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竜化の狂風~三つ巴の狩猟領域~

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #皆殺しの荒野

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●三つ巴
 魂喰らいの森を越えた先に広がる荒野。
 常であれば血生臭さで満たされているそこの名は、皆殺しの荒野。
 しかし、今荒野に満ちるのは奇妙な静けさであった。
 静寂の中央で対峙するは3つ。
 1つ、細く長い威嚇の吐息を漏らす巨大な蜥蜴たち。
 1つ、筋骨隆々とした体躯を誇る破魔の戦士たち。
 1つ、嗜虐的な笑みを浮かべ舌なめずりを隠さぬ女蛮族たち。
 彼らに竜の力と共に抑えきれぬ殺戮衝動を与える狂風は刻々と戦場の緊張感を強めているが、開戦には至らず。
 拮抗する三つ巴は、1つでも切っ掛けがあればすぐに戦端が開くだろう。
 今こそ、猟兵たちがこの荒野に橋頭保を打ち込む絶好の好機だ。

●楔を打ち込め!
 アックス&ウィザード、群竜大陸の新たなる領域の攻略が始まって暫く。
 猟兵たちを呼び集めたニコラは、今こそ出撃の時と力強く宣言した。
「群竜大陸第2領域、通称『皆殺しの荒野』。常ならば乱戦だらけで、危険な転移になる戦場よ。けど、今なら3つの勢力が睨み合っているところに急襲を仕掛けられるわ」
 絶好の機会だと言いつつニコラが提示するのは戦場の鳥観図。
 戦場となる荒野には目立った障害物は無く、正面戦闘が主となるだろう。
「戦場の3勢力は全てオブリビオン。それらはこの荒野に吹く呪いの風で強化されているの。ニコラはこの風を『竜化の狂風』と呼んでいるわ」
 竜化の狂風が抑えきれぬ殺戮衝動と共に与える強化は2種。
 1つは竜翼を与えることによる空戦能力の付加。
 もう1つは竜鱗と竜角を与えることによる攻防能力の強化だ。
 さらに、この2種の『呪い』を同時に与えられる場合もあるという。
「翼を与えられているのが巨大な棘蜥蜴。鱗と角を与えられているのが破魔の戦士。そして2種を纏めて与えられているのが女蛮族よ」
 竜化の狂風がどういった基準で『呪い』を与えているかは不明だが、睨み合いの三つ巴が続いているのはそれら3勢力の戦力が拮抗しているからに他ならない。
 故に。
「あなたたちの転移が、開戦を告げる狼煙となるわ」
 ギリギリのところで保たれたバランスを、猟兵が崩す形で介入する。
 そして、その際に注意するべきは『戦う相手の順番』である。
「転移先は、棘蜥蜴たちの後方。個体数で勝る蜥蜴たちを後回しにすると、いくら猟兵の皆でも体力が持たないわ」
 戦いが始まりさえすれば、3勢力はそれぞれで潰し合う。
「蜥蜴たちを倒したら、次は戦士たちを。そして最後に女蛮族を」
 それら全てを打ち倒すためには数の多い者から順に倒していくのが効率的だ、というのがニコラの弁である。
 しかし少数で多数と拮抗するというのは、それだけ個体の能力が高いということだ。
 任務が終わりに近づけば近づくほど、戦闘は激化するだろう。
「転移直後から戦闘の連続。疲れが酷ければ、途中で退くのも選択肢よ。自分の能力なら確実に倒せると踏んだ相手とだけ戦うのも、立派な戦術ですもの」
 最後に「ご武運を」と添え、ニコラは説明を締めくくるのであった。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして。そうでない方はお久しぶりです。
 今回は純戦闘シナリオとして群竜大陸第2領域「皆殺しの荒野」へと皆様をご案内します。

 早速ですが、本シナリオの補足です。

●竜化の狂風について
 皆殺しの荒野全域に吹き荒れる呪いの風です。
 猟兵には影響を与えませんが、現地のオブリビオンたちを強化します。
 強化されたオブリビオンは、個体の強さに応じて体内に「竜胆石」という美しい宝石を精製します。
 オブリビオンを打倒し「竜胆石」を持ち帰れば臨時収入になるでしょう。

●各章の集団敵とプレイングボーナス
・第1章:棘蜥蜴
 巨大な蜥蜴です。本シナリオ中で最多の個体数を誇ります。
 竜化の狂風により翼を与えられており、空戦能力を持ちます。
 空戦能力への効果的な対処はプレイングボーナスを獲得できます。

・第2章:血の一族
 屈強な肉体と武具を兼ね備えた戦士たちです。
 竜化の狂風により鱗と角を与えられており、ただでさえ高い戦闘能力の攻防双方が強化されています。
 しかし、本物の竜でないため弱点となる「急所」が存在します。
 うまく急所を突くプレイングはプレイングボーナスを獲得できます。

・第3章:サヴェージ・ギャルズ
 血生臭い風習と残忍な獰猛さを持つ女蛮族たちです。
 竜化の狂風は翼、鱗、角の全てを彼女らに与えており、単体で猟兵1人に比肩しうる戦闘能力を持ちます。
 空戦能力への対処と急所狙いの双方を含むプレイングはプレイングボーナスを獲得できます。

 以上です。
 群竜大陸のさらなる奥地を目指すべく、この荒野に橋頭保を撃ち込みましょう!
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第1章 集団戦 『棘蜥蜴』

POW   :    集団遊猟
技能名「【追跡】【地形の利用】【トンネル掘り】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    探知器官
技能名「【暗視】【見切り】【失せ物探し】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    鱗色変化
技能名「【目立たない】【忍び足】【迷彩】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イデアール・モラクス
@
地には血が満ち空には滅びの風が吹き荒ぶ!これぞまさにカオス!まさに破壊と蹂躙の支配する世界!
さぁ!楽しもうか!

・対空戦
UC【魔導覚醒】を『高速詠唱』で行使。
本気モードになり、魔導防壁を纏いながら空を縦横無尽に飛翔し、見事な『空中戦』を展開しながら次々と『全力魔法』の力で威力を増した『属性攻撃』魔法を無詠唱『乱れ撃ち』、巨大な竜巻の『範囲攻撃』で敵の空戦能力を奪い乱し、炎の槍と聖なる光線の『一斉発射・制圧射撃』の飽和攻撃を仕掛け、相手の攻撃を相殺『武器受け』しながら敵勢力を『なぎ払い』『蹂躙』する。
「飛ぶなら風を乱し、隠れるなら闇を暴く…我が魔術の多彩さを前にして、貴様らに勝ち目などない!」



●ルール・オブ・バイオレンス
 風が吹いた。
 しかし、それは竜化の狂風ではない。
 風を切り宙を疾走するは鮮烈な紅の魔法陣を纏いし猟兵。
 開戦を告げる猟兵の先鋒。
 翼なくとも空を征くイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)の疾風であった。
「さぁ、楽しもうか! 地に血、空に滅びの風、破壊と蹂躙の支配するカオスを!」
 竜翼を与えられたとはいえ、機先を制された棘蜥蜴たちの半数は未だ地上。
「挨拶代わりだ、受け取っておけ!」
 猟兵の急襲に慌てて飛び立とうとした数匹の棘蜥蜴たちが、地上から爪先を離すことすら許されないまま暴風に巻かれた。
 真空刃の集合体と化した暴風の主は、もちろんイデアールだ。
 一瞬でミンチと化した棘蜥蜴たちを一顧だにせず、イデアールは次なる魔術を編む。
「飛ぶなら風を乱し、隠れるなら闇を暴く……我が魔術の多彩さを馳走しよう」
 ユーベルコードにより詠唱を省略された魔術が独白と共に発動。
 イデアールの展開した多数の炎槍が対地爆弾の如く皆殺しの荒野へ降り注ぐ。
 現に、天に座すイデアール目掛けて牙を剥き飛び上がっていた棘蜥蜴が炎槍に貫かれて串焼きにされていた。
「ふん、遅い! 貴様らに勝ち目はないと知れ!」
 続いてイデアール両手から放たれた聖光が、周辺一帯を薙ぎ払う。
 僅かに遅れ、何も居ない筈の空間から肉の溶け落ちる音が連鎖。
 鱗色を変化させることで空に溶け込み、竜翼でイデアールの死角を目指していた棘蜥蜴の一団が灰の一片すら残さず焼け落ちたのだ。
「弱肉強食というやつだ、恨むのならば弱い自分を恨むのだなぁ!」
 哄笑するイデアール。
 急襲の利を最大限に活用したイデアールの戦果は、既に両手に収まらない。
 暴虐ともいえる魔術の一斉射は、転移ゲート付近に棘蜥蜴の排除された安全地帯を見事に作り出したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宇良潟・伝助
アドリブ歓迎、連携前提プレイングです。
 「皆さんに気持ち良く戦って貰うために空中戦を華麗に演出しましょう」と【目立たない】様に行動して【空翔ける猟兵たち】を使い【戦闘用舞台装置】からワイヤーを出して、猟兵をワイヤーアクションで空に飛ばせつつ猟兵の能力を強化します。
 紙吹雪で演出しながら目眩し、打ち上げ花火で演出しながら敵に花火を当てたりと【罠使い】で【戦闘用舞台装置】に内蔵している罠を発動させて敵を撃破していきます。
 自分は直接攻撃をせずに罠で攻撃をします。


阿久間・仁
ケケ、三つ巴に割って入って全員ぶっ潰すって作戦気に入ったぜ。
金目の物には興味ねえ。とことん暴れさせろ!ヒャハハ!

