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銀河帝国攻略戦④~仲間を求めて

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「集まってくれてありがとう。今回はスペースシップワールドの作戦だ」
 グリモア猟兵のカイ・シュリック(紫苑の殺戮代行者・f02556)が資料を片手に説明を始める。
「先日行われた『ヘロドトスの戦い』により『ワープドライブ』という遺失技術が見つかったという話は知っているだろうか。それにより宇宙船の人々が解放軍に合流しようとする流れが出来ているんだ。
 それ自体はとても良い事なのだが……銀河帝国が黙って見ている訳がない。宇宙船に潜入させていた工作員によりテロを強行、宇宙船のコアマシンを破壊しようとしているようだ」
 神妙な面持ちで語るカイ。だが悲観している訳ではない。今回はそのテロを阻止するために猟兵達が集まっているのだから。

「テロ阻止作戦の概要だが、まずはグリモアベースを出てミディアと合流、彼女のワープドライブによりテロが行われようとしている宇宙船へ移動、そしてコアマシンの破壊を目論む敵との戦闘という流れになる」
 移動までは簡単に出来るが、本番はコアマシン防衛のための戦闘だ。激しい戦いになるだろう、とカイは付け加える。
 敵の情報もある程度把握済みだ。今回の相手は『二足歩行戦車』。完全自律型の兵器でたくさんの火器やビームによる攻撃を行ってくる。どのように戦うかは猟兵達に委ねられるだろう。
「敵と戦うのはコアマシンの手前の部屋だ。広い空間なので戦闘に支障はない。コアマシン及び船の施設は乗組員達が全力で防衛・修理してくれるから気にせず戦って欲しいとのことだ」
 宇宙船の乗組員達は解放軍となるべく意志を固めている。彼らの気持ちを尊重するためにも全力の戦いが求められるだろう。

「本格的な作戦はこれから始まるが……一人でも多くの仲間が欲しい状況だ。彼らを銀河帝国から救い、共に戦う第一歩として欲しい」
 カイは深く頭を下げて猟兵達を送り出す。
 宇宙船の人々を救うべく、猟兵達もそれぞれ武器を取り進んでいった。


ささかまかまだ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、ささかまかまだです。
 今回のシナリオは『④帝国工作員のテロを阻止せよ』のためのシナリオになります。
 銀河帝国打倒のために頑張りましょう!
 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『二足歩行戦車』

POW   :    一斉砲撃
【機体各所に搭載した火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レジェンダリーソルジャー
【伝説的な戦車兵を再現したAI】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    胴体下部可動式ビームキャノン
【砲門】を向けた対象に、【ビームの連射】でダメージを与える。命中率が高い。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アルト・カントリック
うんうん、簡潔な説明で分かりやすくて助かるね。おかげで、僕もすぐに向かえるよ!

ユーベルコード【金引き 水弾く 籠釣瓶の舞】で装備しているなぎなた(籠釣瓶)を複製するよ……

この特殊な薙刀は強力な磁力で、金属を引き寄せ、水を弾くんだ。

僕もAIにはお世話になっているからね。精密機械に強力な磁力を近づけたらどうなるかな?

何事も試しだよね。二足歩行戦車の足止めや邪魔するように複数の薙刀を近づけるよ。


千頭・定
カイさんのお願いとあらば!
微力ながらお力を貸しますよう。

宇宙戦争。脳天気なことを言う自覚はありますが、ロマンです。
でも機械は怖いからロマンじゃないです。問答無用です。

とりあえず鋼糸で[ロープワーク]を行い、捕縛しましょう。
そして[怪力]を使って鋼糸を引っ張ります。
敵兵は地面に叩きつけるなり、他の機械兵にぶつけるなりして破壊を試みます。

叩きつけたらすぐに武器の三叉槍に持ち替え、そのまま[先制攻撃]と[2回攻撃]を駆使してトドメです。

予想外の反撃や、重症を負わされた場合はユーベルコードです。少しでも次につなげるダメージを与えましょう。

(アドリブ・連携歓迎です)


高柳・零
2足歩行戦車…帝国も馬鹿ですね。不安定極まりないですよ。片足を折ればひっくり返るんですから…。

「という事で脚を折りに行きます。友人もやってましたしね」
左脚を集中攻撃します。メイスで鎧砕きをしてから、バスタードソードに持ち替えて天斬りで折れるまで斬ります。

射撃攻撃はオーラ防御を纏わせた盾受けで弾きます。元々的としても小さいのでそうは当たりませんし。
「こうすれば機銃でもビームでも防げるんですよ」
物理的に踏み潰しや蹴りに来たら、見切りで避けます。

アドリブ、絡み歓迎です。


山梨・玄信
ほう、また脚を折られたいようじゃの。零殿、行くぞい。

【SPDを使用】
前回と同じでは芸が無いからの。シーブズギャンビットに鎧無視攻撃を乗せて、装甲の隙間や弱点を突くぞい。零殿に合わせて左脚を攻撃じゃ。

反撃は見切りと第六感とシーブズギャンビットのスピードで躱すのじゃ。
当たりそうになったら、服を脱いで更に加速するぞい。
それでも避けられなければ、オーラ防御じゃ。

「零殿、あれの弱点は大体わかっておる。わしの言った部分を斬るんじゃ」
「何回でも転ばしてやるぞい!」

アドリブ、絡み歓迎じゃ。




 二足歩行戦車との戦闘は4人の猟兵による足止め作戦から開始された。
 巨大な戦車の脚元に注目するのは当然の事だろう。

「作戦の説明も概要も分かりやすくて助かるね。おかげで僕もすぐに向かえたよ!」
 サイボーグの少女、アルト・カントリック(どこまでも竜オタク・f01356)は気合で瞳を輝かせながら戦車と対峙する。
 彼女の手には愛用の武器である『なぎなた(籠釣瓶)』が握りしめられており、それを大きく振り上げながら詠唱を開始した。
「ふるべ、ゆらゆらと……釣瓶!」
 声に合わせなぎなたが輝き出し、そのまわりに同じものが生み出されていく。彼女のユーベルコード『金引き 水弾く 籠釣瓶の舞』によるものだ。
 アルトが直接手にしているもの以外はふわふわと宙に浮いていたと思うと、彼女が手を振り下ろしたのと同時に戦車の方へと飛んでいく。
 自らに搭載されたAIの判断で火器による撃ち落としを試みた戦車であったが、なぎなた達はそれでは止まらない。よく見ると弾丸がなぎなたに当たる直前に動きが変わっているのだ。
「この特殊な薙刀は強力な磁力で、金属を引き寄せ水を弾くんだ。精密機械に強力な磁力を近づけたらどうなるかな?」
 彼女の言葉通り、なぎなたから発せられた磁力が弾丸を逸し勢いを殺さず進んでいる。
 そしてあっという間に戦車の元へと飛んでいくと――刃が戦車の装甲にダメージを与えていく。物理的なダメージだけでなく、磁力による内部機構への損傷も発生しているようだ。バチバチと嫌な音を立てて戦車が立ち往生している。
「僕もAIにはお世話になっているからね。試してよかった、これで足止めが出来そうだ」
 器用になぎなたを操作し続け、的確にダメージを与えていく。思っていた成果が出た事に笑みを浮かべつつ、アルトはなぎなた繰りを続けていった。

「宇宙戦争。脳天気なことを言う自覚はありますが、ロマンです」
 そう話しながら人間の少女、千頭・定(惹かれ者の小唄・f06581)は『絡新婦の糸』を手繰る。知人の要請とあらば力を貸しましょう。彼女はそんな心意気でこの場に訪れていた。。
「ああ、でも機械は怖いからロマンじゃないです。問答無用です」
 表情を厳しいものに変えて戦車を一瞥すると、そちらへ向かって駆け出していく。それと同時に素早く鋼糸を操り戦車の脚元に狙いをつける。
 あの大きな体に対して少しアンバランスな脚はきっと弱点だ。そう判断した定はまずロープワークでの足止めを選んでいた。
「さあ、転んで下さいね!」
 絡新婦の糸を戦車の膝にあたる部分へ引っ掛ければ、猟兵としての怪力を用いて全力で引っ張った。勢いよく脚元を引かれた事により、見事に戦車は横転する。
 それを確認すると急いで鋼糸を引き戻し、別に用意していた『虎鶫の槍』に持ち替える。対UDC用の武器だが銀河帝国の兵器にだって通用するだろう。倒れた戦車の上に跳び乗ると、全力で穂先を戦車へと叩き込んだ。しかしその一撃は硬い装甲に守られ、思ったよりも手応えを感じさせなかった。
「まだ浅いですか……! ならもう一度!」
 一度で駄目ならもう一度。定は再び槍を振るい同じ箇所を突き刺しにかかる。今度は内部機構にも穂先が届いた感触があった。
 致命傷には至らなかったが大きくダメージは与える事が出来た。戦車が起き上がろうとしているのを感じ、一度距離を取る事にする。
「いざという時の用意もしています、まだまだこれからですよ」
 鋼糸と槍を再度構えながら敵を睨む定。しかしその表情には楽しげな余裕も見え隠れしていた。

 戦車がのそのそと立ち上がる頃、二つの影がそちらへ向かいだしていた。
「二足歩行戦車……帝国も馬鹿ですね。不安定極まりないですよ。片足を折ればひっくり返るんですから……」
「そうじゃな……あやつ、また脚を折られたいようじゃの。零殿、行くぞい」
 テレビウムの少年、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)とドワーフの少年、山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は二人で戦車の方へと向かっていた。二人共小柄ながら素早く、的確に敵の脚元を狙いに行く。
 戦車も黙って接近を許す訳はない。機体各所に搭載した火器で二人を迎撃しようとしてきた。
「こうすれば機銃でもビームでも防げるんですよ」
 パラディンとしての盾受けの技術とオーラ防御を組み合わせ、零は銃弾を耐えつつ前進を続ける。
 一方玄信は着ていたドワーフメイルを敢えて脱ぐ事で機動力を上げ、更に第六感と見切りの技術で弾丸を避けていた。『シーブズギャンビット』の効果で玄信の足は更に速くなっていた。
「零殿、あれの弱点は大体わかっておる。わしの言った部分を斬るんじゃ」
「ええ、脚を折りに行きます。玄信さんは前もやっていましたね」
 二人で戦車の左脚まで到達すると、それぞれ武器を構えて全力で攻撃を始めた。同型の戦車と戦ったことのある玄信が事前に作戦の打ち合わせを行っていたため、行動は素早かった。
 まずは零がメイスを振るい、脚を守る装甲を打ち壊していく。一度の攻撃で入るヒビは小さくとも、何度も繰り返せば確実に効果が出てきた。
 次に玄信がダガーを振るい、零が作り出した装甲の隙間へと刃を突き立てた。シーブズギャンビットの勢いはまだ残っており、彼の小柄さからは想像もつかない勢いでダメージを与えていく。
 隙間から左脚の内部がボロボロになっているのが確認出来ると、零は武器をバスターソードに持ち替える。
「天に変わって悪を斬る!」
 彼の声と共に剣が振るわれ、左脚へ刀身が叩きつけられると完全に装甲は壊された。ユーベルコード『天斬り』の勢いは止まらず、左脚を完全に切り落とすべく攻撃が続けられる。その姿は彼が憧れたTRPGに出てくる騎士が如く、力強く頼れる姿だった。
「わしも負けてられんのう。戦車よ、何回でも転ばしてやるぞい!」
 零とは別方向から玄信も刃を振るい続ける。バスターソードのより力強さは頼りないかもしれないが、その分素早く的確に装甲内部を攻撃できる。脆そうな部分を見極めてどんどん切り裂いていくのだ。
 戦車も対抗しようとするも、自らの脚元を火器やレーザーで狙うのは難しいようだ。なんとか二人を踏みつぶそうとしても簡単に避けられてしまう。小さい者を相手にするのは不慣れだったようだ。
 気がつくと戦車の左脚はほとんど切られてしまった。バランスを崩した戦車が火器を支えに立ち回る。
「右脚も狙いたいですね、どうでしょう?」
「賛成じゃ、やってしまおうかの」
 その様子を確認した二人は右脚へ向かっていく。そして同じように破壊を試みた。戦いはこれからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

