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アルダワ魔王戦争9-A〜希望を喰らい世界を喰らう終の王

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争 #大魔王 #ウームー・ダブルートゥ #オブリビオン・フォーミュラ

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「好きに、望むがよい。好きに、願うがよい」
 深き迷宮の最奥。そこにはじまりの玄室と呼ばれる玉座の間がある。
「願い、望み、祈り……すなわち『希望』は、汝らが知的生命体である事の証左なのだ」
 語るはこの迷宮の主、さまざまな生き物を組み合わせたような大魔王の最終形態。その姿は見る者を畏怖させ、目には知性の光が宿る。
「我は、汝らの肉の他に、希望そのものも喰らう。
 汝らが武力を願えば、我も強き形態を得る。
 汝らが勝利を望めば、我も勝利の術を得る。
 汝らが幸せを祈れば、我に幸運が齎される」
 貪欲にこの世にあるもの全てを喰らい糧とする魔王としての絶対的な力がその身から溢れ出す。弱きものならばその気に中てられただけで息絶えるほどの力だった。
「知的生命体よ、願いを持て。望みを持て。祈りを持て。我はすべての希望を聞き届け、我が糧としよう」
 この場に現れるものは全て己が糧でしかないと、あらゆる希望を喰らう最強の魔王の自負を以って我はここに在りと全ての猟兵に告げる。
「我はウームー・ダブルートゥ。汝らが『大魔王』と呼ぶ、この世の全てを喰らうもの……!」


「諸君等の活躍のお蔭で、とうとうダンジョンの最奥。最後の大魔王が待ち受けるエリアに到着することができた」
 バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)がここまで強行軍で迷宮攻略を行った猟兵達を労い、全てのエリアが解放された地図の最も深くにある場所を指さした。
「相手は大魔王の最終形態『ウームー・ダブルートゥ』。その戦闘力は今までの大魔王を超える。だがこれを討てば我々は勝利を掴み取ることが出来る」
 ここが正念場だ。敵は強大だがこの戦いに勝てば戦争に勝利することが出来るのだ。
「戦場となる『はじまりの玄室』は広々としていて、玉座があるだけで障害物を気にする必要はない。正面からぶつかり合うような状況となるだろう」
 戦場は広くこちらが大人数でも問題なく戦え、視界も開けていて罠もない。全力で戦うに適した場所だ。
「大魔王は皆の希望を喰らったり、他の大魔王を召喚したりとさまざまな強力な能力を持つが、その中でも厄介なのが先制攻撃だ。まずは全力で身を守らなくてはならない。対処する方法を考えておかねば、大ダメージを負って反撃が難しくなるだろう」
 敵が先んじてユーベルコードを発動する。それに上手く対処できれば全力で反撃を行える。

「最後の敵だけあって、その力は怖ろしいものがある。だが険しい迷宮を踏破してここまで辿り着いた諸君等ならば、大魔王を討てるはずだ」
 バルモアは猟兵達を頼もしく思いながら、大魔王が待ち構える玉座の間へとゲートを繋いだ。
「この戦いに世界の命運が懸かっている。全力を出し尽くし勝利を手にせよ!」


天木一
 こんにちは天木一です。アルダワ魔王戦争もラスボスが登場しました! 最終形態『ウームー・ダブルートゥ』との決戦となります!

 このシナリオは、1章だけで完結する戦争シナリオとなります。
 大魔王は必ず先制攻撃を行ってきます。皆様のユーベルコードよりも先に発動します。それに対する対処法を編み出すと、プレイングボーナスを得て有利になれます。
 使ってくるユーベルコードは皆様が設定しているユーベルコードの種類(POW・SPD・WIZ)と同じものです。

 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
 ラスボス戦です! 大魔王との激しい戦いを制し勝利を手にしてください!
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第1章 ボス戦 『『ウームー・ダブルートゥ』』

POW   :    ホープイーター
【敵対者の願い】【敵対者の望み】【敵対者の祈り】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ホープブレイカー
【敵が恐れる大魔王形態(恐れなければ全て)】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    ホープテイカー
戦場全体に、【触れると急速に若返る『産み直しの繭』】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:hina

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ソラスティベル・グラスラン
生きる厄災よ、勇者の宿敵よ
この瞬間を待ちわびました
さあ!英雄譚を紡ぎましょう!

【オーラ防御・盾受け】で守り【怪力・見切り】で受け流す
【第六感】で察知し万全な【継戦】を
耐えて耐えて耐え延びて、只管に前進
攻撃を縫い【ダッシュ】、我が大斧を叩き込む為に

物語の英雄たちと並ぶ為に、何より愛した大魔王
『勇者』とは勝利を願われ、望まれ、祈られる者故に逆は無い

ですが唯一願います、『艱難辛苦』を!!
より強く、激しい試練を!

これほど滾る戦いはありません!
無数の試練を越え貴方を打倒し!わたしは真に『勇者』となる!
さあ…待たせましたね、勇者の大斧よ
胸中に燃える我が【勇気】に応え

『勇者』の証明をここに―――ッ!!!


フォルク・リア
「前にも増して都合の良い力を持っているな。
で有っても、それに抗する方法も十分ある。」
「さあ、始めるか。」

迷宮に十分注意し【念動力】も使い
細かい繭にも触れない様に遠ざけ
体の周囲は【オーラ防御】で覆いガード。
移動中もマッピングしつつ地図を作製
出口か敵の元へ向かう、
方向が分からなければ【第六感】で進行方向を決定。

迷宮の状態に注意し隙があれば
不浄なる不死王の軍勢を使用。
引き続き月光のローブや【オーラ防御】で身を守り。
召喚したもの達の物量作戦で迷宮を踏破、
敵に接近した魔物と不死王に敵を攻撃させ
残ったものには自身の護衛をさせる。
「言われるまでもなく。好きに望み。
叶えさせて貰う。魔王の滅びと言う未来をね。」


アネット・レインフォール
▼心情
やれやれ…参ったな。
今回ばかりは対処方法が思いつかない。

捨て身の一撃を繰出した所で
致命傷を与えられるか疑問も懸念も残る。

狙うなら相打ち覚悟で心臓部への一撃だが…

▼POW
先ず敵の心臓部や致命傷に繋がる箇所を探しつつ
相打ちや戦闘不能を覚悟する。

共倒れを願う事で、実質敵の能力を
自分と同じ領域まで低下させる。

全ての武器を手放し念動力で周囲に。
攻撃方向を探るセンサーに使い限界まで間合いを詰める。

敵の攻撃に貫かれながらも
一瞬で破壊に最適な武器を選び
零距離で【無刀閃】による一撃を叩き込む。

…もし不発に終わり意識が飛んでも
剣を支えに膝は折る事だけは決して――。

戦闘不能後の回収は任せる。

連携、アドリブ歓迎



●未来への一歩
「来たか、知的生命体よ」
 玉座に座す大魔王『ウームー・ダブルートゥ』が気配に気付いて立ち上がる。
「生きる厄災よ、勇者の宿敵よ、この瞬間を待ちわびました。さあ! 英雄譚を紡ぎましょう!」
 最初に姿を堂々と見せたのはソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)だった。蒼空色の巨大斧を構え大魔王へと挑む。
「それが汝の願いか、確かに聞き届けたぞ」
 ウームー・ダブルートゥの身体が炎を纏い、獣のような下半身が力強く地を蹴って一瞬にして間合いを詰めた。
「汝の願いによって汝を滅ぼす」
 その前脚がソラスティベルを蹴り上げる。ソラスティベルは大斧を盾にして防ぎ、自らも後方へ跳び退いて吹き飛ばされることで衝撃を逃した。
「浅いか、ならば次は踏み潰してやろう」
 それを追いかけウームー・ダブルートゥが駆け出す。そして着地地点で前脚を振り上げ、着地したばかりのソラスティベルを踏み潰す。しかしソラスティベルが大斧で受け止め、全身に強い衝撃を受けながらもその重圧に耐えた。
「耐える……勇者はどんな苦難も耐えて耐えて、前に進む!」
 根性で以ってソラスティベルは、圧倒的な力を耐え凌ぐ。

