23
モテろ猟兵!バレンタイン戦線2019

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0





「卿らは、『聖バレンタイン・コンコン広場』なるものを知っているか?」
 ギド・スプートニク(意志無き者の王・f00088)は、至極真面目な表情を浮かべながら猟兵たちに問うた。

 ――『聖バレンタイン・コンコン広場』。
 それはキマイラフューチャーで一年に一度だけ開放されるというチョコレートの聖地。
 ありとあらゆる場所から完成品のチョコレートを始め、チョコレート製菓材料からラッピング素材に至るまで一通りコンコンできてしまう、キマイラフューチャーに住まうバレンタイン乙女たちにとって夢のような大人気スポット。

「そこが、オープンと同時に怪人によって占拠されてしまう」

 広場を選挙するのは非モテ怪人たち。
 彼らはバレンタインに対する怨嗟を撒き散らしながら、チョコレートをコンコンしては貪り喰らう。
 やがて広場は怪人たちの持つ“陰”の気にやられ、コンコンそのものが枯渇してしまうというのだ。
「命が関わるような事件ではない。だが広場の閉鎖によって多くの者が悲しむ姿が垣間視えた。出来ることなら救ってやってほしい」

 怪人たちを倒した暁には、『聖バレンタイン・コンコン広場』を丸一日だけ貸し切りにできるという。
 普段は超絶混み合う人気スポットをのんびり散策する事ができれば、現代ではお目にかかれない激レアなチョコレートや製菓材料、可愛らしくてアーティスティックでフューチャーなラッピング素材など、色んなアイテムが見つかるかも知れない。
 加えて、現地には製菓スタジオも併設されており、チョコレート作りへの備えも万全だ。

「怪人たちは非モテの陰キャ揃い、恐らくまともに戦うまでもなく卿らなら勝てるだろう。むしろ、あまり派手に戦わぬ方が施設へのダメージは抑えられるやも知れぬ」

 まず沢山数が居るのが『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』。彼らはクリスマスからバレンタインに至るまで彼女(彼氏)が出来ず孤独な毎日を送ってきた。ちょっと優しく愛を囁いてあげるだけで心を乱し、弱体化する事だろう。

 ――つまり、口説けば弱くなる。

 そして彼らを統括するのが、新参の『ハートブレイク・チョコレート怪人』。
 彼はバレンタインを前に恋に破れたばかりでその顔の通りに心がひび割れている。
 まずは優しい言葉を掛けるのだ! 奴は優しい言葉を掛けられ慣れていないので、必ず隙ができる。
 その隙を突いて殴れば、反撃を受ける事なく一方的に殴る事ができる!

 ――つまり、優しい言葉を掛けながら沢山殴れば死ぬ。

「卿らであれば容易い仕事であろう。よろしく頼んだぞ、猟兵諸君」
 ギドはふわりと微笑みながら、使い魔の淹れた紅茶を優雅に啜った。


まさひこ



 まさひこです。
 今回の特殊なルールを説明します。

●第1章
 集団戦ですが、相手はモテ慣れない非モテ怪人なので口説く事で弱体化します。
 まずはプレイング冒頭であなたの【モテ度】を自己申告してください。
 このモテ度に応じて口説きの成功率が決定します。
 申告がない場合はMS側で判断します。

 モテ度1:可哀想なくらいモテない  (成功率5%)
 モテ度2:異性と手を繋いが事はある (成功率20%)
 モテ度3:異性と付き合ったことがある(成功率70%)
 モテ度4:それなりにモテる     (成功率100%)
 モテ度5:モテ過ぎて困ってる    (成功率500%)

 口説いてから殴ることで、結果に応じて戦闘の判定にボーナスが加わります。
 口説かずに普通に戦闘しても大丈夫です。

●第2章
 ボス戦です。
 プレイングで怪人に優しい言葉を掛けてあげてください。
 その言葉が怪人の心に沁みると、大きな“隙”ができます。

 心の隙に応じて、戦闘の判定にボーナスが加わります。
 言葉など掛けずに普通に戦闘しても大丈夫です。

●第3章
 日常パートです。
 コンコンする事でチョコレートそのものや素材をゲットできます。
 特に判定の例示は気にしなくても平気なので好きにやってください。
 ゲットできるチョコレートや素材は指定頂いても構いませんし、お任せして頂いても構いません。
 製菓素材、生鮮食品、ラッピング用の材料、未来っぽい何か。何でもいけます。
 実際のアイテムとして発行される訳ではないのでご注意ください。

●その他
 できるだけ沢山描写したいと思っているので人数は気にせずお気軽にどうぞ。
 プレイング着手は1/21以降の予定です。
 仮にプレイングが流れた場合、スケジュールの都合なので気軽に再投稿していただけると嬉しいです。

 3章のみ、お呼ばれがあればギドがお邪魔します。
 特に何もなければグリモアベースでお茶でも飲んでると思います。

 以上、長々と失礼しました!
 たくさんのプレイングをお待ちしています!
134




第1章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク
【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ふかふかボディ
自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    生クリームブラスト
【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

パーム・アンテルシオ
%

ふんふん、チョコレートかぁ。そういえば、バレンタインなんて催し物の時期だったね。
今年は、お世話になった人に渡してもいいかなぁ。

何はともあれ、まずは怪人を倒す所から、だね。
ユーベルコード…山茶火。ふふ、見えない何かに殴られたり、燃やされたりする気分はどうかな?

口説きももちろん行うよ。勝つために、やれる事はやっておきたいしね。
そこの怪人さん、とっても可愛いね。ふふふ、今どき男の子でも、可愛いは長所だよ。
口説けなかったら…なんか悔しいから、本気でパンチしようかな。

も、モテ度?それはその…
…たしかに経験があるわけじゃないけれど…モテなくはない…はず…
あっ、手をつないだ事はあるよ。…弟と。
モテ度1~2




「ふんふん、チョコレートかぁ。そういえば、バレンタインなんて催し物の時期だったね」
 グリモアによるテレポートを受けて聖バレンタイン・コンコン広場へと降り立ったパーム・アンテルシオ(桃色無双・f06758)は、そんな呟きを漏らす。
 今年は、お世話になった人に渡してもいいかなぁ……なんて想像を巡らせながらも、まずは目の前の怪人をどうにかする事が先決だ。

 ――勝つために、やれる事はやっておきたいしね。
 意を決したパームは、手近な怪人に語り掛けてみる。
「そこの怪人さん、とっても可愛いね」
「ヒャッ、ヒヘッ!? ぼ、ぼ、ボクの事っすか!?」
 急に美少女に話し掛けられ、気が動転する怪人A。
 怪人のリアクションも仕方のないだろう。パームのモテ度は自己申告で1~2……しかしどうだ、この美貌(誘惑Lv156)。こんな可愛らしい少女に話し掛けられて、ドギマギしない男子はそう居ない。ましてや怪人Aは売れ残り。生まれてこの方、女の子に優しく声を掛けられた経験など数える程しか無い。学生時代に隣の席の女子とまともに目を合わせる事すらできなかったような、ピュアなケーキだ。
「か、かわいいとか……やめてください! 誂わないでください!!」
「ふふふ、今どき男の子でも、可愛いは長所だよ」
「ハァッ、ウッ!!」
「か、怪人A!」
 怪人Aの心臓が停止し、その場に倒れ痙攣する。
 その様子を見て慌てて駆けつける仲間の怪人たち。
「怪人A、目を開けろ!!」
「ヘヘッ……、こんなボクでも、誰かに愛される価値があったんだね……」
「正気に戻れ怪人A! まだ誰もお前を愛しちゃいないぞ!!」
「ありがとう、パパ、ママ。ボクを産んでくれて。そして名も知らぬきみ。ボクも、きみのことが――」
「怪人A!! おい、嘘だろ……怪人Aーーーッッ!!」
 怪人Aは安らかな死に顔で、この世を去った。

「くそっ、許せねえ……怪人Aは俺たち売れ残りの中でも一際ピュアな奴だった」
「そうだ! そんな気もないくせに男に話しかけるんじゃねえ、この○○○(ピー)!!」
「え、ええー……」
 唐突に罵られ、困惑を隠せないパーム。
 売れ残り怪人の結束は強い。ひとりで言い返すのは怖いけど、集団であればいくらでも叩いて良いという集団心理。それが彼らの、怪人として処世術だった。

「えっと、その……ごめんなさい。別にその、そんなに悪気があったわけじゃなくて……」
 パームはしゅん、と耳と垂れさせて怪人たちに謝罪する。
「気にしないで。ありがとう。好きだ……ウッ!!」
「怪人B!?」
 怪人Aの後を追う怪人B。
「あ……、……」
「…………」
 パームと怪人C、ふたりきりとなり沈黙する空気。
 こうなると並のオタクではなかなか会話を切り出しにくい。ネットのオフ会の会場などでよく見られる空気だ。
「あの、……、よかったら……もふってみる?」
「あっ、あっ、あっ……!!」
 胸元を抑え苦しみ悶える怪人C。
(クソッ、まだだ……俺はまだ、やり残したことが……!)
 それは売れ残りケーキ怪人としての、否、男としての執念。
 怪人Cは最期の力を振り絞り、パームの尾へと手を伸ばす。

 その手が、ふわふわとした尻尾に触れた瞬間。
 パァァァ、と輝く光の柱に導かれ、怪人Cの魂は天へと導かれた。
「(ありがとう、もふらせてくれて。ありがとう、愛してくれて)」

 パームの手元に、ひらひらと天より舞い落ちる半額シール。
 彼らの怨念は完全に浄化され、骸の海へと帰る。
 世界がまた1歩、平和へと近付いた。

 ※この後、パームは敵をユベコとかで普通に倒したりもした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エール・ホーン
感謝や想いを伝えるための
大切なコンコンを邪魔するなんて許せないっ
ボクの夢はみんなの夢を彩ることだからね

口説く…ってしたことがないからよく分からないけれど
ボクは君たちのこと、とっても素敵だなあって思うよ
割れた顔なんて傷を負ったヒーローみたいでかっこいいし
それになにより、すごく美味しそうでドキドキしちゃう!
あまぁい香りに吸い寄せられて抱きしめたいくらいだっ
ねえ、もし君さえ良ければ、ボクの友達になってほしいな
君が友達ならその香りで幸せな気持ちでいれそうだ

それでも戦わなくちゃいけないなら仕方ないよね…
ただ倒しちゃうのも心が痛いから
美味しく食べてあげられたら少しは供養になるのかな
とガチキマイラでもぐもぐ




「感謝や想いを伝えるための、大切なコンコンを邪魔するなんて許せないっ!」
 エール・ホーン(ドリームキャスト・f01626)は夢見る乙女の強い味方。エールの夢はみんなの夢を彩ること……だからその邪魔をする人にはお仕置きが必要だ。

「見つけたぞ、猟兵だ!」
 わらわらとエールを囲むケーキ怪人たち。
(口説く……って言われても、したことがないからよく分からないけれど)
 敵意を向ける彼らの姿を、エールはじぃ……と観察する。
 不意に怪人のひとりと目が合って、エールはにこりと笑い掛けるけど。相手の怪人はぷいと目を逸らしてしまった。嫌われてしまったのだろうか。
「ううん、難しいな。ボクは君たちのこと、とっても素敵だなあって思うけど……」
「えっ……?」
 思わず漏れたエールの独り言に、食い気味の反応を見せる怪人D。
「騙されるなよ、怪人D。あれが猟兵の手管……先程も仲間の部隊が一瞬で壊滅したらしい。考えても見ろ、私たちなんて売れ残りすぎて端っこの方とかちょっとつまみ食いしちゃってるんだぞ。これで素敵だったら最初から半額シールなんて貼り付けるかよ」
「た、確かに……危ないところだった。すまない、怪人E」
 仲間の言葉に心を取り戻す怪人D。戦場では一瞬の油断が命取りとなりかねない。相手がオブリビオンの宿敵たる猟兵ともなれば、それは尚の事。
「ハッ、騙されないぞ! ちょっと顔が可愛くて……キラキラしたお洒落な、そしてモコモコとした尻尾やふわっと広がる翼、大きな蹄の足と尖った耳と特徴的な角、キマイラ欲張りセットで笑顔も魅力的だからって!! ウッッ!」
「怪人D!! クソッ、言わんこっちゃない……」
 救護班によってバックヤードに運ばれていく怪人D。
「おのれ、これ以上は好きにさせんぞ猟兵! 心にもない台詞で私たちを惑わせて。大体、素敵などと……だったら試しに何処が素敵か言ってみろ!!」
 自分が素敵でない事なんて、誰よりも分かっている。我々は売れ残り。それでも自分を売るために、努力は続けてきたつもりだ。それでも今日まで売れ残ったのだ。
 それを素敵などと……怪人Eにとって、そういった思わせぶりな客こそが一番許せなかった。
「えっと、そうだなぁ……割れた顔なんて傷を負ったヒーローみたいでかっこいいし、」
「えっ……(ドキ)」
「それになにより、すごく美味しそうでドキドキしちゃう!」
「んんっ”……!!」
 怪人Eは口からベリーソースを吐き、その場に膝を付く。
「あまぁい香りに吸い寄せられて抱きしめたいくらいだっ! ねえ、もし君さえ良ければ、ボクの友達になってほしいな」
 君が友達ならその香りで幸せな気持ちでいれそうだ、と続けて、エールはケーキ怪人の素敵さを煌々と説く。
「ふ……君は、良い奴だな」
 幾分げっそりとした様子の怪人Eが、静かにその場に立ち上がる。
「友達、なれたらどんなに良かったことか。だが私はオブリビオン、君は猟兵。その間に、友情なぞ存在してはならぬのだ」
「そんな……」
 ケーキ怪人Eは頭からロウソクを引き抜き、構える。
「私たちは世界に災厄を撒き散らすもの。君が私を“友”と呼ぶのなら――、この剣に、猟兵として応えて見せよッ!!」
「――ッ!」
 ケーキ怪人のロウソクとエールのガチキマイラ、交錯するふたり。

「……ありがとう。私は最後まで“ケーキらしく”あれたようだ」
 そう言ってケーキ怪人は光と粒となり世界から消えていく。
「君も……今度会う時は、できたての君に会いたいな」
 だって一ヶ月経った今でも、こんなに美味しいんだもの。

 もしふたりがクリスマス前に出会っていれば。怪人が売れ残ることもなく、ふたりは友達になれたのかも知れない。
 エールは怪人の想いを胸に、新たな売れ残りを生み出してはならないと来たるバレンタイン戦線に向けて歩き始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オブシダン・ソード
【モテ度】お任せ
こういうの初めて。うまくやれるといいけど

誰からも必要とされないのって辛いよね
僕も道具…ヤドリガミだからさ、わかるよ
君の辛い日々は想像する事しかできないけど、今日まで諦めずに生きてきたんでしょう?
よく頑張ったね、僕が来たからにはもう大丈夫
君が不要だなんて言わせない、ケーキとしての本懐を遂げさせてあげる

UC『尽きぬ願いを』
僕はね、誰かのための存在でありたいんだ
だから君の苦しみも終わらせてあげられる。さあ、この手を取って?

ああ、言っていなかったかな、僕は剣なんだ
さあ、二人の共同作業ってやつだよ、ケーキ入刀、そして僕の手で切り分けられて

大体本音
嘘吐かずに事が上手く運ぶなら一石二鳥だよね




 オブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)。彼は今回依頼に参加した猟兵の中でも、よりケーキ怪人たちの立場に近く、その心に寄り添えるような存在だった。
「誰からも必要とされないのって辛いよね。僕も道具……ヤドリガミだからさ、わかるよ」
 オブシダンにはかつて、自分を振るう持ち主がいた。
 仕事を終えて眠りについた自分と、仕事を果たすこともままならずに売れ残ったままの彼ら。そこには大きな隔たりがある。
 だが、想像することはできた。
 いずれ自分を必要とする誰かと出会える事を願い、諦めずに待ち続ける。それはまさに、今の自分の置かれた状況とまるっきり変わらぬ――同胞と言えた。
「よく頑張ったね、僕が来たからにはもう大丈夫。君が不要だなんて言わせない、ケーキとしての本懐を遂げさせてあげる」

 ――ユーベルコード『尽きぬ願いを』。
 僕はね、誰かのための存在でありたいんだ。
 だから君の苦しみも終わらせてあげられる。さあ、この手を取って?

「うっ、うっ……ぐすっ……」
「くそっ、分かった風な口を……えぐっ……」
 怪人たちは溢れる涙を抑える事ができなかった。
 どんなに売り込んでも、半額に身を窶そうとも、誰も振り返ってはくれない売れ残りの日々。
 今日まで何のために生きてきたのか。生ゴミとなるのが宿命なのか。
 何度も問い続けた。自ら命を断ち、ゴミ箱へと身を投げる仲間もたくさん見てきた。

「そこまで言ったからには、ちゃんと応えてくれるんだろうな、猟兵」
「勿論。――ああ、言っていなかったかな。僕は剣なんだ」
 怪人の問いに応え。自身の器物、黒曜石の剣を構えるオブシダン。

「さあ、二人の共同作業ってやつだよ。ケーキ入刀、そして僕の手で切り分けられて!」
 一閃。見事に八等分されたケーキ怪人たちは、そのまま綺麗に更に盛り付けられて、猟兵たちの活躍を観戦に来ていた周囲のキマイラたちに振る舞われる。

 おいしい、おいしいと騒ぐキマイラたちの姿に、オブシダンは柔らかな笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カチュア・バグースノウ
【モテ度1】意識した異性とまともに喋れない

へ、へい!そこのクソだ…クソいけてる男子!あたしといいことしない!?
……だ、だめだこんなんじゃあたしらしく振る舞わないと…

ごほん!
へい!こんにちは!
あたしさぁ、恋人どころか異性と手を繋いだこともそういう話題になったこともないんだけど、あなたはどう?
歴戦の戦士って感じがするわ
かっこいいし、恋人もいるんだろうなって思って…
違ったら、ごめんなさいね?
きっとあなたなら、すぐに恋人もできるし幸せになれるわよ!

売れ残りに福があるっていうしね、だいたいがっつく男子が苦手な女子もいるわよ!
ゆっくり愛を育んでいけばいいんだわ
がんばって!

アックスソードブレイク!!(突然に




「へ、へい! そこのクソだ……クソいけてる男子! あたしといいことしない!?」
「…………」
 怪人たちから何言ってるんだこいつ、といった奇異の目で見られるカチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)。
 カチュアは恋愛に疎い。普段何も意識しなければ普通に喋れるのに、男と女として意識してしまうと途端に何も話せなくなる。
(……だ、だめだこんなんじゃ。あたしらしく振る舞わないと)
 うおお、と頭を抱えながらも、気を取り直して怪人たちに声を掛ける。

 ごほん!

「へい! こんにちは! あたしさぁ、恋人どころか異性と手を繋いだこともそういう話題になったこともないんだけど、あなたはどう?」
「えっ、いや、まぁそんなに……繋いだことはないけど……」
「そこのあなた! 歴戦の戦士って感じがするわ! かっこいいし、恋人もいるんだろうなって思って……違ったら、ごめんなさいね?」
「居ないけど……うん、ありがとう……」
 カチュアの懸命な口説き。努力こそ感じられるものの、怪人たちのリアクションはいまいち薄い。
「(顔は美人だけど……なんだろうな、色気を感じない……)」
「(顔はいいのに……)」
 ひそひそと話し合う怪人たち。
 一方で、少しは手応えあったかも!と恥ずかしさに頬を赤らめ、息を切らしながらも何とか笑顔を絶やさずに、続く言葉を考えるカチュア。

「きっとあなたなら、すぐに恋人もできるし幸せになれるわよ!」
「…………」

 ぴし、と凍りつく空気。
 さすがにカチュアも状況を察し、え、え?と怪人たちの様子を伺っている。
 ――『きっとすぐに恋人もできる』。
 その言葉は、恋人のできない怪人にとって、あまりにも地雷となる言葉。

「なぁアンタ……だったら俺と付き合ってくれるのかよ」
「えっ……」
「すぐに恋人ができるんだろ? だったらよォ……その言葉に責任持ってくれるんだよなァ?」
「へへ、顔は可愛いんだ……アンタもモテないんだろ、だったらお似合いじゃないか? 俺たち……」
「えっ、可愛……あっ……その……」
 逆に責められる立場となり、頬を赤らめながらもしどろもどろするカチュア。
「ごめんなさい、今はその、誰とも付き合うとか、考えてなくて……」
「…………」
 申し訳なさそうに謝るカチュアを見て、押し黙る怪人たち。

「(あれ、かわいいな……)」
「(アリ寄りのアリ……)」
「(エロ同人みたいで今のシチュ好き)」
 怪人たちは思い思いの感想を漏らし、にっこりと佇んでいた。

 その姿を見て、カチュアはある事に気が付く。
(あっ、今ってもしかして隙だらけなのでは……)
 カチュアは黒い斧剣を手に、よいしょよいしょと怪人たちの死角へと回る。
「『アックスソードブレイク』!!」
「ぐわあああああっ!!」
 力任せの斧剣による一撃に、怪人たちは木っ端微塵に砕け散った。

 カチュアが異性にモテる日は、まだ暫く先の話になりそうだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ヴァーリャ・スネシュコヴァ
😘
モテ度:(MS様にお任せします、ごめんなさい…)

口説く……といってもどうすればいいのだろうな? うーむ……。
あ! 美味しいものを一緒に食べて楽しめば自然と仲良くなれるのではないか?

というわけで、俺は怪人と美味しいものを食べ歩きデートをするぞ!

ほらほら、あそこなんて美味そうではないか?(無意識にガシッと手を繋いで、怪人を食べ歩きデートへと連れ出して)

ひとしきり食べて楽しんで、きゃっきゃと騒いだ後は……うむ、申し訳ないがさようならなのだ。
なるべく苦しまないように、【先制攻撃】+氷の【属性攻撃】で凍らせて……ちゃんと看取ってあげよう。

今日は楽しかったぞ。……ごめんな、これも俺の仕事なのだ……。



●ヴァーリャ
(口説く……といってもどうすればいいのだろうな?)
 ヴァーリャ・スネシュコヴァ(一片氷心・f01757)はうーむ、と頭を悩ませる。
 あーでもないこーでもないと悩みながら、浮かんだひとつのアイデア。
 それは『美味しいものを一緒に食べて楽しめば自然と仲良くなれるのではないか?』という案だった。
 その案を実行に移すべく、さっそくヴァーリャは近くの怪人に声を掛け、デートに誘うのだった。(その過程で怪人は既に3人死んだ)

 ヴァーリャと怪人、るんるんと歩くキマイラフューチャーの街並み。
 怪人はガチガチに緊張して、ヴァーリャと目を合わせることもできずにいる。
「ほらほら、あそこなんて美味そうではないか?」
「あっ……!」
 不意に繋がれる手。技能がなくたって、はじめて繋いだ女の子の手はひんやりケーキの自分の手にとって火傷しそうなくらいに温かい。
「ほら、これは怪人君の分だ」
 そう言ってヴァーリャは怪人に、屋台で買ったジェラートを渡す。
「俺は肉と甘い物が好きでなあ。こういったアイスとか……あ、もちろんケーキも好きだぞ!」
「お、おう……」
 それでもやはり、嫉妬はしてしまう。このジェラートは必要とされているのに、自分は売れ残り。
 けど、こうしてふたりで食べ歩きするのは、やっぱり楽しくて。
「よおし、次の店に向かうのだ! クレープにケバブ、ハンバーガーにドーナツ! キマイラフューチャーはお店がたくさんで目移りしてしまうなあ!」
 だけどそれは、とても素晴らしいことなのだ、とヴァーリャは怪人に笑い掛ける。
 そうだな、と怪人は素っ気なく答えるが。このデートを通じ、怪人はいつの間にかヴァーリャの事を好きになってしまっていた。

「今日は楽しかったぞ」
「えっ――」
 そっと背中から抱き寄せられて。けどそこにはあの時感じた温もりは無い。
 氷の抱擁――怪人の肉体は、氷塊の中へと閉じ込められている。

「……ごめんな、これも俺の仕事なのだ」

 ぴきき、ぴし――、

 音を立てて割れていく氷塊。
 分かっていた。オブリビオンが人間に恋をして、幸せになれる筈なんてないという事。

「――、――」

 氷塊の中から怪人が、ヴァーリャに向けて囁く。
 ありがとう、楽しかった――。
 最後まで売れ残り、そして愛を知り、哀しくも幸せな生涯を閉じた怪人の最期の言葉。
 その言葉がヴァーリャの耳に届いたのかどうかは、彼女しか知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
■モテ度4
(顔は良い)

■心情
好きなだけ愛を囁けると伺いやってきました、ふふ!

■口説き
あぁ、孤独に悲しむその姿…切なくも美しい…!
しかし!
もう貴女が孤独に悩む必要はありません。
(腕を広げ)
私が貴女を癒して差し上げたい…!
(そっと抱きしめ)
涙に濡れた愛らしいその眼差し、やわらかなボディ、
甘やかな香り…あぁ、私の大好物です。
たぁっぷり、貴女を愛し尽くしましょう…!

■戦闘
UCの【行け!たまちゃん人形】使用。
「さぁ、私に囲まれ愛されてください…!」
たくさんのミニ明智。
それらに紛れるように動き、妖刀で斬撃。
時に噛みつき【吸血】

※アドリブ、絡み大歓迎です!
 クロウさん居た場合「私も口説いてくださいッ!」


杜鬼・クロウ
😘
モテ度1(モテなくても全く気にしない。欲しいモノはどんな手を使っても手に入れるタイプ)と思ってるがお任せ

「僻み嫉みからかよ(溜息)
オンナのこういう所がクソ面倒くせェ。
まどろっこしいのは苦手だ。ゲロ甘ェ口説きは他のヤツらに任せるわ」

手ひらひらさせ玄夜叉を構える
先制攻撃・2回攻撃で真正面から叩く
【錬成カミヤドリ】で鬼が棲む杜の社にあった鏡(神器)を5つ複製
敵の攻撃は鏡で防御

「お前ごときに俺の本体見せンのも癪だが、いっぺん自分の顔見てみろや。ブス。
ンな穢れた心で陰鬱な顔してるヤツ、誰が奪いにイくかよ。
その行動力を別に向けろ。本当に欲しいモンは意地でも諦めンな、馬鹿」

問答無用で敵を真っ二つにする




「僻み嫉みからの不法占拠、オンナのこういう所がクソ面倒くせェ」
 杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)はハァ……と大きく溜息をつく。
 仕方ねぇなと呟いて、クロウは『錬成カミヤドリ』にて自身の元となる器物――神器の鏡を複製した。
「お前らごときに俺の本体見せンのも癪だが、いっぺん自分の顔見てみろや。ブス」
 鏡に映るのは、ぐしょぐしょと泣き腫らす怪人たちの素顔。
「ンな穢れた心で陰鬱な顔してるヤツ、誰が奪いにイくかよ。その行動力を別に向けろ。本当に欲しいモンは意地でも諦めンな、馬鹿」
 そう告げると、クロウは怪人たちを容赦なく真っ二つに切り裂いた。

「……で」
 クロウは残るもう一体、『ケーキの着ぐるみを着た怪人』へと目を向ける。
「テメェはここで何やってんだ、変態」
 まさしくそれは変態だった。
 ケーキの着ぐるみ、そしてはみ出す手足は白タイツ。
 それは明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)――否。
「どうもこんにちは、クロウさん。ですが今の私は、あなたの愛する明智珠稀ではありません」
「いや、愛してねえし。いつも通りのド変態だが、お前は」
「(聞いてない)今の私は『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人・AKC』――今宵、クロウさんの為に売れ残って参りました。さぁ、存分に口説いてくださいッ! どこからでもつまみ食いOK、丸ごと旬の明智を召し上がれッ!! ふふっ」
「うおおおおおッ、やっべぇ鳥肌やっべぇ! やめろ寄るなマジで気色悪いさっさと去ね!!」
 クロウは湧き上がる吐き気を抑えながら、じりじりとにじり寄る珠稀から距離を取る。
「あぁ、必死に照れ隠しをするその姿……切なくも美しい……!」
「テメェほんとに一度病院行って来い! 腐ってんだろうがその目玉!」
「もうクロウさんが孤独に悩む必要はありません。(腕を広げ)私がクロウさんを癒して差し上げたい…!(自分の肩をそっと抱きしめ)」
「オエッ、ゲホッ、オエエエッ!!🤮」
 耐えきれず、えずくクロウ。
「(嘔吐の苦しみから)涙に濡れた愛らしいその眼差し、やわらかなボディ、甘やかな(嘔吐の)香り……あぁ、私の大好物です。たぁっぷり、クロウさんを愛し尽くしましょう……!」

 そして珠稀は、畳み掛けるようにクロウに対しユーベルコードを発動させる!

「さぁ、私に囲まれ愛されてください……!」
 ユーベルコード『行け!たまちゃん人形!』。
 100体にも及ぶ【明智珠稀からくり人形】がクロウに群がり責め立てる。

「クロウサン、クロウサン、クロウサン……」
「フフ、愛シテマス。フフ、愛シテマス。フフ、愛シテマス……」

 わらわらと周囲を埋め尽くす明智人形たち。

「あっ、あぁ……アアアアアアアアッッ!!」
 圧倒的な窮地にクロウの力が暴走し、【真の姿】が発動する。
「『古来より太陽神に司りし者よ。禍鬼から依り代を護られたしその力を我に貸せ──……来たれ! 我が命運尽きるまで、汝と共に在り。並びに、杜鬼クロウの名を以て命ずる。拓かれし黄泉の門から顕現せよ! 贖罪の呪器…混淆解放(リベルタ・オムニス)──血肉となりて我に応えろ!』」
 普段では考えられぬ程の高速詠唱にて、喚び出される『濡羽色の八咫烏』と『禍鬼』。黒魔剣『玄夜叉』もクロウの魔力に呼応し、禍々しい輝きを放つ。
「――それが俺の役目ってンならヤってやらァ。強さが全てだ」
 そう言い放ち、クロウの斬撃が明智人形ならびに明智珠稀本体を一掃した。


「うっ、ここは――」
 クロウが目覚めたのはキマイラフューチャーの医務室。
 今日、自分に何があったのかは思い出せない。
 けれど長い間、ずっと悪夢を見ていたような気がする。
「そう言えばなんか、バレンタインがどうのこうの言ってた気がすんな……」
 少し頭痛がするものの、動けない程のものではないだろう。
「無理して頑張る程のモンじゃねえけど、まァ行くか」
 そう言ってクロウはベッドから身を起こし、再び聖バレンタインコンコン広場へと歩いていった。

 病室の片隅に、珠稀の亡骸だけを残して。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

境・花世
■モテ度4 ※誰に対してもコミュ力を遺憾なく発揮するタイプ

一際可憐なケーキのところへ
颯爽とした足取りで近付いて

どうしたの、そんなさみしい顔をして
折角の綺麗な生クリームが
蕩けてしまったら、勿体ないよ

……ああ、でも、そうだね
涙に濡れて苺がきらきらしてる
きみは泣いても、可愛いみたい

そっと手を伸ばして、
握り締めた赤い苺に指先を添え
覗き込むみたいにして笑いかける

ね、もうひとりで泣かなくていいんだ
わたしが――

最終処分、してあげるから

仕込んでいた“偽葬”で、
刻印を素早く起動して
完璧に六等分してあげよう

甘いものは嫌いじゃないんだ
折角出来上がったきみだもの
うん、サンタさんの砂糖菓子まで
ちゃんと食べてあげるからね




 ずらりと並ぶケーキの中から、一際可憐なきみに目を付けて。
 颯爽とした足取りで怪人へと近付いていくのは、境・花世(*葬・f11024)。

「どうしたの、そんなさみしい顔をして。折角の綺麗な生クリームが蕩けてしまったら、勿体ないよ」
 花世は泣きべそのケーキ怪人に優しく笑い掛ける。
「な、なに……馬鹿にしてるの? 寂しい女で悪い? 生クリームだって――溶けたところで誰ひとり気にする奴なんて居ないわよ!」
「……ああ、でも、そうだね。涙に濡れて苺がきらきらしてる。きみは泣いても、可愛いみたい」
 そっと手を伸ばして、怪人の握り締めた赤い苺に指先を添えて。花世は覗き込むようにして笑い掛けた。

「うっ、でも……そんな今更優しくされたって。私はただの売れ残りで、だからもう、私は……」
 掛けられる言葉が、優しさが温かい。けれどその分だけ惨めになる。
 ずっと自分を見て欲しかった。言葉を投げて欲しかった。お買い上げして欲しかった。
 半額でもいい、誰かに食べて欲しかった。

「ね、もうひとりで泣かなくていいんだ。わたしが――、」

 最終処分、してあげるから。

 怪人の耳元で囁かれた、優しい宣告(ほんとう)。
 花世は予め仕込んでいた、ユーベルコード『偽葬』にて刻印を素早く発動させる。
 奔る斬撃がケーキ怪人を完璧な六等分にした。
「甘いものは嫌いじゃないんだ、折角出来上がったきみだもの」

 うん、サンタさんの砂糖菓子まで、ちゃんと食べてあげるからね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
モテ度お任せ
※顔はAPP18想定
喋ると俺様思考の脳筋

口説く…口説くねぇ…
自分から口説くのは馴れないな
…もうめんどくせえから殴っていいか?(小声)

とりあえず一回は試しとくか
あー…
壁ドン…ドカンッて音になっちまったがまあいいか…して
「お前を残すなんてずいぶんみる目がねえヤツしか居なかったんだな。そんなヤツらは忘れて、俺様のモンになれよ」

…こんなんでいいのか?
(怪人がアワアワするか照れたら一瞬キョトン)(自分だけの宝物を見つけた子供の様な無邪気な笑顔で※素です)
ははッ…お前、可愛いな

成功したかわかんないけどもういいだろやるぞ
まあ…綺麗なまま死んだら、ちゃんと食って(俺のモノにして)やるよ

アドリブ歓迎




「口説く、口説くねぇ……」
 セリオス・アリス(ダンピールのシンフォニア・f09573)は悩んでいた。
 声を掛けられる事はあったにしても、自分から口説いた事はあまりない。
 もう面倒くさいし殴ってしまおうか、という考えが頭を過るが……ひとつだけ、セリオスに妙案が浮かぶ。
「とりあえず一回は試しとくか」
 そう言ってセリオスは、ちょうどいい立ち位置に居る手頃な怪人を見繕った。

「え、えと……こんなところに連れてこられて、私いったい……」

 ――ドゴオッ!

 壁ドン。思った以上に威力が出すぎて、壁ドォン!になってしまったが気にしない。
 目の前の怪人は、あわわわ……と震えている。
「お前を残すなんてずいぶんみる目がねえヤツしか居なかったんだな。そんなヤツらは忘れて、俺様のモンになれよ」
 怪人の顎(?)をクイ、と持ち上げて指先についたクリームをぺろり。
「ひゃっ……! そんな……えっと……」
 生まれて初めて受ける壁ドンに、どうしていいか分からず視線を逸らすしかできないでいる怪人。
「…………」
 そんな怪人の姿を見て、一瞬キョトンとするセリオス。
 そして、笑いが漏れる。
「ぷっ、ははッ……お前、可愛いな」
「えっ、えっ??」
「いや、うん。俺様はお前のこと割と気に入ったぜ。冗談で言ったけど、ホントに見る目ないやつばっかだったんだろーな、って思うぜ」
 ひょい、と頭のイチゴをつまみ食い。
「うん、ちゃんと美味い。だから、まぁ――なるべく綺麗に死ねよ?」
 根源の魔力によって強化された斬撃が、怪人を切り裂く。
 切り裂かれた怪人は、ポンと音を立てて綺麗にカットされたお持ち帰りケーキに早変わり。

「もう少しだけ待ってろ。帰ったらちゃあんと、俺様のモンにしてやるからな」

大成功 🔵​🔵​🔵​

有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

モテ度2
仕事のために生きてきたので、あまり他人との関りがなかったんですよね。

広場の閉鎖で多くの者が悲しむというなら…助けてあげたいです…かな。
できることなら、みな笑顔でいてほしいですし。
ところで、口説けば弱くなるとのことですが、
私、人と話すことはあまり得意のではないので……。

ここは相手の目をみてただ一言。
「……私では、だめですか?」
……。
俺なりにストレートに気持ちを伝えてみたつもりなんだが、大丈夫だろうか?

