羅針盤戦争~Pledge of Sledge
「皆、七大海嘯『鮫牙』の本拠地が分かったわよ」
グリモアベースに集った猟兵達を前に、グリモア猟兵、マリューズ・アビスマリア(Lullabyss・f26351)が告げる。かの七大海嘯が本拠『鮫牙島』の所在地が判明したこと――即ち『鮫牙』ことザンギャバス大帝に対し、決戦を挑むことが可能となった、と。
「けれど、気を付けて。この戦い、他の七大海嘯以上に一筋縄ではいかない戦いになりそうよ」
どういうことか。猟兵達の問いに、マリューズは説明を開始する。
まず、この鮫牙島自体が、猟兵達の接近を察知すると海中に潜ってしまうこと。そしてザンギャバスも、この海中において猟兵達を待ち構えている――即ち此度の戦いは、海中での戦いになるということだ。
「呼吸については、鮫牙島自体が何らかの力を放っているせいなのか、問題ないのだけど……地上とはまるで動きの勝手が違ってくると思うわ」
次に、ザンギャバスそのものについて。周辺の島々を襲っていた時同様、彼は『無敵』である。如何なる手段を以てしても、彼を打ち倒すことは叶わぬという。
「とはいえ、撃退することは変わらず可能よ。暴れ回らせて体力を消耗させ、飢餓状態に追い込む。そうすれば、彼は撤退していくわ」
それを繰り返すことで、彼を完全に鮫牙島から追い出すことも叶うだろう、とマリューズは言う。
但し以前と異なる点が一つある。それは、海中にいるザンギャバスの周囲には常に無数の巨大鮫が泳いでおり、彼は空腹を感じるとこれを捕まえ、貪り喰ってしまう――即ち、飢餓を解消する手段が存在するということだ。
「勿論、黙って食べさせていては、彼はいつまででも戦えてしまう。何とかして、彼のお食事を妨害するコトが必要よ」
幸い、彼の知能が極めて低く、此方の作戦や策略の類に全く気付けない点は以前と同じだ。
どのような手段でも構わない。無数の鮫を、彼の捕食の手から遠ざけねばならない。
「そして最後に。以前と違って、彼もユーベルコードを使ってくるわ。他の七大海嘯と同様、皆のユーベルコードより確実に先にね」
その点は他の七大海嘯と変わらないが、戦場が戦場だ。常以上に厄介となるかもしれない。
「……と、まあ規格外にも程のある相手、戦場も戦場だから厳しい戦いにはなると思うけれど。皆なら、きっとやり遂げられるはずよ」
ザンギャバスの撃退に成功すれば、彼の暴威に晒されていた島も、一つだけではあるが解放できる。人々の為にも、そしてこの世界の為にも、勝利すべき戦いであることには違いなかろう。
「それじゃ、転送を始めるわ。皆、よろしくね」
マリューズの背後から浮かび上がった深淵鏡から、グリモアの輝きが溢れ出し。猟兵達を、かの海へと送り出してゆく。
五条新一郎
無敵大帝に、今一度の鉄鎚を。
五条です。
というわけで七大海嘯決戦、続いての相手は『鮫牙』ザンギャバス大帝でございます。
無敵であれど不敗ではなし、かの規格外存在を、本拠の島から叩き出してしまいましょう。
●このシナリオについて
このシナリオの難易度は『やや難』です。普段より厳しい判定が出やすくなっておりますのでご注意くださいませ。
●目的
『七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス大帝』を撤退に追い込む。
●戦場
グリードオーシャン、鮫牙島周辺の海中。
鮫牙島から放たれる力によるものなのか、呼吸については配慮不要となっております。
●プレイングについて
OP公開直後からプレイングを受け付けます。
「ザンギャバス大帝の『先制攻撃ユーベルコード』と『鮫を食べようとする行動』に対処する」ことでプレイングボーナスが得られます。
●リプレイについて
現在執筆中の「羅針盤戦争~Rage of Savage」及び「Bust the Bust」完結後より執筆開始、2/16(火)いっぱいまでで書ける限りの方を採用したいと思っております。
●補足
本シナリオが成功した場合、『鮫牙』支配下であった島が一つ解放されます(マップ上に島が一つ置かれます)
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス』
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POW : ザンギャバスハンド
レベル×1tまでの対象の【腕や頭】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : ザンギャバスファング
自身の身体部位ひとつを【竜、山羊、蛇、蛇のいずれか】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : ザンギャバスポイズン
攻撃が命中した対象に【肉体の部位「蛇」からの猛毒】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【肉体を侵食する猛毒】による追加攻撃を与え続ける。
イラスト:白
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ・連携OK!
了解、ザンギャバスを撃退するために突撃であります!
先制UCで伸ばしてくるハンドに対して、タイミングを見計らって【武器受け】【受け流し】しマース!
指先や手首を弾くように狙いを定めて、パリィするであります!
掴まらないよう白兵武器で防御を続けながら、こちらの【カウンター】UCの起動準備に取り掛かりマース!
隙を見て、UC《フルバースト・マキシマム》!
耐水加工をしてもらった各種銃火器および内蔵兵器による【一斉発射】を行うであります!
目標、鮫共デース!
肉片残さず木端微塵にして、食べられない海底の肥料に変えマショー!
おなかが空くまでダンスに付き合ってくだサーイ! ザンギャバス!
リーヴァルディ・カーライル
…まさか此処まで来て滅ぼす方法が分からないなんてね
…想像以上の怪物だけどオブリビオンである以上、
必ず何か滅ぼす方法があるはず
空中戦を行う"血の翼"を広げ水中での推力に使い、
"写し身の呪詛"を乱れ撃ち無数の残像を囮にして、
掴まれないように攻撃を受け流しカウンターでUC発動
…食事の時間よ、目覚めなさい"大地を喰らうもの"
過去に撃破した三の王笏のUC【邪神「大地を喰らうもの」】を再現
鮫牙島の面積を代償に敵と鮫群に触手を乱れ撃ち、
敵の動きを封じつつ鮫達を根こそぎ食べ尽くすわ
…っ、流石に長時間の制御は難しい…か
だけど、お前を消耗させるには十二分よ
…三つ目や四の王笏の力の方が嫌がらせにはなったかしらね?
フェルト・ユメノアール
ついに鮫牙との決戦開始だね
今までとは勝手が違うけど、絶対に勝利してみせるよ!
ザンギャバスの周りには沢山の鮫、ならすきゅりん戦で使ったあの手が使えるかもしれない!
相手の先制攻撃に合わせて『フックロープを投擲』
周囲を泳ぐ鮫にフックを引っ掛け、引っ張られる事で攻撃を回避
さらにそのままロープを巻き上げ、鮫の背に騎乗
『動物使い』でロデオのように鮫を操って距離を保ちながら『トリックスターの投擲攻撃』をメインに戦闘を行うよ
相手が捕食で回復しようとしたら
そうはさせない!
ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!
カモン!【SPスマイルスライム】!
とスライムの粘着弾を相手の顔目掛けて放ち、口を塞ぐ事で捕食を阻止する
沈みゆく鮫牙島を追い、海中へ飛び込む猟兵達。
「ふしゅぅぅぅるるるるるるる……」
程無くして。太く、重く、息を吐き出す音が、泡音に紛れて聞こえてくる。音を頼りに潜行を続ける猟兵達の周囲、無数の巨大な鮫達が渦を巻くように泳いでいる。
「……いました! ザンギャバスデース!」
やがて見えてくる、鮫牙島直上に浮かぶ影。バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が猟兵達へ呼びかける。
その言の通り。浮かび上がってきたのは巨大な、あまりにも巨大な、肉塊の如き人型。あれが七大海嘯が一『鮫牙』、破壊と貪食の化身。ザンギャバス大帝だ。
「よし、ついに鮫牙との決戦開始だね!」
バルタンの呼びかけにフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は応え、気勢を上げる。
「……ええ。……けれど、まさかここまで来て、滅ぼす方法が分からないなんて」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)もまた応えるも、その表情は厳しい。彼女はここに至るまで幾度か、島を襲うザンギャバスを撃退してきたが。よもや本拠まで追い詰めても尚、滅ぼすに至れぬとは、と。
「……想像以上の怪物ぶりね」
「まったくデース。が、撃退が叶うならば!」
嘆息するリーヴァルディ、バルタンは同意しつつも意志を示す。
「突撃あるのみデース! いきますヨー!」
「おっけー! 絶対に勝利してみせるよ!」
更に潜行の速度を速めるバルタン、其に並び泳ぐフェルト。
「……そうね、完全に滅ぼす手立ては、またいずれ」
今は撃退に注力を。思い直したリーヴァルディ、背より血色の魔力を放出して推力と成し。二人へ追いついてゆく。
「……グリモア……!! グリモアの、匂いだァ……!!」
そしてザンギャバスもまた、迫る猟兵達に気付いた。ぎょろりと濁った瞳が動き、三人を下から睨む。
「グリモア、使うヤツ……全部コロす……!!」
そして両手を伸ばし、其々がバルタンとリーヴァルディへ掴みかかる。
「来ましたネー…!」
尚も推進を続けるバルタン、その手にファルシオン風の刀を構え、迫る巨大なる手を見据えて。伸びたる指が、バルタンのしなやかなる身を捉えんとした刹那。
「そこデース!」
振るった刀が、その指を打ち。反動で上昇した身体を凶腕は捉えられず、海水を掴むに留まる。
「ぅ……っぐ……!」
一方のリーヴァルディは回避叶わず、その細き身は巨手に握り込まれる。だが。
「……愚かね。そっちは囮」
その手の横を通り過ぎるかのように、リーヴァルディの姿。見れば、他にも何人ものリーヴァルディが、ザンギャバスを囲むように現れていた。写し身の呪詛、実像持つ分身。
「ルルァァァァァ……!!」
そして振るわれた大鎌が、ザンギャバスの腕を浅く抉る。その痛みに忌々しげな唸りを漏らし、その肩や背から様々な獣の頭部が伸び出る。その一つ、蛇の頭部が、側面へと回り込みつつあったフェルトを目掛け伸びる。
「わわ……っと!」
思った以上に速い。だが彼女は既に、回避の手立てを見出していた。即ち、この戦場の周辺を泳ぎ回る鮫の群れだ。
フックロープを投擲、鮫の一匹の背ビレへと見事引っかける。そのまま泳ぎ続ける鮫に引っ張られながら、ロープを巻き上げる。二重の加速が、蛇の牙から彼女の身を逃れせしめ。
「よっし、思った通りだね! でもってこのまま……」
それは戦争緒戦、すきゅりんの電光竜巻を攻略した際に用いた手段の応用。そして此度は回避だけではない。
ロープを巻ききったフェルトはそのまま鮫の背に乗る。そして背ビレを巧みに捻り、鮫の泳ぐ方向を制御し始める。
「ワオ、ロデオみたいデース!」
尚も己を掴まんと迫る鮫牙の手を斬りつけ躱しつつ、バルタンが面白げに声を上げる。鮫を乗りこなし水中を駆ける様、成程猛獣使いめいた様相だ。
「あはは! でもショーはまだまだこれからだよ!」
鮫を見事に乗りこなしながら、フェルトは今一方の手に何本ものダガーを抜く。片手で器用に何本も取り出したそれを、一斉にザンギャバス目掛け投げ放つ!
「ヌグッ! て、テメェ…!!」
放たれたダガーはザンギャバスの肩へと狙い違わず突き刺さり。忌々しげに唸るザンギャバス。その動きが徐々に激しく、乱雑となってゆく。
「……こっちの居場所もお構いなし。これはこれで質が悪い……けど」
特に狙いを定めず、両腕を振り回し獣の部位で喰らいつく。肉の巨柱とでも言うべき腕を躱しながらリーヴァルディは唸る。単純に暴れ回る動きは軌道の予測がしづらく、随時見切って回避するより他にない。なれど、このような動きならば。
「……ハァ、ハァ……ウググゥゥゥゥゥ……!!」
やがて、ザンギャバスの振り回す腕の動きが緩慢となり、重たげな呻きを漏らす。明らかなる空腹の態だ。
「ルルルァァァァアァァァ……! よこせ……よこせぇぇ……!」
そして己の腹を満たさんと手を伸ばした先は、周囲を泳ぎ回る巨大鮫。これを喰って腹を満たそうというのか。
「ヘーイ! そうはいきまセーン!」
そこに動いたのはバルタンだ。その背から、腕から、胴から無数の銃火器が迫り出し構えられる。無論、耐水加工も十全だ。狙うは、今まさにザンギャバスが手を伸ばす先の鮫達。
「アナタに喰わせる鮫はありまセーン! ファイヤー!!」
そしてトリガーを引けば。無数の銃弾、砲弾が撃ち放たれ。ザンギャバスの手に程近い鮫達へ突き刺さり、撃ち砕き。肉片すら残さぬ木っ端微塵に変えてゆく。
「……ァ……?」
ザンギャバス、呆けた顔となる。今食べようとした餌が突然消えたのだ。無理もない。停止すること数秒。
「……ウガアアアアア!!」
再び暴れだしたザンギャバス。その腕が我武者羅に突き出され、鮫を取って食わんとする。
「……無様な癇癪ね」
「けど、これだと食べるの阻止するのはちょっと難しそうだね……!」
呆れたようなリーヴァルディに、鮫ロデオを続けながらフェルトが言う。無論バルタンが鮫の殲滅を続けてはいるが、それだけでは追いつけなさそうな勢いだ。
「……それなら、やることは一つ」
「勿論、そんなことはさせない、だよね!」
故に。リーヴァルディは大鎌を構え、フェルトは腕のソリッドディスクからカードを抜き出す。
「限定解放。……食事の時間よ。目覚めなさい……『大地を喰らうもの』!」
「ここでスペシャルゲストをご招待だよ! カモン! 『SPスマイルスライム』!」
フェルトが掲げたカードから光が溢れ、飛び出てくるは赤、白、緑。表面に笑顔を浮かべた三色のスライム。
そしてリーヴァルディの詠唱が結ばれれば――眼下の鮫牙島の一角が突如爆発。伸び出てくるのは、無数の牙を具える無数の触手群。其は此処までの過程、『三の王笏』を喰らい簒奪せし力。地を喰らい、生者を喰らう邪神を顕現せしめるユーベルコード。
「ゥシャァァァァァ!!」
巨大鮫の一匹を掴み、口に運ぼうとするザンギャバス、だがフェルトが一手先んじる。
「そうはさせないよっ! スマイルスライム、鳥餅弾ッ!」
その命に応えたスライム達が、一斉に口から粘液弾を発射。それは鮫より先にザンギャバスの顔へと浴びせかかり、その口を塞ぐように広がって。
「ム、ムゴォォォォォ!?」
手元に引き寄せた鮫を喰わんとするも、その為の口が開けず。もがくザンギャバス。その勢いで鮫の身体が潰れ、海中を漂流してゆく。
その間に、リーヴァルディの召喚した邪神が戦場へ飛び込んでくる。うねり踊る数多の触手、ややもすればザンギャバス以上の貪食ぶりを以て、周囲の鮫を片っ端から食い荒らす。
「ムゴォォォォォ!! ホゴフっ、ホゴフぅぅぅぅぅぅ!!」
粘液に口を塞がれたまま暴れ回るザンギャバス。振るわれる巨腕を巧みにかわし、バルタンは周囲の鮫を次々と火器の数々にて粉砕してゆく。砕けた肉片は海底へ没し、コンキスタドールならぬ今生の命を育む肥料となることだろう。
「そしてザンギャバス! アナタにはこのまま、お腹が空くまでダンスに付き合ってもらいマース!」
「お食事する暇も与えないからねっ♪」
挑発するように鮫を操り彼の眼前を泳ぎながら、その巨顔へ更なる粘液を追加してゆくフェルト。両者の華麗な舞に踊らされるまま、ザンギャバスは暴れ、その体力を消耗してゆく。
「……とはいえ、そろそろ潮時ね……」
邪神の制御に専念していたリーヴァルディの表情が苦悶に歪む。もとよりオブリビオン・フォーミュラたる三の王笏の手にさえ余る邪神だ。彼のものより力は抑えられているとはいえ、リーヴァルディにもまた十全に御することは叶わない。
「ボクらの役目は一旦ここまでだね、役者交代だよ!」
「オッケー! それじゃー最後に置き土産デース!」
最後にバルタンが一斉砲撃をザンギャバス自身へ叩き込み。リーヴァルディが邪神を送還し。三人は後退を開始してゆく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
水中戦なら任せて!
敵の先制攻撃を【水泳】や【水中機動】ですり抜けつつ【ロープワーク】で泳いでいる巨大鮫にロープを引っかけて引っ張ってもらい、腕のリーチから逃れる
態勢を整えたら、次はザンギャバスのお食事を邪魔しないとね
一旦敵から距離を置いて、ウィーリィくんと手分けして離れた位置のサメを斬りつけて血を流させ、それで他のサメを誘導して敵の近くからサメを遠ざける
捕食しようと敵が追いかけようとしたところを【ロープワーク】+【罠使い】で沈んだ島の木々に結び付けたロープで転ばせて、そこへ二人同時にUCをお見舞いするよ!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
水中では水中なりの戦い方がある。
故人曰く「餃子はスープに落ちても水餃子」だ!
【環境耐性】と【地形の利用】で環境そのものを味方につけ、ザンギャバス自身の動きで起きた水流を【見切り】、それに乗る事で奴の先制攻撃を躱す。
次に予め持ち込んでおいた鶏の血の袋を開けて奴とは反対方向の水の流れに乗せ、鮫の嗅覚を利用し血の臭いで鮫を誘き寄せて奴の周りの鮫を遠ざけると同時に、それを追おうとした奴をシャーリーの仕掛けた罠へと誘導する。
そしてシャーリーの攻撃と同時に【料理の鉄刃】を叩き込んでダメージを与え、奴を逆上させ暴れさせる事で水流を起こしてそれに乗って再び攻撃を回避。
その繰り返しで奴を消耗させる。
「古人曰く。『餃子はスープに落ちても水餃子だ』」
先の猟兵達が後退を開始するのと入れ違い、続いてザンギャバスのもとへと到達した二人の猟兵。その片割れ、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はそんな言葉を口にする。
「何それ?」
隣を泳ぐシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が首を傾げる。
「要するに、水中では水中なりの戦い方がある……ってこと、だっ!」
ウィーリィがその答えを終わるが早いか、その身に感じる水流の乱れ。ザンギャバスの伸ばした手が、二人を纏めて掴まんと迫ってきていた。
なれどウィーリィ、水流に乗る形にて身を翻し、巨手の握撃を回避。シャーリーもまた。
「そういうことなら、水中戦はボクの本領発揮だよっ!」
投げたロープは周囲を泳ぐ鮫の一匹へ引っ掛かり、泳ぐ勢いのままに急速離脱、ザンギャバスの手を逃れる。
「ルルァァァァァァ!! グリモア、逃げるなァァァァ!!」
獲物を捕らえ損ね、苛立ち露わに喚くザンギャバスを尻目に、二人は一旦離脱。以て次なる策へと入る。
「……よし、この辺りだな」
そのまま海流に乗って距離を取ったウィーリィ、懐からビニールパックを一つ取り出す。そして得物たる大包丁を振るい其を両断すれば、途端に溢れる紅き鮮血。無論ウィーリィのものではない。鶏のものだ。
海流に乗って流れてゆく血、その匂いに誘われて、鮫の群れが移動を開始。鮫は血の匂いを敏感に察知し、以て獲物の存在を知る生物だ。嗅ぎ取れる範囲に血の匂いを感じれば、一目散に其を追いかけ始め。ザンギャバスから離れてゆく。
そしてシャーリーは、鮫の集団に先回りし先頭集団の前へ。
「さあ皆、あっちだよ!」
戦闘を行く鮫の身を、サイキックエナジーの刃で浅く裂く。漏れ出た血が、後続の鮫達を更に煽る。
「よし、こんなところかな。後は……」
パートナーを信じる。己はその為に為すべきことを。頷き、シャーリーは更なる海底へ潜行してゆく。
「グルァァァァァ! ガァァッ! よこせ! 喰いモノ! 足りねぇ!!」
己から離れてゆく鮫の群れを追い、ザンギャバスもまた迫り来る。巨体が動き、水流が乱動する。
「……っとぉ、とと。来い! お前の獲物はこっちだ!」
水の流れに身を任せる形で行動していたウィーリィ、一時体勢を崩しかけるも持ち直し。改めてザンギャバスへ戦闘の意志を告げる。
「シャアァァァァァァァ! グリモアァァァ! グリモア持つやつ、コロすぅぅぅ!」
ウィーリィの姿を見るや否や、猛然と巨腕を振るい迫るザンギャバス。生ずる水流に乗って躱し、ウィーリィは更に潜行する。
逃げるウィーリィ、追うザンギャバス。海中の追いかけっこは、しかし、そう長くは続かなかった。
「ギュフゥゥッ!?」
ウィーリィを追って、沈んだ鮫牙島より生える木と木の間を抜けんとしたその時、全身に食い込む細い感触がその身を押し留めたのだ。身動きできず、もがくザンギャバス。
「やったっ、引っ掛かったっ!」
島から浮上してきたシャーリーが快哉を上げる。それは彼女が張ったワイヤーの罠。粗い網状にしたそれは、ウィーリィならば通過可能だが巨大なザンギャバスは通り抜けること叶わぬ捕獲罠。
「よっし、いいぞシャーリー! 一撃食らわせてやろうぜ!」
「うん! 行くよ喰らいマックス!」
戻ってきたウィーリィが大包丁を掲げるのに呼応し、シャーリーも高速回転する鋸刃を備えたカトラスを掲げ。
「ガァァァァァッ!! テメェ、テメェェェェェ!!」
其々によって斬り刻まれるザンギャバスは暴れ悶え、やがてワイヤー網を引き千切って脱出するも。それまでに蓄積された疲労と空腹は、決して無視できるものではなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
朱鷺透・小枝子
回点号に搭乗、操縦。負荷軽減による深海適応と環境耐性
眼前に迫るは蛇の噛みつき…!
シールドを展開、オーラ防御!一瞬の抵抗、かまわん!
シールドバッシュ、シールドを放出し、同時にスラスターで後方へ推力移動。UCを回避!
攻撃は抜けた!行け、楽隊!!
『小さな恐楽隊』発動。約900体のビットを召喚し、超音波属性攻撃!
ザンギャバスには小蠅程度の物だ。だが鮫共はどうか
水中は音をよく通す。鮫は音で獲物を感じ取れる。不快な音でこの海域から遠ざけてやる!
瞬間思考力で数体のビット達を動かし、ザンギャバスの周囲を跳び回らせ、
注意を逸らす。どいつが鳴いた?あいつが鳴いたか?
10体100体壊された程度じゃ、なくならないぞ!
中村・裕美
「……まさか……この装備が再び日の目を見るとは」
【水中戦】に対応可能となったUFOに乗り込み、いざ決戦。これで水中の機動は問題ないはず
あとは【早業】でUFOを操縦しながら敵の攻撃を回避してゆくが、直撃を受けてしまっても【毒耐性】で耐える
「……この程度の毒なら……回避する程でも……なかったわね」
痩せ我慢でも効いてないアピールはしとこう
UCを使う隙ができたら水中用装備にした【エレクトロレギオン】で多方向から一斉攻撃。攻撃のついでにサメも追い散らしてザンギャバスの食事の邪魔をする。ザンギャバスの口に自爆特攻させてもいいかも
「……ウロボロスレギオン……お味は如何かしら?」
リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ絡み連携歓迎
※キャバリア搭乗
…どーせ腹ボテ見るなら彼女のオナカがいいね
(ルクレツィアさんの艶姿を思い出しつつ)
◆先制&サメ対策
愛機『ナインス・ライン』は魔改造量産型
つまりパーツの希少性は一点モノより低い
だから迫る竜の顎に『アーリー・バード』ごと
左主腕の拳をぶち込み、剣のブースター点火っ
わざと喰わせる為に手首の接続も緩めておいたよ
口内で爆発が起きれば相対距離は稼げるかな
金属の塊には啜れる生命力もないし?
…経費は痛いけどね
後は左主腕の手首配線から暫し放電
サメ撃退機の代わりにするよ
◆攻撃
サメが散ったら4号【ハリケーン】起動
コレで左主腕は欠損どころか巨大化
後はひたすら腹パン乱舞っ!
