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ドラゴニック・エヴォリューション!

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #皆殺しの荒野

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#アックス&ウィザーズ
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#群竜大陸
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#皆殺しの荒野


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●闘争の群竜大陸
 荒野が、広がっている。
 果ての見えぬその大地は、今、闘争の場と化していた。
 空を翔けるオブリビオン同士が、剣を交えている。翼持つのは……どちらもリザードマンだ。本来、翼など持たぬはずの彼らが、ドラゴンの大翼を使い、空中戦を繰り広げているのだ。
 風が、吹く。
 すると、リザードマンの瞳から理性が消し飛び、殺意の色に塗りこめられた。
「ガアアッ!」
「キェエエエイッ!」
 そして、雌雄が決する。
 相手をほふり、勝者となったリザードマンが地上へと降り立ち、剣を収め……ようとした時だった。
「!?」
 その腹から、角が生えていた。背後に現れた、四足の獣の奇襲だった。
 勝利に酔った一瞬に討ち取られたリザードマンは、敗者となり、骸の海へ。
「モフゥ……」
 新たな勝者となった四足獣もまた、異形化していた。柔らかそうな毛並みは竜の鱗に覆われ、額からは一対の竜の角がそそり立っている。
 だが、四足獣もまた、新たに現れた別のオブリビオンによって倒される。
「…………」
 その勇壮なる影は、竜の翼に、鱗と角、リザードマンと四足獣の持っていたドラゴンの特徴を兼ね備えていた……。

●グリモアベース
 タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)は、アックス&ウィザーズ、帝竜が住まうと言う群竜大陸の攻略が先に進んだことを報告した。
「第一の難所だった『魂喰らいの森』を越えて、『皆殺しの荒野』に行くことができるようになったんだよ」
 次はここを攻略して、更なる深部に進みたい……ところなのだが。
「この荒野には風が吹きつけていて、それに混じった呪いの力が、オブリビオンを凶暴にさせちゃうみたいなんだ」
 無差別な殺りく衝動と、強い戦闘能力を発揮する『ドラゴン化能力』を植え付けてしまうのだと言う。
「この風のせいで、オブリビオン同士で殺し合いを続けてるんだ。猟兵には何の効果もないみたいなんだけど……」
 血で血を洗う、とはまさにこのこと。
 だが、このドラゴン化オブリビオン達を突破しなければ、大陸の攻略を進める事は出来ないのも事実。
「まずは、ドラゴンの翼を生やしたリザードマンの群れが襲い掛かって来るよ。荒野にほとんど障害物はないから、黙っていると空から狙い撃ちにされちゃう」
 なんとか対処法が必要だろう。
「リザードマンをなんとかして先に進むと、今度はもふもふのオブリビオン、ピンク・モフの群れが襲って来るよ」
 こちらは空は飛べないが、ドラゴンの鱗と角を生やしている。このことにより、本来よりも、防御力と攻撃力がアップしている。
「でも、本物のドラゴンと違って、鱗の隙間……急所があるみたい。ピンク・モフの場合は耳の付け根だね。そこを狙えば倒しやすいはず!」
 そしてピンク・モフの群れを突破すれば、いよいよクライマックス。
「ドラゴンの翼と鱗と角をてんこ盛りにしたオブリビオンが、たくさん攻めてくるよ。上空からの攻撃と、高い攻撃と防御力、この2つをなんとかしなきゃいけないから、大変だよ!」
 しかし、この第3波を突破すれば、荒野の一部を解放する事が出来る。
「あ、それと……ドラゴン化したオブリビオンは、体の中に『竜胆石(りんどうせき)』っていうスゴイ宝石を持っているんだって。もし余裕があったら、拾ってきてみてね!」
 タビタビが、宝石のような瞳を煌めかせて、猟兵達を送り出すのだった。


七尾マサムネ
 群竜大陸の攻略は続きます。

●第一章
 ドラゴン化した『リザードマン』の群れと戦います。
 この群れは『ドラゴンの翼』を生やして、空から襲ってきます。よい対処法と判断できるプレイングには、プレイングボーナスが付きます。

●第二章
 これまたドラゴン化した『ピンク・モフ』の群れと戦います。
 この群れは『ドラゴンの鱗と角』を生やして、装甲と攻撃力をアップさせています。
 尻尾の付け根にある急所をうまくつくようなプレイングには、プレイングボーナスが付きます。

●第三章
 またまたドラゴン化した何らかのオブリビオンの群れと戦います。
 この群れは『ドラゴンの翼』に加え『ドラゴンの鱗と角』も備えているので、この2つに対応するプレイングが大事です(両方に対処するプレイングがあれば、プレイングボーナスがつきます)

●補足
 ドラゴン化したオブリビオンの体内では、『竜胆石』という宝石が精製されています。
 これをうまく獲得できれば、敵一体分につき、だいたい金貨40枚(40万円)程度の値段がつきます。
 一章より二章、二章より三章のオブリビオンから採れる竜胆石の方が、立派で高価なもののようです。

 というわけで、皆様の参戦、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『リザードマン』

POW   :    シールドバッシュ
【手にした盾で攻撃を受け流して】から【生まれた隙に、盾による殴り付け攻撃】を放ち、【衝撃でふらつかせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    曲剣一閃
【変幻自在に振るわれる曲刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    テイルスイング
【太く逞しい尻尾による薙ぎ払い攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。

イラスト:イガラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 呪いの風吹きすさぶ空。
 その景色は、ドラゴンの翼羽ばたかせ、戦闘を繰り広げるリザードマン達で埋め尽くされていた。
 自分以外は全て敵……同じオブリビオンでも構わず、殺し合いを続けていた彼らは、猟兵の姿を認めるなり、そちらへとターゲットを変更した。
 大地と空。2つのフィールドを得意に変えたドラゴン・リザードマンが、殺意という名の牙を剥く!
ラティナ・ドラッケンリット
ここが次の領域か
皆殺しにすればいいというのはシンプルだな
空中から散発的に襲って来る分には動きを見切って避けよう
攻撃を避けて断山戦斧『しゅとれん』で叩き斬る
距離か数で対処できない時は手袋を投げてUC
ルールは白兵戦距離から離れないことだ
近付いた者を斬り殺すことで牽制するが
一斉に襲い掛かって来たら
豆の木の種を撒いて
空中軌道を制限することで
多対一の状況を避ける
あとは攻撃の為に接近して来た敵や
UCで弱って高度の落ちて来た敵を
各個撃破して確実に数を減らす
不意を討って穿竜槍『たると』や守護者『しょこら』を投擲もしよう
『たると』は小型竜に戻って手許まで帰って来させ繰り返し投擲する



 ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)は、闘争の音と血の匂い漂う荒野へと足を踏み入れた。
「ここが次の領域か。皆殺しにすればいいというのはシンプルだな」
 物騒な物言いも、この戦場にあっては相応しく聞こえる。
「グアアアッ!」
 新たな参戦者を見つけ、空からリザードマン達が襲来する。
 竜化による副作用か……殺戮衝動に飲み込まれ、吼える声は野生に満ちている。
 敵の振り下ろす剣をかわすラティナ。数体が一度に襲い掛かって来たが、連携などない。我先にとバラバラのタイミングでの攻撃など、見切るのはさほど難しくはない。
 何度目かの斬撃を避けた後、ラティナが武器を繰りだした。『しゅとれん』がトカゲの鱗を裁断する。元々、対竜用の戦斧だ。リザードマンの皮膚を裂くことなど造作もない。
 盾で防ぎ反撃につなげようとするリザードマンもいたが、重い一撃は、受け流すというレベルではなかった。
 新鮮な血の匂いを供給され、次なるリザードマンの群れが殺到する。
 そんな一団に、ラティナからお見舞いされたのは……種だった。
 いぶかるリザードマンの目前で、種は急速に発芽し、うねった大樹となる。突然生じた枝や幹が行く手を遮り、せっかくの機動力も半減だ。
 そうして多対一の状況に陥るのを避けたラティナは、先頭の敵に手袋を投じて、決闘開始。
「ルールは白兵戦距離から離れないことだ」
 ラティナのけん制の一撃。反射的に、翼で大気を打って後退したのが運の尽き。制約を破った事により、リザードマンは、ルールという名の鞭に打ち据えられる。
 戦技を駆使して、敵を各個撃破していくラティナ。相手の不意をつき、槍である『たると』や盾である『しょこら』を投擲していく。
 武器を失ったと見たリザードマンが、一気に距離を詰めてくるが、竜身に戻った『たると』の帰還の方が早かった。
 リザードマンが剣を振りかぶる頃には、その胸に竜槍が突き立っていたのである。
「さあ、死を恐れぬものはかかってこい」
 ラティナが、リザードマンの衣服の切れ端で、己の槍の血をぬぐった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ(サポート)
※アドリブ&絡み歓迎

