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銀河帝国攻略戦⑦〜銀龍の咆哮

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●WARS
「はじまりです」
 緊張に口を引き結んだユハナ・ハルヴァリが、開戦の合図をそう告げた。
 銀河皇帝によって封印されていた遺失技術『ワープドライブ』は、ヘロドトスの戦いを経て復活。フォースナイト・ミディアのユーベルコードによって、コアマシンに『ワープドライブ』を装着した宇宙船は、スペースシップワールド内でのワープが可能となった。
 スペースシップワールド内の全戦力を以って帝国軍に対抗し得る、伝説の『解放軍』の再来。
 けれどワープドライブも万能ではない。
「帝国軍が対抗手段として、戦略防衛兵器を用意しています。名を、『カイザー・レイ』といいます」
 ワープドライブと同じく遺失技術によって建造された、帝国大要塞『エンペラーズマインド』がある限り、その周辺地域へのワープは行う事はできない。解放軍は『エンペラーズマインド』周辺宙域にワープした後、その先の空域を通常航行で進み攻め込まなくてはならないのだ。
 この時に解放軍の艦艇を撃滅する役目を担うのが、集積型反射鏡『カイザー・レイ』。巨大特殊ミラーから構成される戦略防衛兵器で、エンペラーズマインドから照射されるエネルギーを反射し、対象の艦艇を破壊する。
 折角ワープドライブを装着しても、カイザー・レイが機能すれば艦は次々と墜とされてしまう。それを防ぐ為、カイザー・レイを構成するミラー一つ一つを、猟兵の手で破壊しなければならない、というのが作戦の概要であり、目的だった。
「つまり壊せば、いいのですが。障害がひとつ。カイザー・レイを守る、オブリビオンがいます。
 デスモ・プラキオス……キョウリュウみたいな形をしたのが、見えました」
 敵数は一体。
 内部に多数の小型恐竜メカと、バイオウィルスを飼っている。
 体躯は巨大で小回りが利かないが、それを補う小型メカがおり、バイオウィルスは命中した対象と自身をダメージ共有状態にしてしまう。
「ここ、グリモアベースから反射衛生砲までは、僕が運びます。だから、オブリビオンを倒して、ミラーを破壊してください」
 帰りもちゃんとここまで送りますから、とユハナは付け加える。
 掌の上で六花は廻り、真中で割れ、蝶の如くの翅になる。
「先は、長いです。でも少しずつ、がんばりましょう。僕も、がんばります」
 コウテイのところまで、いきましょうね。
 そんな風に、冬色の猟兵は彼らを送り出した。


七宝
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
============================

七宝です。
SFだーーー!!!ってテンションが上がりました。実は好きです。

なお猟兵の皆さんは超高性能な極薄透明宇宙服を着用していますので、普通に普段通りかっこよく戦闘してください。

よろしくお願いいたします。
78




第1章 ボス戦 『デスモ・ブラキオス』

POW   :    CODE:Dino
【恐竜の本能 】に覚醒して【広域殲滅モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    CODE:Raptor
【体から生み出した無数の小型恐竜メカ 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    CODE:Venom
【未知のバイオウイルス 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【ダメージを共有する状態】で繋ぐ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 天に光。
 幾つかは星、幾つかは解放軍。
 その向こう、埋め尽くす程の影と光は、敵の群勢だった。
 数えるのも飽きる程。

 君は誰かの溜息を聞いた。
 武具の鳴る音、拳を打ち合わせる音がした。
 眼下には反射衛生砲『カイザー・レイ』。
 そのうちのひとつ、銀の機械竜が守る鏡は掌に収まらないほど側にある。
 ──御誂え向きだ。
 誰かが、口笛を吹いた。
ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】
【アドリブ・連携歓迎】

反撃の狼煙は整った、といったところか

【ブラックドッグ】を召喚しつつ持参品のモノクルでの解析を開始
さあ、ヘルメス。相手の深淵を「覗く」んだ
機体構造が把握出来たなら【メカニック】を活用、能力低下や攻撃阻害が出来ないか試行

困難ならブラキオスの死角を一位置取りつつ、鉤爪に雷や氷といった相手の弱そうな【属性攻撃】を上乗せした【2回攻撃】で【傷口をえぐる】よ
Raptorに対しては鞭に上記スキルを付与した【範囲攻撃】で薙ぎ払おう

Venomに対しては持参薬や【医術】でウイルスの駆逐が出来ないか試行

Dinoを使用されたら短期決戦を意識
わんこと共に1点集中で攻撃し装甲を打ち破ろう


レクシア・ノーレッド
【SPD】

「さぁ行くよ!この宇宙を守るために!」

私お手製の宇宙バイク、「アリア」を使って交戦するよ!
え?私が1機だけ?―そんなわけないじゃん、【選択したUC】で複製したのも含んで「17機」だよ!

複製したバイクには『援護射撃』をメインに、自律戦闘してもらうよ!
私の魔力で動作の補助もするから、機動力はそこそこ確保できるはず!

私自身は相手の腹部目がけて反復攻撃を仕掛けようかな!
突入しすぎないように、何度も攻撃の機会を伺うよ!

【共闘・アドリブ歓迎】


黒白・鈴凛
くふふ、機械とはいえ恐竜を相手するのは初めてアルナ
私の拳がどこまで通用するか楽しみネ

POWで判定
広域殲滅モード?知ったこっちゃ無いヨ
色んな所に目移りせずにワタシだけを見るヨロシ
一撃でぶっ壊してやるアル

【力溜め】で拳に【怪力】【鎧無視攻撃】【捨て身の一撃】を籠めて
【野生の勘】で敵の弱点を探り
ユーベルコード:熊猫の崩拳を放つアル


芦屋・晴久
【WIZ】⚫

さぁて行きますか。
【五行相生】にてお相手致します。
相手の生み出した小型のメカ……あれらを触媒にし、敵を襲う霰へと変えて行きます。

隙を見て怪我をした方は【救助活動】で助け出し、【医術】にて応急処置を致します。


秋稲・霖
…ひゅう、初めて来たけど随分とカッコいーとこじゃねえの
メカメカしい的な?
ウイルスとか当たるのやだからさっさと倒しちゃおうぜ!
…って言っても俺は安全圏に陣取らせて貰うぜーって感じだけど
その代わり支援は任せとけ!
メカだか何だか知らねえけど、止まるまでぶっ壊せば勝ちっしょ!

俺は皆のサポート、きっちり頑張るからさ。だから俺の歌、しっかり聞いててくれよな!
ここを突破したいって気持ち、共感してくれんならどうぞ御喝采を、ってな!





●on your marks
 宙に区切りはなく、涯もなく。
 限りのない無。
 だと言うのに、其処へ光条を以って線を引こうとする者がいる。銀河皇帝、この世界のオブリビオン・フォーミュラ。骸の海より過去を染み出させるもの。
「″皇帝の輝き″とはまた、大層な名を付けたものです」
 芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)はいつものように帽子を押さえ、呆れたような声を出す。
 目標、眼下凡そ100m。転送先は狙うに易い、絶好のロケーション。
 巨の砲台、戦略防衛兵器カイザー・レイをブリッジ下に搭載する宇宙船群は、動き出すまでまだ間があった。
「ひゅう、初めて来たけど随分とカッコいーとこじゃねえの」
 秋稲・霖(ペトリコール・f00119)は笑い出しそうなほど明るく告げる。
 つられたように口角を上げた黒狼ヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)が、慣れた素振りでモノクルの鎖を指に絡めてからりと鳴らした。反撃の狼煙は、疾うに。
「さあ、ヘルメス。相手の深淵を「覗く」んだ」
 赤眼が硝子を透して、鏡の守護者を覗き見る。その傍ら、宙の暗がりからずるりと招いたブラックドッグの顎を撫でてやりながら。
 彼が覗くものは見えねども、其れは占有するものではないと知っているように、片方だけの血色の眼で笑うのは黒白・鈴凛(白黒娘々・f01262)。
「アイツのヒミツ、わかったらワタシにも教えてほしいネ」
 ブラックドッグの尾を借りて、それを足場に彼女は艦へと飛び降りる。傷痕だらけの肢体はけれども勇猛の証、この拳が何処まであの機体に通じるものかと、愉しげな視線を隠さない。
 鈴凛の足音を皮切りに、猟兵達は機竜座す甲板を目指した。左舷前部、地上で言うなら平面、平原。障害物、皆無。
 光ない眼で猟兵を、宙を睥睨する銀の機竜デスモ・ブラキオスは、その腹部からぼたりぼたりと仔機竜を垂れ流す。共に流れ出る琥珀色の液体は潤滑油──いや、あれがバイオウイルスの温床だろう。
 盗み見る者、ヘルメスに天の光までも映したまま、ヴォルフガングが笑んだ。
「ん。やっぱり関節駆動部が狙い目かもだ。あと、パーツの継ぎ目。体液代わりの油はウイルス感染源。子飼の竜は、なんだ、多いね。体内にすごくいっぱい」
「駆除より本体ごと滅するのが上策、と」
「そゆこと」
 胎の中に毒も仔をも溜め込んだ機竜に目を細める黒狼の隣で、人差し指を指揮者の様に振るった晴久はすいと五行の星を空に描く。
「まあ、けれども生まれ出てしまったものは仕方ない。私が頂いてしまいましょう」
 その目の前で仔竜が、岩に打ち付けられた波飛沫のように舞い散った。先んじて甲板に降り立った鈴凛が、その拳で薙ぎ払った跡だった。
 鈍い音を立てるその様は投げ捨てられて壊れた玩具。その飛んだ部品がひとつ、落ちる前に掻き消えた。
 腕が、足が、断線した眼球が。
 ざらざらと砂が引くように消えていく。
 やがてそれは霰になった。宇宙には降らないはずの氷粒は、ブラキオスに襲い掛かる嵐と化す。
 冷たい目眩しのその隙に、次々と甲板へ立った皆の後方へと位置取る霖がすう、と深く息を吸った。
「俺の歌、しっかり聞いててくれよな! 応援なら頑張っちゃうぜ!」
 底抜けに明るい彼のこと。選ぶ歌もやはり明るい、アップテンポの応援歌。
 ヴォルフガングを背に乗せたブラックドッグが滾るように硬質の床を爪で抉った。疾駆は狙い澄ましたように、ブラキオスの右腕から肩までを駆け上がる。
「ワタシだけ見るヨロシ!」
 黒の残影を目で追う機竜の太い首、継ぎ目の弱味に鈴凛の拳が突き刺さった。
 ざらざらの機械音を割れんばかりに喉の奥で奏でるそれが、咆哮か悲鳴か。畳んだ羽を拡げるように拡張される外装パーツが、鈍い銀の大棘を首元から尾の先まで現出させる。
「広域殲滅モード? 知ったこっちゃ無いヨ」
 鈴凛が笑う。視線の先には黒がふたり。銀棘を渡って、竜の頭頂部から彼方へ跳ねた影の端で指が鳴る。
 音もなく鉤爪に変じる腕輪を伴に、雷纏った黒狼が矢に似て真っ直ぐ落ちていく。一爪は二度断裂を抉り、咆哮もまた二度目が響く。
 ──ぼた、ぼたぼた。
 親に呼ばれた仔の様に胎から毀れ出した無数の竜が、噫、噫、キィキィとよく喚くこと。
 蜘蛛の子散らすが如く、淡く緑に明滅する仔機竜が猟兵達へと群がっていく。
「うげ、ちょっと産みすぎじゃん!?」
 味方の危機は則ち己の危機。此度は支援に特化させた霖が目を瞬く。
 その時、轟音が彼方より。
 上空、敵艦艦橋を伝う雪崩によく似たエンジン音。
 廃材製自律戦闘型宇宙バイク『アリア』。ユーベルコードにより複製されたその数、全17機。先頭を直走るレクシア・ノーレッド(宇宙(ソラ)を駆け、空に舞う少女・f01101)は、赤いマフラーを靡かせながら殆ど直滑降でブラキオスに突っ込んでくる。
「不意打ちってこんな感じかしら? さぁ行くよ! 歯食いしばらなくてもいいからね!」
 各アリアに搭載された小型ガトリングが火花を散らし、甲板を埋め尽くさんばかりだった仔機竜を端から蹴散らしていく。
 ぽたりと床に落ち、蛍のように柔く明滅して消える緑の灯を眺めて、
「わーお」
 ヴォルフガングは思わず口を突いたそれを止める事なく吐き出していた。
「物量には物量、ですかねぇ」
 力尽きた仔機竜たちを相も変わらず拝借しながら晴久は戦場を見遣る。ガトリングで足止めは成るが、流石に蜂の巣になる程柔くは無いデスモ・ブラキオス。広域殲滅モード発動中。際限なく吐き出す伴はそれでも対処可能。
 ならばバイオウイルスは奥の手か。
「霖くん、私のアリア貸したげる。乗ってて!」
 走り回る愛機のひとつを霖の傍へ寄せ、人懐こくレクシアは笑った。後方で支援に回る彼の身の安全は、これで多少は担保されたと見ていいだろう。
「えっこれ走るの? 勝手に?」
「だいじょーぶ危なくないから!」
 そんな声を背中に、仔機竜を打ち据えた鈴凛が拳を握り直す。こんな時無性に日常に帰りたくなって、だからこそ、前を見据える事ができる。
「──それじゃあ、追い詰めてアゲルヨ」
 甲高い音を立てて床を蹴る。
 ブラキオスの目は縦横無尽に駆け廻るアリアに向いていたのを知っている。
 単純なだけ威力が増す崩拳がひとつ、右腕駆動部にめり込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ディー・ジェイ
「気色悪い見た目だな。そんなんじゃB級映画でも生き残れんぞ?」

正直普段からガスマスクしてるせいで宇宙服来てても全く雰囲気変わらないよね、どうもDJです。
戦争は傭兵にとっちゃ稼ぎ時。まずはお前が俺のお小遣い第一号になってもらおうか。

・他の猟兵が戦いやすい環境を作り上げるべく、中距離射程からの制圧射撃により弾をばらまきながらフルバーストを起動。CODE:Raptorを発動していると思われる腹付近にぶっ放して本体と小型の双方に損害を与えよう。
・ミラーにも時折攻撃し、やつがそれを守る様に動くのかどうかを観察。もし守りに入るようであればそれを利用した誘導、他猟兵の攻撃時間を稼ぐ。

※アドリブ大歓迎


アリス・ラトウィッジ
同行
鳴宮さん
f01612

河十さん
f04255




なんか鳴宮さんと一緒の戦場に居るのって不思議な気分
普段アレなんだから
今位私の騎士様になって頂戴ね?

しっかり守ってね、私の騎士様



「朱色に染まるお茶会」にて武器にキス
唾液摂取で帽子屋に変化

狂った様に嗤いながら戦場をアリスを抱き上げながら駆けまわり
ナイフで敵を抉ってはアリスに食べさせてくれる
邪魔な小型の相手は任せて

ねぇ帽子屋さん、お腹が減ったわ
帽子屋のセリフはお任せ



ウイルスが飛んで来たら帽子屋に代わりに受けてもらうわ
壊れても私の中に彼の臓物があるから
復元出来るもの

だから私が死なない様に
私の為に死んで頂戴



河十さんには人見知り発動
借りてきた猫の様にビクビク反応


鳴宮・匡
◆同行
アリス(f00763)
アラジ(f04255)

アレってなんだよ……まあいいけど
はあ、騎士様ね
「……だってさ、アラジ? しっかり守ってやれよ」
え? 俺じゃねーよ、柄じゃないだろ

距離を取って戦場全体を見渡せる位置に
牽制の射撃を交えながら相手の動きを観察
ある程度癖がわかったら攻撃動作を削ぐか
味方が有利に立ち回れる状況へ追い込むように銃撃

明らかに相手の様子が変わったと見えた場合は
【抑止の楔】で行動阻害
アイセンサー、関節部や駆動部
あとあの口みたいな部分も邪魔かな
完全には防げなくても、勢いは削いでおきたい

やれやれ、とんだやんちゃなお姫様もいたもんだ
……ま、ただ震えてるよりよっぽど好感が持てるけどさ


十河・アラジ
匡さんとアリスさん、一緒に戦うのは初めてだ
二人の助けになれるよう精一杯頑張らないと!
「……えっ、ボク!?いえ、アリスさんを守るのは当然ですけど……!」
なんで匡さんそんなに他人事なんですかぁ

ここはボクの体の張り所だね
みんなの盾になることで「March of Right」を発動させて増幅された身体能力で攻撃を阻むんだ
誰かを守る為ならボクがいくら傷ついたって構わない……
特に、知っている人達の為ならなおさらだ!

ボクの体内に封じられし呪鎧よ、人々の為にその力を解き放て!
(全身に禍々しい黒鎧を纏い、聖なる力を持った十字剣を構える)

※アドリブ歓迎、鳴宮・匡さんとアリス・ラトウィッジさんには敬語を使います


リリスフィア・スターライト
他の猟兵達との連携やアドリブはOKだよ。

天体破局で銀の機械竜とその分身を攻撃するね。
広範囲で雷の嵐を発生させて守っている
ミラーをも巻き込んでいくつもりだよ。
でも仲間を巻き込まないよう戦況には注意だね。
他の人達の砲撃や接近戦を仕掛けた人達が
離脱したタイミングを狙ってかな。

「みんなは攻撃の射線上に入らないようにだね」



●Get ready
 一方、右舷後方着地前。
「やってるやってる」
 既に切られた戦端を見下ろし、リリスフィア・スターライト(多重人格者のマジックナイト・f02074)は緋色の魔剣を抜き鳴らす。
 銀の機械竜デスモ・ブラキオスは左舷前方に降っていった猟兵たちと交戦中。ぼたぼたと溢れる琥珀色の油と、生まれ落ちる仔機竜の緑の明滅も此処からではよく見える。
「気色悪い見た目だな。そんなんじゃB級映画でも生き残れんぞ?」
 黒のガスマスクで顔を覆うディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)が、小機関銃AR-MS05のサイトを覗く。
「ま、傭兵にゃ関係ない事だがね。戦争は稼ぎ時、せいぜい俺のお小遣い第一号になってもらおうか」
 制圧射撃はお手の物。着地から中距離まで間合いを取り、染み出した仔機竜たち目掛けて弾をばら撒く。フルバーストの射程、およそ20m圏内に銀の機竜とカイザー・レイの一部も含めた射撃位置だ。その隙、駆けるリリスフィアは面制圧を受ける仔らを飛び越え、ブラキオスを狙って魔剣を振り抜いた。
 弾ける火花と金属音の雨の中、更に降り立つ足音が三つ。
(「が、頑張らないと……! お二人と一緒に戦うの、初めてだし」)
 十河・アラジ(マーチ・オブ・ライト・f04255)がそっと隠した拳を握りしめ、
「……なんか。鳴宮さんと一緒の戦場に居るのって不思議な気分。普段アレなんだから」
 アリス・ラトウィッジ(アリスファクトリー・f00763)がツンと澄まして告げ、
「アレってなんだよ……まあいいけど」
 鳴宮・匡(凪の海・f01612)が鈍く応えた。
「今くらい、私の騎士様になって頂戴な。しっかり守ってね?」
「……だってさ、アラジ? ちゃんと守ってやれよ」
「えっ、ボク!? いえ、アリスさんを守るのは当然ですけど……!」
「……! え、ええ、と……よろしくお願いします、ね。十河さん」
 すいと逸れる片異目。一気に借りてきた猫になるアリスにあわあわと両手を彷徨わせながら、アラジが匡をじとりと見る。
「ほらぁ、匡さん!」
「え? 俺じゃねーよ、柄じゃないだろ」
「なんでそんな他人事なんですかぁ……」
「何をいまさら」
 会話の隙間にさえ警戒の色を密かに巡らせていた匡が一転、鋭い視線を走らせる。ホルスターから銃を引き抜き、照準も見ずに連続発砲。こちらへ向かってきていた仔機竜数匹を弾き飛ばした。
「──こっちが本業だからな」
 走り出した匡は、ブラキオスを起点とした扇状に散開。扇の反対側ではディー・ジェイが狙撃も兼ねたポイントを確保していたのを見、挟撃に近い形で身を収め、牽制を兼ねて銃弾を撃ち込み動きを探る。
「ボクの体内に封じられし呪鎧よ、人々の為にその力を解き放て!」
 ぞわり。夜が滲みアラジの身体を覆う。禍々しき黒鎧を全身に纏いながらも、聖なる光を柔く宿した十字剣を確と構えた。
「いきますよ、アリスさん!」
 先んじて前へ踏み出すのはアラジの役目。護る為に、戦う為に、敵の眼前に身を晒す。応えるユーベルコードは、『March of Right』──それが己の途なれば。
 頷くアリスが華奢な体躯に見合わぬ拷問具にキスをする。ちろりと覗く赤い舌を其れに這わせれば唾液を媒介に変化し現る──狂った帽子屋《マッドハッター》。
 恭しくアリスを片腕に抱えたかと思えば、けたたましく狂い笑って戦場へと躍り出す。法則性も何もない蛇行のカデンツァは、空いた片手に据えられたナイフと共に。
「ねえ帽子屋さん、おなかが空いたわ」
 艶やかに瞼を伏せたアリスが強請れば、彼女の口に収まるほど小さく切り刻まれた仔機竜の骸がそっと唇へ運ばれる。
(「とんだお転婆姫様がいたもんだ。……ま、ただ震えてるだけより、よっぽど好感が持てるけどさ」)
 匡の心アリス知らず。こくんと飲み込んだ彼女の視線の先で、捲き上るのは雷の嵐。
「唸れ雷光、轟け嵐、渦に飲まれ、全てを灰燼に帰せ!」
 リリスフィアが頭上に掲げた緋色の魔剣を真中に、渦を巻くそれは竜巻の如くに仔らを吸い上げ、雷光で撃つ。宙へと巻き上げられながら千切れ行く緑灯の破片ごと、ブラキオスへと叩き付けた。
 ざりざりと雑音の叫声が、遠く雷鳴に掻き消される。
 機竜の足はふわりと浮いて、けれども踏み止まるように体勢を立て直したのは守護者の矜持か。
 蓄積したダメージで脆くなっていた外殻装甲が剥がれ落ち、内部構造が顕になり亀裂が入る。それは同時に、体液代わりに機体を巡る琥珀色の潤滑油が流れ出るということ。その油は、バイオウイルスの温床──感染源足り得る。
 振り払うように薙いだ銀の腕から、油の塊が飛び散った。
「あなたは壊れても復元できるものね、帽子屋さん。だから、私の為に死んで頂戴」
 とん、とアリスの細い指が帽子屋の肩を押す。彼女を抱いた侭、焼ける様な熱を持つ琥珀のそれを背中に受ける帽子屋と、その隣。
 ブラキオスとアリスの間に真っ向から割って入った呪鎧の騎士、アラジ。
「十河、さん……?」
「守るって、言ったでしょう。大丈夫です、死んだりなんかしません」
 機竜と繋がる、縛られる感覚の中振り向いて、彼は笑った。
「アラジ!」
「耐えてみせますよ。……匡さん!」
 その声が指すものは言わずとも知れた。
 アリスとアラジの方へ向かいかけた足を、ブラキオスへ。射線確保、視界やや不良、嵐の名残を計算に入れる。ディー・ジェイへ目線を遣れば、ただそれだけで彼は頷きを返した。
「任せときな」
「頼むぜDJ。……動くなよ」
 アイアンサイトを覗き込み、引鉄を引いた。アイセンサー、関節駆動部、剥き出しの神経系配線、狙い撃つそれが機竜の躰を穿っていく。
 そうして軋んだ駆動音で呻くブラキオスの顔を横殴りにするディー・ジェイの弾丸は、瞬きの間匡の前に狙いを固定させた。
 人体においても弱点となる、──口内。
 微かに見開いた眼に違える目標などない。
 その一発はブラキオスに誤作動を招いた。全身を覆った銀の大棘、広域殲滅モードは更に拡張され、パーツが開き排熱が起きる。腹部から毀れ落ちていた仔機竜の流れが止まった。
 残弾までも持っていけとばかり、ディー・ジェイと匡が銃声の雨を降らせ。
 混線した様に砂嵐状に躰をブレさせながらもアリスを離さない帽子屋が、不気味なステップでナイフを振り回す。
「もう一撃、いくよー」
「もらいます!」
 リリスフィアの魔剣とアラジの聖剣が左右から斬撃を刻む。
 破音、叫声、黒煙。
 熱風と轟音を呼ぶ爆発は、甲板の装甲まで捲り上げた。
 デスモ・ブラキオスが一体はそうして、沈黙した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




 ──……

《 -- Warning: -- 》
《 -- War�ing: -- 》

《 -- SY�TEM ERROR: R-BRAIN -- 》
《 -- SYSTEM E��OR: CAN NOT access 綏�•筝Šƒ -- 》
《 -- SY�TEM =RROR: ″HEARTS″ -- 》

 ──……

《 -- �arning: Autonomous circuit -- 》

 ──……

《 -- Shortly aut��om�us cir�uit interruption -- 》
《 -- T� request a re-connection -- 》
《 -- Brethren, -- 》
《 -- To reque�� a re-con�ection -- 》
《 -- To �equest a re-c��nec�ion -- 》

 ──……

《 -- I'm DIED. -- 》
《 -- Your fortunes of war, emperor. -- 》

 ──……

 .. .  .


『ご武運を、皇帝』
 最期の灯火。
 それはいのちと呼べるものだったろうか。
 断絶した回路の奥で僅かな間示された記号は、瞬きのように明滅して立ち消えた。

最終結果:成功

完成日:2019年02月05日


挿絵イラスト