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アークライト・ミッション [地下鉄道網護衛任務]

#クロムキャバリア #大規模戦闘 #アークライト・ミッション #アンサズ地方 #アークライト自治領

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●自治領「アークライト」にて
『ワートホグ1よりHQ、エッグパックは予定通り運搬中』
『HQ了解。ワートホグ各機は引き続きエッグパックの護衛に当たれ』
『ワートホグ1了解』

 通信を切ると、司令官はため息を一つ吐いた。

「無事、送り届けられれば良いのだが。今運んでいる物資は我らアークライトの希望なのだ」

 その時、司令官の手元の端末に電子メールが届いた。司令官は端末に眼を落とし、文面を一瞥する。しばし考え込んだ後、司令官は何かを決意したように顔を上げ、呟いた。

「……やはり、もう一枚の切り札を抱え込むしかあるまい」

●ミッションブリーフィング
「ミッションを説明しましょう」

 ここはグリモアベース。いつの間にか用意されたプロジェクターとスクリーンをバックに、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)が居並ぶ猟兵たちを前にブリーフィングを始めていた。

「皆さんに向かっていただくのはクロムキャバリア世界の自治領『アークライト』です。アークライトは、プラント3基を抱える中規模の自治領で、技術立国として知られています」

 その技術は長きに渡る戦乱で荒れ模様のクロムキャバリアの中でも高い部類に位置する。そんなアークライトの技術の高さを示す物のひとつが、3つのプラント間を高速で結ぶ、リニアモーター推進を利用した地下鉄だ。物資や人々の運搬に利用されており、有事の際にはこの地下鉄を利用してキャバリア部隊が展開する。しかしそれ故に、アークライトを敵視する国家によってこの地下鉄網は狙われやすい。

「もちろんアークライトも地下鉄網が狙われやすいことは重々承知していまして、精鋭部隊として名高い第6機甲歩兵中隊、通称『ワートホグ隊』が護衛についています。全ての隊員がクロムキャバリアが支給されるほどのエースパイロットで固められています」

 ジェイミィが説明をする背後のスクリーンに、ワートホグ隊のキャバリアの写真や隊員の経歴が映し出される。キャバリアの中でもハイエンドモデルと名高いクロムキャバリアを駆るワートホグ隊の機体構成や、華々しい隊員の戦果を見た一部の猟兵からは感心のため息が漏れた。

「ただ、そんな精鋭部隊でもオブリビオンマシン相手は無茶が過ぎます。そして、グリモアの予知によれば、今からおよそ48時間後に所属不明のオブリビオンマシンで構成された部隊が地下鉄網を襲うことが判明しています。……そうです。お察しの通り、この襲撃によってワートホグ隊は全滅します」

 きっぱりとジェイミィは言い切った。オブリビオンマシンとは、それだけ規格外の存在である。そして、規格外の力に対抗できるのは同じく規格外の存在、猟兵だけなのだ。

「アークライト防衛軍の司令官に48時間後に襲撃の恐れがある旨をお伝えしたところ、正式に依頼がありました。今回のミッションでは、この地下鉄をワートホグ隊と共に護衛していただくことになります。現在、ワートホグ隊は地下鉄の構内に展開しています。彼らと連携をとって、襲撃してくるオブリビオンマシンを迎撃してください」

 背後のスクリーンはアークライトの地図を映し出した。地下鉄の路線上に、ワートホグ隊の展開位置が青い点で表示される。続いて、アークライト市街地からやや離れた場所に位置する軍事基地に、赤い矢印が表示される。

「この軍事基地は、地下鉄の沿線に位置しています。我々はこの軍事基地から地下鉄の内部に進入します。予知で判明しているのは、襲撃が今から48時間後であることと、相手がオブリビオンマシンで構成された部隊ということのみです。そこで、この48時間という時間を使って、襲撃に備えた準備をすると良いでしょう。防壁を作ったり、移動の邪魔になりそうな障害物を排除するなどが考えられます。余裕があるなら、ワートホグ隊の皆さんにお話を聞いたり、想定される敵の侵入経路や敵の編成などを調査したりしても良いでしょう……あぁそれとひとつ大事なことが」

 ジェイミィが手元の端末を操作すると、画面が切り替わる。そこにはいくつものキャバリアの写真がカタログのように並んでいた。

「予め私の方で防衛軍の方と交渉しまして、この基地が保有している余剰キャバリアを借りることができるようになりました。クロムキャバリアやサイキックキャバリアの予備機、テストパイロット待ちのスーパーロボットまで選り取り見取りです。キャバリアをお持ちでない方は是非ご検討ください。ちなみに気に入ったキャバリアがあれば買い取りも可能だそうですよ」

 値切り交渉は皆さんにお任せします、とジェイミィは親指を立てた。と、ここまで説明し終えた後でジェイミィは声を潜める。

「さて、ここからは依頼とは別に、私からの個人的なお願いです。はっきり言えば、地下鉄網の襲撃に高性能なオブリビオンマシンが組織的に投入されるのは異常事態だと考えています。これは推測なんですが、襲撃者は地下鉄を使って運ばれる『何か』を奪取するためにオブリビオンマシンを持ち出したと踏んでいます」

 スクリーン上の画面が再び切り替わる。そこに映し出されたのは「EGG PACK」の文字だった。

「キーワードはこれ。『エッグパック』です。予知の中でこの単語が出てたんですよ。襲撃者の目的ですが、これの破壊ないし奪取が目的と思われます。そこで、護衛のついでに『エッグパック』の正体について調査をお願いできますか。もしかしたら、オブリビオンマシンを排除する上での切り札になりうるかもしれません」

 ジェイミィはお願いします、と頭を下げた後、コホンと咳払いをした。

「ともかく、まずは地下鉄の護衛です。地下鉄、そしてワートホグ隊に損害が可能な限り無いように気をつけて任務にあたってください。もちろん地下空間ですから、高度は取れないことをお忘れなく。……技術立国と名高きアークライト自治領との繋がりを強くする好機です。皆さんにとっても、悪い話では無いと思いますよ?」

 いやぁこの台詞言ってみたかったんですよねぇ、とジェイミィが声を弾ませる中、グリモアが起動した。


バートレット
 お初にお目にかかります! バートレットと申します!
 クロムキャバリアの登場をきっかけにMS試験を受け、運営様より「認めよう、君の力を。今この瞬間から君はグリモア猟兵だ」と言われてから初めてのシナリオとなります。
 まだまだ未熟者ですが皆様のご指導ご鞭撻、よろしくお願い致します。

 今回のミッションは地下鉄の護衛です。
 第1章では地下鉄の護衛のために準備を行います。48時間という時間内で、廃線区画の障害物を取り除いたり、侵入経路を予測して防壁を築くなどしてください。ワートホグ隊の隊員と交流しても良いでしょう。プレイングボーナスは「敵について調査」及び「『エッグパック』の調査」となります。キャバリアを持っていない方はこの章でキャバリアを借りることが可能です。

 第2章・第3章では侵入してきた敵との戦いになります。いずれもプレイングボーナスは「地下鉄およびエッグパックを守る」「ワートホグ隊と協力する」となります。ワートホグ隊はユーベルコードこそ使えませんが、援護射撃や陽動などを担当してくれます。彼らと協力してオブリビオンマシンに立ち向かいましょう。

●プレイング受付
 第1章の受付開始は10/16(金)8:31~です。それ以前に投稿されたプレイングは全て不採用となりますのでご注意ください。いただいたプレイングはなるべく早めにお返しします。
 各章の締め切り、および第2章・第3章の受付開始は都度MSページにてお伝えします。
 その他、プレイングの採用基準等はMSページをご確認ください。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『クロムキャバリア地下鉄道護衛任務』

POW   :    障害物や敵からの攻撃から身を挺して庇う

SPD   :    障害物や敵を精密射撃で撃ち抜く

WIZ   :    防壁を構築し列車を守る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●基地司令官の挨拶
「よくぞ来てくれた。話はブラッディバック君から聞いている。まずは支援に名乗り出てくれたことを感謝させて欲しい」

 グリモアベースから転移した猟兵たちは、アークライト自治領の市街地からやや離れた場所に位置する防衛軍基地にて司令官の出迎えを受けていた。

「すでにワートホグ隊は地下鉄網全域に展開している。諸君らはワートホグ隊のキャバリアと合流してミッションに当たって頂きたい。地下鉄網は入り組んでいて網目のようになっているので、迷わないようにくれぐれも注意して欲しい。ワートホグ隊は地下を熟知しているから、困ったら彼らを遠慮なく頼ってくれ」

 司令官は基地内を案内しながら、地下鉄網の状況を簡単に説明した。元々3つあるプラント間と市街地や軍事基地などの重要施設を結ぶ目的で建設されたが、路線の増加や街の発展に伴い急速に拡大。工事車両の乗り入れで使用され、現在は使用されていない廃線区画もあるという。

「廃線区画までは整備があまり行き届いておらず、当時の建築資材が残っている場合もある。戦闘や探索の邪魔になるのであれば、破壊しても構わん。交通局の許可は取ってある」

 やがて、司令官と猟兵一行はキャバリアの格納庫にたどり着く。

「自前のキャバリアを持っていない者には、ここのキャバリアを貸し出す。機種も様々なものが用意されているから、希望者は遠慮なく申し出て欲しい。気に入ったのならば買い取りにも応じよう。自前のキャバリアがある者も、出撃前にここで補給と整備をしていってくれ」

 そこまで言うと、司令官は猟兵たちに頭を下げた。

「我々アークライト自治領を守るため、諸君らの力を借りたい。我々が諸君らにしてやれることはあまり多くないが……何卒、よろしく頼む」

 猟兵たちは頷くと、各々行動を開始した。
支倉・錫華
キャバリアは貸してもらえるなら、買い取りまではいいかな。
でもチューンはさせてもらいたいと思うよ。

今回は防衛任務ってことだし【脈動臨界チューニング】で装甲を5倍、射程を半分にしていこう。
地下なら射線もそんなに通らないだろうしね。

武器は【歌仙】はもっていくけど【キャバリアライフル】も貸してもらっておこうかな。
とはいえ、基本は近づいての格闘戦をメインに戦うよ。
威嚇射撃後に接近して一撃。これで相手を行動不能にしていきたいな。

アミシアには索敵と出力補正をお願いしよう。

それと情報収集も、かな。
『エッグパック』っていうのがなにか解ると守りやすいんだけど、
話に出てこないってことはいちおう機密ものなのかな?



●チューニング
 フリーの騎士にして情報員を営む支倉・錫華(Gambenero・f29951)は、自分の愛機を持たない主義だ。故に今回も、キャバリアは格納庫に用意された汎用的な量産機を選ぶ。

「良いのかい、気に入ったんならそのまま乗り続けても良いんだぜ?」
「買い取りまでは良いかな。ちゃんと返すよ」

 整備員にそう声を返すとコックピットのハッチを閉じる。

「ま、でもチューンはさせてもらいたいと思うよ」
『最初からそのおつもりでしたよね』

 錫華がコックピットの中で独り呟くと、その言葉に応える声がある。アミシア・プロフェット、女性人格のパートナーAIユニットだ。

「今回は防衛任務ってことだしね。地下なら射線もそんなに通らないだろうし。装甲盛る方向で行くかな」
『その判断に同意します。私は索敵と出力調整を担当すればよろしいですね?』
「うん、お願い」

 錫華はアミシアと会話しながら、ユーベルコード【脈動臨界チューニング】を発動する。その場で機体に最適なチューニングを施し、セッティングをよりピーキーに変化させる錫華の得意技だ。機体の各部の稼働装甲を前面に動かすことで、バイタルパートへの被弾確率は格段に減る。その一方で、FCSの稼働率を低下させたため、射程は半分に減少する。最も、今回の戦場は地下空間であり些末な問題だ。
 と、ここで何かを思い出したように錫華がコンソールを叩く手を止める。

「あ、ごめんアミシア、ひとつ追加でお願いしたいことがあるんだけど」
『……グリモア猟兵が仰っていた件ですか?』
「そうそう、『エッグパック』ってやつ。何かわかると守りやすいんだけどね」

 先程の司令官の挨拶では「エッグパック」の存在に一切触れられなかった。グリモア猟兵の予知で登場した護衛対象であったにも関わらず、だ。

『護衛対象の地下鉄をスキャンしたところ、一部の車両には電波遮断措置が施されておりました。恐らくは機密事項に指定された内容かと』
「部外者じゃわからないかぁ……いや、でもその車両は特に重点的に守れってことか。アミシア、その車両の特定も追加でお願い」
『承知しました』

 方針は決まり、チューニングが施された錫華の機体は地下鉄構内へと飛び込んでいく。手には実体剣「歌仙」とキャバリアライフル。射撃で相手の動きを固めて歌仙で一閃する戦い方を錫華は思い描く。

 ひとまずは情報収集と地下鉄構内の地形の把握に務めよう。そう思い、錫華はキャバリアの操縦桿を握りしめるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ダビング・レコーズ
48時間の猶予があれば迎撃準備は十全に整えられる
しかし地下鉄内での戦闘か
閉鎖空間でアークレイズの機動力を最大限発揮出来るとは考え難い
戦闘機動は二次元的なものに限定されるか
一方で路線という都合上直線や緩やかなカーブが多くなるはず
単純加速ならばアドバンテージを得られるか

ワードホグ隊隊員へ過去の襲撃時に敵の主力を占めていた機種がどのようなタイプだったのかを聞き取り確認
対応策の検討材料とします

そして今回襲来する敵勢力の予想目的について、エッグパックの名前は伏せたまま伺います
これで明確でない返答を得られたのであれば、我々イェーガーにも開示出来ない秘匿性の高い機密物資であると推定出来ます


ヴィリー・フランツ
(WIZ、連携アドリブOK)
持ち込み機体:ヘヴィタイフーンMk.Ⅹ
目的:ワートホグ隊員と襲撃地点を予想して迎撃計画を立てる

理由:EggPack…確かにきな臭せぇが直接聞いた所で国防機密とかではぐらかされるのがオチだな、俺達が信頼に価する傭兵だと証明しねぇとな

手段:俺の機体は整備士に預けて、先ずはワートホグ隊長に挨拶、そして地下鉄の路線図(廃線も含め)と調整池の様な巨大地下空間の位置を教えて貰うぜ。
俺の"戦闘知識と経験から予想するに、相手は平行する他のトンネルから最短距離でぶち抜いてこの路線を襲撃する、と思うな。
実際に可能かどうか相談し、可能ならその地点に集音機の設置、バリケードの用意をするぜ



●位置の特定と過去の襲撃、最重要目標「エッグパック」
 ダビング・レコーズ(RS01・f12341)とヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)はどちらもスペースシップワールド出身ということもあり、自然と共に行動していた。

「閉鎖空間でキャバリアの機動力を最大限発揮出来るとは考え難いです。特に当機が運用するアークレイズは苦戦を余儀なくされるでしょう。戦闘機動は二次元的なものに限定されると判断します」
「同感だな。ただ地下鉄構内なら緩やかなカーブに直線が多くなる、逃げる相手を追い詰める時には機動力が役に立つんじゃねぇか」
「ふむ……単純加速ではアドバンテージを得られますか」

 2人は自らの愛機を整備士に預け、徒歩で地下鉄構内へと入っていた。48時間後の襲撃に備え、戦術や情報収集の方針について歩きながら検討を重ねていく。

「しっかしEggPackねぇ……確かにきな臭せぇが直接聞いた所で国防機密とかではぐらかされるのがオチだな」
「でしたら当機に考えがあります。お任せを」
「そうかい? なら任せるぜ。どのみち俺達が信頼に価する傭兵だと証明しねぇといけねぇのは変わらねぇしな」

 やがて、ダビングとヴィリーはやや開けた場所に出る。1機のクロムキャバリアの前で、一人の青年がパック入り飲料を口にしていた。年格好はヴィリーとそう変わらない。彼は2人に気がつくと笑顔を見せ、歩み寄ってきた。

「おや、来たか傭兵諸君。アークライト自慢の地下鉄網へようこそ。私がワートホグ隊の隊長・ワートホグ1だ。TACネームはペーパーバック、よろしく頼む」
「ヴィリー・フランツだ。よろしくな」
「ダビング・レコーズです」

 ヴィリーとダビングはそれぞれペーパーバックと握手を交わす。自己紹介もそこそこに、ペーパーバックは早速地面に紙の路線図を広げ、2人も覗き込む。

「さて、君たちにちょっと意見を聞きたくてね。敵の侵入経路についてだ。侵入があるのは間違いないとしても、過去の侵入で使用された廃線区画の立坑は全て塞いでしまったし、残りの廃線区画は入り口が存在しない状況だ。この状態でどこから侵入するものか、と思ってね」

 ペーパーバックの問いかけに、ヴィリーはふむ、と考え込んで地図を眺める。しばらく地図のあちこちに視線を走らせた後、何かに思い至ったように顔を上げた。

「なぁペーパーバック、この地下鉄網の近くに地下放水路とか調整池みたいな、でっかい地下空間があったりしねぇか。あるいは天然の地下空洞とか」
「地下空間か……あぁ、それならここだ。基地から市街地を挟んで反対側の郊外地区に、雨水を溜め込む地下調圧水槽がある。このあたりには川が流れていて、大雨の時は川が洪水したときに備えて水を地下に溜め込み、別の溢れ出していない川に逃がすんだ」
「確かに巨大な地下空洞と判断できますが、それが侵入と何の関係が?」

 ペーパーバックとダビングは揃って首を傾げる中、ヴィリーは説明を始めた。

「俺の戦闘知識と経験から予想するに、敵さんは平行する他のトンネルから最短距離でぶち抜いてこの路線を襲撃する、と考える。そして、素直に廃線区画の入り口から入り込んでくるとは考えづらい。そうなると……郊外の調圧水槽から侵入して、壁をぶち抜いて路線めがけて突っ込んでくるだろうよ」

 その説明に、ペーパーバックはさっと表情を引き締める。

「そうか……調圧水槽の外壁はコンクリート製だ。水を貯める分には十分な強度があるが……火薬の炸薬量次第では容易に大穴を空けられる!」

 なるほど、とダビングもうなずき、質問を重ねる。

「ちなみに、過去の襲撃で敵の主力を占めていた機種はわかりますか?」
「陸戦型の重装機体だね。足裏の履帯で陸上を高速走行するんだ。大型のシールドを装備しているから、正面からの撃ち合いは分が悪い……そう言えば、あの機体、爆薬の取付機構らしき装備が左腕にあった。使っているところを見たことはないがね」

 その言葉を聞いたダビングとヴィリーは顔を見合わせ、頷く。

「間違いねぇな。敵さんはここを爆弾で吹っ飛ばす。後はそこから本線に続々と侵入してくるはずだ」
「ならば、ここの防備を固めましょう」
「了解だ。隊員のうち何機かをそちらの防備に回そう」
「集音器の設置とバリケードも用意しておくか」

 3人は明らかになった情報をもとに、戦術の検討を重ねていく。その話の中で、ダビングはふと感じたかのように疑問を口にした。

「しかし、そこまでして襲撃してくるとなると、敵にとっての最重要目標は何なのか。当機はこの点を疑問視しています」
「……今回の襲撃の目標には心当たりがある」

 その問いを聞いて、ペーパーバックはしばし瞑目した。

「数日前から、我々ワートホグ隊は全機が地下鉄の護衛任務についている。元々、ワートホグ隊のうち何機かがローテーションで地下鉄の防備に当たっているんだ。それが、ここ数日は全ての機体が出ずっぱりだ。それも、市街地防衛用の新型兵器のためだと言われている」
「市街地防衛用の新型兵器?」
「それ以外は我々も詳細を聞かされていないんだ。我々はこの新兵器のコードネームを『エッグパック』と呼称している。全貌を知っているのは開発局の連中だけ……まぁ、当然だな。情報を知る人間は少ないほうが良い」
「なるほどな……」

 上手い、とヴィリーはダビングの聞き方に感心した。最重要目標が何なのかを話の中で聞き出し、エッグパックについての情報かどうかのカマをかけたのだ。
 とは言え、隊長であるペーパーバックですらも情報を知らされていないエッグパック。その正体は他の猟兵が別の方法で探りを入れるだろうと考え、ヴィリーとダビングはひとまず襲撃に備えてペーパーバックと共に戦術の検討を重ねるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

貴司・忍
アドリブ、絡み歓迎
地下鉄網、広くて、狭い。いいね、あたし好みだ

自前のキャバリア【六号開天】で出る
売りは突撃、肉弾特化型…それとチェーンソー。
それにこいつは元々工業用のノウハウを流用してあるのさ
だから…重量攻撃で邪魔な瓦礫は、粉砕できるってねぇ!

勿論【集団戦術】も心得てるぜ?ワートホグ隊とが移動できるルートを絞った上で、敵の出方が見えやすくするよう落とし穴や瓦礫を移動させる。

確認なんだが…想定敵は飛べるか?それとも走るか?
それによって掘る穴とか崩す壁の量が変わってくるからな…あたしと彼らの機体特性を照らし合わせた上で、急造でも連携を準備しておいた方がよさそうだな。コードの実演とかもしておくか。


才堂・紅葉
「てきぱき解体しちゃいますね」
忍者めいた“迦楼羅王”を駆り、黄金色に輝くチェーンソーが光って唸る
木材も石材も鋼材も何でも来いとバラバラにしたい。こういう作業の時は各種工具を操る【メカニック】の知識が役に立つ
運び出しにはワートホグ隊にも協力を依頼しよう

マップを眺め【拠点防御】の為の連携に不可欠な通路の整備を行います
気になる点は敵とエッグパックですね
現場で一緒に働いている隊の方々と、作業の合間を見て二点について話をしてみます。やばいネタなら把握しておかないといけませんしね【コミュ力、礼儀作法、情報収集】

「すいません。エッグパックと言う言葉で、何か分かる事があれば教えて下さい」


ジーノ・エヴァーソン
前ならこういう護衛任務、襲撃する奴のリスキーさが疑問だった
…連中(オブリビオンマシン)にはリスクなんぞ皆無か。笑わせるぜ
まぁいい、仕事だ
【メビウス】通常モード起動。『Xeno_Fire』、出る

〈推力移動〉により鉄道内を巡回、侵入する敵の調査を開始する
鉄道出口から入ってくる訳もあるまいし…壁に穴でも開けて侵入してくるかもな
トンネル内の耐久が比較的低い所を探してスキャンによる〈情報収集〉を行うか

…暇を見て輸送列車内もスキャンをしてみる。電波遮断されてるかもだが、それはそれで「それだけの代物」を運んでると推測できる
一個中隊まで使ってるんだからな…マジに割れやすい卵パックでもないだろ?



●動き出す工作隊

 ペーパーバックからもたらされた情報は、猟兵たち全員に共有された。エッグパックの正体は都市部の防衛用途に開発された新型兵器であること。そして、侵入経路の候補が調圧水槽の公算が高いという点だ。
 調圧水槽を隔てた壁面の近くに、ワートホグ隊の7番機・8番機と、3人の猟兵が集合する。

「前ならこういう護衛任務、襲撃する奴のリスキーさが疑問だった……連中にはリスクなんぞ皆無か、笑わせるぜ」

 キャバリア「メビウス」に搭乗するジーノ・エヴァーソン(Xeno_Fire・f30003)が不敵に呟くと、ワートホグ7が同意する。

「全くだ。奴らは伊達や酔狂で襲撃作戦立てたんと違うかね、ハハハ」

 ワートホグ7とジーノはひとしきりまだ見ぬ襲撃者を笑い飛ばすと、実務的な話に移る。

「とりあえずこのへんを拠点にしてバリケードを築いて、敵さんの侵攻を可能な限り止める。俺の機体は集音性が高いからな、集音器と合わせて怪しい音を拾ってやる」
「了解だ。俺はこのあたりの壁面について、耐久力が低いところをスキャンしておく。連中も耐久力が低いところをふっ飛ばすくらいの頭はあるだろ」

 2人が通信で相談している横では、貴司・忍(人間の量産型キャバリア・f30325)が一人気勢を上げていた。

「地下鉄網、広くて、狭い。いいねぇ、あたし好みだ!」

 彼女の機体「六号回天」は工業用の丸鋸を流用したチェーンソーを据え付けた重装型のキャバリアだ。重い一撃は戦闘でも役に立つが、今回のように瓦礫を粉砕して運びやすくするときも役に立つ。

 チェーンソーを持つ機体は忍の六号回天だけではない。才堂・紅葉(お嬢・f08859)が駆る忍者が如きキャバリア「迦楼羅王」もまた、黄金に輝くチェーンソーを振るって手近な瓦礫を細かく削り、運び出している。

「てきぱき解体しちゃいますねー」
「いやホント手際良いなぁ」

 メカニックの知識を活かした紅葉の解体術に、横で作業をしていたワートホグ8は舌を巻く。

「なぁ、バリケードの構築は良いとして、いざって時の退路も考えておいたほうが良いだろ?」
「そうだな、あるいは敵を押し出す時に後詰の味方が上がってくる可能性もあるわけだし。通路はこの路線を使うぞ」
「OK、バリケードの方は敵の出方が見えるようにある程度視界を確保しとくぜ」
「頼む。しっかし助かるぜ、単純に人手が多いと準備も捗るってもんだ」

 忍はワートホグ8に確認を取り、瓦礫を積み上げてバリケードを構築しながら、一定の視界が確保できるように形状を整えている。

「それにしても隊長さんが仰ってた『エッグパック』って何なんでしょうね」
「あぁ、一個中隊まで持ち出して守ってるなんて尋常じゃねぇ物だってことは確かだ。マジに割れやすい卵パックでもないだろ?」

 作業を行いながら、通信で『エッグパック』の正体について話し合うジーノと紅葉。そこへ割り込んできたのがワートホグ7だ。

「気になるか?」
「何か分かることがあるんですか?」
「噂レベルだがな……数日前、このアークライトが管理してるプラントの一つ、『ベガ』の近辺でちょっとした騒ぎがあった」

 ワートホグ7の話に忍、紅葉、ジーノの3人は聞き入っている。

「現地を警護していたキャバリア乗りたちが、揃いも揃って幻覚を見たんだと。なんでもでっかいコウモリが空飛んでたとかなんとか」
「でっかいコウモリ?」

 鸚鵡返しに聞き返すジーノ。
 ワートホグ7は声を潜めて話を続けた。

「そう、でっかいコウモリ。キャバリアの半分くらいのデカさだったらしい。ただ、流石にそんなでっかいコウモリあり得ないだろ、って言われて目撃したキャバリア部隊はリフレッシュ目的の休暇が全員に与えられたよ。ただ、そのでっかいコウモリが今回の積荷なんじゃねぇかと睨んでる」

 タイミング近すぎるからな、と言って話し終えるワートホグ7。明らかに怪しげな情報にどこまで信じて良いものかを判断しようとしているのだ。

「今の話、どう思う?」
「割と信憑性はあったように思えるが」
「待て待て、もしかしたらそんな事を言ってあたしたちを引っ掛ける嘘って可能性も否定できないよ」
「ただ嘘話すにしてもわざわざここまで手の混んだことを話すか? 俺にはそうは思えんがな」

 疑心暗鬼に陥る猟兵たちだったが、ひとまず現時点では貴重な情報ということで、他の猟兵たちにもこの情報は共有されるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
地下かぁ…。飛べないのはつらいけど、頑張るっ!!
でも、閉所でのキャバリア戦闘なんてやったことないんだよなぁ…。

悩んでも仕方ないよね
ここは、キャバリア戦のプロにお話を聞こうっ!

ワートボグ隊の人達に、閉所での戦い方を聞くね

わたしの機体、高機動型なんだけど、閉所で戦うにはどうすればいいんだろ?

メイン武装がセイバー以外が大型の砲撃火力がメインだから…
やっぱり、砲撃より小回り効く小火器と近接武器の方が取り回しやすいのかな?

疑問に思ったことはぶつけていって、吸収していくよ


アドバイスに従って装備の調整を行うよ

しかし…
ほんとこの人達すごいんだね
でも、だからこそ守らないとね

よーし、がんばるぞー


テラ・ウィンディア
列車かー
すげーなこういうの

さて…おれってこういうのは苦手だが…ヘカテ…お前得意なんだよな?
一つ勉強してみるかな
UC起動

【戦闘知識】
地下鉄の構造と地図を確認して敵がどこから攻撃してくるかの予測と把握
特にワードホグ隊達とも話し合いながら
特に構造からどのような機体が侵入しやすいかも解析
【結界術・化術・占星術】地下鉄の駅や襲撃の予測地点に幻惑結界を展開
そしてエッグパックや敵の襲撃する場所について占星術で占ってみる
…占いでわかる物かな
まぁ一応ヤバいと思った所も結界だな
隊の人達にも話を聞いてみる
【降霊】
此処にいる霊達の話も聞いて敵の襲撃について知らせて貰えるようお願い

後は戦闘の邪魔になる障害物の撤去だな



●地下空間に舞う双子
「地下かぁ……」
「列車かぁ……」

 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の双子は、同じタイミングでそれぞれの感嘆を口にしていた。

「飛べないのはつらいけど、頑張るっ!! ……でも、閉所でのキャバリア戦闘なんてやったことないんだよなぁ…。」
「おれもねーよ? ……まぁヘカテは得意だって言ってるんだけどな」

 このエルフの姉妹にとって、地下鉄構内でのキャバリア戦闘は未知の領域であった。シルもテラも、普段はある程度開けた場所で機動力を活かして戦うことが多かったためである。

「ここは一つ勉強かねぇ……」

 テラがぼやいたところで、同道するキャバリアから通信が入る。

「閉所での戦闘について悩んでるのかい、お嬢ちゃんたちは」

 女性パイロットのワートホグ3だった。シルとテラの姉妹は現在、ワートホグ3を分隊長とする分隊を構成している。姉御肌で姉妹を引っ張るワートホグ3に、シルとテラはもうひとり姉ができたかのような感覚を味わっていた。

「特にキャバリアだと余計に狭く感じちゃうんですよね……」

 シルがため息交じりに訴えると、ワートホグ3は豪快に笑ってみせた。

「いやぁ、これは教えがいのある生徒が来てくれたもんだよ。良いかい、難しく考える必要はないんだ。普段、戦闘機動は上下左右前後、ってな感じで考えるだろ? 地下で戦う時は『上下』を削れば良いのさ」
「あー、つまり極力平面で動けってことか」
「そういうことさ」

 ワートホグ3のレクチャーを受けながら、シルとテラは地下での戦い方を理解していく。

「あ、それと射撃はやっぱり砲撃よりも小火器とか近接武器の方が取り回しが良いのかな?」
「そうだね。戦場狭いし、敵味方が入り乱れやすくなるから、砲撃でじっくり狙ってる余裕は無いかもね」
「ふむふむ」

 シルがワートホグ3のレクチャーを引き続き受ける一方で、テラは愛機「ヘカテイア」の力を借りて結界術や化術を活かした幻惑結界を張っていく。彼女たちの現在位置はバリケード地点から少し離れた第二陣。バリケードがある第一陣が突破された際に敵が現れそうなところをワートホグ3から聞き出したテラは、そのポイントに対して重点的に結界を張っていった。

「よし、バリケードの補助にはなるだろ」
「へぇ、魔術ってやつかい。便利なもんだねぇ」
「ちなみに占いもできるぞ」

 そう言いながら、テラは占星術を利用した襲撃ポイント予測も行い、さらには降霊術を応用してこの付近にいる霊たちに敵襲を警戒するアラート役を依頼する。

「ま、ざっとこんなもんか」
「これで安心……かな?」
「それじゃあ襲撃本番までの間に動きをおさらいしておこうか」

 一通りの準備を終えると、シルとテラはワートホグ3と実戦での動きを確認する。と、テラがシルにプライベート通信をよこした。

「あのさ、シル。グリモア猟兵が言ってた『エッグパック』も占ってみた」
「……どうだった?」

 シルは声を潜めてテラの占い結果を聞き出す。

「うーん、良くも悪くも伝家の宝刀ってやつだね。抜かないうちが華だけど、一度抜けば絶大な威力を発揮するほどの切り札級の何かが眠ってる、らしい」
「詳しいことはわからずじまいか……でもでも、できれば使わないようにしたいよねっ」

 シルは占い結果を聞いて肩を落とすも、持ち前の明るさと前向きさはすぐにシルの表情を笑顔に戻す。

「ワートホグ隊の人たちも凄いんだよ。これまで何度も修羅場を潜り抜けてるんだもん。だから、こんなところで全滅なんてしてほしくないよね」
「そうだな。一緒に戦って、必ず勝とうぜ、シル」
「うんっ」

 誓いを新たに、エルフの双子は眼前の戦いに気合を入れ直すのであった。

「よーしっ、頑張るぞー!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白鳥・深菜
「そう。シンプルで使いやすいキャバリアが性に合うのよ。性能とかは自力で補えるし――」

性能はお世辞にも優秀とは言えないが、
扱いやすい汎用的なキャバリアを借り受ける。
【鉄騎携えし一振りの剣】で装備を整えて、出撃。

さて。運搬の護衛をしながら、オブリビオンを迎撃する。
となると部隊に確認しておくべきは……
「特に交戦時に、運搬対象をどう保護するか」ね。
この方針はどうなってるのかしら?

そんな感じでこれからの戦いに必要な情報を聞き取る流れの中で、
【鳥王の大いなる解法】によって
「エッグパックの正体に関する情報を一つ得る」行動に挑んでみるわね。
さて、かなり力技の情報収集だけど、うまくいくかしら。


栢山・源治
技術立国アークライト
是非とも一度来てみたかったが…
すげー技術だな
うん、いい機会だ
しっかり恩を売っておかないとな

後は地下鉄網の地図もしっかり見ておこう

紅月で廃線区域の調査
もしも侵入して襲撃するならこういうところを狙うよな
邪魔なのは撤去しておくぞ
後はワートホグ隊と同道
彼等にもエッグパックというものについて聞いてみる
敵が狙ってるならそれこそある程度知識を持っておかないとな

後は戦いにおいて有利に立ち回れるポイントを細かく確認しておくぞ
またワートホグ隊の戦術と防衛線での迎撃ポイント等
この後の戦いでもかなーり重要になりそうだしな

其処から防壁や落とし穴も仕掛けておこう
地味にこういう原始的なのって効くんだぜ?



●真実に迫る羽根と原初の罠
「そう。シンプルで使いやすいキャバリアが性に合うのよ。性能とかは自力で補えるし――」

 そう語るのは白鳥・深菜(知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881)の弁である。遊撃を担当する彼女は、汎用的な量産型キャバリアをノーマルな仕様の状態で借り受け、ユーベルコード「鉄騎携えし一振りの剣」で装備を整える。
 彼女とエレメントを組むのが、栢山・源治(自称鬼畜皇帝・f30114)。クロムキャバリアの商業都市「KAYAMA」の御曹司として、以前から技術立国として名高いアークライト自治領には興味を寄せていた。

「是非とも一度来てみたかったが……すげー技術だな」

 源治はリニアモーターで動く地下鉄に感嘆の声を漏らす。

「……うん、いい機会だ。しっかり恩を売っておかないとな。で、今回は列車の護衛と敵の迎撃だったか」
「そうね、となると確認しておくべきは……『特に交戦時に、運搬対象をどう保護するか』ね。ワートホグ2、このあたりはどういう方針か教えていただけるかしら」

 案内役として2人と共にエレメントを構成するワートホグ2は、深菜に話を振られ、そうだな、と前置きして答える。

「基本的には敵を近寄らせない。そのために防衛ラインをミルフィーユのように構築して、敵の進軍速度を鈍らせるんだ。前の防衛ラインを超えたやつがいたら次の防衛ラインで食い止める、これの繰り返しが基本だな」

 ふむふむ、と深菜は頷き、先を促す。

「今回は特に徹底したほうが良いのかしら」
「あぁ、何しろ運ぶ物の中に、新型兵器と言われているブツがあるんだが……お偉いさん、どうもこの車両への被弾そのものを避けたがってる。結構デリケートなんだろう、『エッグパック』なんてコードネームまでついている。詳細は不明だけどな」

 深菜はそれを聞いて、満足そうに頷いた。背中からはらり、と羽根が数枚落ちる。実は深菜はユーベルコード「鳥王の大いなる解法」を発動し、力を込めた羽根を代償に「エッグパック」に関する情報を一つ聞き出すことに挑戦していたのだ。新たにわかった事実、「一発も被弾を許されないデリケートな何か」という情報は数枚の羽根を犠牲にする価値はあった。

 深菜が情報を入手した一方で、源治は愛機のクロムキャバリア「紅月」で油断なく周囲をスキャンする。

「見通しが広い場所だと、敵が防衛ラインを抜ける可能性が高まるな」

 先程の深菜とワートホグ2の会話からそう判断した源治は、近くの瓦礫を運んできて即席の防壁を作ったり、地面を掘って簡易な落とし穴を作り始めた。これは、自身が持つユーベルコード「アドバンテージ・アンサー」の効果を最大限に発揮させるためである。有利な地形を作ることで、自らの能力を高めるのだ。

「落とし穴か……引っかかるものかねぇ」
「地味にこういう原始的なトラップって、良く効くんだぜ?」

 ある程度整った即席の防衛陣地を見たワートホグ2が漏らした感想に、源治はニヤリと笑って応えてみせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・エアクラフト
【選択:POW】
いやホントここ(この世界の事であり特定の場所を指すわけではない)
相変わらずドンパチしてんなぁ…よう飽きんわ。

ま、俺は猟兵になったりあれこれあっていろいろ柵から外れたから国家間のドンパチとか気にせずやることやるだけだがな

んで鉄道護衛だけども…とりあえず持ってたキャバリア いやこれキャバリアでいいのか知らんがまぁ使えるから使うとして、武装用意してねぇから壁か盾運用で行くとして

防御が装甲だけだと不安だからアリスナイト・イマジネイションでさらに上乗せしとくか。キャバリアの上に戦闘服っておかしい気もするがまぁ増加装甲みたいなもんだろ多分。

…つーかホントこのキャバリア?何なんだかな


ニトロ・トリニィ
アドリブ・協力大歓迎!

おぉー、彼らがワートホグ隊だね。
多分僕よりもキャバリアの操縦技術があるんだろうなぁ…
おおっと、感心している場合じゃなかったね。

行動
敵がどこから来るのか… 情報は多い方が良いだろうし僕はちょっと偵察に行ってくるよ。
とは言っても… 僕はここの地理に詳しくないし、ワートホグ隊の人から教えてもらった場所を探すだけなんだけどね。
偵察中は《バウンドボディ》で変幻自在に体を変形させながら、上手く隠れつつ進もうか。

そうそう、留守中の間に僕のキャバリアであるマガフMkⅤの整備を頼もうかな!


エドゥアルト・ルーデル
アドリブ歓迎

地下鉄…ムラクモ…
列車…要撃…


「エッグパック」ですって!「エンジェルパック」の親戚かしら?容赦無く調べるでござるよ
さてどこから調べるかと計画を練る拙者の前に急に現れた人影!
誰はお前は!【知らない人】だこれ!誰?ねぇ…誰なの?怖いよぉ!
まあいいやこの知らない人に司令官周りを探ってもらいますぞ!知ってるやつを直接調べた方が早いからな

せっかくだから拙者はワートホグ隊に絡みに行きますぞ!六機もいるんなら見応えありそうでござるよねアセンブリ見せろやオラァ!
所でこの隊には少女パイロットとかいないんでござるか?やっぱー僚機に選ぶなら女の子の方がやる気が出るっていうかーわかるでござろうデュフフフ!


霧島・絶奈
◆心情
何事も下調べと事前準備は大切ですね
それにしても動きの察知された反攻勢力ですか…
…雌伏の内に果てると良いでしょう

◆行動
ああ、キャバリアは必要ありません

『暗キ獣』を使用
人海戦術を活かし、障害物を排除しつつ「防壁」を構築していきます

場所は…そうですね
土地勘のあるホートワグ隊に同行して貰いましょうか

移動時間や作業中に『エッグパック』について、大きさやどんな形をしているのか尋ねましょう
流石に地下鉄の列車、と言う事は無いでしょうからね

肝心の防壁ですが…
【罠使い】の技を活かして防壁の表面に「指向性散弾」を、手前に「魔法で敵を識別するサーメート」を設置しておきましょう
どちらも閉鎖空間である故に効果的です



●直衛部隊、準備に奮闘す
 目標となる列車の近くを移動しながら護るのは、ワートホグ隊3機と猟兵4人で構成された直衛部隊だ。

「いやホントここ、相変わらずドンパチしてんなぁ…よう飽きんわ」

 リーゼロッテ・エアクラフト(混ざりものの『アリス』・f30314)はそうぼやきながら自身が搭乗する機体の操縦桿を握る。このキャバリア、リーゼロッテと合体することで動かすことが可能という特異な機体である。

「多分僕よりもキャバリアの操縦技術があるんだろうなぁ……おっと、感心している場合じゃなかったね」

 と、同行するワートホグ隊の隊員を見て感嘆の声を思わず漏らすのはニトロ・トリニィ(楽観的な自称旅人・f07375)。愛機のマガフMkⅤは一旦整備班に預け、偵察を開始する。

「地下鉄……ムラクモ……列車……要撃……」

 現在のシチュエーションと自分の知識か記憶に何か符合するものを感じているのがエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)。準備ということもあり、今回はキャバリアに搭乗していない。早速同行しているキャバリアたちを片っ端から写真に撮ってみたりとフリーダムな行動をとっている。

「それにしても動きの察知された反攻勢力ですか……雌伏の内に果てると良いでしょう」

 やれやれ、と天を仰ぎ相手の運命に同情すら覚えている霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。彼女もキャバリアは用意していない。ユーベルコード「暗キ獣」を発動し、異端の神々の似姿にその身を変じつつ、屍者の軍勢の人海戦術で防壁の構築と障害物の排除を同時に行っている。

 彼らの防壁構築はシステマチックに行われていた。ワートホグ隊3機とニトロが侵入経路になりそうな箇所を偵察し、エドゥアルトとリーゼロッテが場所を確保、絶奈の屍者たちが一糸乱れぬ統率力で瓦礫の運び出しと防壁の構築を行う。この防壁は絶奈特製のトラップが仕込まれており、防壁の手前に魔法で敵を識別するサーメートと、防壁表面に指向性爆弾がそれぞれお出迎えするという凶悪仕様だ。

 一方、リーゼロッテは自分の機体をさらに強化すべく、ユーベルコード「アリスナイト・イマジネイション」を発動。キャバリアの上から戦闘服に見立てた増加装甲を用意し、防御力をさらに向上させる。

「ほほー、リーゼロッテ殿、完全に盾としてキャバリア運用するんでござるかぁ」
「武装用意してねぇから壁か盾運用せざるを得ないんだよなぁ……ホントこのキャバリア、何なんだかな」

 エドゥアルトの指摘に首を傾げながらも答えるリーゼロッテ。実のところ、彼女自身もこのキャバリアがどういったものなのか、理解できていないのだ。

「よし、こんなもんかな。ワートホグ隊の皆さんもお疲れさまでした」
「いやーすげぇなあんた、狭いところもスイスイ進むんだもんなぁ」
「おかえりなさい、後は防壁の完成を待つだけですね」

 ユーベルコード「バウンドモード」を解いて戻ってきたニトロと、それを追うようにしてやってきたワートホグ隊のキャバリア。閉所などもブラックタールの彼にとってはやすやすと通り抜けられるため、偵察にはうってつけであった。

 そして、エドゥアルトは飄々としていながらも、その陰で一番重要な任務を果たしていた。ユーベルコード「誰だお前!!」を密かに発動、「知らない人」に司令部の偵察をさせていたのだ。

「ちょっと集まってもらえるかな猟兵諸君」

 エドゥアルトは猟兵だけを集めると、こっそりとある資料の写しを見せた。

「司令官のデスクを漁ったら出てきたぜ。やっぱ知ってるやつを直接調べた方が早いよな……ただこの内容、ちょいと洒落にならねぇぜ」
「これは……都市部防衛兵器の配置構想ですか。……無人機でしょうか? かなり高度なAIが実装されているようですね」
「飛行能力持ってんなこれ……キャバリアとは違うっぽいが、なんだこれ」
「将来的には防衛だけでなく、新設される強襲目的の部隊『海兵隊』への配備も検討……ってことは、近々反攻作戦が実行されるってことか……?」

 エドゥアルトが見つけた資料の内容に戦慄する4人の猟兵。しかし、肝心の兵器の正体が不明であった──。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジェイ・ランス
【WIZ】※アドリブ、連携歓迎
■心情
さてさて、ジェイミィちんの依頼とあらば喜んで引き受けますとも。
さて、どっから来るかは、ワートホグ隊の皆はわかるかい?
必要じゃないところは塞げって感じか。じゃあこうしよう。
―――Ubel:Code Löwen_Bataillon Dame.

■行動
キャバリア"ダンディライオン"で出撃。エッグパックは機体のセンサーと"事象観測術式"で【情報収集】します。
UCを廃線区画に設置し、"時空制御術式"によってUCの発生時間を敵機登場時まで引き延ばします(罠使い)。自身は機体とともに列車の最後方を随伴、"重力制御術式"によって自身と列車に重力障壁(オーラ防御)をします。


リネットヒロコ・マギアウィゼルーク
列車と積荷を守るなら〜第一に列車自体を強固にしないとですね〜

「ガントレット」「スパナロッド」「ナナツール」の工具アイテムを駆使して
UC【エクレール・クリエイション】で列車を重装列車に改造しちゃいます〜!

素材には余剰キャバリアを使わせていただいて〜
列車砲に〜 分厚い装甲に〜 格闘用アームに〜
腕が鳴りますねうふふふふ〜♪

エッグパック調査にはこの眼鏡……
「ぐるぐるくん」の透視、解析スキャン機能を使いますよ〜

しかし調査が必要ということは上層部しか詳細を知らないのでしょうか〜?
よく分からない物を大事には運びませんよね〜……ふむ〜
堂々と調べられないなら改造作業中にこっそりとやりましょう〜

【アドリブ歓迎!】


エメラ・アーヴェスピア
さて…依頼は了解よ、判り易い仕事で助かるわ
…この国は地下車両、クロムキャバリアでも色々と仕事を受けているけれど、それぞれ特色があって面白いのよね
お陰で私も色々と参考になりそうなものが多くてうれしいわ…さて、時間ね?猟兵の仕事を始めましょう

まぁ、最初は警戒網を敷くとしましょうか
『ここに始まるは我が戦場』、戦場になりそうな地域全域に展開してすぐに察知できるように
そしてすぐに連絡を取れるように同僚さん達やワートホグ隊との通信手段の確立
つまり今回の依頼、オペレーターとして参加するわ

それとグリモア猟兵の方のお願いもやっておきましょうか
こっそりと【ハッキング】で【情報収集】よ

※アドリブ・絡み歓迎



●後方支援・電子戦部隊の大活躍
「さてさて、ジェイミィちんの依頼とあらば喜んで引き受けますとも」

 愛機「ダンディライオン」のコックピットの中で両手を叩いて気合を入れるジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)。彼は列車の周りをぐるりと迎撃装置を搭載した自爆特攻兵器で囲む。ユーベルコード「獅子の大隊」だ。起爆時間を調整し、敵の襲来に合わせて一斉に敵機めがけて突っ込ませるようにセットする。

「列車と積荷を守るなら〜第一に列車自体を強固にしないとですね〜」

 一方、リネットヒロコ・マギアウィゼルーク(【魔導科学者】マギア=ウィゼルーク・リネット・博子・f01528)は発想の転換を行い、護衛対象の列車そのものを魔改造していた。パーツは余剰キャバリアを何機か買い上げることで確保し、彼女が保有する「ガントレット」「スパナロッド」「ナナツール」といった工具アイテムにより、ユーベルコード「高速工作 エクレール・クリエイション」を行使する。

「おいおいリネットちゃん、ちょーっと趣味出しすぎなんじゃないのぉ?」
「列車砲に〜、分厚い装甲に〜、格闘用アームに〜、巨大グレネードに~……こういうのは趣味に走った者勝ちなんですよぉうふふふふ~♪」

 気がつけばジェイも改造に参加し、護衛対象の列車は凶悪なシルエットの重装列車へと変貌を遂げていた。

「お待たせしまし……これは一体どういうことかしら」

 そこへ現れたのがエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)である。変貌を遂げた列車に困惑を隠しきれないが、すぐさま気を取り直して二人に向き直る。

「今回の作戦、私はオペレータとして参加するわ。通信手段の確立について、お二人の力をお借りしたいのだけれど」
「えぇ、私で良ければ~」
「オッケー、お安いご用だぜっエメラちゃん」

 エメラのユーベルコード「ここに始まるは我が戦場」は、ステルス性能を持った偵察用の魔導蒸気ドローンに変形する缶型機械を大量に放つ。そこにジェイの電脳魔術とリネットのガジェッティアとしての知識を総動員して、リアルタイムにオペレーションを行う体勢があっという間に整った。

「それにしてもエメラさん、随分と気合を入れましたね~」
「クロムキャバリアでも色々と仕事を受けているけれど、それぞれ特色があって面白いのよね。お陰で私も色々と参考になりそうなものが多くてうれしいわ……」
「わかるなぁエメラちゃん。どの国も色々と面白いもん転がってるもんなぁ。リネットちゃんもメカニックの血が騒ぐってもんでしょ」
「うふふふふ~、本当にこの世界は飽きないですね~」

 技術屋3人はこころなしかツヤツヤとした顔だ。と、ジェイが思い出したようにぽんと手を叩く。

「そうだ、忘れるとこだった! 『エッグパック』! 結局よくわからんし、中身直で調べようぜ」
「そうだったわ、とりあえずこちらは列車の監視カメラをハッキングする方向でアプローチするわね」
「私はこの眼鏡……『ぐるぐるくん』の透視、解析スキャン機能を使いますよ〜」
「よーし、そんじゃ俺はダンディライオンのセンサーと事象観測術式で……」

 一斉に列車に対してスキャンをかける3人。だが、次の瞬間、彼らはとんでもないものを目にしてしまった。

「……2人共、見えた?」
「見えましたね……」
「見えちゃったわ……何、あれ……」

 彼らが技術の粋を集めて確認したエッグパックの中身。それは、彼らの理解を超えていた。
 ジェイが代表して、その姿を口にする。

「組成はジャイアントキャバリアに見えるけど、だって、あれ……どう見ても、ドラゴン、だったよな」

 卵の中の機械じかけのドラゴン。
 今はまだ、静かに眠りについている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ドッグ』

POW   :    突撃
【盾を利用した加速】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【斜面や狭所など地形】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    D2エンジン起動
自身に【動力炉のオーバーロードによる熱気】をまとい、高速移動と【エネルギー屑】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    マイナーチェンジ
【更なる装備を重ねたキャノンモード】に変形し、自身の【移動能力】を代償に、自身の【攻撃力と射程距離】を強化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 構築された通信網によって、猟兵たちは密かに「エッグパック」についての調査結果を共有した。その結果、明らかになった「エッグパック」の正体は、ジャイアントキャバリアの組成を組み替えて作られた機械仕掛けのドラゴンだったことが発覚する。この半分生物、半分機会の代物を、都市防衛兵器として試験運用した後に、オブリビオンマシンを使ってアークライトに攻撃を加える敵性国家に対する反攻作戦の要として投入されるようだ。今は地下鉄のコンテナの中で眠りについているが、衝撃を与えて万が一暴走してしまえば、ワートホグ隊も猟兵たちもただでは済まないだろう。目先の脅威のためにも、将来的なアークライト自治領の安定のためにも、人造ドラゴンが眠るエッグパックを守らなければならない。猟兵たちはそう結論づけた。

 そして、いよいよ運命の48時間後を迎える。

『こちらワートホグ7! ボギーがドアをノックした! パーティ開始だ!』

 調圧水槽の近くに陣取っていたワートホグ7が、調圧水槽の壁面を爆破して突っ込んでくる敵機の群れを報告した。その総数、40機近く。オブリビオンの力に溺れた、AI制御の重装キャバリアがなだれ込んでくる。

『HQよりワートホグ各機、および傭兵の諸君! ボギーを全機撃墜せよ! 1機も逃すな!』

 防衛軍司令官が命令をくだす。地下空間での激戦はここに幕を開けた。
 猟兵たちはこの作戦を誰ともなく、「オペレーション・ララバイ」と呼称するようになった。オペレーション・ララバイ──眠れるドラゴンの安眠を守る戦いが、ここに幕を開ける。

 ワートホグ隊は猟兵ほど強力ではないものの、援護射撃や陽動を行えるだけの腕前を持っている。1個中隊・12機のエースキャバリア乗り達と如何に共闘するか、それがこのミッションを乗り切る鍵となるだろう。
ジェイ・ランス
【SPD】※アレンジ、共闘歓迎
■心情
ほいきた!UC起動するぜ~。
敵機総数約40ねえ。上限が分かってるなら軌道予測は単純なんだが……。
ああ、この先に開けてるところある?待ち伏せか奇襲するならそこなんだけど。ま、別途、他ルートの奇襲分も含めて演算開始。たまごちゃんがスクランブルしないように、安全安心を心がけましょうね~っと。

■戦闘
UCと"時空制御術式"を同時起動し、演算処理を早めつつ【情報収集】し、味方と共有していきます。味方の撃ち漏らしに関しては、"ガトリング砲"や"電送砲"などで迎撃。エッグパックに対しては、"重力制御術式"による重力障壁(オーラ防御)による防御も行います。


エメラ・アーヴェスピア
さて、そろそろ予知の時間ね、引き続きオペレーターとして参加よ
私自身が戦う訳じゃないけれど気を抜かないようにしないと
…衝撃で暴走する兵器…すごく嫌な予感がするのだけれど…

…反応あり、各機に情報を通達
他方向から奇襲が来ない様に引き続き警戒
何かあった時にすぐに反応できるようにね
もし何かあったら近くの猟兵、またはワードホグ隊に連絡ね
それと…猟兵なら大丈夫だと思うけど、ワートホグ隊だと数で押されると辛いかもしれないから、追加の戦力を送っておきましょう、『戦火に舞うは我が傀儡』
12機召喚、各機、主に銃器によって支援射撃を、状況に合わせて動きなさい
さぁ、作戦を始めましょう

※アドリブ・絡み歓迎



●戦端は開かれた
「そろそろ予知の時間ね……私自身が戦う訳じゃないけれど気を抜かないようにしないと。ジェイさん、行けるかしら」
「ほいきた! 行くぜエメラちゃん! 演算開始だ!」

 真っ先に動いたのはジェイとエメラ、情報戦を特異とする二人だった。ジェイは事象観測演算術式「獅子の思考」と時空制御術式を並行起動する。時空制御術式によって「獅子の思考」の演算時間を稼ぎ、量子コンピュータもかくやの演算速度で敵機体の武装、損傷状況、位置情報を瞬時に収集した。ジェイが入手した情報は即時にエメラが拡散。準備段階で配置された魔導蒸気ドローンを通して、戦場にいる猟兵達全てに、ジェイが入手した情報が共有されていく。ジェイが目の前の敵機に対応する間、エメラは他方面からの奇襲に備えて警戒網を張る。

「ワートホグ1より全機! オペレータ及びダンディライオンからのデータリンクを確認した! 電子戦のエキスパートに感謝だ!」
「アーヴェスピアより猟兵及びワートホグ隊の全機、オールウェポンズフリー! さぁ、作戦を始めましょう!」
「ワートホグ1、コピー! 全機、作戦開始!」

 ワートホグ1の号令のもと、猟兵とワートホグ隊のキャバリアが一斉に動き出した。そこかしこで重厚な銃声や剣戟の音が発され、地下空間に響き渡る。

「敵機総数約40ねえ。上限が分かってるなら軌道予測は単純なんだが……あ、そうだエメラちゃん、開けてる場所とかを中心に警戒強めてくれる? 待ち伏せするなら多分そこだわ」
「了解。こちらに来る火の粉を払うのはジェイにお任せして良いかしら」
「そのためのダンディライオンだぜ、任せなって」

 2人は手分けして戦場の掌握を続けていく。演算を続けながらも、ジェイは愛機ダンディライオンのガトリング砲や電送砲を構えて直衛を行うことを忘れない。この2人にとっては朝飯前の芸当であり、戦場の掌握を行いつつ会話を交わすくらいの余裕はあった。

「それにしても、エッグパックの中身が衝撃で暴走する兵器だったなんてね……すごく嫌な予感がするのだけれど」
「まぁ、被弾さえさせなけりゃ良いんだって。たまごちゃんがスクランブルしないように、安全安心を心がけましょうね~っと」
「それもそうね……安全安心と言えば、猟兵たちは大丈夫だけれど、ワートホグ隊の方は数で押される可能性があるわね」

 その指摘に、ジェイはそう言えば、とコクピットのリクライニングシートに身を預けながら考える。ワートホグ隊はエース揃いだが、オブリビオンマシン相手にどこまでやれるかは不明だ。実際、グリモアが予知によれば、猟兵無しでこの作戦を行った場合、ワートホグ隊は数に押されて全滅してしまうという話である。猟兵の存在を加味しても、ワートホグ隊に損害が出るリスクはまだ無視できないレベルだろう。

「あー、どうしよ。オペレーションでカバーするには限度があるぞ。準備の時に仕掛けた迎撃術式があるからなんとかなるけど」
「うーん……念の為、私の方で追加の戦力を送りましょうか」
「わかった、そっちは任せるよ」

 エメラは横に立つダンディライオンを見上げて頷くと、ユーベルコード「戦火に舞うは我が傀儡」を発動。12機の魔導と蒸気を動力とする鋼鉄騎兵が召喚され、銃器を手に散っていく。

「アーヴェスピアよりワートホグ各機、追加の戦力を送ります。連携して戦闘を行ってください」
「エメラちゃんの機体、IFFに味方として登録しておくぜ」

 エメラがワートホグ隊に通信を送ると同時に、ジェイがコンソールを操作し、鋼鉄騎兵達をレーダー上で味方として認識させる。眼前のディスプレイ上のレーダー表示に青色の光点が増えたことを確認し、ジェイは満足げに頷いた。

「さーて、そんじゃ頑張りますかぁ!」
「えぇ、私達の戦い方、存分に見せてあげましょう」

 戦場の情報をこの2人が掌握した時点で、戦いの趨勢は防衛側に大きく傾いたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・エアクラフト
さて、戦闘開始か。
その前に一つ確認しておくことがあるので確認しておくがその卵の中の件の物…本当に安全なんだろうな?
暴走のリスクを孕むものを運用する以上それを止める手段があるからやってるんだよな?

そこをまず聞いておかねば戦う以前の問題、人造ドラゴン自体を破壊する方向に変えることも猟兵として選ばないとな…

ま、どっちにしてもやってきた敵勢力の相手はするが。

【戦闘】
武装もないキャバリアで戦ってもなのでキャバリアからは下りて戦う。
相手が射程を活かして砲撃してくるというならこっちも心火を燃やして焼きに行くだけだ。幸いにして59発撃てるから全体にぶち込んだのち火力が上がり次第一点に集約して各個撃破で行く。


エドゥアルト・ルーデル
機械じかけのドラゴンでござるか…軽率に起動してぇ!

拙者が前衛!なーに生身でも拙者ならこの程度楽勝でござるよ
そのまま【盾】の突進で潰される拙者!ぐえー!!

死んだと思った?潰されたと見せかけて体を【ドット絵】に変換しペラッペラに、関節の隙間から敵機体内部へと潜り込みますぞ
そのまま頭脳AIに【ハッキング】、電子データ化した拙者を潜り込ませて乗っ取りでござる!抵抗は無意味だ、拙者と同化しろ
やたら人っぽく動くドッグin拙者の完成だァ!

関節が硬いが盾持ちならやることは一つ!突進してくる敵を盾でパリィ!
受け流して壁に激突させたり盾で挟み込んだりで足を止めさせますぞ!
止めの寝かしつけはワートホグ隊に任せて他へ



●破天荒ここに極まる
 戦端が開かれたと同時に、リーゼロッテとエドゥアルトの2人は生身で戦場を駆けていた。

「さて、戦闘開始か。その前に一つ確認しておくことがあるので確認しておくが」
「なんでござるかぁリーゼロッテ殿。拙者が身を粉にして働いて持ってきた情報に何か不満でも?」

 前線に向かう道すがら、リーゼロッテはエドゥアルトを不安げに見上げる。

「その卵の中の件の物……本当に安全なんだろうな?」
「機械じかけのドラゴンでござるか? 要は被弾させなければ良いんでござるよ。あるいはうっかり起動させなければ……やっべぇ、言っててオラワクワクしてきたぞ! 軽率に起動してぇ!」
「おい馬鹿やめろォ! 洒落にならんジョークを言うんじゃねぇよエドゥアルト! 暴走のリスクを孕むものを運用する以上それを止める手段があるからやってるんだよな?!」

 ドゥフフ、と笑うエドゥアルトの胸ぐらを掴んでガックンガックン揺さぶりながら悲鳴を上げるリーゼロッテ。エドゥアルトはまぁまぁ落ち着くでござる、と余裕を崩さない。

「冷静に考えるでござるよリーゼロッテ殿。皆で情報共有した時にワートホグ7が言っていた噂話があったのを覚えてるでござるか? でっかいコウモリみたいなのをプラントで見たって」
「あぁ……? 確かにそんなこと言ってたな」
「これまでの話を総合すると、そのでっかいコウモリ、試験運用されてたメカドラゴンであることは容易に想像つくでござるよ。 つまりアレ、卵に入る前に実験起動されてたことに他ならんのでは」

 エドゥアルトは自分の推測を語る。実験ですでに何度か起動されていて、暴走のリスクも確認済み。即ち、地上に出ている分には暴走を止める手段は確立されているのだろうと。

「多分電波飛ばす形なんだと拙者は愚考するわけだが。それなら地下での暴走をあんだけ怖がるのも納得が行くかなぁって。地上から地下には電波が届きづらいでござるからな。走ってる地下鉄の車内でガラケー使えないのと同じ理屈でござるよ」
「ガラケー……? ……まぁ、それならそれで良いんだが。いや、暴走のリスクを対処できてないんじゃ戦う以前の問題、人造ドラゴン自体を破壊する方向に変えることも猟兵として選ばないとだし」
「まぁうっかり暴走したら暴走したでなんとかなるでしょー」
「お前のお気楽さが羨ましいよエドゥアルト……ったく、どっちにしてもやってきた敵勢力の相手はしなきゃな」

 やれやれ、と頭を振ってリーゼロッテは気持ちを切り替える。やがて2人は最前線に到着した。リーゼロッテのキャバリアは武装が無いため囮として起動状態で置いてきており、エドゥアルト共々生身で戦いに挑む。

「相手は射程を活かしてくるが、どうする?」
「拙者が前衛行きますぞ。なーにこのための秘策を用意してきましたからな! 安心してリーゼロッテ殿も戦うがよろしい!」
「はぁ……前衛って何すんだよ」

 リーゼロッテの指摘にエドゥアルトはニヤリと笑い……押し寄せるドッグ目掛けて駆け出した!

「ヒャッハー! 行くでござる行くでござる! なーに生身でも拙者ならこの程度楽勝でござるよォぐえーやられたー!」

 勢いよく突進を仕掛けたエドゥアルトを容赦なくドッグは盾て防ぎ、悲鳴とともにぽーんと弾かれたエドゥアルトの身体を……ドッグの巨体は容赦なく踏み潰した。

「え、え、エドゥアルトー!?」

 目の前で仲間が潰されたのを見て悲鳴を挙げるリーゼロッテ。しかし、数瞬の後、突如エドゥアルトを踏みつけたドッグの挙動が唐突におかしくなった。全身が痙攣したかと思うと手足がシャカシャカと動き始める。やがておとなしくなったかと思うと、唐突にそのドッグはリーゼロッテに手を振り始めた。

「……は?」
『リーゼロッテ殿ー! キャバリアゲットだぜ!』
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 外部スピーカーを通して聞こえるエドゥアルトの声にリーゼロッテは仰天する。

『こちらワートホグ9、敵機の反応が一つ味方反応に変わった! 何が起きている!?』

 さらに無線を通して聞こえてくるワートホグ9の驚愕の声。リーゼロッテがどう答えたものかと思案していると、エドゥアルトが応答する。

『こちらエドゥアルト! 敵のキャバリアを鹵獲しましたぞ! IFFも味方に書き換えているでござる! だから誤射しないでくれると嬉しいゾ★』

 エドゥアルトは敵に踏み潰されると見せかけて、ユーベルコード「ドット職人の朝は早い」を発動。自らの身体をドット絵に変換して平面化し、関節の隙間から敵機体に侵入。自らを電子データに変じると制御系とAIをクラックして機体を丸ごと乗っ取ってしまったのである。

「……アイツホントに人間か?」

 あまりの離れ業にリーゼロッテは呆然と呟くが、気を取り直すとリーゼロッテも戦闘準備を整える。

「ま、まぁいい、やれるんだなエドゥアルト?」
『当然でござるよ。さっき言った通り、前衛は拙者が。ワートホグ9、リーゼロッテ殿、バックアップ頼みましたぞ!』
『り、了解。ワートホグ9、エンゲージ!』

 突進してくる敵のドッグを、エドゥアルトが操るドッグが盾で受け流し、弾き返す。機体を手足のように操るエドゥアルトだからこそできる芸当だった。弾き飛ばされて隙を晒した敵機に、ワートホグ9がキャバリアライフルを撃ち込み、トドメを刺していく。
 一方、リーゼロッテもアリス適合者としての力を解放していた。

「ったく、俺も負けてらんねーな。心火を燃やして焼きに行くだけだ。59発の俺の心の炎、フルコースで喰らいな!」

 リーゼロッテが呼吸を整えると、周囲に陽炎が揺らめき始めた。眼前にドッグを見据えて杖を構えると、ユーベルコードの詠唱を開始する。

「心火を燃やし燃え盛れ、灯火。揺らぎ、焦がし、焼き尽くし、広がり、喰らい尽くせ、小さき炎よ……!」

 杖の周囲に炎の塊が次々と浮かび、漂う。その数、59。この炎はリーゼロッテが自らの心を燃やした炎、言わば心火だ。

「消し飛びやがれ!」

 リーゼロッテが杖を勢いよく向けると、心火は次々と敵機めがけて飛びかかる。流石のドッグもその炎の塊をまともに受けて足を止めてしまう。やがてばらばらだった心火は収束し、プラズマとなってドッグの装甲を穿ち、貫く。たまらずドッグは吹き飛び、物言わぬ鉄屑へと姿を変える。

『白兵戦でここまでやるとは……対キャバリア猟兵ってやつか』

 ワートホグ9の感嘆の声に、リーゼロッテはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。顔は見えないが、エドゥアルトも同様の表情をしているのだろう。

「ちょいと惜しいな、俺たちは」
『ただの猟兵でござる』

 2人は得意げに宣言すると、次なる得物を屠りに向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
…愉しみましょう

◆行動
ホードワグ隊には援護射撃を要請

強力な射撃や弾幕に対して迂回路を使うというのは定石ですが…
その迂回路こそが死地です
先程防壁と共に仕掛けたサーメートと指向性散弾、そしてホードワグ隊の射撃が行く手を阻みます

一番容易な相手は生身で無防備に立つ私に見えるでしょう
其れこそが最大の障害とも知らずに

さて…ホードワグ隊の皆様
敵が突撃体勢に入ったら射撃を止めて緩やかに後退して下さい
さもなくば「私に」巻き込まれます

以降は敵殲滅迄『反転』
速く動く物である故に、貴方方は私の餌食です

【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し敵を蹂躙

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


白鳥・深菜
「1機も逃すな、ね――了解。一芸仕掛けるわ」

今回の狙いは「足止めを兼ねた攻撃」
それを成すべく使うのは【風光明媚の鳳仙花】

無機物を爆破させるそれを用いて行うのは
「敵の足元の地面の爆破」

この爆発でダメージを稼ぎつつ、
狙いの本命である「敵の足元の空洞化」――
即ち「即席の落とし穴に落として」敵の動きを阻害する!

さらに這い上がって来るところでコードを解除して、
爆破した地面を元に戻しその這い上がりも阻害!
そして僚機らに一斉攻撃を加えてもらい、一気にダメージを稼ぐ!


栢山・源治
さーてゲリラ戦って奴だ
罠を仕掛けた場所にて待ち構え

特に突撃に適した斜面等に落とし穴等を仕掛けてたり

【瞬間思考】で機体の構造とコックピットの位置の把握
あえて突撃を誘い落とし穴に掛かった処で即座にUC起動
【重量攻撃・態勢を崩す・範囲攻撃】
ブラックホールキャノンで重力弾を掃射
敵を容赦なく埋めつつ動きを封じて
キャノンモードにさせる前に
距離を詰めて破壊
コックピットは避け
搭乗者は保護

とりあえず怪我はないか
捕虜に対しては基本的に安全は保障するから大人しくしててくれ

戦いながらも常に防衛ラインと他の部隊の状況も常に視野に入れて有利な位置取りは忘れない

な、こういうのも偶には役立つだろ?

罠はシンプルにってな?



●撹乱する非正規戦部隊
 一方、別々の地点で迫りくるドッグを待ち構える生身の猟兵3人。絶奈、深菜、源治の3人はインカムを装着し、状況を逐次把握しながら自らが動く時を待つ。

「さーて、ゲリラ戦ってやつだ」
「1機も逃すな……ね、了解。一芸仕掛けるわ」
「さぁ、愉しみましょう」

 やがて、味方からの通信が入った。

『こちらワートホグ5! ポイントアルファにボギー反応、数は3だ!』
「ポイントアルファ、了解! 俺の出番か!」
『頼むぜ源治! ポイントブラボーには60秒後、ポイントチャーリーには90秒後に敵が接近する!』

 ポイントアルファと呼ばれた地点、地下鉄の本線と支線の分岐点で待ち構える源治は快哉を上げ、目の前に迫るドッグを睨み据える。

『源治さん、敵の射程はそれなりに長いようです。十分に気をつけて』
『受け持ちの地点のトラップが打ち止めになったら、事前の取り決め通りポイントデルタで合流を』

 同じくゲリラ戦術を仕掛ける2人からの通信を受けて了解の意を返すと、源治はなだらかな斜面になっている地点に陣取る。一旦近くの柱に身を隠し、アンサーヒューマンとしての瞬間思考能力によって機体構造とコクピットの位置を把握。

(……そういや敵は無人機だったか。ただ、AIは回収したいだろうしな。どのみちコクピットは無傷で抑えるか)

 思考を終えると、源治は敵の前へ飛び出し、姿を晒す。

「さぁ来いよ! 俺はここだぜ!」

 目ざとく発見したドッグ3機は武器の持ち替えが間に合わないと判断、源治を踏み潰そうと足裏の履帯をフル稼働させて突進する。しかし、それが仇となった。源治が予め用意していた落とし穴に足を取られ、したたかに転倒する。

「今だっ!」

 源治のユーベルコード、アドバンテージ・アンサーが発動。地の利を得たことで自身の戦闘能力を飛躍的に向上させた。そのまま手持ちのブラックホールキャノンを構え、重力弾を掃射する。転倒から身を起こそうとしたドッグたちは重力弾をしたたかに喰らってしまい、落とし穴から出られなくなる。源治は続けざまに重力弾を撃ち続け、四肢を潰して達磨にしてしまった。

「こちらポイントアルファ! こっちに来た3機は仕留めたぜ!」
『ワートホグ5よりポイントアルファ、3機の反応ロストを確認した! 落とし穴も侮れねぇな!』

 感心するワートホグ5に、源治は得意げに答える。

「な、こういうのも偶には役立つだろ? 罠はシンプルにってな!」
『あぁ、全くだ! お次はこっちの番だな』

 通信を終えたワートホグ5は、目の前で魔導書を構える翼持つ少女を見る。

『そんで、魔法ってやつを始めるのかい?』
「えぇ。私が合図したら攻撃を加えてほしいの」
『合点承知。魔法使いさんのお手並み拝見と行こうか』
「とは言っても、やることは源治とそう変わらないけどね」

 振り向いてワートホグ5の機体のカメラアイを見つめた深菜は、いたずらっぽくウインクしてみせる。

『落とし穴か? ……この当たり掘ってなかったろ』
「まぁ見てなさい。──来るわよ!」

 深菜が鋭い声で叫ぶとともに、魔導書をめくる。目的のページを開くと、行軍するドッグ2機の足元に意識を集中させた。

「秘めたる色よ、弾け咲かせよ一時の華……!」

 魔導書に記された呪文の詠唱。そして、最後の一節を高らかに謳い上げる。

「……風光明媚の鳳仙花(エレムプロード)ッ!!」

 次の瞬間、ドッグ2機の足元が爆ぜた。これが深菜のユーベルコード、風光明媚の鳳仙花。無機物を爆発させる、一見シンプルな術だが、その実態は「無機物を爆発エネルギーに変換し、操作する」というもの。足元の地面は爆発エネルギーに変換された。これが意味するところは……。

「……即ち『即席の落とし穴に落として』敵の動きを阻害する!」

 爆発で足元が不安定になったドッグが宙を舞い、仰向けで空洞になった地面へと落下する。

「そして……術式解除ッ!」

 さらに、深菜の術の真価は「任意に解除可能である」ということ。拡散する爆発エネルギーは瞬時に凝縮して土に戻り、這い上がろうともがくドッグを生き埋めにしようとする。

「今よ! ワートホグ5!」
『アイ、マム! こいつを持っていけェ!!』

 ワートホグ5のパルスマシンガンが火を吹き、四肢と頭部のカメラアイを潰す。致命的な損傷を受けた2機のドッグはしばらく痙攣したように四肢を跳ねさせたが、やがて動かなくなった。

「ポイントブラボー、こちらの敵も排除!」
『ターゲット2ダウン! ひゅーっ、やっぱすげぇな魔術ってのは。即席の地雷と落とし穴を同時に作っちまうとは。ポイントチャーリー、後はそっちだけだ!』

 深菜とワートホグ5はそれぞれ通信で報告すると、半分埋まったドッグの残骸を尻目に合流地点へ向かうのだった。

「……ポイントアルファ、ポイントブラボーは成功しましたか」
『さて……こっちも負けてらんないっすよ』
『だねぇ。しかしこっちに来るのが一番多いからなぁ』

 絶奈とワートホグ11、ワートホグ12が陣取るポイントチャーリー。ここには5機のドッグが向かっている。

 真正面からは他の僚機が多数配置されている。だからこそ、敵機は一部の戦力を別働隊にして廃線から迂回することは予期済みだ。そのためにこの場所にトラップを仕掛けておいたのだから。

「数が多くても恐れることはありません。強力な射撃や弾幕に対して迂回路を使うというのは定石ですが……その迂回路こそが死地です」
『クレバーっすねぇ。ただ行けますかね。数は向こうが上っすよ』
『だからこそ罠仕掛けて非正規戦と洒落込んでるんでしょうが。絶奈さん、とりあえず僕たちは事前の打ち合わせ通りに動く、それで良いね?』
「えぇ。くれぐれも後退する時は『緩やかに』お願いします」

 絶奈が頷くと、ワートホグ11とワートホグ12は自らの機体に親指を立てさせて了解の意を示した。程なく、ドッグ5機がポイントチャーリーに殺到する。だが、先頭を行く2機がポイントチャーリーに聳える防壁に近寄った瞬間、予め絶奈が防壁に仕掛けたサーメートと指向性散弾が炸裂。テルミット反応による高温の空間と散弾の嵐がドッグに襲いかかった。ドッグ2機は装甲自慢とは言え、高温の中ではその装甲も柔らかくなってしまう。そこに散弾と、ワートホグ2機によるキャバリアライフルの斉射を喰らってしまえば、装甲がえぐられ、バイタルパートの損傷という憂き目に遭うのは必然であった。

『OK、後は任せるよ絶奈ちゃん。ワートホグ12、「緩やかに」後退だ』
『うっす。じゃあ絶奈さん、ポイントデルタで』
「はい、道中お気をつけて」

 速度を抑えて後退するワートホグ11とワートホグ12の姿を尻目に、絶奈は残り3機のドッグを待ち構える。ドッグにとって、ソフトターゲットである絶奈は最も排除しやすそうに見える敵戦力だ。

「しかし、貴方がたはキャバリア。速く動く物である故に、貴方方は私の餌食です」

 絶奈はそう告げると、静かにユーベルコードの詠唱を行う。

「此れは私の始祖が生命の実を選んだ可能性。其は善悪という枷を喰らい、飢えを満たした……。そして私もヒトを捨て、『獣』に成り果てる……!」

 人の理性を捨て、異形へと姿を変えるユーベルコード「反転」。その体躯からは周囲を腐敗させる濃霧が漂い始める。突進を仕掛けるドッグたちは自らの動きが鈍り始めるのにも関わらず、絶奈への突進をやめようとしない。それはAIの演算結果による脅威判定か、はたまたAIですら恐怖させるほどの絶奈の殺気に中てられたか。

 次の瞬間、絶奈は勢いよくドッグへと飛びかかる。本能のままにその手より衝撃波を放ち、目に映るドッグ3機の装甲を抉る。
 ドッグは反応が遅れるも、反撃しようと銃を構えようとする。だが、その動きに反応した絶奈が強化された身体能力から繰り出される掌底で武器ごと腕が飛ばされる。
 絶奈の蹂躙はしばらく続き、やがて彼女が理性を取り戻した時、残りのドッグも全滅してしまっていた。

「こちらポイントチャーリー。全機体の無力化に成功しました。私もポイントデルタに向かいます」

 通信で自身の無事を告げた絶奈は、仲間と合流するためにポイントチャーリーから離脱する。その背後には、見るも無残な姿を晒すドッグたちの残骸が転がっているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リネットヒロコ・マギアウィゼルーク
人は乗ってないんですね~?
では~、とびきり強力なのを使いますよ~!

まずどれかのワートホグ分隊さんに随伴させてください~
直線的に長く、広くない線路に陣取る分隊さんが居ればベストですね~

UC【両腕媒体式電磁加速魔導砲】
簡単に言うと~生身でものすご~いレールガンを撃ちます~

射線上からは退避願います~!
放電しながらすっごいのが飛んで行きます~!

これ反動がすごくって、わたしも吹っ飛んじゃいますので~
何かを背にさせていただけると助かります~

敵部隊の接近を聞いたら術式開始、
敵機を視認次第【全力魔法】で発射です~!

直撃を逃れても放電で動きを封じますから~
敵が残っていたらワートホグさんの援護射撃をお願いします~



●全てを焼き尽くす一撃
 「エッグパック」の中身を直接見る形で知ってしまったリネットは内心穏やかではなかった。彼女の出身世界、アックスアンドウィザーズにおける生態系の頂点、それがドラゴンである。人造であり、ジャイアントキャバリアを原型にした紛い物とはいえ、あの強大な生物を兵器として制御できるのか。とは言え、ここで暴走させてしまっては元も子もない。卵の中で眠る人造ドラゴンを守るためにも、リネットは決意を新たにする。

「人は乗っていないんですね~?」

 リネットは随伴するワートホグ2とワートホグ10に確認する。

『はっ、敵機はAIであります。オペレーターからも生体反応はない旨、報告がされております』
『敵は自分たちの所属を明らかにしたくないらしい。有人機に比べて所属が漏れにくいのが無人機の利点だからな。だからこそお偉いさんは頭を悩ませてるってわけだ』

 ワートホグ10は隊の中で最も年若く、ワートホグ2が専属の上官として面倒を見ている。とは言え、彼も精鋭のワートホグ隊の一員に相応しい腕前を持っている。天性の才能を持つワートホグ10と、ベテランのワートホグ2は師弟コンビといった印象だ。

「わかりました、では……とびきり強力なのを使いますよ~!」

 現在、リネットとワートホグ2、ワートホグ10はまっすぐに伸びた支線上に展開している。支線故に道は細いが、見通しは良い。その道を塞ぐように防衛しているのがリネットたちの分隊というわけだ。この条件下で最強の攻撃手段を、リネットは用意していた。

 一列縦隊になって、ドッグ5機が進軍する。リネットは身につけた瓶底眼鏡型の多機能デバイス「ぐるぐるくん」にクロスヘアを表示させ、両腕を突き出し、構える。

「今から撃つのは反動がすごくって、わたしも吹っ飛んじゃいますので~……後ろで受け止めていただけるとありがたいです~」
『了解しました、小官が受け止めます』

 ワートホグ10は自分の機体を跪かせ、手のひら状のマニピュレータでお椀の形を作ると、リネットを受け止める準備を整えた。

『ボギー接近。数は5だ。ワートホグ10、しっかり受け止めろ』
『了解! リネットさん、お願いします!』
「お任せください~」

 リネットは両腕を突き出したまま、これから放つ術式の詠唱を開始する。

「マジカル・マギアル・エレクトル――両腕帯電、磁場制御……結晶弾、圧縮錬成……! 推進力、制御……ッ! 発ッ……射ァーーーッ!!」

 突き出した両腕が帯電し、バチバチとアーク電流を放ちはじめる。さらに腕の間には魔力の結晶が限界まで圧縮錬成され、そして……轟音と共に撃ち出される。これこそが、両腕を利用したレールガン、リネットの切り札「両腕媒体式電磁加速魔導砲」なのだ。

 事前にリネット自身が警告した通り、この術を放つ代償としてとてつもない反動を受けてしまう。発射と同時にリネットの身体は後方へと吹き飛んでいった。次の瞬間、電磁力と魔力によって凄まじい速度を得た魔力の結晶弾は一列に並んだ5機のドッグの胸部全てに大穴を開けた。手前から3機はこれが致命傷となったらしくそのまま機能を停止したが、2機のドッグがかろうじて動こうとする。しかし、そこに飛び込んできたのはワートホグ2のロケットランチャーだ。これが致命打となり、残りの2機も揃って沈黙する。

「ッ……うぅっ!」
『リネットさんっ!』

 ワートホグ10は緩やかな弧を描いて飛ぶリネットの身体をキャバリアの手で受け止める。頭を打たないように手のひらの確度を調整し、リネットはキャバリアの両手に収まる形で全身を預けた。

「……~っ、いったたた……」

 リネットは身を起こすと、ワートホグ10の乗機のカメラアイに向き直り、Vサインを出す。

「ふぅ……やりましたっ」
『驚いた……一撃であれだけ装甲を抜くのか』
『レールガン……自分の腕でやる人初めて見たであります』

 ワートホグ隊の師弟コンビは、その全てを焼き尽くさんとする暴力に瞠目する。リネットの一撃によって、襲撃側は大きく戦力を減じるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
(アドリブ連携OK)コールサイン:カイゼル
右手:コングⅡ重無反動砲
左肩:クロコダイル電磁速射砲
OP:増加装甲 予備弾薬

目的:ドッグの撃破
理由:よく来た、残念だが待ち伏せだ、だまして悪いが仕事なんでな、破壊させてもらうぜ

手段:UC【熟練操縦士】発動、ヘビィタイフーンの機体性能の底上げだぜ。

先ずはバリケードを利用しての射撃戦、無反動砲(範囲攻撃)とクロコダイル(貫通・弾幕)による高火力で頭数を減らす予定だ、折角設置した障害、利用しねぇとな。
弾切れは素早く弾倉交換(継戦能力)。

敵陣が崩れたらバリケードを出て行進間射撃
「カイゼルよりワートホグ各機へ、前進して押し込むぜ!俺の機体を盾にして撃ちまくれ!」


ダビング・レコーズ
メインシステム、戦闘モード起動します

敵機を視認距離で確認
情報通りの重装甲型と認定
シールドの無力化を試みる
ルナライトをプラズマキャノンモードへ移行
ユーベルコードアクティブ
アーマーブレイクスタンバイ
攻撃目標、敵機シールド
このUCは防御手段のみをピンポイントで破壊する事が出来る
直撃を受けた盾は通常弾で貫通可能なほど組織結合が脆弱化している

ワートホグ隊へ通信
プラズマキャノンを防御した敵機を優先して攻撃する事を推奨します
盾の耐久度はほぼ無力化しています
なお左腕部への集中攻撃が望ましいでしょう
前回の襲撃機体と同様ならば爆薬取付機構が存在している可能性があります
誘爆させられずとも破壊工作の阻止に繋がります


ニトロ・トリニィ
アドリブ・協力大歓迎!

おぉ、動く動く!
僕が普段整備しないような所までしっかりと手入れされている様だね!
これなら行けそうだ!

行動
僕はマガフMkⅤに乗り込み《第七感》で敵の行動を予測しつつ、RSパルスマシンガンを使ってワートホグ隊と共に〈援護射撃〉や〈制圧射撃〉を行い味方を援護しようかな!

《第七感》の予測は結構疲れるんだよね… だけど、ワートホグ隊や他の猟兵に被害が出ないように気張らないと!



●中央突破
 地下鉄主線、線路脇に築かれたバリケードに陣取るのは6機のキャバリア。ヴィリーのヘヴィタイフーンMk.Ⅹ、ダビングのアークレイズ、ニトロのマガフMkⅤ、そしてワートホグ1、ワートホグ4、ワートホグ8だ。

「おぉ、動く動く! 僕が普段整備しないような所までしっかりと手入れされている様だね! これなら行けそうだ!」
「全くだ、ここの整備班はいい仕事してくれるぜ」
「当機、アークレイズの稼働状態も良好です。作戦遂行において十分かと」

 3人の猟兵が整備班の腕を褒めちぎるのを聞き、ワートホグ1はそれは良かった、と返答する。

『うちの整備兵は細やかな仕事に定評があると隊内でも評判なんだが、いざ外部のキャバリア乗りに褒められると確かにその通りか、という実感が湧いてくるな』
『整備班の連中もテンション上がったでしょうね。普段扱わない機体扱えたんですから』
『ワンオフ機体に独自のカスタムが施された機体をいじるの大好きですからねぇ』

 ワートホグ4とワートホグ8も同意する。と、レーダーに迫る敵機を確認した彼らは雑談を止め、眼前の敵部隊の排除に集中する。

『さぁ、お客さんの襲来だ。前方にボギー、数は10。やるぞ皆』

 ワートホグ1が敵機の数を報告する。押し寄せるドッグの群れにキャバリア乗りたちは身構える。

「カイゼル、派手に行くぜ」
「メインシステム、戦闘モード起動します。アークレイズ、スタンバイ」
「マガフ、いつでもどうぞ!」
『ワートホグ4、ナイフヘッド。グリーンライト』
『ワートホグ8、レスポール。行けるぞ』
『ワートホグ1、ペーパーバック。始めよう』

 6機のキャバリアは一斉に動き出した。先行するドッグ1機にバリケードの陰から不意打ちを食らわせたのはヴィリーのヘヴィタイフーンだ。

「よく来たな。残念だが待ち伏せだ……だまして悪いが仕事なんでな、破壊させてもらうぜ!」

 ヘヴィタイフーンの右手に構えるコングⅡ重無反動砲と、左肩に装着されたクロコダイル電磁速射砲が同時に火を吹く。ドッグの分厚い装甲は無反動砲の榴弾が大きく抉り、、電磁速射砲から吐き出される弾丸が損傷部位に次々と突き刺さる。不意打ちを食らったドッグは対応が遅れ、バイタルパートに致命弾を受けて機能を停止した。

「カイゼル、スプラッシュ1!」
『速いな、ナイスキルだカイゼル』

 ヴィリーの後方を警戒していたワートホグ4が感嘆の声を漏らす。ワートホグ4はヘヴィタイフーンを狙うドッグを中心にレーザーキャノンを撃ち込むことで注意を引きつけ、注意が完全にワートホグ4に反れた敵機をヘヴィタイフーンが屠る。その横では、ダビングとワートホグ1が連携して敵機に攻撃を仕掛けていく。

「敵機を視認距離で確認、情報通りの重装甲型と認定。シールドの無力化を試みる」

 ダビングの機体、アークライトはプラズマブレードであるルナライトをプラズマキャノンモードに変更する。

「ユーベルコードアクティブ、アーマーブレイクスタンバイ」

 さらにユーベルコードを起動しながら敵のシールドへルナライトの一撃を叩き込む。プラズマキャノンの光条が地下空間を一瞬照らしたかと思うと、ドッグが構える盾に当たり、爆ぜた。
 ユーベルコード「装甲破砕」の力を乗せた一撃は、敵の分子結合を崩壊寸前に追い込む作用をもたらした。これを見たワートホグ1がプラズマキャノンの当たった敵にキャバリアライフルを斉射。ドッグは盾で防ぐが、その盾は一撃で砕け散った。防御力を失ったドッグは後退しようとするも、ワートホグ1のキャバリアライフルとアークレイズのリニアアサルトライフルによる追撃による十字砲火を受けて蜂の巣と化す。

「アークライトより各機。引き続きプラズマキャノンを防御した敵機を優先して攻撃する事を推奨します。盾の耐久度は先の一撃でほぼ無力化しています」
『ワートホグ1了解。引き続き盾の無力化を頼む』
「アークライト了解」

 強襲を担当するヴィリーとワートホグ4、防御手段の無力化を行っていくダビングとアークライト1。そして、彼らの戦術を支えるのがニトロとワートホグ8の援護射撃だ。
 ニトロはユーベルコード「第七感」を発動。敵の行動を予測して回避しつつ、的確にパルスマシンガンによる偏差射撃や制圧射撃を行って敵機の動きを固めていく。ワートホグ8はマガフの後方からミサイルによる援護を行い、より万全な援護態勢を固めた。

「第七感の予測は結構疲れるんだよね……だけど、ワートホグ隊や他の猟兵に被害が出ないように気張らないと!」
『あぁ、ここできっちり敵を仕留めればこっちが有利になる……! だからこそ僚機はやらせない!』

 6機の猛攻が徐々に敵を追い込んでいく。5機目を撃破したところで、ついに猟兵たちとワートホグ隊は攻勢に移った。

「数の上では逆転したな……カイゼルより各機、前進して押し込むぜ! 俺の機体を盾にして撃ちまくれ!」

 ヘヴィタイフーンが真っ先にバリケードから姿を晒し、行進間射撃を絶え間なく行い、残りのドッグを追い込んでいく。ドッグは応戦するが、ヘヴィタイフーンの装甲を抜くことが出来ない。ヴィリーのユーベルコード「熟練操縦士」による巧みな操縦の腕で、敵弾を巧みに装甲で受け流し、逆に的確な一撃を浴びせているのだ。ヴィリーの突撃に負けじと、アークライトとマガフ、そしてワートホグ3機もバリケードを飛び出し、ヘヴィタイフーンの後を追う。

『ワートホグ1よりカイゼル、了解! 各機、総仕上げだ! カイゼルに続け!』

 ヘヴィタイフーンを先頭に、アークライトが、マガフが、そしてワートホグ隊のキャバリアたちが、数的有利を覆されたドッグたちに殺到し飽和攻撃を浴びせる。弾丸、榴弾、ビーム、プラズマ、ミサイルの嵐が地下空間に吹き荒れた。こうして、中央突破を企図したドッグ部隊は6機の精鋭キャバリアを前にして全滅の憂き目に遭うのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

才堂・紅葉
「では、手筈通りにお願いいたしますね」
仲良くなった隊の皆さんに挨拶し、迦楼羅王の【迷彩】機能をONにする

・方針
整備した通路で【拠点防御】だ
仕込んでおいた遮蔽物や穴で身を隠す場所は多い。この【地形を利用】していきたい
方針はまず潜伏。部隊の皆さんが射撃で牽制し、連中が近寄って来たら私が【暗殺】だ
(ごつい分、関節の負荷には弱いわね)
腕や足を【捕縛】し、相手の重量や勢いを利用して【部位破壊】。即重力賦与の投げ技で奴等同士を激突させて破壊したい【属性攻撃、怪力、投擲、グラップル】
攻撃後は欲張らず【忍び足】で撤収。相手の状況把握を遅らせ、隊の皆さんの援護射撃に紛れたい
この連携で削れるだけ削ってくれよう


青垣・燈里
共闘アドリブ歓迎。

眠ってる『子』…というのは少々物騒だが。
起こさないでもらいたいものだねぇ。

懐から出したる巨人符を用いて、自分を取り囲むようにキャバリア・デーラボッチャを生成し【空中浮遊】にてテイクオフ。

月光符を用いて機体の周囲に複数の空間の歪みを生成、そこから【誘導弾+レーザー射撃】で誘導レーザーを相手に向かって射出。
多数のレーザーで【弾幕】を張り【制圧射撃】をして動きを封じていくよ。
それに混ぜるように【ミゼリコルディア・スパーダ】を行使して相手を攻撃していくよ。
友軍機には当てないようにしつつ【援護射撃】もするよ。
相手の攻撃は【結界術】で軽減を試みつつ【操縦】でその場から離れるようにするよ。


ジーノ・エヴァーソン
※アドリブ連携歓迎

ドラゴンとは…奇妙奇天烈な技術は色々と見てきたが、結構上位だぜ、ソレ。
まぁ何だって護衛対象だ。傷一つ付けさせねえよ。

援護射撃が貰えるんなら、ここはコイツだ。
オーバーフレームを【白兵鬼】に換装。攻撃力5倍、射程半減の極厚小剣武装でいく。
ワートホグ隊に援護射撃を要請し、ブーストによる〈ダッシュ〉でドッグへと接敵。
(ワートホグ隊へと)俺への遠慮はしてくれるな、全力で撃て。

〈戦闘知識、瞬間思考力〉によりトンネルの中、後方の射線を確保できる僅かな移動範囲――その隙間を飛び抜け、盾ごと機体を切断する!



●攻勢へと転ずる
 ワートホグ1、ワートホグ4、ワートホグ8と3人の猟兵が開いた突破口が決定打となり、ドッグ部隊は一気に押し返され始めた。別働隊を片付けた他の猟兵やワートホグ隊員が、バリケードを仕掛けていたポイントデルタに合流。続々と戦線を押し上げ、侵入口である調圧水槽から開けられた穴の周辺が戦闘区域となっていく。

『ワートホグ1より各機、このまま押し込む! 攻撃の手を緩めるな!』
「迦楼羅王、了解!」
「Xeno_Fire、コピー」
「デーラボッチャ、了解だよ」

 紅葉、ジーノ、そして1日遅れで作戦に合流した青垣・燈里(百物語の末に現れるモノ・f27947)はそれぞれの愛機を駆って進撃する。

「ドラゴンとは…奇妙奇天烈な技術は色々と見てきたが、結構上位だぜ、ソレ」
「眠ってる『子』…というのは少々物騒だが。起こさないでもらいたいものだねぇ」

 ジーノと燈里は言葉を交わす。エッグパックの中身、人造ドラゴン。その安眠を妨げるものには決して容赦をしないだろう。ワートホグ隊と自分たち猟兵が知らず物騒なものを守らされているという事実こそ業腹ではある。とは言え、事情あってのことである。綺麗事なぞ所詮は幻想。

「まぁ何だって護衛対象だ。傷一つ付けさせねえよ」
「ですね、しっかり守りましょうか」
「子守の務めは果たさないとねぇ」

 3人は思うところがあれど、ひとまずは目の前の仕事に集中する。まず飛び出すのはジーノが駆るメビウスだ。

「ワートホグ7、ワートホグ8、援護貰うぞ! 俺への遠慮はしてくれるな、全力で撃て!」
『良いぞXeno_Fire、援護は任せろ!』
『合点承知だ、お前も俺たちを気にせず暴れてこい!』

 ワートホグ7、ワートホグ8の了解を貰うと、メビウスはオーバーフレームを換装する。

「特化武装設定完了……"白兵鬼"、換装! 行くぜ!」

 選択されたフレームは接近戦に特化した剣士型のフレーム「白兵鬼」。実体剣を装備し、ブーストダッシュで敵の只中へ突っ込んでいく。
 3機のドッグは突如飛び込んだ白兵鬼に照準を定めようとするが、追いきれない。それどころか、ワートホグ7、ワートホグ8が弾幕を形成し、身動きが取れなくなってしまう。

「私も手伝うよ」

 ワートホグ7とワートホグ8の弾幕に加えて、レーザーが混じり始める。その攻撃の主はゆったりと浮遊する燈里のデーラボッチャだ。呪符を操る妖怪の燈里は、攻撃手段に月光符《ツキヨミ》の力を行使することを選んだ。空間の歪みから飛び出すホーミングレーザーがドッグの行動範囲を狭め、絡め取っていく。

『いいぞデーラボッチャ、そいつはホーミングレーザーか!』
「そうだねぇ、折角だしおまけも欲しいかい?」
『まだ何かあるのか?』
「とっておきだよ、剣の舞を披露しようか」

 さらに上空から降ってきたのは540本もの魔法剣。くるくると舞い踊る剣を前に、戦場全域のドッグの動きは完全に止まってしまった。

『足が完全に止まった! 撃ち続けろ!』
『すげぇな、見とれてる時間はねぇんだが!……っと、まだ生きてるかXeno_Fire?』
「生きてるよ、俺のことは気にするなと言ったろ?」

 この期を逃さないとばかりに一気に攻勢に出るワートホグ7、ワートホグ8。ジーノは舞い踊る剣や戦場に殺到するレーザー、曳光弾の中を掻い潜る。持ち前の経験と勘を活かしながら、針の穴に糸を通すような僅かな間隙を見つけて飛び込むことを続けていた。

「迦楼羅王よりワートホグ7、そろそろ動きます。手筈通りにお願いいたしますね」
『……っと、頃合いか! 任せろ!』

 紅葉とワートホグ7のその通信を最後に、迦楼羅王は姿を消した。

(おやおや、面白そうなことをするもんだね……よし、それなら)
(光学迷彩……? なるほど、そういうことか! じゃあ手伝ってやるか……!)

 意図を察したジーノと燈里はそれぞれ紅葉のアシストをすべく動き出す。デーラボッチャがドッグのうち1機を追い立てるようにホーミングレーザーを撃ち込み、ダメ押しとばかりにジーノはそのドッグの巨体を後ろ足で蹴り飛ばして加速する。蹴られたドッグは弾幕に晒され、破れかぶれになったのか盾を構えてワートホグ7とワートホグ8に向かって突進を試みた。

「今だ……コード・ハイペリア!」

 地形に身を潜めた迦楼羅王が姿を現し、柔術の動きでドッグの腕と足を極める。元々関節部が弱いドッグは、ここまでの戦闘が祟ってさらに激しい損傷を受けてしまう。迦楼羅王はそのままドッグを一本背負いで投げ飛ばす。そして、投げた先に待っていたのは、無数の魔法剣と白刃。

「さぁ、串刺しだよ」
「これで終わりだ……!」

 デーラボッチャが放った無数の魔法剣がドッグを空中に縫い止め、そこに抜刀したジーノの白兵鬼が飛び出す。白兵鬼に搭載された愛刀・祢々切丸は宙を舞うドッグの巨体を両断。地下空間に巻き怒った爆炎は、白兵鬼と迦楼羅王、そしてデーラボッチャを赤々と照らし出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
新しい装備間に合った
砲撃戦ができないならこれで行かないとね
さっき教わったことも生かせるはずっ!

それじゃ
シル・ウィンディア、ブルー・リーゼ、行きますっ!

スラスターでの【推力移動】で平面を高機動移動
【残像】も生み出して機動するよ

腕部三連マシンキャノンで【弾幕】を張って
一気に敵機の懐に飛び込み
風刃剣で腕部を切り裂くよ
盾で止められたら
背部のスラスターで無理やり機体を回転させて
逆手に持ったビームセイバーで同じ場所を【切断】!

さらに攻撃に行きたいけど
ここは…
お姉さん(ワートボグ3)支援お願いしますっ!

支援をもらったらスラスターを一気に噴かして接近
UC:エレメンタル・スラッシュでコクピットを避けて切り裂く!


テラ・ウィンディア
さぁって来たからには歓迎してやるよ!

【戦闘知識】
で敵の出現と位置からどのような進行をするか
どのような攻撃を仕掛けてくるかの解析

後は…上下を削除しての平面での戦闘か
そうするとできる事はある程度限られてくる
だがそれは相手もそうだって事だな

ワートホグ3隊からの情報と一章の霊達の報告も確認しつつ

ヘカテ…乱戦は苦手か?
安心しろ…おれが得意だからな

巨大化したグランディアを掴んで敵陣の突撃
【見切り・第六感・残像・盾受け】で敵の突撃や攻撃を回避しつつダメージを最小に抑えながら
同じく巨大化した紅龍槍で【串刺し】
宝剣で【二回攻撃】
共に【重量攻撃】で重さを増し威力増強
但しコックピットは避け

距離が離れればUCで砲撃!



●新装備の受領
 ドッグの大集団が壊滅寸前の状況にまで追い込まれる時点から、時間は少し遡る。

 作戦が開始される時、シルは整備班に預けていた愛機「ブルー・リーゼ」を取りに、拠点である基地へと戻っていた。

「整備士さん! そろそろ行ってきます!」
「お、出撃か嬢ちゃん! それなら良い知らせだ。さっきこの基地に届け物があったんだ。嬢ちゃん宛だよ」

 ブルー・リーゼを担当していた整備士がかけた言葉を聞くと、シルの表情がぱっと明るくなる。

「やった、新しい装備間に合ったんだ!」
「調整も終えてある。しっかりやれよ!」

 整備士に見送られ、シルは操縦桿を握る。ブルー・リーゼの新たな装備、風刃剣「ゼフィール」。接近戦能力をさらに強化するための追加武装だ。

「シル・ウィンディア、ブルー・リーゼ、行きますっ!」

 新たな力を得て、シルは愛機を地下空間に飛び込ませた。

●音だけを信じるな
「さーって、来たからには歓迎してやるよ!」

 一方、テラは先行してヘカテイアを駆り、出現ポイントの最終確認を行っていた。これまでの戦闘知識を総合し、どこから敵が出現するか、どのようなルートを通るかを読んでいく。時折聞こえる通信や戦闘音も聞き逃さない。

『地下は音が反響しやすいからね、惑わされないように注意するんだ』

 共に行動するワートホグ3がアドバイスを送る。

「……ってことは、音は頼りにならないのか?」
『音はあくまで参考程度に。皆でばら撒いたセンサー、すでに交戦している味方の情報も合わせて、総合的に判断するんだよ』
「それと……目視だな?」
『わかってるじゃないか』

 テラはアドバイスに従い、味方の通信やレーダー、そして準備段階でアラート役を頼んでいた霊たちからの情報を頼りに敵の位置を把握していく。今テラたちが展開するポイントに敵が来るまではまだ若干の時間がありそうだ、ということがわかった。

 その時、ちょうど装備の受領を終えたシルがブルー・リーゼに乗って戻ってきた。

「遅くなった、ごめんっ!」
「大丈夫だ、まだこっちには来てない」
『おや、素敵な剣じゃないか。活躍が楽しみだ』

 ブルー・リーゼを加えて、3機のキャバリアは敵の襲来に備えて身構えるのだった。

●姉妹の連携、師弟の連携
 それからしばらくして、幾度かの戦いを潜り抜けたシルとテラ、そしてワートホグ3。彼女たちは今、猟兵たちやワートホグ隊の包囲を逃れた少数の機体の追撃を担当している。

「ヘカテ……乱戦は苦手か? 安心しろ……おれが得意だからな」

 愛機のヘカテイアに静かに語りかけるテラ。

『ワートホグ1よりワートホグ3! こっちは片付いた、今お前達が追ってるのでラストだ! 絶対に逃がすなよ!』
『こちらワートホグ3、わかってるよ隊長殿。優秀なお嬢ちゃん2人にあたしがいるんだ、逃がしゃしないよ』

 ワートホグ1からの連絡に応えるワートホグ3の口調は余裕綽々といったところだ。

「……! いたぞ!」
「あれだね!」

 残り、4機。数の上では不利だが、ワートホグ隊と猟兵たちはこれまで幾度となく戦況をひっくり返してきた。今回も、間違いなく例外ではない。

「まずはわたしがっ!」

 真っ先に飛び出したのはシルのブルー・リーゼ。スラスターを目一杯吹かして飛びながら、4機のドッグめがけて飛んでいく。その速さは残像すら生み出すほどだ。ドッグは飛び出してきたブルー・リーゼに応戦しようとするが、残像に惑わされて捉えることができない。

「平面で動く……だよね!」

 ワートホグ3からのアドバイスを思い出し、普段以上に左右に大きく機体をブレさせることで、的確にドッグが放つ射撃を回避していく。さらに腕部三連マシンキャノンで弾幕を張り、敵の只中へと飛び込んでいく。

「こっちも負けてらんないな! 行くぞヘカテ!」

 一方、テラもまたヘカテイアを駆り、シルのブルー・リーゼに続いてドッグの集団目掛けて突っ込んでいく。その手には、巨大化した星刃剣「グランディア」が握られている。
 すでにブルー・リーゼが撹乱した戦場に、ヘカテイアが飛び込み、まさに乱戦の状況だ。ドッグの突進を回避しつつ、避けられない射撃攻撃は盾で受け流す。さらに、同じく巨大化させた紅龍槍「廣利王」の突きの一撃を見舞う。
 これをサポートするワートホグ3。2機の背中を狙う敵の注意を向けさせるため、手にしたプラズマライフルを斉射して装甲を的確に削っていく。
 やがて、シルとテラは動きが鈍った1機のドッグを見つけた。

「よし、行くよ!」
「あぁ、合わせるぞ!」

 スラスターを吹かし、同時に標的の懐に入ったブルー・リーゼとヘカテイア。まずはブルー・リーゼが新装備・風刃剣で腕に斬りかかる。ドッグはこれを盾で防ぐも、ヘカテイアが重力操作で重みを増した星刃剣を叩き込む。たまらず姿勢を崩したドッグに向かって、スラスターを吹かしながら強引に機体を回転させたシルのビームセイバー「エトワール」が盾ごと腕を切り裂いた。

「お姉さん、お願いしますっ!」
『よくやったよお嬢ちゃん達! 下がってな!』

 シルの声にワートホグ3が答え、言葉に従い一旦下がると、出力を極限まで高めたプラズマライフルの一撃がドッグを貫く。

「今だ! 決めるぞシル!」
「うん、ここで終わらせるよテラ!」

 ここが勝負の決め所だ、と判断したシルとテラは、それぞれユーベルコードを発動する。一気に接近するブルー・リーゼと対象的に距離を取るヘカテイア。

「世界を司る精霊たちよ、集いて光の剣となり、すべてを斬り裂けっ!!」
「大地の力、存在の維持を司る力、星の力……我が手に集いて我が敵を滅せよ!!」

 ブルー・リーゼは手にする風刃剣に魔力を収束させ、4属性の力を宿らせる。
 ヘカテイアは右掌を突き出して重力を収束させていく。

「エレメンタル・スラァーッシュ!!」
「グラビティ・ブラスト……! 行っけぇぇ!!」

 放たれた重力砲が敵を押しつぶし、そこへ火・水・風・土の4属性の力が収束した斬撃が横薙ぎにする。

 最後まで粘ったドッグ4機は、無残にも両断された状態でその骸を横たえ、ここに全てのドッグが全滅するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ブレイジング・バジリスク』

POW   :    ブレイジング・シュート
【ライフルの集中射撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    バジリスク・ランページ
【右腕のライフル】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    エンジンキラー
自身の【オブリビオンマシン】から【漆黒のオーラ】を放出し、戦場内全ての【エンジン】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●MISSION UPDATED
 最後のドッグが撃破され、猟兵たちとワートホグ隊は一息ついていた。

『ワートホグ1よりHQ、地下鉄内に侵入した敵戦力は全滅』
『HQよりワートホグ1、了解。よくやった。帰還を──』

 敵の全滅を司令部に報告するワートホグ隊長のペーパーバックだったが、報告中、ふとレーダーに目をやると、調圧水槽に繋がる立坑めがけて赤い光点が1つ、かなりの速度で接近しつつあるのを見つけてしまう。赤い光点が意味するところは、敵機。

『ワートホグ1より各機、引き続き警戒態勢! ワートホグ1よりHQ、敵の増援が調圧水槽に侵入しつつある!』
『HQ了解。まだ来るとは……数は?』
『1機だ……ハイエンド機と思われる!』

 レーダー上の赤い光点は先刻までのドッグを遥かに凌駕するスピードで立坑へと迫る。調圧水槽から地下鉄構内に侵入するのも時間の問題だ。

『HQより全機に告ぐ! 後詰めの所属不明機を迎撃せよ!』
『調圧水槽だ! 全機、ドッグが開けた穴から調圧水槽に向かうんだ! そこで奴を迎え撃つ!』

 司令部は迎撃命令をくだし、ワートホグ1のアイディアで猟兵とワートホグ隊は調圧水槽に向かう。この場にいる全ての戦力を集中し、あわよくば不明機を戦わずして撤退させるという威嚇を試みる意味もあった。
 調圧水槽に戦力が続々と集合し、立坑を固唾を呑んで見守る。やがて、赤い機影が舞い降りた。

『不明機、来ました!』
『機影照合確認! 機種はブレイジング・バジリスクだ!』
『……なんだいアタシのと同型機かい』

 ブレイジング・バジリスクは、ワートホグ3やワートホグ11も愛用するクロムキャバリアの機種だ。それだけなら別段おかしいところはない、はずだった。しかし、ワートホグ3やワートホグ11の駆る機体の装甲は青く塗装されているのに対して、今目の前にいる所属不明機は赤い。

『待て、赤いブレイジング・バジリスク……まさか、最近噂になっている「霧の死神」か!?』
『聞いたことがある、あいつは霧を生み出すってな。その霧を喰らうと愛機が動けなくなり、気がつくと撃破されている……その話は眉唾だが、実際にうちの哨戒隊はあいつに何機もやられてんだ』
『そんな奴が何故ここに!?』

 ワートホグ隊の面々はこの機体が油断ならない相手と認識し、集中攻撃をかけて単機撃破を試みるつもりだ。だが、猟兵たちは、この機体の正体をよく知っている。

 オブリビオンマシン。骸の海の力を得て顕現した暴走鉄騎、戦乱を生み出す呪われた機体。ワートホグ隊だけでは、この機体は倒せない。オブリビオンマシンを止めるには、猟兵の力が必要だ。

 地下に大きく広がる調圧水槽で、最後の戦いが始まる。ワートホグ隊と引き続き共闘し、地下鉄内部に侵入される前に、このオブリビオンマシンを撃破する。それが猟兵たちの共通認識だった。
支倉・錫華
いよいよボスキャラ登場ってところかな。
『霧の死神』とはまた大層な二つ名だけど、それに見合う力もあるっぽい感じだね。

どうやっても当たったら危険っぽいのは変わらないから、
チューニングはこのまま、移動力5倍、装甲半分でいくことにしよう。

相手の『霧』に気をつけながら、
ヒットアンドアウェイで【モーターブーム】を当てて削っていきたいな。
一撃の威力では劣るかもしれないけど、速度と手数では負けないよ。

……なんとなく嫌な予感がするから、
相手の機体を『エッグパック』に近づけないように気をつけて戦おう。
調圧水槽から出さないように動いていきたいと思うよ。

機械仕掛けの竜は、全部終わってから確かめればいいんだしね。


ニトロ・トリニィ
アドリブ・協力大歓迎!

あの機体… 放っている気配がさっきのドッグ達とはまるで違う…
これは気を引き締めて挑まないとこちらが狩られる!
ここが踏ん張り所だね!

行動
僕は《念動力》で敵のライフル弾の弾道を曲げてワートホグ隊を守りつつ、前線に出る味方への〈援護射撃〉や敵への〈威嚇射撃/制圧射撃〉を行なってみようかな!

余裕があれば僕のRSパルスマシンガンから撃ち出した電磁徹甲弾の弾道を曲げて敵の意表を突いた攻撃が出来るかも?


ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、連携歓迎
■心情
あーあ、来ちゃったよ~
比較的広い場所ったって限度もあるし、少数で抑えたほうがよさそうだねえ。
あーあー、ダンディライオンよりHQへ。ワートホグ隊の全機後退を進言。遠足は終わっていない、弁当の護送を最優先されたし。残りは猟兵で抑える。
っと。さてさて、いきますかね。

■戦闘
"重力制御術式""慣性制御術式"によって【滑空】して現場へ急行、調圧水槽中央に、敵攻撃に対し反応するUCを投げ込みます。その後、"ガトリング砲"や"電送砲"、"光線"等(一斉発射)で迎撃しつつ、クイックな機動(ダッシュ+フェイント)で翻弄、蹴りによる格闘戦を挑みます。

さてさて、中身はいるのかね?


ダビング・レコーズ
敵機確認
現状防衛目標への異常は認められず
敵増援を速やかに排除し任務を完了する

霧の情報を踏まえ不用意な接近は避ける
戦域は機動戦闘を行うだけの空間的余裕がある
中距離以遠を維持し射撃主体で対処
調圧水槽内の巨大な支柱を遮蔽物として利用
視線を断続的に切らせながら常に側面へと回り込み続け敵機の照準を撹乱
攻撃はリリースしたリフレクションビットにベルリオーズとルナライトの射撃弾を反射させ身を隠したまま行う
死角からの攻撃と撹乱機動で前後不覚となればワートホグ隊も攻撃を行いやすくなる上、敵機の攻撃目標を分散させ各員への負担低減ともなる
友軍が集中攻撃可能な状況を成立させ目標を確実に破壊する


エメラ・アーヴェスピア
よりによってあの機体…!?(交戦経験あり)
まずいわね、同僚さん達はともかく、ワードホグ隊は下手を打つと全滅もあり得るわ
正直、私としても天敵だから慎重に行きたいのだけれど

オペレーターより各機、噂は真実よ
具体的にはエンジンの類を停止させる、キャバリアに対しては絶大な効果を誇る技
無理せず、危ないなら引きなさい
…この効果は私の兵器にも言える事よ
ドローンは墜落しない様に高所に着地させ、引き続き監視
分隊は援護射撃を中心に、ワードホグ隊の盾にもなれるように
あまりこちらに近寄らせないようにしなさい、何が止まるかわからないわよ
そして精鋭と言うのなら、全員無事に帰ってきなさい

※アドリブ・絡み歓迎


リーゼロッテ・エアクラフト
んー敵は一機。だけどこれはここにいる猟兵と事前に用意しておいた罠にワートホグ全機投入しても止めるのは難しいだろう。

いや、見立ての話だからまだ分からんが恐らく対キャバリア用の何かしらの妨害手段持ちであると予測する。キャバリアが機能停止するならば生身での戦闘になるだろうがまぁ猟兵じゃないと生身戦闘は無理だろうしな

…生身で戦うにはこっちの攻撃手段は割れてるし武装のないから囮で置いてきたキャバリアをこっちに持ってこさせて戦うにしてもちょっと無謀

いや、一個使ってないUCがあったからそれ使って超強化したうえで殴り合いならあるいは…行けるかもな


しかし武装がないと思ったらあったわこのキャバリア 益々わからん


貴司・忍
こいつが噂の、戦乱の火種か…なら、潰す
それがあたしの、国からの命令だ
ぶっ壊す!

ワートホグ隊、ちょっとでいい!奴のライフルを撃たせないようにできるか!?
あのライフルの集中射撃をわずかにでも逸らせる芽が出たら、突っ込む

コード発動だ
チェーンソーを突き出し、一気に加速
殲禍炎剣の心配もねぇここなら、最大速度でぶっこめる!
ライフル射撃はチェーンソーによる武器受けで応じる
鎧砕きだってできるチェーンソーだ、ライフル弾だって粉砕してやるさ
そのまま突っ込み、体当たりによる【重量攻撃】を喰らわせてやる

さーて近づければこっちのもんよ
この距離のこいつは、効くぜ?
重機関砲【梅花】の【零距離射撃】だ…全弾持ってけぇ!!


リネットヒロコ・マギアウィゼルーク
敵の攻め手にはワートホグ隊の皆さんへ危険が及ぶものが多いですね〜……
援護射撃に期待できる分、
わたしは被害を抑えて、かつチャンスを作りましょう〜!

UC【魔糖式物質変換】×【全力魔法】で
周囲の壁や地面を粘度の高い水飴に変換、
無数の腕を形作って敵を絡め取ります〜!

飴をまとわりつかせたら
銃口や関節といった隙間から飴をどんどん内部へ送り込んじゃいますよ〜!
デリケートな部分はこれで機能しなくなるでしょう〜

飴ハンドを攻撃してくれれば楽ができますが〜
そうでなかった場合は射線を飴で遮るのと
「スケープシープちゃん」が防御手段になりますね〜

動きを封じたら「ガトリングレネード」で
ワートホグ隊の皆さんと一斉射撃です〜!


才堂・紅葉
「あの霧……長引かせると不味いわね」

・方針
特化した右腕のライフルが厄介だ
無策に正面から挑めば容易く蜂の巣だろう

「女は度胸か……」
諦めの吐息で六尺棒を手にし、【地形を利用】して壁や天井を蹴っての立体起動で間合いを詰めたい
攻撃は棒のリーチを活かした突き。相手の引き撃ち対策は、六尺棒を三節に伸ばすギミックでその右腕に鎖を絡め【捕縛】する事だ

「よろしく!」
全身を使った【怪力】で引っ張り、奴の【体勢を崩す】
そこに皆の援護攻撃を依頼したい

「ハイペリア重殺術……」
真の姿の【封印を解く】と迦楼羅王が紅金の炎を纏う
後はシンプルに超重力を纏った右の掌打を狙う【グラップル、属性攻撃、重量攻撃、衝撃波】

「天蠍ッ!!」


青垣・燈里
連携アドリブ歓迎。

キャバリアが動かなくなる、ねぇ。
そりゃあ確かに致命的だ。

大して気にしてなさそうなトーンで呟きつつ、引き続きデーラボッチャで出撃。
とりあえずは前回同様【空中浮遊】で動き回りつつ、月光符を用いて【誘導弾+レーザー射撃】を撃っていく。

そして相手が漆黒のオーラを出して機体が動かなくなったら、あえて自分から機体を放棄、札を周囲にまき散らす。

悪いねぇ、私はこっちが本職なのだよ。
相手がキャバリアじゃなければその霧は意味がないだろう?

生身で【空中浮遊】して散らした呪符を周囲に展開、【誘導弾+レーザー射撃+属性射撃】で雷属性のレーザーで【爆撃】。
更に【ミゼリコルディア・スパーダ】のサービスだ。


シル・ウィンディア
赤い機体…
禍々しい気配がするから、ビンゴかな?
よし、それじゃ行きますかっ!

【推力移動】で平面を高速機動
【フェイント】で左右に揺さぶって【残像】で撹乱しつつ機動だね

回避は【第六感】を信じて
敵機の動きを【見切り】、【瞬間思考力】で効率よく回避

但し、後ろにお姉さん達がいる場合は
【オーラ防御】で後ろの人たちを護るよ

…ふぅ、な、なんとか
ブルー・リーゼ、ごめんね
でも、ありがとっ!

それじゃこっちの番はっ!
攻撃は
『ミトラ・ユーズ』の【弾幕】を張りながら
上記機動で接近っ!

『エトワール』で敵機のライフルを狙って【切断】

本命は風刃剣を構えての
ヘキサドライブ・エレメンタル・スラッシュっ!

…これで、墜ちてっ!!


ヴィリー・フランツ
(連携アドリブOK)POW
目的:敵の無力化
心情:どちらにせよ情報が欲しい、有人機なら操縦士当人に聞いて無人なら機体の制御AIのログを解析するか。

手段:前回持ち込んだ予備弾薬を使用、弾倉交換して準備万端だ!

巨大な調圧水槽での戦闘だ、天井を支える支柱を盾にしながら射撃を仕掛けるぜ、味方近接機を誤射しない様に注意しねぇとな。
必要なら電磁速射砲のフルオート射撃による制圧射撃、足を止めて接近を容易にしてやる。
(●ブレイジング・シュート)
なんて威力だ!?だが俺のタイフーンの装甲をぶち破れるか?
集中射撃中は機体の足が止まる、このチャンスに【完全被甲弾】を装填した電磁速射砲でそのライフルを叩き壊してやる。


エドゥアルト・ルーデル
<<ちょっと隙を作ってくるでござるよガッションション!>>

乗ってたドッグで全速前進猪突猛進!【エンジン】停止と同時にタイミングよく拙者を射出!(シュポーンと飛ばされるドット絵)
乗り捨てたドッグから勢いよく飛び出し、人状態に戻りつつ敵機に飛び付きますぞ
エンジンが止まろうが生身の拙者は止まらないですぞ!拙者をキャバリア乗りだと思ったうぬが不覚よ…

飛び付いたら敵機に【流体金属生命体】を張り付けて離脱!
貴様は終わりだ!流体金属君が機体に潜り込み内部機構をズタボロにするのだ!

隙は作ったお仕事終ーわり!お片付けは任せたでござるよワートホグ隊?

乗り捨てドッグはいらないので好きに使うなり処分しておいてくだされ


ジーノ・エヴァーソン
"霧の死神"……へッ、名前貰うレベルでちょっかい出してんのか…。しつこいことで。いこうぜワートホグ、霧を晴らす時だ。

ワートホグ隊と協力し敵機へ制圧射撃
反撃に敵がライフルで射撃してきた時の対策として1機1機固まらずに分散するよう提案
俺自身もブーストの〈ダッシュ〉、〈空中戦〉で射撃を回避する
ダッシュの連発による高速移動と他機体への意識の分散でこちらを見失った一瞬。
その瞬間に【UC】発動。【Nenekiri-maru】による切断攻撃でヤツのライフルの損傷を狙う!

先のイヌ共と比較にならないオブリビオンマシンだろうが……単騎駆けなんぞ、無謀だったな。


白鳥・深菜
「さて、狩るわ」

狙いは敵のよく目立つ長銃。
それを無力化すべく、狙撃を行う!
周囲の僚機には、銃撃や霧に気を付けてもらいならがら
時間を稼いでほしいわね。

その間に【鉄騎携えし一振りの剣】で変形した自身の蒼銃を構え、
銃に【希望と災厄の金色剣】をエンチャント!

「宿すは<土>の<凍結>、放つは大地の戒め、水泥(セメント)弾!」

さて、霧でキャバリアの動きを止めたとしても。
『私が、私の装備を用いて魔術を行使する』という、単純な事を。
――止められるかしら?

「魔法はかけた。さあ、引き金を引け――灰被り(アシェンプテル)!」

『全力魔法』で自機を『ハッキング』。
引き金はエンジンではなく、魔力で引く!


テラ・ウィンディア
シルと共闘
ワートホグ3に敵機の特徴と性質を細かく確認するぞ

【戦闘知識】
戦場と味方の状況を細かく確認
特に連携と援護も

シルと連携攻撃!

【属性攻撃】
炎属性を全身と巨大化した武器に付与

【遊撃・レーザー射撃】
ガンドライドで援護射撃
【見切り・第六感・残像】
で残像を残しながらの高速機動でシルと共に【二回攻撃・早業・串刺し】による斬撃や刺突による猛攻
特にシルの斬撃(特にUCを篭めた斬撃の場所)はしっかり記憶に刻み

それら斬撃の痕跡にて包囲できるぐらいに記憶にも刻めば

消えざる過去の痛み発動!

(斬斬斬斬斬斬斬斬!

我が斬撃結界にて動きを制限して

シルの攻撃を通させる!

シル…いっけー!!

うん、おれ達姉妹に…断てぬ物なし!


栢山・源治
…すげーな俺
マジで生身でキャバリアとやりあうなんてな…猟兵やべぇ…(でも不安なのでやっぱり紅月に乗り込む

流石に噂の霧の死神相手なら紅月の出番だな

【瞬間思考】で敵の動きを分析
地形状況把握
特に霧には注意だな
UC起動!
いくぜ紅月!
【威嚇射撃・範囲攻撃】
先ずは追い込む!威嚇射撃を広範囲に打ち込み敵の回避行動を誘い

【限界突破】で加速!

【体勢を崩す】
円を描くようにバジリスクを中心に集中射撃!

【貫通攻撃】
もってるキャバリアライフルとブラックホールキャノンによるフルバーストアタック!

遠慮はいらねぇよ
全弾たっぷりと貰ってくれやー!!

