大祓百鬼夜行⑤〜霊山攻略作戦(撃破編)
「皆さん、連日の大祓百鬼夜行、お疲れ様です。竜神が住む霊山への道が開かれました。今回はその霊山を攻略していただきたいのです」
その場に集まった猟兵達に説明を始めた炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。今回攻略する霊山は迷宮となっているらしく、正規の道を通らねば最奥へ辿り着く事は不可能な模様。その正規の道とは数千本もの「連ね鳥居」で出来た道。この中のみが霊山を突破する唯一の道との事だ。
そして…。今、猟兵達は瑠美が話をしていた第一区画である長き道を走破した。1時間という制限時間があったゆえ、かなりの強行軍となったが何とかなったようだ。
息を整えながらその先にあると思われる区画について、瑠美が話をしていた事を思い出す。
確かこの先の区画はドラゴンとなったオブリビオン達が徘徊する区画、との事だった。
また、先程の区画と同様「連ね鳥居」の中から飛び出すような行為は避けねばならない。この外はパッと見ではわからないが、異界に繋がっているようだ。飛び出してしまったらこの作戦中の復帰は絶望的となるだろう。
「連ね鳥居」の中という限定された空間での行動を強いられる今回の作戦。鳥居の上を飛行したりはNGだし、鳥居の大きさからキャバリアでの出撃は出来ない。そう瑠美からも言い含められてここまで来た。やはり、この先の区画も同じ事が言えるようだ。
状況確認を互いにしあった猟兵達は息も整った為、次の区画へ足を踏み入れる。さて…件のドラゴン達は…?辺りを見渡すがそのようなドラゴンなど見当たらない。その代わりにいくつもの石像が立ち並んでいる。
…?いや、おかしい。何かがおかしい、この石像は。猟兵達はその違和感に身構えると、その直感が正しかった事を理解した。立ち並んでいた石像たちが動き出したのだ。動き出すと同時に石像達は一瞬にして姿をドラゴンへと変えていく…。
石の守護者『キンバーライト』を取り込んだドラゴン達。しかしドラゴンと言っても大型の物ではない。この「連ね鳥居」の中で行動が可能なくらいの大きさのものだ。だが、既存のオブリビオンより強化されている事は間違いないだろう。
そういえば…。瑠美が転送の際に最後に話をしていた事を猟兵達は思い出した。
「相手はドラゴン化するにあたり、その強力な力と引き換えに弱点も持つ事になったようです。その弱点となる『逆鱗』ですが、相手の額、おでこの部分ですね、そこにあるみたいです。それを攻撃出来れば一撃で決着をつける事が出来るみたいですよ?」
『逆鱗』を攻撃する事で妖怪と骸魂が分離するようだ。結果として妖怪も救助可能となるこの『逆鱗』をなんとか攻撃出来る隙を作らねば…。
猟兵達は目の前に立ち塞がるドラゴンを前に各々の武器を構えるのだった。
黄昏空
MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオは戦争シナリオ、1章で完結します。『霊山攻略作戦』の後半戦をお届けします。このシナリオからの参加も歓迎です。(その場合も前半戦の区画を一緒に突破して来たものと想定して描写します。一本道ですので)
今回は集団戦、オブリビオン『石の守護者『キンバーライト』』が霊山の霊力を取り込んでドラゴン化して襲い掛かってきます。
OPにも記載されていますが、連ね鳥居の中で戦う必要があります。ここより出てしまうと異界に飲み込まれ戦線への復帰は絶望的となります。くれぐれもお気をつけ下さい。
敵はドラゴンの姿となった事で既存の『石の守護者『キンバーライト』』の使う攻撃の強化版となる攻撃を仕掛けて来るでしょう。相手は額の部分に逆鱗があり、この場所を攻撃する事で一撃で倒す事が出来ます。弱点ともいえるこの部分への攻撃を無論相手も警戒している事でしょう。どうやってその逆鱗の部分を攻撃するか、がカギになって来ます。
プレイングボーナスは「連ね鳥居の中で戦い、敵の逆鱗を攻撃する」です。
OP公開と共にプレイングの受付は開始します。採用は5人前後の想定でいます。執筆は5月21日の夜から開始する予定でいますので、その際に送られて来たプレイングから採用させていただくつもりです。人数が想定より多い場合は、採用者を執筆のたびごとにランダムで選定させていただくつもりです。また、人数が多数出ない場合もシナリオ構成の形から送られて来た順とは異なる順で採用される可能性はあります。
前編からの参加者様だけでなく、この(撃破編)からの参加者の方も大歓迎です!
それでは、皆さんのご参加をお待ちしております!
第1章 集団戦
『石の守護者『キンバーライト』』
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POW : 空中強襲
【空中】から【地上への強襲】を放ち、【力強い拘束】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 石群像罠
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【石化ガスが噴き出す石像】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ : 石化鋭爪
【石化効果のある鋭い爪】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:なかみね
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎
『連ね鳥居』の中で戦うというのなら、わしの出番であるか。
相手も同じことゆえ、空中が近いのよな。第六感と見切り活用して回避しようか。
で、こうすると自然と近接戦になるのよな。
わしが主に、黒燭炎での二連続突き攻撃で攻めるが…ああ、分かりやすく言うと囮なのよ。
本命は…わしの影におり、わしとは別に動ける陰海月。広義分類が武器であるがゆえに、指定UCの影響を受けるもの。
下からの長い触手による竜屠属性のついた攻撃。さて、どうやって避ける?
※
陰海月、攻撃するまで、じっと影にて待機している。ぷきゅぅ。
「『連ね鳥居』の中で戦うというのなら、わしの出番であるか」
四人で一人の複合型悪霊である馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の中で、武の天才である第三『侵す者』が表層に出て来た。黒燭炎と呼ばれる黒いスピアを手にドラゴンを迎撃する。
ドラゴンは飛翔し義透に襲い掛かろうとするが…。
「空中が近いのよな。それでは折角の飛翔能力も活かせはしまいて」
そう、飛翔とは言ってもこの『連ね鳥居』での戦いの為、「宙を浮く」という程度の事くらいしか出来ないのも事実。狭き空間内ではその能力も宝の持ち腐れだ。空中からの強襲も、高度が取れないこの場ではその本来の力を発揮出来ない。威力も速度も、だ。
義透はドラゴンの攻撃を第六感と見切りでひらりと躱していく。振り上げられた前脚による一撃を回避し、横薙ぎの一撃は黒燭炎で軌道をずらし捌き切る。
自然と義透とドラゴンの戦闘は近接戦へと持ち込まれていく…。相手は高度を活かした戦いが出来ず本来の力が発揮出来ない。とはいえ、こちらとでドラゴンとしては小ぶりではあるものの、この狭い空間での近接戦闘だから黒燭炎でのの二連続突き攻撃も仕掛けにくい。お互いに出方を探る膠着状態となっていった。
「このあたりは想定内だの。互いに決め手に欠けるわけだが…」
しかし、そのような状態の中も義透には焦りはない。戦いは相手の二手三手先を読む事こそ重要なのだ。相手は肉薄する義透に集中している、当然だ。だからこそ、この手が打てるのだ!
「わしの本命は別にあるでの。出番じゃ陰海月!」
「ぷきゅぅ!」
義透の声に応えるように、義透の影に潜んでいたミズクラゲの陰海月の長い触手がドラゴンに襲い掛かる!
「今の陰海月はわしのUCの影響下にあるのでな。という事は、こういう事だ!わしの一撃、受けきれるか!」
義透に肉薄状態のドラゴンにその攻撃を回避する手立てはない!地面をも穿つ陰海月の一撃はドラゴンにクリーンヒットした。
かろうじて防御態勢を取るのが精一杯だったドラゴン。しかし陰海月の触手は竜屠属性のついた攻撃であった為、その一撃は無慈悲にも防御した腕を粉砕する!堪らず悲鳴を上げるドラゴン。
「ほぅ、今の一撃を耐えきったか。とはいえ、その腕ではもう戦えまいて。それでも、まだやるつもりか?」
威嚇するように義透に今だ健在の片手を振り上げる。だが、その一撃は空を切る。
「だから言ったであろう。もう戦えまい、と。既にバランスを欠いた重心からの攻撃などわしには当たらぬよ」
ドラゴンの一撃を回避し、一気に間合いを詰める!片腕を失ったドラコンは健在の腕の一撃を放った直後故に、その目と鼻の先まで肉薄した義透に対処が出来ない!
「これで終わり、かの」
相手の膝を足場に軽く跳躍した義透。その彼の目の前には無防備なドラゴンの額が。その額にある逆鱗に黒燭炎の一撃を叩き込むのだった!
