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モフリス島のキラキラ海岸

#グリードオーシャン #モフリス島 #もふもふ

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#グリードオーシャン
#モフリス島
#もふもふ


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●砂の城と噂話
 キマイラフューチャーを祖とする小さな島、モフリス島。
 そこは平和な観光地として船乗りの中では知る人ぞ知る島である。
 穏やかな雰囲気に包まれたこの島では争いが比較的少なく、船乗り達は休憩所としてしばしば利用する時があるそうだ。
 そしてこの島が観光地として名が広まった理由は、もふもふしたキマイラの住民達……ではなく、この美しい海岸にある。
 港町に接している『キラキラ海岸』と呼ばれているこの海岸は、その名の通り砂浜がキラキラと輝いていた。砂そのものが輝いているという訳ではなく、砂の中に輝く砂石が混ざっているのだ。
 柔らかく細かい砂と、透明にも近いエメラルドグリーンの海が荒んだ心を洗うと言われ、船乗りだけでなく町の人々からも愛されている場所なのである。
 今日も住民である子供達が昼間から元気に海岸を走り回っていた。ひたすら穴を掘っては波の水が溜まっていく様子を楽しんだりする子供もいれば、ただただ貝殻を探す子供もいるのだが。
「できたー!」
「うおー! でっけー!」
 最近子供達の中で流行している遊び、それは『砂の城作り』であった。バケツで海水を汲み、キラキラ輝く砂を一生懸命固めては形を作り、立派な砂の城を作り上げていくのだ。
 貝殻や木の枝、海藻などで装飾し、立派なものを作れば作るほど、翌日の学び舎ではヒーローになれるのである。

 しかし、そんな平和な町の中、子供達の間だけで密かに広まっている噂話があった。
「夜、海岸に行くと子供の声がするって本当?」
「本当らしいよ、だって誰かが遊んだ跡が残ってたりするんだって」
「溺れ死んだ子供の幽霊が遊びに来てるって聞いたぞ!」
「嘘くさいなぁ……誰かがひっそり遊んでるだけでしょ?」
「うぐっ、まぁそうだよな……」

●もちの情報
 グリモアベースのとある一角に集まった猟兵達。彼らは一つの大きな毛玉を囲んでそれを見下ろしていた。
「来てくれてありがとう! それじゃあ説明するね!」
 彼らが囲んでいた喋るグリモア毛玉、希那古・もち(もふもち犬・f24531)は嬉しそうに尻尾を振っていた。どうやら予知で見た出来事をこれから説明するようだ。
「えっとね、ぼくが見たのはグリードオーシャンのとある島、もふりすと……そう、『モフリス島』だよ!」
 なんだか名前だけで雰囲気が想像できる気がする。
「そこはキマイラフューチャーが元になった島でね、キラキラした海岸が有名なんだよ! 島の子供達はみんなそこで遊ぶんだって! いいなぁ!」
 そんな平和なモフリス島だが、最近とある噂が広まっているという。
「子供達の間で、『夜の砂浜には誰かがいるらしい』って噂が広まっているんだけど……実はそれ、コンキスタドールだって事が分かって……」
 もちはしゅんと耳を下げる。噂話の正体がコンキスタドールである事を予知で知ったものの、どのようなコンキスタドールであるのか、目的は何なのかという事までは分からなかったようだ。
「悪い奴が島にいるって事だけは分かったんだけど、まだ事件や被害とかは何も起こってないし、誰もコンキスタドールって気付いてないんだ。だから、今のうちにこっそりやっつけて欲しいの!」
 穏やかで平和な島を脅かす訳にはいかない。悪の存在を誰にも知られる事がないまま、敵を撃退する。それが今回の目標である。
 とはいえ、『夜の砂浜』だけでは具体的な時間や場所、状況などは分からない。
「まずお昼頃、島に着いたら砂浜に行ってみて! 子供達が遊んでるから、噂話をこっそり聞いてみるといいかも!」
 しかし突然知らない人から声を掛けられたら、流石に子供達も驚くかもしれない。
「声を掛けるきっかけ作りに、海岸ですっごいものを作れば良いと思うんだ! 今、『砂の城作り』が流行中なんだって! だからすっごい砂の城を作ったら、子供達も集まって来るかもね!」
 その『すっごい砂の城』で子供達のハートを掴む事ができれば、警戒心が解け簡単に接する事ができるだろう。

「ぼくからの説明はここまでかな? 聞いてくれてありがとう! それじゃあ、頑張って来てね!」
 もちは笑顔のままごろんとうつ伏せ、猟兵達にお辞儀をした。


ののん
 お世話になります、ののんです。

 ●状況
 キマイラフューチャーを祖とするグリードオーシャンが舞台となります。
 コンコンコンはほぼ機能してないと思って構いません。
 余談ですが住民は全員モフい獣人キマイラです。

 ●1章について
 キラキラ輝く砂石が混ざった美しい海岸にて、キマイラの子供達が砂の城を一生懸命作って遊んでいます。
 砂浜は日光の反射で全体が常に眩しい訳ではなく、
 眩しくない程度にキラっと輝いてるように見える粒が混ざっている……みたいなイメージです。
 砂の城を作って子供達と交流し、噂話(コンキスタドールの手がかり)を聞きましょう。

 ●敵について
 ちょっとネタバレすると、もふもふしてます。
 島の平和の為にも最終的にはやっつけなきゃいけませんが、どのように接するかはご自由にどうぞです。

 ●プレイングについて
 受付期間は特に設けておりません。

 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
 同時に投稿して頂けると大変助かります。

 申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。

 以上、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 日常 『砂の城をつくろう!』

POW   :    重要なのは大きさ! ありったけの砂をかき集め、どでかい城をつくる!

SPD   :    重要なのはディテール! 器用な手先を活かし、リアルな城をつくる!

WIZ   :    重要なのは耐久性! 緻密な計算に基づき、崩れにくい城をつくる!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 船を降りて真っ先に視界に広がったのは、グリモア猟兵から聞いていたキラキラと輝く不思議な海岸だった。
 子供達の賑やかな声と穏やかな波の音が、ここが平和な島である事を印象付ける。
 こんな場所に本当にコンキスタドールが存在するのか?
 そう疑問を抱きながらも、猟兵達は海岸沿いへと向かい、輝く砂浜へ足を踏み入れた。

 透き通ったエメラルドグリーンの海、キラキラ輝く砂浜。
 今からここで行う事は……現地の子供達にも負けない砂の城を作り上げる事だ!
ロロ・ゼロロ
【POW】

余の王子力を発揮して砂の城作りに革命を起こすのだー

というわけで、幼子らに混じり砂の城を建造する、ぞー
……お前も幼子だろう、と? 言われてみればそうであるな

さて、余に相応しき城は、勇壮なる巨城。掘りも作って防御も完璧
せっせと砂を集め、地道に土台から作り上げていくぞー

みるみる天を突く高層になっていくわけだが
ふわりと浮かべば不要な事故も避けられよう(『空中浮遊』)
天辺に王冠印の旗を立てれば完成。ふむ、なかなかの出来

子らが自分達の城作りに人手を必要とするようならば協力するのである
余の手にかかればたちどころに名城となるであろうー

ところで、この辺りに面妖なものが出ると聞くが何か知らぬか、なー?



