羅針盤戦争〜決戦!五の王笏~戦え協力者と共に!
「先日『五の王笏島』の攻略の第一陣が無事に終わりました。そして今回第二陣としてお集まりいただいた皆さんに向かってもらう事になります。」
集まった猟兵達にそう説明するのは炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。
先日の時と同じ内容になるが注意事項を述べる瑠美。
「『五の王笏島』は「アックス&ウィザーズ」の影響を大きく受ける島になります。その為、五の王笏は「アックス&ウィザーズ」の力を具現化しており、『ベルセルクドラゴンの鎧』を着用して、高速思考及び超戦闘力攻撃を仕掛けてくるようです。」
高速思考の影響でこちらの攻撃よりも先にカルロスの方が攻撃をして来ることは避けられないらしい。
「ベルセルクドラゴンと言えば、帝竜戦役の際に猟兵達の前に立ち塞がった帝竜の一体、ですよね?私がまだ猟兵になる前の話なのですが…」
非常に厄介な相手である事は間違いない。
加えて、五の王笏島には、大量の「白骨化した古竜(スケルトン・エルダー・ドラゴン)」が存在し、カルロスの命令に応じて直接攻撃してくる。ブレス等の能力は持たず、体も脆いようだが、カルロスのユーベルコードの他に、これにも対処しなければならないだろう。
「カルロス・グリードの先制攻撃、そして白骨化した古竜への対処。この2つには十二分にご注意くださいませ。カルロス・グリードを撃退出来れば、彼の占領していた島を一つ奪還も出来るようですよ?」
・・・ここまでは先日とほぼ同じだった。だが、先日の時にもいたのだ。瑠美の説明を受けながらも実際に現地に向かおうか迷うような表情を浮かべる猟兵の姿が。
そこで瑠美は続ける。
「実は、ですね。炎武家が動きまして現地で協力者を募ったのです。今回の場合は『アックス&ウィザーズ』に関わりのあった方々に。その中で自分達の関わりのあった世界の島を奪還する為に微力ながら協力したい、と言って下さる方々がおられました。」
彼らは猟兵ではない。それ故に猟兵ほどの一騎当千の力は持ち合わせていない。だが・・・。
「彼らの力を借りれば、1人では難しい局面も乗り越えられるかもしれません。先制攻撃に力を合わせて対処していただいたり」
そうなのだ。猟兵達の間で今回のような戦いは通称「幹部戦」と呼ばれているが、状況によっては「幹部戦」に慣れた猟兵でも苦戦する事もままある。「幹部戦」に慣れていない猟兵達にとってはかなりハードルの高い戦いであるのだ。
それをなんとかしたい。「幹部戦」に慣れていない猟兵達の背中を押してあげたい。その思いの結果が今回の働きかけになったようだ。
「協力者についてはこちらの資料に纏めておきましたので、現地でその方と合流して戦い赴いてくださいませ。皆さん、どうかご武運を。」
その話を聞いた新米らしい猟兵達の中に安堵の表情が浮かぶ。それを見て少しホッとした瑠美は協力者についての資料を猟兵達に手渡した後、転送準備に取り掛かるのだった。
黄昏空
黄昏空(たそがれ・そら)です。こちらのシナリオは戦争シナリオとなっており、1章で完結します。
猟兵として活動していて幹部戦がやはり敷居が高い、と感じてしまう事が多々あった当方としては、やはり敷居が高いと感じ参加したいけど迷っている、という方々の少しでも背中を押す事が出来れば、と考えてみました。
幹部戦では幹部が先制攻撃をする事は確定事項。これは覆せません。技能や装備が整わなくて、参加するのは躊躇ってしまう・・・そういう方も居られるでしょう。 そういう方の為に、少し救済措置的なものとして「協力者」を同伴させる事を考えてみました。
協力者については以下のようになっております。
バーバリアン(略:戦):近接攻撃を得意としています。
パラディン(略:騎):猟兵を守るように立ち回ります。
アーチャー(略:狩):遠距離から射撃武器で援護します。
シーフ(略:盗):敵の行動を一時的に封じたり行動阻害を得意とします。
ウィザード(略:魔):魔法攻撃を得意とします。
クレリック(略:聖):回復魔法や神聖魔法を得意とします。
協力者はいずれか1名。協力を得たい場合は『プレイングの冒頭に略名を記載』ください。
協力者は猟兵ではないので一騎当千の力は無論ありませんが、ピンポイントのフォローなら何とかこなしてくれるでしょう。(描写はチラッと出るくらい。あくまで主役は皆さん猟兵です)
ここからは全体の説明です。
カルロス・グリードは必ず先制攻撃をしてきます。
当方のこのシナリオでは『UCでの敵先制攻撃への対応も可』とします。
五の王笏島には、大量の「白骨化した古竜」が存在し、カルロスの命令に応じて直接攻撃してきます。ブレス等の能力は持たず、体も脆いようです。これらの古竜にも対応する必要があります。
このシナリオにはプレイングボーナスがあります。
〇プレイングボーナス:敵の先制攻撃ユーベルコードに対処し、同時に「白骨化した古竜」にも対応する。
協力者と連携を取る(取らなくてもいい)→取らなくてもペナルティはありません。
「プレイング採用数は最小限(恐らく多くても6人前後)を予定しております」
「人数が多い場合はランダム採用させていただきます」
「平日の執筆の場合は1日に採用出来る人数は1,2名となります」
「人数が多いようであれば次のシナリオも出します」
それでは皆さんのご参加、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『七大海嘯『五の王笏』カルロス・グリード』
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POW : アリエント・ドラゴーン
【鎧から放射される凶暴化ブレス】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : エスパーダ・ドラゴーン
【鎧の身体強化】による素早い一撃を放つ。また、【肉体をドラゴン化する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : イーラ・ドラゴーン
【自身または竜に対する敵意】を向けた対象に、【負傷の分だけ威力を増す狂える竜のオーラ】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
百鬼・智夢
聖
私も…力の無い私でも…
お力に、なれるでしょうか…
お願い皆、手伝って…!
★リアムの力で善良な霊達を【降霊】
【オーラ防御】を張って貰って身を護ります
同時に向かってくる古竜がいれば
★薙刀による【破魔】を宿した【薙ぎ払い】で対処
古竜…骨…★クロと同じ存在…?
それなら★魔除けの札も飛ばしておきます
古竜だけでなく、カルロスさんにも
もしも破魔が効くのなら…それで足止めが出来ればいいんですけれど…
古竜は大きいから…その分、懐に入りやすいのは利点でしょうか…
クレリックさんには回復をもらえると、嬉しいです
皆が手伝ってくれているのに…私が弱気になっちゃ、ダメですね
【指定UC】で古竜ごと、カルロスさんに、攻撃します
羅針盤戦争が終盤を迎え戦いがより激しさを増す中…、1人の少女が戦場に立った。
(私も…力の無い私でも…。お力に、なれるでしょうか…。)
勇気を振り絞って戦場に立った彼女の名は百鬼・智夢(慈愛の巫女・f20354)。
他の猟兵達が戦っている事も知っていた。私も力になりたい。でも、強大な敵を前に果たして自分に何が出来るというのだろう…。
そんな葛藤に苛まれていた智夢だったが、話を聞いていたグリモアの言葉に心を動かされた。「もしかしたら私も力になれるかもしれない…」と。
同行してくれる事になったクレリックの女性とも言葉少なめにはなってしまったが打ち合わせを行った。
過去の出来事により、智夢は人と話をするのは苦手になっていた。だが、クレリックの女性は特にその事を問いただす事もなく智夢の回復支援を引き受けてくれた。
そして今、自身の目の前には一人の男性がいる。
(たしか、カルロスさん、でしたね…)
胸元のテディベアを抱える手に思わず力が入る。自分は本当にここに来て良かったのだろうか…と。
そんな少女の様子を見たカルロス・グリード。とても戦場に立つような雰囲気の少女ではない彼女に対し高圧的な態度を取った。
「まさか、小娘。この我に挑もうなどと考えておるまいな?場違いも甚だしい」
思わず身を竦めそうになる智夢。だが…、無造作に続けたカルロスの言葉に智夢は戦う覚悟を決める。
「そのような人形を持ちながら戦いの場に来るなど…。」
自分の気持ちを押し殺すようになっていた智夢の心に今、確かに火が灯った。
「引かぬというのなら我とて容赦はせぬ。覚悟せよ小娘!」
カルロスより攻撃的なオーラが放たれる。咄嗟に智夢は胸元のリアムと名付けられたテディベアを介し周囲へ呼びかける。
「お願い皆、手伝って…!」
リアムの瞳が青く輝き智夢の前に霊的なバリアが張られた。善良な霊達によって張られたバリアは、カルロスより放たれたオーラを受け砕け散る。だが、そのバリアが威力を軽減してくれたのだろう。無傷とはいかなかったが致命傷にはならなかった智夢。
間髪入れず癒しの波動が智夢に降り注ぎ、傷を癒していく。
「なるほど、この場に立つ最低限のものは持ち合わせているようだな。だがっ!」
カルロスの命令によって古竜が襲い掛かって来る。
智夢は咄嗟に破魔の力を纏った薙刀を構え薙ぎ払った。目の前の古竜はその一撃を受け消滅する。
「古竜…骨…。クロと同じ存在…?それなら…」
自身に付き従う骨犬と同質の存在と判断した智夢は魔除けの札を飛ばす。智夢に操作された札は次々と古竜の動きを封じていく。その中の一枚がカルロスにも貼り付く。
「ちっ、忌々しい。破魔の力か!」
僅かな時間だがカルロスの動きを阻害する事に成功したようだ。その瞬間を智夢は逃さない。
(クレリックさんも、霊達も、皆が手伝ってくれているのに…私が弱気になっちゃ、ダメですね)
素早く身動きを封じた古竜の足元へ入り込んだ智夢がUCを発動する!
「悪しき心に、光の裁きを…」
その瞬間、天から降り注ぐ破魔の流星群が戦場に降り注いだ!
「くっ、おのれ小娘ぇぇっ!」
カルロスの叫びは降り注ぐ流星群の着弾音によってかき消えるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
朱鷺透・小枝子
自分の戦い方では、歩兵を巻き込みかねない。
亡国の主に搭乗操縦。
キャバリア相手に、敵は小回りを活かしてくると予想し、
フレイムランチャーの範囲攻撃、からのシールドを纏った主の手で掻い潜ってきた敵へ怪力シールドバッシュ!
だが、島を奪還したいという思いは、自分の中にある!!
スラスターで推力移動、上空へ飛び上がり、白骨古竜達を回避。
『殲滅攻戦』発動。来い、キャバリア共!
夥しい数のディスポーザブル02を、自縛特攻させる。
白骨古竜達を、カルロスを、特攻の絨毯爆撃で吹き飛ばし、
念動力投擲、騎兵刀をカルロスへ向けて投げ付けおびき寄せ。
注意を逸らした瞬間、ディスポーザブル02でカルロスを捉え、密集。
飽和爆発!
「貴様はっ!」
亡国の主を見たカルロス・グリードは一瞬憎しみを籠めた表情を浮かべた。
「そうか…、こうも早く雪辱を果たす機会を得られようとは。我も運が良い」
第一陣にて交戦した時はこちらが勝利した。確かにカルロスは強力な相手だ、だが対応さえ出来れば勝てない相手ではないのだ。
朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は亡国の主のコックピット内でつい先程あった出来事を思い出していた。
小枝子は島へ転送されて直ぐ、件の協力者達と顔を合わせていた。やる気に満ちた表情の協力者達に小枝子は申し訳なく思いながらもその申し出を断った。「自分の戦い方では、歩兵を巻き込みかねない」と。
小枝子は第一陣でカルロスと交戦し勝利している。その話をどこかで聞いていたのかもしれない、残念そうな表情ながらも「貴方の勝利を祈っています。どうかご武運を!」と見送られ戦場へと参じた小枝子。
(島を奪還したいという思いは、自分の中にある!!)
そう、断りはしたが協力者達の想いは小枝子にとっても共感する部分のあった事。だからこそ、彼らの想いの分まで必ず勝利を掴もうと決意する小枝子だった。
「先の戦いでは我はひどく動揺した、それ故に敗北したのだ。冷静さを失いさせしなければ我が貴様に負けるはずなどない!」
カルロスは戦闘開始早々に肉体を変化させた。ドラゴンというよりもドラゴニアンに近いだろうか?大型のドラゴンでは小枝子の乗る亡国の主とはパワーはほぼ互角だった。だが、そこまでなのだ。そこで小型ではあるが自身を強化し小回りを活かしてキャバリアを翻弄する方針を取ったのだ。
「勝負だ、猟兵!」
自身の姿を捉えさせないよう小刻みなフットワークで亡国の主に迫るカルロス!
だが、小枝子の方も前回の戦いから対策を取って来ることは百も承知の上。ならさらにその上を行くだけの事だ。
カルロスの移動範囲と思しき範囲を目がけてフレイムランチャーを放つ。燃え盛る炎はカルロスの行動範囲を一気に狭めた。
「やるな!だが…取ったっ!」
炎を掻い潜り鋭い突きを放ってくるカルロス!
そのカルロスの目の前にあったのは巨大な盾だ。
「なっ…ぐっ…」
横っ面にシールドバッシュを受け吹き飛ばされるカルロス。
慌ててそのカルロスを援護するように古竜達も動き始めた。数が多い古竜達の攻撃を回避する為、一度上空に飛び上がる主。そこで小枝子はUCを発動させる。
「『殲滅攻戦』発動。来い、キャバリア共!」
空を埋め尽くさんとするディスポーザブル02が召喚された。右手を掲げた小枝子は勢いよく振り下ろす。そう、死刑宣告のように。
ディスポーザブル02は自爆しながら地上に降り注ぐ。それは古竜達を、カルロスを飲み込んだ。
カルロスは素早く回避し、爆撃の直撃は避けたようだ。
「おのれ、なんという破壊力だ…。くっ」
そのカルロスへ向けて騎兵刀が飛んで来た。頬を掠める形で横を通過していった騎兵刀に視線が向かう。
「これでトドメ!」
一瞬注意が騎兵刀へ向いたカルロスに向け、ディスポーザブル02の大群を差し向ける小枝子。
カルロスを包囲したキャバリアは次々と爆発していく。
「何故だ、何故我は奴に勝てないっ!」
カルロスの声は爆発に飲み込まれていった。
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・奏莉
ドラゴン退治、しかもパーティまで組めるなんて、
これは勇者としては避けては通れない道ですね!
パーティメンバーには、クレリックさんを指名させてもらいたいです。
わたしが前で突っ込みますので、
まずは相手の先制攻撃で受けた傷の回復をお願いしたいのですよ!
いえ、コケたりした傷は治さなくていいです。
戦闘でつけられた傷だけでだいじょぶなのですよ。
相手の先制をなんとか凌いだあとは、
勇者の剣【松葉杖】で『白骨化した古竜』に攻撃です!
打撃なら骨でも関係ないですよね。
何度か松葉杖を振るって攻撃していたら、足を滑らせ全力頭突き。
きゅぅ~、と目を回していたら
【医療安全管理チーム】のみなさまに、助けてもらってしまいました。
「ドラゴン退治、しかもパーティまで組めるなんて、これは勇者としては避けては通れない道ですね!」
グリモアから話を聞いてわくわくした表情を浮かべたのは菫宮・奏莉(血まみれ勇者・f32133)。このシチュエーションはファンタジーの王道!
勇者である奏莉としても胸躍るのであろう。クレリックの女性に同行をお願いした奏莉は会って早々に傷の手当てをした方がいいのか心配されてしまった。顔に巻かれた包帯が気になったのだろう、その事に気が付いた奏莉は事情を話しなんとか納得してもらうのだった。
ダメージは負っているものの未だ健在のカルロス・グリード。目の前に現れた奏莉を見て彼は開口一番このような事を言い始めた。
「今度は貴様が我の相手か、童よ。しかし…既に満身創痍ではないか!勝負するまでもなく我の勝ちか!」
これは違う、とぶんぶんと首を振り勇者の剣を構える。…構えた剣も見た目はどう見ても松葉杖という状況ではあったが。
「仕方あるまい、どうしても立ち塞がるというのなら叩き潰すまで。行くぞ童!」
カルロスは自身の内側より攻撃的なオーラを解き放った。
これまでの猟兵の戦いでカルロスは負傷している。威力が増加したオーラは奏莉に容赦なく襲い掛かった。どう見ても医療用トレーにしか見えない勇者の盾を取り出し必死にオーラを防ごうとする。
オーラを放出し終えたカルロスは目の前の童を眺める。
「満身創痍であった所に我のオーラを喰らったのだ、無事では済むまい…」
そう思っていた相手がふらりと立ち上がるのを見て愕然とする。
「馬鹿な…あの状況から耐えきったというのか、信じられん」
奏莉としてもギリギリの線であったが、彼女は魔法の布で編まれていた服を着ていた。それ故にかろうじてオーラに耐えきれたのだ。すぐさまクレリックが回復を行う。傷が癒えていくのを感じ再び剣を構える奏莉。
確かに立ち上がったが童の命も風前の灯、とカルロスは結論を下した。
「ふっ、あとは古竜にでも任せれば事足りるか、やれっ!」
命令に従い奏莉に襲い掛かる古竜達。勇者の剣で奏莉は迎撃する。竜の前足の一撃をひらりと躱し剣を叩き付けた。骨故に打撃には弱く、奏莉の一撃を受けた古竜はボロボロと崩れ去っていった。
時折古竜と間合いを詰めようと走り出し、足元にあった小石に躓いてコケる辺りは御愛嬌として奏莉は善戦していた。
クレリックは事前に転んだ時などは治療は必要ないと言い含められていたが、奏莉の様子を見てハラハラした思いをしていた事だろう。
古竜の攻撃により負傷した時には急ぎ回復を行っていた。
「まだ足掻くか、仕方あるまい。我が引導を渡してくれる」
善戦する奏莉を見てカルロスも考えを改めたようだ。間合いを一気に詰めて来るカルロスに剣で挑みかかる。
…という所で足を滑らせ地面に全力で頭突きを入れてしまう奏莉。
そこで、奏莉の意識は途絶えた。
奏莉が目を覚ますとクレリックの女性が心配そうに奏莉の顔を覗き込んでいた。
どうやら戦闘は終わった模様。詳しく聞いてみると奏莉が気絶した所へ通りかかった【医療安全管理チーム】と名乗る人々がカルロスに灸をすえていったらしい。
とても人のなせる業ではなかった、とクレリックの女性は証言したそうだ。
成功
🔵🔵🔴
叢雲・雨幻
魔
せっかくだし一緒に戦うとするかね。
ここぞ…って時に手貸してもらうよ。
【SPD】
魔は出番まで目立たないように潜伏を指示。
まず骨龍だが、襲ってくる奴を順次【カウンター】で足元の【影】を伸ばして薙ぐ様に対処しよう。
そして本命の攻撃だが…動きを【見切り】、【早業】の【武器受け】で受け止める…際にわざと剣を弾かれて吹き飛ばされておこうか。力不足、と油断して更に攻撃しようとしてくれればOK。
そこを魔に横槍を入れてもらい、意識が一瞬反れた所でUC発動。宙を舞う剣の影と繋いで背後から…って具合で行こう。
その後の魔は無理をせず生き残る事に専念して頂戴な。
帰っておいさんと祝杯をあげるって仕事があるし…なんてね。
グリモアの話を聞いた時の猟兵の反応は様々だった。力を借りようという者、自分の力で何とかしようという者。
そんな中で叢雲・雨幻(色褪せた根無し草・f29537)は前者の方であった。
(せっかくだし一緒に戦うとするかね)
現地でウィザードと合流する事になった雨幻。合流したウィザードななかなかの美人であった。
「これはなかなか楽しい仕事になりそうだ」
どこか冗談交じりとも思われる言葉を彼女と交わす雨幻。本人曰く、普段から飄々としている為、いい男なのに何故かモテないらしい。今回もその発言にて相手に微妙な表情をさせる事となった。雨幻としては強敵との決戦を前に緊張を解そうとの試みだったのだが…。
ひとまず、ウィザードにはここぞという時に手を貸してもらう事にし、それまでは力を温存してもらう事にした。潜伏し攻撃機会を伺うよう依頼をした後、1人カルロス・グリードに相対する雨幻。
「先程の軍団は一体何だったのだ…、解せぬ。…今度は貴様が相手か」
どうも直前に理不尽な事があったらしい、微妙に言葉尻に怒気が混じっている気がすると感じる雨幻。
「…いや、こちらに八つ当たりされても困るんだがね」
「ぬかせ猟兵、覚悟しろ!」
まぁ、相手がどうであろうとやる事は変わらない。そう思う事にした雨幻であった。
手始めに、と襲い掛かって来る古竜達。その一撃一撃を飄々とした感じで回避していく雨幻。
「それじゃあ、反撃しますかね」
攻撃を回避され無防備になった古竜に雨幻の足元の影が伸びていく。そして影は薙ぎ払うように古竜の胴体を打ち据えた。その衝撃で骨だけであった古竜は崩れ落ちていく。
この影こそ雨幻の隠し玉である操影術。まるで影が意思を持つかのように動き雨幻を支援するのだ。
次々と襲い来る古竜、それを打ち据えている間に本命であるカルロスも間合いを詰めて来ていた。
「なかなかやるではないか。だが、これならどうだっ!」
カルロスは蹴りによる連撃を叩き込んできた。
雨幻はその動きを見切り、両刃の剣で初撃を受け止める。
だが、続けて放たれた二撃目の蹴りによって雨幻の剣は手元より弾かれてしまう。
「ふっ、猟兵よ。油断したようだな…。その油断が命取りとなったようだ」
早々と勝利宣言をするカルロス。まさか、雨幻がカルロスの蹴りによって弾き飛ばされたように装い、わざと剣を手放したとも知らずに。
「貴様では役不足だったようだな…さぁ、覚悟しろ」
トドメを刺そうと近寄って来るカルロス。その横っ面に…巨大な火球が直撃する。
「?!な、なんだ…?」
慌てて火球が飛んで来た方向を向くカルロス。その瞬間、カルロスの意識は雨幻から完全に逸れていた。そのチャンスを雨幻は逃さなかった。
「さぁて、オジサン厄介な事しちゃおっかなぁ!」
影と先程の手元より手放した剣を繋ぐ。そして、カルロスの意識が逸れているその背後より影に操られた剣は襲い掛かった!
「今度はなんだっ!ぐぅっ」
背中に鋭い斬撃を受け振り返るカルロス。そこには宙に浮く剣とそれを操るかのように伸びる雨幻の影があった。
(さて、あとは無理せずに生き残りますかね。この後ウィザードのお嬢さんと仕事完了の祝杯をあげねばならないし…なんてね)
大成功
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神代・セシル
協力者は要りません。
発生器Starlit Shieldを最大出力させ、全方位シールドを展開します。
視力を発揮して敵の攻撃を見切って回避します。
見てください、私の仲間は「自然」です。
高速詠唱によりUCを発動。炎属性と竜巻を合成し、炎の竜巻を操作して古竜達を攻撃します。
自然の力はそれだけではないです。あなたの高速思考が速いか、それとも稲光のほうが速いか。
【恒星ケラエノの浄化】属性と雷を合成し、連続かつ全力の【浄化の雷】魔法を『五の王笏』に放ちます。
五の王笏のお爺…おじさん、あなたは私に負けるのではなく、自然に負けるのです。
神代・セシル(夜を日に継ぐ・f28562)は協力者の申し出を丁重に断った。
セシルはこの戦争期間内でも様々な戦いを既に経験して来ている。その実力は歴戦の猟兵に引けを取らないレベルまで既に到達しているのだ。
そしてもう一つ、カルロス・グリードと交戦する際に取るつもりの戦術は協力者を巻込み兼ねない。協力者達にはくれぐれも戦闘区画には近付かないよう忠告をし、セシルはカルロスの待つ場所へと歩みを進めるのだった。
「この我を一度ならず二度までも追い詰めるとは…。猟兵と言ったか…。奴らには限界というものがないというのか…」
カルロスの体に刻まれた猟兵達の攻撃。それらは確実にカルロスを追い詰めていっている。
そして今、追い詰められたカルロスにセシルが相対する。
「我の最後の力、貴様に叩き付けてやろう。そして最後に勝つのは我だ!」
カルロスが内より攻撃的なオーラを解き放つ。そのオーラは追い詰められたカルロスを象徴するようにより一層威力を増してセシルに襲い掛かる…が。
セシルはそのオーラを回避した。指輪型のシールド発生器、その出力を最大限にし全方位シールドを展開したのだ。その上、セシルはその研ぎ澄まされた視力でもってカルロスのオーラの軌跡を見切ったのだ。
「なっ…、なんだとっ馬鹿な…」
渾身の一撃をまさか回避されるとは思っていなかったのだろう。愕然とするカルロスを一瞥ながらセシルはUCを発動させる。
「見てください、私の仲間は『自然』です。」
高速詠唱で紡がれたUCはセシルの手で炎の竜巻を作り出していた。
セシルが発動させたUCは属性と自然現象を合成させる力。今、セシルによってその自然の力が牙をむく!その矛先は骨となった古竜達だった。
その圧倒的な自然の力の前には、いかに古竜達でも抗いきれるものではなく…。古竜達は次々と炎の竜巻に巻き込まれ消滅していった。
だが、まだセシルの攻撃は続く。
「自然の力はそれだけではないです。あなたの高速思考が速いか、それとも雷光のほうが速いか。勝負です」
「お、おのれッ!」
殆どの余力を最初の一撃に使ってしまったカルロスだが、ここは引くに引けない。最後の一手を打とうとするが…。それよりもセシルの合成の方が早かった。
恒星ケラエノ、おうし座の恒星でプレアデス星団に属する恒星。その語源はギリシャ神話でアトラスとプレイオネの娘にあたるケライノに由来すると言われる。
その恒星の浄化の力と雷を合成し浄化の雷を作り出したセシルは、全力でカルロスへ解き放った!その速度はまさに電光石火。
浄化の力がカルロスの体を貫いていった。
「五の王笏のお爺…おじさん、あなたは私に負けるのではなく、自然に負けたのです」
そう、絶対的な支配者はカルロスではない。カルロスをも内包する大地だ、海だ、自然なのだ。
「そう…か。自然の前には我とて矮小なるものの一人だと…そういう事…か」
その場に崩れ落ち、消滅していくカルロス。
こうして五の王笏のカルロス・グリードは倒れ、その支配する島を奪還する事に成功したのだった。
大成功
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