#UDCアース
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●UDCアース・チベット高原「残り火の祭壇」
火よ―――。
呪詛の如き言葉が響き渡る。チベットに秘された高山の頂上に存在する、今は廃れた祭壇。そこにその白いフード被った男が鎮座していた。
その白い男はかつて術者であった。精霊を求めて契約し、使役しようと試みた魔術の徒であった。だが彼は失敗した。その代償として、己の魂は破壊され、呼び出そうとした精霊も消滅した。だが魂の残滓は悔恨の極みにあった。我が身、我が魂を砕かれても尽きぬ思い。
『あの美しき存在を消してはならない』
そんな強烈な後悔の記憶と仄暗い感情があったからこそ、邪神に魅入られたのだろう。邪神は好奇心から「男の魂」を喰らった。その邪神に取り込まれ存在を塗りつぶされ、消化されるはずだった。だが彼の悔みは、それを忘れることなどできなかった。故にその魂は見事に意識が虚ろな邪神との融合を果たした。いや、果たしてしまった。
強大なる力を得て、白い男は足を進める。かつて、精霊と邂逅した地へ。遥かチベットの山奥。大いなる山脈が連なる霊脈が走る地へ。かの精霊の残り火を求めて、彼は道なき道を踏破する。そして辿り着いた先こそ、かの精霊の祭壇だった。
そして彼は唱え続ける。大いなる精霊を再びこの世へと顕現させるために。邪悪なる神の力を持って、復活を祈り続ける。
そしてその祭壇の下では、火が燻る。この世を憎み、世界を焼き尽くさんとする、黒い火が燃え盛ろうと揺らめく。あと少し、あと少しで精霊は降臨せん。彼は祈る。力を捧げ続ける。
火よ、死を奉らん―――。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「南極大陸の調査の結果、封印された邪神の存在が明らかになってのー」
そう言ってグリモア猟兵・メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は電脳ウインドウを開いて説明に入る。そこに映っているのは、UDCアース世界のヒマラヤ山脈やカラコルム山脈、崑崙山脈を擁するチベット高原。その周辺にある人跡未踏の高山の頂上にある、崩壊した祭壇だ。この祭壇の下に強力な邪神が眠っている。
「この邪神はかつて火の精霊じゃったけど、今は強大な邪神と化しておるのー。そしてそれを解こうとしておるのが、その精霊を消滅させた術者じゃのー」
この術者は魂となって、ある忘却の邪神に喰われたが、あまりにも強い悔恨故に邪神との歪な融合を果たす。そしてその邪悪なる力を持って、再び精霊を呼び出そうとしている。だがその精霊もいまや、邪神となっている。邪神の力を得た邪神がどのような強大な存在になるのか、想像もつかない。
「封印はもはや解かれるのは時間の問題じゃけー、完全な邪神になる前に祭壇におる白い男を倒した後、不完全な状態で邪神を復活させて倒して欲しいというわけじゃのー」
もちろん不完全とはいえ、力が増しているのには変わりない。おそらく今までの邪神とは一線を画す実力を持っているのは間違いないので注意が必要ということだ。
そして白い男も邪神の一角。さらに祭壇に行く前の麓には封印されている邪神の眷属も跋扈している状態らしい。これも邪神復活前の影響と思われる。
「すべての障害を突破し、強大なる邪神を倒して欲しいのー。大変じゃと思うけど、頑張ってのー!」
そう言い切ってメイスンは転移術式を発動する。飛ぶのは祭壇がある高山の麓。眷属を蹴散らし、守護している邪神を倒し、見事完全復活前の邪神を叩けるか。猟兵達の過酷な戦い幕を開ける。
ライラ.hack
後悔先に立たず。されど災いは残すべからず。
どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。
このたびは南極探索から得た情報から発覚した、チベット高原に眠る強大な邪神の一角を打倒するのが目的です。
なお邪神の眷属や、その復活を守護する邪神もいるので、それらを倒して突破し、不完全な邪神を叩くのが今回のプランです。
ただし、不完全とはいえ、眠っている邪神は強大です。普通よりも巨大化しており、攻撃力・耐久力共に段違いとなっているので注意してください。
説明は以上になります。後悔と怨念を、猟兵の皆様の力で吹き飛ばしてください。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『灰色の軍勢』
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POW : ときは はやく すぎる
【腕時計】を向けた対象に、【時間の奪取による急激な疲労】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : ひかる ほしは きえる
【触れたものを塵に変える手のひら】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : たとえ だれもが のぞんでも
【奪った時間を煙草に変えて吸うこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【老化・劣化をもたらす煙】で攻撃する。
イラスト:すねいる
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●UDCアース・チベット高原「残り火の祭壇」高山の麓
猟兵達が邪神が封印されている祭壇がある高山の麓に転移される。ここはチベット高原の中でも人が足を踏み入れることのないまさしく秘境の山脈。人どころか、家屋すら見つけることはできない。
だが様子がおかしいことに気づく。この麓に充満する煙だ。まるで何かが焦がしたような、鼻を刺激する臭い。
そして足元には白い灰が地面一杯に広がっている。そしてその灰から、この焦げた臭いの煙が発せられているようだ。
しかしそんなことに怯んでいる場合ではない。邪神を止めなければならない猟兵達はこの灰と煙が充満する麓を抜けようと足を踏み入れる。
『私達は、捧げられた』
『火にくべられ、灰となった』
その領域に入った瞬間、耳に響く声。悲哀もなく、怒りもなく、ただ虚無を持って事実を告げようとする声。
『私達は、奪われた』
『若さを、老いを、生命を、死を、そして時間を』
そして足元の灰が煙に巻き上げられ、何かが創り上げられていく。焦げた臭いを放つ煙を身に纏った、灰で出来た人間。スーツや時計を身を纏いながらも、その瞳は生者のものではなく、もっとおぞましい何かだった。
邪神の眷属なのか。それははっきりとはわからない。だが目の前のスーツの軍団は、猟兵達を素直に通してくれるはずもない。
その虚無の瞳は、ただ簒奪の意志のみを宿していた。そして次々と灰と煙は、スーツ姿の怪物を生み出していく。
『時間を、奪おう』
『私達が奪われた、若さを、老いを、生命の、死の、時間を取り戻そう』
『お前達も、火に、くべられよ』
『お前達も、死に、奉られよ』
気を抜けば、あっという間に食い物にされる。だが足を止めている場合ではなく、邪神を倒さなければならない。灰と煙に満ちた空間で、おぞましき邪神の眷属達との戦いが始まる。
チトセ・シロガネ
その指先に触れればスターダストになる、と……それはちょっと困るヨ。
前から挑むのは無謀のやること、反応が遅れる背後からバッサリイクヨ!
まずは念動力で周囲のものを動かし、相手にぶつけてかく乱。
その間にムラクモを構えてUC【雷光ノ極】を発動。
空中浮遊と早業を駆使して空中戦を展開、残像を残しつつ斜面を蹴り上げてかわいそうなユーの背後をロックオン、稲妻纏った刃で次々とスラッシュするよ!
星は輝き続ける。そんなちっぽけな手のひらじゃ、きっとボクという星は触れることすらできないネ。
肉を焦がすような煙の臭いが充満し、白き灰が地面を覆いつくす。チベット高原の奥地の人が踏み入れることのない秘奥の地にあった幻想的で、そして不気味な地。
そこで待っていたのは、邪神の眷属か、はたまたそれ以外の何者なのかわからない、得体のしれない灰色の軍勢達。スーツを身に纏い、腕時計を気にしながらも、こちらに虚無な瞳を向けて迫ってくる。
人の形をしながらも人ならざる者。煙と灰によって構成されるおぞましき存在。奪われし者の代弁者は、この地に侵入する者に対し、奪おうとする。
『時間を、奪おう』
『塵へと、帰そう』
その手を伸ばし、迫る灰色のスーツの男達。それは宙に浮かぶ電子生命体の賞金稼ぎ、チトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)に狙いを定める。
「その指先に触れればスターダストになる、と……それはちょっと困るヨ」
チトセの言う通り、この男達の手は危険極まりない。どういう原理かは全く不明だが、触れられれば塵へと帰る掌。自分達と同じ灰へと還そうとする意志の表れなのか、その執念・妄念の手、手、手が迫る。
「前から挑むのは無謀のやることヨ!」
そんな相手に真正面から戦うことないと言わんばかりに、チトセはサイキックを発動して近くにあった岩石を持ち上げて灰色の軍勢にぶつける。灰と煙で出来たその身体は脆く四散するものの、すぐに結集する。だがそんなことは関係ないと言わんばかりにチトセは岩石を飛ばし続ける。
「反応が遅れる背後からバッサリイクヨ!」
この岩石の爆撃はあくまで攪乱である。その間にチトセは能力「雷光ノ極(スパーク・スター)」を発動させる。人工筋肉と強化外骨格に力が満ち、己が魂が光を放つ。雷の如き速さで空中を駆け巡り、あっという間に灰色のスーツの男の背後を取る。そしてその手にはアトランティス星雲のような美しい光を放つフォースセイバー「ムクラモ」が握られている。
その稲妻纏った刃はあっという間に背後を取ったスーツの男を粉微塵に斬り刻む。チトセのフォースを込めた刃は、ただの岩石とは比べるまでもない。灰は二度と形を保つことはなく、肉を焦す臭い煙と共に散っていく。
『お前も、塵に』
『お前も、灰に』
「遅い! 今のボクは光より速いネ!」
灰色の軍勢が背後を向き、その手がチトセを捕えようとするが、残像を残すほど速く動くチトセを掴むことはできない。紫電の如き速さで地面を蹴り、飛んだ先の斜面を蹴り上げ、再び背後を取り、その身を灰へと還す斬撃を繰り出す。
その手は塵に変えることができても、掴むことはできない。何も返せないまま無へと還る灰色の軍勢を前にチトセはムラクモの刃を振るう。
「星は輝き続ける。そんなちっぽけな手のひらじゃ、きっとボクという星は触れることすらできないネ」
星を消すことをできても、チトセという強大な星を掴むことはできない。それを証明するが如く、チトセは灰色の軍勢を背後から斬り伏せていく。その輝星の瞬きは、虚無を照らす希望の光。灰と煙に変わった者達には救いとなるかもしれない。
こうしてチトセは自身の限界が来るまでその刃を振るい続け、灰と煙を散らせ続けたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
雪・兼光
【SPD】連携アドリブ自由に
被害者どうだかしらねーが…
はっ!テメェらと1ナノセカンドも仲良くするつもりなんてねぇんだよ
道を開けな、俺が用がるのはテメェらじゃねーんだよっ
いいねぇ
その手のひら豪快だねぇ
だがよう、当たってやる必要もねぇなぁ
ユーベルコードで運転使って駆け巡ってドリフトとか
思いっきり旋回して轢まくってやる
おっと触らせねーぜ?
ユーベルコードをいったん解除して範囲攻撃、零距離射撃
オマケだ2回攻撃も付けてやる
もしあたっても吹き飛ばさせてもただじゃ吹き飛ばされない空中戦を使って、相手むかって誘導弾付きで2回攻撃だ
才堂・紅葉
アースの仕事も久しぶりだ
邪神案件となれば私怨もあるので、心おきなく叩き潰させてもらおう
・手順
「六尺棒」に刻まれた魔術文字を発動し、風の【属性攻撃】を纏わせ主武装とにする
大事なのは回避力だ。【見切りと野生の勘】の体捌きで敵の狙いをずらし、あるいは棒で腕を弾き、あるいは敵を遮蔽にして時計をこちらに向けさせない方針だ
近づくなら相手に手を触れさせない足払いで、【カウンター】の合気投げを行って【吹き飛ばし】たい。【戦場知識】を用い、敵同士をぶつけて敵集団への行動阻害するのがコツだ
『明鏡止水』で淀みなく、水が流れるように行おう
隙あらば崩れた敵を棒で殴る
「安全を確保して攻撃が基本よね」
【アドリブ連携歓迎】
灰と煙に満ちた空間が、邪神が眠ると言われる祭壇がある山の麓をより不気味に演出しているともいえるだろう。そしてその灰から生まれ、肉を焦す臭いの煙を纏う灰色のスーツの男達も、何事もないように屹立している。
ただ、生者を灰へと。生者を塵へと。奪われたモノを取り戻さんという、僅かな希望を胸に、その手を伸ばす。
『私達に、時間を』
『私達に、若さを』
『私達に、老いを』
それぞれが思いを告げながら、すべてを塵に還す手を伸ばしてくる。だが雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は鋭い眼光を、その灰色の軍勢へと向ける。
「被害者どうだかしらねーが……はっ! テメェらと1ナノセカンドも仲良くするつもりなんてねぇんだよ」
生来眼光が鋭いとは言われ、強面で人生を損してきた兼光ではあるが、敵であればそんなことを気にする必要は全くない。ましてや相手はこちらに恨みがあるわけでもなく、ただ見境なく塵に還そうとする存在。それに何の遠慮をする必要があろうか。
そしてその隣ではUDCアース出身の歴戦工作員、才堂・紅葉(お嬢・f08859)もまた邪神の眷属らしい、灰と煙で構成された存在に厳しい視線を向ける。
「アースの仕事も久しぶりだ。邪神案件となれば私怨もあるので、心おきなく叩き潰させてもらおう」
アルダワ魔王戦争にてその力を覆いに振るった紅葉。だが邪神となれば、彼女にとって因縁深き相手である。自身の過去にて大事な者を奪い続けてきた忌まわしき邪神共。それを叩き潰すためならば、戦いの疲労など考慮に値しない。
二つの脅威が灰色の軍勢の前に立つ。だがかの者はそれが強面であろうと、殺気を巡らそうとも関係はない。ただ虚無に進む。手を差し伸ばす。ただその手で生者を塵へと還さんがために。
『星を塵へと還す』
『光を塵へと還す』
「道を開けな、俺が用があるのはテメェらじゃねーんだよっ!」
そう言って兼光はハンドガンサイズのブラスターを構えて、灰色の軍勢目掛けて撃ちまくる。狙いなど定める必要もなく大量にいる灰の存在に対して、熱線が突き刺さる。だが頭を焼かれようとも、胸を貫かれても、その塵へと還す手を伸ばし掴むことをやめることはない。
まさしく防御など考えない攻撃の姿勢。その態度に兼光はヒュウッと口笛を吹く。
「いいねぇ、その手のひら豪快だねぇ。だがよう、当たってやる必要もねぇなぁ!」
近寄られる前に兼光は能力「Get on the blaster(ゲットオンザブラスター)」を発動し、手に持つブラスターを騎乗可能なバイクへと変形させる。ブラスターバイクとも言えるその存在に乗り、アクセルを全開にして一気に突っ込む。
そのフロントに設置されたブラスターの発射口から熱線を放射して、敵を焼き尽くす。そして旋回するようにタイヤで灰の身体を吹き飛ばし、次々と敵を轢き殺していく。灰が飛び散り、煙の臭いが吹き飛ばされる風が吹き荒れる。
「中々豪快な戦い方ね」
動の戦いが兼光ならば、静の戦いをするのは紅葉だ。手に取った六尺棒に魔力を注ぎ込み、魔術文字を発現させる。巻き起こすは相手を抉り取るような風。それを棒に纏わさせ主武装として構える。
一撃必殺の掌。触れればすべてが塵となる。となれば大事なのは回避力だ。自分の瞳と戦場で培われた勘を武器に、敵の掌を軌道を読み、その軌道をずらす。そして態を崩したところを六尺棒で突き崩す。螺旋の風が灰の身体を容赦なく抉り取っていく。またその巧みな体捌きで迫りくる腕に別のスーツの男の身体を誘導して、盾にすることも忘れない。
そして研ぎ澄まされていく紅葉は能力「明鏡止水(クリアマインド)」を発動させる。静かに澄んだ水面に、明月の影を映すように自身を瞳に投影させる。俯瞰するような視点が、紅葉に襲い掛かる灰色の軍勢の攻撃のすべてを見切ることができる。後ろから近づくスーツの男を身体を回転させ、足払いで崩し、カウンターの合気投げで投げ飛ばす。
「そっち、行ったわよ?」
「おうよ。任せとけ!」
紅葉が投げ飛ばした先は、ブラスターバイクで暴れまわる兼光のフィールド。投げ飛ばしたスーツの男の頭をウィリーしたタイヤで削り飛ばし消滅させる。その直後に背後から灰色の軍勢が手を伸ばして兼光を補足しようとするが、その身体が急に消える。
「おっと触らせねーぜ?」
一旦能力を解除してバイクをブラスターに変換することで、しゃがむような態勢になった兼光はそのまま回転するように熱線を放射して敵を薙ぎ払う。敵を真っ二つに斬り裂くような熱光線は敵を容赦なく焼き殺す。
一方の紅葉は敵を吸引するように引き込み、攻撃を誘発して捌き、風を纏った六尺棒で削り潰していく。無駄のない水の流れるような動き。
彼女にはすべてが視えている。すべてを捌くことができるこの状態を捉えることなど不可能だ。だが恐怖もなく、虚無のまま襲い掛かってくる灰色の軍勢にはそれがわからない。故に恐れることなど何もない。
「安全を確保して攻撃が基本よね。油断せずにいきましょう」
「オーケー! どんどんいくぜ!」
静と動が敵を虚無に支配された敵を慈悲なく屠っていく。だがそれこそが救いとなると信じ、力を振るうのが猟兵の本分。兼光と紅葉はその力をいかんなく発揮して灰と煙に満ちた存在を消し去っていく。
二人が力を振るい終わった時、すでに肉を焦すような煙の臭いはせず、ただ空気と共に消える灰が風に乗っているのを見るだけとなっていた。
灰は風と共に消えていく。まさしく兼光と紅葉という嵐が吹き荒れた結果だったのだろう。
大成功
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ロバート・ブレイズ
「老体には少々。否。凄まじく『厄介』な相手だが。私が貴様等に『奪い合い』の精神を叩き付けて魅せる」
塵で塗るもの発動
踏み付けた地面を塵に変え、自らの力(時)を増幅(若々しく)保つ。もしも相手が脚に触れたなら、此方が時間を啜ってやる
相手が奪われる側の『恐怖』を思い出したならば喜ばしい。もし跳ね除けられても鉄塊剣で薙ぎ払うのみ
あとは速攻だ。残るのは足跡だけと理解せよ――貴様等は過去に落ち込んだ滅亡で、時と呼ばれる犬は誰の手にも繋がらぬ
阿久間・仁
ケケ、邪神の眷属っつーからどんな奴かと思いきや、ただの燃えカスじゃねえか。
てめえらに用は無ェ。邪魔すんなら塵も残さず消し飛ばしてやるよ!ヒャハハ!
なんだてめえらタバコなんて銜えてよォ。そんなに吸いてえなら火付けてやるよ。
UC【悪魔の業火】でイフリートを呼ぶぜ。おい、あいつらに本物の炎ってやつを見せつけてやれ。
炎の【属性攻撃】【範囲攻撃】でまとめて【焼却】するぜ。
構ってる暇はねえんだ。どんどん先に行くぜ。道塞ぐ奴は全員ぶっ潰す!
邪神が眠るという「残り火の祭壇」への道を辿り、高山の道を登っていく猟兵達。その先も白き灰が地面に満ち、焦げた肉の臭いの煙が充満している。
そしてそこから現れるは再びの灰色の軍勢。灰色のスーツを身に纏い、煙草を吹かしながら生贄を絡め取ろうとする者達。その煙草というのも特別性である。
『時間という、煙を味わい』
『喪失という、煙を吐き出そう』
『若さは失い、老いは加速する』
今まで奪ってきた時間を煙草に変え、その煙を吸うことで、灰色の軍勢はさらに老化・劣化を齎す煙を吐き出す。どんな生物であろうとも、どんな機械であろうともそれを逃れる術はない。
誰もが忌諱する老いを齎す煙。だが人の形にして、人ならざる者。恐怖を体現せし者、漆黒の仮面を被りし翁ロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は、その煙を前にしても闊歩する。
「老体には少々。否。凄まじく『厄介』な相手だが。私が貴様等に『奪い合い』の精神を叩き付けて魅せる」
そして能力「塵で塗るもの(クァチル・ウタウス)」を発動し、煙の中を堂々と歩むロバート。その『脚』は時を貪り、悉くを加速させる。さらに地形は塵と化し、ロバートの身体に活力という名の若さ・瑞々しさを与える。
その煙が及ぼす老化能力よりも、ロバートが踏みつけた地面から啜る時の力の方が強いのか、その歩みに何の変化も起きない。むしろ若々しさすら得ている印象に、灰色の軍勢達も怪訝な表情を浮かべる。
「遺言が貴様等に齎すのは力だ。塵と称される、仮初の不死性。奪われる側の『恐怖』を思い出したならば喜ばしいぞ」
そして近づいた灰色のスーツの男に対し、ロバートの鉄塊剣が振り下ろされる。生前と同じように奪われ、灰と散る男。その恐怖の具現の前には無力であったかもしれない。
「ケケ、邪神の眷属っつーからどんな奴かと思いきや、ただの燃えカスじゃねえか!」
そんな灰と煙で形成された存在を嘲笑うのは、阿久間・仁(獄炎魔人・f24120)。悪に染まり、暴力に染まり、最強を示したヤンキー。そして猟兵となり、悪魔と契約して力を得た男は、弱者の残り香に対して容赦などない。
「てめえらに用は無ェ。邪魔すんなら塵も残さず消し飛ばしてやるよ! ヒャハハ!」
能力「悪魔の業火(インフェルノ)」を発動するために、契約した悪魔「イフリート」を呼び出す仁。ダイモンデバイスから呼び出した炎の魔人は、灰色の軍勢を睥睨し、火を練り上げる。
その悪魔は完全に仁に使役されることを受け入れたわけではない。その力に不足ありと判断した場合は仁すらも焼く厄災となるだろう。だがそんなイフリートにも仁は怯まず、灰色の軍勢に因縁をつける。
「なんだてめえらタバコなんて銜えてよォ。そんなに吸いてえなら火付けてやるよ。おいイフリート、あいつらに本物の炎ってやつを見せつけてやれ!」
『我に命令するな、小僧!』
仁の命令に激高するイフリートから放たれるは、鉄をも一瞬で溶かす高温の獄炎。灰で出来た燃えカスをさらに焼き尽くすなど動作もないことである。煙ごと吹き飛ばす地獄の炎が前方を包む。
その炎の光景を睥睨しながら、仁はさらなる地獄の顕現をイフリートに命令する。もっと滅びを齎せ、と。
「構ってる暇はねえんだ。どんどん先に行くぜ。道塞ぐ奴は全員ぶっ潰す!」
仁の言葉に呼応するようにイフリートは前方の灰色の軍勢に対して炎をまき散らしていく。その中にロバートも含まれているのだが関係はない。一緒に燃え盛り、灰で出来た軍勢は苦しみ悶えながら消失していく。
そこで思い出したのは、生前に炎で燃やされ尽くした記憶であったのか。苦しみに満ちた表情をしているとも言える。
だがそんな獄炎の地獄の中でも、ロバートは平原を行くが如く歩き続ける。その炎すらも塵に変えて、さらなる力を得て苦しみ果てようとする灰色の軍勢達を踏み砕く。
「残るのは足跡だけと理解せよ――」
恐怖とは未知なる者。そして自身の力が及ばぬ者に抱く感情。虚無と化した灰色の軍勢はその瞬間、確かに思い出していた。漆黒の翁の言葉が響く。
「貴様等は過去に落ち込んだ滅亡で、時と呼ばれる犬は誰の手にも繋がらぬ」
再び時を奪われ、白き灰は灰すらも塵となって消えていく。螺旋の仮面の瞳には、さらなる深淵が覗き込んでいる感じすら与えている。
その光景をイフリートがまき散らす地獄と共に見ていた仁の言葉が、この戦場の惨状を示していただろう。灰色の軍勢が滅んでいく様を笑いながら、彼はこう言った。
「ヒャハハハッ! あの爺さんの方がよっぽど化け物だぜ!」
地獄の炎と漆黒の恐怖は、老化を齎す煙を一蹴という形で退けた。炎に焼かれる恐怖と、奪われる恐怖を再び味あわされた彼等は虚無の瞳に何を宿したのか。
それを語ることはないだろう。すでに灰も煙もなく、ロバートと仁の前には何者も障害はなくなったのだから。
大成功
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波狼・拓哉
んー…生贄の成れの果て?まあ、邪魔するだけなら押し通るだけですが。…救えそうにもないですしねぇ。
それじゃ、箱状態でミミックを投擲。暴れて来い…さあ、化け狂いな。まあ、ミミックさん時間奪取でどうにかならない…って断言できませんけど再召喚で全部無かったことに出来ますからね。存分に暴れまわってください。あ、味方は気を付けてね。ミミックさん無差別だし。
自分は衝撃波込めた弾で腕時計や煙草を優先的に狙って部位破壊したりしてサポートに。地形を利用し闇にまぎれ、目立たないように行動しつつ戦闘知識、第六感で撃ち込んで言ってやりましょう。
ミミックに異常が出れば再召喚して再び投擲してやりましょう。
アドリブ絡み歓迎)
白い灰は「残り火の祭壇」と思われる山頂まで敷き詰められており、その煙は相も変わらず肉を焦す臭いを発している。不快な足元の感触と、鼻を突く臭いである。確かに不気味であり、誰も足を踏み入れないはずもないと納得できる部分はある。
そしてついに目的地まであと少しとなったところで、灰と煙で構成された灰色のスーツの男達が並び立つ。自分達を殺し、今は自分達の主となった邪神の完全復活。それを止める者達を殺すために。
『時間を、奪おう』
『ときとは、過ぎ去るモノ』
『ときとは、奪い去るモノ』
どんな原理かは皆目見当はつかない。だがその手に付けられた腕時計は、相手の時間を奪う。奪われた時間は急激な疲労という形で相手を衰弱させて殺す。ただ自分達が奪われた故に、それを埋めるように生命を蹂躙するために、慈悲も容赦もない。虚無の瞳はただ目的へとひた走る。
「んー、生贄の成れの果て? まあ、邪魔するだけなら押し通るだけですが……救えそうにもないですしねぇ」
そう頭を掻きながら猟兵兼探偵の波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は灰色の軍勢を見据える。その目には哀れみなど感じることはない。ただ敵を倒すという意志。邪魔をするならば、倒してでも押し通るという意志が感じられた。
そして取り出したのは箱状の物。拓哉が「ミミック」と呼んで親しんでいる、脅威の箱状生命体である。灰色の軍勢がこちらに腕時計を向ける前に、派手にミミックを投擲する。
「さあ、化け狂いなミミック…! 笑い話だ。狂気ルールなんてねぇよ!」
発動するは能力「偽正・命無月光(ゲシュペンテスト・ビースト)」。ミミックと呼ばれた箱状生命体の口が開いたかと思うと、そこから顔のない、首の落ちた二足歩行の獣が出でる。そして箱は尻尾のところに付随してくっついた状態となり、凶悪な獣はその牙を灰色の軍勢に対して振るい始める。
まさしくその攻撃はすべてを引き裂く凶暴の爪。巨大な身体を生かして、その足は灰色の身体を踏み砕く。灰色の男達はその暴れまわる獣に狼狽することなく、腕時計を向けて時間奪取による疲労攻撃を仕掛けようとする。だが効いているのか、効いていないのかわからないくらい、その凶暴な振る舞いが止むことはない。
「まあ、ミミックさん時間奪取でどうにかならない……って断言できませんけど再召喚で全部無かったことに出来ますからね。存分に暴れまわってください」
淡泊に言う拓哉は、灰色の軍勢の腕時計を狙って、カラフルな二丁拳銃から弾丸を発射する。灰の身体を霧散させるほどの衝撃が手首で弾ける。そして腕時計をなくしたスーツの男はそのまま、ミミックの獣に引き裂かれる。
拓哉はミミックの死角に入りながらも、灰色の軍勢の視線に入らないように、うまい位置取りをしながらサポート射撃を繰り返す。何せ、この状態のミミックは敵味方見境なく攻撃する。だからこそ味方が誰もいない状態で召喚をしたのだ。下手に動けば、拓哉自身すら攻撃仕掛けないほど、凶暴性を発揮するのだから。
灰の身体を蹂躙し、煙を引き裂くような閃光の襲撃が灰色の軍勢を引き裂く。だが腕時計による時間奪取が効いてきたのか、ミミックの獣の動きが目に見えて悪くなっていく。さすがの超耐久を誇る獣であっても、無敵ではないこの証左であろう。顔がない代わりに、尻尾の箱が息切れを起こしているように見える。
灰色の軍勢は、相変わらずの虚無の表情で最後のトドメを刺さんと腕時計を振りかざす。
「あ、ミミックさん戻ってね……そしてもう一度行ってこーい!」
ミミックの獣が力尽きる寸前に拓哉が能力を解除して、手元にミミックの箱が戻る。そしてその箱に力を籠め直して再びの投擲。そして顕現するは暴虐の獣。疲労もなく、全力全開で灰と煙を蹂躙する嵐の猛獣。
残された灰の軍勢はなすすべもなく屠られていく。派手に暴れまわるミミックの獣に気を取られて、最後まで気配を消し続けた拓哉を狙うと思考は彼等にはなかった。それが虚無に支配された軍勢の限界でもあったと言える。
こうして理性なき灰と煙の軍勢は、とある探偵が持つ箱が生み出した、理性なく暴れまわる獣によって蹂躙された。その形は見る影もなく、散っている。だが拓哉の目には、目的地である「残り火の祭壇」が目に移ったのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『『忘却者』セレスタイト』
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POW : 過去の忘却
【自身を満たす無限の空虚】を籠めた【、記憶を奪う、一切の無駄のない完璧な打撃】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【一番大事にしている思い出】のみを攻撃する。
