4
水に集まるならず者

#アポカリプスヘル

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル


0




 ここは、アポカリプスヘルの小さな集落のはずれ。
 深く掘られた穴の奥に、男たちの声が響いた。
「よーし、今日はこの辺にしよう。」
 日も落ちかけ、暗くなり始めている。
 枯れてしまった井戸に代わる新たな水源の確保は急務だが、暗闇は野犬などを呼び寄せる……。
「だいぶ土も湿ってきたし、あと少しってところだな。」
「あぁ……これで子供たちに新鮮な水が飲ませられる。」
 そんなことを言い合いながら、数人の男たちが穴から這い出ると……急に横合いからライトの光に照らされた。
「くっ、なんだ!?」
「井戸掘りご苦労、集落の諸君。」
 言葉をかけるのは、大型のバイクに乗った屈強なレイダー。
 その後ろには、宇宙服のような服を着た人影が並んでいた。
「君たちの苦労は報われる。我らのためによくやってくれた。」
 静かに、だがドスのきいた声。
「ま、待ってくれ! ここはまだ」
 ぐしゃり……その音に気がつけば、前で話していた男の頭部を握りつぶした、レイダーの姿。
 背後に無言でたっていた人影も動き出す。
「……歯向かうというなら仕方ない。命もいただくとしよう。」

 一方、こちらはグリモアベース。
「やぁやぁ君たち、初めまして。
 早速だが仕事を頼みたいのだよ。」
 そう語りかけるのは、ボロボロのウサギのキグルミ。
 ところどころ穴の空いた中からのぞくのは、継ぎ接ぎの白い肌をした女性……デッドマンの外道・紫(きぐるみにつつまれたきょうき・f24382)。
「私の故郷である、アポカリプスヘルについてはご存じかな?
 UDCアースのような世界を1度全部ぶっ壊し、その残骸の中で生き延びているのが我々なのだよ。
 物資も限られているのでね、それを狙うレイダーたちには事欠かない、物騒な場所さ。
 いやぁ、困った困った。」
 ……言葉とは裏腹に、全く困っていなさそうに笑いながら話す外道。
「さて本題だ、君たちにはまず井戸掘りを手伝ってもらう。
 救ってもらいたい集落の生命線だ、今は集落の男衆が掘っているところだな。
 そして、君たちが井戸を掘り終えたところで、レイダーたちに襲われるという寸法だ……どうだい、解りやすいだろう?」
 外道はケラケラと笑っている。
 俺たちは囮か、という猟兵たちの視線に気がつき、
「そう見つめないでくれたまえよ、照れるではないかね。
 まぁあれだ、君らの力で集落が助かるのだ、悪い話じゃあるまいよ。」
 そういってニヤリと笑うと、外道の手の上でグリモアが輝き、昼間の荒野へとゲートが繋がった。
「井戸についてはあと少しというところだ、男たちも手伝いは歓迎してくれるはずだな。
 君らの働きが、この世界の復興の一助となるのだ、光栄に思いたまえよ!」


ヨグ
 ヨグです、アポカリプスヘルの初シナリオとなります。
 皆さんで井戸を掘り、集落を救ってください。

 誠に勝手ながら、12/31~1/3の期間は執筆が難しいです。
 その時期にプレイングが流れてしまった場合、再度の送信をお願いします。
103




第1章 日常 『井戸を掘ろう』

POW   :    力仕事で、井戸を掘りまくる

SPD   :    手押しポンプを用意したり、用水路などの施設を準備する

WIZ   :    人々から昔の話を聞くなどして、水脈のありそうな場所を調査する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ノル・イース
「その仕事、手伝わせてもらえるか」
オブリビオンに対しては猟兵の力が必要だろうが、荒廃した地で必死に生きる者達の自活の精神は尊重しよう。
つまり、集落の者の指示に従って力仕事を請け負うことに異存は無い。水脈を当てるカンは現地の者に任せ、オーブメイスの代わりに掘削スコップや井戸掘り用のドリルを手に井戸を掘りまくろう。普段鈍器を振り回してる相応の膂力と継戦能力で、それなりに役に立てるだろう。あくまでも彼らの手伝いとしてな。出過ぎた真似をする気は無い。
もし井戸掘削中の者が怪我でもしたら、【辛苦からの解放】で治療を。これでも一応クレリックなんでな。……疲労して井戸掘りの役に立てなくなったら悪いが。



 採掘用のドリルの音が鳴り響き、後に出る土を掬うスコップの音が続く。
「その仕事、手伝わせてもらえるか?」
 その言葉に男たちが見上げれば、穴を覗くノル・イース(I'm "0"・f24304)の姿があった。
 ひょいと降り立つと、
「たまたま通りかかったが、ここの集落が水で困っていると聞いてな。」
「あ、ああ、それは助かるが……。」
 男たちは、少し視線を落としながらノルを見ていた。
「……背は低いかもしれないが、これでも力仕事は慣れてる。貸してくれ。」
「わかった、頼むぞ。」
 ノルはスコップを借り、土を浚っていった。

「兄ちゃん、働くなぁ!」
「はは、あんたらもな。」
 普段から鈍器を振り回すノルにとって、井戸掘りでの仕事はそれほど苦ではなかった。
 男たちの指示に従い、土を運び出すのも手早くこなしていく。
「あと少し、ということだが。」
「ああ、だいぶ掘り出す土も湿ってきているからな。」
 確かに掘削するドリルの音が鈍く、ザリザリと湿った音が響いている。
 ……と、途端にその音が止まった。
「糞ったれが!」
 先ほどまでドリルを動かしていた男が、自身の手を押さえていた。
「おい、どうしたんだ?」
「またマメが潰れちまったんだよ、痛くて仕方ねぇ……。」
 見れば、男の手袋から血が滴っている。
「……ちょっと貸してみろ。」
 ノルが左の手をかざすと、男の手へと光が落ちる。
 少し経って光が落ち着き、
「これでどうだ?」
「……お、おお!? 痛くねえ!」
 男が手袋を外してみれば、傷一つなかった。
「なんだ、手品か?」
「いいや、魔法だ。……これでもクレリックなんでな。」
 軽い疲労感の中、ふとノルは考えていた。
(そういえばここは……魔法は存在する世界だったか?)
 そんな考えをよそに、男たちは採掘へと戻っていった。
(問題はないか、使える物なら何でも使うのがこの世界だったな。)

成功 🔵​🔵​🔴​

クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「井戸掘りであれば、技術者ですね」

【SPD】

「水源探しであれば手伝わせてください」
鎧装騎兵の惑星探査任務の定番故、慣れています。
「『サーチドローン』、展開」
サーチドローンを放ち元水源(川や池)の【情報収集】を行い、掘る場所を検討します。

「杭を加工して回転式で掘りますか」
『パイルバンカー』の杭を『フォースセイバー』で加工(【メカニック&武器改造】)。サイドに溝をつけます。

後は杭を地面に突き立てドリルの様に自動【操縦】で回転させることで地面を掘削します。

「後は手押しポンプでも作りますか」
ピストンを使った初歩的な手押しポンプをUCで召喚した工具を使った【早業】で作成します。


霧島・絶奈
◆心情
蛇口を捻れば労せずして其を得られる時代や国に於いては其の認識は薄いのでしょうけれど…
水は人が生きる上で絶対に欠かせないものです
ですので、私も微力を尽くしましょう

◆行動
先人の記憶に頼るとしましょう
現地の人々から昔の話を聞き幾つか候補地を選定
其の候補地に鳥の羽を刺し、上に桶を被せて様子を伺います
…地下水のある場所からは若干の水蒸気が昇っているのだとか
其れ故、時間を置いて羽が湿っていれば水脈がある可能性が高いのだそうです

場所を特定したら『暗キ獣』を使用
軍勢による人海戦術で井戸堀を開始します
…『二つの三日月』による一撃も良いのですが、地形諸共水脈を破壊しそうですからね
横着せずに手堅く行きましょう



「……ふむ。」
 サーチドローンを飛ばし、周囲の地形から水源を探っている、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)。
 惑星探査任務で培った知識に照らし合わせ、見てみると……。
「ほかにも、すぐに水が出そうな場所がありますね。」
 男たちが掘っている場所でも、問題はない。
 しかし、集落の反対側にも元は池であろう、窪んだ地形がある。
「もう一つあっても、問題はありませんね?」
「ああ、もちろん。水があるに越したことはない。」
「解りました、ではそちらを私は掘ってきましょう。」
 物珍しそうにクネウスの姿を見ていた、休憩中の井戸掘りの男に別れを告げて向かった。

 ついてみれば、1人の先客がいた。
「……おや、貴方もここに?」
 伏せた桶を前に振り返ったのは、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
「集落の方に聞いてみれば、この辺りに池があったとか。」
「ああ、やはりそうですか。」
 桶を外してみると、地面に羽が刺さっていた。
 霧島が手に取ってみれば、しっとりと水滴に濡れている
「地下水があれば、若干の水蒸気が上がると聞いたもので。」
「ビンゴ、ですね。」
「ふふ、では始めるとしましょうか。」
 周囲に魔法陣が浮き上がり、屍人達を生み出した霧島と、
「道具はこちらで用意しましょう。」
 パイルバンカーの杭を加工し、自動で地下に掘り進む機械を作り上げるクネウス。
 地面に突き立てて動かし、
「後は自動で掘削してくれます。」
「なるほど。ではこちらは、出てくる土を除けさせましょうか。」
 いつもは槍を持つ屍人達はスコップを手に、霧島の指示で動き出した。

「機械の力というのは凄いですね。」
 あっという間に盛り上がっていく土の山。
 それを屍人に除けさせながら、霧島が呟いていた。
「いつもこのようなことを?」
「はは、いつもというわけではありませんが、必要とあれば。」
「ふむ、そうですか。」
 霧島の故郷のダークセイヴァーでは、井戸掘りも人力である。
 技術の進んだ世界を垣間見つつ、
「これだけの力があるからこそ、蛇口を捻れば水が出るようにできるのでしょうね。」
「便利になった分、維持も大変ですが……と、そろそろでしょう。」
 出てくる土が、泥と言ってもいいほどに変わっていた。
 クネウスは機械からの収集したデータを確認しつつ、
「後は手押しポンプでも作りますか。」
「釣瓶より楽でしょうしね。それでは私は、集落の方へ伝えてきましょうか。」
 いくつか見つけておいた配管やパイプから、クネウスが簡単なピストン式の手押しポンプを作るのを見て、霧島は集落へと歩いていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

雛月・朔
WIZ
【ヤド箱】の皆さんと参加。
UC:桐箪笥の数え唄・三段目

◆心情
ここがアポカリプスヘル…文明が滅びて人々が荒野に散らばり生きる世界。
そしてまだ生きることを諦めない人がいて、オブリビオンの脅威にさらされているならば我々猟兵の出番ですね。

◆行動
普通にスコップなどの道具を使って井戸掘りのお手伝いをします。
途中に岩や邪魔な埋設物が出てくれば【念動力】で浮かせて穴の外に運びます。
また、壊れた道具などがあればUCで修理します。
『お手伝いしますよ。水が無いと人も動物も生きられませんし、とてもやりがいのあるお仕事ですし』

途中ルパートさんからアイスをいただき時々休憩、この世界では嗜好品も限られてそうだなぁ。


界立・図書館
【ヤド箱】

 ヤドリガミ本人は外に出れないので姿そっくりの式神『司書』を現地に送るわ。
 連携する仲間が普段目にするのは司書の方だから問題はないわ。

 司書の方はUC【6番台 異世界貿易】でヒーローズアースとか水脈探しの機械を購入、ヤドリガミ本人はUDCアースにある器物の図書館をうろついて「上総掘り」「井戸掘りの海外ボランティア」「水脈探し」の三つのワードどれかに関係する本を複数集めて請求書と一緒に司書の方に転送するわ。

「上総掘り」実際にある井戸掘りの技法よ
「井戸掘りの海外ボランティア」ボランティアをするときは現地にあるモノを使うこととかを伝えたいだけね
「水脈探し」水脈探しが出来る人を増やすため


