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大祓百鬼夜行⑮〜オペレーション・ゴールデンイクリプス

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行 #プレイング締切

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●UDCアース・グレートブリテン島某所
 そこは「忘れられた者たちの終着駅」と呼ばれていた。
 崩落した駅舎にはかつての賑わいはなく、ただ朽ち果てていくのを待つばかり。
 そして、その駅と動揺に、今にも自らの身体を朽ち果てさせようとしている妖怪が独り、佇んでいた。
 カクリヨファンタズムの4人の妖怪親分が一人、西洋親分の「しあわせな王子さま」である。

 すでに理性を崩壊させた黄金の王子は、ただ動かず猟兵達を待ち続ける。彼が残した最後の残留思念が、グリモアの予知を通して猟兵たちへと届けられた。
 理性と身体を崩壊させながらも、その剣は鋭い輝きを放っている。猟兵達と死力を尽くす戦いを臨む、その意思だけが残っていた。

●オペレーション・ゴールデンイクリプス
「ミッションを説明しよう」

 グリモアベースにて、白翼形態となったジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)が猟兵達を集めて説明を始める。

「作戦目標は西洋親分『しあわせな王子さま』との戦いだ。この『しあわせな王子さま』は現在、その身に宿した骸魂の影響により骸蝕形態となっている。理性はすでに失われ、身体も崩落しかかっている状態だ」

 現在、しあわせな王子さまはイギリスの廃駅に出現し、猟兵達を待ち構えている。彼がグリモアの予知に乗せたメッセージは以下の通りだった。

『大祓骸魂が放つ圧倒的な虞(おそれ)を祓うためには、僕が君たちと死力を尽くした戦いを行う必要がある。その上で僕が討たれなくてはならない。出来レースや手加減の類は無用だ、全力でかかってきて欲しい。そのために僕は「骸蝕形態」を解放する。この姿であれば、僕は理性を失い余計な手心をかける心理的ブレーキを排除できる。即ち、君たちが躊躇する理由が無くなるんだ。状況はこれでクリア、後は任せたよ』

 しあわせな王子さまは、猟兵との死闘を演じるための状況を整えるため、自らの身体と理性が崩落する「骸蝕形態」を解放。構図としては、理性を失った妖怪の暴走を食い止める、という形である。

「もっとも、単なる理性が奪われた妖怪の討伐、と言うには骨が折れるだろう。何しろ彼は『西洋親分』の座についている。よって、我々猟兵は真の姿の即時解放を行い、これに立ち向かう必要がある。ちょうど今、私がそうしているようにな」

 猟兵の潜在能力を解放するための力、それこそが「真の姿」。猟兵達それぞれにとって、その位置づけは様々だ。文字通りの真の姿や、リミッターや潜在能力を解放した状態、過去や未来、別世界の自分を一時的に顕現させる大技。共通するのは、「死力を尽くして戦う姿」であることだ。

「我々もかなりの出血が予想されるが、この戦いを乗り切れば、大祓骸魂の弱体化を一気に推し進めることが出来るだろう」

 作戦名は「オペレーション・ゴールデンイクリプス」と決定される。死闘の中で、猟兵達は黄金の輝きを見出すことが出来るのか。

 グリモアが起動し、猟兵達は決戦の地へと赴く。

 大祓百鬼夜行、作戦コード「オペレーション・ゴールデンイクリプス」、開始。


バートレット
 どうも、バートレットです。
 いよいよ幹部戦です。死闘の予感がしますが、知恵と勇気を振り絞って立ち向かいましょう。

 今回のプレイングボーナスは以下のとおりです。

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 プレイングボーナス……真の姿を晒して戦う(🔴は不要)。
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 真の姿ですが、グラフィックが無くともそれっぽい設定がありましたら、プレイングに記述すると良いでしょう。キャバリアのリミッター解除や全身にオーラを纏う程度の簡素な描写でもOKです。真の姿のグラフィックがある場合は積極的に利用することを推奨します。

 その他注意事項はMSページをご一読ください。
 また、プレイングの募集状況はタグを随時更新しますので、ご確認ください。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『西洋親分『しあわせな王子さま』骸蝕形態』

POW   :    骸蝕石怪変
自身の【黄金の剥がれた部位 】を【異形の姿】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD   :    部位崩壊弾
レベル分の1秒で【切り離した体の部位(遠隔操作可能) 】を発射できる。
WIZ   :    崩落の呪い
攻撃が命中した対象に【崩落の呪い 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【対象の皮膚や装甲が剥がれ落ちること】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

斑染近・紬姫
WIZ

真の姿:冬の王女に変身して行くわ。

敵が剥がれ落ちた黄金を出してきたら、装備の[鳳凰羽扇]をバタバタして、凍てつく冷気をたっぷり乗せた暴風で黄金を溢れ出る虞ごと浄化して触れる前に吹き飛ばしてやるわ。
(一振りで十分だって?私が基本大振り多めが好きよ?)

それと今回此処に来た目的。大祓骸魂への雲の道のための黄金を必要最低限だけいただくわ。

UCの小さな壺に氷漬けの黄金を入れていきます。

全部はいらないは、必要最低限だけ。グリモアベースに運んで必要が来たら道の材料に使うわね。

丁寧な遺書だけど葛藤はないわ。西洋親分は死なせないもの。
カンバって見届けなさい。

戦闘後にグリモアベースへ黄金を運搬搬送。


サンディ・ノックス
アドリブ歓迎
真の姿:金眼の赤い竜人(詳しい特徴はキャラクターシートに活性化しているイラストを参照いただけると嬉しいです)

覚悟は確かに受け取った、全力で戦うよ

地面を蹴り空を駆けて王子の元へ向かいながらUC解放・夜陰を発動、使い慣れたUCで勝負しよう
黒水晶を王子に飛ばし相手の攻撃も潰しながら本体に水晶を突き刺そう
相手の攻撃を潰しきれず、躱すこともできず当たってしまい呪いが発動したら、剥がれ落ちるのは全身を包む鎧
その下にヒトの身体は無い
剥がれ落ちて黒水晶が飛び散って、鎧の下は黒水晶の塊なのが自分でもわかる――ああ、俺はそういうモノだったのか
思考は驚くほどクリアだ

身体が欠けようと構わず戦闘を継続するよ


青垣・燈里
連携アドリブ歓迎

…私は、この姿は好きではないのだがね

・真の姿(=妖怪形態)
背中から8本の蜘蛛の足が生え、頭からは本物の角が生える。
瞳は青く光る。

周囲に光弾符・試胆符・物語符・呪霊符、【指定UC】で魔法剣をそれぞれ展開

…数多の百物語で集めた私の"虞"、とくと目に焼き付けよ

【弾幕+爆撃+誘導弾+レーザー射撃】で何時もより多く・速く・強い光弾を叩きつける
その中に【属性攻撃】で炎や氷を混ぜたり、【呪殺弾】を混ぜて物理に見せかけた呪いを叩き込む
おまけに【天候操作】で雷でも落とそうかね
仕上げに790本の魔法剣だ

私自身は飛び雪駄による脚力増強で動き回りつつ、相手の攻撃は弾幕で【カウンター】するよ



●虞と共に散る黄金
 猟兵達は「忘れられた者たちの終着駅」に着くやいなや、真の姿を露にして崩壊していくしあわせな王子さまと対峙する。先陣を切ったのは斑染近・紬姫(女帝の分身・f29077)、サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)、そして青垣・燈里(百物語の末に現れるモノ・f27947)の3名だ。

「覚悟は確かに受け取った、全力で戦うよ」

 赤き角と翼、そして鎧を身に纏った竜人の姿をとるサンディが代表して声をかけるが、王子に返答はない。理性すら蒸発した状態で、ただ崩落の呪詛を撒き散らし始める。

「……私は、この姿は好きではないのだがね。この姿を晒させた相応の礼はさせてもらおうじゃないか。虞には虞を、呪いには呪いを、ってね」

 瞳を青く光らせ、蜘蛛が如き恐るべき姿へと変貌した燈里がこれに即応する。周囲に光弾符・試胆符・物語符・呪霊符の4種類の呪符に加えて790本の魔法剣を浮かべて展開した彼女は、襲い来る呪詛を圧倒的な物量の弾幕でもって迎え撃つ。

