Honor for Minor(作者 五条新一郎
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#アックス&ウィザーズ  #猟書家の侵攻  #猟書家  #異端神官ウィルオーグ  #パラディン 


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 アックス&ウィザーズの辺境、崩れかけた神殿跡。その敷地の広さと、柱に残る精緻な装飾が、往時の繁栄を偲ばせる。
 長年風雨に曝され続けたのだろう、すっかり朽ち果ててしまった祭壇に向かい、祈りを捧げる騎士が一人。ポニーテールに纏められた煌めく金髪が、冷たい風を受けて揺れる。
 信仰も廃れ、忘れ去られるばかりの神を、尚も崇め続けるかの騎士。栄華も栄達も望めぬ道を、只信心故にのみ歩む騎士。それ故であろうか。
「…今の声は…?」
 伏せていた瞼を開き、端麗なる貌に困惑と驚愕の色を浮かべる騎士。
 彼女の耳に、邪悪なるものの存在を告げる声が、響いていた。それは他ならぬ、彼らの信仰の祖――。



 その神殿跡から然程離れぬ、とある都市にて。
「シリウス様!」
「我らが英雄シリウス様!」
「我らの全て、貴方様の御為に!」
 広場に溢れる、人々の声。熱狂に満ちたる彼らの声は全て、その中心に在る一人の騎士を讃えるものだ。
「…悪くない」
 漆黒の鎧から、神々しき白光を輝かせ。その騎士は、満足げであった。
 かつては何を成せども親友たる英雄の影に隠れ。嫉妬から親友を手にかけた事で悪と断ぜられた過去。今こうして人々の称賛を一身に受ける現状は、或いは己が願ってやまなかった光景だったのかもしれない。
「貴方様のお力、貴方様の威光。この街に、貴方を讃えぬ者などおりませぬとも。全て、貴方様がかつて成したる偉業ゆえのこと」
 傍らに控える神官の男が告げる。それを聞いて騎士は確信する。ついに、己の力が、業績が、正しく評価されたのだと。
 感慨深げな騎士を横目に、神官は心中のみにて小さく呟く。
(――全ては、我が力による虚構の栄華であるがな。しかし、この狂信こそ貴様の力の源。真実を知らぬまま、精々酔いしれるが良い――)



「皆様、アックス&ウィザーズを侵略中の猟書家に、新たな動きが確認できました」
 グリモアベースに集った猟兵達に対し、グリモア猟兵、アウレリア・フルブライト(輝くは黄金の闘志・f25694)が告げる。
「此度予知にて見えました猟書家の名は『異端神官ウィルオーグ』。彼はとある街の住民全てを洗脳し、共に連れてきたオブリビオンを崇拝させているのです」
 そして、その崇拝によって生じた信仰心を蒐集し、かのオブリビオンへ注ぎ込み。以て、このオブリビオンの力を大幅に増強――彼が『偽神』と称する存在へと仕立て上げたのだという。
「どうやら、この偽神としたオブリビオンを、来る天上界への侵略の際の中心戦力にするのが狙いのようですわね」
 無論、そのような企みを捨て置くわけにはいかない。
「此度皆様にお願いするのは、ウィルオーグ及び偽神化したオブリビオンの殲滅となるのですが…もう一点、ご留意頂きたい点があります」
 何かと猟兵の一人が問えば、アウレリアは頷き。
「実は我々に先んじて、現地のパラディンの方がお一人、現場となる街に向かっておられるのです」
 曰く、かのパラディンは、アックス&ウィザーズでも最早忘れ去られた古き神の一柱『知識の神エギュレ』を今尚崇める『エギュレのパラディン』の一人。名を「パティ・ウヴァル」と云う女性である。
「彼ら彼女らは、名誉も称賛も有り得ぬ生き方を、ただ信仰のままに選び歩み、人知れず人々を守る騎士達。どうやら、信仰に基づく巡礼の旅の最中、特別な天啓を受けたが故に、かの街へ向かっているようなのです」
 何故かといえば、彼ら彼女らのエギュレ神への信仰を創始したのは、他ならぬ猟書家ウィルオーグ――無論、オブリビオンではない生前の――であるためだろう、とアウレリアは推測する。
「オブリビオンとなったことで歪み堕ちた信仰の祖を討つ、という使命を帯びたのでしょう。――しかし、敵はウィルオーグと偽神、二体の強大なオブリビオン。彼女一人で敵う相手ではありません」
 今なら、現地にて会敵前のパティとの合流が叶う。共闘し、二体のオブリビオンを討ち倒して欲しい。そう頼むアウレリアであった。

「まずは偽神となったオブリビオン、『黒騎士シリウス』の撃破をお願いします」
 彼は偽神として、洗脳された人々の信仰心から生ずるエネルギーを得ており、通常より大幅に強化されている。歴戦の猟兵であれど苦戦は免れ得ぬ敵だが――唯一つ、大きな弱点があるとアウレリアは言う。
「視界内にてエギュレのパラディンが『無敵城塞』のユーベルコードを使用した場合、必ずそちらへ攻撃を仕掛けてしまう、という性質があるのです」
 無敵城塞といえば、パラディンの基本と言うべきユーベルコード。エギュレのパラディンもパラディンである以上、このユーベルコードを習得しているのだろう。
「ですので、現地のパラディン――つまりパティさんに守りを任せ、その隙に皆さんが攻撃する――そんな連携が取れれば、有利に戦えるかと思います」
 ただし、無敵城塞は永続的に効果を発揮し続けられるものではない。再使用までの隙を補う方策も、何かしら用意しておいた方が良いだろう。

「シリウスを撃破しましたら、後はウィルオーグを打ち倒すのみです」
 彼は偽神のような弱点を持たず、また偽神程ではないにせよ十二分に強大なオブリビオンだ。油断せず当たるべきであろう。
 また、パティも引き続き戦闘に参加する。猟兵程の戦闘力は持たないが、少なくとも戦力として数えることは可能だ。うまく連携して戦っていきたい。

「ウィルオーグさえ倒せば、街の人々の洗脳は解けるでしょう。戦闘中はめいめい逃げておりますし、オブリビオンも彼らを狙いはしませんので、特段の対処は不要かと」
 即ち、目前の敵に全力を注げば良い、ということだ。
「説明は以上となります。それでは、早速転送を開始致しますわよ!」
 アウレリアが片手を掲げれば、その手に輝くは己の家紋を模したグリモア。
 輝きは広がり猟兵達を包み込み…アックス&ウィザーズのかの街へと、彼らを導いてゆく。


五条新一郎
 あの世で詫び続けるのは果たして誰か。
 五条です。

 対猟書家戦、アックス&ウィザーズ編。
 此度の相手は、偽神操る異端神官でございます。

●このシナリオについて
 このシナリオは「対猟書家戦」のシナリオとなります。
 二章で完結となりますのでご了承ください。

●目的
 偽神『黒騎士シリウス』及び猟書家『異端神官ウィルオーグ』の殲滅。

●戦場
 アックス&ウィザーズのとある都市。割と大きい街です。
 主戦場となるのは街の中心の広場ですが、プレイング次第ではそれ以外のエリアで戦うことも可能です。
 住民もいますが、オブリビオンは彼らへ攻撃を仕掛けないので特段の対処は不要です。

●NPC
 パティ・ウヴァル:人間、年齢20代前半、女性。
 天啓を受けこの地へ乗り込んだエギュレのパラディン。温和ですが勇敢。
 無敵城塞発動時は、エギュレ神に祈るような姿勢を取ります。

●第一章
 偽神『黒騎士シリウス』との「ボス戦」です。
 彼は信仰の力により大幅に強化されていますが、視界内でパティが無敵城塞を発動すると必ずそちらへ攻撃してしまう、という性質を持ちます。
 因みにウィルオーグは、シリウスが手出しを拒むため彼が倒れるまで動きません。

●第二章
 猟書家『異端神官ウィルオーグ』との「ボス戦」です。
 ウィルオーグはシリウスのような性質は持っていません。
 彼を倒せば住民の洗脳は解けます。

●プレイングについて
 第一章はOP公開時点から、第二章は章移行後に断章を投稿しますのでその時点からプレイングを受け付けます。
 一章・二章共通で『パティと共闘する』ことでプレイングボーナスがつきます。

 それでは、皆様の信心深きプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『黒騎士シリウス』

POW ●その力……俺の物にしてやる!
対象のユーベルコードを防御すると、それを【黒炎が複製し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
SPD ●力がなければ何もできない……何も……何も!
【力を奪い去る呪詛の黒炎 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●力だ……もっと俺に力を……!
自身に【呪われし禁断魔術の力 】をまとい、高速移動と【呪詛の黒炎による斬撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はステラ・アルゲンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
これは、急いだ方が良さそうですねぇ。