ルパート・ブラックスミス
【ヤド箱】

アポカリプスヘル、か。
先のヒーローズアースの戦争でも戦況次第でこのような有様になっていたと思うと…身につまされるな。

UC【錬成カミヤドリ】、必要に応じて複製鎧を展開。
照明代わりに燃える鉛を纏わせた【武器改造】短剣を持たせ穴掘りだ。
カガリ殿や界立殿からの情報を参考に、集落の男衆たちと作業に従事する。

…ダークセイヴァーより陽が照る分、冷えたものが求められそうだな。
長期間井戸掘りをしてる男衆たちも多少参っているだろう。

よし。夏のアイス売り、今だけ復帰だ。(シャツと麦藁帽子被り)
【鼓舞】を兼ねて携帯用小型冷蔵庫からアイスを差し出して随時休憩を促そう。
団長たちの分もあるぞ。

【アドリブ歓迎】


出水宮・カガリ
【ヤド箱】団長(朔)、鎧の(ルパート)、図書館の(図書館)と

ひとがいない世界では、ものが必要とされることもなく
ひとのためにあるものとしては…存在の意味もない世界だ
僅かに残って、生き延びようとするひとを、何としてでも助けねば

【導きのペンデュラム】で水脈を探そう
ひとが飲める水の在処を知りたい。導いてくれ…。
ペンデュラムが示す場所まで来たら、【鉄血の明星】で地表を砕き、更に【錬成カミヤドリ】で複製した【鉄門扉の盾】を念力で回転させ竪穴を掘ってみよう
掘れなくなったら別の複製と交換
風をまとわせれば掘りやすくなるかな(属性攻撃)

(鎧のがアイスを配れば)
あいすー。まだ、残っているだろうか?



「ここが、アポカリプスヘル……文明が滅びて、人々が荒野に散らばり生きる世界。」
 小さな崩れかけの建物群、そして周囲の荒涼とした荒野を見ながら呟く、雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)。
 吹き抜ける風に白い着物をひらめかす様は、まるで幽霊のよう。
「先のヒーローズアースの戦争でも、戦況次第でこのような有様になっていたと思うと……身につまされるな。」
 その横には、雛月と対照的な黒く重い騎士鎧のルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)。
 別の世界であり得た未来を重ね見て、改めて身を引き締めていた。
「ひとがいない世界では、ものが必要とされることもなく。ひとのためにあるものとしては……存在の意味もない世界だ。」
 そして、鉄門扉のような盾を手にした青年、出水宮・カガリ(荒城の城門・f04556)。
 呟いた出水宮、そして雛月にルパートも、元は器物のヤドリガミたち。
 人に使われ、人に必要とされることで生まれた彼らの目には、ほかの世界よりも過酷な世界に映っていた。
「でも……まだ生きることを諦めない人がいて、オブリビオンの脅威にさらされているならば、我々猟兵の出番ですね。」
「ええ、その通りです。」
 雛月の言葉に同意しながら、いつの間にかふわりと現れる界立・図書館(読書と映画鑑賞と音楽鑑賞に追われるヤドリガミ・f16005)。
 正確には図書館である界立ではなく、式神として使役する司書の一人が複数の本を手にして立っていた。
「あ、頼んでた本かな?」
「ええ、わたくしのほうで見繕っておきました。キーワードは『上総掘り』『井戸掘りの海外ボランティア』『水脈探し』で、間違いはありませんね?」
「ほう、いいタイトルだ。」
「参考になりそうでなによりですよ、図書館の。」
 ルパートと出水宮が本を覗き込み、
「ありがとうね、界立さん。」
 本を受け取ろうとした雛月の手に、一枚の紙が渡される。
 見てみれば、数字と……請求書の文字。
「……あ、しっかりお金は取るんですね。」
「もちろんです、団長。今回は貸し出しではありませんので。」
 ヤドリガミの集団をまとめる雛月にも容赦なく、界立の司書は一番の笑顔で応えていた。

