗤う先には災い来たる――

 深紅に染まった遺骸の甲殻が、ガチガチと甲殻類の足を動かし素早く動く。見る人が見れば、トラウマ級の光景だろう――この脅威を相手に、生き残れればの話だが。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ! と遺骸の甲殻が撃ち放つ膨大な数の怨念の宿る甲殻爪が、掃射される。床を、壁を、天井を、障子にでも穴を開けるかのように次々に穿っていく数の暴力を前へ、ソウジは身を躍らせた。

「怪我や流血はー、必要経費だねえ、へへへ」

 肩を、脇腹を、足を、爪がかする。ソウジは頭部に二本の雄牛の角を生やし、迷わずに真っ直ぐに飛んだ。

「逃げ切れるといいよねえ」

 ズドン! とソウジのワイルドランページの突進が、遺骸の甲殻を捉える。巨体の質量を超える速度を持って、ガリガリガリガリガリ! と踏ん張る遺骸の甲殻をソウジは後退させ――。

「はーい、どうぞぉ」

 ソウジの突進はそのまま、遺骸の甲殻を待ち受けていた梟羽の元へと届ける!

「煩いので止まっていただけますか?」

 ドン! と梟羽の尸震脚による振動が、遺骸の甲殻の巨体を駆け抜けた。巨体の動きが止まり、深紅の髑髏が黄金の爪を構えようとしたそこへソウジは藍銅を雑に投擲、ガキン! と大きく爪を弾いた。

『ハハハハハァ――!!』

 その瞬間、ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガン! と遺骸の甲殻が繰り出した刺し貫く怨念の爪弾が、四方八方へと降り注ぐ。文字通り、貫かれれば死しかない呪詛の豪雨だ。

「ふっざけんな、傘なんて使ってやらねぇぞ!」

 柳火が吐き捨て、猫式抜刀術『じゃらし落とし』(クイックドロウ)によって斬撃を飛ばす。ヒュガ!! と呪詛の豪雨を、まるで鉛筆で描いた雨の光景の一部を消しゴムで消したかのように『空白』を生み――その隙間を、イネスが駆ける!

「くらいなさい!」

 イネスの巨獣槍による一撃、その一撃を遺骸の甲殻は黄金の爪で受け止め――衝撃を放った。零距離からの衝撃、それを回避する術はない……そう、回避の必要が、イネスにはなかった。

「ビキニアーマーにはこういう使い方もあるのよ」

 ドォ!! とイネスの薄衣甲冑反射術(ビキニーリフレクト)による衝撃波の返しが、互いの衝撃を打ち消さんと激突する。イネスが後方へ退避、遺骸の甲殻の巨体さえ宙を舞った。

「しっぶといな!」
「まったくね」

 言い捨てる柳火に、イネスは自然を外さないまま同意する。目の前を塞ぐ破壊による噴煙、その奥から嗤い声が響いていたからだ。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 この世の全てをくだらないと嗤うように――呪うように、嘲笑は高らかに響き続けた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ミルケン・ピーチ(サポート)
『ミルケンピーチ、参上!』

常識的だけどやられ属性の17歳の桃姫、無邪気で元気な6歳のぺしぇ、体育会系褐色ギャルのアカリの三人のボディの内依頼に合わせた誰かで出撃
口調は
『桃姫:私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』
『ぺしぇ:自分の名前、くん、ちゃん、だよ』
『アカリ:あたし、相手の名前+ちゃん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?』
マスクのミルケンはほぼ喋りません

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません

公序良俗に反する行動はそういう依頼でない限りしません
後はお任せ、よろしくお願いします!


サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎

基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね

戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ


雲母坂・絢瀬(サポート)
ややおっとりめ、マイペース系関西弁女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーなんよ。
スキルやUCは使い時にはしっかり使うていく方針。
【見切り】【残像】【敵を盾にする】【フェイント】で相手を撹乱しつつ、間合いを詰めてからの【なぎ払い】が基本戦術やろか。
後は相手を【体勢を崩す】【武器受け】からのUCとかやね。
ヒットアンドアウェイ大事やね。
たまには【挑発】してもええかも。
UCは基本的には多数相手に【剱神楽】、とどめには【天狼】、牽制や巨大な敵相手には【白灼の殲刃】、無力化狙う時は【三弁天】【鬼薊】ってとこやね。まあ柔軟に、やわ。
基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。


水鏡・怜悧(サポート)
詠唱:改変・省略可
人格:アノン
NG:エロ・恋愛
「楽しめそうだ」「美味そうだな」「ヒャハハハハ」
行動優先順は1.NPC含む他者の救助、2.攻撃。ホントは敵を喰う方を優先してェんだけど、ロキが煩せェからな。
UDCを纏って獣人風の格好で戦うぜ。速度と勘を生かして攻撃を避けつつ、接近して爪で切り裂くか噛みついて喰うのが得意だ。UC使った遠距離攻撃もするが、銃はちょっと苦手だ。牽制に使ったりはするけどな。
技術的なヤツとか、善悪論とかは苦手だし、興味もねェ。楽しく殺して喰えれば満足だ。喜怒哀楽は激しい方だが人として生きた経験は短けェからな。価値観とか常識は知らねェよ。まァヤバイときはロキが止めるだろ。



●嘲笑うがごとく

 ボォ!! と噴煙の中から遺骸の甲殻が飛び出した。速い――その巨体で加速、重量という物理を持ってすべてを押し潰さんと深紅の骸骨が黄金の爪を振るう。

『ハハハハハハハハハハハハハハ――』
「ヒャハハハハハハッ」

 その一撃を真っ向から受け止めたのは、異常集中による筋力を増大させた水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)――否、アノンだ。圧倒的質量差、それをただの筋力で拮抗させる剛力、アノンの踏み込んだ足がゴゥン! と床に亀裂を走らせた。

「させへんよ」

 そして、その遺骸の甲殻が振るう黄金の爪を横から蘇芳一文字の一撃で軌道を逸したのは、雲母坂・絢瀬(花散る刃・f23235)だ。それに合わせ、アノンが力づくで鉤爪を横へ、ズガン! と鉤爪が床に突き刺さる!

「ミルケンピーチ、参上!」

 そして、ミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)の突撃に遺骸の甲殻の巨体が後退した。ガリガリガリガリ! と火花を散らし、甲殻の足が床を削る――アノンと絢瀬、ミルケンの三人によるコンビネーションで押し切った……そう思った直後だ。

「鉤爪が降ってくる」

 サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)の鋭い声に、三人が散る――直後、ヒュガガガガガガガガガガガガ! と膨大な数の怨念の宿る甲殻爪の鈎爪がその場に降り注いだ。

 もしも、サエの指摘が遅れていれば、あの鉤爪の豪雨に晒されていただろう。そうなれば、致命傷に至らなくても無傷ではすまなかったはずだ。

『ハーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!』
(「油断も隙もない」)

 観察に徹していたからこそ、サエには見えた。吹き飛ばされた瞬間に、遺骸の甲殻が上に向かって射出していたのだ。巨大すぎるその巨躯を遮蔽物にした『置き土産』、考えての事ではないだろう。完全に、本能がなせる技だ。

 ミシリ、と遺骸の甲殻の深紅に染まった骸骨が軋みを上げる。今のなお膨れ上がる死の呪い、それに比例して力を増していく――。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 命も、己さえ嘲笑い、遺骸の甲殻は動いた。

●死とは常に傍らにある――

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』
「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 二つの笑い声が、高速で交差する。遺骸の甲殻と、アノンだ。鈍器や重機を思わせる遺骸の甲殻の鉤爪にアノンはただその身一つ、獣の機動で並び立つ。

