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鏡の守護者

#UDCアース

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#UDCアース


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「皆さん、集まっていただきありがとうございます。」
 アトはいつもの笑みを湛えながら、グリモアベースに集まった猟兵たちを出迎えていた。
「今回、とある邪神が復活するという予兆を見ました。
 名前は『ノーメン・ネスキオー』。
 悪意に追い立てられて自殺に追い込まれ、それによって落とされた命の残滓の集合体です。
 普段は電子の海を自在に泳ぎ回り、SNSなどから対象の精神を追い詰め……命を落とせば、それを取り込みます。
 ……まぁ、そんな邪神が通信会社の電波塔が立つ、とあるビルの屋上に現れると知ったのですが、」
 アトが言い淀むと、手の上のグリモアが輝きを放つ。
 グリモアベースの壁に映しだされたビルの屋上には、1人の女性の姿。
「その気配につられたか、ほかの者も現れてしまいました。
 彼女の名前は『マーセナリー』。
 かつてはUDCの協力者として邪神を屠ってきた、『オオカミ殺し』と呼ばれた傭兵でした。
 しかし……何かの拍子に過去を奪われ、現在は邪神の先兵となってしまいました。
 それでも自身の矜持を忘れず、邪神との戦いに挑む者へと立ちふさがり、自身を倒せぬ者には邪神へ挑むなと警告をするようです。
 もっとも……彼女は手加減をしません。
 警告を聞く前に、破れた相手は死んでいるでしょう。」
 そう言ってアトの手の上でグリモアが光を放てば、ビルの屋上へとゲートが繋がった。
「確かに彼女は強力な力を持つ者ですが、皆さんもこれまで様々な強敵と戦ってきたことでしょう。
 諦めなければ必ず勝てます……ご武運を。」


ヨグ
 ヨグです、UDCアースの物語となります。
 邪神退治の前に一仕事。
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第1章 ボス戦 『マーセナリー』

POW   :    神格解放、領域殲滅『神威息生・赤灼燎原』
【荒れ狂う轟雷をまとう巨大砂塵嵐】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【予兆後に広域を薙ぎ払う超熱線砲撃】を放ち続ける。
SPD   :    刻印チェーンソー『吠え狂う盲愛』
【因果律を歪め標的を空間ごと削る邪神兵装】で攻撃する。[因果律を歪め標的を空間ごと削る邪神兵装]に施された【標的数無限、射程無限、遮蔽無視、妨害無視】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    貴方が越えるべき貴方(アナザーワン)
自身の【行動停止及び敵対者の全兵装全能力制限解除】を代償に、【敵対者が最も恐れる“罪”と“罰”の具現化】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【敵対者に最も強い精神的苦痛を与える攻撃】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレナ・ヴァレンタインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「よう……お前ら、邪神と戦うんだって?」
 現れた猟兵たちへ、女性は紫煙を吐きながら問いかけてきた。
 そのまま獰猛な笑みを浮かべて、邪神の力の宿るチェーンソーを吹かし、
「だったらあたしを超えてみせな……お前らの力を見てやるよ。」
久瀬・了介
オブリビオンは殺す。全て殺す。
邪魔をするなら貴様も殺す。
【早業】でアサルトウェポンを構え全弾叩き込む。弾倉が空になったら間髪入れず次の弾倉に入れ替え【2回攻撃】。銃身が焼き付くまで撃ち続ける。防御を捨てた全力攻撃。
反撃を食らい瀕死になったら【戦場の亡霊】。戦場の亡霊…即ち悪霊としての自分。エクトプラズムと化し、肉体から離れて敵に襲いかかる。
純粋な怨念の塊になる事で戦闘力を【限界突破】。
祟り縄を放ち敵に絡み付け【呪詛】【体勢を崩す】で高速の動きを鈍らせる。
更に【2回攻撃】で追撃。エクトプラズムを刀状の怨念武器に代え【精神攻撃】で敵の心を切り裂く。
肉体が滅びようとオブリビオンは殺す。必ず殺す。



「さて、まずはお前っ!?」
 女性がチェーンソーを持ち上げた瞬間、アサルトウェポンの弾丸が嵐のように叩き込まれる。
 言葉を発する途中から容赦なく射撃を始めたのは、久瀬・了介(デッドマンの悪霊・f29396)。
「オブリビオンは殺す。全て殺す。」
「……へぇ、やるじゃねえか。」
 対する女性は勢いよくチェーンソーを振り回し、弾丸を弾いていく。
 それを見た久瀬は表情も変えず、弾倉が尽きても即座に入れ替えて、
「邪魔をするなら、貴様も殺す。」
「気に入ったぜ。だが、」
 感情の篭もらない声と共に弾丸を放ち続ける久瀬に対し、徐々に女性の身体は紫電を纏い始める。
 徐々に身体が砂塵の竜巻へと変わり、
「あたしの身体に届かないようじゃ、足りねえぜ?」
「オブリビオンは殺す。」
 ガキン! ……久瀬の手の中で、焼き付いた銃身に弾丸が詰まる。
 動きが一瞬止まった、その時……竜巻から放たれた熱線に、久瀬の身体は塵と化していた。

「あーあ、やっちまったな……まぁ、その腕じゃ無理ってもん」
 竜巻から女性の声が響いた時、突然竜巻が横に断たれた。
「なっ!?」
「……は、殺す。」
 脳裏に響く、久瀬の声……見れば、悪霊となって起き上がる久瀬の姿があった。
「たとえ……肉体が、滅びようと。」
「はっはっは! まだ隠し玉があったってわけだ!」
 恨みの声と化した久瀬に対し、竜巻から響くのは女性の笑い声。
 祟り縄を絡みつけられて身動きの出来ぬ竜巻へ、久瀬の操るエクトプラズムの刀身が迫る。
「オブリビオンは殺す。必ず、殺す。」
 呟く声は変わらず……振り切られた怨念の刃によって、砂塵の竜巻は掻き消えた。
 そこにいるのは、亡霊となっても敵を探す久瀬と、
「……いいねぇ、合格だ。」
 ニヤニヤと笑いながら、紫煙を吐き出す女性の姿。
 久瀬が刃を振り上げるのを女性は手で制し、しっかりと久瀬を見つめて言い放つ。
「もう、お前の邪魔はしねぇよ。……好きにやりな。」
「……あぁ。」

成功 🔵​🔵​🔴​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞ

なるほど、君も邪神狩りだったんだね
残念、健在であれば共に自爆道を歩めていただろうに。
邪神死すべし自爆でGO
これ、キャッチフレーズね

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆することが最優先
自爆さえできれば台詞も活躍もいらぬ!

ただ自爆するためだけに現れる存在

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない一歩も動かず即自爆
大事なのはスピード
そう、スピードなのですぞー

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ



「さて、次は……。」
 辺りの気配に目を配る女性……しかし、その姿は見えない。
「ふん、隠れるか。いいぜ、殺す機会を見極めるのもやり方だ。」
 獰猛な笑みを浮かべる女性の手の中で、吹き上がるチェーンソーの封印が解かれていく。
 刃の長さに関係なく、標的を空間ごと斬り裂く力。
 因果律を歪めるその力の前では、もはやどこに隠れようとも、
「だがな、邪神もいつまでも待ってくれねえぞ!」
 ブンと一薙ぎした瞬間……すぐ横の空間が斬り払われる。
 そこにいるのは、『うつ』と『ろぎ』と書かれた文字。
「はん、その程度」
「うつろぎ式・切宮殺戮術『一爆鏖殺』!」
 ドーン! ……虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)の4文字は爆発した。
 不意をつかれた女性も吹き飛ばされ、
「くっ、やるじゃねえか。……ん?」
 炸裂した所を見下ろせば、ピクピクと震えるうつろぎの文字……。
「あっはははは! お前、自分の身を犠牲にするのがやり方か!」
 ひとしきり笑い、その間も起き上がることもできない様子に、
「今の姿は不合格だって言いたいがな、あたしに手傷を負わせたのは認めてやるぜ。」
 ニヤリと笑い、次の猟兵へと向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

波狼・拓哉
邪神狩りねぇ…まあ、ご愁傷さまです?いや大変ですねの方かな?というか今このまま帰ったら邪神殺しといてくれたりは…ない?

…まあ、いいですけどね
おにーさんは戦いませんしーミミックー相手してやってー
さあ、化け撃ちな?高速移動で翻弄しつつ撃って行く感じで

戦いに参加しないようにコミュ力使って演技しつつ、ミミックが暴れてる戦場に近づかないようにしつつ攻撃余波を避けておく
ミミックに意識を持っていかせて闇にまぎれ、目立たないようにして…一番良いタイミングでチェーンソー狙っての武器落とし、封印解除時とかかな
別に落とさなくとも問題なし、意表さえつければその隙をミミックが何とかしてくれるでしょう

(アドリブ絡み歓迎)



「邪神狩りねぇ……まぁ、ご愁傷さまです? いや、大変ですねの方かな?」
「あ?」
 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)の緊張感のない言葉に、女性は怪訝そうな視線を返していた。
「というか、今このまま帰ったら邪神殺しといてくれたりは……ない?」
「んなわけねーだろ。お前らが倒すのを見届けてやるのが、あたしの役目だ。」
「あ、ないですね、そうですね……まあ、いいですけどね。」
 チェーンソーを吹かして立ちはだかる女性。
 その様子に、波狼はため息交じりに懐からミミックを取り出し、
「おにーさんは戦いませんしー、ミミックー相手してやってー。」
「……使役獣か、どんなもんか見てやるよ。」
 投げられ転がる箱型に対し、女性はチェーンソーを振り上げていた。

