●
「集合お疲れ様。敵の本拠地は全て見つかったようだし、どんどん乗り込んでいきましょうか。という訳で、今回もカルロス・グリードの分身体と戦ってきてもらうわ」
グリモアベースに集った猟兵達へ向け、クリナム・ウィスラー(さかなの魔女・f16893)が話を切り出す。
「目的地は『六の王笏島』。ここではアリスラビリンスの力が具現化されているようなのだけれど……島自体に目立った特徴はないみたいね」
六の王笏島に存在するのはカルロスの分身体のみ。対応すべき事柄は他の島より少ないようだが……?
「気を付けて欲しいのはカルロスの方よ。彼は強力なメガリスを装備した状態で迎え撃ってくるみたいなの。見た目は銀と金の鋏なのだけれど……」
話の流れに合わせるように、クリナムのグリモアがカルロスの姿を投影しだす。
映し出されたその姿はどこかオウガ・オリジンを思わせた。
「銀の鋏は『分身を作るヤヌスの鏡』を作り替えたもので、自分を切り裂くと自分が増える能力を持っているわ。金の鋏は『死者の力を奪う玉鋼の塗箱』を作り替えたもので、こちらは切り裂いた敵の能力をコピーするみたい。それからカルロス自身もアリスラビリンスの力を具現化して、あの真っ黒な身体で全てを飲み込んでしまうそうよ」
なんだか能力までオウガ・オリジンみたいね。そんなことをぼやきつつ、クリナムは言葉を続ける。
「それから彼も分身といえど強敵よ。つまり……先制攻撃もしてくるという訳ね。厄介な攻撃をどう対処して反撃するか。毎回のこととはいえ、今回もしっかり対策して欲しいわ」
戦場には他に気を付けるべきものは何もない。
とにかくカルロスへの対策をしっかり行い立ち向かう必要があるようだ。
「ここまできたら、あとはひたすら戦うのみね。皆ならきっと大丈夫だと思うけれど……気を付けて行ってきて」
転移ゲートを開きつつ、クリナムは猟兵達へと緩く笑みを向けた。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
少女の悪夢は欲の海に再現されました。
●プレイングボーナス
敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
●七大海嘯『六の王笏』カルロス・グリード
アリスラビリンスの力を具現化した、カルロス・グリードの分身体です。
強力な先制攻撃を仕掛けてきますので、上手く対処していきましょう。
●
オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。断章の追加はありません。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『六の王笏』カルロス・グリード』
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POW : メガリス『銀の鋏』
自身の【体をメガリス『銀の鋏』で切り裂くこと】を代償に、【新たな自分】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【全てを飲み込む『虚無と化した漆黒の体』】で戦う。
SPD : メガリス『金の鋏』
【メガリス『金の鋏』の刃】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、メガリス『金の鋏』の刃から何度でも発動できる。
WIZ : 虚無なる起源
自身が【地面や床に足を付けて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【全てを飲み込む『虚無と化した漆黒の体』】によるダメージか【飲み込んだ物体を分解吸収し力と為すこと】による治癒を与え続ける。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒城・魅夜
その格好、多少はお似合いですね
出来損ないの子供の落書きのようなこれまでが
酷すぎただけとも言いますが、ふふ
……一つ伺いたいのですが
奥様はあの格好に何もおっしゃらなかったのですか?
ふふ、言葉で挑発しつつ
「早業」で鎖を舞わせ「衝撃波」を発生させます
狙うは敵の足元
大地をえぐり体勢を崩させたところで
衝撃波より一瞬遅れて鎖の本体が「二回攻撃」となって襲い
「スナイパー」のように鋏を持つ手元を狂わせましょう
もっとも私の技はその鋏が万全であっても
受け止めることなどできませんけれどね
この身を切り裂き噴き出た血は霧と化しあなたを包み込みます
体内からあなたを引き裂くこの鎖
その鋏で受け止められるならやってごらんなさいな
●
「その格好、多少はお似合いですね」
ゆるりと笑みをたたえつつ黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は戦場へと足を踏み入れる。
彼女の視線の先には、身体から虚無を溢れさせるカルロス・グリードの姿があった。
「出来損ないの子供の落書きのようなこれまでが酷すぎただけとも言いますが」
「私はただ己の能力を行使していただけだ。見た目なぞどうでもいいだろう」
ふふ、と更に笑みを零す魅夜に対し、カルロスの表情は窺い知れない。
「……一つ伺いたいのですが。奥様はあの格好に何もおっしゃらなかったのですか?」
「……妻も、関係はないだろう」
王の声色に微かな怒気が滲む。それがなんだか面白くて、魅夜は思わず口元を手で覆った。
あなたにも人間らしい部分があるのですね。それならば、対処だってしやすいです。
魅夜は自身の呪いと絆の象徴である鎖を手に取ると、一気にカルロスへと殺意を向けた。
戦いが始まると同時に、カルロスは『金の鋏』をしっかりと構える。
あの刃に埒外の力を当ててしまえば、それは相手に利用されてしまう。
だからこそ最初は別の手段で戦う必要があるだろう。
「奥様にはあんなに美しいドレスを仕立てていらっしゃったのに。自分の服装には無頓着なのでしょうか?」
挑発と共に放つのは鎖による一撃だ。
カルロスは鋏によってそれを防ごうとしてきたが――魅夜が狙っていたのは彼の身体ではない。
鎖はカルロスの足元に突き刺さると、衝撃によって周囲の地面を抉っていく。
「くっ……!」
「まだ終わりではありませんよ?」
魅夜の言葉通り、鎖は更に動き続ける。
蛇のようにしなやかに動き、今度こそ狙いはカルロスへ。
先端の鈎が強かに彼の手を打ったのならば、鋏を持つ手の力も緩んだ。
そこにすかさず畳み掛けるように、魅夜は埒外の力を発動させた。
「鮮血の屍衣を纏いし呪いの鋼、喰らい尽くせ汚濁の魂」
詠唱の通りに鮮血の濃霧を纏いつつ、魅夜は力強く地面を蹴る。
カルロスも何とか鋏で霧を受け止めようとしているが、それよりも魅夜が距離を詰め切る方が速かった。
「体内からあなたを引き裂くこの鎖、その鋏で受け止められるならやってごらんなさいな」
鮮血の濃霧はあっという間にカルロスを包んでいき――そして、彼の体内からは花が咲くように鎖が弾けた。
溢れ出る苦悶の声と鮮血の香りを堪能しつつ、魅夜は戦いの先手を打っていったのだ。
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
敵の先制は【オーラ防御】を纏い
【聞き耳】で攻撃に伴う音を聞き分けつつ【学習力】で攻撃の軌道を推測
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】を行う事で
氷の盾による防御、或いは鋏の凍結により阻害し
それでも万一攻撃を受けたなら【激痛耐性】で耐える
初撃さえ切り抜けたら【空中戦】で
鋏が当たらない程度にカルロスさんから距離を取り
【破魔】を乗せた【指定UC】を発動
この範囲攻撃でも防げるなら防げばいい
コピーしても意味ないけどね
その技に宿るのは破魔による【浄化】の力だけ
今この戦場において悪となる者
祓われる対象は貴方だけだよ
その隙に破魔を乗せた★花園を地に広げ逃げ場を奪い
光の【全力魔法】で追撃を
光、あれ
●
「ここが六の王笏島……何だか、嫌な感じがするね」
ふわりと羽根を広げつつ、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)も戦場へと降り立った。
島を覆う黒い気配は異世界から溢れる虚無だろうか。
その中央には――カルロス・グリードの姿もある。