一応コックピットは避けるぞ
尋問とか所属とか調査は必要になるだろうからな


霧島・絶奈
◆心情
「霧の死神」…ですか
同じ「霧」を名乗る「神」同士、存分に愉しみましょう

◆行動
引続きホードワグ隊には援護射撃を要請
敵の「霧」に触れると離脱すら覚束なくなります
故に霧を避け、後退しつつ射撃して下されば結構です
…勿論私の霧にも触れない方が良いでしょうね

貴方が止められるのはエンジンだけ…
つまり、生身で戦う私には痛痒すら与えられないと言う事です

『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
オブリビオンである以上、一度死んでいる存在です
であれば殺す事も叶うでしょう

加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し追撃

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



●隠されていた武装
 時間は調圧水槽付近のドッグを殲滅した直後に遡る。
 錫華と忍はツーマンセルを組んで戦闘に参加していた。錫華はAIのアミシアに他の猟兵やワートホグ隊とのデータリンクを依頼して通信やオペレーションの補助を行いつつ、自身はカスタムしたキャバリアで接近戦を担当。乱戦になっているため、背中の守りは忍が買って出ており、チェーンソーでドッグに果敢に斬りかかる戦いぶりを見せていた。
 戦闘がほぼ終わり、ワートホグ3たちが残敵の掃討を行う間、錫華と忍は燈里を加えて、各々の愛機に乗ったまま一度地下鉄の車両付近まで下がり、被害状況の確認を行う。地下鉄は戦闘が終わるまで運行を停止しているが、車両そのものに被害はない。一方構内に目を向ければ、壁面や地面が流れ弾などで損傷している。しかしそれらの被害も短期間で修復可能なものだった。

「被害が少なくて良かったですね」
「あぁ、ワートホグ隊も全機健在。作戦結果としてはほぼパーフェクトなんじゃね?」
「そうだねぇ。眠れる竜も起こすことはなかった。上々の成果じゃないかな」

 被害状況の報告を行った後、一旦猟兵たちと合流しようとした時、アミシアが錫華に声をかける。

「あのキャバリア、データリンク中にも関わらず一切のレスポンスが返って来ませんでしたが……」
「ん? ……あぁ、あの機体か」

 錫華はアミシアが指す機体を見て、すぐにその理由を理解した。アミシアが指摘したレスポンスが返ってこないわけを説明する。

「あの機体はリーゼロッテさんの機体だね。武装がないから、囮として使用していたんだって」
「囮……ですか。しかし武装が無いという点について訂正を求めます。当該機体には武装が搭載されています。非稼働状態ですが」
「え?」

 アミシアからの予想外の返答に錫華は驚く。リーゼロッテ本人は武装がないと言っていたが、どうやら彼女も知らない機構があったらしい。

「なんだ、どうした?」
「いや、アミシアがリーゼロッテさんの機体に武装があるって……」
「なんだって? ……ちょっと見せてみろ」

 忍は愛機の六号開天のセンサーで、リーゼロッテの機体に簡易的なスキャンをかける。返ってきた結果は驚くべきものだった。

「こいつ……よくわからねぇ組成してるな。少なくともまともなキャバリアじゃねーぞ」
「これは本人に教えてあげたほうが良いんじゃないかなぁ。そろそろ他の皆も戻ってくる頃だし……おっと、違うね。どうやら私達が前線に戻ることになりそうだ」

 より詳細な調査をしようとしたところで、燈里は唐突に肌が粟立つような感覚を覚えた。直後、ワートホグ1から後詰めの不明機が現れたという通信が入る。

「これは……もう一波乱ありそうだな。こいつ、持っていってやったほうが良いぞ」
「じゃあ、3機がかりで持っていこうか。きっとこの機体の力が必要になるからねぇ」
「そうだね、リーゼロッテさんに渡してあげよう」

 デーラボッチャと六号開天、そして錫華のカスタムキャバリアはリーゼロッテの乗機をそれぞれ抱えると、スラスターを吹かして調圧水槽へと急行した。そこで、3人は「霧の死神」と相対することとなる。

●引くこともまた戦いである
 立坑から赤いブレイジング・バジリスク、アークライト防衛軍における通称「霧の死神」が出現した時、エメラは見覚えのある機体シルエットにぞわり、と背筋が凍る思いを味わった。

「よりによってあの機体……!?」

 エメラはかつて、同型のオブリビオンマシンと交戦した経験がある。ブレイジング・バジリスクは、オブリビオンマシンと化した場合兵装がひとつ追加されるという特徴がある。それこそが、霧のような漆黒のオーラを放出して周囲の機動兵器のエンジンを停止させるという恐るべき能力だ。エメラが当時戦った機体は有人機、それもエースパイロットが搭乗しており、多くの猟兵が力を結集することでようやく撃墜できたほどの脅威度を誇る。

「あーあ……来ちゃったよ」

 ジェイはダンディライオンのコクピットの中で引きつった笑みを浮かべていた。

「どうするよエメラちゃん。アレ、ワートホグ隊前に出したらマズいよな」
「えぇ、マズいわ。同僚さん達はともかく、ワードホグ隊は下手を打つと全滅もあり得るわ。正直、私としても天敵だから慎重に行きたいのだけれど」
「だよねぇ。それに調圧水槽がいくら広いからって限度があるよな。ワートホグ隊は順次下げていって、うちらで抑えたほうが良いんじゃないか」

 ジェイとエメラはオペレーションを担当する立場で協議を重ねていく。結局、ワートホグ隊の中でも消耗が激しい機体は補給に戻した後に地下鉄への直掩に回し、残りの機体も援護に回しつつ順次撤退させるべき、という形で落ち着いた。

 ジェイが司令部に直接作戦内容の具申を行う中で、エメラは猟兵・ワートホグ隊の双方に通信で呼びかける。

「オペレーターより各機、噂は本当よ。具体的にはエンジンの類を停止させる、キャバリアに対しては絶大な効果を誇る技ね。無理せず、危ないなら引きなさい」
『話はわかった。消耗の激しい機体から順次撤退させたほうが良さそうだな。ワートホグ4、ワートホグ7、ワートホグ10、ワートホグ11は一旦基地へと退避。整備と補給を受け、以降はエッグパックの直掩に回れ』

 ワートホグ1の判断は早かった。同時に司令部もジェイからの意見具申を了承。ワートホグ隊は現場判断での撤退が許可される。ワートホグ1から退避命令が出た者は続々と離脱していく。

「ひとまずはOKだな。さーて……そんじゃ仕掛けますか」

 ジェイはダンディライオンを駆り、いつでも後方から前線へと躍り出られるようにする。エメラはドローンによる監視の続行と、蒸気人形の分隊による支援火力を引き続き行うのだった。

●決死隊
 一方、ヴィリー、ダビング、ジーノ、忍の4人は柱を陰にして様子を伺っていた。

「さて、アイツはどこから手を付けてくるかだが……」
「むしろ俺たちで先制したほうが良いんじゃねぇのか」

 ヴィリーが予備弾倉の弾薬を射撃兵装に込め直しながら思案していると、待ちきれずにうずうずしている忍が前に出ようとする。

「ネガティブ、ここでの突撃は非推奨です。下手に動けば霧で行動不能になります。交戦タイミングを図りましょう。生身の猟兵が霧の発射機構を破壊すればこちらのものです」
「あぁ、俺たちが担当するのは最後の仕上げだ。今は物陰に隠れて、必要に応じて撃って撃てばいい」

 逸る忍を制止するダビングとジーノ。まずは生身の猟兵が敵キャバリアの弱体化を図る道を作る必要がある。

「っち、それまで牽制に徹するしかねぇか……!」
「ちょい待ち。生身であいつの懐に飛び込むとしてどうするんだ」

 遅れて手近な柱を陰に敵キャバリアの射線を切る源治がそう指摘する。生身でキャバリアとも互角に渡り合えることは、先程のドッグ戦でさんざん学んだ。しかし、懐に入るならばそれと悟らせずに接近を行う必要があるのだ。具体的には、キャバリアに同乗して敵の懐深くまで接近し、攻撃を加える必要がある。機体を捨てられるキャバリア乗りが望ましいだろう。

「なんだ、そんなことでござるか。それなら拙者がスキを作ってくるでござるよ」

 と、現れたのはエドゥアルトが操るドッグ。エドゥアルト曰く、この機体は一時的に鹵獲した兵器なので捨てるのは惜しくないそうだ。さらに、燈里も生身の傭兵を運ぶこと、機体を捨てることは問題ないと立候補した。

「決まりですね。私、リネットさん、エドゥアルトさん、燈里さんの4人が決死隊となります。キャバリア乗りの皆さんには足止めをお願いしたく。攻撃の効果が出たら、後はキャバリア乗りの皆さんの仕事です」

 絶奈はそう言うと、エドゥアルトのドッグから差し出された手に飛び乗る。同様に、リネットは燈里のデーラボッチャにそれぞれ運んでもらうこととなった。

 ドッグとデーラボッチャが飛び出し、猛然と「霧の死神」に突っ込んでいく。手持ちのビームライフルで迎撃しようとするが、人間と同等の身のこなしを得たドッグに、月光符から放たれるホーミングレーザーを浴びせながら突撃するデーラボッチャに翻弄されていく。

 そしてついに、黒い霧が「霧の死神」から発せられた。最も接近していたドッグとデーラボッチャはたちまち霧の効力でエンジンを停止させるが、次の瞬間、4人はキャバリアを捨てて空中に躍り出ていた。

「エンジンが止まろうが生身の拙者は止まらないですぞ! 拙者をキャバリア乗りだと思ったうぬが不覚よォーッ!!」
「悪いねぇ、私はこっちが本職なのだよ。相手がキャバリアじゃなければその霧は意味がないだろう?」
「『私が、私の装備を用いて魔術を行使する』という、単純な事を――止められるかしら?」

 キャバリアからのベイルアウトを果たした2人はオブリビオンマシンへと取り付く。すでにエドゥアルトは生身の人間の姿に戻り、一方で燈里はベイルアウト直後、大量の札を周囲に撒き散らしていた。

「燈里さんの言う通り、貴方が止められるのはエンジンだけ……つまり、生身で戦う私には痛痒すら与えられないと言う事です」
「さぁ、チャンスを作りますよ~!」

 そこに続くのは絶奈とリネットの2人だ。リネットはオブリビオンマシンの肩へとしがみつくと、エドゥアルトとアイコンタクトを結ぶ。一方、絶奈は「霧の死神」の大きくせり出した胸部の上に立った。目の前にはブレイジング・バジリスクの頭部があり、絶奈を睨みつけている。

「『霧の死神』……ですか。同じ『霧』を名乗る『神』同士、存分に愉しみましょう?」

 「霧の死神」が向ける視線に一歩も引くこと無く、不敵な笑みを見せる絶奈。睨み合いが続くその最中、後方には燈里が空中浮遊で控える。散らした呪符に加えて、「ミゼリコルディア・スパーダ」の魔法剣が空中に十重二十重と浮かんでいる。

 目下の最大の脅威は燈里と判断した「霧の死神」はその手の高出力ライフルを構え、燈里を排除しようとする。だが、そのライフルに向かってキャバリア組の猟兵やワートホグ隊が集中砲火を浴びせて決死隊を援護する。そして、「霧の死神」は気づくことができなかった。エンジンを完全に切っていながら、射撃を行おうとするキャバリアが1機いたことに。

●狩りの時間
「さて、狩るわ……宿すは<土>の<凍結>、放つは大地の戒め、水泥(セメント)弾!」

 エンジンの動力抜きに射撃を行うという離れ業を試みるキャバリア。その正体は深菜のキャバリアだった。【鉄騎携えし一振りの剣】で変形させた自身の蒼銃を構え、
銃にユーベルコード【希望と災厄の金色剣】を行使して弾丸にエンチャントを付与。セメント弾を装填し、腕部へ狙いを定める。

「『私が、私の装備を用いて魔術を行使する』という、単純な事を。――止められるかしら?」

 オブリビオンとは言えど、機械である以上敵反応はアイカメラでの直接捕捉に加えて熱源反応で探知する。しかし、エンジンを切られてしまっては熱源は当然探知不可能。魔術を使って強引に狙撃を行うのが、深菜の作戦だった。

「引き金はエンジンではなく、魔力で引く! さあ、引き金を引け――灰被り(アシェンプテル)!」

 詠唱と共に狙撃。狙いは腕の関節部。果たして、セメント弾は見事に目標に命中し、関節を固めてしまう。

「貴様は終わりだ!流体金属君が機体に潜り込み内部機構をズタボロにするのだ!」
「マジーク・シュクール・マジクレム~! さぁ、一気に固めますよ~!」

 これに呼応するかのように、エドゥアルトの流体金属生命体とリネットの魔術で周囲の壁や床から作り出された水飴が、「霧の死神」の関節部やフレーム構造を侵食する。仕事を終えたエドゥアルトとリネットは燈里が拾い上げることによって離脱。

「敵のエネルギー出力、20%低下! 行けるわよ!」

 オペレータのエメラが声を上げると同時に、絶奈がユーベルコード「涅槃寂静」を発動。死の概念を付与された濃霧が「霧の死神」を包み込んだ。そこに煌めくのは燈里の呪符によるホーミングレーザーの爆撃だ。狙いは「霧の死神」が霧を放つための武装だ。こうして「霧の死神」が新たな霧を放出できなくなったことで、戦場の霧は晴れた。

●切り札
「リーゼロッテさん! 今ならあれを使えるはずだよ!」

 錫華がリーゼロッテに声を飛ばす。

「……あぁ、まだ使ってないUCがあったんだっけか。ったく、このキャバリア……武装がないと思ったら実はあったり、ますますわからん」

 リーゼロッテは再びキャバリアに搭乗していた。武装があったこと、そして構造が特殊だったことを伝えられ、半信半疑ではあった。しかし、今ならやれる。

「エドゥアルト! 燈里! 機体借りるぞ!」
「元より乗り捨てるつもりでしたからな! 構いませんぞ!」
「あぁ! いいとも、やってくれ!」

 リーゼロッテはキャバリアに搭乗中にのみ使用可能なユーベルコード「スーパー合体」を発動した。ドッグとデーラボッチャを、自身が搭乗するキャバリアに合体させる。その結果、3機の意匠が合わさったようなビジュアルの機体へと変形合体を遂げた。ドッグの分厚い装甲とデーラボッチャの巨人のごとくマッシブな手足を備えた機体となったリーゼロッテの愛機は、力強く大地を踏みしめる。

「さぁ、行くぜ……こっからが本番だ! 殴り合いと行こうじゃねぇか、こっちの性能は3倍だがな!」

 リーゼロッテはコクピット内で不敵に笑い、合体キャバリアは右拳を左掌に叩きつけて闘志を燃やすのだった。

●躍り出る鉄騎達
「霧が晴れた! カイゼル、先行するぜ! 俺の機体を盾にしてついてこい!」
「ブルー・リーゼ、了解っ!」
「ヘカテイア、行くぜ!」
「アークレイズ、了解」
「マガフ、了解!」
「Gambenero、援護するよ!」
「六号開天、やるぜ!」
「あいよっヴィリーちん、行くぜぇ!」
「リーゼリット、了解だぜ!」
「迦楼羅王、行くよ!」
「Xeno_Fire、コピー!」
「紅月、派手に行くぜ!」

 総勢11機の猟兵が駆るキャバリアが身を潜めていたところから一斉に飛び出していく。

「蒸気が無くなったのなら好機! ワートホグ隊、随伴機と一緒に援護して! ただしダメージや弾薬がある場合は無理せず後退を! リネットさん、火力が薄いところへの援護を!」

 エメラのオペレーションにも力が入る。

 動きを鈍らせたものの、まだ機体は健在。先行したヴィリーは、破れかぶれで放ったライフルの一撃をすんでのところで避ける。ライフルはそのまま背後の調圧水槽の壁を射抜いていた。

「なんて威力だ!? だが俺のタイフーンの装甲をぶち破れるか?」

 ヴィリーは電磁速射砲を撃ち込みながら足をすっかり止めてしまった「霧の死神」に肉薄、徹甲弾を電磁速射砲に装填して蜂の巣にしていく。と、ヴィリーの作った損傷部にパルスマシンガンを的確に撃ち込んでいくのはニトロのマガフだ。正確な射撃の秘密はパルスレーザーを念動力で動かしていることにある。

「あと一息だ……もう少しで終わる!」

 さらに仕掛けるのはダビングのアークレイズとジーノのメビウスだ。

「Xeno_Fireよりアークレイズ、当機はこれより貴方を援護します」
「アークレイズよりXeno_Fire、コピー。バックアップは任せたぜ」

 アークレイズは機体よりリフレクションビットを放出。そこへリニアアサルトライフル「ベルリオーズ」とプラズマキャノンモードとしたプラズマソード「ルナライト」を撃ち、死角からの一撃を加えていく。この攻撃でバックアップを損傷した「霧の死神」は機動力を失う。さらに対応が徐々に後手後手に回り始めた「霧の死神」に対して、Xeno_Fireが手持ちの刀「Nenekiri-Maru」を一閃しライフルを斬り落として使い物にならない状態に追い込んだ。

「速度と手数では負けないよ……烈破……ッ!」
「遠慮はいらねぇよ、全弾たっぷりと貰ってくれやー!!」

 さらに畳み掛けるように襲いかかるのは源治の紅月と錫華のカスタムキャバリア。円の動きを描くように動きながらキャバリアライフルを斉射する紅月と、機動力を活かした一撃離脱戦法を繰り返す錫華機は着実に「霧の死神」にダメージを入れていく。

 着実にダメージが与えられ、すでに満身創痍の「霧の死神」。さらに勢いを取り戻したワートホグ隊が射撃を雨あられと浴びせ、すでに機体のあちこちからアーク電流や火花が散る状態となっていた。そして、そこへトドメを刺すべく動き出す猟兵がいた。

●終止符を打つ連撃
「こっちの番、行くよ! ……これで落ちて!!」
「あぁ、ここで決めてやる!」
「やれやれ、これでラストか……! まだこいつのことは良くわからねぇが……落とさせてもらうぜ、『霧の死神!』」
「女は度胸か……!」
「戦乱の火種なら、潰す。それがあたしの、国からの命令だ! だからあんたはぶっ壊すッ!」
「さてさて、トドメといきますかね……!」

 シル、テラ、リーゼロッテ、紅葉、忍、そしてジェイが一気にとどめを刺すべく動き出す。

 まずはテラのヘカテイアが自走砲台群を展開し射撃で起点を作る。そこへ六尺棒での立体機動を行った紅葉の迦楼羅王が空中から鋭い打撃で「霧の死神」のバランスを崩した。そこへ襲いかかるのはリーゼロッテの合体キャバリアによるアッパーカット。そのパワーは凄まじく、「霧の死神」の機体は宙を舞う。さらにジェイのダンディライオンが電送砲やガトリング砲、光線を一斉発射し空中に釘付けにしたかと思うと、シルがそれに合わせて三連装マシンキャノンで畳み掛ける。そして、忍が飛びかかってチェーンソーを機体に食い込ませた。

 姉妹の息を合わせた必殺の斬撃が、3機のキャバリアの力を束ねた右ストレートが、真の力を解放した掌底が、重機関砲の零距離射撃が、兎の脚力を活かした蹴撃が、死神に一度に襲いかかる。

 全ての攻撃を受けきった「霧の死神」は、ここに四肢を四散させ……戦いの終わりを告げるのであった。

 こうして、アークライト自治領における戦闘は全て終わりを告げた。エッグパックは無事に目的地へと運ばれ、最終運用試験が行われるとのことだった。襲撃犯については、「霧の死神」含め全てがAI操縦のオブリビオンマシンであり、機体のログなどから事態の真相究明が進められている。地下鉄や調圧水槽もすぐに復旧が行われ、平穏な日々が戻った。
 だが、未だ不穏な空気が漂うアークライト自治領。いつの日か、再び戦火に見舞われないとも限らない。何しろここはクロムキャバリア、100年続く戦乱の世なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月29日


挿絵イラスト