Onslaught on Slaughter(作者 五条新一郎
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「ヒャハハハハハ!!人間如きがイキがってっからこーなるんだよぉ!!」

 森に響き渡る男の哄笑。
 周囲を満たすは、血と、肉と、屍。つい数秒前まで人であったもの達。
 いずれもが細切れに解体され、無残に地へ転がる。剣や槍、猟銃、それら武器を握ったままの手も、また虚しく。

「皆で力合わせりゃヴァンパイアにも勝てる?苦しくても諦めずにいれば希望はある?」
 聞こえよがしな大声は、それを聞いている人間が確実にいると分かっているが故。
 そう、彼の視線の先に経つ、古びた教会に。
「馬ッ鹿じゃねぇの!いや、人間だから馬鹿だったなァ!!ギャハハハハハ!!」
 完全に人間を見下し、侮り、嘲る笑い。
「馬鹿で!ノロマで!弱っちぃ人間如きが!ヴァンパイアに勝てるかもなんて甘っちょろい夢見てんじゃねーよ!!」
 足元の、今しがた刎ね飛ばしたばかりの、人間の生首を蹴り飛ばす。ボールめいて飛ばされた生首は教会の大扉にぶつかり、大きな衝突音が響き渡る。
「てめぇら人間はなぁ!俺様に、ヴァンパイアにひれ伏し!怯え!絶望しながら生きる!それ以外は許されちゃいねぇ!それがこの世界の絶対の掟だ!」
 なあ、そうだろう?と男は背後に視線を流す。居並ぶ少女達が、虚ろに頷き肯定の意を返す。満足げに笑い、再度教会に視線を戻して。
「お行儀良く縮こまってりゃ、こうやってちょっとくらい良い目は見させてやったのに、てめぇらときたらよぉ!」
 大股歩きに教会へ近づく。大扉の前へ立つ。
「馬鹿な人間共には、躾をしてやんねぇとなぁ!ヴァンパイアに逆らおうなんて考えたらどうなるか、もう一回分からせてやらぁ!」
 四本の腕に力が滾る。それぞれに携えた剣が振るわれる。大扉が、瞬く間に解体され、破片が床に転がる。
 抱き合い、泣き喚き、震える人々。だが、誰一人として命乞いはしない。無駄だと理解しているのもあるが、何より、彼らは。
(諦めない…私達は諦めない、絶対に…!)

 故に祈る。希望を。幸福を。奇跡を――。



「――そう。それは、私達の手で」
 グリモア猟兵、セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)は決然と告げた。
「未だ、この予知の成就には間に合います。急ぎ、ダークセイヴァーのかの森――『人類砦』となっている教会へ、救援に向かって頂きたいのです」

『闇の救済者』達の活動が実を結び、人々の中にヴァンパイアの支配に抗わんとする意志を抱く者が現れ始めた。彼らが集い、築き上げた拠点は『人類砦』と総称される。
 然し、支配者たるヴァンパイアにとっては当然ながら愉快なものではない。故に戦力を派遣し、これを徹底的に叩き潰そうとしているのだ。力の差を見せつけ、残る人間達をより強く、恐怖と絶望の鎖で縛り付けるために。
 此度セラフィールが予知を見た人類砦も、その一つ。森の中の廃教会を中心に築かれた拠点。ここに、近隣の領主ヴァンパイアが派遣した戦力が迫っているという。

「指揮官は『鮮血鬼アルバ』、残虐なる戦闘狂のヴァンパイアです」
 四本の腕を持つという点が最大の特徴で、それぞれに異なる種類の剣を持ち、巧みな技を振るうという。
「更に配下として『レッサーヴァンパイア』を率いています。経緯は不明ですが、人間として生まれながら後天的にヴァンパイアとなった方々です」
 その力、生まれついてのヴァンパイアには劣るが、数は多い。油断は禁物だろう。
「今から向かえば、敵が襲撃を開始するその瞬間に間に合うはずです。かの地の人々を護りつつ、襲撃してくるヴァンパイア達を迎え討って頂きたく」
 敵の目的は、人々に恐怖と絶望を振り撒くこと。故、猟兵との交戦よりも砦の民への攻撃を優先する可能性がある。その辺りも考慮に入れる必要があるだろう。
「皆様の戦いぶりを以て、そうした恐怖を打ち砕き、希望をお与え頂ければ…より良いかと思います」
 生命のみならず、芽生えた希望の火も護って欲しい。それがセラフィールのもう一つの願いであった。

「人々の心に灯った希望の火。未だ小さきそれが、吹き消されぬことなきよう…皆様、どうか宜しくお願い致します」
 セラフィールが祈りを捧げれば、その頭上にグリモアの輝きが灯り――溢れる光が、猟兵達をダークセイヴァーのかの森へと導いてゆく。


五条新一郎
 冬薔薇の枯れる日はまだ遠く。
 五条です。

 此度のシナリオはダークセイヴァー、立ち上がった人々の拠点を守る戦いでございます。
 戦闘メインで参りたいと思う所存。

●目的
『鮮血鬼アルバ』率いるヴァンパイア部隊の殲滅。

●戦場
 ダークセイヴァー、とある森の中の『人類砦』。
 森の中の廃教会を修復し、その周辺に家や畑を作って築いた拠点です。
 人口はまだ50人少々。戦える人もいますがヴァンパイア相手にはほぼ無力です。

●第一章
『レッサーヴァンパイア』との「集団戦」です。

●第二章
『鮮血鬼アルバ』との「ボス戦」です。

●第三章
 人類砦の教会で過ごす「日常」です。
 教会で祈りを捧げるなり、村を見ていくなりすると良いかと。

●プレイングについて
 第一章はOP公開直後から、第二章以降は章移行後に断章を投稿しますのでそれ以降からプレイングを受け付けさせて頂きます。

 また、敵は猟兵との交戦より砦の住民への攻撃を優先して行動します。
「砦の住民への攻撃を妨害する」
「砦の住民の恐怖を和らげる」
 以上において有効なプレイングにはプレイングボーナスがつきます。

●NPC
 第三章はセラフィール・キュベルト(f00816)が召喚可能となっております。ご興味ある方はプレイングにて。

 それでは、皆様の信仰の加護に満ちたプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『レッサーヴァンパイア』

POW ●血統暴走
【血に飢えて狂乱した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD ●ブラッドサッカー
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【レッサーヴァンパイア】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ ●サモンブラッドバッド
レベル×5体の、小型の戦闘用【吸血蝙蝠】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


御狐・稲見之守
希望を、幸福を、奇跡を願う声あり。
ゆえに我来たれり。

よろしい、その祈り聞き届けようではないか。我は此処の住人達の神ではないがゆえ、その代理としてな。霊符による[結界術]を以て彼奴ら吸血鬼の魔の手から保護しよう。

さあ奇跡を願う者達よ、日々の幸福を、希望を強く想え。
それが絶望に克つなによりの剣となろう。

[UC魂喰らいの森]――魂喰卿、御狐稲見之守の名に於いて命ず。『森』よ、彼奴らを喰ろうてしまえ。同時に[呪詛][捕縛]にて吸血鬼共を呪縛し、住人に危害を加えることも逃げることも許さぬ。

ふふ、恐怖と絶望とやらは徹底的に叩き潰さなくてはなァ?


 疾走するレッサーヴァンパイア達は、程無く森を抜け集落に突入を果たす。その眼前に三名の青年――この人類砦の住民達を捉える。住民の側もまた彼女達に気付く。
「…ヴァ、ヴァンパイア!?」
「くそっ、ここに気付いたってのか!?」
 狼狽するも青年達の行動は早かった。一人は一目散に駆け出し他の住民へ敵襲を告げんとし、二人は其々肩に担いでいた猟銃を構えんとする。
 だが吸血鬼達が速い。青年達が銃の狙いをつけようとしたその時には、最前の二体が眼前まで迫っていた。その繊手に見合わぬ鋭利な爪を、青年目掛け振り下ろそうとして――衝突音。
「!?」
 見えざる壁に弾かれ、背後へ数歩、たたらを踏んだ。
「………?」
 青年達の目には、己を引き裂かんとした爪が、己の目の前で弾き飛ばされたように見えたろうか。果たして如何なる術理の働きが為した結果か――その答えは、背後よりの声によって齎された。

「希望を、幸福を、奇跡を願う声あり。故に、我来たれり」

 青年達が振り向けば、其処に在ったのは黒き狐の耳と尾を携えし黒髪の少女。青年達にとっては見慣れぬ異国の装いは、かの国の神職の装いにも似るが、幼くも見えるその姿より放たれる気配は、寧ろ崇め奉られる側が相応しい。
 事実、その者はかの地にて神として祀られしモノ。名を御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)と云う。
「あ…あんたは…!?」
「俺達を、助けてくれる…のか?」
 思いもよらぬ救援に、思わず問う青年達。応える稲見之守の微笑は、何処か謎めいて。
「我はお主らの祈り聞き届け来たりしモノ。お主らの本来奉ずる、この地の神の代理としてな」
 無論、その祈りとはグリモア猟兵の予知に基づくものではあるが。その言葉に嘘は無い。
「奇跡は此処に来たれり。そして奇跡願う者達よ、日々の幸福を、希望を強く想え」
 それが絶望に克つ何よりの剣となろう、と。稲見之守の語る言ノ葉は静かに、だが確かに青年達の胸を打つ。決然と頷く青年達。
「何が希望か…幸福か…!そのようなもの、我らが主上は認めない!」
「人間は我ら吸血鬼の前に恐怖し絶望し、頭を垂れよ!それが務め!」
 一方、不可視の壁――稲見之守が敷いた結界の向こうでその言葉を聞いたレッサーヴァンパイア達は口々に喚き、結界に拳を叩き付ける。その勢い、ややもすれば結界を突破しかねぬ程。
「やれ、力を借りているばかりの身でよく吠える。猟犬としては不相応よな」
 彼女達にいっそ憐憫とすら見える視線をくれてやりつつ、その手に一振りの刀を抜き、翳す。呪力に満ち満ちた、禍々しき妖刀。
「魂喰卿、御狐稲見之守の名に於いて命ず――」
 詠唱を始めれば、下位吸血鬼の周囲に満ちる、幻の霧。伴って、周囲の草木がざわめき始める。だがその場には微風一つ吹いていない。草木そのものが変異しつつあるのだ。
「な…?何が起きていると…」
 戸惑うレッサーヴァンパイア達。だが彼女達にもまた撤退という選択は無い。結界を破らんと、尚も拳を叩き付けるが。
「――我は魂喰の森をも喰らいし獣也。森よ、彼奴らを喰ろうてしまえ」
 詠唱の結びと共に、妖刀を一振り。それを合図に、木々の根が、蔓が、結界と格闘していたレッサーヴァンパイア達を絡め取り、草と枝とが突き刺さる。
「ぁぐ…っ!?な…に…?」
 脈動のたび、彼女達の身が震え跳ね、衰弱していくのが見て取れる。魂を、生命力を、草木が啜り上げていっているのだ。
 それは『魂喰らいの森』――アックス&ウィザーズ群竜大陸の一角、稲見之守が領主として有する領域の性質をひとたびこの場へ展開するユーベルコード。そこに彼女自身の呪術を上乗せし、虚ろな番人とすることもなく生命の全てを喰い尽くす貪食領域を形成したのである。
「ふふ、恐怖と絶望とやらは徹底的に叩き潰さなくてはなァ?」
 呵々、と笑う稲見之守の見る向こう、レッサーヴァンパイア達が魂と命の全てを喰い尽くされるまで、長い時間はかからなかった。
成功 🔵🔵🔴

空亡・劔
此処が…地球とも違う世界…
西洋妖怪の吸血鬼が支配する世界か

!!(ユベコ強制発動!防御力強化)

この世界の吸血鬼は妖怪とは何か違う気がするからどうか判らないけど…

【天候操作】で天候を晴天にするわ!

此処の人間達を護らないといけないのよね

【属性攻撃】
氷属性を武器に付与!

【残像】を残しながらも【二回攻撃】で切りかかるわ

戦いながらも砦の住民への攻撃の妨害を優先

己の体を晒してでも受け止めて切り捨てる

あたしらの世界にいる吸血鬼とは随分違うというか物騒ね

でも人間に手は出させないわ
人間の持つ心こそあたしら妖怪の糧なんだからね

うん…そっか…やっぱりあんた達は人間の恐怖の象徴
人間達に対する脅威なのね…?


 人類砦――砦と称するにはあまりに頼りない集落を、一人の猟兵が歩む。東方風の鎧を纏った白い髪の少女。腰に佩くは二本の刀。
(此処が…地球とも違う世界、西洋妖怪の吸血鬼が支配する世界か)
 彼女の名は空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)、本来はヤドリガミであったが、カクリヨファンタズムに流れた影響で妖怪と化したという存在であるらしい。
(!!)
 その視界に、砦の住民らしき人々を襲う吸血鬼が映ったその瞬間。彼女は己の全身にある種の力が滾るのを感じる。それは彼女自身の意思とは無関係に発動するユーベルコード。人々の畏れの顕現。
 一歩踏み込めば、その身は瞬く間に吸血鬼の前へ。背後の一般人の女性を抉り殺さんとばかり振るわれた爪を、抜き放った刀が押し止める。本来ヤドリガミたる彼女の本体でもある魔剣。
「…!何者…!」
「…この世界の吸血鬼は、妖怪とは何か違う気がするけど」
 己の知る、カクリヨファンタズムの吸血鬼を想起する。纏う雰囲気の血生臭さ、殺気立ち具合は、己の知る吸血鬼とは全く違う。一言で言えば、物騒だ。
「まあ、やってみましょうか!」
 剣を押し込み、レッサーヴァンパイアを突き飛ばせば、『ソラナキ』の銘を持つ己の本体たる刀を掲げる。すると剣から眩い光が天を目指して立ち昇り、空を覆う雲へと突き刺さったかと思えば。その一点を中心に雲が払われ、果てしなき蒼穹と、その中心で輝く太陽が姿を現す。彼女の有する天候操作能力が、人類砦周辺一帯へ晴天を齎したのだ。
「うあ…あぁぁっ!ま、ぶしい…!」
 その眩さに、一時目を抑えて苦悶する下位吸血鬼達。致命的とはいかなかったようだが、これだけ効果があれば十分だ。
「悪いわね、頂くわよ!」
 距離を詰めながらもう一刀を抜く。『二世氷結地獄』、地獄の底の冷気を放つという魔剣。事実、そこに宿る凍気はその表現に違和を感じさせぬ程の冷たさを帯びる。
 間合いへ踏み込めばただちに二閃。深く斬り裂かれたレッサーヴァンパイアはそのまま倒れ、消滅してゆく。
 だが見回せばそこかしこに逃げ惑う住民、それを追う吸血鬼達。息つく間もないらしい。
 残像すら残す程の超速で駆け、間合いに入ると同時に二刀を振るう。不意打ちの一撃にレッサーヴァンパイアは堪らず倒れる。更に駆ける。
 逃走の途中に転び倒れたらしい少年の背へ。トドメとばかり飛び掛かる吸血鬼。単純に攻撃するのでは間に合わない。
「…っ!」
 振り下ろされた爪を、己の肩で受ける。吹き出す鮮血、苦悶の表情。
「…人間に手出しはさせないわ」
 それは、人間の持つ心をこそ生きる糧とする妖怪故の矜持か。
「笑わせる。人間をどう扱おうと我々の自由」
 淡々と、だが悪意に満ちた反論を返す吸血鬼の少女。元人間とは思えぬ、より力あるものの意思をなぞるかのような様相。
「…うん、そっか。やっぱりあんた達は人間の恐怖の象徴。人間達に対する脅威なのね…?」
 カクリヨの妖怪らしい認識のもと、彼女達の意思をそう解釈した劔。ならば尚更、斬り捨てるに躊躇は無し。
 追撃の爪をソラナキで弾き、その隙に氷結魔剣を突き出し、少女へ突き刺さんとする。命中。地獄の冷気が溢れ出し、かの肉体は瞬く間に凍結、砕け散っていった。
(別物なら、遠慮はいらないわね)
 頷き。次なる敵を迎え撃つべく劔は駆けだしていく。
大成功 🔵🔵🔵

フォルク・リア
「全く傲慢な吸血鬼を絵に描いた奴の様だ。
ならば、絵に描いた悪役の様に見事に散って貰うしかない。」

到着したら何より早く【高速詠唱】で
アンノウンブレス使用。
敵と砦の間に棺群を召喚。敵に向けそれを開き
【呪詛】で攻撃し
幽霊には念動力で敵の足止めと
敵を砦に近づかせない様に周辺の守りにつかせ
人々を守る事を第一に行動。
幽霊の超感覚で感知した敵の情報をテレパシーで伝達
その情報を基に自身が攻撃に向かう。

戦術は幽霊の念動力で敵と蝙蝠を足止めした後。
自身がレッドシューターの炎やデモニックロッドの闇の魔弾で
レッサーヴァンパイアを仕留める。
「この先は吸血鬼も絶望も立ち入り禁止なんでね。
黄泉路の彼方までお引き取り願う。」


 レッサーヴァンパイアの一団が森を駆ける。獣道とも言えぬ茂みの合間も、人ならざるモノは容易くすり抜けてゆく。人類砦まではほんの十数秒。
 果たして、人間の隠れ住むその領域へと侵入を果たした吸血鬼達。視線の先には、此方に気付き一様に驚きと怯懦の表情を見せる人間達。
 非戦闘員なれど容赦はせぬ、務め忘れし人間共に恐怖と絶望の罰を。その意志のもと駆けだそうとした、その矢先。
「地の底に眠る不明なる霊。その身潜めし棺と共に、今一度現世に来たれ」
 朗々と響く男の詠唱。それに先んじるかの如く、吸血鬼達の周囲の地面に無数の隆起が生じたかと思えば、姿現すは禍々しき棺。瞬く間に林立した棺の群れは即席の城壁の如く、吸血鬼達の行く手を阻む。
「くっ、これは!?」
「死霊術の使い手でも居るというのか、小賢しい!」
 戸惑うレッサーヴァンパイア達だが、その使い手に見当をつける者もあり。ただの人間の行使する死霊術など恐れるに足りぬ、とばかり爪を振るって棺を破壊せんとするが。
「呪われたる棺の蓋を開きて、その異能を存分に振るえ」
 再び響く詠唱と同時、棺の蓋が勢いよく開かれる。そこから飛び出す黒の瘴気じみた靄が、棺を破壊せんとしたレッサーヴァンパイアに直撃。
「ぐあぁっ!?ぁ…が、こ、これ、は…っ…!?」
 悶絶しながら地を転がり回る吸血鬼、その動きは瞬く間に衰え、完全に停止するまで長い時間はかからず。
「躊躇も無く棺を壊そうとは、死者への敬意が足りないな。死の領域も自分達のものとでも思っているのか」
 棺群の向こう、その様を見届けながら、一団のもとへ歩み寄る姿が見える。纏うは、随所に魔術的な意匠や装飾を配した白のローブ。その顔はフードの下に隠れ窺い知れぬが、声音は若い男の様相。
 彼の名はフォルク・リア(黄泉への導・f05375)、生死に纏わる呪術に長じた魔術師にして研究者。今しがた絶命した吸血鬼の推測は、全くの間違いではなかったわけだが。
「人間共に我らが敬意を払うべき道理無し。死者であるとて変わりは無い」
 言い切ったレッサーヴァンパイア。その影から、無数の蝙蝠達が飛び出してくる。棺を飛び越え得るそれらを以て、人々を襲わんとする腹か。
「やれやれ。お前達の主は傲慢な吸血鬼を絵に描いた奴の様だな」
 その物言いに肩を竦めながら、フォルクはその手の黒杖を掲げ、再度詠唱を開始する。と同時に全ての棺の扉が開き。
「汝ら、我に仇なすものを退けよ。守られるべき者を助ける力となれ」
 続く詠唱に導かれるように、棺の中から無数の霊群が溢れ出してくる。その数、400体を優に超す。
「な…!?貴様、これ程の数を…!?」
 驚愕するレッサーヴァンパイア。先の絶命した一人の唯一の、致命的な誤算。それはこの術の使い手が、強力な猟兵であったという事実だった。
「絵に描いた悪役のように散って貰うとしよう。お前達にも、その主にも」
 飛び立つ死霊達。念動力を放ち、吸血鬼達が放った蝙蝠達を次々と仕留めてゆく。
「がぁぁっ!ぁ、が…ぁ…!」
「くっ、呪詛とは小癪…!」
 レッサーヴァンパイア達には先の一人同様に呪詛が襲い掛かり、次々と呪殺せしめてゆく。それを逃れた者達は棺群を乗り越え、フォルクを狙わんとするが。
「これが俺の戦い方だ。敵の戦法にケチを付けるべきではないな」
 霊群の念動力は彼女らにも及び、その動きを阻害にかかる。そこに、杖から放たれた漆黒の魔弾が命中すれば、力量に劣る吸血鬼の仕留めるなどは造作も無い。
「人間の分際で…!でも、入り口はそこだけじゃない…!」
 吸血鬼の一体が、一度森に退き別方面からの再侵入を試みる。だが彼女が森を抜けて人類砦への再突入を果たしたその時。
「この先は、吸血鬼も絶望も立ち入り禁止なんでね」
 その目の前にいたのはフォルク。別地点からの侵入を警戒させていた霊のテレパシーで察知、その突入口へと先回りしていたのだ。
「黄泉路の彼方まで、お引き取り願おうか」
 漆黒の手袋に包まれた手を翳す。放たれた炎が、レッサーヴァンパイアの身を包み。瞬く間に、その身を完全に焼き尽くしていった。
成功 🔵🔵🔴

防人・拓也
「状況は緊急を要するな。チーム・リーパー、集結だ」
と言い、UCを発動。隊員を集める。
「リーパー4、5、6、7をブラボーチーム。リーパー8、9、10、11をチャーリーチーム。残りは俺と一緒のアルファチームだ。4、8はそれぞれチームを指揮し、住民を守れ。アルファチームは襲われている住民を探しながら遊撃戦闘だ。各自、散開!」
と指示した後、自身のチームを率いて住民を探す。戦闘の際は『OB-D4カービン』を撃つ。敵の数が多い場合はフラッシュバンを使用。
住民を救出時は
「よく諦めずに生き残ったな。さ、安全な場所へ行くぞ」
と言い、ブラボーかチャーリーチームのどちらか近い方に住民を避難させる。
アドリブ・連携可。


「作戦区域に到達。リーパー、これより状況を開始する」
 人類砦の敷地内に、また新たな猟兵が降り立つ。迷彩服の上からプロテクターや各種軍用装備を装着した、如何にも兵士然とした青年。防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)、かつてはUDCアースにてUDC組織の特殊部隊に所属していた経歴を有する猟兵である。
 周辺の見回し、響く音に耳を澄ます。あちらこちらで上がる悲鳴。既に敵は砦内部に侵入しているらしい。
「状況は緊急を要するな。チーム・リーパー、集結だ」
 叫ぶでもなく、しかしよく通る明瞭な声で呼ばわれば。応えるが如く周囲の空間から滲み出てくるは、彼と同じ武装で身を固めた兵士の霊。『チーム・リーパー』、拓也自身を含め計11名からなる精鋭の兵隊だ。
「リーパー4、5、6、7はブラボーチーム、リーパー8、9、10、11はチャーリーチーム。残りは俺と一緒のアルファチームだ。ブラボーはリーパー4、チャーリーはリーパー8をリーダーとし、住民を守れ」
 その場でチームを三分割、手早く指示を出す。兵士達はいずれも己の判断力を有しており、簡潔な指示に対しても的確にその意図を把握する。
「アルファは襲われている住民を探しつつ遊撃戦闘だ。以上、各自散開!」
 締め括れば、兵士達は一様にラジャーと返答し其々に動く。右手へ向かう者、左手へ向かう者、リーパー1――拓也に随う者。そして拓也も駆けだす。まずは悲鳴が聞こえた方角だ。
「うあぁぁぁんっ!お母さぁんっ!」
「大丈夫っ、大丈夫だから…!一緒に逃げましょう…!」
 向かった先、粗末な木造家屋の陰から飛び出してきたのは、泣きじゃくる幼子を抱えた母親。何かから逃げてきた様子であるのは明白だ。そして家屋の向こうから急速に迫る、殺気立った気配。
 銃を構える。指示を下すまでもなく、随う兵達も同じく構える。銃は三者共に同一のカスタマイズを施したカービンライフル。トリガーに指をかける。迫る気配が――家屋の陰から飛び出してきた。猟兵たる身なれば間違いようが無い。オブリビオン――レッサーヴァンパイアだ。
 トリガーを引く。炸音。吐き出される弾丸。リーパー2・3、共に既に発砲を開始。眼前の吸血鬼の顔が驚愕に歪む。つい今しがたまで己が狩る側と信じて疑わなかった顔。一瞬で反転した立場を理解するより先に、ライフル弾が肩を砕いた。
 UDC怪物――異世界のオブリビオンと対するを想定して設計されたライフルの威力は、ヴァンパイア相手にも十二分に通用する。三人分のライフル斉射をまともに受けたレッサーヴァンパイアは、瞬く間にその身をスイスチーズと化して崩れ落ちていった。
「大丈夫か。俺達はこの人類砦の救援に来た者だ」
 その様を見届けつつも震えていた母子へ声をかければ、母親は必死な様子で首を縦に振るが。
「お父さん!お父さんが、お父さんが…!」
 抱かれた幼い少年が涙声で叫ぶ。断片的な言葉だが、状況を見ればその意図は明白だ。
「――分かった。努力しよう。貴方達はあちらの方角へ向かってくれ」
 ここからならチャーリーチームの担当区域が近い。彼らが向かった方角を拓也が示せば、母親は再度頷き、少年を抱えて駆け出して行く。
「――行くぞ」
 最悪の結果を潰す為には一秒たりとて無駄にできぬ。拓也は走り出す。リーパー2・3もそれを追う。

「ぐあぁっ!!」
 男の悲鳴。簡素な槍が音を立てて地に転がる。引き裂かれた腕を抱え、蹲る青年。
「人間は絶対にヴァンパイアには勝てない。それはこの世界の摂理にして真理、絶対の秩序」
 怜悧な貌を酷薄と染め、睥睨しつつ宣告するは吸血鬼。見ればその付近でも、三体程のレッサーヴァンパイアが同様に立ち向かってきた者達を追い詰めていた。
「秩序を、真理を理解せぬ下等生物。己の行いを後悔し絶望し死ぬがいい」
 そしてその手を振り上げて、鋭爪以て青年の首を刈らんとしたその瞬間。
「フラッシュバン!」
 声と共に投げ込まれたそれが、一体へ強烈な光を走らせる。不意の刺激に、さしものヴァンパイアも目を射抜かれ怯む。
 銃声が響く。目を押さえたままレッサーヴァンパイアの一人が倒れる。目を瞬かせ事態を把握せんとした一人も続いての掃射を受けスイスチーズと化す。三人目が駆け迫りながらカービンを連射するアルファチームを視認するのと、彼らの放った弾丸を全身へ受けたのは同時であった。
「な…!?貴様達…何者…!?」
 残る一体は身構えながら誰何の声を発するが。
「俺達か。俺達は…人間だ」
 返答と銃弾は同時に。瞬く間に、その場の吸血鬼達は全滅の憂き目を見たのであった。
「あ、あんた達…助けに、来てくれた…のか…?」
 奇跡でも目撃したかのような表情で、拓也を見上げる青年。そんな彼に、拓也は手を差し伸べながら告げた。
「よく、諦めずに生き残ったな。さ、安全な場所へ行くぞ」
成功 🔵🔵🔴

リーヴァルディ・カーライル
…恐怖と絶望を払うのなら吸血鬼狩りとしててはなく、
猟兵…闇の救済者として振る舞った方が良さそうね

…あまり得意じゃないけど…致し方無い

事前に"精霊石の宝石飾り"に祈りを捧げ、
風精に声を周囲に届けてもらい存在感を増大し、
大鎌に自身の生命力を吸収して魔力を溜めUCを発動し武器改造

…遠からん者は音に聞け。近くば寄って目にも見よ
我こそは闇の救済者…リーヴァルディ・カーライルなり…!

大鎌を変形した大剣に限界突破して雲まで伸びる"闇の光"刃を形成
残像が生じる早業で光刃を切り込む闇属性攻撃の後、
怪力任せに敵陣をなぎ払う2回攻撃を放つ

…来たれ、世界を覆う大いなる力よ

天をも切り裂く刃、その目でしかと見届けよ…!


 集落の各所より聞こえる銃声、喊声、叫声。人類砦における猟兵と吸血鬼の戦いは佳境を迎えていた。
 そんな中、集落の開けた一角――農地とするつもりなのだろう、程よく耕された地面の広がるそこに於いて、吸血鬼達を迎え撃たんとする少女が一人。吹き荒ぶ風に銀の髪が靡き、紫晶の瞳は鋭く細められ、向かい来たる吸血鬼達を見据える。吸血鬼狩り、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)である。
(こういう戦い…あまり得意じゃないけど…致し方無い)
 背後には彼女の背を見守る砦の住民達。己を『猟兵』より先に『吸血鬼狩り』と――『救う者』でなく『滅ぼす者』と定義する彼女にとり、本領ではない戦い。
 なれど、此度の敵は吸血鬼そのもの以上に、かの者達が齎す恐怖と絶望。真の意味で吸血鬼を滅ぼさんとするならば、かの者達が齎さんとするものも、諸共に。
 故に此度は『猟兵』として――吸血鬼の恐怖から人々を救う『闇の救済者』として戦う。それが此度、リーヴァルディが己に課した役割。
「…匂う。血の匂い。我らに似せた、下賤な人間の匂い」
「我ら程の貴きに至れず、人間共に媚び諂う半端者の匂い」
「浅ましき事、愚かしき事。在る事さえも罪深い」
「疾く滅ぼし我らの世界を浄化せねば」
 駆け迫りながら口々に。吸血鬼達の嘲る声が聞こえてくる。なれど今のリーヴァルディを揺さぶり得る言ノ葉には非ず。人でもなく吸血鬼でもない、その事実さえも今や彼女の内。
「――精霊達よ、応え給え」
 胸元に忍ばせた、虹色の精霊石を通じ、周囲に在る精霊達へ呼びかける。事前に捧げた祈りと、応えた風精の助けもあり、その声は霊的に劇的な拡大を遂げ。以て、この場の彼女の存在感を大きく高めていた。
「…限定解放。テンカウント。…来たれ、世界を覆う大いなる力よ」
 携えた大鎌を掲げる。リーヴァルディの生命力を魔力と換えて、鎌全体に魔力が満ちる。漆黒のオーラ――否、光が鎌全体を包み、その中で鎌は形を変えてゆく。
「此処に吸血鬼のオドあり。集い来たるは精霊のマナなり。重なり交わる大小の源。今、一つとなれ…!」
 リーヴァルディの周囲で、仄明るい光が幾つも浮かび上がる。精霊の魔力。掲げる鎌へと集ったそれらは一様に漆黒の光と溶けあい。光は徐々に天を目指して伸び上がってゆく。
「…さあ。遠からん者は音に聞け。近くば寄って目にも見よ」
 静かでありながら、迫る吸血鬼達にも、見守る人々にも届く、明瞭なる存在感示す声音。黒き光は尚も高く、高く伸び上がり。やがては上空垂れこめる鈍色の雲にまで到達する。
「我こそは闇の救済者、リーヴァルディ・カーライルなり…!」
 限界を超えた己の力と、精霊の力によって成るそれは『闇の光』が形作る巨刃。文字通り天まで届くその威容、砦の住民達はただただ、驚愕を以て見上げていた。
「虚仮威しを…!救済など人間には不要、貴様らに与えられるはただ支配のみ…!」
 レッサーヴァンパイア達もまた圧倒されかけるが、それは主たる上位吸血鬼への忠誠心か。失踪は止まることなく、尚もリーヴァルディへ駆け迫らんとする。
「ならば。天をも斬り裂くこの刃。人なる者はその目でしかと見届けよ」
 大鎌であったその得物、大剣と化したそれの柄を、両の手で確と握り込む。繊手に見合わぬ確かな膂力が、天まで刃届かすその剣を支え。
「――人ならざる者は、その身で篤と味わうがいい!!」
 そのまま、一気に振り下ろす。闇の極光が形作る巨刃が雲を裂き、ひとたびその隙間から蒼空を導いて。地へと叩き付けるように振り下ろされた闇光刃が、吸血鬼達を吹き飛ばす。
「な…!?」
 その一撃を逃れた吸血鬼達も、驚愕以上の行動を許されない。間髪入れず、リーヴァルディは腰を捻り、勢いのままに一回転。併せて刃を振り回し、敵の一団を薙ぎ払うこと二度。吹き荒んだ黒光の嵐は、その場の吸血鬼達を切り刻み、消し飛ばし。ただの一体も、その場に残すことは無かった。
大成功 🔵🔵🔵

