迷宮災厄戦㉒~白き十字の祈り(やぼう)を手折れ
●草原にて、島原を望む
「『ぱらいそ預言書』はかく語れり。
あるじ死すとも、魔軍転生は死なず。
選ばれし者に宿るなり」
白い十字架が立ち並ぶ純白の草原にて、その男は空を睨む。否、その視線の先にあるのは、世界を越えた先、サムライエンパイア。
手にした侵略蔵書が風にめくれて、新たな頁を指し示す。
「「ぱらいそ預言書」はかく語れり……」
すべては、預言書の思し召し。
●グリモアベースにて、猟兵さんいらっしゃい
「そして、いってらっしゃいなのです!!」
なんか勢いと流れで説明も無く、送り出そうとする香祭・悠花(もふもふマスター・f05527)にツッコミを入れる猟兵。すぱーんと頭を叩かれた悠花は、『おぉっ』と説明し忘れていたことに気付く。
「皆さんに行ってほしいのは、アリスラビリンスの『白い十字架が立ち並ぶ純白の草原』なのです」
そこに猟書家『クルセイダー』はいる。その手に持つのは、侵略蔵書「ぱらいそ預言書」と十文字槍「人間無骨(にんげんむこつ)」。
「クルセイダーはサムライエンパイアを狙っている猟書家なのです」
その手にある武器がサムライエンパイアに縁あるものであるのは必然か。あるいはその身に流れる血ゆえか。
「とにかく、クルセイダーがサムエンに戻ると、信長的なパワーを得ちゃうのですよ!」
『魔軍転生』。エンパイア・ウォーにて打ち倒した魔王信長の秘術である。
「めっちゃ面倒になることは確実なのです。ここで削っておかねばー!」
ということで、悠花は皆さんをサムライエンパイアに送り出そうとしています。
「クルセイダーは戦闘の時に、必ず先制攻撃を仕掛けてくるのですよ」
これに対して、どうやって防御、回避、あるいは相殺するかの対策が必要になってくる。
「どんな手であっても対策さえ打ってあれば、先制攻撃からそのまま押し切られることはないのですよ」
そうしたら後は自分の得意な戦闘スタイルに持ち込んで、ぶっ飛ばせばオーケー。
クルセイダーの攻撃手段は、十字槍「人間無骨」と侵略蔵書「ぱらいそ預言書」と『魔軍転生』秀吉装。
「『魔軍転生』はまだ未完成というか未熟というか。秀吉装の一部しか顕現できてないのです」
そういう意味では力を削ぎ落すには今が最適なのかもしれない。
「そんなわけで、改めてよろしくお願いしますなのです!
そう言って今度こそ悠花は猟兵たちをアリスラビリンスへ送り込むのであった。
るちる
こんにちはとかこんばんはとか、るちるです。お世話になってます。
猟書家『クルセイダー』戦お届けします。
まったり運用です。参加人数が多かった場合は取捨選択させていただく可能性があります。6人まではなんとか、なんとか。
シナリオの補足です。
このシナリオフレームには、下記の特別な『プレイングボーナス』があります。
(=============================)
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
(=============================)
ボス戦では毎度(略)。
相手からの先制攻撃をどう防御、回避するかがポイントになります。その後は得意な戦法に持ち込んでやってください。
戦闘場所はオープニングにある白い十字架が立ち並ぶ純白の草原。十字架はそこそこの強度があり、一瞬であれば盾としても使えます。その他、戦闘に利用してください。また、武器を振り回す際にはひっかからないのでご安心くださいませ。
クルセイダーは十字架を何かに利用することはありません。
その他、戦場における設定は自由にしてください(十字架を全部なぎ払うとかもOK)
それではご参加お待ちしています。
第1章 ボス戦
『猟書家『クルセイダー』』
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POW : 十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : 『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:kawa