浅杜守・虚露
二足歩行戦車のう、やるならあの太い脚を潰して転ばせる感じかのう。一度転べば立ち上がり厳しそうじゃけぇの。
とりあえず腕力に物を言わせるのも良いがわし流の絡め手でいくかのう。
遮蔽物を利用して射線を潜りつつ戦車に近付き、四股を踏むように地面を踏みつけて衝撃波を発生。UCを使用していく。
「撃ち方やめぃ!」
機械じゃからのう、痛みは感じんじゃろうが、ダメージで演算を狂わせて狙いを遅らせるか外させるかは出来るんじゃないかのう。
ま、物は試し。何でもやってみるもんじゃ!


竹城・落葉
 成程、あれが二足歩行戦車か。戦車と言うからにはでかいキャタピラが付いているかと思ったが、その予想を遥かに上回るビジュアルだな。カッコいい外観だが、我が切り伏せてやろう。
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せるぞ。奴の攻撃は【残像】で巧みに避けて接敵してやろう。そして、連撃されぬよう、【早業】と【2回攻撃】で素早く大ダメージを与えておくぞ。夜叉のように突貫し、悪鬼の如く切り伏せてやろう。
 ところで、このオブリビオンは食す事は可能なのだろうか?腹が減っては戦はできぬというからな。可能であれば、切断部でもいいから食すぞ。そうなった場合、味はマスター殿に一任する。


リア・ファル
ボクも銀河帝国には借りがある、
ここで返させてもらおうか!

「ボクにとっては隣人と言っても良い、コアマシンを狙わせたりはしない…!」

事前にビームに耐えそうな装甲板などがあれば、
衝立として戦場に設置したり、服に仕込んでおく

自身のハッキングや情報収集能力を駆使して、敵の行動や状態を観察し、
味方をフォローしつつ攻撃

UC【召喚詠唱・楽園の守護者たち】を使用して、
機械兵器達には収集した情報から、脆そうな間接部や弱点らしき箇所を狙ってもらおう

「さあみんな! 目標、二足歩行戦車! よく狙って、てーっ!」

危ない猟兵がいたなら、機械兵器達が助けてくれるはずさ
無理はさせず、寄せては返す波のように、粘り強く戦おう


白木院・雪之助
戦争とはまったく物騒な話であるな。これを引き起こした奴をとっちめる為にも我が手助けしてやろう。有り難く思うが良い!

さてまずはこあましんとやらの防御であったか。
あの妙な形のカラクリは一体、ならば雪だるまを召喚して数で圧倒する!
ふはは、数が多いから狙いは定まらんであろう?
隙を突いて氷の【属性攻撃】をする。雪だるま達にもさせるぞ。たとえダメージは与えられなくても凍って動きが鈍くなるくらいは出来るはず……!
(連携・アドリブOK)




 二足歩行戦車との戦いはまだ続く。猟兵達の攻撃も激しさを増していた。

「やはり一度転べば立ち上がり厳しそうじゃけぇの」
 戦車の様子を見てキマイラの男、浅杜守・虚露(浅間雲山居士・f06081)はぽつりと呟く。片脚を失った戦車のじたばたとした動きを見れば今が攻撃のチャンスだ。
「とりあえず腕力に物を言わせるのも良いが、わし流の絡め手でいくかのう」
 そう言うと虚露は前進し始める。戦車の攻撃は猟兵を傷つけてはいないものの、船には損傷を与えていた。隠れられる遮蔽物ならたくさん出来ている。
 それらを上手く利用し、ユーベルコードの射程圏内まで移動すると虚露はカッと目を見開いた。
「一丁、ワシの勝負に付き合ってもらおうかのぉ!」
 そう叫ぶと思い切り地面を踏みつける。相撲を主体とした格闘術で戦う彼らしくその動きはまるで四股のようであった。
 その強い踏み込みにより発生した衝撃波が戦車にぶち当たる。片脚だけの戦車はぐらりと揺れるも、大きなダメージはなさそうだ。
 しかしこれだけが虚露のユーベルコード『わしとお前の大一番!』の効果ではない。衝撃波が当たったのを確認すると、再び虚露は叫び声を上げる。
「撃ち方やめぃ!」
 その声が聞こえたか、戦車が理解出来たかは定かではない。戦車はゆっくりと銃口を虚露に向け、弾丸を放とうとするが……。
 その瞬間、戦車の内部から火花が上がった。虚露の宣言したルールを破ったためダメージが発生。これがこのユーベルコードの効果であった。
「上手く行ったようじゃの。物は試し。何でもやってみるもんじゃ!」
 ニッと笑みを浮かべながら『雲山玄龍居士の大数珠』を握りしめる虚露。戦いはまだ続く。

「成程、あれが二足歩行戦車か」
 多重人格者の女性、竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)は静かに敵を観察する。戦車と言うからにはでかいキャタピラが付いているかと思ったが、二足歩行戦車はその予想を遥かに上回るビジュアルをしていた。
「カッコいい外観だが、我が切り伏せてやろう」
 今の彼女は戦闘用の人格『アンディ』だ。鋭い目つきで戦車を睨むと、全力で接敵しに向かった。
 戦車も負けじと火器から攻撃を放ち彼女を止めようとする。しかしアンディの方が素早い。上手く残像を残しながら弾丸を躱し、一気に戦車へと近づいた。
「――」
 勢いのまま『名物竹城』というサムライブレイド……ではなくバールのようなものを構え、戦車の装甲へ向けて一閃。彼女のユーベルコード『支柱一閃』による攻撃だ。
 一閃だけでは終わらない。素早くもう一度名物竹城を取り回し、もう一度装甲を斬りつける。するとその部分の装甲は綺麗に切り裂かれた。バールではなく刀で斬りつけられたような傷が生まれ、戦車も思わずたじろぐような仕草を見せる。
「……まだ終わらん」
 アンディは更に斬り込みにかかる。名物竹城を何度も振るい、敵の身体を斬り捨てる。しばらくすると装甲や内部機構の残骸が散らばった。
 敵も黙って攻撃を喰らい続けるわけではない。片脚だけでなんとか彼女から距離を取り攻撃を仕掛けようとする。
 それを察知したアンディもいくつかの残骸を手に取り、遮蔽物の方へと逃げた。
 再び敵へ斬りかかる前に、アンディではなく落葉として一つの事が気になった。
「……これ、食べられるのでしょうか」
 手には比較的柔らかそうな内部機構の残骸が。マイブームに則り軽く齧ってみたが、なんとも言えない味がした。
 他の部分なら美味しいだろうか。そう思いつつ、彼女は再び戦車へ向かっていった。

「ボクも銀河帝国には借りがある、ここで返させてもらおうか!」
 元気よく宣言したのはバーチャルキャラクターの少女、リア・ファル(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f04685)。
 彼女はティル・ナ・ノーグという機動戦艦の出身であり、その戦艦は銀河帝国の襲撃により轟沈の危機を迎えていた。その戦艦を救うべく戦っている彼女にとって、今回のようなテロは見逃せないであろう。
「ボクにとっては隣人と言っても良い、コアマシンを狙わせたりはしない……!」
 強い意志を以って敵へと向かい合うリア。戦車も彼女の姿を捉え、ビーム攻撃を仕掛けてくる。
 しかし帝国の兵器の行動は予測済み。服の中には事前に装甲板を仕込んでおいた。長続きはしないが、確実に戦車からのダメージを軽減出来ている。
 その間もしっかりと敵を観察し、有効な攻撃を考えるリア。そして一つの答えを見つけるとそれに合わせて行動しだす。
「おいで、みんな。 ……ボクに力を貸して!」
 リアの詠唱と共に小さな動物を模した機械兵器が召喚される。使用したユーベルコードは『召喚詠唱・楽園の守護者たち』。兵器達は小さくとも数はたくさん、リアの指示を待っている。
「さあみんな! 目標、二足歩行戦車! よく狙って、てーっ!」
 戦車の方へ手を振りかざせば、機械兵器達が戦車へ向けて殺到した。レーザー攻撃の精度は高いが、兵器達の小柄さとリアの的確な指示により上手く撃ち落とす事が出来ていないようだ。
 兵器達はそれぞれが戦車の関節部や傷付いた部分に集まっていき、爪や牙を模した部分での攻撃を加えていく。
 更にはまわりの猟兵をサポートしたり、無理に攻撃せずに的確に退く判断をさせて戦線を維持していく。
「みんな、コアマシンを助けるためにもあと少し頑張ろうね!」
 明るい声色で叫ぶリア。その眼差しはしっかりと戦車へと向けられていた。

「戦争とはまったく物騒な話であるな」
 妖狐の少年、白木院・雪之助(雪狐・f10613)は堂々とした姿勢で戦車と対峙していた。隠れ里にて神様として祀られていた彼にとって人々を傷つける銀河帝国は放っておけない。
「これを引き起こした奴をとっちめる為にも我が手助けしてやろう。有り難く思うが良い!」
 そう高らかに叫ぶと、勢いよく戦線に加わった。
 さてまずはこあましんとやらの防御であったか、作戦の概要を頭に浮かべ行動を考える。敵の数は一体。ならば数で押すのがいいだろう。
「行け、我がしもべたちよ!」
 詠唱と共に雪之助の周りに小さな雪だるま達が召喚される。ユーベルコード『雪だるま合戦』によるものだ。
 たくさんの雪だるまにより少し寒くなってきたが、動き出せばすぐ暖かくなる。雪だるま達も全力で駆け出し、戦車へと向かっていった。
 戦車も負けじとレーザーを発射し、雪だるま達を止めようとする。一撃でも当たってしまえば雪だるまは溶けてしまうが、数の多さには敵わない。あっという間に接敵できた。
「ふはは、数が多いから狙いは定まらんであろう?」
 作戦がうまく行っているのを感じ笑みを浮かべる雪之助。自分も『なんかそれっぽいお札』を構え術の準備を始める。
 まずは雪だるま達による激しい攻撃が始まる。戦車の熱で溶けてしまうものもいたが、それにより生まれた水滴が内部に入る事もダメージになっているようだ。
 雪之助も黙って見ている訳ではない。自らも氷の魔術を発動させ、雪だるま達と同じく戦車に攻撃を仕掛けた。
 致命傷にはならずとも、確実にダメージは蓄積させられる。戦車も確実に動きが鈍っているようだ。
「しもべ達も頑張っている。我ももっと気合を入れねばな!」
 成果を確認し笑顔になる雪之助。しもべと共に、まだまだ気合を入れて敵を攻撃を仕掛けにいく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エレクトゥス・レヴィン
またぞろ出遅れたか、だがまだ間に合うな。
鉄くず風情が、オレたちを止められると思うなよ!

【POW重点】

敵に向かって突進しながら「蹴りの間合いに入るまで一切の回避行動を取らない」という誓約を行う。
その際、敵の攻撃によるダメージを「見切り1」で最小限に抑えるように努ないとな。

履行完了と同時にUCを発動、上昇した身体能力を乗せた「捨て身の一撃5」で敵を攻撃。
攻撃方法は装備「炸裂者」と「G型特殊弾薬」を併用した雷の「属性攻撃3」込みの蹴り技を使う。
関節や損傷等の、一目見て分かりやすい急所があればそこを狙おう。


シェミア・アトック
工作は苦手だが…それならば敵を葬れば済む話…

射撃技だらけで面倒な相手…
入り組んだ地形で戦闘なら遮蔽物に身を隠しながら接近、広い場所なら鎌に乗って飛びながら一気に近づく…
靴のジェットも駆使して敵の銃撃を掻い潜って、勢いのままに叩き斬る…!
まずは脚の駆動部を切断して動きを封じ、さらに砲塔を切断して攻撃手段を減らしていく…
攻撃中も動きは止めず、敵の攻撃はブースターと武器受けも使って凌ぎ切る…

既にガタが来てるなら…隙間から切り開いてやろう…遠慮はいらない…

さて、他の地点にも敵が来ていないか…探ってみる必要があるか…


闇之雲・夜太狼
アドリブ・絡み歓迎

わー、すごいなぁ!「これでもかっ」てくらいにメカだよ!ロボだよ!
時代はスペースオペラだね!

あ、そうそう!UDCアースの古い映画知ってる?
あの作戦で行こう!

相手の攻撃はユラリマントをひらひらさせて動きに【フェイント】を混ぜながら【見切り】、
自慢の【逃げ足】で素早さを発揮して【残像】も交えてできるだけ掻い潜ろう

こっちの攻撃はCODE:TA!
本当は腕や体にもぶつけるんだけど、脚しかわかんないし3種とも脚部にぶつけちゃお♪
一回だけだと思った?残念!【2回攻撃】だよ!

まだ動けるようだったら、E.S.から雷の【属性攻撃】!
言ってなかったっけ?俺のCODE:TA、電気の通りが抜群なんだ♪




 二足歩行戦車との戦いも終わりが見えてきている。猟兵達による最後の攻撃が始まった。

「鉄くず風情が、オレたちを止められると思うなよ!」
 少し出遅れてしまったが出来る事はある。サイボーグの青年、エレクトゥス・レヴィン(誓兵・f11060)は戦車の姿を確認すると、全力で駆け出した。
 ただ走るのではない。自身の能力を解放するため一つの制約を自らに課して走るのだ。今回彼が課しているのは「蹴りの間合いに入るまで一切の回避行動を取らない」という制約。戦車はかなり傷付いているが、まだまだ攻撃はしてくる。全力で向かってくるエレクトゥスへ向けて火器による激しい射撃が始まった。
 回避行動を取ることは出来ないが、敵の攻撃自体に対処する事は出来る。見える弾丸はぎりぎりで身体を逸らす事で躱していった。しかし回避が出来ない以上、ある程度のダメージが覚悟の上だ。何度も弾丸が身体を貫くがエレクトゥスは止まらない。
 一気に蹴りの間合いまで接近すると、エレクトゥスは勢いよく跳び上がった。彼の身体に刻まれた『審判者の刻印』が蠢き、エレクトゥスに力を与える。
「略式履行、完了……壱式内部拘束、解除!!」
 『乙型略式履行』。これが彼のユーベルコード。敢えて不利な行動を取り制約を解除、身体能力を増大させるというものだ。
 増大した力は脚部に集中し、足に装備した武器にも力を与える。内蔵火器『炸裂者』に籠められた『G型特殊弾薬』が反応し、激しい雷の力が宿っていく。
「ここだ! 喰らえ、鉄くず!!」
 エレクトゥスの叫びと共に強烈な蹴りが放たれる。まさに雷の力を宿したそれは戦車の内部に凄まじいダメージを与えた。
 バチバチと火花が舞う中、エレクトゥスは次の攻撃に備え戦車を睨む。あと少しでこいつを打ち倒せると判断し、再び『炸裂者』を籠めていった。

「わー、すごいなぁ! 『これでもかっ』てくらいにメカだよ! ロボだよ!」
 戦場に明るい声が響く。人狼の少年、闇之雲・夜太狼(クライウルフ・f07230)は楽しそうな雰囲気を隠さずに戦車を見つめていた。時代はスペースオペラだね! そんな事も考えていたが、戦闘に対する気概も十分だ。
「あ、そうそう! UDCアースの古い映画知ってる? あの作戦で行こう!」
 思いついた作戦にわくわくしながら接敵する夜太狼。彼の手には『ユラリマント』が握られており、これで敵の弾丸を躱しながら進む事が出来るのだ。
 フェイントや残像を織り交ぜた動きも上手く作用し、あっという間に敵の元へ。あとはひたすら攻撃していくのみだ。
「粘り気は好きかな? 遠慮しないで、全部受け取ってよ!」
 いつの間にかユラリマントは仕舞われ、彼の手元にはドロドロとした液体が生まれていた。液体はトラバサミや錠前、縄の形を取ると戦車の右脚へ向かって飛んで行く。戦車はそれを避けようとするも、生き物のように柔軟性のある液体を避けるのは難しかったようだ。見事に足に液体が絡みつき、身動きが取れなくなってしまう。
 これが夜太狼のユーベルコード『CODE:TA』。敵の動きを阻害しユーベルコードを封じる技だ。
 しかもこれだけが狙いではない。更に夜太狼は『E.S.(エレメントシューター)』を取り出し戦車へ向ける。
「言ってなかったっけ? 俺のCODE:TAには秘密があって……」
 悪戯っぽい笑みを浮かべながらE.S.に力を籠める。すると凄まじい電撃が発生し、戦車の脚元の装甲を一気に弾き飛ばせる。
「電気の通りが抜群なんだ♪」
 笑みを更に満足げなものにさせる夜太狼。あと少しで戦車の脚を完全に破壊することが出来そうだ。それを確認し、再びユーベルコードの構えを取る。
 この戦いもあと少しだ。

(工作は苦手だが……それならば敵を葬れば済む話……)
 スペースノイドの少女、シェミア・アトック(首刈り彗星・f00259)は遮蔽物を利用しつつ戦車との距離を詰めていた。あと少しでちょうどいい間合いに辿り着く事が出来そうだが、苛烈な戦闘により戦車周辺の遮蔽物は少ない。
「だったら……」
 それなら一気に距離を詰めればいい。愛用の高空戦型大鎌『Sky Meteor』の柄に足を乗せ、冒険靴『Suppression Boots』に仕込んだジェットを起動。鎌のブースターも起動させ、シェミアは全力で跳び上がった。
 加速を活かして戦車に接近するとそのままの勢いで戦車の残った右脚を切りかかりにいく。戦車の身体が大きく揺らいだのを確認して着地、鎌を持ち直すと斬撃を繰り出す体勢に変える。
「遠慮はいらない……その首……貰い受ける……!」
 少女らしからぬ目つきで戦車を睨むと、今度は大きく一閃を放った。ブラスターによる加速で刃は凄まじい速度で振りかぶられ、一気に戦車の右足を切断した。ここまでの猟兵達が与えてきたダメージの蓄積が大きく、シェミアのユーベルコード『斬首斬撃』が最後のひと押しになったようだ。
 戦車は倒れ込みその場から動けなくなったが、攻撃自体はまだ出来る。火器をシェミアへと一斉に向け、弾丸の雨を降らしにかかった。
 シェミアは敢えてそれを避けない。鎌の刃を素早く振り、出来る限り身体への被害を逸らすことにしたのだ。もちろんそれでもダメージは入る。だが鎌を振る事はやめなかった。
「これで……終わり……!」
 弾丸の合間を縫い、最後の一閃が放たれる。戦車のボディに大きな亀裂が現れると、戦車自体もバラバラになっていく。
 戦いの終わりを感じたシェミアは一息つくと今後の事を思案した。
(さて、他の地点にも敵が来ていないか……探ってみる必要があるか……)
 今回のテロは防ぐ事が出来た。だが戦争はまだまだ続く。次の戦場の事を考え、彼女は緊張を保ったままでいた。

 こうして猟兵達の活躍により、一つの宇宙船が救われた。
 後処理が終わり次第彼らも解放軍へ合流するだろう。
 乗組員達に感謝の言葉を述べられつつ、猟兵達はミディアの元へと帰還していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト