●侍の住む島で
「……ありゃあ何だ」
その日。
空が燃えた。
『穂志島(ほしじま)』の住民たちは、太陽がもう一つ出現するという異変に、混乱をきたしていた。
謎の光源、新たな太陽。それは、グリードオーシャンに根付きながらも、祖をサムライエンパイアに持つ人々にとっては、想像の範囲外の存在であった。
「太陽が落ちてくる……」
「いや、あれは生き物では?」
「祟り神か何かでござろうか」
異変の正体。
クエーサービーストと呼ばれる異界の脅威の傍らには、『王笏』カルロス・グリードの分身体の影があった。
●グリモアベース
ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)が示した次なる戦地は、『穂志島』の名を冠した、サムライエンパイアルーツの島であった。
「この島に『四の王笏』、すなわちカルロス・グリードの分身体の出現が予測されました。目的は、征服ではなく破壊。その為の戦力として、クエーサービーストを使役しております」
クエーサービースト。
スペースシップワールド由来の脅威であり、特筆すべきは、そのサイズが星に匹敵するという事。
「スペースシップワールドでは、対抗すべく惑星ロボが用いられましたが、今回は用意が不可能でございます。異界ゆえ、無理もないのでございますが、厳しい戦いになるでしょう」
不幸中の幸い、と言っていいのかわからないが、クエーサービースト『アルバドラーダ』のサイズは、島と同等。
「それでも巨大である事には変わりありません。この大戦力を使役した『四の王笏』による破壊を食い止められるのは、猟兵の皆様をおいて他にないかと」
不幸中の幸いが、もう一つ。
アルバドラーダは猟兵の迎撃に徹するためか、先制攻撃を行わない。
つまり、対抗策次第では、相手に手出しさせるより先に、一方的にダメージを与える事も可能という事である。
「クロムキャバリアに搭乗する、巨大なる味方を召喚する、圧倒的火力で押し切る……など、プランは幾つもございます。皆様のスタイルに合った作戦で敵にあたってくださいませ。そして願わくは」
ドカーン! と、クエーサービーストの奴をぶっ潰してくださいませ。
故郷の敵ゆえだろうか。ヴェルタールの発する音声には、普段とはまた別種の熱量が感じられたのだった。
七尾マサムネ
この依頼は、戦争シナリオです。
1章のみで完結する、特殊なシナリオになっています。
●今回のプレイングボーナス条件
島サイズのクエーサービーストへの対抗策を考える。
なお、この敵は先制攻撃を行いません。
それでは、皆様の参戦、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『クエーサービースト・アルバドラーダ』
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POW : フエゴドラーダ
【夜明けの如き金色の光】が命中した対象を燃やす。放たれた【高熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ラピドテンペスター
【カルロス・グリードの超能力を受ける】事で【金色に輝く超高速形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ソルドミナチオ
【美しい黄金の光】を披露した指定の全対象に【抵抗してはいけないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:芋園缶
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
花盛・乙女
異世界の地に根付いたエンパイアの同胞。
…猟兵以外にもいたのだな。
ならばこの羅刹女、文字通り身と心を燃やして挑もう。
羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に。
…とは言ったものの、大きいなぁ。
先制攻撃をしないというのが救いか。
他の猟兵が大型兵器での進撃を行うのであればその合間を縫おう。
金色の光対策は【黒椿】を舐め起こし、その煙を身に纏う。
巨大なキャバリアの影、ないし黒椿の煙を広げさせ影を作り敵に向かおう。
煙ならば燃えたとして霧散すればよい。
エンパイアの同胞を救う役に立てるのだ。不満などは言わせないぞ。
敵のもとへ辿り着けば、【嶽掻】と【乙女】の二刀で斬り付ける。
ふ、どこが首か分らんな。ならば、全てを斬るまでだ!
朱鷺透・小枝子
巨大な島そのものが敵。
03でやれるか…否!撃ち砕く事だけを考えろ!
ディスポーザブル03に搭乗、操縦。
『戦塵無窮』にて、膨大な霊物質をエネルギーとミサイルに変換。
両腕のビーム砲にエネルギー充填。
削れるだけ削る!撃て!限界まで撃ち続けろ、03!!
全ミサイルコンテナを展開、誘導弾属性攻撃!
神器拳銃から引き出した雷の力をミサイルに付与し、破砕力と速度上昇、そして高熱への耐性をつけ、撃った端から空いた発射口に霊物質のミサイルを装填、延々と撃ち続け、機動力を削ぐ!
瞬間思考力、敵の機動先を読み、砲先を会わせてスナイパー
限界まで充填した両腕のビーム砲で、貫通攻撃!巨体を撃ち抜いて破壊する!撃ち抜けぇえええ!!
突如襲来した、未知にして巨大なる脅威から逃れる、穂志島の民。
かの人々に救いの手を差し伸べたのは、花盛・乙女(羅刹女・f00399)たちであった。
「異世界の地に根付いたエンパイアの同胞。……猟兵以外にもいたのだな」
人々がまとう衣服は、乙女のものと意匠も近しく。
「ならばこの羅刹女、文字通り身と心を燃やして挑もう。羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に。……とは言ったものの」
乙女が見上げた敵は、
「大きいなぁ」
大きい。
島に匹敵……というか、まとう輝きも含めれば、島を軽く飲み込んでしまうほどだ。
敵のサイズの計測を終えた朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は、改めてクエーサービースト・アルバドラーダを見据える。クロムキャバリアの装甲越しに。
「この03でやれるか……否! 撃ち砕く事だけを考えろ!」
頬を叩いて、自身を鼓舞する小枝子。
一方、キャバリアの巨躯すら小人として、島へと襲来するアルバドラーダ。
本来のクエーサービーストに比べれば、ミニチュアサイズに過ぎないとはいえ。内包するエネルギー量は莫大だ。
その時、クエーサービーストの上から、乙女たちへと声が響く。『四の王笏』その人だ。
「来たか猟兵よ。こたびの顕現は小さき姿なれど、星すら壊す力はいささかも変わらぬぞ」
悠然と構える主同様、アルバドラーダは、乙女たち猟兵の出方をうかがうように、光輝をまとい、沈黙している。
「ならば」
ちろり。乙女が、黒椿の刀身を舐めあげた。
途端に、化身する刀。妖物の顔を思わせる煙となって、乙女の身に纏われた。
乙女の気を感知したのであろう。蓄えていたエネルギーを吐き出すように。アルバドラーダが輝きを放った。
黄金光は、浴びたものを、あまねく焼き焦がす。
「ウワッ、アチチ!」
乙女の煙が、悲鳴を上げる。
乙女は化生に広がるよう告げると、影を作り出した。
煙は実に不満げであり、乙女に罵声を浴びせる事さえしたが、
「煙ならば燃えたとして霧散すればよい。エンパイアの同胞を救う役に立てるのだ。不満などは言わせないぞ」
「全ク、煙使イノ荒イ女ダ」
愚痴を聞き流しつつ。
乙女は、作りだした影と共に、巨大なる敵へと向かった。
「こちらも行くぞ!」
乙女に影を提供したディスポーザブル03の機体から、膨大な霊物質が溢れ出した。
小枝子の制御により、物質はエネルギーとミサイルに即座に変換。
そして03に搭載された両腕のビーム砲へも、エネルギーが充填されていく。
「……撃て!」
キャバリアが、一気呵成に、砲撃を開始した。
全ミサイルコンテナ同時展開、射出された弾は、違える事なくアルバドラーダへと吸い込まれていく。
帯電するミサイル。神器拳銃から引き出した雷の力が付与されている証だ。
次々着弾すると、電光と爆炎をまき散らし、クエーサービーストの体表を削っていく。
「限界まで撃ち続けろ、03!」
小枝子の弾幕を隠れ蓑として、乙女は光の束の強襲をかわし、遂にアルバドラーダの体表へとたどり着いた。
目の前にあるのは塊だ。生き物とも鉱物ともつかぬ、未知の素材を見遣り、乙女は笑う。
「ふ、どこが首か分らんな。ならば」
乙女は、打刀と小太刀……【嶽掻】と【乙女】の二刀を抜いた。
「全てを斬るまでだ!」
閃く二刃。
星の獣の表面を、そのまま、疾風の如く駆け抜ける。
乙女の突き立てた刀が、軌跡として、二筋の道を刻んでいく。
刻まれた傷口を、小枝子の03による間断ない砲撃が、更にえぐる。
「速き姿にて振り切るのだ」
『四の王笏』と共に、アルバドラーダが変異した。質量無視のスリム化……流線形の鋭い姿、高速移動形態へ。
島と同等の巨躯とは思えぬ機動性を発揮するアルバドラーダを、ミサイルの嵐が追撃する。
03自身も、無限軌道で敵方向へと追随。
撃ったそばから、発射口には霊物質を転化させた次弾が装填される。間断ない補給により、砲火は途切れることなく、アルバドラーダを爆砕し続ける。
無限の火力を敵に届けるのは、小枝子自身の瞬間思考力。敵の高速機動先を読み、砲先を会わせて狙い撃つ。
そして、敵の鼻先に回り込んだ03が、ひび割れた敵へと必殺を向ける。
「撃ち抜けぇえええ!!」
限界まで充填した両腕のビーム砲が、空を焼く。
そして、アルバドラーダの巨体を貫き、爆発という名の華を咲かせた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
高柳・零
POW
クエーサービースト?
救いがあって島の大きさですか!
「出来れば上空から攻撃したいんですが…ここでは無理ですしねえ」
SSWの宇宙服を着て、深海適応と水中機動で海中からクエーサービーストに接近します。
敵からの攻撃に備え、オーラを全身に張ります。
「巨大な敵は体力がとんでもない代わりに、攻撃を避けられませんからねえ」
敵の真下に着いたら、UCを使用します。巨大な敵に広範囲攻撃をすれば、例え微弱でも全てダメージになります。これを出来る限り長時間続けてダメージを与え続けます。
敵のUCは盾とオーラで受けて軽減し、炎は火炎耐性で耐えます。海中ですから熱は効き難いですしね。
この為に海中から攻撃したんです!
穂志島へと駆け付けた高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)は、島を囲う海の上空に浮かぶ敵の姿に、素直に圧倒されていた。
「クエーサービースト? 救いがあってこの大きさですか!」
本来であれば、この海全てを合わせたよりも巨大なのだ、
それよりはマシ……という事実は、残念ながら気休めにはならなかった。テレビウムの零にとっては。
この世界に零が転移してきた際、ちらりと見えた『四の王笏』は、アルバドラーダの頭上にて待ち構えていた様子。
「出来れば上空から攻撃したいんですが……ここでは無理ですしねえ」
と、零がぼやく場所は、海の中。
スペースシップワールドの宇宙服をまとい、水中からクエーサービーストを目指す。
敵は、まだ零には気づいていない様子。
海の中は、ある意味、宇宙と似た極限空間である。
ひそかに、かつ速やかにアルバドラーダの直下に接近を果たした零は、いよいよ攻撃に移った。
「巨大な敵は体力がとんでもない代わりに、攻撃を避けられませんからねえ」
新たに、聖騎士の鎧が、零を包む。
荘厳たるその威容をカルロスに直接見せつけられないのが、惜しいところだ。
聖騎士の鎧は、海を破り、光を放った。広範囲を照らす、聖なる輝き。その威力は広く、薄く。
しかし、標的が巨大である分、その威光全てがもれなく届く。絶え間ない輝きが、アルバドラーダの体表を焼いていく。
「むう、猟兵め。ならばアルバドラーダよ、こちらも焼きつくせ!」
『四の王笏』の命に従い、クエーサービーストが光を放出した。
それは海中の零の元にも届き、その身を焼却せんと、炎を熾す。
が、かざした盾と、まとうオーラの守りが、零の身を護る。
光が転じた炎さえにも耐えうる鎧だ。加えて、海の中とあれば、黄金光の威力も減衰し、十分には発揮できない。
「この為に海中から攻撃したんです!」
零の光と、アルバドラーダの光。
交叉した二つが、互いの身を焼き合う。
だが、アルバドラーダ最大のアドバンテージである巨大さを、その策にて有効活用した零の方が、大いに優勢であった。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
真の姿の軍装で失礼するであります。
クエーサービースト、SSWでならばいざ知らず、地上で相手とするにはあまりに巨大すぎる存在。
小兵では力不足かと、避けていた相手でありますが……それが通る戦場ばかりではありますまい。
「狙撃銃、あるいは光学兵器があれば」されど、無いものは仕方なし。この身を押して、貫くのみであります!
島の方々に被害を出さぬよう、上空で葬るべくUC《荷電粒子体》にて飛翔するであります!
いざ、この身を弾として、その巨大な姿にファルシオンを突き立てるであります!
我輩の損害は度外視した人間砲弾をもって……。む?
カルロスの分身体が一緒にいるのでありますか?
……。先にそちらをぶっ潰すであります!
軍装で、戦場たる島へと駆け付けたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、標的……クエーサービーストを見上げていた。
「スペースシップワールドでならばいざ知らず、地上で相手とするにはあまりに巨大すぎる存在。小兵では力不足かと、避けていた相手でありますが……それが通る戦場ばかりではありますまい」
この手に、遠距離からの攻撃を可能とする狙撃銃、あるいは光学兵器があれば……。
しかし、無いものは仕方なし。
「後は、この身を押して、貫くのみであります!」
激しい電光を放ち、荷電粒子体と化したバルタンが、穂志島の空を翔ける。
島には、避難が間に合わぬ人々も多い。被害を出してしまわぬよう、空にて決着をつける!
超・高速で飛翔するバルタンは、自身の体を弾丸として、アルバドラーダへと進撃。
対するアルバドラーダの迎撃は、全身から行われた。
すなわち、金色の光が周囲を一気に焼いたのだ。
燃える虚空。領域内にいたバルタンも無事では済まず、あちこちに火が灯るが、それは炎となって燃え盛るより早く、加速の勢いで消し飛ばしていく。
そして。
「今です!」
武骨なる刃……ファルシオンにありったけの力をこめて、体表に突き立てた。
加速の衝撃も加算した一撃だ。威力に比例してその反動は大きく、バルタンの身にもダメージとして返って来る。
軋む体、損傷すら生じているかも。
だが、敵の巨体に、ダメージは確実に浸透した。その証拠に、アルバドラーダの体が、大きくかしいだ。
「ほう、猟兵とはまこと勇敢なものよ」
バルタンの聴覚がとらえた声は、アルバドラーダのものではない。
「む? カルロスの分身体が一緒にいるのでありますか?」
クエーサービーストが放つにしてはか細過ぎ、そして高貴すぎると、バルタンは判断した。
「しかしその小さき身で、この巨星をどうするか」
『四の王笏』の挑発めいた嘲笑に、少しの思案の後、バルタンは声の方に転身した。
「先にそちらをぶっ潰すであります!」
抜いたファルシオンを掲げ、『四の王笏』の元へと飛翔。
すれ違いざま、その不遜なる王の分身を切り裂いたのである。
成功
🔵🔵🔴
神海・こころ
うわぁ~~でっかいなぁ、、、、(汗)
アタシには超大型の敵に対して
有効な攻撃手段が無い
まぁコレからの成長に期待って感じだけど、、、
今回は個人戦じゃなくてチーム戦だし
別にアタシが倒さなくて良いなら
出来ることはある!!!
鉄甲鉄火で業火を黄金バットに纏わせ
熱によって徐々に槍のように形を変え
投槍のポーズでグッと力をためます
目的は追加効果の敵のユーベルコードの阻害
アリンコの力を舐めんなー!!!
喰い散らかせアタシの炎!!!
いっけぇぇぇ〜〜〜!!!!
怪力と気絶攻撃を足した全力の投擲
刺さった場所が陥没し全体に炎が走って炎を消し飛ばします
ふぅ~どんなもんだい♪
あと任せたよーーーーっ
塩崎・曲人
ヒャッハー!でけぇ!
「だからよ、オレ様みたいな素人間にああいうのは荷が重いっつーの。物理的に」
それはそれとしてぶっ倒すけどな
手がねぇとは言ってねぇんだ!
「オラッ、テメェの名はなんだ!」という質問をキーに
【睨撃粒子砲】を発動
クエーサービーストは少なくとも今までのケースじゃ、他の存在とコンタクトを取ったことはなかった
知能があるかは知らんが、最低でもオレらの言葉が通じねぇのは間違いねぇ
「んでこっちのUCは聞くだけ聞けば発動するのさ!さあ、ちゃんと答えないとペナルティだぜ!」
相手がすげー速度で動こうが関係ねぇ
一発入りゃ、勝手に崩壊してくって寸法よ!
「うわぁ~~でっかいなぁ……」
「ヒャッハー! 確かにでけぇ!」
神海・こころ(心海に沈む・f31901)と塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)は、思わず感心のつぶやきをこぼしていた。
視界を埋め尽す、巨大なるクエーサービーストのサイズに、
「だからよ、オレ様みたいな素人間にああいうのは荷が重いっつーの。物理的に」
頭をかく曲人。
惑星を相手にするよりずっとマシ。とは言え、サイズが違い過ぎてはどうにもならない。
ここで言うのもなんだが、こころには、超大型の敵に対して有効な攻撃手段が無い。
そこはコレからの成長に期待したいとこ……などと言っている場合ではない。戦う時は、今。
もっとも、今回は一対一の個人戦ではなく、こころたち猟兵の共闘によるチーム戦。
「別にアタシが倒さなくて良いなら、出来ることはある!!」
「ま、なんだかんだでぶっ倒すけどな。手がねぇとは言ってねぇんだ!」
曲人は、すうっ、と息を大きく吸い込むと、アルバドラーダに声をぶん投げた。
「オラッ、テメェの名はなんだ!」
「…………」
『四の王笏』ならいざ知らず、クエーサービーストが問いに応えることはない。
それを確認したことにより。ユーベルコードが発動した。……ビームとなって。
曲人が知る限り、これまで猟兵との接触が確認されたケースでは、他の存在と意思疎通を行ったことはない。
果たして、曲人の読み通り、アルバドラーダからの回答はなかった。代わりに『四の王笏』が何か喋っていたようだがそれは知らん。
「こっちのユーベルコードは聞くだけ聞けば発動するのさ! さあ、ちゃんと答えないとペナルティだぜ!」
曲人のメンチ切りから放たれたビームが、アルバドラーダを襲う。襲い続ける。
アルバドラーダが問いに応えられない以上、この攻撃が止むことはないのだ。
殺気ビームに巨躯を悶えさせるアルバドラーダへ向け、こころが構えたのは、黄金バット。
その決意が具現したかのように、業火が宿る。ただの熱意をこめたものではない。呪いを秘めた火だ。
そして受けた熱により、バットは、次第に形を変え始めた。打撃のための形状から、貫くための形状……すなわち、槍に近いそれへと。
形を転じた黄金バットを、こころは投槍の体勢で構えると、グッと力を溜める。
目標、アルバドラーダ。的は巨大で、外しようがない。
「フフフ、この巨獣の前では、そのようなもの、針の一刺しにも及ばぬ」
空より響く声は、『四の王笏』のものか。
しかし、こころは、その嘲笑を完全スルー。
それどころか、アルバドラーダの放つ黄金光さえ気にせず、自分の攻撃だけに集中するこころ。
着衣が燃えているのは、敵の仕業か、それともこころ自身のせいか。
「アリンコの力を舐めんなー!!!」
投げた。
ありったけの力をこめて。
「喰い散らかせアタシの炎!!! いっけぇぇぇ〜〜〜!!!!」
こころの絶叫とともに、炎槍が虚空を駆け抜ける。
瞬く間に二者の距離を征服した槍は、見事クエーサービーストに命中した。
その瞬間。
有り余る衝撃が解放され、着弾地点に、衝撃波が弾けた。まるでクレーターのように陥没する体表に、アルバドラーダは悲鳴にも似た声を上げた。
クレーターから四方八方へと、炎が走る。
アルバドラーダ自身が放っていた光と炎が引き裂かれ、霧散する。
「ふぅ~どんなもんだい♪ あと任せたよーーーーっ」
やりきった表情のこころは、後に続く曲人にバトンタッチ、笑顔を送った。
そして曲人の攻撃は、なおも継続したまま。
言葉を発せぬ代わりに、全身を蠢かせるアルバドラーダ。だがそこに、『四の王笏』の加護が与えられた。
「逃れよ、星の獣」
巨大な獣が形を変え、スリムな流線形になっていく。
そして、曲人の視線を逃れるように、島から離れ始めた。
その速度は圧倒的で、曲人たちも何かにつかまっていなければ、あっという間に吹き飛ばされてしまいそうな衝撃だった。
だが、一度囚われた呪縛は、物理的な距離とは無関係だ。
アルバドラーダの速度と高度が並行して下がっていく。ざまあ、と曲人は笑った。
「一発入りゃ、勝手に崩壊してくって寸法よ! 逃げるなら別の世界までいかないとな!」
曲人の言葉通り。
アルバドラーダの体は、なおも崩れ、グリードオーシャンの海の藻屑へと変わっていったのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
家綿・衣更着
「こんなとこで星獣と戦うとは思わなかったっす」
巨大なのは脅威でもあるけど、懐に入り込む隙でもあるっす!
…小惑星サイズに生身でやりあったこともあるっすし、行ける逝ける!
クロムキャバリア「テングリーフ・ホワイト」に搭乗し【操縦】、スラスターの【推力移動】で高速移動しつつ【化術】で【残像】も作り出して敵を翻弄することで回避しやすくする。
「そのサイズでこの速度は反則っす!でも的が大きいから当てるっす!」
『必殺武装召喚』で大型荷電粒子ビーム砲を召喚し【乱れ撃ち】
「!そこっす!」
敵の動きを【見切り】、乱射が当たるのを嫌っている…つまりカルロスがいる場所を【第六感】も駆使して見つけ【スナイパー】で狙撃っす!
家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)は、穂志島へと襲来した、大スケールの異界怪獣を見上げた。
「まさか、こんなとこで星獣と戦うとは思わなかったっす」
だが、規格外の巨大さは、脅威であると同時に、懐に入り込む隙でもある。
「……小惑星サイズに生身でやりあったこともあるっすし、行ける逝ける!」
衣更着は、クロムキャバリア『テングリーフ・ホワイト』に乗りこむと、敵へ向け接近。攻撃を仕掛けた。
地を滑るように高速で駆けるキャバリア、その機体が幾つにも分かれた。衣更着得意の化術を駆使した、残像たちである。
四方から攻め入られ、さしものアルバドラーダと言えども翻弄される他はなく……。
「ななっ!」
衣更着は、驚愕した。
アルバドラーダがまるで槍のように細く、尖った形に変異したかと思うと、高速で機動を始めたからである。『四の王笏』の特殊な加護だ。
「そのサイズでこの速度は反則っす!」
アルバドラーダが移動時に発生させる金色の衝撃波だけで、テングリーフ・ホワイトの残像が吹き飛ばされるほど。
「でも的が大きいから当てるっす! 武装召喚!」
衣更着の化術は、キャバリアさえ強化する。
虚空より召喚された大型荷電粒子ビーム砲を構えるテングリーフ・ホワイト。
キャバリアのりょ力ゆえ、取り回すのに不便はないが、なにぶんターゲットが速い。
それゆえ、捕捉するのは難しいと思われたが、
「乱れ撃ちなら関係ないっす!」
連射されるビームが、アルバドラーダの体表を焼いていく。ビームの照射を受けた 傍から、外皮が火花を散らし、黒化していく。
全身を狙われながらも、衣更着へ襲い掛かる速度を弱めぬアルバドラーダ。しかし、衣更着は気づいていた。
ビームに狙われる際、敵が妙な回避行動をとる瞬間がある事に。
衣更着は、見切った。アルバドラーダの動きと、その意図を。
「! そこっす!」
粒子砲でしかと狙い撃った場所には、アルバドラーダのアキレス腱……すなわち、『四の王笏』カルロスがいたのである。
「く、我の居場所を見出すとは見事である」
カルロスの称賛の声は、距離を越えて、衣更着に届いた。
成功
🔵🔵🔴
山梨・玄信
まさかこの世界にクエーサービーストが出るとはのう。
わしの徒手空拳でどこまで出来るか?
【POW】
なるほどのう。こやつには遠距離攻撃が有効という事か。
ならば海岸で待ち受け、敵の出現と共に攻撃を開始するのじゃ。
褌一丁になり、4日前の戦闘でハゲた頭を露出させ、極力肌を出して神々しい女性を召喚するぞ。
そして強風で敵を広範囲に攻撃してもらうのじゃ。
敵の反撃は見切りと第六感で読んで避ける、又は出来るだけダメージが少ないようにオーラ防御で受けるのじゃ。
炎を受けたら海に入って熱を拡散させた上で、火炎耐性で耐えるぞい。
「頼んだぞ、何時もの人。相手は大物じゃから、広範囲に攻撃してくれ」
アドリブ歓迎じゃ。
山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は、穂志島の海岸から、敵……アルバドラーダを待ち構えていた。
「まさかこの世界にクエーサービーストが出るとはのう。わしの徒手空拳でどこまで出来るか?」
いかなる視覚にてであろうか。
玄信を捉えたアルバドラーダは、その鼻先……どこが鼻なのかよくわからない体つきをしているが……をそちらに向け、前進を開始した。
「なるほどのう。こやつには遠距離攻撃が有効という事か」
ふむふむ、と理解した玄信は、腕組みした姿勢のまま、敵の襲来を今や遅しと待つ。
一方で、島民たちが、岩陰から心配そうに、玄信を見守っている。
それもそのはず、玄信は褌一丁。戦装束としては、いくらなんでも軽装過ぎる。
加えて、玄信の頭髪は、無い。
先日の戦闘で失った……ぶっちゃけハゲた頭が、惜しげもなく潮風に晒されている。
「それが猟兵の死装束というわけか、容赦はせんぞ」
アルバドラーダのいずこかから、『四の王笏』とおぼしき声が響く。
だが、玄信の顔には、余裕が浮かんでいる。勝算があるからだ。
玄信に後光が差したかと思うと、なんとも神々しい女性が召喚された。
「頼んだぞ、何時もの人。相手は大物じゃから、広範囲に攻撃してくれ」
「承知しました。この世界にも正義を」
玄信の願いを、脱衣の国からやって来た女性は、受け入れた。
風が、吹く。それも、尋常ではない。クエーサービーストの巨体すら揺るがすほどなのだから、それはもう天変地異級といってよろしい。
光をも伴う強風にあおられ、体勢を崩すアルバドラーダもまた、光を放った。
金色の輝きが、海岸と玄信の輪郭をくっきりと照らし出す。今までが昼だったなどおこがましいほどに、まぶしい。
が、光には、ある程度の指向性があるようだ。
玄信は光の向きを読んで避け、余波は頭から生み出したオーラで受け止めた。
「褌の人! 褌が!」
島民が、玄信唯一の着衣を指さした。
燃えている。
だが玄信は慌てなかった。目の前に広がる大海原に飛び込むと、火を消したのである。
その間に、アルバドラーダは風に敗れ、海へと落下していたのである。
成功
🔵🔵🔴
朱酉・逢真
心情)島サイズねェ。かなりちっけェのな。まだこどもかね? マ・ヒトの身からすりゃ怪獣大決戦だが。
行動)でっけェのンにゃア、でっけェのォぶつけるがいちばんさ。おいでミズ坊。世界をとぐろに収めるヘビよ。海の底は影で満ちている。たった島っぽっちしかない怪物坊やだ、お前のしっぽでプチッとしちまいな。俺かい? 俺はでけェ《虫》に乗って空にいるよ。お前の余波で起きる大津波、結界で防いで抑えにゃならん。いやマジ重労働だぜこれ。海底見えたもんな一瞬。
朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)は、穂志島から巨大敵、クエーサービーストを見晴らしながら、割合と平然としていた。
「へェ、島サイズねェ。かなりちっけェのな。まだこどもかね? マ・ヒトの身からすりゃ怪獣大決戦だが」
まあ、そんな考察は、今は置いておくとしよう。
脅威は目前に迫っている。
小さくとも、よりにもよって『四の王笏』の加護を受けたアルバドラーダにかかっては、逢真などひとひねり、どころかくしゃみの一つで吹き飛んでしまうだろう。
……くしゃみをするかどうかはさておいて。
しかし、逢真は動じる素振りを見せなかった。一切。
「でっけェのンにゃア、でっけェのォぶつけるがいちばんさ。おいでミズ坊」
逢真に呼ばれて影から片鱗を現わしたのは、巨大なる蛇であった。
「世界をとぐろに収めるヘビよ。海の底は影で満ちている。たった島っぽっちしかない怪物坊やだ、お前のしっぽでプチッとしちまいな」
するとミズ坊……ミズガルズオルムは、億劫そうに、尻尾をちょろりとのぞかせた。
一方、アルバドラーダもまた、その巨躯を動かした。
全身に浮かび上がった紋様から、黄金の光を放ったのである。
その光量は凄まじく、その気になれば、穂志島など一瞬で蒸発させられるのかもしれない。
「やれやれ、でけェ奴は何しても派手だなオイ」
オーバーキル気味の光を逃れて、逢真は空の人になっていた。正確に言えば、大きな《虫》の背から、敵を臨んでいるのである。
単に、アルバドラーダの攻撃をかわすためではない。
アルバドラーダが、十分近づいたところで、ミズ坊は尻尾を振った。無造作に、敵に叩きつける。
爆発が起きた。
ミズ坊に叩かれたアルバドラーダの外皮が割れ、避け、破裂したのである。
大衝撃は、アルバドラーダを海に叩きつけただけでなく、周囲の海水を柱として舞い上げた。
輪蛇の尻尾の一打が、島サイズのアルバドラーダを問答無用でねじ伏せたのである。
その余波で生じた大津波が、穂志島へと迫る。それを防いだのは、空にいた逢真であった。
「いやマジ重労働だぜこれ。海底見えたもんな一瞬」
そして、海水は、天より降り注ぐ雨となって、再び海へと還ったのである。
大成功
🔵🔵🔵
ステラ・エヴァンズ
サムライエンパイアの世界には幾度かご縁が…
島民の皆様を然とお守りしなくては
主に応えよ星の煌めきにて彼の大英雄たるヘラクレスにちなんだヘルクレス座を召喚
ヘラクレスは数多くの武勇伝があり、巨人も幾度か倒した経歴がございます
なのでここも一つ戦っていただきましょう
敵への質問はこうです『素直にお帰りいただけませんか?』
応えはないかきっと否でございましょうから攻撃する事に変わりありません
力で押しきれずとも耐久戦で勝てばいい
彼の大英雄に結界術にて火炎耐性と激痛耐性の防御壁を施し
多重詠唱で攻撃一つ一つが生命力吸収のついた氷属性のものになるよう全力魔法でバフをかけます
お願いです、打ち勝ってください大英雄よ…!
ステラ・エヴァンズ(泡沫の星巫女・f01935)は、穂志島の人々を、アルバドラーダが迫っているのとは反対側に避難させながら、敵襲に備えていた。
この島の故郷といえるサムライエンパイアには、ステラ自身、何度も縁がある。ゆえに、この島の民を守らなければという思いも人一倍であった。
そして、海岸にて待つステラの元に、巨大は現れた。
アルバドラーダ、『四の王笏』によって名付けられし異界の獣。
ステラは、今まさに襲い掛からんとする脅威に対し、問いを放った。
「素直にお帰りいただけませんか?」
アルバドラーダからの応答はない。想像通り。
代わりに、主たる『四の王笏』からの返答が来た。
「その問い、そのまま返そう。大人しくこの世界より手を引くが良い」
しかし、そのつれない答えもまた、ステラも織り込み済みであった。
天の星が結び合い、一つの形を作る。
星々が遣わした救世の勇者は、ヘルクレス座のヘラクレス。
数多くの武勇伝を持ち、巨人さえも幾度か倒した経歴がある英雄だ。数多の星座の中でも、今回の敵に相応しいと思われた。
地上に顕現したヘラクレスが、アルバドラーダの背に組み付く。それを払いのけようと身をよじったアルバドラーダの体が、そのフォルムを変えていく。
『四の王笏』の加護により、高速戦闘形態へと再構成されていくのだ。
黄金色の残滓を虚空に置いて、ヘラクレスから逃れたアルバドラーダは、即座に反転、体当たりを披露した。
迎え撃つ英雄、その身を、幾重にも神秘のヴェールが守っていく。ステラの施した防御の加護、その数々が力を発揮した証であった。
ヘラクレスは振り上げた拳で、アルバドラーダを打ち返す。打撃の瞬間、触れた部分から氷結が生じ、同時に、アルバドラーダの生命力までも奪い取る。
これもまた、ステラが託したバフの一つ。
剛勇誇る英雄は、この戦いを挿話の新たな勝利として加えるべく、世界の敵に立ち向かう。
そこに迷いは、ない。
「お願いです、打ち勝ってください大英雄よ……!」
星の戦士と星の獣。
ルーツは異なるものなれど、星より招かれしもの同士の戦いは、英雄の優勢に傾いていた。
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
もし、島へ向かって少しでも攻撃が放たれたら……
守るために、全力、だしましょう
『文明守護竜』連続発動
5mの「ダイウルゴス」が新生
海水や大気を竜に味方に、大きく、強く
15連続発動で、約163kmの巨竜になる
【限界突破】した回数に頭が破裂しそうというかしますが
【覚悟激痛耐性限界突破】聖者の力で無理やりに再生し
【念動力】で動かして、島を【かばい】立つ
島に手は、ださせません……!
熱に燃やされても【継戦能力】聖なる光で、構成する竜達、癒して
【重量攻撃】浮かせるように殴り【吹き飛ばし】
【リミッター解除】宇宙へ向け、体内で再現した「惑星破壊級ブラスター(余計な機能付き)」の【レーザー射撃】
消し、飛べ……!
穂志島は、決して大きな島ではない。
ゆえに、クエーサービーストの攻撃を、ひとたび喰らえば……。
そんな悲しい未来予測を抱えたナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)へと、アルバドラーダが襲い来る。
「島に手は、ださせません……!」
ナイを中心に、竜……ダイウルゴスが新生されていく。
最初に生まれたのは、5m、クロムキャバリア程度のものだ。アルバドラーダには遠く及ばない。
だが。
ダイウルゴスは、再び、いや、何度も胎動した。そのたびに体は大きく、強じんに造り替えられていく。
糧とするのは、自身のユーベルコードのみならず、周囲に満ちる海水や潮風を取り込み、竜の力に加えていく。
十五度の脈動を経た時、ナイの体は、アルバドラーダに十分比肩しうるものへと変貌していた。
およそ163kmの巨竜。
島レベルの敵を相手取る為とはいえ、少し限界を突破しすぎたようだ。
頭が破裂しそう、というより、既にそうなっているのではないかというほどくらくらするが、ナイは耐えた。聖者の力を総動員して。
侍住む島、竜と獣、二大怪獣の相対。
しばらく互いに相手の出方をうかがっていたが、先に仕掛けたのは、アルバドラーダであった。
全身から輝きを如何なく放ち、ナイ=ダイウルゴスへと浴びせかける。
光源はもちろん、照射先も巨大だ。かわすことは出来ず、光を受けたナイの竜鱗が炎を発し、焼かれていく。
その火勢は凄まじく、一秒ごとにちょっとした竜が消えていく計算だ。
だがナイは、聖光を放ち、体を構成する竜たち、その損傷を修復していく。
そうして、敵の黄金光を切り抜け、接近を果たすと、拳を繰り出すナイ。
ぐおん、と風が悲鳴を上げ、アルバドラーダの体が上空へと吹き飛ばされる。
体勢を崩した相手に、ナイは体内で再現した『惑星破壊級ブラスター』を発射した。
「消し、飛べ……!」
アルバドラーダを飲み込み白く染め上げた光線は、遙か宇宙にまで到達し、ようやく光の粒となって消えた。
やがて、光が完全に止んだ後。
星の獣はおろか、『四の王笏』の姿さえも残ってはいなかった。
かくして。
恐るべき脅威を退けたナイたち猟兵に、島の人々から、惜しみない感謝と称賛が贈られたのであった。
大成功
🔵🔵🔵