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
月舘・夜彦
魔軍転生、再び一年前のような大きな戦がサムライエンパイアに起こるのなら
必ずや阻止しなければなりません
初撃は回避を優先
残像・見切りにより槍の動きを読み
躱し切れない場合は武器落としにて刃で槍を弾き、軌道を逸らす
負傷は激痛耐性、継戦能力による戦闘の継続
併せ、攻撃の際には刃に生命力吸収を付与して体力を回復
預言書の力は未来を読む力
予測が必要となる回避となれば、予測が困難な攻撃
抜刀術『神風』の見えぬ刃にて仕掛ける
2回攻撃の早業にて、一度刃は躱されようとも間髪を容れずにもう一閃
書物による予測も脅威ではあります
ですが、それ以上に戦いを積み重ねて得る経験
貴方の判断と私の経験、どちらが勝るか
ただ、それだけの事
●
白い十字架が立ち並ぶ純白の草原にて、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は猟書家『クルセイダー』と相対する。
「ぱらいそ預言書はかく語れり……」
この邂逅すら予言通りだと、クルセイダーの顔に動揺は無く。
(魔軍転生……)
夜彦の脳裏に浮かぶのはサムライエンパイアのオブリビオン・フォーミュラ信長を打ち倒したかの戦い。
(再び一年前のような大きな戦がサムライエンパイアに起こるのなら)
すらりと抜き放つは愛刀『夜禱』。曇り無き刃が純白に光り。
「必ずや阻止しなければなりません」
夜彦の宣言を切欠にクルセイダーとの戦闘が始まった。
それは一瞬。
「くっ!」
間合いを詰められたクルセイダーの槍の一撃を、夜彦の刃が弾き返す。
夜彦が油断していたわけでもなく、あるいはクルセイダーが罠を仕掛けていたわけでもなく。初見がゆえの間のズレといえよう。
(しかし……見切った!)
通常、『槍三倍段』と言われるほどに刀が不利なのだが、それは間合いに入れないからである。クルセイダーの突きの一撃は鋭かったが、あまりにも単調。ゆえに一撃を凌いだ夜彦がクルセイダーの懐へ飛び込む!
「ぱらいそ預言書はかく語れり……」
「……っ!」
鋭い夜彦の一閃を、しかしクルセイダーはいとも簡単に、左手の書を開きながら、かわす。直後、乱雑になぎ払われた槍の一撃をかわして、夜彦は再び距離を取る。
(あれが、預言書の『未来を読む力』)
確実に当たるであろう一撃をあっさりと読み切る力である。
(しかし『予測が必要となる回避』でもある)
あくまで『予測までが預言書の力』であり、回避はクルセイダー自身の能力に依存する。ならば、有効な一撃は……予測が困難な攻撃。
夜彦が愛刀を納刀する。そのまま取るは居合いの構え。
「愚かな……」
クルセイダーが言葉を発する。居合とは迎撃の構え。相手が間合いに入ってくることを前提とした攻撃である。槍という自身より長い間合いを持つ者に居合いは自殺行為に等しい。
「ぱらいそ預言書はかく語れり。その刃は届かぬ、と」
ぱたんとぱらいそ預言書を閉じて、クルセイダーが仕掛ける。槍の一撃が夜彦に届く……直前。
『是は空さえも斬り裂く刃也』
夜彦が夜禱を抜き放つ。【抜刀術『神風』】。その名の如く、素早く抜き放った刃の一撃が『見えぬ刃』を生み出す。
「……!」
その攻撃は予測していた、と槍の一撃を止め、のけぞる形で見えない斬撃をかわすクルセイダー……に!
「これが、『かわせます』か?」
「……!」
それは刹那の出来事。夜彦が放った間髪入れず二度目の一閃。
いかに攻撃が読めていようと、回避できる体勢であるかどうか。それが叶わぬならば。
「ぐあっ!!」
夜彦の見えない刃でクルセイダーの胸元を大きく斬り裂く。慌てて飛び退くクルセイダー。
「書物による予測も脅威ではあります」
もう一度、刀を鞘に納める夜彦。再び居合いの構え。いかに間合いが離れていようとも、【抜刀術『神風』】なら届く。
その事実と今の体勢を鑑みたクルセイダーが素早く立ち上がり、この場を後にしようとする。
「ですが、それ以上に戦いを積み重ねて得る経験」
クルセイダーの隙を逃さぬ、と夜彦が再び抜刀する!
「貴方の判断と私の経験、どちらが勝るか。ただ、それだけの事」
夜彦の抜刀術による見えない刃が撤退しようとするクルセイダーを再び捉え、斬り裂くのであった。
大成功
🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふええ、預言書ということは私があなたに倒される予言が書かれているのですか?
まだ、そこまでは書かれていないみたいですね。
でも、私の攻撃方法は書かれているみたいですね。
では、ここにチョコレートとキャンディとケーキがあります。
私とアヒルさんとクルセイダーさんでひとつずついただきましょう。
クルセイーダーさんから選ばせてあげます。
もちろん、拒んでいただいても構いませんが、これは私のユーベルコードですからその効果は預言書が示す通りですよ。
未来が分かっていてもそれより早く動かれたら避けられないですよね。
クルセイダーさんは真面目すぎですよ、ただ食べればいいのではなくて楽しまないといけませんからね。
●
態勢を立て直すべく、猟兵の鋭い一撃をもらいながらも退避した猟書家『クルセイダー』。傷の手当てを行い、再び戦場へ戻ろうとした時。新たな猟兵が現れる。
「ぱらいそ預言書はかく語れり。あなたの到来はわかっていました」
侵略蔵書「ぱらいそ預言書」を手に、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)の方を向くクルセイダー。
「ふええ、ということは私があなたに倒される予言が書かれているのですか?」
「ぱらいそ預言書はかく語れり。そのような予言は存在しない」
フリルの問いに、クルセイダーは首を横に振る。
「まだ、そこまでは書かれていないみたいですね」
「否。存在しないと言っています」
そのような記述は存在しない、とクルセイダーが頁をめくった瞬間。クルセイダーの視線がぱらいそ預言書のとある一点で止まったのをフリルは見逃さなかった。それは明らかに驚きを含んだ表情。
(でも、私の攻撃方法は書かれているみたいですね)
確信したフリルはすぐさま鞄からとあるものを取り出す。
「では、ここにチョコレートとキャンディとケーキがあります」
それはフリルが趣味で作ったというお菓子の数々であった。
にっこり笑いながらフリルがクルセイダーに提案する。
「私とアヒルさんとクルセイダーさんでひとつずついただきましょう」
「……っ!」
フリルの言葉が響いた瞬間、クルセイダーの動きが鈍くなる。
「クルセイーダーさんから選ばせてあげます」
「くっ……」
ただのお茶会のお誘いなのだが、クルセイダーの表情は苦悶に満ちており。
その理由はフリルの口から紡がれる。
「もちろん、拒んでいただいても構いませんが、これは私のユーベルコードですからその効果は預言書が示す通りですよ」
ユーベルコード【時を盗むお菓子の魔法】。それはフリルが趣味で作ったお菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を激減させるユーベルコード。
ちなみにフリルの足元にいる不思議なガジェット、アヒルさんは。クルセイダーからって言ってるのに、ちゃっかりケーキを選んで既に食べ始めている。どういうことなの?
「ならば、そのキャンディとやらをいただきましょう」
状況を打破すべく、クルセイダーがお菓子を選ぶ。しかし。
「クルセイダーさんは真面目すぎですよ、ただ食べればいいのではなくて楽しまないといけませんからね?」
フリルの言葉の通り、選んだだけでは【時を盗むお菓子の魔法】の術中から逃れられない。
「おのれ……っ!」
次に来る攻撃が分かっている。だが。
「未来が分かっていてもそれより早く動かれたら避けられないですよね」
ぱらいそ預言書の通り、フリルの【サイコキネシス】によってサイキックエナジーが放射される。未来を予言しながらも、なす術も無くクルセイダーはその攻撃に飲まれていったのである。
大成功
🔵🔵🔵
ミスティル・エンドウ
「サムライエンパイアの世界を、再び戦乱が当たり前の世界にすることだけは許せません。」
【WIZ】で攻撃です。
相手の先制攻撃に対しては、【残像】【見切り】【第六感】【フェイント】の技能を駆使して回避を試みます。
攻撃は【破魔】を付けた【黄昏の魔法弾】を【範囲攻撃】にして、他の方に合わせて【援護射撃】にして『クルセイダー』と召喚された者達を纏めて巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】で、ダメージの軽減を試みます。
「あなたにサムライエンパイアの地を踏ませることは、阻止させてもらいます。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
●
サイキックエナジーの奔流になす術も無く、飲みこまれた猟書家『クルセイダー』。その攻撃に多大なダメージを受けながらも、どうにか戦場を離脱し、猟兵のユーベルコードから逃れる。
退避して態勢を整える……その前に現われたのは新たな猟兵、ミスティル・エンドウ(神のパラディン・f16403)であった。
「サムライエンパイアの世界を、再び戦乱が当たり前の世界にすることだけは許せません」
ミスティルが執事服を身に纏い、白い手袋をした拳を握り締める。
「ぱらいそ預言書はかく語れり。サムライエンパイアに私が再臨することは必定だと」
そう言って、クルセイダーは魔軍転生の秘術を放つ。
ミスティルの目の前に大量に現れた、小型の戦闘用『豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)』。
「……!」
それに対してミスティルは『金色のオーラ』で全身を包みながら、残像を残して移動する。秀吉は数多いとはいえ、一撃で消滅する程度の力しかなく、また動きも単調だ。その移動や攻撃を第六感で捉え、見切り、フェイントも交えながら、回避していくミスティル。
しかしただただ数が多い。その攻撃の全てがかわせるほどの物量では無く。
「っ!!」
体当たりを受けそうになったミスティルは金色のオーラを前面に集中。盾のように展開して秀吉を弾き返す。
この戦いを俯瞰すれば、物量で秀吉が押しているように見えるだろう。
しかし、ミスティルが後手に回っているかと言えば、そうではない。徐々に、自身が有利な位置へと移動していく。それはすなわち、クルセイダーと秀頼たちを纏めて巻き込める位置。
(捉えました……!)
範囲内に敵を収めたミスティルの、かざした手から放たれるのはユーベルコード【黄昏の魔法弾】。破魔の属性を乗せた魔法の矢が雨あられと降り注ぐ。
「ちっ」
外套でダメージを軽減させながら範囲外へ逃れるクルセイダー。しかし、召喚した秀吉たちは纏めて根こそぎ【黄昏の魔法弾】で消滅していく。
「あなたにサムライエンパイアの地を踏ませることは、阻止させてもらいます」
間髪入れずに2回目の【黄昏の魔法弾】が解き放たれ。
「おのれ……っ」
今度は逃げる範囲すらないほどに広範囲に降る魔法の矢がクルセイダーを貫いていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
加賀・琴
本当に何度見ても豊臣秀吉の、グレイズモンキーの孫には見えませんね……はて、ぐれいずもんきー?
こほん、ですが、所詮預言書を使うのではなく使われる者では勝てませんよ
否定しようが訂正はしません。私達に倒されるのが本に使われている証明ですから
豊臣秀吉が召喚されたら、天女の羽衣の『空中戦、空中浮遊』で飛び上がって包囲されるのと初撃を受けるのを避けようとします
祖父と言いながら、扱いは雑ですね?
無事それで凌げたら、そのまま上空から下にいる豊臣秀吉達に【破魔幻想の矢】を放ちます、そして素早く『早業、2回攻撃』で次の矢を番えて2射目の【破魔幻想の矢】を放ちます
『浄化、除霊』の力を持つ『破魔』の矢の集中豪雨です!
