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【Q】ハロウィンの国を取り戻せ!~料理は爆発するモノ?

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン

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●何故か爆発するんです
「皆、集まってくれてありがとう。あ、これ要らないと思うけど、食べる?」
 挨拶もそこそこに緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)が猟兵たちに差し出してきたのは小さな紙袋。中を覗き込むと、ケシズミがたくさん入っていた。およそヒトが食べるものではない……気がする。
 『え?』という顔で冬香を見ると、冬香も困惑した表情を見せる。
「これ? クッキー。レシピ通りに作ったのに、なんか真っ黒になっちゃったの」
 緋薙・冬香、クッキーですらケシズミとなる女である。

●ハロウィンの国
 それはさておき、今日の冬香はグリモア猟兵である。
「この間、戦争が終わったアリスラビリンスでね。新しい国が見つかったの」
 その名も『ハロウィンの国』。あのオウガ・オリジンが現実改変ユーベルコードで以て、改変した不思議の国である。
「とってもハロウィンらしい国でね」
 しゃべる南瓜ランタンがいるし、コスプレ衣装の飛び出す森や食材が完備されたキッチン、『なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道』などなど。まさにハロウィンパーティにうってつけの国と言えよう!
 しかし、である。
「とっても楽しそうに見えるんだけど、作者:オウガ・オリジンにブレはなくてね。やっぱりこの国も悲劇を作るためのものなの」
 そのための装置ともいえる、オリジンから直接力を与えられた凶悪なオウガたちが国の各所に潜んでおり、ハロウィンの国の力を利用して、住民たちに襲い掛かっているのだ。
「逆に言うと、このオウガたちを倒せばオウガ・オリジンの支配からこの国を取り戻せるのね」
 そして冬香はにやりと笑う。
「この国、ハロウィンパーティーまでに欲しくない?」

●オウガ退治をよろしく!
「私が予知(み)たオウガは2種類」
 コスプレの森付近に陣取っている『サーバントバニー』と、何でも揃っているキッチンで待ち構えている『悪魔王アマイモン』である。

 まずサーバントバニー。
「彼女らはコスプレの森の力を利用するためにその付近を縄張りとしているの」
 コスプレの森という単語が常識にダメージを与えてくるが耐えてほしい。これはハロウィンの罠だ。
 コスプレの森が何かって言うと、森の中から突然『コスプレ衣装』が飛び出してきて、キャッチした人を不思議な力でオール・ワークス並みの速度で強制お着替えさせる、不思議な森である。一応脱ぐことは可能なのだが、オススメしない。何故なら。
「このコスプレ衣装、着た人を超絶パワーアップさせる力があるわ」
 なお、サーバントバニーはもれなくコスプレ完了済である。
「つまり……強い! 対抗するには、こちらもコスプレするしかないわ!!」
 目を閉じて言葉だけ聞いていると、このグリモア猟兵大丈夫か? と思いたくなるが、残念ながら正気である。
 森から飛び出してくるコスプレ衣装はランダムだ。もちろん視認してからキャッチすればいいので選ぶことも不可能ではないのだが、飛び出してくるエリアはもれなくサーバントバニーがいる。悠長に選んでいる暇はない。
「本当に何が出てくるかわからないの。もしかしたら皆の望んだ衣装にはならないかも?」
 バニー衣装が出てきた地点で待っていたら次はおいらん衣装が出てきたなんてことはざらだ。ついでにいうと性別の考慮も無い。男性がキャッチしたらネコミミメイドだったなんてこともありえる、ありえるのだ!! なお、一度は強制的にお着替えされます。脱げるよ? 脱げるけれどもね?

「もうひとつ、重要なことを伝えるわ」
 キリッと真面目な顔をして冬香が告げる。
「勝つためにしょうがなく着てあげると、コスプレ衣装のパワーが急上昇するの!」
 何言ってるんだこのグリモア猟兵、とかツッコミがあるかもしれない。しかしこれがハロウィンの国の法則なのだ。
 つまり、『本人が全く望まないコスプレ衣装』を着た場合に、『ほ、本当はイヤだけど、勝つためにしょうがなく着るんだからねっ!』みたいなムーブをすると、より強くパワーアップできるのだ。なんなんだこの森。
 と、とにかくパワーアップして、サーバントバニーを撃破して欲しい。

 その次は、アマイモンである。彼女は、材料から道具、器具まで料理に関わるものは何でも揃っているキッチンで待ち受けている。
「アマイモンはぶっちゃけ、普通の方法では『倒せない』わ」
 それはハロウィンの国の法則によって『無敵』となっているからである。
 倒す方法はただひとつ。
「『美味しい料理を食べさせること』よ!」
 幸い、アマイモンと相対する場所はキッチン。ここで美味しい料理を作ってもらいたい。
「料理している間も攻撃してくるからその対処をしながらになるけど、料理さえ出来れば攻撃が止むわ」
 というのは、ハロウィンの国の法則によって、完成した料理にアマイモンはいかなる抵抗もできずに必ず食べてしまうのだ。
「彼女の味覚は完璧よ。料理人のこだわりポイントすらも見抜くほどにね」
 使用する食材から料理技法の巧みさ、味付けや火入れの絶妙さ。さらには料理に対する純粋な評価、感想を述べた後。
「食べた分だけ眠くなるみたいなの」
 つまり、たくさん(といっても一度の量では無くて、回数)料理を食べさせると、いつかは寝る。そして完全に眠ると無敵状態が解除されるのだ。
 そうなったらユーベルコードを叩き込めば一撃で倒せる。

 しかし、この作戦にはひとつ重大な欠点がある。
「そう、私のように、料理すると何故か黒い物体が出来上がったり、鍋が必ず爆発する人はどうすればいいのかってこと……」
 何度でも言おう。緋薙・冬香、バレンタインのチョコ作りで厨房が爆発する女である。なお、行かなきゃいいじゃん、っていうのはいいっこ無しでお願いします。
 冬香のことはさておき。実際どうするかというと、だ。
「実は美味しくなくても、気持ちのこもった料理でも大丈夫みたい」
 つまり、アマイモンに対して『全部食べてほしいな(はーと)』的な気持ちを込めた料理ならば、それが最終的にダークマターと化していても食べる。吐血しながら寝ていくかもしれないが、そこは問題ない。
 逆に覚醒していく要素は悪意をこめること。殺意を込めたり、あるいは物理的に武器や毒物を混ぜ込むのだけはやめていただきたい。覚醒している限り、アマイモンは無敵である。
「まぁ、そんなわけで料理の腕は問われないので安心してね」
 つまり、冬香のケシズミクッキーでも倒せる可能性は十分にある。……いや、もっとましなモノを食べさせてあげてください、お願い。
「というわけで。コスプレと料理……じゃなかった、オウガ退治よろしくね」
 そう言って冬香は猟兵たちをアリスラビリンスへ転送するのであった。


るちる
 こんにちはとかこんばんはとか、るちるです。お世話になってます。冬香がサンタ服の時はコメディ&ネタ依頼の法則があるとかないとか。
 そんなわけでリプレイはコメディやギャグ方面に振りきっていく予定です。プレイングもギャグやネタに振り切ってもらう分には問題ありません。ネタ・カオスどんと来い。むしろるちるがついていけなかったらゴメンナサイ。そこは超頑張る。もちろんシリアス・真面目プレもお待ちしています。

