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羅針盤戦争〜未来支配の王笏

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #四の王笏島

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●白い悪魔は再臨する
「来たか、猟兵。多世界侵略船団コンキスタドールの侵略速度を上回るとは……全く以て度し難い」
 無数の宇宙船の残骸が放置された大広場で、七大海嘯『カルロス・グリード』は猟兵たちの気配を察知した。
 その姿は海賊というには似つかわしくない様相だ。白き鎧を身に纏い、現れるだろう猟兵たちを待ち構える。
「我が鎧は、かつての過去の残影にて顕現せし、『白騎士の鎧』である。我が未来予知を超えることは不可能」
 白騎士の鎧に搭載されたスーパーAIが稼働する。周辺の因果を読み取り、未来に起こるだろう可能性を収集する、かつて白き悪魔が持っていたユーベルコードを内包する鎧だ。
「我が未来予知の前に、跪け」

●悪夢再び
「歴戦の猟兵たちはすでに知っているだろう。スペースシップワールドの戦争時、猟兵たちを苦しめたかの白い騎士を」
 集った猟兵たちに、アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)がそう告げた。
「カルロス・グリードは、自分の体に『白騎士の鎧』を纏っている。その力は、銀河皇帝の幹部である白騎士ディアブロの力を内包した鎧だ」
 つまり。今回カルロスが使用するユーベルコードは、数多の猟兵たちを苦しめた未来予知のユーベルコードを操る。
「いいか、今回は一筋縄じゃいかない。猟兵たちのユーベルコードよりも先に、『カルロスは先制攻撃で自分のユーベルコードを使用してくる』。その身体に傷一つつけられないこともある。十分注意して挑んで欲しい」
 未来予知のユーベルコードは、生半可な対抗策では突破できない。かの悪夢を繰り返すことになるかもしれないが……それでも、猟兵たちは立ち向かわなければならないのだ。
 アインが杖を掲げると、転送のリングが猟兵たちに纏わりつく。
 転移先は、スペースシップワールドの宇宙船の残骸が放棄された大広場。そこに、白騎士の力を操るカルロス・グリードは佇んでいる。
「大丈夫。これまで俺達は数多の戦争を経験してきたた。今更、悪夢という『過去』と『未来』に怯える必要なんてない!頼んだぞ、皆!」


夕陽
 カルロス・グリード。今回、その力はかの銀河帝国攻略戦の悪夢を再現します。
 OPをご覧頂き有難うございます。初めましての方は初めまして、すでにお会いしている方はこんにちはこんばんは、夕陽です。
 以下、プレイングボーナスが存在します。

 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。また、しない限り必ず🔵🔴🔴苦戦か🔴🔴🔴失敗になる。

 今回、ユーベルコードの対処法が十分でないかぎり、失敗もありえます。PCがひどい目にあう可能性もありますので、予めご了承お願い致します。
 念の為ですが、『猟兵のユーベルコードによる対処は不可能』です。その他の対抗策をご用意下さい。

 それでは、皆様のプレイングお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『四の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    収束する運命の斬光
【対象の未来位置へ放たれる貫通レーザー】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ディアブロ・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【纏う白騎士の鎧による未来予測】から【判明した敵の攻撃を回避し接近、光剣の斬撃】を放つ。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予測シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メンカル・プルモーサ
……四の王笏はSSW、ね……なるほど。
それにしても…白騎士のAIを込めた鎧、か…まだ数年前なのに懐かしさを感じるね…
…ドローンを元にした正確無比なシミュレーションである以上…回避は意味ない…
…カルロスの攻撃に対して術式組紐【アリアドネ】と障壁で周囲を覆う様に防御を重ねて時間を稼ぐよ…
…そして障壁に描かれた刻印から浸透破壊術式【ベルゼブブ】で【浮かびて消える生命の残滓】により生命と人以上の知性を持ったウィルスを感染させる…
…ウィルスには自己判断で防壁に対処しながら鎧の機能と予測データを破壊させるとしよう…
…動きが鈍ったら術式装填銃【アヌエヌエ】の電撃弾でその鎧を物理的に破壊しようか…



「……四の王笏はスペースシップワールド、ね……なるほど」
「この場にこの瞬間、汝が来ることが予測されていたぞ、猟兵」
 『白騎士の鎧』を纏うカルロス・グリードが、眼前に現れた魔女の猟兵、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)へと静かに言い放った。
「それにしても…白騎士のAIを込めた鎧、か…まだ数年前なのに懐かしさを感じるね…」
「汝らにとっては遠き過去よ。しかし今、この場に汝らの悪夢は蘇る」
 空間が歪み、カルロス・グリードのユーベルコードが発現する。周囲に散開した飛空ドローンが、メンカルを撮影し始めた。
 眼鏡の奥にある碧眼を動かして、こちらへカメラを向けるドローンを見やる。
(…ドローンを元にした正確無比なシミュレーションである以上…回避は意味ない…)
 そう、この瞬間、メンカルの行動予測、ユーベルコードの使用、攻撃、全ての情報が収集され、未来予測となってカルロスに出力されている。防御に偏れば偏るほど、相手の思う壺だ。
 メンカルの魔法陣が発現する。『術式組紐【アリアドネ】』が翻り、メンカルを覆うように拡散した。
「無駄だ、猟兵。汝の行動は全て予測されている」
 カルロスが接近し、光剣と光のレーザーがアリアドネを灼き尽くす。魔術の糸がはらりと溶け落ち、その奥にいるメンカルへと肉薄していく――!

 ――この後の行動は、我が光剣を構え、そしてその攻撃に対して回避を――

「――!!」
 なに、とカルロスが瞠目する。未来予測に置いて、眼前の猟兵は“回避”を行おうとしていない。
 刹那、鎧に注ぎ込まれる情報の中に、妙なノイズが響き渡った。
『ERROR ERROR Information gathering fail.』
「情報の取得に、失敗しただと……?」
 カルロスが周囲のドローンを見やる。飛行し、メンカルを撮影し続けているドローンだが、その挙動が明らかに不自然だ。
「貴様、何をした」
「…浸透破壊術式【ベルゼブブ】。障壁に刻まれた模様をドローンが撮影した瞬間から、未来予測の妨害は始まってる…」
 なに、とカルロスが鎧から送信される情報を確認する。肥大する情報の中に、何か、混じっている。
 そこで現実に意識を引き戻せば、メンカルの足元にはいつの間にか、ユーベルコードによって発現した光の魔法陣がゆっくりと回転していた。

「造られし者よ、起きよ、目覚めよ。汝は蜻蛉、汝は仮初。魔女が望むは刹那を彩る泡沫の夢」

 たん、と杖で魔法陣を叩いたその瞬間、カルロスの鎧を蝕んでいたコンピュータウィルスが爆発的に増大する。
 【浮かびて消える生命の残滓(メメント・モリ)】。コンピュータウィルスに生命が与えられ、白騎士のAIに引けを取らない知性を持ったバグの奔流が、その未来予測を妨害する――!
「…そして、基本的に機械は雷や電磁波に弱い…」
「――ッ!!」
 『術式装填銃【アヌエヌエ】』の銃口から電撃弾が迸る。雷電の衝撃によって、カルロスの身体が後方へ吹っ飛んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
白生地?(聞き間違え)
それは是非ともパイ料理の生地にしないと☆

事前に自身に「肉体改造」を施し、光の吸収率を下げて反射率を高める!
いかに貫通レーザーといえどもレーザー……つまり光!
切断・貫通する為には対象が光を吸収する必要があるので反射すれば大丈夫のはず!
「カウンター」「オーラ防御」も応用すれば完璧?
未来予知をされても回避・対応が出来ない範囲で攻撃をすれば問題なし!
レーザーを対処したらUC【膨張せし肉肉しい宇宙】でひたすら巨大化して回避・防御も無意味な程の質量の暴力を御馳走しよう!
ラスボスだし堂々と!

勝利の暁にはアップルパイで「宴会」だ♪
(失敗したらどうしよう!)



「白生地?それは是非ともパイ料理の生地にしないと☆」
 快活な声が戦場に響き渡る。巨大なゲル状の鯨の胴体を翻して、ラスボスの魔王であるラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)がカルロス・グリードと対峙した。
「巨人ではない、謎の種族。成程、猟兵とは多世界の寄せ集め、と聞くがまさにその通りのようだ」
 カルロスが片手を構えると、そこに光が収束する。閃く光芒は、貫通レーザーと化して上空へと昇ると、ラヴィラヴァへと襲いかかった――!
 びしゃり、と鯨の胴体が吹き飛んだ。ラヴィラヴァは回避などしない。天から降ってきたレーザー光に、ゲル状の鯨の胴と本体の肩口に赤熱の傷が閃く。
「だが、いくら多世界からの者といえど、この未来予測は完全なるもの。汝らの幼稚な策など――…ッ!」
 そこでカルロスが瞠目する。確かに胴体は切り裂いたが、『未来予測で視た光景と違う』のだ。本来なら、胴体が真っ二つに斬り裂かれるはず。それがなぜか、軽症で済んでいる。
「いかに貫通レーザーといえどもレーザー……つまり光!おいらの体の光の吸収率を下げて反射率を高めたんだよ!」
 故に、途中で光は反射され、体を焼き切ることが出来なかった。未来予測よりも、光の攻撃に焦点を当てた、ラヴィラヴァの奇策だった。
 ラヴィラヴァのユーベルコードが発現する。未来予測によって得た情報がカルロスに流れ込んでいるが、ユーベルコードの未知はそれを予測として成立できない。

「嗚呼、世界はかくも美味しいのか!さぁどうぞ召し上がれ♪」

 ぶくり、と。鯨の胴体とラヴィラヴァの胴体、全て纏めて肥大化する。【膨張せし肉肉しい宇宙(ラ・エトワール・デ・ラ・ヴィアンド)】によって変質した体は、無限に巨大化する宇宙牛。カルロスなど蟻の大きさと同等、それを蹂躙するように、ラヴィラヴァは微笑んだ。
「さあ、回避も防御も無意味な程の質量の暴力を御馳走しよう!」
 轟音と共に、大地が打ち鳴らされた。質量の暴力に、白騎士の鎧が悲鳴を上げる。
「勝利の暁にはアップルパイで「宴会」だ♪」
「巨大化のユーベルコード……しかも巨人など生ぬるいと来たか……面白い」
 その質量からカルロスが逃避する。恐るべき猟兵の所業に、僅かに口角を吊り上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
……いや、やべえなマジで。今回ばっかりは腹括るしかねえわ。
角とかもう折れてなくなったも同然になる、ぐらいで済んだら御の字だよ。

相手に俺の攻撃も防御も全部未来予知で読まれてんなら、倒れるギリギリまで耐えるしかねえ。
【激痛耐性】【武器受け】【継戦能力】で相手の攻撃を受け続ける。
あまりにも運悪すぎて俺にばかり攻撃が【おびき寄せ】られる結果ばかり視てくれてりゃありがたいんだがな。

【指定UC】の代償は「幸福に生きられる時間1年分」。
こんだけボコられりゃ一生の幸運全部溝に捨てたようなもんだ、マジで死ぬかもしれねえんだから。
相手の猛攻を受けて死にかけるのをトリガーに発動できねえかな……!



 悠然と佇むカルロス・グリードと対峙し、睨みを効かせた猟兵が一人。白い騎士の鎧に身を包んでいるカルロスへ呟く。
「……いや、やべえなマジで。今回ばっかりは腹括るしかねえわ」
 黒い竜鱗の人派ドラゴニアン、地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)は、拳を強く握りしめる。
 未来予測。それは、あらゆる行動がカルロスに予測されているということ。攻撃も、防御も、全てがカルロスの掌中だ。
「恐れるか、猟兵。我が未来予測は完全なる予測、未来の操作。それを相手にしても揺るがぬか」
「そうだな、角とかもう折れてなくなったも同然になる、ぐらいで済んだら御の字だよ。行くぜ!」
 カルロスへと駆け出した。白騎士の鎧は、凌牙の行動全てを予測し、未来を操作できるかのように振る舞う。
 カルロスの片腕から、収束する運命の斬光が迸った。飛んだ光は、凌牙が次に踏みしめる地点に向かって、的確に撃ち放たれる――!
 剣で肉を裂くような嫌な音。武器受けしようとした凌牙の肩が、無残にも光線によって斬り裂かれた。
「あ、ぐ……ぁ……ッ!」
「無駄だ。我が予測は完璧。その次に汝が立つ地点さえ我が掌中」
 連続して斬光が放たれる。武器受けは意味を為さない。なぜならば、凌牙がそう行動するだろうことは“すでに白騎士の鎧が予測している”からだ。
 腕を斬り裂かれ、足を斬り裂かれ、更に閃いた光が再び肩を斬り裂く。鮮血が周囲に迸り、凌牙がきつく唇を噛みしめる。
 ぐらり、と視界が歪んだ。そうして白騎士の鎧による未来予測は“凌牙が倒れるであろう瞬間の未来”さえも的確に予測した。
「我が予知を甘く見たな、若き猟兵よ。白騎士の予測は、“全てを予測”する。汝が我の攻撃を受け続けることさえ予測済みよ」
 踵を返して、カルロスが凌牙から視線を外したその瞬間だった。
「――!!」
 後ろから、強大な殺気。勢いよく振り向いた先、凌牙の体から沸き立つ黒いオーラが変性し、そこに実像を結ぶ。
 巨大な竜だった。黒竜は目の前の敵対者を喰らい尽くそうと、その牙を露出させる。
 【【喰穢】黙示録の黒き竜(ファウルネシヴォア・メガセリオン)】。死の予感という極大の不幸を触媒とし、此処に顕現したのだ。
「……油断はできぬ、というわけか」
 斬光が閃く。竜の胴体を斬り裂いた一撃によって、凌牙のユーベルコードは霧散した。倒れ伏した猟兵の体に転移の光が纏わりつく。
 消え失せた猟兵の姿を確認し、カルロスは目を瞑った。
「ユーベルコードの力で我に刹那の不覚をとらせた事、称賛に値するぞ、猟兵」

失敗 🔴​🔴​🔴​

須藤・莉亜
「うーん。なんだろう、この妙な気分は。」
あ、そうか。敵さんの格好がコスプレにしか見えないからか。

さて、気を取り直してっと。
敵さんの攻撃が自分の方に絶対くるってわかってるなら、死なない程度に当たっとけば良いって話だよね。

真っ直ぐに敵さんに突っ込みつつ、レーザーの軌道を見切り腕で攻撃を受ける。腕が無理そうなら頭と心臓以外の所で受けとくかな。

死ななかったらUCで吸血鬼化し、斬られた部位を即座に再生させながら敵さんにどんどん近づいて行き、僕の大鎌の攻撃範囲に入ったらバッサリ斬っとく。
もちろん吸血も狙って行きます。

「今の僕を殺したいなら、塵も残らないぐらいに壊さないとたぶんダメだよ。」



「うーん。なんだろう、この妙な気分は」
 白い大鎌『血飲み子』の柄に手をかけて、ぼんやりとした表情でカルロス・グリードを見つめる須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)は、何か妙な違和感を覚えていた。
「……吸血鬼か、猟兵。我の白騎士の鎧は、汝の在り方さえも予測した」
 鎧から流れ込んでくる未来予測情報から、莉亜の戦闘方法、為すであろう戦術全て読み取る。そんなカルロスの言葉を、莉亜はただ聞き流す。
 そして、ああ、と口にした。
「そうか。敵さんの格好がコスプレにしか見えないからか」
 コンキスタドールとしての、海賊として在り方を放棄した眼前のオブリビオン・フォーミュラは、その様相だけでも凄まじい異質に溢れている。超テクノロジーと合わさった姿は、いささか不相応にも見えた。
 血飲み子の柄を肩にかける。
「さて、気を取り直してっと。――その血、貰うね」
「させると思うか、半吸血鬼の猟兵よ」
 ぼんやりと立っていた莉亜の行動は、刹那の内に変化する。駆け出した途端、その長身の体躯は風を切り、恐るべき速度でカルロスへと肉薄する。
 カルロスの腕が掲げられた。未来予測に提示された座標はただ一点。避けようともしない、その地点に、目の前の猟兵は必ず到達する。
 天へと斬光が放たれ、流星の如く降りかかる。回避は不能。もし避ければ、“そこに斬光は降りかかる”。
 策もない突進か、とカルロスは達観した。残光が莉亜の脳天を斬り裂こうと落下したその刹那。
 ばしゅり、と。
 カルロスは猟兵の行動に瞠目する。片手でその斬光を遮り、直撃を免れたのだ。光に斬り裂かれた片手が宙を翻り、だがその光景を追うことを、莉亜は許さない――!

「痛いなぁ。まあいいや――全力で殺してあげるね」

 紫の瞳が変化していく。より黄金に、満月を思わせる金色の眼へと。飛びかかった莉亜を今度こそ滅そうと、斬光の連撃が降りかかる。
 肩を裂き、足を裂き。腕を裂き。
 そこでカルロスは気付く。――先程切断したはずの腕が、再生している、と。
「バカな、なんだその再生力は……ッ!」
 血飲み子の白銀の刀身が閃いた。袈裟斬りに振り下ろした刃は見事に鎧に深い傷を与え、そこから海賊王の血が溢れ出る。
 降りしきる血の雨。指先でなぞるように、血の一滴を口へと運ぶ。煌々と輝く瞳の中に、驚きのまま放心しているグリードが映し出されていた。

「今の僕を殺したいなら、塵も残らないぐらいに壊さないとたぶんダメだよ。未来予測にその情報はなかったのかな?」

 そう皮肉を説いて。

成功 🔵​🔵​🔴​

エミリィ・ジゼル
白騎士、懐かしいですね。当時と比べればわたくしも成長しましたが、今でも楽勝とは思えぬ相手です。
ですが、だからこそ、踏み越える甲斐があるというもの。

対処の基本は、今も昔も変わりません。
すべては初撃をいかに耐えるか、そこにかかっています

第六感、見切り、カウンター、捨て身の一撃、盾受け。それらをフルに活用し、オペラグローブのビームシールドで敵の攻撃を受け流します。
とにかく、致命傷だけは回避します。

一撃をしのいだ直後、《時を止めるメイドの術》を発動
時間停止の刹那をつき、聖剣めいどかりばーで渾身のカウンターをお見舞いします

この一撃にわたくしのすべてを賭けましょう

「チェストー!」



「白騎士、懐かしいですね。当時と比べればわたくしも成長しましたが、今でも楽勝とは思えぬ相手です」
「それでもなお、我が未来予測に立ち向かうと?」
 青いメイド服を身に纏って、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)はそこに立つ。銀河帝国攻略戦を経験した、歴戦の猟兵の一人。黒騎士の過去を操るユーベルコード、銀河皇帝の圧倒的なサイキックエナジー、そして未来を“操作”するユーベルコードを操る白騎士に立ち向かった、勇敢な猟兵の一人だ。
 カルロスからの問いに、エミリィは長手袋を裾をぐっ、と引っ張る。
「そうです。だからこそ、踏み越える甲斐があるというもの」
「ならば、その歩みを止めるのが我が未来予測の力なり」
 カルロスが飛翔する。未来予測によって、すでにエミリィの行動、あらゆる戦術、その全てがカルロスへ出力されている。
 エミリィの長手袋『オペラグローブ』から迸るビームの盾。エミリィのやることは、今も昔も変わらない。
(すでは初撃をいかに耐えるか、そこにかかっていますね)
 カルロスから視線を逸らさない。敵はおよそ9000km/hの速度でこちらへ肉薄してくるのだ。目を逸らせば、気付いた時には胴体が真っ二つにされているだろう。

――エミリィの両眼、その瞳孔がたちまち窄まった。

 すでに、眼前にいる。
 研ぎ澄まされた第六感、その動体視力、即座に対応する条件反射にも似た神速の防御。
 通常ならば、その速度に追いついたという事実にオブリビオンは狼狽えるだろう。到底常人では真似できない、神速の行動だ。
 だが、今回の相手は。

「そう防御するだろうことは、“未来予測”にて把握している」

 カルロスの光剣によるフェイント攻撃は、ビームシールドの間隙をくぐり抜けて、エミリィの肩へ深々と突き刺した。
「ぐ、う……ッ!」
「成程、恐ろしきは数多の戦闘にて培った勝負勘。我が為す攻撃を、これまでの経験から予測し回避する。素晴らしい、素晴らしいが……我が未来予測はその行動さえも的確に見透すぞ、猟兵!」
「くっ……!ターイム!!」
 エミリィから発せられた掛け声と共に、周囲の時間が減退していく。やがて、モノクロの世界へと転じた光景の中に、カルロスは光剣を携えたまま、時の牢獄に囚われた。
「やりますね……白騎士の力、やはり恐ろしい力であることには変わりありません。ですが……ですが!」
 『聖剣めいどかりばー』を構える。時に囚われたその時間は、エミリィの負傷によって僅かに効力が減じている。
「この一撃にわたくしのすべてを賭けましょう」
 閃く輝き。聖剣の力が解き放たれ、カルロスを光の斬撃にて斬り裂いた。
「チェストー!」
 時の牢獄、その効力から解放されたカルロスは、未来予測の結果を確認して瞠目していた。
 ――やはり、油断などできそうもない、と。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シャルロット・クリスティア
白騎士ディアブロ……当時は交戦を避けて雑魚散らしに専念してましたが。
今でも、まともに戦って勝つのは難しいでしょうね……常人であれば。

遠方からマシンガンで狙撃します。
当てる気で行きますが、当然相手の未来予測には勝てないでしょう。
狙撃手は懐が不利……攻撃を避ければ、こっちに向かって突っ込んでくるのは明白です。

……えぇ、普通ならそれで獲れたでしょうよ。
ですが、生憎様です。ここに獲れるような命はない。

UC発動。
曰くつきの鎧を着ていたのが仇になりましたね。それは敵意を受けすぎた。
今の私は、積もり積もったお前達への怨念そのもの。冥府に引きずり落とす漆黒の腕。
この距離なら逃がさない。呪い殺してやる……!



「白騎士ディアブロ……当時は交戦を避けて雑魚散らしに専念してましたが」
 『マギテック・マシンガン』に備え付けられた照準を覗き込みながら、遠方で佇むカルロス・グリードを見つめる狙撃手の猟兵、シャルロット・クリスティア(弾痕・f00330)が独りごちる。
 スコープの先、身に纏う白亜の鎧は、かの白き悪魔、ディアブロの力を内包する未来予測の鎧だ。当時銀河敵国攻略戦のシャルロットは、攫われた技術者の救出や宇宙戦艦の撃墜を主として活動していたが……。
「今でも、まともに戦って勝つのは難しいでしょうね……常人であれば」
 敵の行動全てを予知に似た予測で把握し、回避、反撃するその力は、やはり恐ろしい。だが、引くわけにはいかない。
マシンガンの引き金に手をかける。狙いはカルロス、その脳天。深呼吸を一度、心臓の音を抑える。照準は揺らがせない。必ず、目の前のオブリビオンを狙撃する。その覚悟で。
 そして、戦いの火蓋は切って落とされた。

 マシンガンの連射音、空間を横切る幾筋もの流星。カルロスの脳天に突きつけられた銃弾の雨はしかし、その飛翔能力を以てして全てが回避された。
 未来予測は完璧。もはや、“どこから銃弾が飛んできた”などと考える必要もない。およそ9000km/hの速度でシャルロット近づくフォーミュラの光剣がぎらりと輝いた。
 分かっていた。狙撃手は懐が不利だ。攻撃を避ければ、こちらへ凄まじい速度で肉薄してくるのは道理。
 そう、分かってはいた。分かってはいたが。

「狙撃手同士の闘いは、スコープを覗き見た先の光景が最期の光景となる、と聞いたことがある。だがユーベルコードの発動など、我が許すと思うか」

 光剣による斬撃。一歩身を引いたシャルロットだったが、その一撃に対処するためのユーベルコード発動が間に合わない。袈裟斬りに斬られた傷から鮮血が迸り、宇宙船の残骸の谷へと落ちていく。
 激痛に唸る声は聴こえなかった。早々に気絶したか、それとも。
 落下していく体を認識しながらも、シャルロットは力強く、口にする。
「……えぇ、普通ならそれで獲れたでしょうよ。ですが……生憎様です。ここに獲れるような命はない……ッ!」
 ぎちり、と空間が歪む。かつて数多の命を弄んだ白騎士の力為れば、そこに宿る恩讐は、常軌を逸しているだろう。

 ――お前だけは。

 【あの日叶わなかった叛逆を、今此処に(エージェント・オブ・ジ・リベリオン)】。悪鬼の如きオブリビオンへと変貌していくシャルロットから、恐ろしいほどの呪詛の奔流が迸る。
 片腕で目を覆い、退避する。白騎士の鎧が立て続けにエラーを吐き出す様を見て、カルロスは自分の身に呪いが降り掛かったことを知った。
「……我が鎧に染み付いた亡霊をも味方につけるか、猟兵」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

才堂・紅葉
「あら……中々の男前じゃない。あの白騎士さんの力なら、相手にとって不足はないわね」

軽口を叩くが分は悪い
対人戦において、完璧に近い未来予知の優位性は説明するまでもないだろう

先制対策は、アルダワ名物蒸気大噴霧。一面を濃い蒸気で覆って、目晦ましを狙う
未来位置を誤魔化す為の小細工と偽装し、本命は蒸気によるレーザー威力の減衰だ
後は半身の構えの踏み込みで、アルダワ【メカニック】による対ビームコーティングマントを重ねて盾とする事で、奴のレーザー威力を殺したい
最後の最後は、気合と野生の勘でダメコンだ
回避は不可能でも、その威力を殺す事は出来る筈だ

反撃は高周波シャベルで崩し、“楔”の一撃を狙う

「地獄へようこそ!」



「次は……汝か」
「あら……中々の男前じゃない。あの白騎士さんの力なら、相手にとって不足はないわね」
 迷彩服を身に纏い、にっと得意気に微笑んだのは、アルダワ学園に所属している歴戦工作員、才堂・紅葉(お嬢・f08859)だ。
 じっ、と目の前のオブリビオン・フォーミュラを見つめる。かつて未来を操ると言われた白騎士ディアブロの力を行使するカルロス・グリードに、どこまで通用するのか。
 工作員として、彼女は知っていた。
(……完璧に近い未来予知の優位性は説明するまでもない)
 全てが、敵の手のひらの上。奇襲も全て読まれている。いや、未来はすでに“操作”されているのだろう。
「分かっているぞ、猟兵。汝が次に行う手は、蒸気で我が視界を覆うことだ」
「へぇ、やっぱりあなたの掌の上ってことね」
 紅葉の後方に現れたのは、『蒸気王』と呼ばれる巨大な蒸気ゴーレムだった。その背部から、大量の蒸気が噴射される。カルロスと紅葉、両者の空間全てを覆い尽くす蒸気。視界を覆った異常にしかし、カルロスはただ冷静だった。
「無駄だ、と言っても分からぬようだ。汝の未来位置はすでに“予測”されている」
 カルロスの片腕から迸った輝きが天に昇り、そして落下。斬光は蒸気の中に潜んでいる紅葉の『未来位置』へと的確に放たれ、そして今現在、その肩口に巨大な傷跡を遺しただろう。
 目を細めて、敵対者が倒れたことを確信する。踵を返して次なる戦闘の準備を整えようとしたカルロスへと、白騎士の鎧の未来予測が転送された。
「――!!」

 ――猟兵は、『蒸気の中から飛び出してくる』だと……?

 蒸気を切り裂いて、紅葉が得意気な笑みと共にカルロスの前へと現れる。工作員として、その身にビームコーテングマントを纏って。
「馬鹿な……ッ!命中したはずだ!そのような脆弱な守りで、我が斬光を跳ね返すことなどできはしな――ッ!」
 “未来予測”が告げる。脳裏に瞬いた光景は、水蒸気によって減じた斬光の威力。乱反射するようにその力を弱化した、ユーベルコードの結末だった。
「未来予測、面白い!だけど油断大敵だ、地獄へようこそ!」
 斬光を放とうとした片腕が、紅葉の片腕から飛び出した『高周波シャベル』によって払われる。
 鎧の中心を狙うように構えられた『対戦車杭打銃“楔“』の強靭な一撃が衝撃波と共に穿たれた。蒸気さえも払いのける重甲の一撃によって、オブリビオン・フォーミュラの存在証明が脅かされたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第四『不動なる者』盾&まとめ役
一人称:わし 質実剛健古風
武器:黒曜山(剣形態)、四天霊障

未来予知ときたか。だが、それで引くわけにもいかんて。
たとえ、どれほど苦戦し、地を這うことになろうとな…!
先制攻撃…ああ、ドローンとかいうたか、あれ。数を減らしていくしかなかろうて…!
攻撃の回避は考えぬ。内部三人が結界術回してくれておるが。

早業でのなぎ払いを、黒曜山で行う。
ついでに四天霊障の封印をとく。…いつもは封印にて制御しておるのだ。制御が完全に外れれば、予測不可能じゃろうて。霊障ゆえに見えぬしの。
こちらの攻撃すべてに指定UCついておる。
悪霊が悪霊たる所以、思い知れ…!



 次いで現れた敵対者に、カルロス・グリードが目を細める。
「その姿、サムライエンパイアからの刺客か。我らコンキスタドールとの盟約を契った者は、すでに滅びたようだな」
「その問いに答える義務はなかろうて。……未来予知ときたか。だがそれで引くわけにもいかん」
「殊勝なことだ」
 着物を着た、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)であるが、その威圧感はまるで歴戦の軍師の如く。
 カルロスの周囲の空間が歪み、羽撃く飛空ドローンの群れ。『不動なる者』たる義透がそれを見渡す。
「ああ、ドローンとかいうたか。――数を減らしていくしかなかろうて!」
 『黒曜山』と銘打つ漆黒の剣が翻る。飛び交うクローンを斬り捨て、剣の範囲に存在する観測機を薙ぎ払う。だが、66機全てを処理するには時間がかかりすぎる――!
「すでにシミュレーションは出力されている。次は……そのドローンか」
 カルロスが光剣を携えて義透へと斬りかかる。研ぎ澄まされた一撃が、義透の内に存在する三人格が為す結界に激突した。
(いやー厳しいですねー)
(敵の技量が一枚上手ですね)
(わしらの結界で持ちこたえるのにも限度があるぞ……!)
「分かっておる!ゆくぞ!」
「――む」
 カルロスがそこで気付く。周囲に響き渡る何かが弾けるような音。それは途端に肥大化し、周囲を空間の歪みを伴って発現する。
 悪霊の力による、霊障だ。周囲に迸る呪詛がドローンを侵す。次第に、送られてくるデータに『情報取得失敗』の文字が羅列されていった。
「これは……ユーベルコードの力か……!」
 四天霊障もまた、義透による『攻撃』だ。周囲を飲み込む霊障の攻撃によって、クローンのみならず、カルロスにもその効果――『不慮の事故』が積み重なる。
 呪いの観測など、流体力学を観測する以上の高難度予測だ。
 ドローンが立て続けに衝突し、爆散していく。【連鎖する呪い】は、精密機械でさえも侵しきった。
「悪霊が悪霊たる所以、思い知れ…!」
 漆黒の剣が閃いた。カルロスの鎧に、その刀剣の傷が刻まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

茜崎・トヲル
ふふふ。あはは。白騎士かあ。すごいんだろーね。おれは知らないけど。
すごい相手なんだ。それはすごいね。ならおれもがんばらなくちゃ。
貫通レーザー。点で撃つの? 切断っていってるから、上から下にやるのかな。まーいいや。どっちでもいいんだ。
肉体改造(技能のほう)で、レーザーで焼き切れたとこそっこー直すよ。もとからおれのからだってクランケなんとかみてーなもんだし。再生力あげるだけ。しなないしねー。
そのまんま近づいて。ハンマーでぶんなぐるっと見せかけて。
そのよろい、頭はおおってないんだね。
パァンしてあげる!



「ふふふ。あはは。白騎士かあ」
 巨大なハンマーをその肩に提げて、真っ白なキマイラは、オブリビオン・フォーミュラをニコニコと見つめている。
「すごいんだろーね。おれは知らないけど」
「……未知を恐れぬか。無謀を恐れぬ愚者か、剛毅を奮う勇者か。良いだろう、汝の行動はすでに予測されている」
「へー。なんかすごいことやってるね。それはすごいね。ならおれもがんばらなくちゃ」
 のらりくらりとフォーミュラの言葉を躱す。茜崎・トヲル(白雉・f18631)の行動は、至って単純。何を考えているか予想がつかない。だが、予測結果では、こちらへとただ単調に接近してくるだけ、と出力されていた。
「為ればこそよ。未来予測は完全にて完璧な力。汝の移動地点はすでに分かっている」
「あー、貫通レーザー、っていってたっけ?点で撃つの?切断っていってるから、上から下にやるのかな」
 ウォーハンマーを携えて、ゆっくりとカルロスへと近づく。
「まーいいや。どっちでもいいんだ。とにかくすごいってことだし」
 カルロスの表情が曇る。依然として、白騎士の鎧からの未来予測では、『猟兵は一直線でこちらへ近づいてくる』という出力結果が出ている。そこに、揺らぎはない。カルロスの手から放たれる斬光は、間違いなくトヲルの肩口を深々と斬り裂くだろう。

 ――だが。

 ニコニコとした表情は依然として。その動作も揺らがない。ゆっくりと、ゆっくりと近づいてくる。
(策があるか。いや、しかし予測が全てを物語っている)
 ならば、躊躇いなど不要。カルロスの片腕から迸った斬光が天へ昇り、トヲルの未来位置へと落下する――!
 ざくり、と嫌な音だった。
 予測通り、トヲルの肩口から肺まで、深々と熱線の傷が出来上がる。迸る鮮血と、そのまま立ち尽くす戦闘不能のトヲルの姿。
 考えすぎだった。

 ――いや、その思考は杞憂ではなかった。

 カルロスが目を瞠る。トヲルの体は、ものの数秒で完治した。斬り裂かれたはずの皮膚も臓器も全て繋がれて、元に戻る。
「なん……なんだと……!?」
「すごいけど、まーおれもちょっとすごいかなって?もとからおれのからだってクランケ……えーと……クランケなんとかみてーなものだし。なまえ忘れたけどどーでもいいよね。しなないってだけだしねー」
「途方もない再生力……!白騎士の鎧よ、次なる予測を――!」
 ――すでに遅い。予測をしたとしても、そのユーベルコードは回避不可能。
 トヲルの体、その上半身が膨らみ、そして迸る。無数の骨肉が刃となってカルロスを襲い、蹂躙する。
 【破裂】。カルロスの退避時間など与えない、超速の爆破だった。
「すごいちから、やっぱりすごかったなー。でもまあ、パァンしてなんとかなったぜ、ふはは」

成功 🔵​🔵​🔴​

星川・アイ
連携歓迎
前の戦争の記録見たけど……随分とんでもないもの持ってきてくれちゃって……
これは本気で行くしかない、か

という訳でジェナスに乗って出撃
予め【武器改造】で機能追加したスカイアイの【ジャミング】で鎧に内蔵されたAIを可能な限り妨害
更に【オーラ防御】で防ぎ【瞬間思考力】で敵の攻撃を読みつつスレイプニルモードBの【武器受け】で致命傷を避けていくよ

続いて【ダッシュ】で奴の機動に追従しつつモードAの連射で【部位破壊・鎧砕き】を狙う
……AI搭載の鎧を狙おうとすれば当然避けようとするはず
その瞬間を狙ってUC発動。スラスターの【限界突破・推力移動】も併せた最高速度で一気に勝負を決めていくよ



「前の戦争の記録見たけど……随分とんでもないもの持ってきてくれちゃって……」
 白騎士の鎧。それは、かの銀河帝国攻略戦にて、白騎士ディアブロが使用したユーベルコードを為す鎧だ。
 未来予測という恐るべき力を前に、星川・アイ(男の娘アイドル風プロゲーマー・f09817)が立ち向かう。
「これは本気で行くしかない、か」
「本気、ときたか。だが、その本気さえも無に帰す。すでに汝の未来予測は完了している」
「そう、なら、もっと本気で行かないとね!いくよ、ジェナス!」
 現れたキャバリアは、アイの愛用機だ。『ジェナス-Vsp』と呼ばれるキャバリアは、アイが好きなロボットゲームの機体を模して作られたキャバリアである。
 次いで背部増設コンテナから飛び立ったのは、『EPUAV-19Rスカイアイ』と呼ばれる偵察用小型無人航空機だ。
 次々と現れる機械に、カルロスがふむ、と声を漏らす。
「随分と小細工をする。……が、すでに未来予測は済んでいる」
 翔んだ。飛翔したカルロスが、アイのキャバリアと肉薄する。9000km/hの速さは、瞬きよりも一瞬のことだった。
その攻撃をいなしたのはほぼ奇跡と言ってもいいだろう。光剣の一撃を、『XS-11Bスレイプニル(モードB)』のビーム刃が受け止めた。
「……なんだと?」
 そこで、カルロスが微かに動揺する。未来予測では、この一撃で終わりだったはず。なのに、目の前の猟兵は生きている。
「そんなに不思議?アタシが生きてるのがさ」
「未来予測は完璧のはず、貴様、一体何を――」
 そこで気付く。鎧に内蔵されたスーパーAIからの無機質なエラー音。飛び立った猟兵の小型機、スカイアイから、AIへジャミングを受けている――!
「さぁ、今度はアタシの番だよ!」
 未来予測が返ってこないことに苛立ちながらも、カルロスが距離を取ろうと飛翔する。が、アイがそれと同時に【クトネリシカ・ドライブ】を発動した。
 キャバリアが飛翔しカルロスを追跡し始める。片腕に持っていたスレイプニルのモードをチェンジし、眼前を翔ぶカルロスへと連続で銃弾を撃ち放った。カルロスの機動力は凄まじく、見事に回避してみせたが。

「――これで、墜とす!」

 ジェナスの速度は、これが限界ではなかった。スラスターの推力移動と同時に、スレイプニルの刃の一撃が、見事にカルロスの鎧に刻まれた。
 速度を落として着地したカルロスが、憎々しげにアイを睨む。
「未来予知がなければこの程度なんだね。その鎧、そろそろ使い物にならなくなるんじゃないかな?」
 そう告げたアイの言葉は真実だった。すでに鎧はボロボロになっており、この戦いの結末が近いことを告げていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
かの銀河帝国最強ウォーマシンの力
それは易々と異邦の者が手にして良い物ではありません
我が財であると仰られるでしょうが…無辜の人々に向ける前に骸の海に還して頂きましょう、王よ!

下手な回避は未来予測に無意味
単純な接近で敵予測精度を敢えて向上させて攻撃誘発

正確無比な攻撃は…防御すべき場所も限定されるのです

センサーでの●情報収集と瞬間思考力でレーザーの着弾点を●見切り
対光線兵器処理施した儀礼剣の刀身で●武器受け

発動まで持てば十分
後はその鎧が仇となります

盾裏に装備したUCを起動しレーザーを●盾受け
力場で捻じ曲げ反射したレーザーでアーマーに損傷を与え攻撃を中断
●推力移動で接近し怪力シールドバッシュを叩きつけ



 騎士甲冑の如き装甲を身に纏うウォーマシン、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は、白騎士の鎧に身を包むオブリビオン・フォーミュラをその緑に瞬く瞳で凝視していた。
「かの銀河帝国最強ウォーマシンの力、それは易々と異邦の者が手にして良い物ではありません」
「異邦、ときたか。破壊の頭脳を持つ者よ。この鎧は――」
「我が財である、と仰られるのでしょう」
 制した言葉に、カルロス・グリードは嗤った。
「ふはは、これは一本取られたな。よもや、猟兵に“未来予測”をされるとは」
 白騎士ディアブロの鎧、その片腕から瞬く光の奔流。すでにトリテレイアの行動、攻撃、防御について未来予測が完了している。
「無辜の人々に向ける前に骸の海に還して頂きましょう、王よ!」
 トリテレイアの双眸が煌々と瞬いた。周囲に張り巡らされる意識、センサー。斬光はすでにカルロスの手から放たれている。未来予測によって、天へと昇った光はトリテレイアの未来位置に降りかかる。
 一瞬の判断。ウォーマシンの電子頭脳が冴え渡る。ディアブロの未来予測には到底及ばないだろう。不可能だ。精緻すぎる未来シミュレーション、その予測、ウォーマシンの頭脳といえど、その領域に立つためにどれほどの拡張が必要なのか。
 しかし。しかしだ。

 ――下手な回避は未来予測に無意味。

 かつて銀河帝国攻略戦にて培った白騎士ディアブロとの戦闘記録が回路を奔る。
 そう、回避行動など未来予測という力には愚策。全て、受ける覚悟を持たなければならない。
「灼け落ち、斬り裂かれろ。フェアリーテールを糧とし生きる、愚かな破壊者よ」
「――いいえ」
 カルロスからの冷徹な言葉を、トリテレイアは否定する。
「御伽噺として成る身なれど、私の行動、意志は此処にあります。貴方の弱点、見せて差し上げましょう。正確無比な攻撃は…防御すべき場所も限定されるのです!」
 降り掛かった斬光は、トリテレイアの脳天、その頭上、掲げられた長剣によって防御される。儀礼用の長剣の刀身と斬光がせめぎ合う。圧倒的な熱量が、ただの金属であるはずの剣と拮抗している――!
 ありえぬ、とカルロスが静かに呟いた。
「なんだと……なんだそれは……!なんだその長剣は!」
「対光線兵器処理を施しています。そして――!」
 ねじ曲がる。形を持たないはずの斬光は、トリテレイアのユーベルコードによって、変質し、鏡面のように反射する。
 【個人携帯用偏向反射力場発生装置】。リフレクション・シールドとして働いた儀礼用長剣は、斬光を反射し、カルロスの鎧へと弾き返した――!
 光の速度を超える回避など不可能。ユーベルコードという不確定要素、未来予測のズレによって、カルロスはその反撃を予想などできるはずがなかった。
 溶け落ちる鎧、その光景に目を瞠ったカルロスの眼前に、すでにトリテレイアが迫っている。
「終わりです、簒奪者たる貴方に、その鎧を纏う資格などありません」
 シールドバッシュの一撃がカルロスを襲った。ウォーマシンの怪力によって、オブリビオン・フォーミュラの鎧が砕け散る。
「ふ、はは……!仮初の意志が、言うではないか……」
 此度は、我の敗北だ、と。黒い霞となって消え失せていくオブリビオン・フォーミュラを、トリテレイアの緑の瞳が、ただじっと見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月11日


挿絵イラスト