「あれが魔王か」
 その姿を目にしたフォルク・リア(黄泉への導・f05375)が仲間を助けようと足を踏み出す。
「各個撃破が上策。汝はこの迷宮で果てるがよい」
 しかしフォルクを視界に収めたウームー・ダブルートゥは、その身から発する魔力を高めて腕を振るう。すると触れたものを若返らせる『産み直しの繭』で出来た迷路が作り出され、先手を取ってフォルクを迷路の中へと呑み込んだ。
「前にも増して都合の良い力を持っているな。で有っても、それに抗する方法も十分ある」
 フォルクは身体にオーラを纏い、念動力によって細かな繭にも触れない様に遠ざける。
「さあ、始めるか」
 繭に触れぬよう十分に注意して迷宮の出口を探して歩き出した。
「特殊能力は脅威だが、迷路自体はそれほど複雑ではなさそうだ」
 マッピングして地図を作りながらフォルクは着実に出口に向かって進んでいく。

「やれやれ……参ったな。今回ばかりは対処方法が思いつかない」
 迷路に巻き込まれるのを逃れたアネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)は、強大な力を持つ魔王とどう戦おうかと思案していた。
「捨て身の一撃を繰出した所で、致命傷を与えられるか疑問も懸念も残る。狙うなら相打ち覚悟で心臓部への一撃だが……」
 果たしてそれが通じるだろうかと疑念を抱きながらも、アネットは試してみる価値はあるかと敵の間合いへと踏み出した。
「汝は何を望む。汝が望むほどに我は力を得る」
 ウームー・ダブルートゥの視線がアネットに向けられ、踏んでいたソラスティベルを大斧の上から思い切り踏んで、床を陥没させて埋めてしまい、アネットへと駆け出す。
「胸か……頭か……」
 致命傷を与えられそうな箇所を探しながら、アネットは共倒れを願って敵の能力を低下させられないかと試す。
「汝の望みは相討ちか、その望みを試してみるがよい」
 速度を上げたウームー・ダブルートゥが飛ぶように突進し、刀を構えるアネットを撥ね飛ばす。空中でくるりと回転したアネットは受け身を取って着地した。その口の端から血の雫が流れ落ちる。
「これが地力の差か、だけど能力の上昇は抑えられてるはず……」
 ならば一太刀届けてみせると、アネットは周囲に念動力で斧に槍に剣と所持する全ての武器を浮ばせる。

「しぶとい。これが知的生命体の力か。だが我の力はそれを奪い凌駕する」
 ウームー・ダブルートゥはもう一度突進しようとする。だがそこへ迷路を踏破したフォルクが飛び出してきた。
「物量作戦を使えば迷路の攻略も難しくない」
 その周囲には骸骨姿の不死王率いる、無数の死霊と魔物の群れが辺りを埋め尽くす軍勢となって共に迷路を脱出していた。
「あの迷路を生還したか、侮れぬ者どものようだ」
 ウームー・ダブルートゥは不死王の軍勢に向けて魔力の波動を放つ。それに中てられた死霊は消滅し、魔物は弾け飛ぶ。
「偉大なる王よ、魔の王を名乗る傲慢不遜な魔物に懲罰を」
 フォルクの進言通りに不死王が手を振るうと、一斉に軍勢が動き出し、死を恐れずにただ敵に向かって襲い掛かる。
「矮小なる存在が幾ら歯向かおうとも我には勝てぬ」
 ウームー・ダブルートゥが魔力を津波のように発して薙ぎ倒す。しかし身体が欠損しようとも引かずに魔物は敵の脚に喰らいつき、死霊は触れて精神を削ろうとする。
「汝ら下郎が我に触れること能わず」
 手で印を結びウームー・ダブルートゥの後光が輝くと、群がる軍勢は消し飛んだ。

「物語の英雄たちと並ぶ為に、何より愛した大魔王。『勇者』とは勝利を願われ、望まれ、祈られる者故に逆は無い」
 力を放ち敵の動きが止まった隙に、埋もれていたソラスティベルが瓦礫の中から飛び出す。
「ですが唯一願います、『艱難辛苦』を!! より強く、激しい試練を!」
 そして一直線に敵に向かい、大斧を敵の左前脚に叩き込んだ。ざっくりと刃が入り血が流れ出す。
「苦難が汝を強くするか、ならば我もまたこの苦難で強くなろう」
 ウームー・ダブルートゥが左腕を振り上げる。そこには強大な魔力が宿り、ソラスティベルを消し飛ばさんと手刀を作った。だがそれを邪魔するように、槍や斧や剣といったさまざまな武器が飛んでくる。
「やらせはしない」
「汝から先に死を望むか」
 駆け寄るアネットの放った武器をウームー・ダブルートゥは腕の一振りで払う。だがその隙を突き、アネットは胸目がけて飛び込み、懐に入ると刀を振り下ろす。剣気を宿した必殺の刃が敵の胸にある大きな宝石を斬る。しかしその刃は途中で止まった。硬いだけでなくすさまじい魔力に満ちた宝石はただの石ではなく、強度だけでなく、魔力が粘度を持ったように刃を阻んだ。それと同時にウームー・ダブルートゥが貫手を放ち、アネットの腹を貫き地面に投げ捨てた。
「油断か、否、それだけの力を持っているからこそ、この者達はこの場に存在している」
 ここはダンジョンの最も深き場所。そこに到着した猟兵達は魔王に届く力を秘めているのだと、ウームー・ダブルートゥは胸の宝石から漏れる魔力を塞ぎながら再確認する。
「我に油断はない。汝らの望みで我は汝らを滅ぼそう」
 ウームー・ダブルートゥは止めを刺そうとアネットに近づく。
「言われるまでもなく。好きに望み。叶えさせて貰う。魔王の滅びと言う未来をね」
 フォルクは残った不死王の軍勢を一斉に襲い掛からせる。敵の下半身の肉を喰い千切り、不死王は身体を腐らせていく。
「未来は我の手にある。汝らにあるのは今、この世界より果てる運命のみ」
 ウームー・ダブルートゥは後光が輝くような魔力を放ち、不死王もろ共軍勢を跡形もなく消し去った。
「これほど滾る戦いはありません! 無数の試練を越え貴方を打倒し!わたしは真に『勇者』となる!」
 その魔光にも負けぬ闘志を燃やし、ソラスティベルが突っ込み高々と跳躍した。
「さあ……待たせましたね、勇者の大斧よ。胸中に燃える我が【勇気】に応え、『勇者』の証明をここに―――ッ!!!」
 ソラスティベルの振り下ろす大斧がウームー・ダブルートゥの頭部に直撃する。額が割れ鮮血が滴り魔王の顔を赤く染めた。
「汝の勇気見事なり、我の力に相応しい」
 ウームー・ダブルートゥが手刀を掬い上げるように放ち、ソラスティベルの身体を大きく吹き飛ばした。
「ここまでか、魔王の滅びの未来へと一歩前進したかな」
 その間にフォルクは負傷したアネットを引き摺り、魔王から距離を取っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