 このシナリオは『2章構成』です。
 また、10/31までに執筆完了を見込んでいます。それによってハロウィンパーティーや、やがてあるであろう『アリスラビリンスでの猟書家戦』に、何らかの影響を与えることがあるかもしれません。

 シナリオの補足です。

 1章は集団戦。相手はサーバントバニーです。相手がコスプレ(個体によって違います)でパワーアップしているので、こちらもコスプレで対抗しようという作戦です。
 OPにあるように、森から飛び出してくるコスプレ衣装を着るとパワーアップ(プレイングボーナス)します。そして本人が全く望まないコスプレ衣装に対して『本当はイヤだけど、勝つためにしょうがなく着るんだからねっ!』みたいなことをすると、さらにパワーアップ(プレイングボーナス)します。
 プレイングでは着るコスプレ衣装の詳細と、それが望んだものかどうかをお書きください。

 2章はボス戦。相手は悪魔王アマイモンです。アマイモンの苛烈な攻撃に耐えながら、キッチンで美味しい料理を作ってください、という流れになります。
 基本的には『料理を作る』か、『攻撃を耐え忍ぶ』プレイングになると思います。モジスウタリナイに遭遇したり、内容に迷ったらどちらかに絞ってもらって大丈夫です。
 詳細については、2章開始時にまた追記しますのでそちらを参考にして下さい。

 1章の追記はありません(プレに影響ないレベルで状況説明はするかもしれません)
 他のシナリオとの兼ね合いがあるので、
 1章のプレイング受付開始を、10/16(日が変わったらOK)からとさせてください。

 それでは皆さんの参加をお待ちしていまーす。
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第1章 集団戦 『サーバントバニー』

POW   :    ウサキ~~ック!
単純で重い【高く跳んでからのジャンプキック 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ウサキッス
【投げキッスをする事で放つ衝撃波 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【にハート型のマークを刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    ウサウサスカイジャンプ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイ・ブラックウィドー
シスカさんと

「シスカさん、もうすぐハロウィンですね。
このハロウィンの国で楽しんだあとは、おうちを飾り付けてハロウィンパーティーをしましょうね」

シスカさんと話しながら歩いていて、つい気分が緩んでしまったところに、森から突然コスチュームがっ!?
それは――タキシード!?
それも結婚式仕様!

「シスカさんがウェディングドレスで、なんで私がタキシードなんですかっ!?」

それは、確かに男性用なのにサイズぴったりですけど!
胸とか!

「って、こんな恥ずかしい格好ではいられません!」(胸的な意味で

上着とシャツのボタンを外して服を脱ごうとしますが……

「って、シスカさんが見てるんでしたっ!」

見えかけた下着を慌てて隠します。


シスカ・ブラックウィドー
【アイさんと】

アイさんと楽しいハロウィンデート......じゃなかった、なんかショコラ(契約してる悪魔っ娘)が騒いでいるのでオウガをやっつけに来ました。

バニーねえ。どれどれ......ハッ(アイさんと見比べて鼻で笑う)

うん、ボクらの方が可愛い! さあ、コスプレ衣装飛んでこい! ボクらが真の美というものを教えてあげるよ!

こ、これは!?ウェディングドレスとタキシード、それにシスターの衣装!?

とりあえずショコラはシスターの衣装どうぞ。

「なんで悪魔のわらわが修道女の格好なんぞ......」
ぶつぶつ。

恥ずかしいけどウェディングドレスでが、がんばろうか、アイさん。



●悪しき気配が近付く……
 アリスラビリンス、迷宮災厄戦の遺産。かのオウガ・オリジンが作り出した『ハロウィンの国』向けて、歩く影が3人。ブラックウィドー家である。

「シスカさん、もうすぐハロウィンですね」
「うん」
 先に並んで歩いているのがアイ・ブラックウィドー(電脳の天使・f28910)とシスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)。身長がほぼ一緒の二人が歩く姿はとても愛らしい。その少し後を二人より少し背の低い少女ショコラが歩く。
 その光景。遠目から見ると、夫婦とその娘のように見えなくもない。

 しかし事実はなんと!

 まだ結婚していない同棲している恋人の2人に、シスカが【悪魔王ショコラ】で呼び出している悪魔っ娘である。え、結婚年齢? この世界(PBW)でそんな野暮なこと言う? ついでに言うならョコラの方が年上であるたぶん。保護者ポジションだし。

 そんなわけで今回の予知を聞いてハロウィンの国に飛んできた3人なのだが。
「このハロウィンの国で楽しんだあとは、おうちを飾り付けてハロウィンパーティーをしましょうね」
 とてとて歩きながらそんなことを言い出すアイの言葉に、シスカは『はっ?!』と気付く。
(これは……アイさんと楽しいハロウィンデート……)
 今日も本番も。つまり、約束された勝利なのではないだろうか?
「あの、わらわおるんじゃが?」
 小声で抗議するのはショコラ。しかし、見守りポジションが災いしてか、シスカの耳にショコラの声は届いていない。そう、二人にとっては楽しいデート!!

 だがしかし。デートはデートで別物って考えは大切にしていただきつつ、冷静に考えてほしい。
 同棲しているってことは普段から一緒に住んでるってことじゃろ? 普段からもっと激しい、あんなこと(あーん、とか)やこんなこと(狐とお蕎麦の某CMのようなやりとりとか)をしているのではないだろうか!!(とっても早口)
 まさかここで夫婦(仮)の初めての共同作業が……!? 否、もうこれは夫婦(真)と言っても過言ではないのだろうかっ!!! というか今すぐここで押し倒s。
「とうっ!」
 ぐはっ。
「ショコラ? どうしたの?」
「いや、なんぞ坊やにとって悪しき気配を感じたのでわらわが吹っ飛ばしておいた」
「は、はぁ……?」
 ドヤ顔ショコラに首を傾げるシスカ。
 さすが悪魔っ娘。感知能力がすごい(ばたっ←悪しき気配が倒された音)。

●今日は楽しいハロウィンデート(ただしハロウィン前)
 さて、今回の道行。発端はショコラが『胸が……ざわつく……』的な何かで騒いでいたことらしい。倒すべき宿敵がいるのだろうか?
「まさか……バニーですか?」
「そんなわけあるか」
 はっとした表情のアイに速攻ツッコむショコラ。
「……バニーの格好がしたかった?」
「違うわ!!」
 まさかの追いボケである。間髪を入れずさらにツッコむショコラ。

 そんなことしてたら『サーバントバニー』の大群が現れた。

「バニーねえ。どれどれ」
 シスカがバニーたちを見る。その姿、バニーにして演奏者。制服(かろうじて)とかドレス(袖と裾だけ)とか露出が高すぎて無理矢理感たっぷりだが、一応皆が楽器を持っているから、たぶんバニー吹奏楽団。
「……ハッ」
 鼻で笑うシスカ。それはアイと見比べての仕草であった。
 どこを見比べたのか。胸のボリュームならバニーの方が上のハズ、とか思った人に告げよう。

 女性の価値は胸では無い(依頼のTOP絵は見なかったものとします)。

「うん、ボクらの方が可愛い!」
 さりげなく自分も入っているところがシスカである。さすが可憐の体現者(ただし男の娘)。実際、3人のほうが可愛いと思います。可愛いは正義!
「さあ、コスプレ衣装飛んでこい! ボクらが真の美というものを教えてあげるよ!」
 シスカの声に応えてコスプレの森が衣装を放出する!
「はっ?!」
 シスカの褒め言葉に顔を赤らめていたせいか気が緩んでいたアイ。飛んできた衣装の直撃を受ける。
「こ、これは!?」
 そしてシスカも受け取った衣装を見て驚愕する。

「「ウェディングドレスとタキシード!?」」
「それにシスターの衣装!?」

 アイとシスカ、ついでにショコラもびっくりである。
 ちなみに、結婚式仕様である(3人とも)

「なんで、シスカさんがウェディングドレスで、私がタキシードなんですかっ!?」
 アイの猛抗議! さもありなん。いかにシスカが男の娘とは言え、アイにタキシードはひどいチョイスだ。コスプレの森何考えてるの?
「確かに男性用なのにサイズぴったりですけど! 胸とか!」
 コスプレの森の鑑定眼(?)が炸裂した瞬間である。
 ベストフィットしたタキシード姿のアイとウェディングドレス姿のシスカ。そしてシスター服のショコラ。
 違和感などあろうか、いや無い。微塵も無い! 待て、有ってくれ。有ってあげてくれ!!

「って、こんな恥ずかしい格好ではいられません!」
 胸的な意味で。詳らかになる胸の辺りの意味で。
 勢いのままに上着とシャツのボタンを外して脱ごうとするアイ。ばっ、と綺麗な肩とか鎖骨とかが日の目を見る……。
「って、シスカさんが見てるんでしたっ!」
 瞬間に、見えかけた下着を慌てて隠した。ちなみにシスカは速攻で視線を逸らした。それは優しさゆえの行動である。
「何をしとるんじゃ……というか、なんで悪魔のわらわが修道女の格好なんぞ……」
 二人のやりとりにため息をつきつつ、ぶつぶつと文句を言うショコラ。これもバニーたちを倒す作戦ならば、たとえ神の使徒の姿とて着こなすしかあるまい。嫌だけど。

 そんな3人の様子を見ていたバニーたちが顔を見合わせる。こくり、と頷いた後、おもむろに演奏が始まる……!

 ぱぱぱぱーん。ちゃちゃちゃちゃーん(結婚式の時に流れるやつ)

「「「ちょっとまてー!!!」」」
 3人が同時にツッコんだ。
「わ、私たちはここに結婚しに来たんじゃありません!」
「そうだよ! デートしに来たんだから!」
「坊や、本音が漏れておるのじゃ……」
 軽くパニック状態でもはや自分が何を口走っているのかわからない様子のアイとシスカ。はぁ、とため息をつくショコラさん。しかし、ショコラの言葉に我に返った二人が、ばっ、とショコラを振り返ろうとして、お互いがお互いを注視してしまう。

 ヤバい、このままだと目が離せなくなりそうだ!

「と、とにかく! 恥ずかしいけど、が、がんばろうか、アイさん」
「は、はい……はっ?!」
 シスカの言葉に、照れながら戦闘態勢に入ろうとしたアイは唐突に何かに気付いた。
「ユーベルコードの準備をしていません!!」
「こら」
 真顔で言うアイに、さすがのシスカもツッコんだ。

 そんなこんながあったものの、シスカとアイの羞恥心がコスプレ衣装の魂(?)を燃え上がらせ、そしてショコラの、存在の二律背反的な何かがこれまたコスプレ衣装のパワーをアップさせる!
 超絶強化された3人の力で、あっという間にバニーたちは吹っ飛ばされるのでありました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

響・夜姫
アドリブ歓迎

「はろうぃん」
祭りの場所は、ここかー。
二挺拳銃をかっこよく構え「あのバニーは、ぎるてぃ。狙い撃つ、ぜー」

そんな感じで衣装待ち。
「……」『……』『……』『……』
せくしーな衣装のぺんぎんさん。
きゅーとな衣装のめんち(大型犬サイズのワイバーン)
ばにー衣装のわに。むしろわにー。

受け取った拳銃で【存在感/範囲攻撃/誘導弾/2回攻撃/一斉発射/乱れ撃ち】するぺんぎんさん。
【存在感/衝撃波/部位破壊/傷口をえぐる】で無双するめんち。
【存在感/鎧砕き/鎧無視攻撃/グラップル】でデスロールするわにー。
ぺっとすとりーむあたっく。

黄色いヘルメットと猫のヒゲを付けて「……釈然としないけど。ヨシ」
解せぬー。




「はろうぃん」
 何かを確かめるように、そして遠くを望むかのように、響・夜姫(真夏の星の夢・f11389)は呟いた。

 そう、ハロウィンである。

 言葉にすると途端にハロウィンな雰囲気が漂ってくる。その雰囲気の中を夜姫とぺんぎん(妙に人間くさい宇宙ペンギン)さんと、めんち(野生のどらごん。大型犬サイズのワイバーン)さんと、わに(グリードオーシャンで従えた賢い野生のワニ)さんが進む。
 統一感は無いが、むしろ統一されていないことに定評があるとかそういうカオス感で突き進んでいただきたい夜姫一行は『サーバントバニー』待ち受ける森へ辿り着いたのである。

「祭りの場所は、ここかー」
 ちゃきっとかっこよく構える二挺拳銃。夜姫が手にした、聖女の名を冠した白銀&漆黒と黒い聖女の名を冠した漆黒&金色の銃口がバニーを捉える。
 目の前にバニーたちは見た目ただのバニーだが、よく見ると随所がパワーアップ(具体的にはカラフル&エロス)になっている。これはいけない。主に胸の大きさが。
「あのバニーは、ぎるてぃ。狙い撃つ、ぜー」
 やっぱりぎるてぃだった。ここに新たに乳狩り族が生まれてしまった。
 夜姫の声に応じるかのようにコスプレ衣装が飛んでくる。全員分。

 そして。
『……』
『……』
『……』
「……」
 順に、せくしーな衣装のぺんぎんさん、きゅーとな衣装のめんちさん、ばにー衣装のわにさん。むしろわにー。そして最後に黄色いヘルメットと猫のヒゲを付けたよるひーである。
「……解せぬー(釈然としないけど。ヨシ)」
 思わず本音と建前が反対になる夜姫。
 ぐだぐだっとしながらそれでも戦闘が始まっちゃうのでした。

 夜姫から二挺の拳銃が投げ渡される。
 それを受け取ったのはぺんぎんさん。すちゃっと構えたその態勢から存在感を露わにした後、両手の銃口から広範囲に誘導弾を一斉にばら撒き、さらには乱れ撃ちしていくぺんぎんさん。
「きゃー?!」
 駆逐されるバニー。このぺんぎんタダ者では無い……!

 それに対抗するように、存在感で対抗するめんちさん。こちらは羽ばたきで衝撃波を巻き起こしてバニー衣装を破壊(!!)しつつ、急降下爪攻撃で傷口(バニー衣装)を抉る。
「いやーんっ!!!」
 めんち無双である。

 そしてこちらも存在感で対抗しつつ、あらゆる防御を砕き、無視するデスロール(回転攻撃)をかますわにー。
「ごふっ?!」
 なんかここだけダメージの音が重いが、気にしてはいけない。

 夜姫のペット'sが繰り出すこの攻撃こそ!
「ぺっとすとりーむあたっく」
 夜姫の言葉通り、3匹が通り過ぎた後にはぺんぺん草1本も残らない(比喩表現)。そんなこんなでバニーたちがあっという間に狩られていく。

 そして静寂が訪れる。
「ヨシ」
 指さし確認して夜姫ご満悦。かっこよく構えた二挺拳銃は何だったのか。そうツッコむバニーは滅んだ(?)のである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディアナ・ロドクルーン
🌸🐺
なるほど、コスプレにはコスプレをして対抗しろと言う事ね
例えどんな衣装が出て来ようとも問題ない
こう見えても、何でも着こなせるんだから私。
頑張りましょうね、志桜

ぽいちょ、と飛び出してきた衣装は大きなカブ(着ぐるみ)
わぉ、トンデモ衣装が出てきたわね。かなりひくわ…

でもしょうがないわよね、敵をやっつける為なんだから仕方なく着てあげようじゃない
もっとまともな衣装なかったのかしらね!
(どすどすと手足をはやした大きなカブが森の中を歩く)
志桜ー、此処よ
さすが私の妹。何を着ても愛らしい、似合っているわ

ふふ。さて、この屈辱は敵にすべてぶつけましょう、ね?
さあ、行くわよ!殺意マシマシ(カブだけど)


荻原・志桜
🌸🐺
コスプレかぁ。可愛い恰好するの嫌いじゃないけど
お姉ちゃんがやる気ならわたしも頑張る!
だけどランダムで着るのも――えええっ?!これ着るの?!

ぽんっと出されたのは風船でも配っていそうなくまの着ぐるみ
強制的に身を包めば視界はぶっちゃけると最悪
頭の被り物も重くてよろつき乍ら

もふもふしてそうだし面白いかもと思ってたけど!
暑いし思ったよりもふもふしてない!!

お、おねえちゃああああん!どこおおおおお?!!
あううっ。こっち……お姉ちゃんの恰好もすごいね
それってカブ?お野菜に手足が生えてる(少し冷静になる
う、うん。あの敵をやっつけるために志桜もがんばる

ずんぐりとしたシルエットで仁王立ち
氷雪の刃を撃ち放つ




 ここにもハロウィンの国、コスプレの森に向かう影が二人。
「なるほど、コスプレにはコスプレをして対抗しろと言う事ね」
「コスプレかぁ」
 ディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)の言葉に荻原・志桜(桜の魔女見習い・f01141)はふむむと考え込む。
(可愛い恰好するの嫌いじゃないけど)
 そう思いながらちらりと横目で見たディアナの様子は。
「例えどんな衣装が出て来ようとも問題ない。こう見えても、何でも着こなせるんだから私」
 すっごくやる気だった。くるり振り向いたディアナの表情は輝いて(?)いる。
「頑張りましょうね、志桜」
「お姉ちゃんがやる気ならわたしも頑張る!」
 というわけで、やる気になった二人はコスプレの森へと向かったのだ。

 そこに現われる『サーバントバニー』。
「うさうさー!!」
 邂逅した瞬間、バニーたちが間髪入れずに仕掛けてくる。ウサウサスカイジャンプかーらーのーウサキ~~ック!
「ちっ、コスプレ衣装がまだなのに!」
「お姉ちゃん!」
 ディアナと志桜の間を裂くように大地に突き刺さるウサキック。破壊されていく地面を避けるべく咄嗟に飛び退いた二人は左右に分かれてしまい。そこへバニーたちが割り込んだ。
「くっ」
「もう!」
 コスプレするために一時撤退を選んだ二人はお互いとは逆方向へ駆け出すのであった。


 森の中までは追跡が無いようだ。そんなわけでコスプレ衣装を探して森の中を探索する志桜。
 落ち着いた環境なら衣装を選ぶこともできるらしい。しかしコスプレ衣装はランダムである。
(……だけどランダムで着るのも)
 とか悩んでいる志桜の元へ有無を言わさず、ぽんっと衣装が飛んでくるのも世の無常なり。
「――えええっ?! これ着るの?!」
 と声があげられただけマシと言えよう。出てきたのは遊園地とかで風船でも配っていそうなくまの着ぐるみ。それが視界を覆い、さくっと志桜を包み込む。
「!?」
 ぶっちゃけ視界は最悪だ。サイズはあっているけど、フルフェイス仕様着ぐるみの頭は重い。重さによろつきながらどうにか立っている志桜。
「くまさんって、もふもふしてそうだし面白いかもと思ってたけど!」
 頭の被り物の位置を調整するのに触っているけどその触感。
「暑いし思ったよりもふもふしてない!!」
 これはひどい! 泣きっ面で蜂ってやつである。
「お、おねえちゃああああん! どこおおおおお?!!」
 あ、本当に涙目になってる。
 絶叫しながら志桜はディアナを探すのであった。

 一方ディアナもコスプレ衣装を探して森の中を歩き回っていた……ら、ぽいちょ、と衣装は飛んできた。
「わぉ、トンデモ衣装が出てきたわね。かなりひくわ……」
 そしてげんなりしていた。その姿、大きなカブの着ぐるみである。見た目はカブから手足が出ている、食育番組で出てきそうな感じ。
「でもしょうがないわよね、敵をやっつける為なんだから仕方なく着てあげようじゃない」
 その言葉を聞いてカブの表面がつやっつやに輝く。もしかしてドMなのか?
 力を増した手足を生やした大きなカブ(ディアナ)は憮然としながらどすどす森の中を歩いていくのであった。

「おねえちゃぁぁぁぁぁんっ!!」
 そして聞こえてくる志桜の声。
「志桜ー、此処よ」
 というディアナの優しい声に導かれて。二人はどうにか合流する。
「さすが私の妹。何を着ても愛らしい、似合っているわ」
「あううっ。こっち……お姉ちゃんの恰好もすごいね」
 ディアナの言葉に照れる志桜。そして志桜も目の前のディアナを見る。お野菜に手足が生えている姉である。
「……」
 ちょっと真顔になって少し冷静になれた志桜であった。
「もっとまともな衣装なかったのかしらね!」
 まったく本当にその通りでござる。
「とにかくこれで互角以上よ。やるわよ志桜」
「う、うん。あの敵をやっつけるために志桜もがんばる」
 気を取り直して、二人はバニーの元へ急ぐのであった。

 かくして、再びバニーたちの前に立つ二人。
「ふふ。さて、この屈辱は敵にすべてぶつけましょう、ね?」
 殺意マシマシのカブが不敵に笑い、不穏な言葉を詠唱していく。
「ふふっ……わたしの魔法をみせてあげる!」
 こちらはずんぐりシルエットのくまさんだけど、詠唱がカッコいい。くまさんが仁王立ちしている見た目だけど!
「さあ、行くわよ!」
「さあ、凍てついてしまえ悪しきモノ」
 志桜の杖の先から放たれる冷気を纏った複数の魔弾が雨あられとバニーに降り注ぎ、凍結させていく。その中をかいくぐるように疾走するディアナは凍結したバニーに素手の一撃を叩き付ける。『相手を絶対殺すと言う強い意志』が氷の中のバニーの五臓六腑のみを攻撃する。【氷散弾】と【Giudizio del dolore】のコンビネーション炸裂。
 しかし今の見た目と違って、このコンビの攻撃、えぐいな!?

 コスプレの力は圧倒的だった。バニーたちはあっさりディアナと志桜の二人に倒されたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『悪魔王アマイモン』

POW   :    チョコラテ・ウォール
【万物をチョコ化するチョコレートの津波】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    チョコレート・ウォー
【チョコレートで出来た悪魔の軍勢】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    チョコラテ・イングレス
非戦闘行為に没頭している間、自身の【主催する鬼ごっこの不参加者と捕まった者】が【チョコレート化する魔王の権能を発動】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠シスカ・ブラックウィドーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 コスプレの森を通り抜け、ハロウィンの国へ歩を進める猟兵たち。
 ハロウィンの国に辿り着くと、そこはハロウィンだった。いや、何言ってるかわからないけど、街はハロウィンハロウィンしていたのである。
 しかし、猟兵たちはこの国に根付いているオウガの気配を敏感に感じ取る。それを辿るようにして街を中心へと進み……街の中央、円形の大広場は広大な青空キッチンとなっていた。そこにはありとあらゆる食材が積み上げられ、所狭しと調理器具が置いてあり、モニュメントのように調理台が並ぶ。野外にあるにもかかわらず、それらは見ただけで判るほどに清潔に保たれていた。

 そのキッチンの中央に。よくある魔王の椅子に座り、足をぶらぶらさせながら頬杖を突いている少女がいた。彼女こそが『悪魔王アマイモン』である。お互いが本能で、お互いを敵同士と見定める。
「猟兵よ。わらわのチョコに埋もれに来たのかえ?」
 不敵に笑いながら椅子から立ち上がるアマイモン。
「わらわこそチョコレートの支配者にして魔王、ついでにこの国のオウガたるアマイモン! なのじゃ!」
 威厳ある言葉、そしてその物言い。位の高いあくまである事は明白……ただし、身長はちまっとしていた。必然見下ろす猟兵が多い。
「ええい! わらわを見下ろすでないわ!!」
 椅子の上に立つアマイモン。視点が高くなったと同時に目立つ。
「ふふ、狙いやすくなった、とでも思ったか? 無駄じゃ、わらわはハロウィンの国の法則を使っている」
 あまりにも誘うので試しに遠距離攻撃をしてみる猟兵。それらはあっさり弾かれる。
「すなわち、無敵! この無敵を解き、お前たちがわらわを倒すには美味い料理を食わせるしかないのじゃ!」
 ……説明ありがとう。
 そんなわけでキッチンの前に立つ猟兵たち。

「ちなみにチョコレートはそれ単体で至高の食べ物ではあるが、ここでは料理とみなされぬゆえ、チョコレート持ってきました、は通じぬのじゃ! 心せよ!」
 華麗なアドバイスが響き渡る。あれだ、フェアに戦いたい感じで敵に塩を送りまくっているやつだ。懐が甘い、チョコの魔王だけに。

 さっそく料理に取り掛かる猟兵たち。アマイモンの言葉通り、倒すには彼女の無敵を解く……そのために美味しい料理あるいは気持ちを込めた料理を作るしかない!
 だが気をつけてほしい。料理をしている最中にもアマイモンは『チョコレート最高!』と攻撃を仕掛けてくる。それを凌ぎながら、目指せ料理マスター!


※2章の補足
材料および調理器具、料理道具は何でも揃っています。
料理にお菓子も含まれます。
ペアまたはグループの場合、協力して1品という形でもOK。
オープニングにあるように、ダークマターでも気持ちが籠もっていたらアマイモンは食べます。

プレイングには作る料理&拘りポイント、アマイモンの攻撃を凌ぐ手段のいずれかをお書きください。料理に限らず、拘りや強調したい点がありましたらプレイングにお願いします。無い時はるちるの想像で補います。

アマイモンは無敵なのでダメージは入りませんが、攻撃が当たらないわけではありません。
また『チョコラテ・イングレス』の不参加者に料理中の人は含まれません。料理人してないと含まれます。

この章からでも参加OKです。
また基本的にはコメディやギャグのノリ(具体的には1章のノリ)で書いていきますのでよろしくお願いします!
プレイングは今から受付開始です。
ディアナ・ロドクルーン
🌸🐺
ふ、ふふ。美味しい料理を食べさせればいいわけね、簡単じゃないの
ねー?志桜。

チョコレートを支配しているくらいだからチョコが好きなのよね
じゃあ、チョコレートケーキを作ってみましょうか

えーーーと。まずはチョコを砕いて(手で)
バターを溶かして(強火で温めたフライパンで)
小麦粉を入れて、混ぜればいいのかしら

大丈夫大丈夫、美味しくなーれ☆って魔法の言葉があるでしょ?
ああ、卵も多分入るわよね。(手で(以下略

お手伝い?はーい、じゃあチョコを…あ、はい。お湯入れちゃダメなのね

志桜のお手伝いをして、二人で美味しい魔法を掛けましょう
とっても美味しそうなケーキの完成

美味しくないはずはないわ、ね?(笑顔で威圧)


荻原・志桜
🌸🐺
お菓子作りなら任せて。何度も作ったことあるし
それにお姉ちゃんも一緒だし心配事なんてないね

チョコレートケーキ。うん、それでいこ!
にひひ、お姉ちゃんとお料理するの初めてだから楽しみなんだぁ
美味しいもの作って驚かせちゃおう!

それじゃチョコを――えっ、手で?
まあ包丁で細かくしなくても手でするぐらいあるよね、うん
バターは……ひえっお姉ちゃん?!

気持ちが込められていればどんな料理でも――、
いやいやいや卵握り潰してるよ?!

志桜が作るからお姉ちゃんはお手伝い!
湯煎でチョコを溶かして――チョコにお湯入れちゃダメだからね?
おいしくなあれ、なんて笑い乍ら徐々に完成するケーキに達成感
ふふ、どうぞ召し上がれ!



●チョコチョコショコラ
 尊大な物言いの『悪魔王アマイモン』に対して、ずずいと前に出た料理人、じゃなかった猟兵が二人。ディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)と荻原・志桜(桜の魔女見習い・f01141)である。

「ふ、ふふ。美味しい料理を食べさせればいいわけね、簡単じゃないの。ねー?志桜」
 狼の耳を自信ありげにピンと立たせながらディアナが志桜に笑いかける。
「お菓子作りなら任せて。何度も作ったことあるし」
 その視線を受けて志桜もまた自信たっぷりに姉に並ぶ。
(それにお姉ちゃんも一緒だし、心配事なんてないね)
 そう、姉の力は偉大なので何があっても大丈夫! そんな信頼感が志桜の自信をより輝かせる。

(チョコレートを支配しているくらいだからチョコが好きなのよね)
(たぶん?)
(じゃあ、チョコレートケーキを作ってみましょうか)
(チョコレートケーキ。うん、それでいこ!)
 小声でひそひそ話。方針がまとまったところで改めてアマイモンへ向き直る。
「なぁにをひそひそ話しておるのじゃ。そんな姉妹の微笑ましい光景すら、チョコの波の前では無意味なのじゃっ!」
 先手必勝とアマイモンがチョコラテ・ウォールを放って来る。
(にひひ、お姉ちゃんとお料理するの初めてだから楽しみなんだぁ)
 万物をチョコ化するチョコレートの津波が迫ってなお、志桜が笑顔を見せる。
「美味しいもの作って驚かせちゃおう!」
 津波に対して、高速詠唱で【氷散弾】を放ちながら、志桜は高らかに宣言するのであった。

●刹那のシリアス!
 チョコの津波が凍結、そのまま砕け散ると本来のチョコの姿に戻る。
「ええい、なら此処に鬼ごっこの開催を宣言するのじゃ!」
 なんでやねん。
 とツッコむ人はおらず、悪魔の恐るべき力が発動する。
「ふははは、この鬼ごっこに参加せぬ者は、って料理に集中しておるのじゃ!?」
 特殊ルール発動である。ハロウィンの国のルールにより、攻撃以外で料理を阻むことはできない!(この国では)。ディアナと志桜がるんるん気分でキッチンの前に立つ中。
「このままではぼっちで鬼ごっこを……む?」
 哀しげに能力を解除しようと思ったアマイモンの前に、黒狼がたくさん現れた。ディアナの【Wolf Fang Resonance】によって影より召喚された生を蹂躙する者である!
 その黒狼がアマイモンの前にお座りして号令を待っている。
「え、お前たち参加する?」
 アマイモン主催鬼ごっこに参加者が現れた……というか、一応攻撃する気満々なので。
「受けて立つのじゃ!」
 アマイモンの相手を黒狼がやっている間に、レッツクッキングするディアナと志桜なのでした。

●食べられたら料理だから(強火)
 アマイモンが始めちゃった鬼ごっこに黒狼が付き合っている間は安全だと思われる。
 チョコレートケーキを作り始めるディアナと志桜。

 白いエプロンを纏ってディアナと志桜がキッチンの前に並ぶ。早速チョコを手に取る志桜。
「それじゃチョコを――」
「まずはチョコを砕いてっと」

 ばきっ、べぎっ。

 横から、というか姉から不穏な音が聞こえて来てしまい。
(えっ、手で?)
 姉の力強い(?)調理方法に思わず二度見してしまう志桜。
「どうしたの、志桜?」
「ま、まあ包丁で細かくしなくても手でするぐらいあるよね、うん」
 そう、これは『ワイルドな調理法』なのだと思っておこう。もしくは人狼の本能的な何か、うん。
「次はバターは、っと……」
「溶かさないとねー」
 気を取り直してバターを手に取る志桜……の手からディアナがひょいっと取って、フライパンにIN。
「ひえっお姉ちゃん?!」
 なお、強火である。
「小麦粉を入れて、混ぜればいいのかしら?」
「ふえっ?!」
 それは混ぜるというより小麦粉のバター炒めになるのでは?
 色々察した志桜がディアナの手から慌てて(そしてさりげなく)バターと小麦粉を救出する。
 ほっとひと息つきながら、しかし志桜はグリモア猟兵の言葉を思い出す。

(そう、気持ちが込められていればどんな料理でも――)

 瞳を閉じてふぅと深呼吸して。もう一度気を落ち着けて……。
「ああ、卵も多分入るわよね?」
「いやいやいや卵握り潰してるよ?!」
 落ち着いていられなかった。姉の声に改めて目を開けた志桜。その目に飛び込んできた光景はディアナが素手で卵を割って……握り潰して? いるところでした。
「大丈夫大丈夫、『美味しくなーれ☆』って魔法の言葉があるでしょ?」
「あるけども!!」
 そろそろ料理方法じゃなくて、ツッコミが追いつかなくなりそうだ。

 このまま料理の味はさておき、志桜の体が持ちそうにない。
 あのアマイモンと相対した時の、姉と料理するというわくわくした気持ちはどこにいったというのか。
「志桜が作るからお姉ちゃんはお手伝い!」
 すかさずメイン交代である。ディアナの立っていたポジションへスライド移動する志桜。
「お手伝い? はーい」
 可愛い妹の進言に笑顔で交代するディアナ。
「次は湯煎でチョコを溶かして」
「じゃあチョコを……」
「チョコにお湯入れちゃダメだからね?」
「あ、はい。お湯入れちゃダメなのね」
 危なかった。チョコの湯煎じゃなくてチョコスープになるところだった。

 志桜の手引きでチョコレートケーキが徐々に形となっていく。
「二人で美味しい魔法を掛けましょう」
「おいしくなあれ、なんて」
 最後に二人で笑いながら『魔法の言葉』をかけてあげて。
 とっても美味しそうなケーキの完成。
 それを前にしてディアナと志桜は達成感に包まれるのであった。

●実食!
「よし、わらわの勝利! 狼とて悪魔の王には勝てぬのじゃ!」
 そこで鬼ごっこに勝利したアマイモンが再び攻撃態勢に入り……チョコレートケーキが出来ているのでそっちに目を奪われ、攻撃のターン終了。
「くっ……逆らえぬのじゃ」
 導かれるままにケーキが乗っているテーブルの前に座るアマイモン。
 そっとナイフを入れて切り分けて、フォークで口元へ運ぶ……。
「美味しくないはずはないわ、ね?」
 ディアナ の えがおでいあつ。
「え、いや、あの、せめて食べてからにしてもらえんか?」
 こうかはばつぐんだ? でも本当に感想は食べるまで待っていただきたい。
「ふふ、どうぞ召し上がれ!」
 志桜に促されるまま、口の中へ放り込むアマイモン。

「うむ! 見た目も美しく、そしてチョコも口の中で軽やかにとろけていく……」
 ご満悦なアマイモンの姿に、ディアナと志桜もハイタッチ。
「しかし、なんというか、その大味なんじゃが……」
「ワイルドと言ってください」
 志桜の援護射撃。 クリティカル。
「あの、卵の殻が入っておるんじゃが……」
「愛情よ」
「刺激的じゃな……」
 ディアナの断言に、そっと目を伏せるアマイモンと志桜であった。

「うむ! 美味かった!」
 そんなわけでアマイモン、チョコレートケーキ完食である。
「むぅ……眠く……」
 そのままテーブルの上に、ぺたーんと倒れ込むアマイモン。しかしまだ半覚醒のような状態。攻撃は通じそうにない。

 後は仲間に任せるしかあるまい。
 この場を後続の仲間に譲りつつ、ディアナと志桜はお片付けに入ったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シスカ・ブラックウィドー
アイさんと
※宿敵主です

あれが悪魔王アマイモン......我が映し身か。恐らくはわらわの伝説がオブリビオンとして骸の海から蘇ったのであろう。いや、あるいはわらわの方が......。

ってそこ! 何をいちゃついておる!

契約者のシスカの方を振り向くと、アイの頭を撫で撫でしたり、アイのほっぺたについたクリームを指ですくって舐めたりとラブコメしていた。

心の中で涙を流しながら、アマイモンと壮絶なミラーマッチ(鬼ごっこ)を繰り広げ、調理時間を稼ぐ。

シスカ「よし、ケーキ入刀......じゃなかった、ショコラ、完成したよ! 特製ウエディングケーキ!」

満腹で永遠の眠りにつく映し身を静かに見送ろう(シリアス)。


アイ・ブラックウィドー
シスカさんと
「ショコラさんのそっくりさん……ショコラさんの親戚の方でしょうか。
これは、頑張って美味しいものを食べていただかないと!」

タキシードを腕まくりしてキッチンに立ちます。

私は料理は苦手なので、あんまり役には立てませんが……
こういう方法なら、役に立てますっ!

「いきます、シスカさんっ!」

食料庫で食材を持った状態で【真夏の夜の夢】によって、キッチンのシスカさんと位置を入れ替え。
一瞬で食材を補充し、再度入れ替わります。

また、お菓子のデコレーション中も位置を自在に交代し、シスカさんの作業効率を大幅アップです!(ついでに悪魔軍勢に攻撃

「さあ、二人の共同作業で作ったウェディングケーキ、召し上がれっ!」



●その邂逅は運命にして終焉(シリアス)
 テーブルの上でうつらうつらしている『悪魔王アマイモン』。
「起きよ!」
 鮮烈な声はショコラ――シスカが【悪魔王ショコラ】で呼び出した悪魔から。

 本来ならこのまま眠らせておく方が正解であろう。しかしそれはこの二人の邂逅において許されないものでもある。
 なぜなら、彼女たちは写し鏡のような存在であるから。
 見た目ほぼ変わらぬ二体のチョコレートの悪魔が真正面から睨み合う。

(あれが悪魔王アマイモン……我が映し身か)
 ショコラの心中は複雑だ。
(恐らくはわらわの伝説がオブリビオンとして骸の海から蘇ったのであろう)
 ゆえに自身こそが本体であり、アレは過去から漏れ出たもの……いや。
(あるいはわらわの方が……)
 その疑念は拭いきれない。悪魔という時間の概念をある程度無視する者であるからこそ、時間すなわち『今』が根拠にならない。
 どちらが本当でどちらが嘘なのか。それを決めるものはただひとつ。勝つことだ。そしてアマイモンとショコラは不倶戴天の存在。
「ふっ、どうした、わらわであってわらわで無い者よ」
「どうもしておらん。どうやって滅してやろうかと考えておったところじゃ」
 戦うことに微塵も躊躇は無く、ショコラとアマイモンの周辺にチョコの噴火が起こり始める。
「ゆくぞシスカ! ここで奴を終わらせ……ってそこ! 何をいちゃついておる!」

 契約者のシスカの方を振り向くと、アイの頭を撫で撫でしたり、アイのほっぺたについたクリームを指ですくって舐めたりとラブコメしていた。

 とは後にショコラが語った的確な状況説明である。

●あまーい!!(色んな意味で)

 時を戻そう!

 ショコラがアマイモンを起こして邂逅しているその後ろで。
 シスカとアイは早速料理にかかっていた。アマイモンは存在ゆえにショコラのことを無視できまい。彼女の攻撃を押し留めるにはこれ以上の采配は無いというくらい的確である。

「ショコラさんのそっくりさん……ショコラさんの親戚の方でしょうか」
 そんな様子にごくりと生唾を飲みこむアイ。これから起こることを想像して、ぷるぷる首を横に振る。そう怯んでなどいられない。
「これは、頑張って美味しいものを食べていただかないと!」
 あれ、ちょっと待って? どういう方向?
 というか何故にいまだタキシード(胸の当たりがベストフィット)なのか。
 横を見るとウェディングドレスの上からハーフエプロンという属性てんこ盛りなシスカがやる気である。
「よし、美味しいケーキつくっちゃおう!」
「はい!」
 シスカの言葉にタキシードを腕まくりするアイ。そしてちらり横を見るとシスカもこちらを見ていた。
 ちょっとさっきのことを思い出して、『えへへ』と頬を赤らめながら笑い合うシスカとアイ。
「ってそこ! 何をいちゃついておる!」
 ツッコミが入りました。

 それはさておき、アマイモンを倒すには美味しい料理で眠らせるしかない。
 ゆえにシスカとアイが作り出す料理こそ、アマイモンに対する『銀の弾丸』となりうるのだ。
 なのでアイさんの気合の入りようが尋常ではない。ただし向かっている方向が正しいとは言えない。落ち着いて、ここは斬新すぎる披露宴会場じゃないです。

 熱意が暴走しがちなアイであるが、理論はばっちりである。
(私は料理は苦手なので、あんまり役には立てませんが……こういう方法なら、役に立てますっ!)
 つまり料理担当はシスカらしい。
「いきます、シスカさんっ!」
「わかった!」
 【真夏の夜の夢】。恋人、すなわちシスカとの位置を入れ替えることを主軸とするユーベルコードを利用して、アイが食材の元へ走る&抱える→【真夏の夜の夢】→材料を置く→【真夏の夜の夢】という、『一瞬で食材を補充し、再度入れ替わり作戦』である。
 交代に要する時間はごく一瞬。シスカが料理を続ける最中、材料や道具が次々とキッチンに用意されていく光景。
 ついでにアマイモン軍勢に電脳魔術による奇襲を仕掛けてショコラを助けるアイ。

 手際よくケーキが作られていく。デコレーションも【真夏の夜の夢】で位置を自在に交代することで、シスカの作業効率大幅アップ!

 そして完成するケーキ!

「よし、ケーキ入刀……じゃなかった、ショコラ、完成したよ! 特製ウエディングケーキ!」
「おそいわばかもの!」
 心の中で涙を流しながら、アマイモンと壮絶な鬼ごっこ(ただしほぼ能力が一緒なので壮絶なミラーマッチと化していた)を繰り広げ、調理時間を稼いでいたショコラが叫ぶ。
 ちなみにショコラの言葉はケーキが出来るまでの時間への指摘なのだが、この流れで読むと、ウェディングが遅いとも聞き取れますね?(悪しき気配?)

「さあ、二人の共同作業で作ったウェディングケーキ、召し上がれっ!」
 初めて(?)の共同作業はウェディングケーキ作りでした。自分でも何を言っているかよくわからないが、事実とは想像を超えていくものである。

 とっても素敵なウェディングケーキを目の前に、アマイモンは攻撃の手を止めざるを得なかったのです。

●チョコとクリームと素敵な甘み
 アマイモンを、チョコを圧倒する白いクリーム。
「何故に、ウェディングケーキなのか……」
 ですよねー。そこツッコミですよねー。
 しかし、食べないという選択肢はアマイモンにはない。

 シスカとアイが切り分ける(ケーキ入刀?)のをじっと待ち、ショコラによって目の前に運ばれてきたケーキをフォークで口に運ぶアマイモン。
「これは……優しい、とても優しい味じゃ」
 その甘味料の名を『幸せ』という。それは悪魔とは対極にある存在、感情かもしれない。しかし、それゆえに抗いがたい美味しさがある。フォークを口に運ぶ手が止まらない。

