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大祓百鬼夜行㉓〜オリジナルのメモリ、良いよね……

作者：黒代朝希

「はー、やっぱ二人で一つのあのシリーズは最高やなぁ。探偵ものとしてもしっかりしとるし、使うデバイスのメモリ……主人公側も敵側もそれぞれ特徴的なメモリを使っているのが良いなぁ。いつも以上に相性や能力バトル物としての戦いが見ものや」
　そう呟きながら原作である実写特撮媒体からアニメ、漫画版の『メモリ使い』の物語を漁っていく新し親分『バズリトレンディ』。
「……せや！どうせやったら猟兵さんたちとの闘いで使うとするか！ワイちゃんのユーベルコードならメモリを本当に能力バトルに使えるようなルールを作って戦ってみるか！」
　そう叫んだ直後、新し親分『バズリトレンディ』は「バズリトレンディ御殿」に風を吹かせると同時、周囲にメモリっぽいデバイスを顕現させていく。
「うわー、一度色んなメモリを使って怪人と主人公との闘いをやってみたかったんやー！……まぁ、ワイちゃんが怪人側やけど……それもアリと言えばアリやな！」
　そう含み笑って、新し親分『バズリトレンディ』はメモリが溢れる「バズリトレンディ御殿」にて、金色のメモリを手にして玉座に座るのであった。

「という事で、自分だけのメモリを考えて手にしてみよう！」
　そうグリモアベースでレーヴァ・アークルージュ（超学園級の烈焔魔導士・f29627）は集まった猟兵にそう告げる。
「『メモリ使い』の物語にはまった新し親分『バズリトレンディ』は『流行』を操るユーベルコードを用いて、本当に力を持っている『メモリ』を作成しているよ。勿論、本質的には共闘だから私達猟兵のメモリも作ってくれるよ」
　その創り出されたオリジナルの『メモリ』を用いて、新し親分『バズリトレンディ』と戦う。それが今回の依頼だ。
「オリジナルのメモリを創り出したなら、それがどんな能力を持つメモリなのか紹介して戦えば、ハートも付くと思うよ」
　この戦場が『バズリ形態』との闘いである以上、創り出したメモリの性能を紹介して強化するのもアリだろう。
「メモリが気に入ったなら自分の者にしてもいいんじゃないかな？それじゃあ、頑張ってね」

第1章 ボス戦 『新し親分『バズリトレンディ』バズリ形態』

POW   :    HPAH 単純で重い【ハンマーパイナッポー＆アッポーハンマー】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。 SPD   :    タピオカボディ 自身の肉体を【もちもちのタピオカ】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。 WIZ   :    いいねストーム レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【ハートマーク】で包囲攻撃する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「OK、新し親分、バズリトレンディ殿！これがワタシのセッティングしたメモリデース！」
　そう四つの青、白、黄、緋のメモリを取り出して新し親分に突き付けるのはバルタン・ノーヴェ（雇われバトルサイボーグメイド・f30809）。
『アズールドラゴン！』
『ホワイトタイガー！』
『ブラックトータス！』
『フェニックス！』
『四聖獣のメモリか！』
「その通りデース！」
　そうして、盾形のデバイスを取り出して四つの挿入口にそれぞれのメモリを接続していくバルタン。
「気が付いてマスカ？山本親分の『白虎』、竜神親分の『青龍』、同じく金属と土繋がりの西洋親分の『玄武』……そして、何度でも蘇る不死鳥の如き新し親分の『朱雀』、『不死鳥』の繋がり！」
「お、おお！西洋親分と『玄武』はちょっと無理あるかなと思ったけど、ワイちゃんが不死性繋がりで『不死鳥』こと『朱雀』ならありか！」
「その通りデース！」
『ロゴスイグニッション！』
　マキシマムなドライブじゃないのかって？ぼかすよ、流石に。
　それはともかく、
「戦いの中で芽生えた強敵との絆を今ここに！行きマース！——『フォースカーディナルハリケーン』！」
　四つのメモリから解き放たれた聖獣のエネルギー、それが東西南北と言う四方から縦横無尽に駆け巡って新し親分を蹂躙していく！
『うおおこれは凄いわぁ！』
「そうデショーそうデショー！」
　何かボトルの如くヤベーイとも叫びそうな表情と勢いで答えた後、クルっと背後に振り返るバルタン。
　直後に、背後で新し親分が爆発した（ちなみにまだピンピンしています）。

「ほう…面白そうだねえ。んじゃ、コレ作れる？」
『はいはい、ワイちゃんのユーベルコードならどんなメモリも作れると自負しているで！』
　好奇心旺盛なリーゼロッテ・ローデンヴァルト（リリー先生って呼んでよ・f30386）の要請に応じ、メモリの内容を記したメモを覗き込む新し親分。
　――『マトリクス・メモリ』
　『発生源』の記憶を封じた、金色端子（ゴールド）メモリ。
　ラベルは「背景が格子状で、ロゴは左右フレームと炉心で象る【Ｍ】」で構築されている。
　能力――『現象の物理的再現』
　『発生源』の記憶を封じている以上、あらゆる現象の『発生源』を用いて現象を物理的に再現するのマトリクス・メモリの能力。
『いや、強すぎへん？理想郷さんがビックリの強さやん』
「何でも、合わない獅子よりも合う鼠の方が強いとの事だけど」
『これ獅子ちゃうで、フェンリルや……まぁ、作るのやけど』
　そうして、創り出されていく金色端子（ゴールド）メモリ。
　外殻は黒とクリアグリーンでインジケータは一部クリアピンクという構成のメモリは、完成した瞬間リーゼロッテの手元へと飛んでいく。
「キャバリアへ組み込む際は『キー形態』に変形……うん、ばっちりだね」
『ちなみに、なんでそんなメモリが欲しいんです？』
「『現象の物理的再現』と言う能力ならば……アタシが苦手とする魔法、その疑似再現さえ可能だからさ。これでアタシはオールラウンダーになったという訳」
　つまりは、強化という事だ。
　やがて、『ナインス・ライン』の機体——その両手に「発生」した雷属性魔法。それを用いてリーゼロッテは大量の電撃を放っていく。
「ヒャッハー♪どうよ？絵的にも映えるでしょ、この豪雷っ」
『……医者に『気象』クラスのやばい事してしもうたかな、これ』

「メモリ使って戦うなら、やっぱ豪華に６本セットからの二本同時使用っしょ！」
『せやなー！それもロマンあるよなー！あ、うちが黒焦げなのは気にせんでええよ』
　次に現れた猟兵パトリシア・パープル（スカンクガール・f03038）の持つ六ツのメモリを見て微笑ましい感情になる新し親分。
「まずは黄色と赤のメモリをセット！」
『【Lightning】！【Ace】！』
「文字通り、雷の魂と英雄のボディを自らに宿してくれるわ！」
『また雷攻撃やけど原作愛に満ちていてええな！』
　そう言って雷を纏った肉弾戦を仕掛けてくるパトリシアにハンマーパイナッポー＆アッポーハンマーを用いて対処していく新し親分。
「と、ここでメモリチェンジ！」
『【Cool】！【Fencer】！』
「冷気の剣士……クールやなぁ」
　繰り出されるのは素早い斬撃と冷凍攻撃。相手の体を凍結させてきを鈍らせ、その剣士の高速機動を以て翻弄していくその戦闘スタイルは正しくスピードタイプの理想。
『対になるようにしたんか！ええな！』
「その通り！最後、行くわよ！」
『【Sol】！【Archer】！』
『うお、太陽の力と弓兵の力って……！』
「火力だけじゃあないわよ」
　そう呟くと同時、パトリシアの体が分裂していくではないか。
　太陽の力を用いて光学を操作し、蜃気楼を発生させているのだ。
『って、熱っつ！ちゃんと高熱の矢も放てるんか！』
「ええ、そろそろメモリブレイクよ！」
　【Ace】のメモリを取り出し、弓に差し込むパトリシア。
『【Ace】ロゴスイグニッション！』
「しっかりブレイクしてあげる！——エース・カッター・ホイール！」
　弓矢から解き放たれた空間さえも切断する刃の円刀。それが精密な制度と高出力でパインごと新し親分を真っ二つにしていく――！

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「このメモリを使って戦うのです？でもこれは……」
　手元にある【G】のメモリを見つめながら七那原・望（封印されし果実・f04836）はユーベルコード『Laminas pro vobis』で赤い光から生まれる武器と礼装を創り出し、七那原・エクル（ツインズキャスト・f07720）の武装の追加パーツを装着していく。
「戦う前にこのメモリについて説明しておきましょうか。使った後は説明出来ないので」
「良いよ、何のメモリだい？」
「『ギフト』、祝福の記憶のメモリです」
　そうして『ギフトメモリ』を起動させる望。
「『ギフトメモリ』は使用者の姿を果実に変換し、その果実を手にした人に取り込まれる事で取り込んだ人の能力を大幅に進化させるメモリなのです」
「純粋な他者強化・支援用のメモリ何だね……」
　必要な事を告げると同時、望は『ギフトメモリ』を用いて自らを果実に変換してエクルの装備へと同化する。
「（これ、取り込まれている間も当人とは会話出来るのね？）」
「その様だね。……しかし、様々な能力を秘めたオリジナルのメモリによる戦闘……実に興味深いね」
　そう呟いてエクルはあるブロンズ端子のメモリを手に取る。
「ボクの使うメモリはコイツだ……」
　「W」の文字の意匠が施されたメモリを掲げるエクル。そのロゴは一見して崩れそうな「W」であり……
「このメモリの名は『ウィーク』……『薄弱』の記憶を宿したメモリさ」
　そうしてメモリを起動させると同時、そのメモリが自動的に在るべきところへと納まっていくではないか。
「こいつとボクの適合率は99.98%……まさにボクのためにあるかのようなメモリだね……」
　そう笑みを深めると同時、エクルは『ウィーク』の能力を発動する。
「このメモリの能力は指定した対象の持つ「存在」や内包する性質を「希薄」にしてしまうのさ」
『お、おお？ハンマーパイナッポー＆アッポーハンマーが軽っる！！』
「文字通り気配を薄くしたり……重さを「希薄」にすることで軽くしたり、ね」
　その能力、最早ブロンズの域にあらず。合う鼠の究極系とも言えるその凶悪な能力、それは使用者を選ぶだけでなく牙を向くこともある下手なゴールドよりも強い。
「さぁ、行こうか望。『ギフト』との力も合わせれば勝てない敵じゃない」
「（了解なのです。えくるんをサポートするのです）」
　体内から響く望の声を聞き、満足げに頷くと同時に新し親分の体を掴んでいくエクル。
「いくらハンマーパイナッポー＆アッポーハンマーが重たくて破壊力があったとしても、このメモリで重さと威力を薄くしてしまえば簡単に投げ飛ばせちゃうんだからねー！」
「（これでフィナーレ！なのです！）」
『フィナーレは指輪のやつやぁ～！』
　ぶん投げられた新し親分の声は、救急車のサイレンの如くドップラー効果を生み出して遠くへと消えていった……

「大体わかったわ。古代からある概念のメモリが強力な性能を発揮することが多いようね」
　『メモリ使い』の物語を読了し、卜一・アンリ（今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623）はあるメモリ……銀のコネクタを持つメモリを手にする。
「私が創り出すのは『執刀』のメモリ！」
　古来、人が刃を医術に用い始めたのは古く古代エジプト時代までに遡るほどとされている。麻酔無き時代でも使われたという事は、『執刀』と言う概念がそれほどまで古くから人類の益となるという証と言えるだろう。
「これは人が生死の境目を刻み探り続けた技術を司るメモリ！」
『サージャン！』
　その言葉と同時、『執刀』の記憶を内包するシルバーのメモリ――『サージャンメモリ』をアンリは起動させる。
「『サージャンメモリ』の能力は『物質・非物質を問わず対象の任意部位の切除』！」
　『執刀』は刃物を用いて体内から不適切な部位・物体を取り除く事。
　故に、その能力は『不適切な概念を切除して取り除く』事に特化している。
「真っ向勝負の方がきっとバズるのでしょう？」
　だが、相手は新しい妖怪達の総大将たる新し親分。そんな存在が問答無用で任意部位の切除を行える霊格を有しているはずはないだろう。
「（故に、接近した際に肉体だけを傷付けず、骸魂のみを『切断』……『切除』する！）」
　それを狙って近接戦闘状態――『サージャンメモリ』によって顕現した多数のスカルペルを振るって新し親分の攻撃を凌いで行くアンリ。
「（メモリの力を信じるわ……オブリビオンを斬り、貴女を救う。それがこの場で一番バズる展開ではなくって？）」
　心中で呟くと同時、アンリが手にしたスカルペルが骸魂の核を切り裂き、露出させていく。
「そこっ！」
　即座に、自律操縦するスカルペルの群れが骸魂の核を摘出せんと襲い掛かっていく――！

『いやぁ、おかげで逃げ出したはいいけど……もうすぐ戦闘不能になるなぁワイちゃん』
　そうして、何とか逃げ出した新し親分は自身の手にした『トレンドメモリ』を見つめる。
『これを使って『流行』……ワイちゃんそのものと言える事象を強化したけど、猟兵さんはそれ以上やなぁ』
　そうして、顔を上げる。その視線の先には、實生・綿糸楼（二代目實生忍軍棟梁・f31351）の姿があった――

「たしかUDCでやっていたというヒーロー番組だったな。風と共に駆け、運命の切り札をつかむ。実にかっこいいではないか」
　そうして古風な武士然とした振る舞い――その実態は新しい妖怪スカイフィッシュたるくノ一は、とあるメモリに目を奪われる。
　そのメモリに表示されているラベルには……『湖の影から延びる首が「N」の字』が。
「なるほど、私の生き様ではなく、在り方に共鳴したか……」
　同じUMA同士、親和性は非常に高いと推察できるだろう。
「『ネッシーメモリ』——身体強化に加え、潜水、潜地能力が存在するようだ」
『ネッシー！』
　そうして『ネッシーメモリ』を起動させた綿糸楼は、巨大な首長流となって潜地を開始する。
「（成程……巨大生物の記憶らしく力も増大しているようだ。防御されるようなら力づくで殴り飛ばそう）」
　そう地中を泳ぎながら『ネッシーメモリ』の力を確認した少女は、己の『スカイフィッシュ』としてのスピードを活かして地中から奇襲を仕掛ける。
「おお、凄まじいパワーだ……親和性の高さによって、私が元から有していたスピードとメモリの力によるパワーが相殺されていないとは……」
　これも、『合う』メモリの強味と言えるだろう。
「では、極め技だ」
『ネッシー！ネッシーロゴスイグニッション！』
　そうして人の形態に戻った綿糸楼はこの戦場を終わらせるべくメモリを手裏剣に装填する。
「名は……ここは『メモリ使い』らしく……ネッシーグラウンドアサルト、とでも名付けるか」
　瞬間、巨大化した手裏剣が地中に潜り、相手の足元から飛び出して新し親分を切り裂く――！！

『ハハハ……結構楽しかったなぁ』
　そう呟く新し親分。その身体は末端が光の粒子となっている。
　ネッシーグラウンドアサルトによって完全に骸魂の核が破壊されたのだ。
『あの作品の続きを見たいから……百鬼夜行、頑張ってな』
　そう告げると同時、完全に光の粒子となっていく新し親分――
　その後には、金色の『トレンドメモリ』が残っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年05月27日