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不撓不屈、真田の赤備え

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #真田神十郎 #剣豪 #上杉謙信 #魔軍転生

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 美しい紅葉を燃えるような夕焼けが照らす。そんな自然豊かな険しい山中を複数の人影が駆け上がる。一人の男を複数の集団が追ってるようだった。
「くっ、お主らいったいどこの手のものだ!」
 逃げる脂の乗った壮年の剣客が腰に刺した刀を抜き打つ。放たれた刃は飛来する呪符を切り裂いた。

 しゃんしゃん――。

 追手の持つ錫杖が静かな山に鳴り響く。編笠を深く被り表情が見えない。それどころか服もゆったりとした着物を纏いその体格すらも秘されている。
「撒けぬか、ならば応戦するしかあるまいな!」
 剣客が浅い小川に入って走る。それを追う編笠の集団も川を渡ろうと足を踏み入れた。
「お主ら忍びの者と見た。ならばここで迎え打つ!」
 機動力を奪う為に川を戦場に選び、剣客は踵を返し自ら斬り込んだ。すると無理に戦おうとせずに追手は錫杖で身を護りながら距離を取る。
「ちっ、乗ってこぬか。なんとも噛み合わぬ手合いよ」
 相手をこちらの領分である斬り合いに持ち込もうとしたが、冷静に思惑を外されて剣客は悪態をつく。攻め手は興奮して勢いのまま攻撃したくなるもの。だがそれを自制するだけの練度があった。
「さて、どうしたものか……」
 様子を窺う剣客へ追手が両掌を向けて呪詛を放つ。剣客は危険を悟り身を投げ出し川に飛び込んで躱した。
「忍びの術か、厄介な手妻よの!」
 ずぶ濡れで跳ね起きながら、剣客は一気に間合いを詰めて下から斬り上げる。それを追手は錫杖で防ぐが、柄を両断されその刃は服を裂いた。
「ちぃ、浅いか!」
 肉の手応えがなく、剣客はすぐに刀を返して振り下ろす二の太刀を振るうが、左右から援護の錫杖を差し込まれて防がれた。
「このままでは埒が明かぬか」
 ならばと死中に活を求めて剣客が強引に斬り込もうとしたところで、追手の集団が二つに別れて道を作った。

「多勢に無勢でも剣の腕ひとつで乗り越えようという気概、見事なり!」
 堂々と姿を現したのは赤備えを纏う武者。その鋭い眼光は数々のいくさを戦い抜いた武士のものだった。
「お主がこやつらの頭か」
 話しかけながらも油断なく、剣客はいつでも斬り掛かれるように構える。
「然り! 我が名は真田神十郎! その腕、我が配下に相応しい!」
 名乗りを上げた真田神十郎がびりびりと空気が震えるような殺気を放つ。
「ほう……配下に欲しいと申しながら、切り殺さん殺気を放つとは矛盾しておるな」
 その殺気を受け剣客もまた闘気を高めてぐぐっと腰を落とす。
「矛盾はしておらぬ。何故ならば――貴殿を殺してオブリビオンとして配下に加えるからだ! 死して我が軍勢となれ!!」
 惑わすように錫杖を鳴らす編笠の集団が剣客を逃さぬように囲み、正面では真田神十郎が書を開き赤備えの歴戦の武者10人を召喚した。その誰もが一目でくせ者ぞろいであると分かる殺気を放っている。
「ここが拙者の死地か……ならばその首だけでも冥土の土産に貰おう。秋山九郎、参る!」
 戦いの結果が必死であろうとも、命尽きるまで戦い続けてみせようと覚悟を決める。

 紅葉がひらりと間に落ちた瞬間、剣客は鋭く踏み込んだ――。


「サムライエンパイアに猟書家の幹部『真田神十郎』が現れた。その討伐任務を頼みたい」
 燃えるような紅葉を映すグリモアベースで、バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵達に猟書家の情報を伝える。
「真田神十郎は優秀な剣豪の命を狙っている。剣豪を殺すことで配下のオブリビオンとして蘇らせ、江戸幕府転覆を目指し真田軍の戦力を強化しようと企んでいるのだ」
 現状ではオブリビオンは自然発生しない。そのため自らの手で増やそうとしているのだ。
「そこで諸君には狙われている剣豪を守り、敵を撃退して貰う事になる」
 敵を倒せても、剣豪が殺されてしまえば敵の戦力増強の目的が達成されてしまう。

「猟書家である真田神十郎も言わずもがなの強敵だが、その配下の編笠衆と呼ばれる外法使いの忍びもまた強敵だ。編笠衆は『超・魔軍転生』というクルセイダーの秘術によって、魔軍将『上杉謙信』を憑装して強化されている」
 魔軍将の魂を複製して召喚するという荒業によって、上杉謙信の力や軍略を得ているのだ。
「完全に能力がコピーされるわけではないが、特に軍略に優れているので、部隊の連携は一糸乱れぬほどだ。練度の高い軍勢との戦いを想定して対策を練らねば困難な戦いとなるだろう」
 数だけの敵と油断すれば、その数の力で追い詰めるような戦術に苦戦する事となる。
「真田神十郎には何か制限があるのか憑装はされていない。それでも幹部猟書家だけあって十分な戦闘力を持っている。敵の頭領である真田神十郎を倒せば配下は撤退するようだ」
 全ての敵勢を倒すのは困難だ。いかに敵のボスを倒すかが勝負の分かれ目となるだろう。

「猟書家の侵略により、平和になった世界が踏み荒らされるのを放置はできん」
 平穏を乱す敵に険しい顔のバルモアが紅葉に染まる山中へのゲートを開いた。
「江戸幕府転覆などさせるわけにはいかん。敵の勢力が大きくなる前に猟書家の企みを叩き潰せ!」


天木一
 こんにちは天木一です。幹部猟書家、真田神十郎とその配下とのいくさとなります。剣豪殺しを行おうとしている敵軍を撃退しましょう!

 本シナリオは二章構成となっております。

 第一章は、剣豪を襲う配下との戦いとなります。戦場となる山中は夕方で見通しも悪く、足場も悪い場所となっております。開けた場所は川の周辺のみとなります。

 第二章では、配下が手こずっているところに真田神十郎が合流します。真田神十郎を倒せば残っていた配下は撤退します。

 一、二章共通で、剣豪を守ればプレイングボーナスを得られます。剣豪もそれなりに戦う事ができます。剣豪が殺されても任務失敗にはなりません。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
 それでは真田神十郎と率いる軍勢との死闘を勝ち抜いてください!
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第1章 集団戦 『編笠衆』

POW   :    金剛力
単純で重い【錫杖】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    呪殺符
レベル×5本の【呪殺】属性の【呪符】を放つ。
WIZ   :    呪縛術
【両掌】から【呪詛】を放ち、【金縛り】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●山狩り
 しゃんしゃん――

 紅葉と夕焼けで真っ赤に染まる山の裾野に錫杖の音が鳴り響く。その音から逃れるように足早に進む剣客は、まるでその音によって誘導されるようにどんどんと険しい山へと追いやられていく。
 編笠によって顔の分からぬ編笠衆が普通に動いても不思議なことに錫杖の音がしない。敢えて鳴らすことによって狩りの獲物を追い詰めているのだ。
 一糸乱れぬ動きによって、包囲が出来上がり逃れられぬ網が幾重にも張られていく。それに気づかずに剣客は山中へと駆け上がっていった。

 このままでは追い詰められた剣客は剣豪殺しの犠牲となってしまう。それを阻止するべく猟兵達もまた紅に染まる山中を動き出した。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

謙信も真田も軍略は有名だし対峙できるとなるとわくわくが抑えきれないかな。
それだけじゃ駄目なのはわかってるけどさ。

秋山氏に援護の声がけをし、敵との間に割り込む。
そしてUC五月雨と投げられるだけの飛刀の投擲で攻撃。敵への攻撃かつ敵の呪符攻撃の相殺狙い。それでも抜けてくる呪符は胡と本体のナイフで落とす。
さらに抜けてくるものは俺自身の肉体で直接かばう。
一応呪詛・狂気耐性だけは自信はあるしな。
敵の直接攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものは呪詛・狂気・激痛耐性で耐える。


神代・凶津
夕暮れ時に忍びが相手とはまた厄介だな。
「・・・日が暮れて夜になる前に助けないと。」
おうよ、相棒ッ!

そこの剣豪のおっさん、助太刀が必要のようだなッ!
剣豪のおっさんが襲撃を受けている所に【破邪・霊光弓】で矢を弾幕の如く射って援護射撃するぜ。
その後は式神【ヤタ】で敵を偵察しながら自分の集団戦術の知識を駆使して敵集団の動きを見切ってその動きを阻害するように破魔の矢で狙い射るぜッ!

敵が呪殺符を放ってきたら破魔の矢の弾幕でまとめて浄化してやる。
多少のダメージは相棒の巫女服の呪詛耐性でどうにかできるしな。

俺達の目の黒いうちは、剣豪殺しなんてさせねえぜッ!
「・・・絶対に護ります。」

【アドリブ歓迎】



●謙信の軍略
『夕暮れ時に忍びが相手とはまた厄介だな』
 寡黙な神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)が鮮やかな紅に染まる山を見渡していると、手にする謎の仮面が言葉を発した。
「……日が暮れて夜になる前に助けないと」
『おうよ、相棒ッ!』
 ぽつりと呟くような凶津の声に、力強く仮面が返事を返した。その仮面を被った凶津は険しい山を物ともせずに駆け出した。


「謙信も真田も軍略は有名だし対峙できるとなるとわくわくが抑えきれないかな」
 有名な武将との戦いに黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は興奮が抑え切れず、口元に笑みを浮かべてしまう。
「それだけじゃ駄目なのはわかってるけどさ」
 戦うからには勝たねばならないと、口の端に手を当てて笑みを消そうとする。そこに、しゃんしゃんと錫杖の音が山に木霊した。
「錫杖の音はあちらか――」
 上杉謙信を宿すという編笠衆が山狩りを行っている方向へと瑞樹が疾走する。


「奴らどこまで追いかけて来るつもりだ。面倒事を避けて引いたのが失敗であったか」
 紅葉に染まった山道を登る剣客、秋山九郎は己の失策に舌打ちをする。すると錫杖の音が響き、振り向けばそこに深く編笠を被った編笠衆の姿があった。
「助太刀させてもらう!」
 その場に駆けつけた瑞樹が秋山に援護の声掛けをしてユーベルコード『五月雨』によって、己の本体であるナイフを無数に複製して周囲に浮かべ、敵に向かって雨のように降り注がせた。
 編笠衆は避けられぬとすぐさま判断を下し、呪符を投げてナイフを迎撃する。ナイフと呪符が空中でぶつかって消し飛んでいく。だが互いに撃ち漏らしたものが襲い掛かり、ナイフが編笠衆を貫き、貼り付こうとする呪符を瑞樹は右手に持った刀の『胡』と左手に持ったナイフの『黒鵺』で切り落としていく。

「猟兵の邪魔が入ったか。あれは油断できぬ恐るべき敵。好きに動かれてはならぬ。剣豪を狙い守勢に回らせるがよかろう」
 ぼそりと編笠衆が呟くと、その意志が仲間達にも伝わり、一斉に瑞樹から狙いを変えて剣豪に近づく。しゃんしゃんと鳴らす錫杖が気を引き、気配を消した編笠衆が囲むように間合いを詰めていく。
「ちぃ、こっちに来たか」
 秋山は刀を抜いて迎え打つ態勢に入る。
『そこの剣豪のおっさん、助太刀が必要のようだなッ!』
「……退魔師の奥義がひとつ、御見せします」
 まだ距離のある場所から仮面が叫ぶと、破魔弓を引き絞った凶津がユーベルコード『破邪・霊光弓』を発動し矢を放つ。ひゅっと風を切る矢は飛翔して編笠衆の顔を射抜いた。声も無く編笠衆がばたりと倒れる。さらに連続して凶津は矢を飛ばし、弾幕の如く射って敵を貫いていった。
「こりゃあ助かる!」
 矢を気にかけている敵を、秋山が袈裟に斬りつけて倒す。

「まだ伏せていたか、飛び道具を迎撃する者と剣豪を狙う者に隊を分ける。我等が目的を忘れるな。必ず剣豪を抹殺するぞ」
 魔軍将『上杉謙信』を憑装した編笠衆の判断は早く、呪符で矢を防ぎその間に剣豪を倒そうと囲んで錫杖で襲い掛かる。
「背後は任せてくれ」
 そこへ木を蹴って跳躍し飛び込んだ瑞樹が、秋山の背を狙う敵の錫杖を黒鵺で防ぎ、胡で胴を抜いて体を断ち切った。
「ありがたいっ! 囲まれなければ何とでもなる!」
 秋山は正面の敵に集中し、錫杖を刀で弾いて攻撃をいなす。
「弓使いのほうに注意を向け過ぎたか。近づくな、距離を取って仕留めよ」
 間合いを開けた編笠衆は瑞樹と秋山に向かって一斉に呪符を飛ばす。
『俺達の目の黒いうちは、剣豪殺しなんてさせねえぜッ!』
「……絶対に護ります」
 仮面と凶津が意思を合わせ、無数の破魔の矢を放って殆どの呪符が届く前に撃ち落として浄化した。
「この程度なら全て落とせる」
 残りを瑞樹が刀とナイフの二刀で切り払い、切断された呪符を全て地面に散らした。しかしその攻撃に紛れるように編笠衆が茂みから突進していた。瑞樹はそれを刀で両断するが、切った服の下から縫い付けた大量の呪符が覗いた。
「死苦」
 編笠衆が息絶えながら術を放つと、至近距離から禍々しい呪が溢れ瑞樹を汚染する。
「自爆技か、死を恐れないオブリビオンらしい軍略だな」
 その苦痛に耐えながら、瑞樹は刀とナイフを振るって好機と襲い来る敵を斬り伏せる。だが次々と敵が迫り、剣客との間に割って入った。
『おいおい、厄介なことになってるぜッ!』
「……援護します」
 数で押し包もうとする編笠衆に、凶津はとにかく矢を放って射抜き秋山に近づく敵を減らす。しかし敵も負けじと呪符を放って矢を防ぎ剣客に迫る。

「これは拙いか、拙者は先に行く。ご助力感謝する!!」
 このままでは敵に押し包まれると判断し、秋山はまた山を登るように駆け出した。瑞樹と凶津の足止めをする敵以外はその後を追った。
『行っちまったぜッ!』
「……追いかけます」
 凶津は妨害する敵に矢を放ち、胸を貫いて仕留める。
「敵を分散させることはできたが、まだまだ潜んでいそうだな」
 瑞樹はしゃんしゃんと山で鳴り響く錫杖の音を聞き、急ぎ追いかけようと行く手を塞ぐ敵を斬り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クロム・エルフェルト
アドリブ◎

――なんて、耳障りな錫杖の音
剣豪を追い立てる他
位置取りや統率も含んで居ると見た

[結界]を薄く広く拡げ
音を出鱈目に反射増幅
[催眠術]も織込み撹乱

空も昏く血に染まる
今は逢魔刻
退く音寄る音動かぬ音
何れが味方で何れが狐狸か
将又自分以外は全て敵か

拍の崩れた敵にUCで斬りかかる
剣豪が近くに居れば、背に庇うようにして立つ
秋山殿、御安心を。
此より公儀隠密、クロムが助太刀する。

……越後の龍、お師様が仕えた事もあるようだけど
相手にとって不足無し
UCで読み取った毘沙門天の力強い太刀筋
神速剣閃に乗せたらいかほどか
飛び交う符は流水の足捌き、[戦闘知識]に[ダッシュ]で掻い潜り
[カウンター][焼却]で斬り落とす


