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寛永真田騒動~一殺多生

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #真田神十郎 #剣豪 #上杉謙信 #魔軍転生

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 さて一将功成って万骨枯る、なんてェことを申しますが。戦てェものは、世にあふれる浪人にとって立身出世の術でございます。奇しくも昨年、信長が起こした魔空城での騒乱と家光公の大出征は、腕に覚えのある浪人たちを江戸へと引き寄せることとなりました。
 勿論、取り立てられる者がいれば、取り立てられぬ者もいる。幕府転覆のため戦力を欲する猟書家達が彼らに目をつけぬはずが御座いません。

 ある底冷えのする冬の晩。神田川のほとりの松の下、猟書家真田神十郎が一人の浪人に目を付けた。月あかりを恃んで野原を行く、粗末な身なりの若侍。
「鍋島直和、ですね?」
「なんじゃ、おんし。物取りか? 金ならねぇど、居候の身じゃ」
「まさか。私は貴方に仕官の話を持ってきたのです。その手の剣だこ、相応の修行を積んだでしょうに、その身なり。居候の身。あなたはそのような身分で終わるべきではない。流派をお聞きしてもしても?」
「タイ捨流を学んでごつかる。おんしはいずれの家中の方か?」
「クルセイダーの臣下、真田神十郎。望むならば今日にでも江戸の町を火の海へと変えましょう。あなたも自分を評価しなかった江戸幕府に恨みを抱いているでしょう? 我らの目的は――」
 言うより早く、ギラリと煌めく刃の一閃。直和の不意打ちを咄嗟に躱し、神十郎が槍を構える。遠間に向かい合う二人、直和が神十郎へと刀を突き付ける。
「ようほえたのう。居候の身? おうそうよ、鍋島を飛び出し右も左もわからんワシを、面倒見てくれたんは縁もゆかりもない江戸の連中よ。それを火の海に変えるじゃと?」
 直和、ギリと奥歯をかみしめ神十郎をにらみつける。
「させるものかよ! きさんを切って、江戸を守るのがワシの恩返しじゃ!」
「ちっ、殺せ!」
 舌打ち一つ、神十郎が号令をかけますってぇと、辺りの草むらをかき分けて現れる浪人たち。自らを押し包むように剣を向ける浪人たちを威嚇しながら直和が叫ぶ。
「このすくたれもんが! ワシと立ち会え、神十郎!」
 ふっと直和の言葉を鼻で笑い、後退する神十郎。その青白い顔につうっと一筋の血が垂れた。
 ――まさか、先ほどの直和の不意打ち、躱し切れていなかったのか。いや、そうでなくてはならぬ。それだけの剣豪だからこそ、死して後、クルセイダーの兵として働ける。
「クルセイダーも、お前のような強者を召し抱える事をお喜びになるだろう」
 にぃっと真田神十郎が不気味な笑みを浮かべる。

 だがしかし、世に非道をなす者あらば、それを正す者もいる。お待ちかね、天下御免の猟兵達。彼らは決して真田神十郎の非道を見過ごしはしませんでした。

●グリモアベース
「猟書家、真田神十郎が事件を起こすことが分かりました」
 集まった猟兵たちへ向けて予知の内容を告げるのはディスターブ・オフィディアン(f00053)。
「真田神十郎はクルセイダーによる幕府転覆の為、配下となる剣豪を求め、鍋島直和という浪人に目を付けたようです。放っておけば彼は殺され、クルセイダーによる侵略の尖兵とされることでしょう。皆様にはそれを止めていただきたい」

「まず戦うべきは鍋島直和に襲い掛かっている浪人たちです。彼らはすでに真田神十郎によって命を奪われその配下と化しています。恐るべきは、その身に軍神上杉謙信を憑装していること。無論本人ほどの戦闘能力は持ちませんが、決して弱卒とは言えません」
 周囲の草むらに紛れ込んでの奇襲や、川べりのぬかるみへの押し込みなど、地形を利用した戦巧者ぶりを発揮してくるようだ。

「もっとも彼らがいる間は、真田神十郎も戦闘には参加できません。おそらく憑装には相応の集中力が必要なのでしょう。逆に言えば、彼らを撃破した後には真田神十郎との戦いが待っています」
 周囲への城塞の召喚や、槍と刀の連続攻撃、そして切り札である侵略蔵書『真田十傑記』から呼び出される十勇士。決して侮れる相手ではない。

「しかし、彼を打ち果たさなければサムライアンパイアに真の平和が訪れることはないでしょう。鍋島直和の命を救い、ひいては江戸の平和を守るため。どうか皆様の力をお貸しください」
 そう言ってディスターブは集まった猟兵たちへ深々と頭を下げるのだった。


雲鶴

 主人公求む! 雲鶴です。
 さて今回も全編講談口調で送りしますので、講談や歌舞伎の主人公になったつもりでプレイングをお送りください。主人公っぽく活躍できます。

 今回は猟書家真田神十郎との戦いとなりますが、彼らの狙いは剣豪鍋島直和の命です。本人も相応に戦えますが、なるべく彼の身を守るようにしてあげてください。

 プレイングの受付期間などは、随時シナリオタグの形で記載していきますので、そちらをご確認ください。年明け、一月の完結になるかと思います。
 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『浪人』

POW   :    侍の意地
【攻撃をわざと受け、返り血と共に反撃の一撃】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    怨念の返り血
【自身の返り血や血飛沫また意図的に放った血】が命中した対象を燃やす。放たれた【返り血や血飛沫、燃える血による】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    斬られ慣れ
対象のユーベルコードに対し【被弾したら回転し仰け反り倒れるアクション】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

真宮・響
【真宮家】で参加

鍋島・・・主君の地位を奪ったり色々大胆な事を仕出かした家らしいが、分家も幾つかあるらしいね。今回の直知とやらも分家の筋かね。

直知、いい啖呵だ。気に入った。江戸を護りたいのはアタシたち家族も同じだ。共同戦線と行こうかね。

飛んでくる炎が厄介だね。直知、隠れるのに良さそうな場所とかあるかい?その地形に【目立たない】で隠れながら移動、【忍び足】で敵の集団の背後を突く。上手く背後を取れたら【範囲攻撃】【二回攻撃】で飛竜閃を使用。敵の攻撃は【戦闘知識】で軌道を分析して【残像】【見切り】で回避、かわし切れなかった分は【オーラ防御】でダメージを軽減。さあ、とっとと江戸から退場しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加

鍋島家って色々大事を起した家らしいんですが、今の直知さんには実家は関係ないでしょうね。今は一介の剣豪。放浪の身なれど、江戸を想う気持ちは心底感服しました。ええ、大切な居場所ですよね。直知さん、共に江戸を護りましょう。

敵の不意の奇襲に備え、味方を護ることを中心に戦います。トリニティエンハンスで防御力を上げ、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で防御を固め、なるべく敵の攻撃を引き受けます。危ない味方がいれば【かばう】。草むらや岩の陰など敵が隠れて攻撃を飛ばしてくる地形に目星がつけば、【怪力】【衝撃波】でその地形をふっ飛ばして敵を炙り出し。さあ、ここから出てってください!


神城・瞬
【真宮家】で参加

鍋島家は主家の地位を奪ったりしたりした大胆な家らしいんですが、直知さんは今は自分の道を歩む剣豪。家名に縛られるのは仕方ないかもしれませんが、他人に邪魔される筋合いはありませんよね。加勢します。

敵集団に不利な地形に誘い込まれる前に先手を取りますか。【高速詠唱】で【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】を仕込んだ【結界術】を【範囲攻撃】化して敵集団に展開。敵の攻撃が届かない位置から【武器落とし】を仕込んだ疾風閃を【範囲攻撃】で攻撃。1人の方を集団で襲おうとしたんです。これぐらいの事は許されますよね?敵の攻撃は【オーラ防御】【見切り】で凌ぎます。



●真宮家の助太刀
 さて、鍋島直和がタイ捨流の剣豪と言えど、三十を超える浪人たちに囲まれては、もはや活路は見出せない。せめて真田神十郎へ一太刀浴びせようと駆け出した。
 しかしそれを見逃す謙信ではない、チェストォッと直和が打ちこむのを、真っ向から受け止める。足が止まった今が好機と、直和へ切りかかる浪人たち。もはやこれまで、無念、っと直和が目を閉じた、瞬間。
「直和、いい啖呵を切るじゃないか。気に入ったよ」
 言葉と同時、刃を弾く金属音。真田神十郎が悔しそうに顔をゆがめる。
「ことごとく我の邪魔をするか、猟兵共っ!」
 はっと目を開いた直和が見たのは、浪人たちの刃を受け止めた二人の猟兵。真宮・響(赫灼の炎・f00434)と真宮・奏(絢爛の星・f03210)の真宮家の母娘でございます。
 直和の方はと言えばいまだ事情が呑み込めない。目を白黒させている所へ宥めるように奏が声をかける。
「先ほどのお言葉、聞かせていただきました。あなたが江戸を想う気持ちは心底感服しました。ええ、皆様が生きる大切な居場所ですよね。直知さん、私達と一緒に江戸を護りましょう」
「そういう事さ、江戸の平和を護りたいのはアタシたち家族も同じだ。ここは四人で共同戦線と行こうかね」
 さてその四人目、神城・瞬(清光の月・f06558)が包囲網の外から声をかける。
「退路を作ります、まずはこちらへ!」
 心得たとばかりに駆け出す響と奏、直和もともかく二人についてくる。もちろん浪人たち、そう易々と包囲を破らせはしない。さあ来いと、刀を八相に構えて切りかからんとする。そこへ瞬が術を仕掛けた。月虹の杖を手に一言二言呪文を唱え、エイッと気合を発した瞬間、杖の先端から月光にも似た光がほとばしる。月読の力を借りた金縛りの結界術でございます。光に打たれた浪人たちは身動き一つとれはしない。彼らの合間を悠々と駆け抜ける響たち。
 しかし、すべての浪人たちが瞬の結界術を受けた訳ではございません。動ける連中が逃がさんとばかり追いすがる。奏が響に向けて先に行けと目くばせ一つ。響もこくりと頷くと、直和と二人駆けていく。奏は一人身を翻すと追っ手の浪人たちへと剣を構え、術を唱える。しんがりとなって二人を逃がす算段でございます。これを見てしたりとほくそ笑む浪人たち。それもそのはず、奏は南蛮仕立ての甲冑や剣こそ身に着けていますが所詮は一人、押し包んで斬れぬ道理はない。続けざま切りかかってきますのを、盾でしのいで、剣で受け止め、三人目。横合いから奏目掛けて振り下ろされる日本刀、その切っ先が奏へ触れる寸前、ビタリと空中で受け止められられる。奏が前もって仕掛けておいた水の加護、守りの障壁でございます。さあ驚くまいか、浪人たちが思わず動きを止める。これを見逃す奏ではない。ヒラリ身を翻しますってぇと手にした西洋剣で浪人たちをまとめて切り捨てる。浪人たち切られながらもせめて一太刀ってんで、意地の一撃を仕掛けますが、奏の全身を守る水の加護がその切っ先を阻みます。奏、首尾よく殿を果たし、先を行く響たちに追いつこうと再び走り出します。
 彼女の背後で、切り倒された浪人たちの流した血が、ちろりと燃え上がっておりました。

 さて、その頃、響たちは首尾よく瞬と合流したところでございます。
「そういえば、直和は分家の出なのかい?」
「おう、分家も分家の三男坊じゃ。――なんぞあるか?」
 響と直和の話を聞きながら、瞬の方はといえば辺りを警戒し再び月読の結界を張っております。
 ――鍋島家は主家竜造寺の地位を奪うなど、かなり大胆なことをしでかした家と聞きますが、今は家を出て自らの道を歩む剣豪。
「これが鍋島家の因縁でしたら見過ごしもしましょう。しかしあのような輩に斬られるいわれはないはず。だからこそ私たちも加勢するのです」
 瞬の真摯な言葉に、直和こくりと頷きまして。
「命ば救われた身じゃ、疑いはせん」
 なんてぇ事を言っている間に奏の方も追いついてまいります。さあこれで一安心と息をつく四人。しかし、真田と配下の浪人たちは、未だ彼らをあきらめてはおりません。
 近くの草むらから一人の浪人が立ち上がりますってぇと、自らその手の平をかき切った。ぱっと舞い散る血飛沫が、いかなる悪鬼のなす技か、無数の鬼火に変じて響たちへと降り注ぐ。咄嗟に奏が水の加護でもって鬼火を防ぎ、瞬が結界でもって相手を縛りますてぇと、響が一息で浪人まで間を詰めて、真紅の刃で一刀両断。その首を切り落とした。
 周囲を見やれば、一面草原の中、遠く揺らめく無数の鬼火。
「あの飛んでくる炎が厄介だね。直和、どこか近くに隠れるのに良さそうな場所とかあるかい?」
「近場じゃとそうじゃな、あちらに大岩があったはず」
 と、直和が指さしたのは今まさに浪人たちの追ってくる方向。その言葉に響がにっこりとほほ笑みまして。
「それじゃあ――釣り野伏と行こうか」

「さあ、ここから出てってください! そこっ!」
 気合と共に奏の剣から放たれる衝撃波が、浪人を潜んでいた叢ごと吹き飛ばす。燃える血しぶきをまき散らそうとする浪人があれば、瞬が月の結界でもって動きを封じる。そうして三人は追っ手を返り討ちにしながらも、じわりじわりと後退していく。
 さて四人を追う浪人たち。月明かりはあるとはいえひどく草の生い茂った草原での事。普通ならば容易く見失う状況ではありますが、一つ目印になるものがありました。瞬が結界を生じさせる際に放たれる月の如き光、浪人たちはそれを目指すように包囲網を縮めてまいります。光に気を取られるまま通り過ぎた大岩の裏、そこに黒装束に身を包んだ響が潜んでおりました。
 バサリとマントを翻し、腰の剣を抜きますってぇと、響は浪人たちの背中へ目掛けて一気に駆け寄り、続けざま一人二人と切り倒す。おのれ奇襲か、と放たれる無数の鬼火。しかし、この鬼火が血飛沫と同じ軌跡しか辿らぬことを響は様々な戦闘経験から見切っておりました。鬼火と鬼火の合間を駆け抜けて、三人目、真っ向両断、切り捨てる。たじろぐ浪人たちへ切っ先を向けますってぇと。
「アンタたちにこの街を好き勝手にはさせないよっ! とっとと江戸から退場しな!!」
 響の奇襲で混乱する追っ手たち、当然それは追われる奏達にも伝わります。三人身を翻し、浪人たちへ逆に切り込んでいく。先頭を行くのは瞬でございます。
 月下に金髪をたなびかせ、浪人たちへと駆けていく。浪人たちの方も瞬に気付き、間合いを詰めようと駆け出しますが、とうに瞬の間合いでございます。瞬が手にした杖をふるった瞬間、放たれた衝撃波が草むらを薙ぎ、浪人たちが武器を落として、血を流してうずくまった。瞬の放った不可視の剣閃が、浪人たちの刀と体を切り裂いておりました。
「1人の方を集団で襲おうとしたんです。これぐらいの事は許されますよね?」
 瞬がより近い位置で衝撃波を放っていれば、あるいは武器を取り落としさえしなければ、浪人たちの反撃もあったかもしれません。しかしこうなってしまえば為すすべなく、浪人たちが一人また一人と倒れ伏す。
 こうして響たちは、混乱する浪人たちを打ち倒してまいります。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

小日向・いすゞ
【狐剣】
やあ
そうっスねぇ
困っている人は助けるように躾けられているンスよね
アンタたちを救えなかった事は悪いたァ思っているっスが
陰陽家に名を連ねる小日向の娘として、更に命を刈ろうってェのは見過ごせないっス
除災招福、祓を始めると致しましょう!
そういう訳で頼んだっスよ、センセ!

なんたってあっしは前に出るのは得意じゃァ無いっスから
センセの背中を守る事で精一杯
あとはそう、剣豪サンの背中もっス

取り出したるは相剋符
水は火に剋ち
センセ達を穢す血を祓う事くらいはできましょう

逃げる訳じゃないっスが
逃げ足は早い
剣から逃げて、杖で叩いて、符を撒いて

やあ
そちらには天一神がいらっしゃる!
障りが出ても知らないっスよ
なんて軽口


オブシダン・ソード
【狐剣】
多勢に無勢とは捨て置けないね
剣士ならぬ『剣』として、一つ助太刀致すよ、ふふふ
いやあ一回言ってみたかったんだよねえ、こういうの

落ちたと言えど軍神が憑依しているとあれば、相手にとって不足はない
器物の剣を抜刀、UCで剣を円状にばらりと並べるよ
見様見真似、車懸りの陣!
剣の列を、僕を中心に回転させて攻めていこう
返り血も切り裂いて、叢だって刈り取っちゃうけど、僕も目は後ろには付いてないからね
背中は任せたよ、いすゞ…あれ?

元は軍神の技だからね、劣勢になったら剣の操作をばらばらに
地に突き刺して足場にしたり、壁を作ったり
僕も逃げ回りつつ、味方と協力しながら戦おう

ええと
これも戦いの常、汚いとは言うまいな!



●狐と剣の厄祓い
 さて浪人たち、一時の混乱から立ち直って再び直和を押し包むように包囲網を作りはじめる。直和が今にも切りかからんと剣を構えた所へ、ふらりと現れたのは二人の猟兵。小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)とオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)でございます。
「さ、こっから先はあっし達が護衛に回るっスよ。なんせ困っている人はなるべく助けるように躾けられているンスよね」
「そうそう、多勢に無勢とあっては捨て置けないね。剣士ならぬ『剣』として、一つ助太刀致すよ、ふふふ。……いやあ一回言ってみたかったんだよねえ、こういう台詞」
 なんてぇとぼけたやり取りに、浪人たちすっかり毒気を抜かれます。そこへいすゞが、悲しげな眼差しと共に声をかける。
「アンタたちも真田の手に掛かった口っスね? そうなっちまう前に救えなかった事は悪いたァ思っているっスが……陰陽家に名を連ねる小日向の娘として、更に命を刈ろうってェのは見過ごせないっス」
 いすゞの言葉に、直和はハッと目を見開いた。言われてみれば浪人たち異常なほどに生気がない。いや燃え盛る血を体に流し無事であろうはずもない。さては真田神十郎の妖術によって、死してなおその骸を弄ばれた同胞であったか。猟兵達の手助けが無ければ己もまた……。身震いをする直和を背に、いすゞは引導を渡すように符を構える。
「除災招福、祓を始めると致しましょう! そういう訳で頼んだっスよ、センセ!」
「ああ、落ちたと言えど軍神上杉謙信が憑依しているとあれば、相手にとって不足はない!」
 オブシダンが黒曜石の剣を抜き、横なぎ一閃、空を切りますってぇと、ズラリ居並ぶ無数の剣。百にも及ぶ全ての剣がオブシダンの念ずるままに浮かび上がり、三人を囲うように大きな円状にばらりと並んで回りだす。その光景に、浪人に宿った上杉謙信が、「退けぇい」っと、声を上げた。
「気付いたかい、元は軍神であるあなたの技だからね。行くよ、見様見真似、車懸りの陣!」
 刃の円陣を回転させながら、浪人たちへと切り込んでいくオブシダン。彼の後に直和が続き、いすゞが背後を警戒しながら駆けていく。
 ならばと一人の浪人がオブシダンの前に立つ。迫る刃に引きもしない、自ら剣に引き裂かれますてぇっと、ばっと吹き出す血の鬼火。
「おっと、その血は祓わせてもらうっスよ。水剋火!」
 三人目掛けて降り注ぐ鬼火へ、いすゞが投げ放ちました相剋符。鬼火に触れる寸前、ボッと燃え上がったかと思うと大量の水に変じて、降り注ぐ鬼火を消し飛ばす。そうする間にも、オブシダンの方は辺りの草むらに浪人が身を潜められぬよう切り裂いていく。それを見て、浪人たちも歯噛みをする。
「くっ、身を潜めて刃の円陣の中に潜り込めば、容易に破れるものを!」
「止むを得ん、一つ一つ剣を叩き落せ! 鬼火は防がれる、容易に切られるな!」
 浪人たちもその身に軍神を宿しております、即座に作戦を変えてくる。さあこうなりますと、浪人を切る数と、剣を叩き落される数のどちらが多いかの勝負でございます。一人二人と切る内に、三つ四つと剣が落ちる。

 そうした攻防を続けるうちに、徐々に剣の円陣が小さくなり、後方から襲い掛かる浪人が増えてくる。切りかかる浪人の剣をいすゞはしゃがんで躱し、狐杖でもってその頭部を殴り付ける。
「僕も目は後ろには付いてないからね。どうしても操作はおろそかになる。背中の守りは任せたよ、いすゞ……あれ?」
「センセ、円陣もこれだけ小さくなっちまうともう無理っス、潮時っスよ」
 そう言って剣の陣を抜け出すいすゞ。オブシダンも頷き残った剣をバラバラに空中に浮かび上がらせる。
「そうだね、それじゃあここから先は乱戦と行こうか!」
 三人を押し包み、切り倒さんと殺到する浪人たち。その斬撃をいすゞが躱し、オブシダンが防ぐ。反撃とばかりに剣を振るって一人二人と切り捨てると、吹き出す鬼火をいすゞが祓って二人を守る。
 まずはあの邪魔な陰陽師からってんで浪人たちはいすゞに狙いを定め、やたらめったらに斬って掛かる。いすゞも杖でもって反撃しますがたまらない。刃を躱し逃げ回る内に、ばったりと川に行き当たる。
 追い詰めたりっと剣を構える浪人へ、いすゞはひたりと人差し指を突き付けますと。
「やあ、そちらには天一神がいらっしゃる! 障りが出ても知らないっスよ、軍神様」
 苦し紛れを、と浪人が踏み込んだ瞬間、その背中に黒曜石の剣が突き立った。オブシダンが援護のために放った宙を舞う剣でございます。
「ええっと――不意打ち、騙し討ちも戦いの常、汚いとは言うまいな!」
 オブシダンの言葉と同時に倒れ伏す浪人、それを尻目にいすゞが符を構え再び二人の援護に向かう。
 こうして、オブシダンといすゞの活躍でもって、浪人たちはさらにその数を減らしてまいります。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バルタン・ノーヴェ
POW行動 アドリブOK 絡みOK 適宜対応修正、OKデース!

「武士の矜持を歪めるとは、言語道断! ワタシが相手になりマース!」

とは言いつつも、ワタシは武士ではないので銃火器で鎮圧しマショー。
直和殿は後ろにかばって、UC《フルバースト・マキシマム》展開!
全身の内蔵武器、ガトリングガンを主軸にアームドフォードやグレネードランチャーなど、をバラ撒いて、浪人たちを近づかせないよう撃ちマース!
HAHAHA! 如何に優れた刀の腕前でも、接近できなければ届きマセーン! 弓か投げ小刀をご用意くだサーイ!
……ちょっと悪役っぽい気分になりマスガ、戦闘には卑怯も卑劣もありマセン! 観念してくだサーイ!


月白・雪音
…上杉謙信、『敵に塩を送る』の諺の元ともなった仁ある戦人と聞き及んでおりますが…。
世界が変われば有り様も変わるということでしょうか。

死者の身体を害することは些か気が進みませんが…、
彼らが己の生に誇りを持った武士なれば、
穢れを植え付けられた自らの血潮にこの地が染まる事こそを憂いましょう。


UCの発動にて、相対するは怪力、グラップル、残像を用いた高速戦闘
野生の勘、見切りによるカウンターあるいは回避も交え、
相手が自らの体を傷つける間も与えず、
打撃と極め技によるヒトの動作の根幹となる骨の破壊にて
徒に血を流させることなく敵性を撃破


…軍神の力を得たとて、それを振るうはヒトの体。
なれば、戦いようはいくらでも。



●武士の矜持と、死者の尊厳と
 さて、浪人たちの攻勢を押し返しひとまず窮地を脱した直和。しかし、浪人たちの足音は未だそこかしこの草むらから聴こえてくる。さて如何にするかと思案するところへ現れたのは二人の猟兵。
「アナタが直和殿ですネー、ワタシがお手伝いしマス!」
 舶来の給仕服を摘まんで優雅に礼をするのは、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。そしてもう一人、人の体に白い毛並み、白虎の特徴を現した月白・雪音(月輪氷華・f29413)。何とはなしにキナ臭い、火薬の香りを感じながらも直和が問いただす。
「ばってん、こん状況、如何にす?」
 二人が答えるより早く、四方八方から近づく、浪人たちの足音。策を練られる前に切り込んで来ようという腹づもりでございます。奇襲の気配にバルタンが動いた。
「オー! そのように武士の矜持を歪めるとは、言語道断! ワタシが相手になりマース!」
 バルタン即座に直和を後ろに庇いますてぇと、ガチャっと体に仕込んだガトリング銃で狙いをつける。火薬の匂いに気付いた浪人たち、足を止めようとしますが、勢いが止まらずたたらを踏んだ。
「飛び道具だと! 貴様っ、それでも武士かっ!?」
「ワタシは武士ではないのでオーケーデースッ! ファイヤーッ!」
 バルタンが引き金を引くと同時に撒き散らされる銃弾の雨。絡繰り仕掛けでもって連射する火縄銃でございます。いかに浪人たちが凄腕と言えど、遠間から打たれてしまえば、反撃の一刀も届きはしない。続けざまに放たれる銃弾でもってなすすべもなく倒れ伏す。
 しかし、浪人もいきり立って切りかった者たちばかりではない。背の高い草むらに潜む一人の浪人、息を殺し、足音を忍ばせながら、ソロリソロリとバルタンたちの後方から、奇襲を狙う。直和の方を一足一刀の間合いに捕らえ、ゆっくりと刀を抜いた瞬間。その後方から声がかかった。
「……上杉謙信、『敵に塩を送る』の諺の元ともなった仁ある戦人と聞き及んでおりますが……。それが騙し討ちですか。世界が変われば人の有り様も変わるということでしょうか」
 振り向く暇もあればこそ。背後に回った雪音が浪人の手首をつかんで、地面へと抑え込みまっすてぇと、空いた右手でその首を捉えた。ゴキリッと骨の折れる音が鳴る。
 もはや動かなくなった浪人の体を見下ろし、雪音が独り言ちます。
「このように死者の身体を害することは些か気が進みませんが……、彼らが己の生に誇りを持った武士なれば、穢れを植え付けられた自らの血潮によって、この地が朱に染まる事こそを憂いましょう。ましてや己が新たな犠牲者を生むことなど、決して望むことはないはず」

 さて浪人たちの攻撃を凌いだ三人、このままじり貧になるよりは、ってんで真田神十郎目掛けて打って出る。浪人たちの方も、バルタンたちの火力を知っておりますから、そう迂闊に近づけない。気配を殺し、待ち伏せを仕掛けようと致します、が。
「ンー、あの大岩の影怪しいですネ。安全確認しまショー」
 言ってバルタンが放ったのはグレネード、炮烙玉でございます。落下と同時、炸裂に巻き込まれまいと、岩陰からわっと飛び出す浪人たち。そこへバルタンがガトリング砲で仕留めに掛かる。
「HAHAHA! 如何に優れた刀の腕前でも、接近できなければ届きマセーン! 弓か投げ小刀をご用意くだサーイ!」
 伏兵が見つけれるならばっってんで、浪人たち後方から回り込もうと致しますが、それを察知した雪音が飛び込んでいく。背後からの不意打ちでもって一人の腰椎を外し、二人目の腕をへし折って、三人目。上段から切りかかってくる浪人へと、逆に踏み込んで籠手返し。ぐるりと地面へ投げ倒して、エイッっと鳩尾を打って止めを刺す。いかに浪人たちが燃える血を体に流していようと、血の一滴も流させぬ技でございますから、恐れるに足りません。
「……いかに軍神の力を得たとて、それを振るうはヒトの体。なれば、戦いようはいくらでもある。私達を甘く見ましたね」
 さて、浪人たちが次々に撃破され、さすがの真田や上杉にも焦りが生じた。
「なんなのだ、あの女たち。なぜことごとく伏兵を見破れる!?」
 不思議がる謙信でございますがそれも当然、雪音は幼少から武術をおさめると共に無類の野生の感を誇る拳士であり、バルタンもまた年若いながら無数の修羅場をくぐった歴戦の兵。どちらも並みの剣士では相手になりません。
 そうして進む三人の前にやがて見えてきたのは一本の松とその根元にたたずむ、赤備えの侍とその前に陣取る浪人たち
「あれが真田神十郎ですか。その前にあの浪人たちを突破する必要がある、と」
 雪音の言葉に、すべての火砲を展開するバルタン。
「まともに戦う必要はありまセーン! ……ちょっと悪役っぽい気分になりマスガ、戦闘には卑怯も卑劣もありマセン! さあ、観念してくだサーイ!」
 言葉と同時、一斉に放たれた無数の銃弾にグレネードが、雪音達の前の浪人を吹き飛ばしました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御剣・刀也
はっはっは
一宿一飯の恩と言うが、まだそう言う奴がいたか
気に入ったぜ。鍋島さんよ。出会ったのも何かの縁。多勢に無勢を見過ごしたら男が廃るってもんだ。
天武古砕流御剣刀也、推して参る!

侍の意地で、こちらの攻撃をくらってからの反撃を狙っているのなら、捨て身の一撃で反撃などさせず、一刀のもとに斬り捨てる
仕留めきれなくても、勇気でおくさず、第六感、見切り、残像で攻撃を避け、カウンターで斬り捨てる
「雑魚は食い飽きたぜ。なぁ、大将。とっととやりあおうや。お前くらいじゃなきゃ、俺は止められねぇぞ」


秋津洲・瑞穂
おやじさん、お団子を一串。

やれやれ、世に厄介事の種は尽きないものね(もぐ
しかし鍋島家と言えば、長岡伊勢守の末だったような。
お伊勢の狐としては、放ってもおきにくいわね。

仕方ない、働きますか。

そこの方、鍋島殿と申されましたか。
少々お話を伺いたく存じますが……騒がしいですね。
まずはこの者共を追い払わねば、おちおち話もできませぬ。

特に鍋島殿を護りはしない。斬られて死ぬならそれまでのこと。
その代わり人数を減らしておきましょう。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」

鎧無視攻撃40の剣刃一閃で斬る。わたしの神獣刀は実のところ
大太刀なので長尺遠間、一撃も重い。反撃など許さないわ。
片端から蹴散らしてくれる。



●縁は廻る
 これだけ騒動になりますてぇと、江戸市中にも事件の話がが伝わってまいります。
「親父さん、お団子を一串。――それにしても騒々しい事。世に厄介事の種は尽きないものね」
 なんてぇ事を言いながら茶屋で待つ妖狐の少女、聞くともなしにあたりの噂話に耳を澄ませる。
「おい、聞いたかい。向こうで喧嘩が始まったらしいぜ」
「あっちは神田川のほとりかい? で、誰と誰? 鍋島? ああ、八っつぁんとこの長屋の居候の」
「相手の方は良く分からねぇが、とにかく大勢で追い掛け回してるてよ。助っ人もずいぶん出てるらしいが……」

 運ばれてきた団子を咥えて、席を立ちますってェと、少女は尻尾を振り振り神田川へと足を向けます。
「鍋島家と言えば、たしか長岡伊勢守の末裔だったわよね。お伊勢の狐としては、放ってもおきにくいし。仕方ない、一仕事しましょうか」

●剣戟、交錯す
 さて、その鍋島直和、再び真田神十郎の前に立ちまして剣を抜く。
「あのまま逃げれば良いものを。わざわざ向かってくるとは手間が省けるというもの」
「捨て置けるものかよ、世話んなった街ば焼かれると聞いて、一人おめおめと逃れるほど恥知らずではなか!」
 真田方に残る浪人僅かに六名。それとて容易には戦えぬ相手ということは直和の方も承知の上。じりじりと油断なく目を配りながら、間合いを詰めていく。そこへ響く不敵な笑い声。
「はっはっは。騒々しいと思って来てみれば、面白い男がいるもんだ。一宿一飯の恩と言うが、今時まだそれを言う奴がいたか。気に入ったぜ。鍋島さんよ」
 射干玉の闇の向こう、ぬうっと姿を現しましたのは身の丈六尺三寸もあろうかという偉丈夫、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)でございます。
「ここで出会ったのも何かの縁。多勢に無勢を見過ごしたら男が廃るってもんだ。助太刀させてもらうぜ」
と、刀夜が抜刀するのと同時、横合いから声がかかった。そこにいたのは妖狐の少女。
「御免。そこの方、鍋島殿と申されましたか。少々お話を伺いたく存じますが……」
 少女はあたりの浪人へ視線を走らせますってぇと、浪人目掛けて何やら投げ放つ。抜刀一閃、切られて落ちたは団子の串。
「まずはこの者共を追い払わねば、おちおち話もできませぬ。私も助太刀いたしましょう!」
 スラリ刀を抜いて、浪人たちへと切っ先を向ける秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)、彼女もまた猟兵でございます。
「天武古砕流、御剣刀也。推して参る!」
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります!」
 二人の名乗りを皮切りにたちまちはじまる大乱戦。右で瑞穂が浪人へと切りつければ、左で刀也が浪人の斬撃を受け流す。直和が浪人と鍔迫り合いをするところへ、背後からまた別の浪人が切りかかる。そこへ刀也が割って入って切っ先を弾き、体勢が崩れた浪人を、すぱりと瑞穂が切り捨てる。
 チャンチャンバラバラ斬り合ううちに、刀也は浪人たちの剣技に奇妙な点を見出します。浪人たち、刀也の剣を避けようとせず、むしろ一歩踏み込んでくる。その剣に刀也は覚えがありました。肉を切らせて骨を断つ、相打ち狙いの捨て身の剣でございます。
 ならばっと、刀也が取った作戦はおのれもまた捨て身となる事。二の太刀などは考えず脇構えに浪人の懐へ踏み込みますってぇと、違うまいか浪人もまた防御を捨てて真っ向大上段に振りかぶる。気合一閃、刀也が揮う横一文字に、浪人の放つ唐竹割り。一瞬の交叉の後、刀也の背後で浪人の体が倒れ伏した。刃を恐れぬ刀也の斬撃は、浪人に反撃を許すことなくその胴体を存分に切ったのでございます。
 さて瑞穂もまた、浪人たちの相打ち狙いには気づいております。そこで彼女が取った対策は刀也とは真逆。神獣刀の長さを隠すように霞に構えますってぇと、あえて浪人への踏み込みを浅くする。斬られる間にせめて一太刀ってんで踏み込む浪人。その喉元目掛けて、ヤッと瑞穂が切っ先をつき通し三寸ばかり切り破る。浪人咄嗟に刃を振り上げますが瑞穂までは届きません。それもそのはず瑞穂の神獣刀は長尺遠間の大太刀、その切っ先がようやく食い込む程の距離では、並の刀では反撃すら許されません。そのまま浪人が倒れ伏す。
 さあこうなってしまえば浪人たちに勝ち目はありません。決死の刃も刀也に躱され、瑞穂の残像に惑わされ、返って二人の逆襲を食らう始末。最後の一人、破れかぶれで直和に切りかからんとしたところで、刀也にその首を落とされた。
 さて、刀也。銘刀獅子吼を一振り、血を払いますってぇとその切っ先を真田神十郎に突き付ける。
「もう雑魚は食い飽きたぜ。なぁ、真田の大将。とっととやりあおうや。お前くらいじゃなきゃ、俺は止められねぇぞ」
 その言葉に、真田神十郎、とうとう腰に差した妖刀村正を抜き放つ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『真田神十郎』

POW   :    不落城塞
戦場全体に、【真田家の城郭】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    神速十字斬
【両手の十字槍と妖刀による連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    侵略蔵書「真田十傑記」
自身が戦闘で瀕死になると【侵略蔵書「真田十傑記」から10人の忠臣】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蛇塚・レモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●真田神十郎の妄執
 さて真田神十郎、ぐるり猟兵たちを見回しますってぇと、苦々しげに声を上げる。
「謙信殿本人ではないとはいえ、これほどの兵達を打ち倒すとは。もはやお前達を侮りはするまい。一人一人確実に仕留めさせて貰う!」

 いうなり神十郎が力一杯拳を地面に叩きつければ、たちまち現れる無数の壁。所狭しとたなびくは六文銭の旗印。神十郎がかつて住まった真田の城壁でございます。
 壁によって孤立した鍋島直和。周囲を警戒しながら後退し壁に背をつけた。
「おのれ、神十郎。狙いはワシかっ!」
「然り」
 頭上から響く神十郎の声。はっと直和が見上げれば、神十郎、壁を足場に跳躍し、直和目掛けて槍をふるう。直和も何とかこれを受けますが、さすがに大きく体勢を崩した。

 神十郎それを見逃すはずもなく、素早く妖刀村正を引き抜きますってぇと、さらに直和へと畳みかける。右の村正、左の十字槍、操るは堕ちたりと言えども日の本一の兵、真田神十郎。一合二合と防いではおりましたが、三合目、振り下ろされた十字槍が左の肩に突き立った。これだけの深手を負えば、もはや千に一つの勝ち目なし、ならば万に一つの勝機掴むべしってんで直和は肚を決めますと、大きく踏み込みながら手にした刀を神十郎目掛けて投げ放つ。神十郎、咄嗟に村正でもって刀を打ち払ったが、直和、既に一足一刀の間合いの内、懐中より懐刀を抜き放ちますってぇと、神十郎に斬りつけた。ぱっと舞い散る赤い飛沫。