失敗しても成功しても、その後は殴る。
それにしても、口説いてから殴るって…。
人の命を奪う仕事を生業にしている私が言うのもなんですが……、
余計に心えぐられたりしないんでしょうかね?




 有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)は代々処刑を生業とする家系の生まれ。
 仕事の際には私情を捨て、機械のように武器を振るう。
 そんな生活を送ってきたせいもあり、あまり他人と関わった経験はない。

 けれど、

(広場の閉鎖で多くの者が悲しむというなら……助けてあげたいです)
 ……かな? と少し疑問系。
 できる事ならみな笑顔でいてほしい。
 そんな感情がまだ自分に残されていた事が、夏介にとっても少し意外だった。

 口説けば弱体化するとの事だったが、夏介は人と話すのが得意ではない。
 なかなか言葉を紡げぬ夏介を、きょとんとした目で見る怪人。

(ええい、なるようになれ!)
 ちょっとだけ地を出しながらも、意を決して怪人の目を見つめ――、告げる。
「……私では、だめですか?」
「…………」
 沈黙。相手の反応を伺う夏介。

(俺なりにストレートに気持ちを伝えてみたつもりなんだが、大丈夫だろうか?)
 不安、だったのだろう。
 殺しの仕事には慣れていても、人との対話は素人だ。
 上手く行こうが行くまいが、この後は怪人を殺すだけ。
 その筈なのに、相手の反応が気になってしまう。

「……、――」

 こくこく、と怪人は頷いて。そっと夏介に身を寄せる。
 成功……したのだろうか。
 それはきっと、奇跡にも近しいことだった。
 たまたま出会った怪人、掛けた言葉、相性――そんなものが複雑に絡み合って。
 この出会いはきっと百にひとつの、二度と起こり得ぬ出会い、だったのだろう。
 怪人はにこりと笑う。
 真っ白なクリームに包まれた、よく見ると可愛らしいとも言えるその容姿。

(…………)
 さく、と小さく音を立てて。神殺のナイフが怪人の命を刈る。
 事切れた怪人は幸せそうな笑顔を浮かべたまま、物言わぬケーキと化した。

「お前は、真っ白なままなんだな」
 夏介は半額シールの貼られたケーキの箱を拾い上げ、その中身を眺めながら告げる。

 口説いてから殴るなど、余計に心が抉られるのではないかと思っていたが。
 甘いクリームは、彼の心を少しは満たしてくれたのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
😘敢えての【モテ度5】

『聖バレンタイン・コンコン広場』か(さらっと復唱
甘いものはとても好きだ(微笑み
バレンタインという祭典に水を差し、多くの者が悲しむ怨嗟の連鎖は此処で断ち切らないとだな

はて……ひもてのいんきゃ、とは?
(周囲窺い)ふむ、異性の誘いが嬉しい寂しがりやさんということか?
では、そこのご婦人(怪人)を誘おう

「ご婦人、俺と一緒に写経しないか」(雅スマイル
「俺と二人だけの時間を綴ろう」(キラキラ

隙ができれば、ひよこブレイドで命中重視の【桜華葬閃】
ぴよっと攻撃(天然ギャップ萌え
恨みのローソクも桜花弁で吹き消そう
「これまで寂しかったな。だがもう寂しい思いはしなくていい」(イケメン顔でトドメ)




「ここが――『聖バレンタイン・コンコン広場』か。バレンタインの日に乙女たちが集い、バレンタインコンコンにいそしむ、コンコンの聖地」
 乙女も甘いものも甘い話も、筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)の愛するところ。
 バレンタインという祭典に水を差し、多くの者が悲しむ怨嗟の連鎖は此処で断ち切らねばならない。

 しかし、清史郎には今回の依頼に際して未だ理解できていない部分があった。

(はて……ひもてのいんきゃ、とは?)
 どうやら怪人たちを指しての言葉らしいが、その言葉が正確に意図するところを知らない。
 だが、清史郎は空気の読める男。周囲の様子を伺うことで何となくあらましを理解した。

(ふむ、異性の誘いが嬉しい寂しがりやさんということか)
 その理解に概ね間違いはなかった。
 清史郎はさっそく行動に移すべく、手近な怪人に声を掛ける。

「ご婦人、俺と一緒に写経しないか?」
「えっ……(キュン)」
 モテ度5の美しい顔立ちから放たれる雅なスマイル。
 怪人はこんな顔のいい男から誘いを受けた事もなければ、ましてや写経など。
 怪人の人生において、写経の経験など一度もない。突然の誘いに戸惑う怪人。
「えっと、私……写経とかした事なくて……」
「大丈夫。俺がしっかりと指導しよう」
「あっ……」
 怪人の手に握らされた、筆。けどその筆よりも、添えられた清史郎の細い指が気になってしまい、怪人の心臓は早鐘を打つ。
「私、その、宗派とかよく分からないですけど……」
「最初は般若心経から始めよう。宗派だとか、あまり深く考える必要はない。俺はただ、君と写経がしたい――それだけで、満たされるのだから」
「猟兵さん……」
「そんな恨みのロウソクも吹き消して……」(フッ――)
「やっ、……もう、猟兵さんのエッチ///」
 そうしてイチャコラしているところで、怪人には(かなり前から)大きな隙ができていた。

「これまで寂しかったな。だがもう寂しい思いはしなくていい」
 清史郎は腰から自身の器物である(※たぶんちがう)ひよこブレイドを抜く。
 未だイラスト化の叶わぬ可愛らしいひよこの意匠。そして振るうたびにぴよぴよと囀るひよこの鳴き声(幻聴)。

「きみと共に写経をしたい――その言葉に偽りはない。できれば温かい紅茶も添えて。出来上がった経はきみに捧げよう」
 ――『ぴよ華葬閃』。
 ひよこの意匠が凝らされた可愛いき刀の斬閃。歩む黄泉路も寂しくないよう、ひよこを添えて。

 🐥🐥🍰🐥🐥

 ご婦人の亡骸は大切に箱へと仕舞い。
 清史郎はお持ち帰り用のドライアイスを貰うべく、あくまでも雅にその場を後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
モテ度2

鴇沢君(f02480)なんか言ってることが違う
胃もたれ?モテる男の言葉の、この厚みよ…!
参考に鴇沢プレイみてからがんばろ
じゃがそれ見てうっかり流れ弾くらわんようにせんと(どきどき)
…ヒェッ!(いけないものをみてしまったかお)

しかしケーキ怪人よ…(かわいそうなものををみるめ)
先だって汝らにふっさふさの尻尾をべっちょべちょのしょんぼりにされたのを忘れとらんからな
りべんじ…!

隅っこにおる怪人にいわゆる、壁どんをかまし(キリとした顔で)
汝、愛い顔しておるの…
甘い匂いもするし、愛でて、よいかの?

よし、ここで喰らい――いやここは口説くんじゃ
やさしく攻撃を
しかし――売れ残りじゃろ?あとで腹壊さんかの


鴇沢・哉太
モテ度5

バレンタイン時期は胃もたれ対策必須だよな
どう頑張っても食いきれないし
嵐吾(f05366)の呟きを何気なくスルーしつつ
…あれだ、嵐吾は喋らなければってタイプか

さてお仕事だ
ふと眼差しをケーキ怪人に向けたら
視線を絡ませじっと見つめる

ふと痛ましげに眉根を寄せる
そんな悲しそうな顔するなよ
俺まで泣きたくなってくるでしょ?
淡い微笑みを刷いて怪人の眦(あるのか)を指先でなぞる

折角甘くて可愛い顔してるのに台無しだよ
笑ってごらん
ん、余さず俺が食べてあげるから

そう嘯いて唇を寄せクリームをぺろり舐めて
ごちそうさまと告げる
その後UCで適宜攻撃

ほら、腐りかけが一番美味しいって言うし?
俺バーチャルだから知らないけど




「バレンタイン時期は胃もたれ対策必須だよな。どう頑張っても食いきれないし」
 まるでバレンタインあるあるのように語り始める鴇沢・哉太(ルルミナ・f02480)。
 これがモテ度5の圧倒的な貫禄。
「鴇沢君、なんか言ってることが違う。胃もたれ? モテる男の言葉の、この厚みよ……!」
 これからどんなモテプレイを魅せつけられるのか、ごくりと唾を飲む終夜・嵐吾(灰青・f05366)。モテ度2。
 哉太は嵐吾の顔をじぃと見て、顔はいいのに何故モテぬのかと思考を巡らす。
「……あれだ、嵐吾は喋らなければってタイプか」
「うん? 何の話じゃ?」
「いいや、なんでも。それよりほら、お仕事だ」
 見ると傍には怪人たちのギャラリーができていた。
 耳をそばだてれば「嵐哉……」「哉嵐……」といった囁きも耳に入ったかも知れない。

「んじゃ、俺から行かせて貰うぜ」
「おお。頑張るのじゃぞー」
 怪人へと歩み寄る哉太を見送り、嵐吾は観戦を決め込んだ。
(参考に鴇沢プレイみてからがんばろ。じゃがそれ見てうっかり流れ弾くらわんようにせんと)
 じゃがしかし、始まる前から波乱の予感。どきどき。

 哉太は眼差しを怪人に向け、視線を絡ませじっと見つめる。
「…………」
「…………」
 ギャラリーの怪人、何人かが哉太の圧倒的な“モテ気”にあてられ卒倒する。
 嵐吾もまた、見守っているだけで胸の高鳴りが抑えられず呼吸が荒くなる。

 その沈黙を打ち崩すかのように、哉太は痛ましげに眉根を寄せた。
「そんな悲しそうな顔するなよ。俺まで泣きたくなってくるでしょ?」
 淡い微笑みを刷いて怪人の眦を指先でなぞる。指先に付いたベリーソース、口付けを交わすかのようにちゅっ、と舐め取り。
「ひ、あ、ああっ……、んん……」
もはや責められている怪人が憐れとさえ言えるくらいに、顔は紅潮し心臓の鼓動はとうに限界を越えている。
 ひとり、またひとりとギャラリーも倒れていく。
「折角甘くて可愛い顔してるのに台無しだよ。笑ってごらん、余さず俺が食べてあげるから」
 そう嘯いて、哉太は唇を寄せ――怪人のクリームを、ぺろり舐めた。
「……ヒェッ!」
 流れ弾に耐えきれず、嵐吾は目を背ける。
 当の怪人も哉太の攻勢に耐え切る事ができず、その場で物言わぬケーキと化した。
「ごちそうさま。――ユーベルコードを使うまでもなかったか」

 颯爽と嵐吾の元へと戻る哉太。
「んじゃ、次は嵐吾の番な」
「え、わし? わし、この後にやるの?? つらくない??」
 もうみんな満足しておるじゃろ、と文句を言いながらも、しぶしぶ戦場へと向かう。

「ケーキ怪人よ……先だって汝らにふっさふさの尻尾をべっちょべちょのしょんぼりにされたのを忘れとらんからな。りべんじ!」
 嵐吾は胸に闘志を湛え、なるべく端っこの、壁際に居る怪人に目を付ける。
 じり、じり……と距離を詰め、壁際に追い詰めたところで――、

 ドン!(※壁ドン)

「汝、愛い顔しておるの……甘い匂いもするし、愛でて、よいかの?」

 ヒュゥ、と哉太が口笛を吹いた。
 終夜・嵐吾。モテ度は2なれど、顔はいい。
 怪人は頬を赤く染めながら目を逸らし、嵐吾の誘いに静かに頷く。
「よし、ここで喰らい――いやここは口説くんじゃ!」
 さすがに哉太のように、唇を舐め取るのは憚られたので。
 頭のイチゴにそっと口付けを交わす。
 その攻撃で、怪人は倒されお持ち帰り用のケーキへと姿を変えた。

「どうじゃ哉太、わしにもできたぞ! しかしこれ――売れ残りじゃろ? あとで腹壊さんかの」
「ほら、腐りかけが一番美味しいって言うし?」
 俺バーチャルだから知らないけど。哉太はぺろりと舌を出して。
 嵐吾も何とかなるじゃろ、わははと笑いながら、ふたりは次なる戦場へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イディ・ナシュ
😘【モテ度1】

……口説き、ですか
その、義妹以外の何方かと五分以上の会話をするのは、ごく稀なのですが
よき機会と思い、お手伝いを

朗読だけは、得手としていますので
予めお伝えする言葉をこちら(魔導書)に書き記しました

「どんなにかお寂しい事でしたでしょう。貴方様の心を凍らせるその孤独、私に暖めさせては頂けないでしょうか。乾いたクリームも苺も、これからまた潤して参りましょう?」

読み上げる声だけは情感豊かに
ただ、目線は合わせられませんし
手汗は酷いですし表情筋もさして仕事はいたしません、ええ

口説かれて下さいますか、駄目ですか?
どちらにせよ、閉じた魔導書の角での殴打をもって
ご退場願う羽目になりそうな気がします




 口説き。
 イディ・ナシュ(廻宵話・f00651)は人と交流するのが得意ではない。
 そういった諸々は全て義妹に任せきりで、義妹以外とまともに会話する事自体が稀だった。
 だが、その現状を良しとしているわけではない。姉としての威厳――を大事にするかはさて置き、頼りきりというのもよろしくはないだろう。
 これも良い機会だ、と。イディは本来であれば苦手分野とも言えるこの依頼に、挑戦することを決めた。

 さて、無策で事にあたるほどイディは愚かでもないし、そんな勇気もない。
 自分のアドリブに対する脆弱さは身に染みて分かっている。
 なればこそ、自分の得手を生かして。
 それは――朗読。
 予め伝えるべき言葉を魔導書に書き記し、持参した。
「…………」
「…………」
 最初のハードル。話を読み聞かせるにしても、そこに至るまでが第一の関門。
 義妹、キディの姿を思い出す。
 あのようにハキハキと明るく、元気に素直に、楽しそうにお喋りができたら。

「あ、――あのっ、もし……!」
 たった一言、声を上げるだけで心がすり減る。相手は顔見知りどころか赤の他人。その上、オブリビオンであれば――下手をすれば自分たちを敵視していたっておかしくない。

 それでも――、

「よろしければ少し、お時間を……頂けませんか?」
 近くのベンチを指差して、怪人を誘う。
「…………、――」
 怪人は、イディにどこか自分に近い空気を感じ取ったのか。
 小さく頷くと、イディに連れられベンチに腰を下ろした。

 これは物語、というよりはお手紙に近いものかも知れません。
 どんなにかお寂しい事でしたでしょう。
 貴方様の心を凍らせるその孤独、私に暖めさせては頂けないでしょうか。
 乾いたクリームも苺も、これからまた潤して参りましょう?

 読み上げる声だけは情感豊かに。
 ただし目線は合わせられずに、本を持つ手も震えている。
 手汗は酷いし表情もぎこちない。
 けれど読み上げられる物語は、丁寧に、素直に、沢山の真心が込められていて。
 アドリブは苦手だったから、その分内容が膨れ上がってしまった。
 退屈をさせていないだろうかと心配になるけど、相手の顔を見るのもやっぱり怖くて。

「ええ、と――口説かれて下さいますか、駄目ですか?」
 一通りの物語を読み終えて、隣の怪人を見る。
 けれどそこに、怪人の姿はもう無かった。

 赤い半額シールの貼られたケーキ箱がひとつ、ぽつんと置かれていて。
 自分もヤドリガミだからだろうか、何となく伝わってきた。
 きっと満足してもらえたのだろう、と。
 そのケーキ箱は、まるで何年も連れ添った友人のように感じられて。

「どうぞごゆるりと、お寛ぎください」
 イディはいつもより少しだけ素直な気持ちで、ケーキの箱の縁を撫でた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ピリカ・コルテット
大変っ!このままじゃコンコンが枯渇しちゃいますっ!
ところでコンコンって、一体何の事でしょうか?
多分狐の事だよねっ? \ぴこーん♪/

【モテ度4】
(故郷のじいちゃんばあちゃん達や神主さん、近所の猫さんワンちゃん狸さん達にはそこそこモテていましたよ!)

はぁいっ♪そこゆく真っ白で素敵な怪人さんー!
そのとっても美味しそうで魅力溢れる出で立ちに、すっかり一目惚れしちゃいましたよう♪
これから私と一緒にお茶でもいかがでしょうか?ぜひともケーキにぴったりなお紅茶でっ!
おいしく食べてあげますからねっ☆じゅるるるり。
準備が整い次第、入刀します!

😘🍰☕😘🍰☕😘🍰☕😘🍰☕😘🍰☕😘🍰☕😘🍰☕




「大変っ! このままじゃコンコンが枯渇しちゃいますっ!」
 それは一大事だ、とピリカ・コルテット(Crazy*Sunshine・f04804)は現場に走る。

 ……ところでコンコンって、一体何の事でしょうか?
 あっ、分かった! 多分狐の事だよねっ? \ぴこーん♪/

 さすがのモテ度4。この時点でかわいい。
 故郷の老人たちや神主、近所の動物たちにもそこそこモテていたという実績は伊達ではないようだ。

「はぁいっ♪ そこゆく真っ白で素敵な怪人さんー!」
「えっ、俺のこと……?」
 ピリカはさっそく近くの怪人を捕まえて、口説き始める。
「そのとっても美味しそうで魅力溢れる出で立ちに、すっかり一目惚れしちゃいましたよう♪」
「えっ、いや……別に俺はそんな、ただの売れ残りで……」
「ふふー、売れ残りだなんてご謙遜を! 私、今すぐ食べちゃいたいくらいですもん!」
 ぐへへ、と思わずヨダレが垂れそうになるが、ピリカは慌てて抑える。
「そ、そう……? えっと、ちょっと味見してみる?」
「え、いいんですか!? それでは遠慮なく……」
「あっ……」
 指先でクリームを掬って、ぺろり。
 普通に食べるのとも少し違う、つまみ食いならではの罪深き味わい。
「んーーー、あまくて美味しいですっ♪ 私の見立てに狂いはなかった!」
「え、へへ……そうかなぁ、嬉しいなぁ……」
 怪人は既に完全なるデレデレモード。畳み掛けるなら今しかない!
「これから私と一緒にお茶でもいかがでしょうか? ぜひともケーキにぴったりなお紅茶でっ!」
「おっ、いいねぇ。実は俺も……キミのこと、もっと詳しく知りたいって思ってたんだ」
 でへへと鼻の下を伸ばし、頬の緩みきった怪人。

「おいしく食べてあげますからねっ☆ じゅるるるり」
 怪人がピリカに背を向けたその瞬間、ピリカの瞳が\ぴこーん♪/と光った。
「ケーキ入刀、『桜剣解放』――プリマベーラ!!」
 愛刀プリムを奔らせて、スパスパスパーッと三閃、六等分。
 空中で綺麗にカットされたケーキはそのままお皿の上に落下し、桜の花びらを添えて綺麗に盛り付けられていた。

「また美味しいものを斬ってしまいました……」
 刀に付いたクリームを指で拭って、また味見。
 あとは何処かで温かい紅茶を見繕えば、アフタヌーンティーの始まりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蔵方・ラック
モテ度1:恋愛的な機微を理解する力が幼稚園児以下のため

【ホテル・ペンドラゴン】の皆と1つのケーキを口説くであります!
(呼称:支配人殿、エドワード)

支配人殿が口説いているところに乱入
「ちょっと待ったぁ!このケーキに一番に目をつけたのは自分でありますよ!」
「お前がどんなケーキでも関係ないのであります!(好き嫌いしない的な意味で)
自分が受け止めるでありますから、黙ってついて来い!であります!!」

こういうのは『オレサマ』って言うのでありますよね
ふふん、勉強してきたのでバッチリであります!(少女マンガ片手に)

攻撃は【屑鉄錨】で
適当なタイミングで大人しくしといて貰うのであります!
(アドリブ歓迎)


小宮・あき
【モテ度4】
【ペンドラゴン】で参加。
(呼称 エディさん・ラックくん)

3人で1人のケーキ怪人を口説きます。
1)あき(モテ度4)が口説き始め
2)ラックくん(モテ度1)が止めに入り
3)最後にさらにエディさんが止めに入る

あきは聖者。嘘を吐く事は出来ません。
本心から思わなければ相手に響かないと考えます。
なので、発想の転換。純粋にクリスマスケーキとして口説けばいい、と!

「あなた、こんなに可愛いのに放っておくなんて酷い人もいたものね」
賞味期限的な意味ですが、言葉に嘘はありません。真実です。

戦闘部分はラックくんとエディさんに任せて回復行動を。
さすがに3人でボコるのは、気が引けます…。


高野・エドワード
モテ度4
OK!【ホテル・ペンドラゴン】(オーナーちゃん、ラック君)で共闘して1人ずつ怪人を確実に落とし込んでいくよ!所謂ハーレムってやつかな?

待ってくれ!と最後に乱入。
「世界が美しい愛で溢れる素晴らしいこの日に、君がそんな辛く悲しい想いをしていたなんて…。ごめんね、気付くのが遅くなってしまって」
「僕が世界で一番君を愛してるよ。こうして君のことを想うだけで、ぎゅっと胸が苦しくなるんだ…」
「ねえ、どうか僕を選んでくれないかい?My sweet dear」

……まぁ相手は怪人だから、倒さないといけないのが辛いところだよね…。
せめて僕の愛【瑠璃花弁の嵐】の中で安らかにお眠り。
😘




「あなた、こんなに可愛いのに……放っておくなんて、酷い人もいたものね」
 ホテル『ペンドラゴン』の支配人、小宮・あき(人間の聖者・f03848)は水色の双眸を輝かせ、怪人を慰める。

 あきは聖者。故に、嘘を吐く事は出来ない。
 本心からの言葉でなければ、相手に響かないと考えていた。
 それ故の、発想の転換。
 相手を怪人としてではなく、ケーキとして口説けばよいのだ!

「ふ、ふん……そんな気もない癖に、可愛いなんて……!」
 あきの言葉に心が揺れるも、ささくれ立った怪人の心はちょっとやそっとの説得じゃ解けない。
「ふふ、私は本気ですよ? ふわっふわのクリームに、可愛らしいイチゴのトッピング! そしてなにより……その頭の、とってもチャーミングなお人形さん! ほんとにほんとに可愛くって、うちのホテルの専属ケーキにスカウトしたいくらい!」
「うっ、うう……」
 ふんす、と鼻息を荒くしながらクリスマスケーキへの愛を説く、あき。
 嘘偽り無い純粋な言葉、そして可愛らしい容姿――これには怪人もたじたじの様子。
 しかし、そこに突然の乱入者が現われる。
「ちょっと待ったぁ! このケーキに一番に目をつけたのは自分でありますよ!」
 あきの説得に待ったを掛けたのはペンドラゴン第二の刺客、蔵方・ラック(サイボーグのスクラップビルダー・f03721)だ。
「ラックくん!?」
「ふふん、支配人殿にばかりいい顔はさせないでありますよ……」
 普段からあきには客として世話になっている。ここはその恩返しも兼ねて、男を見せる時!
 ラックは怪人の肩をがっしと掴むと、相手の目を正面から見据え、言葉を紡ぐ。
「お前がどんなケーキでも関係ないのであります!(好き嫌いしない的な意味で)
自分が受け止めるでありますから、黙ってついて来い! であります!!」
 溢れんばかりの男らしさ。ラックはこの日の為に『少女マンガ』を参考に、鏡の前で何度もシミュレーションを積んできた。
(バッチリであります。今日の栄誉勲章は自分のものであります……!)

 ラックが内心、勝利を確信した――その時。
「待ってくれ! この僕を忘れて貰っては困るよ」
 キラキラと輝きを放ちながら(※幻覚)最後に登場したのは、美しすぎる愛の天使、高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)だ!
「世界が美しい愛で溢れる素晴らしいこの日に、君がそんな辛く悲しい想いをしていたなんて……。ごめんね、気付くのが遅くなってしまって」
「あっ、その……」
「僕が世界で一番君を愛してるよ。こうして君のことを想うだけで、ぎゅっと胸が苦しくなるんだ」

 エドワードは別段この依頼だからというわけではなく、普段からこうだった。
 性別・種族・次元の垣根、果ては無機物有機物の壁さえものともしない、無償の愛。
 愛のガチ勢、その称号は伊達ではなかった。

「もう、エディさん! せっかく私がケーキさんをお誘いしていたのに……!」
「そうであります! 今回ばかりはエドワードにも譲るわけには……」
「ふふ、これは三角関係――いや、四角関係というやつかな? いいね、愛に溢れていて素敵じゃないか!」
 怪人を差し置いて、あーでもないこーでも話し合う三人。
「あ、あのぅ……」
 怪人が話し掛けると三人はぴたりと話を止めて、一斉に怪人へと向き直る。

「ケーキさん、うちのホテルに来てくれますよね?」
「黙って自分のケーキになりな……、であります!」
「ねえ、どうか僕を選んでくれないかい? My sweet dear」

「あ、わ、わ……」
 三人から同時に口説かれて、頭がショート寸前の怪人。

 ――ぽすん!

 遂には限界を迎え、怪人はただのケーキの箱へと姿を変えてしまった。

「あら……?」
「むむっ、これはどういう……」
「ふふ、愛の為せる業だね」
 三者三様の反応を示しながら、あきは足元のケーキの箱を拾い上げた。
「えっと、これからどうしましょう……?」
「こういった展開は予想してなかったでありますな……」
「まだ怪人は沢山居るようだし、この調子でひとりずつ確実に落とし込んで行けばいいんじゃないかな」
 所謂ハーレムってやつさ、とエドワードは言う。
「そうですね、折角ですし頑張りましょう! ホテルのみんなにチョコレート以外のお土産もできそうです!」
「さすがオーナー殿、お優しい! そして名案であります!」
「オーナーちゃんのそういうところ、僕は好きだよ」

 おー! と気合を入れて、三人は次なる怪人の元へと向かう。
 願わくばなるべくボコる事なく、平和的にケーキさんたちを口説けますように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラン・ムラノミヤ
【モテ度2?】経験は無いですが、ランちゃんは日々都会の本で勉強しています。多分どうにかなりますよ

イリスさん(f06216)と共に
美少女二人が揃っていますからね、余裕のはずです

お兄さん?ランちゃん達と「ちょこ」を食べませんか?
ほら、食べさせてあげますよ?
本には目を見てこうやれば一殺《イチコロ》とありました
これが女子力というやつです

隙有。すみません、心を広くして出直してきて下さい
薔薇の花びらを目隠しに斬撃を一閃

失敗時
ウチとイリスちゃんのかわいさがわからんとかホンマか?
どこに目ぇつけとるん?もうええわ!終いにするで!

恋とは儚く切ないものだと聞きました
イリスさん、その痛みを忘れずに前へと進みましょう
%


イリスロッテ・クラインヘルト
【モテ度不明】モテなくもないが9歳ゆえ恋愛経験がない

ランちゃん(f08127)とペアなのです
女の子ペアの魅力でメロメロにしちゃうのです!

◆聖者ですから
怪人ちゃんに声をかけるです
「お兄さん、どうしたのです?
 イリス達も一緒にチョコを食べるのです!」

イリスには恋愛の悲しみは癒せないかもしれません
でも一人で寂しい気持ちは癒せる
そう思うのです
「…みんなで食べると、美味しいですね」

◆ごめんね…
でも倒す
「…さよなら、怪人ちゃん!」
【虹色の愛】を使って攻撃
最後まで責任とって、倒すから…

「うう、ランちゃん…イリスは少し切ないのです
 これが恋の痛みでしょうか」
ちょっとした罪悪感が
イリスの胸を締め付けるのでした

%




「それじゃあランちゃん、頑張りましょう!」
「ええ、行きましょうイリスさん。美少女二人が揃っていますからね、余裕のはずです」
 そう言って、意気揚々と怪人討伐に赴いたイリスロッテ・クラインヘルト(虹の聖女・f06216)とラン・ムラノミヤ(未知多き道の渡り人・f08127)。
 美少女ペアを自称するだけあって、双方ともに見た目は良い。
 だが、恋愛経験には難がある。
 トークをどう克服していくか、それがこのペアの課題であった。

「お兄さん、どうしたのです? イリス達と一緒にチョコを食べるのです!」
「お兄さん? ランちゃん達と『ちょこ』を食べませんか?」
「おっ、いいね……ありがとう、いただくよ」
 最初の怪人は好感触。すんなりとチョコを受け取ってくれて、三人で仲良くチョコを食べ始める事に成功した。

「ほら、食べさせてあげますよ?」
「えっ……」
 ランは怪人の目を見ながら、チョコレートを「あーん」する。

「(わわっ、ランちゃん……恋の上級者です……)」
「(ふふ、任せてくださいイリスさん。本には目を見てこうやれば一殺《イチコロ》とありました。これが女子力というやつです)」
「(わー……勉強になるです……)」
 照れながら幸せそうにチョコを頬張る怪人をよそに、ヒソヒソと会話をするイリスロッテとラン。
「みんなで食べると、美味しいですね♪」
「うん♪」
 怪人もにっこりとご満悦の様子。
(イリスには恋愛の悲しみは癒せないかもしれません。でも一人で寂しい気持ちは癒せる……)
 聖者らしく、そんな想いを馳せているところにランからの耳打ち。
「(……イリスさん。そろそろ殺りましょう)」
「(……はっ! そうでした!!)」
 すっかり忘れていた。怪人と仲良くするだけではなく、倒さねばならないという事を。
「……さよなら、怪人ちゃん!」
「すみません、心を広くして出直してきて下さい」
 イリスロッテの放つ『虹色の愛』を目眩ましに、ランの放つ『剣刃一閃』。

「そ、そんな……一緒に、チョ、コ……どう、して……」
 怪人は呻きながら、その場に倒れた。
 他の猟兵たちの時は成仏したりケーキの箱になったりしていた筈なのに、今回は死に様も妙に生々しい。
「うう、ランちゃん…イリスは少し切ないのです。これが恋の痛みでしょうか」
「泣いたらアカン……泣いたらアカンで、イリスちゃん! 耐えるんや、これも猟兵のお勤めなんや!!」
 ランはガシッ、とイリスロッテを抱き寄せて、涙ながらに慰める。
「……恋とは儚く切ないものだと聞きました。イリスさん、その痛みを忘れずに前へと進みましょう」
「はい! です!!」
 一人目の怪人を倒し、二人は次なる怪人の元へと向かった。


「お兄さん、どうしたのです? イリス達と一緒にチョコを食べるのです!」
「お兄さん? ランちゃん達と『ちょこ』を食べませんか?」
「いや、正直ちょっと……好みじゃないかな。帰って」
 今度の怪人は手強い様子、ふたりの魅力が一切通用していない。
「ふえ……一緒にチョコ、食べてくれないですか?」
「ほ、ほら! ランちゃんが手ずから食べさせてあげますよ? どうですか?」
「いやさぁ……正直子供相手とか興味ないんだわ。ロリコンじゃないし。まぁ、高校生? とかでもさぁ、もう少し出るとこ出てたら考えるんだけどね(笑)」

 鼻で笑われてしまった。

「うう、ランちゃん……イリスは少し切ないのです。これが恋の痛みでしょうか」
「ウチとイリスちゃんのかわいさがわからんとかホンマか? どこに目ぇつけとるん? もうええわ! 終いにするで!」
 イリスロッテの放つ『虹色の愛』を目眩ましに(以下略)。
「ぐあああぁぁぁぁぁッ!!」
 断末魔を上げ、バラバラのぐちょぐちょに切り刻まれる怪人。

「ランちゃん、恋ってとっても苦しいのです……」
「大丈夫です、イリスさん。向こうに見る目が無かったのです。一緒にナウなヤングの恋愛術ってやつを勉強していきましょう」
「ランちゃん……!」

 イリスロッテ・クラインヘルト9歳、ラン・ムラノミヤ15歳。
 大人の恋の苦さを知る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

蓮花寺・ねも
😘
【モテ度2】

まあ頑張ろう。任せておけ。
生憎とモテた記憶は無いけれど、まあ、……まあ頑張ろう。

怪人も突発的なトラブルには弱かろう。
どうせ自分なんてと気を張っているところにこそ、ドッキリイベントは効果的だ。
ええと、セオリーは何だったか。
急いでいるていで走っていってぶつかろう。

――御免よ、甘やかなきみ。
そんなに泣いてどうしたんだい。痛かったかな。
良ければ涙の理由をぼくに教えてくれないか。
……嗚呼、 初めて出逢ったのにこんな事を言われても困るかな。
あんまりにも悲しそうだから、放っておけなくて。
ぼくがきみに引き寄せられたのは、きみの涙を止めるための運命だったのかもしれないね。


ほどほどで殴る。




「まあ頑張ろう。任せておけ。生憎とモテた記憶は無いけれど、まあ、……まあ頑張ろう」
 そう言って彼女、蓮花寺・ねも(廃棄軌道・f01773)は自らのステージへと向かった。
 ――此れより先は選ばれし乙女のみが歩むことを許された修羅の道。


 蓮花寺・ねもは私立聖・キマフュバレンタイン学院に通う、ごく普通の猟兵の女の子。
 今日もちょっぴり寝坊してしまって、トーストを咥えたまま学園に向かって走っている真っ最中。

 ――べちょっ!

 曲がり角での不意の衝突。見ればそこには、顔面の半分くらいが潰れて倒れているケーキ怪人の姿があった。
「――御免よ、甘やかなきみ。そんなに泣いてどうしたんだい。痛かったかな?」
「えっ……」
 めちゃめちゃ痛いけど――、そう告げたそうにしている怪人。
 だがその言葉を紡ぐ前に、ねもが先に言葉を続けた。
「良ければ涙の理由をぼくに教えてくれないか」
「えっと、それは……」
 クリスマスからずっと売れ残ってるし、たった今お前に完全に売り物にならない身体にされ――、
「……嗚呼、 初めて出逢ったのにこんな事を言われても困るかな。あんまりにも悲しそうだから、放っておけなくて。ぼくがきみに引き寄せられたのは、きみの涙を止めるための運――」
「やっっっかましいわ! いい加減にしろ!!」
「おや?」
 怪人も遂にキレる。
「黙って聞いてりゃちょっと可愛いからって調子に乗りやがって! この顔どうしてくれるんだ! 責任取ってくれるのか、あぁ!?」

 暫し考え込む、ねも。
「――嗚呼。よければ、どうぞ」
 先程まで咥えていたトーストを手渡す。
「要らんわ!!」
 トーストは怪人にペッ、と叩き落とされた。
「ふむ。嗜好には合わなかったか。少しは気が紛れれば良いかと思ったのだが」
 どうにもドッキリイベント大作戦は失敗に終わったらしい。
 自信があったのに、残念だ。

「ならば仕方あるまい」
「ん……?」
 ねもは怪人に指先を向ける。
「ドッキリイベント第二弾だ。今度はお気に召すと良いのだが」
 怪人へと降り注ぐ『星の雨』。
 降り注ぐ衛生の破片が怪人を半壊どころか全壊へと押し潰した。

「……セオリーというのも、ままならないものだな」
 ねもはぽつりと、そんな言葉を呟いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

水衛・巽
…モテ度…
こんなちっさい頃から「お前んち、おっばーけやーしきー!」言われてきて
モテとご縁があるとでも!?!(モテ度1の逆ギレ
でもしょうがない、
女の子口説くつもりでやってみましょうか…

うん、売れ残っちゃた気持ち、わからないでもない。
みんなで班作ってー、で一人だけ残っちゃった的な。
あれ地味に辛い。
でもさ、それだけで君の価値が下がる訳じゃないと思うんだ。
だって工場生産のケーキなら内容は一緒……じゃなく、
一律で並べられていれば手に取られるのはただの順ば……いやいや、
見た目と味と値段が一緒ならオリジナリティで勝負とか無……じゃなくて、
ああもうやっぱりケーキ口説くなんて無理ごめんね!(UCぶっぱ

%




「口説く、かぁ……」
 水衛・巽(鬼祓・f01428)は、およそ『モテ』という概念と無縁の人生を歩んできた。
 幼少期から「お前んち、おっばーけやーしきー!」と蔑まれ、プライベートは修行の毎日。
 ――モテとご縁があるとでも!?
 くすん、と泣きたくなりながらも巽は気持ちを切り替える。
「女の子を口説くつもりでやってみましょうか……」
 あまり気乗りがしないながらも、何事も挑戦と巽は戦場に乗り出した。

「そんな訳で、どーも。怪人くん」
「な、なんだよお前は……」
 突如現れた謎の女性(のようにも見える、男性)に少し戸惑う怪人。
「あはは……そんな警戒しなくても大丈夫だよ。ちょっとキミとお話したいってだけだからさ」
「話……?」
 とりあえず敵意は無いと見て、怪人は巽の話に耳を傾ける。
「その、キミの売れ残っちゃったって気持ち……わからないでもないだよね」
 かつて自分もそうだった。
 みんなで班作ってー、で一人だけ残っちゃった的な。
 あれ、地味に辛い。
「でもさ、それだけで君の価値が下がる訳じゃないと思うんだ。だって工場生産のケーキなら内容は一緒……じゃなく、」
 思わず出てしまう本音を、巽は慌てて誤魔化す。
「一律で並べられていれば手に取られるのはただの順ば……いやいや、」
「えっ、と……」
「見た目と味と値段が一緒ならオリジナリティで勝負とか無……じゃなくて、」
「…………」

 もはや巽を完全にジト目で睨んでいる怪人。
 なんたる惨状か。
 巽にはケーキを口説く言葉が分からぬ。

 だってケーキはケーキでしょ?
 そりゃ美味しいけど。食べるけど。
 売れ残ったのは売る側の責任であって、どうしようもなくない?

 水衛・巽に足りなかったもの――、それは『ロマン』。
 ケーキを口説くには、巽はあまりにリアリスト過ぎた。

「ああもうやっぱりケーキ口説くなんて無理、ごめんね!」
 痺れを切らした巽から放たれたのは、ユーベルコード『騰蛇奈落』。
 喚び出された騰駝の黒炎が怪人の肉体を一瞬の内に焼き尽くし、灰へと帰した。

「ちょっと悪い事しちゃったかな……」
 相手はオブリビオン、気に病む事は無いのだけど。
 次の機会があればもう少し、乙女心――ケーキ心の勉強をしてみても良いのかも知れない。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

御影・雪乃
【恋華荘】【モテ度3】
クールあんどビューティ(自称)の私の出番ですか?
…って、私そういうキャラではないのでなぜ連れてこられたのかわからないのですが。
説明してくれますかいちごさん。

●行動
いちごのモテ度証明要員(ツンデレ枠)

素直じゃなく、不意の密着などですぐビンタで反撃。
しかし何をされても最後は「仕方のない人ですね…」と許すため、言い方が冷たいだけでどう見ても気がある。
今回も半ば勝手についてきてます。

指摘されると仏頂面で「いいえ、有り得ません」と即答するが顔は赤い。
しつこく聞かれて恥ずかしさが限界にくると【雪華ノ輪舞】による吹雪が発生。
「いいえ、赤くなっていません!ていうか忘れてください!!」


結城・蓮
【モテ度4】…半分以上同性と子供なんだけど
ま、まあ。【恋華荘】のみんなと
「…仕方ないじゃん、仕事なんだし」
わかってるけど…認めたくないというか、むぅ

まあ、ボクはボクで声をかけよう
…女性に
「お嬢さん、そんな顔はキミには似合わないよ?」
何もない所から花を一輪取りだして差し上げよう
「キミのような素敵な人を見落としてたなんて、世界の損失だね」
「よかったら、今日はボクと帰らないかい?」

…こんな事ばっかり言ってるから誤解されるんだよね
はぁ…いちごさんは相変わらずだし
あ、弱体化したら怪人は用無しだから、仲間が説得した怪人も含めて、生み出した分身で【だまし討ち】させて貰うよ
せめて、一時の夢の中で眠っておくれ


彩波・いちご
【モテ度5】…です?
【恋華荘】の皆を振り返り
「本当に私が口説くんですか…?」
特に皆を口説いた覚えもないんですが…普通に話してるだけですし

男装状態で女の怪人に声を
「あの、大丈夫ですか?
 私でよければお話聞きますよ?」(にこっ
「大丈夫です。貴方は素敵な人ですから、ね?」
まっすぐ顔を見て、お話を聞き、いい所を探し、褒めて認めて、そして一緒に遊ぶ
私のしてる事ってそれだけなんですが
「よかったら私と一緒にいきませんか?」

こんな感じでしょうか?
後から私ごと怪人倒しそうな気配を感じるんですがっ
えと、私も…ごめんなさいと狐火で攻撃を

※蓮、みさき、雪乃、ネウィラの恋華荘メンバーとの絡みはアドリブOK
全員大好きです


刑部・みさき
【恋華荘】【モテ度3】

もて…?よくわかんないっ♪
でもいちごくんはやさしいヒトだし
わたしとってもしあわせだよ☆
みんなも、そうだよねっ?

あ、ねえねえおにーさんっ
なんだかマグロ釣るヒトみたいでカッコいい☆
♪『どっぱーん!』って跳ねるスッゴいお魚~♪

…あ、ごめんね♪(テヘペロ)

●行動
いちごのモテ度証明要員(ピュア枠)
モテ・非モテの概念がない程
純粋な褐色パーカー人魚キマイラ

いちごに時々抱きつき甘えたり
他の同行者との会話でいちごの正体を示唆

自身も色黒の非モテ怪人を捕まえ
マグロ漁師と誤認して好意的な『歌唱』

だが実は《おおなみとおひさまのうた》
うっかり「南国属性の大波」を怪人に浴びせ
海水で『目潰し』してしまう


ネウィラ・カーレンベート
【恋華荘】【モテ度3】
バレンタインの悲しみを他にぶつけるのはいけないと思います。
皆さんで楽しめるよう、絶対になんとかしましょう。

いちごさんに関する内緒話では。
「そうですね、いちごさんといると癒やされます。ちょっとそそっかしいところがありますが、そこもまた魅力といいますか…」

では私も口説いてみます。
「あぁ、何故でしょう…貴方を見ていると、ドキドキしてくるのです」
「不思議な感じです…。理屈じゃないのは分かっているけど、それでも知りたい。この気持ちの正体を。あなたのことを…」
もし首尾よく怪人を釣ることができたら〈見切り〉でかわし、〈カウンター〉で【ウィザード・ミサイル】を仕掛けてあげることにします。




「本当に私が口説くんですか……?」
 連れ添った女性たちの方を振り返り、そう尋ねたのは『恋華荘』の寮長である彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。
 見た目は可愛らしい女の子。ケーキ怪人を口説くという事で、今日は男装姿に身を包む。他にも恋華荘に住まう4人の友人を連れだっての参戦だった。
「……仕方ないじゃん、仕事なんだし」
 結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は、少しむくれた顔でいちごの問いに答える。
(仕事だってわかってるけど……認めたくないというか、むぅ)
 必要なこととは言え、いちごが誰かを口説いている姿を見るのはどうにも許せない。
 だっていちごは、ただでなくとも――、

「もて……? よくわかんないっ♪ でもいちごくんはやさしいヒトだし、わたしとってもしあわせだよ☆ みんなも、そうだよねっ?」
 ――いちごのモテ度証明要員(ピュア枠)、刑部・みさき(おひさまのゆりかごぷかぷかまぁめいど・f05490)。
「クールあんどビューティ(自称)の私の出番ですか? ……って、私そういうキャラではないのでなぜ連れてこられたのかわからないのですが。説明してくれますかいちごさん」
 ――いちごのモテ度証明要員(ツンデレ枠)、御影・雪乃(ウィンター・ドール・f06012)。

 みさきからは抱きつかれ、雪乃からはじりじりと問い詰められ、あうあうと呻くいちご。
 この通り、いちごは恋華荘の住人たちからあまりにモテている。

「そうですね、いちごさんといると癒やされます。ちょっとそそっかしいところがありますが、そこもまた魅力といいますか……」
「もう、ネウィラさんまで――」
 ふふ、と笑いながら。この中では最年長のネウィラ・カーレンベート(銀の矢・f00275)もまた、いちごに対しては少なからず好意を抱いているようだった。
 素直に自分の気持ちを表せる彼女たちが、ちょっと羨ましい――なんて言ったら、雪乃さんあたりはムキになって否定しそうな気もするけど。
「まあ、ボクはボクで声をかけよう」
 ……女性に。

 こうして、恋華荘のケーキ怪人口説き大作戦が開始された。


「お嬢さん、そんな顔はキミには似合わないよ?」
 蓮は何もない所から花を一輪取りだして、怪人に差し出す。
「キミのような素敵な人を見落としてたなんて、世界の損失だね」
「はわ……」
 突然、王子様のように甘い言葉を囁かれて。
 同性相手だと言うのに胸の高鳴りを抑えられない怪人。
「よかったら、今日はボクと帰らないかい?」
「は、はい……」
 気付いた時にはもう目はハートマーク。

(……こんな事ばっかり言ってるから誤解されるんだよね)
 女性を口説きたくなるのは己の性質(さが)なれど、いちごから自分が女性好きのように思われてしまうのは微妙に複雑な心境だ。
 はぁ、と溜息を吐きながら。
 弱体化した怪人には生み出した分身による騙し討ちで、静かにトドメを刺す。
「せめて、一時の夢の中で眠っておくれ」
 小さなケーキ箱と化した怪人に、蓮は優しく囁いた。

「では私も口説いてみます」
 そう言って、2番手を名乗り出たネウィラ。
 ネウィラは怪人をじっと見つめた後で、ほぅと溜息を吐き胸元を抑える。
「あぁ、何故でしょう……貴方を見ていると、ドキドキしてくるのです」
 その吐息は甘く、切なく。
 怪人は見ているだけで何だかちょっとイケナイ気持ちになって、思わず視線を逸らしてしまう。
「不思議な感じです……理屈じゃないのは分かっているけど、それでも知りたい。この気持ちの正体を。あなたのことを……」
 その言葉は、一体誰に向けてのものだろう。
 ネウィラは真に迫った演技を見せると、怪人の手を握ったまま撓垂れ掛かる。
「ハァ……ハァ……、だめだ、もう我慢できない! お、お嬢さぁぁーーん!!」
 遂に興奮を抑えきれずネウィラに抱きつこうとする怪人。
「ふふ、隙あり……ですね♪」
 抱きつこうとしてくる怪人の手をひらりと躱し、背中から打ち込まれる炎の魔術。
「ごめんなさい、悪くは思わないでくださいね?」
 首尾は上々。こうして2体目の怪人が撃破された。

「わー! ネウィラちゃん、すごぉい♪ じゃー今度はわたしの番!」
 3番手はみさき。
「ねえねえおにーさんっ、なんだかマグロ釣るヒトみたいでカッコいい☆」
「そ、そうか……? ってマグロ? マグロっていうと、あのマグロ……?」
「そうそう! 『どっぱーん!』って跳ねる~♫ スッゴいお魚~♪」
 上機嫌に歌い出すみさき。
 その好意的な歌声に、気を良くする怪人。
 だがその【歌声】は、みさきの意図せぬところでユーベルコードの詠唱となってしまったようで――、
「う、うわああああああああっ!!」
 ユーベルコード『おおなみとおひさまのうた』。南国属性の大波が、怪人を丸呑みにする!
「……あ、ごめんね♪」
 みさきはぺろりと舌を出しながら謝罪する。
 波が引いた時、怪人は既にすっかり目を回してしまっていた。

 大波による被害を受けたのは、怪人だけではなかった。
 その大波は味方も巻き込んで、波が引いた後にようやく身体を起こすいちご。
「痛たたた、どうして急に大波が……って、あれ――」
 ふにゅ、と柔らかい感触。
 見ればいちごは、雪乃を押し倒すかのような形で下敷きにしていた。
「あ、わわわ……!!」
「…………」
 いちごの頬にぺちん、とビンタが炸裂する。
「わああああ、雪乃さん! ごめんなさい、ごめんなさい! すぐにどきますから!」
「……、仕方のない人ですね」
 静かに息を吐き、着衣を正す雪乃。

「(とか何とか言って……アレは絶対、内心ドキドキしてるよね)」
「(ふふ、雪乃さんもいちごさんが大好きですから。仕方ありませんね)」
 雪乃の様子を見て、ヒソヒソと話す蓮とネウィラ。
「あの……、聞こえているのですが。有り得ません。そのような事は、決して、有り得ません」
 雪乃は早口で捲し立てるように不名誉な自分の噂話を真っ向から否定。
「ええー? でもさっき、すごい顔が真っ赤になってたよ?」
「そうですね、とてもお可愛らしく――」
「えへへ、みんないちごくんの事が大好きで、お揃いだねっ♪」
「いいえ、赤くなっていません! ていうか忘れてください!!」
 今度こそ雪乃は耳まで顔を赤くして、からかう三人に怒声を浴びせた。

「あれ、みんなで一体何の話を……」
「いちごさんは、いいから早く。怪人を口説いてきてください」
 絶対零度の視線。
 雪乃から“とばっちり”の重圧を受けたいちごは、先程の失態の手前もあり素直に怪人を口説きに向かった。

「あの、大丈夫ですか? 私でよければお話聞きますよ?」
 ぴくぴく――、と。蓮の獣耳が揺れる。

「大丈夫です。貴方は素敵な人ですから、ね?」
 にこり、と。ネウィラあくまで笑顔を崩さずに。

「柔らかそうなスポンジに、瑞々しいイチゴ。私はとっても美味しそうだなって思いますけど……」
 むー、と。みさきはちょっと不服そうな、羨ましそうな表情で。

「よかったら私と一緒にいきませんか?」
 ――……。雪乃は静かに、ユーベルコードの詠唱を開始した。

「こんな感じでしょうか? ――って、後から私ごと怪人倒しそうな気配を感じるんですがっ!!」
 いちごが後ろを振り返れば、女性4人からは、謎のプレッシャーが感じられた。
「だって、ねぇ?」
「ふふ、仕方ありませんね」
「怪人くんだけずるいーっ!」
「いちごさん、どうかされましたか? 私はただ、隙のできた怪人に攻撃を放とうとしているだけですが……」
「え、と……、それでしたら私も……ごめんなさいと狐火で攻撃を――ぉわあああっっ!!」
 雪乃から放たれた『雪華ノ輪舞』。
 無数の雪の花びらは、いちごと怪人を巻き込んで。

「やれやれ。でも今回ばかりはいちごさんが悪いよね」
 蓮は楽しそうに笑う。
 いつも通りの恋華荘。気付けば蓮が抱いていた筈のモヤモヤも、何処かに吹き飛んでしまっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

滝舘・穂刈
【モテ度1】
ふっふっふ。女性にモテたことはないが、ヒーローたるもの優しい言葉をかけるのは得意だぞ!

そこのケーキ怪人、何をそんな悲しそうな目をしているのだ?
泣くな……君のその白米のように白い生クリームが溶けてしまう。
女性にモテない?
気にすることはない。何故なら! そう! お米を食べればいいからだ!
(頭の炊飯器を開いて炊きたてご飯をそっと差し出す)
俺の白米と、君の生クリームで、素晴らしいアンサンブルを奏でようではないか!

と口説いたところで、俺の杓文字でとーう!と攻撃するぞ。
仕方が無い、白さは魅力的だが、ケーキだからな。
米ケーキなら本気で口説いたのだが。




「ふっふっふ。女性にモテたことはないが、ヒーローたるもの優しい言葉をかけるのは得意だぞ!」
 怪しく嘯く謎の仮面の男――もとい、家電の男。
 滝舘・穂刈(たきたて・ほかる)とは世を忍ぶ仮の姿(寄生先)。その正体は! 炊きたてご飯ヒーロー・スイハンジャー(f06740)なのだ!
「とおうっ!!」
 何かどこかの高台から華麗な宙返りをキメて怪人の前に着地をするスイハンジャー。
「えーん、えーん!」
 泣きわめく怪人。そんな怪人にスイハンジャーは優しく声を掛ける。
「そこのケーキ怪人、何をそんな悲しそうな目をしているのだ?」
「オイラ、クリスマスケーキなのに……半額シールを貼られてもずっと売れ残って……」
「泣くな……君のその白米のように白い生クリームが溶けてしまう」
「グスッ、白米とかは別にどうでもいいけど。オイラ、全然モテなくて……クリスマスとか売れ残りとかそういうの抜きに、純粋な気持ちで女の子にモテたいんだ……!」
「女性にモテたい、その気持ちは分からない事もない。――だが、気にするな。何故なら! そう! お米を食べればいいからだ!」
 そう言ってスイハンジャーは、頭の炊飯器を開いて炊きたてご飯をそっと差し出す。
「俺の白米と、君の生クリームで、素晴らしいアンサンブルを奏でようではないか!」
「……遠慮しておきます」

 🍚「…………」
 🍰「…………」

「ご飯とケーキって、普通に合わないし……」

 🍚「…………」
 🍰「…………」

「『杓文字再盛勧進帖』! とーうっ!!」
「グワアアアアアーーーッ!!」
 スイハンジャーの杓文字が怪人の脳天へと突き刺さり、憐れ怪人はその場で爆発四散した!

「仕方が無い、白さは魅力的だが、ケーキだからな。米ケーキなら本気で口説いたのだが」
 スイハンジャーは独りごちる。
 周囲のキマイラ(観客)からは拍手喝采。ありがとう、ありがとうと歓声に応えるスイハンジャー。

 炊きたてのご飯は世界を救う。
 まだ見ぬ米を炊き上げるため、スイハンジャーは今日も行く。
 叶うことなら今年のバレンタインには米チョコやチョコレート粥を流行らせたい。
 スイハンジャーは米ケーキへの未練を断ち切り、次なる戦場へと向かうのだった――。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

千桜・エリシャ
😘モテ度5

非モテ――とは何かしら?
私、エンパイア生まれですから、流行りの言葉には疎くて……
とりあえずこの怪人方を口説けば御首をいただけますのね?
そういうことならばお任せを

――もし、そこのお方
ええ。そこの頭のサンタさんとトナカイが素敵な方ですわ
こんなに素敵な方、私初めてで……
思わず声を掛けてしまいましたの
普段はこんなこと……恥ずかしくて出来ませんのよ?

あら、売れ残り……ですの?
まあ!それはあなたの周りの方々の見る目がなかっただけですわ
私にはわかります
あなたのその身体が、どれだけこの身を溶かすほどに甘いか――
どうか自信を持って
私だけでも受け入れてくださいまし


――そして御首を差し出してくださいませ




「非モテ――とは何かしら?」
 千桜・エリシャ(春宵・f02565)は、二重の意味で非モテを知らない。
 エリシャはサムライエンパイアの生まれ。故に他世界の流行り言葉には少し疎い。
 そしてエリシャは『モテ度5』――この世のモテヒエラルキーの、頂点に君臨する存在。
 故に彼女は、非モテという言葉とはおよそ無縁の世界に生きていた。

「とりあえずこの怪人方を口説けば御首をいただけますのね? そういうことならばお任せを」
 ふふ、と優雅に笑いながらも物騒な事を口走るエリシャ。
 恋は盲目とはよく言ったもので。
 恐らくエリシャには、恋する相手(みぐし)以外、何も目に入ってはいない。
「――もし、そこのお方」
 エリシャが怪人に声を掛ける。
 え、俺? と言った様子で自分を指差し、首を傾げる怪人。
「ええ。そこの頭のサンタさんとトナカイが素敵な方ですわ。こんなに素敵な方、私初めてで……思わず声を掛けてしまいましたの」
 赤らむ頬に手を当て、ほうと溜息を吐くその姿は『妖艶』と評するに相応しく。
「普段はこんなこと……恥ずかしくて出来ませんのよ?」
 トドメを刺すかのように、潤んだ瞳で相手の目を見る上目遣い。
 ふわり舞い散る桜から仄かに感じられる芳香が、蠱惑的に怪人の心に揺さぶりをかける。
「俺なんて、ただの売れ残りなのに……素敵だなんて……」
 怪人の持つ劣等感が僅かな支えとなって、かろうじて誘惑に抵抗する。
 だがそれも、長くは続かなかった。
「あら、売れ残り……ですの? それはあなたの周りの方々の見る目がなかっただけですわ」
 す、と怪人にすり寄って、エリシャは耳元で囁きかける。
「私にはわかります。あなたのその身体が、どれだけこの身を溶かすほどに甘いか――」
 怪人の背筋をエリシャの指が、つうとなぞって。

    『どうか自信を持って。私だけでも受け入れてくださいまし』

 もはや怪人の耳には、エリシャの声しか届かない。
 目に映るのも、桜の花びらとエリシャだけ。
 他には何も存在しない、夢うつつの世界へと怪人は旅立ってしまった。
「ふふ、素直な殿方は善いですわね」
 満足そうにエリシャは笑う。
 遊びは終わり、とエリシャが背に下げる大太刀を抜いて。
「――では、御首を差し出してくださいませ」
 鮮やかな剣閃と共に、怪人の首がコトリと落ちた。

 その御首は、エリシャを昂ぶらせるには至らぬけれど。
「たまにはこういった趣向も、悪くはないかも知れませんわね」
 エリシャは刀に付いたクリームを拭い、次なる御首(ケーキ)を求めて旅立っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
【モテ度】
知らん
少なくとも自分がモテると思った事はない

【心情】
独り身のどこが悪い
今恋人がいる方々とて生まれた時から恋人がいた訳でもないだろう
別に恋人がいないのにはどうとも思わないけど、寂しいやつだのといちいち上から目線で偉そうにぬかすような方々は気に入らん
人様に自分達の勝手な価値観を押し付けるもんじゃないぜ

【行動】
明らかにグリモア猟兵の言葉を無視した、本来は避けるべき行為だと理解した上で、敢えて口説いたりせずに売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達と正面から殴り合います
寧ろ売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達と共に、その気も無いのに偽りの愛を囁き唆し孤高の狼の誇りを踏み躙る外道達に戦いを挑みたいです




「独り身のどこが悪い」
 涼風・穹(人間の探索者・f02404)はこの依頼に際し、釈然としない思いを抱いていた。
 今恋人がいる方々とて生まれた時から恋人がいた訳でもないだろう。
 別に恋人が居ない事自体はどうとも思わない。
 だが、それを寂しい奴だのといちいち上から目線で偉そうにぬかすような方々は気に入らない。
 人様に自分達の勝手な価値観を押し付けるのは、エゴというものだ。

 故に、自分はケーキ怪人たちと真っ向から殴り合う。
 むしろケーキ怪人と共に、その気も無いのに偽りの愛を囁き唆し孤高の狼の誇りを踏み躙る外道たちに戦いを挑みたい。
 そう決意した穹は、怪人たちの説得を試みた。
「怪人よ、今こそ共に立ち上がろう。独り身の何が悪い、寂しい奴だなんて勝手に決めつけて――」
 穹は自身の考えを懸命に説き、怪人たちの協力を仰いだ。
 だが、怪人たちの反応は穹の予測から大きく反するものだった。

「あのさぁ、勝手な価値観を押し付けるなって言ったけど……」
「あぁ、その通りだ」
 怪人の言葉を肯定する穹。
「俺たちは……恋人が欲しいんだよ!!」
「な、なにっ……!?」
 怪人たちの突然の主張に、穹は少したじろぐ。
「兄ちゃんはよォ、独りでも寂しくないのかもしんないけどさァ……俺たち、オブリビオンになる前から生まれて死ぬまで、死んで生き返って今ここまで、ずーーーっと売れ残りの、独り身な訳よ。寂しい奴な訳よ」
「お、おう……」
「恋人が居なくても良い、売れ残りでも構わない……だったら最初から醜く嫉妬してバレンタイン広場の占拠なんてしねぇんだよ!!」
「…………!?」
「偽りの愛って言ったな。だがな、男には偽りの愛と分かっていても飛び込まなきゃならねえ時があるんだ。兄ちゃんはまだ若いから分かんねえだろうけどな……」
「そういう、ものなのか……」
 聞けばこの怪人は、先月の給料の半分以上をキャバクラに費やしているらしい。言葉の重みが違った。
「悪いな、兄ちゃん。アンタの気持ちは嬉しい。けど俺は、アンタと戦ったり、猟兵たちに真面目に戦いを挑んで怪人としての本懐を遂げるよりも――男として、可愛い女の子に口説かれながら死にてえんだ」
「そんな……」
 穹に怪人たちの気持ちが理解できたかどうかは分からない。だが彼らの意思は固かった。
「じゃあな、兄ちゃん。俺が今度、シリアスな怪人に生まれ変わったその時には――宿敵として、熱いバトルを交わしてくれ」
 そう言って怪人たちは、なるべく自分好みの幼ない猟兵を求めて姿を消した。

 ただひとり、目を閉じたまま黙する一人の怪人を除いては。

「……お前は行かなくて良いのか?」
 穹は怪人に尋ねる。
 怪人は黙ってローソクを抜くと、それに火を灯して構えながら言った。
「人それぞれ、考え方は違う。私は女性に口説かれながら死ぬよりも、お前と正面から戦う道を選んだ――ただそれだけの話だ」

 人の数だけ、考え方がある。
 今回、穹の説得が多くの怪人たちに通じることは無かったが。
 グリモア猟兵の予知に対し、どのような解決策を取るかは各猟兵個人の裁量に委ねられている。
 穹の行動が悪かったという訳では決して無い。
 ただ今回は、こういった結末を迎えたというだけの話。

「……『投影』」
 穹もまた、両手にローソクを構える。
「いざ、尋常に!」
 怪人の掛け声と共に、ふたつのローソクが交差した。

成功 🔵​🔵​🔴​

法月・志蓮
【モテ度3】
俺は既婚者だ。つまりモテ度は3!いや付き合ってるのレベル越えているし実質3.5、四捨五入して4な気も(略

愛妻のフェリス(f02380)がいるから偽りとはいえ口説くのは正直気は進まないが……これも世界の為!
※妻への義理として直接的な愛の囁きは使わないものとする。

「お前、いいな」
非モテ怪人の手を優しく取り、目を合わせて
「甘そうで……随分と、美味そうだ」
ダンピ特有の端正な顔で蠱惑的に微笑み
「俺に、食われろよ」
そう囁きながら、グッと抱き寄せるかのように引き寄せて――

「……なんてな」
そのまま流れるようにCQCへ移行して殺りに行く。慈悲はない。

なおフェリスが暗躍している事には全く気づかない。




「モテ度、か……」
 何処から耳に挟んだのか。法月・志蓮(スナイプ・シューター・f02407)は『自分がどの程度モテるのか』について思いを馳せていた。

「俺は既婚者だ。つまりモテ度は3! ……いや付き合ってるのレベル越えているし、実質3.5、四捨五入して4な気もするな」
 志蓮はうむむ……、と唸る。
 しかし何故だろう。自分のモテ度を高く評価するにつれて、何やら悪寒のようなものが感じられた。
 まるで誰かが監視しているような。
 何処かの誰かに『志蓮は確かに世界で一番カッコイイけど、それはそれとしてぼく以外の誰かにモテちゃダメなんだからね?』と釘を刺されているような。
「……ま、気のせいだろう!」
 細かい事を気にしてはならない。
 愛する妻を差し置いて、偽りとはいえ怪人を口説くのは正直気は進まないが……これも世界の為、キマイラフューチャーに住まう人々の笑顔の為!
 無論、妻への義理として直接的な愛の囁きは使わないものとする。夫として当然の責務だ。(ありがとう、志蓮。ぼくも愛してるよ)
 また何か聞こえた気がする。
「……ま、気のせいだろう!」
 気を取り直して、志蓮は怪人を口説きに向かった。

「お前、いいな」(…………)
 志蓮は怪人の手を優しく取り、目を合わせて言葉を紡ぐ。
「甘そうで……随分と、美味そうだ」(……許せないな)
 志蓮はダンピールの例の漏れず、端正な顔立ちをしている。
 普段の妻へのデレデレの態度さえ見せなければ、かなりのモテポテンシャルを有していると言っていい。
「俺に、食われろよ」(ちょっ、それは……!)
 志蓮は怪人の耳元で甘く囁き、グッと抱き寄せるかのように引き寄せて――、

「……なんてな」
 そのまま流れるように、CQC――ユーベルコードの域にまで高められた『軍隊式近接格闘術』へと繋ぎ、怪人の命を断った。(はぁ、かっこいい……)

「……なんか今日は、妙な寒気を感じる日だな。風邪でも引いたか?」
 フェリに伝染さないようにしないとな、と呟いて。次なる怪人を倒すべく、志蓮はバレンタイン広場を歩き出したが――

 志蓮が再び怪人と出くわす事は、何故か無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

法月・フェリス
%【モテ度4】
愛する旦那さんがいるからね。

志蓮がぼく以外を口説いてる気配を感じてね。我慢ならないから数を減らそうと思う。

優しく微笑んで、手を握って、「かわいいね」って声をかけて、見つめる。
怪人がたじろいだら、後は人目に付かないところに連れ込んでハンマー型ガジェットで押し潰そう。

志蓮には見られないよう気をつける。ぼく、志蓮にはか弱い女の子だと思われたいんだ。
だいたいぼくが戦えたら、志蓮がぼくをかっこよく守ってくれなくなるじゃないか!ぼくは守られたいんだ!
でも志蓮がかっこよく活躍するための支援は惜しまない。お嫁さんだもの!


目撃者?
ああ……このこと(戦い)を誰かに言おうものならタダじゃ済まないからね




「普段の志蓮も勿論かっこいいけど、戦ってる時の志蓮はやっぱりかっこいいな……」
 観測手としての能力を最大限に発揮して、愛する夫の姿を必要以上に観測し続けていた法月・フェリス(ムーンドロップ・スポッチャー・f02380)。
 だが、彼女の真の目的は夫の監視ではない。

 一言で言えば、愛のため。
 二言で言えば、夫が自分以外を口説いている気配を感じたので、我慢ならないので恋敵の数を減らすため。


「手早く済ませないとね」

 時間を掛ければぼくの暗躍が志蓮に気付かれてしまうかも知れないし、或いは志蓮が次の標的を口説いてしまうかも知れない。
 確かに怪人を口説く志蓮の姿も素敵ではあったけど――。
 あれはダメだ。ダメ。絶対に、ダメ。
 ぼく以外に志蓮が甘く囁くだなんて、もう絶対に許せない。
 思った以上に堪えた。だから考えを改めよう。
 迅速に、より徹底的に。
 周囲の敵はすべてぼくが排除する。ただの1匹だって、例外なくだ。

 幸い、志蓮の行動はすべて把握している。
 今朝こっそりと、志蓮の服にGPSセンサーを仕掛けたからね!
 あ、普段からそんな事はしてないよ? ホントだよ?
 まぁそんな事をしなくたって、志蓮の居場所くらい完璧に把握して見せるんだけど――念には念を入れてというやつだ。

 そんな訳で、ぼくは志蓮の行く道を先回りして怪人を排除することにした。
「やぁ、そこのきみ。かわいいね」
 優しく微笑んで、手を握る。
 ――怪人がたじろいだ。今がチャンス。
「良かったらもう少し、ぼくとお喋りしてくれないかな? ほら、こっちの方で……」
 ぼくは怪人をさり気なく路地裏へと誘導する。
 広場からの死角に入った事を確認して、ガジェットを起動させた。
「きみが悪いんだよ。志蓮に口説かれようとするから」

 ――ぶちゅ。

 ぼくの顔に、潰れた苺の果汁がはねる。
 服に付かなくて良かった。志蓮の前では綺麗なお嫁さんで居たいからね。
 ……普段は観測手に徹しているんだけど、まぁ戦おうと思って戦えない事はないんだ。
 けどダメ。ぼく、志蓮にはか弱い女の子だと思われたいんだ。
 だいたいぼくが戦えたら、志蓮がぼくをかっこよく守ってくれなくなるじゃないか!
 ぼくは守られたいんだ!
 でも志蓮がかっこよく活躍するための支援は惜しまない。お嫁さんだもの!
 ああ、志蓮……もう少し待っててね。
 この怪人どもを始末したら、いつもの観測手(ぼく)に戻るから。

 目撃者?
 ああ……このことを誰かに言おうものなら、一般人が相手だろうとタダじゃ済まないからね。

 ※
 このあとたくさん虐殺した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
あァ…??何、そォーいうヤツ???
―――オレじゃこォーいうのは無理だな。
自分が一番良くわかってるよ
だけど、お前なら出来るだろ??【ジン】

『よくわかってるじゃないかボク』
「この顔、オレはあンま好きじゃねェーンだけどな」
『あ、邪魔だからマスクは外すね』
「……好きにしな」

『口説くのなんて余裕余裕♪』
『弱った女の子なんてチョロいよねぇ~♪』

『はぁい♪そこのオネーサン♪』
『どぉ~したの?なんで泣いてるの??』
『それはなんて酷い目に……でも大丈夫』
『これからはボクが一緒さ』

「ハイハイハイハイそこまでそこまで~~~」
「救いの時間でございまァ~~~す」

幸福のひととき、【救われた】ろ?




 ジン・エラー(救いあり・f08098)は頭がおかしい。
 いや、決めつけは良くないだろう。
 大多数の人間から見れば風変わりな人間に見える、と言うのが正しいか。

 キミが彼についての理解を深めようと、ステシなり、旅団の情報を読み解くとしよう。
 恐らく彼について正しく理解できる人間なんて、ほんの一握り。

 一生懸命頭を捻って、何時間も思い悩んだところで、賢い人間なら気が付くはずだ。

 ――それが、徒労だと。

 そう、彼はイカれた人間だとも。
 正しく理解できるだなんて思い上がっちゃいけない。

 キャラがブレる? 解釈が違う?
 それはきっと褒め言葉だ。
 簡単に理解されては彼だってきっとつまらないと思うだろうさ。

 そんな訳で。
 大いに開き直りながら、彼について語るとしよう。


 ジンは他の猟兵の様子を多少なり観察して、ようやく今回の依頼の趣旨を理解した。

「あァ……?? 何、そォーいうヤツ???」
 オレじゃこォーいうのは無理だな、とジンは即座に諦めた。
 担当外。自分が一番良くわかってる。
「だけど、お前なら出来るだろ?? 【ジン】」
 その問いは、もうひとりの【ジン】へ。

 ――『よくわかってるじゃないかボク』
「この顔、オレはあンま好きじゃねェーンだけどな」
『あ、邪魔だからマスクは外すね』
 ――「……好きにしな」

 窮屈なマスクを外してルンルン気分(いや、マスクはマスクで気に入ってるよ?)。
『口説くのなんて余裕余裕♪』
『弱った女の子なんてチョロいよねぇ~♪』
 愉しそうにお喋りをする【ジン】。
 ちょうどいい獲物を見つけると、さっそく声を掛け始める。

『はぁい♪そこのオネーサン♪』
『どぉ~したの?なんで泣いてるの??』
「ふぇ……?」
 怪人からすれば、突如捲し立てるように話し掛けられさぞ困惑したことだろう。
 けれどその美しい容姿とピンクとゴールドの二つの色を持つ瞳からは、不思議と目が離せなかった。
「えっと、その……私、クリスマスなんてとうに過ぎて、半額にまでなったのに……いつまでも売れ残ってしまって……」
『それはなんて酷い目に……でも大丈夫』
『これからはボクが一緒さ』
 【ジン】は妖艶な笑みを浮かべながら、怪人の顎に手を掛ける。
 ゆっくりと近付いていく、【ジン】と怪人の距離。

「ハイハイハイハイそこまでそこまで~~~」
「ヒッ……!」
 ぱっ、と大きく目を見開いて。突然の豹変に怪人は小さく悲鳴を上げる。
 ――『折角いいトコだったのに』
 ――『酷くない? ボク』
「ハァ? あれ以上しょォもねェ寸劇見せられる身にもなれっての! ガチでゲロ吐いちまうぜェ~~~、なァ?」
 口元をマスクで覆い直しながら、ジンは怪人に同意を求める。

「ハイ、そんな訳でェ~~。救いの時間でございまァ~~~す」
 ジンが救済箱から取り出したるは、小さなメス。
 怪人が痛みを感じる間も与えずに、一瞬にしてその心臓を刺し貫く。

 ――幸福のひととき、【救われた】ろ?
 クソッタレた世界から、悲しみがひとつ消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リシェリア・エスフィリア
(※ 異性交友行為未経験の可憐な少女です モテ度判定レベルはお任せ)

その広場は、控えめに言って世界の至宝と呼ぶのに相応しい。……守るよ。
【優しい言葉】
皆が楽しそうで自分が楽しくないのは、面白くない、よね
……私も、そうだから。……一緒に、考えて、みない?
二人だと、少なくとも一人より、楽しいと思う、よ。……どう、かな
(……とても悪い事をしている気分)
(【優しさ】故良心が凄い勢いで咎めているが、手を差し伸べぎこちなく口元を緩める)

【倒す】【POW】
成否にかかわらず容赦なし
【蒼水銀の魔剣】で、蝋燭を一閃、蝋燭の火で攻撃される前に攻撃手段を奪いにかかる

「……今の私。すごくあくじょなのでは?」




 リシェリア・エスフィリア(蒼水銀の魔剣・f01197)は生娘である。
 生まれてこの方、異性とまともに触れ合ったことなど一切なく(魔剣としてなら百戦錬磨、経験豊富なのだが……)、突然相手を口説けと言われても難しい。

 だが。

「その広場は、控えめに言って世界の至宝と呼ぶのに相応しい」

 ――守るよ。

 特徴:とんでもない甘党は伊達ではない。
 リシェリアの瞳は、確かな決意に満ちていた。

 索敵の後、怪人の姿を見つけたリシェリア。
 さっそくのアプローチ。その踏み込みに、躊躇はない。
「皆が楽しそうで自分が楽しくないのは、面白くない、よね」
 慎重に言葉を選びながら、怪人に優しい言葉を掛ける。
「……私も、そうだから。……一緒に、考えて、みない?」
 人は、自分に無いものに憧れる。
 他人が当たり前のように享受するものを、自分がどんなに手を伸ばしたところで届かない。
 その苦しみは、分かち合えるような気がするから。
「二人だと、少なくとも一人より、楽しいと思う、よ」
 その言葉に偽りはなく。
 怪人の行ないは到底許せる事ではないけれど。
 けど本当に、分かり合えるなら。友だちになれるなら、と思えてきて。

(……とても悪い事をしている気分)
 良心が咎める。けれど相手はオブリビオン。いずれは倒さねばならない相手。
「……どう、かな」
 リシェリアはぎこちなく口元を緩めながら、怪人へと手を差し伸べる。
 怪人はリシェリアの顔をじっ、と見つめた後で、がっし!とその手を握り。
「……ありがとう、お嬢さん。結婚しよう」
 これ以上無いくらいのキメ顔で、リシェリアに求婚した。

「……えっ」
「これからは二人で悲しみを分かち合っていこうな。悲しみもはんぶんこ、幸せもはんぶんこ。ハネムーンは南の島にでも行こうか。子供は三人くらい欲しいな」
「あの……」
「これはきっと、運命だったんだな。俺は売れ残っていた訳じゃない。今日から『キミに出逢う為生まれてきたクリスマスのケーキ怪人』に改名しようかな、ハハハ」

「てい」(ザシュ)
「グハァァッァ――ッ!!」

 リシェリアの放った『蒼水銀の魔剣』がケーキ怪人を一刀両断。
 見事に弱体化の隙を付き、怪人の撃破に成功した。
「なんでしょう、勝ったのに何故か釈然としません。こんな虚しい勝利は久し振りです」
 淡々と感想を述べるリシェリア。

 でも――、

「……今の私。すごくあくじょなのでは?」
 女の子として、ちょっとレベルアップした気分。

 リシェリアの中に、新たな感情が密やかに芽生えようとしてた。
 (かもしれない)

 

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュー・メトカーフ
【WIZ】
モテ度はお任せするよ

私は一途で惚れやすい、恋に恋する少女(発条付き)
此処が男と女が運命の出会いをするという理想郷なんだ
緊張するな……回らない発条とは裏腹に心臓の鼓動ばかりが早くなる

周りを気にしながら歩けばきっと怪人とぶつかってしまうだろう
ああ──なんて、格好いい
私の今まではきっとキミと出会う為にあった
今日の為に作ったチョコレートだ、受け取ってほしい(ハート形ラッピング)

~~~

ああ、すまない
今までの話、『私は一途で』という部分から全部嘘だ
箱の中身は『ハズレ』の紙が1枚
うんうん、とても愉しいひとときだったよ
発条仕掛の虚凍でさようならだ
複数体に同時に仕掛けられそうなら仕掛けていこう

%自由に




「演技なら手慣れてる。ここは私に任せてもらおう」
 何故ならリュー・メトカーフ(ヴィユーヴィス・f01051)は劇場に通いつめている。
 ともすれば演技が上手いのは自明の理。
 何とかかんとかが習わぬ経を読むみたいな諺もあった気がする。

 ――それだ。

 あとミレナリィドールだから。
 これも演技が上手い要素。加点2。

「というわけでそこのキミ、話を聞いてくれないかい?」
 リューはよりすぐりの怪人に声を掛けた。

 ……といっても、実はもうこいつが最後の怪人なんだ。
 何故かって?
 冬の朝は寒いからね。乙女の身支度には時間が掛るものだよ、キミ。

「私は一途で惚れやすい、恋に恋する少女(発条付き)。此処が男と女が運命の出会いをするという理想郷なんだ。緊張するな……回らない発条とは裏腹に心臓の鼓動ばかりが早くなる」
 おろ……おろ……と怪人の前を右往左往とするリュー。
 鼓動の早さは多分ふつう。或いはそもそも心臓が無いかも知れない。
 (気になる人は、本人とロールをして確かめよう!)

「ええと、次は何だったか……、そう。私が周りを気にしながら歩けば、きっと怪人とぶつかってしまうだろう」
「うっ……!」
 そう言って怪人にタックルをかますリュー。
 怪人は鳩尾を抱えてうずくまっている。
「ああ──なんて、格好いい。いや、すごく苦しそうだな……大丈夫かい? すまなかったね。その姿はさながら、ゾロ目を出した時の知人を思い出す」
 リューは怪人が回復するのを少し待ってから、続きを語り始めた。
「ええと、次は何だったか……、そう。私が周りを気にしながら歩けば、きっと怪人とぶつかってしまうだろう」
 それはもういい、と怪人は首を横に振った。
 そうか――、と寂しそうにするリュー。
「ああ――なんて、格好いい。私の今まではきっとキミと出会う為にあった。今日の為に作ったチョコレートだ、受け取ってほしい」
 そう言って、リューはハート型にラッピングされたチョコレートを怪人へと差し出した。
 パチパチパチ、と拍手を送る怪人。
「ふ、ありがとう。こんな演技でも、人から評価されるのは嬉しいものだな。そうだ、良ければその箱を開けてみて貰えないかい?」
 怪人は言われるがままに、貰ったチョコレートの箱を開封する。
 すると中には、『ハズレ』と書かれた紙が1枚入っていた。
 しょんぼりと落ち込む怪人。
「折角のラブロマンスを期待させてしまったところ、すまないね。今までの話、『私は一途で』という部分から全部嘘だ」
 !?と大袈裟に驚いてみせる怪人。
「うんうん、とても愉しいひとときだったよ。そんな訳で、残念ながらお別れだ。『発条仕掛の虚凍』――この技はね、相手に【騙された、という虚】の感情を与えると……おや?」

 ぽすん、と何故か不発のユーベルコード。
 気付けばリューの目の前に怪人の姿はなく、代わりにケーキの箱が転がっていた。
 リューはその場にかがみ込んで、箱の中身を確認する。
「ははぁ、なるほど」

 リューは嬉しそうに“にやり”と笑って。
 箱から1枚の紙を拾い上げて、大事そうに懐に仕舞った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ハートブレイク・チョコレート怪人』

POW   :    ジェラシックフレイム
【チョコレートの頭部から噴き出す嫉妬の炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【嫉妬の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    センチメンタル・ギリチョコワールド
戦闘中に食べた【義理チョコ 】の量と質に応じて【過去の悲しみを糧として】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    ジェラシック・ラブイーター
【嫉妬 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【とろけるチョコの塊】から、高命中力の【愛を食らう触手】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「どうやら『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』を倒したようだな……」

 今までの怪人とは違う、圧倒的な負のオーラ。
 ある意味で彼らは善良であったとさえ言えるかも知れない。
 彼らが狂ってしまったのも、元はと言えば彼の影響を受けたからだ。

 ネガティブは感染する――。

 なにせこの怪人は、つい先週フラれたばかり。
 なまじ女を(男を)知らぬケーキ怪人よりも、心の傷は深かった。

「悪いが私は連中とは違う。この命を賭してでも、バレンタインを根絶する……ッ!」

 轟ッ!と放たれる黒い衝撃波。
 そのプレッシャーだけで大地に、周囲の建物に亀裂が走る。

「キマイラフューチャーにバレンタインは不要! バレンタインシナリオはアルダワ魔法学園でやれ!!」

 ――周囲に殺意を撒き散らし。
 七つの大罪『嫉妬』を司る災厄の獣が、遂にその本性を露わにした。






 【おさらい】
  対『ハートブレイク・チョコレート怪人』

 プレイングで怪人に優しい言葉を掛けてみよう!
 その言葉が怪人の心に沁みると、大きな“隙”ができます。
 その隙を逃さずに攻撃だ!
 心の隙に応じて、戦闘の判定にボーナスが加わるぞ!

 ※
 言葉など掛けずに普通に戦闘しても大丈夫です。
 
フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓櫻宵(f02768)と
😘

チョコー!
ボクもチョコ大好き!

櫻宵!?櫻宵が、あんな怪人にときめいて?!そんなまさかあんなのが好みだっていうの?😨

でもパパは言ってた
『恋敵ですか?そんなもの事故に見せかけて処分してしまいなさい』って!( •̀ω•́ )و

でもボクもチョコが好き
キミは十分によくやった
キミの魅力がわからない人なんてそれまでなんだ…相応しくなかったってこと
ボクはキミの良さがわかるさ
だからもう、苦しまなくていいんだよ?

優しい言葉をかけながら『女王陛下の気まぐれ裁判』でガブッとする
炎の魔法で支援するよ
事故だから

ボクも櫻宵のチョコ食べたい
生まれ変わったらキミ
モテるよ!
だって櫻宵のチョコだもん


誘名・櫻宵
🌸フレズローゼ(f01174)と一緒よ
😘

あらぁ💖あなたチョコレートなの?
あたしショコラティエなのよ!
だからチョコレート大好き
あなたも悪くないと思うわ
見てくれがだいぶ醜かったってだけ

ねぇ、舐めていい?
削っていい?斬って刻んでトロトロに蕩けさせて
美しく成形しなおしていいかしら?
それは誘惑、美しいチョコを愚弄された殺気…愛
そうね
まずはその不格好な頭からいくわ
割れた頭を叩き斬って砕いて
溶かして
避けないで
あたしは躱すけど
【絶華】が咲く頃には美しいモテチョコ生まれ変わらせてあげる
何処へだって逃がさない
大人しく製菓されて頂戴

フレズ
食べちゃダメよ
まだ食べ頃じゃない
チョコはやっぱり幸せにするものでなきゃ!




 仲良くピクニックにでも来たかのように、手を繋ぎながら笑顔で戦場へとやって来た誘名・櫻宵(誘七屠桜・f02768)とフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)のふたり。

 櫻宵は今回の敵の姿を見るなり口元を手で抑え、歓喜の声を漏らす。
「あらぁ💖 あなたチョコレートなの? あたしショコラティエなのよ! だからチョコレート大好き」
 櫻宵が笑っていると、フレズローゼもそれに同調するように。
「チョコー! ボクもチョコ大好き!」
 フレズローゼはキャッキャとはしゃぐ。
「何だお前ら……チョコが好きだったら何だってんだよ、アァン?」
 だが、ささくれ立った怪人の心には、半端なお世辞はかえって不快だったようだ。

「ふふ、機嫌を損ねてしまったならごめんなさいね。でも、職業病かしら? 良さそうな素材を見つけると、つい胸がときめいちゃうのよね」
「櫻宵!? 櫻宵が、あんな怪人にときめいて?! そんなまさかあんなのが好みだっていうの?」
 ガーン😨 とショックを受けるフレズローゼ。
「あら、嫉妬してくれるの? かわいいわねフレズ、ありがと♪ でも安心して、あたしはフレズが世界で一番大好きよ」
 そう言って櫻宵はフレズローゼの小さな身体を抱き上げると、頬に唇を寄せて「んー、ちゅっ❤」と熱いベーゼ(の素振り)を交わす。
「むむむ……」
 だが、お姫様の気分は晴れない様子。

 ……むかし、パパは言ってた。
 『恋敵ですか?そんなもの事故に見せかけて処分してしまいなさい』って!

「――フレズ!?」
 櫻宵の抱擁から脱すると、たたた……と怪人の懐へと駆けていくフレズローゼ。
「ボクもチョコが好き。キミは十分によくやった。キミの魅力がわからない人なんてそれまでなんだ……相応しくなかったってこと」
 フレズローゼは怪人に励ましの言葉を紡ぎながら、ハートの鍵剣を振るう。
「子供が、分かったような口を――」
「わかる。ボクはキミの良さがわかるさ」
 真っ直ぐな瞳で、それを断じる。
 フレズローゼの言葉に偽りはない。
 チョコは甘くて、おいしくて。あったかい気持ちがたくさんつまった、幸せなお菓子。
「だからもう、苦しまなくていいんだよ?」
「ぐっ……!」
 フレズローゼの言葉に怪人が一瞬、頭を抑える――その瞬間。
 発動した『女王陛下の気まぐれ裁判』が、怪人の片腕にがぶりと噛み付いた。
「ぐ、ぬ……ええい、離れろッ! 小娘!!」
「きゃん……!」
 怪人は乱暴に腕を振るうと、フレズローゼは小さな身体ごと宙に投げ出される。

「もう、乱暴ね……」
 そんなフレズローゼの身体を櫻宵がキャッチし、お姫様抱っこ。
「フレズ、食べちゃダメよ。まだ食べ頃じゃない」
「櫻宵……」
 フレズローゼはそっと地面に下ろされて、優しく頭を撫でられる。
「もう少し待ってなさいね。チョコはやっぱり幸せにするものでなきゃ!」
「……、うん!」
 ボクも櫻宵のチョコが食べたい。
 だって櫻宵のチョコは、おいしいだけじゃなくって……食べるとぎゅうって、心が満たされるんだ!
「ねぇ怪人くん。生まれ変わったらキミ、モテるよ! だって櫻宵のチョコだもん」
 少なくともボクにはモテモテかもね、とフレズローゼは悪戯っぽく笑った。

「訳の分からん事を。それにさっきから、イチャコライチャコラ、見せつけやがって!」
 高まる嫉妬に呼応して、怪人から放たれる黒い炎『ジェラシックフレイム』。それは巨大な火柱となって、ふたりを襲った。
「…………」
 迫る黒炎を前にしても、櫻宵とフレズローゼのふたりは慌てるどころか微動だにしない。
「これだけ期待されてるんだもの。応えられなきゃ、ショコラティエ(おとこ)が廃るってモンでしょう?」
 櫻宵は静かに『屠桜』を抜き放ち、構え――、一閃。
 黒炎はふたつに切り裂かれ、花びらの如く散りゆく残り火に紛れ櫻宵は怪人との距離を一気に詰める。
「ねぇ、舐めていい? 削っていい? 斬って刻んでトロトロに蕩けさせて、美しく成形しなおしていいかしら?」
 良いチョコレート作りは素材との対話から。
 櫻宵の斬撃は怪人の“質”を、自身の作品の素材に足るかどうか見極めるかの如く、執拗に、舐めるように、あらゆる角度から打ち込まれる。
「まずはその不格好な頭からいくわ。割れた頭を叩き斬って砕いて、溶かして――何処へだって逃がさない。大人しく製菓されて頂戴」
「くっ、この……!」
 怪人も一方的にやられているわけではない。
 櫻宵の剣戟を捌き、的確に反撃を行ない、抵抗している。

 まだ早い――。
 彼を素材として扱うには、まだ嫉妬の念が強すぎる。

「下拵えはここまで。『絶華』が咲く頃には、美しいモテチョコ生まれ変わらせてあげる」
 櫻宵はそう告げて、怪人との戦いを後の猟兵へと託すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴァーリャ・スネシュコヴァ
😘
まふぅのふぁひょこひゃいひん!(食べ物食いながら)
(もぐもぐして飲み込んでから)いくらアルダワの迷宮が便利すぎるからって、バレンタインイベを全て押し付けては…チョコである君自身の首を絞めることになるぞ!(バーン)

まあとりあえず落ち着いて座るのだ。あっ、お腹空いてるから怒ってるんだな? 買ってきたばかりでまだあったかいぞ!(食べ物差し出し)
イライラしてる時は食べることが一番だ。お腹が満たされれば幸せな気持ちも溢れる。一緒に美味しいものを食べよう!
ほら、目を閉じて口を開けて…アーン…。

と油断させて、顔面に『亡き花嫁の嘆き』を食らわせるぞ!
騙して悪いが、これも俺の仕事だからな! すまんな!




「まふぅのふぁひょこひゃいひん!」
「え、今なんて??」
 ケーキを喉に詰まらせながら、必死に飲み込むヴァーリャ・スネシュコヴァ。
 紅茶で一気に流し込んで、ぷは、と一息。
「待つのだ、チョコ怪人! いくらアルダワの迷宮が便利すぎるからって、バレンタインイベを全て押し付けては……チョコである君自身の首を絞めることになるぞ!」
 ヴァーリャは怪人に、ばーん!と指を突きつける。口元にはクリームが付いており、イマイチ締まらない。
「お、おう……」
 勢いに押され、毒気を抜かれる怪人。怪人はちょいちょい、と口元を指差し、ヴァーリャにクリームが付いてるぞと教えてやる。
 かたじけないのだ、とヴァーリャはクリームを拭い、手頃なテーブルに買ってきたばかりの食べ物を並べ始める。
「まあとりあえず落ち着いて座るのだ。きっとお腹空いてるから怒ってるんだな? 君も一緒に食べるのだ! 買ってきたばかりでまだあったかいぞ!」
 促されるままに着席する怪人。
 ヴァーリャはささっと飲み物を注ぎ、怪人の首元にはランチエプロン、そして食器まで用意してやり、さぁ召し上がれと食事を促す。
「イライラしてる時は食べることが一番だ。お腹が満たされれば幸せな気持ちも溢れる。一緒に美味しいものを食べよう!」
「…………」
 怪人は暫く黙り込む。
「しかし、こんな……いいのか? 私は怪人だぞ? お前たちの――敵だ」
「むぅ、頑固な怪人なのだ。ほら、目を閉じて口を開けて……アーン……」
 ヴァーリャは熱々のドリアをスプーンで掬い、フーフーと冷ましてから(そのまま自分で食べそうになったのだ、危ないところだったのだ……)、怪人の口元へと運ぶ。
 怪人も鼻を擽る芳香と美少女の「あーん」には耐えられず、目を閉じ口を開き、その身を委ね――
 その瞬間、ヴァーリャの瞳がキュピーンと輝く。
「隙あり、なのだ!!」
 ――『よそ見してたら、足元を掬われる』、その言葉をそのまま再現するかの如く。
 ヴァーリャの放った『亡き花嫁の嘆き』が、怪人の後頭部へと見事に突き刺さった。
 怪人はテーブルを破壊しながら突っ伏すが、ヴァーリャは飛び散った食べ物の数々を「ほっ、ほっ」と器用にキャッチしてみせる。
 (食べ物を粗末にするのはよくない事なのだ!)

「騙して悪いが、これも俺の仕事だからな! すまんな!」
 そう告げて、少しだけ冷めてしまったドリアを美味しそうに頬張った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パーム・アンテルシオ
%

すごいプレッシャー…
たしかに本人の言う通り、さっきの怪人たちとは違うね…
…可愛くないのも合わせて…とは、ちょっと言えない…

さて、相手が強そうな分、さっきよりも気合を入れて、かける言葉を考えないとね。
とは言っても…外見、内面…どう褒めていいものかわからないし…さっきみたいな手は使えないかな。
褒めずに相手をときめかせる…あ、そうだ。
ユーベルコード、二人静火。私が気を引いてる間に攻撃してね。

ねぇ、あなたは甘い物は好き?嫌い?甘すぎない方が好みだったりする?
お約束、っていうのは好き?それとも、少し捻ったものが好き?
それと…2月14日、って、何か予定はある?

ふふふ、直球が難しいなら匂わせる…どうかな?




「うっ、すごいプレッシャー……たしかに本人の言う通り、さっきの怪人たちとは違うね」
 怪人の放つ負のオーラに、思わず後ずさるパーム・アンテルシオ。
 人の精を、陽の気を好む妖狐としても、怨嗟に濡れた嫉妬のオーラはあまり快いものではないのだろう。
「それに――、」
 ちら、と怪人の顔を見る。
 ……可愛くないのも合わせて、とは。ちょっと言えない。

 しかし、だからと言って投げ出すわけにもいかない。
 むしろ相手が強そうな分、さっきよりも気合を入れて言葉を考えなくてはならない。
(とは言っても……、)
 ちら、とパームは再び怪人の顔を見る。
「さっきから何なのだ、ちらちらとこちらの様子ばかり伺いおって!」
「えへへ。いやいや、何でもないよ? どうぞお気になさらず」
「ぬぐ、怪しい……」
 怪人から疑惑の目を向けられるパーム。
 やはり嘘偽りの言葉を伝えても、あの怪人には見破られてしまいそうな気がする。
 とは言っても、外見、内面……どう褒めていいものかわからない。(ごめんね!)

 褒めずに相手をときめかせる――あ、そうだ。
 その時、パームに妙案が浮かぶ。
「――『影の下、火の下、消えた灯火を呼び覚まそう』」
 ユーベルコード『二人静火』。
 炎によって生み出された狐の親子がパームの傍らにコン、と座る。
「(私が気を引いてる間に攻撃してね)」
 パームの囁きに、狐の親子はこくりと頷いた。

「ねぇ、あなたは甘い物は好き? 嫌い? 甘すぎない方が好みだったりする?」
「む、なんだ急に……」
 突然のパームの問いに、困惑する怪人。
「お約束、っていうのは好き? それとも、少し捻ったものが好き?」
「いや、だから一体何を……私はまぁ、甘いものだったら大体は――」
「それと……2月14日、って、何か予定はある?」
「……!?」
 恥じらう素振りを見せながら、おずおずと尋ねるパーム。
 ここまで聞かれれば、今まで鈍かった怪人も自ずとパームが何を言いたいのか気が付いた。

(そうか。この少女、さては……)

(――私に、惚れているな?)

「…………?」
 こちらを見てニヤリと笑う怪人の真意には、まるで気が付かない様子のパーム。
(直球が難しいなら匂わせる……どうかな?)
 その作戦は、どうやらパームの思った以上に成功してしまったようだ。
「少女よ」
「ひゃいっ!?」
 突如、怪人の顔が自分の3センチ先くらいまで迫って硬直するパーム。
「キミの気持ち、十分に伝わった。バレンタインまで待つ必要もないだろう。もう一人にはさせない。愛しているよマイスイート……」
 怪人は唇をすぼめ「3」の形にしながら、徐々にパームとの顔面の距離を詰めていく。
 パームの肩はがっしと力強く拘束され、逃れることもできない!
「ひ、や……あっ……ダメ……っ!」
 もう、限界――と諦めかけたその時、狐の親子が怪人の脳天を大きく打ち付ける。
 地面に突っ伏した怪人を追い打ちするように、狐の親子はがぶがぶと齧りついたり踏んづけたり、しっちゃかめっちゃかに叩きつけている。

「ううう……やっぱり私、あの怪人キライ……」
 狐の親子にボコられる怪人に、パームはべー、と舌を出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

ここまで嫉妬の感情が強いとは。
この力、バレンタイン根絶…などというものに使わず別のことに使えないものなのでしょうか?

ええと、まずは対話ですね。
フラれた…ということは、貴方には人を愛する心があったということですよね?
私はそういったこととは無縁で生きてきたので、誰かを愛することのできる貴方のことは純粋にすごいと思います。
今こんなことになってしまっていますが、本当は優しい心の持ち主なのではないですか?
まっすぐ思った言葉をぶつける。

相手が隙を見せても見せなくても、装備している処刑人の剣で相手を斬る。
……やはり、処刑対象とこうやって話しをするのはどうもやりづらいな。




「ぐ、なんて嫉妬の感情……」
 その負のオーラは周囲の心を歪ませる程に重苦しい。
 この力、バレンタイン根絶……などというものに使わず別のことに使えないものなのだろうか。
 世界平和、戦争根絶……有栖川・夏介はあれこれ考えを巡らせるも、碌な案は浮かばない。
(私自身、力の使い道なんてひとつしか知らない。あまり偉そうな事は言えない立場かも知れませんね)
 夏介は小さく息を吐き、まずは怪人との対話を試みる。
 それは優しさを以ってではなく、純粋に、効率的に処刑を実行に移すため。

「あの、怪人さん。フラれた……ということは、貴方には人を愛する心があったということですよね?」
「だったら何だと言うのだ! この愛する心を……ハートを真っ二つに割られた私の気持ちが、お前に分かるのか!?」
 怪人の言葉に、夏介は静かに首を振る。
「分かりません。何故なら私はそういったこととは無縁で生きてきたので。誰かを愛することのできる貴方のことは純粋にすごいと思います」
「ぬ……ぐ……、」
「今こんなことになってしまっていますが、本当は優しい心の持ち主なのではないですか?」
 夏介の言葉に偽りはない。思うところを真っ直ぐにぶつける。
 夏介はある意味で怪人が羨ましくも感じていた。
 誰かを愛し、裏切られ、悲しみ、他人を憎む――それは自分なんかより、よっぽど人間らしい姿ではないか。

 だが他人は他人、自分は自分。
 そう在る事は、もう“捨てた”のだから。

「――隙あり、ですね」
 夏介の処刑剣が怪人の腹を薙ぐ。

 やはり、処刑対象とこうやって話しをするのはどうもやりづらい。
 夏介の捨てきれぬ人間らしさが、そう囁いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーノ・エスメラルダ
救いを求める気配があったので来ました。怪人さんの心の苦しみを和らげたいです。

とても辛く、苦しい思いをしましたね。
あなたはやさしい怪人なのだとユーノは思います。

だって、お菓子を食べすぎると虫歯になったりしてあとでとても苦しい思いをしてしまうのです。そんな苦しみの連鎖を和らげたかったのよね?

何があろうと私はあなたを赦します。どうか安らかに、過去へお帰り…。


・結果的に言葉で怪人の妨害をしまくるが本人はいたって善意からの言動
・自分が傷ついても相手に優しくして倒れるタイプ
・倒すべき相手なのは理解しているので「どうか、せめて安らかに…」と祈りながら怪人がやられるのを見守る
・セリフ捏造や調整、歓迎します


涼風・穹
【心情】
グリモア猟兵として言わせて貰えば、バレンタインイベントのような美味しいネタを根絶されても困るんだがな…
……それにしても、バレンタインデーというある意味では最も独り身とリア充との溝が広がるイベントの直前に振られるとは…掛ける言葉が浮かばない…

【優しい言葉】
……そんなものはない
寧ろ何も話しかけないのが優しさだろうぜ…

【戦闘】
しかしまあそれはそれ
振られたせいで負のオーラをまき散らしているってのは、リア充が幸せで独り身が不幸だって思ってるって事だよな
ケーキ怪人達は偽りの愛でも欲しいって言ってたけど、『元』リア充としてはどうなんだ?
……まあ、なんと答えようともそろそろ顔面パンチの時間なんだけどな




「グリモア猟兵として言わせて貰えば、バレンタインイベントのような美味しいネタを根絶されても困るんだがな……」
 涼風・穹は、はぁ、と大きく溜息を吐く。
 穹はまだ今年のバレンタインに関する予知をしていない。必ずしも今年度のバレンタインに予知をできるとは限らないが、それはそれとして予知の幅を狭められるのは腹立たしい。
 それにしても――。
(バレンタインデーというある意味では最も独り身とリア充との溝が広がるイベントの直前に振られるとは……掛ける言葉が浮かばない……)
 穹は心の底から気の毒そうな視線を怪人へと向けた。

「なんてお辛そうな姿……怪人さんの心の苦しみが伝わってきます……」
 ユーノ・エスメラルダ(深窓のお日様・f10751)は、沈痛な面持ちで怪人を見やった。
「その苦しみ、何とか和らげてさしあげたい……」
「いや、あれは寧ろ何も話しかけないのが優しさだろうぜ……」
 ユーノの言葉に、穹はジト目になりながら応える。
 しかしユーノは筋金入りのポジティブ思考聖者である。救済の道を、ちょっとやそっとの事で諦めたりはしない。
「いいえ、きっと想いは通じます! 見ていてください。ユーノが必ず、怪人さんの心を解きほぐして見せますので!」
 そう言ってユーノは怪人の前にその身を翻すと、祈るように手を組んでから、キラキラと輝く瞳で怪人を見つめた。
「とても辛く、苦しい思いをしましたね。あなたはやさしい怪人なのだとユーノは思います」
「優しい、だと……?」
「はい! だって、お菓子を食べすぎると虫歯になったりしてあとでとても苦しい思いをしてしまうのです。そんな苦しみの連鎖を和らげたかったのよね?」
「え、いや……私は別に、そんなつもりは……」
「なんて謙虚な! しかし大丈夫です。他の皆には伝わらずとも、ユーノはちゃんと、あなたの優しさを理解しています。伝わっています。ありがとう怪人さん。歯の守護天使……」
「うっ、やめろ! 違うと言っているだろうが! そんな目で私を見るな!!」
 ユーノの圧倒的な(勘違い)攻勢にたじろぐ怪人。

(あれ、なんかめちゃめちゃ効いてるし……)
 毒気を抜かれながらも。このチャンスを逃すのもどうかと思った穹は、愛刀『風牙』を抜き放ち、隙だらけの怪人の側面を『剣刃一閃』にて強襲する!
「ぬ、ぐうううっ!」
 斬られた腕を抑え、苦しむ怪人。
「なぁアンタ。振られたせいで負のオーラをまき散らしているってのは、リア充が幸せで独り身が不幸だって思ってるって事だよな?」
「……だったら何だと言うのだ! 惨めで悪いか!?」
「いや、別に。たださ、ケーキ怪人達は偽りの愛でも欲しいって言ってたけど、『元』リア充としてはどうなんだ?」
「それ、は……」
 怪人の脳裏をよぎる葛藤。自分は幸せだったのだろうか。
 彼女と出会い、そして振られるに至るまでの時間。それは確かに幸せだった。
 だが、彼女の愛が偽りだと知った時。私は彼女を、世界を、すべてのものを憎んだ。
「私は、ううっ……」
「怪人さん。もしかして、あなた……」
 ユーノが何かに気が付いたかのようにハッ、とする。
「周囲の怪人たちの嫉妬を和らげるために、自らフラれ――」
「違うわ! 単純にフラれただけだわ!!」

 再び生まれた大きな隙に、穹は溜息を吐く。
「まったく、締まらない怪人だな」
 穹は大きく跳躍し、怪人の顔面に渾身の拳を突き立てた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

筧・清史郎
😘
ふむ、彼ということは、この怪人は男か
ならば、何故負の感情を抱くことになったか
同じ男として話を聞いてみようか

「何か辛いことでもあったのか? 俺でよければ話を聞こう」(微笑み

ふむ、フラれたのか
この時期にそれは辛かったな
写経をして、気持ちを落ち着かせるのも良いかもしれない(微笑み

それに俺は百年、恋人などいなかったが(硯箱だったから)
肉体を経た今は、とても楽しい(雅な微笑み
だからチョコ怪人、貴方にもきっと道が開けるのではないか
――来世にな(悪気ない雅笑顔でひよこブレイド抜く)

攻撃重視『ぴよ華葬閃』を怪人へ放つ🐥🐥💔🐥🐥
嫉妬の炎も、俺には効かないな(モテ度5微笑みと斬撃で雅に弾き飛ばし✨)




「ふむ、どうやらこの怪人は男のようだな」
 筧・清史郎はキリッとした目付きで怪人を見つめる。
 怪人に性別があるのかどうかはイマイチわからない。
 だが、少なくとも目の前の怪人からは男性らしさを感じるような気がする。多分。
 むしろこのタイツのシルエットで女性だったらちょっとびっくりするかも知れない。
 ――ならば、何故負の感情を抱くことになったか。同じ男として話を聞いてみようか。
 意を決した清史郎は、怪人に事のあらましを尋ねることにした。

「何か辛いことでもあったのか? 俺でよければ話を聞こう」
「えっ……(ドキ)」
 何故だろう。こんなモテそうな顔をした相手、本来であれば憎らしい筈なのに。
 怪人は清史郎の顔の良さに抗うことができない。
「実は最近、彼女にフラレて……」
「ふむ、なるほど。この時期にそれは辛かったな」
「はい……」
 頭を撫で慰めてくれる清史郎に、すっかり身を委ねる怪人。
 自分を憂う、その横顔すら愛おしい。
「写経をして、気持ちを落ち着かせるのも良いかもしれない」
「写経……」
 怪人は清史郎に促されるまま、写経を始めた。

「――それに俺は百年、恋人などいなかったが(硯箱だったから)」
 観自在菩薩、行深般若波羅蜜多時

「――肉体を得た今は、とても楽しい」
 照見五蘊皆空、度一切苦厄、舎利子

「――だからチョコ怪人、貴方にもきっと道が開けるのではないか?」
 色不異空、空不異色、色即是空、空即是色

「――来世にな」
「……えっ?」

 怪人が写経に興じる一瞬(一瞬)の隙を突き、抜き放つ清史郎のひよこブレイドから繰り出される『ぴよ華葬閃』!
「グッっハァアアアア――ッ!!」
 怪人は口からヒヨコを吐き出しながら、その斬撃によって盛大に吹き飛ばされた。
「貴様ァ……、謀ったな!?」
「ふふ、どうだ写経はいいだろう? 今のうちに徳を積んでおけば、来世にはきっと素晴らしい人生が待っているだろうよ」
「ぬうううっ!!」

 猟兵は憎めども写経は憎まず。
 怪人は写経の素晴らしさを認めつつも、未だ嫉妬の炎は絶やさずそこ在り続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オブシダン・ソード
そうか、君が事態の元凶か。なんて負のオーラだ…
失恋…失恋か。うん、辛かったね。悲しかったよね。良いよ、僕がその思いを受け止めてあげる
君の剣になってあげるから、もう苦しまなくて良いんだよ

さあ行こうか、相棒

怪人の剣になって猟兵と戦うよ
ユーベルコードとかは出さないけど、良いタイミングで褒めたり励ましたりするからね
その調子だよ、君ならやれる、とか
大丈夫、僕がついてる、とか
猟兵に攻撃されるタイミングとか、怪人が追撃しようとした所で隙を晒してもらおう

あと嫉妬の力で戦うなら、コンビ組めたら弱るんじゃない?

ある程度戦ったら、うん。良い所でするっと抜ける
怪人に向かって剣を向けて

――ごめんね。隙だらけだ


水衛・巽

えええ絶賛失恋中のチョコに優しい言葉とか
どんだけ高難度……!!(モテ度1の悲哀
ロマンって何それ美味しいのマロングラッセは美味しいけど!!
仕方ない、もう1回女の子口説くつもりで頑張りますか……

えーっと、失恋、したんだっけ?
それでバレンタイン根絶、はちょっと早まりすぎじゃないかな?
思い出してみてよ、好きな人のこと考えると
何でもどきどきしてふわふわして切なくて
でも幸せじゃなかった?

なのに何であの人は別の……ってそうじゃなくて、
こんなに尽くしたのにどうして分かってくれな……っていやいや、
分かってくれないならアナタをころころしてアタシも……じゃなくて!

……うん、やっぱり無理。(真顔でUCぶっぱ




「そうか、君が事態の元凶か。なんて負のオーラだ……」
「絶賛失恋中のチョコに優しい言葉とか、どんだけ高難度……!!」
 怪人の様子を観察するふたりの猟兵、オブシダン・ソードと水衛・巽。
「ロマンって何それ美味しいの? マロングラッセは美味しいけど!!」
「ふふ。なかなか面白い事を言うね、君」
「わーー、別にギャグを言いたかった訳じゃないって言うか、改めて指摘されると恥ずかしいんですけど!?」
 何か色々追い詰められてる巽とは対象的に、ゆったり落ち着いた構えを見せるオブシダン。
 まだ18年程度しか生きていない青年と、100年以上を経て変化したヤドリガミとでは、その精神の成熟度も大きく異なっているのだろう。
「それじゃ、僕は彼と仲良くなって来るから。後はよろしくね」
「えっ、それってどういう――」
 巽の問いには答えることなく、オブシダンは怪人の前へと降り立って。

「失恋……、失恋か。うん、辛かったね。悲しかったよね。良いよ、僕がその思いを受け止めてあげる」
「貴様もか、猟兵! そうやってどいつもこいつも、分かったような口を聞きながら最後には私を――」
 その言葉にオブシダンはにっこりと笑って、答えた。

「僕が君の剣になってあげるから。もう苦しまなくて良いんだよ」

「なっ……」
「へっ????」
 怪人と巽、ふたりが同時に声を失う。

「さあ行こうか、相棒。好きなように、僕を振るうといい」
 そう言ってオブシダンは本来の姿――黒曜石の剣へと姿を変えて、怪人の手にすっぽりと収まる。
「どうだい、握り心地は大丈夫かな?」
「う、うむ……」
「ちょっちょっちょっっちょっちょーーーーー!」
 突如敵へと寝返ったオブシダンに、慌ててツッコミを入れる巽。
「なんで急に敵の剣なんかに……ていうかワタシ、それに殴られるの!?」
「ふふ、ごめんね?」
「『ふふ、ごめんね?』――じゃないでしょうがー!」
 ただでなくとも考えなきゃいけないことが多いのに! と巽は頭を掻き毟る。
 けどもう、逆に。考えるだけ無駄だろう。
 恐らく、あのヤドリガミの猟兵にも彼なりの思惑があるのだ。
 邪悪そうな人物には見えなかった。だったらその直感を頼りに、彼を信じるしかない。
 はーもう知らない。ヤケクソだ。
 巽はぼっち、怪人はふたり。状況は完全に逆転していた。

「で、なに? えーっと、失恋、したんだっけ?」
「は、はい……そうです」
 巽に気を遣って若干敬語になる怪人。
「それでバレンタイン根絶、はちょっと早まりすぎじゃないかな?」
「いや……でも、やっぱりバレンタインとか、チャラチャラしててムカつくし……それで……」
「うん、分かるよ。相棒も少し魔が差してしまったんだよね?」
 怪人の言葉にすかさずフォローを入れるオブシダン。
「ちょっとォ、裏切り者は黙っててくれません?」
「おっと、これは手厳しい」
 あくまで涼やかに笑うオブシダンの態度に、おちょくられているようで口を尖らせる巽。
 だが――、
(心無しか、怪人の放つ瘴気が弱まっている気がする……)
 怪人の『嫉妬する』という立場を弱め、優しい声を掛ける事で負の気を削ぐ。
 巽にもようやく、オブシダンの狙いが朧気ながらに見え始めた。
 ……だからと言って、打ち合わせも無しにこの有様は酷いと思うけど。

「思い出してみてよ。好きな人のこと考えると、何でもどきどきしてふわふわして切なくて……でも幸せじゃなかった?」
「う、うう……」
「なのに何であの人は別の男を……ってそうじゃなくて、」
「うん……?」
「こんなに尽くしたのにどうして分かってくれな……っていやいや、」
「…………」
「分かってくれないならアナタをころころしてアタシも……じゃなくて!」

 ――まったく同じ光景を、さっきも見た気がする。(※1章参照)

(そろそろ潮時かな……)
 オブシダンはそう悟りながら、機を伺う。

「……うん、やっぱり無理」
 巽は真顔で『朱雀凶焔』――無数の朱雀を解き放つ。
「ぬぐおおおおおっッ!」
 ずごごごーん!と派手な音を立てながら炸裂していく炎を目眩ましに、オブシダンはスルッと怪人の手から抜け出して、巽の目の前の地面へと突き刺さった。

「ただいま、相棒」
「……調子のいい」
 巽はオブシダンに侮蔑の目を向ける。
「で、僕を振るってはくれないのかな?」
「うーん……」
 期待を向けるオブシダンに、巽は少し思い悩んだ。
 『刀』を振るうのは、今は何となく……そういう気分じゃなかったけれど。
 けどまぁ、『剣』であれば。
 たまにそういうのも悪くはない――かも知れない。
「それじゃ、借りるよ。お調子者の相棒さん」
「仰せのままに」
 黒曜の剣を握り、巽は走る。

 疾く、鋭く――美しい剣閃が、怪人の身体を斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杜鬼・クロウ
😘

「AKC…珠稀に囲まれた辺りから記憶ねェし何で医務室にいたのか謎だし少し頭痛ェが、依頼受けちまったからにはやり通す。
別にどこでヤろうが構わねェだろうがよ面倒くせェな。オトメかよ(溜息)
お前に関係ねェならイイじゃねェか、ほっとけ。お前だけが絶望の最中にいると思ってンなら思い違いだ。
とにかく落ち着けや」

玄夜叉を構え先制攻撃・2回攻撃
【トリニティ・エンハンス】使用。攻撃力重視
水の魔力を剣へ宿す
敵の攻撃は剣で武器受け・カウンターか腕で防御
胴狙いで真横に剣を振り回すと見せかけフェイント
頭のハートを狙いぶっ叩く

・珠稀がいたら
口説く云々の話はあの敵がいる前ではすンなよ?
火に油注いで強くなられたら厄介だろ


明智・珠稀
😘<ネタ歓迎です♡

(自称)不死身のたまちゃんですよ…!
そして私は断じてハートブレイクではありません。
あれはクロウさんの愛の形です…!(ポジティブ)

■言葉
(【血統覚醒】しつつ)
チョコレートさん。
貴方は魅力的です…!
こんなに甘い香り、美しいハートの形…あぁ、美しい…!(うっとり)

例え縁が離れたとしても、一度はその心を通わせたことは事実。
それだけの器量を貴方はお持ちということです…!
星の数程いる人の中から、新たな縁を紡ぐことが出来るのです。
…次の縁は…例えば、私などいかがでしょう?

■攻撃
首筋に接吻…と見せかけた【吸血】【生命力吸収】を
「とってもスイーツですね、ふふ…!」
妖刀で斬り分けたりするド変態




「いっ、つつ……あー、まだ頭が痛てェ……」
 頭を軽く抑えながら戦場へと復帰する杜鬼・クロウ。
「AKC……珠稀に囲まれた辺りから記憶ねェし、何で医務室にいたのか謎だが、依頼受けちまったからにはやり通す」
 溜息を吐きながら、クロウは玄夜叉を抜き放ち両手で構えた。
「バレンタインくらい別にどこでヤろうが構わねェだろうがよ、面倒くせェな。オトメか――よッ!」
 先手を取ったのはクロウ。クロウの放つ剣戟が怪人の胴を薙ぐが、それはきちんと怪人も反応し、ガードする。
 続く2撃目、クロウは『トリニティ・エンハンス』を発動させた。水の魔力にて玄夜叉を強化すると青く輝く斬撃が、再び怪人の胴を狙う――に見せかけて怪人のハート型の頭部目掛け繰り出された。
「ぬうッ――!」
 怪人は寸でのところで上体を逸らし、クロウの斬撃を回避する。
 その斬撃は怪人の頬を掠めて、ハートの一部を欠けさせた。
「お前に関係ねェならイイじゃねェか、ほっとけ。お前だけが絶望の最中にいると思ってンなら思い違いだ。とにかく落ち着けや」
 クロウは肩でトントンと玄夜叉を遊ばせながら、あくまで退屈そうに言い放った。

 ――ここまで割とシリアス、そんな時。

 クロウの鼻先に空からひらひらと舞い落ちる、天使の羽。
「うん……?」
 クロウに悪寒が走る。
 別にこんな羽ひとつで全てを察した訳ではない。だがこのパターン、嫌な予感しかしない。
 クロウは(見上げたくはなかったが)空を見上げる。
 そこには白い天使の翼を生やした、良く知る吸血鬼の姿があった。

「どうもこんにちは。不死身の天使、たまちゃんですよ……!」
 あまりに神々しさに後光が差して見える。それは『生まれながらの光』ならぬ、『明智ながらの光』。
 死んだはずの明智・珠稀は生きていた。クロウからの愛(※珠稀談)を一身に受け、愛天使として再誕したのだ。
「チョコレートさん。貴方は魅力的です……! こんなに甘い香り、美しいハートの形……あぁ、美しい……!」
 怪人の身体へと艶かしく指を這わせる珠稀。
 耐性のない怪人は呆気に取られ硬直しているし、慣れているクロウは見ているだけで胸焼けを起こしている。
「例え縁が離れたとしても、一度はその心を通わせたことは事実。それだけの器量を貴方はお持ちということです……!」
「あ、ああ……」
 珠稀の指は身体から、そして今度は顔へと伸びて怪人は珠稀の良いように撫でられる。
「星の数程いる人の中から、新たな縁を紡ぐことが出来るのです。……次の縁は、例えば――私などいかがでしょう?」
 そう言って珠稀は怪人の首筋へと優しく接吻……と見せかけて、鋭い牙を突き立て怪人から吸血(吸チョコ)した。
「ぬぐっ、油断した……!」
「とってもスイーツですね、ふふ……!」
 さながら濃厚なチョコレートドリンクのような甘み。珠稀は口元を拭いながら、クロウの隣へと降り立った。

「どうですかクロウさん、私の活躍は見ていてくださいましたか?」
「だーっ、あんま近寄んじゃねえ! 敵に見られて強くなられたら厄介だろ!」
 クロウは必要以上に距離を詰めてくる珠稀を鬱陶しそうに除ける。
「確かに。私とクロウさんのラブラブっぷりは怪人の目には毒かも知れません。我慢した方が良いかも知れませんね、ふふ……!」
「ラブラブじゃねぇ! 勘違いされた上で強くなられんのがムカつく、つってんだ。それこそ俺じゃなくて、怪人とでもくっついとけ!」
「!? ……クロウさん、もしかして嫉妬を……?」
 悦びに頬を赤らめ、急にしおらしく、モジモジし始める珠稀。

 そんな珠稀とは対象的に、クロウは言葉もなく小刻みに震えていた。
 ――怪人といい、この変態といい。
 クロウの胃に掛かるストレスは、もはや最高潮へと達し。
「ああもうお前ら、いい加減にしやがれ――ッ!!」

 クロウの悲痛な叫びが、バレンタイン広場にこだました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
アドリブ歓迎

また殴る前にあるのか
優しい言葉…一番ハードルが高えな
テキトーに畳み掛けて誤魔化すか

俺はモテる※顔の良さは少しだけ自覚している
いや、まあ聞け
手を前にだし怪人を制止
モテるが恋人はいたことがない※大体10年の鳥籠生活のせい
つまり…恋人が居たことのあるお前の方が恋愛経験は上だ
恋愛経験が下の俺様がモテるんだからお前にまた恋人ができてもおかしくないだろう
その恋人相手に次のバレンタインで、バレンタインは俺が滅ぼしたから祝えないと言うのか?

…まあ、ここで倒されるから次なんてねーんだけど
ボソッと小声で
小さく【青星の盟約】を歌いダッシュで一気に距離を詰め
そのまま先制攻撃だ
炎を纏った剣で正面から切断する




「また殴る前に何かあるのか……」
 面倒くさそうに嘆く、セリオス・アリス。
 優しい言葉――それはセリオスにとって一番ハードルが高い。
 だがアレコレ思い悩むのも、それはそれで面倒くさい。
「ま、テキトーに畳み掛けて誤魔化すか」
 悪く言えば行き当たりばったり。だがそれでも何とかしてしまうのが、このセリオス・アリスという男だった。

「よォ怪人、シケたツラしてんな?」
「ぬっ……」
 イケメンを相手に露骨に顔を顰める怪人。自分よりモテそうな男は全て敵。それが怪人にとっての基本原理だ。
「まず最初に言っておこう。俺はモテる――いや、まあ聞け」
 敵意剥き出しで、今にも殴り掛かってきそうな怪人をセリオスは手を前に出し制止する。
「俺はモテるが、恋人はいたことがない」
 それは主に、人生の大半を幽閉されながら過ごしていたせいなのだが……それについてはこの場では触れずに。
「つまり……恋人が居たことのあるお前の方が恋愛経験は上だ」
「ふむ……」
 持ち上げられて悪い気のしない怪人。とりあえず攻撃は止めてセリオスの言葉に耳を傾け始めた。
「恋愛経験が下の俺様がモテるんだから、お前にまた恋人ができてもおかしくないだろう」
「……確かに、それは一理ある」
 フラれた悲しみから視野が狭まっていたが、そう……再び恋人ができる可能性は十分に有り得る。(怪人の中では)
「その恋人相手に次のバレンタインで、バレンタインは俺が滅ぼしたから祝えないと言うのか?」
「…………ッ!!」
 その指摘は正しい。自分の行ないが、未来の自分を、未来の恋人を悲しませる事にも繋がりかねないと言うのか。

 うおお……と頭を抱える怪人を尻目に、セリオスは剣を構える。
「……まあ、ここで倒されるから次なんてねーんだけど」
 ボソリと小さく呟くと、セリオスは『青星の盟約』を歌う。
 ――美しく囀ずる黒い鳥。
 その旋律は、根源の魔力を呼び起こす。
「『星に願い、鳥は囀ずる。――さあ歌声に応えろ、力を貸せ!』」
 強化されたセリオスの物理攻撃力、付け加える事の、ルーンに呼応し力を高めた炎の魔剣。
「モテたいっつーなら、自分を磨いてから出直しな」
 まぁどう足掻いたところで俺みたいにモテんのは無理だろうけど。

 セリオスの斬撃はチョコ怪人の肩口を真っ直ぐに捉え、その肉体を大きく溶かし、斬り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
『壊れた君のハート、ボクが治してあげるよ』
『それとも…』
『ボクの熱で、溶かされる方がお好みかい?』

『嫉妬だなんて可愛いことするじゃないか』
『独占欲の強い子、ボクは好きだよ?』

『羨ましいんだよね。ボクにはわかるとも』
『ボクもああいった仲睦まじいイベントには縁がなくてね』
『ほら、ボクの目、左右で違うでしょ?』
『気味悪がられちゃってさ……だからきっと、君とボクは似てるのさ』

『じゃあ行こうか。二人で秘密の場所へ』
『秘密は秘密。だって、』
(『ボクにもわからないから』)

救いの道だからなァ!!!!!


カチュア・バグースノウ
さ、さっきは失敗したけど、今度こそ…!
優しい言葉ね!
ま、まかせて(震え声、キョドリ

ええっと、歯が浮くようなセリフ…
あなただって素敵よ!
どこが素敵かって?
頭のハートのチョコ!割れかけているわね
それを割ってあたしと分け合えば寂しくないわ、たぶん
あと嫉妬するのも、大切に思ってくれる証拠よね
そういう人も好き…よ(照

…とっておこうと思ったんだけど、はい
見ればわかるでしょ、チョコレートよ
自分用に買っておいたのよ、高級なやつ
二人で…食べましょ?(上目遣い

戦闘
アックスソードブレイクで隙をついて攻撃するわ
慈悲はない!
チョコレート?ああそれ?バイト先の後輩から強奪した見知らぬ誰かの本チョコよ!

アドリブ、共闘歓迎




「さ、さっきは失敗したけど、今度こそ……! 優しい言葉ね! ま、まかせて」
 挙動不審に陥りながらも、彼女なりに気合を入れ直す、カチュア・バグースノウ。
 その様子を、ジン・エラーは心底楽しそうな目で観察していた。
「な、なに……?」
「ブッ、ぐ……グハヒャハ、いや。いいねェ、サイコーだよお嬢サン。ホント応援してっから、頑張ってなァ~~?」
「う、うん……ありがと」
 笑いを堪えきれないジンと、どこか釈然としない様子のカチュア。
 だがジンには一切悪気なんて無かっただろう(或いは悪気しか無かっただろう)。
 100%、心の底から“サイコー”だとしか思わなかったのだから。

(ええっと、歯が浮くようなセリフ……)
 カチュアは乏しい知識から必死にそれっぽい言葉を思い浮かべる。
「へい、あなた! あなたって、とても素敵よ! どこが素敵かっていうと――」
 怪人はじぃ、とカチュアを見ながら続く言葉を待ち受けている。
「そう! 頭のハートのチョコ! 割れかけているわね!」
 カチュアの言葉に、遠くでジンが吹き出した。楽しそうに笑い声を上げて、地面をのたうち回っている。
「それを割ってあたしと分け合えば寂しくないわ、たぶん!」
 やった、上手いことフォローできたわ! と満足気なカチュア。
 怪人は喜んで良いのか悪いのか、複雑な表情を浮かべている。
「あと嫉妬するのも、大切に思ってくれる証拠よね。そういう人も好き……よ」
 これ以上なく顔を真っ赤にしながら言葉を伝えるカチュア。
 その言葉が嬉しい嬉しくない以前に、恥ずかしそうな態度があまりにも伝わってくるせいで、怪人の方もかえって恥ずかしい気持ちになってしまった。(ジンは呼吸困難で苦しんでいる)
「それと……これは使わずにとっておこうと思ったんだけど、はい」
 カチュアから差し出されたのは可愛らしくラッピングされた小さな包装。
「これは……」
「見ればわかるでしょ、チョコレートよ。自分用に買っておいたのよ、高級なやつ」
 恥ずかしそうに顔を背ける姿は、一周回ってツンデレのようにさえ見えなくもない。
「その……二人で、食べましょ?」
 カチュアは上目遣いで怪人を見ながら、自分に出来る最大限の“媚び”を見せる。
(あーーー、やだやだもう、恥ずかしい! 死にたい!!)
 ただでなくとも恥ずかしいのに、近くで他の猟兵にリアルタイムで見られてるとか本当に恥。
 だがその情熱が怪人に伝わったのか、怪人も照れながらチョコレートを受け取ってくれた。
 ようやく生まれた怪人の隙。これを逃せば今までの努力がすべて無駄になってしまう。
 カチュアは、はぁ~~~と深く溜息を吐いて、深く斧剣を構える。
 狙うのは怪人のひび割れたハートの頭蓋。
「――『アックスソードブレイク』!!」
 羞恥心やら何やら、色んな力を最大限に込めた一撃が怪人の脳天をかち割った。

「グオオオオオッ!!」
「あぁあああああ……」
 苦しみでのたうち回る怪人と、恥ずかしさでのたうち回るカチュア。
 パンパン、と拍手をしてカチュアに手を貸すジン。
「いやァ、思った以上にいいモン見れたわ。サンキュゥゥ~~~!」
「ど、どうも……」
『これは負けてられないね』
『そろそろ本気、出しちゃおうかな~♪』
「ま、そーいうコトで後は見てな」
 ジンはマスクを外し、倒れる怪人の傍にそっと近付いた。

『壊れた君のハート、ボクが治してあげるよ』
『それとも……』
『ボクの熱で、溶かされる方がお好みかい?』
 そこに居るのは【ジン】ただひとり。
 その筈なのに、言葉は幾重にも折り重なるように聞こえてくる。

『嫉妬だなんて可愛いことするじゃないか』
『独占欲の強い子、ボクは好きだよ?』
「え、あ……ああ……」
『羨ましいんだよね。ボクにはわかるとも』
『ボクもああいった仲睦まじいイベントには縁がなくてね』
『ほら、ボクの目、左右で違うでしょ?』
『気味悪がられちゃってさ……だからきっと、君とボクは似てるのさ』
「う、ああ……」
 段々と頭が混乱してくる。
 それはジンの纏う不思議な雰囲気も相まって、脳を掻き回されるような、沢山の人格に自分が押し流されて、自分が何だか分からなくなってしまうような、そんな感覚。

『じゃあ行こうか。二人で秘密の場所へ』
「え、どこ……秘密……?」
『秘密は秘密。だって、』

 ――『ボクにもわからないから』

「これからお前が歩むのは――、救いの道だからなァ!!!!!」
 瞬間、聖者の輝きを纏ったジンのつま先が怪人の脇腹を鋭く抉り、その身体は豪快に蹴り飛ばされた。

「はー、もしかしてあなた、多重人格者ってやつ? よくやるわねー……」
 さきほど怪人に渡したチョコを拾い上げ、ジンの見事な演技(?)に感心するカチュア。
「お褒めに預かりどォ~~も♪ いいモン見せて貰ったしなァ! お前の方こそ。可愛らしいチョコまで用意して、大したモンだわ」
「あ、これ?」
 チョコをひらひらと見せるカチュア。
「これ、バイト先の後輩から強奪した見知らぬ誰かの本チョコなのよね。後で返しておかないと」
「ぶっっ、が、ぎヒャハハ、それサイコォ~~~、クソ、いや、いい。いいぜェ~~~堪んねェ~、グハヒャハハ!!」

 やっぱりあなた、あたしのことバカにしてない? ――カチュアはそう問いただすも、暫くジンは笑い続けて、まともに会話を取り合ってはくれなかったという。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

結城・蓮
【恋華荘】のみんなと

……まあ、いちごさんがよーくモテるのはわかった
うん、まあ、これがいちごさんだから仕方ないよね

あ、ボクは「とらぶる」に巻き込まれたくないからちょっと離れてるね
だってほら、噂とかされたら恥ずかしいし……
……あ、怪人が袖にされてる
今がチャンスかな

「大丈夫かい?あれが妬ましいのはわかるけど、ああなったらきっと大変だよ?
大丈夫、キミにはキミだけの特別な人が見つかるよ……おっと。それはボクではないんだ、ごめんね」

いちごさんたちの攻撃の予兆が感じられたらすぐにその場を離れるよ
巻き込まれたくないし
「あーあ、またやってる。懲りないなあ」
……ついでに《虚実の山札》で追撃しておこうっと

ごめんね?


彩波・いちご
【恋華荘】で引き続き

あの、皆さん、すみませんっていうか落ち着いてください…
前章の後なんだか不機嫌な女性陣を宥めつつここまで来ましたが
次の怪人にどう声をかけようか…えっ?
こちらが声かける前に女性陣の先制攻撃が、あれ?え?

「え、っと、大丈夫ですか?」
「私が何を言っても逆効果かもしれませんけれど…でも、憎しみは何も生まないと思うんです。きっといつか、貴方にも素敵なバレンタインが」
にこっとアイドルスマイルをむけて
「まずは笑顔からですよ。笑ってください。その方がきっと素敵です」

…なんかまた背後から殺気じみたものを感じるんですが
また私ごと攻撃しようとしてません、か?
巻き込まれ悲鳴が天使のような悪魔の歌声に


ネウィラ・カーレンベート
【恋華荘】で引き続き。

 先程怪人を口説いていたいちごさんの件のため、にこりとしたまま、ちょっとお説教タイム。
「もう、いちごさんったら、ダメですよ?私達という女子たちがありながら、そういういうことをしては」
 もし怪人さんが割って入って来ようとしたら、ウィザードロッドの〈属性攻撃〉地の魔法を使用。
「すみません、ちょっと取り込み中なので、少々お待ち頂いても…?」
 あくまでにこにこと、けれども珍しく威圧感たっぷりに。

いちごさんの怪人さんへの励ましについては、やけに優しく接しているのを見て。
「笑顔が素敵、ですか。ふふ、こうですか?」

【炎神召喚】で、炎神に怪人さんごといちごさんを殴り飛ばしてもらいます。


刑部・みさき
【恋華荘】【モテ度3】

はわ、甘いニオイでおいしそう♪
こんどはチョコのヒトだねっ

でも、なんだろ?さっきのいちごくん…
もやっとするよぅ…むー

♪ちょーっとまっててーっ!♪

はぅ、ごめんなさぁい…!

あ、またチョコのヒトとたのしそうに…
むー、あぅー…

♪ずるいずるいずーるーいーっ!♪

あっ…はわわ!!?(あせあせ)

●行動
前のヤキモチを引きずり人生初の嫉妬
故に『歌唱』の音圧で怪人の口上を圧迫
その後は一旦引き下がり様子見

だがいちごのアプローチに羨ましさ爆発
今度は《おおなみとおひさまのうた》が起動
ネウィラ等の攻撃で溶けたチョコ怪人に
「吹雪属性の北風」を吹き付けて(いちご諸共)歪に固める
この連携は『野生の勘』も作用?


御影・雪乃
【恋華荘】のメンバーと。
引き続き素直じゃないツンツン枠。

私は別にいちごさんのことはどうでも良いのですが、すこしだらしないと思いますよ。
ええ、別に誰と仲良くしようがべつに…。
べつに…。

(怪人までいちごさんに絡みはじめたら、素直じゃない寂しさがMAXに)
…だからって完全に放置されるのも、それはそれで、嫌…
(ダウナーな感じで逆ギレ。【コールド・ブレス】でレベル×5本の冷気の塊を繰り出して八つ当たりで怪人ごと攻撃。ちょっとヤンデレ入ります)




 こちら、引き続きの恋華荘一行。

「もう、いちごさんったら、ダメですよ? 私達という女子たちがありながら、そういういうことをしては……」
「……まあ、いちごさんがよーくモテるのはわかった。うん、まあ、これがいちごさんだから仕方ないよね」
「さっきのいちごくん……、もやっとするよぅ……むー」
「私は別にいちごさんのことはどうでも良いのですが、すこしだらしないと思いますよ」
「あの、皆さん、すみませんっていうか落ち着いてください……」
 ネウィラ、蓮、みさき、雪乃の四方向から糾弾されるいちご。
 何とかして話を怪人討伐へと持っていきたいのだが、いくら宥めようにも女性陣の気がなかなか晴れてくれない。
 むしろ気の毒なのは怪人の方だ。
 わざわざ自分の目の前までやってきたと思ったら、始まったのは痴話喧嘩。
 もはや、ただの嫌がらせとしか思えなかった。
「おいお前ら、痴話喧嘩なら他所で――」
 怪人がそう言いかけたところで、くるりと怪人の方を振り返るネウィラ。
 そしてすかさず、根ウィラは地の魔法を発動させる。巨大な岩石が怪人の脳天へと降り注いだ。
「すみません、ちょっと取り込み中なので、少々お待ち頂いても……?」
「は、はい……」
 ネウィラはあくまでにこにこと微笑んでいた。その威圧感を前に、怪人も押し黙ってしまう。
「良いですか? いちごさんには自覚というものが足りていません。そもそもいちごさんはご自身がどれほど周囲に好かれているのか、その立場というものを理解しているのですか?」
「その通りです。いちごさんの天然ジゴロっぷりにはほとほと呆れて――いえ、私は全然関係ないんですけど」
「いちごくんは、やっぱり怪人くんと遊ぶ方が楽しいのかなぁ……」
「えっと、いや、今はそれより目の前の怪人を……あれっ、ていうかネウィラさん、いま攻撃してました?」
「話を逸らさないでください。怪人の話なんて今は関係ないでしょう。依頼中ですよ?」
「えっ、そうですよ依頼……あれ??」

 わいのわいの騒ぐ恋華荘一行に放置され、寂しそうに佇む怪人。
(……あ、怪人が袖にされてる。今がチャンスかな)
 色恋沙汰の「とらぶる」に巻き込まれては堪らないと一歩引いて見ている蓮だったが、目ざとく怪人の隙を見つけて声を掛ける。
「大丈夫かい? あれが妬ましいのはわかるけど、ああなったらきっと大変だよ?」
 蓮の優しい言葉に――否、ようやくまともに相手をしてくれた存在に、怪人の目頭が熱くなる。
「大丈夫、キミにはキミだけの特別な人が見つかるよ……おっと。それはボクではないんだ、ごめんね」
 蓮の言葉で怪人はほどほどに慰められたが、続く否定にまたひどく落ち込んでしまった。
「ほら、みなさん! 蓮さんみたいに、ちゃんと怪人の相手をしましょう! ね?」
「そうだねっ、チョコのヒトの相手もしないとっ!」
 ようやくまともに依頼に取り組む流れ!と、いちごは強引に話の流れを断ち切った。
 みさきもそれに同意し、いちごの背中を応援する。

 そんな訳で、さっそく怪人へと声を掛けるいちご。
「え、っと、大丈夫ですか?」
 大丈夫も何も、8割くらいはいちごたちが原因で落ち込んでいるのだが、それはそれ、これはこれ。
「私が何を言っても逆効果かもしれませんけれど……でも、憎しみは何も生まないと思うんです。きっといつか、貴方にも素敵なバレンタインが訪れるでしょう」
 ホントお前が言うな、と怪人は思った。思ったが、目の前に映るいちごの可愛らしいアイドルスマイルに罪はない。
 怒りたかった。嫉妬したかった。だがそれ以上に可愛くて。
「まずは笑顔からですよ。笑ってください。その方がきっと素敵です」
 怪人もまた、いちごの魅力に心を蕩かされていた。

 その時、いちごは背筋にぞくりと殺気を感じ、恐る恐る、後ろを振り返る。
「また私ごと攻撃しようとしてません、……か?」
 そんないちごを待ち構えていたのは、女性たちの悲喜こもごもな表情。

「あーあ、またやってる。懲りないなあ」
 巻き込まれたくないし、と蓮はそそくさとその場を離れ。

「やけに優しいんですね、いちごさん。笑顔が素敵、ですか。ふふ、こうですか?」
 ネウィラはにっこりと笑顔を浮かべながら、その背後には巨大な炎神が喚び出されているのが見える。

「ええ、別にいちごさんが誰と仲良くしようがべつに……。べつに……」
 寂しそうにイジケている雪乃。その周囲には比喩ではなく吹雪が吹き荒れている。

「あ、またチョコのヒトとたのしそうに……むー、あぅー……」
 ちょっと涙目になって、今にも泣き出しそうなみさき。

 三人(と便乗でもうひとり)はそれぞれいちごと怪人に向けてユーベルコードを放った。

「『魔神よ……やってしまいなさい』」
「だからって完全に放置されるのも、それはそれで、嫌」
「♪ずるいずるいずーるーいーっ!♪」
「あ……、ボクもついでに『虚実の山札』で追撃しておこうっと。ごめんね?」

「わあああああっっ!?」
「グアアアアアアアッ!!」

 ユーベルコードの四重奏に、悲鳴を上げるいちごと怪人。
 魔神の炎がふたりを焦がし、無数の冷気の塊と北風の吹雪が渦を巻き、オマケのように無数のトランプがふたりを切り裂く。
 なんかもう凄い災害に巻き込まれながら、いちごと怪人はもみくちゃにされる。
 更に至近距離でいちごの悲鳴がユーベルコード『天使のような悪魔の歌声』となり、それはもう本当に収拾のつかない程に酷い有様で。

「あっ……はわわ!!?」
 後に残ったのは、何処ぞに吹き飛ばされていった怪人と、ボロ雑巾のようになったいちごの姿だった。
「みな、さん……ちゃんと仲良く……」
「いちごくん、いちごくーーーん!!」
 いちごは最期にそれだけを言い残し、みさきに看取られながらその場で息を引き取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イリスロッテ・クラインヘルト
😘

ランちゃん(f08127)とペア
恋ってとっても難しいのです…
それでもイリスとランちゃんは…諦めないなのですよ!(折れない心

◆褒めてみる
「わー、すごい衝撃波なのです!これはつよい!つよい敵ちゃんなのですよ!」
「そのうえ、いっぱいの怪人ちゃんを従えちゃうなんて、すっごいのです!!」
きゃー、かっこいー、敵ながらあこがれちゃうー、ぴょんぴょん!
いつのまにか【鏡の国のシャルロッテ】を使って二人になるのです
二重に褒めまくるのです

◆女子力(物理)
恋の痛み…この試練を乗りこえて、イリスは一回り
大きくなってみせるのです!

「行きましょう、ランちゃん!イリス達の女子力を証明する時なのです!!」


ラン・ムラノミヤ
😘
イリスさん(f06216)と

恋とは苦いものなのですね……。また一つ勉強になりました
ですが、ランちゃん達は進みます。行きましょう、イリスさん


●燃え上がるような恋とは
命を賭してでも、ですか。貴方にはそれだけの信念があるのですね
尊敬します。貴方なら、恋が何たるかが分かるかもしれません

そんな感じの事を言いつつ、符をぺたぺたと貼っていきます
かわいいイリスさんがステレオで褒めてくれていますしね、ランちゃんは裏方仕事と行きましょう
こんなものですかね、あ、イリスさんそろそろ離れて下さい

●リア充爆発した
たーまやー、です
む、しぶといですね。更に女子力を見せなければなりませんか
では、恋を教えてもらいましょうかね




「恋とは苦いものなのですね……また一つ勉強になりました」
「恋ってとっても難しいのです……」
 ケーキ怪人とのやり取りで、大人の恋を知ったラン・ムラノミヤとイリスロッテ・クラインヘルト。
 だが戦いはまだ終わってはいない。むしろ、ここからが本番だ。
「それでもイリスとランちゃんは……諦めないなのですよ!!」
「そうですね。行きましょう、イリスさん」

 そして二人の前に立ちはだかるのは、割とボロボロになりつつある怪人。
「なんて強そうなオーラ……ですがイリスに秘策あり! です!」
 イリスロッテは『鏡の国のシャルロッテ』を使用することでふたりに分身。
 怪人から放たれる嫉妬の炎を二手に分かれて躱し、両サイドから怪人を攻める。

「わー、すごい衝撃波なのです!」
『これはつよい! つよい敵ちゃんなのですよ!』

 ぴょんこぴょんこ。

「そのうえ、いっぱいの怪人ちゃんを従えちゃうなんて、すっごいのです!!」
『きゃー、かっこいー、敵ながらあこがれちゃうー!』

 ぴょんこぴょんこ。

 イリスロッテは怪人の左右を跳ねながら、ひたすらに怪人を褒めちぎる。
「ぐっ……ヤメロォ!」
 怪人は催眠音声に弱い。左右から聞こえてくるイリスロッテの声に、むず痒いような快感を覚え身悶えしていた。

(信念もなにもあったもんやないなぁ。少しでも尊敬しよ思うとったウチがアホみたいや……)
 ランは半ば呆れながらも、ぺったんぺったんと隙だらけの怪人の身体に符を貼り付けていく。
(いやーしかしイリスちゃん可愛いなー。ウチこんな楽しててええんやろか?)
 相変わらずぴょんこぴょんこしているイリスロッテに手を振るラン。イリスロッテもランの様子に気付いたようで、手を振り返してくれた。
「と、こんなものですかね。あ、イリスさんそろそろ離れて下さい」
 準備完了、という訳でランはイリスロッテに合図を送り、ふたりは怪人から少し距離を取った。

「たーまやー、です」
 ランがパチン、と指を鳴らすと。先程怪人にぺたぺたと貼り付けた符が、一斉に爆発、炎上する。
「ぐおおおおっっ!!」
 怪人はぷすぷすと煙を上げながら、その場にうずくまる。
「やったのです!」
「バッチリ、ですね」
 やったー!とイリスロッテとランはハイタッチを交わした。

「ぬぐ‥…まだ、やられはせんぞ…‥!」
 ランの爆破符を受けてもなお、怪人は立ち上がる。
「む、しぶといですね。更に女子力を見せなければなりませんか」
「恋の痛み……この試練を乗りこえて、イリスは一回り大きくなってみせるのです!」
 イリスロッテの瞳は闘志に燃え、ランもまた刀を抜いて身構える。
「行きましょう、ランちゃん! イリス達の女子力を証明する時なのです!!」
「では、恋を教えてもらいましょうかね」
 ふたりは雄叫びを上げながら、己が女子力、その全身全霊を以って怪人へと殴り掛かるのだった。

(結果、女子力は上がらず。ふたりはゴリラに1歩近付いたという)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ピリカ・コルテット
わぁ!ケーキの後のおかわりはチョコさんですかっ?
でもでも何だか、すっごくダークな香りですね!ビター過ぎるのはイケませんねっ!
美味しく味わう為にも、みんなで甘さ増し増しにしちゃいましょうっ♪

秘技『わたしですよ』の光で猛烈アタッーク☆
【全力魔法】の力とポジティブな【属性攻撃】も上乗せして!

合わない相手にフラれたから、一体何ですかっ!?
貴方にぴったりな人は、探せば他にもいっぱいいる筈です!
私だって、チョコレートは大好きですよっ♪
恋を味わいたいなら、まず自分が味わわれる覚悟で一心に身を捧げるべきかとっ!
という事で美味しく食べてさしあげますから、大人しくしましょうねーっ☆

なんでも色々大歓迎♪
😘🍫💗




「わぁ! ケーキの後のおかわりはチョコさんですかっ?」
 ピリカ・コルテットは怪人を見るなり、おやつだやったー!と喜びの声をあげた。
「でもでも何だか、すっごくダークな香りですね! ビター過ぎるのはイケませんねっ!」
 美味しく味わう為にも、甘さ増し増しにしちゃいましょうっ♪

「『はーい、わたしですよーっ♪』」

 \ピカー―ッ/

 ユーベルコード『わたしですよ』によって全力でポジティブな眩い光りを放つピリカ。
 その眩さは怪人の嫉妬のオーラをもその光によって弱めていった。

「合わない相手にフラれたから、一体何ですかっ!? 貴方にぴったりな人は、探せば他にもいっぱいいる筈です!」
「そ、それは……しかし……」
 ピリカの光によって瘴気を削がれた怪人は、イマイチ反論の切れ味も鈍っている。
「私だって、チョコレートは大好きですよっ♪ 恋を味わいたいなら、まず自分が味わわれる覚悟で一心に身を捧げるべきかとっ!」
「味わわれる、覚悟……」
「そうですっ! という事で美味しく食べてさしあげますから、大人しくしましょうねーっ☆」

 そう言ってピリカは、がぶぅ!と怪人の頭に齧りついた。

「ぐああああいた痛たたたたたた!!」
「あぐあぐ」
 がっちりと歯を立てて、怪人が走り回っても喰らいついたまま一向に離れないピリカ。(歯が丈夫で顎の力も強い)

 結局どう足掻いてもピリカを取り外すことは不可能だったので、ピリカはもう装飾の一部として換算し、怪人はそのまま次の猟兵との戦いに挑む事にした。
(※以降のリプレイでは直接描写されていなくとも怪人の頭部にはピリカが噛み付いたままとして扱います)

大成功 🔵​🔵​🔵​

リシェリア・エスフィリア
【ロア・ネコンティ(f05423)と行動】

……私の心の中には今心にもないことを言った申し訳なさがかなりある
でも、戦術的に優しい言葉をかけるのが有効なのもわかる

ここは、ロアのお手並み、見せてもらう。
私を「やさしいあくじょ」、なんてからかうくらいなんだから、やってみせて欲しい。

私は【暗殺者の記憶】、で姿を消して相手に近づいておく。
ロアの言葉で油断が見えたら不意を打つ。
こちらは不意打ちに徹する分、ロアへの危険は可能な限り食い止めるよ。

「意外。わるいねこさんだった。あ、これは……褒めている、よ」
誘惑がうまくいったのを見たらぎこちなく褒める。


ロア・ネコンティ
リシェリアさんと一緒 (f01197)

作戦:異形頭とスーツってエモい

「フラれたのは服のせいです!」と怪人に声をかけ、コンコンして出したスーツ一式を(無理矢理でも)着せます。

・コーデ
チョコの顔はモルフォ蝶を思わせる青色の食用ラメで装飾。そこへタイトなストライプスーツ、本革靴に深青のカフスボタン。ネクタイは流行りのトリニティ・ノットで結び、遊び心を演出。

はい出来た異形頭のイケメーン☆バレンタインの伊達男完成〜!怪人さん超カッコイイです!フった彼女も見る目無かったですね!こんなに男前なのに!

↑隙を見てリシェリアさんに合図して袈裟斬りにしてもらいます。ビターエンド だけど仕方がないね。チョコだもの😘


リュー・メトカーフ
戦う前に、少しくらいお喋りでもどうかな
何でも彼女に振られたそうじゃあないか
私たちが戦う運命は避けられないだろうけれど、せめて君の気持ちくらいスッキリさせてあげたいのさ
色々その女性について言いたいこともあるだろう
私が聞き役になるから、是非とも話してほしい

怪人の話に興味津々に
出来る女のさしすせそを活用していこう

君も大変だったんだね
少し待ってほしい(手近な所をコンコンする)
おやこれは……ハートのチョコレート
ああ、これもまた運命だろう──私はその女性の代わりになれないかな

と此処でネタバラシ
『全部嘘』のプラカードを取り出して発条仕掛の虚凍だ
今度こそしっかり騙して揶揄わないと私がスッキリ終われないからね




「……私の心の中には今心にもないことを言った申し訳なさがかなりある」
 リシェリア・エスフィリアは、先程のケーキ怪人との戦いを経て、そう告白した。
 戦術的に優しい言葉をかけるのが有効なのもわかる。だが、やはり人を騙すのは気が引けてしまう。
「わかる」
 リュー・メトカーフはリシェリアの言葉に強い同意を示す。彼女もまた、リシェリア同様に他人を騙す事に抵抗を感じる清らかな心の持ち主だ(本人談)。
「リシェリアさんはともかく、リューさんは絶対に嘘ですよね、それ」
「おや、心外だな。こう見えて私は素直で優しくて顔がいいと巷で評判な筈なのだけどな」
 ロア・ネコンティ(泥棒ねこ・f05423)の疑念に、リューはしれっと答えてみせた。
「ともかく。相手が怪人とは言え、このまま人を騙し続けていると、あくじょが板についてしまう。魔剣の上にあくじょだなんて、それこそ誰も私の事を相手してくれなくなる」
 それは困る、とリシェリアは僅かに怪訝な表情を浮かべた。
「出た、優しい悪女……」
「わかる」
 まぁリューさんはホントに悪女かも知れないですけど、という言葉はそっと飲み込む。

「というわけで。ここは、ロアのお手並み、見せてもらう」
 私を『やさしいあくじょ』なんてからかうくらいなんだから、やってみせて欲しい――と、リシェリアは若干ご機嫌斜めの様子。
「では、任されました! 僕が怪人の気を引いて、リシェリアさんは隙を見て攻撃……という流れでいいですか?」
「うん、それでいい」
「任せてくれ」
 ユーベルコード『暗殺者の記憶』によってリシェリア(と見学者1名)は透明化して怪人の死角へと潜み。
 ロアによる囮作戦が始まった。

「いいですか、怪人さん。怪人さんがフラれたのは、ズバリ服のせいです!」
 そう言ってロアが取り出したのは、何処ぞでコンコンして調達したスーツ一式。
 これこそがロアの『異形頭とスーツってエモい』作戦だ!
「こう見えて僕、ファッションセンスには自信あるんですよ。なんせケットシーですからね。他人のコーディネートをするのが大好きなんです!」
 ケットシー云々の下りは今考えた思いつきでしかないが、とにかく適当に言葉を並べながら、あれよあれよと怪人を着飾らせていく。
「はい出来た! 異形頭のイケメーン☆ バレンタインの伊達男完成〜!」
 ほら、鏡を見てください! と姿見の鏡を何処からか持ち出して、怪人に見せる。
 その結果――、
「こ、これは……!」
 それは怪人も息を飲むほどの変貌ぶりであった。

 チョコの顔はモルフォ蝶を思わせる青色の食用ラメで装飾。
 そこへタイトなストライプスーツ、本革靴に深青のカフスボタン。
 ネクタイは流行りのトリニティ・ノットで結び、遊び心を演出。

 ……なんということでしょう。

 あの全身タイツでイロモノ枠でしかなかったチョコレート怪人が、今では映画のチョイ役で出てきてもおかしくないような洗練されたオシャレ怪人に。

「これが……私だと言うのか……?」
「怪人さん超カッコイイです! フった彼女も見る目無かったですね! こんなに男前なのに!」
 そしてロアは、リシェリアに手を振って合図を出す。
「――――、」
 静かに、音もなく振るわれる斬撃。
 その斬撃は怪人の背中を卸したてのスーツごと深々と切り裂いた。
「ぐうううううっ、油断した……!」
 リシェリアの斬撃を受けて、その場に倒れ伏す怪人。
「ビターエンド だけど仕方がないね。チョコだもの」
「意外。わるいねこさんだった。あ、これは……褒めている、よ」
 ほんのりと眉尻を下げて柔らかい表情を浮かべるリシェリア。

「最後に、少しくらいお喋りでもどうかな」
 優しげな表情を浮かべながら、リューは怪人へと歩み寄る。
「もはや滅びの運命は避けられないだろうけれど、せめて君の気持ちくらいスッキリさせて送ってあげたいのさ」
「…………」
「キミも最期に、遺言くらいあるだろう。私が聞き役になるから、是非とも話してほしい」
 リューの優しさに怪人は涙し、促されるままに語り始めた。

 ――オブリビオンになってから、初めてできた彼女だったんだ。
「さすが」

 ――付き合い始めて三か月。今年は母親と妹以外からもチョコが貰えると、楽しみにしていたんだ。
「知らなかった……」

 ――だけど先々週あたりから、メッセージを送っても既読すら付かなくなって……。
「すごい」

 ――気付けば電話も着信拒否されていた。
「センスがあるじゃないか」

 ――そこからはもう、何かムシャクシャして。バレンタインとか撲滅したくて……。
「そうか。君も大変だったんだね」

 リューは親身になって怪人の話を一通り聞き流してから、ちょっと待って欲しいと手近な地面をコンコンする。
「おやこれは……」
 そこから出てきたのは、ハート形をしたチョコレート。
「ああ、これもまた運命だろう──私はその女性の代わりになれないかな」

 ――なんて。

「『すまない。全部嘘なんだ』」
 『全部嘘』と書かれたプラカードを取り出し、怪人に見せつけネタバラシ。
 【騙された、という虚】の感情を与えた事で、リューのユーベルコード『発条仕掛の虚凍』が発動する。
 空気中の水分が凝固し巨大な氷塊を生み出すと、それは氷の礫となって怪人の元へと降り注いだ。
「悪かったね。騙したままで死なせてやるほど、私はやさしい悪女では無かったらしい」
 リューのトドメの一撃により、怪人は完全に息絶え周囲を満たしていた瘴気も一掃される。

 こうしてオブリビオンは討伐され、キマイラフューチャーに再び平和なバレンタインが訪れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『バレンタインコンコンガチャ』

POW   :    とりあえずあちこちをコンコン!集めまくろう!

SPD   :    エリアを調べて、珍しいチョコを探そう!

WIZ   :    チョコを加工して独創的なお菓子にしちゃおう!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵たちの活躍により、無事にバレンタイン本番を迎える前に『聖バレンタイン・コンコン広場』は人々の手に取り戻された。
 キマイラたちは猟兵に感謝し、プレオープンも兼ねて猟兵たちに貸し切りで『聖バレンタイン・コンコン広場』が開放される。

 ここからはいくらでもコンコンし放題のお祭りタイム。

 完成済みのチョコレートを探し求めるも良し。
 チョコレート作りの材料をコンコンするも良し。
 ラッピング素材をコンコンするも良し。

 さぁ乙女もそうじゃない人も、バレンタインを大いに楽しもう!
滝舘・穂刈
バレンタイン。日頃の感謝や愛を伝える日…。
ならば俺のすることは決まっている!!

その辺をコンコンしてチョコレートソースをとりだすぞ。
充分な量のチョコソースが手に入る頃には、この炊きあがりタイマーが光って、炊きあがりを知らせてくれるはず。

『ゴハンガ タキアガリ マシタ』

ジャーをあけて、たきたてご飯を茶碗にもり、チョコレートソースを上から綺麗にかけて、完成だ!

「さあ、ご飯への愛を詰め込んだチョ米だ!」
広場にいる人に勧めまくってお米を愛する人を増やすぞ。

(食べてもらえなかったら自分で美味しくいただきます)
(その前提ですが、お好きに取り扱ってください)




「バレンタイン。日頃の感謝や愛を伝える日……。ならば俺のすることは決まっている!!」
 スイハンジャーの行動には一切の迷いが無い。
 早速あちこちコンコンしながら、目当てのアイテムの探索を始める。
「(コンコン)生チョコ……違う、次!」
「(コンコン)酒チョコ……確かにご飯には合いそうだが、違う!」
「(コンコン)チョコフレーク……今度ふりかけにしてみてもいいかも知れないが、今は違う!」
 スイハンジャーはコンコンしては返品を繰り返し。そしてようやく、目当ての品を掘り当てた。
「(コンコン)おお……これだ! これぞ究極のチョコレートソース!」
 そしてちょうどよくスイハンジャーの炊飯ジャーから真っ白な蒸気が立ち上り、炊きあがりタイマーが光り輝き炊飯完了を告げた。
『ゴハンガ タキアガリ マシタ』
 蓋を開けば炊きたてご飯から美味しそうな匂いがふんわりと香る。
 スイハンジャーは慣れた手付きで杓文字を入れると、愛用の茶碗にたっぷりとご飯をよそった。

 アツアツのご飯、そしてその上にかけるのは濃厚なチョコレートソース。

「ついに完成したぞ……! これがご飯への愛を詰め込んだ『チョ米』だ!」
 さぁみんな、食べてみてくれ!と周囲の人間に勧めてみるが、お祭り好きのキマイラたちですらスイハンジャーの『チョ米』には一切手を付けようとしない。

「そんな……一体何がいけないって言うんだ……」
 スイハンジャーは自分で『チョ米』に口を付ける。ご飯の旨味とチョコレートの甘味。美味しい+美味しい=美味しい、この方程式に間違いは無い筈なのに……。

 ――これじゃダメだよ、スイハンジャー。
「この声は……穂刈!? 穂刈なのか!?」
 スイハンジャーの心の内に響く声、それはスイハンジャーの(ヒーローマスクとしての)宿主である滝舘・穂刈のものだった。

 ――スイハンジャー。この『チョ米』には、料理として決定的な弱点がある。それが何か分かるかい?
「『チョ米』の弱点、だと……?」
 スイハンジャーはまた一口、『チョ米』を食べる。間違いなく美味しい。だが確かに、どこか物足りないような……言葉に出来ない“何か”が引っ掛かる。

 ――まだ分からないのか、スイハンジャー! この『チョ米』は……ご飯が美味しすぎる。ご飯の味が、チョコレートの味に完全に“勝って”しまっているんだ!
「…………!?」
 その指摘を受けて、スイハンジャーは再び『チョ米』を食らう。
 確かに美味い。美味いがこれは『チョ米』と言うより、『美味しいご飯にチョコレートソースをかけたもの』と呼ぶのが正しい。
 ――炊きたてご飯にチョコレートソース、その着眼点は流石スイハンジャーだと言わざるを得ない。だが俺たちの米と一体化するには普通のチョコレートじゃダメなんだ。
「クソッ、俺とした事が……」
 ――いや、諦めるには早いぞスイハンジャー。ここはチョコレートの聖地。だとすれば……。
「そうか! このご飯に負けないチョコレートソースも、何処かに……!」
 ――そういう事だ! さぁ探そう、スイハンジャー! 俺たちの『チョ米』を完成させるんだ!

(ありがとう穂刈。相棒がお前で本当に良かった)

 スイハンジャーは己の相棒に感謝を告げると、最強のチョコレートソースを求め再びコンコンに向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カチュア・バグースノウ
自分用のチョコ探すわよー!
あとできたら高すぎじゃなさそうな義理チョコ二つ

自分用のチョコはねぇ
どんなのがいいかしら…
一口サイズで、プラリネでガナッシュでオランジェットでトリュフもいいなぁ
とにかく色んな種類のチョコをちょっとずつ食べたいわ!
ああ、抹茶チョコとかホワイトチョコのオランジェットもいいわね
考えてるだけで幸せ〜

この時期、本チョコが大事とか言うけど、やっぱりバレンタインは商戦に乗っかった自分へのご褒美よね〜
高いのからリーズナブルなのが選べるし?
普段は見れない珍しいチョコや可愛いのが食べれるし!
堂々と買えるのは女子の特権よね〜!

今年も満喫したわ!

アドリブ、絡み歓迎


パーム・アンテルシオ
%

好きなだけ集めてもいいの?本当に?
ふふふ、それなら…いや…うーん…
やっぱり、そんなにたくさんはいらないかな…?
それよりも、せっかく種類が沢山あるんだし。
お世話になってる人に渡すのに、ぴったりなチョコを見つけたいな。

ラッピングとかは…うん、後回しで。
まずは何よりも、チョコ本体を見つけないとね。
うーん…色は、ピンク色がいいな。春が似合う人だし。
それに、味は…ピンクならいちご味…いや、桜風味とか無いかな…?
形…形は…いや、お世話になってる人にあげるんだから、形ぐらいは自分で整えるべきだよね。

うーん、なかなか見つからない…どうしよう、抹茶で妥協しようかな…?
いや、でも…お礼を妥協するなんて…うーん。




「さぁ、自分用のチョコ探すわよー!」
 あとできたら高すぎじゃなさそうな義理チョコも二つくらい確保したい、とチョコレート広場を前に、気合十分のカチュア・バグースノウ。
「好きなだけ集めてもいいの? 本当に? ふふふ、それなら……いや、うーん。やっぱり、そんなにたくさんはいらないかな……?」
 パーム・アンテルシオも宝の山ならぬチョコの山を前にあれこれ頭を悩ませながら、取らぬ狐の皮算用。
「あなたはどんなチョコを探すつもりなの?」
 カチュアはふと、隣で思い悩む可愛らしい少女(パーム)に声を掛けてみた。
「私は……そうね。折角色んな種類のチョコレートがあるみたいだし、お世話になってる人に渡すのに、ぴったりなチョコを見つけたいな」
「あら、いいわね! 私もどんなチョコにしようかしら……」
 カチュアはうーん、とあれこれ想像を巡らせ思い悩む。
「一口サイズで、プラリネでガナッシュでオランジェットでトリュフもいいなぁとにかく色んな種類のチョコをちょっとずつ食べたいわ!」
「あ、そっか。味見なんかもできちゃうのかな?」
「ふふ。高級チョコレートの味見と言えば、バレンタインフェアの醍醐味なのよ?」
 抹茶チョコとかホワイトチョコのオランジェットもいいわね、とカチュアは想像だけでも幸せそう。
「はわー……上級者さんなのね。私はどんなチョコがいいかな…‥」

 ラッピングとかは――、うん。後回しで。
 まずは何よりも、チョコ本体を見つけないとね。
 うーん……色は、ピンク色がいいな。春が似合う人だし。
 それに、味は――ピンクならいちご味。いや、桜風味とか無いかな……?
 形。形は……いや、お世話になってる人にあげるんだから、形ぐらいは自分で整えるべきだよね。

 ブツブツと思い悩むパームの姿を、カチュアは楽しそうに眺めている。
「よし、それじゃ良かったらおねーさんと一緒にチョコを探さない? お互いに良さそうなチョコを見つけたら報告しあったり、交換したりしましょう!」
「わ、いいの!? 実はこういうのって、あまり慣れてなくて……よろしくね、お姉さん」
 ふたりは即席のチームを結成し、理想のチョコレート探しへと向かうのだった。


「この時期、本チョコが大事とか言うけど、やっぱりバレンタインは商戦に乗っかった自分へのご褒美よね〜」
 わ、このチョコ可愛い~、とカチュアは一粒摘んでは顔を綻ばせる。
 取り敢えず味見だけはしっかりとしつつ、未だに自分用の本命(?)も義理チョコも確保するには至ってない。
 一方、パームはと言うと……
「うーん、なかなか見つからない……どうしよう、抹茶で妥協しようかな……?」
 なかなか目当てのチョコが見つからず、不安そうな表情を浮かべていた。
 できればピンク色の、イチゴや桜のチョコが欲しい。
 でも基本的にはスタンダードなトリュフやハート型のチョコレートだとかが多くて、ピンク色となると未だにお目に掛かれてはいない。
 味見とかもしてみて、どのチョコも美味しいし、この抹茶のチョコだってとっても美味しくて、きっと気に入ってくれるという確信は持てるけど。

「諦めちゃダメよ!」
 そんなパームにカチュアが檄を飛ばした。
「もちろん、大変なら無理にとまでは言わないけど……でも妥協したくないって気持ちがあるなら、もう少し頑張ってみない? 私も一緒に探してあげるから、ね?」
 私もまだまだ食べ足りないし、と(怪人を口説いてた時とは比べ物にならない程の男前な笑顔で)笑いかける。
「お姉さん、とっても優しい……ありがとう!」
 パームはちょっと感動しながら、カチュアに礼を述べる。

 そんなこんなで二人はあちこち一生懸命コンコンして。
 カチュアは自分用に沢山のチョコレートアソートにシンプルな四角い箱の義理チョコをふたつと。
 パームはお目当ての桜風味のチョコレートと、ついでにイチゴのチョコも手に入れた。

 その後ふたりは製菓コーナーに立ち寄り、パームがチョコの成形に四苦八苦する姿をカチュアが優しく見守ったという。
(カチュアもちょっとだけ手作りに挑戦したが、途中で職員に止められた)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ポケッティ・パフカニアン
今、チョコ食べ放題って言った!?
ちょっと!こういう話は一番に教えてって前にも言ったでしょ!?
もうそろそろ全部終わってる頃!?だったら尚更急いで転送しなさいよ!あんたにも取ってきたの分けたげるから!

●POW
さーて、ここがあのチョコのハウスね!
ふふーん、自由にしていい、なんて言われたら、そりゃもう好き放題に持っていくしかないでしょ!
材料とかラッピングなんかは別にいいから、完成済みのヤツをガンガン持っていくわよ!食べられるヤツをね!
板チョコ!よし!トリュフ!いいわね!チョコケーキ!?そんなもんまであるの!?
さーて、十分集まったわね!
…ちょっと多かった?
…えーっと…誰か、持って帰るの手伝ってくれない?


水衛・巽
%×10

うーん、ラッピングも料理も得意じゃないから、
ここは完成品を狙うということで。
姉と妹が沢山いるから、チョコはいくらあっても困らないのよね。
…別にいいじゃないきょうだい同士で贈りあったって。
うちは皆で交換してるんですー。友チョコみたいなものですー。

さて、コンコンするって言ってもどんなの狙いましょうかね。
姉達は全員成人してるし、リキュールとか入ってるのがいいかしら。
妹達にはあれね、プリントショコラ。綺麗なのが出るといいけど。

一応自分用にもひとつ狙おうかしら。
アレ好きなのよね、
オレンジピールとかドライオレンジにチョコ掛かったやつ。
美味しいの出るかな?




 ――グリモアベースにて。
「今、チョコ食べ放題って言った!?」
 鬼気迫る勢いで全身を乗り出し、グリモア猟兵を問い詰めるポケッティ・パフカニアン(宝石喰い・f00314)。
 唾まで飛んできそうな距離に、グリモア猟兵は若干面倒臭そうな表情を浮かべながら顔を背けポケッティを遠ざける。
 チョコ食べ放題だと説明した覚えはないが、まぁ実質食べ放題には違いない。
 グリモア猟兵がそう答えると、ポケッティは悔しそうな表情で唸り声をあげる。
「ちょっと! こういう話は一番に教えてって前にも言ったでしょ!?」
 言われた覚えはないが――という反論に、ポケッティは一切耳を貸す気がない。
「うそろそろ全部終わってる頃!? だったら尚更急いで転送しなさいよ! あんたにも取ってきたの分けたげるから!」
 グリモア猟兵は溜息を吐くも、ポケッティを現場へと送り届ける事に異存はない。
 ようやく開かれた異世界への扉に、ポケッティは一目散に飛び込んでいった。


「さーて、ここがあの女のハウス……もとい、チョコ広場ね!」
 自由にしていい、なんて言われたら、そりゃもう好き放題に持っていくしかないでしょ!
 ふふーん、と得意げにポケッティが鼻息を荒くしていると、近くに先客を見つける。
 姉と妹に贈るチョコレートを吟味していた水衛・巽だ。

「うーん、ラッピングも料理も得意じゃないから、ここは完成品を狙うということで」
「賛成ー! 材料とかラッピングなんかは別にいいから、完成済みのヤツをガンガン持っていくわよ! 食べられるヤツをね!」
「えっ……?」
 独り言のつもりがどこからともなく生えてきた突然の同意。
 振り返ればそこには爛々と瞳を輝かせる妖精の姿があった。
「それであんたはどんなチョコを狙ってるの? あたしはもうありとあらゆるチョコを摘んだり持ち帰ったりするつもりだけど……」
「んー、そうだなぁ。ワタシはリキュールの入ってるやつとか、あとはプリントショコラとかを狙いたいと思ってる。綺麗なのが出るといいけど」
「リキュール入り……さすがにあたしが食べたら怒られちゃいそう。あんたは平気なの? あんたも未成年でしょ?」
「チョコに入ってるくらいなら多分平気だとは思うけど、そもそもワタシ用じゃなくて姉用なのよね。うちには姉と妹が沢山いるから、皆で交換してるの」
「へぇ~……いいわね、そういうのも! 楽しそう!」
 巽は素直に好感を示してくるポケッティに若干の照れ感じつつ、思わぬガールズ(?)トークは楽しくもあり。
「それじゃ頑張って良いチョコ探しましょ! 要らないチョコはどんどん引き取るから、しらみつぶしにコンコンするわよ!」
 やる気たっぷりのポケッティを眺めながら。たまにはこんな共闘も悪くないな、と巽は思った。


「板チョコ! よし! トリュフ! いいわね! チョコケーキ!? そんなもんまであったの!?」
 一通りの探索を終えて、戦利品を確かめるポケッティと巽。
「巽もいい感じに揃えられたみたいで良かったじゃない。あ、お酒入りのはやめとくけど(グリモア猟兵への配慮)、そのオレンジのやつはあたしにもちょーだい!」
「うん、いいよ。……そうだ。折角だしワタシも、ポケ子ちゃんのケーキ貰っていい?」
「もちろんいいわよ! 交換ね!」
 巽の提案に、ポケッティは笑顔で応えた。
 リキュール入りのチョコに日本酒チョコ、色とりどりのプリントショコラに自分用のオランジェット。
 加えることの、ポケッティから貰ったチョコレートケーキ。
 たくさんのチョコを揃えられて、巽も満足そうな表情を浮かべていた。

「さーて、チョコも十分集まったし。それじゃ帰りま――ムギッt!」
 急に潰れたゴキブリのような声を上げるポケッティ。
 見ればあまりに膨れあがった荷物を持ち上げられず、必死に踏ん張っているところだった。
「ちょっと多すぎたわね。……えーっと、巽? よかったら、その、持って帰るの……手伝ってくれない?」
「もう、ポケ子ちゃんは欲張りすぎなんだよなぁ。気持ちは分からないでもないけど」
 これでいい? と、巽はポケッティの荷物を持ち上げる。
 その袋は見た目よりも案外ずっしりとした重みがあったので、フェアリーの身体にはそりゃ大荷物だろう。
 悪いわねー、とあんまり悪く思って無さそうに照れ笑いをするポケッティ。
 巽はなんだか、手の焼ける妹がもうひとり出来たかのような気分だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
アドリブ歓迎

どれだけコンコンしてもいいって?
甘いものが好きか嫌いかで聞かれればまあ好きだし
それが山ほど食えるってんならそりゃうれしい
今日は焦げた肉を食わなくてすみそうだ
今日のご飯をチョコにする事を決めて

…そういやキマイラフューチャーにくんのも初めてだな
えーっと叩けばいいんだったか?
(わくわくとプレゼントを開く子供の様な顔でコンコン)
おおー!すげえなこれ!
いろんな所をコンコンしてチョコを集めまくる
だんだんコンコンすること自体が楽しくて目的になりかけてくるけど…まあ、食うからいいだろ

ああそういや…
さっきのケーキ
俺のモンにしてやるっていったっけな
出てきたホットチョコと一緒に味わう
うん、やっぱうまいな




 ――『コンコン』。
 それはキマイラフューチャー独自の文化。
 都市の適切な場所を適切なタイミングでコンコンとノックすると、何故か食べ物や衣服や道具やらが出てくるらしい。

 初キマイラフューチャー初コンコンに、わくわくと少年のように瞳を輝かせるセリオス・アリス。
「えーっと叩けばいいんだったか?」

 コンコンコン。
 
 セリオスは適当にあたりをつけた壁を3回ノックすると、ビヨーンとラッピングされたトリュフが壁の中から飛び出してきた。
「おおー! すげえなこれ!」
 初めて見る仕掛けにテンションの上がるセリオス。
 甘いものが好きか嫌いかで聞かれればまあ好きだし、それが山ほど食えるってんならそりゃうれしい。
 いい加減、焦げた肉にも飽きたところだ。
 セリオスは今日の食事をチョコにする事を心に決めた。

 コンコン!(「おおー、すげえ!」)
 コンコンコン!(「いいねぇ、美味そう」)
 コンコンコンコンコン!(「うわっ、なんだこれ! おもしれー!」)

 だんだんチョコを探すよりもコンコンそのものが楽しくなってしまい、気付けば凄い量のチョコを集めてしまった。
 残さず食うんだから問題ないだろ、とは本人の談。

「ああそういや……」
 セリオスはチョコ集めをしながら、最初の戦いで持ち帰ったケーキの事を思い出す。
 あのケーキ、俺のモンにしてやるっていったっけな。
 ちょうど良いし休憩にしようと、セリオスは近くのテーブルに腰掛ける。
 箱からケーキを取り出し、切り分ける。お供はコンコンで手に入れたばかりのホットチョコだ。
 セリオスは皿に盛ったケーキにフォークを突き刺し、大きく口を開けて齧り付く。
「うん、やっぱうまいな」
 見た目はもちろん、味だって悪くない。俺の見る目に間違いはなかった。

 セリオスはそのまま黙々とケーキを食べ進め、あっという間に平らげる。
 かつて売れ残りだったケーキは、そのケーキとしての生涯をここで閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小宮・あき
コンコンし放題…!?
チョコレートを!? え、ホント? マジですか?
やったあ、バレンタインの経費、相当浮くわ…!

自身が運営するホテル(旅団)でバレンタインイベントを企画中。
どうやっても膨大な経費が掛かるな、と考えていたところでした。
資金に困っている訳ではありませんが、抑える経費は抑えるのが有能な経営者というもの。
コンコンしてチョコレートが出せるなら、全力でコンコンしまくりますよ!

トリュフ、生チョコ、マカロン、ブラウニー、クッキー、マフィン、フォンダンショコラ♪

…は。持って帰れるのって、装備分だけ…!?
白い袋に詰めれば、持って帰れるかしら?
サンタクロースのような大きな白い袋を担いで帰りましょうか。




「えっ、コンコンし放題……!? チョコレートを!? え、ホント? マジですか?」
 思わぬ新事実の発覚に、小宮・あきは驚きを隠せない。
 そう、マジなんです。しかもお値段は基本無料。
「やったあ、バレンタインの経費、相当浮くわ……!」
 せっかくのバレンタイン、あきは自身が運営するホテルでバレンタインイベントを企画していた。
 従業員も含めれば、ホテルペンドラゴンの関係者の数は既に50名を越えている。臨時の出費にしてはちょっと痛いと思っていたところだ。
「資金に困っている訳ではありませんが、抑える経費は抑えるのが有能な経営者というもの。コンコンしてチョコレートが出せるなら、全力でコンコンしまくりますよ!」
 乙女として、支配人として。
 あきは情熱を燃やしながらチョコレート発掘に励むのだった。

 コンコン、コンコン、コンコン。

 せっかく用意するなら色んな種類があった方が盛り上がるというもの。
 トリュフ、生チョコ、マカロン、ブラウニー、クッキー、マフィン、フォンダンショコラ♪
 お客様や従業員のみんなが喜ぶ顔を思い浮かべながら、誰に何を贈ろうか、或いはくじ引きにするのも良いかも知れない、などと想像を巡らせつつ。あきは出てきたチョコを袋へと丁寧に詰めていく。

 帰りは郵送してもらった方が便利かな、なんて事を考えたあたりで、あきはある事に気が付いた。
「……は。持って帰れるのって、装備分だけ……!?」
 あきは、ホテルペンドラゴンはキマイラフューチャーの施設ではない。
 つまり一度、グリモア猟兵にテレポートして貰う必要があるのだ。
 そしてグリモア猟兵のテレポートは、猟兵とその装備品程度しかテレポートできないはず……。
「白い袋に詰めれば、持って帰れるかしら?」
 サンタクロースを想像しながら、大きな白い袋を用意して。
「みなさん、待っててくださいね。何とか担いで持って帰りますから……!」

 とは言うものの、この量をあきひとりで持ち帰るのは容易ではない。
 ――はてさて、これからどうしたものやら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュー・メトカーフ
ペチカ(f01228)と共に
ギドも良ければ

ペチカ、バレンタインとは楽しむものなんだ
ペチカもギドが面白い顔をしたら楽しいだろう?
そういうことさ

これはコンコンしたら出てきたロシアンチョコレート(4×4の16個入り)
誰が当たりを引くかの勝負をしようじゃあないか
場面説明終わり

ルールの説明をしよう!
一人ずつチョコレートを食べていき、当たりを引いたら負けだ
因みに全て違う味なので楽しく食べることができるよ

尚予めチョコレートには細工済み
目立つように配置された唯一のハート型が当たりと私とペチカは知っている
ギド、私の愛を受け取ってほしい

ギドはそれに気づいても気付かなくてもいい
私はその制裁を受けても受けなくてもいい


ペチカ・ロティカ
リュー(f01051)といっしょに、ついでにギドをひやかしに。

リュー。リュー?そもそもバレンタインってこういうものなの??
ペチカにはよくわからない…でも「バレンタインは真っ赤なダーナ」なら聞いたことがあるの
つまり、チョコは赤い方がいい。あのハートはそういうこと
(赤ワインとトマトと鷹の爪を配合)

ペチカにとっては「おいしい」よりも、「からい」の方がわかりやすい
だから大抵の物は黙々と食べるだけになってしまうの
「当たり」は譲るつもりだけれど、誰も食べないならペチカが食べるの
フリじゃないのよ(フリです)

でもリューがチョコに込めた愛(と悪戯)と
ギドの受け取る表情を見たいので、そこの所よろしくお願いしたいの




 聖バレンタイン・コンコン広場の片隅に設けられた製菓コーナー。
 そこでは乙女ふたりがチョコレート作り……? に興じていた。
「リュー。リュー? そもそもバレンタインってこういうものなの??」
 ペチカ・ロティカ(幻燈記・f01228)は疑問顔。
 何故かって。作っているチョコレートがあまりに特別製だから。
「ペチカ、バレンタインとは楽しむものなんだ。ペチカもギドが面白い顔をしたら楽しいだろう? そういうことさ」
「そういうことなの?」
「そういうことさ」
 リューは得意げに答えた。
 ペチカにはよくわからない。でも『バレンタインは真っ赤な●ーナ』というフレーズなら聞いたことがある。
「つまり、チョコは赤い方がいい」
 湯煎のホワイトチョコにトポトポと注がれる、赤ワインとトマトと鷹の爪。
 後はなんかこう、不思議な力が働いて――完成したのは真っ赤なハートのチョコレート。
 ふたりは完成したハートを手元のチョコレートアソートに紛れ込ませ、見知りのグリモア猟兵の元へと向かった。


 ルールの説明をしよう!
 一人ずつチョコレートを食べていき、当たりを引いたら負けだ。
 因みに全て違う味なので楽しく食べることができるよ!

「……というわけだよ、ギド。誰が当たりを引くかの勝負をしようじゃあないか」
 そう言ってリューは、さきほど『当たり』を仕込んだロシアンチョコレート(4×4の16個入り)を取り出してみせた。
「なるほど」
 見るからに1個だけ真っ赤なハート、残りは普通のチョコレート。
 ギドはそのチョコレートと不敵な表情を浮かべるリューを見て、大凡の意図を察した。
 そしてリューは恐らく、ギドが察することも織り込み済みで楽しんでいるのだろう。性格が悪い。性根が曲がっている。
「それではリュー嬢、お先にどうぞ」
「いや、これは私たちからギドに贈ったものなのだから。先に選んでくれて構わない」
「そうか。しかしチョコレートの数は16個に見えるのだが。仮に最後の1個が残った場合はどうするのだろうか?」
「ふふ。それはもちろん、ギドにプレゼントするよ」
「そうか、ははは」「ふふふ」
 にこやかに会話を交わすリューとギド。既に心理戦は始まっている。

「それじゃ、ペチカが先に貰うわね」
 ペチカはひょい、とチョコをひとつ摘んで口の中へと放り込む。
 選んだのはハート型ではなく、他のチョコレート。
「どうかな、ペチカ嬢。お味の方は」
「よくわからないけど、多分……『おいしい』?」
 特に美味しそうな表情を浮かべるでもなく、黙々と咀嚼するペチカ。
「……。では続いて、私もいただこう」
 ギドは適当に(ハート型ではない)チョコを選び、食べた。おいしい。
「次は私の番だね。……、セーフだ」
 リューもチョコを選んで食べる。
 その後も三人は黙々とチョコを食べ進めていき、当然最後に残るのはハート型のチョコレート。

「ギド、私の愛を受け取ってほしい」
「残念だな、リュー嬢。私は妻帯者なのだ。せめて妻と出会う前に貴嬢と出逢えていれば気持ちも揺らいだかも知れぬのだがな」
「私は二番目でも構わないのだよ?」
「ははは、ペチカ嬢の見ている前でそのような事を口走ってはならぬと言うのに」
「そうか、ではせめて思い出としてチョコレートだけでも……」
「ふふ、あいにく私は食べ物をあまり粗末にはしたくない性質でな。不味いと分かっている食べ物を進んで食らってやるほど優しくもなれぬのだ」
「そんな、不味いだなんて食べもせずに……私とペチカが一生懸命作ったというのに」
「おや、コンコンしたと聞いていたのだが……そうか、特注か」
「ふふ」「ははは」
 笑顔で語らうリューとギド。
(ふたりとも、仲がいいのね。これがバレンタイン。これがふたりのベストプレイス)
 ペチカは笑顔で語らうふたりを見て、その胸の内に温かなこころを灯した(確定ロール)。
「でも残すのは勿体無いし。ふたりとも要らないなら最後の1個はペチカが貰うの」
 そう言ってペチカは最後のハート型チョコを摘んで、頬張る。
「…………」
「…………」
「…………」
 沈黙する三人。

「……ペチカ嬢、お味の方は?」
「これはペチカにも分かるのよ。――『からい』」
 しかし、ペチカの表情はさほど変わらない。
「……これは食育が必要だな」
 ギドが唸る。
「食育って?」
「ギドがご馳走を奢ってくれるという事さ」
 きょとんとした表情を浮かべるペチカに、リューは優しく(そして茶目っけたっぷりに)微笑みながらそう告げた。
「ペチカ嬢にご馳走するのは構わぬが、悪戯娘はどうしたものかな」
 ギドもまた、意地の悪い笑みを浮かべながらリューを見る。
「これは手酷い。女に恥をかかせた上に、食事まで与えられないなんて。なかなか歪んだ性癖をしている」
「性癖……?」
「ロリコンということさ」
 リューは嘆かわしいね、と溜息をひとつ。
「どうやらリュー嬢は本格的に食事抜きをご所望らしい。さて、行こうかペチカ嬢。まずは簡単なコース料理から始めよう」
 戯言を抜かすリューの事は放っておいて、さ、こちらへどうぞとギドはペチカのエスコートを開始した。
「ええっと。つまり、ペチカはギドに囲われているの?」
 こちらは特に冗談で言っている風でもなく、純粋な疑問を持ったように首を傾げるペチカ。
 その言葉には、流石のギドも溜息を吐いて。
「……やはりペチカ嬢は、リュー嬢と縁を切るべきだな」
「流石にそれは横暴というものだよ、キミ」

 わいのわいのと騒ぎながら。
 最終的に三人はファミレスでご飯を食べて帰ったらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

チョコは特別好きというわけでもないのですが、まあせっかくですし、コンコンしてみましょうか。

製菓材料やラッピング材料を手に入れたところで、私にはチョコを作って贈るような相手はいないですし……。
…ふむ、珍しいチョコがないか探してみましょう。

ダーク、ミルクにホワイト、そしてルビー…ですか。
一概にチョコレートと言っても様々な種類があるんですね。なかなか興味深い。
それに形もいろいろあるんですね。へぇ、一見チョコっぽくないこんなものまで、あれも、それも。
探求心から夢中になってコンコン、コンコン……。
俺としたことが、ちょっと採りすぎてしまったか?

採りすぎた分は誰かに差し上げましょう。
……誰に?


ユーノ・エスメラルダ
バレンタイン、素敵な行事です!

まずは今は亡きチョコレート怪人さんやケーキ怪人さんへ。
チョコを積み上げてお墓っぽくして祈りを捧げます。
どうか、彼らの次の生が良きものとなりますように…魂に救いを。

これでよし、ユーノも楽しむ!

ユーノはいっぱいコンコンしてあまいものを集めて、キマイラさんたちにも猟兵さんたちにもいっぱい配るよ!
ユーノはみんなを愛します!

・絡みなどおまかせします。
・アドリブもOKです




「チョコは特別好きというわけでもないのですが、まあせっかくですし、コンコンしてみましょうか」
 有栖川・夏介はぼんやりとした表情を浮かべながら、バレンタイン広場を散策する。
 周囲には楽しそうにはしゃぐ猟兵たち。普段は戦場を共にする彼らがこうしてはしゃぐ姿を見るのは少し新鮮というか、不思議な感覚もあった。
 製菓材料やラッピング材料を手に入れたところで、夏介にはチョコを作って贈るような相手はいない。
 なので夏介は、取り敢えず自分用ということで珍しいチョコを探し始めた。

「一概にチョコレートと言っても様々な種類があるんですね。なかなか興味深い」
 あちこちコンコンしながら、チョコレートを集める。
 ダーク、ミルクにホワイト、そして今年流行りのルビーチョコ。
 それに形もいろいろある。
 丸いトリュフにハート型、中には動物を模したものやチョコレートの人形まで。
 他にはチョコレート製の拷問具だとか。これなんてチョコとしても拷問具としてもどうなのだろう……。
 夏介は持ち前の研究心から、コンコン、コンコンと夢中になってチョコレートの収集を続ける。
 気が付けば、手持ちのチョコレートはかなりの量に膨れ上がっていて。

「俺としたことが、ちょっと採りすぎてしまったか?」
 流石に自分用にしては多すぎる。
 採りすぎた分は誰かに差し上げよう――と思い至ったところでふと気がつく。
「差し上げるって……、誰に?」
 そもそも贈る相手が居ないからこそ自分用のチョコを集めていたのに、本末転倒。
 どうしたものかと夏介は途方に暮れていると、不意に横から声が掛かる。
「ふふ、どうやらお困りのようですね。でしたらユーノにお任せです!」
 そこに佇むのは、笑顔で両手にチョコレートを抱えるユーノ・エスメラルダ。
「さてはあなた、ついついチョコを採りすぎて持て余している――そんな顔をしています! でしたら、ユーノに名案があります。さぁ、ついてきてください!」
 自信満々にウィンクをするユーノ。
 夏介は少し呆気にとられながらも、取り敢えず彼女の後についていくことにした。


 遡ること少し。
 ユーノは今は亡きチョコレート怪人やケーキ怪人にチョコレートを積み上げお墓を作り、冥福の祈りを捧げていた。
「どうか、彼らの次の生が良きものとなりますように……魂に救いを」
 祈りを捧げるその姿は、まさに聖者と呼ぶに相応しく。
「……これでよし。それじゃ、ユーノも楽しむ!」
 祈りを済ませるとユーノはにこりと普段どおりの笑顔を浮かべ、聖者から少女へと――そのスイッチを切り替えた。


「そんな訳で有栖川さん。キマイラさんたちにも猟兵さんたちにも、いっぱいチョコを配りましょう!」
「あ、うん……」
 取り敢えずユーノに誘われるがままについてきたものの。どうやら彼女は一緒にチョコ配りをしよう、と誘ってくれたらしい。
 どうせそこら中をコンコンすればチョコなんていくらでも手に入るのに、わざわざ自分たちがチョコを配る意味はあるんだろうか。
「――と、言いたげな顔をしてますね? 有栖川さん!」
「えっ……いや、その」
 考えを見透かされ、ずずいっとユーノに問い詰められる夏介。
「いいですか? バレンタインにいちばん大切なもの――それは『愛』です!」
「……『愛』?」
「はい! コンコンすれば美味しいチョコは手に入ります。しかし、そこにまだ『愛』は詰まっていません。人々はこのチョコに、各々が抱く『愛』を込め、互いに贈り合うのです! そう。ですから! ユーノはみんなを愛します!」
 瞳に情熱の炎を灯し、熱く愛を語るユーノ。
「『愛』……」
 そんなもの、自分は持ち合わせているのだろうか。
 そもそも持ってるかどうかさえ怪しいのに、ましてやそれを他人に配るなんて。
「あまり難しく考える必要はありませんよ。『愛』と一口に言っても、それはピンからキリまで幅広くあるのです。チョコをあげたい、笑顔になって欲しい――そんな些細な気持ちでも、それは立派な『愛』なのです!」
 ユーノは近くのキマイラの子供にチョコを配りながら、有栖川さっmも、と笑顔で促す。
 夏介は少し戸惑いつつも、ユーノに倣う。
「えっ、と……どうぞ」
 愛想は振り撒けないまでも、硬い表情のままキマイラの子供に拷問具のチョコを手渡してみた。(手渡してから、よりによってこれを渡すのもどうなんだと思ったが、既に手遅れだった)
「うわっ、めちゃめちゃカッコイイ!! ありがとーにーちゃん!」
 キマイラの子供は大層喜んで、手枷や拘束ロープを振り回しながら広場の何処かへと駆けていった。
「さすがです、有栖川さん! ナイスラブ!」
 ユーノが夏介にぐっ、と親指を立てる。これで良かったんだろうか、と夏介は少し苦笑い。

「荷物が軽くなったところで、有栖川さんにも……はい、お裾分けです! ユーノの愛を受け取ってください!」
 にこっと笑ってユーノは夏介にチョコを差し出す。
「えっ……と、……どうも」
 ポリポリと頬を掻き、夏介はユーノのチョコを受け取る。どういたしまして!とユーのは答えて。

「どうですか、有栖川さん! バレンタイン、楽しくないですか!?」
「……まぁ、そう――ですね」
 チョコ探しも、チョコ配りも。
 意外に悪くない時間を過ごせたんじゃないかと、そう思えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イリスロッテ・クラインヘルト
😘

ランちゃん(f08127)とペア
これでイリス達の女子力は完璧なはずなのです!

◆れっつこんこん
イリスはいちごのと、チョコペンとかが欲しいのです!
ラッピングは可愛いのがいいですね(こんこん

◆料理は愛情
イリス知ってますのです
チョコは溶かして固めると手作りチョコになるのです
そしてイリスの様な初心者はそれが一番なのです!
…なぜならこれは、差し上げる物なのですから
(真剣な顔つきでトッピング)

◆dear
出来たのですー!
完璧なロッテちゃんチョコなのです!
(ピンクの垂れ耳うさぎチョコ。ちょっとお顔が芸術的)

これはランちゃんにあげるなのです!
友チョコというやつなのです
美味しく食べてあげて欲しいのです!


ラン・ムラノミヤ
😘
イリスさん(f06216)と共に
恋とはいまだ闇の中ですが……お菓子作りならばどうにか
まあ、食べれる物はできると思いますよ

コンコン?……本当に出てきおった。えらいけったいな絡繰やなあ……
「ちょこ」と、粉もありますか?あるんですか。串も……あるんですか
それでは、少しばかり昔取った杵柄を

イリスさん、ちょこはどうすれば……ふむ、溶かせばよいのですね(ちらちら)
では、幾分かは練り込んで、残りは中身に
(こねこね)……懐かしい、ですね

茹で上がって、冷まして……出来ました
(串に刺さったチョコ団子)
イリスさん、約束のお団子です
おや、そちらも……?
ふふっ、ランちゃんは兎好きですよ
折角なので一緒に食べましょうか




「さぁチョコ作りです! これでイリス達の女子力は完璧なはずなのです!」
「恋とはいまだ闇の中ですが……お菓子作りならばどうにか。まあ、食べれる物はできると思いますよ」
 むん、と気合を入れるイリスロッテとラン。
 そして彼女らが訪れたのは、製菓材料が中心に手に入ると言われている一角。
「イリスはいちごのと、チョコペンとかが欲しいのです! ラッピングは可愛いのがいいですね」
 イリスロッテはコンコンコン、と壁を叩く。
 すると壁から飛び出してきたのは、イチゴ風味のチョコレート。
「わーーい! 早速当たりなのです!」
 ぴょんこぴょんこと喜ぶイリスロッテ。
「本当に出てきおった。えらいけったいな絡繰やなあ……」
 ランはほへー、と初めて見る仕掛けに驚きながら。
「ではランちゃんは……そうですね、適当な『ちょこ』と、粉……」
 コンコン。
 ぴょいん、と出てきたのは、白玉粉。
「……あるんですか。後はなんか都合よく、串とか」
 コンコン。
 ぴょいん、と飛び出す竹串。
「――あるんかい! ……コホン、いえ。これでランちゃんは大丈夫です。イリスさんは……大丈夫そうですね」
 イリスロッテは『スカイステッパー』でぴょんぴょこ空中をレベル回まで飛び跳ねながら、「ふおおおー!」とか「あったですー!」とか叫びながらあちこちコンコンして材料を掻き集めていた。


 というわけで、製菓コーナー。
「ランちゃん、料理は愛情です!!」
「はい、先生」
 ふたりはエプロンを付けて調理台の前に並ぶ。
 用意されているのは湯煎とボール。流石にチョコを直接火にかけるような、お約束のミスは犯さない。
「イリス知ってますのです。チョコは溶かして固めると手作りチョコになるのです。そしてイリスの様な初心者はそれが一番なのです!」
 ……なぜならこれは、差し上げる物なのですから。
 自分用ならどんなに失敗しても気にしないけど、これはプレゼント用。
 下手に背伸びはせずに、自分に作れるものを。
 チョコを手作りするなら、それは大事な心掛けだろう。
「イリスさん、ちょこはどうすれば……ふむ、溶かせばよいのですね」
 ちらちらとイリスロッテの様子を見ながら、その行程を真似ていく。
 湯煎でチョコを溶かし、一部はそのまま、一部は白玉粉と一緒に練り込んで。
 昔取った杵柄。意外なことに、その手付きは慣れたもの。
「……懐かしい、ですね」
 もちもちとチョコ生地を捏ねながら、ランは郷愁の念に駆られる。
 ランは完成した生地を丸めて、中に具材としてチョコレートを詰めた。
 あとは茹であげて、冷まして、串に刺せば……特製チョコ団子の完成だ。
「イリスさんの方は……?」
 再びイリスロッテの様子を見ると、彼女は真剣な顔つきでお手製チョコにチョコペンで最後のトッピングを施していた。
「出来たのですー! 完璧なロッテちゃんチョコなのです!」
 ロッテちゃん――イリスロッテがいつも抱える兎のぬいぐるみを模したチョコレート。(※間違ってもお菓子メーカーの名前ではない)
 ピンクの垂れ耳うさぎチョコ。ただしその顔はちょっと先進的な芸術にて彩られている。

「どうぞイリスさん、約束のお団子です」
「ランちゃんもどうぞなのです! 友チョコというやつなのです、美味しく食べてあげて欲しいのです!」
 互いに完成したチョコを交換し、にっこりと笑顔。
「ふふっ、ランちゃんは兎好きですよ。折角なので一緒に食べましょうか」
「はいです!」
 近くのテーブルに座り、飲み物なども用意して完成したチョコに舌鼓。
 味の方は、もちろん専門店のチョコレートには負けるけど――それでも互いの愛情がたっぷり詰まった手作りチョコには、手作りなりの良さがある。

 笑顔で語らうふたりを見て、ゴリラと呼ぶ者はもう誰もいないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
%

おいギド、これよォ~~~するに何すりゃいいわけ??
バレンタインのチョコ作りィ???
する意味あるかァ????

だってありゃァ本来女が作るモンじゃねェーのかよ
まァ元はといや、それですらねェーけど

日頃の感謝ねェ~~~~
ギドはそォーいうのしねェーの?
オレ??オレは日々日頃から感謝しっぱなしだぜアブヒャハハハ!!!!

適当に土産にでも持ち帰ってもいいかもなァ~~~~~~


ピリカ・コルテット
ぴこーんっ!コンコンってチョコガチャだったんですね!
何だかとってもわくわくしてきましたよー♪
怪人さんの頭は中々に大人な味わいでしたので、
甘~いチョコを食べてお口直ししましょうっ☆

欲望全開で、とにかくコンコンしまくりますよーっ!!(POW値お察し)
目指すはお宝のSSRチョコです!ガチャは根気強くっ!
きっと普段は手に入らない、限定チョコが何処かに……!?
こういうのは掘るのも楽しいんですよねっ♪コンコンぴこーん!

作る方は全然ですから、チョコ以外に出た素材は全て、
近くの人にプレゼント(不要物押し付け)しましょうっ!あげます☆
言い出しっぺのギドさんがいたらそれもベストですね!

諸々大歓迎ー♪
😘🔄❔🔄




「おいギド、これ……よォ~~~するに、何すりゃいいわけ??」
「さて、折角のコンコン広場だからな。目当てのチョコを探してコンコンするなり、意中の相手に手作りチョコでも作れば良いのではないか?」
 絡み越しのジン・エラーに、素っ気なく応えるギド。
「バレンタインのチョコ作りィ??? する意味あるかァ????」
 だってありゃァ本来女が作るモンじゃねェーのかよ。まァ元はといや、それですらねェーけど――と、ジンはいまいち気乗りがしない様子。
「意味があるかを決めるのは貴殿次第だろう。それを言い出せば、世の行事の大半は無意味ということになる。意味があるかどうかではない、意味を見出だせるかどうか、だよ」
「はァ~~~ん……」
 で、結局どーすりゃいいわけ? と相変わらずな態度のジンを見て、ギドは笑う。
「ふふ、あまり腐るな。例えばあの子など見てみろ、この上なく楽しそうにはしゃいでいるではないか。貴殿に分かりやすく言い換えれば、そうだな。『人生楽しんだモン勝ち』――、というヤツだ」
 そう言って指し示すその先では、ピリカ・コルテットがこの上なく楽しそうにあちこちコンコンして回っていた。


「ぴこーんっ! コンコンってチョコガチャだったんですね! 何だかとってもわくわくしてきましたよー♪」
 ピリカはガチャという言葉に弱い。無料10連も何のその、リセマラし放題の取り放題。
 これはもうコンコンしまくるっきゃない!
「怪人さんの頭は中々に大人な味わいでしたので、甘~いチョコを食べてお口直ししましょうっ☆」
 欲望全開の垂れ流し。目指すはSSRの激レアチョコ!
「きっと普段は手に入らない、限定チョコが何処かに……!? こういうのは掘るのも楽しいんですよねっ♪」

 コンコン、ぴこーん!


「……どうだ、楽しそうだろう?」
「ブゲヒャヒャフャハ……いや確かになァ~~~~、けどギドよォ、だったらお前もコンコンして回ってきたらどうなんだァ?」
「いや、遠慮するが」
「だよなァ~~~ブヒャハハハ!!!」
 互いにはしゃいでコンコンして回る姿が似合うとも思えぬ可愛げのない男同士。
 いや、一歩くらい間違えばそういった機会もあるだろうが、少なくとも今回は気乗りがしない。

「あっ、ギドさん! ……それにジンさんも! ちょうど良いところにっ!」
 ぴこーん、とピリカがこちらに気付いてチョコの山を抱えながら駆け寄ってくる。
「なんだァ~~ピリカ、オレはついでかァ~~?」
「違います違います、私はちゃぁんとジンさんの事も気にしてますよ。……はっ!(ぴこーん!) もしかしてジンさん、ヤキモチを……?」
「アァ~~~~????」
「と、そんなことより!(そんなことより) はい、ジンさんにギドさん、これっ! プレゼントです! あげます☆」
 どん、と手渡される山盛りのチョコ。
「お前、こりゃどう考えても多~~~~~すぎンだろォ~~~?? てかお前、自分がコンコンしたから不要品押付けてんな??」
「も~~、ジンさんってば気にし過ぎですよっ! これは日頃の感謝の気持ちです☆」
 それでは、私はまだまだやる事があるので! と告げて、荷物の軽くなったピリカは再びコンコンをしに戻っていった。

「日頃の感謝、ねェ~~~~」
 ジンは隣で他人事のようにやり取りを見ているギドに、「このチョコ、半分はお前のだからなァ~~?」と8割くらいを押し付けて。
「ギドはそォーいうのしねェーの? 日頃の感謝的なヤツ」
「しているぞ」
 ギドは当然、というように答えた。
「今、私がここに在るのも。生きたいと願うのも。すべては人のおかげだ。故に私は感謝している。父にも、母にも、そして妻にも。……無論、貴殿にもな」
「はァ~~~、なるほどなァ」
 ギドの答えに何を思ったか、その表情は読み取れない。
「そういう貴殿はどうなのだ? 日頃の感謝、しているのか?」
「オレ?? オレはとォォォ~~ぜん、日々日頃から感謝しっぱなしだぜアブヒャハハハ!!!!」
 ジンは笑いながらそう答えた。

「日頃の感謝を込めて、適当に土産にでも持ち帰ってもいいかもなァ~~~~~~」
 どう考えてもこの場では食べきれない程の量がある。
 持ち帰って適当に食べるなり、配るなりするのも良いだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杜鬼・クロウ
😘<カオス歓迎
やむを得ず変態野郎(明智・珠稀)と行動

「勘違いすンな、クソが。
お前を放し飼いしたら余計に事が悪化すっからだよ!
テメェの脳内ホントどうなってやがる…俺はこの行事に興味ねェっつってンだろうが!
お前の胸焼けするようなゲロ甘ェ愛とかイらねェよ!
…それ以上キメェ姿晒したら明日はないと思え(ぶっ飛ばすぞオラァとガチなトーンで」

赤い糸を指でちょっきんする仕草
断固チョコ受取拒否と云わんばかり珠稀のチョコ探しを妨害
チョコをあらぬ力込めて手刀で真っ二つに割る(非モテと同じ行動?

「ち、逃げンなクソ!
ハ?だから…んぐ!?
…(想像したら気持ち悪く」

すばしっこい珠稀に苛々MAX
チョコは完食…出来るかお任せ


明智・珠稀
😘<ネタ歓迎です♡
杜鬼・クロウ (f04599)さんと共に

天使と化した私の姿を見つけてくださるなんて、流石クロウさん…!
クロウさんになら私、『生まれたままの姿の光』を放出することも…(頬を染め)

さぁ、私と赤い糸で結ばれたクロウさん!
私とあまぁいヴァレンタインを愉しみましょう…!!
コンコンし、クロウさんに差し上げるファビュラスなチョコを…!
(邪魔を受け)
…ふ、ふふ。クロウさんてばツンデレさん…!
ですがそこが良い…!(妙な動きで避けつつ)

あぁ!こんなチョコはいかがでしょう?
(明智っぽい形のチョコ。詳細お任せ)
さぁ、クロウさん、あーーん…!(口に無理矢理入れ)
ふふ、私が食べられた気分です…!


杜鬼・カイト
😘

兄さま【杜鬼・クロウ】…オレというものがありながら、他の誰かとイチャイチャしている気がして、ついつい来てしまいました。(第六感、情報収集、追跡、聞き耳)

まあ、心配せずとも、兄さまは必ずオレのところに戻ってきてくれるだろうし?
チョコの材料でも探しておこうかな。
材料探してコンコンするよ。
…オレの作ったチョコを、オレの手から受け取って食べてくれる兄さま……。あは、考えただけで楽しみだなぁ。

あ、兄さまにばったりあったらどうしよう。
「オレを置いてきぼりにするなんて酷いですよー(恫喝、殺気、恐怖を与える)」なんて、この可愛い妹がちょっっっぴり怒ってみせるくらい、優しい兄さまなら許してくれますよね?




「天使と化した私の姿を見つけてくださるなんて、流石クロウさん……!」
「勘違いすンな、クソが。お前を放し飼いしたら余計に事が悪化すっからだよ!」
 ぽっ、と頬を染める明智・珠稀に、杜鬼・クロウはあくまで辛辣。それは決してツンデレではなく、本気でやむを得ず対処している……といった様相だ。
「クロウさんになら私、『生まれたままの姿の光』を放出することも……」
「……それ以上キメェ姿晒したら明日はないと思え」
 ガチなトーンでツッコミを入れるクロウ。しかし珠稀のメンタルは強く、そんなつれない態度すらもクロウからの愛だと脳内変換できてしまうようだ。
「さぁ、私と赤い糸で結ばれたクロウさん! 私とあまぁいヴァレンタインを愉しみましょう……!!」
「テメェの脳内ホントどうなってやがる……俺はこの行事に興味ねェっつってンだろうが! お前の胸焼けするようなゲロ甘ェ愛とかイらねェよ!」
 クロウは珠稀との赤い糸を指でチョキチョキ切り離すと、観念して珠稀のコンコン行脚に付き合うことにした。(主に監視役として)

「さぁ、クロウさんに差し上げるファビュラスなチョコを……!」
 コンコンと壁を叩くと、飛び出してきたのはとてもお高そうな箱入りのチョコ。
「――らあッ!!」
 そのチョコを、クロウは炎の魔力を宿した手刀で真っ二つに切り裂いた。
「ふ、ふふ。クロウさんてばツンデレさん……!」
「殺す」
 珠稀の言葉にクロウはコンマ一秒の揺らぎもなく、即座にその首を狙って手刀を放った。
 珠稀はそれを、くねくねとした珍妙な動きで紙一重に回避する。
 そのまま珠稀は「捕まえてごらんなさーい」とでも言うかのように、優雅なスキップで次のコンコンスポットを目指す。
「ち、逃げンなクソ!」
 クロウは苛立ちを募らせながらも、珠稀の後を追いかけた。

 珠稀は何の変哲もない壁の一箇所――そこに何か不思議と惹きつけられ、誘われるがままにコンコンする。
「こ、これは……!?」
 珠稀はそのチョコに運命を感じ、すぐさまそれをクロウへと献上する。
「クロウさん……! こんなチョコはいかがでしょう?」
「あン……?」
 珠稀の持ってきたチョコを見るなり、クロウの顔は青ざめる。

 それは――『ミロのヴィーナス』を連想させるような、『珠稀のヴィーナス』。
 裸で微笑む珠稀の姿を模したチョコレート(1/3スケール)。
 局部は添えられた手と天使の翼によって、器用に隠されている。

「さぁ、クロウさん、あーーん……!」
「や、おま……やめ……んぐ!?」
 珠稀のヴィーナスの身体の一部が、無理矢理クロウの口内へと捩じ込まれる。
「ふふ、私が食べられた気分です……!」
「てめェ、珠稀……今回ばかりは完全にキレたぜ、久々によォ……(久々でもない)」
 完全に、冗談抜きで『殺る』姿勢へと入るクロウ。
 珠稀もにこやかにはしているものの、心無しかその顔は若干青ざめていた。

 ――そんな時。

「あ、兄さま! オレを置いてきぼりにするなんて酷いですよー!」

 第三の男。女装少年、杜鬼・カイト(アイビー・f12063)が参戦した。


「兄さま……オレというものがありながら、他の誰かとイチャイチャしている気がする」
 そんな胸騒ぎがして、ついついこんな所まで来てしまったけど。
 まあ、心配せずとも、兄さまは必ずオレのところに戻ってきてくれるだろうし?
 所詮はいっときの気の迷い。ただの浮気。兄さまの妹(※弟)として、度量の大きいところを見せないと。
「せっかく来たんだし、チョコの材料でも探しておこうかな」
 そう言ってカイトはあちこちをコンコンしながら製菓材料を集め始めた。
「オレの作ったチョコを、オレの手から受け取って食べてくれる兄さま。あは、考えただけで楽しみだなぁ……」

(「ひっくし!」「どうしましたクロウさん、風邪ですか? クロウさんの風邪なら、私も伝染されたい……! そして裸で温め合いましょう、ふふ……!」「風邪じゃねぇし近寄んなド変態!」「ああっ!!」)


 そんなこんなで。
 程々にチョコの材料を手にしたカイトが、兄であるクロウと間男の珠稀がイチャついている場面に偶然にも出くわしたのだった。

「兄さま、オレを差し置いてそんな男と一体何をなさってるんですか?」
「げっ、カイト……」
「兄さま、いま『げっ』って言いましたか? オレの聞き間違いですよね? 愛する兄さまの為に、恥を忍んでこんな格好までしているのに……」
「いや、頼んでねえっつーか、いい加減その女装やめろっていつも言ってんだろうが!」
「もう、兄さんってば……素直じゃないですね」
 カイトの参戦により、クロウの心労は倍増する。
「まさかそちらの美しい少女は、クロウさんの妹……なのでしょうか!?」
「誰アンタ。気安く話し掛けないでくれない?」
「あぁ、この素っ気ない態度……クロウさんの遺伝子を感じますね、ふふ……!」
 珠稀も初めて見る(そういうことにしました)カイトの姿に興味津々だったが、目下恋敵(浮気相手)として見られているので対応も冷たい。
「兄さま、こんな男の何処がいいんですか? 浮気相手にしてもセンスを疑います。もしかしてオレへの当てつけなんですか? 言ってくれればオレは、いつだって兄さまの傍に、兄さまが望むなら閨を共にする事さえ厭わないのに……」
「カイトォォォ! お前は、いつからこんな……ウウウウッ!!」
 兄としての不甲斐なさや、どうしてこうなってしまったのか本気で心当たりがないやるせなさだとかがこんがらがって苦悩に叫ぶクロウ。
「ふふ。大丈夫ですよ、クロウさん。妹さんとは時間を掛けて少しずつ仲良くなっていきますから……そんなに悩まないでください」
「頼む、頼むから今いっぺんに話し掛けんな。せめてひとりずつにしてくれ。同時は勘弁してくれ」
「兄さまもこう言っているんだ。兄妹の会話に割り込んでこないでくれないかな、下郎」
「大丈夫ですよ、妹さん。私も家族ですから、これからは私のことも『兄さま』って呼んでくれて構いません……!」
「ハァ? 兄さまは兄さま以外に存在しないんだよなァ……何だよお前、オレに壊されたいの……?」
「………………………」
 頭を抱えて黙り込むクロウ。

 クロウはすべてを諦め――ひとり、とぼとぼと広場の出口を目指して歩き始めた。

「おや、クロウさん。もう帰るんですか?」
「………………………」
「兄さま、帰るならオレと一緒に帰りましょう! そんな下郎は放っておいて!」
「………………………」
「クロウさん❤」「兄さま❤」
「………………………」
 クロウはふたりの言葉にも全く反応を示さない。 
「……頼む。もうお前らふたりとも、付いてくんな。俺は帰る。帰らせてくれ」
「クロウさん……」「兄さま……」

 そう告げて、ひとり帰路につくクロウ。その背中には深い哀愁が漂っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴァーリャ・スネシュコヴァ
😘
おお〜!! コンコンするだけでチョコが食べ放題とは、天国のような場所だな!
お騒がせな怪人も去ったし、ここでもう一回腹ごなしに食いまくろう!

そうだ、今回のお礼も兼ねて、ギドさんとチョコもぐもぐしてお話ししようとおもうぞ! なんだか、俺と同じ感じ?(同種族の為)がするし、一度話してみたかったのだ!
もちろん他の人も同席していたなら、他の人ともコンコンもぐもぐしたりお話したりして交流を深めたいぞ!
あと美味い紅茶をいただこう!(本命) 俺はミルクティーでお願いするぞ!

(話題は流れで決めていただいて大丈夫です、他PCさん達との絡みも歓迎します)


筧・清史郎
😘
「これが乙女たちがコンコンにいそしむ『聖バレンタイン・コンコン広場』か」
乙女ではないが、甘いものはとても好きだ(微笑み
折角の機会、コンコンさせてもらおう(いざ!

しかし、コンコンするのは初めてだな
よければギドと共にしたいところ

「ほう、こんなものまで出るのか」(出たものお任せ!
「甘いものを茶菓子に一服、お茶したくなるな」
会場にお茶する場所がなければ、帰還してからでもどうだろうか
……おっと、その前に、ケーキの持ち帰り用ドライアイスを追加で貰わなければ(きり

いや、大まかな空気は察知したのだが
「結局……ひもてのいんきゃとは、一体何者だったのだろうか?」
兎に角、写経の良さを知って貰えてよかった(微笑み




「これが乙女たちがコンコンにいそしむ『聖バレンタイン・コンコン広場』か」
「おお〜!! コンコンするだけでチョコが食べ放題とは、天国のような場所だな!」
 コンコン広場を前に、テンションを上げていく筧・清史郎とヴァーリャ・スネシュコヴァ。
「お騒がせな怪人も去ったし、ここでもう一回腹ごなしに食いまくろう!」
「うむ。乙女ではないが、俺も甘いものはとても好きだ。折角の機会、コンコンさせてもらおう」
 いえーい!と拳を突き上げるヴァーリャと、雅な笑顔を浮かべコンコンへと臨む清史郎。
 ついでにグリモア猟兵のギドも巻き込んで、三人はチョコレートの発掘へと向かった。

「ほう、こんなものまで出るのか」
 清史郎が引き当てたのは、チョコレート製の写経セット。
 墨汁が特殊な加工を施されたチョコレートになっているらしく、写経をするとそれがそのまま『経』の形をしたチョコレートになる――という仕組みだ。
「しかも文鎮がひよこさんのデザインとは……キマイラフューチャーにも雅を解する者が居るのだな」
 清史郎は素直に感心を示しながら、写経セットを懐に収める。
「わー、すごいのだ! こっちは肉チョコが出てきたのだ! 肉とチョコを同時に楽しめるなんて、夢のようなのだ!!」
 ヴァーリャはチョコレートの掛かった巨大なマンガ肉を両手に持ち、瞳を輝かせている。肉とチョコの食べ合わせがどうなのかまでは分からないが、少なくともヴァーリャにとっては最高のご馳走らしい。(少なくとも今日はそういうテンションだった)
「……ふたりとも、楽しんでいるようで何よりだ」
 清史郎とヴァーリャが思い思いのチョコを発掘するのを尻目に、ギドは無難なチョコばかりを拾い集めていた。
 面白みがないと言われればそれまでだが、こと食事に関しては割と一般的な感性をしているのだ。

 ぼちぼちチョコも集まったところで、清史郎がふたりに休憩を提案する。
「甘いものを茶菓子に一服、お茶をしたくなってきたな。それに写経も」
「さんせー! だぞ! シャキョウ……ってなんだ?」
「おや、写経に興味がお有りかな? ふふ、任されよ。俺が懇切丁寧に指導しよう」
 疑問の顔を浮かべるヴァーリャに、清史郎は優しく微笑む。
「ではそうだな、あちらの喫茶スペースにでも向かおうか」
 そう言ってギドは少し離れたところにある建物を指差す。
 そこはコンコンする事で淹れたてのお茶やジュース、或いは茶葉などが出てきて、ティータイムを楽しみながらゆったりとくつろげるスペースのようだ。
「それは素晴らしいな。是非立ち寄ろう。ついでにお持ち帰り用のドライアイスも追加で貰わねば」
「俺は美味い紅茶が飲みたいのだ!」
「ふふ、では久し振りにセバスチャン(使い魔のコウモリ)に腕を振るって貰うとしようか」
 三人は和やかに会話を交わしながら、今度は喫茶スペースへと向かうのだった。


「ギドさんは、なんだか俺と同じ感じ? がするし、一度話してみたかったのだ!」
「ほう……?」
 三人は紅茶をお共に写経を摘みつつ談話をしていた。(シャキョウはなかなか美味いのだ! byヴァーリャ)
 話を聞けばヴァーリャは記憶喪失で、3年ほど前にアルダワ魔法学園で倒れていたらしい。
 一応、ギドがヴァーリャを軽く身体検査してみたところ(歯だとか目だとか)、ヴァーリャにはダンピールと酷似した身体特徴を確認できたが――、
「ダンピールであれば、ダークセイヴァー……と我々が呼称している世界の出身である可能性は高かろうが、それも確実とは言えぬだろうな」
「ふぅむ、そうなのか……ダークセイヴァー、まだ1回しか行ったことがないのだ……」
 ヴァーリャはうーん、と唸ってからハッ、と顔を起こす。
「わわ、暗い空気にしてしまって申し訳ないのだ! もっと楽しい話題にするべきだったのだ!」
「ふふ、構わぬよ。記憶喪失とは心細いものだろう。俺とヴァーリャでは恐らく出身世界は異なるだろうが、こうして話相手になる事はできる。困った時はいつでも頼るといい。俺にも、そしてギドにもな」
「うおお……ありがとうなのだー!」
 きらきらと瞳を輝かせるヴァーリャに、雅に笑いながら答える清史郎。

 写経が繋ぐ友情もある。
 その後も三人は写経を続け、その写経を食べることで10年分くらいの徳を積んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓櫻宵(f02768)と一緒
アドリブ等歓迎

ボクをぶん投げたチョコは消えた!
櫻宵!チョコ作りだよ
お揃いのエプロンを着せてもらえてご満悦
櫻宵、新妻みたいだね
ボクは旦那さんね

コンコンして材料を沢山集めたならボクの案を発表するよ!
じゃーん!花チョコで飾られた噴水チョコ!大きいの
真ん中がチョコファウンテンになってて七彩の花チョコで飾るんだ!
櫻宵は花チョコ作りが得意だしボクも沢山食べれる!

はーいと絵の具をとくように櫻宵が刻んだチョコを溶かしたり
櫻宵が作ったチョコの組み立てや飾り付けをする!
ボクはなかなかに器用!
すごいのができるはず

アーティスト2人で力を合わせたチョコの前でご満悦

楽しかった!じゃあ食べよ!


誘名・櫻宵
🌸フレズローゼ(f01174)と
アドリブ歓迎

さぁフレズ!醜いチョコは消えたわ
一緒にチョコを作りましょ!
フレズに素早くお揃いのふりふりエプロンを着せたなら2人でチョコ作りスタート

材料がコンコンで手に入るなんて便利ね
フレズはどんなの作りたい?
え、花チョコが飾られた真ん中がチョコレートファウンテンになってる噴水チョコですって?!
なんて斬新なの
この子天才かしら!

いいわ
ショコラティエの腕がなるわね!
どんなチョコも削って溶かしてくっつけて作り上げるわ
あたしは刻んで形の成形をするから、フレズは魔法で溶かすのと飾り付けをお願い

そうして出来たチョコはきっと最高の逸品
それ以上にフレズの笑顔が
あたしの宝物だけれど




「さぁ醜いチョコは消えたわ」
「ボクをぶん投げたチョコは消えた!」
「フレズ!」
「櫻宵!」

「一緒にチョコを作りましょ!」
「一緒にチョコ作りだよ!」

 というわけで。ふたりで揃いのふりふりお揃いエプロンに身を包み、チョコ作りをスタートした誘名・櫻宵とフレズローゼ・クォレクロニカ。
「櫻宵、新妻みたいだね」
 フレズローゼが笑う。当然ボクは旦那さんね。
「あら、ありがとう。嬉しいわ。それじゃあ新妻として旦那さまを立てる為にも、まずはコンコンで材料集めかしら?」
 材料がコンコンで手に入るなんて便利ね、と櫻宵は探り探りコンコンを始めた。
 櫻宵は出てきた材料を真剣な目で吟味しながらフレズローゼに尋ねる。
「フレズはどんなチョコを作りたい?」
「ふっふーん、それをボクに聞いちゃう? 聞いちゃうんだ~……」
 にっしっし、と得意げな笑みを浮かべるフレズローゼ。
 実はもう案なんてずっと前から頭の中には出来上がってて、さっきこっそりとスケッチまで用意したのだ。
「じゃーん! 花チョコで飾られた噴水チョコ! それもすっごくすっごーく大きいの!」
 フレズローゼは櫻宵に見せ付けるように、ばーん!とスケッチを広げた。
「あのね、真ん中がチョコファウンテンになってて七彩の花チョコで飾るんだ! 櫻宵は花チョコ作りが得意でしょ? 見た目も綺麗、ボクも沢山食べれる、いっせきにちょー!」
「………………」
 へへーん、と鼻を鳴らすフレズローゼに櫻宵は少しの間、言葉を失う。
「なんて斬新、この子天才かしら!」
 着眼点、発想力、構想力、どれを取っても申し分ない。おだてるでも無く、本心で。
 櫻宵はアーティストとしてのフレズローゼ・クォレクロニカに、末恐ろしいまでの天才性を感じた。
 それは櫻宵のショコラティエとしての矜持に火を点けるには十分過ぎるもので。
「いいわ、ショコラティエの腕がなるわね! 見てなさいフレズ。あたしの全身全霊を賭して、このスケッチよりも、もっとすっっっごい作品に仕上げてあげる! もちろんフレズにも沢山手伝って貰うわよ?」
「まっかせて! こう見えてボクはなかなかに器用、上手くボクを使いこなして見せてね?」
「言ったわね? じゃあ、あたしは刻んで形の成形をするから。フレズは魔法で溶かすのと飾り付けをお願い」
「はーい、らじゃー!」

 さぁ、やるわよ。この子の前で無様は晒せない。
 どんなチョコも削って溶かしてくっつけて――すごい作品に仕上げてみせるわ!


「ふぅ……こんなところかしら?」
「わーーーーすっごーーーい!!」
 途中から何かもうアーティスト魂が爆発してしまって、キマイラ職員すら巻き込んで巨大なチョコレートファウンテンを作る為のスタッフを動員したり、素材への拘りから本当にあちこちコンコンして(させて)回ったり、時にユーベルコードまで使用しての大騒ぎだったが――。

 聖・チョコレートコンコン広場の中心に突如出現した見上げるほど大きなチョコレートの噴水。
 強弱を付けながら噴出するチョコレートはフレズローゼの魔法石で美しくライトアップされ、時に重力に逆らいながら生き物のようにうねり形を変えて幻想的な光景を描く。
 そして噴水にはあちこち美しい彫刻が施され、やはり目を引くのはそれを彩る薔薇のチョコ。
 茨の1本1本、花弁の1枚1枚まで繊細に再現されており、噴水だけでなくそれを取り巻く美しいアーチや花垣に至るまで、その殆どがチョコレート製。
 その花を摘んでひとくち食めば、花弁が口の中でほろりと溶けて、仄かな薔薇の香りが鼻孔を擽る。
 チョコファウンテンの噴水の前にはフルーツや小さなケーキも用意されていて、好きなだけチョコレートを浸して食べることができる。

「ね、ね、櫻宵! はやく食べよ!」
「もう、フレズったらせっかちね。あたしはちょっと……疲れちゃった、かも」
「さ、櫻宵ーーーー!?」
 へにゃりと椅子にへたり込む櫻宵に、慌てて駆け寄るフレズローゼ。
 あまりに全力投球してしまったせいで、櫻宵は若干燃え尽き気味。

 ふたりで作り上げたこのチョコは、文句なしの最高の逸品。
 けど――、
 あたしにとっての一番の宝物は、やっぱりこの子ね。

 そんな事を思い浮かべながら、櫻宵は深い微睡みへと堕ちていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高野・エドワード
おっと、ケーキ怪人に夢中になっていたら…いつの間にやらボスが倒されていたね!
ふふっこれで心置きなくチョコをゲットできるってわけだ。ケーキとチョコと、二重に美味しいね!ラック君(蔵方・ラック/f03721)と一緒に沢山集めてホテルに持って帰ろう♪

まずは王道、甘いミルクチョコレート。
お次は大人の味、ほろ苦いブラックチョコレート!
カリカリの食感が美味しい、ピーナッツ入りのチョコレート♪

そうだ、チョコばかりだと飽きてしまうだろうから…他の、ポテトチップスとかちょっとしょっぱいものが出るところでもコンコンしたいな!

アドリブその他なんでもOK♪


蔵方・ラック
【高野・エドワード(f00193)と一緒に】
ケーキのお土産も手に入ったでありますが
ここはやっぱりホテルのみんなにチョコレートのお土産が欲しいでありますね!
手分けしてたくさんコンコンして集めようであります!

あちこち歩き回って完成したチョコをたくさん集める
コンコンコンコンコン……
普通の板チョコ、丸い形のチョコ、きれいな模様の入ったチョコや
動物の形のチョコ……こういうのもあるのでありますね!
(さきイカチョコ、カップ焼きそばチョコソース付きなどを取り出し)
これだけあればみんなきっと気にいるのがあるでありますね!
では支配人殿とも合流して帰るでありますか! 😘




「おっと、ケーキ怪人に夢中になっていたら……いつの間にやらボスが倒されていたね!」
「そのようでありますな! いやはや皆さま手慣れてらっしゃる。しかし自分ももう少しくらい活躍したかった気持ちもあり、悔しくもありますな!」
「そうだね、ラック君の活躍は僕も見てみたいな。また今度、機会があるといいね」
「任せておけでありますよ!」
 仲良く談笑を交わす、高野・エドワードと蔵方・ラック。
 ふたりのお目当ては勿論、お土産のチョコレート。
「ここはやっぱりホテルのみんなにチョコレートのお土産が欲しいでありますね!」
「チョコも手に入れば、ケーキとチョコと二重に美味しいね! 沢山集めてホテルに持って帰ろう♪」
 そう言ってふたりは、のんびりとチョコ広場を散策しながらチョコレート収集を開始した。

 エドワードはにこやかに、美しい所作で壁を優しくノックする。

 ――コンコン、コンコン。

 まずは王道、甘いミルクチョコレート。
 お次は大人の味、ほろ苦いブラックチョコレート!
 カリカリの食感が美味しい、ピーナッツ入りのチョコレート♪

 幸先の良いスタートに上機嫌なエドワード。
 一方でラックも、一生懸命コンコンを繰り返している。

 コンコンコンコンコン……。

「普通の板チョコ、丸い形のチョコ、きれいな模様の入ったチョコや動物の形のチョコ……おや、こういうのもあるのでありますね!」
 ラックが取り出したのはさきイカチョコやカップ焼きそばチョコソース付き。どうやら純粋なチョコに限らず、チョコと名の付くものなら何でも揃っているようだ。

「そうだ、チョコばかりだと飽きてしまうだろうから……他の、ポテトチップスとかちょっとしょっぱいものが出るところでもコンコンしたいな!」
「そんなもの、手に入るのでありますか……?」
 エドワードの提案にラックは疑問符を浮かべたが、どうやら周囲のキマイラに尋ねるとあまり広くはないがそういった軽食やスナック菓子が手に入るような一角もあるらしい。
「だってさ。行こう、ラック君!」
「了解であります、エドワード!」
 ふたりは軽食コーナー(仮)を目指して走る。
 もはやちょっとしたお祭り気分で楽しくなってきた。
「おっ、ポテトチップスにサンドウィッチ……唐揚げも!」
「こっちは……さきイカにカップ焼きそば! って、これさっきも拾ったでありますよ!!」
「ふふっ、いいじゃないか。後でみんなで食べ比べしよう」
「まぁ、そうでありますな……しかし自分も、もう少しガッツリしたものが欲しいであります。(コンコン) おお、カレーにピザ! こういうのを待っていたであります!」
「持ち帰りがちょっと大変そうだけど、いいね。美味しそうだ」
 ふたりは時が経つのも忘れて、両手いっぱいに荷物が埋まるまで力の限りコンコンし続けた。


「これだけあればみんなきっと気にいるのがあるでありますね!」
「そうだね。みんな喜んでくれるといいな♪」
 大量に集まったチョコやお菓子にご満悦なふたり。
「では支配人殿とも合流して帰るでありますか!」
「うん……って、あれ。あそこに居るのってオーナーちゃんじゃないのかい?」
 見るとそこには、大量の荷物を背負ってのそ……のそ……と歩いているあきの姿。

「あら、おふたりとも今帰りですか? って、随分とたくさん拾ってきたんですねえ」
「いやいや、支配人殿こそ人の事は言えないでありますよ」
「えへへ、ちょっと欲張っちゃいました!」
「この荷物はちょっと、大変そうだねぇ……」
 あきの荷物を見て運ぶのを手伝ってあげたいふたりだが、生憎自分たちも大量の荷物を抱えている。
「ホテルの皆さんに配りたいなー、なんて思っていると、ついつい手が出てしまって……」
 だって取り放題ですよ!? とあきは弁明する。
「オーナーちゃんの気持ちは分かるな。僕たちも同じ気持ちで、この通り……ね」
「はっはっは、似た者同士というヤツでありますな!」
「そうですね!」
 朗らかに笑い合う三人。

「では欲張りさん同士、何とか頑張って帰りましょうか。元の世界にさえ着いたら、従業員の皆さんに手伝ってもらってもいいですしね!」
「そうだね、もうひと踏ん張りだ」
「仲良く帰るのであります!」
 そうして三人はゆっくりと、コンコン広場の出口を目指し歩くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】で引き続き

「勝手に殺さないでくださいっ!」
とメタ的に文句を言いつつ、じーっと恨みがましく見ますが…
ネウィラさんに謝られ
みさきさんに抱きつかれ、そのままの勢いで…んむっ?!
キスをされて…もぉ、これ以上怒れないじゃないですか…(赤面

落ち着いたら、皆さんのチョコを頂きます
ネウィラさんとみさきさんから受け取って笑顔を返し
「ありがとうございます♪」

雪乃さんからも
「ふふ、それじゃ勿体ないので頂きますね」
頂いて微笑み返し

蓮さんは…?
「どうしたんですか、一人で離れてて。皆で一緒に楽しみましょう?」
と合流させますね
「チョコ、ありがとうございます」
笑顔でお礼も忘れずに

私もお返ししないとですね
と、コンコン


ネウィラ・カーレンベート
【恋華荘】の皆さんと引き続き

前回の修羅場にも似たカオスから一転、いちごさんたちと和やかなひとときを過ごします。

まずは前回の手荒な行動をいちごさんに詫びることに。
「ごめんなさいねいちごさん。ちょっとやりすぎてしまいました…」
「お詫びと言ってはなんですが…」
と、一つコンコン。出できたチョコレートに〈アート〉でいちごさんの名前を刻印。
もう一つコンコンして出たラッピング素材でそれを包み、プレゼント。
「これからも、よろしくお願い致します」
と、にこり。前回の黒い笑みなどではない、本物の笑顔で。

みさきさんのいちごへのアツイ抱擁に対しては、微笑ましそうに。
「ふふ、みさきさん、皆さんが見ておいでですよ?」


刑部・みさき
【恋華荘】
ひぐっ、えぐっ…

え!?
よかった、いちごくんいきてたぁっ!
だいすきないちごくん、よかったぁぁっ!!

んむっ、んぁぅ、はぷ、ちゅー…ぷは☆

えへへー、ごめんねいちごくん♪
でもでも、すっごいチョコあげるからっ!

はわ!?う、うん。はじめて、だよ…?(かぁっ)

●行動
『死亡確認』後はいちごに縋って号泣
生き返った?事で感極まり真正面からハグ
日焼け跡が健康的な南国ボディもいちごに密着

そして慕情が昂ぶって唇を重ねる
少し息が苦しくなる程の情熱的・野性的なキス
実はみさきのファーストキス
誰かの指摘があると漸く気づいて照れる

●コンコン
マグロ型ミルクチョコ(1/1スケール)爆誕
首にリボンを巻いていちごへ贈ろうとする


御影・雪乃
【恋華荘】で参加
技能の料理を活用

まったく、バレンタインとか私には縁のないものですよ、送りたい人なんて別に…い、いないですし?

などと言い訳じみたことを言いながらコンコンとチョコを集めたら湯煎で溶かして味見をし、生クリームやバニラエッセンスやココアパウダーなどで手際良く味を調節して四角の型に入れて自前の冷気で冷やしてチョコづくり。
そして丁寧にラッピングをしたら

そこで適当に出てきたチョコです、もう食べ切れないのでどうぞ。

と明らかに手作りなものをコンコンで偶然手に入れたと言い張りながらいちごさんへ渡します。


結城・蓮
【恋華荘】のみんなと。

あー……いちごさん、生きてる?
あ、生きてた。うん、良かった良かった。
変な能力に目覚めたりもしてないよね。多分。
……モテるのととらぶる体質なのは前からみたいだし。

それじゃあ僕もコンコンしに行こうっと。
とりあえず適当にコンコンして……ハート形、違う。これじゃない。
じゃあ少し離れて……これもハート形、違う。
さらに離れて……まただ。
ハート形じゃないのは何処にあるんだ……?

あちこち探し回ってようやく「普通の」ラッピングチョコを手に入れたらいちごさんたちのところに戻るよ。
「ごめんごめん、探すのに手間取っちゃって。
はい、ボクから。まぁ……これからもよろしくねってことで」




「あー……いちごさん、生きてる?」
「ひぐっ……いちごくん、ごめんねぇ。もっと一緒に居たかったよぉ……」
 ちょっと(あくまでちょっとだよ?)心配そうに、彩波・いちごの遺体に語り掛ける結城・蓮と、遺体に縋って号泣し続ける刑部・みさき。
 御影・雪乃はみさきの肩にそっと手を置き、静かに首を振る。
「ダメですよ、みさきさん。そんなに泣いていては、いちごさんも安心して成仏できないでしょう?」
「うえっ、ぐす……でもっ、でもぉ……」
 みさきはいちごへの未練を断ち切れない。
 だが、どんなに縋ってもいちごが息を吹き返すことは無かった。
 いちごはもう死んだのだ。それがリプレイの結果である以上、公式の記録であり覆ることはない。
 時系列上、シナリオ完結まではいちごも旅団で雑談しているが、このシナリオが終わればその姿を見ることもなくなって――
「って、勝手に殺さないでくださいっ!」
 しかもちょっとガチめに外堀埋めるのも止めてください!
 いちごは恨みがましく、蓮とみさきをじぃーと見つめる。
 【同じ猟兵が再びリプレイに登場した場合、原則的にそれまでの傷は治癒してるものと考えます】――いちごの命は、まさにこの『「第六猟兵」マスタールール』によって救われたのだ。
「あ、生きてた。うん、良かった良かった。変な能力に目覚めたりもしてないよね。多分」
 ……モテるのととらぶる体質なのは前からみたいだし。
 冗談を交えつつ、ほっと胸を撫で下ろす蓮。雪乃やネウィラ・カーレンベートは流石にいちごが死んでない事には気が付いていたようで、割と冷静。(いや、ボクも本気で死んだとは思ってなかったよ??)
 いちごが本当に死んだと思ってたのは、みさきくらいなもので。
「よかった、いちごくんいきてたぁっ! だいすきないちごくん、よかったぁぁっ!!」
「わっ、みさきさん……!?」
 がばぁ、とみさきに熱烈に抱きしめられるいちご。密着するみさきの身体は、なんだかとても柔らかく、すべすべしていて……女性の身体だと意識せずにはいられないその感触に、いちごはよくない事だと分かりつつもドギマギしてしまう。
「いちごくん……んむっ、んぁぅ、はぷ、ちゅー」
「んむっ?!」
 慕情が昂ぶったみさきは、その想いを抑えきれずにいちごに唇を重ねる。
 少し息が苦しくなる程の情熱的で、野性的なキス。
 それはみさきのファーストキスだった。
「……ぷは☆」
「こんなの。狡いですよ、みさきさん……もぉ、これ以上怒れないじゃないですか」
 いちごは顔を赤らめて目を伏せた。

「ふふ、みさきさん、皆さんが見ておいでですよ?」
「はぁぅ……! ごめんなさぁーい……」
 微笑ましく見守りながらも、節度は守るべきだと叱るネウィラに素直に頭を下げるみさき。
「いちごさんは、やはりふしだらです」
「ええっ!? いや、私はそんな、別に……!」
 ジト目で睨む雪乃の言葉に、いちごがたじろぐ。
 みさきの身体が柔らかいだとか、口の中が蕩けそうで頭がぼーっとするだとか、やましいところは幾つかあるけど不可抗力で。
「いちごさん、責任は取れるのですか? みさきさんのファーストキスを奪っておいて……」
「はわ!?」
「えっ、ファースト――」
 いちごは唇に手を当てて、みさきの顔を見る。
 みさきは潤んだ瞳でいちごと視線を合わせると、こくりと頷いて。
「う、うん。はじめて、だよ……?」
 かぁっ、と顔を赤くして、みさきはその顔を俯けた。
「わわわ! みさきさん、ごめ――」
「ダメですよ、いちごさん。それ以上口にしては」
 ネウィラはにっこりと、いちごの言葉を制す。
「みさきさんは、みさきさんの意志でいちごさんに初めてを捧げたのですから。あまり女の子に恥をかかせては……めっ、です」
「はい……」
 うう、と顔を赤くしながら目を伏せるいちごを見て、ネウィラは微笑ましく思う。
「こちらこそ、ごめんなさいねいちごさん。先程はちょっとやりすぎてしまいました……」
「あっ、いえ! 私はそんな気にしてなんて!」
「お詫びと言ってはなんですが……」
 コンコン、とネウィラは手近な壁をノックする。
 出てきたハート型のチョコレートをふわりと魔法で宙に浮かすと、ワンドを指揮棒のように巧みに操り、そのチョコレートに魔法で『いちご』の名前を刻印する。
 もうひとつ、コンコン。
 ネウィラは出てきたラッピング素材を器用に魔法で操ると、先程のチョコレートをそのまま宙で包装していく。
「できました。これからも、よろしくお願い致します」
 ネウィラがにこりと見せるのは、心の込もった本当の笑顔。
「わぁっ……ネウィラさん、とっても素敵です! ありがとうございます♪」
 いちごもにっこりと笑い返して、ネウィラのチョコを受け取った。

「えへへー、ごめんねいちごくん♪ わたしも、すっごいチョコあげるからっ!」
 見ててっ!とみさきも手近な壁をノックする。
 そこから出てきたのは、1/1スケールのマグロ型ミルクチョコ。
「ほらほら、とっても可愛いでしょ~!?」
 みさきはマグロの首にリボンを巻いて、はいっ♪といちごにプレゼント。
「うわ、すごい……大きい……(ひとりで食べるのは大変そうだけど)ありがとうございます、みさきさん♪」
「えっへへー♪」
 いちごに喜んで貰えたのを見て、みさきは心底嬉しそうにしていた。

「そこで適当に出てきたチョコです、もう食べ切れないのでどうぞ」
 他の皆に倣って、雪乃もいちごにチョコを渡す。
 こじんまりと、丁寧なラッピング。だけど既成品と言うにはどうにも手作り感が見えた。
 何を隠そう、このチョコはいちごが気絶している隙にこっそりと雪乃が作った手作りチョコだ。
『まったく、バレンタインとか私には縁のないものですよ、送りたい人なんて別に……い、いないですし?』
 なんて、誰も尋ねていない言い訳をしながら。
 コンコンして集めたチョコを湯煎で溶かして味見をし、生クリームやバニラエッセンスやココアパウダーなどで手際良く味を調節。
 四角の型に入れて自前の冷気で冷やして、ようやく完成した手作りの生チョコ。
 それを知るネウィラはにこやかにその様子を眺めているし、いちごも言われるまでもなく、それが雪乃の手作りであることは何となく察していた。
「ふふ、それじゃ勿体ないので頂きますね」
 いちごは笑いながら雪乃のチョコを受け取る。雪乃は別に……といった風に、ぷいと顔を背けてしまった。

 一通り女性陣からチョコを受け取った……と見せ掛けて、蓮の姿が見当たらない。
 いちごは周囲を見渡すと、少し離れたところでひとりゴソゴソしている蓮の姿を発見した。
「どうしたんですか、蓮さん。離れてないで、皆で一緒に楽しみましょう?」
 蓮さんはすぐクールぶって単独行動したがるんだから、といちごはお姉さん(お兄さん)ぶって蓮を皆に合流させる。
「ごめんごめん、探すのに手間取っちゃって。はい、ボクから。まぁ……これからもよろしくねってことで」
 蓮がいちごに渡したのは、ごく「普通の」ラッピングチョコ。
 蓮がこの「普通の」チョコを手に入れるまでにも、実はちょっとした裏話があった。

「それじゃあ僕もコンコンしに行こうっと」
 ネウィラを筆頭にチョコを渡す流れになったのを見て、こっそりその場を抜け出す蓮。(「雪乃さんがチョコを渡すトコ、見たかったんだけどね」「……いい性格をしておいでですね、蓮さん」)
 とりあえず適当にコンコンして――
「ハート型、違う。これじゃない」
 じゃあ少し離れて――
「これもハート型、違う」
 さらに離れて――
「またハート型だ。うう……」
 蓮は頭を抱える。ハート型じゃないチョコは何処にあるんだ……?

 そんな訳で、拘りに拘り抜いた結果の「普通の」チョコだったのだ。
「チョコ、ありがとうございます」
 愛情がたっぷり詰まった普通のチョコを、いちごは笑顔で受け取った。

「私もお返ししないとですね」
 そう言って、いちごも壁をコンコンする。

「ネウィラさんには――(コンコン)花束のチョコですね! 色鮮やかな花弁が、ネウィラさんにお似合いで素敵です!」
「ふふ、本当に綺麗ですね。ありがとうございます」

「みさきさんには――(コンコン)わ、マンボウだ! 実物大のマンボウ! 蝶ネクタイも付いてるよ!」
「わわっ、とってもかわいいっ! いちごくん、ありがとだよっ☆」

「雪乃さんには――(コンコン)雪だるま! 雪乃さんにピッタリですね、かわいい!」
「……ありがとうございます」

「最後は蓮さんだね――(コンコン)これは、大きなリボン……かな? あっ、見てください! 蓮さんの頭にピッタリのサイズですね、とっても似合ってます♪」
「ちょっと、やめ……そういうのボクは似合わないんだって」
「ええ……可愛いと思うのにな……」
「……コホン。でもまぁ、ありがとう。ちゃんと受け取っておくよ」

 そんな感じで、みんなにチョコが行き渡った。

「いい思い出になりましたね!」
 いちごは皆に向かって微笑んで。

「そうですね、楽しかったです」
 ネウィラはにこりと微笑み返し。

「えへ~、いちごくんのチョコ、食べるの勿体無いなぁ」
 みさきは大事そうにマンボウを抱え。

「バレンタインなんて私はどうでも良かったのですが……ええ」
 言葉とは裏腹に、雪乃は雪だるまを大事そうに愛でて。

「いちごさんの『とらぶる』体質は相変わらずだったけどね」
 蓮はぶっきらぼうに答えながらも、しっかりとリボンは抱えていた。

「――それじゃ帰りましょうか、恋華荘へ!」
 そうして五人は、住み慣れた我が家へと仲良く帰っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イディ・ナシュ
コンコン広場へとお邪魔して
目当てのものを探しましょう
ノックの度にやたらと出てくるチョコレートは……
飾り付け用のこれだけ頂きますね

ああ、やっと出てきました
ラッピング用のリボンが飛び出したのを捕まえて、安堵の溜息
先の戦いで箱に戻られたケーキ怪人様の半額シールを丁寧に剥がして
リボンで可愛らしく飾り付けを
お家に戻ったら、温かいお茶を淹れて美味しく頂きますね
偶にはショートケーキで愛の日を過ごすのも乙なものかと

ギド様に転送お疲れ様でした、とご挨拶申し上げ…たい、ところ、ですが、はい。
お姿を目にした際に深々と頭を下げるだけにいたしましょう
無理をすると襤褸が出ます
…常日頃から発声練習でもするべきでしょうか

😘




「さて、見つかるとよいのですが……」
 イディ・ナシュがお目当ての品は、はじめから決まっていた。
 コンコン、と壁を叩けばポロリと落ちる可愛らしいチョコレート。
 けれど目的はそれではない。
 出てきたチョコはそそくさと返品したり、迷いながらも近くの子供に手渡してみたり。(それだけでも物凄く緊張したので、要特訓ですね)
「あっ……、……」
 たまたま小さなシルクハットの飾りチョコ。これならばあの方にも似合いそう、とイディは懐に忍ばせる。
「ああ、やっと出てきました」
 幾度目かのコンコンでようやく掘り当てたのは、ラッピング用のリボン。
 ふわりと宙に飛び出たそれを、落としてしまわぬようキャッチすると、ナジュはようやく安堵の息を吐いた。

 先の戦いで箱へと戻ったケーキ怪人。
 その箱に貼られた半額シールを丁寧に、箱を破いてしまわぬようにそっと剥がす。
 中のケーキには先程拾ったシルクハットのおべべを着せて。よくお似合いですよ、と優しく微笑んだ。
 ケーキを再び箱に戻して、最後はリボンで可愛らしく飾り付け。
「これで……ええ、よさそうですね」
 家に戻ったら温かいお茶を淹れよう。
 偶にはショートケーキで愛の日を過ごすのも乙なものかと。
 ひとりで食べるには少し多いし、勿体無い。
 お菓子が好きなあの子なら、ぺろりとひとりで平らげてしまうかも知れないけれど。

 帰り際、ギド様にも深々とお辞儀を。
 あの方はにこりと微笑み返して、恭しくお辞儀を返されてしまいました。
 もしかすると人見知りであることを見透かされたのかも知れないと思えば、やはりもう少し対人関係も克服せなばならないな、と感じられました。

 ……常日頃から発声練習でもするべきでしょうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蓮花寺・ねも
😘

ギド君に声を掛けよう。
待っているのも暇ではないかな。
ちょっとくらいは労働しに来給えよ。
滅多にない機会だ。ジャブジャブコンコンしてチョコを集めよう。

……まあ。労働というのはそこそこ方便でね。
きみも功労者であるのだし、恩恵は受けて然るべきではないかな。
元々の世界が違うと如何かは知らんが、一般に世話になったひとにチョコを贈る日だ。
ご友人やご家族に入り用だろう。

ああ、それと。好みの味があれば承ろう。
こう見えてもぼくはコンコンさせたらちょっとしたものだぞ。
今ならレアものでも引き当てられる気がする。

「一般に世話になったひとにチョコを贈る日」だ。
少し早いけれどね。
何時もお疲れ様。それと、ありがとう。




「やあ、ギド君」
「おや、ねも嬢。こんにちは」
 挨拶を交わすふたり。蓮花寺・ねもとギド・スプートニク――喋り始めれば存外喋るタイプのふたりなのだが、基本としては互いに言葉を飾らないように思える。
「待っているのも暇ではないかな。ちょっとくらいは労働しに来給えよ。滅多にない機会だ。ジャブジャブコンコンしてチョコを集めよう」
「まぁ、そうだな。まだ帰りが必要な時間でもあるまい。喜んで、お付き合いさせていただこう」
 よろしく、レディと頭を下げるギドを伴って、ねもはコンコン会場へと向かうのだった。

「……まあ。労働というのはそこそこ方便でね」
 コンコン、と地面を叩いて飛び出したチョコを吟味しながら、ねもは続ける。
「きみも功労者であるのだし、恩恵は受けて然るべきではないかな。元々の世界が違うと如何かは知らんが、一般に世話になったひとにチョコを贈る日だ。ご友人やご家族に入り用だろう」
「なるほど」
 実はギドは、あまり自分用――自分が知人や友人に配る用のチョコの事は、あまり考えていなかった。
 無論、無料で手に入るものだし土産を持ち帰るに越したことはないのだが、ギドの中にも多少なり「バレンタインは女性が男性にチョコを送る習慣」のようなイメージがインプットされていた。
「そうだな、ねも嬢のお言葉に甘えて……幾つか持ち帰るのも良いやも知れぬ」
 なんやかや、最終的にはそれなりの量のチョコを持ち帰る事にはなるのだが。ギドも少し真面目に、妻や知人の顔を思い浮かべながらその辺をコンコンし始めた。

「ああ、それと。好みの味があれば承ろう。こう見えてもぼくはコンコンさせたらちょっとしたものだぞ。今ならレアものでも引き当てられる気がする」
 にや、とその口角を少しだけゆるめ、ねもは得意げに笑う。
「ほう、それは愉しみだ。――とは言うものの、特に好みというものは無くてな。甘いものならば全般的に好むところだ」
「んん。そうか……ではこの引きにすべてを委ねよう」
 コンコン、と壁を叩いて。飛び出してきたのは4粒入り程の小さな箱のチョコレート。
「……まあ、こんなものか。ではギド君、『一般に世話になったひとにチョコを贈る日』だ。少し早いけれどね」
 何時もお疲れ様。それと、ありがとう。
 そう伝えながら、ねもはギドにチョコレートを手渡す。
「これは丁寧に。……然し、そうだな」
 ふむ、と少し悩んでから。ギドは唇に人差し指を押し当てて。
「私からの返礼は、後日としよう。ホワイトデー、とやらもあるのだろう? ならばその時に、『一般に世話になったひとに何かを贈る日』をさせて貰うとするよ」

 そう告げるグリモア猟兵の表情は、茶目っ気を含んで少し幼く感じられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト