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心亡き者への鎮魂祭

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #魂喰らいの森

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#魂喰らいの森


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「こんな物語を知っているかい?」
 書物を開き、クロード・キノフロニカ(物語嗜好症・f09789)が語り始めた物語は――。

●ある女勇者の伝説
 その昔、勇敢で心優しい一人の女性がいた。
 彼女は『ノモス・アモフ』という人造の神に見初められ、その依代として帝竜ヴァルギリオスを倒すための女勇者となったのだった。
 立ち寄る先で住民を困らせる魔物を次々と討伐し戦功を上げながら、ついに彼女は帝竜の住む群竜大陸への上陸へ成功する。
 だが、先へ進もうとする彼女を待ち受けていたのは、生物の魂を糧とする呪われた森『魂喰らいの森』であった。
 森に住まう動植物は彼女を捕まえるように群がり、やがてその魂をすべて吸いつくしてしまった。
 心なき抜け殻となった女勇者は、その肉体が朽ち果てるまで『森の番人』として彷徨い続けたのだった――。

●物語の続き
「――とまぁ、後半の部分は僕が視た予知の一部なのだけれど」
 書物を閉じ、クロードが続ける。
「この物語の元となった女勇者は、未だオブリビオンとして森を守り続けている」
 生物として朽ちて尚、骸の海から蘇り利用され続けている女勇者。
 この女勇者を倒して彼女の中に埋め込まれた『核(コア)』を切除するのが、今回のミッションだ。
「彼女を倒して『核(コア)』を取り除けば、周辺一帯の呪われた動植物は消滅するよ。この先群竜大陸を攻略していくための、大きな礎になる仕事ってわけさ」
 概要の説明を終えたクロードは、背負い袋に肉やら酒瓶やらを詰め始める。
 これから呪われた森に行くというのに、何故そんなものを……?
「魂喰らいの森に対抗するためには、楽しい気持ちになることが重要だ。邪悪な気は賑やかな祭りに弱いものと相場が決まっているだろう?」
 さらに菓子や野菜を袋に詰めるクロード。
「極上の肉と酒、それと美味しい焼き菓子はたっぷりある。しっかり食べて盛り上がって、英気を養っていくといいよ」
 無念のうちに心を失った彼女のためにもね、とクロードは呟く。
「僕がこの女勇者の立場だったら、しんみりとされるよりもポジティブな気持ちで乗り越えていく勇者を歓迎すると思うんだ。だから、まずは森の入り口で楽しく宴といこうじゃないか!」
 美味しいものがたくさん詰まった背負い袋を渡しながら、クロードは猟兵たちを送り出すのだった。


椿初兎
 椿初兎です。
 よろしくお願いします。

 第一章は、気持ちを盛り上げ英気を養うための宴。
 OPで提示されていない物の持ち込みも可能ですので、楽しくいきましょう!

 第二章は『森の番人』と化したオブリビオン集団との戦闘。
 第三章で女勇者を倒し『核(コア)』を切除すれば、依頼成功です。

 プレイングお待ちしております。
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第1章 日常 『魂の祝祭』

POW   :    大いに食べて飲んで、力の限り騒ぎ楽しむ

SPD   :    記憶に残る華麗な芸や踊り、話術などを披露する

WIZ   :    魂が力強くあれるよう、歌や祈りを捧げる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラティナ・ドラッケンリット
UDCアースの日本酒を樽で持参しよう
奮発して大吟醸だ

かつて群竜大陸に辿り着いた女勇者か
人造神『ノモス・アモフ』の伝承に聞き覚えはないが
帝竜に挑むべく群竜大陸に辿り着く女傑であれば
恐らくビキニアーマーだったに違いない
フルプレートアーマーに身を固めた鈍い歩みでは
群竜大陸に辿り着くことすら出来ないだろう

極上の肉と甘い焼き菓子を愉しみながら
大吟醸を並々と注いだ升を片手に
ビキニアーマーの女勇者と対峙し
腕試しを出来るだろうことに思いを馳せる



「かつて群竜大陸に辿り着いた女勇者か」
 どこかわくわくした様子で、ラティナ・ドラッケンリット(f04425)は背負っていた酒樽を下ろした。
 伝承に残るほどの女勇者と手合わせできる機会など、そうそう訪れるものではないだろう。
 一流冒険者の一族と名高い『竜殺し』ドラッケンリット家に生まれた者としては、それだけで気分が高揚するというものだ。
「帝竜に挑むべく群竜大陸に辿り着く女傑であれば、恐らくビキニアーマーだったに違いない」
 ……え? 今なんて?
「フルプレートアーマーに身を固めた鈍い歩みでは群竜大陸に辿り着くことすら出来ないだろう」
 語りながら、酒樽の蓋へ槌を思いきり振り下ろす。
 色々とツッコミどころはあるような気もするが……今は宴の時間。
 細かいことは忘れて、美酒の味に酔いしれようじゃないか。

 ラティナが持ち込んだのは、UDCアースで仕入れた日本酒。
 正月祝い用に売り出されていた、樽入りの大吟醸だ。
 一合升になみなみと注げば、華やかな香りがなんとも心地良い。
「肉も食べ頃だな」
 脂の滴る串焼き肉を火から上げ、豪快に齧りつく。
 口の中に広がる旨味を楽しみながら、酒を一口。
 すっと染み渡るような口当たりの大吟醸は軽やかなようでいて決して肉の味に負けず、お互いを引き立て合う最高のマリアージュなのだ。
「さぁ、もっと食べて飲んで英気を養おう。相手はビキニアーマーの女勇者なのだからな!」
 声高らかに、ラティナは焼き菓子へと手を伸ばす。
 果たして敵はどのような勇者なのか、そもそもビキニアーマーを着ているのか。
 それが分かるのは、もう少し先のお話――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
まずは楽しまなくちゃ?でしょうか?
何をするにも英気が必要ですもんね。
シャルだってそうですとも。
少食ながら食べます!
持ち込みもOKぽいです?袖の下から箱を取り出します。中身はじゃーん、リンゴパイ!
うちの寮(旅団)で収穫したリンゴが沢山あったので、こんなこともあろうかと!作って袖の下に入れておいたのです!
周りの皆様におすそ分け出来たら…
お肉と焼き菓子もちょっとずつ頂いたら元気いっぱい!
前向きポジティブに行きましょう!
呪いは得意分野ですから、なんとかしてみせましょうっ


小宮・あき
極上の肉と酒、それと美味しい焼き菓子はたっぷり…!
まるでグランピングですね! マシュマロ焼いてもいいですか!
持ち込み可能との事だったので、私は両手に持てる範囲のUDCアースの食材を。

【料理】技能。
大がかりに料理するのではなく、ひと手間加えるだけにしましょう。
お肉は焼いて、持参のフランスパンに挟んで野菜と一緒にサンドして。
お魚は、トマト缶と一緒に煮込んで簡単アクアパッツァ(あさり無し!)
余った食べ物は、ぜ~んぶサラダとピンチョスに。

他の皆さんもいらっしゃれば、ぜひどうぞ!