飛んでるやつはUC【魔人薙】で燃やすぜ。手ェ届かねえからな。
んで、近づいて来るやつをぶん殴る。
【大声】で【挑発】したら寄ってくるかもな。言葉通じなくても注目は集められるだろ。

まあ細けェことはどうでもいい。とにかく手あたり次第ボコってりゃそのうち終わる。今は喧嘩を楽しませろ!ヒャハハ!



●ケンカ・オン・ワイヤーアクション
 猟兵たちが戦場に介入したことにより、皆殺しの荒野は混沌の坩堝と化していた。
「どぉーした、蜥蜴野郎ォ! 炎が怖くて近寄れねぇってかぁ?」
 阿久間・仁(獄炎魔人・f24120)が咆え声と共に炎を放つ。
 仁の大声に惹かれるようにして集っていた棘蜥蜴たちがカウンター気味に放たれた炎に呑まれて燃えた。
 使い手たる仁の意志に合わせて自在に燃え広がる炎は、棘蜥蜴たちを確実に焼き尽くしていくがそのペースは決して早いものではない。
「チッ、悠々と飛び回りやがって。手ェ届かねぇから暴れられねぇ……!」
 着実に撃破数を稼ぎつつも、仁は不機嫌を隠そうとしない。
 三つ巴のオブリビオンに割って入って全員をぶっ潰すという作戦自体は仁の性によく合うものだ。
 しかし、飛び回る蜥蜴を相手には戦闘――喧嘩を楽しもうにも限度がある。
「おや、お困りでございますか?」
「ァ?」
 そんな仁の背後に音もなく忍び寄っていたのは宇良潟・伝助(裏方大好きな黒子猟兵・f21501)である。
「なんだぁ、真黒黒助が……ああ、困ってるっちゃあ困ってるぜ」
 伝助を振り返った仁が、ぐっと拳を握り込んで応える。
「なんせ、殴ろうにも蜥蜴どもがチキンすぎて近寄ってこねぇからなぁ」
「なるほど、なるほど。そういった方に気持ちよく戦って貰う事こそ、わたくしの本懐でございます――貴方様を、空へとお届けいたしましょう」
 闘気を隠さない仁の様子に深く頷き、伝助は助力を買って出る。
「へぇ、やるじゃねぇかおめぇ! 名前くらいは憶えといてやるよ」
「いえいえ、わたくしはしがない裏方。名もなき黒子でございます」
 短いやり取りの間に準備が終わる。
 伝助の持ち出した戦闘用舞台装置から伸びたワイヤーは、既に仁の腰と背をしっかりと捕まえていた。
「それでは、いってらっしゃいませ」
「応よ!」
 一礼と共に伝助の姿が消える。
 それは『戦闘劇』の開幕とユーベルコードの発動を知らせる仕草。
 どこからともなく撃ちあがる花火に、はらはらと舞う紙吹雪。
 仁と伝助に襲い掛かろうとしていた棘蜥蜴が打ち上げ花火に惑わされ――。
「こりゃあいい!」
 一瞬後に、ワイヤーアクションで宙に跳ね上げられた仁の拳で貫かれた。
「次は向こうだ、出来るんだろう、黒子よぉ!」
 棘蜥蜴を殴った反動で滞空しつつ仁が咆えれば、その意を汲んだように中空に張り巡らされたワイヤーが足場となった。
「ヒャッハァ、最ッ高だぜ! これでとことん暴れられる!」
 戦場の裏方たる伝助の巧みな援護を得て、仁の喧嘩が加速する。
「さぁかかってこいよ蜥蜴野郎ォ! 手当たり次第にボコってやらぁ!」
 仁の声に重なるは見得切りを彩る花火と紙吹雪。
 伝助プロデュースのケンカ・オン・ワイヤーアクションは、まだ始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ラティナ・ドラッケンリット
まずは空飛ぶ棘蜥蜴だな
空中から散発的に襲って来る分には動きを見切って避けよう
攻撃を避けて断山戦斧『しゅとれん』で叩き斬る
近付いた者を斬り殺すことで牽制するが
一斉に襲い掛かって来たら
豆の木の種を撒いて
空中軌道を制限することで
多対一の状況を避け
各個撃破して確実に数を減らす
不意を討って穿竜槍『たると』や守護者『しょこら』を投擲もしよう
『たると』は小型竜に戻って手許まで帰って来させ繰り返し投擲する
UCで地中に潜って来たら
『しゅとれん』でUCを使い地面を破壊して炙り出す
生き残りがいれば『しゅとれん』を手放して
屠竜刀『まかろん』を抜いて手早く息の根を止める
竜胆石を回収したいところだがすべて殲滅してからだな



●万夫不当のドラッケンリット
 空中から急降下する棘蜥蜴が1匹。
 迎え撃つは軽装の猟兵、ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)の姿。
「動きが、遅いっ!」
 ほんの少しの体重移動だけで姿勢を変え、ラティナは棘蜥蜴の突撃を躱す。
 それだけでなく、棘蜥蜴の突撃軌道に断山戦斧『しゅとれん』の刃を置いて棘蜥蜴を真っ二つに叩き斬った。
「これでも『竜殺し』の一族だ。侮りはお前たちの死に繋がるぞ」
 そういった達人じみた動きに、装甲は不要。
 不規則に跳ね散る棘蜥蜴の血飛沫すらひょいと避け、ラティナは宙を睨んだ。
 恫喝ともとれる視線に宙を舞う棘蜥蜴たちが僅かに怯む。
「――竦んだなっ!」
 そして、その一瞬をラティナは見逃さない。
 守護者『しょこら』を投擲し棘蜥蜴たちの視界を塞ぎ、作り出した死角から穿つように放つのは穿竜槍『たると』の一閃。
 巧みな視線誘導と豪速の投槍が、また1匹の棘蜥蜴を撃墜した。
「たると、回収は任せたぞ!」
 墜ちる棘蜥蜴から離脱するのは小竜へと変じたたると。
 忠実な小竜はラティナの投じた『しょこら』を回収して帰還を果たす。
「よくやった!」
 たるとから『しょこら』を受け取るラティナの視界には無数の棘蜥蜴たち。
 数を頼みに、棘蜥蜴たちが一斉に襲い掛かってきたのだ。
「それだけか?」
 しかしその程度、ラティナが予測していない筈もない。
 ラティナを守るように伸びるのは、いつの間にか蒔かれていた魔法の豆の木。
 荒野のど真ん中に突如としてジャングルが現れ、木々に分断された棘蜥蜴たちは一瞬にして数の有利を失う。
 ならばと荒野へ潜る蜥蜴たちも居たが――。
「お前たちの生態はよく知っているよ!」
 ラティナが放つのはユーベルコードへと昇華された大振りな一撃。
 振りかぶられた『しゅとれん』が、大地ごと棘蜥蜴たちを両断した。
「さて、竜胆石の回収は後回しだが――今ので金貨400枚にはなったかな?」
 多数を誇る棘蜥蜴たちを丁寧に分断しての各個撃破。
 竜殺しの渾名は伊達ではないということを、ラティナはまざまざと示すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミスト・ペルメオス
【POW】

翼持つもの。
…ならば、来いッ。相手になってやるッ…!

愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って参戦。
マシンヘルムやデバイスを介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
空間戦闘や空中戦こそ愛機の本領、後れを取るまいと意気込んで。

とはいえ、敵の圧倒的な数の多さは脅威。
たとえ包囲されても捉えられて墜とされないように、と留意しつつ…
【フォースド・アサルト】起動、限界稼働状態に移行。
2種の障壁を生成して機体を覆い、スラスターを駆使して極超音速すら叩き出しつつ空中での機動戦を実施。
向かってくる敵の群れに銃砲の射撃を浴びせ、時には障壁と近接装備で喰い破り、蹂躙する…!

※他の方との共闘等、歓迎です



●ファンタジック・ドッグファイト
 当たれば必殺、しかしそれは互いに言えた。
 サイズでこそミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)の駆るブラックバードより小さいが、数で圧してくる棘蜥蜴たち。
 対してブラックバードの火器は、ミサイル類の迎撃や牽制に用いるマシンキャノンですら棘蜥蜴たちを鎧袖一触に屠るに十分な威力。
 しかし、戦場は重力に支配された空。
 棘蜥蜴に取りつかれればブラックバードの機動力は大幅に削がれる。
 数によっては不時着を強いられてもおかしくない。
 仮にスラスターにでも直撃すれば墜落は必須。
 つまり。
 棘蜥蜴たちにとってブラックバードの照準に映ることは死と同義であり。
 ブラックバードにとって棘蜥蜴たちに肉薄されることは撃墜と同義。
 故に、互いが一撃必殺を狙う空戦。
「だからってェ!」
 コックピット内で吐き出されたミストの怒号は、装甲を越えては響かず。
 只、その気迫に応じるようにブラックバードが繊細かつ大胆に風を切る。
 黒の装甲に向けられていた爪をそれこそミリ単位の見切りで回避し、サイキックエナジーと純エネルギーの2種を重ねた障壁で応撃。
 不可視の壁にぶつかり間抜け面を曝す棘蜥蜴をマシンキャノンがぶち抜く。
「ひとつっ!」
 天には地、地には天、空中で錐揉み回転しながら躱すのは棘蜥蜴の集団。
 突如としてブラックバードを見失い、棘蜥蜴たちが戸惑うように周囲を見回す。
 つい最近翼を得た蜥蜴たちにとって、戦場は未だ2次元平面なのだ。
「まとめて、よっつ!」
 惑う3匹を可変速ビームキャノンとビームアサルトライフルの一斉射で撃墜。
 さらには重力落下の勢いを載せたカイアス・ブレイカーの一閃で1匹を斬首。
 しかしミストの動きはまだ止まらない。
「一気に、詰める!」
 スラスターを点火。
 目指すはブラックバードを包囲する棘蜥蜴の群れ。
 一瞬で音速の壁を突き抜け、円錐状に絞った防御障壁を衝角代わりに吶喊。
 活路を開くと共に群れの一角を纏めて墜とす。
「黒鳥舞う空に、お前達の居場所があると思うなよ」
 呟くミストは、戦士の貌をしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェル・ドラグニエル
ニコラさん、了解しました!
まずは数が多い蜥蜴を倒せばいいんだね!
それにしてもものすごい数が空を飛んでるし体表は刺々しいから接近戦は厳しそう…
よし!ここはまとめて数を減らそうか!

「みんな!ちょっと雷を飛ばすから気を付けてね!」と味方に注意を呼びかけながらドラゴンランスである【蒼雷の銀竜槍】を天に掲げ
ユーベルコード【竜技・雷霆光雷(ドラグ・アーツ・ケラウノス・ブレード)】を発動!
棘蜥蜴の大群を撃ち落とそうと試みます!
[属性攻撃・なぎ払い・戦闘知識]の技能を利用します


虹結・廿
了解、任務を遂行します。

複製義体β、γ、δ、εを起動。各員は戦闘態勢。
指揮は私、αが担当します。

対空戦は全くの本業外の仕事なんですが……。
やってやれない事も無いでしょう。オメガデリンジャーに拡散弾を装填し固まった群れ一帯を【吹き飛ばし】ます。

どうせ短機関銃や散弾銃の射程ではありません。全員グレイトタフガイを装備。
他機は適宜【制圧射撃】を行いつつ私の援護を。

それと接近してきた対象は即座に【一斉射撃】にて撃墜を。絶対に近づけないで。

「しかし、本当に本業では無い事を行うのは骨が折れますね。」
「今後、航空機の一つほしくなってきます。」
「……幾らするか考えただけで寒気がするので用意なんて出来ませんけど」



●対空迎撃戦
 棘蜥蜴たちの数は開戦当初からすれば半分ほどまで減っていた。
 しかし、それでも戦場全体を俯瞰すれば数で言えば最多。
 故に。
「まとめて雷で叩き落とします!」
 未だに範囲攻撃は有効。
 仲間たちに警告の声を投げつつ、フェル・ドラグニエル(蒼翼の竜騎士見習い・f01060)の振り上げた銀槍が渇いた破裂音と共に帯電。
「我囁くは『雷霆』! 降り注ぐは天ノ怒槌――咆哮轟音輝き全てを以て我が前に立つ敵を焼き尽くせ!」
 詠唱と共に加速する破裂音は雷の先触れ。
 天に掲げられた槍は纏う雷に蒼を加え、詠唱の完成と共に『それ』が放たれた。
「ドラグ・アーツ、ケラウノス・ブレード!」
 地から天へ、蒼雷が奔る。
 雲を貫いた蒼は空中で四散し――。
「来るっ!」
 幾本もの雷撃となり、空を往く棘蜥蜴たちの更に上から降り注いだ。
 ある棘蜥蜴は雷撃に打たれたことで風船のように破裂し、ある棘蜥蜴は翼を焼かれて地に落ちる。
 雷撃を受け、フェルを中心とした2km程の空間から飛翔する棘蜥蜴が消え失せる。
「チャージに入ります、後詰は頼みました!」
「了解、掃討を引き継ぎます」
 次撃の為に魔力を集中させ始めるフェルを庇う姿は5つ。
 5人姉妹に見える彼女たちは、本体であるα体……虹結・廿(クレイビングリビングデッド・f14757)と4体の複製義体たちだ。
「対空戦は全くの専門外。対空能力を持つフェルさんとの連携は僥倖でした」
「こちらこそ。おかげで、チャージ中の隙を気にせず戦えています」
 突撃銃『グレイトタフガイ』を装備したβからεまでの4体に前線を任せ、廿本人はフェルの直掩に着いている。
 フェルの感謝に僅かにはにかみ、次の瞬間に廿が見せるのは獰猛な笑み。
「前衛、俺からの指令は誰も死なない完璧な勝利――出来るだろう? ヤれ!」
「「「「イエス、マム!」」」」
 指令と共に、グレイトタフガイが墜落した棘蜥蜴たちに追撃の弾丸を放つ。
 戦場を広く見て廿が構えるのは『オメガデリンジャー』という設置型榴弾砲。
 本来ならば固定して用いるそれを脇に抱え込んでロケットランチャーのように扱うのはフルボーグならでは。
「キルゾーンへ誘導開始! 生き残りを一匹も逃すなよ!」
 狙うのは逃げ惑う棘蜥蜴たちの殲滅。
 複製義体の銃撃に追い立てられた棘蜥蜴たちは次第に一箇所にまとまり始める。
「――今っ!」
 そして、ある程度の棘蜥蜴たちが集まったところに投げ込まれるのがオメガデリンジャーの拡散弾だ。
 着弾後に子弾をばらまき、それらが一斉に炸裂することで棘蜥蜴たちが文字通り一網打尽にされる。
「次弾装填、各員は周囲警戒を怠るな!」
「了解――しかし、もし私たちだけだとこれは骨の折れる戦闘かと」
 廿の怒号に返事を返すのはδ。
「確かにな」
「今後、対空戦を行う際には航空機の使用を提案」
 頷いた廿にγが提案を投げるが。
「……1機幾らすると思ってる。却下だ、却下」
 費用の面から却下され、γは実は本体より豊満な胸を残念そうに揺らすのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

木常野・都月
@

蜥蜴の癖に空を飛ぶとか、ズルくないか。
お前達は俺と同じ地面の生き物!
抜け駆けは駄目だ。
全部大地に叩き落としてやる…

風の精霊様にお願いして、敵の状況を[情報収集]してもらいたい。
敵にそれぞれ張り付いて、攻撃の誘導を手伝って欲しい。

その上でUC【雷の怒り】を[範囲攻撃]を乗せて使用、風の精霊様の誘導に従って落雷で敵を叩き落としていきたい。

敵の攻撃も、風の精霊様の誘導があるので、大方把握出来てるはず?
[属性攻撃]の[カウンター]で対処したい。

…俺だって自由に空飛びたいんだ。



●イオノクラフト
 空中では熾烈な鬼ごっこが展開されていた。
 逃げるは翼持つ棘蜥蜴。
 追うは薄緑の風精霊。
 物理攻撃が意味を為さない精霊を相手に、棘蜥蜴は有効打を持たないのだ。
 そして、精霊を振り切るべく棘蜥蜴がバックターンを行った瞬間。
「捉えた。お前たちは俺と同じ地の生き物、それを思い出させてやる!」
 空気の破裂する音と共に雷の裁きが下る。
 指刀でそれを為したのは木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)だ。
 普段ならばどこか優しさを感じる顔はいつも以上に引き締められており、嫉妬ともとれる憤怒の形相を隠そうともしない。
 その感情の行く先は、棘蜥蜴そのものよりは呪いを与える狂風。
 生物の本来の在り様を歪める風は、獣の性を持つ都月の逆鱗を撫でるもの。
「俺だって、俺だって――」
 加えて、空とは都月のあこがれる領域でもある。
 たかが呪い1つで空を飛べるならばどれ程良いかと、血が出そうなほどに拳を握り込んで咆える都月。
「自由に、空を飛びたいんだぞっ!」
 指刀一閃。
 怒髪天を突く様相で叫びながらも、攻撃の手は緩まず。
 さらに1匹の棘蜥蜴を撃墜した都月をつんつんと風精霊がつつく。
「精霊様? 何か……えっ!?」
 視線は空の棘蜥蜴たちから外さず、精霊に囁かれた内容に目を見開く都月。
「俺も、空を飛べる!?」
 こくりと頷く精霊。
 囁かれた術式を行使すれば、確かにふわりと都月の身体が浮かぶ。
 イオノイクラフト、電磁場の電位差を用いた浮遊術。
 雷撃を転用したそれは確かに都月に飛行能力を与えたが――。
「……こ、これはちょっと厳しいぞ?」
 地上から数mまでするりと浮かび上がるものの、速度が出ない。
 遊覧飛行ならともかく、戦闘機動ではいい的だ。
「心遣いは嬉しいけど……ええい、ともかく! あの蜥蜴どもは全部墜とす!」
 まさか精霊に怒鳴る訳にもいかず、やはり矛先は棘蜥蜴へ。
 両手の指刀で雷撃を乱射し、都月は怒気を発散するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター

皆殺しの荒野かぁ、物騒な名前ね
でも相手がオブリビオンなら、そうしちゃっても構わないよね
群竜大陸を探検するためにも、この場所を制圧してあげましょ!

相手は空を飛ぶってことだけど、その翼は後付けの翼ってことだよね
今まで空を飛べなかった蜥蜴が、そこまで自由に空を飛べるとは思えない
なので空中戦であれば、私に分があるはず!

UCを発動し、空へ
竜巻に敵を巻き込めば、空中戦の妙手じゃなければ早々抜け出すことはできない筈
大量にいる蜥蜴を竜巻でまとめ上げ空へと放り出し、後は1匹ずつ蹴り落とし、地面へと叩きつけてあげましょう!
地面に落とせば、後は仲間達や、他の対立しているオブリビオンたちが止めを刺してくれるかな



●ストーム・ランページ
 荒野は、その名の通り戦乱に満ちていた。
「でも、オブリビオンにはお似合いよね!」
 戦乱、即ち皆殺しの領域を跳ねまわる紅がひとつ。
 我が物顔で空を飛ぶ棘蜥蜴たちのさらに上、雲の浮かぶ高度を悠々と舞いながらアメリア・イアハッター(想空流・f01896)は嵐を呼ぶ。
「その後付けの翼じゃあ自由自在に飛べるとはいかないようだもの」
 巻き起こる乱流。
 高き場所を飛ぶアメリア目掛けた急上昇を行っていた棘蜥蜴たちが、急激な気流変化に対応できずに態勢を崩される。
「だから、この空では! 私に分がある!」
 そして、腹を見せた棘蜥蜴目掛けてドロップキックをぶちかまし確実に撃墜を。
 姿勢を正そうともがく棘蜥蜴に慈悲なき追撃を入れることにより、万が一にでも空へ再起する可能性を潰す。
 撃墜された棘蜥蜴は地面に叩きつけられて汚らしい声で呻くが……程なく、棘蜥蜴と対立するオブリビオンがそれにトドメを刺した。
「動けないオブリビオンなんて、ただの的だよね」
 叩き落とした棘蜥蜴が撃破されたのを見届け、アメリアは次の目標へ意識を向ける。
 次なるは、地上で蠢く棘蜥蜴の群れ。
「さぁ――翼があるなら、抗ってみせて!」
 地表スレスレまで急降下し、棘蜥蜴たちの横合いから撃ち込むのは上昇気流の嵐。
 巨大な棘蜥蜴すら持ち上げる嵐はユーベルコードの賜物であり、
「難しいだろうけどね!」
 宙に投げ出されて姿勢制御すら覚束ない棘蜥蜴たちにアメリアが仕掛けるのは速攻。
 嵐で棘蜥蜴を振り回し、十分な攪拌を済ませたならばアメリアのキックで仕上げだ。
 方向感覚を嵐のミキサーで乱された棘蜥蜴たちはキックで地上に叩き落とされてももがくことすら叶わず。
 突如として空から降ってきた獲物に竜化の狂風に唆されたオブリビオンたちは歓喜の声を上げて群がり、猟兵たちはアメリアにサムズアップしながらトドメを刺す。
「さて、これで仕上がりかな?」
 アメリアが見下ろす戦場に、既に棘蜥蜴の姿はない。
 作戦の第1段階、棘蜥蜴の殲滅が成ったことを確信し、アメリアはゆっくりと地上に着地するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『血の一族』

POW   :    聖魔伏滅拳
【破魔の力を込めた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    聖魔伏滅斬
【破魔の力を封じた剣や斧】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    血の福印
【自らの血】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●破魔の戦士たち
 翼を与えられた棘蜥蜴たちは、しかしその翼に適応しきれずに破れた。
 皆殺しの荒野に残るのは、猟兵たち以外に2つの勢力。
 その中でも、ある程度の人数で小集団を作り戦う戦士たちが猟兵たちの目標だ。
 血塗られて深い黒を宿した体躯は筋骨隆々。
 鍛えられた筋肉は鋼よりなお硬く、さらにそれを覆うのは竜の鱗。
 加えて、額だけでなく肘や膝といった『人体の凶器』から伸びるは竜の角。
 群竜大陸を制するべく邪法にすら身を曝した破魔の戦士たちは、皮肉にも群竜大陸の呪いによりかつてを凌駕する力を与えられていた。
 だが、竜の力はヒトの範疇に余るもの。
 溢れ出る『力』は戦士たちから繊細さを奪う諸刃の刃でもある。
 威力と引き換えに隙の増した戦士の技こそ、猟兵の付け入ることのできる『弱点』となるだろう。

※プレイングについて
 マスコメでも触れたように『弱点を突くプレイング』にはプレイングボーナスが付与されます。
 また、リプレイ執筆開始が19日以降となりますので、プレイング提出は17日午前9時以降としていただけると助かります。
コトト・スターチス(サポート)
辻ヒーラーのコトトですっ
皆さんをいやせるようにがんばります!

ぼくはケガしている方やピンチな方(特に一般人)がいれば、すぐさま『いやしのてのひら(少人数)』か『せいなるほのお(多人数)』で回復しながら【救助活動】をします!
辻ヒーラーとしてぜったいに治します!

回復がいらなければ、敵の攻撃を【見切り】つつ【情報収集】していきます
分析してゲットしたデータをいかして、適切なユーベルコードで反撃しますっ
ぼくは基本的に遠くから攻撃することが多いです
でも、いざとなれば殴りヒーラーもできますから、メイスでぽかりと【気絶攻撃】しますねっ!

