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駆ける伝説

#UDCアース

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#UDCアース


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 人気のない夜の街。しんと静まり返った夜の帳に街灯の電圧が仕事をする、微かなノイズが響く。
「なんでこんな時間に……」
 深くため息をつく女性は仕事を終えて、終電を逃した為に夜道を一人で歩いていた。街灯しか照らすものがない薄暗い路地を抜けて、ようやく家が見えた時だった。
「え、なに、暴走族!?」
 突如、背後から爆音を響かせて、バイクが迫ってくるではないか。轢き殺される未来を直感して、女性が避けようとした瞬間、急停車したバイクが横滑り。
「きゃっ!?」
 女性を背に乗せて……『誰も乗っていなかった』バイクが走り出す。

「というわけで、皆様にはこのバイクの調査をお願い申し上げます」
 人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)は電子巻物をコロリと広げ、UDCアースのとある町を示した。
「どうやら深夜に現れて、人々を攫っていくようなのです。皆様にはこれを強制停止させるなり、追いかけて捕まえるなり、罠を張るなり……早い話、とっちめちゃってください☆」
 端折った!? 椿は虚ろ目になってそっと遠くを見る。
「ちなみに、こちらのバイクは非常に目立つ姿をしております故、移動ルートさえ判明すれば発見は容易いかと……」
 猟兵達は首をかしげる。彼女とてグリモア猟兵。予知した程度で正気を失う事はないはずだが……。
「みれば分かりますよ、なんと申しますか……はい」
 とりあえず、相当ひどいビジュアルのバイクである事だけは察した。


久澄零太
ヒャッハーオフ会だー!!

というわけでシナリオです

オフ会中に終わらなくても許してね!?

『ネタ依頼』だからね?

分かるよね!?
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第1章 冒険 『ナイトライダーの噂』

POW   :    火力をもって直接バイクを走行停止状態にする

SPD   :    機動力を活かしバイクを追跡して捕縛する

WIZ   :    情報を集め、バイクが通りそうなルートを予測して待ち伏せる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マスター・カオス
フハハハ…我が名はグランドフォースに導かれし、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!!
ほう…拉致とは秘密結社の専売特許!しかし、私は残念ながら、その場にはいない(意味深)が、我が戦闘員の力を以ってすれば容易く事は片付くであろう!

さぁ、『オリュンポス戦闘員』よ!
私に代わり、あのバイクを見事に捕縛せよ!!

マスター・カオスは、戦闘員をバイクに嗾け、捕縛しようとします。
しかも、行ってこいを言っただけで、どんな姿のバイクなのか指定してなかったことを失念している上に、戦闘員たちは馬鹿正直に走行中のバイクを止めようとする事でしょう。

飛び出すな、バイクは、急には止まれない。



「フハハハ……我が名はグランドフォースに導かれし、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!!」
 マスター・カオス(秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535)は大々的に名乗りをあげると、顎に指を添えて首をひねる。
「ほう……拉致とは秘密結社の専売特許! これを見過ごすわけにはいかん……しかし、例え私が動かずとも、我が戦闘員の力を以ってすれば容易く事は片付くであろう!」
 こいつ、自分は動かず事態を収束する気だ!?
「さぁ、『オリュンポス戦闘員』よ! 私に代わり、あのバイクを見事に捕縛せよ!!」
『オリュー!!』
 ぞろぞろと空間に湧き出した白い仮面に黒タイツの、いかにも量産された感漂う戦闘員が夜の街へ散っていく。
「オリュー!」
 キキーッ! バァン!!
「オリュー!?」
 キラーン。走行する普通のバイクの前に飛び出した戦闘員はお星様になりました。
「オリュ!? オリュリュ」
 その様子を見ていた次の戦闘員は走ってくるバイクに対し、側面から体当たり。
「オリュー!」
「うわっ!?」
 バイクごと押し倒し、強引に止めると残りの戦闘員がライダー諸共取り囲む。
「オリュ!」
『オリュオリュー!!』
「え、なに、誰か助け……んぅ!?」
 こうしてマスターカオスが『あのバイク』しか言わないせいで、手当たり次第にライダーがバイクごと誘拐されていくのでした。
「お前達、何をしているのだ……?」
 呆れ返ったマスターカオスだったが、連れ去る戦闘員達を見ているバイクが一台……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
人を攫うバイク・・・ね。さてさてどんなものなのかね?・・・姿も含めて。
まずは情報収集を。攫われた人の特徴や攫われた場所に何かしらの共通点がないか調べよう。ネットになら眉唾物でもそれっぽい事が書いてあるだろう。
わかり次第、共通点に当てはまりそうな所に向かいレプリクラフトで攫われる特徴のある人物の仕掛け罠を。
間違えても自分が連れ去られないように目立たないようにしつつ万が一こっちに来たら逃げ足の速さを見せつけよう。
特に何もわからなかったら薄暗い路地で女性の仕掛け罠でも置いておこう。捕まればラッキーぐらいで。



