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P-DAY of シミャーズ

#クロムキャバリア #チェストキャバリア

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#クロムキャバリア
#チェストキャバリア


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●P-DAY
  唐突ではあるが、皆様は「D-DAY」という言葉をご存じだろうか?
 これは軍事用語において「戦略上重要な攻撃や作戦の開始日時」を意味する言葉である。そして特に有名なものが第二次世界大戦において連合国軍がナチスドイツ支配下への侵攻作戦「オーヴァーロード作戦」の開始日である。
 ではこの小見出しに用いられている「P-DAY」もまた軍事用語か?そう思われた方も少なくないはずであろうが、ご安心ください。全くそう言う意図のモノではない。
 なぜならこの「P」は「パンジャンドラム」の頭文字であり、そのまま「パンジャンドラムの日」という意味になるからである。
 え、パンジャンドラムをご存じない?なるほど、では超簡単に説明しよう。
 パンジャンドラムとは第二次世界大戦下のイギリスで開発された自律型兵器の呼称であり、爆薬を搭載した胴体を二つの車輪で挟み込んだその形状は家庭科の授業で見慣れたボビンにそっくりである。
 コンセプトとしては「強固な敵陣に突っ込んで爆破し、後続部隊の進路を確保する」という至極全うなものであったが、ふたを上げてみれば英国史上屈指の欠陥兵器であり、さらに今日のネットスラング「英国面」「紅茶キめてる」などを生み出す土壌を築く功績を残すなど、人類に多大な影響…もといネタを齎したのであった。
 …話を戻そう。さて、本題たる「パンジャンドラムの日」についてだが、これは別にパンジャンドラム誕生の日とかそういう記念日的なものではない。
 なぜなら、目の前にパンジャンドラムが現れた日が「パンジャンドラムの日」なのであるから。

●P-DAY of シミャーズ
「嘘じゃネんですよ中佐ァ!」
 クロムキャバリア世界、シミャーズ藩国。その南部沿岸のオバナ要塞。
 夜勤明けの見張りであったバンナイ軍曹は銃眼の向こうに広がる光景をしっかりと両の眼に焼き付けながら、受話器向こうの上官に必死に報告を続ける。
「パンジャンドラムですよ、パンジャンドラム!海岸を埋め尽くさんがばかりのパンジャンドラムが海面からどんどん上がってきてるんスよぉ!ほら聞こえませんか、あの独特な音が!……ああ、もうそこまでッッ!とにかく応援を送ってください!」

●踊るパンジャンドラム
「つまりこのままだとクロムキャバリア世界はパンジャンドラムに埋め尽くされるわッ!」
 グリモア猟兵、イザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)の唐突な宣言への猟兵達の反応は大きく分けて二つ。一つは「な、なんだってー!」という普通に驚愕の反応、もう一つは彼女が時々トンチキな事を言い出した際の「あぁ、いつもの発作か…」というヤレヤレ感満載の反応であった。
「…と、とにかくこのパンジャンドラムの群れがオブリビオンマシン絡みだろうという事だけは間違いない。国家英雄であるチェストキャバリアを失って間もない以上、このまま放っておけばシミャーズ藩国は壊滅しかねないわよ。」
 イザベラの言う通り、シミャーズ藩国は国家の精神的支柱とも言える英雄「チェストキャバリア」がオブリビオンマシン化した末、猟兵に討ち取られるに至った騒動からの日が浅く、表面上は何事もなかったように取り繕っていてもその喪失感は彼らが得意とするチェストの冴えに影響を与えていた。それこそ並の量産型キャバリアすらチェスト仕損じてしまうほどに。
「それじゃあここからは普通のブリーフィングよ。前回はほとんど『らしい事』が言えなかったからね、今回はしっかり説明するわ。」
 そう言って彼女はモニターに戦場となる海岸線、通称「オバナ・ビーチ」の概要を表示した。
「このオバナ要塞は対上陸作戦用に設計された施設でビーチ全体をカバーできるコンクリート壁にトーチカ、要塞砲を備える旧式の要塞よ。昔なら地雷埋設や障害物も敷設されてたみたいだけど事故防止の観点から今は完全撤去されている状態となるわ。そして海岸は当然の砂地だから歩行走行の際は転ばないように注意した方がよさそうね。」
 続けてビーチの地形図に無数の光点と矢印が出現した。
「で、これがパンジャンドラムの予想進路よ。…って言ってもただまっすぐ要塞を目指すだけ。攻撃手段は突撃と自爆のカミカゼ戦法だけど、厄介なのはこれが際限なしに上陸を続けているっていう事。下手に吶喊しようものなら逆にひき潰されかねないから注意して。」
 つまりは数の暴力である。猟兵の戦闘力が一騎当千に値すると言え、総数のわからぬ物量を相手取るのは骨が折れる事だろう。効率よく撃破しなければ要塞に多大な損害をもたらすことは確実である。
「また、このパンジャンドラムはオブリビオンマシンの第一波であるという事だけは覚えておいて。今回の予知では敵の統率機の情報が抜けなかった以上、あらゆる敵を想定した備えが必要となるわ。気を付けてね。それじゃあGood hunting ,Jaeger!(猟兵諸君、良い狩りを!)」
 こうして猟兵達はグリモア猟兵の手によりクロムキャバリア世界へと送り込まれるのであった。


マーシャル後藤
 パンジャンドラムのフラグメントがあったら使いたくなりますよね。
 どうも、マーシャル後藤です。
 前作(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=31363)に続き、今回もシミャーズ藩国を舞台にパンジャンドラムをはじめとするトンチキ謎勢力の侵攻を阻止しましょう。なんかこう、B級とかZ級映画のノリみたいな感じで。

 本シナリオは三部構成となります。第一部は海岸を埋め尽くさんとするパンジャンドラムとの集団戦となります。
 第二部は集団戦、第三部はボス戦となります。当然パンジャンドラム以外の敵が相手となるため注意しましょう。

 第一部のプレイング募集は断章投下後からの受付となりますのでご注意ください。
 第二部、第三部のプレイング募集時期についてもタグなどでお知らせいたします。

 それでは皆さんのパンジャンなプレイング、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『パンジャンキャバリア』

POW   :    パンジャンボマー
自身が戦闘不能となる事で、【転がった先にいる適当な】敵1体に大ダメージを与える。【皮肉】を語ると更にダメージ増。
SPD   :    パンジャンスカイ
全身を【勇ましいバグパイプの音色】で覆い、自身の【自爆力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    パンジャンファランクス
【何時自爆し、何時暴走するか分からない】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【追加のパンジャンキャバリア】の協力があれば威力が倍増する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●勇敢なるパンジャンドラム
「畜生!こいつらどこからやって来やがった!?」
「右翼弾幕薄いぞ!死にたいのか!」
「弾切れだ畜生!誰か代わってくれ!」
 それはオバナ要塞の歴史上、最大の防衛戦であった。キャバリア部隊はもちろんの事、歩兵から要塞砲、さらに最早骨董品と言って差し支えないほどの大型臼砲まで、全戦力を投入してもなおパンジャンドラムの勢いは止まらない。内蔵されたバグパイプユニットの演奏に合わせて狂気の行進を続ける無人兵器群に、流石のシミャーズ戦士たちもその不気味さに恐れ慄いていた。
『ええい皆の衆怯むな!あのようなふざけた輩にオバナの護りを抜かれたとあれば末代までの恥ぞ!今こそチェストの――』
 それまで陣頭指揮に立っていた将校のオープン通信による檄が唐突に途絶え、その直後、跳躍したパンジャンドラムの自爆に巻き込まれるキャバリアがあった。間違いなくこの将校の乗機である。
『指揮官死亡!繰り返す、指揮官死亡!以後は私が臨時指揮を行う!各自、とにかく敵を寄せ付けるな!』
 そして次席の将校が戦死した上官に代わって指揮を引き継ぐ。
 既に近隣の基地や海軍への出動要請を出しているとはいえ、このままでは間違いなくオバナは抜かれる事は間違いないだろう。
 この状況を打破するには、間違いなく猟兵の力が必要であった。
阿紫花・スミコ
「ようするに自走する地雷ってことかい?」

(無断で)カスタムした、キャバリアのコックピットで、どこから取り出したのかスイーツを頬張りつつ、画面を見つめて頭をかく。

まあ、相手が可燃物である以上、近づきたくはないな。
ロングレンジライフルを構え、超遠距離から射撃する。

ロングレンジ・ショット・・・!!

「勝手に誘爆してくれれば楽なんだけど。」

遊軍を巻き込まないように、一体ずつ狙撃していく。

(UC・スナイパー・援護射撃・レーザー射撃・情報収集・先制攻撃・操縦)


シル・ウィンディア
……
えーと?これはどうすればいいのかなぁ?
と、とりあえず、シル・ウィンディア、ブルー・リーゼでいきまーす(脱力しつつ)

破壊力はすごくてまたスピードもある
こう考えると、結構強い機体だね
形状は別としてね

向こうが全力で来るならこっちもっ!
ビームランチャー、ツインキャノン、ホーミングビームの【一斉発射】!
【範囲攻撃】で薙ぎ払っていくよ

本来は空戦機だから空から行きたいけど、今回は陸戦だね~

トリガー引いて攻撃しつつも…
UCの詠唱を開始!

時間をかけてじっくりと…
【魔力溜め】を【多重詠唱】で行って…
敵機が直線状に並んだら、《指定UC》で一気に薙ぎ払うよっ!
あ、【貫通攻撃】付きで使用するよ

これがわたしの全力っ!




 パンジャンドラムの狂気のパレード会場となりつつあるオバナ・ビーチ。密度の高い弾幕で迫りくるパンジャンドラムを迎え撃つ猛きシミャーズ戦士達であったが、やはり劣勢である事に変わりなかった。
 緒戦でこそ要塞砲がパンジャンドラムの群れを吹き飛ばせば歓声の一つや二つが上がっていたが最早その余裕すらない。次から次へとキリが無く、そして爆音の向こうからは延々とバグパイプの音色が響き続ける。実はこれが一番シミャーズ戦士達を苦しめていた。何せ、どれだけ砲火を浴びせかけてもあの音だけは鳴りやまないのだ。その事実が彼らの精神力を削ぎ、不安や焦りを煽りに煽っていた。

「パンジャンドラム……ようするに自走する地雷ってことかい?」
 狙撃型キャバリア「アルジュナ」に搭乗する猟兵、阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)は偵察用ドローンからリアルタイムで送られてくる映像を見ながらケーキ――曰く「親の仇のように甘い」らしい――を頬張る。それは彼女が自他ともに認める甘党であるという事もあるが、これから射角計算などで酷使されるであろう脳細胞への激励の意味も込められている、彼女なりのルーチンワークであろう。
「ごちそうさまでした…。じゃあ早速仕事に取り掛かろうか。」
 ケーキを食べ終えた彼女は遂に戦闘態勢へと移る。狙撃手たる彼女は当然最前線には立たない。故に彼女は戦闘区域の隅に陣取っていた。
「さてさて。撃てば必ずどれかに命中しそうって感じではあるけど、友軍に被害が出たら笑えないから一体ずつ確実に仕留めていこう。」
 大口径ロングレンジライフルのスコープカメラが要塞へと驀進するパンジャンドラムの一つを捉え、スミコの指がトリガーを引くのと同時にレーザーがパンジャンドラムを貫く。彼女が先刻評していた通り、パンジャンドラムは地雷であり爆薬満載兵器である。そんなシロモノを撃ち抜けばどうなるかは想像するまでもない。
 砂浜を抉り、周囲のパンジャンドラムを吹き飛ばす威力の熱と爆風を生じさせての大爆発である。攻撃目標に到達するためにある程度の攻撃を凌ぐための耐久性を有していると言えど、拠点破壊用の爆薬の熱、そして地面へと叩き付けられる際の衝撃は搭載する爆薬を炸裂させるには充分だったらしく、次から次へとパンジャンドラムが爆発し、パンジャンドラムを吹き飛ばし、そして吹き飛ばされたパンジャンドラムが爆発し……とマスゲームの如き展開で連続爆発を生じさせた。

 一方そのころ、最前線のオバナ・ビーチに一人の猟兵が乗り込んだ。
「猟兵シル・ウィンディア、ブルー・リーゼでいきまーす!」
『おお、猟兵の援軍であるか。これは心強い!』
 シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)の登場に疲労困憊のシミャーズ戦士達にも明るい声が戻ってきた。今や世界各地の内紛や国家間衝突の仲裁、解決に現れる彼らは一種の戦場伝説であり、シミャーズ藩国でもチェストキャバリアの暴走事件以降、猟兵への関心が高まっていた。
『ウィンディア殿、こちらはオバナ要塞司令官のチュンマー准将だ。見ての通り当方の戦力では敵の攻勢を防ぎきれるかが怪しい。海軍艦艇の到着までできる限り敵を撃破してほしい。勿論得意な方法で構わない。』
 シル宛に通信を寄越したのは退役間近の司令官、ヨアヒム・チュンマー准将であった。齢六十を越え、「そろそろ後進に座を明け渡してやれ」と妻に説得された老将は落ち着いた声で注文を出した。
「得意な方法で時間稼ぎをって事だね。…でもさ、全滅させてしまっても構わないでしょ?」
『…あぁ勿論だとも。海軍どもの見せ場を奪う勢いでやってくれて構わんさ。』
「了解、それじゃあ全力で行かせてもらうね!…あっ交信終了!」
 シルとの通信を終えたチュンマーは、猟兵の規格外さを再認識すると同時に思わず吹き出した。
「フッ…ハハハ、話に聞いていた以上に頼もしく思えてきたなこれは…!」

 シルが搭乗する白と青を基調とするキャバリア「ブルー・リーゼ」は本来高機動戦闘が売りの空戦タイプである。しかし、彼女は敢えて陸上戦闘を選んだ。
「破壊力はすごくてまたスピードもある…、形状は別として結構強力な兵器だね。空を飛んでたら要塞を守れそうにもなさそう…。」
 これが有人キャバリアであれば航空攻撃による足止めは功を奏したであろう。しかし今回はカミカゼ上等の無人兵器が相手である。後退も停止も行わない以上、力尽くで食い止めるのが正攻法であることは自明の理であった。
「それじゃあ、手始めの一斉攻撃開始ぃ!」
 そして彼女の戦いが始まった。ビームランチャー、ツインビームキャノン、ホーミングビーム砲。四門の砲身がパンジャンドラムに向けられ一斉に光線を放つ。光線はパンジャンドラムを次々と貫き、爆散させ、掠っただけであっても推進機を損傷させ、別機体に衝突するなどで被害を出していた。まず間違いなくこれで時間稼ぎは成功するだろう。
 しかし、彼女の攻撃はこれだけに収まらなった。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ……。」
 砲撃戦の最中、シルは本命の攻撃を放つべく詠唱を開始していた。彼女の操るキャバリアを筆頭に、その攻撃手段には彼女自身の魔力が用いられている。その最中でさえ新たな攻撃の準備を行う事が出来るという事から彼女の保有する魔力量、そして術士としての実力の高さが伺える。
「暁と宵を告げる光と闇よ…。」
 シルが詠唱の最終節に入る直前、砲撃から逃れ飛翔するパンジャンドラムが複数現れた。それが意図的な行動かどうかはさておき、狙いがブルー・リーゼである事は間違いない。危うしブルー・リーゼ、危うしシル・ウィンディア!

「そうは問屋が卸さないってね。」
 次の瞬間、飛翔したパンジャンドラムが一斉にレーザーに貫かれ爆散した。スミコの援護射撃である!飛翔したパンジャンドラム全てが射線上に一直線に並んだところへの精密なスナイピング。凄まじい技前である!
「…六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!」
 スミコの援護により危機を逃れ、遂に詠唱を終えたシル。同時にホーミングビーム砲『リュミエール・イリゼ』が通常砲撃を中断し、魔法六属性によるエレメンタル・ブラストを間髪を入れる間もなく放った!極太の六光に輝く噴射は先ほどまでのビーム砲撃とはケタ違いの殲滅力でビーチ上のパンジャンドラム達を次々と瞬殺――即ち爆発させる間もなく蒸発させ、ブラストの通った後には何も残らなかった。
「これがわたしの全力ってね!」
 まさに一騎当千、万夫不当の英雄の如き働きである。この光景を目の当たりにしたシミャーズ戦士達の顔に生気が戻る。「ここから巻き返すことができる。」彼女ら猟兵の働きが彼らに希望をもたらしたのだ。
『レーダーがパンジャンドラムの第二波を捉えた!我々も猟兵達に後れを取らぬ戦いをするぞ!』
 第二波。猟兵が来なければその報せに戦意喪失していたであろうシミャーズ戦士達であったが、今や怖気を一片たりと見せる事は無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
錆鉄に乗り向かうぜ
「助太刀に入らせてもらう」
まぁどうみてもオンボロ通り越してヤバイから不安しか感じねぇだろうが
「んな事は戦果みてからいいな」
(視界一面のパンジャン…
すごいな
実用化にこの世界過去に成功(?)してたのか…)
まぁ俺が知ってるのUDCアースの知識だからここのとは違うかも…ってlostの方のデータベースにはあんの?
じゃあ教えてくれ【戦闘知識・情報収集】
んー…時代違うか?
まぁ多分基本は同じかな

黒鉄で手前…空飛んでるのもいるけど近い奴を射撃、機動力を奪う(呪詛・制圧・範囲射撃)
後は後続が…突っ込めよ!
反転すんなよ!
…そのうち突っ込んで同士討ちすんじゃね?

なお攻撃するだけで錆鉄は壊れかねない




 第一波が殲滅されてから間もなくして、一人の猟兵が最前線へと向かっていた。
「それにしてもパンジャンドラム…紛れもなくパンジャンドラムだったよな。この世界ではまっすぐ走るパンジャンドラムの開発に成功していたのか。」
 その猟兵は尾守・夜野(墓守・f05352)であった。彼の知るパンジャンドラムと言えばまっすぐ進まない、横転する、そもそも進まない。「ザ・欠陥兵器」というパンジャンドラムである。
 しかしここはクロムキャバリア世界、UDCアースのしかも20世紀ごろとは全く技術水準が異なりオートバランサーやら半回転トルクだとかそういった「まっすぐ進んで勝手に横転しない技術」は大体何とかなる世界柄であった。
「しかしまぁ、まっすぐ進んでくれるなら戦い易いってもんだよな。」
 そして夜野はその特性をデータベースから読み解き、自らの迎撃プランを実行へと移すのであった。

『猟兵殿!差し出がましい事は承知の上ではありますが、貴機の状態はよろしくない!お下がりください!』
「まぁデリケートな機体だってのは認めるけどさ、んな事は戦果みてからいいな。」
 あるシミャーズ戦士曰く、夜野の駆るキャバリア「錆鉄」は異形の一言に尽きると言う。表面に錆を浮かせるその外見からは、誰しもが「動いていることが奇跡」だと思わせるような説得力があった。
 四足から二足への変形機構を持つそのテクノロジーは、二足歩行が主流となった今日においては生産ラインも廃れ正規のメンテナンスを受ける事すら困難を極めるであろう。まぁそれも、所有者に修理をする気があればの話ではあるが。
「お、早速お出ましだな。じゃあやってやるか!」
 錆鉄に搭載されたAI「lost」がパンジャンドラム達の接近を告げる。海中から勢いよく飛び出してきたそれらは地表を驀進するだけでなく、跳躍により進路上の錆鉄を押しつぶそうかと言う勢いで跳びかかってきた。
「黒鉄起動、――まっすぐ走れるようになったことを後悔するんだな。」
 対して夜野は黒鉄――錆鉄の口内に格納された銃砲を展開し、襲い来るパンジャンドラムを迎え撃つ。しかしその威力は現行のキャバリアを撃ち抜くには威力が不足していた。余りにも世代格差があり過ぎたのだ。
「だけど俺の錆鉄ならかすり傷一つだけでもつけられれば問題ない。」
 その言葉と同時に黒鉄の銃弾にさらされたパンジャンドラムは急に動きが鈍り、次第に動かなくなった。後ろからは後続のパンジャンドラム、その進路上には動かなくなったパンジャンドラム。互いのパンジャンドラムには爆薬が満載されている。
「題して『パンジャンドラムのパンジャンドラムになるパンジャンドラムの為の地雷原』の出来上がりっと。」
 かくしてパンジャンドラム第二波の尖兵は互いに爆散するという結末に至ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーフィ・バウム
この世界の、そしてキャバリアの初戦闘ですね
搭乗してはこれが初陣となりますが、【気合い】十分
役目は果たして見せましょう
頼みましたよ、私の『ブライト・ナイト』

なんかこう、
不用意に接触したりすると爆発の危険も感じますので
キャバリアの拳に風の【属性攻撃】を込め、
【なぎ払い】衝撃波】を見舞うことで
多くの敵を巻き込み、またぶつけ合うことで
連鎖爆発を狙いましょう

敵陣が混乱してきたら、
こちらから【ダッシュ】にて切込み、
【功夫】での打撃で1体また1体と
人機一体の打撃を叩き込んでいきます
これも、転がして爆発に巻き込まれないように

攻撃は避けきれなければ【オーラ防御】で凌ぎ
周囲の最後の1体には《麗掌破魂杭》
で貫きます




 パンジャンドラムが押し寄せる戦場に一機のキャバリアが降り立つ。
 眩い輝きを放つ純白の騎士「ブライト・ナイト」、猟兵ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)の乗機である。
「キャバリアに搭乗しての初陣ではありますが…頼みましたよ、私の『ブライト・ナイト』。」
 
 パイロットの動きを余すことなく模倣するトレースシステムを搭載するブライト・ナイトが迫りくるパンジャンドラムに徒手空拳にて構える。
 自らを「蛮人」と名乗り、そして密林の部族の出自であるという彼女はパンジャンドラムがいかなる兵器かを知っているわけではなかった。しかし彼女の戦士の勘が囁くのだ。「接触を避けるべきだ」と。
「とは言え避けてばかりでは要塞への被害が増す一方。ならば爆発する前に仕留めるほかないですね。」
 
 スゥッと短く息を吸い、ユーフィは意識を拳へを向かわせる。イメージするのは風――敵を寄せ付けぬ障壁の如き力強い嵐で拳を包み込む己自身であった。 
 それに呼応するかのようにブライト・ナイトの拳は風を纏う。
「はぁッ!」
 早すぎず遅すぎず、気合いの十分に込められた疾風の拳は彼女の間合いへと侵入したパンジャンドラムへと放たれた。直撃をうけたパンジャンドラムは当然ながら、衝突(インパクト)の瞬間に拳を纏っていた風が放出された事により更に後続のパンジャンドラムが暴風に巻き込まれ、海岸の砂と諸共に宙を舞う。
 既に自爆の秒読みに入っていたパンジャンドラム達は吹き飛ばされた先で爆散、侵攻中や未だ海中から出てくる前のパンジャンドラムを巻き込んでの同士討ちを連発させていた。
 これにて新たなパンジャンドラムの群れもお終いか。誰しもがそう思う中、爆炎の向こうからブライト・ナイトへと跳びかかるパンジャンドラムが現れた。幸か不幸か誘爆を免れたパンジャンドラムであった。
 しかし覚悟を決めている彼女に対しその奇襲は功を奏さなかった。
「これでおしまいです!」
 彼女の最後の一撃は正に鉄槌の如き暁光の一撃、洋上の空を貫かんと放たれたそれはやはり、残りのパンジャンドラムを巻き込み爆破するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カシム・ディーン
何あのでたらめな連中
「自爆キャバリアとか怖いねーご主人サマ?」(鶏立体映像
お前もある意味怖い存在だろうが

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵陣の状況と自爆の性質
動きの方向性などを観察
特に起爆装置の位置を可能な限り捕捉
効率的に撃破するにはどうすればいいかも把握

念の為人が乗ってないかも分析
【空中戦】で低空飛行

【念動力・属性攻撃・スナイパー】
カドゥケゥスより念動火炎弾を乱射
その場で爆破させつつ

UC発動
そんなに自爆が好きなら好きなだけさせてあげます
効率的にスライムに襲い掛からせて共々自爆を狙う

残った残党はハルペーで【切断・二回攻撃・盗み攻撃・盗み】
可能なら起爆装置を強奪
出来ない場合は即離脱して他の敵に向かう


ヴィリー・フランツ
wiz
心情:敵は本気で要塞を陥落させるようだぜ。
こりゃ俺達と敵、双方にとっても一番長い日になりそうだ。

手段:要塞指揮官は何処だ!?え、先程戦死した?じゃあ次席幕僚でも良い、一番ヤバい戦区を教えろ!俺のへヴィタイフーンが支えてやるぜ!

迎撃地点に着いたらFCSを起動、レーダーを照射し【迎撃態勢完了】を発動させる。
これで有効射程距離は伸ばせるだろう、右手の無反動砲、左手のリニアSMG、肩装備のミサイルと40mmレールガンを撃ちまくって迎撃すりゃ良い、当たりゃ誘爆して周りのパンジャンごとぶっ飛ぶしな。

予備弾薬は用意してるしな、装填補助にその辺の新兵を捕まえりゃ良いだろ。
「アパム(仮)弾持ってこい!!」




 猟兵の参戦により仕切りなおされた戦況。未だ底を見せぬパンジャンドラムであったが、要塞のシミャーズ戦士達に立て直す時間を作りだした事で状況は僅かながら好転の兆しを見せた。
「こちらは猟兵ヴィリー・フランツだ。護りが手薄になってる場所を教えてくれ、カバーに入る!」
 重武装キャバリア「へヴィタイフーン」に搭乗した猟兵ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)はこのインターバルを利用し迎撃ポジションを求め移動を開始していた。すると彼の通信に要塞側から応える声があった。
『猟兵殿、現在要塞西側の被害が深刻であることを確認している。至急支援に向かってほしい。』
「西だな、了解した。ついでに新兵を幾人か弾運びとして都合してほしい。」
『わかった、現場の新兵を何人か待機させておく。自由に使ってくれ。』

「まさか本当に突撃と自爆だけって…でたらめ過ぎるだろ。」
 第一波の攻勢を遊撃しながら偵察、情報収集を欠かさず行っていたカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は改めてパンジャンドラムの戦闘力に頭を抱えていた。
 まず敵が無人兵器である事は間違いなかった。仮に有人型だとしても、あの機械的なまでに迷いの無い突撃行進を行うには相当の精神力を持ったパイロットが必要であろうし、逃亡者が出た際の督戦隊の姿すら確認できなかった。
 そして念の為の透過分析で無人であることが間違いないとわかった以上、第二波は手加減無しで臨める状態である。
「自爆キャバリアとか怖いねーご主人サマ?」
「お前もある意味怖い存在だろうが。」
 そこに声をかけてきたのは乗機たる界導神機「メルクリウス」の雄鶏ホログラムである。彼女(?)はAIによる疑似人格などではなく、正真正銘の機神にして「賢者の石」を自称する存在である。要するに規格外のサイキックキャバリアで実際コワイ。
「ところでご主人サマ、この要塞、海岸の西側の護りが弱くなっているみたいだよ。」

 要塞西側は海岸に最も近いものの、断崖絶壁に隣接しているという要塞攻略時の破壊優先度の低さから沿岸砲や長距離対艦ミサイルなど上陸阻止用の戦力が配置されていた。それ故に今回の侵攻、もとい無差別攻撃に際しては被害が極めて甚大とならざるを得なかった。
『こちら西側臨時指揮官のマーコフ少尉であります!貴方が連絡のあった猟兵殿でありますか!?』
 最初に到着したヴィリーの下に緊張気味な通信が入る。臨時指揮官とはこれまた少尉という階級には荷が重そうな肩書だと思いながらヴィリーは通信に出る。
「そうだ少尉、ヴィリー・フランツだ。時間が惜しい、状況を端的に説明してくれ。」
『はっ!当方はキャバリア部隊の四割を損失、部隊指揮官であり本区の責任者でもあったモハン中佐以下の上官全てが戦死され、私が臨時指揮をとっております!』
 機動戦力の損失。恐らく押し戻そうと突出したところをやられたという所か。
「少尉、残存のキャバリア部隊は防壁まで下げさせてくれ。この戦闘はまだ始まったばかりだ。可能な限り戦力は温存しておきたい。」
『りょ、了解しました!』
『第二波の前進を確認!各自攻撃を開始せよ!』
 マーコフ少尉との通信が終わった直後、敵の攻勢が開始されたことを知らせる通信が入る。ヴィリーはあらかじめ作動させていた火器管制システムが次から次へと現れるパンジャンドラムをロックオンしたことを告げているのを確認すると同時に火器のトリガーを引く。近距離目標に対してはリニアSMG、無反動砲が、中長距離目標に対してはミサイルとレールガンがそれぞれ火を噴きパンジャンドラムを蹴散らし始めた。
「……やべぇな。景気よくブッ放してるってのに勢いが止まる気配がねぇ。」
 暫くしてヴィリーは気が付いた。第二波の規模が明らかに第一波を超えているという事を。すぐさま携行弾薬の残量を確認し、いつでも装填が行えるよう要塞側に連絡をとろうとした時だった。

「うわー、なんかさっきよりも数多くなってない?何かさっきよりも数多くなってない?」
「二度も言わなくていいですよご主人サマ。それじゃあここからは手加減無しで行きますよー!」
 第二波の迎撃にやってきたカシムがげんなりとした顔をする一方で、低空域で飛ぶメルクリウスはやる気、もとい殺る気満々といった調子で手にする魔杖兵装カドゥケウスを起動、魔力から精製された焼夷弾を次々と杖の先端からパンジャンドラムに向けて射出を開始する。的確にパンジャンドラムの駆動系や中枢を撃ち抜くことで転倒や誘爆を誘う。
「万物の根源よ…帝竜眼よ…世界を作り命を作り世界を愛した竜の力を此処に示せ…!」
 さらにはカシムの詠唱により無数の巨大スライムがパンジャンドラムの進路上に出現した。パンジャンドラムは止まる事などなく次々とスライムへと突撃し、対するスライムもその場で次々と体内にパンジャンドラムを取り込み続ける。

『上空のサイキックキャバリアへ、こちら猟兵のヴィリー・フランツだ。あのスライムは撃ってしまっても大丈夫か?』
 要塞の人員の支援を受けつつ弾薬補充を終えたヴィリーがカシムへと確認をとる。大量のパンジャンドラムを溜めこんだものが海岸上にいくつも転がっているのだ。大規模爆発により効率的に敵を処理するならまたと無い好機である。
「こちらカシム・ディーンです。スライムへの攻撃は問題ありません。あれ自体も自爆が売りみたいなところがありますから。」
『了解した。あれだけパンジャンドラムを飲み込んでいる以上爆発の規模がどの程度になるか想像もつかん。一度距離を置いてくれ。』
 ヴィリーがそう告げ、カシムが離れたのを見計らうと、へヴィタイフーンのレールガンがその貫通力でパンジャンドラムごとスライムの群れを撃ち抜く。
 次の瞬間、スライムの中でパンジャンドラムが爆発、更にスライム自体が爆発したことにより瞬間的な空気圧縮によるプラズマが発生、さらに周囲のパンジャンドラムへとプラズマが襲い掛かり要塞にたどり着くのを待つまでもなく、次々とその場で自爆する事となった。
 この一網打尽とする攻撃の結果、オバナ・ビーチは海岸線の形が変化してしまうのだが、思いがけない大戦果となったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
…見れば見る程、妙な光景だな
こんな物がよくまともに動いているなといっそ感心する
これもオブリビオンマシンの力なのか?

宇宙バイクに騎乗して参戦する
アクセルを全開に、一番先頭にいるパンジャンドラムの側面へ回り込む
真っ直ぐ向かってくるならそれほど難しくはない筈だ
側面を取ったらユーベルコードを発動、横からの衝撃への耐性は正面より低いと予想
体勢を崩す…と言っていいものか分からないが、推進力を殺いで再度狙いをつける
一発目はそこまでで構わない

速度が緩んだ隙に二発目のユーベルコードで完全に破壊したい
あれが爆弾のようなものなら、ついでに起爆できれば更に良い
爆発に後続を巻き込んで敵の進軍を止めつつ多数の撃破を試みる


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ連携絡み歓迎
※青い愛機『ナインス・ライン』に搭乗

まーたトンチキな…
アンダーフレームだけのキャバリアもどきは知ってるけど
こっちはオーバーフレームだけだったりするのかねー?
※『荒らしの中で輝いて』2章より

でも無数の特攻兵器って事はパイロットの心配も無用だろうし
先日ジャンク品で丁度いいの買っておいたから試すかなっ♪

目には目を、歯には歯を
パンジャンドラムにはパンジャンドラムを
29番【ストレンジ】起動っ

ドラム缶めいた自走式エネルギー爆雷を
展開した左右のキャノン砲から連射すれば
ソイツも相手同様に転がったり跳ねて爆砕っ

…スーパーパンジャン大戦?
まあともかく、物量差はコレで補えるはずさっ♪


チェスカー・アーマライト
こりゃ弾薬が幾らあったって足りやしねーな
頑丈そうな鉄棒を拝借し、高く掲げてホームラン宣言
ビッグタイガー、スタンディングモード……もといスラッガーモードで堂々エントリーだ
向かって来る奴も来ねー奴も
片っ端から海の向こうに叩っ込んでやらぁ!
でも誤爆が怖えーから、一応車輪を狙う
なお、機体の体型的に人間のバッティングフォームをそのまんま真似すんのは無理なんで、実際は片手に持った鉄棒を力任せにブン回してるだけの模様

"チェスト"っつーのはこー言う感じか?
え、違う?
案外難しいモンだな……

しっかし、派手な数揃えた割にやってる事は自爆突撃の一辺倒
なーんかキナくせー
どデカい隠し玉の臭いがプンプンするぜ




「でりゃああっ!」
 未だパンジャンドラムの脅威下にあるオバナ・ビーチ。しかし猟兵達の驚異的な活躍によりその脅威度も段々と下がり、要塞戦力による反撃も安定の兆しを見せていた。
 猟兵チェスカー・アーマライト(錆鴉・f32456)は乗機「ビッグタイガー」とともに最前線に立ち、豪気にも手にした鉄骨でパンジャンドラムを片っ端から海へと叩き返そうとしていた。
「見事なチェスト…!我らもあの猟兵殿を援護するぞ!」
「応!」
「チェストパンジャンドラム!」
 その姿に感化されたシミャーズ戦士達の士気は高まり、彼女を援護せんとする砲撃は次第に勢いを増していく。
「とは言ったものの、流石に数が多すぎだぜ!」

「チッ、本当にキリがないな…。」
 オバナ・ビーチをパンジャンドラムの間を掻い潜るように走行する一台の宇宙バイク、あまりにも無謀な行為ながらもそれを容易くやってのける猟兵こそがシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)であった。彼の愛用する拳銃シロガネに装填されているのは今回の依頼に即して特注させた強装弾であり、並のキャバリアであればコックピットユニットの装甲にも風穴を開けられるような、「魔弾」と言っても差し支えないシロモノであり、シキはこれをパンジャンドラムの側面に撃ち込み横転させ自爆を誘発させていた。
 しかし、いくらそれをもってしても数に勝るパンジャンキャバリアを足止めするには心細いものがあった。
 古い合戦では武芸と言うものが活かされなかったというエピソードが幾つもあるように、それほどまでに「個対群」という状況は可能な限り避ける必要があった。

「うわぁ…オーバーフレームと戦ったことはあるけど、まさかパンジャンドラムそのものをキャバリアとして採用するなんてねー。」
 重装備に身を固めたキャバリア「ナインス・ライン」に搭乗するはリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は自らの過去の経験から目の前のパンジャンドラムの異様(トンチキ)さに若干引いていた。
「まぁそれはともかく、こういう時は目には目を歯には歯を、パンジャンドラムにはパンジャンドラムをぶつけるのが流儀だよね。…29番【ストレンジ】起動っと。」
 果たしてどこの誰がそんなトンチキな格言を残したのだろうか。彼女がそれを起動すると両腕のランチャーへと次々に円筒状の弾薬が装填される。
 それは敵のパンジャンドラムにはスケールは劣るものの、歴とした非実体型自走式爆雷、即ちパンジャンドラムであった。
「備えあれば憂いなし、先日ジャンク品で丁度いいの買っておいたから試すかなっ♪」
 一体何を想定すればパンジャンドラムを備えるのだろうか。とにかく彼女の『スーパーパンジャン大戦』が始まった。

 速射砲の如き連射で放たれるパンジャンドラム(以降パンジャンA)が、要塞へと突き進むパンジャンドラム(以降パンジャンB)と激突する。
 次の瞬間、パンジャンAがパンジャンBを巻き込み自爆、複数のパンジャンBを巻き込みながら爆散を開始した。
 それはビーチで独自にパンジャンBを迎撃していた猟兵二名も目撃することとなり、パンジャンAが味方のモノではあるものの、パンジャンB以上の脅威成り得る事を直感的に理解した。
「やばっ、ちょっと下がるぜ!」
「こいつは漏れ出た残党狩りに移った方が良さそうだな。」
 チェスカーとシキは現在の戦線から一歩下がり、生き残ったパンジャンBを殲滅する作戦に移行した。結果、要塞はこれ以上の損失を出すことなく第二波を退ける事に成功したのであった。


●援軍到着
『各艦、砲撃開始。撃てぇー!』
「各機、攻撃開始。」
 オバナ・ビーチが戦場になってから、そして猟兵達が参戦してからどれだけたった頃だろうか。洋上からは砲声が、陸地からは大量のキャバリアがスラスターを吹かす音が聞こえてきた。
「援軍だ!味方の援軍が来てくれたんだ!」
「助かったぞ俺達!」
 シミャーズ海軍の巡洋艦隊の榴弾砲撃が海岸に上がる直線のパンジャンドラム達を次々と屠る。
 シミャーズ海兵隊のキャバリア部隊が海中に爆雷を投下し、更に根元から立たんとダメ押しを仕掛ける。
 次第に上陸するパンジャンドラムの数は減っていき、数刻後には最後の一機が撃破されパンジャンドラムの攻勢は沈黙するに至った。

 誰もがこのふざけた戦いが終わったことを確信した。
 しかし、そうはならなかったのだ。
『メーデー、メーデー!こちら巡洋艦ホウセイ、海底から攻撃を…待て、あれは一体何……』
 次の戦いは駆け付けたシミャーズ艦隊の壊滅から始まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『サーモン・マシン』

POW   :    イクラ・ボム
レベル分の1秒で【口からイクラ型の爆弾 】を発射できる。
SPD   :    ヒレ・ウィップ
【振り回した尾ビレ 】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    ボディ・ラッシュ
【水流を纏った高速の 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【仲間のマシン】の協力があれば威力が倍増する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アタック・オブ・ザ・サーモン

 サーモンキャバリア。
 世界がまだ繋がっていた時代、とある科学者が「毎日鮭いくら丼食いてぇな」という欲望全開で開発した無人巡航型キャバリアである。
搭載された極小型プラントは鮭の切り身と人工イクラの精製に特化しており、世の美食家の舌を唸らせるほどの絶品を生み出す事から大量に製造されるも、AIが野生の本能に目覚め企業管理下から一斉に独立。独自の生態系を確立するに至った。
 今日においてもサーモンキャバリアから得られる切り身と人工イクラは珍味として重宝されているが、野生化したサーモンキャバリアの捕獲は非常に危険を伴う一攫千金の稼業とされており、借金返済の手段の一つに「サーモン漁船」が挙げれられるほどである。
 なお開発者である科学者は鮭いくら丼の食べ過ぎで、その晩年は痛風や結石を始めとする生活習慣病に苦しめられ完治を待たずしてこの世を去ったのだという。

「か、海軍艦艇全滅…っ!」
 巡洋艦ホウセイからの通信が途絶え間もなく、応援に駆けつけた海軍の艦艇は突然の奇襲を受け、反撃に転じる事も許されること無く壊滅した。
「サケです!サケ型キャバリアの大群が海岸に押し寄せています!」
「待て、あれはサーモンだ!前にサーモン漁船に乗っていたからわかる!」
 シミャーズ戦士達の間に緊張が走る。パンジャンドラムを退けたと思った矢先、シミャーズ藩国近海に本来は存在しない筈のサーモンキャバリアの群れが餌を求めてやってきたのである。
「奴らは回遊とプラント稼働のためのエネルギーを得るためなら何でも食ってしまう恐ろしいまでの雑食性!恐らくこの海岸に押し寄せてきたパンジャンドラムを求めて回遊ルートを逸れたのかもしれん…!」
 サーモン漁船に乗っていたという海兵隊員の解説は更に続く。
「奴らは機体内で精製されるイクラ爆弾と強靭なヒレによる攻撃で獲物を弱らせてくる。それに奴らは…ぐわぁあっ!?」
 唐突に解説中の海兵隊員の悲鳴が上がる。その足元には砂地から顔をのぞかせたサーモンキャバリアがイクラ爆弾を海兵隊員の登場するキャバリアに向けて止めどなく射出、体勢を崩したところを砂の中に引きずり込まれたのである!
「ちくしょう!あいつはサケが大好物だったってのに…!奴らは地中にも潜航できるみたいだ!足元に気をつけろーっ!」
 同僚の海兵隊員達も次々と迫りくるサーモンキャバリアに反撃を仕掛けながら足元にも警戒するように注意を促す。
 そしてサーモン達の牙(?)が猟兵にも向けられようとしていた。

 パンジャンドラムの次はサーモンの群れときた。
 そのお次は何だ?

《MSより状況説明》
 ・パンジャンドラムを追っかけてきたサーモンキャバリアの大群との戦いです。海兵隊の壊滅に注意しつつ敵を殲滅しましょう。
 ・サーモンキャバリアは空腹を満たすため人やキャバリアを食べようと襲ってきます。要塞には見向きもしません。
 ・海兵隊員は歩兵戦力、戦闘車両、キャバリアで武装しサーモンキャバリアへと反撃を行っています。ついでに言うと信条は「撤退クソくらえ!」です。
 ・負傷者救助任務で人員輸送ヘリが戦域内を飛んでいますが航空支援を受けられるような装備は積んでいません。
 ・魚の習性を利用するようなプレイングにはボーナスが発生する可能性があります。
シル・ウィンディア
…あの、サーモンって、鮭だよね?
地中から襲うってどういうことよ…

お魚って、水の動きに敏感だよね?
それならっ!

ツインキャノンを水面に向かって発射
水音と動きを乱して興味を引くよ

顔を出したら、空中から、ランチャー、ホーミングビーム、ツインキャノンの【一斉発射】での【範囲攻撃】で薙ぎ払うよ

警戒して出てこなくなったら…
陸戦かぁ…
機体を地上に下ろして、地中を警戒
【第六感】で殺気を感じて【瞬間思考力】で【残像】を生み出しての回避

海兵隊が襲われているなら
【誘導弾】のホーミングビームで牽制攻撃
多いなら【一斉発射】でこっちに引き寄せるよ

囲まれるように移動して
【高速詠唱】の《指定UC》で一網打尽っ!

大漁大漁♪




 奇奇怪怪なるクロムキャバリアの海洋生態系において捕食者たるサーモンキャバリア。餌であったパンジャンドラムがいない今、海岸に集結した海兵隊へと襲い掛かろうとしていた。
「…あの、サーモンって、鮭だよね?地中から襲うってどういうことよ…」
 そんな光景をブルー・リーゼの中からシルは何とも言えない表情でぽつりと呟く。
 パンジャンキャバリアはトンチキ兵器ではあるが無人兵器の体を成していた。しかしサーモンキャバリアはキャバリアであるがサーモンである。寿司ネタだし、しかも砂に潜るとかサメ映画かな?
「…はっ!そうじゃなくて海兵隊を助けないと!」
 危うく思考の沼に嵌まりかけている事を悟ったシルは目に生気を取り戻し、ブルー・リーゼを発進させるのであった。

「各車足を止めるな!射手!魚野郎が頭を出したら50口径を喰らわせてやれ!」
「了解!」
 シミャーズ海兵隊の戦闘車部隊が砂を巻き上げながら海岸を縦横無尽に駆けまわる。戦車やキャバリアより小回りの利く自分たちを囮にサーモンキャバリアを釣りだそうとしていたのだ。するとそれにつられたサーモンキャバリアが機体内に溜めていた海水を噴射しながら砂中から飛び出してきた。
「突っ込んでくるぞ!撃てぇ!」
 射手の一人が叫び機関銃のトリガーを引く。アイカメラや口腔内など比較的防御力の薄い部分を狙い撃つが、徹甲弾の悉くが頭部装甲に弾かれる。万事休すかと思われたその時、サーモンキャバリアの側面にビームが直撃した。
「やらせはしないっ!」
 戦闘車が襲われていると駆け付けたブルー・リーゼのホーミングビームによる援護射撃であった。
「猟兵か!助かった!」
「ここは私が引き受けます!皆さんは撤退を!」
 海兵隊員達に撤退を促し、自らはサーモンキャバリアの注意を惹きつける為地表と水面に向けて射撃を続けるシル。
 そして目の前のキャバリアから聞こえてきた声が自分たちの子供や幼い妹程の子供の声だという事に気が付いた海兵隊員たち。故に彼らは、
「…すまないな猟兵、海兵隊員の辞書には撤退ってのは載ってないんだ。」
「つまりそういう訳だ。海兵がいの一番にケツ捲ったら末代までの恥、俺達も最後まで戦うぜ。」
 海兵隊らしく格好をつけてしまうのであった。
「わかりました。では勝手ながら手伝わせていただきます!」
 彼らが逃げないと言った以上、被害を押し留める方法はただ一つ。四方八方から水流を噴射させ接近するサーモンキャバリアの群れを一身に引きつけたシルは海兵隊の車両群から離れる。
 跳躍を繰り返すこと五度、それは注意を惹き、後の先を取るための行動である。しかしサーモンキャバリアは野生の勘でそれに気が付いたのか、一度もフェイントに引っかかることなく最後の着地を見極めブルー・リーゼへと跳びかかる!
「――エレメンタル・シューター!」
 だがシルが一枚上手であった。最後の着地の後、地表に質量のある残像(ホログラム)を残し一気に上昇、残像に釣られたサーモンキャバリアが全て飛び出したところを見計らい魔力弾による飽和爆撃染みた包囲攻撃を仕掛けたのである!
 中空に飛び出したところを狙われたサーモンキャバリアは回避する間もなく魔力弾の集中砲火を浴び爆散!抜け出そうと砂中に逃げ込もうとすれど魔力弾の到達が早く最早打つ手なし、一流漁師による囲い込み漁めいた戦術であった!
「流石猟兵!凄ェ!」
「よっしゃあお前ら、猟兵に負けてられねぇぞ!」
「応!」
 そして海兵隊員達もシルの鮮やかな手並みに戦闘意欲を掻き立てられ、一匹でも多くサーモンキャバリアを仕留めるべく邁進するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カシム・ディーン
極小型プラントとかとんでもない技術なのに色々酷いですね!
「でも一個あると便利かも☆」
金にもなりますね!ならば
「鹵獲だね☆ラジャーったよ☆」

【情報収集・視力・戦闘知識】
海兵隊員達とサーモンの位置の把握
彼らに意識を向かわせず此方に集中させる足る立ち位置の把握

特にサーモンの機体構造とプラントを維持しつつ無力化するにはどの回路と武装を外せばいいか徹底確認

【属性攻撃・迷彩】
光属性で…サーモンの餌となる魚の形の立体映像を無数に展開(立体ルアー
自分自身は光学迷彩で隠れ熱源も隠

後は不意打ちで襲い掛かり
【二回攻撃・盗み攻撃・盗み・切断】
わたぬき発動
武装を破壊し危険な回路を抜き取り無力化捕獲!
何度も繰り返し強奪!




 プラント、それはこのクロムキャバリア世界において並ぶものが無いほどの重要物資である。
 そしてサーモンキャバリアには鮭の切り身と人工イクラの精製に特化した極小型のプラントが内蔵されている。鮭の切り身と人工イクラに特化しているとはいえ普通は15メートル程の大きさの物体がキャバリアに内蔵できる程に小型化されているのだ。
 開発者の鮭いくら丼を食べたいという執念が成し得たと考えるとかなり感慨深いものである。
「いや、これ普通にとんでもないシロモノじゃないですか!でもこれを確保すれば金になりそうでもある!」
「それじゃあプラントの鹵獲だね☆ラジャーったよ☆」
 サーモンキャバリアの内部構造のスキャン結果に舌を巻くカシムは極小型プラント確保のため……もとい海兵隊を支援するために出撃するのであった。

 さて砂浜では海兵隊を追いかけまわすサーモンキャバリアがあっちこっちにいる状況、世が世なら潮干狩りならぬサーモン狩りが開催できそうである。
 しかしサーモンキャバリアは極めて凶暴な野生のキャバリアである。装甲や岩をかみ砕く歯に軍艦の船体をひしゃげさせるヒレを用いた強打、さらに人工イクラ爆弾による遠距離攻撃。サーモン漁師達がプラントを確保せず鮭の切り身と人工イクラのみを取り出し海へとリリースする理由はこれである。ハッキリ言って手に負えないのである。
 そんなサーモンキャバリアに対抗するべく、漁師達は「無傷で無力化」して捕獲する技を編み出し、研鑽した。
「釣り」である。
「と言う訳で即席の囮を配置してみた訳だけど……何でパンジャンドラム?」
「さっき海兵隊の通信でパンジャンドラムを追ってきたんじゃないかってログが残ってたからね☆ついでにパンジャンドラムの駆動音やバグパイプの音も完全再現だよっ☆」
「なんて雑食で、そして囮も無駄にクオリティが高い…!」
 と言うかパンジャンドラムを食べて精製した鮭の切り身やイクラを食べても大丈夫なのだろうか?カシムは訝しんだ。
 すると早速仕掛けに反応があった。パンジャンドラムの音に釣られたサーモンキャバリアが次々と飛び出してきたのである!
「大当たりですよご主人サマ!」
 キャーっと大はしゃぎするメルシーだったが、カシムは瞬時に盗賊としての役割を果たすべく顔つきを引き締めた。サーモンキャバリアが間抜けにも飛び出してきているのである。この好機を逃がす訳にはいかない。
「万物の根源よ――。」
 メルクリウスを走らせ予め目をつけていたサーモンキャバリアの腹部をを捉える。この位置が最も装甲が薄く、安全にプラントを抉りとれるからである。
「――我が手に全てを奪う力を示せ!」
 後はカシムの盗賊(プロフェッショナル)としての技量と遺失技術(ロストテクノロジー)との一騎打ちである。カシムはメルクリウスの腕をサーモンキャバリアの腹部へと突き立て配線一つ、基盤一つを傷つけぬよう一気に抉る。ショートや爆発の兆しはない。
 しかしサーモンキャバリアも為されるがままではない。体をバタつかせ人工イクラ爆弾を口腔から射出しカシム達へと抵抗する。
「もう遅い!」
 だが仰角の向こう側を陣取るカシムはサーモンキャバリアのエラにもう一方の手を抉りこませ頸の向きを固定する。最早勝敗は決した。プラント区画を確かに捕らえたメルクリウスの腕が引き抜かれ、それと一緒にサーモンキャバリアの腹部パーツが丸ごと引きちぎられた!
 これが普通の鮭相手であればかなりグロテスクな光景であっただろう。サーモンキャバリアは最後にビチビチと激しく動いた後、その機能を停止させた。
「……獲ったどおおお!」
 思わず雄たけびを上げるカシム。見事に引き抜かれたそのパーツには鮭の切り身と人工イクラが既に詰まっている。
 切り身とイクラは仕事が終わったらサーモンキャバリア専門の漁師に取り出してもらえば食べられるはずだ。
 ただ問題は一つ。
「…あれ?ご、ご主人サマっ!このプラント、機能が休眠状態に入っちゃったみたいだよ!?」
「…え?」
 サーモンキャバリア無しでこの極小型プラントを動かせるかどうかは別問題であるという事だ。
 その後も何とか稼働状態で抜き取れないかと何十と試行錯誤をしてみたがすべてがやはり休眠状態となる事が分かった。それは鮭いくら丼の乱獲(?)を防ぐための安全装置なのだろうか?
 兎にも角にもプラント単体では稼働が出来ぬと悟るカシムとメルシー。
 ――金の生る木を金の生る木足らしめるには、もう一苦労が必要になるかもしれない。プラント技術を生み出した文明と、毎日鮭いくら丼を食べたいという執念に突き動かされた開発者の偉大さに想いを馳せるカシムであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ連携絡み歓迎
※青い愛機『ナインス・ライン』に搭乗

サーモンかぁ(しんみり)
故郷が北方の企業支配系ディストピアだから、
実家脱出直後はよく食べたねえ(ステシ参照)

…や、アイツらの産物かは知らないけどさ(遠い目)

ともあれ記録精査…
サーモン(鮭)本来の『母川回帰性』は期待できないかな
でも野生化してるし、イワシめいた集団性が利用できるかも?

パンジャンBの不発弾を副腕『フレア・ヴェンデッタ』で
次々(誘爆しないよう極めて迅速に)海へ投棄して
ソレに群がった所を主腕『プロキオン』の強化反応弾
オペ21番【スペクター・クレイドル】で一網打尽さっ

さて…
陸・海と来て、次は空かね
或いは寄生虫?食物連鎖?




「サーモンかぁ…懐かしいなぁ。」
 北方の都市、ヴァイセン・グレンツェの出身であるリーゼロッテ…リリー先生はサーモンキャバリアを見るやいなやノスタルジックな想いに耽っていた。
 実家に嫌気が差し出奔、闇医者稼業の生活が安定するまで彼女にとってサーモンは良き友、良き隣人、良き栄養源であり、病める時も健やかな時も常にサーモンは彼女の食卓に並んでいた。
「…や、アイツらの産物かは知らないけどさ。うーん、それにしてもサーモン型のキャバリアかぁ…。」
 しかしそこはやはり猟兵。戦場に立っている以上、彼女はすぐさま思考を切り替えるのであった。
「まずサーモンって概念にとらわれちゃうのは良くないね。プラントを内蔵していて群れを作って回遊を行う無人機…繁殖の必要はない訳だから回帰性の線は無いとして…。」
 量子記録アーカイブからサーモンキャバリアについて知り得る限りの情報を引き出し、並行して精査、考察を行う。
「イワシ…ベイトボール…ピラニアやカンパチの捕食性…、密集の習性を利用できるかね?」
 そして結論に至るまでの間、僅か8秒。アンサーヒューマンならではの瞬間思考力を存分に活かせるからこその賜物であった。

 サーモンキャバリアの登場から暫く経った海岸では今も尚猟兵と海兵隊による防衛戦が繰り広げられていた。地中からの奇襲は流石の猟兵達でさえも苦戦を強いられる状況であり、何よりもパンジャンドラムのように力技で一掃できぬことが状況を長引かせていた。
「えーっと、レーダーの反応だとこの辺りに…お、あったあった。」
 そんな中、モグラたたきのモグラの如く頭をのぞかせるサーモンキャバリアへ牽制を掛けつつナインス・ラインを駆るリリー先生はあるものを探していた。
「よし、駆動系が壊れてる以外は問題ないね。…にしてもまっすぐ走れるとは大したパンジャンドラムだよ全く。」
 彼女が探していたのはパンジャンドラム、それも彼女が放ったエネルギー爆雷ではなく、要塞目がけて転がってきていた方のパンジャンドラムである。
 それを主腕と胴の中間に装備した副腕「フレア・ヴェンデッタ」で回収しては海上に放り投げ、また回収しては海上に放り投げと、目につくパンジャンドラムを次々と海上にへと投げていく。
 するとサーモンキャバリアの動きに変化が起きた。砂中のサーモンキャバリアが一斉に海へと戻っていくのである。目指す先には投棄されたパンジャンドラムの山。サーモンキャバリアにとってはご馳走の山である。
「データベースには何でも食べるってあったけど…プラント稼働の為とはいえ悪食にもほどがあるんじゃあないかな…。まぁそれはともかく、パンジャンが誘爆して散らばっちゃう前にとどめを刺しちゃおうかっ。」
 さらば、全てのパンジャンドラム。何となくそう呟いたリリー先生はビームランス「プロキシオン」に搭載された反応弾の威力を調整し、パンジャンドラムの山に直撃する様に仰角を取って発射した。
 山なりを描く光弾が海面に着水し僅か2秒、反応弾の起爆と同時に山ほどのパンジャンドラムが誘爆、さらにサーモンキャバリアを巻き込んでの水中爆発が生じ、海面から巨大な水柱が立った。一緒に巻き上げられるのはサーモンキャバリアの残骸と、内蔵されていたであろう精製済みの鮭の切り身と人工イクラの粒。
 それらは戦場へと降りしきり、その最も近くにいたナインス・ラインの表面には無数の鮭の切り身が張り付くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
パンジャンの波が引いたと思ったら鮭の波が来た

いったい全体なんだ?
紅茶の葉でスモークサーモンでも作ればいいのか?

さっき錆鉄に対していってきた奴にいおうとした文句が頭んなかから全部ふっとんだそ?

とりあえず錆鉄は奥に引っ込め生身で立ち向かう
いくらやら有機物飛び交うならむしろ奴には銃弾より危険だ…

…んー?エラっぽいのがあるか?
あそこが排気こうだったりするかね
狙うか
飛んでくるいくらを黒纒で受け止め回収しつつスキットルの中身ばら蒔き餌がわりに
突っ込んできた奴の側面に回り

エラっぽい部分を破壊し熱暴走とか酸素不足とかそこら辺のを狙ってるぞ


…多分鮭VS熊の大きさ比ってこんなんだろうな
立場逆だが

アドリブ連携歓迎




「パンジャンの波を退けたと思ったら今度はサーモンが押し寄せてきた。何を言ってるかわからねぇと思うが俺にも多分オブリビオンマシン絡みだからってこと以外さっぱりわからねぇ…。え、というかマジで展開読めないんだけどぉ?」
 特に誰かに話しているという訳ではないが、何故かそう言っておいた方が良いなと直感的に察した夜野。目の前には相変わらずトンチキなキャバリアの侵攻が続いており、どうにかなりそうな頭を何とか落ち着かせて状況を整理する様に務める。
「正直あのヒレとかイクラとか喰らったら錆鉄がヤバいよな…。生身で行くしかねぇ。」
 要塞の影に錆鉄を駐機し、砂地へと降り立つ夜野。その手にはNagelを握るが、果たしてキャバリア相手にどこまで渡り合えるか。まずは敵を知る事に注力した。

「むむむっ!貴殿はもしやあの寂びたキャバリアに乗っていた猟兵殿では!?」
夜野が歩みを進めていると訊ねる声が一機のキャバリアから上がった。先のパンジャンドラム戦で夜野に進言したシミャーズ戦士であった。
「寂び…サビ…あぁっ!お前あの時の失礼な奴か!」
「息災で何よりです猟兵殿!しかし、何故生身を晒しておられるのですか?…ハッ!?もしや先ほどの戦いでキャバリアが破損を!?」
「してねぇよ!錆鉄も息災だよ!」
「何とこれは失敬を!誤チェストばりの早とちりでしたな!ハッハッハッハ!」
(頭が痛ェ…。)
 なんとも愉快な思考回路のシミャーズ戦士であろうか。そんな面白君相手に頭を抱える夜野であったが、敵の接近を直感的に感じ取ると身構えた。
「構えろ誤チェスト野郎!」
「ぬぅっ!?」
 それと同時に砂中から飛び掛かるサーモンキャバリア。無数のイクラ爆弾をばら撒きながら夜野とシミャーズのキャバリア目がけて攻撃を仕掛ける!
「うおぉっ危ねぇ!」
 夜野は直撃必至なイクラをNagelで撃ち落とし、その他は黒纏を巧みに変形させ、爆発しないように丁寧に回収した。
「チェエストオオ!」
 それに負けじとばかりに件のシミャーズ戦士はイクラを次々と切り落とし、サーモンキャバリアの体当たりも自慢の剣捌きと体捌きにていなしきったのであった。
「あの装甲、叩っ切るにはいささか硬すぎますな!」
 …訂正、チェスト仕損じたらしい。
「脳筋かっ!…いや、でもまてよ?アンタ、奴らの口の中って狙えるか?」
「あのイクラ弾さえ吐かれなければ尾ひれまで一突きで貫く自信はありますぞ!」
「わお、有能。」
 流石は白兵戦最強のシミャーズ戦士。自信たっぷりの即答に思わずキャラでもないリアクションが出てしまう。しかしこれで勝機が見えた夜野。これまでは体格差の逆転した鮭VS羆の様相であったが、これで互角以上の戦いができる自信が彼にはあった。
「オーケー、じゃあイクラは俺が受け持つからとどめは任せるぜ。」
「合点承知!」
 シミャーズ戦士の反応を合図に夜野は懐のスキットルの蓋を開け放ち、中の血を振り撒く。するとやはりと言うべきか、砂を巻き上げ接近する背びれが一つ。それは紛れもなくサーモンキャバリアの背びれであった。
 サーモンキャバリアは十分接近したところで砂中から姿を現し、先ほどと同じくイクラ爆弾を口腔から発射した。
「そいつを待っていた!」
 同時に夜野は血によって身体能力を強化し、黒纏で回収していたイクラ爆弾をサーモンキャバリアの放ったイクラ爆弾目がけて放つ!接触する互いのイクラ爆弾!結果、誘爆ッ!
 夜野とシミャーズ戦士、そしてサーモンキャバリアの丁度ど真ん中でイクラ爆弾同士が同時爆発を巻き起こした!
「今だ!」
「チェストサーモンッ!」
 チェストサーモンとはッ!シミャーズ戦士の隠語で「サーモンブッ殺す!」の意であるッッ!
 シミャーズ戦士のシャウトと共に八相に構えたキャバリアから放たれる神速の一突きが間抜けに開いたサーモンキャバリアの口腔へと突き刺さり、その宣言通り剣の切っ先が尾ひれまで見事に貫通した!サーモンキャバリアはしめやかに爆散!その場に残ったのはシミャーズ戦士の駆るキャバリアと、黒纏を咄嗟に変形させ身を庇った夜野のみであった。

「これにて一件落着ですな!」
「んな訳あるかっ!次行くぞ次!」
 そう、彼らのサーモンキャバリア討伐の戦いはまだ始まったばかりである。
 願わくば、彼らの戦いがシミャーズの海に平和を取り戻すと信じて…!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
初陣は飾れましたが、引き続き戦わねばですね
行きますよ、「ブライト・ナイト」。
――《戦士の手》とともに。

【世界知識】を駆使して即興でルアー(ダミーバルーン)を
作り、キャバリア用の釣り竿で下ろし誘いだす
餌に食いつかせ【怪力】で引っ張り上げる形

準備できなかったなら普通に【挑発】で
おびき寄せて食いついてくるところを【見切り】ひっぱりあげる

いずれにしてもつかみ上げたところで――
さぁ、ここは私の間合いですっ
【グラップル】で組み付いた状態での拳撃

投げ飛ばし地面にたたきつけての【踏みつけ】っ
敵からの攻撃は【オーラ防御】で
体勢を崩させるように受け、【カウンター】の拳をねじ込む

囲まれないよう立ち位置に気を付けます




「これで…よし。」
 パンジャンドラムの進撃に対して果敢に戦い、見事勝利でブライト・ナイトの初陣を飾ったユーフィは次なる戦いへ赴くための準備を終え、サーモンキャバリアの暴れる海岸へと立ち向かう。
 両腕に握られたそれは、全長50メートルは越えようかと言うワイヤーであり、その先端には無数の返し針が取付けられている。まるでそれは釣り糸と釣り針であるかのようでもあった。
 しかしそれは「漁具」と言うには余りにも大きすぎた。
 その場にあるもの――主にパンジャンドラムの残骸で即製したのだが、重く、粗雑で、そして暴力的に過ぎた。
 それは正に「兵器」であった。
 しかし、だからこそこの世界の「サーモン漁」に耐えられる漁具とも成り得るのである。

「たしかこの次は糸を垂らさないといけないのですが……。」
 近接戦闘に特化しているとはいえ、敵の土俵で戦うにはあまりにも不利と考えたユーフィは、数あるサーモン漁の中でも最も伝統的な方法を用いる事で敵を引きずり出そうと考えた。
 手にしたワイヤーを振り回し、遠心力で先端速度を十分に稼いだ後に砂中に打ち込み、ゆっくりと手繰り寄せながら気を狙う。
 最も原始的な釣りの作法であるが、しかしサーモンキャバリアを釣り上げるにはこれが最も確実なのである。
 ワイヤーを手繰り寄せ始めて間もなく、ブライト・ナイトの手のひらからユーフィの手へと、寸分の送れなく確かな手ごたえが伝わる。サーモンキャバリアが食いついたのだ。
「ぐっ!?」
 ブライト・ナイトの手に握られたワイヤーが煙を立てて一気に引かれる。針に食らいついたサーモンキャバリアがその先で暴れている事の何よりの証左である。
 想像以上のパワーにたじろぐユーフィ、しかしこれに負けじと彼女も全身に力を込めこれに対抗する!
 結果、今にも千切れんばかりに張り詰める一本のワイヤーが完成!千切れれば間違いなく地表のブライト・ナイトへとそれが襲い掛かり、ユーフィ諸共軽くない傷を負う事になるだろう。
 人類が魚類と対等に戦う事の出来る格闘技とも言われる「釣り」、漁具や船舶の技術が進歩した今日においてですら、漁師に犠牲を生じることが少なく無いクロムキャバリアの漁業事情においてサーモン漁とは特上級の危険を孕んでいるのであった。
 しかし、それが「格闘戦」という分類であるからこそ、その読み合いに長けたユーフィの顔にはまだ負けの色は浮かんでいなかった。
(ワイヤーがたわみ、相手が次に仕留めにかかろうとしたところで一気に釣り上げる…!)
 握られるワイヤーから伝わってくる野生の暴力、その切れ目を逃がさんと指の一本、その先端に全神経を集中させるユーフィ。そして遂に、時は来た。
「ここっ!」
 彼女の状の読み通り、サーモンキャバリアは仕留めにかかろうとした瞬間を一気に引き上げ、不意を打たれたサーモンキャバリアがついに中空を舞った!
 最後の抵抗と言わんばかりに全身をしならせ、その強靭なヒレをバタつかせるサーモンキャバリア。しかし迎撃準備の整ったユーフィとブライト・ナイトにとっては、
「――殴り合いである以上、鎧袖一触です!」
 その言葉に嘘偽り無く、真下から一気に打ち上げるが如き掌底を叩き込むユーフィ。的確に動力部を打ち抜かれたサーモンキャバリアは爆発することなく機能を停止させた。
 戦士として地上に立つ彼女にとって、地上に引きずり出されたサーモンキャバリアはあまりにも勝つに容易い相手であったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チェスカー・アーマライト
企業の管理下から逃れて独自の生態系築くサーモンキャバリアだ?
まさか緑に発光してたりしねーよな

ビッグタイガーをタンクモードに変形
UCで速度UP、攻撃回数を低下

砲塔の下からワイヤーアンカーを射出して、手近なサーモンキャバリアを狙う
一つでもヒットすれば、そのまま急発進
全速力で引き摺り回す!
要は、なにか食い続けてなきゃプラントが止まっちまう感じだろ?
味方にもパンジャンにも届かせないコースどりでシチュー……ちがった、市中引き回しの刑だ
機能停止に出来たら、お次は締めたサーモンを餌にして再びキャスト(釣り餌を投げる)
同じ手順を繰り返して片っ端から乱獲だ!
……プラントの一つくらい、失敬しても大丈夫だよな?




「ヒャッハァー!!どけどけどえぇー!」
 未だ混戦の最中にある海岸を爆走する一機のキャバリア「ビッグタイガー」。正に快速戦車といった違わぬ爆走っぷりで海岸全域を縦横無尽に走り回っていた。
 そしてその後方にはサーモンキャバリア、しかも腹部にアンカーが突き刺さった状態である。
「このまま鮭フレークにしたらぁっ!」
 どうしてこのような状況になったのだろうか?

 ――ほんの少し前。
「サーモンキャバリアだって?…つまり奴らのプラントが確保できれば一攫千金か!」
 チェスカーもサーモンキャバリアについては聞いたことがあった。極小型プラントを内蔵する無人型のキャバリアであるらしいと。
「だったらただ潰すだけじゃ勿体ねぇ!ボーナスステージと洒落込もうじゃないか!」
 仕事の報酬に上乗せされるであろう、未だ見ぬプラント独自の利益への期待に心驚かせチェスカーは飛び出してきた一機のサーモンキャバリアを見つけると咄嗟にアンカーを撃ち込んだ。
「よっしゃあ幸先が良いぜ!このままシチュー…じゃなくて市中引きずり回しだ!」
 
 結果的に言ってチェスカーのこの戦術は大当たりであった。
 猟兵の活躍によりサーモンキャバリアはパンジャンドラムだけではなく海岸に展開している海兵隊すらも捕食できない状態が続いており、すぐにでも補給を行う必要があった。そこにチェスカーがサーモンキャバリア(半壊)を持って登場したのである。
 このまま引きずり回せば本当にシチューの具になるくらいにはバラバラになりそうなサーモンキャバリアがその部品を周囲に飛び散り、空腹のサーモンキャバリアがそれに喰らいつく。
 そして遂に頭だけになったサーモンキャバリアを目がけて追いすがるサーモンキャバリアの群れが出来上がったのである。
「ギャー!流石に怖いわ!マジで追いつかれたら死にかねねぇ!」
 まさかここまで食いつきが良いとは思わなかったチェスカーであったが、実は無策に駆けまわっているわけではなかった。
「だがこれで終いだ!ビッグタイガーから要塞へ!10カウント後にキルポイントに突入する!」
『了解した。貴官の幸運を祈る。』
 敵は本能に任せて追ってきているだけに過ぎない。であればその本能をこっちが利用してしまえばいい。
 ビッグタイガーが海岸中央へと侵入した直後、要塞壁上に並んだ砲が火を噴く。
 ビッグタイガーはさら速度を上げて突っ切るが、後続のサーモンキャバリア達は次々と砲撃の餌食となる。
「イピカイエーだぜ!作戦成功だ!」
 既に役目を終えた餌のサーモンキャバリアを投棄したチェスカーは後方の様子に手を叩き、「狩り」の成功を大層喜んだという。
 ただ、この後プラントが無事確保できたかという事については……うん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
何だと、サーモンのキャバリア…?
…いや、機械化などサメではよくある事だ(?)、気にする事でもないだろう
どうやら戦闘能力については油断できないらしい、気を取り直して交戦に移る

今度は目立たないよう宇宙バイクを降りておく
少し距離を取った上で、ユーベルコードによって敵の後方からの狙撃を試みる
魚であれば視野は前方に特化している筈。死角となる後ろから、それも離れた場所から飛んでくる攻撃には対処が難しいだろうと予想している
尾ビレは危険だが、そもそも接近しなければ問題は無い

海兵隊を狙う敵を優先して倒し、負傷者がいれば積極的に保護して被害を抑えたい
逃げる気が無いのはよく分かった、しかし援護くらいはさせてもらうぞ




「うぐぅ、痛ぇ!」
「しっかりしろ!この程度致命傷だ!」
「そこは嘘でもかすり傷って言えよ!」
 海岸の至る所に形成された窪地。それはパンジャンドラムの自爆誘爆により偶然に出来上がった地形であり、海兵隊の歩兵達はそれを塹壕として利用し、迎撃及び負傷兵の集積を行っていた。
「こちらB中隊!負傷者輸送用ヘリを出してくれ!このままじゃ陣地が負傷者で溢れかねん!」
『こちら哨戒ヘリブルーバード1。B中隊へ、貴隊の周囲が包囲されている事を確認している。現状ではヘリが撃墜されかねない。速やかに敵を殲滅し周囲の安全を確保せよ。』
「了解ブルーバード1!…クソッなにが青い鳥(ブルーバード)だ!」
 無線機を部下に投げ渡し悪態をつく中隊指揮官。キャバリア部隊と連携し負傷兵を破壊された車両やキャバリアから助け出したまでは良かったものの想像以上の敵の攻勢に部隊間連携が途切れ戦場のど真ん中で孤立するというヘタを踏む羽目になった。
「野郎ども!相変わらず輸送ヘリは魚野郎にビビッて近づけねぇらしい!動ける奴は銃を持って奴らをぶっ潰せ!」
「「「了解!」」」
 海兵隊は仲間を見捨てない。それは彼らの結束力と勇猛さの象徴であり、彼ら海兵隊の誇り、士気の拠り所である。
 だからこそシミャーズの海兵隊はいかなる戦場でも戦い続ける事ができるのだ。

「なるほど、逃げるつもりは端から無いらしい。それなら俺がやる事は一つだ。」
 バイクから降りたシキは物陰から海岸に展開している海兵隊の様子を伺い、シロガネの残弾を確認して飛び出す。
「それにしてもサーモンのキャバリアとはな…。いや、今はやめておこう。」
 脳裏を竜巻と一緒に襲ってくるサメや機械のサメがよぎり、サーモンキャバリアからもそういったトンチキな雰囲気を感じ取ったが、すぐさま振り払う。戦場での油断は命取りだ。
 サーモンキャバリアは視覚の他に振動や音を頼りに索敵を行っているようで、激しく動けば動くほど察知するらしく、徒歩でならほぼ警戒されずに移動ができた。
 そして海兵隊が陣取る窪地付近にたどり着いたシキは改めて周囲のサーモンキャバリアに気づかれていない事を確認し、その場で射撃姿勢をとる。
 狙うは海兵隊に襲い掛かろうとするサーモンキャバリア。タイミングは砂中から飛び出した瞬間である。
「!」
 サーモンキャバリアの頭が飛び出した。――まだだ。
 胴体まで飛び出したぞ。――いいや、まだだ。
 呼吸を止め、全神経を指先へと集中させる。目はサーモンキャバリアの動きを捉えたままだ。
 そして一発の銃声が響く。続けて一発。さらに一発。
「――っふぅ。」
 息を吐き出すシキの視線の先では海兵隊の目と鼻の先で機能停止したサーモンキャバリアが三機。どれもが正確にコアのみを撃ち抜かれ、それがシキの一撃必殺の射撃の餌食となったことを表していた。
 するとその直後、窪地から顔をのぞかせた海兵がシキに声をかけた。
「援護感謝する!それにしても凄い腕前だな。何かコツでもあるのか?」
「そうだな…しっかり狙って、ゆっくり引き金を引く。これだけだ。」
 こんな感じだ、と言う様に引き金を引くジェスチャーをしてみせるシキ。対する海兵は「それができりゃ苦労しないさ。」と苦笑交じりに言うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

槐・白羅
(飛来するオブビリオンマシン
【空中戦・滑空】で低空飛行
おお、モルスよ
極小型とは言えプラントを抱いたキャバリアが群れをなしているぞ

ならば!
国を作るための礎もなりえよう!

UC発動

10機を降り立たせ囮として餌として誘導

30機は海兵隊員の防衛支援と負傷者を人員輸送ヘリに届ける等の支援

残り
【属性攻撃・弾幕】
全機による氷属性による凍結光線による弾幕でサーモンの動きを止め
3機で一体を捕獲
武装部分を破壊し戦闘行動の封鎖を行う

魚とイクラしか作れぬとはいえプラントはプラント
俺が国を作った時の名産品の一つとしてくれる!

【貫通攻撃・重量攻撃】による斬撃で刻みながら無力化し機体自体の捕縛を試み

執念を以て何度も試み!




「おお、モルスよ。極小型とは言えプラントを抱いたキャバリアが群れをなしているぞ。」
 サーモンキャバリアとの戦闘も佳境に入った頃、一機のキャバリアが戦域に現れた。
「鮭の切り身とイクラしか作れぬとはいえプラントはプラント。ならば!国を作るための礎もなりえよう!行くぞモルス!」
 モルス――いわゆる「神機」に名を連ねるオブリビオンマシンのコックピットで槐・白羅(白雷・f30750)は目を輝かせながら宣言した。
 ――プラントを手に入れる!と。

『准将!所属不明機の編隊です!』
『新手か、それとも猟兵か!』
『心配無用!こちらは猟兵の槐白羅、モルスと共に助太刀に馳せ参じた!』
 白羅は緊迫した要塞の通信に介入するや否や複製機体を戦場に展開し、戦闘を開始した。
「モルスよ、10機を囮に奴らを惹きつけ、残りの機体は戦域友軍の支援をしつつ釣りだした分の捕獲を開始せよ。」
 白羅がモルスにそう告げると、複製機体は即座に行動を開始する。その展開模様は即応とは言え精彩を欠くことなく、海岸に点在するサーモンキャバリア達を合流させ、それを取り囲むように80近くの残機が飛び出したところに凍結光線の飽和攻撃を加える。
 複製機の損耗や、包囲網から逃れたサーモンキャバリアが数機出たものの、結果として海兵隊が巻き返す時間を生み出す事に成功する。
『猟兵殿、支援感謝する!海岸戦力の立て直しも大方完了している故、ここは我々が引き継ごう!』
「あー、それは…。いや、それはこちらで引き継ごう。立つ鳥跡を濁さずと言うやつだ。」
 海兵隊のそれは完全に善意からの申し出であったのだが、本音をぶちまける事も出来るわけなく誤魔化しにかかる白羅。それに対して海兵隊側は、
『なるほど!ではお言葉に甘えてここはお任せします!ご用命あればぜひお声かけください!』
 ……割と素直に受け入れてくれた。

 さて、白羅の活躍により海岸には冷凍マグロめいて横たわるサーモンキャバリアが複数。凍結しているだけなのでほぼ無傷であり、解凍されればプラントも問題なく動くことだろう。
 当初の目的はこれで達成できた訳ではあるが、しかしここで新たな問題が浮上した。
「モルスよ。これらの戦利品、どうやって持ち帰るべきだろうか。」
 これだけの数のサーモンキャバリアをただ持ち帰っても制御できなければ資源として活用できないのは明白であり、下手をすれば解凍直後に暴走しいらぬ損害を被りかねない。
 暫し悩み抜くも、良い策が思いつかなかったため、一先ずは氷漬けにして海岸に埋め、依頼終わりに取り出す時までに考える事とした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィリー・フランツ
心情:野生化したキャバリアだと?
昔の人間はけったいな物を作ったもんだ、ただこのままじゃ要塞も失陥しちまう、何とかせにゃならんな。

手段:急いで【オーバーフレーム換装:水中戦闘型】に変更、魚雷発射機のバラクーダガン、近接攻撃用のスパイクシールド、増加装甲に予備の魚雷を装甲にくくりつけて水中で迎撃だ。

どうやら連中は口から魚卵型爆弾…機雷か?兎に角出すみたいだな、上手くタイミングを合わせ魚雷を命中させ連鎖爆発させれば広範囲に誘爆の衝撃波を発生出来る。
ただの魚なら脳震盪起こして腹出して浮かんでくるが…まぁそんな事あり得ねぇか。

予備も含め魚雷が尽きたら、スパイクシールドによる白兵戦闘を仕掛けるぜ!




 猟兵の活躍により海岸上のサーモンキャバリアは掃討され、海兵隊各部隊も部隊間連携が回復し、戦況は徐々にシミャーズ側有利の流れへと変わっていた。
「あともう一息ってところだな。」
「ミスター・フランツ、魚雷の取付けが完了しました!ご武運を!」
「ん、ありがとさん。それじゃあ行ってくるぜ!」
 そしてヴィリーも要塞人員のサポートを受け弾薬の補給と装備換装が終わると、この戦いにケリをつけるために出撃するのであった。

 シミャーズ側の立て直しにより海岸から追い出される形と成ったサーモンキャバリアは水上からイクラ爆弾を投射することで再上陸の機会を作り出そうとしていた。
 正に艦砲の一斉射撃にも等しい攻撃ではあるが、それはここまで本領を発揮できなかった対艦攻撃陣地にとっても好都合な状況であった。艦船を相手取る火力はキャバリアにとっては致命的であり、しかも群れているのであれば艦船に狙いを定めるよりも遥かに楽であった。
 しかし、やはりサーモンキャバリアの数の暴力は健在であり、戦況は再び膠着していた。
「やはり砲弾では水中のサーモンどもを黙らせるのは難しいって所か。なら直接出向いて叩くしかねぇ。」
 先の羅針盤戦争で用いた水中戦闘用フレームに魚雷投射機、さらにスパイクシールドで身を固めたへヴィタイフーンを駆るヴィリーはイクラ爆弾の合間を縫うように移動しながら攻撃の機会をうかがっていた。
「魚卵型爆弾…乱獲防止のための自己防衛兵装ってところか?それにしても食への執念とは言え、けったいなキャバリアがあったもんだ。」
 それはキャバリアの無限の可能性への感嘆か、それとも「そうはならんやろ」という呆れの念か。
 その真意を知るは彼のみではあるが、そんな軽口をたたきながらも魚雷を撃ち込むタイミングを逃さぬように観察を続け、遂に好機を見出した。
「むっ、放射する前に口を開き切るのが予備動作ってところか…?ならその瞬間を狙う他あるまい。」
 サーモンキャバリアの予備動作に気が付いたヴィリーは群れの中央に陣取る一機のサーモンキャバリアをマークし、その周囲を旋回する様に移動を開始する。
 改めて何度かイクラ爆弾投射のタイミングを確認し、それをしっかり頭に叩き込めたことを確認したヴィリーは次のタイミングで仕掛ける事を決意する。
「…そこだ!」
 四方からイクラと砲弾が飛ぶ中、冷静に獲物に狙いを定めたヴィリーが遂にバラクーダガンの引き金を引き、魚雷がサーモンキャバリアの口――イクラ爆弾の発射筒目がけて飛び出した。
 見事魚雷は直撃し、サーモンキャバリアは水中に押し込まれるように沈む。
 そしてその直後、投射直前であったイクラ爆弾が魚雷弾頭に接触した事で大きな水中爆発が発生した!
「っうし!ドンピシャだ!」
 爆発により生じた水柱に飲まれないように後退しつつ狙い通りの戦果を挙げられたヴィリーはガッツポーズを決め、水柱に巻き込まれて吹き飛ぶサーモンキャバリア達を見た。
「というかまさかダイナマイト漁作戦が本当に効くとはな…。やっぱりけったいなキャバリアだぜ全く。」
 実はこのダイナマイト漁作戦はサーモン漁においても有効と知られる漁法の一つである。しかしサーモンキャバリア自体の対水圧装甲を破壊し内部回路をショートさせる危険性があり、しかも希少資源でもある事から多くの漁業国家では禁じられていたりする。
 まぁ、今回の場合は有事という事もあり、いわゆるコラテラルダメージでもあるのでヴィリーにお咎めが来ることはないだろう。


●サーモンキャバリア撃退 お次は何だ?
 猟兵達の活躍によりサーモンキャバリアの攻撃が止んだ。
 しかし猟兵達はまだ戦いが終わった訳ではないという事に気が付いていた。パンジャンドラムもサーモンも今回の事件の親玉と言うには役不足である。
 果たしてこの流れで登場するオブリビオンマシンとはなんだろうか?誰もがそう考えているときであった。

【チェエエエストオオオッ!】

 突如海の向こうから響き渡る雄叫びのようなチェストシャウト。
 猟兵も、海兵隊も、オバナ要塞の誰もが海に目を向ける。
 そして皆それを見て絶句した。
 海中から現れし大巨人の姿を。

最早キャバリアの枠に収まらない、クソデカいチェストキャバリア――『G(ジャイアント)・チェストキャバリア』が現れたのである!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『チェストキャバリア』

POW   :    ミスチェスト
【激しい無数のチェスト】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    フレンドリーチェスト
自身の【眉間】が輝く間、【チェスト】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    チェストミサイル
自身に【チェストの波動】をまとい、高速移動と【チェストによるチェスト】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠甘・エビです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●古歌『天討つ弓のマスラ王』

 弓の名手と名高きオバナのマスラ王は討ち取りし龍の肉を喰らいて天衝く巨躯の王となり、三十の国(注1)を従え覇を唱える。

 ある日、宮の星詠みがマスラ王に「王の凶星(注2)、天頂に昇りて覇道を拒みたり。」と予言を伝え、マスラ王これに怒り星詠みを斬り捨てた。

 「凶星など恐るに足らず、我が弓で撃ち落とし我が覇道、天に至る事の証明とせん。」

 かくしてマスラ王、宝刀を佩き百騎張りの強弓(注3)を手に取ると霊峰の頂より天に昇りし凶星に向け一矢放ちたり。

 王の矢、一条の光となりて天を昇るも凶星より放たれし光これを滅し、有象無象の区別なく王諸共に国を砕きて、皆海へと沈みたり。

 王の弓、この難を逃れ辺境(注4)へと落つるを見た人あり。

(シミャーズ藩国文化省歴史研究所刊 『現語訳 古文書群 第一集』より抜粋)

注1…シミャーズ藩国建国以前、現オバナ沿岸以東に存在したとされる古王国時代の東方諸国を指す。
注2…詳細不明。通説では「殲禍炎剣」に準ずる衛星兵器の一種とされている。
注3…キャバリア百機で弦を張った弓の意。しかしこのような武器の存在は同時期の資料に記録が無く、創作の可能性がある。
注4…現在のオバナ・ビーチ周辺とされている。

●決戦:G・チェストキャバリア
【チェエエエストオオオッ!】
「ちぇ、チェストキャバリア……!」
 それは今は亡きシミャーズ藩国の国家的英雄の姿。しかしそれはシミャーズ戦士達が知る姿とはあまりにもかけ離れていた。
「で、デカ過ぎんだろっ……!」
「まるで山じゃあないか!」
 それは余りにも「巨大に過ぎた」。海面から出ている分だけでも50メートルはあるだろうか。明らかに全高5メートル規格のキャバリアという枠に収めるには規格外だったのだ。そしてその身から生じる禍々しきオーラは、猟兵達にそれが首魁たるオブリビオンマシンであると嫌でも理解させた。
「マ、マスラ王……。」
「ぐ、軍曹。それっておとぎ話の奴だよな?」
 最古参の軍曹が呟いた古き王の名前に誰しもが反応した。シミャーズに生まれた者なら誰しもが一度は聞く、傲慢故に国諸共滅んだ王様のおとぎ話。
 しかしその姿はやはり紛れもなくチェストキャバリアであり、それ故に困惑する者は少なくなかった。

 そして遂にその巨人は本性を現した。
「き、巨大キャバリアが活動再開!刀を振り上げています!」
「やはりこの要塞が狙いか!?各員戦闘開始!先手を取らせるな!」
 チューマン准将の指示に要塞の全戦力が攻撃を始めた。特に西側からの火力投射は凄まじく、対艦用の大口径砲や大型ミサイルがG・チェストキャバリアに次々と直撃しチェストキャバリアの右半身はすぐさま煙幕に包まれた。
「やったか!?」
 艦隊を壊滅させるにおいても過剰なほどの火力である。いくら図体がデカいと言えどキャバリア一機が耐えられるものでは無い。誰もがそう思い勝ちを確信したが、その期待はすぐさま潰されることとなった。

【チェストオオオッ!】
 煙幕の向こうから雄叫びが上がり、要塞全体が大きく揺れた。
「何が起きた!」
「要塞西側に巨大キャバリアの攻撃が直撃した模様!西側全施設沈黙、通信途絶!」
「地下弾薬庫での誘爆を確認!西側に通じる隔壁の閉鎖開始!」
「海兵隊より西側施設に壊滅的被害有りとの報告!」
「馬鹿な!あの一撃でか!?」
 煙の向こうに見えるは鈍色に光る巨大刀、そしてその先をたどっていけばG・チェストキャバリアの腕があった。
 まさに圧倒的。パンジャンドラムも、サーモンも海岸を蹂躙すれども、これほどの被害をもたらさなかった。しかし目の前の怪物は、たったの一振りでこの大損害だ。圧倒的以上に何と表せるだろうか。
 最早この大巨人に対処できるのは猟兵を於いて他に無し。今ここに、シミャーズ史上最大の決戦の幕が上がる。

《対G・チェストキャバリア戦闘について》
・『G・チェストキャバリア』は描写のように超巨大な敵となり、通常の戦い方で倒す事が困難となります。そのため、倒す事ではなく『ダメージを蓄積させる事』や『活動限界を迎えさせる事』に努めることをオススメします。
・『G・チェストキャバリア』の動きは通常サイズのキャバリアに比べ緩慢ですが、攻撃の威力が強化されています。また、何らかの目的で要塞の破壊を優先しています。
・本戦闘のみ、各技能ごとにプレイングをまとめて行動の成否判定を行い、リプレイの執筆を行います。
尾守・夜野
「…は?」
あまりの事に思考が止まるが
「やべぇ!?」
【錆鉄】は物陰置いてたからさ
乗って要塞狙いの一撃から逃げる

サーモンだとかパンジャンの残骸なら【目立たず】紛れられるだろ
そこから移動しながら【黒鉄】で撃っていこうか

正直相手の大きさ的に歯牙にもかけられないと思う
残骸に紛れ【騙す】用な攻撃でもだ
まぁでも邪魔だろ?
苛ついてこちらに攻撃してくるとしてもその時は移動してるさ【誘き寄せ・時間稼ぎ】

巨体を支えるって事は頑丈じゃねぇと潰れるだろ
極小さな点とはいえ、錆びて強度が下がれば…

更に攻撃に紛れ蝶を呼ぶ
要塞の奴らも皆も強化してくし、奴さんには弱体化をプレゼント

気づいた時には遅い遅効性の猛毒のように攻めようか


槐・白羅
UC即起動
(再び出現するサーモン・マシン群…だが!

やはりム●ゴロウさんは偉大だったな!
きちんとぶつかり合えば判りあう事もできるようだ!(戦闘を飛ぶ機神

サーモン
5体ずつ合体
奴は巨大で破壊力も凄い
だがお前達はスピードがある!
攻撃に気を付けて存分に食せ!

サーモン
【属性攻撃・集団戦術・捕食】

土属性をサーモン達に付与して大地の中を泳がせ
チェストが来たら土に潜りすぐ移動して回避
直撃は避ける!
喰らい付いてその機体の一部を貪

モルス
【殺気】を放ち意識をこちらに向けさせ
【空中戦】で飛び回り可能な限り回避
当りそうなときは【受け流し】でダメージ軽減
【弾幕】を打ち込み
【貫通攻撃】で切り裂

撃破後貪りつくし

鮭イクラ祭りだ!


カシム・ディーン
やれやれ超でっかいですね
「怖くなっちゃったご主人サマ?」
まさか
もっとでっかいドラゴン相手にしたことだってありますし?
お前こそビビってねーだろーな?
「ふふーん、大きれば一番とは限らないって教えちゃうから☆」
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠し熱源も隠す

UC発動
低空飛行で加速
【属性攻撃・スナイパー】
まず超高熱熱線を乱射し主に足の関節部を集中的に攻撃する
続いて…冷却光線を乱射して同じ部分に打ち込み続け

【二回攻撃・切断】
存分に打ち込んだ後はハルペーで連続斬撃

是だけの大きさと…動作が鈍いなら…!

「試してみる?」

【空中戦】で敵の上空へと飛び
殲禍炎剣を誘うと共に即座に超速で低空へと離脱


シキ・ジルモント
でたらめな大きさだな…頑丈さは見かけ通りのようだ
要塞の破壊を妨害しつつ、活動限界まで暴れさせるのが現実的か

要塞や味方が居る方へ攻撃するなら牽制射撃に併せて、脚部の関節等の装甲が薄い場所を狙って小型ハンドグレネードを投擲して行動を妨害したい
小さくても威力はそれなりだ、破壊できないまでも気を引くくらいは可能かもしれない

こちらに気付いたらユーベルコードを発動
味方や設備に出来るだけ被害が出ない方向へ攻撃を誘導し、連撃は増大した速度で回避を試みる
相手の動きが緩慢なら、こちらは速度を活かして足元に潜り込んで直撃を避けたい
あの攻撃は負担が大きいようだな
交戦を続けあの技を何度も撃たせて、活動限界に持ち込みたい




 G・チェストキャバリアの登場に即座に動き出した猟兵達の姿があった。
「うおおおお!このままじゃ錆鉄が危ねええぇぇえ!」
 サーモンキャバリアの打撃力を危惧し要塞の側に駐機していた錆鉄の事を思い出した夜野は海岸を全速力で駆け、

『ふはははは!やったぞモルス!ぶっつけ本番だったがサーモンキャバリアを掌握できたぞ!やはりム●ゴロウさんの教えは偉大だ!』
 白羅はまさかのサーモンキャバリア再起動からコントロールを掌握という超人技をやってみせ、動物との触れ合いの達人を絶賛しながら神機モルスを駆り、さらに地中からトビウオのごとく飛び出してくるサーモンキャバリア改め「サーモンマシン」を引き連れ、

「やれやれ超でっかいですね。」
「怖くなっちゃったご主人サマ?」
「まさか。そう言うお前こそビビってねーだろーな?」
 カシムとメルクリウスは軽口を叩き合う。かつてA&W世界で帝竜を相手取り、見事に勝利を収めた実績からくる余裕。しかしその様子には寸分の油断なく、

「ふむ、シロガネの弾といえども容易く弾くか。手強いが、あの図体で長時間動けるとも思えん。活動限界による自滅を狙うのが現実的だな。」
 シキは再び宇宙バイクに乗ると、G・チェストキャバリアに数発発砲して頑丈さを確認し、それぞれが行動を開始した。


【チェストオオオッ!】
「敵攻撃態勢に移行!想定被害範囲、要塞正面!」
「残存戦力は敵巨大刀に火力集中!被害軽減を図れ!」
 G・チェストキャバリアの2回目の攻撃が要塞に迫り、チューマン准将の号令と共に再度投射される要塞火力。しかしそれを嘲笑うかの如く、チェストキャバリアの眉間が輝くと同時にその刀身が九つに分かれ要塞を襲う!
「させっかよ!」
 しかしそこに夜野が待ったをかけた。錆鉄の確保に間に合うと同時に要塞へと駆け上り、黒鉄から仕掛けの一撃を放つ。
「現と幻想をさまよえるものよ、死と再生の象徴よ。かの神に連なるモノよ。来たりて禍福となせ!焔の如く舞うがいい!」
 続けて銃撃がG・チェストキャバリアの装甲に阻まれるのと同時に繰り出す詠唱は場を埋め尽くさんが如く舞い飛ぶ火蝶の群れを呼び出し、夜野はそれを壁と成した。要塞とG・チェストキャバリアを隔てるその様は正に幻想的の一言に尽きる。
 幾つもの斬撃が火蝶の壁に激突し、次第に崩れ行く蝶の群れ。蝶とは儚き生き物である。しかし火蝶のその儚さは死と再生の象徴である故に、夜野を除く全てが思いもよらぬ置き土産を残していった。
「直撃来ます!」
 防ぎきれなかった斬撃の直撃に揺れる要塞。発令所ではすぐさま被害状況の確認が行われていた。
「被害状況を知らせよ!」
「正面防壁及び砲陣地、大破!いや、これは……徐々に復元中です!」
「何ィ!?」
 それは火蝶の鱗粉の効能によるものであった。火の粉のようであり、しかしてほのかな暖かさを込めたそれらは要塞の至る所へと降りかかると、次第に破損箇所を癒やすようにその力を発揮したのだ。
「各兵装機能に異常ありません!」
「まるで信じられん…ふ、負傷者を下げ引き続き迎撃を続行せよ!」
 物理法則を超越した自体に困惑する指揮所であったが、首の皮一つ繋がった以上の幸運を無駄にするものかと、オバナ要塞は戦闘を続行するのであった。

 海岸では猟兵達による迎撃戦が続いていた。
「サーモンマシンよ!敵を撹乱せよ!鮭のように舞い、鮭のように刺せ!鮭イクラ祭だ!」
 白羅の指示に従いG・チェストキャバリアへと襲いかかるサーモンマシンの群れ。地中から、海面からと四方八方から一撃離脱戦法を繰り返す事で大巨人の装甲を僅かにだが、しかし確実に擦り減らしていく。
「あっ!?サーモンキャバリア制御してる!?」
「プラントをくり抜く必要はなかったのだ!互いの気持ちをぶつける…ム●ゴロウさんの教えは正しかったんだ!」
「む、ム●ゴロウ=サン!?」
 白羅と同じくそのプラントに価値を見出していたカシムは、白羅の制御下にあるサーモンマシンと、その秘訣に驚きながらも熱線と冷却光線による二重攻撃をG・チェストキャバリアに仕掛ける。
 続けて宇宙バイクに跨ったシキもグレネードの投擲を加え、夜野も錆鉄でそこに加わる。
 狙うはG・チェストキャバリアの「膝」であった。足を持ち、二足歩行を行う以上、膝を痛めることは致命的であり、キャバリアについてもそれは当てはまる。極度の金属疲労を起こす事で簡単にパーツは破損し、機動力を欠くことになるのだ。
【…チェストォッ!】
 ここまで猟兵の攻撃を意にも介して来なかったG・チェストキャバリアが刀を逆手に持つ。それが意味するところは即ち、
「ようやくこっちに気がついたか!」
「それを待っていた!」
 猟兵を脅威と認識した合図であった。

 刀を逆手に持つことで攻撃の出が速くなる反面、その範囲は順手で持つとき以上に自己の周囲へと狭められる。しかしながら周囲を動く猟兵にとってはそれだけでも十分な驚異となり得た。
「ぐぅっ…なんて剣圧だ!しかし、避け切れない訳ではない!」
 シキはさらなる高速移動で剣撃の隙間を縫う様に周囲を駆け巡り、技の無駄撃ちを誘い続ける。当たれば致命傷は免れないであろう。
「うおぉっ!?銃弾が全部斬り落とされてやがる!」
 一方夜野は黒鉄による射撃を敢行するが、その銃弾は尽くが暴風の如き刀の乱撃の前に斬って落とされていた。
「「…だが、これで良い。」」
 しかし二人の猟兵は反撃の隙も無く、己の攻撃が通じぬ事に歯痒さを感じさせる事なく、逆に策が成ったとばかりに不敵に笑うのであった。

「今だサーモンマシンよ!」
 突如G・チェストキャバリアのすぐ足元から飛び出すサーモンマシンの群れがイクラ爆弾やヒレを用いて執拗に膝を攻撃する。
【グオオオオッッ!?】
 そして遂にG・チェストキャバリアがよろける!膝への執拗な攻撃、そして一振りで九連撃という高負荷の攻撃を放ちすぎた事によるパーツ疲労が知らずしらずの内にG・チェストキャバリアの致命傷となっていたのである!

「ついでにコイツも食らっていけ!」
「殲禍炎剣捕捉中!さっさと避けないと巻き込まれるよご主人サマ!」
そして戦域上空へと急上昇したカシムとメルクリウスはアラートを響かせながらG・チェストキャバリアの側面をなぞる様に急降下して行く。アラートの正体は殲禍炎剣。この世界ぬ繋がりを引き裂いた衛星兵器のレーザーに捕捉されたことを意味していた。
「…ここぉっ!」
 逆Gで意識が飛びそうになるのを堪え操縦桿をギリギリのタイミングで引き起こすカシム。それと同時にG・チェストキャバリアの股下をくぐる様に離脱するメルクリウス。
【チェストチェストチェストオオオッ!】
 カシム達の行動の真意を察知したG・チェストキャバリアは上空に向かって咄嗟に刀を振り上げる!斬撃にて高出力レーザーを断ち切らんとする気である!
 シミャーズ藩国の戦士の数ある奥義の一つには当然の如く対ビーム戦の秘技にビーム斬り落としの極意がある。それを咄嗟に実行するあたり、このG・チェストキャバリアもまた武勇の誉れ高きキャバリアだったのであろう。しかし、今回はそれを防ぎ切るには至らなかった。突如としてG・チェストキャバリアの刀が折れたのである。
「よし、いいタイミングだ!」
 それは夜野の放った銃弾が原因であった。病のごとく蝕む錆、その証拠に折れた刀を見れば錆が所々に浮いているではないか。
【グオオオオ!…チェ、チェストオオオッ!】
 殲禍炎剣に身を焼かれるG・チェストキャバリア。これが尋常のキャバリア、尋常のオブリビオンマシンであればこれにて決着がついたであろう。
 しかしG・チェストキャバリア、未だ健在!折れた刀身を無理矢理もげば、柄より新たな刀身が這い出たり。
 猟兵と大巨人の決戦は、まだ道半ばであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
…えと?何、この規格外なキャバリア?
でも、だからといって、逃げる理由に何てならないよねっ!
さぁ、全力全開、行くよっ!

生半可な攻撃はだめなら…
ホーミングビーム、ランチャー、キャノンの【一斉攻撃】で敵機の脚部を狙うけど…
ま、まぁ、硬いことで…

攻撃力・防御力は向こうが格段に上
勝っているのは機動力…

敵の動きを【見切り】
【空中機動】【推力移動】をフル活用して回避
【瞬間思考力】で要塞の被害が出ない方へ誘導

回避しながらも射撃攻撃は続けるけど…
本命はこれっ!
【限界突破】で【魔力溜め】を行い
真の姿も開放
青白いオーラが機体を包んで
【全力魔法】での《指定UC》!

いくら大きくても、これの威力は無視できないでしょっ!


ヴィリー・フランツ
wiz目標:ダメージの蓄積
心情:地獄から甦りやがったか、チェストキャバリア!?
ふざけやがって!全てが水泡に帰してたまるかよ!
手段:通常の[拠点防御]装備に戻して【迎撃態勢完了】を発動、攻撃力も当然だが、射程と命中率も強化し[対空戦闘]も実施、チェストミサイルの迎撃も試みる、[盾受け]もしっかり行い飛んできた破片にも備えるか。
後はオールウェポンズフリー、全搭載火器の[一斉発射]による[貫通攻撃・弾幕・誘導弾・範囲攻撃・乱れ撃ち]を叩き込めば良い、弾が少なくなってきたら[継戦能力]確保の為に他猟兵との交代の相談、その辺の連絡・相談が出来なきゃ[集団戦術]とは言えねぇからな、連携はキッチリするぜ!




「畜生!地獄から甦りやがったか、チェストキャバリア!?」
「え、知っているんですか!?このキャバ…リア?」
「知ってるも何も一度こいつとは戦ってるんだ!あのときはもっとまともなサイズだったがな!」
 ヴィリーは今回の戦いに集った猟兵の中で唯一チェストキャバリアとの戦いを経験していた。しかしこのサイズ差では最早別物であった。
「でも見るからに近接戦特化型って感じですよね?だったら近づかなければ…。」
「それがそうでもねぇんだなこれが。アレと同じ構造ならば…。」
 シルの言葉を遮るようにヴィリーが説明していると、G・チェストキャバリアの胸部装甲が開放され、次々と何かが発射され始めた。
「…このようにチェストミサイルが飛んでくる。」
「えぇ…。チェストってついてれば何でもアリなんですね…。」
 こうして始まったのがミサイル迎撃戦であった。

「それじゃあ気を取り直して…全力全開、行くよっ!」
「迎撃戦なら任せろ!」
 シルの操縦するブルー・リーゼが飛び、ヴィリーの操縦するヘヴィータイフーンが要塞上に陣取り、それぞれの戦闘が開始された。
「奴も引っ切り無しにミサイルが撃てるわけじゃない!攻勢に間隙が見えたら躊躇なく行け!」
「わかりました!」
 レールガン、リニアSMGなど、一撃の威力よりも手数に勝る速射兵装で次々とミサイルを撃墜しながら、上空でミサイルを避けながら攻撃のタイミングを伺うシルにアドバイスを送るヴィリー。対してG・チェストキャバリアは猟兵を正しく認識したのか、ヴィリーやシルにもミサイル攻撃を仕掛けていく。
「要塞には落とさせない!」
 シルはブルー・リーゼの機体出力を更に引き出しミサイルに追尾されながら洋上へと移動、ビームセイバーでミサイルを斬り落としG・チェストキャバリアの背後を取った。
「うまい事考えたな…!ブルー・リーゼ、そこからデカブツの膝裏は狙えるか!?」
「膝裏?はい、しっかり狙えます!」
 迎撃兵装の再装填を行い、自機への攻撃をシールドで凌ぐヴィリーからの通信を受けて即座に答えるシル。
「そこはヤツの真後ろ、早い話が死角(デッドゾーン)だ!ミサイルが切れればヤツは刀での攻撃をせざるを得なくなる!」
「つまり、予め次の手を封じ込める、先の先を取るってことですね!」
「満点回答だ!それじゃあいいタイミングで頼む!ミサイルはこっちに任せろ!」

「ヘヴィータイフーンよりオバナ要塞!ミサイル迎撃の為、要塞正面兵装とのデータリンクを要請する!」
「了解したヘヴィータイフーン。要塞正面自動兵装のコントロール権限を貴機に委譲する。貴官の武運を祈る。」
 ヴィリーの通信を受けて要塞はCIWSから多目的ミサイルランチャー、速射砲に至る兵装をヘヴィータイフーンへと委ねた。
「これだけ抱えて成果が出ませんじゃ話にならねぇ…。今度こそ沈みやがれチェスト野郎!」
【チェエエストオオオオッッッ!】
 ヴィリーの雄叫びに呼応するようにG・チェストキャバリアも雄叫びを上げミサイルを斉射、対するヴィリーも全兵装を以ってこれを迎撃する。ヘヴィータイフーンの火器管制が目まぐるしくミサイルをロックしては迎撃弾による破壊を行い、見事に互角へと持ち込んだ!

「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ…。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 一方後方ではシルが詠唱を終えていた。6大元素の複合魔法、それだけでも莫大な魔力とその制御技術を要する所を、更にその上を行く水準にまで高められた魔力密度は直下の海面に幾重もの波濤を生じさせる。魔法魔術に精通する者であればそれが凡庸の使い手には決して辿り着けぬ高みである事は明らかであろう。
「今だっ!」
「――ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストッ!」
 ヴィリーの合図と同時にブルー・リーゼから放たれた光の束、は文字通りG・チェストキャバリアの膝を撃ち抜く!
 通常弾では全く歯が叩かなかった装甲をも砕き、その中枢へと達する光線に思わず大巨人は膝をついたのであった!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ等歓迎
※愛機搭乗

マスラ王?…天に唾する者は云々か(電脳で資料検索)
ただ『宝刀』はあっても『強弓』がないね

現状解析される以上の遠距離砲撃で
要塞諸共一発全滅する危険は薄いって事
それにあの巨体、多分ジェネレータ出力も相応
ならオーバーヒートによる擱座も狙い目

…OK、ヤる事は決まったよ♪
オペ38番【スウィフト・ウィル】開始
機体過負荷はアタシの電脳酷使を犠牲に程々
リミッター自体は限界1歩前まで制限解除

…切り身邪魔っ(攻性防壁で一枚残らず灰化)

で、攻性防壁と高機動で猛攻を凌ぎつつ
『スカベンジャー/プロキオン/ドゥームズ・レイ』
高出力弾幕3種と関節狙いの体当たり等で足止め

…後はガマン比べさ


チェスカー・アーマライト
機体損傷OK

来ったぞ来たぞ、説明不要なデカい奴!
ビッグタイガーの戦車砲ですら道端の小石なみ
これだから面白ぇんだ、ジャイアントキリングってのは
とにかく味方のチャンスに繋げる事を考えねーとな
タンクモードで全速前進
主砲で足回りを狙う
相手にワイヤーを引っ掛けトップスピードのまま急旋回する事で機動性を確保
なるべく足元に張り付く
ご自慢のチェストも、踏ん張りがきかなくなりゃ威力は落ちるハズだ
温存させて貰ったとっておきのAPFSDS弾
採算度外視、大盤振る舞いと行こうじゃねーか!
「ジェローニモォォォォォ!!」(掛け声)
こいつは今しがたブッ飛ばされた要塞の連中の分!
そしてこいつはボーナス逃したあたしの分だ!




「マスラ王…ふむふむ。古い時代の諸王侯の一人、弓の名手か。」
 敵を知り己を知れば百戦殆うからず。リーゼロッテはナインス・ラインのコックピット内でこの巨大キャバリアの正体を知るべく自らの電脳内にある量子アーカイブを探り、シミャーズ藩国周辺史を編纂した資料、そしてシミャーズ藩国に伝わる古文書へと辿り着いた。
 マスラ王は確かに実在した人物であり、武勇に優れていた一方で野心家であり、王座を簒奪して諸国に覇を唱えた覇道の人であった。
 古歌の指す「龍の肉」とは言ってしまえばG・チェストキャバリアの始動キーの様なものだったようだ。
 しかしながらマスラ王の覇道は天上からの一撃で潰え、これが傲慢さが身を滅ぼす逸話として今日まで伝えられてきたのだという。
「歌の意味をそのまま当て嵌めるなら強弓こそがメインウェポンなんだろうけどそれに当たる武装は無し。では何処に?」
 そこで引っかかったのが古歌の最後にある「王の弓、この難を逃れ辺境へと落つる」というフレーズであった。注釈にはこれまた親切にオバナ・ビーチ周辺と解説がついている。
「まさか要塞の地下に巨大弓が眠っているの…?」
 そうすればG・チェストキャバリアが執拗に要塞を攻撃する事と辻褄が合う。
「これはますます破壊されたらヤバいよね…?」

「するってぇと何かい、あのデカブツは弓を拾いにわざわざ蘇ったって言うのかい?」
「確信はないけど状況証拠で判断するとその線が濃厚って所かな。でもキャバリア百機を使って張る弓なんて、それだけでもとんでもない質量兵器さ。このまま埋まっててくれた方が世のため人のためってやつじゃないかな。」
 戦車形態のビッグタイガーに乗るチェスカと合流したリーゼロッテはG・チェストキャバリアに関する情報を伝える。
 眼前のG・チェストキャバリアは再度立ち上がり猟兵達を見下ろしていた。しかし猟兵との度重なる戦闘、さらに要塞からの砲撃により無敵の装甲にもいくつか損壊が見られ、動きも何処か無理矢理動いているようなぎこちなさを見る者全てに感じさせた。
「あの様子がブラフじゃなきゃもうひと踏ん張りって所だ。リーゼロッテの姐さん、奴がその弓ってのに辿り着く前に取っちめちまおう!」
「できればリリー先生って呼んでほしいかな〜。まぁヤる事は決まったようなものだし、早速行ってみますか。」
 二人の猟兵は互いに頷きあい、そして大巨人との戦いに挑むのであった。

【チェストオォ…チェストオオォッ!】
 刀を振り上げたG・チェストキャバリアの乱撃が場を襲う。しかしその技にはキレが無く、何処か精彩を欠き、無闇矢鱈に打ち込んでいるようであった。
 しかし威力は変わる事なく、要塞に当たればまず間違いなく破壊は免れないだろう。
「攻撃のラインが単調化してきてるけど、ここまでランダム要素が強いと近づきにくいったらありゃしないねっ!」
 リーゼロッテはその合間を縫う様にナインス・ラインを駆りG・チェストキャバリアに接近を試みていた。
 緑に光る攻性防壁は先の戦いで張り付いた切り身を灰に変え、機体は音速の壁を超える域に達する。一方で電脳の酷使による頭痛がリーゼロッテを襲い続けていた。

「ビッグタイガーより要塞!ここが踏ん張りどころだ!砲撃支援を頼む!」
「了解したビッグタイガー!弾薬庫が空になるまで撃ち込んでやる、頼んだぞ!」
 一方チェスカは要塞の支援を取り付けるとビッグタイガーを急速発進、G・チェストキャバリアの足元向けて爆走を開始した。その前進に合わせて要塞砲が次々と砲弾をG・チェストキャバリアに浴びせていく。
「うおおおお!サーモンの比じゃねぇレベルで怖えぇ!」
 一発一発が艦砲射撃や急降下爆撃のそれを上回るレベルの一撃、トップアタックが天敵と言われる戦車にとっては正に死地としか言いようの無い場所に悲鳴を上げて突っ込んでゆくチェスカ。しかしその爆走は迷いなくただ真っ直ぐ最短距離を突き進んでいた。
「――ッ!ヤッベ…」
【チェストオッ!】
 背筋に冷たいものが走るのを感じたチェスカが咄嗟にハンドルをきると、直後シャウトと共に刀が振り下ろされた!
 ビッグタイガーは大破こそを免れたものの左前方に直撃、車軸ごと履帯を斬られ走行不能の状態に追い込まれていた。
「ちょっと大丈夫!?」
 その上空から一部始終を見ていたリーゼロッテがチェスカに通信を飛ばすと、
「何のこれしきっ!走行系がやられただけだ!」
 履帯が使い物にならなくなったと判断すると同時にチェスカはワイヤーアンカーをG・チェストキャバリアの足に巻きつけ、ウィンチで巻取りを開始し始めた。
「こっちは懐に潜り込んだぜ!姐さんも今のうちに!」
 チェスカの言葉通り、リーゼロッテのすぐ先にはG・チェストキャバリアの巨躯が聳えている。あの乱切りの斬撃もここまで至れば届く事もない。
 二人の猟兵が王手あと一歩まで辿り着く。ナインス・ラインは巨躯に張り付きさらに機体出力を高め前方へと押しこみ、それと同時にビームランス、パルスキャノン、ビームマシンガンによる集中攻撃をG・チェストキャバリアの膝へと撃ち込んでゆく。鳴りっぱなしの警告音は全て無視、リーゼロッテにできる全賭け(マックスベット)である。
 チェスカもアンカーがピンと張り詰めると同時に巻取を止め、残った履帯を後方へと回転させ、G・チェストキャバリアの足を自らの方に引き込むように踏ん張る。リーゼロッテの押し込み、チェスカの引き込みにより転倒を狙うのか?否、そこでは無かった!
「要塞へ!奴の膝の皿が曝け出た!残りの弾ありったけ撃ち込んでくれ!」
 そう、やはり「膝」である!膝への集中攻撃!これがG・チェストキャバリアには相当効いた!
 50メートル超えの巨躯を支える二本足、それぞれに掛かる負荷はいかほどのものか!
 そして遂に!
――ビシッ!
 その膝が悲鳴を上げた!
「待ってたぜ!この瞬間をよぉ!」
 そして吠えるチェスカ!彼女の乗るビッグタイガーの砲身は正に悲鳴を上げた膝を狙い澄ましていた!
「テメェがぶっ飛ばした要塞の連中の分、ビッグタイガーのふっ飛ばされたパーツの分、そしてあたしのボーナスがパァになった怨みの分まとめて喰らいやがれえぇぇっ!」
 色々と込められた思いと共にビッグタイガーの砲身から飛び出すは虎の子の徹甲榴弾、思いの分だけ強化された必殺の砲弾がG・チェストキャバリアの膝を穿ち、そして爆発!

砕け散る、大巨人の膝!

●決戦決着!
【ワガ、ハドウ…ナラズ……ムネ、ン。ム、ネ、……ン。】
 膝から下を失い、機体バランスが取れなくなったG・チェストキャバリアが仰向けに倒れ込む。
 破断面から大量の海水が流れ込み、次々と大巨人の回路を破壊していく中で、最後に戦場に聞こえたそれは果たしてマスラ王の声なのだろうか。その真実を知るものは誰一人として知らない。
 結局、パンジャンドラムとサーモンは何だったのか?それも気になるところである。
 しかし、こうしてオバナ要塞の護りは崩されることなく、脅威は絶たれた。猟兵達はひとまずこの勝利を噛みしめ、それぞれの帰路に着くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月27日


挿絵イラスト