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迷宮災厄戦㉔~エメラルドの侵出を阻止せよ! 

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #プリンセス・エメラルド

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●皇位継承権を持つ者
 猟書家『プリンセス・エメラルド』は、宝石だけの国で優雅に佇む。
「懐かしき故郷『スペースシップワールド』はすぐそこだと言うのに……」
 少しばかり、不機嫌な表情をして、プリンセス・エメラルドはこの国に繋がる道の方角を向く。
「無粋なのはよろしくありませんわ。猟兵の皆様」
 手にした侵略蔵書「帝国継承規約」を開き、その中に記載されている唯一の『皇位継承条件』に視線を落とすプリンセス・エメラルド。

 ――銀河皇帝が唯一定めた、皇位継承条件。それは『永遠に不変である事』。

「ふふ、ふふふ……」
 それを満たした自分自身こそが。己の内にある野望こそがその証明とプリンセス・エメラルドは笑う。
「銀河皇帝よ、あなたの遺志は、私が継いで差し上げます。ふふふ……」
 その彼女の眼前にあるのは、自身が保有する宇宙戦艦『プリンセス・エメラルド号』。メンテナンスを終えたこの戦艦は十全の機能を発揮する。
「私がスペースシップワールドを、このプリンセス・エメラルド号で駆ける日も遠くはありませんね」
 物言わぬ宝石たちに囲まれながら、プリンセス・エメラルドは優雅に微笑むのであった。

●エメラルドの侵出を防げ!
「皆、お疲れ様。迷宮災厄戦もいよいよ佳境ね」
 緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)がグリモアベースに集まってくれた猟兵たちに新たな予知の内容を告げる。
「一気に猟書家への攻略ルートが開いたわ」
 それはこれまでの猟兵たちの戦いの結果が切り開いた道である。
 今回、冬香が予知(み)たのはその道のひとつ。
「皆には「猟書家『プリンセス・エメラルド』」の攻略をお願いしたいの」

 猟書家『プリンセス・エメラルド』はスペースシップワールドを狙う猟書家。今は、宝石だけで構成された国にいる。
「スペースシップワールドに渡る算段をつけているようね」
 今のうちに攻撃を仕掛けて、プリンセス・エメラルドの力を削いでしまうのが今回の目的だ。あわよくば、倒してしまうのも夢ではないが。
「戦闘になった時に、邪魔になる構造物もないわ。もちろん宝石を砕いて利用するのは可能よ」
 続いて、戦闘における注意について。
「プリンセス・エメラルドは必ず先制攻撃を仕掛けてくる」
 この先制攻撃をどうやって防御、回避、相殺するかがポイントだ。
「そこを凌げば、後はいつも通りの戦闘よ。自分の得意分野に持ち込んじゃってね」
 ちなみに、プリンセス・エメラルドの先制攻撃は猟兵たちが使用するユーベルコードに影響される。持ち込むユーベルコードを選ぶことによって、限定的かつ効果的な対策が打てるだろう。
「プリンセス・エメラルドは『侵略蔵書「帝国継承規約」』を武器として戦うわ」
 戦闘では侵略蔵書に加えて、元々持っていた『対象を透明化する能力』と『宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号』を使ってくる。
「どれもこれも癖のある攻撃だから、対処も面倒だと思うけど」
 その分、対処し切ればカウンターを打ちやすいはずだ。
「意外と自分で仕掛けてくるタイプなのよね。能力を見る限り」
 いかに懐に飛び込むか、あるいはいかに射程外から攻撃するか。この辺りがポイントかもしれない。

●翠玉の宝石言葉
「全然関係ないけど、エメラルドの宝石言葉ってね」
 そういって冬香は手にしたメモを読み上げる。

 エメラルドの宝石言葉は、「幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望」とされる。
 その他にも『愛の成就』という意味を持っていて、お互いの浮気封じのお守りとしても、効果的だそうだ。

「狙ってるからって、他人が作り上げた愛を取っちゃダメよって教えてあげて」
 そう笑いながら、冬香は猟兵たちをアリスラビリンスへ送り出すのであった。


るちる
 こんにちはとかこんばんはとか、るちるです。お世話になってます。
 ひゃっふー! プリンセス・エメラルド戦いきますよー! プリンセスってお姫様というより、皇位継承者って意味ですよね!
 そんなシナリオを、針入り水晶(ルチルクォーツ)な冬香がお届けします。
 全然関係ないけど、るちるはルチルクォーツのるちるです!

 こちらは通常進行。完結まではプレイング受付で運行します。

 シナリオの補足です。
 このシナリオフレームには、下記の特別な『プレイングボーナス』があります。
(=============================)
 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
(=============================)
 ボス戦では毎度(略)。
 相手からの先制攻撃をどう防御、回避するかがポイントになります。その後は得意な戦法に持ち込んでやってください。
 宝石だけで構成されている国はその見た目から頑強そうに見えますが、強い力にはあっさり砕け散るようです(当シナリオにおいては)。そのため、破片による目くらましや破片を利用した防御癖等でも、プレイングボーナスが狙えるということにします。

 オープニングに書かれていない事項は勝手に設定頂いて構いません。
 戦闘の際に、武器を振り回したら何かに引っかかるということはありませんが、そこらに水晶状の何かがいっぱい生えていてもオッケーとします。

 それではご参加お待ちしています。
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第1章 ボス戦 『猟書家『プリンセス・エメラルド』』

POW   :    プリンセス・エメラルド号
自身の【サイキックエナジー】を代償に、【宇宙戦艦プリンセス・エメラルド号】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【エメラルド色の破壊光線を放つ多数の砲】で戦う。
SPD   :    侵略蔵書「帝国継承規約」
自身の身長の2倍の【皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    クリスタライズ・オリジナル
自身と自身の装備、【敵に被害を与えうる、半径100m以内の】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御狐・稲見之守
ごきげんよう、緑玉の姫君よ。
ワシと一緒に遊ぼうじゃァないか。

[SPD] [武器落とし][捕縛]
彼奴が侵略蔵書を取り出したらば霊符を投じ叩き落とそう。
そして、[化術]を以てその複製を山ほど作って
どれが本物か分からなくさせるんじゃ!!

フフフ、すましっツラをしおって。
クチの端っこに指引っ掛けて変な顔にしてくれるわ!
ほれ『学級文庫』と云うてみるがいい!!



●初戦 atプリンセス・エメラルドホール
 それはエメラルドで出来た、大きなホール。その中に玉座を以て佇む者こそ猟書家『プリンセス・エメラルド』。
 そのエメラルドホールでプリンセス・エメラルドを発見したのは。
「ごきげんよう、緑玉の姫君よ」
「ごきげんよう、猟兵」
 御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)の声に応じて、プリンセス・エメラルドがゆっくりと立ち上がる。その手には侵略蔵書「帝国継承規約」を携えて。
 問答無用に攻撃を仕掛けようしているプリンセス・エメラルドに対して。
「ワシと一緒に遊ぼうじゃァないか」
 その瞬間、稲見之守が動いた。素早く投げつけたのは霊符。風を切って飛翔したそれらがプリンセス・エメラルドの侵略蔵書を叩き落す。
「そうして、こうじゃ!」
 直後、稲見之守の化術で大量に複製される侵略蔵書。
「どれが本物か、わかるまいて!」
「あら。なかなか面白い遊びですね」
 その状況に動じず、プリンセス・エメラルドは足元の本を手に取る。ぽん、と音を立てて消える本。
「ふむふむ」
 自分の侵略蔵書を見つけようとかがみこむプリンセス・エメラルドの背後に、素早く回り込む稲見之守。
「フフフ、すましっツラをしおって。クチの端っこに指引っ掛けて変な顔にしてくれるわ!」
 しゅばっと稲見之守がプリンセス・エメラルドの背後から腕を伸ばし、口の端に指をひっかける。うにーっと伸ばして、稲見之守が悪い顔で笑う。
「ほれ『学級文庫』と云うてみるがいい!!」
「がっきゅうぶんこ」
 聞こえてきたのは想定外の言葉(音)であった。
「な、なぜじゃ!? なぜ、がっきゅう(ピー)にならないんじゃ!?」」
「ふふ。私、石ですもの。振動が音になるなら、どこから出しても変わらないと思いません?」
 つまり、意図的に口以外から音を出したのである。
「な、なんという回避方法……」
「というか、ユーベルコードくらい使っていただけません? 次はありませんよ?」
 がっくりと崩れ落ちる稲見之守に対して。いつの間にか見つけていた本物の侵略蔵書から皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)を呼び出したプリンセス・エメラルドは、そのまま稲見之守の足元へ突撃させて。
「おのれぇぇぇぇぇぇ今度はもっと悪い遊びをしてやるぅぅぅぅ」
 稲見之守の足元を破壊して、地下の空洞へ叩き落す。
「機会があれば」
 落ちていく稲見之守を、プリンセス・エメラルドは笑顔で手を振って見送ったそうな。

成功 🔵​🔵​🔴​

リオン・ゲーベンアイン
「真の不滅は個には体現できないっていう理屈に反逆するのは良いけど、体現したからって他者を配慮せず侵略を行うのは認められないね」
そう問いかけたと同時に放たれるSPDの侵略蔵書「帝国継承規約」に対して選んだUCで真っ向から迎え撃つ。
「確かに不滅を体現した存在なのかもね。だけど、それを零落させたとしたら?」
そうとある十字の教義によって絶対の最高神から蠅の王へと零落させられた暴食の魔群を呼び出す。
UCを喰らうだけでなくかつて受けた矮小化の権能を以て「不滅の銀河帝国皇帝候補者」から「叩けば砕ける程度の只のエメラルドのクリスタニアン」に観測させて条件を満たさなくするよ。



●第二戦 atプリンセス・エメラルドホール
「さて」
 猟兵との初戦を終えたプリンセス・エメラルドが呼び出したままであった皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)に跨る。
(早くここから移動しませんと)
 騒ぎを聞きつけて猟兵たちがこのホールへ集まってくるだろう。その前に場所を移さねば。ホバリングした皇帝乗騎が出口へ向かって駆けようとしたその瞬間。出口に立ちふさがったのはリオン・ゲーベンアイン(純白と透明の二つの無垢を司る弓使い・f23867)である。
 キッ、と皇帝乗騎を旋回させてブレーキするプリンセス・エメラルド。リオンと相対して様子を窺う。

「真の不滅は個には体現できないっていう理屈に反逆するのは良いけど」
 そう言ってリオンは弓をその手に携える。
「体現したからって他者を配慮せず侵略を行うのは認められないね」
「ふふっ、仕方ないでしょう」
 油断なく、お互いが相対しながら。それでもプリンセス・エメラルドは微笑む。
「だって、銀河皇帝陛下の示した条件に当てはまるのですから」
 そこに辿り着いたのはあくまで結果論だと嘯くプリンセス・エメラルド。だからこそ。
「覚悟はよろしくて?」
 邪魔者を排除すべく、プリンセス・エメラルドが皇帝乗騎で突撃してきた。

「暴食王にして暴食神よ、お前の飢えが癒すと同時に災禍をこの世界から消し去れるというなら、その群体を今解き放とう」
 それに対してリオンは【暴食の頂点に立つ魔の群体、異界の理を簒奪し給え】で真っ向から迎撃する。ユーベルコードを一瞬で喰らう性質を持つ、暴食の魔群が本質たる矢が皇帝乗騎に突き刺さり、その力を霧散させる。
「くっ」
 消えた乗騎から飛び退いて着地するプリンセス・エメラルド。そこへ再度【暴食の頂点に立つ魔の群体、異界の理を簒奪し給え】の矢。今度はプリンセス・エメラルドの腕にそれが突き刺さる。
「確かに不滅を体現した存在なのかもね。だけど、それを零落させたとしたら?」
「……?」
 リオンの言葉に首を傾げるプリンセス・エメラルド。
「その矢に在る矮小化の権能を以てあなたを追い落とそう」
 暴食の悪魔。それはとある教義によれば、絶対の最高神から蠅の王へと零落させられたという。その本質が覚えているかつて受けた受けた矮小化の権能を発現させ。
「『不滅の銀河帝国皇帝候補者』から『叩けば砕ける程度の只のプリンセス・エメラルドのクリスタニアン』となれば、条件は満たさないはずだ」
「まあ……!」
 リオンの物言いに驚いた表情をするプリンセス・エメラルド。
「貴方は……砕けた宝石はただの石、とおっしゃるのね?」
 直後。手袋を脱いだ左手を床に叩き付けて。自身の手を破壊するプリンセス・エメラルド。
「ふふ、確かに砕けますね。……前からですけど」
「何!?」
 今度はリオンが驚く番であった。
「砕けぬ宝石がどこにあると? そんなものがあれば『条件』に該当する方が他にもいたはずでしょう?」
 そう言いながら。砕けた手を掲げるプリンセス・エメラルド。
「私たちは鉱石生命体。生きているなら砕けることもありますし……直す術もあります」
 クリスタリアンの宝石の体、そこに内包された大量の超能力エネルギーが宝石の体の再生に使われていく。程なくして手が元に戻った。
「この体ではなく。このプリンセス・エメラルドの『輝き』こそが不変なのです。そこはお間違えなく」
 そう言ってプリンセス・エメラルドが再び皇帝乗騎を召喚する。
「くっ」
 突撃してくる皇帝乗騎に、再度【暴食の頂点に立つ魔の群体、異界の理を簒奪し給え】を放つリオン。暴食の矢が皇帝乗騎を貫き、爆発させる。その派手な爆風がリオンとプリンセス・エメラルドを飲みこみ。
「……っ」
「それはさしあげます。それではごきげんよう」
 息を飲むリオンに、プリンセス・エメラルドのその声だけが残されて。
 爆風が晴れた時、その場にいたのはリオンのみであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜暮・白
異世界で故郷の危機を見つけるなんて……

透明化は便利で厄介だよね。【朧月のまじない】で自分は物音を立てないようにしよう。近くに砕けた宝石があれば封露連珠で力を引き出し飛翔能力を付与。念動力も使って自分の周囲に浮遊してもらいます。

野生の勘であたりをつけ、海月さんに風の魔法を使ってもらって聞き耳を立てるよ。あの猟書家なら衣擦れの音がするはず。それ以外の存在に気づけたら宝石片を降らせ位置を確認、ワイヤーフックで引っ掛け100m以上遠くへ投げ飛ばします。それ以外は銃撃でなるべく力を削ぐよ。

エメラルドはルシフェルの冠を飾る地獄に属す石、というUDCの古い伝説みたいに、いつか過去になるといいけれど。


チトセ・シロガネ
ユーの野望はココで潰えるネ。

いきなりプラズマレーザーの乱れ撃ちで牽制。
撃った方向を見ればEZファントムを前に突き出し、予告ホームランの構えをしているボクが確認できるデショ?

姿をステルスして攻撃、ネ。
これでもボクはフォースナイトの端くれ、ユーの敵意なんて第六感と見切りで手に取るようにわかるヨ。
迫る一撃をオーラ防御を纏ったEWマルチウェイで蹴って受け流すッ!

ユーに稲妻は捕まえられないネ!
念動力を集中し、UC【鳴神乃型】を発動、受け流しと同時にEZファントムの刀身にプラズマを滾らせ属性攻撃、さらにEWマルチウェイの蹴撃を加えて乱れ撃ち、さらに鎧砕きをプラスして装甲を粉砕していくヨ!



●第四戦 atオパールの道
 エメラルドホールを脱出した猟書家『プリンセス・エメラルド』がオパールの道を駆ける。
(あそこまで辿り着ければ)
 この国は自分の国。迷うことなく一直線に駆けるプリンセス・エメラルドの前に、ホールでの戦闘を察した猟兵たちが立ち塞がる。

「ユーの野望はココで潰えるネ」
 そう告げたチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)に対して。
「潰される前に轢き殺して差し上げます」
 侵略蔵書「帝国継承規約」から皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)を呼び出して飛び乗るプリンセス・エメラルド。そのまま速度を上げて突っ込んでくる!
 しかし、それはチトセとしても想定済。『ブラストザンバー』からいきなりプラズマレーザーの乱れ撃ちで対抗する。
「……っ!?」
 息を飲むプリンセス・エメラルド。視点がチトセへ、撃った態勢、すなわちブラストザンバーを搭載した『EZファントム』を前に突きだし、予告ホームランのような構えをしているチトセに移る。

 直後。

 チトセの姿がかき消えた。
「なっ?!」
 レーザーをかいくぐってチトセに突撃しようとしていたプリンセス・エメラルドが声をあげる。しかし、加速した皇帝乗騎はそう簡単に停止できない。ならば、と逆に加速するプリンセス・エメラルド。

 ステルスした状態で突っ込んでくる皇帝乗騎を見据えるチトセ。
(これでもボクはフォースナイトの端くれ、ユーの敵意なんて手に取るようにわかるヨ!)
 その敵意にタイミングを合わせて。迫る皇帝乗騎を紙一重で身を翻してかわしつつ、ブーストするのは足元の『EWマルチウェイ』。電磁フィールドを展開し、さらにはオーラ防御も重ねて硬度を増したEWマルチウェイによる回し蹴りが皇帝乗騎の機体に突き刺さる!
「くぅぅぅっ!」
 真横からの衝撃に皇帝乗騎を制御しきれず、軌道を失うプリンセス・エメラルド。地面に衝突した皇帝乗騎から素早く飛び退いたプリンセス・エメラルドは地面に着地して辺りを見渡す。
 いまだチトセの姿は見えない。
「そういうことなら。私も使わせていただきますね」
 言うが早いか、プリンセス・エメラルドの姿が消える。
 しかし。
 クリスタライズ・オリジナルで透明化した彼女の後方へ、気配を殺しながらゆっくりと歩み出たのは。チトセと行動しながらも、この瞬間のために待機していたブラックタールの少年、夜暮・白(燈導師見習・f05471)であった。

(異世界で故郷の危機を見つけるなんて……ね)
 不思議なものだ。しかも目の前にいるのはクリスタリアンの最長老だという。
(透明化は便利で厄介だよね)
 プリンセス・エメラルド自身が白に気付いているかどうかはわからない。しかし、透明化した以上、向こうから仕掛けてくることはあるまい。白が行うべきは可能な限り、素早く備えていた対策を打つこと。
「神霊さん。お空に招いてくださいな」
 ユーベルコードでもあり、『呪い』でもある【朧月のまじない】を解き放ち。飾り付けられた月色の魔梟に変身する白。その足には『乱鐘機杖』を掴んでいて。
 近くにあった小さな柱状の結晶、その上にとまる白。目をつけたのは先のチトセのレーザー乱れ撃ちで砕け散っていたオパールの破片。
(……)
 それは白の祈り。それが『封露連珠』を通じてオパールの破片に届いて、宝石に秘められた力を引き出す。飛翔能力を得たオパールの破片を、白はさらに念動力で操って、自身の周囲に浮遊させる。

 後はプリンセス・エメラルドを探るのみ。

 居る場所はだいたい『当たり』がついている。
(海月さん、お願いできるかな?)
 連れてきた『冥鑑海月』さんにお願いすれば。メガリスを食べて神秘に目覚めた黒クラゲは風の魔法で以て辺りに風を送り込む。
(あの猟書家なら衣擦れの音がするはず)
 様子を推し測ろうとして動かなかったとしても。海月さんの起こした風で必ず『何かが動く』。
(……そこだね!)
 果たして、白の耳が衣擦れの音を捉える。間髪入れずに、浮遊させていたオパールの破片たちをその場へ飛翔&降り注がせ。
「……!」
 ダメージなど微塵もないが、自身の体にぶつかってくるオパールの破片。その意味に気付いたプリンセス・エメラルドが息を飲む。どうやら白の存在を警戒して『動かない』を選択していたようだ。
 しかし、場所が特定された以上、留まっている理由は無い。
 ダッシュし始めたプリンセス・エメラルドに対して、今度は白自身が飛翔する。発射するのは足に掴んだ乱鐘機杖、それに仕込まれたワイヤーフック!
「く、ぅぅっ!」
 ワイヤーフックにひっかけられ、動きを封じられるプリンセス・エメラルド。直後、変身を解いた白がワイヤーフックを両手でつかみ、豪快にプリンセス・エメラルドを投げ飛ばす!
「削らせてもらうね」
 それは体と力のふたつの意味で。空中にいるプリンセス・エメラルドに対して、乱鐘機杖から銃撃を放つ白。ワンドって名前なのに、銃とはなかなか。
「きゃぁぁぁっ!」
 悲鳴をあげながら侵略蔵書と小手で自身の顔のみは、と守るプリンセス・エメラルド。銃弾が体表を削っていく。
 完全に注意が白に向いている。このタイミングでチトセも動く!

「ユーに稲妻は捕まえられないネ!」
「……!」
 チトセの迎撃に気付いたプリンセス・エメラルドが咄嗟に皇帝乗騎を呼び出す。それは乗るためではなく、ただチトセにぶつけるために。
 しかしチトセは念動力を集中し。
「変幻自在、縦横無尽の刃ッ!」
 【鳴神乃型】発動。EZファントムとEWマルチウェイが紫電を纏い、その性能が跳ね上がる。
「いくヨッ!」
 EZファントムの刀身にプラズマを滾らせ、紫電による斬撃を降ってくる皇帝乗騎の装甲に何度も叩き込む。その衝撃に皇帝乗騎の装甲が宙に浮きあがる。そこへEWマルチウェイによる蹴りを交えながらも乱れ撃ち。
「コレはおまけネ!」
 鎧砕きはお手のもの、と皇帝乗騎の装甲を粉砕していくチトセ。

「逃がさないよ」
 皇帝乗騎を目くらましに退避しようとしていたプリンセス・エメラルド。その動きを、白は念動力で操作したオパールの破片の竜巻で阻む。そこへ銃撃を叩き込み続ける白。
「もう!」
 ぶつけようとしたがゆえに皇帝乗騎の上に立っているだけのプリンセス・エメラルドに機動力は無く、思うように攻撃から逃れられない。

 そして。チトセと白の挟撃に、皇帝乗騎が大破、そのまま爆発する!

「「っ?!」」
 咄嗟に腕で顔を庇う二人。
 爆風が晴れ、その場にあったのはガラクタと化した皇帝乗騎。
「逃げられた……かな」
「待って、アレ見てヨ」
 白の言葉にチトセが指をさす。その先の地面に砕けて落ちていたのは、プリンセス・エメラルドの大きな肩当と長い髪の一部であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

相沢・友子
スペースシップワールド無限数に広がる、真っ暗で温度の無いお家がほしいの?御船が在るなら海賊女王に成れば良いと思うよ?

【行動】UC巫覡載霊の舞で、神霊体に成りながら、受けるダメージを最小限に抑えつつ、薙刀の衝撃波で、あたりのクリスタルを破壊。

「目に映らなくても、物音や体温は、手にとるように伝わってくるよ」

砕かれた結晶の破片が降りしきる雨のように、透明化したプリンセス・エメラルドの衣類や髪に降り注ぐ。もうその姿は誰の目にも隠し様がないね。

最後は、私自身の【捨て身の一撃】。きっと、有効打に成ってくれるはずだよ。



●第三戦 atクリスタルの道
(まだまだ来る、というわけですか)
 宝石だけで出来た国に在る気配。猟兵たちの気配をなんとなくではあるが、感じながら。
 プリンセス・エメラルドは、とある方角を目指す。今はまだゆっくりと、気配を押し殺しながら。

 そこへ偶然、遭遇したのは哨戒をしていた相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)であった。
「あら、運の無い」
 乱れかけていた髪をかき上げて整えながら、プリンセス・エメラルドは友子を見据える。

「スペースシップワールド無限数に広がる、真っ暗で温度の無いお家がほしいの?」
 友子の言葉に首を傾げるプリンセス・エメラルド。
「欲しいのはカタチではなく、証(あかし)。それすらもわかりませんか?」
 それに挑発で以て返すプリンセス・エメラルド。しかし、友子も負けじと言い返す。
「御船が在るなら海賊女王に成れば良いと思うよ?」
 そんな友子の言葉に、プリンセス・エメラルドは鼻で笑う。
「船は力の象徴。そこに住まうなんて……優雅に程遠いと思いません?」
 もう語る言葉は無いと。プリンセス・エメラルドは、その能力、クリスタライズ・オリジナルを発動するのであった。

 透明化したプリンセス・エメラルド。それを視認した瞬間。友子はすかさず【巫覡載霊の舞】で神霊体に変身。なぎなたから放つ衝撃波で、周辺にあったクリスタルの結晶を破壊する。辺りに舞い散るクリスタルの破片。
「目に映らなくても、物音や体温は、手にとるように伝わってくるよ」
 透明化は光の屈折率の問題。その場にいることは変わっていないのだ。砕かれた結晶の破片が透明化したプリンセス・エメラルドの体に降り注ぐ。
「もうその姿は誰の目にも隠し様がないね」
 その場へ向かって、友子が捨て身の一撃を放つ。後のことを考えないなぎなたによる一閃。
(きっと、有効打に成ってくれるはずだよ)
 と放ったそれはプリンセス・エメラルドに直撃する。咄嗟に受けた左手の小手が破壊された。
「くっ。やりますね、娘」
 しかし、捨て身の一撃ということは友子もまた無防備になる。
 直後、回し蹴りで弾き飛ばされる友子。神霊体である以上、ダメージは少ないが、単純に距離を大きく開けられた。
「それでは」
 その隙に呼び出した皇帝乗騎で、プリンセス・エメラルドはその場から駆け去るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霑国・永一
どうも、此度は素敵な宝石、エメラルドを盗みに参じたよ。盗人なんでねぇ、君のように綺麗なのに目が無いのさぁ

先制攻撃は戦場の宝石で出来た壁やら窪みやらなんでもいいけど障害物になりそうなところを縫いながら逃げるしか無いなぁ
皇帝乗騎はパワーの代わりに、大きいし小回りも利くかと言えば怪しいしねぇ
砕けた宝石も拾って投げ返して目晦ましになればいいけど


此方の番になったら狂気の使役を使うとしよう。皇帝乗騎、君が召喚したものなんだろう?ならその主導権を盗むまで
よぅし、今度は俺がこれ使って君を追いかけまわさなきゃだ。お姫様なんだから上品に逃げるんだよ~(笑)
隙あらば侵略蔵書を盗み攻撃で盗むかなぁ。あと戦場の宝石も


ネーヴェ・ノアイユ
宝石言葉はとても素敵ですのに……。どうして……。

エメラルド様が姿を消したらUCを私の少し前へと投下。氷結耐性を活かしその爆風の中へと飛び込むことでエメラルド様の意表をついて彼女の動きを止められないか試してみます。
そして……。本命はこちらです。周囲の宝石を氷に。足元は雪を積もらせた氷結界へと変化させます。
この結界内は私のテリトリー……。雪を踏む僅かな足音。結界内にて温度が変わっている場所などからエメラルド様の位置を特定し……。今度は結界内という場の有利と……。魔力溜めしていた魔力を使用しての全力魔法にてUCをエメラルド様へと直撃させます。

かくれんぼの時間はおしまいですよ……。エメラルド様。


火土金水・明
「相手は『猟書家』の一人。こちらも全力を出して戦わなければいけませんね。」
相手の先制攻撃に対しては、【見切り】【野生の勘】【第六感】【カウンター】の技能を駆使して回避と最初の一撃を試みます。
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀の流れ星】で、『猟書家『プリンセス・エメラルド』』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●第五戦 atクリスタルの大広場
「くっ、私の、私の髪が!」
 嘆きながらオパールの道からクリスタルの広場に抜け出たプリンセス・エメラルド。先の戦闘での爆発で体に少しずつヒビが入っている。その際に髪の先端と大きな肩当を失った。回復は可能、しかし今は先を急がねば。
(この広場を抜ければ……)
 目的地はすぐそこだ。そうすれば戦況など。そう思いながらこの広場を走り抜けようとしたプリンセス・エメラルドの前に猟兵たちが立ち塞がった。
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)、霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)、ネーヴェ・ノアイユ(冷たい魔法使い・f28873)の3人である。

「もう! 何なのですかあなたたちは!!」
 文句を言いながら、侵略蔵書「帝国継承規約」から皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)を呼び出すプリンセス・エメラルド。そのまま飛び乗って猟兵たちへ突撃する!

 その標的の真ん前にいたのは永一である。
「おおっと!!」
 狙いが自分と知って、すぐさま反転。広場にある宝石のモニュメントの影に滑り込んで突撃をかわす。そのまま追撃をかわすべく、複数あるモニュメントからモニュメントを渡り歩くようにその間を縫って走る永一。
(皇帝乗騎はパワーの代わりに、大きいし小回りも利くかと言えば怪しいしねぇ)
 果たして永一の狙い通り、皇帝乗騎は大きく反転するものの、永一の軌道をそのままには追い切れない。
「ええい、小賢しいったら!」
 焦れたプリンセス・エメラルドが永一に向かって『直進』。途中にあるモニュメントを破壊しながら突撃してくる。クリスタルが砕け散り、辺りに降り注ぐ。
「そんなのアリ!?」
 悲鳴をあげながらも身を翻して回避する永一。飛び上がったついでに砕けたクリスタルたちを空中で掴んで。そのままプリンセス・エメラルド目掛けて投げつける。
「そんなもので倒せるとでも?」
 投げつけられたクリスタルごと永一を破砕せんと皇帝乗騎を突撃させたプリンセス・エメラルドに。
「目くらましには充分ですよ」
 明の一撃が叩き付けられる。
 注意が完全に永一に向けられている最中。そしてクリスタルの雨が降り注ぐ視界の効かない中を。明は雨を見切り、第六感でプリンセス・エメラルドの位置を捉えたのだ。
 放たれたのは【銀の流れ星】の一撃。
「くぅっ……!」
 真横から叩き付けれた不意打ちに近い一撃に、皇帝乗騎が一時的に制御を失い、そのまま地面に激突する。
「やってくれますね」
 激突直前、どうにか皇帝乗騎から飛び降りたプリンセス・エメラルドの前に。
「宝石言葉はとても素敵ですのに……。どうして……」
 ネーヴェはそう言ってプリンセス・エメラルドと対峙する。

 改めて相対する猟兵たちとプリンセス・エメラルド。
「宝石言葉など。人が勝手に決めた意味でしょう?」
 そういってドレスの埃を叩いて落とすプリンセス・エメラルド。そこにいたのは落ち着きを取り戻した悠然と在る翠玉の婦人である。
「どうも、此度は素敵な宝石、プリンセス・エメラルドを盗みに参じたよ」
 そう言ってネーヴェの後ろから現れる永一。その目は笑っているようで、プリンセス・エメラルドを品定めするような目。
「盗人なんでねぇ、君のように綺麗なのに目が無いのさぁ」
「あら。お世辞が上手ですこと」
 永一の宣言は彼にとって何ら不自然の無い『普通』であったが、プリンセス・エメラルドはまともに取り合わず笑顔のみを返す。
「では。盗まれる前に逃げるとしましょう」
 そう言ってプリンセス・エメラルドは侵略蔵書「帝国継承規約」から新たな皇帝乗騎を呼び出すのであった。

「相手は『猟書家』の一人。こちらも全力を出して戦わなければいけませんね」
 皇帝乗騎に飛び乗ったプリンセス・エメラルドに向けて明が地を駆ける。
「別に気を抜いていただいて構いませんよ」
 そう言ってプリンセス・エメラルドはさらにクリスタライズ・オリジナルを重ねて。プリンセス・エメラルド自身と皇帝乗騎が風景に溶けていく。
「ここは……。私が」
 プリンセス・エメラルドが動き出す前に。ネーヴェがそう告げて、放つのは【ice bomb】の一撃。
 それはプリンセス・エメラルドを狙わずに、ネーヴェの少し前の地面、そこに叩き付けられる。巨大な氷の塊が炸裂し、爆風が巻き起こる。
「……!」
 透明化は単に見えなくなっているだけ。周辺に起こる物理的な影響は回避できない。爆風に巻き込まれるプリンセス・エメラルド。彼女の位置だけ、砕け散った氷の破片が宙に浮いて。
「そこ……。ですね」
 氷の爆風の中、氷結耐性を活かして突撃するネーヴェ。
「ちっ……!」
 ネーヴェの接近に、思わず舌打ちして皇帝乗騎による退避を始めようとするプリンセス・エメラルドを。
「流れる星に、魔を断つ力を」
 その位置を見据えた明の、限界突破した【銀の流れ星】による一閃が強襲。黒色のマントも脱ぎ捨てた神速の2回攻撃がプリンセス・エメラルドの体を斬り裂く。
「くっ……!!」
 プリンセス・エメラルドの咄嗟の防御も貫通する明の一撃。小さく悲鳴をあげながらも、反撃するプリンセス・エメラルド。しかし、明に向かって放たれた侵略蔵書(物理)の一撃は、明の残した残像を捉えるのみで。
「残念、それは残像です」
 再度振るわれた銀の剣が皇帝乗騎を斬り裂く。

 明の攻撃で皇帝乗騎の動きが鈍った。
「いいねぇ」
 永一が楽しそうに笑って【盗み操る狂気の使役】を発動する。
「皇帝乗騎、君が召喚したものなんだろう?」
 そう言い放ちながら、彼女に返事する間を与えず、皇帝乗騎の主導権を盗む永一。
「なっ、制御が!? もう!!」
 完全に自分の言うことを聞かなくなった皇帝乗騎からまたもや飛び降りるプリンセス・エメラルド。そして皇帝乗騎は永一の手に渡り。
「よぅし、今度は俺がこれ使って君を追いかけまわさなきゃだ」
 永一が皇帝乗騎に飛び乗る。
「お姫様なんだから上品に逃げるんだよ~」
 爽やかなような陰湿のようなよくわからない、しかし楽しそうな笑みを浮かべて永一が皇帝乗騎を駆る。
 しかし、プリンセス・エメラルドは嘆息ひとつ。
「ひとつしか呼び出せない、とだれが言ったのですか?」
 プリンセス・エメラルドのちょっとイラッとした声。こちらに向かって飛んでくる永一の皇帝乗騎に対して、プリンセス・エメラルドはさらに皇帝乗騎を呼び出す。飛び乗って苛立ちを表わすように加速、そのまま真正面からぶつけるプリンセス・エメラルド。
「おっと! なかなかお転婆なお姫様だぁ」
 激突の衝撃に耐えつつ、皇帝乗騎の上でプリンセス・エメラルドと相対する永一。
「守られるのは性に合いませんから」
 その永一に対してプリンセス・エメラルドが侵略蔵書を打撃武器のように振るう。それを片手で受け止める……振りをして、盗み取ろうともう片方の手で攻撃を仕掛ける永一!
「……!」
 狙いに気付いたプリンセス・エメラルドが皇帝乗騎を操り、侵略蔵書を守るようにして回転する。侵略蔵書を掴み損ねた永一の手がプリンセス・エメラルドの無防備な左手を破壊した。
「手癖の悪い方は、嫌われますよ?」
「普通だよ」
 侵略蔵書は外したが、代わりに砕けたプリンセス・エメラルドの破片を手に入れた。飄々とそう告げる永一に、プリンセス・エメラルドは改めて皇帝乗騎を突撃させる。その衝撃で、両者の間に距離が開く。高速で退避しながら。
「付き合っていられませんね」
 そう告げて。再びクリスタライズ・オリジナルを使用するプリンセス・エメラルド。

 永一や明が直接攻撃を仕掛けている間に。攻撃の準備を整えていたのはネーヴェであった。
 先に放った【ice bomb】の一撃。その爆風はプリンセス・エメラルドを炙り出すことに成功したけれども。
(本命は……。こちらです)
 外した一撃ならばこそ、氷の爆弾は足元に雪を積もらせた氷の結界を張り巡らせている。
(この結界内は私のテリトリー……)
 この場所の中ならば。いかに動こうとプリンセス・エメラルドの位置を捉えられる。十二分に結界が広がったことを察知したネーヴェは静かに目を閉じる。
(雪を踏む僅かな足音……。結界内にて温度が変わっている場所……)
 伝わってくる全てで、プリンセス・エメラルドの位置を特定する。
 後は……結界内という場の有利と魔力溜めしていた魔力を利用して、全力で【ice bomb】を撃ち込むのみ!
「かくれんぼの時間はおしまいですよ……。プリンセス・エメラルド様」
 静やかなネーヴェの言葉とともに放たれる【ice bomb】の一撃。それはプリンセス・エメラルドの頭上から彼女目掛けてまっすぐ、寸分の狂いも無く、直撃する!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 その直撃を受け、クリスタライズ・オリジナルを解除されるプリンセス・エメラルド。
「見ぃつけたぁ」
「これで」
「くっ、ええいっ!!」
 そこへ同時に攻撃を仕掛けてきた永一と明。その攻撃を皇帝乗騎を盾にするプリンセス・エメラルド。
 二人の攻撃に皇帝乗騎が大破して爆発する。

 氷の結界を吹き飛ばすほどの大爆発。
 それが収まった後にプリンセス・エメラルドの姿は無く。
「ちっ。盗めなかったねぇ」
「逃がしましたか」
 侵略蔵書を手に入れられず、プリンセス・エメラルドの欠片を空に投げる永一と、銀の剣を携えたまま、辺りを見渡す明。
「皆様……。あちらを……」
 ネーヴェの言葉と指差す方向を見る永一と明。そこには砕けたプリンセス・エメラルドの左腕が落ちていたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
※美少女形態

◆行動
行かず後家でもプリンセスは名乗れますけど……色々とアレですよね

正直、宇宙戦艦を相手にするのは骨ですよ
積み重ねた戦闘経験と五感を研ぎ澄まし念動力を以て空を駆け
破壊光線の波状攻撃をしのぎますよ
時には空間に散らばる宝石をチャフとして撒き散らし九死に一生を得ましょう

第一波を凌いだならば反撃開始です
すれ違いざまに【黄衣の王命】による神風を放ち王命を告げます

此度は『サイキックエナジーで決着を付けよ』

私は脳内麻薬を過剰分泌させて心身共に準備万端
魂をも食らう闇のフォースの真髄を魅せましょう
戦艦でのヌルゲーに慣れきった筋金入りの箱入り娘をギャフンと言わせますよ

※他猟兵との連携、アドリブ歓迎


テリブル・カトラリー
後継を名乗る事を認めない、帝国を再建する事を認めない、
この世界を脱する事を認めない。

ブースターで体を吹き飛ばし、ダッシュ。
情報収集、敵艦の砲向きから射線を見切り、怪力で宝石の建造物を踏みつけジャンプ

故に兵器の身をもって、殺意を持って相対しよう。
『O.B.C』発動。早業で変身し、ブースター増設、加速。
ホーミングレーザーの制圧射撃。砲塔部位破壊を狙い、レーザーの属性攻撃を浴びせて時間稼ぎ

戦艦を中心に孤を描くように旋回し、光線を回避しながら
プリンセス・エメラルドにもレーザーで攻撃して位置把握をし、

避けきれず、敵の光線に当たった。と見せかけ盾受け、
エメラルドへ直進。シールドバッシュ。
勢いのまま、轢く。


トリテレイア・ゼロナイン
宙船の世界で最も新しき種族の一人として、輝かしき民の由緒正しき貴人と拝謁出来たことは光栄に思います
ですが、宇宙を我が手にせんとするその野望は騎士として看過できません

敬意を胸に、あらゆる手段を以て阻ませていただきます

●破壊工作として爆薬を仕込んだランスを●怪力で砲門付近に●投擲
爆発で幾つか砲を破壊し攻撃を減らしつつ
●防具改造で光線反射処理を施した大盾で光線を●盾受け
●騎乗した機械馬の機動力で一気に接近

肉薄すれば防御重視のUCで光線を遮りプリンセスを閉じ込める檻を形成

言った筈です、あらゆる手段を用いると
御覚悟を、プリンセス・エメラルド

バリアが持つ間に●怪力での剣と盾の近接攻撃で体躯を粉砕



●第六戦 atルビーの格納庫
「はぁっ、はぁっ……いったい、何人押しかけてきているのですか」
 自身の宝石で出来た国を闊歩する猟兵たち。それに辟易しながらプリンセス・エメラルドはようやく目的地に着いた。ルビーのみで出来たとても大きな格納庫である。
 手で押さえる左腕は既になく。右肩の肩当もどこかで砕けた。体もひび割れ、長い髪もその先端を失っているが、まだ生きている。
「ふふ……、まだ巻き返しは効きます。生きてさえいればいいのですから」
 ここにあるのは自身のサイキックエナジーで作り出したプリンセス・エメラルド号。メンテナンスさえ終われば、後はコレで蹂躙すれば。
 ぎぃっ、と音を立てて開く格納庫の扉。
「……!」
 そこにいたのは3人の猟兵たち。
 黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)、テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)の3人である。

「先回りなんて……潔くありませんね?」
 毅然としながらも、内心焦っているのか。語尾に苛立ちが感じられる。
 そんな風に分析しながらトリテレイアは自身のパターンモデルである『子供向けの騎士道物語群』に則り、名乗りを上げる。
「宙船の世界で最も新しき種族の一人として、輝かしき民の由緒正しき貴人と拝謁出来たことは光栄に思います」
「拝謁なら、許可を取ってからが原則ではなくて?」
 プリンセス・エメラルドから返ってきた苛立ちの言葉に、しかしトリテレイアは力強く告げる。
「ですが、宇宙を我が手にせんとするその野望は騎士として看過できません」
「後継を名乗る事を認めない、帝国を再建する事を認めない、この世界を脱する事を認めない」
 その言葉を継ぐようにして、テリブルがその意思を告げる。銀河帝国で生まれ、かつて帝国のために戦ったモノ。そして帝国のために在った者。しかし、テリブルの仕えていた帝国は『完全に滅んだ』のだ。プリンセス・エメラルドが皇帝になったとして、それは再建では無く新生。ゆえに、テリブルに従う理由は無く。
「ウォーマシンごときが私に抗議など。わきまえなさい」
 プリンセス・エメラルドもまたテリブルとトリテレイアの主張を聞き入れるつもりはない。

 そんなやりとりを見ながら、美少女形態のミコさんは『うーん』と唸っていまして。
「行かず後家でもプリンセスは名乗れますけど……色々とアレですよね」
「うるさい。その気になれば私だって選り取り見取りですよ」
 モテない人に限っていうやつ~。ミコの呟きにがっつり噛みついてきたプリンセス・エメラルド。
 いずれにしても会話などでこの場が収まるはずもなく。
「敬意を胸に、あらゆる手段を以て阻ませていただきます」
「いいでしょう。私を止められるものならどうぞ」
 トリテレイアの言葉に、プリンセス・エメラルドは侵略蔵書を開くのであった。

 その攻撃は、トリテレイアたちの背後から突如放たれた。
「あはははは! 私のプリンセス・エメラルド号を背にしているなんて!」
 プリンセス・エメラルド号からエメラルド色の破壊光線を放つ多数の砲が発射される。
「想定済ですよ」
 対してトリテレイアは光線反射処理を施した大盾で光線を受け止める。
「……!」
 テリブルはブースターを咄嗟に噴射。自身の体を吹き飛ばすようにして後方ダッシュ。地面に着地後、今度は逆方向、プリンセス・エメラルド号に向けて突撃する。

(正直、宇宙戦艦を相手にするのは骨ですよっと)
 積み重ねた戦闘経験と研ぎ澄ました五感、それを頼りに念動力を使って空を駆けあがるミコ。まるで空中でサーカスをしているかのような動きで破壊光線を回避していく。
「せいっ」
 拾っておいたルビーの宝石をチャフとしてまき散らすと。光線がルビーに吸い込まれ、別の方向に吐き出される。光線を防御しながらミコが狙うのは、エメラルド本人。

 テリブルがプリンセス・エメラルド号に接近し、砲の位置など情報をかき集めていく。破壊光線に狙われたならば、飾りになっている宝石の柱を踏み台にジャンプして回避。
 トリテレイアも大盾を構えながら、呼び出した『機械白馬「ロシナンテⅡ」』に飛び乗り、プリンセス・エメラルド号に向けて一気に接近する。
「そこです!!」
 破壊工作として爆薬を仕込んだランスを怪力で以て砲門付近に投擲するトリテレイア。突き刺さり、爆発したランスが砲門のいくつかを破壊する。
 砲門が減った分、猟兵側に余裕が生まれる。
「兵器の身をもって、殺意をもって相対しよう」
 そう言って【O.B.C】を発動するテリブル。粒子シールド装置搭載の人型機械兵器に変身した彼女は、飛翔しながら、ホーミングレーザーで制圧射撃を行う。その動きは戦艦を中心に孤を描くように旋回して光線を回避しながら。
「逃げているだけではない」
 レーザーの標的はそれは目の前のプリンセス・エメラルド号の砲門だけでなく、後方のプリンセス・エメラルド本人にも。
「ちっ」
 舌打ちしてレーザーを侵略蔵書の一撃で叩き落とすプリンセス・エメラルド。レーザーに狙われているために動きが制限される。その中へミコが空から降ってきたのである。
「そりゃー!」
「作戦としては間違いではないですが……」
 レーザーに紛れて急降下蹴りを放ったミコ。その一撃を侵略蔵書で受け止め、いなして。プリンセス・エメラルドとすれ違いざま、ミコは【黄衣の王命】を放つ。
「……!?」
 攻撃を受けた、その感覚に飛び退ろうとしたプリンセス・エメラルドへミコが王命を告げる。
「此度は『サイキックエナジーで決着を付けよ』」
「ちっ」
 ミコの言葉にまともに舌打ちするプリンセス・エメラルド。
「ちっ。やっかいなことをしてくれますね」
 侵略蔵書を仕舞い込み、残った右手にサイキックエナジーを集めるとそのままプリンセス・エメラルドが殴りかかってくる。
「すぅぅぅ、はぁぁぁぁっ!」
 ミコ自身も既に、脳内麻薬を過剰分泌させて心身共に準備万端
「魂をも食らう闇のフォースの真髄を魅せましょう!」
 地を蹴ったミコの手に生まれるのは暗黒のダブルセイバー型光剣『邪双光剣・第零圏『煉獄』』。
「戦艦でのヌルゲーに慣れきった筋金入りの箱入り娘をギャフンと言わせますよ!」
「誰が筋金入りの箱入りですか!」
 どうもミコの言葉は看過できないらしく。叫びながら激突する両者。
「ぐっ……」
 すれ違い、そこで崩れ落ちるミコに対して。
「ふっ」
 プリンセス・エメラルドは悠然と立ったまま。……ではなく。
「なっ!?」
 自慢の緑の髪が派手に砕け散る。
「フフフ」
 演技でしたー、とミコも元気に立ち上がり。

 そこへトリテレイアとテリブルが駆けつける。
 否。正確には。
「対処完了」
 プリンセス・エメラルド号を破壊したテリブルはその爆風を盾で受け止め、その勢いを利用して。プリンセス・エメラルドへ直進してきた。完全に勢いのまま、シールドバッシュで轢くテリブル。
 そこへトリテレイアが【攻勢電磁障壁発振器射出ユニット】が放つ。完全に態勢を崩していたプリンセス・エメラルドの体を閉じ込める檻が形成される。
「……! 私を投獄ですって!?」
 その状況に激昂するプリンセス・エメラルド。しかし、トリテレイアは冷静に告げる。
「言ったでしょう、あらゆる手段を用いると。御覚悟を、プリンセス・エメラルド」
 檻で身動きが取れないプリンセス・エメラルドへ肉薄するトリテレイア。怪力で以て放たれた剣と盾の一撃は彼女の体躯を粉砕せんと直撃し。
「ぐ……あ……」
 直撃のダメージにプリンセス・エメラルドの体全身へヒビが走る。さらに強烈な衝撃でルビーの床が崩れた。
「あ……」
 ミコたちが見守る中、プリンセス・エメラルドはその中へ崩落していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
エメラルドが随分と偉そうにしておるのー
アメジストのクリスタリアンの方が優秀ということを分からせてやるけーのー

先制対策
二足歩行戦車に搭乗して参戦
電脳魔術によるホログラムアバターを出しながら、狙いを拡散させると共に戦車はAI制御で未来予測・分析による回避行動
自身は電脳魔術によるハッキングで、皇帝乗騎のハッキングを行い、解析・行動の阻害を行う

先制後はUC発動で、皇帝乗騎のハッキングデータを元にエンジン系を暴走させる電脳電波兵器を創造
動きが取れなくなっている隙に、皇帝乗騎を潰してダメージを与え、猟書家にもミサイルや榴弾による集中爆撃で攻撃する

やはりアメジストが優れているってわかるんじゃのー


ネフラ・ノーヴァ
共闘、アドリブOK。
同じクリスタリアンながら、なんとも尊大だな。皇帝になって世界を支配してどうするつもりやら。まあ、血の気の多い私が言うことではないか。
何はともあれ貴公は気に入らんのでな、阻止させてもらおう。

皇帝乗騎の能力は計りかねる。UC電激血壊で高速化させ、まずは回避に専念しよう。どこかに動きの癖やブレがあるはず。その隙を狙って超電磁砲を放とう。他猟兵の攻撃に合わせられればなお良いな。
さあ、砕け散るが良い、プリンセス。



●第七戦 atムーンストーンの抜け道
 先の戦闘でプリンセス・エメラルドがルビーの格納庫から崩落した先。それは実は抜け道であった。月のように淡い光を放つこの通路は彼女の緊急避難経路であった。
 そこにかろうじて逃げ込んだプリンセス・エメラルドは、肩で息をしながら通路を進む。左手と右足首を失い、小手も肩当もなく。さらには体中にひびが入っている。どこかで回復しなければ。そのためにも。
「ここまで、来れば、後は……」
「後は? どうすると?」
「……!」
 体を引きずりながら進むプリンセス・エメラルドの背後から声がかけられる。

 振り向いたプリンセス・エメラルドの視線の先には、クリスタリアンの猟兵たち。ぎり、と唇をかみしめるプリンセス・エメラルドを前に。
「エメラルドが随分と偉そうにしておるのー」
 メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)がそう告げて。
「同じクリスタリアンながら、なんとも尊大だな。皇帝になって世界を支配してどうするつもりやら」
 ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)も同意の模様。
 『まあ、血の気の多い私が言うことではないか』とは言わないでおいた。実はこの人バカンスで白い砂浜をワニの血で染める人です。
 それはさておき。
 この戦場において、彼女は敵以外の何物でもなく。
「何はともあれ貴公は気に入らんのでな、阻止させてもらおう」
 そう言って『血棘の刺剣』を構えるネフラ。
「アメジストのクリスタリアンの方が優秀ということを分からせてやるけーのー」
 メイスンも『O-Ⅶ型機動強襲用二足歩行戦車「KIYOMORI」』に搭乗して。

 ここにクリスタリアン同士の戦いの幕が切って落とされた。

「くっ……おのれっ!」
 プリンセス・エメラルドに取れる手段は少ない。地下の通路ゆえ、プリンセス・エメラルド号は使えない。クリスタライズ・オリジナルは使ったとしてもこの二人を撒けるほどの性能が今の自分に出せるのか。
 結果的にプリンセス・エメラルドが選択したのは皇帝乗騎(インペリアル・ヴィークル)を呼び出すこと。

 皇帝乗騎に乗って突撃してくるプリンセス・エメラルドを見て、ネフラは目を細める。
(皇帝乗騎の能力は計りかねる)
 であるならば。回避に専念すべきだ。ユーベルコード【電激血壊】発動。超伝導性の血紋を纏って高速化を成したネフラは皇帝乗騎の突撃を回避するネフラ。
 その先にいたメイスン目掛けてそのまま突き抜ける皇帝乗騎を。
「よっ、と」
 メイスンは戦車のAI制御による未来予測・分析で容易く回避。
(して、これじゃーのー)
「くっ、小賢しいですね!」
 直後、電脳魔術によるホログラムアバターでプリンセス・エメラルドの狙いを拡散させるメイスン。ちなみにこれは時間稼ぎ。何故なら。
(本命は、こっちじゃけぇ)
 回避をAIに任せて、彼女自身は電脳魔術によるハッキング。狙いは皇帝乗騎にアクセスして、その解析と行動の阻害を行うこと。
 それは狙い通り成され。
「それじゃそれに有利な物を出すとしようかのー」
 メイスンが皇帝乗騎のハッキングデータを元にそのエンジンを暴走させる電脳電波兵器を創造りだす。メイスンの【彼を知り己を知れば百戦して殆うからず】である。
「なっ!?」
 その影響を受け、急にがくんと出力を下げる皇帝乗騎。声をあげるプリンセス・エメラルド。しかし思うように皇帝乗騎が動かない。
「ほっ」
 気の抜けるような呼気とともにKIYOMORIを突撃させるメイスン。身動きが取れない皇帝乗騎はその直撃を受け、そのままKIYOMORIのパワーで押し潰される。
「ちぃぃっ」
「おまけじゃけぇ」
 皇帝乗騎から退避するプリンセス・エメラルドにミサイルや榴弾に雨あられで追撃するメイスン。必死で回避するプリンセス・エメラルドの動きに大きな隙が出来る。
「そこだ!」
 血棘の刺剣を構えたまま、隙を窺っていたネフラがそれを逃すはずもなく。【電激血壊】によって超電磁砲をプリンセス・エメラルドに向かって放つ。
「っ、きゃぁぁぁぁぁっ!!」
 ミサイルや榴弾に気を取られていたプリンセス・エメラルドは回避する暇も無く、超電磁砲に飲みこまれていく。
「さあ、砕け散るが良い、プリンセス」
 ネフラが告げ、血棘の刺剣を握る手に力を籠める。超電磁砲の勢いが増し、さらにはメイスンが放ったミサイルと榴弾を巻き込んで、大爆発を起こす。

 その爆風が晴れた後。残っている者は何も無く。
「やはりアメジストが優れているってわかるんじゃのー」
 気前よくメイスンがそう告げるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

九重・玄音
猟書家の中でも、あなたは特に高齢と聞いたわ。
女王、ではなくて王妃じゃないかしら、あなた。

・WIZ
敵の透明化を確認した後、全面に指定UCを発動。透明になったエメラルドには、自分の居場所と兵装を見失ってもらうわ。
あなたは鏡に映らない。持ちうる武器も、味方も。

皮肉なものね。乗っ取りを計画していたここ、アリスラビリンスのユーベルコードで、あなたは何もかも飲み込まれるのよ。

指定UCを展開した後、エネミーリムーバーとオプティカル・リアクターを接続、あるもの全てを注ぎ込んでレーザーを迷路内へ制圧射撃。無数の鏡を反射して止まることのない、地獄を味わいなさい。そして、滅べ。


ヘスティア・イクテュス
折角訪れた平和を乱す…
さぁ?どっちが無粋なのかしらね…?


スモークミサイルにダミーバルーンを展開【残像・迷彩・目潰し】
これで敵の攻撃を分散し、回避しやすく
宇宙戦艦なら色々見てるのよ!艦の形状、砲塔の位置から弾道の予測【情報収集】し回避!【見切り】


回避しながらもアベルで『ハッキング』を試みる、火砲を一時でも止めれれば!

止まったらその隙にS.F.Oに乗り込み突撃!【空中戦】
さっきのハッキング時に手に入れた艦の詳細情報を元に装甲の弱い場所に突撃!からの離脱!その際にはマイクロミサイルを艦内にばら撒いて…【爆撃】


その野望がなければ…共にあの宇宙を駆ける未来もあったかもしれないわね…



●終戦 atエメラルドの港
 秘密の抜け道。その付近で壁に体重を預けながら、どうにか前に進んでいるプリンセス・エメラルド。
「は、ぁっ、くぅ、っ、あ……こんな、ところで……!」
 既に左腕はなく、顔も左側が欠けている。身を守る肩当も小手も破壊され、長い髪も半分ほど消失した。通常の人間であれば、部位損壊、失血多量で既に死んでいるであろうほどのダメージ。しかし、プリンセス・エメラルドはクリスタリアンがゆえに、その体の形だけはどうにか保てていた。
 ただ。

 ――もう、後がない。

 先の戦闘でクリスタリアンの猟兵から逃れるために。とっておきと最後に残しておいたサイキックエナジーまで使い果してしまった。今はどうにか猟兵たちの目を誤魔化しているようだが、気付かれるのも時間の問題。
(こんなところで、死ぬわけには!)
 オウガ・オリジンが死に、世界を渡ればその先には思い描いた野望があるのだ。

 秘密の抜け道は本来国の外まで逃げるための道。しかしプリンセス・エメラルドはその通路の途中に、別の場所に転送されるポイントを作っていた。
 誰にも気づかれぬようにしてポインターから転送された先は、プリンセス・エメラルドだけが知る万が一の際にこの国を出るための隠し港。そこに置いてあるのは脱出用の小さな艇。それに搾り出したサイキックエナジーでエメラルドコーティングしたプリンセス・エメラルドは、それに乗り込もうとして。

「猟書家の中でも、あなたは特に高齢と聞いたわ。女王、ではなくて王妃じゃないかしら、あなた」
「……!」
 艇の向こうから聞こえてきた九重・玄音(アルターエリミネーター・f19572)の声に、プリンセス・エメラルドは声無き怒りを露わにする。
「私の秘密の場所まで……本当に無粋ですね」
「折角訪れた平和を乱す……さぁ? どっちが無粋なのかしらね……?」
 絞り出すように告げたプリンセス・エメラルドの言葉に、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)が問い返す。
 そして、エメラルド色の脱出艇、プリンセスエメラルド号(小)を目にして、玄音とヘスティアは目配せをする。

 ――ここで逃がす訳にはいかない。満身創痍のプリンセス・エメラルドをここで仕留める。

「ここに辿り着いたのはあなた方のみ。であればまだ……!」
 対して、プリンセス・エメラルドは何があってもここから飛び立とうとしている。

 最後の戦いの、幕が切って落とされた。

 プリンセス・エメラルドの意志に従って、港内を飛び上がるプリンセス・エメラルド号。
 大きさの対比から砲門の数は減っているものの、いまだ威力の高い破壊光線を全砲門から乱射する!
「宇宙戦艦なら色々見てるのよ!」
 臆することなく、ヘスティアはすぐさま背中のジェットパック『ティターニア』からスモークミサイルを発射する! 空中で炸裂し、煙幕をまき散らすと同時に、ヘスティアがダミーバルーンを展開する。
(これで敵の攻撃を分散し、回避しやすくなったはず)
 相手の視界を奪いつつ、攪乱して。一気に攻める。
 ちらりと視線を送った玄音も煙幕とダミーを利用しつつ、破壊光線を回避している。ヘスティアの思惑通り、これで相手の初手は凌いだ。後は反撃!
「アベル、頼むわよ」
 ヘスティアの声に起動する『サポートAI端末 ティンク・アベル』。プリンセス・エメラルド号(小)の艦の形状、砲塔の位置から弾道の予測。フィードバックをヘスティアへ返し、それを元に回避しながらヘスティアがさらに命令するのはハッキング。
(火砲を一時でも止めれれば!)

 本来のプリンセス・エメラルド号であれば、サイキックエナジーの塊。ハッキングなど受け付けなかったかもしれない。しかし今のプリンセス・エメラルド号(小)のベースは脱出艇。であるなら。
(解析……侵入……成功です、お嬢様)
 アベルのハッキングがプリンセス・エメラルド号(小)の干渉に成功する。

「なっ?!」
 自身のコントロールが効かなくなったことに驚愕の声をあげるプリンセス・エメラルド。
 しかしそこで呆然とはせず、切り返しのクリスタライズ・オリジナル。自身とプリンセス・エメラルド号(小)の姿が透明化する。

「待っていたわ」
 プリンセス・エメラルドの透明化。そのタイミングを玄音は逃さない。
「迷い、見失い、そして消えなさい」
 玄音の【迷宮:鏡面世界】発動。港全体が鏡で出来た迷路と化していく!
「なんですって!?」
 困惑の声をあげるプリンセス・エメラルド。それは迷路が出来たからでもあり、周辺を完全に『見失った』からでもある。
「あなたには、自分の居場所と兵装を見失ってもらうわ」

 ――あなたは鏡に映らない。持ちうる武器も、味方も。

「ですが、こんな迷路など破壊してしまえば造作もないこと」
 プリンセス・エメラルドが迷路の中から声をあげる。例え、姿は見えなくとも。制御するだけの経路(パス)はまだ繋がっている。制御が戻ってきたプリンセス・エメラルド号(少)の破壊光線を放つべく、命令を飛ばすプリンセス・エメラルド。
「遅いわよ」
 破壊光線が発射されるよりも早く。
 ヘスティアの【S.F.O突撃!】による、プリンセス・エメラルド号(小)への突撃! 先程のハッキング時に入手した装甲の弱い場所にまともに食い込む一人乗りUFOのキャノピー。
 エメラルドコーティングを突き破って装甲を破壊したことを確認してから、ヘスティアは離脱する。
「ついで、よ」
 穴の開いた艦内にマイクロミサイルをばらまきながら。
 直後、プリンセス・エメラルド号(小)が大爆発する!
「くぅぅぅぅぅ!!!」
 破壊のフィードバック、その衝撃を叩き付けられて、プリンセス・エメラルドが悲鳴を上げる。

 これでプリンセス・エメラルドが認識できる武器は己が手にある侵略蔵書のみ。しかし今からヴィークルを呼び出したところで……この鏡の迷路をどう突破するのか。
「皮肉なものね」
 玄音の声が迷路に響く。
「乗っ取りを計画していたここ、アリスラビリンスのユーベルコードで、あなたは何もかも飲み込まれるのよ」
「~~~~っ!!!」
 玄音の宣言に、危機感を感じたプリンセス・エメラルドが髪をかきむしる。
(何か、何か手は無いの……!)
 しかし、プリンセス・エメラルドが手を打つより早く。
「無数の鏡を反射して止まることのない、地獄を味わいなさい」
 玄音がレーザーを発射する。それはエネミーリムーバーとオプティカル・リアクターを接続し、あるもの全てを注ぎ込んだ迷路内に対する大規模制圧射撃。
 どこを狙った、というわけではなく。迷路内の見えない壁を反射して無数の条となってプリンセス・エメラルドに迫りゆく、致死の光。
「そして、滅べ」
「いやっ! いやあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
 絶叫と絶望を残しながら。
 プリンセス・エメラルドの体がレーザーによって砕かれていく。粉々に、宝石の破片となってその場に散るプリンセス・エメラルド。
「その野望がなければ……共にあの宇宙を駆ける未来もあったかもしれないわね……」
 迷路内。砕け散ったプリンセス・エメラルドとプリンセス・エメラルド号の破片を見つめながら、ヘスティアがぽつりと呟く。

 ここに猟兵たちが猟書家『プリンセス・エメラルド』を撃破したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月23日


挿絵イラスト