●特徴
サイボーグ(四肢機械化済み)の技術者&狙撃手。SSW出身の鎧装騎兵。
民間人互助や義侠心に厚い。
年齢 27歳 男
口調 通常(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
メイン武器 アームドフォート、マシンガン、パイルバンカー

●台詞例
『敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります』
『索敵完了、狙撃開始』
『掃討戦ならばこの武器の出番ですね』
『これで一掃します』

●行動
狙撃手としての『狙撃・援護射撃』や技術者として『(技術)支援』がメイン。
遠距離狙撃や砲撃メインで援護に徹します。

主な技能:スナイパー・零距離射撃・メカニック・早業・武器改造・防具改造



 『ゲオルギウス』搭載のレーダーにて、空より迫りくる敵を把握したクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、武装を展開した。
「敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります」
 彼我の距離は十分。敵の攻撃範囲に入る前に、先手を打ち、数を削り取る。
 クネウスは、各アームドフォートを連携。キャノンへのエネルギー充填、開始。
「GEAR:CLAIMH SOLAIS。エネルギーフルチャージ完了。シュート!」
 撃った。
 圧倒的破壊力が、空を埋め尽くしていたリザードマンを薙ぎ払う。
 華が咲いた。撃破され、粒子化したリザードマン達の輝きが華となって、群竜大陸の空に咲き誇る。
 クネウスの先制攻撃により、リザードマンは大きく数を減じた。だが、依然として敵影は多数。
 ならばと、次なる迎撃態勢を構築するクネウス。肩部ランチャー展開、ガトリングガン用意。
 前方の同族を犠牲にして回避、突撃してくるリザードマンは、ガトリングガンの洗礼を受けた。無機質な殺意の弾雨が、盾を穿ち、刃を砕き、四肢を貫く。
 しかし、弾幕を突破してきた勇敢なる猛者も存在した。
 クネウスは、素早く、武器をガトリングガンからブレードに交換。カレドヴルフ・ガンモードによる射撃で相手を牽制しつつ、そのままブレードモードへ。近接戦闘へと移行。
 相手のシールドバッシュをかわしつつ、姿勢を低くして、敵の足を切り裂いた。そのままバランスを崩して地面に叩きつけられる。
 リザードマンから一定の距離を保ちつつ、掃討を継続するクネウスの背後から、リザードマンの伏兵が襲い掛かる。
「モラッタァァ!」
 奇声を伴い、斬撃が来る。
 だが、その手から剣が弾かれる。リザードマン背後からの、セントリーガンによる射撃である。
 続く第二射が、今度はリザードマンの胸を打ち抜いた。そこに、別のリザードマンが躍りかかって来るが、きゅららっ、と車輪を鳴らして高速回避。
 武装を駆使したクネウスによる掃討作戦は、その後もしばらく続行された。
 その間、射撃精度は保たれたままであり、クネウスの顔に疲労が確認される事は、一秒たりともなかったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加

前の魂食いの森も厄介だったが、この皆殺しの荒野も相当なもので。リザードマンとは何度か交戦経験があるが、何か竜のオプションが付いてるようだね?まあ、いつものように家族で連携して戦うだけさ。

空を飛ぶ奴は【二回攻撃】【串刺し】【槍投げ】で攻撃していく。数が多い時は【衝撃波】【範囲攻撃】で纏めて吹き飛ばす。地上に落ちた奴は【範囲攻撃】を併せた飛竜閃で攻撃していく。敵からの攻撃は【残像】【見切り】【オーラ防御】で凌ぐよ。ちゃんと対応すれば絶好の的だ。さあ、前座はさっさと退場しな!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

魂を喰らい尽くす森に続いて、今回は竜化させてしかも凶暴化させる荒野ですか?群竜大陸、思ったより危険な場所のようです。しかし、先の事を知るには敵を倒せねばなりませんね。いざ、参ります!!

トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で前進してくる攻撃を受け止めながら、【怪力】【シールドバッシュ】で押し返します。空中からの敵は【二回攻撃】【範囲攻撃】【衝撃波】で攻撃します。ここで立ち止まる訳にはいかないんです!!どいてください!!


神城・瞬
【真宮家】で参加

魂食いの森の次は皆殺しの荒野ですか。僕達もうっかりすると荒野の狂気に巻き込まれてしまう怖さを感じますね。ただ、まだまだ未知の部分の群竜大陸の事を知るには先に進む必要があるのも確かですので。

月読の同胞を発動、同胞に援護射撃してもらいながら、敵の進行に併せ、【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【武器落とし】を地上と空中の敵に撃ちます。数が多い時は【衝撃波】【吹き飛ばし】で纏めて吹き飛ばします。敵の攻撃は【オーラ防御】で凌ぎますね。



 心……いや、本能までもざわつかせる呪いの風を感じながら。
 神城・瞬(清光の月・f06558)が足を踏み入れた荒野は、血風吹き荒れる戦場であった。
 否、処刑場、或いは野獣の狩場、といった趣である。
「魂食いの森の次は皆殺しの荒野ですか。僕達もうっかりすると荒野の狂気に巻き込まれてしまう怖さを感じますね」
 しかし、未知なる部分の多い群竜大陸を知るには、そして帝竜の存在を確かめるには、先に進む必要があるのも事実。
 その目標を瞬と共有する真宮・響(赫灼の炎・f00434)は、ふむ、と一風変わったリザードマンの姿を見た。
「リザードマンとは何度か交戦経験があるが、何か今回の奴は、竜のオプションが付いてるようだね?」
 本来の蜥蜴めいた体躯と合わさり、もはやその姿は竜人である。
 これは厄介そうだが、響は涼しい顔である。偽物の竜に臆しては、竜騎士の名折れ、というわけである。
「まあ、いつものように家族で連携して戦うだけさ。そうだろう? 2人とも」
 実際、いつも通り豪胆な母に微笑してうなずくと、真宮・奏(絢爛の星・f03210)は、敵を睨んだ。
 奏の視界は、既にリザードマンが埋め尽くしている。羽ばたく翼をもって。
「群竜大陸、思ったより危険な場所のようです。しかし、真実に辿りつくには、ここを突破しなければなりませんね。いざ、参ります!!」
 響と競うようにして、リザードマンに立ち向かう奏。
「風は猟兵には効果が無いと聞きますが……これは元々の性分ですからね」
 【真宮家】の一員として。2人をフォローすべく、瞬は、援護の準備に取り掛かった。その後背に、月読の紋持つ霊体が出現する。
「月読の同胞、力を借ります!!」
 瞬の意思に応え、同朋は矢をつがえた。まっすぐ3人を目指して飛翔してくるリザードマンを射撃。撃破の確認もそこそこに、次の矢を放っていく。
 同朋による援護射撃。露、と呼ぶにはいささか大きな敵を払いながら、瞬自身もまた、精霊術の弾丸を撃ち出した。
 翼を駆使して、弾の軌道を読んで回避するリザードマンだが、その後を、瞬の弾が追尾にかかった。誘導弾だ。
 瞬の操る誘導弾は、空を自在に翔け、リザードマンを追う。鎧に守られた胴体だけでなく、目を潰し、あるいは手にした剣や盾を弾き飛ばしていく。
 中には、麻痺を受けて翼を硬直させ、地上に落下していくものさえいる。
 瞬の援護に全幅の信頼を寄せながら、響は、眼前に落ちて来たリザードマンにとどめをさすと、槍をくるりと回して、空へと照準を定めた。
「そうだね。まずは飛んでる奴らから料理しようか」
 赤熱化した槍を、力いっぱい投擲する響。
 特別照準を定めた、とは言えぬ自然な動作だったが、響の狙いは見事命中。鎧ごと胸を貫かれたリザードマンが、力を失い、落下していく。
 そして、もう一方の槍を、間髪入れず、もう一投。今度は青白い焔をまとって、リザードマンを撃墜していく。
「全く、数が多いね」
 竜となって戻って来た愛槍を手に取ると、響は力をこめた。すると、先ほどよりもいっそう赤を深くした槍が、風を切り裂いて、リザードマンの群れへと飛び込んだ。
 槍から放出された赤色の衝撃波が、リザードマン達の中心で炸裂する。
 大気をかき乱された事により、直撃を避けたもの達も、姿勢を崩して降下、あるいは落下していく。
 あとは簡単、必殺の飛竜閃が、骸の海へと直行させる。
 響のように猛進できるのも、瞬のフォローがあってこそ。ですけど甘えすぎるのもよくありませんね、と自戒しつつ、奏は、両腕をかざした。リザードマンがすぐそばまで迫っていたからだ。
 大気中より呼び起こされた魔力が、炎・水・風、三属性の自然現象となって励起する。
「キェェェイッ!」
 気合一発。ラウンドシールドをかざして突撃して来るリザードマン。
 直前見えた、血走った目に狂気を感じた奏は、三重の魔力を腕に収束。魔力の盾として、相手の盾を受け止めた。
 リザードマンにとっても奏のりょ力は想像以上だったらしく、やがて押し負け、後退していく。
 しかしもう一方から、別のリザードマンが迫る。そして背後からも、また。
 だが奏は、エレメントの防護壁を生み出し、その攻撃の全てを防御した。
 リザードマン達とて、一歩も退かぬ。集団で奏の護りを突破しようと、包囲網を狭めていくが、
「えーいっ!!」
「!?!?」
 奏の怪力が、リザードマン達の体を、まとめて宙に吹き飛ばした。
 どさりどさり、と、リザードマンの山が出来上がる。
「だいぶ仕留めたはずですが、まだまだ数が多いですね」
 つぶやく瞬の元にも、リザードマンが殺到して来る。
 翼を畳んだ彼らは、本来の身体特徴……太い尾を振るって、瞬を始末にかかった。
 だが、重い一打を、オーラのヴェールでしのいだ瞬は、呼吸を整え、衝撃波を放った。空と地上、両面から襲い掛かって来た敵群を、まとめて吹き飛ばす。
「!?!?」
 敵が無様に宙を舞う。瞬の周囲が、クレーターのように、開けた空間となる。
「どうした? せっかくの羽も宝の持ち腐れじゃないかい」
 調子に乗るなよ、とばかり、響へと、リザードマン達が波状攻撃を仕掛けた。
 連続して閃く曲刀を、しかし響は、見事な体さばきでかわし、あるいは槍でしのぎながら、荒野を前進する。
「さあ、前座はさっさと退場しな!!」
 響の声が、リザードマン達を一喝した。
 ぱんぱん、と手を叩いて埃を払った奏の頭上に、影が落ちる。新たなリザードマン襲来だ。
 空には、奏の怪力も届かない。
 すると奏は、手元に気を溜めるような動作をすると、
「はっ!!」
 ごう、と風が起きた。
 奏を中心に放射された衝撃波が、空から接近していたリザードマン達を弾き散らした。
「ここで立ち止まる訳にはいかないんです!! どいてください!!」
 翼の制御を失い、墜落していくリザードマン達へ、奏の声が、ぴしゃりと叩きつけられたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

冬原・イロハ
アドリブ歓迎

敵、たくさんですね……!
ちょっと緊張してますが、いつも通りに――と呼吸を整えて

飛ぶ敵を見上げながら駆けます
ちょこまか動いてたら襲ってくるかしら?
遠距離な敵の攻撃は見切りつつ
敵がこちらへ飛んできて、彼我が迫ると同時に戦斧で攻撃

UCを叩きこみます!

風属性のドラゴンを放ち、この身を空に舞い上げる突風に乗りますね
その後は、装備しているブーツに魔力を注ぎながらの空中戦
くるくる動いて、戦斧をぶんぶん振り回して攻撃しますね~
体格差はどうしようもないので一撃に飛ばされたら、そのまま別敵をズバンと
適宜UCで攻撃&咄嗟の防御としても扱い

はわ、ちょっと目が回りますが、思いっきり攻撃できるの、楽しいです~


木元・祭莉
(おまかせ投げてみる♪)

「おいら、一人前の猟兵になるんだー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、12歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。

いつも深く考えず、場合に応じてテキトーに、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひょいっとなど、擬態語やおのまとぺを多用します。

ユーベルコードは、地味に戦闘力底上げに使うことが多いです。
多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。何かあっても、三歩歩くと忘れる。
ちょっとビビリ。

あとはお任せ。
よろしくお願いします!


草野・千秋
群竜大陸での戦いも長くなってきましたね
だいぶ攻略できてきた感じでしょうか?
今度は皆殺しの荒野、ですか……ただごとでは終わらなさそうですが
そこを無事に終わらせるのが僕ら猟兵のお仕事です

空から攻撃が飛んでくるのなら
第六感、戦闘知識でかわしましょう
当たるなら盾受けと激痛耐性でしのぎ
味方に被弾するならかばう

僕はまずはスナイパー+部位破壊で
リザードマンの盾の破壊を目指します
これを壊されたら防御も崩れて攻撃しやすくなるはず
その後UC【冷たい雨に撃て、約束の銃弾を】+範囲攻撃+2回攻撃
ある程度数が削れて来たら
接近戦に切り替えて接近戦に持ち込む
格闘+2回攻撃+グラップル