SPD : 未来の閉塞
全身を【攻撃者の希望を自身の内の空虚に喰わせる姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ : 存在の喪失
【自身を満たす無限の空虚】から【無数の、対象の思い出や対象が描く未来の姿】を放ち、【それらが取り憑き凄惨な幻覚を伴う自爆】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:シェル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アルトリウス・セレスタイト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●UDCアース・チベット高原「残り火の祭壇」
白き灰と肉が焦げた臭いの煙が充満する山道を抜けて、ついに目的の場所に達する猟兵達。その場所こそ、邪神が封印されているチベット高原の中でも人が踏み入れることのない高山にある場所。
「残り火の祭壇」と呼ばれる場所は、とある術士が火の精霊の召喚と契約に使った場所でもある。かつては祭壇として、立派に整備された場所であったのかもしれない。だが今は人が訪れなくなって何十年、何百年と経っているのか、祭壇とは名ばかりの遺跡だ。それらしい名残の柱や祭壇跡があるくらいである。
その祭壇の中心部に座しているのが、白いフードを纏った男であった。あぐらをかいて、ただ精霊を甦えさんと祈り続けている。そしてその祈りの言葉には、力を感じる。禍々しき邪悪なる神の力を。
術士の魂は精霊との契約が失敗した後に、粉々となって砕かれた。通常であれば、そのまま廃人となっておかしくはない。だが肉体は死に、魂だけの存在になった後でも、彼の妄念だけは残り続けていた。それに目を付けたのが邪神であった。
「忘却されし者」「絆を消し去る災害」とも言われた人の形をした邪神は、本能に従ってその魂を喰らった。だが強烈な後悔を抱く魂は、自我の薄い邪神との融和の果てに、ついに意識が術士となることを選んだ。
故に、この「忘却者」は邪神でありながら、術士が再び力と形を得たモノでもあるのだ。そしてその邪悪なる力は、自身の悲願を達成するために振るわれる。
『火よ―――』
呪詛の籠った言葉が響き渡る。耳ではなく、魂に響く音。白い男は立ち上がる。この地に眠る精霊の眷属達が振り払われたのは感じていた。だからこそその元凶がここに来たことを感じ、その瞳が猟兵達を捉える。
灰色の軍勢の瞳が虚無というのなら、白い男の瞳は薄ら寒いほどの白であった。黒はなく、ただ漂白に染め上げようとする、純粋なる悪意の結晶。色を消失させ、無へと帰さんとする滅びの意志。
『火よ、死を奉らん―――』
白い男は祭壇から猟兵達の元へと歩き始める。それこそ戦いの幕が開く合図でもあった。強力な執念を持つ魂と、邪魔する者を無に帰そうとする意志に立ち向かい、完全なる邪神復活を止めるべく、猟兵達は白き男に挑む。
才堂・紅葉
(こっちの用語で言うと無拍子と言った所かしら。理想の当身ってこれでしょうね……)
邪神混じりの術者ゆえ武術家の理屈を知らないのが幸いしたのだろう。非常に厄介な打撃を習得している
「六尺棒」を相手に真っ直ぐに向けて構える
相手側からは棒ではなく、ただの点であるように見せて間合いを測らせないのがコツだ
「かかって来なさい」
相手の足捌きを【見切り】正中線に棒を合せる
いかに完璧な打撃でも単純なリーチは覆せない。こちらが心を乱さなければ、置いた棒が【カウンター】になる
棒がヒットすれば【怪力と気合】で【吹き飛ばし】、【二回攻撃】で輝く紋章から火の鳥を放ちたい
「誰か追撃よろしく!!」
【アドリブ連携歓迎】
阿久間・仁
ケケ、邪魔するぜ。火の精霊ってやつに用があったんだが、おめぇも邪神ならぶっ潰すだけだ。ついでにな。
術者っつーから魔法でも使ってくるかと思ったらステゴロかよ。
いいぜ、相手してやる。どっからでもかかってこいやァ!ヒャハハ!
こいつの動きシロウトじゃねえ。こりゃあ一発くらいもらっちまうかもな。
喧嘩する時は殴られる【覚悟】もしてんだ。一々怯んでらんねェ。
やられたらUC【喧嘩闘法】で100倍にしてやり返す。ボコボコにしてやるぜ。
……なんか忘れちまったような気もするが……好都合だ。頭空っぽにしてやる喧嘩は最高だぜ!ヒャハハ!
トドメはてめぇも手伝え!えーと……誰だっけおまえ?
チベット高原の踏み入れられることのない高山の頂上にある遺跡「残り火の祭壇」。そこにて呪詛の言葉を呟き、邪神としての力を注ぎ込んでいる白い男。今は術士の魂が浸透している彼は、かつて消滅させた精霊を再びこの地に呼び出そうとしている。
その力が捧げられるたびに、この地に眠る邪神の力が増しているのを、肌で感じることができる。その燻る炎が燃え上がらんとしているのが直感的に感じられる。だからこそ、阻止しなければならない。
完全な状態の邪神との戦いなど悪夢以外ではないからだ。だが邪魔をされると思った白い男はこちらへと歩みを進める。その足捌きと佇まいは、とても術者とは思えない。
「ケケ、邪魔するぜ」
そんな威圧すら感じさせる足並みで迫る白い男に対して、堂々と前に出るのは阿久間・仁。金属バットを手に持ち、鋭いメンチを切って睨んでいる。
「火の精霊ってやつに用があったんだが、おめぇも邪神ならぶっ潰すだけだ。ついでにな」
悪魔「イフリート」を傍に置いて、そのバットを振り上げて突撃する仁。バットによる攻撃や、喧嘩殺法を用いた攻撃「喧嘩闘法(ダーティーブロウ)」をもって白い男を迎撃するが、とても術士とは思えない体捌きによってそれらを躱していく。
(こいつの動きシロウトじゃねえ。こりゃあ一発くらいもらっちまうかもな)
猟兵としての戦いではなく、喧嘩しても百戦錬磨を誇る仁は白い男に対してそう評価を下す。相手の嫌がる攻撃をするのが喧嘩に勝つ必勝法でもある。そう言った攻撃をしているにも関わらず、白い男は難なく回避しているのだ。
だが喧嘩とはいわゆる殴り合いだ。仁は喧嘩して殴る時は、殴られる覚悟もしている男である。白い男がバットを掻い潜り、懐から無駄のない打撃を繰り出してくる。その殴打を食らいながら、突き進む。
「一々怯んでらんねェ! 100倍にしてやり返す! ボコボコにしてやるぜ!」
その洗練された打撃に無理やり拳をねじ込み、顎にヒットさせると、そこからバットを振り下ろして白い男を吹き飛ばす。白い男から一条の血が流れ出す。対する仁はというと、あれだけの連打を受けておきながらも何のダメージもない。だが傷がないのは肉体だけだ。仁はぼーっとしながらも、何かわからないモノを失った喪失感に満たされる。
白い男が穿ったのは、仁の思い出。その魂に息づく記憶を奪い、一番大切にしている思い出を攻撃する無限の空虚の攻撃。この打撃を食らい続ければ、記憶と思い出を失い、空虚な抜け殻と成り果てる。
(こっちの用語で言うと無拍子と言った所かしら。理想の当身ってこれでしょうね……)
仁と白い男の殴り合いを見た結果、そう分析する才堂・紅葉。あの動きからして、迂闊に突撃するのは得策ではないと観察に回ったのは正解だったと胸を撫でおろす。食らえば記憶を奪う打撃など、迂闊に食らうものではない。
「見」に回った結果、紅葉は邪神混じりの術者ゆえ武術家の理屈を知らないのが幸いして、非常に厄介な打撃を習得していると判断する。だが心技体の内、技と体は極限にあれど、心がそれについていっていない。そのアンバランスさこそ、付け入る隙だ。
そして静かなる殺気を滾らせ、紅葉は茫然となっている仁の代わりにその矢面に立つ。手には「六尺棒」を持ち、相手に真っ直ぐに向けて構える。その構えは淀みもなくまっすぐで、相手の視界に配慮したものだ。相手側からは棒ではなく、ただの点であるように見せて間合いを測らせないようにしている。
「かかって来なさい」
紅葉のその言葉で再び動き出す白い男。絶妙な足捌きで再び間合いを詰めようとする。だがその動きはさきほど見切りをつけている。惑わされないように正中線に棒を合わせ、相手を捉える。
白い男がいかに完璧な打撃を繰り出そうとも、単純なリーチ差は覆せない。紅葉の心が湖面のように静かで乱れなくば、必然にその足捌きの前に置いた棒がカウンターとなり、白い男の身体に突き刺さる。
棒が当たった瞬間、大地を蹴り捻りを加えた打突が白い男の胸を穿つ。力みなく威力を伝えた攻撃は、白い男の身体を難なく吹き飛ばす。そして拳のハイペリアの紋章が光輝き、発動する「ハイペリア重殺術・迦楼羅(カルラ)」。
「迦楼羅の焔よ!」
棒から邪心を灼き、正心を呼び覚ます神の鳥の焔が顕現する。それを火の鳥のように形成し、白い男に向かって放つ紅葉。記憶を奪う男の身体が、邪を灼く炎に包まれる。
「仁くん、追撃よろしく!」
その紅葉の言葉に仁は朦朧とした意識が覚醒する。目の前には燃える喧嘩相手。悪魔「イフリート」が仁の様子を面白そうに見ていたが、覚醒した仁に話しかける。
『ククッ、記憶を奪われたな小僧?』
「……なんか忘れちまったような気もするが……好都合だ。頭空っぽにしてやる喧嘩は最高だぜ! ヒャハハ!」
そして記憶を奪われたことなど気にしないと言わんばかりの拳とキックの連続攻撃、最後はバットのフルスイングで頭を叩く。凶暴な笑みを浮かべて、後ろから迫るイフリートと紅葉に声をかける。
「トドメはてめぇ等も手伝え! えーと……誰だっけおまえ?」
『イフリートだ、馬鹿者めが!』
「才堂・紅葉よ!」
イフリートの炎の拳が白い男を空中に吹き飛ばし、紅葉の迦楼羅の火の鳥がその身体を穿つ。二つの炎は白い男の身体を肉体・精神を同時に焼き、浸食していく。だが表情は一切変えずに、その瞳は一切の白を宿している。
だが空虚・忘却の化身であるかの男も、仁と紅葉の攻撃に対してはダメージ0とはいかない。その身体を焼く炎は、邪神たる身体も侵し、やがて自身の消滅へと至る火となるだろう。
『火よ、死を奉らん―――』
白い男が再び呪詛を吐く。だがどちらの死が火にくべられるのかは、まだ誰にもわからない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
雪・兼光
◎SPD/連携アドリブご自由に
…。だめだ。コイツ面倒くせぇな。
とにかくあらゆる攻撃に対してほぼ無敵って言うが何か手がるはずだ。
この状態を維持してもらって俺が、諦めて瞬間にこの状態を解くの隙を他の奴に知らせて攻撃させてみるか?