 チョコレートを支配する魔王がクリームに包まれていく。満たされるのは空腹か胸中か。それはアマイモンにしか、あるいはショコラにしかわからないだろう。

「む……」
 ケーキを口に運ぶ毎に眠気が増していく。しかし眠気を感じてもなお手が止まらない。サーブされていくケーキを次々とお腹の中へ入れていくアマイモン。

 そしてアマイモンの静かな寝息がその場に響く。

「……」
 満たされた様子で熟睡する宿敵の前に、無言で立ったのはショコラである。
「…………さらばじゃ」
 ふわふわのクリームに包まれているかのごときアマイモン。その様子に湧き出る様々な感情を振り払い、ショコラの呼び出したチョコがアマイモンを飲みこむ。

 そのまま永遠の眠りにつく映し身を……ショコラは静かに見送ったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



 こうして永遠の眠りについた『悪魔王アマイモン』。
 鏡のような存在であるショコラとの激闘(?)、それに至る戦いの、さらにその前に。

 ひとつの戦い(?)があったことを以下に残す。
響・夜姫
●アドリブ、連携歓迎

「チョコ食べ放題と聞いて」
違う?ショコラティエ選手権?
「バレンタインの経験が生きる」

めんち…戦闘、お玉、かき混ぜ担当
わにー…戦闘、運搬担当
戦闘でチョコまみれになったら
「竜とワニのチョコフォンデュ。……美味しくなさそう」
洗ってこーい。

「おいしくなーれ。燃え燃えきゅんー」
チョコ悪魔の軍勢を美味しくいただいたり材料にしたりしながら
トリュフやチョコケーキ、パイを作る。
「ハロウィンだし。カボチャもいれよう」
潰してペースト状にして混ぜたり甘く煮つけてフォンデュしたり。
茄子と胡瓜も……行けそう?行ける?どうだろ。

ぺんぎんさんは結婚式に出る様なチョコケーキ作ってた。
またクオリティで負けた。



●本体……じゃなかった本命はペットの手による
「チョコ食べ放題と聞いて」
「全然違うのじゃ」
 開口一番、響・夜姫(真夏の星の夢・f11389)が放った言葉は『悪魔王アマイモン』に届く前にチョコの腕で叩き落とされたのである。

 そう、夜姫が他の猟兵より一足早く辿り着いたのはチョコを食べるためだったのだ! 

「違った……。ショコラティエ選手権?」
「うーむ、まぁもうなんかそんな感じで」
 なんか違うような気もするが、料理するという方向性からすれば一緒だろう。こくりと頷いたアマイモンに、夜姫はペット'sを振り返る。
「バレンタインの経験が生きる」
 ここはチーム戦でいくらしい、チームよるひーであった。

●料理とは闘いだ!
 そんなわけで料理開始である。
「担当ー」
 夜姫の合図に合わせてずらりと並ぶペット's。担当を書いたスケッチブックを手に持ったり首からかけたりしている。

 めんち(大型犬サイズのワイバーン)さん⇒『戦闘、お玉、かき混ぜ担当』
 わにー(グリシャンで従えた賢いワニ)さん⇒『戦闘、運搬担当』

 まてい、わにーってまだコスプレしてるんかい。めんちさんはキュートなはろうぃんわいばーんだし、わにさんはバニーのままである。
 その時夜姫は気付いた。
「……ぺんぎんさんは?」
 1匹姿が見えない。探そうときょろきょろしている夜姫に。
「なにをしておるのじゃぁぁぁ!!!」
 しびれを切らしたアマイモンがチョコレート・ウォーを仕掛けてきた。突如アマイモンの足元からチョコレートで出来た悪魔の軍勢が現れ、チームよるひーに迫ってくる!
「わにー、わにー。出番だよー。めんちー、いっしょに、やっちゃえー」
 チョコの軍勢に向かって、めんちさんが空を飛び、その下をわにーがローリングアタックを仕掛ける! 1匹足りないけど【動物大行進(フリーダム・ランペイジ・ストリーム)】である!

 激突する両者!

「竜とワニのチョコフォンデュ。……美味しくなさそう」
 頑張ってチョコ軍団倒したのに。しょんぼりするめんちさんとわにーさんを夜姫さんは優しく送り出す。
「洗ってこーい」
 綺麗なめんちさんとわにーさんが戻ってきました。

●チョコチョコしましょ
 チョコ悪魔軍団とぺっとすとりーむの幾度も繰り返される激突(とその間に入るお風呂)。
 その間に夜姫は料理を着実に進めていた。なお、アマイモンはチョコの軍勢の指揮およびたまに夜姫が奪っていく(その間はめんちさんが頑張って料理する)のでチョコを補充するのに忙しい。
 そして出来上がる料理。
「おいしくなーれ。燃え燃えきゅんー」
 夜姫が魔法をかけて完成である。ちなみに誤字ではないし、夜姫の口の横にチョコがついているのは見逃して差し上げて。
 チョコ悪魔の軍勢も材料にしたりしながら作り上げたのは、トリュフチョコやチョコケーキ、そしてチョコパイである。
「ハロウィンだし。カボチャもいれよう」
 と、味と見た目の両面からカボチャをチョイス。潰してペースト状にして混ぜたりとか甘く煮つけてチョコフォンデュしたりとか。
「茄子と胡瓜も……行けそう? 行ける?」
 ハロウィン的にはありだと思います。

 出来上がった料理を目にしてアマイモンのチョコレート・ウォーの軍勢が攻撃の手を止める。
「こ、これは……!」
 抗いがたい引力に引き寄せられてアマイモン着席。早速チョコケーキの皿を手に取る。
「ハロウィンじゃな。カボチャじゃな。良い、良いぞ」
 そしてひと口ぱくり。
「カボチャの自然な甘みとチョコの強い甘さが、掛け算でとても甘い」
 しかしくどくは無いようで、もぐもぐ食べていくアマイモン。
「んー、茄子と胡瓜は……素材が素朴すぎやせんか?」
 チョコがかかっていたとしても野菜である。素材そのものは美味しいのだが、チョコフォンデュとしてはどうなのか。ただしハロウィンっていうかお盆要素でプラス加点。
「どうだろ?」
「うむ! 美味! ……くっ、眠くな……すやー」
 満足げに平らげた後、そう告げて眠りにつくアマイモン。
 熟睡した今ここがチャンスだ!

●裏切りはここからはじまる!
 しかしそれを遮った者がいた……そう、ずっと戦闘にも姿を見せなかったぺんぎん(妙に人間くさい宇宙ペンギン)さんがここでエントリーだ!
「……!!」
 無言で驚愕する夜姫。ぺんぎんさんの手には結婚式に出るようなチョコケーキがあったのだ。ちなみに身長差というか体格差というか、側から見たらすごく大きいチョコケーキが歩いているようにしか見えない。
「……またクオリティで負けた」
 がっくりと肩を落とす夜姫。そしてドヤ顔のぺんぎんさん。

 ショックの大きさからか、そのままとぼとぼと踵を返す夜姫さん。それについていくペット's。
 その場に残されたのはすやすや寝ているアマイモンのみであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



 猟兵たちの様々な激闘と料理を通じて、『悪魔王アマイモン』はハロウィンの国より撃退された。
 とっても美味しい料理を食べて逝けたのである。
 その心中は……秘密としておこう。

最終結果:成功

完成日:2020年11月01日
宿敵 『悪魔王アマイモン』 を撃破!


挿絵イラスト