※ネタ・シリアスどちらもOKですが、迷惑行為や公序良俗に反する行動はしません



●辻ヒーラー殴打行
 棘蜥蜴たちの連戦を終えた猟兵の元を訪れる1人の少女がいた。
 彼女の名はコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)。
 転移直後から猟兵たちの間を行き来し、負傷や疲労に応じた手当を施していく様子は『辻ヒーラー』の名に恥じない甲斐甲斐しさだ。
「今日も1日1ヒール! コトトです! ぼくは今日、アックス&ウィザードの群竜大陸に辻ヒールに来ていまーす」
 てきぱきと猟兵の調子を判断して適切な処置を提案していくコトト。
 そんなコトトに付き従い、辻ヒールの様子を録画しているのは黒猫型のドローン。
 披露される手法はユーベルコードだけでなく、知識に基づいたものもちらほら。
 辻ヒーラーとしてのコトトが持つ手技は幼い容姿からは想像できないほど正確。
 後程、編集を経てアップロードされる動画はコトトの想定とは違う層にも何度となく視聴されることになるだろう。
 だが。
「――この荒野は、我々が制圧するッ!」
「わっ!? ……でも、ぼくの辻ヒールはもう終わってるよ!」
 ここは戦場、皆殺しの荒野。
 猟兵たちに降りかかる戦火は相手を区別しない。
 戦火の姿は竜化の狂風に呪われし竜鱗と竜角の戦士。
 コトトもまた例外ではなく、竜角という凶器を帯びた肘撃ちが突き出されるが――。
「ヒーラーにメイスは付き物なんですよっ!」
 威力と引き換えに隙の大きい一撃を、コトトはその小柄さでもって回避。
 カウンターの要領で振り回されたメイスが捉えるのは戦士の側頭部。
 竜鱗による守りも、衝撃を主としたメイスにはそう高い効果を発揮せず。
 愛らしいエフェクトと共に鈍い音を響かせ、竜鱗ごと戦士の頭蓋が陥没した。
「これぞ、殴りヒーラーです! あ、くろねこさん、今のちゃんと撮れてますか?」
 ぐらりと倒れる戦士をバックに、コトトはにこりと笑った。
 ――ちなみに。
 返り血を浴びた笑顔が凄惨過ぎ、該当シーンは泣く泣くカットされたという。

成功 🔵​🔵​🔴​

イデアール・モラクス
@
ほぅ、お次はヒトの戦士団か…私好みのヤツもいそうだがお遊びするほど侮る気も無い…鏖殺だ!

・戦術
【アクセラレート】で飛翔し、魔剣ドミナンスを片手に構えた『空中戦・武器受け』で隙の大きな技を躱し受け流す万全態勢を整えた上で上空よりUC【鏖殺魔剣陣】を『全力魔法』で威力を増し、『範囲攻撃』で空を埋め尽くすほどの数に増やした上で『属性攻撃』により《炎》を纏わせ、『高速詠唱』を用いて『一斉射撃』と『乱れ撃ち』による二種の『制圧射撃』を敢行し敵勢を『蹂躙』
「血を媒介とした呪術…私とは相性が悪かったな」
魔剣は命中したら敵を『串刺し』にして剣に血を『吸血』させ、血を奪い使わせなくした上で『生命力を奪う』



●メギドの魔剣
 戦闘の疲れを辻ヒーラーの癒しで取り除かれ、イデアールは絶好調だった。
「そこのお前はなかなか私好みだが……さすがにお遊びはできんな!」
 舌先を覗かせ唇を湿らせつつ、イデアールはトンと軽い動作で跳ぶ――否、飛んだ。
 イデアールに三方から一斉に襲い掛かった戦士たちの攻撃が派手に空振り、空間を断ち割り大地に亀裂を残す。
「やはり。竜の力、侮ってはならんな」
 イデアールの身体を宙へ跳ね上げたのは彼女の誇る強化魔術『アクセラレート』だ。
 最早無意識化での常用すら可能なその魔術は、圧倒的な強化幅を誇り大地を蹴る力でもって長時間の滞空を許すほどのもの。
「だが、故に――油断はない! 魔女の万全を刻んで、逝けっ!」
 そして上空から繰り出すのは絨毯爆撃。
 イデアールの視た先へと降るのは、青天霹靂に突如として生まれ出た魔法陣を諸元とする幾多もの魔剣。
 超密度に凝集された魔力はもはや物理的な振る舞いを見せ、魔方陣により炎の力を宿されたそれらは硫黄の雨を思わせた。
「ぐっ――!?」
「我らの血よ、祝福ぞあれ……!」
 燃え盛る硫黄の剣が乱れ降り、戦士たちを切り刻む。
 傷口から噴き出る鮮血は、幾代も積み重ねられた果てに癒しの力を宿す魔血。
 しかし、イデアールは2重の構えでその癒しを咎める。
「その血に宿る力、使わせはせんよ」
 第1段階、硫黄の魔剣による超高熱空間。
 戦士の身体から流れ出た血液は、仲間の身体に届くことなく蒸発する。
「それに――さぞかし美味だろうなぁ、その血は!」
 第2段階、魔剣を介した吸血。
 降り注ぐ魔剣が戦士を直撃し、一瞬で干からびさせる。
 非実体の魔力剣が真紅に染まり、刀身に宿すのは1人分の鮮血。
「貴様らの強さは認めよう。大魔女たる私が手を抜けん相手だ」
 戦士を貫いた魔剣を手元に引き寄せ、刃を舐めるイデアール。
 その表情に満ちるのは戦士たちへの尊敬。
「……だが、相性が悪かったな」
 美味、と呟くイデアールはダンピール。
「故に我が喉を潤して散るが良い、破魔の戦士たちよ!」
 降り注いだ2度目の硫黄の雨が、戦士たちを切り刻み荒野を紅く染めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アメリア・イアハッター

わーお
ムッキムキでガッチガチ
蹴ったら痛そう…
ここはまともに戦わない方向で行きましょ!

集団戦で繊細な動きができないなら、まともに連携なんてとれないはず
いくつもの集団を攪乱して回ろう

集団を見つければUCを発動
集団の先頭、または中心にいる敵へ飛び込み蹴り付ける
敵のヘイトがこちらに向かったのを確認した後、追い風を起こしつつ即離脱
集団に飛び込んだ私を、連携が怪しくなっているであろう敵全員が狙えば、同士討ちも誘えないかな
攻撃力の上がった自分たちの攻撃は、そりゃもう痛いでしょう

それが無理でも、集団をひっかきまわしていけば、数の利は混乱により不利に転じるはず
ちょっかいかけて即離脱を、どんどん繰り返していこう



●ヒット&アウェイ
 戦士の顔面が、アメリアの靴裏に合わせて凹む。
 戦闘の先陣を切った者がもんどりうって倒れるのに巻き込まれ、後に続いていた数人の戦士たちはたたらを踏むことしかできない。
「連携は出来てるみたいだけど、やっぱりぎこちないね!」
 アメリアの身体は既に中空にある。
 戦士の顔を踏み台にトンボを切ったのだ。
「あの女を、追えっ!」
 鼻血を拭おうともせず、アメリアに踏み台にされた戦士が咆える。
 応じて、アメリアを追撃する戦士の数は3つ。
 左右から迫る2人に加え、もう1人は重力に捕らわれ落下しつつあるアメリアを槍で貫くべく真下へと。
「ヒュゥ、不器用になっても動きそのものは万全?」
 だが、アメリアはそこに確かに『弱み』を見出す。
 位置取りは確か、戦士たちの技量も高く、しかし。
「その大振りは、雑すぎたね!」
 竜の力に犯されていなければ間に合ったであろう連携攻撃は、呪いに穢されて大振りを強制されたことでアメリアに回避の隙を与えた。
 ――突風。
 突如として巻き起こるソレは、皆殺しの荒野に吹く狂風ではなく。
「風は、私よ!」
 アメリアを中心として巻き起こったそれが、戦士たちの大振りを後押し。
 大きく振りかぶられた攻撃は突風に巻かれて戦士たちに同士討ちを強いた。
「ぐぉ!?」
「……雌狐がァ!」
 竜の剛力が加わった戦技は戦士たちを自滅させ、それを見た『踏み台』が悔しげな声音で呻き――。
「女狐とはなにさ! 失礼な!」
「ッ!?」
 突風に乗り高く舞い上がったアメリアが繰り出すのは超高空からのドロップキック。
 両足を揃えた一撃は重力の力を借り、今度こそ『踏み台』を滅した。
「よし、次!」
 軽やかに宙へと戻るアメリア。
 他の戦士たちの追撃を振り切り、アメリアが選ぶのは一撃離脱の蹴撃戦。
 風と共に空を往くアメリアは華麗に戦場を舞うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木常野・都月
@

え。
野生のヒト?
というより、自然に近い暮らしをしてるヒト達か。

とりあえず敵には違いない。
猟兵として、倒さなきゃだな。

予め[野生の勘、第六感]で敵の動きに注意したい。
相手は野生みたいなヒトだ、油断できない。

力は強そうだけど、精神的な嫌がらせは苦手かな…?

という訳で、光の精霊様の助力で[属性攻撃、催眠術]を使って、白昼夢を見てもらいたい。

UC【精霊召喚】を使用、精霊様には縋り付いて、攻撃や妨害をお願いしたい。

敵の攻撃は[範囲攻撃、吹き飛ばし]の[カウンター]で凌ぎたい。

持ってるのが近接武器なら、近寄らなければいいんだ。

必要に応じて[属性攻撃]で追撃したい。



●野生と野性
 どさりと重い音を立てて、戦士の巨躯が倒れ伏す。
「これで……何人目だ?」
 幾体もの精霊たちを周囲に侍らせ、都月は油断なく周囲を見回した。
 今回召喚されているのは幻覚を始めとした『認識』を司る光の精霊たち。
 精霊たちは都月の祈りに応じて戦士たちに与えるのは白昼夢。
 ある者には過去の甘き幻想を、ある者には過ぎ去りし栄光を。
 またある者には、死の間際の悪夢を。
 いかに身体的な能力を強化されようと、精神、すなわち心の強さは変わらない。
 むしろ、竜化の狂風という呪いに付け込まれた戦士たちの心は過去と比べて弱まってるともいえよう。
「この荒野では力が全てなんだろうけど……」
 野に戻った戦士たちと、野に由来する性を持つ都月。
 類似した、しかし決定的に違う性質を持つ2者。
 故に、動物的な戦士たちの動きは都月にとって手に取るように理解できるもの。
 故に、常に後の先を獲る。
「俺が、わざわざその流儀に付き合ってやる理由なんかないからな――精霊様!」
 身動ぎとすら言えない僅かな攻撃の先触れを感じ取り、鋭く叫んだ都月に従って輝く精霊たちが戦士の元へと駆ける。
「妖術師め、そのような幻などに――!?」
 これまでの仲間たちのように容易くは行かないぞ、と咆えた戦士は、しかし精霊の纏った幻に息を呑んだ。
「ああ……貴方!」
 精霊が纏うのは女性の姿。
 戦士にとって、それは切り捨てた過去かそれとも忘れ得ぬ郷愁か。
 ともかく、その『女性』を見てぴたりと戦士の動きが止まった。
「何故、お前が――」
「卑怯と言われても、言い訳はしない。俺は猟兵で、お前はオブリビオン――油断も手抜きもできないから」
 思わず武器を取り落とした戦士へと、都月本人が追撃をかける。
 精霊の力を借りて都月が繰り出すのは光を利用した熱線。
 都月を中心とした円状の空間を乱舞した光は刃と化して戦士たちを切り裂いた。
「これでトドメだ」
 超高熱の刃は切り口を一瞬にして焼き切り、後に残るのは焦げ臭さだけ。
 血の一滴すら残さぬクリーン・キルを手際よくこなし、都月は野性の覗く冷酷な表情で荒野の果てを見つめるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

阿久間・仁
破魔だとよイフリート。こりゃいくらお前でも分が悪いなぁ?ケケケ。
やる気になったか?んじゃどっちが多く潰せるか勝負すっか!ヒャハハ!

でけぇ図体してるだけあって動きはトロいな。大ぶりな攻撃は【見切り】で簡単に避けれそうだ。
避けたらバットで殴る!……鱗で覆われてるだけあって硬ェな。こんな攻撃じゃ効かねェってか?
上等だ。その鱗ブチ破ってやるよ。集中して同じ場所殴って【部位破壊】してやるぜ。

イフリートの方は勝手に暴れてるみてェだが……まあアイツの炎にかかれば鱗なんざ有って無いようなもんだな。
筋肉もアイツらより上だしな。ケケ。
おいイフリート!俺もそっちに混ぜやがれ!ヒャハハハ!



●轟炎の悪魔と破魔の戦士
 最も混沌とした戦場。
 その中心には赤髪の少年と燃える悪魔が居た。
「おう、生きてるかぁイフリート!」
「我の心配とはずいぶんと余裕だな小僧!」
 乱戦上等で自ら戦士たちの只中へと飛び込んだ仁には少なくない手傷がいくつか。
 そのどれもが大きくても掠り傷なのは、戦士たちの大振りに付け込んでの乱打戦がそれなりに功を奏していることの証だ。
 現に仁に残る傷よりも余程多い人数の戦士たちがその周囲に倒れている。
「ハン、破魔の力とあっちゃ分が悪いと思ったけど、そうでもないってか」
「何を当たり前のことを。我を誰と思っておるか」
 殴打音と共に、肉の焦げ爆ぜる音が響く。
 仁目掛けて大剣を振りかぶった戦士の側頭部がバットのフルスイングで撃ち抜かれ、イフリートの懐へ入り込もうとした戦士が焼き尽くされたのだ。
「でけぇ図体にトロい動き。触れれば痛くても、そもそもお前に触れられねぇか」
「然り」
 くるくるとバッドを振り回し、仁は背後のイフリートとのお喋りを止めない。
 それは余裕の表れか、あるいは戦の愉しみが口を軽くさせるのか。
「さぁて――ここまでは五分。そろそろどっちが多く潰せるか本気出さなきゃなぁ!」
 姿勢を低く持ち、仁が戦士たちの只中を駆け抜ける。
 一撃の重さで言えばイフリートに分があるものの、小回りならば仁が勝る。
「先ほどからちょろちょろちょろちょろと!」
「はっ、遅ェ遅ェ!」
 真正面から戦士とやり合うイフリートよりも素早く、的確に。
 まるで太鼓を叩くようなペースの連打で同じ場所を叩き続け、竜鱗の防御をごり押しで貫いていく仁。
「そぉれ、ホームラン!」
「ぐぇ――」
 蛙の潰れるような声を残し、戦士の身体が宙を舞った。
「おいイフリートォ! まだかかってんのか、俺も混ぜやがれ!」
 ヒャハハ、と甲高い笑い声と共に仁の身体が戦場に踊る。
 戦士の身体をボール代わりに、快刀乱麻のホームランゲームは戦士たちが全滅するまで終わることを知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『サヴェージ・ギャルズ』

POW   :    アマゾネス・スマッシュ
単純で重い【武器または素手、素足】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    バーサーカー・ドライブ
【トランス状態になる】事で【狂戦士モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    フィアー・ビースト
【口】から【野獣のような咆哮】を放ち、【恐怖を与えて萎縮させること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:Nekoma

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蛮竜少女
 竜鱗と竜角を得た戦士たちは、しかし力を御しきれずに敗れた。
 最早、皆殺しの荒野に残るのは猟兵と女蛮族のみ。
 棘蜥蜴と破魔の戦士、その双方と戦い疲弊しているのは猟兵も女蛮族も同じ。
 それでもなお、女蛮族たちはどこか余裕を思わせる表情で猟兵に相対していた。
 背には竜翼、四肢には竜鱗。
 あからさまに赤黒く染まった竜角は、凶器であることを隠そうともしない。
「アンタら、イェーガー? この荒野はアタシらのなんだけど」
 開戦当初と比べても、女蛮族の数は減ったようには見えない。
 それだけの少なさであれだけのオブリビオンたちと拮抗し、その上で一人たりとて欠けることなくこの決戦まで生き残り続ける。
 竜化の狂風が3つの呪いを与えたその強さに疑うべきところなどなく。
 猟兵の付け入る隙はただ1つ。
 女蛮族たちが持つ強さへの慢心、勝機はそこに。

※プレイングについて
 マスコメでも触れたように『空戦能力に対応し』かつ『弱点を突く(=相手の慢心に付け入る)』の双方を満たした場合にプレイングボーナスが付与されます。
 プレイングはこの断章投稿直後から受け付けますが、執筆時間の都合により再送をお願いする可能性がありますのでご了承ください。
木常野・都月
空も飛んで、硬い敵。
全部盛り込んできたな。

それなら俺も全部つぎ込むぞ。

宙に浮く事は出来る。
地の精霊様に頼んで、足の裏から電磁場を発生させたい。

後は杖を逆手に持って、杖を跨いで…
杖の先から風の精霊様を発射!
これで[空中戦]を挑みたい。
やったぞ!遂に空を自由に飛べる!

加えて杖を持ってない手に、エレメンタルダガーを装備。
光の精霊様の[属性攻撃]を付与して、敵に体当たりしつつ、焼き切って行きたい。

UCは【全力一刀】を使用、接近戦しか挑めないからな。

敵の攻撃はエレメンタルダガーで[カウンター]を。
風の精霊様の助力で加速しつつ、[野生の勘、第六感]で対処したい。



●精霊術士の一刀
 広い荒野で、戦闘の音は散発的に。
 女蛮族たちはそれぞれの「好み」があるらしく、それぞれが1人の猟兵へと執着しており戦場は自然と分裂する形となっていた。
「ほぉら、イェーガー。翼もなーんもないアンタじゃ此処まで届かないでしょ♪」
 キャハキャハと騒がしい声で笑いながら宙を舞う女蛮族を、都月は羨ましさが半分ほど込められた表情で見上げる。
「それで、どうするって?」
「手も足も出させない、ってことよ!」
 挑戦的な都月の言葉に呼応して女蛮族が急降下。
 都月の頭上から真っ向唐竹割りの強大な一撃が降り注ぎ――。
「アハ、獲った!」
 大地が砕ける。
 比喩表現ではなく、その一撃は地面を大きく抉り取り巨大なクレーターを形作り、巻き上げた土砂の只中に都月の姿を消し飛ばした。
「やっぱ、アタシらがサイキョーよねぇ?」
「――それで全力か」
「は……?」
 都月の生死を確認すらせずケラケラと笑っていた女蛮族が、突如として横合いから聞こえた声に固まる。
 土煙を突き破り強襲するのは全身の毛を逆立てた都月。
 ばちりばちりと空気が爆ぜる音を纏い、杖に跨り青白い稲光と共に突進する都月は今まさに重力の軛から解き放たれ、宙を駆けていた。
「俺も、全部つぎ込んでいる!」
 大地の精霊より地磁気を操る力を借り、風の精霊より吹き荒ぶ嵐の力を借り、それらを組み合わせて成し遂げたのは電磁飛行。
 課題が残るとすれば飛び立つまでに必要なタイムラグと、暴風の力を借りるが故の高すぎる直進性……つまり曲がるのが苦手なことだが、己の強さに慢心した女蛮族を相手に奇襲を仕掛けるには十分な速度と勢いがあった。
「このっ……」
「遅いぞッ!」
 女蛮族が慌てて武器を振りかぶるが、すでに遅い。
 瞬間的な最大速度でいえばマッハに迫ろうかという都月の突進は、その動作を見てから防御が間に合うような代物ではない。
「これが、俺と精霊様の――全力だ!」
 女蛮族の懐に飛び込むタックルには刃が伴う。
 都月が片手で構えていたエレメンタルダガーは白く赤熱し、まるで溶けたバターを削り取るように女蛮族の鳩尾へと突き刺さった。
「な、あ!?」
「俺だって、空を飛べるんだ!」
 エレメンタルダガーに宿っていた光の精霊が力を解き放つ。
 花火のように爆ぜた白光が収まる頃には、女蛮族の姿は跡形もなく消え去っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
@
クク…威勢のイイ連中だ、ヤり甲斐がある!

・戦法
「認めよう、確かにお前達は強い…だが全力の私は今より数段強いぞ。
なぁ…ソレを見てみたくはないか?」
敵は強い、隙を突くには慢心を利用し私の全力を用意する必要がある…あえて挑発的に囁きながら『多重詠唱・高速詠唱・全力魔法』によりUC【魔剣の女帝】と【精神抵抗強化術式】を自身に付与、万全の態勢で魔剣を無尽蔵に召喚『乱れ撃ち』『一斉発射』で雨霰と射出、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して『制圧射撃』をかけ『蹂躙』
「私に恐怖を与えるなど、無理だ」
そして高速飛翔の『空中戦』で敵の攻撃を躱しながら『属性攻撃』で炎を纏わせた魔剣ドミナンスで『薙ぎ払い』『焼却』する。



●魔女の口車
 それで、とイデアールはどこまでも軽い調子で口を開いた。
「お前たちが強いことは認めるが……それは『格下』を甚振って満足できることと同じいみなのかね?」
「もしかして新手の命乞い?」
 竜翼で滞空したまま、女蛮族は鼻で笑う。
 だが、イデアールにとって女蛮族の応答は何であっても構わない。
 ともかく口を開かせて自分のペースに乗せることが目的であり、馬鹿にした態度を崩さない女蛮族は既にイデアールの術中にあるのだ。
「別にそう捉えて貰っても構わんが……」
「ふぅん、イェーガーって思ってたより弱腰なんだ」
 女蛮族がケタケタと笑う。
「(戦場にあって敵にペラペラ喋ることを許すとは。確かに強靭な体に竜の力は脅威だがいかんせんオツムの方が足りなかったようだな)」
 力こそ脅威だが頭は悪いと評する声はさすがに心の中へ。
「まぁ、そういうわけだ。今より数段は強い私の全力、見てみたくはないか?」
「いーよぉ、そしたらワタシが勝っても言い訳出来ないもんね!」
 笑い過ぎた涙の痕を擦りながら女蛮族が頷く。
 あくまでも己の勝利は揺るがない、とでも言いたげな様子は皆殺しの荒野を少人数で生き延びてきた過去に裏付けられている。
「そうか――なら、遠慮なく行こう」
 女蛮族の慢心に苦笑しつつ、イデアールは会話に紛れ込ませた術式を完成させる。
 イデアール程の実力があれば、会話の中に詠唱を組み込むのも造作もない。
 さらに、それをこなすための『雑談』に付き合ってくれた女蛮族に心からの感謝を捧げつつ、イデアールは本気を、魔剣持つ銀の姿を開帳する。
「なるほど、それなら負けないって?」
「そうだ、これこそが私の真の姿、ソード・エンプレス!」
「けったいな名前を!」
 女蛮族の矮躯から放たれるのは、荒野全体を震撼させる大音声。
 それは野獣の如き咆哮で敵対者を竦ませるユーベルコードだったが――。
「無駄だ、魔剣の女帝は恐怖を知らん!」
 本能を逆撫でする咆哮を魔術でレジストし、イデアールは無数の魔剣で逆撃。
 魔剣の弾雨は紛う事なきイデアールの全力射撃、横殴りの暴風雨の如く叩きつけられるそれらに瞬く間に女蛮族の竜翼はズタボロになり。
「ワタシの翼が!?」
「貰い物に胡坐をかきすぎたな、オブリビオン!」
 姿勢を立て直そうと宙でもがく女蛮族を、イデアールの構えた魔剣ドミナンスが炎を纏う一閃で以て両断した。
「そん、な!?」
「魔女の口車に乗ったのが敗因だよ」
 血振りの残心。
 それと同時に、魔剣の炎が女蛮族を灰すら残さぬ業火で焼き尽くすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

阿久間・仁
ぐだぐだ言ってねェでかかってこい。強いんだろ?
その角が見掛け倒しじゃねェってところ見せてみろや!ヒャハハ!

ってな感じで【挑発】すりゃ一匹は釣れるか。
近づいてきたら【カウンター】気味にバットで打ち返す!
野球は得意だぜ?乱闘要員だがよ。ケケケ。
お次はUC【獄炎球】だ。これなら飛んでようが関係ねェ。
ケケ。避けれたからって油断してんなよ?当たるまで追い回してやっからよ。

てめぇらそんな咆哮で俺がビビると思ってんのか!?
相手ビビらすんならもっと腹から声出せや!
【気合い】【恐怖を与える】【大声】で俺が手本見せてやるよ!ヒャハハハ!



●フルスイング
 轟と空気が揺れる。
 女の身体から発されたとはとても思えない恐慌を促す叫び声は、けれども仁にとっては鉄火場でよく聞きなれた怒号とさしてかわらない。
「その程度で俺がビビると思ってんのか、あァ!?」
 下手をすれば鼓膜の破れかねない咆哮を『その程度』と切り捨て、仁は未だ空に居る女蛮族へとメンチを切る。
「へぇ、少しは骨があるってことじゃん」
「グダグダとお喋りばっかりだなぁ、クソアマァ! その角は飾りか?」
「なら、お喋りはおしまいよッ!」
 仁の挑発に、余裕をもって乗る女蛮族。
 己の威容を示すように竜翼をはばたかせ、急降下。
 大きく振りかぶられた蛮族の得物は徒手空拳、しかし竜鱗と竜角で強化された両腕は下手な武器よりも強力な凶器。
「あーしらの強さを刻んで逝きな!」
 突き出されるのは鋼すら貫く貫手。
 常人であれば本能的な死への恐怖から回避を強いられるソレを、仁は一歩たりとて動くことなく迎え撃つ。
「足が竦んだか!」
「――誰がてめぇを怖がったて?」
 スウェーバックは一瞬。
 片足を引き、一本足打法の構えをとると同時に半身になることで紙一重のところで女蛮族の貫手を躱す仁。
「くぅ……」
 いつの間にか肩の高さまで振り上げられていた仁のバットが見えたのだろう。
 必殺の一撃を回避され、仁の反撃の構えに女蛮族は呻く。
「野球の時間だぜ? ボールはてめぇだ!」
 内角低めを抉るようなフルスイング。
 女蛮族の腹を掬い上げるように勢いよく振り抜かれたバットが、肉を叩く鈍い音と共に女蛮族をホームランコースに乗せた。
「乱闘用だがよぉ、結構いいスイングだろ?」
「なに、を――!」
 竜鱗の防御へとじわりと浸透する鈍痛に表情を歪める女蛮族。
 打球の如く錐揉み回転を与えられた女蛮族は竜翼で姿勢を正そうともがくが――。
「ついでだ、手本ってやつを見せてやんよ――ダッシャァ!」
 先の咆哮に負けず劣らずの大声で吼える仁。
 鈍痛に混乱する女蛮族の気勢を削ぐのに十分な声量とタイミングで放たれた恫喝の一声は、女蛮族の思考をほんの一瞬とはいえ恐慌に染めた。
「ヒャハハハハ、ゲームセットォ!」
 追撃の一打は燃え盛る魔球。
 仁の一声に隙を曝してしまった女蛮族に、それを回避する術はない。
 バットのフルスイングで打ち出された特大の獄炎球が女蛮族の全身を呑み込み、群竜大陸の空の果てに輝く星へと変えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミスト・ペルメオス
【SPD】

――行くぞ、ブラックバード…ッ!

愛機を駆って戦闘に復帰。
マシンヘルム等を介して念動力を活用、機体のフルコントロールは抜かりなく。
…相手は多数の敵をものともしない、強力な女蛮族。使えるものはすべて使って挑む。

スラスターを駆使した立体的な戦闘機動を実施。
ビームアサルトライフルや可変速ビームキャノン/対機動兵器モードで迎撃・牽制。
追随され、回避され、肉薄されて…そこまでは許す、が。
ビームシールド/サーベルで防御・カウンターの斬撃。マシンキャノンの接射。
迂闊に近づけば喰い破る。下手に離れれば今度は見切り、捉えて撃ち砕く。
【“黒い鳥”】は、簡単には墜ちてやらない。

※他の方との共闘等、歓迎です



●蛮族と機人
 女蛮族は、己の領域であるはずの『空』で認識を根本から叩き直されていた。
「くそっ、どこに行った……!」
 デカい鎧を纏わなければ己の前に立つことすらできない軟弱者。
 あの黒い鎧を纏う少年は、女蛮族の基準に照らし合わせればこの上ない弱者であったはずだというのに――。
『小回りは効いても、視界は狭いらしいな』
「くっ……!」
 音速を越えたことを示す白い雲を背に引き連れ、女蛮族の頭上から三次元戦闘を仕掛けるのはミストの駆るブラックバード。
 ミストを見失い、狼狽えていた女蛮族は頭上から降り注ぐ銃弾の雨を寸でのところで回避してみせるが、ユーベルコードによるトランス状態ですら回避が精一杯だという現状にギリギリと歯軋りをする。
「クソがっ!」
『当たってなどやらん!』
 対して、ミストはがむしゃらに振り回された女蛮族の斧を余裕をもって回避。
 空という戦場で、竜の力を与えられた女蛮族を翻弄していると言って過言ではないその動作はミストが2つ名の通りに『鳥』であることの証左。
『油断も、慢心も。敵を前にして、そんなのに捕らわれて!』
 回避行動から旋回を挟み、ミストはブラックバードの真正面に女蛮族を捉える。
 手甲から伸びたビームサーベルを突き出し、狙うのはギリギリの回避で姿勢を崩している女蛮族の首。
 だが。
「アタシらは強いんだから、当然さ!」
 ブラックバードの振るったビームサーベルが、その基部に斧をぶつける形で鍔迫り合いへと持ち込まれる。
 体躯の差があれど、攻撃の要所でしっかりと応撃を重ねてくる女蛮族の技量に、そしてそれを叶える身体能力とユーベルコードに舌を巻くミスト。
『確かに、強い。けどっ!』
「どうするっていうんだい?」
 ギリギリと、ぶつかり合ったブラックバードの装甲が斧の圧力に負けて歪み始めるのを見て、女蛮族はニヤリと笑う。
「手は塞がってるんだ! 手出ししようにも……」
 そう、それが女蛮族の知る強さの限界。
 いかな巨躯でも腕は2本、鍔迫り合いにそれを割いていては攻撃の手など残る筈がないという想像力の欠如と慢心の表れ。
『私と、ブラックバードを、舐めるなァ!』
「え――?」
 僅かな体軸の変更。
 機械だからこそできる人体の構造から外れた動きに虚を突かれた女蛮族の呻き声はそのまま最期の言葉と化した。
『撃ち砕け、ブラックバード!』
 超至近距離、内蔵火器の一斉射。
 鎧装という『人ならぬ機人』を操るミストだからこそ出来る必殺は、女蛮族の身体を無数の肉片へと変えて骸の海へと送葬するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虹結・廿
了解、任務を遂行します。

慢心を付け入る、と言うのはあまり覚えがありませんが、油断をしていると言うのならば、目を剥く様な大きな打撃を与えましょう。

分隊起動、βγδは私と共に敵の牽制を。

ダメージを与えずとも構いません。
被害を抑え、堅実に、確実に銃弾を叩き込んで。
常に分隊の位置を把握した上で、二射線以上でクロスファイアを。
相手に脅威を覚えさせる必要はありません。
かと言って無視されない程度に構い続けます。

そして、εは敵が最も油断した瞬間にオメガデリンジャーを『直接』叩き込んで下さい。

目標位置は固定しませんので、αβγδの視覚情報から測定し確実に頭を狙撃し破壊してください。

貴女達ならやれます。

行動開始。



●任務完了
「β、γ、δ、牽制射撃を継続!」
「ああもう、ウッザ!」
 地上から上がる火線の数は4つ。
 廿を中心としてほぼ等距離、複製義体により形成された三角形の陣容は女蛮族の位置に合わせて柔軟に位置を替えながら途切れなく弾雨を天へ穿つ。
「遠くから虫のようにチクチクと! お前らの攻撃なんざウザいだけで!」
 最低でも常にクロスファイア、多い時には4つの銃口に狙われてなお『ウザい』の一言で済ませるのは竜化の狂風が与えた高い防御能力故に。
 現に、廿たちの弾丸は女蛮族を捉えてもせいぜい擦過痕を付けるのが精一杯だ。
「ならばこちらとしても満足です。ウザがられることが目的ですので」
「こ、のッ!」
 だが、ロクに手傷を与えられていないことを廿はまるで悲嘆していない。
 それどころか、女蛮族が順調に苛立っていることにしてやったりという表情で挑発するほどの余裕を見せている。
 女蛮族からすれば近寄りさえすれば一瞬で決着の着く猟兵たち(実際は1人)に延々と時間を稼がれている形であり、苛立つのも仕方のない状況。
 そして、怒りというのは慢心とはまた違った意味で隙を産む感情だ。
「――お前たちをヤって、とっとと終わりにする!」
 堪忍袋の緒が切れたと、女蛮族は被弾を覚悟で距離を詰める。
 恐慌を呼ぶ咆哮も己を強化するトランス術もなしに、ただ愚直に策もなく突撃する様子はまさに蛮族といった立ち回り。
 強者であるからこそ成立する『一方的に力を押し付ける』戦法は、相手が冷静に対処するのであれば効力半減どころではない。
「一方的に狩れる相手だと……! フォーメーションOD!」
 そして、廿にとって女蛮族が痺れを切らして突っ込んでくるのは狙い通り。
 がむしゃらに突っ込んでくる相手をキルゾーンに誘い込み確実に撃破するのは、一人軍隊である廿が得意とする戦術のひとつ。
「「「了解ッ!」」」
 親機である廿の指令を受け、複製義体たちが隊列を変更。
 これまでのような無視されない程度の差し込みから、敵の侵攻ルートを制限するような弾幕射撃へと切り替えて女蛮族を迎え撃つ。
「痛くねぇって、言ってるだろォ!」
「でしょうねっ!」
 廿もそれに加わり、わざと足を止めて女蛮族の突撃を待ち構える。
「頭はお前だろ! だからまずはテメェから……!」
 弾幕射撃をものともせずに肉薄した女蛮族が、大きく得物を振りかぶり――けれどもその一撃は為されることなく、女蛮族の首から上が突如として吹き飛んだ。
「一撃必殺というのは、こうやるのですよ」
 女蛮族が振りかぶるのと同時にしゃがみ込んだ廿の背後には、最後の一瞬まで秘匿され続けていた最後の複製義体εの姿。
 εの構えるオメガデリンジャーからはうっすらと硝煙が漂っており、女蛮族の頭を吹き飛ばした一撃の正体を示していた。
「――行動完了。任務遂行を確認」
 皆殺しの荒野に満ちるのは奇妙なまでの静寂。
 今、静寂が語るのは戦前の緊張感ではなく、猟兵たちが荒野の一角を制圧したという事実であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月27日


挿絵イラスト