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でっかい鏡餅をみんなで食べようぜ!

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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●盗難多発
 サムライエンパイアは、茶臼藩。
 迎春ムードも既に薄れつつある1月下旬に、その事件は起きた。
「おい、ここに置いといた鏡餅知らねぇか?」
「知りませんよ、やんちゃ坊主が食べちまったんじゃないかい」
「あんな硬ぇもんそのまま食えるか! 俺がカビた場所を削って、遅い鏡開きして、かき餅にでもしてやろうと思ったのに」
 大番町に住む旗本の役宅から、鏡餅が無くなる事態が頻発したのだ。
「おかしいねぇ、今朝からお鏡様が見当たらないんだよ」
「婆さんや、別のところに置いて忘れちまってるだけかもしんねぇぞ」
「そうかねぇ……」
 何せ、殆どの家々が常備兵力の役目を仰せつかった官吏の邸なのだ。
 そんな家が盗っ人に入られたとあっては外聞が悪い——とでも思ったのか、旗本達は隣近所が同じ被害に遭っているなど露ほども思わず、我が恥を隠し続けた。
「おっかあ、あたしの鏡餅は?」
「え、無いの? 勿体ない……だから、この前割って食べとけば良かったのに」
 故に鏡餅盗難事件は、発覚が遅れに遅れた。
 ましてや、被害が鏡餅という『あると嬉しいけど無くても別段困る訳でもない』代物な為、多くの家がわざわざ奉行所に訴えたりしなかった。
 さて、旗本の邸から消えた鏡餅がどこへ行ったかというと……。
 ひと気のない火除地の片隅に、オブリビオン『落武者』の集団によって続々と集められていた。

●大捕り物
「それでは、本日の依頼についてご説明いたしますわ」
 椀種・クルトン(浮き実の憂き身・f00365)がふわふわと浮いたまま口を開く。
「皆様には茶臼藩の火除地へとお出まし願いまして、『落武者』の群勢を掃討していただきます」
 落武者の使うユーベルコード をよく確認して、いかに効率的に数を減らすか戦略を練って欲しい。
「以前撃破してくださった彼岸の兜風鈴と同じように、1体1体の戦闘力は低くてございますから、寒空の中の運動だとか新しいユーベルコードの試し撃ちとでもお思いになって、お気軽に参戦いただけると幸いですわ」
 そこまで説明を終えると、クルトンは彼女なりに猟兵達を激励した。
「そうそう。わたくしの予知によりますと、オブリビオンの脅威がなくなった暁には、とっても大きなお鏡餅を皆様で分け合ってお召し上がりになれるかと存じますわ」
 最後の巨大鏡開きを励みにして、まずは緒戦を乗り切って欲しい。


雨都瑣枝
 ご覧くださりありがとうございます、雨都です。

●第1章と第2章について
 戦闘が発生します。
 第1章の敵は落武者。
 自作ユーベルコードの威力を楽しむぐらいのお気持ちで、どんどん蹴散らしてやってください。
 第2章では強い敵(正体バレバレ)が1体出てきます。
 相手の使うユーベルコード をよくお確かめの上で対策を立てて撃破なさってください。

●第3章について
 大きな大きなお鏡餅を供養だと思って、皆様でぜひお召し上がりください。
 カビた表面をガリガリ削って、硬い部分を砕いて、油で揚げてかき餅やあられにするもよし。
 まだ柔らかい部分を七輪で焼いたり、お雑煮に入れるもよし。
 お餅料理なら何でもできます。
 作りたい料理に合わせて餅の鮮度や柔らかさも選べますので、こちらもお気軽にご参加くださいませ。
 あんこやきな粉などの食材や調味料の持ち込みはご自由に。
 クルトンは焼き餅や揚げたあられに塩振って食べるのが好きです。

 皆様のプレイングお待ちしています。
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第1章 集団戦 『落武者』

POW   :    無情なる無念
自身に【すでに倒された他の落武者達の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    欠落の決意
【武器や肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【首や四肢が欠落する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    妄執の猛撃
【持っている武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

藤野・いろは
・心情
今度のお相手は落武者の集団ですか、どうやらそこまで脅威では無さそうです。
他の猟兵さんが楽をできるように1体でも多くの落武者を倒しましょうか。

・攻撃
動きをよく観察し【見切り】を狙っていきます
相手の大技に合わせてユーベルコード【先の先】、【カウンター】を叩き込みましょう
【破魔】の力を込めた刀で【なぎ払い】です
好機と見れば【2回攻撃】で攻めの手を緩めずいきましょう
・防御
相手の攻撃には【勇気】をもってギリギリまで見定め【残像】を残すような速さで最小限な回避を試みます
回避が困難な攻撃には狙いに合わせて【オーラ防御】で対応し、ダメージを可能な限り軽減
・その他
アドリブ、猟兵の絡み歓迎




