銀河帝国攻略戦④~バトルオブダイナソー
今までは他の世界と比べれば平和で、猟兵達の姿も少ない方だったスペースシップワールド。
しかし今はけたたましい警報が鳴り響き、全世界から猟兵達が駆けつけ走り回る地獄絵図とかしていた。
そんな慌てて駆けつけた猟兵の一人であり、最近は依頼の仲介役となっているルウ・アイゼルネは逐一入ってくる新しい情報を必死の形相で整理していた。
「ええと、ここの宙域には二足歩行の戦車が現れていて5人の猟兵が派遣済み。この政治家の汚職疑惑は他の猟兵の案件で、あそこの宙域のは……今終わった! それじゃあ……」
次の情報を確認しようとした時、ルウの持つ端末が音をたてながら震える。
確認するとその巨大さ故に帝国の科学者達も手を焼いたと言われる禁断の兵器の出現が確認されたという。
その兵器は本能で思考しながら機械的な予測・行動をとり、学習を続ける性質を持つというまるで機械とは思えない高スペックで、後世の学者達は「どこかで生息していた巨大生物をサイボーグ化した物ではないか」と予測している代物である。
「この兵器の特徴は……壊した戦艦の部品を組み合わせて新しい巣を作り、帝国兵はそこを臨時の衛星として利用していた……と。もし学者連中の予想が事実だとして生殖機能が残っていたら、下手すれば私たちの戦力がこれが乗っている衛星兵器に取って変わられて帝国の壁になる、ってことですか」
恐ろしい予測に歯ぎしりをするルウの元に一仕事を終えて駆けつけた猟兵達が駆けつける。その表情を見回したルウは一息ついた後、大声で叫んだ。
「今回の任務は我々の戦力を取り込む能力を持つ恐竜型巨大兵器の討伐です! 背中は私たちが守るので全力で叩き潰してきてください!」
平岡祐樹
はじめましての方ははじめまして、平岡と申します。
若輩者ではありますが、スペースシップワールドの未来のために微力を尽くさせていただきます。
今回の任務は恐竜型巨大兵器の討伐。戦艦を壊されて帝国の兵器に改造される前に叩き潰していただきます!
皆様のご武運をお祈りいたします!
第1章 ボス戦
『デスモ・ブラキオス』
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POW : CODE:Dino
【恐竜の本能 】に覚醒して【広域殲滅モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : CODE:Raptor
【体から生み出した無数の小型恐竜メカ 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : CODE:Venom
【未知のバイオウイルス 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【ダメージを共有する状態】で繋ぐ。
👑17
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モルツクルス・ゼーレヴェックス
人に対して声をかけるのは総合的な【パフォーマンス】である
【コミュ力】で絶妙に間を取りながら
「いいっすかみんな!敵は未知の強敵!百の魔獣より恐ろしいっす!……されど!自分達は一騎当千の猟兵っすからね!勝てない道理がない!」
自分と味方を【鼓舞】
「てんち あまねく 孤独の鷹よ わがみに やどりて めをこらせ」
【鷹の目】を発動
常に敵をターゲッティング
【情報収集】すると共に培った【戦闘知識】に照らして違和感ある挙動を味方に予告
未知のウィルスだろうがこの眼には見える!
予備動作予測して【高速】の魔術で妨害してやるっす!
【学習力】なら負けらんないっすね!
「ハッハッハ!模範解答見て出直すっす!」
落第っすよ化物!
芦屋・晴久
【WIZ】アドリブ、連携歓迎
さて、お次はこちらが相手ですか。
相手はウイルスを使うようですねぇ……
好都合です、これを【五行相生】で変換させて頂きましょう。
護符を相手の体に貼り付け爆破させます、その衝撃で出てくるであろうウイルスを燃料として体内で引火、再爆発していただきます。
これで駆動系がイカれてくれれば助かるんですがねぇ。
後はお願い致しますよ、皆さん
「いいっすかみんな!敵は未知の強敵!百の魔獣より恐ろしいっす!……されど!自分達は一騎当千の猟兵っすからね!勝てない道理がない!」
まだそれほど距離が遠くないはずなのに視界にしっかりと映る恐竜型兵器を前にモルツクルス・ゼーレヴェックス(鷹の如き・f10673)は周りにいる猟兵達に呼びかけた。
その訓示に猟兵達は様々な反応を見せる。拳を上に突き上げて応える者、含み笑いで応える者、そして満面の笑みで応える者。そこに恐怖や緊張で震えている意気地なしの姿は無かった。
「ここら辺があれの索敵範囲外の限界です。皆様、戦闘準備を」
宇宙船の操縦士が画面を注視しながら猟兵に声をかけ、猟兵達はそれぞれの得物を構えた。
『てんち あまねく 孤独の鷹よ わがみに やどりて めをこらせ』
モルツクルスのユーベルコードにより兵器の周りに変な緑色の靄が生じ始めた。「鷹の目」により兵器から常にばらまかれている物が見えるようになったのだ。
「あれが件の『感染した者に自分と同じ痛みを与えるウイルス』ですか」
この船に乗るメンバーで唯一の医師である芦屋晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)は楽しそうな笑みを浮かべる。それはこれから起こる戦いを前に楽しもうとしているのか、見たこともない病原菌に感動しているのか……それは本人以外には分からない。
「好都合です、【五行相生】で変換させて頂きましょう」
晴久が投じた護符はまっすぐ兵器へと飛んでいき、その体に貼り付いた瞬間に爆発した。
その衝撃でウイルスの排出口が広がったのか、緑の靄の濃度が増す。
『其は五行を重ねて理を創生する軌跡也』
晴久のユーベルコードによりウイルスが可燃性のガスに置き換えられる。そして未だに燻っていた火種に引火し、さらなる爆発を引き起こした。
恐竜型兵器が悲鳴をあげるように口を開く。すると恐竜型兵器の周りから緑の靄が薄くなり始めた。どうやらウイルスの発生装置が爆発によって壊れたようだ。
「これで駆動系もイカれてくれれば助かるんですがねぇ。後はお願い致しますよ、皆さん」
自分の仕事は終わった、とばかりに晴久は手を振りながら近くにあった仮眠室へと姿を消す。
そんな後ろ姿を見送ったモルツクルスは苦笑いしながら出陣の準備をする近接攻撃専門の猟兵達に呼びかけた。
「自分はここから予備動作予測して【高速】の魔術で妨害してやるっす!【学習力】なら負けらんないっすからね!」
眼鏡の奥にある目は確固たる自信に満ち溢れていた。
大成功
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ゾーク・ディナイアル
「帝国もエグいのを出してきたなぁ…んじゃこっちもヤっちゃうかぁ!」
☆戦術
SPD勝負
UC【ハルシオン起動】で魔導騎士ハルシオンに乗って、戦闘力を強化していざ勝負!
「ゾーク・ディナイアル、ハルシオン出る!」
高機動で翻弄しながらビーム銃で牽制、小型メカを撃ち落としながら隙を『見切って』一気に斬り込むよ。
「お前を殺れれば戦果は十分!ボクは出来損ないじゃ無いって皆も認めてくれるよねぇぇ!」
『怪力』機構でビーム剣の『二回攻撃』連続斬り、敵の攻撃はしっかり『見切り』回避して『カウンター』でビーム剣を突き刺し『傷口を抉る』よ。
「このまま心臓を焼き切ってやる!」
※アドリブ歓迎
須藤・莉亜
「血もなさそうだし、スクラップにしてあげる。」
伝承顕現【首なし騎士】を使いデュラハンに変身、さらに首なし馬も召喚して、彼に騎乗して戦う。
高速で動き回りヒットアンドアウェイで大鎌で攻撃して行く。
小型の恐竜は衝撃波で吹っ飛ばす。
囲まれそうなら一旦距離を取って仕切り直そう。
「手早くバラして他の戦場に行きたいとこだねぇ」
アドリブ歓迎
チャド・アランデル
【心情】
機械の恐竜退治なんて、緊迫した状況だけどわくわくするねー。
でも、戦艦を取り込ませる訳にはいかないから僕は負けないよー!
【行動】
攻撃は【ガチキマイラ】を使用します。
立ち回りは攻撃を避けながらガチキマイラでの回復という戦い方です。
戦闘は野生の勘1、逃げ足1の技能を活用して回避します。
立ち位置としては遊撃の位置で、隙を見つけての攻撃や増えた敵の排除、狙われている人のサポートを目指します。
【その他】
「呼ばれて飛び出てチャドだよー!まっけないぞー!」(戦闘開始時)
「ふっふっふー、僕のスピードについて来れてないねー?」(優勢)
「あわわ、ちょっちやばいかもねー!」(劣勢)
(アドリブ等歓迎します。)
「ゾーク・ディナイアル、ハルシオン出る!」
『首を落とさないようにしないと……』
晴久の攻撃にのりこちらの存在に気づいて方向を転換させた恐竜型兵器に向け、ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)と須藤莉亜(メランコリッパー・f00277)がそれぞれの足を起動させ、先陣を切る。
恐竜型兵器もそれに対抗するかのように腹部から大量の翼竜型の小型兵器を吐き始めた。
見た目に忠実にしたのか、帝国の技術力では乗っけられなかったのか、飛んでくる翼竜からビームのような物は飛んでこない。しかしそのかわりに量は凄まじく多く、動きは素早かった。
「なあなあ、首が取れたのに何で生きてるんだ? 喋れるんだ?」
莉亜の背中を、いつのまにか相乗りしていたチャド・アランデル(キマイラのシーフ・f12935)が揺さぶる。莉亜は頭がどっかに飛んでいかないように自分の頭を左腕と脇でしっかり固定した。
「知らないよ。僕のユーベルコードはそういうものなんだよ」
「そっかー、ユーベルコードなら仕方ないかー」
「それよりも今は目の前の敵に集中しなさい」
「おう!」
そんな軽口を叩きながら先陣隊は翼竜の群れの中に突っ込んでいく。
「血ももうなさそうだし、スクラップにしてあげる」
莉亜は自分の周りに群れた翼竜達を大鎌を振り回して衝撃波で吹っ飛ばすと、高速で動き回りヒットアンドアウェイで攻撃して行く。
「呼ばれて飛び出てチャドだよー!まっけないぞー!」
その最中、首なし馬を足場にしてチャドは宇宙空間に飛び出すと自分の右手を獅子の頭に変身させ、翼竜の頭を噛み砕かせた。
「うえっ、やっぱり機械は美味しくないな……」
手の口の中に広がる油の味に顔をしかめながらチャドは倒した翼竜を再び足場にして跳び立つ。しかしゾークと莉亜に比べるとはるかに遅い移動速度に翼竜達の注目を一身に集めることになってしまった。
「あわわ、ちょっちやばいかもねー!」
そう口では言いつつもチャドは頭部や翼部をガチキマイラで砕いては跳び移り、翼竜に攻撃を中々当てさせない。
ちょこまかと逃げるチャドに集中しすぎた結果、味方同士の衝突を引き起こすだけでなく莉亜の一閃をモロに喰らうこととなった。
「ふっふっふー、僕のスピードについて来れてないねー?」
「……手早くバラして他の戦場に行きたいとこだねぇ」
あまりにも手緩い戦いにチャドは勝ち誇った笑みを、莉亜は脇の間で大欠伸を浮かべた。
「邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔だぁぁぁ!」
その頃、翼竜をはるかに超える高機動で翻弄しながらハルシオンのビーム銃で撃ち落としたゾークは恐竜型兵器を射程範囲に捉えていた。
「お前を殺れれば戦果は十分!ボクは出来損ないじゃ無いって皆も認めてくれるよねぇぇ!」
隙を見切って恐竜型兵器の懐に飛び込むと、心の底からの願いが混ざる絶叫と共に怪力機構を用いたビーム剣の十字斬りが恐竜型兵器の装甲にいくつも刻みつけた。
「このまま心臓を焼き切っ……うぉお!?」
そのまま次の攻撃に移ろうとした瞬間、恐竜型兵器の胸部から特大の光線が宇宙を焼き払うかのように放射される。
「やつ、広域殲滅モードに移ったっす! 胸部だけじゃなくて色んなところから砲門が開き始めてるので気をつけてくださいっす!」
モルツクルスから恐竜型兵器の異変が報告される。ゾークは苛立った様子で歯軋りをコックピット内で浮かべた。
大成功
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サラ・ノアール
単純な機械兵器らしからぬ特性を持っているわね
どちらかというと生物兵器に近いかしら?
なんにせよぶち壊すわ!
戦力を取り込む能力もそうだけど厄介なのは学習する方ね。
奇襲をかけましょう。クサリメガミで鎖を増やして操り、
小型メカに対応できるようにしつつ、まずは「先制攻撃」で足を狙う。
「衝撃波」「鎧砕き」「2回攻撃」をアサルトメイスで食らわせたら
「ダッシュ」「逃げ足」等ですぐに離脱。
チェーンウィップの「ロープワーク」で頭上へ移動して頭を狙うのもいいけどそれは他の猟兵との連携でうまくやれれば、ってとこね。
「コミュ力」を発揮して協力は惜しまないわ。
アドリブ大歓迎よ。よろしくね!
山鹿市・かさみ
罪なき生き物を機械化して兵器に・・・許せんッス!
恐竜に夢と悲しみ、慈悲を抱くは大音帝ヤカマシャー!
せめて安らかに眠らせてあげたいッス!
カサミがやることは至極簡単、その長い首を叩き折ることッス。
頭が弱点なんて簡単にはいかないだろーッスけど、
とにかく首に取り付いて動きを止めたりこちらに目を向けてほかの皆の攻撃を当てやすくしたいッス。
具体的には尻尾と正面は怖いッスから横っ腹を狙って体をよじ登り、
登れれば首の部分にひたすら攻撃を行うッス。
折れなくともひたすら首や背中に張り付いて攻撃を行いたいッスね。さながらロデオッス。
カサミがひきつけてるうちに皆には攻撃をお願いするッス。
なんとしてでも眠らせるッスよ!
ノエル・スカーレット
WIZ:覚醒して全開で戦う
「宇宙の事情には疎いですが、この機械を破壊すればいいんですね」
血統大覚醒で金色の髪に覚醒して容姿が18歳相当の不死のヴァンパイアに変身します。
身体の周りに【オーラ防御】で見えない防御壁を作り敵の攻撃を軽減。
【残像】を伴う素早い動きで空中を飛び【空中戦】を仕掛ける。
スカーレッド・ノヴァで火球を生み出して合成し、さらに圧縮して大鎌の刃と合体させて炎の刃の大鎌で【なぎ払い】攻撃で繰り出し機械の体をバラバラに切り裂く。
【使用戦闘技能】なぎ払い30、残像46、捨て身の一撃5、吸血5、オーラ防御5、第六感5、生命力吸収30、空中戦20
アドリブ&他の猟兵との絡み歓迎。
スカル・ソロモン
これは放置しておけないねえ。
事態は急を要する、手早くやってしまおうか。
ジャンプで敵の身体に飛び乗り、ダッシュで頭部を目指そう。
やはり狙うなら重要な場所だ。
頭部に到着したら、鎧砕きと属性攻撃を込めつつ、スカル・ブランディングで2回攻撃。
もし振り落とされそうになれば怪力で敵の体を掴んで耐えよう。
小型恐竜メカが寄ってくれば、衝撃波に念動力を織り交ぜて捻り飛ばそう。
敵の攻撃は小型恐竜メカを盾にしてしのぐよ。
他に猟兵達がいれば協力して事に挑むよ。
1人よりは皆で協力すべきだ、助け合いで行こうじゃないか。
翼竜型兵器の残骸と次々と放たれる光線を避けつつ第二陣の面々を乗せた宇宙船が近づいていく。
「宇宙の事情には疎いですが、この機械を破壊すればいいんですよね」
「罪なき生き物を機械化して兵器に・・・許せんッス!恐竜に夢と悲しみ、慈悲を抱くは大音帝ヤカマシャー!せめて安らかに眠らせてあげたいッス!」
そう鼻息荒く宣言する山鹿市かさみ(大音帝ヤカマシャー・f01162)の傍らでノエル・スカーレット(チビッ子ダンピール・f00954)はチョコをのんびりと頬張っていた。
「ふふ、若いってのはいいねぇ」
「そういう物かね?」
そんな二人を眺めるサラ・ノアール(明るく繋がれた鎖・f03336)にスカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)が声をかける。
「あれは若いというよりも能天気というか血気盛んという気もするが……まぁ、それぐらいでなければ猟兵はやっていられないか」
「そうそう。砂と土でジメジメした洞窟でうんうん唸ってるよりもこういう分かりやすい標的をぶっとばした方がいいアイディアが浮かぶかもしれないからね」
敵の痕跡が無さすぎて暗礁に乗り始めている調査を仲間に任せて合流したサラは思いっきり体を伸ばすと鎖を握りしめて獰猛な笑みを浮かべた。
「サラ殿、相手の推進機関と砲門の位置をそちらに送ったっす。ご活用くださいませー」
「了解。『我が神の畏れ、とくと味わいなさい』」
サラの「クサリメガミ」によって大量に増えた鎖が一斉に恐竜型兵器に襲いかかり、その推進機関に巻きついた。
「んっ、んっ……よし! みんなこれに乗って恐竜に飛び移るよ!」
強めに引っ張り、それらがしっかりと巻きついたことを確認したサラが呼びかけると後ろのティーンエイジャーズが元気よく応える。
そんな中、鎖を引き千切ろうと恐竜型兵器は体を動かすが、事前の情報により砲門の攻撃範囲から外れるように配置された猟兵の鎖はそう簡単には壊れない。
さらにすでに自分の周りでしつこく切りかかってくるゾークの対処にも追われているため、それを伝ってやってくる異物に注意を回せなかった。
「よいしょ、っと!」
鎖を伝ってそばにたどり着いたサラがメイスを思いっきり振りかぶって推進機関を叩き壊す。
その衝撃に雄叫びをあげる頭上に二人のヒーローの手が迫る。
『唸れ拳!轟け魂!我が鳴らすは命の鼓動!!ひぃぃぃぃっさつ!!ハートビートォ、ナアアアアアアアックルゥ!!!』
『さあ、エンディングの時間だ』
絶叫と共に放たれる一撃と正確無比な一撃が恐竜型兵器の頭部を派手に凹ませる。
全身余すことなく襲いかかる衝撃に恐竜型兵器は首をめちゃくちゃに振り回し、光線の量がさらに増加する。
「うおおっ、こりゃすごいっす!」
敵味方関係なく撃ち込まれる光線に舌を巻きつつ、スカルとかさみは必死に首にしがみつく。中々離れない2人を引き剥がそうと第一陣の3人から離れた翼竜が襲いかかるが、スカルの念動力が織り交ざった衝撃波で捻り飛ばされる。
「私達を舐めてもらっちゃ困るね」
翼竜に襲いかからせるために緩んだ動きに乗じて、スカルは再びスカル・ブランディングを頭部に打ち込み、かさみもそれに習って殴りかかる。
その頃、いつのまにかかさみよりも大きい金髪の女性に変貌したノエルは大鎌を構えて翼竜の上に気づかれないように乗っていた。
『全てを燃やし尽くす我が炎‐スカーレッド・ノヴァ‐』
火球を生み出し、圧縮して大鎌の刃と合体させたノエルに気づいた恐竜型兵器が翼竜もろとも撃ち落とすべく、光線を発射する。
上の指示に従い、翼竜はノエルを乗せたまま光線へ突っ込むがその瞬間、ノエルの姿は消え失せた。
刹那、いつのまにか恐竜型兵器の背中にたどり着いていたノエルは全く邪魔が入らない状態で炎の刃を振りかざしていた。
「よし、全部壊した! もうこれで避けられないよ!」
サラの、首にあった最後の推進機関を叩き壊した報告を受け、ゾークはビーム剣を構え直し、かさみとスカルも体勢を立て直して全力の一撃を放つ用意をする。
「ハッハッハ!模範解答見てでも出直すっす!」
その様子を窓越しに笑いながら見届けるモルツクルスはふと真面目な表情を浮かべると眼鏡を外し、布で拭きながら呟いた。
「落第っすよ化物」
「さあ、エンディングの時間だ」
「ハートビートォ、ナアアアアアアアックルゥ!!!」
「強化兵戦技《高速剣》!」
「真のヴァンパイアの力を見せてあげましょう!」
取り付いていた五人の猟兵が全身全霊の一撃を放ち、恐竜型兵器は悲鳴をあげることも許されず粉々に壊され、爆発する。
足場を失い吹っ飛ばされたノエル・かさみ・スカルを鎖を巻きつけたそのままサラはゾークのハルシオンに飛び移り、装甲に残りの鎖を巻きつける。
「お見事」
コックピットのガラスに拳を当てたサラにゾークはホッとしたような笑みを浮かべ、背もたれに沈んだ。
大成功
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