 キラキラと輝く海岸に一人の王子が降り立つ。一通り見渡し、その美しさを記憶に焼き付ければ、うんうんと頷き。
「うむ、文句の言いようがない良い環境である。ここで余が更なる革命を起こし、この地に良い刺激を与えてやろうではないか」
 ロロ・ゼロロ(ゆるチュウニ王子・f23416)は腕を組み、次は砂浜で遊ぶ子供達に目を向ける。自分自身だけの力、あるいは友達同士で協力しながら立派な砂の城を作ろうとわいわいがやがや楽しそうな光景が広がっていた。
 歩く道中、形作られた城を参考にしつつ、ひらけた場所を探すロロ。手ごろな場所を陣取ると、さっそく城作りの準備に取り掛かった。
「さて、余に相応しき城は……」
 頭の中でイメージは固まった。何処かで拾った木の棒で砂浜に線を引きながら、あれやこれやと脳内の設計図を具現化させていく。
 彼が目指すは勇壮なる巨城。ただ勿論、見た目が立派なだけでは終わらない。王たるもの民や城も守らねばならない訳だ。堀も作るべきだと彼は設計図に書き加えていく。
「……まぁこんなものか。よーし建造する、ぞー」
 ロロは立ち上がり、大きく腕を伸ばしながら一人素材集めに向かうのだった。

「お兄ちゃん、随分と大きいの作るんだねー」
 二人組のキマイラの子供達がロロの作業場へとやって来た。あれから時間が経ち、ロロの砂の城も大きく立派に成長していた。目立ったそれが気になったのか、子供達が興味を示してきたようだ。
「ふふ、余が自ら手掛けるとなれば、それはそれは立派なものにしなければならぬから、なー」
「でもここから上は手が届かないんじゃないの?」
 もふもふな耳と尻尾を揺らしながら首を傾げる子供達。確かに細かに作られた城の土台は広く高く、堀になる部分まで既に作られていれば、普通では手が届かない。
「そう思うだろう?」
 ふふん、とロロは得意気に微笑むと、子供達の目の前でふわりと自身の体を浮かばせてみせた。
 手の届かない場所へと優雅に空中を歩く姿に、子供達は驚き、そして目を輝かせた。
「これが王子力である、ぞー。このまま天を突く高層に仕上げていくのだー」
「王子力……!!」
 浮遊を目の当たりにした子供達にウケたらしく、その騒ぎを聞き付けた他の子供達も徐々にロロの城へと集まって来た。まるで王と民のようだ。
「ねーねー! 城の外側に建物作ってもいい!?」
「オレも手伝う! 城下町作る!」
「おーじりょくすごーい!」
 とうとう子供達はロロの城の周囲に様々なものを作り出していった。もふもふな体を砂だらけにしながら夢中になって城や山、川を作り、ロロ王国の領土を広げていく。
 ロロが最後の仕上げにと、城の天辺に王冠印の旗を立てた頃には、輝く城は地上から見上げるほど高くなり、その城下町も立派なものとなっていた。見たことのない大きな砂の城、そしてその町作り(国造り)に参加した自分に感動する、心も体もキラキラなキマイラの子供達。
「強力感謝する。お陰様で余の城が想定していたよりも良いものとなったぞー」
 新たな王国の誕生に喜ぶキマイラ達。距離も大分近くなった所で、ロロは忘れてはいけないあの事を質問する。
「おぉそうだ、子らよ。王たるもの、より良い平和を保つには民の悩みや問題にも耳を傾けなければならぬのだ。……この辺りに面妖なものが出ると聞くが何か知らぬか、なー?」
「あ、『夜の砂浜』の事ー?」
「おー、まさにそれの事である。目撃情報はないものか?」
 ロロの問い掛けに子供達はざわざわと話し始める。信憑性の低い噂のせいか、怖がっている様子は見当たらない。
「見た事なんてないなー、だって寝る時間ギリギリまで窓から見てたけど、出てこなかったもん」
「でも、朝一で向かったら足跡がいっぱい残ってた時あったよ」
「なるほど、痕跡は残っているのだ、なー。その足跡はどの辺りにあったのか覚えているか?」
「昼間に残ってた砂の城だったかな? 散歩で大人の人達が見に来てただけだよ、きっと」
「ならばこの城も残しておこう。今すぐ壊すには勿体ないし、余と皆の結晶だからなー」
 次々と耳に入る噂の手がかり。子供達の話を聞いたロロは感謝の言葉を述べるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリ・リーボウィッツ
モフモフ&キラキラという素敵すぎる島を守るためなら、城でも何でも作ってみせましょう。

力仕事は得意です。ちょっぴり(主観)力持ちなので。
……と、意気込んで砂を沢山かき集めたものの、上手くできませんね(水を含ませるという基本的な工程を知らない)。
魔法の鏡で作り方を検索することもできますが、ここは子供達に教えを請いましょう。「砂の城も作れない不器用なお姉さんキャラ」で接すれば(キャラじゃなくて素だが)警戒されないはず。教えたがりの子もいるでしょうし。

子供たちに教えを受けつつ、噂話を聞き出しながら、城作りに再挑戦……はい、完成!
キマイラっぽい獣耳を屋根につけておきました。名付けて「ケモミミ城」でーす。



 海岸を走り跳ねているモフモフ。ビーズを混ぜたようにも見える砂の城。
 リリ・リーボウィッツ(CROWBAR CAT・f24245)は遊ぶ子供達を眺めながら砂浜を歩く。小さな城を何個も作って並べている子供もいれば、大きな城を作ろうと試行錯誤している子供もいた。
「なるほど、これは平和で素敵な島ですね」
 ここで悪事が起こるとは到底思えないほどのほのぼのとした空間。だからこそ、これから起こり得るであろう出来事から守りたいと、そう強く感じた。
「さて、城でも何でも作るとしましょうか。ええと……まずは砂集めからしましょうか」
 力仕事なら少し自信があるリリ。腕を回して準備運動を行うと、彼女は一人張り切って砂を集め始めた。

「おかしいですねぇ……」
 豪快に砂を集めて城を形作ろうと試みたのだが、大きな山がひたすらに高く、そしてその土地を広げていく一方だった。何故か形にならない。というかトンネルすら開通できない。
 一体何が足りないのか、情熱か、それとも別の何かか。悩みながら目の前の砂の山を眺めていると。
「おねーちゃん、そんなに砂集めて何するの?」
「するの?」
 キマイラの子供達が声を掛けてきた。もふもふした毛並みが似ているので兄弟なのだろう。彼らから見ればリリの目の前にあるものは建造途中の城ではなく、すごく集められた砂にしか見えなかったようだ。
「勿論、城ですよ。皆さんにも負けないような大きくて可愛いお城を……」
 と話し掛けた中で彼女はふと思い付く。本当は魔法の鏡で城の作り方を調べようと思っていたのだが、目の前にプロフェッショナルが現れたのだ。今は教授に頼る時ではない。
「そうだ。もしよければ、砂の城の作り方を教えてくれませんか? 初心者なのでどうも上手く作れないようで……」
 はにかみ笑顔を浮かべながら兄弟に言ってみる。不器用なお姉さんを演じる事で子供達との距離を縮める作戦だ。
「いいよー! さっき作り終わった所だから! 手伝ってあげる!」
「あげる!」
 兄弟はにぱっと笑顔を返した。リリにそう言うと、兄弟は自分達の道具を取りに何処かへ走り去っていった。ぽよんぽよん揺れるもふ尻尾をリリはずっと眺めていたという。
「おねーちゃーん! お水用意しといてー!」
「ん、お水……?」
 ……自分では演じているつもりだが、初心者である事は事実のようだ。