「……さすがに、あれに斬られたらただじゃすまなそうですね。」
 ちょこまかと避けるミミックに振り下ろされる、因果律をも断ち斬るという刻印チェーンソー。
 戦場の外で少し心配そうに呟く波狼に、女性は獰猛な笑みを浮かべたまま顔を向け、
「お前のペット、まだなんか隠してるだろ?」
「あ、わかります?」
「そりゃそうだろ。ろくに反撃らしい反撃もしてこない奴で、邪神と戦う気でいるのか?」
「あっはっは、そんなわけはないですよ。ミミック!」
 波狼の言葉に合わせ、ミミックのサイズはそのままに、形状が宇宙戦艦のそれへと変わる。
「さあ、化け撃ちな?」
「よし、やって見せろ!」
 チェーンソーを振り下ろすも、さらに高速で飛行するミミックには当たらない。
 横に動いたミミックの主砲が光を溜め、光線を撃ち放つ体制に入る。
「なかなかやるな。」
「そうですねっと。」
「くっ!?」
 女性がチェーンソーで受けようと引き戻した瞬間、衝撃波を纏うBB弾に指を弾かれた。
 その衝撃にチェーンソーを取り落とし、ミミックの放つ光線に呑み込まれていく……。
「……終わったかな?」
 隠し持っていたモデルガンを手に呟く波狼。
「あっはははは! やるじゃねえか!」
「あ、まだ生きてたんですね。」
 光線が消え、傷つきながらもケラケラと笑う女性。
 うんざりした顔をしながらも、波狼はモデルガンを構えつつ、
「まだ、やります?」
「いいや、お前の力は解ったよ。合格だ、邪神も騙し撃ってやれ。」
「はは、じゃあそうしますかね。」
 波狼は元の箱の姿に戻ったミミックを抱え、敵意が消えた女性を狙っていたモデルガンを降ろしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼月・暦(サポート)
 デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。

 普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「へぇ、アナタが私を試してくれるのね!」
「……ああ?」
 いかにも小さな女の子、という外見の蒼月・暦(デッドマンの闇医者・f27221)。
 その無邪気な声に女性は少し面食らっていたが、その小さな手に握られた微細振動を起こす改造ナノブレードを見つけ、目つきが変わる。
「お前さんも、邪神に挑むんだな。」
「うん!」
「そうか、なら……試してやるよ。」
 女性が身を翻したと思えば、その姿を砂塵嵐へと変えていく。
「さぁ、来な。」
「うん! 頑張るよ!」
 さらに轟雷を纏い始め、内側に熱エネルギーを溜め始める砂塵嵐。
 そんな姿も気にせず、蒼月は正面から突っ込んでいった。

「てりゃあああ!」
「……別に構いやしないが。」
 女性の変じた竜巻から弱い光線が周囲に発射され、それに照らされようとも……蒼月は足を止める様子がない。
「悪いが、あたしの方が先だぜ?」
 言葉と共に、光線の走った跡を超高熱の熱線が薙ぎ払った。
 蒼月の姿も熱線に呑まれ……。
「これだけなら……。」
 無理やり防いだ左腕が吹き飛び、血が飛び散る。
「耐えられるよ!」
 しかし、蒼月の血はナノブレードに纏わりつき、動きに合わせて血の刃へと変わった。
 まるで蛇のように伸び、砂塵嵐の中の女性へと襲い掛かる。
「……何? ぐあっ!」
 悲鳴と共に嵐が止み……女性は腕を抑えて立っていた。
 突きつけられた血の刃に、傷のない方の掌を向け、
「はは、合格だ。いい腕だぜ。」
「ふふ……よかった。」
 若干青ざめた顔を安堵に変え、蒼月はナノブレードを降ろした。
 纏わりついていた血は左腕のあった場所へと流れ込み、見る間に左腕へと変わっていく。
「ちょっと、血が足りなかったの。」
「ははは! 身体が小さけりゃ仕方ねえよ。だが……一撃食らわせられるなら、それでいいんだぜ?」
「うん、そうだね。……ありがと。」
 笑みを浮かべて親指を立てる女性に、蒼月は自然に笑みを返していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリッセ・トードゥ
「邪神とやらを倒しに来た。…そこを、退いてくれ」
不必要な戦いはしたくない。一応頼んでみる。…無理、なんだろうな。だったら押し通らせて貰う!