 血風吹き荒れる戦場には少々似つかわしくない、あどけない少年がやってきた。
 木元・祭莉(どらまつりん・f16554)だ。
「うわー、りざーどまん! いっぱいいるー♪」
 手をひさしにして眺めれば、ぎらぎらと殺意たぎるリザードマンの大群。
「ほんと、敵、たくさんですね……!」
 祭莉の肩に乗せられた冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)も、空を埋め尽くさん数のリザードマンに圧倒されていた。
 何せ、ケットシー視点だ。他の種族よりも体は小さい。
 幼くとも、小柄でも、2人とも猟兵。覚悟はあるだろうが、傷付けさせはしない。
 そんな決意を胸にした草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)が、2人を守るように前に出た。
「群竜大陸での戦いも長くなってきましたね。だいぶ攻略できてきた感じでしょうか?」
 新たな戦場は、皆殺しの荒野。最初の敵は、空飛ぶリザードマン。そして、最初というからには、次がある。
「……ただごとでは終わらなさそうですが、そこを無事に終わらせるのが僕ら猟兵のお仕事です」
「ん。でもなんかケンカしてる?」
「え?」
 祭莉の示す方にイロハと千秋が目をやれば、リザードマン同士、刃を交える光景があった。
 殺戮衝動に飲み込まれ、見境が無くなってしまっているらしい。祭莉達を、誰が先に獲物にするかで揉めはじめ、同士討ちを起こしているようだ。
「ケンカする程仲がいい、じゃない、かー。りざーどまん同士、仲良くすればいいのにね?」
 もっとも、みんなで結束して襲い掛かってこられると大変なので、祭莉も腕まくりをして、リザードマン退治に取り掛かった。
「ううっ、ちょっと緊張してますが、いつも通りに――」
 呼吸を整え、イロハは、空の敵を見上げながら駆けだした。
 ちょこまかちょこまか。荒野を駆け巡るケットシー。
 いかに標的が小さくとも、動き回っていればそれは生き物。すなわち殺戮対象だ。
 イロハを視認したリザードマンが、すぐさま殺到してくる。同族を相手にしているのも飽きたのだろうか、せっかくなら違うものとも戦ってみたい、ということだろうか。
 さっそく対地攻撃が飛んでくるが、そう簡単には、イロハに当たらない。
 業を煮やしたリザードマン数体が、降下してきた。イロハに狙いを定めると、丸い盾をかざして、得意のシールドバッシュ。
 けれど、それはイロハの思惑通り。
「えいっ!」
 あいさつ代わりの戦斧が、リザードマンに叩きつけられる。
 その衝撃は、翠の竜となって顕現した。風の力を宿したドラゴンが、リザードマンを吹き飛ばす。
 そしてイロハは、起こった突風にその身を任せ、空へ。
 イロハが空を蹴ると、ブーツの裏に魔法陣が現れて、更に高い場所へと導いていく。
「やぁーっ!」
「!?」
「グハッ!」
 くるりくるくる。
 空を舞い踊るように、イロハは戦斧を振り回した。群がって来るリザードマンを次々と叩き、あるいは斬り倒していく。
「はわ、ちょっと目が回りますが、思いっきり攻撃できるの、楽しいです~」
 そんなイロハの死角をつこうとするリザードマン。
 それを撃ち抜いた千秋目がけ、攻撃が飛んでくる。先を競うように、リザードマンが襲いかかって来るのだ。
 だが、相手の数の多さを逆手に取る。互いに攻撃を繰りだしにくいように誘導してやれば、リザードマンの武具や体がぶつかり合い、攻撃が遅延する。
「厄介なのは、曲刀より盾ですね」
 攻撃と防御を兼ね備えたシールドバッシュ。翼による加速をつけて放たれるその技は、通常の個体より強力なはずだ。
 ゆえに千秋は、盾に狙いを絞り、『ordinis tabes』で狙撃した。
 リザードマンはかわしきれず、まさに盾でガードする。だが、速射を受け、またたく間に亀裂が走り、砕け散る。
 敵群の盾を破壊したら、防御を失ったリザードマンに反撃開始だ。
 千秋のフルバーストが、空中の敵群を、一気に駆逐していく。広範囲に及ぶ攻撃でありながら、威力も十二分。千秋の視界がクリアになるまでに、さほど時間はかからなかった。
「わー、カッコイイ! おいらもそんな感じでやってみるー♪」
 目を輝かせた祭莉も、リザードマンに突撃を仕掛けた。日頃、何やかんやで鍛えられた脚力を生かさない手はない。
 その速さはみるみる増していき、祭莉の身から、白い焔となってほとばしる。
「とうっ!」
 イロハに殴り倒されたリザードマンの体を踏み台にして、祭莉は空へと跳びあがる。
「!?」
 リザードマンの瞳が、見開かれる。それもそのはず、祭莉は翼もなしに、空を自在に飛び回り始めたのだから。
 しかも、早い。シールドを叩きつけようと飛びかかって来る敵も、祭莉の速力に、空振りを余儀なくされる。
 白炎の尾をたなびかせてリザードマン達を翻弄しながら、祭莉は如意みたいな棒をすちゃっ、と構えると、相手のみぞおちを突く。
「~~ッ!」
「じゃあね♪」
 痛烈な一打を喰らい、落下していくリザードマンに、祭莉は手を振った。
 一方こちらは、小柄で敵を翻弄しているイロハ。だが、強じんな肉体を持つリザードマンとは、どうしても体格差は埋められない。
「ハアッ!」
「きゃあ」
 リザードマンの盾が、いよいよイロハを弾き飛ばす。けれどそれでめげることなく、飛ばされた先にいたリザードマンの顔面に戦斧を叩きつけ、くるりと態勢立て直し。
 再び風竜に乗って、敵へと前進。
 イロハと一緒に、祭莉も空中戦を繰り広げる。
 もふっ、とした尻尾は、リザードマンのような武器にはならないけれど、バランスをとるにはうってつけだ。
「それにおいらには、如意な棒が、ある!」
 えい、やあ、とう!
 その後も祭莉は、空中を舞いながら、リザードマンをぽこぽこ撃退していく。
 このまま空中にいても、猟兵達の的になるだけ。
 生き残ったリザードマン達は降下して、地上戦を挑んでくる。それを待ち受けていたのは、千秋だ。
 武器を剣へと持ち替え、白兵戦で応じる千秋。
 両者とも、地上戦は得意のうち。だが、猟兵達に傷を負わされたリザードマンと、ほぼ無傷の千秋では、後者に分があるのは当然であった。
 敵を斬り、殴り、投げ飛ばす千秋。
 縦横無尽、獅子奮迅。千秋が一息つく頃には、敵影は1つも見えなくなっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ピンク・モフ』

POW   :    はい、次は君が鬼ね
【体を擦り付けることで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    僕が逃げる番だね
非戦闘行為に没頭している間、自身の【体毛】が【激しく光り】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    僕が見えるかな?
自身と自身の装備、【咥えて持っている】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。

イラスト:羽月ことり

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 リザードマンの大群は、駆逐された。
 空は本来の景色を取り戻し、束の間、荒野に静寂が訪れる。
 だが、それもひとときの事。
 なおも吹く呪いの風が、危険な魔物を呼ぶ。
「モフゥ……」
 荒野に、複数の気配が現れる。
 ピンク色の、四足獣。長い尻尾をくゆらせて、新たな獲物に舌なめずり。
 ピンク・モフだ。しかし、モフモフとしたはずの毛並みも、今はピンク色の鱗に包まれて、全く別の質感を見せている。
 何より、額からそそり立つ竜の角が、雄々しきオブリビオンに仕立て上げている。
 攻防の力を大きく向上させた、竜化ピンク・モフ。
 だが、しょせんは竜に似せた姿に過ぎない。その鱗には、一か所だけ、弱点がある。
 ピンク・モフの、耳の付け根、である。
 そこを突く事こそ、勝利の鍵。いざ、敵の第二波へ立ち向かうのだ。
草野・千秋
ピンク・モフ……
元はもふもふしたオブリビオンだったのでしょうが
今は竜化していて見る影もないですね
オブリビオン同士とはいえ殺し合いとか悲しいですけど
僕らに仇なすなら倒すしかないですね
相手は攻防の力が上がっているようです
十分気をつけなくては

勇気を出してこの戦いに挑みます
歌唱+UC【Tagetes erecta】を使用
敵に攻撃を突き刺させる
僕の歌の威力、どうでしょう?
前回に引き続き部位破壊を狙います
弱点の耳の付け根を!
範囲攻撃、スナイパー、2回攻撃、一斉射撃で薙ぎ払い数を減らしていく
数が減っていったら怪力、2回攻撃、グラップルで叩きのめしていく



 草野・千秋は、地上を疾走する竜化オブリビオンの群れに備えた。
 ピンク・モフ。外見を忠実に説明した名を冠する四足獣に、千秋は、しかし、気を許さない。
 殺意を全身から発し、変貌を果たした実物を目にしてしまっては。
「モフゥ……!」
「元はもふもふしたオブリビオンだったのでしょうが、今は竜化していて見る影もないですね」
 赤の瞳も、形こそ元のままだが、殺戮衝動に飲み込まれ、凶暴な光を放つ器官へと変貌している。
 千秋は、前脚や角で赤いものが付着しているのを見逃さなかった。
「オブリビオン同士とはいえ殺し合いとか悲しいですけど、僕らに仇なすなら倒すしかないですね」
「モフゥ!」
 殺す、殺す。
 集団で取り囲み、徐々に距離を詰めていたピンク・モフが、遂に千秋へと跳びかかって来た。殺戮鬼ごっこの始まりだ。
 竜鱗によって、防御力も増しているはず。気を引き締め、千秋が呼吸を整えた。
 唄う。愛と悲しみをこめた歌を。
 旋律となって震えた大気が、ピンク・モフを打つ。すると、途端に鋭い音符の雨へと変わったではないか。
「モフフ!?」
 これには、ピンク・モフも驚いたらしい。
 千秋に体を擦りつけようとしていたのをあきらめ、慌てて反転するが、一度に殺到したのが仇となった。
 おしくらまんじゅう状態になっている間にも、千秋の愛の歌は続き、音符の雨はやまない。
 竜の鱗に刺さったものは、大したダメージにはなっていないようだ。しかし、千秋はデタラメに雨を降らせているわけではない。
「僕の歌の威力、どうでしょう?」
 鱗の護りが薄い箇所……すなわち、耳の付け根を狙って、音符という名の刃が突き刺さっていく。
 危険ないたずらを仕掛けるはずが、思わぬ反撃を受ける事となったピンク・モフ達は、なすすべなく蹂躙される。
 そして千秋は、歌い手からヒーローへとチェンジする。
 混乱するピンク・モフの渦中に飛び込むと、直接拳を振るっていく。
 ちぎっては投げ、ちぎっては投げ。ピンク・モフの群れから、荒野が少しずつ解放されていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

冬原・イロハ
ブーツでの空中浮遊継続
猫の毛づくろいをしつつ、ピンク・モフさんの上空へ
ふわっと背に降ります

じー……
お耳は鱗に覆われているのでしょうか?
切り替わるところだし、継ぎ目から頭蓋骨に刃を差し込める感じでしょうか

と、考えながら、撫で撫でします
鱗の下にあるであろう体毛が光初めて、湧き出てくるのは『おかわいそうに』という気持ち
さっきの敵群もですけど、自我を失いたくて失ったわけではないですよね(なでなで)
恐ろしい場所です。群竜大陸は……

ここは一息に骸の海へ還しましょう……!
戦斧で耳の付け根を狙って攻撃します
振り落とされるかもですが、ブーツで空中へ
彼らの頭上から攻撃していきます



 吹きすさぶ風に飛ばされないよう。
 冬原・イロハは、ブーツを上手く使って、空中散歩を続けていた。
 空に、敵はもういない。代わりにイロハの眼下では、ピンク色の小竜の群れが走り回っている。
 リザードマン同様、呪いの風で竜化しているが、ピンク・モフ達は別の強化を選んだようだ。すなわち、全身を鱗で覆う、という。
 イロハは、あちこちをぺろぺろなめながら、ふわりとピンク・モフの背中に降りた。
「じー……」
「モフっ?」
 突然、背中にふわふわを感じたピンク・モフが、急ブレーキをかけた。
 お耳は鱗に覆われているのでしょうか? 切り替わるところだし、継ぎ目から頭蓋骨に刃を差し込める感じでしょうか。
 そんな風に考えながら、イロハは、ピンク・モフの体を撫でる。
「モフゥ……」
 すると、鱗の隙間から、光がこぼれ出る。本来のピンクの体毛の発光である。もふられる事に身を任せることで、一切の脅威をシャットアウトしたのだ。
 けれど、イロハの心から湧き出てくるのは、『おかわいそうに』という気持ちである。
「さっきのリザードマン達もですけど、自我を失いたくて失ったわけではないですよね。恐ろしい場所です。群竜大陸は……」
 なでなで、を続けながら、イロハは思った。
「ここは一息に骸の海へ還しましょう……!」
 殺意に満ちた今のピンク・モフは、大人しく撫でられ続けているわけではない。イロハを倒そうと、体をよじって振り落としにかかった。
「モフーッ!」
「えいやっ」
 ピンク・モフが防御を解いた直後、イロハの戦斧が、耳の付け根へと差し込まれた。ケットシーサイズに最適化された斧は、見事弱点を突くことに成功。
「も、モフ……」
 ピンクの鱗が剥がれ落ち、本来の羽毛を露出させながら、骸の海へと還っていく。
 足場を失う形となったイロハは、とっさにブーツで何もない空中を蹴って、空へと跳びあがる。
 そして、次のピンク・モフに着地。さくさくと耳元、鱗の隙間を狙って、モフ退治を続けるイロハであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八幡・茜(サポート)
ふふふ、この美人のおねーさんに任せて!

基本何でも肯定するわね、殺人であっても一度は肯定しちゃうわ
その上で倒すべき敵であれば、「でも仕方が無いわよね」と割り切って普通に倒すけれど!
楽しそうなことや、笑いが取れそうなことは積極的にやるわ。ふふふ、泥は被ってなんぼじゃない?
男女問わず、人に触るのも触られるのも好きだわ! みんな大好きよ! あ、でも恋人以上な行為はしないし、させないけれどね!

戦うときは、いかに相手の手を掴んで恐怖を与えるかを考えて動くわ! 魅了はあまりしないけど、有効であったら考えるわ!
戦いで自分が傷つくのは仕方が無いわね! おねーさんも相手を倒そうとしているのだもの、当然の覚悟だわ。



 ピンクの獣荒ぶる『皆殺しの荒野』に、銀色のもふもふが現れた。
 八幡・茜(銀狐・f04526)である。
「ふふふ、この美人のおねーさんに任せて!」
 耳に尻尾、もふりとしたその容姿に、親近感を覚えただろうか。ピンク・モフの集団が殺到する。
「モフゥ……!!」
 だが、どのような猟兵も、新たな獲物に過ぎない。ピンク・モフ達が、付かず離れずの距離で、茜の周りを駆け巡る。茜を鬼に見立てて、鬼ごっこのつもりだろうか。
「あら、楽しそうね。ふつうに遊んでいるだけなら付き合ってあげてもいいんだけど」
 鬼は、やがて殺される運命。それはよくない。何より、本当はもふもふらしいけれど、今はもふもふではない。
「もふもふ、楽しくイタズラをしているだけなら見逃してもよかったけど、殺し合いをするんじゃ、仕方が無いわよね」
 そう言って、茜はピンク・モフ退治に取り掛かった。
 すると、ピンクの体が、次々と茜の視界から消えていく。ユーベルコードを使って、透明になったのだ。イタズラ好きにはうってつけの力。「つかまえてごらん」、と挑発する。
 勝手に有利なルールを追加するとは、困ったものだ。しかも、茜にはデメリットしかない。
 だが不意に茜は、何もない場所をつかんだ。視覚から消えても、足音や気配まで消せるわけではない。第六感を使えば、見破るのはそう難しいことではないのだ。
 茜が尻尾をつかんで恐怖を伝えてやると、びくん、と震える気配の後、ピンク・モフの姿が現れた。
 そして茜の背後に、巨大な神木の幻影が現れた。悪ふざけをするピンク・モフを見下ろすように。
「も、モフ……」
 おののくピンク・モフへと、お仕置きが下された。閃く雷光。
 鋭いお叱りは、耳の付け根を貫くことで竜鱗の護りをかいくぐり、その身を焼き尽くしたのである。
「ふふふ、さあ、おねーさんと鬼ごっこの続きをしましょ?」
 茜の笑顔の誘いにも、ピンク・モフ達はおそれおののくばかりであったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

ピンク・モフ・・・愛らしい外見だけど、相当の実力の持ち主とみた。もふもふ大好きな奏には戦い辛い相手だが・・・これ以上暴れる前に止めないとね。

奏と瞬が弱点を突きやすいように前準備を引き受けるよ。【目立たない】【忍び足】で背後を突き、【二回攻撃】【串刺し】を併せた飛竜閃で無理やり非戦闘行為から迎撃行為に移行させる。飛竜閃で研ぎ澄まされた神経で上手く弱点の耳の付け根を攻撃出来たら上出来だね。奏、瞬、追撃は任せた!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

あ、ピンクのもふもふが・・・(頭をぶんぶん)竜化して凶暴化してるなら止めないとですね・・・今の状態はピンク・モフさんに取って本意じゃないでしょうし。

響母さんの攻撃が当たって前準備が整うまでは、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で防御を固めながら【範囲攻撃】【衝撃波】で攻撃。前準備が整ったら【切り込み】【範囲攻撃】で耳の付け根を狙って蒼の針を使用、【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】で追撃します。


神城・瞬
【真宮家】で参加

大変可愛らしい外見ですが、竜化によって凶暴化してるようですね。もふもふ大好きな奏にとって戦い辛い相手ですよね。そうですね、このピンク・モフも本来は穏やかな性質だったはず。竜化は本意ではないはず。せめて骸の海に還してあげましょうか。

まずは【オーラ防御】を展開。母さんによる前準備が整うまで、【二回攻撃】【衝撃波】で攻撃。前準備が整ったら弱点の耳の付け根を狙って【誘導弾】【部位破壊】【範囲攻撃】を併せた月白の棘で攻撃。追撃として【多重詠唱】してから【衝撃波】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】で攻撃します。



 真宮・響の感覚を、新たな殺気がくすぐった。
 ピンク・モフ……荒野を遊び場とする、竜化オブリビオンの大群だ。
「愛らしい外見だけど、相当の実力の持ち主とみた」
 響の推測は正しい。
 本来の俊敏さにくわえ、竜化した事で、戦闘力を向上させている。しかも、殺戮衝動を増幅され、力を振るう事に一片のためらいもないのだ。
 神城・瞬もまた、ピンク色の獣の実力を看破し、難儀さを覚えていた。
 理由の1つは、単純な戦闘力。そしてもう1つは、姿が変わっているという事。それが真宮家に、どんなデメリットをもたらすかというと、
「もふもふ大好きな奏にとって戦い辛い相手ですよね」
「もふもふ大好きな奏には戦い辛い相手だな」
 異口同音。瞬と響は同じことを言って、ちらりと真宮・奏をうかがった。
 案の定、奏は、ピンク・モフに釘付けになっていた。両手で、虚空を撫でるようにしながら。
「ピンクのもふもふ……」
 2人からの視線を感じ取り、奏は、頭をぶんぶんと振って我に返った。
 実際のピンク・モフが、思ったほどもふもふしていなかったという現実を突きつけられた、というのもある。
「竜化して凶暴化してるなら止めないとですね……今の状態はピンク・モフさんに取って本意じゃないでしょうし」
 もともと、殺し合いよりイタズラを好む性質のようだ。
 呪いの風などという外的要因に本来の自我をゆがめられた状態は、オブリビオンにとってもあまりよろしくないはず、と奏は思った。
「そうですね、このピンク・モフも本来は穏やかな性質だったはず。せめてすみやかに骸の海に還してあげましょうか」
 瞬は魔力を練り上げ、精霊に呼び掛けた。
「ああ、これ以上暴れる前に止めないとね。2人とも、援護を任せたよ。アタシが下ごしらえを済ませるまで、ね」
 言うが早いか、響は単独行動へと移った。2人に敵が向かってきているのを確かめると、1人、戦いの輪から離れ、敵の後方へと回っていく。
 奏は、盾、或いはオーラを防御壁として駆使して、あきれるほどの数で襲来するピンク・モフの相手をする。響の準備が整うまでは、敵をしのぐ構えだ。
「モフッ」
 体を擦りつけようと、近づくピンク・モフ。
 もしも竜鱗に覆われていなかったなら、どさくさに紛れて柔らかな毛並みを撫でるという選択もあったかもしれない、と思うと、奏は、ちょっぴり残念を感じた。
 そんな感情を押し殺し、奏は無謀にも接近する敵へと衝撃の波を広げて、弾き飛ばしていく。
 奏とともに敵を迎え撃つ瞬は、オーラによる守りを展開した。
 追いかけっこのような調子で軽やかに荒野を駆ける敵に、連続して衝撃波を放射した。
 今のピンク・モフに、同族や仲間意識などというものはない。オブリビオンに、猟兵の言うところの仲間意識があるのかはともかく……脱落していくものを踏み越え、瞬へと牙を剥いてくる。
 奏に対するものと同様に、体を擦りつける事で抵抗をゼロにしたいようだが、凶暴な面立ちは、噛みついてくるようにしか、瞬には見えない。
 面で相手を打ち据える衝撃波では、竜の鱗には効き目が弱いらしい。もっとも、今はそれでいい。瞬の役目はピンク・モフを減らす事ではなく、時間を稼ぐ事。
 すると、敵の動きが変化した。そろって足を止めると、日向ぼっこでもするように丸まったのだ。
 同時に全身からピンクの光が放たれ、シェルターの役割を果たした。こうなれば、どんな鋭い剣も、強力な魔法も、なすすべはない。
 だが、それこそが、響待望のチャンスだった。
 気配を殺した響は、ピンク・モフの群れの後方を突いた。
 後方のピンク・モフはすっかりのんびり構えて、あらゆる攻撃を通さぬ構え。
 だが、攻撃するのは自由だ。響の飛竜閃が、背後から突き刺さる。返って来た手ごたえは、見えない力場に弾かれるようなもの。
 けれど、殺意を向けられて、今のピンク・モフが黙っていられるはずもない。
「モフゥ!」
 向けられた響の敵意に応えるように、待機状態を解いて、蹂躙にかかった。
 先ほどの響の攻撃は、いわば挑発行動。狙い通り、敵を戦闘行為に導いた響は、今一度竜の槍撃を繰りだす。
 狙いはただ1つ、耳の付け根。神経を集中、必中を期して、技を繰り出す。
「も、モフッ!?」
 見事狙いを突いた響が離れると同時、ピンク・モフが倒れた。
「奏、瞬、追撃は任せた!!」
 響の声を受け、奏が頷いた。
 次々とピンク・モフを吹き飛ばしていた瞬が、攻撃を変化させた。
 いよいよ耳の付け根に狙いを定めると、精霊弾を投じた。ヒットの直後、月白の棘が追撃した。鋭い痛みに、ピンク・モフが悲痛な鳴き声を上げる。
 だが、瞬が手心をくわえる事はない。敵の回避も反撃もくぐり抜け、一か所のみを狙った一撃を、ピンク・モフの群れに浴びせていく。
 ダメージを受けたピンク・モフへと、瞬の追撃が襲う。先ほどと同じ衝撃波、しかしその威力は段違い。
 衝撃波が駆け抜けた後、鱗すら無効化されたピンク・モフ達が、赤い瞳を潰され、あるいは体の自由を奪われ、荒野に転がっていた。その棘は深く穿たれ、抜ける事はない。
 再び先ほどの勢いを取り戻して飛びかかって来るピンク・モフへと、奏も本格的な反撃に移る。
 相手の弱点は、把握済み。とてもわかりやすい、耳の付け根。
「お腹、とかだったら当てるのは難しかったでしょうけど」
 奏が手のひらで虚空を薙ぎ払うようにすると、光が閃いた。蒼の針だ。
 前方へと放射された針の群れは、頭から飛び込んでくるピンク・モフへと次々命中。
「モフゥ!」
 弱点を突かれ、地面へ不時着。痛みにのたうち回る。
 前足を器用に使って針を引き抜こうとするが、びくともしない。瞬の技同様、しっかりと刺さった奏の棘はやすやすと抜けたりはしないのだ。
 少しばかり痛々しい光景だが、奏は悲しみをこらえると、再び蒼の雨を降らせるのだった。
「さあ、アタシももう一仕事だ」
 瞬達に任せた、と言っても、休憩しているのは性に合わない。
 ランスを手に、響もピンク・モフ狩りに加わった。
 強じんな角も鱗も、弱点がわかっていれば、対処のしようはあるのだから。

 かくして、真宮家一同によるピンク・モフ掃討作戦は、大いに戦果を挙げたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『シマエナさま』

POW   :    ひえひえアロー
レベル×5本の【氷】属性の【魔法の矢】を放つ。
SPD   :    こおりガード
対象のユーベルコードに対し【氷の盾】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    シマエナガ・まきしまむ
【沢山のシマエナガ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:橡こりす

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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 駆逐されたピンク・モフの後には、煌めく宝石……竜胆石が転がっていた。だが、その美しさを愛でたり、価値を確かめていたりする余裕はない。
 ひりつくような殺気は、依然として、荒野を支配したままなのだ。
「クックック」
 笑い声が、荒野に木霊する。
 オブリビオンの気配。しゅんっ、と飛来したのは、竜の翼と角、そして鱗までをも兼ね備えた、強力無比なる殺戮者達。その名は……。

 シマエナさま。

 大福のようなまるっとボディにフィットした翼はドラゴンのそれに代わり、もふボディも白い鱗で覆われている。もふ、またしても。
 頭の左右から生えた雄々しい角、つぶらな瞳に宿る邪悪な殺意が、印象を百八十度転換させている。
「クックック」
 無表情のまま、よこしまな笑い声をこぼす、竜化シマエナさま。様々な部位を竜化させた強敵。
 だが、翼と鱗の突破法は、これまでの戦いで明らかとなっている。そして、グリモア猟兵・タビタビよりもたらされた鱗の弱点の位置は、『くちばし』。
 目は閉じればなんとかなるが、くちばしまでは鱗で守られていないようだ。
 それに、考えようによっては、これはレアなシマエナさまだ。倒せば、立派な竜胆石が得られそうな……そんな気がする。
草野・千秋
竜胆石を得るのは難しそうですけど
やれるだけはやってみせましょう
こういうお宝で生きる糧を得てる人も
キラキラが好きな人もいるでしょうから

こんな見た目はかわいいオブリビオンも
ドラゴン化にかかったからには敵
舐めてはかからない

UC【Judgement you only】を発動
攻撃力をアップさせる
オブリビオン、お前の弱点はくちばしか
そこを狙って当ててみせる
サイバーアイの視力でよく敵をよく見て
スナイパー、一斉発射、部位破壊で弱点を狙っていく
くちばしにダメージがいったようなら
弾を武器改造して炎の属性攻撃の効果をつけて
スナイパー、範囲攻撃、一斉発射
敵を蹂躙します!



 荒野の戦いにも、いよいよ終止符が打たれようとしていた。
 それを為す猟兵の1人、草野・千秋は、新たなる敵群を見上げた。荒野の空の主となった、竜化シマエナさまを。
「竜胆石の獲得、やれるだけはやってみせましょう。こういうお宝で生きる糧を得てる人も、キラキラが好きな人もいるでしょうから」
 リザードマンやピンク・モフに比べると、外見はちんまりして愛らしい。だが、呪いの風の洗礼をたっぷり受け、多重竜化を遂げている。
「これは舐めてかかるわけにはいきませんね」
「ククッ」
 競うようにして、シマエナさま達が飛びかかって来た。
 魔力の粒子が凝縮し、氷の矢を形作る。シマエナさまの何十倍もの数のそれが、千秋に降り注ぐ。
 矢から放出された冷気が、周囲を支配する。本来味方であるはずのシマエナさまも巻き込まれていくが、一切気にしない。
 殺戮をばらまくシマエナさまに、不可視の力が吹きつけた。
 呪いの風とは違う。その源は、千秋だ。あふれ出す正義の心が圧となり、竜の鱗を震わせたのだ。
 不屈の正義は、構えたordinis tabesの威力を高める。
 だが、シマエナさまは余裕を崩さない。自分の竜の鱗の硬さを、十分理解しているのだろう。
「オブリビオン、お前の弱点はくちばしか」
「!?!?」
 ぷるり、震えるシマエナさま。なぜわかった、と。
 しかし、空中にいるという優位性は揺らがない。慢心した鳥達は、なおも狩りを続行する。
 降りしきる氷の雨を、千秋はかいくぐる。義眼の高視力で敵を捕捉し、ordinis tabesのトリガーを引いた。
 空を翔ける一斉射が、敵群を撃つ。それも、弱点であるくちばしだけを。
「ピャアッ」
「ピャピャッ」
 被弾したシマエナさま達の落下を注視しながら、千秋はリロード。新たな弾には、正義の魂が炎となって宿る。
 進むシマエナさま、逃げるシマエナさま、双方を蹂躙していく。
 シマエナさまは消滅の間際、煌めきをこぼす。千秋が受け止めた煌めきの正体……竜胆石は、ピンク・モフのものより艶やかで、大粒であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃(サポート)
『皆が幸せになれたらいいなぁ』
オラトリオの聖者
女性

DS生まれCF育ちのパフォーマー
人の幸せが自身の幸せである典型的な『良い人』だが、あくまで全ては自身が楽しむ為と主張する

魅せることが大好きで配信では歌ってみたを多数投稿
劇団に所属しており歌、ダンス、演技なら大体こなす

【戦闘】
メインは光の鎖
サブで魔改造ピコハンを使用
必要に応じて罠を多用する。頭を使う行動が大好き

【根底】
自己を世界の幸福の為の道具と考えており、一切の躊躇なく自己犠牲を払う
必要があれば自身の感情すら『操る』

【奇行】
真面目なノリが嫌になると躊躇なくシリアスブレイクに走る
いきなり豆乳青汁(好物)飲み始めるし惚気始める

公序良俗違反駄目絶対



 角に翼、鱗まで。
 ドラゴンの皮を被ったシマエナさまを、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は見上げていた。
「これも魔改造の一種かなあ」
 あるいはコスプレか。
 もっとも、その性能は折り紙付きだ。試しに志乃が空に放ってみた光の鎖は、鱗に弾かれた。
「ピャー!」
 シマエナさまの反撃は、シマエナガを恐ろしい数呼び出して志乃へとぶつけるという、物量作戦であった。
「ひいふうみい……って、呑気に数えてる場合じゃないか」
 動体視力を鍛える訓練にはなりそうだが、そんな悠長な事を言っている場合ではない。
 リズムを刻み、反撃開始。
「落ち着けば道は開けます」
 確かに、数こそ物凄いが、召喚されたシマエナガさんまで竜化しているわけではない。
 志乃は、ダンスで鍛えられた身のこなしを披露して、鳥についばまれるのを避けていく。
 そのかわし方がいちいちサマになっているあたり、さすがはパフォーマー、といったところか。
「そろそろお返しさせていただきますよ、っと」
 塊になって襲い来るシマエナガさんの大群めがけ、志乃は消火器を噴射した。
「!?!?」
 シマエナガさん、直撃。
 いかんせん数が多いので一本や二本では足りないが、それなら、ショルダーバッグから次々と補充するだけだ。
「ピャッ!?」
 そうして邪魔なシマエナガを無力化した志乃が、シマエナさまの顔面にも、消火器を吹きかけた。
 体は鱗に守られていても、くちばしまではそうはいかない。アキレス腱、という奴である。
 冷気と薬品で声を出す事もままならなくなったシマエナさまは、次々と志乃に駆除されていく。
 きらきらと、荒野の空に降るのは、宝石の雨。
 倒されたシマエナさまの置き土産。竜胆石が、流星のように降り注ぐ。
 ぱしっ、と石をキャッチした志乃は、空を仰ぐ。皆殺しの荒野、などという物騒な場所には似つかわしくない、神秘的な光景を。
「あら素敵」

成功 🔵​🔵​🔴​

冬原・イロハ
アドリブ・連携歓迎

シマエナさまが、私の知ってるシマエナさまじゃない(ガーン

別の生き物に思えてしまいますね……悲しい
たぶん今は私の方がもふ度が高いですね!

UCで高速移動します
片手にルーンソード。もう片手にはペイントブギ
敵の動きを見切って避けながら、真っ白ボディな鱗にペイントブギをシュッシュッします
まっくろカラスさんみたいに染~まれ!
ちょっぴりラメも入れているので、キラキラしますかね?

敵の氷矢は炎属性にした剣を振り回して回避
たくさんシュッシュッして、敵が目を閉じるなどの隙を見せたら、嘴めがけ、剣でUCの斬撃と衝撃波を放ちます

戦闘後は竜胆石を集め
とても綺麗な石ですねぇ
空に翳してキラキラを楽しみますね



「クックック」
 天に広げられし、竜翼。
 雄々しき竜角、そして地上を睥睨する邪悪な瞳……。
「……私の知ってるシマエナさまじゃない」
 冬原・イロハは、大層ショックであった。
 ドラゴン的にパワーアップを遂げたシマエナさまはご満悦の様子だが、もふ愛好家にとっては改悪でしかないようである。
「もはや別の生き物に思えてしまいますね……悲しい……たぶん今は私の方がもふ度が高いですね!」
 もふっ、と胸を張って見せるイロハ。
 もふよりもパワー! ドラゴニックシマエナさま達は、イロハに襲い掛かった。上空から勢いをつけて、竜の角で雑にアタック!
「!?」
 ……いない。
 イロハは風。自由な風となって、荒野を疾走した。
 片手にルーンソード。もう片手には……霧吹き。しゅばっ、とジャンプしながら、空中のシマエナさま目がけ、霧吹きをシュシュッ。空に、小さな虹がかかる。
「まっくろカラスさんみたいに染~まれ!」
 真白な鱗が、あっという間に黒に塗り替えられた。霧吹きにはラメ入りなので、それを浴びたシマエナさまは、動いて角度が変わるたび、キラキラ輝きを放つ。
「……ピャッ!?」
「ピピャッ!?」
 黒く染められた姿をお互いに確認して、目を白黒させるシマエナさま。
 よくも自慢の美白を! ……と思ったかどうか、とにかくシマエナさまは憤慨した様子で、氷の盾を張り巡らせた。イロハの風対策だ。
 だが、イロハが振るう剣には、ルーンの炎。
 氷の盾を退けながら、イロハは、シマエナさまを次々ペイントしていく。反射的に、目を閉じるシマエナさま。
「ちゃんす!」
 イロハが風の魔力をたっぷりこめて、剣を振り下ろす。氷の盾も溶けて砕かれ、あふれた衝撃波が狙いたがわず、くちばしへと命中した。
 弱点を突かれたシマエナさまが、倒されきらきら消えていく。
 降る雨粒の正体は、竜胆石。イロハはそれを拾い、空へとかざす。
「わあ……!」
 きらりきらきら。
 角度を変えるごとに異なる表情を見せる宝石は、実に綺麗だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

竜化のせいか、愛らしい姿が台無しだよ。全く。なんか邪悪な笑いしてるし。奏、わかってるね?この変わってしまったもふもふは骸の海に還すのがもっともいい。もう一踏ん張りだ、行くよ!!

炎の戦乙女に加勢を頼んで、【オーラ防御】【残像】【見切り】で攻撃を凌ぎながら飛んでくる敵は【槍投げ】【衝撃波】で対応し、前面から攻撃してくる奴は【属性攻撃】で炎を纏わせた【衝撃波】【範囲攻撃】で薙ぎ払っていく。弱点のくちばしを狙うのは奏と瞬に任せて、アタシは敵を減らすことに専念するよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

ああ、愛らしいもふもふのシマエナさまが変わり果てた姿で・・・(目を伏せる)邪悪な笑みなんて受け入れられません!!(ぐぐっ)もふもふが暴走なんて見ていられないので、ここで倒します。

私は【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で防御を固め、【氷結耐性】も併用しながら、蒼の針で弱点のくちばしを狙います。相殺されても【シールドバッシュ】で追撃。翼で上空から攻撃してくる敵は【衝撃波】【範囲攻撃】で対応します。余裕があれば、【衝撃波】に【属性攻撃】で炎を纏わせておきます。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

竜化の呪いは愛らしいシマエナも蝕みますか。奏にとって愛らしいもふもふが変わり果てて凶暴化なんて見てられませんよね。本来の在り方を歪められたのは見てて痛ましいので、止めてあげましょうか。

【オーラ防御】【第六感】で敵の攻撃を凌ぎつつ、【誘導弾】【マヒ攻撃】【鎧無視攻撃】【部位破壊】で弱点のくちばしを狙います。上手く狙えるならば、【範囲攻撃】化します。敵が群れで襲ってきたら凍てつく炎で焼き払い、翼で上空から襲ってきたら、【衝撃波】【吹き飛ばし】【範囲攻撃】で対応します。



 連戦をくぐり抜けて来た【真宮家】もまた、シマエナさまの大群と対峙していた。
「クックック」
「クックック」
「ああ、愛らしいもふもふのシマエナさまが変わり果てた姿で……」
 恐るべき進化を遂げてしまったオブリビオンを見て、真宮・奏は、悲嘆にくれた。
 奏を悲しませるのは、羽毛が竜の鱗にとってかわった……という外見の変化だけではない。
「せっかくの愛らしい姿が台無しだよ。全く。なんか邪悪な笑いしてるし」
 空を埋め尽くす新たな脅威に、真宮・響は、呆れたように告げた。
 シマエナさまの顔に、黒い影がかかっているように見えるのは、響の気のせいではない。その部分は、竜化と無関係なのだろうが。
「竜化の呪いは愛らしいシマエナも蝕みますか。奏にとって愛らしいもふもふが変わり果てて凶暴化なんて見てられませんよね」
 神城・瞬は、何ともいたたまれない表情になった奏を見て、励ますように告げた。
「たとえオブリビオンといえど、本来の在り方を歪められたのは見てて痛ましいので、止めてあげましょうか」
「クックック」
 瞬の慈悲も、竜化シマエナさまには関係ない。真宮家をまとめてやっつけてやろうと、攻撃を仕掛けて来た。
 瞬達が3人なのに対し、シマエナさまは、多数。数えるのも一苦労だ。
 だが、猟兵の真価は、数の不利を覆す際に発揮されるのだ。
「奏、わかってるね? この変わってしまったもふもふは骸の海に還すのがもっともいい。もう一踏ん張りだ、行くよ!!」
「はい、母さん!」
 響の鼓舞を受け、顔を挙げた奏の瞳には、決意が浮かんでいた。
 拳をぐぐっ、と力強く固めて、
「邪悪な笑みなんて受け入れられません!! もふもふが暴走なんて見ていられないので、ここで倒します」
 3人は、ここまでの戦いでウォーミングアップは万全だ。連携も十二分に発揮できるはず。
 だが、シマエナさま達は、奏の決意をあざ笑うように鳴き声を上げた。
「クックック」
 不気味な声と共に、シマエナガの大群が瞬に押し寄せた。
 敵のアタックをくぐり抜けていく瞬。体はもちろん、その秀麗な顔にも傷一つ付けられることなく、前進。
 グリモア猟兵によって、敵の弱点は把握済み。そして瞬は、竜化オブリビオンと交戦したばかり。その対処法は既知のものである上、たび重なる実戦を経て、より洗練されていた。
 瞬が手のひらより放った誘導弾が、シマエナさまを追いかける。回避に必死になる余り、味方と空中で衝突しているところに、着弾。
 弱点のくちばしに直撃を受けたシマエナさまは、一撃で落下していく。
「クックック」
 氷の矢のもてなしが、響に振舞われる。
 だが、吹き荒れる冷風を跳ねのけるように、響が、魔法石に力をこめる。意志を受け、紅き輝きを放つ。
「さあ、行くよ、燃え盛る炎の如く!!」
 響が高らかに宣言すると、炎の戦乙女がその背後より現れた。
 熱により赤く染まった槍を掲げる戦乙女。そして竜槍を携えた響が、疑似ドラゴン討伐に繰り出した。
 もふもふ愛を押し殺した……いやむしろ燃え上がらせているのか……奏は、さながら戦鬼の様相であった。可愛さ余って、という奴だろうか。
 次々とシマエナさまが繰り出す氷の矢も、奏の心と体を揺るがすことはできない。
 オーラが、精霊の盾が、風の魔剣が。矢の全てを弾き飛ばし、無効化する。そして、進撃。
 普通のシマエナさまなら、色仕掛け……というか、もふ仕掛けで愛らしさをアピール。相手の庇護欲をそそる作戦もあっただろうが、こいつらは違う。
 ただ相手を殺すだけのマシーンと化したシマエナさまなら、奏の心が揺らぐことはない。……はずだ。
 敵と奏の攻防を視界の隅に収めていた瞬は、更に弾を同時に複数発射、殲滅速度を上げていく。
 大群シマエナガはまたたく間に墜落して制空権を失うものの、シマエナさまの群れはなおも健在。
「ピャーッ!」
 数の力を思い知れ、と、シマエナさまが徒党を組んで、瞬に殺到する。
 瞬は、餌食になるのを避けながらバックステップ、同時に、青白い焔を繰りだす。
 焔といえば、もふもふの天敵。だが今は竜の鱗で効かない。そう高をくくっていたシマエナさまは、凍っていく羽を見て混乱した。
「あいにくその炎、見た目通りではないのですよ」
 凍てつく炎がほとばしり、シマエナさまを『焼き払って』いく。
 ウィークポイントを狙うのは奏と瞬に任せ、響は敵の数を減らすことに専念していた。
 シマエナさまの攻撃もなかなかどうして、苛烈なものだ。殺戮衝動の増幅、そしてその数が何よりの脅威だ。
 思わず、顔をしかめる響。
 鳥が群れになってかかってくる様子は、不気味、というほかない。もともとのシマエナさまならまだしも、今の鳥達は半竜状態。
 だが、シマエナさまが矢を射かけた時には、響は既に先に進んでいる。シマエナさまがとらえたのは、響の過去……残像にすぎなかった。
 しかし、シマエナさまにはアドバンテージがある。そう、翼だ。
 鳥の翼は、竜化により強じんかつ勇壮な形に変化している。
 ならばこれで。響は槍を投じて翼をうがつと、衝撃波も駆使して、空の敵に対処する。
「ピャーッ!」
 無謀にも、正面から飛び込んでくるシマエナさま。その行く手を、戦乙女が阻む。
 そして響が、衝撃波で迎え撃つ。炎をはらんだ風が、シマエナさまを弾き飛ばす。
 シマエナさまの空からの猛攻をしのぎ切った奏は、いよいよ反撃に移った。高度を下げた個体を狙い、地面の氷を踏みしめ、跳躍。
 剣を顔面にお見舞いした瞬間、蒼が閃く。刀身より発せられた針の群れが、弱点のくちばしをゼロ距離にて貫いた。
 氷の矢で針を相殺するものもいたが、奏のシールドバッシュがくちばしへと叩きこまれた。
 反動で地上へ着地しながら、敵へ衝撃波を送って対処する。
 炎を帯びた衝撃が、シマエナさまの竜鱗を熱し、くちばしを焼いた。
 次第に、空が晴れていく。シマエナさまから解放されていくのだ。
「なるほど、これがシマエナさまの竜胆石、ですか」
 瞬が拾い上げた宝石は、どこかシマエナさまのようにまるまるとしていた。

 遂に、戦乱の嵐がやんだ。
 もう、竜化オブリビオンが襲来する気配はない。
 荒野の一角を攻略し、橋頭保を築くことに成功した猟兵達は、次なる冒険に備え、帰還していく。数多の竜胆石を手に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月01日


挿絵イラスト