別府・トモエ
なんかイケメンな怪物がムツカシイこと言ってんな……つまり
「私はテニスしたい、テニス楽しみたい、テニスを大魔王、貴方にも楽しんでほしいと希望してる訳だけど」
……つまり
「希望通りに強いテニスプレイヤーになって相手してくれるんだな!?やったぜ!!」
さあ試合を始めよう

大魔王が【サーブ先制攻撃】を打ってくる
猛烈なそれを【視力】で【見切って】【ダッシュ】で追い付く
「くぅらぁえぇ……!」
ポジションを整えて、理想的なフォームで【誘導弾ショット】
「……これが!」
ここは最早テニスコートで、これはテニスの試合なのだ
「テニスだ!ウームー・ダブルートゥ!」
勿論、苦戦はするだろうね……それが楽しいんだ!
絶対に負けないぞ!


朝霞・蓮
●キャラ
人間の竜騎士 × 探索者 17歳 男
口調:(僕、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)

●戦い方
至近:アイテム『百膳』を使用して切り結んだり、竜言語で身体強化して格闘したり
近中:槍投げしたり銃で射撃。その時に機動力を求められるなら竜に騎乗
遠:攻撃手段がないので接近

●その他できること
錬金術でいろいろ

●長所
探索者として狂気に免疫があるので逆境に強く、恐怖と威圧に動じない

●短所
詰めが甘く、天然

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず積極的に行動
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●尽きぬ闘志
「もっと汝らの希望を我に与えよ。我は汝らの希望を糧に強くなる」
 ウームー・ダブルートゥが光を纏って傷を塞ぐ。赤く染まった顔も獣の下半身も血は止まったが、その胸の宝石の傷はそのままで、宿る力も減っていた。
「なんかイケメンな怪物がムツカシイこと言ってんな……私はテニスしたい、テニス楽しみたい、テニスを大魔王、貴方にも楽しんでほしいと希望してる訳だけど」
 別府・トモエ(人間のテニスプレイヤー・f16217)が魔王を見て隠しもせずに己の願望を口にする。
「……つまり、希望通りに強いテニスプレイヤーになって相手してくれるんだな!? やったぜ!!」
 テニス勝負が出来るのかとトモエは目を輝かせてテニスラケットを構える。
「さあ試合を始めよう」
 いつでも来いとトモエは敵の攻撃を待つ。
「汝の燃えるような闘志、我にも宿ったぞ」
 ウームー・ダブルートゥがまるでサーブでも打つように腕を振り上げ、手に宿った魔力の塊を放った。
「速い! だけどテニスならこのくらいのサーブは当たり前!」
 自身に向かって直撃コースを取る魔球に対して、トモエはバックステップするとラケットを振るって魔球を捉える。
「こんのぉおお!」
 ラケットを全力で振るってレシーブする。跳ね返った魔球が魔王に向かい、それを手で払うと上に飛んだ魔球は天井を砕く。
「やるね……!」
 たった一度のレシーブでトモエの腕は痺れ、ラケットを握るのもやっとの状態となっていた。
「消えよ、望み通りにこの一撃で勝負を決めてくれよう」
 ウームー・ダブルートゥはもう一度魔力を手に集め、魔球を作り出す。

「これが最後の大魔王の姿か、戦いを締めくくる相手に不足はなさそうだ」
 心臓が止まりそうな恐ろしい威圧感がある敵を前にしても、朝霞・蓮(運命に敗れた竜・f18369)は平然と仲間を護るように立ち塞がる。
「汝は仲間を護る事を望むか、その希望を我が力にして撃ち砕こう」
 ウームー・ダブルートゥの手に宿る魔力が高まり、蓮に向かって撃ち出された。
「少しでも威力を落とす」
 そこへ蓮は白銀の魔動機銃の銃口を向け、連射して弾丸を叩き込む。当たる度に魔球の力が削がれていくが、完全に消える前に蓮へと着弾する。蓮は身を捻って左腕を盾にするように受け止め、衝撃で吹き飛ばされた。地面を転がり蓮は勢いが止まったところで片膝をついて状態を確かめる。
「左腕は……ダメか。だけどまだ戦える!」
 左腕の感覚は失っているが、他の箇所は問題なく動くと右手で魔動機銃を敵に向けて引き金を引く。放たれた弾丸が敵の顔を撃ち抜き、左頬に穴を穿った。
「汝の足掻き、汝の意志、その全てを我は喰らおう」
 ウームー・ダブルートゥは蓮に向かって新たな魔球を飛ばす。それは先ほどよりも大きく速い。

「待ったー! まだ私とのテニス勝負が終わってないぞ!」
 そこへ無我のオーラを纏ったトモエが割り込み、笑顔で魔球に全力でラケットを叩き込んだ。
「くぅらぁえぇ……!」
 理想的なフォームで魔球を打ち返し敵の胸を狙う。それをウームー・ダブルートゥが同じように弾き、トモエへと押し戻す。だがその軌道は逸れてトモエの頭上を通過していく。
「……これが!」
 そこへトモエは跳躍してラケットを振り下ろし、渾身の力でスマッシュを打ち込んだ。
「テニスだ! ウームー・ダブルートゥ!」
 魔球は魔王の腹を撃ち抜き、大きな穴を開けた。
「汝のその諦めぬ闘志、我が糧としよう」
 ウームー・ダブルートゥはどんどんと右手に魔力を集め、巨大な球を作り出す。
「これは直撃を食らう訳にはいかないね」
 トモエが注意を引いている間に近づいた蓮が跳躍し、瞳を黄昏に輝かせ、全身の武装を純白に変えて覚醒し、現人神となって刀を振り抜く。鋭い刃は魔王の右手首を切断した。
「これで――」
 着地した蓮が敵を見上げると、右手首が失われても魔力は手のあった場所に留まり、大きくなっていた。
「汝の希望。それを糧に我は汝らをこの世界より消す」
 ウームー・ダブルートゥが魔力の巨大な塊を落とす。
「逃げるのは間に合わないか……なら正面突破だ!」
 蓮はその魔力塊へと向き合い、刀を大上段に構える。
「押し通る!」
 振り下ろす一閃が魔力塊を両断した。そして蓮はその間を通って刀を返し、下から前脚を斬り上げた。刃が深く入り骨が覗くほどの傷が刻まれる。
「滅びよ」
 見下ろすウームー・ダブルートゥが腕を振るう。すると2つに両断さた魔力塊が2つの魔球となって左右から蓮に襲い掛かった。
「まだ操れるのか!」
 両方は無理と見て咄嗟に右側の魔球を斬り裂き、今度は四散させた。だが反対の攻撃に対処する時間はない。
「任せて! 私たちは絶対に負けないぞ!」
 苦境であっても笑顔を忘れぬトモエがラケットを振り抜いて魔球を打ち飛ばした。
「我を前に絶望せず戦い続ける強さ。その力を貰おう」
 ウームー・ダブルートゥの全身が魔力で輝き、収束していく。
「これは拙そうだね、離れよう!」
「この距離じゃ次のサーブは取れそうにないか!」
 蓮が慌てて距離を取り、トモエもそれに続く。するとウームー・ダブルートゥより魔力の波動が放たれ、周囲を薙ぎ払うように魔力の津波が押し寄せ、蓮とトモエを巻き込んで吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

海神・鎮
【絡みアドリブ何でも歓迎】

【敵UC対策】
 予め封印の【属性攻撃】で自身の数多有る願いを封印し、一つの願いに集約してみます。
 その願いは【貴方(魔王)との戦いを楽しむこと】
 勝利を望むのでもなく、戦いを望むのでも無く、幸運を望むのでも無く、ただ、貴方と、楽しい一時を。貴方にこれを願えば、貴方には楽しさが齎されるのでしょう?
 
 まずはそれから、暫しの間、語り合いましょう、名も知らぬ、迷宮の主。
【戦闘方法】
 迷宮の主を一時慰め、鎮める戦神楽です。
 迷宮の主が楽しめるように立ち回りましょう。全力の一撃を望まれるなら全力を、手数を望まれるなら手数を。僕の仮初の身体が滅びるまでは、お付き合い出来るでしょう


メール・ラメール
パパと、ママに、愛されたい
研究結果としてじゃなくて、アタシをみてほしい
『わたし』を、あいしてほしい

聞き届ける? 糧にする? ふざけないでよ
どれだけ望んできたと思っているの
どれだけ叶わなかったと思っているの!
アタシを愛してくれるなんて、それはアタシの愛するパパとママじゃない
「食らえばいいわ、胸やけ起こしても知らないわよ」

強化された先制攻撃の痛みは激痛耐性で耐えて、ブラッドガイストで咄嗟の一撃
左手の刻印から襲い掛かる触手の群れ
「パパがくれたとっておき。光栄に思いなさいな!」
動けなくなったって、どーおだっていいワ、そんなコト!
アンタに嫌がらせが出来るならそれで充分!
ざまあみなさい、あはははははは!!


天道・あや
いよいよ、最終決戦!今回もどっかーんと倒して皆の未来を…夢と希望への道を照らして見せるっ!…いざ!勝負!


って言ったはいいけど…どんな望みも?…よし!なら歌で…踊りで…ライブ勝負!

という訳で魔王とライブ勝負!まず最初は魔王のステージから…!
……な、何て凄い歌と踊り…これが魔王のライブ…!?で、でも負けない!頑張って耐える!心がやる前に敗北しないように心を強く持って…!【激痛耐性】


…よし!あたしの番!今まで沢山歌って、そして沢山踊ったりして練習してきた…その全てを今このステージにぶつける!…右よし!左よし!…あたしよし!天道あや…!歌います!!曲は―――UC【歌唱、ダンス、パフォーマンス、存在感】



●あらゆるものを糧に
「いよいよ、最終決戦! 今回もどっかーんと倒して皆の未来を……夢と希望への道を照らして見せるっ! ……いざ! 勝負!」
 跳ねるように元気一杯な天道・あや(未来照らす一番星!・f12190)が魔王の前に飛び出た。
「汝が望みを告げよ。その願いを聞き届け、我が糧とする」
 血に染まった脚を引き摺るウームー・ダブルートゥがあやに向かって語り掛ける。
「って言ったはいいけど……どんな望みも? ……よし! なら歌で……踊りで……ライブ勝負!」
 望みを聞かれたあやは自分の得意なジャンルでの勝負を挑む。
「という訳で魔王とライブ勝負! まず最初は魔王のステージから……!」
 先手を取るという魔王のステージに備えてあやは気合を入れた。
「それが汝の願いか、我はその歌と踊りを糧にし、ライブのパフォーマンスを上げよう」
 ウームー・ダブルートゥが四つ脚でリズムを取り、ステップを踏むように跳躍して神々しい音波を発する。それはまるで天上の音色のように心に浸透する。
「……な、何て凄い歌と踊り……これが魔王のライブ……!?」
 心を持っていかれそうになるステージに、あやは身体を震わせ魂が抜かれるような虚脱感を感じて膝をつく。
「で、でも負けない! 頑張って耐える! 心がやる前に敗北しないように心を強く持って……!」
 きっと睨みつけるようにあやは魔王のステージを見て、精神攻撃に耐え続ける。
 その脳に直接響くような歌が終わり、ステージが終了する。その前であやは力尽きたようにぐったりとしていた。ウームー・ダブルートゥはあやに止めを刺そうと脚を踏み出す。

「沢山の願いで敵を強化させるのは拙いですね。封印して一つの願いに集約しておきましょう」
 海神・鎮(ヤドリガミ・f01026)は己に封印を掛け、数多有る願い事を一つだけ残す。そして魔王の前へと歩き出してあやを庇うように姿を見せた。
「汝の願いを我に与えよ。汝は何を望む」
 ウームー・ダブルートゥの何もかもを見通すような眼が鎮を捉えた。
「僕の願いは【貴方(魔王)との戦いを楽しむこと】」
 堂々と鎮は己の願いを口にして魔王を見上げる。
「勝利を望むのでもなく、戦いを望むのでも無く、幸運を望むのでも無く、ただ、貴方と、楽しい一時を。貴方にこれを願えば、貴方には楽しさが齎されるのでしょう?」
 語り掛けながらじっと鎮は相手の反応を確かめる。
「汝が望は我との闘争か。よかろう、汝の望みを我は得て戦いに臨もう」
 嬉々とした雰囲気を纏い、ウームー・ダブルートゥは駆けながら魔力を手にはドして振り抜く。鎮はそれを槍で受け流そうとするが、強烈な衝撃が走り吹き飛ばされそうになる。槍の穂先を地面に突き刺し、鎮は何とか体を支えてその場に留まった。
「楽しそうですね。いいですよ、僕の仮初の身体が滅びるまでお付き合いしましょう」
 今度は鎮から槍を突き入れる。それが脚を深く穿つが、魔王は構わずに脚で鎮を蹴り上げた。