パティさんの経路上で待ち構えれば合流は可能でしょう。
『別口で依頼を受けた者』として協力を提案、教えて良い情報は全て伝えますねぇ。

会敵しましたら『F●S』3種を展開し【接穣】を使用、『祭器』全てを強化しますぅ。
そして、パティさんが【無敵城塞】を使用中は強化した『F●S』3種で集中攻撃、解除時は『FSS』『FBS』を守りに使い凌ぎますねぇ。
【接穣】の効果で『強化』に加え、破壊されても即修復可能になっておりますから、積層させれば防御可能でしょうし、『祭器』を主体に強化する【UC】ですので、複製しても扱えません。

後は繰返し、確実に叩きますぅ。


 グリモアベースからの転移を果たし、件の猟書家――ウィルオーグによって制圧された都市の入口に降り立った猟兵達。
 その一人――荒野に吹く風に緑の黒髪靡かせる少女、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は周囲を見回し、状況を把握せんとする。
(パティさんはもう到着なされたでしょうかぁ。急いだ方が良さそうですが…)
 程無く、荒野の砂塵の向こうへ現れた人影。白銀の鎧に身を包んだ姿、ポニーテールに纏めた金髪。間違いない、彼女がかのエギュレのパラディン、パティだ。
「そこのお方、もしやこの街に御用のあるお方でしょうか?」
「如何にもその通りですが、貴女は…?」
 となれば合流を果たすのみ。早速声をかけたるこるに、パティはやや驚いたように、しかし冷静に応えを返す。
「私は、この街を支配する存在を打倒するようにと、別口で依頼を受けた者ですぅ」
 いきなり猟兵と言っても把握しきれないだろう、と判断し、仮の経緯を伝えるるこる。尤も、それと共に伝えた情報に偽りは無い。
「――偽神、ですか。まさか我らの大祖が、そのような…」
「今の彼は、皆様の知るウィルオーグさんとは別人かとぉ」
 天啓の時点で知ってはいたが、改めて己の信仰の祖が悪為す存在と化したことに、衝撃を隠せぬ様子のパティ。しかしフォローめいたるこるの言葉に頷き。
「ええ、故にこそ。彼の教えを今日に継いだ私がやらねば。協力、致しましょう」

 そして都市への突入を果たしたるこるとパティは、その中心たる広場にて偽神――シリウスと会敵する。
「…何が目的かは知らないが。この俺を倒すというなら、やってみろ!!」
 早速とばかりに仕掛けてくるシリウス。黒き炎纏う重厚なる大剣を、圧倒的な膂力で以て軽々と振り回し。二人を目掛けて、暴風めいた斬撃を次々と繰り出してくる。
「強化されているというのは本当のようですねぇ…!」
 数多の強大なるオブリビオンとの戦いを経てきたるこるをして、斬撃本体を躱すのがやっとという攻撃。伴う黒炎が波の如く押し寄せ、女性性を詰め込んだ肢体を焼き焦がす。このままでは防戦一方だ。
「でしたら…パティさん! 暫く時間稼ぎをお願いしますぅ!」
「承知しました…!」
 るこるに応を返すパティは即座に構える。剣の柄を両手で逆手に掴み、胸の前にて垂直に。エギュレのパラディンが礼拝の折に行う作法の一部。その構えこそが、彼ら彼女らのユーベルコードの発動の構え――
「貴様…!!」
 憎悪滾る声音でシリウスが吼える。重く鋭い斬撃を、パティ目掛けて幾度も繰り出す。一撃一撃が致命の威力を持つそれらの攻撃を、然しパティは全て受け止めやり過ごす。己の肉体を無敵と為すこの力にて、シリウスの意識と攻撃を引き付ける業は、だが永続するものではない。
「大いなる豊饒の女神、豊かなる器を今一度、新しき力へとお導き下さい――!」
 故にるこるもまた動く。パティの行いと同様に、己の信ずる神――豊穣の女神へと祈りを捧げる。背後へ展開した浮遊兵器群が眩く白き光を帯びたるは、かの女神が使徒の祈りに応えたが故か。
「貴方の相手は私ですよぉ!!」
 そして攻撃を開始。熱線を放つ浮遊砲台十六門、炸裂弾を放つ盾つき砲台八門が一斉に火を噴き、黒騎士目掛け砲撃を繰り出す。更に十二枚の戦輪が飛翔して続く。
「ぐおぉぉっ!?」
 祈りの効果で、それら兵器群の力は大幅に増している。偽神たるシリウスの肉体へも傷を刻む。砲撃が落ち着いた直後、無敵城塞の解けたパティは飛び退き距離を取る。
「ちぃ、逃がさん!」
 そこを追撃せんと大剣を振りかぶるシリウスだが、その横合いから戦輪が飛来し腕や剣へ斬りつけ軌道をずらし。更に光の盾を展開する砲台群が密集し斬撃を食い止め。
 パティの身を守りきった代償として砕け散ったそれらの武器群は、祈りの力で即座に再生を果たす。
「小癪な…だが、その力、俺も頂いたぞ…!」
 シリウスの大剣を包む黒炎がより一層激しさを増す。るこるの祈りが為したユーベルコード、其を彼もまたユーベルコードで複製してみせる。
(祭器ではなさそうなのに強化されるのですかぁ…!)
 予測が外れ、心中慄きを漏らするこる。なれど為すことは同じだ。熱線を、炸裂弾を撃ち放ち、戦輪の斬撃で攻め、守る。
「力無き者は何も為せぬ! 精々、足掻いてみせるがいい…!」
 広場の一角を破壊しながらの苛烈なる攻防。なれどるこるの攻撃は確実にシリウスを捉え、傷を重ねせしめてゆく。戦いは、未だ始まったばかり。
成功 🔵🔵🔴

テラ・ウィンディア
神様か…そういえばヘカテも神様みたいなものっぽいよな

あんたがパティか
おれはテラ…竜騎士だよ

信じるものが歪むのは辛いよな
だからおれも手伝うぞ!

【戦闘知識】
シリウスの動きと癖の把握
【属性攻撃】
炎を全身と武器に付与
連携

パティが無敵城砦を展開中は【二回攻撃・重量攻撃・早業・串刺し】
槍による串刺しと剣に切り替えての連続斬撃で襲い掛かる

無敵城砦解除時
UC発動!
パティを庇う立ち位置で猛攻を仕掛け

敵の攻撃は【見切り・第六感・残像・空中戦】で飛び回りながら回避

呪詛の黒炎はガンドライドを展開し【レーザー砲撃・遊撃】で迎撃と剣と太刀で切り捨

神様ってのは人の心にあって導くもんだっ!
あんたは唯称えられたいだけだろっ!


「ぬぅん!!」
「くぅ…っ!」
 重々しい金属音と共に、シリウスが振り下ろした大剣をパティの盾が受け止める。だがその膂力までは抑えきれず、パティの身は数m後退ると共にその守りの姿勢が崩れる。
「惰弱! その程度の力では何も守れぬ、何も為せぬ!」
 嘲るように言い放つが早く、シリウスは追撃の刃を振り上げる。
「己の無力を嘆き、呪い、そのまま果てるがいい!」
 パティが再度盾を掲げるより早く、その兇刃は振り下ろされ――
「させるかっ!!」
「ぬぅっ!?」
 直前、響いた声と風斬る音。シリウスが咄嗟に大剣を掲げ構えれば、刀身へ衝突する鋭い金属音。其を生じせしめた、炎纏う太刀と直剣を振るうは、見目未だあどけなき少女の双腕。
「小癪な!」
 押し返し崩さんと、シリウスが大剣を跳ね上げる。その力を逆に利し、少女は飛び退き。宙返りを経てパティの傍らへと着地する。
「あんたがパティか?」
「え、は、はい…貴方は…?」
 問いを投げる少女、彼女が己の名を知っていることに驚きつつも、パティは肯定と共に問い返す。
「おれはテラ…竜騎士だよ」
 少女――テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は不敵な笑みと共に聖騎士へ名乗る。その様相にパティは直感する。この少女、未だ幼いとすら言える歳の頃にありながら、幾つもの死線を潜り抜けてきた身である――と。
「あんたの処の教祖が、歪んだ在り方で蘇ったと聞いてね」
 信じるものが歪むのは辛いよな、同情的なその言葉に、パティは沈痛げに頷いて。
「だから、おれも手伝おう。あんたの信じたものを、守るために!」
 しかし続く言葉を聞けば、肯定の頷きもまた力強く。テラは二刀を構え、パティは剣と盾を構える。
「守るなどと下らぬ! 力とは! 奪うのみのものよ!!」
 そこへシリウスが再度攻撃を仕掛けてくる。横薙ぎに振るわれた大剣、その速度は暴風じみて凄まじく。
「ぐぅっ!?」
 太刀と直剣とを交差させてその斬撃を受けるテラだが、そこに込められた膂力は格別の重さを斬撃に与える。吹き飛びそうになる衝撃を、どうにか数m地を滑る程度に押し留める。
「パティ! 頼む!」
 追撃を為さんと踏み込むシリウスを前に、パティへ呼びかければ。彼女は咄嗟に剣を下向けて構える祈りの姿勢へ移行する。発動するは無敵城塞、パティの総身を不壊と為して。
「貴様…!」
 シリウスの視線が、半ば本能じみてパティへ向けられる。テラへの追撃の為に構えていた刃は、彼女を狙い振るわれる。響く重い金属音は、だが肉を裂くには至れずに。
「そこだっ!!」
 横合いから突き出されるはテラの槍。一瞬にして二刀から持ち替えた炎纏う槍が、シリウスの脇腹を浅く抉る。
「ぐぅ…っ、貴様…!」
 忌々しげなシリウス、だがその刃はパティにしか向けられぬ。一撃、二撃、未だ城塞の守り綻びぬ彼女の身へ、無為と理解すれども刃叩き付けずにおれぬ。その間にもテラの槍を受け傷が重なる。身のこなしを以て重傷は避けているが、反撃は侭ならず――
「…くっ!」
 だがそこでパティの無敵城塞が限界を迎える。守り失われた身を斬り断たんと、シリウスは再度刃を振り抜かんと横薙ぎに――
「お前の相手は…おれだ!!」
「ぐおぉっ!?」
 聖騎士の命脈断たれるを阻止したのは、超音速にて彼の懐へ飛び込んできたテラだ。ユーベルコードを展開し、その身を超重力のフィールドで包み、時速9500kmもの速度で肉薄。再度持ち替えた太刀と直剣で以て、シリウスを黒鎧の上から斬らんとしたのだ。
「ちぃ…っ! だがその技、覚えたぞ…!
 しかしシリウスもまたユーベルコードを発動。テラとは根本の理屈が異なれど、超重力のフィールドを展開し、闘争心で以て己の力を更に高めてみせる。
「神とならんとするこの身に、不可能はない…!」
 そして飛翔開始、上空からパティを狙いにかかるが。
「お前の! どこが神だ!!」
 テラもまた対抗して飛翔、パティを庇うかのように位置を取り、シリウスの攻勢を押し留める。
「神様ってのはな、人の心にあって導くもんだ! あんたはただ、褒め称えられたいだけだろ!!」
「貴様に…何が分かるッ!!」
 同時に放ったその言葉を受け、激したようにシリウスは吼える。大剣を振るい、黒炎を浴びせてテラを攻める。テラは展開した浮遊砲台群からのレーザー攻撃を以て黒炎を払い、シリウスの斬撃の合間に己の攻撃を撃ち込みにゆく。
 都市上空にて繰り広げられる、壮絶なるドッグファイト。制するは果たして誰か。
成功 🔵🔵🔴

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第三『侵す者』武の天才
一人称:わしら(今回はこちら多用)/わし 豪快古風
武器:黒燭炎、四天霊障

パティ殿に共闘依頼を。
…すまぬ、UCをコピーして使ってくるであろうから、それに合わせて『無敵城塞』をお願いしたい。
あと、結界術を施しておこう。隙への対処となろう。

…さて、こういう場でなかったら、存分に殴り合いもしてみたかったのだがの。
黒燭炎での二回攻撃。一回目はなぎ払い、二回目で指定UC発動よ。そのあとは、四天霊障での押し潰しも行おうかの。

わしらは、守るために戦うのだ。だからこそ、共に打ち倒そうぞ。


 上空より急速に降下してくる黒き影。地へ激突せんとする、その寸前に身を翻し着地。激しく地を擦る音を上げながら、十数mの距離を滑った末に止まる。
「ちぃ…っ」
 忌々しげに呻きを漏らすはシリウス。その身に纏う鎧は所々装甲が砕け、隙間からは少なからぬ血が滴る――然し。呻きに次いで漏れたは、くつくつという低い笑い。
「――だが。退けた。俺に敵う者など、いようはずがない」
 最後の反撃でここまで吹き飛ばされたしたものの、空中戦は制した。なれば後は。
「……!」
 広場の先、身構えるパティのもとへ無造作に踏み込み――彼女を眼前とする、その数歩手前で止まる。その刹那の間に、異なる気配を感じた。
「…え、貴方は…?」
 その気配にパティも気付き、振り向き見上げる。異国の赤き鎧を纏った初老の男。なれど、その気配には違和感。そこにいるのは一人だけのはずが、何故か複数人の気配がそこからは漂っている。
 さにあらず。彼の名は馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)――かつて四人の男、戦友同士であった者が、オブリビオンの暴虐に殺められた後、一体の悪霊として現れた者であるが故に。
「――わしらは猟兵。彼奴らを討つべく訪れた者。ぬしがパティ殿…で良いな?」
 口を開けば、低くも力強き声音。義透はパティの問いに答え、確認めいて問い返す。表に出られるは一人――此度は第三の者『侵す者』――なれど、四人は常に共に在る。故に己を多勢と称す。
 問いへ頷き答えを返すパティを確かめれば、視線は再びシリウスへ。彼は身構え、義透の出方を窺っている様子であった。
「…すまぬが、一つ頼まれたい」
 彼がいつ動きだしても良いように。視線を外すことなく、義透はパティへ語りかける。彼女の返事を受け、続けた言葉は。
「奴は、此方の業を模倣する業を持つ。わしの業を模したる業を以て仕掛けてきた時に、ぬしの業を使って頂きたい」
 即ち、無敵城塞を用いる機の提案。彼の業とは何か、と怪訝げな表情はしつつも、諾の返答を返すパティ。義透は頷き、ひとたびシリウスから視線を外すと小さく九字を切る。
「何のつもりか知らんが! 全て無駄なことだ!!」
 その隙を逃さぬとばかりにシリウスが踏み込む。その勢いのままに振り下ろした大剣を、二人共に飛び退き躱す。
「…お膳立ては斯様なところか。こういう場でなければ、存分に殴り合いもしてみたかったのだがの」
 偽神化の影響もあろうが、シリウスの剣は重く、速い。武の天才たる今の彼としては、彼と刃を交わし合いたかった、という処が本音であったようだが。
「今は、些か多くのものを背負っているのでな…倒しに行かせて貰おうか」
 着地と共に抜いた得物は、一見何の変哲もない槍。なれど今の義透が恃みとする得物。その銘を『黒燭炎』。
「小賢しい!」
 薙ぎ払うように振るわれた槍を大剣で受ける。だがその動きは完全なる義透の予測通り。
「頂くぞ」
 薙ぎ払いの踏み込みから、更に一歩の踏み込み。前進の動きに上半身のバネを乗せ、大剣が止めた槍をそのまま刺突へ移行。
「ぐぁっ!?」
 滑るように突き出された槍は、一気にシリウスの肩を捉え…鎧もろとも、その舌の中身を爆砕せしめた。吹き飛んだ肉から鮮血を滴らせ、呻くシリウス。
「ぐぅぅ、まさかこのような…! だがその業。覚えたぞ…!」
 なれど彼とて黙ってはおらぬ。その大剣に黒炎を纏い、力を高める。その槍を受ければ、今しがた義透がやったような…或いは、更なる事態に至ると思わせる代物。
「これで…断ち割れろ…!」
 シリウスが踏み込む。振りかぶった刃の狙いは義透へ。その肉体を粉々に打ち砕かんばかりの斬撃。繰り出さんとしたまさにその時、視界に、祈る聖騎士の姿が映り込み。
「…まずは…貴様だ!」
 彼女――パティのもとへと踏み込み、振り下ろされる刃。だがその祈りこそは彼女の無敵城塞。確かな信心に支えられたユーベルコードが、破壊の一刀を完全に無力化せしめた。
「な…っ!?」
「奪うだけの貴様に、我らの戦は理解できまい」
 その隙へ踏み込む義透。シリウスの周囲の空間が歪む。増大する重力。それは義透という人間を形作る、四人の人間の無念が力得たるモノ。己も、故郷もオブリビオンに奪われた者の嘆き、怒り――
「わしらは、守る為にこそ戦うのだ…!!」
 故にこそ、打ち倒してみせる。想いは制御不能の重力圏と化して、黒騎士を圧迫し苛んでゆく。
成功 🔵🔵🔴

フェリクス・フォルクエイン
連携アドリブ歓迎
【木陰】で参加。
「えーと、僕もごく普通の聖騎士なんですけど?」
こう、聖騎士として勘定されてないんじゃないかとちょっとだけ危惧しちゃったりしますが、戦いが始まったらそっちに集中
「親友の影に隠れて嫉妬? つまり僕への挑戦ですね」
「僕なんてごく普通って主張してるのに、ことあるごとに性騎士とかサキュバスナイトとか言われるんですよ! 目立たない、ごく普通がどれだけ有り難いかを知らないからっ、あなたのような人がいるからっ!」
「防御したUCを真似るなら自己強化は真似られませんよね?」
「今です、無敵城塞を」
パティさんに協力して攻撃を誘引してもらい、出来た隙に攻撃力強化で怒りの一撃を叩き込みます


高柳・零
【木陰】
POW
おお、本場の聖騎士さんが困ってると…これは是非助けに行かねば。
行きましょう、フェリクスさん、玄信さん!

「パティさん、相手はオブリビオンです。自分達も協力しますよ」
協力関係を築けたら、敵の弱点を伝えて無敵城塞での囮をお願いします。

「聖騎士はパティさんだけじゃないんですよ!え?フェリクスさんはサキュバスナイトですよね?」
敵の攻撃は全身に展開したオーラと盾で受け、パティさんを庇いながら戦います。パティさんが無敵城砦を解いた時の防御も引き受けます。

パティさんが無敵城塞を使ったら、素早く2回攻撃で1撃目をフェイントにし2撃目の天斬りを確実に当てるようにします。

アドリブ、絡み歓迎です


山梨・玄信
【木陰】
そう言えばフェリクス殿もこの世界の出身じゃな。
職業は違うが…。

【POWを使用】
パティ殿にはわしも猟兵だと伝え協力を申し出るぞ。
…今回、わし以外全員聖騎士なんじゃな。口に出しては言わんが。

戦闘では褌一丁になりUCを発動。強化された戦闘力で見切りと第六感で攻撃を躱し、避けきれ無ければオーラ防御で受けるぞい。
パティ殿が無敵城塞を解いた時には、わしも防御に回るのじゃ。

パティ殿が無敵城塞を使ったら、浸透撃(防御無視攻撃)の連打で攻めるぞ。
フェリクス殿の言う通り、自己強化はコピー出来んからな。

…男の娘にテレビに褌一丁のドワーフ。見た目を気にしてはいかんぞ。

アドリブ、絡み歓迎じゃ。


 超重力を逃れ、立ち上がらんとする黒騎士シリウス。その身には少なからぬ傷が刻まれては居れど、未だ戦を続けるに障り無しと見えた。身構えるパティ、その背に声がかけられる。
「パティさんですね、助けに来ました!」
 振り返れば、声の主らしき緑髪の少年と、その後ろに続く小柄な二人の姿。片方はドワーフだが、もう片方はその更に半分程度の尚小さな姿――テレビウムであった。
「本場の聖騎士さんが困ってると聞きましたので!」
 そのテレビウムが溌剌たる声音で続く。声質からするに少年のようだ。
「わしらも猟兵じゃ、協力させて貰おうと思うが如何か」
 続いて口を開くのはドワーフ。老成した口調ではあるが、その顔立ちにはあどけなさが見える。此方も少年らしい。
「先程までの皆さんの…! 願ってもないことです!」
 強張っていたパティの表情に安堵の色が見える。三人もの猟兵、大変に心強い援軍であると。
「ところで零さん」
「はい?」
 しかしそこで、緑髪の少年――フェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)がふと、テレビウム――高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)に声をかける。何かと言えば。
「えーと、僕もごく普通の聖騎士なんですけど?」
 先程の零の言葉から、自分が聖騎士として勘定されていないんじゃないか、と危惧したが故の確認らしい。
(ああ…今回、わし以外全員聖騎士なんじゃな)
 その様子に、ドワーフの少年――山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は心中思い当たる。パティは勿論、フェリクスもそう称しているし、零もまたパラディン――TRPG好きが高じて、という些か独特な経緯を経てはいるが――であるが故。
「そう言えば、フェリクス殿もこの世界の出身じゃったな」
 しかし思った事は口に出さず、言及は出身世界のみであった。
「いえ出身世界の話ではなく…!」
 フェリクス、抗議せんと声を上げるが、そこで表情を引き締め身構える。体勢を立て直した黒騎士が、再度身構えたことに気付いたが故。
「有象無象が群れ成すか…だが、何人束になろうと俺には勝てん…!」
 大剣を構える漆黒の姿は光を放ち、禍々しくも何処か神々しさを帯びる。
「パティさん、相手は偽神という強大なオブリビオン。ですが弱点もあります」
 零はパティの傍らまで歩み、敵についての情報を伝える。戦いの鍵が、彼女の有するユーベルコードにあることも含めて。頷くパティ。
「よし…では行くぞ!」
 そして玄信が三人へ呼びかけ――ると同時、何と徐に着衣を脱ぎ捨てた。露わとなる褐色の肉体は既に鍛え抜かれ、少年らしいしなやかさに力強さをも兼ね備えた美体。その身を隠すはただ、褌のみだ。
「そんな恰好で戦する気か! ふざけるな…っ!?」
 玄信の行動に声を荒げるシリウスだが、直後にその認識を改めることとなる。弾丸じみた速度で突っ込んできた玄信、振り抜いた拳を大剣の腹で受ければ、そこに伝わる衝撃は重く。伊達や酔狂で、戦場にてこのような姿を晒しているのではない、と。
 それこそは玄信のユーベルコード、己の露出度と『脱ぎ力』なる概念の力によって戦闘力強化を図る代物だ。即ち今の姿は、全裸の次ぐらいに戦闘力向上が見込める姿でもあるのだ。
「お主のユーベルコード、わしらのそれを複製するものと聞くが。自己強化は複製できまい?」
 輝く褐色の肌も眩しく、不敵な笑みと共に告げる玄信。シリウス、忌々しげに唸りながら大剣を振るう。跳躍して回避し距離を取る玄信に代わり、フェリクスと零が肉薄する。
「聞きましたよ、昔のあなたのこと」
 誓いと裁き、二本の剣を振るいながらフェリクスが告げる。それはグリモア猟兵の予知に見られた一幕。シリウスは応えず、零の片手半剣による斬撃を鎧にて受け流す。
「親友の影に隠れてしまったことに嫉妬していたと…」
「……!」
 そこでシリウスに反応。声なき怒号が周囲に満ちる。だが次の瞬間。
「…つまり、僕への挑戦ですね」
「…何?」
 虚を突かれたか、シリウスの声音は何処か呆けて。
「僕なんて、ごく普通の聖騎士だっていつもいつも主張してるのに、ことあるごとに性騎士とかサキュバスナイトとか言われるんですよ!!」
 そこへ畳みかけるようにフェリクスは叫ぶ。本人としては些かならず不本意な異名で語られる憤懣を。
「え? フェリクスさんはサキュバスナイトですよね?」
「聖騎士ではなかろう?」
「違いますっ!!」
 直後に零と玄信から飛んでくる認識へも突っ込みを入れる。このようなやり取りが最早日常と化しているらしい。
「兎に角!! 目立たない、ごく普通がどれだけ有難いものなのかを知らないから! あなたのような人がいるから…っ!」
 それは彼にとって切実なる問題なれど。
「…ふざけるな…ッ!!」
「うわぁっ!?」
 唸るようなシリウスの怒声と共に、その大剣が唸りを上げて振り抜かれ。身を守ったフェリクスをその守り諸共に吹き飛ばす。
「目立たぬ事が! 平凡なることが! 有り難いなどと…! 貴様らに! 俺の何が分かるッ!!」
 激し叫びながら、その大剣を激しく振るい攻めたてる。広場の街路樹、何等かのモニュメント。次々と斬り落として、刃は次第にフェリクスへ迫り、逃れる彼は壁際と追い詰められ、いよいよその身を裂かんとし――
「パティさん! 今です!!」
 そこでフェリクスが叫べば、備えていたパティが応えてユーベルコード発動。祈りの姿勢から展開される不壊なる防壁。
「貴様ァァァァ!!」
 上がる叫びはフェリクスへか、パティへか。執拗にパティへ無意味な斬撃を繰り返す彼の背後をフェリクスは取り。
「僕だって! 聖騎士なんだ…っ!!」
 叫びと共に、双の剣が炎を帯びて――X字を描くように振り抜いた剣が、シリウスの背中に深い傷を刻む。
「ぐわああああ!!?」
 あまりのダメージは、彼にも叫ぶより他になきもの。なれどパティから目を離すこと叶わず…そのまま、無敵城塞の効果の尽きるまで斬り刻まれて。
「貴様ら…図に乗るな…!」
 シリウスの大剣が、黒き炎に覆われ。その殺気が膨れ上がる。何等かのユーベルコードの作用とも見えるが、こんなユーベルコードを用いるなど情報には無かった。
「まさか…僕のユーベルコードを?」
「強化系ユーベルコードは模倣できないと聞いたが」
 呻くようなフェリクスに、疑問を呈する玄信。己のユーベルコードは模倣されなかったのに、と。
「貴様のユーベルコードなど…無意味!!」
 断言するシリウス。それを見た零は思い当たる。
「…このオブリビオン、玄信さんのユーベルコードと相性最悪でしたね」
 即ち、全身を鎧で覆った彼に、露出度に比例し強くなるユーベルコードなど使いこなせるはずが無い。故に複製されなかったのだと。
「理解したか。ならば…死ね!!」
 改めて、炎纏う大剣を振り下ろす。標的はパティ。その速度、パティでは到底回避に至り得ぬ程。殺った、そう確信できる一撃は――しかし。
「させません…っ!」
 重々しい金属音、石畳の陥没音と共に阻止される。陥没により形作られたクレーターの中心には零の姿。掲げた盾と、纏ったオーラ、その小柄な肉体の全てで以て、必殺の一撃を食い止めてみせたのだ。
「何…ッ!?」
「隙ありじゃ!!」
 驚愕するシリウスに横合いから突っ込むのは玄信。半裸を利した拳と蹴りの連撃は、鎧の装甲を次々と穿ち、壊してゆく。
「ぐ…ぁ…! 貴…様…!!」
 唸り、反撃を試みるが、視線が向かぬ。はっとなり意識を向けたそこに、祈りを捧げるパティの姿。再度無敵城塞を発動したのだ。
「これで…終わりです!」
 そこを好機と見て跳躍する零。咄嗟に守りを試みるシリウスだが、初撃のフェイントに惑わされ、大剣の守りに隙が生じる。
「天に代わって――悪を斬る!!」
 本命の二の太刀。腰に入ったその刃を振り抜けば、シリウスの上半身と下半身とが両断され、以てトドメの一撃と為さしめた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴


第2章 ボス戦 『異端神官ウィルオーグ』

POW ●第一実験・信仰に反する行動の規制
【論文】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD ●第二実験・神罰の具現化
【自身や偽神に敵意】を向けた対象に、【天から降る雷】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ ●第三実験・反教存在の社会的排除
【名前を奪う呪詛】を籠めた【蝶の形をした黒い精霊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【縁の品や周囲からの記憶など、存在痕跡】のみを攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠クシナ・イリオムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ぐ…あ…そんな…。俺は…俺は、やっと…」
 うわ言めいた呻きを残し、偽神たる黒騎士シリウスは滅び去った。
 なれど猟兵達は構えを崩さぬ。その場に、今一体のオブリビオンが現れたが故に。そして、彼こそは。
「――教祖ウィルオーグ。貴方なのですね」
 偉大なる信仰の祖を前に、丁重な声音で確認めいて問う。
「――成程。私が生前興した教えの信徒か」
 パティの装いに、己の記憶と合致する特徴を見たが故か。得心を以て頷く男――猟書家ウィルオーグ。
「だが、私は理解した。そのような教えで誰が救われるというのか」
 己の興した信仰さえも否定する姿は、パティを驚愕させる。
「忘れられた神など無意味。やはり神は地上に在ってこそ。故に神たり得る者を選び抜き、信仰を集めさせた」
 それが故の偽神でもあったのだという。
「折角の偽神を失ったは痛いが、代わりに貴様らとの交戦の機を得た。より完全なる偽神の創造の為、協力してもらおうか…!」
 狂的なまでの笑みと共に。猟書家ウィルオーグが猟兵達へ襲い来る…!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
『忘れられた神は無意味』というのは否定しませんが、地上にその身は無くとも『信仰』が有れば問題有りません。
対処させていただきますぅ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、【仰域】を使用し『乳白色の波動』を纏いますねぇ。
『論文の命中』の意味にもよりますが、それによって示される内容如何に関わらず、それが『ユーベルコード由来の実体のないダメージ』である以上、この【仰域】で吸収可能ですぅ。
後は『吸収』により強化された『FRS』『FSS』の[砲撃]を降らせ、確実に叩いて参りましょうかぁ。
上手く私に『目線』を引ければ、[援護射撃]による粉塵でパティさんの姿を隠しますので、追撃をお願いしますぅ。


馬県・義透
引き続き『侵す者』

…ふん、協力なぞするものか。ここで退場しておけ。
パティ殿の名は、わしらが覚えておる(呪詛耐性)

二回攻撃のなぎ払い。二回ともに指定UCをつけよう。神を冒涜するのはお主。呪われよ。

『馬県義透』の名を奪ったな?『元々存在しなかった男』の名を。
それは安定させるための認識術式。四を一に束ねる紐よ。
…さて、その紐が失くなったらどうなるか。

答えは簡単、四悪霊が一斉に襲いかかる。四天霊障による四重属性(風、氷雪、炎、重力)押し潰しよ。
今はわしが表に出ておったから、わしがよく見えるだろうが。


このときの『侵す者』の姿は、【真の姿】橙色をした狼を参照願います。生前はキマイラ。


「…ふん。協力なぞするものか」
 馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)、先に続き表へ出ている『侵す者』――朱鎧纏う赤毛の男は、対峙する猟書家ウィルオーグの言葉を真向より切って捨てる。
「忘れられた神は無意味、というのは否定しませんが。その身在らずとも『信仰』が有れば問題ありません」
 続いて夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もまた、ウィルオーグの行為を否定する。己もまた、信仰を胸に生きる者で在るが故に。
「そうです。エギュレ神は今も確かに在り、私をこの地へ導いて下さいました。この信仰は、無意味などではありません」
 るこるの言を受け、確信めいてパティは語る。己の信仰に、確かな意味のある事を。
「――信のみによる存在の立証など、儚きもの。このようにな」
 対してウィルオーグは薄く笑みを浮かべ。同時に、翳した掌の上へ黒き蝶を――その形をした黒き精霊を浮かべ。分裂し数を増やしたそれらが、猟兵達と、そしてパティを目掛け散弾が如き勢いで撃ち出されてくる。
「では、私は証だててみせましょう」
 なれどるこるは動じることなく。自らの信心を以て祈りを捧げる。己の奉ずる豊饒の女神へと。祈りは乳白色の波動となってるこるの身を包み、飛来する黒蝶の全てを払ってみせる。
「くっ…! …ぅ…ぁ…」
 一方のパティはそうはゆかず、剣を以て黒蝶を薙ぎ払ってゆくも全ては払えず。一匹の黒蝶がその肩を打った直後、よろめき、苦悶の呻きを漏らしだす。それは、己が己である証が、世界より消えてゆく痛み。
 己の父母、己の信仰、己の生きてきた道。そして何より、己の名前が。彼女の記憶からも、世界からも消えてゆく――
「パティ殿」
 そんな彼女にかけられた男の声。パティとは誰か。分からない。だが一つ分かることがある。その男――義透を見返す。先の戦いを経て、彼が信頼に値する男であるとは理解している。故に、彼が呼んだその名には意味があると。
「世界がぬしを忘れようとも、わしらは覚えておる。ぬしの名はパティ、信仰に生き、悪に堕した信仰の祖を討つべく此処に在る聖騎士であると」
 義透の語る、己の事。記憶には無くとも、奇妙な実感を覚える。そう、己の名は――
「――パティ・ウヴァル! そう、それが私! エギュレ神にお仕えするパラディンです!」
 名を取り戻した。それは即ち、己を取り戻すことに他ならぬ。以て、パティは呪詛を振り払い。地に足つけて踏み留まる。
「…ほう。受けた者を世界より忘却せしめる呪。貴様には効かなんだか」
 その様子を見たウィルオーグ、興味深げに義透を見る。義透、ふんと一つ鼻を鳴らす。
「この身は悪霊、呪の類はわしらも扱い慣れておるのでな」
「そして私も、豊饒の女神の加護がありますのでぇ」
 その間にるこるが動く。四肢に嵌めた戦輪を回転させ、以て空へと飛び上がる。
「下らぬ。異界の神など些末の存在よ」
 ウィルオーグは眉根を寄せると共に、懐より一枚の羊皮紙と羽ペンを取り出す。ユーベルコードの働きか、一瞬のうちに書き上げられたその中身は。
「――この世界に実在せぬ神への信仰持つ者、ただちにその信心を放棄するべし」
「!!」
 それは論文、彼の論理に基づいて書かれた、彼の認めぬ信仰の無意味さ、無価値さを記し、以てそれらの信仰を放棄する事の正当性を説いたもの。突き付けられたその論文を前に、るこるは目を見開く。
「信仰者という者は愚かなものだ。在りもせぬ神への信仰を、命に代えても守ろうとするのだからな」
 嘲笑と共にウィルオーグは語る。簡単に捨てられる筈の信仰にしがみつく者を、あまりにも滑稽と断ずるが故に。以て、るこるは信仰故に身を滅ぼす――そのはずだった。
「――いいえ。私の信ずる豊饒の女神は確かに存在しますぅ。この身を守る波動こそ、その証ですぅ」
 なれど、るこるは変わらず上空に在る。ウィルオーグの表情が驚愕に歪む。何故だ。この小娘の語る『豊饒の女神』とやらが、この世界に実在するというのか――!
 ――真相はやや異なる。るこるが倒れぬのは、彼女の纏う波動――ユーベルコードや実体なきもの、己を傷つけんとする行為を受け止め吸収する特性を持つ加護によるもの。彼女の奉ずる女神が、この世界に実在する為ではない。
 だが、彼女は信じる。この世界でなかろうとも、豊饒の女神は確かに実在し、異なる世界に在っても己を護り給うているのだと。
「そして、これが女神の加護を得た力ですぅ!」
 浮遊砲台十六基、盾つきの浮遊砲台八基。合計二十四基がるこるの周囲へ展開、砲塔をウィルオーグへと向ける。その砲身は、るこるが纏うものと同じ乳白色の光を帯びる。吸収したウィルオーグの攻撃を、己の力としているのだ。
 砲台群が一斉に火を噴く。熱線と炸裂弾が次々と地上へ降り注ぎ、広場の石畳を砕くと共に爆風がウィルオーグを襲う。
「うおぉぉっ!? ぐ、馬鹿な…! このような力…神などと…!」
 呻きつつも黒き防御結界を展開、降り注ぐ砲撃を凌ごうとするウィルオーグだが。るこるに意識を割いた分、地上への警戒が緩む。
「知らぬ神にまでも涜神を為した報いだ! 呪われよ!」
 爆風を裂いて飛び出てきたのは、義透の振るう槍。ウィルオーグ、結界で食い止めんとするが、強靭なる穂先はそれをも裂いて。
「教祖ウィルオーグ、エギュレ神は確かに存在していたのです…!」
 そこへ更にパティが飛び込み剣を振り下ろす。堕ちたる教祖の腕を裂き、鮮血を飛沫かせる。
 素早く飛び退くパティ、入れ替わって迫るは再び義透の槍。薙ぎ払うその刃がウィルオーグの胸元を裂いて。
「ぐぅ…っ! おのれ…!」
 表情を歪めながらも、ウィルオーグの手には再び黒蝶が舞う。その全てをパティへと差し向けんとして――
「させん!」
 更に刺突で追撃し発動を阻止せんとする義透、だが黒蝶は不意にその軌道を変え、一斉に義透目掛け殺到、命中する!
「愚か者め! 彼奴を狙えば貴様が動くと見たが読み通りよ!」
 侮蔑の笑みを浮かべるウィルオーグ。蹲る義透。これ程の黒蝶の直撃、如何に呪詛への耐性があれど耐えきれるものではない。仕留めたと確信し、改めてパティへ黒蝶を差し向けようとする――が。
「――ぐおぉ!?」
 突如、ウィルオーグの全身を、強烈な荷重負荷が襲う。それだけではない。吹き荒ぶ風と氷雪、そして炎。それら全てが圧力を伴って、ウィルオーグの身へ伸し掛かっているのだ。
「――愚か者とはぬしよ。わしらの名を――『元々存在しなかった男』の名を奪うとはな」
 地へ押し付けられるウィルオーグを、橙色の人狼が睥睨する。その身には幾つもの影が纏わりつき、彼の姿をぶれさせ。一瞬、全く違う存在の姿を浮かばせる。
 名前とは、言わば己という存在の型。名前がつくことで、その存在はカタチを確かなものとする。
『馬県義透』とは、四人の男が一つとなった悪霊が、そのカタチを保つ為に付けた名前、即ち認識術式。
 その名が失われることは、即ち『四人』が分かたれることを意味する。故の、この攻勢だ。
「人の心を、在り方を。弄ぶ権利なんて、貴方には無いのですよぉ!」
 そこへ再度のるこるの砲撃。異端神官の全身を、熱線が貫き、爆風が焼き焦がしていった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

カシム・ディーン
(天より飛来する機神

よう初めまして
天才魔術盗賊のカシムさんです
「そしてそんなご主人サマを乗せてる私が界導神機『メルクリウス』だよー♪メルシーって呼んでね♪この世界の神様を助けに来たよ♪」

ああ…お前に一つだけ言いたい事がある(神官に

地上に在る神なんぞロクなもんじゃねーぞ(心底げんなり


この馬鹿普通にジャパニアって国滅ぼしかけてるからな!

「てへ☆まぁ…神様に変に手綱握らせるとこうなるねー」

早速UC発動
【空中戦・二回攻撃・念動力・スナイパー・属性攻撃・切断】
まずターゲットを中央に固定でしたか(周囲を舞

「次に火力を集中だね♪」(光属性弾を敵を中心に乱射

最後は中央を突破ですね(ハルペーで襲い連続斬撃!


テラ・ウィンディア
悲しいな
きっと本来のお前は本当の神の意味を知っていたのだろうに

よしパティ!
あんたの信仰を見せる時だ!

捕まれ!
UC発動!
【属性攻撃】
全身の炎を強化!更にパティにも付与!

常に神官に炎を放ち続け

【空中戦】
飛びながらもパティを落とさないように且その意志を尊重

【見切り・第六感・残像・武器受け】で巨体とは思えぬ動きで回避しながら

【レーザー射撃・砲撃・早業・レーザー射撃・重量攻撃】
ガンドライドと共にプラズマレーザーブレス
更に重力波砲型ブレスを放ちながら集中砲撃

更にパティと共に接近戦を仕掛けるように突撃!

【二回攻撃・リミッター解除・串刺し・早業】
喰らい付いて串刺しにして叩きつけてパティへ攻撃を繋げるぞ!


