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亡き絶海の学園

作者：幾夜緋琉

●亡き絶海の学園
「みんな！　ちょっとグリードオーシャンでまた新たな大陸が見つかったんだ！」
　と、双葉・翔は、周りの猟兵達に次々と声を掛けていく、そして。
「新たなる海域、グリードオーシャンはもう皆知っているよね？　この海域の一角に、どうやらアルダワ魔法学園にあった校舎の一つが落ちてきた島が出て来た様なんだ！」
「ただ、普通に校舎が落ちてきただけ……という訳じゃないみたいなんだ。どうもこの落ちてきた校舎には、早々にコンキスタドール達が巣くい、支配されてしまったんだ」
「島に救ったコンキスタドールの群れを排除しないと、島に入り込む事は出来ない……そこで皆に、このコンキスタドールの群れを排除してきて欲しいんだ」
　と、そこまで言いつつ、翔は現状分かっている情報を更に説明。
「島には校舎がドデン、と建っている様な形をしている。つまり、島に上陸すればすぐに校舎から見えてしまう、って訳」
「そして校舎の中に住まうコンキスタドール達の中で、『女学生』のリビングデッド達が先兵として仕掛けてくると思う。彼女達は瀕死になると、更に同じ女学生のリビングデッド達を召喚してくる。だから倒す時には瀕死にさせない様、出来る限り即時に倒す事が必要になる」
「リビングデッド達をどうにか倒せば、学園の中に足を踏み入れる事が出来ると思う。でも学園の何処かには、この島を支配している『十字皇の使い』が居ると思う。彼女を倒さない限り、島を開放する事は出来ないから、彼女を倒す為に頑張って欲しいんだ！」
　そして、最後に翔が。
「本当、グリードオーシャン。まだまだ見つけられていない島も一杯あるし、わくわくするよね？　でも、島々を解放するには皆の力が必要なんだ。宜しく頼むね！」
　と、拳を振り上げるのであった。

第1章 集団戦 『『女学生』のリビングデッド』

POW   :    ナイトメアランページ 自身が戦闘で瀕死になると【『女学生』のリビングデッド】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。 SPD   :    断末魔の瞳 【元居た世界への未練の籠った瞳】を向けた対象に、【死亡時の記憶を五感を伴う夢として見せる事】でダメージを与える。命中率が高い。 WIZ   :    「死がふたりを分かつまで」 【生前所属していた武道系部活動の道具】で武装した【恋人と、その後輩たち】の幽霊をレベル×5体乗せた【レベル✕2隻の幽霊船】を召喚する。 イラスト：透人 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「うーん。改造せぇふくさんの勧めるせぇふく天国……なんて神・依・頼！！」
　目をハートマークに染めながら、化野・花鵺はアルダワ魔法学園の校舎の聳える島へ向かう船に乗る。
　翔から話を聞き、グリモア猟兵も改造制服、そして敵として出てくるのも制服を着た女学生。
　もう、そんな話を聞いたら取る物取らず、気付いたら島に向かう船へ乗っていた……という具合。
　……そして彼女の乗った船が島へと横付けされ、他の猟兵達と共に下船。
　すると……それに気づいて、後者の方から次々と、『女学生』のリビングデッド達が現れ、猟兵達に向けて襲い掛かってくる。
「うわぁ……一杯きたぁ……うふふ♪」
　更なる至福を感じて、満面の笑みを浮かべる花鵺。
　でも、流石に殺到してきた彼女達になすがままに襲われる訳には行かない。
「よーっし、頑張るぞぉ～！」
　と、先ずは自分の周りにフォックスファイアの狐火を59個ぱぱっと作り出して、一番最前線で襲い掛かってきた女学生へ放つ。
　……瞬く間に炎に包まれた女学生は、ぱたり、と倒れる。
「あー。ちょっと強すぎたかー。それじゃぁ……」
　と、次の女学生に向けては、花鵺は40個の狐火を放つ。
　その後も、30個、20個、10個……と数を減らしつつ、女学生が瀕死になる狐火の数を模索し、弾き出す。
「35個で瀕死、かなぁ～。それじゃー……こうしよ～」
　嬉しそうに、狐火の数を調整しながら、周りに女学生が一杯いる状況を作り出す。
「最近の不遇全払拭だぁ。カヤ、こういう依頼大好きぃぃ……うふふ……」
　だらしない笑顔を浮かべながら、花鵺は自分で対処出来る数を維持し続け、制服一杯な状況を楽しみ続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「女学生のリビングデッドですか……」
　島に乗り込んだ猟兵達に向けて、次々と攻勢を始める『女学生のリビングデッド』。
　目の光は失われ、何処か……操られている様に、猟兵達へと刃向かう。
　……そんな彼女達を見た真宮・奏が。
「……同じ年頃の方の変わり果てた姿を見ると胸が痛みますね……」
　胸に手を当てて、瞑目する。
　……しかし瞑目している暇も無く、リビングデッド達は更なる攻勢を取る。
　そして……先の仲間が攻撃し、瀕死の状態になった者達は、更に同じ物を作り出して、数を増やす。
　そんな敵の動きに、真宮・響と神城・瞬が。
「瀕死になると手勢を増やすか、厄介だね」
「ええ。大元を即断たないと無尽蔵に増えると。なら、増やされる前に倒せば問題ないでしょう」
「ああ。奏、瞬、今回は攻撃重視だ。不利になる前に決着を付けるよ！」
「ええ。無尽蔵に増えて人を害する様ならば話しは別です。被害が広がる前に退治してしまいましょう！」
　響の言葉に奏、瞬の二人も強く頷く。
　そして、速攻ダッシュで敵の群れに飛び込んでいく響と奏。
　それを後方から。
「さあ、これを見切れますか？」
　高速詠唱、全力魔法、多重詠唱を重ねた『氷』の魔法の矢を約350本、リビングデッドの群れに放ち、総じてダメージ。
　更に奏が、トリニティ・エンハンスで攻撃力を強化した上での切り込み、怪力、シールドバッシュを含めた範囲攻撃の一閃。
　更に親子のコンビネーションで、響が二回攻撃と串刺しの範囲攻撃を重ねて放ち、周りの女学生達を纏めて殲滅していく。
　そんな三人の息の合った猛攻撃に、瞬く間に女学生は倒れ行く。
　確かに数体……倒しきれなかった敵も居る。
　しかしその数は少数で、倒した数の方が大幅に上回っている。
「数体討ち漏らしてるけど……この勢いで行けば、数を減らして行けそうだね」
「ええ。これからも、全力で行きます」
　響にこくりと頷く瞬。
　そして次の刻。
　敵陣ど真ん中に飛び込んでいる響と瞬は、その剣と槍を大きく振り回して、近くの敵を纏めて一掃。
　対して瞬は、二人の攻撃範囲に収まる物の、遠い所の攻撃が余り届いていない者達に対し、鎧無視攻撃を含めることで、ある程度等しく全体にダメージを与えるように動く。
　そんな猟兵達の猛攻と強力により、周囲に一杯いた敵の群れは段々、数が減っていく。
　……そして、最初の一手から十数分経過した頃には、残るリビングデッドも数体ほどに。
「さてと、もう残り少ないね。敵を纏めていくよ！」
　と、響が指示すると、残り少ない敵を纏めるように誘導。
　追いかけるリビングデッドをある程度同じ所に固めた上で、両面から挟撃する響と奏。
　更に追い打ちで、纏まった一角に瞬の渾身の氷の魔法の矢を降り注がせる。
　頭上から無差別に降り注ぐ氷の矢が、鎧無視によりずさっ、ずさっ……と傷付けて行く。
　……そして。
「これで……トドメです！！」
　奏が全力で剣を振り上げ、最後の一体、頭上から全力で振り落され……全てのリビングデッドは死した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『十字皇の使い』

POW   :    全き光 自身の【あらゆる攻撃どころか光も通さない漆黒の鎧】を代償に、【敵対者の心の闇を消し去る光の加護】を籠めた一撃を放つ。自分にとってあらゆる攻撃どころか光も通さない漆黒の鎧を失う代償が大きい程、威力は上昇する。 SPD   :    我らは嘗て在りし者の残滓、故に 【光通さぬ漆黒の鎧】で武装した【他の十字皇の使い】の幽霊をレベル×5体乗せた【魂の箱舟】を召喚する。 WIZ   :    我らが望むは闇なき世界也 【光あふれる世界の加護により】対象の攻撃を予想し、回避する。 イラスト：えんご 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　そして、女学生のリビングデッド達を倒した猟兵達。
　その勢いを止めない様に、魔法学園の校舎内へと突撃。
　……暗闇に包まれたその空間を、どんどん奥地へと向かっていくと……。
「……来ましたか……」
　静かに響く、冷たい言葉。
　その冷たい言葉と共に、漆黒の服と、蒼い髪の少女が、暗闇から姿を現わす。
「……まぁ、良いでしょう……貴方達を殺す事。それが……私の使命」
　その言葉をポツリ紡ぐと共に……すっ、と戦闘態勢に入るのであった。








「ぐぬぬぬぬぅ……」
　姿を現わした『十字皇の使い』に対し、ぎりぎり歯ぎしりをする化野・花鵺。
『……？』
　その冷たい視線を向ける彼女に、花鵺は。
「せぇらぁちゃんの次に何故学ランが出て来ないぃぃ！！　学園島ならお約束のはずぅ！　せめて作業着の用務員～～！！」
　びしっ、と指さしながら、地団駄を踏む花鵺だが、彼女は溜息一つ吐くばかり。
　そんな花鵺の横で、真宮・響、真宮・奏、神城・瞬の三人は彼女の姿を見て。
「ふむ……知り合い経由で十字皇の話は聞いていましたが……この世界にも関係者がいましたか」
「ええ。色んな世界に関係者がいる様で……何が目的なんでしょうね」
「そうだね……まぁ、何が目的であろうと関係無いさ。アタシ達のジャマをするなら排除だけの事」
「はい。先に進まなければいけませんので」
　と、真宮家の三人が武器を抜き構えると、彼女は。
『……私に刃向かおうと言う気ですか……まぁ、いいでしょう』
　冷たい表情は変わる事無く、手を上方に掲げる。
　……その動きと共に、地面から彼女と似た姿形をした『十字皇の使い』が多く乗った【魂の箱舟】が現れる。
　ただ、それに乗った者達は言葉を発する事なく、次々と箱舟を蹴り上がり、猟兵達に攻撃を仕掛けてくる。
「うー！！　お祖父さま、あいつやっつけちゃってよぉ！！」
　地団駄を踏んでいた花鵺が『偉大な天狐の召喚』を発動。
　花鵺の前に姿を現わした天狐は、後ろの花鵺にやれやれ、といった表情を浮かべるが。
「お祖父さまぁ、不肖の孫にお力添えをぉぉ！！」
　両手を合わせて頼み込む花鵺に、仕方ないな……と言うばかりに、その身に雷撃と風刃を纏い、駆け抜けていく。
　それに多数召喚された十字皇の使いの幽霊達が半数以上、倒れていく。
『……っ』
　僅かに視線が厳しくなる彼女……そして彼女は、猟兵達と間合いを取りつつ、奥の方へ。
「逃がさないよ！」
　と、その動きを鋭く見極めた響。
　取り急ぎ、二回攻撃の衝撃波を放ち、目前の残敵を吹き飛ばす。
　更に奏が。
「この炎が、未来を照らす灯となるように！」
　『煌めく神炎』を発動し、75個の炎を嗾ける。
　更に瞬も。
「さぁ、獲物はそこですよ！　容赦は不要です！！」
　同じく75体の狩猟鷹らを召喚、奏と共に、立ち塞がる幽霊達へ次々と襲撃。
　……鷹と天狐が暴れ周り、幽霊の数は激減。
「ゆるせない、せぇふくでもないのに花鵺を殺すとか生意気だぁ！　絶対許さないんだからぁ！！」
　奥に向かった彼女を追いかける花鵺に、真宮家の三人も続く。
　そして、彼女が退いたのは、この学園島の地下の最奥部。
『……しつこいですね』
　振り返り、追いかけてきた猟兵達に吐き捨てる彼女。
「せぇふくぅ、体操着でも水着でも学校はまだまだいっぱいせぇふくがあるのにぃ！！！」
　目に涙を溜めながら叫ぶ花鵺……それに彼女は小首を傾げる。
「まぁ、話しが厄介になってるけど、取りあえずこの世界にアンタの居場所はないんだよ。とっとと退場しな！！」
「そうです！　私の輝く神炎、喰らってください！」
　響が宣言すると、奏が再び炎を大量に生み出し、彼女に一極集中で放つ。
　炎が彼女に全方位から襲い掛かる……が、数撃を敢えて受ける事で、被害を最小限に。
　……いや。
「そう動くのは、既に予想済みだよ！」
　いつのまにか後方に回り込んでいた響が、彼女に怪力で掴みかかり、グラップルで殴り掛かる。
　更に瞬が奏の傍らより鎧無視攻撃、マヒ、目潰しを含めた誘導弾で攻撃。
　彼女を追尾し、確実に当てる一撃。
　地面に叩きつけられた彼女は、片膝地面に突く。
『……』
　ただ、言葉は無い。猟兵達に向けて、冷たい視線をただただ向けるのみ。
　……そんな彼女に、更に追撃を喰らわせるのは花鵺。
　破魔を乗せた衝撃波で、動きの鈍った彼女を狙い……彼女の身体は後方の壁に叩きつけられ。
『……っ……く』
　唇を噛みしめた彼女は、最早立ち上がる力も残されて居なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第3章 冒険 『洞窟大探検』

POW   :    未だ誰にも見つかっていないということは、誰にも行けない場所にある筈。危険そうな場所へ積極的に向かう SPD   :    お宝と言うからには様々な罠に守られているに違いない。人の手が入っていそうな場所を探索する WIZ   :    小さな噂も大事な情報。噂話の内容から、お宝の場所についての真実を推理する 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　そして、動けなくなった『十字皇の使い』。
『……ふ、ふふ……はははは……』
　何故か笑い声を上げると共に……壁に手を当て、僅かに力を込める。
　すると……その手を当てた部分が鈍い光を発する。
　そして、次の瞬間……学園島に地震の様な、強烈な振動が発生。
　その振動に合わせ、天井、岩などが校舎を破壊するが如く転がり落ちる。
『さぁ……あなたたちも……道連れ……この島と共に……死ぬの……よっ……！』
　その言葉と共に……彼女の上に巨岩が落下し、下敷きになった彼女は息絶える。
　しかし……周りが危険な状況であるのは変わず、至急此処から逃げなければならないのは明白であった。








「うわ、最後の一手、ってことですか」
「ええ。全く往生際が悪い。死ぬなら道連れを、ってことですか」
「そうだね。全く、色々突っ込みたい所はあるけどね」
　真宮・奏と神城・瞬に、真宮・響が肩を竦める。
　しかし、のんびりと会話している暇などない……もう既に、頭上の天井やら壁が崩れ落ち始めている。
「うぅぅぅ、せぇふくちゃんとならちょっと考えるけどっ！　あんたと心中なんかしてたまるかぁ！！」
　と化野・花鵺が目に涙を溜めながら、その手にフォックスファイアの狐火を大量に作り出す。
　そしてその狐火を、落ちてくる瓦礫に向けて放ち、無差別にぶっ壊していく。
「ここで無様に埋まる訳にはいかないし、脱出が先ず先だね。奏、瞬、急ぐよ！」
　響がそう奏、瞬に叫ぶと、奏、瞬も。
「そうですね。ここで無様に死ぬ訳にはいきません！」
「ええ。付き合う気は全くないので、即脱出させて頂きます」
　と言いながら、崩れゆく学園島の校舎内を駆けていく。
　……無論、崩れゆく校舎の中、来たときの道と同じ道で帰れるとは限らない。
　大きな瓦礫によって道が埋まってしまった場所や、既に完全に潰れてしまった場所も点在。
　流石に何度も行き帰りを繰り返す事になると、時間が掛かる訳で。
「しょうがないね……さぁ、一緒に行くよ！！　気張りな！！」
　と響が【真紅の竜】を発動し、真紅の竜を召喚し、花鵺をちょっと強引にその背に乗せる。
　更に奏、瞬の二人も。
「さあ、希望を持って未来を切り拓こう！」
「我が身は大切な者を護る為にある！！」
　【蒼の戦乙女】と【月読の騎士】をそれぞれ発動し、共にその背中に水色と純白の翼を生やし、飛翔能力を得る。
　……全員が飛翔能力を得る事で、足元の不安を全て取り去った状態で、校舎内の入口の方ではなく、屋上の方に向けて進む。
　そして、道中で落ちてくる瓦礫らは、衝撃波と狐火で打ち砕く。
　更に、砕け散った破片が自分達の方に飛んできたときには、オーラ防御を軸に、残像、シールドバッシュ、見切りの能力をフル活用し、苦難の道を力尽くで乗り越えていく。
　そうして、最上階にまで到達した所で……窓を破り、外へと飛び出す猟兵達。
　……飛翔能力で、ふわり……と校舎外に降り立った所で、花鵺が真紅の竜から降りる。
　すると、猟兵達の目前で……校舎は瞬く間に崩れ墜ち、崩壊していく。
　……その光景を振り返り、見上げた花鵺が。
「……ここ、アルダワから落っこちてきたんだよね」
　それに響が。
「ん……ああ、たしかにそう言ってたねぇ」
「だよね……災魔対策に集められた子達なんだから、見つからないよう生き延びるくらいの技術はあるだろおし……うー……」
　呻く花鵺……そして彼女は。
「うー……うー……生きてるかもしれないせぇふくちゃんを、見捨てられるかぁ！！」
　と、崩れている校舎の入口に踵を返し、駆けて行く。
「あ、ちょっと！！」
　と奏が慌てて叫ぶが、花鵺は崩れ掛けの入口に立って。
「アルダワのせぇふくちゃーん！　災魔は倒したよー！　一緒に逃げよー！！」
　と、大きな声で呼びかける。
　そんな彼女に、すぐに瞬と奏が追いかけ、花鵺を救い出そうとするが、花鵺は。
「生きてるせぇふくちゃんより大事な宝があるもんかー！！」
　じたばた身じろぎ、どうにか一人でも制服少女を助けようと足掻く。
　……だが、最初に倒した女学生のリビングデッドはもはや影形も無く、崩れ墜ちる校舎内には、既に死した十字皇の使いのみ。
　その様な校舎の中に、花鵺の叫び声は虚しく響くがのみ……そして奏と瞬の二人によって、危険な校舎内から力尽くで引き離される。
　そして、引き離されて数分後……僅かに残っていた校舎は完全に崩壊し、後に残るは校舎の残骸。
「うう……ごめんねぇ……ごめんねぇ……」
　と涙を零す花鵺に、響は肩を竦めつつ。
「まぁ……何て言えば良いか分からないけど、取りあえず無事に皆生還出来て良かった、って所かな」
「そうですね……皆さん、お疲れ様でした」
　労う瞬に、奏もこくりと頷き、微笑むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2020年04月14日