●
夜の帳はすでに下りた。帝都の街道。辺りは暗闇に包まれ、人々の音はおろか、虫の鳴き声、鳥のさえずりすら聞こえない。明かりも消えた街道を「幻朧桜」が妖しく飾る。そこは普段の見慣れた空間と比べるとまるで別世界。そう、そこは通常から外れた別の空間である。街道を通る川の中から手が伸びる。その手は川縁を掴み、這い上がる。彼女の動きを合図に周囲が黒い靄に包まれ、次々と影朧が姿を見せる。この時は彼女たちの時間。幻朧桜の落ちた花びらを絨毯として彼女たちはゆらゆらと踊り始める。
「な、なんなの…これ?」
常ならざる空間に一人、尋常な世界の女が足を踏み入れた。不可思議な光景に意図せず漏れた言葉に影朧たちはピタリと姿を止めて女を見た。女が自分に向けられた不気味な視線に身を固くした時、カラコロと下駄で歩く音が響き渡る。影朧たちの中から大正の世にも珍しい姫のような美しい身なりをした女性が怯える女の前に立つ。姫はそっと女の頬に触れた。
「アナタの顔をきれいね。」
そう静かに呟くと、何の前触れもなく、女の胸を頬に触れていない側の手が貫いた。鮮血が舞い、女は血の塊を吐き出した。姫が手を引き抜くと、女は仰向けに倒れ伏す。そして、再び頬に手を触れると、指を頬の肉の下に突き刺し、
メリメリメリ…。
そこから顔全体の皮を音を立てて、引き剥がした。顔を剥がれた女の遺体は周囲にいた影朧たちによって川に突き落とされる。女が川に落ちると、影朧たちは何事もなかったかのように舞を再開した。そんな中、姫は一人、手の中の皮を被ると、満足そうに微笑み、舞を始める。美しき妖花は今日も今日とて夜の下で踊り狂い、街道を彩る。迷い込んだ花を飲み込みながら。
●
「以上が予知の内容です…。」
アイリス・ファル(竜の巫女・f04666)はグリモアの展開を終了する。その顔色はあまりよくない。
「今回の世界はサクラミラージュ。700年以上も大正時代が続く地球だそうです。その中でも帝都のとある街道が予知で視た場所になると思われます。」
そう言いながら、街道の映像を見せる。石畳が敷かれた大きな道にいくつも並び立つ店や建物、そして、その中心を通り、街道を右と左に分断する大きな川が存在している。その様は様々な施設がそろっていることもあり、日中にはそれは賑やかな姿を見せることだろう。
「調査したところ、この一帯では最近若い女の人が行方不明になる事件が起きているみたいです。予知から考えると、ここ一帯が逢魔が辻に変貌しているようです。また、失踪は日が沈んでから昇るまでの間にしか起きていないとのことなので、夜にのみ変貌しているようです。今回の任務は逢魔が辻を支配する影朧を討伐し、逢魔が辻を収束させることことです。逢魔が辻に迷い込む条件ははっきりしていませんが、猟兵ならば誰であろうと突入が可能です。」
そこまで口にすると、アイリスはグリモアを壁に向けて展開する。その先には暗くなった街道が映し出される。
「私も女の子ですし、女の人ばかり被害にあっているのは気になります。それに、あの予知はなんだか空恐ろしいものを感じました。皆さん、解決をお願いします!」
カルミナル
こんにちは、カルミナルです。今回はサクラミラージュでの戦闘メインシナリオになります。若干、ホラーテイストになるかもしれませんが、基本的に難しい話にはならないと思います。言葉遣い等は大正のモノとは異なる可能性もありますが、あらかじめご了承いただけると幸いです。是非自由なプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『怪異『猫ノ巫女』』
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POW : あなたは可愛いから、仲間にしてあげる
【相手の理性を奪う特性またたび粉 】【相手の服装を猫耳+巫女服に変える呪い】【絶対服従の首輪】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : 舞を見せてあげる。あ、お代はあなたの余生ね♪
【見続けると石化する呪いの舞 】を披露した指定の全対象に【この舞を狛犬のポーズで見続けたくなる】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ : 強制心変刀
【妖力 】を籠めた【手刀】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【道徳心】のみを攻撃する。
イラスト:かじぜん。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜の帳が下りる。猟兵たちが逢魔が辻に入ると、周囲の空気が一瞬で変化した。足元には石畳が隠れるほどの幻朧桜の花びらが敷かれている。すると、周囲に黒い靄が漂い始め、猟兵隊の目の前に集束していく。そして、その中から巫女服を着た女たちが次々と姿を見せ始める。その仕草は妙に猫っぽいが、間違いなく招かれざる存在に敵意を向けている。
リアン・ブリズヴェール
【アドリブOK】
「女の人が行方不明になってるなんて怖いですけど……解決しないと」
まずは【オルタナティブ・ダブル】でファムを召喚して2人で猫の怪異と戦います。
ファムと一緒に【あなたは可愛いから、仲間にしてあげる】を受けてから舞を見せられてしまえば見せられるままに石になります。
石化したあとで【騙まし討ち】で【ソウルマリオネット】を使って魂を出現させてから魂の状態で【一撃必殺】を使って倒していきます
「女の人が行方不明になってるなんて怖いですけど……解決しないと」
自らも女性である事を気にしてか、リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)は解決の為に動き出す。現れた巫女を前にもう一人の自分であるファムを呼び出す。それまでの判断に迷いはなかった。しかし、見慣れない光景に動くのが遅れてしまったリアンよりもわずかに巫女の方が早かった。巫女は懐に手を突っ込み、そこから、またたび粉と首輪を同時にリアンとファムに向けて投げつける。
「きゃあっ!なにこれ!?」
それは二人に直撃すると、首輪が勝手に装着されると、頭に猫耳が生え、服装もいつの間にか巫女服に変化していた。その変化に呆気にとられた二人は注意を奪われ、またたび粉を吸ってしまう。
「ぁ……」
その瞬間、思考がぼやけていく。巫女はそれを確認すると、戦闘中にもかかわらず、リアンとファムに向けて舞を披露し始めた。二人の瞳はぼーっとその舞を見続ける。舞は二人の姿を魅了し、その身は足から徐々に石化していく。そして、遂に頭まで石になったところで、巫女は舞を止めた。猟兵の排除を確信し、巫女は二つの石像に近づいていく。それが決定的な隙となった。巫女が石像の目の前に着いた瞬間、突然何かがファムの石像より飛び出し、巫女の後ろに現れた。それは、半透明ではあるが、目の前で石となったファムと瓜二つの少女であった。肉体が固まっていても魂は固まっていない。動かなくなった体に代わり、魂が姿を現したのだ。突然の出来事に巫女の動きが停止する。
「リアンに…私達に…何をするの…!」
愛するもう一人の自分を傷付けた巫女に向けて、ファムは拳を振るう。それは想定外の事態に固まっていた巫女の胸を一撃で貫いた。そして、影となって消滅していった。巫女が消えると同時に二人の石化が解け、身体の自由を取り戻すのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
サイカ・マギエール
アドリブ◎
いつだってどこだって、狙われるのはかわいい子なのね…かわいい子を取り込んでも、かわいい子になれるわけないのに。
まぁ、ねこさん?いいえ、ねこもどきね。かわいくないわ。わたし、いじわるな猫はきらい。
UC発動、「部位破壊」で手や足を重点的に狙う
道徳心?…知ってるわ、大事なものでしょう?でも、あなたみたいな意地悪なひとにそれを教えられたくないわ。攻撃は「狂気耐性」「激痛耐性」で堪えて。
敵の態勢が崩れれば、彩の花剣を持って「怪力」で「2回攻撃」を押し通す。
「いつだってどこだって、狙われるのはかわいい子なのね…かわいい子を取り込んでも、かわいい子になれるわけないのに。」
サイカ・マギエール(サイカの魔女・f22246)は逢魔が辻に静かに足を踏み入れる。その声色には呆れか、憐憫か、軽蔑か。少なくともそれは影朧の行動を否定する思いが込められている。サイカの前に物陰から巫女が姿を現す。巫女は変わらず明確な敵意をサイカに向けいている。
「まぁ、ねこさん?いいえ、ねこもどきね。かわいくないわ。わたし、いじわるな猫はきらい。」
「!…にゃああああああ!!」
かわいくない、きらい。そんな言葉が気に触れたのか、巫女は泣き声を上げて、サイカに近づいてくる。俊敏な動きを駆使して、視界から外れ、そのままサイカの背中に回り込んで手刀を振り下ろそうとする。サイカは身動きを取ることはない。しかし、その間際、サイカの敵意は確かに迫りくる巫女を捉えていた。突如、虚空から4発のガラスでできた弾丸が放たれた。弾丸は正確に巫女の四肢を撃ちぬき、貫通する。巫女はその突然の痛みと四肢の機能不全によって地面に倒れ伏す。倒れた衝撃によって地面に敷かれた桜の花びらが浮き上がり、ひらひらと舞い始める。その中で、サイカは彩の花剣を取り出し、倒れた巫女に近づいていく。
「にゃ、にゃおおお…」
巫女は小さく呻く。見ようによっては哀れな光景なのかもしれない。しかし、それは正常な存在がした時の話であった。
「道徳心?…知ってるわ、大事なものでしょう?でも、あなたも誰かを傷つけたでしょう?あなたみたいな意地悪なひとにそれを教えられたくないわ。」
影朧である事に変わりはなく、サイカにとって敵であることも変わりようのないことである。サイカは巫女に向かって彩の花剣を2度、十字に振るう。既に態勢の崩れた影朧を花剣は難なく切り裂く。そして、巫女は影となって消滅するのであった。
成功
🔵🔵🔴
ミリア・プレスティール
テフラさん【f03212】と同行
巫女の舞によって狛犬にされてしまうミリアだが、手袋型UDC『ミトン』がUCにより粘土化させた地面に足を取られた巫女達を捕まえていく。
捕まえた巫女は丸めて他の巫女達に毬として与えて同士討ちをねらう。
【ミリアの心情】
巫女さん達の舞、綺麗です…あれ?体が動かない…!?助けて、ミトn…!
【ミトンの心情】
ミリアとテフラさんがやられたか。お前ら(巫女達)、狛犬にして喜んでいるところ悪いが、そこ沈むぜ?
(丸めた巫女を持って)猫は毬と戯れてろ!
テフラ・カルデラ
ミリア【f16609】と同行
雰囲気がとても怖いのです…そして猫の巫女さんが相手…!
人を狛犬にするのであればこちらはユーベルコード『固化塗料粘液』でどろどろの芸術品に変えちゃいましょう♪
何人か全身塗り固めましたが…やはり数が多いのです…
…ってミリアさんが狛犬に変えられてします!? ふえぇ…何ですかこの粉は…頭がぼーっとして…
それに巫女の服を着せられて首輪が…(元々兎耳のため猫耳は生えない)
ふにゃぁ…とても綺麗な舞なのです…はっ!身体が石化して…狛犬にされていく…
いや…兎なのに狛犬って…何か…矛盾して…いま…せん…か…
(狛犬…ならぬ狛兎の石像へと変えられ、ミリアと対になるように飾られてしまう)
「雰囲気がとても怖いのです…。」
「確かに。なんだか不気味な場所です…。」
逢魔が辻に足を踏み入れたテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)はその異様な雰囲気に少したじろぐ。ミリア・プレスティール(守護霊憑き被虐性少女・f16609)と共に足を踏み入れはしたが、それでも、不気味なものは不気味なモノ。変わりようがない空気であった。そんな二人の前にわらわらと巫女たちがわいてくる。現れた影朧をすぐに補足した二人は戦闘態勢を取る。
「猫の巫女さんが相手…!あなた達の情報はすでにもらっています。人を狛犬にするのであればこちらはどろどろの芸術品に変えちゃいましょう♪」
テフラは何かドロドロとした塗料が入った小瓶を取り出すと、それをふたを開けた状態で巫女に向けて思い切り振った。振られる勢いで飛び出たどろどろの液体、キマフュ製特殊塗料が巫女たちに向かって飛び散る。先手必勝の攻撃が何体かの巫女に浴びせかけると、その塗料は一瞬にして固化し、塗料を浴びた巫女の一切の身動きを封じた。見た目だけを見るならばまさに美しい女の彫像が一瞬でいくつも完成したのである。しかし、それでも全ての巫女を捕らえられてはいなかった。
「何人か全身塗り固めましたが…やはり数が多いのです…。ミリアさん、そっちは…って、あれっ!?」
「巫女さん達の舞、綺麗です…。」
ミリアはいつの間にかポヤーっと敵であるはずの巫女の舞に見とれていた。いくら影朧といえど、見た目や舞は一級品であり、純粋に美しいと感じてしまったのだ。ミリアは足から徐々に石化していく。
「あれ?体が動かない…!?助けて、ミトn…!」
石化が胸の辺りに来る頃にようやく異常事態に気づくも時すでに遅し。ミリアの石化が完了して、狛犬のようなポーズを取ることとなってしまう。
「ミリアさんが狛犬に変えられています!?」
自分が見ていないうちにいつの間にか連れが戦闘不能になっていたことに驚愕し、テフラはワタワタと慌てる。その慌て様は巫女のことを忘れてしまっていた。その隙に巫女たちは懐からまたたびと首輪をテフラに向けて投げつける。当然、敵のことを忘れているテフラにそれは防げるものではなく、またたびを嗅いでしまう。
「ふえぇ…何ですかこの粉は…頭がぼーっとして…。それに、いつの間に私、巫女服と首輪なんて着けて…」
自分にも攻撃を受けているわけだが、またたびによって既に意識が朦朧としており、上手く頭が働かない。そして、そのまま巫女たちの舞を視界に入れてしまう。
「ふにゃぁ…とても綺麗な舞なのです…」
完全にミリアと同じ轍を踏んだ形でテフラも石化していく。そして、またたびの効果が切れる頃には最早手遅れだった。
「はっ!身体が石化して…狛犬にされていく…いや…兎なのに狛犬って…何か…矛盾して…いま…せん…か…」
焦りと、僅かに恍惚の入り混じった表情のまま、狛犬のポーズを取った状態でミリアと対になるように石化した。巫女たちはテフラが猫耳ではなく兎耳のまま石化していることを怪訝に思っていたが、猟兵たちを倒したと思い、にゃおにゃおと鳴き声らしきものを上げ始める。しかし、巫女たちはそのせいでミリアの後ろでふよふよと浮かぶ手袋のようなものに気づいていなかった。
(ミリアとテフラさんがやられたか。まあいいや。それより、お前ら、狛犬にして喜んでいるところ悪いが、そこ沈むぜ?)
喜びに跳ねていた何体かの巫女たちが着地と同時に石畳だったはずの地面に足を取られ、顔面から地面に倒れた。すかさずミトンが倒れた巫女を捕まえ、その手の中に収める。そして、その手の中からは毬が姿を現した。その瞬間、巫女たちが目を爛々と輝かせる。
(猫は毬と戯れてろ!)
「にゃーーー!」
ミトンは出来上がった毬を巫女の集団に投げつける。猫の習性に従い、投げられた毬を追いかけ始める。そして、毬を取り合って、引っかき合ったり、叩きあったりを繰り返していくうちに勝手に巫女たちは消耗していき、いつしか全員が影となって消滅してしまっていた。ミリアとテフラは巫女たちの消滅後、しばらく目をぐるぐると回した状態で倒れていたが、気を取り戻してから行動を再開した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
イヴ・クロノサージュ
★アドリブ連携歓迎します
●心情
影朧は通常のオブリビオンと違い
若干チカラが弱いと聞きます
敵としてでは無く救出対象という形で
常に考えましょうか
猫ノ巫女は一体どんな過去を持っているのでしょう
もしかして、生前は何か事情があって舞えなかったからなどでしょうか
●戦闘
常に空中浮遊して地の利を生かした戦いをします
攻撃はUCによる戦闘に有利になる結界の生成
(空中戦、祈り)
聖槍で攻撃を受け、隙が生まれたところでカウンター
反撃する際はUCの効果を利用して更に威力をあげて石化の脆い部分を属性付加した聖槍の重力で押し潰します
(武器受け、カウンター、属性攻撃=重力、部位破壊)
直感による見切りで回避行動を
(第六感、見切り)
逢魔が辻の街道への侵入が成功したイヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)を前に影朧はその道を遮るように集まる。
(影朧は通常のオブリビオンと違い若干チカラが弱いと聞きます。敵としてでは無く救出対象という形で常に考えましょうか。)
撃破ではなく救出を。イヴの持つ優しさゆえか、敵対の意思がわずかに緩む。しかし、巫女たちはお構いなしに攻撃を仕掛ける。またたびや首輪を投げつける個体、迫ってくる個体。イヴは空に跳びあがり、それらをいったん回避すると、手を頭上に掲げた。
「聖槍よ。私の声に応えてっ!皆を守る力を……!《聖槍聖域》プリズム・セイントランス!!」
イヴの呼び声に応じ、その手に聖槍が姿を現す。そして、聖槍から強く、しかし、優しい光が放たれ、辺り一帯を包む。そして、その光はイヴの周囲をドームの様に包み、彼女の領域、聖域へと変化させいていく。聖域の構築が完了すると、イヴは巫女たちに向かって急降下する。投げつけてくるまたたびや首輪の動きを見切り、身体をそらして回避しながら、街道の中心を流れる川に近づき、聖槍を使ってその水を思い切り巫女たちに浴びせかけた。強烈な勢いで浴びせかけられた水は壁の様になって、巫女たちを濡らす。彼女らはたまらず、濡れた体をブルブルと振って水を払う。その隙をついて、イヴは巫女たちを聖槍で薙ぎ払う。その一撃は数体を消滅させ、残った個体を1ヶ所にまとめることになった
「あなた達は一体何があったのですか?もしかして、生前は何か事情があって――」
そこまで口にして、イヴは言葉を止めた。その顔には悲しげな表情が浮かんでいる。投げかけた言葉は影朧を救うための言葉だ。しかし、巫女は答えない。そもそも、彼女たちには最早答える理性すらも残されていなかった。もとより、この逢魔が辻の主に従う影朧はそういうものだったのかもしれない。この巫女たちも同じ。ただただ、彼女たちが向けるのは招かれざる客に対する敵意と大切な人を奪った何かに対する怒りのみ。イヴはそれに、後戻りできないほどの負の情念に気づいてしまったのだ。巫女たちは懲りることなく、首輪やなんやらを投げつける。イヴは聖槍を振り、それらを打ち払うと、聖槍を構える。そして、巫女たちに向けて突っ込む。重力によって重みの増した聖槍の一撃は巫女を押しつぶし、そのまま地面に激突する。その一撃は周囲に衝撃波となって拡がり、残っていた巫女を全て吹き飛ばした。イヴは聖槍を地面から引き抜き、すべての個体が影となって消滅したことを確認すると、行動を再開するのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『旧帝都軍突撃隊・桜花組隊員』
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POW : 疑似幻朧桜の鉄刃
自身の装備武器を無数の【自分の寿命を代償に起動する鋼鉄の桜】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 疑似幻朧桜の霊縛
【舞い散る桜の花びら】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 疑似幻朧桜の癒やし
【自分の生命力を分け与える桜吹雪】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
イラスト:さいばし
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
巫女たちを退けた猟兵たちの前に再び黒い靄が漂う。この領域は既に影朧のテリトリー。影朧はどこからでも即座に現れることができる。靄の中から顔を出したのは桜色の袴に身を包んだ少女であった。しかし、少女たちには一様にその手に幻朧桜の造花が携えられている。
「旧帝都軍突撃隊・桜花組、戦闘準備!」
どこからか上がった掛け声を合図に少女たちは隊列を組み、猟兵たちに相対する。
イヴ・クロノサージュ
★アドリブ連携歓迎します
●心情
影朧は過去から生まれたとはいえ、悲しい生き物です
帝都を守るモノ
突撃隊という部隊なので、戦場で亡くなったのでしょうか……
真実はわかりませんが
私に出来る事は祈る事のみ
ごめんなさい。ごめんなさい……。
あなたがたを貫きます――
もっと、もっと――ッ!
強くならなくちゃ、心もッ!!
●戦闘
UCを使用して
流れるような波のような動作/軌道で突撃していきます
(見切り)
敵の武器『幻朧桜』を聖槍で受け止め
反撃の時、『幻朧桜』斬る事を重視します
(武器受け、カウンター、部位破壊)
己の過去と向き合い後悔している個体(影朧)がいれば
苦しまないような優しい槍撃でトドメをさします
(優しさ、祈り、破魔)
「帝都を守るモノ、戦場で亡くなったのでしょうか……。真実はわかりませんが、私に出来る事は祈る事だけ。」
桜色の着物を纏った女兵士を前にイヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)は槍を振り払い、桜花組を見据える。イヴの戦闘態勢を認識した女兵士たちは手にしていた疑似幻朧桜をイヴに向ける。そこから散る命の花びらが桜色の鋼鉄の刃となってイヴに迫る。その様はまるで桜吹雪だ。イヴは聖槍を頭上に掲げる。すると、槍が光り輝き始める。そして、収束した光は周囲を明るく照らすように槍から放出され、その光は迫りくる桜吹雪とぶつかり合い、それを一瞬で消失させた。イヴは槍を頭上から下げると、女兵士たちに向かって接近していく。女兵士たちは再度花を散らせ、鋼鉄の刃を向けるが、イヴはその隙間を止まることなく、縫うようにすり抜けていき、女兵士に肉薄した。女兵士は肉薄したイヴに向けて零距離で花びらを刃に変える。しかし、それに合わせるように聖槍を盾としたイヴに刃が届くことはなかった。そして、刃を受け止めきると、イヴは次なる刃が来る前に聖槍をなぎ払い、疑似幻朧桜を切り裂いた。枝は真ん中から折れ、花びらは一瞬で枯れはてて、地に落ちる。まるで少女の命が枯れはてるような光景。その様に何を思ったのか女兵士たちの動きが止まる。それは武器を破壊されたことによる戦意の喪失か、それともかつての自らの死にざまを幻視したか。イヴは女兵士たちの異常を前に、腕を引き、聖槍を引き絞る。
「ごめんなさい。ごめんなさい……。あなたがたを貫きます――。せめて、今度は苦しまないように。」
数瞬、目を閉じ、謝罪を口にすると、目を開き、聖槍を輝かせる。そして、引き絞った聖槍を女兵士たちに向けて、突き出した。聖槍は一番手前の女兵士を貫くと、貫いた槍の先端からさらに光が放たれる。それは一条の光となって女兵士たちを一息に貫いた。イヴが聖槍を引き抜く。すると、女兵士たちは力なく倒れ伏し、影となって消滅した。
(もっと、もっと、強くならなくちゃ、心もッ!!)
イヴは黙とうを捧げ、決意を新たに行動を再開するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
エウトティア・ナトゥア(サポート)
※アドリブ・連携歓迎
負け描写、引き立て役OK
キャラを一言で言えば、なんちゃって部族じゃよ。
精霊と祖霊を信仰する部族の巫女をしておる。
自然が好きなお転婆娘じゃ。
あとお肉が大好きじゃよ
活発で単純な性格で事の善悪にはあまり興味はないのう。
自分とその周囲の安寧の為、オブリビオンが害になるから戦っておる。
専ら【巨狼マニトゥ】に騎乗していて、移動や回避・近接戦闘等は狼任せじゃよ。
集団戦闘時は、動物や精霊を召喚しての行動(実は未熟ゆえ精霊や動物たちにフォローされている)で、数で対抗する事が多いのう。
身体能力や技量は常人並みじゃから個人だと弱いがの。
白き狼に乗った少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は女兵士を前に不敵に微笑む。女兵士たちは敵性存在を捕縛すべく、疑似幻朧桜を一振りする。舞い散った花びらが群をなして、エウトティアに近づくが、――
「アオー―――ン!!」
巨狼マニトゥが遠吠えを上げる。それが放つ音圧に近づいていた桜の花びらが動きを止め、その場にハラハラ落ちていく。
「ふふん、小娘共め。そんな小細工でわしらの動きを止めようなんて十年早いのじゃ。さあ、精霊よ!幻想のおもむくままに歌え!」
その結末がわかっていたようにエウトティアは微動だにせずに言い放つと、手を頭上に掲げる。すると、その背後にふわふわと浮かぶ色とりどりの精霊や牛などの動物がどこからともなく、姿を現した。そして、牛が走り出すのを合図に、現れた精霊たちが女兵士に向かって突撃していく。数対数の様相を呈した。しかし、特殊な力を持っていても力で劣る女兵士たちが真っ向から挑んで、屈強な動物に勝てる道理はない。女兵士たちは次々と蹴散らされ、影となって消滅するのであった。
成功
🔵🔵🔴
真宮・響
【真宮家】で参加。(アドリブ・連携歓迎)
戦いに身を置くものとしては目の前にいるお嬢さん達は痛ましく見えるね。国の為に身を捧げ、力尽き、今もなお国の為に戦うんだね。もうアンタたちは休んでいいんだ。アタシ達が、アンタ達の戦いを終わらせる。
炎の戦乙女を発動して前からの抑えを任せ、【目立たない】【忍び足】で敵の集団の後ろに回る。背後を取れたら【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】で攻撃。飛んでくる花びらの攻撃は【オーラ防御】【見切り】【残像】で対処しようかね。お嬢さんたちが戦う戦地はもうこの世には存在しないんだ。いつまでも彷徨っていてはいけないよ。お休み。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
貴方達も国の為に身を賭して戦ったのですね。私も大切な人と世界を護る為に戦っています。護る為に戦う志は同じ。もう少し出会いが早ければ同志たりえたかもしれません。志半ばで倒れた無念は良く分るからこそ、止めなければなりません。害を及ぼすものなら。
トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で攻撃を真正面から受け止めます。これが貴女達の信念・・・でも私にも譲れないものがあります。この身は今を生きる人々を護る身なれば。反撃として【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で薙ぎ払います。もっと早く、お会いしたかったですね・・・
神城・瞬
【真宮家】で参加。
このお嬢さん達もかつての戦禍の残滓、という事でしょうか。母さんと奏を見てますので、戦いに身を置く女性の覚悟と強さは良く知っています。このお嬢さんたちが立つべき戦地はこの世には存在しません。終わらせてあげましょう。
まず【オーラ防御】を展開し、【全力魔法】【高速詠唱】【二回攻撃】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。回復する分を上回る攻撃を。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】も乗せます。貴女達の戦いはもう終わってます。休んでいいんですよ。
真宮・響(赫灼の炎・f00434)は過去に呑まれた女兵士達を前に憐憫を向ける。自分たちは今なお、国のために戦っていると思い込む少女達。本当は何を守っているかも気づかずに立ち塞がる女兵士達に炎のような赤を宿した魔法石を取り出す。
「私も戦いに身を置く者。でも、お嬢さん達は痛ましく見えるね。」
響は女兵士達に向けて言い放つと、魔法石を握りつぶした。
バキン!!
石の砕け散る音が響き渡ると共に、溢れ出した炎が人型を形作る。
「アンタたちは休んでいいんだ。アタシ達が、アンタ達の戦いを終わらせる。」
人型は確固たる形を持ちはじめ、槍を携えた戦乙女が姿を作る。その光景に危険を感じた女兵士達は鋼鉄の桜の花びらを響に向けて放つ。肉を切り裂く桜吹雪が迫るが、それは間に入ったに真宮・奏(絢爛の星・f03210)によって防がれ、ひらひらとその場に落ちていく。柔らかな青い光を纏った盾を構え、桜吹雪を受けきると、盾に張り付いた桜を振り払う。その顔には響同様の憐れみが浮かんでいる。
「これが貴女達の信念・・・貴方達も国の為に身を賭して戦ったのですね。でも私にも譲れないものが、護るべき大切な人と世界があるんです。」
奏は盾を片手にブレイズセイバーを引き抜くと、上体を落とす。
「だからこそ、止めなければなりません。志半ばで倒れた無念が分るからこそ。そして、護るものがあるからこそ!」
奏は完全に形となった戦乙女と共に女兵士に向けて、駆け出す。敵の接近に女兵士達は手に持った疑似幻朧桜を向けるが、突如その手に氷でできた矢が突き刺さる。突然の攻撃に女兵士は疑似幻朧桜を取り落とす。女兵士が接近する奏達の奥に目を向けると、そこには氷晶の矢を放った神城・瞬(清光の月・f06558)が立っていた。
「母さんと奏を見てますので、貴女達のような戦いに身を置く女性の覚悟と強さは良く知っています。ですが、貴女達の立つべき戦地はこの世には存在しません。貴女達の戦いはもう終わっているんですよ。」
瞬は短な詠唱と共に六花の杖を振るうと、即座に無数の氷晶の矢が現れる。
「だから、休んでいいんですよ。」
努めて冷たく、しかし、憐れな女兵士達を気遣う言葉と共にもう一度杖を振るう。その瞬間、一斉に女兵士達全員に降り注ぐ。女兵士達に無数の矢傷が生まれる。振り回される疑似幻朧桜を花びらを散らし、傷を癒していくが、それを上書きするかのように新たな矢傷が次々生まれていく。そのまま矢は女兵士達の手や目に突き刺さり、無防備にしていく。その隙をつき、奏達が女兵士達の元にたどり着き、奏はブレイズセイバーを、戦乙女は赤く、強い熱を放つ槍を振り、女兵士達を容易く切り裂いていく。遠距離攻撃と近接攻撃に女兵士達は混乱し、闇雲に近くにいる奏に鋼鉄の花びら放つが、奏は片手に持った盾で受け、打ち払うと即座に接近し、周囲にいる女兵士を衝撃波に巻き込んで切り裂いた。無数の氷の矢と体を切り裂く刃を携えた敵を前に女兵士達は追い詰められる。その状況にも関わらず、女兵士達は未だ手元の桜を振ろうとする。それは執念か、呪縛か。尚も、戦意を持つ女兵士の背を赤色の刃が貫いた。その剣は混戦の最中にいない人物、響のものであった。戦乙女を召喚すると同時に、気づかれないように女兵士達の背後に回っていたのだ。予想外の攻撃に条件反射的に反撃をするが、響はその花びらを見切り、高速で回避する。残像が残るほどの高速移動は向けられる攻撃を全て避け、女兵士の目の前に立つ。
「お嬢さんたちが戦う戦地はもうこの世には存在しないんだ。いつまでも彷徨っていてはいけないよ。」
響は諭すように、優しく語りかける。女兵士達はその言葉が聞こえたのか、僅かに目を白黒させる。
「お休み。」
振るわれたブレイズランスは一息に女兵士を撃破する。そして、そのまま挟撃をするように混戦の中に突入していき、制圧するのであった。
制圧した戦いの跡を瞬と奏は見る。
「このお嬢さん達もかつての戦禍の残滓、という事でしょうか。」
「もっと早く、お会いしたかったですね・・・」
真宮家は僅かに黙祷を捧げ、奥に進んでいった。
成功
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第3章 ボス戦
『瓜子姫』
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POW : この人、優しい人だったの
【これまで被ってきた女の皮のうちの一人】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : この人たちきれいだったわ
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【これまで被ってきた女の姿をした爆弾】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ : ねえ、私のこと嫌いになった?
【悪趣味だなという思いや嫌悪】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【女の亡骸】から、高命中力の【異様に長くのびる髪】を飛ばす。
イラスト:宇治野ぬえ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「勘解由小路・津雲」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
奥に進んだ猟兵達はその空気がひどく淀んだ心地になったことを感じる。と、同時に辺りにカラコロカラコロと下駄の音が響く。暗がりから姫と思しき華やかな衣装に、美しい容貌の女性が姿を現わす。しかし、その姿はどこか違和感がある。衣装と容貌が、否、身体が、着慣れているのにどこか似合っていない。そんな違和感があった。その瞬間、顔の皮がベリベリと剥がれ、違う女性の顔が見えた。
「この顔じゃ、あの人にはもう会えないの…この身体じゃ、あの人に会えないの…だから、顔を…身体を…私にくださいませんか?」
姫はおぞましさすら感じる笑みを浮かべる。その後ろに数多の顔の剥がれた女の死体を並べながら。
真宮・響
【真宮家】で参加。
はっきり言っとくが、今のアンタは凄く醜い。他の女の人の体を借りたとて、借り物では本当の美しさはでない。無辜の女性を犠牲にした報いを、受けて貰おうか。
【ダッシュ】で戦場を駆け抜けながら、【オーラ防御】【見切り】【残像】で敵の攻撃を捌きながら、【槍投げ】【串刺し】【二回攻撃】で呼び出した女ごとぶっ刺す。本体に接近できたら炎の拳で殴るよ!!瞬!!追撃は任せた!!
真宮・奏
【真宮家】で参加。
こ、これは、何という無残な・・・他の方を殺してまでも得たものが合うはずがないでしょう?おなじ女性としてこの影朧は許せません。貴女の勝手な欲望で犠牲になった女性の命の重みを、その身で味わって貰いましょう。
【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】で家族に飛んでくる攻撃から【かばう】しながら、飛んでくる攻撃を【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で牽制。母さんと瞬兄さんの攻撃に続いて、信念の一撃で攻撃します!!
神城・瞬
【真宮家】で参加。
・・・醜い欲望の権化、ですね。その身体は無辜の女性の多くの血で濡れている。吐き気がするほど嫌悪感を感じます。これ以上の犠牲を出さないように、ここで終わりにしましょう。
【オーラ防御】を展開し、召喚するものごと巻き込む感じで、【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】を使用した上で【範囲攻撃】にした【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】であらゆる動きを制限します。奏と母さんの後ろに付いて進軍し、母さんの拳に続いて、裂帛の拳で全力で殴ります!!数多の女性の無念、その身に受けろ!!
カラコロと音を鳴らし、幽鬼のごとく歩み寄る姫。それに真宮家の面々が正対する。
「こ、これは、何という無残な…他の方を殺してまでも得たものが合うはずがないでしょう?」
姫の背後に並べられたおびただしいほどの女性の死体を目の当たりにし、真宮・奏(絢爛の星・f03210)は顔を強張らせ、姫に言い放つ。しかし、その言葉に対して姫は優美に微笑む。
「この顔じゃ、あの人には会えないの。でも、もっと美しい顔なら、もっと艶やかな姿なら、あなたたちの姿ならばあの人は会ってくれるかもしれないの。」
奏の言葉に対する返答に最早意味はない。鬼に堕ちた姫は目の前にいる女性の姿を手に入れるために、後ろに倒れる女性の死体を起き上がらせる。ゆらゆらと起き上がった死体の髪が不自然なほどの早さで伸び始めると、それは真宮家の面々に向かってくる。奏はブレイズセイバーとエレメンタルシールドを手に前に立つ。勢いを伴って迫り、女性の体を抉らんとする髪を盾で受け、絡みつこうとする髪を剣から放たれる衝撃波によって、次々と切り裂いていく。流れるように攻撃を防いでいく奏の姿に姫はその顔に喜びを浮かべ、さらに女性の死体を動かし、攻撃の手数を増やしていく。姫の周りには既に幾人もの死体が並ぶ。顔を剥がれ、死して尚、姫が望む顔を得るために女性の死体が休むことなく一斉に髪を伸ばす。
「…醜い欲望の権化、ですね。その身体は無辜の女性の多くの血で濡れている。」
己の欲望の為に一度の生どころか死後すらも使い潰す姫に神城・瞬(清光の月・f06558)はその端正な顔を強い嫌悪で歪める。迫りくる髪を防ぐ奏の後ろに立ち、高速で呪文を唱え始める。すると、まばゆく光るオーラが瞬の体を包み始め、それは徐々に両の手に球体状に収束していく。瞬は両の手に作られた光の球体を姫に向けて投げつける。それは姫の傍の地面に着弾すると同時に弾け、強烈な光と衝撃を放って、死体の動きを止めた。
「ッッ!ああ、邪魔をしないで…私はもっと美しくなりたいの…そうでないと…そうでないと…」
「はっきり言っとくが、今のアンタは凄く醜い。他の女の人の体を借りたとて、借り物では本当の美しさはでないよ。」
放たれた光に呻く姫に向けて、真宮・響(赫灼の炎・f00434)は毅然とした態度で言い放ち、ブレイズランスを片手に持って、その切っ先を姫に突き付ける。
「無辜の女性を犠牲にした報いを、受けて貰おうか。」
その言葉を合図に、響、瞬、奏が姫に向かって走り出す。それに対応するかのように姫の背後の死体が起き上がり、響に襲い掛かる。しかし、最早知性も持たない存在では響は捉えきれない。単調な攻撃を回避すると、ブレイズランスで薙ぎ払い、近づいてきた死体を吹き飛ばす。そして、薙ぎ払った槍を引き戻し、思いっきり投げつけた。槍は一直線に飛んでいき、姫の前で壁の様になりながら、先ほどの閃光によって悶えていた複数の死体を貫通して同時に貫いた。響は投げつけた槍に追いつき、死体が刺さったままの槍を力任せに脇に退かすと、走った勢いを保ったまま、拳を握りしめる。その瞬間、その拳に強烈な熱量が灯る。本体の戦闘能力が乏しい姫はその拳を避けることはできない。赤熱する拳は響が抱いた怒りも乗せて、姫の顔面の中心に打ち込まれる。拳が振り抜かれ、姫が大きく仰け反ると、それに続くように今度は瞬が響の横をすり抜けるように駆け抜け、姫の前に立って拳を握る。
「数多の女性の無念、その身に受けろ!!」
そして、何の特殊な力も乗せず、自分が抱いた嫌悪だけをぶつけるかのように握った拳でボディーブローを打ち込む。その一撃に呼吸が止まり、無防備となる。その瞬間、瞬の背後にいた奏が前に飛び出し、両手でブレイズセイバーを構える。
「貴女の勝手な欲望で犠牲になった女性の命の重みを、その身で味わって貰いましょう。」
残虐そのものの姫の所業を打ち砕くべく、その剣を振るう。剣は真一文字に姫の身体を切り裂き、そこから血があふれ出す。そうして、姫が地面に倒れ伏し、血が治まっていく。姫の身体は動きを止め、――そして、皮がはがれるように、その衣装に、その立ち振る舞いにまるで違和感を感じさせない女性が姿を現すのであった。
大成功
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イヴ・クロノサージュ
【アドリブ・連携歓迎します】
●心情
昔の童話でありました。うりこ姫とあまのじゃくという本が
その内容に
剥いだ生皮を天邪鬼がかぶり、着物を着て姫に成りすますというお話もありました。
うりこ姫と天邪鬼が一体化しているのでしょうか?
●行動
【破魔】のチカラを持つ『聖鍵』を取り出し――(振ると星型のエフェクト)
【のびる髪】からの攻撃を【見切り】回避します
女性の髪は大事なものですから…
攻撃したりはしませんよ
武器になる事を望んでいない想いを汲み取り
UCで【女の人の亡骸】を浄化します
最後に、【空中浮遊】しながら【第六感】で攻撃を避けながら接近し
瓜子姫に問いかけます
あなたを好いた男性は顔だけたったのでしょうか?――と
「ああ、ああ、この顔ではダメなの…。この身体では、あの人に会えないの、会えないの。」
姫はうわ言の様に呟き続ける。未だおぞましい執念を前にイヴ・クロノサージュ(《機甲天使》感情と記憶を代償にチカラを得た少女・f02113)の脳裏に過去の童話が浮かび上がる。それはうりこ姫と天邪鬼のお話。剥いだ生皮を天邪鬼がかぶり、着物を着て姫に成りすます鬼の話。イヴには姫はまさしく天邪鬼に見えた。数多の女性の皮をかぶり、自分の素顔を別の顔で塗りつぶそうとした姫はとっくの昔に鬼に堕ちていた。きっと戻ることはできない。その予感を感じながらも、浄化聖鍵《イヴハート》を取り出し、姫に向かって一歩ずつ歩いていく。その一歩ごとに聖鍵がわずかに揺れ、星が鍵から零れ落ちる。
「下さい。その美しい顔を、身体を私に譲っては下さいませんか?」
暗く濁りきった目がイヴに向けられると共に姫の足元に転がっていた死体が起き上がり、髪を伸ばして、イヴを絡めとろうとする。しかし、イヴはその軌道を見切り、ゆっくりと歩きながらも決して髪を傷つけず、最低限の動きだけで髪を避けていく。そうして、ある程度歩いたところで、イヴの耳にわずかに声が聞こえる。
「ウゥ…」「ウゥウゥ…」
姫に使い潰され、知性も消えた女性の死体から聞こえてくる苦悶の声。その声にイヴは聖鍵を掲げ、鍵を開けるように回す。すると、流れ星の様に聖鍵から星が落ちると、それを合図に強い光があふれ出し、死体に向かって飛び散っていく。そして、光が死体にぶつかった瞬間、次々と消失、否、浄化されていった。そうして、姫の周囲にいた死体は一人も残らず、浄化された。
「顔を…顔を…私にぃぃぃぃぃ!!」
一人になった姫の周りに浄化された死体と瓜二つの人形が出現し、突進する。それに対して、イヴは直感的に危機を察知し、空中に飛び上がる。その瞬間、真下で爆発が巻き起こった。イヴは爆風を利用して上空高くに飛び上がると、そこから一気に姫に向かって急降下する。急降下によって聖鍵からあふれるように流れる星に紛れ、姫の目の前に降り立つと、聖鍵の先端を姫の胸に押し当てる。――その瞬間、目が眩むほどのまばゆい光が聖鍵の先端から放たれる。
「アアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!アアアアアァァァァァ!!!!!」
姫は押し当てられた聖鍵を掴みながら、絶叫する。既に鬼に堕ちた姫にとって浄化は最早毒にしかなりえていなかった。その身を焼き焦がすような痛みに姫は聖鍵を引きはがそうとする。イヴは両手で聖鍵を持ち、より一層押し当てると共に、苦しみ続ける姫と向き合う。
「思い出してください。あなたを好いた男性は顔だけたったのでしょうか?」
その瞬間、姫の脳裏にある男性が思い浮かぶ。姫は結局はその男に捨てられただけであった。男に愛はなく、顔だけを好いていたのかもしれなかった。しかし、姫の方はその男を愛し、もう会うことのない男にもう一度出会うためなら、好かれた顔すらも捨てることができた。それほどの愛が姫の中にはあった。それを、人としての愛情を思い出した。聖鍵が回る。それと同時に、姫の絶叫は止み、穏やかな表情を浮かべ、消失していった。イヴは聖鍵を2、3度振り、星を散らす。そして、そっと目を閉じる。
「あなたの想い、辛い過去、全て清め浄化されるでしょう。ーーーBelieve Your Key Heart.」
そう小さく呟くと、逢魔が辻を後にするのであった。
大成功
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