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大祓百鬼夜行⑯〜深夜は大人のドリームナイト

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●BAR夢魔
 かららんらん。木製のドアのベルが鳴る。
「いらっしゃい、迷える子羊ちゃんたち」
 扉の先にいたのは小さなバーのカウンターに腰掛けて、妖艶な美女が目線を送る。
「あなた、皆に隠してるホンネがあるんじゃないの?」
 妖艶な美女は組んだ足をゆ~っくりと組み替えながら、正面に向かって手を伸ばす。
 すると、突如ゲスト妖怪の顔がカットインした。
『わたしドMなんです』
 うひょぉ~。というガヤ的SE。さらにカットインするのは夢魔の驚く顔。
『あなたこんなの放送できないわよ!』
 わははは、と笑うガヤ的SE。それらが一通り終わると、再び場面はバーに戻る。
「ほら、アナタのホンネを叶えてあげる――」
 指をくねらせ、ちゅっと投げキッス。
 すると、どこか甘く蠱惑的なBGMが流れ始めた。
 挿入されるのは、際どい水着姿のお姉さんが無意味に寝そべったり、お尻を突き合わせたり、唇を大写しにするシーン。
 それと同時にナレーションが語られる。
『この番組は、夢魔がゲストのホンネを暴露する、ちょっぴり過激な赤裸々バラエティ』
 画面いっぱいに、タイトルロゴが映し出された。
『深夜は大人のドリームナイト』

 さぁ、今宵もドリームナイトの扉が開く――。

 この番組は、大祓百鬼夜行の提供でお送りいたします。

●架空のテレビの見せる夢
「皆様、深夜のテレビ番組ってご覧になりますの?」
 エリルは猟兵達に尋ねた。
「わたくしは9時には寝るから見たことはありませんの。けれど、そんなのが見れるなんて、ちょっと大人な気分になりますわよね」
 くすっと笑って、エリルは言う。今回はそんな、深夜番組に関連する事件なのだそうだ。
「UDCアースのゴミ置き場に捨てれらたテレビで、存在しないはずのテレビ番組が流れるんだそうですの」
 どうやら、大祓百鬼夜行に下った妖怪達が架空のテレビを流しているようだ。
 映らないはずのテレビにあるはずのない番組……それだけなら害は無かったのだが、問題はここからだ。
「なんとそのテレビ番組……そのまま放置すればUDCアースの現実世界がその世界に切り替わってしまうそうなんですの!」
 テレビ番組の内容はともかく、現実が改変されるのは防がなくてはなるまい。その為に、エリルは猟兵達へと告げた。
「皆様にお願いしたいのは……その番組に参加して、番組を終わらせてくださいまし!!」

 テレビ番組を放映している妖怪は『眩惑』の夢魔という妖怪だ。もとから『眩惑』の夢魔は人の望む願いを夢の中で叶える力を持っていたが、骸魂と合体したことで能力が拡張され、さらにはテレビ番組のMCを務めるようになったようだ(?)。
「番組の趣旨に則って全力で参加すれば、骸魂は満足して肉体を明け渡すようですわ。戦う準備はしなくていいけれど、その分番組を盛り上げる準備はしておいてくださいまし」
 そう言うと、エリルは番組の『趣旨』を説明し始めた。
「夢魔はその能力でゲストの本心や願い、秘密を事前に仕入れ、テレビの前で暴露しますの。そのうえで色々なトークをしたうえで、夢の世界での実現ロケをやる……というのが番組の流れみたいですわね」
 恥ずかしい本音や隠し事などを暴露することで、ゲストが慌てたり赤面したりする様子を流す。そして、その本音を夢の世界で実現させ、ゲストをさらにイジる、これが番組の定番なのだ。
 ちなみにどうやらその秘密……マネージャーや知人から仕入れた体で夢魔は話題を切り出してくるという。
「どのような秘密が暴露されるかは、その時になるまでわかりませんの。ただ、なんだか『場が盛り上がる』秘密みたいなものが選ばれやすいみたいですわ」
 番組としての性質だろう。あまりにもガチな奴や、悲しい過去的な秘密が暴かれることはなさそうだ。
「深夜らしく、暴露する本音はちょっと過激……って聞くけれど、何がどう過激なのかしら」
 エリルは首を傾げる。まだまだ深夜番組を楽しむには若すぎる。知らないままにしてあげよう。
「まぁ、ともかく……皆様、テレビ出演頑張ってらっしゃいな!」
 そう言い、エリルのグリモアが輝き始めるのであった。


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 今回はちょっと昔の地上波深夜番組のノリでお送りいたします。

 今回は架空の番組を放映する妖怪の元へ赴き、番組を盛り上げてしまいましょう。
 そうすれば骸魂が倒れ、妖怪が解放されます。

 今回は深夜番組『深夜は大人のドリームナイト』に出演して頂きます。
 オープニングの通り、夢魔は能力を用いて、皆さんのマネージャーを称する妖怪から仕入れた体で秘密の願い、あるいは性癖的なものを暴露してきます。
 暴露内容は事前に知らされていません。どのような秘密が暴露されてしまうかはプレイングにて指定してください。
 なお、深夜に気楽な気持ちで視聴する番組なので、本当にヤバい秘密や、ハードな秘密、お涙頂戴系の内容は暴露されません。

 また、原則夢の中で叶えられそうな願いが選ばれるようです。こちらもプレイングで、どんな形で叶えられたいかを記載すると良いでしょう。

 深夜のノリなので、無意味にセクシーなシーンなどが随所で挿入され、視聴者層もそういうものを想定している番組のようですが、過激すぎる部分は妖怪放送倫理コードの都合上、編集でカットされます。ご注意ください。

 それでは、皆様の名演プレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『『眩惑』の夢魔』

POW   :    ドレインタッチ
【対象の背後に瞬間移動すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【生命力吸収】で攻撃する。
SPD   :    夢幻泡影
小さな【胡蝶】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【生命力を吸収する、その対象の望む夢】で、いつでも外に出られる。
WIZ   :    夢世界の主
【霧】を降らせる事で、戦場全体が【夢の世界】と同じ環境に変化する。[夢の世界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御狐・稲見之守です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

怨燃・羅鬼
は~い☆ゲストのらきちゃん☆だよ
アイドルの赤裸々☆いや~んだネ!こんなの放送されたら炎上不可避☆
けれどらきちゃん☆炎上系だからネ!問題ナイナイ☆
ということで眩惑さん夜露死苦ネ!


くふふ☆らきちゃん☆は陰摩羅鬼だからネ!ちょっぴりドSかな!
いや~ん☆恥ずかしいネ!
そんでらきちゃん☆他の人より欲が深いっていうか一人だけじゃ満足できない感じ?
くふふ☆顔が真っ赤になっちゃうネ!

※夢の中
燃え盛る炎で照らされたステージ(地獄)☆
辺りに置かれた拷問具☆
吊るされた罪と書かれた布で顔を覆われた人々☆
そしてらきちゃんの手に持たれた太い鎖……

カット!カット!カット!カット!



 ちゃららら~~ん♪
 BGMが鳴り響いてタイトルロゴがフェードアウトすると、バーのカウンターに座った『眩惑』の夢魔は、カメラ目線でこう告げた
「はい、まずは最初のゲストをお呼びしましょう」
 かららんらん。スタジオに備え付けられたドアが開く。その奥からぴょーんとやってきたのは。
「は~い☆ ゲストのらきちゃん☆だよ!」
 にぱーと笑って怨燃・羅鬼(怒りの心を火に焚べろ・f29417)はカメラに目線を送ると、段取りよく眩惑の隣の席につく。
「らきちゃんって言うのね、あなたアイドルなの?」
「そうだよ~! アイドルの赤裸々☆ いや~んだネ!」
 きゃっと身をすくめて、羅鬼は続ける。
「こんなの放送されたら炎上不可避☆ けどらきちゃん☆炎上系だからネ!問題ナイナイ☆」
「いきなり濃いのが来たわよ!」
 カメラさん達に眩惑が驚いた表情を見せる。どっと笑いが広がった。
「眩惑さん夜露死苦ネ!」
 羅鬼はピシッとポーズをとって、二人のトークが始まった。

「あなた、私生活じゃドSって言うじゃない」
 眩惑がカンペを見て(いる体)から羅鬼に聞く。
「くふふ☆」
 いきなりの直球に、思わず羅鬼が笑う。
「らきちゃん☆は陰摩羅鬼だからネ! ちょっぴりドSかな!」
 否定はまったくしない、笑いながら言う羅鬼に、眩惑も大盛り上がり。
「これは炎上系だわ。堂々としてるもの」
 眩惑が身を乗り出し、耳打ちさせる風に身体を寄せた。
「ね、どういうのが好きなのよぉ?」
 きゃっ、と照れつつも、羅鬼も羅鬼でぐいっと顔を近づける。肩を寄せ合い、ちょっと小声風に言う。
「らきちゃん☆他の人より欲が深いっていうか……一人だけじゃ満足できない感じ?」
「あらぁ♪」
 眩惑はもう大喜び。スタジオからも歓声が上がる。
「いや~ん☆ 恥ずかしいネ!」
 くふふ☆と笑い、顔を真っ赤に染める羅鬼に眩惑は。
「それじゃ、あなたのその願望を叶える夢に連れて行きましょう。VTR、どうぞ」
 どうやら夢は外ロケ、VTRの体らしい。

 もわんもわんと、スタジオにピンクのもやが充満し、夢(VTR)が始まった。
 もやが晴れ始めると、最初に見えてきたのは暗いステージに、炎による赤黒い照明が照らす洞窟のような場所であった
 天井からも地上からも鍾乳洞のようにとげとげしい岩が突き出て、何語かすらも見当がつかない呻き声のような歌が響く。
 これはもうまさしく地獄だ。ステージの脇にはそこかしこに拷問具が置かれ、照明によって妖しく光る。
 よく見れば、天所から何かぷらりと吊り下がっている。人だ。顔には『罪』と書かれ布が被せられている。
 その足元を歩くのは、我らがらきちゃん☆だ。彼女は太い鎖を持ち……。
「カット!カット!カット!カーーーーット!!!!!!」
 眩惑が叫ぶ。夢が終わり、スタジオへと戻されると、焦った表情で眩惑が言う。
「これ、あたしたちも炎上する奴よ!」
「くふふ☆」
 当のらきちゃん☆はてへぺろスマイル。再びスタジオはどっと笑いに包まれるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

城田・紗希
秘密かぁ…。……私に秘密なんてナイデスヨ?
(UDC対応で物理解決に頼りがちって言われるけど、無限湧きの眷属は叩いたほうが早いし…学校名目のUDC組織で、成績が低空飛行な事は誰にも言ってないし…)
…ホントニナイデスヨ?

(秘密が暴露されたら)わーっ、どこから持ってきたのー!
うー、お嫁に行けないー、責任を娶ってー(顔を手で覆って、文字通りゴロンゴロン転がりつつ)
まぁ転がるのは恥ずかしさを誤魔化すため…もあるけど、福音での回避を誤魔化すため…もあるんだよねぇ。
不規則に反転すればなかなか捕まらないだろうし、捕まってもテストの満点なんてそう簡単には…簡単だこれー!?(スラスラ解けることに驚き)
って夢だー!



「はい、続いてのゲストをお呼びするわよ」
 『眩惑』の夢魔はカウンターに座りながら場を進行させる。かららんとドアの音を立てて現れたのは、城田・紗希(人間の探索者・f01927)であった。
 きょろきょろと周囲を見る紗希に、眩惑はくすくすと笑う。
「あら、随分可愛いお客様じゃない。ほら、座って座って」
 ぽんぽんと座席を叩く眩惑に、紗希は導かれるまま腰掛ける。
「どうしたの? そわそわしちゃって」
 眩惑の問いに、紗希が首を傾げて答える。
「いやぁ、秘密とかが暴かれちゃうって聞いたんですけど」
 紗希が腕を組んで眩惑を見つめる。
「私に秘密なんてナイデスヨ?」
「本当かしら?」
 そういって眩惑は、足元からフリップを取り出した。
「あなた実は……脳筋って言われてるでしょ?」
「えっ……!?」
 紗希がぎょっとした顔をした。
「はい、脳筋エピソード、じゃん」
 フリップに貼られたシールを剥がす眩惑。
『物理に頼りがち』
「あなた無限湧きの敵にも叩いた方が早いって言ってるんですって?」
 眩惑がすかさずエピソードを披露する。
「う、無限湧きの眷属は叩いた方が早いし……」
 しどろもどろの紗希に、眩惑は畳みかける。
「はい次、学校の成績は(ほにゃららら)」
 ここでCM! 眩惑や他のゲストが笑う顔が映された後、無意味に水着のお姉さんが現れてウィンクをした。
『深夜は大人の……ドリームナ・イ・ト❤』

 さてCM開け。
「わーっ! どこから持ってきたのー!!」
 紗希が顔を真っ赤にしてフリップを隠そうとする。かなり成績が低空飛行であることが暴露され、用意されていたのはいつかの小テストの答案用紙だ。
「あなたこの回答……」
「わーわー!」
 なかなかの珍回答続出である。回答が読み上げられるたびに、スタジオに笑いが巻き起こる。
「うー、お嫁に行けないー、責任を娶ってー」
 ごろんごろんと転がる紗希。
「さぁ、今回の願望は……はい、VTR」
 もやんもやんとピンクの靄がかかり、気が付けば紗希は教室に座っていた。
 用意されているのは小テスト。それを紗希はうーんとにらめっこしている。
「テストの満点なんてそう簡単には……簡単だこれー!?」
 そう、彼女だってちゃんとテストでいい点を取りたいのだ。
「うふふ、楽しかった?」
 しかしそこでVTR終了。
「夢だこれー!」
 一時でも願望が叶えられたことは良かったのか悪かったのか。あんまりよくわからないまま紗希のゲストコーナーは終了を迎えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリ・アヌーン
普段スナックのママしてる私の出番ね♪
お気に入りのドレスで
参加
所持イラストのやつね

性癖を告白したり
暴露されたら
キャーキャー言って
恥ずかしそうな乙女
リアクションしたり
爆弾発言や迷言
歌ってごまかす等
可愛い演技や
セクシーな言動で
場を盛り上げ企画に
全力で乗っかるわ

「私、もともと体格のいい渋めの男性が好みだったのだけど、
最近プロレスを始めて
人気レスラーさんの試合を観戦するようになって……
自分が筋肉フェチである事に気付いちゃいました。
逞しい見事な筋肉や技のぶつかり合いを見ていると身体が熱くなって
キュンキュンしちゃう♪


夢では甘いマスクの
レスラーさんと
朝チュンしてイケボで
ほっぺにキスして起こしてほしいわ~♪



 かららんらん。
「あら」
「どうも~、お邪魔しま~す♪」
 『眩惑』の夢魔が呼んだ次なるゲストはリリ・アヌーン(ナイトメア・リリー・f27568)。リリはバーに入りながら、ぺこぺこと眩惑やスタッフさん達にお辞儀をしてから席に着いた。
「同業者の匂いだわぁ」
「うふふ、スナックのママをさせてもらってます♪」
 赤いお気に入りのドレスに身を包んだリリが笑う。
「素敵ねぇ。何年くらいやってらっしゃるの?」
「えーと、かれこれぇ……」
 そんな当たり障りのない会話から始まったトークであったが、ここは赤裸々トークバラエティ。
「ところで……あなた」
 眩惑は小さなカードを取り出して、書かれている内容を無言で読み込む。目線をちらちらリリへと向けて、眩惑が告げた。
「筋肉フェチなのね?」
「キャーッ♪ きゃーっ♪」
 手をほっぺにあてて、リリが恥ずかしそうにふるふる首を揺らす。
「私、もともと体格のいい渋めの男性が好みだったのだけど……」
 顔を赤くしながらリリがエピソードを語り始める。
「最近プロレスを始めて」
「プロレス!?」
 眩惑が食いついた。
「ママなのにプロレスまでやっちゃうの!?」
「まだ初心者ですけど♪」
 そこでトレーニング中のリリの写真が披露される。ウェアに身を包んで、汗の輝くリリはまた違った魅力を秘めていた。
「あらぁ、セクシー❤」
「やーもー♪」
 恥ずかしそうなリリだが、暴露された情報への興味を察して、リリは言葉を続ける。
「人気レスラーさんの試合を観戦するようになって……自分が筋肉フェチであることに気付いちゃいました」
 そう言うと、今現在リリが気になっているレスラーさん達のブロマイドが並べられる。
「あらぁ、この胸板……触りたいわぁ」
「でしょぉでしょぉ?」
 きゃっきゃうふふと続く妖艶な二人の会話は、徐々に過激になっていく。
「逞しい見事な筋肉や技のぶつかり合いを見ていると身体が熱くなって、キュンキュンしちゃう♪」
「あぁん、わかるぅ❤」
 眩惑も筋肉の魅力にメロメロって感じだ。
 さぁ、そんなわけで、そろそろ夢のお時間だ。
「あなたの夢、かなえてあ・げ・る♪」
 もわんもわんとピンクのもやがかかり、VTRがスタートした。

 ちゅん、ちゅん、ちちち。
 ブラインドを下ろした窓の隙間から、眩しい朝日がベッドルームに飛び込んだ。
 少し乱れたシーツの上で、もぞ……と毛布が動くと、どうやらそこには眠っている人がいるようだ。
 それはリリと、さっきまでブロマイドで紹介されていたレスラーさんだ。
 毛布で隠れながらも、肩から上を露出させたリリの肢体に下着の類は見られず、レスラーさんの腕を枕に、胸板に腕を寄せてすやすやと寝息を立てていた。
「ん……」
 寝息とともに甘い声が漏れる。その声で一足先に目を覚ましたレスラーさんが、リリの頬に顔を寄せて、ちゅ、とキスをした。
「んん……」
 目を擦りながら目覚めたリリとレスラーさんの目が合った。
「おはよう」
「ぁっ❤」
 身体の芯に響く重低音イケボである。リリは思わず上ずった声を上げてしまう。
「あぁあ~、最っ高!」
 VTR視聴中の眩惑(ワイプ状態)が思わず叫んだ。
 これぞまさしく『夢』だ。素敵な時間を過ごしたリリと眩惑は互いに意気投合するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・日明
【アドリブ連携歓迎】
何故僕が……
そんな別に秘密にしないといけないようなことをして生活しては……え、実はドがつく加虐嗜好??
いや、それ別人だったりしません?(【指定UC】で分身体を呼び誤魔化そうと試みる。以下『』は分身体の台詞)

『バッカだなー僕はお前の持ってる特性の具現体なんだからお前の性癖なの変わんないじゃん☆』
性癖って言うな!違う!
『痛めつけると相手ってこっち見るじゃない?何か自分がその視線を独り占めできてると思うとテンション上がるんだよね』
頼むから黙ってくれ!
『(規制音)』
……

……一言?
今誰か介錯してくださるならお願いしたいですね……(死んだ目)

夢:もふもふ動物に懐かれて幸せそうな内容で。



「はい、今度のゲストはこの方です。どうぞー」
 そう『眩惑』の夢魔に促されて現れたのは、終夜・日明(終わりの夜明けの先導者・f28722)であった。
 日明はスタジオに入ると、戸惑った様子で眩惑の元へと歩く。
「何故僕が……」
 日明はそう呟いた。彼には秘密にしないといけないようなことや、隠し事などはない。
「と思っているでしょぉ?」
 席についた日明に、眩惑がにやりと笑う。
「あなた、本当は『ドS』なんですって?」
「……え」
 日明はその言葉に凍り付いた。
「うふふ、結構凄いことやってるみたいじゃない」
 眩惑がそう言うと、日明は明らかに慌てふためいた。
「いや、それ別人だったりしません?」
 そう言って日明が呼び出したのは彼と同じ顔の分身体。分身体の日明は、本体と目を合わせると、にやりと笑って口を開いた。
『バッカだなー』
「え」
 日明がたらりと冷や汗を流す。
『僕はお前の持ってる特性の具現体なんだからお前の性癖なの変わんないじゃん☆』
「性癖って言うな! 違う!」
「だそうよ?」
 眩惑がうふふと笑う。日明は焦って分身体の口を塞ごうとするが、分身体はのらりくらりと避けてゆく。
 その間に分身体はすとんと眩惑の隣に座り、にやにやと笑いながら眩惑に向かって告げた。
『痛めつけると相手ってこっち見るじゃない?』
「えぇ」
 本体の日明はもはや無視して、眩惑は分身体のエピソードトークに相槌を打った。
『何か自分がその視線を独り占めできてると思うとテンション上がるんだよね』
「きゃ❤」
「頼むから黙ってくれ!!」
 しかし分身体の暴走は止まらない!
『(ぴー)が(ぴーーーー)(ぴぴーー)』
 妖怪放送倫理規定に従って規制音が入る。しかしその都度、スタジオは爆笑の渦に包まれる。
「……さ、本体さん、何か言うことは?」
 死んだ瞳の日明は、ぽつりと呟いた。
「今誰か介錯してくださるなら……お願いしたいですね……」

 なお、このまま願望を具現化すると大変なことになりそうだったのと、本人たっての希望もあり、夢のVTRはもふもふ動物にたっぷりと懐かれるアニマルビデオでしたとさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水島・可奈
なんか怪しい雰囲気な番組だね……え?秘密?私に秘密なんてないって。言ったら弄られる危険性あるし……
(……大丈夫だよね、私がタロットカードで未来とアドバイスの位置に塔と法王(逆位置)のカードが来て絶望しかなかったから数日信じちゃって涙流しながら寝込んだことはバレるわけがないはず……)

●暴露されたら
……え?誰からそれ聞いたの?その件は館長しか知らないはず――まさか?あいつ後でシバく……

●夢の中
タロット占い中、上記の位置のみまだ開いてない
悪いカード出ませんように……できれば太陽とか審判とかそういう良さげなの……!
そして出たのは――

……はっ……
すごいいい結果出た気がしたんだけど……夢、なの……?



「さぁ、本日最後のゲストです。どうぞ」
 『眩惑』の夢魔が紹介する。そこに現れたのは水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)であった。
(「なんか妖しい雰囲気な番組だね……」)
 可奈はこの状況を怪しみながらも、番組の趣旨に乗っかるという目的の為、眩惑の隣の席へとつく。
「さぁて、ちょっと秘密を聞かせて貰っちゃおうかしら」
 そう切り出した眩惑に対して、可奈はすっとぼけたように返す。
「え、秘密? 私に秘密なんてないって」
「あらそぉ?」
 可奈の返しに、残念そうな眩惑であったが、そう言われたのは想定内なのだろう。
「じゃあこちら」
 眩惑はひょいとフリップを取り出した。そこには『水島・可奈の恥ずかしエピソード』とタイトルが打たれている。
「何それ!?」
「はい、剥がしまーす」
 戸惑う可奈を無視して、眩惑は番組を進行する。フリップに貼られた紙を剥がすと……。
「占いの結果に本気で寝込んだことがある」
 可奈が眩惑の言葉に硬直した。しかし眩惑はどんどん進めるべく、フリップの裏にあるカンペを読み始めた。
「えぇと、タロットカードで占っていた時、物凄い悪い結果が出てしまった水島・可奈は、数日間その結果を信じ込んで泣きながら寝込んでいた……」
 どうやら、出たのは塔と法王の逆位置。未来とアドバイスの位置に出てしまったものだから、絶望的な結果である。
「……誰からそれ聞いたの?」
 マジな目で可奈が聞く。しかし眩惑はふふふと笑うばかり。
「本当なのね?」
 そんな眩惑の言葉にかぁーっと顔を赤くする可奈。しかし、こんな秘密を知る相手なんて、彼女の知る限り『館長』しかいないはず。
「――まさか? あいつ後でシバく……」
 なお、これは眩惑が独自に集めた情報なので濡れ衣である。

「さぁ、そんなわけであなたの見る夢はこ・ち・ら♪」
 その夢の中で、可奈はタロット占いに興じていた。
 悪いカードが出てしまったことを絶望したのであれば、良いカードが出ればもうウキウキに違いない。
「いカード出ませんように……! できれば太陽とか審判とかそういう良さげなの……!」
 そうして出たカードは……。
「はいここでおしまい♪」
「はっ、すごいいい結果出た気がしたんだけど……!!」
 呆然とした様子で可奈はキョロキョロと周囲を伺う。しかし手元にタロットカードは既になく。
「あぁあ~、気になる~~……!」
 そう言って頭を抱えるのであった。

「それじゃ、本日の放送はここまで。皆のエピソード、楽しかったわぁ」
 そう言いながら、エンドロールが流れ始めた。
 人生悲喜こもごも、隠し事もあれば自分の知らなかった性癖だってあるさ。
 暴露話は趣味こそ悪いが、そんな人間の新たな一面を見出すことにもつながるのだ。
 満足した骸魂が『眩惑』の夢魔から抜けてゆく。番組ももう、お終いだ。
「またいつか、お会いしましょう。さようなら」
 そう言いながら、眩惑は手を振って視聴者にお別れをし続けた。
 ぶつりと放送が途切れ、砂嵐になるまで、ずっと、ずっと。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月16日


挿絵イラスト