 戦場たる街に、重々しく風を裂く音が轟く。ウィルオーグとパティ、両者が空を見上げれば、そこには天より舞い降りる白銀の巨人の姿。パティと共に対峙していたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は知る。それが何で、誰に由来するものであるかを。
「…カシム! 来たのか!」
 呼びかけるテラの声に応えるように、機体の一部が開き。中から黒髪の少年が姿を見せる。カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)だ。
「よう初めまして。天才魔術盗賊のカシムさんです」
 そこからウィルオーグを見下ろしつつ、名乗りを上げるカシム。更に。
『そしてそんなご主人サマを乗せてる私が界導神機『メルクリウス』だよー♪ メルシーって呼んでね♪』
 機体そのものからも声がする。やたらと陽気な、若い少女の如き声。彼女――メルクリウスは、故あってカシムと共にある、境界と旅を司る機神。即ち神である。
「馬鹿な…神、だと…?」
 流石に機械仕掛けの神など想像の埒外であったか、呆気に取られた様子のウィルオーグ。そんな彼へとカシムは告げる。
「ああ、お前に一つだけ言いたい事がある」
「何…?」
 怪訝な表情を見せるウィルオーグを見下ろし、カシムは――何故かげんなりとした表情を見せて。
「…地上に在る神なんぞ、ロクなもんじゃねーぞ」
 曰く、このメルクリウスはかつて、普通にジャパニアなる国を滅ぼしかけたらしい。
『てへ☆ まぁ…神様に変に手綱握らせるとこうなるねー』
 反省しているのかいないのか、妙に可愛らしいリアクションでメルクリウスもコメントする。
「…こんなものが神などと、笑わせる」
 様々な意味で神らしさを感じられないが為か。ウィルオーグは冷ややかに言い放ち。
「神とは姿見せずして裁き下すものよ! このようにな!」
 その手を掲げれば。晴れ渡っていた空を一瞬にして黒雲が覆い、辺りへ雷鳴が轟いて――雷光が迸り、カシム達を打たんとする!
「おっと…! 行きますよ、メルクリウス!」
『はいはーい☆』
 だがカシム達も動く。コクピットを閉めて直後に加速飛翔、雷をすんでの処で躱す。
「無駄だ! 裁きの雷、避けきれるものではないぞ!」
 上空を見上げ、嘲笑と共にウィルオーグは言い放つ。立て続けに迸る雷光が、次々とメルクリウスを襲う。
(…悲しいな)
 そんな異端神官の様子を眺め、テラは眉根を寄せる。生前はエギュレ神信仰の祖であったという彼。きっと生前は、本当の神の意味を知っていたのであろうに。オブリビオンとなってしまえば、その真理を見通した目も曇ってしまうのか。
「…教祖ウィルオーグの教え、その全て。今も私を支えてくださりますのに」
 パティもまた目を伏せて。今の己が此処に在る理由の一つである、他ならぬウィルオーグの遺した教え。今の彼には、それすら無価値であるのだろうか。
「…よし、パティ! あんたの信仰を見せる時だ!」
「え…!?」
 唐突にテラはパティへ声をかける。困惑げなパティへテラは続ける。
「あいつ自身の教えに従って、あいつを倒す! それがきっと、本来のあいつへの手向けになるはずだ!」
「…!! …はい!」
 力強く頷くパティ。テラの傍らへ紅き龍が飛び来る。ユーベルコードによって呼び出された相棒たる紅龍だ。
「行くぞ! おれに掴まれ!」
 光と共にテラの姿は紅龍と重なり、変異し。やがては紅龍を更に巨大化させた、勇壮たる龍の姿へと変身を果たす。その背へパティが飛び乗れば、両者の全身を炎の魔力が包む。
 そして彼らもまた飛翔する。異端神官のもとへと。

「奇怪な輩がまた一匹…! 纏めて我が雷で叩き落してくれる!」
 ウィルオーグは天へ両手を掲げ、上空へ雷光を荒れ狂わせる。
「加速装置起動! メルクリウス、お前の力を見せてみろ…!」
『おっけー☆ ちょっと本気出しちゃうよー!』
 カシムの駆るメルクリウスは一気に加速、雷光よりも尚速い速度で飛翔し回避を続ける。伴って放たれる光弾が、ウィルオーグを目掛け撃ち出されてゆく。
『当たるものか! こっちからも行くぞ!』
 テラは巨体に見合わぬ俊敏な動きを駆使し雷光を回避。幾らかはその身を穿つも、炎の魔力が電荷の拡散を食い止める。返しとばかり、全身から降り注ぐ炎がウィルオーグへ襲い掛かる。
「成程、それなりの脅威と認めねばなるまい。だが」
 苛烈なる攻勢を、黒き魔力の障壁を展開して凌ぐウィルオーグ、合間に取り出した羊皮紙に何やら文章を認めたと思えば。
「――空は真の神のもの。我と信仰違える者、皆、人の手の届く高さへ降りるべし!」
 突き付けた論文は飛翔を禁じる代物。応じて地に降りる機神と龍。だがそれはウィルオーグの優位を意味しない。
「ならば一気に攻めていくとしましょう」
『避けきれないなら火力で押しにいく!』
 カシムは冷静に、目前のコクピットモニタに映るかの猟書家を見据える。目標をモニタ中央へ捉える。
『おれも仕掛けていくぜ!』
 メルクリウスが光弾を一斉に集中砲火すると同時、テラもその顎よりブレスを撃ち出す。それは重力波のプレス、受けたる者を超重力に抑え込み押し潰す代物。更には傍らを飛翔する小型浮遊自走砲台群からも砲撃。
「ちぃ…ぐおぉぉ!?」
 障壁で身を守り続けるウィルオーグだが、襲い来た攻勢には守りは果たしきれず。光弾に障壁を砕かれ、重力波がその身を這いつくばらせる。
『パティ!』
「は、はい!」
 更に、テラの呼びかけに応え、パティがテラから飛び降りる。降下先には何とか立ち上がらんとするウィルオーグの姿。
「教祖ウィルオーグ…! あの頃の聡明さを、今一度…!」
 立ち上がったばかりの身へ、その刃が深く、深く食い込んだ。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

フェリクス・フォルクエイン
アドリブ連携歓迎
【木陰】
「行きます」
論文さえ命中しなければ敵のUCは無意味。愛馬にサキュバス姿となって貰い、残像を伴ってフェイントを交えた動きで翻弄しつつ、野生の勘や第六感の助けも借りて論文を回避。距離を詰め斬りかかります
「もう誰かが言ってるかもしれませんが」
「救われたかどうかを決めるのは僕らじゃなく、教えを信じる人たちです」
「救われた、救われると信じる人がいるから教えがまだ続いてるんです!」
ちらりとパティさんの方を見て、協力を求め
「あの人の考え違いを正しましょう、聖騎士としての力をもって」
味方と連携しつつUCで攻撃
「骸の海に去れっ」


山梨・玄信
【木陰】
パティ殿、あれは既にオブリビオンじゃ。惑わされてはいかんぞ。

【SPD】
パティ殿を諭してから、
ウィルオーグに向かって行くぞ。

雷を避けるのはほぼ不可能じゃから、オーラ防御を全力展開して雷撃耐性で耐えるぞ。
通常攻撃は見切りと第六感で躱すのじゃ。

空中のフェリクス殿が攻撃しやすいよう、わしは常に敵に密着して攻撃するぞい。
浸透拳(鎧無視攻撃)の2回攻撃でダメージを入れつつ、距離を取ろうとしたら気弾を撃つぞい。

「パティ殿、大事なのは宗教ではなく信仰じゃ。お主が信じる神を信じるのじゃ」
「わしは寺の決まりが性に合わず破戒したが、自分の信じた道を選んだ事を後悔してはおらん。お主も後悔の無い選択をな」


高柳・零
【木陰】
WIZ
エギュレ教はあなたが興したものかもしれませんが、あなただけのものではありません。
教祖だから好きに出来るとは思わない事です!

「パティさん、ここには導かれて来たんですよね?何故導かれたか考えてみてください!」
パティさんに喝を入れ自身を守るように指示します。
オーラを全身に張り、論文は見切りで軌道を読んで盾で叩き落とします。
論文を受けた場合には、ルールは無視して激痛耐性で耐えながら戦います。
また、味方への攻撃は庇います。

「道を外れた教祖にこの光は苦しいですよね」
ウィルオーグへの妨害にUCを使い光を散布します。
敵の攻撃の手が緩んだ時は魔導書から衝撃波の2連発をお見舞いします

アドリブ歓迎です


「――教祖ウィルオーグ」
 聖騎士パティは己の信仰の祖を見据える。過去より蘇り人の道を外れた教祖を。彼の血で濡れた剣を構えて。
「何故です…? 貴方が遺して下さった教えは、いずれも含蓄ある、心に響くものでありました。それを何故…」
 それまで押し殺してきたものが、溢れたかのように。困惑の表情で問うパティ。対するウィルオーグは。
「――過去より蘇った私は理解した。そんなものは全て、下らぬ欺瞞であるとな」
 薄ら笑いさえ浮かべながら語ってみせる。かつて己が興した神への信仰が、如何に無価値で無意味なものであったか。
「あの教えが誰を救えた? 何を遺せた? 最早神の名も忘れ去られ、在るのは死した神を求めて彷徨う亡者ばかり」
 その事実の何が可笑しいのか、堕落聖者の笑みは更に深まる。対照的に、パティの貌はみるみる蒼ざめてゆく。
「貴様は本当にそれで良いのか? 無欲ぶっているが、貴様も本当は欲しいのだろう。信仰の体現者としての誉を。民らからの尊崇を」
 そんなパティを憐れむかのように。皺がれた手を伸ばしてみせる。迷い、惑う、哀れな娘へ。
「私と共に来るが良い。共に、真に正しき教えを、この世界へ広めようではないか――」
 その手を払うことが、パティにはできなかった。一歩、二歩。ふらつく足取りで教祖のもとへ歩み寄り。震える手を伸ばして――
「パティさんストーップ!!」
 そこへ響き渡る少年の声。ウィルオーグは目線だけをそちらへ向ける。パティの後ろに、三人の猟兵が駆け寄ってきていた。
「パティ殿、あれは既にオブリビオン。お主の知る教祖ではない!」
 惑わされてはならぬ、とドワーフの少年、山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)が声を上げれば。
「パティさん、ここには導かれて来たんですよね? 思い出してください、何故、誰によって導かれたのか!」
 テレビウムの少年、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)が問いかける。
(……!)
 その言葉に、パティははっと目を見開く。そうだ。啓示だ。あの声、言葉。己が信じ、思い描いた通りの――
「…そうです! 神は、エギュレ神は死してなどいません! 私に、啓示を授けて下さった!」
 跳び退き、改めて剣を構えれば。己の信仰の祖へとそれを突き付けて宣言する。
「貴方を…信仰の祖でありながら教え違えた貴方を討ち倒し、その迷走を食い止めよと!!」
「妄想も大概にせよ!!」
 ウィルオーグも負けじと声を張る。その貌にもはや対手を見下す笑みは無く、ただ、憤怒と憤懣が其処にはあった。
「そのようなものは只の幻聴、思い込みよ! 貴様の心中に巣食った理想の神の幻に過ぎん!!」
 パティへ差し出していた手から黒き蝶を象った精霊が湧き上がり、彼女へと放たれる。彼女の存在痕跡を抹消し、己のもとへ迎え入れんとして。
「させません!」
 だがその呪は割って入った剣によって払われる。一瞬後、パティの前に立っていたのは、その剣を手にした緑の髪の少年――フェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)であった。
「――もう、誰かが言っているかもしれませんが」
 静かな、だが力強さを感じる声音でフェリクスは語る。
「救われたかどうかを決めるのは、僕らでも、貴方でもなく。救われた人――教えを信じる人達です」
 一瞬振り返り、パティへ目線を向け。そして再び、異端へ至りし神官へと向き直る。
「救われた、救われると信じる人がいるから、教えがまだ続いているんです!」
「それが愚かしいというのだ!!」
 声を張るフェリクスに、尚も反駁を試みるウィルオーグ。
「死したる神の骸に集る汚らわしい蛆虫共! なればその教えを興した者として、一匹残らず駆除してくれる!」
「教祖だからって好きにできるとは思わないことです!!」
 表情を歪め喚くウィルオーグ。零も反論しながら前に出る。フェリクスに並び立ち、得物の片手半剣を構える。
「パティ殿、大事なのは宗教ではなく信仰じゃ」
 玄信もまた、パティの隣まで歩み寄りつつ語る。両の手を握り込み、気を整える。
「…お主が信じた神を、信じるのじゃ」
「あの人の考え違いを正しましょう。聖騎士としての力をもって!」
 そしてパティを振り向き告げる。フェリクスもまたそれに続いて呼びかければ。
「…はい!」
 最早パティに迷いは無い。力強く、首肯を返して。
「ええい、どいつもこいつも…! 斯様なる邪教、疾く滅ぼしてくれるわ!!」
 己の興した教えを邪教呼ばわりする程に、その憤怒は深いと見え。両手を掲げれば、瞬く間にその空は黒雲に覆われて。
「見よ、これぞ神罰の具現! 正しき神の在る証よ!」
 降り注ぐ落雷が四人を襲う。
「ならば私も証を立てましょう!」
 パティも対抗するように剣を胸元に構え、己のユーベルコードを発動する。エギュレ神の加護と信じるその力で以て、落雷を受け止め凌ぐ。
「エミリア!!」
 フェリクスが呼びかければ、応えて何処からか飛来したのは純白の天馬。彼の乗騎たる『エミリア』、主の傍らまで飛び来ればフェリクスは跳躍しその背へ。そして飛び立てば、雷撃さえも追いつけぬ速度で飛翔を開始する。
「ぐぅっ!」
 一方、玄信は回避叶わず雷撃をその身に受ける。全身より滾らせる闘気が障壁となり、その威力を大幅に減じさせてはいるものの。幾度も受ければ危険であることに変わりは無い。防御はできても回避は不可能。それは玄信自身が最も理解していた。
「であれば…!」
「むぅっ!?」
 疾走、その身は一気にウィルオーグの懐へ。ドワーフ故の小柄な体躯は、彼我の間合いをより近いものとする。
「この間合いで雷が落とせるかの…! ふんっ!」
「ぐおっ! おのれ…!」
 そしてそこは玄信の拳の間合いでもある。左右の拳が立て続けに襲い、小さな拳からは想像もつかぬ重い衝撃が異端神官を揺るがす。咄嗟に障壁を展開するも、衝撃はその上からでも肉体へ浸透してくる。
 更に猟兵達の攻勢は続く。
「行きます! 今度は僕の番です!」
 上空から天馬に跨ったフェリクスが急降下。誓いを乗せた剣が振るわれ、ウィルオーグの身を裂いて。
「かつては貴方にも扱い得た力でしょうが…」
 零の身体が白き神聖の光を纏う。光はやがて形を成し、荘厳なる聖鎧として彼の身を包む。
「堕落した今、この光に耐えられますか!」
「ぐ、ぬ…! 我が身を堕ちたと言うか、貴様…!」
 更に溢れる光が、堕落聖者の身を灼き苛む。善なる者には無害なれど、弱き魔性ならばただちに灰となる程の光。そこに苦悶感じる彼は、魔性と見做されている事実をも共に突き付けられる。
「…ええい! 無知蒙昧の輩どもめ! 真に正しきが誰か思い知るが良い!」
 業を煮やしたウィルオーグ、跳躍して距離を取り、その合間に一枚の羊皮紙を懐より取り出す。空中にいる間に何かを書きつけたそこに記されたるは、己の方法論の正当性を説く詭弁じみた論文。なれどそこにはユーベルコードが宿り。
「――よって、神の代弁者たる我を傷つける行いは厳に慎むべし!!」
 その場の四人全員へ、その論理を突き付ける。だが。
「言うに事欠いて神の代弁者を気取るか!」
「もはや貴方に神を語る資格などありません!」
 玄信も零も止まらない。ルール違反によるダメージなど彼らは恐れぬ。ウィルオーグの詭弁は寧ろ、尚更に彼らを加速せしめていた。
 玄信がその手を差し向けたかと思えば、そこから撃ち出されるは無数の気弾。一秒のうちに百発近くも撃ち出される聖気の弾幕が、堕落聖者の全身を穿ち。
 零の開いた魔導書から溢れた魔力が、衝撃波となって立て続けに撃ち放たれる。二連射された衝撃波は光を纏い、異端神官の身を引き裂いて。
「神の声を受け取るは、信じる者の心ひとつ! 貴方は、それすら忘れてしまったのですか…!」
 痛み恐れぬはパティも然り。疾走から突き出した剣は、教祖の胸を穿ち、貫く。
「ぐふぅ…っ!?」
 ルール違反に伴うダメージにより膝をつく三人の前、喀血しながらよろめくウィルオーグ。そして頭上に影が差す。
「神はただ導くのみ、その道を歩むは人の足、人の意志です!」
 それは上空から急降下してきたフェリクス。双の剣を振るい、彼の身へ立て続けの斬撃を浴びせてゆく。
「それを忘れた貴方は、黙して骸の海へ去れっ!」
 裁きの剣による斬り上げが、そのままウィルオーグの肉体を上空へ吹き飛ばし。
「これで…終わりです! インフェルノ・エッジ!!」
 双刃を交差させるように振り下ろせば、X字を描く剣閃が炎を帯びて撃ち出され、ウィルオーグへ命中。堕ちたる教祖の肉体を、完全に焼き尽くした。



「皆さん、今回は助けてくださりありがとうございました」
 ウィルオーグが斃れたことで正気を取り戻した街の人々。彼らの困惑を尻目に、街を出るべくその入り口までやってきたパティは、猟兵達へと別れの挨拶を告げる。
「私はこれからも旅を続け、エギュレ神の教えについてより理解を深めていきたいと思っています」
 そういう意味においては、此度の堕ちた教祖との邂逅は、大きな経験だったのかもしれない…と苦笑気味に語りつつ。
 そんな彼女の様子に、玄信は黙して頷く。かつて属した寺の教えが性に合わず破戒僧となった彼、なれどその道へ至った事を後悔などしてはいない。その経験に基づき、後悔のない選択を――そうパティに助言できればと思ったが、どうやら不要のようだ。
「皆さんにも、エギュレ神の知の恵みがありますように。――それでは」
 最後にそう結び、彼女は荒野へ歩みだしてゆく。知られることのない、けれど確かなる誉を積む旅へと。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年01月19日
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