「来たか、猟兵よ。己の力に溺れ消えるがいい」
先に動くのは彼の方。澪は攻撃の予兆を察知し、意識を全力で集中させていく。
カルロスの握る金の鋏はきっと自分の能力を再現してくるだろう。ならば放たれるのは――聖なる光による攻撃だ。
鋏の刃の煌めき、金属の擦れる音、カルロスの手の動き。
その全てを予測しつつ、澪は自身の前方に魔力を展開していく。
「――今っ!」
金の鋏から強力な魔力が溢れると同時に、澪は氷の盾で自分自身の身を守る。
宝石のように組み上げた盾は内部で光を拡散させて、その威力を弱めていく。
これで初撃は凌げた。次は自分から仕掛けるべく、澪は再び薄桃色の羽根を広げた。
虚無を見下ろすように空を飛び、澪は己の聖者としての力を高めていく。
「今度は僕の番だよ。これが本当の……僕の光」
祈りと共に降り注ぐのは柔らかな破魔の光だ。
その光はカルロスの虚無を祓い、骸の海へと流していくが――相手もまだ動くつもりのようだ。
カルロスは鋏を掲げ、澪の能力を再現していく。
「先程は失敗したが……今度こそ自身の力で滅びろ、猟兵!」
「……残念だけど、コピーしても意味ないよ」
その言葉通り、眩い光が澪を貫こうとも何も起きない。
澪の光に宿るのは浄化の力。これによって祓われるのは悪しき者、この戦場ならばカルロスだけだ。
予想外の結果に侵略者の王が息を呑む音が聞こえた。畳み掛けるなら今だ。
「もう逃さないよ。虚無を広げるのはお終いにしよう」
澪はそっと上着を脱ぎ捨て、左腕にある聖痕をそっとかざす。
そこから溢れる力は虚無に覆われた島に美しい花を咲かせ、カルロス・グリードを包み込んでいく。
これで彼はもう逃げられない。あとは導いてやるだけだ。
「光、あれ」
澪は全力で光の魔力を撃ち出し、侵略者の王へと追撃を仕掛ける!
光の刃は深々と虚無を貫き、花園の花がふわりと舞い踊った。
その光景は本物の御伽の国のようで。虚無が打ち払われたことを祝福しているかのようだった。
成功
🔵🔵🔴
ヴィクティム・ウィンターミュート
随分とファンシーな姿になっちまいやがって
エキセントリックな散髪でもしようってのかい?
残念ながら俺はお断りさせてもらうがね
──勝たせてもらうぜ
あの金色の鋏はカウンターだ
つまりこっちからアクションを起こさない限り、先制攻撃は普通に攻めて来るしかない
行動の出かかりから予測される動きを【見切り】、避ける
さて、反撃と行くか…インファイトを継続
服を掴む、脚を踏むなどして距離を取ることを許さない
瞬時に【クイックドロウ】銃を抜き、【零距離射撃】だ
たとえお前が、この弾丸をコピーできるとしても
この距離で、その大きさの刃で受け止めるのは厳しいだろ
何よりこの弾丸は、早すぎる──すぐに距離を取ろうとしても、無駄だぜ
●
御伽の世界から力を借り受けた侵略者の王は、今までとは異なる装いをしていた。
上品なスーツや虚無に包まれた身体も気になるが、それ以上に目を引いたのは巨大な二つの鋏だ。
「随分とファンシーな姿になっちまいやがって。エキセントリックな散髪でもしようってのかい?」
残念ながら俺はお断りさせてもらうがね、と付け加えつつヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)は笑う。
けれどその笑みと軽口の裏に隠すのは、強い戦意と決意だ。
「――勝たせてもらうぜ」
「……勝つのはこちらだ、猟兵よ」
挑戦を真っ直ぐに受け止めたのだろうか。カルロス・グリードは金の鋏を構え、ヴィクティムとの距離を一気に詰める。
金の鋏は『敵の能力をコピーする』という力を宿していたはず。事前に受けた説明を思い出し、ヴィクティムは迫る敵の姿をじっと見る。
いくらあの鋏が強力で、かつ相手が先手を打ってこようとも――コピー出来ないような動きを取れば問題はないはずだ。
予想通り、カルロスが放ってきたのは鋏による斬撃だった。この程度の攻撃ならば見切ることだって容易だろう。
「自慢の財宝もそれじゃあ宝の持ち腐れだな?」
ひらりと斬撃を回避しつつ、ヴィクティムは右腕を前へと伸ばす。
カルロスは攻撃のためにこちらに接近せざるを得なかった。ならばその身体を掴むのも簡単なことだ。
「おのれ……離せ!」
「離せと言われてそう簡単に離すかよ。今度はこっちの番だ」
流れるような動作で、今度は左腕を敵へと向けて。
同時にサイバーデッキに搭載された散弾銃が姿を現し、銃口は確りとカルロスの胸に狙いを定めた。
「悪ィけど、アイツの弾丸は止められねぇよ。受け止められるもんなら受け止めてみな」
カルロスが鋏で身体を守るより早く、至近距離から放たれた弾丸が結果を示す。
虚無の身体には小さな、だけど何よりも致命的な穴が穿たれたのだ。
「何だ、この感覚は……!?」
弾頭から放たれた起源はカルロスの思考を、肉体を停止させ――冬を訪れさせる。
得体の知れない感触に戸惑う王を前にして、ヴィクティムは再び軽い笑みを浮かべた。
「あんたが強力な宝や能力を使おうと、俺達はその上を行くんだよ。覚えておきな」
最も、こうなってしまっては朽ちていくだけかもしれないが。
暑い海の世界の王は、静かな冬の訪れに合わせただ膝をつくだけだった。
成功
🔵🔵🔴
ハルア・ガーラント
●WIZ
彼が足をつけている必要があるのなら地面は虚無に飲まれない
頑張れる、大丈夫
そう己を[鼓舞]
彼の身体が虚無と化したら己の身体を[浄化の祈り]を込めた[オーラで包み防御]しつつUCを発動
ここ大事です、[気合い]入れます!
ふわふわの植物群落で辺り一面を覆い彼の足を地面から離してしまいましょう
祝福された植物達
例え焼き払ってもわたしがここにいる限り再び芽生えます
彼の殺気や挙動を[視力]だけに頼らず[第六感]でも捉え回避や防御を
合間に銃で聖属性の魔弾を撃ち込みます
〈咎人の鎖〉を密かに翼から解き植物の茂みに簡易罠として設置
僅かでも体勢を崩したら予め[魔力溜め]した銃の一撃をその真っ黒な貌へ放ちましょう
●
『六の王笏』からは虚無が溢れ、島全体にどこか恐ろしい気配が漂っている。
そんな状況を前にしつつ、ハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)は小さく己を鼓舞していた。
「彼が足をつけている必要があるのなら地面は虚無に飲まれない。だから頑張れる、大丈夫」
暗闇が全てを呑み込むとしても、寄る辺があるのならきっと何とかなるはずだ。
そう信じて、ハルアはカルロス・グリードを確りと見つめる。
「あなたの好きにはさせません……!」
「威勢だけは良いようだな。だが……貴様は呑み込まれずにいられるか?」
どろり、島を覆う気配が更に濃くなった。
カルロスを中心に虚無が広がっていけば、大きな波のようにハルアを呑み込まんと迫りくる。
すかさずハルアは自分の身体を光で包み、両足を意識して祈りの姿勢を取った。
籠めるのは強い想いと気合だ。目の前の光景が恐ろしくても、わたしならきっと塗り替えられると信じて。
「どんな場所だって、柔らかな草木の揺り籠に」
ハルアの祈りが齎したのは小さな奇跡だ。
埒外の力は彼女を中心にしてゆっくりと広がり、優しく虚無に覆い被さる。
するとそこからはふわふわの草花が芽吹き――カルロスの足元も優しく包んだのだ。
「貴様……厄介なことを……!」
怒気を籠めた声と共にカルロスは草花を呑み込んでいくが、ハルアが祈る限りその緑が途切れることはない。
相手に隙が生じたのを確認し、ハルアはすぐさま『銀曜銃』を構えた。
「どんなに恐ろしいことをしようとしても、自然だって祈りだって負けたりしませんから!」
銃から放たれた煌めく弾丸はカルロスの身体を掠め、上品なスーツに傷を与えていく。
「ちょこまかと鬱陶しいぞ!」
向こうもすぐさま虚無を広げて反撃してきたが、その様子からは確かな焦りが見えている。
今ならもっと大きな手も打てるはず。そう確信したハルアは、再び銀曜銃の狙いを定めた。
「お願い、届いて……!」
先程よりも強い光が銃口から放たれれば、その輝きはカルロスの身体を大きく揺るがす。
同時に草花の間から姿を現したのは――ハルアの翼から繋がる、咎人の鎖だ。
「これで決まりです!」
たっぷりと魔力を帯びた鎖は勢いよく跳ねていき、真っ直ぐに虚無の貌を強かに打つ。
衝撃で溢れた光もまた、力強く真っ暗な闇を打ち払っていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
オウガオリジンさん、猟書家に、カルロスさんにと、力を奪われ過ぎではないですか……?
光を放ち【推力移動ジャンプ】跳び退いて漆黒の体から逃れようと
全てを飲み込むと聞きましたが、地に足はつけ続けるのですね
放った光は攻撃性もあり【レーザー射撃トンネル掘り】足場を壊して、発動条件を満たせなくしようと
上回られることも【覚悟】
【激痛耐性、継戦能力】仮初の肉体、半ば飲み込まれても。本体が無事であるから、死なない。後で再生できる
だから怯まず
『生命力吸収光』を放つ
【範囲攻撃生命力吸収】加減は、しない
全てを飲み込む、虚無も
今に生る、在る為には「時間」が必要
私の光は、それを、喰らう
時間が尽きれば
骸の海へ、還る時、です
●
『六の王笏』はアリスラビリンスの力を具現化し、猟兵達を出迎えるつもりらしい。
その説明を聞き、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が思い返したのは以前の戦争だ。
「オウガオリジンさん、猟書家に、カルロスさんにと、力を奪われ過ぎではないですか……?」
それならば何度でも彼女の力を潰すだけだ。
ナイは聖者の光を纏いつつ、カルロス・グリードと対峙する。
「オウガの王は失敗したようだが……今度こそ貴様らを虚無の中へと沈めてやろう」
相手は容赦なく虚無の闇を広げ、こちらを呑み込もうとしているようだ。
その波がこちらへ辿り着くより早く、ナイは地面を蹴って空へと躍り出た。
上から見下ろせばよく分かる。カルロスの周囲に闇は広がっているが、彼の足はちゃんと地面についているようだ。
「全てを飲み込むと聞きましたが、地に足はつけ続けるのですね」
状況を把握しつつ、ナイは更に纏う光を強めていく。
その輝きは次第に強い熱を帯びていき、レーザーのように放たれたのなら――カルロスの足元を目がけて飛び始めた。
着弾地点から地面が抉られ、カルロスの身体が揺らぐ。お陰で虚無の広がりは弱まっていくが、その一片がナイの足を軽く掠めた。
「っ……まだ、大丈夫、です……!」
闇が少しだけ自分の足を傷つけたが、ナイは光を放つことを止めていない。
今の身体は仮初のもの、本体さえ無事ならば耐えられる。
死なないのだからまだ進める。
それよりも今は怯えず立ち向かう方が大切だ。
「私の光も、あなたを、呑み込みますから」
ナイが強めた輝きは先程とは別の色を宿していた。
より白く、どこか獰猛さも帯びた輝きはカルロスの元まで届くと、彼の身体を少しずつ蝕み始める。
「……どういうことだ?」
「全てを飲み込む、虚無も、今に生る、在る為には『時間』が必要。私の光は、それを、喰らう」
本来ならば加減は難しいけれど、オブリビオン・フォーミュラに対し遠慮をする必要はないだろう。
ナイの光はカルロスを構成する虚無を照らし、ゆっくりと呑み込んでいく。
攻撃は緩やかに、けれど着実にタイムリミットに近づいていくだろう。
「時間が尽きれば、骸の海へ、還る時、です」
侵略者の王も、再現された御伽の国の力も、在るべき場所はここではない。
そんな全てを導くように――ナイの光は六の王笏島を包み照らしていった。
成功
🔵🔵🔴
白斑・物九郎
●SPD
コードをガードしてコピーすんのが相手の技っスか
『金の鋏』だけは初手からコードで喧嘩出来そうですわな
【L95式火力支援Ⅱ】、発動!
カルロスの動く先ことごとくを【野生の勘】で予想
ンで『L95式スマートフォン』経由で支援砲撃の座標を指定
コピー技、使いたきゃ使いなさいや
おたくが発動させたトコで、降って来る砲撃はあくまで「俺めが設定した攻撃地点に」だけ――
おたくの手番も俺めのコード攻撃になるだけですからな!(2回攻撃)
相手がコード抜きのバトルにシフトするってんなら、設定した支援砲撃が降る間だけ、白兵戦、付き合ってやりますでよ
魔鍵の先端パターン部で相手の鋏を絡め受けてやりまさァ(ジャストガード)
●
戦場に降り立った白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)の瞳が捉えたのは、自身と同じ色をしたカルロスの鋏だ。
「あれでやんのは……コードをガードしてコピーするって技っすか。それなら初手からコードで喧嘩出来そうですわな」
「ほう、我がメガリスに正面から挑むつもりか。いいだろう、受けて立つ」
物九郎の言葉を受け、カルロスも金の鋏を確りと構える。
相手もド派手な喧嘩を所望なら遠慮は必要ないだろう。物九郎は白く輝くスマートフォンを取り出し、手短にコール音を鳴らす。
「相手の動きは俺めが判断しますわ。そっちは頼んましたよ」
『了解、火力支援を開始します』
通話先から無機質な少女の声が響いたかと思えば、虚無の暗闇を切り裂くように電脳空間が展開されていく。
そして次の瞬間、凄まじい爆撃音が島を覆い尽くした。
改造スマートフォンを通し繋がった空間から放たれたのは、物九郎の副官による援護射撃だ。
その光は激しく瞬き、敵を貫こうとするが――。
「我が『金の鋏』に対しユーベルコードとは。舐められたものだな」
カルロスの構えた鋏が降り注ぐ攻撃を受け止め、刃には同じような輝きを帯びていく。
かといって物九郎の表情に焦りはなく、むしろ余裕すら見えていた。
「ホントにコピー出来るんですな……ま、使いたきゃ使いなさいや」
ゆるり、物九郎はカルロスへ向けて指を指す。それに合わせるように電脳空間もカルロスを捉え、何かの表示を映し出していた。
カルロスもそれには少しだけ違和感を覚えたが――それよりも早く、鋏から眩い光の矢が放たれた。
しかし、その光はカルロスに従わず、むしろ電脳空間の表示に従い動いている。
そのまま砲撃はカルロスを撃ち抜くと、鋏からも輝きは消え失せた。
「何……!?」
「その攻撃は『俺めが設定した攻撃地点に』放たれるんすわ。コピーだろうとその条件は変わらねーってことですよ」
物九郎は一気に地面を蹴り、体勢を崩したカルロスの元へと接近していく。
同時に自身の周囲にモザイク状の空間を展開、そこから取り出した魔鍵を掲げ敵を狙う。
「ならば直接切り裂いてやろう!」
「いいっすね。白兵戦、付き合ってやりますでよ」
物九郎の背後からは再び支援射撃が発射され、カルロスを少しずつ追い詰めていく。
カルロスも鋏を以て攻撃を受け止めようとするが、その刃は物九郎が振るう魔鍵が受け止めた。
ガチャリ、金属同士がぶつかる激しい音が聞こえたかと思えば――。
「喧嘩は俺達の勝ちですな」
がら空きになった胴体に撃ち込まれるのは全力の射撃攻撃だ。
その光が消え失せる頃には――カルロス・グリードの身体も、島を覆う虚無も消え失せていた。
●
猟兵達は無事に『六の王笏』に勝利し、戦争の終わりにもまた一歩近付いた。
残る期限はあるものの、彼らの足取りは着実に進んでいる。
きっと猟兵達ならば――海の世界も、きっと救えるはずだ。
成功
🔵🔵🔴