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緊縛の園~愛とは束縛するものなり~

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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 愛とは。
 端的に言うならば、人と人との繋がりである。
 心で繋がり、身体で繋がる。
 生物の本能として、次代へ繋げる為に生まれた感情。
 それが愛である。

 そして人々、妖怪達は一時の愛を求め、その街を訪れるのだ。

「愛が足りないわ」
 女が言う。
 畳の上に布団が敷かれたほの暗い部屋の中央。
 幾人もの妖怪が、どこからか現れた蔦で縛られている。
 いや、この部屋だけではない。今や世界中にこの蔦は広がっている。
「もっと、もっと、もっと欲しいの」
 繋がれた妖怪の身体がさらに締め付けられ、妖怪は呻き声を上げた。
「ここは愛をくれる場所なんでしょ。もっと頂戴、もっとよ、もっと」

●緊縛の園
「カクリヨファンタズムで、カタストロフのような現象が起きていますわ!」
 エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が猟兵達に叫んだ。
 カクリヨファンタズムでは、オブリビオンの企みによって世界の終焉のような光景がしばしば発生する。
 それらは全て、一介のオブリビオンによって引き起こされる為、この世界は常に滅亡の危機に瀕しているといえるだろう。
「今回は、『蔦』が大量発生しましたのよ!」
 エリルがそう言うと、カクリヨファンタズムの様子を説明し始めた。
「現在幽世では、世界中に植物の蔦のようなものがひしめき、逃げ惑う妖怪達を捕らえ、縛り上げているようですの」
 蔦はまるで生きているかのように世界中を這い回り、近くにいた者を感知しては蔦を伸ばして縛り上げてゆく。締め上げられた妖怪は命までは奪われないものの、身動きが取れない状態で放置され、徐々に衰弱してしまうようだ。
「さながら緊縛の世界……といったところかしら」
 エリルが何気なく言う。しかしその言葉がちょっとアレな意味を持つことを彼女は知らない。
「ま、とにかくですわ。皆様にはこの事件を引き起こしたオブリビオン退治に向かって頂きますわ!」
 変な空気になった場に気付かずに、エリルは説明を続けるのであった。

「オブリビオンが潜んでいる場所は『妖怪遊郭』という街のようですわね」
 やっぱりエリルは何の気もなく猟兵達に告げた。
「古い昔に存在した繁華街、っていう感じなのかしら。かつては男女の語らいの場だった……と聞いてますわ。忘れられた街並みというのは幽世ならではですわね」
 感心した風のエリルだが、やっぱりその場所の意味をよくわかっていない。
「その街の中の一つの屋敷が、要塞化しているようなんですの。オブリビオンはその場で、縛った妖怪を集めているようですわ。まずはそこを探してくださいまし」
 現状、遊郭も全ての店は営業を停止している状況だ。街の中には蔦に捕らわれた妖怪達がいたるところで縛られているが、無理にすべてを助け出す必要はない。
「オブリビオンさえ倒せば、蔦は全て消えますもの。むしろ早くみつける方が、捕らわれた方々のためになりますわ……ただ」
 エリルが言葉を濁す。曰く、この遊郭内では『ちょっと肌が多めな縛られ方をした妖怪』が多いらしい。人によっては目に毒になりそうな雰囲気なのだ。
「……こほん。それに、当然蔦は皆様をも縛ろうと襲ってきますわ。猟兵である皆様なら脱出はそう難しくはないけれど、捕らわれないように工夫した方がいいと思いますわね」
 蔦は世界中に張り巡らされている為、おそらくオブリビオンと戦う際にも邪魔してくるに違いない。何らかの対策を講じた方が有利な戦いをすることが出来るだろう、ともエリルは補足した。
「さて……では皆様。蔦で覆われた世界から、幽世を救ってくださいまし!」
 そう言って、エリルのグリモアが輝き出すと、猟兵達を誘う。
 蔦で覆われた緊縛の世界、カクリヨファンタズムへと……!


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 カクリヨファンタズムの世界を舞台にしたシナリオをお送りします。

 今回は世界中に『蔦』が大量発生してしまいました。
 蔦は妖怪達を捕らえようと這いまわり、捕まった妖怪達はあられもない姿で縛られてしまうのです。

 第1章では『妖怪遊郭』を冒険しましょう。
 遊郭は、流石に現在営業していません。花魁や客はほとんどが既に蔦で縛られ身動きが取れない状態になっています。
 その場所柄、ちょっと肌が多めな状態で縛られた妖怪達が吊るされたりしているので、少々目に悪い感じです。
 また、猟兵達に蔦が襲い掛かってきます。

 第2章では屋敷に潜む配下のオブリビオンとの集団戦になります。
 屋敷の内部は要塞化しており、オブリビオンの攻撃の他、蔦の妨害も発生します。

 第3章ではボスとの対決です。倒すことが出来れば、蔦は消滅し、世界に平和が戻るでしょう。
 ここでも蔦の妨害は発生します。

 今回は全編通して、蔦が襲ってきて皆さんを縛り上げようとしてきます。
 プレイングで対策をするとプレイングボーナスが発生しますので、是非狙ってみてください。
 なお、捕まってしまっても猟兵であれば脱出可能です。

 また、セクシー路線なシナリオではありますが、過激すぎる行為については不採用となる場合がありますのでご了承ください。

 それでは、プレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『潜入、妖怪遊郭!』

POW   :    客として潜入する

SPD   :    店員として雇われに行く

WIZ   :    こっそりお店に忍び込む

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 遊郭。
 吉原などでその名は知られつつも、UDCアースの時代にはそう呼ばれた地域のほとんどは当時の面影はほとんど残しておらず、過去の遺物としてカクリヨファンタズムに組み込まれていた。
 混沌としたその街には当初より多くの妖怪達が住みついており、カクリヨファンタズムに逃れた今も、夜な夜な賑わっている様子であった。

 この蔦が蔓延る前までは。

「いやぁあっ!」
 遊女の妖怪が着物をはだけさせた状態で逆さ吊りにされている。
「う、うごけねぇっ……けど、これでもいいか」
 その遊女と遊んでいた男の妖怪もぐるぐる巻きにされていながらも、遊女のあられもない姿に鼻の下を伸ばしていた。

「この蔦! ここはこういう遊びをするとこじゃないんだよ!?」
「うぅ、新しい世界に目覚めそう……」
 周囲でも遊女や客達が、色んな格好で縛り上げられて、混沌とした遊郭はより一層混沌としていた。

 この遊郭の屋敷に、この蔦を大量発生させたオブリビオンが存在する。
 現地に到着した猟兵達は、早速探索を開始するのであった。
闇野・みこ
肌が出ていて目に悪い、ですか?
そうは思いませんけどね~
(8,9割方肌色な自分基準)

いや、変に縛られてるからそっちの方がよっぽど目に悪くない?
遊郭らしいし…そこで縛りって聞かされればね?

とにかく助け…?
あれ?また縛られるだろうから、そのままの方がいいのかな?
悩んでいたら蔦が足に
あ、しまっ
そして吊るされながら蔦が服をずらしつつ絡み付いて…?
ちょぉぉ! みえ、見えちゃうっ!
同じく縛られているスケベ妖怪にジロジロ見られちゃったり?
危険なのでさっさと脱出しましょう
ついでに蔦の強度も確認しておこう
確認したらそれに合う刃物なりを作成してそれで斬り裂きながら進むか

また縛られなくないから、急いで先に進むよ!



 遊郭の入り口に立つ闇野・みこ(人間の探索者・f28278)は、世界中に張り巡らされた蔦を眺めて、うーんと呟いた。
「これで皆を縛ってるんですね。……それにしても」
 みこは事件の説明を思い返す。
「肌が出ていて目に悪い、ですか? そうは思いませんけどね~」
 みこの姿は8、9割方肌が露出している。その基準で見れば、上空で着物の上から亀のような縛り方をされている遊女等は、肌が出ているよりむしろ。
「そっちのほうがよっぽど目に悪くない?」
 ちょっと顔を赤らめているのも色々不健全な感じだ。場所も場所だし。
「んんっ……、んんーっ……!!」
 猿轡のように蔦を噛ませられた遊女は、みこを見つけて身体を捩る。だが、身動きを取ることは出来ないまま、むしろ蔦が遊女の身体をもっと強く締め上げた。
「んんっ!」
「あらら、とにかく助け……あれ?」
 肌に蔦が食い込んでいく遊女を助けようとしたみこが、ふと手を止めた。
「また縛られるだろうから、そのままの方がいいのかな?」
 猟兵の力なら、蔦を斬り裂き助けることは可能だろう。だが、これだけ蔦に覆われ、未だに動く者を縛り上げようとしている状態なのだから、今ここで遊女を助けたところで、すぐに捕まえられてしまうのが関の山だろう。
「それどころかもっと目に悪い感じになるかも……」
 と、悩んで足が止まった瞬間であった。
「あっ」
 みこの脚に蔦が絡んだのだ。
「しまっ……!」
 そのまま蔦がみこを吊り上げてゆくと、さらに他の蔦がみこの手を縛り、お腹にまで巻き付いてくる。さらに、蔦はずるずると位置をずらすと、わずかばかりの服を巻き込んで徐々にひん剥こうとしてくる。
「ちょぉぉっ!?」
 さすがのみこも大切なところは見せられない! ずれそうな服を必死で抑えるが、蔦はぐねぐねうねってなかなか粘る。
「みえ、見えちゃうっ……!?」
 それだけじゃなく、激しく動く蔦がみこを少し変な気分にもさせてしまう。ふと、視線を感じて周囲を見渡すと、妖怪達がにんまりにやにやしながら、その様子を眺めている。
「み、見るなぁっ! このっ!」
 顔を赤くして身体を捩るみこ。なまじ動ける分、見えそで見えない、太ももの陰に隠れた暗闇の部分が、揺れる胸が今は新鮮なのだ。
 ――言うまでもなくとっても危険だ。

 みこは腕を強く引く。ぶちぶちと蔦が千切れ、完全に本体から切り離された蔦はぐったり力を失って地面にぼとりと落ちた。どうやら猟兵にとってはさほど強度のあるものでもないらしい。
「さっさと、脱出しましょう!」
 自由になった腕に再び蔦が絡まる前に、みこはレプリカクラフトでナイフを生み出すと、身体を縛っていた蔦をズタズタに切り裂く。
 蔦が力を失った隙を見てみこが脱出すると、まずは服をなおす。
 そして、にやついてみこを眺めていた妖怪をじっと睨みつけた。
「……見た?」
 妖怪はふるふると首を横に振る。真実は闇の中だが、とりあえずアブない状況からは脱出できた。
 だが、蔦はまだみこを狙い、再び巻き付こうと狙っている様子だ。
 正直、また縛られたくない。
「急いで先に進むよ!」
 ナイフを構えながら、みこは屋敷を目指すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリウム・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

この蔦が誰の意志によって、何の目的によって働いているのか解き明かさないといけないようですね。

縛られている方が不憫です。目に付いた方から刃やUC散華で開放してあげましょう。
話ができるようであれば最近不審な点や気になったところが無いか『情報収集』します。
にしても本当に目のやり場に困る場所ですね。意図せず肌色の部分に視線誘導されてしまいます。これが男の性というものですか……。
私は猟兵。私は騎士。意識を集中し、探索を続行します。……それでも視線が吸い寄せられてしまうのが悲しいところ。
忍び寄る蔦を刃で斬り刻み、例え捕まれても周囲に展開した散華で切り離す。
行きましょう。この元凶のもとへ。


オリヴィア・ローゼンタール
まぁ、その、こういった場が必要なのは理解できます
退廃の都のように、度が過ぎなければ……

白い着物の姿に変身
【悪魔王女の召喚】でリリムを呼び出し、魔力増強の術をかけてもらう
交渉:終わったら骸魂ケーキを買ってあげますよ

囚われている方を見つけたら、冷気を纏った手で蔦を掴み、凍らせて砕く(属性攻撃)
出口までリリムに護衛させる

【救助活動】を続けていれば、当然脅威判定されて全身に蔦が絡み付いてくるが、【怪力】で引き千切って脱出
毒も生命力吸収もなし、本当に身体に絡み付くだけですか
痛みはないですが……服の中に入ってもぞもぞされるのは気持ち悪いですね

着衣を整えて救助を続けながら進む



 アリウム・ウォーグレイヴ(蒼氷の魔法騎士・f01429)は遊郭の中で、うねる蔦を注意深く観察していた。
「この蔦が誰の意志によって、何の目的によって働いているのか、解き明かさないといけないようですね……それにしても」
 見上げれば、この遊郭で働いている者達や客があられもない姿で縛り上げられている。
「本当に目のやり場に困る場所ですね……」
 縛られた人々は服がはだけているばかりか、羞恥心のほか、どうにも縛られ方や食い込み方が良いのか悪いのか、顔を赤らめている。その表情は煽情的だ。
「これが、男の性というものですか……」
 目を逸らそうにも、自然と目が肌色の部分に行ってしまう。
「まぁ、その、こういった場が必要なのは理解できます。退廃の都のように、度が過ぎなければ……」
 オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)もそんな光景に目を背けつつ、白い着物の姿へと変身すると、静かに呪文を唱え始める。
「父と子と聖霊の御名によって命ずる」
 足元に魔法陣が描かれ、中央より光が広がってゆく。
「悪魔の娘よ、地の獄より来たりて我に従属せよ――!」
 魔法陣の中央に現れたのは、『リリム』と呼ばれる魅了の術を操る悪魔であった。
「リリム、終わったら骸魂ケーキを買ってあげますよ」
「ほんと?」
 オリヴィアの言葉にリリムが反応した。すかさずリリムはオリヴィアの魔力を増強させると、力を増幅させたオリヴィアは腕に冷気を纏わせた。
「まずは皆さんを助けましょう」
 そう言うと、オリヴィアは蔦へと向かってゆくのだった。

「私は猟兵、私は騎士……!」
 アリウムはぶつぶつと呟いて煩悩を発散させながらルーンソード『氷華』を手に、蔦を切り裂く。妖怪達を縛る力を失った蔦は、次第に緩んで地面から転げ落ちようとしていた。しかし、問題はそれだけではない。
 蔦が緩んだ結果、服までもがたわんで緩んで、ぺろりと落ちそうになるのだ。
「私は、猟兵っ!」
 アリウムは目をぎゅっと瞑り、落ちる妖怪を抱きとめる。
「リリム、出口まで護衛をお願いします」
 蔦を凍らせて砕きながら、オリヴィアが指示を出す。
「今度は屋内で待っていてください、すぐに元凶を倒しますから」
 蔦の蔓延る世界では、蔦から助け出したところで再び捕まるのも時間の問題だ。だが、それでもなるべく時間稼ぎになれば……そう言って見送ったオリヴィアの背後に、怪しい影が蠢いた。
「……はっ」
 しゅるりと、蔦がオリヴィアの腕に絡みついた。
「やはり、脅威とみなしましたね」
 引き剥がそうとするオリヴィアであったが、立て続けに他の蔦も襲い掛かり、たちまちのうちにオリヴィアの四肢に絡みついてしまう。
「くっ……!」
 脱出を試みるオリヴィアの服の中に、蔦が侵入する。
「うぅ……っ」
 白い和服姿のオリヴィアのスリットから、下腹部へと蔦が伸びる。さらに、露わになっている胸の谷間にわざわざ滑り込ませる。
「きもち、わるいですっ……!」
 もぞもぞと服の隙間を動く蔦はくすぐったいような感覚とともに、嫌悪感が生まれてしまう。
「散れ氷華――!」
 そんな不届きものの蔦を狙って、アリウムの氷の花びらが舞った。
「……!」
 蔦の力が緩む。咄嗟にオリヴィアは力を込めて蔦を引きちぎると、そのまま蔦から逃れて地面に着地すると、まだ残る服の中の蔦を引っ張って抜き取る。
「毒も生命力もなし、本当に身体に絡みつくだけですか」
 オリヴィアは着衣を整えながら、蔦の能力を分析する。しかし一番の問題は気持ちが悪いことだろうか。
「ありがとうございました」
 オリヴィアがアリウムに礼を言うと、アリウムは当然のことと首を振り、オリヴィアを先へと促す。
「行きましょう。この元凶のもとへ」
 この先もまだ蔦は出現するだろう。今度こそ捕まらないように、と、二人は先を急ぐのであった。

(……視線が吸い寄せられてしまうのが、悲しいところです……)
 そんなアリウムの気持ちとともに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリス・フォーサイス
妖怪が縛られてるっていうのも、なかなか新鮮だね。

ふうん、この縛り方はかなり凝ってるね。たくみの技術ってやつなのかな。ふむふむ。縛り手のこだわりが見える、一点ですな。

え?助けてって?助けてもまた縛られちゃうだろうから、しばらく我慢してね。

お、来たね。ぼくはどんな縛り方をしてくれるのかな。
まあ、ファデエフポポフゴーストで抜けちゃうけどね。



「妖怪が縛られてるっていうのも、なかなか新鮮だね」
 遊郭を歩くアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は、捕まえられている妖怪達を興味深げに眺めながら、楽し気に歩いていた。
 そんなアリスの前には足を大きく広げられたまま縛られてしまった妖怪の姿が。
「おっ」
 恥ずかしいポーズのまま綺麗に固定されて、腕なども隠すことが出来ないような縛り方だ。
「ふうん、この縛り方はかなり凝ってるね。たくみの技術ってやつなのかな」
 お次は身体を海老反りにして縛られている妖怪だ。沿った身体が扇情的になったままズレてしまわないよう、しっかり細めの蔦で肉に食い込ませている。
「ふむふむ、縛り手のこだわりが見える、一点ですな」
 しげしげと観察してはまるで鑑定士のような口調で仕上がりを評価するアリスに、妖怪達が懇願する。
「ねぇアンタぁ、助けてよ、あたしこれ恥ずかしいよォ……」
 しかし、アリスは笑顔できっぱりと断った。
「助けてもまた縛られちゃうだろうから、しばらく我慢しててね」
「そんなぁ……!」
 心底恥ずかしそうな妖怪に、アリスは言う。
「次はもっとスゴい縛られ方になっちゃうよ?」
「うぅ……」
 それで妖怪も諦めたか、口を紡ぐ。そんな時だ。
「お、来たね」
 蔦がアリスへと襲い掛かってきたのだ。
 アリスは身構えながら、匠の技を思い出す。
「ぼくはどんな縛り方をしてくれるのかな」
 蔦職人の仕事は早い。まず標的の体型を衣服の上からすら分析し、その標的が一番恥ずかしく一番えっちになるような縛り方を瞬時に弾きだすのだ。
「おっ」
 アリスの腕に蔦が絡む。
「おぉっ」
 さらに足、胴体と絡みつく。ミレナリィドールの姿をしたアリスの持つ特徴……球体関節は特に強調せねばならないと、絡みつくのは太ももや二の腕だ。さらに胴はスカートを押し上げるように巻き付くことで、縛られながらもチラリズムを再現する。
 あっという間に、可憐なお人形の完成である。と思いきや。
 「ま、残像なんだけどね」
 なんと、そこにいたはずのアリスの姿が無くなっているではないか。縛り上げていたはずの蔦は何もない空間に螺旋を描くだけ。
 実は、アリスは身体を量子化したことで、そもそも触れることすら不可能となっていたのだ。
「でも、流石たくみの技だったよ」
 落ち込む蔦(?)に惜しみない称賛を送りつつ、アリスは向き直った。
「さて、先を急ごうっと」

成功 🔵​🔵​🔴​

月読・美琴
「幽世に満ちる蔦、ですか。
それは退魔師として放っておくわけにはいきません」

裾の短い巫女装束を身にまとい、神器を携えて幽世に向かいましょう。

「妖怪遊郭ですか……
男女の語らいの場……にしては、妖怪の皆さん、肌の露出が多いですね?」(意味をよくわかっていない

ともかく、神剣・天叢雲剣を抜いて、蔦を斬り裂きながら遊郭の中へと突入しましょう。
この蔦の先に、元凶の妖怪がいるはずです!

「この程度の蔦、私の神剣の前には無力ですっ!」

刀で蔦を斬り払い、鞘に収めますが……

「なっ、きゃっ、きゃあああっ!」

油断したところを足元に這い寄っていた蔦によって逆さ吊りにされて……

「やっ、みないでくださいーっ」(下着丸見え



 蔦の張り巡らされた遊郭に、様々な妖怪達が縛り上げられていた。
 月読・美琴(月読神社の退魔巫女・f28134)はそれを痛ましそうに眺めながら呟いた。
「幽世に満ちる蔦、ですか。それは退魔師として放っておくわけにはいきません」
 目指すは遊郭の先、変異した屋敷に元凶のオブリビオンが待っている。それにしても思うのは、妖怪達の服装だ。
「男女の語らいの場……にしては、妖怪の皆さん、肌の露出が多いですね?」
 はだけた服装の遊女にふんどし一丁の男……。美琴は首を傾げる。どうやらこの場所の意味があまりわかっていないようである。
「ともかく、行きましょう! この蔦の先に元凶の妖怪がいるはずです!」
 美琴は神剣・天叢雲剣を抜くと、蔦へと向かって駆け出してゆく。
 蔦は美琴に反応すると、何本もの蔦を美琴へ伸ばす。
「この程度の蔦……」
 冷静に美琴は剣を構え、振う。刃のきらめきが蔦を縦横無尽に走る。
「私の神剣の前には無力ですっ!」
 蔦を背に、美琴が剣を収める。直後、蔦はズタズタに斬り裂かれて崩れ落ちた。
 美琴が得意げな顔でその結果を確認すると、踵を先を急ごうとする。その時であった。
「なっ」
 足元に、新たな蔦が這い寄っていたのだ。美琴の油断した隙をついて足首に巻き付くと、一気に空中に引っ張り上げられ、逆さ吊りになってしまう。
「きゃっ、きゃあああ!!」
 片足だけが拘束された状態の美琴は、自然と足が開いてしまう。今回は動きやすいように裾の短い巫女装束を纏ったのも運が悪かった。
 短い袴は重力に従って裏返しになり、美琴の下着が露わになってしまったのだ。
「白……」
「白だな」
 周囲の妖怪達が思わず口を開いた。その反応に、美琴の顔がみるみる真っ赤になってゆく。
「やっ……見ないでくださいーっ!!」
 そう叫んだ美琴は剣を再び抜いて、蔦へと突き立てた! 締め上げる力が緩んだ瞬間に美琴が足を抜くと、ズタズタに切り裂いきながら着地した。
 美琴は今度こそ周囲に何もないことを確認し、剣を収める。そして、顔を赤くしたまま周囲の妖怪達に言い放った。
「わ、忘れてくださいね」
 脱兎のごとくその場を離れてゆく美琴。
「……可憐だ」
 取り残された妖怪達はぽつりとつぶやいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎、お色気バッチコイ)
蔓が遊郭で現れて肌色満載と聞いて♪(痴女、反応す)
スケベ妖怪共の視線を感じながら、肌色満載な遊郭を進むわ。
とりあえず捕まってる子は『枯蔓剤』(UCで調合)で
解放してあげようかしら。

なんてしてたら、蔓が私の方迄伸びてきてそのまま私も捕まり。
肌色満載な姿の上に『普段着』も外されて、スケベ妖怪に私の肢体を
全部見られちゃうんだわ…いやぁん❤(何故か嬉々とした声)
あっでも…、それ以上してこないなら…ちょっとがっかりね…。
そのまま『枯蔓剤』で蔓を破壊して進みましょ。



「蔦が遊郭で現れて肌色満載と聞いて♪」
 嬉々とした表情でロベリア・アナスタシア(『快楽』と『影』と『媚薬』を司る美魔嬢・f23913)が遊郭に現れた。
 ほとんど下着の姿で大きな胸を惜しげなく揺らし、堂々と歩く様からはむんむんとした色香が漂い、客ばかりか遊女までもがロベリアに視線が釘付けとなっている。
「ふふふ……♪」
 視線を感じれば感じる程、ぞくぞくと身体の芯が熱くなる。そうなれば、より一層その香りが溢れ、周囲に満ちてゆく。
「とりあえず捕まってる子は解放してあげようかしら」
 そう言って、ロベリアが試験管と各種ポーションキットを取り出すと、薬を適量ずつ入れて、手早く調合をしてゆく。あっという間に『枯蔦剤』が完成するのであった。
「さ、これで大丈夫よ」
 蔦は世界中に張り巡らされ、生きている者を次々と捕えてしまうらしい。となれば助けたところで再び襲われてしまう危険性は十二分にある。だが、仲間の猟兵も助けた者を匿っている。そこならば一時しのぎにはなるだろう。
 ロベリアはぽたりと薬を根に垂らす。蔦はみるみるうちにカサカサに枯れて、粉々に散ってゆく。解放された者達は礼を言いながらも、急いでその場を離れていく。
 それにしても、この場所は遊郭。確かに捕まった者達は遊女や客であり、そんな彼女たちがあられもない姿で縛られている姿はソソるものもあった。
 しかし、実際に営業をしていないのならば魅力は半減だ。愛と欲望に溢れて賑わう姿も見たかった、というか、あわよくば利用したいくらいまであった。
「ふぅ……て、あら?」
 そう考えているうちに、気が付けばロベリアの足に蔦が絡まっていた。
「あらあらっ?」
 ロベリアは吊るし上げられ、両腕に絡みつく。足を開かせ、動けないように固定すると、別の蔦がロベリアの身体を舐めるように這ってゆく。
「ああんっ❤」
 甘く上ずった声。妖怪達が思わずロベリアへと注目してしまう。蔦は太ももから鼠径部、パンツに押し入るように入り込み、細い紐を引っ張る。
「あぁ、スケベ妖怪に私の肢体を全部見られちゃうんだわ……いやぁん❤」
 そう言って顔を赤らめつつも、何故か嬉々とした表情のロベリア。蔦も服をはぎ取ると、次はロベリアの胸へと迫る。
「やぁんっ♪」
 胸の谷間に蔦が入り込み、うねってブラをずらす。一糸纏わぬ姿となってしまったロベリアの痴態に、妖怪達から『おぉっ』という歓声と、さらに熱い視線が浴びせられた。
「あぁ、見られてる、見られてるわぁっ……♪」
 恍惚の表情のロベリアだが、すぐに物足りなくなってくる。
「これ以上はないのぉ?」
 ロベリアが蔦に問う。蔦は当然答えないが、なんとなく『えっ』て反応が返ってきたように見えた。
「ちょっとがっかりね……ま、いいわ」
 そう言うと、手にしていた枯蔦剤を垂らす。脱出しようと思えばいつでも脱出できた、ということだろう。しわしわと枯れた蔦はたいした力もいらずに千切ることが出来るようになっていた。
 難なく脱出したロベリアは、熱い視線を送っていた妖怪達に流し目とウィンクをし、るんるんと衣服を整えてその場を後にするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『妖タヌギツネ』

POW   :    狐狸妖術・妖姿媚態の術
戦闘力が増加する【わがままボディの雪女】、飛翔力が増加する【むちむちばいんばいんの仙女】、驚かせ力が増加する【ぼんきゅっぼんの淫魔】のいずれかに変身する。
SPD   :    狐妖術・酒池肉林の術
【美少女妖怪たちによる百鬼夜行】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【中毒性のある、好みの美少女に接待される幻】を放ち続ける。
WIZ   :    狸妖術・乱痴気騒の術
【対象の性癖に合致した好みの女性への変身】を披露した指定の全対象に【この女性のためなら何でもするという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 蔦で覆われた遊郭の中でも、異様な雰囲気に包まれた屋敷があった。
 間違いない、ここがオブリビオンの根城だろう。猟兵達は戸を開くと、そこは外観からは想像が出来ない程の広い迷宮となっていた。

「来たのぉ猟兵達。 じゃが主殿の『愛の時間』の邪魔はさせんぞ?」
 屋敷に踏み入った猟兵達に少女の声が響く。
「わし等が相手になってやろう。ふふ、簡単にわしらの色香に惑わされてはいかんぞぇ?」
 現れたのは、巫女服に身を纏った狐……いや、尻尾は狸の妖怪であり、名はズバリ妖タヌキツネである。
「ほれほれ、どうした? はやくかかってこんか? それともわし等のせくしーさに度肝を抜かされて手も足も出んか?」
 そうやって煽る妖タヌキツネだが、その姿、どう見てもひょろひょろでぺったんこだ。いや、そういう需要も十分あるが、彼女たちはどうにも出るとこ出ているナイスバディーのつもりで言ってる気がする。
「……なんじゃその目は? ほーれほれ、怖くなったんかのぅ?」
 まぁ、体型の是非はとにかく、なんだか生意気だ。
 どちらのほうが強いのか、わからせる必要がありそうだ。
リアン・ブリズヴェール
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】

「拘束する蔓にも注意しないと……」

まずは【コールレギオン】を使って魔物娘とラミアを召喚して数に対抗します、その後で【オルタナティブ・ダブル】でファムを召喚します

でも【狐妖術・酒池肉林の術】で接待されちゃうと注意もおろそかになってしまいそうです……そうなったらリアンもファムも魔物娘も蔓に縛られてイタズラされそうです



 屋敷へ乗り込んだ猟兵のうち、最初に妖タヌキツネ達の目に留まったのはリアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)であった。彼女のおどおどとした様子が目立ったのだ。
「お、なんじゃなんじゃ? 随分と心細そうじゃのう?」
「ひぇっ」
 妖タヌキツネがその様子をからかうと、リアンは驚き身体を縮こめる。
「んふふ、これは『おもてなし』しがいがありそうじゃの」
 妖タヌキツネ達は目を合わせにやにや笑い合う。と、その時。
「はぇっ」
 しゃがんで身体を縮めていたリアンの頭上を蔦がしなり、妖タヌキツネの1匹を捕えてしまう。
「ちょ、なんじゃ、儂はみかたっ、あっ、やっ」
 あっという間に妖タヌキツネの宙吊りの完成である。
「蔓にも注意しないと……」
 恐ろしいものを見るような目で、リアンはぽそりと呟いた。
「お、おのれ! はやいとこコイツを骨抜きにしてやるのじゃ!」
 とんだとばっちりのようであるが、ともかく妖タヌキツネ達は仲間がとても文章にするのも憚られるような格好で吊られている様子に、士気を高めてしまったようだ。
 リアンは身を引きながら、小さな声で懇願する。
「みっ、皆さん……助けてください」
 その言葉に呼応し、空間が歪む。その中からリアンに似た姿……だが、様々な魔物の形質を兼ね備えた少女達と、そんな彼女達を抱えたラミアが現れた。そしてその脇に、無言で立つリアンと瓜二つの存在。
「ほぅ、良いの良いの。まとめてもてなしたもれ♪」
「えっ……」
 どろん、と周囲にたくさんの美少女妖怪達が現れ、リアンを囲み始める。
「えっ、あっ、えっと……」
 妖怪達に取り囲まれたリアンと魔物娘たち。さらにその中心に割って入ってきた妖タヌキツネの姿が、徐々に変わってゆく。
「あぁっ……」
 顔が近付くにつれ、顔が赤くなってゆくリアン。その姿は、彼女の思い描いている理想の女性の姿そのものだったからである。
 この者のためなら何でもする……そう思ってしまうような気持ちでいると、周囲の妖怪達の幻がリアン達に密着してくる。
「そんな、やぁ……!」
 妖怪の美少女たちに囲まれ、正面には理想の女。注意が散漫にならないわけがない。
 その隙に、リアンの身体に蔦が絡まった。
「ひゃぁっ」
 リアンは先ほど捕まった妖タヌキツネの痴態を思い出す。身体に蔦が纏わりついて、あられもない姿で拘束されて、そして気の弱いリアンはきっと助けもなかなか呼べずに恥ずかしい思いをしてしまう。
 しかし、彼女には既に呼んだ仲間がいる……かと思いきや。
「み、皆さん……っ」
 使役者の意識が逸れたことが原因か、それともおもてなしが効いてしまったのか。
 魔物娘たちまでもが蔦に捕らわれてしまっている!
「そ、そんなぁ……」

 その後結局、蔦からなんとか這い出たリアンと仲間達は、断腸の思いで妖怪美少女たちの誘惑を振り切り、なんとなく妖タヌキツネをやっつけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御狐・稲見之守
タヌキかキツネかはっきりせんかい。

しかしまあ、ワシとて化かしで飯食ってきた狐の女よ。こんなちんちくりん相手に負けるわけがないんじゃ。ワシの方がせくしーに決まっておろうに(化術でスク水姿になり、ふんすとぺたん胸を張る)

む、彼奴もビキニ姿に化けよる。それではセーラー服姿、チャイナ姿、裸Yシャツ姿……ええい、大人姿に変身してレースクイーン姿でせくしーぽーずを披露じゃ。しかし、彼奴もまた大人姿にバニー姿対抗して来よる……ッ。かくなる上は裸リボン姿でどうじゃ!

いつの間にか集まったギャラリーに囲まれる中、加熱した彼奴との化術対決は危険な領域へと突入する……!!



「タヌキかキツネかはっきりせんかい」
 妖タヌキツネの姿に、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)はバッサリと言った。
「なんじゃ藪から棒に!?」
 妖タヌキツネは稲見之守へと目を向けると、はっはーん、という顔をした。
「なるほどのぅ、その貧相な身体……儂らが羨ましいんじゃなぁ?」
「はぁ?」
 妖タヌキツネの言葉に稲見之守のおでこに青筋が立つ。しかし、ここはこらえて稲見之守は告げる。
「お主らのようなちんちくりん相手に負けるわけがないわ」
「あぁ?」
 今度は妖タヌキツネの血管がピキッとなる。売られた喧嘩は買った、ということで妖タヌキツネ達のうち一人が稲見之守の前に出る。
「ワシの方がせくしーに決まっておろうに」
 そう言うと、どろんという効果音と共に稲見之守の服装が紺色のスクール水着に変わった。ちょっと古いタイプで胸元に大きく縫い付けられた『1-2 おきつね』と書かれたワッペンに凹凸は一切ない。
 ふんすと胸を張る稲見之守であるが、妖タヌキツネはくすくす笑って宙返り。どろんと煙が上がって出てくるのは、ビキニ姿の彼女達だ。ちなみにやっぱりこっちも薄い。どっちにも一定の需要はある感じの姿だ。
「む、やりよる……!」
 稲見之守が唸る。だが、彼女は今まで人をはじめとした色々な者を化かすことで飯のタネにしてきた。そのプライドが稲見之守の化け闘志に火をつけた。
「ならばこれでどうじゃ!」
 どろんと化けるはセーラ服! 夏服の爽やかな白いシャツに落ち着いた紺の襟が映える。
 対する妖タヌキツネはブレザーだ! その上着は当然ながらチェックのスカートに首元の赤いリボンが可愛らしい。
「ぬぅっ!」
 負けじと稲見之守はチャイナ服へと姿を変えた。妖タヌキツネはメイド服!
「これなら!」
 お次は裸Yシャツ。どうやらこれは彼シャツのようだ。それ一枚で膝上までを隠し、その下の想像力を掻き立てる。だぼっとした大きすぎる袖もポイントだ。しかしここで妖タヌキツネも裸エプロンで対抗する!
「えぇい!」
 稲見之守がぐるぐる空中で三回転すると、しゃらんと大人の女性に姿を変えた!
 今度は出るところもばっちりと、その艶やかな肢体をレースクイーンのぴちっとタイトなトップスとミニスカートで強調する。
「やるのぉ!」
 妖タヌキツネもキラリラと身体を成長させ、バニーガールの姿で立ちはだかる。
「タヌキかキツネにウサギまで、欲張りなやつめ!」
「せくしーさなら負けないと言ったじゃろう?」
 にやりと笑う妖タヌキツネ。こうなればもうお互い負けてはいられない。

「かくなる上は……これでどうじゃ!」
 稲見之守の服が脱げて、一糸纏わぬ姿に……いいや、これは身体にリボンを直接まきつけた『裸リボン』だぁ!
「なんじゃとっ!? だが!」
 妖タヌキツネが見せたのは包帯姿! 稲見之守程の露出度は無いが、その清潔な白がより妖艶さを際立たせるぅ!
 互いに際どい! 少々ズレれば恥ずかしい部分が見えてしまいかねない! だが、二人は止まらない、それどころかどんどんヒートアップしていく!
 仲間の妖タヌキツネ達も、彼女たちの変身対決の度に歓声を上げる。当初は仲間を応援していた彼女達も、今やこの対決の軍配がどちらに上がるのかを純粋に楽しんでいる!
「どうじゃぁ!」
「なんのぉ!」

 ビスチェVSベビードール!
 ボンテージVSキャットスーツ!
 会場(?)のボルテージが最高潮に達する!

 大歓声のなか、最後に立っていたのは……!!

 ――稲見之守だぁぁ!!

 大喝采の中、両手を上げギャラリーに笑顔を向けていた稲見之守は、レパートリーが尽きて座り込んだ妖タヌキツネへと歩み寄り、手をさし出した。妖タヌキツネがその手に手を伸ばす。ここに、友情が生まれ――。
「キャラ被っとるんじゃぁ!」
 妖タヌキツネをしばき倒す稲見之守であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎)
いま『愛の時間』とか甘美な言葉を聞いて♪(痴女、反応する)
何々、そういう事してんですの…ちょっとまって私も行くわよ♪
ん、何よこのタヌキツネちゃんは…邪魔をする気なら私の愛を受けなさい♪

私も女性だけど女性もいける口よ、『性癖:ロリ系』を拗らせながら
狸妖術で変化した子に私のテクを捧げちゃう♪
更に『UC』で媚薬使いながら淫気を強化して、もうそういう妖怪の類
と勘違いされるくらいにこの子達を頂いちゃいます♪
…ほらぁ、未だ私は足りないわよ…もっとヤって見せてよぉ。



 次々とやられていく妖タヌキツネ達は、少々焦りを覚えていた。
「こやつら手強いぞ!」
「く、しかし主殿の『愛の時間』を邪魔させるわけには!」
 その言葉にピクリとロベリアが反応した。
「いま『愛の時間とか甘美な言葉を聞いて♪」
「ひょえっ」
 ずずいと割って入ってきたロベリアに、妖タヌキツネがびっくりしてのけぞった。
「何々、そういう事してんですの……ちょっと待って、私も行くわよ♪」
「い、いきなりなんじゃあ、そうはさせんぞ!」
 慌てて行く手を塞ぐ妖タヌキツネに、ロベリアは少し不満そうな顔をしてから、ぺろりと舌なめずりをした。
「……邪魔をする気なら、私の愛を受けなさい♪」
「はーん、愛なら儂らの術とて負けはせんぞ?」
 ここで圧倒されるわけにはいかないと、妖タヌキツネの周囲から煙が噴きあがる。煙が晴れて出てきたのは……。
「なんじゃこりゃあっ!?」
 ちっちゃくなった妖タヌキツネであった。
「私、『女のコ』もいける口なのよ♪」
「ひゃぇっ!?」
 背が低くなった妖タヌキツネの視界を白くてまるくてやわらかいふたつのものが覆いかぶさる。ぷるるんとしたものに顔を埋められると、視界ばかりか口と鼻も塞がって、息が出来なくなりそうになる……けど、いい匂い。
 大きな胸に妖タヌキツネの顔を押し付けたまま、ロベリアは取り出した試験管のコルクを口で抜くと、舌をれろんと出して、中の液体を自ら流し込んでゆく。
「あぁっ……んっ……♪」
 途端に、ロベリアの身体が火照り始めた。息が荒く浅くなり、しっとりと肌が濡れる。その身から溢れるむせかえるほどの甘い香りが、胸元の妖タヌキツネの頭の芯を痺れさせてゆく。
「よ、妖怪……っ」
 ぷはっ胸の谷間から脱出した妖タヌキツネは、痺れるような甘い感覚に襲われながら、その女を見上げた。恐怖と快楽とがごちゃまぜになって感情の制御が出来ず、顔を紅潮させながらも思わず涙目になってしまう。
「そうよぉ、小さな子も美味しく『食べ』ちゃう妖怪よぉ♪」
 妖タヌキツネを組み伏せて、ロベリアが甘くささやく。
「頂きます……♪」

「……ほらぁ、未だ私は足りないわよ……? もっと……あら?」
 たっぷりとロベリアの『愛』を受けた妖タヌキツネが、組み伏せられながら消えてゆく。ロベリアは残念そうにしながら立ち上がると、残る妖タヌキツネ達へ、再び狙いを定めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリウム・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

敵へ『属性攻撃』ホワイトファングを放ちつつ接近戦を挑みます。
身動きが取れないうちに屠りたいですが、そう簡単にはいきませんか。
敵のUCの卑しい術中にはまる前に何としてでも倒したかったですが……。
私の前へ現れたのは、この人ならば私に許しと救いを与えてくれそうな母性溢れる女性の姿。
この人に全てを委ねたくなる気持ちが湧き上がってくるのが分かります。責任と義務を放棄したくなる気持ちが。
ですがそれは私が許さない。
『狂気耐性』。安易な救いを選ぶ事は私自身が許しません。
責任と義務。心を、意志を奮い立たせ、敵へ再度挑みかかります。
少しだけ、少しだけですが楽しかったですよ、オブリビオン。さよならです。



「皆の者、押されておるぞ!」
「あやつら手強いのう……!」
 妖タヌキツネ達は猟兵達の猛攻(?)によって劣勢となっていた。
「私は弱いですから、動かないでくれると助かります」
 そこにアリウムが追撃を仕掛ける。切っ先を妖タヌキツネに向けると、氷の魔力を帯びた弾丸が放たれた。
「ぬおっ!?」
 弾丸を受けて、妖タヌキツネの身体が凍り付く。しかし完全に凍り切る前に魔力を振りほどくと、妖タヌキツネは激昂した様子でアリウムに向き直る。
「お、おのれっ!」
「そう簡単にはいきませんか……癒しい術中にはまる前に何としてでも倒したかったのですが……」
 そう呟く声に、妖タヌキツネの耳がピクンと跳ねる。
「ほぅ、なら見せてやるとしようかのう♪」
 にやにや笑いながら、妖タヌキツネの周囲に煙が渦巻く。
「これは……!」
 煙の中から現れたのは、先ほどまでのイタズラっぽい少女のような妖タヌキツネとはまるで雰囲気の違う、落ち着いた印象の大人の女性であった。
「うふふ……」
 優しく、何もかもを包み込んでしまうような出で立ち、浮かべた微笑みは母性に満ち溢れ、それらがアリウムの心を惑わす。思わず、この目の前の女性に、何もかもを打ち明け、全てを委ねたくなる衝動にかられてしまう。
「悩みを抱え込む必要なんてないわ。いいのよ、何もかも捨ててしまって」
 手を広げ、アリウムを促す。胸へ飛び込んでしまいたい。そして、言われた通り責任も義務も放り出してしまいたい。
 アリウムはふらふらとした足取りで、妖タヌキツネへと歩み寄る。
「ほら、いらっしゃい」
 二歩、三歩。もうすぐ彼女の胸へ飛び込んでゆける。しかし。
「そんな選択は、私自信が許しません」
「うっ……」
 アリウムの剣が妖タヌキツネを貫いていた。
 猟兵としての責任と義務を果たす。その意志を奮い立たせ、誘惑に打ち勝っていたのだ。
「そ、そんな……」
 妖タヌキツネの姿が元に戻ってゆく。その様子に、アリウムは僅かながら残念な気持ちを抱いていた。
「少しだけ……」
 目の前に現れた女性は、確かにアリウムの理想とする女性であったのだろう。
 出逢うことが出来たこと、そして、一時でも優しい気持ちになれたこと。それだけはアリウムにとっては良いことだったと言えた。
「少しだけですが楽しかったですよ、オブリビオン」
 剣から放たれる冷気が妖タヌキツネを凍らせ、粉々に砕いた。
「さよならです」
 そう言って、アリウムは静かに剣を収めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

闇野・みこ
発育もまだそうな、ちっちゃい背丈で精一杯に大人のように振る舞って
なんてせくちぃなの
(幼子を見るような微笑ましい目)

セクシーって言うくらいだから……ちょっとは知識はあるわよね?

珍妙なポーズを取りながら肌色多めの衣装から見えちゃいけないような
場所をチラリズムしながら聞いてみる

あるのなら……教えてくれないかしら?

UCでもう一人出現させてそう誘ってみるかなー
え? エロい事するつもりかって?
ある意味でエロいかもね

二人がかりでコショコショとくすぐりだー!
じゅーぶんに笑かせたら、解放してあげるけど……
面白かったら、また可愛がってあげよう

なに、妖怪なんだし早々に堕ちたりしないんでしょう?
(ダブルな満面の笑み)



 みこは思う。
「発育もまだそうな、ちっちゃい背丈で精いっぱいに大人のように振る舞って……」
 目を細め、まるで幼子を見るかのように笑みがこぼれる。
「なんてせくちぃなの」
 いくら変身が出来るからって、本体はこんなに小さいのだ。それがみこにとってはたまらない様子であった。
「な、なんじゃその目は、儂らを侮るでないぞ?」
 みこの目つきにたじろぎつつも妖タヌキツネは精いっぱいの虚勢を張った。みこは目を伏せ、意味深な雰囲気で笑みを浮かべた。
「セクシーって言うくらいだから……ちょっとは知識はあるわよね?」
 みこは前かがみで胸元を露わにする。さらに、腰の布をするりと上げて、太ももの付け根から見えてはいけない部分がチラリと見えそうだ。
 そんなポーズでみこは自らの下唇に指を這わせる。ぷるんと柔らかい唇が濡れて、色っぽさを際立て、妖タヌキツネは思わずどきんと胸を高鳴らせる。
「む、無論じゃとも!」
 妖タヌキツネは胸をふんと張って答える。その様子も愛らしいと思いつつ、みこは言葉をつづけた。
「あるのなら……教えてくれないかしら?」
「よかろう!」
 みこの挑発に、妖タヌキツネがノッてくる。煙が渦巻き、周囲に美少女の軍団が現れる。
「へぇ……?」
 美少女妖怪達に囲まれながら、みこは感心したように声を上げた。
「ほぉれ、たっぷりおもてなしされるがよかろう♪」
 妖タヌキツネの号令の下、美少女たちがみこを座敷へエスコートしようと、みこに近付いた。と、その時であった。
「えっ、二人?」
 気が付けば、みこが二人になっているではないか。
「私は私。貴女も私♪」
 美少女妖怪達が呆気にとられている隙に、二人は妖タヌキツネへと一気に距離を詰める。
「しまった……!」
「あの妖怪達もいいけどぉ、あなたから教えて欲しいのよね」
 みこ達は妖タヌキツネの両脇に回り、その腕をがっしと掴む。二人の笑みがあやしい。
「な、なんじゃ! エロい事をするんじゃな!? 春画本みたいに!」
 狼狽する妖タヌキツネに、みこ達は顔を見合わせてにまっと笑う。
「ある意味で、エロいかもね……えいっ」
「!!」
 みこ達が一斉に妖タヌキツネに手を伸ばし……その無防備な腋に指を突っ込むと、激しく動かした!
「ひゃっ、なっ、なにをすりゅっ!? ふひゃははっ!?」
 二人がかりのくすぐり攻撃が炸裂した!
「ほーらほら」
「やめ、やめるのにゃぁっ!?」
 そんな言葉は一切無視して、みこは妖タヌキツネが逃げられないように身体をしっかり密着させる。
「ひゃはははははっ、や、はっ、にゃぁぁっ!」
 お腹、おへそ、そして足の裏。くすぐればくすぐるほど楽しい反応が返ってくるので、みこは妖タヌキツネが笑い疲れるまでくすぐり続けるのであった。

「は……はぁっ……はあぁ……」
 たっぷり笑わされ、息も絶え絶え、顔も紅潮して涙目になっている妖タヌキツネ。しかし、彼女もこのままではいられない。満足した様子のみこに対して反撃の隙を伺う。
 今、ちょうど二人のみこは背を向けている。今ならば……。
「面白かったし、また可愛がってあげよう」
「あっ」
 その気配に気付いていたか、振り向いたみこと目があった。みこは満面の笑みで告げる。
「なに、妖怪なんだし、早々に堕ちたりしないんでしょう?」
「ひ、や、だめ……」
 妖タヌキツネが後ずさる。だが、二人は逃がさない。
「ひゃぁあああああんっ」
 こうして、笑い声はいつまでも屋敷中に響くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
同性である私には効果が薄いかと……
しかし、誘惑の遣い手は見たことがありますが、随分と趣きが違いますね

(雪女に変身したのを見て)む、同じ属性では相殺されてしまうかもしれませんね
ならばここは――こちらの姿で(中華服に変身)

稲妻を纏って吶喊、蹴り飛ばす(属性攻撃・ダッシュ)
電熱で雪女と相性はいい筈、他の姿に変身される前に畳みかけます!

四方八方から舐め回すように絡み付いて来る蔦を、電撃で焼いて【怪力】で千切る
蔦が絡むのはこちらだけ、地の利は完全に向こうにありますね……
こうも服の中でもぞもぞと妨害されては……! 

【全力魔法】で脚の稲妻を最大強化し、【天霆轟雷脚】で敵も蔦もまとめて【なぎ払う】



「まずいのじゃ……このままでは!」
 妖タヌキツネは明らかに焦りの色を見せていた。仲間は色仕掛けに負け、化かしあいに負け、どんどん数を減らしている。
「こうなったら儂だけでも……! あの者を色仕掛けで骨抜きにしてやるのじゃ!」
 そう妖タヌキツネが標的にしたのは、オリヴィアだ。
「同性である私には効果は薄いかと……」
 オリヴィアは冷静に呟いた。しかし、ここには表に引き続き蔦が襲ってくる可能性がある。オリヴィアは注意深く観察を続けながら、敵の動きを見る。
「しかし、誘惑の遣い手は見たことがありますが、随分と趣きが違いますね」
 オリヴィアが妖タヌキツネを上から下に眺める。誰がどう見てもちんちくりんボディである。こういうのが好きな人もいるので一概には言えないが、大体誘惑する系の敵はぼんきゅっぼんな場合の方が多い。
「これを見てもそう言えるかえ? どうじゃ!」
 妖タヌキツネがどろんと変身したのは、白い和服でわがままボディの雪女。耳と尻尾が見えているのはご愛敬だが、背が伸びて出るところも出た影響か、戦闘力が増しているように感じられる。
「む……同じ属性ですか。ならばここは……」
 オリヴィアの姿が変わってゆく。胸元が大きく開き腰に深いスリットの入った中華服に身を包むと、ピシリとポーズをとる。今までとは違い、身軽で動きやすそうな出で立ちだ。
「これならば相性はいい筈!」
 オリヴィアの全身に稲妻が迸る。床を強く蹴り一気呵成に詰め寄ると、雷を纏った力強い蹴りを浴びせかける。
「ぎゃふっ!?」
「効いていますね……他の姿に変身される前に畳みかけ……っ!?」
 突如周囲の蔦がオリヴィアに襲い掛かる。オリヴィアは距離を取り電撃を浴びせかける。
「ほほほ、忘れてはおらぬじゃろ?」
 縦横無尽に動き回る蔦を味方につけ、妖タヌキツネが笑う。
「地の利は完全に向こう……きゃっ!?」
 スリットの中に蔦が入り込んだ。それに驚いた一瞬の隙に、オリヴィアの身体に蔦が巻き付いてくる。
「し……しまった……!」
 ぐるりと巻き付く蔦に、オリヴィアの肢体が艶めかしく強調される。
「おぉ……」
 その姿に思わずごくりと喉を鳴らす妖タヌキツネ。
「こうも服の中でもぞもぞと妨害されては……ならば」
 蔦ごと薙ぎ払うまで。全身の稲妻を脚に集中させ、激しくスパークさせる。
「偉大なる天の雷鎚よ! 我が脚に宿り、邪悪を打ち砕け!」
 オリヴィアの回し蹴りが炸裂した!
 蔦を引きちぎり、稲妻を走らせて焼き切ると、妖タヌキツネまでも巻き込んで吹き飛ばすのであった。
「色仕掛けはやはり効果がありませんでしたね」
 埃を払いながら、オリヴィアは倒れた妖タヌキツネにそう告げるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月読・美琴
「あなた方の主とやらを倒せば、この蔦の事件も解決ですね。
ならば退魔師として妖怪の皆さんにとりついた骸魂を浄化してあげましょう!」

神器・天叢雲剣を抜いて、妖怪たちと対峙します。

「月読流退魔術、受けてください!」

神器の封印を解き【退魔の神剣】の力を解放。
神の依代となり仲間の傷を癒やす神気を放ちつつ、戦闘力と攻撃回数を向上させます。

「この力の前に倒せない妖怪はいません!」

ですが、妖怪たちは妖術でせくしーな姿に変身し……
思わず自分のぺたーんな胸と比較してしまい集中力が切れて神降ろしが中断されてしまい……

「やっ、蔦がっ!?
きゃああっ」

全身に蔦が絡みついて胸が小さいことを強調されてしまうのでした……(赤面



「やばいのじゃー、やばいのじゃー……」
 もはやここが突破されるのも時間の問題。だが、精いっぱいの抵抗をせんと、残る妖タヌキツネ達は猟兵達に挑む。
「あなた方の主とやらを倒せば、この蔦の事件も解決ですね」
 そんな妖タヌキツネに向かい、美琴が前に出た。
「ならば退魔師として妖怪の皆さんにとりついた骸魂を浄化してあげましょう!」
 天叢雲の剣を抜き、切っ先を向ける。
「月読流退魔術、受けてください!」
 剣から神気が湧き上がる。周囲の仲間の傷を癒しながら、力が徐々に増してゆく。
「月読流退魔術……この力の前に倒せない妖怪はいません!」
「くっ、だが儂とてやられはせんぞ」
 どろんと煙が噴きあがり、妖タヌキツネの身体が変化してゆく。現われたのは先ほどまでの妖タヌキツネとは似ても似つかぬ雪女。唯一の名残は、狐の耳とタヌキの尻尾くらいだ。
「そ、そんなっ……」
 美琴は愕然と、その姿を見つめていた。何故なら目の前の雪女。今までのぺたーんですとーんな妖タヌキツネとは似ても似つかぬ、ばいんばいんのわがままボディになっていたからである。
 なんなら仲間意識も多少ある相手だっただけに、こんな隠し玉、美琴にとってはとてもではないが直視できるものではなかったのだ。
 何故ならば……美琴は視線を下ろし、自らの胸を見る。……床がはっきりと見える。その胸囲の格差社会をまざまざと見せつけられて、美琴は意識の集中をつい、途切れさせてしまった。
「……はっ!?」
 その隙を突かれ、蔦が美琴に襲い掛かる。集中の切れていた美琴は実に無防備であった。
「やっ、蔦がっ!? きゃああっ!」
 みるみるうちに、美琴の全身を蔦が覆ってゆく。腕、脚を縛り付け、袴の隙間から、巫女服の懐から、美琴の柔肌に直接絡みつく。
「や、やめてくださいっ……!」
 強引な侵入に巫女服がはだけ、清楚な白い下着が露になる。さらに蔦は美琴の思考を読んだかのように胸の周りに纏わりつき、強めに縛り上げてその胸を強調させんとする。
「や、だめっ……!!」
 美琴のブラは今にもズレて外れてしまいそうだ。が、その下の肝心の部分はあまり強調されない。上から下から、肉を寄せてあげるような感じで蔦は縛るが、うっかりするとするりと抜けてしまいそうな凹凸なのだ。
「ひ、酷いです!」
 美琴が真っ赤になって非難する。
「……儂、なにもしとらんけど」
 妖タヌキツネは呆然と、その様子を眺めるばかりであった。

 なお、この後なんとか脱出した美琴は、怒りと羞恥と嫉妬に任せて妖タヌキツネを撃退するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フォーサイス
これは映え勝負なのかな?

これでもいちおうバーチャルキャラクターを名乗ってるものとして負けられないかな。

むこうがセクシー路線でくるならこっちは大食いだ。
この繁華街にある食料、全部持ってきて。
食べながら身体の中で量子分解してどんどん食べちゃうよ。

幽世中に生配信して、イイねの数で勝負だよ。



 妖タヌキツネとの決着の時は近い。
「これは映え勝負なのかな?」
「え?」
 変身対決を観戦していたアリスは、何故かそんな風に結論付けた。
 困惑する妖タヌキツネを前に、アリスはどんどん話を進めてゆく。
「これでもいちおうバーチャルキャラクターを名乗ってるものとして、負けられないかな」
 意気込むアリスに、妖タヌキツネも意を決し、しなりと身体をくねらせた。
「……よし、しかたなかろう! そのちんちくりんなぼでぃーで儂に敵うと思うかの!?」
 お互い様って感じの無い胸を張り、妖タヌキツネがアリスに張り合おうとする。が。
「向こうがセクシー路線でくるならこっちは大食いだ」
「えっ」
 艶めかしいポーズをとった妖タヌキツネをよそに、遊郭中から食料を調達してくるアリス。
「いい? 映え対決だよ」
 色気と食い気。二つの意地がぶつかり合う超異色異種格闘技戦のはじまりであった。
「わ、儂は了承しとらんぞ!」
 妖タヌキツネの叫びはノリで掻き消えた。

 屋敷にアリスの放った動画撮影ドローンが飛ぶ。
「さぁ、イイねの数で勝負だよ」
「ふん、ただ食べるだけなど、儂の術にかかれば……ふん!」
 妖タヌキツネがどろんと姿を変える。画面の向こうのたくさんのお兄さん達に向けた、むちむち肌色狐妖女が姿を現す。
「イイね、よ・ろ・し・く・の♪」
 胸を強調しながら、ちゅっとカメラに投げキッス。すると、妖タヌキツネへのイイねがガンガンと上昇してゆく!
「やるね、じゃ、ボクも……」
 シュパン。そんな音がする勢いで卓上の食べ物がみるみる消えてゆく!
「なっ!?」
 アリスが食べ物を口に含むと、瞬時に口の中のものが消えてゆくのだ。もはやびっくり人間である。それはアリスが食べたそばから量子分解するからなのであるが、その小さな体に食べ物が片っ端から吸い込まれていく姿は、爽快さとある種の怖さを感じてしまう。
 しかし、そのその驚愕映像は妖タヌキツネのセクシーポーズにひけをとらない勢いでイイねがついてゆく!
「ふふ、じゃが勝負はここからじゃっ!」
 太ももをゆらりと露出しながら、妖タヌキツネとアリスの戦いはエスカレートしてゆくのであった。

「なぜじゃっ!?」
 妖タヌキツネはくねくねと身体を捻り、見えそで見えない隠し方や、ぷるんぷるんと胸を揺らしたり、ふんどしの上からではあるもののお股をどーんと大写しにしたりと、エロ自撮り映像をバンバンと配信している。しかし、徐々にイイねは伸び悩みはじめ、ついにはアリスのイイねが妖タヌキツネを追い抜いたのだ。
『派手だけど好みじゃないな』
『もっと貧乳寄越せ』
 妖タヌキツネに対しては、そういうコメントが散見しはじめる。そう、画面の向こうの大多数に合わせた完全な『性癖』などは存在しないのだ。
 対するアリスの食べっぷりは見ていて清々しい、いくら見ても飽きない、それどころか飯テロですらあるのだ。
 そうこうしているうちにイイねの差は開き始める。
「か、かくなるうえは!」
 焦った妖タヌキツネは、ほんの一枚隠していた布を、はらりと落とした。
『おおおおおお』
『やりやがった』
 コメントが一部祭り状態になる。見えてはいけない部分が晒され、さらにそれを大映しに……と思った瞬間、画面が真っ暗になった。
『この配信はBANされました』
「あっ」

「ボクの勝ちだね。じゃ、通してもらうよ」
 完全な敗北であった。妖タヌキツネはその戦意を削がれて消えてゆく。
 ともあれ、こうして邪魔者を撃退することに成功した猟兵達は、この蔦の世界を生み出した元凶へと立ち向かうため、先を急ぐのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『恋獄姫アヤラ』

POW   :    ウィッチクラフト・プロポーズ
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【呪い】属性の【愛の言霊】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD   :    恋獄の縛り
命中した【恋】の【視線】が【対象を魅了する呪詛】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    愛の結晶
無敵の【対象と自身との間に産まれたベイビー】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナギ・ヌドゥーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「愛が足りないわ」
 女が言う。
 その部屋には、蔦で繋がれたたくさんの妖怪達が、息も絶え絶えで周囲に吊るされていた。
「どいつもこいつも薄っぺらい愛の言葉ばっかり。足りないの」
 中央に敷かれた布団は乱れ、妖怪達が縛りつけられている。
「どいつもこいつも美味しくないの。足りないわ」
 その女は『恋獄姫アヤラ』。愛を求め、愛に彷徨うオブリビオンであった。
「ここは愛をくれる場所なんでしょ。あなたは、私に愛を教えてくれる?」
御狐・稲見之守
ふふ、愛を欲しがるばかりの欲張りさんめ。足りないのだろう、満たされたいのだろう。

[UC妖狐の檻][呪詛][捕縛][催眠術]汝、我が呪縛から逃れること能わず――魅了し、心も体も拒むことなど許さぬよ。そして彼奴の[恋獄の縛り]をこの身に受けてやる。

我もまた貪欲でなァ、愛しき者を喰らわずにはいられない……そういう女よ。蔦で我を縛りたいなら縛るが良い、それに応えて[生命力吸収]でその唇から精気を啜り喰らい恋獄姫をいただこう。

蔓にぎりぎりと縛られ呪詛に貫かれながらもその頬を撫でてやり、何度も何度も唇を重ねて精気を、情念を、魂を啜り喰らう。我が内で永久に咲いていておくれ、愛を求める紅き華よ。



 ――愛が足りない。
 その言葉に稲見之守がゆらりと姿を大人のそれへ変え、くねるようにアヤラへと近付いてゆく。
「ふふ、愛を欲しがるばかりの欲張りさんめ。足りないのだろう、満たされたいのだろう」
 浮かべる笑みはまるで獲物を狙う蛇にも似て、アヤラはふと、稲見之守を見る。
「なんて好都合かしら、貴方もそんなに飢えているなんて。それってとっても愛が深いってことでしょう?」
 稲見之守はじくりと胸に刺すような感覚を覚えた。アヤラの視線が、魅了の呪詛を帯びて稲見之守に突き刺さったのだ。
「どれくらい深いのか、見せて……?」
 そう言って腕と蔦を伸ばす。だが、そこで違和感に気が付いた。
「え……?」
 アヤラの視線は相手を魅了し、アヤラに溺れ、アヤラに従わせるほどの呪詛を秘めているはずだ。
 だが、近付くその女の瞳は魅了された者のそれではない。むしろ熱く、狂おしく、自然と見惚れてしまうような――。
「我が呪縛から逃げること能わず」
 その言葉に、アヤラはハッとした。
「私が、魅了されたっていうの?」
 そう、アヤラが視線を向ける前から、稲見之守はアヤラに呪詛をかけていた。
 力を封じ生命力、思考、判断力を奪う呪詛である。その上で、あえて稲見之守はアヤラの術を受け止めたのだ。
 アヤラの表情が一変した。怒りに任せて蔦に指示を出すと、稲見之守の身体を縛り付ける。
 両手、両足、胴にまで蔦が纏わりつき、稲見之守は身動きが取れなくなっていた。それでも、その視線は、その笑みは、そして感じる、胸の高鳴りは……。
「我もまた貪欲でなァ。愛しき者を喰らわずにはいられない……そういう女よ」
「愛しき者……?」
 アヤラの声が震える。今、感じるものこそが愛、なのか?
 戸惑いを隠せないアヤラに、稲見之守は蔦が絡みついた腕を無理矢理に動かし、アヤラの頭を撫でた。
「…………」
 その手をアヤラは振りほどかない。それどころか、どこか安心したような表情で、それを受け入れている。
 自然と蔦の力が緩む。そして稲見之守は、アヤラに唇を重ねた。

 何度も、何度も。唇が離れては再び重なる。口内で熱く絡む感触と共に、アヤラから力が奪われていく。それでも、アヤラは拒まない。むしろ、もっともっとと激しく求める。
 精気、情念、そして魂までも啜り喰い、稲見之守は唇を離した。
 くたくたと座り込むアヤラの前で唇をぺろりと舐めとりながら、稲見之守は告げた。
「我が内で永久に咲いていておくれ、愛を求める紅き華よ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

クライド・エント
相手にバスタードソードの「切り込み」と「武器受け」を用いながら接近して勝負するぜ
女好きな性格もあって、途中で相手の恋の視線で見つめられると、段々とドキドキしてきて思わず「可憐だ…」と呟きながら魅了され、攻撃したくなくなってしまうかもしれないな
そうなったら、何とか気合いで持ち直して戦闘続行できるよう頑張るぜ!



「女か……」
 クライド・エント(だらしない海賊・f02121)は恋獄姫アヤラと対峙しながらバスタードソードを構えた。
 クライドは正直言って女が好きだ。それがたとえオブリビオンで、骸魂であったって、女は女なのだ。
 だが、そうは言ってもクライドだって猟兵だ。アヤラを倒すための努力は尽くす。その矢先であった。
「貴方はどんな愛を見せてくれるの?」
 アヤラの視線がクライドを刺した。ズキンと胸に刺さるような熱い思いに、バスタードソードの手が緩みそうになる。
「……可憐だ」
 剣を持つ手はぐっと堪えつつも、振り上げることが出来ない。視線をアヤラに逸らすことも出来ず、今にもふらふらと彼女の元へ向かいたくなってしまう。
「ふふ、じゃあ貴方の愛を頂戴」
 アヤラが言う。その言葉もクライドを惑わしてゆく。
「うぅ……!!」
「どうしたの? ほら」
 アヤラが両腕を広げ、クライドを迎え入れようと言葉を向ける。その一言が、クライドの理性を奪い、彼女のいいなりになることが正しいように思えてくる。
「うぅうおおおっ!!」
 すんでのところで、クライドが気合を入れなおした。バスタードソードを持ち上げ、視線を遮るようにして駆ける!
「そんなっ……!?」
 クライドの剣が、アヤラの身体を斬り裂いた。クライドは誘惑に打ち勝ち、なんとか猟兵としての責務を果たしたのだ。
「可憐だったけど、負けるわけにはいかないからな!」

成功 🔵​🔵​🔴​

アリウム・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

猟兵に、少なくとも私に愛を乞うとは勘違いをしているようですね
私が与えられるのは冷たい刃の感触、ただそれだけです

眼前の敵は厄介ですが、周囲の蔦にも気を配らなければ。
散華を周囲に展開し、蔦を斬り刻むのと同時に元凶へ『範囲攻撃』を仕掛けます。
敵UCとはいえ、赤子を戦闘に利用するとは……。
散華を操作し、赤子への攻撃を逸らす。逸らす、逸らしたいですが……。
人間として、私本来の甘い部分を責任と義務で冷たく覆い隠す。
槍を振るい、『串刺し』にし地面に縫い留めておけば戦闘の邪魔になる事もないでしょう。

貴方に薄い愛しか集まらないのは、乞うてばかりで与えていないから。
一方通行の愛は成立しません。永遠に。



「愛が足りないわ。 もっと、あの愛を……!」
 猟兵達の攻撃を受け、心身ともに力を奪われつつあるアヤラが叫んだ。
 戦闘中、猟兵達の中にはそれぞれの『愛の形』を教えるものもいた。それは一部、満たされたような気もした。
 だが、それだけの愛を受けても渇望がアヤラの心を蝕んだ。根本的にアヤラの愛の器は、底の空いた瓶のような代物なのかもしれない。
「猟兵に、少なくとも私に愛を乞うとは勘違いをしているようですね」
 アリウムが剣を抜いた。氷の魔力が吹きすさび、花びらとなって周囲の蔦を切り刻む。
 凍り、砕け散る蔦の間を悠然と歩きながら、アリウムは告げた。
「私が与えられるのは冷たい刃の感触、ただそれだけです」

「あぁ、氷のように張り詰める視線、それも素敵だわ。あなたとは、どんな子が生まれるかしら……」
 アリウムを見つめながら、アヤラの妄想が広がってゆく。何もない空間から生まれた赤ん坊は、アヤラにばかりよく似ていて、母を護るようにアリウムの前に立ちはだかった。
「ユーベルコードとはいえ、赤子を戦闘に利用するとは……」
 アリウムが嫌悪感を露わにした。アヤラはその嫌悪を無視して、赤子を抱き上げる。
「ねぇ見て。とっても可愛いわ」
「そんなもの……」
 ユーベルコードといえど、赤子を斬りつけることには抵抗があった。アリウムは剣から放たれる氷の花びらを逸らし、アヤラへと攻撃を集中させる。
 腕を切りつけると、アヤラの手から赤子が離れた。
「しまった……」床に転げた赤子は、まったくの無傷のまま、よたよたと立ち上がり、アリウムを見つめてくる。確かにこの赤子はユーベルコードで生まれた幻想なのだ、とアリウムは確信した。
「それでも……」
 赤子を逸らそうと、魔法の操作が鈍る。赤子はその間を縫うように、いや、当たってもまったく意に介さず、アリウムへと近付いてゆく。
「……くっ!!」
 アリウムは、自分の弱く、甘い心を自覚していた。あの赤子はただの幻想である。それはこの目で確かに確認したはずだ。それでも攻撃はしたくない、そう思う心が切っ先に迷いを生じさせ、本来の力を出すことが出来ないことまでも、アリウムは自覚していた。
(ですが……!)
 同時に、アリウムには責任と義務があった。猟兵としてオブリビオンの前に立つ以上、非情に徹さなければならない時もあるのだ、と。
 甘い心、責任、義務……。それらの葛藤の中、赤子はアリウムの足元にまで到達しようとしていた。
(私は……!)
 女性の金切り声のような鋭い音が響いた。アリウムの携えたもう一本の武器。短槍『叫喚者(スクリーマー)』が空を斬り、そして、赤子を深々と串刺しにしていた。
「これならば、戦闘の邪魔になることはないでしょう」
 アリウムの責任と義務が、本来の心を冷たく覆い隠した。

「どうしてひどいことをするの?」
 あれはあなたの子なのに、とでも言いたげな顔でアヤラが問う。
「あれはあなたのものでしかないからです」
 その言葉に、赤子が揺らいだ。アヤラは疑問を一瞬でも抱いてしまったのだろう。その一瞬の心の揺らぎを見逃さず、アリウムはアヤラへと肉薄すると、剣を振いながら告げる。
「貴方に薄い愛しか集まらないのは、乞うてばかりで与えていないから」
 そして刃が振り下ろされた。氷の魔力と共に、アヤラの身体に傷が刻まれる。
「一方通行の愛は成立しません。永遠に」

大成功 🔵​🔵​🔵​

闇野・みこ
愛が欲しい?
いや、遊郭で求めるものは胡蝶の夢みたいに一夜限りのものでしょう
ここで永遠の愛を求めるのは間違いでしょ

炎の外套のリミッター解除
パーム・ベアを動かしてグラップルでの拘束を狙うよ
捕まえたら、選択UCの代物をたーっぷりと塗り込んであげましょう

塗り終わったら……放置で
我慢できるかな?

身体を拘束してても顔はそのままだから恋の視線とかはやれちゃうけど
あえて喰らっておく
求めてるんでしょ? なら避けるのは違う気がするしね
我慢比べになるね~

まぁ、我慢比べの後はどのちみ、色々と(意味深)な手出しはするけどね
放置しっぱなしはどうかと思うし……?(すっとぼけ)
焦らしに焦らされて繋がるってことさ~



 猟兵達の攻撃により、アヤラは徐々に劣勢を強いられていた。
「私が欲しいのは愛だけなの。痛みはいらないわ……!」
 アヤラは恨みがましく、猟兵達を睨みつける。
「……愛が欲しい?」
 その言葉に、みこは首をかしげた。
「いや、遊郭で求めるものは胡蝶の夢みたいに一夜限りのものでしょう。ここで永遠の愛を求めるのは間違いでしょ」
「違うわ。私はね、あなたにだって愛を感じるもの」
「そう?」
 みこは疑問符を浮かべながらも、炎の外套と呼ばれる力を解放する。すると、彼女のぬいぐるみ『パーム・ベア』が突如駆け出し、アヤラに掴みかかった。
「なぁに、これ?」
 パーム・ベアはアヤラに抱き着いていた。その力は凄まじく、アヤラはその身を拘束されてしまう。
「熱い抱擁……けれど温もりが足りないわ」
 不満そうなアヤラに、みこがにこやかに近付く。
「痛いのはやめて……あい、し……?」
 たぱぁ、とトロっとした液体がアヤラに降り注いだ。
「……なにをしているの?」
 問いかけるアヤラを無視して、ねばつく液体を伸ばそうとみこの指がアヤラの肌で滑る。
「これで愛し合いたいのなら、この熊を解いて頂戴、おねがい、ね?」
 みこはいまだに答えず、にやにやと笑っている。肌の露出している面にある程度液体を塗り込むと、みこはアヤラの顔を見て口を開いた。
「我慢できるかな?」
「しなくていいわ」
 アヤラとみこの目が合った。その瞬間、みこにずきんと胸を打つ感覚が走る。アヤラの持つ魅了する呪詛の力だ。これでみこは魅了され、いいなりになるはずだ。
「ね、ほどい……?」
 そう言おうとした瞬間、身体の内側から熱くこみあげる感覚にアヤラは気が付いた。
「……あっ、はっ……」
 身体が言うことを効かない。気持ちが昂り、息が浅くなる。
「我慢比べになるね~」
 正面に立つみこも頬が紅潮し、つぅ、と一筋汗が伝わせていた。アヤラの魅了は確かにみこの心に刺さっている。だが、そうして見つめる瞳が今のアヤラにはかえって愛おしく、まるで自分が魅了されたような気持にもなってくる。
 それはみこの用意した『妖し気粘液』。塗られたものを変な気分にさせる力を持っていた。

 求めているのならば、あえて避けない。避けるのは違う気がするから。
 そう思い、みこはあえて魅了を受けていた。徐々に吐息が甘くなってゆくアヤラという女を見て、みこもまた、彼女をたまらなく愛おしいと思い始めていた。
 ――我慢比べ。根負けしてしまったほうが、この後の優位を奪われる。みこだって負けるわけにはいかない。
(放置しっぱなしはどうかと思うし……?)
 みこが心の中でとぼけた。動けないまま目の前で膨れ上がる感情に、身体で処理をすることも出来ずに抗い続ける少女の姿はある意味では憐れだ。
「……ね、がい……」
 か細い声で、アヤラが呟いた。
「おね……がい……! ほどいて……っ」
 とうとう、アヤラがみこに懇願した。

 にまぁ、と笑い、みこはパーム・ベアの拘束を解く。それと同時にとびつくように、みこはアヤラへと抱き着いた。
「はっ、あっ……!!」
 期待に膨らんだような視線をみこは感じていた。
「これが、焦らしに焦らされて繋がるってことさ~」
 そしてぽふん、と布団が沈んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

篠之井・空斗
【ソロ希望】
「可愛らしいお姫様じゃねえか、ちょっと付き合ってくれよ」

ダガーを用いた近接戦闘をメインにUCで至近距離まで近づいていくぞ
そのまま攻撃しようとするが、もしかしたら至近距離で相手の視線に晒されると、いきなり相手への恋慕の感情が湧いてきて傷つけるのを躊躇うかも知れねえ
そうなったら自分で何とか感情を振り払うよう努力するぜ



 襖が開かれた。猟兵達の攻撃によって息も絶え絶えのアヤラが、再び猟兵達の前へと立ちはだかる。既に猟兵達との戦いでアヤラはかなり消耗している。それでもまだ立ち向かうのは、オブリビオンとしての矜持か、それとも、こうなってもなお愛を求める故か。
「可愛らしいお姫様じゃねえか、ちょっと付き合ってくれよ」
 篠之井・空斗(人間の探索者・f28864)はそんなアヤラに軽い口調で声をかけた。
「あなたも愛を教えてくれるの? ……ふふ、ならあなたは私の言う通りにしてくれる?」
「どうかな」
 空斗がダガーを抜き、駆けた。空斗の駿足は瞬く間にアヤラへと肉薄し、手にしたダガーが振り下ろされようとする。
「だぁめ、がっつかないで」
 刃がアヤラへと突き立てられようとした時、その腕がぴたりと止まった。アヤラの視線が空斗を捕えたのだ。
「うっ……くっ……!」
 振り下ろすダガーを止めたのは、他でもない空斗だ。アヤラの視線を受けた空斗の胸に刺すような感情がこみ上げてくる。それは、恋慕のように切なく、アヤラの肌へ傷をつけることに強い抵抗を感じてしまう。
「ねぇ、どうしたの? 愛してくれるんじゃないの?」
 ダガーを握る手が緩む。思わず落としてしまいそうになって、空斗は慌ててダガーを握りなおす。
「そんなもの捨てて。あなたの愛を見せてよ」
 アヤラが身体を密着させる。そして、手を空斗の服の中へ手を伸ばそうとする。
 このまま身を委ねてしまいたい衝動が空斗を襲う。そうすることが出来れば、どれだけ楽だろうか。
「……だ」
「え、なに?」
 空斗の呟きに、アヤラが聞き返した。
「ごめんだ」
 はっきりと聞き取れるように空斗が言った。
「言う通りになるのは、ごめんだ!」
 空斗がアヤラの手にかかった服を脱ぎ捨てて、アヤラの密着から逃れた。そして、さらに身軽となったその身体で、アヤラにダガーの刃を突き立てた。
「ど、どうして……」
 痛みに耐えながら、アヤラが問う。
「誘っといて悪いが、付き合うのはここまでだ」
 空斗は再び軟派な表情で告げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎)
愛が足りないと聞いて♪(ズイッとアヤラちゃんの前へ)
分かるわ、言葉だけの愛じゃ気持ちよくなれないよねぇ。
ヤッパリ愛は【実践】がないとね♪
…え、言ってる意味わからない?それじゃ貴方の体に教えてあげる❤

言っとくけど、その魅了視線は止めといた方が良いわよ…?
特に私だと逆効果で、即席媚薬(UC発動して生成)調合して
アヤラちゃんにも飲ませたり自分で飲んだりして余計発情して
その体を押し倒し(グラップル)て、全身籠めて愛を教えてあげちゃう♪
逃げちゃだめよ、本当の愛を教えてあげるんだから…❤
…あぁ、最終的にはご馳走様(生命力吸収)でした、なんだけどね♪



「違う、違うわ……私が欲しいのは痛みじゃないの」
 猟兵から受けた傷を抑え、アヤラが呟く。
「愛、愛が足りないのよ……!」
「愛が足りないと聞いて♪」
 アヤラの叫びに、ロベリアがずいっと顔を出してきた。突然の接近にアヤラが呆然としていると、ロベリアはうんうん頷きながら言葉を続ける。
「分かるわ、言葉だけの愛じゃ気持ちよくなれないよねぇ」
 そう言いながら、ロベリアがアヤラに目を合わせ、にんまり笑って告げる。
「ヤッパリ愛は……」
 アヤラの耳元で、ロベリアが囁いた。
「実践がないとね♪」

「ふぅん……」
 アヤラはロベリアを眺めて、何かに納得したように頷いた。
「あなたも欲しいんだ、愛」
 その言葉に、ロベリアの口角はますます上がってゆく。
「言ってる意味はわかるみたいね? じゃあ、貴女の身体はどうかしら」
 ロベリアがアヤラのドレスに手をかける。アヤラはすかさず、呪詛の込めた視線をロベリアへと向けた。
「言っとくけど、その魅了視線は止めといた方がいいわよ……?」
 ロベリアが言う。しかし、アヤラはその忠告を無視し、ロベリアに呪詛の視線を突き刺した。直後、ロベリアの心と身体が疼きはじめる。
「あはぁっ……!」
 ロベリアの紅潮した顔が、歓喜に沸いた。目の前の少女が、今までよりも愛おしく見え始めたからだ。
「ダメよ、好き勝手されるのは嫌いなの。奪うのは、私」
 アヤラがロベリアを制止する。魅了されているのならば、言うことを聞くはずだ。そしてこの女からの愛を奪ってやろう。アヤラはそう考えた。
 ――だが。
「んっ……!?」
 その制止も聞かず、ロベリアはアヤラを抱きしめると、その勢いのまま唇を重ねる。まるで暴走機関車のように、ロベリアの愛は止まらないのだ。
「んんっ……っ!」
 アヤラの口内に何かの液体が流し込まれた。思わず飲み込んでしまうと、途端に身体が芯から熱くなっていく。
「んっふ……♪」
 『だから止めたのに』と言った目つきで、ロベリアの口付けは止まらない。ロベリアも、アヤラに流し込んだ液体の残りを飲み込むと、本格的に舌を絡めだす。
 キスをするだけで全身に電撃が走る。電撃が走る度に、下腹部から広がる疼きが強くなってゆく。
 ロベリアの抱擁に押され、足がもつれそうになったとき、アヤラの足元にコツン、と何かが当たった。
 それはロベリアの持っていた小瓶であった。そこで、アヤラは察する。――流し込まれた液体は、この女が即席で作った媚薬なのだ、と。
「んぁっ……はぁっ……駄目、よ……!」
 ロベリアから唇を離し、アヤラは呪詛の力を強める。アヤラは愛を知りたいという気持ちを持ちながらも、『奪う側』でありたいと願っていた。そして底なしの欲望を言い訳に、一方的な愛を求め続ける。言い換えれば、愛を求めながら愛に溺れてしまうことに恐怖していたのだ。
 だが、ロベリアの物理的な愛はそんな恐怖はそのままに、欲望だけを肥大化させてゆく。
「いや、いやよこんなの……っ!」
 荒い息で頬を赤らめ、腰が抜けそうな疼きの中、ロベリアの抱擁から逃れようとアヤラが抵抗する。だが、その力が驚くほど弱弱しいことに、アヤラは愕然とした。
「逃げちゃ駄目よ、本当の愛を教えてあげるんだから……」
 そう言い、ロベリアがアヤラを組み敷く。

 ――そして、部屋の襖が閉じられた。

「御馳走様♪」

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フォーサイス
あの匠の縛りはキミの技だったんだね。
あれがキミの愛の表現てことかな。

愛を求めるものがたどり着くお話、ぜひいただきたいな。

キミの愛を見せてよ。

お返しにこちらの愛も示さないとかな。突然現れたちびアリスが連携してアヤラちゃんを素早く縛っていくよ。
ぼくの持てる知識を総動員し、さらにぼくなりのアレンジを加えた縛りだよ。

締めはぼくの愛の全力魔法だ。ぼくの愛を感じてよね。



 襖が開き、アヤラが再び現れた。
 かなり憔悴した様子ではあるが、未だアヤラの戦意は衰えていない。
「ねぇ、あなたたちは私の愛を受け入れてくれるわよね?」
 そう言って、アヤラは周囲でうねる蔦を見上げて視線を送ると、蔦はアヤラを護るように、猟兵達の前へと立ちはだかった。
「あの匠の縛りはキミの技だったんだね。あれがキミの愛の表現てことかな」
 その様子に、アリスはそう結論付けた。
 事実、アヤラの求める愛とは、アヤラからの一方向的な、雁字搦めなものであった。その心理から察すれば、蔦の縛り方についてのアリスの考察も、あながち間違いではないように思えた。
「愛を求めるものがたどり着くお話、ぜひ頂きたいな」
「そう? なら、遠慮なく……♪」
 アヤラはそう言うと蔦に指示を出す。蔦はその指示通りその身を伸ばし、ハートマークを形作ったりしながらアリスへと迫る。
 しゅるりしゅるりとアリスへと蔦が絡む、その足、その手、その頭……?
 気が付けば蔦は何重にも巻き付いて毬玉のようにまるくなってしまっていた。アリスへ絡みついたにしては、ちょっと小さすぎる。
「それはぼくの分身だよ」
 その奥に、アリスが立っていた。そして、足元にはいつのまにか2~2.5頭身くらいのちびアリス達がわらわらと出現しているではないか。
「飲み込むくらいの愛、かぁ。なるほど素敵だね」
 毬玉のようになってしまった蔦を眺めてうんうん頷くアリス。この中には足元のちびアリスが入っているのだろう。中でどうなっているかは知る由もない。
「お返しにこちらの愛も示さないとかな」
 足元のちびアリス達がキランと一斉にアヤラを見た。その光景にアヤラは一瞬たじろぐも、気を取り直して再び蔦に指示を出す。
「あの本体をラッピングしてあげなさい!」
 再び蔦がアリスを襲う! しかし、ちびアリス達がその蔦を見事な連携で掴み抑え込むと、今度は無邪気な笑顔でアヤラの元へと駆けてゆく!
「ぼくの持てる知識を総動員……それから、ぼくなりのアレンジを加えてみよう」
「や、ちょっ、きゃぁっ!?」
 アリスの指示のもと、ちびアリス達がアヤラを縛り上げてゆく!
 結び目を工夫してハートの形を作り、胸元には蔦のちょうちょ結び。あっという間に見事な愛のラッピングが完成する。
「こ、これが愛だなんて、認めないわ……!」
「そんなこと言わずに。締めはぼくの愛の全力魔法だ」
 アリスのウィザードロッドから、魔力が溢れ出す。そして、縛り上げられ動けなくなったアヤラへと放たれた!
「ぼくの愛を感じてよね」
「いやあああっ!!」
 十分すぎるほどの愛を受け、アヤラは吹き飛ばされるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

月読・美琴
「あなたがこの事件の元凶ですね!
退魔師として、あなたを退治し、この事件を解決してみせます!」

神剣・天叢雲剣を構えて妖怪に立ち向かいましょう。
神剣の封印を解き【退魔の神剣】を発動。
捕まっている妖怪たちの傷を癒やしつつ自分の戦闘能力も向上させます。

「さあ、いざ尋常に勝負です」

剣で斬りかかりますが、こちらが神剣の封印を解いている間に、相手も呪いの言霊を詠唱していたようです。
呪いを受け、身動きが取れなくなり……
そこに蔦が絡みついてきて拘束されてしまいます。

「あっ、きゃあっ、だめですっ……」

緩んでいた帯が解け、袴が脱げて……
さらに蔦が絡まって白衣も脱げて……

「ひゃああっ」

下着の中に蔦が入り込むのでした。



「許さない、許さないわ。私は愛が欲しいの!」
 度重なる猟兵の攻撃を受け、アヤラは大分参っているようだった。
 そんなアヤラの前に、美琴が堂々とした姿で立ち向かった。
「あなたがこの事件の元凶ですね!」
 神剣・天叢雲剣を構えると、全身に一層の力が入る。そして、気合を込め、美琴が叫んだ。
「あなたを退治し、この事件を解決してみせます!」
 そんな美琴の言葉に、アヤラはフッと笑い、ぶつぶつと呟き始めた。
「愛をくれないっていうのなら、用はないわ。私が愛しているものは私を愛して私を慈しんで私を想って、そして私の愛を受け取る人だけ。なのに愛が足りないの。愛が欲しいの。愛を頂戴、愛をもっと、もっとよ」
 突如狂ったように笑いながら言葉を紡ぎ続けるアヤラに得体のしれない恐怖を感じながらも、美琴は構えを解かない。退魔師としての矜持が、恐れることを許さない。
「天叢雲剣よ、邪な力を退け給え!」
 全身に神の息吹が噴きあがる。周囲で捕えられたままの妖怪達の傷を癒しながら、美琴の力が、みるみる上がってゆく。
「さぁ、いざ尋常に勝負です!」
 剣を構え、美琴がアヤラへと駆ける。斬りつけようとした瞬間、美琴は違和感に気付いた。
「愛して、愛して、愛して、愛して、愛して」
「これはっ……!」
 アヤラの周囲に呪いの言霊が渦巻いている。そこで、美琴は先ほどの異常なアヤラの様子を思い出した。
「……呪いの言葉の詠唱!」
 あの時からアヤラは愛の言霊を延々と詠唱し続けていたのだ。美琴が力を蓄える前から、そして蓄えている間も、ずっと。
「これは、いけませんっ……!!」
 しかし、時は既に遅かった。既に言霊の力は美琴の力を上回り、神気ごと美琴を金縛りにしてしまう。
「しまっ……た……!」
 悔しそうに悶える美琴に、アヤラが笑う。
「うふふ、やはり、私の愛を受け取るのに相応しいのはこの子達しかいないわ……」
 アヤラの周囲から、蔦が現れた。ぞくりと美琴の背筋が凍る。
「行きなさい」
 その言葉に合わせ、蔦が美琴へと這い寄る。蔦は全身に絡みつき、美琴の自由をさらに奪ってゆく。
「あっ、きゃあっ!?」
 そればかりか、蔦は美琴の柔肌に直接巻き付こうと、無理矢理に衣服に入り込もうとしてくるではないか。
「だめですっ……!」
 白衣は蔦が絡めとり、紐の緩んだ袴はしゅるりとずり落ちた。みるみるうちに、美琴の肌は露わになり、下着姿になっていまった。
「ひゃああっ!?」
 さらに、その下着をも剥ぎ取ろうと、蔦が伸びる。
「だ、だめ、それは!」
 下着の中へ入らんと伸ばされた蔦が蠢く感触に、美琴が真っ赤になって抵抗する。しかし、強固な蔦はなかなか外れず、下着の中で暴れる蔦は美琴に様々な感覚を呼び起こしてゆく。
「い、いやあああっ!!」
 神気が爆発し、蔦が弾け飛ぶ。咄嗟に神剣を握りなおすと、美琴は下着姿のままアヤラへと向かってゆく。
「ゆ、許しません!!」
「そ、んなっ……!」
 羞恥と怒りで振り下ろされた剣は、アヤラへと大きな傷をつけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オリヴィア・ローゼンタール
妖艶、というのでしょうね
人を惑わせる夢魔のよう

近接戦闘に向いているとは思えない出で立ち
脚に稲妻を纏い(属性攻撃)、速攻で畳みかける

愛の呪詛を受けて心を縛られ、その隙に身体を蔦で縛られ
しかし【転身・炎冠宰相】で白き翼の姿に変身
身に纏う聖なる炎(オーラ防御)で蔦を焼き、【破魔】【呪詛耐性】で洗脳を打ち破る
神とは愛である――他者を縛る呪詛が、愛である筈がない!

炎を纏う聖槍で叩き斬る
足りない、足りない……えぇ、あなたには愛が足りていない
愛とは双方向のもの、求めるばかりで与えないあなたが、本当に満たされることは永劫にない!



「はぁっ……はぁっ……」
 アヤラが荒い息を吐く。大勢の猟兵を相手にし、多くの傷を受けた。決着の時はもうすぐそこまで来ている。
「愛を、頂戴……! 愛を……!」
「妖艶、というのでしょうね。人を惑わせる夢魔のよう」
 そんなアヤラの姿に、オリヴィアは憐れな目を向けた。
「愛が欲しいの、愛を私に、愛に気付いて……」
 うわごとのように呟くアヤラ。しかし、容赦はすまい。オリヴィアは足に稲妻を纏うと、一気に駆け出した。狙うは速攻。これで最後にする為に。
「愛、愛、愛、愛」
「これは……っ!」
 蹴りの間合いに入るや、オリヴィアは邪悪な気配に一歩身を引いた。気が付けば周囲に愛の呪言が禍々しく渦巻いている。狂ったように呟いていたのは、この言霊の力を強くするためだったのだ。
「くっ!」
 一瞬、心が縛られた。その隙を狙って、蔦がオリヴィアへと絡みつく。
「愛が、欲しいのよ……。あなたは、愛をくれないの?」
 蔦がオリヴィアの身体を締め付ける様子を眺めながら、アヤラが聞く。だが、オリヴィアは答えず、代わりにこう叫んだ。
「天来せよ、我が守護天使!」
 オリヴィアの全身が光り輝き、全身を覆いつくすと、絡みついていた蔦が蒸発する。激しい光から翼のシルエットが伸びるとともに、破邪の霊気とせいなる武具に身を包んだオリヴィアが姿を現した。
「神とは愛である――他者を縛る呪詛が、愛である筈がない!」
「……あなたも私の愛を否定するの? どうして?」
 アヤラが言霊を投げかける。だが、聖なる力に身を包んだオリヴィアにもはや心は縛られない。オリヴィアが構えた聖なる槍に炎が宿ると、その穂先をアヤラへと向けた。
「愛が足りないのよ……!」
 そう懇願するアヤラに、オリヴィアは答える。
「足りない、足りない……えぇ、あなたには愛が足りていない」
 そしてそれは、怒りと、憐みとが混ざり合った言葉であった。
「愛とは双方向のもの、求めるばかりで与えないあなたが、本当に満たされることは永劫にない!」
 オリヴィアの槍がアヤラを斬り裂いた。炎が伝い、アヤラの身体が燃え上がる。
「足り……ないわ……」
 そうして、アヤラは骸の海へと還ってゆくのであった。

 アヤラの骸魂に飲み込まれた妖怪は、この遊郭の遊女であった。骸魂が去ってからしばらく、彼女は目を覚ますと世界は何事もなかったかのように元の姿に戻っていた。捕らわれた妖怪達もいまや元気に跳ねまわり、救われた世界を新しい朝日が照らす。
 きっと、今晩からでも遊郭はまた賑わいを取り戻すだろう。いつだって世界の危機に瀕している妖怪達は、何事もなかったかのように日々の営みへと戻ってゆくのだ。
 愛と欲望に満ちたこの街は、その中でもとりわけ逞しそうだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月23日


挿絵イラスト