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絶望のステラ

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #シュナイト・グリフォン #スカイダンサー

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#スカイダンサー


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●絶望のステラ
 星々の煌めきは等しくあるのだ――何者の上にも。
 しかしそれが絶望の上で輝くときは一層、その輝きの強さを増すのではないかと、ふとシュナイト・グリフォンは思う。
 悲しみも、憎しみも――絶望と共に踊るのだ。全て一緒に。
 きらきら輝く遊園地は夜の姿。
 園内の道を飾るイルミネーション。くるくる回るコーヒーカップも、メリーゴーランドも観覧車も、ジェットコースターも輝いていた。
 楽しいはずのそこは――人の姿は何もなく。ただ楽しさだけを響かせて、空虚とする。いや、人でないものたちはいるのだ。
 そんな場所でゆるやかに羽ばたき広げ、シュナイトはゆるりと歩む。
 じゃらん、じゃらんと鎖の音を引きずって、ひとり園内を歩きながらその唇から零れるのは歌だ。
 これは何の歌だろうか。
 別に歩みが軽くことも何もなく、シュナイトは絶望と共にある。
 そこへきゃっきゃと楽し気にやってきたのは――つよくてかわいいアニマルズたちだ。
 ぶんぶんと鉄球振り回す『鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド』と丸太をぶんっと振りかぶる『丸太クマさん怪人・ウェポン』としゅっしゅと素振りする『ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション』だ。
「シュナイト様、そろそろ出番がほしいクマ!」
「いつでもいけるワン!」
「ピコピコしたいうさー!」
 それぞれ、自分の動きはこう! とばかりに動くのだけれどもかわいい着ぐるみな三体はじゃれているようにしか見えない。
 シュナイトはそんな三体に笑い零し、いいよと紡ぐ。
「いいよ、いっておいで」
 しかし、その前に――贈り物をしようとシュナイトの唇は動く。
 まだ、足りない――絶望が。
 ぺたり、ぺたり。獅子の足元が赤く彩られる。そこより姿を現すのは無数のぬいぐるみたち。
「わあ、一緒にいくクマ~! クマックマッ!」
「ワンッ! わふっ、わっ、わわんっ」
「うーさー! うさささささ!」
 そのぬいぐるみたちは、三体にまとわりついて――共に絶望のパレードへと招く。
 招かれた三体たちは、絶望を得てその姿を変えていく。絶望の中で楽しく、笑って踊って――どこへ向かうのか。
「さぁ、絶望しよう。俺と一緒に踊ろう」
 シュナイトは三体を送り出す。
 星の下で絶望に――誘おう。

●予知
 キマイラフューチャーでスカイダンサーたちが踊り、人々が楽しく過ごす――そこを『パレード怪人』が襲うのだと、終夜・嵐吾(灰青・f05366)は猟兵達へと切り出した。
 怪人たちの狙いはスカイダンサーたち。
 夜、きらきらとライトアップされた桜並木にて彼らはパフォーマンスをしている。
 その場でパフォーマンスを見ている者達、配信などで見ている者達もいる。スカイダンサーたちを惨殺し、見ている者達に絶望を与えるとともに新たな手駒を生み出そうとしているのだ。
「皆を送れば、途端にパレード怪人が襲うところに出会うじゃろう」
 そこをかっこよく割って入り、撃退すればその場の雰囲気も壊さずにいけるのではなかろうかと嵐吾は言う。
 避難をといえば近くで見ている者達は慌てたり恐れたりするかもしれない。
 しかし、スカイダンサーたちを守りつつ、人々を魅せる戦闘ができたなら――きっとそこは喝采にあふれるだろう。
「かっこよく名乗ってもええじゃろし。危機一髪のとこを助けに入るのもありじゃろう」
 そこはそれぞれ、きっと一番より良い動きもあるだろう。それに知らずと体が動くというのもヒーローのように見えるかもしれない。
「現場でのことは皆に任せるしかないからの、よろしく頼む」
 そしてその怪人たちを倒したなら――シュナイト・グリフォンの待つ場所へと招かれるだろうと嵐吾は続ける。
 彼との戦いは避けられぬもの。
 猟兵として出来る限りのことをしてほしいと紡いで嵐吾はその手のグリモアを輝かせた。


志羽
 御目通しありがとうございます、志羽です。
 詳細な受付期間については【マスターページ】【シナリオ上部のタグ】で案内しますのでお手数ですが確認お願いいたします。

●シナリオについて
 第一章:集団戦『つよくてかわいいアニマルズ』
 第二章:ボス戦『シュナイト・グリフォン』
 以上の流れとなっております。

 どちらも、追加する冒頭の確認をお願いします。
 一章は、周囲の人々を魅せる戦いを。
 二章は、心情なども絡めていただければと考えております。

●プレイングボーナス
『スカイダンサーに応援される』
 一章にて、助けたスカイダンサーはその戦いを応援してくれます。

●お願い
 複数人数でのご参加の場合は、ご一緒する方がわかるように互いに【ID】は【チームタグ】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。(続けて二章参加の場合、IDについては必要ありません)
 ご協力よろしくお願いします。

 以上です。
 ご参加お待ちしております。
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第1章 集団戦 『つよくてかわいいアニマルズ』

POW   :    丸太クマさん怪人・ウェポン
【丸太兵器 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド
【鉄球攻撃 】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ピコハン 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 賑わいの中心はスカイダンサーたちだ。
 いくよー! と周囲の者達に声をかけ音楽を流す。
 それに合わせて天空かけながら踊るスカイダンサーたち。
 しかし――そこへ。
「クーマッ! クーマッ!!」
 ぶんぶんと丸太をふるう、丸太クマさん怪人・ウェポン~パレードバージョン。
「わわわわーん!! わわんっ!!」
 ひゅんひゅんと鉄球を振り回す、鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド~パレードバージョン。
「うさささささささ!!!!」
 しゅしゅしゅとピコハンを素振りする、ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション~パレードバージョン。
 そう、彼らは――ぴかぴか光る電飾を身に纏い現れたのだ。
 なんだあの光るクマと犬とうさぎはと人々の注目が集う。スカイダンサーたちはもしかして飛び入り? なんて首を傾げるものもいる。
 だがいくら電飾できらきらしていようとも、彼らの目的はスカイダンサーたちを惨殺し絶望を振りまく事なのだ。
 三体はそれぞれ別れ、近くにいるスカイダンサーたちへととびかかった。
真幌・縫
楽しく踊ってるスカイダンサーさんを襲ったりしたらだめなんだからね!
楽しいを守るためには楽しく戦わなくっちゃ♪
ぬいはスカイダンサーさんじゃないけど少しなら踊れるよー。
【ダンス】をしながら時に歌を口ずさみ【空中浮遊】したり【存在感】で【おびき寄せ】
楽しい雰囲気を壊さないためにUC【ぬいぐるみさん行進曲】で沢山のぬいぐるみさんを召喚!
うさぎさんに沢山のぬいぐるみさんで攻撃。
全部の子は見切れないよね?



 楽しい時間に突如現れたものたち。
「うさー! うさっ! うさっ!」
 電飾きらきらさせながらスカイダンサーへと襲い掛かるのはピコハンウサちゃん怪人・リフレクションだ。
 ピコハン振りかぶってスカイダンサーへととびかかる――しかし、真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)はその前へと躍り出た。
「楽しく踊ってるスカイダンサーさんを襲ったりしたらだめなんだからね!」
 シュッと振り下ろされたピコハン。縫は可愛らしいお花とにくきゅうっぽいデザインの魔法の杖でそれを弾いた。
 守ったスカイダンサーへと縫は離れていてねと一言。その言葉にスカイダンサーはしたがってその場を離れる。
「ぬいはスカイダンサーさんじゃないけど少しなら踊れるよー」
 くるくる、その杖を回して。
 楽しいを守るためには楽しく戦わなくっちゃ♪ と軽やかにダンスしながら時に歌を口ずさむ。
 とんと空中を浮遊して駆けのぼり、こっちこっちと手を振ればウサちゃん怪人の意識は縫へと向く。
 その様子に周囲の人々はわぁと声上げて楽しげだ。
 この楽しい雰囲気を壊さないために――
「さぁ、ぬいぐるみさん達! ぬいと一緒に戦って! せーの! 攻撃開始ー!」
 縫の声に合わせて小型のぬいぐるみたちが列を作り、ウサちゃん怪人のもとへてってこと歩んでいく。
 そしてジャンプして、ピコハンやウサちゃん怪人に抱き着いていく。
「全部の子は見切れないよね?」
 一緒に踊って、でもそのピコハンは奪っちゃおう!
 小さなぬいぐるみたちに抱かれてウサちゃん怪人はじたばた暴れるけれど逃げられない。
 そのままきゅうと、動けなくなってしまう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウレリア・ウィスタリア
【しゃるはなうら】

殺戮は阻止させてもらいますね
転送と同時に地上へ降下
【空想音盤:追憶】を発動

さて、ボクたちのスカイダンサーのオンステージを盛り上げましょうか
花雫、思う存分舞い踊ってください

花雫を守り、時には敵を切り裂くように花びらの嵐を操る
時には彼女の足場として、彼女の行く先に花の道が続くように、彼女が花を導いているかのように
彼女の魅力を引き出していきましょう

シャルロットと協力して彼女に迫る危機は事前に阻止していきましょう
今回のボクたちは引き立て役、フォローに専念しましょう

とはいえ、花びらの嵐をかき消されては困るので
ピコハンが迫れば花びらを引き、その隙間から魔銃でピコハンを撃ち落としましょう


霄・花雫
【しゃるはなうら】
スカイダンサーを狙って来るなら、あたししか見えないくらい惹き付けてあげる!

飛び入り参加ーってね!
【ダンス、パフォーマンス、誘惑、空中戦】で目立っちゃうよー、空はあたしの舞台なんだから!
地面に降りる気なんかないもん、降ろしたければ引き摺り降ろしてみたらー?
なぁんて、シャルちゃんとアウラちゃんがフォローしてくれるから言うんだけどねー
ほら、アウラちゃんの花びらだってあたしの足場!

ふふ、ちょっと楽しくなって来ちゃった
音楽に乗って踊るように、レガリアスシューズに大気を集めて【全力魔法、毒使い】で蹴り入れちゃえ!
鉄球は【野生の勘、見切り、逃げ足】で回避!
逃げ損ねたらシャルちゃんにお任せ!


シャルロット・クリスティア
【しゃるはなうら】
やれやれ、パレードへの乱入にしては場にそぐわない演目ですね。
行きましょう、二人とも。どうやら手本が必要なようですよ。

と言っても、主演は花雫さんです。私とねえさんはバックアップを。
私は樹の枝でも建物でも、適当な高所に陣取り、愛銃での援護射撃に入ります。
彼女の死角はこちらで守る。近づかせない、攻撃させない牽制を第一に。
最も、余裕があればこちらでも獲りに行きますが。

犬の得物は鎖付の鉄球。威力は侮れませんが……。
振り回される鉄球に数発矢継ぎ早に叩き込んでやれば、制御を失わせるには容易いでしょう。自滅や同士討ちを狙えればしめたもの。

後は主役の思うまま。存分に踊ってもらいましょうかね。



 三人そろって、転送されえた先は少し高い場所。
 落ちる、その感覚も恐ろしいものではなかった。
「やれやれ、パレードへの乱入にしては場にそぐわない演目ですね」
 スカイダンサーを襲う――その様子にシャルロット・クリスティア(弾痕・f00330)はぱちりと片方の目を閉じて。
「行きましょう、二人とも。どうやら手本が必要なようですよ」
 シャルロットの言葉にアウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)も頷き、 霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)へと笑いかける。
 主演は花雫。
 私とねえさんはバックアップをとシャルロットは告げる。
 シャルロットは丁度良い、と高い樹の上に陣取って愛銃を構える。
 花雫の死角は守り、近づかせない、攻撃させない牽制を第一に。
 最も、余裕があれば獲りにいくつもりで。
「さて、ボクたちのスカイダンサーのオンステージを盛り上げましょうか」
 殺戮は阻止させてもらいますね、とアウレリアは拷問具をネモフィラの花弁に変えて。
「花雫、思う存分舞い踊ってください」
 花雫はもちろん、と笑み深め。
「スカイダンサーを狙って来るなら、あたししか見えないくらい惹き付けてあげる!」
 こっち、と敵の気を惹くように大きく動いて。
 そうしながら花雫はスカイダンサーたちへと安全な場所へと促す。
 スカイダンサーたちが離れられるよう、アウレリアも花弁を躍らせて怪人たちから隠す様に。そしてシャルロットも彼らが近づかぬように牽制を。
 そして安全を確保できたなら、あとはオンステージだ。
「飛び入り参加ーってね!」
 ひらり、ネモフィラの上を駆けていく花雫。
 その姿を見つけた鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイドがぴかぴか電飾光らせながらぶんぶんと鉄球を振り回す。
「降りてくるワン! ワワン!!」
「地面に降りる気なんかないもん、降ろしたければ引き摺り降ろしてみたらー?」
「ワワーン! 引きずり降ろしてやるワーン!!」
 と、ワンちゃん怪人はふんふんと鼻息荒い。その様を見つつ、花雫は小さく零す。
「なぁんて、シャルちゃんとアウラちゃんがフォローしてくれるから言うんだけどねー」
 二人がいるから、大丈夫。
 ぶんっと振り回される鉄球。
 シャルロットは愛銃を構えワンちゃん怪人を射程に収めていた。
「威力は侮れませんが……」
 ぶんぶんと振り回される鉄球へと吸うやつ、矢継ぎ早にシャルロットは叩きこんでいく。
 鉄球は大きく振り回されているがその軌道が少しでもずれると制御はしにくく。
「ワワワワン!?」
 鉄球に振り回されるのはワンちゃん怪人のほうだ。ついでにと足許うって動きを誘導すれば――その先には花雫の道が続いている。
「ほら、アウラちゃんの花びらだってあたしの足場!」
 花雫の行く先に花の道が続くように、導くようにネモフィラの花が躍る。
 彼女の魅力を引き出していきましょうとアウレリアは花を操る。
「その花を消してやるうーさー!!」
 そこへしゅたたと走ってきたウサちゃん怪人・リフレクション。けれどそのピコハンが振り下ろされる前に――ざぁとアウレリアは花弁を引かせて。
「うさっ!?」
 その隙間からヤドリギの精霊を宿した破魔の魔銃を向けピコハンを撃った。
 その手からピコハンが弾かれて、ウサちゃん怪人は慌ててそれを追いかけていく。
「ふふ、ちょっと楽しくなって来ちゃった」
 音楽に乗って踊る様に、花雫のその足の翼が大気を集めていく。
 全力で魔法を乗せて、毒も抱いて――とんとんと踊る様に進み空で一回転。
 ワンちゃん怪人がぶぶんと振り回す鉄球を躱した。
「わふんっ!?」
「わわんっ!?」
 そこへシャルロットが牽制し導いたワンちゃん怪人が出会ってぶつかる。
 同士討ちを狙えればしめたもの。
 後は主役の思うままにとシャルロットは花雫に視線向ける。
 お互いの鉄球が噛み合ってぐるぐるまきになって動けないワンちゃん怪人。
 そこへ花雫は、足に全力の魔法と毒を乗せて――一蹴。
「わふー!!」
「きゃーん!!」
 二匹纏めて大きく吹き飛ばされていく。
 ステージの終わりに花雫は華麗に礼ひとつ。戦いを見ていた人々からわぁっと歓声があがる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

砂羽風・きよ
雅(f00502)と

…雅帰ろう
い、いやいや!もちろん戦うぞ?!
戦うけどよ…
そんな期待すんなよ照れるだろ!

つか、アイツら怖すぎだろ
めちゃくちゃ攻撃するじゃねーか!

任せろ!やってやる――
って可笑しいだろ!なんで対抗するんだ?!
ピかきよしってなんだよ!

怪人達の後ろからゴミ袋を被せる
はっはっは!これで前も見えないだろう!
雅今だ!(人任せ)

うわ、ウサギ!ピコハンはずるいだろ!
へっ、なめんな!俺だって武器あるんだからな!

きよ印の掃除機!これでお前達を吸い込んでやる!
どーだ!身動き取れないだろ!(まるで悪役)

なんか色々混ざってねーか?!
俺はきよだ!ま、跨がないからな?!

雅、トドメは任せた!
…雅がいちばん怖い


筧・清史郎
きよきよ(f21482)と

ん?俺は、動物さん達と愉快に戯れ…いや、華麗に戦うきよきよが見たいが?
色々な意味で今回も期待している(にこにこ

ふむ、ヤンチャな動物さん達だな
しかも光っている(じー
では対抗して、ピカきよしに仕立てよう(きよに電飾飾り
これでスカイダンサー達も盛り上がり、より応援してくれるかと
(敵前に雅に割込みつつ微笑み

おお、ゴミ袋で目晦ましとは、流石はきよきよ
刀で容赦なくずばっと倒そう

俺はよく知っているぞ
きよし印の掃除機の吸引力の強さをな
…今回はナマケピカきよしにはならないのだろうか(期待の眼差し

ああ、任された
掃除機に吸われている動物さんを一刀両断
さぁ、叩き斬ってやろう(迸るラスボス感



「……雅帰ろう」
 怪人がぴかぴかしてる、と砂羽風・きよ(タコヤキカレー・f21482)の視線は向けられていた。
「ん? 俺は、動物さん達と愉快に戯れ……いや、華麗に戦うきよきよが見たいが?」
「い、いやいや! もちろん戦うぞ?! 戦うけどよ……」
 歯切れの悪いきよに筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はにこにこと笑み向けて。
「色々な意味で今回も期待している」
「そんな期待すんなよ照れるだろ!」
 そのにこにこにきよは応えたくなってしまう。
「つか、アイツら怖すぎだろ。めちゃくちゃ攻撃するじゃねーか!」
 丸太をぶんぶんくまー! 鉄球ぶわわわわん! ピコハンしゅっしゅうさー! と暴れている。
「ふむ、ヤンチャな動物さん達だな」
 しかも光っている、とじーとみつめ清史郎はきよへと笑いかける。
「では対抗して、ピカきよしに仕立てよう」 
 電飾ならそこで拾った(誰かが倒した怪人の落し物)――清史郎はきよを飾る。
「任せろ! やってやる――って可笑しいだろ! なんで対抗するんだ?!」
「これでスカイダンサー達も盛り上がり、より応援してくれるかと」
「あと、ピかきよしってなんだよ!」
 マイペースな清史郎はばっちりだと優雅に微笑む。
 そんなこん成しつつ敵前へと躍り出る二人はある意味器用。
「くそっ! こうなったら……!」
 やるしかねぇ! ときよが取り出したのはゴミ袋だ。
 敵の後ろに回り込み、ずぼっとゴミ袋をかぶせるだけ。
「はっはっは! これで前も見えないだろう!」
 雅今だ! と、きよは清史郎に視線一つで合図。
「おお、ゴミ袋で目晦ましとは、流石はきよきよ」
 きよに感心しながら清史郎はすらりと刀を抜いて――容赦なくずばぁっ!
「クマー!!」
 ゴミ袋もろとも一刀両断する清史郎。そしてきよにはピコハンふりながらウサちゃん怪人が迫る。
 くらえ! とゴミ袋をかぶせようとするきよ。しかしピコハンでぺしんとするとゴミ袋がぶわっと膨らみきよの視界を奪う。
「うわ、ウサギ! ピコハンはずるいだろ!」
 しかしゴミ袋を振り払って――きよがとりだしたるは。
「へっ、なめんな! 俺だって武器あるんだからな!」
 しゅばっときよが取り出したのは、相棒だ。そうぶら下がることもできる、あの相棒。
「きよ印の掃除機! これでお前達を吸い込んでやる!」
「う、うささささ!!!」
 すいっちおんするとゴゴゴゴゴと吸い始める。それに抵抗するウサちゃん怪人。その様子にとびかかるクマをしゃらんと斬りながら清史郎は笑み向ける。
「俺はよく知っているぞ。きよし印の掃除機の吸引力の強さをな」
「どーだ! 身動き取れないだろ!」
 わはははと高笑いしそうな勢い。それはまるで悪役だ。
 電飾ぴかぴかも怪人たちとお揃いのような気もしないでもない。
 そんなご機嫌ピカきよしに期待の視線向ける清史郎。
「……今回はナマケピカきよしにはならないのだろうか」
 あの掃除機にぶら下がる――のは難しいだろうか。
 その眼差し感じてばっと振り返るきよ。
「なんか色々混ざってねーか?! 俺はきよだ! ま、跨がないからな?!」
 でも期待されている。それに応えたい気持ちが――けどそれはと葛藤するきよ。
 今日は落ちる状況もないからナマケピカきよしにはなれない。跨れば魔女ピカきよし――いや魔女じゃない魔男か!? と考えつつ掃除機を握る力は強まる。
 このままでは、跨ってしまう――その前にこの怪人たちを倒してしまえば。
「雅、トドメは任せた!」
「ああ、任された」
 掃除機に座れている動物さんを一刀両断しようと綺麗に笑う清史郎。
 耳をみょみょんズゴゴと吸われるウサちゃん怪人はうさ!? とその気配に戦慄する。
 それを助けにやってくるクマさん怪人も丸太毎、その刃を受ける運命。
「さぁ、叩き斬ってやろう」
 ふふ、と笑い零し向けられる蒼き刀の斬閃――
「……雅がいちばん怖い」
 見えない返り血が見える――そんな気持ちできよは零した。
 しゅっと走り刃の輝き。怪人たちは電飾を残して消える。その電飾を拾い上げ清史郎はきよを見詰めていた。
 きよきよ、一層ピカピカしよう――スーパーピカきよしに進化の予感。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

憂世・長閑
わあ、ぴかぴかかわいいわんちゃん
でもオレ、君を倒さなきゃいけないみたい
大きな霊符をくるくる浮遊させみんなの目を引くよ
お札は色んな色にしてきたから、きっととっても綺麗に見えるはず

――大丈夫だよ
そうやってくるりとまわって笑いかけるんだ
みててねって

飛んで来る鉄球はくるんと包んでわんちゃんにぽい!
防御も攻撃もばっちりなところをみせて安心させてあげるんだ

(絶望ってなんだろう
絶望だとか希望だとか、分からない
――だってオレは錠だから
人のカタチをしていたってオレは錠なんだから
主様がいつも教えてくれたように
オレはただありのまま――)

一緒に遊んであげられなくてごめんね
ばいばい

そうただ屈託なく
彼の愛してくれた笑顔で



「くっ、仲間たちが倒されていくワン!」
 鉄球ワンちゃん怪人は倒されていく仲間たちの姿にたじろいでいた。
 俺達もっとやれる怪人だったはずワン! と思う――そこへ。
「わあ、ぴかぴかかわいいわんちゃん」
 憂世・長閑(愛し秉燭・f01437)はにこりと笑って声かける。
「でもオレ、君を倒さなきゃいけないみたい」
 ぴかぴか輝いているワンちゃん怪人。その周囲を大きな霊符が浮遊してくるくると踊る。
 その札は長閑が操るものだ。
 鮮やかな色が躍れば、人々の目もそちらに向く。
 わぁと楽しそうな声をあげる子供たちの姿に長閑は微笑んだ。
「――大丈夫だよ」
 くるりとまわって、みててねと笑いかける。
 ワンちゃん怪人の纏うぴかぴか電球の輝きよりきらきらな視線を感じながら。
「倒すワン! ワワン!」
 ぶぶんと振り回される鉄球。びゅびゅんと投げ放ったそれを長閑はくるんと霊符で包んで。
「はい、お返し!」
 ぽいっとワンちゃん怪人へと投げ返す。
 重い鉄球もなんてことないというように守って、攻撃として返して――怖い事なんてなにもないと伝えるように。
「ぎゃん! 絶望予定が崩れていくわわん!」
 と――ワンちゃん怪人の言葉を長閑の耳は拾いあげる。
(「絶望ってなんだろう」)
 絶望だとか希望だとか、分からないものだ。
 だってそれは。
(「――だってオレは錠だから」)
 人のカタチをしていたってオレは錠なんだから、と長閑は思う。
 モノである己が人の心を理解できるわけがなく。
 長閑はいつも通り。
(「主様がいつも教えてくれたように、オレはただありのまま――」)
 目の前で起こる事を、事実を受け止めるだけだ。
「一緒に遊んであげられなくてごめんね、ばいばい」
 ワンちゃん怪人に向かって、霊符を向ける。
 ただ屈託なく笑って。
 その笑みは――変わらないものなのだろう。
 長閑の記憶の中にある彼の姿。彼の愛してくれた笑顔をただ向けて。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『シュナイト・グリフォン』

POW   :    こっちにおいで。この世界はお前に似合わない
【この世の絶望】を籠めた【巨大な鎌】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【前向きな心、大切な記憶、思い出の品】のみを攻撃する。
SPD   :    ○○はいないのに、何故のうのうと生きてる?
対象への質問と共に、【対象の記憶】から【創造した大切な人の分身】を召喚する。満足な答えを得るまで、創造した大切な人の分身は対象を【精神的に追い詰めながら其々の方法】で攻撃する。
WIZ   :    さぁ、絶望しよう。俺と一緒に踊ろう
【ぬいぐるみ達を召喚し、共に絶望のパレード】を披露した指定の全対象に【一緒に踊りたい、そして自傷したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エール・ホーンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 怪人たちがすべて倒される。
 人々にとってそれは楽しいことになったようで絶望は振りまかれなかった。
 しかしここで戦いは終わりではなく、猟兵達の身は一瞬ふわりと浮いたかと思えば世界は一転する。
 そこは――絶望遊園地。きらきら輝く夜の遊園地だった。
 楽しそうな音楽のはずなのにそれはどこか崩れている。楽しいはずの遊園地にひとびとの笑顔はない。
 だってこの遊園地にいるのはひとりだったのだから。
 しゃらん、じゃらんと鎖の音と共にようこそと彼は、シュナイト・グリフォンはお辞儀する。
「ようこそ。希望をふりまく猟兵たち」
 けれど、俺はその希望には浸れない。俺はやっぱり絶望しているんだと、シュナイトは言う。
 ゆるり動く彼の腕は――鷲の腕。それは空をなぞって、ほら見てごらんと夜空を指さす。
「とっても綺麗だろう? でも、もっと綺麗に輝いてくれる」
 お前たちが倒れ、世界へと絶望が躍り出せばきっと、もっと輝きを増すだろうと柔らかに眦緩めて笑うのだ。
 そしてシュナイトの手にある大鎌が、猟兵達の上を撫でていくように動く。
 希望のある世界なんて似合わない。世界に絶望溢れるのが正しい在り方だ。
 だって■■■が、いないのに、何故のうのうと生きていられるのか。お前の傍らには絶望が沿うているはず。
 だから、やることは、できることはこれだけだ。
「さぁ、絶望しよう。俺と一緒に踊ろう」
 どこまでも――果てまでも。
 悲しみがあるのなら、憎しみがあるのなら。さぁ、絶望を振りまいて。
 もし簡単に踏み込めないなら、俺が誘ってやろうとシュナイトは微笑んだ。
真幌・縫
「絶望」も「希望」も感じ方次第だよ。
もしかしたら貴方には「絶望」こそが「希望」なのかもしれない…
「絶望」の形も「希望」の形も一つじゃないってこれは誰から聞いたんだっけ?
ただぬいは…誰かを幸せにできるならやっぱり「希望」が好きだな…

あと、ぬいぐるみさんにそんな悲しいパレードはして欲しくないよ。

【勇気】と【優しさ】で自傷したい気持ちに抗って。
さぁ、ぬいぐるみさん達もう一度ぬいと踊ろう!
UC【ぬいぐるみさん行進曲】



 シュナイト・グリフォンの誘い――絶望への、誘い。
 さぁ一緒にと、その鷲の腕が真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)へと差し伸べられた。
 彼の瞳は縫を映しているけれど、その揺らめきは深く、暗く。
 そしてシュナイトのその手を、縫がとることはない。
 縫はゆっくりと、首を横に振る。
「『絶望』も『希望』も感じ方次第だよ」
 しゃらんと鎖の音をさせ笑む。その笑みに縫は思うことがあった。
(「もしかしたら」)
 もしかしたら――シュナイトには。
(「貴方には『絶望』こそが『希望』なのかもしれない……」)
 絶望の中にあることこそが常で、彼の在り様なのだろう。
 悲しみも何もかも、全て共にあるのが。
「『絶望』の形も『希望』の形も一つじゃないってこれは誰から聞いたんだっけ?」
 と、ぽとりと縫は零す。
 目の前のシュナイトの想う『絶望』も『希望』も、きっと縫にとってはわからぬ形をしているのだろう。
 シュナイトは縫の言葉を拾い上げて、そうだなと微笑む。
「俺の『絶望』は俺だけのものだろう。けれど『希望』を抱いて挫かれるより、『絶望』と共に踊っていられたら」
 きっとその方が楽だろうと紡いだ。
 その言葉も、縫にとっては受け入れられないものでふるりと首を横に振る。
 ただ、思うのは――
「ぬいは……誰かを幸せにできるならやっぱり『希望』が好きだな……」
 だから貴方とは踊れない。
 そう、と瞳細めて薄く口端上げるシュナイトは、なら教えてあげるよという。
「さぁ、絶望しよう。俺と一緒に踊ろう――絶望のパレードを、共に」
 シュナイトの周囲にぬいぐるみたちが溢れる。
 踊って騒いで、楽しそうに見えるけれど秘めたるは絶望。お前も一緒にと、それは縫を誘う。
 縫の心を引き寄せようとしていた。
「ぬいぐるみさんにそんな悲しいパレードはして欲しくないよ」
 けれどそれに縫は抗う。
 勇気と優しさを知っている――己を傷つけたいという気持ちに抗って『絶望』に誘おうとするぬぐるみたちへと縫は向き合って。
「さぁ、ぬいぐるみさん達もう一度ぬいと踊ろう!」
 そんな、絶望ではなく希望があるのだと。
 翼ねこさんぬいぐるみの『サジ太』をぎゅうと抱く縫。
 縫の傍に現れたぬいぐるみたちは、絶望に抗って希望へと進むように、シュナイトのもとからあふれる絶望に浸されたにぬいぐるみたちを抑えて――希望を見せる。
 パレードをするなら、絶望の中でなくて。
 楽しく、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

砂羽風・きよ
雅(f00502)と

おいおい、絶望なんてしたくねーぞ
な、雅

マブダチがいて、毎日が楽しくて
どこに絶望があるんだ?
むしろ、絶望なんて似合わねぇ

面白きよしってなんだよ!
けど、楽しいって言ってくれてありがとな!

げ、なんだなんだ?
イヤにツルツルして旨そうな色をしている緑の球体は――まさか?!

うおお、グリンピースだけは勘弁!!
や、やめてくれ!ぐああ!(無理矢理モグムシャア)
って雅?!なんで笑ってるんだ?!

ちくしょー!俺の腹の傷が痛むぜ…!(手術痕)
く、くそ!こうなったら綺麗な袋に入れて
持ち帰って旨い調理法でも考えてやる!

おぉ、雅ありがとな!
これなら絶望に負ける気がしねぇ!

雅!
声を合わせてのぼり旗でぶん殴る


筧・清史郎
きよきよ(f21482)と

ああ、きよきよ
そもそも俺は、絶望という感情がまだよく分からない

ふふ、そうだな
いつもきよきよは愉快で、一緒にいて楽しい
そんな面白きよしに絶望など似合うわけがない

だが、ふと思い出す
嘗て一度だけ、絶望の様な感情を覚えた事があったと
それは…ふわもこな友の尻尾が鎌でぞりっと剃られた瞬間だ
まさか、また友の毛がぞりっと…?
そう少し期待…いや、そっときよきよ(の髪)に目を遣れば
…ん?グリンピースと戯れつつも、やはりピカピカしているな(微笑み

俺はグリンピースは好きだぞ
ふふ、絶望どころか、きよきよの美味な料理にわくわくするな

ああ、きよきよ
まぶだちの声に合わせ
桜の斬撃をシュナイトへ見舞おう



 遊園地とは楽しい場所。だが、ここはそうではないのは砂羽風・きよ(タコヤキカレー・f21482)にも、筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)にも簡単にわかる事。
「おいおい、絶望なんてしたくねーぞ」
 な、雅ときよが言葉向ける清史郎はゆるりと頷いた。
「ああ、きよきよ。そもそも俺は、絶望という感情がまだよく分からない」
 その言葉に分からなくてもいーんじゃねぇかとぴかぴかしながらきよは答える。
 だって絶望なんて、きよからは程遠い。
「マブダチがいて、毎日が楽しくて。どこに絶望があるんだ?」
 むしろ、絶望なんて似合わねぇときりっとするがやはりぴかぴかは止まらない。
「ふふ、そうだな。いつもきよきよは愉快で、一緒にいて楽しい」
 今だってぴかぴか楽しそうだと清史郎は楽しそうに瞳を細める。
「そんな面白きよしに絶望など似合うわけがない」
「そう面白きよしの俺に絶ぼ……おい雅! 面白きよしってなんだよ!」
 もちろんきよきよの事だと同い年の友に微笑む清史郎。
 面白きよしとは、と思うけれど、きよの心にある想い。
「けど、楽しいって言ってくれてありがとな!」
 そんな二人にも、シュナイトは絶望をあげようと笑いかける。
 どんなに楽しく、笑っていようとも絶望の中に落ちるときは落ちるのだと示そうと、教えようと彼はするのだ。
 彼の手にある巨大な鎌には絶望が籠められている。
 それがひゅっと振るわれて、二人の身に触れているのか、いないのか――しかし何かを、削っていった。
「それが絶望。もう安穏とはしていられない」
 お前たちも此方においで、パレードに加わると良いとシュナイトは紡ぐ。
 絶望など――と清史郎は思う。きよきよと共にあればそれに出会う事はないだろうと。
 しかしふと――思い出す。
 嘗て一度だけ、絶望の様な感情を覚えた事があったことを。
 それはいつだったか――そう、ふうわり揺れる楽し気な、ふわもこな友の尻尾が鎌で、ぞりっと瞬間だった。
 ぞりっと剃られていった様を見たときは――
「っ! まさか、また友の毛がぞりっと……?」
 友の毛――きよきよにふわもこの尻尾はない。だとしたら、剃られるのは――そわり。
 こみあがったのは絶望ではなく小さな期待。
 しかし目にしてしまってはとその姿を瞳に映さぬようにしている間、きよは絶望と対面していた。
 大鎌が風を切った後――緑色の球体が現れて。
「げ、なんだなんだ?」
 迫ってくる、それは。
「イヤにツルツルして旨そうな色をしている緑の球体は――まさか?!」
 それは、グリンピース。丸くてチキンライスに潜んでいたりするグリンピースだ。それが食べてとばかりにきよの口に向かって飛んでくる。
「うおお、グリンピースだけは勘弁!!」
 グリンピースはどこまでもきよを追いかけてくる。その口に飛び込まんと縦横無尽に動き回る謎のグリンピース。
「や、やめてくれ! ぐああ!」
 ぎゃあ! と声を上げた瞬間飛び込んだそれ。口を閉じた瞬間にかんでしまったそれ。
 こんにちはグリンピースのお味。モグムシャア! とするたびにグリンピース。
 その声にまさか、と清史郎はそっときよ(の髪)に目をやるがそこがぞりっといかれてはいなかった。
 ほっとしつつもちょっと残念な――いや、ぞりっといかれなくてよかったのだがやはり少しばかり以下略。
「……ん? グリンピースと戯れつつも、やはりピカピカしているな」
 グリンピースが、グリンピースがと呻くきよ。その姿はいつもの面白きよしそのものだ。
「俺はグリンピースは好きだぞ」
「って雅?! なんで笑ってるんだ?!」
 グリンピースと仲良しなきよきよの姿を微笑ましく思っているからだと言うが面白がっている節のほうが強く。
「ちくしょー! 俺の腹の傷が痛むぜ……!」
 そう言って抑えるのは男の勲章――手術痕。しかしここでグリンピースに屈するきよではなかった。
「く、くそ!こうなったら綺麗な袋に入れて、持ち帰って旨い調理法でも考えてやる!」
 ばっと取り出したのは新品ゴミ袋。飛び込んでくるグリンピースをその中に捕まえていくきよは絶望(グリンピース)と戦っていた。
「ふふ、絶望どころか、きよきよの美味な料理にわくわくするな」
「おぉ、雅ありがとな! これなら絶望に負ける気がしねぇ!」
 グリンピースはいくつも向かってくる。
 そしてきよは、この元凶はとシュナイトへと視線向けた。
「雅!」
「ああ、きよきよ」
 清史郎の手には、桜の意匠が凝らされた蒼き刀。
 きよの手にはきよしと書かれたのぼり旗が強く握られていた。
 がすっと思い切り殴る様に降られたのぼり旗と、狙ったものを真っ二つにする軌跡描く刃。
 それがシュナイトに向かう一瞬が重なった。
 ――一瞬、まるで己を狙うかのように刃の切っ先が遊んだのを目にした気がしたけれど、きっとそれは気のせいだろう。
 まぶだちを狙うわけがないと軽やかに向けられた笑みがひとつあったのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

憂世・長閑
世界でいちばん大好きな人の形をした何かが
オレを追い詰める言葉を吐いた
自分がいないのに、なんて
――嗚呼、嗚呼、ばかみたい
主様はそんなことを言わない

あなたは、だれ?

微笑みたずねたけれど
どうでも良かったね

オレは絶望なんてしない
浮かぶのはいとおしい、大好きな
大切な言葉

『お前だけを、信じているよ』

うん、オレも。ねえ、やっぱり
本当の主様の言うことだけが
それだけが、オレのすべて

その姿でバカなことを言わないで

盾の向こう返す先に浮かぶのは
あなたの記憶のなかの、小さな少女だ

希望を振り撒くその子に酷くかなしい顔をした
ほら、君だってそうでしょう

あなたの信じるものがもうないのなら
想い出を抱いて生きるしか、なかったんだ



 攻撃を受けて、己の身から滴る色をシュナイトは瞳細めて眺めて。
 憂世・長閑(愛し秉燭・f01437)は己の前にしゃらりと鎖の音させて躍り出る。
「お前も、一緒に絶望を」
 ――はいないのに、何故のうのうと生きてる? と、問いかける。
 その問いかけが耳に届けば、目の前がぐらついた。
 そこにヒトの形をもって現れる――長閑の前に、世界でいちばん大好きな人の形をした何かが、立ち尽くす。
「          」
 それの向ける、言葉。
 長閑に向けられた言葉は、長閑を追い詰めるための言葉だった。
 紡ぐ、ではない。吐き落とす――自分がいないのに、なんて。
 一瞬、喉が詰まるような、呼吸をした。
 けれど、その言葉を吐いているのは。
 その姿を見詰め、瞳伏せる。
 それは違う事を、長閑は知っていた。知っていたけれども。
「――嗚呼、嗚呼、ばかみたい」
 己の心がその言葉に揺らされて影響されたのではなく、その姿でその言葉を吐いたことに、心揺らされた心地だ。
 主様はそんなことを言わない。
「あなたは、だれ?」
 主様ではない、あなた。
 長閑は微笑んでたずねたけれど、答えがあるわけではない。
 それに問うたこともどうでもよかったねと長閑は思う。
 だって長閑は、絶望なんてしないから。
 そんな言葉を吐いてもそれは長閑に届かない。
 長閑の心にうかぶのはいとおしい、大好きな――大切な言葉だからだ。
 主は、吐き捨てない。
『お前だけを、信じているよ』
 その大切な言葉を長閑にくれる。
 その様はいつだって想い出せるもの。
「うん、オレも。ねえ、やっぱり」
 本当の主様の言うことだけが――それだけが、オレのすべて。
 だから、姿は同じだが目の前のモノは、違う。
「その姿でバカなことを言わないで」
 長閑は白錠盾を手に持って、告げる。
 盾の向こう返す先に浮かぶのは――あなたの記憶のなかの、小さな少女だ。
 希望を振り撒くその子に酷くかなしい顔をして。
「ほら、君だってそうでしょう」
 長閑はシュナイトへと言葉向ける。
 あなたの信じるものがもうないのなら――
「想い出を抱いて生きるしか、なかったんだ」
 君はそう、できなかったんだねと長閑は彼へと僅かに心向けて、一撃を叩きこんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霄・花雫
【しゃるはなうら】

お生憎さま、あたしの人生にはもう居ないヒトこそ居ないもん
あたしは全部持ったまま、あたしの夢を叶えるために生きてるの
あたしが大事に想うものを大事に大事にするために生きてるの

だからね、シャルちゃんだって、アウラちゃんだって、あたしの大事なの
シャルちゃんが絶望を力にするなら、それに呑まれないように見てるよ
あたしたちは、此処に居るよ

シャルちゃんの動きを邪魔しないよう、空から敵を撹乱するつもり
【誘惑、挑発】で敵を惹き付けて【野生の勘、見切り、空中戦】でひたすら躱すよ
回避盾は得意なの
UCが切れる前に【念動力、足場習熟】で空中に足場を作って蹴って再発動

シャルちゃん寝ちゃったら連れて帰るよ!


シャルロット・クリスティア
【しゃるはなうら】
目の前に広がるのは、必死にかき集めた武具を身に纏った故郷の人々。
彼らはもういないのに、何故……か。

決まっています。『もういないから』ですよ。
私がいなければ、誰が彼らの代わりに復讐を遂げてくれるんですか。

……ごめんなさい。出来れば、あまり見ないで……いえ、見守っててください。
私が、染まりきってしまわないように。

二人に告げて、UC発動。
全身が黒い靄に覆われ、抜き放った銃剣は禍々しく歪む。

後は……ただ、衝動のままに。
オブリビオンへの憎悪が突き動かすままに、切り刻む。
これが、お前たちオブリビオンが振り撒いた絶望が育てたものだ。

……それに、今の私にあるのは、絶望だけじゃないから。


アウレリア・ウィスタリア
【しゃるはなうら】

絶望
そんなもの既に知ってます

あぁ……シャルロット
キミには『それ』が絶望なんですね
同郷であってもボクには『それ』自体が絶望の証
私の大切な、ボクが復讐すべき対象
でも今だけはシャルロットのためにボクも『それ』のために戦いましょう

私を閉じ込めた、絶望を植え付けた故郷の人々
私を唯一認めてくれた彼女のためにボクは戦おう

【夜空を貫く希望の軌跡】を起動
花雫が敵を引き付けるならボクがそれを吹き飛ばし
シャルロットのための道を切り開こう

花雫に合わせて空を舞い、魔力弾で敵を蹴散らす

ボクも既に希望を得ています
だから絶望を糧に希望を持って進むシャルロットを後押ししよう



「お前たちも、絶望の中にいるのか?」
 それともこれから落ちるのか。お前の、――はいないのに、何故のうのうと生きてる?
 シュナイトの問いかけが誰かの姿を作り上げようとする。
 シャルロット・クリスティア(弾痕・f00330)はたじろいだ。
 己の前に現れたものたち――目の前に広がるのは必死にかき集めた武具を身に纏った故郷の人々の姿。
 どうして、お前は生きている。のうのうと、そこにいる。
 重ねられる言葉はシャルロットを
「彼らはもういないのに、何故……か」
 それは、決まっている。シャルロットの中にすでに答えはあった。
「決まっています。『もういないから』ですよ。」
 私がいなければ、誰が彼らの代わりに復讐を遂げてくれるんですかとシャルロットの瞳に宿るものは何か。
 そしてアウレリア・ウィスタリア(憂愛ラピス・ラズリ・f00068)はほとりと、零す。
「絶望――そんなもの既に知ってます」
 シャルロットの姿を目に、向き合う絶望があることを知って。
「あぁ……シャルロット」
 キミには『それ』が絶望なんですねと、アウレリアも知るのだ。
 同郷であってもボクには『それ』自体が、絶望の証とアウレリアは思う。
 私の大切な、ボクが復讐すべき対象――でも今だけは、とアウレリアは紡ぐ。
「シャルロットのためにボクも『それ』のために戦いましょう」
 アウレリアの脳裏によぎる。
 己を閉じ込めた、絶望を植え付けた故郷の人々の姿。
 そして、私を唯一認めてくれた彼女のためにボクは戦おうと、アウレリアはこの場に絶望もたらすシュナイトとも向き合う。
 そして霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)の前でそれは形とはならなかった。
「何故? 誰もいないのか?」
 そんなシュナイトの声に花雫は胸張って。
「お生憎さま、あたしの人生にはもう居ないヒトこそ居ないもん」
 その胸を、とんと掌でたたく。
「あたしは全部持ったまま、あたしの夢を叶えるために生きてるの。あたしが大事に想うものを大事に大事にするために生きてるの」
 花雫の声は強く、そして優しくて。
「だからね、シャルちゃんだって、アウラちゃんだって、あたしの大事なの」
 シャルちゃんが絶望を力にするなら、それに呑まれないように見てるよと花雫は紡ぐ。
 あたしたちは、此処に居るよ――それを伝えて。
「……ごめんなさい。出来れば、あまり見ないで……いえ、見守っててください」
 その言葉にシャルロットもまた一歩踏み出すことができる。
「私が、染まりきってしまわないように」
 二人へとシャルロットは告げ、黒い靄を纏う。
 全身が黒い靄に覆われ、抜き放った銃剣は禍々しく歪んでいた。
「お前は……お前だけは……!」
 シャルロットと共にあるのは、悪霊と成り果てた、かつての暴政の犠牲者達。
 その想いをもって、シャルロットはシュナイトへと攻撃をかける。
「お前たちには絶望がないのか? いや、あるのか――あるのに」
 俺とは違うのだなと呟くシュナイト。羽ばたいて鎖の音がしゃらんとなる。
 シャルロットの動きを邪魔しないように花雫は空から向かう。
 眼前、きらきら輝く遊園地だけれども今は楽しく遊ぼうなんて気持ちは起こらない。
 花雫は空を待って、一瞬シュナイトの視界を奪うように影落とす。
 反射的にシュナイトが振る大鎌。その先をひらりと身を翻してかわしていく。
 ぴょんぴょん、空を跳ねるように動いて。空中に一瞬足場を生み出し花雫はまた高い場所に。
 こっちだよ! とシュナイトの視線を引きつけた一瞬で、アウレリアが羽ばたく。
「夜空を駆け抜け、闇を貫く光の軌跡。降り注げ、魔を断つ流星」
 両翼から、魔性を貫く魔力弾の流星群をもって貫く。
 花雫が引きつけて、道を拓くためにアウレリアは放ったそれ。
「シャルロットのための道を切り開こう」
 花雫とアウレリアは空を舞って援護する。
 衝動のままに、オブリビオンへの増悪がシャルロットを突き動かすままに、切り刻むだけ。
 これが、お前たちオブリビオンが振り撒いた絶望が育てたものだ――それをぶつけられるシュナイトは、それを受け入れていた。
 銃剣が躍る。シュナイトの上に引かれる赤い色はその力を奪っていくのだ。
「お前は、お前たちは絶望と生きるを是と、するのだな」
 俺と似ていると笑って――けれど、同じではないと突き放す様にいう。
 いや、絶望とだけ共にあるわけではないのかと。
「ボクも既に希望を得ています」
 アウレリアは、アナタとはそこがきっと違うと告げる。
 だから――後押しもできる。
 絶望を糧に希望を持って進むシャルロットを後押しするために流星が駆けた。
 そしてシャルロットも、それは感じていた。
 彼には絶望しかないのだろう。でも、そうではない。
「シャルちゃん寝ちゃったら連れて帰るよ!」
 投げかけられている、アウレリアと花雫の言葉。
 ひとりではないという事がシャルロットを引き戻す。
「……それに、今の私にあるのは、絶望だけじゃないから」
 一撃、深く踏み込んでシャルロットが斬りかかった。
 シュナイトの身を深く削るそれに彼は膝をつく。
 そして笑って、どこまでも絶望と共にと囁いて消えていく。
 それと同時に眠りに落ちかけるシャルロットを花雫とアウレリアは急いで空駆けて、地上に崩れ落ちる前に受け止めた。
 完全に眠りに落ちる一瞬前に、シャルロットは二人へと唇を動かしていた。
 ありがとうと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月20日
宿敵 『シュナイト・グリフォン』 を撃破!


挿絵イラスト