 海水の入ったバケツで手を濡らしながら少しずつ城を形作っていく三人。雑談も交えながら作業を行った事で、キマイラ兄弟ともすぐに仲良くなった。
「でね、でね、来週みんなで城作りの大会やるの! それの練習をする為に毎日遊びに来てるんだよ」
「なるほど、そんなものが……。とても楽しそうですね、是非応援に来てみたいものです」
 砂の城よりも微笑ましくもふもふな子供達の姿の方を思い浮かべていたリリであったが。
「まさか、夜まで練習しているなんて事はしてませんよね?」
「夕ご飯までには帰るよ! だって夜はヘンなのがいるって聞いてるもん!」
「きいてるもん!」
 例の噂話へと流れを運んでみたのだが、どうやらこの兄弟も知っているようだ。
「でもね、寝ている時、夜中なのに海岸から子供の声がしたって友達が言ってたんだー。ひっそり練習してる人がいるのかも……」
「子供の声……そうですか、危ないし悪い子ですね」
「しかもね、キラキラの砂がすごい集まってる所と、少ない所があってね……やっぱりキラキラが多いと城も綺麗だから、やっぱりキラキラを集めて練習してると思うんだよねー、ズルいなー」
「ズルいなー!」
 不満そうに愚痴る兄弟に、リリは考える。
「(子供のようなコンキスタドールなのでしょうか……でも何故深夜に……?)」
 不思議そうに子供達の話を聞きつつ、彼女はひたすら腕を働かせ続けた。

 砂の量が多かったお陰で時間は掛かったが、初めてにしてはなかなかに上出来な砂の城が完成した。手伝ってくれた兄弟と共に、リリも純粋に嬉しくなる。
「手伝ってくれてありがとうございました。ほら、見えますか?」
「何が何が?」
 ひょい、とキマイラ兄弟の兄を持ち上げるリリ。力持ち故に小さな子供の体なら軽々と持ち上げられる。更にもふもふな体に触れられて幸せだ。
「あ、耳ついてるー!」
「そうですよ、名付けて『ケモミミ城』でーす」
 兄が目を輝かせる中、足元では弟が羨ましそうに騒ぐ。
「ズルいー! だっこー!」
「はい、順番ですよー」
 ケモミミ城に喜ぶ兄弟達の声を聞きつけてか、他の場所にいた子供達も次々とケモミミ城へと集結していったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『マンティコアキッズ』

POW   :    こいつをたおしたらご飯にしような!
【食欲】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    もうちょっとだけがんばる!
【お昼寝の時間までがんばる気持ち】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
WIZ   :    今がチャンスだけどおやつが食べたい…
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【おやつ】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 子供達と遊びながら収集した情報を頼りに、猟兵達は深夜に備えて準備を進めた。
 誰もが寝静まった深夜、再び訪れた海岸には誰一人として島民の姿は見当たらない。
 ……そう、島民の姿だけは見当たらない。

「わぁ、今日はキラキラした城が多いぞ!」
「これ、大きい……すごい……」
「お持ち帰りできそうなお城とか貝殻、あるかなぁ」
 確かにそれは複数人の子供の声だった。良い子なら眠っている時間帯にこれは不自然だ。
 猟兵達は声の聞こえる方へと急いで向かう。そこで彼らが出会ったのは――。

「う、うわぁ!!?」
「ひゃー!!?」
 子供だった。確かに子供だった。しかしその下半身は獣の四肢となっている。可愛らしいもふもふであっても昼間にはそのような子供はいなかったはずだ。
 そう、これが噂の正体であるコンキスタドール、マンティコアキッズである。
「み、見られてしまったー! キラキラを集めてる所を見られてしまったー!」
「ボスに……怒られる……」
「見られたからにはやっつけなきゃー!」
 猟兵に発見された事に驚き慌てるキッズ達。どうやらキラキラした砂を集めているらしい。ついでにボスもいるらしい。……黙っていればただ遊んでいるようにしか見えなかったのだが、悪い事をしているという自覚はあるようだ。
「お、オレ達はボスの命令でキラキラを集めてるだけだ! 別に砂の城なんて気にならないんだぞ! こんなもの壊してやってもいいんだぞ!」
 震えた声で強がったキッズが指さしたものは、今回一番目立っていた砂の城。そう、猟兵達が頑張って作り上げた砂の城である。
「どーだ動けないだろー! このままオレ達はお前らをやっつけて、ここのキラキラをぜーんぶ奪ってやるんだ!」
 この海岸のキラキラが全てなくなってしまえば、ただの砂浜になってしまう。 いや、砂がなくなってただの浜になってしまうかもしれない。なんという恐ろしい計画だ!
「よーしやっちまえー!」
「おー!!」 
 キッズ達は猟兵達をやっつけようと、(道中そびえ立つ砂の城を壊さないように)元気よく襲い掛かるのだった。
ロロ・ゼロロ
ふむ、幽霊騒ぎの正体は、随分と可愛らしい者達であったな。
だが、あなどれぬ。
もふもふとした耳や足にて、余らのもふ欲を掻き立てる狡猾なる策をとるとは……恐るべきコンキスタドールもいたものよ……

だが、己が欲望を飼い慣らす事、余にとっては容易き事。
抜剣し、いざ討伐に赴かん

ぬぬ、巨大化だと?
育ち盛り、食べ盛りの子には勝てぬ……
ならば余も、魔力にて立ち向かおう。
猛れ炎、渦巻け水、そして破滅の音色を奏でよ風ー(【トリニティ・エンハンス】)

断罪の準備は整った。
搦め手は、割と好まぬ。余も攻撃力を高めて正面突破。
剣に三属性の魔力を注ぎ、相手の戦闘力を凌駕しようぞ
さあ獣の子らよ、力比べとゆこうではない、かー



 威嚇するキッズ達を目の当たりにしたロロ・ゼロロ(ゆるチュウニ王子・f23416)。困ったものだと顎に手を当てた。
「ふむ、このようなコンキスタドールが存在するのも、もふもふであるこの島故か……」
 あの姿を見ていると、なんだか頭をわしゃわしゃしたくなる。ふつふつと湧くもふ欲を我慢しなければならないのが悔しくも感じてしまう。
「昼間と似て元気な子らよ。敵対しなければならないのが惜しいものだ、なー」
「おおっ、来るんだな! 来るんだな! こいつがどうなってもいいんだな!」
 キッズが大きな砂の城に向けて指をさす。ロロが子供達と作った巨大な王国だ。しかしキッズは城を壊す雰囲気は感じられない。むしろ城の下に広がる城下町に足が入らないよう自ら距離をとっているようにも見える。
「余の城を狙うとは、魔王の手下め。この剣で相手をしてやろうぞ」
 握った剣の剣先をキッズ達に向ける。うぐぅ、とキッズ達は思わずたじろいだが、あそこまで意地を張ってしまったからには逃げる事などできない。
「お、オレ達は今お腹すいてるんだ! 早くやっつけてボスのところ行って、ご飯にするぞー!」
「するぞー!」
「するぞー!」
 幼く元気な咆哮を上げると、キッズ達は不思議なオーラを発した。お腹の音が何処からか聞こえた気がしなくもない。が、そんな気の抜けるような音とは裏腹に、キッズ達の体は倍の大きさへと巨大化していく。
「ぬぬ、巨大化だと? 流石に育ち盛り、食べ盛りの子には勝てぬ……」
 そうロロは口から零す。が、決して尻込みをした訳ではない。
「……ならば余も、魔力にて立ち向かおう」
 剣を構え、目を閉じる。己の刃にそっと語り掛けると、三色の輝きが集結し、刃へと吸い込まれていく。
「猛れ炎、渦巻け水、そして破滅の音色を奏でよ風ー」
 断罪の準備は整った。三色の輝きが力を増幅させ、剣は刀身と鋭さを増す。がおー、と迫り来る巨大なキッズ達にも動じず、ロロはその場で剣を振りかぶる。
「……さあ獣の子らよ、力比べとゆこうではない、かー」
 キッズ達が何人襲い掛かろうが、こちらが選ぶ行動は一つ。正面突破だけだ。
 一体のキッズが大きな前足で掴み掛かった瞬間と同時に、ロロは溢れんばかりの輝きを横一線へと振るった。
「おわっ!!?」
 前足から生えた鋭い爪が弾かれた。バランスを崩したキッズが後から来るキッズ達とぶつかり陣形が崩れてゆく。しかしそれだけでは終わらない。炎と水を風の刃が包み込み、三色の螺旋となったものがキッズ達へ容赦なく襲い掛かった。
「うぎゃあー!! 熱い冷たい痛い!!」
「痛いって痛いって!! 押さないで!! 踏まないで!!」
 巨大化しても中身は変わらず。キッズ達は大パニックを起こし、どたどたと大騒ぎをしながらその数を減らしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリ・リーボウィッツ
いかにモフモフで可愛くとも、見逃すわけにはいきません。悪い子にはおしおきでーす。

食欲を原動力とする技? だったら、お腹いっぱいになってしまえば、封じることができるかもしれませんね。
というわけで、美味しいドーナツをばらまきましょう。そーれ!
技を封じるだけでなく、人質ならぬ城質を取って脅してる子の注意も引けるので一石二鳥。もぐもぐ(さりげなく自分も食べてる)。
そして、皆がドーナツにかぶりついてる隙を衝き、ナイフでホーミング攻撃。しゅばばーん! もぐもぐ。
もちろん、ナイフは周りの城に当たらないように飛ばしますよー。もぐもぐ。

余裕があれば、とどめを刺さずに『ボス』とやらのことを聞き出します。もぐもぐ。



 耳の生えた砂の城、ケモミミ城が城質に取られてしまった。リリ・リーボウィッツ(CROWBAR CAT・f24245)は腰に手を当てむすっとする。
「……いかにモフモフで可愛くとも、見逃すわけにはいきません」
 見た目が可愛くとも中身が可愛くなければ、それはただの悪い子である。
「詳しい事情は知りませんが、ちょっとでも城に手を出したら痛い目に遭いますよ、手を出さなくても遭いますよ」
「うぐっ」
 キッズ達は慌てて後退る。壊す度胸なんてないのだが、だからこそ余計に砂の城に触れないよう気を付けた。
「こ、壊しても壊さなくても痛いのなら、オレ達はお前をやっつけるまでだぞ!」
「城なんて壊さなくても、キラキラは持って帰れるもんね!」
「そーだそーだ、帰っておやつだー!」
 お腹を空かせたキッズ達は吠える。お腹も鳴り響く。どこからか現れた不思議なオーラがキッズ達に力を与えようとする光景にリリも身構える。……と思いきや。
「……空腹でしたか。確かに今は午前三時を丁度過ぎた辺りでしょうか」
 ごそごそ。何かを取り出す。
「おやつの時間ですね。こんな時間ですが良いでしょう。そーれ!」
 リリが手に持ったのは四角い箱。その中に入っているものをキッズ達に向けて投げ付けた。フリスビーのように投げられたそれに気付いた一体のキッズは思わず口でキャッチする。
「もぐ……? こ、これはっ!!」
 さくさくのチョコドーナツだ!!
「うまーい!!」
「あーっ!? ずるーい!!」
「はーい、まだありますよー」
 リリは箱に入ったドーナツを次々に投げてばら撒いてやった。色とりどりのフリスビードーナツをキッズ達が我先にと取り合い、そして勝者は満面の笑みを浮かべながらドーナツを貪る。
「こうして見ると普通の子供なんですよね、何故彼らはコンキスタドールなんでしょうか。もぐもぐ」
 自分用のドーナツもしっかり用意していたリリ。不思議なオーラが消え去ったキッズ達を眺め、無害そうなのに残念だなぁと零し。
「しかしボスとやらが存在し、キラキラを持って帰るようでしたので……やはり悪い子なのでしょう。悪い子にはおしおきでーす、しゅばばーん!」
 ドーナツを口に咥えながら、リリは十二本の投げナイフを空中に浮遊させた。念動力によって操られた輝く投げナイフは、魚のように縦横無尽に素早く泳いだ。佇む砂の城を掻い潜り、キッズ達の死角からちくりと刺す。
「ぎゃーーいっっってぇーー!!!」
 至福の空間から現実に戻されたキッズ達。ドーナツを守りながら大騒ぎで魚から逃げ回る。
「ひゃあぁー!! いたっ!」
 一匹のキッズが派手に転んだ。キラキラ輝く砂だらけになってしまったキッズが顔を上げると、目の前で屈んでいたドーナツを頬張るお姉さん、リリと目が合ってしまった。
「あのー、ボスとやらがいると思うのですが、あなた達は何が目的なのですか? もぐもぐ」
「ぼ、ボスが、キラキラくれたらおやつあげるって言うから……!」
「キラキラを何に使うのですか? もぐもぐ」
「知らないよー! とにかくキラキラしたものが好きなんだよー!」
「うーん、謎が多いですねぇ。もぐもぐ」
「……正直に答えたからドーナツまたちょーだい?」
「うーん……ダメです」
「うわぁん!!」
 ぽしゅん。キッズは刺される前に恐れおののき自ら消失してしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミント・キャラメル
こんな真夜中に子どもが夜遊びしてたら叱られるんですよぉ。
わたしも眠たいけどショーは頑張りますぅ。

「ユーベルコード・イリュージョン☆ ワぁン・ツぅー・スリぃー! ライオンさぁーん☆」

マンティコアキッズの「もうちょっとだけがんばる!」に対し、ユーベルコード「ライオンライド」ですぅ。

ライオンの胴・サソリの尻尾のマンティコアの、
「親戚のおじさん」にあたるオスのライオンさんにたーっぷり叱ってもらいますぅ。
あの子達の能力6倍と、わたしの身長の2倍のライオンさんなら、まだこっちが色々と大きいはずですぅ☆



 猟兵とはいえ良い子にとって深夜は眠い時間。ミント・キャラメル(眠兎キャラメル・f25338)は目をこすりながらも輝く海岸へ赴く。
「あんなに子ども達が……悪い子ですねぇ。こんな真夜中に夜遊びしてたら叱られるんですよぉ」
 砂の城を背にキッズ達が群がっている現場を発見すると、腕を大きく上げ、大きな伸びをする。
「うぅん……わたしも眠たいけどショーは頑張りますぅ」
 お客がいるのなら手を抜く事はできない。ぱちん、と自分の頬を叩いて目を覚ますと、ミントの顔はイリュージョニストの顔つきに切り替わる。
「こんばんはぁ! ショータイムのお時間ですよぉ☆」
 突如響いた明るい声にキッズ達は一斉に振り向く。そこには一人のイリュージョニストが腕を広げ笑顔を振りまいていた。
「ショータイム? なになに? お祭り?」
「楽しいコトかな?」
 キッズ達はざわざわと話し始める。猟兵としてではなく、純粋にミントに興味を持ったようだ。……しかし。
「こんな真夜中ですけどぉ、悪い子達の為に今夜は特別ですからねぇ!」
「わ、悪い子……! ちちち違うもん!」
 悪い子と言われすぐさま動揺するキッズ達。やはり彼らは嘘が下手だった。
「夜更かしも嘘つきも悪い子ですよぉ、そんな子には……ユーベルコード・イリュージョン☆」
 ミントはスクイーカーを鳴らす。きらきらと輝き出す彼女の背後にキッズ達は思わず食い付いた。子供心ながら何が現れるのかと少しわくわくしてしまったのだが、その期待は一瞬にして崩れ去る事となる。
「ワぁン・ツぅー・スリぃー! ライオンさぁーん☆」
 輝く空間から現れたのは巨大なライオン。黄金に輝く威厳ある獅子の姿に、キッズ達の顔は真っ青になった。
 そう、何故なら自分達もライオンだからである。完全にライオンである訳ではないが、その要素はしっかりと身体に残っている。つまり簡単に言うと、ライオンとは『親戚』のような関係なのである。
 その『親戚』が突然目の前に現れ、めちゃくちゃ怒った顔でこちらを見ているのだ。そりゃ怖い、怖すぎる。悪い事をしているという自覚があるキッズ達は心の底から凍り付き、ガタガタと震え出す。
「さぁ、この『親戚のおじさん』はとーっても怒ってますよぉ。ライオンさん、お仕置きしちゃってくださいな☆」
 ひょい、とミントがライオンの背に乗ると、ライオンは大きな咆哮を一つ響かせてみせた。大きな口に鋭い牙を見せつけられたキッズ達も、相手に負けないくらいの悲鳴を上げてみせた。
「ひゃああぁぁ!!! ごめんなさいいぃぃっっ!!!」
「食べられちゃうよおぉぉ!!! 怒らないでえぇぇっ!!!」
 キッズ達はユーベルコードを使う事すら忘れて逃げ惑った。ライオンが高く飛び上がり逃げ回るキッズ達の中へと着地すると、キッズ達は攻撃すらされていないにも関わらず恐怖に屈し失神する。
「あらまぁ……一喝しただけで凄い効果ですねぇ。拳骨もまだですのにぃ」
 失神したまま、ぽひゅん、と煙になって消えていくキッズ達を眺めるミント。実は良い子なのですかねぇ、とぽつりと呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加

引き返そうとも思ったが、現場を目撃したからには放っては置けないねえ。
やんちゃが過ぎる子達はお仕置きするか(手をバキボキ)

頑張るのはいいが、迷惑かけるのはいけないよねえ。ちょっと手荒いお仕置きになるが、【ダッシュ】で敵の群れに飛び込み、【二回攻撃】【怪力】で炎の拳で殴る。追撃で【グラップル】で蹴り飛ばす。敵の攻撃は【オーラ防御】【見切り】【残像】で凌ぐ。さあ、浜辺の平和の為に、いたずらがすぎる奴は退場しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加

まだ騒動は収束してないようですね。通りがかったからには何とかしなければ。もふもふで愛らしいとはいえ、住民の迷惑になるなら容赦しません。

食欲による力は馬鹿に出来ません。私もそのタイプですし。母さんの後に付いて【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で防御を固めて母さんの拳で吹っ飛ぶ母さんの攻撃に併せ、【二回攻撃】で流星のタックルでぽんぽん吹き飛ばして行きます。更に【衝撃波】で追撃します。色々頑張ったようですが、ここまでです!!観念しなさい!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

おや、まだやんちゃしてる子達が。折角作った砂の城壊されたくないですし、何とか騒動を収めませんとね。

戦闘能力を増強される前に何とかしましょうか。【式神使い】で式神の朔を飛ばして敵の集団を惑乱し、【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で牽制し、裂帛の束縛と結界術で完全に敵の動きを封じます。敵の攻撃は【オーラ防御】【第六感】で凌ぎます。やんちゃはここまでです。さあ、退場願います!!



 キッズ達は慌てる。人質改め城質にしていた砂の城を壊さないようこっそり避けながら猟兵達の攻撃から逃げ回っていた。
 そんな中、どんっ、と一匹のキッズが何かに当たってしまう。
「あいたっ」
 前を見て走っていなかったせいで誰かにぶつかってしまった。慌てたキッズが顔を見上げると、そこには人間の女性が自分を見下ろしていた。
「お、やんちゃが過ぎる子達だね。お仕置きが必要かい?」
 ぶつかった人間の女性、真宮・響(赫灼の炎・f00434)はにっこりと微笑んでいた。しかしその笑みが何故か恐ろしく見える。まるで家で帰りを待っていた怖い母のようだ(キッズ達に母親はいないのでその感覚が理解できているかはさておき)。
 事実、響は母である。微笑む母の後ろで二人の子供が少しだけ心配そうにしているのが確認できるだろう。
「……母さんは怒ると怖いのよ」
 昔の自分を見るかのように真宮・奏(絢爛の星・f03210)がビビるキッズに同情の眼差しを向ける。
「まぁ何にせよ、砂の城を壊すなんて言ったり何かを企んでいるのは許し難いものです」
「そ、それはそうよね!」
 神城・瞬(清光の月・f06558)の言葉に慌てて頷く奏。可哀想だがキッズ達が悪い事をしている事には間違いないのだ。
「もふもふで愛らしいとはいえ……住民の迷惑になるなら容赦しません」
「はい、やんちゃはここまでです」
 手を鳴らす母の隣に並ぶ奏と瞬。
「来たね、子供達。さあ、浜辺の平和の為に、いたずらがすぎる奴は退場しな!!」
 響の大きな声に再びキッズ達は驚く。しかし、だからと言ってもう逃げる訳にはいかない。少しでも抵抗しなくては。
「く、くっそー! ビビってねーし! オレ達は少しでもキラキラを持って帰るんだからな!!」
「そうよそうよ! 早くやっつけてご飯にするんだから!!」
「いっくぞー!!」
 キッズ達はお腹がペコペコだ。早く何者かから頼まれた砂浜のキラキラを持ち帰りさっさとご飯にしたい。彼らは食欲を糧に真宮一家に襲い掛かる。
「行きなさい、朔」
 瞬が飛ばした使い魔の鴉が、キッズ達の顔面を飛び回り彼らを錯乱させる。気を取られてたキッズ達の足元を狙い、次に瞬が放ったものは植物の蔓や枝だ。
「裂帛の束縛……動きを縛らせて貰います!! 覚悟!!」
 足元をすくわれたキッズ達。動きを封じられたそこへ次に現れたのは響。
「ちょっと手荒いお仕置きになるが、とっておきの一撃だ!! 存分に味わいな!!」
 炎を宿した拳をキッズ達に喰らわせる。母の拳骨は何よりも痛いのだ。
「最後に……流星のごとく突撃しますよ!! 喰らえ~!!」
 吹っ飛んだキッズに向けて奏が突進を仕掛ける。あちらへこちらへと吹き飛ぶキッズは次々と目を回しながら姿を消していく。
「うわぁん!! 砂の城がなんだよう! どうせ壊すんだからまた作ればいいだろ!」
「そんな事を平気で言えるような奴は立派な悪ガキだよ」
 ごす、と重々しい音が響く。その痛みに耐え切れないキッズは殴られた頭を抱えながらその場で消えていく。
 自分達はあの痛みに耐えて今まで育ってきたのか……と奏と瞬はひっそりと自分を褒めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『のんびりパンダのハイバオ』

POW   :    てしっ
単純で重い【もふもふ前足】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    もぐもぐ
【噛みつき】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【習性と味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    もふもふ
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【パンダのぬいぐるみ】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ケルスティン・フレデリクションです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 マンティコアキッズ達はボコボコにされた。砂の城を壊すなんて言わなきゃ良かったと後悔すらした。
「うわぁん!!」
 そこへ、のそり、のそりと何者かが近付いてくる気配を感じた。
 この気配は島の住民のものではない。まさか新たなコンキスタドールか!?
「あ、ボス!」
「ボスだー!」
 キッズ達が何者かの方へ向け叫ぶ。猟兵達も気配のする方へと振り向く。

「…………」

 そこにはパンダが佇んでいた。背中に籠を背負い、手には笹を持っている。
「ボスー!」
 キッズ達が泣きながらパンダに駆け寄る。
「ボス! ボスの好きなキラキラ集めようとしたら、あいつらが邪魔するんだ!」
「……」
「ほら見ろ! ボス怒ったぞ! お前らなんかボスがイチコロだからな!」
「……」
 無言で笹を食べ続けるパンダを置き去りにし、一抜けたと言わんばかりに残った数人のキッズ達は逃げる。
 一匹になったパンダは動揺せず、どっしりとしたもふもふな体を猟兵達に見せ付けた。

 猟兵達は察する。あの背中の籠に砂浜のキラキラした砂石が詰まっているのだろうと。
 とすれば、あのパンダがキッズ達にキラキラしたものを集めるよう指示したのは間違いない。あいつが黒幕だろう。

「……」
 何処となく笹も瞳もキラキラ輝くキラキラ好きなパンダが、猟兵達の前へと立ちはだかる!
真宮・響
【真宮家】で参加

・・・・パンダだね。紛れもなくパンダだ。緊張感に欠けるのは否めないが、コイツがボスで間違いないんだね?奏、確かにもふもふしているが、コンキスタドールだからね?ちゃんと倒すんだよ?

巨体による攻撃は油断出来ないね。手数で押そう。【オーラ防御】【見切り】【残像】で敵の攻撃を凌ぎ、真紅の騎士団を発動。騎士団の攻撃と共に【槍投げ】【串刺し】【怪力】で追撃。さらに【衝撃波】で畳みかける。アタシたち家族で倒し切れるとは思ってないよ。何しろボスだし。アタシたちは足掛かりを作れればいいさ。


真宮・奏
【真宮家】で参加

・・・・パンダですね。もふもふしてますっ・・・(母さんと瞬の警告を受けて)はい、倒さなければいけないのは分かってますが・・・心苦しいですね。はい。

敵は一体ですので、狙い撃ちしますかね。【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で敵の攻撃を凌ぎ、【二回攻撃】で疾風の矢を撃ちます。更に【衝撃波】に【結界術】を仕込んで敵の攻撃の抑制を狙います。更に狛犬の昴を突進して追撃してやりたいかも?さあ、危ないもふもふは退場です!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

・・・・パンダですね。確かにパンダですね。見た目は凄く無害そうですが、群れを率いるボスですしね。奏、もふもふしてますが、間違ってももふもふしようと考えるんじゃないですよ。この島の平和の為、退治させて頂きますね。

近づくと痛い目に遭いそうですので、遠距離戦を徹底。【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】で牽制して、【高速詠唱】【全力魔法】【多重詠唱】で氷晶の槍で攻撃。更に【衝撃波】に【結界術】を仕込んで動きを抑制します。敵の攻撃は【オーラ防御】【第六感】で凌ぎます。余裕があれば、【式神使い】で鴉の朔を敵の目狙って突撃させますかね。



「……パンダですね」
 神城・瞬(清光の月・f06558)は己の目を疑う。しかし、何処からどう見ても海岸にパンダがいる。
「……紛れもなくパンダだ。本当にコイツがボスで間違いないのかい?」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)も苦笑いをしながら子供達に声を掛ける。しかし。
「もふもふ……もふもふしてますっ……」
 疑問の表情を浮かべる二人と違い、真宮・奏(絢爛の星・f03210)だけは目を輝かせてパンダを見つめていた。手も何かを揉むような動きをしている。
「奏、もふもふしてますが、間違ってももふもふしようと考えるんじゃないですよ」
「う、はい……」
 瞬に注意されてしまい残念そうに落ち込む奏。母である響も思わず笑う。
「確かにもふもふしているが、コンキスタドールだからね? ちゃんと倒すんだよ?」
「分かってますが……心苦しいですね。はい」
 どんな相手だろうと倒さなければならない。コンキスタドール改めオブリビオンと猟兵の宿命を少し悲しく感じた奏。だが、戦わないという選択肢は用意されていない。自分が戦いに参加せず二人に任せる訳にはいかないのだ。
「…………」
 しかし敵であるパンダはその場から動こうとしない。ただひらすらにもぐもぐと笹を食べている。本当にコンキスタドールなのだろうか? 実はこれってただの野生のパンダでは?
「……やっぱり少しだけ触っても……」
「我慢だよ」
「はい……」
 怒られた。しゅん、と小さくなる奏。
「奏、あのように見えますが恐ろしい獣かもしれませんよ。こちらの戦力を削る為にわざとやっているのかもしれません」
 瞬も続けて奏にそう言うが、それは叱ったというよりもアドバイスに近かった。戦うのが難しければ、相手をそのように考えると良い、と。
「そ、そうですね……分かりました」
 大好きなもふもふを相手にするのはやっぱり躊躇ってしまうが、心を鬼にして挑むしかない。ぱん、と奏は自分の頬を叩いた。
「二人とも、準備はいいね? 手数で押すよ」
「はい、もう大丈夫です母さん!」
「えぇ、この島の平和の為、退治させて頂きます」
 響の呼びかけに答える二人。響は頷くと、パンダの方へと顔を向けた。
「では始めようか。さあ、アンタ達、出番だよ!!」
 響が呼び出したのは真紅の鎧を纏った騎士団。響の掛け声と共にパンダの包囲に取り掛かる。
「風よ、奔れ!!」
 騎士団と共に駆け抜けるのは奏の放った複数の風の矢。あっという間に囲まれたパンダは騎士団や矢の攻撃に翻弄されごろんごろんと砂浜を転がる。気付けば体が砂でキラキラと輝いているではないか。
「おっと、逃がしませんよ!!」
 狙いを定めた瞬がパンダに杖を向け、氷の槍を呼び出す。凍り付いた地面と共に凍ってしまうパンダ。転がる事ができず手足をバタバタと動かしている。
「動きたいのですか? それなら……昴!」
 次に奏が呼び出したのは狛犬の昴。勢いよく走り出すと、パンダに向かって体当たりを仕掛けた。体当たりは見事パンダに命中した訳だが、その光景は犬がもふもふしたサッカーボールと戯れているようにも見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ロロ・ゼロロ
光と闇の力併せ持つ獣……それがパンダ。

知っておるぞ。その笹の札……願いの札であろう?
己が願望を札にしたため、天に捧げる事で星の神に成就を希うという、伝統的儀式。
余は何を願おうか。うむむ……もふもふ……
え、そういうのではない?(なぜかパンダ語が通じている)
そう、かー……(残念そう)

ああっ、てしてしはいかん。
もふもふを倒すのはしのびないが、我らの城が破壊されるのは見過ごせぬ。
せめて、骸の海にてゆっくり過ごすが良いのだ。

雄々しきもふもふには、もふもふ翼で抗うのが礼儀。
UC【魔星の堕天皇】を使用し、片翼の堕天使を召喚。
余の天聖天魔調伏剣を複製せし巨剣にて、勝負を決しよう、ぞー



「ほう、あれが……光と闇の力併せ持つ獣……」
 パンダの事をそういう風に呼ぶのはロロ・ゼロロ(ゆるチュウニ王子・f23416)だけなのかもしれない。
「それに知っておるぞ。その笹の札……願いの札であろう?」
 笹に飾られた色とりどりの札。そう、あれは七夕の笹だ。……もぐもぐ食べられてるけど。
「己が願望を札にしたため、天に捧げる事で星の神に成就を希うという、伝統的儀式。……今が丁度そのような時期だった気がするな、余は何を願おうか」
 うむむ、と考え込むロロ。思い浮かぶ事はたくさんあるのだが、欲張ると罰が当たりそうだ。
「光と闇のもふもふよ、願うならば、どんな願いが良いと思うか?」
「…………」
「キラキラが好き? おぉ、そもそも海岸の輝く砂粒を盗めと言ったのはお前であったな」
「…………」
「ん、笹? お前も欲張りである、なー」
「…………」
「え、そういうのではない? そう、かー……」
 ひたすら笹をもぐもぐするパンダと会話をするロロ。最後にはしょんぼりとし、会話を終えるのだった。パンダが何を話したのかは彼のみぞ知る。
 笹が半分ほど食べられなくなってしまった所で、パンダは動き出す。のしのしと歩き、向かう先は巨大な砂の城。
「おっと、何をする気だ、もふもふよ」
 駄目だぞ、とロロが警戒するのも当たり前。パンダはロロの作った王国へ侵入しようとしているのだ。
 パンダは巨大な砂の城を見上げる。城は見事に全身キラキラと輝いていた。そして王冠印の旗もキラキラと輝いているように見える。パンダは旗が気になったのか、短い前足を伸ばしぱたぱたと振り始める。
「ああっ、てしてしはいかん。その両手を下ろすな、城下町が壊れる」
 あのもふい前足がどしーんと落ちれば間違いなく直撃地点の周辺地形は破壊される。つまり、砂で作られた城下町が危ない。
「ぬぅ、もふもふを倒すのはしのびないが、我らの城が破壊されるのは見過ごせぬ……っ」
 慌ててパンダの方へダッシュするロロ。直接前足を掴んで阻止するのも手だが、その場で抵抗されれば結果を変える事はできないだろう。そして仮にも相手はコンキスタドール。案外力が強い場合もあり得る。……となれば一旦吹っ飛ばしてみるのが一番だろう。
「雄々しきもふもふには、もふもふ翼で抗うのが礼儀であるな。では、余の意に応えよ魔魂……広げし片翼にて汚れし空を浄化せよー」
 天聖天魔調伏剣を構えながら呼び出したのは、自身よりも大きな片翼の堕天使。心なしか普段よりも翼がもふい気がするが確認している暇はない。
「よし、これにて勝負を決しよう、ぞー」
 ロロの動きと堕天使が動きをシンクロさせる。二人は剣を後ろへ振り被ると、パンダだけを狙い横一線へと大きく振った。
 城下町の頭上を横切り、大きく開かれたパンダのお腹に直撃する堕天使の剣。ぽーん、とパンダの体が空中に浮かんだ。その姿は、笹がくっついたサッカーボールのようだった。
「ふぅ、危機一髪であった。良いホームランであるな」
 おでこに手を当て、空飛ぶパンダを眺めるロロ。堕天使もまた同じポーズを取りパンダを眺めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

化野・那由他
旅団ブットバースより推参致しました。
これは……大熊猫、ですよね。油断はなりません。
名前に「熊」ってついていますからね。

というわけで、アイテムの[琥珀の勾玉]で釣ってみます。
こう、振り子のように揺らして[催眠術]のように。
「貴方はだんだんこの勾玉が欲しくなる~、欲しくなる~……なりました?」
催眠状態にできたら勾玉を投げます。


すかさずヤドリガミの本体である奇書の所定の頁を開き、【妖奇譚『蛟』】を。
砂浜といえば、うってつけの「お話」があるのです。
海から召喚した巨大な蛟に乗って、弾き飛ばしたり、水の【属性攻撃】を駆使した水鉄砲で吹き飛ばしたり。
あ、勾玉は後でしっかり回収します。

※アドリブ大歓迎です!



「これは……大熊猫、ですよね」
 化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)のその呟きは、誰かに向けたものではなく、己に向けたものだった。
 動物園や竹林ではなく、海岸に大熊猫がいる。それが現実であり見間違いではないという事を改めて認識する為だ。
「このような場所にも現れるのですね……不思議なものです」
 まだまだ知らない事がたくさんあるのですね、と那由他は興味深そうに頷いた。
「とはいえ油断はなりません。名前に『熊』ってついていますからね」
 熊は見た目こそ可愛いが出会ったら危険な生物だ。何処かの童謡では親切な熊が描かれたものもあった気がするが、この大熊猫は恐らくそれには当てはまらないだろう。
「さて、どうやらキラキラしたものがお好きなようですので……試してみましょうか」
 那由他は大熊猫へとそっと近付く。大熊猫は警戒する事もなく相変わらず笹を食べていた。
 大熊猫とある程度の距離が開いた場所で、那由他は片腕を突き上げ、手のひらに握っていたものをぶら下げる。きらりと輝いたのは、先程まで首に下げていた勾玉のネックレスだ。
「貴方はだんだんこの勾玉が欲しくなる~、欲しくなる~……」
 ゆっくりと揺らされる勾玉。気付いた大熊猫が揺れる勾玉へ視線を向けると、笹を食べる動作がぴたりと止んだ。そして次第に勾玉と一緒に首を揺らし始めるのであった。
「月の光で丁度輝いて見える事でしょう。……ほら、欲しくなりました?」
 大熊猫は惹かれるようにのしのしと歩き出し、那由他の元へと近付いてくる。果たしてそれが催眠術によるものなのか、実は効いてなくて勾玉がキラキラ輝いていたから欲しくなっただけなのか……どちらにせよ催眠術の効果は抜群だった。
 大熊猫が近付き、また近付き、そして腕を伸ばし、勾玉を掴もうとしたその時。
「此度はうってつけの御話――水神(ミズチ)の御話を」
 那由他は揺らす勾玉を握り締めると、海に向かって力いっぱい、高く大きく投げ飛ばした。もう片方の手で開いた重厚な奇書が怪しく輝き出すと、波と共に海から現れたのは巨大な蛟であった。
「無害にも見えますが、コンキスタドールであれば……容赦はしません」
 那由他が蛟に向かって飛び込み背に乗ると、指示を受けた蛟は海水を操り、大熊猫に向けて竜巻の如く強大な水鉄砲を発射した。大熊猫はなすすべなく吹き飛ばされる。
「――っと」
 雨のように水飛沫が降り注ぐ中、那由他は空を見上げ腕を伸ばす。雫と共に降ってきた輝く勾玉を見事キャッチし、再び首元に身に付けながら蛟を操るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリ・リーボウィッツ
なるほど。モフモフな愛らしい外見で惑わせようという魂胆ですか。(んなこたぁない)
でも、あなたは真のモフモフには遠く及びません! どこまでが被毛でどこまでが本体か判らない毛玉チックな希那古くんに比べれば、せいぜい「モフ」レベルです。オマケしても「モフモ」止まりですね……って、話を聞いてますか? 聞いてませんね。

聞く気がないのなら攻撃あるのみ!
バール(尖ってないほう)でどっかーん!
もふもふ前足で反撃されたら、バールで受けて相殺。私のUCも敵のUCも地形破壊の効果があるので、周りの城が崩れないように気をつけて戦います。万が一にも崩れそうになったら、念動力で支えて形状をキープしつつ、修復しましょう。



 猟兵達の攻撃により海岸をゴロゴロと転がり続けるパンダ。その体は砂だらけになり所々キラキラと輝いていた。
 最初こそモフモフとした愛らしい外見だと思っていたリリ・リーボウィッツ(CROWBAR CAT・f24245)も、今の姿を見ればそうとも思わなくなってきていた。
「あなたは真のモフモフには遠く及びません!」
 モフみがなければ容赦はしない。パンダに向かって思い切って言い放つリリ。
「どこまでが被毛でどこまでが本体か判らない毛玉チックな希那古くんに比べれば、せいぜい『モフ』レベルです。オマケしても『モフモ』止まりです。まずは相手が思わず触りたくなるような、もっと柔らかい毛を伸ばしてそれを保ってから……(批判と説教が混ざった意見がひたすら並び続けるので中略)……って、話を聞いてますか?」
 リリはひたすらモフモフについて熱く語ってみせたのだが、肝心のパンダは所定の位置に戻り笹をもぐもぐしていた。聞いていないようだ。
「聞いてませんか……にしても、あれだけの攻撃を受けても笹を食べ続けるなんて、随分と強靭な肉体なのですね」
 流石キッズ達にボスと呼ばれるだけの強さはあったという事なのだろう。しかし、そこでリリはハッとする。
「……まさかあの笹には回復効果があるとか? 七夕仕様ですし食べたら願いが叶うとか! だとすれば早く止めなければ、ですね!」
 聞く気がない相手にひたすら話し掛けても意味がない。ならば攻撃あるのみだ。リリはバールを握り締め砂浜を駆ける。
「さて、まずはどっかーん! と!」
 尖っていない方をパンダに向け、まずは一発。笹ごと吹っ飛んだパンダはサッカーボールのように宙を舞い砂浜に転がっていく。
「おっと、砂の城には気を付けなければですね……」
 先程は丁度良く海辺の方へ叩き付けたので被害はなかったものの、自分の攻撃で砂の城を壊してしまう事だけは避けたい。勝負に勝っても結果が駄目では意味がないのだ。
 転がったパンダはごろりと起き上がる。笹を求めて前足を大きく広げてみせたのだが、なんと笹の隣には偶然獣耳の生えた砂の城が……。
「ああっ、ケモミミ城が!」
 あれはいけない、死守しなければいけない! あの前足が落ちたら城が破壊されてしまう!
 慌てたリリは全速力で駆け抜けた。砂浜を強く蹴り上げ、夜の海岸をより輝かせる。
「させま……せんっ!」
 パンダの前足が落ちる瞬間と同時に、リリの振り上げたバールが相手の腹部に入り込む。力の限り振ったバールはパンダの体を軽々と持ち上げ、最初の一撃よりも天高く吹っ飛ばした。
 まさにそれはサヨナラホームラン。パンダはキラキラと輝きながら消えていき、二度と地上に落ちてくる事はなかった。
「ふぅ、危なかったです……」
 振り上げた勢いで自身の後方がぐしゃりと破壊されていたが、保険の為に発動した念動力で形を保ったおかげか、ケモミミ城だけは何とか無事であった。
「これで任務は完了でしょうかね。なんとかモフモフ&キラキラは守れました……」
 やり切った、と言わんばかりの何処か清々しい表情を浮かべるリリ。美しい海と輝く海岸、並び立つ複数の砂の城を眺め、自分達が取り戻した平穏を改めて感じ取るのだった。

 島で悪事を企んでいたコンキスタドールはいなくなった。これでキラキラ輝く海岸の噂話は完全に消え去り、もふもふな島民達も平和に楽しく過ごしていく事だろう。
 戦闘によって荒らしてしまった海岸を一通り綺麗に修復し、そびえ立つ砂の城の形を少し整えてあげると、猟兵達は波の音を聞きながら静かに海岸を去るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月11日


挿絵イラスト