 ドン! と放たれる衝撃波、それをアノンは横の壁を蹴って飛び越えた。バキン! と波紋のように壁に見ざまれる亀裂、それが怨念呪詛の衝撃にどれだけの圧力があるのか如実に語る。

「こっちや!」

 その間隙に、遺骸の甲殻の懐へと滑り込んだ絢瀬が放つ蘇芳一文字が脚の一本を節から切り飛ばす! グラリ、と体勢が崩れたそこへ、ミルケンが跳んだ。

「ご褒美あげるから手伝って! ライディングピーチ!」

 パンゲア大空洞で手懐けた恐竜を召喚したミルケンは、そのまま翼竜の背に騎乗。上から遺骸の甲殻を抑え込もうと挑みかかる。だが、その翼竜を遺骸の甲殻は鉤爪で受け止めた。

「わわわ!?」

 ブン! と投げ飛ばされた翼竜は空中で旋回、ミルケンもその背にしがみついて落下に耐える。

「下がって」

 サエの声に、猟兵達は遺骸の甲殻から間合いを開ける。呼吸を整え、ミルケン――桃姫はこぼした。

「本当、あの鉤爪が厄介です」
「そうだね」

 同じ感想を抱いていたサエは、遺骸の甲殻から視線を外さない。攻撃も防御も反撃も、あの鉤爪が基点だ――あれの動きを抑えなければ、厳しい。注意深く観察して、サエはそう判断を下した。

 ならば、その基点を封じるまで――サエは、自身の髪へと手を伸ばした。

「繋げて」

 その言葉で、充分だった。再び前へと出る遺骸の甲殻、質量と頑強さを売りにした捨て身の一撃――それをサエは真っ向から待ち構えた。

『ハハハハハハハハハハハハハハハ――ッ――』

 不意に、遺骸の甲殻の嗤いが止まる。まるで空中に固定化されたように、付き出そうとした鉤爪が静止したからだ。

 ミシリ、と黄金の鉤爪が軋みを上げる――種は簡単だ、サエが張り巡らせていた狐糸「舌端」、その糸が絡め取ったのだ。だが、狐糸は耐えられてもそれを支えている壁や床が耐えきれない――その前に、ミルケンが乗る翼竜が頭上から遺骸の甲殻を押し潰すように抑えた。

「頑張ってください……!」

 翼竜へと向けられるミルケンの言葉。ギシギシギシギシ! と深紅の頭蓋が軋む――そこへ真っ直ぐにアノンが駆け込もうと身構えた。

『――ァハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 だが、そのアノンへと遺骸の甲殻は一本の鉤爪を射出する。カウンター気味に迫る、太すぎる黄金の爪。だが、アノンは決して止まらない――!

「穿て――」

 その黄金の鉤爪を蘇芳一文字の神速の三段突き、天狼で穿ったのは絢瀬だった。砕け散る黄金、その輝きの下をアノンは疾走。

「てめェも喰らい尽くしてやるぜ」

 アノンの牙が、ついに遺骸の甲殻の深紅に染まる骸骨の一部を食いちぎり――渾身の爪撃が吹き飛ばした……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

リオ・ウィンディア
なんだか笑い上戸な骸骨さんなの?
拍子抜けしちゃうわ、あんまり怖くない・・・
でも、その鉤爪は痛そうね、それはあまり食らいたくない
【第六感・早技】で回避して
呪詛には呪詛で・・・浄化しちゃうわ!

UC発動、呪詛に反応する幽霊とその触手
そして、それに触れたものは片っ端から【除霊・浄化】を試みるわ

いろんなお骨さんがいるけれど、電子の骨は電子だけあって騒がしいのね
死者に対する礼儀がなってないわよ



●死を忘れるなかれ

 遺骸の甲殻、その深紅の頭蓋が軋む。だが、それはあくまで物理的な話。その奥底にまで染み付いた呪詛は、一切陰りを見せていなかった。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』
「なんだか笑い上戸な骸骨さんなの? 拍子抜けしちゃうわ」

 あんまり怖くない……というのが、リオ・ウィンディア(黄泉の国民的スタア・f24250)の正直な感想だ。しかし、怖さと脅威であるというのはイコールではない。

「でも、その鉤爪は痛そうね、それはあまり食らい――」
『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 言葉の途中で、遺骸の甲殻がその鉤爪を振り下ろす! ガゴン! と床に刻まれる亀裂、巻き上がる噴煙を見ながら、リオは言った。

「――たくなない」

 遺骸の甲殻が動いてからでは、間に合わなかった。リオの第六感と、早業の合わせ技だ。遺骸の甲殻が動く、その前に攻撃の軌道から身をかわしていたのだ。

「Bienvenidos! この世ならざるもの達よ!」

 Mundo alienígena(モンド・アリエニジナ)――リオが召喚したのは、あらゆる呪いが幾重にも重なった触手で武装した首無し幽霊を大量に乗せた巨大な一つ目だ。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!』

 ドドドドドン! と遺骸の甲殻が、鉤爪を射出していく。その軌道から、床を蹴って身をひるがえしたリオは、呟く。

「いろんなお骨さんがいるけれど、電子の骨は電子だけあって騒がしいのね。死者に対する礼儀がなってないわよ」

 首なし幽霊と巨大な一つ目が、遺骸の甲殻へと迫る。その触手が、遺骸の甲殻の鈎爪へと絡みつき――そこに宿る、強大な呪詛を浄化していった。

「呪詛には呪詛で……浄化しちゃうわ!」

 リオの意志に応え、次々に首なし幽霊達が触手と共に遺骸の甲殻へと襲いかかっていく。呪詛と呪詛、まさに喰らい合うように二つの呪詛が鎬を削った……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヒッツェシュライア・テスタメント
ロイド(f01586)と共に

良い性格をしたオブリビオンだ
嫌いでは、ない

「俺は呪術使いでもある。故に耐性もある」
攻撃は【オーラ防御】【結界術】【呪詛耐性】で耐えつつ
耐え抜いたら、【全力魔法】【高速詠唱】でUCを素早く発動させよう
『無名祭祀書(写本)』をUCに、『Vodyanoy』を呼び出して花びらに紛らわして潜めておく
「(……痛い、痛いが。これも、倒す為の手順だ)」
【第六感】【戦闘知識】【情報収集】でオブリビオンの動きを見て、攻撃の手を一瞬でも止めたらVodyanoyに攻撃する様に指示を出そう
「さっさと、壊れてしまえ。お前なんぞ、型遅れの存在は現代には不用、だ」
それに、色々と合わん世界だろう?


ロイド・テスタメント
ヒッツェ(f16146)と共に
共闘、アドリブ可

さて、あれが大元か……

攻撃は【第六感】と『Virgin of Nuremberg』で【武器受け】とめる
「蹴散らせ、今まで与えたソレを使う時だ」
UCを使い、鈎爪を全てを落とすつもりで耐える
「数に限りはあるのは確かだろう。だが、俺が倒れるのが先か……貴様が尽きるのが先か!」
【追跡】で深紅の花びらを『鉤爪』と『遺骸の甲殻』を確実に当てよう
「この程度なら、まだまだ戦える!!」
【暗殺】【戦闘知識】で近付いて『Τισιφόνη』で切り裂いてやろう
「さぁ、無へ帰れ……もう、貴様の場所は……いや、元からないのかもしれんな」
多少の怪我は気にしません



●呪いの果に至る場所

 なおも止まらない深紅に染まる遺骸の甲殻に、ロイド・テスタメント(全てを無に帰す暗殺者・f01586)はVirgin of Nurembergを構えた。

「さて、あれが大元か……」

 砕けた床を跳ね上げながら、遺骸の甲殻が駆ける。ジジジジ――! とノイズを走らせる深紅の呪いは、止まらない。例え傷を負い、呪いを抑え込まれようと、それ以上の呪詛と嗤いで踏み越えるのだ。

『ハーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!』
「良い性格をしたオブリビオンだ。嫌いでは、ない」

 ヒッツェシュライア・テスタメント(死を恐れぬ魔術師・f16146)が、そう小さく言い捨てる。呪いとは世界へと向ける感情だ――負の感情だけではない、時に正の感情でさえ呪いになる。

 救いが足元を掬うのだ――だからこそ、呪いとは救い難く世界と分かたれない。

「俺は呪術使いでもある。故に耐性もある」
『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 放たれつ遺骸の甲殻の呪詛を乗せた衝撃波に、ヒッツェシュライアは無名祭祀書(写本)を開きその上に手を置いた。

「舞え、舞え、花蘇芳の木の枝にぶら下がり願って咲いた花は――裏切り者が死ぬまで枯れぬ呪いの花、だ」

 バババババババババババババババババ! と乱舞したページが、花蘇芳の花びらに変えて展開する――裏切りのもたらす死を散らせ、ヒッツェシュライアは小さく呟く。

「(……痛い、痛いが。これも、倒す為の手順だ)」

 その花びらに構わず、遺骸の甲殻は黄金の鉤爪を振るった。それを迎え撃つのはロイドだ。

「求めよ。飲んでも、潤されぬその鉄の喉に……放て、血の花びらよ。ブラッディーメアリー」

 構えていたVirgin of Nurembergから、深紅の花びらが溢れ出す。Virgin of Nurembergは鉄の処女の形をした己や他者の血液で動く「戦闘用処刑道具」だ、それはまさに中からこぼれる血を思わせた。

「数に限りはあるのは確かだろう。だが、俺が倒れるのが先か……貴様が尽きるのが先か!」
『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 深紅の花びらと射出された鉤爪が、空中で激突する! ギギギギギギギギギギギギギギギン! と火花が散る中、ロイドと遺骸の甲殻は鎬を削った。

 だからこそ、『時間』ができる――ヒッツェシュライアが、遺骸の甲殻の動きを覚えるための『時間』が。

「この程度なら、まだまだ戦える!!」

ロイド自身が、前に出る。深紅の花びらを引き連れて疾走、音もなくΤισιφόνηを抜き――。

『ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 その瞬間を、遺骸の甲殻は見逃さない。地面に叩きつけんと振り上げられる鉤爪。当たらなくてもいい、足場を破壊すればそれだけで時間を稼げるのだから。

 だか、振り下ろしたはずの鉤爪が、『水』によって食い止められる――ヒッツェシュライアが忍ばせていた、Vodyanoyだ。

「Vodyanoy!」

 ヒッツェシュライアが名を呼ぶだけで、鮫の姿をした水の精霊Vodyanoyは低く遺骸の甲殻の足を『噛み』砕く! 甲殻の複数の脚、既に断ち切られていた事もあり崩れた体勢を立て直す隙がない。

 それをヒッツェシュライアは遺骸の甲殻の動きを観察し、読み切っていたのだ。

「さっさと、壊れてしまえ。お前なんぞ、型遅れの存在は現代には不用、だ」

 それに、色々と合わん世界だろう? とヒッツェシュライアが言い捨てるのと同時。死角へと回り込んだロイドがΤισιφόνηを逆手で振るう。

「さぁ、無へ帰れ……もう、貴様の場所は……いや、元からないのかもしれんな」

 断ち切られる深紅の頭蓋、ズルリと巨大な頭蓋骨がズレるとノイズと共にかき消えていく。

 見れば、ノートパソコンには『404 not found』の文字が踊っていた。それは死の呪いを振りまく深紅の骸骨の呪いが消え去った瞬間だった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年07月10日


挿絵イラスト