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書を狩る兵達ー敬虔なる簒奪

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #黄昏の海ナハシュ #聖遺物 #猟書家 #書を狩る兵達 #戦争対策の為4月末までに完結希望の為、プレイングお願いします #途中参加で宝玉を貰わなかった人は宝玉希望の場合提供します #プレイング受付4/22(木)16:00まで

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 ――知識の神エギュレの聖遺物、『理の八宝玉』。
 かつて、ヴァルギリオスが振るう権能たる八つの属性に対抗するべくその八つの属性をそれぞれ解析した叡智が納められた宝玉。
 アース系世界など科学技術が発達した世界で言えばタッチパネルを搭載したタブレット、と言えば分かりやすいだろうか。
 それは『知識の神エギュレ』が当時の勇者たちに授けた紛れもない『聖遺物』。
 今現在、その『理の八宝玉』は遺跡都市ヴェルニスに構える『銀剣騎士団本部』の最重要警戒区域に手保管されている。
 無論のことそのような埒外とも言える力を有する『聖遺物』、それを求めて数多の盗賊や姦計を巡らせた諸侯は存在する。
 しかし、銀剣騎士団の精強なる団員はその悉くを打ち破り今日まで『理の八宝玉』を守り続けてきた。

「……だけど、堕ちたウィルオーグ様と同様の悪しき者……『猟書家』には流石に敵わない、か。全くもって化け物染みているわね……」
 そう呟くは、濃い茶色の巻き毛が特徴的なボーイッシュな印象を与える少女。
 彼女の名はアリル・ウィンズというパラディン。自らの承った第三の猟書家に纏わる宣託を受け、綿密な『奪取計画』を進めていた。
「猟書家によって銀剣騎士団本部が襲われ、全員が死亡……町の住民にも甚大な被害が……それを防ぐためにも」
 敬虔なる簒奪を。
 彼らに猟書家の魔の手がかからないよう銀剣騎士団本部から『理の八宝玉』を盗み出さなければならない。
「良くて、破門だけど……まぁ、行動に移すのは私だけじゃないしね」
 そう呟いて、アリルはかつて濁りし……何でか巨乳や安産型に取りつかれたウィルオーグの事件に関して存在を知った者達へ、思いを馳せていた――

「と、言う訳でレッツ怪盗!」
 そう腕を上げてリオン・ゲーベンアイン(純白と透明の二つの無垢を司る弓使い・f23867)は集まった猟兵たちに対して依頼内容を告げていく。
「新たな猟書家『黄昏の海ナハシュ』の活動が確認されたよ。彼は銀剣騎士団本部にある『聖遺物』の『理の八宝玉』を奪取するべくその本部に強襲を賭けようとしているみたい」
 当然ながら、猟兵でない存在に猟書家と真っ向から対抗することはできない。
「それを防ぐため、皆には銀剣騎士団本部に潜入して『理の八宝玉』を奪取してほしいの」
 聖遺物を猟兵側が先に盗み出すことが出来れば、その奪取した『聖遺物』につられた『黄昏の海ナハシュ』を撃破する機会となるだろう。
「それと、その猟書家の襲撃を知識の神エギュレから選択を受けたパラディン……アリル・ウィンズって女の子がわたし達猟兵に協力してくれるよ」
 曰く、猟書家の騎士団本部襲撃を阻止するだけでなく、『理の八宝玉』を猟兵に譲渡することが宣託の内容らしい。
「その『理の八宝玉』はアリルちゃんに託されたエギュレの力で複数同時存在させる権能……『多重存在許容』と言う力を用いて譲渡されるみたい」
 例えば、一つの属性の宝玉に二人の猟兵が手に入れたいと望んでも、その二人に対して宝玉が『多重存在許容』によって二つ存在することとなり、それぞれの手に渡るとのことだ。
「だから、九人以上の猟兵が『理の八宝玉』を貰いたいってことになっても大丈夫。もし一人も手にしなかった属性の宝玉があったら、それはアリルちゃんが保管してくれるらしいよ」
 そう呟いて弓を構え、リオンは転移の準備を始める。

「……ん?ああ、アナタたちか。宣託で来ることはわかっていたわよ」
 そう言って、敬虔なるエギュレ神の少女パラディンは転移してきた猟兵たちを迎えた。


黒代朝希
 怪盗団ならぬ怪盗猟兵団、参上。

 今回のオタカラ(アイテム化する際は各自で自費出資となりますが)である『理の八宝玉』はエギュレ神の『多重存在許容』の力によって九人以上の猟兵がそれを欲しても問題なく宝玉が猟兵に渡されます。
 例えば一つの属性の宝玉を複数の猟兵が欲しても、その宝玉を多重に存在させることで全員にいきわたるようになっています。

 アリル・ウィンズ
 元は男爵家の次女の生まれだったが、家にいたままだと政略結婚の駒として扱われざるを得ない状況を憂い、エギュレ信仰の門を叩きパラディンとなった。
 容姿は濃い茶色の巻き毛を横髪は顎に当たる長さで切りそろえ、後ろ髪を純白の布で纏めたボーイッシュな印象を与える美少女。
 遺失魔術による防壁展開を得意とする。
 ひんぬーだったが、ある時期を境に豊胸してきた模様。現在、AよりのBだとか。

 参考シナリオ
 https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=31070
 https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=33127
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第1章 冒険 『聖遺物を盗み出せ』

POW   :    身体能力を活かして盗み出す/シーフを誘惑するなどし、情報を聞き出す

SPD   :    敏捷さを活かして盗み出す/シーフの知る侵入手段を聞き出し、真似る

WIZ   :    知恵を生かして盗み出す/シーフを上手く味方につけ、協力させる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジーク・エヴァン
ヴァルギリオスに対抗するために作られた聖遺物か
確かにそれが猟書家に渡るのは不味すぎる…
これも奴らから守るため
悪いけど、宝玉は回収させてもらうよ

流石に今回はかなり大変そうだな
俺だけでは奪えないから、シーフを雇って協力してもらおうと思う
シーフへの報酬額については糸目はつけない
後払いだが、金貨300枚までなら大丈夫だ
危険な仕事だし、確実に成功させたい
何がなんでも、絶対に

シーフを雇ったら一緒に潜入開始だ
武器は一旦おいて、音のほぼでない革鎧で行こう
忍び足を使って音を殺し、慎重に進んでいき、シーフの指示に従って宝玉のある場所を目指そう

…不思議だ
宝玉を前にして、俺は、導かれるように炎の宝玉に手を伸ばしていた



「宝玉の具合は?」
「ハッ、八つとも異常なしです。しかし、いつ見ても凄まじい属性魔力を有していますね……」
 そう銀剣騎士団本部の宝物庫にて、宝玉の形をした八つの聖遺物を視界に納めている守衛が言葉を交わし合う。
 彼らは知らない。この聖遺物を狙ってくる存在、猟書家『黄昏の海ナハシュ』が如何に埒外の存在であるのかを。
 その実力は、精強なる銀剣騎士団の団員を皆殺しに出来る。

「そんな奴に、引いては猟書家に渡るのは不味すぎる……」
 そう苦々し気に呟くのは騎士鎧を身に纏った少年、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)。
「(しかし、ヴァルギリオスに対抗するために作られた聖遺物か……自分の物にしていいとは、不謹慎だが少し楽しみでもあるな)」
 思考を馳せながら出身世界であるアックス&ウィザーズの大都市がひとつ、遺跡都市ヴェルニスの町並みを散策するジーク。
 アリルの助けとは別行動で彼は聖遺物の奪取の算段を立てていた。
 彼が目指していた場所は裏路地。
 治安こそよくないが、アンダーグラウンド特有のマイナーな楽しみや文化がそこにはある。
 そして、有した確かな実力を裏の仕事に手振るう仕掛人などの裏の世界の住人。
 その斡旋所であるローグギルドを擁する地下のバーへとジークは辿り着く。

 バーの扉を潜ると、そこには上品な紫を主体としたバーの空間が広がっていた。
 裏通りの治安の悪さをシャットアウトするこの空間には様々な来客がいる。
 風来坊の身を語る諸侯王国の重鎮、お忍びで火遊びに来たヴェルニスとの友好友好都市を治める大公の娘、最高級のブランデーを嗜む仕掛け人。
 とにかく多種多様だが、どの人物もただの脛に傷を持つ者にはない風格と言うべきものがあった。
 そこへ、カウンターにてグラスを磨くバーテンダーがジークへと語り掛ける。
「……見ない顔だね。冒険者か?」
「猟兵……って言えば分かるか?」
 ジークがその言葉を呟いた瞬間、バーの周囲から大なり小なり視線が彼へと向けられる。
 猟兵はこの世界では冒険者としてしか認知されていない。
 だが、『猟兵』を名乗る者は皆総じて隔絶した力量を持つという事は『帝竜戦役』から一年がたった現状ではある程度認知されていた。
「要件は?」
「『理の八宝玉』」
 そうバーテンダーに小声で呟く。彼は流石に少々狼狽したようだ。
「強大な力を持つ暗殺者が宝玉を狙って騎士団本部を奇襲しようとしている。その実力は団員全員を葬れる程」
 そこに前払いとしてシャルロットから渡された金貨1000枚をカウンターに置くジーク。
「後払いでこれに金貨300枚を払う。協力してくれないか?」
「……倍で3000枚だ。そうじゃなきゃやってられん」
 その言葉にジークはグリモアを介してシャルロットに金貨を要請する。
「……大丈夫だ。とりあえず前金として1000枚。後払いで2000枚でどうだろう」
 ジークの返答に無言で応じ、バーテンダーは連絡魔術を使う。

「君が一緒に潜入してくれるシーフだね」
 そうジークが見やるのは14歳くらいの小柄な銀髪の少女。
 体をマントで包んだ少女はコクリと頷くと同時、銀剣騎士団本部の裏側へとジークを誘う。
 シーフの少女は裏口を警備していた騎士を睡眠薬を散布させて静かに眠らせ、繁みへと彼らの身体を隠す。
「(鮮やかな手並みだな……)」
 そう感嘆するジークは少女と一緒に裏口から侵入する。
 餅屋は餅屋――そんなアース系世界とサムライエンパイアに伝えられている言葉の通り、ジークはシーフの少女の指示に従って騎士団本部を音を立てないよう注力しながら進んでいく。
「……ここ」
 そうして一瞬で警備兵二名に当て身を食らわせ、襲撃されたことにも気が付かせず倒したシーフの少女はとあるものを指さす。
「……不思議だ。何か懐かしいというか……しっくりとくると言った方が正しいか」
 警備用魔術は自身の力で解除させたジークは、導かれるように炎の宝玉へと手を伸ばし、赤き聖遺物を手にする。
「残りも、奪うの?」
「いや……ここは炎の宝玉のコピーを置いて他は一旦残しておく」
 そう炎の宝玉を懐に仕舞い、代わりに偽の赤き宝玉を元あった場所に置いたジーク。
 そうして要件を済ませたジークとシーフの少女は、襲撃と聖遺物簒奪の事実を悟らせないまま銀剣騎士団本部から脱出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
盗むんじゃなく回収するんだ、さあ私に反抗の祝印を
先代反抗者の中にシーフがいてね!
先代行きましょう
まずは先代と一緒に潜入
音がならないように慎重に、中入ったら宝玉を探さないと
流石先代ここまで完璧だ
なぜかな、宝玉がまるでボクを呼んでいるようだこれが土の宝玉
これも反抗の導きかな?



「盗むんじゃなく回収するんだ」
 そう呟きながら顔の左側を仮面で隠した少女、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は既に銀剣騎士団本部の深部へと赴いていた。
「先代反抗者の中にシーフがいてね……このボクのユーベルコード『十三番目の加護(チタノクルセイド)』によって先代反抗者達の内、シーフの先代反抗者に導いてもらってここまで来たわけさ……」
 報告書越しに閲覧者に語り掛けるかのような口調で独り言ちながら、ニクロムは先代たるシーフの反抗者と共に銀剣騎士団の奥深くへと進んでいく。
 彼女も猟兵にして反抗者たる存在、隠れ身に類する技能は一通り納めている。
 だが、それ以上にシーフの出自を以て反抗者の活動を行っていた先代の反抗者は物音ひとつどころか存在感自体がニクロムにすら時々見失いかねなくなり、それでいてニクロムを迷わせないよう配慮の届いた行動を取っている。
「流石先代の一人だ……ここまで完璧。ボクも反抗者として列せられた時、後身に尊敬の念を抱かれるよう頑張ろう」
 そんなシーフとしての技量を異能の域にまで高めた先代反抗者の一人に敬意を払いながら、ニクロムも後継者として恥じない隠密技能を以て銀剣騎士団の奥へと進んでいく。

 やがて、一人も銀剣騎士団の団員に異変を悟られないよう最深部へと進んだニクロムと先代たるシーフの反抗者。
「先代、行きましょう」
 2人は最深部の『理の八宝玉』が納められている宝物庫へと辿り着き、炎の属性が猟兵の手に渡った残りの七つの宝玉をニクロムは目にする。
「なぜかな……宝玉がまるでボクを呼んでいるようだ」
 そうして、ニクロムはある宝玉――琥珀と黄金を調和させたような上質な色合いの土属性の宝玉を手にする。
「これが、土の宝玉」
 ニクロムが土属性を得意とする猟兵であるのも、彼女が土属性の宝玉を選んだ理由かもしれない。
「これも反抗の導きかな……?と、迷っている暇はないや。土属性のレプリカを置いて……」
 土属性の宝玉のレプリカを本物の宝玉があった場所へと納め、ニクロムとシーフの反抗者は撤退していく――

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
アリルさん、すごい覚悟だよね
それじゃ、アリルさんの為にも頑張りますかっ!!

といっても、どうするかな?
銀剣騎士団本部の内部地図とか無いのかな?
あれば、地図を見て【瞬間思考力】で最適なルートを導き出して、そのルートを頭に叩き込むよ

現場に行けば…
【高速詠唱】での《指定UC》でシルフィードを呼び出しての先行偵察

シルフィードの情報をもとに最適なルートで移動
危険は【第六感】を信じて隠れるときは隠れて
隠れられない時は【オーラ防御】を纏って【属性攻撃】で水と光をオーラ防御に纏わせての水と光の揺らぎでごまかすよ

さて、聖遺物…。わたしも属性魔法使うけど、すごい力だね
風の力を借りていくね?
風は、わたしの友達だからね



「やっほーアリルさん、すごい覚悟だね」
「ん……シル。久しぶり……でもないか」
 そうアリルの元へとやって来たのは青髪のエルフの少女、シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)。
「早速だけど、銀剣騎士団本部の内部地図とか無いのかな?」
「ああ、あるよ……と言っても外部や団員の情報を少しずつ聞き、そこから考察して割り出した地図だからあまり精密ではないけれどね……」
 パラディンたる彼女が所有する遺失魔術を増幅させる聖なる盾、その内部に遺失魔術を用いて隠した地図をアリルは取り出してシルに渡す。
「成程ねー。どれどれ……」
 そうして、アリルが作成した地図を見て唸っていくシル。
 彼女は地図に書かれた情報、そこから持ち前の瞬間思考力を用いて最適なルートを導きだそうとしているのだ。
「どうかな?」
「……うん、行けそうだよ」
 そうして地図に書き込むことをアリルから許可を得たシルは、ルートを地図に描き出していく。
「現場の警備次第では再構成することになるかもだけど……こうして土台や基盤になるルートを予め創り出しておけば修正も楽になるからね」
「うん、助かるよ」
 そうしてシルとアリルは地図に書き込んだルートを見ながらシルの精霊術とアリルの遺失魔術を用いて会話の内容が外に漏れないよう遮断し、潜入当日の作戦を宿屋にて練り上げていく。

「行くよアリルさん……何でそんなピッチリとした服着ているの?」
「この前ダンジョンに潜ったら手に入ったの。意外と使い勝手が良くて……」
 そうして、銀剣騎士団内部へと潜入したシルとアリル。
 グリモア猟兵からもうそろそろ猟書家が動くという指示があり、一気に残りの宝玉全部を簒奪するよう指示が出ているのだ。
「アリルさん、気を付けてね?お尋ね者にはなりたくないでしょ?」
「うん、そうなら内容このスーツは認識阻害の加護も備えていていてね」
「あ、そうなんだ……(良かった、ちゃんとした理由があって……変なウィルオーグの影響由来じゃなかったんだ)」
 そんなやり取りをしながら、シルとアリルは奥へと進んでいく。
 やがて、最深部の宝物庫へと辿り着くとシルは流石に興奮を抑えきれないのか目を輝かせている。
「さて、聖遺物……わたしも属性魔法使うけど、すごい力だね」
「シルは何の属性を司る宝玉を得るつもり?」
「風の力を借りていくよ。風は、わたしの友達だからね」
 そう答えたシル。対してアリルは。
「……シル。ヴァルギリオスに風属性は無いよ……?」
「……」
 その言葉にシルはすぐさま『帝竜戦役』のヴァルギリオス戦の報告書を検索していく。
 うん、何故かヴァルギリオスの属性にはなかったよ風属性……
「ど、どうしよう……」
 流石にここにきて根本的なうっかりをしたシルは狼狽するしかない。
 と、そこへ納められている六つの宝玉の内、雷の属性を司る宝玉が自然と輝きだす。
 それは、風神と雷神と言う逸話もある通り気象に由来する風と雷と言う属性の親和性の高さゆえか。
 エギュレ神は自らの力を以て雷属性の宝玉にシルの風属性を融合させることによって雷属性にして風属性、風属性にして雷属性という宝玉――『迅』の宝玉を創り出した。
「お、おお?この雷属性の宝玉、何かしっくりくる……よ、良し。これ貰うね」
 そう言って『迅』の宝玉を手にしたシルは自らの懐に潜らせると同時、他の五つの宝玉をアリルに手渡して保管させる。

 やがて、次の日。
 銀剣騎士団本部にて保管されていた『理の八宝玉』が盗まれたという情報は、各地の銀剣騎士団やエギュレ神の信徒に衝撃を与えた。
 両勢力は双方の協力の元下手人を捕らえようとする――が、その内の五つの宝玉を治めているのが放浪のパラディンだという事は、未だ知らないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『黄昏の海ナハシュ』

POW   :    最期に言い残す言葉はあるか?
【聖遺物〈神殺しの杭〉 】で攻撃する。[聖遺物〈神殺しの杭〉 ]に施された【神をも殺す呪い】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
SPD   :    いい声で鳴いて、オレを楽しませてくれよ?
自身の【殺戮に飢えた瞳 】が輝く間、【猛毒を塗ったナイフで】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    あがいたって無駄だぜ、どうせ死ぬんだし
自身の【聖遺物〈さかしまの鏡〉 】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[聖遺物〈さかしまの鏡〉 ]から何度でも発動できる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ユディト・イェシュアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「このまま、あなたに『理の八宝玉』を奪われる訳にはいかないので、邪魔をさせてもらいます。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀の流れ星】で、『黄昏の海ナハシュ』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】【毒耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。(まだ、宝玉がもらえるのでしたら、『闇』の宝玉を希望します。)



 ――ヴァルギリオスに対抗するために知識の神エギュレから人々に授けられた聖遺物、『理の八宝玉』。
 それを銀剣騎士団から簒奪した猟兵達は、アリルの安全を確保すると、『理の八宝玉』を狙ってやってくる猟書家を待ち受ける。
「――へぇ?こいつらが猟兵って奴らか?成程、一部は俺らに『個』としての性能で勝っている奴もいるようじゃねぇか」
 そう無頼な口調で語り掛けるのは右手に猛毒を塗ったナイフを、左手には神をも殺す呪いを宿した杭の聖遺物【聖遺物〈神殺しの杭〉】を。
 懐には【聖遺物〈さかしまの鏡〉】を突っ込んだ野盗のような姿の男。
 それこそが、今回撃破することになる猟書家『黄昏の海ナハシュ』である。

「このまま、あなたに『理の八宝玉』を奪われる訳にはいかないので、邪魔をさせてもらいます」
 そんな粗野な姿と雰囲気の猟書家に対して凛と告げたのは、露出度の高い漆黒の魔導士衣装を纏うウィザードたる火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)。彼女は『黄昏の海ナハシュ』の目の前に美しき漆黒と滅紫が調和した色合いの宝玉を翳す。
「彼女から貰い受けました。欲しければ力づくで奪ってみなさい」
 その言葉と同時に黒いマントが靡いて彼女の身体を『黄昏の海ナハシュ』の視界から遮る。
「――消えた!?迷彩魔術か?」
「残念、それは残像ですらありません」
 声が聞こえる。野盗の猟書家の背後で。その場所で銀の剣を振りかぶるは漆黒のウィザード。
「面白れぇ!魔導士なのに白兵戦を挑むか!」
 その明の瞬間移動が如きスピードに対し、同じく速度の観点から驚異的な反射神経を用いて刀身に毒を塗ったナイフを背後へと逆手に突き刺そうとする『黄昏の海ナハシュ』。
 その一閃自体も相当な冴えと速度を以て繰り出されたものだが、『黄昏の海ナハシュ』はこれをユーベルコードの効果で九連続で放つことが出来るのだ。
 猛毒を塗られた刀身を用いた暗殺者の一閃を九連撃繰り出す。シンプルかつ強力なユーベルコードと言えた。
「これに、突き刺せますかね?」
「!?」
 だが、明は――ナイフが突き出された場合、その切っ先が闇の宝玉にめり込むように『理の八宝玉』を盾にしていた。
 その光景、『黄昏の海ナハシュ』は自身優れた動体視力で捉えることが出来てしまった。
 そして、猟書家としての目的を達成できなくなるという焦りが生まれたのであった。
「残念、驚きと困惑でユーベルコードの性能が落ちたようですね」
 その隙を突いた明は残像が出来る程のスピードで宝玉を傷つけずに位置を移動させ、銀の剣を猟書家の身体に突き立てたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
来たね猟書家、キミの探してる宝玉はここにある
騎士団の本部を襲う前にボク達猟兵が相手だ!
アリルさんさあ反抗の時間だ!
防壁お願い、ボクは反抗の妖刀を解放するから
神殺しの杭と反抗の妖刀どちらが強いか勝負だ!
反抗の妖刀はいままでにない超重力を生み出す
杭が防壁で防がれた瞬間に超重力を掛けて飛び出す、そこからカウンターで袈裟斬りを食らわせてやる!
これより反抗を開始する
どうか反抗の竜チタノの加護と導きを



「来たね猟書家、キミの探してる宝玉はここにある」
 そう告げるのはニクロム・チタノ(反抗者・f32208)。
 彼女は土属性の宝玉を翳しながら『黄昏の海ナハシュ』へと挑発を繰り出している。
「騎士団の本部を襲う前にボク達猟兵が相手だ!」
「ハッ!どうせ八個全部テメェらが手に入れてんだろ?ならあんなとこわざわざ行かねぇよ!」
 そう鼻を鳴らしながら左手に握った【聖遺物〈神殺しの杭〉】を突き出してニクロムに突き刺そうとする『黄昏の海ナハシュ』。
「アリルさん!――さあ反抗の時間だ!防壁お願い!」
「ええ、任せて!」
 瞬間、神に由来しない失われた魔術を基盤とした防壁魔術が、ニクロムと神殺しの杭を突き刺そうとした猟書家の間を遮るように展開する。
 これが信仰に由来する神の奇跡であったなら、並みの術者ならばその防壁結界に触れて流し込まれた神殺しの呪いによって重大な影響を被っていただろう。
 だが、アリルが操るのは古に喪われたはずの遺失魔術の系統。まして、アリルは猟兵でこそないが並みの術者では決してない。
 神殺しの聖遺物は、防御結界ごとにクロムの身体を貫くことが出来ない。
「――『ならば反抗の覚悟を示せ(アブソリュートチタノ)』」
 そして、ニクロムはそのアリルをも超える生命の埒外――『猟兵(イェーガー)』だ。
「神殺しの杭と反抗の妖刀どちらが強いか勝負だ!」
「うおっ……!?」
 ニクロムが鞘に納められていた刀身を抜き放った瞬間、周囲一帯を震わす振動。
 それは反抗の妖刀によって生み出される超重力……それを、土属性の宝玉を用いることで重力の集束性、密度と言うべきものを純粋化させているのだ。
 やがて、その超集束された重力は反抗の妖刀の刀身へと付属されることで、漆黒の縮退刀身を顕現させる。
 そんなもの、刀剣型のブラックホールと同義であり……そんなもの、叩きつけられて無事な存在など36の世界の中で両手の指の数ほどいれば十分に驚くべきことと言えるだろう。
 まぁ、ともかくそんなものが猟書家に解き放たれるわけで。
「これより反抗を開始する……どうか反抗の竜チタノの加護と導きを!」
 瞬間、振り下ろされる刀と同時に放射される集束された超重力。
 それは猟書家『黄昏の海ナハシュ』の肉体を潰して砕いていくのに十二分と言えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロム・チタノ
起動これより反抗を開始する
目標猟書家撃破了解
敵武装解析
ナイフ猛毒確認
これより反抗演算を開始
思考時間零(シークタイムゼロ)
無駄ですアナタの動きは当たりません
攻撃に粗が出ていますよ
私の演算ではここが反抗のチャンス
カウンターを食らってください



「起動――これより反抗を開始する」
 そんな言葉が、A&Wの世界にて鳴り響く。
 その声の主はクロム・チタノ(反抗機械・f32170)。
 新たなる猟兵の一人であり、今回のこの戦いが猟兵としての初の仕事であり戦闘となる。
「目標――『猟書家』、撃破了解」
 サイボーグとして彼女に搭載されている演算システム。それを用いたユーベルコードは猟書家の一人『黄昏の海ナハシュ』。かのオブリビオンが所有する武装と聖遺物、それらを解析していく。
「敵武装解析――ナイフ猛毒確認」
 彼女は自身にとって『黄昏の海ナハシュ』が有する攻撃手段の内、刀身に猛毒を塗ったナイフによる九連撃が最も脅威的だと判断した。
「これより反抗演算を開始――『思考時間零(シークタイムゼロ)』」
 『黄昏の海ナハシュ』の所有するユーベルコードや武装、聖遺物等の情報。それらを解析することでクロムは『黄昏の海ナハシュ』の行動を未来予知の如く高速演算し、回避していく。
「無駄です。アナタの動きは当たりません――攻撃に粗が出ていますよ」
 その隙をついてやる、と言わんばかりにクロムは『黄昏の海ナハシュ』に対して杭を突き出したその体勢を利用し、膝蹴りをカウンターとして叩き込む。
「私の演算ではここが反抗のチャンス……当たりましたね」
 そうしてクロムは崩れ落ちかける『黄昏の海ナハシュ』にビームキャノン等を用いて追撃していく。
 その姿は、猟兵としての初戦闘としてこの上ない順調なスタートだったと言えただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジーク・エヴァン
お前が銀剣騎士団を襲撃するつもりだったオブリビオンか
悪いが、お前の狙いの聖遺物はこちらにある
当然渡すつもりなんてない
これ以上、お前の好きにさせるわけにはいかないんだ
ここで、お前を倒す!

あの猛毒のナイフも杭も危険な武器だ
俺もそうだがアリルさんや他の猟兵、銀剣騎士団にも手を出させるわけにはいかない!
アリルさんも防壁を展開できるみたいだし、彼女と息をあわせ、彼女の遺失魔術と同時に【竜盾の軍勢】を発動して鉄壁の守りで奴の呪いも毒も食い止め、奴自身も盾の包囲網で捕らえる!

動きを封じた所をグラムとアスカロンの二刀流で攻撃する!喰らえグラム!断ち斬れアスカロン!(二回攻撃、生命力吸収、切断)



「……お前が銀剣騎士団を襲撃するつもりだったオブリビオン……猟書家か」
 竜の魂を砕く白き聖剣【聖剣アスカロン】を切っ先を猟書家『黄昏の海ナハシュ』へと向けるのは、全身を覆うフルプレートの板金鎧に身を包んだ青年。
 その名はジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)という。
「悪いが、お前の狙いの聖遺物はこちらにある」
 懐から取り出した紅蓮の輝きを放つ宝玉、今相対している猟書家が狙っていた聖遺物『理の八宝玉』の内が一つ、炎属性の宝玉だ。
「当然渡すつもりなんてない……これ以上、お前ら猟書家の好きにさせるわけにはいかないんだ」
 この度A&Wに限って言えば、今月において猟書家の侵攻を押し返すことが有力視されている。
 だからこそ、今から行う戦いに関しては負けられないのだ。
「ここで、お前を倒す!」
 その宣言と同時に飛来する刀身に猛毒を塗ったナイフの九連撃。そこに神殺しの呪いを宿した杭型の聖遺物も繰り出される。
 猛毒のナイフと神殺しの聖遺物による攻撃を【聖剣アスカロン】や【魔剣グラム】、【角砕き】等の複数の剣を取り出してジークは凌いで行く。
「(この猛毒のナイフも杭も危険な武器だ)」
 特に、猛毒のナイフが危険だ。神殺しの杭も凶悪な効果があるが、誰に対しても有効な攻撃を九回繰り出すという点で凶悪な性能極まりない。
「(俺もそうだがアリルさんや他の猟兵、銀剣騎士団にも手を出させるわけにはいかない!)」
 そこへ、アリルが遺失魔術を用いてジークの鎧に付与するよう防壁魔術を顕現させる。
「ありがとうアリルさん!」
「お礼より猟書家の攻撃に注力して!」
「無論!――『来たれ!竜の牙を退け、竜の息吹を払いし大いなる守護の軍勢よ!我と共に、悪しき竜の侵攻を押し止めよ!!』」
 それは、竜に故郷を滅ぼされた者としての守護誓約。顕現する異能は装備品複製能力。
 そして、複製される装備品は竜の瞳のような真紅の魔石を嵌め込んだ盾――【竜眼の盾】。
 ユーベルコードによって92個に複製された【竜眼の盾】は、ジークとアリル、そして他の猟兵を守るように陣取っていく。
「――『竜盾の軍勢(ドラゴニック・レギオン)』!!」
 そのジークが有する異界法則が帝竜無き剣と魔法の世界に響き渡ると同時、残った盾の群れが『黄昏の海ナハシュ』に絡みつくようにして動きを止めていく。
「そこだぁ!喰らえグラム!断ち斬れアスカロン!」
 そうして放たれるは竜を断ち滅ぼす白き聖剣と黒き魔剣の二刀流。
 それは二つの剣による二つの一閃だけでなく、ジークの有する怪力と猟書家から吸い取った生命力によって十数の二刀流の連撃として『黄昏の海ナハシュ』へと叩き込まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
宝玉が欲しいの?
ほしいならね…。わたし達をどうにかしてね?
まぁ、あげるつもりはないけどっ!

迅の宝玉よわたしに力を…

【空中機動】からの【空中戦】に移行して行動するよ
敵の攻撃は【第六感】で殺気を感じて
動きを【見切り】【瞬間思考力】で最適な回避や【オーラ防御】を行うね

回避時は【フェイント】をかけた【残像】で攪乱しつつだね

敵UC使用したら、こっちも…
【高速詠唱】と【全力魔法】で【限界突破】な《指定UC》!
さぁ、全力で行くよっ!

UC使用後は
休息接近して二刀流の光刃剣と精霊剣で【フェイント】を入れつつ
【二回攻撃】で切り裂いていくよ

攻撃に移行する機動時も【残像】で攪乱だね
そのまま、連撃で仕留めるよっ!



「宝玉が欲しいの?ほしいならね……わたし達をどうにかしてね?」
 『黄昏の海ナハシュ』に語り掛けるのは蒼髪のエルフの少女。
 手にしているのはその髪の色に緑を強くかったような幻想的な色彩の宝玉。
 その宝玉の正体は、雷の宝玉に風属性を宿した新たなる属性『迅』を司る『理の八宝玉』。
 新生せし宝玉を手にして翳すのエルフの少女、その名はシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)。
「まぁ、あげるつもりはないけどっ!」
 そう強く宣言してシルは迅の宝玉を用いて風属性の魔術を展開。自身に風の浮力を生じさせることで空中戦へと赴きながら、自身の精霊術の賜物である光刃剣と精霊剣を取り出す。
「そちらが毒を塗ったナイフと神殺しの杭とやらで二刀流なら、私もそうするつもりだよっ!」
 そうして猛毒を塗ったナイフが光刃剣と、神殺しの杭が精霊剣とぶつかり合い、火花が散る。