海底で尚も暴れるザンギャバスを目掛け、三機のマシンが潜行してゆく。うち二機はキャバリア、残る一機は。
「……まさか……この装備が再び日の目を見るとは」
レトロな意匠のUFO。かつてアースクライシス2019の折、搭乗者たる中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)がプルトン人から強奪し、かの世界での宇宙戦闘に用いたものだ。水中戦闘にも対応できるよう改造を受け、今、新たな戦場へと赴く。
「――敵が此方に気付いた。二人共、気を付けろ」
クロムキャバリア『回点号』に乗り込む朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)が、同行二者へ警告を発する。直後、巨体が振り向き、ぎょろりと濁った瞳が猟兵達を睨み上げる。
「……どーせ腹ボテ見るなら、彼女のオナカがいいね」
その暴食ぶりを示すかのように丸々膨れたザンギャバスの腹を目の当たりにし、リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は乗機たるキャバリア『ナインス・ライン』のコクピットでぼやく。『彼女』とは、と仔細を突っ込む者はいない。何しろ現状は。
「グリモア……グリモア……コロすゥゥゥゥゥゥ!!」
ザンギャバスの吼えるに応え、その首から、肩から伸び出た竜の顎がリーゼロッテのナインス・ラインを。二匹の蛇の牙が裕美のUFOと小枝子の回点号をそれぞれ狙い迫ってきたが為だ。
「ちっ、速い……!」
小枝子は瞬時に状況判断。このまま単純に回避するのみでは追いつかれる。ならば。
機体前面にサイキックエナジーを集束、ハニカム構造障壁を展開。なれど迫る蛇の頭は鏃の如し、このままでは貫通も考えられる。もう一段階の対処が必要だ。
蛇の顎がハニカムの一枚に突き刺さる。同時に全てのハニカムが爆裂、水中に衝撃波が迸る。回点号、衝撃波を受け止め更にブースターで加速、蛇頭との距離を一気に離す。
「ちっ、未だ隙は見えんか」
しかし蛇頭は尚追いすがらんとする。続いて抜いた大鎌をライフルへ変形、射撃にて蛇頭を牽制しつつ距離を保つ。
「……っ、流石に……しつこいわね」
裕美はUFOを巧みに操縦し蛇頭を逃れるが、慣性を半ば無視するUFOの機動にも蛇は追従し、その牙をちらつかせる。二度、三度。蛇の頭がUFOを掠め、機体が激しく揺れる。
「……くぅ……っ!」
そして牙はついにUFOを捉え。装甲へと牙が食い込み、毒液が流し込まれてくる。
「おー……こりゃ、避けきれないね」
一方のリーゼロッテは。迫る竜の顎を前に、早々に回避を断念。だが無論、このまま黙って顎に喰らわれはしない。
「だから……これでも、喰らっておいてよ」
言葉と共に左腕へ構えるは『アーリー・バード』、両刃剣に大盾を複合した近接武器。これを突き出し、龍の口腔へと叩き込む。ぬめる肉を貫く感触。
なれど顎は止まらず、そのまま閉じて剣盾ごと左腕を食いちぎらんとする。だがリーゼロッテはそれも承知の内。
口内で、剣盾に仕込んだブースタを点火。そのまま最大出力へ。過負荷に陥ったブースタが発火、燃料と同じく内蔵された機関砲の弾薬とに引火、爆発。その衝撃に堪らず竜が吹き飛び。
「ヌァラァァァァァァァァ!?」
衝撃がザンギャバス本体にまで伝播したか、叫ぶと共にザンギャバスが怯む。同時に蛇頭の一方、裕美に噛みついていた方も彼女を解放し。
「大丈夫か?」
よろめくUFOの傍らへ回点号が接近。確かあの蛇の牙には毒があったはず、と事前情報から思い出したが故。
「……平気。この程度の毒なら……敢えて避ける程でも……なかったわね」
返ってくる声には苦悶が滲む。流し込まれた毒は、全く以てこの程度で片づけられるレベルではないが。それでも戦闘続行可能な域に留まれたのは、彼女の持ち前の毒物耐性の賜物かもしれない。そして。
「……それより、今が好機。いくわよ……!」
痩せ我慢に走ったは、かの七大海嘯に生じた隙を逃したくなかったが故か。或いは。
「……そうだな。ならば……征くぞ!」
その意図を察したか否か、いずれにせよ意図を受け。小枝子は回点号を駆動させ。裕美もUFOの損傷を確認し戦闘続行に支障無しと判ずると追従し。
「行け、楽隊!!」
「行きなさい、レギオン……!」
両者共にユーベルコードを発動、呼び出されて来たは970機のビットと475機の戦闘用ドローン。それぞれが四方八方へ飛び回り、ザンギャバスを包囲にかかる。
「ヌグッ、ヌゥゥゥゥ……!」
不快げに唸るザンギャバス。ビットから放たれる超音波が、聴覚を超えて脳を揺さぶり、ドローンの機銃がその全身を苛んでいるのだ。正直、ダメージそのものは極めて軽微。彼にとっては小蠅程度の存在でしかない。だが。
「ルヌゥゥゥゥゥ……! エモノ……まて……!!」
それまで己の手の届く範囲にいた鮫達が、今や一匹とて周りにいない。理由は単純。音に敏感な鮫は、超音波を嫌って離れてしまったからだ。残った鮫も、ドローンの銃撃が追い散らしてしまった。
「おー…効果は抜群、だね」
左腕を失ったナインス・ラインのコクピット内、リーゼロッテはその戦果を感心げに見上げる。機体の左腕を失ったことは、魔改造済とはいえ量産型のキャバリアにとっては然程の痛手ではない。財布は痛いが。それより。
「それじゃ、アタシも黙ってるワケにはいかないねっ」
機体コンソールを操作、エンターキーを押下。直後、ナインス・ラインの前へと転送されてきたのは、機体そのものにも迫る大きさの巨大な拳。元はクロムキャバリアにて量産キャバリアの統一規格が定まる前、その規格に収まらぬ超巨大格闘機のパーツとして作られた、噴進機構付きの拳だ。
無理矢理自機に接続可能なよう改造したその拳を、失った左腕の代わりに接続。当然ながら機体バランスを保つことなど、普通は不可能。バランサーへの異常な負荷を伝える警告音声が機内に響くが、リーゼロッテはこれを黙殺。
「さあて。本物の暴力、いくよっ。腕部セミシンクロ、開始……ブースター全基点火」
規格外の噴進腕を、無理矢理ナインス・ラインの制御系に組み込んで。手甲のブースターが、プラズマ噴炎を吐き出し始める。そして。
「――突撃っ!!」
「ゥルルァァァァぁぁ!! グリモア、グリモアァァァァ!!」
尚も続く超音波と機銃の攻勢、空腹を癒せぬ現状。苛立ったザンギャバスが暴れ回る。振り回される腕がビットとドローンを次々と叩き落としていくが、合計1400機以上もあった小型機群だ、早々全滅には至らぬ。
「どいつが鳴いた? あいつが鳴いたか? さあさあ、踊ってみせろ!」
瞬時の判断で音波を放つ機体を次々と変え、それらの機動と併せてザンギャバスを翻弄してみせる小枝子。ビットの百や二百が無くなったとて、この攻勢はまだまだ終わらぬ。
「ヌァァァァァァ! ガァ、バハァァァァ……ムァグゥゥゥゥッ!?」
食事を求めて涎溢れる大口を開けるザンギャバス、その口中に何かが飛び込み、爆発する。
「ウロボロスレギオン……お味は、如何かしら……?」
UFOの機内、口の端から血を滴らせながらも、レギオンの一機を自爆特攻させて得た成果に、裕美はにやりと笑む。ウロボロス、ザンギャバス。こんな対峙を、過去に経験したような、しなかったような。
「――! 裕美、ザンギャバスから二時方向、下方! 奴の向きをそちらへ修正だ!」
「……? ……判った、やってみる」
そして。『それ』に気付いた小枝子と、彼女の声を受けた裕美は其々の小型機を操りザンギャバスの挙動を誘導。怒りのままに暴れ回った末、かの巨怪が其方を向けば。
「さんきゅ。これで当てやすくなったよ」
今まさに、巨大な一つの拳と化したナインス・ラインが、ザンギャバス目掛けて突撃をかけんとしていたのだ。ブースター全開で飛来する、重量感に満ちた速度は、さながら砲弾の如し。
「とっておきの一撃……もらっていって、ねっ!」
「グギャオォォォォォォ!!?」
彼の丸々膨れた腹と同等までに巨大な拳が、そこへ見事に突き刺さる。鋼鉄の腹パンであった。
成功
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ビードット・ワイワイ
幾度となく撃退してきたがやはり
撃退しか出来ぬか此奴。さて何やら求められるておる
気がするで海の頂点捕食者が誰かここに示そう
先制に対しアウトレンジキャンセラーで煙幕発生
海に51232892132人の凝縮を少量垂らし拡散
血の匂いにて鮫を此方に誘導。更に鮫に催眠術をかけ
大帝の進行方向に誘導する。煙と血と鮫は我が姿を捉えさせず加えて汝の非常食の鮫を盾にし近付けさせず攻撃防ぐ
我が姿はメカモササウルスへとなる
海の王、真の捕食者。大鮫を喰らいし真の海王
血と煙幕の向こうより来たりて鮫を捕食
恐怖を与える鮫を散らす
大帝に雷撃にて感電させ誘導弾を放ち炸裂させ
我が身を回転させ海流乱れさせ衝撃波と共に吹き飛ばす
トリテレイア・ゼロナイン
追い詰めた…というよりこれ以上悪影響を及ぼさぬよう押し込める、と表現した方が良いかもしれませんね
『負けぬ』戦いは騎士として得手とする所
これ以上他の島を襲われぬ為にも、お相手いたしましょう
水中用装備を装着し●水中戦
高速誘導魚雷を頭部に当てつつ(誘導弾、目潰し)三次元的な●水中機動で大帝の手から逃れます
ある意味、躱すだけなら地上よりも対処は容易ですね
あとは…
戦場にUCを展開
大帝と私を閉じ込め、鮫から隔離するバリアによる牢獄を戦場に形成
申し訳ございませんが、食堂へお通しする訳にはいかないのです
暫しのお付き合いを願います
バリアを壊そうとする大帝を●怪力ランスチャージで押し戻しつつ耐久戦
新たに荒れ狂う暴虐巨人へと迫る猟兵は、二機のウォーマシン。その姿今や、数多のコンキスタドールの知る処であろう。
「此れまで幾度となく撃退してきたが――やはり撃退しか出来ぬか此奴」
片や、竜――或いはそれを模した何かとも表現できよう異容。ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)。
「ええ――追い詰めた、というより。これ以上悪影響を及ぼさぬよう押し込める、と表現した方が良いかもしれません」
片や、騎士――身の丈を別とすれば、全身甲冑を纏う人間の騎士とも見えよう偉容。トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。
両者共に此度の戦において、数多のコンキスタドールを討ち取り数多の島を解放してきた猟兵。七大海嘯が彼らの首にかけた賞金の総額は、今や10万Gを超える。
かの大帝に対してもその襲来以来、幾度も撃退に成功してはいるが。本拠まで追い詰めて尚、完全殲滅は叶わぬ存在。両者共に、その可能性は考えてはいた様子。
「なれば。真なる海の頂点捕食者が誰か。ここに示すべきであろう」
そうビードットが呟いたのに反応したかの如く――或いは別の要因やも知れないが――下方より両者を見上げたザンギャバス、跳躍めいて浮上し、二人へ迫る。
「グリモアァァァァァ!! コロす、コロすゥゥゥゥゥ!!」
攻撃姿勢に入った――その意思を察知し、自動防御装置が反応。溢れ出る黒き煙幕が、二人の姿を大帝の視界より覆い隠す。
更に、黒の中から赤が溢れる。それは今や亡き四つの星々の遺品。そこに生きていた人々、実に51232892132人分の血液。凝縮保存されていた血液は、微量であっても外界へ放たれれば膨張するかの如く広範囲へ広がり。濃厚な血の匂いは、其を嗅ぎ取って獲物を見出す鮫の知覚を刺激する。
黒き煙幕と赤き血液、そして血液に群がる無数の鮫。それらがビードットの姿を覆い隠し、伸ばされた大帝の手は一時標的を見失う。だが、鮫と入れ違うかのように大帝の前へ飛び出してくる姿あり。トリテレイアだ。
「お相手致しましょう。これ以上、他の島を襲われぬ為にも」
エイの翼を思わせる推進器が唸り、その背から放たれるは誘導性を兼ね備えた高速魚雷。伸ばされた大帝の巨腕と交錯。
翼が角度を変え、推進方向を変更。掴みかかる凶手から逃れんとするが、手の追随する速度は存外に速く。間もなく騎士の背にある尾へと届く――そう見えた直後。
「ヌグゥウゥゥゥゥゥゥ!?」
響くは大帝の呻き声。掴みかからんとした尾部が高熱を発したのと同時、放っていた魚雷が彼の顔面を直撃。衝撃で怯ませると共に、爆炎と爆煙で視界を塞ぐ。
「グヌァァァァァ……! ハラぁ……腹、減ったァァ……!」
顔を覆った爆炎を払い、ザンギャバスの手が伸ばされる。先程のビードットの誘導に乗らなかった少数の鮫、その一匹へ。だが。
「……なァッ!?」
その指が、鮫の直前で何かに弾かれる。知能の低い彼にも理解できる。そこに何かがあると。
「いわゆる『檻』というものです。食堂へお通しする訳にはいきませんので」
トリテレイアの声。今や彼らの周囲は、その八方に配された杭状の発振器によって展開されるエネルギー障壁によって包囲されていた。初撃を凌いだ直後、トリテレイアが繰り出したユーベルコード。そして。
「『負けぬ』戦いは騎士として得手とする処。暫し、お付き合い願いましょう」
推進機構を備えたランスを顔の前で構え、騎士の礼めいた所作を取るトリテレイア。彼もまた障壁の内側にいる理由。それは。
「ヌァァァ! ジャマだ! どけぇぇ!」
障壁に腕を叩き付けるザンギャバス、その一撃だけで、発振器から軋み音がする。ただ彼のみを囲むだけでは、足止め叶うはほんの数十秒だろう。故に。
「お付き合い願いますと、申し上げました!」
「グフぅぅぅ!?」
ランスの推進機構を以て、トリテレイアはザンギャバスへ吶喊。分厚い腹へと突き刺さった槍へ力を籠める。水中故の浮力の助けを借り、己の出力を全開として。障壁から彼を引き離す。
「ウルセぇぇぇぇ! コロすぅッ!!」
ザンギャバス、反撃のハンマーパンチ。その腹を蹴り距離を取ったトリテレイア、盾を掲げ防ぐが。
「くぅ……っ!」
最も勢いの乗る位置で受けたわけではないにもかかわらず、その衝撃は凄まじい。堪らず吹き飛ぶ。背の推進器の助けを借り、障壁へ叩き付けられるは回避する。
「コロす、コロすぅぅぅぅ!!」
大帝の巨体が迫る。巨大な肉弾が如き身体を以て、トリテレイアごと障壁を突き破るつもりか。
「そうは、させません……!」
トリテレイア、真正面から吶喊。圧倒的な質量差、限界まで出力を高めたとて押し切れるとは思えないが。少しでもこの状態を維持するには、それしかなかろう。それが例え、正解とは言えずとも。
だが。結果としてその選択は実を結ぶ。
「……ぐっ!?」
大帝の腹へと再度衝突するトリテレイア、だがその肉体は覚悟していたより軽い。思わず見上げる。視界がやけに暗い。
「……ヌ……ァ……?」
見れば、ザンギャバスもまた水面の方を見上げ、呆けていた。そこに――血と煙幕を纏う、巨大なる影があったが為だ。
『古代に滅びし海龍よ。海は其方を忘れたぞ。絶対なりし海の王』
其は、其を見上げる大帝よりも尚巨大なる、鋼鉄の竜。
『機械の体に魂宿せ。古代と最新今こそ合わされ』
太古の海の王。真の頂点捕食者。大鮫をも喰らうもの。その名は。
『――我らこそが、モササウルスだ』
それこそが今のビードットの姿。太古のかの魚竜の姿と在り方を模したるもの。メカモササウルス。
顎が開かれる。その速度、巨大鮫にさえ容易く追いつき。その牙、巨きさと強靭さを兼ね備え、巨大鮫さえも軽々と砕き喰らう。
鮫達が恐怖する。かの大帝さえも超えんとする捕食者に。今や彼らは、被捕食者であった。目の前に聳えたつ、鋼鉄の海竜の。そうなれば、取る行動は一つ。逃走である。
『待たせた。此れよりは攻勢の時』
「そのようですね……参りましょう」
ザンギャバスから距離を取ったトリテレイア、周囲の鮫が一匹も居なくなった事を確かめて障壁を解除。そしてその直後。
ビードットの頭の角が雷撃を放ち、ヒレからは己を小型化したような誘導魚雷を繰り出す。電流と爆風が、大帝の巨躯に対してもその動きを制約する。
「ガ、グ、ヌァァァァァァ!!」
苛立たしげに唸りたてるザンギャバス、爆風が退いたところへ彼ら目掛け飛び込まんとするも、今度はトリテレイアの放った魚雷に出鼻を挫かれる。
「鮫牙の王よ、玉座より退く時です」
『海の果てへと、落ちるが良い』
ビードットの巨体が、回転を開始。其に掻き回され乱れた海流が、水中竜巻じみてザンギャバスの巨躯を包み。放たれた衝撃波と共に、海の底へと叩き落としてみせた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
暴食の化身、お前は飢え続けるのがお似合いだよ☆
事前に「肉体改造」を自身に施し、自身の表面をヌルヌル成分と吐き気成分で覆います。
これで掴もうとしてもヌルヌルして掴めないよね!
対策したら次はUC【飢餓つくと肉肉しい惨劇】で肉塊になるよ!
肉体改造はそのままに、巨大鮫にわざと肉塊の一部を齧らせて鮫の内部で増殖して爆散★肉片に吐き気成分を纏わせよう!
吐き気成分ごと肉片や肉塊をザンギャバスにも食べさせて、内側のものを全部逆流させれば飢えるよね!
UCの飢え続ける匂いを海水に混ぜてもザンギャバスを飢え続けさせられるはず!
それに、水中戦はちょっと得意だよ♪
勝利の暁には羊肉で宴会だよ☆
ブルース・カルカロドン
POW
アドリブ歓迎
口調:ユカイなカタコトしゃべり(固有名詞以外の漢字はカタカナ)
「鮫牙のユーベルコードにタイショする。サメをおっぱらう。そんで鮫牙をゲキタイする」
「なかなかにタフなシゴトだ」
「ボクもホンキをだそう」
まずはサメをおっぱらおうか
軽く小突いて力の差を思い知らせてやれば逃げてくだろう
野生ってそういうものだし
鮫牙が攻撃してきてボクが負傷したら指定UC発動
分身して回復する
サメを追っ払う効率が二倍になるね
また攻撃されて負傷した
これで四倍になるね
ボクが食われそう?
かじられたらまた増えるね
さらに倍
サメ映画の恐怖に終わりはない
最後は分身達と一緒に攻撃を仕掛けるよ
サメの怒りを思い知れ
海底、沈んだ鮫牙島の土地の中央、崩れた城。ザンギャバス大帝は身を起こす。
「ハラァァ……ハラ、へったぁぁ……!!」
今や彼の飢えは、臨界点を突破しようとしていた。猟兵達の妨害により、あれだけあった巨大鮫は一匹とて喰えず。暴れど暴れど、食事にはありつけず。
頭上を見上げれば、渦を巻くように泳ぎ回る無数の巨大鮫。あれだ。あれこそが己の食事だ! 一刻も早く喰らいたい、腹一杯になるまで喰らいたい!
その食欲の求めるまま、跳躍、そして泳ぎだす。明るくなってゆく周囲。もうすぐだ、もうすぐ食事の時――
「――ア?」
だが、鮫達が突如逃げ始める。何だ、何が起きた。己を前に決して逃げなかった奴らが、何故今更――
直後。その『答え』が、彼の眼前を通り過ぎた。
「おらおらー、ツルんでイキってんじゃねーぞー」
一匹の鮫が、巨大鮫達へ体当たりを仕掛けてゆく。その勢いに、己より強い存在と悟った鮫は一目散に逃げてゆく。
それを繰り返す鮫が、片言ながらに人語を話しているのは錯覚ではない。事実、彼は人語を語る鮫――猟兵でもある鮫なのだ。その名をブルース・カルカロドン(全米が恐怖した史上最悪のモンスター・f21590)、サメ映画のサメが現実に現れたかの如き鮫である。
「おーっとブルース、鮫牙さんのおでましだよー♪」
海底のザンギャバスの様子を見ていた、今一人の猟兵が呼びかける。その姿は大きな桃色の鯨――と見えるが、あくまでそういう形に擬した肉塊に過ぎない。そしてその背からは少女の上半身が生えている。ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)、ゲル状の肉塊で肉体を形作るラスボスである。
「もうキちゃったか、シカタない」
ぼやきながらも身を翻し、浮上してくるザンギャバスの姿を認めるカルカロドン。かの大帝のユーベルコードへの対応、鮫への対応。そして大帝の撃退。全てをこなさねばならぬ、なかなかにタフな仕事だ。
「それなら。ボクもホンキをだそう」
「おっけー☆ やっちゃうよー♪」
鮫と鯨。海洋生物の二大巨頭が、無敵大帝を迎え撃つ。
「……ハラァァァァ!! ヘッタぁぁぁぁぁぁ!!」
迫り来る二人の猟兵を前に、ザンギャバスは歓喜の色滲む雄叫びを上げる。何しろ相手は、本来の餌食と同じ鮫と、美味なる色合いの――事実高栄養かつ美味な――鯨であったからだ。
その双腕が、双方をも捕らえ喰らわんと伸ばされる。己の飢えを満たそうとして。しかし。
「おーっと☆ このカラダを掴めるものなら掴んでみなよっ♪」
鯨――ラヴィラヴァの身は、掴んだと思えばにゅるりと滑って逃げてゆく。今の彼女の肉体表面は、ヌルヌルした成分の粘液で覆われており。ザンギャバスの強力な握力を以てしても、掴むことは叶わない状態であるのだ。
「がふ…っ!」
鮫――カルカロドンの身は、掴むことこそ可能だが。そのまま食おうとしても、うまく逃げられてしまい。肉体の一部を食いちぎるに留まる。そして。
「To be continued」
千切れた肉体が再生すると共に、傍らに更なる鮫が現れる。カルカロドンと同じ姿の鮫。彼の分身だ。分身は本体と手分けして、鮫を追い散らしに向かってゆく。
「さてさてー、それじゃあ皆、たっぷりたらふく、満足するまでオイラを召し上がれ♪」
そしてラヴィラヴァもまたユーベルコードを発動。その身から、強烈な飢餓感を感じさせる――否、実際に飢餓へ追い込む匂いを放ち始める。
「グアァァァァァ! ハラぁぁぁぁ!! ハラへったぁぁぁぁぁ!!」
元より空腹であったものを更に刺激され、ザンギャバスが喚き散らす。手当たり次第に伸ばした手が、カルカロドンの身を捉え――勢い余って、引き千切ってしまう。
「うぅ、イタいじゃないか。いくらナオせるといっても、イタいのはイタいんだぜ?」
その傷は再びユーベルコードで回復。と同時、彼の分身が更に二体増える。これも他の鮫を追い散らしにゆく。
「あうっ♪ あは、いいよぉ、そのままオイラを食べて――」
ラヴィラヴァに対しては、巨大鮫達も食いつきにくる。彼女の肉体を構成する肉塊が千切れ、鮫達の胃袋に収まって――
「――どーん★」
肉片は鮫達の体内で急速に増殖、瞬く間に鮫の肉体の許容量を突破。その身を爆ぜ飛ばさせる。
「ルルォォォォォォ!! 肉! 肉ゥゥゥゥゥゥ!!」
そうして飛び散った鮫の肉片や、飛び出してきたラヴィラヴァの肉塊をザンギャバスは掴み、喰らってゆく。飢餓感が満たされ、全身に活力が戻――るより前に。
「――オゴォォォォォォ!!?」
ザンギャバスの表情が苦悶に歪む。そして今食べたばかりの肉塊や肉片も、未だ体内に残っていたらしい僅かな肉も吐き散らしてしまう。
実はラヴィラヴァの肉塊には、吐き気を催す成分が大量に含まれていたのだ。それは彼女を食べた鮫の肉にも伝染し、両者を共に食べたザンギャバスは見事にその影響を受け。食べたものを、食べた側から吐き出してしまう状態となったのである。
「お前に食べさせる肉はなーいっ♪ 暴食の化身、お前は飢え続けるのがお似合いだよ☆」
「グルォォォォォォォ!! オオオォォォォォォォ!!」
その上、ラヴィラヴァの飢餓煽る匂いは尽きることなく。飢えながらも、飢えを満たせぬ状態。半ば狂乱したかのようにザンギャバスは暴れ回り。その都度カルカロドンは攻撃に巻き込まれるが。
「まだまだ、まだフえるよ……そう」
本体含めて四体だったのが八体へ。八体いたのが十六体へ。倍々ゲームで増えてゆく鮫の群れ。それは幾度倒しても倒しても、数を、種を増やして再度襲い来るサメ映画のサメの如し。
そう。サメ映画の恐怖に終わりは無い。サメは決して滅びることなく、どこからであっても獲物を狙い続けているのだ。
「さあ――」
最終的に32体にまで増えたカルカロドンとその分身。この海域のサメは全て死んだか逃げた。後は極限までに飢え切った鮫牙の大帝を残すだけだ。
「――サメのイカりを、オモいシれ!!」
それは散々彼に捕食されてきた鮫達の仇討ち、の意もあったのか。32体の鮫達は、ザンギャバスの四肢、腹、頭――全てへと猛然と喰らいつき。
「ゥグルァァァァァァァァァ!! アァァァァ……アァァァァ……!!」
最早暴れる体力も尽きたか、ただただ絶叫を上げるのみとなったザンギャバス。その肉体に変化が生じたのは、その時だ。離れるカルカロドンと分身達。
丸々と膨れた肉体が引き締まると共に、人型であった身が四つ足と変じ。その顔つきも、前後に長さを増して――
やがて、巨大な獅子じみた姿に変異を果たしたザンギャバス。猟兵達には目もくれず、一目散に水中を駆けだし。瞬く間に、逃げ去っていった。
「――オわった、かな?」
「多分ね♪」
ザンギャバスは飢餓が極限に達すると、獅子の如き姿に変じて逃げる、とは他の任務でも言われていた通りだ。つまり、これを以て此度の戦いは、猟兵の勝利――ということになる。
「そうか。うん、ヨかった。それじゃ、モドろうか」
「おっけー☆ 帰ったら羊肉でお祝いだ♪」
「ラムニク、いいねぇ」
などと言いながら、鮫と鯨は、海上で待つ鉄甲船を目指して泳ぎ始める。
「――ところでさ、キミの分身ってどーするのかな?」
「二時間くらいしたらキえるよ。サメ『映画』のサメだから」
斯くして、七大海嘯の一角『鮫牙』のザンギャバスは、鮫牙島より放逐されたのである。
いずれはかの存在を完全に打倒し得る日が来るか、否か――いずれにせよ、今は羅針盤戦争への勝利が先決である。
猟兵達は其々に、次なる戦場を目指してゆく。
大成功
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