●
『魔軍転生』秀吉装を盾に、猟兵の魔法弾を凌ぎ切った猟書家『クルセイダー』。霧散していく秀吉を隠れ蓑にしてクルセイダーはその場を素早く後にする。
「ぱらいそ預言書はかく語れり……私はまだ死なない」
ゆえに自身の判断を信じて、態勢を立て直すことを選ぶ。
しかし。
気配を感じて足を止めるクルセイダー。はらりと風にめくれた預言書がとあるページを指す。
「ぱらいそ預言書はかく語れり。一切の容赦なく解き放て、と」
相手の姿を視認することなく。気配にむけて秀吉装を放つクルセイダー。
「なんと」
敵を視界に捉えるよりも早く、敵の先制攻撃。
思わず声が出た加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)の視界を埋め尽くす黒い四角い、これはそうエンパイアウォーで見かけた秀吉の大群。すかさず、ふわりと纏った『天女の羽衣』の力にて、天を舞うかのごとく空中へ飛び上がる琴。飛び掛かってくる秀吉をかわしてそのまま空へ舞いあがる。
空への攻撃手段を持たず、地上からフェンフェン鳴いている秀吉たちから視線をクルセイダーに向ける琴。
(本当に何度見ても豊臣秀吉の、グレイズモンキーの孫には見えませんね)
そう思いながらその手に『和弓・蒼月』を構える琴。
そして。
「……はて、ぐれいずもんきー?」
首を傾げた。紡がれたのは自分の言葉ながら聞き覚えの無い単語。それが発せられたのは魂に刻まれた何かからか、はたまた時空や次元すら越えた因果からか。いずれにせよ、その答えはここで出るものではなく、また導き出すことが最重要では無い。
こほん、と咳払いして、琴は改めてクルセイダーを見据える。
「所詮、預言書を使うのではなく使われる者では勝てませんよ」
今度はクルセイダーにも届くように。空から琴は宣言する。その言葉にクルセイダーは目を伏せ、首を小さく振る。
「ここに、私が『在る』ことこそが。私がぱらいそ預言書を使いこなしている証拠」
話にならないと一蹴するクルセイダーに、それでも琴は引き下がらない。
「否定しようが訂正はしません。私達に倒されるのが本に使われている証明ですから」
「戯言を」
そう言ってクルセイダーが追加の秀吉装を放つのであった。
追加に追加で、超大群の秀吉たち。その物量で以て積み重なりながら空へ昇ってくる。
「祖父と言いながら、扱いは雑ですね?」
まるで積み木のような状態に、琴もさすがに呆れた声を出して。
『遠つ御祖の神、御照覧ましませ』
蒼月より放つのは聖なる属性を持つ破魔の矢。それが琴の意志に従って、幾本にも分裂していく。
「フェーン?!」
積み上がっているのでかわす術も無く、琴の【破魔幻想の矢】にて消滅していく秀吉たち。
「まだ終わりじゃありませんよ」
そこで手を止める琴ではなく。素早く矢を番えて間髪入れず2射目の【破魔幻想の矢】。
「浄化と除霊の力を持つ破魔の矢の集中豪雨です!」
いかな超大群の秀吉と言えどその強さはほどほど。何度も幾多に分裂する矢を放たれたなら、その威力と数の暴力で瞬く間に殲滅されていく。
「次はあなたです……あれ?」
目の前の秀吉たちを完全殲滅した琴。クルセイダーに視線を向けて、しかしその場には誰も居らず。
「本当に祖父の扱いが雑ですね」
クルセイダーの逃げ足の速さに、琴は嘆息をつくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
御桜・八重
【POW】
せっかく平和になったのに、
今更荒らされちゃたまらないよ。
さっさとご退場いただきます!
とは言え、相手は強敵。
骨抜きにされちゃたまらないからねー
槍の一撃は何としても躱す!
長柄の獲物に対抗するなら、超近接戦が定石。
間合いに飛び込ませてもらえるかどうかが肝だけど、
ここは一発、女は度胸!