御剣・刀也
は。面白い
ならその罠を噛み砕いてやろう
顔が見えないのが残念だ。どんな顔をするか、見たかったんだがな

金剛力は第六感、見切り、残像で避けるか、武器受けで勢いがつく前に受けて鍔迫り合いにする
相手の体が崩れたところにカウンターの一撃を入れて斬り捨てていく
あいての包囲網を崩すことを第一目的としてダッシュで山中を駆けながら相手を探し、仕留める
「あいにく、俺は兵法とかに疎くてな。だが、相手の必勝の策を食い破るのは、楽しいもんだ」


フォルク・リア
山中に潜伏しながら敵を追い。
音を頼りに最後尾の敵を発見したら
静かにディメンションカリバー発動。
スカイロッドに魔石を取り込み
姿を隠し敵一体に刃を伴った空圧をかけて仕留める。
それを続けるが、敵が此方に気づき対応し始めたと思えば
剣客を追う足並みが乱れたと判断し攻撃を中止し剣客を追跡。
その間はレッドシューターから光量を調整した炎を出し
視界を確保。

追いついたら
「やっと追いつけたか。ああ、俺は敵じゃない。」
天下自在符を見せて。
「直ぐに追手が来るだろう。
詳しい話はその後だ。」

敵には
魔石を呪装銃「カオスエンペラー」に付け替え
敵の【呪詛】を相殺する【呪詛】と
斬撃の効果を持った死霊の弾丸を撃ち出し
剣客と共に戦う。



●車懸かりの陣
 しゃんしゃん、しゃんしゃん――

「――なんて、耳障りな錫杖の音」
 山に錫杖の音が響きクロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)がぴくりと狐耳を動かし、不快そうに眉間にうっすらとしわを寄せた。
「剣豪を追い立てる他、位置取りや統率も含んで居ると見た」
 その音の意味を察し、妨害するべく知覚を惑わす結界を展開し薄く広く拡げて、音を出鱈目に反射増幅する。すると音があちこちから聞こえるようになり、編笠衆の足並みが乱れた。
「これは結界か、猟兵めがここにも網を張っていたか」
 編笠衆はすぐにそれが猟兵の仕業だと気づいて警戒する。
「空も昏く血に染まる。今は逢魔刻――」
 僅かに敵の拍子が崩れたところへ、長い木の影で身を隠したクロムが『刻祇刀・憑紅摸』を抜いて斬り掛かる。
「退く音寄る音動かぬ音。何れが味方で何れが狐狸か、将又自分以外は全て敵か」
 錫杖ごと編笠衆を斬り捨て、秋山を背に庇うように敵と向かい合って名乗る。
「秋山殿、御安心を。此より公儀隠密、クロムが助太刀する」
「おおっ、公儀隠密とは! 背は任せましたぞ!」
 喜びの声を上げた秋山は、活力を取り戻したように刀を振るって編笠衆を斬りつけた。

「楔を打ち込む」
 編笠衆の一人が突進し、結界の境界に触れる。そこで持っている呪符を全て発動し、自爆するように禍々しい呪いを放って結界に穴を穿った。そこへ続けて編笠衆が呪符を飛ばすと、穴が広がり結界が綻びて錫杖の音が正常に戻った。
「我等が狩りを御見せしよう」
 しゃんしゃんと錫杖を鳴り響かせ、編笠衆は何十にも陣を引くように包み込んでいく。
「は。面白い。ならその罠を噛み砕いてやろう」
 そこへ木を蹴って跳び込んだ御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)が不敵な笑みを浮かべて着地した。
「顔が見えないのが残念だ。どんな顔をするか、見たかったんだがな」
 挑発するようにじっと敵の編笠を見ながら、刀也は獅子のように煌く刀『獅子吼』をすらりと抜いた。
「疾風」
 編笠衆が駆け出して全力で錫杖を振り下す。それを刀也が見切って体を僅かに逸らして躱すと、反撃に胴を抜こうとする。しかしそこへ続けて違う編笠衆が錫杖を横薙ぎにした。
「連携攻撃か」
 それをバックステップで躱すと、今度は横から錫杖が叩きつけられる。しかし直撃したはずの錫杖は刀也をすり抜けて地面を叩いた。
「残念だが、俺に当てるには速さが足りないな」
 その隣に姿を現した刀也が編笠衆を斬り捨てる。しかしひと息つく暇もなく、次々と編笠衆は止まることなく波状攻撃を仕掛けた。
「車懸かりの陣なり」
 編笠衆の留まる事の無い攻撃に、とうとう刀也は錫杖を躱し切れずに刀で受け止めた。
「あいにく、俺は兵法とかに疎くてな。だが、相手の必勝の策を食い破るのは、楽しいもんだ」
 受け止めた刀が錫杖を切り裂き、さらに敵の身体を断ち切った。
「押し通らせてもらうぜ」
 刀也は強引に前に進み、包囲を強行突破した。

「陣が乱れるか、構わん続けよ。いずれここへ山中に忍ばせてあった者どもも集まる。そうなれば一網打尽よ」
 少し離れた位置から戦況を見る新たに集結しようとする編笠衆は、攻勢を止めずに猟兵達が力尽きる作戦を継続するつもりだった。
(見つけた。しかし想定よりも数が多いな)
 その様子を後方の死角からフォルク・リア(黄泉への導・f05375)はスカイロッドを構え、静かにユーベルコード『ディメンションカリバー』を発動し、召喚された凄まじい力を秘めた魔石をロッドに取り込み、空気を歪ませる風の力で自らの姿を隠した。
「まずは一体」
 杖から風の刃が奔り、最後尾の敵を切り裂きさらに空圧を掛けて悲鳴を上げさせることなく殺害した。
「気付かれていないな、よし次だ」
 次々と風の刃を放って、一人また一人と編笠衆を屠っていく。
「音が途絶えた……後方より襲撃。位置は不明」
 定期的にならしていた錫杖の音がしなくなったのに気付いた編笠衆が振り返り、すぐさま仲間に警戒するように錫杖を強く響かせた。
「思ったよりも早く気付かれたか。だが想定内だ」
 フォルクは姿を隠したままその場を移動し、魔導書を再生成した黒手袋『レッドシューター』の僅かな炎の明かりによって山の暗がりを駆け、敵を追い抜いて先んじて戦場となっている場所へと向かう。
「次から次へときりがない!」
 秋山が刀を振るって編笠衆を倒すが、すぐに次の敵が姿を現し休む間を与えない。そこへ突然炎が現れて側面から錫杖を振るおうとした編笠衆の顔を焼いた。
「やっと追いつけたか。ああ、俺は敵じゃない」
 油断なく刀の切っ先を向けてくる秋山に、フォルクは天下自在符を見せた。
「それは天下自在符! 徳川の紋所を与えられた者でござったか。これは失礼をした」
 秋山は切っ先を外して詫びを入れる。
「直ぐに敵の増援が来るだろう。この場を離れなくては危ない。詳しい話はその後だ」
 そう告げてフォルクは秋山を逃がそうと共に移動を始めた。

「逃さぬ。我が振るえば棒切れも神刀なり」
 踏み込んだ編笠衆が錫杖を振り抜く。鈍器ながらもその鋭い一撃はまるで刃物のように当たった胴を両断しそうな勢いを宿していた。それをクロムが刀で受け止める。火花が散りぐいっと押し込まれそうになるのを、地面に深々と足を埋めるようにして耐え凌ぐ。
「……越後の龍、お師様が仕えた事もあるようだけど。相手にとって不足無し」
 防ぎきったクロムは逆に押し返して敵の上体を泳がせる。するとその勢いを利用するように後方へと跳んで間合を開けた。
(ユーベルコードで読み取った毘沙門天の力強い太刀筋、神速剣閃に乗せたらいかほどか)
「試させてもらう――神速剣閃、参ノ太刀」
 放つは『仙狐式抜刀術・彼岸花』。目にも留まらぬ速度で踏み込み、一瞬で間合いを詰めた勢いを乗せて斬撃を放つ。袈裟・胴・左切上。同時とも思え合える斬撃を三度浴びせ、編笠衆の身体を断ち切った。
「これが毘沙門天の力……」
 奥義とも呼べそうな斬撃に満足感が心に過ぎる。だがその僅かな気のゆるみ、それを見逃さずに編笠衆は特攻を仕掛ける。
「病苦」
 手にした呪符を発動しながら飛び掛かり、その呪いで共に死のうとする。
「無理心中なんて流行らないぜ」
 しかしその腕が肘から吹き飛び、木にぶつかって呪いが漏れ出しあっという間に枯らしてしまう。間に入った刀也が一閃して腕を斬り飛ばしていた。
「死ぬなら病気じゃなく、俺に斬られて死ね」
 鋭く踏み込んだ刀也が烈火の如く次々と敵を切り裂く。だが敵もまた必死。死を覚悟してその身で刃を受け、少しでも足止めしていく。
「足を止める……縛」
 編笠衆が一斉に掌を向けて剣客に呪詛を放つ。
「呪詛には呪詛だ」
 フォルクが振り返り、追いかけてくる編笠衆に魔石を付け替えた呪装銃『カオスエンペラー』の銃口を向けて引き金を引く。放たれる弾丸は呪詛を宿し死霊と化して襲い掛かり、敵の呪詛を纏めて相殺した。
「おお、流石は天下自在符を持つ御仁でござるな!」
 秋山は横から飛び出してきた敵を斬り倒す。しかし敵の数は増え、このままでは多勢によって押し包まれてしまうは明白であった。
「ここは俺達が食い止める。先に行ってくれ」
 秋山に声をかけながらフォルクは呪詛弾を放つ。死霊は噛み千切るように身体を裂き、編笠衆をズダズダにする。それに対して編笠衆は呪詛で対抗する。
「かたじけない。この恩は必ず返す!」
 敵を押し留めてくれる猟兵達に大きな声で伝え、秋山はさらに山中へと駆けて行った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ハルア・ガーラント
【WIZ】
足場の悪さを逆に利用できないかな……そう、こちらだけ足場を良くしてしまうとか

UCを発動し、この戦場を祝福の地へ
足場の悪さもきっと柔らかな草木の感触へと変わるでしょう
勿論敵はそのままです

呪縛術には[第六感]が特に反応しそう
感知したら急いで剣豪さんのそばへ行き[呪詛耐性と浄化]を込めた[オーラで纏めて包み防御]

剣豪さんの立ち回る以外の方向から狙ってくる敵を〈銀曜銃〉に[マヒ攻撃]を込めた魔弾で牽制
背の〈咎人の鎖〉を木と木の間に張って即席の簡易罠もいけるかな
剣豪さんに流れ弾が当たっても困ります、オーラの障壁で敵の攻撃は防ぎましょう

こういう時は負けない気持ちが大事と己を[鼓舞]

ちぇすとーー!


鎹・たから
誇りをもって最期まで足掻くあなたのいのち
たからはまもりま…いいえ、いいえ
共に戦わせてください

囲まれているなら、穴を開けるべきでしょうね
静かに接近
手裏剣を編笠へと飛ばしましょう
当たらずとも、九郎への意識が一瞬でもたからに向けば十分
【忍び足、暗殺、2回攻撃

複数の編笠を視界に入れ氷を放ち
素早く駆けて一体を確実にセイバーでたたっ斬ります
勿論、九郎の力も借りたいですね

たからはあなたの強さを信じています
此処を一緒に切り抜けましょう

九郎が呪符を受けぬようオーラの壁でかばい
彼と敵の間に割り込む形を常に意識

正しい強さを持つ人のいのちを奪って
オブリビオンに墜とすなんて
そんなこと、たからが絶対にさせません



●共闘
「ぜぇぜぇ……どれほどの数を伏せているのだ。これほど走ったのは小僧のころ以来だぞ」
 走り続けて息を切らした秋山は、足を止めて呼吸を整える。
「はぁはぁ、忍びの者は身が軽いというが、これほど山を熟知しておるとは、山伏に忍びが多いというのは本当かもしれんな」
 敵のことを推測しながら辺りを見れば、随分と山を登ってしまっていた。
「しかしこのまま登り続ければ逃げ場を失うか、そろそろ下るように動かねば――」
 そう考えたところでしゃんしゃんと、追い立てる錫杖の音が響いた。
「もう追いついてきたか、元よりこの身は剣に生き剣に死ぬ定め。ならば道を切り開くもこの剣よ」
 これ以上逃げても事態は好転しないと、秋山は剣を構えて炎のように闘志を燃やす。それに対して姿を見せた編笠衆は水のように冷静に距離を詰めてきた。

「誇りをもって最期まで足掻くあなたのいのち。たからはまもりま……いいえ、いいえ。共に戦わせてください」
 その誇り高き剣に生きる者の姿を見て感銘した鎹・たから(雪氣硝・f01148)は、共に戦わんと木陰からむつの結晶をかたどる手裏剣を左右の手で投げる。それが今にも攻撃しようとしていた編笠衆の先頭にいた二人を打ち倒す。
「我等を悉く邪魔するか猟兵」
 手裏剣の飛んで来た方向へと編笠衆の意識が向けられる。
「助太刀感謝!」
 そう言いながら秋山は鋭く刺突を放ち、編笠衆の胸を貫いて刺し殺した。そして敵の注意が二手に分かれた瞬間、たからは飛び出しながら複数の敵を視界に入れユーベルコード『棘雪』を使って、矢のように氷柱の群れを放ち串刺しにしながら、秋山の元へ駆け寄って背後に回ろうとしていた敵を透明無垢な硝子のつるぎで斬り裂いた。
「たからも共に戦います」
「おう! 心強い助っ人だ!」
 たからと秋山は背中合わせに隙を失くし、編笠衆と対峙して剣を振るい錫杖とぶつかり合った。


「足場の悪さを逆に利用できないかな……そう、こちらだけ足場を良くしてしまうとか」
 紅葉に染まり手入れのされていない獣道しかないような険しい山を利用できないか、戦闘音の聞こえる方向へと向かいながらハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)は思案する。
「やってみましょう」
 ユーベルコード『ヘヴンリーブレス』を発動し、輝く無数の光の羽根を降らせて大地に祝福を与える。すると大地が変化し、剣客や猟兵の足場の草木を短く整え、柔らかな草で歩きやすい地面に変わった。
「これで動きやすいはずです。敵は動きにくいままですから差が出るでしょう」
 軽くステップを踏んだハルアは、足元の負担を掛けずに動きやすい足場に満足して秋山に合流しようと駆け出した。
「何だ、突然動きに勢いが増したぞ」
 編笠衆は鋭い斬撃を受けて斬り裂かれる。
「足場だ、猟兵共の足場だけが平坦になっている」
「では相手の足を止めようぞ、縛」
 すぐさまその異常事態に気付き、編笠衆は攻め手を変え掌を向けて呪詛による金縛りに掛けようとする。
「これは呪いの力、させません!」
 そこへ翼を羽ばたかせて加速して飛び込んだハルアが、暖かな浄化の光を放つオーラを張って秋山とたからも纏めて包み込んで護る。呪詛はオーラにぶつかり激しく弾け飛んだ。
「おおっ、これは仏の加護か、巫女殿助かった!」
 感謝しながら秋山は刀で振り下ろされた錫杖を受け流す。

「ここまでかと思うたが、もうひと踏ん張りできそうだ!」
 そして隙を見せた敵の胴を薙ぎ払った。
「たからはあなたの強さを信じています。此処を一緒に切り抜けましょう」
 たからが呼びかけながら背後から来る敵に、硝子剣を振るって斬り伏せる。一人では無理でも二人なら――。
「わたしも援護します!」
 そして三人ならさらに勝算は増える。ハルアも『銀曜銃』から光弾を放って閃光が敵の胸を撃ち抜いた。
「これならば押し戻せる!」
 秋山が援護でできた敵の乱れに突っ込み剣を振り抜く。刃は首を断ち編笠が宙に舞った。
「たからも続きます」
 そこへ間髪入れずにたからも飛び込み、敵の陣を食い破るように切り裂く。
「散れ」
 編笠衆が散開し、狙いを定まらせないように離れながら呪符を放つ。
「ちぃっ」
 それを秋山は斬り払うが、刀では捌き切れない数が迫る。
「ここはたからに任せてください」
 前に出たたからがオーラの壁を築き、呪符を空中で堰き止める。
「こっちの動きを止めようとしてますね、ならお返しです!」
 ハルアは背に巻き付けた『咎人の鎖』を伸ばして木と木の間に張り巡らせる。するとそれが妨害して編笠衆の動きを阻害した。
「数は多いですけど、こういう時は負けない気持ちが大事です!」
 己と仲間を鼓舞してハルアは動き止めた敵に光弾を浴びせる。
「正しい強さを持つ人のいのちを奪って、オブリビオンに墜とすなんて。そんなこと、たからが絶対にさせません」
 たからも手裏剣や氷柱を放って敵陣を崩し、大きく崩壊させた。
「これならば抜けれる! 行こう!」
「はい! ちぇすとーー!」
「そうです。たからたちなら相手が何人いても負けません」
 反撃だと秋山も斬り掛かり、肩を並べ気合を入れたハルアとたからも上っていた道筋を反転し、包囲網脱出の為に山を下り始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
なるほど軍略に優れた相手でござるな
だがこの場じゃあ二番目だ

初めに上空へ【UAV】を飛ばし戦場全体を観測ですぞ
山で視界が悪かろうが赤外線カメラのような視覚以外の探査手段を使えばよろしい
離れた山腹から観測情報を元に適当な編笠を狙撃!そのよくわかんねぇ顔をふっ飛ばしてやる!