彩波・いちご
【恋華荘】クトさんと
人類砦、必ず守り抜かないといけません
私達が希望になってみせます!
「クトさん、守りはお任せしても…?」
教会の防御は任せて、前衛で戦います

邪神が希望というのもどうかとは思いますが
【異界の顕現】で四尾の邪神の依代体に変化
素手でもヴァンパイアに負けない戦いを見せ、闇の救済者に勇気を与えましょう

ヴァンパイアを蹴り飛ばし、貫手で貫き、手刀で叩き付けて
1人で複数を相手取り、ヴァンパイアも怖くない所を見せてあげます

戦ってる最中、クトさんの声?
ふと見ると、クトさんを狙う敵がいたので、急いで庇いに
クトさんを庇って抱きしめつつ敵を叩きましょう
「大丈夫ですか?」

無事を確認したら、残敵掃討です


ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ
いちごちゃん(f00301)と頑張るのよ
教会が襲われるなら、クト放っておけないの

いちごちゃん、頑張ってっ♪
あ、でも乙女の柔肌は大事にするのよ?
※相変わらず百合女子と勘違いしつつ送り出す

貴方達の祈り、天に坐す我らの主はお聞き届け下さったの
だから…ソレが恵みとなる様、クトも一緒に祈るのよ
※教会の門前を塞ぐように跪いて、一心に祈る

クトが主へ願うは、勇者の加護、民の幸せ
…そして、あなた達悪魔への『慈悲』なのよ…!
※【斯くて祈りに応えし御遣いよ】起動

クトが痛くても、皆は絶対に…!
※天から降り注ぎ渦巻く神雷
※門へ近寄る敵&蝙蝠を焼き払う

ひゃ!?いちごちゃん、無理しすぎなの…
※庇ったのを責めつつも涙目&微笑


「ああ、神様、神様…!」
「どうか、私達をお守りください…!」
 人類砦の領域、その中心にある教会の中。襲撃より逃れてきた戦えぬ者達は、身を寄せ合いながら必死に祈りを捧げていた。実在すらも定かではない、然れど今この場において唯一縋り得る存在――即ち、神へ。
「哀れな人間達。居もしない神に祈ることしかできないなんて」
「それが人間の限界。その祈りがどれだけ無駄なことか、思い知りつつ死ぬといい」
 侮蔑を隠さぬままに、教会入り口へ集結するレッサーヴァンパイア達。彼女達を阻むのは、半ば朽ちかけた門扉一つ。閂がかかっていようとも、彼女達の力ならば破るなど造作も無い。
「さあ、恐怖し、絶望せよ。それが、貴様ら人間共に許された唯一の行為…!」
 身勝手なる人間共は殲滅あるのみ。門扉を破らんと、吸血鬼達が歩みを進めんとした…まさにその時。

「神様は、いるのよ」
 上から降る声。流麗ながらも決然とした女性の声。思わず見上げたレッサーヴァンパイア達は見た。教会の屋根の上から彼女達を見下ろす娘の姿を。
 白銀の長い髪を風に靡かせ、あどけなさの残る愛らしき表情を凛と引き締める彼女はヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ(スターナイトクルセイダー・f18623)――その内の一人格『クト』。纏う黒衣が示す通りのシスターである。
「貴方達の祈り、天に坐す我らの主はお聞き届け下さったの」
 跳躍、屋根上より降下し着地するは門扉の正面。背後の扉向こうにいるだろう人々に語りかける。信仰を己の一部とする彼女。故に確信している。神は、存在するのだと。
「だから…ソレが恵みとなる様、クトも一緒に祈るのよ」
 そして跪けば白魚の指を組み。祈りの姿勢と成す。その傍らに下りてくる、今一つの影。
「ええ、この地の人達を守るため。私達が、希望になってみせます!」
 宣言する顔は愛らしく、流れる青い髪は麗しく、そこから覗く狐の耳、尻から延びる一本の狐尾もまた愛らしく。可憐なる少女そのものの装いだが、その性は紛れもなく男。それが彼――彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)である。
「クトさん、守りはお任せしても…?」
 視線を傍らのクトへ向け問えば、クトは確りと頷いて。
「大丈夫なのよ、皆のコトはクトが確りお守りするのよ」
 両手を組んだままに頷く。その様は天主の守りぞ有ると示すかの如く。
「こっちは気にせず頑張って、いちごちゃん」
 故にいちごは攻めに専念を、と促すクト。だけど乙女の柔肌は大事に、と言い添えて。彼女はいちごを本物の女性と誤認していた。
「分かりました、ならば攻めは私が!」
 誤認は今更なので気にはせず、クトの様相にいちごもまた決然と頷き。二人を警戒していたレッサーヴァンパイア達と対峙する。
「ただの人間如きが我らに勝てるつもりか」
「その増上慢、正さねばならない」
 侮蔑を隠すこともない吸血鬼達の様相。だが彼女達には想像できていなかった。目の前の、少女の如き少年の行使する力が『ただの人間』のものでなど有り得なかったことが。
「いあ…いあ…無限無窮の最奥より、夢見る力をこの内に…」
 呟くように唱えられる冒涜的な呪文と共に、いちごの纏う雰囲気が一変する。視覚的な変化は、その身に生えた尻尾が四尾に増えたのみだが。渦巻く力の気配、それが齎す重圧は凄まじく。まさしく神の如き圧倒的な…否。
(邪神が希望というのもどうかとは思いますが…!)
 それは神は神でも邪なる神、いちごの身に宿る邪神の力。その限定的な解放。己の心身をひとたび邪神に侵させ、人としての命数を削るのと引き換えて得る、爆発的な力。
「…行きます」
 言い終わるより先に一歩踏み込んだ…かと思えばその身は既にレッサーヴァンパイアの一人の懐へ。突き出した貫手が彼女の胸へ突き刺さり、背中までを貫いていた。無論、致命傷である。
「ぁ…ぐ、ぅ…!?」
「…貴様…!?」
 何が起こったかすら理解できぬままにレッサーヴァンパイアの意識は暗転する。あまりの速度に慄きかけた残りの吸血鬼達が一斉にいちごを目掛け跳躍する。
「あなた達くらい、この力をもってすれば…!」
 脚を振るえば骨が拉げ、腕を振るえば首が飛び。いちごの一挙動ごとにレッサーヴァンパイアが一人斃れてゆく。まさしく圧倒的な戦闘力。
「…す…ごい…。あのお姉ちゃん…お兄ちゃん?すっごく、強い…」
「ヴァンパイアを、あんな簡単にやっつけるなんて…」
 戦いを見守る人々から漏れる声。たった一人で多数の吸血鬼を薙ぎ倒す姿は、挫けかけた人々の心を力強く支えんとしていく。
「くっ、人間にしてはやる…。…でも」
 しかし、そこで一部のレッサーヴァンパイア達がいちごから距離を取り、改めて狙いを定める。その先は――戦いを見守る人々。
「調子に乗るのはここまで。絶望に突き落とされなさい」
 彼女達の足元から溢れ出し飛び立つ、無数の影の蝙蝠。ユーベルコードによって生成されたそれらが、一斉に人々を目掛け襲い掛かる。
「くっ…!?」
 蝙蝠の群れに対しても四肢を躍動させて迎撃に当たるいちご。蝙蝠達はいちごに牙突き立てることもできぬまま次々と叩き落されてゆくが、その数はあまりにも多く。いちごの横を抜けて、数百体にも及ぶ蝙蝠達が人々を目掛けて迫り――
「主よ、どうか勇者にご加護を。そして、荒ぶる悪魔に慈悲を…っ」
 迫る脅威を前に、クトはただ、跪いたまま祈る。この期に及んで存在しない神に縋るのみかと嘲るレッサーヴァンパイア達の前で、それは起こった。
 曇天の空に走る稲光。クトと、その周囲の人々を囲むように、天より降り注ぐ雷。それらは地で蟠り渦を巻き、祈る者達を守るように駆け巡る。そこへ突っ込んでいった蝙蝠達が、渦巻く雷電に焼かれては灰も残さず消え失せる。
「何…だと…!?」
「これが、天におわす主のご加護にして慈悲なのよ…!」
 向ける視線に宿すは憎悪に非ず、ひとえに慈悲。応えるように降り注ぐ雷が、レッサーヴァンパイア達へも襲い掛かり。蝙蝠達同様に焼き払ってゆく。
「くっ…おのれ…!!」
 半ば自棄となって突撃にかかる吸血鬼達。降り注ぐ雷を紙一重でかわし、神雷の渦も飛び越えて。クトを狙って鉤爪を振り上げる。
「クトが痛くても、皆は絶対に…!」
 それを認めて尚、クトは祈りを止めない。止めれば人々を護るものは全て失われる。例え全身を切り刻まれようとも。主に加護願う祈りは止めはしない。覚悟を込め、重ねる手に力を籠め。
「クトさぁぁぁんっ!!」
 その時。横合いから飛び込んできた影が吸血鬼を蹴り飛ばす。全身を拉げさせながら吹き飛ぶ彼女、だがその影から更なる吸血鬼。振るわれる鉤爪が影を裂く。
「くっ…!?」
「ひゃっ!?」
 咄嗟にクトを抱き締める影。鉤爪がその腕を裂き、鮮血が噴き上がる。
「…いちごちゃん…!?」
 驚愕の声を上げるクト。その影――いちごは苦悶に表情を歪ませつつも、槍が如きサイドキックを放つ。直撃を受けた吸血鬼は、胴にクレーターじみた陥没を作りながら吹き飛ばされていった。
「…大丈夫ですか、クトさん?」
 敵の攻めがひと段落したところで、いちごはクトを離し確認の問いを。裂かれた腕から血を流したままで。
「…クトは大丈夫なのよ、…でも、いちごちゃん無理しすぎなの…」
 その傷の痛々しさに、クトの瞳が涙で潤む、しかしその行動に助けられたこともまた事実。故に口元は思わず綻び。
「あはは…すみません。でも、これくらいの傷は大丈夫です」
 クトに心配をかけぬように、とばかりに微笑むいちご。複雑そうながらにクトは頷く。
「さあ、まだ敵は残っています。掃討といきましょう」
 教会を包囲する吸血鬼を残らず打倒せねば。いちご達の戦いは続く。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

メリー・スペルティナ
ふふん、恐怖と絶望に襲われるのがどっちか、「分からせて」やりますわよ!

森の闇に紛れつつ、連中に奇襲を仕掛けます
少しでも傷をつければ傷を抉り、呪詛を捻じ込み、生命力吸収を
仕留めること以上に動きを押さえることを優先し、もし誰かが戦闘に巻き込まれそうなら身を張って防ぎます

攻防で傷を負い血が流れるなら好都合ですし、そうでなければ自ら手首を傷つけ流血、
その血を元に高速・多重詠唱でUC【偽・死の先を往く者よ】!
連中に関する無念や心残りを抱えた死者たちに仮初の体と、無念を晴らすための刃を与え戦闘に参加させ、
同時に教会へ向かう方向へ「使い捨て血晶石」を撒き時限式の呪詛を撒き散らす罠とし、逃さず殲滅ですわ!


「人間共の抵抗が予想以上に激しい」
「有り得ない。ヴァンパイアより強い人間がいるなど」
「標的を無力な人間に絞るより無し」
 人類砦を囲む森の一角、レッサーヴァンパイアの一団が話し合いをしている。視線の先には奮戦する猟兵達、彼らによって蹴散らされてゆく同胞達。
 自分達に対抗しうる敵の出現を受け、吸血鬼達は作戦の修正を余儀なくされていたが。
「下等生物如きに策を練るなどヴァンパイアの名折れ。正面より打ち滅ぼすのみ」
 自分達ヴァンパイアは人間に対する絶対的優生種、その驕りを捨てられずにいた。と、その時。
「その思い上がりが貴方達を敗北に追い込むのですわ!」
 声が響いたかと思えば、突然レッサーヴァンパイアの一人が倒れる。その背の傷の浅さに対し、地で声もなくのたうつ様は、何らかの呪詛の作用を窺わせるが。
 その背後から現れるは、波打つ意匠の黒剣を携えた少女。銀の髪を縦ロールにしたその姿は貴族じみているが、纏う雰囲気は高貴さとは聊か縁遠い。
「人間!?ぐ、いつの間に…!」
「この匂い…雑種!半端者めが卑劣な真似を…!」
 慌てて戦闘態勢を取る吸血鬼達。彼女がダンピールと気付き罵る者もいるが。
「ふふん、戦に卑怯も何もございませんわ!このメリー・しゅぺ…スペルティナ!容赦は致しません!」
 名乗りを噛んでしまいながらも堂々と言い切る少女――メリー・スペルティナ(暗澹たる慈雨の淑女(自称)・f26478)。
「人々に恐怖と絶望を撒き散らすべく此処を襲撃したのでしょうけれど、真にそれを受け取るはどちらか。『わからせて』やりますわよ!」
「それは我らの台詞…!半端者が調子に乗るな!」
 力強く宣言するメリーと、激した様子で彼女へ襲い掛かってゆくレッサーヴァンパイア達。戦いが始まった。

 禍々しき黒剣を振るいレッサーヴァンパイア達と渡り合うメリー。その刃は血と命を啜り、呪を注ぐ。僅かな傷からも喰らいつくそれらが吸血鬼達を蝕み、一人、また一人と斃れてゆく。
 なれどメリーもまた無傷とはいかぬ。鉤爪によって裂かれた柔肌からの流血は決して少ないものではない。だが吸血鬼達から奪った生命力により消耗自体は少なく、何より流血は彼女にとって決して不都合ばかりではない。
「現世に無念残せし者達よ…私の声が届くならば、どうかお応えなさい」
 宙空に腕を躍らせ、流れる血を舞わす。その動きは、宙に呪を刻むが如し。
「我が血を糧に、その遺志を遂げるための刃を与えます」
 舞い散る血液は宙に溶けるかのように消えてゆき。入れ替わるかのように、その場に滲み出てくるのは無数の人影。騎士、狩人、農民――その姿は様々ながら、共通する点が一つ、存在する。
「その無念を晴らしなさい。その想い、果たして見せなさい!!」
 彼らは皆、何らかの無念や心残りを抱えたままに死した者達。メリーの号令に応えるかのように、その手に剣を、弓矢を、農具を握り。一斉に、メリーと相対していたレッサーヴァンパイア達へ襲い掛かってゆく。
「な…っ!?これは…死者を、使役しているとでも…!?」
「おのれ、人間の分際で…っ!」
 反撃せんとする吸血鬼達だが、多勢に無勢。何より、メリー」が代償として血を捧げた結果として、彼らの戦闘能力は生前より格段に向上している。吸血鬼達は騎士の剣に斬られ、狩人の矢を受け、農具で打ち殺される者すらも出てくる程。徐々に数を減らされていく。
「ぐっ、これ以上は…!せめてあちらの人間共を…!」
 メリー相手では勝ち目が無いと悟ったか、レッサーヴァンパイアの一人が戦線を離れ。人類砦へ突入せんと駆け出していく。
「…が…っ!?」
 だが、数歩も駆けぬうちに、その身に無数の黒き痣のようなものが生ずると共に彼女を猛烈な苦悶が襲う。
「逃がしはしませんわよ!貴方達はこの私が残さず仕留めて差し上げます!」
 そんな吸血鬼へ宣言しつつ、眼前の別の一体を黒剣で刺し貫き仕留めるメリー。人類砦方面へは、既に彼女の手によって呪詛の罠が展開済みであった。動けぬ吸血鬼を、農民の亡霊達が包囲。農具で滅多打ちとする。
 そうして、レッサーヴァンパイア達は一人の人間もその手にかけること叶わぬまま、全滅の憂き目を見たのであった。
成功 🔵🔵🔴

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

薄汚い人間から
美しい吸血鬼に生まれ変われたのに
猟兵に狙われて可哀想ね

でも安心して?
貴女達オブリビオンを救済する為に私がいるの

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
『挽歌・朱業華』で私と同じ強さのカルマリア様を召喚

カルマリア:レッサーヴァンパイアは
撃破された個体を蘇らせて操るけど戦闘力は落ちる。
ルル、貴女の死霊術に比べれば児戯も同然よ

永遠の愛こそが死霊術の真髄ですもの♥
悲愴の剣とカルマリア様の蹴りによる【衝撃波・乱れ撃ち】で
操られた個体を蹴散らし
残りを【誘惑・催眠術・全力魔法】で魅了。
愛撫とキスで【慰め・生命力吸収】です♥

カルマリア:ふふっ、私は【吸血】の快感を教えてあげるわ


 壊滅し、敗走を決定づけられたレッサーヴァンパイア達。なれど迎え撃つ猟兵達の攻勢は止むことなく、次々と吸血鬼達は打ち倒されてゆく。
 そんな彼女達を、憐憫の視線で見つめる猟兵がいた。ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)である。
(可哀想ね…折角、薄汚い人間から美しい吸血鬼に生まれ変われたというのに)
 人間と吸血鬼の間に生まれ、それが故に人間から迫害されてきた彼女にとり、人間は侮蔑の、吸血鬼は敬愛の対象。彼女の両種に対する感情は、他の猟兵と根本的に異なっている。
(でも、安心して?貴女達オブリビオンを救済する為に、私がいるの)
 そしてその目的意識はより異質。オブリビオンは滅ぼすものに非ず、救うべきもの。それがドゥルールという猟兵の行動原理であった。

「…くっ、此方にも居たか」
「半端者め、そこを退け。薄汚い人間共を血祭りに上げてくれる」
 人類砦へと踏み入れば、別の猟兵の攻撃を逃れてきたと思しきレッサーヴァンパイアの一団と遭遇。見れば、その大半は混濁した瞳で虚ろな様相。生き残った者達のユーベルコードによって蘇生された者達だ。
「心配には及びません、貴女達のことは、私達が救って差し上げますから…。さあ、カルマリア様」
 微笑すら浮かべてみせながら、吸血鬼達に対し遜った様子で告げるドゥルール。その身には彼女が『守護霊』と呼ぶオブリビオンが憑依し、その力を底上げしていた。そして、彼女の背後から現れるもう一つの影。
「ええ、ルル。この子達に愛と救済を授けてあげましょう」
 銀の髪をツインテールとした、美しき少女。彼女の姿を見て、レッサーヴァンパイア達から驚きと動揺の声が上がる。何故なら彼女…カルマリアは、純血の吸血鬼――生まれながらにしてそれであった存在であるが故。
「貴様、何者…!?」
 純血の吸血鬼を従えるダンピール。その事実に戸惑うレッサーヴァンパイア達を尻目に、カルマリアは語る。
「数人以外は撃破された個体を蘇生して操っているだけみたいね。でも戦闘力は落ちてる。ルル、貴女の死霊術に比べれば児戯も同然よ」
 ユーベルコードによって蘇らされた個体の存在を見抜いていた様子。その言葉にドゥルールは微笑と共に頷き。
「永遠の愛こそが死霊術の真髄ですもの。さあ、皆様のことも愛して差し上げます…♪」
 諸刃の短剣を手に宣言するドゥルール。その雰囲気に、他の猟兵のいずれとも異なる異様な有様を感じつつも、レッサーヴァンパイア達は抗戦を試みるが。
「ふふっ、後付けの吸血鬼が純血たる私に勝てるとでも?」
 カルマリアがその白く滑らかな脚を振るえば、暴風が如き勢いで衝撃波が吹き荒れる。蘇生された個体はただそれだけで吹き飛ばされ再び斃れ。それを凌いだ生き残りの個体はといえば。
「……ぁ……」
「そう、なの…。貴女、私達を、救いに…」
 その瞳からは瞬く間に光が失われ、陶然とした様子で二人を見つめだす。今の数瞬でドゥルールが行使した魅了の催眠術の効果だ。
「ええ、ええ。猟兵達に狙われて、辛かったでしょう?でも、もう大丈夫。私が、私とカルマリア様が、愛して差し上げますから…♪」
「貴女達、上の吸血鬼に血を吸って貰ったのはいつかしら?その時以上の快感、教えてあげるわ」
 微笑みと共に手を差し伸べる二人に、引き寄せられるかのように歩み寄ってゆくレッサーヴァンパイア達。そのまま、肉体も精神も魂も蕩かされた彼女達は、ドゥルールの語る処の『救済』へと至ったのであった。
成功 🔵🔵🔴


第2章 ボス戦 『鮮血鬼アルバ』

POW ●斬殺剣鬼
【本来の力】に覚醒して【斬殺剣鬼】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD ●億戦錬磨
【数多の戦闘経験から】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ ●斬天
レベル×5本の【斬】属性の【斬撃波】を放つ。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は死之宮・謡です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ふん、やけに人間共の悲鳴が聞こえねぇと思ったら。加勢する連中がいやがったか」
 レッサーヴァンパイア達を全滅せしめた猟兵達の前に、一人の男――隊長格のヴァンパイアが姿を現す。
 長い赤髪を振り乱し、露わな額には黒い角。赤みがかった鎧は、要所を守る防御力と機動力を両立する形のもの。何より特徴的なのは、通常に倍する四本の腕を有し、その其々に異なる種類の剣を携えているという点だ。
「下僕共がまるで歯が立たねぇとはな。所詮紛い物とはいえ、クズ共にしちゃあやるじゃねぇか」
 浮かべる笑みは愉悦。闘争、虐殺、蹂躙。それらへの確信めいた予感に満ちたる笑み。
「てめぇらみたいな連中をギッタギタに嬲り殺してやりゃ、馬鹿な人間共にも理解できるだろ。俺等ヴァンパイアに逆らう行為がどれだけ無駄で無意味なコトかってなぁ」
 くく、と笑う姿は傲慢。己の優位を信じて疑わぬ者の様相。なれどその挙動に隙は見えず、その確信に至るだけの力の程を感じさせる。
「たった一人のヴァンパイアに、反抗者共が皆殺しにされる!こう聞きゃ人間共は恐れ、絶望するだろうよ!所詮無力な自分達は絶対にヴァンパイアには勝てねぇ、それがこの世界の真理、絶対不変の秩序だとな!」
 四臂の四刀を構え、真紅の瞳より鋭い視線を走らせる。猟兵達と、その背後に守られる人々を見据える。その全てを殺し尽くさんと欲する程の貪欲さを感じさせる殺気が溢れ出す。
「さあブチ殺してやるぜ反逆者共!精々無様に足掻いてみせやがれ!」
 吸血鬼――鮮血鬼アルバが迫る。かの者を打ち倒し、その兇刃より人々を守れ――!
御狐・稲見之守
――さすがに、あれを喰うては頭が悪くなりそうだ。

さて、随分な腕自慢のようであるが我のようなモノノ怪と死合うたことが果たしてあるか。喜ぶがいい――我の『とっておき』を見せてやる。

[UC千変万華]姿を次から次へと変え、幼姿では影業の刃で貫き、黒髪の女狐姿にて薙刀を振るい、白き神仙姿で霊符を放ち、黒き大狐姿では牙爪を突き立て、燻り狂える火狐姿では炎で轟かせ、不定の獣姿では絡め取り精気を啜り行く。

そして隙を見て彼奴を[呪詛][捕縛]で呪縛し、霊符を[化術]で白木の杭へと変化させたらばその身体に打ち込んでやろう。

ふふ、杭一つでは足りぬよなァ。
二つ、三つ、四つ……さて幾つまで行けるやら。


 構えるアルバに対し、不意に流れてきた声が一つ。
「――流石に、お前を喰うては頭が悪くなりそうだ」
「…何だと?」
 己を喰うという不遜に対してか、頭が悪くなるという不敬に対してか。苛立たしげに視線を向けるアルバの前に黒髪の女の姿。
「…てめぇ…人間じゃねぇな?狐の耳尻尾だけじゃねぇ、根本から『違う』」
 御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)――ヒトの姿をしたその存在を前に、アルバは訝しげに眉根を寄せる。
「ほう」
 稲見之守、意外げに笑む。狐耳尻尾ばかりの話でない、その先に至る差異にまで一見で気付くとは、存外と察しが良い。
「随分な腕自慢のようではあるが、我のようなモノノ怪と死合うたことはあるか?」
「ハッ、人間じゃねぇから何だってんだ。それが何であれ、人間如きの肩を持つってんならその程度の存在ってこったろうよ」
 だがその在り方の認識はこの程度であった。嘲笑と共に断ずるアルバ。
「なるほどな。ならば喜ぶがいい――」
 そんな彼の反応に謎めいて微笑み。そして宣言する。
「――お前には、我の『とっておき』を見せてやる」
 次の瞬間、アルバは己の目を疑う。ほんの数瞬前までその場に在った黒髪の女狐が、幼い童女の姿と変わっていたためだ。
「…何…?」
 何らかの術の作用か、なれば己は既に彼女の術中か。いずれにせよ取り得る手段は一つ。
「何のつもりか知らねぇが!妙なことするより先にブチ殺してやらぁ!」
 疾走、童女を串刺しにせんと上左腕の細剣を突き出――そうとして危険を察知、跳躍する。一拍後、彼が在った場所から飛び出るは無数の黒き刃。不自然なほどに長く伸びる稲見之守の影、そこから飛び出しアルバを串刺しにせんとしたものだ。
「躱したか。随分と勘の良い」
「ガキの形してあんな影してりゃぁな!人間共なら騙されたろうが俺様はそうはいかねぇ!」
 跳躍の勢いを乗せ、振り下ろすは上右腕の曲剣。鋭利なる湾曲が、黒髪の童女を斬り裂いて――直後、その姿が炎と爆ぜる。
「がぁっ!?」
 炎に包まれながら吹き飛ぶアルバ。咄嗟に地を転がり消火の後、起き上がって確かめれば。
『なれば謀りは幾重にも。ヒトならざるモノと相対するは如何なる行為か、教示してくれよう』
 爆心より数歩後ろ、炎によって肉体形作りし紅蓮の狐の姿。燻り狂う唸りと共に、アルバの耳へ届く稲見之守の声。背部に揺らめく炎の九尾が振るわれる毎、炎が放たれアルバを襲う。
「しゃらくせぇ!こんな温い炎で俺様を倒せると思ってんなら…!」
 対するアルバ、四腕と其々の四刀を振り回す。伴って生じた剣閃が衝撃波となり、四方八方へ放たれては炎と相殺しあう。
『然様、未だ斃れられては困るというものよ』
「…ちっ、今度はそうくるかよ!」
 全ての炎が放たれれば、眼前には漆黒の毛並みを持つ大狐。アルバ目掛け飛び掛かり爪を振るえば、その胸を浅く裂く。
「だが迂闊だな、ケダモノ風情が俺様に、この距離で敵うワケ無ぇだろうが!」
 なれどアルバも反撃する。下右腕の短剣を突き出し、黒狐の首元へと抉り込み。その首を斬り落とさんとする。
『愚かなものよ。全く無為に飛び込んだと思うてか』
「…何だと…!?」
 黒い姿が瞬く間に崩れ落ち、漆黒の粘菌めいた様相を呈する。そのままアルバの六肢へ絡みつけば、生ずるは活力を吸い上げられる感覚。
(…いや、それだけじゃねぇ、こいつは…!)
 代わって流れ込む奇妙な感触。まるで六肢へ染み込み、其を石か何かの如く不動のものに変えんとするような――呪詛。
「…離れ、やがれぇ!!」
 アルバの貌に焦りが滲む。絡みつく不定形を引き千切るように振り切り離れるが、既に六肢の重さは無視できぬ程だ。思うように動きが取れぬ。
「――ふふ。姿形不定なるこそ真、これぞ夢と現つの狭間に巣食うカミにしてモノノ怪の本領也」
 分かたれた漆黒は再び一点に集い、最初と同じ女狐の姿を取る――否、最初は黒であった髪と耳尻尾は、今や純白。伴って発せられるは、霊妙なる神威。
「さて、血吸いの妖なれば、用いるべきはやはりこれであろうな」
 腕を振るえば放たれるは一枚の霊符。それは空中で形を変え。
「ぐぁ…っ!?」
 アルバの身に突き刺さったその姿は、白木の杭。異世界において、吸血鬼を滅ぼすために用いられるという道具。
「ふふ、やはり一つでは足りぬなァ。さて、幾つまでいけるやら」
「て、てめぇ…っ!ぐっ、ぐぁ…!」
 嗜虐を感じさせる声音に対し、表情はあくまで神秘を纏い。その手が振るわれるたび、霊符が放たれ白杭と化して。二つ、三つ、四つ。吸血鬼の身を、穿ってゆく。
成功 🔵🔵🔴

保戸島・まぐろ
「ふうん、なかなかに強気じゃない」
燻製にしたマグロ肉を口にしながら、ユベコ「フードファイト・ワイルドマグロモード」を発動。
「愚かなものね。その『馬鹿な人間共』の前で、あなたは地べたを這うことになるのよ」
構えるはマグロの姿をした剣。炎をまとわせて一気に切り込むわ。
この剣は防御にも適している。相手の剣を防ぎつつこちらも攻撃。
「無様に足掻く、結構ね! 泥臭い戦い方が私たちには似合うのよ! そんな無様な私たちに倒されるあなたはどうなのかしら?」
「勝利を確信している、そのあなたの幻想をぶち壊すわ! 私たちを侮った報いを受けなさい!!」
私の最強最大のパワーで最後の攻撃! 打ち損じたら後のみんなに任せるわ!


空亡・劔
………そっか
この世界の「人間はヴァンパイア」に勝てないのね
つまり…あんたは災害とも言える程の「人類の脅威」と言う事ね

…認めるわ
あんたは人類を蹂躙する脅威であると

だから…「狩る」わね

UC強制起動
攻撃力増強

【天候操作】で晴天

【残像】を残しながら可能な限り回避し致命は避け
但し一般人を狙われれば身を挺して庇う

【属性攻撃】で武器に氷属性付与
【二回攻撃】で二刀による猛攻

痛い?あたしが倒れないのが不思議?

それはあんたがとても強いからよ
人類が…人々があんたらを恐れてるから
その恐怖が…己を害する脅威に対する恐れがあたしに力を与える

あたしの故郷の吸血鬼も似た性質の奴はいるんだけど

あんたらは…生々しいわね


「ちっ、女狐め…!だが耐えきった俺様の勝ちだ、後は人間共を狩り尽くすだけってなぁ!」
 傷つきながらも未だ闘志折れぬ様子のアルバ。事実、少なからず流血はしているようだが、その身のこなしに陰りは見えぬ。
「ふぅん、なかなかに強気じゃない」
 その様子を呆れ半分、興味半分に眺める少女。その頭には黒猫の耳、身に纏ったセーラー服のスカートから覗くのはクロマグロの尾部。マグロ肉の燻製を食べながら呟く彼女は保戸島・まぐろ(無敵艦隊・f03298)。
「でも、愚かなものね。その『馬鹿な人間共』の前で、あなたは地べたを這うことになるのよ」
「ギャハハハハ!愚かなのはてめぇだ!何だ、起きてる振りしてホントは夢ん中ってか!」
 そんなキマイラであるまぐろだが、アルバにとっては人間という認識らしい。不敵な宣言にも下劣な罵倒で返す。
「…そっか」
 そんなやり取りを眺めていた空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は、何処か納得したように呟く。
「この世界の『人間はヴァンパイアに』勝てないのね」
「ハッ、物分かりのいい奴もいるみてぇだな。そうだ、それがこの世界の――」
 己の言葉を理解したかのような物言いに、改めて闇の秩序を説かんとするアルバだったが。
「つまり…あんたは災害とも言える程の『人類の脅威』と言う事ね」
「…は?」
 彼の言葉を遮って続けられた劔の言葉、アルバは理解が追い付かず間の抜けた反応しか返せない。
「…認めるわ。あんたは、人類を蹂躙する脅威であると」
 劔の纏う雰囲気が一変する。それは力無き人々に対しての無力化と引き換えに、彼らを脅かすものを討つ力授けるユーベルコード。
「だから…狩る、わね」
 大妖怪を自称する彼女、其に相応しい威圧感が、その総身から放たれる。
「ハハハハハ!結局てめぇもそっち側かよ下らねぇ!その選択、間違いだったと後悔させてやらぁ!」
 そんな劔の意思をも、嘲る哄笑と共に笑い飛ばすアルバ。疾走、瞬く間に彼女へ肉薄。
「っ、速い…!」
「てめぇら如きに捉えられる程ノロマじゃねぇよ!おらぁ!」
 踏み込みの勢いを利し、下左腕の長剣を内より外へ。斬り上げの一閃が劔を襲う。
「ぐっ…!」
 咄嗟に抜いた二刀を構え防ぐも態勢が崩れる。アルバ、追撃とばかり下右腕の短剣にて刺突を仕掛けようとし――咄嗟に飛び退く。
「ええぇぇぇぇいっ!!」
 一瞬の後、気合の声。次いで、地を打つ音と共に叩き付けられる、炎を帯びたクロマグロ――型の刀。跳躍したまぐろが、その場へ落下する勢いと共に振り下ろした一撃だ。先程まで食べていたマグロの燻製、それがユーベルコードによってまぐろに肉体の活性と炎のオーラを与えていた。
「ちっ、外したわね」
「そんな大振りが見えねぇワケねぇだろうが!人間共ならいざ知らずな!」
 嗤いながらアルバ、上左腕の細剣にて刺突。まぐろの胸を狙った兇刃は、しかしクロマグロの腹に阻まれる。
「残念、この剣は防御にも適してるのよ!」
 己の身を護るように構えた大剣を振るい、横薙ぎの斬撃。
「ちっ!」
 素早く後ろへと踏み退いて、クロマグロの刃をかわすアルバ。
「思ったよりは遣えるじゃねぇか、だがなぁ…」
 アルバの身より立ち昇る、赤き血色のオーラ。二人は見る。そして感じる。アルバの力が、より一層高まっていくのを。
「俺様の力はまだまだこんなモンじゃねぇ!格の違いを思い知らせてやらぁ!」
 言い切るより先に、その姿は再度まぐろの前へ。大剣による横薙ぎ。
「っきゃぁぁっ!?」
 再度クロマグロで防ぐも、速度も重さも先程より数段上。吹き飛ばされてゆくまぐろ。
「成程、それがあんたの本気ってワケね…!」
 追撃を仕掛けんとするアルバの前へ割り込む劔、冷気纏う魔剣にて斬り込む。
「ハッ!てめぇら程度に本気出すワケねぇだろうが!こいつは本気の二歩手前ってトコだ!」
 短剣にて斬撃を防ぐアルバ、長剣を振り上げ反撃。劔、今一本の魔剣を以て受け流し、そのまま更なる攻撃を繰り出す。
 アルバの四刀と、劔の二刀とが交錯する。劔の二刀による猛攻は幾度もアルバの身を捉えるが、反撃もまた苛烈。残像を駆使して攻撃を回避するも全ては躱せず、その身には幾つもの傷が刻まれてゆく。
「ちっ…てめぇ…!」
 徐々に苛立ちの色を帯びるアルバの表情。突き出した細剣の刺突が劔の肩を捉える。噴出する鮮血、だが劔の動きには聊かの陰りも見えぬ。
「――あたしが倒れないのが、不思議かしら」
「何…!?何かあるっていうのか、てめぇ…!?」
 不意に劔が言葉を発する。振るった魔剣を短剣で受け止めつつも、訝しげに問い返すアルバ。
「ええ、理由は簡単。――あんたが、とても強いからよ。その強いあんたを、人々が恐れているから」
 教会の窓から、建物の影から。戦いを見守る人々。その視線にはアルバへの――吸血鬼達への恐怖と、それに立ち向かう猟兵達への羨望にも似た期待とが見て取れる。
「その恐怖こそが、その恐怖を払って欲しいという願いこそが。あたしに力を与える」
 元はヤドリガミであった劔。故にこそ、人の想いを受け、人の想いに応えるための力が、与えられたのかもしれない。
「成程な…!つまりはこういうことだ!」
 劔のその語りを受け、アルバは嗤う。嗜虐に満ちた笑みを。そして長剣の一振りで劔を退かせたかと思えば、教会を目指し駆け出した。
「まずは人間共を皆殺しにしてやらぁ!そうすりゃてめぇらは無様な雑魚の群れでしかねぇって……なぁっ!?」
 その速度は常人の目には留まらぬ程。窓から戦いを見守っていた人々を串刺しにせんと、細剣を突き出したその瞬間。猛烈な衝撃が、彼の身を横から吹き飛ばした。
「無様だろうと何だろうと!皆を守るため!果たすべき務めのために戦うのが私達よ!」
 それはクロマグロ型の大剣、其を構え見得を切るは無論、まぐろである。その身より滾る力は先程より尚強く。口に咥えたマグロジャーキー。まぐろが自ら釣り上げ、解体し、燻製にした彼女手製の逸品。更に高められた力は、かの鮮血鬼にさえも追随する。
「敵を見下して勝利を確信する、そのあなたの幻想を、ぶち壊すわ!」
 態勢を立て直そうとしているアルバを目掛け跳躍、振り上げたクロマグロに己の持てる全ての力を籠めて。
「ちっ、だがそんな大振りは通じねぇと…ぐっ!?」
 迎え撃たんとするアルバ、だがその直後に半身へ感じる痛み。
「あたしの故郷の吸血鬼よりも…生々しいわね、あんたらは」
 劔である。冷気を伴う彼女の双刃が、アルバの下左腕と右脚とを斬り。迸る冷気が一時、其処を凍てつかせたのだ。振り切るアルバ、だが最早、振り落ちる剣は眼前。
「私達を…人間を侮った報い!全身で受けなさいっ!!」
 そしてまぐろが大剣を振り下ろす。爆発的な力の前に短剣での防御は突破され。そのまま、鮮血鬼の全身を、大地へと叩き伏せたのであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

リーヴァルディ・カーライル
…クズに馬鹿、そして無力…お前達はいつもそう
人間を弱者と蔑み、虫けらのように見下して…


…そんな人間に敗北するお前は存在する価値も無さそうね?

挑発して敵の気合いや殺気を第六感で捉え易くし、
今までの戦闘知識から敵の先制攻撃を暗視して見切り、
大鎌を武器改造して双剣化しつつカウンターでUCを発動

…無駄よ。お前の殺気は至極、読みやすい

どれだけ速く、どれだけ強くなっても私には通じない

怪力の踏み込みから残像が生じる早業で懐に切り込み、
限界突破して魔力を溜めた双剣で敵を乱れ撃ち、
無数の魔刃のオーラで防御を無視して傷口を抉る2回攻撃を放つ

…これがお前が馬鹿にした人間が編み出した業、
吸血鬼狩りの業と知れ、鮮血鬼


フォルク・リア
(傲慢なのは手下と変わらないが。
力は段違い。大きくでるだけの実力はあるらしい。
厄介な事だ。)

森の中木の陰に隠れ
闇討ちの法陣発動。
威力を上げる為に【地形を利用】ローブに【迷彩】を施し
潜伏しながら敵に気付かれない様に詠唱を継続
隠れつつ敵を観察し攻撃に備え。
気付かれたら真の姿を解放。
血煙の様なオーラを纏う姿となり
攻撃を【読心術】で【見切り】回避。
更に月光のローブの【オーラ防御】で軽減し
呪装銃「カオスエンペラー」の銃撃で牽制。

闇討ちの法陣の威力が十分上がったら
銃撃で牽制、タイミングを悟られない様にし
狙いを定めて放つ。
「お前達(吸血鬼)用のとっておきだ。
お前の言う世界の真理とやらに縋って耐えてみるか?」


「ちっ、雑魚共が次から次へと…流石は人間ってか。群れるだけはお上手なこった」
 新たに現れた猟兵達を目にし苛立たしげに呟くアルバ。これまでの戦いで少なからず負傷はしているが、尚も猟兵を見下すその態度に変わりは無く。
「クズに馬鹿、そして無力…お前達はいつもそう。人間を弱者と蔑み、虫けらのように見下して…」
 その一人、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。鮮血鬼を見据える紫苑の視線に宿るは苛烈な敵意と、殲滅の決意。それらを乗せて鎌を振り下ろす。
「ハ、事実を事実として言ってるだけだろうが?お前ら人間はいつもそうだ、その辺の獣より弱ぇ癖に、俺等ヴァンパイアと対等どころか上だと思い上がってよぉ!」
 その視線を正面より受け、鎌の刃を長剣と曲剣の交差で受けるアルバ。苛立っていた表情を侮蔑と嗜虐に歪め、嘲りの意を隠しもしない。
「そんな人間に傷つけられて…あまつさえ敗北するお前は、存在する価値もなさそうね?」
「あぁ?こいつぁ人間じゃねぇ連中の仕業だ。だから自分達にもできるとか、夢見てんじゃねぇぞイキリ雑種が」
 両者の交戦と舌戦を、木々の合間より見守るは今一人の猟兵。フォルク・リア(黄泉への導・f05375)。ローブに施した迷彩魔術により、本来ならば森の中でも目立ちそうなローブ姿は風景に溶け込み、隠匿の役を果たしていた。
(傲慢なのは手下と変わらないが。力は段違い)
 リーヴァルディの攻撃を巧みに捌き、反撃の刃を繰り出すアルバ。その攻防に隙は無く。確かに、実力差の歴然たるは紛れもない事実。故の傲慢さか。
(厄介な事だ…が。これを討つことこそ、俺達の務め)
 その為にこそ、備えは十全としてきた。後はこれを確実に適切に用いるのみ。
「――我は乞う。我は求める。闇に光を。夜に黎明を――」
 詠唱を開始。己の集大成たる秘儀。確実に、最大の効果を以て、かの鮮血鬼へ叩き込む為に。

「――どうした?私程度、簡単に殺せるじゃなかったの?」
 鎌の柄で曲剣の斬撃をいなし、その流れで細剣の刺突を刃で逸らす。石突で踏み込もうとした脚を牽制しつつ距離を取り、刃を振り下ろす。リーヴァルディとアルバの攻防は続く。
「遊んでやってんだよ。俺様の飽きた時がてめぇの死ぬ時だと思いな」
 リーヴァルディの挑発に嘲笑で応えるアルバ。だが、その挙動には変化が生じつつある。
(――嘘ね。今のこの男に、遊べる程の余力は無い)
 振るわれる刃の太刀筋の、僅かな鈍り。数多の吸血鬼と刃を交わしてきたリーヴァルディ故にこそ察し得た変化。『人間如き』に攻めあぐねている現状に対する苛立ち、焦り。
(仕掛けるは、今)
 長剣の大振りを、後方への大跳躍で回避。空中より鮮血鬼を見下ろしながら、大鎌を水平と構え、念ずるはユーベルコード。吸血鬼狩りの業、乱舞の型。
「…その命脈を断つ」
 宣言が如く呟けば、大鎌の柄が刃に近き位置で折れる。分かたれた二本を左右の手に構える。柄と刃とが一直線と化し、石突が柄を巻き込んで刃へと変異。リーヴァルディの着地までの数瞬にて、大鎌は二振りの剣へと変形を果たしたのだ。
「鎌一本じゃ敵わねぇからって二刀流かよ!四刀流舐めんじゃねぇぞ!」
 その型の変化が癇に障ったか、苛立ちも露わに踏み込むアルバ。細剣の刺突に加え、長剣と曲剣による斬撃を合わせた三刀同時攻撃。懐へ飛び込まんとする敵には短剣を備える、防御も回避も困難な必殺の攻撃…その筈であった。
「――無駄よ。お前の殺気は至極、読みやすい」
 冷然と告げ、リーヴァルディはアルバの懐へ潜り込む。構えられた短剣を左の剣で弾き逸らし、そのまま脇を抜け――同時、右の剣を一閃。
「ぐあぁっ!?」
 苦悶するアルバ。胸に刻まれた刃の傷は一つではない。斬撃に伴った複数の魔刃、それらが鎧を貫き彼の身を斬り刻んだのだ。
「殺気を垂れ流しながらの剣など鈍も同じ。どれだけ早く、どれだけ強くとも。私には通じない」
 向き直り、宣告するリーヴァルディ。対するアルバの表情は、最早苛立ちを――怒りを隠すこともなく。その髪よりも赤き憤怒に染まって。
「て、めぇ……!!人間如きが、調子に乗るんじゃねぇ!!」
 四刀を滅茶苦茶に振り回す。怒りに我を忘れたかとも見える様相だが、そうではない。
「……!!」
 刃が振るわれるたび、その軌跡に沿い斬撃の波が生じ、凄まじい速度にて飛び放たれる。振り回される四刀全てが形成する斬撃波の数は凄まじく。
「そこのてめぇもだ!!」
「!」
 アルバの声が明後日の方向へ放たれる。否、そこにいたのはフォルク。彼の存在にもアルバは気付いていた。
「何を企んでいるか知らねぇが!人間風情の猿知恵如きで俺様を欺けるワケねぇだろうが!」
 叫ぶと共にフォルクへも襲い掛かる無数の斬撃波。荒れ狂う刃が周囲の木々の幹を裂き、枝を斬り落とし、時には木そのものをさえ斬り倒してゆく。
「これが!これが俺様の!ヴァンパイアの力だ!!恐怖しろ!絶望しろ!こんなチンケな砦風情、跡形もなく吹き飛ばして――」
「――吹き飛ばしてしまえる、などと思った?」
「…な…!?」
 喚くような叫びに割り込んだ、静かな声。驚愕する間もあればこそ、懐に潜り込んだのは白き吸血鬼狩りの娘。
「その斬撃波、全て私が打ち払った。言ったはず、私には通じないと」
 アルバには確かめる余裕も無かったが、事実、フォルクのいた森の荒れ具合に比し、教会をはじめとした人類砦の建物には致命的な損傷が無い。リーヴァルディの双剣に伴う魔刃を以て打ち消したのだ。
「これが、お前が馬鹿にした人間の編み出した業――吸血鬼狩りの業と知れ、鮮血鬼」
 言葉が終わるが早いか、アルバの懐へと踏み込む。力強い踏み込みは湿った地面に深く足をめり込ませ、以てその身に力を漲らせる。
 双剣を振るう。限界を超えた魔力を噴き出し、凄まじい速度で振るわれる双刃がアルバを斬り刻む。溢れ出した魔力は更なる刃と化して荒れ狂い、アルバを更に穿つ。噴き上がる鮮血。
「が…ぁ…っ!!て、めぇ…っ…!!」
 苦悶の表情で、それでもリーヴァルディを睨み下ろすアルバ。
「未だ斃れないか。ならば、此方の秘儀も受け取ってもらおうか」
 そこに向けられる声。見れば、斬撃波の嵐で木々の多くが薙ぎ倒された中心にフォルクの姿。ローブより立ち昇るは、血煙が如きオーラ。真の姿の発露であった。
 ローブは所々が裂け、血が滲んでいる。アルバの精神状態を見切っての回避、オーラの障壁による防御、呪装銃による相殺、それらを以てしても全てを凌ぐには至らなかった。なれど、為すべきことは守りきった。
「その手管を包み封じよ、静謐なる織布」
 詠唱と同時、放たれるのは漆黒の、清浄なる力を帯びた骸布。リーヴァルディの刃に刻まれ血垂れ流す身では回避叶わず、全身を巻かれて動きを封じられる。
「ぐ…っ!?くそっ、こんな布切れが…!」
 もがくアルバ、だが無論これで終わりではない。
「撃ち抜け、破魔の銀礫」
 無数の銀の弾丸が降り注ぎ、アルバの全身へと穿たれて。
「邪なる赤き流れを食い荒らせ、呪いの鉄針」
 地より飛び出した赤黒い釘が傷口へと突き刺さり、帯びたる呪詛が血を啜り上げる。
 そして、フォルクの手には、眩いばかりに聖き光を放つ白銀の剣。これら一連の武器群こそが、フォルクの切り札。対吸血鬼を研究し続けた果てに見出した、闇を討つ法陣。
「が…あぁ…っ!!て、めぇら…!この俺様をここまでして、ただで済むと…!」
「これはお前達用のとっておきだ。お前の言う世界の真理とやらに縋って、耐えてみるか?」
 憎々しげに呻くアルバに言い放ち、フォルクは剣の切っ先を、かの鮮血鬼へと向けて。
「――暁の剣よ。終わりなき夜に、終止符を」
 刀身の帯びたる光が切っ先へと収束。直後、放たれた聖なる魔力の奔流が、鮮血鬼を包み込んでいった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

彩波・いちご
クトさんと

「絶望なんかさせません。たった一人で私達に勝てると思わないでくださいね」
前回より引き続いて異界の顕現による四尾の依代体のまま、更に今度は【異界の邪剣】を召喚し手に取ります
「私達は決して諦めない。それこそが真理です!」

強化された膂力で、敵の四刀を切り結びます
舞うように四刀を避けつつ、邪剣で攻撃を受け流し、返す刀で切り付けて

とはいえ、さすがに剣の本数差は如何ともしがたく…少しずつ押され気味で
剣を弾かれバランスを崩したとき…クトさんが助けに
「…天使!?」
綺麗な…これはクトさんとトーリさんの融合…?

一瞬見とれますが、この援護は無駄にしません
クトさんの攻撃に続けて追い打ちを一閃、斬りつけます


ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ
いちごちゃん(f00301)と一緒なのよ

退いてくれるならよかったけど…
でもクトは…いちごちゃんを、皆を護りたいのよ

「なら後は力で、主の御心を証明すべきですわね」
ふぇ、トーリ?!いきなりなの…

あ、でも証明って…アレ、やるのね?
「ええ、クト。御遣いの似姿を以て戦いましょう。
 いちごさんを護り、民の絶望を祓うには最適かと」
うん…!

いちごちゃぁぁぁんっ!!
※ユベコ起動、天使化と同時に突撃
※剣戟で押され気味ないちごを【かばう】

うん、間に合ってよかったの
ふふっ、クトはクトなのよ♪
「半分は私でもありますが♪」

さあ…コレが天の槍、そして主の愛なのよ
「「悔い改めなさい!!」」
※羽吹雪で牽制しつつ聖槍で縫い止める


「くそ…っ!人間共がいい気になりやがって…!」
 全身に創傷と火傷。明らかなダメージを追いながら、アルバは苛立ちを募らせていた。何故だ。何故人間如きに優生種たるヴァンパイアの自分がこうまで。
「どんなに強くたって。たった一人で、私達に勝てると思わないでくださいね」
 そこに立ちはだかるは彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。揺らめく尻尾は四尾、先のレッサーヴァンパイア戦の折に顕現せしめた邪神の力は今も彼の身に宿る。
 それだけではない。言葉と共にアルバへと突き付けたのは、禍々しき意匠の長剣。邪神の眷属が変じたる、深淵の狂気宿る一振りだ。
「…それがいい気になってるってんだよ!どんなに強い力があろうが!人間程度に使いこなせるもんかよぉ!」
 アルバの表情が怒りに染まる。いちごの宿す邪神の力、それそのものの脅威を感じながらも。己をも上回りかねぬ程の力、人間風情が使いこなせるとは思えぬが故…或いは、信じられぬが故に。
 同時に溢れ出す凄まじいまでの殺気。負いたる傷をまるで感じさせぬ程に、六肢へ力が漲ってゆく。
「思い知り、絶望しやがれ!これが!本当の力って奴だ!!」
 踏み込みは一瞬。振るわれる長剣の一撃を、邪剣で受け流すいちご。
「…っ!私達は、決して諦めない!それこそが真理です!」
 吼え、邪剣を振り上げる。アルバもまた曲剣で受け流す。交戦の開始である。

「…退いてくれるならよかったけど…やっぱり、そうはいかないのね」
 交戦を開始した両者を、憂いの表情で見つめる修道女。ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ(スターナイトクルセイダー・f18623)、その主人格たる『クト』。博愛主義者の彼女、相手がオブリビオンとはいえ戦わずに済むならそれが最良と考えていたが。現実はそうはゆかぬ。
「でもクトは…いちごちゃんを、皆を護りたいのよ」
 繊手は組まれ祈りの形に。だが信仰に生きるが故に彼女は知る。祈りだけで全てが解決できる訳ではないと。
「ならば。後は力で、主の御心を証明すべきですわね」
「ふぇ!?」
 突如背後からかけられた思わぬ声、だが何よりも馴れ親しんだその声に、思わず間の抜けた驚声を上げるクト。振り向けばそこにいたのは、黒髪をポニーテールに纏め、凛とした金瞳の娘。纏う雰囲気は異なれど、その顔立ちはクトと全く同じ。かつては双子の妹として、今は別人格という形で共に生きるもう一人の『ヴィクトーリヤ』。
「トーリ…いきなりでびっくりしたのよ」
「黙って見てはいられませんでしたので。出てきてしまいました♪」
 瞳を瞬かせながら言うクトに、もう一人の彼女――『トーリ』はくすくすと笑って答える。普段はユーベルコードによって現れることの多いトーリ、故に唐突な出現はクトとしては驚いてしまうようだ。
「…あ、でも証明って…アレ、やるのね?」
 とはいえ、クトもトーリが現れた理由を察していないわけではない。この状況にて二人が並び立つ意味。力による神意の証明。
「ええ、クト。いちごさんを護り、民の絶望を祓うには最適かと」
「うん…!これで、いくのよ…!」

 向かい合うクトとトーリ、白と黒の娘。其々に手を組み、瞳を閉じて祈りの構え。
「我ら、光影の比翼を羽撃かせ」
 両者、共に瞳を開く。クトの蒼瞳と、トーリの金瞳が互いを映す。
「執るは、天を貫き魔を穿つ刃」
 クトが左手を、トーリが右手を伸ばす。互いの指が絡み合い、確と組み合う。
「「さあ、彼の者の罪を浄めましょう!!」」
 組み合う其々の手を天高く掲げれば――光の柱が立ち昇り、二人の身を包んでゆく。

 一方、アルバと交戦するいちごは、押されていた。
「ヒャハハハハハ!!どうしたどうしたぁ!威勢がいいのは口だけだなぁ!?
「くっ、う、ま、まだまだ…っ!」
 哄笑と共に攻勢を強めてゆくアルバ。細剣の刺突を弾けば即座に曲剣が袈裟懸けに襲う。足を引いて間合いを取り躱すもその懐に横薙ぎの長剣が飛び込んでくる。邪剣を縦に構え止めるが更に短剣が突き込まれる。身を捻るが脇腹が浅く抉られる。
 邪神の力を励起させたいちごであるが、己の力全てを発揮したアルバは更にその上を行っていた。その上で、一刀に対し四刀という手数差を最大限に活かす剣技。猛攻の前に、いちごの身には既に少なからぬ傷が刻まれていた。
「人間風情が不相応な力を持ったってなぁ!俺様を、ヴァンパイアを倒せるはずが無ぇんだよ!空っぽの頭でも理解できるだろ、この圧倒的な実力の差ってヤツをなぁ!!」
 ここぞとばかりに罵倒を叫びながらも、アルバの攻勢に隙は見えず。長剣の一撃を防いだ邪剣をかち上げれば、バランスを崩し後ろへ倒れるいちご。
「あうっ!?」
「こいつで終いだ!後悔しろ!絶望しろ!所詮人間如きの身じゃヴァンパイアには敵いっこなかったんだってなぁ!!」
 その喉笛へ狙い定めて繰り出される細剣の刺突。邪神の反応速度を以てしても尚、狙い違わすこと叶わぬ超速の一突き。いちごの命散らす必中必殺の一撃が、白く細い喉を串刺しに――

「いちごちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 その時、両者の間に舞った白と黒の羽。到達することのなかった死。
「な…っ!?てめぇ…は…!?」
 アルバの驚愕する声。確実に殺った、慢心を加味しても尚確信できる一撃が、仕留めるに至れなかった現実。許容を拒む声。
「――良かった。間に合って、良かったの」
 いちごの視界を覆うは、一対の天使翼。右は純白、左は漆黒。その向こうから聞こえる、親しんだ声。
「…天使…?でも、この声は…」
 だが、いちごの知る姿とはあまりにも異なる、眼前の姿。戸惑いに応えるかのように、声が続ける。
「ふふ、クトはクトなのよ♪」
「半分は私でもありますが♪」
 声の主がクトと答えれば、同じ声音が違うトーンで続ける。そう、それはクトとトーリの融合した姿。白の修道女と黒の聖騎士とが一つとなり、熾天使となった姿。音よりも速く駆け抜けて、いちごに迫った兇刃を己の刃もて弾き退けたのである。
「天使だぁ…?ふざけやがって、人間共に余計な希望を抱かせるまやかしか!」
 状況を認識したアルバ、憎々しげに呻きつつも身構え直し、クトとトーリを目掛け斬りかかる。
「ならてめぇを殺せば!人間共もより絶望するって寸法だなぁ!!」
 だが刃は空を切る。白と黒の翼羽搏かせ、熾天使は空へと舞い上がった。降り注ぐ黒白の羽の嵐が、鮮血鬼の視界を覆う。
「さあ…コレが天の槍ですわ」
「そして、主の愛なのよ」
 その向こう、クトが右腕を、トーリが左腕を広げる。周囲に展開されるは、清浄なるオーラを纏う聖なる槍。それらが一様にアルバへとその穂先を向けて。
「「悔い改めなさい!!」」
 宣告は二重。声と共に聖槍が一斉に大地へと撃ち出される。舞い散る羽が目くらましとなり、弾道の見切りを困難とし。
「ちっ…ぐっ、ぐあぁぁっ!?」
 回避できたのは最初の数本。続いて飛来した一本が肩を貫けば、立て続けに何本もの槍が命中。脚に突き刺さった槍が大地までを貫き、鮮血鬼の身をその場へ縫い留める。
「がっ…ば、馬鹿な…っ!?こんな、こんなまやかしが、俺様を…!?」
 その状況が信じられぬとばかりに叫ぶアルバ。一方のいちごは、上空のクトとトーリが織り成す神威の顕現、そのあまりの壮麗なる様に魅入りかけていたが。
(…いいえ、この援護、無駄にはしません!)
 彼女達が作った好機、活かさぬ手はない。素早く立ち上がり、そのまま疾走。槍を抜こうともがくアルバへと肉薄する。
「て、てめぇ…っ!?」
「強き力を御し、制し、己の力と成す!それも、人間の強さです!!」
「ぐあああああぁぁぁぁぁ!!?」
 その胴へと邪剣の袈裟懸け一閃。鮮血鬼の胸に、深い、深い斬撃を刻み込んだ。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

メリー・スペルティナ
……貴方も部下もひたすら自分より下を見て生きて……あ、「生きて」ませんでしたわ
まあ上を見れば異端の神に同族殺しと「無力さを痛感させられる」相手に事欠きませんものね


再度UCで死者たちを「再生」させます!
敵攻撃は多少の傷なら無視、第六感と武器受けで守って、狙えるなら腕の関節部を狙いますが、
基本は防衛優先ですわ。直接打倒は多分無理ですし

ところで
呪詛はわたくしの血に由来し、再生した死者達は代価とした血をその器とするが故に同じ「呪詛」が宿る
さて、貴方、今何人分の返り血を「浴びた」かしら?

と、彼らとわたくし自身による「罠使い+呪詛」のトラップですわ!

無力な格下と侮った事、後悔なさい!
※アドリブ連携歓迎です


防人・拓也
「…どうやらゲス野郎が来たようだな」
と言い、『ブレイブ・ソルジャー』を発現させながら弾を1発を手に隠し持つ。
ダッシュで距離を詰め、ブレイブ・ソルジャーの拳で攻撃。敵は回避して、反撃するはず。その時わざと攻撃をくらいながら、敵のどこかに隠し持っていた弾を入れる。その後、距離をとる。敵が調子に乗って追撃するところでUCを発動。敵の懐へ瞬間移動し、ブレイブ・ソルジャーのアッパーで浮かせる。
「知っているか? ゲス野郎は何をやっても、しくじるもんなのさ」
と言い、ブレイブ・ソルジャーで怒涛の拳ラッシュを放ち、フィニッシュブローでゴミ置き場にぶっ飛ばす。
「アリーヴェデルチ(さよならだ)!」
アドリブ・連携可。


「ちくしょう…!有り得ねぇ、有り得ねぇ…!この俺様が、人間如きに…!」
 よろめきながらも立ち上がるアルバ。既に全身より夥しく流血し、特に胸には深い傷が幾つも見える。だが尚も彼は立つ。己は優生種たるヴァンパイア、人間程度の存在に敗れるわけにはいかない、それはこの世界の理に反する、あってはならないこと。その矜持が、彼の命を繋いでいた。
「…どうやらゲス野郎が来たようだな」
 向かう先には二人の猟兵。一人、防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)がアルバに気付き向き直る。ゴーグルの下、瞳の様相は窺い知れないが、向ける視線に籠めるのは確かな敵意。
「あぁ?誰に向かってモノ言ってやがる…クズ程の価値も無ぇ人間風情が」
 苛立たしげに、憎々しげに。視線に睨みを返すアルバ。そんな彼を見遣り、メリー・スペルティナ(暗澹たる慈雨の淑女(自称)・f26478)は肩を竦めて。
「…貴方も部下も、ひたすら自分より下を見て生きて…いえ、『生きて』ませんでしたわ」
 ある種の憐憫すらも籠めて言い放つ。憐憫は時として、敵意を超える悪意として突き刺さる。
「…何だと…?」
「上を見れば異端の神に、同族殺し。『無力さを痛感させられる』相手に事欠きませんものね?」
 この世界のヴァンパイアが脅威と認識する、それらの存在。なれど無力という程、隔絶した実力差がある訳ではない――だが、追い詰められたアルバには、そう返す程の余裕も無かった。
「…人間如きが…知った風な口を聞くんじゃねぇ…!」
 激するままに四刀を構え、メリー目掛けて斬りかかる。負傷深けれども刃は迅く、だが。
「アリァアッ!!」
「ぐあぁっ!?」
 横合いからの衝撃に吹き飛ぶアルバ。見ればそこには拓也と――その傍ら、拳を振り抜いた姿勢で立つ、人型のヴィジョン。『ブレイブ・ソルジャー』、拓也の傍に立ち、共に立ち向かう、守護霊的存在だ。
「怒りも結構だが、周りが見えていないな。余程、追い詰められていると見える」
「て…めぇ…!!」
 身構えながら言い放つ拓也に、青筋すら立てながら睨み返し、起き上がるアルバ。だが、その周囲に更なる姿が浮かび上がる。
「…何、だ…?」
 それは騎士であり、狩人であり、また農民であり。姿は様々なれど、在り方は一つ。
「さあ皆様、本命のご登場ですわ。かの者を打ち倒し、今こそその無念を晴らしなさい!」
 宣言するメリー。掲げる右腕より、自らつけた傷による流血。その血を糧として再度現れた死者達。ヴァンパイアの犠牲となった人々。その無念、その恨みを以て、ヴァンパイアへと迫る。
「…ハッ!馬鹿は死ぬまで治らねぇと思ったが、死んでも治らねぇ程の馬鹿ときたか!」
 その正体を知れば、アルバの貌には嘲笑。力強く立ち上がり、四刀を構え。
「そんなら理解するまで何度でもブチ殺してやらぁ、何をしようがてめぇらは俺様に勝てねぇってなぁ!!」
 長剣と曲剣とを無造作に振るえば、農民達が吹き飛ばされる。鮮血が舞い散る。
「ッラァァァ!」
 その合間を縫って駆け迫る拓也、傍らのブレイブ・ソルジャー共々ストレートを打ち込みにいくが。
「真正面から当たるわけねぇだろうが!」
 長剣を横薙ぎとし、纏めて吹き飛ばす。拓也の手から漏れる銀の光が、アルバの胸元へ転がる。
「それならこっちからですわ!」
 直後、左右からメリーと騎士の挟撃。騎士は無骨な長剣を、メリーは波打つ刀身の黒き剣を振り下ろすが。
「そんなヘタレた剣程度、止まって見えらぁ!」
 騎士の喉を細剣が貫き、間欠泉じみて鮮血が噴出する。メリーへは曲剣と短剣の連斬が襲い掛かる。咄嗟に黒剣で守るが、その身には幾筋もの傷が刻まれ鮮血が飛び散る。
「くっ、やっぱり直接打倒は無理みたいですわね…」
「当たり前だ!人間如きが俺様を倒せるワケ無ぇだろうがよぉ!ヒャハハハハハ!!」
 勝ち誇ったように哄笑するアルバ。だが彼は気付かない。当のメリーが『それすらも想定の内』と言わんばかりの表情をしていることに。
「――ところで。貴方、今何人分の返り血を『浴びた』か、覚えているかしら?」
「…あ?人間だからって馬鹿過ぎるだろてめぇ。今までに喰ったパンの数とか覚えて――」
 唐突の問いに、侮りと嘲りの表情で返すアルバだが――そこで気付いた。血と呪術の関係は深い。死者を使役する術の使い手ならば呪詛に長けていても不思議では――
「……があああああああああ!!?」
 突如、全身に走る激痛。全身の傷口が開き、更なる血を噴き出させる。
「後悔なさい。無力な格下と侮り、警戒を怠った貴方への、これが報いですわ!」
 メリーの呪詛は彼女の血に由来し、その血を器として死者達は再生するが故に同じ呪詛をその身に宿す。即ち、呼び出した死者の数だけ呪詛は累積する。そのほぼ全てを浴びたアルバを襲う呪詛の齎す激痛は、想像を絶する勢いであった。傷口ばかりでない、目、鼻、耳、口、七孔全てから血が溢れ、噴き出して、その生命力を尚も削り落としてゆく。
「うが…ぁ、がぁ…っ…!嘘だ、有り得ねぇ、人間如きに、ここまで俺様が…!」
 よろめくアルバ、それでも得物を構え直そうとしたその眼前に、突如拓也の姿が現れる。無論、ブレイブ・ソルジャーも共に。
 それは瞬間移動。先の攻防の最中に拓也が投げた一発の銃弾。それがアルバの懐に入り込み、ブレイブ・ソルジャーの力が籠ったその銃弾は瞬間移動のためのビーコンとなっていたのだ。
「知っているか?ゲス野郎は何をやっても、しくじるもんなのさ」
 言い終わるより先に、ブレイブ・ソルジャーのアッパーがアルバの身を浮かす。ソルジャーと拓也が、共に身を沈める。
「アアアアアアアアアア―――!!!」
 そして繰り出されるは怒涛の拳。突きのラッシュ。アルバの顔を、胸を、肩を、腹を、下腹を。全身に渾身の拳が打ち込まれ、跡を刻み込んでゆく。
「アアアアアアアリャアァァァッッ!!!」
 最後は全力のアッパーカット。ボロ雑巾の如くとなり果てた鮮血鬼の身が、人類砦の一角、ゴミ置き場と思しき場所まで吹き飛んでいった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
過度なグロ×
WIZ

初めまして、アルバ様。
私は雑種のドゥルールと申します

私の目的はオブリビオンの救済。
彼女達の主である貴方も……と思いましたが
力による支配ばかりで愛情を注ぎませんでしたね?
皆に怨まれてますよ?

『私達の楽園』でレッサーヴァンパイアを含む
吸血鬼の霊85人を召喚。
一人一人が私と同じ強さ。しかも再生能力つき

レッサー:今までの鬱憤を晴らさせてもらうわ!
【衝撃波・乱れ撃ち】や【激痛耐性】と再生能力で斬撃波に耐え
【怪力・早業】を乗せた【武器落とし・マヒ攻撃】

カルマリア:まるで人間のチンピラね、アルバ。
吸血鬼の品位に欠ける。
雷の【属性攻撃】を纏った【ジャンプ・踏みつけ】で美しく散りなさい


「ぐ…ぅ…」
 人類砦も生活の場である以上、ゴミを捨てる為の場所というものは存在する。猟兵達との戦闘の末、吹き飛ばされたアルバは、そんなゴミ置き場へとその身を叩き込まれていた。
「ちくしょう…ちくしょう…!何故だ…何故、俺様が…ヴァンパイアが、人間如きに、こんな…!」
 未だ息はあるものの、その身は滂沱と流血し、全身の鎧は砕け、露わとなった胸や腹にも斬痕や拳痕が刻み込まれ。何より、そのほぼ全てが、人間と、人間に与する化生達の手によって刻まれたという事実に、彼のプライドは完膚なきまでに粉砕されたのである。
「――なんと、お痛ましい…。高貴なる御方が、このような場所に、このようなお姿で…」
 そこに不意に聞こえた女の声。ゴミ山の中から身を起こしたアルバの視線の先、黒髪の娘が心配そうな顔で彼を見つめていた。
「…何だ、てめぇは」
 訝しげにアルバが声をかければ、娘ははた、と気付いたようにその場に跪いて。
「これは失礼致しました、アルバ様。お初にお目にかかります、私、雑種のドゥルールと申します」
 娘――ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は恭しく頭を垂れて名乗る。オブリビオンの中でも、とりわけヴァンパイアに対しての敬意が強い彼女。相対すれば、こうして目上として敬う態度も取ってみせる。
「雑種風情が…何をしに来たってんだ」
 返すアルバの声音は不機嫌、なれど彼とて、己を前に謙ってみせる人間へいきなり刃は向けぬ。ドゥルールの行動の意図を問う。
「私の目的は、猟兵に狙われ襲われるオブリビオンの救済。彼女達の主である貴方のことも、お救いしに参りました」
 気づけば、ドゥルールの背後には、先程放ったレッサーヴァンパイア達の姿。全滅したと思っていたが、彼女が何人かを保護したのだろうか。
「――雑種風情が、俺様を?ふざけんな…と言いてぇところだが。状況が状況だ」
 そんな彼女の手を借りてまで生き延びることもまた、アルバのプライドを傷つけるものではあったが。それで命が助かるならば必要な傷だ。このまま退き、態勢を立て直して。再度、この人類砦の人間共を虐殺しに戻ってくる。アルバはそう算段する。
 …だが。アルバは気付いていなかった。レッサーヴァンパイアの数が多すぎることに。そして、その全てが己に対して向けている感情に。
「いいぜ、案内しろ。どう行けばこの森から――」
 アルバの言葉が途切れる。上左腕に激痛。いつの間にか背後を取っていたレッサーヴァンパイアが、上左腕の二の腕へ鋭爪を突き立てていた。
「…嗚呼。これは、駄目ですね」
 残念そうなドゥルールの声音、そして視線。失望と、憐憫の入り混じったような視線。
「貴方様、彼女達を力で支配するばかりで、愛情を注いでおられませんでしたね?」
 見上げる視線。射竦められたかのように呻きを漏らすアルバ。
「愛情だぁ…?ふざけんな、どうして俺が元人間の連中にそんな――」
 今度は下右腕。レッサーヴァンパイアの一人がそこに噛みついていた。
「だから、です。人間を飼い慣らすに必要なのは程々の愛情。それを満たせぬ貴方様――」
 視線を巡らす。いつの間にかアルバを包囲していた少女吸血鬼達、総勢85名。彼女達がアルバに向ける視線は一様に――怒り、憎しみ、怨念――アルバへの敵意に他ならぬ感情を帯びて。
「まったく、まるで人間のチンピラ同然、とても同族とは思いたくない無様。一度死んで出直していらっしゃい」
 そのドゥルールと行動を共にする純血のヴァンパイア――カルマリアが、冷酷に嗜虐心を帯びて言い放つ。
「私達は、お前に使われる為にヴァンパイアになったんじゃない」
「生きたかった。下位とはいえ、吸血鬼となった生を、もっと謳歌したかった」
 口々に恨み言めいて囁く少女達。同時、アルバの四臂を引き千切らんばかり力を籠めて。
「ぎぁ…っ!?て、てめぇら…っ!!」
 そんな彼女達を振り切り、四刀を振り回し。斬撃波を乱射して一掃せんと試みるが。
「無駄ですよ。今の彼女達は、貴方様の知る彼女達ではない」
「なんだと…!?」
 かつての彼女達ならば、これで一掃できたはず。だが彼女達は倒れない。少なからぬ傷は負わせたものの、瞬く間に修復されてゆく。
 今の彼女達は、ドゥルールと同等の実力と、強力な再生能力を持つ。ドゥルールのユーベルコードの恩恵である。そしてその数。アルバに対する反逆を為すには十分過ぎる戦力が揃っていた。
 レッサーヴァンパイア達は、お返しとばかり衝撃波を一斉に放つ。回避も叶わず、引き裂かれ、穿たれてゆく鮮血鬼の肉体。
「が…あ…っ!?う、嘘だ、嘘だ…こんな、俺様が、こんな…!!」
 強者の手にかかるならば兎も角、こんな『雑魚共』の手で終わるなどとは。その現実を、アルバの精神は受け入れること叶わず。
「全く以て無様ね、アルバ。せめて、美しく散らせてあげるわ」
 よろめき、倒れたところにカルマリアが跳躍。落下の勢いに雷の魔力を上乗せし、全体重の乗った踏み付けを、アルバの胸へと見舞った。
「ぎぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!」
 断末魔の絶叫を残し。暴虐なる鮮血鬼は、雷電に焼き尽くされ消し飛んでいった。
成功 🔵🔵🔴


第3章 日常 『忘れられた教会』

POWあちこち巡ってみる
SPD物思いに耽る
WIZ祈りを捧げる
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鮮血鬼アルバが斃れ、以てこの人類砦を襲ったヴァンパイアの戦力は全滅した。
 建物には少なからず損傷が見受けられ、傷ついた人々もいるが。誰一人命を落とすことなく、人類は生き延びたのである。
「皆様、ありがとうございました…何と御礼を申し上げれば良いか」
 歓喜に沸く人々を代表するかのように、修道衣の女性が進み出て礼を述べる。身なりからして、彼女が神父代わりに教会を管理しているシスターというところであろうか。
「大した御礼もできませんが、せめて暫し、ごゆるりとお寛ぎ頂ければと」
 申し訳なさそうなシスター。人々の身なり、建物の有様。成程、生きるだけでも精一杯という様子ではある。
 だが人々の表情には活力がある。ヴァンパイアの軛から解き放たれ、不自由ながらに自由を謳歌する人々の活気が。
 そんな彼らのせめてもの謝意に応える為にも。暫く、この人類砦にて時を過ごしていくと良いだろう。

※補足
・ヴァンパイアの脅威が祓われた人類砦にて過ごす日常章です。
・建物は教会と数軒の住宅、教会は多少整ってますが他はボロボロです。
・後は農地が幾つか。一つは開墾途中です。
・プレイングで指定頂ければセラフィール(f00816)が同行致します。
御狐・稲見之守
この世界の神は一体何処にあるのか。

この身、神ながらと奉られたとて行く末はいつしか忘れ去られ幽世へと至る定め。この世界の神は化生どもの跋扈の果て、希望や祈りと共に忘れ去られてそうなってしまったのだろうか?

こうも衆生の祈り願う声に沈黙していてはな……まあ、他所様の信ずるところを問うても是非もなし。元より我の世界とでは神のあり方が違うようであるしな。

しかし斯くあれかしと願われる限り、この身は神たらん。

さて、此度は少ぅしばかり力を使い過ぎた。それにゲテモノの精気を喰らうて口直しをしたいところであるが……なぁグリモア猟兵の天使殿?

ふふっ、なぁに……ちょいとした戯れよ。


 この世界の神は一体何処にあるのか。
 教会にて祈りを捧げる人々を遠目に眺めつつ、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)はそんな疑問を頭に浮かべる。
 祈る人々の表情は真摯で、其処には確かな信心が感じられる。然し、これ程までの祈りを受けて尚、神は動かず。
 稲見之守自身、今は五穀豊穣と火防雷除の神として奉られてはいるが、いずれは忘れられ信仰を失う定め、という諦観がある。多くの神が、そうして現世を去っていったことを知るが故に。
(此の世の衆生ならば、神に縋る余地など十二分に在りそうなものであるが)
 ヴァンパイアという、常人には如何にもならぬ脅威が目の前にあるのだ。神に縋らずして何に縋るというのか。或いは、そうした化生の類の跋扈の果て、希望や祈りと共に忘れ去られた結果が現状か。
(真偽定まらずとも信心は心を支える。絶望を振り撒かんとするやつばらにとっては、不都合であろうしな)
 いずれにせよ、求められども応えぬというのは事実。なれば、彼らの祈りの意味とは――
(…まあ、他所様の信ずるところを問うても是非もなし)
 其処で思考を打ち切る。元より、信仰の形も神の在り方も違う世界。己も神と呼ばれているとて、此方の神の在り方に口を出すのは無粋であろう。そう判じたが故に。
(――我は。斯くあれかしと願われる限り。神として在ろうではないか)
 願われるならば、応える力あらば。旧て人喰いの仙狐であった己に、そう乞うた人々と交わした約定。願いに応え力揮う、其が己の、神としての在り方と。改めて任ずる稲見之守であった。
 教会の人々に、異郷の神の訪れを伝えることなく。狐神はその場を立ち去ってゆく。

「――さて」
 教会を出たところで、唸るは腹の虫。実際に鳴き声を上げたわけではないが、其に似たものを感じた様子。
「此度は少ぅしばかり力を使い過ぎたな」
 腹を擦って辺りを見渡す。途中で補給もしたが、些かゲテモノであったが故に口直しもしたい。手頃な食事は――と、視界に収まるのは白と金のオラトリオ。グリモア猟兵、セラフィールである。
「なぁ、天使殿?」
「はい…?何でしょうか、稲見之守様…?」
 急に話を振られ困惑した様子のセラフィール。
「お主ならば悪くはなさそうだ、少々付き合ってもらおうぞ」
「お付き合い…ですか。私でよろしければ喜んで。しかし何を…?」
 疑問はあれど疑念は無く。諾の返事と共に問うセラフィールに、稲見之守は。
「ふふっ、なぁに…ちょいとした戯れよ」
 意味ありげな微笑と共に、金と銀の瞳が妖しく煌めいた。

 その後暫く、教会裏手の森の中から、甘い声が断続的に響き渡っていたとか、いなかったとか。
大成功 🔵🔵🔵

彩波・いちご
クトさんと

こどもたちのために歌を歌う事になりました
聖歌は、アイドルソングとは違いますけど、歌で皆を癒すなら私の本業です

あ、聖歌隊の服ですか?
分かりました、着替えて…ってなんでクトさんも一緒なんですか!?
私が男だと信じて貰えてないので、平然と目の前で脱がれて…
回れ右して出ようとしても、こっちも下着姿のトーリさんに止められて
トーリさんは私の事知ってるでしょぉ!?
ちょ、何で下着まで着替える必要が!?

うぅ、目の毒でした…

ともあれ気を取り直して
着替え終えたら、シスターのオルガン伴奏で聖歌を歌います
子供たちに癒しを与えられるように3人で合唱を
選曲はクトさんに任せますけど、歌は私が引っ張っていきますよ


ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ
いちごちゃん(f00301)と一緒♪
トーリも付き合ってもらうのよ
※天使化解除+ユベコで分離

子供達に「てんしさまー♪」とか3人囲まれて大変なの
だからって、ずっと居てあげられないけど…

「なら、楽譜に歌詞集。後、3人分の服も♪」
…トーリ、ちょっと手際良すぎなの
ともあれ聖歌隊で培った賛美歌を皆に教えるのよ
主の愛とクト達の思い出が希望となる様に!

早速小部屋で聖歌隊の衣装に着替えるの
女の子同士だし、いちごちゃん遠慮いらないのよ?
「ふふ、観念しましょう♪」
※トーリは戸口側で着替え退路封鎖

「まず、この歌っ。冬、暦が替わる前後の月に歌うのよっ♪」
※2人でいちごの左右に立ち歌う
※オルガン伴奏は断章のシスターに依頼


「てんしさまー!てんしさま、ほんとにいたんだ!」
「ヴァンパイアとたたかってるとこ、すっごくかっこよかった!」
「わたしたちをまもってくれて、ありがとう!」
 子供達が三人の女性猟兵を囲んで騒いでいる。正確には一人は男で、残り二人は同一人物がユーベルコードで分離した姿だったりするのだが。
「わ、私は違いますよ…でも、やったことからすれば同じようなものなんでしょうか?」
 その男性、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は困惑している様子であった。彼の力は天使どころか寧ろ邪神に由来するものなので、というのもあるだろうか。
「ふふ、みんなが無事で良かったのよ」
 残る二人の片割れ、ヴィクトーリヤ・ルビンスカヤ(スターナイトクルセイダー・f18623)の主人格『クト』は微笑みながら子供達に応対していたが、その内心は複雑。というのも。
(とはいっても、ずっと一緒にはいてあげられないのよ…)
 彼女もいちごも、元々この世界の出身ではなく、そうでなくとも猟兵として様々な世界を渡っている身の上。この人類砦にずっと残って、というわけには流石にいかない。しかしこの子供達をこのまま置いていくのも…
「でしたらば、此方を♪」
 そんな思考に飛び込んできた三人目の声。副人格の『トーリ』だ。その手にあるのは讃美歌の歌詞集と楽譜、それに聖歌隊の衣装が三人分。
「…トーリ、ちょっと手際良過ぎなの」
「ふふ、こんなこともあろうかと持参した甲斐があったというものです♪」
 半ば呆れたようなクトに、くすくすと笑いながら応えるトーリ。
「…あの、これは?」
 話の流れが理解できずいちごが二人に問えば、両者ともに笑みを浮かべて答える。
「讃美歌を皆に教えるのよ!主の愛とクト達との思い出が希望となる様に!」
「勿論、いちごさんにも参加してもらいますのでそのつもりで♪」
 二人の答えに、いちごは納得したように頷いて。
「なるほど。歌で皆を癒すなら私の本業です、喜んで参加させてもらいますよ」
 地元の温泉郷にてアイドルとしても活動しているいちご。聖歌とアイドルソングでジャンルこそ違うが、誰かのために歌うならばそれは彼の領分でもあるのだ。

 そして、教会で用意してもらった小部屋にて着替えることになった三人。
「…って何でクトさん達も一緒なんですかー!?」
 何故か三人揃って同じ部屋で着替えることになった状況に、思わずツッコミの声を上げるいちご。
「?女の子同士だし、いちごちゃん遠慮いらないのよ?」
 だがクトは平然と答え、躊躇なく着衣を脱ぎ始める。というのもクト、どういうわけかいちごのことを女性と誤認しており、彼の前で素肌を晒すことを全く恥ずかしいと思っていないのである。
「い、いえ私は別室で…ってトーリさんは私のこと知ってるでしょぉ!?」
 だがいちごの方は、彼女達の裸を見せられては堪ったものではない。踵を返そうとするが、出入り口はいつの間にかトーリによって封鎖されていた。彼女も既に着衣を脱ぎ、バランス良く整ったグラマラスな肢体を下着に包んだのみの姿となっていた。
「ふふ、観念致しましょう?」
 くすくすと笑うトーリ。彼女はいちごを正しく男性と認識しているものの、此方も此方で彼に裸体を晒すことを躊躇しない。
「観念って…ちょ、何で下着まで換える必要が!?」
 結局彼女達がいる中での着替えを余儀なくされ、色々と大変ないちごであった。

 なんやかんやありつつも聖歌隊の衣装に着替えて出てきた三人。その姿に「かわいー」「綺麗ー♪」などと子供達の歓声が上がる。
「わ、私が皆様の伴奏を…ですか。せ、僭越ながら務めさせて頂きます…!」
 オルガンでの伴奏を依頼されたシスター、緊張しながらも楽譜をトーリより受け取る。この教会のオルガンは奇跡的に音が出る状態で残っており、偶に演奏したりもしていたのだとか。
「まずはこの歌っ。冬、暦が替わる前後の月に歌うのよっ♪」
 子供達の前では、クトが歌についての解説を行っていた。此度の曲目は彼女が決めたものだ。
 いちごが中央に、クトとトーリが左右に並び、クトの合図でシスターが演奏を開始。三人は声を合わせて歌い始める。
 着替えていた間は始終慌てっぱなしだったいちごだが、いざ始まればそこは歌を仕事とするアイドル。主張し過ぎず、それでいて存在感ある歌声でもってクトとトーリをリードしてみせ、二人も二重の美しき歌声を響かせる。
 一通りの曲目を歌い終えた後は、それらの歌を子供達に教え。最後は彼らも交えて皆での合唱となった。
 その日、教会から響き渡る華やかで楽しげな歌声は、日が沈んでも暫くの間絶えることがなかったという。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

防人・拓也
とりあえず自分が救出した人たちに声を掛ける。
「とりあえず無事で何よりだ。こちらも急いで駆けつけたかいはあったな」
と微笑む。
怪我しているのを見つけたら
「ん? 怪我しているじゃないか。ちょっと見せてみろ」
と言い、『軍用ピルケース』から万能治療薬が入っている注射器を取り出し、それを注射後、適切な処置をする。
「これで良し。応急処置ではあるが、その程度ならすぐに良くなるだろう」
と言う。
その様子をセラフィールが見ていたら
「おや、見ていたのか? 俺はただ助けたいと思ってやっただけさ。こうやって人助けするのは、猟兵でもグリモア猟兵でも関係ない。助けたいという気持ちがあれば十分なのさ」
と言う。
アドリブ・連携可。


 人類砦の集落を見て回る防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)。集落は守られたものの、流石に全く被害が無かったということはない。それでも、失われた命が一つも無かったという点は、疑いなく大きな戦果であったといえるだろう。
「あ、おじさーん!」
「…俺か?」
 聞き覚えのある少年の声。思わず振り向いたが、流石に未だ三十路を超えていない身でそう呼ばれるのは些か辛いものがある。
 見ればそこにいたのは、先程母親と共にレッサーヴァンパイアに追われていた少年。UDCアースで言えば小学校に上がるかどうか程度の年頃か。ならば、おじさん呼びも無理は無いのかもしれない。
「うん、おじさん!さっきはありがとう、お父さんもだいじょうぶだったよ!」
 先程はこの少年の乞うに応えて、レッサーヴァンパイアに襲われる彼の父親を助けに行った拓也。あの場にいた男達の誰がそうであったかは分からないが、恐らくその中の誰かだったのだろう。
「そうか、無事で何より。此方も急いで駆け付けた甲斐があったというものだ」
 言いつつ、少年へ微笑む拓也。手を振る少年に手を振り返し見送ると、再び歩きだす。
 暫く歩いた先で、先程レッサーヴァンパイアと戦っていた男の姿を見つける。男の方も彼に気付いて声をかけてきた。
「ああ、あんたか。さっきは助かった、もう少しで殺されるところだった」
「無事で何より。間に合って良かった」
 言葉を交わしていたところで拓也は気付く。男が右腕に傷を負っていたことに。
「…ん?怪我しているじゃないか。ちょっと見せてみろ」
「え?いやこれくらいなら何とも…」
 戸惑う男には構わず、彼の腕を取る拓也。男の方も悪意はないと理解しているようで抵抗はしない。見れば、右の二の腕半ばあたりに裂かれたような傷跡。レッサーヴァンパイアの爪で引き裂かれたのだろうか。
「傷口から化膿しないとも限らん、適切に処置しなくては」
 元より医学もそこまで進歩していない世界というのもあるかもしれないが…などと思いつつも、軍服のポケットからピルケースを、そしてその中から一本の注射器を取り出す。中にあるのは様々な傷や症状に効果を発揮する万能治療薬だ。
「あ、あんた、それは…」
「大丈夫だ、悪いようにはしない。少し、我慢してくれ」
 それを男の傷口近くに注射、続いて取り出したガーゼを傷口に貼り付ける。数日貼りっ放しでも問題ないタイプだ。
「これで良し。応急処置ではあるが、その程度ならすぐに良くなるだろう」
「…ここまでやってくれるのか。ありがとう」
 戸惑っていた男だが、その行動の意図を知れば感謝を述べて。微笑を以て応える拓也であった。

「お疲れ様でした、拓也様」
 去っていく男を見送り振り返ると、白と金の装いの少女…めいた少年がそこにいた。グリモア猟兵のセラフィールだ。
「おや、見ていたのか?」
「ええ、一部始終を。お優しいのですね、拓也様」
 微笑むセラフィールに、拓也は至って平静な様子で。
「俺はただ助けたいと思ってやっただけさ。人助けに猟兵もグリモア猟兵も無い。助けたいという気持ちがあれば、それで十分なのさ」
 そう言い切る。拓也自身もグリモア猟兵ではあるが、この行いはそうした立場に基づくものではない。正しく『人』としての行いである、と。
「――ええ、その通りですね」
 そんな彼に笑顔と共に頷くセラフィール。
「何にせよ、失われたものが無くて、本当に良かった」
 続けた拓也の言葉には、確かな達成感が滲んでいたとか。
大成功 🔵🔵🔵

リーヴァルディ・カーライル
…そう、誰も死ななかったのね。良かった…

…此処は神の家にして人々の祈りが集う厳かな場所
血や争乱は似合わないもの。不馴れな真似をした甲斐があったわ

…さて、シスター。折角だからお祈りをしていっても良い?

許可をもらったら教会の中で静かに祈りを捧げた後、
保管庫に案内してもらいUCを通して"大量の保存食"を渡しておき、
帰還しようとした処で名乗りを聞いていた子供達に囲まれてしまう

…食料の保管場所は何処かしら?
この世界の明日を担う光達に寄付をしたいのだけど…



…え?いえ、あれは敵を引き付ける為で…

猟兵の事を人々が闇の救済者とそう呼んでいるだけで、私の事では…

……はぁ。やっぱり慣れない事はするものじゃないわね


「…そう、誰も死ななかったのね。良かった…」
「ええ、皆様のおかげです。本当にありがとうございます…!」
 人類砦の教会にて、シスターと会話を交わしていたリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。此度のヴァンパイアの襲撃を、誰も命を落とすことなく乗り切れたことに安堵の声を漏らす。
 この人類砦――とりわけ、今彼女がいる教会は、神の家にして人々の祈りが集う厳かなる場所。似つかわしくない流血や騒乱を水際で食い止められたのは、実に幸いであった。
「不馴れな真似をした甲斐があったわ…さて、シスター」
「はい?」
「折角だから、お祈りをしていっても良い?」
 無論、拒否の理由など無い。快諾したシスターの案内のもと、祭壇へと向かうリーヴァルディ。

 祭壇の前、リーヴァルディは瞑目し静かに祈りを捧げる。その間、組まれた彼女の白魚の指を目にしたシスターが、この手で大鎌や双剣を振るい吸血鬼達と渡り合っていたのか…と、驚嘆するような様子を示していたとかいなかったとか。

 一頻り祈りを終えると、今度は保管庫への案内を願う。流石に祭壇へのそれよりは返答に間があったが、それでも難色を示すことなく承諾が返る。
 そうして案内された保管庫の中を一通り眺めて、一言。
「…流石に、備蓄にはあまり余裕が無いのね」
 畑は小さく、周辺の森もそこまで豊かそうな様子ではなかった。先程レッサーヴァンパイア達と交戦した場所が新たな農地となる予定なのだろうが、実りを得られるまでにはまだ時間がかかるだろう。
 もし何かあれば、忽ちのうちに飢えてしまいかねない状況と言える。折角ヴァンパイアの脅威を凌いだのに、そうなってしまっては忍びない。
「…それなら」
 徐に己の指を噛み、流れた血で宙空に魔法陣を描く。
 念を込めてユーベルコードを行使すれば、魔法陣から溢れ出てくる、麦の粉の詰まった麻袋や干し肉の入った樽。保存食の類が次々と、保管庫の中を満たしていく。
 驚愕のあまり言葉の出ないシスターに、あくまで穏やかにリーヴァルディは告げる。
「この世界の明日を担う、光達への寄付。どうか、受け取って」

 教会を出るリーヴァルディ。この場での己の役割は終わった。そろそろ帰還しようと――その時であった。
「あ、いたよ!お姉ちゃんだ!」
「『闇の救済者』のお姉ちゃんだ!」
 彼女の姿を見た子供達が、一斉に駆け寄ってくる。あっという間に、リーヴァルディは囲まれてしまった。
「さっきはすっごくかっこよかったよお姉ちゃん!」
「お空まで届くおっきな剣で、吸血鬼をやっつけたやつ!」
 どうやら、レッサーヴァンパイア達との交戦の様子を見ていた子供達らしい。
「え、いえ、あれはあくまで敵を引き付けるためで…」
 普段の自分の戦い方ではない、と説明しようにも、興奮した様子の子供達には今一つ伝わらず。
「お姉ちゃんが『闇の救済者』、なんだね!凄いの、かっこいいの!」
「どうやったら、僕達もお姉ちゃんみたいに強くなれるかな…」
 憧憬と羨望に満ち満ちた、幾つもの瞳がリーヴァルディを見つめる。思わずたじろぐリーヴァルディ。
「そ、それは私の事では…」
 確かに猟兵達は『闇の救済者』と呼ばれてはいるが、己は『猟兵』であるより先に『吸血鬼狩り』である。そう説明しようにも、彼らの前で闇の救済者を名乗った以上、その印象は拭えそうにもなかった。
(…はぁ。やっぱり、慣れない事はするものじゃないわね)
 子供達に気付かれぬよう、小さく溜息。そういう印象を抱かれてしまうのは些か不本意であるが故に。
 だが、彼らを、彼らの瞳の希望を無事に守りきれた事は幸いであった。それで一先ずは、良しとするべきか――そうとも思ったとか、思わなかったとか。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月08日
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