銀河帝国攻略戦⑦~ブレイク・ザ・ミラー
●グリモアベースにて
「皆様、ようこそおいでくださいました。皆様を召集する事態。即ち、オブリビオンによる事件……普段ならば。
既にお聞き及びの事とは存じますが、遂にオブリビオン:フォーミュラーが姿を現しました。
舞台はスペースシップワールド。復活した銀河帝国の脅威にさらされる宇宙世界。
そして、その銀河帝国の皇帝が現れたのです」
スキエンティアは、そこで一度言葉を区切る。
表情筋など存在しないのではないかと思わせる程にピクリともしない表情でありながら、強い意思を湛えた眼差しで猟兵達を見回して。
「ここまでお伝えすれば、聡明な皆様の事ですから何をすべきかは分かって戴けたものと思います。
えぇ。オブリビオンをメッタメタのギタギタに叩きのめし、銀河帝国を崩壊に導く……のは最終目的。その為にもまず皆様には、集積型反射鏡『カイザー・レイ』を破壊して戴きます」
表情は相変わらず変わりなく、ただ声音と視線にとても冗談とは思えないような真剣さを込めながらも、スキエンティアは続けた。
「この集積型反射鏡『カイザー・レイ』は、エンペラーズマインドから照射されるエネルギーを反射し、対象の艦艇を破壊する、戦略防衛兵器。
放置すれば終結した解放軍の艦艇を破壊され、帝国軍の大艦隊と戦う以前の問題となってしまいます。
そこで、皆様の出番というわけです」
そこで言葉を区切り、スキエンティアは再度猟兵達を見回す。
「皆様にはこの集積型反射鏡『カイザー・レイ』を構成するミラーの一つを破壊して戴きます。
勿論、銀河帝国も戦略防衛兵器を放置するわけもなく、強敵が配置されている事でしょう。しかし、皆様ならば強敵を打ち負かし、カイザー・レイの機能を低下させることが出来ると信じています。
どうぞ、よろしくお願いいたします」
そう告げて、スキエンティアは再度、深々と頭を下げた。
氷川 仁
遂に大規模作戦、銀河帝国攻略戦開始です! 氷川 仁(ひかわ じん)です。
今回は集積型反射鏡『カイザー・レイ』を破壊して戴きます。
本シナリオの攻略対象は「⑦カイザー・レイ破壊作戦」です。
皆様の多彩なプレイング、お待ちしております。
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
●戦場について
障害物はなく、人工重力によって地に足を着けて戦うことが可能です。
防衛オブリビオンの背後遠方にミラーが設置されてはいますが、防衛オブリビオンを倒すまでミラーを破壊する事は出来ません。
第1章 ボス戦
『人造生命体『マンティコア』』
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POW : 不可視の牙
【真空刃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 獣の雄叫び
【凄まじい大音量の咆哮 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 猛毒の棘
【蠍の尾 】を向けた対象に、【蠍の尾から放たれる針と猛毒】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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雪華・グレイシア
◎
やれやれ、戦争か
こういう舞台は怪盗の出番ではないんだけれど……
こういう場所だからこそ出会えそうなお宝もあるみたいだからね
少しは気合いを入れていこうか
一曲付き合ってもらえるかい、お嬢さん
なんて言っても聞く耳はないのだろけど
その物騒な尾は邪魔になるね……奪わせてもらおうか、予告なしに、ね
【逃げ足】【ダッシュ】【フェイント】で針から逃げ回りながら、隙を見て蠍の尾へ掌を向けるよ
ぶちっと尾の一部を頂くとしよう……勿論、いらないから奪ったらすぐにポイだけどね
【他の方との絡みは歓迎】
ソーニャ・ロマネンコ
良い立地だな、私好みだ。
ここなら思う存分、私の全力を発揮出来る。
対物狙撃銃で後方から敵性生物をユーベルコード【奇跡の弾道】で狙撃する。
【スナイパー】【戦闘知識】【援護射撃】【視力】の合わせ技だ、1匹たりとも逃がすと思うなよ?
あの鏡は…そうだな、私の狙撃可能な範囲内だったらありったけの弾丸をくれてやる。
破壊する際に多少ヒビが入っていた方が他の人も壊しやすくなるかもしれないこらな。
さぁ、狩りの時間だ。
芦屋・晴久
【WIZ】アドリブ、連携歓迎
カイザー・レイ……でしたか、なんとも大仰な名ですねぇ。
敵は一体、全体攻撃も行ってくるようですね。
他の猟兵の方も対策はしているかと思いますが全ての攻撃を防ぐ……というのは難しいでしょう。
私は皆さんの支援、回復に務めますね。
【見切り】で攻撃を躱すことに注力しながら負傷した方の【救助活動】を、【医術】の心得があるので応急処置も行います。
【水舞転身環】にて姿を隠しながら行動すれば相手からの攻撃もいくらかは避けられるでしょう。
蜂蜜院・紫髪
*アドリブ連携歓迎
心情:鏡の矛先を只人達に向けさせるわけにはいかんの。すべて叩き割ってやるのじゃ。邪魔をするのであれば容赦せんからのぅ!
戦闘:人形を盾に狐火で戦います。人形は攻撃を優先して受け【厄受人形】からの【呪詛返し】で倍返しを狙います。
連携者が居るときは【武器受け】【オーラ防御】での【かばう】も使っていきます。
怪我人がでるようであれば【癒しの狐火】で癒します。
神舵・イカリ
「あのミラーを破壊できれば、だいぶ戦いが楽になるんだろ? なら、やるしかないよな!」
四門の艦砲《マキナフリート》を展開し、さらに今回は両手に剣、脚部に楽器型兵装《クアントロム・コンポ》を装備
【全力魔法】及び【一斉発射】の技能を使って、●獣の雄叫びを撃たれたら相殺する構え
隙をついて、剣での格闘戦と、砲撃を浴びせかける
「お前なんかに構ってる暇はないぜ!」
「目標補足。ーー ぶち抜け、クアントロム・カノンッ!」
背部のプラズマジェットを全開にして、とにかくマンティコアを翻弄。仲間の攻撃も通りやすくする狙い
トリテレイア・ゼロナイン
銀河帝国…記憶はありませんがかつての同胞とも言える相手との大規模作戦、宿縁じみたものを感じます
ですが力なき人々を守るため、宇宙を駆ける騎士として立ち塞がりましょう
ミラーを破壊するため護衛のマンティコアを排除します
咆哮や針から味方を「武器受け」「盾受け」で「かばう」ことで援護します
真空刃は攻撃は見えなくとも敵の挙動や空気の振動で検知することができるはず。センサーで真空刃を「見切り」、「スライディング」で接近します
接近したら「怪力」で「手をつなぐ」ことで動きを封じ、格納銃器での「だまし討ち」を喰らわせましょう
騎士としては褒められた戦い方ではありませんが、作戦は一刻を争います
早急に排除しなければ…
●集積型反射鏡『カイザー・レイ』
猟兵たちが転移して最初に目に飛び込んできたもの。それは頭上に広がる満天の星の海だった。
猟兵たちはその身に極薄かつ透明で、防具の上から着用できる高性能宇宙服を纏っているため、普段と見た目は何ら変わりない。
ゆっくりと回転するカイザー・レイは遠心力によって重力を生み出し、猟兵たちは地に足を付け、防衛オブリビオンが配置されたミラーへと向かい。
「全員! 私の後ろへ!」
咄嗟に叫んだのは、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。
空気の振動をセンサーで感知したトリテレイアは、歩みを進めていた猟兵たちの先頭へと滑り込み、手にした重質量大型シールドで飛来した真空刃を受け止め、その刃が放たれた先へと視線を送る。
そこに立っていたのは、扇情的な服を纏った一人の女性の姿。
しかし、その頭には異形の耳が。その腕は獣の腕。そして背からは蠍の尾が伸び。
一見キマイラに見えるその姿。しかしてそれはウォーマシン。
複数の生物を掛け合わせ一部を機械化することで製造された銀河帝国の兵器の一体である。
その銘は、人造生命体『マンティコア』。
伝説の魔獣の名を冠した人造生命体は、侵入者である猟兵たちを補足。
その身を屈めたかと思うと、異形の爪を振り上げ、一直線に猟兵たちへと襲い掛かり。
「記憶はありませんが、かつての同胞とも言える相手との大規模作戦、宿縁じみたものを感じますね……ですが、力なき人々を守るため、宇宙を駆ける騎士として立ち塞がりましょう!」
大盾を構え、喝破したトリテレイアの後方から、一発の銃弾が放たれる。
ソーニャ・ロマネンコ(妖狐の戦場傭兵・f03219)の放った奇跡の弾丸が、飛び掛かるマンティコアの肩口を抉り飛ばす。
「障害物の無い直線。良い立地だな、私好みだ。
ここなら思う存分、私の全力を発揮出来る」
肩口に受けた傷に怯み、左右に身を振りながら近づくマンティコア。
しかし、ソーニャの放つ弾丸は、その挙動を見切っているかのように続けてマンティコアへと叩き込まれ。
そして、どうしても避けられないと判断したマンティコアが次にとった策は、被弾を覚悟で突進する事だった。
二発、三発。ダメージを受ける事を前提とした突進に、猟兵たちとマンティコアの距離はどんどんと近付き、遂にマンティコアのユーベルコードの射程に捉えられてしまう。
「ゴォオオオオオオオアアアアア
!!!!!」
響き渡る獣の雄叫び。凄まじい大音量の咆哮は、半径三十メートルを破壊の嵐へと叩き込み。
幾人かはトリテレイアが庇う事で無傷で済んだが、如何せん範囲が広く、また、指向性の無い音波である以上全員が無傷とはいかなかった。
「やはり、全ての攻撃を防ぐというのは難しかったようですね。
金剋木!五行の理を以て、外なる災い打ち払わん!」
「じゃが、その為のわし等じゃろ? 避けるでないぞ?」
だが、それを見越して準備していた芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)と蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)の二人が放った結界の光と暖かな狐火が、傷を受けた猟兵へと放たれる。
紫髪の厄受人形は二人を庇い、その影で晴久と紫髪の二人は次々と
いち早く駆け出した雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)も、そんな一人。
「一曲付き合ってもらえるかい、お嬢さん。なんて言っても聞く耳はないのだろけど」
その姿を察知したマンティコアは迎撃の為にその尾をグレイシアへと向ける。
その蠍の尾から放たれる針には猛毒が含まれ、受ければ無事では済まされはしない。
「その物騒な尾は邪魔になるね……奪わせてもらおうか、予告なしに、ね」
しかし、その針をマンティコアが放とうとした瞬間。尾の先端部に異常が発生する。
放とうとしたはずの針が無い。否、そもそも針を発射する機構そのものが失われていた。
それは今や、グレイシアの掌中に収まり。
「猛毒の針を飛ばす、か。趣味じゃないな」
手にした尾を放り捨て、グレイシアは更にマンティコアからパーツを奪おうとし。
だが、マンティコアが大きく息を吸い込んだのを見て取ると、踵を返してその場を離れる。
「二度も同じ手喰らうかよ!」
再び放たれようとした獣の咆哮。しかし、そこへ神舵・イカリ(転生したらVtuberになってた件・f03294)の電脳音器 クアントロム・コンポから放たれた無数の音色が、咆哮を打ち消し相殺していく。
一度目では獣の咆哮の音程が不明だった為不発したが、一度聞いた音だ。
イカリはその咆哮と逆の位相の音を放ち、咆哮を打ち消していた。
その隙を、逃す猟兵たちではない。
「騎士として、褒められた戦い方ではありませんが……」
率先して駆け出したトリテレイアは、マンティコアの腕を掴み捻り上げる。
戦闘に支障を来すとされ、痛覚に制限が掛かったマンティコアであろうとも、その可動域は見た目通りのもの。
そして、身動きの取れなくなったマンティコアへ、トリテレイアの腕部に格納された多目的速射砲が、次々に叩き込まれる。
銃撃はトリテレイアだけのものではない。ソーニャの放つ奇跡の弾丸が、イカリの放つ艦砲射撃が、雨霰とマンティコアへと降り注ぎ。
「そこのお前! 巻き込まれたくなかったら動くんじゃないぜ!
目標補足、仮想バレル展開…。量子の海に沈め! クアントロム・カノンッッ!!」
そして、イカリの両肩に展開された仮想砲塔から放たれたビームが、マンティコアの右半身に直撃し、その体積を大きく削り取る。
だが、その身の大半を機械で構成されたマンティコアは、それでも動くことを止めず。
「祓い給えヒトガタよ!」
だが、畳みかける攻撃はイカリで最後ではなかった。厄受人形によってその身の内に獣の咆哮を宿した紫髪の護衛人形が、その拳をマンティコアの腹部へと叩き込む。
収束された獣の咆哮が、マンティコア自身にその振動を響かせ。
数瞬の後、振動に耐えきれなかったマンティコアは、その身を爆散させ宇宙の塵へと消えていった。
そして、防衛オブリビオンを倒した猟兵たちは、ミラーの前へと辿り着く。
刃が、銃弾が、拳が、ミラーへと叩き込まれ、原型も止めぬほどに砕けて散る。
こうして、集積型反射鏡『カイザー・レイ』の二十枚のミラーの内の一枚が砕かれた。
その一報を受け、解放軍に快哉の声が上がった。
これは始まりに過ぎない。
強大なる銀河帝国との戦いはまだこれからも続く。
それでも、その一歩が、今ここに刻まれたのだった。
大成功
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