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天魔領域の攻略

#ダークセイヴァー #異端の神々

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#ダークセイヴァー
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#異端の神々


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●狂える“異端の神”を討て
「御機嫌よう、皆。よく来てくれたね」
 グリモアベース作戦会議室にて、常通り招集に応じた猟兵たちに一礼したのはカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)。今回の予知はダークセイヴァー、“異端の神々”に関するものだと彼女は告げる。

「ダークセイヴァー、その辺境が“異端の神々”と呼ばれるオブリビオンの領域と化している事は知っているヒトも多いと思う。その一体を討伐し、支配圏を人類の居住区域として取り戻す事が今回の目的になるよ」
 ヴァンパイアや異端の神々といったオブリビオンの脅威から世界を解放する為の重要な戦い。なのだが……異端の神を討つには、幾つかの障害を超える必要がある。

「一つ。まずキミたちにはある種の異界と化した敵地を進んで貰う事になる」
 転移先に広がる光景は墓石の並ぶ花畑。狂気に陥った“異端の神”、この領域を支配するオブリビオンの思念が常に声となって響き続けているのだという。
「……どうやらこの領域自体が死別、悔恨といった要素の実体化したものみたいだ。オブリビオンの声は討伐の手掛かりに出来る可能性もあるけれど、万が一にも自分まで狂気に囚われる事の無いように気を付けてほしい」
 特に自身も過去に死別や後悔を経験している猟兵ほどオブリビオンの“声”には近づきやすい――良くも悪くも。進む際はなんらかの心構え、対策を取るのが上策だろうと有翼の人狼は尻尾を揺らす。
「もう一つは前座、本命のオブリビオンの狂気に呑まれた眷属を蹴散らす必要がある。数が多い事もあって油断は禁物だけれど……正面から戦えばキミたちなら問題無い相手だろう」

 無論、最後に相対する“異端の神”がこの戦いにおける最大の脅威である事は言うまでもない。
 天災めいた大規模な力を惜しみなく振るう存在である為、その猛攻を超えて自身の攻撃を通す手段が必要になるだろう。

「曲がりなりにも神を称する敵の懐に飛び込む形だ。危険な戦いになるだろうけれど、どうか無事の帰還を」
 いってらっしゃい、と見送る言葉と共に豪奢な装飾の施されたゲートが開いて。


ふーみー
 当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
 第一章:冒険、第二章:集団戦、第三章:ボス戦という構成。
 常に付きまとう“狂えるオブリビオンの声”に対処し、得られた情報を攻略に活かす事でプレイングボーナスが得られます。

 また、第一章の花畑では死別した相手や後悔の象徴が幻影となって現れるかもしれません。詳細はプレイングを参照した描写となります。
 勿論、幻影と遭遇する事なく突破して頂いても大丈夫です。
 それでは皆様の健闘をお祈りしています。
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第1章 冒険 『迷い込んだ墓石の並ぶ花畑で』

POW   :    とにかく探索、行動あるのみ

SPD   :    罠やヒントが無いか、注意深く探索

WIZ   :    墓の並びや花の種類など、ヒントになりそうなものを探る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●悼みの園、痛みの獄
 転移門を潜った先、視界に広がるのは墓石がどこまでも並ぶ花畑。
 今のところ果ては見えない。
 穏やかな風が吹き、息を吸えば心を落ち着かせるような花の香りが鼻をくすぐるだろう。
 或いは風にそよぐ花の向こう、あなたは見知った姿を目にするかもしれない。

 ちくりと胸を刺すような痛み。
 それは怒りか、哀しみか――獣の慟哭が響いている。
空桐・清導
POWで挑む

居住区域の拡大か!
だったら、オレも手伝わせてもらうぜ
細かい探索とかはあんまり得意じゃねえから
とにかく動き回って情報収集だ

オブリビオンの声―
助けが来なかった人や間に合わなかった人の声が聞こえる
それがこの空間が生み出した幻想であるのか、
或いはこの領域に取り込まれた誰かなのか

そして、やっぱり居るよな
今でも生きているのか、分からない
1人の少女、いや高校生くらいに
大きくなったアイツの幻影が泣いていた
だけど、オレの心は揺るがない
さんざん悩み、答えは得たゆえに

助けを求める声には何時でも応と答える
どの様な存在であれ、その絶望を濯げると信じて

既に消えた彼女の幻影には誓いを
いつか必ず助ける、待ってろ!



●1st area ― 熱き誓いはほむらの如く ―
「居住区の拡大か! だったら、オレも手伝わせてもらうぜ」
 どこまでも墓石と花畑の広がる異界、その光景にも怯む事無く空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は一歩を踏み出す。
「とにかく動き回って情報収集だな」
 自分に出来る事、為すべき事は理解している。その歩みに迷いは無く、清導は墓石と花畑の間を真っ直ぐに進んでいく。

“――――――――――”

「声……?」
 響き続けていた音が不意に意味を持つ。気付けば周囲を嘆きが囲んでいる。
 助けが来なかった者の、間に合わなかった者の悲嘆。絶望。
 清導の知っている声も、知らない声もある。
(……両方、なんだろうな)
 “声”の主と自分。救いたかった、救えなかった同士。
 二つの心、交わる事の無い二つの存在が共鳴するように――互いの過去、その一面が像を結んでいる。

 どうすれば良かったのか。
 違う選択をしていれば救えたのか。
 次こそは救ってみせる――“次”など、もう訪れないのに。

 幾重にも木霊する悔恨から目を逸らさず、引き寄せられるように進んでいく。
 人々の群像は遠ざかり、声は小さくなり……その先に。
「……やっぱり、居るよな」
 記憶とは違う姿。けれど、見間違える筈も無い。
 覚えているよりも背の伸びた少女が、記憶に焼き付いたように泣いていた。

「……たすけて」
 か細い声が忘れ得ぬ言葉を紡ぐ。
 あの時は助けられなかった、助けたかった人の声。
 あの時。あの時戦っていれば、殺していれば、もう間に合わないとしても壊して滅ぼし尽くして――
「――応!」
 清導は揺るがない。助けを求める声に即応すれば、混ざりかけた狂気は僅かな痛みと共に剥離する。
 さんざんに悩み、そうして得た答えが胸の中にある。どの様な存在であれ、その絶望を濯げると信じるが故に清導は一歩を踏み出す。
 ……踏み出せない獣、過去と狂気に繋がれたオブリビオンの姿が遠くに見えた。
 墓石と花畑だけが延々と続く世界、そこに一筋の道が出来る。

“――――信じてる――――”

 清導の背後から最後に声が響く。
 泣いていた少女はもう居ない。

「いつか必ず助ける、待ってろ!」
 残す言葉は力強く、誓いは胸に炎と燃えて。
 異界に満ちる嘆きを切り裂き、ヒーローは駆けていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

牧杜・詞
はじめてきた場所なのに、何度も来ているような……不思議な感じね。
お墓みたいだけれど、どこに誰のがあるのかまで解るわ。

ま、あのときは焼くくらいしかできなかったから、
こうしてお墓がある景色を見られただけでもよかったわ。

ほんとうにあれば、なお良かったのだけど……。
一度森に帰って、塚くらいは作るべきかしら?

なんて、自分で殺しておいてお墓もないか。

でも……あの2人のお墓は、ちょっと欲しいかな。
身寄りのなくなったわたしに、以前と変わらず接してくれた姉妹。

そして、わたしを壊し、わたしが殺し、
殺すことの絶望と殺すことの至福を与えてくれた2人。

見える幻影は霧のようにぼんやりとしているけれど、
あなたたち、よね。



●2nd area ― ある少女の懐旧 ―
「はじめてきた場所なのに、何度も来ているような……不思議な感じね」
 延々と続く墓石と花畑、異界の光景を見渡した牧杜・詞(身魂乖離・f25693)は安らぎさえした様子で息を吐く。
 家族の、先生の、友人の……どの墓が誰のものなのか、一目で理解できる。彼らを弔った墓標など存在しないというのに。
「一度森に帰って塚くらいは作るべきかしら、なんて。自分で殺しておいてお墓もないか」
 刃の肉を断つ感覚、亡骸を燃やした炎の赤色。蘇る記憶を反芻しながら、童女の戯れるように軽やかな足取りで墓石の間を進んでいく。

「でも……あの2人のお墓は、ちょっと欲しいかな」
 懐旧は進む。一族を滅ぼし、同族殺しの業を負った後も変わらず在ったぬくもり。
 ――わたしが壊れた時の事を思い出す。
 ――二人を手に掛けた感触を思い出す。
 針の刺さるように胸が痛み、極上の甘露に自然と笑みが浮かぶ。

「……あなたたち、よね」
 分かっている。分かっていた。
 確信と共に向けた視線の先、姿は霧のように曖昧に霞み、けれど間違える筈も無い。
 かつてこの手で殺めた姉妹は佇むばかり。表情も見えない。声も聞こえない。
 再会の歓喜は静かながらも露わに、詞は動かない人影へと歩み寄る。
 以前のように抱き締める。
 ――以前と同じように、両手の刃で心臓を貫く。
「ええ。あなたたちに逢えて、本当によかった」
 詞の耳に何が聞こえたのか。至福の声と共に今一度殺された幻影は消え去る。

 異界に響き続ける獣の慟哭。
 嫌悪するように、蔑むように、異端の神の声が詞へと降り注ぐ。
「……そう。あなた……」
 最初より明瞭な“声”がオブリビオンの居場所を示す導となる。
 より強い狂気を感じる方向へと視線を向けた詞、その瞳が宿す色は憐憫。
「……殺す事の絶望しか知らないのね」

 ――かわいそうに。

 呟きは風に攫われ、少女はただ歩みを進めていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高宮・朝燈(サポート)
『オブリ解析…バール先生、あいつを止めるよ!』
 妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、8歳のませたガキです。
 普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは、レギオンガジェット>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンガジェットで出てくるガジェットはお任せします。大抵補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。口調はませたメスガキですが、性格的には良い子で、基本的に犯罪的な行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●3rd area ― 見守る眼差し ―
「転移完了! バール先生、レッツゴーだよ!」
 鈍い音を立てて降り立った騎乗型ガジェット、バール先生と呼ぶそれを駆り高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)は勝気な声を上げる。
 空は暗く、周囲にはただ墓石と血のように赤い花畑だけが延々と続く光景。脳裏には“異端の神”の声が響き続け、少女は嫌そうに顔を顰めた。
「あーもうキモチワルイなぁ……オブリも声だけで出てこないし!」
 掛け声を一つ、結界を張りオブリビオンの声を遮断。ガジェットの腕を振り回し気を紛らわせる。

「とにかく、オブリ見つけてやっつければいいんだし! さーて、今回もレギオンガジェット、行ってみよう! えいっ!」
 【レギオンガジェット】――朝燈がボタンを押すと現れるは大量の小型ガジェットロボ、その数は実に430。ガジェットに接続した電脳タッチパネルからコマンドを送り込めば、小さな大群は異界の探索を進めるべく方々に散っていく。

「……あれぇ?」
 気付いたのはガジェットロボを放ち終えた直後。どこまでも並ぶ墓石と花畑の間、朧な人影が佇んでいる。
 各種センサーへの反応、無し。敵対の兆候、無し。
 ただ朝燈の視界だけに映る、誰なのかも曖昧な人影は近づきも離れもせずに佇んでいる。
「んー……オブリじゃあない、みたいー?」
 調べても分からない。寧ろ安心するような、懐かしいような……?
 まぁいっか! と切り替え、子狐はガジェットロボの制御に意識を戻す。まるで母に見守られている時のようにシークエンスは順調に進み、進むべき道は程なくして見つかった。

「――じゃあ、いってきまーす!」
 人影に手を振り、振り返る事無く朝燈は駆けていく。
 初めから存在しなかったように薄れ消える人影。

 ――喪失の悲嘆、死別の絶望。
 知らないものは思い出せない。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイム・クローバー
この地を支配する狂える声。そいつは異端の神、らしい。
死別や悔恨。元々はこの地を守護する神が狂気に触れて墜ちたのか?ま、どちらにせよ――進めば分かるか。

幻影は見ないで済みそうだ。代わりに、狂える声ってやつに耳を傾けてみる。
死別と悔恨、異端の神が狂った原因は何だ?死別も後悔も経験はある。…こう見えてこの狂った世界、ダークセイヴァーの出身さ。“声”に近付く資質としては充分だろ?
飲み込まれそうになったら銃を上空へ向けてUC。
生憎と魔力や呪詛という要素は俺には乏しいが、俺が俺らしくあるという心構えは誰にも譲らねぇ。
声の主の感情が苦悩や悔恨だってんなら、解放してやる。
――その依頼、俺が引き受けた。



●4th area ― 声無きネガイ ―
(この地を支配する狂える声。そいつは異端の神、らしい)
 どこまでも続く墓石と花畑、変わり映えしない光景に降り立ちカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は情報を反芻する。
(死別や悔恨。元々はこの地を守護する神が狂気に触れて墜ちたのか?)
「ま、どちらにせよ――進めば分かるか」
 肩を竦める仕草は常通り飄然と。気負う事無く、さりとて油断する事無く異界を進む。

 幻影と遭遇する兆しは無い。無造作に歩を進めながら、響き続ける声に耳を傾ける。
「……こう見えてこの狂った世界、ダークセイヴァーの出身さ。資質としては充分だろ?」
 どこへともなく投げかけた言葉に返事は無く、声が明瞭な意味を持つ事も無い。
 ただ――これまでに経験した死別、苦い後悔。不意に呼び起こされる忘れ難い記憶の中に、覚えのない光景が混ざり込む。

 健やかに暮らす人々の姿は記憶の中にあって猶も遠く、笑い合っていた筈の彼らが悪鬼の如き形相で殺し合っている。疑心暗鬼の病が蔓延り、その陰で嗤う悪魔が姿を現した時には何もかもが手遅れで。
 護らなければならなかった。殺さなければならなかった。出来なかった。だから。だから今度こそ護る為に、この苦しみから逃れる為に、殺して壊して滅ぼし尽くして――