狭い建物の屋上故、キャバリアは使わない。自身の体のみで戦う。全力では無いとは思うな。人機一体。降機していても私の強さは変わらない。
【加速機能】。身体速度と思考速度を超加速。敵の兵器の射線と攻撃の予兆を【瞬間思考力】と【戦闘知識】で察知し、【肉体改造】で超人的に強化された身体能力で回避。どれだけ威力が高くとも当たらなければ!
攻撃の隙を突いた【早業】の【カウンター】で攻撃。フォースセイバーの【衝撃波】を飛ばして【切断】する。
これが私の力だ。……満足して貰えたか?



「邪神とやらを倒しに来た。」
「そうかい。」
 歪なチェーンソーを手にこちらを見つめる女性へと、静かに語り掛けるアリッセ・トードゥ(BE-MADER・f30023)。
「不必要な戦いはしたくない。……そこを、退いてくれ。」
 この戦いに意味はない。
 ましてや、腕前を試すなどという理由は……。
「はっはっは! それはできない相談だねぇ!」
 しかし、女性からの答えは、勢いよく吹かされるチェーンソーのエンジン音。
 口調は軽いが、その目は真剣そのもので。
「お前さんは戦いたくない。だが、あたしは戦いたい。……だったら、どうする?」
「ああ、だったら……。」
 アリッセは武器を持たず、半機械の肉体で構えを取り、
「押し通らせて貰う!」
「いいねぇ、満点の答えだぜ!」
 その一息で……目の前まで来た女性がチェーンソーを振り下ろすのが見えた。

「……来るのが解っていれば。」
 女性のチェーンソーは屋上の床を抉る。
「避けるのは難しくはない。」
 そこにいたはずのアリッセの声は、女性のすぐ横からかけられていた。
「なるほど、な!」
 言葉の最中に、横薙ぎに振るわれるチェーンソー。
 しかし、その刃も空を切る……脳を構成する演算機器に加速された思考能力の前には、不意を衝く攻撃ですら予測が可能で、
「ぐっ!?」
 薙ぎ払う軌道の内側に身を置き、勢いに反するように差し込まれたアリッセの手刀が、女性の腹を貫く。
 いくら予測を立てても、身体が動かなければ意味はない……しかし、アリッセの身体に埋め込まれた機械は、それすらも可能にしていた。
「……これが、私の力だ。」
「へっ……いいねぇ。」
 女性の手からチェーンソーが落ちる……床に落ちると、そのまま黒い塵となって崩れていった。
 口元から垂れる血も気にせず、女性は笑っていた。
「満足して貰えたか?」
「あはは……もちろん。」
 覗き込むアリッセの目を力強く見返し、
「お前なら倒せるぜ……かましてやれ。」
「ああ。」
 黒い塵へと変わる女性に、アリッセは一つ頷き……周囲に涌きあがる気配に身構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『『都市伝説』ドッペルゲンガー』

POW   :    自己像幻視
【自身の外見】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【全身を、対象と同じ装備、能力、UC、外見】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    シェイプシフター
対象の攻撃を軽減する【対象と同じ外見】に変身しつつ、【対象と同じ装備、能力、UC】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    影患い
全身を【対象と同じ外見(装備、能力、UCも同じ)】で覆い、自身が敵から受けた【ダメージ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 電波塔に一筋の稲妻が走る。
 電脳の世界から邪神が顕現しようとしていた。
「……う、ああぁぁ。」
「うぅ……。」
 うめき声に目を向ければ、黒い影のような物が屋上に集まってきた。
「き、きぃさまらのぉ……、」
「かおをぉ……よぉこせぇぇ!!」
 その姿が猟兵たちのものへと変わっていく……。
アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

あらあら、出遅れたわねぇ。
姿だけならともく森羅万変までコピーするなんて(くすくす
それは『変化』の概念そのもの、宿すだけで存在そのものが『変化』し続けて保てなくなるわよ。
制御しようとする意志も行動も『変化』させられてしまうから、それを制御なんて出来ないわよ?
私が何故無事かって?ふふ、秘密よ♪(くすくす
(赤の女王曰く「今に留まりたければ全力で走り続けなけれならない」。現状維持も周囲の『変化』に合わせて維持する方向への『変化』なのよね。制御しようと抑え込もうとするから失敗するのよ。この力、実は『変化』の意志と行動だけは『変化』させられないのよね)


久瀬・了介
焼き尽くされた肉体を「怨念義肢」で補い、人間の姿を取り戻す。更に全身を「呪詛包帯」で被い「蘇生体」を高速再生。オブリビオンを殺し尽くすまで怨霊は滅びない。

UC【雷人】 で黒い雷を纏い宙に浮く。
敵達に放電を放ち、麻痺効果で【捕縛】し動きを止める。
能力をコピーされ、同じ様に麻痺放電を放たれたら、オブリビオンへの怒りと怨みを【呪詛】の力に換えた【オーラ防御】で打ち消す。
姿や能力を真似たくらいでいい気になるな。俺の力の根元は貴様らへの怒りだ。復讐の誓いだ。それが無ければこんな体、屍にすぎん!
復讐の衝動を「ヴォルテックエンジン」で高圧電流に換え、強力な電撃を放ち【属性攻撃】【範囲攻撃】で敵を焼き払う。


アリッセ・トードゥ
自分自身の群れと戦うのは気分のいいものじゃないな。
だが所詮は偽者。蹴散らして進む。

【一機当千】使用。多数を相手にする戦局では私のサイキックフォースは通常の三倍になる。
両腕の手刀に纏った力場を伸ばしたフォースセイバーで、敵群を【なぎ払う】。
半端なダメージを与えては逆に強化、回復されるのであれば、一撃でとどめを刺すしかない。私の体の弱点は私が一番知っている。頭部で生み出したサイキックエナジーを全身に伝える首を切り落とす。姿まで盗んだのは失策だったな。
UCの効果で強化された回避能力で敵の攻撃をかわしつつ、同じく命中率と威力を強化されたセイバーによる【範囲攻撃】。頸部を【切断】し、一撃で倒していく。



「あらあら、出遅れたわねぇ。」
 後から現れたアリスが、散っていく塵を眺めながら呟いている。
「ああ、そのようだな。だが、次に備えた方が良い。」
「ええ、そうしましょう♪」
 忠告するアリッセの周りに現れ、アリッセやアリスの姿に変わっていく影たち。
 その姿は見るものによって変わる……意識を向け、見つめた者の姿へと。
「へぇ……姿だけならともかく、能力までコピーできるのかしら?」
「解らん。なんにせよ、自分自身の群れと戦うのは、気分のいいものじゃないな。」
「……同感だ。」
 何気なく呟いた言葉に対する返事に二人が目を向ければ、ふわりと義肢が浮かび上がっていた。
 黒い怨念が集まり、包帯に包まれて人の形へと変わり……久瀬が姿を取り戻していた。
「オブリビオンは殺す、殺し尽くす。」
「ああ、行くぞ。」
「ふふ……楽しみね。」
 吐き捨てるような殺意の呟きに応じ、3人は自身の姿と対峙していた。

「本当に私の姿のようだな……。」
 自身を囲む3人のアリッセ。
 その手刀からはフォースセイバーを伸ばし、あくまでも冷静に周囲を囲む姿は鏡を覗いているようで。
「しかし、それこそがあんたたちの失策だ。」
 同時に襲い来る3本の刃が空を切る……アリッセは最小の動きで、1体の横をすり抜けていた。
 その首筋を撫でるように手刀が閃き、ごとりと首が落ちて塵へと還る。
「見えたか? 私の動きが。」
 オリジナルの問いに答えることなく、偽物たちは手刀を構えて襲い掛かる。
 対するアリッセの手から伸びるフォースセイバーは、偽物たちの優に三倍もの光を放っていた。
「私は常に、多数を相手にしてきた。数に頼るあんた達では、」
 光が勢いよく薙ぎ払われる。
 正確に偽物たちの首を刎ね……頭部から伝わるサイキックエナジーを断たれた手刀は、アリッセを傷付けることなく塵へと還った。
「私には勝てないだろう。」

「オブリビオンは殺す……。」
 床へと視線を落とし、怨霊のように呟く久瀬の身体へと、黒い雷が走る。
 しかし、それは久瀬を傷付けることなく体に纏わりついていく……その様を真似るかのように、周囲の影も雷を纏う。
「貴様等の姿が俺と同じになろうと、」
 言葉の途中で、久瀬へと影から雷が放たれるが、
「……俺を止めることはできん。」
 その雷が、久瀬の身体を貫くことはなかった……それどころか、纏わりつく呪詛の雷に絡めとられ、さらに勢いを増す。
 顔を上げた久瀬の目に浮かぶのは、深い恨みと怒りの光。
「能力を真似たくらいでいい気になるな。俺の力の根元は貴様らへの怒りだ。復讐の誓いだ。」
 静かな声と共に影たちへと放たれる雷は、影の放つものとは比較にもならないほどだった。
 痺れた影たちが動きを止めた時、久瀬の胸に埋め込まれたヴォルテックエンジンに火が入る。
「それが無ければこんな体、屍にすぎん!」
 叫びと共に解き放たれた高圧電流に貫かれ、影たちは塵へと還っていった。
 かつての仲間を奪った、オブリビオンという存在……それを全て殺すまで、久瀬の復讐は終わらない。

「ふっふふふ、本当に私になっちゃうのねぇ。」
 一方、アリスは周囲の影たちを興味深げに見まわしていた。
 周囲の影たちはアリスの姿をとってはいるが……、
「でも、ざーんねん♪ 私になることがどういう事か、解ったかしら?」
 影たちは、その姿を維持することで精いっぱいだった。
 ニヤニヤと嗤いながら、アリスの口から弾んだ声が放たれていく。
「創世の概念、『混沌』或いは『虚無』の伴侶『変化』。万物流転の森羅狂象。私の前ではあらゆる現象、概念が常に移ろう……それが、森羅万変。あなた達は、それをコピーしてしまった。」
 1体に近づき、その喉を指先で撫でると……ぐにゃりと歪み、溶け崩れていく。
「それは『変化』の概念そのもの、宿すだけで存在そのものが『変化』し続けて保てなくなるわよ。制御しようとする意志も行動も『変化』させられてしまうから、それを制御なんて出来ないわよ?」
 ……その言葉を最後まで聞くことなく、影たちはすべて崩れ去っていた。
「あらあら……。」
 元の姿を保とうと、変化を続ける事を押し留めようとした影たち。
(現状を維持することも、周囲に合わせる『変化』なのよね。ま、ただ姿をコピーするだけの霊には解らないでしょうけど。)
 その残滓である塵を見下ろすアリスの目は、最後まで楽し気だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蒼月・暦(サポート)
 デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。

 普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「おおー、本当に私になっちゃった。」
 ふわりと漂う影が、蒼月の顔で見つめ返している。
 蒼月が感心している間に、影の手に改造ナノブレードが生みだされていた。
「っと、感心してる場合じゃないね。さぁ来なさい!」
 自身もブレードを引き抜きつつ、襲い来る影の振り下ろす刃を身を捩って躱す。
 元は患部を切り離すためのモノ……骨すらも簡単に断てる、小さな鋸刃の付いた刃。
「当たるわけにはいかないのよ、ね!」
 同じ物で薙ぎ払うが、影も刃を受けることなく身を躱す。
「……そこはわかってるのね。だったら、」
 接近しながらブレードを左手に持ち替え、影が斬りつける刃を右腕で受け止める。
 その細い手首は簡単に断ち斬られるが、断面からは高圧の電流が溢れ出していた。
「肉を切らせて、骨を断つ!」
 電流に操られるまま、人を超えた速度で手首で殴りつける。
 一瞬の閃光が影から放たれ……残ったのは影だった塵のみ。
「よし、これで最後ね。……っと、あったあった。」
 床に落ちていた右手を拾い上げ、まだ再生途中の右手首に合わせる。
「……こんなものかな?」
 左手で器用に縫い付け、落ちないのを見て満足げに頷いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ノーメン・ネスキオー』

POW   :    汝の影
【自分の鏡】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、自分の鏡から何度でも発動できる。
SPD   :    無責任な声
戦闘力のない【信者のSNSと繋がる窓となる瞳持つ青鳥】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【信者の祈り】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    左様ならの向こう岸
【闘争心を封じ血を啜る鍵杖】で武装した【対象が過去に殺した者】の幽霊をレベル×5体乗せた【渡舟】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は冴島・類です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ほう……我が眷属をも、簡単に打ち倒すか。」
 その声に振り返れば、電波塔の足元に立つ人型の者。
 しかし、顔があるべき場所にあるのは、1枚の鏡。
「汝ら……相当な罪を犯しているな。」
 居並ぶ猟兵たちを自身の鏡に写し、鍵杖を振り払う。
 途端に1匹の青い鳥が肩に留まり、その背後に幽霊を乗せた船が浮かんでいた。
「さあ、断罪の時間だ……汝らの罪を数え給え。」
 一方的な、理不尽な物言いに、猟兵たちは武器を構えた。
蒼月・暦(サポート)
 デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。

 普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「私は罪なんて犯してないよ!」
 邪神の勝手な物言いに、頬を膨らませながら言い放つ蒼月。
 そちらへと鏡の顔を向けると、
「ふん……人は誰しも、そう言うものだ。何ひとつしていないと、誓えるのか?」
「……ワタシはしてないです、多分。」
 誓えるか? と言われれば、一つくらいは思い浮かんでしまうもの。
 目を逸らして小さく呟いた蒼月を嘲るように、邪神の肩にとまった青い鳥が鳴き声を上げていた。
「その罪、さらに広げて燃やしてくれよう。」
 邪神の持つ鍵杖に青い光が宿るのを見て、蒼月も慌てて改造ナノブレードを手にし、
「させない……アナタを止めるよ!」
「やってみるがいい。」
 待ち受ける邪神へと駆け出した。

「この……!」
 振り下ろされたブレードを鍵杖が受け止めたのは、これで3度目。
 そのたびに青い鳥が嗤い、鍵杖の光が増していく。
「ふん、その程度か。」
「くっ、馬鹿にしないで!」
 同じように右手で改造ナノブレードを振り上げて、斬りかかる蒼月。
 前と変わらぬ動きに、邪神は同じように鍵杖を掲げて、
「何度やろうと同じこ……ぐっ!?」
 突然の脇腹を抉る痛みに目を落とせば……蒼月の左手から伸びたノコギリが喰い込んでいた。
「貴様……このために。」
「そうよ! まんまと引っかかった、ね!」
「ぐぅおおお!」
 左手のノコギリでそのまま挽き斬り、肉とコードを抉り取る。
 蒼月は後ろに跳びながら苦しむ邪神から距離をとり、ふと空を見上げて呟いていた。
「……一撃、当てたよ。」
 応える声は無いが……一瞬、紫煙の香りがした気がした

成功 🔵​🔵​🔴​

久瀬・了介
俺が過去に殺した者。オブリビオン達か?…いや。奴らは過去に縛られた存在。ならば、生前軍人だった頃に殺してきた敵兵達の幽霊か。
成る程。これが貴様のやり方か。
悪霊をなめるなよ、邪神。断罪されるのは貴様だ。貴様を存在させている事が俺の罪だ。今、罪を滅ぼしてやる。
第二の心臓「呪珠」で【呪詛】を斥力に変換、【オーラ防御】で敵を退け身を守る。
殺意をヴォルテックエンジンで高圧電流に変換。UC【天変地異】発動。「雷」属性の「竜巻」を起こす。
渦巻く雷の【属性攻撃】【範囲攻撃】で幽霊を纏めてなぎ払う。…俺はお前達のいる所へは行けない。謝る事は出来ん。
電圧を【限界突破】させた極大の電撃を収束させ、邪神に叩き込む。


アリッセ・トードゥ
罪、か。
私は軍人だ。自国と民を守る為に行ってきた事の中には、罪と呼べる事もあったんだろう。
…で、それがお前に何の関係がある?
お前は、そういう無責任な断罪に晒され弄られてきた存在だろうに。

ともあれ、奴が首魁だ。全力で倒す。
一気に間合いを詰め、【真理力】のサイキックフォースを込めた「フォースセイバー」で【切断】攻撃。
コピーされ反撃されたら、「サイコバリアー」による【オーラ防御】で受け止める。
同じ能力だが、このユーベルコードは「願う未来を信じる心」で「未来を決定させる」能力。過去に縛られたお前達には使いこなせない。
「私達は必ず邪神を打ち倒せる」と信じる想いをセイバーに込めて、全力で邪神を切り裂くよ。



「罪、か。」
 胸に手を当てて邪神の言葉を反芻し、アリッセは自身の事を思い浮かべていた。
「私は軍人だ。自国と民を守る為に行ってきた事の中には、罪と呼べる事もあったんだろう。」
「だろうな、俺も同じだ。」
 久瀬も自身の手へと視線を落とし、言葉を続けている。
「生前の軍人だった頃など、何人殺したか解らん。罪といえば、その通りだ。」
「なるほどなるほど……中々、罪深い人間どものようだ。」
 斬られた脇腹を抑えながら、邪神は二人へと視線を向けるが、
「……で、それがお前に何の関係がある?」
 アリッサの言葉に動きが止まる。
「なん、だと。」
「その通りだ。俺達が罪を犯してようが、貴様に断罪される謂れはない。」
「それに……お前は、そういう無責任な断罪に晒され弄られてきた存在だろうに。」
「くっ……。」
 言葉に詰まった邪神が鍵杖を振るい、二人との間に亡霊を乗せた渡船を呼び出した。
 ふわりと降りてくる亡霊たちの顔は、どこかで見た顔で……。
「俺が殺してきた、敵兵たちの幽霊か。成る程、これが貴様のやり方か。」
「数が多いな……どうする?」
 アリッセの問いに、久瀬は体内から溢れる雷を周囲に纏っていく。
「これは俺の問題だ。……道を開くぞ。」
「解った、頼む。」
 先に駆け出した久瀬へと亡霊が集まるが、その身から放つ呪詛に弾かれる。
 ある程度引き付けた時……身から溢れる雷が解き放たれ、竜巻となって亡霊たちをかき消していった。
「俺はお前たちのいる所には行けない。……謝ることは出来ん。」
 ぽつりと呟く久瀬の言葉が、竜巻にかき消されていった。