 ――パパと、ママに、愛されたい。
 ――研究結果としてじゃなくて、アタシをみてほしい
 ――『わたし』を、あいしてほしい。
 そう心の底から願うメール・ラメール(砂糖と香辛料・f05874)の想いが魔王に読み取られた。
「汝の願いは愛情か、その願い聞き届けた。我が糧としてやろう」
 新たな猟兵の気配に気付き振り向いたウームー・ダブルートゥが奪う願いを口にした。その人の心に土足で入り込むような行為に、メールは激しい怒りを覚える。
「聞き届ける? 糧にする? ふざけないでよ!」
 傲慢な敵に対する怒りのままにメールが言葉をぶつける。
「どれだけ望んできたと思っているの。どれだけ叶わなかったと思っているの! アタシを愛してくれるなんて、それはアタシの愛するパパとママじゃない」
 自分の気持ちを叩きつけるようにメールは想いを吐露する。
「食らえばいいわ、胸やけ起こしても知らないわよ」
 その複雑な愛を求める望みを喰らった魔王は、身体のあちこちに棘が生えるような歪な形へと変化した。
「次は汝の肉を喰らおうとしよう」
 ウームー・ダブルートゥは棘の生えた左腕をメールへと振り下ろす。それをメールは腕で受け止める。棘があちこちに突き刺さり穴が開き、衝撃で押し潰されそうになるが、それに耐えて流れる血を代償に左手の刻印を輝かせる。そこから触手の群れが飛び出した。
「パパがくれたとっておき。光栄に思いなさいな!」
 痛みなど無視して笑みを浮かべたメールは、敵の左腕に触手に襲わせる。せの先端が獰猛な肉食獣の口のように開き、噛みついて肉を喰らう。

「我を喰らうか、ならば我も汝を喰らおう」
 ウームー・ダブルートゥは棘を増やし、触手を貫いてメールを串刺しにしようとする。
「待って! ……よし! 今度はあたしの番だよ!」
 そこへようやく正気に戻ったあやが宣言し音楽を流す。
「今まで沢山歌って、そして沢山踊ったりして練習してきた……その全てを今このステージにぶつける! ……右よし! 左よし! ……あたしよし! 天道あや……! 歌います!! 曲は―――あたしの歌と想い! 世界に響け!!」
 世界中に、未来に届けと高らかに歌う明るい歌が響き渡り、魔王の心を震わせて動きを止めさせた。
「これが歌か、世界に響く歌声の力……」
 魔王が聴き入るようにじっとあやに視線を向ける。だが魔王は強引に歌に捕らわれる精神を切り離すように、意識を分けて身体を動かしてあやに迫る。

「美しい歌声ですね。それを邪魔するのは無粋ではないですか?」
 その前に舞い戻った鎮が槍を構えて立ち塞がる。
「我の心を奪うなど、許される事ではない。我は全てを奪い喰らう大魔王なり」
 ウームー・ダブルートゥは魔力を腕に宿して、刃のように伸ばして斬り掛かる。それを鎮は槍を手に舞うように受け流した。それは迷宮の主を一時慰め、鎮める戦神楽。
「暫しの間、語り合いましょう、名も知らぬ、迷宮の主」
 鎮も槍を次々と繰り出し、魔王がその攻撃を弾く。次々入れ替わる目まぐるしい攻防が続く。
「手数をお望みのようですね。僕は構いませんよ」
 槍は魔王の脚を傷つけるが、魔王の刃は鎮の身体にどんどんと裂傷を与えていった。やがて均衡が崩れ、鎮の胸元に魔王の刃が伸びる。

「まだアタシは動けるわよ」
 そこへ横からメールが触手を伸ばし、魔王の左腕に喰らいつかせた。だが反撃に魔王もまた腕から棘を伸ばしてメールの腹や手足を貫く。血が流れ力が失われる。
「動けなくなったって、どーおだっていいワ、そんなコト!」
 だが口は元気に動き、平然と、それどころか狂気の混じった笑みをメールは浮かべていた。
「アンタに嫌がらせが出来るならそれで充分! ざまあみなさい、あはははははは!!」
 哄笑と共に触手が深々と魔王の腕を抉り、肘の辺りから食い千切った。どさりと左腕が地面を転がった。
「左腕を喰らってやったワ! あはっあははははははははは!!」
 それを見てさらにメールの笑い声は強まっていく。
「汝の狂気、それを我は喰らおう。狂い全てを破壊しよう」
 眼を爛々と輝かせたウームー・ダブルートゥは、怒った闘牛の如く駆け出し、メールを撥ね飛ばしてそのままあやの元に向かい、それを防ごうとした鎮もろとも蹴り飛ばし、周辺を破壊して傷から流れ出る血で地面を染めながら、狂気が抜けるまで駆け続けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宇冠・龍
由(f01211)と連携

過去を操れるともしれない繭ですか
私はおばさんですけれど、なるべく触れないようにしたほうが良さそうですね
(もしも身体の時間を戻すことができるのなら、死んでしまったあの子がまだお腹にいたころにも……なんて虫のいい話はないですよね)

繭の迷路は硬く壊せなくとも、繭という性質上、引火は非常にしやすいはず
【祈りの聖火】を繭に飛ばし、迷路全てを炎で包み込みます

炎自体に殺傷力はないため、敵に手傷を負わせることはできません
けれど戦場全体に広がった炎は、私や由の視界一面どこからも見え、心と体を癒してくれます
由の巨大な炎の身体にも聖火は広がり、より娘の力を高めてくれる
そして悪の動きを鈍らせる


宇冠・由
お母様(f00173)と連携

(私の望み、それは母を守りたい。これは偽りなき願い)
専守の力が相手に備わるのでしょうか
希望を喰らうのは貴方だけではありません
いつだって、自分の夢や希望を胸にくべて人は生きています
私の希望、私たちの夢は食べきれるほど少なくはありませんことよ

【七草仏ノ座】で大鬼に変身
時間経過と共に火力が増していくこの姿。ブレイズキャリバーの身体の性質上、傷を負っても忽ち再生する身体、相手の身体も燃えるなら、それすら糧に火力を増します
お母様の聖火の援護も受けて、相手の守りを打ち破りましょう

私の火力に上限はありません
火の力で動きが鈍った相手に、全力の一撃を何度もお見舞いします



●焼き尽くす炎
(「私の望み、それは母を守りたい。これは偽りなき願い」)
 宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は隣に立つ母への思いを胸に、魔王との戦いに挑む。
「この専守の力が相手に備わるのでしょうか」
 由はこの願いも喰らわれて魔王は強くなるのだろうかと魔王を見つめた。
「これが大魔王……とてつもない力を感じますね。気をつけて由」
 じっと敵を見ている由に、宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)が声をかける。
「はい、お母様。お母様も無理をしないでくださいね」
「そうね、お互い気をつけましょう」
 視線を交わし二人は、走り回っていた傷だらけの魔王が立ち止まったところへ近づく。
「次の糧がやってきたか。油断ならぬ知的生命体は分断して仕留める」
 ウームー・ダブルートゥの胸の宝石が輝き、周囲が触れると急速に若返る『産み直しの繭』の迷路に包まれた。間に出来た壁によって由と龍は分断され、足場が動いて龍は迷路の奥へ引きずり込まれ、由は大きな広場で魔王と対峙する。
「お母様!」
 由は母を心配するが、その前にウームー・ダブルートゥが駆け寄ってくる。
「母を想う気持ち、守ろうとする願い。我の糧にしてやろう」
 その身に青白い魔力を纏い、ウームー・ダブルートゥは地を蹴り突進した。
「貴方の相手をしなくてはお母様と合流できないようですね」
 ならばその相手をしようと、己が身体を燃え上がらせた由は地獄の炎そのものと化したように身体の密度を高める。そこへウームー・ダブルートゥの前脚が蹴りつけ、身体が火の粉を散らしながら吹き飛ばされた。そこへ追い打ちを仕掛けようとウームー・ダブルートゥがさらに地を駆ける。