乱れ撃ち、範囲攻撃、スナイパー、2回攻撃、傷口をえぐる、援護射撃を利用してクイックドロウを撃ちまくって場所を固定する。
属性攻撃も付けてやろう水で
それでも目立ったダメージがないなら、スナイパー、乱れ撃ちを使って部位攻撃もしてやる
さぁ、じっくり追い詰めてやる。
じりじり追い詰められるのを楽しんでくれ。
波狼・拓哉
いつから祈ってんだこいつ。…まあどうでもいいですかね。知ったとこで何とかなる問題でもないでしょうし。
それじゃあ、化け明かしましょうか、ミミック。全ては夢幻と。…別にまあ希望?を喰われてもおにーさん的にそれが動かない理由にはならないんですけど…うっとおしいですし何より自分の希望が可視化されるってのが気に食わん。取り敢えず打ん殴らせろ。
自分は衝撃波込めた弾で腕や足等の動きはじめを戦闘知識、第六感、視力で見切り行動を阻害するように撃ちんこんで動き止めたらヘッドショットでダメージ稼いでいきましょうか。
…打ん殴る?いや近づいたら危なそうですし?
(アドリブ絡み歓迎)
邪神である白い男は炎に包まれていた。この地に眠る邪神の力ではなく、自らを打ち倒しに来た猟兵達の力によって身体を蝕まれている。だが灼かれているにも関わらず、その表情は曇ることはない。
すでに人の身体ではない故に、皮膚と肉を焼かれようとも構わないという現れであろうか。否、それだけではない。突如、白い男の動きが止まったかと思うと、男の身体が陽炎のように揺らめく。そして炎が徐々に男の中に取り込まれていく。
未来を、希望を喰らう。それこそは未来への道を閉ざす白いブラックホール。まさしく空虚の化身となった白い男の身体は、一切合切を取り込む虚無となっていた。
「……だめだ。コイツ面倒くせぇな」
そういって炎を飲み込む姿を見ていた雪・兼光。希望を喰らうという未知の体験の上に、攻撃に対してほぼ無敵というその身体に危険よりも、面倒だと思う部分が上回る。どう攻略していいかのか、とも頭を悩ませる。
絶対無敵などない。何か手があるはずだと思って考えてみるが、妙案は浮かばない。自分にできるのはがむしゃらに攻撃を繰り出すことのみだ。
「この状態を維持してもらって俺が諦めた瞬間に、この状態を解く隙を他の奴に知らせて攻撃させてみるか?」
「いつから祈ってんだこいつ。…まあどうでもいいですかね。知ったとこで何とかなる問題でもないでしょうし」
兼光がもう相手が解くまで攻撃しようと思った瞬間に、波狼・拓哉が暗い笑顔を浮かべて横に並んでくる。希望を喰らうという白い男に対し、恐怖心すらない。逆にそれを喰らってやろうという気概すら感じさせる、一種の威圧すら感じさせる。
「あー……、考えるのはもうヤメだ。やるか?」
「そうですね。それじゃあ、化け明かしましょうか、ミミック。全ては夢幻と」
その瞬間、兼光と拓哉の怒涛の攻撃が始まる。兼光の「クイックドロウ」のブラスター射撃が白い男へと突き刺さる。動かない相手となれば、当てるのは簡単だ。ブラスター光線に対してびくともしない白い男相手にとにかく乱射しまくる。
「じゃあ、炎とは逆の水属性もおまけしてやる」
ブラスターから水属性光線を放ち、反応を見るがたいして効いているようには見えない。攻撃者の希望を喰らう、というのはこの絶望感であろうか。兼光は何をしても無駄という気持ちが襲い掛かってくるが、それでも笑う。
「ハッ、あいにく諦めは悪い方でな。じっくり追い詰めてやる」
そして乱れ撃たれる光線の中を、拓哉の「偽正・門超最極(ラスト・ボイド)」で召喚された無数の太陽に化けたミミックが白い男へと襲い掛かる。その熱は物質を透過して狂気を呼び、その光は目を逸らすことのできないほど光り輝き対象者を狂気に染め上げる。
その太陽ミミックが白い男を覆う。白い男はその狂気の太陽の熱を飲み込み、光を喰らおうと拮抗する。そしてその際にも拓哉の希望を吸いつくそうと呪詛が纏わりつく。
「……にまあ希望? を喰われてもおにーさん的にそれが動かない理由にはならないんですけど……」
様々な邪神、様々な絶望と渡り合ってきたこの猟奇探偵の前に、希望など喰われたところで今更足を止める理由にはならない。拓哉にはすでに正気などではありはしない。
「うっとおしいですし何より自分の希望が可視化されるってのが気に食わん。取り敢えず打ん殴らせろ」
そして太陽ミミックが取り付いている腕や足に対して、カラフルな二丁拳銃から弾丸が放たれる。衝撃を放つ回転を纏ったその弾丸は的確に関節を射抜き、その場から動くのを許さない。そして太陽の熱と光が、ついに白い男の閉塞空間を食い破り、陽炎の身体が元に戻っていく。
その瞬間を兼光のブラスター光線と拓哉の二丁拳銃の弾丸が射抜く。兼光は心臓と首を、拓哉はヘッドショットを見事に決めて白い邪神を後ろへと下がらせる。
「おい、打ん殴るんじゃないのか?」
「…打ん殴る? いや近づいたら危なそうですし?」
そう言って拓哉はにっこりと満面の笑みを浮かべる。だめだこいつ、という顔を浮かべて兼光は再びブラスター銃を、白い男に構える。虚無の空間がまた満ちているが、ダメージが通ることが確認できたのなら遠慮はいらない。
「さぁ、じりじり追い詰められるのを楽しんでくれ」
この拓哉と兼光の怒涛の攻勢はしばらく続き、白い男は傷を癒す間もなく被弾し続ける。希望を喰らっているはずなのに、一向に攻撃をやめる気配のない猟兵達。そのことに白い男は塵芥ではあるが疑問を感じたはずであろう。
それが小さな綻びとなり、崩壊の兆しとは白い男は気づけただろうか。その後暫く経って、ついに後ろに下がった白い男は最後までその未来を想像することもできなかったのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ロバート・ブレイズ
否定――それは『全て』に突き刺さらねば意味がないのだ
過去現在未来、悉くを嘲笑する事で初めて
人間の地獄が解き放たれる
知らないのか、貴様。白は無と別物なのだよ
冒涜物(ソウルアクセス)発動
人間の普遍的な無意識の領域。その負の面に呼び掛ける
思い出など人間が縋る為の真実か贋作だろう?
無限なる空虚など、何を今更と笑い飛ばすべきだ
――爆ぜるならば肉(ほんもの)を有して死に絶えろ
封じるべきは動きではない
貴様は何を理解して、私の領域に踏み込んだのだ
荒唐無稽な全否定と共に鉄塊を叩き付ける
喰いたいならば幾等でも捌けば好い。
されど。調理するのは貴様自身の災害(証明)だ
そのまま左拳で殴り潰す
白い男は邪神である。だが肉体・能力はそうであっても、現在表に出ている魂はこの地に封印される邪神の元になった精霊を消滅させた術士である。あの美しき精霊をもう一度顕現させるという、暗き情念である。
何を失っても、何を砕かれようとも変わらなかった思い。邪神に喰われ、忘却を強要されても、無くさなかった思い。すべてを否定されても残された記憶。
そんな消えない白の起点を元に、空虚と忘却を強いる邪神の前に、恐るべき黒が現れる。白と黒、忌むべきと言うならば、この翁ロバート・ブレイズを置いて他ないだろう。漆黒は語る。
「否定――それは『全て』に突き刺さらねば意味がないのだ」
忘却とは否定。空虚こそ、無の極致であるべきなのだ。否定とはそれにある。だが目の前の白き男の中心にあるべきものは、否定とは程遠いものだ。
「過去現在未来、悉くを嘲笑する事で初めて人間の地獄が解き放たれる」
思いなど、想いなど、記憶など、すべて笑い飛ばせばいい。黒き瞳は白き空虚を見つめる。地獄を顕現させようとする者が何たる様よ、と翁は嘲笑する。
「知らないのか、貴様。白は無と別物なのだよ」
不快な言葉を放つロバートに対し、白い男は己が空虚を解き放つ。ロバートが思い描く思い出や未来の姿を映し出し、それを取り憑かせて幻覚と共に爆発させる。存在の喪失ともいえるモノ。
だがロバートが持つ思い出とは、未来の姿とは、とても人間が持つモノではなかった。空虚が生み出したのは、忌むべき怪物、正気を失うほどの異形、精神を蝕む化生。それらが跋扈する魑魅魍魎なる世界。
「否定せよ」
己が内を空虚が映し出した世界を前に、ロバートは「冒涜物(ソウルアクセス)」を発動する。人間の普遍的な無意識の領域。目の前の男を含めた、魂が繋がる限りの人の、その負の面に呼び掛ける。
ロバートに取りつき強烈な幻覚と共に存在を喪失させようと爆発する魑魅魍魎達。だがロバートの身体は滅ばない。むしろ微動だにもせずに、歩を進める。
「思い出など人間が縋る為の真実か贋作だろう? 無限なる空虚など、何を今更と笑い飛ばすべきだ」
人間の無意識へと問いかけ、その『否定』の意志は強度を増していく。ロバートの身体は空虚なる白を否定する。ならばその白が映し出し、生み出したモノがその干渉を受けるはずもない。
黒い精神は、白を塗り潰す。キャンパスの上で交じり合って、灰色になるのではない。圧倒的な黒は白を欠片もなく乗り込み、消し滅ぼしていく。
「――爆ぜるならば肉(ほんもの)を有して死に絶えろ」
いい加減うっとおしいと思ったのか、己を冒涜しようと自爆しようとする魑魅魍魎を鉄塊剣で吹き飛ばす。肉のない空虚などで、ロバートは殺せはしない。あるとすれば、人間が持つ地獄の本性のみだ。
「封じるべきは動きではない。貴様は何を理解して、私の領域に踏み込んだのだ」
足すら止めることはできない。白い男を全否定する、荒唐無稽な言葉と共に鉄塊剣が振り下ろされる。叩きつけられた鉄をその両腕で捌き、空虚の白に染めんとロバートの頭を掴む。
記憶を奪い、喰らう忘却の邪神。だが流れ込むロバートの中には、ありとあらゆる存在の嘲笑が紛れ込む。空虚すら捌けない、漆黒の冒涜の記憶。
「喰いたいならば幾等でも捌けば好い。されど、調理するのは貴様自身の災害だ」
空虚を裁くは黒の証明。その災害は、その胸へと手を伸ばし、空虚をかき分けて魂の核を掴み取る。そしてそのロバート左手は撫でまわすように優しく心臓を包み、容赦なく握り潰す。それこそ、白き男の終焉であった。
邪神の核を潰され、白い男の空虚は霧散を始める。そして力の喪失を、存在の喪失を信じられないように感じる白い男。顔を見上げ、その白い目はロバートを見つめる。
ありとあらゆる者を冒涜する、黒がそこにはあった。そして次の瞬間、顔の半分が鉄塊剣によって叩き潰される。
『火、よ―――』
もはやロバートはその白い邪神を蹂躙した。ただ一つ残った男の魂の残滓を叩き潰した。だが最後の呪詛は、残滓は大地へと捧げる。
『死を、奉らん―――』
そして邪神は消え去った。ロバートは踏みにじったその残骸を、もはや何の感情も浮かべずに見つめる。そこには領域に踏み入れながら、到れなかった者への憐憫があった。
だがその感情を吹き飛ばすような地震が『残り火の祭壇』を襲う。そして次の瞬間、チベット高原の高山の山頂の一つが、爆発した。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『怨恨ノ煌炎』
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POW : 怨恨の炎
【自身の身体から常に噴出している怨恨の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【怨恨の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 炎の竜巻
自身からレベルm半径内の無機物を【炎の竜巻】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : 地炎
【自身の身体から放つ炎】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が燃え盛る炎となり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:烏鷺山
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「榎本・彗樹」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
白き忘却の邪神は滅び去った。その邪神に定着した術士の魂もまた、虚空へと消え去ろうとしている。だが最後の呪詛、いや願いと呼ぶべきモノは確かに地に根付いた。
『火よ、死を奉らん―――』
自らの滅び、死すらも奉納せし情念。その魂の残滓は封印された地下の炎にくべられ、燃え盛る。そして地響きと共に、「残り火の祭壇」と共に高山の頂上が爆ぜる。
噴火でも起こったかのような爆発と共に、火が燃え盛る。いや、火が溢れ出すと言った方がいいんのか。それは地より這い出てくるモノだ。
術士が召び喚そうとしていた火の精霊。それは美しき女性の精霊であった。燃え盛る炎の煌めきは彼女の美貌を彩り、術士をも魅了した。
だが術士の力量不足か、それとも術式に不備があったのか、その召喚は失敗に終わった。美しき火の精霊は消滅を迎えることなった。
だがその消滅の苦しみ、美の喪失、そして消える絶望は彼女を憎悪へと染め上げた。炎は怨嗟に煌めきを増す。そして彼女は美を捨て、憎悪の破壊をまき散らす邪悪の化身となった。
そしてその姿は彼女が目にしたモノに成り果てた。彼女が消滅した瞬間、その瞳に最後に映ったのは一匹の蜥蜴であったという。
封印から解き放たれた堕ちし火の精霊の末路。その炎は邪悪な煌めきを放ち、憎悪に満ち溢れている。すべてを、憎しみのままに焼き尽くさんとする消滅を体現したかのような炎。
そしてその身体は「残り火の祭壇」はおろか、山頂すらも覆い潰すほどの巨躯であった。その威容は、巨大なる火の蜥蜴。いや、古よりこのような化物はこう呼ばれる。
『竜(ドラゴン)』と―――。
火の邪竜は天を仰ぎ見、そして地を見下す。忘却の邪神の力を得たことで、竜はすでに何を憎んでいるのか覚えていない。どんな経緯でこうなったのかも知ることもない。
だが憎しみは覚えている。憎悪こそ、その火の根源であり、存在証明である。彼女は天に、地に向かって声を上げる。
『かカッ、火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka!」
歪なる声が地を震わせる。この憎悪の向かうまま、この山を、高原を、街を、国を、世界を焼き尽くそう。その足が大地を踏み砕く。一歩ずつこの世界を燃やさんとする火の邪竜。
不完全なれど、その力は膨大。だが、不完全だからこそここでこの邪竜を叩くことができる。猟兵達は自らを見下ろす、巨大
巨大な邪神へと挑もうとしていた。
曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。
阿久間・仁
いやデカ過ぎだろ。ぶっ潰すことに変わりは無ェがな。
コイツの炎と俺の炎、どっちが上か分からせてやるか!ヒャハハ!
UC【獄炎荒人】で炎の体になるぜ。俺自身が炎になるんだから【火炎耐性】なんてレベルじゃねェ。
地形を燃やすってのは普通の人間相手なら通じるだろうがな、俺にとっちゃ気持ちいいくらいだ。
火炎放射でアイツを獄炎で包み込んでやるぜ。自分より強い炎に焼かれる気分はどうだ?あぁ?
歯ァ食いしばれ。最後に一発、顔面にキツイのお見舞いしてやっからよ。
【ダッシュ】で助走して大【ジャンプ】キメて、思いっきりぶん殴ってやるぜ!
チベット高原の奥深く、人に踏み入れられない高山の頂上にあった遺跡「残り火の祭壇」。それは今は吹き飛び、跡形もなくなっている。いや、跡形もなく踏みつぶされたという表現が適切であろうか。
その頂上より這い出てきた巨大なる火の邪神。もはや、邪竜とも呼べるべき存在は、煌めく炎と共に高山の頂点に君臨する。その炎は憎悪に塗れ、世界を焼き尽くさんと燃え盛る。
「火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka!」
その口からは地の底から響く悍ましき声が響き渡る。歪なる火の邪竜はその足を大地に踏みつけ、進撃を開始する。だがそれをタダで行かせる猟兵達ではない。
「いやデカ過ぎだろ。ぶっ潰すことに変わりは無ェがな!」
阿久間・仁はその凶悪な表情のままに邪竜を睨みつける。その顔に一切の恐怖はなく、山のようにそびえ立つ巨大生物に対しても全く怯むこともない。地獄の炎すらも溶けない金属バットを振り回し、炎の化身へと何気なく近づく。
その様子を救援に駆け付けた曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)は不思議そうに見つめている。復讐のためにUDCエージェントとなり、UDC研究を続けている彼でも不完全とはいえ、これほどの邪神の迫力に身が震える。原初たる人間にもたらされた恐怖。それに犯されない目の前の仁に対して羨ましくも思う。
「……それでも、私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね」
例えUDCを無理矢理融合したとしても、大切な妻子の記憶が薄れていこうとも、律は逃げずに立ち向かう。この火の邪竜が山から下りれば、自分と同じような悲劇が多く齎される。それは許されざることであると自覚しているからだ。
だがそんな律の支援など不要と言わんばかりに、仁は凶笑して突撃する。もはや敵しか見ていない仁の瞳は、狩るべき大型の蜥蜴しか映っていない。
「コイツの炎と俺の炎、どっちが上か分からせてやるか! ヒャハハ!」
そして発動するは「獄炎荒人(ブレイズデモン)」を発動し、炎の体と化す。燃え盛る炎はありとあらゆる攻撃を軽減する。そして火への耐性は言うまでもなく、煌めく火であろうとも簡単に燃やし尽くすことなどできはしない。
だが触れる物全てを炎上させる炎の魔人と化した仁を見ても火の邪竜は変わらず睥睨し、そして嗤う。
「火かっ、カKAka火かカKAka火かカKAka!」
すべては無駄だと嘲笑うものなのか、絶対的な強者の余裕か、高らかな声が山々に響く。そしてその身体から炎が放たれる。仁や律に降り注ぐその煌く炎。周辺の地形をもまとめて焼き尽くさんと放たれる炎は、山を焼き燃え盛る。律はその炎をうまく回避するが仁は真正面から受ける。まるでぬるま湯をかけられたような反応である。
だがこの地炎の真骨頂は地形を燃え盛るフィールドへと変貌させることだ。この炎の地獄の前ではまともな生物は生きることすら難しい。その燃え盛る煌炎は邪竜の力を増幅させる。顔を愉悦に歪ませる邪竜に対し、仁もまた面白いと言わんばかりにニヤつく。
「地形を燃やすってのは普通の人間相手なら通じるだろうがな、俺にとっちゃ気持ちいいくらいだ!」
そして煌く炎の上に立ちながら、その手から地獄の火炎を放射する。邪竜も煌く炎を放ちそれに対抗する。拮抗する獄炎と煌炎。
だが派手な仁に紛れて律もまた動いていた。煌く炎が及ばない所で、内なるUDCを抑え込みながら「ストーキングシャドウ」を発動させる。
「この力を得たことは後悔していない……さあ、餌の時間だ」
自身の力が具現化する。現れたるは律の影法師と黒い獣だ。生身である律がこの炎を突破するのは至難ではあるが、影で構成されるこの二体ならば話は別となる。燃え盛る炎の地面に潜む影のように、煌く炎を踏破して邪竜へと迫る影達。仁の獄炎に集中している敵はそれに気付かない。
「火かガッ!」
その歪なる嘲笑が痛みで濁る。律の影法師の腕が喉を貫き、黒い獣が牙を突き立てたからだ。そしてその影達は律のUDCの性質を得ている。つまりは捕食者(ラプター)、炎の化身であれ、邪神であるならばその肉を喰らうのだ。
そしてその捕食で炎の放射が弱まり、仁の獄炎が押し勝ち、その身が地獄の炎で包まれる。煌く炎が地獄の粛清の炎に侵食され、苦悶の表情を浮かべる邪竜。
「自分より強い炎に焼かれる気分はどうだ? あぁ?」
炎の化身となった仁は強力であるが、その分寿命を削る荒技である。だがそんなことはどうでもいいと言わんばかりに、仁は大地を蹴り、邪竜の頭上へと飛翔する。
「歯ァ食いしばれ。最後に一発、顔面にキツイのお見舞いしてやっからよ!」
大ジャンプの後からの、金属バットの振り下ろし。地獄の炎を受けても物ともしないそのバットの叩きつけが邪竜の眉間に炸裂する。強烈な衝撃と共に、邪竜の巨体が地面へと伏される。頭はバットの威力でめり込むほどだ。
さすがにあの巨大な体躯であるが故に耐久力は高いであろう邪竜。だが仁と律の攻勢は、その強大な邪竜の進撃を見事に止めてみせたのだ。
成功
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モース・レフレクソン(サポート)
ボスは強力な攻撃が必要だ。アイアンフェザーを構えて、強力な牽制射撃をしつつ一気に近づく。そして近距離で装甲突破型アンチマテリアルライフルを撃つ…が、これも牽制射撃だ。
後ろか側面に回り込んでユーベルコード掌底発破(パームバーンを叩き込んでやる。
肉片にするつもりで行くぞ。
波狼・拓哉
おー…デカイな?残り火ってレベルじゃないですなぁ。これは先んじて潰せて良かったやつですね。
それでは化け咆えな、ミミック。その憎悪…根源から狂気で侵食して冒涜してやりましょうか…!竜には龍って奴ですね…まあ、多分一瞬にミミックの方が燃え尽きるとかは無いはずでしょう。
自分は衝撃波込めた弾で放たれた炎を搔き消したり、本体の効きそうなとこ狙って撃ったりしますかね。
戦闘知識、第六感、視力、地形の利用、逃げ足、闇にまぎれるの技能をフルに活用し相手炎から逃げ回りつつミミックや他の味方のサポートと行きましょう。
ミミック消えた直ぐ再召喚で戦前維持で。再召喚制限とかないからね。使い潰すレベルで
(アドリブ絡み歓迎)
チベット高原の奥深くの高山の頂上にて、大きな振動が響き渡る。燃え盛る炎の匂いと共に乗って山麓に流れてくる突風。巨大化した火の邪竜が、大地へと叩きつけられた影響である。
山頂を覆い尽くすほどの巨躯の身体へと成長した火の化身。もはや自然災害にも匹敵しようものな邪神に対し、それでも地に伏す力をもって猟兵達は果敢に戦う。だが火の邪竜は、大地を舐める姿勢になっても変わらない。
「火ッ、かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka!」
すべての生物を嘲笑しよう。すべての生命を嘲笑しよう。その上で憎しみの業火をもって、すべてを焼き尽くさん。その邪悪なる決意が滲み出た笑い声が木霊する。
だがそんな圧倒的存在感を放つ邪竜を前にしても波狼・拓哉は剣呑な雰囲気を崩さない。この程度のUDCでは恐怖しないという心がそれを表現している。
「おー…デカイな? 残り火ってレベルじゃないですなぁ」
だがその規模は拓哉の予想以上であったことは事実である。残り火というからにはそのまで強力な邪神ではないことも予想していたが、まさか巨竜クラスの規模までは想像してはいなかった。
だからといって対処できないというわけではない。その態度を見ながら巨大なる邪竜に対処するために救援に駆けつけたモース・レフレクソン(サイボーグの戦場傭兵・f06734)は敵を見据える。
「巨大とはいえ、まだ完全ではない。やりようはあるな」
「その通り。これは先んじて潰せて良かったやつですね」
モースと拓哉とのやり取りにはまだ余裕すら感じさせる。それを気に入らないと思ったのか、邪竜が纏う煌く炎が、怨嗟でさらに燃え盛る。憎悪こそ、その炎は力を増し、憎しみのままに対象を燃やし尽くす。
その怨恨の炎を邪竜が放つ前にモースの二丁の大口径大型拳銃「アイアンフェザー」の引き金を引く。牽制攻撃にしては強力な弾丸が邪竜の身体に突き刺さり、気勢を削ぐ。その隙に拓哉は箱型生命体ミミックを召喚する。
「それでは化け咆えな、ミミック。その憎悪…根源から狂気で侵食して冒涜してやりましょうか…!」
拓哉は能力「偽正・龍滅咆哮(ドラゴン・ロア)」を発動し、ミミックが立派な爪と牙を持った塒巻く龍へと変化していく。そしてその咆哮と共に、邪竜の身体が爆発する。
「火かカKAka火かカKAka!」
龍の咆哮で爆発するという異常事態。そしてその狂気が龍と邪竜を繋ぎ、意識がそこに向かざるを得なくなる。その狂気を焼き尽くそうと怨嗟の炎を放つが、拓哉の衝撃波を伴った銃弾で的確に消し飛ばして龍まで到達させない。
「おっと。竜には龍って奴ですね…まあ、多分一瞬にミミックの方が燃え尽きるとかは無いはずでしょう」
龍のミミックはその牙や爪はもちろん、龍鱗も本物に近いもので再現されている。いくら邪竜の炎が強くても一瞬で燃やされることはないであろうと拓哉は踏んでいた。そしてもう一度の咆哮が邪竜の身体を爆破し、邪竜にさらなる狂気を伝染させる。
「ボスは強力な攻撃が必要だ」
さらに邪竜の意識が龍に行っている間に、モースが懐に入り込み、装甲突破型アンチマテリアルライフルを撃つ。その衝撃に跳ね上がる邪竜。だがそれすらも牽制に過ぎない。衝撃で体を崩した隙に邪竜の背面へと回り込み、左腕の黒い義手を構える。
「……風通しを良くしてやろう」
邪竜の炎に焼かれながらも、モースは「掌底発破(パームバーン)」を放つ。掌底と共に内蔵した散弾銃のフルオート射撃は、着弾地点を肉片と化す強力な超一点集中砲撃である。幸い、炸裂した衝撃でモースは後方へ吹っ飛ぶことになり、炎の延焼は最小限に食い止めることができた。
「おや、いい穴ができていますね。ミミック!」
そしてモースの開けた風穴に拓哉の龍ミミックが襲い掛かる。炎を気にせずに噛み付き、手の牙でさらに周辺を抉り取っていく。そして自身の身体を厭わない零距離爆破。煌めく炎と邪竜の肉片が飛び散る。
「火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka!」
呻くように笑い声が響き、怨嗟の炎でミミックを燃やさんと一気に燃え盛る。拓哉のミミックも喰らいついて離さんと言わんばかりに、強烈な噛み付きであった。そしてそれは龍のミミックが燃えカスになるまでに続き、邪竜の身体にも多大なるダメージを与えていた。
だが拓哉はそれで終わるような男ではなかった。こちらに邪竜の意識が向けられるのがわかったのか、衝撃波の弾丸を傷口に撃ち込むと、不敵に笑う。
「あ、再召喚がないとは言っていないですよ?」
そうして呼び出されるは、再びの龍のミミック。爆破と噛み付きで、再び邪龍をその場にくぎ付けにして戦線を維持させる。この隙に延焼をして攻撃継続が困難なモースと共に、拓哉は前線を引いていく。
こうして邪龍が龍を焼き滅ぼす頃には、巨体であっても決して負いきれぬ風穴を抉られた邪龍。さらにその進撃と歩みは遅くなることとなり、迎撃はより容易となったのだ。これにより火の邪龍討伐は最終局面へと向かうことになる。
成功
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才堂・紅葉
「全く。土地の精霊様に何を無礼かましてるんだか」
ここに至っては迅速な討滅こそが【礼儀作法】だ
「コード・ハイペリア」
真の姿の【封印を解き】、召喚符で重力水晶を呼ぶ
「でかいの行くわよ!」
方針は【コミュ力】で他の猟兵に連絡済
合図と共に重力【衝撃波】で自身を飛ばし
「ハイペリア重殺術……」
周囲に展開する炎の竜巻を視界に収め
「雪っ!」
周囲の空間ごと重力【属性攻撃、怪力、グラップル】で脇腹にボディブロー
「月っ!!」
真上に向けて超重力打撃で蹴り上げて【吹き飛ばし】
「花っ!!!」
反動に軋む体を【気合と激痛耐性】で捻じ伏せ、奴より高く【ジャンプ】し、超重力踵落しで叩き落とし狙い
雪月花の三連撃だ
【アドリブ連携歓迎】
ロバート・ブレイズ
「巨大――故に感情は絞られる」
攻撃性は隅に置いて
耐久。それは物理的なものか。精神的なものか
確かめる為の冒涜王
先程語り掛けた普遍的な無意識の領域に『自身』を融かす
否。自らが負の領域そのものと化し、対象の憎悪を超越して魅せる
その状態で炎の竜巻に突っ込み、熱量を味わいながら魂を定める
恐怖を与えるとは即ち、貴様自身が決して異常ではない『現実』だ。人間に堕ちるのが過去の運命だと頷くが好い
存在の証明を冒涜し、否定し、呑み込んで終わらせる
「実に愉快な演目だが、如何にも異物(アドリブ)に弱いのが貴様等の性質だ。完全に向かうとは『混在』への嫌悪に過ぎない」
無変地獄(スマートフォン)を起動し、その機械仕掛けを嗤う
雪・兼光
SPD/連携ご自由に
UDCのドラゴンか。これは狩りがいがあるじゃないの。
炎の竜巻発生時は全力で竜巻にブラスターを浴びせて解除できるか試すか。
無駄と判断したらすぐに第六感、見切りを使って可能な限り避ける。
以降は竜巻には第六感、見切りを利用して出来るだけ回避する。
回避が難しい場合はボディガードキャリーバックで出来るだけ防御
相手に隙が出来た場合は誘導弾、零距離射撃、乱れ撃ち、範囲攻撃で可能な限りクイックドロウをぶち込む。
避ける必要もないぐらい余裕がある場合だけ援護射撃
確かに邪龍は追い詰められている。度重なる攻撃において、その火の身体が傷つけられている事実からそれを認めざるを得ない。
怨念の炎は燃え盛り、尽きることない憎悪はその火に勢いを齎す。それがある限り、邪龍は無敵である。その力を行使するにふさわしい巨大な竜の身体も得ることができた。
だが今だに山頂から降りることもできない。邪龍を押しとどめ、屠らんとする猟兵という存在。邪龍は初めて、塵芥である存在を敵として認めた。ならば全力をもって、敵を葬るのみである。
「火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka!」
無機物を炎の竜巻に変えて、敵を纏めて薙ぎ払わんとする煌めく炎の化身。山頂はもはや憎悪の炎に包まれた。だがそんな地獄を見ても雪・兼光は焦らない。
「UDCのドラゴンか。これは狩りがいがあるじゃないの」
ブラスター銃を構えて光線を炎の竜巻へと放つ。どこかに核があれば炎の竜巻を解除できるのではないかと思ったが、まるで手ごたえがないことを感じるとチッと舌打ちする兼光。
「厄介だな。どう思うよ、爺さん?」
「巨大――故に感情は絞られる」
その兼光の問いにロバート・ブレイズという翁は何の問題もないように、炎の竜巻へと歩を進める。まるで炎の竜巻をそよ風としか思っていない程度であるように。それに頼もしさと恐ろしさも感じる兼光。
「全く。土地の精霊様に何を無礼かましてるんだか」
そして才堂・紅葉は怒りに支配されていた。土地の精霊をここまで歪ませてしまった白い男への嫌悪。そして邪悪な竜と成り果てた精霊への対処が、迅速な討滅ということ。それこそが精霊に対する礼儀作法だと思って、ハイペリアの紋章が輝く。
「コード・ハイペリア」
紅葉の背のハイペリアの紋章が光り、真の姿である真紅の髪が顕現する。そして召喚符で重力水晶を呼びだし、兼光とロバートに話しかける。
「隙を作れるかしら?」
「なるほど、どでかい一撃をかます気だな? やってみよう」
「いいだろう」
その紅葉の言葉に即座に反応したのが、ロバートだった。それでなくても興味があった。攻撃性は隅に置いて、測るべきはその耐久。それは物理的なものか。精神的なものか。
確かめる為に「冒涜王(ニアラ・ラヴクラフト)」を発動する。先程語り掛けた普遍的な無意識の領域に『ロバート自身』を融かす。否。自らが負の領域そのものと化し、対象の憎悪を超越して魅せる。
その姿は人のそれではない。頭は大きな球体と化し、身体は樹木のような身体と成る。なおかつ、邪龍の煌めく炎に負けない、鮮やかな火をその手に纏う。正気の者が視れば狂気に襲われる深淵の炎。
「恐怖を与えるとは即ち、貴様自身が決して異常ではない『現実』だ。人間に堕ちるのが過去の運命だと頷くが好い」
邪龍が放つ炎の竜巻の熱量すらも味わいながら、その魂を見定めるべく邪龍と激突するロバート。煌めく炎と深淵の炎が存在を主張し、己が領域を侵さんと拮抗する。
だが相手はロバートだけではない。すでに炎の竜巻のパターンを見切り、その隙間を抜けてきた兼光のブラスター銃から「クイックドロウ」の速射が放たれる。幾重に重なった光線は、邪龍の足を貫き削り取る。ロバートとぶつかっていたその身体が大きく揺らぐ。
「今だぞ、お嬢!」
その言葉に紅葉は最後の力を込めていた。この重力水晶こそ、アルダワ魔王戦争にて迷宮の主(ダンジョンロード)になった証。強大なる重力の迷宮を引き出すことのできる力の源だ。
「コード・ハイペリア承認。迷宮の主の権限確認、外部制御及び出力補助ユニット「重力水晶」接続承認……疑似超重力場展開ランク100」
そして発動するは「ハイペリアの鉄槌(グラビトンハンマー)」。もはや迷いなどあろうはずもない。兼光とロバートが作り出した好機に、紅葉は重力の力を利用した衝撃波で宙へと飛ぶ。
「ハイペリア重殺術……」
周囲に展開する炎の竜巻を視界に収めながら、それを飛び越えていく重力を超越せし者。そしてロバートを飛び越えて、バランスを崩している邪龍の脇腹へと到達する。
「雪っ!」
周囲の空間ごと重力を拳に集めて圧縮した拳。その強大な重力場の塊を脇腹にボディブローの要領で叩き込む。炎で出来たから身体が歪み、その身体が宙に浮く。
「月っ!!」
掛け声と共に、さらに追撃の重力場を足に纏わせ、真上に向けて超重力打撃で蹴り上げて、邪龍の巨体を空中に吹き飛ばす。山頂を覆うほどの巨大な竜が空に舞うなどありえない力。その反動は激痛となって紅葉の身体を襲う。
だが反動に軋む体を気合と根性で捻じ伏せ、紅葉は重力を制御して飛翔する。邪龍より高くジャンプし、超重力踵落しで叩き落とすべく、踵を振り上げる。
「花っ!!!」
雪月花の三連撃。その迷宮の主としての権能、紋章の最大解放を駆使してようやく達成される、重力の支配者としての最強打撃。それが炎の邪龍の脳天を砕き、身体をズタズタに引き裂いた。
「火かカKAka火かカKAka火かカKAka火かカKAka……ガアアアアオオオオギャアアアアァァァァ!」
狂気の嗤いは終わりを告げ、精霊としての本性が戻ったのか、激痛の雄たけびを上げる邪龍。だが重力の地場を歪ませたその力は邪龍の炎を霧散させ、もはやどうにもならないほどに崩壊へと向かわせていた。
「おっと、大丈夫か?」
「……ええ、ありがとう」
一方の紅葉はというと、すべての力を使い果たし、反動で身体が動かなくなって落下しているところを兼光に助けられていた。もしも邪龍が力を残していた場合、ブラスター銃で反撃しようとしていたが、それも杞憂で終わったようだ。
火の邪龍はこのままバラバラに引き裂かれ、滅び去るだけであろう。だが紅葉や兼光のようにそれを放っておく者だけではない。
「我こそが冒涜の王。我が肉体こそが精神世界――で在る。貴様を此処に招待しよう。我が国の民と見做すのだ。光栄に思うが好い」
「ガアアアアハアアアアアア……ァ…………」
すでに崩壊へと向かい、骸の海へと還らんとする邪龍を逃すほどロバートは優しくはない。その冒涜王は存在の証明を冒涜し、否定し、邪龍の残滓を呑み込み平らげる。
その姿が異形の姿から、普通の黒い渦の仮面とスーツ姿に戻ると、ロバートはクカカッと嗤う。
「実に愉快な演目だが、如何にも異物(アドリブ)に弱いのが貴様等の性質だ。完全に向かうとは『混在』への嫌悪に過ぎない」
そう言ってロバートは無変地獄というスマートフォンを起動し、取り込んだ火の邪龍が機械仕掛けの地獄に取り込まれていくのを見て嗤う。自身は何物も拒まない。異物をも喜んで取り込み『混沌』となろうという嘲笑であった。
「おい、あの爺さんの方がよっぽど化け物じゃないか?」
「それに関しては私も同感ね」
そう言って紅葉と兼光は同意と言わんばかりに、佇むロバートに向けて視線を向けながら首を横に振るのだった。
こうして美しき火の精霊から大きく変じた邪龍は山頂から下ることもなく、滅びを迎えた。煌びやか怨念の炎は塵となって消え、風と共に去っていった。
かつて術士であった男が残した僅かな残り火ももはや欠片も残ってはいない。すでに火によって祭壇や遺跡は崩壊を迎え、もはやこの地に邪神の息吹は全く感じられない。
チベット高原に眠るという邪神はこの一柱ではないのかもしれない。だが猟兵達の奮戦により、この高山の火の邪悪なる龍は世界に放たれることもなくなり、ついに火と灰は解き放たれたのだ。もしも火の精霊が正気であったのならこう言ったであろう。
『ありがとう』と―――
成功
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