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紫陽花の通い路(作者 志稲愛海
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 仄かに灯ったラムプと雨露で彩られた、艶やかに煌めき咲く秘密の夜の花小径。
 それはこの季節だけ花咲く通い路――紫陽花トンネル。
 そして、ラムプでライトアップされた良い香り漂う秘密の夜の隧道を抜けて。
 幻朧桜と紫陽花で飾られたあじさい坂を、ゆるり上り切ったそこに佇むのは。
 紫陽花ラムプの優しい光が数多満ちた、レトロ感抜群の古民家カフェー。
 雰囲気の良い紫陽花色の光が灯るレトロカフェーの窓の外へと目を遣れば。
 夜の闇に広がるのは、水色の花手毬が作り出す青空の様な紫陽花の景色。
 そして――雨の日だけの、特別大サアビス。
 まんまる紫陽花を思わせる小振りな3色アイスクリンが、幾つでも付け放題。
 ただのパンケーキや焼きトースト、パフェーや餡蜜やクリームソーダ等も。
 あっという間に、紫陽花メニューに早変わり。
 この時期は、雨の日こそお出掛け日和。
 さぁ、雨上がりの紫陽花路で――夜の花散歩と洒落込もうか。

 けれど……気を付けて。
 うっかり、様々な境が曖昧な四季の花の庭園に迷い込んでしまったら。
 彼岸と此岸の光景に惑っている間に。
 隠れている花盗人に――心の花を、摘み取られてしまうかもしれないから。

●宵彩紫陽花
「普段ならば外出も億劫な雨の日だが、この時期は雨の日こそ出かけたい。そしてツル性の紫陽花もあるとは知らなかったな」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は集まった皆に、そう雅な微笑みを向けた後。見えた予知を語り始める。
「紫陽花が美しく咲き誇る庭園の奥に、影朧を匿っている民間人がいることが分かった。影朧は不安定なオブリビオンの為、ただちに危害を与えるとは限らない。だが間違いなくその存在はオブリビオン、その行動は放置すれば、いずれ世界の崩壊に繋がる。故に、影朧の居場所を見つけ出し、還るべき場所へと送って欲しい」
 今回、予知が視えた場所は、サクラミラージュにある紫陽花庭園と古民家カフェー。
 つる性の紫陽花と両脇に咲き誇る紫陽花が美しい、紫陽花トンネルを抜けて。
 色とりどりの紫陽花が咲き誇る、あじさい坂のを上り切った先に、雰囲気の良い古民家カフェーがあるというが。
 そのカフェーのオーナーがどうやら、影朧を匿っているらしい。
 けれど、詳しい居場所などは分かっていないというので。
「皆にはまず、紫陽花を楽しむ客として、夜の紫陽花庭園やカフェーへと赴いて欲しい」
 丁度この時期の庭園は、紫陽花が満開の見頃を迎える。
 その為、昼は人手も人の目も多く、オーナーも接客で忙しい為に情報収集どころではなさそうなので。
 今回は、夜の庭園やカフェーに赴くことになる。
 しとしとと降っていた小雨も日中のうちに上がり、灯されたラムプでライトアップされた夜の紫陽花の風景は、この世界特有の幻朧桜と相まって美しく幻想的で。依頼として赴くものの、存分にこの季節だけしか楽しめないひとときを過ごせるだろう。

「まず、この庭園の見所は、珍しい『紫陽花トンネル』だという。トンネルには良い香りがするというツル性の紫陽花が花を付け、その両脇には青や紅や紫や白……様々な色合いの紫陽花が咲き誇っているという。降っていた小雨も赴いた頃には止み、普通に歩いていれば濡れる心配はないようだが、庭園で番傘を貸してくれるというので。ラムプ灯る紫陽花の隧道を、傘の花咲かせながら歩くのも風情あって良いかもしれない」
 何処を見回しても紫陽花に飾られた秘密の紫陽花小径。
 傘を差して二人程度横に並んで歩ける程度の広さのトンネルは、今の時期、ラムプの光でライトアップされているという。
 雨粒に濡れた艶やかな夜の紫陽花を、仄かであたたかなラムプの光が数多照らすその様は、この時期ならではのもの。
「そしてトンネルを抜けた先は、カフェーまでゆるく長い坂となっているようだが。その両脇には、様々な彩の紫陽花が満開だという」
 カフェーへと導く路以外、見渡すその風景を埋め尽くすのは、満開に咲く花々の彩。
 密かに話題になっているのは、見つければ幸せが訪れるという、ハート型の紫陽花。
 紫陽花だけでなく、サクラミラージュならではな幻朧桜も勿論咲き誇っているので。
 見上げれば桜、地に咲くは紫陽花……そんなレアな風景を楽しみ歩くのも良いだろう。
「そして坂を上り切った丘の上に、レトロな古民家カフェーがあるが。その店の店主が今回、影朧を匿っている人物なのだという。店主は、春江という名の、夫や息子に先立たれた50代の女性だ。どうやら息子に似た影朧を、カフェーの近くの何処かに匿っているという。けれど詳細な場所は分からなかったため、カフェーの客として彼女と接触して情報を掴んで欲しい」
 まるで紫陽花のような、まんまる手毬ラムプが沢山灯されたレトロな古民家カフェー。
 その窓の外から見えるラムプ照る景色は、空色の紫陽花が一面咲き誇る絶景だという。
 そしてカフェーのメニューは、パンケーキや焼きサンドやナポリタン等の軽食から、パフェーや餡蜜やクリームソーダやケーキセットのデザート等、一般的なものが取り揃えられているようだが。
 この時期限定で、雨の降った日だけの、とびきりのサアビスがあるようだ。
 それは――紫陽花を思わせるまんまる3色アイスクリン。
 ピンク色のイチゴに、紫色のグレープ、青いアイスクリンはソーダ味。
 そんな小振りでまんまるな紫陽花のようなアイスクリンを、好きな味を好きなだけ、付けてくれるのだという。
 カフェーで何か一品でもオーダーすれば受けられるサアビスだというので、試しに頼んでみるのも良いだろう。
 ただし、欲張りすぎて残すのは勿論厳禁。
 おなかと相談しつつ、カフェーのメニューを紫陽花仕様にして楽しんで欲しい。
 成人しているのならば、カクテルやビールなどの各種酒類も多少置いてあるようだ。アイスクリンもさっぱり爽やかな味わい故に、甘い物が苦手でも大丈夫。
 また、ハンドメイドが好きな店主にお願いすれば、ネックレスやチャームに出来るステンドグラスの紫陽花も作れるのだという。
 あまり目立つ行動を取ると逆に春江に怪しまれてしまうかもしれないので。
 レトロカフェーのひとときを楽しみながら様子を探って欲しい。

「そして掴んだ影朧へと至る道は、影朧が作り出した幻想の庭園の風景が広がっているようだ」
 詳細は分からないが……その幻影の庭園は、様々な境が曖昧で、四季の花が入り乱れ咲いていて。その風景の中――異様な光景や常ならぬものを見たり、過去を追体験するなど、侵入者を惑わせる迷宮となっているらしい。
 そんな幻影の花々咲く庭園を抜ければ、そこには影朧の姿が在るだろう。

「匿われている影朧の討伐は勿論だが。紫陽花や桜を眺めながら、レトロカフェーで過ごす時間を楽しんで欲しい」
 清史郎は改めて、よろしく頼むと、皆に頭を下げてから。
 雨上がりの夜の世界に猟兵達を送るべく、その掌に満開桜のグリモアを咲かせる。





第3章 ボス戦 『花盗人』

POW ●これは、どんな感情だったかな
自身の【今までに盗んできた花】を代償に、【元になった人の負の情念】を籠めた一撃を放つ。自分にとって今までに盗んできた花を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD ●君の心はどんな花かな?
【独自に編み出した人の心を花にする魔術】を籠めた【手を相手に突き刺すように触れること】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【心を花として摘み盗る事で全ての意思や感情】のみを攻撃する。
WIZ ●嗚呼、勿体無い
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【今まで盗んできた花】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は佐東・彦治です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
 第3章プレイング送信の受付は、【7/15(水)朝8:31】より開始いたします。
 それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
 追加情報を記載したOPを受付開始前日迄に掲載いたします。
 送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。