「ッ、そっちも二刀流で戦っているだけはあるね……中々の腕!」
 シル自身も二刀流の魔導剣士であることから『黄昏の海ナハシュ』が有する二刀流剣士としての技能、それが尋常ではない事には始まりの数合で気が付いた。
「早めに決着をつけた方が良さそうだね――『六芒星に集いし精霊達よ、我にさらなる力を与えよ…』」
 そう判断したシルはユーベルコードの起動詠唱を唱えていく。
 やがて、詠唱を完遂させたシルは唱える。己だけの精霊術による異界法則(ユーベルコード)の銘を。
「――『ヘキサドライブ・ブースト』ッ!!」
 それは魔力を暴走させる状態に敢えて開眼することで、背後に展開した二対の光の翼を持つ姿へと変身する魔力臨界型自己強化ユーベルコード。
 暴走する魔力によって生み出された莫大な出力を以て強化されたシルの肉体と魔力は、猟書家という高位オブリビオンの一柱である『黄昏の海ナハシュ』を単騎で互角以上に追い詰めることに成功してる。
「とはいえ……もうここが限界、っと!」
 しかし、このユーベルコードは自身の肉体と魂魄を沸騰するマグマのようなものにするようなモノ。
 決して長時間運用できるようなものではない。
 解除されるシルの強化状態。そこを狙って猟書家は神殺しの杭を――
「残念だけど、その攻撃は見切っちゃった」
 ――叩き込む動作を利用して二振りの剣を用いて、シルは十字切りを『黄昏の海ナハシュ』に叩き込む。
「ユーベルコードだけが強みじゃないのが猟兵の強み、アイテムだけでも十分戦えるんだよ」
 そう言ってシルは迅の宝玉を手に取り、風と雷属性を利用して雷を付与させた真空波を解き放って猟書家を焼き斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
ワタシが来マシタ!
何やら切羽詰まっている雰囲気を感じて、戦力として参上デース!
無作為(おまかせ)に宝玉をお借りして、ナハシュをつりマース!

見晴らしの良い丘などで待ち伏せマスネー! のんびり待機デース!
……ふーむ、こそこそ背後から回り込んで来マスカ。
正々堂々正面から来てくれれば、バトルにお付き合いしたのデスガ……。
振り向かずにガトリングガンを背面に向けて展開。
「最期に言い残す言葉はありマスカ?」と問いかけながら一斉発射デース。
振り返って着弾を確認。そして、「六式武装展開、氷の番」

楽しみのないバトルがお望みならば、速やかに始末してあげマスヨー。
民間人も手にかけるような相手に、遠慮は無用であります。



 度重なる猟兵たちの猛攻に晒されて猟書家『黄昏の海ナハシュ』は骸の海へと帰ろうとしている。
 骸の海に変える事自体はもう、時間の問題と言えよう。

「民間人も手にかけるような相手に、遠慮は無用であります――という訳でー、ワタシが来マシタ!」
 だが、そんな猟書家の勝手が通るような真似をバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は許しはしない。
「何やら切羽詰まっている雰囲気を感じたので、氷属性の宝玉を頂きながら戦力として参上デース!」
 水色が買ったアイスブルーの宝玉。それをバルタンは懐に仕舞いながら、見晴らしの良い丘でナハシュを待ち伏せしようとしていた。
「……こそこそ背後から回り込んで来マスカ」
 だが、氷の宝玉の権能が一つである熱操作を応用した熱知覚の探査を用いてナハシュがバルタンを奇襲しようとした事を、彼女は探知した。
「――正々堂々正面から来てくれれば、バトルにお付き合いしたのでありますが……所詮は野盗という事ですか」
 そう心からの落胆と失望を滲ませた、普段とは異なる軍人気質な口調で独り言ちるバルタン。
 敢えて、ナハシュの背後への接近を許したバルタンはユーベルコードの起動準備に移っていく。
「(『六式武装展開、氷の番――』)」
 やがて背後から神殺しの杭を振りかぶりながら飛び掛かっていく『黄昏の海ナハシュ』。

 バルタンはそれに応じるかのように、振り向かずにガトリングガンを背面に向けて展開した。
「最期に言い残す言葉はありますでしょうか?」
 その言葉を告げると同時に、氷属性を付与したガトリングガンが銃弾を雨霰の如く放射していく。
 答えは聞いていない。草原外に告げるかのようだった。
「楽しみのないバトルがお望みならば、速やかに始末してあげましょう……」
 そう冷たく呟きながら振り返り、バルタンは猟書家へのユーベルコードの着弾を確認する。
「――『必死結氷弾(フリージング・デスペラード)』、着弾確認。グリモア猟兵へ伝達――目標対象猟書家『黄昏の海ナハシュ』、撃破完了」
 そうして、血液を介して敵の肉体を凍結させるユーベルコードによって氷漬けにされた猟書家の氷像は、バルタンがグリモア猟兵に撃破報告を終えると同時、砕け散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月24日


挿絵イラスト