 さあもう一太刀ってんで直和が刃を返す、ここで神十郎、悪知恵を働かせまして、懐の侵略蔵書に手を掛けた。
「来いっ、佐助!」
 ヒュッと舞い込むつむじ風、吹き上がった落ち葉が直和を襲い、神十郎の姿を覆い隠す。直和、視界の利かぬままに懐刀を振り下ろすが、手応えがない。不意に風が止み、木の葉が地に落ちるが、神十郎の姿は影も形もない。呆然とする直和の背中に、一つ二つと四方手裏剣が突き立った。はっと直和が振り向いた先、遠く草原の中に立つ真田神十郎と、その足元にかしずく一人の忍び。誰あろう真田十勇士が一人、猿飛佐助でございます。
「これぞ忍法木の葉隠れ! 神十郎さま、他の十勇士は?」
「浅手ゆえ、全員は呼べぬ。だが、猟兵たちと戦ううち必ずや深手を負って瀕死となる。その時こそ、お主等らの力、十全に使わせてもらう」
「やれやれ、そんなに手ごわい相手なら逃げてもらいたいんですがね」
「そうはいかぬ。この者らは徳川の手の物。クルセイダーの為……豊臣の世を生み出す為には必ずや打ち倒さねばならん」
「全く、神十郎さまの太閤贔屓にも参ったものだ」
 言葉と同時に術が解け、猿飛佐助が、周囲の城郭が掻き消える。

 草原の中、周囲の猟兵たちに目を配りながらも、神十郎は冷酷に直和の傷の具合を見る。
 ――反撃には驚いたが、充分に傷めつけた。奴を庇ううち必ずや猟兵達にも隙ができよう。それこそが最大の勝機。

 さあ始まりまする大一番。片や真田神十郎と十勇士、対するは天下御免の猟兵達。彼らの背後に輝くのは、江戸に住まう人々の営みの灯。江戸の町の平和がこの一戦にかかっておりました。
オブシダン・ソード
【狐剣】
真の姿、いすゞの剣として
いやあ、妖刀と聞いたら黙っていられないよ
僕もアドバイスはするから、がんばろうね相棒

直和さん狙いの攻撃を庇い、剣で受け止めてもらおうかな
当然一発じゃ終わらないだろうけど、連撃にはこちらもUCで
力を借りるよ管狐。じゃあいこうか、一刀流――神速十字斬
なーんて
やっぱり真っ向から対抗したいよね?

使い手を導く形で高速連撃
相手と噛み合えば戦況は拮抗…ううん
ごめんね、僕は槍にはなれないから…

はいはいがんばって、日頃の走り込みの成果を見せる時だよ相棒
相手もきっと疲れてる
とか根拠のない声援で鼓舞
押され気味の戦況も、君なら何とか…
ああ、お見事

隙を見れば共に一撃を
その首もらった、ってね


小日向・いすゞ
【狐剣】
武器で受けるのは得意っスけれど
喧しい剣を手に

へぇへぇ、頑張るっスけれど
前に出る事は苦手だと、耳が倒れる程に言ったンスけれど
結局正面突破じゃないっスか、アンタの趣味っスよねェ
狐は搦手の方が得意なンス

剣の動くがままに、動きを委ね
確かに武器が足りて無いっスねェ!?
雑な声援で正面突破させないで欲しいンスけれど!?

しかししかし
途中で止められないのは相手も同じ
ならば手札の数に物をいわせましょう
なんたって狐は搦手が得意っスから
少しは油断してくれていれば十全

敵の足元へスネコスリよろしく
喚び出しておいた管に飛び込んでもらいましょう
まあ搦められて貰ってほしいっス~

さぁて、相棒
かっちょくキメましょうか


バルタン・ノーヴェ
POW行動 真の姿解放
アドリブも絡みもOK!
他の方との連携があるとうれしいデース!

「オー、これは真田の一夜城デスネー!」
城である以上は門があるはずデース。それを破壊して、皆が直和殿と合流するのを容易にしマース!

……真の姿、軍装を纏い冷徹な軍人として活動を開始するであります。
真田や奴の手勢へは、銃火器による【弾幕】や【爆撃】、ファルシオンでの【受け流し】であしらうであります。

城門を発見後、速やかにUC《粉塵纏・破城槌》を起動。
辺りを煙で覆い隠すことで妨害されぬよう目くらましを施し、門に対して一撃粉砕を敢行するであります。
これにて城郭は丸裸。あとは大将首を落とすだけでありますよ。
皆様方、ご武運を。


御剣・刀也
真の姿、いしはま絵師のJC参照

け、やることがせこいぜ。日の本一の兵なんだろ?
なら真っ向勝負をしようや
シンプルに、こいつを使ってさぁ!

不落城塞で城郭を作られたら、ダッシュで迷路の中を移動しつつ、第六感で道を選択し、鍋島の所についたら、神十郎めがけて斬りかかる
真田十勇士を出されても、心は熱く、頭は冷静に、武器受け、見切り、残像で十勇士の攻撃を捌きつつ、勇気で踏み込んで捨て身の一撃で斬り捨てる
「真田十勇士に日の本一の兵。闘えるだけでワクワクしてくるぜ。さぁ、やろうや。俺かお前、どっちかが立てなくなるまでなぁ!」


月白・雪音
…敵の首魁に手が届きましたか。
しかし鍋島様は未だ敵の間合いの内、
先ずは彼の身を確保せねばなりませんね。


UCを発動、残像にて神十郎へ間合いを詰め、
繰り出された連撃を野生の勘、見切り、高速思考力にて軌道を掴み、
カウンター、部位破壊にて槍の柄を拳打、村正を白刃取りにてそれぞれへし折る

拳の間合いに神十郎を捉えれば、
止められぬ連撃に合わせカウンター、グラップル、怪力、体勢を崩すにてその体を遠く投げ飛ばし、
立て直す前に残像にて即座に後退、
倒れる直和の体を抱え、残像の速度そのままに戦場を離脱する


…このまま休むも、手当の後に戦場に戻るも貴方の意思ゆえ止めは致しません。
ただ…、屍を晒す恥だけは避けられますよう。


西院鬼・織久
狩るべき敵の気配を追ってみれば、良い獲物がいたものです

我等が怨念滾らすは死合いを以て流れる互いの血肉
いざ喰らい合わん

【行動】
五感と第六感+野生の勘を働かせ周囲を把握し敵と剣豪の動きを察知し行動を予測。敵を引きつけ剣豪へ攻撃を向けさせない

先制攻撃+ダッシュで接近、なぎ払い+切断の傷にUCを流し込み傷口を抉ると同時に怨念の炎(呪詛+焼却+生命吸収)の継続ダメージを付与
敵攻撃を武器受けで受け流して回り込み怪力+串刺し、怨念の炎を流し込む

敵UCの城郭が攻撃要塞なら残像を生む速度で回避、武器受けで防御しながらUC+範囲攻撃で焼き払う
迷路なら付与した怨念の炎を目印に追跡
傷は耐性と精神系技能で無視


真宮・響
【真宮家】で参加

おや、勝ちを狙うにはどんな手も使うんだね。凄い執念だね。でも平和を乱すような輩に直知は殺させない。直知はこれからのサムライエンパイアに必要な人材だ。

直知を狙う神十郎の動きを牽制するか。【オーラ防御】して【ダッシュ】。【残像】をしながら【衝撃波】を放てば敵の目を引き付けられるだろう。真紅の騎士団の力も借りて敵の攪乱を。敵の隙は【戦闘知識】で見つける。隙を見つけたら【気合い】【体勢を崩す】【怪力】【グラップル】で渾身のパンチ→蹴り飛ばし。悪いが今は徳川の世だ。アンタの出る幕はない。おとなしく骸の海に還りな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加

直知さん!?大丈夫ですか?流石真田の名前は伊達ではない、ということですか。でも神十郎、貴方はここまでです。その闘志見事なれど、サムライエンパイアを護りたい私には阻止すべきものです。

【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で防御を固め、【怪力】は併用して、敵の連続攻撃をしっかりと受け止めます。直知さんに攻撃がいくならしっかりと【かばう】。攻撃には蒼穹の騎士にも手伝ってもらって、敵に隙が出来たら【二回攻撃】【衝撃波】で攻撃。これが平和を願うもの達の力です。戦だけを呼び起こす存在は不要です!!さあ、骸の海に還りなさい!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

直知さんは殺させませんとも。今目の前にいる戦狂いと直知さんとはなにかを残す意味では雲泥の差がある。引き際をわきまえないのは命取りだと教えてあげましょう。

あちらは十勇士を呼びますか。ではこちらは月読の同胞に助勢を頼みましょう。僕自身は【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】を仕込んだ【結界術】を【範囲攻撃】化して十勇士と神十郎を纏めて拘束することを狙います。敵の攻撃は【オーラ防御】【第六感】で凌ぎ、ダメ押しで【武器落とし】【吹き飛ばし】を併せた【誘導弾】を神十郎に。戦はなにも生みません。平和を乱すような存在はこの世界にいりません!!勝ちは頂きましたよ。


秋津洲・瑞穂
真田、か……。

ここは剣技で攻めたいけれど。
さすがに昌幸殿の薫陶よろしきと言うべきかしら、
城壁も堅いわ。これは時間が掛かるわね。

でもまぁ、他の猟兵もいるんだし、保つでしょう。
こたびばかりは剣術の深奥を示してやらないと気が済まない。

「鹿島の太刀を継ぐ新当流太刀術の剣豪にして、
 建御雷神由来の神太刀を佩く伊勢流の巫女」
「その始原たる神妙剣の妙理、その一太刀をとくと見るが良い」

神獣刀を正眼に構えて、長い長い吐息を一つ。

剣刃一閃に鎧無視攻撃となぎ払いとを乗せて、城壁を斬る!

城壁がUCの産物である事実には、カウンター技能が利く。
城壁を割りながら進軍し、いざ。
神十郎と激突する刹那の残像で、初太刀が届くわよ。



●真田と十勇士 対 十人の猟兵
 さて真田神十郎を取り囲み、じりじりと間合いを図る猟兵達。その中で変わった動きを見せた猟兵が一人、オブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)でございます。
「徳川殺しの妖刀村正か。相手にとって不足なし」
 言ってオブシダンは真の姿――黒曜石の剣へと変じる。小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)は不承不承といった表情で、オブシダンの柄をとる。
「前に出る事は苦手だって、耳が倒れる程に言ったンスけれど」
「いやあ、妖刀と聞いたら黙っていられないよ。分かるだろう? ほら僕もアドバイスはするから、がんばろうね相棒」
「へぇへぇ、頑張るっスけれど」
 なんてぇ事を言う間に、神十郎、ことさら見せつけるように十字槍を大きく振りかぶり、鍋島直和、目掛けて振り下ろす。
 いすゞ、咄嗟に飛び込みますってぇと、振り下ろされた穂先を剣でもって受け止める。お誂えってんで神十郎が村正をすっぱ抜き、横一閃切りかかりますのを、黒曜石の剣が自ら動き、その一撃を受け止めた。舞い散る火花に、照らし出された毛むくじゃら。煙の如き管狐が剣に潜り込む。
「力を借りるよ管狐。奴の技、見取ってもらうよ。じゃあいこうか、一刀流――神速十字斬!」
 さあ神十郎が十字槍と村正でもって、息も吐かせぬとばかりに切りかかる。その斬撃へいすゞは真っ正面から切り込んでいく。
「優れた剣豪には、やっぱり真っ向から対抗したいよね?」
「結局正面突破じゃないっスか、アンタの趣味っスよねェ。狐は真っ向勝負より搦手の方が得意なンス」
 五合六合と斬り合って、いすゞは大きく踏み込み片手突き。神十郎、迫る切っ先を見据え十字槍の石突でもって、いすゞの肩を突く。体勢を崩され狙いを外しながらもいすゞの突きは、神十郎の頬を深く切り裂く。仕返しとばかりに打ち込まれる妖刀村正、その斬撃をいすゞは返す刃で切り払う。その剣筋はさながら先の神十郎の村正の如し。
「その技、その剣――我が剣筋を盗んだかっ!」
 苦々しげな神十郎の視線の前に、いすゞは涼し気に笑ってのける。

 小癪なっとばかりに村正を振りかぶる神十郎、そこへとびかかる白い影。月白・雪音(月輪氷華・f29413)でございます。神十郎が迎え撃とうと十字槍と村正でもって切りかってくるのを、雪音はひらりひらりとかわして間を詰める。神十郎、雪音の踏み込みを狙ってエイッと村正で切りかかる、その斬撃が確かに雪音の姿を捉えましたが、手ごたえがない。さては残像っと気付く暇もあればこそ、雪音が神十郎の懐に飛び込みんだ。そのまま足を払い神十郎の体が宙に浮いた瞬間、勢いのまま右の拳を神十郎へとたたきつける。響く轟音、吹き飛ぶ神十郎。その姿を尻目に、雪音は倒れていた直和を抱えて、戦場から離脱しようと走り出した。
「敵の首魁に手が届きましたが――まずは彼の身の安全を確保しなくては」

「逃すな、佐助っ!」
 神十郎の叫びに応えるように草むらから雪音目掛けて放たれる八方手裏剣。それを防ぎに入りましたのは真宮・奏(絢爛の星・f03210)。小ぶりの楯を構えて手裏剣を受け止め、背後の直和たちへと声をかける。
「直知さんはっ!? 大丈夫ですか?」
 応えるように上がる直和の呻き声。安堵の息をつく間もなく、立て続けに放たれる手裏剣の雨。こうなってしまうと奏も迂闊に動けない。背後の雪音や直和の守りがなくなる。
 そうする間に神十郎、体勢を立て直しまして、奏たち目掛けて走りだす。そうはさせじと駆け出しましたのは真宮・響(赫灼の炎・f00434)と神城・瞬(清光の月・f06558)。
「先の助言に従っておけばよいものを。引き際を弁えないのは命取りだと教えてあげましょう」
 瞬が一言二言、呪文を唱えますってぇとやにわに冴えわたる月の光。月光の中、瞬の隣に現れた一人の戦士、月よりの使者、瞬の同胞でございます。物も言わずに弓を番えますってぇと、草むら目掛けて矢を打ち込んだ。ギャッと響く佐助の悲鳴。手裏剣が止み、逃れるようにざわめく草むら。
 おのれっと速度を上げる神十郎が間合いに入るより先、響が神十郎目掛けて手にした剣を振り下ろした。無論その切っ先は神十郎には当たらない、しかし込められた殺気に当てられたかのように神十郎が横に跳び退る。刹那の間、闇夜にたなびく神十郎の髪がハラリと落ちた。剣を極めたものだけが扱える、遠当て、気当りという技でございます。二度三度と剣を振るう響、遠間からの剣戟をあるいは躱し、あるいは受けながら、神十郎は飛び掛かるすきを窺う。その視線が時に直和へと向かうのを見て、響が苦笑する。
「全く、勝ちを狙うにはどんな手も使うんだね。いやはや凄い執念だ。でも殺させないよ。直知はこれからのサムライエンパイアに必要な人材だ」
「町人の世話になり、居候をするような侍がか」
 言葉と同時、響めがけて放たれる手裏剣を奏が手にした盾で弾き落す。
「少なくともアンタみたいに、戦乱を望み、平和を乱したりはしないさ」
 言って響が放った衝撃波、その一撃を躱そうと神十郎が身構えた所へと瞬が割って入った。
「何かを残すという意味でも、彼はあなたのような戦狂いとは雲泥の差がある」
 同時に瞬が放った月光の結界が神十郎の動きを止めた。そこへ直撃する響の遠当て。その斬撃が神十郎の肩を存分に引き裂きました。
 パッと飛び散る赤い飛沫、その最中で神十郎がさらに十勇士の名を叫ぶ。
「甚八! 十蔵!」
 月下に現れた二つの人影、一人は火縄銃の名人筧十蔵、そしてもう一人は赤備えに、十字槍、妖刀村正を腰に差し、記した紋は六文銭。さながらもう一人の真田神十郎。真田三人の影武者の一人、根津甚八でございます。

 三人居並ぶ光景に、不敵に笑みを浮かべる男が一人。御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)でございます。
「良いねぇ、真田十勇士に日の本一の兵。そんな連中と闘えるってだけでワクワクしてくるぜ。さぁ、やろうや。俺かお前、どっちかが立てなくなるまでなぁ!」
 言葉と同時に切り込む刀也、その一刀を神十郎が受け止めますってぇと、もう一人の神十郎が刀也の背後から斬りつける。振り下ろされる村正を受け止めたのは秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)が抜き放った神獣刀。二人目掛けて火縄銃を構える十蔵、その指が引き金を引くより早く、降り注ぐ無数の鉛玉。バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が牽制に放った銃弾でございます。いかに十蔵が名人と言えど自らが狙われている中、狙撃などはできません。草むらへ潜むようにして姿を隠した。
 そうする間に瑞穂は村正をはじき返し、神十郎の隙を伺いながらも舌を巻く。
――真田、か。ここは剣技で攻めたいけれど。さすがに昌幸殿の薫陶よろしきと言うべきかしら、これは一筋縄ではいかないわね。
 攻めあぐねるうち、頭に浮かぶのは直和の身。しかし、雪音や他の猟兵に任せておけば、そうそう身に危険は及ぶまいと考え直す。
 ならばっと切り込んだ一刀を、神十郎は十字槍で逸らし薙ぎ払う様に村正で切り付ける。瑞穂その刃に逆に踏み込み、地に伏せるほどに低く身をかがめ、刃の下を駆け抜ける。瞬間、すれ違いざまに放った逆袈裟の一閃が神十郎の胴を切り裂いた。神十郎、地に倒れながらも身を翻し、瑞穂の背中めがけて十字槍を薙ぎ払う。
「それは、通しまセーン!」
 バルタンの言葉と共に放たれた鉛玉が神十郎の体を捉え、その追撃を阻みます。
 さてもう一人の真田神十郎、助太刀に入ろうとするが刀也がそれを許さない。十字槍の突きを刀で受け止め刀也は神十郎目掛けて走り出す。振り下ろされる村正にハラリと落ちる刀也の前髪、しかし薄皮一つ切れてはいない。刀也は既に、神十郎の剣を完全に見切っておりました。そのまま村正の峰を踏みつけて動きを封じ、振り下ろした一刀でもって神十郎を袈裟懸けに切り下す。咄嗟に刀也を蹴り飛ばす神十郎、体勢を崩した刀也目掛けて村正を振り上げた。

 そこへ飛び込む黒い影、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)でございます。織久、手にした剣でもって村正を弾きますってぇと、そのまま神十郎へと切りかかる。振り下ろした刃を神十郎が十字槍で受け止めて鍔迫り合い。
「我等の狩るべき敵の気配を追ってみれば、良い獲物がいたものです」
 ぎりぎりと力任せに押し込む織久。神十郎、空いた左手でもって村正を振り上げ、織久の目を狙う。切っ先が掠め、珠のような血の雫が織久の顔を滴り落ちる。しかし、織久はひるむことなく。さらに神十郎目掛けて自らの剣を押し込んでいく。
「我等が怨念滾らすは死合いを以て流れる互いの血肉。血には血を、刃には刃をもって返そう。いざ喰らい合わん」
 押し込んだ刃の切っ先が、とうとう神十郎の額に食い込み、引き裂いていく。その痛みから逃れようと神十郎が思わず身じろぎをした瞬間、織久が十字槍を弾き飛ばし返す刃で神十郎の肩を貫いた。溢れる血と身の焦げる音、織久の刃に宿る西院鬼一門の怨念と殺意が漆黒の炎となって神十郎の身を焼いていく。

 響き渡る神十郎の悲鳴。同時に城郭を呼び出したのは、一体どちらの神十郎だったか。再び月下にはためく六文銭の旗。そして猟兵たちを分断するように白い城壁が迷宮となって、真田神十郎を守ります。

 さて迷宮の内を進むいすゞとオブシダン。分かれ道に突き当たるたび、太極図と星を見比べ進む道を選んで参ります。
「やれやれ、迷宮か。いすゞ、どうにかできるかい?」
「卜占でもって道を診るのはできるっスけど。……っと!」
 曲がり角でもって咄嗟に跳躍するいすゞ。直後に響く轟音、一瞬前まで彼女がいた場所に巨大な金棒が叩きつけられておりました。ゆっくりと金棒を持ち上げ、現れたのは身の丈六尺ほどの大入道。
「三好晴海入道、神十郎様の命により、お主らの命頂戴いたす」
 その言葉に、いすゞもまた剣を構えます。

 また一方、迷宮を進む真宮家の三人のもとにも、十勇士の一人が襲撃をかけておりました。やたらめったに金棒を振りまわす僧形の大男。
「カッカッカッ! この三好伊三入道を相手に、良く戦うものじゃ!」
 振り回される金棒を奏が盾で防ぎ、背後から響が切りつける。反撃とばかりに響の頭上へ金棒を振り下ろす伊三入道、咄嗟に瞬が月光の結界で動きを止める。ぱっと響が飛び退いた直後、伊三入道が結界の法力を跳ね飛ばして金棒を叩きつけた。
 そこへ奏が切りかかり、伊三入道の体を存分に切り裂きますが、伊三入道はなおも笑う。
「カッカッカッ! 儂を仕留めるにはまだまだ足りんぞっ!」
 さらに勢いを増す伊三入道の金棒。ならばっと響が号令を発し、およそ百人にも及ぶ真紅の騎士達を呼び寄せる。振り回される金棒を騎士団たち、あるいは躱し、あるいは受け止め、また後背から一気呵成に切りかかる。ええい小癪なってんで、伊三入道騎士団たちを薙ぎ払おうとするが、そこへまた月読の同胞が矢を射掛け、怯んだ所へ奏が金棒をはじき返す。そうこうする間に真紅の騎士団、一人また一人と合体して力を束ねますってぇと、響の命令のままに陣を組み、伊三入道へと切り込んでまいります。

 直和を退避させるため大きく距離を取っていた雪音は、丁度城郭の外におりました。地面に直和を寝かせ、手早く応急処置を進める内に、ひょいと顔を出した二人組。
「八っつぁん、やっぱり鍋島の旦那だよ。巻き込まれてたんだ。死んじゃったのかな」
「落ち着けよ縁起でもねぇ。死人に手当はしねぇだろう」
 町人二人がひそひそ話をしている間に、雪音は直和を庇う様に立ち上がり城郭へ向けて拳を構えます。そのまま背中越しに二人に向けて声をかける。
「この方を連れて逃げてもらえますか? 目が覚めたならば伝言を。……そのまま休むも、戦場に戻るも貴方の意思ゆえ止めは致しません。ただ屍を晒す恥だけは避けられますように、と」
「そうはいかぬ」
 と、雪音が拳を構えた先、暗がりから声がした。
「真田十勇士が一人、霧隠才蔵。その男、決して逃がしはせぬぞっ!」
 ひゅっと風切る棒手裏剣、それが剣閃一刀、地に落ちた。町人達、悲鳴を上げて直和を引きずるように走り出す。才蔵新たな棒手裏剣を構えますが、直和たちを追おうとはしない。ぶらり刀をぶら下げて姿を現しましたのは、瑞穂でございます。
「逃げるのはあなたの方じゃないかしら。――逃がさないけどね」
 瑞穂の口が笑う様に、吊り上がりました。

「やれやれ、やることがせこいぜ」
 迷宮の中を第六感のままに駆け抜ける刀也、行きあたった十字路を左に曲がって遠くに見えた仲間達へ声をかけます。そこにいたのはバルタンと織久。
「おー、これぞまさしく真田の一夜城デスネー! しかし城なら必ず門がある筈、まずはそこを目指しまショー!」
「先ほど我等の怨念の炎を神十郎へと植えこんだ。我等には、奴のおおよその位置は掴めている。問題は……」
 と、言いかけた織久が咄嗟にしゃがみ、彼の頭があった場所を火縄銃の弾が通過していく。十勇士の一人、筧十蔵が城内の銃眼を駆け回り、迷宮の中の猟兵たちを狙っておりました。身を潜め気配を探るバルタン達。
「なかなかこれでは迂闊に動けませんネー」
「なるほどね、だが策ならあるぜ」
 バルタンの言葉に刀也、ニヤリと笑って返しますと、道の真ん中を堂々と走りだした。
「一切臆さず駆け抜ける、だ!」
 流石の十蔵が一瞬呆気にとられて対応が遅れた。その間に織久とバルタンも走り出す。一拍遅れて放たれる火縄銃、飛来する鉛玉は違わず刀也の体に向かい……。
「その弾、未だ驚愕が抜けていないであります。手癖の銃撃など、恐れるに足りません」
 バルタンが冷徹な軍人としての真の姿を現し、ファルシオンを一閃、空中の鉛玉を切り落とした。さらに火縄銃の煙を目印に、織久が怨念の炎を解き放つ。十蔵、咄嗟に飛び降りますが、居場所が割れた以上、その場にとどまり続けるわけにもいかない。歯を食いしばりながら次の銃眼へと駆け出します。
 狙撃がなくなりまして、刀也達はもはや足止めを受けない。織久が怨念の炎の気配から、神十郎の位置を割り出し、彼が迷った時には刀也が第六感の命じるままに道を選ぶ。やがて十蔵が次の銃眼へ辿り着いたときには、刀也達は既に真田神十郎のいる本丸の目と鼻の先、大手門についておりました。無論、大手門の門扉は閉じている。十蔵、ゆっくりと狙いを定め油断しているところを銃撃してやろうと火縄を構えた。その視界の中で、バルタンが門扉へ向けて右の拳を構えた。女の細腕で門を崩せるはずもなし、鼻で笑った十蔵ですがバルタンの目を見た瞬間、息を呑んだ。
――あれは本気の目だ、ハッタリでもヤケでもない。本気で門を破る気でいる。
 十蔵が思わず震える銃口を抑え込んだ、その刹那、バルタンの全身から蒸気の様に煙が噴き出し、彼女の姿を覆い隠した。十蔵とっさに引き金を引く、響く銃声。直後、大きく轟く破壊音。破城槌でも受けたかのように大手門が砕かれ、その門扉が宙に跳ね上がる。巻き上がる土煙、その中心地で、バルタンが突き出していた右拳をひく。その姿を目の当たりにして、思わずへたり込んだ十蔵を、今度こそ織久の怨念の炎が焼き尽くしました。

 さて、バルタンが大手門を吹き飛ばした轟音は他の猟兵たちの耳にも届きました。
「ん、あっちが神十郎の居場所で間違いないようっスね。……しかし、遠いっス」
「愚痴らない愚痴らない、さあさあ日ごろの走り込みの成果を見せる時だよ、相棒」
 オブシダンの励ましを聞きながら、倒した三好晴海入道を尻目に駆け出すいすゞ。

 三好伊三入道を下した瞬と響、奏。その場はさながら大嵐に合った様な有様。彼らもまた爆発音を頼りに迷宮を抜け、いすゞ達の後に大手門へとたどり着きます。そこから本丸へと飛び込んだ三人が目にしたのは、猿飛佐助に由利鎌之助、海野六郎そして四人の赤備え。全員が一糸乱れぬ動きで十字槍と妖刀村正を構えて口を開く。
「「「「我こそは真田神十郎! 猟兵達よ、もはや生かして返さん、いざ勝負!」」」」
 無論、本人は一人だけ。残る三人は真田十勇士の根津甚八に穴山小助、望月六郎が変装した影武者でございます。しかし、いずれも神十郎本人に勝るとも劣らぬ豪傑でございます。
 彼らに向かい各々身構える猟兵達、互いに間合いと呼吸を図る。彼らの耳にはいまだ届いておりませんが、遠く近づいてくる足音がありました。

 さて城郭の外、霧隠才蔵を倒した雪音たち。彼女らもまた大手門の破壊音を聞いておりました。
「追っ手は討ちました。あそこへ向かいましょうか」
 と城郭の入り口を目指して歩きだした雪音を瑞穂が呼び止めます。
「待って。こんなもの、いちいち付き合うことはないわ」
 言って瑞穂は神獣刀を正眼に構え、精神を集中するように、長く細い呼吸を一つ。
「我こそは、鹿島の太刀を継ぐ新当流太刀術の剣豪にして、建御雷神由来の神太刀を佩く伊勢流の巫女」
 呪文を唱えるように、あるいは謡う様に瑞穂が言葉を紡いでいく。
「その始原たる神妙剣の妙理、その一太刀をとくと見るが良い!」
 言うや否や切り払った一撃が、真田の城壁を切り破った。ズシリと音を立てて倒れ込む壁。そこへ駆け込み、もう一太刀。さらに踏み込みもう一刀。ズンズンズンズン、城郭を斬り破りながら瑞穂たちは迷宮を一直線に駆け抜けていく。

 さあその音は本丸にいる真田神十郎たちにも聞こえてくる。すわ何事かと油断なく辺りに視線を走らせ、そっと一人が壁に背をついた瞬間、その壁を切り破り瑞穂が飛び込んだ。
 驚く暇もあればこそ、神十郎が村正を抜くより早く、瑞穂の神獣刀が神十郎の胴体を存分に切り裂く。
 これが危うい均衡を崩した。一斉に切り込む猟兵達とそれを迎え撃つ真田と十勇士。
 神十郎へ止めを刺さんと切りかかる刀也の刃を海野六郎が受け止める。そこへ放たれる鎌之助の鎖分銅、刀也の剣をからめとろうとする鎖分銅をいすゞの手のオブシダンが切り捨てる。彼女目掛けて放たれる妖刀村正の一閃を奏が盾でもって弾き飛ばし、逆に響が切って掛かる。その刃を十字槍で受け止め、動きが止まった響へともう一人の神十郎が切りかかり、寸前、瞬が結界で動きを封じる。瞬目掛けて放たれる佐助の八方手裏剣、そこへ瑞穂が飛び込みまして宙を舞う手裏剣をことごとく切り捨てる。お返しとばかりに草むら目掛けて火を放つ織久。たまらず佐助が跳び上がったところへバルタンが銃を連射、とうとう倒れ伏す猿飛佐助。バルタン目掛けて鎌之介が鎖鎌を投げ放とうとしたその刹那、雪音が懐に飛び込み彼の首をへし折った。もはやこれまでと海野六郎が叫び声をあげる。
「もはやこれは負け戦! 神十郎様、お逃げください! 神十ろ……っ!」
 言い終わるよりも早く、瞬の傍らに立つ月読の同胞の放った矢が、海野の胸に突き立っておりました。
 残るは、神十郎本人と影武者三人のみ。
「分かっているとも。負け戦であることなど、分かっている。――あの夏の陣からずっと我等は負け戦を戦ってきたのだ!」
 言って飛び掛かる四人の神十郎、振るわれる妖刀を刀也が、瑞穂が、奏が、いすゞが、それぞれの刃を受け止めて、返す刃で切りかかる。

「け、影武者に人質とらしくないねぇ。日の本一の兵なんだろ? なら真っ向勝負をしようやっ!」
 言葉と同時、剣気を放つ刀也の身を雷の如き光が包み込む。その一刀を受け止め、押されながらも神十郎が声を張り上げた。
「敗者の名声などいらぬ! 我の望みはクルセイダーの、豊臣の天下のみ!」
 ぎりぎりと押し返す神十郎の槍を、刀也は上に逸らして大きく踏み込む。地摺り正眼、切り上げた一刀が神十郎の腕を切り裂いた。瞬間、刀也目掛けて放たれる村正の横一閃、その一撃が刀也の胴を両断するより早く、雪音が彼の前に飛び込んだ。もはや誰でも構うまいってんで、振り抜かんとする神十郎、その切っ先が雪音の服に触れる寸前、はっしと雪音がその刀身をつかみ取った。真剣白刃取りでございます。神十郎、咄嗟に十字槍でもって突きを放ちますが、その穂先を刀也がギリギリで見切って飛び込んだ。乾坤一擲、真っ向大上段に振りかぶった銘刀獅子吼の唐竹割が、神十郎の体を大きく引き裂いた。倒れる神十郎へと、刀也がぽつりとつぶやく。
「もっとシンプルに、こいつだけ使ってアンタと勝負したかったぜ」

 さて瑞穂と共に戦うのは、織久にバルタン。
「もはや城郭も丸裸、頼みの十勇士も息絶えて、後は大将首を落とすだけであります!」
 遠間からバルタンが銃を放って牽制し、その合間に織久が怨念のこもった刃を突き立て、瑞穂が神獣刀で切りかかる。二人の斬撃を神十郎、村正と十字槍でもって受け止めるがそこへ放たれるバルタンの銃弾が、赤備えの甲冑を貫く。力が緩んだ瞬間に、織久が怨念の炎でもって神十郎の身を焼いた。こうなってはもはや勝ち目なし、ならばせめて道連れをってんで、神十郎が狙いを定めたのは遠距離攻撃に徹していたバルタン。その身を炎に焼かれながら駆け出す神十郎、迎え撃つようにバルタンは右の拳を引いて構える。彼女目掛けて十字槍を構えて突き出さんとする寸前、バルタンの体を煙が覆い隠した。毒煙かっと、神十郎がたたらを踏んだ瞬間、煙を突き破って飛び出すバルタン、その手に備わった絡繰り仕掛けの破城槌が神十郎の鎧に触れて起動。大手門を打ち破ったときと同じ炸裂音が響き渡り、神十郎の体が毬のように跳ねた。後を追って飛び込む瑞穂、彼女の神獣刀が一つ二つと閃いて。瑞穂が太刀を鞘に納めると同時、糸が切れたように神十郎の身が倒れ伏しました。

 また、奏達と戦う神十郎、響や瞬から三人がかりの攻撃を受けその身は既に満身創痍。しかしその闘気は一向に衰えることがない。
 十字槍の一振りでもって、響が呼び出した真紅の騎士団たちを薙ぎ払い、瞬の隣に立つ月読の同胞の矢を村正でもって切って落とす。反撃とばかりに突き出される十字槍を、間一髪で奏が受け止める。
「流石、真田の名前は伊達ではない、ということですか」
 けれど、と奏が眦を吊り上げる。
「神十郎、貴方はここまでです。その闘志見事なれど――この世界をサムライエンパイアを護るため、あなたの野望、阻止させてもらいます!」
 奏の言葉に応えるように現れたのは、青空を塗り固めたような蒼穹の騎士。手にした剣でもって神十郎目掛けて切りかかる。真紅の騎士団が撹乱するように神十郎へと切りかかり、合間を縫って響が遠当てを放つ。その一撃を自ら受けながら突進する神十郎が月読みの同胞を切り捨てた、同時に瞬がかざした杖から放たれる月光。また結界かっと跳び退る神十郎目掛けて、放たれた光弾が軌跡を変えた。
「誘導弾……っ!」
「そう、切り札はぎりぎりまで隠すもの。勝ちは頂きましたよ」
 神十郎、咄嗟に村正でもって光弾をしのぎますが、その衝撃に村正を取り落とす。そこへ切り込む奏と蒼穹の騎士。
「これが平和を願うもの達の力です。平地に乱をおこし戦だけを呼び起こす存在は不要です!! さあ、骸の海に還りなさい!!」
 二つの刃に切り裂かれ、どっと倒れ伏す神十郎。そこへ引導を渡すように瞬が語り掛けました。
「戦はなにも生みません。もし秀吉公が生きていたとして、徳川の世を乱したでしょうか? 平和を乱すような存在は、この世界にいらないのです」

 残る赤備えもあと一人、いすゞ目掛けて、次々と繰り出される十字槍と村正の連撃。その攻撃を、オブシダンの動きに導かれるようにいすゞは凌いでまいります。オブシダン再び神十郎の技を見取って、全く同じ剣技で返す。先の攻防の再現でございますが、徐々にいすゞの方が押されていく。技も同じでどちらも名刀、しかし十字槍と村正、二つの刃から放たれる連続攻撃は、黒曜の剣の閃きより一拍早い。
「くっ、これは確かに武器が足りて無いっスねェ!?」
「ううん。ごめんね、僕は槍にはなれないから……。でも、相手もきっと疲れてるよっ」「根拠はあるっスか!?」
「ないっ!」
「って、雑な声援で正面突破させないで欲しいンスけれど!?」
 言う間に踏み込んだ神十郎、村正でもっていすゞに斬りつける。その斬撃をオブシダンがぎりぎりで受け止めますが、直後、振り下ろされた十字槍の穂先が、いすゞの体を掠める。ぱっと舞い散る赤い血に、神十郎、嵩にかかったように切りかかる。その村正の刃の向こうで、いすゞが笑った。不意に神十郎の足に絡みつく白い影、それに足をとられて神十郎大きく体勢を崩す。いすゞが放った管狐でございます。
「さぁて、相棒。一つ、かっちょくキメましょうか」
 神十郎を目掛けて踏み出すいすゞ。薙ぎ払う剣を受け止めようと、神十郎が村正を振りかざす。
「いざ真田神十郎、その首、貰ったっ!」
 放たれた一閃が村正諸共、神十郎の首を落とした。ふっと息を吐き残心を解くいすゞ。
「言ったはずっスよ。狐は搦手が得意っス、ってね」
 言い終えた彼女の背後で、折れた村正の切っ先が地面に突き立ちました。

 さて四人の神十郎達が倒れると同時、術が解けて城郭が消え、真田十傑衆の遺体も風に溶けるように消えていきます。上杉謙信をその身に宿した浪人達も、とうに負け戦と悟っていたのでしょう。もはや辺りに影も形も御座いません。草原を吹き渡る風の中、真田神十郎が放っていた殺気は、残ってはおりませんでした。


 こうして猟兵たちは、真田神十郎の魔の手から江戸の街の平和を守り切ったという事です。直和の方はというと、数日後に目を覚まし命に別状はなかったという。また真田神十郎へ挑みかかったその覚悟は見事であると捨扶持ながら御家人に取り立てられ、世話になった長屋の者達へ大いに礼をしたという。
 さて、神十郎の様に人を傷つけ殺める剣あれば、猟兵たちが振るったように人を助け、人を生かす剣もある。これを活人剣、或いはまた一殺多生なんて申しますそうで。
 ――寛永真田騒動より、一殺多生という一席でございます。
 ありがとうございました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月12日
宿敵 『真田神十郎』 を撃破!


挿絵イラスト