ハッピーメリークリスマス!!!!!!!!!!!
ここはデビルキングワールドでもっともワル(自称・当社調べ)な遊園地。
その名も、デスヘルファナティックインフェルノアゴニィランド!!
え? カタカナが多すぎてよくわかんない?
もう一度言いますね。
デス・ヘル・ファナティック・インフェルノ・アゴニィ・ランド!!
とりあえずワルそうでカッコいい単語つなげた感バリバリの名前である。
ちなみに略称は、デスティニィランドである。
「デス」ヘルファナ「ティ」ックインフェルノアゴ「ニィ」で、デスティニィ。
ニー、ではなくニィ、だ。此処が、特に、重要なのだ。
ちなみに、内装もすごい。なんかこう、トゲトゲしててゴテゴテしてる。
クサクサヘビメタバンドのアルバムジャケットかな? みたいな感じだ。
で、このテーマパークで何が起きているかというと。
「メリークリスマス!!!!!!」
「ハッピーホリデイ!!!!!!」
「ウィーウィッシュアメリクリスマッ!」
……聖夜であった。
もう日付過ぎてんのに、あの赤い帽子被って全力でクリスマスしていた。
やってきた悪魔たちは、そのワルさに震え上がった。
「す、すげぇ! 日付なんて関係なく楽しいことだけやるつもりマンマンだ!」
「せっかく用意したイルミネとか飾りとか片付けたくないからゴリ押しするつもりだ!」
「食事のメニューがケーキとチキンとお寿司しかねー! クリスマスだから!」
「「「すっげーワルの奴がやるやつじゃ~ん!!」」」
……っていう具合に、大儲けである。
『フッハッハッハ……あとはこのD(デビル)でカタストロフを起こすだけだ……!!』
そして支配人室には、お金がぎっしり!
オブリビオン『デストロイキング』はご満悦の表情だ!
「支配人、偉大(パネ)っス!」
「一年中クリスマスとか超偉大(マジパネ)ッスよ!」
「もはや悪を超えた悪……いわば超悪魔神(アクガミ)ッス!」
「「「一生ついていくッス、支配人!!」」」
『鎧の悪魔』たちも、ノリノリで働いていた。なお、給料はゼロである。ワルだから。
「フッハッハッハ……ハァーッハッハッハッハ!! ハッ……ウェッゲホゲホ!」
高笑いのしすぎで、デストロイキングは喉が悪かった。
●グリモアベース:予知者……?
「大変大変大変! 超絶・ウルトラ・激ヤバだー!!」
と、なにやら騒いでいるのは、一見少女めいた装いの少年であった。
彼の名はクイン・クェンビー。どうやらグリモアの予知を受けたらしい。
何事かと集まってきた猟兵たちの視線に気付き、クインはてへりと舌を出した。
「あ、ごめん。クインとしたことが、こういうときはちゃんと説明しないとだよね!
実はグリモア猟兵としての仕事って初めてだから、思わず慌てちゃって忘れてた!」
と(あんまり申し訳なくなさそうに)詫びつつ、クインは説明を始める。
「えっとね、新しい世界……えーとなんだっけ、デビル……デビルキングワールド!
そのデビル……で、オブリビオンがワル~いお金儲けを企んでるみたいなんだー!」
より正確に言うと、すでにオブリビオンは大金持ちとして成功している。
それが『デストロイキング』と呼ばれる敵であることを、クインは説明した。
「こーやってね、お腹にお口がついてて……あ、その説明はいい? そっかー。
と、とにかく! そいつを放っておくと、なんかヤバいアレが起きちゃうんだって!」
カタストロフである。
「だからみんなに、ソイツのところに潜入・突入・侵入してもらって!
なんとかキングをばばーん! どーん! どかーん! ってやっつけてほしいんだ!」
クインは大きく身振り手振りを交えて説明……説明? をした。
……と、そこで、クインは困ったようにため息をつく。
「でもねー……デビルなんとかワールドって、ワルいことがいい世界なんだ。
だからその世界に住んでる悪魔たちも、ノリノリでオブリビオンを手伝ってるの。
しかも悪魔って、ものすんごーく強いんだって。それこそクインたちと同じぐらい!」
それが、クインとしては心配らしい。
「あ、でもそのぐらい強いから、ぶっ飛ばしても全然だいじょうぶなんだけどね!」
あれ? こいついま悩んでなかった?
「……とか言ったけどー、今回はわーって戦うの、あんまりよくないかも。
悪魔が沢山いるから、おりゃーってやるよりこそこそーってしたほうがいいよ!
……え? よくわかんない? だからこう、戦う以外の方法を考えてってこと!」
と、クインは云う。
「こそこそーってしてもいいしー、お金ちゃりーんってあげてもいいかも?
あとはあとはー、オレはこんなにワルいんだぞーってアピールするとかさ!
クインはヒーローだから、悪いことはよくないと思うけどー……ま、いいか!」
どうもこの少年、2秒以上難しいことが考えられないらしい。
「とーにーかーく! ワルいやつをやっつけたら、そのお金をパーっと使っちゃって!
せっかく遊園地に行くんだし、そのまま遊びまくっちゃうとかどーかなぁ?
あ、ワルいやつが居なくなったら、クインも混ざっていい? いいよね!?」
で、遊ぶつもりマンマンであった。こいつもこいつでワルである。
「っとと、いけないいけない。ちゃんと最後はみんなを送り出さなきゃね。
それじゃあみんな! 最速・最短・最善で、ワルいやつをやっつけよー!」
……という明るい声が、転移の合図となった。
唐揚げ
やきぶたァ! です。やってきましたトンチキ新世界!
今回は、なんかアブない名前の遊園地でドタバタしてもらいます。
1章に関してちょっとだけ注意事項がありますので、ご一読ください。
●1章について
この世界の集団戦は、オブリビオンではなく「この世界の住人」と戦います。
つまり今回の相手……『鎧の悪魔』は、そこらへんにいる一般デビルなのです。
彼らは猟兵と同じぐらい強いので、ぶっ飛ばしてもなんとかなりますが、
さすがに殺しちゃうとまずいってわけで、その点ご注意ください。
……と言いつつ、そもそもこの章では戦闘自体が推奨されません。
忍び込むなり賄賂で抱き込むなり、それ以外の方法を考えるといいでしょう。
(非推奨というだけで、強行突破が「出来ない」というわけではありません!)
●ほかのこと
無事オブリビオンをぶっ飛ばしたら、遊園地で豪遊する日常パートになります。
ご希望があれば、OPに登場したグリモア猟兵のクインも出てきます。
遊園地の名前はデスティ「ニィ」ランドです。ニーじゃないよ! 危なくないよ!
シナリオ全体のIQは2ぐらいです。よろしくお願いします。
●プレイング受付期間
12/27(日)17:59前後まで。
締切時点で🔵か🔴が足りてない場合は、足りるまでとなります。
第1章 集団戦
『鎧の悪魔』
|
POW : アーマーフォース
【鎧を着た者】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[鎧を着た者]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : アーマーエンハンス
対象の【鎧】に【追加装甲】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[鎧]を自在に操作できる。
WIZ : アーマーラビリンス
戦場全体に、【鋼の鎧】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●デビルキングワールド:デスティニィランド
リピート再生されるクリスマスソング。
あの白いぽんぽんがついた赤い帽子。
レストランのメニューはケーキとチキン、あとお寿司。鮭もある。
完全にクリスマスであった。
日付とか新年とか、仕事納めとか知ったこっちゃねえ。
24時間サービス残業の超絶ブラック企業! それがデス(略)ドだ!
「マジ偉大(パネ)ェ~!」
「デストロイキング様ワルすぎだぜ~!」
「オレたちもワルになるぜ~!」
鎧の悪魔たちもノリノリでこき使われていた。バグが過ぎる。
こんなノリなのだが、悪魔はマジで強い。もうめちゃめちゃ強い。
戦って突破するのは危険だ(出来ないとは言っていない)
どうにかして、デストロイキングの部屋までたどり着かねば……!
マユラ・エリアル
む、これはまるで実家に帰ってきたかのようなIQの低さ…
だが敢えて言いたい
まだまだだ
もっと…もっとIQを下げられるぞ!
そこの鎧の悪魔!
なぜ君は今クリスマスを楽しむ!
今はまだちょっと遅れた絵描きが遅刻クリスマスイラストです~><
とか文字書きが遅刻クリスマスSSでーす
とか言って出してくる、言わばロスタイム
そんな中クリスマスを楽しむのは彼等に対する優しさ…良い子のする事!
私がもっとワルい事を教えてやる
まずこの礼服を着ろ!
次にこれ…精霊馬とおはぎを持て!
線香とお米も忘れるな
これぞ初盆セット…
年がら年中祀られる先祖の霊はこう思うだろう
こいつら何てワルだ…と
さあ私をオーナーの所に連れて行ってくれ
経営改革だ!
●一周回ってむしろ疾い
「…………いい」
転移を終えたマユラ・エリアルは、魔界の空気を肺いっぱいに吸い込んだ。
「まるで実家に帰ってきたようなIQの低さ……いいぞ、実にいい」
マユラは狂っていた。この空気がむしろ肌に合うとおっしゃられる。
しかし彼女はくわわっと目を見開くと、ズカズカと鎧の悪魔に近づいた!
「そこの君!」
「アッハイ!」
「君はなぜ……いま、クリスマスを楽しむ?」
「エッ?」
いきなりふわっふわの質問をされ、鎧の悪魔は首を傾げた。
「なぜもなにも、これがワルくてカッコいいからっスよ!」
「フッ、甘いな……」
マユラはどこの風来坊かなって感じにチッチッと指を振った。
「いいか。今はまだ、絵描きや字書きが「遅刻しました~」とか言って、イラストやらSSやらをSNSにアップロードするタイミング。そう、いわばクリスマスロスタイム!」
「く、クリスマスロスタイムっ!?」
「その通り……売れ残りのケーキとかだってあるかもしれないだろう!」
「ああっ!!」
これが漫画なら、背景にピシャーン! と電撃が飛び散るぐらいに驚く悪魔。
……そこまで驚くことですかね!?
「そんな中クリスマスを楽しむ……それはむしろ、ワルどころかイイことだ!」
「な、なんだってー!?」
「君は捨てきれていないのだ。他者を思いやる心、優しさ、そういうものを!」
「そ、そんな……!!!」
がくり。鎧の悪魔は、なんの矛盾もない指摘に心折れた。
頭のネジを4、5本外さないと理解できない理屈だが、まあ納得してるしいいんじゃねえかな!
「だが、落ち込むことはない」
そんな鎧の悪魔に、マユラはにこりと微笑みかけた。
「この私が、もっとワルいことを教えてやる」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。まずは……この礼服を着ろ!!」
「エッ!?」
ザッ! とマユラが取り出したのは……ん? 礼服? なんで?
「そして次に、これだ。精霊馬と、おはぎ!! これを持て!!」
「ま、まさか、これは……!!」
鎧の悪魔は一瞬で着替えると(鎧なのにどうやって着てんだってのは野暮である)割り箸の刺さったキュウリとおはぎを手に、わなわな震えた。
マユラはこくりと頷き、線香とお米を取り出す。こ、これは!!
「初盆! 初盆じゃないですか!!」
「そうだ! しかもご先祖様を送り返すほうは用意しない!」
「な、なんて……なんてワルなんだッッッ!!!!」
鎧の悪魔は打ちのめされた! マユラのあまりのワルっぷりに!
きっとご先祖様も、年がら年中祀られてはさぞかし迷惑だろう!
マユラはなぜかシリアス顔できゅうりを取り出し、自作のカッコいい精霊馬(なんかハーレーみたいだったりゴテゴテしてたりする)を量産している!
「なんだなんだ?」
「クリスマスどころか夏だこれ!」
「おいおい季節に喧嘩売りすぎだろ……!」
騒ぎを聞きつけた他の悪魔たちも、ぞろぞろと集まってきた。
「さあ諸君! クリスマスなどでは生ぬるい、夏を先取りしていけ!
クリスマスソング? そんなものよりお経だ! お線香もあるぞ!!」
「「「ワルすぎるぜ~!!」」」
「今こそオーナーのもとへ行こう! そして経営改革をするぞ!!」
「「「ワオオオーッ!!」」」
わっしょいわっしょい! マユラを神輿に乗せて悪魔たちは爆走だ!
脳みそが鼻からとろけだした、ツッコミ不在の狂気がここにある!
「まだだ、まだIQを下げられる……楽しみだぞオブリビオン……!」
お米がこんもりよそわれたお椀にお箸を突き刺しつつ、マユラは不敵に笑う。
なんでこいつ、顔だけはシリアス保ってんだろう。
大成功
🔵🔵🔵
花邨・八千代
ちわーっス、ドミノ羅刹ピザハットストロベリーボーンズでぇーっス
ご注文のLLサイズ3キロチーズピザその他サイドメニューとドリンクお届けにあがりゃーっしたー
お会計が5万飛んで3685円になりやーっス
注文してない?おっかしーっスねー住所ココなんスけど(もぐもぐ)
とりあえず支配人に確認したいんで失礼しやーっス
あ、このピザすげーチーズこってりでやべーなコレ
にんにくとチーズとトマトがマジくそヤバ大明神してるわ
まぁまぁ持ってきたピザでも食ってて良いっスよコレ、やべーっスよ
マジ体への悪さが天井知らずで笑えっから
塩気バリバリのポテトもあるぜ
そしてここにコーラをドーン!超悪魔的!
じゃ、ちっと支配人室失礼しゃーっス
●γGTPとか血糖値がマッハ
「うーんお腹すいたなー」
「そういえばそろそろお昼だなー」
「まあここ、食堂とかないんだけどな!」
「「「ワル~い!」」」
お前らそれでいいのか? みたいな感じに盛り上がる鎧の悪魔たち。
でもそういう、やりがい搾取とかがワルなので、割と満足していた。
あと単純にめちゃめちゃいい奴らなので、頼られると弱いのだ。
そりゃ滅びかけもするよね! よく止めたよ昔の偉い悪魔たち!
ピンポーン。なにやらインターホンの音である。
「あ、はーい」
「ちわーっス」
がちゃり。玄関(※ここは見た目は西洋風のワルいお城である)に立っていたのは、なんかこう配達員っぽい格好をした花邨・八千代であった。
「ドミノ羅刹ピザハットストロベリーボーンズの者でぇーっス!
ご注文のLLサイズ3キロチーズピザその他諸々お届けにあがりゃーっしたー」
どさどさどさっ。八千代は担いでいた品物をテーブルの飢えに置く。
ピザ! ピザ! チキン! ピザ! チキン! コーラ! ポテト! ポテト!
アメリカ人でもここまでしねえぞってレベルのカロリーの暴力だ!
「えっ、もしかして誰か注文した?」
「いやそんな暇ないし」
「そもそも電話とか使用禁止だし」
「あっれェ? おっかしーっスねー住所ココなんスけど」
棒読みであった。まともな相手ならバレバレの大根演技である。
「マジかよ……えっお代いくらですか?」
「5000兆デビルっスね」
「「「ヤベ~!!」」」
だが悪魔どもはアホなので騙された! バグが過ぎる!!
「おいおいどうする? 誰だよこんなの頼んだの」
「ていうか代金高すぎねえ?」
「バカ、ボッたくりなんだよ! ワルすぎるぜ……!」
しかもなんか勝手に感心していた。大丈夫かこいつら。
ひそひそと相談していた悪魔たち……だが、彼らは気付いた。
「あ、このピザすげーチーズこってるでやべーなコレ。っべーわ」
「「「って食べてるー!?(ガビーン)」」」
そう、八千代はもりもりピザを喰っていたのである!
なんなら持参したビール瓶もぐい呑みしていた! なんだこいつ!
「え、ちょ、配達員さんそれ品物じゃ」
「いやマジっべーすよこれ! にんにくとチーズとトマトがマジでさあ!
くそヤバ大明神でスパイスがぴえんって感じ。チキンもうめーんだわ!」
「「「ゴ、ゴクリ……」」」
飯テロ! 飯テロである! 書いてるこっちまで腹減ってきた!
思わずよだれを垂らす鎧の悪魔たちに、八千代はピザを差し出した。
「ん」
「「「えっ」」」
「食べたいんしょ? だったら食べちゃいましょうよ、美味いっスよ?
マジ身体への悪さが天井知らずで笑えるっつーか、背徳感アリアリなんで!」
「「「……」」」
悪魔たちは顔を見合わせた。
「「「……ワルすぎるぜ~~~!!!」」」
で、ノリノリで食べた。やっぱ駄目じゃねえかなこいつら!
「イエーイ! 塩気バリバリのポテトもあるぜー!」
「「「ウェーイ!」」」
「そこにコーラをドーン! さらにアイスもドドーン!!」」」
「「「超! デビサイティーン!!」」」
パパパパーティの始まりだ! アゲアゲなEDMだってかけちゃうぜ!
「ウェーイ!」
「「「ウェーイ!」」」
「ウェイウェイウェーイ!」
「「「ウェイウェイウェーイ!」」」
「支配人室入ってウェーイ?」
「「「OKウェーイ!!」」」
「よし(ニヤリ)」
計画通り……!!
大成功
🔵🔵🔵
ジフテリア・クレステッド
(消毒スプレー片手に)はーい、クリスマスに参加される方はこちらで手の消毒をお願いしまーす。
え?ワルはルールを守って消毒なんかしない?デストロイキングもきっと消毒はしてないはず?
鎧の悪魔!!!!!このバカヤロウ!!!!!(殴りつける)
デストロイキングは私たちを殺そうとしている!!!!!!!
いいか皆!よく聞け!イイコチャンかワルかなんて二元論は!まず自分の命が守られていることが大前提なんだよ!命を守るための行動を取らないやつはワルですらない愚か者だっ!!
そして見るがいい!これが消毒を怠った愚か者の末路だーっ!!
(UCの効果切れで全身から血を噴き出して斃れる)
(あとは悪魔たちの善性に賭けよう…。)
●ワイルドローズが咲くとき
昨今、様々なアレで消毒とか衛生とかディスタンスがアレである。
まあこのデビルアクマワールドではソーシャルをアレしなくともいいのだが。
それはそれとして、ジフテリア・クレステッドは消毒をしてまわることにした。
「はーい、クリスマスに参加される方は、こちらで手の消毒をお願いしまーす」
アルコール消毒液を片手に呼びかけるガスマスク少女。すごい絵面だ。
「おいおい、なんか消毒とか言ってるいいこちゃんがいるぜー?」
「そんなの全然ワルじゃないぜ~! 俺たちはそんなのしないぜ~!」
「外から帰ってきても、手洗いうがいもせずにお菓子食べちゃうもんねー!」
「…………は?」
鎧の悪魔たちの会話を聞きつけたジフテリアが、ゆらりと振り返る。
「いま……なんて言ったの?」
「俺たちはワルってことだぜ~!」
「もちろん串焼きも二度漬けしちゃうもんねー!」
「デストロイキング様もそうしてるはずだしな!」
「「「俺ら、ワル~い!!」」」
きゃっきゃとはしゃぐ鎧の悪魔たち。小学生かな?
……するとジフテリアは、突然顔を真っ赤にした!
羞恥とかそういうレベルじゃなく、R255G0B0って感じのレベルの赤である!!
「鎧の悪魔!!!!!!!!!!! このバカ野郎!1!!!!!!1」
「「「グワーッ!?」」」
SMAASH!! ジフテリアは鎧の悪魔たちの顔面をぶん殴った!
相手は鎧なので拳がじんじんするが、そんなもん関係ねえ!
「「「な、何を……!」」」
「デストロイキングは私たちを殺そうとしている!!1!!1!!111」
完全にクソコテ化していた。心なしか髪の生え際も後退している。心なしか。
「いいか皆! よく聞け!!」
あまりの"暴"にぽかんとする悪魔どもに、ジフテリアは演説した。
「イイコチャンかワルかなんて二元論は! まず自分の命が守られていることが大前提なんだよ!!
命を守るための行動を取らないやつは、ワルですらない! ただの……愚か者だッッッ!!!!」
「「「そ、それはたしかに……!!」」」
ぐうの音も出ない正論、そしてジフテリアの"圧"に納得させられる悪魔たち。
「し、しかし! なら一体どうすればワルに!?」
「そうだそうだ! きちんと手洗いうがいするなんていい子だぞ!」
「だいたい、手洗いしないだけで死ぬもんかー!」
「なら見せてあげよう! これが消毒を怠った者の末路だーっ!!」
ブシャーッ!! 目からマスクから耳から血を噴き出すジフテリア! コワイ!
「「「ヒイイイーッ!?」」」
突然のスプラッタ光景に腰が抜ける悪魔たち! トラウマだよこれ!
「お、おいどうする」
「放置していくのはまずいよな」
「それワルとか云々以前の話だって!」
「「「よし、デストロイキング様に相談だ!」」」
びくびく痙攣するジフテリアの身体を担ぎ、えっほえっほと支配人室へ向かう悪魔たち。
計画通り……なの、か? 答えは、ジフテリアのみぞ知る……。
大成功
🔵🔵🔵
アルトリウス・セレスタイト
まずお前たちは誤っている
法に従うことは善行だ
法が定める通りの「悪行」を行うのは法を遵守する善なる行い
法が何を言うかに関わらずやりたいことを為すのが悪の第一歩だ
法の有無を無視して考えてみよ
他者を助けたくば存分に行うが良い
支え合いたいのなら遠慮は不要だ
外部の何かではなく、己に従ってこそ悪
抑圧されていたものを解放するが良い
我ながら詭弁だが構うまい
自身は支配人の元へ。悪的に邪魔したいので勝手に向かう
邪悪なので許可は取らない
必要そうな時は適宜永劫で押し通す
必要魔力は『超克』で“世界の外”から供給
●汝のなしたいようになすがよい
「そもそも」
アルトリウス・セレスタイトは腕を組み、正座する鎧の悪魔たちに言った。
……ん? なんで正座してんのかって?
なんかアルトリウスが言いたいことあるっつったら勝手に正座し始めました。
こういうとこで無駄に真面目だから滅びかけるんだよなこの世界!
まあそれはさておき。
「お前たちは、根本的なところで間違いを犯している」
「ま、間違い!? それは一体どういう!」
「お前たちがワルいことをするのはなぜだ」
「そりゃもちろん、デビルキング法でそうなってるからで……」
「そこだ」
ビシッと、アルトリウスは鎧の悪魔を指差した。
「法に従うことは善行だろう」
「「「……!!!!!」」」
それもそうだ! って感じの驚愕に包まれる鎧の悪魔たち。
このへんでバグ起こしてるせいで色々かしいのである、こいつらは。
「つまり真の悪とは、法に従って形だけの悪事をなすようなことではなく。
お前たちがやりたいことを、やりたいように為すのが悪の第一歩と言える」
「ご、ごもっとも……!!」
「でもそれ、すげー難しいよな」
「ああ、改めて言われるとな……」
そしてクソ真面目な悪魔たちは、逆に自由権を与えられて困ってしまった。
「まずは法の有無を無視して考えてみよ。重要なのは己の欲求に従うことだ」
「「「欲求に、従う……」」」
「お前たちが他者を助けたいならば、存分に行うがいい」
「えっ!? で、でもそれはいいことじゃ」
「それがお前の欲求ならば、紛れもなく悪だ」
迷える悪魔に対し、アルトリウスははっきりと言い切った。
(……我ながら詭弁だな)
と、心のなかでは思いつつ。
「そっかー、自分がやりたいことをするのが大事なのかー!」
「たしかに言われてみると、そういうのってワルくてカッコいいな!」
「よーし俺、大変そうなおばあちゃんとか助けちゃうぞー!」
で、悪魔たちはまたバグっていた。こいつらの頭マイコンかなんかか?
「……ところでだ、俺にもひとつ、為したい悪がある」
「「「そ、それは一体!?」」」
「この遊園地の支配人……デストロイキングを、悪として邪魔したいのだ」
「「「な、なんだってー!?」」」
あまりのワルさに、悪魔たちは震え上がった!
「もちろん許可は取らん。つまり、押し通らせてもらう」
「「「な……なんてワルなんだっ!!!」」」
悪魔たちは感服していた。邪魔どころか後ろについてくる勢いである。
かくしてアルトリウスを先頭に、ワルな行列が支配人室へと向かう。
……なんだろうこの光景、赤穂浪士かなんかかな??
大成功
🔵🔵🔵
レギオ・ギャングース
※アドリブ歓迎
・行動:潜入
悪い事しながら場に馴染みつつ、
自分も雇ってもらうために支配人に会いたいと居場所を聞く
・内容
ケーキのイチゴだけ先に食べたり寿司のネタだけはがして食べる
(下のケーキとシャリは回収しておき、後で美味しく頂きます)
その後で支配人にカチコミ(挨拶)に行きたいんだけどと
どこに居るのか聞き出して案内してもらう
・セリフ
ヒャッハー!オレたちはレギオンギャング!
たった一人のギャング団っス!(分身して見せる)
(ご馳走を見回してから)
皆甘いっすよ本当のワルならこう!
(ケーキのイチゴだけ、寿司のネタ部分だけを取り食べる)
ふっ今日もワルの記録を更新してしまったっす……(キメ顔)
●ひとりなのにギャング団!
「ヒャッハー!!」
なにやら世界観が違う感じのシャウトが、元気よく響き渡った。
「こ、このワルい感じのシャウトは!」
「もしや……モヒカンの悪魔が!?」
「あの超ワルくて世紀末なことでおなじみの!?」
おなじみらしい。どうなってんだデビルキングワールド。
「おっと残念、オレたちはモヒカンの悪魔ではないッス! オレたちは!」
「「「こ、この声は……!!」」」
カカッ! とライト(もちろん無断拝借。ワルだから)に照らされる影!
「オレたちはレギオンギャング! 泣く子も喜ぶ超ワルな群れの悪魔ッス!!」
デデーン! 盛大なエフェクトともに、レギオ・ギャングースが登場だ!
……が、鎧の悪魔たちの反応は冷ややかだった。
「ギャングっていうけどさあ」
「ひとりじゃんね」
「そもそも誰だよ聞いたことないよレギオンギャング」
「な、なんですとーッ!?」
これはレギオ、地団太を踏んで激おこぷんぷん丸である!
「ひとりでもいいんス! オレたちはひとりのギャング団なんっスー!!」
シャシャシャシャ! と漫画の忍者みたいに左右に現れる分身!
「「「どーっスか! これこそレギオンギャングの分身魔法っスよ!」」」
「分身してるだけじゃんね」
「団っていうかただの一人遊び……」
「まあ悪魔っぽくはあるけども」
「もー! なんなんスかこのセメントな反応はーっ!!」
レギオは悔しがる。群れの悪魔としてナメられたままではいられない!
「なら教えてやるっスよ、オレたちがどれだけワルなギャング団なのか!」
「「「ゴクリ……!」」」
ワルと聞かれたら、鎧の悪魔たちも邪魔せずに見守るほかないのだ。
レギオはおもむろに、ケーキとお寿司を取り出した!
「見るがいいっス! この、イチゴが乗った美味しそうなケーキを!」
「そ、それを一体どうするというんだ……!?」
「こいつを……こうっス!!」
レギオは……な、なんと! クリームに手を付けず、イチゴを摘み取った!
そして愕然とする悪魔たちに見せつけるように、イチゴだけを……た、食べた!
「「「な……ッ!!」」」
「んん~、イチゴ美味しいっス~!」
さ、さらに! レギオは寿司にまで……ああ、なんたることか!
シャリを置いてネタ部分だけをつまみとり……し、醤油につけて……!!
「「「た、食べた! シャリは食べずにネタだけをッ!?」」」
「ふっ、今日もワルの記録を更新してしまったっス……」
「「「わ、ワルすぎるぅ~~~!!」」」
鎧の悪魔たちは、もう完全にレギオのワルさに骨抜きになっていた。
これならば、支配人のもとへ向かうのも簡単に済むだろう……!
大成功
🔵🔵🔵
御狐・稲見之守
やあ悪魔のみんな
サンタさんをいつまで信じておったかナ?
なんてふざけるナ、いつから居なくなったんじゃ!?
いいか? サンタの心を受け継いで、これからは君たちがサンタになるんじゃよ!
『サンタなんか実際いないよ』なんてことを
ワルぶって云うヤツには正面から目を見て言ってやれ。
己がサンタと、我こそがサンタなんじゃと。
みんなサンタになろう、でかいサンタになれ。
『夢が叶うといいね』なんて夢を追う立場から
子供たちの夢を叶えさせる立場にドンと座るんじゃ。
大人を逃げるな。
●ドリームラッシュ!!
「ねえねえお母さん、どうしてみんなクリスマスしてるの~?」
「ふふっそれはね、この遊園地の悪魔たちはみーんなワルだからなのよ」
と、朗らか(?)な会話をする親子悪魔。
すると子供悪魔が、こんなことを言った。
「そうなんだ、ワル~い! じゃあもしかして、サンタさんもいるのかな!」
「「「……!!」」」
その何気ない言葉に、あたりに居た鎧の悪魔たちは戦慄した。
(お、おいどうする、まさかサンタを信じてる子供が来るとは……!)
(ああ……デストロイキング様ならきっと、「サンタなんて居ない」って言って絶望させるんだろうな……)
(けど、あまりにワルすぎて、俺たちにそんなこと出来ないぜ……!!)
悪魔らしくワルに染まるか、それとも子供の夢は守ってあげるか。
もともといい人たちな鎧の悪魔は、完全にバグを起こしていた。
なんなら母親悪魔もバグっておろおろしていた! 一体どうなる子どもの夢!!
「やあ、悪魔のみんな」
そんなところに現れたのは、御狐・稲見之守であった。
なぜか爽やかな笑みを浮かべている。なんだこいつは。
「おぬしらは、サンタさんを……いつまで信じておったかナ?」
「えっ、サンタさんって居ないの!?」
(((あっ!)))
稲見之守の言葉に子ども悪魔はぎょっとする。すると稲見之守はいきなりくわっと大きく目を見開いた!
「なんて、ふざけるナ!!」
「「「!?」」」
「いつからサンタが居なくなったんじゃ!?」
「え、でもいま「いつまで信じてるの」って……」
「いいか!!」
完全にセインでないタイプの目つきでまくしたてる稲見之守。
「サンタの心を受け継いで、これからは君たちがサンタになるんじゃよ!!」
「ま、待て待て待て! サンタは実際居ないだろう!?」
すると見かねて、鎧の悪魔のひとりが嘴を突っ込んだ。
稲見之守は子ども悪魔の肩をぽんと叩き、その鎧の悪魔を指差す。
「あんなことをワルぶって云うヤツには、正面から目を見て言ってやるんじゃ」
「な、何を……」
「己がサンタと。我こそがサンタなんじゃと!」
稲見之守の目はかなりイッていた。そして、燃えていた。
「みんなサンタになろう、でかいサンタになるんじゃ!!」
稲見之守、吼える! なんなんだこの力強さは!
「デスティニィランドのSTは(?)サンタのSTじゃよ!!(???)」
「「「な、何を言っているんだこの人は……!?」」」
「夢が叶うといいね、なんて夢を追う立場から、子供たちの夢を叶えさせる立場にドンと座るんじゃ」
稲見之守は完全に逆境だった。主に自分の言ってることが迷子なせいで。
だが、それを勢いで押し切っていく。それが、それが猟兵なんだ!!
「大人を逃げるな」
悪魔たちは、完全に関わっちゃいけないタイプの人としてこいつを見ていた。
大成功
🔵🔵🔵
ベイメリア・ミハイロフ
メリークリスマス!でございます!
わたくしサンタクロースさまと同じ色合いゆえ、サンタと申し上げても過言ではないと思いはせ参じました
プレゼント袋はとある所へ隠して参りました
場所をお知りになりたいのでいらっしゃいましたら、こっそりお通し願えないでしょうか
さすればプレゼントは無事でございます
そうでないようでございましたら、わたくしの遠隔操作の爆弾にて木っ端みじんになってしまう仕様となっております
プレゼントはご入用でない?まあ良うございましょう
さすればこの場を木っ端みじんに致しますまででございます
折角のパーティー会場(?)が粉々になってしまっては
鎧の皆さまも、少しは残念に思われるのではないでしょうか
●もしかしなくてもこの聖女ノリで生きてるな?
「あ、サンタさんだ!」
「サンタさーん!」
「プレゼントくださーい!」
なにやら子どもたちが、目をキラキラさせて群がっていた。
人垣の中心に居るのはサンタ……ではなく、ベイメリア・ミハイロフ。
別にサンタコスをしているわけではない。が、色合い的には……サンタだ!
いや色合いでサンタってなんだよ!?
と誰もが思うだろうが、子どもたちは完全にサンタだと判断していた。
ほら、彼らはいい子(魔界基準)だからね!
遊園地で遊ぶだけじゃなくて、毎日クリスマスでプレゼント貰おうってわけだ!
「ふふふ、皆様、メリークリスマス! でございます!」
「「「メリークリスマース!」」」
元気よく挨拶する子どもたちを見渡し、ベイメリアは笑顔で言った。
「プレゼント袋は、とあるところへ隠してまいりました」
「「「ええー!?」」」
「場所をお知りになりたいですか?」
「「「知りたーい!」」」
「そうでございますか、そうでございますよね」
うんうん、と頷くベイメリア。
「では皆様、わたくしが支配人様のお部屋へ行けるよう、こっそりお手伝いくださらないでしょうか?」
「もしお手伝いしなかったらどうなるの?」
「そうだよそうだよ、お手伝いなんてワルくないじゃん!」
「悪い子じゃないとプレゼントもらえないよー」
ベイメリアはにっこりと満面の笑みを浮かべた。
「その場合は、プレゼントが袋ごと木っ端微塵でございます」
「「「!?」」」
「こちらがプレゼント爆破用のスイッチでございます」
スッ。遠隔起爆用の爆破スイッチを見せつけるベイメリア。コワイ!
「「「すげー! さすがサンタさんだ、ワルーい!!」」」
子どもたちはきゃっきゃしていた。なんだこの国。
「でもさ、もし僕らがプレゼント要らないって言ったらどうするつもりだったの?」
「その時は遊園地そのものを爆破でございます」
「「「ワルーい!!」」」
この聖女、こええ!!
大成功
🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【花簪】
です・へるふぁな、いんふぇ……あご、らんど
……どうにも、術の名前のようで覚えられません
狼は悪なのですか?
確かに子供達に見せる絵本で狼が襲っているものは見ておりますが
ともかく、オオカミ殿に付いていきましょう
立ち入り禁止に侵入
普段ならば通る所ではありませんがオブリビオンを倒す為
早速警備員に見つかってしまってしまいましたが
……なるほど、誘惑をするのですね
そ、そうです
お仕事を真面目にやるのも良いのですが時には休憩も必要
周りには私達しか居りませんし大丈夫です
くぅ……これが悪の道……!
オオカミ殿、後は頼みます
この世界の振る舞いの為、観察しましょう
ケ、ケーキを贅沢に二段……!
確かにイケナイコト、です
ジョン・フラワー
【花簪】
昔からおおかみと悪は親和性が高いのさ
勿論僕もだよ。イケナイコトだって得意なんだ!
じゃあこの立ち入り禁止の扉から入ろう
悪は書いてること守らなくていいんだ
おっと第一警備員発見! ハァイそこのお嬢さん!
真面目に働いてないでさ、僕たちとイケナイコトしない?
キミは善良で勤勉な市民なのかい? 違うだろう
見張りなんてやめて悪楽しんじゃおうよ
僕らも悪、キミも悪。それって最高じゃない?
アリスもなんか悪いこと吹きこんでほらほら
……ごめんね彼悪初心者だから後でイケナイコトしとくね
その代わり僕がとっておきの悪事を教えてあげよう
大きいケーキに小さいケーキ乗せて二段ケーキ作って遊べるのはケーキが余ってる今だけ
●とんでもなくワルくてイケないコト
「…………」
月舘・夜彦はなにやら、落ち着かない様子でそわそわしていた。
デビルキングワールド。悪事こそがいいこととして崇められる世界。
それは夜彦のような真面目が服を着て歩いているようなヤドリガミにとって、
ひどく胸騒がせられる、ある意味天敵と言っていい世界であるらしい。
「……オオカミ殿」
「ん? どうしたのさアリス!」
一方、彼の先を行くジョン・フラワーはニッコニコの笑顔であった。
いつもどんな時でも恐ろしくアh……もとい、底抜けに楽しそうなジョンだが、
今日はことさらにキラキラと輝いているように見える。表情と、全身が。
「その、オオカミ殿を疑うわけではないのですが……本当に大丈夫でしょうか?」
「??? アリスはよくわかんないことを言うなあ、心配はいらないって!」
ジョンはふんす、と子どものように鼻を鳴らして胸を張る。
「なにせ昔から、おおかみと悪は親和性が高いんだからね!」
「はあ……そういうもの、なのでしょうか?」
「そういうものなのさ! 僕だって、イケないコトが特異なんだぜ!」
「イ、イケないコト……ですか……!?」
何を想像したのかわからないが、夜彦は大いにうろたえていた。
「ふふん、そうさ! だからアリスは、難しいことは考えなくていいよ。
全部この僕に任せておけばいいのだからね、心配せずについてくるといい!」
「は、はあ……そこまでおっしゃるのでしたら……っていや、そうではなく。
そもそも悪いことを自分からして、しかもそれを誇るというのは……」
「あ、第一警備員発見だよアリス! さあ作戦開始だー!」
「って、ちょ、オオカミ殿!? 自分から話しかけにいくのですか!?」
早速尻に敷かれている夜彦であった。
「むむっ? そこのお前たち、まさか侵入者か!?」
鎧の悪魔たちはがしゃっと剣を向け、ジョンと夜彦を警戒する。
ごもっともである。なにせここは、支配人室に近づく廊下なのだ。
そこに自分たちから姿を見せたとあれば、警戒して当然のこと!
「ハァイ、そこのお嬢さん。僕はジョン、おおかみさ! そしてこちらはアリス!」
「「「アリス……?」」」
もじもじしている夜彦をじーっと見る鎧の悪魔たち。
アリスって顔じゃねえぞこの人。夜彦もなんだか恥ずかしくなっていた。
「ま、まあそこは置いておいてください……それよりもオオカミ殿のお話を」
「いや、そもそも侵入者のくせに何を言っているんだ!?」
「そうだそうだ! 侵入者は問答無用で串刺しの刑だ!」
「もしくは24時間無給で働いてもらっちゃうぜ! 休憩もなし!」
「「「オレたち、ワル~い!!」」」
「こ、こういう世界なのですか……」
夜彦の眼差しに、若干……いや、だいぶ呆れが混ざった。
「ノンノン、そんなふうに真面目に働くより楽しいことがあるよ!」
「「「楽しいこと……?」」」
「そうさ……もっとワルくてイケないこと、僕らとしない?」
「「「……!!」」」
鎧の悪魔たちは顔を見合わせた。もっとワルいコト……!
その言葉は、まるでお菓子を我慢された子どもへのご褒美のように、
悪魔たちの心をかき乱した。イケないコトなんて、とってもワルい!
「で、でも見張りの仕事が……」
「それをサボっちゃうから、ワルいんじゃない? それって最高だよ!」
「た、たしかに……!」
(ほらアリス、アリスからもなんかワルいことを吹き込んで、ほらほら)
(わ、私もですか? わ、わかりました……)
夜彦はこほんと頷き、しどろもどろになりながらこう言った。
「……お仕事を真面目にやるのもいいですが、ときには休息も必要です。
幸い、周りには私たちしか居りません。だから、大丈夫ですよ」
「「「……なんかこの人、マジメじゃない?」」」
「そ、そんな……! いまの説得で、駄目だったのですか!?」
夜彦は愕然とした。ワルいこと、難しすぎる!
「くぅ、これがワルの道……! オオカミ殿、あとは頼みます……!」
夜彦は無駄に真面目な顔で、ぐっと握りこぶしを作った。
これからこの世界で戦うために、ジョンから学ぶつもりなのだろう。
そういうところが悪魔たちみたいでズレてんだけどなあ!
……ところで、肝心の「イケないコト」がなんだったかというと。
「ほーら、大きなケーキに小さなケーキを乗せちゃえば……!」
「「「に、二段ケーキだー!!」」」
「なるほど、これはたしかに……イケないコト、ですね」
きゃっきゃとはしゃぐジョンと悪魔たちを遠巻きに眺め、苦笑する夜彦だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
戎崎・蒼
宮前·紅(f04970)と行動
依頼の為とはいえ、出来るだけ紅と同類だとは思われたくないが…まあ仕方がないか、依頼だからね……
?……この人形を撃てばいいのか?
と嫌な予感がしながらも言われるがまま撃つ
そして紅が凶悪殺人鬼(※言い掛かりにも程がある)だとかのたまっているのを聞いて
は??
と驚いて色々反論しようとする
(おい、僕は関係ないだろ…!通りたいなら賄賂なり何なり渡せば良いだけだろ!?何考えてんだ!)と耳打ち
あまりにも話を聞かないようなら打つぞと言わんばかりに銃口を向ける
結果、それすらも紅に良いように扱われ多少イラつく
……っ、もういい、さっさと通せ悪魔共
(アドリブ大歓迎)
宮前・紅
戎崎・蒼(f04968)と行動
やあ、皆〜全力でワルいことやってる〜?(蒼くん引き連れ堂々と来る)
ねぇ、蒼くん。この人形に銃弾ぶち込んでくれる?
と耳うち
銃をぶち込んだら
予定通り、俺もその人形(※血糊入り♪)を滅多刺しにする
そしてそれを床に落として
俺たち実はちょ〜凶悪殺人鬼集団なんだよねぇ
(蒼くんが何か言おうとすれば塞いで)
此処を通さないと皆もこ〜んな風になっちゃうんだよ?
嫌だよねえ?死ぬの怖いよねえ?
こんな風にオラッ!(ドスドスドスドス!!※人形を刺す音)
今俺たち、恐喝してるんだよ?こんなにワルいこと滅多にないよぉ?
(銃口向けられ)ほら!こんな風に無慈悲に殺されちゃうんだぁ!!しくしく
●真面目なんだかフザけているんだか
「やあ、みんな~! 全力でワルいこと、やってる~~~???」
「「「えっ、誰!?」」」
バイトリーダーみたいなカル~いノリで出てきた宮前・紅、ビビる悪魔たち。
変装してるならともかく、紅も隣の戎崎・蒼もいつも通りの格好だ。
あのクリスマスっぽい帽子さえ被っていない。どうして騙せると思った。
「お、おい紅。なんだかもう疑われているぞ」
「え? あ~大丈夫大丈夫、心配ないって~」
ひそひそと話しかける蒼に、紅はいつも通りへらへらと笑って答えた。
「大事なのはだまくらかすことじゃなくて、俺らのワルさを見せつけることだよ」
「勝手に僕を巻き込むな。紅なんかと同類に思われたくはない」
「へー? じゃあそれでオブリビオンのところに行けなくてもいいのぉ~?」
「……ぐ……っ」
蒼は痛いところを突かれ、顔をしかめた。
紅のことはまったく気に入らないが、仕事は仕事だ。
こんなフザけた世界でも、オブリビオンは倒さなければならない。
そして、そのためのとっておきの作戦があるとか言っていたのは目の前の男。
全然、まったく、これっぽっちも、塵ほども、1ミリも、雨粒ほどにも、
恐ろしいほど頼りにならず信用もできない男ではあるが、ここまで来た以上、
紅の作戦とやらを一応は信頼し、その筋書きに乗ってやる必要がある。
(依頼のためだからな。依頼のため……依頼のためならば、仕方ない)
蒼は心の中で念仏のように、何度も「依頼」と唱えた。
明らかに楽しんでいる顔の紅のニヤニヤ顔は、見なかったことにする。
さもなければ、悪魔の前でぶん殴ってしまいそうだったからだ……。
と、そんな蒼の心労(?)を、知ってか知らずか、紅はニコニコ笑顔だ。
いや間違いなく知った上でニコニコニヤニヤしてるんだが、それはさておき。
「よしみんな、俺たちがどんだけワルかってところを見せてあげるよ!」
と悪魔たちに言い、顔にこしょこしょと耳打ちした。
「ねえ、蒼くん。この人形に、一発だけでいいから銃弾ぶち込んでくれる?」
「何……?」
蒼はじろりと、問題の人形を睨む。一見すると、何の変哲もない人形だ。
しかし、紅が何も企まずに、そんなことを言い出すわけがない。
嫌な予感がする。嫌な予感はするが、依頼のためならば……仕方ない。
「変なことをするつもりじゃないだろうな」
と一応意味のない釘を刺しつつも、蒼は問題の人形を撃ち抜いた。
……すると!
「「「うわっ、死んだー!?」」」
「!?」
パァン! と撃たれた人形の銃創から、ドラマめいた勢いで血が噴き出す。
蒼は一瞬唖然としたが、すぐにわかった……これは、血糊だ。
悪魔たちは驚いているようだが、一体これでどうしようというのか?
「オラッ!!」
そこで紅は、やおら刃物を取り出し、さらに人形をめった刺しにした!
全身の傷口から噴き出す血(の作り物)! あたりはスプラッタな有様に!
「「「ひぃ~ッ!!」」」
あまりの残虐さに、いいこな悪魔たちはへたり込んでいた。
この時点で威圧的には効果十分だが、紅は人形を叩き落とすとダメ押しをした。
「と、見ての通り、俺たち実はちょ~凶悪な殺人鬼コンビなんだよねぇ♪」
「……は!?」
しかしそこで待ったをかけたのは、狂言にハメられた蒼である。
「おい、僕は関係ないだろ……! 通りたいなら賄賂なり渡せばいいだろ!?」
「あ~はいはい、蒼くんは黙っててね~」
「何を考えて……あっ、おいこら!」
当然の非難をしようとする蒼をぐいぐいと押しのける紅。
そして返り血(血糊です)のついた顔で、にこりと残酷に微笑む。
「ここを通さないと、みんなもこ~んな風になっちゃうんだよ?」
「「「アイエエエ!」」」
「嫌だよねぇ? 死ぬの、怖いよねぇ?」
「「「ア、ア……!!」」」
あまりの恐ろしさに、さすがに悪魔たちもガタガタ震えていた。
これはもはや、彼らの憧れるワルさを超えてしまっているらしい。
しかし憧れはともかく、恐怖的な意味ではこうかばつぐんだ!
「でないとこんな風に……オラッ!!」
「「「ギャー怖いィ~!!」」」
ドスドスドスドス! 床に落ちた人形をめった刺しにする紅! コワイ!
「こいつ……! いいから話を聞け、紅っ!!」
頭に血が上った蒼は、思わず紅に銃口を向けた。
すると紅は途端に震え上がって、刃物を投げ捨てて両手を上げた。
「ほら、見て! こんな風に無慈悲に殺されちゃうんだよぉ! しくしく……」
「「「お、お助けーッ!!」」」
「あ、いや、違……ぼ、僕はそんなつもりじゃ」
あたふたする蒼。悪魔たちに見えない角度でニヤニヤ笑う紅。
蒼は拳を震わせつつ、決意した。こいつ、あとで一発ぶっ飛ばす……と。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジン・エラー
【甘くない】
ウビャヒャヒラヒャヒャハハハハハァァ~~~~~!!!!!
クリスマスと言やァ~~~~聖夜だよなァ~~~~~??
聖夜と言やァ~~~~~~~~????
オレだよなァ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!
は?聖なる夜なンだから聖者が輝くのは当然だろ。
ハァ~~~~シケるなァ~~~~エリシャァ~~~~~~~
ア?酔って、ねェ~~~~~~よォ~~~~~~~!!!
ほォ~~~~ら飲め飲めェ~~エリシャァ~~~~!!!(※ただの水)
こォ~~~ンな体してるクセにコイツまだ18なンだぜ?やべェ~~~~だろォ~~~~~??
ま、お前らにゃァ~~~やらねェ~~~~けどなァ~~~~~~~!!!!
千桜・エリシャ
【甘くない】
これほど聖夜に相応しくない聖者もいませんわね…
あら、もうべろんべろんではありませんの!呆れましたわ
って、私はお酒は(まあ、打ち合わせ通りですが)
ああ!未成年なのにお酒を呑んでしまいましたわ!
なんて…ちょっとジンさん!?…ひゃあ!?
ひ、人前でそんなところ…!
打ち合わせと違うではありませんの…!
そこまでするなら私だって悪鬼羅刹…
えい!っとジンさんの尻を鷲掴みにしてからばしーんとはっ倒して
赤い首輪を掴んで引き寄せて
さながら女王様の如く
行儀のなってない子は私が躾直して差し上げますわ
ふふ、でもちゃんと言うことを聴けたらご褒美をあげてもよくってよ?
唇をなぞって――くすり
私と悪いことしましょう?
●……もしかしてこいつらイチャついてるだけでは!?
「ウヒャヒャヒラヒャヒャハハハハハァ~~~~~~~~~!!!!」
「「「うわっ、うるさっ!!」」」
あまりにも耳障りでやかましい笑い声に、悪魔たちは思わず耳を抑えた。
鎧の悪魔といっても、騒音を防御できるわけではない。
しかもジン・エラーの笑い声は、とんでもなく下品で愉快げだった。
一緒にやってきた千桜・エリシャも、さすがにうんざりした顔である。
「本当に、この笑い声だけはどうにかなりませんかしら……。
いえ、笑い声だけじゃなくて、直してほしいところは沢山ありますけれど」
「おいおォ~~~~~~~イ、エ~~~~リシャァ~~~~、何言ってンだァ?
オレのど~~~~こに、直すべき欠点があるってンだよォ~~~~~~???」
「そういうところですわ、そういうところ!!」
エリシャですら、目くじらを立てるレベルだ。悪魔もたじたじである。
しかしジンは、いつも以上のハイテンションを抑えようともしない。
「な~~~~~に言ってンだよォ、ここはいまクリスマスなんだぜェ~~~~?
クリスマスと言やァ~~~~聖夜だろォ~~~~? そして聖夜といやァ?」
「…………」
「…………」
「…………えっいまの私に解答を求めるフリでしたの!?」
「そォだよォ~~~察しが悪ィなァ~~~エリシャよォ~~~~」
「あ、あなたに呆れられるのはものすごく不本意ですわ……!!」
ぷるぷると屈辱と怒りに震えるエリシャ、けらけら笑うジン。
「とォ~~~にかくだァ、聖夜と言やァ~~~オレだよなァ~~~~!!??」
「そんな解答わかるわけないでしょう!?」
「どォしてだよォ~~~??? だって聖なる夜だぜェ~~~!?!?!?」
ピカーッ! ジンが光り輝く! まるでイルミネーションだ!
「「「うおっまぶしっ!!」」」
鎧の悪魔たちは、思わず目を押さえた。ジンはキラキラ輝いている。
「なんで輝く必要がありますの……」
「聖なる夜なンだから聖者が輝くのは当然だろ(真顔)」
「突然落ち着かないでくださいます!?」
ぜー、ぜー。テンションの乱高下についていけず体力を浪費するエリシャ。
すっかりツッコミで消耗させられる彼女を見て、これまた笑うジン。
もしかして潜入のアイデアとか嘘っぱちで、ただ遊ばれてないかこれ?
エリシャは思わずそう考えてしまったが、さすがにそれはないと思い直す。
「ウヒャヒャヒャ~~~!! おもしれェおもしれェ~~~~!!」
いややっぱ面白がってるだけだこいつ!! エリシャは剣を引き抜いた!
……と、ここまでは打ち合わせ通り。
エリシャはこほんと咳払いすると、呆れた顔を作ってジンに言う。
「ジンさん……もしかしなくても、酔っていますわね?」
「ヒャヒャヒャ! 酔ってねェ~~~よォ~~~~!!」
「す、すげえ、全力で泥酔してる!」
「ガールフレンドにダル絡みとか、ワルすぎる!」
「主に酔い方がワルすぎるぜ……!」
なんか悪魔たちは興奮していた。えっこいつこんなのでいいの?
「この世界本当に大丈夫なんですの……?」
「ンなこたいいからよォ~~~、お前も呑めよエリシャァ~~~!!」
「えっ!? い、いえ、私お酒は……まだ18ですのよ!?」
「いいからいいからよォ~~~、ほれほれよいではないかァ~~~???」
「ちょ、しなだれかかるなんて打ち合わせには……ああもう、邪魔ですわっ!!」
スパーン! 腰の入ったいいビンタが入った! さすがは女将!
ジンはすってーんと転ぶが、起き上がりこぼしみたいに立ち上がった。
みねうち(?)である。ふたりのツーカーとなればその程度余裕だ(?)
「……ちょっとおもしろいですわね」
「エッ?」
その時、珍しくジンのほうがきょとんとした。
打ち合わせでは、ここでエリシャに無理やり酒(ただの水)を呑ませるところ。
未成年なのにお酒を飲んじゃうワルいやつ! とゴリ押しする流れだった。
しかしいまのスナップが、エリシャの中でなんか響いたらしい。
「おい待てェエリシャァ、打ち合わせと違」
「ふふふ、いまさらですわジンさん! あなたも大概ですもの!」
スパーン! ジンをビンタ! 倒れて起き上がるビンタ!
「グエーッ!?」
「いつもいつも!(スパーン!)」
「グワーッ!?」
「わたくしで!(スパーン!)からかって遊んでばかりで!(スパパーン!)」
「グワーッ!?」
「いい気になるのも! 今日まで! ですわよ!!」
スパーン! スパーン! スパパパパーン!
往復ビンタだ! そしてジンのケツを鷲掴みにし、ひっぱたく!
「いでででで!? おいィなんだこの流れはァ!?」
「ふふふふ……行儀のなってない子は、私が躾け直してあげましょうか?」
「完全に別の需要にコミットしてんぞエリシャァ~~~~!!」
これ大丈夫なのか? ちらっと悪魔の様子を伺うジン。
すると悪魔たちはというと、
「す、すげぇ! 人前でイチャつくなんて、すげーワルだぜ!」
「おまけにカカア天下だ! これはワルすぎる!」
「デストロイキング様は独身だもんな!」
「あらゆる意味で勘違いされてンぞエリシャア~~~!!」
「ふふ……きちんと躾けが出来たらご褒美をあげなくもなくってよ?」
「お前もお前で完全にスイッチ入ってんじゃねェかァ~~~!?!?」
完全に女王様モードのエリシャ。文字通り尻に敷かれるジン。湧き上がる悪魔達。
なんだろうこの光景。悪い夢か何かかな?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジョン・ブラウン
【悪巧み四天王】
「悪事が善行だなんて……参ったね、どうも僕達には厳しそうな世界だ」
「良心が痛むがここはワルのフリをして通してもらうとしよう」
サングラスにフードを被った路地裏のラッパーみたいなスタイル
凄いでかいだむぐるみに乗ったまま入園(邪魔)
『ほれ入園料、カードで払うむー(使用済みウェブマネーカード)』
「おいおい君たち、彼を誰と心得てるんだい?」
「彼こそは悪巧み四天王最凶の男、デスリクロウ……」
「生まれてこの方一度もトイレを流したことがない生粋のワルさ……」
「あれ、そういやあいつ何処に――」
『そこのお前、絶望のスープにはらわたのソテー、悲しみの涙のカクテルを持って来いむー』
「なんだ食事中か」
リチャード・チェイス
【悪巧み四天王】
悪事こそが善行とは何と面妖なことか。
果たして我々が順応できるであろうか(今までの聖者の如き善行の数々を思い返す)
まったく、入場の対価はきちんと支払いたまえ(はー、やれやれ)
入場料は鹿せんべい3枚であったな(ちゃんと料金表を油性ペンで書き換える)
では丁度だ。受け取りたまえ(せんべい2枚を擦り合わせると3枚に見える)
支配人に何の用があるなどと知れたことを。
無論、我らがデスリクロウがデスティニィランドを支配しシカティニィランドへ塗り替え、
それを足掛かりに世界全てを恐怖のずんどこに落とさんがため。
支配が完了した暁にはグリンピースは残し放題、将棋で二歩し放題の夢の世界が完成するのである。
曾場八野・熊五郎
【悪巧み四天王】
犬なので正々堂々無賃入園する
匂いを辿ってご馳走に直行する
UCを発動しながら食事を満喫する
「おほー、美味そうでごわすがこうするともっと旨くなる」(唐揚げにレモンをかけるように、無断で蛍光色の犬の餌をご馳走にぶちまける)
「うまい、うまい……食が進まないなら我輩がいただくでごわす」(犬の餌を避けて食べようとして遅くなった面々を尻目に別の料理にもぶっかけ始める)
「楽しいところでごわす。そうだ、ここを我輩たちの縄張りにするでごわ」
「下僕たちには3食美味しい餌を提供でごわ。なんという良ボスっぷり」
「それじゃあ手始めに……『支配人室からマーキング』するでごわ」(後ろ足上げてマーキング素振り)
ティアー・ロード
【悪巧み四天王】
私はヒーローだから悪い事なんて縁がない
なので詩蒲くんをワルに仕立て上げようか
詩蒲くんが支配人討伐宣言したら懐から現れ
民衆を煽るよ(便乗による無賃入園)
「はーっはっは!
クリスマスを楽しむとは……
さては貴様ら”良い子”だな?」
クリスマスは良い子にプレゼントが配られるイベント!
そんなイベントを楽しむワルなど笑止千万!(高笑い)
「サンタさんは良い子にプレゼントを持ってくる
そしてそれに対を為す真の悪
デビルサンタは民衆からプレゼントを頂いていくのだ!」
「悪魔よ、自らもワルだというのならば、支配人……
金の場所に、この極悪人を案内したまえ!」
「そういえばその鎧の下って乙女だったりするかい?」
詩蒲・リクロウ
「チーム悪巧み四天王」
悪い事すれば褒められる世界。なんかこう罪悪感がすごすぎますね。あ、すみま……じゃなかった、入らせてもらいますよ。
(小さくぼやき無賃入園をしようとする。入園を止められそうになっても構わず押し入る。謝罪はしない、なぜならワルだから)
(そして思い思いに悪事を働く平常運転の仲間達を生暖かい目で見つつ)
あー、なんかウチのチームと相性良さそうって言われまくってる意味がわかってきましたよ(メタい事も平然と言う。ワルだから)
あ、そこの貴方、ちょっと支配人ぶっ飛ばしに来たんですけど部屋まで道案内頼めます?(この世界で支配者を倒す事の意味を知らないリクロウは馬鹿正直に係員に尋ねるのであった)
●もしかして全員の生まれ故郷かなんかだったんじゃねえのかな?
――デビルキングワールド。
悪魔を自称するいい子たちが住む、魔界とも呼ばれる異世界。
悪魔たちは強大ながらも、あまりにいい子すぎて一度は滅亡しかけた。
そんな彼らの滅亡を抑えるために作り出されたのが、デビルキング法だ。
ワルいことは素晴らしい。
欲望を解放することは、かっこいい。
全力でワルになれ、という法律を、悪魔たちは真面目に守った。
なにせ、いい子だから。
真面目に不真面目という、どっかで聞いたことのあるワードである。
オブリビオンは、そんな彼らのバグった思考回路の隙を突く。
それを止めるためには、同じようにドデカいワルになって悪魔を味方につけるしかない。
つまりこの世界では、猟兵もまたワルになる必要があるのだ。
真面目な猟兵は、この簡単なようで難しい前提条件に苦しんでいた。
それはそうだろう、わざわざワルいことをするだなんて、生半可なことではない。
心に慈愛と勇気を宿し、融和と協調を尊ぶ善人にとっては、なおさらに。
だからこの世界は、素っ頓狂なようでその実、かなり切迫しているのだ――。
「悪事が善行だなんて……参ったね、どうも僕達には厳しそうな世界だ」
……ん?
「うむ。はたして我々のような善人が順応できるかどうか……」
んん?
「善人と言えば我輩ら、我輩らと言えば善人でござるからな。いやー心外心外」
んんん?
「そう、特に私はヒーロー……悪いことなんて生まれてこの方縁がないさ」
んんんん?
「ほんと何食えばそういうセリフシラフで出てくるんですかね」
ほんと何食えばそういうセリフシラフで出てくるんだろうな!!!!
失礼、思わず詩蒲・リクロウさんと地の文が被ってしまいました。
まあそんなわけで、デビルキングワールドに降り立った特A級のやべーやつら。
この世界に絶対に来てはいけない、この世界だからこそ映える頭のおかしい連中!
人呼んで、チーム悪巧み四天王!
「良心は痛むけど、ここはワルのフリをして通してもらうとしようか」
サングラスにフードの路地裏ラッパースタイル!
お前のファッションはもっとギークじゃなかったか? ジョン・ブラウン!
「そう、これも世界のため、人々のためである。心を鹿にして臨むべきであるな」
だからお前はシャーマンズゴーストでしかないだろ! リチャード・チェイス!
「それより我輩うんこしたいのでごわすがワルならそこらへんでいいでごわすか?」
誰がお前のフンを持って帰るんだ! 曾場八野・熊五郎!
「ダメだよ、そんなことをしたら詩蒲くんに殺されてしまう。
なにせ彼はワルの中のワル……に、なる予定の捨て石なんだからね」
もう本音がダダ漏れじゃねえか! ティアー・ロード!
「えっいまさりげなく僕のこと捨て駒にするって言いませんでした!?」
常識人みたいな顔をしてるけど時々お前も大概だ! リクロウ!
5人合わせて四天n……いや五人いるじゃねーか!?
まあ多分、リクロウ以外の四人で四天王、ってことなんだろう。
いややっぱ全員大概だよ! これまで積み上げた"罪"は"消せねえ"ゾ……!?
繰り返すが、ここはデビルキングワールド。
ワルこそが崇められる変な世界。成り上がるのはワルになるしかない世界。
猟兵の多くは、ワルにならざるを得ない苦しみに悩みを抱いていた。
こいつらも口じゃ同じこと言ってるけど、まあ楽しそうなこと楽しそうなこと!
だってやってることいつもと変わんねえもんな! 許せねえよなあ!?
「いらっしゃいませ、ようこそデスティニィランドへー」
「お一人様1000Dになりま」
『ほれ入園料、カードで払うむー』
「ってこれ使用済みの電子マネーカードじゃないですか!?」
思わずツッコミを入れる悪魔。だがジョン on the だむぐるみは気にしない!
無理やりずんずん入園するジョン&だむぐるみ! な、なんてワルさだ!
「まったく、入場の対価はきちんと支払わないとダメであるぞ、すまぬな諸君」
「は、はあ、1000Dになりま」
「うむ、これでちょうどである。受け取りたまえ」
「って何当然みたいに料金表書き換えてんですかァーッ!?」
「しかも油性ペンだこれ! 取れねえ!!」
「そもそも支払ってるのがDですらなくてただのせんべいだ!?」
おまけに、リチャードが書き換えた料金にすら足りていない!
せんべい一枚さえ誤魔化す男、リチャード! ワルいっていうかケチだこれ!
「おほー、あのケーキ美味そうでござるな! 美味そうでござるな!」
「あ、あのペットはちょっと」
「だがこうするともっとうまくなる!!!」
「アーッ!? ケーキに犬の餌をぶちまけるなーッ!?」
熊五郎はもりもりケーキを食べていた! グッドテイスト!
口の周りをクリームだらけにしてぐっとサムズアップ。なんだそのやり遂げた顔。
「さあ詩蒲くん、私たちのことはいい、キミはキミの為すべきことを」
「いや僕いまなにしてるかわかります? 皆さんの尻拭いですけど???」
いそいそと人数分のD(デビル)を支払っていたリクロウ、呆れ顔だ。
なお悪魔たちもきょとんとした顔で受け取っていたという。
「無賃入園しようと思ったけどあまりに皆さんが傍若無人すぎてそれどころじゃないですよ!
そもそもなんなんですか、その自分たちは善人みたいな物言いは!」
「みたいな、も何も……ねえ?」
「うむ。まあ鹿にはわからぬのであろうな」
「うめ、うめ(寿司をもりもり食べてる駄犬)」
「私たちほどの善人はいないよね。この三千世界には」
「スケールデカすぎるし厚顔無恥にもほどがありますよ!?」
いけしゃあしゃあとほざく四天王ども(一匹もりもり餌食ってるけど)
こいつらこの世界で生まれたんじゃねえのか……? と怪訝になりつつ、
リクロウは気を取り直し、支配人とやらの居場所を探すことにした。
「ここは僕が少しは真面目に情報収集しないとダメそうですね……あ、すいません」
「え、あ、はい」
お前本当に悪魔? って感じのトーンで応対する一般鎧の悪魔。
「僕ら支配人に会いた……じゃなくて、ちょっとぶっ飛ばしに来たんですけど」
「えっ」
「部屋までご案内頼めます?」
「…………」
鎧の悪魔はなにやら無言でインカムを操作している。
しばらくすると、ぞろぞろと鎧の悪魔の大群がやってきた。
「おい、連絡にあったのはそいつか?」
「そうです」
「ふーん、支配人をぶっとばしにきたねえ……」
「え? え? あの、これ何が起きてるんです?」
「「「「…………」」」」
「ちょっと! そこでなんで目をそらすんですか皆さん!?」
ぞろぞろ。鎧の悪魔はさらに集まる! そりゃそうである!
彼らの仕事は、デストロイキングを護衛すること……つまり、警備!
そんな連中にド真ん前から討伐宣言! そりゃもう全軍出動である!
「よし、全員でタコ殴りするぞ!」
「えー!?」
「「「ウオオオオーッ!!」」」
襲いかかる鎧の悪魔! リクロウよ、グリモア猟兵の話聞いてたか!?
かくして悪魔のユーベルコードが一斉に放たれようとした、その時である!
「……おいおい、キミたち。彼を誰と心得ているんだい?」
ざっ、とかっこよく割り込むジョン。タイミングを狙っていたらしい。
「彼こそは悪巧み四天王最凶の男、デスリクロウさ」
「なんですかそのニックネーム初めて聞いたんですけど!?」
「そりゃ今考えたからね」
「せめて作戦とかを僕に伝えてくれませんかねえ!?」
わ、ワルい! 問題はそのワルさが主にリクロウに向いてるんだが!
「で、デスリクロウだって……!?」
「なんてワルそうな名前なんだ……!」
「デストロイキング様よりもワルいというのか……!?」
しかも悪魔たちも、普通に騙されかけていた。こいつらダメだ。
「デスリクロウは恐ろしい男さ――なにせ彼は」
ぎらり。ジョンの目が輝いた!
「生まれてこの方、一度もトイレを流したことがない……!!」
「勝手に人のことをえんがちょな感じにしないでくれませんかねぇー!?」
「我輩うんち出そうなんでごわすが」
「此処に居ますよもっとやばいの! ねえ!!」
「「「いくらなんでもワルすぎるぜ!」」」
「しかもそれでいいんですか!? 大丈夫ですかこの世界!?」
リクロウのツッコミもごもっともであった。
「ま、待て! そのデスリクロウとやらが、何の目的でここまで来た!?」
と、ノリのいい悪魔が問うた。
「それはですね、実は皆さんが従っているのはオブリビ」
「戯言を。無論、我らがデスリクロウがこの遊園地を支配するのである」
「僕のセリフ遮らないでもらえませんかぁ!?」
リチャードは聞いていない。なぜならば、鹿だから!
「そう、今日からここはデスティニィランドではなくシカティニィランドになる!
それを足がかりに世界すべてを恐怖のずんどこに落とし、染め上げるのでである!
支配が完了した暁には、グリンピースは残し放題、将棋で二歩し放題のだ!」
「「「や、やべえ……!!!」」」
リチャードが(勝手に)語る陰謀に、悪魔たちは震え上がった。
もちろんレーズンパンのレーズンだって残しちゃうぜ! だってワルだから!
「下僕たちには三食美味しい餌を提供でごわ。ほらこの極彩色の犬の餌」
「ご、ご飯ですらなく犬の餌だって!?」
「悪魔をイヌ扱いなんて、すさまじいワルだぜ!」
「いやあいつただのイヌじゃねえ?」
「そうでごわしょうそうでごわしょう、これは我輩のとっておきのご馳走でごわす。
喉から手が、もとい口から舌が出るほど欲しくなるのはごもっともでごわす」
「あの全力で見下されてるんですけどそれ気付いてます???」
「さあデスリクロウ! 我々で支配人室からマーキングを開始でごわ!」
「しませんよマーキング!? あと後ろ足上げて素振りするのやめてもらえません!?」
熊五郎はイヌであった。見た目もやってることも全部犬だこれ!
「くっ、クリスマスを愉しむ俺たちよりワルがいたなんて……!」
「ふっ、甘いね諸君。そもそもクリスマスを楽しむなんていい子の証拠さ!!」
「「「!!!!!」」」
ティアーの指摘に、悪魔たちは戦慄した!
「クリスマスはいい子にプレゼントが配られるイベント!
そんなイベントを楽しむワルなど、笑止千万! ハァーッハッハッハ!」
「「「ぐ、ぐうの音もでねえ……!!」」」
「いやそこは悪い子として反論すべきところじゃないですか?」
「「「だってオレたちもプレゼントほしいもん!!」」」
「もんて。いや、もんて」
欲望に忠実な悪魔たち、もとい幼児たちにドン引きのリクロウである。
「我々はデビルサンタ! いい子にプレゼントをあげるサンタの対になる真の悪!
さあプレゼントがほしい悪魔たちよ、真の悪を目指すなら我らの仲間になれ!」
「な、仲間になるとどうなるというんだ……!?」
「デビルサンタは――逆に! プレゼントを! 戴いてしまうのさ!!!」
「「「!!!!!」」」
「そしてそのリーダーが、我らのデスリクロウというわけさ。おそろしいね」
「さりげなく主犯格に仕立て上げるのやめてもらえませんかホント!?」
「さあ、通さないとデスリクロウが君たちを頭から貪り食うよ」
「尻尾まで美味しく戴いてしまうのである」
「勝手に人をカニバリストみたいに」
「え!? ご馳走の話でごわすか!?」
「……この人……人? はほんといつもどおりですね」
「ところでキミたちって鎧の下、美人だったりするのかい?」
「この人もほんとにいつもどおりですねえ!?」
しっちゃかめっちゃかであった。これだからこいつらはよお!
「ところでだむぐるみどこ行ったんだろう」
「それならばあそこである」
リチャードが指差した先では、だむぐるみがもりもり無賃飲食をしていた。
『そこのお前、絶望のスープにはらわたのソテー、悲しみの涙のカクテルを持って来いむー』
「なーんだ、食事中か」
「……いやそもそも最大の謎じゃないですかあれ!? 食べ物食べられるんですか!?!?!?」
「「「ワ、ワルすぎるぜ……!」」」
「もうツッコミが追いつかないんですよほんと!!!!!!!」
リクロウの悲痛な叫び声は、特に誰からも省みてもらえないのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
紫・藍
セロのおにーさん(f06061)と!
魔女ロッカー姿
以下技能フル活用でお送りするのでっす!
藍ちゃんくんでっすよー!
開幕空から降り注ぐステーッジ!
ギミックのインクマシンガンなどで遊園地を染め上げつつ、遊園地とデビル合体!
違法建築&落書き&無許可ライブの極悪コンボ!
気分はすっかりインベーダー!
テステス!
この遊園地は、藍ちゃんくんとおにーさんが乗っ取ったのでええっっす!
ここでギター!
名付けるなら、藍ちゃんくんデスメタルヘルファナティックインフェルノアゴニィキュートランドスペシャルスペシャルステエエエエッジ!
さあさ皆さま悪いことをしまっせんかー?
お仕事をほっぽりだしてライブに夢中になるという悪いことを!
セロ・アルコイリス
藍ちゃんくん(f01052)のステージと一緒に
ラファガと空から不法侵入!
はいお邪魔します!
キュートな竜もご一緒に、ステージもテーマパークも塗り潰す!(ペンキで物理)
ピンクはお好き? それとも藍色ですか?
おれ達色に、ファンシーに落書き施して(上手くはない)
うん、おれは鉛筆のが好きだけどこれで放置すんのもワルですよね!
ちょいとクリスマスを遅れてやるだけで満足するなんて甘いですよ
真面目に働いてるなんて信じらんねーです!
おれは盗人
藍ちゃんくんはショウスター
ふたりであんたらの時間を奪います!
さあようこそ、藍ちゃんくんデスティニ『ー』ランドステージへ!
え? いえいえ、『キュート』の『ー』ですよ?
●ショウタイム!
「あ、あれはなんだ!?」
ばっさばっさと空を征く白き翼竜!
すわワルな悪魔の襲撃か? 鎧の悪魔たちは騒ぎになった!
「あれは鳥か?」
「飛行機か?」
「いや、違う! ……いやなんだあれ!?」
ばっさばっさばっさ……シュバッ!
「「とーう!」」
と子どものように元気な声で、翼竜の背から降りたふたつの人影。
まるでそれは、フェスに駆けつけたロッカーのような魔女姿だ。
「いえーい! 藍ちゃんくんでっすよー!」
「セロおにーさんですよー! お邪魔します!」
紫・藍とセロ・アルコイリスは、ハイテンションで名乗りを上げた。
唖然とする悪魔たち、すると藍は片手を上げ、ぱちんとフィンガースナップ!
「そしてカモン、マイステーーーーージッ!」
「「「ステージィー!?」」」
ヒューーーーーン……ZZZZZOOOOOOMM!!
藍の背後に落ちてくるギミック付きのライブステージ! なんて派手さだ!
気分はまるでインベーダー、この我が物顔はまさしくワルの仕業である!
「今日からこのスペースは、藍ちゃんくんとセロのおにーさんの!」
「特設ステージに早変わり! さあ塗りつぶしちゃおう!」
BRATATATATATATA! ステージからインクマシンガンがせり出し乱射乱射乱射!
セロも藍もペンキを取り出して、インクまみれになりながら塗りまくる!
もちろん頭の上から、ラファガもインクを撒き散らす。大変だ!
「ちょ、ちょちょちょちょっと! せっかくのクリスマスの飾り付けが!」
「おっと、ピンクはお好き? それとも藍色ですか?」
「藍ちゃんくん色で染め上げちゃおー!」
止めに入った鎧の悪魔まで、ファンシーでケミカルな色に染め上げる。
伊東建築&違法落書き&無許可ライブ。法律なんてなんのその!
なによりふたりのハイテンションが、悪魔どもを台風みたいに巻き込んでいく!
ギュワワワーーン! と、藍のかき鳴らしたギターサウンドが鳴り響く。
「今日からこの遊園地の名前は、そう! 藍ちゃんくんデスメタルヘルファナティックインフェルノアゴニィキュートランドスペシャルスペシャルステエエエッジ!」
「略して藍ちゃんくんデスティニーランドステージだよ!」
「「「待った待った待った!!!」」」
唖然としていた悪魔たちが、いきなりセロの言葉に割って入った。
「まずいですよ! 伸ばし棒はまずいですって!」
「ワルどころの話じゃないですって!」
「それはデストロイキング様もビビリますって!」
「え? キュートの伸ばし棒ですよ? だから問題はないですよね?」
「「「い、いやでも……」」」
「そもそも文句もクレームも聞いてないでっすよー! イエーイ!」
「イエーイ!(ハイタッチする藍とセロ)」
なんてことだ。大人の事情も気にしないワルさ! 極悪だぜ!
「クリスマスを遅れてやるだけで満足するなんて、ケーキみたいに甘いですよ?」
「真面目に働くよりも、藍ちゃんくんのステーーージで楽しんじゃえ!」
「おれは盗人、そして藍ちゃんくんはショウスター!」
「ふたりで一緒に、みんなの時間を奪っちゃうでっす!」
空では白竜ラファガが楽しそうに舞い踊り、ゴキゲンなサウンドが流れ出す。
インクマシンガンが景気づけにぶちまけられて、みんながケミカルカラーに変身だ!
「うおー! ワルすぎるぜー!!」
「こうなったら仕事なんてほっぽりだすしかないぜ!」
「みんなでライブだ! イエー!!」
ギターサウンドでテンションアップした悪魔たちはモッシュする。
あっという間に、クリスマスなんてどこへやら。
このステージは、藍とセロの独壇場に早変わり!
「さあさ皆さま、楽しく悪く! ライブに夢中になるでっす!」
「ラファガ、おいで! その風で音を届かせておくれ!」
遊園地の彼方まで、いいやどうせならデビルキングワールドの彼方まで。
派手派手なギターサウンドは、どこまでだって自由に響き渡る――!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レオン・ブルー
まだクリスマスの美味しいものが食べられると聞いて華麗に参上でごさる。
このご馳走、食べて良いでござるか?それなら拙者まずはいきなりケーキから食べちゃうでござる!ケーキでもうお腹いっぱいになっちゃうんじゃない?ってくらい食べるでごさる。
そしてその後に寿司!ケーキでほんのりお腹が膨れちゃったから、高級ネタだけ食べるでござる。その後にまたケーキ!チキンも美味しそうでござる!
ん?拙者が何者かと?
拙者はニンジャでござる。ニンジャといえば汚いの代名詞。このテーマパークをよりワルくするためにデビルキング支配人と打ち合わせをしにきたのでござるよ。
あ、拙者が食べた分は支配人のツケでお願いするでござる。ニンニン!
●さすがきたないなニンジャきたない
クリスマスといえば? やはり、プレゼントだろうか。
それもある。だが、レオン・ブルーの場合は少し違った。
クリスマスといえば! それは……美味しいものが食べられる日のことだ!
「ケーキが食べ放題だなんて、夢のようなテーマパークでござるなー!」
ここは、デスティニィランドにあるレストラン。
レオンは次から次へと運ばれてくるホールケーキを、むしゃむしゃ食べていた。
一体その小さな体のどこに、こんな量が入るのかという勢いだ。
「まだまだたくさんありますから、好きなだけ食べてくださいね!」
「ありがとうでござる! ……そういえば、お寿司もあるんでござるな?」
「ええ、クリスマスといえばケーキやチキンもいいですが、お寿司もですよ!」
「それはキニナルでござるな!!」
レオンは目をキラキラさせて、次は寿司をパクパク食べ始める。
とはいえ、さすがにホールケーキを食べたあとでは、そう量も食べられない。
「……ふっふっふ、今日の拙者はワルでござるよ!」
「お客様何を……ああっ!?」
店員悪魔は驚いた。レオンは……寿司のネタだけを食べているのだ!
しかもただの寿司ではない。大トロやらウニやらカニやら、高級ネタばかり!
その美味しいところだけを食べるという、なんとももったいないワルさだ!
「あ、ちなみにお代は支配人のツケでお願いするでござる」
「お客様、支払いさえ踏み倒すつもりなんですか!?」
「それは当然でござる! なぜならば、絶者は!」
頬についたケーキを舐め取りつつ、レオンはテーブルの上に立った。
なにせワルなので、こんなこともしてしまう。悪魔は震える!
「拙者は、ニンジャ……そしてニンジャといえば、汚いの代名詞でござる!」
「きたないニンジャ!?」
「そうでござる。このテーマパークをよりワルくするためにやってきたでござる。
今までのは、そう……デストロイキング支配人の腕前を試すテストでござるよ!」
どどーん! と、胸を張るレオン。もちろん全部嘘っぱちである。
だが悪魔は、あまりの自信満々ぶりとそのワルさに、信じ込んでしまった!
「となると支配人室へお連れしないといけませんね! どうぞこちらへ!」
「クルシュナイでござる~」
完全にVIP待遇で運ばれるレオン。ケーキを食べつつご満悦であった。
大成功
🔵🔵🔵
マーロン・サンダーバード
チィーっす!
俺はアンチ太陽の使者サンダーバード!いい歳してデスメタルとか大好きな男だ!
クリスマスゥー?それ聖なるおっさんのなんか…記念日的なやつだろ?
聖なるおっさんよりハロウィンだぜ!
悪魔的に練り歩き!菓子を奪い!悪戯もする!悪霊も祭りにこっそり混じっていい!
そんなワルの祭りよ…
(太陽おじさんには合間合間に「ハロウィン!」って煽ってもらう)
ああでもエッチな悪戯はTPOに合わせろ!正義の味方っぽい極悪なやつが来ちゃうからね!
キラッキラしたお祭りだからイルミネも再利用できるから片付けとかいらねえぜ!
ぼちぼちケーキ以外のお菓子も食いたいだろ?
俺がいっちょ支配人にナシつけてくるから、案内してくんね?
●うお、まっぶし!!
「こいつはゴキゲンなテーマパークだなあ、おじさん!」
「太陽!」
「こんなにゴキゲンだと……ついついめちゃくちゃにしたくなるぜ!」
「太陽!」
「たとえばそう……ハロウィンだ! ハロウィンをやろう!」
「太陽!」
「……おじさん、太陽以外になんか言えねえ?」
「太陽(ハロウィン)!」
「なんだよその逆に器用な真似!?」
「太陽(ハロウィン)……」
「まあもうそれでいいや! よろしくなあ!」
てなわけで(?)
マーロン・サンダーバードは、意気揚々と鎧の悪魔の群れに混じった。
「「「何者だ!?」」」
「チィーっす! 俺はアンチ太陽の使者、サンダーバードだ!」
「「「アンチ太陽の使者!?」」」
「そうだぜ? ワルいだろう?」
にやり。とわらうマーロンの身体は、太陽めいてピカピカである。
なんなら隣りにいる謎のおじさんも、太陽めいてピカピカである。
「いやでも完全に太陽の使者だよなあ……」
「まあ待てよ」
困惑する鎧の悪魔たちの言葉を遮り、マーロンは言った。
「俺はほとんど太陽の使者……つまりアンチ太陽の使者ということだ」
「「「な、なるほど!!」」」
納得してしまう悪魔たち。お前らそれでいいのか?
「そんなことよりだ! クリスマスなんかよりハロウィンしようぜぇ!」
「太陽(ハロウィン)!」
「あのいまそこのおじさんが太陽って」
「いいからいいから! 聖なるおっさんのなんか……記念日とかどうでもいいだろ!」
怪訝そうな悪魔たちを勢いでゴリ押ししようとするマーロンである。
「悪魔的に練り歩き!」
「太陽(ハロウィン)!」
「菓子を奪い!」
「太陽(ハロウィン)!」
「いたずらもする!」
「太陽(ハロウィン)!」
「悪霊も祭りにこっそり混じってもいい! ハロウィンは、まさにワルの祭りさ」
「太陽(ハロウィン)!」
「いやあのさ、おじさんやっぱもう少しなんとかなんねえ?」
「ハロウィン……」
「言えんじゃねーーーーーかよ!?」
「そもそもそのおじさん誰ですか?」
「え? いや知らん」
「「「怖っ!?」」」
謎のピカピカ光る太陽おじさん。誰? 誰なの? 怖いよぉ!!
「おっと、ただしエッチないたずらはTPOに合わせろよ、悪魔たち!」
「そりゃまあ、なあ」
「えっちなのはいけないもんなあ」
「ワルっていうか、ねえ?」
悪魔たちはいい子であった。マーロンはヒーロー顔でうんうん頷く。
「皆乗り気だろ? やろうぜ、ハロウィン!」
「「「ハロウィン!!」」」
「太陽(ハロウィン)!」
「いやおっさんは黙っててくれな」
「節分……」
「「「また別の言葉喋った!?」」
「と・に・か・く・だ!」
マーロンはまたゴリ押しする構えである。
「俺がいっちょ支配人にナシつけてくるからよ、案内してくれよ!」
「「「ハロウィーン!!」」」
「太陽~」
「マジでなんなんだこのおじさんは……」
「「「いや本当になんなんだ……」」」
おじさんから距離を取る悪魔&ヒーロー。おじさんはしょんぼりしていた。
大成功
🔵🔵🔵
ムシカ・ガンダルヴァ
【アドリブ・連係歓迎】WIZ
何この、何?頭悪いよこの世界……!
まぁ良い、我がもっと悪い事を教えてやらねばならぬな!!
UC【冥神の権威】でもしかしたら説得力も上がるかもしれないので、常時神っぽく説得する
「クリスマス過ぎても続けるのは来年、再来年のクリスマスを前借りするようなもの」
「確かに悪い。数字で言えば365点だ……この数値が分かるな?」
「だが、これよりも悪い事がある。そう……12年後の子年を迎えちゃう事だ!!」
「数字で言えば365×12だ!これより悪い事があるか!?」
「ないな!では子年を迎えるぞ!!」
鼠の絵馬を用意しろ!飾り付けも鼠に変更だ!
ちゅー!ちゅーちゅー!!ちゅーちゅーちゅー!!!
●ネズミの時代は終わりだぜ~!(そのままの意味で)
「ん? なんかさっきより天気が悪くなってないか?」
「え!? ワル!? どこどこ!?」
「いや天気の話だよ。ほらなんか曇ってるし」
と、世間話をしている鎧の悪魔たち。
空を見上げるとなるほど、なにやら暗雲がたちこめており稲妻も起きている。
「ってこれいつも通りじゃね?」
「そういやそうだ、ここ魔界だもんな!」
「「あーはっはっはっは!」」
どうやら悪魔ジョークだったらしい。えっ話の展開は?
『いつも通りなどではなぁーい!!』
「「ひいっ!?」」
その時! 黒雲の中から、稲妻めいてゴロゴロと轟く大音声!
そして神々しい稲光が起こり、現れたのは……!
「女の子だ」
「女の子だな」
「女の子じゃなーいっ!!」
威厳ゼロの神様……もとい、ムシカ・ガンダルヴァは地団太を踏んだ。
「はっ、いかん! ボク……あーいや、我は神! そう、死の冥神なるぞ!」
「「死の冥神!? なんだかわかんないけど、ワルくてカッコいい!」」
ノリのいい悪魔たちは、あっさりムシカの演技に騙されてしまった。
いや全部が全部嘘かと言うと別にそんなことないのだが、それはそれとして。
(おお……頭が悪いけどこの世界、かなりイイかも……!)
と、ムシカもいい気になっていた。
顔がにやけないよう我慢しつつ、ムシカは威厳をたっぷり見せて語りかける。
「クリスマスが過ぎてもクリスマスを祝い続ける……汝らの悪事はまあまあ見事」
「「ははーっ!」」
「しかし! クリスマスを過ぎても続けるのは、いわば来年再来年の前借り!
たしかに悪い……数字で言えば365点だ。しかし! 満点ではなぁい!!」
「……なんで365点って中途半端なんすか?」
「中途半端ではない! この数値の意味がわかるだろう!」
「「……」」
顔を見合わせる悪魔たち。
「「いやよくわかんないです」」
「愚か者っ!!」
ドドーン!(神っぽい行動に付随する特に意味のない稲妻エフェクト)
「ならば教えてやる。クリスマスを続けるよりもワルいことを!」
「「そ、それは一体!?」」
「それは……そう、12年後の子年を迎えちゃうことだ!!!!」
ガガーン!(神っぽい行動に付随する特に意味のない稲妻エフェクト)
「「ね、子年を……!?」」
「そう……特定の日付に依らず、一年の月日そのものを祝い続けてしまうのだ。
数字で言えば365*12! つまり4380点……クリスマスのおよそ12倍だ!」
「「そりゃまあ12で掛けてるんだから」」
「口答えはよい!!」
ムシカはゴリ押しした。
「これより悪いことがあるか? いや、ない! ないな!? そうだな!」
「「でも子年迎えるって具体的にはどうすれば……?」」
「ふっ、そんなものは簡単だ! まずはネズミの絵馬を用意しろ!
そして飾り付けもネズミに変更し、この遊園地そのものをネズミに染め上げる!」
「「……」」
「どうした!? 早くやれ! そして遊園地の名前もディズ」
「「いやそれはまずいです」」
「なんでぇ!?」
予想外の抵抗! ムシカは若干素になりつつ、ぐっと涙をこらえた。
「やだもん……子年続けるもん……! 丑年なんて認めないもん……!!」
「「いやでもネズミはちょっと」」
「やだ! だめ! やるったらやる!! まずはネズミの耳とかカチューシャにして」
「「だからまずいですって! ヤバすぎますって!!」」
あまりのムシカのワルさに、悪魔たちは震え上がった!
そういうことにしてリプレイ終わらせないと、これ以上はやべーわ!
大成功
🔵🔵🔵
プリ・ミョート
毎日がクリスマス! あめえべ! クリスマスケーキの上にのってる砂糖菓子よりあまいべ
おいらなんかクリスマスもクリスマスイブもクリスマスイブイブもそのイブも、ずーっと楽しんでるべ!
悔しかったら、「もっとすごいところ見せてくれ〜」なんて言ってみてけろ!
そしたらおいら、もっともっとオーナーすらも唸らせるどでか悪事を働くんだべ
うまく誘導して《バトラーズ・ブラック》を起動
はっちゃけハイテンションをリミッター解除して田舎者さ特有の馬鹿騒ぎをお見舞いするべ
祭りだ騒げやはーどっこい! うへへへへ!
●上等な料理に蜂蜜をうんたらかんたら
「あめえべッッッ!!」
「「「!?」」」
一匹のブギーモンスターが、鎧の悪魔たちを一喝した。
「毎日がクリスマス……? あめえべ。クリスマスケーキの上に乗ってる、あの美味しそうなんだけど実際食べてみるとジャリジャリしててあんま美味しくない砂糖菓子みたいにあまいべさ!!」
「あれマジパンって云うんだよ」
「へえー勉強になったべさ……って違うべー!!」
プリ・ミョートは機関銃を振り回してぷんすかと怒り狂った。
「おめさらのその悪事はあますぎるべ! おーらに言わせりゃ序の口の序だべよ!」
「なんだと! デストロイキング様をバカにするつもりか!?」
「そうだべ。なぜならおいらは――」
すっ、ビシィ! と、わざわざ背中を向けて振り向きながらポーズをキメるプリ。
「クリスマスもクリスマスイブも、クリスマスイブイブもそのイブも、ずーっと楽しんでるべ!!!!」
「な、何を……!」
「クリスマスプレゼントだべさ!!!!!!! あとカードも!!」
「「「!!!!」」」
まるで育児をろくにしていなかった空母の女船長みたいな顔で愕然とする悪魔たち!
イブのイブイブまで行くと、もう何がなんだかわかんねえ!
その欲深さ、誉れ高い。ものすげえワルを目の当たりにした感想を述べよ!
「「「わ、ワルすぎるぜ~~~!!」」」
「そうだべ? けどこんなもんはまだまだだべ!」
「「「もっとすごいところ見せてほしいぜ~~~!!」」」
「任せておくべさ~~~!!」
バトラーズ・ブラック、発動! プリはハイテンションで神輿に飛び乗った!
「どでかい悪事を働くべ! みんなで祭りを起こして馬鹿騒ぎだべさ!
お仕事なんて気にしない気分は最高だべ! はーどっこいどっこいー!」
「「「ワオオオオーッ!!」」」
もはや悪魔たちは、プリというデカいワルに夢中だった!
「うへへへへ! さあケーキもチキンも食べまくるべ~!」
「「「ヤッター!」」」
ハイテンション集団は、ご馳走をバクバク食べながら支配人室に雪崩込む!
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクティム・ウィンターミュート
はちゃめちゃに馬鹿みてーな世界じゃねえか?
いやマジでどうした?何この……何?
やらなきゃダメ?いや動きやすいけどさ、肯定されるべき行いじゃないっていうか…あー、まあいいや
とりあえずは変装だな
威厳あるドン!!みたいな大物ワルっぽい感じにホログラムを貼り付けよう
そうだな、業務監査みたいな名目でさ
いきなりこう詰め所に入ってくるわけよ
なんだ貴様ら!その腑抜けた面構えは!
日々悪に邁進する者が、ダラダラと何もせず!!
(テーブルに足ガァン!銃ちゃきっ)
自らのすべきことを言ってみろぉ!!(突きつける)
この世界で成功したいならやる気をだせぇい!
ワシは支配人とデカい山の話をする!誰も入るな!
ってな具合に、な……
●堂に入りすぎてるとこういうことになる
ヴィクティム・ウィンターミュートは、自他ともに認める"悪党"である。
殺し、窃盗、放火、詐欺、違法な行為諸々。
犯した法は枚挙に暇がなく、積み上げられた懲役年数は四桁にも届くだろう。
そういう男にとって、悪事とは"肯定されてはならないこと"だった。
当然だ。こんなことは、誰もやるべきことではない。
そうしなければ生きていけなかった、と己を肯定するつもりもない。
ただ、自分は穢れている――どうしようもないほどに。
だからヴィクティムは、己を影の中に置き、陽の光と隔絶しようとする。
悪事は誇りではない――ヴィクティムにとっては、消えない罪の枷なのだ。
って感じでシリアスに決めてみましたけども!
「はちゃめちゃにバカみて0な世界じゃねえかここ」
はい、ご覧の通りこのシナリオのIQは2なんですね! 知能下げてこ!
「まあいいか……ホログラムを体に貼り付けて、っと」
ヴィクティムは一瞬のうちに、悪のカリスマを感じさせるドンに変身した。
そして支配人室がある西洋の城めいた建物に、真正面から乗り込む!
「おうおうおうおう! なんだ貴様ら、その腑抜けた面構えは!!」
「「「!?」」」
ぼへー、と見張りをしていた鎧の悪魔たちはドスの利いた声に震え上がる!
ドン(featヴィクティム)は、電子葉巻を銜えふんぞりかえった。
電子なので本物ではない。ココアシガレット的なアレである。合法!
「日々悪に邁進する者が、ダラダラと何もせず!!」
そばにあった机にがたん! と片足を乗せると、銃を突き出す!
「腑抜けた顔で漫然と時を過ごす! それでワルになったつもりか、あん!?」
「「「…………」」」
「どうした! この世界で成功したいならやる気を出せェい!!
自分のすべきことを言ってみろぉ! おん!? どうなんだ貴さm」
「「「ビエエエエエエエ!!」」」
「ええ……(困惑)」
鎧の悪魔たちは抱き合って泣き出した。子どもかな?
「「「怖いよぉ~~~~!!」」」
「…………え、これダメなの!? めっちゃワルだろ!?」
本職といい子な悪魔じゃ色々違いすぎるって! まずいって!
「あー……あの、悪い。支配人のとこに連れてってくんね?」
鎧の悪魔たちは泣きながら「支配人室はこちら」という立て札を指差した。
「なんだこの……何? この世界マジで……何???」
なんともいえない感じに首を傾げつつ、とりあえず歩いていくヴィクティムであった。
大成功
🔵🔵🔵
朱酉・逢真
坊っちゃんと/f22865
心情)坊っちゃん、なんぞ知らんが祝日らしいなァ遊園地でもいかんかね? そうかい行くかい。ヨシ。(拉致)
ってェ流れでやってきたなァ新世界。わりことしィが人気と聞いてどんなモンかと思ったが。ガチはやめといたほォが良さそうさ。てなわけ坊っちゃん、盛られとくんな。
行動)坊っちゃんをとっときのわりことしィに仕立て上げて、やっこさんへツラ合わせ申し込むのさ。オイオイ態度がでけェぜ。この坊をどなたと心得る。世界滅ぼす相手(*影朧)を笑顔であしらい、生きたまま冥府にバカンスだ。悪も悪の大悪党よ。お前さんがたの大将じゃア足元にも及ばんぜ。確かめたいなら会わせてもらおうかい。
雨野・雲珠
かみさまと/f16930
※全体的にわかってない
(事務所の換気扇の掃除中)
?
クリスマスは終わりましたよかみさま…
っていうか、俺にとってはよその神様のお誕生祭なわけで
そこはかみさまだってそうなのでは、えっ
あ ちょっ あーー…!(いつもの神隠し)
*
…クリスマスだ…
あ、ちがう!クリスマスのふりをした新世界だ!
しかもなんだか怖い!
(一歩後ろで口上を聞いてる)
なんだろうこの状況…
触れられる相手なら袖を引っぱって止めたいです
汗だらだらしながら真顔を保ちます
俺がしょぼくたって隣の方がアレですからね
この方が持ち上げるなら俺もすごいんだろうという…
そういう効果が働くと!信じて!
通していただきましょうか!(って顔)
●暇を持て余している気はあまりしない神様と哀れな猟兵のお話
……これまでのあらすじ。
「坊っちゃん、なんぞ知らんが祝日らしいなァ。遊園地でも行かんかね?」
「え? 祝日……? クリスマスならもう終わりましたよかみさま」
「そうか行くかァ、ンじゃさっそく出発だな」
「いや待ってください話を聞いてくださいそもそもクリスマスってよその神様のお誕生祭なわけでそこはかみさまだってそうなのではえっあっちょっあーーーーー」
あらすじおしまい。神隠しって怖いね!
「…………ク」
きらきらのイルミネーション。
エンドレスループしているクリスマスソング。
赤とか緑とか白とか、そのへんのカラーリングがそこかしこに。
そしていかにもサンタって感じの仮装をした悪魔の皆さん!
「……クリスマスだ……」
ん? クリスマス? クリスマスってあんなゴツいサンタだっけ?
「あっいやちがう! ここクリスマスのhりした新しい世界ですねかみさま!!」
雨野・雲珠ははっと我に返った。朱酉・逢真は感心したような顔をする。
「坊っちゃんにしては、今回はけっこう早めに適応できたなァ」
「俺がどれだけ困惑するかを楽しまないでもらえませんかかみさま!?」
「ひひ、暇を持て余したかみさまの遊びってやつだなァ」
「しかも遊びって明言しちゃいましたし!!」
でもなんかもう今に始まったことじゃねえし、雲珠も慣れてる感があった。
「……ところでかみさま、ここはどんな世界なんですか?」
「それは俺の口からは言えねェなあ」
「なんでちょっと含み笑いしてるんですかねえかみさま絶対楽しんでますよね」
が、こうなると逢真は絶対に口を割らない。雲珠は早々に諦めた。
「それにしてもなんでしょうこの感じ、あの人……いえ、悪魔でしょうか。
奇妙な方々からは、尋常ではない力を感じます。まるで猟兵のような……」
さすがは雲珠、どうやら悪魔の油断ならぬ力量を感じ取ったようだ。
もちろん彼は、デビルキングワールドについて何の知識もない。
であるからして、このクソIQの低い世界構造も知らないのである。
「かみさま、アレは少し、いえかなり警戒したほうが……」
「やあやあ悪魔ども、てめぇら揃いも揃って頭が高すぎるぜぇ」
「えっかみさま? え、ちょ、あの」
すると逢真は、雲珠を完全スルー(話は聞いている)して名乗りを上げた!
というか、雲珠を勝手にダイマし始めた。悪魔どもはぞろぞろと集まる。
「何っ? 貴様、まさか侵入者か!」
「侵入者だぁ? ひ、ひ。そいつは違ぇな……この坊はこの園の正当な支配者さ」
「え? え? あの、かみさ」
「この坊をどなたと心得る。この坊はな、世界を滅ぼす相手を笑顔であしらい、
生きたまま冥府にバカンスする超ワルな御方だぜ。悪も悪の大悪党よ」
「「「な、なんだって!!」」」
立て板に水を流すような逢真の口上に、鎧の悪魔たちは震え上がった。
「大前さん型の大将じゃア足元にも及ばんぜ。それともお前さんらが確かめるかい」
「やべえ! なんかすげえ震え始めたぞあの子ども!」
「きっと超ワルいパワーを使おうとしてるに違いない!」
「近づいたらやべえぜ……なんてワルさだ、かっけー!」
鎧の悪魔たちはきゃっきゃとはしゃいでいる。雲珠は震えていた。
武者震い? ユーベルコードの前兆? いや単に怖くて震えてるだけ!
「あ、あの、あのですねかみさま」
「どうした坊っちゃん」
「な、なんで俺を持ち上げるんですか。俺じゃなくていいですよね!?」
「ひひひ。こうしねェと過去のところに行けねえんだよぅ」
「だからそれかみさまでいいじゃないですか!!」
「俺はこォ……な? わりことしィとしちゃマジすぎるっつうかよ」
ごもっともであった。IQが高すぎるのである。
……いやこのかみさまも大概IQ低くなるときないか?
「わ、わかりましたよもう……」
雲珠は冷や汗をダラダラ流しつつ、格好だけはそれらしく決めた。
「さあ、お前さんたちの大将のところへ通してもらおうかい」
「「「ハイヨロコンデー!!」」」
(……あれっ? これオブリビオンと戦うとき、俺のハードルだけ上がったままなのでは……!?!?)
別の意味で震える雲珠であった!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『デストロイキング』
|
POW : デストロイキング軍
レベル×1体の【ビューティスパイダー】を召喚する。[ビューティスパイダー]は【女郎蜘蛛】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : デストロイ光線
レベル分の1秒で【背中の魔力角から破壊光線】を発射できる。
WIZ : デストロイウェポン
【腹部の巨大な口に取り込んだ物体】から、対象の【全てを破壊したい】という願いを叶える【破壊兵器】を創造する。[破壊兵器]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●デスティニィランド・支配人室
金!
金!!
金!!!
部屋の壁も天井も床も、これでもかと積まれ敷き詰められた金の山!
これがオブリビオンの間――ワルなデストロイキングが集めた野望の山だ!
『ぬう! あと少しでカタストロフを起こせるというのに、猟兵どもめ……!
悪魔どもをうまく懐柔して経営を頑張っていたのもこれでは無駄骨ではないか!』
デストロイキングは、大変に悔しがった。
デビルキングワールドのオブリビオンは慎重なのである。
なぜか? それは……悪魔が! 強いから!!
『こんなことで諦めはせんぞ! マジで時間かかったんだぞここまで遊園地でっかくするのに!! 貴様らを皆殺しにして経営拡大してくれるわァー!!』
デストロイキングが魔力角から破壊光線を放射する! パワーは強いぞ!
しかし奴にとって部屋の中のD(デビル)は命綱だ!
あの金を盗んだり燃やしたり台無しにすると、隙を産めるかもしれない!
あるいはワルさ対決を申し込んで、配下を味方につけて動揺させてもいい!
悪魔たちは戦わないぞ! はたして猟兵はクリスマスを終わらせられるのか!?
●プレイング受付期間
12/31(木)13:59前後まで。
締切時点で🔴か🔵が足りてない場合は足りるまでとなります。
花邨・八千代
おぅコラ、てめェがデス☆キンか?
てめェんとこの社員が食ったピザ代、まだ貰ってねェぞ
5000兆デビル耳揃えて払ってもらおうか
あぁん?払えねぇだァ?
(煙草吸いながらそこらの椅子を蹴り飛ばす)
ナマ言ってんじゃねェぞコラァ!!!舐めてんのかァ、あ゛ぁん!?
てめェんとこの遊園地営業できなくしてやろうかァ!?
こちとら猟兵だ、やりようはいくらでもあんの忘れんじゃねェぞ!
この遊園地が原価ギリギリ良心価格で土産物販売してるとか、災害時は無償で物資提供してるって噂を流してやって良いんだぜ?
テメェの趣味が恵まれない子供への寄付ってぇのも良いなァ?
忘れんなよオブリビオン
俺ら猟兵、てめェらをヤるのに手段は選ばねぇんだぜ
●もしかしてそういうゴトをやっておられる?
バァン!!
「「「ひいい!」」」
ノリでついてきた鎧の悪魔たちが、お互いを抱き合い震え上がった。
花邨・八千代が、タバコを吸いながら椅子を蹴り飛ばした音である。
『お、おい待て! やめろ、乱暴はよくない! あとそれうちの備品だから!』
と、デストロイキングも思わず制止していた。みみっちいなこいつ。
「あ? ンだコラ、てめェがデス☆キンだろ? あ?」
『いやそんなボイスパーカッションしそうな名前では』
「ごたごたうるせェんだよコラァ!!!(テーブルがっしゃーん!)」
「「「ひいいいい!!」」」
お前らほんとに悪魔だよね? みたいな感じで震え上がる悪魔たち。
さすがのデストロイキングも、ちょっと怖くて泣きそう。SNS構文かな?
「てめェんとこの社員が食ったピザ代、まだもらってねェぞこっちは」
『えっいくらなのだそれは』
「5000兆デビルだよォ!!」
『えー!? えええええ!?』
嘘だろお前らって顔でデストロイキングは部下たちを見た。
部下たちは目をそらした。こいつら肝心なところでワルぶれねえな!
「おうなんだその反応は、あ? 払えねぇってのか?」
『フ……フハハハハ! この悪の帝王デストロイキング様は踏み倒しを』
「ナマ行ってんじゃねェぞコラァ!!!」
『グワーッ!?』
SMASH!! 容赦ないヤクザパンチが炸裂だ! 堂に入りすぎている!
「ナメてんのかァ、あ゛ぁん!? てめェんとこの遊園地営業出来なくすんぞ!?
こちとら猟兵だ、やりようはいくらでもあんの忘れんじゃねェぞ、コラッ!!」
『い、猟兵ってこんなヤクザな稼業だったのか……』
殴られた頬を抑えつつ、涙目で見上げるデストロイキング。
いきがったチンピラは、本当の悪党にはなすすべもないものだ。
……いやなんかおかしくねえ? 猟兵の仕事こんなんじゃねえけど???
「別によォ、ぶっ壊すだけが仕事じゃねェんだよなァ」
タバコをくわえながらニヤニヤと笑う八千代。
「この遊園地が原価ギリギリ良心価格で土産物販売してっとかよォ」
『!! そ、それは!』
「災害時は無償で物資提供してるって噂、流してやってもいいんだぜ?」
『や、やめろ! そんなことをしたらせっかく頑張って育てた風評が!』
そう、この世界において悪いことはいいこと!
であれば、いいことをするとそれだけ風評がよくなるのだ!
……ん? 悪くない? いやでもいいことをしてるんだからよく……? ん?
考えると頭バグりそうですね。めんどくせえなこの世界!
「テメェの趣味が恵まれない子どもへの寄付ってのもいいなァ……?」
「せ、聖人、勇者!(鬼、悪魔的な意味だと思われる)」
「悪魔の心がないのかー!!(人の心が、的な意味だと思われる)」
「なんて暖かな心の持ち主なの……!(冷血漢的な意味だと思われる)」
悪魔たちも震え上がった。八千代、ワルすぎるぜ!!
デストロイキングも、あまりの八千代の人の良さに涙目だ!
なんかもう書いてて頭おかしくなりそうですけどダメージは入ったわ多分!
大成功
🔵🔵🔵
ジフテリア・クレステッド
ふっ…計画通り。(血塗れの満身創痍)
はははははーっ!先手必勝!皆殺しだぜーっ!
(ガスマスクを外して口から毒ガス散布)※【範囲攻撃】【毒使い】
(悪魔たちは【マヒ攻撃】程度のダメージで済むように手加減)
ははっ、金なんざ私の出身世界じゃケツを拭く紙にもなりゃしないのに!
嫌がらせで私の偽神兵器(ライフルとスピーカー)に口を生やしてDを【捕食】させる。
まったく、こんなもののために妙な悪事を―――うおおおっ!?
デ、Dを捕食するほどに【エネルギー充填】されていく…!?
身体が軽い!空気が上手い!
Dってすごい!私にDを!金を!もっと寄越せーっ!!
金だ金だ金だーっ!!ヒャッハー!!!
※サブジョブ 聖者→魔界盗賊
●計画通りだったんだ……
「「「えっほ、えっほ! 失礼しまーす!」」」
『お、おい貴様ら! 何をしている! いまは戦闘中だぞ!?』
猟兵と戦ってる最中だっつーのに入ってきた悪魔たちに、デストロイキングも面食らった。
しかし悪魔たちが少女を担いでいるのを見ると、さらに面食らう。
『ってそいつは猟兵じゃないか!?』
「「「いえーがー? よくわかんないけど倒れたので連れてきました!」」」
『馬鹿者!! ワルならばそんなのは見捨てて当然であろうが!』
「「「いやでもそういうのはちょっと……」」」
『こ、これだからこの世界の悪魔どもは……!!』
とか漫才をしていると、少女はむくりと起き上がった。
「はははははーっ! 先手必勝じゃあ! 皆殺しにしてやるぜー!!」
『えっ』
「「「えっ!?」」」
ジフテリア・クレステッドは、やおら血まみれのガスマスクを外した。
そして両目を紫色に輝かせ、致死的猛毒の吐息、というか毒ガスを散布する!
『グ、グワーッ!?』
「「「ギャー!!」」」
デストロイキングも悪魔も苦しげに倒れた! だが被害程度は目に見えて違う!
デストロイキングは血反吐を吐いてごろごろのたうち回っている。
が、鎧の悪魔たちはというと、ちょっと痺れるぐらいで割と大丈夫そうだ!
「あ、さすがに悪魔のみんなは死なない程度で手加減してあるから安心して」
「毒ガスの手加減って何!?」
「ていうか美少女の吐息とかご褒美じゃない?」
「見境なく毒ガス攻撃なんて、ワルすぎるぜ~!」
なんか一名変態が居る気がするが、まあどいつもこいつもどっこいである。
『お、おのれ猟兵! 卑怯だぞ!!』
「ワルでのし上がったデストロイキング様が、ずいぶんナメたこと云うんだね。
こんな金なんざ、私の出身世界じゃケツを拭く紙にもなりゃしねえーっ!!」
『ウワーッ!? ヤメロー!!』
ジフテリアは偽神兵器にむしゃむしゃとデビルを食わせていく!
完全な嫌がらせだ! しかし……ジフテリアはなにやら違和感を覚えた!
「こ、これは……!?」
『おのれ! 来い、ビューティスパイダー! こいつを殺せーッ!』
デストロイキングが召喚したビューティスパイダーの攻撃を軽々躱す!
そして毒ガスとライフル弾で次々に殺す! 動きがいつもより素早い!
「身体が軽い! 空気が美味い……! Dってすごい! 私にDを! 金を!!」
『こ、こいつ! 金を食ってパワーアップしているのか!?』
「金だ金だ金だ! ヒャッハー!!!」
一体ジフテリアの身体の中で、どんな化学反応が起きたのか。
彼女は文字通りの金食い虫となったのだ。恐るべし、アポヘルの科学力!
大成功
🔵🔵🔵
アルトリウス・セレスタイト
口上は聞かない
お約束を無視する邪悪なムーブでまず攻める
戦況は『天光』で常時把握
自身への攻撃は『絶理』『刻真』で触れた瞬間終わらせ影響を回避
必要魔力は『超克』で“世界の外”から供給
破界で掃討
対象は召喚物含むオブリビオン及びその全行動
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無
高速詠唱を無数に重ね『刻真』『再帰』で無限に加速・循環
瞬刻で天を覆う数の魔弾を生成、目標周囲へ斉射する
更に射出の瞬間を無限循環
途切れることない飽和攻撃で回避も反撃も余地を与えず
物量で圧殺する
もちろん相手の意見とかは聞かない
悪は己を由とし思うままに振る舞うものだ
ということで退場せよ、オブリビオン
※アドリブ歓迎
●ヒールもびっくりの極悪ファイト
『フハハハハ! よく来たな猟兵よ、ここが貴様の墓グワーッ!?』
SMASH!! アルトリウス・セレスタイトの容赦ない蒼い拳が炸裂した!
吹き飛んだデストロイキングに降り注ぐ魔弾! 魔弾!! 魔弾!!!
『お、おい待て貴様! こういうときは口上を聞くのが礼グワーッ!?』
「そうだ。だから無視している」
「すっげー、デストロイキング様の長口上を無視するなんて!」
「悪役の都合なんて知ったこっちゃないスーパー悪役ぶりだ!」
「お約束を全無視するなんて、ワルすぎるぜ~!!」
なぜかついてきた鎧の悪魔たちも、大盛りあがりだった。
もしかしてもしかするとなんだが、こいつら箸が転んでもワルいって言わないか?
『こ、こんなのワルっていうかただのグワーッ!?』
「悪は己を由とし思うままに振る舞うものだ」
『それにしたってもう少しお約束とか守グワーッ!?』
魔弾! パンチ! 魔弾! パンチ! 魔弾パンチ!(魔弾で殴りつけること)
アルトリウスの情け無用のガチガチファイトがデストロイキングを追い詰める!
『お、おのれ! この私がやられるままでいられるかァーッ!』
胴体の大口から巨大なガトリング砲を生み出し使おうとする、が!
「そんなものは認めん」
魔弾の雨がガトリング砲を破壊! 誘爆! KRA-TOOOOM!!
『だからもう少し私に攻撃をさせグワーッ!?』
爆発で吹き飛ぶデストロイキング! ダメ押しに降り注ぐ魔弾!
「まるでゲームの裏ボスみたいな攻撃だー!」
「デストロイキング様をあそこまでボコボコにするなんて!」
「なんてワルさだ……惚れ惚れしちゃうぜ~!」
鎧の悪魔たちは外野気分で大盛りあがりだった。いや実際外野なんだけど!
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクティム・ウィンターミュート
唐突だが俺は焼き芋が食べたい(深刻なIQ低下)
なァお前ら!この状況で焼き芋を食うんなんて…『ワルく』ない!?
というわけで持ってきた激うま芋を焼いていきたいと思います
ちょうどよく燃えるDが沢山あるじゃん
お前らありったけ集めろ!!焼き芋は火力が命だぜ(大嘘)
ここで芋をぶち込んで……待つ!!
この待つ時間が重要なんだ…それまで芋を護りな!(さりげなく強い一般悪魔を盾にして時間を稼ぐムーブ)
───よし、焼けたようだな!
芋を二つにパッカー、甘い香りの黄金がデゥン
うっっっまそ……おうデストロイキング、食いたいか?
いいぜ…俺は『ワル』だからくれてやる
と言いつつ強酸ナノマシンを仕込んで差し出してあげるのさ
●いいぞ、その調子でIQを下げていけ……
「焼き芋が食いてえ」
お前いまボス戦なんだけどわかってる??? と誰もが思った。
なんなら書いている自分に思いました。そのくらい突拍子がなかった。
だがヴィクティム・ウィンターミュートは、至極シリアスな顔つきだった。
なぜって? そりゃあ、IQが下がりに下がっちまったからさね!
『き、貴様! いまは私と貴様の戦いの最中だろう!?』
「うるせえな……食いたいものは食いたいんだから仕方ないだろうが!!」
ヴィクティムはデストロイキングをギラリと睨み返し、そして振り返った。
「なァお前ら! この状況で焼き芋を食うなんて……ワルくない!?」
「「「ワル~い!!」」」
「だよなァ! 真面目に戦うのをあえて無視するあたりが激ワルだろ!」
『ぐっ、なんという完璧に頭のおかしい理屈だ……!!』
デストロイキングは悔しがった。悪魔たちはヴィクティムコール一色だ!
「というわけで、こんなこともあろうかと持ってきた激ウマ芋を焼いていきます」
『貴様最初から仕込んでいただろうそれ!?!?』
ヴィクティムならそのぐらい……やる!(深刻なIQ低下)
ところで焼き芋となると、ひとつ問題がある。
――そう、火種だ。
ヴィクティムは周りを見渡し……そして、気付いた。
「おっ(大量のDが)空いてんじゃ~ん!」
『絶対言うと思ったぞ貴様! させるかーッ!!』
「やべェ! おい悪魔のお前ら! ありったけのDをかき集めろ!
焼き芋は火力が命だ。あと多分金燃やして食うと罪の味すげえぞ!!」
「「「食いてぇ~!!」」」
悪魔たちはデストロイキングを無視してDをかき集め始める!
『やめろを言っているのがわからんのかァーッ!!』
デストロイキングは大口から破壊兵器を召喚……ああっ、これは!?
『か、火炎放射器、だと……!?』
なんてことだ! 破壊兵器がどんなのかはデストロイキングにも決められない!
そしてここで火炎放射器! それを使えばどうなるか……!
『ええい、死ねーッ!』
BLAST!! 炎が吹き乱れる! 当然のようにDの山に着火! ファイアーだ!
「ヒューッ! わざわざファイアスターターになってくれるとはやるじゃねえか!」
『ち、違……私そんなつもりでは……』
「「「うおーあっちいー!!」」」
ヴィクティムはさりげなく悪魔を盾にしていた。ご、極悪!
でもそんな極悪さに、シビれてアコがれる鎧の悪魔たち!
ごうごう燃える炎の山に、激ウマ芋が放り込まれる!
「「「いーも! いーも! いーも! いーも!!」」」
『な、なぜこいつらをここまで心酔させることが出来たのだ!?
まさか、それが貴様のユーベルコードだとでも云うのか、猟兵!!』
「いやただ単にこいつらが腹減ってただけだろ」
『では腹を減らしたのが貴様のユーベルコードか!?』
「だからそれはお前が給料渡さずにこき使ってたからだろ」
『!!!!!!!!!!』
デストロイキングは愕然とし、崩れ落ちた。そう、因果応報だったのだ!
まさか、このための伏線だった!? いや別にそんなことはないです(スンッ)
そんな感じでしばらく待っていると、やがて炎が沈静化した。
ヴィクティムはサイバネ腕で躊躇なく芋を取り出し、ふたつに割る!
パッカー。甘い香りの黄金がデゥンと登場! 立ち上るグッドスメル!
「「「うまそー!!」」」
「あ、やべえこれ普通に美味そう。……おうデストロイキング、食うか?」
崩れ落ちてさめざめ泣いているデストロイキングに歩み寄るヴィクティム。
『えっ。い、いいのか!?』
「いいぜ。俺は……ワルだから、な」
『言葉の意味がよくわからんが……い、いただきます!!』
飯テロを食らったデストロイキングも腹がペコちゃんだったらしい。
嬉しそうにムッシャーと食べ……その顔が蒼を通り越して白になった!
『ウグッ!? グワッ!? アバババババーッ!?』
「ハァーハハハハハ! どうだァ強酸ナノマシン入りの芋の味はァー!!」
「「「やべえよやべえよ、ワルすぎるよ……!」」」
今日イチいい笑顔のヴィクティムを見て、震え上がる悪魔たちだった。
なお、もうひとつの芋は、ヴィクティムがおいしーく戴いたそうです。ずるい!
大成功
🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【花簪】
先程は説得に失敗してしまいました
次こそ挽回しなければ
オオカミ殿、もう卒業を目指すのですか……!?
い、いえ甘えはなりませんね
はい、師匠……!
放火は本当にいけないことなのでは……
それにお金を盗むのも窃盗行為、あまり良いものでは
どうしたものか……オ、オオカミ殿!?
え、えぇ……えぇ……
……いや、此処でそうではないと否定するのはもっと駄目ですね
そ、そうです!私自らも言ってやりますとも
武力では悪魔に敵わないからと言い包めるのみ!
今の冬の時期にそぐわない露出の激しい装い
体の棘で服も破れてしまっているではありませんか!
人の上に立つ者ならば身なりを整えてから出直しなさい
えぇと、えぇと……御覚悟を!
ジョン・フラワー
【花簪】
アリスにはここで悪初心者を卒業してもらう
覚悟はいいかい!
まずたいまつを用意して火を
いきなり放火はハードルが高い?
じゃあこの不思議なバスケットにお金をありったけ詰め込んで
盗みは犯罪? うーむ……
そうだ! ここは僕に任せて!
完璧に悪くしてあげるから!
やいそこの偉そうなやつ!
偉そうなだけで実はたいしたことないんだろう!
服のセンスもなんかぼろぼろしてるし
喋るたびに舌噛みそうな牙あるし
よく見たら全然イケてないじゃないか!
お腹に石詰め込んで井戸に叩き落してやるんだからな!
ばーかばーか!
ってアリスに言えって言われました
これが秘儀、悪擦り付け!
よーし! 後はいつも通り遊ぶぞ!
僕らの戦いはこれからだ!
●ワルになろう! Pert2
「……なぜ失敗してしまったのでしょうか……」
月舘・夜彦はあれからずっと、悶々としながら考え続けていた。
自分は真面目に、それこそ心を込めて説得したつもりだ。
しかしなぜか、悪魔たちからもジョン・フラワーからもダメ出しされてしまった。
なんやかやジョンの「イケないコト」で無事懐柔できたので問題はないが……。
「アリスはまだ、ワル初心者ということだね。そう、いわばワルニュービー!」
「わるにゅーびー……ですか」
よもや百年の時を閲した己が、新参者と呼ばれるときが来ようとは。
なんやかや夜彦は真面目なヤドリガミなので、四角四面に受け止めていた。
そもそもワルの初心者ってなんだよ、とかは考えないタイプである。
「よし、だからこれから、アリスには初心者卒業のためにテストを行うよ!」
「テスト……」
「覚悟はいいかい!」
「わ、わかりました!」
そしてジョンの圧に、夜彦は生真面目に返事をしてしまった。
「いきなり卒業と言われて面食らいましたが、甘えはないということですね」
「そうだよ。僕のことは師匠と呼ぶよーに!」
「わかりました、師匠!」
そして呑まれていた。夜彦さん、正気になったほうがいいですよ!
……とか言っている間に、デストロイキングの間にたどり着いたふたり。
するとジョンは、なにやら松明を取り出して火を点けた。
「いよいよオブリビオンとの戦い……って、オオカミ殿!?」
「え、何? ほら、アリスも持って」
「いやお待ちください! まさか放火をするつもりで……!?」
「……もしかして、いきなり放火はハードルが高い?」
「当然です! それは本当にいけないことなのでは……!?」
えー、みたいな顔になるジョン。夜彦は理由がわからず困惑した。
「仕方ないなー、じゃあアリス、この不思議なバスケットにお金をありったけ」
「お金を盗むのは窃盗行為ですっ! あまりいいことではありませんよ!」
「…………」
「な、なんですかオオカミ殿。その呆れたような顔は……」
「うーむ……これは重症だなあ」
(なぜか私に問題があるような反応をされている……!?)
夜彦はいよいよハテナまみれでわけがわからなかった。
だが、夜彦は悪くない。何が悪いかと言うと悪くないところが悪い!
そして根本的に問題があるのは、このデビルキングワールドなのだ……!
『貴様ら! 猟兵か!!』
「「!」」
そんなふたりを見咎め、デストロイキングが吠えた。
もはや待ったなし。夜彦は剣を抜こうと構えるが、それをジョンが制する。
「ここは僕に任せて! アリスのことを完璧に悪くしてあげる!」
「えっ? え、ええ……わかりました」
ジョンは笑顔でこくりと頷き、そして一歩進み出るとこう言った。
「やいそこの偉そうなやつ! 偉そうなだけでもたいしたことないんだろう!」
『何ぃ……?』
「服のセンスなんかぼろぼろしてるし! 喋るたびに舌噛みそうな牙あるし!
よく見たら全然イケてない! お腹に石詰め込んで井戸に叩き落としてやるぞ!」
ジョンはデストロイキングを指差し、まくし立てた。
「ばーか! ばーか!!」
『ぬうう……ほざくではないか。覚悟は出来ているのだろうな!』
「……って、アリスに言えって言われました!!!!!!」
「えっ!?!?」
神妙な顔で構えていた夜彦は、全力で目を点にした。
「えっ、ええ!? お、オオカミ殿!?」
「全部アリスに命令されました! 僕はそんなつもりはないです!!!!」
「オオカミ殿ーーーーー!?」
ぎろり。デストロイキングが夜彦を睨む!
別に怯みはしないが、あまりにも見事なスケープゴートにビビっていた!
(……はっ! いや、ここでそうではないと言っては元の木阿弥……!)
夜彦は無駄に生真面目なので、無駄にやる気を出した。
「そ……そうです! 私自ら命じました! そして言ってやりましょう!!」
夜彦は己を強いてまくし立てた。
「武力では悪魔に敵わないからと言い含めるのみ! この季節にそぐわない装い!
身体の棘で服も破れているではありませんか! 人の上に立つ者でありながら!」
『…………』
「もっと為政者にふさわしい身なりを調えてから出直しなさい! お覚悟を!!」
「わー! やればできるじゃないかアリスー!」
パチパチパチ! と拍手するジョン。悪魔たちも湧いていた。
で、当のデストロイキングはどう反応したかと言うと。
『……ぐすっ』
「「あっ」」
あっ。
『私もともとこういう格好だし……ワルいからやってんだし……!』
「あーあ! アリスがなーかした! なーかした!」
「えっ私のせいなのですか!? ……そ、そうです! そのとおりです!」
「「「ワル~い!!」」」
なんかもうしっちゃかめっちゃかであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ベイメリア・ミハイロフ
悪魔とデビルの違いとは、いかがなるものなのでございましょうか
まあ、良うございましょう
差し当たって、わたくし盗みスキルを上げて参りました
瞬時にお部屋の中を情報収集し
お金をより短い時間でより多く奪取できる箇所を導き出し
フェイントで別所へ行くと見せかけてお金の山の方へ
スカートの中に隠し持っておりました大袋へ
お金をかきこんで怪力にて持ち上げ
第六感を駆使しつつダッシュ・ジャンプにて
お相手の攻撃をかいくぐり逃走いたします
不可であれば攻撃に炎属性を付与し
自棄になってお金を燃やします
範囲攻撃でより多くのお金を巻き込むようにしながら
逃走できそうであれば、持ち切れなかったお金を
とりあえず燃やす方向で参りますね
●悪魔は種族、デビルは通貨単位ですよ!
ベイメリア・ミハイロフは、部屋に入るなり即座に把握を完了した。
お前ほんとに聖者か? ってぐらいの、油断なき盗人の目つきであった。
何が彼女をこんなふうにしてしまったのか。多分IQの低さだと思う。
『むっ! そこの猟兵……貴様、我がデビルを盗み取ろうとしているな!』
強欲なデストロイキングは、ベイメリアの狙いを即座に看破した!
「と、見せかけて、あなたを不意打ちするとしたら……どういたします?」
『忌々しい聖性を感じるのに割とダーティだな貴様……私に死角などない!』
「ならば、それを試してみるといたしましょう!」
ベイメリアは武器を構え、まっすぐにデストロイキングに戦いを挑んだ!
デストロイキングも格好良く身構える……が、ベイメリアの姿が消える!
『エッ!?』
「――残念、でございましたね」
背後! ベイメリアはフェイントを打って敵の死角に回り込んでいた!
そして何をしていたのか? ……なんか袋にバンバン金塊入れてる!
『き、貴様ーッ!? やっぱりパクっておるではないか!?』
「何を人聞きの悪いことを。わたくしはお金を還元するだけでございます!」
スカートの下から新しい大袋を取り出しつつ、ベイメリアは言った。
「もとよりこれは、あなたが非合法な手段でかき集めた後ろ暗いお金でございます。
ならばそれを豪遊し散財することは、すなわち民草へお金を還元するも同然。
わたくしに私心はありません。つまり、これはけして窃盗などではないのです!」
「すげー! 真顔でとんでもねえ屁理屈並べてる~!」
「なんならマジでそう思ってそうなあたりがやべ~!」
「ただパクるよりずっとタチが悪い! つまりワルいぜ~!」
すっかり観戦者モードの悪魔たちも、そのワルさに沸き立っていた。
ベイメリアは、妙な感慨を抱いていた。罪悪感と、妙な快感だ。
(ああ、わたくしともあろうものが、なんてことを……!)
と、比較的まともなベイメリアは嘆いていたのだが、
(こ、この賞賛と優越感、癖になりそうでございます……!)
と、比較的よろしくないベイメリアは打ち震えていた。
盗みスキルを伸ばすってこういうことなの!? 戻ってこい聖女!!
『おのれ! 私の金を返せェーッ!!』
「盗っ人猛々しいとはこのことでございますね。ならば!」
ベイメリアは攻撃を回避しつつ、ジャッジメントアローを放った!
炎の矢は札束に燃え移り、部屋中がごうごうと真紅の炎に照らされる!
『アーッ!? なんてことをー!?』
慌てて消火に回るデストロイキングを、ベイメリアは醒めた目で見下ろす。
その冷たい瞳は、たぶんそのケの人にはご褒美な感じであった。
大成功
🔵🔵🔵
マーロン・サンダーバード
誰よその金(女)!!
叫びながら乗り込む俺はアンチ太陽の使者サンダーバード!
この部屋の何よりも光り輝く男だ!!(「小さな太陽」発動)
金だらけの部屋で金色に輝くことで【迷彩】効果を獲得できるんだ
できるんだ
戦場は俺の投げる手榴弾、そして舞い散るDを狙った黄金銃の跳弾でさらに輝きそして混沌とさせる
…ま、跳弾なんて【パフォーマンス】の技だが俺なら実戦に使えるのさ
あとこの手のヤツは腹の口開けた時に弾丸をブチ込むってのがセオリーだよな?
え?Dがもったいない?
俺のほうが輝きそしてイカしてるだろうが!!
俺を見ろ!!まぶしい!?うるせえ見ろ!!
まばゆい俺のワルさに恐れ入ったなら光を当てないでやらんこともないぜ!
●太陽、太陽ってなんだ
「誰よその女(かね)!!!!!」
『エッ!?』
いきなり修羅場のノリで乗り込んできたマーロン・サンダーバードにビビる敵。
なんかもう猟兵があまりにも(頭)ワルすぎて辟易していたボスである。
「この泥棒猫……! アンチ太陽の使者である俺より金色に輝くだなんてッ!!」
『あ、そこなのか嫉妬ポイント……っておい待てなんだそれ!?』
「何って手榴弾だけど?」
『人の部屋に何を投げグワーッ!!』
KA-BOOOM!! 爆炎がデビルを飲み込み燃やした! 大惨事だ!
「うおおお! 俺はアンチ太陽の使者サンダーバードだーッ!!」
テンションがアガってきたせいか、マーロンまで金ピカに光り始める。
そしてビュンビュンとスカイフィッシュみたいに飛びながら拳銃乱射!
なんだこの光景は! 風邪をひいた時に見る悪い夢かなんかかな?
『ああああ……わ、私がかき集めた金が! デビルがーッ!!』
「てめえ! 俺のほうが輝きイカしてるだろうが、あぁっ!?」
『この世界の何処に、自分の金を燃やす敵に心惹かれる悪魔がいるか!!』
「うるせえ! 俺を見ろ!! 金色に輝くこの俺をーッ!!」
『ギャーッ!! 目が! 目がーッ!!』
太陽光線が直撃したデストロイキングは某大佐よろしく転げ回る。
完全な無防備だ。そこにマーロンは容赦なく手榴弾と弾丸を叩き込む!
BLAMBLAMBLAM!! KRA-TOOOOM!! 腹の大口が弱点だ![要研究]
「ふっ、ダウン追い打ちも辞さない俺、さすがはアンチ太陽の使者だぜ。
それに比べてあんたは無様だな、デストロイキング! 所詮偽りのワルだ!」
『こ、こんなものがワルさであってたまるか……!』
「いいや、これこそがワルさだね! なぜなら俺はアンチ太陽の使者!
俺の為すことこそが真のワルであり、そしてあんたを倒す力となるんだぜ!」
『かっこいいこと言ってやってることはただの目眩ましとゴリ押しグワーッ!?』
BLAMBLAMBLAM!! KRA-TOOOOM!!
「どうやら腹の口だけじゃなく上の口も余計なことをのたまうらしいな。
そんなに手榴弾と太陽の輝きをブチ込んでほしいならくれてやるぜーッ!」
『やめろ! やめろーッ! せめて私のデビルを燃やすなグワーッ!?』
光りながら爆撃! 銃撃! そしてついでのようにデビルを燃やす!
あまりにも傍若無人。おお、なんという(頭の)ワルさ……!
大成功
🔵🔵🔵
マリシ・エイトゥム
待ちなさい!ブラックな仕事で悪行三昧!理不尽な所業で部下を使い捨てにするようなあなたに王の器は無い!
配下のあなた達もあなた達です!ワルだ何だと言って結局は歯車の様に働いているだけ!悪くも何ともないです!悪だと言うのなら上司に歯向かい背後から刺すぐらいの気持ちで行ったらどうなんですか!?
裏切り騙しは惡の華でしょう!!
私に何を言わすんですか!もう!そこになおりなさい!てやーッ!!
……あっ!戦闘のはずみでお金に火が……!あぁ、どんどん燃え広がって……金貨も紙幣も燃えていく……
これは社員の悪魔が手に入れるべきお金なのに……わ、わたしそんなつもりじゃ……
……あっ何か動揺している!……てやーッ!!
●ダメ出し(物理)
『ぐ、ぐぐぐ……なぜだ、なぜワルとして名を馳せた私がここまで圧されている!
こうなれば、もっとワルなところを見せつけて部下を味方にするしか……!』
「お待ちなさいッ!!」
ざんっ! しっちゃかめっちゃかの戦場にマリシ・エイトゥムが到着だ!
マリシはびしぃ! とデストロイキングを指差し、シリアスな表情で言い放った!
「ブラックな仕事で悪行三昧! 理不尽な所業で部下を使い捨てようとする!
私利私欲を満たすことしか考えていないあなたに、王の器などありません!」
『な、何ぃ!? 部下を24時間無給でこき使い、ボッタクリ同然の価格でお土産を売りさばくこの私に、魔王の器がないだと……!?』
「そんなものはただのワル。あなたがデビルキングだというのならば、
もっと悪のカリスマと呼べるようなオーラを纏ってみせることですね」
マリシはふふん、とデストロイキングをあざ笑った。
まあ実際、デストロイキングはワルではあるが常識的なワルだった。
そのせいで、常識知らずのワルである猟兵にしこたまボコられてるわけである。
が、マリシのダメ出しはデストロイキングには留まらなかった。
「配下のあなたたち!!」
「「「は、はい!!」」」
戦いを(観戦者気分で)見守っていた、鎧の悪魔たちを指差すマリシ!
「あなたたちもあなたたちです。ワルだなんだと言ってなんですかこのざまは!」
「「「え、えっと……?」」」
「結局は歯車のように働かされているだけ! ワルくもなんともないです!」
「「「……!!」」」
ご、ごもっともだ! こいつらワルに憧れてるけど本人は全然ワルくねえ!
「リーダーがこれでは、悪の手先としても二流、いえ三流以下も同然です。
悪だというのなら、上司に歯向かい背後から刺すぐらいの気持ちで行きなさい!」
「す、すげえ! 裏切りを教唆するなんてワルすぎるぜ!」
「そういうところです! 自分で考えずすぐに他人にほだされるところ!!」
「けっこうガチめなダメ出しで心がいてえ! カッコいいぜ~!!」
メンタルをやられつつそれを喜ぶ悪魔たち。こいつら相当バグってんな。
「わたしも自分でわけがわからなくなってきました! あなたたちのせいです!
こうなったら何もかも灼き尽くすしかありません! あなたたちもお金も!!」
『えっお金は関係な』
「てやーッ!!」
『おいやめろ莫迦ギャーッ!!』
ほとばしる神炎! 燃える札束! 融ける金塊! 巻き込まれる悪魔たち!
激情の赴くままに剣を振るっていたマリシは、炎の中で我に返った。
「はっ!! こ、これは、社員の悪魔が手に入れるべきお金まで……!」
『ぜ、ぜんぶお前がやったんだろうが!』
「ち、違……わたしそんなつもりじゃ……」
愕然とした表情でうろたえるマリシ。ほらきた!!
「それはそれとして喰らいなさいてやーッ!!」
『ギャーッ!!』
追撃はバッチリだった。
大成功
🔵🔵🔵
レギオ・ギャングース
※アドリブ歓迎
POW判定
・行動
バイクで乱入しながら周りのD(デビル)札の山を崩して蹂躙する
さらに分身も呼び出して辺りをひっかきまわしてボスに隙を作り
分身共々しがみついてからUCで自爆して大ダメージを与え
とどめをの人たちに託して先に逝く
(スキル:集団戦術、悪目立ち、気合い、蹂躙、限界突破)
・セリフ
(バイクで室内を蹂躙しながら)
まってたぜぇこの瞬間(とき)をよぉ!
おらぁ!レギオンギャング上等だ、コラァッス!
(煽った隙に分身たちが抱き着く)
オラオラ、金勘定だけのシャバ僧がぁ!
……今だ!隙ありッス
(UC発動)
みんな後は任せたッス!
(自爆時のセリフ)
不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったぜ……ッス
プリ・ミョート
オラァああ! 何がクリスマスだ今日がおまんの聖夜になるんだべよグヘヘへウヒヒヒおっッげっほげほえほ……こほん。ええと、というわけで覚悟してくんろー!
おいらの答えはコレだーっ! うおーっ問答無用の銃乱射ってちょっと悪いっぽいべ!
ちょいワルならぬガチ悪として、この鉛玉の嵐をお見舞いするべーっ!!
特に金を重点的に狙い燃やすべもったいないけどーってかマジにもったいねえ! うそお!? ワルってなんか世知辛いべ!
支離滅裂なのも思いの外ショックが大きいのもおめぇのせえだー! ちょめちょめしてやらーっ!
ムシカ・ガンダルヴァ
【アドリブ・連係歓迎】WIZ
子年続行は諦めるしかない……ゆるさんぞデなんとかキング!
(盛大な八つ当たり
普通に出会いに行く……とでも思ったか!
『鉄鼠君初號機』を持ってきて搭乗し、遊園地の機材に対してUC【冥神の病機】を使ってコンピュータウイルスを散布、機材をダメにする。
機材をダメにされたらその辺を総とっかえする必要が出るのでDを消費しなければならない……つまり精神的にデストロイキングをボコボコに出来る、かも!
ある意味、すっごくワルいことしてる気分!
ついでに、ちょっとだけネズミ要素を遊園地に入れない?
え?ダメ?そっかぁ……(しょんぼり
マユラ・エリアル
わっしょいわっしょい!
わっしょいわっしょい!
わっしょいわっしょい!
ふ…少しわっしょいし過ぎてしまったか
これは世界の10%くらいがわっしょいに浸食されたのと同等と言えよう
罪深い女だな私は…
私はこの国(ランド)を救いたい…
クリスマスをエンジョイするだけなんてワルじゃない
此処に新たな国を作ろう365日、思い立った時にいつでも来れる盆の国を
いつでも先祖の霊がウェルカム
親戚みんなで募って来よう
此処に来て皆で騒ぐそんな国を…
エレクトリカル盆パレードで煌めく国を
だがこれは押しつけではない
君の経営改善案を言ってみてくれ
さあ目を閉じて思うままを言ってみてくれ
さて氷刃展開
何故君は氷の刃でハリネズミになってるんだ?
●盆と正月とネズミとモヒカンがやってきた
BRATATATATA1 BRATATATATA1!!
「オラァああ!! 何がクリスマスだ今日がおまんの聖夜になるんだべよぉお!!」
プリ・ミョートは部屋に乗り込むや否や、機関銃をバラまいた!
弾丸はそこら中に反射し、積み上げられたデビルを穴だらけにしてしまう!
『アーッ!? 私の金が!!』
「どうせおまんはここで死ぬんだべよぉグヘヘヘウヒヒヒおっッげほげほえほ!」
『貴様だいぶ無理をしているな!? 飴舐める?』
「あ、感謝するべさ」
高笑いで喉を痛めたせいか、デストロイキングはシンパシーを感じたらしい。
のど飴を受け取ってころころ舐めるプリ。戦場に静寂が訪れた。
「……」
『……』
「…………こほん。というわけで覚悟してくんろー!!」
『うおおお! やめろ貴様ァアアア!!』
なんだいまの間。とりあえず機関銃乱射再開! あたりはとんでもねえことに!
「ああああもったいねえ! せっかくのデビルを燃やすのマジもったいねえべ!
けどもったいねえからこそ無駄にする、これが本当のワルなんだべ……!!」
プリは耐えた。ワルの世知辛さに、そして悪行がもたらす心の痛みに。
大いなるワルには大いなる消費が伴う……つまり、そういうことなのだ!
『貴様! もったいないと思うならば私の部下になれ! デビルの半分をやるぞ!』
「え! マッジ!? …………」
と、考え込んじゃうぐらいには、悲しい四天王のサガが染み付いていた。
なっちゃうのか、プリ! 猟兵なのにオブリビオンの手下、なっちゃうのか!?
しかし、その時である!
「た、大変ですデストロイキング様!」
『どうした、いまこっちが大変なんだけどそれ以上になんかあったのか!?』
戦闘中だっつーのに、慌てた様子で駆け込んできた鎧の悪魔。
「ゆ、遊園地で稼働中だった遊具のほとんどが、突然故障して動きません!
そのせいで客が暴動を起こす寸前です! お土産もまったく売れない状態です!」
『な、何ィーッ!? まさかこれも、猟兵どもの……!』
「そう! その通りだ、デなんとかキング!!」
『こ、この声はッ!?』
KRAAAAAASH!! 部屋の壁がぶち抜かれ、現れたのは巨大なオブリビオンマシン!
そしてその肩で腕を組むのは、ムシカ・ガンダルヴァであった!
「汝のせいで、我が画策した「エンドレス子年計画」は見事に頓挫した!
それもこれも汝のせいだ。ゆえに、汝のこのランドをめちゃくちゃにする!!」
ネズミの神として、ムシカはどうしても子年を終わらせたくなかった。
だが「この遊園地でネズミはヤバい」という悪魔たちの猛反対を受けて、
ムシカは結局誰も言い含めることが出来なかったのである。
怒りがあった。ネズミに対する、不自然なまでの風評被害への怒りが!
なのでコンピュータウィルスをばらまいて遊具をダメにしたのだ! ワルい!!
『お、おのれェーッ!! 私の築き上げたデスティニィランドが……ッ!!』
「ハーッハッハッハ! どうだ、肉体的にはともかく精神的にボコボコだろう!
仮に我らに勝てたとしても、もはや遊具総入れ替えは不可避ゆえなァ……!!」
ムシカはにたりと邪悪な笑みを浮かべた。こ、これが冥神の格!
やってることがめちゃくちゃみみっちぃが、まあそこはそれ!
『一体どうすればよいのだ、このランドを立て直すには……!!』
床を殴りながら思い悩むデストロイキング。
そんな悩める彼の耳に、なにやら地鳴りめいた唱和が聞こえてきた。
……ょい……しょい……。
『んっ!? こ、これは!?』
……しょい……! ……わっしょい……!
「な、なんだべこの季節感のなさもはなはだしい祭り囃子は!?」
「クリスマスどころですらない神輿の音! これは、まさか!」
プリもムシカも困惑した。そして轟くのは悪魔(おとこ)たちの太鼓の音!
「「「わっしょい! わっしょい!!」」」
「わっしょい! わっしょい!」
「「「わっしょい!! わっしょい!!!」」」
「わっしょい!! わっしょい!!」
「「「わっしょいわっしょいわっしょいわっしょい!!」」」
盛大な神輿を担ぎ、太鼓やら笛を鳴らしながら練り歩く悪魔の行列!
そして神輿の上でうちわを振り回すのは、マユラ・エリアルだ!
夏である! 誰がどう見ても夏の光景! だがいまは……真冬!!
「とうっ!!」
マユラはなぜかヒーローっぽく回転着地し、ふう、と髪をかきあげた。
「ふ……少しわっしょいしすぎてしまったか。私としたことがらしくないな。
もはやこれでは、この世界の10%くらいがわっしょいに侵食されたも同然。
クリスマスも正月も関係なくわっしょいする……罪深い女だ、私は」
「すげえべ! 何を言ってるのか同じ言語なのにまったくわからないべ!!」
「ワルというか会話が成立しないタイプのセインでない方ではないか!?」
あまりの"逸脱"っぷりに、プリもムシカもツッコミに回ってしまった。
IQが高いとか低いとかそういうレベルではない! こいつは狂人だ!!
『そもそも何故神輿なのだ!? 季節感すら無視するのってアリなのか!?』
「わかっていないようだなデストロイキング。これは私なりの救済なのだよ」
誰が理解できるんだよこの状況を、という台詞を敵は飲み込んだ。
「クリスマスをエンジョイするだけなんてワルじゃない。今のトレンドは盆だ。
どうせ遊具を入れ替えるなら、ここに新たな国(ランド)を作ろう盆の国を!」
『ぼ、盆の国、だと……!?』
「そうとも。いつでも先祖の霊がウェルカム、親戚みんなで募って来よう!
春夏秋冬既設を問わず神輿を担ぎ、お土産には精霊馬を売り捌くそんな国を!
もちろん見どころは、盛大なエレクトリカル盆パレードにきらめくお墓だ!!」
『「「エレクトリカル、盆パレード……!!」」』
あまりの"狂気"に、敵味方を問わず打ちのめされてしまった。
だがその時、ムシカの頭の中で何かがスパークした。
狂気と狂気が出会ってはならぬ最大のマッチングを起こしてしまったのだ!
「――そうか。そういうことだったのか」
『え?』
「我は答えを得たり! そう、エレクトリカルなパレードなのだ!!」
ぽかんとする一同を前に、ムシカは熱っぽく語り始めた。
「ネズミの特徴とは数! つまり大量のネズミでパレードをすればよい!
そして電飾とかで飾り立て、あとは色んな種類のネズミを出そう!
ついでに歌い踊ったり、ペットの犬とかアヒルも混ぜるのはどうであろうか!!」
「私が云うのもなんだが、それはワルすぎて色々まずいんじゃないか?」
「おらが云うのもなんだけど、それやったら絶対このランド潰れるべ!」
『ネズミから離れろネズミから! ネズミの時点でダメだと言っている!!』
総スカンであった。
「なぜだ……! ネズミの何がいけないというのだ!? ネズミだからか!?
ネズミは魔法使いにだってなれるし、蒸気船を運転することもできるんだぞ!
あとこう……男の子向けにスーパーヒーローなキャラを配置してもいい!!」
『余計ダメだ余計!! アウトラインを攻めるな!!』
「くそぅ、ネズミの何がいけないんだ……!」
ムシカは悔しげだった。だがこれに関しては敵も味方も全会一致だった。
『それならまだ盆ランドのほうがマシだ』
「どうやら認めてもらえたようだな、私の経営改善案を」
「とか真面目に経営戦略狙ってるところにドーン! だべーッ!!」
『ギャーッ!?』
BRATATATATATATA!! プリの容赦ないバレットストームが直撃だ!
「経営改善案? そんなもの意味ないべ! なぜならおまんはここで死ぬべさ!
そしてすべてのデビルはおらの手の中に……収めたいけどそれは無理だべ!
だったら全部燃やしてやるべ! 忌まわしき思い出とともにーッ!!」
プリは手榴弾やら焼夷弾までバラマキ始めた! トリガーハッピーだ!
『うおおお! 甘く見るなよ猟兵ーッ!!』
デストロイキングは腹の大口から巨大なカノン砲を出現させぶっ放す!
「おっと、危ないな」
「「「ギャーッ!!」」」
マユラはジャンプ回避! 後ろに居た神輿の皆さんが爆発四散!(生きてます)
「くっ、我の経営改善案を受け入れろ! デなんとかキング!!!」
ムシカはオブリビオンマシンの装甲で攻撃を受け止め応戦だ!
だがデストロイキングは諦めない! 経営者としての意地がそこにある!!
「好き勝手はそこまでっスよォーッ!! ヒャッハー!!」
「「「『"!?"』」」」
その時! けたたましいバイク音とともに四人目の猟兵が乱入だ!
なぜかバットを地面にこすりつけつつ、レギオ・ギャングースはニヤリと笑う!
「"待ってた"ぜぇ、この"瞬間(とき)"をよぉ!! レギオンギャング上等だコラァっス!!」
『あ、新手だ! ええい、来いビューティスパイダー! あいつを殺せ!!』
天井から床から壁の穴から、なぜかバク転しつつ登場する戦闘員の皆さん!
いや戦闘員じゃねえ悪魔だ! ここはキマフュじゃないからね!
「そっちが数で来るなら、こっちも数で勝負っス!!」
するとレギオの身体が、乗っているバイクごと分身した!
ビューティスパイダー(冷静に考えると女郎蜘蛛属性ってなんだ? よくわからない)を轢殺し、ふっとばし、そしてデストロイキングを取り囲む!
『ば、バカな! 私の誇るビューティスパイダー軍団が……!?』
「オラオラ、金勘定だけのシャバ僧がァ! いまだ隙ありっスー!!」
分身とレギオ本体が、あらゆる方向から同時にデストロイキングにとびかかる。
そしてカノン砲から引き剥がし……分身たちがカッ! と光り輝いた!
「ま、まさか! 自爆するつもりだべさ!?」
「我はわからぬ、こんな狂った戦いでなぜそこまでして……!」
「一部地方では、お盆に爆竹を鳴らすとか。その再現かもしれないな」
「「いやそれはない(べさ)」」
マユラは狂っていた。
「みんな、後は任せたっス……! オレのこの生命に換えても敵は止めるッス!」
「そこまでシリアスな戦いだったとは思えねえだが!?」
「不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまうのはオレだけでいいっスー!!」
『うおおお、離れろ! うおおおおおーッ!?』
閃光――そして、大爆発!
黒焦げで倒れるレギオ、そして爆炎から飛び出す重傷のデストロイキング!
「ココに来てからずっと支離滅裂なのもあの犠牲も全部おめぇのせえだー!
おらのこの悲しみと怒りを乗せて、おめぇをぶっ殺してやるべさーッ!!」
『ちょっと待て狂ってるのは主にお前らグワーッ!?』
BRATATATATATA!! バレットストームがデストロイキングに追い打ちをかける!
「これはネズミたちの怨み! これもネズミたちの怒り! これもこれもこれも!」
「ついでなので君もネズミになるといい。ただしハリネズミだがなァ!!」
オブリビオンマシンのウィルス攻撃! そこへマユラの氷刃が降り注ぐ!
『なんで私がこんな目に遭わなギャーッ!!』
串刺しにされ撃たれ殴られ、デストロイキングはもはやボロボロであった。
この遊園地も、奴自身も、すべて叩き潰し蹂躙するのが真のワル。
致命的に低下したIQに、もはや誰も耐えきれない!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
戎崎・蒼
【POW】
宮前紅(f04970)と行動
紅、まずこの金は取り放題とかの為に用意されたものじゃない
それに今度こそ配下を懐柔するとかもっと慎重な行動をだな…!
提案そっちのけで強盗(?)を働く紅に何だか頭痛がしつつもUCを発動
相手が作り出した敵を捕捉して、攻撃を加えてみよう
後は追加で銃弾を撃ち込む位か
…先程の、銃で脅しているなんて誤解的解釈を敵が引き摺ってなければ、僕のストレスが溜まる事なんてないんだろうけど
因みにアイツの手助けをしてる訳では決して、断じて無い
お前が僕の返答によって左右される逸楽なんて、心底どうでもいい
猟兵にボーナスなんて元々無いだろ、我慢くらい出来ないのか
…あと僕に命令するな
宮前・紅
【WIZ】
戎崎・蒼(f04968)と行動
わあ〜お金だあ(目をキラキラ輝かせながら)
此処が夢の国か〜〜うん、最高だね
ヨイショっと、うんしょ──え?何やってるかって?
お金、お土産に持ち帰ろうと思ってさ(鞄にお金を突っ込みながら)
こんな所狭しとお金があるんだから取ってってイイよ!って事だよねえ
隙を見せたらUCを発動
ごめんよ、俺だってぐうたら過ごす為の資金が欲しかったんだよね、ボーナスってやつ?
破壊兵器諸共捕捉して、自由に身動きが取れないようにするよ!
えー蒼くんってさぁこういう時になると、つまんない考え方しかしなくなるよねー
もっとパーッとやろうよ
はい蒼くん倒しちゃってーさっさとお金貰って退散しよ♪
●やっちゃおうぜ、ワルいこと!
「わあ~~~、お金だぁ!」
まるでおもちゃ屋に来た子どものように、目をキラキラさせる宮前・紅。
その隣で、戎崎・蒼は心底呆れ返ったような、侮蔑の眼差しを向けた。
「おい、紅……まさかお前」
「ヨイショっと、うんしょ……え、何?」
案の定、紅は当たり前のようにカバンを取り出し、お金を突っ込んでいた。
まさか……とは思っていたが、あまりにも動作が自然すぎる!
「いや、何? じゃなくてだな……」
「だってほら、遊園地に来たならお土産が欲しいでしょ? で、ここは夢の国!」
「それならせめて土産物屋を使え。此処にあるのはお前のために用意されたものじゃない。間違っても、取り放題の景品とかじゃないんだからな」
「ええ~? こんな所狭しとお金があるんだから、そうに決まってるよ~!」
蒼は頭を抱えた。こいつ、いつも以上に話が通じねえ。
紅の目を見ていると、もしかしたら本当にそうなのかな? とか思わせられそうなぐらい、純粋で澄み切った目をしているのがなおさらにアレだ。
「そもそもだな、さっきの手段にしても、お前がやることはめちゃくちゃすぎる」
「でもこうやって無事にボスのところに来れたじゃ~ん」
「結果が伴えばいいという話では……おい、だからお金を入れる手を止めろ!」
『そして貴様らは私の部屋で漫才をするのをやめろォ!!』
「「うわっ!?」」
KRA-TOOOOM!! 慌ててジャンプしたふたり、直後着弾するグレネード!
デストロイキングが、腹の大口から生やしたキャノン砲をぶっ放したのだ!
『とことん私をナメおって、猟兵どもめ……! そもそもそれは私が集めた金だ!
この私を放置した挙句、勝手に人のものを盗もうとするとはなんてワルな連中!』
「おい、僕をこいつと一緒にするな。僕は止めてただろ!」
「いや~やっぱり、凶悪殺人鬼にして強盗犯の蒼くんには負けちゃうな~」
「その設定引っ張るな! 僕がそんなマネしたこと一度もないだろ!?」
と、いつものノリでぎゃあぎゃあと喧嘩(じゃれあい)を始める蒼と紅。
デストロイキングは全身にビキビキと怒りの血管を浮かべ、吠えた!
『まとめてブチ殺してくれるわァーッ!!』
そしてキャノン砲を乱射! さらに手下のビューティスパイダーを召喚だ!
蒼と紅は巧みな動きで攻撃を回避しつつ、お互いに睨み合う。
「お前のせいで作戦がめちゃくちゃだ、どうしてくれるんだ紅!」
「それはこっちの台詞だよ、せっかくのお金がカバンの半分も回収出来てないよ?」
「だから、あれはお前が持っていくために用意されたものじゃない!」
「でも戦いが終わったら豪遊して使い切っちゃって説明されたじゃん?」
「ああ言えばこう言う……!!」
もはやデストロイキング・蒼・紅の三つ巴の戦いの様相を呈していた。
口撃をぶつけあいつつ、それでも敵の攻撃を躱すあたりはさすがの腕前か。
『フーッ、フーッ……! ええい、ちょこまかと!!』
デストロイキングは怒りに目が曇っていた。
また、あまりにも仲が悪く、しかし連携は完璧な蒼と紅に翻弄されている。
それゆえか、キャノン砲の狙いを誤り、見当違いの場所を破壊してしまった!
「――残念、隙だらけだよ♪」
「別に、紅を手助けするわけじゃないんだからな……!」
などと言いつつ、蒼と紅は完璧なタイミングで同時攻撃を仕掛けた。
影とトランクケースから現れた無数の腕が、デストロイキングを縛り付ける!
『ぬう!? な、なんだこれは……!?』
「はい、これでもうそのおっかない破壊兵器も使えないよぉ?」
「……お前がさっさと倒れてしまえば、それで話は解決するんだ!」
BRATATATATATATA! 情け容赦ない弾丸が、部下もろとも巨悪を穿つ。
ありったけの弾丸を叩き込まれ、デストロイキングは苦悶の絶叫をあげた!
「よし、ナイスアシスト♪ 蒼くんの射撃の腕前は相変わらずピカイチだねぇ?」
「お前が最初から真面目に戦えば……」
「あーはいはい、そういうつまんない考え方しないとなおさらイイんだけどなー」
「……お前の逸楽なんてどうでもいい。さっさと片付けるぞ」
「了解~、さっさとボーナスもらって退散しよ♪」
「だからこのお金はボーナスでもなんでもない、いい加減あきらめろ!」
戦闘の最中でも、ふたりのノリは相変わらずだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千桜・エリシャ
【甘くない】
いかにも成金趣味なお部屋ですこと
あなた、独身なんですって?
悪魔さんたちが仰っていてよ
こんな趣味の悪いお部屋じゃ当然かもしれませんわね
くすり笑いながら桜吹雪をふわり
配下を魅了して
ふふ、皆さんったら
主人を放って私につくなんて、とーっても悪い子ね
見せつけるように近くの子の腕に抱きついて
むぎゅっと胸を押し付けて
どう?
あなたもこちらに来れば私が可愛がってあげますわ
こうやって――ふふふ
おいでおいでと手招いて
むぅ…私のやり方に文句でもあるのかしら?
あら、趣味の悪い者同士お似合いかもしれませんわね
もしかして妬いていらっしゃるの?なんて
さて、十分楽しませてもらいましたし
そろそろ御首をいただこうかしら
ジン・エラー
【甘くない】
ハァ~~~~こりゃァ~~またギッラギラですンばらしィ~~~ねェ~~~~!!!
ア?いやいや金なンざにゃ興味はねェ~~~けどな
独身ッてこたァ~~~お前………チェリーボーイかァ~~~~~~!!!???
ウッヒャビャラフヒィヒャラハハハハハ!!ウッホハハバハハハ!!!
サイッコォ~~~~~!!!!!
あァ~~~あァ、相変わらず趣味の悪ィ~~~~ことしやがる
いィ~~や?褒めてンだよ。心の底からな~~ァ
おォ~~っとォ!お触りは厳禁だぜ?
ヒヒャハ!嫉妬だなンてガキみてェ~~~なことするかよォ
お前はオレのモンだって言っただろ?
ビャフハ!そォ~~~ンじゃァ……
そンな情けねェお前も、救ってやるよォ~~~!
●ワルってそういうことじゃない
札束、金塊、美術品に宝物。
ありとあらゆる「金」が集められた、いかにも成金って感じの部屋であった。
まあもうかなりの量のデビルが燃えたり融けたりふっ飛んでんだけども。
「ハァ~~~~こりゃァ~~~またギッラギラですンばらしィ~~ねェ~~!!」
ジン・エラーはご満悦の様子だった。聖者のくせに……!
「あら、ジンさんはこういう悪趣味な部屋が好みなんですの?」
と、千桜・エリシャはからかう。鎧の悪魔たちをはべらせながら。
なんか悪の方向性違わなくないですか? これ悪の女幹部とかじゃない?
「ア? いやいや金なンざにゃ興味はねェ~~~~よ」
「じゃあどのへんが素晴らしいと……?」
「そりゃお前ェ~~~ギラギラ光ってるトコ以外に何があるよォ~~~?
素晴らしいものは光ってナンボだオレがそうであるようになァ~~~!!」
ピカーッ。ジンはこれみよがしに光ってみせた。
「「「うおっ、まぶし!!」」」
「一番悪趣味なのはこの人でしたわね……」
「ウッヒャヒャヒャハハァ~~~!! 凡人にはワカんねェかなァ~~~!!」
ジンが光ると、周りの金塊がその光を反射してなおさらまぶしい。
もはやジンの顔もよく見えなかった。どれだけ自己顕示欲が激しいんだ。
『人が集めた財産をステージライトのような扱いするなァッ!!』
そこへデストロイキングが大口から吐き出した、巨大爆弾が降り注ぐ!
だが着弾する直前、エリシャの斬撃が空中で爆弾を真っ二つにした!
KRA-TOOOOM……爆炎を背に、不敵に笑うふたりの極悪猟兵!(※褒め言葉です)
「……だいたいよォ」
ピカピカと新品の蛍光灯みたいな輝きを放ちながら、ジンは言った。
「趣味が悪ィってンなら、お前も大概だろうがエリシャァ~~~」
「それはどういう意味かしら、とんとわかりませんわ。ええまったく」
とか言いつつ、エリシャは魅了した鎧の悪魔の皆さんをはべらせている。
これは魔的な桜吹雪のせいであり、猥雑とかそういうのは一切ない。
「踏んでくださいエリシャ様! 踏んで!」
「俺を斬ってくれー!!」
「アアーッ! イイーッ!!」
……ないったらない!
「ふふ、皆さん騒がしいですわね。いい子にしていたらご褒美(物理)をあげますわ」
「「「ヤッター!!」」」
『き、貴様……こともあろうに私の部下を魅了したのかッ!』
「羨ましいんですの? どうしてもというなら(物理で)可愛がってあげますわ」
『いや私はもう少しとうの立った女性がタイプなので貴様は幼すぎてちょっと』
「…………」
蠱惑的な笑みを浮かべて手招きしていたエリシャは、ぴしりと固まった。
「…………はい?」
『だって貴様せいぜい17、8歳ぐらいであろう? なんとなくわかるぞそういうの。
そもそも私、痛めつけられるとかは趣味ではないのでな……申し出は嬉しいが』
「…………」
「ぶ……ぶヒャヒャヒャヒャ!! アッヒャヒャハヒヒハハハハッ!!」
ぷるぷる震えるエリシャ。後ろで大爆笑しているジン。
「あ、あと二ヶ月で19歳になるんですからもう十分大人ですわッ!!」
「でも酒は呑めねェモンなァエリシャァ~~~~!! ヒャヒャホハハハッ!!」
「う・る・さ・い・で・す・わ!! だいたい、あなた!!」
ビシィ! とエリシャはデストロイキングを指差した。
「そのおぼこい物言い、ひょっとしてあなた、独身なのではなくて!?」
『なんだと!? 結婚の有無は関係ないだろう結婚の有無は!!』
「ブヒャホハハハ!! 生娘とチェリーボーイが言い争ってらァ~~~!!」
「『やかましい(ですわ)!!』」
「グワーッ!?」
なんでかエリシャからまで攻撃されて吹っ飛ぶジン! これはひどい。
でも自業自得だなあ、と悪魔の皆さんは冷静に眺めていた。
ともあれエリシャは咳払いすると、気を取り直して妖艶モードに入った。
「ふふ……羨ましいと言うなら、あなたも混ぜてあげましてよ?」
『だから羨ましくなどないわ! そもそも私には沢山部下がいるのでなァ!!』
なぜかバク転やら側転をして現れるビューティスパイダーの皆さん!
が、エリシャの撒き散らす桜の魅了パワーにより、戦闘不能になってしまう!
「うふふふ! なんと言われようと、私のこの力にあなたたちは逆らえませんわ!」
『お、おのれ猟兵……!!』
デストロイキングは腕っぷしで襲いかかる――そこへ割り込むジン!
「お触りは厳禁だぜ?」
「嫉妬していらっしゃるのかしら、ジンさん?」
「嫉妬ォ? お前はオレのモンってだけの話だよォ!!」
ジンはさらなる光を放ちながら、デストロイキングを押し返した!
『グワーッ!!』
「情けねェお前も救ってやるよォ、オレらがなァ!」
「人のことを子ども扱いした報いは受けてもらいますわ!」
極悪猟兵コンビの必殺攻撃が、デストロイキングを追い詰める!
悪魔の皆さんは、それはもう羨ましそうに眺めていたそうです。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
セロのおにーさん(f06061)の為の囮担当藍ちゃんくんなのでっす!
藍ちゃんくんの抜群の存在感と、歌にダンスに楽器に大声挑発コミュ力で!
視覚的・聴覚的に目立って藍ちゃんくんに注意を惹き付けてしまうのでっす!
見ちゃいましたかー?
魅せられちゃいましたかー?
ではではレッツダンシング、なのでっす!
破壊兵器を上手く操作できないよう激しく踊らせちゃうのでっす!
兵器も壊れる勢いで踊らせちゃうのでっす!
操作もおぼつかなく、向きも制御できない中で、破壊兵器に攻撃させるのはお金巻き込みの危機もあって躊躇してしまうのではー?
ミスディレ作戦でおにーさんが見事お金奪取するまで時間稼ぎなのでっす!
セロ・アルコイリス
藍ちゃんくん(f01052)に視覚誘導任せて
おれは盗人らしく盗まねーとですね!
いやほんとはおれ金目のモンは盗まねー盗人なんですが
あぁも盗んでくれって置かれてたらね?
極悪としちゃ盗まざるを得ねーでしょ!
藍ちゃんくんの蔭で『目立たず』『早業』でDを盗んだら
鎧の悪魔達に、あるいは窓からドアからぶち撒ける!
ほら横領だー、着服だー、
ワルくなりたきゃ持ってきな!
こーゆーのネズミ小僧って言うんですよね、おっとネズミ?
藍ちゃんくんが狙われそうなら【吹雪】で風花喚んで
視界を白く染めたり手をかじかませたりして
破壊兵器の操作を邪魔しましょう
藍ちゃんくんと一緒なら怖いモンなんてねー
はいここもおれらで侵略完了!ってね!
●極悪コンビで侵略開始!
超極太ビーム砲がほとばしると、床が大きく窪みどろどろに融けた。
危ういところでビーム砲を躱した紫・藍は、煮え立つ融解面を見て震え上がる。
「いやいやいや! こんなの喰らったら骨も残らないでっすよ!?」
『そうだ。この私に歯向かう敵は、塵も残さず消え去るのがさだめよォ!!』
デストロイキングは、腹の大口から生やしたビーム砲を再び発射!
壁に円い穴が開き、騒ぎを聞きつけた悪魔たちが腰を抜かしてへたりこむ!
「で、デストロイキング様の破壊兵器だ!」
「みんな下がれー! 巻き込まれたらおしまいだぞー!」
「なんてワルくてカッコいい攻撃なんだ、憧れちゃうぜ!」
悪魔たちはわーきゃー騒いでいるが、藍にとっては気が気でない。
(けど、藍ちゃんくんに上手く注意を惹きつけられてるはず……!)
あまりに攻撃密度が高いために、セロ・アルコイリスの居場所は掴めない。
彼が盗みを成功させるまで、どうにかして敵の攻撃を引き付ける……。
それが藍の仕事であり、藍にもひとつだけ切り札が存在していた。
『ええい、ちょこまかと逃げ回りおって! 観念せい!』
「やーでっすよー! 藍ちゃんくんはそう簡単にやられたりしないのでっす!」
ビーム砲を回避する藍の動きは、まるで激しいダンスのようだった。
……いや、違う。「まるで」ではない、ダンスそのものではないか!
『む、むむ!? なんだ、その動きは!?』
「見ちゃいましたかー? 魅せられちゃいましたかー!?」
爆発で舞い上がった瓦礫を足場に、藍はブレイクダンスじみた動きを繰り出した。
フィギュアスケートめいて回転し、両手で逆立ちしながらポーズを決める!
「すげー! カッコいー!」
「あれ、ちょっと真似できそうじゃないか?」
「なんだか踊りたくなってきたぜ~!」
と、観客気分の悪魔たちはノリノリで踊っていた。
『なっ、なんだ、この妙な感じは……! 身体が言うことを利かん!?』
そしてデストロイキングまで、ぎこちないタップダンスを踊っていた。
そう、これこそが藍のユーベルコード! 観客さえ魅了する見事なダンス!
敵対する相手でさえ、藍の動きを真似したくなってしまうのだ!
「さあさあレッツダンシング、なのでっす!」
『ぐっ、いかん……この状態でビーム砲を使うわけには……!』
迂闊に狙いを外してしまえば、壁や床どころかデビルを巻き込んでしまう。
金がなければカタストロフは成立しない。デストロイキングは躊躇した。
だがそこで、奴は気付いた……デビルが根こそぎなくなっていることに!
『ばっ、バカな!? 私の集めた金がァーッ!?』
一体いつの間に? その答えは、姿を隠していたセロが知っている!
「ほら横領だー、着服だ! ワルくなりたきゃ持ってきな!」
藍が時間を稼いでいる間に、セロは見事に金を盗み出していた。
そして24時間労働で疲労困憊した悪魔たちに、金塊や札束をバラ撒いている!
「うおー! 金だー!」
「上司のお金を盗むなんてワルすぎるぜ!」
「こいつで豪遊だー!」
『き、貴様かァ!! 猟兵!!』
「おっと、さすがに気付かれたみてーですね。けどもう後の祭りですよ!
ほんとはおれ、金目のモンは盗まねー盗人なんですけど、今回は特別です!」
デストロイキングのビーム砲がセロを襲う。その時、室内に吹雪が舞い散った。
鋭い氷の破片がキラキラとビームを散らし、セロの姿も覆い隠してしまう!
『ど、どこだ!?』
「いえーい、セロのおにーさんさすがでっす!」
「藍ちゃんくんこそお見事! おかげで仕事が楽にこなせたぜ!」
セロと藍はにこやかな笑顔でハイタッチ。パーフェクトな作戦成功だ。
『お、おのれぇ……!!』
「お? 怒っちゃう? 怒っちゃいます? ワルの帝王が情けねーですね!
どんな時もおおらかに構えて、多少の悪事は見逃してこそのキングっしょ!」
『黙れェ!! 私の金を、よくもォーッ!!』
デストロイキングがビーム砲をぶちかます! ふたりは軽やかにジャンプした。
勢いを強める吹雪が、デストロイキングの視界を遮り、攻撃を当てさせない。
「んじゃま、侵略完了したし!」
「仕上げはこいつで決まりでっす!」
ギュワイーン! と、藍のギターがディストーションサウンドを放った。
音波は威力ある衝撃波となり、デストロイキングの破壊兵器を粉砕!
『グワーッ!?』
KBAM!! ビーム砲の爆発により、デストロイキングはダメージを受ける。
そして爆発で怯んだ隙に、セロのダガーが分厚い胸板をばっさりと切り裂く!
『こ、こんなふざけた連中に、なぜ私が……!!』
「そりゃまあとーぜん、おれたちのがワルだからじゃねーですかね?」
「いえーい! 藍ちゃんくんとおにーさんは無敵でっす!」
戦いはノリのいいほうが勝つ。つまりはそういうことなのだ!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
朱酉・逢真
坊っちゃんと/f22865 *ひたすらたのしい
心情)さァて御大将とご対面さ。もちろん俺が先に入るぜ。ボス(*坊のこと)は超ワルな御方だかンなァ、直接戦ったりはしねェのさ。部下(強調)の俺がなんとかするさァ。ひ、ひ。てなわけだ。坊はムリせず、自分の身を守っとくれ。
行動)サツ(*札束)か金塊か。マ・どっちにせよ無機物さ。それも欲にまみれた な。坊に結界はって、さァさおいでェやんちゃ坊主。ぜェんぶ巻き上げ取り込んで、ちょいと遠くへいっといで。ひ、ひ。目で追っていていいのかい? ぽかんと空いた口めがけ、かわいい毒虫たち。なだれこんでおやり。
っとォ。あいよボス。カラスが鳴いたら呼び戻すさァ。
雨野・雲珠
かみさまと/f16930
※わかってきた
なんたって俺はこの園の正当な支配者(仮)ですから。
ワルに謀はつきもの。
そしてワルとは時に正義の味方より結束かたく、
福利厚生手厚く、仲良しなもの!
というわけで、道すがら悪魔さんたちから話を聞いておきます。
ふむふむ。ふむ?…あれ?
それって、搾取する支配人はワルですけど皆様はいい人では?
適切な労働時間とお給金をいただくことこそ、
支配人にとって許しがたいワルでは?
今こそ真の悪行を働くとき…そう、労働改革です!(バーン)
かみさまの後方でわーわーデモ&ストライキします、
お賃金よこせー!
かみさまー!
そのお金はみなさまのお賃金と今後の運営資金です、
あとで戻してくださーい!
●ツッコミまでノっちゃったら手のつけようがない
朱酉・逢真はにっこにこであった。
ここまで満面の笑みを浮かべているかみさまは珍しいぐらいであった。
雨野・雲珠は、もはや疑わなかった。
……この神、楽しんでやがる!! と!!!
いやまあ最初から確信してましたけどね多分! いつものことだし!
「……かみさま、この世界はかなり変わったところなんですね」
そんな雲珠だが、なにやら妙にやる気のある顔つきをしていた。
それというのも雲珠は、ここに来るまで悪魔たちと色々話をしていたのだ。
彼らがどんな業務形態で働き、そしてどれだけ搾取されているのかを。
……まあそれも、むしろ喜んで搾取されてるのが悪魔って種族なんだけど!
「いい人だからこそ悪事を働き、そしてそれゆえにより強大なワルに搾取される。
ですが俺はこうも思うんです。唯々諾々と従っている皆様は普通にいい人だと!」
「いいぜ、いいなァ坊っちゃん。いい具合に染まってきてンなァ」
だいぶ"わかって"きた様子の雲珠を見ているので、逢真はニコニコだった。
あ、だめだこれ超越者が格下の人間を惑わせて喜ぶやつだ!
聖書とかでYHVHと悪魔がやってるやつだ! マジで暇を持て余してるこの神!!
「というわけで、デストロイキング! 俺はあなたに宣戦布告します!!」
で、やってきたデストロイキングの部屋。雲珠はビシィ! と敵を指差した。
『宣戦布告だとォ~?』
「その通りです。なんたって俺は、この園の正当な支配者(仮)ですから!」
『い、言うに事欠いて大きく出たな貴様! ならば一体どうするというのだ?
この私を正面から打ち砕くか? それとも屁理屈でそこのバカどもを抱き込むか』
「屁理屈? いいえ違います。俺は正当な支配者(自称)であり真のワル。
ただ搾取するだけのあなたとは違い、俺はワルのなんたるかを知っています!」
逢真はニッコニコである。雲珠はまくし立てた。
「ワルに謀はつきもの。そしてワルとは、ときに正義の味方より結束が固いもの!
福利厚生も手厚く、仲良しなもの! あと、休むときはきちんと休むもの!!」
『いやいやいや待て待て! それただの健康的な労働者じゃないか!?』
「? 自分の権利を正常に主張する労働者こそ上役にとって許しがたいワルでは?」
『貴様おぼこいかと思ったら意外にエグいこと言うな!? 怖いが!?』
やだこの子どんだけ社会の暗黒面知り尽くしてるの……敵は震え上がった。
普通にルールを遵守して権利を叫ぶだけでワルになるとは、なんとも世知辛い。
しかし、事実その通りだ! 搾取されているだけでは上司にとっての「いい人」!
ならば徹底的に定時上がりをしてボーナスももらうものこそが許しがたい悪!
雲珠の理屈は何も間違っていない! 間違っていないが狂っていた!(これはIQの低いネタシナリオであるため)
「というわけで皆様! いまこそ真の悪行――そう、労働改革をしましょう!!」
「「「労働改革!?」」」
「デモ&ストライキです! さあ皆様、この角棒と火炎瓶を持って!」
「「「あれっこれなんか違くない!?」」」
革命は革命でもなんかアカい気がする。でもあんまり変わらないよね!
「お賃金よこせー!」
「「「お賃金よこせー!」」」
「労働者に真の権利と自由をー!」
「「「労働者に真の権利と自由をー!」」」
「すべての同志よ立ち上がれー!」
「「「だからこれやっぱり何かおかしい気がするー!!」」」
ノリでアジテートしてしまっていた。逢真はニッコニコであった。
「おうおう、ボスがやる気になってやがらァ、ひひひ」
『……!! お、おい貴様! 貴様のほうが明らかに強い気配するんだが!?』
「御大将ともあろうものが、なァに言ってンのさ。俺はただの手下だぜェ」
逢真はひひひ、と陰気に笑う。デストロイキングはまた震え上がった。
こ、こいつ、何もかも楽しんでやがる! 愉しみのために俺をボコる気だと!
「ところでよぅ、お前さんの"そいつ"らは、大事なもんなんだろう?」
と、逢真が指差したのは、金塊やら札束……すなわち、デビルである。
たしかにデストロイキングは、金をかばうようにして戦っていた。
それもそのはず、デビルなくしてカタストロフは成立しないのだ。
「それならよぅ、俺がちぃとばかし、遠くへいかせてやろうかい」
『き、貴様何を……!?』
「頼むぜ、やんちゃ坊主。ボスの役に立っとくれ」
ごうごうと唸る風は、やがて不浄なる暴風雨となりて札束を巻き上げる。
そしてデストロイキングが慌ててつかもうとするその手の中をすり抜けて、
札束も、金塊も、美術品やら骨董品もまるごと空の彼方へ飛んでいった!
『アアアーッ!? わ、私のかき集めたデビルがァー!?』
「なァんて、目で追っていていいのかい? 俺はここにいるんだぜ?」
『えっ……ギャーッ!?』
そこへ殺到する毒虫の群れ! デストロイキングの腹の大口に雪崩込む!
あまりにもグロ注意な戦い方だ! 悶え苦しむデストロイキング!
「とまァ、これでお前さんは気兼ねなく戦えンだが……聞こえてねェか。ひひひ!」
「かみさまー! あのお金は皆さまのお賃金と今後の運営資金ですよ!」
「ひ、ひ。さァすがはボスだ。もう未来の運営にも目を向けてンだなァ」
雲珠が頑張ってワルぶって遊園地を運営している光景を想像すると、それだけでもう面白い。逢真は上機嫌であった。
「もちろんです! 俺は正当な支配者[要研究]ですから!」
「やる気があるのはいいこった。ボスのお申し付け通りにするぜ、ひひ」
「ありがとうございます! あとで戻してくださいね!」
「カラスが鳴いたらおかえりよ、ってなァ。まあ泣いてンのは過去だが」
『グワーッ! グワーッ!! アバーッ!?』
なんかもう大惨事であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジョン・ブラウン
【悪巧み四天王】
「出たなデストロイキング!僕らの正義の刃がお前を切り裂く……!」
敵の方は一切見ず、だむぐるみと一緒にただひたすら財宝をカバンや口の中に詰め込みパクっている
「だむぐるみ、GO」
ティアーが固定した敵の口の中に分裂した大量のだむぐるみが飛び込み
「さぁ、果たしてお前にそいつらを上手く使えるかな……!」
『金寄越せむー』『D?こんなんじゃガチャ回せないむー』『クレカの番号でもいいむー』
破壊兵器が金を無心するようになるが
その金は鹿になり巨大化し暴れまわる大惨事
「これが僕らの友情コン……うん?」
なんかグルグル回り始めた巨大クマゴロウを見上げ
「どしたのクマゴロ……全員撤退!!!!」
全力でガン逃げ
詩蒲・リクロウ
「悪巧み四天王」
ふふ、自分から悪事を働くとかそういうのちょっとやっぱり苦手なんですよね。その点オブリビオンは問答無用に貼り倒せば良いし、楽ですよねって。(割と外道発言をしているがリクロウ的にはノーカンである)
ていうか自分がしなくても他の仲間がやらかしてくれますから。
(惨事を横目に自分の得物を振り上げ力を溜める)
相手が弱った所を殴るのは戦いの基本!
全力グラウンドクラッシャー!
(大きく振りかぶった一撃をぶちかます)
ふぅ……決まった……。やはり暴力って良いですね……。
(何気にちょっと感化されてる説のあるリクロウ)
え、ちょ、熊五郎さん!?て、てった……アーッ!
曾場八野・熊五郎
【悪巧み四天王】
「ここが密猟者のハウスでごわすな!」
「お主たちが私利私欲のために野生動物を捕獲しているとタレコミがあったでごわす!」
「可哀そうに……今すぐ出してやるでごわす」
自分とD鹿を巨大化させ、壁を破壊したりキングをひき逃げさせたりする
「さあ自由に向けて前進でごわす。保護区はお主たちを待っている」
『悪巧み四天王様用貸金庫』の上に二重線が引かれ、上に『保護区』と書かれたプラカードを掲げて誘導する
「ふう、これで悪は滅びるでごわ……!」
(急にソワソワと周囲を気にしだす)
(後ろ足を突っ張ったようにヒョコヒョコしながらうろつく)
(しきりに匂いを嗅いでいる)
(クルクル回りだす)
(中腰になる)
リチャード・チェイス
【悪巧み四天王】
ところで支配人デストロイキングよ。迷子の鹿を見なかったであろうか?
見ていないはずはない。これらは迷子の鹿ではないか?(Dをつまむ)
やはり鹿であるな? 鹿であると言え。最初から鹿である。
迷える小鹿諸君。諸君等も鹿の国へ行きたいのであろう。
うむ、一糸乱れぬ同意の無言、確かに受け取ったのである。
(拒否の意思を示さないので契約が成立して、Dがことごとく鹿に変わる)
見たまえ、鹿等は喜びのあまり体を巨大化し踊り狂っている。
こんなにもシカティニィランドへの解放を望む鹿たちを閉じ込めるとは!
デストロイキングの何たる非道、何たる悪逆!
その業に正義の鉄槌が(クマゴロウに気づく)……撤退!
ティアー・ロード
【悪巧み四天王】
「動くな!税務局悪巧み支部だ!」
「ここでいい子にプレゼントを配っていると通報があった!
デビルキング法第1225条、デビルサンタ法違反の容疑で強制接収を行う!」
さぁ、差し押さえタイムだ!ヒーローらしく行こう!
「あ、私の分はキマフュ銀行に頼むよ」
「言い逃れはできないよ、証人がいるんだ。」
鎧の悪魔がプレゼント欲しいって言ってたからね、プレゼント渡すとか
ワルじゃないわー、ダメだわー
「動くな、といったはずだけど?」
オブリビオンがユーベルコードを発動しようとしたら
【刻印「傍目八目」】で口を開けた時を狙って一時的に止めるよ
「プレゼントだ、遠慮なく食べるといい」
「曾場八野くん……?
知性は?!」
●悪巧み猟兵になんて絶対に負けない!
「動くな! 税務局悪巧み支部だ!!」
バァン!! と(壊れた)ドアを蹴り飛ばし、五人の猟兵が雪崩込む。
ちなみに、上の台詞はふよふよ浮いてるティアー・ロードが言ったものだ。
『何ぃ!? 税務局だと!?』
ノリのいいデストロイキングは、ついつい与太に乗っかってしまう。大物だね。
「ここでいい子にプレゼントを配っていると通報があった……!
デビルキング法第1225条、デビルサンタ法違反の容疑で強制接収を行う!」
『なんだその法律聞いたことないぞ。そもそもなんのことだプレゼントって』
「おやおや、言い逃れのつもりかい? キミの部下がプレゼントを欲しがってたよ。
それはつまり、キミが部下にプレゼントを配っていたということなんだろう!?」
『発想の飛躍がスペースロケット並すぎるだろ! そんなわけあるか!!』
残念、ティアーのマルサ作戦は失敗してしまった!
「まあそうだよね」
本人も対して気にしてなかった。なんなんだよいまの茶番は!
「ここが密猟者のハウスでごわすな……!」
一方、曾場八野・熊五郎はふんすふんすと部屋の中の匂いを嗅いでいた。
『ん? 待てそっちのワンコロ、密猟者とはなんのことだ』
「おぬしらが私利私欲のため野生動物を捕獲しているとタレコミがあったでごわす!
壁に床にと所狭しと並べられたこの剥製の山こそが、その証拠でごわすな!」
『デビルを野生動物扱いするとか貴様狂人か何かか? いや狂犬か??』
「そんなに褒めたところで罪は軽くならんでごわす」
『なぜ今の私の台詞を褒め言葉と受け取ったのか理解に苦しむ』
デストロイキングは、開幕30秒もしないうちにツッコミ役に収まっていた。
というか、こいつらを前にすると、誰であれそうならざるを得ない、
恐るべし悪巧み四天王! 5人いるけど四天王!
「おっと、おしゃべりはそこまでさ、デストロイキング!」
仲間の狂気を後押しする勢いで、ジョン・ブラウンがポーズをキメた。
「僕らの正義の刃がお前を切り裂く……! 覚悟しろ、悪の帝王め!」
『言っていることはカッコいいが貴様その手を止めてから言え止めてから!!』
ポーズを取りながら、近くにある金塊や財宝をカバンに放り込んでいた。
最低だよこいつ! いやもうすでにヒーローが最低なこと言ってんだけど!
『こいつで今日は豪遊だむー』
そしてだむぐるみはもりもり札束を食っていた。ピンク玉か何か?
『税務局だの野生動物の保護だの、結局貴様らはなんなのだ!?』
「見てわからないのかい? お前を倒すためやってきた正義の味方さ!」
『だからそのデビルを盗む手を止めてから言え! 私の財宝だぞそれは!!』
「財宝? どう見ても鹿であるなこれは」
ずずい。一番めんどくせえ狂人こと、リチャード・チェイスが割り込んだ。
『は? 鹿???』
「そう、鹿である。しらばっくれても無駄であるぞ支配人デストロイキングよ。
そもそも我々は、迷子の鹿を探してここまでやってきた心優しき善人である」
『鹿など知らんし、善人は自分のことを善人などと言わんわ!!』
「知らない? ここにいるではないか、迷子の鹿が!!」
『後半部分を無視するな! そしてせめて会話らしいことをしろ!!!』
デストロイキングは悲鳴まじりに叫んだ。もうすでに可哀想。
「重要なのは鹿である。さあ言え、これは鹿である。最初から鹿であると」
『貴様ら誰か一人ぐらいはまともに会話できる猟兵はいないのか!?!?』
「うーん、オブリビオンながら色んな意味で心中お察ししますね……」
ただひたすらに狂気に圧倒されるデストロイキングを憐れむ、詩蒲・リクロウ。
でも特に勘弁してやるつもりはない。だって、相手はオブリビオンだし。
あとこいつがあの四人の狂人の相手をしてくれている間、自分はフリーだ。
「でも正直、ここに来て心が少しだけ……いえ、だいぶ楽になりましたよ。
自分から悪事を働くとか苦手ですし、敵は問答無用で倒すだけですから!」
『多少マシかと思ったがやっぱり貴様も大概だな???』
「そんな、彼らと一緒にしないでください! 僕は自分からはしませんよ!
ていうか僕が悪事苦手なのって、やる前に四人がやるからなんですよね」
『それを普通に受け入れている時点で同類だっつってんだが???』
悪巧み四天王(5人いる)には、リクロウもしっかり含まれているのだ。
『ええい、この狂人どもめ……! 私はいい加減辟易しておるのだ!!
来い、ビューティースパイダーども! 私を守る盾となれい!!』
デストロイキングが指をぱちんと鳴らすと、大量の戦闘員が駆けつけた。
戦闘員って言うとキマイラフューチャーになっちゃいますね。下僕ってことで。
無駄にバク転したり側転しながら出てくるので、いよいよ戦闘員っぽいけど!
『貴様らがその狂った戯言をこれ以上抜かす前に、まるごと吹き飛ばしてくれる!』
さらに腹の大口から、明らかにオーバーパワーな大口径主砲が出現した。
もはやデビルを巻き添えにするのも辞さない構えか! でもそれも仕方ない!
だってもう、こいつらが来る前からしこたまボコられてるから!
「おや、さっき私がなんて言ったか忘れたのかい? デストロイキング」
その時である。ティアーの両目が、明らかにヒーローでない感じに光った。
具体的に言うと、某新世紀な感じのアニメに出てくる敵キャラっぽく!
するとデストロイキングは、主砲発射体勢のまま動けなくなってしまった!
『ヌ、ヌウーッ!? なんだ、これは……!?』
「ふふふ、これこそ"傍目八目(アブソリュート・ザ・アイズ)"さ!
もはやキミは動けない。なぜなら私たちこそがヒーローであり、キミは悪。
正義は勝つ……どちらが勝利すべきかは、神様さえもお見通しというわけさ!」
「傍目八目なだけにってことだと思うんですけど、別に僕らヒーローでは」
「さあ差し押さえタイムだ! ヒーローらしく行こう!」
「だから差し押さえって別にヒーローらしいことではないですよね」
「リチャード、そして曾場八野くん! あとはよろしく!」
「僕のツッコミは完全無視なんですね」
いやもう慣れましたけどって顔のリクロウ。可哀想。
それはさておき、ビューティースパイダーの皆さんは自由だった。
なので彼女らは、やはり連続バク転しながら悪巧み四天王を攻撃しようとする!
多勢に無勢だ。ティアーのコードでは、この数の敵の動きは止められない!
「うむ。迷える小鹿諸君、諸君らも鹿の国へ行きたいであろう?」
んで役目を託されたリチャードは何してたかっつーと、札束に語りかけてた。
いよいよ頭がセインでなくなってしまったのかな? なんか薬吸ったのかな?
リチャードは耳に手を当てて、来るはずのない返事に耳を澄ませた。狂人!
「……うむ、一糸乱れぬ同意の無言、たしかに受け取ったのである」
恐ろしいことに、これがユーベルコード発動の前提条件であった。
効果対象になった時点で拒否の意思を見せないと、そいつは鹿になる。
だからそもそもシャーマンズゴースト鹿ってマジでなんなんだよって話だが、
一番恐ろしいのはこのユーベルコードは無機物対象限定だということだ!
そして契約の有無も関係ない! ここまでの茶番はすべて無意味な自作自演!
マジでなんなんだリチャード・チェイス! 誰か答えを教えてくれ!!
「おお……不当に捕獲されていた野生動物たちが自由を取り戻したでごわ!」
「僕が言うのもなんだけど、ふたりには何が見えてるんだろうね」
「本当にあなたが言うのはなんですよねジョンさん」
「いやほら、あんま鹿にされると僕が持って帰るぶんなくなるし」
「とことん実利のことしか考えてないのがマジでアレですね」
まともなようでジョンはやっぱり狂っていた。
さて、あまりにも不当でそして気の狂ったユーベルコードの力により、
札束・金塊・財宝といったデビルは、謎のシャーマンズゴースト鹿に変わる。
シャーマンズゴースト鹿。この文字列の時点で並のAIは爆発四散しそうだ。
『わ、私の金がーッ!?』
「違うでごわす! これは野生動物たち! 自由を得るべき命でごわ!」
『絶対こいつ用意されたカンペ適当に読んでるだけだろ!!』
「可哀想に……一緒に自然の怒りを見せつけてやるでごわすよ!!」
『そもそも貴様首輪ついてるだろ飼い犬ではないか!!!!』
デストロイキングのツッコミもむなしく、熊五郎と鹿の群れは巨大化する。
壁を破壊し天井をぶち抜き、ビューティスパイダーを踏み潰しながら!
『な、なんだこれはーッ!?』
「さあ自由に向けて前進でごわす! 保護区はおぬしたちを待っているーッ!!」
KRAAAAAASH!! 巨大害獣(誤字にあらず)が部屋ごと敵下僕を轢殺粉砕!
無事なデビルが舞い踊る! ジョンはしこたまかばんに回収していく!
「よし。だむぐるみ、GO」
『『『むーむーむー』』』
するとジョンのけしかけただむぐるみまで巨大化・分裂し、腹の大口に突入!
『金よこせむー』
『デビル? こんなんじゃガチャ回せないむー』
『クレカの番号でもいいむー』
『ギャアアアアア!! 声が!! 私の内側から声がする!!』
あまりに傍若無人な要求の数々に、デストロイキングは精神崩壊寸前だ!
耐えているだけでもすごい! そして耐えられてしまっているのが不幸である!
もはや破壊兵器を使うどころの話ではない。身も心もボロボロだよ!
「見たまえ諸君、鹿たちは喜びのあまり巨大化し踊り狂っているのである」
「けしかけたのリチャードさんですよね」
「こんなにもシカティニィランドへの解放を臨む鹿たちを閉じ込めるとは……!
デストロイキングのなんたる非道、なんたる悪逆! 許してはならんのである!」
「九割がた自作自演ですよね」
「さあ少年よ、いまこそ正義の鉄槌を下すのである!」
「ああ、それが僕らの友情コンボの最後の一撃だ!」
「ヒーローらしく悪党を叩きのめすのって気持ちがいいよね!」
「我輩ちょっとおしっこしたいでごわ」
「……仕方ないですねえ!!!!」
正義の鉄槌。大トリ。そういう単語にリクロウは弱かった。
なんか一名(一匹?)妙なことほざいてるのが居るが置いとこう。
「これで終わりです! さらば、デストロイキングッ!!」
『き、貴様! 本当にそれでよいのか!? 私は身動き取れない弱者だぞ!?
そもそもだ! そんな狂人どもに乗せられてとどめをもらえたからって貴様』
「セイヤーーーーーーッ!!」
『アバーーーーーッ!?』
KRAAAAAAASH!! グラウンドクラッシャーが炸裂! 敵は爆発四散!
ああ……暴力、気持ちいい。リクロウはうっとりと手応えに酔いしれた。
「ふぅ……決まった」
やっぱりこいつも四天王のひとりなだけはあるな! 5人だけど!
でまあ、何もかもしっちゃかめっちゃかだけど、無事戦いは終わった。
鹿がもとに戻ると、ジョンとだむぐるみはせっせとお金をかき集める。
どうせこのあとみんなで散財するからその必要はないんだが……まあ欲望がね!
「やはり正義を執行すると気分がいいね。おつかれ、皆」
「我らのような清廉潔白な聖人にとっては心苦しい戦いであったな」
「皆さん本当によくいけしゃあしゃあとそんなことを……ん?」
そこでリクロウは気付いた。熊五郎の様子がおかしい。
なにやらソワソワと周りを気にして、びっこを引いたようにひょこひょこ歩く。
そして床の臭いをふんふん嗅ぐと、その場でくるくる回り始めた。
「え、ちょ、熊五郎さん? あの、何を」
「…………全員撤退!!!!」
「えっあのジョンさ」
「撤退である!!」
「リチャードさん!?」
「悪は滅びたでごわ! とてもいい気分でごわ……!」
「曾場八野くん? 曾場八野くん! なぜ中腰になっているんだい!?」
「一仕事終えるとひとつかましたい気分になるでごわすな~」
「曾場八野くん!! 知性は!? キミ賢い動物だよね!!?」
「アーーーーーーーーーーーッ!!」
残念! 賢い動物はたとえ賢さがあっても所詮動物なんだね!
片足をあげる熊五郎! 必死に逃げる四天王たち! だがしかし!!
「「「「ギャーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」」」」
これも因果応報って言っていいんですかね。とっぴんぱらりのぷう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『闇のアミューズメント』
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POW : 危険な絶叫マシンを全制覇する
SPD : 毒々しいお菓子や軽食の食べ歩きを楽しむ
WIZ : 過激な悪者ショー(悪のヒーローショー)を見物する
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●その後のデスティニィランドはというと
「「「ハッピーニューイヤーーーーー!!」」」
戦いから数日後。
無事(?)経営改革を果たしたワルのランドは、実にワルくなっていた。
スタッフは全員時給が2000%アップ(いままで事実上ゼロだったので)
休憩は4時間ごとに最低1時間摂らねばならず、労災および時間外手当50%。
有給は消化必須、最低月給も保証される超ワルな労働環境になったのだ!
……ん? どこがワルいのかって?
このご時世にこのクリーンさ! つまり経営者にとって実に都合がワルい!
てなわけで、新しく支配人の座に収まった悪魔はメコメコであった。
「こうなったら私もワルいことをせねば……そう、まずは社内環境の改革から!
スタッフ用の休憩スペースや食堂をリニューアルし、より心地よい空間を!
就業時間中の資格勉強はもちろんOK、試験に出る日も給与は発生するように!
育児休暇は最低180日以上、健康診断も義務化し診察代は会社が負担します!!
このテーマパークから抜け出せなくさせて転職の可能性を閉ざしてやりましょう……!」
と、実にワルい笑みを浮かべていた。うーん欺瞞!
まあそれはさておいて。
そんな彼らの給与が出るかどうかは、猟兵たちの散財にかかっている。
思い思いにテーマパークを楽しんでよし、しこたま食事をしまくってもよし。
お大尽よろしく金をばらまくなんてのも、悪代官っぽくて実にワルい。
そんなことお構いなしにデビルを燃やしちゃうのも実にワルだぜ!
燃やしたらお金にならない? なんて悩みも安心!
だってそんなワルいことしてたら、パフォーマンスになって集客率アップ!
つまり何をどうしようがプラスに働くので、気にせず派手にワルくなろう!
あ、遊園地と聞いて思いつくようなものはだいたいあります。
レストランとかも豊富です。悪魔的なカロリーのスイーツとかもあるぜ!
自分のワルさをゴリ押しして新しい土産を開発させるとかも出来てしまう……!
●プレイング受付期間
01/05(火)23:59前後まで。
その時点で人数が足りてない場合は、足りるまでです。
ベイメリア・ミハイロフ
新たな支配人さま…とても、ワルでいらっしゃいます…!(ぶるぶる)
ところでクインさまとは、はじめましてでございましょうか
とても快活かつ可憐なお姿でいらっしゃいます!
(隣に立ってみて、見上げて)
…背が大きくていらっしゃるのでございますね
どうかわたくしと、ご一緒していただけませんでしょうか?
背と申しますれば、あの背の高いスイーツを
わたくし食してみたく…
巨大なパフェとお見受けしますが
この刺さっている花火は食べられるのでございましょうか?
クインさまは甘いものは大丈夫で?
大丈夫でいらっしゃったならば、ぜひ共に食して頂きとうございます
上に乗っていますお星さまを
あ~ん、して差し上げてもお怒りになられませんか?
●仕事(ぬすみ)のあとの甘味はまた格別
「いやー、まったく支配人が変わってからめちゃくちゃ働きやすいなー」
「でもこれっていいのかな? あんまりワルくなくない?」
「何言ってんだよ、俺やめるつもりだったけどしばらく働くことにしたもん。
つまり俺らはここに縛られてるんだよ。しかも休み慣れてなくて時間持て余す!」
「なるほど……そいつはワルだぜ!」
通りすがりの悪魔たちの会話である。こいつらバグってんな。
「新たな支配人さま……とても、ワルでいらっしゃいます……!」
そしてそれを聞いたベイメリア・ミハイロフもかなりバグっていた。
なんなんだろうこの世界、強制的にIQ下げる呪いでもかかってんのかな?
「うーん、もしかしてクインの価値観がおかしいパターンだったのかなあ?」
遅れてひょこひょこやってきたグリモア猟兵は頭にはてなマークを浮かべていた。
ワルってなんだ、ワルを知りたい。
「ああ、クインさま! 事件のほう、無事解決してございます」
「うんっ、ごくろー・おつかれ・お世話様!」
さておき、ベイメリアから声をかけられると、クインはにぱっと笑った。
「せっかくだから、クインも色々遊ぼーかな……て、どしたの?」
しかしベイメリアがきょとんとしているのを見て、首を傾げた。
「いえ、その……転移の時には急ぎでしたゆえ、気付かなかったのですが……」
ベイメリアはクインの姿(予知時のものと異なり、私服だ)をまじまじと見、
そしてとととっ、と隣に並んでみて、またクインの顔を見上げた。
そう、見上げる。ベイメリアも女性としては比較的背は高いほうだ。
しかしクインの身長は、彼女より頭ひとつほど高い、170cm弱なのである。
「……とても快活かつ可憐なお姿ですけれど、背が大きくいらっしゃるのでございますね」
「お? そーかなー、クイン男子のなかじゃフツーだと思うけどー」
「……??? ……!!」
ベイメリア、首を傾げ、しばらくして理解した。そう、主に性別に。
「な、なるほど……! たしかにそれならば、ですが……ううん」
女性として見ると、高い。
男性として見ると、普通。
見た目が見た目なだけにこっちでもバグを起こしそうになる。だまし絵かな?
「そんなに不思議かなぁ? てゆか、そっちは遊ばないの??」
クインもクインで見上げるベイメリアの目をじーっと見つつ首を傾げた。
「わたくし、でございますか? ええ、一応、行きたいところがございまして。
……よければわたくしと、ご一緒していただけませんでしょうか?」
ベイメリアがおずおずと問えば、クインは二つ返事で承諾する。
「うん、よろこんでー! ……あ、ちなみに名前はなんて呼べばいいかな?」
「ベイメリアと申します。呼び方はお好きなようになさっていただければ」
「じゃあメリッさんだね! さっそく出発・発進・出撃だー♪ わー!!」
片手を挙げて元気よく飛び出したクインに続き、ベイメリアは歩き出す。
その表情は、どちらかっつーとわんぱくな子どもを見守るそれであった。
「……ところで、メリッさんとは一体どのような愛称なのでございましょう……?
」
そこは気にしてはいけない。あれはノリで生きている生命体なのだ。
そんなこんなで、ふたりがやってきたのはカフェスペース。
「ここがメリッさんの来たかったところ?」
「ええ。わたくし、あの背の高いスイーツがどうしても食してみたく」
ベイメリアが指差したのは、巨大タワーパフェであった。
あきらかに女子がひとりで食べる大きさではない。大の男でも難しい。
「おー、すごい! なんか花火刺さってる!」
「クインさまは、甘いものは大丈夫でございますか?」
「もっちろん! 食べ物はだいたい全部好きだよー!」
IQ0%アホ120%の全力笑顔であった。
ベイメリアは安堵した様子で笑うと、さっそく案内された席につく。
そしてスターマイン・ビッグパフェ(メニュー名)を注文した。
……ほどなくして、デン! と運ばれてくる一抱えもあるスイーツ!
「こ、これは……実物を見ると迫力がたっぷりでございます」
「食べ甲斐がありそーだね! 特にこの星のクッキーがクインお気に入りー!」
「星がお好きなのでございますか?」
と問われると、クインは「そうそう!」と元気よくうなずいた。
「クインのヒーローネームはね、「ファースター」って言うんだ~。
誰より早く一番に、遠くの星までひとっ飛び! だから、ファースター!」
「なるほど……トレードマークであり、ヒーローとしての信念でもあると」
「そゆこと☆」
とか話している間も、クインはパシャパシャと映えるスイーツを撮っている。
「にしても、おっきすぎてどこから食べたらいいかわかんないなー」
「ああ、でしたら……わたくしがお取りいたしますね?」
「え!」
ベイメリアはスプーンを手に取ると、天頂の星型クッキーを掬い取った。
そしてもう片方の手をスプーンの下にやりつつ、ぐっと身を乗り出す。
「はい、あーん。でございます」
「えええ! あっはは、メリっさんやさしー! いただきまーす!」
一瞬呆気にとられたクインだが、すぐにまふっと一口でクッキーを頬張った。
「んんー! んむーむ!(うまーい!)」
目の中で星をキラキラさせつつ喜ぶクイン。そして彼もパフェをすくう。
「ん!」
「あら……ふふ、ありがとうございます」
ベイメリアもぱくりと一口。そして、暴力的なまでの甘味にほうっと吐息を漏らした。
慣れない悪事なぞ働いたせいか、いつも以上に甘味が脳にキく……!
「ああ……これはまさしく、ワルいお味でございます!」
頬に手を当て、なんだかイケない味に目覚めてしまったベイメリアだった。
大成功
🔵🔵🔵
レギオ・ギャングース
※アドリブ歓迎
WIZ判定
・ヒーローショーに乱入
ヒーローショーを見物していて思わず体が動いて乱入してしまう
・セリフ
(戦闘員たちに)
もっと相手の回りをぐるぐる回りながら
順番に一人づつかかってテンポ良くやられるっす!
こうっすよこう!(分身たちと完璧な殺陣を見せる)
(その後全員やられてからヒーローを呼ぶ)
くそっ!オレらじゃかなわねえっす
魔王様ー、出てきてください魔王様ーっ!
へっ、覚悟しろよ魔王様がいらっしゃればお前らなんかいちころっす!
(三下ムーブを決める)
●正義が悪で悪が正義で
「喰らえ! 愛と正義と勇気の一撃をー!」
「「「うわあああーっ!!」」」
ここはデスティニィダンドにあるヒーローショーのステージ。
壇上では、いかにも勇者って感じのコスチュームをしたモブ悪魔さんが、
やや棒読み気味な台詞で叫びつつ、いかにも四天王って感じの悪魔を吹き飛ばしていた。
「くっ、勇者、なんて強さだ……!」
「こうなったら、戦闘員を呼び出すしかないぜ!」
「ああ、数の力でボコボコにしてやろう!」
「覚悟しろ勇者、お前のその愛と勇気とやらをめちゃくちゃにしてやる!」
いかにも悪役って感じの台詞を四人が吐くと、観客は大いに湧き上がる。
「やったー! やっちまえー!」
「ワルくてカッコいいぜー!」
「あんな優しくて素晴らしい勇者なんかやっつけてー!」
……あれ???
いや、何もおかしくはない。おかしいんだけどおかしくはない。
このデビルキングワールドにおいて、悪こそが素晴らしくカッコいいこと。
それを無視して愛と正義を謳う勇者は、現実で言えば恐怖の敵役!
なのでこのようにして、ヒーローショーでは勇者がボコボコにされるのだ。
「「「キキキキーッ!」」」
するとバク転や側転を連発しながら、モブ悪魔の皆さんがやってくる。
観客は盛り上がる! さあ、数の力でボコボコにしてやろう!
「……ちがーーーーーう!!」
「「「!?」」」
その時である!
突如としてステージ上に、レギオ・ギャングースが飛び込んできた!
「な、なんだあんた!?」
「ちょっと、お客さんはステージに入ったらダメですよ!」
「でも……それがワルくて、カッコいいぜ!」
スタッフは止めたいんだかシビれたいんだか。
「そんなことはどうでもいいっす! 戦闘員のアンタたちに言いたいっす!」
「「「あ、はい」」」
「戦闘員っつーのは! もっとこう、相手の周りとかをぐるぐる回って!
うまいこと一人ずつ襲いかかって、順番にテンポよくやられるものっすよ!」
レギオはシュバババと分身を生み出し、早速実演を始めた。
「じゃあいまから攻撃するっすよ勇者さん、いいっすね!?」
「えっあっいいんですかでもお客さん」
「「「隙ありーっ!!」」」
分身レギオが飛びかかる! だが同時攻撃ではなくまず正面からだ!
「!? て、てやぁーっ!」
「ぎゃーっ!!」
「せいやーっ!」
「あばーっ!?」
「たぁーっ!!」
「グワーッ!!」
後ろ! 右! 前! 左! 前! 右! 後ろ!
なんでか分身レギオはいちいち順番に飛びかかる。古式ゆかしい作法だ。
あっという間に分身たちはやられ、本体レギオも善戦したが吹き飛んだ!
「ぐわーっ! ……と、こうっすよ、こう! さあやってみて!」
「「「キ、キキーッ!」」」
「四天王のアンタたちも!」
「「「「ウオオオオーッ! 死ね勇者ーッ!」」」」
「愛と勇気の勇者は! こんなところで負けたりしないっ!!」
「「「ギャーッ!!」」」
勇者の剣が悪を切り裂く! 観客はあまりのドラマチックさに息を呑んだ!
そして四天王も戦闘員も倒され、緊迫した空気が流れる……!
「くそっ、オレらじゃかなわねえっす。こうなったら……魔王様! 魔王様ー!」
「み、みんなー! 一緒に魔王様を呼んでー!」
「「「魔王様ー!!」」」
司会のおねえさん(悪の女幹部みたいな格好をしている)のナイスアシストで、
子どもたちはレギオと一緒に魔王の名を叫んだ。
すると空が一転にわかにかき曇り、恐るべき魔王役のラスボスが降臨する……!
「フッハッハッハッハ……! 勇者よ、いまが最期のときだ……!」
「やったっす! へっ覚悟しろよ勇者! 魔王様がいらっしゃればお前らなんかいちころっす!」
「「「魔王様ー!!」」」
「だがその前に……役立たずな貴様らは、ここまでだ!」
「「「ギャーッ!?」」」
魔王の電撃が四天王や戦闘員ごとレギオを吹き飛ばす! マジの攻撃である!
「ど、どうしてっすか魔王様ー! ぎゃあああー!!」
断末魔の悲鳴を上げつつ、ものすげえ満足顔のレギオであった。
大成功
🔵🔵🔵
プリ・ミョート
遊園地だぁあ……おらさ故郷にはなかったべなぁ、おっとおやおっかあも連れてきてやりてぇなあ。せめてみやげでも買うべ、売店いくべ
見たことない食べ物や飲み物がたんまり! 新年と言ったら赤白と聞くけど、こういうカラーリングの方が性に合うな
じゃあ失礼して(布の下にずぼっとストローを突っ込む、not口)あ、あんまり見ないでほしいべ、恥ずかしいさね
あれもこれも買って、ついでに食べ歩きってシンプルだけど悪くてかっこいいべ。こういう時腕がたくさんあるって便利だべ!
●田舎者のワルワルタイム
「遊園地だぁあ……!」
プリ・ミョートは、目をキラキラさせていた。……布で見えねえけど。
多分布の下では、子どものように目をキラキラさせていたに違いない。
なにせ彼女は、魔界の中でも特にド田舎……もとい、僻地の出身なのだ。
故郷にこんなキラキラしたテーマパークはなかったし、都会に出たのは最近。
プリの脳裏に、見渡す限り田んぼと畑、あとあぜ道しかない光景が蘇る。
……やけに和風な光景だが、まあデビルキングワールドなので(?)
「おっとおやおっかあも連れてきてやりてえなあ……でも時間がかかるべ。
せめて土産でも買って、このキラキラな気分だけでも楽しんでもらうべさ」
四天王とは思えぬ親孝行な心意気であった。いい子だ!!
とまあそんなわけで、プリはさっそく土産物屋に向かうことに。
しこたま燃やして融けて飛んで消えた前支配人のデビルはまだまだたんまり。
それを使い切るのが猟兵の仕事、なので使うお金はたくさんある。
「すげえべさ、見たことない食べ物や飲み物がたんまりあるべ!」
そしてプリを出迎えたのは、目に痛い配色の毒々しい食べ物の数々であった。
ラーメンのスープはなぜか紫色に染まり、ステーキは変なソースがべっちょり。
あとスイーツに至っては、なんかレインボーなケーキとかある始末である。
どう見ても体に悪い。……ワルい、つまりは格好いい!
「紅白よりはこっちのカラーリングのほうが性に合うべなぁ」
「いらっしゃいませ! 何をお探しですか?」
「とりあえずここにあるもん、右から左まであるだけ買わせてもらうべさ!」
「え、ええーっ!? な、なんてワルい大人買いなんだ……!!」
スタッフも、プリのあまりの思い切りの良さ(ワルさ?)に驚愕した。
さっそく山のようなドリンクが運ばれてくると、プリはストローを……ん?
「じゃあちょっと失礼するべさ」
ずぽっ。なんか布の下に突っ込んでいる。おいお前その口元はどうした。
「おかしい……」
「飲み方が変だ」
「なんだあれ……」
ヒソヒソ。他のお客さんたちがなにやら噂している。
「あ、あんまり見ないでほしいべ、恥ずかしいさね!」
なぜか照れるプリ。彼女的には羞恥心を感じるらしい。なんで???
ブギーモンスターの生態には謎がつきものだ。じゅぞぞぞぞと消えていく液体。
「ンみゃーい!! おかわり持ってきてほしいべ!」
「ハイヨロコンデー!!」
積み上げるスイーツ! ドリンク! ステーキ! 毒々しいスシ!
「いやー、食べ歩きって、ワルくてカッコいいべなー!」
たくさんの腕を生やしつつ、ご満悦のプリであった。
大成功
🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【花簪】
……そうですよね
ううっ、面目ない
オオカミ殿の御力で敵を怯ませられたような
イケないことを遊園地で?
そもそも遊園地は数える程度しか行ったものがないものでして
……いえ、弱音はいけません
頑張りますオオカミ殿もお付き合いください
お金を精一杯使っていきましょう!
まずはテーマパークの乗り物、ゴーカートです
他の方々は気にせずスピードは最大にブレーキは禁止
こうした乗り物は初めてですが、馬には乗っておりますので御安心を
次は食事です
持ち金は気にせず、欲しいものを沢山買ってしまいましょう
普段は一つだけ食べるものや皆で分けなければならないものを一人で
この高かろりー特盛ぱふぇを2つください!
……お金、ありましたね
ジョン・フラワー
【花簪】
アリスも悪初心者卒業だね
なんて甘いよアリス! このすっごい色のドーナツより甘い!
これから最終試験だよ。アリスの思うイケないことをして遊園地を楽しむんだ!
悪は場所を選ばないからね!
まずはスピード違反だね!
素晴らしいよアリス! 悪は速度なんて守らないんだ!
僕も走りたくなってきちゃった。よーし走るぞー!
カートのコースをダッシュでね!
くらえ! 違法ショートカットだ!
おおっ、暴食とは思い切ったねアリス!
いいぞいいぞお! すごくワルい!
僕はおおかみだからお肉が食べたいな
あとシュワシュワする甘い飲み物も欲しい!
おかね? あるよ
なんかね、戦ってる間にバスケットに勝手に入ってたの
ふしぎだねえアリス
●ワルになろう! 卒業編
グォオオオオン……ゴォオオアアアアアッ!
と、どこぞのミッドナイトな漫画みたいな構図で駆け抜ける二台のゴーカート。
ゴーカートにしてはやけにエンジンがうるせえしそもそもはええ!
「素晴らしいよアリス! ワルは速度なんて守らないんだ!!」
ジョン・フラワーは、目をキラキラさせて楽しそうに言った。
ガコガコッとシフトレバー(ゴーカートなのに?)を操作しドリフトを切る。
並走する月舘・夜彦の顔つきは、ちょっととうふ屋の店主みたいになっていた。
「スピードは最大……ブレーキは禁止……!!」
ガコガコッ(シフトを操作する音)
ゴ ォ ア ア ア ア ッ(エンジンのエグゾースト)
「ウワー! なんだなんだ!?」
「やばいやばい当たる当たる!」
楽しくゴーカートしていた一般悪魔客の皆さんがあわててふたりを避ける!
スピードはオーバーしてるしドライビングもすさまじく危険! なんてワルさだ!
「「「すげー! ワルくてカッコいいぜー!」」」
スピンしてクラッシュした悪魔の皆さんは歓声を上げた。どうしようもねえな!
「感じるかいアリス……! これがスピードの世界なのさ……!」
「ええ、わかりかけてきました……ワルというのがなんなのか……!」
「それでこそだよアリス。じゃあ僕、本気で走るね!」
「えっ」
ぴょんっ。ジョンはコクピットからジャンプした。ジャンプした!?
「お、オオカミ殿!?」
「僕はこっちのほうが慣れてるのさ! うおおお違法ショートカットだー!!」
派手にスピンするゴーカート! そしてカート以上の速度で駆け出すジョン!
夜彦はスピンするカートを回避しつつ、生身のジョンとデッドヒートだ!
「「「ウワーッ!!」」」
巻き込まれた悪魔の皆さんも次々コースアウト! 大惨事である!!
(これが、ワルの世界……スピードの世界……!!)
メスのように鋭い風を全身で感じながら、夜彦は思った。
ああ、これまでの自分はなんて、ワルとして不完全でそして未熟だったのか。
これこそが、ワル。誰のことも気にせず制限速度なんて気にしない。
この心の開放感……! くせになってしまいそうなカタルシス……!
SPEEDこそが俺たちのTRUE……善行なんて……冗談じゃねえ……。
「負けませんよ、オオカミ殿!」
夜彦はコースギリギリを攻める! ジョンはジャンプしてカートを躱す!
「いいよ、素晴らしいよアリス! それでこそワルだよ!!」
巻き込まれる悪魔の皆さん! 爆発するカートもあるが悪魔なので無傷!
最終的にエンジンがオーバーヒートして、夜彦のカートも爆発だ!
「さあアリス! ここでジャンプだ!」
「はいっ! ……とうっ!!」
カートから飛び出す夜彦! 並んでジャンプするジョン! 背後で大爆発!!
ふたりはカッコよくコースに着地し、爽やかな笑顔でサムズアップした。
爆発に巻き込まれた悪魔の皆さんは、黒焦げアフロヘアで拍手する!
…………なんだこの絵面????
とまあこんな具合に、夜彦もなんか狂ってしまっていた。
だがここはデビルキングワールド、ワルこそがカッコよくて素晴らしい世界。
なので狂気も正しい。いや狂っているわけでつまりえっとまあいいか!
「さあアリス、次は食事だよ。アリスはいったいどうする?」
「――決まっていますとも、オオカミ殿」
夜彦は涼しげに笑い、片手を挙げて店員を呼んだ。
「すみません。このメニューにあるものをすべて」
「すべてですか!?」
「あとこの時間がかかりそうな"すいーつ"はなるべく早く用意してください」
「なるべく早くですか!?」
「この高かろりー特盛ぱふぇはふたつお願いします」
「ふたつですか!?!?!」
な、なんてワルい客だ! 店のことをなんとも思わない上に食べすぎである!
いくら夜彦でも、こんな量のお金を支払うお金は持っていない!
「支払いはどうするんだい、アリス!」
「――そんなことは、考えていませんでしたが?」
「あ、アリス……!!」
さらりと言ってのけた夜彦の言葉に、ジョンはぷるぷる震えた。
「いいぞ、いいぞお! すごくワルい! そう、ワルは支払いなんて気にしない!
僕もおおかみだからお肉とか食べちゃお! あとシュワシュワする甘いの!」
「この毒々しい目に痛い色合いの飲み物を頼んでおきました」
「な、なんて身体にワルそうなんだ! いいねアリス!」
ジョンは笑顔でバスケットを取り出した。じゃりーん(おもてえデビルの音)
「おやっ不思議だなあ! なんでバスケットの中におかねが入ってるんだろう」
「不思議ですね。戦っている間に勝手に入っていたのでしょう」
「つまりこれは、僕らのものだよね!」
「……そうですね。私たちのものです」
いけしゃあしゃあとのたまう悪党ども。でもそれで問題なし!
だってオブリビオンがためてたお金を使い切るのがこの章の仕事だからネ!
それはそれとして、こいつらの物言いはまさしくワルであった。
おお夜彦よ、ツッコミ役かつ常識人の君は一体何処へ……!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジン・エラー
【甘くない】
ウェッヒヒャラハハ!!こりゃァ~~~随分と愉快なことになったなァ~~~~!!
……ア?お前エリシャ……まさかと思うがお前………
テーマパークを知らねェ~~~~ってのかよォ~~~~!!??
イヒヒャヒヒ!こりゃァ~~~傑作だ!!
っつってもま、オレも大して──グェッ
オイオイオイオイオ~~~イエリシャァ~~~~
いつまでアトラクション回る気だァ~~?
ガキじゃァあるめェ…………いや、ガキだったか
腹減ったし向こうで腹ごしらえしようぜ
ドカ食い女将にゃうってつけだろォ?
そりゃァ~~大いに結構
……ンだよハッキリしねェ~~~なァ
言われなくてもいつでも付き合ってやるよ
”保護者”が必要だもンなァ??
千桜・エリシャ
【甘くない】
やっとてーまぱーくで遊べますのね!
な、なんですのその顔は?
故郷にはありませんでしたし…
もう!いいからさっさと行きましょう!
ジンさんの首輪を引っ張ってれっつごー!
端から回ってアトラクション全制覇してみますわ!
あら、もう音を上げていますの?
まだ回ってないところは沢山ありますのに
むっ!子どもではありませんわ!
…でも大人はこういう場所では遊ばないのかしら
ど、ドカ食いって!そんなはしたないことしませんし…
まあ、でも確かにお腹は空いたかしら
その…ジンさん?
今日はとても楽しくて…その…
またどこか遊園地に一緒に行きませんこと…?
ふぅん…保護者は子どもとこういうことをなさるのかしら
唇を重ねてにっこり
●甘くないふたりの甘いひととき
「ウェッヒヒャラハハハ!! こりゃァ~~~また随分と愉快なことになったなァ~~~!!」
すっかり賑やかさを取り戻したテーマパークを見渡し、ジン・エラーは笑う。
その耳障りな笑い声は、いつもそばにいる千桜・エリシャでもさっぱり慣れない。
というか、慣れるようなことはないのだろう。それこそ一生かけてでも。
「まったくもう、耳と角に響きますわ……まあともあれ、これでようやく!
やっと、てーまぱーくで遊べますのね! なんだか長い時間がかかった気分ですわ!」
しかしエリシャは気を取り直すと、目をキラキラさせて意気込んだ。
どうやら、こうやって穏やかに遊ぶのが楽しみで仕方がなかったらしい。
そんなエリシャの顔を、ジンは真顔でじぃーーーーっと見つめている。
「……な、なんですのジンさん、その顔は」
「アァ? エリシャァ~~~、まさかと思うがお前……」
ジンはしばし吟味したのちに、こう言った。
「テーマパークがなんなのか、知らねェ~~~~ってのかよォ~~~!?!?」
「……! だ、だったらなんですの!?」
エリシャはかあっと頬を桜色に染めて、悔しそうに歯噛みした。
「そうですわ、知りませんわ! 聞いたことしかありませんわよっ!
だって仕方がないじゃないですの、故郷にはありませんでしたし……っ!」
「イヒヒャヒヒ! アッヒヒホハハホヒャヒャ!!」
「だ、だからってそこまで笑うことはないんじゃないですの!?」
「だってよォ~~~ヒヒャハハハハ! こりゃァ~~~~傑作だァ~~~!!」
何がおかしいのか、ジンは腹を抱えて笑い転げる。デリカシー、皆無!
恥ずかしそうにぷるぷる震えるエリシャの顔は、まるで少女のようである。
「……っつってもま、オレもたいして知ってるワケじゃ……グェッ!」
シラフになって意味深なことを言おうとしたところで、ぐいと首輪が引かれる。
エリシャはすっかり拗ねた顔で、ぐいぐいとジンの首輪を引っ張っていた。
「お、おいエリシャァ~~~首が締まるだろうがイデデデデデ!!」
「ふん、知りませんわ! いいからさっさと行きますわよ、てーまぱーくへ!
端から回ってアトラクション全制覇、ですわ! 逃げるのは許しませんわよ!」
「ったく、しょうがねェなァ~~~オジョウサマはよォ~~~~」
とまあ、こんな喧々諤々の様子で始まった遊園地デート(?)
当然うまくいくわけもなく、穏やかになどもっと行くわけもなく。
ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーランド、観覧車……。
目についたアトラクションというアトラクションにジンを強引に引き連れて、
エリシャは乗り込んでは騒いではしゃぎ、疲れ知らずの子どものようだった。
ちなみにデビルキングワールドのアトラクションともなると実にワルく、
紐なしバンジー(落ちても悪魔は無事なので)だとか、
ストッパーなしのジェットコースター(落ちても以下略)だとか、
お前もうそれアトラクションじゃねえだろというレベルのものもあった。
安全管理? そんないい子ちゃんな言葉じゃワルにはなれないぜ!(思考停止)
「オイオイオイ……オイオイオイオイオ~~~イエリシャァ~~~~」
「むっ、なんですのジンさん。やっぱりあの紐なしバンジーやりますの?」
「ありゃァアトラクション以前だろうがよォ~~~そもそもオレを蹴落とすンじゃねェよォ~~~、つかそうでもねェ~~~」
ジンはやれやれと言った様子でため息をつくと立ち上がり、埃をはたいた。
「いつまでアトラクション回ンだァ~~~? ガキじゃあるまいしよォ」
「む……っ、子どもではありませんわ!」
「いやガキだろォがよ、はしゃいでる顔がガキそのものだぜェ~~~?」
「だから子どもでは……けど、ううん」
エリシャは口答えしかけるも、周りを見渡して不安げな表情になった。
「……でも大人は、こういう場所では遊ばないものなのかしら……?」
「なンでもいいからよォ、腹減ったからあそこで腹ごしらえしようぜェ?
ドカ食い女将にゃうってつけの大食いレストランがあったぜェ? ブヒャハ!」
「ど、ドカ食いって! そんなはしたないことはしませんわ、もうっ!!」
などとすっかりもとの調子で言い合いつつ、レストランに入るふたり。
結局エリシャは、なんだかんだメニューをたっくさん頼んでもりもり食べた。
「お金を使い切らないといけないというお仕事ですもの!」とは本人の弁である。
……そんなこんなで、ふたりの周りには大量の空き皿が積み重なっていた。
しこたま戦ったせいか、はしゃいだせいか、かなり空腹だったらしい。
ジンがデザートをどうしようか考えていると、ふとエリシャが言った。
「あ、あの……その……ジンさん?」
「あァ~~~~? なンだよ気味悪ィなァ」
「そ、そんな言い方しないでほしいですわ! でも、その、あの……」
エリシャはなにやら、もじもじしながらぽつぽつと言った。
「今日はとても楽しくて、その……」
「……」
「また、どこか遊園地に、一緒に行きませんこと……?」
「…………なァ~~~んだよハッキリしねェなァ~~~~」
はぁー、とわざとらしいため息をすると、ジンはずいっと身を乗り出した。
「別にンなしおらしい顔しなくてもよォ、いつでも付き合ってやンよ」
「! ほ、ほんとですの? じゃあ!」
「だってよ――ガキには保護者が必要だもンなァ? ブヒャハハハ!!」
と、からかいの笑みを浮かべたジンの言葉に、エリシャはむっとした。
「だから、子どもじゃありませんわ!」
「子どもだろォがよォ~~~」
「――なら」
エリシャは唇を尖らせたまま身を乗り出し、ジンの首筋に手を当てて。
後ろに引けないようにした状態で顔を近づけ……そして。
「……ア?」
「子どもは、保護者とこういうことをなさるのかしら? ふふ」
エリシャは得意げな笑みを浮かべて、顔を離した。
「……ケッ。ったく、そういうとこがガキなンだよ」
ぼすん、と椅子にふんぞり返ったジンの顔は、逸らされたせいでよく見えない。
けれどもエリシャは、ふふんと得意げな表情で勝ち誇るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マーロン・サンダーバード
WIZ
ここはひとつこっちでウケるワル像のリサーチってことで見に行くか
どんなワルっぷりかいっちょ見せてもらおうじゃないの
ま、俺も大概いい歳だし、子どもっぽいショーだっていちいち文句つけたりはしないさ
…うん……こう…あれだな!ぬるいな!
この脚本を書いたやつは誰だあ!!
ワルってのはさァもっと敵の恋人と友人両方さらって片方助けたら片方爆破したり
スパイを洗脳して自分のために国を裏切るエージェントに仕立て上げたり
死んだ犬溶接したりするもんなんだよ!
次回の脚本は俺がやらせろ!
後の評論家に「彼世間に何か恨みでもあったんじゃないかな」って言われるようなショーにしてやるぜ!
●そのワルはマズいって!
「この脚本を書いたやつは誰だあっ!!」
「「「うわあっ!!」」」
無事(悪の)ヒーローショーを終えたアクターたちの控室に乱入者!
ドカドカと乗り込んできたマーロン・サンダーバードは、なにやらお怒りだった。
「な、なんですかあなた! ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ!」
「でも、そのルールを破っちゃうあたりがワルくてカッコいいぜ!」
「本物のワルには決まりなんて関係ないってことかー!」
「へっ、それほどでも……ってそうじゃねーんだよそうじゃ!!」
得意げになりかけたマーロンは、すぐに我に返ってまくしたてた。
「あのなあ、さっきのあんたらのショーを見せてもらったんだよ観客として!」
「「「ご観覧ありがとうございます!!」」」
「いやそこで直角お辞儀とかすんなよ! ワルならもっとふんぞり返れや!!
そういうところでいい子ちゃんが出ちゃってんだよあんたら! いいことだけど!」
怒涛のツッコミである。マーロンはゼーハーゼーハーと息を整えた。
「話が脱線したじゃねえか……ああそうだ、そう、そのショーの脚本だよ!」
「何か気に入らないところでもありましたか?」
「アリも大アリだよ! あれが悪のヒーローショーだっつーのか!?」
「「ええ……?」」
アクターたちは、マーロンの怒りの原因がさっぱりわからないようだ。
困惑する悪魔たちに、マーロンはマシンガントークでまくしたてる。
「ワルってのはさァもっと敵の恋人と友人両方さらって片方助けたら片方爆破するような罠を仕掛けてしかも逆に居所を教えたりスパイを洗脳して自分のために国を裏切るエージェントに仕立て上げたり死んだ犬を溶接したり窓枠に顔を叩き込んだりbueno…するもんなんだよ!!」
「「「なんかやけに具体的じゃないですか??」」」
「ほっとけよ!!」
マーロンはそこでようやく息を整えた。
「つまりだ……あんたらの脚本は! ぬるすぎる!!」
「「「!!」」」
まさか、ワルさの度合いでケチをつけられるとは。
さすがのアクターたちも、マーロンの覇気、もとい圧に黙らされた!
「というわけでだ、次回の脚本は俺がやる! いいな!」
「ちょ、ちょっとまってください。どんな脚本を書くつもりで……?」
「え? あーそうだな、貧困家庭で生まれ育った売れないコメディアンがやっとのことでチャンスを掴むんだけどそのステージで笑いものにされて、最終的に自分を笑いものにした司会を生放送中に射s」
「「「すいません今回はご縁がなかったことに」」」
「なんでだよォー!? ワルだろォー!? 何がマズいんだよぉー!?」
「「「それなんか絶対マズいんで!」」」
「だからなんでだよぉーーーー!?」
マーロンの叫びが、むなしくこだまするのであった……。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんとセロのおにーさん(f06061)でっすよー!
デビルキングワールドらしく超スピードでぶっちぎれちゃいそうなゴーカートを楽しんじゃうのでっす!
手始めに赤いスイッチポチッとな、なのでっす!
ミサイルちゅどどどーんなのでっす!
まさにまさに芸術は爆発だというやつなのでっしてー!
芸術なので勿論非殺傷なのでっすよー?
おにーさんの花火も実にアートなのでっす!
おにーさんを見習って飛んできた破片に突っ込んじゃうのでっす!
その勝負、のったあああなのでっす、おにーさーん!
加えて藍ちゃんくんが勝ったら早着替えでレースクイーンならぬレース藍ちゃんくんでおにーさんをお迎えしちゃうのでっす!
(勝敗お任せでっす!)
セロ・アルコイリス
藍ちゃんくん(f01052)とワルいことしまくりましたからね!(晴れ晴れ)
最後まで極悪に遊びましょう!
目に留めたのはゴーカート
運転方法? 知らねーけどなんとかなんでしょ!
ぅわ思ったよりまじスピード出る
なんかよく判んねーボタンも押しちゃえ! あっ花火?!
あっ藍ちゃんくんのも花火……ミサイル?!!
よ、避け、いやでもここなら派手にぶつかってぶっ壊したってだいじょぶひにゃー!(ごがしゃー)
なんか破片がぶっ飛んだけどうんきっとだいじょぶ
よし、
おれが勝ったら支配人がワルパフェ奢る!
藍ちゃんくんが勝っても支配人がワルパフェ奢る!
どーです?!
着替えるほどの差で勝つつもりですか? させませんよ!
(勝敗お任せ)
●超! エキサイティン!!
デビルキングワールドのテーマパークで、まず最初に無視されるもの。
それはコストでも集客率でもなく――そう、安全性である。
悪魔もブギーモンスターも、ラスボスも堕天使もみんな強いこの世界。
猟兵並にタフということは、つまり猟兵並に死んでも死なないということだ。
てなわけでこのテーマパークのアトラクションは、超キケンなブツばかり!
紫・藍とセロ・アルコイリスが乗りこなすゴーカートなど最たるもの!
「なんかよくわかんねーボタンがある! 押しちゃえー!」
と、セロがノータイムで押した赤いボタン。
するとゴーカートの後ろからシュパパパパパ! と花火が炸裂した!
垂直射出された花火は、空でパパーン! と花咲き夜空を照らす!
「「「わーきれー」」」
「ってなんだこれ! 花火!? いやきれーだからいーけどー!」
とか言いつつ、セロのゴーカートはとんでもねえスピードで走っていた。
どのぐらいやべースピードかというと、ぶつかった悪魔が壁にめりこむレベル。
「うわーびっくりしたー! スピード違反とかワルすぎるぜー!」
で、ギャグ漫画の登場人物みたいにペラペラになりながら目を輝かせる。
こういう世界なのである。ここに長く居ると色々麻痺してヤバそうだなこれ!
「えへへへ、ごめーん轢いちゃったー! おれ運転方法わかんねーからさー!」
「セロのおにーさん、さすがの極悪ぶりでっす! 藍ちゃんくんも負けてらんねー!
よーし、藍ちゃんくんも派手に花火を打ち上げて目立っちゃうのでーっす!」
ぽちっ。藍も、セロにならって赤いボタンを押してみた。
しかし飛び出したのは花火……ではなく! 前方からミサイルである!
「あーそっちも花……じゃない!? えっミサイル!? えっ!?」
「いえーい! ミサイルちゅどどどーん!」
「連打すんのしかも! やべー!!」
ぽちっぽちっぽちっ。バシュバシュバシュバシュ!(射出される小型ミサイル)
発射されたミサイルは白い煙を噴き上げながらセロ機を追跡する! コワイ!
「よ、避け……いやでもここなら派手にぶつかってブッ壊したってだいじょひにゃーっ!?」
KRAAAAAAAAAAAASH!! セロ機はミサイル攻撃が直撃して爆発四散!
セロはハンドルだけ握った状態で派手に空を舞った! 何年前の漫画だ!
「これ明らか危ないやつだよねぇ藍ちゃんくん!?」
「芸術なのでもちろん非殺傷なのでっすよー?」
「非殺傷かーならだいじょぶだなー! あっあんなところにハンドルのないゴーカート!」
そしてセロの落下地点には、おあつらえ向きにゴーカートがあった。
そこにハンドルをきゅぽっと差し込むと、当たり前のようにカートが発進!
「うわーすごいでっすまるで昔のアニメギャー!!」
で、藍のほうは藍で、爆発四散した破片に突っ込んでクラッシュしていた。
爆発、爆裂、花火にミサイル、ガトリング(!)にビーム砲!
なんでこんなもん仕込んだんだという秘密アイテムが次々登場だ。
自分から爆発に突っ込むふたりの顔は、いたずらっ子めいてすすまみれ。
それでもふたりはケラケラ楽しそうに笑いながら、猛スピードで爆走中!
「おれはイッシンイッタイだなー、よし藍ちゃんくん! 勝負しようぜぃ!」
「しょーぶでっすか? 乗ったでっす!」
「いいねその返事! おれが勝ったらー……」
セロは考えたあと、名案とばかりに言った。
「おれが勝ったら、支配人がおれらにワルパフェ奢る!」
「じゃあ藍ちゃんくんが勝ったら、支配人が藍ちゃんくんたちにワルパフェ奢りで!」
「いーねー!」
「勝負成立でっすー!」
「って今なんか聞き捨てならない発言が聞こえた気がするんですがぁあ!?」
騒ぎを聞きつけて駆けつけた新支配人は悲鳴を上げた!
だが藍もセロも気にしない! なぜなら彼らは極悪ジコチュー猟兵ゆえに!
「あ、ついでに藍ちゃんくんが勝ったら、レースクイーンならぬレース藍ちゃんくんでおにーさんをお迎えしちゃうのでっす!」
「着替えるほどの差で勝つつもりですか? させませんよ!」
「だからなんで私がパフェどちらにしろ奢ることになってるんです!?!?」
新支配人の悲鳴は完全スルー! ふたりは猛スピードで走る走る走る……!
「よし、ここでおれの勝ち」
「おにーさんマシンの自爆スイッチぽちー」
「えええええええーーーーー!?」
KRAAAAAAAAAAAAAAAAASH!! セロ機再び爆発四散! スピード勝負とは一体!?
「いえーいおにーさん! お疲れ様でっすよー!」
黒焦げアフロ状態でゴールイン(ハンドルだけ持って落ちてきた)したセロを、一瞬で着替えた藍が出迎えるのだった。
「藍ちゃんくん、つえー! これでワルパフェはおれらのものですねぇ!」
「いえーい! やったのでっすー!」
「いやだからなんで私が奢りを!?!?」
新支配人の悲鳴は、最後まで聞き入れられなかった。ワルい!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マユラ・エリアル
ああ、此処もIQの海に飲まれる…
世界はこうして正されていくのか…
だがそうなら協力しよう、貯まったデビルの消費なら任せて貰おう
まずはデビルと水を用意する
職人の朝は早い、朝の澄んだ空気の中でデビルと水を混ぜ合わせるのだ…
デビルと水の割合は1:3
これは先祖代々伝えられた秘伝の配合だ
デビルが均等に水に広がるように、かつデビルを傷つけないように混ぜ合わせる
ここが職人の腕の見せ所だ
そして完成したデビル水
これを『全力魔法』、魔力を使って凍らせる
後は持ち運びが出来やすいサイズに氷を斬る
さあ諸君このランドの新名物の完成だ
何味が良い
イチゴか?レモンか?
デビルかき氷はいらんかえ~
今なら1個の値段で2分の1個貰えるぞ
●ここもじきにIQの海に沈む……
「……世界は、こうして糺されていくのか」
なにやら意味深な表情で、それっぽく明後日を見つめるマユラ・エリアル。
戦いが終わり邪悪が去ったというのに、マユラは何が気がかりだというのか。
よもや彼女は、なんらかの方法で新たなオブリビオンの暗躍を察知したのか……?
「此処もIQが高まり、そしてすべては常識に飲まれる……嘆かわしい……」
全然そんなことなかった。一番どうしようもねえ猟兵はこの人でした。
そもそもデビルキングワールドの正常ってその時点でIQ低いと思います。
だがマユラはその程度では満足できない。そう、満足できないのだ……!
そこで彼女は、デビルをバラまきつつIQをいい感じに下げていくことにした。
「さて、それではまず――デビルと水を混ぜるとするか」
ん? こいつ今なんつった???
「デビル水職人の朝は、早い……」
なんかナレーションっぽいこといいながらコップを取り出すマユラ。
周りでは(マユラの精神世界でのみ)朝の小鳥たちがチュンチュンと鳴いている。
だが、すべては精神世界だ。その状況で、紙幣を水に浸している。
コップ一杯に対し、デビル3これが先祖代々からの秘伝の配合らしい。先祖って何?
そもそも紙幣が混ざるわけ……っくるくる撹拌してると混ざってってる!?
「よーし、いいぞ、ここからが腕の見せ所だ……」
混ぜれば混ぜるほど、どんどん水の色が変わっていって……!
「んまい!!」
テーレッテレー!(謎のSE)
いやだから貨幣が水に混ざるって何!? 金とかでなく!?
「そしてこのデビル水を、そぉい!!」
マユラはツッコミ不在のまま、デビル水(?)を凍らせ、そして切断!
突然の出来事に、新しいもの好きの悪魔たちがざわざわと集まってきた!
「さあ諸君、このデスティニィランドの新名物の完成だ。何味がいい?」
「えっかき氷なの??」
「そうだ。いちごか? レモンか? デビルかき氷はいらんかえ~」
「デビルを水に溶かしちゃうなんてワルすぎるぜ! 一個ください!」
「うむ、いいだろう。今なら一個分の値段で1/2個買えるキャンペーン中だ」
「「「ボッタクリだ! ワル~い!!」」」
上がったはずのIQはどんどん低下していった。おい誰か止めろ!!!
大成功
🔵🔵🔵
ジフテリア・クレステッド
D…今回は使うのが依頼だから使うけど、今後は私もこれを集めてデストロイキングのように儀式で大きな力を…!
その力を取り込み私は超越者に…そして、健康な身体を…!(グリモア猟兵の予知に引っかかりそうな悪巧み顔)
おっと、お仕事お仕事。でも…使おうにもさっきのDは偽神兵器に食べさせちゃったし…よし、せっかく転職したんだし盗んで集めようかな。UCで高まった魔界盗賊の技量で悪魔たちからDを奪って奪って奪いまくるよ。
そしてDが貯まったら土産物屋で龍が巻かれた剣のアクセや中学生が好きそうなTシャツ、木刀とかを買えるだけ買って来園者たちにバラまくよ。
ふっ…素晴らしいクリスマスプレゼントを配ってしまったね…!
●おいそっちのワルはいけないワルだぞやめろ
「…………」
戦い終わりしばらくして。
猟兵たちが使い切るってことで回収されたデビルを、ジフテリア・クレステッドはじぃーっと、非常に趣深い表情で見つめていた。
別になんかエモってるとかじゃなく、完全に悪巧みをしているタイプの顔だ。
「……このデビルがあれば、私はもっともっと健康になれる……」
あっなんかワルそうなモノローグ始めたぞ。
「そしてどんどんデビルを集めて健康になり、そして力を蓄えれば……!
いいや、力を蓄えるどころじゃない、あのデストロイキングのように儀式を!
そうすればもっともっと飛躍的に身体が強くなって、私は超越者になる……!!」
ダメだった。完全にダメなほうのワルに振り切れてしまっていた。
そもそもオブリビオンはデビルを集めてどうやって儀式してんだって話だが、
それが解明されたら、ジフテリアはマジでやらかしそうな気配がある。
猟兵同士で内輪揉めとか朝の特撮じゃねーんだぞ! やめとけやめとけ!
「……っといけない、お仕事お仕事。いまはまだ……ね」
意味深な笑みをにたりと浮かべるジフテリアであった。やめとけ!!!
まあ、到底叶うことのないであろう悪巧みの話はさておいて。
「そうだ! どうせ使うなら他の悪魔のデビルも集めちゃおう!」
おいなんかこいつとんでもねえこと言い出したぞ。
「ヒャッハー!! 盗みの時間だァー!!」
「「「アアーッ! 俺たちの大事なお給料がー!!」」」
ALAS! ジフテリアはモヒカン顔で悪魔たちのデビルを巻き上げる!
その盗みの腕前は、いくら悪魔たちでも対抗できないほどの華麗な早業だ!
「故郷のお姉さま、ごめんなさい! ジフテリアは悪いことになってしまいました!
……なーんつってなァ、ヒャッハー! 私が健康になるためによこせェー!!」
ダメだった。完全に目的が食い違っていた。おい誰か止めろ!
「き、給料返してくれ~!」
「あぁん? 返してやるよ、ただし土産物で買ったこの龍が巻かれた剣のアクセにしてだがなァ~!!」
「ウワーッ、ワルカッコいい~!!」
「この調子で来園者にもバラ撒いてやるぜぇ~!!」
なぜかワルの顔で、クッソ微妙な中二病系お土産を配りまくるジフテリア。
変なTシャツ! 木刀! どう考えても普段遣い出来ないダサエプロン!
「「「ワルカッコいい~!!」」」
「ふっ、素晴らしいクリスマスプレゼントを配ってしまったね……!」
本人はやり遂げた顔であった。この世界マジで大丈夫!?
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクティム・ウィンターミュート
もしかしてなんだけど
俺の労働環境って悪魔より劣悪???
いやこの場合は『俺が』劣悪なのか?
待て待て、そもそも俺の仕事は依頼形式だから比べる必要ねーわ
俺の仕事が無くならないのは世の中のアホのせいなんで……はい……
というわけで(?)
ここのアトラクションは今一つ刺激が足りないと思う
そもそも悪魔みてーなストロング野郎ども相手だから遠慮をする必要はない
ジェットコースターとかさ、もう縄に括り付けて引き摺らせようぜ
メリーゴーランドはスピード上げて馬上戦させよう
観覧車だぁ?生ぬるい事言ってんじゃねえぜ!!
ランダムで爆発でもさせてやりな!
あ、俺は乗らないんでいいです
悪魔だけで楽しんでもらえればいいかなって、思うよ
●お気づきになりましたか
「…………ん???」
めちゃめちゃホワイ……いやブラックな労働環境に変貌したデスティニィランド。
しかしその中で、ただひとりだけ90度直角に首を曲げる男が居た。
彼の名はヴィクティム・ウィンターミュート。猟兵一ブラックなビズをする男。
殺しとか重犯罪的な意味でもクロだし、出撃回数的にもドス黒いクロだ。
ヴィクティムは思った。悪魔たちは……? めっちゃ有休とか消化して……??
「もしかして……俺の労働環境って、悪魔より劣悪???」
お気づきでなかった……!?
「いや待て待て、そもそも俺の仕事は依頼形式だから比べる必要はねえだろ。
つーか俺はフリーランスなわけで、裁量労働制とはまた違うわけだから……」
ヴィクティムは必死に考える。自分はまだ大丈夫だという言い訳を。
「だいたい俺が駆り出されるのはオブリビオンのアホどものせいなわけで……。
いやでも俺しこたま匡とかに心配されたし、いやでもなあこれは、うーん……」
さすがのヴィクティムも、今回のことは堪えたらしい。
病室に友人知人が雪崩込んでくるよりこっちのほうが効くってなんだよ(真顔)
ワーキングプアを通り越した仕事超人でも、思うところはあったようだ……。
「……よし、気分を切り替えよう!!」
あっこいつ考えるのやめやがった。
「悪魔たちよ! ここのアトラクションは今ひとつ刺激が足りなくないか!?」
「「「たりなーい!」」」
とか言っているが、もうすでにここのアトラクションは大概である。
だが悪魔たちは刺激に飢えていた! なんせ頭バグってる連中なので!
「よーし! なら俺がアトラクションというアトラクションを改造して、
ジェットコースターは縄にくくりつけて引きずり!
メリーゴーランドはスピード上げて客同士で馬上戦!
観覧車はランダムで大爆発! 無事に終わっても観覧車そのものが空中分解!
このぐらいやってこそのワルカッコいいアトラクションだろ! なあ!?」
「「「ワルーい! カッコいーい!!」」」
「はっはっは、ヨイデハナイカヨイデハナイカ!」
ヴィクティムはものすげー速度でアトラクションを改造していく!
「猟兵さん! アトラクションを改善してくださってありがとうございます!」
「いやいいんだ、それじゃあ俺はクールに去」
「感謝のしるしに、まずはこの新生観覧車の乗客第一号はぜひ貴方様に!」
「えっいやあの」
「さあどうぞどうぞ(ギュッギュッ)」
「あっえっちょっと待て俺はオブザーバーであって乗客ではアーーーーーーーーッ!?」
KRA-TOOOOOOOOOOM!!
ヴィクティムよ、永遠に……(このへんで空にヴィクティムの爽やかな笑顔が映る)
大成功
🔵🔵🔵
マリシ・エイトゥム
お金を、焼きます。
なんだか焼いていいって言ってたんで。
こんな機会?無いですし?合法?的に?お金を燃やせるって事なんて?滅多と無いんで?
だから、焼きます。
あなた!あなたお金持ってるでしょう?お金を焼くとみんなが尊敬するらしいですよ。燃やしましょう。出しなさい。
楽しくなってません。しょうがなく燃やしてるんです。めったに見れませんよお金が燃える所。
金が融ける温度知ってます?1064℃らしいです。実験してみましょう。さぁ早く。昇華は勘弁してあげます。出しなさい。
アドリブ連携歓迎
●しゅ、手段と目的が入れ替わって……!
「すいません」
「えっあっはいなんですか」
平和に遊園地を楽しんでいた悪魔の家族連れに話しかけるマリシ・エイトゥム。
お父さん悪魔は、マリシの顔を見てなんだかゾッとしてしまった。
なにせマリシの顔、というか目ときたら、完全に据わっていたからである。
悪魔はワルいものが好きだ。だが、これはワルとかそういう次元ではない。
なんかもう善悪とかそういうのからトんじゃったタイプの目であった。
全力でお関わり合いになりたくない。そういう顔をしていた。
「あなた、お金を持っていますよね」
「えっ、も、持ってますが……」
「焼きます」
「は?」
「お金を、焼きます」
「え……」
「だから出してください」
「あの、ちょっと」
「お金を焼きます! だから出しなさい! 出せ!! 出せェエエエ!!」
「「「アイエエエ!?」」」
コワイ! 剣を振り上げて追いかけてくるマリシから逃げ出す悪魔家族!
「逃げるなァアアア!! お金を焼く使命から逃げるなァアアア!!」
「やばいやばいやばいこれワルいとかじゃないって!」
「あなたどうするの!? このままじゃうちの子まで!」
「うわーん、こわいよー! カッコいいとかじゃないよあれー!」
「くっ、こうなったら私が足止めする……!」
「あなた!」
「とーちゃん!!」
父親悪魔は足を止めて振り返り、マリシを足止め「燃えろォオオオ!!」「ギャアアアア!!」火だるまになった! ナムアミダブツ!
でも悪魔だから死んでません。それはそれとしてマリシは親子を追う!
「なぜわからないんですか!? お金を焼くとみんなが尊敬してくれるんですよ!
それにお金を焼くのは楽しいんです! 楽しくありません! しょうがないんです!
めったに見れないじゃないですかお金と悪魔が燃えてるところ! いえお金!
金が融ける温度ってご存知ですか1064℃なんですよさあ実験してみましょうグヘヘヘヘ昇華は勘弁してあげます燃えろォオオオ!!」
「「ギャアアアアア!!」」
これがデビルキングワールドにその名を残す、恐るべき大量焼灼犯の誕生の瞬間だった……!
大成功
🔵🔵🔵
ジョン・ブラウン
【絶対正義ワルダクミー】
ハプニングによって清掃代を請求されたチーム悪巧み
委託先がボッタクリの悪徳清掃業者だったためDは全て回収されてしまい
足りなかった分を賄うべく悪者ショーのやられ役ヒーローのバイトに勤しんでいた……(ナレーション)
「アカダクミ!」
「ぐ、ぐわー真の悪の前では正義など儚いものなのかー」
しばらく真面目にバイトしていたが
正直そろそろ飽きてきた悪巧み
「ふぅ……次でバックレよ?」
「おっとこの子がどうなってもいいのかな?」
観客の子供を人質に取り正義の心を見せつける
「やっぱり正義感溢れる僕らには向いてないねこの世界!」
バスへ乗り込み明日へとバック走
安心しな子供は適当な所で開放してやる
詩蒲・リクロウ
【絶対正義ワルダクミー】
「悪い子は何処だァ!正義のヒーローアカダクミ!」
ちょっと凄んでみたりする。やたら怖い。そんなこんなでヒーローショーを多分一番真面目にやってるリクロウ。
「確かにぼったくりなんで払う義務は疑問ですけどそれは流石に……いや、でもこのままだと暫く此処に拘束されそうですし致し方なしですか…」
そんな訳で大脱走を計画する。
____
そして、計画実行時間
着々とヒーローショーは進み、ジョンが人質を取ったのを合図に、熊五郎が全体を撹乱し、ティアーが注目を集め、リチャードと僕で脱走の準備を整える!
「いでよ、最近なんか便利扱いされてる(名前忘れた)バス!さぁ早く!」
「さらばデスティニィランド!」
ティアー・ロード
【絶対正義ワルダクミー】
やれ、酷い目にあった……
バイトまでせねばならんとは前途多難だね
「私がヒーロー以外するわけないだろう?」
「私こそワルダクミー最強の戦士、ナミダクミ!
悪よ、覚悟せよ!正義の力を―
やーらーれーたー」
真面目にヒーローとしてやられるよ、ヒーローだからね
ジョンが人質取ったらそれにノろう
「人質が卑怯?
何を言う、私たちは正義!そして貴様こそが悪だ!」
「正義に卑怯などという言葉はない!
さぁ、現金輸送車を用意しろ!」
脱走準備ができたら観客に言葉を残して去るよ
「いいかい、少年たちよ
正義とは心にある、常に自分の心に従え!
何があっても自分の心に従う、それこそが勇者への道標となるだろう
さらばだ!」
曾場八野・熊五郎
【絶対正義ワルダクミー】
「遠吠え界の大御所!コウダクミ!」
シャキーンとポーズ極めながら登場
「あーやめてー生類憐みの令!生類憐みの令!」
悪役にやられているうちに飽きる
「いやよくよく考えたら我輩たち何も悪いことしてなくないでごわ?」
「縄張りを塗り替えるのは当然の権利でごわす。我輩は正義」
「お、モジャ公がしでかしたでごわす。ちょっとマイク貸してマイク」
進行役からマイクを奪い取ってUCを発動。ギャグ補正を観客にも展開
ステージ演出用の火薬を投げまくって観客やヒーローを星に替えたり頭をチリチリパーマにしていく
「やっと分かった……我輩たちにここは狭すぎる。今こそ保健所の檻から出るときでごわす……!」
リチャード・チェイス
【絶対正義ワルダクミー】
まったく……鹿は清潔であるべきというのに。
諸君等も私のようにいつでもどこでも清潔を保つ努力をしたまえ。
(シカティッシュ・スタイルは綺麗好きの証。気づいたら清潔になるクリーニング屋かたなしの便利アイテムなのだ)
上質の野性味、シカダクミ!
貴様らの心に常に鹿を住まわすために戦うのだ!
ぐわー、猟友会のものどもめー……飽きたのである。
はいよー! ペドロ・ロペス君!
(盗んでないトナカイで走り出す。行き先はともかくバックレるため。
ステージのギミックを利用してバイクジャンプ。背後で爆発。ここでタイトルロゴ)
●悪巧みどもは明日へ征く(やってることはただのバイト無断欠勤)
「悪い子は何処だァ!! 正義のヒーロー、アカダクミ!」
「同じく、アカダクミ!」
「ちょっとジョンさん、真面目にやってくださいよ! 名乗りのシーンですよ!」
「いやだって僕も赤がいいし……僕も赤だし……」
「あーもわかりましたよはいはい! じゃあ皆さん残りお願いします!」
「仲がいいなあキミたちは。あー、私こそがワルダクミー最強の戦士、ナミダクミ! 開くよ、覚悟せよ! 正義の力を……やーらーれーたー」
「早いですよ早い早い!! リチャードさんはいどうぞ!」
「上質の野性味、シカダクミ……貴様らの心に常に鹿を住まわすために戦う者!」
「遠吠え界の大御所! コウダクミでごわ!!」
「「「「「我ら揃って! 絶対正義・ワルダクミー!!」」」」」
シャキーン! 5人がポーズを取ると、背後で盛大な爆発が彩った!
「何がワルダクミーだ! やっちまえ!」
「ヒーローのくせにワルそうな名前しやがって!」
「そもそも名乗りがバラバラすぎんだよ!」
「毎回毎回アドリブすんのやめろ!」
「あとステージ上にペット連れてくるのやめてください!」
「「「「「グワーッ!!」」」」」
そしてワルダクミーの5人は、いつものように悪の戦士にやられて退場した。
正義が悪に負けると、子ども悪魔たちはワッと大はしゃぎで歓声を上げる。
これがデビルキングワールドにおける、一般的なヒーローショーの風景だ。
そして……望まぬバイト生活を続ける、5人の日常風景でもあった。
「いやーおつかれー、今日も僕の名乗りが一番キマってたね」
控室にやってくるなり、ジョン・ブラウンは当然って感じの顔で言った。
「は? 我輩の「あーやめてー生類憐れみの令!」っていう悲鳴が一番でごわした」
曾場八野・熊五郎はわけのわからないところで張り合った。なんだお前は。
「はっはっは、キミたちは無意味な議論が好きだね。最強最優の戦士は私だよ?」
とティアー・ロードもこれまた当然パーペキって感じの声で云う。
「いやそういうことじゃないですよね、いまだに名乗りズレズレなのなんなんですか。
毎回支配人さんに怒られるの僕なんですよ。もうちょっと設定合わせません??」、
詩蒲・リクロウはご立腹であった。そもそも名乗りがなんか凄んでて怖い。
「恐るべし猟友会の者ども、次こそは勝ってみせるのである」
リチャード・チェイスはいつもの調子であった。むしろ安心感すらある。
「勝っちゃダメですよ勝っちゃ! なんで未だに何も覚えないんですかねえ!」
「覚えた上で言ってるんだと思うでごわ」
「余計にタチ悪いよねそれ。まあいつものことだけど」
熊五郎の台詞にツッコミを入れつつ、ジョンはぎしりとパイプ椅子に座った。
「…………僕らさあ、いつまでこんなことしてるんだろうね」
ざわめいていた控室が、しんと静まり返る。
「僕らにはさ、こんなことよりもっとずっと、やりたいこと、叶えたい夢があった。
でもそれがいつしか、つまらない現実に負けて、こんなところでくすぶってる。
ねえ、僕らこれでいいのかな? 勇気を出して、一歩踏み出すべきなんじゃない?」
「よくある精神漫画風にいいこと言ってるけど飽きたって話だよねつまり」
ティアーのツッコミは元も子もなかった。
だが揶揄するものはいない――だって全員飽きてるから!
え? なんでそもそもこいつら、こんなバイトしてんだって?
「まったくこんなことになったのは誰のせいなんでごわすか! 誰の!」
「「「「…………」」」」
四人は軽い殺意を込めて熊五郎を睨んだ。そうだよ諸悪の根源はこいつだよ!
こいつがなんかとんでもねえもんをひり出したせいでもう色々パアだよ!
そんで業者を呼んだはいいもののボッタクリ料金を自業自得(ルビ:ハプニング)で突きつけられ、返済のためにバイトをしているというわけである。
「曾場八野君だけ置いて私たちだけで帰るってことは出来ないのかな」
「は? 我輩何も悪いことしてないのでごわすが? なくないのでごわすが??」
「それは悪いことをしてるってことじゃないですか!」
「縄張りを塗り替えるのは当然の権利でごわす。我輩は正義」
「つまり鹿も正義ということであるな。Q.E.D」
「あらゆることに飽きてるからいつも以上にリチャードが適当だ……」
だがもう限界だった。やられ役を毎日続けるなどうんざりである。
だいたいこのペースで稼いだら、返済は一体いつになるっていうんだ!
「というわけで次でバックレようと思うんだけど」
「いや、でもぼったくりだから払う義務がないとはいえそれはさすがに……」
「何を言ってるんだい詩蒲君、私たちは正義だよ? 正義がやることは正しい。
なぜなら、やることなすこと正しいからこそ、正義とは正義たりえるわけだ。
だから私たちがバックレてもそれが正しい。そもそもこの世界悪魔の世界だろう」
「こういうときだけスラスラそれっぽい理屈組み立てるの詐欺師の才能ですよね。
……でもまあそうですね! このまま拘束されても困りますからねえ……」
「しかしていかにしてバックレるのであるか。悪魔は猟兵並に強いのである。
下手に殴り返して台本を書き換えたりしたら、我々がフルボッコではないか」
「そこで僕に作戦があるんだよ。具体的には……」
「「「「…………」」」」
……翌日!
「悪い子は何処だァ! アカダクミ!」
「同じく、アカダクミ!」
「私こそが最強の戦士! ナミダクミ!」
「唸り声界の大御所! コウダクミ!」
「上質の野性味、シカダクミ!」
いつもの名乗り、いつもの流れ。
ワルダクミーに攻撃を仕掛ける悪の戦士……その時!
「おっと、この子がどうなってもいいのかな!」
「「「なっ!?」」」
ALAS! ジョンは一瞬にして観客の子どもを人質に取っていたのだ!
悪の戦士の皆さんは慌てる! こんな展開、脚本にねえ!
「うわーすげー! 正義なのに子ども捕まえてる!」
「ワルすぎじゃん! カッコいー!」
「こういう番狂わせを待っていたー!!」
観客は大盛りあがりだった。こいつらなんなの?
「くっ、卑怯な……! というか正義役だろお前ら……!!」
「ちょっとそのマイク貸してマイク」
「えっあっはい」
「バカお前仲間に渡してどうすんだよ!?」
キィイイイイン(マイクハウリング音)
するとなんか、こう、盆を回しそうな感じの音楽が流れ始めた!
「なんだこれ!」
「よくわかんないけど8時に集合しないといけない気がする!」
「あとなんかステージの仕掛けが前倒しになりそうな気がする!」
「いまでごわす喰らえ火薬攻撃ーっ!!」
「「「ギャーッ!!」」」
KBAM! KBAM!! KRA-TOOOOOOOOOM!!
爆発する火薬! チリチリパーマになる悪の戦士! あと観客たち!
すっかりしっちゃかめっちゃかになったところでティガーが叫んだ!
「いいかい、人質が卑怯なんてことはない。なぜなら私たちは正義だからだ!
それと戦う貴様こそが悪! 正義に卑怯などという言葉はないのだよ!!」
「「「その台詞がもうワルじゃねーか! カッコいいけど!!」」」
「わかったら現金輸送車を用意しろ!」
「「「金がほしいのか逃げたいのかどっちだよ!!」」」
「今回は逃げる方ですよ! いでよ、最近便利扱いされてるなんとかバス!!」
KRAAAAAAAAASH!! ステージ上に飛び出す無人バス!
悪の戦士の皆さんをひき逃げ(※生きてます。悪魔だから)しつつアイドリングだ!
「さあ皆さん早く! ってリチャードさん何やってるんですか!?」
「我輩はこれである。はいよー! ペドロ・ロペス君!」
トナカイ出現! 無人バスと並行する形で走り出すトナ……いやちげえバイク!
リチャードが派手なジャンプをキメた瞬間、バラ撒いた火薬が一斉爆発だ!
「待てぇ!! 借金踏み倒しかてめー!!」
「「「ワ、ワルすぎる~~!!」」」
悪魔たちは震えていた! おもに感動に! ダメだこいつら!
「やっとわかった……我輩たちにここは狭すぎる。今こそ保健所の檻から出るときでごわす……!!」
「言ってる意味がさっぱりだね。さて聞きたまえ少年たち!」
バスに飛び乗ると、ティアーはなぜかキザな横顔で言った。
「正義とは心のなかにある、常に自分の心に従え! 何が遭っても自分の心に従う、それこそが勇者への道標となるだろう! さらばだ!!」
「「「わかりました、全力で無視します!」」」
「逆効果じゃないですあれ?」
「やっぱり正義感あふれる僕らには向いてなかったってことだね、この世界!」
ジョンは人質にしていた子ども悪魔にペロペロキャンディを渡しつつ解放。
そして5人はバスとバイク(トナカイ)に乗り、颯爽と飛び出した!
「「「「「さらば、デスティニィランド!!」」」」」
破天荒すぎる野郎どもが居なくなったおかげで、その後のデスティニィランドは大繁盛したそうです。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
宮前・紅
戎崎・蒼(f04968)と行動
成程ね………俺の蛍光色カレーもとうとう、世界デビューするその時が来たって事か
このデスティニィランドに『恐怖、生と死の狭間カレー』として爆誕させようかな!
レストランにいっぱい置いて、皆に広めよっと♪えいえいおー!
え?何で『蛍光色カレー』じゃないのって?それじゃつまんないじゃん──ねえ?
蒼くんってば保守的なんだから、も~仕方の無い男だねぇ
(美味しそうに平然と蛍光色カレーを食べる)
絶品なのにな~……なんで分かんないかな
悪魔なんだからこの程度食べれるでしょ♪(パワハラ的発言)
(グイグイと蛍光色カレーをブッ込みながら)
あ~満足満足♪これでカレーブーム到来かな!ふふふふふ♪
戎崎・蒼
宮前紅(f04970)と
何はともあれ経営改革が果たされたようで良かった(?)よ
……はあ、何だかツッコミ疲れが出てきたな
見た目は少しアレだけれど、園内で売ってるお菓子の類いでも食べてみようか
て、おい…!紅はカレーを出すな!悪魔も恐怖に戦慄いているじゃないか!
(ボソ…悪魔たちは所謂良い子なんだぞ、お前のその、明らかに拷問的なカレーを受け付ける訳がないだろ…!)
保守的とかじゃないしレストランに置けると思う方もどうかと思うぞ…(とはいえ無理矢理置きそうではある)
結局蛍光色(※此方も悪魔に宜しくない)のカレーまで出して…て食べるな!
この園内に食べ物を持ち込む事自体やっていい事じゃない気がするのに…!
●やめろ! それはマジでヤバい!!
「――なるほどね」
お前シリアスでもそこまでのアンニュイ顔しねえだろって感じの決め顔であった。
宮前・紅のこの顔を見た瞬間、戎崎・蒼は電撃的に理解した。
ああ、こいつ……またろくでもねえことしようとしてやがると!!
「待て紅、何をやるつもりなのかはわからないがとにかくやめ」
「俺の蛍光色カレーも、とうとう世界デビューする時が来たってことか」
「それはやめろ。本当に、やめろ。本当に! やめろ!!」
ガチであった。蒼も蒼でシリアスでも滅多にしねえ感じのマジ顔であった。
だが紅は聞いていない! 何故? 紅はいつだって蒼の話は聞いていない!
虚空から(!)カレー鍋を取り出すと、鍋から溢れ出る毒々しい虹色の輝き!
「こうなったらこのデスティニィランドに、「恐怖、生と死の狭間カレー」として爆誕させないとねえ!」
「ばっ……おい、やめろ紅! 悪魔たちも恐怖におののいてるぞ!?」
蒼の言葉通り、悪魔の皆さんでさえその輝きには震え上がっていた。
これはワルとかカッコいいとか、そういう次元の話ではない。
もっと根源的な――そう、一言で言うなら。
「「「ヤバい」」」
"ヤバい"――そうとしか、言いようがなかったのである。
「え? 何さ蒼くん、いいじゃんワルがこの世界だとイイことなんでしょ?」
(違う、悪魔たちはいわゆるいい子なんだ。お前の……その、明らかに拷問的なカレーを受け付けるわけないだろ……!!)
「ひっどーい! ちょっと生と死の狭間を反復横飛びするだけなのにさあ!」
「それが拷問じゃなかったら何を拷問と言うつもりなんだお前は???」
「というわけで頑張ってレストランにいっぱい置いてもらってみんなに広めよう! えいえいおー!!」
「ダメだ、完全に話を聞いていない……!」
蒼はもうツッコミ疲れのせいでめまいが起きそうな気分になっていた。
そんな彼のメンタルを削るのは、毒々しい蛍光色カレーを美味しそうに食べる紅の笑顔であった。
そして、事態はマジでレストランにまで侵攻してしまう!
「待ってください、勘弁してください!」
あまりの"ヤバさ"に厨房からすっ飛んできた料理長が紅を足止めする。
「ほら、紅……! 悪魔たちも困ってるじゃないか、やめるんだ!」
「蒼くんはねえ、保守的すぎるんだよ。もっと新しいものを知らなきゃ」
「お前のカレーは新しいとか古いとかそういう問題じゃないだろう、なんなら古いカレーのヤバさをスキップで超えてるんだよ……!」
蒼は料理長の味方になって紅を止めようとするが、紅はアンストッパブルだ。
ずんずんと調理場に侵入し、ぐつぐつ煮えてるカレー鍋に……あ、ああー!!
「「あああああ……」」
蒼と料理長が悲惨な声をあげるのも無視して、流し込まれる蛍光色の毒。
たちまち鍋の中ではなんらかの化学反応が起きて、瘴気が溢れ出した。
「ほーら美味しそう! みんなに無料で振る舞ってあげないとねー!」
「あ、こら待て! やめろ! なんで僕の話を聞かないんだ!?」
それはね、蒼くんのリアクションが面白いからだと思います。
紅はニコニコ笑顔で蛍光色カレーをよそい、お客さんたちに無料で振る舞う。
「ほらみんな、今日はおかわりもいいからね♪」
「「「…………」」」
「あれぇ、なんでみんな黙ってうつむいてるのかな~?」
カツーン、コツーン、カツーン……(席の間を練り歩く紅の足音)
「もしかして俺のカレーが、食べられないっていうのかなあ!?」
「ぐえ!? ぎ、ぎゃああああああーッ!!」
悪魔、無残! 無理やり頭を掴まれて蛍光色カレーを流し込まれる!
なんかビクンビクン痙攣している悪魔! 頭を抱える蒼! 満足げな紅!
「さあ、次はキミだよ! この程度食べれるよねえ♪」
「アバババババーッ!?」
「……すまない、人数分の治療費と弁償代は出すから……」
結局、蒼の保証で必要なぶんのデビルはすっ飛んでいったという。
それからしばらく、デスティニィランドではカレーが禁止ワードとなった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ムシカ・ガンダルヴァ
【アドリブ・連係歓迎】WIZ
新しい支配人に免じてネズミのテーマパークは諦めよう!
……何というか、ちょっと馴染めた気がするよ?
どうせならいっぱい食べて楽しもう、何故ならネズミは数の暴力で貪りつくす存在だから!
大食い大会とかあれば参加したい。
UC【冥神の権威】を使って神っぽく振舞えば食べる量もスピードも3倍に!(なるの?)
食べつくして経営者の財布に大打撃を与えてやる!(逆に儲かるのでは?)
『冥神の多腕』もあるしスピードは速い、はず!
大食い大会があって優勝とかしたら賞与をバラまいちゃれ!(ワルなの?)
結局本当にワルい事出来てるのだろうか?
●ワルってのは見方次第
けっきょく、ムシカ・ガンダルヴァの野望が叶うことはなかった。
ネズミのテーマパークを作り出すという、神をも恐れぬ大悪行である。
なぜか悪魔が総出で「それだけはマジでヤバい」と押し止めるほどの、あれだ。
「……まあ仕方あるまい。新しい支配人に免じて、今回は矛を収めるとしよう」
しかしそこはそれ、ムシカは偉大なる冥神! とても偉いネズミ様!
「だが我は諦めない……いつかでっかいネズミのテーマパークを建ててやる!
そこではずっと子年が続いていて、あとはこうシーリゾートとかがあって」
はい話進めましょう! ね! このままだとヤバいから! ね!!
……てなわけで、ネシカがやってきたのはレストランの大食い大会会場。
どうやらネシカは、ここで大会を荒らし回るつもりらしい!
「えー、エントリーナンバー12番、ムシカさん! 意気込みのほどは?」
「ふっ、意気込みなど語るまでもない。もはや勝利は我のものも同然である」
「ほう……それは一体何故ですかッ!?」
「何故ならば! ネズミとは数の暴力で貪り尽くす存在だからだッ!!」
ムシカがぐっと握り拳を作って言い切ると、観客は大盛りあがりだ。
いい感じに威光を振り撒いている! 信仰されている!
(悪くない、いやいいなデビルキングワールド! 馴染んできたし……!)
ムシカはもう有頂天であった。よかったね、神様……!
さて、肝心の大食い大会はというと。
「おーっと!! エントリーナンバー12番のムシカ選手! すごい食べっぷりだ!
まるでスイスチーズを食い荒らすネズミのように、淀みなくドーナツを食べる!!」
「ハッハッハ! 神にこの程度通用しない!!(ええーなんだこのものすごい毒々しい色これほんとに食べて大丈夫なの!?)」
心のなかではあまりのサイケカラーに生命の危機を感じるが、そこはそれ。
ムシカは精一杯神っぽく振る舞い、ドーナツを! スシを! ラーメンを!
どれもこれもケミカルカラーの料理をどんどん食い尽くしていく!
他の参加者がネズミのスピードに追いつけるはずもなく、大会結果は圧勝!
観客たちは大盛りあがり! ムシカには大量の賞金が送られた!
「おめでとうございます! この賞金の使い道は決まっていますか?」
「それこそ言うまでもない――こうだっ!!」
なんとムシカは、壇上からやおら札束を餅のように放り投げた!
群がる悪魔たち! 呆然とする新支配人! これは一体!?
「どうだ、賞金をバラ撒いてやることで大会を台無しにしてやったぞ!
さらに汝が出す前に賞与を与えてやることで、その役目も奪ってやった!
これこそまさに、神さえも恐れる最強にワルい悪事ということだな……!!」
「「「す、すげ~! ワルカッコいい~!!」」」
あまりにもこじつけじゃないかとムシカ自身もちょっと不安だったのだが、
悪魔たちは頭がバグっている上に単純すぎるので、尊敬の眼差しで見てくれた。
「……本当にコレでよかった、の、かなあ……!?」
根が常識人なムシカは、最後まで割と不安だったという。
大成功
🔵🔵🔵
薬袋・布静
【徒然】
お前、遊園地ハイになっとらんか?
ぼったくり上等価格を素直に払って喜んどんのお前らしくないぞ?
あとお前がどんだけ強請ろうとも今日は金出したらんからな
はぁ、なんで年明け早々こないなくだらん新設テーマパークに金落とさんといかんねん
久々のデート言うから着いてきてみたら、これやん
おい、聞いとんのか?
お前に言っとんねんぞ、八千代ちゃんよォ
……お前何しとんの
はぁ…今日はとことん俺で遊ぶ気やねんな
そん代わりお前も耳付けぇーや
はいはい、嫁さんのお好きにどーぞ
リードさせてやり、好きなのに付き合うも
絶対にお化け屋敷に連れ込んだろう、と密かに目論む
泣き叫ぼうが絶対に連れ込む
怒っていない、これは愛でてるだけや
花邨・八千代
【徒然】
いやー、この原価に色々上乗せされた夢の国価格のチュロスうめーなー
油っぽくて砂糖じゃりじゃりしてるとこが特に好き
あと容器代がやたら高いポップコーンもサイコ~
お、金の心配?
安心してくれ、さっきまでの仕事で毟れるだけ毟ってきた
全スタッフの顔札束で殴ってもおつりが来るぜ!!!
という訳で、今日は徹底的に俺がリードしてやるからな?
さぁまずはこの名状しがたい黒い●耳を付けてもらおうか
ぬーさんに拒否権はない、俺は話を聞かない
用意できたらお手をどうぞ、かぁいい俺の旦那さん!
絶叫系からメリーゴーランドまでなんなりと!
あ、でもお化け屋敷はのーさんきゅーな
まぁでも、結局ぬーさんと一緒なら俺どこでも楽しいなぁ
●鬼とケモノの珍道中
「……はぁ~~~」
まるで口からエクトプラズムが抜けて出るかのようなため息であった。
隣に花邨・八千代が居るというのに、薬袋・布静このこの虚無顔は一体何故だ?
「おいおいぬーさん、ため息なんかついたらダメだぜ~? 幸せが逃げちまうよ!
せっかく久々のデートなんだからさぁ、ほらぬーさんもチュロス食う?」
「……お前なァ」
何を隠そう、布静がアンニュイな虚無顔な原因は八千代にあった。
「んぁ? 何ぬーさん」
「お前……遊園地ハイになっとらんか?」
「ええ~? なってねえよぅ、ほらチュロス食う?」
「そのチュロスも、原価に人件費だのなんだのブクブクブクブク上乗せして、
おまけに味としちゃ海の家の焼きそばもどっこいどっこいのボッタクリやろがい」
「ばっかぬーさん、そこがいいんだって! この油っぽさとか最高じゃね?」
「んな砂糖でじゃりじゃりした菓子もどきいらんわ……」
布静はため息をついた。彼はなまじっか料理が出来る上にドライなタイプだ。
この手の、行楽地や観光地にありがちなボッタクリな値段には一家言あった。
ただ彼を悩ましげな感情にさせていたのは、
普段ならどちらかというと、八千代がそれに物申すタイプだということ。
「この容器代がやたら高いポップコーンもサイコ~! わざとらしいキャラメル味~!」
「……お前頭でも打ったんか? いつもなら文句言うのお前やろが」
布静はじろりとジト目で八千代を睨んだ。
「やれ原価がどうだ足元見とるだ言うて前に遊園地でゴネたやろ」
「あんときはあんときだって! 今は今じゃん?」
「そんな言葉で片付けられるといっそ不気味やで……何企んでんだか知らんが、
今日はお前がどんだけねだってこようが金出したらんからな。自腹切れよ」
「安心してくれって、さっきまでの仕事でむしれるだけむしってきたからさぁ~」
八千代はパンッパンになった財布を見せつけた。パンッパンの財布。
お年玉を現ナマでもらって、それを財布に詰め込んだ中学生のマジックテープ財布並にパンッパンになったやつ。おしゃれなやーつなのに。
「全スタッフの顔札束で殴ったってお釣りが来るぜ!!! へへへへ!!!」
「さよか」
そんなものを見せられても、布静はだるそうな顔を隠しもしない。
「久々のデート言うからついてきたらこれやん……年明け早々くだらんわ」
「くだらなくなんかねーよ! いいじゃん、遊園地デート」
「年明けやぞ年明け。もうちょい季節感あるとこあるやろ」
「それはそれ、これはこれだって! 今日は俺がリードすっからさ!」
八千代は満面の笑みを浮かべて、なんかネズミっぽいカチューシャを着けた。
ん? なんかまずくないか? この●耳は……とてもまずいのでは!?
「……拒否権とかないんか俺には」
「ない。俺は話を聞かないことにした!」
「いつもやろがそれ。お前も着けぇや」
「いえーい、おそろおそろー!」
マズいですよ! いやまあ今日ばかりは無礼講ということにしておこう。
そんなかんじでかたやけだるげに、かたやルンルン気分で腕を組む。
というより、呆れた様子の布静の片腕に八千代がぎゅーっとくっつく。
それでも布静は八千代を振り払ったりすることもなく、歩幅を並べてやるのだ。
なにせ彼は190cm、対して八千代は158cm(うち角による詐称がちょっぴり)
歩幅はもはや1.5倍ぐらいの差があるのだが、布静はうまく調整していた。
「……にひひひひ」
「気持ち悪い笑い方すな」
「うひひひ」
「話聞け~」
なんてだる絡みも、ふたりにとってはイチャイチャである。
いや誰がどう見てもイチャイチャだわこれ! 奥様イチャイチャですわ!
……てな具合に、悪魔印の安全管理ガン無視アトラクションを巡るふたり。
お化け屋敷ではマジもんの幽霊(正確には「幽霊の悪魔」)が出てくるし、
ジェットコースターに乗ると人間の対G無視した勢いで加速するし、
メリーゴーランドは時々馬が勝手に動き出すし、
コーヒーカップは回せば回すだけ回転して客を吹き飛ばす。コワイ!
「ぬ、ぬ、ぬーさんのばかぁああああ!!」
「何がバカや、遊園地言うたらお化け屋敷やろが」
「だがらっで無理矢理連゛れ゛込゛む゛な゛よ゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛」
ぶるぶる子鹿みたいに震えている八千代を見て噴き出す布静。
「いじめだぁ、げきおこじゃんかよぉおお……」
「怒ってないで、こら愛でてるだけや。愛のムチや愛のムチ」
「ムチしかないじゃんがよぬーさんはざぁあああ……ぐすっ」
「はいはい。ほら、次はどこへ連れてってくれるんや? 嫁さん」
布静がそう言って手を握ってやると、八千代はぱあっと笑顔になった。
「うひひひ! おーし、じゃあ次はあのジェットコースターだ、俺の旦那さん!」
「あれ客落下しとらんか」
「そのぐらいがスリルあるじゃん! 行こうぜ行こうぜー!」
「まあええけど……ほんま、何が楽しいんやお前。そないに」
呆れた様子の布静の言葉に、八千代はきょとんとかしげてはにかんだ。
「――ぬーさんと一緒なら、俺はどこでも楽しいぜっ!」
布静は一瞬きょとんとしたあと、目線をずらして「あほくさ」とだけ言った。
「お、照れてる? 照れてんのぬーさん! ひゅーひゅー!」
「よしわかったもっぺんお化け屋敷やな」
「ああああああごめんんざいぃいいいいい(ずるずるずるずるずる)」
とっぴんぱらりのぷう。
大成功
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朱酉・逢真
坊っちゃんと/f22865
心情)いいのかいボス、支配人の地位わたしちまって。お望みとあらば契約書の1枚や2枚、(眷属が)口車で取ってきてやるぜ? そォかね。ならかわりだ、遊んじまいなよ。(遊園地は)初体験かね? 俺はたまに(死者が出るンでむかえに)来るぜ。
行動)身長制限そろえっためだ、ちびのナリで行こう。坊の分は俺が出しちゃろう。おじいちゃんのお年玉よ。ヒトにゃ還せん呪われた金だが、悪魔に渡しても死にゃアすまい。観覧車だトロッコ系だ乗って。お化け屋敷でビビらせ返して。遊園地っぽい見た目したメシ食わして。まァたむっかしィこと考えてら。
(声色変えて)雲珠兄ィ、いまはいっぱいあそぼう?
雨野・雲珠
かみさまと/f16930
またそんなお戯れを…
新支配人様のもとで経営を学びたい気持ちはありますけど、
この世界に桜の需要は少なそうですし。
お金を落として帰りましょう!
年末死ぬほどバイト入れたのでここは俺が、
(莫大な差を悟る)
…お言葉に甘えます!
お化け屋敷でホギャアってなったり
カップ回しすぎておえぇってなったり
何もかもが目新しくて楽しいです
すごい…全部遊ぶためのもの…すごい…!
観覧車で景色を眺めながらチュロスかじります。
はーあまい…なんと罪深い…あれ?
つまりこの世界ではアリなんでしょうか…あれ?
善悪とは何でしょうか…
(あざとかわいさに小さく吹き出し)
…はい!
降りたらあの車っぽいやつに乗りたいです。
●暇を持て余した、神と少年の、遊び
「……なあボス、本当によかったのかい?」
朱酉・逢真は、にたにた笑って雨野・雲珠の顔を覗き込んだ。
「支配人の地位、あンなどサンピンに渡しちまってよゥ。ここはお前さんの……」
「……またそんなお戯れを。勘弁してください、あれは言葉の綾ですよ」
逢真の言葉に、雲珠は困ったように苦笑した。
「たしかに新支配人様のもとで、経営を学びたい気持ちはありますけど。
この世界に桜の需要は少なそうですし、俺たちの仕事はここまでですよ」
「そォかい? あんたが望めば契約書の一枚二枚、(眷属が)口車で取ってくるぜ」
「…………」
「なンなら領土拡大してほかの遊園地も乗っ取り事業拡大を」
「い、いや! いいです!! ていうかなんで今日はそんなに俺を焚きつけるんですかかみさま!?」
野心がうずくのか、慌てふためく雲珠を見て逢真はけらけら笑う。
まったくこの人(神だが)には勝てないな、と雲珠は嘆息した。
「まァいいか。ンじゃかわりだ、今日はたぁっぷり遊んじまいなよ」
「遊び……かはともかく、お金を落として消費しないといけませんからね。
何を隠そう実は俺、年末死ぬほどバイトを入れたので奢るぐらいは出来ますよ!」
デビルを取り返したというのに、雲珠は真面目にもそれを新支配人やスタッフらに還元したのである。
デストロイキングがためた金を儀式に使われないように使い切る、という話が、
わざわざ自分で金を稼いでお金を落とす……になるあたり、雲珠は実に真面目だ。
「やめとけやめとけ。坊のぶんは俺が出しちゃるからよ」
「えっ。で、ですがここは俺が」
「ヒトにゃ遺せん呪われた金だが、悪魔に渡しても死にゃアすまいさ」
雲珠は思い返した。この神、眷属とかからしこたま宝を献上されている。
「……お、お言葉に甘えます」
財力の差もまた、絶対であった。
そんなこんなで、お化け屋敷やらコーヒーカップやら。
真面目に生きてきた桜の精にとって、テーマパークは新鮮な刺激の宝庫だった。 しかも基本的に悪魔基準なので、このテーマパークのアトラクションはいちいち安全管理基準がぶっ壊れてるっつーか完全無視されており、
コーヒーカップを回せば回すだけ加速するし、観覧車はなんかものすげえ回る。
お化け屋敷にはゾンビの悪魔とか幽霊の悪魔とかマジモンが出てくる始末である。
「マアアアアアア~~~」
暗闇から出てくるゾンビの悪魔! コワイ!!
「ホギャアアアアアア!?」
ところで雲珠! キミの隣りにいるのは死と病と腐敗の神様だけど!?
ゾンビとか幽霊とか、そういうの万単位で使役している現象系神様だけど!?
「ひひひ、こわいこわい」
わざわざちびモードになった逢真は、幽霊というより雲珠を見て楽しんでいた。
かと思えば今度は、超高速ジェットコースター(たまに客が落ちる)に乗ったり。
「うわあああああかみさまままままままままこれはやややややや」
「坊すげえツラしてンなァ。ウケる」
主に逢真のほうが風に煽られた雲珠の変顔を見て楽しんだり、
「かみさま、かみさま? これどこまで上がるんですか? ねえ?」
「坊、いいから前見てな。ほら、いい景色だろ」
「いやどこまでも燃えるマグマと骸骨が見 えッ(落下開始)」
「(爆笑している神)」
と、垂直落下式のコースターで大いに楽しんだり。
すっかり日も暮れて、ふたりは穏やかに動く観覧車に乗っていた。
逢真が買ってくれたチュロスをはむはむ食べつつ、雲珠は窓の外を眺める。
「はーあまい、なんと罪深い……」
「……坊、ひょっとしてあれかい。遊園地は初めてだったかい」
「あ、はい。かみさまは来たことが……?」
「まァそうだなァ。たまに(死者の迎えに)来るぜ。ひひ」
逢真はちびモードだったが、その所作にはいつもの「らしさ」があった。
雲珠はチュロスをかじりつつ、しばし難しい顔をして考え込む。
「うーん、ここは楽しいですがこの世界的にはアリなんでしょうか?
ワルかというとたしかに安全基準的にはワルですがしかし、いやでも……」
「まァた難しいこと考えやがって。今日はいいンだよ、遊ぶって決めたんだろ?」
「いえ、ですが善悪というものについて考えるのは重要な……」
「……ったく」
逢真は頬杖を突きながら、声音をすっかり変えて言った。
『雲珠兄ィ、いまはいっぱいあそぼう?』
「……ぶふっ!」
そして雲珠は吹き出した。あれっこれ割と失礼では?
だが逢真もいまのは「らしくない」と思っていたのか、くつくつ笑っている。
「……ふふ、そうですね! 降りたらあの車っぽいやつに乗りましょう!」
「いいぜ。さっきあれミサイル出してたけどなァ」
「ミサイル!?」
「あと自爆もしてたな」
「自爆……!?!?」
遊園地。奥深すぎる。雲珠は心から、そう思うのであった。
大成功
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