額を穿たれたドラゴンはスローモーションの様に倒れ込む。その額より霊的な物体が抜け出ていった。
「まずは一体」
大成功
🔵🔵🔵
霧崎・紫苑
石化罠か
ならば、それを利用させてもらうとしようか
石像群と接敵した時点で自らの動力炉の出力をカット
更に『薬品ケース』から弛緩剤を自身に注射して完全なる虚脱状態に
その状態で、石化ガスを敢えて受けることでUC発動
ガスが晴れた瞬間、敵が油断している隙を狙い『メディカル・スキャニング・アイ』で逆鱗の位置を正確にロック
中和剤を注射して弛緩剤の効果をなくし、『武装医療鞄』に仕込まれた機関砲を単射モードにして正確に狙い撃つ
「捕捉した……そこだ!
敵が再びガスを放ってきても、UC効果で石化属性への抗体を生成しているため通用せず
敵のガスを逆に利用して【目立たない】よう立ち回り、容赦なく弱点を撃ち抜くとしよう
「む?あれは石化罠の石像か?ならば、それを利用させてもらうとしようか」
敵が生成した石像が何かのガスを噴出し始めたのを確認した霧崎・紫苑(機械仕掛けの闇医者・f32327)。これは好機と考えた彼は行動を開始する。
石像群と接敵すると彼は自身の動力炉の出力をカットする。紫苑の体はオブリビオンストームに巻き込まれた際の負傷によって肉体の半分ほどが機械で補っている。そんな彼が動力炉を止めるという事は自殺行為にも等しい。しかも戦闘中に、だ。
更に取り出したのは薬品ケース。闇医者でもある紫苑が普段から持ち歩いている薬品のストックが入ったケースだ。その中より弛緩剤を取り出し自身へ注射した。
そんな完全な弛緩状態の紫苑を石化ガスが包み込んだ。
自身が作り出した石像の前に飛び出し、無謀にもその石化ガスを受けた男。勝利を確信したドラゴンが、その石化した男を打ち砕く為ゆっくりと近付いていく。
ガスが晴れたその先にあったのは石化した男の姿ではなく…こちらに機関砲を構える男の姿だった!
「逆鱗の位置は捕捉した……そこだ!」
機関砲により額の逆鱗を撃ち抜かれた一体が、信じられないものを見た表情で崩れ落ちる。慌てて他のドラゴン達が再び男に向け石化ガスを放つが…。
「攻撃技の分析は完了した。今の俺に、同じ技は通用しない。覚悟しろ」
いつの間にか自分達の背後に回っていた男に声を掛けられ、慌てて振り向いたその一瞬を機関砲で次々と額を撃ち抜かれ処理されていく。
何故、紫苑は石化ガスを受けたはずなのに石化していないのか。最初に石化ガスを喰らったあの瞬間、彼はUC『超抗体生成』を発動させていた。このUCは脱力状態で敵の攻撃を受ける事でその効果を無効化する。そう、あの一見自殺行為にと思われた行動はこのための布石だったのだ!
石化ガスの効果を無効化すると共にその抗体を体内に作り出した紫苑は、それ以後敵の石化ガスに耐性が出来ていた。二度目以降はもう、通用さえしなかったのだ。徒に紫苑の姿を眩ませるだけのガスと化したも同然だ。
石化を無効化したと同時に紫苑は既に準備しておいた中和剤を注射し、弛緩状態を解除する。そしてガスが晴れる瞬間を待つ間に武装医療鞄に仕込まれた機関砲を単射モードに切替、その時を待っていたのだ。無防備に近付いて来るだろう敵を真正面から見据える為に。
紫苑の狙い通り油断し切ったドラゴンはまっすぐとこちらに近付いてきていた。紫苑は電子顕微鏡レベルの解析能力を持つ義眼で敵の額を確認する。弱点となる逆鱗の位置は正確に読み取れた。周囲の他のドラゴンもサッと確認したが、ほぼ同じ位置に逆鱗があるようだ。大きな個体差が見受けられない。
と、なれば…。もう紫苑に負ける要素など一切存在しなかった。
石化ガスはもう紫苑には通用しない。その事に気が付いたドラゴン達は必死に間合いを詰めその鋭い爪で切り裂こうとするが…。機関砲を構えた紫苑はドラゴンの接近を許さず一撃必殺で額を討ち貫いていく。
気が付けばその場に立っているのは紫苑のみ。あとは倒れ伏す石像の群れだけであった。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
小型自律兵器群による索敵。
複数の視覚情報から、周囲のドラゴン達の動きを捉え瞬間思考で判断。
「……敵を確認。破壊と、救助を遂行する……!」
精神は落ち着いている。目の前にいる倒すべき敵がいるのだから。
雷降拳銃から引き出した雷光を放ち目潰し、強襲を仕掛けてくる敵が自身を見失った隙に攻撃を掻い潜りスラスターで移動。散弾銃から、オーラ弾の重量攻撃を放ち、敵を吹き飛ばして体勢を崩す。
小型自律兵器達をUCで変形。移動力5倍・射程半減。
敵の皮膚に張り付いて走りやすい形状、爆弾付き蜘蛛の姿に変えて、体勢を崩したドラゴンの頭辺りへ投擲。額の逆鱗をピンポイントで爆破。
倒した敵には目もくれず、次の敵目掛けて駆ける。
気持ちも息も整った朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)も戦線に加わる。不思議と先程までスケルトン達の中を駆け抜けた時のような不快な感覚はない。これならば目の前の戦いに専念出来そうだ。
小枝子は素早く小型自律兵器群を展開すると周囲の索敵を開始した。次々と小枝子の元へ、自律兵器群よりドラゴン達の情報が送られてくる。その情報を瞬時に頭の中で解析し、勝利の為の最適解を導き出していく。
「……敵を確認。破壊と、救助を遂行する……!」
ここまでの行動には一切の淀みはない、流れるように行動に移す事が出来ている。先程までの精神状態が嘘のように今は完全に落ち着いている。目の前にいる倒すべき敵がいるのだから。自分は猟兵として、兵士として、任務を遂行するのだ!
ホルスターより取り出した雷降拳銃から雷光が放たれる。その雷光は小枝子に先制攻撃を仕掛けようとしていたドラゴンの一体の視覚を奪う事に成功する。
一時的に視界を奪われたドラゴンは我武者羅に攻撃を仕掛けて来る!だが、狙いの全く定まっていないそれらの攻撃は、小枝子に一度として命中しない。
その攻撃を掻い潜りスラスターで移動しつつ、今度は雷降拳銃から散弾銃へ持ち替える小枝子。
「まずは体勢を崩す!」
散弾銃より重圧を伴ったオーラの弾丸が放たれ、命中したドラゴンは吹き飛ばされる。ドラゴンは慌てて体勢を整えようと翼を広げ、吹き飛ばされた衝撃を相殺しようと試みる。
その隙に小枝子はUCを発動させた。
「敵を効率よく倒す為の兵器はここにない。必要ならば、持ってくるだけだ」
先程まで索敵を行っていた小型自律兵器群が変形を開始する。相手の逆鱗は額の部分。それは先程の索敵の際にも十二分に位置を確認している。敵の皮膚に張り付いて走りやすい形状は蜘蛛。起伏に富んだ敵の皮膚を素早く移動出来、かつ敵の激しい動きにも振り落とされない姿勢で動く事が出来る物として、最適な形状であると判断したのだ。瞬間思考力で素早く状況分析・実行へのプロセスを組んだ結果、ドラゴンが体勢を整えるよりも前に蜘蛛型兵器の準備が整った。時間との勝負に勝ったのは小枝子の方だ。
体勢を整え小枝子の方を見ようと視線を移動させたドラゴンのその目の前に、蜘蛛型兵器が放り込まれる。ドラゴンの顔に貼り付いた蜘蛛型兵器は必死に暴れ自身を引き剥がそうとする相手の爪を掻い潜り、素早く目的の場所を目指す。目的の場所へ到達した蜘蛛型兵器が光に包まれる…。
目の前のドラゴンの顔の部分で爆発が起こった。顔から濛々とした煙を立ち上らせながら、弛緩したドラゴンの体が地響きを立て倒れ込む。小枝子がドラゴンに投擲した蜘蛛型兵器は内部に爆薬が仕込まれていた。逆鱗のある位置まで到達したら間髪入れずに爆発するよう設定を行っておいたのだ。
「まずは一体!次っ!」
一番近いドラゴンが倒れた事で敵の陣形も崩れた。倒れた敵には目もくれず、その綻びをスラスターで駆け抜けながら次の標的へ攻撃を仕掛けていく!
小枝子がドラゴン達を翻弄する形で倒し切るまでに、さほどの時間は掛からなかった。
こうして小枝子は倒すべき敵を倒し切り、妖怪の救助に成功するのだった!
「任務、完了」
大成功
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テリブル・カトラリー
石像のドラゴンか…大きさからすると、範囲内だな。
キャバリア以下なら大凡十数トンかそこらと推察。『戦争腕・停滞』発動。
戦闘知識と見切りで上空からの強襲や爪の攻撃を大型のシールドの盾受けで凌ぎ、行動速度を低下させた石像ドラゴンを怪力でシールドバッシュ。
私のこの図体では、あまり派手には動けん。
悪いが、少し痛めつける事になるぞ。
弾いた石像ドラゴンを早業、怪力併用で掴んで強引に他の石像ドラゴンへ投げ飛ばして重量攻撃。以後それの繰り返し、掴んで、投げる。叩きつける。
そうやって弱らせてから、クイックドロウ、ドラゴン達の逆鱗へ弾丸を叩き込んで、妖怪達を救出する。
「石像のドラゴンか…大きさからすると、範囲内だな。……換装完了」
前方で動き出したドラゴン達を確認しテリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)はUCを発動させる。
目の前のドラゴン達は2m級が精々な大きさ。そうならば猟兵の中でも大柄な部類に入るテリブルとあまり変わらない大きさという事になる。キャバリアレベルの大きさならばその重量はとてつもない事になるが、この大きさならば作戦に支障はなさそうである。
(大凡十数トンかそこらと推察される。それならば『戦争腕・停滞』で持ち上げられない事もない)
テリブルが発動させたUCは『戦争腕・停滞』。対象を持ち上げて振り回したりするUCだ。流石に怪力の持ち主と言えどキャバリアを生身で…というのは厳しい。特に今回は狭い空間での大柄な者同士の戦いとなる。テリブルには使える手札はそう多くはないのだ。
空中より強襲してくるドラゴンの体当たりを間一髪回避し、超重金属の盾を敵の横っ面に叩き込んだ!強襲して来たドラゴンの動きは止まって見えるレベルにまで落とされている。それはテリブルのUC効果で相手の行動速度を10分の1に低下させたためだ。
テリブルとしては本音ではこの『連ね鳥居』の外に出て広いスペースで戦いたい所だ。鳥居の高さ的にそう派手な立ち回りも出来ないからだ。しかし、そうもいかない。
「私のこの図体では、あまり派手には動けん。悪いが、少し痛めつける事になるぞ」
大柄で普段は口数が少ない方であるテリブルは、戦場での冷徹さもあり相手を圧倒してしまう場合があるが、実際は争いを好まない性格をしている。だから、今回の相手は逆鱗のみを攻撃すればカタが付くとはいえ、状況的にそうも言っていられない為やむを得ず、の対処となる。非常に不本意ではあるが致し方ないのだ。
テリブルにシールドでの一撃を叩き込まれたドラゴンは思わず体勢を崩している。それを好機とテリブルはそのドラゴンの足をむんずと掴み後続のドラゴンの群れに向けて勢いよく投げ飛ばした!弾丸の如くドラゴンの群れに追突する投げられたドラゴン。重量の体当たりを喰らったドラゴンの群れは盛大に弾き飛ばされていき、一気に敵の陣形は崩れてしまう。
悠々とした足取りで倒れ込んだドラゴンの一体へ近付き、足を掴み持ち上げると地面へ叩き付けた。石像ではなかったら息が止まっていただろう強烈な一撃。そしてその巨体をテリブルへ再び肉薄しようと試みるドラゴンへ再び放り投げる。
一見シンプルな攻撃ではあるが、そこは超重量の敵を地面へ叩き付けたり他の敵へぶつけたりするという内容の為、それだけでもかなりの破壊力であった。みるみるうちに、まともに動けなくなっていくドラゴンが増えていく。
もはや動けなくなっているドラゴンに近付いたテリブルはショットガンを構え、その額に弾丸を叩き込む。額の逆鱗を撃ち抜かれたドラゴンはそのまま動かなくなった。動かなくはなったが、それは逆鱗を撃ち抜き骸魂が除去されたから。少々手荒な対処をする事になったが、命に別状はないだろう。
残るドラゴン達もテリブルの叩き付け攻撃になす術もなく叩き伏せられ、最初のドラゴンと同じ道を辿る事になるのだった。
大成功
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ミア・ミュラー
ん、次は鳥居の中で戦うの、ね。ひとつめはうまく走り抜けられたし、無事に妖怪さんたちを助けるために、もうちょっと頑張る、ね。
石にしちゃう爪なら、かすっただけでも、まずそう。鳥居の中だからあんまり動き回れないし、爪は防御した方がいい、かも。傘とかソリッドダイヤでしっかり防ぎながら距離を取る、よ。
今度はこっちの、番。【魔矢】で攻撃、だよ。道は狭いから避けられることはあんまりないと思うけど、普通にやっても防がれちゃう、よね。だから、何回かに分けて防御を崩して、とどめにおでこを、狙い撃つ。これもあなたを助けるため、なの。ちょっとだけ我慢して、ね?
矢はいっぱいあるし、できるだけ助けられると、いいな。
「ん、次は鳥居の中で戦うの、ね。ひとつめはうまく走り抜けられたし、無事に妖怪さんたちを助けるために、もうちょっと頑張る、ね」
ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)は相対するドラゴンを観察する。ドラゴンの爪から禍々しい力を感じる。情報通りならばあの爪は触れれば石化する特殊な爪のはずだ。
「石にしちゃう爪なら、かすっただけでも、まずそう」
そして改めて周囲を確認するミア。
(鳥居の中だからあんまり動き回れないし、爪は防御した方がいい、かも)
敵の攻撃を回避する…には、この『連ね鳥居』という特殊な空間の中は少々狭すぎる。「掠る事さえNG」という状況ではしっかり相手の攻撃は防いだほうが確実だ。ミアは防御を固める事にした。
まずはダイヤのトランプを放つ。ミアの意志に呼応し浮遊するトランプはその強度を増していく。続けて盾ともなる魔法の傘を広げ、万一に備える。2段構えの防御を準備し、ドラゴンから距離を取る。間合いを詰められ爪による猛ラッシュを喰らえば、万が一もありえるからだ。
ドラゴンの側としては接近戦仕様の攻撃が主体だ。空中を自由に動ける状況ならば機動性も活かし力業で切り込めなくもないが、この戦場ではその手も使えない。真正面から間合いを詰めるしかないのだ。
そして、ここがポイントだ。ミアはドラゴンと違い遠距離攻撃の手札を持っている、という事だ。
焦れたドラゴンが強引に間合いを詰めて来る。ドラゴンの爪がミアのトランプとぶつかり合った!ドラゴンの爪はトランプを破壊する事は出来なかったが、石化する事は出来たようだ。石となったトランプが地に落ちるが、その可能性も考慮していたミアは事前に予備のトランプを放っておいた。まだ、大丈夫。しばらくは守りを保てる。その間に勝負をつければいい。
再びドラゴンの攻撃の射程外に逃れたミア、相手が自身のトランプの防御を突破出来ない事を確認し攻撃態勢に入った。
「今度はこっちの、番。其は無にして全……唯々、貫け」
ミアの周囲に数えきれないくらいの魔法の矢が生成された。その内の何分の一かの魔法の矢をドラゴンに向けて放つ。狙い違わず額に向けて放たれた矢は警戒していたドラゴンの両腕によってガードされ弾かれてしまう。
(道は狭いから避けられることはあんまりないと思ってたけれど、やっぱり普通にやっても防がれちゃう、よね)
これはミアも当然予想していた。だからこそ…。ミアは続けて魔法の矢を放つ。今度の狙いは片足だ。そして間髪入れずに胴回りに、そして腕へと…。敵の集中を1点に絞らせず、かつ体勢を崩させる。
そしてその隙を突いて本命の魔法の矢を1本放った!
他はある程度纏まった数なだけに、そちらへの対処で手一杯になっていたドラゴン。気が付けば自身の額に一本の矢が突き刺さっていた。
崩れ落ちるドラゴン、それを確認するとミアは魔法の矢を補充し直す。
「これもあなたを助けるため、なの。ちょっとだけ我慢して、ね?」
しばらくするとドラゴンより靄のようなものが立ち上っていき、ドラゴンは元の石像の姿に戻っていった。
(矢はいっぱいあるし、できるだけ助けられると、いいな)
まだ助けるべきドラゴン達は居る。ミアは次の相手に狙いを定めた。
猟兵達の奮戦によりこの場にいるドラゴン達は一掃された。いや、厳密には全て骸魂を除去し、元の妖怪に戻す事が出来た。
そして…猟兵達はドラゴンの群れがいた先を見据える。
この先にいるだろう竜神親分。そこへ辿り着く為の道を、猟兵達は今回の任務で確保したのだった。
【完】
大成功
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