「人を攫うバイク……ね。さてさてどんなものなのかね? ……姿も含めて」
 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は情報が足りない事実に歯噛みして、まずはネットに散らばる噂話を搔き集める。
「なんだこれ……」
 攫われる人物に特長はない。まさに老若男女問わず被害に遭っているようだ。しかし、調査でひとつ分かったこともある。
「ん……?」
 被害に遭った場所を、地図上にマーキングしていくと、とある一定地域に集まっていることがわかった。罠を張るならここだろう。
「後は幸運にかけるとしようか」
 OLを模した人形の罠を仕掛け、自身が攫われぬように近くの電柱に登り、街灯に影を落とさぬよう角度に留意して姿を隠す。
 息を潜めてしばしすると、遠くからエンジン音が響いてきた……しかし。
「素通りした……?」
 ライダーのないバイクは拓哉の読み通りに現れた。だが罠と気づいたのか、仕掛けをスルーして走り去ってしまう。
「もしかして、生きた人間を判別してる?」
 新たな謎に、拓哉は首を傾げるのだった。ちなみに、ビジュアルについては。
「それにしても酷いバイクだったな……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

枯井戸・マックス
和奏嬢ちゃん(06753)と黎明嬢ちゃんと協力してバイクを捜査する。

俺は嬢ちゃん2人を愛車のセダンに乗せて大通り沿いをメインに動き回り、いつでもビルドロボットを発動できるようにスタンバイしておこうか。
情報での探索は黎明嬢ちゃん、目での探索は和奏嬢ちゃんに任せ、「第六感」の任せるままに運転に集中する。

発見の知らせを受けたら超特急で向かい、そのままバイクに対しカーチェイス。
和奏の追跡技能によるアドバイスを受け入れながら距離を詰める。
十分に距離が詰まったらビルドロボットを発動し加速をつけた状態で殴りかかる!

同乗者の2人はそのまま車から放り出されるだろうが、俺は信じてるぜ!(サムズアップ)

アドリブ歓迎


水瀬・和奏
【枯井戸さん(f03382)および暮陽さん(f00383)と連携】

枯井戸さんの車に同乗してバイクを【追跡】
乗車中は絶えず周囲に注意を払い、見るからに怪しいバイクがいないかどうか警戒する
と同時に、発見したら即攻撃できるよう武器もスタンバイ

バイクに対してはガンラック・ガールを使用
持ってきた武器から、命中重視でマークスマンライフルでタイヤを狙撃(スナイパー技能)
ダメなら対戦車ミサイル攻撃(誘導弾技能)

……きゃあああああ!?
せ、せめて一声かけてからやってください!
(と言いつつ武器を構え直して攻撃体制に移行)

※アドリブ歓迎です


暮陽・黎明
枯井戸・マックスさん(f03382)と水瀬・和奏(f06753)と連携
まぁまずはどこを通るかの情報収集だろうな。場所がわからにゃ殺ることも捕らえることもできねーからな。ってことで、人通りが少なそうな地域や大通りなんかを捜索してみるぞ。
あとは暴走族と勘違いするほどの騒音だろう、音の進行する方向を探って先回りするのもやってみるか。
力はねーし機動力もそこそこしかねーから捉えたり追っかけたりは任せることにするぞ。

行けそうなら巫覡載霊の舞でバイクを転かすことを試みてみるぞ。

ってちょ、待って待ってー!?
せめて降りさせてー!(と慌てつつもうまく着地を試みる)

アドリブ大歓迎


ロースト・チキン
ヒャッハーーー!!
オレのサバイバルバイク、フライ・怒・チキン号は、世紀末を駆ける!!
噂のバイクとのタイマンだって目じゃないぜ!!

コケーっと、勝利を確信した嘶きで、愛用のメタルコームで赤いモヒカン(鶏冠)を整えるロースト。
味方の情報が集まったら、バイクで競争と洒落込み、『群れる世紀末』で召喚されたモヒカン族たちを生贄に使って、バイクを捕縛してみます。

しかし、それでも駄目な可能性もあるので、何を思ったか火炎放射器を用いてあと一歩の距離を縮めようとしますが、走行中に火なんか出したら…『鶏の丸焼き』になっちゃうよね?

と言う感じで、やったね身を犠牲にした高速移動が可能になったよ!



「聞こえた……三時!」
「はいよ!」
 耳を澄ましていた暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)は地図とバイクのエンジン音の方角を照らし合わせ、愛車を駆る枯井戸・マックス(サモナー・ザ・アーティファクト・f03382)をナビゲート。丸サングラスの男がハンドルを回しながら急ブレーキをかけ、ドリフトしながらほぼ直角に路地を曲がり、車の頭が正面を向いた瞬間にアクセルを踏む。急加速にブレる車体をコントロールして路地を走り抜け、その後部座席で頭を打った水瀬・和奏(重装型戦闘人形・f06753)が痛む額を押さえてふるふる。
「安全運転でお願いします!」
「冗談! ちんたら走ってたらやっこさんに逃げられるんじゃねぇの!?」
「……うるさい、静かにしてくれ」
 黎明が半眼ジト目を向け、助手席から車の屋根に上がる。
「来るぞ」
「もうですか!?」
 後ろで涙目になっていた和奏はゴルフバッグからスナイパーライフルを取り出すとサイレンサーと暗視スコープを組み立て、窓から身を乗り出して構えた。
 車両が交差点に飛び出そうとする五秒前、二輪車の爆音が響き始める。
「行くぞ」
 黎明が高速で夜の路地を駆ける鉄の獣の背で、小さく足を踏み鳴らす。夜闇を引き裂くように、淡く光を纏うと、その手に星の輝きを編み上げた一振りの長柄武器が握られる。
 タイミングは一瞬、斬撃を放とうとした黎明が……止まった。その前をバイクが走り抜けていき、同じく見送ってしまった和奏がツッコミ。
「なんですか、今の痛車はー!?」
「なんか、キラキラしてたな」
 遠い目をするマックスが車体後部を振り、遠心力だけでブレーキをかけて鋭角的に曲がるとアイドルの広告車両なのかと見紛うほどのイタイバイクの背後に着く。
「黎明嬢ちゃん、狙えるか!?」
「少し、厳しい」
 黎明が神霊化を解いて車内に戻ってくる。敵はこちらが狙っている事を察したのか、スラローム走行を始めたのだ。この状態で下手に衝撃波を放って空振りなどすれば、どこに被害が出るか分からない。
「和奏嬢ちゃんは!?」
「もう少しだけ……せめて、一瞬だけでも減速してくれれば……!」
 左右に不規則に揺れるタイヤをスコープ越しに睨み、和奏が唇を噛んだ時だった。前を行くバイクに負けないけたたましい叫びが背後から追い上げてくるではないか。
「ヒャッハーーー!! オレのサバイバルバイク、フライ・怒・チキン号は、世紀末を駆ける!!」
 ロースト・チキン(チキン野郎・f03598)がメタルコームでトサカの手入れを……フリーハンドで走ってる!?
「コケーッ!! 手柄は頂きだーっ!!」
 割とせこい考え方のローストはコケそうになって慌ててハンドルを握るとアクセルを回し、フルスロットル。イタバイクのケツにつくが、手羽先が届きそうで届かない。
「こうなりゃ飛び道具だーッ!!」
 ジャキッ、火炎放射器を取り出した!
「エンジンに引火してスクラップになりやがれーッ!!」
 そんな事態になったら大惨事なのだが、世紀末なトサカをしたローストは止まらな……あっ。
「あ、あ、あついぃぃぃぃぃーーーーーーーーー!?」
 走りながら炎なんか吹き出すから、風に煽られて自分が業火に包まれて焼鳥に!! ついでにフライ・怒・チキン号がボコボコ言い始めて……。
「コケーーーッ!?」
 ドゴォン!! タンクが加熱されて爆発したー!? 名に恥じぬローストチキンになったローストはぼんじりに(蛇?知るか!!)火がついたローストは吹き飛ばされる形でバイクに激突。弾き飛ばされてしまうが、イタバイクが一瞬揺らぐ。
「そこっ!」
 タァン!! 一瞬の隙を和奏は見逃さない。撃鉄に殴り飛ばされた弾丸は空間を抉るように回転しながら後輪に命中。タイヤが弾け飛んだバイクはホイールでアスファルトから悲鳴を引きずり出し、軌跡に火花を散らして逃れようとするが。
「嬢ちゃん方、信じてるぜ」
 マックスがサムズアップした瞬間、和奏と黎明が車外へポーン!!
「……きゃあああああ!?せ、せめて一声かけてからやってください!」
「ってちょ、待って待ってー!?せめて降りさせてー!」
 二人が空中で姿勢を整え、地面に転がって目にしたのは、後部座席が左右に別れて車体を起こし、テールランプが回転して足を形成。ドアが開いてスライド、肩の武装になり車体下部が開き、左右に回ると切断面から拳が飛び出して握り、ボンネットが左右に分かれて肩を作り、ドアの武装と接続。ボンネットから顔を覗かせた頭部の眼光が輝くマックス。
「逃すかってぇの!!」
 金属が破砕される音を残し、マックスの鉄拳は直撃したバイクははるか遠方へと吹き飛んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『邪神が潜むアイドル劇場』

POW   :    アイドルの楽曲を歌う

SPD   :    オタ芸を披露する

WIZ   :    アイドル知識を披露する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 車体がひしゃげたバイクは、まるで何かに引き寄せられるように道路を這って進む。その後を追った猟兵達が見たのは……。
「みんなー!見てるー!?」
 アイドルのイベント会場だった。呆然としてしまう猟兵達だったが、見れば観客は虚ろな瞳でアイドルに熱狂している……どうやら攫われた人々が押し込まれ、洗脳されているらしい。
 彼らを救うには、まずアイドルへの熱狂を冷まし、洗脳を解く必要があるだろう。さぁ、猟兵達よ、アイドルよりも目立ち、人々の視線を奪うのだ!
アリス・セカンドカラー
アリスのペット♪で中に浮かびいーとみぃと鳴きながら自ら喰われに逝くいーとみぃスターゲイザーパイを召喚するわ。
このパイを使ってダウジングよ。第六感と野生の勘が無意識下で捉えたモノを念動力で反映させるの。
そう、このいーとみぃスターゲイザーパイのパレードが導く先にきっとヤツはいる。


いたいた♪……あっ
いーとみぃスターゲイザーパイでスリップ事故起こしてたけど、結果おーらい、よね(汗


波狼・拓哉
酷いバイクを追っていくとそこはアイドル会場でした・・・何かジャンルがヤバそう。いやただの直感だけどね?
さて・・・まあ、前でて歌ようなタイプでは無いしね、自分。サポートに徹しよう。
情報収集や世界知識をフルに活用して、他の目立っている猟兵を全力サポート。
何という名で有名か、どのような事が売りなのかを解説し、周りにその素晴らしさを押し付けていこう。
後パッと邪神組アイドル達を調べて炎上案件とか不祥事があれば一緒に周りに伝えて行ってみよう。・・・猟兵側のそういうのは見なかった感じで。
(アドリブ、絡み歓迎)


テティス・ウルカヌス
「アイドルと聞いて、天才美少女アイドル、テティスちゃん、時空を越えて参上ですっ!」

ふっふっふ、決めポーズも完璧ですねっ!

とりあえずアイドル劇場と聞いたらので、この私の出番ですね!
この天才的な美少女アイドルっぷりを披露しちゃいますね!

舞台に乱入して、ライブをしてるアイドルたちからファンを奪ってしまいましょう!

うーん、まだユーベルコードとかいうのは使いこなせないので、ここは普通に歌って踊りましょう。

さあ、この私の歌と躍りでファンをたくさん増やしちゃいますよっ!
(なお、歌が下手なので阿鼻叫喚の地獄を生み出します)

「ふっふっふ、みなさん、そんな涙を流すほど感激しなくてもいいんですよっ☆」



「ふふふ、それじゃあまずは、あちらの女の子には悪いけどちょーっと残念なアクシデントに遭ってもらおうかしら?」
 意味深な微笑みを浮かべるアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)がどこかに電話をかけると、会場のあちこちから白仮面に黒タイツの不審人物が現れた。どいつもこいつも『オリュンポスフーズ』と書かれた箱を持ってるから、きっとそういう会社なのだろう。
「逝きなさい、アイドルに差し入れターイム☆」
 一斉に黒タイツが蓋を開けると、パイ生地を貫通した無数の魚が……あ、違う。出来損ないのスターゲイザーパイ……いやアレ絶対料理じゃねぇだろ!?だって本物は白目剥いた魚が尾ヒレを動かして宙を泳いだりしないもん!!
「いーとみぃ」
 おい何か鳴き声したぞ!?マジでなんだアレ!?
「フッ、いーとみぃスターゲイザーパイも知らないなんて、時代に乗り遅れてるわよ!」
 あんな奇怪な生命体が時代の最先端だと言うのなら、俺は一昔前の人間だと嘲笑われても構わない。それはさておき、会場っていうか、アイドルは阿鼻叫喚の真っただ中。
「いやー!?え、何これ魚!?調理されてるのに生きてない!?オバケなの?魚のオバケなの!?」
 会場のあちらこちらから現れたパイ(を身にまとった魚)はアイドルを取り囲み、会場が騒ぎになるかと思いきや、正気を失った人々には新手の演出程度にしか見えていないらしい。誰も助けようとしない中、パイ(のような魚)はピタッと停止。
『いーとみぃ』
 全ての口で同じ鳴き声を上げ、それを号砲代わりに突撃。アイドルの顔面目がけて何匹ものパイ(を貫通した魚)が突撃。食べるとうんざりする料理の称号に恥じない混沌とした味をアイドルの口の中にデリバリー。しかし考えてみて欲しい。スターゲイザーパイは本来、お祝いの場で出される料理。速い話、一人で食うものではないくらいでかいのだ。何が起こったかっていうと。
「んんーッ!?」
 一斉に口目がけて突っ込んでくるパイ(生地に包まれた魚)に襲われ、ステージ上にアイドルが転倒。しかし、倒れた彼女に容赦なく更なるスターゲイザーパイが襲いかかるという悲劇が広がっていた……。
「アイドルと聞いて、天才美少女アイドル、テティスちゃん、時空を越えて参上ですっ!」
 誰だあいつをこっちに連れてきた奴!?テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)なんか呼んだらスターゲイザーパイが飾りみたいな大災厄が起こるぞ!?アリス!お前ならなんとか……。
「私はアリス私は有栖私はありす私はAlice……」
 耳栓して完全防御態勢に入ってる!?テメー自分だけ助かる気だな!?
「酷いバイクを追っていくとそこはアイドル会場でした……何かジャンルがヤバそう。いやただの直感だけどね?」
 はっ!常識人感漂う消耗品……もとい、ツッコミ役がいた!?
「突っ込みって……俺は前に出るタイプじゃないんだけど……」
 その突っ込みじゃねぇ!!
「えーと、取りあえず会場の人を逃がせば……」
 拓哉が固まったのは、テティスがステージに登ってパイ(魚群)に蹂躙されているアイドルを横目にウィンクしながらマイクを構えていたからだ。
「もうあんなところに……あ、でもアイドルを名乗ってたなら別にいいのかな?」
 何も知らない拓哉は楽観視していたが、テティスが息を吸った直後……。

 ※しばらくお待ちください。

「ふっふっふ、みなさん、そんな涙を流すほど感激しなくてもいいんですよっ☆」
 一曲歌い終えたテティスは上機嫌に、しかしやや照れてソッポを向きながら手をブンブン振り、謙遜してるのか喜んでるのか分からない反応をするが、会場の方はと言うと。
「耳が……耳が……!」
「聞こえない……何も……見えない……」
「ここではおりゅんぽすのうたをうたえ」
 あまりの音痴に耳をやられたり、脳が生命の危機を感知して五感をシャットアウトしたり、発狂して奇妙な事を言い始めたり、一般人と思しき観客が一斉に壊れてしまっていた。
「ふっふっふ、それではそろそろ、次の曲いっちゃいますよっ!」
「まずい……!」
 事態の危険性を理解して拓哉が猛ダッシュで会場の扉を開くと、そこで手を振り回して避難誘導を開始する。
「皆さん急いで!このままでは次の歌が始まってしまいます!速く!!」
 我先にと一斉に走り出す人々、転んで後続に踏み潰されそうになる人を拓哉が庇い、どうにか逃走を補助するものの、五感をやられたり、発狂してしまった人は未だ会場に取り残されたまま、テティスの奏でる狂気の旋律に蝕まれていく……残された人々が無事に生還するのか、このままテティスの犠牲者になってしまうのか、その命運は猟兵たちに託された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
仕方ないわね。
念動力による音波の属性攻撃で狂気の旋律の中和を試みるわー。
たぶん、中和しきれないからその分はグラビティプレスによる重力波で地面に逃がしましょう。
更に盗み攻撃による吸収の属性攻撃でのエナジードレインで狂気の旋律の音波エネルギーと破壊エネルギーを吸収しましょうか。


ヤバいヤバいヤバいリジュネレーション使ってもなお血涙流れるぐらい負荷かかってるんだけどー。
我々の業界でもコレは拷問だわ……

と、とりあえずパンピーが脱出する時間は稼げたかしらー?


テティス・ウルカヌス
「では、二曲目いきますねー!」

なんだかファンの皆さんの数が減ってるような気がしますけど、
私は気にせず歌い続けます!
まだまだいきますよー!
こっちの世界は、ずっとテティスちゃんのターン!ができて楽しいですね!

「あ、せっかくなので、テティスちゃんとの握手会をしましょう!」

え?私、男の人が苦手じゃなかったかって?
きっと世界を超えて、その弱点は克服……
「きゃー!」
……できていませんでした。てへ☆

客席に降りて歌いながらファンの人と握手しようとして
つい殴り飛ばしてしまいます。

あ、誰が私をこっちに呼んだかって?
それはもちろん、プロデューサーさんがアイドルのフラグメントとか出したからにきまってるじゃないですか♪


涼風・穹
『贋作者』でテティスを囲うように壁を出現させて、歌声が外に漏れないようにする
声を完全に漏らさないようにしようとすると空気すら通さない事になるけど、密閉されたとしてもテティスが中の酸素を完全に消費しつくすまでにはまだ時間はある
「そこの呆けている方々!長くは持たないんだからさっさと逃げろ!」
(テティスの息が、なのか内側から破壊されるまでの時間なのかは知りませんが)

テティスが再度歌いだしそうなら手段は選びません
「そこのアイドル!ファン達の命が惜しければ今すぐ会場から逃げ出すように言え!」
本末転倒?
状況を利用して機転を利かせたと言って欲しいもんだ
アイドルにしたってここでファンを失いたくはないだろうしな



「では、二曲目いきますねー!」
「させるかッ!」
 テティスが歌い始めようとした瞬間、涼風・穹(人間の探索者・f02404)が床をぶん殴りテティスを中心にしてコンクリート製の正六面体を形成。密閉空間に隔離することで歌声を押さえる。
「そこの呆けている方々!長くは持たないんだからさっさと逃げろ!」
「なんですかこれー?あ、ライトダウンの演出ですね!!」
 勝手に解釈したテティスは箱の中で歌いだし、漏れ出てくる声に逃げ出した観客が小さく呻きを上げて崩れ落ちていく……。
「くそ、どういう歌唱力してるんだ……!」
 かく言う穹もまた、密閉空間程度では留まるところを知らなかった彼女の歌の前に視界が歪み、聴覚は掻き乱され、とてもではないが立っていられる状態ではなかった。
「仕方ないわね。念動力による音波の属性攻撃で狂気の旋律の中和を試みるわー」
 少しずつ、ひび割れ始めた無骨なパンドラの箱を前にして、アリスが思念による大気の振動を起こし、音波を箱から零れだす狂気の旋律に真っ向からぶつけて中和していく。しかし、それはあくまでも拡散する分の歌に対応しているだけであり。
「ヤバいヤバいヤバいリジュネレーション使ってもなお血涙流れるぐらい負荷かかってるんだけどー」
 赤い瞳から真紅の涙を流し、空虚な目で人々を背に狂気の旋律に晒されるアリス。既に彼女の目は光を失っており、聴覚も薄れ始めていた。それでも、倒れるわけにはいかぬ猟兵の矜持だけが、彼女の背を支えている。
「我々の業界でもコレは拷問だわ……」
 お前どんな業界で生きてるんだ……それはさておき、亀裂が広がる箱に向けて、穹が賭けに出る。
「そこのアイドル!ファン達の命が惜しければ今すぐ会場から逃げ出すように言え!」
「え?」
 ピタと、テティスの歌が止まった。安堵のため息と共に穹はへたり込み、アリスはゆっくりと崩れ落ちた。これで事態は収拾し……。
「私の歌が素晴らしすぎて、観客の皆さんが倒れちゃうだなんて……さすがに大袈裟ですよ、もう!」
「ちげー!?」
 てない!?まさかの解釈をしたテティスに穹が絶叫。このバカに常識が通用しない事が発覚した瞬間である。
「歌えないのなら仕方ありませんね!特別に、テティスちゃんとの握手会をしましょう!」
 瓦解していく箱から出てきたテティスはまず、一番近くにいた穹へ向かう。ここで穹はピンと来た。相手はただの少女。これを投げ、気絶させてしまえばすべてにケリが着くと!
(勝負は一瞬、一撃で……!)
 真剣な面持ちで、重心を低く構えて投げ技に備える穹。そんなことは露知らず、ご機嫌な様子で迫るテティス……二人の右手が重なった、その瞬間。
「きゃー!」
「えぇえええぇええぇ!?」
 穹がテティスを背負い投げるより速く、テティスが穹の腕を引き寄せて左ストレートッ!!鼻っ柱に直撃を食らった穹が吹っ飛び、背中から力なく床に叩き落とされていく。
「はっ!またやってしまいましたー!?」
 自分のやった事にショックを受けるテティス。まさかのコイツ、アイドルなぞという目立つ事をやりながら、大の男嫌い(ていうか苦手)というとんでもない弱点が存在するのである。予想外の一撃を食らい、地面に伸びた穹が見たものは、最後の観客が助け合いながら、這う這うの体で逃げていく後姿だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『雷穹龍グローレール』

POW   :    雷霆光輪
【超高熱のプラズマリング】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    撃ち砕く紫電
レベル×5本の【雷】属性の【破壊光線】を放つ。
WIZ   :    ドラゴニック・サンダーボルト
【口から吐き出す電撃のブレス】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠神楽火・皇士朗です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「貴様ら何してくれてんのー!?」
 会場を震わせる怒気と驚愕を混ぜて煮詰めた物を更に三日くらい日陰干ししたくらい濃厚な困惑が香る声が響く。天井の一部を破壊して、姿を見せたのはその身に雷を纏う龍だった。
「折角コンサートという人々の熱気が籠る物を用意して、その熱で微弱乍らも発電して力を溜めこんでいたというのに……」
 よろり、物陰から怪しげなローブの人物が姿を見せた。ローブの不審者は周囲に稲光を走らせる龍を見上げて。
「不完全な形での降臨になってしまったか……だが、それでもお前らを消し炭にするには十分すぎ」
 ピシャーン!一条の雷撃が、男を消し炭にした。
「足りぬ。この程度の贄ではこの憤りは収まらぬ……我が復活を阻んだ貴様らの命、揃えて差し出すがよいわー!!」
テティス・ウルカヌス
「うわー、これが今流行りのばーちゃるりありてぃってやつですね!
さすが、最新のコンサート会場は違いますね!
いつも鳥の着ぐるみ着た芸人さんしか出てこないお仕事とはスケールが違います!」

よーし、ここは私のダンステクニックを披露しましょう!
……あれ?会場から、いつの間にかファンの皆さんが消えちゃってますけど、
いつの間に収録になったんでしょうか?

それでは、カメラに向かって踊りますね♪

【スカイステッパー】を使って、空を舞うようなダンスを踊ります。
背後に紫色の雷が落ちてきてますが、さすがエフェクトにも凝ってますね!

「あっ、きゃあっ」

うっかり転んでしまい、ばーちゃるりありてぃの龍を蹴ってしまうのでした。


アリス・セカンドカラー
朦朧とする意識の中流れる血涙もそのままに、夢と現の区別がつかないままゆらりと立ち上がるとそのままふわりとレビテーションで浮かびあがる。

あなた達はこれまでよくやってくれました。最期にわたしの贄となる栄誉を授けましょう。

そう言い放つと真なる夜の到来へと変じていく。
瞳は夜空に浮かぶ二つの月となり、赤い瀑布を垂れ流す。
それは夜を満たし、血中の抗体(アリスのペット♪)が異物へと殺到しエナジードレインしイーファルニエフィルフィンの糧とする。


で、なんやかんやで酷い目にあって

こ、こんなはずでは

とかなっちゃうなんちゃってラスボスムーヴ


波狼・拓哉
世の中って広いなぁ・・・・・・うん。というかコンサートなんてしたら電力的にはマイナスなってない?大丈夫?・・・まあ、いいか。それじゃ消耗品・・・じゃなかった、猟兵とてしその強行止めさせて貰うよ!
さて、それじゃ行こうかミミックさん!前衛は任せるよ。真っ直ぐ突っ込みな!(相手に向かってぶん投げる)
さて、後はサポートに回るかな?ぶん投げた後、放たれるブレスに対してクイックドロウで衝撃波込めたBB弾を撃ち相殺を試みる。ミミックだけじゃなくて周りにも動きやすいように全て撃ち落とすのを頑張ろう・・・!
好きがあれば敵の傷口にも打ち込んで抉っていこう。



「うわー、これが今流行りのばーちゃるりありてぃってやつですね!さすが、最新のコンサート会場は違いますね!いつも鳥の着ぐるみ着た芸人さんしか出てこないお仕事とはスケールが違います!」
 人類の敵になる覚悟を決めて、殺される末路も見えてなお、己の信じる道の為に布教を続ける某鳥さん達に謝れ!!
「よーし、ここは私のダンステクニックを披露しましょう!」
 とある異世界に喧嘩を売りつつ、マイペースを崩さないテティスは観客にアピールしようと振り向くが、当然そこには誰もいない。
「……あれ?会場から、いつの間にかファンの皆さんが消えちゃってますけど、いつの間に収録になったんでしょうか?」
 ちげーよ!ていうかいい加減これがガチバトルだって気づけよ!!むしろ収録始まってたらファンは見てるだろうよ!?
「それでは、カメラに向かって踊りますね♪」
 テティスは今日も気づかない……踊り始めた自称アイドルを横目に、拓哉は遠い目。
「世の中って広いなぁ……うん。というかコンサートなんてしたら電力的にはマイナスになってない?大丈夫?……まあ、いいか」
 敵さんの事情を考える余裕があるなら自分の身を案じなさい?
「さて、それじゃ行こうかミミックさん!」
 拓哉が肩の高さで掌を上に構えれば、箱っぽい生命体が顕現。
「前衛は任せるよ」
 と、いいつつ片足を後方へ、腕を振りかぶり……待て、お前まさか!?
「真っ直ぐ突っ込みな!」
 投げたー!?呼び出したばかりのミミックさんを投げたー!?まっすぐ龍に向かって飛んでいくミミックさん!口(蓋)を開き、龍に喰らいつこうとして……ぺしーん!尻尾に弾き飛ばされ、天井を貫通して空の彼方へ……。
「み、ミミックさーん!?」
 手を伸ばす拓哉の先、夜空の果てでお星様になったミミックさんが、箱の中身でサムズアップしてる気がした……ミミックさんは犠牲になったのだ。
「よくもミミックさんを!」
「投げつけたのは貴様だろう!?」
 げにゅーん……困惑を隠せない龍へ、拓哉が憎悪の視線を向ける。
「ミミックさんの恨み……喰らえ!」
 体を横に、敵に対して斜に構え、投擲に備える拓哉の手に形成されたそれは、六つの面を持ち、鋭角的な角を持った鈍器のような、意思持つ得物。
「行けっ!ミミックさん!!」
「またそれかー!?」
 放たれるミミックさんはまたしてもぺしーん!二つ目のお星様に。
「まだだ!行くぞミミックさん!」
「もうやめてやれよ!?」
 ヒュッ、ぺしーん!ヒュッ、ぺしーん!ヒュッ、ぺしーん!宙をかける箱を龍の尾が弾き飛ばすリズムゲームみたいになってきた……。
「しつこいぞ貴様!その箱は相性が悪いと分からんのか!?」
「分かってるとも!」
「分かっていてこんな事を……!」
 もはや流星群と化したミミックさん『達』に戦慄を覚える龍だが、もちろん拓哉の狙いはミミックさんを犠牲にしたストレスの発散ではない。
「あなた達はこれまでよくやってくれました。最期にわたしの贄となる栄誉を授けましょう」
「しまった!いつの間に背後に……!?」
 両手を広げ、漆黒に染まった双眸から毒々しい赤の涙を垂れ流すアリスが龍の背後に浮遊する。両眼に侵食されるように全身が黒く変質し、真っ赤な瞳を残して空間に溶けたアリスの肉体は、夜闇の如く広がり、残された瞳だけが二つの月のように赤々と龍を照らしだす。
「な、なんだこやつらは!?」
 コウモリの羽を生やし、胸元にナンバリングが振られた小さなアリスの群れが龍に殺到。噛み付いて、血を啜るようにその電力を奪い取るとジワジワと闇が拡大し、やがては龍を呑み込んだ。
「さぁ、今こそ宴の幕を開く時。龍よ、汝の身を晩餐に捧げ……」
「きゃー!?」
「「へぶしっ!?」」
 何が起こったのか分からない人のために説明しよう!テティスはずっと踊り続けていたのだが、ついにこの女、奇妙不可思議なダンスが限界突破して、空中でステップし始めたのだ!
 それだけなら勝手にやっててくれればよかったのに、龍と周りの雷を演出と勘違いしてたテティスは龍を自分の真後ろに配置してダンス。拓哉がミミックスローを繰り返して注意を引いてくれてたから今の今まで無傷だった、が。
 ……こいつ、ダンス下手なのよね。空中でコケるという逆に器用な真似を披露した結果、アリスに飲まれて動きが止まっていた龍を、アリスごと蹴り飛ばしやがった!
「こ、こんなはずでは……」
「今時の若者って、こんな連中ばかりなのか……?」
 龍とアリスは二人仲良く?撃墜されて、会場の床に叩きつけられるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
頑張れ龍さん
君は常識的な意味で正常で、間違っているのは周囲の方だ
同調圧力に屈したりせずにリアス力的なものを維持し続けないと…ここもネタ時空に飲み込まれてしまう
”君が”シリアス空間の最後の砦なんだ
(俺が、とは言っていない)

俺は空中の相手への有効な攻撃手段はないから、まずは地上へ落ちて貰うフック付きワイヤーを龍へ向けて投擲、上手く身体に絡められたなら『贋作者』でウインチを作成して只管ワイヤーを引いて、龍をステージへ引き摺り下ろす

ステージ上へ落としたなら…耳元でたっぷりとテティスの歌声を楽しんで貰おうじゃないか
あれだ、邪悪な龍が歌で浄化される的な場面の収録って事で
おお…龍が浄化(汚染?)されていく…



「頑張れ龍さん」
 穹は地に墜ちた龍の鼻先をポン、しようとして触れる前に静電気が派手にバチィ!スパークが割と洒落になってない為、手を引っ込める。
「君は常識的な意味で正常で、間違っているのは周囲の方だ。同調圧力に屈したりせずに、シリアス力(ぢから)的なものを維持し続けないと……」
 まるで、一度世界の破滅を見たかのような顔で、穹が迫る。
「ここもネタ時空に飲み込まれてしまう。君『は』シリアス空間の最後の砦なんだ」
 おい待て、お前もネタ堕ちする気か!?ていうか、現時点でシリアス感霧散してないか!?
「分かるだろう?もうこれ以上の悲劇【カオス】を繰り広げるべきではないんだ……!」
 などと語りつつ、投網でも放つように無数のワイヤーを発射。床にフックを生成してワイヤーと接続すると、更にウィンチを生成して一気に巻き取り龍を床に固定。どこぞの小人の国へ踏み込んだ旅人の昔話のような有様である。
「というわけで、このカオスの根源を任せた!」
「なぬー!?」
 この状況で何が起こるかっていうと、ほら、いただろう?人々を狂気の渦に巻き込んだ凶器の歌声持ってる奴が。誰だか分からない?さっきまで空中ダンスしてて、今降りてきてマイク構えた女だよ。
「では、三曲目いっちゃいます!」
「ぎやぁああ逝っちゃぅうううう!?」
 至近距離で、しかもノーガードで某なんちゃってアイドルの歌を聞かされた龍が涙目で暴れ回り、ついにワイヤーを引きちぎると再び空中へ。
「もうやだ!帰る!おうち帰る!!」
 しかし帰れるわけもなく、実体化を維持できなくなった龍は少しずつ色彩を失い、やがて消えていった……。
「おお……龍が浄化されていく……」
 と、無事事態が収束を迎えた事に油断した穹だが、悲劇はまだ終わらない。
「さて、そろそろ引き上げ……」
「まだまだライブは続きますよ!」
 穹は逃げ出した!しかし回り込まれてしまった!!
「いやぁああああ!?」
 音響兵器染みた歌声と、とある男の悲鳴はしばらく続いていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月16日


挿絵イラスト