 茶臼藩の火除地。
「今度のお相手は落武者の集団ですか、どうやらそこまで脅威では無さそうです」
 藤野・いろは(天舞万紅・f01372)は、群れ集まっている落武者達を見やって、ホッと胸を撫で下ろした。
 絶賛家出中でありながら、毎週欠かさず両親へ手紙を書く優しい心根を持った剣豪の少女だ。
「他の猟兵さんが楽をできるように1体でも多くの落武者を倒しましょうか」
 まずは愛用の妖刀を構えて、落武者達の動きを入念に観察するいろは。
「キェーーーッ!!」
 だから、落武者達がそれぞれ思い思いに刀で斬りかかってきたり肉弾戦を仕掛けてきても、冷静にその動きを見切る事ができた。
(「今だ……!」)
 攻撃を避ける際は勇気を振り絞ってギリギリまで相手の動きを見定め、残像が残る最小限の回避運動に留めている。
 それでいて避けきれなかった拳や衝撃波の痛みもオーラ防御で多少なりと軽減を狙う念の入れようだ。
「あなたの一撃、太刀に映せぬ前に終わらせます」
 と、いろはは破魔の力宿りし刀身を閃かせ、反撃に転じる。
 洗練された剣戟が落武者の機先を制して、見事に1体を斬り伏せてみせた。
 更には2回攻撃の腕を活かし、落武者の集団をバッサバッサと薙ぎ払って数を減らしていくいろはだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カラコブ・ガラズィマ
なんですかあの中途半端な髪型は!私とは美意識が合わなそうな集団ですねぇ。
しかしこんなに集まってくれてるのなら話は早いですね、愛用の散弾銃にバラ撒くタイプの弾薬を込め【2回攻撃】で手数で押し込みましょう。

運悪く死に損なった敵がいたら踏みつけてユーベルコード【生命のストロー】を使い、はしたないですがスカートの中でお食事にしましょうか、長期戦では休息も必要ですからねぇ、食事中は動けないので回避は【野生の勘】頼りですね、まぁ食事はそのへんに転がってるんで多少のダメージは問題ないですが。

アドリブ、絡み歓迎



「なんですかあの中途半端な髪型は!」
 落武者たちのざんばら頭を見て思わず憤慨しているのは、カラコブ・ガラズィマ(キマイラの戦場傭兵・f09723)。
「私とは美意識が合わなそうな集団ですねぇ」
 彼自身はすっきりしたスキンヘッドにゴシックドレスという独特の出で立ちであるだけに、その推測も尤もであろう。
 カラコブとしては、下手に髪を残さず綺麗に頭を丸めていれば美意識が共感できたのかもしれない。
「しかしこんなに集まってくれてるのなら話は早いですね」
 ともあれ、愛用のKS-23に特殊弾薬を込め【2回攻撃の要領を発揮して、弾をばら撒くカラコブ。
「ぐぁァッ……!」
 幽鬼のような絶叫を上げてバタバタ倒れていく落武者たち。
 それでも耐え切った個体や射程範囲外にいた個体が刀で反撃したきたのへは、
「はしたないですがスカートの中でお食事にしましょうか」
 ぐりりっと頭を踏みつけて、その上へスカートを広げて跨った。
(「まぁ食事はそのへんに転がってるんで多少のダメージは問題ないですが」)
 スカートの中では、百足の頭がハゲ頭に牙を立てて、文字通り生命力を吸収しているだけなのだが。
「長期戦では休息も必要ですからねぇ」
 スキンヘッドのゴシックスカート男が身動き取れぬおっさんの上に座り込んでいる様は、見る人が見れば、何かのプレイと誤解されそうである。

成功 🔵​🔵​🔴​

カーリー・エルミール
「このあたりで食べ物の匂いがしたのにいるのは、落武者の人ばかりだな~」
と残念がりながらも落武者を【フォーマイ】と愛用の鎌をつかって倒していくよ。
分身とツーマンセルを組んで協力する。
一体を瞬時に細かくバラバラにしてみたら動けるのかな?と思ったのでしてみるよ。



「このあたりで食べ物の匂いがしたのに、いるのは、落武者の人ばかりだな~」
 カーリー・エルミール(元気歌姫・f04630)は、どうやら盗まれた鏡餅——恐らく天辺に飾られた蜜柑だろうか——の匂いにつられてやってきたらしく、暴れ回る落武者たちを見て肩を落とした。
 ふさふさした金髪と人懐っこそうな顔立ちが特徴的なダンピールの少女。
 その思考回路からも察せられる通りかなりの健啖家で、単なる大食いを超越したブラックホール並みの胃袋の持ち主なのだとか。
 ともあれ、残念がってばかりもいられないと、落武者を愛用の鎌ブラッド・ロード・ヴァンパイアで斬り伏せていくカーリー。
「いくよ! みんな!」
 4人の分身達へツーマンセルを組ませて集中攻撃を仕掛ける様は、全員が自分自信なだけに息の合ったコンビネーションである。
「一体を瞬時に細かくバラバラにしてみたら動けるのかな?」
 一斉に襲い掛かってくる落武者たちへ応戦する中、ふとカーリーはそんな知的好奇心を満たす為、5人がかりで落武者1体を見るも無残に切り刻んだりもした。
 恐らくは欠落の決意に対しての期待が膨らみ過ぎたのだろうが、流石に胴体まで斬り刻まれては落武者とてどうすることもできない。
 また、カーリーは一所懸命に鎌を振るっていたが、落武者を瞬時に切り裂くのへかなり苦戦していたようだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

十六夜・月
武者との闘い・・・私がどれくらいまで通用するか試してみるのもいいかもしれない・・・

落ちたものとはいえ武士は武士、上中下段の構えと独特の踏み出しの前兆をとらえれば何とかなるか。自分の中にある[戦闘知識]をもとに戦闘に集団戦に挑む。

メインの行動は[早業]での[先制攻撃]。相手の行動[第六感]にて[見切り]、
[武器受け]で攻撃を受け流す。可能であれば[カウンター]からの反撃を行います。

自分には、敵を全滅せるような力は到底ないだろう・・・
味方の負担を軽減できるように数が減らせれば御の字だ。



「武者との闘い……私がどれくらいまで通用するか試してみるのもいいかもしれない……」
 十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は、眼鏡の奥の瞳を好奇心に輝かせて、落武者の群れを見やった。
(「落ちたものとはいえ武士は武士、上中下段の構えと独特の踏み出しの前兆をとらえれば何とかなるか」)
 色んな世界を旅してきた経験故か、どうやら剣術の心得があるらしい月。
 そんな豊富な知識をいかして、集団戦に挑んだ。
 まずはLIGHTNING IIの白刃もとい黒刃を閃かせ、目にも留まらぬ早業を見舞う。
 落武者1体を袈裟懸けで倒したかと思えば、別個体の放った衝撃波を第六感にて避けるという離れ業も見せた。
「自分には、敵を全滅せるような力は到底ないだろうからな……せめて味方の負担を軽減できるように数が減らせれば御の字だ」
 謙虚な思いで集団戦に貢献しようと奮闘する月は、[REAL VERSATILE]で落武者のパンチを受け流し、そのまま反撃に転じるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

鏡餅の習慣は馴染みがないけど、人に迷惑を掛けるのは頂けないね。まずは落ち武者の群れをなんとかしないとね。しかるべき所に還って貰おうか。

死霊とはいえ、武士の集団、決して油断は出来ないね。まずは【忍び足】と【目立たない】で敵から徹底的に気配を消して、【残像】【ダッシュ】で敵の群れに飛び込んで奥の手で【先生攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】。次々と敵の技を封じていこうか。身体を拘束してしまえば、弱体化出来るはずだ。近接で攻撃を受けるなら【武器受け】した上で【フェイント】して、【カウンター】を狙うよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


鏡餅、ですか?(首傾げ)古くからの風習だって聞きましたね。何故暴れ出すんでしょう?まあ、考えるのは後にして、まずは目の前の死霊の群れをなんとかしましょうか。

死霊とはいえ、武士には違いないので、トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】で武士の攻撃から家族を【かばう】。場合によっては【拠点防御】も併用します。攻撃が必要なら【属性攻撃】【二回攻撃】で攻撃します。敵の数によっては【範囲攻撃】、遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使います。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

鏡餅・・・知識は余りないのですが、2月に鏡餅が暴れてるなど余り穏やかな話ではないですね。まずは、この落ち武者の集団を黄泉路に還すとしましょう。

僕は後方支援を担当。盾役の奏の負担を少しでも減らす為、【高速詠唱】で【祈り】を込めて【全力魔法】で氷晶の矢を【範囲攻撃】で撃ちます。【二回攻撃】で攻撃回数を増やし、余裕があれば【援護射撃】で気配を消して敵に接近する響母さんの援護をしますね。



「鏡餅の習慣は馴染みがないけど、人に迷惑を掛けるのは頂けないね」
 真宮・響(赫灼の炎・f00434)は、ゾンビのようにしぶとい落武者たちを見て、やれやれと肩を竦めた。
 豪快かつ大胆不敵な性格で、トラブルと見れば真っ先に首を突っ込むタイプなだけに、今回の盗難事件も放ってはおけなかったのだろう。
「しかるべき所に還って貰おうか」
 まずは目立たぬように気配を断ち、忍び足を駆使して落武者の群れへ最接近する響。
 ダッシュで1体へ肉薄するや否やブレイズフレイムで先制すると、そのまま周りの個体をも巻き込んで範囲攻撃を繰り出した。
 一方。
「鏡餅、ですか? 古くからの風習だって聞きましたね。……何故暴れ出すんでしょう?」
 こちらも鏡餅に馴染みがないのか、不思議そうに首を傾げるのは真宮・奏(絢爛の星・f03210)。
「まあ、考えるのは後にして、まずは目の前の死霊の群れをなんとかしましょうか」
 母の影響か深く考えるより殴ってから解決、というなかなか脳筋な奏だが、流石に母子なだけあって息の合った連携を見せる。
 響が敵の群れへ飛び込んだ刹那、自分は炎と水、風の魔力で己が護りを固めると、
「死霊とはいえ、武士の集団、決して油断は出来ませんね」
 エレメンタル・シールドと白銀の小盾を使い分けて、母の代わりに落武者達からの攻撃を食らっていた。
「余り使いたくないんだけどね。いざという時は必要なのさ!!」
 響も娘には負けてられないと、手枷、猿轡、拘束ロープを全て用いて落武者1体をギチギチと縛り上げ、奴の欠落の決意を封じた。
「死ねぇぇ!」
 別の落武者は身体から怨念を噴き出しつつ、響へ斬りかかってくる。
 だが、真紅のガントレットで衝撃波を受け止めた響に恐いものなどなく、ブレイズランスでフェイントを仕掛けてから反撃した。
 他方。
「鏡餅……知識はあまりないのですが、2月に鏡餅が暴れてるなど、あまり穏やかな話ではないですね」
 神城・瞬(清光の月・f06558)は、鏡餅盗難事件の黒幕たるオブリビオンの蛮行を想像して、思わずその端整な眉を顰めた。
 サラサラした金髪と切れ長の紅い瞳が涼やかな、見目麗しいダンピールの青年。
 豪放磊落、猪突猛進な響と奏を間近で見て育った為か、却って冷静沈着かつフォロー体質、穏やかな性格になったようだ。
「さて、これを見切れますか?」
 ともあれ、奏や響の後方支援に専念するつもりの瞬は、祈りを込めて魔法を高速詠唱する。
 全身全霊で生み出したのは、110本にも及ぶ氷属性の魔法の矢。
 瞬は数多の氷晶の矢を広範囲に次々と射かけて、落武者たちへトドメを刺していく。
 奏も風精の小杖を振るって衝撃波を巻き起こし、家族を守る傍らで落武者へ引導を渡している。
 ブレイズブルーを両の手で構え、猛々しく敵陣へ突撃するのは響だ。
 真宮家3人の猛攻に耐えかねて、立ち向かってくる落武者たちの数は次第に減って、そして。
「よしよし、これで全部片づいたわね!」
 響母さんが満足そうに伸びをする足元、あれだけの大軍勢を誇った落武者軍団は、とうとうその全てが屍の山に変えられてしまったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『野生の鏡餅』

POW   :    お年玉(餅)
【投げた紅白餅】が命中した対象に対し、高威力高命中の【巨大鏡餅落下攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    もち肌
自身の肉体を【柔らかいお餅】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    今年の運勢
対象の攻撃を軽減する【おみくじ体】に変身しつつ、【今年の運勢が書かれたみくじ紙】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はエミリィ・ジゼルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●鏡餅の営み
 猟兵達の獅子奮迅たる活躍のお陰で、火除地に集っていた落武者の群れを掃討できた。
 では、落武者たちに鏡餅を盗ませていた『黒幕』は、彼らが戦っている間何をやっていたのかというと——。
 パチパチパチパチパチパチ……!
 なんと、盗ませた鏡餅を地道に七輪の炭火で炙って、焼き餅を作っていた。
 鏡餅の燃料はやはり鏡餅、そういう事なのかもしれない。
 ともあれ、江戸中の鏡餅を喰らい尽くしそうなオブリビオン、『野生の鏡餅』の凶行を今更見逃すわけにもいくまい。
 たとえ、巨大鏡餅が小さく小さく見える通常サイズ鏡餅をちまちま食っていたとしても、凶行は凶行なのである。
 猟兵達には、ともすればほのぼのしてしまう胸の内を奮い立たせて、どうか野生の鏡餅を討ち取って欲しい。
真宮・響
【真宮家】で参加。

・・・・・(額に怒りマーク)人が苦労して戦ってるのに、のんびり餅焼きかい。しかも盗んだ餅で。ふざけんじゃないよ。その腐った性根ごと、叩き潰してやるよ!!

ふざけた敵だけど餅とおみくじには当たりたくないね。【忍び足】と【目立たない】で気配を消しつつ、【ダッシュ】で一気に餅本体に接近。伸びた餅ごと竜牙で叩き斬ってやるよ!!接近する時は【残像】も併用、【二回攻撃】で攻撃回数も増やすよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


えっと、それ、盗んだ餅ですよね?むむ、窃盗犯は許しません!!自分だけおいしいお餅を食べようたってダメです!!いけない鏡餅は成敗です!!

護りに入ると不利になると判断、トリニティエンハンスでの攻撃力強化を選択、【属性攻撃】で炎を纏わせて、餅とおみくじを燃やします!!【二回攻撃】も使ってお餅が伸びて戻る隙を狙って切断しちゃいます。遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使います。もし餅攻撃が家族に飛んでいくなら、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】で【かばう】で餅を代わりに引き受けますよ。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

お楽しみのところ失礼します。自分だけいいとこを取ろうとしたって無駄ですよ。それ、盗んだ餅ですよね・・・ふざけんじゃねぇ。

やる事は馬鹿らしくてふざけた見た目ですが、強敵には間違いありません。被害が広がる前に速攻でいきましょう。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の槍を容赦なく撃ちます。【二回攻撃】も使って攻撃回数も増やしますね。余裕があれば、【援護射撃】で母さんと奏の攻撃の援護もしましょう。



●母さんご立腹
 茶臼藩の火除地。
「……」
 額に青筋立ててブチ切れているのは、真宮・響。
「人が苦労して戦ってるのに、のんびり餅焼きかい。しかも盗んだ餅で」
 彼女ら親子3人含めた多数の猟兵達を落武者狩りに振り回しておいて、野生の鏡餅自身は餅を焼いて寛いでいたとなれば、響がこめかみに血管を浮かせて激怒するのも当然だろう。
「ふざけんじゃないよ。その腐った性根ごと、叩き潰してやるよ!!」
 響は得意の忍び足で目立たないよう気配を殺し、一気に餅本体へ肉薄。
「伸びた餅ごと竜牙で叩き斬ってやるよ!!」
 真っ赤に変色したブレイズランスを振り下ろし、野生の鏡餅の上段の一部を、ズバッと斬り落としてみせた。
「えっと、それ、盗んだ餅ですよね? むむ、窃盗犯は許しません!!」
 真宮・奏は純粋な彼女らしく、鏡餅の犯罪行為そのものが何より許せないと奴を糾弾している。
「自分だけおいしいお餅を食べようたってダメです!! いけない鏡餅は成敗です!!」
 非難する言葉の中から旺盛な食欲が見え隠れしているのは、恐らく気のせいに違いない。
 ともあれ、単体を相手取るには護りに入ってばかりもいられないと、トリニティエンハンスで攻撃力を強化する奏。
「行きます!」
 ブレイズセイバーの刀身へ炎を纏わせ、鏡餅がビヨーンと伸ばした身体を戻すタイミングを見計らって、その柔らかい部分を切断すべく斬りつけた。
「……あっ、読む前に切っちゃいましたね……」
 と、返す刀で舞い散る木の葉よろしく切り捨てたのは、鏡餅の放った今年の運勢が書かれたみくじ紙。
『中吉……家内安全。商いは堅実を是として励め』
 奏は響を庇ってみくじ紙を斬ったため、これは本来ならば響の今年の運勢かもしれない。
 もっとも、一家の長である響の商売運ともなれば、同じ家族である奏や瞬へも間接的に関わってくるのだから無視できまいが。
「まぁ、後で貼り合わせればいいですよね」
 奏はエレメンタル・シールドを構え直して、オーラ防御やシルフィード・セイバーによる払い落としを併用しつつ、乱射される紅白餅から家族を庇っていた。
「お楽しみのところ失礼します。自分だけいいとこを取ろうとしたって無駄ですよ」
 そして、今も縁の下の力持ちが如く、真宮家女性陣の援護射撃に勤しむのは神城・瞬。
「それ、盗んだ餅ですよね……ふざけんじゃねぇ」
 彼も涼しげな表情の裏では、野生の鏡餅の所業へ誰より憤っているのかもしれない。
 そんな想像をしてしまう低い低い唸り声をあげる傍ら、やはり高速詠唱は忘れない瞬。
 六花の杖の先端から生み出されるは、杖に勝るとも劣らぬ透明度を誇る氷晶の槍だ。
 氷の槍達は杖先を離れるや否や、野生の鏡餅の硬くなった表面へ容赦なくブスブスと突き刺さり、見た目に違わぬダメージを齎した。
 野生の鏡餅は、少しでも痛みを減らすべく再びおみくじ体に変身。
『大吉……待ち人:相当遅けれど必ず来る』
『末吉……投資:先物取引にはゆめゆめ油断するな』
 との内容が記されたみくじ紙を景気良く投げつけてきたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

十六夜・月
相手が単体なら私は後方で支援に回ろう。うまく立ち回れる仲間の邪魔にはならないよ・・・ こちらはこちらでできることをするだけ。

[スナイパー]にて後方より[援護射撃]を行う。たとえ弾力性で軽減されるような状況でも[鎧無視攻撃]で貫けるはずだ。

こちらを狙われるような状況になろうとも、[第六感][見切り][野生の勘]
でできる限り回避、隙を見せようものなら「カウンター」で返り討ちにしてみせる。それがかなわなくても[武器受け]で最小限のダメージで切り抜けてみせるさ・・・


佐藤・非正規雇用
「鏡餅って野生化するんだな……それもこれも、
最後まで面倒を見ない"餅主"が増えたせいか……」
と、よく分からない世界観を語り出す。

戦の基本は兵糧攻めだぜ。相手の食ってる餅を奪ってやる!
砂糖を混ぜた"きな粉"を持参して、盗まれた餅を逆に盗み食いする。
餅を食って【生命力吸収】だ!!

「あぐあぐ……へへへ、待ってろよ。
次は貴様がこうなる番だからよ……むぐむぐ」

敵が紅白餅を投げて邪魔してきたら、【サイコキネシス】で
打ち返してやるぜ。防御と攻撃を兼ね備えた【2回攻撃】だ!

「この外道ッ!! てめェには"きな粉"すら生ぬるいッ!!
磯部巻きにして食べてやるッ!!」



「なぁに、うまく立ち回れる仲間の邪魔にはならないよ……こちらはこちらでできることをするだけ」
 十六夜・月は、相変わらず性別不詳を思わせる物言いで、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
 そして、宣言通りに他の猟兵らと野生の鏡餅との激戦を邪魔しないよう、十二分に距離を取ってから、スナイパーの目になって狙いを定める。
(「たとえ弾力性で軽減されるような状況でも鎧無視攻撃で貫けるはずだ」)
 かような推測通り、[LONG DISTANCE BAIT FINESSE]の弾は野生の鏡餅のもちもちしたもち肌を物ともせずに撃ち貫き、決して少なくない損傷を与えた。
「!」
 野生の鏡餅は、その弾道から月の存在に気づいたようだが、そこからの反撃とて彼女は織り込み済み。
 まさに第六感とでもいうべき野生の勘を働かせて、紅白餅やみくじ紙の襲来を努めて回避してみせた。
「……くっ!」
 また、避け切れずに[LONG SHOOTING SOLID]で防いだみくじ紙には、
『凶……恋愛運:低迷の兆し。今は雌伏の時』
 と記されていた。
 一方。
「鏡餅って野生化するんだな……それもこれも、最後まで面倒を見ない『餅主』が増えたせいか……」
 佐藤・非正規雇用(エンドロール・f04277)は、よく分からない世界観を餅出しつつ、なんかうまい事話を膨らませていた。餅だけに。
「戦の基本は兵糧攻めだぜ。相手の食ってる餅を奪ってやる!」
 まるでゴブリンの籠城する食糧庫を目の前にしたような愚策をほざく非正規雇用だが、その行動力は本物。
 なんと、野生の鏡餅が先に焼いていた普通の鏡餅を強奪。
 砂糖を混ぜたきな粉をふんだんにまぶして、盗まれた餅を逆に盗み食いしたのだ。
「あぐあぐ……へへへ、待ってろよ。次は貴様がこうなる番だからよ……むぐむぐ」
 野生の鏡餅を何かの人質に見立てて、やたらとワルぶる非正規雇用。
 餅を食って生命力を吸収しているのか、その表情からは、日々の生活から来る疲労感が消えていた。
「!」
 野生の鏡餅は、非正規雇用の盗み食いに気づいて妨害を仕掛けてきたが、餅を食われまいとするのへ新たな紅白餅を投げるという自体、間の抜けた話である。
「この外道ッ!!」
 そして紅白餅をサイコキネシスで打ち返す非正規雇用は、どうやらこの戦いを野球か何かと勘違いしている模様。
「てめェには『きな粉』すら生ぬるいッ!! 磯辺巻きにして食べてやるッ!!」
 ともあれ、野生の鏡餅は、怒りに燃える非正規雇用の念で放たれたビーンボール——ビーン紅白餅によって、遂にトドメを刺された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『特産品や名産品を楽しもう』

POW   :    とにかく食べる、飲む。力仕事を請け負う。

SPD   :    器用に食べる、飲む。特産品や名産品の加工を手伝う。

WIZ   :    賢く食べる、飲む。新しい加工の仕方や楽しみ方の提案。

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●餅パの始まり
 猟兵達は力を合わせて、鏡餅連続盗難事件の犯人たる野生の鏡餅を突き止め、しっかとその場で成敗した。
 盗まれた鏡餅は全て無事とはいかなかったが、被害者の旗本達は、一般家庭へ被害が広まる前に食い止めてくれたという事で、皆猟兵に感謝しているという。
 そして。
 野生の鏡餅と奴が戦闘中に降らせた巨大鏡餅の供養という名目で、『巨大鏡開きパーティー』なるものが火除地にて開催される運びとなった。
 力自慢の猟兵なら、野生の鏡餅を頭からカチ割る巨大鏡開きへ挑戦するのも一興だろう。
 何せ、野生の鏡餅や巨大鏡餅は、猟兵が束になってかかっても簡単に無くなる量ではないため、ぜひとも好きな食べ方で堪能して欲しい。
 お雑煮、餡ころ餅、きな粉餅、焼き餅、磯辺巻き、揚げ餅、あられにおかき……。
 餅の食べ方ならどんな方法でも好きに試せるだけの準備が、現地では整っている筈だ。
 調味料も塩や砂糖、醤油は勿論のこと、マヨネーズやソース等も一通り揃っている。
 どうか、このまたとない機会を利用して、野生の鏡餅を存分に味わい尽くして欲しい。
 ちなみに、今回テレポートを担った白フェアリーを誘って、一緒に餅を食べることも可能だったりする。
カラコブ・ガラズィマ
なるほど、コレが餅ですか・・・見たこと無い食品ですが・・・パン・・・的な?いやしかし、重すぎますしねぇ?
兎に角、食品なら焼いて塩かければ食えるでしょう。

ヒエッ、膨らみましたよぉ・・・すごい伸びますし・・・うわぁ怖ぁ・・・
いざ!ヒョイパクーモグモグモグモグモグモグモグモグモグ(これ)モグモグ(いつまで噛めばいいんですか?)モグモグモグモグモグ(申し訳ございません同胞よ)モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ(タスケテー)【飲み込めないアピールをしながら徘徊しはじめる】



●初遭遇
「なるほど、コレが餅ですか……見たこと無い食品ですが……」
 カラコブ・ガラズィマは、初めて見る鏡餅を前に、不思議そうに首を傾げていた。
「パン……的な? いやしかし、重すぎますしねぇ?」
 確かに鏡餅は飾る観点から見ても、人目につきやすいように大きめに作られる。
 ましてや鏡開きを念頭に置き、家族全員分の腹を満たす前提で作られた鏡餅ならば、尚更ずっしりと重いだろう。
(「兎に角、食品なら焼いて塩かければ食えるでしょう」)
 と、カラコブは七輪の火を起こし、野生の鏡餅の欠片を網で焼き始めた。
 乾いた表面が色づいてぱっくり割れた瞬間、その隙間から熱くなった餅がプクッと飛び出す。
「ヒェッ、膨らみましたよぉ……すごい伸びますし……うわぁ怖ぁ……」
 まるで生き物のような動きに、カラコブは恐れをなして後退った。
 もっとも、彼のスキンヘッドと膨らんだ餅の丸みは、傍から見れば妙な親和感を醸し出していたが。
「いざ!」
 オーソドックスに砂糖醤油をつけて、ヒョイパクーと焼けた餅へかぶりつくカラコブ。
 ——モグモグモグモグモグモグモグモグモグ。(「これ」)
 ——モグモグ。
(「いつまで噛めばいいんですか?」)
 ——モグモグモグモグモグ。
(「申し訳ございません同胞よ」)
 果たして同胞が誰を指すのかは不明だが、どうやら熱々の餅を一度にたくさん頰張り過ぎたせいか、なかなか上手く飲み込めないようだ。
 ——モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ。
(「タスケテー」)
 必死に飲み込めないアピールをしつつ徘徊するカラコブ。
 そのうち喉に詰めたりしないか心配である。

成功 🔵​🔵​🔴​

十六夜・月
やっぱり餅と言えば、砂糖醤油ときなこにかぎりますな~私は。
あまり大食漢ではないけど、楽しませてもらいますかねぇ~
お酒もあればさらにうれしいんだけどあるかな・・・

[アドリブ大歓迎、むしろカモン!]


佐藤・非正規雇用
宣言通り、ボス『 野生の鏡餅』を鏡開きして食べる。
焼くより茹でた方がいいかもしれないな。
砂糖醤油に付け、海苔で巻いて完成だ。
もぐもぐ……これぞ、勝利の味。

しかし、この量……1人じゃ食べ切れないな。
椀種とかいうグリモア猟兵に、食べるか聞いてみよう。
……ちょっと、餅に対して体が小さ過ぎるか?

(一般人から詰め寄られる)
えっ? 盗まれた餅の数が合わない?
おかしいなぁ……あっ! アイツです!!
あの美味しそうに磯辺巻きを食べてるフェアリーが犯人です!!
(と言って、椀種を指差す。)



 一方。
「やっぱり餅と言えば、砂糖醤油ときなこにかぎりますな~私は」
 器用に鏡餅を次々と焼いて、きなこにまぶしたのと砂糖醤油に絡めたもの両方を交互に味わっているのは、十六夜・月。
「あまり大食漢ではないけど、楽しませてもらいますかねぇ~」
 そう本人は謙遜しているが、野生の鏡餅の上段の一部を確保し、槌で砕いた欠片をどんどん焼いていく様は、充分な健啖家である。
「お酒もあればさらにうれしいんだけど、あるかな……」
 月がふと思い立って周りを探せば、新春を祝う角樽や柄樽に入った清酒が見つかった。
 他方。
「どっせーぃ!!」
 ぱっかーん!
 佐藤・非正規雇用は、巨大な木槌をそれより大きな物体目掛けて、勢いよく振り下ろしていた。
 先の宣言通り、野生の鏡餅を鏡開きして食べる為だ。
「焼くより茹でた方がいいかもしれないな……」
 その余りの大きさと乾燥具合から、まずは鍋に湯を沸かして、餅を『戻す』事から始める非正規雇用。
 炊き出しに使うような巨大な鉄鍋の中で、巨大な鏡餅の一部がぐらぐらと煮えているのは圧巻だった。
 しっかり茹でて柔らかくした後は、程よく網で炙って砂糖醤油に転がし、海苔で巻けば完成だ。
 非正規雇用が渇望していた磯辺巻きの特大サイズである。
「もぐもぐ……これぞ、勝利の味」
 大きな磯辺巻きにかぶりついて、満足そうに舌鼓を打つ非正規雇用。
「しかし、この量……1人じゃ食べ切れないな」
 キョロキョロと辺りを見回せば、お腹を空かせた様子のクルトンが目に入った。
「……ちょっと、餅に対して体が小さ過ぎるか?」
 非正規雇用の心配も尤もで、特大磯辺巻きに押し潰されそうな小ささのクルトンでは、消費の助けにはならないだろう。
 それでも、
「沢山あるから一緒に食わないか?」
「まぁ、ありがとうございます。いただきますわ」
 心優しい非正規雇用はクルトンへ磯辺巻きを1本分け与えた。
 すると、
「えっ? 盗まれた餅の数が合わない?」
 律儀に盗まれた鏡餅の数を検証していた目明しに質問されて、非正規雇用は内心ドキっとする。
「おかしいなぁ……あっ! アイツです!!」
 それでも何とか容疑を逃れようと、口から出まかせを言う非正規雇用。
「あの美味しそうに磯辺巻きを食べてるフェアリーが犯人です!!」
 なんと、真っ直ぐにクルトンを指差し、彼女へ罪を被せた。
「えっ……」
 これには目明しも絶句する中、
「その人じゃ、普通の大きさの鏡餅すら、持ち運べないんじゃない?」
 先程からぐいぐいと手酌で酒を浴びるように呑んでいた月が、実に的確なツッコミを放ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

まあ、あれだけでかい鏡餅だったから食べる所は一杯あるだろうしね。謹んで頂こうとするか。

巨大鏡開きは元気が有り余っている奏に任せて、大量にある餅を焼くのを担当しようか。やっぱり母親だから、一杯子供達に食べさせたいしね。瞬にも手伝って貰って親子3人で餅を頂くよ。やっぱり3人で食べると味は格別だねぇ。ああ、幸せだよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。


窃盗犯は退治しました!!今度は残った鏡餅を割ればいいんですね?楽しそう。ちなみに力は有り余っています!!おいしいお餅の為なら全力で行きますよ。

大きい鏡餅ですからジャンプして割らなければいけませんね。おりゃ~!!(見事に着地)割り終わったらお食事タイムですね。(口に一杯頬張って頬が餅のように膨れている)満足です!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。


色々アクシテンドもありましたが、無事に収まって良かったです。さて、残された鏡餅を何とかしませんとね。料理は得意なので、お任せを。

僕は雑煮を拵えるのを担当しましょうかね。上手く味が整ったら、響母さんの餅焼きも手伝いましょう。準備が整ったら、家族3人で頂きましょう。この幸せな時間を護ることが、僕の戦う理由です。



●家族団欒
 同じ頃。
 真宮家の面々も、野生の鏡餅を無事討伐できた事を互いに喜び合っていた。
「窃盗犯は退治しましたし、今度は残った鏡餅を割ればいいんですね?」
 と、真宮・奏は巨大木槌を捧げ持って、巨大鏡開きへ挑戦する気満々だ。
「窃盗集団との連戦をこなしても、まだまだ力は有り余っています!! 大きい鏡餅ですからジャンプして割らなければいけませんね」
 そう気合充分で野生の鏡餅へ飛びかかる辺り、かなりパワフルな娘さんである。
「おいしいお餅の為なら全力で行きますよ。おりゃ~!!」
 ぱっかーん!!
 爽快な破砕音と共に、野生の鏡餅の下段が真っ二つに割れた。
「まあ、あれだけでかい鏡餅だったから、食べる所はいっぱいあるだろうしね。謹んでいただくとするか」
 一方の真宮・響は、大量にある餅の調理を担当するつもりらしい。
「おりゃ〜っ! もういっちょ!!」
 何せ、自他共に認めるほど元気が有り余っているらしい奏が、今も尚巨大鏡餅を叩き割って、その数を増やし続けているのだ。
(「やっぱり母親だから、いっぱい子ども達に食べさせたいしね」)
 そんな母心を胸に、焼けた餅で色んな具材を巻いていく響。
 定番の餡子を巻いたり、きなこや砂糖醤油をまぶすだけでなく、子ども2人が飽きないようにとお餅に合いそうな具材を用意していたのだ。
 ピザ用チーズとケチャップ、イカの塩辛、瑞々しい苺や蜜柑、酒で練り上げた焼き味噌……。
「色々アクシテンドもありましたが、無事に収まって良かったです」
 神城・瞬も甲斐甲斐しく母親を手伝って、餅の焼き加減を見ている。
「これだけの量の鏡餅は何とかしませんと勿体ないですね。料理は得意なので、お任せを」
 本人が豪語する通り、どうやら真宮家の中でも随一の料理スキルを持つ瞬は、てきぱきとお雑煮の準備を進めていく。
 まずは、奏が景気良く割り砕いた鏡餅の処理からだ。
 何せ、ずっと野生化して外気に晒され、カピカピになった鏡餅を食べるのである。
 カビた表面を削るのは勿論、鍋に湯を沸かして餅を投入、形を整えられるようになるまで熱を加えてやらなければならない。
 そして、突き立て同然に餅が温まったら、お雑煮ならではの悩みに突き当たる。
 角餅にするか丸餅にするかだ。
 なんといっても今回は全員戦闘後でお腹を空かせている為、沢山食べるなら食感の変化も必要だろうと、角餅も丸餅も両方混ぜる事にした。
 雑煮のお出汁は昆布と鰹節を煮立たせ、餅本来の旨みを味わうべく、お味噌を入れず澄まし仕立てにした。
 これで、響の焼き餅と瞬のお雑煮が出揃い、ますます大宴会の様相を呈してきた。
「うん、美味しい! 満足です!!」
 粉チーズと胡椒を効かせた餅を口一杯に頬張って、まるで頬が餅のように膨れているのは奏だ。
「やっぱり3人で食べると味は格別だねぇ。ああ、幸せだよ」
 響も、よく混ぜた納豆を巻く納豆餅を食べて、顔を綻ばせた。
(「この幸せな時間を護ることが、僕の戦う理由です」)
 そんな女性陣2人を眺めて、瞬は熱々の雑煮を啜りながら、幸せを噛み締めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト