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大祓百鬼夜行⑩〜寿司が食いたきゃ酔っといで

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●カクリヨの寿司屋
「おいちゃん! あたいにイカ!」
「こっちにまぐろ!」
「子持ち昆布なんてェのはあるかい?」
「西洋さんからあぼかどと鮭を組み合わせた巻寿司があるって聞いたんだけど」
「ぜぇんぶあるよ。巻はちょいと待ってな。腕は一つしかないもんでよ」

 行列ができる寿司屋でもない。屋台を引っ張り、ただ好きな所にふらあり、ふらり。その日その日で営業する場所も、顔ぶれも。全然違う。
 けれどどの日もどの日も客人は寿司を求めて。時に無茶振りなんてしてくる。

「新しい妖怪さんがよう、黒いもちもちした飲みもんがうんメェって言うんだがよ。大将、そいつは知ってるかい?」
 正直そいつにゃあ心当たりが無い。でもこいつか? ってもんを出すと喜んでくれるもんだからよ。ついついやっちまうんだよなあこれが。
 気づけばお品書きの数は屋台に乗りきれねえぐれえになっちまった。

 一人で切り盛りするにゃちとしんどい時もある。けれどやめらんねえのは屋台に並ぶ笑顔が見えるからだ。

「大将、酒はあるかい?」

 その一声に振り向けば。ばくり。
 ごっきゅごっきゅ。大将共々酒で流される。

「さぁさいらっしゃい! 酒吞め、鮭飲み……は違うか! 寿司でも食うてけ!」

●グリモアベース
 手櫛で髪を整え、俯きながら服装に乱れは無いか確認した後に咳払いをひとつ。齢十になったばかりの少女・琴平・琴子(まえむきのあし・f27172)はゆっくりと瞼を開いた。
「お集まりいただき有難うございます。カクリヨファンタズムとUDCアースにおいて大祓百鬼夜行の戦いが繰り広げられてるのはご存知ですよね?」
 集まった猟兵たちの顔を見ながら、知っているかのような表情に真剣な眼差しで頷いた。
「カクリヨファンタズムで屋台をやっている妖怪さんがオブリビオンに食べられてしまったらしく、なんでもお寿司をいっぱい作っているそうなんです」
 寿司、と言っても魚だけではない。中には魚が食べられない方のためにも肉類を乗せたもの。チーズを乗せた物。はたまた、甘味……果物、ケーキ、デザートドリンクの類も取り扱っているようだ。
「食べ物の種類も多いですし、お好きなものを食べて行っては如何でしょう?」
 食べられない人の為に配慮ができるお寿司屋さんのお持て成し具合は少しの無茶振りも効くみたいだ。
「相手の料理を尽きるほど食べれば良いみたいです。最も、相手は酒が呑みたいのでお酒の取り扱いも多い様ですよ」
 お酒の事は知りませんが、と付け加えた琴子は何かを思い出したかのように声を漏らした。
「未成年のお酒は駄目ですからね」
 彼女の手の上の新緑の若葉はくるりと回って光って、猟兵たちを導いていく。


さけもり
 OPをご覧下さって有難うございます。さけもりです。サーモンが好きです。
 受付時間はタグ、MSページ、Twitterをご確認下さい。

 1章のみで完結する戦争シナリオです。
 此方のシナリオには以下のプレイングボーナスがあります。
 プレイングボーナス……屋台グルメを食べまくる。
           (戦わずともダメージを与えられます)

 1章ボス『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』
 寿司屋の大将を飲み込んで寿司屋をやっております。
 メニューは大体お寿司屋さんにありそうなものならあると考えて下さい。
(OPで出した黒いもちもちしたものはタピオカドリンクです)
 大体酒を飲みながら寿司や他の物を出すと思います。

 また未成年のキャラクター様の飲酒のプレイングを頂いた場合には不採用とさせて頂きます。

「プレイング受付について」
 完結を優先に考えております。頂いて書けたものを優先に。
 また全員採用はお約束できない場合がございます。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』

POW   :    桜に酒はよく似合う
【周囲に咲いている桜の花びら】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    月も酒にはよく似合う
非戦闘行為に没頭している間、自身の【頭上に輝く満月】が【怪しい光を照らして包み込み】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    やはり祭りに酒はよく似合う
【頭上の提灯の怪しくも楽しそうな灯り】を披露した指定の全対象に【倒れるまで踊り狂いたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:tori

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は高柳・源三郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イヴォール・ノトス
次々に寿司が出てくるとか天国か!いや、カクリヨか
食べ尽くしていいって夢の様だな
妖怪助けも出来て飯も食えるって最高か

食材に嫌いな物は無し
残さない、粗末にしないが信条
酒は呑めないが、寿司も飲み物みたいなもんだろ?

よォ大将、いっちょ握って貰おうか
何をって、手始めにメニューに載ってるネタを頭からケツまで五人前ずつ!
握れねェとは言わないよな?
料理人魂を挑発して、どんどん握って貰おう

アタシはいつでも腹ぺこだ
ただ喰らうだけじゃなく、シャリやネタはきちんと味わう
相手が何者であれ、旨いもん作ってくれてンだし感謝しねェと
大将の酒には付き合えねェけど、アタシにはあがりくれ

メニューを一巡したら、また頭から二巡目いくぜ



●寿司 with 肉
「次々に寿司が出てくるとか天国か!」
 いや、カクリヨか。しかしその天国にも等しいような場所で食べ尽くしてもいいっていうのが夢の様だとイヴォール・ノトス(暴食・f25687)は何にしようかとお品書きを眺める。
「妖怪助けも出来て、飯も食えるって最高か」
「そいつはどうじゃろうなあ……」
 ククク、と喉をならして笑う酔いどれオロチは酒を飲んでいる。しかし自分は未成年故に酒は呑めないが、寿司も飲み物みたいなものだと思う。
 噛まずに一口で食べきるのがマナーと聞く。それはあくまで”守れるのなら守れば良いマナー”であってルールではないが、フードファイターの一人であるからしてそれはできる限り守りたいし、その方が美味いのだからそうするまで!
「よォ大将、いっちょ握って貰おうか」
「へえ、何にするんじゃ?」
「何をって」
 お品書きをどん、と酔いどれオロチに見せて端から端まで手を滑らせる。
「此処から此処までメニューに載ってるネタを5人前ずつ!」
「なぬっ……」
「握れねエとは言わないよな?」
「ぐっ……」
「料理人だもんな? 寿司職人だもんな? それぐらい」
「やってやらァ!」
 イヴォールに焚き付けられ、酔いどれオロチの中にいる妖怪の職人魂に火が付いた。よっし! と声を出しながらガッツポーズをすれば出てくる出てくる寿司の数々。
 赤身。白身。光り物。――の先にあったのは肉の乗った寿司。火入れはされておらず、赤い。
「大将、コイツは?」
「肉寿司、ってもんじゃ……嬢ちゃん、コイツは初めてかい?」
「……噂にゃ聞いたことがあるぜ」
 ごくり、イヴォールが喉を鳴らせばフ、とオロチの口から笑みが零れる。
「加熱処理をした肉をシャリの上に乗せ、ワサビ。岩塩。それぞれを軽く乗せれば美味い肉寿司ができるってもんじゃ……」
「そいつはどんな味なんだ……」
 さあさあと差し出されるがままにイヴォールは両手を合わせ、いただきますを呟きながら頭を下げる。これは食材へ、そしてこれを作ってくれた職人たちへの礼儀である。
 口の中に一口で飲み込み、噛みしめれば少し脂の乗った肉にワサビの辛さによって生臭さを消して爽やかな味を生み出している!
 塩の方はどうだろう。此方は塩で肉を食べているような。一口の肉の丼を形成されている美味さだ!
「食べる手が止まらねぇ……!」
 もちろん肉寿司だけではない。魚だって淡泊なものと脂が乗ったものを繰り返し食べればずっと食べられてしまう程に美味しい。これはイヴォールが常に空腹とはいえ、よく噛みしめて、よく食べても変わらず食べ進める手は止まらない……!
「大将、美味い寿司握るじゃねえか。ありがとうな」
「よせやい」
 照れるじゃねえかと酒に酔ってるのか、照れてるのか。鼻をこする酔いどれオロチの顔は赤かった。
 例え相手がオブリビオンだろうが、何だろうが。旨いもんを作ってくれたやつに感謝はしっかりしないといけない。それが食べる人間の礼儀の一つ。
「大将の酒には付き合えねェけど、アタシにはあがりをくれ」
「はいよ」
 熱いあがり。緑茶の香りがイヴォールの鼻腔をくすぐり、胸を、腹を、落ち着かせる……と思いきや。
「よーし、これで一巡したな? 大将! 二巡目よろしく!」
 元気よく手を上げれば酔いどれオロチのひえ、という声はイヴォールの此処から此処まで! という声に掻き消されていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
とりあえず目一杯食べれば良いんだよね