勇気を振り絞り、覚悟は完了。
踏み込み動作を見切って、突きを繰り出す瞬間に飛び込む!
二刀にオーラを纏わせ、槍の刃を弾き、滑るように柄を受け流し、
そして、
「いざ吹き荒れん、花嵐!」
この刹那に全力を込めて、神速の八連撃を叩き込む!
預言は預言。未来を決めることは出来ないよ。
それは、わたしたちが証明する!
イサナ・ノーマンズランド
「ぱらいそか。……行けるといいね、そんな場所があるのなら」
機動歩兵装甲強化服を纏い、立ち向かう。
周囲の十字架を銃器の掃射で【なぎ払い】【吹き飛ばす】事で敵の視界を遮りつつ、槍に対する【盾】として扱う。それでも突き抜けてくる槍を動体【視力】で捕捉、一瞬先んじる形で強化服を脱ぎ捨て、自律モードに切り替えて槍で貫かせる。
「……お見事。でも、中身は空っぽだ。溶かす骨なんて何処にもないよ」
貫かれたまま突進する強化服の勢いでクルセイダーの【体勢を崩し】ながら、強化服ごとありったけの銃火器による【乱れ撃ち】【一斉発射】で容赦なく蜂の巣にする。
「……そのお人形は、プレゼントだ。一緒に吹き飛んじゃえ!!」
●
思っていたより猟兵たちの攻撃が苛烈である。このままでは押し切られる可能性もある。
「……否。ぱらいそ預言書はそのような言葉を語っていない」
猟書家『クルセイダー』は改めて、手にある侵略蔵書「ぱらいそ預言書」に視線を落とす。すべては預言書の思し召し。これまでもそうやって生き延びてきたのだから。
「ゆえに、ぱらいそ預言書はかく語れり。この場にて退くことは許されぬ」
白い十字架が立ち並ぶ純白の草原。その終わりが見えるこの場所より先にクルセイダーの道は無い。ゆえに、ここより猟兵たちを駆逐せねば。
踵を返すクルセイダー。その前に立ち塞がるのは、二人の猟兵。イサナ・ノーマンズランド(ウェイストランド・ワンダラー・f01589)と御桜・八重(桜巫女・f23090)であった。
●
「せっかく平和になったのに、今更荒らされちゃたまらないよ」
その言葉は快活な巫女姿の八重から。サムライエンパイアはいまだ安寧には遠く。戦乱の種をもたらすわけにはいかない。
「さっさとご退場いただきます!」
「ぱらいそ預言書はかく語れり。私がサムライエンパイアの地へ辿り着くのは必定である、と」
八重の宣言に、クルセイダーは拒否を示す。
「ぱらいそか。……行けるといいね、そんな場所があるのなら」
八重とのやりとりを聞いていたイサナは思ったことを口にする。クルセイダーの視線の先に居たのは『機動歩兵装甲強化服』を纏ったイサナ。
「否。ぱらいそとは、御心の場所なり」
その回答は『ぱらいそ』に対する解釈の違い。にして、決定的な行動原理の違い。
それを感じた両者はほぼ同時に構えるのであった。
預言書を閉じ、右手の十字槍「人間無骨」を構えて突撃してくるクルセイダー。その穂先が届く前に、イサナが動く!
「よっ、と」
慌てず冷静に。周囲の十字架を『オールド・タイプライター』による掃射にてなぎ払うイサナ。銃撃の衝撃に十字架が吹き飛び、クルセイダーの視界を遮る。目くらましと盾、イサナの思惑通りに空を舞うが。
「むぅっ!」
唸りながらも十字槍を一閃、十字架をなぎ払うクルセイダー。
「……っ!」
息を飲むイサナへ一直線に駆け出そうとするクルセイダー……に向けて、八重が素早く駆け出す。
(骨抜きにされちゃたまらないからねー)
相手は強敵、槍の一撃は何としても躱す! その一念で勇気を振り絞り、覚悟は完了した八重は突撃。十字架を振り払うクルセイダーの動きを見逃さず、槍を振り終えたその一瞬を狙う!
「ここは一発、女は度胸!」
小さく気合と共に、愛刀を抜き放ちながら、懐を捉える。
「ちっ」
長柄の得物に対抗するなら、超近接戦が定石。八重の狙いにクルセイダーが舌打ちするが、対応が追いつかない。
八重の素早い一撃がクルセイダーを斬り裂く。
「おのれっ!」
槍の柄を自分と八重の間に強引に割り込ませて、体の回転の遠心力で以て八重を吹き飛ばすクルセイダー。
「くぅっ!」
柄の打撃はどうにか刀で受け止めたが、再び距離が開き。八重が体勢を崩しながらも着地するその隙へ、今度はクルセイダーが接近してくる!
すかさずその間に割り込み、銃を構えるイサナ。
「ぱらいそ預言書はかく語れり。その動きは知っていました」
しかしその動きはクルセイダーも読んでいた。イサナに向けて躊躇いも無く、十字槍を突き出すクルセイダー。
「イサナちゃん!」
思わず声をあげる八重の前で、イサナに十字槍が深く突き刺さる、否、貫いた。直後、十字槍から放たれた体内の骨を溶かす光線がイサナの機動歩兵装甲強化服の中に溢れる。
「愚かな」
「……お見事。でも、中身は空っぽだ。溶かす骨なんて何処にもないよ」
「なっ?!」
イサナの声は貫かれた強化服の中からではなく、全然別の方向から。振り向くとそこにイサナがいる。銃を構えたイサナが。
「……自律モードに切り替えてたんだ」
「ちぃっ!!」
攻撃の気配に危機感を感じたクルセイダーが十字槍を引き抜こうとする。その大振りすぎる隙へ。再び八重が飛び込む!
「何度でも同じこと!」
今度は引き抜く反動で槍の石突きを八重に突き付けるクルセイダー。しかし、八重も先の打撃で柄の動きもわかっている。
「それは予想済!」
両手に持った愛刀の二振り、『陽刀・桜花爛漫』と『闇刀・宵闇血桜』に、八重は桜色のオーラを纏わせ、石突きを受け流す。そのまま柄を滑るように受け流して、流れるように懐へ!
「いざ吹き荒れん、花嵐!」
この刹那に全力を込めて。
八重の【花嵐】による神速の八連撃がクルセイダーを捉える。
「がっ……」
よろめくクルセイダー。その懐から八重が飛び退ったのを確認したイサナは機動歩兵装甲強化服を再度突進させる。
「……そのお人形は、プレゼントだ。一緒に吹き飛んじゃえ!!」
【Full Metal Jacket】の直撃を確認して。イサナが手持ちのありったけの銃火器をクルセイダーに向けて一斉射撃。乱れ撃ちによって機動歩兵装甲強化服ごと容赦なく蜂の巣にする。
「ぱらいそ預言書は……かく語れり! 私は、まだ、死なない!」
銃撃を受けながらも、クルセイダーは叫ぶ。
だが。
「預言は預言。未来を決めることは出来ないよ。それは、わたしたちが証明する!」
弾切れによる銃撃の終幕。そのタイミングで突撃した八重の一閃がクルセイダーを捉える。
「ばか、な……」
「このまま終わってよ。後片付け面倒なんだ」
弾倉の換装を終えたオールド・タイプライターを構えたイサナからのとどめの一射が放たれ。
「おのれ……おのれぇぇぇぇ!!」
機動歩兵装甲強化服の爆発とともに呪詛の声を残して、クルセイダーは白い十字架が立ち並ぶ純白の草原にて塵と化していくのであった。
●
こうしてこの場における猟書家『クルセイダー』の一戦は猟兵たちが勝利を収めた。
この一戦だけでクルセイダーのサムライエンパイアを留めることは叶わなかった。しかしこの戦いは無駄ではない。猟兵たちがクルセイダーの力を確実に削いだ瞬間なのだから。
大成功
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