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桜ノ匣庭~桜雪ミステリ-トレイン

#サクラミラージュ #桜ノ匣庭

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#サクラミラージュ
#桜ノ匣庭


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 桜と雪が舞い降る世界を走るのは、気品溢れたクラシカルな外観の寝台列車。
 いや、ただの寝台列車ではない。
 サクラミラージュで今話題の高級寝台列車、クルーズトレイン『桜雲』。
 この世界に良く合った、和洋新旧が融合した大正浪漫溢れる豪華な寝台列車で。
 今の時期は、桜と雪が舞い降る景色の中、優雅で贅沢な汽車の旅が楽しめる。
 そして毎年この時期、なかなか予約を取ることが難しい、大人気ツアーが催される。
 それは……この贅沢な寝台列車が、謎渦巻くミステリートレインと化すのだという。

 車内に足を踏み入れれば、列車とは思えぬ豪華な雰囲気が乗客を迎え入れてくれる。
 そんな『桜雲』は、展望車、ラウンジカー、ダイニングカー、ゲストルームという車両編成になっている。

 まず、景色が優雅に楽しめる展望車は、特徴が異なる2両編成。
 どちらも、壁から天井まで広がる大きな窓が特徴的な、解放感溢れる空間であるが。
 ひとつは、窓へと向いたふかふかソファーとぬくぬく炬燵がいくつも並んだ展望車両。
 そしてもうひとつは、足湯を楽しみながら窓の外の景色を眺められる展望車両だ。
 どちらの車両も軽食や飲み物の持ち込みが可能で、ゆったり存分に桜と雪の風景が楽しめるだろう。
 また先頭部には開放タイプの展望デッキもあり、外は少し寒いが臨場感はきっと抜群。
 この新年の時期のみに設置してある絵馬掛けに願いを掛けることも出来、おみくじも引けるのだという。書いて掛けた絵馬や結んだおみくじは、格式高い神社へと奉納してくれるそうだ。

 ラウンジカーとダイニングカーでは、美味しい飲み物や料理が提供される。
 ラウンジカーでは、パノラマ車窓から臨む景色を楽しみながら、至福の一杯が頂ける。
 飲み物は、グラスワイン、日本酒、焼酎、カクテル、ビール等の各種酒類から。
 珈琲、紅茶、クリームソーダ、ノンアルコールカクテルまで、様々用意されていて。
 この企画限定の絶品だと評判のプリンや、パフェやケーキなどのスイーツは勿論。
 各種サンドイッチやホットサンド、ナポリタン等の軽食もいただける。
 また、ダイニングカーでの食事も、ただでさえ絶景を伴う贅沢仕様であるというのに。
 今の時期は、和風と洋風の至高で贅沢なおせち料理が堪能できるのだという。
 また、蟹や牛のしゃぶしゃぶや海鮮鍋、ふぐちりなどの豪華な鍋も楽しめるようだ。

 そして、ゆったり寛げるゲストルーム。
 2名までの部屋と、4名までの部屋の2パターンが用意されている。
 勿論、窓からは雪と桜の風景が眺められる贅沢仕様。
 内装も汽車とは思えぬほどのプライベートな寛ぎ空間となっているので。
 個室でひとりの時間を堪能するのは勿論、ペアや大人数好きに過ごすのもいいだろう。

 そんな、クルーズトレイン『桜雲』で毎年催され好評であるというのが。
 前述した通りの『ミステリーナイトツアー』である。
 探偵役は乗客。そして、犯人は――。
 毎年恒例である、この2泊3日の優雅なミステリーツアー企画は毎回大人気で。
 企画のプロデュースを、サクラミラージュの人気作家である櫻居・四狼が務めたという事も相まり、毎年予約争奪戦になるのだという。
 1日目は、存分にクルーズトレインの旅を満喫して。
 事件が起こるのは、2日目の夜――の、はずなのだけれど。
 だがこの時、探偵役であるはずの乗客達は、まだ知らない。
 このままでは、1日目の夜に、自分達が被害者となってしまう事を。
 人気作家、櫻居・四狼で在ったモノの手で……本物のドタバタ殺人事件が起こる事を。

●ミステリートレイン・桜雲号殺人事件
「新年の桜と雪の景色を眺めながらの贅沢な汽車の旅とは、なかなか風情があって良いな」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はそう微笑み、集まってくれた皆に礼を言ってから。視えた予知を語り始める。
「だが、そんなサクラミラージュの世界を走る高級寝台列車で、「影朧による連続殺人」が行われることが分かった。よって、その日の予約は全ておさえたので、一般人の犠牲は防ぐ事が出来たのであるが」
 それで事件は起こらず、めでたしめでたし――とはいえ。
「だが、事件を起こさんとする影朧も倒したいところ。そこで今回、「殺人事件の被害者になってくれる猟兵達」を募りたいと」
 猟兵であればきっと、普通の人が死ぬようなトリックでもどうにかして生還するだろうし。犠牲者が誰であっても、「連続殺人」さえ発生すれば影朧はのこのこ出てくるようなので、それを退治しよう、というわけである。

「そして本来このツアーのミステリー企画は、クルーズトレインを一通り満喫した2日目の夜に催されるイベントのようだが。影朧による殺人事件は、1日目の夜中に起こるのだという。このミステリーツアーは元々、熱狂的なファンも多いサクラミラージュの人気作家である櫻居・四狼の監修ということもあり、予約も毎回激戦であるようだが。件の作家は名前を貸した程度で、料理のお品書きや限定カクテルやスイーツの類を少々手掛けたくらいで、ミステリー企画には全く関与していないらしいが」
 だが作家は……いや、櫻居・四狼という名の作家で在った影朧は、自分の手でミステリー企画もプロデュースする気のようだ。
 乗客が被害者となる、本物の殺人事件を起こして。
 そんな櫻居・四狼は、サクラミラージュの世界で売れっ子の人気作家で。
 繊細で独特な作品の世界観は勿論、整った容姿も相まり、絶大な人気を誇っている。
 そして急に姿を消したというミステリアスさが、今でも熱烈な信者の心を掴んで離さないのだという。
 彼は生前から、その容姿通り女たらしの人たらしで、楽しければ何でもいいという思考の持ち主であり、肌身離さず持ち歩く硯箱を『桜の君』と呼んで何よりも大切にしているというが、それは影朧になっても変わっていないようだ。
 そして彼の作品の多くは、心中が絡んでいるものが多いのだというが。
「彼はとにかく楽しいことや愉快なことを好むので。特に彼が大好きな心中に拘らず、そんな死に方ありなのか、というような死に方でもとりあえず楽し気であれば満足するようなちょろさなので。まずは影朧が事件を起こす夜中まで、単に豪華寝台列車の旅を楽しむ乗客を装って。夜中、影朧が行動を始める頃、とりあえず殺人事件の被害者のフリをして一旦死んで、影朧を誘き出して欲しい」
 まずは、何も知らぬ顔をしつつ、この豪華なクルーズトレインの乗客を装って。
 影朧に気取られぬよう、夜中に影朧が行動を開始するまで、好きなように自由に、贅沢な汽車の旅を満喫して欲しい。
 影朧が動き出す前に怪しまれるような行動を起こせば、影朧に逃亡されたり、まだ昼間は車内にいる一般人スタッフに危害が加わる恐れがある。
「だが影朧に気取られなければ、予知された時間より前に被害者が出る事はないので。時間になるまでは、新年の汽車の旅を純粋に楽しんできてくれ」
 清史郎はそう微笑み、掌に満開桜のグリモアを咲かせて。
 猟兵達を雪と桜舞う中走るミステリートレインの乗車駅へと導くのだった。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 今年もよろしくお願いします!

 ※ご連絡※ 第1章は、1/11(月)朝8:31より受付開始します。
 第1章の断章をOP公開後に掲載致します。

 今回の依頼内容は以下です。

 第1章:夜汽車に揺られて(日常)
 第2章:夜櫻に消えた人々(冒険)
 第3章:或る作家の残影(ボス戦)

 1章2章はPOW/SPD/WIZは参考程度に行動いただいてOKです。

 第1章は、高級寝台列車『桜雲』でのひと時を自由にお過ごし下さい。
 時間は、乗車した昼過ぎ頃~夜、消灯する程度の時間迄です。
 展望車は2種類、ソファーや炬燵がある車両と足湯が楽しめる車両があります。
 展望デッキは外ですが、臨場感は抜群です。
 絵馬への願掛けやおみくじ等、初詣気分も味わえます。
 ラウンジカーでは、飲み物や軽食をお気軽に楽しめます。
 飲み物はOPにある通りで、メニューはラウンジにありそうなものは大抵あります。
 雪と桜をイメージした作家監修のカクテルやプリンも人気のようです。
 ダイニングカーでは、和風や洋風の贅沢おせち料理や鍋が楽しめます。
 ゲストルームでプライベートな時間を自由に過ごすことも可能です。
 部屋は最大4人迄なので、それ以上の場合は誰かの部屋に集まる事になります。

 第2章は、皆様に殺人事件の被害者になっていただきますが。
 死に方は自由、楽し気にお好きに死んでいただければと!
 ミステリートレインあるあるから、何でそうなる!? なものまで。
 また、気付いたら死んでいたモブやフラグ立てる人等。
 お好きな役柄を演じて貰って構いません。
 影朧も下らない仕掛け等する様なので、お付き合いいただいても。

 第3章はボス戦です。
 櫻居・四狼は、当方の『桜ノ匣庭~』タイトルの依頼に出ていますが。
 特に未読でも問題ありません、参考程度にと。色々ちょろいです。

 公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、未成年の飲酒喫煙は厳禁です。
 締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 可能な限り皆様書かせていただきたく思っています。
 お気軽にご参加ください!
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第1章 日常 『夜汽車に揺られて』

POW   :    食堂車で過ごす

SPD   :    座席車で過ごす

WIZ   :    展望車で過ごす

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●或る作家の豪遊
 豪華寝台列車・クルーズトレイン『桜雲』のザ・スイート。
 1両に1室のゲストルームという最上級の空間に、櫻居・四狼は居た。
 いや、今、彼が此処にいることはごく一部のトレインクルーしか知らない。
 数年前から姿を晦ましている大人気作家がいると知れてしまえば、大騒ぎになるからだ。
 しかし――当の作家本人が一番。
『いいよねー贅沢な列車の旅! やっぱ何でも楽しく豪華にいかなきゃっ』
 きゃっきゃ楽しそうに、大騒ぎしていた。
 彼がオーダーした高級おせち料理を運んできた女性クルーは、その姿を見て思わず足を留めてしまう。
 VIP客が泊っていることは分かっていたが……その整った容姿に、見惚れてしまって。
 そんな彼女に、にこにこと作家は微笑んで。
『おせちありがとーっ。あ、君かわいいね? 僕とおせち食べない? 和風も洋風もどっちも食べたくてふたつ頼んじゃったからさー。僕がプロデュースしただけあって、いい食材ばっか使って貰ったから、すっごい美味しいよー』
 息をするように軟派する始末。
 そして思わず言われた通りに作家の隣の席に座ったクルーに、甘い栗きんとんをあーん。
 真っ赤になりながらもぱくりと食べた彼女に、にっこり微笑んで。
『あ、僕もあーんして欲しいなぁ。トマトだけは嫌いだけど、それ以外なら何でも僕は好きだよー。特に甘い物は大好きー』
「じゃ、じゃあ……甘くて美味しかったから、私も栗くりきんとんを」
 ……失礼します、と栗きんとんを差し出すクルーに。
 あーんのお返しをされて、おいしーっとご満悦な作家先生。
 そんな目の前のイケメンにドキドキしながらも、彼女はふとテーブルに置かれていた一冊の本を見つけ、呟く。
「あ、櫻居先生の『桜ノ匣庭』……私、櫻居先生の作品、大好きなんですよ。だから、このミステリーツアーのクルーも希望したくらいなんです」
『え、そうなの? 僕が書いた作品、好きなんだ』
 ――じゃあサインいるー? 握手してあげよーかー? と。
 へらへら笑うイケメンに、一瞬彼女は瞳をぱちくり瞬かせた後。
「え、えっ!? さ、櫻居先生!?」
 椅子から飛び跳ねる様な大きなリアクションで驚きを顕わにして。
 作業用の机に、原稿用紙の束があることに気が付く。
「あ……も、もしかして、新作を書いたりされてるんですか?」
『うん、僕の最後の大傑作になると思ってるんだけど……』
 ドキドキが止まらない様子の彼女の言葉に、作家はこくりと頷くけれど。
 伊達巻をはむりと口にしながらも、大きく首を傾けてこう続けるのだった。
『或る作家のサクセスストーリーのラストが……作家が愛する理想の女性『桜の君』とラストで心中するシーンがね、何故かどーしても全然書けなくて』
 ……作家が見知らぬ女に無理心中される光景しか、どうしてか浮かばないんだ。そんなの美しくないし絶対無理だし……と。
 そう呟きつつ、作家はすぐ傍に在る、桜模様の硯箱を大事そうに撫でてから。
 あ、おせちどうもありがとーっ、と気を取り直してまたにこにこ微笑んで。
 真っ赤になったまま慌てて部屋を出て行ったクルーを見送った後、ふと企画主から貰った今回のミステリーツアーの台本を手に取って溜息をつく。
『てか、随分これチープじゃない? 僕はミステリー作家ではないとはいえ、ミステリーも書くし、これよりはもっといい脚本書けるのになぁ』
 ……まぁでも売れっ子の僕に脚本頼むと高額になっちゃうからねー、何て言いつつも。
『でも……僕の名前借りてるなら、こんなチープな脚本はナシだなぁ』
 櫻居・四狼はそう言ってから。
 すぐに、ぱっと笑みを宿して続けるのだった。
『あ、だったら今夜僕が先に、楽しくて愉快な殺人事件を起こしてあげちゃおー』
 それから、本来ならばミステリーの出題時・2日目の夕食時に乗客に仕込まれる予定だという手紙を開いて。
『嫌な奴と嫌な奴が一緒になったら、さて何が起こる? ね……随分有名なヤツだよね、これって』
 ……ま、いいや、ダイニングカーのテーブルに早速これ何通か置いとこーっ、と。
 子供の様にうきうきと、今宵の殺人計画に心躍らせつつも。
『ん、それにしても僕がプロデュースしたこのプリン、ほんと美味しすぎ!』
 甘い雪の結晶と桜の華が飾られたデザートの高級プリンを、ご満悦に頬張るのだった。

 彼が行動を起こすのは――今日の夜。
 それまでは彼に気取られぬよう、クルーズトレインの乗客として振舞う猟兵達。
 この時、作家は夢にも思っていないから。
 まさか乗客全員が、今宵起こる殺人事件の犯人が自分だと知っていることを。
椚・一叶
トリス(f27131)と同行

これだけ豪華ならば、料理も良いに違いない
綺麗な景色を横目に期待膨らむ
いざダイニングカーへ

この動く箱の中
よくこれだけの物が、用意できる
儂も牛肉の鍋がいい
久しぶりの豪華メシ
冷ます時間も惜しく、口に放り込む
熱っ
…舌火傷しても、めげずに儂は食うぞ

他にも何やら、美味い物がある様子
暫く何も食えなくてもいいぐらい、いっぱい胃袋に詰め込みたい
そういえば、ふぐ食べたことない
毒あったような…
不安で頼みはしないが、横からつまむ気満々で箸握る
様子見て、美味かったら沢山取る気満々

この後は寝ていればいい、のだっけ
美味いもの食べて夢見心地
確かに、一人で過ごすよりは楽しい


鳥栖・エンデ
イチカ君(f14515)と同行
豪華寝台列車なんて初めて乗るなぁ
雪と桜舞う綺麗な景色も良いけど
旅行と言ったら贅沢な美味しい料理!

ダイニングカーで食べられるもの目移りしつつ
冬といったらやっぱり鍋だよねぇ
海鮮も良いけどボクは肉食べたいので
牛しゃぶしゃぶを堪能するよ…!
贅沢仕様なお肉おいし〜
猫舌は大変だなぁとマイペースに箸進め
景色を肴にお酒楽しむのも良いけど……
もうひと種類くらい鍋の味も楽しみたいな
ふぐちりも割と捨てがたくってだねぇ
食べたことないならお裾分けくらいは…
美味しくても全部は流石にダメだけど!

この後は成り行き任せって事にして
ふふ、友だちとこういう愉しい景色を
過ごせるだけで何よりだよー



 天からひらり舞い降るのは、雪か桜か……いや、そのどちらとも。
 クラシカルな外観の列車が走るのは、他の世界では滅多に混ざる事のない、冬の白と春の薄紅が戯れる幻想的な景色。
 いや、目を奪われるのは、そんな風景だけではない。
「豪華寝台列車なんて初めて乗るなぁ」
 鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)が巡らせる琥珀に映るのは、列車だとは思えない贅沢な寛ぎ空間。
 そう……旅は旅でも、豪華な寝台列車の旅。
 そして車窓を流れゆくのは、美しい雪と桜のいろ……なのだけれど。
 エンデはひとつ、大きくこくりと頷いてから。
 今回の旅の醍醐味に、改めてこう心躍らせる。
 ――雪と桜舞う綺麗な景色も良いけど、旅行と言ったら贅沢な美味しい料理!
 猟兵としての仕事の為に赴いてはいるのだけれど。
 でもまずは、思い切り旅を楽しむことこそ、敵に気取られぬためにも必要なのだ。
 そして、そんなわくわくするエンデの隣で。
 ――これだけ豪華ならば、料理も良いに違いない。
 そわそわと、綺麗な景色を横目に期待を膨らませているのは、椚・一叶(未熟者・f14515)。
 ということでいざ、ふたりが向かうのは勿論……美味しい物が沢山いただけるダイニングカー。
「この動く箱の中、よくこれだけの物が、用意できる」
 きょろりと周囲を見回せば、思わず瞳をぱちくり。
 一叶の橙の瞳に映るのは、沢山の美味しそうな物たち。
 そんな中、目移りしながらも。まずはとエンデが選んだのは。
「冬といったらやっぱり鍋だよねぇ」
 ほかほかあったかい、鍋料理。
 けれど此処は豪華クルーズトレイン、ただ普通の鍋ではありません。
 鍋だって、超豪勢なのです。
「海鮮も良いけど、牛しゃぶしゃぶを堪能するよ……!」
 ……ボクは肉食べたいので、と。
 そう言ったエンデに、一叶も大いに同意する。
「儂も牛肉の鍋がいい」
 そして待望の高級な牛肉が運ばれてくれば、早速しゃぶしゃぶ。
 はむりと口に運べば、とろりと蕩けるような柔らかさと旨味。
「贅沢仕様なお肉おいし〜」
 エンデがそうほわほわと、幸せそうに笑み零せば。
 いつも何かと飢えている一叶にとっての、久しぶりの豪華メシ。
 見るからにほかほか美味しそうなそれを、悠長に冷ます時間も惜しくて。
 ぱくりと、食いつくように口に放り込めば。
「熱っ」
 やはり、とても熱かった模様。
 でも、それでも。
 ……舌を火傷しても、めげずに儂は食うぞ。
 待つことなんてできるだろうか、いやできない。
 そんな、はふはふと頑張って熱さと格闘しつつ、懲りずに口に頬張ってはまたはふはふしている一叶の様子に。
 ……猫舌は大変だなぁ。
 エンデはそう眼前の彼の様子を見ながらも、マイペースに箸進めて。
 またもう一枚、贅沢仕様なお肉をしゃぶしゃぶして、はむり。
 けれど何も美味しい料理は、牛肉のしゃぶしゃぶだけではないから。
「景色を肴にお酒楽しむのも良いけど……もうひと種類くらい鍋の味も楽しみたいな」
 折角だから、他のものも頼みたいところ。
 一叶も、何やら他に美味しい物がある様子を察知しながらも。
 目いっぱい胃袋に詰め込むつもりだ。暫く何も食べなくてもいいぐらいに。
 そんな一叶に、エンデはこう続ける。
「ふぐちりも割と捨てがたくってだねぇ」
 いえ、やはり滅多にない機会だから――ふぐちりも用意して貰いました!
 ふぐちり……すなわち、ふぐ。
「そういえば、ふぐ食べたことない」
 エンデの前に運ばれてきたふぐの皿を、じっと見つめる一叶。
 何だか、ちょっぴり警戒したように。
(「毒あったような……」)
 ふぐの毒が不安で、自分で頼みはしないけれど。
 でもやっぱり気になるし、エンデが美味しそうに食べているから。
 そうっと箸を握れば……横からつまむ気満々!?
 つんつん、と突いてみたりと様子を見つつ、そろりと。
 意を決し、ついにふぐを口にしてみた一叶であったが。
「……!」
 刹那、大きく瞳を見開いて――そして。
「食べたことないならお裾分けくらいは……って、美味しくても全部は流石にダメだけど!」
 咄嗟に、フグをガードするエンデ。
 どうやらとても美味かったらしく、めっちゃ沢山取る気満々な一叶の様子に気付いて。
 そして、十分すぎるくらい贅沢な食事を満喫すれば。
「この後は寝ていればいい、のだっけ」
 おなかもいっぱい、美味いものを沢山食べて夢見心地。
 そんな一叶に、エンデは笑んで返す。
「ふふ、友だちとこういう愉しい景色を過ごせるだけで何よりだよー」
 ……この後は成り行き任せって事にして、って。
 その言葉に、一叶もこくりと頷く。
 このやたら豪華な動く箱も、綺麗な雪と桜の景色も、贅沢で美味しい食事も。
 ――確かに、一人で過ごすよりは楽しい、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
【WE】
僕は流浪の絵本作家探偵・鵜飼章…
そしてこれは担当兼助手の柊くん
今日は原稿が仕上がらないので列車に缶詰にされている(という設定
ご飯…
そういえば3日位食べていなかったな
僕も一緒に行こう

アポカリプスヘルはいつも食糧難だものね
柊くんは食べ盛りだしたくさん食べておきなよ
死体がカロリーを摂取して何の意味があるのかわからないけど

肉…おいしい
食べ物ってすごい…食べるとおいしいよね
でも野菜も食べないと駄目らしいよ

あ、一応付き合ってくれるんだ
いや…全く進んでいないよ
それよりご覧
車窓から見えるこの美しい景色を…

似ているって顔が長所な辺りかな
僕は顔出しNGだよ
だって本が売れたら駄目でしょう
僕…忙しいの嫌なんだ


柊・はとり
【WE】
本職の探偵を助手に添えるとかなめてんのか
まったくいいご身分だな絵本作家様は…
鵜飼の猿芝居はほっといて飯を食いに行く
あんたも来んのかよ個室で原稿描いてろ
自分が言い出した設定守れよ

鵜飼は邪魔だが飯うっめえ…
おせちとか食うの何年ぶりだろう
鍋だ!鍋があるぞ鵜飼!
すげえ…薄い肉がしゃぶしゃぶできる
鵜飼テンション低いな空気読めよ
ついやりすぎたので余った具は鵜飼の皿に盛る
はいはい野菜な…自分でやれ!

それで原稿進んだのか先生
あっそ…聞くんじゃなかった
お前…櫻居四狼って奴とキャラ被ってないか?
いや顔もだが…こう全体的に…

だ、駄目だこいつ…
おらッ部屋帰るぞ鵜飼先生(蹴飛ばす
心中ごっこは絶対やらないからな!



 雪と桜舞う景色の中を駆け抜ける、クラシカルなクルーズトレイン。
 流浪の絵本作家探偵こと鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)は今、この豪華な走る密室の中にいた。
 担当兼助手の柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)と共に。
 そう――今日は原稿が仕上がらないので、担当の鬼眼鏡に列車に缶詰にされているのである。
 ……というか。
「本職の探偵を助手に添えるとかなめてんのか」
 柊くん、折角構築した設定に付き合ってくれない模様。
 まったくいいご身分だな絵本作家様は……だなんて、案の定放置されて。
 完璧な設定を猿芝居と言い捨て、ご飯を食べにいこうとする始末。
 いや、そこで章はふと思い出したのである。
「ご飯……そういえば3日位食べていなかったな」
 人間は一応、毎日3食食べるものらしいですよ。
 そして、僕も一緒に行こう、と人らしく3日ぶりに何かを食べんとついてくる気の章に。
「あんたも来んのかよ個室で原稿描いてろ」
 はとりは、最もなことを言い放つ。
「自分が言い出した設定守れよ」
 いや一応、ご飯くらい食べさせてあげてください!
 そんな、流浪の絵本作家探偵(設定)は邪魔だけれど。
「飯うっめえ……」
 ……おせちとか食うの何年ぶりだろう、と。
 ごはんの美味しさに感激しつつ瞳を輝かせていたはとりは、ハッと刹那、顔を上げる。
 油断すると眼鏡が曇りそうな、ほかほかのその存在に気付いて。
 そう、それは――。 
「鍋だ! 鍋があるぞ鵜飼! すげえ……薄い肉がしゃぶしゃぶできる」
 あったかくていろんなものが沢山食べられる、お鍋!
 しかもなんか、生で食べても美味しいかもしれないなんて思うくらい、贅沢な牛肉をしゃぶしゃぶできるというのだ!
 これはテンションも爆上がり……のはずだけれど。
「アポカリプスヘルはいつも食糧難だものね。柊くんは食べ盛りだしたくさん食べておきなよ」
 ……死体がカロリーを摂取して何の意味があるのかわからないけど、と。
 生温かく見守りながらも、そう薄く笑んでみせる章。
 いや、知っているのだけれど。
「鵜飼テンション低いな空気読めよ」
 空気読めないのが、仕様だということは。
 むしろもうそれが、彼のアイデンティティかもしれない。
 けれどスルーできずツッコまずにいられないのもまたきっと、仕様である。
 それから章は、はむりとしゃぶしゃぶした肉を口に運んで。
「肉……おいしい。食べ物ってすごい……食べるとおいしいよね」
 3日ぶりに、人間らしく食べ物を摂取する。
 けれど、肉だけではダメみたいだから。
 すかさず担当兼助手に、こう笑んで言ってみる絵本作家探偵。
「でも野菜も食べないと駄目らしいよ」
 そう……肉だけではいけません。野菜もちゃんと摂らなければダメなので。
「はいはい野菜な……自分でやれ!」
 自分でやってください!
 そう言いつつも、結局は野菜を章の分も取り分けながら。
 はとりはこう、彼に訊ねてみる。
「それで原稿進んだのか先生」
「あ、一応付き合ってくれるんだ」
 付き合ってくれるみたいです!
 ということで、自分が言い出した設定を守って、章は答える。
「いや……全く進んでいないよ。それよりご覧。車窓から見えるこの美しい景色を……」
「あっそ……聞くんじゃなかった」
 先生、原稿落とす気配しかしない。
 そんなある意味設定通りな章に、はとりはそういえば思っていたことを口にする。
「お前……櫻居四狼って奴とキャラ被ってないか?」
「似ているって顔が長所な辺りかな」
「いや顔もだが……こう全体的に……」
 確かに顔がいいし、それにどちらも空気が読めない。
 けれど――決定的な違いがあると、探偵よろしくずばり言い放つ章。 
「僕は顔出しNGだよ。だって本が売れたら駄目でしょう」
 ――僕……忙しいの嫌なんだ、って。
 そう堂々と担当(設定)に言ってのける絵本作家先生に、思わず頭を抱えるはとり。
 ――だ、駄目だこいつ……。
 いえ、まぁ知っていましたけれど。
 だが、ダメダメな作家の尻を叩いて原稿を書かせるのが担当の役目。
「おらッ部屋帰るぞ鵜飼先生」
 はとりは、物理的にもゲシィッと章の尻を蹴飛ばしてから。
 ――心中ごっこは絶対やらないからな!
 そうきっちり、盛大なフラグを立てるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レジー・スィニ
【爪痕】

ダイニングカーでおせちが楽しめるらしいよ。鍋もあるんだって。
へぇ、おせちってご無沙汰だったから新鮮。

かまぼこもーらい。
豆はヴィリヤにあげて、だし巻きはグウェンにあげるよ。
嫌いじゃないよ。苦手なだけ。

まさか列車でおせち料理が食べれるとは思わなかったよね。
昆布も魚も美味しいよ。
二人ともいる?
へぇ、肉もあるんだ。美味しそうだね。

洋風の物も鍋もちょっと気になるんだよね。
今日は純粋に和風のおせちを楽しむ気で来たけどさ。

あ、そういえば作家監修のカクテルもあるんだって。
食べ終わったら飲みに行ってみない?
作家監修ってのが気になるんだよね。


ヴィリヤ・カヤラ
【爪痕】
電車でご飯ってワクワクするよね、
おせちも初めてだし楽しみだよ。

おせちって本当に色々入ってるんだね、
豆?酸っぱくないなら貰うよ。レジーさんありがとう。
あ、結構甘めの味なんだね。

じゃあ、昆布貰おうかな。
鹿肉のテリーヌも勿論貰うね、
これだけ入ってると飽きないよね。
こっちのは海老の肉巻きだって。
二人も食べる?
本当におせちって豪華なんだね。

作家さん監修のカクテル?
楽しそうだし飲みに行きたい!
でも、アルコール強めしかなかったら
グウェンさんと同じノンアルにしよう。


グウェンドリン・グレンジャー
【爪痕】

こーゆー、列車の旅、とか、はじめてー
わくわく
(無表情だが雰囲気が明らかに楽しそうだ)

おー、これが、オセチ……すごーい
わーい、レジー、卵ありがとー

(尾頭付きの海老を熱心に剥いては食べ剥いては食べ)
んー、私……は、お魚……が、いい、かな
アンバージャック、日本……だと、縁起、いいのかー
なんで、だろ?

この、鹿肉のテリーヌ、美味しいよー
ヴィリヤも、食べるー?

カクテル。ちょっと、興味、ある
UK……では、18から、成人……だめ?ここUK、じゃなく、日本?
ですよねー
あ、ノンアル、あるんだ

※グールドライバーであるせいか、非常な偏食です。動物性食品はパクパクいきますが、野菜は一切食べられません



 年中咲き誇る幻朧桜と天より舞い降る雪が織り成すのは、まるで春と冬が混ざり合ったかの様ないろ。
 そして、ふわり冷たい白とひらり舞う薄紅の彩りの中を走るのは、クラシカルな外観の寝台列車。
 けれどこの列車、『桜雲』は、単なる交通機関ではない。
 サクラミラージュでも話題の豪華クルーズトレイン――最高峰の観光列車なのである。
「こーゆー、列車の旅、とか、はじめてー」
 そう、きょろりと周囲に金の視線巡らせるグウェンドリン・グレンジャー(Heavenly Daydreamer・f00712)は、相変わらずぼんやりとした無表情に見えるけれど。
 ――わくわく。
 その足取りはウキウキと軽く、何気に、けれど明らかに楽しそうである。
 そんな、分かりにくいがわくわくそわりとしているグウェンドリンと共に。
「ダイニングカーでおせちが楽しめるらしいよ。鍋もあるんだって」
「電車でご飯ってワクワクするよね、おせちも初めてだし楽しみだよ」
 レジー・スィニ(夜降ち・f24074)とヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)が向かうのは、美味しい食事がいただけるというダイニングカー。
 その車両に足を踏み入れれば、此処が列車の中だとつい忘れてしまう様な、そんな空間……その様はまるで、動くリストランテ。
 そして今の時期だけ特別に、このダイニングカーで味わえるのが、高級素材をふんだんに使ったおせち料理だという。
「へぇ、おせちってご無沙汰だったから新鮮」
 レジーは案内された席へと座り、ヴィリヤの言葉に言ってから。
 少し変わった洋風のおせちや鍋料理などもあるようだが……頼んだのはやはり定番の、和風のおせち。
 そして並べられたのは、こだわりと美味しさが詰まった華やかな三段重。
 早速3人一緒に、美味しくいただきます!
「おー、これが、オセチ……すごーい」
「おせちって本当に色々入ってるんだね」
 重箱に詰められたおせちは、美味しそうなだけでなく、何だか見た目もすごく凝っていて。
 初めて見るそれを、グウェンドリンとヴィリヤが珍しそうに眺めていれば。
「かまぼこもーらい」
 刹那、迷わず伸びたレジーの箸がひょいひょいっと掴んだのは、職人技で飾り切りされた紅白のかまぼこ。
 そしてかまぼこを貰ったかわりに、ヴィリヤには黒豆を、グウェンドリンにはだし巻きをあげるレジー。
 いえ、嫌いなわけではないのです。
「嫌いじゃないよ。苦手なだけ」
 ええ、苦手なだけなのです。
 それに、何より。
「豆? 酸っぱくないなら貰うよ。レジーさんありがとう」
「わーい、レジー、卵ありがとー」
 ふたりも喜んでいるから、何も問題はありません。
 そして試しにそっと、ヴィリヤは箸で摘まんで貰ったそれを口に運んでみる。
 てかてかふっくらした、金箔がかけられた黒豆をひとつ。
 それから口に広がるその味に、数度瞬きを。
「あ、結構甘めの味なんだね」
 甘いものが好きな彼女にはうってつけの、ふわり上品な甘い味。
 グウェンドリンも、出汁がよく効いた良質な動物性タンパク質を美味しそうにパクパク。
「まさか列車でおせち料理が食べれるとは思わなかったよね」
 かまぼこをはむりと食べつつも、レジーは新年仕様の御馳走をまじまじと見つめてから。 
「昆布も魚も美味しいよ。二人ともいる?」
 次に箸を伸ばし口に運んだ昆布や魚を、ふたりにもおすすめ。
「じゃあ、昆布貰おうかな」
 ヴィリヤも勧められるまま、今度はくるりと巻かれた昆布巻きを食べてみて。
「んー、私……は、お魚……が、いい、かな」
 グウェンドリンは、これまたおせちの定番であるブリの照り焼きを取ってから。
 じっと暫し照り照り美味しそうなブリを見つめ、ふと首を傾ける。
「アンバージャック、日本……だと、縁起、いいのかー」
 ……なんで、だろ? って。
 それは、ブリが出世魚と言われているから……なんて蘊蓄は、最早置いておいて。
 魚の次は、やはり肉。
「この、鹿肉のテリーヌ、美味しいよー。ヴィリヤも、食べるー?」
 さっぱりとした鹿肉を使ったテリーヌを今度はパクパクと口にするグウェンドリン。
「鹿肉のテリーヌも美味しそう、勿論貰うね。これだけ入ってると飽きないよね」
「へぇ、肉もあるんだ。美味しそうだね」
「こっちのは海老の肉巻きだって。二人も食べる?」
 ……本当におせちって豪華なんだね。
 そうヴィリヤが呟くほど、肉も魚介もふんだんに使われた新年の御馳走。
 レジ―は苦手なものや食べてみて美味しかったものを、ふたりに分けてあげながらも。
「洋風の物も鍋もちょっと気になるんだよね」
 ……今日は純粋に和風のおせちを楽しむ気で来たけどさ、って。
 きっと美味しいだろう他の料理も、ちょっぴりだけ心惹かれるのも本音。
 でもそれは、また明日のお楽しみに……?
 それに、流石に和風おせちを堪能した後、洋風おせちや鍋は無理だけれど。
「あ、そういえば作家監修のカクテルもあるんだって。食べ終わったら飲みに行ってみない?」
 ……作家監修ってのが気になるんだよね、って。
 食後の一杯ならば、きっと美味しくいただけるから。
 そして、そんなレジ―の誘いに返るふたりの答えは勿論。
「作家さん監修のカクテル? 楽しそうだし飲みに行きたい!」
「カクテル。ちょっと、興味、ある」
 迷うことなく、大賛成です!
 けれど、カクテルといえばお酒……?
「UK……では、18から、成人……だめ? ここUK、じゃなく、日本?」
 此処では、18ではまだお酒は飲めません……!
 ですよねー、と相変わらず無表情ながらも、ちょっぴりしゅんとしている雰囲気を醸し出すグウェンドリンだけれど。
 でも、未成年でも大丈夫。
「アルコール強めしかなかったら、ノンアルにしよう」
「あ、ノンアル、あるんだ」
 そう、ノンアルコールのカクテルもちゃんと用意してあります!
 作家監修とやらのカクテルは、一体どんな味が綴られているのか。
 幻想的な雪と桜の風景のような繊細な味なのか、それともミステリーみたいに刺激的な味? はたまた、恋愛物語の様に甘いものなのか。
 それは――美味しいおせちをご馳走様した後の、お楽しみ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スリジエ・シエルリュンヌ
アドリブ歓迎。

影朧が起こす事件…。ですが、それまではゆっくり楽しみましょう。
作家のファンである文豪で、今回、やっとチケットが取れたという形で。
文豪探偵、推して参ります…!

せっかくですから、展望車で足湯を楽しみましょう。
ふふふ、こういう楽しみ方、初めてなんですよ。
温かくて気持ちいいですね。そこに雪と桜の景色とは…なんて贅沢な。
ああ、今回、チケット取れてよかったです。とても楽しみだったんですよ!探偵役、頑張りますね…!(とかなんとか)



 この世界独特であるという、雪と桜の混ざる風景は見慣れてはいるけれど。
 でも……白と薄紅舞う景色を走る、この豪華寝台列車で。
「影朧が起こす事件……」
 そう、影朧が事件を起こすのだと聞けば、文豪探偵としては放ってはおけない。
 というわけで、スリジエ・シエルリュンヌ(桜色の文豪探偵・f27365)は事件解決の為、クルーズトレイン『桜雲』に颯爽と乗り込んだわけであるが。
 影朧が事件を起こすのは、夜中なのだというから。
(「それまではゆっくり楽しみましょう」)
 むしろ、犯人に怪しまれないように行動するのも探偵のつとめ。
 ――文豪探偵、推して参ります……!
 そう心の中で、そうっと気合を入れつつも。
 件の作家、櫻居・四狼のファンである文豪が、今回やっとこのツアーのチケットが取れたという設定を演じるスリジエ。
 いや、このクルーズトレインはサクラミラージュでも話題になっているし。
 折角の機会だからと……足を向けたのは、足湯のある展望車。
「ふふふ、こういう楽しみ方、初めてなんですよ。温かくて気持ちいいですね」
 ――そこに雪と桜の景色とは……なんて贅沢な、と。
 見慣れているはずの風景も、特別なものにみえて。
 ほかほか足湯に浸かりながら、ほうっと溜息を漏らしらしつつも、存分に堪能する。
 そして、湯加減はいかがですか? と。
 そう訊ねてきたトレインクルーに、スリジエはすかさず笑顔で返す。
「ああ、今回、チケット取れてよかったです。とても楽しみだったんですよ!」
 演技だけど、でも演技ではない、こんな言の葉を。 
 ――探偵役、頑張りますね……! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブOK

さくらくも?おううん?どう読むんだろ?
クルーズって船だけに使われるんじゃないんだな
確か巡行・観光って意味らしいからつまりは観光列車なんだな、なるほど(調べてきた)

これだけの列車に乗ると景色より列車内を見て回りたい。
つまり探検。
個室から出たらまずは先頭車両方面へ。順番に設備や景色を見て回り。
一回りして戻ってきたら今度は後部車両へ。
ラウンジの酒は気になるがまずは列車への興味を満足させよう。
展望車で外に出たら炬燵や足湯で温まって。

本当、ミステリー(本物)でなければ列車の旅って素晴らしいとは思う。
気になるのは被害者へのなり方ぐらいか。
俺は読むのはまだいいけど計画立てるのは苦手なんだよなぁ。



 列車と言えば、人を運ぶ交通機関のひとつであるのだけれど。
 でも乗り込んだクルーズトレイン『桜雲』は、また全く違う主旨で、雪と桜舞う世界を走っている。
「クルーズって船だけに使われるんじゃないんだな」
 そう呟きつつも、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は改めて、調べてきたことを思い返す。
(「クルーズは確か巡行・観光って意味らしいから、つまりは観光列車なんだな、なるほど」)
 意味を調べてみれば、使われ方も納得。
 けれど、ひとつだけまだわからないことが。
「さくらくも? おううん? どう読むんだろ?」
 そんな瑞樹の呟きが聞こえていたのか、それとも単なる偶然か。
『本日は、クルーズトレイン『おううん』への御乗車、まことに有難うございます……』
 聞こえてきた車掌のアナウンス。
 どうやら、桜の花がたくさん咲いて雲のように見える『桜雲』から名前を取っているようだ。
 いつもこの世界は桜が咲いているから、列車が走る景色は舞う花弁が雲の様に見えるのだろう。
 特に今の季節は、真白の雪も混ざり合って……一層、雲の中を進むよう。
 そして一応、此処へと赴いた目的は依頼だし、車窓を流れる景色は確かに綺麗だけれど。
(「これだけの列車に乗ると景色より列車内を見て回りたい」)
 そう――つまり探検。
 こんな滅多に乗れない列車の中、ただ個室にいるだけでは勿体ないから。
 まずは先頭車両方面へと瑞樹は足を向けて。
 順番に設備や景色をぐるりと見て回り、一回りして戻ってきたら今度は後部車両へ。
 列車内とは思えない内装や調度品は勿論、設備や造りなども興味深く見ては楽しんで。
 途中、ラウンジカーで飲めるという酒は気になって心惹かれたけれど。
 まずは、このクルーズトレインへの興味を満足させるべく、存分に見て歩いて。
 展望デッキに出て外も満喫すれば、冷えた身体を炬燵や足湯でほかほかぬくぬく温める。
「本当、ミステリーでなければ列車の旅って素晴らしいとは思う」
 瑞樹はそう呟かずにはいられない。
 ミステリーはミステリーでも……今宵起こるのは、本物の殺人事件なのだから。
 いや、実は彼が今、気になっていることといえばこれ。
(「俺は読むのはまだいいけど計画立てるのは苦手なんだよなぁ」)
 そう――ミステリーの被害者へのなり方ぐらいである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八海山・いのこ
おししょー(f01389)、ななちゃん(f00572)と一緒に怪盗チーム「GWP」として参加しますっ

夜行列車ってすっごいんだねー!
あっちもこっちもすっごい楽しそうー!

とりあえず、美味しいものが食べられるっていうから【ラウンジカー】にいくね!
企画限定のプリンがあるんだってー!ここでしか食べられないみたいだし、たーっくさん食べないとね!
電車に乗って食べ物を食べるのとか初めてだけど、こういうのもいいね!
ダイニングにも美味しいものがあるみたいだし、そっちも後で行きたいねー!

そういえば、今日は何しに来たんだっけ…?
まあ、美味しいからいいかー!


西行・胡桃
ばなこ(f00572)
いのちゃん(f01962)
と「GWP」で参加
三名チームです

【食堂車で過ごす】
観覧車もいいなーと思ってたけど
ふふ、二人とも食い気か!
じゃあラウンジカーにいこっか
えっ、でも食べるのはバナナなの!?
…………ま、まあ本人が楽しいならいいか
いのちゃんも……完全に堪能してるねーーーー!

不自然な演技にならないようにしないとな
と思っていたけど、大丈夫そうだから
私も楽しもう
バナ……いや、プリンかな
いや、ここは合わせ技でプリンアラモードだね!!
中華はまだ今度行こうね、いのちゃん


難駄芭院・ナナコ
西行・胡桃(f01389・しっしょー呼び)
八海山・いのこ(f01962・いのこ呼び)
とチーム名「GWP」で参戦

普段は猟兵、その正体は怪盗!
今回も怪事件を追っていざ出陣!

列車のツアーなんてワクワクするなー!すっげー楽しみだー!
えっ、勿論依頼は忘れてないぜ?怪しまれない様に全力で楽しむんだからな!ホントだぜ!

【ラウンジカー】で食べまくるぜ!
贅沢そうなおせちとか鍋とかあるけど…アタイはやっぱこれだな!バナナだ!
う~~~ん、やっぱこういう高級なところで味わえるバナナはまた別格だぜ!
あっ!バナナスイーツとかあるかな!それも堪能したいぜぇ~!
いい景色が次々に流れていくのを眺めながらバナナを満喫、幸せか~♪



 名作ミステリーには、やはり欠かせない存在。
 そう――普段は猟兵、その正体は怪盗!
 怪盗チーム「GWP」は、今回も怪事件を追っていざ出陣!
 ということで今回、怪盗たちが豪華寝台列車へと乗り込んだ目的は勿論。
「夜行列車ってすっごいんだねー! あっちもこっちもすっごい楽しそうー!」
「列車のツアーなんてワクワクするなー! すっげー楽しみだー!」
 このクルーズトレインで起こる事件――のはずなのですけれど。
 八海山・いのこ(豚じゃないもん・f01962)と共に、思わずきゃっきゃはしゃいでしまった難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)は、ハッと慌てて弁明を。
「えっ、勿論依頼は忘れてないぜ? 怪しまれない様に全力で楽しむんだからな! ホントだぜ!」
 これは敵に怪しまれないための怪盗チームの作戦なのです! 本当ですよ!?
 そんなふたりがるんるん向かうのは、勿論。
「とりあえず、美味しいものが食べられるっていうから、ラウンジカーにいきたいね!」
「ラウンジカーで食べまくるぜ!」
「展望車もいいなーと思ってたけど。ふふ、二人とも食い気か!」
 ――じゃあラウンジカーにいこっか。
 西行・胡桃(残像行使・f01389)もまずは、まさに花より団子、食べる気満々なふたりが所望するラウンジカーへと足を向ける。
 まだ列車の旅ははじまったばかり。
 雪と桜の景色も、後で楽しめると思うから……多分、きっと。
「企画限定のプリンがあるんだってー! ここでしか食べられないみたいだし、たーっくさん食べないとね!」
 そう、わくわくそわそわ、いのこが迷わず選んだのは、企画限定のレアな高級プリン。
 他にも、ここでしか食べられない贅沢なスイーツが沢山。食べられるだけ堪能します!
 そして、ナナコが選んだのは、勿論これ。
「贅沢そうなおせちとか鍋とかダイニングカーにはあるみたいだけど……アタイはやっぱこれだな!」
 ――バナナだ!
「えっ、でも食べるのはバナナなの!?」
 思わず胡桃はそう思わず、瞳を瞬かせるけれど。
 バナナはバナナでも、まったり濃厚な甘さがたまらない、極上の高級バナナです!?
 それに、何より。
「う~~~ん、やっぱこういう高級なところで味わえるバナナはまた別格だぜ!」
 …………ま、まあ本人が楽しいならいいか。
 バナナを超満喫しているブレないその姿に、そう思うことにしてから。
(「不自然な演技にならないようにしないとなと思っていたけど、大丈夫そうだから……私も楽しもう」)
 胡桃も、演技ではなく純粋に今を楽しむことに。
 ということで、注文するのは。
「バナ……いや、プリンかな」
 勿論バナナ……ではなく、プリンに?
 いいえ、楽しむって決めたから。この流れだと、これでしょう!
「いや、ここは合わせ技でプリンアラモードだね!!」
 そう……バナナとプリンを合わせた、絶品プリンアラモード!
「電車に乗って食べ物を食べるのとか初めてだけど、こういうのもいいね!」
「いのちゃんも……完全に堪能してるねーーーー!」
「ダイニングカーにも美味しいものがあるみたいだし、そっちも後で行きたいねー!」
「中華はまた今度行こうね、いのちゃん」
 心躍る美味しそうなものもまだまだいっぱいあるけれど、楽しくておなかもきっとまたすぐに減るから。
 ダイニングカーでの食事も、十分満喫できるはず。
 だから今はまず、ラウンジカーのメニューを目一杯食べたいところ。
 いえ、メニューにあるものは勿論だけれど。
「あっ! バナナスイーツとかあるかな! それも堪能したいぜぇ~!」
「言えば作ってくれるんじゃないかな?」
「じゃあ、折角だから私も頼もうかな、バナナスイーツ」
 特注のバナナスイーツだって、みんなでいただいちゃいます!
 そして流石は豪華クルーズトレイン、客の要望にもばっちりと応えてくれて。
「いい景色が次々に流れていくのを眺めながらバナナを満喫、幸せか~♪」
 はむりと幸せそうにバナナを満喫しまくるナナコに、うんうんと胡桃と一緒に頷きながらも。
 いのこはふと、首を傾ける。
「そういえば、今日は何しに来たんだっけ……?」
 えっと確か……雪と桜が飾られた美味しい限定プリンを食べにラウンジカーに赴いて。
 それとあとは、やっぱり……バナナ??
 いのこはちらりと、ふたりへと視線を向けてみるけれど。
 気を取り直して、バナナスイーツを笑顔でもうひとくち、ぱくり。
 ――まあ、美味しいからいいかー! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイッツァ・ウルヒリン
ティアさん(f26360)と!

へー展望車
すごい、炬燵があるよ!!珍しー!
いいねぇ、ぬくぬくしながら雪と桜の吹雪を眺める…
これが乙ってヤツかな

あー、こう暖かいと眠くなってくるよ
それか蜜柑が欲しくなるねぇ。あと甘酒と…(云々)

あ、見てる見てる。ちゃんと桜舞う雪景色見てるよ!
冬に咲く桜なんて、屹度サクミラでしか味わえない風景だもの
しっかりと目に焼き付けておかないとね
ティアさんだけ味わうんじゃ、二人で来た意味がないもの

此の世界にはあまり縁がなかったけど
こう桜を前面に押し出した観光要素っていうのは他にはない利点だね
僕も少し好きになれそう

ティアさん、眠いの?
テーブルにくっついてない方の頬をつんつんしてみる


ティア・メル
レイッツァちゃん(f07505)と

展望車ってすっごいねー
んふふ、初めて乗ったんだよ
炬燵があるのって珍しいの?
ひいらり降る雪と桜がとっても綺麗で
乙だねー
なんてふよふよわらっちゃう

レイッツァちゃん、眠い?
寝ないでよ、寂しいよ
1人で味わうにはあまりに勿体ない景色

サクラミラージュって世界が
ますます好きになっちゃうな
ぼくもしっかり目に焼き付ける

炬燵にぬくぬくとあたためられて
んにー
だんだんぼくも眠くなってきちゃった
寝てないよ、だいじょうぶ
レイッツァちゃんの声が心地良くて
少しだけうとうとしちゃう

手を伸ばしても届かない景色
レイッツァちゃんと見られて良かった
半分テーブルにほおをくっ付けて
ふにゃんと口許を緩めた



 どの車両も、外の景色が見やすいように大きめの窓ではあるけれど。
 壁から天井までぐるりと広がる大きな大きな窓になっている、此処は――。
「へー展望車」
「展望車ってすっごいねー。んふふ、初めて乗ったんだよ」
 外の景色を存分に楽しむために作られている、展望車。
 そんな展望車に足を踏み入れたレイッツァ・ウルヒリン(紫影の星使い・f07505)は、あるものを見つけて声を上げる。
 それは、普通の列車の中にはないもの。
「すごい、炬燵があるよ!! 珍しー!」
「炬燵があるのって珍しいの?」
 ティア・メル(きゃんでぃぞるぶ・f26360)は、ぱちくりと瞳を瞬かせつつも小首を傾げつつも。
 手招くレイッツァに倣って、そうと炬燵の中に足を入れてみれば。
「いいねぇ、ぬくぬくしながら雪と桜の吹雪を眺める……これが乙ってヤツかな」
「乙だねー」
 ひいらり降る雪と桜がとっても綺麗で――ふよふよわらって、彼の言葉を真似っこ。
 そんな炬燵の心地良さは、抗えぬほど強力な魅惑の超魔力。
「あー、こう暖かいと眠くなってくるよ。それか蜜柑が欲しくなるねぇ。あと甘酒と……」
 すっかり、そのぬくぬくさに身を委ねるレイッツァ。
 炬燵といえばやはり蜜柑は必須、甘酒もあればさらにぽかぽか、きっとほんわかいい気分。
 このまま寝ちゃったら、ほわほわ気持ち良く夢がみれそう……だけど。
「レイッツァちゃん、眠い?」
 ティアはそう声をかけた後、続ける。
 ――寝ないでよ、寂しいよ、って。
 だって、あまりにも勿体無いから。雪と桜、春と冬のいろが混ざり合い戯れるこの景色を……ひとりで味わうなんて。
「あ、見てる見てる。ちゃんと桜舞う雪景色見てるよ!」
 その言葉に、レイッツァはぶんぶん首を横に振ってから。
 ティアと一緒に車窓に向けたその瞳にも、雪と桜を舞い降らせる。
「冬に咲く桜なんて、屹度サクミラでしか味わえない風景だもの。しっかりと目に焼き付けておかないとね」
 ……ティアさんだけ味わうんじゃ、二人で来た意味がないもの、って。
 ティアも勿論同じ様に、確りと目に焼き付ける。
「サクラミラージュって世界が、ますます好きになっちゃうな」
 この世界でしか見られない特別ないろを、そしてふたりで過ごす今という楽しい時間を。
 そしてレイッツァも、ティアの言葉にこくりと頷く。
「此の世界にはあまり縁がなかったけど、こう桜を前面に押し出した観光要素っていうのは他にはない利点だね」
 ……僕も少し好きになれそう、って。
 けれどやっぱり、炬燵はぬくぬく、あったかくて心地良いから。
「んにー……だんだんぼくも眠くなってきちゃった」
「ティアさん、眠いの?」
 今度は逆に、レイッツァがティアに聞く番。
 そんな耳に届く優しい声も、とても心地良くて。
 ちょっぴりだけ、うとうとしちゃうけれど。
「寝てないよ、だいじょうぶ」
 だってそれでもやっぱり、すごく勿体無いから。
 ふたりで一緒に、この景色をいっぱい見ないと。
 それからティアは、ぴたりとテーブルに半分、ほっぺたをくっ付けて。
 ……やっぱり眠い? って、伸ばされたレイッツァの指に、くっついていない頬をつんつんされながらも。
 ふにゃんと口許を緩め、笑みと共に彼に返す。
 手を伸ばしても届かない景色――レイッツァちゃんと見られて良かった、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
展望車両でかれとともにコタツを堪能しましょう

ザッフィーロの謎発言には話半分に聞き流しつつ
この時季に冷えやすい足先を温めるぬくもりに表情が綻びます
でも一番心地よいのは、繋ぎ重ねたきみのおひさまのような手で
コタツの中で足裏を擽るかれの足には笑ってやり返しましょう

ゲストルームに戻れば、居心地の良い落ち着いた内装にわくわくしつつ
くっついて眠れないのは残念ですが
寄り添って眠れますから
きみがそばにいるのを感じながら眠れるだけでも最高ですよと笑って
横になり布団を被り、繋いだ手の感触を確かめながら隣を向けばこちらを見つめ返すきみ
ああ、幸せですねと実感しながら瞼を閉じてゆきましょう


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

宵と共に炬燵を楽しもう
以前依頼で邂逅した動く炬燵とは違いなんだ、この炬燵は愛されて居るようだな…とぬくぬく炬燵の中にて足を伸ばす…も
宵の足に触れたならば繋いだ指をなぞる動きに合わせ触れた足裏を擽らんと試みつつ小さな笑みを
宵、帰ったら何だ。ホームセンターに炬燵を買いに行かねばな

部屋に戻れば至近距離に並ぶベッドに僅かな寂しさを感じつつ横に
…近いとは言え違うベッドで眠るのはなんだ、少々寂しいものだな
そう同じく横になる宵を見れば宵、と名を呼びつつその手へと手を伸ばそう
指先が触れれば確りと手を繋ぎ宵の言葉に表情を緩め頷きつつ瞳を閉じた宵の横顔を眺めながら睡魔に攫われる迄過ごそうとそう思う



 雪と桜が舞い遊ぶ中を走る、寝台列車。
 けれどただの寝台列車にあらず、普通の列車とは全く様相の違う豪華クルーズトレイン。
 そんな観光列車の中でも一等、外の景色が楽しめる車両。
 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)とザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)が足を運んだのは、そう――天井から壁までぐるりと外が見回せる展望車。
 しかも……ぬくぬくで、ほっかほか。
「以前依頼で邂逅した動く炬燵とは違いなんだ、この炬燵は愛されて居るようだな……」
 ザッフィーロはそう、お前は幸せでよかったな……と。
 足を入れている炬燵の天板を撫でつつも、しみじみと呟く。
 つい先日もこうやって、宵と一緒に炬燵に入ったのだけれど。
 その時の炬燵は冬空の下に野ざらしで……自分達を温めてくれていたにもかかわらず、炬燵自身の天板はひんやり冷たかったのだ。
 けれど今回の炬燵は、炬燵自身も、豪華であたたかな展望車の中で、ほかほかと幸せそうだから。
 ……いや、もうそんなかれの謎発言にも慣れっこであるから。宵は、話半分に聞き流しつつ、表情を綻ばせる。この時季に冷えやすい足先をほかほか温めるぬくもりに。
 でも、宵はよく知っている。
 一番心地よいのは――星瞬く深宵の瞳にただ映るきみの、繋ぎ重ねたおひさまのような手だということを。
 そして、ぬくぬく炬燵の中で伸ばした互いの足が触れ合えば。
 繋いだ指をなぞる動きに合わせ、触れた足裏を擽らんとするザッフィーロに、宵もやり返して。
 互いに顔を見合せ、思わず小さく笑み零し合う。
 そんな炬燵はやはり、いいものだから。
 ザッフィーロは改めて、宵へと持ち掛ける。
「宵、帰ったら何だ。ホームセンターに炬燵を買いに行かねばな」
 自分達だけの炬燵を迎えに行く相談を。
 そしてぬくぬく炬燵に入りながら、雪と桜の景色を一緒に沢山満喫して。
 ふたりだけのゲストルームに戻れば、宵はわくわくと心躍らせる。居心地の良い落ち着いた内装に。
 けれどザッフィーロは、何だかちょっぴりしょんぼり気味。
 それは、いつもとは違うから。
「……近いとは言え違うベッドで眠るのはなんだ、少々寂しいものだな」
 眠る時の、ふたりの距離が。
 そんなかれの声に、宵は瞳細め笑って返す。
「くっついて眠れないのは残念ですが、寄り添って眠れますから」
 ――きみがそばにいるのを感じながら眠れるだけでも最高ですよ、と。
 そこにきみがいるだけでも、幸せで。
 それに確りと、おひさまのようなぬくもりを感じているから。
 ――宵、と。そう名を呼びつつも伸ばされたその手を、握り締めれば。
 ザッフィーロも指先が触れ合えば、確りと手を繋いで。
 向けられた視線に、視線で返しながら、聞こえた声に表情を緩め、こくりと頷く。
 そして――ああ、幸せですね、と。
 実感を口にしながらもそっと瞼閉じる宵の綺麗な横顔を、ザッフィーロは見つめながら過ごす。
 睡魔に攫われる、その時まで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
列車にのって部屋に荷物を置いたらラウンジカーへ直行よ。

誰がプロデュースしたものでもプリンに罪はないわ。
ええ、しっかり楽しみますとも。

食堂車の主になって雪と桜をイメージしたプリンを大量に頂くわね。
甘いものは(ヤドリガミなので)別腹よ。

「ええ、プリンは正義なのよ」

本当はカクテルも注文したいのだけど…やっぱり駄目よね?



 雪と桜が舞い降る風景は、サクラミラージュの世界ならではで。
 他の世界では滅多に見ることが出来ない、珍しい景色なのだけれど。
 いや、景色だって確かに美しいとは思う。
 けれどやはりそれ以上に……ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)の興味を惹いて止まないもの。
 それは勿論、全くぶれません。
「誰がプロデュースしたものでもプリンに罪はないわ」
 そう――それは、プリン! 甘いもの!
 ……ええ、しっかり楽しみますとも、と。
 いつもの通り、スイーツへの並々ならぬ気合いをみせるヴィオレッタは。
 件のクルーズトレイン、豪華寝台列車『桜雲』に乗り込むやいなや。
 あてがわれた部屋に速攻で荷物を置けば、直行するのは勿論、プリンがいただけるというラウンジカー!
 そしていざ、ラウンジカーへと足を踏み入れれば。
 食堂車の主となって、雪と桜をイメージした作家監修のプリンを大量に頂きます……!?
 いえ、甘いものは別腹なのです。
 だって、ヤドリガミなので……??
 まぁとにもかくにも、真理は何といってもこれひとつ。
「ええ、プリンは正義なのよ」
 プリン超絶大正義です。
 ヤドリガミだから、太るとか気にしないでもいい……はず?? 多分、きっと恐らく。
 ……いえ、ヤドリガミなので、生きている年齢は有り余るくらいなのだけれど。
(「本当はカクテルも注文したいのだけど……やっぱり駄目よね?」)
 外見年齢が成人になるまで、やっぱり駄目です!
 でも、ノンアルコールカクテルもあるから、お酒でなければ大丈夫。
 お酒でなければ……ええ、ヤドリガミでも、ヤドリガミじゃなくても。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
連携・アドリブ歓迎です。

「とても豪華な列車ですね。このような素敵な旅に参加できるなんて幸せです♪」
と、殺人事件に巻き込まれるフラグ全開で、(新年という事で)振り袖姿で『桜雲』に乗車します。

(温泉大好きな詩乃としては)足湯のある展望車両に直行です。
クリームソーダを頼み、裾をまくって足湯に浸かり、桜と雪が同時に舞うサクラミラージュならではの絶景に見惚れ、「はゎ~、なんて素晴らしい時なのでしょう♪新年早々このような贅沢してしまって良いのでしょうか?」と至福の表情を浮かべます。

近くに人がいる場合は、「この列車って素晴らしいですね♪」とにっこり笑って人懐っこく話しかけ、景色を見ながらお喋りを楽しみます。



 雪と桜が舞い降る新年の風景を、颯爽と走り抜けるクルーズトレイン。
 そんなクラシカルな外観の豪華観光列車を、より華やかに彩るのは。
「とても豪華な列車ですね。このような素敵な旅に参加できるなんて幸せです♪」
 新年に相応しい、鮮やかな振り袖姿の大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)。
 しかも、ただ華やかさを添えるだけではありません。
 殺人事件に巻き込まれるフラグも、ばっちり全開!
 そしてクルーズトレイン『桜雲』に乗車すれば、直行するのは勿論ここ!
 そう……温泉大好きで、目がない彼女としてはやはり。
 足湯のある展望車両は、とても気になるスポットなのである。
 トレインクルーにしゅわしゅわ美味しいクリームソーダを頼んでから。
 裾をくるりとまくって、いざ足湯にちゃぽんと浸かれば。
「はゎ~、なんて素晴らしい時なのでしょう♪ 新年早々このような贅沢してしまって良いのでしょうか?」
 桜と雪が同時にひらり舞い遊ぶサクラミラージュならではの絶景に見惚れながらも。
 ぬくぬく足元から温まる気持ち良さに溜息を漏らしつつ、浮かぶのは至福の表情。
 そして、湯加減はいかがですか? と。
 クリームソーダを運んできたトレインクルーの声掛けに、にっこりと詩乃は笑み返して。
「この列車って素晴らしいですね♪」
 人懐っこく話しかけ、景色を眺めクリームソーダをいただきながらも。
「もう少しすれば、幻朧桜のトンネルに差し掛かりますから。雪と桜のトンネルの風景は絶景ですよ」
「それは楽しみです、それにこのクリームソーダとても美味しいですね♪」
 足湯も甘いものも景色も会話も、全部余すことなく詩乃は楽しむ。
 フラグを立てた殺人事件に巻き込まれる、その時まで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戎崎・蒼
紅(f04970)、葎(f01013)と
一先ずは楽しんだ者勝ち、という事で
……葎とは久しぶりに会った事だし紅と一緒に、気軽に喋りつつ楽しんで寛ごう

3人揃った所でラウンジカーへ
雪や桜をイメージしたスイーツも色々あるんだね
葎はそれを頼むのかい?…なら僕は桜のゼリーなんてものもあるようだからそれを頼みたいな
確かにこういった所で限定ものが食べられるのは中々にない事だ
記念撮影か、……うん良い思い出になりそうだ。葎や紅さえ良ければ是非とも一緒に撮らせてほしい

何時も戦いの場に身を置かなければならない二人が、少しでも心休まるようになれば良い
──勿論僕も一緒になって、楽しめたら良いな


硲・葎
紅くん(f04970)と蒼くん(f04968)と。
ラウンジでスイーツを楽しみながら、ふたりと
おしゃべり。
「わ、ほんとにどれも美味しそうだね!私はせっかくだから雪をイメージしたプリンと桜茶がいいかなあ。紅くんと蒼くんは?」
こういう所で限定モノが食べれるなんてほんとに
贅沢だよね!綺麗な景色だし、スマホで撮るのもありかな?
2人が嫌じゃなければせっかくだし、記念写真撮影したいな。全力で楽しみたいからね。
「ねえ、せっかくだから3人で写真撮らない?
旅の記念になるし、いい思い出になりそうだし」


宮前・紅
戎崎·蒼(f04968)硲·葎(f01013)と。
久しぶり、葎ちゃん──こうやって会うのは久々だね?
こういう大正浪漫の雰囲気は俺、好きだなあ
重々し過ぎない高級感のある家具で調度が整えられてて──って、俺家具とか内装凝ってるの好きなんだよね

個室に荷物を置いたらラウンジに
雪と桜をモチーフにしたスイーツとか、美味しそうだね♪
俺も葎ちゃんと同じ桜茶を………それと限定もあるみたいだし、パフェでも頼んじゃおうかな。甘いもの好きだから一杯頼んじゃうかも?
見目好いスイーツを堪能しつつ、三人で談笑
「写真か──偶には良いね。皆で撮ろっか♪」
こんな風にゆっくりするのも久しぶりだなあ、ふふ
こんな時くらいは楽しもうかな



 雪と桜の世界を旅する、クルーズトレイン。
 けれど、わくわくどきどきする楽しい時間は、列車が出発する前からもう始まっている。
 これから乗り込む『桜雲』が既に停車している駅のホームで、きょろりと宮前・紅(三姉妹の人形と罪人・f04970)が視線巡らせれば。
 すぐに見つけたのは、先に自分達に気付いて緑色の髪を躍らせやってくる、彼女の姿。
「久しぶり、葎ちゃん――こうやって会うのは久々だね?」
「お久しぶり、2人とも。お誘いに乗ってくれてありがとうね」
 顔を合わせたのは久しぶりなのだけど。
 変わらぬ笑顔を、ぱっと自分達へと向けるのは、硲・葎(流星の旋律・f01013)。
 そんな葎に、戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)も黒の瞳を細めて返して。
「お久しぶりだね、葎。こちらこそ、誘ってくれてありがとう」
 ――先ずは楽しんだ者勝ち、という事で、と。
 そう続けながらも思う。
 今回、この豪華寝台列車へと乗り込む目的は、影朧が絡んだ依頼の為ではあるのだけれど。
(「……葎とは久しぶりに会った事だし紅と一緒に、気軽に喋りつつ楽しんで寛ごう」)
 こういう機会も滅多にないし、まずは影朧に気取られぬよう行動する事が重要であるし。
 何より――紅も葎も、そして自分も、楽しみにしているから。
 3人揃って、いざクルーズトレインの車内へ。
「こういう大正浪漫の雰囲気は俺、好きだなあ」
「わ、すごい豪華だね!」
「でも気品もあって、落ち着く雰囲気だね」
 一歩足を踏み入れれば、そこは……列車だということを思わず忘れてしまいそうな、豪華で寛げる空間。
 そして興味深そうに周囲を見回す紅に、葎は訊ねてみる。 
「紅くん、家具とか見るの好きなのかな?」
「重々し過ぎない高級感のある家具で調度が整えられてて――って、俺家具とか内装凝ってるの好きなんだよね」
 そんなクラシカルな内装を眺めるだけでも、心躍るし。
「まずは、ラウンジカーへ行ってみようか?」
 荷物を個室に置いた後、揃って向かってみるのは、美味しいものがいただけるというラウンジカー。
 耳に心地よい音楽が流れる中、ふかふかのソファー席に座って。
 お品書きを眺めれば、目に留まるのはやはり。
「雪と桜をモチーフにしたスイーツとか、美味しそうだね♪」
「雪や桜をイメージしたスイーツも色々あるんだね」
 甘い雪と桜で上品に飾られた、作家監修だという限定スイーツたち。
 そんな甘い誘惑に、思わず目移りしてしまいそうだけれど。
「わ、ほんとにどれも美味しそうだね! 私はせっかくだから雪をイメージしたプリンと桜茶がいいかなあ。紅くんと蒼くんは?」
「葎はそれを頼むのかい? ……なら僕は桜のゼリーなんてものもあるようだからそれを頼みたいな」
「俺も葎ちゃんと同じ桜茶を………それと限定もあるみたいだし、パフェでも頼んじゃおうかな」
 それぞれ選んで、注文を済ませてから。
「こういう所で限定モノが食べれるなんてほんとに贅沢だよね!」
「確かにこういった所で限定ものが食べられるのは中々にない事だ」
 葎と蒼の言葉に紅もこくこく頷きながら、はむりと上品な甘さの桜をスプーンで掬って、ひとくち。
「このパフェ、見た目もお洒落だけど、味も美味しいね♪」
 ……甘いもの好きだから一杯頼んじゃうかも? なんて。
 そして葎は美味しいプリンや桜茶をいただきつつ、ふたりと楽しくお喋りしながらも。
 ふと、流れる車窓に目を向けてみれば――瞳に映るのは、雪と桜が混ざる幻想的ないろ。
(「綺麗な景色だし、スマホで撮るのもありかな?」)
 いや、見つめる車窓の風景も勿論なのだけれど。
 葎はこう、ふたりにこんな提案を。
「ねえ、せっかくだから3人で写真撮らない? 旅の記念になるし、いい思い出になりそうだし」
「記念撮影か、……うん良い思い出になりそうだ。葎や紅さえ良ければ是非とも一緒に撮らせてほしい」
「写真か――偶には良いね。皆で撮ろっか♪」
 そしていざ、3人で記念撮影!
「蒼くん、もうちょっと寄った方がいいかも?」
「もう少し……こうかな?」
「うん、良いんじゃないかなあ。よし、撮るよ♪」
 そう皆で身を寄せ合って――ぱしゃり。
 シャッターを切って、上手く撮れたか一緒に確認しながらも。
「綺麗に撮れたね!」
 満足気に笑む葎にうんうんと頷き、紅も笑み宿す。
(「こんな風にゆっくりするのも久しぶりだなあ、ふふ」)
 ……こんな時くらいは楽しもうかな、って。
 そして蒼も、楽しそうなふたりを見つめながら、改めて思う。
(「何時も戦いの場に身を置かなければならない二人が、少しでも心休まるようになれば良い」)
 いや……ふたりにとって、そうであって欲しいのは勿論なのだけれど。
 ――僕も一緒になって、楽しめたら良いな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
有/f00133

一度乗ってみたかったんだよね
寝台特急の個室
だってすごくない?動く部屋だよ
この部屋は今めっちゃ速いからね
すごくない?飛び跳ねたら置いてかれそう
ちょいと有ちゃん飛んでみてよ
ええ?やだよぉ、一人だなんて

……子供みたいにはしゃぐのはこの辺にして
実は二人部屋で自由時間だし
窓の外は綺麗だし
やる事っていったらアレしかないでしょ

酒盛り

そういや
有ちゃんは酒のどんなとこが好きなの?
ははっ、寝るの好きだねぇ
僕はいまだによく分からなくってね
理由なく好き
……ああ、そうでもないな
君と共有できるものなとこが好き
大事でしょ、そういうの

おや、注いでくれるのかい?
じゃあ僕からも
寝ちゃダメよ?寝るにはまだちと早い


芥辺・有
ロカジ/f04128

ずいぶん豪華な汽車だね
寝台ってのはなるほど、こういう風なのかい
たしかに部屋が動いてるって言われたらおかしな感じもするもんだ
これで速いってんだからなおさら……
うん?……いやだね ひとりで跳ねてなよ

なんてはしゃぎぶりに呆れつつも
酒盛りと言われればそれは悪かないね
雪と桜の景色を眺めながら
あったかいとこでゆっくり呑むのはどうも気が抜けそうだ

あ?ああ……別に特別好きなとこがあるわけでもないけど
強いて言うなら眠くなるとこかも
眠ってりゃ時間てのはすぐに過ぎるからね
だから理由なくってのもわかるけど
……って、何だ、違うの

共有、……共有か
……そうかもね
じゃあ、一杯注いどくかい?
……おや、どうも



 沢山の人を乗せて汽車と言えば、移動手段として使う交通機関のひとつ。
 それが普通の汽車ならば、それだけだろうけれど。
「ずいぶん豪華な汽車だね」
 芥辺・有(ストレイキャット・f00133)が言う様に、小洒落たクラシカルな外観もさることながら。
 車内に足を踏み入れれば、そこは汽車の中であるとは思えない贅沢な空間が広がっていて。
「寝台ってのはなるほど、こういう風なのかい」
 案内されたゲストルームは、どこぞの高級ホテルかのようなラグジュアリーさである。
 そして、金の視線をぐるりと客室内に巡らせる有の隣で。
「一度乗ってみたかったんだよね。寝台特急の個室」
 わくわく心躍る気持ちを隠さない、ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)。
 それから、忙しくあちこちと向けていた視線をくるりと有へと移して。
 雪と桜のいろが流れゆく車窓をさして、声を弾ませる。
「だってすごくない? 動く部屋だよ。この部屋は今めっちゃ速いからね」
「たしかに部屋が動いてるって言われたらおかしな感じもするもんだ」
 これで速いってんだからなおさら……なんて、続けようとした有に。
 悪戯小僧の様に笑んで、ロカジは続ける。
「すごくない?飛び跳ねたら置いてかれそう」
 ――ちょいと有ちゃん飛んでみてよ、って。
 そんなロカジに、ちらりと視線を投げて。
「うん? ……いやだね ひとりで跳ねてなよ」
「ええ? やだよぉ、一人だなんて」
 彼のはしゃぎぶりに呆れつつも、さくっといつも通り気怠げに返す有。
 そんな彼女に、ロカジはもう一度楽し気に笑ってから。
 ……子供みたいにはしゃぐのはこの辺にして、と気を取り直して。
「実は二人部屋で自由時間だし、窓の外は綺麗だし。やる事っていったらアレしかないでしょ」
 改めて有に向き直れば……内緒話をするか様に、そっと彼女の耳元で囁く。
 ――酒盛り、と。
 場所は毎回違えど、ふたりでやる事と言えば、やはりこれしかありません。
「それは悪かないね」
 酒盛りと言われれば、有も頷かないわけはなく。
 早速いくつか適当に美味しそうな酒を注文して、運ばれてくれば乾杯して口へと運ぶ。
 そして酒の肴は贅沢なつまみと、雪と桜の景色。
 有は酒を口にしながらも、ふとそんな車窓の外へと瞳を向け、思う。
 ……あったかいとこでゆっくり呑むのはどうも気が抜けそうだ、と。
 そんな彼女をにこにこ見つめながら、ロカジはこう訊いてみる。
「そういや、有ちゃんは酒のどんなとこが好きなの?」
「あ? ああ……別に特別好きなとこがあるわけでもないけど」
 問われた声に、有は再び彼へと視線を戻してから。
 微かに首を傾けた後、こう続ける。
「強いて言うなら眠くなるとこかも」
「ははっ、寝るの好きだねぇ」
 ロカジは返ってきたこたえに、そう笑って。
 ゆらりと杯を揺らしながら、青の瞳を細める。
「僕はいまだによく分からなくってね。理由なく好き」
 それは、何となく有にもわかる気はする。
 だって、眠ってりゃ時間てのはすぐに過ぎるから……だから理由なくってのもわかるけど、なんて。
 そう、同意を口にしたものの。
 うーんと大きく首を傾げた後、ロカジはぽつりと呟きを落とす。
「……ああ、そうでもないな」
「……って、何だ、違うの」
 自分の声を拾った有に、ロカジはうんうんと大きく頷いてから。
 柔い、けれどやっぱり楽しそうな笑みを向けて紡ぐ。
「君と共有できるものなとこが好き」
 ――大事でしょ、そういうの、って。
 そんな彼の言葉に、手酌しようとしていた手をふと止めてから。
「共有、……共有か」
 有はそうくちにしてみた後、彼へと返す。
 ……そうかもね、って。
 そして、酒瓶を手にして。
「じゃあ、一杯注いどくかい?」
「おや、注いでくれるのかい? じゃあ僕からも」
「……おや、どうも」
 高級な酒を酌み交わし、ふたりで共有。
 そしてロカジはひょいっと有の顔を覗き込んで、また笑う。
 ――寝ちゃダメよ? 寝るにはまだちと早い、って。
 だって……共有したい美味しいものや楽しいことは、まだまだ沢山あるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
POW
アドリブ歓迎

シャルロットさんは旅団の同僚、炎武さんとは顔見知り
俺も列車の旅なんて初めてだな…楽しみだ!
色々気になる所があるけれど、向かった先はダイニングカー
おぉ、これは…!
凄い豪勢なおせちが、それに鍋も凄いっ!
食欲が物凄く刺激されて【大食い】【リミッター解除】!
絶景も見どころだというのに思わず食べるのに集中してしまったっ、でも後悔はない!
食欲が満たされたら景色を眺めて食休め

まぁ、この後に一仕事あるわけだしね…しっかり食べておかないと
動くとお腹減るし(汗

お?シャルロットさんも結構いける口ですか(食欲的な意味で)
競い合うでもないけれどシャルロットさんに釣られる形で食べまくる


炎武・瑠美
【電脳の箱庭】
POW
アドリブ歓迎

シャルロットさんとは初めましてです、ひりょさんには猟兵になる際に少しお世話になりました
今回はお二人ともよろしくお願いいたします!(深くお辞儀

こうして家族以外の方とお出かけするのは初めてです
なんだか色々な事が新鮮で…見るもの見るものが凄く楽しいです!
サクラミラージュは私にとって地元ともいえる世界ですが、まだ知らない事が沢山あると気付かされます

向かった先はここは食堂…でしょうか?
我が家のおせちも美味しかったですが、ここのおせちも凄く美味しいですね、見た目もこだわっているようですし
私はあまり沢山は食べられませんが周りの景色も楽しみながらお二人と共に食事を楽しんでみます


シャルロット・シフファート
【電脳の箱庭】
POW
ひりょとはあくまで友人(好きな人にツンするツンデレ、故にひりょへの接し方は淑女的)、瑠美とは初対面ね。

さて、贅を尽くした料理の数々。
イギリス貴族…だと思うけど、その私を満足させられるかしらね?

成程……流石はサクラミラージュの豪華列車。和食も洋食も材料や調理法など優れているわね。
おせちというのも多種多様な味やレパートリーを演じられるのね。
飲み物はそうね、クリームソーダを頂くわね

あら、ひりょはまだいけるようね
なら今度は蟹や牛のしゃぶしゃぶや海鮮鍋、ふぐちりなどの豪華な鍋……私はふぐちりを頂こうかしら
そうクリームソーダを傾けてダイニングカーからの絶景を観ながら喉を潤すわ



 雪が舞い降る白銀の世界にひらり重なる彩りは、淡い桜色。
 既にホームに停車しているクルーズトレイン『桜雲』にも、クラシカルな外装を飾り立てる様に雪と桜花弁が薄っすらと積もっている。
 そんな、これから出発する列車旅のはじまりは、顔合わせから。
「シャルロットさんとは初めましてです、炎武・瑠美と申します。ひりょさんには猟兵になる際に少しお世話になりました。今回はお二人ともよろしくお願いいたします!」
 そうぺこりと深くお辞儀するのは、炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。
 そして瑠美に続いて、慎ましやかに淑女然とした挨拶を返すのは、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)。 
「瑠美は始めましてね。シャルロット・シフファートよ」
「シャルロットさんは旅団の同僚で、炎武さんとは知り合いなんです」
 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)はそう、初対面である彼女たちをそれぞれ紹介してから。
「こうして家族以外の方とお出かけするのは初めてです」
「俺も列車の旅なんて初めてだな……楽しみだ!」
 いよいよ、話題の豪華寝台列車へと乗り込む時間。
 揃って車内へと足を踏み入れれば、列車の中とは思えない贅沢な寛ぎ空間が広がっていて。
 視線巡らせる瑠美の声も心も、わくわくと踊ってしまう。
「なんだか色々な事が新鮮で……見るもの見るものが凄く楽しいです!」
 サクラミラージュは、瑠美にとっては地元ともいえる世界。
 けれど、こうやって日常から離れた場所に身を置けば、まだ知らない事が沢山あると気付かされるし。
 家族以外とこうやって旅をする機会なんてなかったから、とても新鮮だ。
 そしてそれぞれゲストルームに荷物を置いてから。
「まずは、どこに行きましょう?」
 乗車の際に受け取ったパンフレットに目を落としつつ、ひりょがふたりに訊ねてみれば。
「色々なことが出来るみたいですね。私は、どこに行っても珍しく楽しく過ごせるのでお任せします」
「私は食事を楽しみたいわね。ダイニングカーの贅を尽くした料理を食べてみたいわ」
 シャルロットの興味を惹いたのは、豪華な料理の数々が頂けるというダイニングカー。
 丁度おなかもすいてきた頃、色々気になる所もあるけれど。
 まずは、贅沢な食事を味わいに向かうことに。
 そして、ダイニングカーへと辿り着けば。
「ここは食堂……でしょうか?」
 瑠美は、ぱちくりと瞳を瞬かせる。
 列車内であることを忘れるような、まるで高級レストランの様な空間。
 けれど窓の外を見れば、流れゆく雪と桜の風景。ここはまさに、動くレストラン。
 そして案内された席に座って、お品書きに目を向ければ。
「おぉ、これは……! 凄い豪勢なおせちが、それに鍋も凄いっ!」
 思わずひりょの瞳も輝いてしまうほど、魅力的な料理たち。
 とりあえずまずは、新年の今の時期だけ食べられるという和風と洋風のおせち料理を注文し、運ばれてくれば。
 じゃあ、食べまくりますか! と、彼の食欲も物凄く刺激されて、大食いリミッター解除!
 シャルロットも、華やかなお重をぐるりと見回して。
「さて、贅を尽くした料理の数々。イギリス貴族……だと思うけど、その私を満足させられるかしらね?」
 ちょっぴり記憶は曖昧だけれど、出自は恐らく貴族の令嬢。
 目や舌は肥えている自信はある彼女だけれど。
 一の重から何品か見繕って取り、ふっくら炊かれた黒豆と帆立のテリーヌをまずはひとつずつ、淑やかに口に運んでみれば。
「成程……流石はサクラミラージュの豪華列車。和食も洋食も材料や調理法など優れているわね」
 一品一品手が掛けられたその味に、満更ではない表情を宿すシャルロット。
 瑠美も、まずは定番の数の子や田作りなどを取って食べてみて。
「我が家のおせちも美味しかったですが、ここのおせちも凄く美味しいですね、見た目もこだわっているようですし」
 家庭の味も勿論美味しいけれど、たまには違う味も良いもの。
 そんな瑠美の言葉にシャルロットも金の髪を微か揺らし、こくりと頷く。
「おせちというのも多種多様な味やレパートリーを演じられるのね」
 鮮やかに飾られた贅沢なおせちは、新年を迎えたばかりのこの時期にはぴったり。
 シャルロットが料理と一緒に頼んだ、弾けるソーダにちょこんとバニラアイスが乗ったクリームソーダも、良い箸休めに。
 それに見た目も豪勢だけれど、美味しさも一等華やかだから。
 大食いリミッターの外れたひりょの箸も、止まることを知らずに。
 程良くサシの入ったローストビーフをはむり、頭と殻付きの大きな海老もパリパリ剥いてぺろりと平らげる。
 それから次は、と再びお重へと嬉々と目を向けるけれど……ハッと、少しだけ我に返る。
「絶景も見どころだというのに思わず食べるのに集中してしまったっ」
 まさに花より団子、食べ物だけに完全に意識が向いてしまっていました。
 ――でも後悔はない!
 景色も気になるけれど、今は食べることに全力を尽くします!
 けれど、少し食欲が満たされたら、ちゃんと景色を眺めて食休め。
「展望車も結構色々あるみたいなんで、後で行ってみますか?」
「いいわね、行きましょうか」
「展望車も楽しみです!」
 雪と桜の景色を見ながら、会話も楽しんだ後は。
「まぁ、この後に一仕事あるわけだしね……しっかり食べておかないと」
 ……動くとお腹減るし、と。
 旺盛な己の食欲にちょっぴり苦笑しながらも、食事再開です!
 いえ、彼だけではありません。
「あら、ひりょはまだいけるようね。なら今度は蟹や牛のしゃぶしゃぶや海鮮鍋、ふぐちりなどの豪華な鍋……私はふぐちりを頂こうかしら」
「お? シャルロットさんも結構いける口ですか」
 食欲的な意味で、シャルロットもいける口のようだから。
 ひりょも一緒に、今度は鍋を食べまくりです!
 瑠美はふたりに比べて、そんなに沢山は食べられないけれど。
 でも、クリームソーダを傾けて喉を潤すシャルロットや美味しそうに鍋を食べるひりょと一緒に。
 雪と桜のいろに染まる絶景を眺めながら、豪華で美味しい食事をいただくこの時間は、とても楽しいから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天帝峰・クーラカンリ
円(f10932)と共に

おっと、意外と風が強いな
まどか、落ちないように此方へ
(自分がフェンス側になるように立つ)

ふ、あのジェットコースター程ではないが
中々に臨場感があるではないか
あの時は一瞬で過ぎ去ってしまったが、今は十分味わえそうだ
(舞う桜に手を伸ばす)
この雪と桜の二重奏も美しい
雪は見飽きたが、桜と合わせるとは
正に此の世界だけのとっておきだな

さて、絵馬に願いを掛けられるようだが、きみは何を祈るかい?
む、内緒…ではないのか(内容を覗き見て)ああ、きみらしいとも
私は…神が神に祈って、効能があるのか?
若干疑問ではあるが絵馬に『戒驕戒躁』と書く
昨年度は色々あったでな、今年は堅実に行こうと思ってね


百鳥・円
クーラのおにーさん(f27935)と!

ひゃーん、つめたい!
けれど慣れてくると心地よいものですねえ
んふふ、お気遣いありがとーですよ!
落っこちないよーに気をつけますよう

あの時のジェットコースター、楽しかったですねえ
急旋回や急降下などは味わえませんが
代わりにほらほら、雪と桜がとーってもキレイ!
わたしは見慣れてしまいましたが
こーいう光景ってなかなか見られないそーですね?

おやや、絵馬に何かを書けるんですね?
何を書こうかはー、なーいしょ!
……と、言ってみたかっただけですよう
『健康で楽しい日々が送れますよーに!』
ふふー、わたしらしいでしょう?
おにーさんは何を書くんですかー?
気になってついつい眺めてしまいます



 乗り込んだクルーズトレインは、聞きしに勝る寛ぎの空間であったから。
 冬の寒さも感じさせぬほど、心地良い温かさで満たされていたけれど。
 いや……だからこそ。
 先頭車両にある、展望デッキに出た瞬間。
「ひゃーん、つめたい!」
 百鳥・円(華回帰・f10932)は、雪を乗せた吹きつける風の冷たさに、思わず声を。
 でも、デッキに出た一瞬は身が震えるようだったそれも。
「けれど慣れてくると心地よいものですねえ」
 少し火照っていた頬に、ひやりと気持ち良い。
 そして眼前の亜麻色の髪が大きく靡く様を青の瞳に映しながら。
「おっと、意外と風が強いな。まどか、落ちないように此方へ」
 自分がフェンス側になるようにすかさず立つのは、天帝峰・クーラカンリ(神の獄卒・f27935)。
 今までいた暖かな車内は、列車とは思えない豪華さであったけれど。
 でもやはりこうやって外に出てみれば、改めて感じる。
 此処は、雪と桜舞う世界を走る列車であるのだと。
 そして次々と流れゆく景色の中、隣の彼を見上げて。
「んふふ、お気遣いありがとーですよ! 落っこちないよーに気をつけますよう」 
 さり気ない心配りに、笑んで返す円。
 けれど……この駆け抜けるような疾走感は、つい最近もふたりで体験した気がする。
 そう、あれは、年末のクリスマス。
「ふ、あのジェットコースター程ではないが、中々に臨場感があるではないか」
「あの時のジェットコースター、楽しかったですねえ」
 一緒に遊びに行った遊園地のジェットコースターのよう。
 あの時も寒かったけれど、それは一瞬。楽しくて寒さもすぐに何処かに吹き飛んだし。
「急旋回や急降下などは味わえませんが。代わりにほらほら、雪と桜がとーってもキレイ!」
 一気に落ちたりぐるんと回ったりこそしないけれど……でもだからこそ、今度はゆっくりと。
「あの時は一瞬で過ぎ去ってしまったが、今は十分味わえそうだ」
 ――この雪と桜の二重奏も美しい、と。
 流れゆく風景を楽しむように、雪と桜舞い降る天へと、彼女と共に手を伸ばしてみるクーラカンリ。
 白銀の雪景色や桜咲く薄紅の風景は、季節が巡ってくれば、此処に限らず愛でることはできるのだけれど。
「わたしは見慣れてしまいましたが、こーいう光景ってなかなか見られないそーですね?」
 向けられた円の視線と問う言の葉に、クーラカンリはこくりと頷く。
 極寒の地を故郷に持つ彼にとって、一面の銀世界であれば、珍しくも何ともないが。
「雪は見飽きたが、桜と合わせるとは。正に此の世界だけのとっておきだな」
 白と薄紅が戯れるいろを見ることができるのは、この世界だからこそ。
 そしてふと、円は気が付く。
 雪と桜を纏わせ吹く強い風が、何かをカタカタと鳴らしていることに。
 その音がする方へと視線映せば。
「おやや、絵馬に何かを書けるんですね?」
 新年らしい、今の時期だけ設置してある絵馬掛け。
 折角だからと、円がひとつ、丑の描かれた絵馬を手に取ってみれば。
「さて、絵馬に願いを掛けられるようだが、きみは何を祈るかい?」
 向けられたそんな彼の問いかけに返すのは、勿論……?
「何を書こうかはー、なーいしょ! ……と、言ってみたかっただけですよう」
「む、内緒……ではないのか」
 きゅきゅっと書かれた円の願い事は、内緒なんかじゃありません。
 クーラカンリは、特に隠す気もない彼女の書いた絵馬を覗き見て。
 青の瞳を、そっと細める。
 ――『健康で楽しい日々が送れますよーに!』
「ふふー、わたしらしいでしょう?」
「ああ、きみらしいとも」
 書かれた願いが、自他ともに認める、円らしいものだったから。
 クリスマスのあの時は、有意義でとーっても楽しかったと、過ぎ行く一年を一緒に振り返ったけれど。
「おにーさんは何を書くんですかー?」
「私は……神が神に祈って、効能があるのか?」
 そう言いつつも今度は一緒に、迎えたこれからの一年を思い描く。
 そして、気になってついつい眺めてしまう円の視線が向けられる中。
 神が神に祈る行為は若干疑問ではあるものの。
 クーラカンリが絵馬にしたためた言の葉は――『戒驕戒躁』。
 驕らず焦らず騒がずに。またこの一年も慎んで静かに地道に、でも確実にこつこつと……そんな願いという名の決意表明を記して。
 冷たい風に煽られ少し乱れた亜麻色に、そっと大きな手を伸ばしながらも笑む。
 ――昨年度は色々あったでな、今年は堅実に行こうと思ってね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
【狼鬼】
食い倒れに…間違えた仕事しに来ました

ラウンジカーの軽食やスイーツも気になるけど
ダイニングカーでのおせちや鍋もめっちゃ気になるな
どっち行く?
両方?それだ

俺、蟹好きなんだよ
A&Wじゃ不死蟹なんてのもいるし縁起がいい
…え?寿命が無ェってだけで捌かれたら死ぬんじゃねーの?
じゃなきゃ腹ン中が大変だ

食後はデザートも堪能したい
あっほらパフェもあるぜ
こないだのパフェ屋は誘いそびれちまったし
ここでザザとパフェ食うのも悪くねえな
櫻居先生監修のカクテルとやらはノンアルもあんのかな
あったらそれも堪能したい

重くなった腹を抱えて大満足
しっかしこれから死ぬってーのに満腹ってのは美しくねェな
死なねーけど


ザザ・クライスト
【狼鬼】

「夜汽車の旅行たァ新年から気が利いてるぜ」

まずはメシだ
腹が減ってはなんとやら、ダイニングに行くぜ
どっちじゃねェ、両方だ

席に着くと、

「プロージット」

グラスを掲げてまずは一杯
先生監修のカクテルに喉を潤すと蟹鍋だ

「不死蟹って、生きたまま喰うのかよ? 踊り喰いってヤツ?」

だって不死なら死なンだろ、つーことは生きたままでだな
脚を剥いて喰らいながらとぼけたことをのたまい、おせちにも箸を伸ばして舌鼓

「アー、ヴィリヤが言ってたな。野暮用で惜しィことをしたぜ」

主食の後はなるほどパフェだ
スプーンを動かしつつ、

「死に方はやっぱ割腹か? 満腹だとイロイロとヤバイな」

オレ様は腹八分目、グラスを片手にニヤリと笑う



 雪と桜の景色を走るのは、クラシカルな豪華寝台列車。
 『桜雲』というその名の通り、白銀と薄紅のいろが舞い積もるその様は雲の様で。
 春の彩を纏った雪が空の如き地を覆って、幻想的な風景を作り上げている。
 そして足を踏み入れたクルーズトレインは列車とは思えない、まるで豪華な動く高級ホテルのようだけれど。
 大人気で予約を取るのも大変であるというこの贅沢な寝台列車に乗っている目的はというと。
「食い倒れに……間違えた仕事しに来ました」
 そう、食い倒れ……では一応なく、仕事です仕事。
 いや、また今回も、仕事で来ていることがバレないように全力でカモフラージュする作戦なのです!
 そんな食い倒れる気満々な、わくわくそわそわ尻尾を揺らすジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)と共に、クルーズトレインに乗り込んだザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)は、喫煙ブースで一服し戻ってきてから。
「夜汽車の旅行たァ新年から気が利いてるぜ」
 ぐるりとラグジュアリーな車内を見回すのもそこそこに。
 存分に堪能する気なのは、勿論。
 ――まずはメシだ。
 やはりそうですよね、腹拵えからですよね!
 とはいえ、食べ物や飲み物が提供される車両はひとつではない。
「ラウンジカーの軽食やスイーツも気になるけど、ダイニングカーでのおせちや鍋もめっちゃ気になるな」
 貰ったクルーズトレインのパンフレットと睨めっこしつつ本気で悩むジャスパーは、連れへとちらり瞳を向けて。
 ……どっち行く?
 そう、訊ねてみるけれど。
 そんなの決まっていると言わんばかりに、ニッと笑んでザザは即答する。
「腹が減ってはなんとやら、ダイニングに行くぜ」
 ……どっちじゃねェ、両方だ、って。
 そして返ってきた友人の言葉に、ジャスパーも笑み返す。
「両方? それだ」
 気になるなら全部食べればいいじゃない。ええ、単純明快な真理です。
 それに此処は、何といっても最上級のおもてなしを謳う贅を尽くしたクルーズトレイン。
 お客様の要望とあらば、ダイニングカーでもラウンジカーのメニューを言えばどうやら頼めるらしい。
 ということで席につけば、飲み物のオーダーから。
 いつものようにまずはビール、といきたいところだけれど。
「櫻居先生にフラウが入れ込むのも分かるなァ」
「まァ確かに女子がいかにも好きそうだけど、またそこがいけすかねえ」
 ふたりが頼んだのは、あの作家が監修したという雪と桜をイメージしたカクテル。
 生クリームを泡にして雪に見立てて。薄い空の様な水色に降る雪と桜が舞い積もったような、底に沈む淡いそのいろは桜シロップ。
 雪と桜のチャーム揺れるカクテルピンがまた、小洒落ていて。
 アルコールは勿論、ノンアルコールも用意されている。
 監修した人物はいけ好かないけれど、でもそれはそれ、これはこれ。
 折角だから、勿論存分に堪能します!
 ということで。
「プロージット」
 グラスを掲げてまずは一杯。
 そしていざ、頼むのは。
「蟹鍋だ」
「俺、蟹好きなんだよ」
 そう、贅沢に蟹鍋です!
「A&Wじゃ不死蟹なんてのもいるし縁起がいい」
 別の世界で、フシカニモドキという蟹を食べたことを思い出しながら言ったジャスパーに、蟹を早速鍋に投入しつつ首を捻るザザ。
「不死蟹って、生きたまま喰うのかよ? 踊り喰いってヤツ?」
 ……だって不死なら死なンだろ、つーことは生きたままでだな、って。
 そんな言葉に、今度はジャスパーがきょとんと首を傾けて。
「……え? 寿命が無ェってだけで捌かれたら死ぬんじゃねーの?」
 ……じゃなきゃ腹ン中が大変だ、って。
 ふと腹で踊っている蟹を想像してみれば、確かに大変なことに。
 ザザは蟹脚を剥いて、ぷりぷり肉厚な身を喰らいながらも。
 新年早々とぼけたことをのたまいつつ、おせちにも箸を伸ばして舌鼓。
「アー、ヴィリヤが言ってたな。野暮用で惜しィことをしたぜ」
 そういえば車内でちらりと見かけた気がする知り合いの名を口にし、蟹の合間にぐいっと酒を呷る。
 そして高級蟹を存分に食べ尽くせば。
 ご馳走様……なわけありません。
「あっほらパフェもあるぜ」
「なるほどパフェだ」
 なるほどパフェです!
 早速、食後のデザートに、これまた高級素材をふんだんに使った小洒落たパフェを注文して。
(「こないだのパフェ屋は誘いそびれちまったし、ここでザザとパフェ食うのも悪くねえな」)
 運ばれてきた甘い誘惑に、ジャスパーの瞳はキラキラ、悪魔尻尾も再びゆらゆら。
 そして、はむはむと幸せそうに食べ進めれば……すっかり満腹。
 高級な蟹に甘いものも堪能し尽くして、重くなったお腹を抱えて大満足のジャスパー。
 存分に食い倒れの目的は達成しました……!?
 いえ、ちゃんと忘れていませんよ?
「しっかしこれから死ぬってーのに満腹ってのは美しくねェな」
 死なねーけど、と続けたジャスパーに視線を向けて。
 ザザはスプーンを動かしつつ、最後のひとくちを掬い上げながら。
「死に方はやっぱ割腹か? 満腹だとイロイロとヤバイな」
 グラス片手に、お腹を擦る連れの様子を見てニヤリ――オレ様は腹八分目、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

辰神・明
【KOR】
アドリブ歓迎
姉人格:アキラで参加

景色すっげー!
きれーだし、広いし、きれーだし!
おみくじ?アタシも引いてみっかー(運勢お任せ)
みんなは運勢どうだった?見たい!

クロム、耳と尻尾動いてんぞー(ケラケラ
軽食ってコトは、肉あるかも!?
肉増し増しとハンバーガーとか
肉挟んだサンドイッチとか
他にも取ってくっけど、何持ってくるー?
野菜ヤダ、朱雀頼むわ……ピーマンとニンジン以外もヤダ(目逸らし

いんでぃあん、ぽーかー?
ユーベルコードみたいだけど、違うんだな
アタシもルール教えてもらって、やる!どうやんの?
【野生の勘】でなんとかなんだろ!……多分

花屋敷の数字?
普通に見え……ない、ウソだろ……!?(見えてます


木常野・都月
【KOR】

任務で、敵を追いかけたり、戦ったりした事はあるけれど、列車って本当はゆっくり乗る乗り物なんだっけ。
初めての普通の電車の乗り方にワクワクする。
(クロムさん凄い嬉しそう)
クロムさん、揺れてますよ?
(耳ピコピコ尻尾ブンブン)

展望デッキ!おみくじだ!
これは……(結果お任せ)?
慧華ちゃんの結果は何て書いてあるんです?

俺はシュワシュワー炭酸ジュースがいいな。
後はミックスサンド!
あ、幽兵さん、やりましょ、コーラーとメロンソーダ!
せーのっ!(一気飲み)っ。

アキラちゃん、本当に肉だけですね…(肉食女子って言うんだっけ?)

俺はカードゲーム初めてなんです。
ルールは冬青さん達と一緒にアヤネさんに聞いて挑戦!


花屋敷・幽兵
【KOR】
世の中に興奮する物ってあるけど、一番興奮するのは展望デッキだよね。
おみくじ!そういうのもあるのか。
マスクを脱いでさらさらヘアーの俺イケてる。
ふ…冬青。ちょっと何言ってんのか分かんない。
よし都月、乾杯すっぞ。コーラとメロンソーダ混ぜようぜ。
一気に飲み干すのが作法だ!
慧華はプリンか?肉か…ローストビーフとか良さそうだな、取ってやろう。
食後の余興はカードゲームだ。
メ…半裸…アキラ、俺の”数”が分かるか…?
俺にはお前の数字がよく見えるぜ(当たり前)
クロムは目が大きいから近寄ると目に俺のが映りそうだぜ(?)
そして漆黒のラグランジェを俺は討つ!
悪の演技なら俺は負けない(ここいい感じの描写で)


朱雀・慧華
【KOR】
すごーい!なんか飛んでるみたいだねー!
おみくじ?楽しそう、私も引く―!
(結果お任せ、技能【幸運】持ちの豪運少女)
えぇっと、うーん…難しい字わかんない、読んでー!

んー、プリンもいいけど、美味しいものならなんでも食べたいなー
お肉もお魚も甘いものも
あ、お野菜も大好きだよ!
アキラちゃん、ピーマンとニンジン嫌い?
じゃあそれは私代わりに食べるよ!
お野菜食べれるのだけでも食べた方がいいよー?

カードはルール教えてもらってやるねー!
嘘は苦手だから全部正直に言うし
基本勝負に出る
ちゃんと話も合わせるよ(なお幸運

幽兵がクロムお姉ちゃんの目を見ようとしたら
ミッキュがひょこりと間に顔を出し

難しいけど楽しいねー!


クロム・エルフェルト
【KOR】おみくじは。(運勢お任せ)「侍人来たる」
……え。待人の誤植?

わ……わぁ、これが、汽車?
UDCアースの「たくしー」よりも大きい……、わぁー。
初めて見る汽車に躍る心。ダメダメ、平常心(耳ピコピコ尻尾ブンブン)。
あ、都月くん。揺れてる?……ぁ(尻尾握って止める)。

いんでぃあん、ぽーか?
私が知ってるのは、花札くらい。アヤネ先生、遊び方を教えて。
ユーヘイの真剣な目つき。あれは勝負師の目、此処は引けない。
ぐっとまっすぐ見つめ返s……ん、フェネックちゃん。どうしたの?
カードが目に映ってる?……イカサマは、軽食オゴり一回。
(刀での斬った張ったは強いのに、こういう遊びは弱々。純情が仇になってカモに)


城島・冬青
【KOR】

展望デッキ!景色が綺麗ですね
おみくじがあるんです?
じゃあみんなで引いてみませんか
どれどれ〜
吉だ
可もなく不可もなく
ふーんだ
これから運勢鰻登りしますからね?
アヤネさんも私と一緒なら運気アゲアゲですよ!
根拠なんてありませんけど
ところで貴方は誰ですか?!(幽兵を指差し)
え?ゆーへーさん??
覆面が本体じゃなかったんですね
なんか慣れない

ラウンジで験担ぎのカツ丼を食べつつ
トランプですか?
ババ抜きや大貧民ならわかるけど
あー、額にカード当てるやつか
プレイは見たことあります
細かいルールはアヤネさんに教えて貰いながらやろっと
ふっふっふっ第六感で華麗に勝利してみせましょう!
フラグじゃないですよ!本当ですよ?


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
展望デッキでおみくじを引くよ
結果はスエキチ?
あーハズレって事かな?
まあ僕はいつも不運だから平気!
ソヨゴは吉でよかったネ
僕が側にいればいつでもいい事が起きるよ
ケイカの結果は読んであげるよ

ユーヘイは人間だったのネ
タールちゃんの同類かと思ってた

ラウンジに移動して軽食とトランプ
僕は珈琲にクラブサンド
アキラは大丈夫ハンバーガーには食べられない野菜は入っていない!

トランプ何しよう?
ほほーインディアンポーカー
いいとも受けて立つ
ソヨゴクロムツヅキには解説をしよう
額にカードを掲げて…
ぶっw
なんか神妙な顔をしてポーズされると笑っちゃうネ

演技でみんなを混乱に陥れよう
ユーヘイは今回も6でもないネ



 皆でわいわい乗り込んだ列車が、ゆっくりと走りだせば。
 雪と桜が舞う車窓の風景も、それに合わせて流れ始める。
 そんな景色をのんびりと眺めながら。
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は、これまでの列車に乗った時のことを思い出してみる。
「任務で、敵を追いかけたり、戦ったりした事はあるけれど、列車って本当はゆっくり乗る乗り物なんだっけ」
 一応今回も任務のためではあるのだけれど。
 こうやってゆっくりと列車の旅を楽しむのは初めて。
 そして、初めての普通の電車の乗り方にワクワクしながらも、ふと隣に目をやれば。
「わ……わぁ、これが、汽車?」
 初めて見る汽車に躍る心と声。
「UDCアースの「たくしー」よりも大きい……、わぁー」
 大きな瞳をキラキラさせている、クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)の姿が。
 しかし、列車に乗り込んだ目的は、任務のため。
(「ダメダメ、平常心」)
 そう気を取り直さんとするクロムだけれど。
 ――ピコピコ、ブンブン。
 もふもふな耳と尻尾は、とっても正直。
(「クロムさん凄い嬉しそう」)
 やっぱり、都月にもバレバレです。
「クロムさん、揺れてますよ?」
「あ、都月くん。揺れてる? ……ぁ」
 そう掛けられた都月の声に、また思わずピコッと立った耳と大きく揺れる狐尻尾。
「クロム、耳と尻尾動いてんぞー」
 そんな様子に、今は姉人格の「アキラ」である辰神・明(双星・f00192)もケラリと笑う。
 けれど、どうしても素直なクロムの耳や尻尾に合わせて、都月も一緒に、ピコピコブンブン。
 だって同じ様に、初めての普通の列車の旅は、わくわくするから。
 そんな、揺れる尻尾を掴んでようやく止めるクロムであるけれど。
 初めてでも乗り慣れていても、心躍るのは当然である。
「景色すっげー! きれーだし、広いし、きれーだし!」
「すごーい! なんか飛んでるみたいだねー!」
 豪華な車内から見える雪と桜の景色は絶景だし、その中を走り抜ける列車の爽快感は最高。
 明の興奮したような声に、朱雀・慧華(純真天使・f17361)もこくこく大きく頷いて。
 そんな景色をもっと間近で感じるために、皆で足を運んだのは、そう。
「世の中に興奮する物ってあるけど、一番興奮するのは展望デッキだよね」
 さらさらヘアーのイケてる彼が言う様に、先頭車両に設置された展望デッキ。
「展望デッキ! 景色が綺麗ですね」
 冬の冷たい風もなんのその。城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も白と薄紅が織り成す幻想的ないろをぐるり眺めつつ。
 ふと、デッキで見つけたのは。
「おみくじがあるんです? じゃあみんなで引いてみませんか」
「おみくじ! そういうのもあるのか」
 そうすぐに返すさらさらヘアーの人に、冬青はぱちくりと琥珀色の瞳を瞬かせて。
 びしいっと指差し、言い放つ。
「ところで貴方は誰ですか!?」
 そのさらさらヘアーな謎の人はなんと。
「え? ゆーへーさん??」
 そう! 俺、俺! さらさらヘアーのイケてる俺!!
 マスクを脱いで臨む、花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)である。
 そんなマスクマンではない幽兵を、まじまじと見つめて。
「覆面が本体じゃなかったんですね」
 ……なんか慣れない、と呟きを落とす冬青に。
 吹きつける風にさらさらヘアーを靡かせながら返す幽兵。
「ふ……冬青。ちょっと何言ってんのか分かんない」
 いや、彼が誰か分からなかったのは、何も冬青だけではない。
「ユーヘイは人間だったのネ。タールちゃんの同類かと思ってた」
「ふ……揃って仲が良いな、おふたりさん」
 冬青の隣で言ったアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)にも、クールに返す幽兵。
 俺、やっぱりイケてる、って。
 確かにいつも黒いですけれど、覆面が本体でも、タールちゃんの同類でもありません。一応多分人間です。
 そんな謎の人物の正体も判明したところで、気を取り直して。
「展望デッキ! おみくじだ!」
「おみくじ? 楽しそう、私も引く―!」
「アタシも引いてみっかー」
 都月や慧華、明も、冬青に続いておみくじを引いてみて。
「お、結構いいな、中吉か」
 ガサガサッと早速開いてみた明は中吉、なかなか良い運勢です!
 そして明はぐるりと周囲の皆を見回しつつも、訊ねてみる。
「みんなは運勢どうだった? 見たい!」
 そんな明の言葉に、どれどれ〜と自分のおみくじを開いてみた冬青とアヤネの運勢は。
「吉だ。可もなく不可もなく」
「結果はスエキチ? あーハズレって事かな?」
 吉と末吉……すごく普通だったり、ちょっぴりハズレ感のある結果だったけれど。
「でも、これから運勢鰻登りしますからね?」
 ふーんだ、と平凡な結果に言った冬青の横顔を、アヤネは見つめて。
 まあ僕はいつも不運だから平気! と自分の結果は気に留めず、何だか普通でちょっぴり悔し気な冬青に笑んで続ける。
「ソヨゴは吉でよかったネ」
 ……僕が側にいればいつでもいい事が起きるよ、って。
 その言葉に、冬青もこくりと力強く頷く。
「アヤネさんも私と一緒なら運気アゲアゲですよ!」
 ……根拠なんてありませんけど、と。
 いや、根拠はないけれど……でもきっとアゲアゲな大吉に違いないって、そう思うから。
 ふたりで一緒に居れば、それだけで。
 そして、引いた自分のおみくじに視線を落としたクロムは、瞳を瞬かせ、何度見かしてしまう。
 結果は小吉、それほど悪くはなかったのだけれど。
『侍人来たる』
「……え。待人の誤植?」
 待人が来たるのか、侍人が来たるのか、むしろ待人が侍人?? というか、それ誰……?
 そんな耳をぴこぴこ困惑しているクロムの隣で、同じく耳をぴこんとさせる都月。
「これは……小吉?」
 彼の結果もクロムと同じ小吉であったけれど。ちゃんと彼のおみくじの待人は、待人でした。
 それから都月は、首をこてんと傾げている慧華に気付いて。
「慧華ちゃんの結果は何て書いてあるんです?」
「えぇっと、うーん……難しい字わかんない、読んでー!」
「ケイカの結果は……おお、大吉だネ」
 慧華の分のおみくじの結果を読んであげるアヤネだけれど。
 恋愛叶う、待ち人来たる、縁談首尾よし、出産易し、学問上手くいく、等々――大吉は大吉でも、めっちゃいい大吉!
 流石の豪運少女ぶりを発揮です!
 そして幽兵はイケてるダークヒーローなので。
「ユーヘイは……凶? さすが裏切らないネ」
 みんなの運勢が悪くなければそれでいいのです! ひとり凶でも泣かない。
 そんなキャッキャ景色を楽しみながら、新年らしくおみくじを引き終えて。
 再び車内へと戻った面々が足を運んだのは、軽食や飲み物がいただけるラウンジカー。
「軽食ってコトは、肉あるかも!?」
 肉増し増しとハンバーガーとか、肉挟んだサンドイッチとか!
 そうわくわく肉増し増しチョイスをすかさずする明は、皆にも訊いてみる。
「他にも取ってくっけど、何持ってくるー?」
「俺はシュワシュワー炭酸ジュースがいいな。後はミックスサンド!」
「僕は珈琲にクラブサンド」
 明の言葉に、都月とアヤネもそれぞれ選んで、一緒に取りに行く。
 それから幽兵は、メニューを見て悩んでいる様子の慧華に声をかけてみる。
「慧華はプリンか?」
「んー、プリンもいいけど、美味しいものならなんでも食べたいなー。お肉もお魚も甘いものも。あ、お野菜も大好きだよ!」
「肉か……ローストビーフとか良さそうだな、取ってやろう」
 肉や魚や野菜も満遍なく、ちゃんと食べて。大好きなプリンも勿論、食後のお楽しみのデザートに。
 それから、取ってきてくれた幽兵に、ありがとう、とお礼を言ってから。
「……野菜ヤダ」
 慧華はふと聞こえたそんな声に顔を上げて。
 声の主へと視線向けつつ、こう申し出る。
「アキラちゃん、ピーマンとニンジン嫌い? じゃあそれは私代わりに食べるよ!」
「朱雀頼むわ……」
 明は、ささっと野菜を慧華にパス!
 けれど、嫌いな野菜がピーマンとニンジンならば。
「アキラは大丈夫ハンバーガーには食べられない野菜は入っていない!」
 アヤネの言う様に、ハンバーガーやサンドイッチには入っていないはず?
 そんなアヤネから、そっと何気に明は視線を逸らして。
「ピーマンとニンジン以外もヤダ」
 野菜をさくっと抜いては、慧華の皿へと。
「お野菜食べれるのだけでも食べた方がいいよー?」
「アキラちゃん、本当に肉だけですね……」
 明のハンバーガーは、完全なる肉だけバーガーに。
 そんな明に、肉食女子って言うんだっけ? なんて都月が思っていれば。
「よし都月、乾杯すっぞ。コーラとメロンソーダ混ぜようぜ」
「あ、幽兵さん、やりましょ、コーラーとメロンソーダ!」
「一気に飲み干すのが作法だ!」
 またろくなことをしやしない男子たち。
 そして緑黒いしゅわしゅわを手に、顔を見合わせて。
 カチリとグラスを重ねてから――せーのっ! で一気飲みです!
 そんなラウンジで軽食を取りながら、皆で遊ぶのは。
「トランプですか? ババ抜きや大貧民ならわかるけど」
 験担ぎのカツ丼を食べつつも首を傾ける冬青の言うように、トランプです!
「トランプ何しよう?」
 そしてトランプで何をして遊ぶかといえば。
「いんでぃあん、ぽーかー?」
 そう、インディアンポーカー!
 とはいっても。
「ほほーインディアンポーカー」
 ――いいとも受けて立つ、と。
 やる気満々なアヤネとは逆に、大きく揃って首を傾げて。
「ユーベルコードみたいだけど、違うんだな」
「俺、カードゲーム初めてなんです」
「カードゲーム……私が知ってるのは、花札くらい」
 それがどういうゲームか知らない様子の、明と都月とクロム。
 けれど、勿論。
「アヤネ先生、遊び方を教えて」
「アタシもルール教えてもらって、やる! どうやんの?」
 やらない、という選択肢はありません。教えて、アヤネ先生!
 そして明やクロムと一緒に、都月と冬青もアヤネ先生の解説に耳を傾けて。
「額にカードを掲げて……」
「あー、額にカード当てるやつか。プレイは見たことあります」
「野生の勘でなんとかなんだろ! ……多分」
 アヤネを真似て、1枚のカードを冬青が額に当ててみれば。
 皆も倣って、それぞれのカードをおでこにぴとり。
 自分を真剣に見つめる皆のそんな姿を見回せば。
「ぶっ、なんか神妙な顔をしてポーズされると笑っちゃうネ」
 思わずアヤネは吹き出してしまう。
 そして、おでこにカードを当てたまま、冬青はびしいっと言い放つ。
「ふっふっふっ第六感で華麗に勝利してみせましょう!」
 そんな盛大なフラグを立てながら。
 ……いえ、フラグじゃないですよ! 本当ですよ?
 それから幽兵は、ふっとイケてる笑顔を明に向ける。
「メ……半裸……アキラ、俺の”数”が分かるか……?」
 ――俺にはお前の数字がよく見えるぜ、って。
 いえ、それ当たり前です。
 そして明は、空気の読める子。
「花屋敷の数字? 普通に見え……ない、ウソだろ……!?」
 いえ、見えてますけど!
 そんな早速はじまった心理戦(?)、負けてなんていられません!
 ということで、幽兵は策を巡らせて。
(「クロムは目が大きいから近寄ると目に俺のが映りそうだぜ」)
 ちらり、クロムへとわざとらしく視線を向けてみれば。
(「ユーヘイの真剣な目つき。あれは勝負師の目、此処は引けない」)
 ぐっとまっすぐ見つめ返……そうとしたのですが。
「……ん、フェネックちゃん。どうしたの?」
 慧華のミッキュがすかさず、ひょこりっ。
 幽兵の思惑通りにはさせません!
 そしてミッキュがひょこりと顔を出した理由を知ったクロムは、颯爽と新ルールを設立。
「カードが目に映ってる? ……イカサマは、軽食オゴり一回」
 正々堂々、いざ尋常に勝負! イカサマは許しません!
 ……とはいえ。
「クロムのは強いカードだから、勝負に出る方がいいネ」
「そうだな、俺もそう思うな」
「そ、そうそう! クロムさんはそのままでいいかと……?」
「え、クロムさんのカード……その数で、強いんですか?」
「クロムお姉ちゃんは、勝負しないほうがいいかも?」
「えっ、え? ど、どっち?」
「クロム、また耳と尻尾動いてんぞー」
 刀での斬った張ったは強いのに、純情が仇になってカモになるクロム。
 実は、こういう遊びは弱々なのです。
 そして、繰り広げられる熱い戦い。
「漆黒のラグランジェを俺は討つ!」
 ――悪の演技なら俺は負けない、と。
 幽兵はしゃきーんと格好良く(?)アヤネに宣戦布告!
 そんな、いい感じの描写を軽率に所望する幽兵は、悪どい笑みをふっと宿して。
 いざ、漆黒のラグランジェを倒すべく、こうどなしんりせんに臨まんとするけれど。
「ユーヘイは今回も6でもないネ」
 ええ、本当に6でもありませんね!
 そんな、攪乱する者もいれば、正直に言う者もあり。
 それぞれ、でも何気に性格が出まくっていることを好きに言い合うけれど。
 皆が何気に一番、どうするのかを気にしているのが。
「ケイカは降りた方がいいネ」
「うんうん、その方がいいです」
 そう、豪運少女の動向である。
 だって、ぴたりと彼女の小さな額に当てられているカードは……なんてったって、ジョーカーだから。
「そうなんだ?」
 そして皆に揃って言われた慧華は、瞳をぱちくり。
 ……きっと素直な彼女のことだ、これで降りるに違いない、と。
 ジョーカーの彼女さえ降りてくれれば、きっと自分の持ち札が一番強いカードのはず――。
 そう信じて……駆け引きタイムも終わり、いざ勝負の時!
 皆が、せーの! で一斉に勝負に出れば。
「!?」
 てっきりカードをおろすかと思っていた慧華も、何と額にジョーカーを当てたまま!?
 そして一人勝ちした豪運少女は項垂れる皆に、にぱっと笑みを向ける。
 ――難しいけど楽しいねー! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宵鍔・千鶴
【nyx】

汽車に乗るのは二回目だけれど
外に出て参拝は新鮮
びゅうと吹く風は冷たくて
寒そうな女子達へ温いカイロを頬に当て渡す
菫は御籤?俺も引いてみよう
結果は…何にせよ記念だから持ち帰ろうかな
ニーナなら、皆に届けられるよ
素敵ないんふるえんさー、だね
絵馬にこっそり書いてぶら提げた
『また来年も変わらず皆と共に笑い合える時を』
俺達は猟兵だから、願うはひとつ
簡単なようで一番難しいことを神様へ

霜焼ける前に足湯に浸かって夢心地
甘い桜プリンにじんわり満たされながら
刻達が頼んだカクテルも綺麗だ
振り向けば皆がいて微睡んだ頭で
俺、今すごくしあわせ
今年も宜しくねってふにゃり微笑って


君影・菫
【nyx】

二度目の夜汽車
けれど其処で外に出るんは初めて
ふふ、よう冷えるねえ
…はら、カイロ?ちぃ、ありがとなあ

うちは御籤ての引いてみよ
運試しやけど何が出てもうちは楽しむんやろな
あんな、旅行が楽しくなるて書いてるとニーナに告げて
彼女の絵馬を覗き
ええやない、真面目な話もて咲う
ちぃのこっそりは秘密のままで

冷えたから中行こ?
ふうわりみんなを手招いて
な、足湯やて
物珍しげに一番乗りの恩恵はほかほか
これ、あったまるなあ

刻と揃いの雪桜のカクテルと気になったプリンで
今日だけのしあわせ味
みんなでゆったり
こんな機会、あんま無いもんねえ
ふふ、あったまってきたら眠うなってきたような
みんな、今年もいっぱいよろしゅうにね?


ニーナ・アーベントロート
【nyx】
初めての列車に浮かれて
皆をデッキへと連れ出したら、北風の厳しい洗礼
み、身が引き締まるねえ…
軽い調子で強がっても声は震える
そんな時頬に触れた千鶴くんの心遣い
暖かくて頬が溶けちゃう

菫さん、お神籤なんて書いてあった?
後で引こうかなぁって気になりつつ絵馬を手に
綴る願いは『SNSで皆を元気に』
世界を越えて皆に見せたい素敵なものが沢山あるから
…真面目な話しちゃった、恥ずかしー!

指先が凍っちゃう前に足湯へ行こ
ゆるり浸かれば生き返る心地で
はふぅと漏れる幸せな吐息
白雪舞う桜色ノンアルカクテルを味わいつつ
ほろ酔い刻さんとプリンで乾杯
ぬくぬくしながら冷たいもの食べるって贅沢
うん、今年もいっぱいよろしくね


飛白・刻
【nyx】

列車に乗るだけでなく
様々な体験を出来るというのだから
心内は興味の渦
皆と共にデッキへと向えば
流るる景色と頬撫でる風が季節を告げる

御籤もひとつ
どのような結果であれ
意味は有るのだろうと
悪ければ覆すまでのこと
ニーナの真直ぐな願いを耳すれば
片鱗は見え始めているのではと
この場咲く声達が示すよう

身体が冷え切る前にと
菫の声を合図にデッキを背にし
ほう、足湯とはまた風情のある
冷えた分より暖まる

この心地にも酔いたいのだと
雪桜のカクテルを含んで味わう
ほろ酔えば知らずと緩み笑む
プリンもグラスに見立て乾杯してしまおうと
千鶴も巻き込み音鳴らす
こうして共に過ごすは掛け替えなきもの
ゆるり流る景色、ひとときにも願掛けを



 ガタンゴトンと心地良く揺れながら、白と薄紅に染まる世界を走る寝台列車。
 けれどそれは、ただの寝台列車に非ず。
 列車に乗っている時間が、特別な旅そのものであるというのだ。
 ……列車に乗るだけでなく、様々な体験を出来るというのだから、と。
 飛白・刻(if・f06028)の心内に生じるは、数多の興味の渦。
 そう、これは豪華寝台列車・クルーズトレイン『桜雲』号。
 車内に一歩足を踏み入れた瞬間、まるで列車とは思えぬ空間が広がって。
 ニーナ・アーベントロート(赫の女王・f03448)は、はしゃぐ心のまま、皆を手招き連れ出す。
 興味を惹いた、先頭車両の展望デッキへと。
 そしてわくわく心躍らせながら、外のデッキへと出てみれば。
 迎えてくれるのは、風に乗って舞い遊ぶ雪と桜。
 白と薄紅纏う流れる景色と、ひやり頬を撫でる冷たい冬の風が季節を告げて。
 雪の如き銀の髪をそうと風に揺らす刻の隣で、きょろり視線を巡らせるのは宵鍔・千鶴(nyx・f00683)。
「汽車に乗るのは二回目だけれど、外に出て参拝は新鮮」
 列車に乗っているのに、外でもある展望デッキは、何だか不思議な感じだし。
 おみくじや絵馬などが置かれ参拝までできるなんて、なかなか経験する機会もないこと。
 いや……確かに、臨場感溢れる綺麗な光景だし、お参りもしたいのだけれど。
「み、身が引き締まるねえ……」
 びゅうっと吹きつけるのは、そう……北風の厳しい洗礼!?
 そんな、軽い調子で強がってみせても、声震えているニーナに。
「ふふ、よう冷えるねえ」
 千鶴と同じく二度目の夜汽車、そして其処で外に出るのははじめてだという君影・菫(ゆびさき・f14101)は、翡翠の髪を北風に踊らせながらもそう笑み零して。
 寒そうな女子達の頬へと不意に、千鶴がぴとりと当てて渡すのは、ぬくぬくあったかい温もり。
「……はら、カイロ? ちぃ、ありがとなあ」
「わ、千鶴くんありがとう! 暖かくて頬が溶けちゃう」
 頬に触れたのは、解されたカイロ。
 そんなカイロの温かさは勿論だけれど。何よりもその心遣いが、あったかい。
 そしてきょろり物珍しそうに視線巡らせた菫の興味を惹いたのは。
「うちは御籤ての引いてみよ」
 展望デッキに置いてある、おみくじ。
 早速引いて、運試し。
「菫さん、お神籤なんて書いてあった?」
「菫は御籤? 俺も引いてみよう」
「俺もひとつ、引いてみようか。どのような結果であれ、意味は有るのだろう」
 菫のおみくじを覗き込むニーナの横で、千鶴と刻もおみくじを引いてみて。
 気になる結果はといえば――。
「はら、みんなお揃いやね」
「え、全員……凶?」
「……凶か。悪ければ覆すまでのこと」
 まさかの、みんな凶!?
 でも年の始まりが凶ならば、あとは運勢も上がっていくばかりだし。
 顔を見合せ思わず笑ってしまう今は、やっぱり楽しいから。
「結果は……何にせよ、記念だから持ち帰ろうかな」
「あたしも、後で引こうかなぁ」
 ちょっとお揃いいいなぁ、なんて、凶なんだけど思いつつも。
 おみくじよりも先にニーナが手にしたのは、絵馬。
 そして、綴る願いは――『SNSで皆を元気に』。
「世界を越えて皆に見せたい素敵なものが沢山あるから」
 なんて、瞳細め語るけれど。
「……真面目な話しちゃった、恥ずかしー!」
 自分を見つめる皆を顔を見回せば、急に照れ臭くなって。
 けれど、そんな願いはとても彼女らしいから。
「ええやない、真面目な話も」
 そう咲む菫に、千鶴もうんうんと頷く。
「ニーナなら、皆に届けられるよ」
 ……素敵ないんふるえんさー、だね、って。
 そして刻も、真直ぐなその願いを耳にすれば思う。
 ……片鱗は見え始めているのでは、と。
 だってこの場咲く声達が、楽し気で元気なそのいろを既にみせているから。
 それから千鶴と菫も、絵馬を書き書き。
「菫さんは、何て書いたの?」
「あんな、旅行が楽しくなるて書いてる」
 そして先に書き終わった千鶴は、そうっとこっそり絵馬をぶら提げる。
(「俺達は猟兵だから、願うはひとつ」)
 簡単なようで、でも一番難しいことを、神様にお願いする。
 ――『また来年も変わらず皆と共に笑い合える時を』って。
 それからやっぱり、楽しいけれど外は寒いから。
「冷えたから中行こ?」
 ふうわり皆を手招く菫が見つけたのは。
「な、足湯やて」
 そう、展望車に設置された足湯。
「指先が凍っちゃう前に足湯に入ろ」
 物珍しげに一番乗りのほかほかな恩恵を受けた菫に続いて、ニーナもそっと足を浸して。
「ほう、足湯とはまた風情のある」
「これ、あったまるなあ」
 霜焼ける前にとゆるり浸かれば、冷えた分より暖まる、生き返るような夢心地。
 思わずはふぅと漏れる、幸せな吐息。
 そして存分にあたたまれば、今度はおなかを満たしにラウンジへ。
 この心地にも酔いたいのだと、そう刻が注文したのは、雪桜のカクテル。
 甘い物が好きな千鶴は、桜プリン。
 菫もそんなふたりとお揃いのカクテルとプリンを。
 ニーナも、白雪舞う桜色ノンアルカクテルを頼んで。
 いざ、グラスを合わせて――乾杯!
 カクテルのグラスは勿論、プリンもグラスに見立てて、みんなで。
 そしてゆったり味わうのは、今日だけの味。
「俺、今すごくしあわせ」
「こんな機会、あんま無いもんねえ」
「ぬくぬくしながら冷たいもの食べるって贅沢」
 そう……それは特別な、しあわせ味。
 感じるあたたかさと甘さに、何だかほんわり、微睡んでしまうほど。
(「こうして共に過ごすは掛け替えなきもの」)
 刻もほろ酔い知らずと緩み笑みながら……ゆるり流る景色、ひとときにも願掛けを。
 そして、今年も宜しくね、ってふにゃり微笑う千鶴に、菫も咲み返して。
「みんな、今年もいっぱいよろしゅうにね?」
 皆を見回し言えば、ニーナもこくりと頷く。
 昨年はひとつ、大きなけじめがついた年だったけれど。
 だからこうやって、共に乗り越えてくれた皆と一緒に過ごしたくて。
 そしてやっぱり今……とても楽しいから。
 ニーナは改めて、共に在る皆へと告げる。
 ――うん、今年もいっぱいよろしくね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雨野・雲珠
【ほしぐも】
なんと優雅な造りの汽車でしょう
猟兵でなければ一生縁がなかったかも…
櫻居先生に感謝してしまいそうです。
はい、参りましょう!

(パフェを前に)
そうだ、ヨシュカくん。
すまほを写真機にする方法を御存知ですか?
ふむふむ。ここを?こう…、おいしそうに撮れました!

ココアを買って展望デッキへ
すごい、すごい…!大きな龍の頭首にいるようです!
飛ぶように流れていく景色、桜と雪と友達の声
なんだか夢のようで
全部頭に焼き付けて、覚えておけたらいいのに
きっと写真機はこんな気持ちから生まれたのでしょう
そう思いながら、景色や笑ってるヨシュカくんを撮ります

いっしょに…!
へへ…宝物にします
(嬉しくてぽこぽこ白い花が咲く)


ヨシュカ・グナイゼナウ
【ほしぐも】
これが桜雲号…!パンフレットで見た時よりもっとすごい!
雲珠さま!早く乗りましょう!

予約した部屋に荷物を置いたら早速車両内の探検を
櫻居先生監修のデザートはラウンジカーでですね
暫し事件の事は忘れてパフェを堪能
写真ですか?このアイコンを押すと撮れる様に…
良かったら後で送って下さい。スマホ部屋に置いてきちゃいました

ラウンジカーで次手に温かい飲み物を購入し
目指すは先頭の展望デッキ
少し寒いけど…!折角ですし
わあ!桜と雪が一緒に降って?舞って?
兎に角!こんなの初めてです!

あ!連写モードにすると綺麗に撮れるかも?
えへへ、折角なので一緒に写りませんか?

嬉しそうな君に、わたしも嬉しくなるのでした



 これから始まるのは、豪華な列車旅、だということは聞いていたけれど。
 クラシカルな外観の高級感溢れる車体に、薄らと積もる白銀の雪と薄紅の桜。
 出発する前から、ヨシュカ・グナイゼナウ(明星・f10678)の金の瞳はキラキラと輝いていて。
「これが桜雲号……! パンフレットで見た時よりもっとすごい!」
「なんと優雅な造りの汽車でしょう。猟兵でなければ一生縁がなかったかも……」
 今回このクルーズトレインに乗り込む目的は、またこの列車で殺人事件をやらかそうとしている作家であった影朧を懲らしめるためだけれど。
 ……櫻居先生に感謝してしまいそうです、なんて。
 そう、思わずそっと思ってしまう、雨野・雲珠(慚愧・f22865)。
 そんな雲珠に、ヨシュカは流行る様に声をかけて。
「雲珠さま! 早く乗りましょう!」
「はい、参りましょう!」
 はしゃぐようにふたり、いざ列車内へ!
 足を踏み入れれば、そこは車内とは思えないような空間が広がっていて。
 案内されたゲストルームに荷物を置けば、早速車両内の探検に出発!
 そしてまず、目指すのは。
「櫻居先生監修のデザートはラウンジカーでですね」
 作家が監修したという、洒落た限定デザートがいただけるというラウンジカー。
 暫し事件の事は、ちょっぴりだけ忘れて。
 甘くて美味しい見た目も映えるパフェを堪能……する、その前に。
「そうだ、ヨシュカくん。すまほを写真機にする方法を御存知ですか?」
 雪と桜のパフェを前に、そう首をふと傾け訊ねる雲珠。
 折角だから、食べる前にパフェを写真に収めたいところ。
 ヨシュカは、彼が取り出し手にしたスマートフォンを覗き込んで。
「写真ですか? このアイコンを押すと撮れる様に……」
「ふむふむ。ここを? こう……」
 教わった通り、ぽちっと指で画面を押してみれば。
 ――ぱしゃり。
「おいしそうに撮れました!」
 ぱあっと雲珠に咲き誇る笑顔。上手に撮れました!
 そんな彼の撮ったパフェ画像に、うんうんと頷きながら。
「良かったら後で送って下さい。スマホ部屋に置いてきちゃいました」
 言ったヨシュカに、勿論です! と返すけれど。
 ふともう一度、雲珠は首を傾ける……送る方法も教えてください、ヨシュカくん、と。
 それから、高級感溢れる映えたパフェを十分に堪能してから。
 ラウンジカーで温かい飲み物を購入し準備も万端、次に目指すのは。
「少し寒いけど……! 折角ですし」
 列車なのに外に出られるという、先頭の展望デッキ。
 出た瞬間は、びゅうっと吹き付ける北風が少し寒かったけれど。
 それも忘れてしまうほど……ぱあっと広がるのは、まさに列車の名前の如く、まるで雲の中にいるような。
 雪と桜の織り成す、流れゆく幻想的な景色。
「すごい、すごい……! 大きな龍の頭首にいるようです!」
「わあ! 桜と雪が一緒に降って? 舞って?」
 ……兎に角! こんなの初めてです!
 そう耳に聴こえるヨシュカの声に、飛ぶように流れていく景色、舞い降り戯れる桜と雪。
 雲珠はココアであたたまりながらも、なんだか夢のように思えて。
 ――全部頭に焼き付けて、覚えておけたらいいのに。
 心から、自分も今そう思ったから。
 だから……きっと。
(「写真機はこんな気持ちから生まれたのでしょう」)
 流れゆく雪と桜の景色や、笑顔咲かせるヨシュカへとスマートフォンを向けて。
 教えて貰った通りぽちっと、思い出の時間を写真に閉じ込める。
 そんな雲珠に、ヨシュカはこんな提案を。
「あ! 連写モードにすると綺麗に撮れるかも?」
 ……えへへ、折角なので一緒に写りませんか? って。
「いっしょに……!」
 そう聞けば勿論、雲珠の瞳もキラキラ。大きくこくこく頷いて。
 操作を教わりながらインカメラにして、パシャパシャッと連写モードで記念撮影!
 ふたりで画像を確認すれば、絶好の一瞬を切り取った一枚が。
 それを嬉し気に見つめてから。
「へへ……宝物にします」
 そう笑む雲珠がぽこぽこ咲かせるのは、雪とお揃いの白い花。
 そしてヨシュカも、ほっこり笑み咲かせる。
 嬉しそうな彼を見たら……やっぱり自分も、すごく嬉しくなるから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふわぁ、櫻居先生のミステリートレインです。
すごく楽しみですね、アヒルさん。
あの、アヒルさん、何ですかその目は。
櫻居先生は影朧さんですけど、とても素晴らしい作家さんなんですよ。
もう何なんですかため息なんてついて。
ふえ?櫻居先生が関わっているのは今食べている食事のお品書きやスイーツぐらい何ですか?
・・・いえ、きっとこのメニューにミステリーの手掛かりが隠されているんですね。
ふええ、ことを起こすのは夜だから昼のメニューは手抜きだって、そういう気まぐれなところも素敵・・・なんですよ。



 雪と桜の舞う風景を走り抜ける、サクラミラージュでも話題の豪華寝台列車。
 いや、そのクルーズトレインは確かに、目をみはるほど豪勢であるのだけれど。
 今回のツアーは、そんな大人気な列車の旅の中でも、予約がなかなか取れないものなのだという。
 何故なら、それは。
「ふわぁ、櫻居先生のミステリートレインです」
 そう、ちょっぴりおどおどしつつも、心なしか瞳を輝かせるフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)の言う通り……豪華クルーズトレインが、一夜だけのミステリートレインと化すのだから。
 しかも、人気作家の櫻居・四狼プロデュースであるのだから、人気なのも頷ける。
「すごく楽しみですね、アヒルさん」
 そう言ってフリルが、ふとアヒルさんに目を向ければ。
 次の瞬間、その様子に、こてりと首を傾ける。
「あの、アヒルさん、何ですかその目は」
 もしかしてやはり、あの作家が影朧だからだろうか。
「櫻居先生は影朧さんですけど、とても素晴らしい作家さんなんですよ」
 いくつも彼の作品を読んでみて、あのイケメンな顔を何度も見てきたフリルはそうアヒルさんへと言って聞かせるけれど。
 相変わらずジト目で、大きくひとつ息を吐くアヒルさん。
「もう何なんですかため息なんてついて」
 けれど、その理由はすぐに判明するのだった。
 確かに櫻居・四狼の小説は大人気であるのだけれど。
「ふえ? 櫻居先生が関わっているのは今食べている食事のお品書きやスイーツぐらい何ですか?」
 肝心のミステリーには、何とあの作家はノータッチなのだという。
 けれどフリルはそれでも、眼前のメニューへと視線を落として。
「……いえ、きっとこのメニューにミステリーの手掛かりが隠されているんですね」
 この何処かにも、謎を解くヒントが……なんて、目を凝らしてみるけれど。
 またもや溜息を漏らすアヒルさんに、こう反論を……?
「ふええ、ことを起こすのは夜だから昼のメニューは手抜きだって、そういう気まぐれなところも素敵……なんですよ」
 はむりと、櫻居先生が監修したという美味しいおせちを口にしながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【不死蝶】
櫻居・四狼のプロデュースした殺人事件に付き合う…
って前にもあったなそんなこと
脳裏に浮かぶのは、制服に身を包んで
学校の屋上で弁当広げて学生ごっこをした時のこと

炬燵もまた別の仕事での出来事を思い出す
あれはそう、安倍晴明が憑装していたヘンテコ炬燵…
突然喋りだしたりしないよなコレ

どわっ!?何しやがる!
突然足先に伝わる冷気にビビり
お返しとばかりに蹴り返し

景色そっちのけで小学生みたいな戦いをした後は
持ち込んだビールをぐびっと一杯
温かい炬燵の中でキンキンに冷えたビールをいただく…
うむ、最高の贅沢だ

コラ!炬燵で寝たら風邪引くぞ!
ちゃんと布団で寝ろ!
母親の如く叱ったあと無理やりゲストルームへ連行


灰神楽・綾
【不死蝶】
いやぁ、あのアオハルごっこはなかなか楽しかったよね
学生になりきったり、こんな豪華な列車に乗ったり…
普段じゃとても出来ないような体験が
出来るという点では櫻居先生に感謝かもね

訪れたのは展望車
列車内に炬燵がズラリと並ぶ光景は何だか面白い
コーヒーとプリンを持ち込んで早速ぬくぬく

悪戯心で、ひんやりとした足先を
対面の梓の足先にくっつけてみたり
あっ、やったな(更にやり返し

熱いバトル(?)のあとは
温かい炬燵の中でひんやり甘いプリンをいただく…
いやー最高の贅沢だね

プリンで小腹を満たし、コーヒーで身体を温め
となれば襲ってくるのは心地良い眠気
梓、1時間したら起こしてー…
炬燵の天板に突っ伏してスヤァ



 雪と桜の舞い降る世界を走る、豪華寝台列車。
 けれど今宵、このクルーズトレインはミステリートレインと化すのだという。
 愉快だけれど傍迷惑な、作家であった影朧の手によって――。
「櫻居・四狼のプロデュースした殺人事件に付き合う……って前にもあったなそんなこと」
 ……そう、確かにありました。
 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)の脳裏に浮かぶのは、つい先日のこと。
 白軍服の様な制服に身を包んで、学校の屋上で弁当広げて学生ごっこをした時のことを。
「いやぁ、あのアオハルごっこはなかなか楽しかったよね」
 眼前でそう楽し気に口を開く、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)と一緒に。
 いや、人に危害が加わることはいけないけれども。
「学生になりきったり、こんな豪華な列車に乗ったり……普段じゃとても出来ないような体験が出来るという点では、櫻居先生に感謝かもね」
 彼が事件を起こさなければ、アオハルごっこもこの列車旅も無縁のものだっただろうから。
 ちょっぴりだけ、人騒がせな作家に感謝しつつも。
 ふたりが訪れたのは、流れゆく雪と桜の景色がより堪能できる展望車両。
 そんな天井から壁まで大きな窓になっている展望車両に設置してあるのは。
「列車内に炬燵がズラリと並ぶ光景は何だか面白いね」
 そう、ぬくぬくあったかい炬燵。
 そしてまた綾のそんな言葉に、梓は思い出さずにいられない。別の仕事でのあの出来事を。
(「あれはそう、安倍晴明が憑装していたヘンテコ炬燵……」)
 梓はそれからふと、綾と一緒に入った炬燵の天板をつんつん、こんこん。
「突然喋りだしたりしないよなコレ」
 大丈夫、多分これは普通の炬燵……慇懃無礼に喋ったりしません! きっと多分。
 そうじっと炬燵を神妙な顔で見つめ小突いてみる梓を余所に、綾は持ち込んだプリンをはむりと口にしつつ。
 コーヒー片手に、早速炬燵で思い切りぬくぬく。
 ――そして。
「どわっ!? 何しやがる!」
 突然足先に伝わった冷気に、飛び上がる様にびびって思わず飛び上がる梓。
 それは悪戯心で、ぴとりとくっつけてみた、綾のひんやりとした足先。
 けれどそんな不意打ちにビックリしたとはいえ……勿論、やられたままではありません。
「あっ、やったな」
 げしっとお返しとばかりに蹴り返してきた梓に、更にげしげしとやり返す綾。
 梓も負けじとげしげしげしっ、それに応戦して梓も――なんて。
 流れゆく雪と桜の景色もそっちのけ、繰り広げられるのは激しい戦い??
 ええ、脳内小学生男児たちの。
 そんな小学生みたいな熱いバトル? の後は、ほこほこぬくぬく一時休戦。
 いや……むしろ、仲良し?
「温かい炬燵の中でキンキンに冷えたビールをいただく……」
「温かい炬燵の中でひんやり甘いプリンをいただく……」
 それぞれ持ち込んだビールやプリンを味わいながら、しみじみとふたり続ける。
「いやー最高の贅沢だね」
「うむ、最高の贅沢だ」
 ええ、最高の贅沢です!!
 そして小腹も満ちて、コーヒーで身体もぽかぽか、炬燵でぬくぬく……となれば。
 ふわぁっと綾の口から漏れるのは、大きなあくび。
 襲ってくるこの心地良い眠気に勝てるだろうか、いや勝てない。
 ということで。
「梓、1時間したら起こしてー……」
 ――こてり。
 炬燵の天板に突っ伏して、スヤァ。
 そんな幸せそうな顔で秒殺された綾の身体を、梓は容赦なくゆっさゆさ。
「コラ! 炬燵で寝たら風邪引くぞ!」
 おかんか、と思わずツッコまずにはいられないけれど。
 でも、ごもっともなそんな言葉をかけながら。
「えー……あと5分……」
「ダメだ、寝るならちゃんと布団で寝ろ!」
 遅刻するフラグを立てる学生みたいなことをむにゃむにゃ言う綾を、びしりと梓は母親の如く叱った後。
 風邪をひいたら大変だから――首根っこ掴んで、無理やりゲストルームへ連行します!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

森宮・陽太
おー、クルーズトレイン、いいねえ
帝都住まいとして1度乗ってみたかったんだよな、この寝台列車

しかもミステリートレイン…ねえ
となればありがたくお邪魔するぜ!!

…一人なのは気にしねえぞ
別にひとりでも寂しくないんだからな

ダイニングカーで和風のおせち料理を肴に日本酒を嗜みつつ
外の夜景をちらりと

…くぅ~、いいねぇ
目の保養になる夜景と最高のおせち
それに日本酒の組み合わせは格別だ!

(ダイニングカーのスタッフを呼び止め)
あ、すまねえ
洋風の一人用おせち頼めるか?
(※なければ洋風のオードブル)
あと、日本酒も追加!

料理も酒もたらふく堪能したところで
…さて、作家先生はどう出るか
まさか俺が死ぬわけないよな?(フラグ)



 雪と桜の風景は、彼にとってはそんなに、感激するほど珍しくはないのだけれど。
「おー、クルーズトレイン、いいねえ」
 ……帝都住まいとして1度乗ってみたかったんだよな、この寝台列車、と。
 ホームに既に停車しているクラシカルな外観の列車を見上げるのは、森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)。
 いや、予約を取るのも大変なほど、サクラミラージュでも話題のクルーズトレインということもあるのだけれど。
「しかもミステリートレイン……ねえ」
 ――となればありがたくお邪魔するぜ!!
 そう、意気揚々と乗り込む陽太。
 今日のクルーズトレインは、ただ豪華なだけの寝台列車ではありません。
 事件の香りがする、ミステリートレインなのである。
 いや、うん、今回はお一人様なのですけれど。
「……一人なのは気にしねえぞ。別にひとりでも寂しくないんだからな」
 大事なことなので、2回言っておきます!
 実際、お一人様でのんびりと過ごすのも、贅沢なひとときである。
 陽太は赴いたダイニングカーで、和風のおせち料理を肴に日本酒を嗜みつつも。
 車窓を流れゆく、外の夜景へとちらり視線を向ければ。
「……くぅ~、いいねぇ」
 思わずそう口にせずにはいられない。
 だって、目の保養になる雪と桜浮かぶ夜景と最高の食材を使ったおせち料理。
「それに日本酒の組み合わせは格別だ!」
 いや、定番の和風おせちもとても美味なのですけれど。
 ふと陽太はダイニングカーのトレインクルーを呼び止めて。
「あ、すまねえ。洋風の一人用おせち頼めるか?」
 ……あと、日本酒も追加!
 今度はちょっと趣向の違った洋風おせちをつまみに、やっぱり日本酒を楽しみます。
 そして、美味しくて高級な料理も酒も、存分にたらふく堪能したところで。
「……さて、作家先生はどう出るか」
 陽太は抜かりなく、こう口にするのだった。
 ――まさか俺が死ぬわけないよな?
 そんな盛大なフラグを立てるのだって忘れません、ええ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】
(行先は無論ダイニングカー――にっこにこのほっくほくで、早速テーブル埋め尽くす豪華ディナーを頼み)
ふふふ、花も団子も贅沢尽くし――絶景と絶品に囲まれた一時だなんて、まさに至福ですねぇ
(おせちに舌鼓打ちつつ、鍋の火加減もばっちり確かめて、連れ立つ顔とは対照的にそれはもう満足げに笑んで)

おや、切なさのあまり遂に壊れましたか?
お昼時から隙と暇さえあれば軟派に勤しもうとしながら、今年も元気良く見事な散りっぷりを披露してましたもんねぇ――あ、もしかして一種の芸の域に昇華しました?
隠し芸というにはもう、あまりにお粗末でお馴染過ぎますけども
あ、お鍋も良い塩梅に(流れる様にスルー、もとい蟹に夢中に!)


呉羽・伊織
【花守】
(先刻迄とはまた一味違う――夜闇に淡く浮かび幻想的な情緒纏う雪桜と、ランチやティータイムと趣の異なる彩で楽しませてくれる料理をのんびり眺め――不意にうっかり目の前の現実に目を向けてしまい)
お前…昼時とさっき(おやつ時)もめちゃめちゃ此処に入り浸ってたよネ?
景色も料理も飽きが来ない、見事な味わい深さ――ってのはまぁ解るが、どんだけ満喫する気!

くっ…オレはもう色んな意味でおなかいっぱいにも程がある…嗚呼、こんな肌寒い絵面から抜け出して、優しくあっためてくれる恋人(※炬燵)の元に駆け込んで、ぬくぬく(現実)逃避行したい…

色々と違うから!
おシゴトの邪魔しちゃいけないと身を引いただけだからー!



 青空に舞う雪と桜の景色を眺めながら、目も舌も満足するランチを頂いて。
 ラウンジカーで楽しんだ、ゆったりしたティータイムのひととき。
 そして今、見つめる車窓に流れゆくのは、先刻までとはまた一味違う――舞い遊ぶ雪桜が幻想的な情緒を纏わせた、淡い夜闇と。
 ランチとは趣の異なる彩で楽しませてくれる、贅を尽くしたディナー。
 呉羽・伊織(翳・f03578)はそんな光景をのんびり眺め――ていたはずなのだけれど。
 不意にうっかり目を向けてしまったのは、目の前にある現実。
 いや、テーブルには確かに、豪華で美味しそうな料理が並んでいる。
 早速テーブルを埋め尽くすくらい、いっぱいに。
 そして、にっこにこのほっくほく。
「ふふふ、花も団子も贅沢尽くし――絶景と絶品に囲まれた一時だなんて、まさに至福ですねぇ」
 おせちに箸を伸ばし舌鼓打ちつつも、鍋の火加減もばっちり抜かりなく確かめて。
 幸せそうな笑顔を満開に咲かせている千家・菊里(隠逸花・f02716)の姿に、そっと遠い目になる伊織。
「お前……昼時とおやつ時もめちゃめちゃ此処に入り浸ってたよネ?」
 むしろ此処が自分達の部屋だと言わんばかりに、実はずっと居座っていました。
 いや、気持ちは解らなくもないのですけれど、でも。
 自分とは対照的に、それはもう満足げに笑む連れへとツッコまずにはいられない。
「景色も料理も飽きが来ない、見事な味わい深さ――ってのはまぁ解るが、どんだけ満喫する気!」
 まさかここで一晩明かしたりしないよネ……なんて危惧してしまう伊織。
 確かに、美味しい料理も幸せなのだけれど。
「くっ……オレはもう色んな意味でおなかいっぱいにも程がある……」
 もうツッコミどころも満腹な伊織は、一刻も早く向かいたいくらいである。
「嗚呼、こんな肌寒い絵面から抜け出して、優しくあっためてくれる恋人の元に駆け込んで、ぬくぬく逃避行したい……」
 そう……ぬくぬく包み込んでくれる恋人、炬燵のところへ。
 そんな妄想を口にし始めた伊織の言葉に、菊里は箸を止めずにきょとり。
「おや、切なさのあまり遂に壊れましたか?」
 そして、ふうっと大きく溜息をつきつつも、やっぱり箸を伸ばしながらも続ける。
「お昼時から隙と暇さえあれば軟派に勤しもうとしながら、今年も元気良く見事な散りっぷりを披露してましたもんねぇ――あ、もしかして一種の芸の域に昇華しました?」
 ……隠し芸というにはもう、あまりにお粗末でお馴染過ぎますけども、と。
 サシの程よく入ったローストビーフをはむりと口に運びつつ、鍋の灰汁を取りながらも、哀れそうな瞳を向ける菊里。
 そんな菊里の視線と声に、伊織は大きくぶんぶん首を横に振るけれど。
「……色々と違うから! おシゴトの邪魔しちゃいけないと身を引いただけだからー!」
 美人揃いのトレインクルーさんたちに、ことごとくやんわりとお断りされ続けたなんて、そんなわけでは……決して、決して!
 そして、そう一生懸命弁解する伊織を後目に。
「あ、お鍋も良い塩梅に」
「って、ねェ聞いてる!?」
 いつもの如く流れる様にスルー……もとい、いい感じに煮えた蟹にほくほくな菊里。
 連れの言葉もうっかり聞こえないほど、肉厚で美味な高級蟹に夢中です!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

碧・蛇ノ目
WIZ
流石、高級寝台列車
聞いてるだけで楽しくなってくる企画で盛り沢山だな!

蛇ノ目は足湯に行くぞ!足湯っ♪足湯〜♪
そんでお供にゃ限定のカクテルと!プリン!! !
これはラウンジカーから貰ってきたぜ
桜と雪のイメージかぁ見て楽しめるってのも、中々乙なもんよ

ゆったり温まりながら流れる風景を目に焼き付けるさ
ここでしか楽しめねぇ風情ある景色を堪能する
雪の白さに桜の桃色が強調されていて綺麗だな
冬と春がそこにある。幻想的で、不思議な感覚になるなぁ

湯をちゃぷちゃぷ蹴りながら、プリンを味わい酒を舐め
近くに来た奴らと話し合うのもいいかもなぁ

この事件が終わったら、今度は空からこの景色を観てみっかな

【アドリブ絡み大歓迎】



 空から降ってくるのは雨……ではなく、今日は雪と桜花弁。
 そして白銀と薄紅に彩られた景色を走るのは、クラシカルな外観の豪華クルーズトレイン。
 いや、外から見ただけではなくて。
 足を踏み入れた車内は、列車内とは思えない空間が広がっていて。
「流石、高級寝台列車。聞いてるだけで楽しくなってくる企画で盛り沢山だな!」
 雨は降っていないけれど、はしゃいだ様にうきうき周囲を見回すのは、碧・蛇ノ目(蛇ノ目傘・f00403)。
 そんな蛇ノ目が軽い足取りで今向かっている、お目当ての場所はというと。
「足湯っ♪ 足湯〜♪」
 そう――展望車両にあるという足湯!
 いや、それだけではありません。
「そんでお供にゃ限定のカクテルと! プリン!! 」
 ラウンジカーから貰ってきた酒と甘味も一緒とあらば、るんるん心も踊るし。
「桜と雪のイメージかぁ見て楽しめるってのも、中々乙なもんよ」
 酒もプリンも、車窓に流れるいろを映したように小洒落ているときたら、またわくわくしてしまう。
 そして湯に足を浸してみれば、ぬくぬくほっこり。
 じんわりゆったり温まりながら目に確りと焼き付けるのは、流れゆく風景。
 それはまるで、決して交わらないはずの季節が出逢ったような――ここでしか楽しめない風情溢れるいろ。
「雪の白さに桜の桃色が強調されていて綺麗だな」
 ――冬と春がそこにある。幻想的で、不思議な感覚になるなぁ。
 そう、ちゃぷちゃぷと。湯をご機嫌に蹴りながら、上品な甘さの高級プリンを味わい酒を舐めて。
「お、一杯どうだ?」
 近くに腰掛けた人にも酒をすすめつつ、一期一会な出会いや会話も存分に楽しむ蛇ノ目。
 そしてふと、ぐるり窓になっている天井を見上げて。
 舞い降ってくる雪や桜へとグラスを掲げながらも思うのだった。
 ――この事件が終わったら、今度は空からこの景色を観てみっかな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『夜櫻に消えた人々』

POW   :    狭い所であっても気合や、その他の方法で潜入して情報を収集する。

SPD   :    フットワークを駆使して、広範囲に渡って人々への聞き込みに回る。

WIZ   :    人当たりの良さを駆使して、周囲の人々から情報を教えてもらう。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●桜雲号殺人事件・プロローグ
 消灯時間から暫く経った、夜も更けた頃。
 そろーっと、ザ・スイートの扉が開き、きょろきょろと挙動不審な男がひとり。
 そう……クルーズトレインを、ミステリートレインへと変えるべく。
 犯人こと、人気作家が今こそ暗躍せんとしているのだ。
 ミステリーツアーを、本物の殺人事件にプロデュースするために。
 けれどこの人気作家である櫻居・四狼は、著書にミステリー作品も何編かあるものの。
 実際は、ミステリーが専門の作家ではない。
 人の感情の機微が絶妙な心理描写や繊細で美しい情景描写が得意な、心中を題材とした作品が多い。
 それに本人の思考は、今が楽しければそれでいい刹那主義である。
 とにかく、楽しくて愉快で面白ければ、それでいいのだ。
 なので、殺人事件起こしちゃお! とワクワク張り切っている割には、実はノープランである。
 とりあえずみんな愉快に死んでくれたらそれで満足、というわけだ。
 逆に言えば、上手くいかない、つまんないと作家が感じれば、逃亡してしまう可能性がある。
 故に皆にはまずは、何らかの形で被害者を演じ、ひとまず死んでほしい。
 配役も自由、勿論本人の素でも構わない。
 鉄道ミステリーの王道を演じるのもいい、フラグを立てて盛大に回収してもいい、モブやいつのまにか死んでいたとかでもいいし。逆に、そんなのあり!? みたいな奇想天外な死に方も喜ぶだろう。ノックスの十戒って何ですか? みたいな掟破りのものでも構わない。
 ダイニングカーで満腹死でも、ラウンジカーでスイーツを巡って同士討ちでも、足湯で溺死でも、炬燵の並んだ謎の死体でも、何で死んでるかわからないけどダイイングメッセージ何か残している人でも……とにかく好きな様に死んでくれれば、影朧は満足するようだ。
 そして、ちゃんと皆が死んでいるか確認しにのこのこ作家が出てきた時が、彼を討つ絶好の機会というわけである。
 なのでまずは好きな様に確りと死んで、作家を油断させてほしい。
『僕のプロデュースする、楽しい『桜雲号殺人事件』の幕開けだね、わくわく!』
 もしも面白かったら書籍化して出版しちゃおーかなー、なんて呑気に笑みながら。
 誰もいないかもう一度周囲を慎重に見回した後、作家で在った影朧――犯人は、夜の闇に溶ける様に紛れて行動を開始するのだった。

●マスターより
 第2章は、クルーズトレイン内で何らかの殺人事件の被害者を演じて頂く内容となります。
 配役や死に方は何でもあり、ご自由に死んでいただければです!
 とりあえず死んでいただければ、影朧は喜ぶかと思います。
 楽しい愉快面白い、とありますが、真面目に死んでいただいても勿論喜びますし。
 そんなのありなの!? というものでも喜びます。
 死んだ皆様の様子を窺いに影朧が出てくるのは第3章の内容となりますので。
 第2章では、とりあえず全力で死んだフリしていただければです!
 トレインクルーなどの一般人は既に全員避難済なので、一般人の存在は気にせず構いません。
 殺害対象はあくまで乗客、運転手も殺害対象外なので気になさらず大丈夫です。
 影朧も、足湯の傍にバナナの皮を置いたり、満腹死させるために美味しい料理をダイニングに並べたり、炬燵のスイッチをオンにしていたり等々、何となく適当なトリックを仕掛けるようなので。
 ご自由に皆様のお好きなようにそういうのを(勝手にでっち上げて)使っていただいても構いません。
 櫻居・四狼はミステリー作家ではないので、細かいことも気にしません。
 ただ、この時点で犯人だと指摘して追いかけたり捕まえようとしたり、ちゃんと死んでいない感じの様子であれば、逃亡したり姿を現さない可能性もありますので。
 第2章では、何らかの形で死んだフリの演技をお願い致します。
 その他に関しましては、OPやOP公開時のマスターコメントをご確認ください。
 送信締切等の連絡事項も、MS個別ページやタグ、Twitter等でお知らせ致します。
戎崎・蒼
紅(f04970)と葎(f01013)と
時間が来たね、さて…今度は死んだフリをしなきゃならないという訳か
葎は普通に女性らしいし、モテないだなんて事はないと思うけれど…

兎も角、
「…以前から思っていたけれど、葎にお前は相応しくない」
とバーでグラスを傾けていた最中にそう紅に振る
ここで葎から予め預かっていたナイフを紅に向けて、話(※殺)し合いをする
そして葎を刺した紅に
「……っ、お前…!!!」
怒りの篭った言葉を言おうとして、倒れ伏す。何故か、というのは実は全員のワインに元々毒が仕込まれていた(風を装う)ということ
そして誰もいなくなったよろしく、主人公である作家が真犯人である。──なんて感じにしてみようか


宮前・紅
戎崎·蒼(f04968)硲·葎(f01013)と
葎ちゃん美人そうだから普通に取り合いとかありそうだけどな?
兎も角、サスペンスドラマのようなドロッドロにしちゃえば良いわけだ……!

最初は三人で、談笑
ダイニングバーの美味しい飲み物でも飲みながらね
「へぇ、蒼くんこそ葎ちゃんには相応しくないと思うけど」
嘲笑でも浮かべながら言おうかな
「以前から、目障りだと思ってたんだ♪」
いい機会じゃないか─とかなんとか言って予め葎ちゃんから貰ったナイフを振りかざす
が、案の定葎ちゃんの腹を刺してしまうんだ
それに怒った蒼くんが向かって来ようとしたけれど、唐突に倒れ伏す

俺も何故か目の前に違和感を覚えた途端に血を吐き、息絶える


硲・葎
紅くん(f04970)と蒼くん(f04968)と。
死に方かー。
痴情のもつれによる取り合い……実際なら縁が無さそうだけどね。腹からパンチ、目からビーム出す女なんてモテる要素ないもんな……。とりあえず、ラウンジでバーテンさんから借りたワインを使って血の代わりにしておこう。ナイフはうさたゃんリュックに入ってるから2人に渡して。ビニールに入れ、お腹に仕込んで。お腹はオーラ防御と防具改造しておいたらなんとかなるよね。
「だ、だめ!そんな……!争わないで!私は2人のうちどっちか、なんて選べない!」
先に襲われたほうをかばって、慌てて前に出よう。
「危ない!!」
「こんなこと……しても、……誰も幸せに、なら……」



 窓から臨む流れる風景は、深夜の空からはらり舞い降る雪と桜花弁のもの。
 消灯時間を迎えたクルーズトレイン『桜雲』は明かりこそ最低限に落とされているけれど。
 引き続き、まだまだ眠らず雪と桜の景色を走り続ける。
 そして大抵の客は、あてがわれたそれぞれのゲストルームで眠りについている時間……のはずだけれど。
 これから始まるのは、そう――或る人気作家が企てる連続殺人事件であった。
 そんな真夜中の時間であるにも関わらず、ラウンジカーには3人の男女の姿が。
 折角の豪華寝台列車の旅、夜が更けても尚、ワインを注ぎグラスを合わせているようである。
 ……いや、勿論、3人が此処にいるのは、殺人事件の被害者となるため。
 少しだけ、時を巻き戻してみれば。
「時間が来たね、さて……今度は死んだフリをしなきゃならないという訳か」
 影朧がそろそろ動き出す時間を迎え、言った戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)に。
 死に方かー、と。うーんと首を傾けるのは、硲・葎(流星の旋律・f01013)。
 あらかじめどうやって死ぬかは、事前に話し合い済。
「痴情のもつれによる取り合い……実際なら縁が無さそうだけどね」
 そう、今回3人が選んだ死に方は、痴情のもつれによる取り合い。
 男女グループにおいて、あるあるな殺人動機であるのだけれど。
 3人の中で紅一点である葎には、自分にはピンとこない動機の様子。
「腹からパンチ、目からビーム出す女なんてモテる要素ないもんな……」
 そしてラウンジカーであらかじめバーテンから借りたワインを血の代わりに使用するべく。
(「お腹はオーラ防御と防具改造しておいたらなんとかなるよね」)
 ビニールに入れ、お腹に仕込んで細工しながらも。
 ドクロウサギ型のうさたゃんリュックから取り出したナイフを、葎はふたりへと手渡しておく。
 そんなナイフを受け取りながらも、宮前・紅(三姉妹の人形と罪人・f04970)は先程彼女が口にした言葉に首を傾ける。
「葎ちゃん美人そうだから普通に取り合いとかありそうだけどな?」
「葎は普通に女性らしいし、モテないだなんて事はないと思うけれど……」
 蒼も同じ様にナイフを手にしつつ、同意するように言うけれど。
 これから3人が行うのは、連続殺人事件の被害者となるための演技。
 紅はナイフをしまいながらも、改めて立てておいた筋書きをおさらいする。
(「兎も角、サスペンスドラマのようなドロッドロにしちゃえば良いわけだ……!」)
 ということで、男女のドロッドロ殺人劇が今、幕を開けます……!
 ラウンジカーで美味しいワインやつまみを楽しみ、談笑していた3人なのだけれど。
 少し酔いが回った頃――グラスを傾けていた蒼は、ふと紅へとこう口にする。
「……以前から思っていたけれど、葎にお前は相応しくない」
 そして取り出したのは、キラリ鋭利に光るナイフ。
 けれど向けられた刃にも、紅は嘲笑を浮かべて。
「へぇ、蒼くんこそ葎ちゃんには相応しくないと思うけど」
 紅が取り出し振りかざすのは、やはりナイフ。
「以前から、目障りだと思ってたんだ♪」
 いい機会じゃないか――そう、笑みを宿しつつも、話し合いならぬ殺し合いに応じる構えをみせて。
 握るナイフを振りかざし、恋敵である蒼へと向けた……その瞬間。
「だ、だめ! そんな……! 争わないで! 私は2人のうちどっちか、なんて選べない!」
 咄嗟に前へと出るのは、葎であった。
 そして葎は、蒼を庇う様に二人の間にバッと割って入って。
 ――危ない!!
「……!」
 襲い掛かる紅の刃が、彼女の腹部へと突き刺さる。
 飛び散る赤、倒れ込む葎。
 そして、彼女は自分を取り合うふたりへと最後に告げる。
「こんなこと……しても、……誰も幸せに、なら……」
 ――どさり。
 そんな、地に崩れ落ち事切れた彼女の姿に、蒼は大きく瞳を見開いて。
「……っ、お前……!!!」
 怒りの篭った言葉を口にし、紅へと殺意抱く視線を投げた――瞬間であった。
「……!!」
「……ッ!?」
 これから殺し合わんとするふたりが、同時に唐突に倒れ伏したのである。
 そして、ごほっと吐き出すのは、鮮血。
 そう……皆でグラスを傾け合ったワイン。
 実はこれに、元々毒が仕込まれていたのである! 殺人を企てる犯人の手によって。
 喉が熱くなるような違和感を感じながら、刹那くらりと世界が回り、視界がぼうっと霞んで。
 愛する葎に寄り添うように倒れ込む、蒼と紅。
 それから程なく、ふたりもついに、息絶えてしまったのだった。
 まさにこれは痴情のもつれによる、そして誰もいなくなった状態。
 そして。
『……僕、ワインに毒なんて仕込んだっけ?』
 ラウンジカーで展開されたそんな一部始終を何気にじーっと見つめていた、犯人こと人気作家はそう首を傾けるけど。
 ま、死んじゃったならいっか! と。
 気を取り直して、毒殺した3人の死を見届け――満足気に、次の犯行現場へと向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スリジエ・シエルリュンヌ
(足湯をほくほくと楽しんだ帰り)さて、死んだふり。…意外と死因考えるの、難しいですね。
んー…んん?(進む先にバナナの皮を見つけた。ひらめいた)

バナナの皮を踏み、前のめりに滑る。足を出して踏ん張ろうとするも、その足の下に、長く伸ばした自分の髪と髪飾りが…。
なにやら謎のコンボが発生し、転倒死(?)を迎える桜の精が一人。

…じ、地味に痛いです…!!
で、でも、我慢です我慢…私は死体、私は死体…。



 じっくりゆったり、ほくほくと。
 足湯に浸かりながら、雪と桜の景色を存分に堪能した後。
 気が付けばもうすっかり夜も更けて……クルーズトレインが、そろそろミステリートレインとなる時間。
 ――さて、死んだふり、と。
 足湯を楽しんだ帰り、スリジエ・シエルリュンヌ(桜色の文豪探偵・f27365)は早速、さくっと死のうと思うのだけれど。
「……意外と死因考えるの、難しいですね」
 普段は、事件を推理する探偵という立場。
 だからいざ被害者になろうと思っても、なかなか意外と難しい。
 そして、うーんと首をながらも、ぐるりと緑色の視線を巡らせてみれば。
「んー……んん?」
 ふと目に入ったあるものを見て、ピンッとひらめく。
 そう……見つけたのは、進む先にさりげなーく置かれた罠。
 それは、こんなものに引っかかる人が果たしているのかと思わなくもない、ベタすぎるバナナの皮であった。
 けれど何やら、バナナの皮に引っかかってこけて死なないかなー、なんて。
 隠れつつも見つめる犯人の期待の眼差しを感じる気がするから。
 ――はい。文豪大抵……もとい文豪被害者、推して参ります!
 心の中でそう気合いを入れつつも、いざ!
 バナナの皮の上に、勢いよくスリジエが踏み出せば。
「……!!」
 ――つるっ。
 思惑通り、豪快に前のめりに滑って。
 咄嗟に足を出して踏ん張ろうとするも……何ということでしょう。
 その足の下に、長く伸ばした自分の髪と髪飾りが……!
 ということで。
「……あっ!」
 なにやら謎のコンボが発生した、瞬間。
 ――ごつんっ!
 見事な転倒死(?)を迎える桜の精が一人。
(「……じ、地味に痛いです……!!」)
 結構すごく痛そうな音がしましたから、ええ。
 けれど、スリジエはその痛みに耐えながらも。
(「で、でも、我慢です我慢……私は死体、私は死体……」)
 ――がくり。
 痛さを耐えつつ自分に言い聞かせながらも、無事に事切れてみせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

西行・胡桃
ばなこ(f00572)
いのちゃん(f01962)
と「GWP」で参加

●ダイニングカー
ええっ、いのちゃん、ばなこにに挑むの!?
いや、わざわざ挑むということはきっと勝算があるということ!
弟子を信じて見守りましょう(対戦相手も弟子だけど)
「って、割とさらっと流れるように死んだーー!?天竺は目指しても、極楽いかないで!?」

ええっ、誰が作ったのこんな巨大なバナナスイーツ!
はっ!?バナナを見たら食べずにはいられないバナコの性質を利用した……?
やめてバナコ!それに挑むこと自体が平和を脅かしてるわ!

……大事な弟子を二人も失ってしまった
二人の後を追って私も食べ過ぎで死の…
きゃー!?(バナナの皮で滑って転倒)
がくり


八海山・いのこ
引き続き、
おししょー(f01389)、ななちゃん(f00572)と一緒に怪盗チーム「GWP」として参加しますっ

・死因
大食い勝負の末、美味しすぎて大満足死

次は【ダイニングカー】に行ってお料理食べに行こうよ!

そうだ、ななちゃん!
こんなにたくさんあるんだもん、どっちが沢山食べられるか勝負しようよ!
おししょーは審判ね!
フードファイターのななちゃん相手は厳しいけど負けられないよ~!

うーん、おいしー!
こんなに豪華で美味しいものならいくらでも食べられちゃうねー!
こっちも!それも!みんなおいしー!
ここは極楽だね~……幸せ過ぎて死んじゃいそう~……(笑顔のまま昇天)


難駄芭院・ナナコ
チーム名「GWP」
西行・胡桃(f01389・しっしょー呼び)
八海山・いのこ(f01962・いのこ呼び)
引き続き参戦!

【ダイニングカー】
おっ、いのこ?アタイをフードファイターと知っての挑戦か!
受けて立つぜ!後で泣き言いっても知らねぇぜ!

それにしても、旨いものばっかりだな!
バナナもどれも極上の旨さだし、それ以外もうめぇうめぇ!

こ、これは…!?バナナが連なって出来た巨大バナナスイーツ!
こいつを平らげるのはアタイの使命…いや、アタイしか成し遂げれない偉業!
まってな、しっしょー!こいつを平らげて平和を取り戻す!

ぐわー!バナナがデカ過ぎて飲み込みきれねぇー!
このままでは喉に詰まって…!
バナ
うま(KO!)



 先程もラウンジカーで、スイーツやバナナやバナナを食べたのだけれど。
 皆が寝静まる時間に活動するのが、怪盗というもの。
 いや、今回はわざわざ盗まなくても良いようであるとはいえ。
 怪盗チーム「GWP」は、真夜中になっても、まだまだ元気いっぱい。
「次は、ダイニングカーに行ってお料理食べに行こうよ!」
 八海山・いのこ(豚じゃないもん・f01962)はそう提案した後。
 皆と共に、ダイニングカーへと足を踏み入れれば……何故かずらりとテーブルに並ぶ、美味しそうで豪華な食事!?
 そんな沢山の料理をぐるりと見回した後。
 びしいっと、いのこは難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)に、宣戦布告……!?
「そうだ、ななちゃん! こんなにたくさんあるんだもん、どっちが沢山食べられるか勝負しようよ!」
「おっ、いのこ? アタイをフードファイターと知っての挑戦か! 受けて立つぜ!」
 ……後で泣き言いっても知らねぇぜ! と。
 勿論、フードファイターとしてこの勝負、ナナコが受けないわけがありません!
 そんな展開に思わず声を上げるのは、西行・胡桃(残像行使・f01389)。
「ええっ、いのちゃん、ばなこにに挑むの!?」
 それは一見、無謀に思えるけれど。
 ……いや、わざわざ挑むということはきっと勝算があるということ!
「おししょーは審判ね!」
 この勝負を見届ける役目を請け負いつつも。
「フードファイターのななちゃん相手は厳しいけど負けられないよ~!」
(「弟子を信じて見守りましょう」)
 張り切るいのこを大食い勝負へと、最早何も言わずに送り出す胡桃。
 ……いや、対戦相手のナナコも、弟子なのですけれど。
 そんなお師匠が見守る中――いざ、ファイト!
「それにしても、旨いものばっかりだな!」
 まずナナコが手に取るのは、やっぱりぶれずにバナナ。
 けれどこれは勝負、勿論バナナ以外のものにも手を伸ばして。
「バナナもどれも極上の旨さだし、それ以外もうめぇうめぇ!」
「うーん、おいしー! こんなに豪華で美味しいものならいくらでも食べられちゃうねー!」
 ……こっちも! それも! みんなおいしー! って。
 いのこも、あれもこれもと、並ぶ料理を取っては、美味しそうにもぐもぐ。
 けれど……そもそも、誰がダイニングのテーブルに、こんな大量の美味しい豪華料理を用意したのか。
 その真の目的は一体、何なのか――。
 それはこの後、すぐに判明することになる。
「ここは極楽だね~……幸せ過ぎて死んじゃいそう~……」
 ――ぱたり。
「って、割とさらっと流れるように死んだーー!? 天竺は目指しても、極楽いかないで!?」
 おなかいっぱい、幸せいっぱい……笑顔のまま昇天してしまったいのこ。
 ナチュラルにさらっと死にました!
 いや、けれど……いのこは、第一の犠牲者。
 いのこが幸せそうに死んでも尚、ぱくぱくと料理を口に運んでいたナナコであったが。
 何か謎のイケメンがささっとさり気なくテーブルに置いていったソレに気が付いて、瞳を大きく見開く。
「こ、これは……!? バナナが連なって出来た巨大バナナスイーツ!」
 そう――それは何と、極上のバナナが何本も聳え立ちまくる、巨大バナナスイーツ!!
「ええっ、誰が作ったのこんな巨大なバナナスイーツ!」
 胡桃はこれでもかとバナナがふんだんに使われまくったスイーツに、そうツッコまずにはいられないけれど。
 刹那、あることに気付いてしまうのだった。
 ――はっ!? バナナを見たら食べずにはいられないバナコの性質を利用した……?
 こんなもんどうやって作ったんだというスイーツを何気に運んできたのは、謎のイケメン。
 もしかして彼が料理を用意し、いのこを幸せ死させて……今度は、ナナコを!?
 そして、案の定。
「こいつを平らげるのはアタイの使命……いや、アタイしか成し遂げれない偉業!」
 ――まってな、しっしょー! こいつを平らげて平和を取り戻す!
 ちょろく、その罠にまんまとつられるナナコ。
 胡桃は咄嗟に、そんなナナコに声をかけるけれど。
「やめてバナコ! それに挑むこと自体が平和を脅かしてるわ!」
「ぐわー! バナナがデカ過ぎて飲み込みきれねぇー! このままでは喉に詰まって……!」
 ――バナ……うま(ぱたり)
「バナコーー!?」
 声を掛けたのも一歩遅く、バナナを喉に詰まらせ死すナナコ。
 いのこに続き、第二の犠牲者が出てしまったのだ。
 そして、ひとり残された胡桃の心にあるのは、そう……ただ、絶望だけ。
「……大事な弟子を二人も失ってしまった」
 弟子をむざむざと死なせてしまった今――お師匠様の選ぶ行動はもう、これしかない。
 胡桃は並ぶ料理を見遣り、席に座らんと大きく一歩を踏み出す。 
「二人の後を追って私も食べ過ぎで死の……」
 そう、食べ過ぎ死で弟子たちの後追いを――。
「きゃー!?」
 ――ずるっ、びたんっ。
 瞬間、食べ過ぎ死をするべく踏み出した胡桃を襲った悲劇。
 それは……そう、バナナの皮!!
 これも犯人の綿密な罠か、豪快に滑って転んだ胡桃は。
 ――がくり。
 弟子たちのを追う様に、見事にバナナ死したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

椚・一叶
トリス(f27131)と同行

いっぱい美味しいもの食べて、ご満悦
儂が被害者、というのは些か気に入らないが
丁度、横になりたかった
寝るついでにやってもいい

寝るなら寝台が良い
布団までとは言わないから

お互いが喧嘩して腹刺し合ったような状態
血糊で「ゆるさない」とでも書いておこうか?
ふぐ…もっと食べたかった…
いや、何でもない

けれどこれは殺人事件
一見、二人で殺し合ったように見せかけて
誰かが二人を殺した…ように見せる

今回の影朧ならば、きっと直ぐに気付く
二人を刺した凶器がなければ、これは怪しいと
適当に荷物をばらまいて
何か目的があったように

準備が整えばおやすみ
大丈夫
静かに寝るのは得意
トリス、時間になったら起こせ


鳥栖・エンデ
イチカ君(f14515)と同行

お腹も割と満足したことだし次なる
ミステリートレインの醍醐味と言えば〜
寝台車両ゲストルームで死んだフリ…!
ふかふかのソファとか布団って眠くなるよねー

計画に耳傾けつつ
密室で消える凶器って浪漫があるよね
ボク一回やってみたかったんだぁ
ドラゴンランスのニールだったら武器の姿もあるし
血糊と一緒に騎士槍刺しておいて
タイミングを見て竜に戻って隠れてもらおう

そういえばさっきのダイニングカーで
食べそびれたものがあってさぁ
血文字で「でざーと」とでも書いといて……
終わったら後で食べよう…
頑張ったニールにもご褒美あげるから…
てな訳で目覚まし代わりに起こして貰うまで
おやすみなさい〜



 犯人は、何といっても女たらしのVIP客。
 甘い言葉でちゃらちゃら言いくるめて、全てのゲストルームの鍵を開けられるマスターキーを入手したから。
 だから後は、きゃっきゃと犯行を実行するだけ――。
 そう夜の闇に紛れてそうっと、或るゲストルームの一室の扉を開いた作家であったが。
『……!?』
 室内の様子を目にし、桜色の瞳を大きく見開いてしまう。
 だって、既に死んでいたのだから。
 覗いた部屋の中は――お互いが喧嘩して腹刺し合ったかのような惨劇の跡。
 椚・一叶(未熟者・f14515)と鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)の死体が、そこには横たわっていたのだから。
 状況から見れば、凶器は恐らく、突き刺さっている騎士槍であるだろう。
 そして死体の傍には、血文字のダイイングメッセージが。
 ――「ゆるさない」
 ――「でざーと」
『ていうか、犯人は……でざーとを奪った、ふぐ?』
 ゆるさない、の隣に大雑把に描かれたふぐらしきイラストを見て、そう推理する犯人。
 それから、ハッと作家はある事に気付くのだった。
『えっ、凶器が……消えた!?』
 先程まで刺さっていたはずの凶器が、忽然と姿を消していることを!
 まさにこれは、ミステリーあるある、凶器の消失!
 ふぐは一体どうやって凶器を消したのか……そう、思考を巡らせながらも。
『ふぐのおかげで殺す手間が省けたし、まぁいっかー』
 死体をとりあえず確認した影朧はそう言って、次の犯行を行なうべく部屋を出て行ったのだった。
 そして――この凄惨たる、ふぐとでざーと殺人事件の真相はといえば。
 あれは、そう……ダイニングカーでおなかいっぱい食べて、部屋に戻ってきた時のこと。
「お腹も割と満足したことだし、次なるミステリートレインの醍醐味と言えば〜」
 ――寝台車両ゲストルームで死んだフリ……!
「ふかふかのソファとか布団って眠くなるよねー」
 そんなエンデの言葉に、一叶もこくり。
 いっぱい美味しいものを食べて今、超ご満悦だから。
「儂が被害者、というのは些か気に入らないが。丁度、横になりたかった」
 ……寝るついでにやってもいい、と。
「寝るなら寝台が良い。布団までとは言わないから」
 というか、普通に寝る気満々。
 けれど一応寝る前に、猟兵としての仕事もやっておくふたり。
 影朧を欺くべく――殺人事件の被害者になることを。
「お互いが喧嘩して腹刺し合ったような状態にして、血糊で「ゆるさない」とでも書いておこうか?」
 そう一叶は、早速血糊でダイイングメッセージを書き書きしながらも。
「ふぐ……もっと食べたかった……」
 思わずそう、ぽつり。
 けれどすぐに、いや、何でもない、と付け加えてから。
 ふぐをエンデにガードされたその未練か、大雑把にふぐっぽい魚の絵も謎に描いておく。
 そんな一叶の計画に耳傾けつつ、ふぐ美味しかったぁ、と満足気に言ってから。
「密室で消える凶器って浪漫があるよね。ボク一回やってみたかったんだぁ」
 エンデは、血糊と一緒に騎士槍も刺しておくことにして。
 密室での凶器消失を成功させるべく、ドラゴンランスのニールに言って聞かせる。
 タイミングを見て竜に戻って隠れてもらうように。
 そんな、死ぬ計画を着々と進めるふたりだけれど。
 一叶はふと大きく首を傾け、思案する。
 ……けれど、これは殺人事件だ。
「今回の影朧ならば、きっと直ぐに気付く。二人を刺した凶器がなくなれば、これは怪しいと」
 だから一見、二人で殺し合ったように見せかけて、誰かが二人を殺した……ように見せておく必要があるかもしれない。
 なので適当に荷物をばらまいておく一叶。何か目的があったように思わせるために。
 そう大雑把に細工する一叶を後目に、エンデはこう口にする。
「そういえばさっきのダイニングカーで、食べそびれたものがあってさぁ」
 そして血文字で書いておくことにする――「でざーと」と。
「終わったら後で食べよう……頑張ったニールにもご褒美あげるから……」
 まさかこの時は、作家がデザートを奪ったふぐの犯行だと勘違いするなんて思いも……いや、計画通りです!
 そんな完璧で綿密な計画を立て終われば、ふわっと出るのは大きなあくび。
 おなかいっぱいになったら眠くなりますから!
「てな訳で、おやすみなさい〜」
「トリス、時間になったら起こせ」
 大丈夫、静かに寝るのは得意だから。
 ふたりはすぐに、ぱたり――すやすやと、ちゃんと死にました!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

碧・蛇ノ目
「あぁー なんら、騒がしぃな〜?」
カクテルを舐め、ずぅっとニコニコと笑みを浮かべたまま赤ら顔で足湯に浸かってた蛇の目傘

緩慢な動作で足湯から出て、よたよたぽてぽて
異変があるならそこに向かわなくてはならない
千鳥足だが「蛇ろ目はりょへーだかんにゃ、そーさに向かうろ〜!」
「でも、そろまえにぃ あたまぐぁんぐぁんすんから… 水もらひにいかにゃ……」

覚束無い足取り、進む先には バ ナ ナ の 皮
正面からぎゅむっと踏んで

ぶべっ!?(ゴンッッッ!!!)

コケてそのまま頭蓋外傷によるショック死でピクリとも動かず死んでることにするぜ
実際は酔いが回って寝てるだけだけどな!
近づかれなきゃバレねぇだろZzz…(˘ω˘ )



 雪と桜舞う窓の外の景色も、もうすっかりいつの間にか、真夜中の様相。
「あぁーなんら、騒がしぃな〜?」
 何だか周囲から、すごい音とか叫び声とかが聞こえる気がするけれど。
 カクテルを舐め、ずぅっとご満悦にニコニコ。
 笑みを浮かべたままのほろ酔い赤ら顔で、ちゃぷちゃぷ足湯に浸かっていた蛇の目傘。
 その余韻をほわほわ楽しみつつ、愉快な心地で、よたよたぽてぽて。
 緩慢な動作で足湯から出た碧・蛇ノ目(蛇ノ目傘・f00403)は、何だか色々な妙な音がするクルーズトレイン……いや、ミステリートレインの中を歩き出す。
 だって、異変があるのならば、そこに向かわなくてはならないから。
 何故なら、それは!
「蛇ろ目はりょへーだかんにゃ、そーさに向かうろ〜!」
 一応、猟兵としての仕事は、ちゃんと覚えていた蛇ノ目。
 すごくへべれけで、千鳥足ですけれど……!
 だがさすがに、ちょっとウキウキ飲み過ぎちゃった感があるから。
「でも、そろまえにぃ、あたまぐぁんぐぁんすんから……水もらひにいかにゃ……」
 調査へと赴く前に、少し酔いを覚ますべく、水を貰いに。
 ふわふわ、ふらふら、よったよた。
 何処からどう見ても酔っ払いな蛇ノ目は覚束無い足取りで、辛うじて前に進んでいたのだけれど。
 だが、彼は気付いていなかった――そこに、犯人の罠が仕掛けてあることを!
 ということで、ベッタベタに。
 ――ぎゅむっ、つるんっ。
 そう……進む先に置かれていたのは、バナナの皮!!
 それを正面から、ある意味ものすごく絶妙な角度で景気よく踏んで。
「……ぶべっ!?」
 ――ゴンッッッ!!!!
 なんか、ものすごい音がしました!?
 そしてお手本のように盛大にバナナの皮でコケた蛇ノ目は。
 ――ガクッ。
 頭蓋外傷によるショック死で、無事にピクリとも動かなくなりました!
 ……実際は、酔いが回って寝ているだけ??
 いいえ、これはバナナの皮という恐ろしい凶器による殺人事件です!
(「近づかれなきゃバレねぇだろ」)
 あれだけ豪快にころんで頭を打ったのだ、バナナの皮を仕掛け、じっとわくわく様子を窺っていたっぽい影朧もさぞ満足だろう。
 ということで蛇ノ目も、すやぁと健やかに死にました!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
【狼鬼】
俺は死にかけるのは好きだが死んだ覚えはねェぞ
寿司を次々口に放り込みながらのたまう
いやこれマジでエンドレスに食えるわ
(マグロにサーモンに卵にと絶妙なお子様セレクト)

そろそろ「死に方」もマンネリしてきたもんな
櫻居先生をあっと言わせる鮮やかな死に際を…
あ?大食い競争?いいじゃん受けて立つぜ

そうそう最近はミートボールよりタコ派で……
でも俺がタコ食うのって響きが背徳的だな
変態的にコーフンしちゃう

くだらねえ事言い合ってた俺らはちょっとばかし食いすぎちまってたらしい
「毒というよりも、これ…」
オイオイ誰だよ鮮やかな死に際をとか言った奴
俺か
まいったね、ハハ

「おいオヤジ、ギャグが寒いぞ」
倒れつつ小声で揶揄


ザザ・クライスト
【狼鬼】

「愉快な死に様つってもなァ、ここはスペシャリストの意見を伺うかね」

視線をジャスパーにむけるオレ様
コイツほど奇想天外な変態はそういねェ、いいアイデア期待してるぜ?

「とは言ってもせっかくだ。寿司でも喰いながら考えるか」

手始めにエンガワ、ブリ、サーモンにハマグリなどに舌鼓
イヤ、ウメェ、温かい茶すら絶品で口の中をスッキリさせるモンだから止まらねェぞ

イカにマグロ、ウニに赤貝、ウマすぎる
次第にどちらが多く喰えるかに話題がシフト

「まだまだイケんだろ。ホレ、大好きなタコだぜ?」

手と口が休みなく動き、気がつけばかなり苦しい
脂汗が浮かび、胸焼けも、まさか毒が!?

「グガガガ、詰まっ……」

寿司だけにネタ死にだ



 窓の外へと目を遣れば、夜の景色をはらり彩る雪と桜花弁。
 そしてテーブルを見れば、食い倒れを満喫しまくった沢山の空の皿たち。
 ……いいえ、ご馳走様にはまだ早い。
 とはいえ、ザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)は一応、此処に来た本来の目的も忘れてはいない。
「愉快な死に様つってもなァ、ここはスペシャリストの意見を伺うかね」
 そう口にし向ける視線の先には勿論、連れのジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)の姿が。
 これから、あの作家先生が起こす殺人事件に付き合って。
 愉快な死体とならなければいけないというのだが。
 ザザはジャスパーに、ニッと笑んで続ける。
 ――コイツほど奇想天外な変態はそういねェ、いいアイデア期待してるぜ? って。
 それから、追加でテーブルに並べられた皿へと視線を映して。
「とは言ってもせっかくだ。寿司でも喰いながら考えるか」
 ……エンガワ、ブリ、サーモンにハマグリ等々。
 手始めにと、ひょいっと口に放り込んだ寿司に舌鼓。
 そんなザザにちらりと一瞬だけ、紫とピンク入り混ざる視線を向けてから。
「俺は死にかけるのは好きだが死んだ覚えはねェぞ」
 ジャスパーも、寿司を口へとひょいひょいっ。
 何せ豪華寝台列車、使われているネタも新鮮で高級なものばかり。
「イヤ、ウメェ。イカにマグロ、ウニに赤貝、ウマすぎる」
「いやこれマジでエンドレスに食えるわ」
 寿司は当然ながらも、温かい茶ですら絶品で。
 寿司の合間にごくりと喉を潤しながら、口の中をスッキリさせるモンだから止まらねェぞ、なんて。
 休むことなく再び寿司に手を伸ばすザザに、ジャスパーもこくり頷く。
 マグロにサーモンに玉子、ついでにニコちゃんお星さまポテトまで。
 絶妙すぎるお子様セレクトの逸品たちを口に運びながら。
「そろそろ「死に方」もマンネリしてきたもんな。櫻居先生をあっと言わせる鮮やかな死に際を……」
 コーンマヨ軍艦のコーンが落ちないよう、何気にそうっとおこさまスプーンで掬いつつ、首を傾けるジャスパーだけれど。
「オレ様の方が今、一皿多く喰ってるな」
「あ? オイオイ、よく見ろよ。俺はプリンも食ってるだろ」
 何気に重ねられた皿を見比べ言ったザザの声と笑みに、ジャスパーはそう返して。
 ――大食い競争? いいじゃん受けて立つぜ。
 どちらが多く食べられるかに、話題がシフト??
 そんなジャスパーに、ザザは笑って差し出す。
「まだまだイケんだろ。ホレ、大好きなタコだぜ?」
「そうそう最近はミートボールよりタコ派で……」
 ジャスパーはそう言いながらも、差し出されたタコをはむり。
 よく味わいながら、はぁ、と吐息を漏らす。
「でも俺がタコ食うのって響きが背徳的だな」
 ……変態的にコーフンしちゃう、なんて。
 今日も迸るタコさんへの愛は勿論、当たり前に健在です。
 けれど、ちょっと互いに張り合いつつも。
 寿司をぽいぽいと深く考えず、口に運んでいた――その時だった。
 ザザは、ハッと己の異変に気が付く。
 ……手と口が休みなく動き、気がつけばかなり苦しい。
「脂汗が浮かび、胸焼けも、まさか毒が!?」
「毒というよりも、これ……」
 ジャスパーもそこではじめて気が付くのだった。
 ……俺らはちょっとばかし食いすぎちまってたらしい、と。
 ということで。
「グガガガ、詰まっ……」
 ――ガクリ。
 寿司が喉に詰まって、ザザがぽっくり死んでしまいました!?
 そんな、おなかがいっぱいになって事切れた連れに目を遣って。
「オイオイ誰だよ鮮やかな死に際をとか言った奴」
 ……俺か。まいったね、ハハ、と。
 何気にまだ皿に残っていたタコを最後に口に運び、タコと共に死ぬジャスパー。
 ――そして。
「寿司だけにネタ死にだ」
「おいオヤジ、ギャグが寒いぞ」
 パタリと倒れて死につつ、小声でツッコミを入れるのも忘れないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
【WE】
僕は絵本作家探偵鵜飼章
原稿に飽きたので鬼担当を殺して部屋を脱走しようと思うんだ
えいっ(早業の暗殺で柊くんの心臓をぐさー

柊くんはたぶん大丈夫
首から上が無事なら死なないと言っていたし
僕は特に誰も殺さなかったよ
気分転換に車内を散策してこよう

あ、駄目だ背後から凄い殺気を感じる
読めた…柊くんが僕を撲殺しようとしているな
けれど僕は儚い人間
殴ったら死ぬのが弱点だ
猟奇探偵の矜持にかけて彼は殺人には手を染めない筈(名推理)

よし…空気を読んで殴られておこう
激痛耐性もあるし

客観的に見たら心中風に仕上がるよね
フラグを回収した僕はえらいので
現場工作は全部任せたよ…

(そうして僕の意識は闇に閉ざされた…)
(すやぁ)


柊・はとり
【WE】
は?
おい待て確かに俺は死なないが
お前と違って普通に痛覚はあ



クソ痛ぇ…
やりやがったこいつ…人の心なさすぎるだろ
助手を殺す探偵って設定も気に食わない
一泡吹かせてやるよ鵜飼先生

奴が俺は死んだと思って油断している隙に
室内にあった灰皿で頭を殴り【気絶攻撃】
はー清々した

後は内側から鍵をかけて密室を作り
俺も倒れておけば不可解な殺人現場ができる
ついでに腹立つからダイイングメッセージ残す
『犯人は鵜飼』って血文字で書いてやるわ

影朧先生もさぞ喜ぶだろうよ
よくあるトリックではあるが
全く身に覚えのない密室が増えてるんだからな…

鍵…閉まってんだよな…
ちゃんと発見されんのかなこの現場
死体なのに死体のふりか…虚しい



 人間らしく久し振りに美味しいごはんを食べた後、鬼眼鏡に蹴飛ばされて。
 部屋に強制送還させられた絵本作家探偵、鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)は密かに思考を巡らせる。
 目の前には真っ白な原稿、背後には鬼担当。
「原稿に飽きたので鬼担当を殺して部屋を脱走しようと思うんだ」
 むしろ、普通に口に出していた。
 そんな言葉に、鬼担当兼助手こと柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は眉を潜めて。
「は? おい待て確かに俺は死なないが、お前と違って普通に痛覚はあ」
「えいっ」
 ――心臓ぐさー。
 早業の暗殺を駆使した絵本作家探偵に、いきなり刺されました!?
 けれど、的確に鬼担当の急所をぶっ刺した章は凶器の指紋をふきふきしつつも、瞳を細めてみせる。
「柊くんはたぶん大丈夫。首から上が無事なら死なないと言っていたし」
 ――僕は特に誰も殺さなかったよ、って。
 そして、気分転換に車内を散策してこよう、と。
 くるり、鬼担当に背を向けて扉へと歩き出さんとするけれど。
「……クソ痛ぇ……」
 はとりは、自分を刺しておいて何とも微塵も思っていない感溢れているその態度に改めて思う。
(「やりやがったこいつ……人の心なさすぎるだろ」)
 それに、助手を殺す探偵という設定も気に食わないから。
 ……一泡吹かせてやるよ鵜飼先生。
 ゆうらり、ゾンビの如く立ち上がる。
 そんな気配を背中でビンビンに察知して。
(「あ、駄目だ背後から凄い殺気を感じる」)
 読めた……と、章は呟きを落とす。
 ――柊くんが僕を撲殺しようとしているな、と。
 けれど自分ははとりと違い、儚くも脆い人間。殴ったら死ぬのが弱点だ。
 だから、きっと違いない。
「猟奇探偵の矜持にかけて彼は殺人には手を染めない筈」
 そう、かなり都合良すぎる名推理を口にするけれど。
 はとりがおもむろに手にしたのは、いかにも重そうでちょっとギザギザした感じのデザインの、ミステリーあるあるな灰皿。
 ということで、担当は死んだと思って油断している作家へと、躊躇なく鬼担当はそれを振り翳して。
(「よし……空気を読んで殴られておこう」)
 激痛耐性もあるし、と。
 ――ごんっ!!
 空気を読んで気絶するほどの殴打を後頭部に受ける絵本作家探偵。
 そして、探偵なのに儚く死んだ章を見遣って。
「はー清々した」
 はとりは内側から鍵をかけて密室を作り、色々と細工を施しつつも。
 ……俺も倒れておけば不可解な殺人現場ができる、と後で適当に倒れておこうと思いながらも。
 ついでに腹立つから、血文字でダイイングメッセージを残しておく――『犯人は鵜飼』って。
 そんな、犯人に仕立て上げられている被害者な探偵は、また空気を読んで。
(「客観的に見たら心中風に仕上がるよね」)
 フラグを回収した僕はえらいので、と倒れたまま。
 面倒な現場工作は全部、専門であるだろう猟奇探偵に丸投げのお任せ。
 そしてせっせと偽装工作しながら口にする本業探偵。
「よくあるトリックではあるが、全く身に覚えのない密室が増えてるんだからな……」
 ……影朧先生もさぞ喜ぶだろうよ、って。
 けれどふと、あることに気付くのだった。
「鍵……閉まってんだよな……ちゃんと発見されんのかなこの現場」
 ちゃんと死んだ自分達が無事に発見されるかどうかを。
 だがとりあえず、ぱたり倒れてみて。
 はとりは、じっとしつつも思うのだった。
 ――死体なのに死体のふりか……虚しい、って。
 すやぁと、腹立つほど健やかに意識が闇に閉ざされた、章の傍で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と

消灯時間からどれくらい経ったでしょうか
眠りへと落ちていた意識を浮上させつつも
打ち合わせ通りかれが起き出し永遠の眠りについているふりをするこちらの様子を伺うのを感じ

苦しげな吐息と共に頬に触れるかれの大きくて少しだけかさついた手が
声音が、かれの想像したものや想いを如実に伝えてくる
―――ああ、演技で良かったと、心からそう思います
同時に、演技でもかれが心を痛めているのも伝わってきて
そのような、かれに悲しい顔をさせてしまうのは……
うんと、遠い未来のことになるようにしなければなりませんね

それから自死を演じ折り重なるように自らの上に倒れ臥したかれ
……あの、重いです……


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

宵と手を繋ぎ眠りながらも、瞳を開ければ相談していた通り宵…?と戸惑う声音を漏らし身を起こそう
そして宵のベッドに近づけば宵…何故だと、繋いだ手は其の侭に宵の顔を覗き込み空いた手でその頬を撫でんと試みよう
…手から伝わる体温も微かに伝わる吐息も死んだふり、だと伝えてはくるものの
もし宵が逝ったらとそう想像してついぞ苦し気な吐息が唇から漏れるやもしれん
その後はお前を一人にはせんと、そう懐から取り出した短刀で己の胸をつくふりをした後宵の隣に…否、狭いゆえ折り重なる形で倒れよう
その後は至近にある白く整った顔を時折眺め見惚れ繋いだ手の手指を見えぬ様撫でながら死んだふりを続けられればとそう思う



 深々と雪と桜が舞い降る、真夜中の静寂の中。
「宵……?」
 ふと落ちたのは、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)の声。
 手を繋ぎ眠る彼を呼んだその響きが纏うのは、戸惑いのいろ。
 そして身を起こし己の様子を窺う様な、かれの視線をそっと感じながらも。
(「消灯時間からどれくらい経ったでしょうか」)
 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は眠りへと落ちていた意識を浮上させつつも、心の中だけで紡ぐ。
 だって今の自分は、永遠の眠りについている死体なのだから。
 そして、身を起こし見つめてくるかれとは、打ち合わせ済。
「宵……何故だ」
 ザッフィーロはいくら呼んでも瞳閉じたままの、宵のその美しい顔を覗き込んで。
 彼のベッドに近づくと空いた手を伸ばす。その頬を、そっと撫でんと。
 苦しげな吐息と共に頬に触れるのは、かれの大きくて少しだけかさついた手。
 そして耳に届く声音が……かれの想像したものや想いを如実に伝えてくる、と。
 だから宵は思うのだ――ああ、演技で良かったと、心から。
 触れた手から伝わる体温も微かに伝わる吐息も、死んだふり、だと。
 そう伝えてはくるものの。でも、それでもやはり。
 ザッフィーロの唇からはどうしても漏れてしまう。
 もし宵が逝ったらと想像してしまえば……苦し気な吐息が。
 そんな気持ちも、宵は死を迎えたフリをしつつもよくわかるから。
 演技でも、かれが心を痛めていることは。
 そして心に誓うように、思うのだった。
(「そのような、かれに悲しい顔をさせてしまうのは……」)
 ――うんと、遠い未来のことになるようにしなければなりませんね、って。
 そんなことを宵が想っていれば、再び聞こえるかれの声。
「お前を一人にはせん」
 刹那、ザッフィーロが懐から取り出し握った短刀の刃が閃いて。
 己の胸を、一思いにひと刺し。
 そしてどさりと、折り重なる形で倒れゆく。
 宵の隣に……否、狭いゆえ折り重なるような形で。
 それから無事に打ち合わせ通りに死体になりつつも。
 そうっと、至近にある白く整った顔を時折眺め、改めてザッフィーロは彼に見惚れながら死んだふりを続ける。繋いだ手の手指を、見えぬ様に撫でながら。
 そんな手と指の感触と、自死を演じ折り重なるように自らの上に倒れ臥したかれ。
 宵は今、永遠の眠りについた死体なのだけれど。
 すぐ傍にあるかれの耳元で――こう、吐息のような囁きを。
 こうやって共に、すぐ傍に在れるのは、確かにとても嬉しいのだけれど。
 ――……あの、重いです……、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
有/f00133

生きてるうちにやっておきたい事その2
酒で溺死

有ちゃんで溺死するのもいいけど
ああ、液体以外でも溺れ死ぬことはできるよ でも
それだと有ちゃんが置いてけぼりになっちゃうしね
一緒にどうだい?一緒ならきっともっと良くなる

日本酒にするか、ウイスキーにするか
悩んだら一番高い酒にしよう
バケツで持ってきてもらってね、二杯ね
お代はツケといて

バケツに頭突っ込んで
互いに頭押さえて競争なんてどうだい
先に死んだ方が楽なやつ
……この髪型はハンデね
有ちゃんの頭は、ふふ、何だかクシャクシャしたくなるねぇ

飲み干しちゃダメよ
5センチありゃ死ねるけど
それ以下は保証されてないからね

そいじゃ、いっせーの


芥辺・有
ロカジ/f04128

そんな事やっときたいの?
まあ確かに、死んだらできないけど

あいにく私は液体じゃないから溺死にゃ向いてないよ
……そうじゃなくて?まあ何でもいいけど
酒で死ぬってのもなかなかない体験だろうし
一回くらいやっとくかい

酒だったら何だって構わないけど
こうゼイタクな使い方するっていうと頭が痛くなるような値段かもね
聞きたくもないけどさ
バケツも高そうに見えるんじゃない

はあ、競争ね
……そりゃ先に死んどいた方が楽かもね
じゃあそれなりに頑張って押さえとくか
その髪掴みやすそうだし……
あっそう まあお好きにどーぞ

さすがに飲み干すほど腹は減ってないかな
それはそれで酔いが回って死にそうだけど

はいよ せーの



 窓の外の景色を彩る、雪や桜を肴にして。
 朝までこうやって飲み明かして、酒盛り……というわけには、ちょっといかない。
 何故なら、この豪華寝台列車に乗り込んだ本来の目的が一応あるのだから。
 けれどやはり、子供かの如くはしゃぐように。
 ロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は、芥辺・有(ストレイキャット・f00133)に笑んで紡ぐ。
「生きてるうちにやっておきたい事その2」
 ――酒で溺死、って。
 そんな彼の言葉に、有は首を微かに傾けて返す。
「そんな事やっときたいの?」
 けれどそう言いつつも、ふと考えて付け加える。
 ……まあ確かに、死んだらできないけど、って。
「有ちゃんで溺死するのもいいけど」
「あいにく私は液体じゃないから溺死にゃ向いてないよ」
 それから、自分の顔を覗き込むように言った彼を、ちらりと見つめ返すけれど。
 ロカジは、くすりと笑むようにその瞳細めて。
「ああ、液体以外でも溺れ死ぬことはできるよ」
 ……そうじゃなくて? ともう一度首を傾け落ちた言葉に、でも、と続けつつも誘う。
「それだと有ちゃんが置いてけぼりになっちゃうしね」
 ……一緒にどうだい? 一緒ならきっともっと良くなる、って。
 そんな彼の声に有は相変わらず気怠げに、でもやっぱり結局は。
「酒で死ぬってのもなかなかない体験だろうし、一回くらいやっとくかい」
 ……まあ何でもいいけど、と。楽しそうな様子の彼の話に乗ってみる。
 そうと決まれば早速、酒で溺死する準備を。
 けれどロカジは、うーんと悩まし気。
「日本酒にするか、ウイスキーにするか」
「酒だったら何だって構わないけど」
 確かに、酒で溺れ死ねれば、まぁ何でも本望ではあるのだけれど。
 でもどうせ死ぬなら、パーッと景気よく。
「バケツで持ってきてもらってね、二杯ね」
 ロカジが選んだのはそう、一番高い酒。
 それをバケツで二杯となれば、やはりつい気になるのは。
「こうゼイタクな使い方するっていうと頭が痛くなるような値段かもね。聞きたくもないけどさ」
 一体、お幾ら万円するのか。
 バケツも高そうに見えるんじゃない、なんて言う有に、ロカジは数度瞬いてから。
 肩を竦め、こうお願いするのだった……お代はツケといて、って。
 そして高そうな酒が入ったバケツを仲良く並べて。
 ただ溺れ死ぬだけじゃつまんないから、ロカジはこんな提案を。
「バケツに頭突っ込んで、互いに頭押さえて競争なんてどうだい」
 ……先に死んだ方が楽なやつ、って。
「はあ、競争ね……そりゃ先に死んどいた方が楽かもね」
 それからちらりと有が視線を向けるのは、派手で粋なピンクいろ。
「じゃあそれなりに頑張って押さえとくか。その髪掴みやすそうだし……」
「……この髪型はハンデね」
 ロカジはそう言いつつも、彼女の黒髪を見つめて。
「有ちゃんの頭は、ふふ、何だかクシャクシャしたくなるねぇ」
「あっそう」
 どうでもいいと言ったように、有は口にする。
 ……まあお好きにどーぞ、って。
 いや、競争は何だかわくわくするロカジだけど。
 ちゃあんと、本来の目的だって忘れちゃいないから。
 競争の前に、有に言って聞かせる。
「飲み干しちゃダメよ。5センチありゃ死ねるけど、それ以下は保証されてないからね」
「さすがに飲み干すほど腹は減ってないかな。それはそれで酔いが回って死にそうだけど」
 まぁ飲んでも飲まなくて、とりあえず結果的に死ねれば、どっちでもいいのですけれど。
 ということで、ふたり顔を見合わせて。
 ――そいじゃ、いっせーの。
 ――はいよ、せーの。
 競争しながらも、仲良くせーの、で……高級な酒でいざ、溺死します。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブOK
WIZ

何度かこの小説家を見て、似てるようで似てないって思ってたけど。
でもやっぱり似てるような気が最近はしてる。
なんかこう、変な言い方だけど二人とも表情筋が仕事してないような。
表情筋(物理)はちゃんと動いてるけど…なんか無表情に俺には見えるんだよな。
そもそも毎日会うような人でもないし、それどころか見かけるのも稀なんだけど。
でもなんでそう感じるんだろう?

……。
いい加減現実逃避やめるか。
あーうん、折角だし双子関連の本を握りしめて個室で倒れとくか。
たとえ血糊でも列車内を汚すのは気が引けるから、そばに重そうな…まぁ使えそうな物並べとけば適当に置き直してくれんだろ。
…これでいいのかなぁ?



 桜舞う世界の、今度は冬の景色の中で。
 豪華寝台列車の旅を楽しんでいた黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は、ふと今までのことを思い返してみる。
(「何度かこの小説家を見て、似てるようで似てないって思ってたけど。でもやっぱり似てるような気が最近はしてる」)
 瑞樹の脳裏に浮かぶのは、件の作家で在った影朧と、もうひとり――やたら似ている人物の顔。
 顔は似ているけれど、知っている彼とあの作家は似ていないと、そう前までは思っていたけれど。
(「なんかこう、変な言い方だけど二人とも表情筋が仕事してないような。表情筋はちゃんと動いてるけど……なんか無表情に俺には見えるんだよな」)
 かたや影朧は子供の如くはしゃぐようににこにこ。
 もうひとりの彼は雅やかにいつも微笑んでいるけれど。
 瑞樹から見れば、それは物理的にすぎない気がするのだ。
 ……とはいえ。
(「そもそも毎日会うような人でもないし、それどころか見かけるのも稀なんだけど」)
 影朧はオブリビオンなのでまぁともかく。
 いつもあの彼を見かける時は、大抵依頼を請ける時であるから。
 転送などの任に就いていない際の普段の彼がどうなのかまで、瑞樹には分からないけれど。
 ……でもなんでそう感じるんだろう?
 そうふと、雪と幻朧桜が織り成す景色を眺めながら、この世界まで自分を導いた桜を思い返しつつ瑞樹は首を傾ける。
 けれど今考えても、答えが出るようなことでもないから。
「……。いい加減現実逃避やめるか」
 きょろりと視線を巡らせれば、目についたのは本棚。
 そしてふと、手を伸ばして。
 ――あーうん、折角だし双子関連の本を握りしめて個室で倒れとくか。
 何気に悩ましい、死に方を考える瑞樹。
 そう、今から瑞樹は被害者になって死なないといけないから。
 作家が起こす、連続殺人事件の。
 そして、本を手にした後。
(「たとえ血糊でも列車内を汚すのは気が引けるから、そばに重そうな……まぁ使えそうな物並べとけば適当に置き直してくれんだろ」)
 ……これでいいのかなぁ? って。
 そうそっともう一度首を傾けつつも――ぱたり、死んでみるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
これはフラグを立てるのが良さそうね。

誰かが死んだところを見て震え上がる(ふりをする)わ
「こ、この中に殺人犯がいるのね?」
「こんなところにいられないわ。私は部屋に帰ります!」

あとは走り出してバナナは飛び越えるけどその着地点に何故か落とし穴があって転落死よ。

…本当に落ちちゃうと列車からおいていかれそうだから、実際は落ちたように見せてユーベルコード【インヴィジブル・イグジスト】
透明になって隠れていましょう。



 雪と桜花弁が舞う、サクラミラージュの夜。
 美しい景色の中を走る豪華クルーズトレインが、ミステリートレインと化す。
 ミステリー、それは殺人事件。
 そして、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はちゃんと知っているから。
 ミステリーの様式美というやつを……!
 というわけで。
(「これはフラグを立てるのが良さそうね」)
 きょろりといろの違う宝珠の瞳を周囲に巡らせてから。
 これまで色々な方法で死んでいる猟兵たちの死体へと視線を向けた後。
 またひとり、ぱたりと死んだのを見て、ガタガタと震え上がる。
 ……うん、まぁフリなんですけど!
 でもたとえフリでも、これはミステリーで、自分はその登場人物だから。
「こ、この中に殺人犯がいるのね?」
 ふるふると首を大きく横に振って、怯えてみせつつもヴィオレッタは言い放つ。
「こんなところにいられないわ。私は部屋に帰ります!」
 まさに、ベッタベタなフラグが立ちました!
 そして恐怖のいろを湛えた表情のまま、自らのゲストルームへと駆けだして。
 何だか癪だから、何気に置かれているバナナはひょいと飛び越えてみせるけれど。
「……ッ、!?」
 バナナを飛び越えた先の落とし穴に――ずぼっ!
 勢いよく突っ込み、なんと、転落死を遂げてしまったのだった。
 ……いえ、何故落とし穴が列車に、なんて野暮は言ってはいけません。
(「……本当に落ちちゃうと列車からおいていかれそうだから」)
 実際は落ちたように見せるべく、ユーベルコード『インヴィジブル・イグジスト』を発動して。
 透明になれば――あとはそっと息を潜めて、かくれんぼ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
アドリブ歓迎

さて、どう死のうか…
って普段あまり考える事じゃないから、いざどうやって、の部分を考えると迷うものだな…ん~…

あぁ、なるほど、毒とかなら確かに
俺なんかは食べまくっていたしね

(炎武さんの大根演技を見て)
ぶっ、ちょ、それなんか違う
それお代官様と女中な感じの演技っぽい
どこでそんな知識を得たんだ…(汗

ごほごほっ(あまりにもの残念な演技に食事を喉に詰まらせ)ばたり

死因:窒息死

炎武さんが慌てて出て行ったな…
倒れた後、そのままの姿勢で聞き耳を立てる

そういえばシャルロットさんが近くにいなかったな
って、今結構近くで物凄い音させて誰か倒れなかったか?(冷や汗
誰かわからないけれど痛そうだなぁ


炎武・瑠美
【電脳の箱庭】
アドリブ歓迎

え、えっと…確か死んだふり、をする必要があるのですよね?
先程までお食事をしておりましたし…毒が入っていた…という想定で死んだふりをしてみましょうか…

あ~れ~~っ(大根役者
とかすればいいのでしょうか?
あら?ひりょさん、せき込んで…た、倒れちゃいましたっ!
し、死んでます…(涙目

そういえばシャルロットさんもどこかに…
(探しに行きバスルームで変わり果てた姿のシャルロットさんを発見)
ひっ、しゃ、シャルロットさんが、シャルロットさんが…っ
(演技の事をすっかり忘れて気が動転)

慌ててバスルームから出たのですが、その後何かに躓き転倒、物凄い音を立てて頭をぶつけてしまいます

死因:頭部強打


シャルロット・シフファート
【電脳の箱庭】
さて、どう死ぬか……確かにそんなこと普通に生活していれば悩まないものね。
そうブドウジュースが入ったワイングラスを優雅に傾けながらひりょたちの案を聞いていく。

毒、毒ね……そう思い立って私は考えた「事件」を実行するためにひりょたちが毒に苦しむ演技をする前にゲストルームに戻るわ。

さて、UCを起動させて密室状況を作り出してバスルームに行くわ。
バスタブにお湯を張ってそこに身を沈めて風呂に浮いている死体風に。

だけど、お湯の代わりに張っている液体は水ではなくワイン。ユーベルコードで水の性質を書き換えたのよね。
深紅の液体に沈む幼い少女……猟奇的でホラーよね。

死因:溺死



 豪華寝台列車の旅は、美味で高級なグルメを存分に満喫して。
 車窓に流れる雪と桜が舞う景色も、一応食べるばかりではなく堪能した後。
 おなかも胸もいっぱいになれば、あとはゲストルームでゆったり……とは、いかないのであった。
 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)はふと思案するように首を傾け、口にする。
 ――さて、どう死のうか……と。
 何気に、普通に聞いたらびっくり発言であるが。
 これも実は、れっきとした猟兵の仕事。
 影朧が逃亡等しないよう、殺人事件の被害者をこれから演じなくてはならないのだが。
「って普段あまり考える事じゃないから、いざどうやって、の部分を考えると迷うものだな……ん~……」
 じゃあ死んでみよう、と言っても、その方法を思えば悩んでしまう。こんなこと日常ではないから。
 そしてそれは勿論、ひりょだけでなく、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)にとっても同じ。
「さて、どう死ぬか……確かにそんなこと普通に生活していれば悩まないものね」
 そうブドウジュースが入ったワイングラスを優雅に傾けながら、死に方を考えるシャルロット。
「え、えっと……確か死んだふり、をする必要があるのですよね?」
 炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)も聞いた予知を思い返しながら、改めてこれからやるべきことを口にした後。
 きょろりとテーブルに並んだ完食済の皿を見回しつつ、ふたりへとこう、死ぬ提案してみる。
「先程までお食事をしておりましたし……毒が入っていた……という想定で死んだふりをしてみましょうか……」
 瑠美が提案した死に方は、そう――毒殺。
「あぁ、なるほど、毒とかなら確かに」
 ……俺なんかは食べまくっていたしね、と。
 食べた量を考えても確かに、毒が入っていれば致死量間違いなし。
 ひりょも納得の死に方である。
 そして、そんなふたりの案を耳にしたシャルロットは、さり気なく席を立って。
「毒、毒ね……」
 ひとり先に、ゲストルームに戻ることに。
 毒と聞いて思い立った、ある「事件」を実行するために。
 そんなシャルロットの行動には気付かずに。
 瑠美は大きく首を捻った後、死ぬ予行練習をしてみる。
「あ~れ~~っ」
 ええ……それは見事な大根役者ぶりで。
 そして……とかすればいいのでしょうか? と訊ねてくる彼女に、ひりょは思わず噴き出して。
「ぶっ、ちょ、それなんか違う。それお代官様と女中な感じの演技っぽい」
 思い浮かぶのは、お代官様にくるくるーっと帯を回される女中姿。
 そもそも、殺人事件ではない気しかしないし。
 ……どこでそんな知識を得たんだ……。
 ひりょはそう呟きを落としつつ、あまりにも残念な瑠美の演技に。
「! ごほごほっ」
 うっかりツボに入ってしまって、食事を喉に詰まらせてしまいました!?
 そして――ばたり。
 なんということでしょう、窒息死しました!
 そんな残念演技でナチュラルにひりょを殺してしまった瑠美は、瞳をぱちくりと瞬かせて。
「あら? ひりょさん、せき込んで……た、倒れちゃいましたっ!」
 ――し、死んでます……。
 彼が死んでいることに気が付き、涙目に。
 シャルロットに助けを求めんと、彼女が座っていた席へと目をやれば。
「そういえばシャルロットさんもどこかに……」
 彼女がいつの間にかいなくなっていることにようやく気付き、探しに席を立って。
 ゲストルームへと足を向けて扉を開ければ――そこには、第二の犠牲者が!?
 そう、バスルームで変わり果てた姿となっていたのは。
「ひっ、しゃ、シャルロットさんが、シャルロットさんが……っ」
 探していた、シャルロットであったのだ。
 真っ赤な液体で満ちたバスタブに浮いている、彼女の死体を見つけたのである。
 そして死体を発見し気が動転して、慌ててバスルームから出る瑠美。
 ……演技の事なんて、すっかり忘れて。
 そう、これは死んだ演技。
 シャルロットは『無垢であると謳う世界全ての無機』を起動し、密室状況を作り出して。
 バスタブに身を沈め、死体風を装っているのだった。
 そしてお湯の代わりに風呂に張っている液体は水ではなくワインのようなブドウジュース。
(「深紅の液体に沈む幼い少女……猟奇的でホラーよね」)
 ユーベルコードで水の性質を書き換え、瑠美が本物の死体かと思うくらい完璧な溺死です!
 それから、慌ててバスルームから出た瑠美はというと。
「……!! あっ」
 慌てすぎて、各ゲストルームに置かれているこの列車のマスコットキャラ『桜雲くん』の大きなぬいぐるみに勢い良く躓いて。
 ――ごんっ!
 転倒したはずみに、物凄い音を立てて全力で頭をぶつけてしまいました!?
 そして、頭部強打で無事に死体となって、ぱたり。
 そんな時、ダイニングカーで死体となっていたひりょはそっと思う。
(「炎武さんが慌てて出て行ったな……そういえばシャルロットさんが近くにいなかったな」)
 けれど確かめようにも、今、自分は死んでいる最中。
 倒れたそのままの姿勢で、聞き耳を立てるしかなかったのだが。
 ……ごんっ! と。
 刹那、物凄い音をさせて誰かが倒れるような気配を感じて。
 ひりょはその音に冷や汗をかきながらも、頑張って死んだまま思うのだった。
 ――誰かわからないけれど痛そうだなぁ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
梓にゲストルームに連行されて一眠りしたあと
次に向かうのはダイニングカー
おせち食べてみたかったんだよね~
プリンとおせちは別腹だよ

お鍋も魅惑的だったけど、注文したのは洋風おせち
和風おせちしか知らなかったからとっても気になる
ん?今さらっと子供扱いした?

ローストビーフやマリネ等どんどん箸が進む
この海老ぷりぷりで美味しいよ
梓も食べてみなよ
はいあーんと差し出して食べさせる
今更照れる仲でも無い

梓から差し出されたお肉もあーんと受け取り…

!?

その瞬間、謎の苦しみが襲い
口から血(※トマトジュース)が流れる
机に突っ伏し、そのまま意識が遠のいていく――

(…って梓…この展開
学園の時の丸パクリじゃない…??)


乱獅子・梓
【不死蝶】
お前ついさっきプリン食べてただろうが
食欲旺盛な綾にツッコミ入れ

一般的な和風おせちに比べて
子供でも食べやすそうなメニューが多いな
綾、お前にぴったりだな

恥ずかしげもなくあーんと海老を受け取り
おぉ、確かにこれは絶品だな
じゃあお返しにこれやるよ
肉を一切れ、はいあーんと差し出し

えっ、綾…!?これは…毒!?
誰がこんなことを…ま、まさか!?
そこにはドヤ顔の零の姿が!

『私というものがありながら
そんな男とはいあーん☆なんて許さない!』
※焔が台詞入りフリップを掲げ

『この浮気者!もう二度と誰にも
はいあーんが出来ない身体にしてやるわ!』
待て零!話せば分か――

最期に確認出来たのは
俺の首に齧り付く零の姿だった…



 気持ちはよくわかる、わかるのだけれど。
 桜と共に雪も降るような寒い日に炬燵で寝るなんて、風邪を引くフラグ以外の何物でもないし。
 本来の目的の前に、熱が出て寝込んでしまってもいけないから。
 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は炬燵から叩き起こされ、ゲストルームに連行されて一眠り。
 そして目覚めれば、次に向かうのは、そう。
「おせち食べてみたかったんだよね~」
 美味しいおせちがいただけるという、ダイニングカー!
 そんな食欲旺盛な綾に、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)はツッコミを入れるけれど。
「お前ついさっきプリン食べてただろうが」
「プリンとおせちは別腹だよ」
 返ってくるのは、女子みたいな返事?
 ……いや、逆な気がするけれど、気にしない。
 というかむしろ、全く気にせずに。
「お鍋も魅惑的だったけど、和風おせちしか知らなかったからとっても気になる」
 ちょっぴりわくわく綾が注文したのは、少し珍しい洋風おせち。
 そして運ばれてきた豪華なお重の中身に、梓も興味を持ったように覗き込んで、うんうんと頷く。
「一般的な和風おせちに比べて、子供でも食べやすそうなメニューが多いな」
 ……綾、お前にぴったりだな、って。
 綾は、いただきまーす、とまずはサシの入ったローストビーフを摘まみながらも。
「ん? 今さらっと子供扱いした?」
 でもまぁ今は、美味しいおせち!
 ローストビーフは勿論、マリネやテリーヌ等々。
 高級な素材を使った絶品なおせちに、どんどん進む綾の箸。
「この海老ぷりぷりで美味しいよ。梓も食べてみなよ」
 そしておすすめの海老をひょいと掴んで、梓の口元へ。
 ――はいあーん、って。
 特に今更照れる仲でも無いから、普通に恥ずかしげもなく、梓もあーん。
 はむりと海老を口で受け取れば、海老自体の味も濃く美味な上に、綾の言う様に弾けるくらいにぷりっぷり。
 そして。
「おぉ、確かにこれは絶品だな。じゃあお返しにこれやるよ」
 梓は肉をひと切れ、箸で取ってから。
 綾へとお返しの、はいあーん!
 いや、もう今更な仲なので、ふたりにとっては何ともないのであるけれど。
 でも……見る人が見れば、その行為は所謂ラブラブなやつ。
 梓から差し出された肉を、あーんと受け取った綾であったが……。
「!?」
 瞬間、綾を襲ったのは――謎の苦しみ!?
 口からは、トマトジュー……いいえ、血が流れ出す。
 そして――ぱたり、と。
 机に突っ伏し、そのまま遠のいていく梓の意識。
「えっ、綾……!? これは……毒!?」
 梓はそう大きく瞳を見開いた後、ハッと顔を上げる。
「誰がこんなことを……ま、まさか!?」
 それから視線をバッと向けてみれば――そこにはドヤ顔の零の姿が!
『私というものがありながら、そんな男とはいあーん☆ なんて許さない!』
 咄嗟に掲げられる焔の台詞入りフリップが、綾を殺した動機を明かして。
 ガウ、と怒りに満ちた声が響き、フリップが再び掲げられる。
『この浮気者! もう二度と誰にも、はいあーんが出来ない身体にしてやるわ!』
「待て零! 話せば分か――!!」
 ――がぶっ☆
 ――ぱたり。
 そう……梓が最期に確認出来たのは、自分の首に齧り付く零の姿だった……。
 というか。
(「……って梓……この展開、学園の時の丸パクリじゃない……?」)
 またじっと死体に徹しつつも、そう心の中でツッコミを入れる綾。
 いいえ、むしろ2回目だから、演技にも磨きがかかって……いるかも、しれない。
 そして何だか楽しそうにガウ、とはしゃいだように鳴く声を聞きながら。
 またふたり、無事に死ぬのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

森宮・陽太
【一応SPD】
アドリブ大歓迎

基本方針:ダイニングカーで毒殺される
事前に胃薬と毒の中和剤(赤色の液体)を服用

おせちを食い過ぎて、動けねぇ…げぷ(お腹いっぱい)
でも再びトレインクルーを呼びつけて注文
そうだな、桜をイメージしたカクテルを用意してくれ

トレインクルーがいなければ、影朧自ら給仕に来るはず
ほら、トリック仕掛ける絶好の機会だぜ

礼を述べつつカクテルを受け取る
もちろん、出されたカクテルは毒入りだ
カクテルをあおったら、首筋押さえつつテーブルに血を吐きながら昏倒
「ぐ、て、めぇ…!」
そのまま動かなくなる

ただし、俺は中和剤の効果で無事
吐いた血も実際は余分に飲んだ中和剤の色
ふ、フラグ立てた甲斐があったぜ



 車窓を流れる雪と桜の絶景に、高級食材を使った絶品料理や酒。
 それを、十分すぎる程に満喫して。
「おせちを食い過ぎて、動けねぇ……げぷ」
 お腹いっぱい、胸いっぱいなのは、森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)。
 けれど彼は、まだまだ満足していない様子で。
 再び注文をするべく、トレインクルーを呼びつけるけれど。
「そうだな、桜をイメージしたカクテルを用意してくれ」
『……桜をイメージしたカクテルですね』
 妙に慌てて応対しにきたのは、何だかこそこそしている感じのイケメンなトレインクルー。
 ……いや、これも陽太の作戦なのである。
(「トレインクルーがいなければ、影朧自ら給仕に来るはず」)
 ――ほら、トリック仕掛ける絶好の機会だぜ、って。
 そして、再びさっきの見るからに怪しいイケメントレインクルーが、いかにもなんか毒々しいいろのカクテルを運んでくるけれど。
 何も気づいていないフリをし、礼を述べつつカクテルを受け取る陽太。
 もちろん、出されたカクテルは毒入り。いや、どこからどうみても毒。
 けれど、美味そうだな、なんて演技しつつも。
 陽太がカクテルをぐいっと呷れば――。
「ぐ、て、めぇ……!」
 首筋押さえつつテーブルに血を吐きながら昏倒し、そのまま動かなくなる。
 そんな様子を見て、わーいやったー死んだ? なんて笑うトレインクルーこと犯人の作家な影朧。
 けれど、殺人を犯しきゃっきゃはしゃぐ作家を後目に、陽太はふっと微か笑みを浮かべる。
 だって、死んでなんていないから。
 事前に胃薬と毒の中和剤である赤色の液体を服用していたのだから。
 そして、じっと死体らしく身動きせず死んだまま、心の中でサムズアップ。
 ――ふ、フラグ立てた甲斐があったぜ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイッツァ・ウルヒリン
あや、ティアさんは寝ちゃったか。じゃあ此処からは僕だけの仕事だね。
死んだフリかぁ、満腹死っていうのは結構現実的にやってみたい気もするけど、今回はフリだもんね。
他のみんなはどんな死に方してるのかな?何でもアリなら割と奇想天外なものもありそうだけど。
タネ明かしの時が楽しみだなぁ。

さてと、僕は折角こたつに居るんだし出るのも面倒くさいから
このまま一酸化炭素中毒で死んだていにしておこう。
目を閉じる。段々眠たくなってきた。
(ヴァーチャルキャラクターなので何か起こるまでスリープモードに入る)

本来夢なんか見ないけど、この時ばかりはシステムがバグったのか夢を見たよ。
創造主さまが死んだ夢。……悪趣味な夢だなぁ……


大町・詩乃
連携・アドリブ歓迎です。

影朧さんが喜ぶように死んだふりをすれば良いのですね。
(根が真面目な詩乃としては)それでは、如何にも殺されたように頑張って演技してみましょう(ふんす!)。

結構死に始めた頃に寝間着姿で客室の外に出て、死体発見。
「誰か来てください、人が死んでいます!」と人を呼ぼうとして、次々と死体を発見し、「えっ、何、何が起こっているの?」とパニックになりつつ移動。

最後はどなたかの死体に躓いて倒れ、殺人犯役の方がいれば「止めて、近づかないで下さい!」と叫びつつ殺されます。
殺人犯役の方がいなければ、所持する懐剣と血糊で刺殺された風を装って死体になります<笑>。

それにしても皆さんすごいですね~♪


フリル・インレアン
ふぇぇ、さすがにおせちは多すぎでしたね。
まさか、もう夜になってしまうとは思いませんでしたよ。
ふえ?おせちもそうだけどメニューの中にミステリーが隠されているとメニューをずっと見ていたのが悪いって、櫻居先生がこれにしか関わっていないのでしたらここに何かしらのヒントがあると思うのが当然じゃないですか。
あ、すみません、お水をお願いします。
ふえっ?こ、これって、お水ですよね。
すごく泡立っていますし、ツンと鼻をさすような臭いがしますし、
どこかから早く飲まないかなって視線まで感じます。
アヒルさん、一気に飲んでしまいましょう。
ふええ、櫻居先生、毒を盛るなら先生が監修したスイーツにして欲しかったです。



 ほかほか炬燵は、決して抗えぬ恐ろしい冬の魔物だと……そうは言うけれど。
「あや、ティアさんは寝ちゃったか」
 そうっともう一度、ふに、と頬っぺたを突いてみるのは、レイッツァ・ウルヒリン(紫影の星使い・f07505)。
 連れの彼女は、炬燵の魔力に抗えず完全に夢の世界のようだから。
 ……じゃあ此処からは僕だけの仕事だね。
 そう密かに心の中で呟くレイッツァ。
 これから起こると予知されたのは、作家である影朧による連続殺人事件。
 だから影朧が逃亡などしないよう、まずはその被害者にならないといけないのだという。
 レイッツァはさり気なく赤の視線を周囲へと巡らせてみて。
(「死んだフリかぁ、満腹死っていうのは結構現実的にやってみたい気もするけど、今回はフリだもんね」)
 贅沢な食材をふんだんに使った豪勢な料理や、何なら目の前に積んであるミカンとかで満腹死……なんて。
 そんな死に方もいいかもしれない、なんて思いつつも。
(「他のみんなはどんな死に方してるのかな? 何でもアリなら割と奇想天外なものもありそうだけど」)
 何だか聞こえてくる音を聞けば、既に作戦決行して死んでいるっぽい仲間達の死に様が気になるし。
 何よりも……タネ明かしの時が楽しみだなぁ、って。
 まさか自分が黒幕だと殺人事件を実行する前からバレバレであるなんて思いもしないだろう作家の影朧のことを思えば、わくわく楽しい気持ちになるけれど。
 まずはとりあえず、死ななければいけないから。
 レイッツァもおもむろに、ぱたりと炬燵の天板に突っ伏してみる。
(「さてと、僕は折角こたつに居るんだし出るのも面倒くさいから、このまま一酸化炭素中毒で死んだていにしておこう」)
 そう――死因は、コタツ死。
 それにそれっぽく目を閉じてみれば、ほんわか段々眠たくなってきたから。
 死んだように健やかに眠っている彼女の傍らで、何か起こるまでスリープモードに入るレイッツァ。
 そして……夢の世界へと、誘われる。
 いや、ヴァーチャルキャラクターだから、本来夢なんか見ないはずなのだけど。
 ――……悪趣味な夢だなぁ……。
 システムがバグったのか、レイッツァは夢をみる。
 創造主さまが死んだ夢を――死んだフリをしながらも。

 そしてレイッツァ達が展望車の炬燵で死んだ同じ頃。
「ふぇぇ、さすがにおせちは多すぎでしたね。まさか、もう夜になってしまうとは思いませんでしたよ」
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)は、ダイニングカーにいた。
 けれどそんなフリルの言葉に、アヒルさんは彼女をくちばしでツンツン。
「ふえ? おせちもそうだけどメニューの中にミステリーが隠されているとメニューをずっと見ていたのが悪いって……」
 いやでも、どこに犯人の手掛かりが隠されているかわからない、それがミステリーだし。
「櫻居先生がこれにしか関わっていないのでしたらここに何かしらのヒントがあると思うのが当然じゃないですか」
 何気にあの作家は、ミステリーツアーのイベント企画には関わっていないというから。
 彼が監修したという女子の心を掴むようなオサレで映えるスイーツや料理に、何かヒントが隠されているかもしれない……!
 そうもう一度、フリルはお品書きを広げ、作家監修のメニューと睨めっこしてみるけれど。
 ふと通りかかったトレインクルーに、こうお願いする。
「あ、すみません、お水をお願いします」
『水ですね、かしこまりましたー』
 そう聞いた事のある声に顔を上げれば……。
(「ふええ!? 櫻居先生……!?」)
 イケメンな顔ににこにこ笑み宿して言ったのは、堂々と犯行に及ぼうとしている作家その人であった。
 そんな、何度もこれまで見てきたイケメンな顔を見つめながらも、何とかバレないように振舞いつつも。
『お待たせしましたぁっ』
「ふえっ? こ、これって、お水ですよね」
『はい、超美味しい水ですよー』
 コトリとテーブルに置かれたのは、明らかにアレな水。
 それからそそくさと作家こと犯人は姿を消すけれど。
(「すごく泡立っていますし、ツンと鼻をさすような臭いがしますし、どこかから早く飲まないかなって視線まで感じます」)
 わくわくした様子で、じーっと見つめている作家の視線をモロに浴びながら。
 フリルは、こくりとひとつ頷く。
 ――アヒルさん、一気に飲んでしまいましょう、って。
 そして期待の眼差しに答えるべく、ごくごくとそれを飲み干してから。
 毒殺され、ぱたりと死にながらも思うのだった。
 ……ふええ、櫻居先生、毒を盛るなら先生が監修したスイーツにして欲しかったです、って。

 そんな連続殺人が、次々と実行されている中。
(「影朧さんが喜ぶように死んだふりをすれば良いのですね」)
 ふんす! と気合十分、死ぬ気満々なのは大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)。
「それでは、如何にも殺されたように頑張って演技してみましょう」
 いや、根が真面目な詩乃としては、これが成すべき依頼となれば死ぬのも真剣に全力投球。
 耳を澄ませば何処かから、ゴンッとかドサリ、とか続々と猟兵達が色々死んでいる音もするから。
 きっとゲストルームの外に出れば、誰か死んでいるに違いない。
 時間はもう真夜中であるから、ちゃんと抜かりなく寝間着姿で客室の外へ。
 そう……ミステリーあるあるな、『何か妙な音がして目が覚めちゃって部屋の外の様子を窺う人』である!
 そしてまずは展望車両へと足を踏み入れてみれば……そこには。
「誰か来てください、人が死んでいます!」
 すやぁと、コタツ死している死体が……!!
 死体を発見し声をあげた詩乃は、助けを呼ぶべく隣のダイニングカーへと駆けこむも。
「えっ、何、何が起こっているの?」
 そこにもまた、何者かに毒殺された死体が……!!
 そして殺人犯に怯えるようにやってきたのは、先程足湯に浸かった展望車。
 ……いや、詩乃も何気に殺人事件に巻き込まれるフラグを全開に立てていたから。
「……!」
 ガッと躓いたのは、此処にもまた転がっていた死体。
 それに何となく、自分が死ぬ様子をわくわく見にこようとしている作家の気配を感じるから。
「止めて、近づかないで下さい! ……きゃあっ!」
 誰かに襲われた感じに、そうそれらしく悲鳴をあげてみて。
 所持する懐剣と血糊で、ささっと刺殺された風を装ってから。
 ――ぱたり。
 好きな温泉もあるから、折角だし……と、心地良い足湯にちゃぷりと浸かって。
 足湯の縁に突っ伏し、詩乃も無事に死体となるのだった。
 そして、わー死んでるーと、やって来て楽しそうに言った影朧の声を聞きつつ、引き続き死体を装いながらも。
(「それにしても皆さんすごいですね~♪」)
 死体仲間達の見事な死にっぷりに、そうこっそり思うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グウェンドリン・グレンジャー
【爪痕】
殺人事件。こわーい
(完璧に棒読み。なお、死ぬ役である)

ふう……唐突、だけど、生きること、疲れちゃった……
列車……が、目的地に、付いたら、ダンガイゼッペキから、さようなら、する
そう、チューズデイ・サスペンス・シアターのように

ご飯……は、美味しい、けど、パパも、ママも、居ない。誰から……も、愛されない……疲れた
(どこまでがセリフなのか分からない迫真の演技(?)
レジー、止めないで……

アッ
(頭上にタライが落下。ゴワンッといういい音が響く)
えっと、死んだふり、死んだふり
(UDC由来の虚数物質で作った血糊らしきもの……を頭の辺りから流す。レジーの分も流す。但しなんかどす黒い)


ヴィリヤ・カヤラ
【爪痕】
「殺人事件かぁ。犯人は誰なんだろうね?」
ここでは私なんだけど。
レジーさんを殺しに来た犯人役だね。

二人の揉み合い中に声を掛けられたら、
慌てる演技も入れながら。
「ええっ、止めるの!?」

影朧にバレないように影で実体化させたUDCで
タライを作っておいて、
二人の頭上から落ちるように投げるよ。
痛かったらゴメンね。

殺す理由は殺しの依頼を受けてた風で良いかな。
「ターゲットはレジーさんだったけど、グウェンさんも自殺志願だったし丁度良いよね。」

唐突に魚を影のUDCで作って自分に向かって飛ばすね。
「えっ!魚っ!?」
驚いて倒れたら頭の辺りに血のUDCを広げて
死んだ振りするね

台詞のアレンジ等OK


レジー・スィニ
【爪痕】

えー。なになに。殺人事件?
物騒だね。

俺は自殺願望者のグウェンを止める役でもしようかな。
今死んだら後悔するよー。
もっと楽しい事があるよー

さっきのご飯も美味しかったでしょ?
ここにいたら美味しい物を沢山食べれるよ。
海に飛び込んで魚を捕まえてくるだけなら止めないけど。

心がこもってない?
そんなの気にしない気にしない。
俺って優しいから嘘がつけないの。

そこの人ー、この人を止めてくださーい。
犯人役のヴィリヤに助けを求める

ヴィリヤに助けを求めていたら頭上からタライが降ってきた
いった……。なにこれ地味に痛いじゃん。

わー、痛いなー。(死んだふり)
ヴィリヤ覚えておけよー。
捨て台詞を吐いて死ぬ。



 車窓をふと見遣れば、雪や桜舞う夜の景色はやはり綺麗だし。
 おせちや作家監修のカクテルも堪能して、おなかもいっぱいになったから。
 ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)がふと話題にするのは。
「殺人事件かぁ。犯人は誰なんだろうね?」
 一見聞けば、この豪華寝台列車で明日の夜に催されるミステリー企画のことだろうと、誰もが思うだろうが。
「えー。なになに。殺人事件? 物騒だね」
「殺人事件。こわーい」
 ……いや、何だかどちらも棒読みな気がするのは、きっと気のせい。
 レジー・スィニ(夜降ち・f24074)とグウェンドリン・グレンジャー(Heavenly Daydreamer・f00712)は、まだ知らない。
 目の前のヴィリヤが――実はその胸の内で、殺人を企てているなんてことを。
 暗殺者であるヴィリヤが密かに命を狙うのは、レジー。彼を殺すようクライアントかな依頼されたのだ。
 そしてその依頼が今、実行されんとしているのだ……!
 ――というような、設定で。
 本当の目的は、本物の殺人事件を画策し暗躍する作家のご所望通り、殺人事件の被害者になって死ぬこと。
 何だか、自分達が早く死なないか、黒幕がこっそり見つめている視線を感じるから。
 早速、3人は打ち合わせ通りに死ぬべく、動き始める。
 ……雪と桜の景色はとても綺麗だし、何といってもこの列車は話題の豪華なクルーズトレイン。
 贅沢な列車の旅を、誰もが楽しんでいる……はずなのに。
「ふう……唐突、だけど、生きること、疲れちゃった……」
 超唐突に、そう溜息を落とし口にするのは、グウェンドリン。
 そして彼女は口にする。
「列車……が、目的地に、付いたら、ダンガイゼッペキから、さようなら、する」
 ――そう、チューズデイ・サスペンス・シアターのように。
 断崖絶壁は、お茶の間でも人気な、火曜サスペンスなんちゃらのお約束と決まっているのだから。
 そんな、ベタにさよならすると自殺願望を紡ぐグウェンドリンに。
「今死んだら後悔するよー。もっと楽しい事があるよー」
 待ったをかけるのは、レジー。
「さっきのご飯も美味しかったでしょ? ここにいたら美味しい物を沢山食べれるよ」
「ご飯……は、美味しい、けど、パパも、ママも、居ない。誰から……も、愛されない……疲れた」
 それにもう、おなかいっぱいですし。
 レジ―の説得にも、ふるりと首を横に振るグウェンドリン。
「レジー、止めないで……」
「海に飛び込んで魚を捕まえてくるだけなら止めないけど」
 それは結果的にダンガイゼッペキからさようならしてしまうのでは、なんて言ってはいけない。
 そもそも、止めている割には、何だか心がこもってない??
(「俺って優しいから嘘がつけないの」)
 むしろ、どこまでがセリフなのか分からないグウェンドリンの多分迫真の演技に、ちゃんと合わせているだけでも俺って偉い。
 そう思いつつも、自分だけでは手に負えなさそうそうなので。
「そこの人ー、この人を止めてくださーい」
 今にもダンガイゼッペキからダイブしかねない彼女を止めるべく、レジーは助けを求める。
 よりによって……自分を暗殺するべく虎視眈々と機会を窺っているヴィリヤに。
 そんな言い合い(?)をしている彼に声を掛けられて。
「ええっ、止めるの!?」
 慌てる演技も入れながら――何気に、殺害を実行する千載一遇のチャンス!
 ということで、ヴィリヤは満を持して凶器をふるう。
 ――ゴワンッ。
 ――ゴンッッ。
「! アッ」
「……!?」
 そう……ターゲットのレジーと、ついでに口封じのためにグウェンドリンの頭の上から降ってきたのは、タライ。
(「痛かったらゴメンね」)
 黒幕にバレないように影で実体化させたUDCで作ったタライを二人の頭上から落ちるように投げつつも、心の中で謝るヴィリヤだけれど。
(「いった……。なにこれ地味に痛いじゃん」)
 すごいいい音したし、やはり地味に痛かった。
 そして、犯人の落としたタライによって頭を殴打された被害者たちは。
(「えっと、死んだふり、死んだふり」)
 ――ぱたり。
 ――どさり。
 その場に倒れ、頭から血を流しながら、タライ死するのだった。
 ……いや、何だかやたら血がどす黒いなんて……きっと気のせいです。
 UDC由来の虚数物質で作った血糊らしきものだから仕方ありません。
 そんな、殺害に成功したふたりを見下ろして。
「ターゲットはレジーさんだったけど、グウェンさんも自殺志願だったし丁度良いよね」
 そう笑み宿す犯人のヴィリヤに、最後の力を振り絞って。
「わー、痛いなー。ヴィリヤ覚えておけよー」
 捨て台詞を吐いて死ぬレジー。
 ついでに、おせち、とダイイングメッセージ風にどす黒いそれで書き記しながら。
 和風のおせちも美味しかったけれど……洋風のものも、やっぱり気になるから。
 けれど……まさか、ヴィリヤは思ってもいなかった。
 海に飛び込んで魚を云々と言っていた彼の言葉が、実はフラグであったことを。
 唐突にヴィリヤへと目掛けて飛んできたもの。それは――。
「えっ! 魚っ!?」
 そう、魚であったのだ!
 ……いや此処は列車の中だけど、きっとトビウオだろう。そうに違いない。
 そんな色々な意味での急展開にヴィリヤは驚き、思わずこてんと倒れてしまって。
 その拍子にゴンッと頭を打って血を流し、死んでしまうのだった。
 ……いや、魚を影のUDCで作って自分に向かって飛ばしたとか、血はやはりUDCだとか……きっとバレないはず。
 そして、肉、と書かれたグウェンドリンのダイイングメッセージの隣に、魚、と書いて事切れるヴィリヤ。
 この事件が終わったら、きっとまたおなかがすくだろうから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木常野・都月
【KOR】

慧華ちゃん特製プリンか。
最近、うさぎ団の任務で登場回数が増えてきた。
大きいけど、美味しいし!俺は大好きです!

(幽兵さんの胸?)
チィ!行け!(チィを幽兵さんにパスする)

さてと、プリン食べますか!
チィもおいで!
(ボールと言う言葉に耳をピクピクする。落ち着け俺。
ボール見たら本能で遊びたくなる…今は人前…見たらダメだ)

ん?アキラちゃん、どうぞ!
チィ、アキラちゃんがプリン食べさせてくれるぞ?
(チィが凄い期待した目でアキラちゃんを見つめてる…)

俺もモリモリ食べよう。
ん?幽兵さん?あーん。
というか、幽兵さんも食べて下さいよ?

俺、流石にさっきの軽食とシュワシュワ炭酸にプリンで…
まんぷく…。(バタリ)


辰神・明
【KOR】
アドリブ歓迎
姉人格:アキラで参加

でっけープリン?
あー、メイから聞いたような……
――思ってたのより、なんかすっげーの出てきた(まがお

半裸?アタシ、アキラだけ……
ユーヘイにーちゃん今度うさぎ団全員に焼肉奢ってー(棒読み
じゃなきゃ、【UC】でプリン突撃コ――
言質取ったから、みんなで焼肉な!ユーヘイにーちゃんゴチ!

え、コレ食えんの!?
食べ放題とか凄くね?朱雀すっげー!
ぷれいぼーる?ボール遊びは楽しいよな、わかるわ

お、チィも食えんの?
なあ、木常野!チィにあーんしてみてもいいか?
マジで!?ほら、チィ!いっぱい食えよー?

アタシも満腹死にする
つか、マジで肉食いまくったから腹が限界……(ばたん


花屋敷・幽兵
【KOR】
ふ…漆黒のラグランジェは強かった(髪ふぁさっ)
俺の死か…どうせなら可愛い子に囲まれて逝きたい。(髪ふぁさっ)
よし、アキ…メイ…どっちだっけ?まあいい、半裸よ。俺をおにーちゃんと呼びなさい。
慧華もホレ。そしてクロム!都月(?)俺の胸に飛び込んでおいで。チィ…!…達するッ!!
冬青とアヤネは…まあいいや。俺は馬にけられて死にたくはない(きり)
プリンもなかなか迫力だな。皆これを食べてカエルみたいに腹が破裂してというのも面白そうだ。
逝くぞ…ほら都月、あーん(BL)カメラさん寄って寄って。
皆で死んだら心中だなこりゃ。六本木心中。アーン、ルイス(どや顔)
どうだいクロムさん。


朱雀・慧華
【KOR】
ゲーム楽しかったねー!
そろそろ死ななきゃなんだっけ?
死に方悩むねー
え、おにーちゃん?
幽兵おにいちゃん!

私神様だからね、色々できるよ!
でも飛ぶにはちょっとせまいかなぁ?
またプリンやるー?

やっぱり皆もプリン大好きなんだね!
ズレた解釈しつつ
【指定UC】でおっきいプリンをドーン!
あ、通路ふさいじゃった
ちょっと大きすぎた?
まぁ減らせば問題無いよね!
私は【大食い】でこれ食べて満腹死しよー
皆は埋まっても飛び込んでもぶつかってもいいよ!

ぷれーぼーい?ぷれいぼーる?
よくわかんないけど幽兵おにーちゃんも死ななきゃダメだよ!

いっぱい食べたらまだ余裕あるけど
あーおなかがー!
って言いながらぱたりしよっかな


城島・冬青
【KOR】
トランプ、今度は勝ちますよ!(ふんす)

…って
あー、そういえば櫻居先生だとコレ(死んだふり)がありましたっけ… アヤネさん大丈夫ですか?
コレはフリですからね
動悸息切れ眩暈がする時は
そこにいるゆーへーさんの爽やかな笑顔を見て心を落ちつかせてみて下さい

大きなプリンに潰されて死ぬのはいいですね
それでお願いしたいです
カスタードとカラメルの香りに包まれて幸福に昇天したい
うわー!本当に大きい!!
バケツプリンなんて目じゃないですよ
これは山…マウンテンプリン!
そのままプリンに包まれ(潰され)昇天
いい匂いですー(カラメル塗れ)
…UCだしこれ落ちるよね?

ゆーへーさんと都月さんの「あーん」はしっかり見ます


クロム・エルフェルト
【KOR】
ぷれいぼーる、ユーヘイ? それ、知ってる。
UDCアースの「てれび」で覚えた(白球持って目キラキラ)
……え、ユーヘイの胸に投げればいいの?
確か、投げる人は、こんな感じで……
脚を大きく上げる投球フォームを作る

ふと陰る自分の周り、灯りでも消えたのk
(把握するまもなくプリンに潰される、不覚)
大きくて迫力はあるけど、意外と重くは無いみたい
ただ、全身ベタベタ……これはお風呂に入りたくなる、ね

ハッ……そうだ、死ななきゃ
奇しくも何処かで見たことのあるシチュエーション
あの時の彼の断末魔は確か……
「……そんな、バカな。 へぶっ」

床にカラメルソースでダイイングメッセージ
「犯人はユーヘイ」


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】

死んだフリ?ソヨゴが?
以前の記憶が蘇る
毒殺?うっ…
すごく嫌そうな顔でソヨゴに振り返る
いや僕は大丈夫
フリだよネ、フリ
心配いらないよ
言葉と表情が噛み合わないけどここは押し切ろう

ユーヘイの顔?
髪の毛
増えたネ
トランプではユーヘイには負けないよ
ソヨゴも次はきっと勝てる
(こっそり僕がフォローすれば)

クロムがボールを用意した?

焼肉は僕も喜んで参加したいネ

ケイカのプリン大きすぎでしょ!
これに潰されたらマジで危ないかもしれない

ソヨゴ!避けて!

ソヨゴをプリンから庇って
死にます
プリンの角に頭をぶつけて…
フリだよわかってるってば

なんだろう
ユーヘイとツヅキが怪しい雰囲気に…



 雪と桜の景色をみながら、わいわいと賑やかに。
 ラウンジカーで、大人数の旅の定番であるカードゲームで盛り上がっていれば。
 気が付けば――いつもよりもちょっぴり、夜更かしに。
「ふ……漆黒のラグランジェは強かった」
 そう、髪ふぁさっとしているのは誰でしたっけ……えっと多分、花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)です。
 きっとその言動から見るに、漆黒のラグランジェことアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)は流石なかなかの強敵であったようであるが。
「トランプ、今度は勝ちますよ!」
「トランプではユーヘイには負けないよ。ソヨゴも次はきっと勝てる」
 次こそはと、ふんす、気合いを入れる城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)の隣で、アヤネはそっと思う。
 冬青も次は勝てると……こっそり自分ががフォローすれば。
 いえ、 勝敗も勿論だけれど、でも楽しんだ者勝ち!
「ゲーム楽しかったねー!」
 にぱっと、そう天使の微笑みを宿すのは、気持ち的にも物理的にも勝ちを攫っていた豪運少女、朱雀・慧華(純真天使・f17361)。
 それから慧華は、ふと本来の目的を口にする。
「そろそろ死ななきゃなんだっけ?」
 ……死に方悩むねー、って。
 そう――これから全員、死ななければならないのだ。殺人事件の被害者になって。
 いえ、まぁ死んだフリ、ではあるのだけれど。
(「……って。あー、そういえば櫻居先生だとコレがありましたっけ……」)
 冬青はアヤネの様子をちらり、見遣るけれど……案の定。
「死んだフリ? ソヨゴが? 毒殺? うっ……」
 以前の記憶が蘇り、思わずすごく嫌そうな顔で冬青に振り返るアヤネ。
 フリでも、冬青が死ぬのはアヤネにとって耐えがたいことなのだから。
 ――けれど。
「……アヤネさん大丈夫ですか?」
 冬青はアヤネに言って聞かせる……コレはフリですからね、と。
 依頼を成すには、死んだフリをすることは避けて通れないから。
 でもそれはアヤネにも分かっているから。
「いや僕は大丈夫。フリだよネ、フリ。心配いらないよ」
 ……言葉と表情が噛み合わないけどここは押し切ろう。
 そう何とかやりすごそうとするアヤネに、冬青はこう続ける。
「動悸息切れ眩暈がする時は、そこにいるゆーへーさんの爽やかな笑顔を見て心を落ちつかせてみて下さい」
「ユーヘイの顔?」
 冬青に言われ、改めて、やっぱりなんか見慣れない幽兵をじっと見て。
「髪の毛、増えたネ」
 ふぁさっと靡く髪にそうひとこと。
 そんな髪が増えた幽兵は、こんな死に方を所望する。
「俺の死か……どうせなら可愛い子に囲まれて逝きたい」
 そして視線を、辰神・明(双星・f00192)へと向けて。
「よし、アキ……メイ……どっちだっけ? まあいい、半裸よ。俺をおにーちゃんと呼びなさい」
 今の明はアキラですが、半裸ではありません!
 そんな幽兵の言葉に一瞬、明は首を傾げたけれど。
「半裸? アタシ、アキラだけ……ユーヘイにーちゃん今度うさぎ団全員に焼肉奢ってー」
 ちゃっかりおにーちゃんに肉をおねだり。棒読みですけど!
「焼肉は僕も喜んで参加したいネ」
 そして何気に便乗するアヤネを後目に、幽兵はぐるり皆を見回して。
「慧華もホレ。そしてクロム! 都月! 俺の胸に飛び込んでおいで」
「え、おにーちゃん? 幽兵おにいちゃん!」
 素直におにーちゃん呼びしてあげる慧華。天使か。天使です。
 そしてこれまた素直に、木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)は耳をピコリとさせて。
(「幽兵さんの胸?」)
 ふと思案した後、チィを幽兵の胸にパス!
「チィ! 行け!」
「チィ……! ……達するッ!!」
 そんな、チィに胸どーんされる幽兵を見遣りながら。
 クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)は知っている。
「ぷれいぼーる、ユーヘイ? それ、知ってる」
 こういう人のことを、確かぷれいぼーいだか……いや、ぷれいぼーるというのだとことを。
 そう、それは、UDCアースの「てれび」で覚えたのだ。
 ということで、ゆらゆら得意気に尻尾を揺らし、目をキラキラさせながらクロムが握りしめるのは。
「クロムがボールを用意した?」
 アヤネが言うように、すごい硬い白球です。
 そして、ぷれいぼーるといえばやはりそれをどうするかといえば。
「……え、ユーヘイの胸に投げればいいの?」
 ――確か、投げる人は、こんな感じで……。
 第一球、大きく振りかぶって……投げちゃいます!?
 そんな背中を見せるくらい身体を捻ってガチで脚を大きく上げる投球フォームを作るクロムに。
「トルネード的な投法とはやるな……いやこれ、至近距離すぎやしないか?」
 しかも色んな意味でデッドボールな予感しかしない。
 いや、ある意味それは正しいのかもしれない。
 ……ぷれーぼーい? ぷれいぼーる? と首を傾けつつも。
 慧華は今やらなければならないことを改めて幽兵に教えてあげる。
「よくわかんないけど幽兵おにーちゃんも死ななきゃダメだよ!」
 そう――死ななきゃいけないから、丁度いいかもしれません!
 けれど物理的なデッドボールは死ぬかもしれないけれど。
「ぷれいぼーる? ボール遊びは楽しいよな、わかるわ」
 こくりとそう頷く明。ボール遊びは楽しいものです!
 いや――ボール、と言う言葉につい、そわぁ。
 ……落ち着け俺、と。
 尻尾をそわそわゆうらり、耳をピクピクさせているのは、都月。
 だって彼は、元は野生の狐さんだから。
(「ボール見たら本能で遊びたくなる……今は人前……見たらダメだ」)
 チィと一緒に、今はボールにじゃれるのは我慢……!
 そんなボール遊び殺人事件もきゃっきゃ楽しいかもしれないけれど。
 どうやって死ぬかを、再び皆で考えてみて。
「私神様だからね、色々できるよ! でも飛ぶにはちょっとせまいかなぁ?」
 刹那、こう死に方を提案するのは、慧華。
 ――またプリンやるー? って。
 そう、それは最近、うさぎ団の任務で登場回数が増えてきたアレ。
「慧華ちゃん特製プリンか。大きいけど、美味しいし! 俺は大好きです!」
「でっけープリン? あー、メイから聞いたような……」
 都月が嬉々と上げた声に、明もそう呟きを落として。
 とりあえず一球、試しに幽兵へと白球を投げつけてみた後、クロムも顔を上げれば。
「ハッ……そうだ、死ななきゃ」
「大きなプリンに潰されて死ぬのはいいですね、それでお願いしたいです」
 ……カスタードとカラメルの香りに包まれて幸福に昇天したい、と。
 冬青はむしろ、ウェルカム!
 そんな皆を、ぐるりと見回して。
「やっぱり皆もプリン大好きなんだね!」
 いやきっと皆の大きいの感覚とは違う気しかしないけれど……ズレた解釈をしつつも、天使の微笑みを宿してから。
「ほんとは私のおやつなんだけど分けてあげるね!」
 ――ドーン!!
 刹那落ちてきたのは、おっきいプリン! プリンは至高のおやつですから。
 でも。
「あ、通路ふさいじゃった。ちょっと大きすぎた?」
「――思ってたのより、なんかすっげーの出てきた」
 きょとりと首を傾ける慧華に、思わずまがおになる明だけれど。
 そういえばおねだりしていた焼肉を、再度催促!
 じゃなきゃ、ガシッと発動させた猛虎の顎で掴んで、プリン突撃コースです!?
 いやそれもある意味ご褒美かもしれないけれど。
「みんなで焼肉な! ユーヘイにーちゃんゴチ!」
 プリンの後は、ぱーっと幽兵の奢りで焼肉に決定……!?
 けれど、まずはプリンから!
 少し大きかったかなと一時は思った慧華だけれど。
「まぁ減らせば問題無いよね! 皆は埋まっても飛び込んでもぶつかってもいいよ!」
 ……私は、これ食べて満腹死しよー。
 そう慧華は見た目によらない大食いを発揮しつつ、プリンをおなかいっぱい食べて死ぬつもりです!
 だが――そもそも。
「ケイカのプリン大きすぎでしょ!」
 ……これに潰されたらマジで危ないかもしれない、と。
 アヤネはそう思わずにはいられないから。
 みんなで食べられるようにと、ドーン! と再び降ってきたプリンから咄嗟に守るのだった。
「うわー! 本当に大きい!! バケツプリンなんて目じゃないですよ」
 これは山……マウンテンプリン! なんて。
「ソヨゴ! 避けて!」
 巨大プリンを見上げる、冬青を庇って。
 そして、プリンの角に頭をぶつけて……。
 ――ぱたり。
 冬青の身代わりになって、プリン死するアヤネ。
(「フリだよわかってるってば」)
 それからさらに、クロムも。
 ふと陰る自分の周りに、灯りでも消えたのかと思ったら……不覚にも、把握するまもなくへちょりとプリンに潰されてしまうけれど。
 ……大きくて迫力はあるけど、意外と重くは無いみたい、と。
(「ただ、全身ベタベタ……これはお風呂に入りたくなる、ね」)
 そうベタつく現状に物思いながらも。
 奇しくも……なんか何処かで見たことのあるこのシチュエーションを思い返して。
(「あの時の彼の断末魔は確か……」)
「……そんな、バカな。へぶっ」
 先日、プリンの下敷きになった誰かさんを真似して、プリン死して事切れてみるのだった。
 そして、アヤネに庇われた冬青なのだけれど。
「いい匂いですー」
 そのままプリンに包まれ……潰されて、昇天!?
 いや、もう、全身カラメル塗れになっちゃいましたから。
(「……UCだしこれ落ちるよね?」)
 そう想いつつ、ぱたりと倒れてみせる。
 いいえ、これからがむしろ本番……!?
「さてと、プリン食べますか! チィもおいで!」
「え、コレ食えんの!? 食べ放題とか凄くね? 朱雀すっげー!」
 都月の言葉に、明の瞳もきらきら。
 そして明は彼に、こんなお願いを。
「お、チィも食えんの? なあ、木常野! チィにあーんしてみてもいいか?」
「ん? アキラちゃん、どうぞ! チィ、アキラちゃんがプリン食べさせてくれるぞ?」
「マジで!? ほら、チィ! いっぱい食えよー?」
 凄い期待した目で、じぃと見つめてくるチィに、あーんする明。
 そして、あーんし合うといえば。
「プリンもなかなか迫力だな。皆これを食べてカエルみたいに腹が破裂してというのも面白そうだ」
 幽兵もプリン食べすぎ死をせんとするけれど。
「逝くぞ……ほら都月、あーん」
 ……俺もモリモリ食べよう、とうきうきしている都月へと、謎のあーん!
「カメラさん寄って寄って」
「ん? 幽兵さん? あーん。というか、幽兵さんも食べて下さいよ?」
 食べさせ合いのラブラブ……!?
 そんな、ぷれいぼーいだか、ぼーいずらぶだかを。
「なんだろう、ユーヘイとツヅキが怪しい雰囲気に……」
 どりらが右か左かと、しっかりちゃっかり見る冬青とアヤネ。
 そして、都月とあーんし合いながらも。
「冬青とアヤネは……まあいいや。俺は馬にけられて死にたくはない」
 きり、と邪魔しない構え。
 けれど、瞬間――都月に襲った悲劇。
「俺、流石にさっきの軽食とシュワシュワ炭酸にプリンで……まんぷく……」
 ――バタリ。
 いや、それは何も都月だけに限らずに。
「つか、マジで肉食いまくったから腹が限界……」
「あーおなかがー!」
 ――ばたん。
 ――ぱたり。
 アタシも満腹死にする、と死んだ明と。
 いっぱい食べた今もなお実はまだ余裕あるけれど、空気を読んで死ぬ慧華。
「皆で死んだら心中だなこりゃ」
 それは六本木あたりでありそうな心中……アーン、ルイ(ばたん)
 ちょっと都合で、最後まで口にできず死んだ幽兵は、懲りずにどや顔。
「どうだいクロムさん」
 そんな言葉を受けて。
 クロムは床にカラメルソースで、ダイイングメッセージを残すのだった。
 ――「犯人はユーヘイ」、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

百鳥・円
クーラのおにーさんと(f27935)!

いきなり死ねだなんて無理難題ですよねえ
あっは、笑っちゃいます

ねえ、おにーさん
甘いものはお好きですー?
宝石糖って名付けたあまーい砂糖菓子ですよん
キレーでしょう?
良ければおひとつどーですか!

しゃくり、軽やかな音が聞こえたのなら
双眸は細まり口許は緩むばかり
……んっふふ、良い顔。
神様にも毒って有効なんですね

ああ、寒い寒い
寒いのは苦手なんですよねえ
凍えて死んじゃいそーです

なーんて、全ては演技なのですが
毒なんて入ってなければ
凍死することだってありません

こういったお遊びもたまには良いかもですねえ
おにーさんも楽しんで下さいました?
んふふ。引っかかってくれるといいですねっと


天帝峰・クーラカンリ
まどか(f10932)と共に

そう簡単に死ねと言われてもな
ここは皆に倣いそれっぽくフリをしておくか

宝石糖?ほう、これは美しい。うむ、甘いのは嫌いではないぞ
ありがたく頂戴しよう
…?ぐっ、これは…!?
(友だと思っていた者からまさか毒を食らうとは、油断した…的な迫真の苦しむ演技)
きみは…(縋る様に触った手をすぐ引っ込める)
…この寒さだ、凍えるのも無理はないか
ふふ、文豪でもあるまいし。こんなところできみと心中することになるとはな
(ほんのり笑みを浮かべながら目を閉じて死んだふり)

で、これはいつまで続ければ良いのだ?
死んだフリを続け乍ら貰った宝石糖をころころ舌の上で転がす
楽しい…かどうかは、なんとも言えんな



 雪と桜に彩られたサクラミラージュを走るこの列車は、豪華クルーズトレイン。
 いや……けれど、夜が更けた今。
 この『桜雲号』はその様相を変えるのだという。
 連続殺人事件の舞台となる、ミステリートレインに。
 ……ということで。
 張り切って、連続殺人事件の被害者にならないといけないわけであるのだが。
「いきなり死ねだなんて無理難題ですよねえ」
 ……あっは、笑っちゃいます、って。
 楽し気に口にする百鳥・円(華回帰・f10932)の隣で、天帝峰・クーラカンリ(神の獄卒・f27935)は大きく首を傾ける。
「そう簡単に死ねと言われてもな」
 そして、どこかからまた聞こえてくる、恐らく被害者の誰かが死んだっぽい音を耳にしつつも呟く。
 ……ここは皆に倣いそれっぽくフリをしておくか、と。
 そんな彼に、円がおもむろに差し出したのは。
「ねえ、おにーさん。甘いものはお好きですー? 宝石糖って名付けたあまーい砂糖菓子ですよん」
「宝石糖? ほう、これは美しい。うむ、甘いのは嫌いではないぞ」
 キラキラ美しい彩を放つ、あまいあまーい宝石糖。
 そして興味を示した様子のクーラカンリに、円はくすりと笑んで。
「キレーでしょう? 良ければおひとつどーですか!」
 まさにその名の通り、宝石の如く煌めく甘味を、彼にひとつお裾分け。
 クーラカンリは複数の煌めきの中から、己の瞳と同じいろを、ひょいと摘まんで。
 ……ありがたく頂戴しよう。
 そう口へと運べば、しゃくり、となる軽やかな音。
 だが――次の瞬間。
「……? ぐっ、これは……!?」
 喉元を押さえ、友へと視線向けてみれば――その双眸は細まり口許は緩んでいて。
「……んっふふ、良い顔。神様にも毒って有効なんですね」
「きみは……」
 友だと思っていた円から、まさか毒を食らうとは思わずに。
 油断した……そう、ふるり首を横に振るけれど、時すでに遅し。
 盛られた毒に、苦しみ悶えるクーラカンリ。
 ……いや、正確に言えば、苦しみ悶える迫真の演技であるのだが。
 そして、縋る様に触れた手がすぐに引っ込められれば。
 ひゅうっと刹那吹き抜けた冬の風に、円はふるりと震えてしまう。
「ああ、寒い寒い。寒いのは苦手なんですよねえ」
 ――凍えて死んじゃいそーです、って。
 そんな、今にも凍死せんとする円に、クーラカンリも苦しみながらも頷いて。
「……この寒さだ、凍えるのも無理はないか」
 ――ふふ、文豪でもあるまいし。こんなところできみと心中することになるとはな、なんて。
 そう最期の言葉を残して――がくり。
 そして円も、寒さに耐えきれず――ぱたり。
 ふたり一緒に事切れて、死んでしまいました!
 ……けれど。
(「なーんて、全ては演技なのですが。毒なんて入ってなければ、凍死することだってありません」)
 倒れて死体となったまま、思わず円は笑み零してしまう。
「こういったお遊びもたまには良いかもですねえ。おにーさんも楽しんで下さいました?」
 ……んふふ。引っかかってくれるといいですねっ、と。そっと小声で。
 クーラカンリも、じぃっと死んだフリをしつつも。
「で、これはいつまで続ければ良いのだ?」
 動いてはいけない死体となった暇を持て余す様に、宝石糖を舌の上でころころ。
 そして死んだままもう一度、大きく首を傾けるのだった。
 ――楽しい……かどうかは、なんとも言えんな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヨシュカ・グナイゼナウ
【ほしぐも】
ふふふ!バナナの皮だなんて!こんなのに引っかかったら末代までの笑い話です(煽り)
櫻先生の著作について語りながら夜汽車を探索
勉強の為、幾つか購入したのです!

え、その先生の作品は…わー!まだ途中までしか読んでないのにネタバレなんて!!
雲珠さまとはいえ…頭にきました!許さない!む!ちょうど良いところに空き瓶が!
大きく振りかぶって…てりゃ!
頭に当たる直前に千本を使い早業で瓶を破壊。これで瓶で殴って殺した様に見えるはず

わ、わたしは無二の友人になんという事を…!取り敢えず落ち着きましょう…
何故か山盛りのお饅頭でも頂いて…むぐっ
(お饅頭片手に喉を詰まらせ死亡)
(お饅頭は美味しくいただきました)


雨野・雲珠
【ほしぐも】

あ、わかりやすくバナナの皮!
バカミスの系譜を引きずってるんでしょうか、
デストラップが優しい…
ここはあえて拾い上げて捨ててみせ、
まず「ぐぬぬ」ってなってもらいましょう!

「ん?あの二人、前もいたな」とならないためには
先生に考えさせる暇を与えないこと…
つまり、思い通りに動いてみせるのがいいと思うんです!
もともと先生監修のミステリツアー。
ファンっぽく、著作の感想を語りながら歩いていれば
つい気になってしまうのでは

そういえばあの作品の…と重要な部分を軽率にネタバレ。
ふふふ。オチを知ってたほうが純粋に内容を楽しめるでしょう?
なんと!反省するどころか偉そうにします!
これは万死!殴られても仕方ない!



 雪と桜花弁の舞い降る夜を走る、豪華寝台列車。
 けれど今、この列車の中には、連続殺人を企てる者がいるのだという。
 そう、豪華寝台列車の旅が一変。
 凄惨な事件が起こる、ミステリートレインと化すのだ……!
 というか、性格的に多分……隠れるとか隠すとかが、凄く無理な性質なのだろう。
 ちらっと、何か物陰から分かりやすくガン見している作家の視線を感じながらも。
「あ、わかりやすくバナナの皮!」
「ふふふ! バナナの皮だなんて! こんなのに引っかかったら末代までの笑い話です」
 あからさまに置いてあるバナナの皮を敢えて拾い上げ、捨ててみせる雨野・雲珠(慚愧・f22865)と一緒に。
 さり気にバナナの皮を置いた犯人を煽る、ヨシュカ・グナイゼナウ(明星・f10678)。
 いや、殺人事件とか影朧とか聞けば、なんかもっとえぐい感じの罠が仕掛けられていてもおかしくないはずのに。
(「バカミスの系譜を引きずってるんでしょうか、デストラップが優しい……」)
 小学生でも仕掛けないようなゆるいソレに、雲珠は優しささえ感じながらも。
 ……まず「ぐぬぬ」ってなってもらいましょう!
 そう、気付かれない程度に、すごい見ている視線の先を窺ってみれば。
『……もー折角置いたのにー、ぐぬぬ』
 物凄く分かりやすく作家が、ぐぬぬとなっていた。
 一応、前の事件の記憶などは影朧にはないらしいと言われてはいるけれど。
 雲珠とヨシュカは以前も同じ様に、櫻居・四狼の殺人事件ごっこに付き合ってあげたことがあるから。
 作家が「ん?あの二人、前もいたな」とならないための策を講じたのだ。
(「先生に考えさせる暇を与えないこと……つまり、思い通りに動いてみせるのがいいと思うんです!」)
 そう、これはもともと櫻居・四狼が監修のミステリツアーなのだから。
(「ファンっぽく、著作の感想を語りながら歩いていれば、つい気になってしまうのでは」)
(「櫻居先生の著作について語りながら夜汽車を探索しましょう。勉強の為、幾つか購入したのです!」)
 準備も万端、いざ作戦決行……!
「そういえばヨシュカくん、櫻居先生の『帝都学園殺人事件』で、まさかヒロインと犯人がバナナの皮で心中するなんて思いませんでしたよね」
 何気なく軽率に言った雲珠に、ヨシュカは思わず大きく瞳を見開いてしまう。
 だって――それはまだ。
「え、その先生の作品は……わー! まだ途中までしか読んでないのにネタバレなんて!!」
 不意打ちすぎるネタバレをくらい、声を上げるヨシュカであったが。
「ふふふ。オチを知ってたほうが純粋に内容を楽しめるでしょう?」
 申し訳ないと反省思うどころか……ネタバレしておいて、すごい偉そうです!
「雲珠さまとはいえ……頭にきました! 許さない!」
 ミステリーで結末をバラすなんて、これは万死に値する行為。
 ええ、殴られても仕方ないやつです。立派な殺人の動機になります!
 というわけで。
「む! ちょうど良いところに空き瓶が!」
 ――大きく振りかぶって……てりゃ!
 手にした空き瓶で思いっきり、雲珠の頭部をぶん殴るヨシュカ。
「……!」
 瞬間、その衝撃で、バリーンッと音を立てて粉々になる瓶。
 ……いえ、実はこれはトリック。
(「これで瓶で殴って殺した様に見えるはず」)
 雲珠の頭に当たる直前に千本を使い、早業で瓶を破壊しただけなのだけれど。
 ……ふらふら~ぱたり、と。
 事切れた雲珠の変わり果てた姿に、ヨシュカはハッと我に返って。
「わ、わたしは無二の友人になんという事を……! 取り敢えず落ち着きましょう……」
 言葉とは裏腹に、そわそわおろおろ。
「何故か山盛りのこのお饅頭でも頂いて……むぐっ」
 慌てて頬張った饅頭を喉をうっかり詰まらせて、なんと死んじゃいました!?
 そして先に死んだ雲珠の隣に、ぱたっと倒れれば……死体がふたつに。
 ちなみに勿論、残った饅頭は、後で美味しく頂きます!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

呉羽・伊織
【花守】
さて、と――ふ、真夜中に夜空を独り占…いや恋人と密会とか最高だよネ
(抜き足差し足、夜中にこっそり恋人と逢引…もといひっそり現実逃避…もとい炬燵で酒でも、と抜け出してきた体で展望車覗き)

――あっお邪魔シマシタ~
(そっ閉じして回れ右しかけるも阻まれ)
くっ、何でまたお前がいるんだ!
てーか何、ソレ(炬燵)はオレの恋人なんだケド特等席なんだケド!
横取りとかありえない最低…(結局炬燵に入って泣き真似しつつ、意趣返しに蜜柑奪い)

は?何言ってんのそんなワケないだろ、オレの炬燵はほわほわ系のカワイイ女子と決まって…ヤメテ、ソレ以上言うな…!
うっ頭が…(修羅場からのツッコミ過労死&残酷な現実にショック死)


千家・菊里
【花守】
(またこっそり夜食…炬燵で蜜柑をもぐもぐしていれば)

おや伊織、奇遇ですね(すかさず扉に謎のこけし狭み阻止)
うーん、まぁこの炬燵はもう俺のもの(?)なので諦めてください
そも家にも恋人(炬燵)がいるのに浮気とか最低では?
あっ、其方こそ人の大事な存在(蜜柑)を奪いましたね

仕方ない、少し懲らしめますか
そう――伊織が愛する炬燵さん、大事にした果てに男のヤドリガミが生まれたら如何責任を取るんです?暑苦しい感じの――(食物の恨みとばかりに現実突き付けぐりぐり抉り)

おや炬燵で(心が)凍死とは情けない

炬燵で蜜柑に絶景付とか、正に天国でしょうに
(自分は最終的に炬燵と蜜柑が極楽すぎて安らかに永眠昇天のフリ)



 窓の外をみれば、幻想的な雪と桜の景色。
 賑やかであった列車内も、夜が更ければ――そう、オトナの時間。
 そんな中……さて、と――と。
 あるゲストルームの扉が、そうっと開いて。
(「ふ、真夜中に夜空を独り占……いや恋人と密会とか最高だよネ」)
 呉羽・伊織(翳・f03578)が抜き足差し足、忍び足。
 いざ向かうのは、まさかの恋人との逢い引き……!?
 いえ、まぁ……いつものようにひっそり現実逃避というか、炬燵で酒でも……と。
 そう、辿り着いた展望車を覗いてみれば。
 炬燵にちゃっかり入って、蜜柑をもぐもぐ。
 深夜のおやつをすでに存分に楽しみまくっている先客が。
「――あっお邪魔シマシタ~」
「おや伊織、奇遇ですね」
 そんな千家・菊里(隠逸花・f02716)の姿に、扉をそっ閉じして回れ右しかける伊織であったが。
 しゅばっとすかさず扉に挟み込まれるのは、謎のこけし……!?
「くっ、何でまたお前がいるんだ!」
 何だか扉に挟まった顔がこっち見ている感あるこけしから、伊織はそっと目を逸らしながらも。
「てーか何、ソレはオレの恋人なんだケド特等席なんだケド!」
 自分の恋人――いつだって優しく温めてくれる炬燵といちゃついている菊里に言い放つけれど。
「うーん、まぁこの炬燵はもう俺のものなので諦めてください」
 しれっともうひとつ蜜柑に手を伸ばす彼に、あっさりそう返されて。
「横取りとかありえない最低……」
「そも家にも恋人がいるのに浮気とか最低では?」
 もぞもぞと結局何だかんだ言いながら、泣き真似しつつも炬燵へイン。
 でも言われっぱなしもなんだから、伊織は意趣返しにと。
「……あっ、其方こそ人の大事な存在を奪いましたね」
 ひょいっと手を伸ばし奪ったのは、菊里の大事な存在……そう、蜜柑。
 しかも、一等甘そうな蜜柑を奪われてしまったとなれば。
 ――仕方ない、少し懲らしめますか。
 菊里も黙ってはいません。
 そしておもむろに、ふと……自分達が入っている炬燵へと視線を落とし、紡ぐ。
「そう――伊織が愛する炬燵さん、大事にした果てに男のヤドリガミが生まれたら如何責任を取るんです? 暑苦しい感じの――」
 食物の恨みとばかりにぐりぐりと抉り突き付けるのは、花のないもっさい現実。
 そしてつい、暑苦しいマッチョな殿方を思わず想像してしまってから。
 ぶんぶんと振り払う様に、大きく首を横に振る伊織だけれど。
「は? 何言ってんのそんなワケないだろ、オレの炬燵はほわほわ系のカワイイ女子と決まって……」
「むきむき系の逞しい殿方かもしれませんよ?」
「ヤメテ、ソレ以上言うな……!」
 ――うっ頭が……。
 ……ぱたり。
 修羅場からのツッコミ過労死と残酷な現実に、ショック死する伊織。
 男子か女子かは現時点ではわからない、恋人の炬燵の上に突っ伏して。
 その様子に、菊里は蜜柑を剥きながらも首を傾ける。
「おや炬燵で凍死とは情けない」
 主に心が凍死した、眼前の伊織の死体を見遣りながら。
 けれど、これで蜜柑を奪う邪魔者は始末できたことであるし。
「炬燵で蜜柑に絶景付とか、正に天国でしょうに」
 菊里はもう暫く、ほくほく炬燵と蜜柑を楽しむのだった。
 極楽すぎて――すやぁっと安らかに永眠昇天するまで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニーナ・アーベントロート
平和な時間と足湯に蕩けて
大好きなチョコスイーツを堪能
菫さん、このガトーショコラ美味しいよ
こんな至福の時に、事件なんて起きるわけないよね

あはは、ありがとー
あたしも一応ダンピール
顔に自信がないと言えば嘘になるかな、なんて
友人達の素直な言葉はどれも嬉しいけど
……え、なぁに
普段はクールな刻さんまで、どしたの?

わあぁ、身内に褒め殺されるなんてあたし聞いてないよー!
助けて千鶴くん、と泣きついた彼にトドメを刺され
ぼふっと蒸気が爆ぜるような音がした後には──

ばたり倒れた四人の傍ら
並ぶチョコソースのダイイングメッセージ
あたしのは「し」に見えるかな
あたしは嬉し恥ずか死で
みんなと仲良くめでたしめでた死
…なんてね


君影・菫
【nyx】

あったか足湯にほこほこまったり
この生チョコも美味しいよて
みんなといっしょに至福時間やんね
勧められたガトーショコラを貰いながら
浮かんだ言葉はふらぐ

お酒にスイーツで好い気分で
ニーナってかわええよなて
隣の友達を褒め始めてまおう
顔はもちろん
いっしょにいると元気になるし
視点も斬新ですきやよ
あと何と言ってもノリの良さピカイチよなあ
ふふー
みんなもニーナのええとこいっぱい知ってるねえ

まあまあ
照れてもうてかわええ
ふふってちぃと刻と咲てたら
うちもぱたん

残るはチョコソースのだいいんぐめっせーじ
うちのゆびさきには『な』
――並べてみると?

死因は甘死ならぬ尊死
んー、仲良死やろか
晴れて、めでたし
めでた死でお終い?


飛白・刻
【nyx】

皆と詣で、幸先良き旅はまだと続く
列車の走音、足湯の水音も心地穏やかに
チョコはビターな物を選んだつもりだが
口含めば甘く思うはやはり目の前の皆と有りてこそと

先程の願いを聞いても思ったが
ニーナは笑顔齎す才があるなと
豊富掲げた筆頭を誰か一人が褒めだせば
続くや続く

千鶴や菫とも顔を見合わせ頷く内に
微笑ましい光景に次第と意識が遠のくような…
気付けば皆釣られるようにばたりと倒れ

各々の指先にチョコで書かれし文字
遠のく寸前遺すは「か」
一人一人の文字をよくよく見れば
な、か、よ、し
若しかとすれば見えるかも識れぬ
そう
だいいんぐめっせーじを残して

皆と幸に浸りて迎える終幕
これがめでた死か
このような死に様も悪くまい


宵鍔・千鶴
【nyx】

足湯にぽかぽか温まって
口の中で濃厚に蕩ける生チョコに
緩んでいたら
なになに、
ニーナの良いところ?
沢山あるよ!
屈託ない自然な笑顔とか
勿論愛らしい容姿も含めて
内面にも癒されてる
俺たちをノリよく引っ張ってくれるからいつも感謝してるんだ

真剣に彼女を見ながらすらすらと
2人が褒める言葉にも確りと頷き

照れ爆ぜる様子に菫と刻にも目配せしてまた、ほら、可愛いなぁなんてくすりと微笑む

ふわふわした心地のまま
みんなでぱたり
チョコだいいんぐめっせーじを
残したのは俺は「よ」の文字

なんて安らかでしあわせな最期だろう
凡て引っ括めて尊死で
皆がいるからこそだ

我が人生に悔いなし、
之にてめでた死にて一旦終いを



 皆と新年を詣でた後も、まだまだ続く幸先良き旅。
 車窓に流れゆく雪と桜の風景を眺めながら、並んでぽかぽか足湯に浸かって。
 カタコト走る列車に揺られ、ちゃぷりと水音鳴らせば、心地も穏やかに。
 あったかほこほこ、平和な時間をまったりと。
 いや、皆が蕩けているのは、あったかい足湯のせいだけではなくて。
「菫さん、このガトーショコラ美味しいよ」
 そう――ほわりと甘いチョコレート。
 ニーナ・アーベントロート(赫の女王・f03448)が、君影・菫(ゆびさき・f14101)にガトーショコラを勧めれば。
 ……この生チョコも美味しいよて。そんな美味しい、交換こ。
 皆で過ごす今は、とても穏やかで平和だから。
「こんな至福の時に、事件なんて起きるわけないよね」
 そうふと、口にするニーナ。
 それを聞いて菫にちらり浮かぶのは、ふらぐ、という言葉。
 そして飛白・刻(if・f06028)が選んで口へと運んだのは、ビターなもののはずなのに。
 ふわり優しい甘さに感じるのは――きっと、皆と過ごす、この時間のせい。
 宵鍔・千鶴(nyx・f00683)もひとつ、そうっと摘まんで。
 口に含めばとろりと濃厚に蕩ける生チョコに、緩んでいたら。
「ニーナってかわええよな」
 お酒にスイーツにとすっかり好い気分になった菫の、隣の友達を褒め褒めする声。
 それに、すかさず千鶴も続いて。
「なになに、ニーナの良いところ? 沢山あるよ! 屈託ない自然な笑顔とか、勿論愛らしい容姿も含めて、内面にも癒されてる」
 ……俺たちをノリよく引っ張ってくれるからいつも感謝してるんだ、と。
 笑み咲かせ、やはり褒め褒め。
 そんな友人達の素直な言葉は、どれも嬉しくて。
「あはは、ありがとー。あたしも一応ダンピールだから……顔に自信がないと言えば嘘になるかな、なんて」
 ニーナはそう照れたように返すけれど。
「顔はもちろん、いっしょにいると元気になるし、視点も斬新ですきやよ。あと何と言ってもノリの良さピカイチよなあ」
「先程の願いを聞いても思ったが、ニーナは笑顔齎す才があるなと」
「……え、なぁに。普段はクールな刻さんまで、どしたの?」
 続けや続けと言わんばかりに褒めてくれる友人たちに、瞳をぱちくりさせてから。
「ふふー、みんなもニーナのええとこいっぱい知ってるねえ」
「わあぁ、身内に褒め殺されるなんてあたし聞いてないよー!」
 ――助けて千鶴くん、と。
 泣きついた相手がまた、悪かった……?
 菫と刻にも目配せして千鶴が返すは……ほら、可愛いなぁ、なんてまた、くすり。
 そう真剣に彼女を見ながらすらすらと、皆で頷き合っては、褒めることも沢山で。
 トドメを刺され、ぼふっと。
 ニーナの顔から蒸気が爆ぜるような音がしたかと思えば――。
「まあまあ、照れてもうてかわええ」
 ふふって、千鶴と刻と咲っていたら……言った菫の視線が、刹那くるりと大きく回った気がして。
 ――ぱたん。
 なんと、死んでしまいました……!?
 そして、菫のゆびさきが残したのは――『な』と綴られた、チョコソースのダイイングメッセージ。
 刻も、千鶴や菫とも顔を見合わせ頷く内に……微笑ましい光景に次第と意識が遠のくような、そんな感覚をおぼえれば。
 ――ばたり。
 釣られるように倒れ、刻が意識遠のく寸前遺したのは、チョコで書かれた『か』の文字。
 ――ぱたり。
 千鶴もふわふわした心地のまま、みんなと倒れ伏すけれど。
 彼が残したチョコだいいんぐめっせーじは、『よ』。
 ニーナも勿論、一緒にばたり。
(「あたしのは『し』に見えるかな」)
 しっかりとやっぱり残すのは、甘いダイイングメッセージ。
 そして死んでしまった皆が残した文字を並べ、暗号を紐解いてみれば……。
 ――『な・か・よ・し』。
 文字通り、仲良く並んで被害者に。
 そんな皆の死因はといえば。
(「あたしは嬉し恥ずか死で。みんなと仲良くめでたしめでた死……なんてね」)
(「死因は甘死ならぬ尊死。んー、仲良死やろか」)
 ……晴れて、めでたし。めでた死で、お終い?
 ニーナと菫がそう、犯人に気づかれないよう、そうと秘密に笑み合えば。
(「皆と幸に浸りて迎える終幕、これがめでた死か」)
 刻も思わずにがいられない……このような死に様も悪くまい、と。
 皆と一緒に仮初の死体となりながらも、瞳細めて。
(「凡て引っ括めて尊死で。皆がいるからこそだ」)
 千鶴はきっちり死にながらも、つい笑んでしまう。
 みんなお揃いの凶に、足湯にチョコレート。
 なんて安らかでしあわせな最期だろう……我が人生に悔いなし、って。
 これにて――悲劇どころか喜劇の連鎖であった、楽しい『桜雲号殺人事件』も。
 みーんな、めでた死にて……一旦、お終いお終い。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『或る作家の残影』

POW   :    蒼桜心中
【心中用に持ち出した桜の意匠が凝らされた刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    心中遊戯
【甘く蕩ける桜色の毒物】【切腹できる桜模様の短剣】【桜の木で首を吊る為の丈夫なロープ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    乱桜吹雪
自身の装備武器を無数の【原稿用紙と乱れ舞い散る桜】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠筧・清史郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●犯人は現場に戻ってくる??
 豪華寝台列車『桜雲』で次々と起こった、連続殺人事件。
 一夜にして豪華クルーズトレインが、凄惨なミステリートレインと様相を変えて。
 犯行を終えた犯人は、闇の中でそっとほくそ笑む。
『ていうか、何かすごい面白い殺人事件になってない? メモしとかなきゃ!』
 被害者達の死に様に大満足な様子できゃっきゃとはしゃぐのは、容姿の良い男。
 櫻居・四狼という、人気作家であった影朧――今回の黒幕である。
 作家は大事そうに桜模様の硯箱『桜の君』を小脇に抱え、メモを片手に。
『一応ちゃんとみんな死んでるか、もう一度確認しとこうかなー』
 ひとりひとり、死体を再度確認するべく、真夜中の車内を歩き出したのだ。
 まさか――死んだはずの被害者たちが、待ち構えていることも知らずに。

●マスターより
 第3章は、影朧との戦闘です。
 勿論、真面目に犯人を懲らしめるべく戦闘していただくのもOKですし。
 作家は戦闘は専門ではないので、愉快な感じに遊んでいただいても構いません。
 楽しいこと好きなので、何か振ればノリノリに返してくるかと。
 猟兵として影朧に対峙するも良し。
 殺人事件の役割を演じたまま犯人を追い詰めるのも良し。
 皆様のご自由にしていただければです!
 ただ、まだまだ楽しい事したい盛りなので、影朧の説得や転生は現状難しいです。
 さくっと倒して躯の海に還してやってください。
 その他に関しましては、OPやOP公開時のマスターコメントをご確認ください。
 送信締切等の連絡事項も、MS個別ページやタグ、Twitter等でお知らせ致します。
椚・一叶
トリス(f27131)と同行

よく寝た…と腕伸ばし
あぁ、決め台詞が必要だった
特に思いつかないので「お前だ」と真似
食べ物の恨みは怖い…ということにする
貴様倒して、食いなおす

トリスいるなら、細かいこと気にしない
言葉に甘え前に出て、好きなように
狭い場所、それも利用して暴れるのみ
投擲武器で牽制、動きを狭めさせたら
降魔化身法で殴る
悪鬼の力見せてやろう、影朧

痛み慣れてるが
代償を受けた後はトリスに任せる
カカッ…貴様も暴れないとつまらない、だろう?
それなりに過ごしてきたが共に戦う、初めて
でも強いの知ってる

列車の旅、楽しいのよく分かった
死んでも死にきれない程に
次の旅…、いいな
たくさん食べて、寝れて、遊べるの頼む


鳥栖・エンデ
イチカ君(f14515)と同行
フグとデザート殺人事件の真犯人はお前だ…!
てな訳で生き返って影朧退治の時間だよー

前でも後ろからでもサポートはお任せあれ〜
なのでイチカ君は好きなようにじゃんじゃん暴れてねぇ
ボクは騎士槍メインにして攻撃を往なしつつ
こう狭い車内とかだと長物って扱い難いよねぇ
まぁ投げれば良いんだけど、とドラゴニックエンド
出たり消えたりしていた凶器の味は如何かな?
やっぱりデザート食べそびれてたのは残念なんだよね

ミステリーも、まぁまぁ中々に楽しめはしたけれど
折角の豪華寝台列車の旅だもの
乗客は最後まで旅行が楽しかったと思えるに限るよ
終点に着いたらまた次の旅を考えるのも良いなぁ



 犯人は現場に戻ってくる、というお約束通りに。
 犯行を全て終えた犯人は、再びそっと惨劇が繰り広げられたらしき客室の扉を開いて。
 倒れているふたりの死を、改めて確認しようとしたけれど。
 すかさず起き上がり、びしぃっと犯人である作家に真相を告げるのは――死んだはずの、鳥栖・エンデ(悪喰・f27131)。
「フグとデザート殺人事件の真犯人はお前だ……!」
『な、なんだってー! 犯人はフグじゃなくて、僕だったなんて……!』
 そんなノリでエンデから言い放たれた新事実に、謎のノリで返す影朧であったが。
「てな訳で生き返って影朧退治の時間だよー」
「よく寝た……」
 掛けられた声に、むくりと起き上がって腕を伸ばす、もうひとつの死体。
 いや、死体のように爆睡していた椚・一叶(未熟者・f14515)は、いつの間にか再びやって来ていた作家へと視線を向けて。
(「あぁ、決め台詞が必要だった」)
 そう一叶は大雑把に空気を読むけれど、でも特に思いつかないので。
「真犯人はお前だ」
 とりあえず、エンデの真似をして言っておくことに。
「食べ物の恨みは怖い……貴様倒して、食いなおす」
 それから何だかんだ、適当に理由をつけて。
 のこのこやってきた真犯人を、成敗します!
『犯人はフグかと思ったのに、僕だったなんて……でも、ここで捕まるわけにはいかないもんねー』
 そう作家が刹那解き放つのは、複数の心中道具。
 けれど、そんな迫りくる毒物や短剣、ロープにも怯む事などなく。
「前でも後ろからでもサポートはお任せあれ〜」
 ……なのでイチカ君は好きなようにじゃんじゃん暴れてねぇ、って。
 エンデが、握る幸いの白き竜の騎士槍でそれらを往なせば。
(「トリスいるなら、細かいこと気にしない」)
 掛けられた言葉に甘え、ぐっと一気に前へと出て、好きなように。
『……っ!』
 客室の狭さをも利用して、一叶は心置きなく暴れる。
 手裏剣を投擲し影朧の動きを狭めさせれば、魔を降ろして化身し超強化して。
「悪鬼の力見せてやろう、影朧」
 握りしめた拳を振るい、真犯人をぶん殴る。
 そしてエンデも、グングニールを巧みに操りながらも。
「こう狭い車内とかだと長物って扱い難いよねぇ。出たり消えたりしていた凶器の味は如何かな?」
『あっ、そういえばそれ、消えた凶器!?』
 消失したはずの凶器を、今度は真犯人へと向けるけれど。
「やっぱりデザート食べそびれてたのは残念なんだよね」
『僕、デザート全部食べたもんね! 美味しかったよ~』
 えっへんとマウントを取ってくる作家をエンデは見遣ってから。
 ……まぁ投げれば良いんだけど、と。
『ちょっ、痛っ!?』
 思いきり全力で、作家へと凶器を投げつけぶっ刺して、ニールを差し向ける。
 そう、食べ物の恨みは怖いのです……!!
「カカッ……貴様も暴れないとつまらない、だろう?」
 痛み慣れてはいるものの、代償を受けた一叶は、後はそうトリスに任せることに。
(「それなりに過ごしてきたが共に戦う、初めて」)
 ――でも強いの知ってる、と。
 それに、一叶はさらに知ったから。
「列車の旅、楽しいのよく分かった」
 ……死んでも死にきれない程に、って。
 そんな彼の言葉に、エンデもこくりと頷いて。
「ミステリーも、まぁまぁ中々に楽しめはしたけれど。折角の豪華寝台列車の旅だもの、乗客は最後まで旅行が楽しかったと思えるに限るよ」
 それからふっと琥珀の瞳を細め、こう続ける。
 ――終点に着いたらまた次の旅を考えるのも良いなぁ、って。
「次の旅……、いいな」
 一叶もそう呟いてから、エンデへと早速次の旅のリクエストを。
 ――たくさん食べて、寝れて、遊べるの頼む、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スリジエ・シエルリュンヌ
(たんこぶ作りながら起き上がって)
ふう、ここからですね!文豪探偵、推して参ります!

さて、攻撃はなるべく避けないと…と、UC発動させながら考えまして。
私の攻撃方法ですか?キセルパイプでのマヒ攻撃つき殴打です。
ふふ、探偵たる者、バリツを修めねば話になりませんから!(純粋前衛バリツ探偵)

そう、バリツですよ、バリツ。遠距離ではありません、近接です。
探偵はその性質上、犯人にもっとも近づきますからね。近接もできないとダメです!


本当は、亡き養父の影響で、近接格闘が得意になったという話



 足湯を楽しんだ帰りに起こった悲劇。
 それは犯人があからさまに置いたバナナの皮によって謎のコンボが発生し、転倒死をしてしまった哀れな桜の精。
 そんな被害者――スリジエ・シエルリュンヌ(桜色の文豪探偵・f27365)の死体をそっと確認するかのように。
『ちゃんとバナナ死してるかなー?』
 のこのこ現場に戻ってきた黒幕である作家が、ひょこりと覗き込もうとした、瞬間だった。
「ふう、ここからですね! 文豪探偵、推して参ります!」
『あれっ、死んでないの!?』
 頭にぷっくりたんこぶを作りながらも起き上がったスリジエに、桜色の瞳を大きく見開く影朧。
 そう……彼女は被害者ではなく、文豪探偵。
 なので、バナナの皮を謎に投げつつも桜の意匠凝らされた刀を振るわんとする犯人の攻撃を見遣りながらも。
(「さて、攻撃はなるべく避けないと……」)
 探偵らしく頭部を掻き毟りつつ、次の行動の成功率を上昇させながらもスリジエは思考を巡らせる。
 そう、探偵らしい攻撃方法を!
 其れは勿論、やはりこれです。
「ふふ、探偵たる者、バリツを修めねば話になりませんから!」
『な……あの、滝壺に落ちても都合良く復活できるような、謎の極東の武術……!?』
「そう、バリツですよ、バリツ。遠距離ではありません、近接です」
 ということで、キセルパイプで殴ります! さらにこれ、マヒ攻撃つきです。
『って、いたっ、痛!?』
 そんな、純粋前衛バリツ探偵に殴殺されかける犯人。
 いえ、これも仕方ありません。
「探偵はその性質上、犯人にもっとも近づきますからね」
 スリジエは作家にもたんこぶを作らんと、キセルパイプを大きく振りかぶって。
 ――近接もできないとダメです!
『バリツ半端ない……ぎゃあ!?』
 セオリー通り馬鹿正直に現場に戻ってきた犯人を、探偵の謎多き武術でボコるのだった。
 いえ、近接格闘が得意なのは、亡き養父の影響なのですけれど……!
 そんな真相は、犯人は知る由もないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

来てる俺も俺だが、ワンパターンじゃね?とちょっと思った。
作風が確立してるからなのかもだが、でももうちょっと新しい事やってみるとか。
もしかして生きてた時は出来てたのかなぁ?
オブリビオンは過去から戻ってきたものだから、新しくって難しいのだろうか?

マヒ攻撃を乗せたUC炎陽で攻撃。延焼には気を付けて、原稿用紙と桜の花びらを中心に燃やしてしまおう。
さらに隙をついて直接二刀で攻撃。うまく花びらと原稿用紙をさばけたらがら空きだろうし。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流す。
それでも喰らうものは激痛耐性で耐える。



 色々と思うことは、まぁあるのだけれど。
 ……ちゃんと死んでるかなー、と再び影朧が個室へと戻ってくるやいなや。
 胡と黒鵺の二刀を握り、起き上がったのは、双子関連の本を握りしめて死んでいたはずの黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)。
『待って、何で生きてるの!?』
 そんないきなり起き上がった様子に驚く作家を見遣り、瑞樹はちょっと思ったことを口にする。
「来てる俺も俺だが、ワンパターンじゃね?」
『え、ワンパターン!?』
「作風が確立してるからなのかもだが、でももうちょっと新しい事やってみるとか」
『いや、僕は結構どんなジャンルもいける口だし! ていうか、形式美って言うでしょっ』
 ……僕の書いた本、何冊か読む? と。
 作家はそう本棚に置かれてある自分の著書をアピールするけれど。
「もしかして生きてた時は出来てたのかなぁ?」
 瑞樹はそんな作家を後目にそう首を傾けていたが、ふとある結論へと辿り着く。
「オブリビオンは過去から戻ってきたものだから、新しくって難しいのだろうか?」
 あまりにも影朧ライフをエンジョイしていて、妙に活き活きしているけれど。
 そう……目の前のこの人、オブリビオンですから。
 ということで、転生もする気がなさそうな影朧は、躯の海へと返すだけ。
『僕の原稿、読んでみる?』
 刹那、楽しそうにくすりと笑む作家の手から放たれるのは、乱舞する数多の原稿用紙と桜花弁。
 けれどそれは、瑞樹までは届かない。
 ――緋き炎よ!
 繰り出された原稿用紙や桜花弁を燃やすのは、金谷子神の錬鉄の炎。
 そしてそれらが燃え散る中、生じた隙をついて。
『……く、痛っ!?』
 地を蹴り距離を詰めて、直接振るう二刀にて斬りかかる瑞樹。
 作家もそれに反応し、手にした桜の意匠凝らされた刀を振り下ろしてくるけれど。
 第六感を駆使してすかさず感知し、見切り身を翻しながら。
 大振りの黒きナイフで桜の刃を受け流し、痺れるような炎陽の衝撃を再び影朧へと繰り出すのだった。
 整っていて楽しそうに笑んではいるけれど……でもやはり何故か無表情に感じる、敵の顔を見遣りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ大歓迎

確認に来るなら好都合
このまま吐いた血(赤い中和剤)の上に突っ伏しておいてやろう
その間にこっそりと「高速詠唱」から【悪魔召喚「セーレ」】
セーレ、合図があるまでキッチンにでも隠れていろよ?

で、確認するために全身ツンツンつっつくとか、基本すぎねぇ?
さ、さすがに脇腹はやめろ…くすぐってぇ…
でも欺くために我慢、我慢

しかしまだつっつき足りねぇのかよ
…って絶対この影朧、指でツンツンつっつくのを楽しんでるだろ!?

あーもうキリがねえ!
突っつきが途切れた一瞬でこそっとセーレに合図を送るぜ
セーレ、碧の光をこの影朧にぶちかませ!
どうせ転移はしねぇだろうから、そのまま光に焼かれちまうだろうけど



 ミステリートレインと化した車内で暗躍し、殺人を重ねる犯人。
 そんな犯人である作家の手で、あからさまにこれ死ぬよねっていう感じしかしない毒で殺された森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)であったけれど。
(「確認に来るなら好都合。このまま吐いた血の上に突っ伏しておいてやろう」)
 血にみえるそれは実は、赤い中和剤。
 ダイニングカーのテーブルに倒れたまま、引き続き死体を演じながらも、陽太はこっそりと高速で詠唱する。
 ――全てを識り応える悪魔よ、その光の権能を持って優しき人々を安寧の地へと導き、悪しき者を浄化せよ!
 そう……悪魔「セーレ」を召喚するために。
 そして喚んだセーレに、こう目配せしつつ指示しておく。
(「セーレ、合図があるまでキッチンにでも隠れていろよ?」)
 これで後は……また殺人現場にお約束的に戻ってきた作家を待つだけ。
 そして、そうっとダイニングカーの扉が開いて。
『しっかり死んでるかなー?』
 のこのことやってきた作家は、陽太の死体をじーっ。
 それから、ちゃんと死んでいるのか確認する。
 ――ツンツン。
(「で、確認するために全身ツンツンつっつくとか、基本すぎねぇ?」)
 捻りもなく、おーい、とか声を掛けながらもツンツンと突いて。
 けれど今の陽太は死体。反応するわけもないのだけれど。
『おーい、死んでるー?』
(「さ、さすがに脇腹はやめろ……くすぐってぇ……」)
 今度は脇腹をピンポイントにつんつんしてくる影朧。
 でもしかし、動くわけにはいかない。
 欺くために我慢、我慢――。
 けれどさらに念入りに、作家は陽太が死んでいるのを確認するべく。
『じゃあ、ここはー?』
 ――ツンツンツン。
(「しかしまだつっつき足りねぇのかよ……って絶対この影朧、指でツンツンつっつくのを楽しんでるだろ!?」)
 なんかすごいつついているその表情が楽しそうだから。
 ……あーもうキリがねえ!
「セーレ、碧の光をこの影朧にぶちかませ!」
『って、あれ、生きてた!?』
 合図を受けたセーレの手から、碧の光が影朧へと放たれて。
『え、やだ、もっとここで遊びたい……って、ぎゃあっ』
 転移したくないと子供の様に駄々をこねた影朧を陽太は見遣る。
 ――どうせ転移はしねぇだろうから、そのまま光に焼かれちまうだろうけど、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
アドリブ歓迎
POW

我らは怨霊、犯人であるお前も道連れにしてくれるっ…なんてね
(それにしても先程から炎武さんの知識が妙に偏っている件)

まぁ、軽口はそのくらいにして一般人に被害が出る前に骸の海にお帰り願おう
退魔刀を手に炎武さんと共に切り込む
相手の攻撃は【見切り】回避
炎武さんはまだ実戦経験なしなので敵の攻撃を喰らいそうな場合は【庇う】
相手に肉薄したら灰燼一閃を叩き込む
今だよ、炎武さん続いてっ!
連撃で畳みかける

即席連携技か、そういうのもたまにはいいね
シャルロットさんの火炎属性付与をありがたく受けつつ
火炎属性も含めれば、火炎双刃閃、と言った所かな?
よし、皆の連携でこの局面切り抜けよう!


炎武・瑠美
【電脳の箱庭】
アドリブ歓迎
POW

戦闘、初の戦闘、ちょっと緊張しますね
でも、何故か心の中に高揚感も感じるのが不思議です

き、来ました!
あの人が討伐対象の影朧なのですね

あなたを犯人です(びしぃと相手を指差し
私が読んだ小説の中の主人公もこうやって犯人に指差してました!
何故でしょう、ひりょさんが何か物言いたげです

そうこうしているうちに戦闘ですね
ひりょさんと共に退魔刀を手に切り込みます
戦闘は初めてですが、援護があれば私だって一撃加えられるはずですっ!
ひりょさんの攻撃と交差するように攻撃を仕掛けます
「行きますっ!強制改心刀っ!」
見事に技が通ったら高らかに名乗りを上げます
「これこそ、即席連携技、双刃閃です!」


シャルロット・シフファート
【電脳の箱庭】
アドリブ歓迎
WIZ

瑠美、猟兵の戦い方というのを教えてあげる。
そう言って空間を火炎に変えてそこから万象が炎属性で構成された異世界を現出させていく。
……それにしても、その探偵やってること推理じゃなくて催眠じゃないの?

桜の花びらも原稿用紙も火には弱いでしょう?
そう言って炎に変えた空間を次元障壁にして飛来する原稿用紙と花びらを燃やして防ぎ、それを空間に侵食させて寝台列車には焦げ跡を一つも残さず影朧とその影響のみを焼き尽くすわ

2人が前線で戦っている間、後方で支援しながら炎属性魔術を行使し空間ごと退魔刀に炎属性を付与しながら私の魔術で焼き尽くしていくわ。



 かたや窒息死、はたまた頭部強打、そして溺死と。
 様々な死因の死体が出来上がっている……かと思いきや。
 心臓の動きが止まっているどころか、逆にちょっぴりドキドキしているのは炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。
(「戦闘、初の戦闘、ちょっと緊張しますね」)
 けれど瑠美も戦闘は初めてだとはいえ、護身術としてある程度の武術を嗜んでいるし。
 それに少し鼓動が早まっているのは緊張からだけではなくて。
(「でも、何故か心の中に高揚感も感じるのが不思議です」)
 猟兵として、気持ちが昂るような感覚。
 そうじっと暫く死体となった身を横たえていたのであるが。
『さてと~、今度こそちゃんと死んでるかなー?』
(「き、来ました! あの人が討伐対象の影朧なのですね」)
 自分達が待ち構えていることも知らず、のこのことやってきた影朧。
 そして自分達の死を確認しようと、作家が近づかんとした……その時だった。
 むくっと起き上がった瑠美は、びしぃと作家を颯爽と指差して言い放つ。
「あなたを犯人です」
 ……私が読んだ小説の中の主人公もこうやって犯人に指差してました! と。
『わ、びっくりした! って、え、それ誤植!?』
 いや、誤植なんだけど誤植じゃないんです!?
 そのタイミングで、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)もすかさずぬうっと起き上がって。
『……!?』
「我らは怨霊、犯人であるお前も道連れにしてくれるっ」
 ……なんてね、とさらに作家をびびらせつつも。
 瑠美へとちらり、視線を向けながらも思う。
(「それにしても先程から炎武さんの知識が妙に偏っている件」)
 そんな彼の視線に、首をこてりと傾ける瑠美。
(「何故でしょう、ひりょさんが何か物言いたげです」)
 そして刹那燃え上がるのは、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)が成す炎。
「瑠美、猟兵の戦い方というのを教えてあげる」
 いや、ただ炎を成しているだけではない。
 空間を火炎に変え、そこから万象が炎属性で構成された異世界を現出させていくシャルロット。
 そして何となくぐるぐると左手の人差し指を回す仕草をしてみる瑠美へと。
「……それにしても、その探偵やってること推理じゃなくて催眠じゃないの?」
 そう、一応ツッコんでおく。
 けれど敵は大雑把にだが大量殺人を企てた影朧。
「まぁ、軽口はそのくらいにして一般人に被害が出る前に骸の海にお帰り願おう」
 ひりょが握るは魔を退ける一刀。
 そして同じく退魔の霊刀を手にした瑠美と視線を合わせてから。
『……ちょ、僕が犯人なのに!?』
 握る刀のその名の通り、迅雷の如く邪心を断ち切らんとひりょが斬り込めば。
(「そうこうしているうちに戦闘ですね」)
 ……戦闘は初めてですが、援護があれば私だって一撃加えられるはずですっ!
 瑠美も彼と共に地を蹴り、影朧へと刃を振るい斬り込んでゆく。
 だがそんな瑠美へと瞬間繰り出されたのは、桜の意匠が凝らされた刀の斬撃。
「……!」
「炎武さん!」
 ひりょはすかさずその軌道を見切り、実戦経験がまだない瑠美を庇う様に割って入って。
「桜の花びらも原稿用紙も火には弱いでしょう?」
 シャルロットは炎に変えた空間を次元障壁にして焼き尽くす。
 飛来する原稿用紙と花びらを燃やし空間に侵食させて、寝台列車には焦げ跡を一つも残さず……影朧とその影響のみを。
『あち、あつっ!』
 犯人である作家は、殺人事件の筋書きの書かれた原稿用紙を燃やされつつ、そう顔を顰めて。
 敵の気が逸れた、一瞬。
「今だよ、炎武さん続いてっ!」
「行きますっ! 強制改心刀っ!」
 ひりょの声掛けに続き、瑠美も満を持して繰り出す技の名を轟き叫んで。
 攻撃を交差させるようにふたり攻撃を仕掛け、連撃をもって畳みかけんとすれば。
 シャルロットがすかさず行使するは、炎属性の魔術。
 激しく燃え盛る炎が空間ごとふたりの退魔刀へと付与されて。
「私の魔術で焼き尽くしてあげるわ」
『って、痛っ! 熱っ!?』
 刹那見舞われるは、炎の魔力を乗せた――灰燼一閃と強制改心刀。
 そんなシャルロットの炎纏いしふたりの連撃に、堪らず情けない声をあげたる影朧。
 そしてそんな敵へと、瑠美は高らかに名乗りを上げる。
「これこそ、即席連携技、双刃閃です!」
「即席連携技か、そういうのもたまにはいいね」
 ひりょは退魔刀『迅雷』を構えながらも、瑠美へとそう瞳細めて。
『熱いし痛いし、死体はこんなことしないしー!』
「火炎属性も含めれば、火炎双刃閃、と言った所かな?」
 シャルロットからの火炎属性の付与をありがたく受けつつも、ふたりと顔を見あわせ頷き合う。
 ――よし、皆の連携でこの局面切り抜けよう! と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宮前・紅
「ななな、なぁんとぉ!
正解したら、とってもいい事がある(かもしれない)よ!」
とか調子のいい事を言って、混乱してる内にコンツェシュを後ろ手に忍ばせるよ
(蒼くんが椅子を蹴飛ばしたのを見て)
「あらら……蒼くん怒っちゃった。
ほら、早く答えないと蒼くんが火を噴くよ!!」
蒼くんを選べば
「ちょっと俺に魅力が無いって言いたいの?」
と静かに怒る
俺を選んでも
「ちょっと蒼くんの威圧がアレだから選んだでしょ!!」
とか怒るよ

頃合いを見て、葎ちゃんとタイミングを合わせて、コンツェシュで貫く

「作家先生。
楽しませてくれてありがとう。今度は素敵な童話でも書いておくれよ、ま、また会うことがあればの話だけど──au revoir」


戎崎・蒼
自分に身に覚えがない事にも関わらず、あれだけ楽しめるあの楽観さ──いや能天気とも言えるか
ある意味天性の賜物なのかもな……(苦笑)
「なんだ、僕達のクイズに答えられないのか?」
オラッとヤのつく職業の如く脚力で近くにあったイスを蹴り飛ばしつつ、野次も飛ばす
ちなみに僕は火は噴かない
僕の方を選んだら
「僕の威圧に恐れをなして、忖度で選んだだろ!」
とキレるし、紅の方を選んでも
「僕が選ばれないとでも!?」
とキレる(理不尽)
2人を選んだら
「葎が複数と関係を持つわけがないだろ!そんな阿婆擦れじゃない!」
と胸倉でも掴んで殴る勢いで言ってみよう

不正解になったら僕も銃弾で撃ち抜くよ
クイズは当たらないと思うけれどね…


硲・葎
紅君(f04970)蒼君(f04968)と
残念なイケメンってこういうことを言うんだろうな。
「読者を惹き付けるにはやっぱり意外性がないとね!さてここでクイズです!じゃじゃん♪私は蒼君と紅君とどういう関係でしょうか!
1、蒼君と恋人
2、紅君と恋人
3、2人とも恋人。さあ、どれ!」
刀を抜いて答えをせかしてみよう。
「ほらほら、早く答えないと斬られるよー!」
ハズレー!って言いながら斬りつけ。
「正解はどっちも大事な友達でしたー!!」
ダッシュで相手の懐に入って、傷口をえぐってやろう。
「もうちょっと作家なら1つや2つ捻った解答が欲しかったなあ。それ出来ないなら、作家に向いてないよ?次は素敵な恋愛小説、期待してる」



 ラウンジを染める零れ散ったワインのいろと、そこに横たわる男女の死体。
 そんな惨劇を目の当たりにしてきゃっきゃとはしゃぐのは、作家であり犯人である影朧。
『わー僕、痴情の縺れとかそういう展開大好き!』
 ……ちゃんと毒殺できたかなー? なんて。
 そう言う作家は、実はワインに毒を仕込んでなどいないのだが。
(「自分に身に覚えがない事にも関わらず、あれだけ楽しめるあの楽観さ――いや能天気とも言えるか」)
 ……ある意味天性の賜物なのかもな……と。
 死体のひとつ・戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)がそうそっと苦笑すれば。
 彼と同じ様に死んでいる硲・葎(流星の旋律・f01013)も、子供の様なその姿を見つつも思う。
(「残念なイケメンってこういうことを言うんだろうな」)
 そして、バッとおもむろに立ち上がって。
『って、わ!? え、あれっ?』
「読者を惹き付けるにはやっぱり意外性がないとね! さてここでクイズです!」
 いきなり作家へと突き付けるのは、クイズ!?
『え、いきなりクイズ!?』
「ななな、なぁんとぉ! 正解したら、とってもいい事があるよ!」
 いい事がある……かもしれません!
 宮前・紅(三姉妹の人形と罪人・f04970)も起き上がり、そう調子のいい事を言いつつも。
 何それ!? と作家が声を上げて瞳を瞬かせている間に、さっとコンツェシュを後ろ手に忍ばせる。
 そして、葎が出題するクイズとは!
「じゃじゃん♪ 私は蒼君と紅君とどういう関係でしょうか!」
 ――1、蒼君と恋人。
 ――2、紅君と恋人。
 ――3、2人とも恋人。
「さあ、どれ!」
『え? うーん、どれだろ……って!?』
「ほらほら、早く答えないと斬られるよー!」
 何故だか真剣に答えを考えている作家をせかすように、すらりと刀を抜く葎。
『てか彼女、美人さんなのに物騒!? いや、でもそれも僕、嫌いじゃないよ』
 そう刀でせかされつつも、調子良くへらりと笑う作家に。
 オラッとさらに物騒な職業の人かの如き脚力で、近くの椅子を勢いよく蹴り飛ばしてから。
「なんだ、僕達のクイズに答えられないのか?」
 椅子と一緒に、野次も飛ばす蒼。
 そんな蒼が椅子を蹴飛ばしたのを見て、紅は大きく肩を竦めてみせて。
「あらら……蒼くん怒っちゃった。ほら、早く答えないと蒼くんが火を噴くよ!!」
『え、火を噴くの!?』
 噴いてるところ見たい! なんていう作家へと、蒼はきっぱりこう断っておく。
「ちなみに僕は火は噴かない」
『えー……噴かないのー?』
 そんな何だか謎にちょっとがっかりしている作家へと、先程のこたえを促す3人。
 葎は果たして、紅の恋人なのか、それとも蒼の恋人なのか――?
 作家は3人を交互に見回して首を傾けつつ、呟きを落とす。
『うーん、そっちとオラついた彼なのかもしれないし……』
「ちょっと俺に魅力が無いって言いたいの?」
「僕の威圧に恐れをなして、忖度で選んだだろ!」
『え? いやそんなんじゃないし!? じゃあ、もうひとりの彼なのか……』
「ちょっと蒼くんの威圧がアレだから選んだでしょ!!」
「僕が選ばれないとでも!?」
 どっちにしろぷんすか、理不尽なキレ方をする紅と蒼のふたり。
 そんなふたりに振り回され、散々迷った後。
『んんー、僕は繊細な男女関係の話を書くのが好きだし、可愛い女の子がふたりいたら僕ならどっちも選ぶから……どっちも!』
 そう、ちゃらちゃらと誠意の欠片もない答えを作家が口にすれば。
「ハズレー! 正解はどっちも大事な友達でしたー!!」
『えっ、ぎゃあ!?』
 葎が妖刀の思念を纏った斬撃で、ざしゅっと不正解だった作家に斬りかかれば。
「葎が複数と関係を持つわけがないだろ! そんな阿婆擦れじゃない!」
「残念だね、作家先生。正解したら、とってもいい事があった……かもしれないのに」
 胸倉でも掴んで殴る勢いで言いつつも、殴るのではなく銃弾で撃ち抜く蒼と。
 ダッシュで懐に入り傷口を抉る葎とタイミングを合わせ、ぷすりとコンツェシュで作家を貫く紅。
 そして蒼は改めて白と蒼のマスケット銃を構えつつ、斬りつけられたり、撃ち抜かれたり、貫かれたりする作家を見遣って。
「クイズは当たらないと思うけれどね……」
『どれも正解じゃないとか、ずるーいっ』
 ぶーぶーそう子供みたいに文句を言う影朧に、葎は言い放つ。
「もうちょっと作家なら1つや2つ捻った解答が欲しかったなあ。それ出来ないなら、作家に向いてないよ? 次は素敵な恋愛小説、期待してる」
『てか僕の小説だったら、ふたりとも恋人で、最後はみんなで心中するんだけどなぁ』
 そう言いつつも、心中道具をあれこれ飛ばしてくる作家に、紅は再び紅き宝石輝くコンツェシュを容赦なく振るう。
「作家先生。楽しませてくれてありがとう。今度は素敵な童話でも書いておくれよ」
 ……ま、また会うことがあればの話だけど――au revoir、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
倒れているところから不器用に立ち上がるわ。
つっこまれたら
「あら?これってゾンビ系ホラーじゃなかったかしら?」

色々台無しにしつつ銃でねらい撃ち。
原稿用紙で攻撃してきたら[オーラ防御]で凌ぎつつ
「ちょっと、作家が原稿用紙投げたらいけないでしょう!」
とか抗議します。
そしてユーベルコード【ブルー・インフェルノ】でお仕置きよ。

「やっぱり、ミステリなら死に方だけに描写を集中するのは売れないと思うのよ?」



 きちんと、ミステリーあるあるなフラグもばっちりと立てて。
 見事にバナナの皮かと思いきや落とし穴に落ちて転落死した、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)。
 そんな彼女の死を確認するべく再び姿を現した、黒幕こと人気作家であったけれど。
『……って、え、うわぁっ!?』
 動くはずのない倒れている死体が、ゆうらーり立ち上がりました!?
 なんという、背筋が凍るような恐怖!
『いや待って、これって、ミステリーじゃないっけ!?』
「あら? これってゾンビ系ホラーじゃなかったかしら?」
 ゾンビのように不器用にゆらゆらしてみせながらも。
 びびりつつもツッコんだ作家に、ヴィオレッタはそうしれっと言ってから。
 もうミステリーじゃないよねといわんばかりに、色々と台無しにしつつも。
 構えるは、つや消し黒色をした長い銃身の回転式拳銃。
 そんなゾンビ……いや、ヴィオレッタへと、作家も原稿用紙や桜花弁をばら撒くけれど。
「ちょっと、作家が原稿用紙投げたらいけないでしょう!」
『いいもーん、これは没な原稿だからー』
 守りの気を纏い鋭利に飛んでくるそれらを凌ぎつつも抗議する彼女へと、楽しそうにぽいぽい投げてくる子供のような作家。
 けれど……そんなことをする陽炎はお仕置きです!
 ――全てを焼き尽くす星界の炎よ。
『え、ちょっ……熱っ、痛!?』
 そして、蒼炎の電離プラズマを見舞われ、わたわたする作家へとヴィオレッタはダメ出しを。
「やっぱり、ミステリなら死に方だけに描写を集中するのは売れないと思うのよ?」
 それならもういっそ、この『桜雲号殺人事件』は。
 ホラー作品に転向した方が、むしろいいかもしれません……!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
役割を演じたまま続けましょう

はっと目を覚まし起き上がるも
まだ、生きている……?と己の手を見、青い顔で倒れている愛おしい伴侶を慌てて抱き起こします

ザッフィーロ……!
死なないでください、愛しいきみがいなくなってしまったら僕はどうすれば良いのですか
悲壮感あふれる表情で演技を続けかれの顔を覗き込むも
整った精悍な顔立ちにしばし見惚れてしまうかもしれません

影朧に気づけば「高速詠唱」「属性攻撃」「全力魔法」を付加した
【ハイ・グラビティ】にて攻撃します
ザッフィーロが起き上がったなら、ああ良かったと安堵を見せ
敵の攻撃は「オーラ防御」を付加した「結界」にてかれともども防御できればと


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

死んだふりをしながらも、宵が己を抱き起せば瞳を開き事切れかける演技を続けよう
宵…死んだのではなかったのか…?
そう己の顔を覗き込む宵の頬へ手を伸ばしながら整った白いその顔を掌で撫でんと試みよう
宵、泣くな…俺は常にお前の傍に居るゆえに
そう緩々と頬を撫でつつ声を投げるも、至近にある愛おしい相手のその顔に思わず見惚れてしまうやもしれん
ああ…本当に宵は美しいな…

影朧に気づけば、お前の仕業か…とそう演技を続けつつ【狼達の饗宴】敵へ狼達を嗾けんと試みる
宵を護る為ならば、冥府からとて何度でも戻ってこよう
そう血糊と共に身を起こしその後は宵を『武器受け』にて『かば』い行動して行こうとそう思う



 美しく折り重なるのは、ふたつの死体。
 いや……死体であると、てっきり思っていたのだけれど。
 星を纏う深宵の瞳をそっと開いて。
 はっと目を覚まし起き上がるのは、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)。
「まだ、生きている……?」
 死んだとばかり、思っていたのに。
 宵はそう己の手を見てから、そして慌てて抱き起こす。
 青い顔で倒れている愛おしい伴侶――ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)を。
「ザッフィーロ……! 死なないでください、愛しいきみがいなくなってしまったら僕はどうすれば良いのですか」
「宵……死んだのではなかったのか……?」
 抱き起こされ、薄っすらと開く銀の瞳は、今にも事切れそうないろを帯びているけれど。
 悲壮感あふれる表情を浮かべ己の顔を覗き込む宵の頬へと、そっと手を伸ばして。
 整った美しく白いその顔を、ザッフィーロは大きな掌でするりと撫でる。
 そしてそんな自分だけを見つめるかれの整った精悍な顔立ちに、宵もしばし見惚れてしまいながらも。
 ぽろりと流れ星の如く、煌めく涙をひと粒、零れ落としてみせる。
 ザッフィーロはそんな宵の零した雫を、そっと指で掬い上げて。
「宵、泣くな……俺は常にお前の傍に居るゆえに」
 緩々とその頬を撫でつつ、声を投げるけれど。
 ――ああ……本当に宵は美しいな……。
 すぐ傍にある愛おしい相手のその顔に思わず見惚れてしまう。
 そんな演技を続けるふたりの様子を、何気にじっと出歯亀しながらも。
『……僕、いつ出ていけば……?』
 そうネタ帳に一部始終を何気にメモしつつも、ぽつりと呟く作家。
 そんな影朧の存在に、ふたりも気が付いて。
「お前の仕業か……」
「ああ良かった、ザッフィーロ」
 宵と自分が死にかけた犯人を影朧にさり気なく擦り付けつつも、血糊と共に身を起こしたザッフィーロに、安堵を見せる宵。
『って、僕の仕業だっけ!?』
 作家はそう身に覚えのない犯行に瞳をぱちくりさせるけれど。
 とりあえずまた死んでよ、このシチュにぴったりでしょ? と。そう放つのは、毒や短剣やロープといった、心中道具。
 けれど、ふたりが臨むのは、心中ではない。
 ――星元来の重力を生み出すのは少々骨が折れるので……動かないでいただけますか。
『……!?』
 そう高速詠唱して重力の魔力を紡いで乗せ、全力魔法を付加したハイ・グラビティで、宵が作家を地面に押さえつければ。
「俺は物故肉はやれぬが……子羊ならばあそこに居る」
 ……精々暴れて来い、と。
 ザッフィーロが作家へと差し向けるのは、身の穢れが滲む血肉を喰らわんとする狼状の炎。
 そして飛んでくる心中道具をザッフィーロは握る得物で受け止め、宵を庇いながらも。
 守りの気を付与した結界を張って自分を守らんとする愛しいその顔を見つめ、改めて思うのだった。
 ――宵を護る為ならば、冥府からとて何度でも戻ってこよう、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

西行・胡桃
ばなこf00572
いのちゃんf01962
「GWP」で参加

拝啓 櫻居・四狼様
今宵、取材メモを頂きに参ります
GWP

と予告を出します
まああんまり時間を空けないのでちょっぴりアレだけど!
逆に即現われようかしら?

「櫻居・四狼、あなたは間違っている!
そうやって実際に起きたことを書くのでは、作家じゃなく記者だ
あまつさえ、殺人事件を起こそうだなんて言語道断!
やっちゃいけないことを脳内で済ませるのが嗜みよ!」
バナナパフェにする、って想像するとかなり怖いんだけど
ま、まあいいや!

動揺してくれたら没収!
まあ、怪盗だから何か盗んどこう以上のものはないんだけど
影の追跡者も使って翻弄よ

終わったら
(二人とも)まだ食べるの!?


八海山・いのこ
引き続き、
おししょー(f01389)、ななちゃん(f00572)と一緒に怪盗チーム「GWP」として参加しますっ

あー、おいしかった!
それじゃ、腹ごなしに怪盗らしくお仕事をしなきゃだね!
あ、でももうちょっと食べたいかも……
余裕があったらつまみ食いしようっと!

ミステリーってどうなるかわからないから楽しいのに、既にあった殺人事件を元にしたらネタバレされているようなものじゃ…?(素朴な疑問)

隙を見せたらシーブズ・ギャンビットでメモを狙っていこー!
うまく奪い取れたら他の二人にパスしたりして奪い返されないようにしたいね!

うーん、動いたらお腹すいちゃった!
もうちょっと食べていこうよ、二人とも!


難駄芭院・ナナコ
チーム名「GWP」
西行・胡桃(f01389・しっしょー呼び)
八海山・いのこ(f01962・いのこ呼び)
最後も参戦!

ふぅ、死ぬかと思ったぜ…!
やい!バナナを凶器に使おうたぁこのアタイが許さねぇぜ!
ふんだぐってバナナパフェにしてやるぜ!
…っと、ここは怪盗チームとしての流儀に則りテメェのそのメモを寄こして貰おうか!

黄金果実の絨毯で逃がさない様にするぜ
お前が利用してきたバナナにはまだ使い道があるんだぜ、使うんなら最後まで利用しな!
後はノリと勢いで突っ込む!バナナの扱いならアタイに聞けぇ!

これで一件落着か!
慌ただしかったが色々美味かったしまた旅行いこうぜぇ!
あぁ…事件解決で安心して腹減った、バナナぁ…!



 ダイニングカーは死屍累々たる有様であった。
 大食い勝負の末に美味しすぎて大満足死した死体に、バナナによる窒息死、バナナの皮による転倒死。
 そんな大体バナナが死因の死体たちを確認するべく。
『僕もバナナの皮踏まないようにしなきゃな~』
 自分の仕掛けた小学生のようなトラップに掛からないように、そろーっと再びダイニングカーに姿を現した作家の影朧であったが。
 ちゃんと皆死んでいるか、ネタストックするべく取材メモ片手に、死体の方へと目を遣ったその時。
『……ん? これなんだろ……って、こ、これはまさか!?』
 
 拝啓 櫻居・四狼様
 今宵、取材メモを頂きに参ります
 GWP

 それは何と、怪盗チームによる予告状であったのだ!
『え、ミステリーに怪盗とか、超いい感じ!』
 そうウキウキしてネタ帳にメモメモしながらも、きゃっきゃはしゃいでいる作家。
(「まああんまり時間を空けないのでちょっぴりアレだけど! なんて思ってたけど。逆に即起き上がろうかしら?」)
 細かい事は気にしなさすぎる性質の影朧だったので、ノリと勢いで色々全然良さそうであるが。
 難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)は、同じように死んでいる弟子たちに目配せをしてから。
 予告通り、万を持して取材メモを頂きます!
 そんな、おししょーの合図を受けて。
「あー、おいしかった!」
 むくりと起き上がったのは、沢山食べて大満足死したはずの、八海山・いのこ(豚じゃないもん・f01962)。
「それじゃ、腹ごなしに怪盗らしくお仕事をしなきゃだね!」
 死ぬくらい満足なほど食べたから、今度は怪盗らしく……。
「あ、でももうちょっと食べたいかも……」
 刹那、何気にひょい、と傍に在ったバナナをつまみ食いするいのこ。
 ちょっとこれまで死んでいたので、少し消化した分、まだ食べられます!?
 そして、バナナといえば。
「ふぅ、死ぬかと思ったぜ……!」
 意外とガチでバナナ詰まらせて死にかけた難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)も、無事に起き上がって。
「やい! バナナを凶器に使おうたぁこのアタイが許さねぇぜ!」
『あれ!? みんなバナナ死したんじゃないの!?』
 皆が生きていた事実に驚きつつも、高級バナナを何故か食べようと剥き剥きしている影朧へ、びしいっと言い放つ!
「やい! バナナを凶器に使おうたぁこのアタイが許さねぇぜ!」
 ……ふんだぐってバナナパフェにしてやるぜ! と。
 そんなナナコへと何気にちらり、視線を向けて。
「バナナパフェにする、って想像するとかなり怖いんだけど」
 胡桃は何気にそう、ちゃんとツッコんでから。
 ……ま、まあいいや! と気を取り直し、改めて作家へと声を投げる。
「櫻居・四狼、あなたは間違っている! そうやって実際に起きたことを書くのでは、作家じゃなく記者だ。あまつさえ、殺人事件を起こそうだなんて言語道断! やっちゃいけないことを脳内で済ませるのが嗜みよ!」
「ミステリーってどうなるかわからないから楽しいのに、既にあった殺人事件を元にしたらネタバレされているようなものじゃ……?」
 いのこも、そんな素朴な疑問を呟いてみるけれど。
 作家ははむりとバナナを食べながらも、にこにこ笑んで答える。
『でも、みんな死んでたらネタバレになんないしー。それにちゃんと僕が天才的に、事実に色付けして面白い小説にするから記事じゃないしー。実際にやってみた方がイメージ湧きやすいしー』
 そう屁理屈を並べつつ、バナナを食べつつ、メモメモする作家。
 それから、あ、と顔を上げてこう続けるのだった。
『けど、みんな生きてたらネタバレされちゃうから、ちゃんと死んでくれてないと困るんだけどー』
 そんな作家に、ナナコは怪盗として高らかに声を上げる。
「……っと、ここは怪盗チームとしての流儀に則りテメェのそのメモを寄こして貰おうか!」
 そして、相手の動揺を狙ってメモを没収しようかと窺っていた胡桃であったが。
 動揺こそ性格的にしていない様子ながらも、バナナを食べている作家は何気に隙だらけ。
 さらに影の追跡者を喚んで翻弄させれば、え、何!? とちょろく気を取られたから。
(「まあ、怪盗だから何か盗んどこう以上のものはないんだけど」)
「予告通り、取材メモを没収します!」
『え、ああっ!』
 瞬間、シーブズ・ギャンビットを展開したいのこが、素早く狙いすまして作家のメモを没収!
「おししょー、パス!」
「いのちゃん、ナイス! ばなこ、足止めをお願い!」
「お前が利用してきたバナナにはまだ使い道があるんだぜ、使うんなら最後まで利用しな!」
『ちょっとぉ! メモ返して……ええっ!?』
 ――食べ終わったバナナにも使い道はある……。見るがよい!ココがアタイのフィールドだ!
 そう言いながらもナナコが放ったのは、ナナコ特製バナナ専用携帯バナナの皮捨て袋に入っている、美味しく食べ終わった大量のバナナの皮!
 足の踏み場もないほどに敷き詰めたバナナの皮……そう、ダイニングカーが一瞬にして、ナナコのバナナフィールドと化して。
『いや、僕みたいな超絶イケメンがバナナの皮で滑るのも絵になるけど……って、ぎゃあ!』
 バナナの皮と、胡桃といのこが巧みにパスし合うメモに、作家が気を取られている隙に。
 ――バナナの扱いならアタイに聞けぇ!
 宣言通りバナナパフェにするべく(?)ノリと勢いで突っ込んで、とりあえず影朧を殴っておくナナコ。
 そしてバナナの皮ですてんっと滑りながらも一時退散した作家を後目に。
「うーん、動いたらお腹すいちゃった! もうちょっと食べていこうよ、二人とも!」
「あぁ……事件解決で安心して腹減った、バナナぁ……!」
「まだ食べるの!?」
 再び食べ始めた二人に、胡桃はそう大きく目を見開くも。
「慌ただしかったが色々美味かったしまた旅行いこうぜぇ!」
 ――これで一件落着!
 一仕事を終えた後のバナナは格別です……!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
連携・アドリブ歓迎です。

犯人が近づいてくれば、死んだ真似した時の血糊の付いた寝間着姿で、右手に懐剣(雷月)を持ち、「私を殺したのは貴方ですね。」と幽霊の演技で詰め寄ります(恐らく相手は面白がって喜ぶかなあ~とw)。

動機等しばらく詰問した後で、「貴方には罰が必要ですね。」と宣告してUC使用。
戦巫女姿に変身して、「さあ、骸の海に帰る時間ですよ。」と煌月を構えます。

相手のUCは、まず結界術による防御結界で防ぎ、更に炎のオーラ防御を纏わせた天耀鏡による盾受けで焼き払います。
そして光の属性攻撃と神罰を籠めた煌月によるなぎ払いで、相手の防御を貫通して斬り裂きます!
「お遊びでの人殺しなど、私が許しません!」



 様式美に則り、真面目に確りと。
 恐らく刺殺されたと思われる死因でちゃんと死んだ大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)。
 そしてそんな彼女が死んでいるかを確認するべく、殺人現場へとまんまと戻ってきた犯人。
 そんな犯人……作家で在ったという影朧が近づいてきた気配を感じて。
『……えっ、わぁっ!?』
「私を殺したのは貴方ですね」
 ゆうらりと起き上がったのは、詩乃の幽霊!?
 血糊の付いた寝間着姿で、右手に懐剣を持ち詰め寄るその姿は、ミステリーというよりもジャパニーズホラーかもしれない。
 けれど詩乃が予想していた通り、最初はびびって飛び上がっていたが。
『幽霊! わぁ幽霊すごーい!』
 やはり面白がってきゃっきゃ喜んでいる作家。
 そんな影朧に、幽霊な演技を続けつつも詩乃は詰問してみる。
「ところで、何故貴方は私を殺したのですか? いや、私だけでなく皆さんを殺したのでしょうか」
 犯行に及んだ、その動機を。
『え? だってミステリーするのも面白そうだったからー。それに連続殺人の方がひとりだけ殺すより、派手でいいでしょ』
 そんな情状酌量の余地もない、どうしようもない動機をしれっと口にする犯人の言葉を聞いて。
 詩乃は刹那、宣言する。
「貴方には罰が必要ですね」
 ――世の為、人の為、これより祓い清め致します!
 瞬間、血糊のついた寝間着から、颯爽と戦巫女姿へと変身して。
「さあ、骸の海に帰る時間ですよ」
 構えるは、煌めく月の如き、金の蒔絵で装飾されたオリハルコンの刃の薙刀。
 そして黒漆塗の柄を握り、いざ影朧へとその刃を向ければ。
『わ、巫女さんに変身するとか、すごーい! 僕そういうのも好きー』
 そうまたはしゃぐように紡ぎながらも、原稿用紙と桜花弁をばら撒いてくる作家。
 それを結界術により成した防御結界で防いでから。纏わせた守りの炎で焼き払うのは、宙に浮くヒヒイロカネの神鏡。
 そして詩乃は握る煌月をいざ、影朧へと振るう。
『……!』
「お遊びでの人殺しなど、私が許しません!」
 相手の防御を貫通し斬り裂く、光と神罰を籠めたなぎ払いの一撃で。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ザザ・クライスト
【狼鬼】

「先生ェともこれで何度目だ?」

もっとも"違う"先生か
煙草に火を点けて【ドーピング】
戦闘開始はバラライカの銃声から【先制攻撃】

「特製のコンニャク弾(呪殺弾)を喰らいやがれ!」

オレ様のブーツをコンニャクまみれにした所業、"先生"が知らなくてもオレは忘れちゃいないぜ

にしても抱え込んだ箱、桜の君と言ったか

「その後生大事にしてるソレ、壊れちまったらどォーなるかねェ?」

【挑発】して【制圧射撃】
好機にジャスパーなら愉しンでくれるだろ

「しかしなんだな……」

足を止めて紫煙を吐き出す
知らず憐憫の色を声音に乗せる

「なぜ結末を閃かないか、影朧になっちまったのか」

先生、アンタ心中に失敗しちまったンじゃねェのか?


ジャスパー・ドゥルジー
【狼鬼】
さて、何度目だったかねェ
片手じゃ数え切れなかった気がするぜ
影朧が過去の事を忘れねェなら
そろそろ顔なじみってとこだな、俺ら

うわはは、またコンニャクでやんの!
ソースも要るかい?先生
腹の傷から【イーコールの匣】
作り出した二丁拳銃からペイント弾のようなものを発射
中身?さてねえ
本当にソースかも知れないし
俺のよーく燃える血液かも知れねえ
当たって見りゃわかるぜ、先生

キシシ、ザザも性格悪いねェ
弾幕に隠れるように『桜の君』目掛けてナイフを投擲
いやァ、そこまで本気で狙ってねえよ
どうせ先生が庇うだろうし
敵とはいえ後生大事に抱えたモン本気で壊す程性格悪くねーし

ただ散々からかわれてきたモンで
ちっとばかし仕返しさ



 寿司が並ぶテーブルに突っ伏しているのは、ふたつの死体。
 その死因は、寿司だけにネタ死。
 そんな寒いオヤジギャグが何気に最期の言葉となったザザ・クライスト(人狼騎士第六席・f07677)であるが。
『あ、ウニおいしそー!』
 自分達がちゃんと死んでいるか、影朧――櫻居・四狼が確認しにきた気配を察して。
『って、あれ?』
 何気に皿に残っていた寿司を食べようとした作家から、サッと何気にウニを死守。
 さらに首を傾げながら、今度は旗が立ったツナマヨ軍艦へと作家が手を伸ばせば。
 死んだままササッとさり気なく、そうはさせないと皿を動かすのは、ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)。
 ということで、犯人も現場にのこのこ戻ってきたので。
「先生ェともこれで何度目だ?」
 むくりと起き上がり、はむりと守ったウニを頬張った後。
 ザザはしゅぼっと煙草に火を点け、煙を肺に入れ吐き出して。
「さて、何度目だったかねェ。片手じゃ数え切れなかった気がするぜ」
 同じ様に起き上がって、イカしたバイクの描かれた旗を眺めた後。
 ジャスパーも、ツナマヨ軍艦をぽいっと口に運んでから。
「もっとも"違う"先生か」
「影朧が過去の事を忘れねェなら、そろそろ顔なじみってとこだったけどな、俺ら」
『あー! ウニもツナマヨも、僕食べたかったのに! って、生きてるの!?』
 寿司を食べられなかったことにぶーぶー言いながらも、ようやく二人が死んでいないことに気が付く作家先生。
 そんな眼前の作家のいけ好かない顔を見るのは、ふたりにとって、もう何度目か。
 相手は覚えてはいないようだが、ある意味どの彼もブレないし。
 作家の方は覚えていなくても……ザザは忘れない。
「そんなに食いてェンなら、特製のコンニャク弾を喰らいやがれ!」
 刹那、先制のバラライカの銃声が響くと同時に撃ち出されるのは、コンニャク弾という名の呪殺弾。
 そう、ザザは忘れてなどいない。
「オレ様のブーツをコンニャクまみれにした所業、"先生"が知らなくてもオレは忘れちゃいないぜ」
『なにそれ、面白い! って、コンニャク!?』
 仕様なので仕方ないとはいえ。
 自分のしたことをすっかり忘れている作家に、容赦なく見舞われるコンニャク。
「うわはは、またコンニャクでやんの!」
 ジャスパーはザザのコンニャクの怨みをくらう作家の様子に笑ってから。
 ――ソースも要るかい? 先生。
 そう寿司で満たされた腹を掻っ切って、己の流す燃え盛る血で二丁拳銃を作り出してから。
『コンニャクなら辛子酢味噌で食べたいんだけど……って、熱っ!?』
「中身? さてねえ。本当にソースかも知れないし、俺のよーく燃える血液かも知れねえ」
 ……当たって見りゃわかるぜ、先生、って。
 コンニャク塗れなイケメンのその顔に、熱々の悪魔炎のソースをお見舞いしてやるジャスパー。
 そんな情けない声を上げる作家を見遣りながらも。
 ザザがふと目にするのは、作家が『桜の君』と呼んで大事に抱えている、美しい桜模様の硯箱。
 それをコンニャクを撃ち出し見遣りながらも、ザザはニッと笑んでこう口にしてみる。
「その後生大事にしてるソレ、壊れちまったらどォーなるかねェ?」
 そして言葉で挑発するように張るのは、コンニャクの弾幕。
『く、『桜の君』がいくら別嬪だからって、横恋慕とかさせないし!』
「キシシ、ザザも性格悪いねェ」
 ……好機にジャスパーなら愉しンでくれるだろ、と。
 そうザザが予想していた通り、弾幕に隠れるように『桜の君』目掛けジャスパーが嬉々とナイフを投擲すれば。
 桜の意匠凝らした刀をスラリと抜き、必死に硯箱を庇う影朧。
(「いやァ、そこまで本気で狙ってねえよ。どうせ先生が庇うだろうし」)
 ……敵とはいえ後生大事に抱えたモン本気で壊す程性格悪くねーし、と。
 その箱を別嬪だと思って守る影朧の姿に、ジャスパーは少しだけ愉快な気持ちを抱きながらも。
 嫌がらせのようにナイフを投げつつも、ピンクと紫が綯い混じる不思議ないろをした瞳を細める。
「ただ散々からかわれてきたモンで、ちっとばかし仕返しさ」
 そんな連れの楽し気な様子に笑いつつ、ザザはふと足を止めて。
「しかしなんだな……」
 紫煙をふうっと吐き出し燻らせた後、知らず憐憫の色を声音に乗せ紡ぐ。
「なぜ結末を閃かないか、影朧になっちまったのか」
 ――先生、アンタ心中に失敗しちまったンじゃねェのか? って。
 その声に、ピクリと影朧は反応を見せて。
『……は? この僕が、心中を、失敗? 見知らぬファンに無理心中されるなんて、そんなこと……』
 そう呟きながらも、ぎゅっと込める。『桜の君』――桜模様の硯箱を抱く、その手に力を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鵜飼・章
【WE】
はっ…よく寝た
櫻居先生いるかな
ここは僕のコミュ力言いくるめその他諸々の見せ所
死んでいる柊くんはさておき交渉を始めるよ

わあ本物の櫻居先生だ
僕は絵本作家の鵜飼章…きみのファンなんだ
『桜ノ匣庭』も持ってきたよ
サイン下さい

心中って素敵だよね
だから僕もやってみようとしたんだけど
僕だけ生き残った上に犯人として告発されたよ
でもめげずにまた挑戦だ
ところで僕の原稿はあと少し(?)で終わる
ちゃちゃっと仕上げてくれないかな
UCを使ってお願いする

オブリビオンに原稿を代筆させようとする
人道にあるまじき背徳…
人間は失格かもしれないけど
脱稿した僕はとてもえらい

さあ担当くん
この原稿が欲しければ犯人を倒すんだ
僕は見てる


柊・はとり
【WE】
見つけてほしいようなほしくないような
これがご遺体の気持ちか…
分かり易く扉の隙間から廊下へ血を流しておいたが
後は櫻居が密室を開けてくれるのを祈るしかない

見つかっても暫くは死体のふりをし
奴の反応を窺いつつ不意討ちを狙う
いや死体なんだが俺
脈はないし心臓も元々止まってる
完璧な死体だ…好きなだけ検死しろ

つか甦るタイミングむずくね
げ…鵜飼が起きた
ダイイングメッセージ読め櫻居
それ真相だから

おい鵜飼何やってる
鵜飼
鵜飼!!
鵜飼!?

要らんわそんなクソ合作
お前探偵じゃなかったのかよ最後ぐらい設定守れよ
もういい…!俺が探偵だ!

UCで真犯人を指名
全ての元凶はあんただよ櫻居四狼!
偽神兵器で一発殴ったら貧血で倒れる



 いきなり空気読めないサイコパスに心臓を刺されて暗殺されたので、そいつを灰皿でぶん殴った後に死にました。
 三行どころか一行で終わる死に方をした柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は今、気持ちがよく分かると……そう思っていた。
(「見つけてほしいようなほしくないような」)
 ――これがご遺体の気持ちか……と。
 そんなご遺体と化しているはとりであるが、あとは願うしかない。
 一応これ見よがしに、分かり易く扉の隙間から廊下へ血を流しておいたけれど。
 件の作家が、この密室を開けてくれることを。
 そして、そうこう死んでいれば、その願いが通じたのか。
『あれ? 何かここに血がー?』
 トレインクルーの女子を言いくるめ事前に入手していたマスターキーで、ひょこり密室と化している殺人現場を覗き込む影朧。
 そして、発見したのだ。
『し、死んでるー!?』
 死体を発見した人の様式美に則って叫びつつも。
 それから始まるのは、検死。そう……ちゃんと死んでいるか。
 ツンツンつついてみたり、おーいと声を掛けてみたり、擽ってみたり。
 けれど何せ、はとりはその点においては完璧なのだ。
(「いや死体なんだが俺。脈はないし心臓も元々止まってる」)
 ……好きなだけ検死しろ、と。まさに完璧な死体。
 そして、やっぱり死んでるーと、きゃっきゃはしゃぐ作家の反応を窺いつつも。
(「つか甦るタイミングむずくね」)
 そう、不意討ちを狙っていれば。
「はっ……よく寝た」
 ……櫻居先生いるかな、と。
 むくりと起き上がったのは、鵜飼・章(シュレディンガーの鵺・f03255)。
 そんな、絶妙に空気が読めていないタイミングで蘇ってしまった章に。
 まだ死んだまま、はとりは切実に思う。
(「げ……鵜飼が起きた。ダイイングメッセージ読め櫻居、それ真相だから」)
 けれど。
『あれ、おはよー。って、死んでなかったの?』
 こっちも何せ、空気が読めない。
 真相がわかりやすく書いてあるのに、こともあろうにダイイングメッセージをスルーする作家。
 そして空気が読めない同士、展開されるカオス。
 ……ここは僕のコミュ力言いくるめその他諸々の見せ所、と。
 死んでいるはとりはさておき、章は作家と交渉を始めるのだった。
「わあ本物の櫻居先生だ。僕は絵本作家の鵜飼章……きみのファンなんだ」
 ――『桜ノ匣庭』も持ってきたよ、サイン下さい、って。
 そんな差し出された己の著書に、いいよーっとさらさらちゃらいサインをして。
 握手までサービスする作家。
 そして章は、ふっと溜め息を落としながらも続ける。
「心中って素敵だよね。だから僕もやってみようとしたんだけど、僕だけ生き残った上に犯人として告発されたよ。でもめげずにまた挑戦だ」
『あ、ほんとだ。なにこれ名前書かれてんじゃん、うけるー。心中頑張ってね、応援するよー』
 ダイイングメッセージの意味とは。
 それから気を良くした人気作家に、章は満を持して言い放つのだった。
「ところで僕の原稿はあと少しで終わる。ちゃちゃっと仕上げてくれないかな」
 代償にしたって余りある人間らしさを駆使し『バベルの塔』まで展開して。
『少しって……真っ白じゃない。もー仕方ないなぁ』
「主人公は、すごくかっこいいカブトムシでよろしくね」
『カブトムシ! いいねー。じゃあ折角だから、ヘラクレス・ヘラクレス……ヘラヘラを主役にしようかなー』
「櫻居先生もカブトムシ好き? 僕達、結構気が合うかもしれないね」
 ――おい鵜飼何やってる、鵜飼。
(「鵜飼!! 鵜飼!?」)
 オブリビオンに原稿を代筆させている絵本作家探偵に、驚愕する完璧な死体。
 そして、すごくかっこいいヘラヘラの物語が遂に完成して。
「人道にあるまじき背徳……人間は失格かもしれないけど、脱稿した僕はとてもえらい」
 死んでいる鬼眼鏡に、はい、とそれを手渡す章。
「さあ担当くん。この原稿が欲しければ犯人を倒すんだ」
 ……僕は見てる、と。
「要らんわそんなクソ合作。お前探偵じゃなかったのかよ最後ぐらい設定守れよ」
 ――もういい…! 俺が探偵だ!
 もう空気もタイミングもないから、とりあえず起き上がって。
「全ての元凶はあんただよ櫻居四狼!」
 さくっとミステリーの肝であるホワイダニットを言い放つはとり。
 そして、偽神兵器で一発犯人をぶん殴った後……ぱたりと貧血で倒れる。
『って、痛っ!?』
 そんな探偵に撲殺された犯人も、殴られた拍子にぱたりと倒れてみて。
 様式美に則り、ダイイングメッセージを残してみるのだった――犯人は鬼眼鏡、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイッツァ・ウルヒリン
やーっと黒幕のお出ましだね
いい加減死んだふりも飽きてきたところだ
折角だし、ちょっとくらい驚かせてやっても良いよね?

足音を聞き逃さないようにしっかり聞き耳を立てて
真上に来た気配を感じたらガバっと起き上がる!
この際頭をぶつけたって気にしない、むしろ驚きも増すでしょ

で、作家先生
僕達おいしくて楽しい時間をすごしてたのに
きみの為に中断したんだよ
この落とし前はどうつけてくれる心算?
他の人はどうだか知らないけど、僕は手心なんて加えないから覚悟してね

ルシファーを呼んで灼熱の炎と極寒の吹雪を同時に味合わせるよ
対価?うーんそうだなぁ、僕の記録データを一部あげよう
ま、好奇心は猫をも殺すというし…きみも骸の海にお帰り



 夢見も悪いし、意外と死んだままなのも大変だと。
 まだかな……なんて思っていたレイッツァ・ウルヒリン(紫影の星使い・f07505)であったけれど。
『あ、炬燵で死んでる……? 炬燵だとぬくぬくでいいかもねー』
 犯人は現場に戻ってくる、というお約束通りに顔を覗かせるのは、事の元凶である影朧。
 そんな自分の死を確認するべくやってきた作家の姿を視界の端で捉えながらも。
(「やーっと黒幕のお出ましだね。いい加減死んだふりも飽きてきたところだ」)
 ――折角だし、ちょっとくらい驚かせてやっても良いよね?
 そう作家の足音を聞き逃さないように確りと聞き耳を立てて。
 ちゃんと死んでいるか確認するべく顔を覗き込まんと、犯人が真上に来た気配を感じた……瞬間。
 ――ガバッ、ごつんっ。
『!? え、ぎゃあっ!』
 いきなり死体が顔を上げた上に、その勢いで頭突きされて顎まで強打して。
 色々な意味で衝撃を受ける作家。
 そんな犯人に、レイッツァは溜息をついてみせて。
「で、作家先生。僕達おいしくて楽しい時間をすごしてたのに、きみの為に中断したんだよ」
 ……この落とし前はどうつけてくれる心算?
 そう犯人を言葉で追い詰めてゆくけれど。
『僕も炬燵で、おいしくて楽しい時間をすごしたーい』
「うーん、それはちょっとお断りするよ」
 呑気に言う犯人の提案は、即却下。すやすや健やかにまだ寝ている連れもいるから。
 ということで。
「他の人はどうだか知らないけど、僕は手心なんて加えないから覚悟してね」
『なんだよー。じゃあ今度こそ、ちゃんと死んでよねー』
 ぶーぶー文句を言いながらも影朧が放つのは、数多の原稿用紙と桜花弁。
 けれどレイッツァはすかさず頭上に魔法陣を描き出し、召喚する。
 ――永劫の彼方より、僕の声に応えよ!
 森羅万象・天上天下、遍く総ての属性の術を操る悪魔・ルシファーを。
「対価? うーんそうだなぁ、僕の記録データを一部あげよう」
 レイッツァはそうルシファーと交渉を成立させ、おいしくて楽しい時間を邪魔した犯人にじっくりと味合わせてあげる。
『ちょ……熱っ、寒っ!?』
 灼熱の炎と極寒の吹雪を、同時に。
 ――ま、好奇心は猫をも殺すというし……きみも骸の海にお帰り、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリヤ・カヤラ
【爪痕】
この人が噂の作家さんかぁ。
人生……この場合は影朧生かな?を
思いっきり謳歌してる感じだね。

みんな色んな死に方してたけど、
私たちがやったような面白系もネタになったりするの?
実際に体験してみたいって思ったりしない?

話し掛けたり、レジーさんに気を取られている間に
影のUDCを作家の上の天井まで伸ばして
直にタライを落とす用意をしておくね。
レジーさんの合図でタライを落とすけど、
近いと当たっちゃうかもしれないから気を付けてね。
って、ちゃんとレジーさんとグウェンさんには
当てないように調整するよ。

さっき見た時も思ったけど音が痛そうだよね。
あ、私は体験は無しで大丈夫。


レジー・スィニ
【爪痕】

また会ったね。覚えてる?覚えてないかな?
あの時はバナナの皮で……。

今回も地味に痛かったんだよね。
タライの餌食にするよ。ヴィリヤがね。
俺はタライとか使えないの。

アハッ。だって痛かったんだもん。
グウェンもそうでしょ?
タライの誘導は俺に任せて。でも当てないでね。

瞬時に懐に近付き蹴る。俺の戦い方はこうなの。
接近戦の方が戦いやすいから。
足元を狙って行くよ。うまい具合に転んでほしいな。

タイミングは目で合図をしようかな。
こいつに悟られたくないし。
二人に今だよって合図をしたら巻き込まれないように飛びのく。
タライは地味に痛いでしょ。
その血もお似合いだよ。


グウェンドリン・グレンジャー
【爪痕】
おー、噂を、すれば、シャドー
良い空気、吸ってそうな、影朧

ねえねえ、作家、なんだよね?
良い作品、書くため、実体験、必要だと、思わない?
(無表情で訥々と喋っているのに、何だかニンマリと笑っているように聞こえるのは気のせいではないだろう)

ヴィリヤが、タライを落とす、同時、Imaginary Shadow……色々な、形、取る、超能力で、どす黒い血糊、形作って、頭に当てて、ぶちまける

(第六感でタイミングを計り、早業で四狼の脚にプスッと刺したBlack Tail。UCで強化した生命力吸収と捕食で、蚊のようにエナジーを吸い上げ追撃)
あれれー、どーしたの、かなー?タライの、当たり所、悪かったー?



 自殺志願者と暗殺者と、自殺志願者を止めつつも狙われる者。
 パッと字面だけ薄目で見れば、何だか複雑に交差する陰謀殺人劇、みたいに見えなくもないかもしれない。
 けれど――その死因は、タライ死と魚に驚いての転倒死。
 普通のミステリーであれば、そんなバカな!? な死に方ではあるのだけれど。
『タライ死とか謎の魚死とか、斬新で面白いー!』
 影朧は喜んでいた。すごく。
 そんなタライとか魚とかでちゃんと死んでいるか、改めて確認するために。
 様式美に従ってか、のこのこ現場へと戻ってきた作家な影朧であるけれど。
 むくりと何事もなかったかのように起き上がったのは、タライで殺されたはずのグウェンドリン・グレンジャー(Heavenly Daydreamer・f00712)。
「おー、噂を、すれば、シャドー。良い空気、吸ってそうな、影朧」
 眼前の輩は影朧のくせにいいもの食べて贅沢してそうな、伊達男である。
 謎の魚の襲撃によって転倒して死んだヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)も、続いて起き上がって。
「この人が噂の作家さんかぁ」
『そーだよ、人気作家だよー。サインいる?』
「人生……この場合は影朧生かな? を思いっきり謳歌してる感じだね」
 何だかすごく楽しそうな影朧を見遣る。
 そして、そんな作家のお遊びに付き合うのは何気に初めてではないレジー・スィニ(夜降ち・f24074)。
「また会ったね。覚えてる? 覚えてないかな?」
 ……あの時はバナナの皮で……。
 そう、今回は計画的なタライ死であったが、前回はバナナの皮。
 小学生が掘ったかの様な落とし穴を飛び越えた刹那、この作家が仕掛けていたバナナの皮ですっ転んだのだった。
 子供染みすぎていて、逆に引っかかったら腹立つやつである。
 けれど、影朧だから仕様ではあるのだけれど。
『んー? 俺って男の顔は覚えられないんだよね』
 覚えていないのも、何か腹立つ。
 けれど呑気にそう言っていた影朧は、ハッと今更顔を上げて口を開く。
『って、あれ!? 生きてるの!?』
 そんな影朧にふと訊ねるのは、グウェンドリンとヴィリヤ。
「ねえねえ、作家、なんだよね?」
「みんな色んな死に方してたけど、私たちがやったような面白系もネタになったりするの?」
『うん、ミステリーにはバカミスってジャンルもあるしー。楽しいネタはストックしておいて損はないからねー』
 そしてふたりは、返ってきた作家の答えに、顔を見合わせてこくりと頷き合って。
「良い作品、書くため、実体験、必要だと、思わない?」
 そう、無表情で訥々と喋っているようにみえるグウェンドリンだけれど。
 その声色はどこか、ニンマリと笑っているようで。
「実際に体験してみたいって思ったりしない?」
 ヴィリヤが作家へと勧めるのは、百見は一体験に如かず?
 面白死の実体験……!?
「今回も地味に痛かったんだよね。タライの餌食にするよ。ヴィリヤがね」
 ……俺はタライとか使えないの、と。
 確かに、体を張った側のレジーにはタライを凶器にはできないけれど。
『え、何で犯人がタライ死するの!?』
「アハッ。だって痛かったんだもん。グウェンもそうでしょ?」
 でもタライの痛さはグウェンドリンと一緒に身をもって知ったから、腹いせです。
 それから、ちらりとレジーはヴィリヤに視線を向けて。
 ……タライの誘導は俺に任せて。でも当てないでね。
 そう、確りと目配せ。タライ、結構痛いから。
 けれど、皆で話しかけたり、レジーが気を引いている間に。
 ずずずっと作家の上の天井までそっとヴィリヤが伸ばすのは、影のUDC。
 そして直にタライを落とす準備が整えば。
『……!』
 一気に地を蹴って接敵するレジー。
 その動きを察知し、桜の意匠凝らされた刀をぶんぶん振るう影朧であったが。
 斬撃を躱す動作と同時に、低い体勢から素早く懐に入って。
「俺の戦い方はこうなの。うまい具合に転んでよ」
『! 痛っ!?』
 繰り出されたレジ―の回し蹴りに足元を掬われ、すてんっとすっ転ぶ作家。
 そしてふたりを振り返り、レジーは目で合図する――今だよ、って。
(「こいつに悟られたくないし」)
 それから咄嗟に、背後へと飛びのく。
 いや、近いと当たっちゃうかもしれないし、巻き込まれたくないから。
(「って、ちゃんとレジーさんとグウェンさんには当てないように調整するよ」)
 合図とともに、ヴィリヤは狙い澄まして。
 ――ごわんっ。
『!? ぎゃあっ、わ!』
 見事、犯人の頭にタライが命中です!
 そして同時にばしゃりと飛び散るのは、どす黒い血……!?
 いや、それはタライに合わせてグウェンドリンが展開した、色々な形を取る超能力の血糊。『Imaginary Heaven』で成した血糊を影朧の頭に当てて、ぶちまけたのである。
「タライは地味に痛いでしょ。その血もお似合いだよ」
「さっき見た時も思ったけど音が痛そうだよね」
 ……あ、私は体験は無しで大丈夫、と。
 この中で唯一体験していないというかむしろ実行犯のヴィリヤは、タライ死は遠慮しておくことに。
 けれど影朧に対しては、タライと血糊だけでは終わりません。
『って!? ぎゃっ』
「あれれー、どーしたの、かなー?」
 突如上がった作家の声に、しれっと返すのはグウェンドリン。
 いえ、第六感で計った絶妙なタイミングで素早く彼の脚に、生やした『Black Tail』をプスッと刺して。
 ぶちまけた血糊こと展開した超能力で強化した生命力吸収と捕食で、敵のエナジーを吸い上げます!
 何だかいいもの食べてそうだし、死んでいるけど活き活きしているから、結構美味しいかもしれない。
 そんな作家のエナジーを蚊のように吸いながら。
 グウェンドリンは、自分達と同じ様にタライ体験をした作家に首を傾げてみせる。
 ――タライの、当たり所、悪かったー? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

辰神・明
【KOR】
アドリブ歓迎
姉人格:アキラで参加

ぷはーっ!
食った食った、マジでプリンうまかったー!
朱雀はごちそうさん!
アタシ、いつユーヘイにーちゃんの嫁になったんだ?
あとドレスよりも焼肉がいい(花より団子思考

インディアンポーカー
アタシもリベンジ戦やるー!
木常野はどうする?(チィの頭をわしゃりつつ
クロムは……い、いつものクロムじゃねぇ……!?(驚愕

【野生の勘】で自分のカードを予想
他のヤツはどんな……なんかすっげーナマケモノいる
つか、先生ネガティブまっしぐらじゃね?
(ネガティブな背中をツンツン悪戯

先生が勝ったら、アレだ
UC:叫雨を使って、勝負自体を無かった事に!
最後に立ってりゃ勝ちってなー!


朱雀・慧華
【KOR】
せんせー来たらぴょいっと起きて
えへへ、私自慢のプリンだよー!
また食べたい時はいつでも出すから言ってね!

およめさん?真っ白いドレス綺麗だよねー!
私も着てみたーい!(よくわかってない

ポーカーリベンジは、今回見学しよっかな
勿論やるのも楽しいんだけど!
お邪魔しないところで【指定UC】発動して
せんせーの元気とポジティブ吸収しながらおっきくなるナマケモノの成長を待ちつつ、一緒に盤面をじぃっ……と見てます
邪魔はしないよ!

ネガティブなせんせー…
貝になりたいとか、ミジンコにーとか、言うのかなぁ?
ゲーム終わる頃にはナマケモノくんも成長完了!
皆の行動に合わせて爪でペチンッてするね!
ツッコミだー!


城島・冬青
【KOR】

え?先生にトランプ勝負を
まぁいつものらりくらりとしている彼をぎゃふん!と言わせられるチャンスかもしれない
でも先生がトランプめちゃくちゃ強かったら…?
その時は普通に先生をぶっ飛ばすか

ポーカーは先程教えてもらったばかりなので
第六感頼みの出たとこ勝負で!

慧華ちゃんのUCでネガティブになった先生は
…めそめそしてたらギャップで面白いけど
ただの悲しみに暮れるイケメンだったらどうしよう
あ、大丈夫です
全然好みじゃないので

先生が強かったら
美形でトランプも強いとかずるい!とブーイング
弱かったら
先生、賭け事で方々に借金作ってそうですよね…と納得

まさかの先生勝利だったら
…UCを撃って全部無かったことにしよ


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
ポーカー勝負?
いいネ乗った!
このイケメンが額にカードを当てている様子を思い浮かべるだけで笑えるし
やったら大笑いする

豪運の子はいるし
僕の演技力も通用しそうだからカード勝負は勝てるでしょ
ソヨゴがやる気になってるから彼女に援護射撃しつつ
自分が勝つより影朧を負けさせて隙を作るのを優先
ネガティブな様子は吹き出しそうになるのを堪えながら
え?ソヨゴなんか言った?
こういうのが好みなの?

どうやって倒すか考えてないけど
弱ったところでUCぶっぱすればなんとかなるでしょ


木常野・都月
【KOR】

さっきのカードゲーム、やり方は分かったけど…
いや、プロのアヤネさんもいるし、頑張って勝たなきゃ。
アキラちゃん、俺もやります!
(それに……先輩達相手に勝ってみたい)

慧華ちゃん、プリンご馳走した!

(え、幽兵さん、俺も嫁?まぁ難しい事はいいか!)

[野生の勘、第六感]で、野生で培ってきた俺の全力を発揮するんだ!
(クロムさんが、いつもと違う!?)

勝てたら大喜び!
負けたらクテリと項垂れるかな。

ナマケモノを見ながら
(名前はナマケモノっていうけど、怠けずに頑張ってる…偉いな)と感心しよう。

ネガティブな先生に皆と一緒につっこもう。
もし、先生が勝っちゃったら…素知らぬ顔で、チィにガブーってしてもらうか。


クロム・エルフェルト
【KOR】
倒れたまま櫻居先生の足をガシッ!と掴んで驚かそう
"お前も、またプリン塗れになれ……!"
あ。プリンはとっても美味しかったよ。
慧華ちゃん、ご馳走様。
……嫁。ユーヘイ、プリンの角で頭打った?

インディアンポーカ、今度は負けない
純情を封印するよう自分に[催眠術]をかける
百戦錬磨、手練手管の妖怪狐……それが、私
仕草も口調も何処となく妖艶に

うぅん……その数字はいけませんわ
あら、佳い札をお持ちだ事
妾の札、如何でございましょう?
(何処からか扇子取り出し口元隠し、秋波を送る)
時に出鱈目、時に正しく
戦いの場を引っ掻き回す

瞳に写った札を読むなら優しく見つめ返し
[催眠術]で違う数字を見せましょう

お仕置きはUC


花屋敷・幽兵
【KOR】
奴が死体を確認しに来たら…ゾンビの様に復活!
いさs…櫻居先生、貴様との勝負はこの因泥杏紙数字遊戯(インディアンポーカー)にて付ける!
俺の嫁達…慧華、都月、明、クロム、えー…あと2名には手を出させない(自称です)
命に賭けても彼女達の為に俺は戦わねばならんのだ…!
うむ、彗華にはドレス似合いそうだな、ロリドレスってなんのご褒美?明もいけるな、うむ。
クロムと都月は白無垢。絶対。
勝負はカマかけ。
そんな数字で大丈夫か?それで勝負する覚悟は?部屋の隅で膝を抱えて泣きじゃくる準備はOK?
俺は、できてる(ここ決め顔で)
アヤネと冬青のやりとりはビデオで撮影。
いざとなったら真顔で強化してから槍でぶっすり。



 凶器は、プリン。
 そんな斬新すぎる方法で、いくつもの満腹死した死体が出来上がった惨劇の現場であったが。
『わープリンいいなぁ。僕、甘い物がとても好きなんだよねー』
 ちゃんと皆が死んでいるかを確認しにやってきたのは、人気作家であった影朧。
 そして呑気に、作家が死体を確認しようとした……その時だった。
 ――ガシッ!
『!? わぁっ!』
 急に足首を掴まれ、思わず声を上げる影朧。
 そんな作家に、死体のひとつ、クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)は告げる。
 ――お前も、またプリン塗れになれ……!
『え、僕も!?』
 ということで、作家も驚かすことができたので。
「あ。プリンはとっても美味しかったよ、慧華ちゃん、ご馳走様」
「ぷはーっ! 食った食った、マジでプリンうまかったー! 朱雀はごちそうさん!」
 むくりと起き上がったクロムと一緒に、辰神・明(双星・f00192)も身を起こして。
「慧華ちゃん、プリンご馳走した!」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)とチィも巨大プリンに大満足。
 そして巨大プリンを皆にドーンと振舞った朱雀・慧華(純真天使・f17361)も、作家が来た事に気付いて、ぴょいっと起きてから。
「えへへ、私自慢のプリンだよー! また食べたい時はいつでも出すから言ってね!」
 そう、にぱっと皆へと笑顔を向ける。
 そんな死体であったはずの皆の様子に。
『え、え? どういうこと??』
 状況が読み込めず、きょとりとする影朧であるが。
 ゆうらり、上体を起こしたのは……ゾンビ!?
 いいえ、ゾンビの様に復活した花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)です。
 それから幽兵は、ビシッと影朧へと言い放つ。
「いさ……櫻居先生、貴様との勝負はこの因泥杏紙数字遊戯にて付ける!」
 因泥杏紙数字遊戯……インディアンポーカーってことみたいです。
 いや、これは敵に手を出させないための勝負。
「俺の嫁達……慧華、都月、明、クロム、えー……あと2名には手を出させない」
 あと2名はどちらかと言えば見守りたい感じですし、嫁もまぁいつもの自称ですけれど。
 ということで、嫁妄想を始める幽兵であるが。
「うむ、彗華にはドレス似合いそうだな、ロリドレスってなんのご褒美? 明もいけるな、うむ」
「アタシ、いつユーヘイにーちゃんの嫁になったんだ? あとドレスよりも焼肉がいい」
「およめさん? 真っ白いドレス綺麗だよねー! 私も着てみたーい!」
 花より団子思考の肉食女子とよく分かっていない純真女子は、焼肉と真っ白いドレスをおにーちゃんにおねだり!?
 さらに、クロムと都月にも視線を映してから。
「クロムと都月は白無垢。絶対」
 そうきっぱりと断言する幽兵。三々九度的な。
 そんなマスクマンの妄言に。
「……嫁。ユーヘイ、プリンの角で頭打った?」
 そう首を傾げてみせながらさくっとあしらうクロムの隣で。
(「え、幽兵さん、俺も嫁?」)
 先程の続きの、右左的な……?
 けれど都月はぴょこりと驚いたように一瞬耳を立てたけれど。
 ……まぁ難しい事はいいか!
 よく分からないから、そう、さらっと流すことに。
 それよりも、幽兵が言っていた因泥杏紙数字遊戯……いえ、インディアンポーカー。
『なに? ポーカーやるのー?』
 楽しそう! ときゃっきゃはしゃぐ影朧の声に。
「ポーカー勝負? いいネ乗った!」
「え? 先生にトランプ勝負を」
 幽兵の言うあと2名こと、アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)と城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は、それぞれ反応を示して。
「インディアンポーカー、アタシもリベンジ戦やるー! 木常野はどうする?」
 アタシもー! と手をあげなら、チィの頭をわしゃり。
 明がそう、都月にも訊ねてみれば。
「アキラちゃん、俺もやります!」
 勿論、参加します!
 そして先程、皆のカモ状態であったクロムだが。
「インディアンポーカ、今度は負けない」
 純情を封印するよう自分に催眠術をかけ、
 ――百戦錬磨、手練手管の妖怪狐……それが、私。
「クロムは……い、いつものクロムじゃねぇ……!?」
 ふと視線向けた明が驚愕するくらい、先程とはうって変わって、仕草も口調も何処となく妖艶に変化する。
 そう……醸し出すのは、百戦錬磨な手練手管の妖怪狐感!?
(「クロムさんが、いつもと違う!?」)
 都月もそう、これまでとは全く違い、ゆらり余裕な感じで尻尾を揺らすクロムの様子にきょとりとするけれど。
(「野生で培ってきた俺の全力を発揮するんだ!」)
 今こそ、野生の狐さんだった真価を発揮する時……!
 そして勝負は、先程教えて貰ったばかりのインディアンポーカー。
「さっきのカードゲーム、やり方は分かったけど……いや、プロのアヤネさんもいるし、頑張って勝たなきゃ」
 ――それに……先輩達相手に勝ってみたい、と。
 そう密かに心に思いながらも気合を入れつつ、早速配られるカードを手にして。
 プロのアヤネさんへとふと目を向ければ。
(「このイケメンが額にカードを当てている様子を思い浮かべるだけで笑えるネ」)
『えっと、こうかなー?』
 ぴとりと、皆に倣っておでこにカードを引っ付けるイケメンに、大笑い。
(「まぁいつものらりくらりとしている彼をぎゃふん! と言わせられるチャンスかもしれない」)
 冬青も額にカードを掲げながら、作戦を立てる。
 そう……先程やり方を教えてもらったばかりなので、第六感頼みの出たとこ勝負!
 そんな己の勘を武器に戦わんとしながらも、冬青はおでこにカードを付けている影朧をちらりと見つつも。
(「でも先生がトランプめちゃくちゃ強かったら……?」)
 ――その時は普通に先生をぶっ飛ばすか。
 秒でそう、答えを出す冬青。いざとなれば、物理で解決すればいいよね!
 そんなやる気になっている冬青に援護射撃をしながら。
(「僕の演技力も通用しそうだからカード勝負は勝てるでしょ」)
 アヤネは自分の勝利よりも、影朧の敗北を優先する。敵の隙を作るために。
 けれど、敵はちゃらちゃらした、掴みどころのない性質。
 というか。
「妾の札、如何でございましょう?」
「クロムのは、なかなかいい札だネ!」
『うーん、でも狐ちゃんのは勝負するか微妙なところだねー』
 何だかめっちゃ普通に馴染んでいる。
 そんな、にこにこ楽しそうに遊ぶ作家に。
「あら、そういう先生は佳い札をお持ちだ事」
 何処からか扇子取り出し口元隠しつつも、艶やかに秋波を送るクロム。
 時に出鱈目、時に正しく……戦いの場を引っ掻き回すように。
「アヤネさん、私はどうですか?」
「アタシのも、結構いい感じなんじゃね?」
「うぅん……その数字はいけませんわ」
「うーん、ソヨゴとアキラは今回は降りた方がいいかもしれないネ」
「俺は勝負します!」
『僕も、勝負しちゃおっかなー』
 そう各々駆け引きをしつつも、そろそろ決断の時を迎える皆に。
「そんな数字で大丈夫か? それで勝負する覚悟は? 部屋の隅で膝を抱えて泣きじゃくる準備はOK?」
 ――俺は、できてる。
 幽兵はそう満を持して、きりり。はい、ここで決め顔!
 そして、いざ勝負の時を迎えれば。
『えー! 僕の札、よわよわじゃんっ』
「先生、賭け事で方々に借金作ってそうですよね……」
 まんまとさくっと騙されて負けた作家に、納得するように頷く冬青。
 弱いくせにギャンブル好きそうな、顔だけ良いダメンズ臭するから。
 今回は僅差であったが、さすがプロ(?)なアヤネの勝ちであったけれど。
『もー今度は負けないから! もう一回!』
 ダメンズの典型っぽくそう言った影朧に、クテリと項垂れていた都月の耳もぴこり。
 というか、前回豪運を発揮しまくった慧華はといえば――ポーカーリベンジは、今回は見学。
(「勿論やるのも楽しいんだけど!」)
 そして、1回目の勝負が終わった後。
 邪魔しないところでそっと発動するのは――『空飛ぶファオルティーア』。
 刹那、ポーカーの輪にさり気に加わるのは、なんだかおっきい空飛ぶナマケモノ!?
 いや……ただのナマケモノではありません。
『ん? 何だか急に、変な感じになっちゃったんだけど……?』
 そう……周囲の敵の元気やポジティブ思考を代償にして、ネガティブにする効果があるのです!
 そしていざ、2戦目に突入するカードゲーム勝負だけれど。
「他のヤツはどんな……なんかすっげーナマケモノいる」
(「名前はナマケモノっていうけど、怠けずに頑張ってる……偉いな」)
「邪魔はしないよ!」
 邪魔では決してないんだけれど、何気に気になる、ナマケモノ。
 そして慧華は、胸の内で感心する都月や皆と一緒に盤面をじぃっ……と見つつも、ナマケモノの成長を待つ。
 作家の元気とポジティブを吸収しながら。
 それから影朧は、大きな溜息と共に呟く。
『……もう無理。こんな無理でしょ』
「つか、先生ネガティブまっしぐらじゃね?」
 明がそのネガティブな背中をツンツン悪戯してやれば。
「ネガティブなせんせー……貝になりたいとか、ミジンコにーとか、言うのかなぁ?」
 そう慧華が首傾げた、その時。
『うう、顔が良くて著書が売れまくってる作家の僕なんて、人気すぎて凹むわ……ああ、いっそ貝に、ミジンコに――』
「何だか先生、ネガティブなんだけどそうじゃない気も……?」
 めそめそはしているが、言っていることは何だかネガティブではない気がしないでもないし。
「ネガティブになった先生は……めそめそしていてギャップで面白いけど」
 冬青はちらり彼を見て、ぽつりとこう続ける。
 ……ただの悲しみに暮れるイケメンだったらどうしよう、と。
 そんな声に、いち早くピクリと反応するアヤネだけれど。
「え? ソヨゴなんか言った? こういうのが好みなの?」
「あ、大丈夫です。全然好みじゃないので」
 そしてささっと、すかさずそんなアヤネと冬青のやりとりをビデオ撮影するのは幽兵。
 それから作家は、もう一度深く溜息をついて。 
『どうせさぁ、うじうじしてても、僕がポーカー勝っちゃうんだよ……ああ生きてるのつらみー』
「先生、元々もう死んじゃってますよね?」
 都月も一緒に、ネガティブな先生にそうつっこんでおく。
 それからめそめそする先生と共に、2回目のポーカー勝負に挑む皆であったが。
『ほらぁ! やっぱり僕が勝っちゃったとか、有り得ない無理無理死にたい』
 いつものふざけたちゃらい態度ではなかったからか……2回目の勝負は何と、たまたま偶然、作家が勝ってしまったのだけど。
「先生が勝っちゃった……チィ!」
「美形でトランプも強いとかずるい!」
「アレだ、最後に立ってりゃ勝ちってなー!」
「ナマケモノくんも成長完了! ツッコミだー!」
 チィがガブーッと噛みついて、スカシバちゃん達や闇属性の血で作られた呪槍がぷすり、大きくなったナマケモノくんが巨大な鉤爪でざしゅっ。
「弱ったところでUCぶっぱすればなんとかなるでしょ」
「俺の嫁達の敵は、槍でぶっすりしておけばいいか」
「神速剣閃、壱ノ太刀――露と消えよ」
 蛇に似た異界の触手がぎゅっとその身を拘束すれば、真顔なマスクマンの槍がまた刺さってぶっすり、抜刀術による鋭い斬撃が閃いて。
『え!? 俺が美形で天才だからってそんな、やっぱもうつらすぎ……ぎゃあ!?』
 まさかの作家の勝利を、ぶん殴って皆でふるぼっこして、全部無かったことにしました!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

君影・菫
【nyx】

生存者を装ってセンセにハニートラップ
髪を解いて元の持ち主の仕草や言動を真似て近づき
何をしたかて?
ふふ、それは秘密
(前もって出来んかったら、みんなの論破に合わせてアドリブのお任せ)

探偵のちぃと助手のニーナ
諜報の刻が相手を論破してるトコにふわっと躍り出て
ね、うちのこと憶えてる?とくすり咲って
色々教えてくれはったやろ?
――例えば、ほら
ひらり見せるは殺人事件を綴ったメモ
(一枚だけ貰っといた手癖の証)
これ、犯人しか知らんことよねえ?
証拠ひとつ後押しに使ってもらお

ニーナのカメラにはうちも防御オーラ
動きを見せれば第六感で察知の先制攻撃
下手なことせん方がええよ?て

今日限りのnyx探偵団
楽しまな損よね


ニーナ・アーベントロート
【nyx】

さぁ観念なさい
あなたの悪事はぜーんぶお見通しだよ
…あっ、助手のあたしじゃなくて
そこにいる我らが名探偵がね!
じゃーん、と千鶴くんの方を差して

流石の作家先生さんも
菫さんみたいな美人には形無しだね
それに刻さんがあなたを泳がせて情報集めてくれたから
次に現れる場所もすぐ判ったんだよ

…お、墓穴掘ったね
その発言、全世界に中継で流れてるよ
あたしのドローンが撮影してるの気付かなかった?
今やこの配信を観てる彼らもまた証人だ…!
と、カメラを向いてどや顔してみたり
壊されそうになったらオーラ防御で守る

今日限りのnyx探偵団、大活躍だったねぇ
こういうのはハッタリ込みの方が面白いから
多少の脳筋推理には目を瞑ってね


宵鍔・千鶴
【nyx】

紹介されれば
なに、俺はしがない探偵さ
伊達眼鏡をくいと押し上げながら推理ショー
作家先生、残念ながら
俺達の眼は誤魔化せないよ
其れらしい袋に入れた物的証拠を並べ立て
有能な助手がきみのアリバイが誰にも証明できないことも
常に刻が動向を監視していたし、ダメ押しに菫の誘惑で口でも滑らせて貰えば、ってね

最後に菫の決定打の証拠に
口元緩めて
先生、さあ、話を聞こうじゃないか
僅かでも自白や言葉を引き出したならばっちりカメラへピースを送り

……ね、有能だろう?
俺の助手たちは

カメラや仲間に攻撃向くなら
迷わず相棒を抜刀して
噫、やっぱり
思考を巡らせるより
此方が手っ取り早いよな

今日だけの探偵団は
変わらず皆信頼できる仲間


飛白・刻
【nyx】

周囲の客室の情報などを把握し
櫻井某の数多の罪状を纏め上げる
中にはでっちあげも混ぜ込んだりもした情報を
櫻井本人の前で突き付ける

来たからには逃がすわけに行かないんでな
逃さぬよう客室の入り口に立ち
行儀も悪く片足を立て塞ぐように
和装だろうがお構いなし

ニーナが用意したドローンが全てを記録している
菫の一押しで更にと追い詰めて
これでも言い逃れが出来そうか?櫻井先生?

その間もおかしな行動せぬよう目を光らせて
懐には動きを鈍らせる毒をも忍ばせている
念には念をだ

後は我らが千鶴所長が華麗に止めを刺す事だろう
狙う相手を見誤ったようだな
先程のダイイングメッセージを見なかった訳ではないだろう?
探偵であろうと有効だ



 事前に、ばっちりとホシに関する調べはついているし。
 犯人は現場に戻ってくるのがお約束だから。
『さぁ、ちゃんと死んでるかなー?』
 嬉死、恥ずか死、尊死からのなかよ死を遂げた皆の死体を確認しに来た作家に、ひらりと近づくのは。
「はら、人気の作家センセよねえ?」
 翡翠の髪をはらり解いて、元の持ち主の仕草や言動を真似てみせる君影・菫(ゆびさき・f14101)。
 そんな生存者である彼女に、作家である影朧はにこにこ笑み返して。
『君、美人さんだねー。ね、僕と遊ばない? 心中ごっことかー』
 女好きで心中好きなイケメン影朧は、そう早速軟派するけれど。
 菫はスッと彼の胸元に細くしなやかな手を添え、ふふ、と笑むばかり。
 そしてそっと人差し指を口元に添えて、こう心に描く。
 ――何をしたかて? ふふ、それは秘密、って。
 そう……菫が仕掛けるのは、ハニートラップ。
 そして頃合いを見計らい、満を持して死んでいたはずの面々が起き上がって。
『えっ!? あれ、死んでないの……?』
 驚く作家に、びしいっと言い放つのは、ニーナ・アーベントロート(赫の女王・f03448)。
「さぁ観念なさい。あなたの悪事はぜーんぶお見通しだよ」
 けれどハッと、大きく瞳を瞬かせ、慌ててこう付け加える。
「……あっ、助手のあたしじゃなくて、そこにいる我らが名探偵がね!」
 そして――じゃーん、と。
 得意気に向けた指の先に在るのは、かの名探偵、宵鍔・千鶴(nyx・f00683)の姿。
「なに、俺はしがない探偵さ」
 千鶴は、くいと。伊達眼鏡を押し上げながら、いざ始める。
「作家先生、残念ながら俺達の眼は誤魔化せないよ」
 そう……鮮やかな推理ショーを!
 勿論、千鶴は凄腕の名探偵であるが。
 その冴えた推理に、優秀な助手や諜報役は欠かせない。
『えーなんのことー? 僕、わかんなーい』
 しれっとそうしらばっくれる犯人に、千鶴は突き付ける。
 ずらり並べた、其れらしい袋に入れた物的証拠を。
「有能な助手が調べてくれたよ。犯行に使われた凶器や、きみのアリバイが誰にも証明できないことを」
「転倒を促すバナナの皮やロープ、刃物に毒物。此等は周囲の客室にあったもの。其れに櫻居先生、貴方には犯行時刻のアリバイが無い」
 それらの物的証拠や情報を集めたのは、常に犯人の動向を監視していた飛白・刻(if・f06028)。
 中にはでっちあげも混ぜ込んだりもした情報もあるけれど……きっとバレない大丈夫。
 櫻居某の数多の罪状を纏め上げ、本人の前で突き付ける刻。
 そして、ダメ押しに口でも滑らせて貰えば、と。
 千鶴が目配せすれば、ふわっと躍り出る菫。
「ね、うちのこと憶えてる?」
『あっ、さっきの美人さん!?』
「色々教えてくれはったやろ?」
 ――例えば、ほら、って。
 ひらり菫が見せるのは、殺人事件を綴ったメモ。
「これ、犯人しか知らんことよねえ?」
『って、いつの間にー!?』
 それは、証拠ひとつ後押しに使ってもらお……と。
 彼の胸元からスッと一枚だけ抜いて貰っておいた、手癖の証。
 堂々と『桜雲号殺人事件の超計画表!』と、やたら達筆な字で張り切って書いてある。
「流石の作家先生さんも、菫さんみたいな美人には形無しだね。それに刻さんがあなたを泳がせて情報集めてくれたから、次に現れる場所もすぐ判ったんだよ」
『な、なんだってー!』
「先生、さあ、話を聞こうじゃないか」
 菫の決定打の証拠とニーナの言葉に声をあげた犯人に、千鶴はそう口元緩めて。
『く、冗談じゃない、こんなところに居られないよ! 僕は部屋に戻るからっ』
「来たからには逃がすわけに行かないんでな」
 いきなり次に殺される被害者みたいな台詞を吐いて逃げようとした作家の前に、刻はすかさず立ちはだかって。
 和装だろうがお構いなし、犯人を逃さぬよう客室の入り口に立ち、片足を立てれば塞がれる退路。
 そんな逃げられぬ状況に、作家はこう声を上げる。
『いいじゃん、別にー。いっぱい派手に死んだ方がミステリー的に面白いでしょー?』
「……お、墓穴掘ったね。その発言、全世界に中継で流れてるよ」
 開き直って言った作家に、ニーナはふっと笑んでから。
「あたしのドローンが撮影してるの気付かなかった?」
 ――今やこの配信を観てる彼らもまた証人だ……!
 そうカメラの方を向いて、どや顔!
 自白の言葉を引き出した千鶴も一緒に、ばっちりカメラへピース!
『え、カメラって、どれ? これ?』
 何気に目立ちたがり屋な影朧は、カメラにピースピースときゃっきゃしてみるけれど。
「これでも言い逃れが出来そうか? 櫻居先生?」
「下手なことせん方がええよ?」
『カメラなんて壊せばいいもんね……って!』
 そう原稿用紙や桜花弁を舞わせ、カメラを壊さんとする犯人の行動はお見通し。
 纏わせた気でニーナがすかさずカメラを守れば、第六感を駆使し察知した菫が影朧よりも先に動き攻撃を仕掛けて。おかしな行動せぬよう目を光らせていた刻も、念には念をと忍ばせておいた動き鈍らせる毒を犯人へと見舞う。
「……ね、有能だろう? 俺の助手たちは」
『ちょっ、何するの、死ぬかと思った!』
 もう何気に死んでいるのだけれど、それはともかく。
 性懲りもなく周囲に鋭利な原稿用紙や桜花弁を飛ばし、カメラを破壊せんとする作家に。
 ――噫、やっぱり思考を巡らせるより、此方が手っ取り早いよな。
 迷わず名探偵が抜刀するのは、冴ゆる月の如く耀う桜の相棒。
 刹那、桜は桜でも犯人の吹雪かせるものではなく。
 涙の如くはらり解けた刃が月に咲く華となり、葬送る餞の薄紅となって。
『って、痛っ、わぁ!?』
「狙う相手を見誤ったようだな」
 華麗に犯人を退けた名探偵の太刀筋を見届けつつ、刻は作家の影朧へと紡ぐ。
「先程のダイイングメッセージを見なかった訳ではないだろう?」
 ――探偵であろうと有効だ、と。
 ダイイングメッセージは、そう……『な・か・よ・し』。
「今日限りのnyx探偵団、楽しまな損よね」
「nyx探偵団、大活躍だったねぇ」
 菫とニーナはそう顔を見合わせ、くすりと笑いあって。
 今日だけのnyx探偵団……けれど変わらず皆、信頼できる仲間だから。
 いつも通りの見事ななかよし連携で、殺人事件もまるっと解決です!
 そして皆でハイタッチをしながら、ニーナは楽し気に瞳を細める。
(「こういうのはハッタリ込みの方が面白いから」)
 ――多少の脳筋推理には目を瞑ってね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
有/f00133

やぁー、今回はまた趣向が違ってよかったね
しかしそうね、顔まで酒臭いのはちょっとね
タオルで顔を拭いて
有ちゃんも拭いとくかい?すっぴんかい?
言われてみりゃ化粧も端折りそうだ

もう一つのお楽しみがコイツなわけだが
僕らが窒息死体験したように、おたくも窒息死体験してみるかい
やっぱ経験がある方がいい感じに書けるんでしょ?

…いやダメよ、僕らと同じ酒は用意できないよ
高かったんだから
残ってないのかって?ないよ、この後飲むんだもん
そうだな…水か布団か鼻口塞ぎかな
酒で溺死するなら自腹でどうぞ

お手伝いはするから
ほれ有ちゃんそっち押さえて、そうそういい感じ
喧しいなら杭も宜しく
おや、アンタ水虫の気があるよ


芥辺・有
ロカジ/f04128

良かったかい?あっそう……
私はなんか目に染みる気がするけどね
それにいつまでも酒臭いのも困るし
そりゃ拭くさ
……何。化粧なんかするように見えたかい?

ん……ああ
まあ、お楽しみはさておきね
楽しませてやったのは楽しませてやったろ
だったら窒息体験ってやつはやっときなよ
腹いせ?……さてね
何事も体験ってやつさ、作家先生

確かにお前のために払う金はないし
水か布団ならタダで丁度いいかな

そうそう
手を貸すくらいはしてやるし
はいよ、……こうかな
おっと 折角なんだから逃げちゃだめだよ
手が足りないなら杭でも使っとくかい
こっちは押さえられるからね……足首とかでも刺しとこうか?
それが嫌なら動かないこったね



 また或る部屋に転がっているのは、男女の死体がふたつ。
 そう……やたら酒臭い死体が。
 いや、酒臭いのは正しいのだけれど。
「やぁー、今回はまた趣向が違ってよかったね」
 そう笑うロカジ・ミナイ(薬処路橈・f04128)は、酒に溺れることは愉快で歓迎でも、まだ死体になってやるわけにはいなくて。
「良かったかい? あっそう……」
 同じくむくりと身を起こし、金の瞳擦る芥辺・有(ストレイキャット・f00133)。
 ……私はなんか目に染みる気がするけどね、って。
「それにいつまでも酒臭いのも困るし」
「しかしそうね、顔まで酒臭いのはちょっとね」
 ロカジはふかふかな肌触りの高級なタオルで、酒塗れの顔をごしごし。
 有にも1枚手渡しながら、笑う。
「有ちゃんも拭いとくかい? すっぴんかい?」
 そんな言葉に、そりゃ拭くさ、と有は素っ気なく返してから。
 タオルを受け取りつつも、ちらりと一瞬彼へと視線を向ければ。
「……何。化粧なんかするように見えたかい?」
「言われてみりゃ化粧も端折りそうだ」
 瞬間、ロカジは客室の扉が開いたのを見遣り、さらに楽し気に笑み深める。
『あれ、死んでないの? てか、酒臭っ』
「もう一つのお楽しみがコイツなわけだが」
 現場に戻ってきた犯人を親指でちょいと指差しながら。
 そして有も、微か首を傾けて。
「ん……ああ。まあ、お楽しみはさておきね」
 ……楽しませてやったのは楽しませてやったろ、と。
 殺人事件なんてものを起こした張本人に、こうふたりはお勧めする。
「僕らが窒息死体験したように、おたくも窒息死体験してみるかい。やっぱ経験がある方がいい感じに書けるんでしょ?」
「だったら窒息体験ってやつはやっときなよ」
 一度、窒息死する体験をしてみるかい、と。
『え、そんなのやだー! ただの腹いせじゃん』
「腹いせ? ……さてね。何事も体験ってやつさ、作家先生」
 けれど、転がる酒瓶は高級な銘柄のものばかりだから。
 美味しい高級なお酒に溺れるのも悪くないかも……なんて作家は口にするけれど。
 刹那、ふるふると大きく首を横に振るロカジ。
「……いやダメよ、僕らと同じ酒は用意できないよ。高かったんだから」
『え、まだ残ってるじゃん、ほら』
「ないよ、この後飲むんだもん」
 影朧を窒息させる高級なお酒はありません。
 でも、窒息体験は是非ともして貰いたいので。
 うーんと真剣な表情で思考巡らせたロカジは、とりあえずこんな代案を思いつく。
「そうだな……水か布団か鼻口塞ぎかな」
 ……酒で溺死するなら自腹でどうぞ、と。
 そんなロカジの言葉に、有もこくりと頷いて。
「確かにお前のために払う金はないし。水か布団ならタダで丁度いいかな」
『え、苦しいだけとかやだーっ。ということで、僕は遠慮す……!?』
「お手伝いはするから」
「そうそう。手を貸すくらいはしてやるし」
 ガシッと、さり気なく逃げようとする作家先生の肩をふたりで掴めば。
「ほれ有ちゃんそっち押さえて」
「はいよ、……こうかな」
 ……そうそういい感じ、って。
 満足気にこくこく頷くロカジ。
『いや、いいってばぁ! ちょっ』
「おっと、折角なんだから逃げちゃだめだよ。手が足りないなら杭でも使っとくかい」
「喧しいなら杭も宜しく」
「こっちは押さえられるからね……足首とかでも刺しとこうか?」
『え、待って……って、刺す!? 犯人が指されるとかそんなバカなーっ』
「それが嫌なら動かないこったね」
 ジタバタ悪足掻きする影朧を、ふたりがかりで確りと押さえつけて。
 顔を見合わせ頷いた瞬間、むぎゅっと。
 ご自慢の顔を、布団へと全力で捻じ込んであげる。
 良い作品を書く為には、やっぱり体験するに越した事はないですから!
 そしてロカジは愉快にカカッと笑って、作家へとこう告げるのだった。
 ――おや、アンタ水虫の気があるよ、って。
 それが嘘も方便か、はたまた真実なのか……その真相は、迷宮入り。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヨシュカ・グナイゼナウ
【ほしぐも】


ふふふ!またもや我々の迫真の演技に引っかかりましたね!
るんるんとやって来た先生にむかってビシッと指差しながら
そろそろ観念していただければ、今なら三途の川の渡賃も差し上げます!
嫌だ?ですよねえ

それはそれとして(おいといてのポーズ)
前回とは違い今回はきちんと先生の著作を、そう、持参して参りましたので…ね、雲珠さま
せーの!サインください!と直角に体を曲げ、ずいと文庫を差し出して
えへへ、ありがとうございます。あ、ヨシュカくんへって書いてくださいね

先生がサインをしている間に【靄穿】で音もなく不意を打つ様に
雲珠さま!今のうちに!やりましょう!
戦いは!勝った方が!正義なのですよ!


雨野・雲珠
【ほしぐも】

ふふふ!いかがでしたか、俺たちの堂に入った死にっぷりは!

最近肩こりや眼精疲労などの症状はございませんか?
人生の重さに疲れてきた貴方に…
そう、転生いかがでしょう!(※毎回やります)
…俺もちょっと無理があるなあって思いました。

(声を揃えて本を差し出します。『帝都学園殺人事件』)

わぁ!ありがとうございます、宝物にします。
あのあの、他の著作もどれも面白かったです!
綴られた言葉がうつくしい音楽のようで、
読んでいて気持ちがよ……うわああああヨシュカくん!?
そんな、ご無体を…!
…は!そ、そうでした。目的を見失っていました。
くっ…申し訳ありません櫻居先生!
お覚悟ー!
(連携して根っこで捕獲を試みる)



 その一部始終を、そっと分かりやすくガン見していたから、作家は知っている。
『あんなに派手に殴られたり、お饅頭喉に詰まってたから、死んでるとは思うんだけどー』
 けれど念の為、犯人は現場へとルンルン楽し気に舞い戻る。
 そう……ネタバレ殺人事件の現場へと。
 だが、また作家は軽率に数秒後、ぐぬぬとなるのだった。
『あっ、え、生きてる……!?』
 撲殺された雨野・雲珠(慚愧・f22865)も、饅頭で窒息死したヨシュカ・グナイゼナウ(明星・f10678)も、ピンピンに生きていたのだから。
 そんな瞳をぱちくりとさせる影朧をビシッと指差しながら、どや顔で言い放つふたり。
「ふふふ! またもや我々の迫真の演技に引っかかりましたね!」
「ふふふ! いかがでしたか、俺たちの堂に入った死にっぷりは!」
『殴られ方も詰まり方も豪快だったし、すごくよかったよー。いい死にっぷりだったんじゃないかな!』
 ちょっぴり悔しそうではあるけれど、ふたりときゃっきゃする作家。
 そんな影朧に、ヨシュカはしれっと言ってみる。
「そろそろ観念していただければ、今なら三途の川の渡賃も差し上げます!」
『え、それはやだー。まだ遊びたいしぃ』
「嫌だ? ですよねえ」
 やはり思った通り、嫌であるらしい。
 そこで次は少し角度を変えて攻めてみる雲珠。
「最近肩こりや眼精疲労などの症状はございませんか?」
『あーそれはあるかもー。原稿書いてるとどうしてもねー』
 作家はそう、雲珠の言葉にこくこく頷いて。
 雲珠もこくこく頷き返してから……颯爽と、こう勧めてみる。
「そんな人生の重さに疲れてきた貴方に……」
 ――そう、転生いかがでしょう!
『無理ない? それ』
「……俺もちょっと無理があるなあって思いました」
 でも桜の精として、毎回やるお約束ですから!
 そんな駄々をこねる我儘な影朧を説得するのは、無理そうだから。
「それはそれとして」
 両手をひょこりとずらして、おいといてのポーズをしてから。
 ヨシュカは、ちらり雲珠と視線を合わせつつも。
「前回とは違い今回はきちんと先生の著作を、そう、持参して参りましたので……ね、雲珠さま」
 せーの! の掛け声とともに、二人揃ってびしっと作家の前に差し出す。
 ――サインください! って。
 直角に体を曲げて、ずいっと……彼の著書『帝都学園殺人事件』の本を。
『サイン? いいよーお安い御用だよー』
 気を良くした作家は、軽々しくあっさり引き受けて。
 さらさらっと書くのは、アイドルみたいなちゃらいサイン。
「えへへ、ありがとうございます。あ、ヨシュカくんへって書いてくださいね」
『うんうん、ヨシュカくんへ……そっちの子のお名前はー?』
「わぁ! 雲珠桜のうず、です! ありがとうございます、宝物にします」
『はいはーい、雲珠くんへ、っと』
 それからサイン本を無事にゲットした雲珠は、眼前の作家へと、ぱあっと瞳を輝かせつつ語り始める。
「あのあの、他の著作もどれも面白かったです! 綴られた言葉がうつくしい音楽のようで、読んでいて気持ちがよ……」
 ――ぷすっ。
「……うわああああヨシュカくん!?」
『ちょっ!? え、今は原稿書いてないから、特に肩凝ってないんだけどー!?』
 サインをしつつ上機嫌な作家へと、音もなくヨシュカが視覚からぷすりと刺したのは、そう……黄金の毒を纏った千本・靄穿。
 勿論これは、作家の肩こりを治す為ではなく。
「そんな、ご無体を……!」
「雲珠さま! 今のうちに! やりましょう!」
「……は! そ、そうでした。目的を見失っていました」
 影朧を躯の海に還すためです!
 ヨシュカのいきなりな不意打ちに一瞬唖然としてしまった雲珠も、本来の目的を思い出して。
 無数の桜の根っこを放ち、作家をすかさず羽交い絞めにすれば。
『え、待って、僕が犯人だよね!?』
 ヨシュカは犯人を毒殺せんと、再びきらりと金に輝く凶器を手に言い放つのだった。
 ――戦いは! 勝った方が! 正義なのですよ! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天帝峰・クーラカンリ
円(f10932)と共に

ひそひそと内緒の作戦会議
ふむ、死んでると見せかけて驚かすか。面白そうだ
相手も死体だと思って油断しているか
或いは既に猟兵にやられて警戒してるかのどちらかだろう
さて、どう出るか見物だな

円と息を合わせ、せーのでふわりと空中浮遊を利用し真っ直に起き上がる
この私が「わぁ!」なんて、驚かす側になる日が来るとはな
敵の反応を伺う
うむ、それなりに効いているようだな

円が作ってくれた好機を活かし、強烈な拳をお見舞いする
お前の見てきた夢の…幻想の数だけ痛みが増える
作家様にはお似合いの技だろう?

この列車もじきに終着か
長いようで短い旅だったな
また機会があれば共に訪れよう
…今度は影朧がいないと良いが


百鳥・円
クーラのおにーさん(f27935)と!

ひそひそと内緒話です
こっそーり、とね

おにーさん聞こえます?
もうすぐこの騒ぎの元凶さんが来るよーです
せっかくの死んだフリですもの
わあっと驚かせてみませんか?

少しずつ近づいてくる音が聞こえますよう
いよいよお出ましってカンジですかね
あなたと呼吸を合わせて
合図の後に行きますよう

せーの、――わあ!

んっふふふ、成功しましたかね
おにーさんもバッチリ花丸!です
びっくりドッキリ後はパパっと終わらせますよう
そおーれ、蝶々たちいってらっしゃーい!

氷の蝶で足元を固めてしまいましょ
炎の蝶は翻弄をしていきます
ささ、おにーさんもどーぞ!

わたしは楽しかったですよう
またお出かけしましょーね



 シンと静まり返っている車内で、よーく聞き耳をたててみれば。
 ……ひそひそ、こっそーり、ぼそぼそっ。
 交わされているのは、秘密の内緒話。
 だって今ふたりは、キラキラ琥珀糖で毒殺されたり、寒い寒いと凍死してしまった死体なのだから。
 けれどそれは勿論、死んだフリ。
「おにーさん聞こえます? もうすぐこの騒ぎの元凶さんが来るよーです」
 百鳥・円(華回帰・f10932)はそう、彼にしか聞こえないようでひそひそ。
 こそりと、声を潜めてこんな作戦を。
「せっかくの死んだフリですもの。わあっと驚かせてみませんか?」
「ふむ、死んでると見せかけて驚かすか。面白そうだ」
 そんな円の内緒の作戦に、天帝峰・クーラカンリ(神の獄卒・f27935)もこくりと頷きつつ。
 ふと思考を巡らせてみる。
(「相手も死体だと思って油断しているか。或いは既に猟兵にやられて警戒してるかのどちらかだろう」)
 ……さて、どう出るか見物だな、って。
 それから、しーっと人差し指を口元に添えて。
 ふたりは再び、物言わぬ死体ごっこを。
(「少しずつ近づいてくる音が聞こえますよう」)
 ……いよいよお出ましってカンジですかね、と。
 ちょっぴりわくわくしながらも、影朧が車内に入ってきた気配を感じて。
『ちゃんと楽しく死んでるかなぁ?』
 のこのこ自分達が死んでいるか確認しにやってきた作家がさらに近づいてくれば。
 死んだフリをしたまま、視線と呼吸を合わせて。
 ……せーの、――わあ!!
『!? ふぎゃあっ!』
 勢い良くガバッと起き上がった円と、ふわりと空中浮遊を利用し真っ直に起き上がったクーラカンリのふたりの声に。
 本気でびびって、飛び上がってしまう影朧。
 そんな相手の反応を窺いながらも。
(「この私が「わぁ!」なんて、驚かす側になる日が来るとはな」)
 クーラカンリはそうちょっぴりだけ苦笑しつつも、何処か満足気に青い瞳を細める。
 ……うむ、それなりに効いているようだな、と。
『もうっ、驚きすぎて寿命が縮んだかもしれないじゃなーい!』
「んっふふふ、成功しましたかね。おにーさんもバッチリ花丸! です」
 円も彼と同じ様に、ドッキリ大成功に楽し気に笑んでから。
 ――踊れ、踊れ。塵と化すまで。
「そおーれ、蝶々たちいってらっしゃーい!」
 寿命が縮まるも何もない影朧へと、燃ゆる炎と凍える氷結の蝶を解き放つ。
 そう……びっくりドッキリ後は、パパッと依頼を終わらせる為に。
『わぁ蝶々さん……って!?』
 きらり舞う氷の蝶でその足元を固めて、ひらり遊ぶ炎の蝶は敵を翻弄する。
 そんな円が作ってくれた好機を活かすべく。
「ささ、おにーさんもどーぞ!」
 ――お前の幻想を数えろ。
 作家へと刹那叩きつけられるのは、ぐっと握りしめられた拳『断罪流沫天』。
『え! ちょ、暴力反対……ぐ、ふっ!』
 さらに見舞うのは、拳の強烈な衝撃だけではなく。
「お前の見てきた夢の……幻想の数だけ痛みが増える」
 ……作家様にはお似合いの技だろう? って。
 影朧の全身から生えるのは、棘。
 そう……作家の身を襲うのは、これまで話した夢に応じた追撃。
 そして大きくよろける犯人を見遣りながら、クーラカンリは隣に在る円へと紡ぐ。
「この列車もじきに終着か、長いようで短い旅だったな。また機会があれば共に訪れよう」
 ……今度は影朧がいないと良いが、と。
 そんな彼の言葉に、円はくすりと、やっぱり楽し気に笑んで返す。
「わたしは楽しかったですよう」
 ――またお出かけしましょーね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふえ?アヒルさん、死んだふりはまだしてないといけません・・・か?
ふ、ふえええ、どうして櫻居先生が私の顔を覗きこんでいるんですか。
ふええ、い、痛いです。
うっかり恋?物語を発動させてしまいました。
アヒルさん、死んだふりをやめてもよくなったら起こしてくださいって言ったじゃないですか。
それにしても、ぶつかった時に唇に何か当たったような気が、もしかして櫻居先生にキスをしちゃったんじゃないでしょうか。
ふええ、櫻居先生と顔が合わせられませーん。



 すごく泡立っていて、ツンと鼻をさすような臭いがする、いかにもアレな水。
 影朧である作家が用意したそれを呷ってぱたりと死んだ、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)であったが。
 暫くして、そうっと瞳を開き、傍にいるはずのアヒルさんへとこう声を掛けてみるけれど。
「ふえ? アヒルさん、死んだふりはまだしてないといけません……か?」
『あれ、おはよー?』
 顔をふとあげた瞬間――ぱちりと視線が合ったのは、アヒルさんではなく。
「ふ、ふえええ、どうして櫻居先生が私の顔を覗きこんでいるんですか」
 にこにこと整った容姿に笑みを宿しながら、何故だか自分をひょこりと覗き込んでいる作家であった。
 ……そして。
『あ……痛っ!?』
「ふええ、い、痛いです」
 ――ごつんっ、と。
 そう音がした瞬間、作家と勢いよくぶつかった頭を押さえるフリル。
 うっかり発動してしまったのは――『衝撃?的な出会いから始まる恋?物語』。
 全力でイケメン作家へと、また出会い頭の突進をかましたフリルであったが。
 ツンツンと追い討ちをかけるように突いてくるアヒルさんへと抗議の声を。
「アヒルさん、死んだふりをやめてもよくなったら起こしてくださいって言ったじゃないですか」
 けれど、そう口にするフリルの顔は何気に真っ赤に。
 だって、もしかして――。
(「それにしても、ぶつかった時に唇に何か当たったような気が」)
 ……もしかして櫻居先生にキスをしちゃったんじゃないでしょうか、って。
 そしてちらりと作家を見てみれば、どうしたのー? と。
 ぶつかった顎を何気に擦りながらも、にこっと微笑んでくる先生。
 そんなイケメンな笑顔から、おどおどとフリルは視線を逸らしてしまうのだった。
 大きな帽子でぐっと顔を隠すかのように――ふええ、櫻居先生と顔が合わせられませーん、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

碧・蛇ノ目
はッ!!
いけねぇ。ついうっかり寝てたぜ
何だか頭が痛てぇ気もするが、気の所為だろ
今の時間は……影朧が出てくる頃合だな
ならまだ死んだフリして起こされた時に脅かしてやろう

ば あ !

びっくりしたか?びっくりしたか!?
蛇ノ目は死んじゃいねぇぜ
それにおまえ、この程度で喜んじゃいねぇよな?
蛇ノ目がもひとつ面白い死に方を教えてやろう
ほれ、そこへ立ってろよ

影朧の後ろにUC「氷柱」を密かに地面から生やし、その鋭利なトゲが無数に生えた地面に影朧を突飛ばす
地面の氷柱に回避行動を取ろうとするもんなら【2回攻撃】で次は上から氷柱を撃ち落とす

時間が経てばあら不思議
凶器が消えた後にゃあ無数の穴が空いた死体だけが残るって寸法さ



 バナナの皮で豪快にすっ転んで、すっかりすやぁと死んでいたのだが。
「はッ!! いけねぇ。ついうっかり寝てたぜ」
 むくりとそう起き上がったのは、碧・蛇ノ目(蛇ノ目傘・f00403)。
 何だか頭がすごいズキズキ痛い気もするのだけれど。
 ……気の所為だろ、の一言で済ませてから。
「今の時間は……影朧が出てくる頃合だな」
 いつの間にかある意味意識を失っているうちに、夜もとっぷり更けていました。
 ということで、蛇ノ目はまだちょっぴり痛む頭で思考を巡らせてから。
(「ならまだ死んだフリして起こされた時に脅かしてやろう」)
 そう、もうひと眠り……いえ、元凶の犯人がやってくるのを息を潜めて待つことに。
 そして、おもむろに誰が近づいてくる気配を感じで。
『まさかバナナの皮が凶器とは思わないよねー』
 ちゃんと死んでるかなぁー、なんて。
 呑気に現れた影朧が……すぐ近くまでやってきた、瞬間。

 ――ば あ !

『!? ふぎゃあっ!』
 ガバッと起き上がった蛇ノ目に、超びびりまくる作家。
 そんな様子に、超満足気に。
「びっくりしたか? びっくりしたか!? 蛇ノ目は死んじゃいねぇぜ」
『もう、驚かさないでよー。あー死ぬほどびっくりした!』
 いや、もう何気に死んでいるのだが……びっくりさせる作戦は大成功!
 けれど、これで終わりではありません。
「それにおまえ、この程度で喜んじゃいねぇよな? 蛇ノ目がもひとつ面白い死に方を教えてやろう」
『え、面白い死に方? 教えて欲しいなー!』
「じゃあ、ほれ、そこへ立ってろよ」
 蛇ノ目の言う通り、わくわく正直に立った影朧であったが。
 そうっと何気に犯人の背後に、鋭い氷柱を地面から地面から生やした刹那。
 ――どんっ。
『え、ちょっ、ぎゃあっ!?』
 鋭利なトゲが無数に生えた地面へと、影朧を突飛ばす蛇ノ目。
 そして慌ててそれを避けようと作家がすれば。
『……! うぎゃっ』
 すかさず上から氷柱を撃ち落とし、確り逃がさず犯行に及びます……!?
 そう……凶器は氷柱。
「時間が経てばあら不思議」
 蛇ノ目は現在実行中の完全犯罪計画を、得意気に口にする。
 ――凶器が消えた後にゃあ無数の穴が空いた死体だけが残るって寸法さ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

呉羽・伊織
【花守】
俺の死因は犯人ほぼ狐だった気がするんだが――ってかお前に至っては唯の大往生では
(罪を擦り付けられた感満載の相手を何とも言えぬ表情で見て)
くっ二回も言うな!
(序でに菊里の言葉にまた過労気味になりつつ、相手の顔と硯箱をちょっとだけ同情込めて見比べ――もうどんな顔すれば――ウン、笑うしかないかな!)
まぁ、何だ、事実は小説より奇なりとはよくいったモノ
センセもぼちぼち覚悟しといたのが身の為もとい心の為ダヨ、とでも言っとくか!

茶番の流れごと断つ様にUC
心中道具は鋼糸で絡め取って落とし早業で肉薄
野郎と心中なんてお互い御免だろ!
烏羽でフェイント放ち、忍ばせた花明で一撃

――次は、良い結末を掴めると良いな


千家・菊里
【花守】
さて、極楽を見せて頂いたお礼を致しましょうか(本当に天にも昇る様な心地を味わえたほくほく御馳走三昧に、ある意味普通に感謝しつつ)
いやだなぁ、俺はちょっと話に花を咲かせただけですよ
全てはなんやかんやで黒幕に仕組まれていた罠だったのですよ、たぶん
ええ、元を辿ればこんな所に炬燵をおいた人がいけないのです
頑丈で暑苦しいヤドリガミになるかもしれない炬燵がなければ、あんな事には――(特に大事ではないけどもう一度言いました
)
ふふ、まぁ衝撃の事実と結末は相応しき方の手で――という事で

言葉切ると同時にUCで原稿燃やし
狐火でフェイント掛けつつ伊織と同時に肉薄

――めでたしと、笑って結べる様に祈っておりますよ



 犯人なはずなのに、被害者に寄ってたかって刺されたり殴られたり散々した挙句。
 ちょうど死体を確認するついでに、よろよろの身体を炬燵で癒そう……なんて思っていたのに。
 そこには、炬燵にぬくぬく入っている死体、もとい。
『あっ! やっぱり死んでない!?』
「さて、極楽を見せて頂いたお礼を致しましょうか」
 むしろ死んでいるどころか、ほくほく活き活きしている千家・菊里(隠逸花・f02716)の姿が。
 いや、豪勢な御馳走三昧なひとときは、本当に天にも昇る様な心地でした、ええ!
 そんなある意味極楽浄土の境地で、普通に影朧に感謝している菊里の隣で。
「俺の死因は犯人ほぼ狐だった気がするんだが――ってかお前に至っては唯の大往生では」
 ぱたりと自分が過労死とショック死をした原因を思い返しつつ。
 安らかすぎる悔い無き死を遂げていた連れに、遠い目をする呉羽・伊織(翳・f03578)。
 そんな伊織の言葉にも、追い蜜柑を何気に剥きながら、しれっと言ってのける菊里。
「いやだなぁ、俺はちょっと話に花を咲かせただけですよ。全てはなんやかんやで黒幕に仕組まれていた罠だったのですよ、たぶん」
 ……いや、どう考えても明らかに狐の犯行なのに。
 何故か罪を擦り付けられた感満載の作家を、何とも言えぬ表情で見遣る伊織だけど。
『え、何? 御馳走大往生殺人事件? 犯人は……炬燵?』
 それって殺人事件なのか、普通に寿命では感すらあることを呑気に言う犯人。
 そんな犯人の推理を聞きながら、菊里はこくりと頷く。
「ええ、元を辿ればこんな所に炬燵をおいた人がいけないのです」
 そして、ふう、とひとつ溜息をついてから。
「頑丈で暑苦しいヤドリガミになるかもしれない炬燵がなければ、あんな事には――」
 特に大事なことではないけれど、二回言います!
「くっ二回も言うな! オレの炬燵はほわほわ系のカワイイ女子のハズ……!」
 そんな伊織に、ナチュラルに追撃するのは影朧であった。
『え、そこの残念なイケメンおにーさんの恋人は炬燵ちゃんなの? 僕の愛し君はね、この『桜の君』だよー』
「…………」
 菊里の言葉にまた過労気味になりつつも、伊織は作家の言葉に複雑な表情を宿す。
 あながち、この炬燵も頑丈で暑苦しいヤドリガミになるかもしれない可能性が十分あることを……炬燵ちゃんが野郎であるかもしれないことを、知っているから。
 そして『桜の君』が別嬪な乙女だと思っている相手の顔と件の硯箱を、ちょっとだけ同情を込めて見比べてから。
 ――もうどんな顔すれば――ウン、笑うしかないかな!
 伊織は作家にこれだけ、言っておくことにする。
「まぁ、何だ、事実は小説より奇なりとはよくいったモノ。センセもぼちぼち覚悟しといたのが身の為もとい心の為ダヨ」
「ふふ、まぁ衝撃の事実と結末は相応しき方の手で――という事で」
 菊里も剥いた蜜柑を食べ終わってから、そうそっと瞳を細めて。
『あ、そうだ、忘れてた。そろそろちゃんと死んで貰おうかなー』
 作家が刹那ばら撒いた原稿用紙と桜花弁を燃やしたのは、言葉切ると同時に菊里が成した狐火。
 そして今までの茶番の流れごと断つ様に、陣風の如く飄々と。
「野郎と心中なんてお互い御免だろ!」
 放たれる心中道具を鋼糸で絡め取っては落とし、素早く菊里と共に影朧へと肉薄して。
 燃え盛り折り重なる狐火の赤と冷ややかなる黒き烏羽の刃が、同時に作家へと繰り出された瞬間。
『……!!』
 櫻居・四狼という作家で在った影朧の身を貫くのは、伊織が懐に忍ばせておいた花明の一撃。
 そして伊織と菊里は、消えゆく影朧の姿を見遣りその心に改めて思う。
 ――次は、良い結末を掴めると良いな。
 ――めでたしと、笑って結べる様に祈っておりますよ。
 もう何度目になるか……彼が躯の海へと還ってゆく、その姿を見送りながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月06日
宿敵 『或る作家の残影』 を撃破!


挿絵イラスト