こうやって、料理を作って。自然の中で美味しく食べて。幸せですね。
「またこうやって過ごしたい」は戦いの原動力になると思います。



 既に宴は始まり、肉の焼ける香ばしい匂いが周囲に満ちている。
「まるでグランピングですね!」
 小宮・あき(f03848)は、楽しげにはしゃぎながら両手いっぱいの荷物を下ろした。
 大きなバッグに詰め込まれたのは、UDCアースで仕入れた食材の数々。
 宴を楽しむために、めいっぱい準備してきたのだ。
「マシュマロ焼いてもいいですか!」
「いいですね! リンゴパイも温めましょう!」
 楽しむ気満々といった表情で、清川・シャル(f01440)も袖の下から箱を取り出す。
 楽しい仲間と過ごす、美味しいひとときの始まりだ。

「ひと手間加えるだけでも、美味しさがぐっと上がりますよね」
 火加減を確認しながら、あきが楽しげに声を弾ませた。
 香ばしく焼けた肉と野菜をフランスパンにサンドすれば、見た目も華やかなバゲットサンドの完成。
 魚はトマト缶と一緒に煮込んでしまえば、おしゃれで美味しいアクアパッツァが簡単に出来上がる。
 大掛かりな調理をしなくても、アイデア次第でいくらでもご馳走は作れるのだ。
「サラダとピンチョスもどうぞ!」
 余った食材も手際よくカットし、彩りよく皿に盛りつけていく。
 リゾートホテルのパーティーに慣れ親しんだあきならではの、おもてなしメニューだ。

「わぁ、美味しそうです!」
 歓声を上げながら、シャルは少しずつ料理を取り分けた。
 綺麗で美味しいものを、自分のペースで少しずつ。
 少食でも、こうやって食の楽しみを味わうことはできるのだ。
「美味しいお料理に、デザートのリンゴパイ。元気いっぱいになれそうです!」
 締めは寮の庭で採れたリンゴをたっぷりと詰めた、お手製のリンゴパイ。
大好物をふんだんに使った甘味を一口齧れば、自然と笑みが零れてしまう。
「皆様にもおすそ分けしましょう」
「いいですね。私にもおひとつ下さいな♪」
 パイを一切れ取り、あきが楽しげに笑う。
 みんなでシェアする楽しさは、食事を楽しむ最高のスパイスなのだ。
「こうやって、料理を作って。自然の中で美味しく食べて。幸せですね」
 この幸せをまた味わうために、勝利を収めてこの世界を守りたい。
 その想いは戦いの原動力となり、この先の支えとなるだろう。
「呪いは得意分野ですから、なんとかしてみせましょうっ」
 シャルもまた、この先の戦いに思いを馳せていた。
 どんな厳しい局面が待っていても、きっとシャルたちなら大丈夫。
「前向きポジティブに行きましょう!」
 おー! と拳を上げ、宴の続きを楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

真宮・響
【真宮家】で参加。

彼の群竜大陸が発見されたんだね。元々伝承が多い世界だが、人造神「ノモス・アジフ」の祝福を受けた女勇者なんておなじ女の戦士として心惹かれるじゃないか。この話、乗らせて貰うよ。

そうだね、彼の女勇者にちなんで赫灼のアパッショナートで戦意高揚の歌を披露しようか。これからの試練に負けないように、勇壮な戦歌を歌うよ!!さあ、これからの道に向けて、力強く歩みだそう!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

神様の依り代になった女勇者の伝説ですか。聞いてて大変そうなお話ですけど、戦いの道を歩むものとして勇者は気になりますね。そうですね、まずは戦いの準備の為に力を蓄えておかないと。

胃袋ブラックホールの私は目の前に広がる肉料理に目をキラキラさせて思いっきり食べます!!これから大変な戦いがありませんから、あるだけ頂きます!!お菓子も!!う~ん!!幸せ!!満足です!!(顔がハムスターのように膨らんでいる)


神城・瞬
【真宮家】で参加。

神の依代ですか。神に依代として選ばれる程偉大な女性だったと言う事ですかね。その行く末も含めて彼の女勇者の伝説、興味があります。

その前に、充分気分を高めておきませんとね。群竜大陸という未知の大陸、どんな事が待ち受けてるか分かりません。母さんの歌に併せて、精霊さんに貰った銀のフルートで清光のベネディクトゥスを奏でます。僕達がこれから進む道は祝福された道です!!臆せず進みましょう!!



 世界を救わんと立ち上がり、冒険を繰り広げた女勇者の伝説。
 グリモアベースで語られた物語を思い起こし、真宮・響(f00434)たち三人は女勇者の冒険に思いを馳せていた。
「人造神『ノモス・アジフ』の祝福を受けた女勇者なんておなじ女の戦士として心惹かれるじゃないか」
 母として、戦士として、たくましく生きる響である。
 ひとり魔物たちに立ち向かっていった女勇者の姿には、どこかシンパシーを感じる部分もあるのだろう。
「神に依代として選ばれる程偉大な女性だったと言う事ですかね。その行く末も含めて彼の女勇者の伝説、興味があります」
 神城・瞬(f06558)の頭の片隅に残るのは、物語として語られた女勇者の末路。
 神の依代となるような者ですら絡め取ってしまうという群竜大陸の呪いとは、なんと強力なものなのであろうか。
「聞いてて大変そうなお話ですけど、戦いの道を歩むものとして勇者は気になりますね」
 真宮・奏(f03210)は、戦士としての生き方の厳しさを誰よりもよく知っている少女だ。
 ときに深手を負いながらも勇敢に戦う母の背中を見て育った奏だからこそ、伝説の勇者への興味もひとしおだろう。
「戦いの前に、充分気分を高めておきませんとね」
 銀のフルートを取り出し、瞬は二人へ宴への参加を促す。
 呪いへの抵抗力をつけるために、宴を盛り上げるのも重要な仕事だ。
「そうですね、まずは戦いの準備の為に力を蓄えておかないと」
 作戦了解、といった仕草をする奏だが、その瞳は漂ってくるご馳走の匂いにつられキラキラと輝いている。
「よし、これからの試練に負けないように、勇壮な戦歌を歌うよ!!」
 今にも歌い出しそうな様子で、響も声を弾ませる。
 この三人ならば、呪いを跳ね返すほどの『楽しい気持ち』で満ちたひとときが過ごせそうだ。

「その勇者は強く優しく――♪」
 よく通る明るい歌声で、響が高らかに歌う。
 情熱を込めた歌声にのせる歌詞は、女勇者の冒険を称える即興の戦歌。
「さあ、これからの道に向けて、力強く歩みだそう!!」
 世界をたくましく駆け回った冒険の歌は、この場に集う猟兵たちの士気を大きく上げるのだった。
(「僕も演奏で盛り上げましょう」)
 伴奏を添えるように、瞬がフルートを奏で始める。
 響の歌が歩みを進めるための活力だとすれば、瞬の演奏はさしずめ旅路を往く者への祝福といったところだろうか。
(「僕達がこれから進む道は祝福された道です!! 臆せず進みましょう!!」)
 吹き込む息に、強い意志と気持ちを込めて。
 もとは精霊のものであったという銀色のフルートは澄んだ音色を奏で、皆の心に確かな安堵感を与えたのだった。

 一方、奏は音楽よりも料理が気になる様子。
「これから大変な戦いがありますから、あるだけ頂きます!」
 こんがりと焼けた肉を思いっきり頬張り、う~んと幸せそうな表情で舌鼓。
 他の猟兵たちが用意したパーティーメニューも思いきり堪能し、楽しい気持ちは満タンだ。
「う~ん!! 幸せ!! 満足です!!」
 デザートの焼き菓子も口いっぱいに頬張り、ほっぺたを膨らませてご満悦の様子――と、演奏の輪に目を向けた瞬間、不意に顔を上げた瞬と目が合う。
 色気か食い気か、どっちも大事なお年頃の奏の反応は――読者の想像にお任せするとしよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『堕落者たち』

POW   :    【悲嘆】の盾と【失望】の剣(人間)
【自分の悲嘆話、或いは失望感を込めた盾】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自分と同じ目に合わせようと振るう剣撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    【強欲】なる斧と【執着】する腕(ドワーフ)
【装備している高級な斧】から【価値ある物を狙う為の一撃】を放ち、【怯んだ対象から価値の高い武具を強奪する事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    【情欲】の弓と【嫉妬】の矢(エルフ)
【麻痺毒、または媚毒を塗った矢】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱いで、相手に素肌を見せびらかす】等で身軽になれば、更に加速する。

イラスト:楠木なっく

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 森へ足を踏み入れた猟兵たちは、辺りが何者かの気配に満ちていることに気付いた。
 木々の奥へよく目を凝らせば、その気配の主たちはうつろな目をした冒険者の姿をしているのだった。
 武装の内容を見るに、彼らもまた群竜大陸へ辿り着いた勇者たちであったのだろう。
 人間、エルフ、ドワーフ。さまざまな種族の冒険者たちが、武器を手にじりじりとこちらへ迫る。
『皆を守るために、お前を倒す』
『帝竜を倒して一攫千金だ』
『故郷の恨み、愛したあの人の恨み』
 放つ言葉に感情の色はなく、ただ生前の姿を象るように同じことを繰り返す。
 猟兵たちの中には、彼らの言葉の中に自らと縁のある村や街の名前を見つけた者もいるかもしれない。

 だが、今の彼らはオブリビオン。
 倒さなければ、先へ進めないのだ。

●マスターより
 敵の「堕落者たち」の中には、イラストで示されたような人たちだけでなく、さまざまな姿をした元勇者がいます。
 もし「こういう敵と戦いたい」というご希望があれば、プレイングでご指定いただければ可能な限り反映いたします。
(使ってくるユーベルコードの効果自体は、敵の姿に関わらず指定UCと同一のものになります)
上泉・信久(サポート)
「ふむ……面白い」
日本刀「無窮村正」のヤドリガミ
剣士の性か、強敵を見ると腕試ししたくなる性格
相手が剣士なら尚の事

戦闘>>
居合術や一刀流で闘う
遠距離なら錬成カミヤドリで対応し
近距離なら無窮ノ型 阿修羅斬で一閃していく
早業で再納刀する
共闘者がいれば、相手の動きを見て柔軟に対応する
「どれ、少し踏み込みを強くしようか」

交流>>
見た目とは裏腹に年配感を出してお茶目に
子供がいるなら子供と遊ぶなり
人の意向に感謝を
「よいのではないか?」

調査>>
怪しまれない程度に聞き込みを行う
怪しい人物がいたら地形効果を利用して追跡

他の猟兵と共演、アドリブはお任せ
エロは相性が悪いのでNG
その他、描きやすいよう任意



 上泉・信久(f14443)の前に立ちはだかったのは、長剣と盾を構えた剣士であった。
『俺は、最強の勇者だ』
 その言葉に、生前ならば漲っていたであろう意志の力はなく。
 ただ昔の己をなぞるように、剣士は手にした得物の切っ先を信久のほうへ向けていた。
「ふむ……自ら最強を名乗るか」
 その言葉が嘘か真か推し量るように、信久は剣士の構えを見る。
 一見豪快に見えるその姿からは、心を失っても尚身体に宿る闘気が滲み出ていて。
 成程、確かに魔物相手の戦闘では負け知らずであったのだろう。
「面白い。ぜひ手合わせ願おう」
 柄に手をかけ、間合いを見定めるようにじわじわと距離を詰める。
 死線ギリギリの駆け引きに心が滾るのは剣士の性か、はたまた刀として生まれたが故の宿命か。
『俺のほうが、強い』
 先に動いたのは、剣士であった。
 大きく振りかぶられた刃が、信久の肩口を狙う。
「遅い……!」
 しかし信久の踏み込みのほうが一歩早かった。
 素早く懐に滑り込み目にも止まらぬ速さで抜刀。
 一瞬の光の如き刹那の閃が、剣士の胴に深い傷を刻んだ。
『俺は、絶対に負けない』
 信久を退けるように、剣士は盾を無理やり割り込ませ守りの姿勢をとる。
 跳ね返され一歩下がった信久に、剣士の刀が振り下ろされるが――。
「――見切った」
 咄嗟に刀を抜き放ち、刀身で剣閃を受け流す。
 そのまま一歩強く踏み込むと、無防備な喉元へ切っ先を突き立てた。
「居合だけが、俺の武器ではないのだぞ?」
 相手に次の手を読ませぬ変幻自在の剣術こそが、信久の最大の武器。
 油断した不意を突き、信久は剣士の急所を正確に狙いすましたのだった。
『お……れ、は……』
 膝から崩れ落ちるように、剣士がドサリと倒れ込む。
 最後まで諦めようとしなかったのは、ただ過去の性質をなぞっていただけなのだろう。
 それでも――。
「最後まで、お前は戦士であったよ」
 彼の遺志を無駄にせぬよう、信久は森の奥を目指すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

二條・心春(サポート)
『皆さんのお役に立てるよう、頑張ります!』
『助けに来ました。もう大丈夫ですよ』
UDCアースで学生をしながら猟兵の活動もしている、自分にちょっと自信がない、心優しい普通の少女です。落ち着いて礼儀正しい感じですが、可愛いもの、特に動物を見るとテンションが上がります。基本的に誰にでも敬語で話します。
戦う時は、心を通わせたUDCの霊を召喚しながら、槍や拳銃で一緒に戦います。また、一般人は優先して助けます。
戦闘以外では、タブレット端末を使って情報収集や、聞き込みを行います。
武器は「UDC管理用タブレット端末」「対UDC用量産型直槍」「対UDC用特殊拳銃(試作型)」をよく使います。



『村のために、戦うんだ』
 うつろな瞳をした戦士が、心を感じさせぬ声で呟く。
「……もう、話し合って解決することもできないのですね」
 痛ましく物悲しいその様子に、二條・心春(f11004)は心を痛めていた。
 せめて心が生きていれば、対話で開ける道もあったかもしれないのに。
「ならば、仕方ありません。ウコバクさん、お願いします」
 タブレット端末をタップし、UDC具現化アプリを起動。
 画面に浮かび上がった炎から、人型をした悪魔が現れた。
「燃やしちゃってください!」
 心春の呼びかけに応えるように頷き、悪魔が炎を放つ。
 業火の熱を避けるように、戦士はひらりと身を躱した。
「私も一緒に戦います!」
 逃げることなど許さぬとばかりに、心春が槍を振るう。
 そのまっすぐな突きを、戦士は盾で受け止めた。
『俺は、戦わないといけない』
 瞬間。
 槍の柄を通じて、強い衝撃が心春を襲った。
 それは身体ではなく、心を抉る痛み。
「あ、なたは……」
 心春の脳内に直接響く、戦士の過去の無念。
 生きたまま森に魂を喰われる苦しみが、胸の内でリアルに再生される。
『俺は、前へ進まなければいけない』
 心を蝕まれ失ってしまっても、まだ先を目指そうとするのか。
 その様子は、あまりに悲しく――。
「でも……それでも!」
 心の痛みを振り払うように、心春が声を挙げる。
 叫びに呼応するように、ウコバクが再び炎を燃え上がらせた。
「私たちは、森の番人を目指すんです!」
 炎が戦士に纏わりつき、その身を焼き尽くさんと襲い掛かる。
 彼のような犠牲者をこれ以上出さないためにも、心春たちは番人を倒さなければならないのだ。
 燃え尽きた戦士の亡骸に祈りを捧げるように目を伏せ、心春は前へ進むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

小宮・あき
◆希望の相手
強欲な者(SPD技のドワーフ)


聖職者として、欲深い者は救済対象です。
なぜ強欲な考えに至ったのか己の半生を鑑み、向き合う必要があるでしょう。
と「最初は」懇切丁寧に対応します。
(優しさ・コミュ力・勇気・存在感・コミュ力)

しかし、ドワーフがUC技を使おうとする素振りが見えたら、即座にUCを発動。

UC【真の姿】
「あなた今、何をしようとしたの?」
赤髪を靡かせ回避、反撃の体制で問う。

窃盗は聖職者として見過ごせません。
そもそも私から強奪なんて、許されると思っているの?

黒に近い藍色の瞳で睨みつけ、返事を待たずに潰します。


(真の姿に容姿変更をするだけです。赤丸補正の真の姿は受けません)



『名声もお宝も、全部俺のものだ』
 心を失って尚、そのドワーフは生前の欲を口にし続ける。
 手にした斧も身につけた宝飾品も、恐らくは冒険の道中で奪ってきたものなのだろう。
「なぜ、そこまで強欲な考えに至ったのでしょう」
 礼節を込めた態度で、あきはドワーフに語り掛ける。
 聖職者として、欲深い者は救済の対象である。
 たとえそれが、骸の海へ魂を置き去りにした抜け殻のような存在であっても、だ。
「己の半生を鑑み自分と向き合えば、きっと救いが訪れるでしょう」
 心を尽くし、あきは丁寧に言葉を重ねた。
 だが心を失ったドワーフは、生前の記憶をなぞるように動くのみ。
『俺は、お宝を手に入れるんだ』
 そう呟き、ドワーフは斧を振り上げる。
 狙いはあきの荷物袋。だが――。
「あなた今、何をしようとしたの?」
 荷物ごと素早く回避したあきが、ドワーフをきつく睨み付ける。
 その髪の色は、憤怒の炎を思わせるような鮮やかな赤色に染まっていた。
「私から強奪なんて、許されると思っているの?」
 ただ欲深いだけなら救いの道もあるけれど、窃盗に走るならば話は別だ。
 ましてや、ドワーフが狙った袋の中にあるのは――。
「絶対に許さない。お前に救いの道などない」
 藍色の瞳で睨み付け、ドワーフの手元めがけ強く強く力を込めた一撃を放つ。
 それは親しい仲間でも目にしたことのある者は珍しい、あきの本気の怒りであった。
「恨むなら、己の罪深さを恨みなさい!」
 助走をつけるように地面を蹴り込み、スピードを威力に換えた打撃を繰り出す。
 武器を取り落としたドワーフは反撃すら叶わず、為す術なく吹き飛んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
うん、お話は沢山あると思います。
聞いてたら時間がいくらあっても足りない。
けど、今大切なことは、貴方達はオブリビオンだということ。
骸の海へ還らなきゃいけないんですよ

UC発動です
毒使い、マヒ攻撃、呪殺弾の弾薬を射出です
周囲の味方への援護射撃も兼ねて、制圧射撃と範囲攻撃、吹き飛ばし効果狙い
念動力で確実に当てに行きます

撃ち終わったらそーちゃんで殴りに行きます
呪詛を帯びた捨て身の一撃でなぎ払いと鎧砕きを

敵攻撃には武器受け、激痛耐性、見切り、カウンターを行います



『長い長い旅路の末、僕は群竜大陸に辿り着いた。なのに――』
 それは心の籠らない、ただの無機質なモノローグ。
 魂を喰らわれた剣士の口から漏れ出る、心なき恨み節であった。
「うん、お話は沢山あると思います」
 嘆きを遮るように、シャルは『ぐーちゃん零』の銃口を剣士へ向ける。
「けど、今大切なことは、貴方達はオブリビオンだということ」
 そして、彼らを骸の海へ還すこと。
 そのためには、恨み言など聞いている時間はないのだ。
「だから――」
 シャルが引き金を引くと同時、召喚したスピーカーから爆音が響く。
 音波の熱線が周囲に広がり、こちらへ群がろうとする魂なき軍勢が炎に包まれた。
「逃がしませんよ」
 隙を突き身を翻そうとした剣士めがけ、すかさず砲弾を撃ち込む。
 弧を描いた砲弾は剣士を追尾するように軌道を変え、その足元に正確に着弾するのだった。
「とどめです」
 武器を『そーちゃん』に持ち替え、シャルは剣士の元へ駆ける。
 棘の先ひとつひとつに込めた呪詛を叩き込むように、勢いをつけて大きく振り抜いた。
『たくさんの村を救い、たくさんの魔物を倒してきた』
 自動再生機械のように喋る剣士を、そーちゃんの一撃が捉えた。
 盾で守りを固めながらも、剣士は恨み節を吐き続ける。
『だが僕は生きながらにして森に襲われ――』
 悲壮感溢れる語りも、シャルの手を緩めるには至らない。
 高速回転で威力を増したそーちゃんで再び殴りつければ、盾はバキバキと音を立て割れてしまった。
「――おやすみなさい」
 押し切るように、得物の先へ全体重をかける。
 恨み言は、もう聞こえなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

(真宮家とおなじ、母と息子と娘の構成でお願いします。出来れば少し年をとった姿で)

こいつらはアタシとおなじ家族かい。もし戦いに敗れてしんだらこんな風になる可能性があると。不吉だね。哀れだとは思うが、乗り越えさせてもらうさ。

さて、アタシは母親らしい斧持ちを担当しようかね。おとなしく斧の攻撃範囲に入る気は無い。【目立たない】【忍び足】で敵の背後に回り込み、【先制攻撃】【二回攻撃】を併せた飛竜閃で攻撃するよ。反撃が来たら【オーラ防御】【残像】【見切り】で凌ぐよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

(真宮家とおなじ、母と息子と娘の構成でお願いします。出来れば少し年をとった姿で)

あ、私達家族と同じ構成の方達です・・・私達もこういう姿になる可能性があると(頭ぶんぶんして恐怖を振り払う)まずはこの方達を解放して差し上げることが先ですね!!

私はお兄さんらしき剣の使い手に対応しますね。剣に当たったら大変そうなので、トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】で剣をしっかり受け止めます。その後に【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で反撃しますよ!!


神城・瞬
【真宮家】で参加。

(真宮家とおなじ、母と息子と娘の構成でお願いします。出来れば少し年をとった姿で)

これは・・・得物の違いはありますが、僕達と同じく、母と息子と娘の構成のようですね。僕達も戦いに敗れて死ねば、このようになる可能性があると。ええ、分かってます。考えるより先に、この方達を解放するのが先ですね。

僕は娘らしき弓矢の使い手に対応しますね。【オーラ防御】で麻痺矢や毒矢に耐えつつ、【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で氷晶の槍を撃ちます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】も乗せて、麻痺矢と毒矢に対抗して何倍もの効果で反撃を試みます。



 真宮家の三人の前へ立ち塞がるのは、同じく三人組の冒険者。
 全員人間であるらしい彼らは、同じ髪の色をしていて。
「これは……得物の違いはありますが、僕達と同じく、母と息子と娘の構成のようですね」
 逞しい容姿をした壮年の女性と、やっと成人したばかりのような男女。
 三人の顔立ちはどこか似ており、確かに瞬が思ったとおり彼らは家族なのであろう。
「……私達もこういう姿になる可能性があると」
 恐ろしい考えを振り払うように、奏はぶんぶんと頭を振る。
 負けたときのことを考えている暇などないのだ。
「不吉だね。哀れだとは思うが、乗り越えさせてもらうさ」
 ランスを構え、響は敵をじっと見据える。
 それぞれの意志を抱き、三人は過去から蘇りし『家族』と対峙するのであった。

『この毒で、憎いあいつを殺してしまいましょう』
 最初に動いたのは、弓使いの娘だった。
 手慣れた手つきで矢をつがえ、瞬めがけて素早く射る。
「……っ」
 だが瞬は咄嗟にオーラ防御を展開。
 毒矢は虚空に突き刺さり、地面へバラバラと落ちて行った。
「僕は、あなた達のようになるわけにはいかないんです」
 くるりと杖を向け、瞬は氷の槍を生成。
 素早く呪文を唱えると、弓使いめがけて槍が飛んでいった。
『私は、あなたを殺すのです』
 マントをひらりと脱ぎ捨て、弓使いは身軽な身体で槍を躱す。
 だがそれも計算のうち。
「一発だけだと思いましたか?」
 更なる氷の槍が、弓使いを襲う。
 不意を突かれた弓使いの胴体を、槍が貫いた。

『宝石だ。宝石だ』
 一戦終えた瞬の死角から、斧使いの母が忍び寄る。
 うつろな目には娘の死を悼む心はなく、ただ生前の希みを叶えるように杖の宝石を狙っていて。
「ったく。哀れなもんだねぇ」
 斧使いの背中へ、響の槍が狙いを定める。
 斧の攻撃範囲に入らぬよう、背後をとりながら先制攻撃の機会を伺っていたのだ。
『お宝だ。すごい槍だ』
 振り返りざまに斧使いは斧を横薙ぎ一閃。
 赤熱する槍を奪わんとするその一撃を、響は素早く回避した。
「アンタ、母親失格だよ」
 神経を研ぎ澄ませ、敵の急所へ狙いを定める。
「娘さんが殺されても、お宝しか見えてないなんてさ」
 素早く正確な突きが斧使いめがけ繰り出される。
 その穂先は、斧使いの心臓を的確に捉えていた。

『村のために、魔物をやっつける』
 母と妹の死に目もくれず、剣使いの息子はただ目の前の奏へ剣先を向ける。
 その姿は、恐ろしくも哀れで。
「今、解放して差し上げますからね!」
 高らかに宣言し、奏は魔力を身に纏う。
 重たそうな剣の一撃を確実に防ぐため、守りはしっかりと固めて挑むのだ。
『お前たちも、魔物なのか』
 うつろな瞳で振り抜かれた剣を、奏は魔力の鎧で受け止める。
 力強い一撃を耐えながら、奏は剣使いと目を合わせた。
「私たちは、絶対にあなたたちのようにはなりません!」
 剣使いが再び剣を振り上げた隙を狙い、奏は剣を手に取る。
 風の加護を込めた剣の一閃は鋭い衝撃波となり、ガラ空きになった剣使いの腹を掠めた。
『俺たちは、前へ進む』
 まるで恐怖も痛みも感じない様子で、剣使いは膝から崩れ落ちる。
 それでもまだ前を目指そうとする姿は、ほんとうに哀れだ。
「……ごめんなさい」
 その進軍を終わらせるように、奏は剣士めがけ衝撃波を浴びせかける。
 仲良く蘇った冒険者の家族は、こうしてまた三人一緒に骸の海へ還るのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ラティナ・ドラッケンリット
かつて群竜大陸に行ったビキニアーマーの勇者の伝説を追ったことがあったな
その者自身とは限らないが
ビキニアーマーでも踏破できないとは
群竜大陸
そして魂喰らいの森
恐ろしいものだな

同じビキニアーマーを纏う者として
全霊で相手しよう
体が覚えているなら避けてみせろ
断山戦斧『しゅとれん』を天高く大上段に掲げて
脳天唐竹割りにUCを叩き込む
盾で受けようとするなら両断し
見事避ければ大地を砕いて足場を崩し
守護者『しょこら』を投擲して体勢を崩し
屠竜刀『まかろん』を抜いて斬り伏せる

私もこうならないよう気を付けるとしよう
安らかに眠れ



『我が手に勝利を、栄光を』
 猛々しきビキニアーマーの女戦士が、心なき瞳で叫ぶ。
 きっと生前は強く勇ましい勇者だったのであろう。
「群竜大陸、そして魂喰らいの森。恐ろしいものだな」
 気を引き締めるように、ラティナは戦斧『しゅとれん』の柄をしっかりと握りしめた。
「ビキニアーマーでも踏破できないとは」
 ふとラティナは、群竜大陸へ渡ったというビキニアーマーの勇者の伝説を思い出す。
 もし彼女が、その勇者だとしたら――。
「……いくぞ。体が覚えているなら避けてみろ」
 力強く地面を蹴り、先手必勝とばかりにラティナは女戦士へと駆ける。
 相手は同じビキニアーマーを纏う者。
 ならばこちらも全霊で相手するのみだ。
「はぁぁっ!」
 大上段に斧を掲げ、力強く振り下ろす。
 狙いは、敵の脳天。
『私は、勝利を掴む者』
 直撃を避けるように、女戦士が横合いに身をそらす。
 狙いを失った斧が地面へ直撃し、その衝撃が足場を粉々に砕いた。
「その身軽さ、流石ビキニアーマーの戦士だな」
 ラティナの言葉も聞こえていない様子で、女戦士はラティナへ近接する。
 足場の悪さをものともしない様子で、盾で押し込むようにタックル。
「ぐっ……だが愚策だな」
 咄嗟にラティナは斧でタックルを受け止める。
 力と力がせめぎ合い――盾の表面に、大きなひびが走った。
「盾はこう使うものだ。覚えておけ」
 一歩引き剣を構える女戦士に、ラティナはすかさず守護者『しょこら』を投擲。
 武器としての機能を重視した盾は無防備な腹部にクリーンヒットし、女戦士は後ろにつんのめるように体勢を崩した。
「……と言っても、これで終わりか」
『私、は』
 屠竜刀『まかろん』を素早く抜き放ち、ラティナは女戦士の喉元を斬り伏せる。
「安らかに眠れ」
 断末魔の叫びさえ上げず、心なき戦士は静かに倒れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『人造伐竜神ノモス・アモフ』

POW   :    闘気纏傲
自身に【燃え盛る闘気】をまとい、高速移動と【攻撃的な闘気】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    刻まれた闘争の記憶
【記憶と体に刻まれた様々な武術】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    悪神覚醒
【人の心を無くす事で悪神】に覚醒して【人の肉体を脱ぎ捨てた獣】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハララァ・ヘッタベッサです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 森の奥を目指す猟兵たちの前に、一人の女戦士が立ちはだかる。
 彼女こそが、伝説の勇者――。
 否、人造の神性と同化したその姿は、既に『ノモス・アジフ』そのものと呼ぶべきか。
『アァァ、ア……!!』
 嘆きにも似た、咆哮。
 聞いているだけで、こちらにも悲痛な記憶が伝わってくるような声だ。
『私、は……帝竜を……!』
 彼女の内部で、鈍く光る『核』がドクンドクンと脈打っていた。

 心を失った人造神が代わりに得たのは、他者の精神力を掠め取る能力。
 だがこの場に集まった猟兵たちには、宴で養った英気と困難へ立ち向かう意志がある。
 ならば最後まで諦めず戦うのみだ。
キャサリン・エンスレイヴ
 人間のウィザード×探索者、18歳の女です。
 普段の口調は「ハスキーボイス(俺、~さん、言い捨て)」、心を許したら「ノリノリで女言葉(わたし、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、かしら?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



『邪魔、をォォォ……!』
 人造神のオーラは女の身体を覆い、完全に同化するほどの勢いで膨らんでいく。
 その恐ろしい変容をものともしない様子で、キャサリン・エンスレイヴ(f01442)が躍り出た。
『オォォォ――!』
 叫びを上げながら、人造神が牙を剥く。
 あわや噛み付かれるギリギリのところで、キャサリンは手にしたロッドで我が身を庇った。
「っ……なんとか耐えきれたか」
 噛み跡が深く刻まれたロッドは、それでも決して折れることはなく。
 尚も襲い掛かろうとする人造神を牽制するように、キャサリンはロッドの先端を人造神に突きつけた。
「ラーアリフ・ダールアリフラー・ターザンメ」
 意識を一点に集中し、キャサリンは静かに呪文を詠唱する。
 圧縮された嵐がロッドの示す先に生まれ、人造神の身体を捉えた。
『ウ……アァァ――!』
 その嵐は、冷たく激しい真冬の猛吹雪。
 強烈な冷気が人造神を覆い、氷雪は依代の肉体を鈍らせる。
『ころす……コロス……!』
 それでも人造神は、悪足掻きとばかりにオーラの牙を伸ばす。
 牙はキャサリンの腕を掠め――そのまま凍り付いたように動きを止めた。
「負けるか……っ! 絶対に生き残って、また美味い牛丼を食べるんだ!」
 それとも好物の鮭弁当か、仲間と一緒にバーベキューも良いな。
 勝利の後のご馳走を心の支えに、キャサリンは魔力が尽きるまで氷の嵐を吹雪かせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

なるほど、ノモス・アジフとはとんでもない悪神だったみたいだねえ。彼の女勇者の意志が完全に消える前に・・・終わらせてあげよう。彼女が打倒を目指すのは帝竜、人を無差別に殺戮するのは本意じゃないだろう。

勇者に敬意を表して、正面から迎え撃ってやるか。【ダッシュ】で敵に接近、【オーラ防御】【残像】【見切り】で敵の攻撃を捌いて、隙を見て【二回攻撃】で飛竜閃を使う。皆と楽しく宴をしたのを思い浮かべ、【歌唱】で戦歌を口ずさみながら戦うよ!!


真宮・奏
【真宮家】で参加。

依代になった神が悪神なら、女勇者の意志などいらないものなんでしょうね。彼の勇者の無念、察するに余りあります。偉大なる勇者が志したのは帝竜の討伐。それが果たされないなら、犠牲者が増える前に止めてあげないと。

トリニティエンハンスで防御力を高め、【オーラ防御】【盾受け】【見切り】【拠点防御】で攻撃に耐え、【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で反撃します。楽しかった宴、とてもおいしかった食事を思い出して幸せな気持ちになり、この戦いを乗り切ります。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

彼の神は人の意志を奪って戦い続ける猛々しい戦神のようで。ただの戦神なら良かったかもしれませんが、女勇者の崇高な意志を踏みにじるとは。人を無差別に殺戮するのは女勇者の本意にあらず。止めて苦しみを終わらせましょう。

まず【オーラ防御】を展開。【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で風花の舞を発動。杖の攻撃に併せて、【誘導弾】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】で攻撃します。



『コロス……コロス……!』
 呪詛のように呟きながら、女勇者は闘気を纏う。
 その言葉が人造神のものであることを察し、響の表情が曇りを見せた。
「なるほど、ノモス・アジフとはとんでもない悪神だったみたいだねえ」
 たとえ造られた目的が善であろうと、依代の意志を奪い暴走する様は悪神そのものである。
 同じ女戦士として――そして何より同じ人間として、響は義憤に駆られていた。
「依代になった神が悪神なら、女勇者の意志などいらないものなんでしょうね」
 女勇者に同情したような様子で、奏が零す。
 信じた力に乗っ取られてしまうというのは、さぞかし無念なことであっただろう。
「ただの戦神なら良かったかもしれませんが、女勇者の崇高な意志を踏みにじるとは」
 瞬は人造神を睨み付けながら、オーラの防御壁を展開する。
 人を無差別に殺戮するなど、女戦士にとっても人造神にとっても本意ではないだろう。
『ア、アァァァ!!』
「止めて苦しみを終わらせましょう」
 咆哮を上げる人造神へ、三人は立ち向かうのだった。

『邪魔者、は……倒す!』
「そうはさせません!」
 猛る人造神の拳を、奏の盾が受け止めた。
 精霊の魔力が盾の表面で渦を巻き、衝撃を分散させるように四方へ飛び散る。
 盾上を離れた風の力は広く薄く伸び、三人を守る不可視の壁となったのだった。
 だが、この壁はあくまで仲間を護るためのもの。
「犠牲者が増える前に……止めます!」
 次の攻撃を恐れることなく、奏は風の壁を突き破り人造神へ近接した、
 素早く懐へ潜り込み、剣の先から衝撃波を一閃。
『何を……!』
 敵はまだ倒れそうもないけれど、大切な家族と共に過ごした宴の思い出があれば挫けることはない。
 確かな思い出を胸に、奏はさらに衝撃波を重ねていくのだった。
『まだ、戦える……!』
「もう終わりにしましょう、勇者さん」
 衝撃波を避けた人造神に、瞬の杖が突き立てられている。
 目の前に。背中に。四方八方に。
 60をゆうに超える数の杖が、人造神を狙い包囲していたのだ。
「少々乱暴な手段ですが……避けないでくださいね?」
 杖の先が、一様に鈍く光る。
 瞬が合図した瞬間、その先端から魔力の弾が発射された。
『――!』
 声なき声を上げながらも、人造神はその場へ踏みとどまる。
 体勢を立て直した彼女の真正面へ、響が躍り出た。
「アンタにじゃない」
 静かに、意志を込めた声で呟く。
「あくまで勇者に敬意を表して……正面からいくよ!」
 力強く大地を踏みしめ、敵の懐へ素早く飛び込む。
 繰り出されるジャブを素早く避け、ついに響は至近へと入り込んだ。
「心優しきその者、民のために剣をとり――♪」
 自らを高揚させるように、響は戦歌を口ずさむ。
 歌詞に出てくるのは――目の前の女勇者、まさにその人。
「そして竜を討つ勇者は――♪」
 反撃を軽くいなし、響は光剣を閃かせた。
 歌の終わりと共に、刀身へ全神経を集中する。
「……終わらせてあげよう」
 目にも止まらぬ速さで奔る、飛竜の軌道にも似た斬撃。
『アァァッ!!』
 倒れる女勇者の喉から、人造神の悲鳴が零れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

迅雷・電子(サポート)
 人間のバーバリアン×力持ち、16歳の女です。
 普段の口調は「男勝り(あたし、あんた、だねぇ、だよ、だよねぇ、なのかい?)」です。普段はアルダワ魔法学園出身の女子高生なので制服ですが戦闘になると脱いでイェーガーカードの姿になります。基本相撲の動きで戦います。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「人造神と同化した伝説の女勇者、ねぇ……」
蹲踞の姿勢で、迅雷・電子(f23120)は目の前の敵を見遣る。
燃え盛るような闘気を纏ったその姿は、まさに強者そのものといった出で立ちで。
「その力、どれほどのものだろうね!」
 立合いから、前のめりに頭から向かっていく。
 今の電子に恐れはなく、ただ強い者と相撲をとれるということに心を躍らせていた。
『排除、する……!』
 そんな電子を押し返すように、人造神が力任せに腕を振るう。
 押し戻された電子は、鬱蒼とした茂みに落とされるギリギリのところで踏み止まった。
「なんて力……!」
 禍々しい植物が渦を巻く茂みに落ちてしまえば、いかな猟兵といえども魂喰いの呪いに侵されてしまうことだろう。
 土俵際に追い込まれたようなもの、というわけだ。
「……ハハッ、面白い」
 だがギリギリのこの状況が、電子の心に火をつけた。
 根っからの相撲好きである電子にとって、強者と相撲をとれること自体が楽しいのだ。
 今の彼女の心に、魂喰いの呪いが付け入る隙などない。
『オォォォッ!!』
「何度でも、本気でいくよ!」
 敵の攻撃を張り手でいなし、間合いへと潜り込む。
「掴んだよ!」
 その細い腕からは想像もつかない怪力で、電子は敵の腰布をしっかりと掴み上げる。
「やぁっ!!」
 そのまま上手投げの動作で地面に打ち付ける。
 背中を強打した人造神は、しばらくその場から立ち上がれない様子で空を仰ぐのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

小宮・あき
皆さんと連携が取れるかしら。
サポートに回ります!

UC【愛雨霰】
「私、愛されていますから」

マスケット銃(65本数)を複製、〔念動力〕で操作。
〔一斉発射〕〔援護射撃〕〔零距離射撃〕〔スナイパー〕をしたり
〔フェイント〕〔だまし打ち〕を織り交ぜて攻撃タイミングをずらしたり。

マスケット銃を2本クロスさせ〔武器受け〕で敵の進行を防いだりします。
敵の加速が見られる場合は、縦5本×横5本の簡易盾を作成し、
ぶつけるようにして、敵の進行を止める。
(体重を乗せてこられた場合は、もっと本数を盾に回す)

周囲の様子は〔視力〕〔聞き耳〕〔第六感〕〔野生の感〕で気を配る。
〔回避〕は脚武器の〔ダッシュ〕と併せて軽やかに。


ラティナ・ドラッケンリット
やはり最強の番人はビキニアーマーの戦士だったか
魂喰らいの森、侮り難いな
であれば出し惜しみはなしだ
真ビキニアーマーを解放する

両肘から先を竜化して鱗で覆い
指先から鋭い爪が伸びる
重く硬くなった分は増加した筋力が補って余りある

『しゅとれん』が羽の様に軽い
闘気を掻い潜り至近距離で
岩をも砕く戦斧の連撃を繰り出し続ける
この腕なら盾がなくとも
ある程度の攻撃なら皮膚で止められる
隙があれば拳や爪で一撃入れることも出来る

そしてこの状態なら溜めなしに
どんな体勢からでもUCが繰り出せる
敵がわずかでも隙を見せれば
そこを見切ってUCを叩き込む
斧だけではないぞ
この拳も爪も重い一撃を繰り出すに足る武器だ
さあ、どこまで耐えられる



「やはり最強の番人はビキニアーマーの戦士だったか」
 ラティナ・ドラッケンリット(f04425)の表情に、わずかに力が入る。
人造神に乗っ取られた女勇者はラティナと同様の軽装備。
その身ひとつで戦えるほどの猛者をも喰らうほど、森の呪いは強大なのだ。
「魂喰らいの森、侮り難いな」
 ならば――と、ラティナは全身に力を込め、真の姿を解放する。
 ビキニアーマーの戦士すら取り込む脅威が相手なのだ。
 出し惜しみなどせず全力でいこう。
「サポートはお任せください」
 力を解放するラティナを援護するように、小宮・あき(f03848)は愛用のマスケット銃を展開する。
 その数、実に65本。
『竜……殺す……!』
「させません!」
 人造神のタックルを止めるように、あきは念動力でマスケット銃を操る。
 銃身を何本もしっかりと束ねた盾が、力強い突進をこともなげに食い止めた。
『っぐ……』
「ただ撃つだけが銃ではないのですよ?」
 力任せに押し切ろうとする人造神に対抗するように、あきも銃を集め盾の厚みを増していく。
 そうして、圧し合いのような攻防がしばし続いた後。
「今度は私の番だ」
 準備を整えたラティナが、人造神めがけ駆け出した。
 両肘から先は硬く重い鱗で覆われ、指先からは鋭い爪が伸びる。
 竜のそれとなった腕で、ラティナは戦斧『しゅとれん』を軽々と振り上げた。
「これが真ビキニアーマーの力だ」
 まるで小刀でも振り回すような身軽さで、ラティナは斧を振り下ろす。
 だがその威力は決して軽くはない。
『ぐぁぁぁっ!』
 打撃を受けた人造神が、地面を深く抉りながら後ろへ吹き飛ばされた。
『竜……許さない……』
 だが人造神はすぐに立ち上がり、闘気を強めラティナへと突進する。
 纏う闘気は衝撃波となり、ラティナへ襲い掛かった。
「その程度、痛くも痒くもないぞ」
 涼しげな顔をしながら、ラティナは腕で衝撃波を受け止める。
 だがその威力は決して微々たるものではなく、鱗の隙間から一筋の血が滴っていた。
「あれだけの攻撃を食らっておいて……人造神、強いです。でも」
 様子を伺いながら、あきが呟く。
 だが、彼女の心に絶望の色はない。なぜなら――。
「私、愛されていますから」
 彼女の愛用するマスケット銃は、夫の名が刻まれた特別なもの。
 全幅の信頼を寄せるモノが、すぐ側にあるのだ。だから。
「一斉掃射、いきますよ!」
 号令とともにマスケット銃が敵を取り囲み、銃声を響かせる。
 五月雨のようにばらばらと降り注ぐ銃弾の雨霰に、人造神のペースが大きく乱された。
「今のうちに!」
「ああ。いくぞ!」
 隙を見せた人造神めがけ、ラティナは全力を込めた斧を振り下ろした。
 地面へ押し付けられるように人造神の身体がめり込み、周囲に地割れが広がる。
『邪悪な……竜め……』
 だが、人造神は尚も立ち上がろうとする。
 身体が動く限り、戦いをやめようとしないのだ。
「何度でもやってやるさ。さあ、どこまで耐えられる」
「私も、どこまでも援護しますよ!」
 どちらが先に根負けするか。
 ラティナもあきも、最後まで決して諦めようとはしないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
勇者かぁ…
ずっと英雄で在り続けたかったら早々に終わらせるべきですね
手遅れかもしれませんけど
せめて素早く決着といきましょうか

UC発動
我、鬼神なり。いざ尋常に勝負
得物はそーちゃん(呪詛、捨て身の一撃、なぎ払い、鎧砕き)と下駄の櫻鬼(傷口をえぐる)の仕込み刃で応戦
殴る蹴るといったオーソドックスな戦法になります
でも効くでしょう?
ある程度応戦したらそーちゃんを投擲、SoulVANISH(殺気、精神攻撃、串刺し、鎧砕き、破魔、咄嗟の一撃)を打ち込みます
勿論核狙いで

敵攻撃には激痛耐性、武器受け、見切り、カウンターで対応



「勇者かぁ……」
 伝説に語り継がれる、勇敢な女勇者。
 だがシャルの目の前にいるその女性に、伝説の面影はもはや見えず。
「ずっと英雄で在り続けたかったら早々に終わらせるべきですね」
 オブリビオンとなってしまった今では、もう手遅れかもしれないけれど。
「我、鬼神なり。いざ尋常に勝負」
 羅刹と吸血鬼。シャルは自らに眠るふたつの鬼の力を目覚めさせ、鬼神の如き姿となる。
 早々に決着をつけるため、今ここにすべての力を解放したのだ。
『ォオォォォォォ!!』
 咆哮を上げ、女勇者は溢れる闘気でシャルに応戦する。
 漲るオーラが刃となり、シャルへ襲い掛かった。
「っ……そんな攻撃じゃ、私は止まりませんよ」
 肩を抉る痛みに僅かに顔をしかめながらも、シャルの猛攻は止まらない。
 金棒の重い一撃を叩き込み、よろけた隙に仕込み刃の回し蹴りを一発。
『ぐぅ……っ』
 細かな策も賢しい技巧もない、ただシンプルで力強い打撃。
 愚直すぎるほどにまっすぐなその戦法は、余計なものを削ぎ落したからこそ、ただただ強い。
『邪魔、をォォォォォ!』
 シャルに反撃するように、女勇者がふたたび立ち上がる。
 だが、その身に纏う闘気は、とても弱々しく萎んでいた。
「そろそろ、とどめを刺してあげます」
 一瞬の隙を突き、シャルは女勇者のボディめがけ金棒を投擲。
 怯んだ敵に素早く駆け寄り、至近距離でパイルバンカーを突き付ける。
「……これで、終わりにしましょう」
 杭状の魔弾が轟音を上げ、心臓を貫く。
 女勇者の身体は塵のように消え去り、串刺しになった「核」だけがそこに残ったのだった。
 すべて、終わったのだ。

 番人が倒れた後、森にも変化が訪れた。
 まるで最初から幻であったかのように、木々も生物もすぅっと空間に溶け消えていく。
 気付けば森は跡形もなく消え去り、後にはがらんとした平地が広がるのみとなった。
 帝竜を護る罠のひとつを、猟兵たちは消し去ることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月27日


挿絵イラスト