大将、お邪魔するよ
何か旬の刺身の盛り合わせと
お勧めのお酒を冷でお願いできるかな
すっきりして飲みやすいのがいいかな

カクリヨなら見た目は若い妖怪もお酒を飲んでるし
あまり気にせずお酒頼めるのはありがたいね
UDCアースだと免許書見せたり目立ったり
色々面倒だからね

大将に話しかけつつ
刺身とお酒を楽しんだら
寿司を頼んでいこうか
こう見えても割と食べられる方だよ

イカやアジ、カツオとかサーモンとか色々と頼んでみようか
腕がいいのは大将を飲み込んだからか
それとも骸魂もそうだったのかな

最後に漬けのお茶漬けと赤だしを貰おうかな
戦争という割りに役得だったような気もするけど
ともかく御馳走様



●寿司 with 酒
「大将、お邪魔するよ」
「へい、いらっしゃい」
 暖簾をくぐり、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)はお品書きを眺める。
「とりあえず目一杯食べれば良いんだよね」
 だったら……と目に入ったのは刺身。魚だけの味を楽しむのもいいかもしれないと頷き、酔いどれオロチへと顔を向けた。
「旬の刺身の盛り合わせを」
「今なら鰆が美味いんじゃがどうかのう」
「あっ、じゃあそれで。あとそれに合うお酒を冷でお願いできるかな」
「脂が乗った鰆にゃあ、日本酒じゃな。ちょいと待っとれ」
 升に注がれる酒は、透明で水にも見えたが実際は酒の澄んだ日本酒の香りが漂い始める。ついでと言わんばかりに酔いどれオロチも自分の御猪口に日本酒を入れて、ぐいっと口の渇きを潤した。
 頂きますと手を合わせて、ぱくり。晶は鰆を口の中に放り込んだ。鰆の脂が口いっぱいに広がって、それに合わせる様に選んでもらった日本酒を一口飲み干せば魚の生臭さを抑えてより一層爽やかな味わいになるのに、まだ食べたくなって箸が進んでいく……! ぱくりと鰆を食べて、ぐいっと酒を呑めば。それの繰り返し。喉元は日本酒でカアっと熱くなるけれどそれよりも魚の脂を、冷たい日本酒がきりりと引き締めてくれて飽きが来ない。
「若いのによく飲むのう」
「これでも成人してる少しは経ってるんだよ?」
 UDCアースならば目立ってしまう晶も。酒を飲めばちょっと、と声を掛けられれば免許書を見せ、一言いわなくてはいけないし面倒事が多い。だがカクリヨならば見た目は若い妖怪もお酒を飲んでいるし、それを気にせず酒を頼めるのはとてもありがたいことであった。
「クク。酒が飲める年齢なら然程気にせんよ」
 実際、中学生と間違えられる晶の見た目でも、中身の方が大事なのだから。それに酒に付き合える客人が居るのも、酔いどれオロチにとっては都合が良い。
「やった。 ね、大将。お寿司ほしいな。これでも割と食べられる方だよ」
「ほう。何にする?」
 パンパン! 3組の両手を叩き合えば、酔いどれオロチの中のもてなし魂に火が付く。
「イカやアジ、カツオとかサーモンとか」
 晶が注文を口にすれば数秒で出てくる品々はすぐに晶の口の中へと吸い込まれていく。
「アジもカツオも脂が乗ってて美味しいな」
 寿司も美味いが刺身だって美味かった。腕が良いのは本当の大将を飲みこんだからだろうか。骸魂もそうだったのだろうか。――今となっては、その両人、どちらかに聞いても本当の答えは分からないけれど。しかし、目の前で出された品々がその答えなのだろうと晶は寿司を飲みこんだ。
「最後に漬けのお茶漬けと赤だしを貰おうかな」
「シメの二杯かい! 粋だのう」
 カカ、と笑いながら晶に出したのは漬けの鰤茶漬けと赤だしの味噌汁。茶漬けはかつお出汁で柔らかく。赤だしは火照った体の酔いを醒ます様な香りの元、三つ葉が散らされていながら赤だしの濃厚さはシメのに丁度良い塩味であった。
「大将、御馳走様」
 両手を合わせて、頭を下げると酔いどれオロチは満足気な顔をして笑う。手元には御猪口を携え、軽く掲げてその中にあった日本酒をぐいっと飲み干した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
寿司ですか……エンパイアのそれと少し異なりますが、これはこれで愉快。

そして酒も呑める、と──最高ですな!


適当にオススメを頼みつつ、一杯頼みましょう。
南都の諸白はありますか? 無ければ焼酎でもビールでも結構。

そして寿司を摘みつつ、盃を干して参ります。

どうもこの身、この血が酒精を恋しがっている如くに幾ら呑んでも飽きることなく──戦国の頃、酒好きの余り骸の灰を酒樽に沈めて墓とするよう遺言したという豪傑ほどではありませんが、二日に一杯は飲まぬと調子が優れぬ程で。

そう笑いながら【酒呑無双】にて嚥下した酒を力とし、食を進めましょう。
最初からこれが目当てでの飲酒です。
ええ、作戦の内ですとも。

……もう一杯!



●寿司 and 酒
「寿司ですか……エンパイアのそれとは少し異なりますが、これはこれで愉快」
 サムライエンパイアにおいては、寿司は屋台で出されるから珍しいものではないが、鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)が目を通したお品書きの中には見慣れないものがあった。アボカドサーモン。カルフォルニアロール。辛うじて理解できるものもあるがシャリの上に果物を乗せたデザート寿司なるものもある。一部のものは幽世独自、はたまた別の世界から取り入れたものだろうがそれはそれで目を惹いたが……。
「そして酒も呑める、と。――最高ですな!」
 この景正、目的は寿司だけではない。寿司のみならず、酒も呑める、と。未だ酒を口に含んでいないというのに気分は高揚する。
「おう、兄ィちゃん。イケる口かのう?」
 徳利から御猪口に日本酒を注ぎ、ぐいっと一口飲み干した酔いどれオロチの顔は赤い。出来上がっているのか、日本酒のみならず様々な酒の匂いが景正の鼻腔を擽った。――多種多様な酒の匂い。これは寿司のみならず、酒の種類にも期待できそうだ。にやりと笑みを零せば、オロチ同様に手で御猪口の形を作り、ぐいと飲み干す仕草。
「ほう……若造がやるのう」
「オススメの握りを頂いても? それに合わせた酒も1杯……いや、南都の諸白があれば、それを」
「その名、久し振りに聞いたのう……。どれどれ」
 3組の手の内2組は寿司を握り、もう1組は酒を注ぐ。杯の中に並々と入れられた酒は静かな波紋を描き、景正の前へと差し出された。寿司も赤味の鮪、白身の鯛、光り物の鰯と並ぶ最中。横には酒に合うという塩も盛られていた。
「それでは遠慮なく」
 頂きます。軽く頭を下げ、杯を少し掲げればぐいっと一息。並々注がれた日本酒は景正の喉を潤し、腹を満たしていく。
「お代わりを頂けますか?」
「そんなに飲んで酔い潰れても知らんぞう?」
 酔い潰れるかもしれない景正をじろり上から下へと見定めるとべろりと舌なめずり。――この若造をどう呑み干してやろうか。そう考えもした。
 だが。景正の手と口は止まらない。主に盃を飲み干す手と口であるが。
 ――かつて何処かに、酒を好む鬼がいたそうな。その鬼は美味い酒を呑み、酔い潰れている間に退治されたとかいう。そういう御伽噺がある。けれど此処は幽世。現世に通ずる妖怪の世界。御伽噺に在らず。景正もその鬼と似た特徴を持つ種族ではあるものの、そんな鬼とはかけ離れている程に酒には強かった。
「お、おい……お、お冷やはいらんのかい……」
「ああ。どうもこの身、この地が酒精を恋しがっている如くに幾ら呑んでも飽きることなく」
 いいやそうではない。心配して言っているのだ。――そんなに飲んで、体は平気なのかと。なのに景正の顔はけろりとしているし、顔色が変わっている様子は無い。
 酒は好きだ。酒好きの余り骸の灰を酒樽に沈めて墓にしてほしい。――なんて、冗談めいた遺言をする程豪傑ではない。
 だが。
「二日に一杯は飲まぬと調子が優れぬ程で」
 はっはっはっは。笑いすら出ている。一方、酔いどれオロチの顔は青ざめるばかりだ。
 酒を呑めば呑む程力が湧き出る。食欲すら増して、留まる事を知らない手……! 酒が呑めて、肴の寿司も食べられて。一石二鳥で楽しい、それも作戦の内であった。
「……もう一杯!」
 盃を掲げる度、酔いどれオロチの顔は青から蒼白、そして真っ白に。口からは酒かすら分からぬ泡を噴出して、白目を剥いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

都槻・綾
酒には殺菌作用がありますし
生ものには
最適な組み合わせですからね

なんて
「ただ呑みたいだけでしょう」と
言いたげな縫へ
尤もそうな事を語り掛けるけれど

駆けつけ一杯の豊潤さに
忽ち顔が綻んで

やぁ、大将
実にふくよかな酒ですねぇ

おすすめ握りを注文の他
鰹のたたきの出汁醤油や
穴子や鰻の甘ダレにもよく合う酒も
選んで貰いましょう

あぁ
けれど…、

ほんの少し眉を下げて
こっそり耳打ち

実は私、山葵はどうしても苦手なのです
さび抜きの代わり
生姜をたっぷり…なんて我儘も
叶うかしら?

寿司飯の甘みと酸味
新鮮な魚の彩り
辛口の酒精のきゅっと締まった味わいは
正に格別!

ねぇ、幾らでも味わいたい
戦が終わったその先にも
こうしてまた
訪れても良いかしら



●酒 not 山葵
「生ものには最適な組み合わせですからね」
 古来より料理、食材に対して生臭さを消したり、殺菌作用を持たせたりと酒の歴史は長い。それに寿司に酒はよく合うのだと都槻・綾(絲遊・f01786)が連れた少女人形・纏へ目をみやればそれは貴方が呑みたいだけでしょうとじいっと不機嫌そうな顔で見つめてくるも微笑みながら暖簾をくぐり、座る。
「酒は百薬の長と言ってね体にとてもいいのですよ」
 ――とは言っても、人の身を持ちながらも本体は香炉なわけで。それがきちんと作用するかどうかは定かではない。それを聞き入れてくれる少女人形の顔は拗ねたまま隣にどすんと音を立てて座った。
「兄ィちゃん、飲めるのかい」
「ええ、ほんの少し」
「どおれ、駆けつけ一杯」
 謙遜のつもりだった。並々と御猪口に注がれた日本酒の香りを嗅ぎ、手に持てばぐいっと口元へ一気に流し込んだ。豊潤な酒の香りが口いっぱいに広がって、ほう、と顔を紅潮させた後に顔が綻んでいく。
「やぁ、大将。実にふくよかな酒ですねぇ」
「儂とっておきの逸品よぅ」
 それならば……と
「おすすめ握りと……鰹のたたきの出汁醤油なんかを頂いても? 甘ダレに合う酒もありましたら是非」
「はいよ」
「……あぁ、大将」
 実は。手招きをしながらこそりと耳打ち。本当だったら付けた方が良い。しかしそれは綾が苦手とするものだから。できたら。
「実は私、山葵はどうしても苦手なのです」
 恥ずかしながら。そう眉を下げながらこそりと喋る姿は纏に知られぬ様に。悟られない様に小声で伝えた。
 山葵だって殺菌作用があるのは知っている。そして魚の生臭さを防ぐため。しかしそれはあまり得意ではないのだ。
「その代わりに、生姜をたっぷり……なんてできますか?」
「仕方ないのう……」
 それならば、と渋々承諾した酔いどれオロチは刻み生姜を代わりにネタの上に差し出した。差し出されて並んだ寿司の数々に綾は手を伸ばし、口に放り込む。
 寿司飯の甘味と酸味。新鮮な魚の彩り。更に辛口の酒精を含んだ酒を口に放り込めばきゅっと引き締まった味わいは正に格別! 綻ぶ顔も紅潮するというもの。
 この味をいくらでも味わっていたい。戦いが終わったその先にもこうしてまた訪れることができるのなら。また足を踏み入れて、今度は戦いの刻ではないときにでもゆっくりと味わいたいものだと舌鼓をうった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
【嵐雅】

寿司を食べるだけでいい…最高じゃろ
そう思わんか、せーちゃん
寿司と酒…幸せになれる(きり)

大将、うまい冷酒とつまみをたのむ!
鯛皮のポン酢?おお、よさそじゃな。わしはそれもらお
あと白子も食べたい
寿司はお任せ。巻物もお願いしたいの~
マグロと大葉の巻物…イカと大葉…そうわしは大葉が好きじゃ

ではせーちゃん、かんぱーい
ふふ、うまーい
美味いもん食って酒を飲んで幸せじゃね
このよな時間を守るためにも滅びなどぽいせんといかんが
今は美味いもんを満喫するのが仕事じゃし
ゆるっと楽しんでいこ

今日もせーちゃんの世話になるかもしれんが、まぁ何時もの事
あとは任せる!楽しく美味しく食べて飲むのを優先じゃ
あ、杯あいとるよ


筧・清史郎
【嵐雅】

ふふ、酒も寿司もとても好きだ
ああ、最高だな、らんらん
幽世を救う為にも、全力を以って美味しく頂こう(にこにこ

では俺も、冷酒とたこわさを
鯛皮も美味しそうだな
寿司は白身魚メインにお任せで
イクラと鮭の親子軍艦もお願いしようか
あとは勿論、甘味も欠かせないな(最初から甘味頼む超甘党

ふふ、では乾杯
美味な酒や寿司を友と頂けるひとときは幸せだ
しかし、らんらんはいつも酔い潰れるからな
普段通り俺が介抱はするが、
その前に、寿司を食し世界を救わねばだぞ(きり
ああ、折角だから楽しく頂こう
大将、少し変わった西洋の寿司とやらも食べてみたい

有難う、では俺もお酌を
次は、大将おすすめのとっておきの酒を頂こうか(酒強い健啖家



●寿司 with 友
「寿司を食べるだけでいい……最高じゃろ。そう思わんか、せーちゃん」
 終夜・嵐吾(灰青・f05366)の狐耳はぴこんと立って、ふっくりとした尾はゆるりと揺れながら、隣に座る筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)へと語り掛ける。
「ああ、最高だな、らんらん」
 酒も寿司も好きな清史郎にとっても悪い話ではなく。微笑みを浮かべながらお品書きをどれどれと見遣った。
「幽世を救う為にも、全力を以って美味しく頂こう」
「寿司と酒……幸せになれる」
 これは戦い。そう理解していてもキリっと真剣な眼差しは揺らがない。寿司と酒を飲んで楽し……否、過ごせるのだから!
「らっしゃい! 寿司……の前につまみはどうかのう?」
「大将、うまい冷酒とつまみをたのむ! 寿司はお勧めを。あ、巻物があれば嬉しいの」
「はいよ。鯛皮のポン酢、なんてェのはどうかの」
「おお、よさそうじゃな。白子も食べたいがあるかの?」
 あるよ。にやりと酔いどれオロチが笑えば。じゃあれそれを。嵐吾が頷きながらひとつずつ。指を出せばすぐに冷酒と鯛皮のポン酢と白子が運ばれてくる。
「鯛皮も美味しそうだな。では俺は、冷酒とたこわさを。寿司は白身魚メインで。ああ、イクラと鮭の親子軍艦と……甘味も、ほしい」
「はいよっ」
 忙しく動く酔いどれオロチの手は止まらない。一組の手はメモを取り。一組の手は寿司を握り。一組の手は己が飲む酒を注いでいく。
 嵐吾の前に差し出されたマグロ。イカと大葉。サンマ。そして巻物――マグロと大葉の巻物が並び、嵐吾はほう、と声を漏らした。
「わしは大葉が好きなんじゃよ……」
 さっぱりとしていて。脂が乗った魚にも合うし、爽やかな風味がまた薬味として引き立ててくれる陰の立て役者。
 清史郎の前に出された冷酒とたこわさ。そして白身魚のタイ。ヒラメ。カンパチ。赤味よりは控えめな脂に、さっぱりとした味は寿司としても成り立つ優秀な食材。イクラは宝石の一粒が輝いているようだったし、鮭は脂が乗っていて輝いている。イクラを運んだ川のように見えた。そして運ばれてきた甘味は最中のように見えた。中を割って見れば暖かな粒あんがバニラアイスを柔らかく溶かして、甘党である清史郎も気に行ったのかふ、と笑みを零す。
 嵐吾と清史郎。二人の間には酒と逸品の数々。これが揃ったならば――する事は酒が並々注がれた升から酒が零れない様に。
「せーちゃん、かんぱーい」
「乾杯」
 軽く升を合わせて今宵二人の酒場が始まった。酒も進めば、話も進む。話も進めば、酒も進んで、箸も進む。
「ふふ、うまーい。美味いもん食って酒を飲んで幸せじゃね」
 せーちゃん、どう思う? そう隣にいる清史郎に尋ねながらも寿司を頬張る嵐吾の顔は紅く、尾もゆっくりめに揺れていた。それを隣で見遣る清史郎はうんと頷いた。
「美味な酒や寿司を友と頂けるひとときは幸せだ」
 しかし。いつもの調子で飲んで行けば嵐吾は酔い潰れるのが清史郎の目にも読み取れる。
「介抱はするが、その前に寿司を食し世界を救わねばだぞ」
 もぐ。寿司を頬張りながら真剣な眼差しの清史郎に嵐吾はへらりと笑う。
「知っとるよう。このよな時間を守るためにも滅びなどぽいせんといかんが今は美味いもんを満喫するのが仕事じゃし」
 へへへ、と笑みを零しながら嵐吾は清史郎の肩に腕を回して顔を合わせた。
「ゆるっと楽しんでいこ」
「ああ、折角だから楽しく頂こう」
 嵐吾の腕をゆるく解き、下してやると清史郎は酔いどれオロチに向かって手を挙げる。
「大将、少し変わった西洋の寿司とやらも食べてみたい」
「初っ端から甘いもんを頼む兄ちゃん……フルーツロール、ってのは知ってるかい?」
「――じゃあ、それをもらおうか」
 きらん。清史郎の瞳が輝いたのを酔いどれオロチも嵐吾も見た。きっとデザート系の何かに違いない……そう思って出されたのは。酢飯の中にクリームチーズを置き、それを薄くマンゴーで巻かれたものだった。勇気を出して口に含めば――意外と悪くない、のかもしれない。
「せーちゃん、寿司のデザートじゃ!」
 甘い物なら好きじゃろ! 嵐吾が未だ口の中で漂うフルーツロールを頬張っている清史郎の背中を叩けばごくり、と飲みこむ音が聞こえた気がした。
「美味かった?」
「……ちょっと味はわからなかったな」
「クク。珍しいもんじゃからのう……あれっきりでもう出せないのじゃよ」
「残念じゃったなあせーちゃん。あ、杯あいとるよ」
「有難う、では俺もお酌を」
「今日もせーちゃんの世話になるかもしれんが、よろしく頼むの」
 酒に酔っても、大丈夫なのは隣にいちばんのともがいるから。嵐吾は安心して飲めるのだと、隣の升へ酒と注ぐ。
 友と飲む酒。食べる寿司。こんなに美味しいものを食べて飲めるなんて楽しまなければ損じゃないか。
「いつものことだ、任せておけ」
 それも理解した上で、安心してほしいと清史郎は酒を受け取る。隣にいるいちばんのともよりはお酒が飲めて良かったと思うのは、頼って貰えること。
 それを苦に思った事がない。隣にいるともが楽しんでくれるのが何よりだから。
 過ぎ行く時を、ともに過ごせる。それが二人にとって幸せなのだから。
「さて大将、おすすめのとっておきの酒を頂こうか」
 升が何杯も飲まれていくのを酔いどれオロチは見ていた。へらへらと笑っている嵐吾の横でけろりとした表情でいる清史郎は恐怖にも似た何かに見えた。このままでは自分の酒すら飲み干されてしまうのではないかと血の気が引いて行ったのだとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

臥待・夏報
風見くん(f14457)と

お寿司滅茶苦茶おいしいな
このブリなんて無限に食える
カクリヨの魚ってどこの海から獲れてるんだ……?
あんまり深く気にしちゃダメか

故郷の海は、魚の味だけなら最高だったな
離れてみて初めて気付くものだよね
他にはロクな思い出ないけど……
……あ、お酒がまずくなりそうな話は止そう
今は楽しまなくっちゃなんだから

いつか魚だけ食べに行く?
実家には帰りたくないし、どっかに宿取ってさ
風見くんの故郷は……そうだな、何にもないなら二人で冒険しようよ
なんか戦国武将ゆかりの地とか見つかるでしょ、たぶん

綺麗なとこだけ憶えてられたらいいのにね
美味しいごはんと強いお酒は
そういう都合の良い夢を一瞬叶えてくれる


風見・ケイ
夏報さん(f15753)と

こっちのイカも美味しい……ふだん食べる物とは全然違うや
カクリヨ、やっぱり海もあるのかな
海に沈んだ古代文明とか

あっちはお酒も美味しいんでしょう
私の故郷は海も山もなんにもないけど、住むのには悪くなかったかな
私もいい思い出は少ないけどね
大将、もう一本

いいの?
行こ行こ……お魚だけじゃなくて、お酒もね
私の方も、と言ってもほんとになんにもないしなあ
……確かに、社会科見学でどこか行ったような
うん、いいね、大人の冒険

お酒でイヤな記憶を洗い流せるわけじゃあないけど
少しだけ、目を逸らせるんだよね……飲み過ぎると、なんにもわからなくなっちゃうけど
この時間は忘れたくないから、気を付けないとな



●寿司 and 似た者同士
「お寿司メチャクチャ美味しいな」
 ブリを頬張りながら臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)は呟いた。魚ではあれど生臭く無くて、脂が乗っている。これなら薬味と合わせても美味しいのかもしれないし無限に食べられそうだった。
「こっちのイカも美味しい……ふだん食べる物と全然違うや」
 風見・ケイ(星屑の夢・f14457)もまた、イカを頬張りながら呟いた。見た目は普段食べているものと変わらない。何処が違うのだろう、と咀嚼しながら探すも見当たらなかった。
「カクリヨの魚ってどこの海から獲れてるんだ……?」
 普段食べているものと違うのなら、その海すら違うのかもしれない。いくらUDCアースと繋がっているからとはいえども、その海から獲れたとは夏報は思えなかった。
「海に沈んだ古代文明とか」
 夏報の隣で冗談めいた言葉を言うケイの顔を見ると至って真面目な表情で。ふざけているようには見えなかった。だが、カクリヨファンタズムというこの世界自体が妖怪たちが毎日騒いで、カタストロフが起きているような世界だ。
「あんまり深く気にしちゃ駄目か」
 何があっても可笑しくない、夏報は考えるのを止めた。
「故郷の海は、魚の味だけなら最高だったな」
 離れてみて初めて気づいたけれど、それを夏報が懐かしむ事は無い。――他に碌な思い出が無いから。夏報が口を噤めばケイは目を細めて喋り出した。
「あっちはお酒も美味しいんでしょう。私の故郷は海も山もなんにもないけど、住むには悪くなかったかな」
 ――自分もいい思い出は少ないから。その先の言葉は続かなかった。
「……お酒が不味くなりそうな話は止そう」
「そうだね」
 グラスを傾けながらケイは酔いどれオロチに向かってグラスを差し出した。
「大将、もう一本」
 へい、と返事をすれば酔いどれオロチはケイのグラスにそっと酒を注ぐ。零さない様に、ケイが軽くグラスを掲げて有り難うと言えば酔いどれオロチは軽く頭を下げて寿司を握る事に専念していた。
「いつか魚だけ食べに行く?」
「いいの?」
 いい思い出、無いのでしょう? そう言いたげなケイの丸くなった目は夏報を見つめた。実家には帰りたくないし、良い思い出も無い。昔話だって喋れないけれど。それでもいいのならとケイを見ながら夏報は頷いた。
「どっかに宿取ってさ」
「行こ行こ。……お魚だけじゃなくて、お酒もね」
 折角大人なのだから、楽しめるものは楽しんで行かないと損だ。うんうんと微笑みながらケイは頷いた。
「私の方も、と言ってもほんとなんにもないしなあ」
 あったとしても古い伝統とか、歴史とかあるかもしれないけれど微々たるもの。夏報の故郷にあるものにははきっと負けてしまうものだろう。
「風見くんの故郷は……そうだな、何もないなら二人で冒険しようよ。なんか戦国武将ゆかりの地とか見つかるでしょ、たぶん」
 知らなければこれから知って行けば良い。ぐいっとグラスを夏報が傾ければ空いたグラスに酔いどれオロチから酒が注がれていた。
「……確かに、社会科見学でどこか行った様な」
 幼い頃の記憶何ておぼろげで。何処に、何をしに行ったかなんてあまり覚えていない。しかし、それをこれからまた知って行けばいいのだ。
「しおりとか作って行くのもいいかもね」
 後で感想文とか出す? なんて笑いながら夏報が茶化せば、ケイはぷ、っと噴出して口元を抑えた。
「本当に社会科見学みたいになりそう。子供の時みたいな――」
 そうケイが呟けば。夏報の表情が固まって、視線がグラスへと移った。
「綺麗なところだけ憶えていられたらいいのにね」
 子供から大人になる途中で、痛い思いをした。ぐちゃぐちゃな想いを抱えて、大人になった。だからいつまでも子供ではいられなかった。だけれど心はどこか子供のままでいる二人。それは何処か、歪にも見えて、目を逸らしたくなる。
「お酒でイヤな記憶を洗い流せるわけじゃあないけど少しだけ、目を逸らせるんだよね……」
 飲み過ぎると、何にもわからなくなってしまうけれど。そう付け加えたケイに夏報はうん、と頷く。酒と薬と他者の記憶を継ぎ接ぎ合わせて取り繕った二十五歳の臥待・夏報には理解できた。本当の解決策ではないけれど、それによって助かっているから。本当はどうにかしなくてはならないのかもしれないけれど――だけれど、今だけは。
「美味しいご飯と強いお酒はそういう都合の良い夢を一瞬叶えてくれる」
「この時間は忘れたくないから、気を付けないとな」
 お互いに? 二人は顔を見合わせて、お互いにね。そう頷けば。カラン、とグラスの中にあったロックアイスが溶けて音を鳴らしながら揺れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロード・クレマン
モモミ(f31137)と

酒席に呼ばれれば良いらしい
お恥ずかしながらスシ、というものに初めて触れるものでね
作法も合わせてご教授願えれば幸いだとも

ハシ、か
此処でも此れを使うんだね
生憎僕は上手く操れないのだけれど
手で?これは驚いた
食べ物に直に触れるなど考えた事も無かったよ


店主に問えど品名は耳馴染み無いものばかり
頼むは彼女のお勧めを
彼女の舌は信頼している
溢れる説明にはどれも美味しそうに思えて困ったな

仕出されたスシ、を見つめ
彼女に倣い素手で一口

――嗚呼、
新鮮な魚の切り身はこんなにも美味しいんだね

他の推薦品にも惹かれる
酒も勿論
スシに合う物を頂けるかな?

どのスシも絶品だ
今まで触れて来なかったのが悔やまれるよ


百海・胡麦
クロード殿(f29552)と
※ ある酒場で知り合った仲だ

嗚呼好い店だね
ううむ、知るのは僅かにだけだよ?

はは、そうだね。此の国では其れを勧められる
心配ない
スシだろう?あれは素手で扱って構わない
ふふ、むしろ喜ばれるよ

品物は今なら…鯵にノドグロ、白身魚の昆布じめもいいね
色艶も良くてね、すっと味が染みて美味なんだ
生ばかりでは慣れないだろう
穴子はどうだい。そう、胡瓜と巻物に頼むよ

やはり初めてならば雲丹やトロも試そうか……大将はどう思うね?

——御気に召したようで何よりだ
嬉しいね。うん、アタシもたんと貰ってる。この鯵も絶品だ
さぁ他の銘も如何かね

呑みたくて、か
迷惑は頂けないが酔狂だ。腹を満たし合おうじゃないか



●寿司 with 酒飲み仲間
 酒場で知り合った二人。酒場で出逢ったのならば、また酒の場に向かいのも必然。――けれど今日は酒ではなく、スシで。
「嗚呼好い店だね」
 立派な店構えでもない。木と鉄筋で拵えた屋台。そして布の暖簾の店構え。それでも百海・胡麦(遺失物取扱・f31137)はどんなスシがあるのだろうと暖簾をくぐり席につく。
「今日は付き合ってくれて有難う、クロード殿」
「此方こそ」
 スシに触れるのはこれが初めてだけれど自分で良かったのだろうか。クロード・クレマン(擬似愛プロテージ・f29552)は頭を下げ、手で暖簾を除けながら席に座った。
「恥ずかしながらスシ、というものに初めて触れるものでね。作法も合わせてご教授願えれば幸いだとも」
「ううむ、知るのは僅かにだけだよ?」
 私もあまり知っているわけではないと胡麦は首を傾げる。酔いどれオロチは二人におしぼりを差し出し、手を拭く二人を目を細めながら見ていた。
「……美味く食ってくれりゃあ、それでいいのじゃよ」
「それは有りがたいお言葉だけれどね」
 郷に入りては郷に従えという言葉があるように。できたらいいけれど……。
「ハシ、か」
 どうもこの二本の棒はクロードの手に馴染まない。かち、かちと合わせようとする度に奥側にある箸が横にくるりと回わり。手前にある箸と交差してしまう。……難しい。
「此処でも此れを使うんだね」
「はは、そうだね。此の国では其れを勧められる」
「生憎僕は上手く操れないのだけれど」
 どうやって食べれば良いのだろう。胡麦が居る手前、不器用な箸捌きで食べるわけにもいかないし、それをクロード自身が許せもしない。
「心配ない」
 胡麦もそれが箸を使って食べる食べ物だったら確かに箸を頑張って使って貰うか、ナイフやフォークを用意してもらうところだった。しかしこれはスシだ。手で食べてもいいのだ。手で寿司を掴み、口の中に入れる仕草をクロードに見せれば彼は目を丸くしてぱちぱちと瞬きながら胡麦を見た。
「手で? これは驚いた。食べ物に直で触れるなど考えた事も無かったよ」
「ふふ、むしろ喜ばれるよ。スシとは元々手で食べていたものだからね」
 そう胡麦が呟けばそういうものもあるのかとクロードはほう、と感嘆の声を漏らす。
「では店主、お勧めは何かあるかい?」
「箸が使えないのなら手巻き寿司はどうじゃ? 和食に馴染みが無いと見た。カルフォルニアロールやアボカドマグロ巻きなんかはどうじゃ?」
「か、カルフォルニア。アボカドがスシに……?」
 何故スシの品名に土地の名前が出てくるのか。米の上に魚が乗るものが多いと聞くスシに突如アボカドの名前が挙がるのか。耳馴染みの無い言葉にクロードは戸惑う。
「今なら……鯵にノドグロ、白身魚の昆布じめもいいね。色艶も良くてね、すっと味が染みて美味なんだ」
「それなら、彼女と同じものを僕にくれるかい。店主」
 胡麦のお勧めならば不味いものではないだろうし、信頼もしているからそれはきっと美味しいものなのだろう。傾けた耳は初めて利いたものもあるのに、とても美味しそうに聞こえて上に、クロードの期待が高まっていくのだった。
「白身魚はお任せするよ。それと、穴子を。胡瓜と巻物に頼むよ」
 生ものばかりでは万が一クロードの舌に合わなかったら嫌だ。折角来てもらったからには楽しんでもらいたい。胡麦の配慮の一品を酔いどれオロチは快く受け取った。
「はいよ」
 三組の手はぎゅ、っとシャリを握り、ワサビ、ネタを乗せて出来上がった寿司をクロードと胡麦の二人の前に差し出す。包丁で切り込みを入れられて生姜を乗せられた鯵。脂の乗ったのどぐろはきっと炙っても良いし、レモンを乗せても美味しいだろう。お任せの白身魚の昆布締めは鯛の昆布締めだった。
 じい、っと仕出しされたスシを見つめるクロードの目は輝く。これがスシ。初めて見るものは新鮮に映った。
「さぁて、頂こうかね」
「ああ、頂ます」
 すっと胡麦の紅に彩られた指先がスシを摘まんで口の中に一口で入れれば、クロードもそれに倣い、スシを摘まみ、一口で飲みこむ。
「――嗚呼、新鮮の魚の切り身はこんなにも美味しいんだね。生で食べるなんて、驚いたけれどこんなに美味しいなんて」
「――御気に召したようでなによりだ。初めてなら雲丹やトロも試そうか? 大将、どう思うね?」
「食べるのも良いと思うがのう……それは次のお楽しみ、って奴にした方がいいんじゃないかの」
「それもそうだね」
 それはまた今度に。――また出掛ける楽しみが増えたものだとふと胡麦は微笑みを浮かべた。
「こんなに美味しいのならば、スシに合う酒を頂けるかな? モモミ、君は?」
「ああ、アタシも頂こう。この鯵も絶品だ、食べてごらん」
 隣で目を輝かせながら微笑むクロードの横顔を見ながら頷く。こんなに喜んで貰えているのならば、誘った甲斐があったものだ。
「どのスシも絶品だ。今まで触れてこなかったのが悔やまれるよ」
「酒も美味いしね。さぁ、他の銘も如何かね」
 十分腹を満たそうじゃないか。
 夜は更けて行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

冴島・類
※寥さん(f22508)と

食べ飲んで、戦いになるっていうんだから平和的でいい
今回の戦は単純戦闘以外の場所も多い気が
貴方も気になるのあるかもですよ?
ふふ、あればお声がけしましょう

ここは桜の世やエンパイアに無い品も頼めるみたいだし
目の前の一皿、一献を楽しましょうか

あ、鮭が何やら緑ものと、白い調味料かけられてるのまで…あれ何だろう
物珍しくて見入ってしまう前に
大将、鯛と鮃と日本酒を冷やでお願いできますか
鯖寿司も、できれば

貴方の注文も来たら、軽く盃掲げ
酒の席りべんじに乾杯?

えんがわ…白身魚好きそうな印象かも
貴方が食べてるの見ると安心するんですよね
ほんと
なんでかなと笑う

いいですね、大将あぼかどさーもんを!


鏑木・寥
※冴島サン(f13398)と

どこも飯食って平和になれば楽で良いのにな
ほほう、俺の気になるところ?
金策が出来る場所がいいけどな、あるかね

カクリヨはUDCの文化なんかが混ざってるんだったか
案内のやつも言ってたな。た、…たぴおか?とか

屋台寿司とは粋だ
鮭と、なんて言った?あぼかど?
食文化の違いを感じる。鮮やかな緑だな…美味いのか?あれ
一貫目は何にするか…あー、じゃあ鱸。あと日本酒

ああ、酒りべんじ成功に乾杯
量は食えないが酒は飲める
次えんがわで

完全に途中から飯より酒状態
……人の飯の風景が何故安心に繋がるんだ?
最近は週一で食ってるよ、ちゃんと

それより腹がいっぱいになる前にあれ試そうぜ、あぼかどとか言うの



●酒 and 鮭
「どこも飯食って平和になれば楽で良いのにな」
 鏑木・寥(しあわせの売人・f22508)は食べることに無頓着ではある故にあまり協力はできないが、それでも平和的なことに越したことはないと煙管を吹かす。
「食べ飲んで、戦いになるっていうんだから平和的でいい」
 今回の戦は戦闘以外の場所も多いからきっと貴方が気になるものもあるかもしれないと冴島・類(公孫樹・f13398)は寥の顔を覗き込んだ。
「俺の気になるところがあるかもしれない? ……金策ができる場所がいいけどな、あるかね」
「ふふ、あればお声がけしましょう」
 まるでどこからの御伽噺みたいに穴を掘れば小判が出てくる、みたいな話だったらきっと寥も来てくれるだろうと類は微笑んだ。
「ここは桜の世やエンパイアに無い品も頼めるみたいですよ」
「カクリヨはUDCの文かなんかが混ざってるんだったか。た、……たぴおか、とか言ってたか」
「え、あれ食べたいんですか?」
 二人は暖簾をくぐりながら、席に座るとお品書きを眺める。類はそれありますよ、ホラ。お品書きのデザート一覧に載っていたタピオカの欄を指さして寥に見せた。いらない、とメニューを手で退けられてしまったが。
「目の前の一皿、一献を楽しみましょうか」
「屋台寿司とは粋だ。何が食えるんだろうな」
 この人ならばデザートよりは酒とか肴の方がいいでしょうし。困った様に笑って、再びお品書きを開いた。
「らっしゃい。注文が決まったら言っておくれ」
 酔いどれオロチの言葉に二人は頷くも、その視線は目の前で繰り広げられているライブクッキングに目が奪われた。一組の手は酒を飲みながら。もう二組の手は鮭にアボカドに包丁を滑らせて、シャリを握っていた。
「あ、鮭が何やら緑ものと、白い調味料かけられてるのまで……あれ何だろう」
「アボカド、ってえいう西洋の野菜と鮭を合わせてマヨネーズかけりゃ西洋から発生した寿司の出来上がりって奴よう」
「鮭と、なんて言った? あぼかど?」
 聞き慣れない食材の名前に寥はぽろりと煙管を落としかけるも確と手に持った。アボカド。森のバターと呼ばれるそれは、寥の住まう世界には無い。初めて聞く言葉にはてなが浮かび上がるも頭を横に振るった。先程のタピオカといい、屋台寿司というからには昔ながらの寿司だけかと思いきや。そうではない事が分かった。
「大将、鯛と鮃と日本酒を冷やでお願いできますか。鯖寿司もできれば」
 へい、と返事をする酔いどれオロチは寿司の用意をしながら酒を取り出し、寥にも声を掛ける。
「そっちの旦那は如何いたしやすか」
「……あー、じゃあ鱸。あと日本酒」
「へい。冷やで用意致しやす」
 かたん。かたん。二人の前に升で用意された酒がちゃぷん、と波立つ。零れぬ様に軽く掲げれば乾杯、とこつんとぶつけ合う。
「酒の酒りべんじに乾杯?」
 ですかね? 類が軽く首を傾ければ。ああ、と寥は頷き思い出した。確かに酒が飲めなかった時もあったな――と。
「酒りべんし成功に乾杯」
 ぐい、っと寥が飲めば升の中に酒が空いてゆく。鱸もゆっくりであるが皿が空いていた。その度に酒を注いでもらっては、すぐに空になる。その様子を隣で類は見ていたが、空腹で酔って倒れないだろうかと少しだけはらはらする。食べない、けれど飲めるとは聞いていたけれどここまで飲めるとは――。
「つ、次何食べますか!」
「次えんがわで」
「はいよ」
 きゅっと握られたシャリの上にサビ、ネタを乗せたえんがわが脂が乗っていて、つやつやで。それを口に含む姿を見ると、類は胸の辺りが落ち着いていく。
「貴方が食べてるの見ると安心するんですよね。ほんと」
「……人の飯の風景が何故安心に繋がるんだ? 最近は週一で食ってるよ、ちゃんと」
 なんでかな。類は笑ってみせるけれどそれがどうしてか分からない。普段食べない人がちゃんと食べているところを見ると、この人は確かに生きているのだと感じるからなのか。それとも心配から来るものなのか。それは定かではないけれど、寥はそんな心配してほしいわけではない。
「それより腹がいっぱいになる前にあれ試そうぜ、あぼかどとか言うの」
「いいですね、大将あぼかどさーもんを!」
「はいよ!」
 その食べ物が貴方にも気に入ってくれたのならば。そうして食べるものが増えてくれたのならば。週一だけではなく、もっと食べる日々が増えてくれるのかなと思いながら、緑の食べ物に臆する寥を微笑みながら類は眺めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

椚・一叶
トリス(f27131)と

何でも好きだが、イクラは外せない
食感が面白くて好き
寿司で、嫌いなネタない
因みに最後は卵で締めくくっている
トリスも拘りの食べ方とかあるか
聞きながらも、もぐもぐ
アボカドとサーモンの巻き寿司、美味い
サーモン好きなら、トリスもきっと好き
と勧めておく

何故腹いっぱいになりにくい、か
寿司は、次から次へと行きたくなる
あとは美味いからだ
美味いから、胃が頑張るのだと思う
色々な寿司、頼んで真顔で答える
いっぱい食うぞ

此処の寿司は美味しいし
こうしてトリスと共に食える
今宵だけで、それが終わらぬよう
頑張る
それが任務だから
食べまくるだけで、戦わなくていいとは
たまにはこういうの、良いな


鳥栖・エンデ
イチカ君(f14515)と
お寿司食べ放題らしいよ〜やったね!

僕が好きなのは海老とかサーモンとか
イクラの食感は確かに沢山頬張りたくなるー
巻き物や変わり種チャレンジも美味しくて楽しいね
お寿司って肉料理よりお腹いっぱいになりにくい
気がするんだけど、あんまり噛まないからかなぁ
イチカ君はどう思う?
真面目な答えになるほど〜と頷いて
ちなみに食べ方は拘りないから
何でもいってしまうところだねぇ

競走したり遊んだりも良いけど
美味しいものは分け合うのが愉しいんだなぁ、
なんて最近思ったりもするんだけども
うんうん、カクリヨは良いところ
だから無くなってしまわないように頑張ろー



●寿司 and 友
「お寿司食べ放題らしいよ~やったね!」
 鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)が喜びながら暖簾を潜れば、そこは寿司屋の屋台。何があるのかな、お品書きを開きながら席に座れば好きな品名を指先でなぞって行く。
「イクラは外せないな」
 食感が面白くて好きなのだと何でも食べるけれど、これだけは特に欠かせないと椚・一叶(未熟者・f14515)はエンデの隣に腰を下ろした。
「イクラの触感は確かに沢山頬張りたくなるー。海藻で作った偽物の奴もあるけどあれとは違うよねえ」
 うんうんと頷きながらエンデは決めた! と挙手をしながら酔いどれオロチに海老、サーモン、アボカド鉄火巻き、牛カルビ寿司なんていう変わり種を頼んだ。
「あれは完全な偽物故、それをイクラとは呼ばん。最後は卵で締めくくってるが……トリスも拘りの食べ方とかあるのか」
 俺にはイクラ。アボカドサーモン巻きを。一叶がそう軽く手を挙げれば、酔いどれオロチは頷きながらもその注文を受託しそっと彼の前に並べた。
「そうだなあ」
 目の前に差し出された寿司をエンデはひょい、ひょいと文字通り飲みこんでいく。口に入れている。けれどほぼ噛まず、飲みこんだ姿に酔いどれオロチも目を見開く。いくら食べやすいように海苔に加工をしているとはいえ、あまり噛まずに食べる者がいるとは。
「あんまりない、かなあ。強いて言うならお寿司って肉料理よりお腹いっぱいになりにくい気がするから……」
「ほう」
 一方、もぐもぐと食べ進めて行く一叶の食べ方はよく噛んでいるがその食べるペースは速く、酔いどれオロチが酔っている暇もない。
「アボカドとサーモンの巻き寿司、美味い。サーモン好きなら、トリスもきっと好き」
「へえ。美味しそうだね。僕にもそれひとつ」
 そう挙手をしながら答えるエンデに対し、酔いどれオロチの返事は小さかった。この二人、淡々と喋って食べているだけなのに……!
「イチカ君はどう思う?」
 どうして腹いっぱいになりにくい、か。考えた事は無かったが、強いて言うのならば――。
「寿司は、次から次へと行きたくなる」
 この店は品数が多いから。より一層食べられると一叶が頷けば酔いどれオロチの顔は青ざめた気がした。
「あとは美味いからだ」
「なるほど~」
 確かにそうかもしれない。色々な品数があるからこそ目移りするものの、色々なモノを食べたくなるし選びたくなる。次から次へと食べたいものが溢れるから、噛まずに飲みこんで。その食欲が満たされる前に飲みこんでしまうから。胃が頑張って進むのだと真面目な答えにエンデは頷いた。
「此処の寿司は美味いな」
「へ、へえ……そ、そりゃ嬉しいこった……」
「いっぱい食うぞ」
「ヒッ」
 ただ食うと言っただけなのに怯えられた一叶は首をかしげるも、隣にいるエンデはあははと笑うだけ。真顔で寿司を頼み続ける姿は傍から見ればエンターテイメントに見えたかもしれないが、それに付き合う酔いどれオロチにとってはたまったものではなかっただろう。
 競争したり遊んだりも良いけれど、美味しい物は分け合うのが愉しい。なんてエンデは最近思ったりもする。だからこうして友と呼べる一叶と食べる寿司はとても楽しいし、カクリヨファンタズムが無くなってしまうのは惜しい。
「イチカ君、楽しいねえ」
「ああ、楽しい。食べまくるだけで、戦わなくていいとは」
 ――たまには、こういうのもいいのかもしれない。こうして友であるエンデと共に食べられる寿司は今宵だけで終わらなければいい。
「無くなってしまわないように頑張ろー」
 おー、とエンデが片腕をあげればそれに釣られる様に一叶は寿司を頬張りながらおー、と腕を上げた。
 この世界で、この時間が、無くなってしまわないようにと思いながら。
 だから無くなってしまわないように頑張ろう

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

日向・陽葵
戦場に来たのにタピっていいとか、なんこれボーナスステージ? 罠でもなくぅ?? 寧ろ寧ろ食べないと話進まない的な?
まことに〜〜??? じゃ俺っち遠慮なくタピっちゃおうと思いまあーすっ!

そですね、抹茶ミルクティーの氷少なめシロップ少なめでえ、ミルクフォーム追加してもらっていーですか? 
……ん、サイズにベンティ級のやばいやつあんじゃん。カロリーが狂気的ですが俺っちはこの身を気にせず狂気を注文しちゃいます
沢山食べないと倒せないから仕方ないよコレは。仕方ないよ〜。俺っちがその分動けばいーし、仕方ないよ〜!

味美味しー! だったら、うまテイストって叫ぶかなー?
飲んでる最中だから不発で終わりますがね、はあい!



