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大祓百鬼夜行⑳~太る事こそ幸せなり

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●UDCアース
「大変、大変! 電気を操る妖怪が、UDCアースの通信網に潜り込み、悪い事をしようとしているんだよ……と言うか、通信網って、何?」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が不思議そうに首を傾げ、頭の上に沢山のハテナマークが浮かべた。
 通信網と言う響きから、電気で出来た蜘蛛の巣のようなモノを想像してしまったらしく、電気を操る妖怪が蜘蛛の姿をしているのだと勝手に思い込んでいたようである。
 だが、実際の姿は、ふくよかな女性。
(蜘蛛的な要素が、行方不明なんだよ!)
 ガジルが心の中でツッコミを入れつつ、今回の依頼を説明した。
 どうやら、『寝肥り餓鬼』と呼ばれる妖怪がUDCアースの通信網に潜り込み、色々と悪さをしているらしい。
 その上、寝肥り餓鬼は電線やコンピュータネットワークなどを自由に行き来しているため、捕まえる事が皆無だと思われていたらしい。
 しかし、そんな妖怪にも、たったひとつの弱点があった。
 ……それが電話ボックスであった。
 ガジルが得た情報によると、電話ボックスから『メリーさんの電話番号(090-2410-9679)』にアクセスすると、受話器から寝肥り餓鬼が実体化するらしい。
 一体、どういった原理でそうなるのか、よく分からないものの、何故かスマホや固定電話からアクセスしても、寝肥り餓鬼が実体化する事はないらしい。
 しかも、電話ボックスを破壊してしまうと、寝肥り餓鬼が消えてしまうため、注意をしておく必要があるようだ。
 ただし、寝肥り餓鬼は、強敵。
 油断をすると、追尾ブヨブヨ弾を撃たれ、ブクブクと太ってしまうため、超危険ッ!
 一応、寝肥り餓鬼さえ倒してしまえば、元に戻るようだが、高カロリーな戦いが予想されるため、注意をしてほしいという事だった。


ゆうきつかさ
 どうも、ゆうきつかさです。
 この依頼は、ネタ寄りです。
 そのため、ノリと勢いが、重要視されます。
 キャラクター的に、ネタ寄りではなかった場合は、シリアス行動がメインであっても構いません。
 キャラクターらしく行動する事が大事なので、難しい事は考えず、本能の赴くまま行動をしてください。
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第1章 ボス戦 『寝肥り餓鬼』

POW   :    もうアタシは餓えに悩まされない……お前も味わえ!
攻撃が命中した対象に【果てしない飢え】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と生成される超高カロリー食】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    素早いヤツ……これでも喰らいな!
【超濃縮脂肪】を籠めた【追尾ブヨブヨ弾】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【体型】のみを攻撃する。
WIZ   :    これこそ寝肥りのチカラよォ!
【睡眠中急速に脂肪を増やす熟睡霧】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。

イラスト:V-7

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はネリー・マティスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナイ・デス
電話ボックスが壊れたら倒せない……なら、呼び出す前に電話ボックスの守りを固めたいですね
ダイウルゴス。お願いします

群竜大陸の財宝、ダイウルゴスの彫像を変形合体させたキャバリア擬きの「ダイウルゴス」を召喚(サイキックキャバリアなので)
【武器改造】分離、変形組み換え再合体、電話ボックスを守る鎧のように

これであとは、呼び出して倒すだけ

『生まれながらの光』を放ち、異物除去の治療
妖怪は傷つけず、骸魂だけを【浄化】消滅させる持久戦
【継戦能力】眠ってしまっても光を放ち続け
増える脂肪が代償で消費されて永久機関に

電話ボックス壊して逃げようとしたら
【騙し討ち】鎧のようだったダイウルゴスが動き【レーザー射撃】です


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
それでは、行って参りますねぇ。

『FMS』を電話ボックスの周囲に配置しバリアを展開、多少巻込んでも防げる状態にしますねぇ。
そして『FBS』を四肢に嵌め飛行、残る『F●S』全てを『光の結界』の『エネルギー供給』に回し【耀衣舞】を発動、『光速の突撃』を行いますぅ。
『超高カロリー食』で一時的に体重が増えても『突撃時の重量』が増し[重量攻撃]の威力が上がる上、『飛行』には支障が有りませんから、倒せば戻るということでしたら、利用させて貰うつもりで敢えて受けに行きましょう。
他の方を狙った『同様の攻撃』も庇って利用しましょう。
こうなると、どこまで増量するか楽しみになってきたような気も?


八重森・晃(サポート)
『滅び<スクイ>がほしいのかい?』
 ダンピールのウィザード×聖者、14歳の女です。
 普段の口調は「母親似(私、君、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)」、怒った時は「父親似(私、お前、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



キャロライン・メイ(サポート)
ダークセイヴァーの貧民街の生まれ。生きるため、悪事に手を染めてきた。ある日商人から一振りの剣を盗み出す。剣は呪われており、その邪悪な魔力によって、呪われし黒騎士へとその身を堕とす。その冷酷な様を人々はアイスドールと呼ぶ。

自身の半生に強いコンプレックスを持ち、心の中では常に自己を否定し続けている。死に場所を探しているかのような言動をとることがある。

ダーインスレイヴ~漆黒の魔剣による強力な一撃。
ライフドレイン~魔剣の血塗られた鉄鎖が無数の棘に変形し敵に突き刺さる。

「それでも死にたいなら手加減はしない。魔剣はお前らの血を欲しているぞ。」

エロやグロに巻き込まれなければ、どんな展開でも大丈夫です。


マヤ・ウェストウッド(サポート)
「近くで"眼玉"が落っこちてたら教えておくれよ。それ、アタシのだから」
◆口調
・一人称はアタシ、二人称はアンタ。いかなる場合でも軽口と冗談を欠かさない
◆癖・習性
・獣人特有の嗅覚で危機を察知できるが、犬耳に感情がそのまま現れる
・紅茶中毒
◆行動傾向
・普段はズボラでとぼけた言動や態度をとる三枚目ながら、ここ一番では秩序や慣習には関わらず自身の義侠心の赴くままに利他主義的な行動をとる(中立/善)
・戦場では常に最前線でラフな戦い方をとるが、戦いそのものは好まない。弱者を守る事に自分の存在意義を見出している
・解放軍仕込みの生存技術を活かし、役に立つならステージのギミックやNPCを味方につけて戦う


御狐・稲見之守(サポート)
 100歳超(実年齢秘密) 妖狐の仙人✕陰陽師 
 口調「ワシ、~殿、ゾ、~んじゃ、じゃ、じゃナ、かナ?」

 荒ぶる力を揮うカミにして、人喰い魂呑みの外道、そして幻を繰る妖狐、御狐稲見之守である。
 助けを求め願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならば、カミの道理を通してみせよう…なんてナ。

 天変地異を起こす[荒魂顕現]、[眩惑の術]で幻覚を見せて動きを封じたり、[山彦符][木霊返し][呪詛殺し]等で敵のUCに対抗したりするんじゃ。無論、[狐火]は妖狐の嗜みじゃナ。
 他にも[式神符]で対象を追跡したり〈催眠術〉で情報収集したりと色々出来るゆえ何卒よしなに。

 さァて、遊ぼうじゃァないか。


源・ヨーコ(サポート)
『悪い子はお仕置きっすよー!』
人間のブレイズキャリバー × ビーストマスター
年齢 16歳 女
外見 158.4cm 金の瞳 ピンクの髪 色白の肌
特徴 胸が大きい 八重歯 ギャル ハイテンション! 運動が好き
口調 体育会系(自分、~先輩、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)

悪いヤツは鉄拳制裁!
あまり難しいことは考えず、敵に向かって猪突猛進するタイプ。全ては拳で解決できると信じていて、とりあえず接近して殴るが基本戦術。
硬そうな相手にはカウンターでの一撃必殺を狙い、素早そうな相手には連撃と使い分けぐらいはする。

単独行動を好み、調査などは苦手。
基本は戦闘オンリーな感じですが、よろしくお願いします。


アーレ・イーナ(サポート)
 サイボーグの戦場傭兵×咎人殺し、20歳の女です。
 普段の口調は「ボクっ娘(ボク、~君、~さん、だね、だよ、~かい?)」、敵には「冷酷(私、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。


禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、11歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


白匣・覚醒(サポート)
 怪奇人間の猟奇探偵×四天王、32歳の男です。
 普段の口調は「シロベヤ(私、君、呼び捨て、言い捨て)」、演技時は「KP(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

存在が密室です。白い部屋です。
KP時の口調でお願い致します。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ケイ・エルビス(サポート)
アドリブ連携歓迎

どんな依頼でもオッケーだが
コミカルかセクシー寄りが好みだ
迷惑行為は一切しねえ
好きに使ってくれ

得意な技能とUCはゲットしてる
その都度自由に組み合わせて活用してくれたら助かるよ

・得意な戦闘行動
銃撃と肉弾戦によるサポート役
(援護射撃、カウンター、狙い撃ち、怪力、戦闘知識、
かばう、鼓舞、時間稼ぎ等)

・非戦闘時に得意な行動
(乗り物全般の操縦や運搬、
情報収集、コミュ力、優しさ、取引等)

必要があれば
そこにある乗り物全般や
手持ちの表示灯をつけてタクシーにもなるスポーツカー、
宇宙バイク、トラック、戦術輸送機を
操縦し目的達成に役立てる


クリュウ・リヴィエ(サポート)
記憶喪失のダンピールだよ。
名前も年齢も本当かどうか、僕にも判らない。
ま、気にしてないけどね。

自分の過去は判らなくても、色々考えるのは好きだよ。
他人の行動とか状況とかに違和感があると、それに何か意味がないのか考えちゃうよね。
まあ、それで僕が有利になるかどうかは別問題だけど。

あとは食べることも好き。
食わず嫌いはしないし、残さないよ。

戦うときは、突っ込んで力任せに殴り掛かることが多いかな。
一応、剣も魔法も使えるんだけど、結局シンプルなのが性に合うね。


アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる


ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。

服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」

《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。

《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!

《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。

◆ボス
ぼす。ビビに倒せるかな。心配。
一緒に行ける人がいたら、ビビ連携とるよ。囮もやる。
難しい事苦手なの。作戦、教えてくださいな。

空中を飛び急降下落下。怪力載せた鹿の足で着地、地面を割る、など。



●UDCアース
「どうやら、電話ボックスが壊れてしまうと、寝肥り餓鬼を倒す事が出来なくなってしまうようですね。……ならば、寝肥り餓鬼を呼び出す前に、電話ボックスの守りを固めておかねばなりません。ここはダイウルゴスに、お願いしましょうか」
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は群竜大陸の財宝【キャバリア擬き】SOD-71D「ダイウルゴス」を召喚し、武器改造、分離、変形、組み換え、再合体等を駆使して、電話ボックスを守る鎧のように作り替えた。
「確かに、電話ボックスを壊されてしまったら、話になりませんものねぇ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も納得した様子で、FMS(浮遊する10枚の円盤)を電話ボックスに配置してバリアを展開した。
 その上で電話ボックスから『メリーさんの電話番号(090-2410-9679)』にアクセスし、寝肥り餓鬼を呼び出した。
「クカーッカッカッカッ! アタシを呼び出したのは、アンタ達かい? どいつも、こいつも、美味そうな顔をしやがって! さーて、どいつから食ってやろうかねぇ!」
 次の瞬間、寝肥り餓鬼が受話器から飛び出し、猟兵達を見つめて、舌舐めずりをし始めた。
 寝肥り餓鬼にとって、目の前にあるモノは、すべて獲物。
 煮て、焼いて、美味しく戴くつもりでいるらしく、頭の中に沢山のレシピが浮かんでいるようだった。
「それじゃ、これは挨拶代わりだよ! たらふく喰らって、逝っちまいな!」
 寝肥り餓鬼が邪悪な笑みを浮かべ、超濃縮脂肪を籠めた追尾ブヨブヨ弾を解き放った。
「えっ? 何これ!」
 その途端、アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)が興味津々な様子で、追尾ブヨブヨ弾を見つめた。
 追尾ブヨブヨ弾はスライムの如くブヨブヨしており、フンワリふわふわ浮いていた。
「いや、これ……当たったら駄目なヤツだろ?」
 その事に危機感を覚えたケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)が、アウルに飛びつくようにして追尾ブヨブヨ弾を避けた。
「いまさら、気づいたところで手遅れさ!」
 そこに追い打ちをかけるようにして、寝肥り餓鬼が再び追尾ブヨブヨ弾を撃ってきた。
 それが先程の追尾ブヨブヨ弾と連携を取るようにして、猟兵達に襲いかかった。
「へえ、面白いモンを持っているんだね。でも、そんなにノロマじゃ、当たらないよ!」
 マヤ・ウェストウッド(フューリアス・ヒーラー・f03710)が獣人特有の嗅覚で危機を察知し、素早い身のこなしで追尾ブヨブヨ弾を避けた。
「素直に当たっときゃ、イイものを! だったら、苦しめ! 逃げ惑え!」
 寝肥り餓鬼が高笑いを響かせながら、再び追尾ブヨブヨ弾を解き放った。
 それが時にはひとつになり、時には分裂し、不規則な動きをしながら、何度も猟兵達に迫ってきた。
「ヒュッ……! 当たらねえよ!」
 すぐさま、ケイが【カミガカリ】を発動させ、長年の戦闘経験で寝肥り餓鬼の動きを瞬時に解析し、追尾ブヨブヨ弾を華麗に避けた。
「それなら、もう少し速度を上げてやろうじゃないか! これでも、まだ強気でいられるかい?」
 寝肥り餓鬼が追尾ブヨブヨ弾を、追尾ブヨブヨ弾に当て、速度を加速させた。
「いくらやっても、無駄だよ。まあ、アンタと遊んでいる暇もないから、全部纏めて喰らってやるよ」
 マヤが追尾ブヨブヨ弾を纏めて喰らい、それを糧にするような勢いで【骸魂一如・英国式輪入道(パンジャンシンクロドラム)】を発動させ、骸魂【パンジャンドラム】と合体し、一時的にオブリビオン化した。
「う、嘘だろ! そんなのアリか!」
 それを目の当たりにした寝肥り餓鬼が、信じられない様子で目を丸くさせた。
「それじゃ、ちょーっとだけ、カタチを変えるよ」
 その間に、アウルが【新緑、始まりの息吹を此処に(シフトフォーム・ビギニングフワワ)】で青の瞳に覚醒すると、獣化形態に変身して寝肥り餓鬼に攻撃を仕掛けていった。
「グギャアアアアアアアアアアアア! 痛い、痛い! やめとくれ! こ、こうなったら、みんな夢の世界に旅立っちまいな!」
 寝肥り餓鬼が悲鳴を上げつつ、全身から熟睡霧を漂わせた。
 その霧は睡眠中急速に脂肪を増やす危険なシロモノ。
 眠ったまま死ぬ事はないものの、急激に太ってしまうため、目が覚めた時には、肉団子と化してしまう程、危険な霧だった。
「え? 食べ物じゃないの? ビビも美味しいものが食べたいのに!」
 そんな中、ヴィヴィ・ジーヴ(いつも誰かのお手伝い・f22502)が、グウっと腹を鳴らした。
 どうやら、先程の追尾ブヨブヨ弾が、とても美味しく見えたらしく、腹の虫達が抗議活動を始めているようである。
「だったら、早く眠っちまいな! 夢の中で、たらふく美味いモンを食えばいいさ!」
 寝肥り餓鬼が何やら企んでいる様子で、含みのある笑みを浮かべた。
「……何だか眠くなってきたの」
 その途端、禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)が熟睡霧に纏わりつかれ、激しい睡魔に襲われた。
「何も戸惑う事はないんだよ。ただ、眠ればいいんだからねェ! さあ、お眠り! 夢の世界に旅立ちな!」
 寝肥り餓鬼が上機嫌な様子で、さらに熟睡霧に撒き散らした。
 その影響で辺り一面、白一色。
 仲間の場所さえ、確認する事が困難なほど、濃厚な霧が漂った。
「……なるほど、随分と面白い事をするんだね」
 八重森・晃(逝きし楽園の娘・f10929)が落ち着いた様子で、寝肥り餓鬼がいる方向に視線を送った。
 熟睡霧が漂っているせいで、寝肥り餓鬼の姿は見えないものの、殺気までは隠す事が出来ないため、位置を絞り込むのは、それほど難しい事ではなかった。
「それなら、まったく問題ありませんね」
 ナイが激しい睡魔に襲われながら、【生まれながらの光】を発動させ、聖なる光を当てて、仲間達を高速治療していった。
 しかも、眠りながら聖なる光を放っているため、いくら疲労しても、増える脂肪が代償となって、半ば永久機関と化していた。
 そのため、何も怖いモノがなかった。
 むしろ、何が来ても、怖くない。
「ビビは眠くない! 美味しいものが食べたかったのに!」
 一方、ヴィヴィはムスッとした様子で、【エレメンタル・ファンタジア】を発動させ、炎の竜巻を発生させた。
 それと同時に、熟睡霧が吹き飛ばされ、寝肥り餓鬼の姿があらわになった。
「えっ? いや、ちょい待ち! 待っとくれ! ほら、これを上げるから! 大人しくしているんだよ!」
 寝肥り餓鬼が慌てた様子で、懐からブヨブヨとしたモノを取り出し、ヴィヴィにサッと手渡した。
 それは一見すると、饅頭のようでもあったが、違うような感じもした。
 だが、味は絶品らしく、とてもゴキゲンな様子であった。
「所詮は紛い物の霧って事か。なら、本物を見せないとね」
 その間に、晃が【夢見るままに待ちいたり(ユメミルママニマチイタリ)】で夢見る神の呼び声を放ち、仲間達を眠りの世界に誘った。
「な、なんだい、これは! アタシだって、負けないよ!」
 寝肥り餓鬼がムッとした様子で、再び熟睡霧を発生させた。
 だが、夢見る神の呼び声には勝つ事が出来ず、熟睡霧が再び辺りに漂う事はなかった。
「うぐぐ……、今回は一時撤退だ!」
 寝肥り餓鬼が悔しそうにギチギチと歯を鳴らし、受話器を通じてUDCアースの通信網に逃げ込もうとした。
「一体、どこに行くつもりですか?」
 その事に気づいたナイが、ダイウルゴスに指示を出した。
 その指示に従って、電話ボックスと一体化していたダイウルゴスが、騙し討ちをするようにして、レーザー射撃で寝肥り餓鬼を撃ち抜いた。
「ぐぎゃああああああああああ、痛い、痛い、痛いィィィィィィィィィ!」
 その途端、寝肥り餓鬼が悲鳴を上げて、アスファルトの地面をゴロゴロと転がった。
 しかし、ダイウルゴスは、容赦なし。
 寝肥り餓鬼の転がるパターンを読み取り、レーザー射撃ッ!
「もう、アナタは逃れられないの」
 その隙をつくようにして、黒絵が【呪われた不幸の罠(カースド・トラップ)】で寝肥り餓鬼に自らの血液を付与し、呪術で動く無数の刃物で寝肥り餓鬼を斬りつけた。
「よくも、やったね! もう許さない! これでブクブク太っちまいな!」
 寝肥り餓鬼が苛立ちを隠せない様子で、巨大な骨付き肉に、果てしない飢えを付与し、猟兵達に襲いかかってきた。
「……お断りしますぅ」
 すぐさま、るこるがFBS(浮遊する12枚の戦輪)を四肢に嵌め、FRS(両腕の『固定砲台』2門&『制御器』を通じ脳波で操作する『空中浮遊する砲台』16台)、FSS(周囲に浮遊する、8枚の小型ビームシールド)、FCS(『F●S』各種の換装用装備&補助兵装を多数収納)、FTS(浮遊する4基の宝玉)等を光の結界のエネルギー供給に回し、【豊乳女神の加護・耀衣舞(チチガミサマノカゴ・カガヤクコロモノマイ)】で、光速の突撃を寝肥り餓鬼に仕掛けた。
「グギギギギィィィィ! やるね、マジで死ぬかと思ったよ。でも、アタシには肉の壁があるッ! お前もブクブクと太っちまいな!」
 寝肥り餓鬼が口から血の泡を吐きつつ、それでも気力を振り絞って、骨付き肉でるこるを叩いた。
 そのたび、超高カロリー食が次々と生成され、るこるのボディをふくよかにしていった。
「まさか、これも当たるとヤバイんっすか?」
 それを目の当たりにした源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)が危機感を覚え、警戒した様子で後ろに下がった。
「ああ、もちろんだとも! 一発でも当たったら、最後。果てしない飢えに襲われ、あっと言う間にブクブクさ!」
 寝肥り餓鬼が何かに取り憑かれた様子で、巨大な骨付き肉をブンブンと振り回した。
「でも、それって影響があるのは……」
 ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)が、キョトンとした表情を浮かべた。
 普通に考えれば、影響があるのは、人間のみ。
 故に、例え寝肥り餓鬼の攻撃を食らったとしても、ヤドリガミ等には影響がない……はずである。
「身体が……重い……」
 そんな中、アーレ・イーナ(機械化歩兵・f17281)が寝肥り餓鬼の攻撃を食らって、崩れ落ちるようにして膝をついた。
「ハッハッハッ! 悔しかったら、反撃してみな!」
 寝肥り餓鬼が高笑いを響かせながら、巨大な骨付き肉をアーレに振り下ろした。
 その影響で身体が重くなっているらしく、全く動けなくなっていた。
「……なるほど、見た目は変わらず、体重が重くなるって訳か」
 クリュウ・リヴィエ(よろず呑み・f03518)が納得した様子で、寝肥り餓鬼から離れるようにして距離を取った。
「まあ、大した問題じゃないな」
 キャロライン・メイ(アイスドール・f23360)がダーインスレイヴ(漆黒の刀身を持った魔剣)を握り締め、巨大な骨付き肉を削ぎ落すようにして、寝肥り餓鬼が迫っていった。
「うぐっ! アタシの肉が……骨付き肉が……!」
 寝肥り餓鬼が悲鳴を上げながら、ギチギチと歯を鳴らした。
 だが、反撃するだけの余裕もなければ、隙も無い。
「とりあえず、どんなに太ろうが、倒してしまえば元に戻るんじゃロ?」
 それに合わせて、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)が瞳から【眩惑の術(ゲンワクノジュツ)】を放ち、寝肥り餓鬼に幻覚を見せた。
「な、なんで当たらない! 確かに当てたはずなのに……!」
 寝肥り餓鬼が幻覚に惑わされながら、見当違いの場所を攻撃した。
「そろそろ、始めましょうか」
 次の瞬間、白匣・覚醒(密室探偵・f22856)が【怪奇密室人間探偵シロベヤメザメ(シロベヤメザメ)】で自らの肉体をユウデヱシイ蔓延ル白イ密室に変異させ、寝肥り餓鬼を閉じ込めた。
「一体、ここは……。アタシは、何処に……!」
 寝肥り餓鬼が動揺した様子で、激しく目を泳がせた。
「何も考える必要はありません。ただ運命を受け入れればいいのですから……」
 覚醒が物語の語り手の如く、落ち着いた様子で答えを返した。
 その間も、寝肥り餓鬼が出口を探して、密室の中をウロウロしたが、扉もなければ、窓もない。
「とりあえず、これはいらないよね?」
 その間に、クリュウが巨大な骨付き肉を奪い取り、寝肥り餓鬼に見せつけるようにして齧りついた。
「こ、こら! 何をやっているんだい! それはアタシの商売道具だよ!」
 寝肥り餓鬼が青ざめた表情を浮かべ、クリュウをポカスカ叩いたが、既に完食。
 骨だけ残して、すべて胃袋の中である。
「それじゃ、さっきの御礼をしないとね。大丈夫、ボク……全然、怒っていないから」
 アーレが物凄くイイ笑顔を浮かべ、【戦場の亡霊】を発動させた。
 それと同時に、戦場の亡霊が召喚され、アーレの代わりに寝肥り餓鬼をボッコボコにした。
「……と言うか、無茶苦茶怒っているじゃないか! そうじゃなきゃ、ここまで捻りを加えて、パンチを打てないだろ!」
 寝肥り餓鬼が涙目になりつつ、戦場の亡霊の攻撃をガードしつつ、アーレにツッコミをいれた。
「今日の運勢は……最悪です!」
 その流れに乗るようにして、ティモシーが【因果に干渉する占い(ケッカハアトカラヤッテクル)】を発動させ、適当な占い結果を言い放ち、寝肥り餓鬼に精神的なダメージを与えた。
「うぐぐっ! ギギギッ」
 寝肥り餓鬼が悔しそうに歯軋りをした後、巨大な骨を拾い上げた。
「魔剣が、お前の血を欲しているぞ」
 すぐさま、キャロラインが【黒風鎧装】で漆黒の旋風を纏い、寝肥り餓鬼を追い詰めるようにして攻撃を仕掛けていった。
「その魂、喰ろうてやろうぞ」
 それに合わせて、稲見之守が【魂喰い(タマグイ)】を仕掛け、寝肥り餓鬼に襲いかかった。
「ちょっ! 待ちなよ、アンタら! 纏めて掛かってきたら、こっちも対応できないだろうが!」
 寝肥り餓鬼が涙目になりつつ、巨大な骨で身を守った。
 その気持ちに反して、巨大な骨は、ヒビだらけ。
 いつ砕け散っても、おかしくないほど、危険な状態に陥っていた。
「駄目っす! 悪い子は、お仕置きっすよー!」
 その逃げ道を塞ぐようにして、ヨーコが【ブレイズフレイム】を仕掛け、寝肥り餓鬼の身体を地獄の炎に包み込んだ。
「ア、アタシの骨がァァァァァァァァァァァ!」
 その拍子に巨大な骨が消し炭と化し、寝肥り餓鬼の悲鳴が響き渡った。
「残念ですが、何をやっても無駄ですよぅ。いくら体重が増えたところで、突撃時の重量が増して、威力が上がるだけですからぁ」
 次の瞬間、るこるが再び【豊乳女神の加護・耀衣舞(チチガミサマノカゴ・カガヤクコロモノマイ)】を発動させ、流星の如く勢いで寝肥り餓鬼に突撃した。
「ぐぼぁっ!」
 その一撃を食らった寝肥り餓鬼が悲鳴を上げ、白目を剥いて崩れ落ちた。
 そして、骸魂が消滅した後、残ったのは妖怪だけだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月18日


挿絵イラスト