「お前が首魁だな。」
「ちっ、足止めにもならんか。」
 一気に邪神との間合いを詰めたアリッセ。
 突き出された手刀から伸びるフォースセイバーは、邪神の顔である鏡に吸い込まれていた。
 光刃を引き切っても鏡は割れる様子はなく、横から薙がれる鍵杖からアリッセは飛び退る。
「しかし、汝の力は優秀だ。借り受けよう。」
 追いかけた邪神の振るう鍵杖に、フォースの刃が生え……その刃は、アリッセが周囲に張ったバリアに阻まれて掻き消えた。
「なん、だと?」
「私の力をコピーしたつもりだろうが、このユーベルコードは『願う未来を信じる心』で『未来を決定させる』能力だ。」
 アリッセの心にあるのは、『私達は必ず邪神を打ち倒せる』と信じる想い。
「過去に縛られたお前達には、使いこなせない。」
「くっ!?」
 想いの篭もる手刀を鍵杖で受け止めた時、そのまま切断されていた。
 明らかに自身を上回る力に邪神が困惑する中、横から放たれた高圧電流にその身を貫かれる。
「悪霊をなめるなよ、邪神。断罪されるのは貴様だ。」
「あがが……。」
 地の底から響くような、怨念の篭もる言葉。
 電流を放つ久瀬の言葉が連なり、雷が邪神を捉えて離さない。
「は、なせ……!」
「貴様を存在させている事が俺の罪だ。今、罪を滅ぼしてやる。」
 電流に霞む視界に映るのは、煌めくフォースの刃。
「これで終わりだ!」
「ぐあああああ!」
 振り下ろされたアリッセの刃は、邪神を袈裟懸けに断ち斬っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

なんでこう人の過去とかいう地雷原で踊るのが好きなヤツが多いのかしらね?
うん、戦争ボス&幹部のオールスターズになるわよねぇ。だいぶ劣化してるようだけど、こいつ如きに制御できるとは思えないのだけど?うん、案の定それぞれの陣営に別れて争い始めたわね。
そして『あの子』と『あの日』の焼き直し。ええ、ええ、実力差は明らかで到底私の敵う相手ではない、それでも結果は『あの日』と同じ、なぜなら『それが『あの子』の望み』であったから。
さて、人の『大事なモノ』に土足で踏み込んだ不埒者には相応の神罰が必要ね。地雷を踏み抜いた覚悟はよろしくて?死すら生温い報いを受けなさい。



「ぐ、あ……。」
「あらあら、無様ねぇ♪」
 床に倒れ、呻く邪神にかけられるのは弾むような声。
 鏡の顔を上げれば、楽し気に微笑むアリスが見下ろしていた。
「まったく……なんでこう、人の過去とかいう地雷原で踊るのが好きなヤツが多いのかしらね?」
「それ、が……我の、存在意義、だ。」
「……あら?」
 ふわりと近くに渡船が来たことを感じ、視線を向けると……何処かで見た者たちが船の上に立っている。
 様々な世界のオブリビオン・フォーミュラー、そしてその部下たちが。
「ま、そうなるわよねぇ。けど、」
 その姿をちらりと見て……そのまま視線を邪神へと戻す。
 断たれた鍵杖の先を持ち、何とか動いているだけの邪神へと。
「あの子達はだいぶ劣化してるけど、あなた如きに制御できるものじゃないでしょう?」
「くっ……。」
 アリスを襲う様子もなく、その背後から聞こえる争いと喧騒を顔である鏡に映し、邪神は悔し気に呻いていた。
 しかし、その顔が一つの姿を映す……アリスとそっくりの顔を。
「あら……。」
 振り返れば、本来のアリスの姿があった。
 彼女はオリジナル、セカンドカラーであるアリスの元の姿。
「……本当に、あなたは罪深いわね。」
「ぐ……なんだ、これ、は。く、あああああ!」
 言葉と共にアリスの指が鳴り、背後に倒れる邪神がピンクの結界に包まれる。
 恐怖を伴う邪神の悲鳴にも振り返ることはなく、オリジナルと対峙する。
「待っててくれて助かるわ。」
「いいえ、あなたと同じことを考えていただけよ。」
「ふふ、そう……人の『大事なモノ』に、土足で踏み込んだ不埒者には、相応の神罰が必要だしね。」
「その通りよ。地雷を踏み抜いた覚悟をしなさいな。」
 二人の言葉に応えるのは断末魔の悲鳴。
「「死すら生温い報いを受けなさい。」」
 視線を向けられることもなく、邪神は塵となって消えていた。
 やがて二人は、かつての日を繰り返す……実力は圧倒的に、オリジナルの方が上。
 しかし、残るのはセカンドカラーであるアリス。
 ……それが、あの子の望みだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月21日


挿絵イラスト