●寿司屋 with デザート
 最近の寿司屋はデザートだって美味しいし、派手なのだ。それこそ映えという言葉が少し聞こえるくらいには。質素なものも取り扱っているが、そこには新しい妖怪たちの中でも流行っているタピオカデザートだってあるのだ。
「なんこれボーナスステージ?」
 戦争だっていうから戦場に来てみたものの。若い日向・陽葵(ついんてーるこんぷれっくす・f24357)の赤い目は寿司よりもデザートの方に向かう。
「罠でもなくぅ?? 寧ろ寧ろ話進まない的な? まことに~~???」
 嘘でもない。夢の話でもない現実の話にお品書きの中のデザート欄を見る。
「じゃ俺っち遠慮なくタピっちゃおうと思いまあーすっ!」
「初手から甘味とはやるのう……」
 ぐつぐつと煮えたぎる寸胴の中には黒い玉……タピオカを茹でる酔いどれオロチの手はお猪口を傾けながらもぐるぐると中をかき混ぜる手を止めることなくクク、と喉から笑みを零す。
「そですね、抹茶ミルクティーの氷少なめシロップ少なめでえ」
「な、なな!?」
「ミルクフォーム追加してもらっていーですか?」
「ホァ!?」
 軽く呪文めいた言葉の数々に酔いどれオロチの酒を飲む手が止まった。酔っている場合ではない。そう判断したのか寸胴の中をかき混ぜるのを止めて、湯飲みを片手にあたふたと慌てる。
「ま、抹茶ミルクティーの氷すく、シロ少なめ……」
「……ん、サイズに特大級のやばいやつあんじゃん」
 カロリーが狂気的でその日一食分のカロリーを遙かに超えるサイズではある。けれどこの体は自分の物ではないしそんなの気にしなかった。……きっと持ち主である少女は体重計に乗ってなんでぇ!? と叫ぶかもしれないけれども自分はそんなの知る術もないし、今だけ黙っていればいいだけ。沢山食べないと倒せないから仕方ないとうんうんと頷く。
「俺っちがその分動いてあげるからね……特大級のサイズに変更でお願いしまーす!」
「湯飲みじゃ足らん!」
 諦めてプラスチックのカップを取り出し、先程の呪文めいた言葉の数々をぶつぶつと呟きながら酔いどれオロチはドリンクを作っていく。
「クッ……酒の造り方なら容易いのに……!」
「ま~だですかぁ~?」
 机に肘をつき、頬杖付きながら足をぷらぷらと待っている姿に酔いどれオロチは焦る。これではもてなすも何もない!
「お、お待たせし、しまし……た……」
 プラスチックのカップに蓋をして、ストローを指さずに陽葵に差し出されたそれは下にはタピオカ。緑色の抹茶のミルクティーの上にミルクの層ができあがっていた。
 慣れない仕事で息も絶え絶えの酔いどれオロチは行儀悪いと分かっていながらもカウンターになだれ込む。
「んー!」
 カップにストローを指して、吸い込めばもちもちのタピオカが口の中に勢いよく飛び込んで、よく煮られただけあって芯が残ってなくて美味しい!
 シロップも少ないから抹茶ミルクティーの抹茶の苦みがちゃんと生きてて、あ、ちょっと大人の飲み物飲んでるって感じがする。ミルクフォームは少しずつかき混ぜて飲んでも美味しいし、そのまま口をつけて抹茶ミルクティーと合わせても美味しい!
「んんんんんー!」
 うまテイスト。そう叫んだ陽葵の言葉はストローを加えたまま、不発に終わった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チル・スケイル
スシの屋台ですか!カクリヨのスシは美味しさと妖怪にも劣らぬ多様さを併せ持ちます。

スシは好きですが…いくらでも食べられるかというと、それは別の話。どうする…?

…この、うずく感覚。まさか氷竜様、スシを食べたいのですか?
氷竜様から意思を感じたのは初めてですね…ですがありがたい申し出です
魔法で作り出した氷を依代に氷竜様を召喚
さあ、心ゆくまでお食べください

大将、おまかせで
やはり美味しいですね。どうですか氷竜様
ああ、上品かつ健啖なご様子。お気に召したようで何よりです
(腹を見ると、食べたスシが魔力に還元され消失していくのが見える)

さて、ここらでお酒を一杯
…ほっ。(頬を赤らめ上機嫌)



●スシ is ワールドワイド
 カクリヨの世界のみならず、寿司はスシとして様々な世界に広がっている。ヒーローズアースで独自に発展したスシ。キマイラフューチャーで独自に発展したスシ。どれも物珍しいものではあったけれど……。
「スシの屋台ですか!」
「寿司はのう、屋台から始まったんじゃよ」
 ぐびり。御猪口に注いだ日本酒を舌先で、喉元で味わいながら酔いどれオロチはぷはあと酒気を吐くも、チル・スケイル(氷鱗・f27327)は目の当たりにした屋台の寿司屋に目を輝かせる。
「噂には聞いていましたがまさか……」
 此処で出会えるとは。ごくりと喉を鳴らす。カウンターに座って目の前で握ってもらい、目でも味わうライブクッキングは通常だったら敷居が高いものだ。それがお手軽に屋台で、楽しめるだなんて。しかも元々屋台から始まった寿司屋に出会えるなんて、夢のように思える。
 お品書きに手を伸ばすもその品の多さに目が眩んだ。
「何にいたしやしょう!」
「スシは好きですが……」
 ううん。いくらでも食べられるかというと、それは別の話。しかも普通の寿司屋よりも品数は多いし、物珍しいものだってある。それならスシ好きなら食べてみたいと思うものの、お腹がいっぱいでは美味しいものも食べられなくなる。
「……おや?」
 自分のお腹が空いているのかと思った。でも、どこか。腹の中で冷たいものがぐるぐると疼く感覚。
「氷竜様、スシを食べたいのですか?」
 疼きが次第に強くなった応えに頷き、チルはお品書きを閉じる。氷竜から意思を感じたのは初めてのことであった。まさか、自身が慕う氷竜も自分の好きなものが食べたいだなんて。一人で食べるよりは、二人で食べるのが美味しいだろうし。ふ、と笑みをこぼしながらチルは顔を空いた隣席へ向け、両手の上でふうっと冷たい息吹を吐き出せば氷を依代に氷竜が現れる。
「ありがたい申し出です。大将、一人追加で」
「らっしゃい! 何にしやすか!」
「大将、お任せで」
 それをふたつ。指先は二つを示していた。
「あと私に冷酒を」
 きらん。酔いどれオロチの目がとろんとした表情から真剣な眼差しに変わる。
 3組の手はシャリを握り、サビを、ネタを乗せて次々とチルと氷竜の前に差し出される。最初はタイ。次はマグロ。ガリを端に積んで、アジ。
「さあ、心ゆくまでお食べ下さい」
 頂きます。両手を合わせて次々と出される寿司に二人は手を伸ばした。
 ひょい、ぱく。ひょい、ぱく。チルと氷竜の手は止まらない……!
「やはり美味しいですね。どうですか氷竜様」
 噛み切らずに一口で呑み込む姿にチルは感服し目を伏せて微笑む。流石氷竜様。スシのマナーを理解していらっしゃる。その上綺麗な食べ方。留まる事無い寿司の食べ方は本当に呑んでいるかのよう……!
「お気に召したようで何よりです」
 留まる事を知らない手と口。しかし胃の空き具合はどうなのだろうと氷竜の腹を見遣れば――。スシを食べて膨らんだ筈の腹は氷竜の魔力に還元されていくのが分かる。それにより消失したスシは無かったことになり、氷竜の手と口は止まらない……!
「お、追い付かない……」
 ひょい、ぱく。ぱく。ぱく。
 酔いどれオロチの手が止まった頃。チルが頼んだ冷酒は水滴が滴っていたけれど、ぐいっと一口を口に含めれば。
 頬を赤らめながら心も体も満たされる、スシ屋のひと時は氷竜のお気に召すまま。気が済むまで。酔いどれオロチの悲鳴が聞こえたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月08日
宿敵 『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』 を撃破!


挿絵イラスト