剣豪の包囲と狙撃手への対処、両方やるなら戦力を分けると見てますぞ
剣豪の包囲継続なら拙者は狙い撃たれるだけ、拙者を狙えば剣豪が逃げるからな!
拙者を狙う編笠を引きつけたら剣豪の元へレッツ【ファストトラベル】!置き土産に爆弾も起爆ですぞ!
後は分断された敵を各個撃破するだけでござる!UAVから爆撃で航空支援させて手早く片付けるでござるよ


霧島・絶奈
◆心情
上杉謙信との『逢瀬』は心躍りました
紛い物とは言え、愉しませて頂きましょう

◆行動
剣豪を護衛

【空中浮遊】を活用し足場の不利を、【暗視】と【聞き耳】を立てる事で視界の不利を相殺

敵は群体でありながら個
であれば一網打尽にするのみです

【罠使い】として持ち込んだ「魔法で敵を識別する指向性散弾」を周囲一帯に設置
一糸乱れぬ故に二度目以降「どう避ける」かも読みやすい…

『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
目先の罠を避けた先こそ死地
彼らの特性こそがこの場に於ける最大の罠です

更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


西院鬼・織久
敵を全て排除すれば剣豪の危機も去るでしょう
ここは殺し間、ならば我等が狩るべき敵も集結する

悉く喰らい尽くすには丁度いい
如何に縒り合わせた罠とて我等が喰い破ってくれよう

【行動】POW
五感と第六感+野生の勘で周囲を把握し敵と剣豪の行動を予測

先制攻撃+UCで一体を狙い爆破と同時にダッシュ+残像
残像に敵の注意を引き寄せ敵の群れへ飛び込み、UCで捕縛されたままの一体を串刺しでとどめ、周囲の敵になぎ払い+範囲攻撃
倒しきれなくても怨念の炎(呪詛+焼却+生命吸収)を付与し弱らせる

敵攻撃を木々の影も利用したフェイント+残像で躱しながら移動する事で敵を誘導、複数固まった所をUCで爆破しなぎ払い+範囲攻撃で追撃



●死兵
「このまま下りられればと思うたが、そう甘くはないか」
 秋山が山を下りる足を緩めると、木々の間から編笠衆がしゃんと錫杖の音と共に姿を現わして道を塞いだ。
「敵を全て排除すれば剣豪の危機も去るでしょう。ここは殺し間、ならば我等が狩るべき敵も集結する」
 そこをゆるりと幽鬼のように木の影から西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が姿を現し間に割って入った。
「悉く喰らい尽くすには丁度いい。如何に縒り合わせた罠とて我等が喰い破ってくれよう」
 その爛々と光る赤い瞳で敵を睥睨し、怨念宿る黒い大鎌『闇焔』を構える。
「貴殿も猟兵か、その禍々しい死の気配。我等と同じ死に近しい存在か。死兵同士ならば数に勝る我等が勝つ」
 死を恐れぬ兵である編笠衆は、一斉に織久に錫杖を叩きつけんとする。
「既に死の影は怨敵を捕えている」
 その錫杖が届く前に、織久の影が先頭の編笠衆に貼り付き、爆発を起こして吹き飛ばしていた。その後を追うように駆け出した織久は爆発と同時に繋がった影の腕を引き寄せて大鎌を振るい、態勢を立て直す前に敵の首を刎ね飛ばした。
「疾」
 編笠衆は仲間がやられようと怯まずに錫杖を叩きつけようとする。
「その仮初の命を我等が糧に」
 しかし織久も引かず、大鎌を回転するように横一閃して編笠衆を薙ぎ払った。さらに傷口が怨念の黒い炎で焼かれ、生きながらに焼かれる苦しみを与える。
「なんと、山に現れる悪鬼羅刹の類か……」
 その様子に秋山はごくりと唾を呑み込む。そして首を振り、我に返って自らも敵に斬り込んだ。


「囲め、封殺する」
 気付かれぬように別働の編笠衆が猟兵と剣客を囲もうと動き出す。その動きはまるで一つの生命のように綿密に連動していた。
「敵は群体でありながら個。であれば一網打尽にするのみです」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)がその敵の動きを見て、仕掛けておいた指向性散弾を起爆させる。放たれる散弾が広範囲に飛び編笠衆が被弾していく。攻撃を受けても声を殺し編笠衆は自らの居場所を隠す。
「不意打ちを受けても声を殺すとは見事です」
 絶奈は敵を称賛しながらも敵の動きを読む。編笠衆はすぐさまその場から離れて態勢を立て直そうとする。
「しかし一糸乱れぬ故に二度目以降『どう避ける』かも読みやすい……」
 その場所にも罠は仕掛けられ、爆発と共に散弾が飛んで編笠衆を傷つけていった。この場が罠の仕掛けられた狩場だと気づくと、編笠衆は罠の仕掛けを見つけ回避するように動き出す。するとそこには絶奈が待ち構えていた。
「目先の罠を避けた先こそ死地。彼らの特性こそがこの場に於ける最大の罠です」
 敵が動く前に放つは『涅槃寂静』。死を内包する濃霧が視界を閉ざし、編笠衆を一気に覆う。すると突然苦しむように喉に手をやり、編笠衆がばたばたと倒れていく。
「如何に鍛えられようとも、戦闘で動き回れば息が上がるもの。そして呼吸こそが貴方方の死を招くのです」
 絶奈の声がもう聴こえていないのか、喉から血が出るほど掻きむしった編笠衆が倒れ伏した。


「包囲を破らせるな。猟兵の邪魔があろうとも必ず仕留めよ」
 編笠衆が山を下り始めた秋山の行く手を塞ぐように布陣を始める。
「なるほど軍略に優れた相手でござるな」
 その統率の取れた無駄のない様子を、離れた山腹に身を潜めたエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が眺め、なかなかのやり手だとその動きを褒める。
「だがこの場じゃあ二番目だ」
 そしてニヤリと口元に笑みを浮かべ、山を俯瞰できるように無人航空機『UAV』を飛ばす。搭載された赤外線カメラは隠れた敵の居場所をも察知し、山を隅々まで観測する。
「一方的に追い立てるつもりだったのでござろうが、ここからはこちらが一方的に攻める番でござる」
 そして『マークスマンライフル』を構えると、観測情報を元に目視できぬ敵に狙いを定めて引き金を絞る。
「そのよくわかんねぇ顔をふっ飛ばしてやる!」
 銃声と共に放たれた弾丸は草木を抜けて編笠衆の編笠に穴を開けて頭部を狙撃した。
「種子島の狙撃か」
 編笠衆は弾の当たり方と銃声によって狙撃手の位置を割り出す。
「あのような距離から一撃で撃ち抜いたか、見事な腕前。されど、場所がわかれば押し潰すだけのこと」
 編笠衆の一群が駆け出し、険しい道を身軽にエドゥアルトの元へと急ぐ。
「やはり戦力を分けたな、部隊の分断に成功でござる!」
 エドゥアルト敵が接近来るするまでにも、狙撃を続けて数を減らしていく。


「見つけたぞ、これ以上撃たせぬ。ここで死ねい」
 編笠衆がエドゥアルトを見つけ、木々を蹴るようにして飛び上がり逃げ場を作らぬように囲んで錫杖を振り下ろす。
「よくここまで来たでござるな! しかし来て早々申し訳ないが、おさらばでござる! ああそうだ、せっかく来てくれたお礼に置き土産を差し上げますぞ!!」
 エドゥアルトがユーベルコード『ファストトラベル』を発動し、一瞬にしてその場から姿を消した。そしてその場に残っていたのは爆弾。ピッピッと音がしてデジタルのカウントがゼロに近づく。
「散――」
 接近していた編笠衆が逃げる間もなく、爆弾が爆発を起こしその身体を粉々に吹き飛ばした。

「誰だ!?」
「おっと、拙者は味方でござる。あの怪しい編笠をかぶってござらぬのが証拠!」
 突然現れた人物に誰何する秋山に、エドゥアルトがおどけた調子で答える。その胡散臭い癖のある物言いに、秋山は逆に怪しむのが馬鹿らしくなってふんっと鼻で笑って切っ先を編笠衆に向けて斬りつけた。
「さて後は航空支援で残りの敵も各個撃破するだけでござる!」
 同じように笑みを浮かべたエドゥアルトはUAVを操作し、爆撃による航空支援を行い自分の追いかけて離れた別動隊の頭上から攻撃した。離れた位置で大爆発が起こり紅葉が舞い飛ぶ。

「罠に嵌められたか」
 上手を取られた編笠衆は、しゃんと錫杖を鳴らして集結していく。しかしその声は冷静で、どのような逆境であろうとも乗り越える自信を宿していた。
「流石は上杉謙信の欠片を宿しているだけはあります。ですが所詮はデッドコピー、本物とは雲泥の差です」
 絶奈がこのまま抑え込まんと、剣と槍を手に斬り掛かり、錫杖を切断し胴を貫いた。
「我等が何者かも知っているか、やはり猟兵は油断できん。何としてもここで勝利を掴まねばなるまい」
 編笠衆は死しても道連れにすると、斬られながらも掌を向けて呪詛を放つ。
「既に貴方は死んだ身。其の身が居るべき場所に還しましょう」
 動きが完全に止まる前に、絶奈は剣を振るって腕を斬り飛ばした。だがその攻撃の僅かな隙をつき他の編笠衆らが呪詛を放つ。
「怨敵よ、全ての魂の欠片まで我等に捧げよ」
 そこへ織久が構わず飛び込み、大鎌を薙ぎ払って呪詛ごと敵を切り裂いた。腕が飛び、胴が切断され、一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出す。
「一人残らず我等に喰らい尽くされよ」
 織久が大鎌を振るう度に血が舞い炎が猛る。
「敵にすれば怖ろしいが、味方ならば頼もしい!」
 秋山もまた敵を斬り、勢いの乗るように敵の防衛網を突破した。
「逃さぬ」
「その隠した顔をこいつで拝見するでござる!」
 それを阻止せんと近づく編笠衆に向けて、エドゥアルトが万能火炎放射器を発射して炎を浴びせた。編笠が焼け中から潰れたような醜い顔が現れる。
「我等に顔は必要ない。我等はただの駒なり」
 編笠衆は炎を突っ切り、燃えながらも突進する。
「駒にまで身をやつすとは、魔軍将と呼ばれた者が哀れなものです」
 その身体に絶奈が槍を突き入れ、動けぬように地面に串刺しにした。
「怨敵よ、この先に進みたければ我等と戦え」
 織久が大鎌から炎を撒き散らしながら暴れ回り、絶奈が剣と槍で、エドゥアルトが銃弾を撃ち込んでいる間に、秋山はさらに山を下っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
やーやー、元気にピンチしてる?
剣豪殺しだって、ぶっそーだねー
ま、逆に言えばそうまでしなけりゃ手勢が増えない訳で…
そんなに戦力的には芳しくないのね

剣豪の君!
最低限自分の身くらい守れるでしょ?
なら、身を守る事だけ考えてね
後はこっちでやるから!


《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
【光剣解放】を起動
940の光剣を10本1組で運用し、編笠衆へ攻撃を仕掛ける
光剣には、5本で敵を撹乱し残りで『串刺し』にするよう行動をセット
私自身も乱戦に乗じて編笠衆へ攻撃を仕掛けるよ
一気に接近して二刀による『二回攻撃』で攻撃!
呪詛は『第六感』に任せて感じるままに回避
ま、当たったらあとは光剣にお任せだね


グウェンドリン・グレンジャー
剣豪……さん。あなた、たちは、殺させない
私が、守るもの
(腰から広げた、生体内蔵式クランケヴァッフェの翼を広げてふわりと降り立ち)

編笠の、あなたたち。動き、大ぶりすぎ
(命中直前に、空中戦で上方向へ回避して)
暴力は、もっと、効率的に、使わなくちゃ
(すれ違いざまに、硬質ブレードと化したMórríganと、鞭として振るうBlack
Tailで斬ったり投げ飛ばしたり)
細っこいから……って、油断、した?
(怪力で持ち上げ投げ飛ばし、鋭く伸ばしたBlack Tailで刺し貫く)
私は……グールドライバーで、力持ち、だから

第六感……で、敵の数、感知し、Feather Rainで、全方位攻撃
逃がさない

アドリブ歓迎


愛久山・清綱
戦いはますます激しさを増してきている……
クルセイダーとやらが姿を現していない以上、
この戦いは今暫く終わることはないだろう。
■闘
巫の装束を身に纏い、戦闘に乱入。
拙者、『八江山隠流』愛久山清綱……参る!

戦闘時は、常に九郎殿を護りながら戦おう。
編笠衆の放つ札を【破魔】の光を纏った【オーラ防御】の
光を周囲に展開し、呪殺の力を消し去るのだ。
万一九郎殿に当たりかけたら、庇うように受け止める。

攻撃の機が来たら居合の構えを取り、周囲の敵を目視する。
そこから【早業】の手つきで【心切】を放ち、見えざる太刀で
一気に斬り伏せてやろう。
放つ際は【範囲攻撃】になるよう、多くの敵を目視するのだ。

※アドリブ歓迎・不採用可



●紅く染まる川
「ぜっぜっ、まったく、剣の腕よりも体力で根を上げそうになるとはな……」
 剣客の秋山は度重なる襲撃と、そこからの逃走に息を切らせて疲れを隠せないでいた。
「この音は……川か」
 喉の渇きを癒そうと秋山は足の向きを少し変え、浅く開けた川辺に出る。そして顔を突っ込んで水を口に含んだ。
「ふぅ、腹いっぱい飲みたいところだが、水腹で死んだとなっては死んでも死に切れんからな」
 たらふく飲みたくなるのを我慢し、この場なら視界が開けていて不意打ちを受けぬと敵を迎え撃つ覚悟を決める。そこへ少し離れた茂みから編笠衆がぞろぞろと姿を現した。
「もう逃げも隠れもせぬ、ここで決着をつけてくれるわ!」
 ひと息ついて心に余裕を取り戻した秋山は剣を構え、気力を漲らせて敵と対峙する。
「これ以上時間はかけられぬ。勝負を決しよう」
 編笠衆が錫杖を構えて今にも駆け出さんと前のめりになった。

「やーやー、元気にピンチしてる?」
 そんな緊張高まる戦場に似合わぬ、まるで散歩でもしているような気楽さで、月夜・玲(頂の探究者・f01605)が姿をみせる。
「剣豪殺しだって、ぶっそーだねー。ま、逆に言えばそうまでしなけりゃ手勢が増えない訳で……そんなに戦力的には芳しくないのね」
 敵の弱みを見透かした玲は、ここで叩けば戦力をさらに削れると予測する。
「剣豪の君! 最低限自分の身くらい守れるでしょ?」
「拙者のことか、剣豪と名乗るのはおこがましいが、自分の身を守る程度の腕は持っているつもりだ!」
 玲の言葉に秋山は自信があると敵を見たまま頷いた。
「なら、身を守る事だけ考えてね。後はこっちでやるから!」
 そういうや否や、『《RE》Incarnation』と『Blue Bird』の二刀を抜刀しユーベルコード『光剣解放』を起動した。するとまるで光が爆発したように眩く辺りが照らされ、940本もの光剣が召喚される。
「数を頼りにしてるみたいだけど、この940の光剣を上回れるか、その身体で確かめてみてね」
 茶目っ気たっぷりに玲が言い放つと、光剣が10本1組として一斉に攻撃を仕掛けた。
「散」
 錫杖をしゃんと鳴らし、編笠衆もまた一斉に散開して攻撃を躱そうとする。しかし光剣は5本で敵を撹乱し、残り5本で四方から刺し貫き大地に串刺していく。
「こりゃ凄い、本当に身を守っていれば終わりそうだな」
 呆然とその光景を眺めていた秋山は、頭を振ってすぐに戦いに集中した。
「縛呪」
 しゃんしゃんと錫杖を鳴らした編笠衆は、掌を向けて呪詛を放ち光剣の使い手である玲の動きを封じようとする。
「残念だけど私の動きを封じても光剣は止められないよ。ま、当たらないけどね」
 だがそれを察知した玲は、右に左にと動いてその効果範囲から逃れた。

 しゃん――

「全員死のうとも構わぬ。だが目的は果たす」
 錫杖を構えた数名の編笠衆が一気に駆け出す。その狙いは秋山ただ一人。特攻を守るように他の者が光剣に呪詛を放って動きを一時的に止める。
「相討ち覚悟か」
 ここで引けば負けると、秋山もまた前に踏み出し刀を振るう。錫杖を紙一重で避けて相手を斬り捨てる。しかし一人倒したところで、その足を瀕死の敵に掴まれる。動きを止められたところに錫杖を振り下ろされた。
「剣豪……さん。あなた、たちは、殺させない。私が、守るもの」
 そこへグウェンドリン・グレンジャー(Heavenly Daydreamer・f00712)が腰から広げた生体内蔵式クランケヴァッフェの黒い翼で飛翔し、すり抜けながら翼を硬化させてブレードのように敵を切り裂き両腕を切断した。そして翼を広げてふわりと秋山の前へと降り立つ。
「忌々しい猟兵め」
 平坦な声に苦々しい感情が混じり、続く編笠衆がすぐさま錫杖を振り抜く。
「編笠の、あなたたち。動き、大ぶりすぎ」
 それが当たる直前にグウェンドリンは空中に飛び上がり、敵を惑わすように頭上で旋回した。
「暴力は、もっと、効率的に、使わなくちゃ」
 そして急降下してすれ違いざまに、硬化ブレードと化した黒い翼『Mórrígan』で敵の首を刎ねた。
「翼を潰せば飛べぬ」
 編笠衆はグウェンドリンの翼を叩き潰さんと錫杖を振るうが、その影を捕えることもできない。逆にその腕に長い尾羽根にも似た黒い生体ウィップ『Black Tail』が絡みつく。
「細っこいから……って、油断、した?」
 そして上昇して敵の身体を持ちあげると、見た目からは想像もできぬ怪力で振り回して編笠衆を大地に叩きつけ、鋭く伸ばしたBlack Tailで刺し貫く。
「私は……グールドライバーで、力持ち、だから」

「恐るべき力なり。頭を抑えられては勝てぬ」
 編笠衆はグウェンドリンを狙い次々と呪符を飛ばす、そうして地上に近づかれぬように牽制し、その間に剣客を狙った。
「戦いはますます激しさを増してきている……」
 目蓋を閉ざした愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は激しくなるばかりの戦いに思い馳せる。
「クルセイダーとやらが姿を現していない以上、この戦いは今暫く終わることはないだろう」
 ならば一つ一つの戦いに勝利して引きずり出すしかあるまいと清綱は目を見開く。
「拙者、『八江山隠流』愛久山清綱……参る!」
 巫の装束を身に纏い、名乗りを上げて清綱は戦場に乱入した。間に割り込むと、喝っと破魔の光を纏ったオーラを放ち、呪符を消し飛ばす。
「九郎殿、御守りいたす!」
 そう背中越しに声をかけ、腰に差した刀『心切』の柄に手をかけ敵を見渡した。
「居合いか。近づかねば何もできまい」
 しゃんっと錫杖が鳴らされ、それに応じて編笠衆が囲むように動き、離れた位置から一斉に逃げ場のないよう呪符を放つ。
「浅はかなり。見えざる太刀、その身でとくと味わえ」
 まったく刃の届かぬ位置。だが構わずに清綱は刀を抜き打つ。放たれる斬撃は空を切る。しかしその刃は届かぬはずの敵を不可視の刃として薙ぎ払い、気魄と霊魂を断って肉体ではなく精神を斬り裂いた。
「がっ!?」
 突如として泡を吹いた編笠衆らはその場で崩れ落ちるように倒れていく。外傷はないのにその命は絶たれていた。
「秘伝……心切」
 清綱はゆっくりと刀を鞘に納め、残心を以って敵の動きを警戒する。
「なんと! 一太刀であれだけの敵を屠るとは、拙者などよりも遥か高みの剣!」
 その一刀を見て、秋山は感嘆の声を上げて見惚れた。

「肉ではなく心を切ったか」
 その技を理解し、編笠衆は離れていては不利と見て、すぐさま接近戦を仕掛ける。しかしその頭上から光剣が降り注ぎ串刺しとなっていく。
「さーさー、残り少なくなってきたよ。このまま全滅してもらおーかねー」
 のんびりとした口調ながらも、玲は油断せずに飛んでくる呪符を二刀で払い、光剣によって敵を確実に仕留めていく。
「なにか、むずむず、する……」
 グウェンドリンは背筋に走る悪寒を感じ取り、上昇して辺りを見回した。するとあちこちに死体に紛れて隠れ潜む編笠衆の姿を発見した。それらがじりじりと草むらを這うように進んで秋山へと近づいている。
「第六感……で、敵の数、感知し、Feather Rainで、全方位攻撃。逃がさない」
 そんな隠れ伏した敵の存在を感じ取り、ユーベルコード『Feather Rain』によって、黒い翼状ブレードから生えた真っ黒い羽根を無数の矢のように放つ。空から雨のように降り注いだ黒い羽根は編笠衆らを貫いていった。
「気付かれたか」
 露見しては仕方が無いと、伏していた編笠衆が一斉に跳ね起き、秋山に向けて駆け出す。
「搦め手でこようとも、この刀の間合いに入ったならば全て斬る――」
 清綱が鯉口を切り、一閃。近づく敵の身体が上下に泣き別れた。今度は心ではなく肉体を斬り、血飛沫で紅葉をさらに紅く染めた。
「なんとも頼もしい助っ人よ。これならば押し戻せる!」
 秋山も近づく敵を唐竹割に斬り捨て、この場で決着をつけようと川を鮮血で染めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーファス・グレンヴィル
鈴成り(f28040)と

紅葉狩りか、良いな
全部終わったら楽しもうか
それまでに剣客助けてやろうぜ

案内は任せろよ
でも山の中より川で戦いたいな

え、その山犬くんたち
そこまで追い込めるのか?
へえ、そりゃ助かる

あ゛、ほら、ナイト
お前も一緒に付いてってやれよ
山犬くんたちの道案内は任せたからな
肩に乗ってた黒竜を共に行かせて
にやり、と、不敵に口角が上がった

化け術を、この目で見るのは初めてか
鈴成りがサポートしてくれるのなら
オレは遠慮なく立ち回るよ
お前のこと、信じてるからな

腰の得物を抜刀
敵を引き付けてくれてる間に
鉄塊剣を、ぶんぶんと振り回す

さあ、殺り合おうか!

溜めた力を用いて一刀両断
容赦なく二人で敵を殲滅しようぜ


葉山・鈴成り
ルーファスの旦那(f06629)

夕焼けと紅葉が綺麗っすねェ。
紅葉狩りでもしたいとこだけど、今は剣客さんを助ける方が先ッスね。

呑気な様子だがやることは忘れてない
エンパイアは初めてだから、ルーファスの旦那頼りにしてるッスよ!

敵さんは複数みたいだしこっちも複数で行かせてもらうっス。
UCで山犬のキャラクターを出現させる
足場も視界も悪いッスから、山犬くんたち誘導お願いな。
猟犬の如く敵を追い込む

自身は化け術で「雪女」に変化
ルーファスの旦那、サポートは任せて
思いっきりやっちゃって下さいっス。

後方から敵の足や腕を一息で氷漬けにする
いくつもの氷柱は直接敵を射抜くか牽制に使用
旦那が動きやすいように立ち回るっスよ



●狩り
「夕焼けと紅葉が綺麗っすねェ」
 呑気に葉山・鈴成り(左魂・f28040)が鮮やかな紅葉を見上げる。さらには川に落ちた紅が流れ、どこもかしこも見頃な秋色の景色となっていた。
「紅葉狩りでもしたいとこだけど、今は剣客さんを助ける方が先ッスね」
「紅葉狩りか、良いな。全部終わったら楽しもうか。それまでに剣客助けてやろうぜ」
 鈴成りの言葉に隣に並ぶルーファス・グレンヴィル(常夜・f06629)も同じように紅葉を眺めて頷き、楽しむためにもやるべき事をやろうと騒がしい川の方へと視線を向けた。
「エンパイアは初めてだから、ルーファスの旦那頼りにしてるッスよ!」
「案内は任せろよ、でも山の中より川で戦いたいな」
 信頼しきった顔を向ける鈴成りに、胸を張って任せろというルーファスは戦闘音を頼りに川の方へと向かう。
 そこには剣客の秋山とそれを守ろうと奮戦する猟兵達の姿が見えた。そしてちょうど増援に向かおうと風下である下流から迫る編笠衆の集団も見えた。
「ちょうど川でやり合ってるみたいだな。好都合だ、行くぞ」
「了解ッス!」
 ルーファスと鈴成りは急ぎ増援の迎撃に向かって駆け出す。

「敵さんは複数みたいだしこっちも複数で行かせてもらうっス」
 走りながら鈴成りがユーベルコードによって額に1と刻印された山犬のゲームキャラクターを60匹近く呼び出した。
「足場も視界も悪いッスから、山犬くんたち誘導お願いな」
 鈴成りがお願いすると、一つ吠えた山犬たちが一斉に足場の悪い山を苦も無く猟犬の如く駆け、先導するように前を走った。
「え、その山犬くんたち、そこまで追い込めるのか?」
「もちろんッス! 山のエキスパートッスからね」
「へえ、そりゃ助かる」
 疑問に鈴成りが大丈夫と太鼓判を押し、感心したようにルーファスはその後姿を見た。
「あ゛、ほら、ナイト。お前も一緒に付いてってやれよ」
 ルーファスは自分の肩に乗ったまま楽をしている黒竜のナイトに呼びかけると、仕方が無いと翼を羽ばたかせて飛び上がった。
「山犬くんたちの道案内は任せたからな」
 まるでわかったわかったと言うように、ナイトは一つ旋回して山犬の前へと飛んでいった。そして戦闘の喧騒と敵の気配が近づくと、にやり――と、不敵にルーファスの口角が上がっていく。戦いを前に抑え切れぬ興奮が笑みとなって表れていた。

 ナイトと山犬に導かれて獣道を抜けると、川岸を駆け上がる編笠衆の姿を見つけた。山犬が狩りのように行く手を塞いで吠えて威嚇し、その動きを制限しようと囲む。対して編笠衆は近づく山犬を追い払おうと錫杖を振るって打ち据えた。
「いたッス!」
 鈴成りが化け術で自身をポンッと煙に包み、一瞬にして姿を雪女に変化し、冷気を宿して戦闘態勢に入る。
「化け術を、この目で見るのは初めてか」
 そんな不思議な現象をルーファスは珍しそうに見つめる。
「ルーファスの旦那、サポートは任せて、思いっきりやっちゃって下さいっス」
「鈴成りがサポートしてくれるのなら、オレは遠慮なく立ち回るよ。お前のこと、信じてるからな」
 鈴成りに背を任せ、ルーファスは嬉々として戦場へと飛び出した。
「旦那の期待に応えるッスよ」
 信頼されていることが嬉しくて鈴成りは雪女の美しい顔に笑みを浮かべ、冷気を放て敵の手足を氷漬けにした。そこへ腰の得物を引き抜いたルーファスが突っ込み、鉄塊剣『Hell』をぶんぶんと振り回して竜巻のような凄まじい勢いをつけて敵を薙ぎ払った。
「さあ、殺り合おうか!」
 鬼気迫る笑みと共に、ルーファスは片っ端から敵を斬る。否――それは斬るというよりも砕くといった言葉が似あうように、触れたものを粉砕し肉片に変えていく。
「山狩りが山狩りに遭うか、しかし数の利はこちらにある。狩るのは我々だ」
 編笠衆もすぐに態勢を立て直し錫杖で反撃する。鉄塊剣と錫杖がぶつかり合い、火花を散らして衝撃波が迸る。紅葉が舞い散る中、反動でルーファスが体勢を崩す。対する編笠衆は両腕が千切れそうになってだらんと下がり錫杖は折れていた。だがその機を逃すまいと他の編笠衆が一気に駆けてルーファスに襲い掛かる。
「旦那に怪我一つさせないッスよ!」
 そこへ鈴成りが氷柱を飛ばし、敵の脚を射抜いた。がくんと姿勢が崩れ走っていた編笠衆が転ぶ。そこへ容赦なくルーファスは鉄塊剣を振り下ろし編笠ごと頭を砕いた。

「残念だったな。連携が得意なようだが、こっちも負けてないぜ」
 ちらっと、どうですかとばかりに自慢げな鈴成りに視線を向けたルーファスは、こちらの方が上だと笑って鉄塊剣を手に敵に突っ込んだ。
「地の利を活かせ」
 しゃんと錫杖を鳴らして編笠衆は大きな得物が自在に使えないように、川から離れ足場の悪い木々の生え茂る場所へと誘導しようとする。
「山犬くんたち足止めをお願い」
 鈴成りが山犬の群れを使って、敵の動きを妨害する。それを叩き潰そうとする編笠衆を、頭上からナイトが襲い掛かり顔を引き裂いた。
「よくやったな、山犬くんもナイトもお手柄だ」
 そこへ追いついたルーファスが背後から鉄塊剣を振るい、編笠衆の身体を一刀両断にした。
「猟兵が現れたのが我等の策の綻びとなったか」
 鉄塊剣を振るって自在に暴れ回るルーファスと、それを援護する鈴成りのコンビネーションに、この場で最後の一人となった編笠衆が錫杖を構え相討ちを狙うが、足を縫うように凍らされて動きを封じられ、掲げる錫杖ごと体を断ち切られた。

「近くにもう敵はいないみたいッスね」
「そうか、なら剣客のところに向かうか」
 鈴成りが山犬たちに辺りを探らせたが編笠衆はいないようだった。ならば狙われている剣客と合流しようとルーファスは鈴成りと共に、紅葉と血で染まる川の上流目指して進み始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『真田神十郎』

POW   :    不落城塞
戦場全体に、【真田家の城郭】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    神速十字斬
【両手の十字槍と妖刀による連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    侵略蔵書「真田十傑記」
自身が戦闘で瀕死になると【侵略蔵書「真田十傑記」から10人の忠臣】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蛇塚・レモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●真田神十郎
 山中に響いていた錫杖の音が乱れ、編笠衆の軍勢が敷いた包囲網が破られる。
「おお、あれだけの忍びの軍を退けるとは、なんという勇士か!」
 それを成した猟兵達に秋山は心からの賛辞を送った。
「よし、このまま敵が態勢を立て直す前に脱出を――」
 秋山が川を下ってそのまま麓に向かおうとした瞬間、地響きが起きる。
「何事か!?」
 慌てて踏ん張り片膝をついた秋山が周囲を窺うと、大地が隆起して紅葉を舞わせ目の前に山を築く。
「何だこれは……山? 否、これは城壁!?」
 驚き目を丸くするその前には、行く手を塞ぐように城郭が並ぶ。それは幻でもなんでもなく、あちこちに紅葉が貼りつき本物の壁として実在している。
 その城郭に掲げられる旗には真田の六文銭の家紋が描かれていた。

「我が忍軍を、それも謙信殿を憑装しているにも拘らず退けるとは見事なり!」
 城壁の上から声が響く。そこには真紅の甲冑、赤備えを纏う勇ましい武者の姿があった。
 軽やかに城壁から飛び降り、武者は秋山と猟兵達の前に堂々と降り立つ。
「我が名は真田神十郎! 貴殿を殺し我が配下とする! そしてそれを邪魔する猟兵どもよ! お主らはここで排除する!!」
 名乗りを上げた真田神十郎は書を広げ、真田家に仕えし赤備えの歴戦の武者10人を召喚した。
「城郭により道は閉ざした! 山を下りるには我等を倒すしかない! だが真田の一騎当千の勇士、刺し違えてでもお主らを討つ!!」
 城郭を身を守る為でなく逃げ道を塞ぐ為に使い、背水の陣で挑む真田神十郎が空気が震えるような気迫を見せ、自らも十文字槍と妖気纏う刀を構えた。


 下山するには城郭が邪魔をする。そして目の前には猟書家『真田神十郎』とその配下の赤備えの勇士たち。さらには山中にはまだ忍びの編笠衆も残っている。今は猟兵から受けた攻撃によって総崩れとなっているが、編笠衆が再編して向かって来れば脅威となる。それまでに頭領である真田神十郎を討って戦いを終わらせなければならない。

 猟兵達はここからが本番だと気合を入れ直し、真田の赤備えとの激戦に挑む。
御剣・刀也
真の姿、いしはま絵師のJC参照

真田に十勇士
武に生きる者なら誰もが一度は手合わせしたいと憧れた相手
そんな連中と手合わせできるとはな。猟兵冥利につきる。さぁやろうか。どちらかが倒れるまで、存分に!

不落城塞で壁を作られると厄介なので、壁を作られる前に勇気で妨害を恐れず、ダッシュで距離を詰めて捨て身の一撃で斬り捨てる
十勇士の妨害は自身の進路の妨害などがないのなら、気にせずダッシュで押し倒して突っ込む
真田の槍は、突き、薙ぎ、払いを避けた隙にダッシュで飛び込み、妖刀で防ごうと、その妖刀ごと斬り捨てるつもりで打ち込む
「さすが真田。日の本一の兵と呼ばれた男。俺の中の鬼も喜んでるよ。お前と闘えたことを!」


月夜・玲
真田…ね
まあ綺麗な赤の鎧だこって
ちなみに私は赤より青が好きー
残念、趣味は合わないね

ま、さておき
折角平和になった世界でハイエナ行為は頂けないなあ
悪いけど、お帰り願えるかな?


《RE》IncarnationとBlue Birdを続けて使用
まあ厳密には違うけど、お互い二刀が得手か
楽しそうだね、さあ死合おうじゃないか
【雷鳴・解放】を起動
高速移動で敵の連続攻撃を回避しながら、正面から斬りあおう
槍、刀は『武器受け』して受け流して回避
そして至近距離から稲妻を纏った斬撃を放って『吹き飛ばし』て距離を取る
それから斬撃の放射を繰り返し連続で攻め、最後に一気に接近し両剣で『串刺し』てダメージを与える


●アドリブ等歓迎


神代・凶津
漸く大将のご登場ってことかッ!
狙うはその首、一直線だぜッ!
っと、その前に秋山のおっさんに『結界霊符』を渡しとくぜ。
いざと言う時はこれである程度は身を守れるぜ。
んじゃ、俺達は行くわ。
風神霊装で飛ばすぜ、相棒ッ!
「・・・転身ッ!」

空を駆けて城壁の上の真田神十郎に強化した薙刀で先制攻撃だ。
てめえの十文字槍と俺の霊鋼の薙刀、どっちが上か勝負と行こうやッ!
そのまま空を飛びつつ、敵の攻撃を見切って避けたり受け流したりしながら破魔の力を纏った薙刀の攻撃を叩き込み続けるぜ。


【技能・空中戦、先制攻撃、見切り、受け流し、破魔】
【アドリブ歓迎】



●武勇
「真田に十勇士。武に生きる者なら誰もが一度は手合わせしたいと憧れた相手」
 赤備えの勇士を前に刀也は真の姿を開放し、右目から青白い光が燃えるように放たれ、その光が身体に纏わりつく。
「そんな連中と手合わせできるとはな。猟兵冥利につきる。さぁやろうか。どちらかが倒れるまで、存分に!」
 これからの激闘を思い描いた刀也は嬉しそうに口角を上げ、『獅子吼』の柄を強く握り刀身にも青白き光を宿して駆け出した。
「不落城塞で厄介な壁を作られる前に決める!」
 何が起きても対応してみせると勇気を奮い立たせ、真っ直ぐに真田神十郎に向かって突っ込むと、それを邪魔するべく真田十勇士が刀や槍を突き出して妨害する。
「押し通らせてもらう!」
 それを刀で受け流し、身を投げ出すように前転して躱しながら前に進み、真田神十郎の目前に達すると捨て身の如く斬撃を放った。低い姿勢からの掬い上げるような逆袈裟斬りの一刀は金属音を響かせて朱槍の柄で受け止められる。ギギッと刃が柄に食い込むが断ち切るには至らない。
「何という気迫。敵を斬るという一念を籠めた一太刀、見事!」
 だが、と真田神十郎はぐるっと槍を回してその石突で刀也の腹を打ち据える。
「それだけではこの真田の守りは破れぬ!」
 吹き飛ばして間合いを離させたところで、真田神十郎は槍をさらに回転させて穂先を向けて鋭い突きを入れる。その切っ先は刀也の胸中央を狙っていた。刀也は躱そうと身を捻るが、十字槍の枝分かれした左右の刃が引っ掛かり刀也の胸の肉を抉る。
「さすが真田。日の本一の兵と呼ばれた男。俺の中の鬼も喜んでるよ。お前と闘えたことを!」
 血を流しながらも嬉々として刀也は踏み込み、振り下ろす刃を脳天へと浴びせるが、今度は妖刀で防がれ、反撃に放たれる太刀を受け止め、幾度も刃を交差させて火花を散らす。その真田神十郎の口元にも獰猛な笑みが浮かんでいた。


『漸く大将のご登場ってことかッ!』
 城郭を見上げた仮面の凶津がテンションを上げて騒ぐ。
『狙うはその首、一直線だぜッ!』
 真っ直ぐ大賞首を狙おうとしたところで、流石に城郭が現れて度肝を抜かれた剣客の秋山の事を思い出した。
『っと、その前に秋山のおっさんに『結界霊符』を渡しとくか』
 巫女の桜が黙したまま霊符を手渡す。
「これは?」
『いざと言う時はこれである程度は身を守れるぜ。んじゃ、俺達は行くわ。風神霊装で飛ばすぜ、相棒ッ!』
「……転身ッ!」
 秋山が礼を言う暇もなく、ユーベルコード『風神霊装・二ノ型』によって凶津と桜の二人の力を一つにして顕現する霊装を纏う。そして軽やかに地を蹴ると疾風のように空を駆け、強化された霊鋼の薙刀を手に空中から真田神十郎に襲撃を仕掛けた。
「殿! 上からの襲撃でござる!」
 それに気づいた勇士が声を上げ、真田神十郎は刃を合わせている刀也を槍で薙ぎ払って吹き飛ばし上を見上げた。
『てめえの十文字槍と俺の霊鋼の薙刀、どっちが上か勝負と行こうやッ!』
 気づかれようとも構わないと凶津はそのまま急降下し、勢いを乗せて薙刀を振り下す。
「巫女、それに仮面……お主も憑装の類か!」
 真田神十郎は刀を地面に突き立て、槍を両手で持つと柄で刃を受け止める。
『頭をかち割ってやるつもりだったが、やるじゃねえかッ!』
「ならこちらはその仮面を叩き割ってくれる!」
 真田神十郎が槍を押し上げて凶津の仮面を狙って槍を突き上げる。仰け反るように桜はくるっと宙返りすると敵の背後に着地し、横一閃に薙刀を払った。真田神十郎も振り返りながら槍を振るい、両者の刃が激しくぶつかり合う。衝撃で互いの間合いが開いたところへ真田の勇士達が割って入る。
「殿! この者は我等にお任せを!」
「よし、任せた! そのかぶいた面を叩き割ってやれ!」
「はっ!!」
 赤備えの武者達が凶津と桜を囲んだ。
『ちょっとおい、待てッ』
「ぬしの相手は我等よ!」
 凶津が呼びかけるが、行かせぬと突き出される槍を薙刀で弾いた。


「真田……ね。まあ綺麗な赤の鎧だこって」
 玲は武者たちの鮮やかな赤い甲冑を見て美術品のように思う。だがそのあちこちに傷があり、実用品であることを感じさせる。
「ちなみに私は赤より青が好きー。残念、趣味は合わないね」
 青い鎧なら良かったのにと思いつつ、玲は二刀を構える。
「ま、さておき。折角平和になった世界でハイエナ行為は頂けないなあ。悪いけど、お帰り願えるかな?」
 軽口を叩きながら駆け出すと、真田神十郎へと襲い掛かる。
「次の相手はお主か、我が刃の錆となれ!」
 地に差した刀を抜いた真田神十郎が十字槍と妖刀で突きと斬撃を放つ。それを玲は『《RE》Incarnation』と『Blue Bird』の二刀で弾いた。
「まあ厳密には違うけど、お互い二刀が得手か、楽しそうだね、さあ死合おうじゃないか」
 反撃に玲も十字に斬撃を放つと、槍と刀で受け止められる。
「やるな、我が槍と刀の連撃を防ぐとは」
「どーも、そっちこそなかなかやるね」
 真田神十郎の誉め言葉を玲は軽く返す。
「ならば我が奥義を披露するに値する。見よ、そしてその身に味わえ――神速十字斬!」
 大きく跳び退いた真田神十郎が姿勢を低くし、飛ぶように突進すると槍を突き刀を胴薙ぎに振るう。
「雷の疑似UDC解放。我が身よ、稲妻となれ!」
 それに対して玲もユーベルコード『雷鳴・解放』を発動し、その身に稲妻を纏い一気に加速して攻撃を躱す。だがさらに攻撃は続き、槍が足元を薙ぎ払い、刀が上から振り下ろされる。玲は軽く跳んで槍を躱し、頭部に降ってくる斬撃を剣を十字にして受け止めた。鋭く重い剣圧が腕に伝わり、足が地面に押し付けられ紅葉が踏みにじった。正面からのぶつかり合いに両者一歩も引かない。
「我が神速についてくるとは!」
 嬉しそうに真田神十郎が武器を振るい、さらに連続攻撃の速度を上げていく。
「スピードなら稲妻の方が速いよ」
 玲は槍を剣で受け流し、敵の上体が僅かに泳いだとこへ稲妻纏う斬撃を薙ぎ払って胴に叩きつけ吹き飛ばす。
「この距離ならそっちは何もできないよね」
 そして間合いを開けると、剣の届かぬ距離から斬撃を放つ。すると稲妻が刃のように飛んで真田神十郎を貫いた。
「がっ!」
 びりっと感電したように真田神十郎が動きを止める。そこへ手を止めずに怒涛の連撃で稲妻を飛ばし完全に動きを封じ込める。
「一気に決めよう」
 好機と玲は接近して二刀で体当たりするように突きを放つ。それは敵の胸と腹を串刺しにする――はずだった。
「近づくのを待っていたぞ」
 動けぬはずの真田神十郎が顔を上げ、内から外に弾くように槍と刀で突きを防ぐ。するとぶつかり合うように両者が肉薄する。互いに武器を使うには近づぎる距離。
「綺麗に勝たなくともよい、泥に塗れようともこの手に勝利が掴めるならば!」
 真田神十郎は蹴りを放って玲を宙に飛ばした。そして槍で仕留めようと力を籠める。

「貰った!」
 しかし体を貫く一刺しが届く前に、横からの斬撃で槍が弾かれ、穂先は玲の脇腹を掠めた。
「まだ俺との決着はついていない、先に相手をしてもらおうか!」
 刀を返した刀也が上段に構え、全身全霊の力で以って雲耀の太刀を放つ。
「いいだろう! お主から先に斬り伏せてくれる!」
 その一撃に真田神十郎は妖刀を叩き込んで受け止める。だがぎりぎりと軋みを上げて妖刀が押し戻され、刀也が青白き輝きを増してその刃を真田神十郎の頭に届かせた。
「ぐっ、力負けしているだと、ぬぅん!!!」
 そこで真田神十郎は槍を振るい、胴を柄で薙いで刀也を吹き飛ばす。
「っ、まさか正面から一太刀浴びるとは。恐るべき膂力よ」
 額から血を流し、顔を鮮血に染めながら真田神十郎は槍を手に追いかける。
「綺麗な鎧なのに泥臭い戦い方ー。でも悪くないかな、小綺麗なのより似合ってるよ」
 そこへその身を一筋の雷光と化した玲が空から襲来し、二刀を肩と胸に突き入れた。切っ先が強固な甲冑を破り肉に刺さる。
「我が甲冑を貫くとは、しかしまだだ! 真田のもののふはこの程度では倒れん!」
 真田神十郎は刀を振り抜き玲の胴を断ち切ろうとする。玲はすぐさま剣を戻して斬撃を受け止める。だが体を崩されて槍で狙われる。しかしその前に横から刃が真田神十郎の首を狙って走る。槍を立てて真田神十郎はその一撃を防ぐ。
『てめえ、さっきはよくも無視しやがったなッ! なにがなんでも勝負してもらうぜッ!』
 怒鳴りつけながら飛翔する凶津が薙刀の斬撃を幾度も叩き込む。勢いの乗った刃が守りの上から手足を切り裂いていった。
「真田の誇る赤備えをもう破ったというのか?」
 真田神十郎がちらりと配下の方へと視線を向けると、散り散りになってこちらに向かっている。
『へっ! あんな奴らといちいち戦ってられるかッ! 俺達が欲しいのは大将首一つッ!』
「……終わらせる」
「同感ね。頭を潰してさっさとこの邪魔な城壁も撤去してもらおうか」
 凶津と桜が力を合わせて薙刀で正面から斬り掛かり、玲が背後から斬り掛かった。
「容易く勝てると思うな。この首が欲しくば城を落とせる軍勢を持ってこい!」
 烈火の如く気迫を漲らせると妖刀と槍から衝撃波を放ち、凶津と玲の身体を城壁へと叩きつけた。
「ぬぅっ……しかしそなたらの武勇、一軍に匹敵するほどのものだ……」
 そこで限界がきたように真田神十郎は槍を突いて体を支える。傷ついても決して倒れはしないと踏ん張って視線を剣豪へと向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

うん、そういう状況じゃないのわかるんだけど。
でもわくわくして笑みがこぼれるのを止められない。
だって真田が相手だもんな。

真の姿になり基本存在感を消し目立たない様に立ち回り、マヒ攻撃を乗せた暗殺のUC菊花で奇襲攻撃。
連携相手がいなければ隠密はやめ、秋山氏と敵の間に立つようにする。
出来るだけ相手の攻撃を誘い、初手を避け切ったうえでこちらの攻撃としたい。
よけきれないならUCの攻撃の刃で払い受け流しをする。
敵の他の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものは激痛耐性で耐える。


フォルク・リア
秋山を配下としようとする真田の言葉を聞き
「全く。随分と厄介な奴に惚れ込まれたものだね。
しかし、その腕前ならそれも納得できるけど。」

召喚された武者を観察し
「あんなのが十人居ると流石に骨が折れる。
しかし、やるしかないな。」
剣客を守りながら共に戦う。
城郭を利用し囲まれない様に立ち回り
先手を取られる前に【高速詠唱】で冥雷顕迅唱を発動。
感電効果のある雷による【マヒ攻撃】と拡散する雷弾での
攻撃でダメージを与えて足並みを乱し
【2回攻撃】へと繋ぎ、
一度目の攻撃でダメージの大きかったものに対し
雷を集中して仕留め。
以後は【残像】での回避
【オーラ防御】でのダメージ軽減を駆使し、
敵の隙を【見切り】冥雷顕迅唱を撃つ。



●真田の赤備え
「うん、そういう状況じゃないのわかるんだけど。でもわくわくして笑みがこぼれるのを止められない。だって真田が相手だもんな」
 誰も彼もが使い手の猟兵を複数相手にしても一歩も引かず、それどころか押し返す赤備えを纏う真田の猛将に、瑞樹は自然と笑みを浮かべてしまう。
「真田の赤備え、どれほどれほどのものか試させてもらうよ」
 瑞樹の澄んだ湖のようだった瞳が変化し、緋色のように紅く染まり、真の姿へと変貌する。そして存在感を希薄にし、気配を消して動き出した。


「あれほどの勇士の猛攻を退けるか! これが真田の赤備え!」
 剣客の秋山がその力量に驚き、我が身では届かぬ技量であると理解する。
「では貴殿を斬り、我が配下に加えるとしよう」
 真田神十郎が秋山に向かって歩を進める。格下であろうともそこに油断はない。確実に仕留めんと妖刀を禍々しく輝かせる。
「敵わぬでも、一太刀は浴びせる。拙者を斬るなら手足の一本は覚悟してもらおう!」
 秋山も覚悟を決め、刀を構えて必死で捨て身の一撃を放とうとする。
「全く。随分と厄介な奴に惚れ込まれたものだね。しかし、その腕前ならそれも納得できるけど」
 そこへフォルクが話しかけながら間に入り、真田神十郎と対峙した。
「貴様の相手は我々がする!」
 そこへ赤備えの勇士が駆け集まり、足の速い武者が先んじてフォルクへと槍で突きを放つ。対してフォルクは高速詠唱によるユーベルコード『冥雷顕迅唱』を発動し、空より雷を落として感電させ動きを止めた。
「こんなのが十人居ると流石に骨が折れる。しかし、やるしかないな」
 この立ち位置は不利とみて、フォルクは秋山に呼びかける。
「城郭を背にして包囲されないようにしよう」
「承知した!」
 フォルクは雷から周囲に拡散する雷弾を放ち、牽制しながら囲まれる前に動き出し、城郭の近くに移動すると振り向いて迎撃態勢をとる。
「妖術使いか、彼奴から先に仕留めるぞ!」
「応!!」
 赤備えの勇士達が邪魔をするフォルクを狙い一斉に攻撃を仕掛ける。
「こちらとしてもその方が都合が良いけどね」
 護衛対象が安全になるならこちらも戦い易いと、フォルクはもっと注意を引くように派手に雷を落とし、弾け飛ぶ雷弾で足止めをし、最もダメージを受けている初撃の直撃を受けた武者に向かってもう一度雷を叩きつけた。
「がぁっ!!」
 思わず苦悶の声を漏らして武者が片膝をついた。

「我が真田が誇る十勇士があしらわれるとは、やはり猟兵という存在は放置してはおけぬ。ここで仕留めねばなるまい!」
 そこへ真田神十郎が加勢しようと槍を向けて駆け出す。その瞬間、ぞくりと背筋に冷たいものが走り飛び退いた。すると、ひゅっ――と刃が一閃し、真田神十郎の首の皮が裂けた。その場に立っていれば首が刎ねられていただろう。
「何者だ!」
 振り向いて武器を構える真田神十郎の目の前に迫るのは、瞳を輝かせる瑞樹だった。
「はっ!」
 胡と黒鵺の二刀で瑞樹はユーベルコード『菊花』によって止まることなく次々と連撃を放ち、真田神十郎を防戦一方に追い込んで顔に、腕に、胴にと斬撃による傷を刻んでいく。
「ここまで近づかれるまで気付かぬとは!」
 驚きから立ち直った真田神十郎はその凄まじい連続攻撃に対応し始める。
「奥義、神速十字斬!!」
 真田神十郎の振るう刀と槍が神速に達し、瑞樹の振るう刀とナイフにぶつかり合う。無数の火花が散り、両者一歩も引かぬ剣戟が鳴り響く。
「っ!」
 先に息を切らしたのは瑞樹。先に攻撃を始めていた分だけ体力を消耗し、動きにキレが無くなっていく。
「貰った!!」
 そこへ真田神十郎の十字槍による必殺の突きが放たれる。心臓を穿つ一撃を瑞樹はナイフで受け、自ら後方へと飛ぶように吹き飛ばされて間合いを開けた。
「最後の突きは得物ごとへし折るつもりで放ったのだがな、名のある業物と見た」
 仕切り直しと真田神十郎は刀と槍を構え直す。
「奇襲で一気に仕留めるつもりだったのに、受けられるどころか速度で追いつかれるなんてね」
 驚きながらも瑞樹は嬉しそうに笑みを浮かべる。自分が全力を出しても倒せるか分からない強敵に心躍らせていた。
「銘は黒鵺。丈夫なだけじゃないことを今から証明しよう」
「面白い!」
 瑞樹が低く駆け出すと、真田神十郎が槍を払う。それを跳躍して躱すと上から刀を振り下ろす。それを真田神十郎も妖刀で受け止め押し戻す。瑞樹は空中で身を捻ってその力を受け流し、着地するとナイフを突き出す。真田神十郎は槍の柄で刃を弾き、妖刀を袈裟に振り下ろした。しかし僅かに鋭さが鈍っている。先に与えた掠り傷で与えた麻痺の効果が出始めていた。
「ふっ!」
 瑞樹は踏み込みながら半身となって紙一重で刃を刀で受け流し、ナイフを腹に突き刺した。甲冑を貫き刃が深く刺さる。

「なんと見事な動き、風か流水か、だが我が命を奪うには僅かに力が足りなかったな!」
 真田神十郎がナイフが刺さったまま武器を手離し、瑞樹の腕と奥襟を掴んで投げて地面に叩きつけた。強い衝撃に一瞬意識が遠くなる。その隙に武器を持ち直し、真田神十郎が止めを刺そうとする。だがそこへ雷鳴が響き閃光が迸った。
「ぬっ!」
 反射的に真田神十郎が飛び退くと、近くに雷が落ちて衝撃で真田神十郎が吹っ飛ばされ、さらに追い打ちの雷弾が襲い掛かる。
「この程度!!」
 槍を回して雷弾を弾くが、体が痺れて真田神十郎は一時的に足を止める。
「流石に大将首は容易くは取れないものだね」
 フォルクは武者達の相手をしながらも真田神十郎にも注意を向け、仕留める機を窺っていたが、そう簡単にはいかないかと切り替える。
「殿!」
「おのれ妖術使い!!」
 激高した武者達が槍衾を作って逃げられぬように突き刺そうとする。
「少しでも数を減らさないと楽にならないな」
 こちらに注力しようとフォルクはオーラの障壁で槍を防ぐ。そして雷をオーラに纏わせ槍から伝って敵を感電させる。
「あがぁっ」
「こ、のっ!!」
 痺れながらも武者達は武器を振るうが、それはフォルクの身体を素通りした。
「まずは一人」
 先ほどまで膝をついていた武者に雷を直撃させ、甲冑が割れて肉が削げ、ガクガクと痺れて震えながら崩れ落ちた。
「そやつの相手をするな! 剣豪を狙えばそやつらは防戦にならざるを得ぬはずだ!」
 年嵩のいった武者が一喝すると、狙いを秋山に向けて武者達は駆け出す。
「来るか!」
 城壁を背にした秋山も刀を構えて守りの構えを取るが、九名の武者が一斉に掛かれば一溜まりもない。
「戦いの経験を積んるだけあって勝敗の急所を心得てるみたいだね。だけどさせないよ」
 それを阻止せんとフォルクも激しく雷弾をばら撒き、自らも間に入ってオーラで壁を作って侵入を防いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

葉山・鈴成り
ルーファスの旦那(f06629)

お、大将のお出ましッスよ。
立派な甲冑と出で立ちでカッコイイなぁ。
赤備えは目に鮮やかで力強く、武将としての気迫がバシバシ伝わってくる

シシッ、俺たちも武将っぽくやってみるッスか?
化け術は知識とイメージが大事だから、今後の為にもやりたいっスねぇ。

今後化け術リストに加えるため、
勇ましい武将イメージを頭の中に刷り込むと
イメージ通りの武将へ変化

葉山鈴成り、 推して参る!
どう?ちゃんと決まったッスか?
旦那はさすがのカッコ良さッス。
それじゃあ行くッスよ!

こっちも葉山十勇士ってな!
10人のバトルキャラクターを赤備えの勇士へぶつける
旦那の槍捌きもお見事!
シシッ、参考にするッス。


ルーファス・グレンヴィル
鈴成り(f28040)と

出たか、大将
背水の陣とはやるじゃねえか

武将っぽく決めるか?
お前が化け術の参考にするなら
どのポーズでも決めてやるよ

武将へと変化した彼を見て
感心したように
へえ、と一言口にすれば
鉄塊剣を鞘に収めて
肩に戻った黒竜を一撫でした
槍使いには負けられねえか

行こうか、ナイト
槍に変じた悪友を構えて
ふ、と満足げに口許が歪む
鈴成りの期待に応えて格好よく
いざ尋常に勝負!

お前も、ちゃんと決まってたよ
彼を見て笑えば地を蹴って駆け出した
狙うは大将の首ひとつ

葉山十勇士の隙を縫うように
連撃の手を緩めず敵に暇を与えない

敵ながら槍捌きは凄かったよ
でも、オレにはナイトも鈴成りも居る
お前に負ける理由が一切ねえよ!



●槍合せ
「このまま野望を突き進めばいずれ猟兵との決戦も有り得る。ならばここはやはり使える手駒を一つでも増やしておくが先決か、元より我等に後退はない。突き進んで全ての敵を討ち取るのみ!」
 真田神十郎が己が身に喝を入れて痺れをとり、剣客の秋山を狙って雷の障害を突破しようとする。
「お、大将のお出ましッスよ」
 そんな赤備えの勇ましい武者を見て、鈴成りは隣の相方に声をかけた。
「出たか、大将。背水の陣とはやるじゃねえか」
 ルーファスは敵の一歩も引かぬ、城郭で逃げ道を塞いだ陣に誉め言葉を口にした。
「立派な甲冑と出で立ちでカッコイイなぁ」
 目に鮮やかな赤い甲冑は力強く、武将の気迫がバシバシと伝わって鈴成りも興奮する。
「シシッ、俺たちも武将っぽくやってみるッスか? 化け術は知識とイメージが大事だから、今後の為にもやりたいっスねぇ」
 悪戯っぽく鈴成りが笑みを浮かべて、ルーファスの方へ顔を向けて尋ねる。
「武将っぽく決めるか? お前が化け術の参考にするなら、どのポーズでも決めてやるよ」
 お前がやるなら付き合ってやるとルーファスが首肯すると、なら今後の化け術リストに加えるためにもやってみたいと早速、鈴成りは敵将をじっと観察し勇ましい武将のイメージを頭の中に刷り込んだ。するとそのイメージ通りにどろんとその姿が変化し、鈴成りが立派な武者の姿へと変貌した。
「葉山鈴成り、 推して参る!」
 槍を振り回しビシッとポーズまで決めて、鈴成りはすっかり武者に成りきっていた。
「どう? ちゃんと決まったッスか?」
 武者の姿には似合わぬ子供ような眼の輝きで、鈴成りがルーファスに期待混じりの視線を向ける。
「へえ」
 ルーファスは感心したように短く口に出し、鉄塊剣を鞘に納めると肩に戻った黒竜のナイトを一撫でする。
「槍使いには負けられねえか」
 対抗心に火が点いたように口角を上げ、ルーファスはやる気を漲らせる。
「行こうか、ナイト」
 そう呼びかけると悪友の黒竜が槍へと変じ、ルーファスはそれを握ってくるっと振るうと、旋風を巻き起こして紅葉を散らして華麗に槍を構え、ふ――と満足げに口許が歪む。
「いざ尋常に勝負!」
 鈴成りの期待に応えようと竜巻のように槍を振るい、紅葉を舞い上げ格好よく決めた。
「旦那はさすがのカッコ良さッス」
 ルーファスの見事な槍捌きに笑みを零した鈴成りは思わず拍手を送る。
「お前も、ちゃんと決まってたよ」
 同じように笑みを返したルーファスも相方を褒め、準備は整ったと地を蹴り駆け出し敵陣に突っ込む。
「それじゃあ行くッスよ!」
 それに続いて鈴成りも駆け、合戦気分で槍を手に突撃する。

「狙うは大将の首ひとつ」
 ルーファスが真田神十郎に真っ直ぐ向かおうとするが、その行く手を阻むように赤備えの武者達が立ち塞がる。
「殿を狙うつもりか! そうはさせぬ! 殿と立ち合いたくば我ら真田十勇士を倒していけ!」
 武者が槍を突き入れると、ルーファスはそれを弾く。しかし次々と敵は連携して攻撃を続けて足を止めさせる。
「こっちも葉山十勇士ってな!」
 そこへ鈴成りがユーベルコードで10人のバトルキャラクターを呼び出し、黒い甲冑の武者をぶつけた。
「どこぞの武家のものか!」
「我等を真田の赤備えと知ってならば、その無謀さを褒めてやる!!」
 真田の武者とキャラクターの槍合わせが始まり、乱戦の隙にルーファスは武者の防衛網を縫うように抜けた。そして剣客を狙う真田神十郎へと攻撃を仕掛けた。
「その首を貰う!」
「くれと言われてやれるほど、この首、安くはない!」
 ルーファスが突き出す槍を、真田神十郎もまた槍で弾く。
「なら高く買ってやる!」
 手を休めずにルーファスは突き斬り払う。真田神十郎もその全ての攻撃に合わせて槍を振るって両者の間で激しい応酬が繰り広げられる。

「旦那の槍捌きもお見事! シシッ、参考にするッス」
 その戦いを見逃すまいと鈴成りは目に焼き付けるように見つめる。
「殿!」
 真田十勇士は加勢しようと駆け出す。
「旦那の邪魔はさせないッスよ」
 激闘をちらちら見ながら、武者達にその邪魔はさせないと鈴成りは槍を振るって真田十勇士の攻撃をキャラクター達と共に抑え込む。
「見事な槍捌きだ。一角の武人と見た。猟兵でなければ配下にするところだが、出来ぬならここでその首を落とす!」
 真田神十郎が押し返すように槍の勢いが激しさを増し、その十字槍の横から伸びる枝刃がルーファスを掠め傷つけていく。そしてとうとう槍がルーファスの心臓を穿とうという軌跡を描く。しかし枝刃に引っかけるようにルーファスは槍を立てて受け止め、その槍を倒すように振り下ろし、敵の槍を地面に叩き落としながら顔を切り裂いた。
「敵ながら槍捌きは凄かったよ。でも、オレにはナイトも鈴成りも居る。お前に負ける理由が一切ねえよ!」
 ルーファスの槍が黒竜に戻り、至近距離からブレスを放って敵の身体を覆い尽くす。猛烈なエネルギーが通り過ぎ、強固な城郭が削られている。普通ならば人など容易く消し飛ぶような高火力。されど左目の潰れた赤備えの猛将は一歩も引かずに踏み止まっていた。

「槍の技量ならばそなたが上だ。しかし我が武器は槍だけにあらず!」
 槍を手放した真田神十郎が踏み込み妖刀を振るう。胴を両断する一撃を割り込んだバトルキャラクターがその身で受け止め上下真っ二つにされた。
「旦那と張り合うなんて、相手も並じゃないッス!」
 鈴成りがフォローしようと、バトルキャラクターの武者を突っ込ませる。
「横槍が入ったか、この勝負預かりとする!」
 真田神十郎が槍を足で蹴り上げて拾うと後退する。すると足元が揺れ、城郭が広がるように出来上がる。
「待ちやがれ!」
「足元から壁が生えてきたッス!」
 その内部の迷路へルーファスと鈴成りを閉じ込めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

西院鬼・織久
如何に難攻不落の城壁とて、我等が怨念は止められぬ
死線こそ我等が戦場
喰らい尽くすは我等よ

【行動】POW
五感と第六感+野生の勘を働かせ敵行動を予測

先制攻撃+ダッシュで白兵距離に
なぎ払い+早業の連続攻撃にUCを流し込み傷口を抉り、怨念の炎(呪詛+焼却+生命吸収)の継続ダメージを付与し目印に
UCの炎は周囲にも延焼させ影面を忍ばせておく

敵攻撃は体術と残像+フェイントで回避、または武器で受け流し死角に回り込みカウンター
傷は各種耐性+精神系技能で無視。攻撃の手を止めない

敵UCが迷わせる物なら怨念の炎を目印に追跡して突破
防壁や城砦設備で防御、攻撃をするなら炎に隠しておいた影面で設備を破壊し、防御の死角から崩す


グウェンドリン・グレンジャー
真田神十郎……強そう
でも、勝たなくちゃ。サムライエンパイア……の、未来のために

真田……日本一の、つわもの
まるで、中世の騎士
あるいは、薔薇戦争……で、戦い、明け暮れた、貴族
でも、あなた、のさばらせる、訳にはいかない。倒す

城郭、上へ、抜けられる、なら、腰の、翼、羽ばたかせ、空中戦、飛んで離脱
それが無理、でも、第六感、で、ササッと、突破
女の勘、雌鴉の勘、なめないほうが、いい

見つけた、真田神十郎
あなたには、綺麗さっぱり、消えて、もらう……刻印、限界突破
槍、攻撃……は、Black Tailで、いなしつつ、接近
隙を突いて、懐へ飛び込み、ありったけの怪力、乗せて、Raven's Roar
刺し違えても、倒す


エドゥアルト・ルーデル
これがワクワクSANADA丸…!

全身を【ドット絵】に変換!ペラッペラボディであればここは拙者の庭も同然
城壁、石垣、瓦の間に至る城にある全ての隙間が拙者の隠れ家であり通り道であり防御壁となるでござるよ

隙間を活かして城を縦横無尽に移動、敵の背後や死角から不意打ち、一撃見舞ったら隙間に引っ込んで次の攻撃ポイントへ…を繰り返しますぞ
自分たちを守るはずの硬い壁が逆に敵である拙者を守るのでござる!壁打ちお疲れさんデース!

剣豪を狙ってきた時用に【流体金属】君を護衛に付き従えさせておきますぞ
敵が近づいたら盾になったり絡みついたり串刺したりしてくれるお利口さんでござる
そして足を止めたら拙者が背中からズドンよ



●燃える地獄
 疲れを知らぬ、燃え盛る炎のような赤備えの武者達。その武辺者が城郭を利用し大将を守ろうと猟兵を相手に奮戦している。
「如何に難攻不落の城壁とて、我等が怨念は止められぬ」
 織久は新たにできた城壁の壁を蹴り上がり、戦う武者達を越えて頭上から血を流す左目に布を巻く真田神十郎に襲い掛かる。
「死線こそ我等が戦場。喰らい尽くすは我等よ」
 首を刎ねるように黒い大鎌を振るうと、真田神十郎は槍で受け止める。
「我が命を喰らうというか! できるものならやってみせよ!!」
 真田神十郎が押し戻し、織久は宙で回転し地上に着地する。そこへ槍を突き入れるが、織久は振り返りながら大鎌で弾く。そして暴風のように大鎌を振るい連続して斬撃を浴びせる。激しい金属音が鳴り響き、真田神十郎は槍と刀でその猛攻を受け止める。
「黒炎にその魂を焼かれよ」
「ぬぅ! これは!!」
 織久が斬撃を放つ度に、黒い炎が辺りに撒き散らされ、敵を囲むように燃え上がっていた。
「黒い炎とは、まるで地獄の光景よ。お主の内には悪鬼でも住み着いているのか」
 真田神十郎が槍で迫る炎を薙ぎ払う。しかしその大振りの隙をつき、織久は大鎌で胴を薙ぐ。そしてその派手な動きに隠れ、指から糸を垂らしていた。
「だが悪鬼だろうとも、我が道を邪魔するならば斬り捨てるのみ!」
 真田神十郎は妖刀で大鎌を止め、槍を織久の喉に突き入れた。だが手応えがなく槍はすり抜ける。
「残像か!!」
 真田神十郎は刀を横薙ぎに振るって背後から迫る刃に当てる。しかし勢いを止め切れずに大鎌の先が肩に突き刺さった。貫かれた甲冑から血が溢れ出す。
「怨念を斬ることはできぬ。そして怨念の炎も消すことはできぬ」
 傷口が燃え上がり、肉を焼きその命を喰らい始める。
「くっ、我等が命は元より燃え盛る炎よ! 悪鬼よ地獄に堕ちろ!」
 苦悶に顔を歪めたのも僅かん間、すぐに真田神十郎は猛々しく咆えて槍を振るい、織久の身体を弾き飛ばし、城郭の深い堀に落とした。そして燃え上がる肩の肉を削ぎ落して炎を切り離した。

「真田神十郎……強そう。でも、勝たなくちゃ。サムライエンパイア……の、未来のために」
 猟兵の猛攻を凌ぎ続ける真田神十郎を見て、グウェンドリンは強敵だと認識しながらも、この世界の未来の為に勇気を奮い立たせて戦いを挑む。
「真田……日本一の、つわもの」
 グウェンドリンは腰から生える翼を羽ばたかせて空に舞い上がり、城郭を越えて頭上を取る。
「まるで、中世の騎士。あるいは、薔薇戦争……で、戦い、明け暮れた、貴族。でも、あなた、のさばらせる、訳にはいかない。倒す」
 そして急降下を始め、翼を硬化させてブレードに変え、すれ違いながら斬撃を浴びせた。胸から切断するような一撃を、咄嗟に気付いた真田神十郎は槍と刀を十字にして受け止める。
「鳥? 否、天狗の類かっ」
 黒い翼を生やしたグウェンドリンに、真田神十郎は天狗かと驚きながら槍を振るうが、既にグウェンドリンは飛び去っていた。
「天狗、じゃない……べつに、いいけど」
 空中で旋回したグウェンドリンはまた急下降して加速を始める。
「飛んでいては捉えきれんか、ならば籠に閉じ込めるまで!」
 真田神十郎が槍の石突で地面を叩くと、大地が隆起し城郭が作り出される。それが高々と伸び、グウェンドリンを覆い隠してしまった。
「中は、迷路……みたい。でも、第六感、で、ササッと、突破」
 獣の勘を働かせ、グウェンドリンは城郭内部の迷路を飛んで移動し始めた。

「これがワクワクSANADA丸……!」
 山に突如として現れた城郭を見上げ、エドゥアルトはアトラクションを見る子供のように目を輝かせた。
「立派な城壁でござるが、拙者の侵入を防げるとは思わぬことですぞ」
 エドゥアルトはユーベルコード『ドット職人の朝は早い』によって、自らの全身をドット絵に変換した。
「このペラッペラボディであればここは拙者の庭も同然。城壁、石垣、瓦の間に至る城にある全ての隙間が拙者の隠れ家であり通り道であり防御壁となるでござるよ」
 隙間からするすると入り込み、壁などあってないようなものとエドゥアルトは最短距離を進んで真田神十郎の背後に忍び寄った。
「これで時間が稼げよう。この間に剣豪を仕留めておくとするか」
 真田神十郎は城壁で逃げ場を奪った剣豪を殺してしまおうと近づいているところだった。
「また城壁が現れるとは! なんという力なのだ!」
 剣の勝負ならどれほど力量差があろうとも理解はできる。しかし城郭を創り出すなど想像の埒外だと秋山は動揺して、剣を構えながら壁際まで後ずさって追い詰められていた。
「そうはさせませんぞ」
 背後からペラペラのエドゥアルトが現れ、同じくペラペラになっているマークスマンライフルを構え、銃弾を背中に撃ち込んだ。
「がはっ! 狙撃だとっ!」
 真田神十郎が振り返るがそこには既に誰も居ない。そしてまた背後から銃声が聞こえ、今度は腰に弾丸が当たった。
「どこにいる! そこか!」
 ぎろりと睨みつける真田神十郎の目がペラペラな身体のエドゥアルトを捉える。
「妖怪? 一反木綿か!」
 槍を振るって衝撃波を飛ばすと、エドゥアルトの身体が吹っ飛ばされるが、壁にぶつかるところでするりと隙間に入り込んだ。
「消えた? いや、壁の中に入ったのか!」
 真田神十郎が城壁に鋭く槍を突き入れるが、岩を砕く手応えしかない。
「自分たちを守るはずの硬い壁が逆に敵である拙者を守るのでござる! 壁打ちお疲れさんデース!」
 揶揄いながらエドゥアルトはまた違うポイントに現れ、こっそりと銃弾を撃ち込む。
「おのれ!」
 振り返りながら真田神十郎は弾を妖刀で切り裂き、もぐら叩きのように出たり入ったりするエドゥアルトを忙しなく探した。
「お前達! あの痴れ者を探せ!」
「はっ!」
 真田神十郎の命を受けて十勇士が集まり、エドゥアルトを探そうと周囲を見張る。

「妖怪に化かされている場合ではない。目的を先に達さねば」
 その場を配下に任せて真田神十郎が剣豪を斬らんと駆け出す。しかしその足が後ろに引っ張られ前に進まずがくんと体勢が崩れる。
「なんだ? これは……糸?」
 見れば脛当てに黒く細い糸が巻き付いている。
「逃がさぬ。その命、喰らい尽くすまで地獄には行けぬ」
 あちらこちらに巻き付けておいた糸を手繰り寄せ、織久が深い返しのついた堀から這い上がり姿を現した。
「あの堀を登ってくるとはな。やはり悪鬼はこの手で引導を渡さねばならぬか」
 真田神十郎は妖刀を振るって糸を切断し、槍と刀の二刀を構える。
「見つけた、真田神十郎」
 そこへ城郭迷路を脱出したグウェンドリンが空に姿をみせる。
「もう脱出してきたか!」
「あなたには、綺麗さっぱり、消えて、もらう……刻印、限界突破」
 驚く真田神十郎に向け、腰の黒い刻印を輝かせたエドゥアルトは、大きくした翼を羽ばたかせて加速し強襲する。
「烏天狗め、串刺しにしてくれる!」
 待ち構える真田神十郎は槍を突き上げる姿勢をとる。
「怨敵よ、その血の一滴まで我等に寄越せ」
 意識が逸れた瞬間を狙い織久が飛び込んで大鎌を振るう。
「冥土の土産に我が一太刀をくれてやる!」
 真田神十郎は妖刀を振るってその一撃を弾く。そして槍で空を貫くように突いた。だがその槍に手応えはなくウィップが巻き付いた。それはグウェンドリンに繋がり、振り回して敵の態勢を崩す。
「ぬぅあっ!!」
「その血の一滴まで我等が喰らう」
「Raven's Roar。刺し違えても、倒す」
 その隙を見逃さず織久が黒い炎を纏う大鎌を横一閃し敵将の首を狙う。同時にグウェンドリンがユーベルコード『Raven's Roar』によって黒い翼を鋭く強固なブレードに変え、低空を飛んですれ違いながら胴を薙ぐ。
「な、めるなあああああ!」
 大鎌を刀で、翼刃を槍で受け止める。しかし抑えきれずに斬撃は左肩と右脚を深く切り裂いた。血が噴き出し真田神十郎の身体が崩れそうになる。しかし踏み止まり、織久に反撃の一太刀を浴びせる。それが織久の大鎌の柄で防がれると、血に染まった脚で腹を蹴り飛ばし距離を開けた。

「真田のもののふが目的を達せずに倒れはせん! ここが地獄の如き死地であろうとも、鬼を切って進んでくれるわ!」
 目の前に城郭を作り、間を隔てると振り返って剣豪を狙う。
「これで邪魔者は――」
 真田神十郎が燃え盛る大地に足を踏み出すと、地面の草むらに紛れていた流体金属が棘となって足を貫いた。
「なっ」
「こんな時の為に流体金属君を護衛に付き従えさせておきましたぞ」
 背後から声が聞こえたと思った瞬間、銃声と共に背中に熱が食い込む。振り返ればそこにはエドゥアルトの姿があった。
「お仲間は撒いてきたでござるよ」
 もう一発と、エドゥアルトが銃を構える。しかしその前に真田神十郎は槍を両手で持つと旋回させる。弾丸は槍に弾かれ、竜巻のように風の渦が出来上がる。
「妖怪め、その体、攻撃を避けるは易いが、強風には抗えまい」
「これがSANADA丸名物でござるかあああああぁぁ………!」
 旋風が巻き起こり、エドゥアルトのヒラヒラの身体が風に乗って空高く舞い上がって、惚けたことを叫びながらそのまま遠くへと流されていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
その意気や良し
では存分にこの『逢瀬』を愉しみましょう

◆行動
剣豪を護衛

真田十勇士ですか…
その上で一騎当千とは大きく出ましたね
尤も、我が軍勢も決して劣りはしませんが…

『暗キ獣』を使用
屍者の槍衾で迎撃し、屍獣が遊撃する鉄床戦術を駆使
一糸乱れぬ軍勢による数の暴力は、一騎当千と言う幻想を容易く蹂躙せしめます

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置し【範囲攻撃】

更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

背水の陣は結構ですが、其の儘擂り潰されては意味がありませんよ?

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


鎹・たから
その程度で、道を閉ざしたつもりですか
九郎のいのちは此処では絶えません

この身に悪鬼を降ろします
どのような代償を払おうとも
たからは彼と皆で一緒に、あなたをほろぼします
【鼓舞、覚悟

足場の悪さは承知の上
瓦礫や小岩を蹴って跳ねるように駆けます
【ダッシュ、残像、忍び足

九郎や味方の攻撃に紛れ移動
敵の隙を突いて利き腕や利き足を狙ってセイバーで斬ります
【暗殺、2回攻撃、鎧砕き、早業

九郎への攻撃はオーラの膜でかばいます

あなたが武者の強さを持ったまま
オブリビオンとして蘇ったのは残念です
本来なら真田の忍びは
その強さを、弱き者の為に使って生きたはずでしょう

刺し違えてでも討つというのなら
たからは必ず九郎を生き延びさせます


愛久山・清綱
Hey!神十郎とやら。実にイカした鉢金だな。
なぬ、不躾とな?いいではないか、別に。
だって其方……かの真田信繁公でないのだろう?
■闘
引き続き、九郎殿を護りつつ立ち回る。
攻撃が飛んで来たら庇うように【武器受け】し、
【怪力】を込めてバランスを崩させる。
如何なる手で来ようとも、手出しはさせん。

部下を呼んで来たら、此方も攻め手に出る。
【早業】の抜刀から【剣域・無】を発動し、70秒間時空を
凍てつかせる【マヒ攻撃】を仕掛ける。
その間俺は時間内に神十郎の背後に潜り込む。

辿り着いたら剣域を解除。気取られる前に刀を大上段から
振り下ろし、頭から真っ二つに【切断】だ!

※アドリブ歓迎不採用可・何をしたかは口外しません


ハルア・ガーラント
【WIZ】
迫力ある城郭の登場に翼が震えそう
――違う、これは武者震い!
自己暗示で[勇気]を出しましょう

引き続き〈銀曜銃〉の時折眩しい[誘導弾]でちまちまと厭らしく攻撃を続け、敵の集中を散らしてみます
敵の攻撃は[オーラの障壁で防御]メインに、時に[空中浮遊]で回避を織り交ぜワンパターン防止

敵が瀕死になったらUC発動

「刺し違えても」なんて
自分の命を軽んじる人が大人しく居城に戻る訳ない

わたしの歌を聴かせたいのは彼ではなくその忠臣達
戻らなくてもいい
僅かな間でも彼が丸裸になれば、それで!

藪に忍ばせておいた〈咎人の鎖〉を操作し敵の足に巻きつけ[捕縛]
秋山さんや他の猟兵さんの次の攻撃が確実な一撃となるよう援護



●決戦
「たった一人の剣豪を斬るだけの企みがこのような大事になろうとはな……」
 赤備えは傷つきぼろぼろで自らの流血で真紅に染まっている。足元に血溜まりを作りながら右脚を引き摺り真田神十郎は剣豪に迫る。
「この身が動かなくなる前に、貴殿の首、頂戴する!」
「満身創痍、されど手負いの獣か、衰えが見えぬ。お相手致そう!」
 城壁に囲まれた中で真田神十郎と秋山が一体一で対峙し、互いに刀を構える。
「はあああああ!」
「おおおおおお!」
 互いが上段から刀を振り下ろし、刃と刃がぶつかり合う。傷つこうとも流石は真田の猛将。その膂力は凄まじく押し切って秋山の頭に刃が届く。しかしその凶刃が当たる寸前にぴたりと留まる。
「これは……!」
 秋山が胸元を見ると、凶津から渡された霊符が光り結界を張って刃を受け止めていた。
「悪足掻きを!」
 真田神十郎が血を流しながらも力を込め、結界を切り裂いて振り抜く。だがその一刀は空を切った。秋山は地面を転がり攻撃を避けた、結界の僅かな抵抗が逃れる猶予を与えていた。

「九死に一生を得たか!」
「避けたか、だがここからは逃げられん。真田の城郭が猟兵どもを分断している。僅かに寿命が延びたに過ぎん」
 何とか立ち上がってまた剣を構える秋山に、真田神十郎が諦めろと切っ先を向けた。そこへ頭上から軽やかな声が響く。
「その程度で、道を閉ざしたつもりですか、九郎のいのちは此処では絶えません」
 飛び跳ねて城郭を蹴り上がってショートカットしたたからが、上から飛び降りて硝子のつるぎで攻撃を仕掛ける。
「もう現れたか!」
 真田神十郎はその一撃を槍で受け止める。するとたからは反動で後方へ着地し、背に秋山を守るように立った。
「おお、さきほどの! また助けてもらったな!」
 秋山は礼を口にしながらも、その視線はまったく敵から外さない。
「この身に悪鬼を降ろします」
 たからは『降魔化身法』を発動し、悪鬼をその身に宿して溢れんばかりの力を得て、空気が震えるような凄まじい威圧が放たれる。
「人をやめたか、しかしそのような力には代償が必要となる。過ぎたる力は自滅するだけだ」
「どのような代償を払おうとも、たからは彼と皆で一緒に、あなたをほろぼします」
 真田神十郎がその力の仕組みを看過すると、たからは構わないと覚悟を決めて硝子のつるぎを差し向けた。
「なんと! ならば拙者も全身全霊を尽くしましょうぞ!」
 その会話を聞いていた秋山も奮起し、必ず勝ってみせようと疲労した体に喝を入れた。
「その覚悟見事! ならばこちらも全精力を傾けて貴殿らを討つ!」
 血を垂れ流しながらも一歩も引かずに妖刀と十字槍を構える真田神十郎の元に、後方から赤備えの勇士達が戻って集結する。

「その意気や良し。では存分にこの『逢瀬』を愉しみましょう」
 ふわりと空を飛んで現れた絶奈がたからや秋山の隣に着地する。
「真田十勇士ですか……その上で一騎当千とは大きく出ましたね。尤も、我が軍勢も決して劣りはしませんが……」
 そして敵の勇士を見て、絶奈はユーベルコード『暗キ獣』によって燐光の霧を纏い異端の神々の似姿に変身し、屍者の獣と兵からなる軍勢を呼び出した。
「なんと! 死者を使った妖術か!」
 そのおぞましい軍勢に真田神十郎が驚きの声を上げる。
「一騎当千と我が軍勢、どちらが上か雌雄を決しましょう」
「望むところだ! 真田の力を思い知れ!」
 屍の軍勢が進軍を開始し、それを赤備えの勇士が迎え撃つ。
 地を駆ける屍獣が喰らいつくと、その口に槍を突っ込まれる。続けて屍兵が槍を突き入れると、刀で槍を切断され首を刎ねられる。此処の差は圧倒的に赤備えの真田十勇士が勝る。されど倒れても倒れても、否、倒れたままでも屍の軍勢は歩みを止めたない。首が刎ねられたものも、口から体を串刺しにされたものも、身体が動くのならば這ってでも前に進む。
「ここが地獄か!」
「殿に決して近づけさせるな!」
 そんな異形の軍勢を相手取っても、十勇士は怯まずに奮戦して戦線を維持する。
「一騎当千と名乗るだけの武勇は持ち合わせているようですね」
 前線が膠着したところで、絶奈は足の速い屍獣の一群を回り込ませる。
「しかし数の力を覆す程の差はありません」
 頭を屍兵が抑えたところで、屍獣が後方を叩く鉄床戦術で十勇士の陣形を崩れさせる。
「背水の陣は結構ですが、其の儘擂り潰されては意味がありませんよ?」
 さらに絶奈が仕掛けた指向性散弾の罠が発動し楔となった。一度崩れると、ずるずると十勇士側が防戦へと追い込まれてく。

「このままでは崩されるか、ならば短期決戦で決めるしかあるまい!」
 真田神十郎は邪魔な屍の兵を蹴散らして突っ込み、秋山の首を狙う。
「Hey! 神十郎とやら。実にイカした鉢金だな」
「不躾な輩だ。どこの傾奇者かは知らぬが、ここは戦場。死にたくなくば消えよ」
 翼を羽ばたかせて空を飛んで来た清綱が進路を塞ぐように着地し、ふざけた物言いの挨拶に真田神十郎は顔をしかめ邪険にあしらう。
「なぬ、不躾とな? いいではないか、別に。だって其方……かの真田信繁公でないのだろう?」
「個の武名などどうでもよい。真田の家が繫栄し、誉れが子々孫々まで受け継がれればよいのだ!」
 清綱の皮肉った物言いを一蹴し、真田神十郎は邪魔をするならば斬り倒すと妖刀を振るった。
「辻斬りに誉れもなにもないと思うが、九郎殿、御守り致す」
 背に秋山を護り、清綱は刀を抜き打って斬撃を力強く弾き、勢いよく武器を飛ばされそうになって真田神十郎の態勢が乱れる。
「如何なる手で来ようとも、手出しはさせん」
 その隙を突いて返す刀で胴を抜くが、差し込ませた槍によって防がれた。しかしその一撃もまた剛剣であり、真田神十郎は後方へと吹き飛ばされた。
「口ばかりと思うておったが、これほどの剣技を使うとは、お主ら猟兵は恐るべきもののふよ」
 今の衝撃で傷が広がったのか、真田神十郎は足元に血溜まりを作りながらも、闘志を燃やし目を爛々と輝かせ、口元に笑みを浮かべた。そして城郭を動かし、屍の軍勢を少しでも減らし、自らが戦い易いように戦場を狭めた。

 迫力ある城郭が突如現れただけでなく、動くさまにハルアの翼がぶるっと震える。
「こんな城郭に閉じ込められたら――違う、これは武者震い!」
 ハルアは自己暗示で恐怖を勇気に変え、ぐっと拳を握って奮い立つ。
「邪魔が入ろうとも命を賭して目的は果たす。それが真田の流儀よ。ものども! 命を惜しむな! 名こそ惜しめ!」
「殿が首を御所望じゃ! 刺し違えてでも剣豪を討つぞ!」
「「応!!」」
 真田神十郎の命に十勇士が雄々しく猛り、最終決戦だと我が身を顧みぬ突撃を始めた。
「『刺し違えても』なんて、自分や仲間の命を軽んじる人が大人しく居城に戻る訳ない」
 城壁があろうとも守りに入らず、前へ前へと突出する赤備えの武者達。そんな愚直なまでの忠臣達の特攻を空を飛ぶハルアは見下ろした。このままでは勢いに押され秋山の元にまで刃が届きかねない。
「わたしの歌を聴かせたいのは彼ではなくその忠臣達。戻らなくてもいい、僅かな間でも彼が丸裸になれば、それで!」
 僅かな時間を稼ごうと、胸に手を当てたハルアが大きく声を出し聖霊歌を紡ぐ。美しくも優しい郷愁を覚える歌声が響き、猛々しく咆えていた赤備えの勇士達から燃えるような闘志を奪う。
「この歌は……かかあを思い出しちまう……」
「ああ、うちのガキは大きくなったかなぁ」
 思い思いに勇士達が望郷の念にかられて足を止めた。そして一人、また一人と姿を消して故郷へと帰っていく。
「人心を惑わす妖術か! 気をしっかりと持て!」
 真田神十郎が消え去ろうとする十勇士に檄を飛ばし、正気に戻らせて数名を残らせた。
「全員は無理でしたが、敵の戦力を減らせました!」
 ハルアは秋山の前に着地し、迫る敵に銀曜銃の銃口を向けて光弾を発射する。勇士はさけようとするが、弾が曲がって当たり脚を撃ち抜いた。
「避けられぬなら!」
 真っ直ぐに飛び込んだ勇士が槍を突き入れると、ハルアはオーラの障壁で受け止める。
「こ、怖くなんてありません!」
 震える手は武者震いと言い聞かせ、藪に忍ばせておいた『咎人の鎖』を操作して敵の足に巻きつけ、引き摺り倒して雁字搦めにする。
「忠臣達は私がどうにかします!」
 ハルアは勇気を振り絞り、鬼気迫る顔で迫る勇士を迎撃する。

「やはり最後は自らの手で道を切り開かねばならんか」
 真田神十郎が前に出て、槍と刀を振るって猟兵と剣客に襲い掛かる。
「あなたが武者の強さを持ったまま、オブリビオンとして蘇ったのは残念です」
 たからがその攻撃を躱しながら手足を狙って剣を振るう。一振りごとに血飛沫が舞い散った。
「本来なら真田の忍びは、その強さを、弱き者の為に使って生きたはずでしょう」
 弱者を踏みにじるようなオブリビオンでなければ、尊敬できるような人物であったかもしれないと、たからは残念そうに言った。
「ふっ、それは理想よ。いつの世も敵味方に分かれて争うが人の常。弱き者であろうと敵ならば討たねばならん!」
 真田神十郎が振るう槍をたからが受け止め、刀を秋山が防いだ。
「敵ならば討たねばならない。同感です。此処で貴方を討ち滅ぼすとしましょう」
 そこへ真田神十郎の背後から絶奈が槍を剣を振るう。
「ぬっ!」
 反射的に真田神十郎は槍を背に回して攻撃を止め横に跳んだ。致命傷を免れるが刃が背中の肉を抉り取っていた。
「殿ーーーー!!」
「危ない!」
 真田の武者がハルアの銃弾に被弾しながらも、その場に飛び込もうとする。
「我が“剣域”、遁ぐ事能わず……」
 腰を落とした清綱が居合の構えから刀を抜き、目にも留まらぬ抜刀術から霊力の込められた剣気が放たれる。その一刀は周囲の時空を凍てつかせて動きを制止し、その間に清綱は真田神十郎の背後に潜り込んだ。そこで剣域を解除する。すると周囲の時間が動き出す。そして気取られる前に刀を大上段から必殺の一刀を振り下ろした。
「―――!!」
 頭から真っ二つにすると思われた一撃。しかしそこへ刀が飛び込み、ぶつかって剣筋を逸らし真田神十郎の妖刀を持つ左腕を肩から切断した。
「と、の………」
 体中を銃弾に撃ち抜かれた武者が、刀を投げた態勢で顔から地面に突っ込んで倒れた。
「もう忠臣達はいません! 今がチャンスです!」
 最後の真田十勇士が倒れ、ハルアが仲間達に敵将が丸裸になったと告げる。
「命を張って主を守ったか、見事な忠臣振りだ」
 清綱は振り抜いた刀を返し、下から掬い上げるように斬り上げる。
「あやつらがこうして我が道を繋いだ。ならばこの命を張って目的を達さねばならん!」
 右手の槍で真田神十郎は攻撃を受け止め、横に一閃して清綱を後退させる。
「刺し違えてでも討つというのなら、たからは必ず九郎を生き延びさせます」
 その大振りの隙を突き、たからは小岩を蹴って跳ねるように接近して剣を振るう。その一撃は喉元を裂き、着地と共に胴を薙いで甲冑を裂き腹を抉った。どちらも致命傷となる一撃。喉と腹から血が噴き出し、全身が真っ赤に染まる。
「がはっ!」
 血を吐いた真田神十郎はよろめくが槍を突いて倒れるのを堪える。
「げほっ、がああああああ!!」
 獣のように咆えると、真田神十郎は槍を手に秋山に向かって突進する。道連れにするような燃え尽きる炎の如き渾身の一撃。しかしその速度が鈍る。見れば足にハルアの鎖が巻き付いて引っ張っていた。
「秋山さんを殺させはしません!」
「九郎殿を護るが我等の使命。誰であっても通さん」
 ハルアが足止めしている間に、清綱が刀を袈裟斬りに振り抜く。真田神十郎は槍で受け止めるが、槍が中ほどから切断され、刃は肩から胴へと斬り裂いた。
「っうおおおおおおおおおっ!!」
 それでも真田神十郎は止まらず、落ちる槍の穂先の方を逆手に握って短槍のように突き立てようとする。
「凄まじい執念です。正に不屈の武士といったところでしょうか。ですが此処までです」
 絶奈が剣を横一閃に振り抜き、穂先を斬り飛ばし、その勢いのまま首を刎ねた。穂先を失った槍は秋山の足元に突き刺さる。
「む、ねん…………」
 悔しそうに顔を歪ませ、真田神十郎は降り積もる紅葉の中に倒れ、息絶えてその姿をこの世界から消した。


 真田神十郎が消えると同時に、城郭もまた崩れ落ち、元の紅葉に染まった山の風景が戻る。
 それが合図だったように、しゃんしゃんと錫杖の音が山中に鳴り響き、残っていた配下の編笠衆は速やかに撤退を開始し、山からその気配を消し去った。
「はぁはぁ……はあー助かった! 貴殿らのご助力がなければ死んでおった。どれだけ礼を言っても言い足りんぐらいだ!」
 命が助かったと気の抜けるように座り込んだ秋山は大きく息を吐き、深々と頭を下げて猟兵達に感謝を伝えた。
「九郎のいのちが、無事でよかったです」
 たからもほっとしたように気を緩め、皆が生きて強敵との戦いを乗り越えられた事を喜ぶ。
「真田信繁公ではなかったが、強敵であったな」
 真田の名を持つものは皆これほど強いのだろうかと思い、清綱は兵(つわもの)の道は険しいと紅葉を見上げた。
「さ、わたしたちもおうちに帰りましょう」
 日が落ちる前に山を下りてしまおうと、ハルアが麓の紅葉に包まれる村を指し示す。
「そうしましょう。折角助けたのに遭難でもしたら冗談にもなりませんから」
 絶奈が口元に笑みを浮かべ、無事に送り届けるまでが任務だと暗くなり始める山道に明りを灯して歩き出した。
 夕日に照らされ赤みを増す鮮やかな紅葉を楽しみながら、猟兵達と剣客は穏やかな空気のなか山を下った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月01日
宿敵 『真田神十郎』 を撃破!


挿絵イラスト