「――オルトロスッ!」

 轟音。
 一喝するように双魔銃が咆哮し、沈みかけた意識を引き戻す。
 魔力や呪詛の技巧ではなく、ただ己が己であるという矜持を以て自我を繋ぎとめる。
(察するに異端の神が狂った元凶。悪意を寄生させる系統の……内側から滅ぼされたか)
 繋がりかけた記憶、その意味するものを分析しながら視線を巡らせるカイム。
 護る為に殺すという選択を取れていれば、という一種の指向性を持たされた後悔。その逃避が狂気の発露であり破壊衝動の暴走だとするなら……死者を悼む墓標、ただ安らかな眠りを望む異界の在り様との間には矛盾が生じる。

「……成程な」
 吹き抜ける風、揺れる花弁、延々と並ぶ墓石。追跡の技能に秀でたカイムの目は、異界を構成する要素の全てが一つの方向を示している事を見抜く。
 即ちこの異端の神と異界は二つで一つ。この領域はオブリビオンと化した獣が切り離され喪った理性そのものなのだと。
「便利屋Black Jack――その依頼、俺が引き受けた」
 花畑の中、墓石の間の道が今ならはっきりと見える。
 声無き望みを感じ取り、カイムは狂える獣の元へ向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ハルピュイア』

POW   :    アエロー
【爪】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    オーキュペテー
自身に【仲間の怨念】をまとい、高速移動と【羽ばたきによる衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ケライノー
レベル×5本の【毒】属性の【黒い羽】を放つ。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●嘆きの残影
 墓標は続く。花畑は続く。
 一見単調な光景を進み続けた先、あなたたちが耳にするのは場違いな程に平和な音。
 父は畑を耕し、母は料理を拵え、子供たちは遊び回る。
 ――家も何も無い花畑の中、異端の眷属たちがかつての“日常”を繰り返していた。
 異物に気付けば彼らは化け物となり、死力を尽くして襲い掛かってくるだろう。

 殺していれば護れたかもしれない。救えたかもしれない。
 今度こそ。
 ――殺せ。殺せ。殺せ。
 喪失の絶望も、死の悔恨も、もう沢山だ。


※第一章のプレイング結果により、以後の章では異界そのものがささやかながら猟兵に有利な環境となります。並ぶ墓石と花畑に風が吹くだけの何も無い領域ですが。
 猟兵の《地形の利用》技能レベルに+10のボーナス(技能無しはレベル0扱い)。
 勿論、活用するか否かは自由です。特にペナルティ等はありません。
牧杜・詞
そうね。殺していれば護れたかもしれない。
わたしみたいに。

でも、喪うものも多いし、救うことなんてできないわ。
すべてを護れるなんて、都合の良いことはないのよ。

それに、その時その覚悟がなかったのだから、おとなしく眠っていなさい。
【鉄和泉】を構え【識の境界】を発動して、近い敵から切り伏せていくわ。

悔いは残っているのだろうけど、それごとわたしが送ってあげる。
来世があるのかは知らないけど、ないとも決まっていないから、
そちらに期待して眠りなさい。

せっかくだから【地形の利用】も使っていこうかな。
相手の攻撃を墓石を盾に躱したり防いだりさせてもらおう。

冒涜と言われるかもしれないけど、幻のお墓に用はないからね。



●1st Round ― 刃の葬送 ―
「そうね。殺していれば護れたかもしれない」
 ――わたしみたいに。
 狂乱するオブリビオン、狂える異端の神が眷属を見る牧杜・詞(身魂乖離・f25693)の表情は対照的なまでの静謐。
「でも、喪うものも多いし、救うことなんてできないわ」
 殺して、護った。かつてそれを為したが故に、詞の声にはただ事実を告げる淡々とした揺るぎなさがあった。
「すべてを護れるなんて、都合の良いことはないのよ」

「「「――――――――!!」」」
 言葉としての意味を為さないハルピュイアたちの叫びが響く。
 その翼から放たれるは衝撃波。異端の眷属はユーベルコードにより加速し、その爪で以て侵入者を引き裂かんと襲い掛かる。
「それに」
「ッ……!?」
 宙に閃く深緑の軌跡。
 叩き付けるような衝撃波は墓石の一つを砕くに留まり、すれ違いざまに鈍い音を立てて落ちたのはオブリビオンの首の方。
「その時その覚悟がなかったのだから、おとなしく眠っていなさい」
 こうしていれば良かったという未練。その選択に伴うものも知らず無いもの強請りを囀り続ける姿は、どうにも見るに堪えない。

「根源を示せ」

 短く口ずさむ。
 【識の境界】――衝動を解放し殺人鬼へと切り替わった詞の速度は、ハルピュイアの高速移動を以ても届くものではなく。構えた鉄和泉、打刀の刃が閃くたびにオブリビオンの首が落ちる。
 悔恨に縛られたオブリビオン、狂気に落ちた異端の眷属には……受け入れ難き死、その象徴である墓石を見る事が出来ないのだ。
 開けた戦場にあって一方的に生じる死角、そこにユーベルコードの齎す速度差が合わさればハルピュイアは数の利を活かす事も出来ずに次々と屠られていく。

「悔いは残っているのだろうけど、それごとわたしが送ってあげる」
 深緑に輝く刃、首を落とす手応えは呆気無いもの。
「来世があるのかは知らないけど、ないとも決まっていないから」
 語り掛ける声に返事は無い。聞こえたとて、狂気に沈んだ異端の眷属に何処まで伝わるものか。
「――そちらに期待して眠りなさい」
 最後のハルピュイアの首が落ち、亡骸は崩れるように消えていく。
 オブリビオンとして今世に蘇り、そして迎えた再びの死。その先に安寧があるかは分からない。
 だが……彼らの葬送は、此処に為されたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カイム・クローバー
本当にクソッタレな世界だと思うぜ。けど…この世界じゃ、コレが真実。殺さなきゃ殺される。人殺しなんざ避ける甘ちゃんは俺ぐらいだと思ってたが。

頭に響く声。殺していれば護れたかもしれない。救えたかもしれない、か。
良いぜ、やってみろ。
左腕を出す。
敵を殺すんだろ?血に濡れてでも護って見せるんだろ?
UCをワザと受けるぜ。ああ、殺せば護れたかもな。救えたかもしれねぇ。
――けど、そうすれば、アンタらは『人間』として大事なモンを失っちまう。人間同士で殺し合う必要なんざねぇ。
俺が言ってやる。アンタらは誰も。何も。悪くなんざねぇのさ。

UCを発動させ、右手だけで周囲に銃撃。悪い夢から覚ます事。それが俺が請けた依頼だ。



●2nd Round ― 解放の紫雷 ―
「本当にクソッタレな世界だと思うぜ」
 紺色のトレンチコートをたなびかせ、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は顔を顰める。
「けど……この世界じゃ、コレが真実。殺さなきゃ殺される」
 人殺しなんざ避ける甘ちゃんは俺ぐらいだと思ってたが――。
 視線の先には異端の眷属。幾多のオブリビオンが狂気に猛り、異界への侵入者を抹殺せんと襲い掛かる。

 殺していれば護れたかもしれない。救えたかもしれない。
 響き続ける声は異端の神のものであり、その狂気に染まった眷属のものであり、この地に焼き付いた悔恨の叫びそのものであった。

「良いぜ、やってみろ」
「――――ッ!?」
 猟兵が無造作に差し出した左腕は無防備。ハルピュイアが咄嗟に飛び退ったのは警戒ゆえの反射的な行動か。
「敵を殺すんだろ? 血に濡れてでも護って見せるんだろ?」
「――――!!」
 叫びと共に爪が振るわれる。
 避ける素振りもなくユーベルコードの凶爪を受けたカイムの左腕は破壊され、彼はまた少し顔を顰める。
「ああ、殺せば護れたかもな。救えたかもしれねぇ」
 彼らの悲嘆、彼らの後悔を否定はしない。
 紫の瞳はただ静かにかつての犠牲者を見つめる。
「――けど、そうすれば、アンタらは『人間』として大事なモンを失っちまう。人間同士で殺し合う必要なんざねぇ」
 “敵”に向けるには不釣り合いな程に真摯な声。
 狂気に囚われ理性を失った異端の眷属、オブリビオンにその言葉を理解できる道理は無い。ただ、ほんの一瞬……金の瞳が揺れたのは。その動きが乱れたのは錯覚だろうか。
「俺が言ってやる。アンタらは誰も。何も。悪くなんざねぇのさ」
 破壊の爪を受けた左腕は血に染まり、その傷は骨まで達する程に深い。構う事無く右手で魔銃をクイックドロウ、紫雷の火花がバチリと爆ぜる。

【紫雷の銃弾(エクレール・バレット)】――回避など間に合わぬ銃声の連続。撃ち抜かれたハルピュイアは地に墜ち、その亡骸は崩れるように消えていく。

「悪い夢から覚ます事。それが俺が請けた依頼だ」
 骸の海へと還る異端の眷属たちの亡骸。……少なくともその表情には、悔恨に染まった狂気の色はもう無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空桐・清導
POWで挑む

殺せば護れる、救える…
そんな悲しい解決策を誰も取らせないために、オレは居る
嘆きも悔恨も絶望も此処までだ!
来な、アンタらの全て!オレが受け止める!!

UCを発動して黄金のオーラを纏う
オレに応えろブレイザイン!
意思の炎を救いの光に変えてみろ!
光焔が想いよ、届けと言わんばかりに燃える
硬く拳を握り締め、ハルピュイアの群れを迎え撃つ

迫る爪を[オーラ防御]で弾き、殴り返す
空を舞うものは此方も高速で飛んで対応する
拳を振るうたびに群れを[なぎ払う]
彼らの憎悪に目を逸らすな
オレ達はどうあれ彼らの日常を奪おうと迫る者だ

彼らは奪われる辛さを知っているんだ
だからこそ、それをこの人達にばら撒かせてたまるかよ!



●3rd Round ― 嘆きの連鎖を断て ―
「殺せば護れる、救える……そんな悲しい解決策を誰も取らせないために、オレは居る」
 狂気と殺意の儘に猛り狂う異端の眷属を空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は目を逸らす事なく見つめる。
「嘆きも悔恨も絶望も此処までだ! 来な、アンタらの全て! オレが受け止める!!」
「「「――――――!!」」」
 ハルピュイアの叫びは清導の声に応じると言うよりはただ狂気を溢れる儘に迸らせるようで。数多のオブリビオンはその鉤爪をギラつかせ、侵入者を引き裂かんと一斉に迫る。

「オレに応えろブレイザイン! 意思の炎を救いの光に変えてみろ!」
 想いよ、届けと言わんばかりに燃え上がるは金色の光焔。清導の意思そのものを象徴する輝きに目を眩ませるようにハルピュイアたちの動きが乱れ、その一瞬の隙にオブリビオンの襲い来る上空へと清導もまた飛翔する。

「「「――――――!」」」
「そうだ、来い――ヒーローが此処に居るッ!」
 命中箇所を破壊する凶爪、追い縋るように迫るそれの起点を弾く。清導の纏うオーラは盾となってその身を守り、反撃に振るえば矛となって無数のハルピュイアを一斉に薙ぎ払う。
「ああ、そうだ……オレ達はどうあれアンタらの日常を奪おうと迫る者だ」
 敵への憎悪、喪失の恐怖、悔恨の絶望、幾つもの負の感情が渦巻く魔性の金瞳を見つめ返す。狂気に満ちた怨嗟一つ一つを受け止めるたびに金色の光焔は揺らぎ、そして強さを増していく。

「……彼らは奪われる辛さを知っているんだ」
 食い縛った歯の隙間から声が零れる。
 拳を振るう度に重い手応えが返り、薙ぎ払われたハルピュイアが墜ちていく。
 重い。
 単なる質量以上に、彼らの背負わされた狂気が、絶望が纏わりつく。
 彼らは守られるべきであった被害者であり、守られなかった犠牲者だ。
 だが。
 否、だからこそ――
「――それを! この人達にばら撒かせてたまるかよッ!!」
 その苦痛を知る彼らが、同じ痛みを強いる事を望む筈が無いのだ。

 渾身の意思と共に振るわれた拳が最後のハルピュイアを吹き飛ばす。
 斃れ、骸の海へ還っていくオブリビオンの表情は窺い知れない。
 ただその眠りが安らかなる事を願い……ヒーローは先へと進む。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白匣・覚醒(サポート)
 怪奇人間の猟奇探偵×四天王、32歳の男です。
 普段の口調は「シロベヤ(私、君、呼び捨て、言い捨て)」、演技時は「KP(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

存在が密室です。白い部屋です。
KP時の口調でお願い致します。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


エレクトゥス・レヴィン(サポート)
『そら来た、蹴散らしてやる!』
『この手に限る、吹っ飛びな!』
『全部まとめて、履行完了!』

機械化された両足と右腕を酷使して戦うサイボーグ。
大雑把な性格で口が悪いが、人並みの正義感は持ち合わせている。
生身の左腕を包む「超硬連結放熱板」は強力な武器にして防具。
主に集団戦に於ける猟兵側の増援として参戦。

戦闘でよく使う装備は、上記の「超硬連結放熱板」、脚部の内蔵火器「炸裂者」それに装填された「G型特殊弾薬」の属性弾。
加えて、集団戦では義肢から放つユーベルコードと併用した範囲攻撃などを行う。
基本的には豊富な火力での力押し一択。
絡み、アドリブ大歓迎。

24歳、男。
口調:男性的、一人称:オレ、二人称:呼び捨て。


ルディア・ディアマンテ(サポート)
助けが必要なようね。助太刀いたしますわ!

サポートでの参加なので人々の避難や救出、敵の陽動のような支援になるような事を中心にこなしますわ。
事情がわからないまま行動すると事態を悪化させる恐れがあるので、その辺りは気をつけないとね。
指示をしてくれる仲間がいれば素直に従いますわ。

支援中心とはいえ戦闘は避けられないもの
その時は武器は白銀のバルバードを使いその遠心力と、UC金色の風で強化された速度を利用し一撃離脱戦法で戦いますわ!その姿はまさに金色の風の如し!

騎士の誇りを胸に、堂々と恥じない行動を!


雛里・かすみ(サポート)
 バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
 普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●EX Round ― 異界戦線 ―
 数多の墓標、真紅の花畑がどこまでも続く異界領域。
 数多のオブリビオン、“異端の神”の放つ狂気に蝕まれたハルピュイアの群れが声ならぬ叫びと共に猛っている。
 護れなかった。救えなかった。殺していれば叶ったかもしれない望みが、殺せなかった事実が耐え難い。受け入れられない。
 だからこそ屠り、殺し、破壊し尽くすのだと。狂える眷属は……
「――君達は目覚めた。ここは真っ白な部屋だろう」
「「「――――――――ッ?」」」
 ……白い密室で“目覚めた”。
 白匣・覚醒(密室探偵・f22856)、垢抜けたサクラミラージュの装いに身を包んだ男が笑っている。
 ぞわりと羽を逆立たせたのは密室に蔓延る得体の知れぬ存在、UDCと称されるナニカに気付いたが故か。
 如何にも人畜無害に佇む密室探偵を異常の元凶と悟ったのは半ば本能的な判断。脅威を排そうと襲い掛かったハルピュイアは、しかし横合いからの轟音と共に吹き飛ばされた。

「……ったく、随分と辛気臭ぇところに招待されたもんだな?」
「ですが、助けを求められたのならば。“金色の風”、助太刀いたしますわ!」
 内蔵火器“炸裂者”から煙を上げるエレクトゥス・レヴィン(誓兵・f11060)の隣にはルディア・ディアマンテ(金色の風・f18851)が並び、白銀のハルバードを掲げる。
「事情はどうあれ……ええ、質も量も椀飯振舞。戦いとしては楽しくなりそうね?」
 異界の中に在って更に隔絶された密室、UDCの這い回る異様な空間に押し込まれたオブリビオンを眺め口角を上げるのは雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)。
「念のために言っておきますけれど、この空間とUDCは猟兵側の能力ですからね?」
「分かってるわよ。ジャマにならないなら巻き込みはしないわ」
 ルディアの言葉には横柄に鼻を鳴らして応えたかすみの視線の先、機関銃の掃射を受けたハルピュイアの群れは既に体勢を立て直している。
 警戒するような、獲物の隙を狙い定めるような僅かな停滞。
「しゃらくせぇな。やる事なんざ一つだろ?」
 【カータライズ・オール】――己自身に課した誓約、その一つを履行。異端の眷属が怨念を纏うに先んじ、エレクトゥスの姿がオーバーロードした機械化部位の熱気に包まれる。
「選びな……蹴り潰されるか、焼け死ぬか!」
「「「――――――!!」」」
 一斉に羽ばたいたハルピュイアの放つ衝撃波を翼状の放熱板から迸る爆熱排気が押し切り、加速した勢いの儘に飛び込んだ誓兵の蹴脚が豪快に薙ぎ払う。
「この手に限る、まだまだ行くぜ!」
 攻撃こそ最大の防御とばかりの猛攻は、異端の神の齎す狂気により戦闘能力を跳ね上げられたオブリビオンをも確実に仕留めていく。
 数十、数百のオブリビオンがエレクトゥスただ一人に墜とされ、しかし膨大な群れはその勢いに押し出されるように彼の左右へと回り込む。火力を正面に集中させ捨て身の大立ち回りを見せるエレクトゥスの側面はガラ空きで――
「――させませんわよ」
「エレクトゥスさんばっかりに美味しいところ持って行かせる訳、無いじゃない?」
 左方にルディア、右方にかすみ、回り込んだ二人の猟兵の動きはどこか対照的。

「もはや前に進めぬ亡霊とあらば……その狂気より解き放って差し上げます!」
 二つ名に違わぬ金色の風を纏ったルディアもまた高速で飛翔し、破壊の凶爪が振るわれるより早く白銀のハルバードを閃かせる。
 突出した一体に狙いを定め、ユーベルコードにより強化されたハルバードの一撃は余波でさえ周囲のハルピュイアの体勢を崩した。
「「「――――――!」」」
「数を頼みに抜ける程、この“金色の風”は甘くなくてよ!」
 ヒットアンドアウェイ、一撃を放った時には既にルディアは身を翻し横をすり抜けようとした一団へハルバードを叩き付けている。狂乱するが故にハルピュイアの動きを見切る事は卓越した技量を持つパラディンにとって難しい事ではなく、単騎にて左方から押し寄せる群れを食い止め――否、押し返す!

「「「――――!!」」」
「へぇ、そんな技も使えるのね。でも……」
 右方より迫った一群の放つは弾幕を形成する程の膨大な毒羽。数・範囲・射程、全ての要素が不可避の死を告げるように押し寄せるそれを阻むのは至難だろう。
「……相手が悪かったわね?」
 不遜に告げて大薙刀を一閃。衝撃波が弾幕を切り裂き、その範囲の外から背後に抜けようとした毒羽は身を挺して受け止める。
 それは怨嗟、悲嘆、悔恨、渦巻く負の感情を凝縮した呪詛たる毒の具象。心身を蝕み堕とす筈の黒羽はしかし、かすみの着物一つ傷つける事が叶わず消える。
「相手にとって……不足は無いかって言うと微妙だけど?」
 ルディアの動きが速度による翻弄なら、神霊体と化したかすみのそれは純然たる力による制圧。黒羽に込められた毒に眉を顰め、戦巫女は悲嘆に狂うオブリビオンを見据える。
「まぁいいわ。あなたたち皆、纏めて祓ってあげる!」
 毒羽の弾幕へと正面から突き進むかすみの前に、攻勢と守勢は反転する……!

「――――――!」
 吹き飛ばされ、死んだように横たわり、しかし再び領域への侵入者に襲い掛かる。
 この異界に於いて最も多くの眷属の生じる戦場が此処だ。その存在の中核を成す狂気の最も深く濃い場所こそ此処に他ならない。
 そう。悲嘆の絶える事は無く、絶望は汲めども枯れる事は無い。その権化たる異端の眷属もまた――
『――本当に?』
「――――!?」
 脳に滑り込むような声。振り向こうとした身体が力を失い崩れ落ちる。力が、戻らない。
『ねぇ、アナタ。此処が何処か、分からない程に狂ってる訳じゃあないでしょう?』
 和装の男が、武器の一つも持たずに立っている。声の一音一音が全身を這い回るように悍ましい。
「――――……、」
 ……此処は私たちの死んだ場所で、護れなかった場所で、化け物の棲む密室で、今度こそ、殺して、何かが私を啜って、嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌嫌嫌嫌――――
「おやすみなさい」
 にこりと笑った男が消える。異端の眷属がまた一体、ぐじゅりと溶けて居なくなる。


 どれ程の時間、戦いは続いたか。
 最後のハルピュイアが消え、密室は解かれ、猟兵たちも先へ進む。

 ――そして誰もいなくなった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『天魔の獣』

POW   :    天魔の災害
自身に【「光」と「闇」の嵐】をまとい、高速移動と【空を飛びながら嵐】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    白黒の裁断
【意識】を向けた対象に、【空間から迸る多数の「光」と「闇」の雷】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    天変地異
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●慟哭の獣、災厄の天魔
 護るべき民を探している。
 屠るべき敵を探している。
 護れた筈だった。殺せた筈だった。

 ――お前は、違う。
 人々の面影も無い翼人の怪物をすれ違い様に引き裂き、誰か居ないかと空を駆ける。
 一人でもいい。誰でもいい。誰か一人でも救えるなら、全てを喪うより余程マシだ。
 その為なら、今度こそは。他の全てを踏み躙ろうとも――!


 慟哭が聞こえる。
 取り戻せぬ過去を取り戻そうと、狂い、殺し続ける災厄が降り立つ。
 獣は独り、濁った瞳には墓標も花畑も映らない。

『……嗚呼。お前も、お前たちも、違う』
 殺さねばなるまい。殺意と憂いが混ざり合い、狂気の色に塗り潰される。

 ――異端の神を、討ち果たせ。
牧杜・詞
「『護れた筈、殺せた筈』?」

神さまが後悔とはらしくないわね。

しかも、怪物とはいえ、
護るべき民になるかもしれないのに拒否とか、
経験したことのない後悔に押し潰されて、
狂ってしまったかしら?

神さまだろうとなんだろうと、生きているなら、殺せるわね。
前に進むことができないなら『今』に出る幕はないわ。
自らに相応しい場所に還りなさい。

扉は開けてあげるわ。

【鉄和泉】を構えて【切り込】んでいくわね。
【命根裁截】で神の命を刈り取っていこう。

相手の嵐は
【エレメンタルロッド】の【天候操作】で軽減させて、
【地形の利用】をしながら、【見切】っていくわ。

神さまを殺せるなんて滅多にできない経験よね。
やっぱり猟兵って素敵だわ。



●1st Round ― 在るべき場所へ ―
「『護れた筈、殺せた筈』? 神さまが後悔とはらしくないわね」
 狂気を発する異端の神、眼前に聳える血濡れた獣を見上げた牧杜・詞(身魂乖離・f25693)は自然体に小首を傾げる。
 直前まで頭部のあった空間を獣の爪が通り過ぎ、立て続けに繰り出される攻撃は身体だけでなく精神をも砕き壊す狂気と怨嗟に満ちたもの。
 対する詞の足運びは軽やかに、時に残像さえ残す程に鋭く。致命の一撃を掠らせる事も無く、“鉄和泉”の銘持つ打刀を抜き払う。

「――――――!!」
「しかも、怪物とはいえ、護るべき民になるかもしれないのに拒否とか……」
 業を煮やしたような咆哮と共に獣が黒白の嵐を纏い、その飛翔に僅かに先んじて詞の空いた手に実体化するは精霊術士の魔杖。
「……経験したことのない後悔に押し潰されて、狂ってしまったかしら?」
 エレメンタルロッドの精霊と空間そのものが――異界に宿る意思が共鳴し、澄んだ硬質な音が響く。そよ風は真綿で締めるように嵐に纏わりつき、同時に詞の身体を宙へと舞い上がらせた。

「神さまだろうとなんだろうと、生きているなら、殺せるわね」
 嵐は見切れぬものではなくなり、刃を阻み得る要因は無くなった。手応えに一つ頷き、鉄和泉を構える。
「前に進むことができないなら『今』に出る幕はないわ。自らに相応しい場所に還りなさい」
『邪魔をするな……! 私は……ッ!』
 光と闇の嵐を受け流すように距離を詰め、剛腕の一撃を掻い潜り、零距離から喰らいつかんとした顎門に深緑の刃を合わせる。

「――扉は開けてあげるわ」

「ッ……!?」
 【命根裁截】――斬撃が血飛沫を招く事は無い。嵐を貫いた刃の通りは浅く、しかし確実に命を削り取った感覚に殺人鬼の性が歓喜する。
「これで、終わり」
『否だ! 私は、まだ……!』
 猛る獣から身を翻して間合いを保ち、此処で終わらせるのだと刃を突き付けた詞の口元には淡い微笑。
「神さまを殺せるなんて滅多にできない経験よね。……やっぱり猟兵って素敵だわ」
 再びの交錯。
 斬る者と斬られた者だけが、命の手応えを感じ取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイム・クローバー
左腕は酷い状態だ。どうやら、俺はアンタの相手を右腕一本でする必要があるらしい。

翼の怪物を引き裂き、血に塗れた姿に当時の面影はねぇな。錯乱と悔恨と絶望。恐らく前は崇高なカミサマだったんだろう。
けどよ…もう居ないんだ。アンタの護りたかった存在は此処には居ない。
【オーラ防御】で雷を受けるぜ。瞳だけは逸らさず。痛み程度じゃ俺の意志は曲げられねぇ。
神に向かって駆ける。UCで簡単な鏡を作成。鏡に映った神自身に意識を向けさせ、UCを反射させる。
血に塗れた今のアンタの姿をアンタの民は喜ぶのか?…自分を見失ってまで大切に想ってたんだろう?なら――村の連中の気持ち、分かるんじゃねぇのか?
魔剣を顕現させ、叩き込む。



●2nd Round ― 護るべきもの、屠るべきもの ―
 空間が震える。
 狂える異端の神が降り立ち、しかし相対するカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)の姿は万全とは言い難い。
「よう。どうやら、俺はアンタの相手を右腕一本でする必要があるらしい」
「――――――――」
 ハルピュイアの凶爪を受け止めた左腕はまともに動かず、そんなカイムの言葉に返るのは殺意に満ちた唸り声のみ。眷属の血に塗れた姿、錯乱と悔恨と絶望に堕した獣には当時の面影は残されていない。
「恐らく前は崇高なカミサマだったんだろう」
 その姿を正面から見やる。
 喪失に狂う程に人々を想い、その死を悼み、オブリビオンと化してさえ護る事を望み続けている異端の神を見据える。
「けどよ……もう居ないんだ。アンタの護りたかった存在は此処には居ない」
『黙れッ!!』
 悲鳴にも似た思念が実体を持つように空間が轟き、白光と黒闇の雷が奔流となって襲い掛かる。
「ッ……!」
 避けない。展開したオーラの障壁越しにも衝撃は伝わり、破壊された左腕を中心に燃えるような痛みがカイムを苛む。構わず強引に一歩を踏み出す。
「痛み程度じゃ、俺の意志は曲げられねぇ!」
『赦さん……!』
 斃せなくては、殺せなくては“また”護れない。そのような事があってはならない。牙を剥き吼える神から目を逸らさず、放たれた矢のようにカイムは駆ける。
(此処だ!)
 獣が再びユーベルコードを行使する瞬間、その姿を映したのは簡素な作りの鏡。

 【創作の真理(クラフト・マスター)】――この力が生み出すのは概ね造りの荒い偽物。
 作り出されたのはただの鏡であり、異能の雷には到底耐え得るものではない。
 ……だが。
 【白黒の裁断】、それは悪しきを打ち据える審判。
 “異端の神”の眼に映ったのは総身を血に染めた狂える獣の姿。
 双極の雷霆は再び迸り、人々に仇為す存在へと喰らいつく!

「なぁ。血に塗れた今のアンタの姿をアンタの民は喜ぶのか?」
 数多の雷撃に貫かれた獣の動きが強張る。カイムが間合いを詰めるにはその一瞬で十分。

「……自分を見失ってまで大切に想ってたんだろう?」
 一瞬の硬直が解け、オブリビオンは猟兵を迎え撃たんと動き出す。互いに受けたダメージは軽いものではなく、速度は互角に近い。

「なら――村の連中の気持ち、分かるんじゃねぇのか?」
「――――――――ッ」
 狂気に沈んだ意識の底で何かが疼く。
 狂えるオブリビオンには記憶の意味も、何故か想起される思い出の数々も解らない。
 ただ。終わりを望むように、その巨躯が無防備な隙を曝け出す。

「任せろ。依頼は果たしてやる」
 カイムの右手に黒銀の炎が生じ、握り締めたそれは形を成して手の内に収まる。
 顕現せしは神殺しの魔剣。終末の黄昏、その一閃が異端の神を深く斬り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

空桐・清導
POWで挑む
守るべき何かを探し、敵を排除する
ある意味アンタは“ヒーロー”が至りかねない姿かもな
ただ、守護者は違うと判断した者を殺しはしない
だからこそ、アンタはココで止める
それがオレが今やるべきことだ!

UCを発動
同じく空を高速で飛んで戦闘開始
迫る嵐をサンライザーから発生させた
炎で相殺しながら拳を叩き込む
物理的な攻撃は[オーラ防御]で軽減

神獣の嵐、苛烈な攻撃に倒れ伏しそうになる度に
負けられないと意思を奮い立たせてUCの出力を際限なく上昇
更に己の[限界を突破]して覚醒

此処までだ、堕ちた神獣
この地は未来のために貰っていく!
光の闇の嵐を火炎旋風に巻き込んで神獣に叩き込む!
超必殺!トリニティ・ストーム!!



●3rd Round ― 不屈の守護者 ―
「……守るべき何かを探し、敵を排除する。ある意味アンタは“ヒーロー”が至りかねない姿かもな」
 狂える獣、血濡れた“異端の神”から目を逸らす事なく空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は構える。
 戦う事でしか護れない時は確かにあり、それを為すのはヒーローの務めの一つでもある。それもまた現実には違いない。
「ただ、守護者は違うと判断した者を殺しはしない。――だからこそ、アンタはココで止める」
 狂気の所以を知り、こうして狂い果てた姿を知った。
 オブリビオンと化して猶、その望みは守護者としてのもので……だからこそ。この異端の神を殺戮者にしてはいけないのだと、押し潰すような狂気の圧を跳ね除ける。
「それが! オレが今、やるべきことだ!」
『綺麗事を……!』
 邪魔者を排除せんと天魔の獣が嵐を纏い、清導もまた黄金のオーラを輝かせる。両者は殆ど同時に飛翔し、戦いは空中戦の様相を呈した。

『同じ過ちは……繰り返さん!』
「なら! これ以上、取り返しのつかない間違いをさせるものか!」
 白光と黒闇、双極の嵐を迎え撃つは真紅の鎧より放たれる太陽の如き炎。
 力の激突に吹き荒れる衝撃波を超え、如何なるものをも貫く超鋼の拳と絶望に穢れた獣爪のぶつかり合いが異界領域を震わせる。
「――――――!!」
「ぐっ……!」
 咆哮。
 二つの攻撃は拮抗し、互角であるが故に獣はその質量で以て強引に押し込む。清導の体勢は崩れ、オーラの障壁さえ破った凶爪が超鋼の機械鎧に傷を刻む。

「――重い、な……! これがアンタの……絶望の重みか……!」
 捨て身とさえ言える苛烈な攻勢。打ち合うたびに身体は芯まで軋み、一撃を受けるたびに身体的な傷に留まらず悲嘆に満ちた狂気が精神を蝕む。
 だが、墜ちない。
 拳を振るうたびに、傷を受けるごとに、意思の光焔は輝きを増していく。

『貴様……何故……!』
「何故、だって……? ……そうだな……」
 蓄積したダメージは甚大。全身が悲鳴を上げ、視界の裏には火花が散り、それでも眼前の異端の神から目を逸らしはしない。

 ――遠く、少女の幻影が見えた気がした。
 そう。掲げた誓いはいつだって、胸の中に燃えている。

「……負けられない理由があるんだ」
 光焔が燃え盛る。不屈の意思が肉体の限界を超え、超鋼真紅が此処に目覚める。
「だから――応えろ! ブレイザインッ!!」
「ッ――――!?」
 叩き付けられる剛腕の一撃を受け止め、弾き返す。獣の狂乱に驚愕の色が混ざり、飛び退った獣の前で光と闇の双嵐が砲撃の予兆めいて収束。
「アンタだって、本当は分かってる筈だ」
 此処が戦いの行方を決める分水嶺。黄金の光焔は清導の拳に集中し、最大の激突に備えて昂る力の余波が陽炎となって揺らめく。
「此処までだ堕ちた神獣! この地は未来のために貰っていく!」
『させるものか、猟兵ッ!』
 際限なく高まった力は同時に解き放たれ、双極の嵐と火炎旋風が激突する。
 天魔の災害――悪しきを屠る為の裁き。護る為の力、光と闇の嵐が光焔と混ざり合う。
「終わらせる……! 超必殺! トリニティ・ストオォォォォォムッ!!!」
 込められたのは全身全霊の力と想い。
束ねられた三位一体の奔流が、“異端の神”の巨躯を呑み込む!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください

口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ

基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性(これは先制攻撃ボスにも適用)や
武具改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します

保護対象には耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向

*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開に巻き込まれやすい、弄られOK

※キャラぶれ気にしないので、お気軽に弄って下さい


綾小路・花恋(サポート)
勇者の剣である『聖光剣エクスアリス』に導かれて勇者となった、UDCアース出身の女子高生です。
経験値を貯めて「勇者レベル(要はレベルの事)」を上げ強くなり、いずれは悪い魔王をやっつける為、或いは単に困っている人の助けになる為に、頑張って依頼に参加します。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、一般人を守る為なら多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
現代地球の一般的論理観を持つ善良な子で、例え依頼成功の為でも、デビルキングワールドでも、悪い事はしません。また、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
尚、ちょっとえっちな目に遭う等は歓迎します。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


リーズ・リヴィエール(サポート)
 時計ウサギの力持ち×ゴッドハンド、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「女性的(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


サラ・メリータティ(サポート)
「はわわ」「献身的」「友好的」「前向き」「サポート気質」
NG項目なし、回復、補助タイプです
これにより同行者が酷い目に合うのは望んでないので使いにくかったら流して下さい

回復の事や補助、精神的ケアなら任せてくださいな妖狐です
困っている人のお役に立ちたいです
力仕事や走ることは苦手ですが、細かいことは結構得意
頼まれたら断れないタイプ

とりあえず「はわわ~」や「はわわっ」をよく言います
はわわですが「ドジっ子ではない」
真面目な時はちゃんとやり、楽しむ時はしっかり楽しみます
人を助けるという覚悟が決まっていてたとえ捨て身であろうとも救助にあたります

不思議な鞄にはお菓子や冒険に役立つ素敵なものが沢山詰まっています



●Final Round ― 天魔討滅 ―
 獣の叫びが轟く。
 狂える“異端の神”との死闘、何人もの猟兵たちの奮戦により活路は開かれた。
 未だ猛り狂うオブリビオンへと引導を渡すべく、転移の輝きと共に新たな猟兵たちが姿を現す。

「異端の神……これ魔王とか通り越して裏ボスのレベルじゃ……!?」
「それでもあと一息、随分と弱っているみたいですね」
 異界領域全体を震わすような圧に綾小路・花恋(聖剣契約者・f31810)が聖剣を握る手に力を籠め、その隣で師匠譲りの武術の型を構えるのはリーズ・リヴィエール(時計ウサギの力持ち・f24468)。
「はわわ~油断は禁物ですよ!」
「当たり前だ」
 死に体で猶も強大な獣の力をサラ・メリータティ(はわわヒーラー・f00184)が感じ取り、短く頷いたミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)が一歩前に出る。
「終わらせる為に来たのが俺たちだ。俺たちなら、勝てる。――来るぞ!」
 再度、獣の叫びが響く。
 それが開戦の合図となった。

『消えよ。我が民に非ざる者、全て、全て滅び果てよ!』
 降り注ぐ黒い雨は獣の引き起こす【天変地異】、空間を歪ませる程の超重力を宿した広域殲滅のユーベルコード。単純な数の利など無意味、防御ごと押し潰し封殺するそれは初手にして反則めいた必殺の札でもあった。
「ここは私が……! 皆さんは、前にっ」
 手をかざす花恋。直後、降り注ぐ黒雨が猟兵たちに襲い掛かる。
 彼らの身体は超重力の雫に貫かれ、地に縫い止め――られない。
「っ……これが勇者の光です!」
 猟兵たちを護るように灯る輝きは疲労を消し、傷をも“無かった事”にする勇者の光。
 傷そのものを防ぐ訳ではない。だがその光は超重力の縛めをも相殺し、猟兵たちは応えるようにオブリビオンへの距離を詰める!

「――――――――ッ!」
 獣の咆哮が更なる災禍を招く。【天魔の災害】――光と闇の嵐を纏った巨躯はリーズの一撃を紙一重に躱して飛翔。
「あぁもう、掴みさえ出来れば……!」
 花恋は今も重力の黒雨を勇者の光で相殺し続けている。だが、此処に嵐の放射も加われば均衡を維持し続けるのは難しいだろう。
「撃たせる訳にはいかねぇ、今度は俺が――」
「いいえ~?」
 猶予は僅か、焔のマントを翻したミロを制したのはサラ。妖狐のヒーラーは彼の手にした大剣を見やり、そして視線をリーズに移す。
「リーズさん、あの獣さんに届けば墜とせるんですね~?」
「ええ」
「ミロさんは私たちの中では一番突出した能力をお持ちですから~……はわわっ!」
 上空より猟兵たちを見下ろす異端の神、収束させた光闇の嵐が引き起こす共鳴音にサラの狐耳がぺたりと伏せる。決意と共にアミュレットを握り締め、彼女はリーズへと力を託した。
「この力は……!」
「はわわ~! リーズさん、グッドラックです!」
 【運命の加護(インクリィースブレス)】――サラの生命力を代償とするユーベルコードの効果は、対象の戦闘力の大幅な増幅。
 クレーターを生み出さんばかりの勢いで跳躍したリーズは獣の纏う嵐をも貫き、その身体を確かに捉える。
「ッ――――!?」
「捕まえました……! 墜ちて、くださいっ!」
 リーズを打ち据えるは獣の纏う光と闇の嵐、強行突破の代償は大きい。
 だが、膂力に特化した在り方、力持ちの怪力を十全に引き出すユーベルコードは異端の神をして逃れる事を許さない。サラの加護により増幅した戦闘能力、その渾身の力を込めて天魔の獣を地上へと叩き落とす!

「……削って繋げる。そういうサポートこそ、本当なら俺の役回りなんだがな」
「適材適所なのです。はわわっ……!」
 くらり、眩暈。
 黒雨の相殺と勇者の光による回復のおかげでここまで保った。十分な成果だ。
 運命の加護は途切れ、命を削って計算を埋め合わせたサラは片膝をつく。
「だが、まぁ……」
 ミロは振り返らない。一歩を踏み出し、ブレイズキャリバーの証たる地獄の炎が不吉に揺らめく。
「……此処までお膳立てされたんだ。格好を付けるのも悪くない」
 獣の墜落点へと疾駆する咎人殺し、獄炎を纏った武器が獲物を間合いに捉える寸前。
 体勢は崩れ、反撃も回避も不可能な絶好のタイミング。“異端の神”の眼光がミロを睨み据えた。
 【白黒の裁断】――神なる獣、狂える天魔が備えた権能の一つ。狂的な殺意、ただそれだけで空間が軋み光闇双極の雷霆が迸る。
『殺す、殺す、殺すッ! 最早誤らぬ。我が力に屠れぬものなど……!』

「――我が地獄に吹き荒れるは新しき風、贄を求めし飢餓の炎なれば――」

 獄炎が輝く。
 一撃、二撃では届かない。三撃で拮抗、四撃で活路を開き、残る五撃で白光と黒闇の稲妻を薙ぎ払う。
 寿命の削れる感覚を捻じ伏せ、更に踏み込む。再び嵐を纏った獣が飛翔しようとするのが見える。
「「逃がすもんかァッ!!」」
 重なった裂帛の気合いは二つ。
 超重力の黒雨に貫かれる猟兵のダメージを打ち消し続けてきた勇者の光、勝敗を左右する刹那を見切った花恋の異能が衝撃波となって獣を叩き付ける。地獄の炎を纏う鎖が絡みつき、異端の神を地上へと繋ぎ止める。
 射程圏。
「いっけぇぇぇぇぇえええええええええッ!!」
 獣が唸り、ダンピールが吼える。否、此処まで“切り札”を繋いだ猟兵たちが揃って叫んだ。
 獄炎を纏った巨大剣による九倍速の切り札、オブリビオンに残された命を削り切る怒濤の連続攻撃が異端の神の巨躯を叩き斬る。
 轟く咆哮に、もはや災厄を引き起こす力は無い。
 深く刻まれた傷からもブレイズキャリバーの焔が噴出し、遂に獣は燃え尽き果てる。
 ――異端の神、その討滅は此処に成った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月28日


挿絵イラスト