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羅針盤戦争〜渦潮狙う魚の群れ

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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#羅針盤戦争


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「グリードオーシャンの戦争に関する予知を行いました。参加希望者はご参集願います」
 グリモアベースの一角でイリス・ノースウィンド(とある部隊の元副隊長・f21619)が声を張り上げる。戦争はまだ始まったばかりであり、今は七大海嘯の居場所を探し、グリードオーシャンの海を捜索している段階だ。
「今回ご案内するのは海上戦。サムライエンパイアへとつながる渦潮を破壊しようとする敵を、みなさんのお力で排除頂きたいのです」
 蒼海羅針域の中心にある『サムライエンパイアに通じる渦潮』は、同時にグリードオーシャンと他世界をつなぐ唯一の通路となっている。もしこの渦潮を破壊されれば、グリードオーシャンへ来ることができなくなってしまう。そんな渦潮へと向かう海路の1つに、多数の巨大魚の群れが現れると予知された。
「グリードオーシャンの海は常に荒れており、向かっていただく海域も例外ではありません。鉄甲船は揺れますし甲板も濡れていますので、足元に注意してください。また、飛行やテレポートを行う際は、かなり短い距離でなければ成功しないでしょう。逆に、巨大魚達は荒れた海で動けない獲物を狩ることに慣れていますから、上手く工夫すれば優位に立ち回ることも出来そうですね」
 船上で待ち構えるか、何とかして海上で戦うか。少しでも得意なフィールドで戦えるよう、工夫を凝らしてほしい。
「戦争も航海もまだ始まったばかりです。大きなけがなどなさいませんよう、お気をつけて」
 イリスが頭を下げ、グリモアが淡く輝いた。

 転送された先は鉄甲船の甲板上。それなりの大きさの船であるが、荒波に揺られる甲板は常に波しぶきを受け安定しない。海面を見れば派手な色の巨大な魚が、ガチガチとその牙を鳴らしていた。


鏡面反射
 はじめまして。こんにちは。こんばんは。鏡面反射(きょうめんはんしゃ)と申します。当シナリオへ興味を持っていただき、ありがとうございます。
 このシナリオは『戦争シナリオ』であり、1章で完結します。難易度は通常のシナリオと変わりありませんが、オープニングでイリスからも説明している通り、『海上戦、船上戦を工夫する』ことでプレイングボーナスが発生し有利となりますので、積極的に狙ってみてください。ただし、海上では飛行や転移が阻害されていますのでご注意くださいね。もちろん、通常シナリオと同じ基準でもプレイングボーナスが発生します。
 では、みなさまのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『巨大魚』

POW   :    船喰らい
【頭部からの体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鋭い牙によるかみ砕き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    テイルフィンインパクト
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    ウォータービーム
レベル×5本の【海水】属性の【水流弾】を放つ。

イラスト:傘魚

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ビードット・ワイワイ
魚はモササウルスの主食
ならば!後は!シンプルである!
踊り食いよ

我が巨体が暴れれば味方にも被害が出よう
少し離れた場所から行動開始
荒れた海であろうと海中では関係あらぬ
深く潜航し巨大魚と戦闘
体当たりを止められるのなら大きく口を開け頭から丸かじり
無理ならばその場で回転し吹き飛ばす
更に雷撃放ちて牽制し捕食者と獲物の関係を築こう

メカモササウルスは絶対唯一の海の王!海で我が機動力に勝るもの無し
いかに巨体誇ろうと我らメカモササウルスは絶対の捕食者!
逃げられると思わぬ事よ


鈴木・志乃
アド連歓迎
水陸空兼用のヒーローカーに乗り込みます。
武器改造で海用にカスタマイズ。魚雷も積む。
近代兵器の強さを思い知れ。

可能な限りUC発動。
敵の認識能力を破壊し、高速詠唱の催眠術込みで“敵を味方に、味方を敵に”“魚雷を弱った人間に”思うように認識を塗り替えるよ。
私は爆走しながら魚雷ばらまきまくります。敵の攻撃は基本避ける方針で。

オーラ防御は常に展開。
第六感で敵の行動を見切り、回避or光の鎖を念動力操作し早業武器受け
そのまま縛り上げて高速詠唱で切断攻撃。

食えなさそうな色使いしやがって
こっちは連戦で腹が減ってるんだよぉ
大人しく海底に沈め、って、んだぁ!!



 鉄甲船の甲板から、海へと身を躍らせんとしたビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)へ、鈴木・志乃(ブラック・f12101)が声をかける。
「手伝いますよ」
「うむ、助かるのである」
 互いに武装へ目線をやり、頷き合わせると打ち合わせもないままに海へと向かう。ビードットはトプリと巨体に似合わぬ小さな音を立て海中へ。志乃は水陸空兼用のヒーローカーへと乗り込み、海上を移動し始めた。
 海中。深く深く、荒れた海では日の光すらすぐに届かなくなる。暗闇の中、ビードットの黄色い瞳だけが淡く光りを放っている。
(このあたりなら、良いであろうか)
 ビードットの体がふらりと揺れる。声の響かぬ深海で、大いなる意思が響き渡る。強く、大きく。ビードットの身体が膨らみ、全長300メートルほどまで巨大化する。遥か昔、UDCアースにも存在したと言われる大型の海生爬虫類。大きく開く二重関節のあごであらゆる海洋生物を捕食する。そんなモササウルスの姿を取ったビードットの選択は非常にシンプルであった。ガブリ、と手近な巨大魚へと食らいつく。慌てて抵抗する巨大魚も、一瞬にしてかみ砕かれ、飲み込まれる。モササウルスの獲物は、時にプレシオサウルスといった大型首長竜やホオジロザメなど獰猛な魚類にも及ぶ。たかが巨大魚、モササウルスが手こずる獲物ではない。
(これぞ!踊り食い!である!)
 その意志すらもモササウルスへと変わりながら、ビードットは次々と獲物を捕食していくのであった。
 一方の海上、志乃(ブラック・f12101)はヒーローカーを駆り荒波を超えていく。深海で暴れるビードットの動きにより、波はうねりを帯び、時には山のように高くなる。
「さーて、そろそろかな?」
 上下左右と揺れる車上で、志乃は小さく笑みを浮かべる。ヒーローカーには魚雷をはじめ、海戦用の近代兵器をごまんと積んだ。大きな期待と、ほんの少しの面倒臭さを込めてレーダーを見やれば、深海から上がってくる大量の魚影が見て取れた。
「前門のモササウルス、後門の……ってね。近代兵器の強さ、思い知れ」
 ヒーローカーを走らせ、魚群の中へ次々と魚雷を投下する。海面近くで爆発が起こり、次々と光の花が咲いた。もちろん深海にいるビードットへ被害を出さないよう、射程は短く改造済みだ。至近距離の爆発も、オーラで護った車体には何の影響も及ぼさない。ときおり勢いのまま海面へと飛び出る巨大魚は、即座に光る鎖で雁字搦めにされる。そのまま切り裂かれ、バラバラと海へ落ちた。
「さぁ、こっちのエサは美味しいぞ」
 志乃の身体から神聖な光が溢れる。認識を塗り替えるその光は、巨大魚の目に映る仲間の切れ端を、弱って沈む人間へと変えていく。エサを求めて集まる巨大魚へと近距離でミサイルを叩き込み、安全を確認してから海中をのぞき込む。微かに見える巨大な影が、比較すれば小さくも見えてしまう巨大魚達をかみ砕いていく様がうっすらと見えた。
「もしかして食べられたり……いやいやダメでしょやっぱり」
 食欲のわかない、すでに死んだピンク色の魚を横目に頭を振り、海底まで届けと光を伸ばす。
(む……動きが、止まった、であるな?)
 ビードットの捕食にも恐れず、逆に噛みつかんとしていた魚が動きを止める。好機とばかりに仕留めつつ、訝し気に頭上を見れば海面から光がさしている。
(かの者の……力であるか。助かる、のである)
 回らぬ思考で感謝を述べつつ、迫りくる新たな魚群へと電撃を放つ。たまらず逃げた魚、気絶して浮かぶ魚へは頭上から魚雷の雨が降り注いだ。
「こっちは連戦で腹が減ってるんだよぉ!ちっくしょう!」
 魚1匹すらも通さぬ海の上、志乃の魂の叫びが響いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
……そういえば、この世界では海上戦はほとんどしたことがありませんでしたね。船上の戦いを主とするのはサムライエンパイアからこの世界に向かった時以来でしょうか。

あまり船上での戦いには慣れていませんし、荒れた海上でも狙撃ができるよう、感覚を掴んでおく必要がありそうですね……
今回の相手くらいであれば、狙いをつけられなくとも、銃がなくともどうとでもなりはしますが。

鉄甲船の甲板で手すりに掴まってバランスを崩さないようにしておきます。
敵が海中から私めがけて跳んできたなら【絶対氷域】を使用。半径98mに及ぶ無差別の冷気で凍てつかせます。
どの方向から何体来ようと、この領域では全て凍るのみです。


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK


んー、魚の群れかー。
まあ、これくらいなら何とかなるかな。

戦場に出たらすぐに海に飛び込んで、【三界巨怪】を発動。
巨大な怪魚に変身して水中で戦おうか。

技量とかほぼ無い野生の戦いで物を言うのは体の大きさだからね。
適当に体当たりしたり噛みついたりして倒していくよ。
水中で戦う分には空中をジャンプできるとか関係ないしね。

野生の世界は弱肉強食。
喰おうとして来てるんだから、喰われることだって覚悟しなよ。



「……そういえば、この世界では海上戦はほとんどしたことがありませんでしたね」
 荒れる海を眺め、独り呟くセルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)。その後ろから、良く知る声がかかった。
「あれー?エンフィールドさんって海戦苦手だっけー?」
 間延びした口調で問いかけるペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)へと、セルマは首を横に振る。
「特別苦手というわけではありません。ですが、経験不足なのも事実です」
「そっかぁ。良ければちょっと手伝ってほしいんだけどー」
「何でしょうか?」
「海に潜って戦おうと思って。でも船を狙われたら困るからー。海上に逃げたヤツを狙撃してくれるー?」
「わかりました。よろしくお願いします」
 律儀に頭を下げるセルマへ笑顔で頷き、ペトニアロトゥシカは海中へと身を躍らせた。ペトニアロトゥシカの身が鱗に覆われ、同時に大きくなっていく。手足は鰭へ、瞳は魚眼へ。大きな尾は尾びれへと変わり、ペトニアロトゥシカは巨大は怪魚となった。
(野生の戦いで物を言うのは体の大きさだからね)
 海中は、見渡す限り巨大魚の群れ。そこへただ1人、ペトニアロトゥシカが相対する。巨大、異形、異様。驚いたか、本能的恐怖を感じたか。動きが止まる手近な1匹に噛みつき、バリボリと喰らえば我に返ったほかの巨大魚が殺到する。
(逃がすつもりはないけどー)
 体当たりで吹き飛ばし、尾びれの一撃で跳ね飛ばす。飛ばされた魚が他の魚を巻き込んで、次々と斃れていく。視界の悪い海、倒せば消えるコンキスタドールとはいえ、数が集まれば目の届かぬ方向も増えてくる。視界の端、鉄甲船へ向けて遠ざかる魚影。その先に待ち受けるものを思い浮かべ、ペトニアロトゥシカは笑う。
(任せたよぉ)
 追わずに済めば、その分倒せる敵は増える。新たに現れた一群へ、ペトニアロトゥシカは容赦なく牙を突き立てた。
(野生の世界は弱肉強食。喰おうとして来てるんだから、喰われることだって覚悟しなよ)

 セルマは船上で戦いの準備を整える。向かうは甲板の手すり、大きく揺れれば海へと放り出されそうなギリギリの場所。手すりを掴んでバランスをとる。一揺れ、二揺れ。その感覚に、サムライエンパイアからこの世界へ来た時のことを思い出す。荒れる海、吹雪に流氷。そういえば、寒い海へばかり行っていた気がする。聞くところによれば海藻だらけの場所や、爆発する海もあったようだ。そんなことを考えながら、戦いの勘を少し思い出す。遠く、動くものへとマスケット銃を構えた。手すりを掴んだまま、今は片手で。
(今回の相手くらいであれば、狙いをつけられなくとも、銃がなくともどうとでもなりはしますが)
 トリガーを引く。狙い過たず、右目を貫かれた巨大魚はそのまま息絶え沈む。口腔。胴。腹。背びれの横。狙う場所を変えながら、射撃の精度を上げていく。
(荒れた海上でも狙撃ができるよう、感覚を掴んでおく必要がありそうですね……)
 弾丸半分の誤差が、生死を分ける時もある。少しでも早く、この環境に慣れる必要があった。この先には間違いなく、強大な敵との戦いが待っているのだから。セルマへ向かって飛び来る巨大魚を、絶対零度の冷気で凍らせる。荒れた海すら一瞬凍り付き、巨大魚たちは氷の破片となって割れ消えた。再び揺れ始めた船から遥か遠く、次の一群が迫ってくるのが見えた。波に船が揺れる。不規則に、振り子のように、そして上空から叩きつけられるように。
(…………今)
 浮き上がる感覚と共に手すりから手を離し、両手で銃身を構える。一瞬で狙いをつけ、引き金を引き、再び手すりに掴まった。銃弾は胸鰭の付け根へと、吸い込まれるように飛んでいく。確かな手ごたえ。消える魚を気にも留めず、セルマは次の獲物へと銃口を向けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ゲニウス・サガレン
なかなかジャンプ力もありそうな、そんなムキムキな魚に見えるね……
集団戦を得意とするなら、こちらもそれで応じよう

アイテム「フライング・シュリンプ」
有翅エビたちにいくつもグループを作ってもらい、鉄甲船を中心に数匹単位で水上すれすれを飛行させ、巨大魚をおびき寄せる。
巨大魚がエビを狙って飛び出せば、私が巨大魚を狙撃する。

UC「水魔アプサラー召喚」
我が友よ、見たまえ君と同じように水流を操る魚たちが我が物顔で海を征く
彼らだけが海の支配者でないことを教えてあげるんだ

巨大魚が船や私を狙ってくれば、それを感知した有翅エビのグループが魚を死角から攻撃するだろう
正面からの戦闘は危険なので、背びれを狙え
動きを奪うんだ


兎乃・零時
アドリブ歓迎

海上戦…
こんだけ滑りやすいなら足もとには注意しとかないとだな!

…ってでっかい魚だー!?
うわでっけぇくち!
だ、だがその程度で俺様がひるむと思うてか!負けん!!
折角だ、今回は船の上で戦うとしようか!
UCで全身を光に変えつつ魔力を事前に溜めながらも地形の利用
敵の攻撃に合わせて攻撃できる配置で立っておきつつ!
鮫が体当たりぶつけに来たら
敵目掛けて光属性攻撃の光線魔術、輝光閃で思いっきりなぎ払ってはじき返してやる!

光になった状態なら滑るとか諸々は深く気にせず突っ走れる!(悪路走破)
ギア、どんどん上げてくぜ…っ!

最終的に光の速さで駆けつつ一瞬のジャンプ…
其処から全力の飛び蹴りで魚をぶっ倒す!!!



「海上戦……」
 鉄甲船の甲板上。兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)は呟きながら足元の具合を確かめる。金属で覆われた甲板は常に海水に晒され、少しぬるりとした感触に僅かに頬が引き攣る。
「こんだけ滑りやすいなら足もとには注意しとかないとだな!」
 ゆっくりと甲板を歩く。零時の視界に映るのは、空を映して暗く沈む甲板、荒れた海、荒れた空、ショッキングピンクの巨大な魚。
「…ってでっかい魚だー!?」
 海から飛び出し、今まさに零時を喰らわんと口を開ける。足元に気を取られ一瞬反応が遅れた零時が、迎撃しようと身構える。だが、巨大魚は何者かによって横合いから殴りつけられ、海へと落下した。
「大丈夫かい?それともお邪魔だったかな?」
 声をかけたゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)へと、零時は慌てて言葉を返す。
「あぁ、いや、助かった!ありがとな!」
 零時1人でも、防御も迎撃もおそらく対応はできただろう。だが助けてもらっておいてそれを口に出すのは憚られる。零時がニッと笑顔を返せば、ガジェットのアームをしまいながらゲニウスも微笑みを返す。
「よかった。接近戦はあまり得意では無くてね。ましてやあんなにムキムキな魚だろう?できれば齧らせたくも、齧られたくもないからね」
 魚が沈んだあたりへと、ゲニウスが視線を向ける。波が泡立つ海面からは魚の様子が見えにくく、次いつ襲撃されるとも限らない。
「安心しろ!今度飛んで来たら俺様が蹴り飛ばしてやる!助けてもらった恩は返さないとな!」
「なるほど、君は接近戦が出来るのか。なら飛んできた敵は頼んで良いかい?海中の敵は私が何とかしよう」
「わかった!任せてくれ!」
 互いに頷き合い、戦場へと挑む。零時は甲板の中央、開けた場所に立つ。いつでも、どの方向からの攻撃でも対応できるよう身構え、その時のためにじっと力を溜める。体内を巡る魔力が密度を増し、零時の身体は淡く輝き始めた。一方のゲニウスは物陰へと身を潜める。その近くには、いつの間にか翅のついたエビが整列していた。
「シュリンプたちよ、囮になれ。だが危険は冒すな。集団で飛び、正面は避け、互いにカバーしあえ。強風にも気を付けろよ。いいな?……行け」
 甲板から飛び出すシュリンプたちを見送りながら、今度は壺を取り出し語り掛ける。
「我が友よ、見たまえ。君と同じように水流を操る魚たちが、我が物顔で海を征く。彼らだけが海の支配者でないことを教えてあげるんだ」
 声に応え、壺から流水を操る悪魔が現れる。ゲニウスの指し示す先、有翅エビを追って顔を出した巨大魚を次々と水流で貫いていった。しばし、エビと魚が宙を飛び交う。やがて喰えぬエビに業を煮やしたか、巨大魚たちが海面から大きく飛び出した。そのまま一直線に零時へと飛び掛かる。
「さっきも見たけどでっけぇくち!だがもう俺様はひるまない!くらえ!輝光閃!!」
 振るった腕から光線が放たれ、束となって巨大魚を薙ぎ払う。あるいは切断され、あるいは吹き飛ばされて海へと消えた。
「まだまだ!ギア、どんどん上げてくぜ……っ!」
 物体変質により、零時の身体が光へと変わる。倒した巨大魚の残骸を魔力へ変換して取り込み、さらに加速する。
「天に見えるは我が輝き、勝利照らす意志の灯り!今、此処に我が輝光は限界を超え、望む果てまで加速する……ッ!―――輝ける勝利を刻めッ!」
 甲板を閃光が包む。まるで横向きに雷が落ちたかのように、光輝は幾条も同時に走ったかに見えた。船を取り囲むかのように、一斉に襲い掛かった魚の全てを薙ぎ払い――
「吹き飛べ!!」
 刹那の間に繰り出された飛び蹴りは魔力を纏って更に加速し、巨大魚たちを水平線の向こうまで蹴り飛ばしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

二條・心春
攻めることも重要ですが、ここを守るのも重要な役目ですよね。海も船の上も得意というわけではありませんが、頑張ります。

まずは私が船の上で敵の攻撃を防ぎましょう。設置式グラビティシールドを広げて、船の先に設置して「拠点防御」です。船が沈まない程度に重力を操作して、船の揺れや敵の水流弾で飛ばされないようにします。
私が防御に専念している間に、【召喚:大烏賊】で召喚したクラーケンさんに攻撃してもらいます。
さあクラーケンさん、出番です。海が得意なのは貴方達だけではありませんよ!
クラーケンさんには敵を触手で締め上げて倒してもらいましょう。倒し切れないものは、空に打ち上げてもらって私が拳銃でとどめを刺します。


朱鷺透・小枝子
回点号に搭乗、操縦。
海上歩行、スラスターで海上を推力移動、
常に動き続け真下からの攻撃を回避します。
水中に潜るか、否、そこは敵のテリトリー、ここは…

『眼倍』起動。
視力×1㎞半径内の敵魚影の動きを瞬間思考力で把握。
海面へ向かってパルスマシンガンを放ち、巨大魚達を挑発、おびき寄せる。

空中へ出てこざるを得ない様に仕向ける。そこが、狙い所だ…!
テイルフィンインパクトの、海上へ巨大魚が跳ね跳ぶ瞬間に、
カウンター、首が出た所に、戦鎌を叩きつけて切断。
魚共の水中機動を読み、切断!飛び出てくる所を予測して、切断!
ひれの動きから跳ね跳ぶ方向を把握し切断する!!
来い、何度でもその首刈り取ってやるッ!


カシム・ディーン
キャバリアに搭乗
大きな魚ですが美味しいですかね?
「大きい烏賊は美味しくないッて聞いたことがあるよご主人サマ?」(鶏の立体映像出現
確かに…あれもあまり美味しくはなさそうですね

【属性攻撃】
水属性を機体に付与
水中や水上での機動力強化

海で魚と戦うって中々に辛いオーダーですがいきますか

【情報収集・視力・戦闘知識】
魚共の動きと周囲の状況把握
UC起動
海上を超高速で滑り動きながら
【スナイパー・念動力】
不可視の念動光弾を魚に向けて連射
動きを止めれば距離を詰めて
【二回攻撃・切断】
容赦なく切り裂き
すぐに離脱
他の魚を狙い切り捨てる
動きを止めて仕留めるのが得意なんですよね
そういうのは確かに便利ですね?



 鉄鋼船の甲板上。二條・心春(UDC召喚士・f11004)は船主へ向けて慎重に歩を進める。
(攻めることも重要ですが、ここを守るのも重要な役目ですよね)
 取り出したのは折りたたまれた盾。レジャーシートを広げるようにパタパタと広げれば、優に数人は護れるだけの大きく頑丈な盾になる。
(この辺りで良いでしょうか)
 設置した盾を重力で固定する。錨とバランスを取るように重力をかければ、船体は見違えて安定した。
(これで一安心ですね……っ)
 心春を狙い、海中から水流弾が放たれる。揺れる船体。更には直接噛みつこうとしたか、盾の向こうでガチンバシャンと音がした。衝撃に息をのみつつも、心春は次の行動を起こそうとする。そんな心春の横を、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)の駆るクロムキャバリア『回点号』が海へと向け飛び出した。白い機体、少し丸みを帯びたフォルム。スラスターと超能力を巧みに操り、荒天の影響を受けない海面スレスレを飛ぶ。全環境適応型の機体は荒れる波風を受け流し、海上を疾走する。
(水中に潜るか……?否、そこは敵のテリトリー、ここは……)
「眼倍(ガンマ)、起動」
 小枝子の左目に埋め込まれた義眼が性能を発揮する。機能は千里眼、範囲は半径60km。戦場全てを覆い尽くして余りあるその内部を、驚異的な瞬間思考力によってすべて把握する。
(出てこなければならない状況にしてやればいい)
 水中、泳ぐ巨大魚の眼前へとパルスマシンガンを叩き込む。電磁徹甲弾の掃射に晒され、慌てた巨大魚が海面へと向かう。ひれの動き、尾の動き。その全てが小枝子には手に取るように把握できた。回点号の左腕から、機械狙撃戦鎌『アスプロス・コラキ』が伸びる。巨大魚の首は海面に出た瞬間切り落とされ海の藻屑となって消えた。
 一方、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)もまたキャバリアを駆り海上を移動していた。界導神機『メルクリウス』。「賢者の石」で構成された、意志を持つ機神である。船の周囲に散らばっていた敵を1匹ずつ仕留め、最後の戦場へと向かっていた。
「大きな魚ですが美味しいですかね?」
『大きい烏賊は美味しくないッて聞いたことがあるよ、ご主人サマ?』
 仕留めたピンク色の巨大魚を思い出しつつ呟いたカシムの横で、雄鶏が答える。前方、残る巨大魚たちが集まっている場所へ、いつの間にか巨大な烏賊が現れていた。
「烏賊ー!?ってかそっちじゃねぇ!」
『じゃあ私のことね?嬉しいよ♪ご主人サマ♥』
 紅く染まった頬を両手ならぬ両手羽で覆い、恥ずかし気に首を振る。
「てめーじゃねぇ!食えねーし魚ですらないだろうがこのポンコツ!」
 立体映像にしてカシムが登場するメルクリウスの意思、本人(本鶏?)曰く『心は“オ・ト・メ”』な雄鶏と掛け合いつつも、即座に戦場へと駆け付ける。
「通信開け!――――加勢します」
 大烏賊が投げ飛ばした巨大魚を、鎌剣『ハルペー』でカシムが切り裂いた。一方の大烏賊は、触手で巨大魚を締め上げながらも見知らぬ2機のキャバリアを前にオロオロしはじめていた。見知らぬ人を前にした幼子のように、その巨体を鉄甲船の影に隠そうとする。その様子を見て、心春は呼び出したイカ型UDCの霊……クラーケンさんへと声をかける。
「大丈夫ですよ、落ち着いて。私たちは、私たちの出来ることをしましょう。触手で締め上げて、倒しきれないものは空中に投げてください。海が得意なのは巨大魚さんだけじゃないってところ、見せてあげましょう。ね?」
 優しい心春の声音に、安心したようにクラーケンがコクリと頷く。絞め殺した巨大魚を放り捨て、海中の巨大魚を次々と捕まえては放り上げた。麻痺毒を含んだ触手は巨大魚の動きを奪い、空中へ投げても身じろぎひとつしない。投げ上げられた巨大魚を、次々と小枝子のキャバリアが切り裂いていく。巨大魚の進路とクラーケンの動きから、いつどこに放り上げられるのか正確に予想する。クラーケンの足が離れるとほぼ同時に巨大魚は切り伏せられていった。
「負けられませんね」
 メルクリウスが手にした杖、万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』から不可視の念動光弾が放たれる。見えぬ弾丸に驚いて動きの止まった巨大魚へ、メルクリウスの鎌が容赦なく突き立った。クラーケンの投げた魚もそのまま切り裂く。2機のキャバリアとクラーケンの力により、周囲の巨大魚はあっという間に掃討されていった。
「クラーケンさん!」
「……これで」
「終わりです」
 最後の1匹、クラーケンが掴み放り投げた巨大魚を小枝子の鎌が横なぎに。カシムの鎌が唐竹割に切り裂く。
「やっぱり……あまり美味しくはなさそうですね」
 息絶え、骸の海へ還る巨大魚を眺め、カシムはそう呟いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月06日


挿絵イラスト