「分断されてしまったようですね……」
 龍が繭の迷路を見渡す。広く曲がりくねって先が見えない道が幾つも続いている。正攻法で出るには時間が掛かりそうだった。
「過去を操れるともしれない繭ですか。私はおばさんですけれど、なるべく触れないようにしたほうが良さそうですね」
 触れて自分が若返ったところを想像すると、若かりし頃の取り戻したい過去が蘇る。
(「もしも身体の時間を戻すことができるのなら、死んでしまったあの子がまだお腹にいたころにも……なんて虫のいい話はないですよね」)
 首を横に振って妄想を追い払い、今は由という大切な娘の事を想い浮かべる。
「繭の迷路は硬く壊せなくとも、繭という性質上、引火は非常にしやすいはず」
 そう考えた龍は、善を助け、悪を退ける聖火を呼び出す。その炎は人を傷つけるものではないが、邪悪な魔力に満ちた繭に燃え移り、あっという間に燃え広がって轟々と迷路全てを焼き払おうとしていた。

「まずは汝から喰らうとしよう。すぐに母の方も喰らってやる」
 ウームー・ダブルートゥが落下した由を踏みつける。
「今誰を食らうと言いましたの?」
 踏み潰したはずの前脚が持ち上がっていく。そこにはどんどんと巨大化する炎の鬼の姿があった。
「希望を喰らうのは貴方だけではありません。いつだって、自分の夢や希望を胸にくべて人は生きています」
 敵よりも巨大な大鬼となった由は押し退けて立ち上がり、その炎の拳を叩きつけた。
「私の希望、私たちの夢は食べきれるほど少なくはありませんことよ」
 よろめくウームー・ダブルートゥに踏み込んだ由がもう一撃を食らわせる。
「汝も喰らう側か、だが我はその肥えた炎も喰らい、我が糧としよう」
 ウームー・ダブルートゥが吸い上げるように燃え上がる由の炎を奪い、己が身に纏っていく。
「汝の炎、全て我が喰らってやろう」
 ウームー・ダブルートゥが由に腕を突き入れ、由の炎の身体がどんどん小さくなっていく。だがそこへ繭の壁が燃えて聖火が目に入る。
「心配を懸けましたね。でももう大丈夫です。由の心と体をこの聖火で癒します」
 龍は聖火で由を包み込み、その身体の炎を猛らせ、逆に魔王の力を鈍らせた。
「ありがとうございますお母様!」
 また身体を大きくした由は、その拳を魔王に叩き込み、顔面を殴ってぐしゃりと変形させる。
「良かった、元気になったみたいですね。ではもっと聖火を広げて魔王の力を鈍らせましょう」
 この調子で押し切れるように龍は聖火を燃やし続け、邪悪を退ける力で魔王の力を弱めた。

「お母様が合流してくださったら私に怖い物はありません」
 由は腹に突き刺さった敵の腕を引き抜き、引っ張り上げて振り回して地面に叩きつけた。
「私の火力に上限はありません。貴方の身体も燃やし尽くして私の糧にします」
 どんどん力を増し、身体の炎を強くする由が敵を踏みつけた。踏んだ部分が高温となり黒く焦げていく。さらにもう一度踏みつけると、胸の宝石に大きなひびが入った。
「我を焼き尽くすが汝の望みか、ならば我もまた汝を焼き尽くす炎となろう」
 青き炎を身に纏い、ウームー・ダブルートゥは由の炎の脚を引き千切った。すぐに由は脚を再生させるが、その間にウームー・ダブルートゥが起き上がり、魔力を練り上げていた。
「由、相手が何かしようとしています。ここは距離を取りましょう」
 魔王の動きを警戒して龍が大きな声を上げる。それに由が返事しようとしたところで、魔王の魔力が解放される。青き炎がフロア全てを包み込むように放たれる。
「お母様!」
 慌てて由が自らを盾になるように割り込み、龍へは炎が届かないようにした。
「大丈夫ですか由……これで少しでも負担が軽くなれば――」
 護ってくれる由を見て、少しでも手助けしようと龍は聖火によって由を包み込んだ。
 辺り一面の炎が消え去ると、由は力を使い果たして元の姿に戻っていた。
「これ以上は無理をさせられません。引きましょう」
「……はい、そうしましょう」
 心配そうな龍の顔を見て、由はこれ以上心配を懸けたくないと思って頷き、共に魔王から離れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
まさに奇跡の御業ですね
ですが、感謝致します
お陰で我が軍勢は、全盛の力を取り戻すのですから…

◆行動
【オーラ防御】を利用し直接繭に触れない様に注意
必要なら【空中浮遊】も活用

『暗キ獣』を使用

屍者達を繭の力で「蘇生」
死屍て尚戦い続ける古兵達が其の経験を全盛の力で揮う…
その精強さは屍の比ではありません

加えて繭に触れれば「産み直される」この場に於いては、耐久力でさえ屍を凌駕します

私は軍勢に紛れしつつ【目立たない】様に行動

【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別し起爆する指向性散弾」を複数設置

接敵時は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


ユリウス・リウィウス
俺の望みは、愛する女と共にいることだけだ。そのためには、お前が邪魔だ、大魔王。

敵の希望を喰らって自己強化するというなら、その変異の途中に「呪詛」を混ぜてやろう。それでも正常に力を得られるかな?

さて、大魔王の討滅を始めよう。
「恐怖を与える」死霊の霧を広く展開して、その中に幽鬼の影を浮かべつつ、実態を持った亡霊騎士団も喚起して前進させる。
悪魔召喚『ガミギン』。お前も屍人たちをもっと呼び出せ。
必要があれば、屍人同士を合体させて強化する。

俺自身は「視力」で大魔王の位置を確認しながら、屍人の群に紛れて接近。虚空斬を放ち、「傷口をえぐ」り「なぎ払う」。
そろそろ骸の海に還る時間だぜ、大魔王?
ゆっくり眠れ。


ユーフィ・バウム
培った【戦闘知識】天性の【野性の勘】
そして自身を信じ、戦い抜きますとも
【勇気】と【覚悟】をありったけ身に詰めて!

望みや願い、戦争の終わり。
この世界に平和をという気持ちは、私の中で「確実な未来」
願い等は持ち込まず、空に無に
獣の如くただ作り上げた肉体で攻撃を打ち込みましょう

大魔王の攻撃を【見切り】、避けきれない攻撃は
致命を避けたうえで【オーラ防御】を纏い凌ぐ
【激痛耐性】【呪詛耐性】も加えきっと耐えてみせる
耐えたなら、【力溜め】た【鎧砕き】の攻撃で反撃
間合いを詰め【グラップル】!
【怪力】で離さず攻撃を続けましょう

頃合いとみれば、
【ジャンプ】からのめいっぱいオーラを込めた
《トランスクラッシュ》ですっ!


ハルア・ガーラント
希望は他人が奪って持つものじゃありません!

【WIZ行動】
先制攻撃で放り込まれた迷路。羽ばたき壁に触れぬよう[咎人の枷]を大翼へ横向きに巻き付けます。無力さが悔しい。

敵が留まるなら[オーラ防御]を全身に纏い徹底抗戦、味方を待ちます。移動を始めたら[銀曜銃]で数発[誘導弾]を。強く魔力を込め輝く魔弾のすぐ後に、弾速を落とした殆ど見えない魔弾を。銃の持ち主のわたしだけ見えるそれを[追跡]。

交戦音が繭の壁1、2枚を隔てる近さになったらUC発動。
どんなに硬くても[限界突破]した今のわたしの前では只の壁!
勢いのまま破城槌の様に碇を壁へぶち込み破壊、合流。残る力で敵の脚に鎖を絡ませ碇を地へ固定、味方の援護。



●希望はここに
 玉座の間は焼け焦げ、魔王は全身傷だらけでも、王として堂々と立っていた。
「汝らを我は喰らおう。この世界の全てを我は喰らおう」
 普通ならば死に絶えるような傷を受けながらも、ウームー・ダブルートゥはまだ世界を喰らってみせると言い放つ。
「俺の望みは、愛する女と共にいることだけだ。そのためには、お前が邪魔だ、大魔王」
 ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)が魔王の前に立ち塞がり、黒い双剣を抜いて構えた。
「それが汝の望みか、ならば我はその望みを喰らい、汝を世界より消し去ろう」
 あちこちから血を流すウームー・ダブルートゥが魔力を高め、ひびの入った胸の宝石を輝かせる。すると魔力が炎のように身体に宿る。
「お前が俺の希望を喰らって自己強化するというなら、その変異の途中に呪詛を混ぜてやろう。それでも正常に力を得られるかな?」
 その途中でユリウスは呪詛を籠め、希望を絶望に変えるような呪いを流し込む。すると魔王の纏う魔力の色合いが黒く変わっていく。
「汝の怨念を感じる。ならばその怨念も我が喰らい力としよう」
 ウームー・ダブルートゥは構わず魔力を宿した腕を振るい、それが刃のようにユリウスに襲い掛かる。
「好き嫌いはないということか」
 その一撃をユリウスは双剣を十字にして受け止める。だが防ぎ切れず、上体を逸らして躱した。鎧に裂傷が走り、浅く肌が裂けていた。
「流石は最後の大魔王といったところか」
 続けて振られる魔力の刃をユリウスは飛び退いて躱した。すると先ほどまで立っていた場所が深々と切り裂かれていた。

「望みや願い、戦争の終わり。この世界に平和をという気持ちは、私の中で『確実な未来』!」
 それは願いなどではなく、間違いなくこの手で掴み取るものだと、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は願いを考えず、思考を空に無に、獣の如くただ作り上げた肉体で突進する。
「獣の如き武、その強さを我は得よう」
 接近するユーフィに対してウームー・ダブルートゥは正面から突進し、魔力で強化された前脚で蹴り上げた。それを避けられないと見てオーラを纏ったユーフィは跳躍して少しでも衝撃を弱めようとする。しかし空に撃ち上げられるような蹴りを受け、天井に叩きつけられた。そして落下してくるところへ今度はウームー・ダブルートゥが腕に魔力を宿して待ち構える。
「培った戦闘知識。天性の野性の勘。そして自身を信じ、戦い抜きますとも! 勇気と覚悟をありったけ身に詰めて!」
 ユーフィは天井を蹴って加速し、振り抜かれる必殺の一撃に対して自分から突っ込み拳を叩き込む。ユーフィの身体が放物線を描いて飛んでいくが、ウームー・ダブルートゥの右腕にもひびが入っていた。

「汝らの未来への希望を我がものとする」
「希望は他人が奪って持つものじゃありません!」
 大魔王に向かってハルア・ガーラント(オラトリオのバロックメイカー・f23517)が怒った声で言い返した。
「白き鳥よ、汝も希望持つものか、その希望を我に捧げよ」
 ウームー・ダブルートゥはハルアに向かって魔力を放ち。それが繭を産み出して包み込むようにハルアを迷路に閉じ込めた。それは触れてしまうだけで若返る
『産み直しの繭』の迷路だった。
「触れたら若返ってしまうんですよね……怖いですけど、負けません!」
 勇気を出してハルアは迷路を進み始め、繭の壁に大翼が触れないように鎖を横に巻き付けて広げられないようにしておく。
「わたしは無力ですね……だけどわたし一人で戦っているわけじゃありません。みんなの力になれるように、この迷路を脱出しないと!」
 迷路で一人になり、心細さと無力さに悔しくなりながらも、ここで挫けている場合ではないと自分を奮い立たせ、迷路を歩き始めた。

「まさに奇跡の御業ですね」
 触れた者を若返らせる効果を持つ繭の迷路はエリアの大半に広がり、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)もハルアとは違う場所に閉じ込められていた。そしてその繭の持つ特殊能力はまさに奇跡のような力だと驚きを覚える。
「ですが、感謝致します。お陰で我が軍勢は、全盛の力を取り戻すのですから……」
 ふわりと浮かんで自らの身体は繭に触れないようにオーラで身を固めた絶奈は、青白き燐光の霧を纏い、その姿を神々の似姿へと変貌すると、辺りに屍の獣と兵の軍勢が現れた。
「さあ、蘇りなさい我が精兵よ!」
 軍勢が繭に触れる。すると腐り果てた体が生気の宿る強靭な肉となり、纏う武具も磨き上げられたものへと変わっていく。
「準備は整いました。では出陣です」
 絶奈の号令に従い、軍勢が一斉に迷路の攻略に動き出した。

「さて、大魔王の討滅を始めよう」
 体勢を立て直したユリウスは、今度はこちらの番だと冷たい霧を展開し、幽鬼の影があちこちに浮かび上がる。
「亡霊騎士団よ世界を喰らう大魔王を汝らの憎悪をもって討ち取れ」
 その霧の中にゾンビやスケルトンの亡霊騎士団が呼び出され、魔王に向かって進軍する。
「命無きものよ、意志は無くともその肉を我の糧としよう」
 ウームー・ダブルートゥが両腕から伸ばした魔力の刃を振るい、亡霊騎士団を薙ぎ払う。そこへ背後から死霊が取り付き、少しでも力を弱めようとするが、そのまま逆に吸収されて消えてしまう。
「元よりこれで討てるとは思ってはいない。だが数は目晦ましになる」
 ユリウスがスクロールを広げると、悪魔ガミギンが現れて亡者の群れを呼び出した。亡者達は魔王に襲い掛かるが、踏み潰され、蹴り散らされて吹き飛んでいく。
「死霊の大侯爵ガミギンよ。もっと屍人たちをもっと呼び出せ」
 減った亡者が補充されるが、ウームー・ダブルートゥを止められず次々と塵に変えられていった。

「まだ私の勇気も覚悟も折れていない! ここからが本番ですっ!」
 駆け戻ったユーフィがその勢いのまま飛び込み、全力で拳を打ち込む。後脚を崩され魔王の体勢が崩れた、そこへ獣の下半身を駆け上がり、ユーフィは背中にも拳を叩き込んだ。メキメキと音を立てて拳が深く食い込む。
「我はその勇気も覚悟も喰らおう。汝を糧として傷を癒そう」
 ウームー・ダブルートゥの背の翼がユーフィを覆い、魔力を浴びせて焼き殺すような高熱を発した。
「こんなもので私は倒せません!」
 構わず汗をだらだら流しながらユーフィは拳を打ち続ける。どんどんと背中が抉れ、血が噴き出して魔王の身体を濡らす。
「これが勇気と覚悟の力か、ならばもっと我も力を得よう、そして汝を必ず喰らう」
 ウームー・ダブルートゥの魔力がユーフィを縛り上げ、強引に引き剥がすと魔王の腕を振り抜かれ地面に叩きつけられた。

「迷路の攻略は人海戦術が確実です」
 絶奈が生気溢れる獣と、鍛え抜かれた精兵の軍勢を率いて迷路から脱出してきた。
「屍者達を繭の力で『蘇生』。死屍て尚戦い続ける古兵達が其の経験を全盛の力で揮う……その精強さは屍の比ではありません」
 絶奈の号令に一斉に軍勢が魔王に挑む。
「自らの力で蘇らせた我が軍勢の力を身を以って知りなさい」
 獣が敵の脚に喰らいつき、肉を噛み千切る。兵達は槍を突き入れ、獣の下半身を傷だらけにしていった。敵の意識が軍勢に向いている間に絶奈は罠の設置を始めた。

「交戦音が聞こえます……ここからなら強引に――!」
 仲間が戦う音を聞きつけたハルアは己の限界を超えて力を高め、天獄製の巨大な聖碇を担ぐと壁目掛けて全力で叩き込む。破城槌の様に碇が壁にぶち込まれ、粉砕すると外への穴が開いた。
「よ、ようやく出られました……」
 げっそりと精神的に疲れた顔をしたハルアが迷路を脱出して姿を見せる。そして仲間の姿を見て元気を取り戻す。
「まだ大魔王は健在のようですね。ここからはわたしも戦います!」
 ハルアは仲間と戦う魔王に向けて翼に巻き付けていた鎖を外して放ち、それを後脚に絡ませ聖碇に接続すると地面に固定する。鎖がピンと張り、地面に引っ張られるように魔王の動きが制限された。
「これで自由に動けないはずです。今のうちに――」
 ハルアが仲間に声をかけようとすると、その眼前にウームー・ダブルートゥが迫っていた。
「我の自由を奪う事は誰にもできぬ。我は大魔王なり」
 鎖をハルアごと根本から断ち切ろうと振るわれる魔力の刃を、ハルアは白い小型銃を向けて光弾を発射し、顔を狙う事で視界を奪い、翼を広げ飛び上がって攻撃を躱した。だが鎖は断ち切られ、魔王の脚の拘束が解かれた。
「注意が逸れたな」
 ユリウスが屍人の群に紛れて接近し、双剣を横薙ぎに振るって傷ついた魔王の左前脚を斬り飛ばした。バランスを崩し魔王の身体が傾いて前傾になって止まる。
「こっちの脚も叩き折ります!」
 反対の右前脚に突っ込んだユーフィが拳を打ち込み、骨をへし折って魔王に倒れ込むように手をつかせる。
「脚を失おうとも些細な事だ。汝らの希望を喰らい癒せばそれで済む」
 ウームー・ダブルートゥが翼を広げてふわりと浮くように起き上がる。
「誰の希望も奪わせません! 希望は人が持つ輝きなんです!」
 空中からハルアは鎖を伸ばして聖碇に繋いで引き上げると、それを振り回して魔王の背中に叩きつけた。翼が破れその身体がまたガクンと高度を落として地面に落下する。
 ウームー・ダブルートゥが着地すると、カチッと機械音がして爆発が起き、指向性散弾が幾つもの方向から魔王を撃ち抜いた。
「立て直す猶予は与えません。一気に押し切ります」
 罠の起動と共に絶奈が駆け出し、跳躍して怯んだ敵の腹に槍を突き刺し、その柄を足場にして剣で胸の宝石を斬りつける。
「そろそろ決着の時です! これが私の全力! トランスクラッシュですっ!!」
 オーラを全開にしたユーフィは、敵の身体を駆け上がって跳躍し、お尻から頭を直撃した。衝撃に額の傷が開き、さらにひびが走って顔の半分までが割れるように砕けた。
「汝ら、我はこの世界を支配する大魔王なり。汝らがいかに足掻こうとも我には勝てぬ」
 顔が欠けようとも魔王は威厳を失わず、猟兵達の戦意を削ごうとする。
「そろそろ骸の海に還る時間だぜ、大魔王? ゆっくり眠れ」
 ユリウスは跳び上がりながら双剣を十字に振るい、魔王の胸の宝石を深々と斬りつけた。宝石が欠け、地面にポロポロと落下していく。
「一人では無力でも、みんなと力を合わせればどんな相手だって怖くありません!」
 続けてハルアが聖碇を傷の入った胸の宝石に叩き込んだ。傷跡からひびが広がり、宝石の全てに達した。
「この世界は貴方のものではありません。この世界に住まうもの全てのものです」
 刺さったままの槍を蹴って高々と跳躍した絶奈が剣を振り下ろす。宝石は砕け散り、ウームー・ダブルートゥの姿が幻のようにぼやける。
「我を討つか、この世界を喰らう大魔王を……これが希望の力……我もこの力を得る事が出来れば――」
 ウームー・ダブルートゥが手を伸ばすがそれが何かを掴む事は無く、その姿は消え去った。


「やりました! 勇気で大魔王を倒しました!」
 満面の笑顔を浮かべたユーフィが元気に飛び跳ねて勝利を祝う。
「これで迷宮攻略完了か」
 やりきったとユリウスは緊張を解いて口元に笑みを浮かべた。
「戦争に勝てたなら、アルダワ魔法学園も平和になりますね!」
 ハルアも嬉しそうに良かったと笑顔となって、感情に釣られるように翼をパタパタと動かした。
「ええ、そうですね。では大魔王を倒したと報告に戻りましょう」
 絶奈が振り返ると猟兵達は頷き、戦場の自分達を心配し報告を待つ者へ勝利の報せを届けようとグリモアベースへと帰る。

 大魔王は倒れ、人々の心に宿る希望も、多くのものが住まう世界も、猟兵達は護りきり、やり遂げた笑顔で凱旋する。そこには輝かんばかりの希望が満ちていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月21日


挿絵イラスト