「……数多の百物語で集めた私の"虞"、とくと目に焼き付けよ!」

 呪詛がぶつかり合う度、炎や氷、雷が飛び散る。そのうちのいくつかは確実に王子へと届き、崩落する身体を揺らして黄金の輝きを散らせていく。

 そこに冬の王女の姿をとった紬姫が鳳凰羽扇をあおいで放つ風が加わる。凍てつく冷気をたっぷり乗せた暴風は呪詛を浄化し、散った呪詛は黄金の輝きをキラキラと放ちながら浄化されて舞い上がっていく。

「本来は一振りで十分だけど……今回は大振りで大量に行くわよ!」

 その身に纏った冷気を次々と送り込みながら、紬姫は王子の虞を次々と凍てつかせ、浄化させ、黄金に戻して壺の中へ集めていく。彼女の目的はその黄金だった。大祓骸魂への雲の道を形成するために使用できればそれで十分、それ以外にもなにかの役に立つ、そう信じての行動だ。

 凍てつく黄金の風と、次々と乱れ飛ぶ呪詛の中をサンディは飛ぶ。王子に向けて闇の魔力が籠もった黒水晶を王子に飛ばし、飛んでくる崩壊の呪詛を相殺しながら接近戦を仕掛ける腹積もりだ。黒水晶は王子の身体に突き刺さり、着実にダメージを与えていく。

 しかし、王子の呪詛は全てを潰しきれるものではない。サンディは自らの身体を他の2人の盾として、その呪詛を受け止めてみせる。呪詛を受ける度に身体に纏った赤き鎧が崩壊していく。その下にあったのは、ヒトの身体は無い、鎧とともに舞い散るのは黒水晶。自分の正体を否が応でも無く見せつけられるが、クリアになった思考はサンディに対して何ら感慨をもたらさない。

(ああ、俺はそういうモノだったのか)

 身体が欠けようとも、死なばもろともの覚悟で黒水晶による攻撃を続ける。その攻撃はまさに、身を削るが如き攻撃であった。

「無茶するんじゃないよサンディ」

 雪駄によって増強された脚力で動き回りながら、燈里はサンディに釘を刺す。この戦いは王子に救いをもたらすための戦い。王子と相打ちでは意味がないのだと。

「そうよ。王子は丁寧な遺書をしたためてくれたけど、私達に葛藤はないわ。西洋親分は死なせないもの」

 だからこそ猟兵の戦いを見届けさせる、と紬姫も頷く。

 呪詛と黒水晶の濃密な弾幕と吹き荒れる冷気が、黄金に輝く呪詛とぶつかり合う。猟兵と王子との戦いは、かくして密度の濃い射撃戦によって幕を開けたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ラモート・レーパー
「高くつくよ。まああっちとの境界が低い今だからこそ出来ることだけど」
 真の姿を解放する。UDCアースでの真の姿。UDCアース民はそれを「死神」と呼ぶ。
 大鎌と無詠唱のUCを使い金が剥がれたところから削ぎ落とし細切れにして行く。
「理由はわかってるけど……シルバー通りこしてホワイトの私に世話なんてさせないで欲しいんだけど! むしろして! 老老介護になるけどさ!」


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎。真の姿にて。

了解であります。転移前より軍装を纏い、参戦するであります。
ご安心ください、王子殿。ご要請通り、全力でお相手させていただくであります。
いざ、尋常に。

対応能力の高い形態でありますな。対処を誤れば痛打であります。
部位を増やされる前に攻めるであります。
ファルシオンを抜いて白兵戦を敢行。
変形を見極めて、攻撃性が高い時にはカウンターを試み、移動力や射程距離を優先した時には苛烈な攻撃を加えるであります。
しかし我輩の狙いは、防御性能を重視した瞬間であります。

「六式武装展開、煙の番!」
守りに入った隙に煙幕を展開し、パイルバンカーによる一撃を防御の上から叩きつけるであります。


神樹・鐵火
ふむ、本気で戦うとな
面白い、受けて立とう

そちらも異形になるのなら、こちらも異形になる
『八幡演武』で鬼神状態へ
身長4メートル程の、鬼と竜の合成獣めいた赤く熱した鉄巨人の姿だ
遥か遠い神話時代の姿でな、あの頃は戦いに明け暮れていたのだよ
この姿になれば力と破壊が全てとなる、流儀も飾っけもない
相手の攻撃は活性化した戦女神の戦鎧の【覇気】で真正面から【武器受け】する
この姿は怯む事すら許されなくなるのでな
此方からは戦女神の鬼鎧籠手の【封印を解く】事で、暴走寸前の轟拳を噴出し
【地形破壊】を伴いかねない【怪力】任せの【重量攻撃】や【衝撃波】で攻撃する


ジェイ・ランス
【POW】※アドリブ、連携歓迎
■心情:
『しあわせな王子さま』か。素晴らしい覚悟だ。ならば、その覚悟に応えるが道理というもの。
異界とて、護るは我々が使命。その志、討って引き継ごうぞ。全力で参る。
乾坤一擲、受けてみよ。
―――Ubel:Code Licht_Löwe Dame.

■戦闘:
転移後、真の姿で顕現。上空よりUCを発動(空中戦)し、四本の腕を使った"ツェアライセン"にて、光の速さで大上段で【切断】を試みます。
さらに【2回攻撃】にて【なぎ払い】ます。

我々"切り裂くモノ"、未来を切り開くため、御身を断たぬ。



●血戦、どこまでも激しく
 濃密な弾幕の応酬が繰り広げられる中、その嵐の中を掻い潜って王子の下へと向かう4人の猟兵が戦況を動かす。

 大鎌を持つ死神、ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)。
 誇り高き軍装の少女、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
 赫奕たる鬼神、神樹・鐵火(脳筋駄女神・f29049)。
 黒き電脳の機械戦士、ジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)。

 四者四様の真の姿をとり、猟兵達は王子を自らの間合いに入れた。

「高くつくよ。まああっちとの境界が低い今だからこそ出来ることだけど」

 ラモートの死神としての姿はUDCアースの民に恐れられた姿。それは、カクリヨファンタズムとUDCアースとの境界が曖昧になった、大祓百鬼夜行が進行中の今だからこそUDCアースで顕現できる姿であった。彼女は手にした大鎌で王子が放つ攻撃を受け止めながら、返す刃で次々と切り刻んでいく。

 その刃の応酬の中、バルタンは愛刀ファルシオンを構えて静かに王子を見据えた。

「ご安心ください、王子殿。ご要請通り、全力でお相手させていただくであります。いざ、尋常に」

 対応を誤れば即死だ。だからこそ、部位を増やされる前にケリをつける。不退転の決意とともに、王子の放つ攻撃の切れ目を縫ってカウンターの一太刀を浴びせる。距離をとった一撃を加えるならば、そこに合わせて苛烈な連撃。しかし彼女の狙いは、守勢に回るその瞬間だ。攻勢が止むまで、バルタンは戦況を冷徹に見極める。

「貴公が本気で戦うとなれば受けて立とう。遥か遠い神話時代の姿でな、あの頃は戦いに明け暮れていた……貴公はどうだ。我が力と破壊を相手にどこまで戦えるか」

 鐵火の戦いぶりは流儀も飾り気も一切ない、まさにその姿が体現せし鬼神の如き力の嵐。身長4メートル程の、鬼と竜の合成獣めいた赤き鉄巨人は活性化した戦女神の戦鎧から放たれる覇気と共に攻撃を受け止めてみせる。この姿では怯む事すら許されない。

「異界とて、護るは我々が使命。その志、討って引き継ごうぞ。全力で参る。乾坤一擲、受けてみよ」

 力と力の応酬の中、戦況を変えようとジェイは翔ぶ。

「―――Ubel:Code Licht_Löwe Dame.」

 詠唱は短く。
 四本の腕を使った可変式対艦概念破断剣「ツェアライセン」にて、光速の唐竹割りが王子目掛けて飛ぶ。その瞬間、この攻撃を防ぐべく、王子は守勢へと転じた。

「今だ!」

 ジェイの声に応えるように、他の3名が攻勢に転じた。

「理由はわかってるけど……シルバー通りこしてホワイトの私に世話なんてさせないで欲しいんだけど! むしろして! 老老介護になるけどさ!」

 一層苛烈さを極めるラモートの連撃。金が剥がれたところから削ぎ落とし細切れにして行く。ラモーとが生み出す刃の嵐の中で、バルタンは煙幕を展開する。

「見事であります、ジェイ殿。これで必殺の一撃が繰り出せるであります。──六式武装展開、煙の番!」

 煙幕の中から守りを打ち砕くパイルバンカーの一撃。鉄杭が王子の身体に深々と突き刺さる。

「今度はこちらの一撃だ。簡単に崩れてくれるなよ、王子」

 戦女神の鬼鎧籠手の封印を解く事で、暴走寸前の轟拳を噴出。異形から放たれる猛き一撃は、王子の身体を大きく揺らすにとどまらず、周囲の地形を崩落、崩壊させ、生み出される重力波は荒れ狂って王子の身体を飲み込んでいく。

「『しあわせな王子さま』か。素晴らしい覚悟だ。ならば、その覚悟に応えるが道理というもの。我々"切り裂くモノ"、未来を切り開くため、御身を断たぬ」

 そして、ジェイはツェアライセンを一度横に引き、続けざまの2連撃。先の唐竹割りから続く斬撃が、異形の姿に変形した王子の部位を文字通り切り裂き、薙ぎ払う。

 4人の猟兵が挑んだ接近戦、斬撃と打撃の嵐は王子を着実に飲み込んでいく。戦局は猟兵側に傾き始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カイリ・タチバナ
最近知ったんだよなぁ、真の姿が誰なのかって。…すまねぇ、親父。頼むわ。

真の姿の立ち位置:カイリの中にいる親父(青い鉱石。銛の原材料)の欠片(本来は故人)

息子たるカイリに頼まれたらね。
【守神宿り】で増やすは、守神鏡と守神勾玉。こっちも私の子だよ。
鏡で結界術を張り、勾玉は念動力で弾丸のように発射。
私自身の武器は『幻守神煙管』…煙に幻術作用があるから、私を複数人見させよう。
ああ、鏡をただの結界術用と思わないように。それ、反射機能があるんだよ。…幻の私の後ろにあったりするから。

ちなみに、息子・カイリの本体(通常全身図で持ってる銛)は、座ってる青い鉱石の中に潜り込んでるから。
息子を守るのは当然だろ?



●親子は一つとなって
「最近知ったんだよなぁ、真の姿が誰なのかって。……すまねぇ、親父。頼むわ」

 カイリ・タチバナ(銛に宿りし守神・f27462)はそう言って、真の姿を露にする。その正体はカイリの中にいる父親、名を橘・陸鐘。カイリの本体である銛の原材料の青き輝きを放つ鉱石であった。

「息子たるカイリに頼まれたらね、応えないわけにはいかないじゃないか。父親としてね」

 88個の守神鏡と守神勾玉を周囲に浮かべながら、陸鐘は不敵に笑う。鏡で結界術を張り、燃堂力で勾玉による弾幕を形成。加えて、幻守神煙管が放つ煙が彼の幻を複数出現させ、王子を惑わせる。王子は本能のままに幻に切り離した体の部位で攻撃するが、その攻撃は空を切った。

「ああ、鏡をただの結界術用と思わないように。それ、反射機能があるんだよ。……幻の私の後ろにあったりするから」

 その言葉通り、切り離した身体の部位は反転して王子目掛けて飛んでいく。勾玉の弾幕に加えて反射した自らの攻撃がしたたかに王子を打ち据える。

 陸鐘は苛烈な攻撃を加えつつ、息子・カイリの本体を、自らが座る陸鐘の本体たる青い鉱石の中に潜り込ませて守っている。これでカイリに攻撃は届かないというわけだ。

「父親として、息子を守るのは当然だろ」

 陸鐘はそう言うと、不敵に笑いながら王子を追い詰めていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハルア・ガーラント
相馬(f23529)と

黒い真の姿

●WIZ
彼の目論見は解るんです
だけどそんな――悲し過ぎる

相馬に[オーラの障壁を張り防御]行動のサポートを
わたしは駅構内の障害物に身を隠しながら[援護射撃]
わたしへの攻撃は[第六感]による感知で移動や障害物を使い回避

崩落の呪いは[浄化]のオーラを纏って軽減
痛みを言い訳にも利用
彼を倒さないとこの痛みを沢山の人が味わうことになる

王子の異形化後、相馬の移動に合わせ〈咎人の鎖〉を王子へ巻き付け[捕縛]、レールや枕木に潜らせ僅かな時間稼ぎ
ふたりを巻き込むようにUC発動
相馬、お願い!

駅は始まりであり通過点であり終わりの場所
大丈夫、あなたのこころは未来に繋げるから

※アドリブ歓迎


鬼桐・相馬
ハルア(f23517)と

白い真の姿

●POW
本来なら自我の殆どを失い天の傀儡となるんだがハルアがいると自らを保てるこの姿
怖じ気づくハルアの翼を強めに叩き喝を入れる

いいか、迷うな
最上の覚悟にはこちらも相応しい覚悟で応じろ
それが礼だ

〈冥府の槍〉から噴き出す炎は普段と色も属性も違う、だが扱いは同じ
[怪力]をのせ黄金の剝がれた部位を更に削って行く
王子の攻撃は持ち前の[戦闘知識や野生の勘]で捉え[武器受け]、ハルアに届かせない

異形化に合わせハルアと合流するように移動
UC効果を感じたら壁や列車を蹴り反転、王子へ接近後UC発動し[焼却]を
この炎に熔かせぬものはない

お前の意志は継ぐよ、安心してくれ

※アドリブ歓迎



●Black & White
 ハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)、そして鬼桐・相馬(一角鬼・f23529)。互いを思い合う2人の真の姿はそれぞれ黒と白、さながら太極図のような対称の姿であり、同時に互いの欠けたところを補い合うかのような有り様を見せていた。

「彼の目論見は解るんです……。だけどそんな――悲し過ぎる」

 ハルアは、自己を犠牲にしてまで猟兵達の力にならんとするその姿に悲しさを覚える。相馬もその考えには内心同意しているが、それでも、と前を見ながらハルアの翼を叩いて喝を入れる。

「いいか、迷うな。最上の覚悟にはこちらも相応しい覚悟で応じろ。それが礼だ」
「っ……はい!」

 本来なら自我の殆どを失い天の傀儡となるこの姿、しかしハルアがいる限り自らを保てる。相馬にとっては、ハルアに対する礼も込めた檄であった。

 ハルアは相馬にオーラの障壁を張り援護しつつ、自らは駅構内の障害物に身を隠しながら銀曜銃での援護射撃を行う。一方の相馬は怪力をのせた冥府の槍をもって、黄金の剝がれた部位を更に削りにかかる。普段と異なる色と属性の炎が吹き上がるが、その権能の性質自体は不変だ。

 王子は崩落の呪いを込めた一撃を放つが、身を隠すハルアには完全に届かず、相馬への攻撃は障壁と己の得物による受け流しによって阻まれる。ならばと王子は身体の一部を変じた攻撃を、目の前の相馬に与えんとした。

「今だ」
「はいっ」

 これに呼応するように相馬はハルアの側へ向かい、合流。ハルアは崩落の呪いの一部を痛みという形で受けていたが、身体から放たれるオーラによって浄化する。

「彼を倒さないとこの痛みを沢山の人が味わうことになる……!」

 相馬の合流に合わせて、ハルアは翼が纏う咎人の鎖を王子目掛けて飛ばし、巻きつけて拘束する。周囲のレールや瓦礫に潜らせることで拘束時間を少しでも長く稼ぐ。

「この炎に熔かせぬものはない……!」

 冥府の槍の炎は大きく燃え上がる。そこに響くのはハルアの歌声。天使言語による裁定の歌が、天獄から齎される戦闘力強化と治癒を伴う祝福を相馬に、敵対心に比例し行動力を奪う天獄の裁きの光による攻撃を王子に与える。

「相馬、お願い!」
「任せろ!」

 天獄の白い裁きの獄炎を纏った槍の一撃は、王子をしたたかに打ち据えた。

「ッ……! 見事だ……!」

 意識を取り戻した王子。だが、その身体は最早崩落寸前だった。

「それで……君たちを信じて良いのかい?」

 王子は2人に問いかける。

「大丈夫、あなたのこころは未来に繋げるから」
「お前の意志は継ぐよ、安心してくれ」

 2人のその言葉に満足したように王子は頷いた。

「ふふ……では安心して君たちに託そう。駅は始まりであり、通過点であり、終わりの場所だ。君たちに良き旅路があらんことを」

 王子はそう言うと、鉛の心臓といくばくかの黄金を残し、消失するのであった。

 大祓百鬼夜行、作戦コード「オペレーション・ゴールデンイクリプス」、完遂。
 しあわせの王子は、ついにしあわせを託す相手を見つけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月16日


挿絵イラスト