「手伝いにまいりました。」
「おお、助かるぜ。」
 穴を覗けば、男たちの使っている道具は比較的簡単なドリルとスコップ。
(ボランティアをするときは、現地にあるモノを使うこと……と本にありましたね。)
 そのままスコップを借りて土を運び出す雛月と、
「水は……こちらだな。」
「よし、では始めよう。」
 導きのペンデュラムで水源を探った出水宮と、自身から溢れる燃える鉛で周囲を照らすルパート。
(……できる限り、で。)
「あ、壊れた道具があれば修理しますよ。」
「お、じゃあこれ直せるかい?」
 雛月の問いかけに、見せられたのは削岩ドリル。
 先ほどまで動いてはいたが、その時からエンジンの音が安定していなかった。
「……たくさん、頑張ってきたんですね。」
 見てみれば、長期間の使用による摩耗に修理の跡……労うようにドリルを撫でる雛月の手に、青い光が輝く。
 光に触れた部分の汚れが落ち、内部も本来の姿へと戻っていく。
「では鎧の、始めますよ。」
「応、いつでも来るといい、カガリ殿。」
 その後ろでは、ゆらりと揺れる鉛の青い火の下で、複製した鉄門扉の盾を構えた出水宮の姿。
 念動力によって勢いよく回転した盾を地面にたたきつけると……ゴリゴリと勢いよく穴が開いていく。
「ふむ……次は風を纏わせてみるかな。」
「それがいい、この勢いなら今日中に水が出そうだな。」
 ひしゃげた盾を新しいものに交換し、さらに穴を開けていく。
 ルパートも自身である鎧を複製し、各々を作業に従事させ、掘り起こされる土を運び出していた。
「はい、これで大丈夫だと思いますよ。」
「え? 触っていただけなのに……。」
 雛月からドリルを返された男が、半信半疑でエンジンをかける。
 すると勢いよく吹き上がり、まるで新品のように快調に回り出した。
「おお、直ってる!」
「はは、そういう力ですから。」
「ありがとう! 助かるぜ!」
 喜ぶ男たちの姿を見ながら、ふと考える雛月。
(まぁ……私も現地にない力を使ってますし、大丈夫大丈夫。)

 掘削を出水宮に任せ、土を運んでいたルパート。
 周りの男たちの顔を見ると、多少の無理をしているのが見て取れた。
「……ふむ、皆疲れているようだな。」
 日の差さぬダークセイヴァーと違い、ここは遮るもののない太陽が照る世界。
 穴の中は冬とは思えないほど暑くなっていた。
「いったん、休憩といこうか。」
「ええ、そうしましょう。」
 休憩、きゅうけーい……と男たちもその場に座って休んでいると、
「一つ、いかがかな?」
 携帯用の小型冷蔵庫からアイスキャンディーを取り出す、麦わら帽子を被ったルパート。
「え、いいのかい?」
「ああ、もちろん。甘い物は疲れに効くからな。」
 鎧の上からシャツを羽織り、アイス売りといった姿で配っていく。
「私にも、あります?」
「もちろんだとも、団長。それに、」
「あいすー。まだ、残っているだろうか?」
「ああ、大丈夫だ。カガリ殿もだいぶ疲れただろう。」
 包みを破って口に入れれば、冷たく甘い。
 さわやかな果物の香りがするアイスキャンディーが、身体に染み渡っていく。
「あとどれくらいかかりそう?」
「そうだな、だいぶ足元が緩くなってきていたが……。」
 出水宮の言葉に掘削していた方を見れば……水が染み出し、だんだんとその水かさを増していた。
「おや、結構出てますね。」
「おお、本当だ!」
 男たちもそちらを見るや、歓声に沸く。
「ありがとう! 君たちのおかげだ!」
「いえ、皆さんの頑張りがあったからですよ……あ、そうだ。」
 雛月はごそごそと懐から本を取り出し、
「もしよろしければ、これを持っていってください。井戸の掘り方や水源の探し方が書かれています。」
「いいのかい? 何から何まですまないな……。」
 頭を下げる男たちへ、雛月は言葉を続ける。
「いいんです。水が無いと人も動物も生きられませんし、とてもやりがいのあるお仕事ですから。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ロスト・レイダース』

POW   :    バリアブルランチャー・バーストモード
自身の【虚ろな瞳】が輝く間、【背負った四連バリアブルランチャー】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    バリアブルランチャー・イージスモード
【四連バリアブルランチャーの自動迎撃モード】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    レイダース・カムヒア
自身の【略奪物】を代償に、【レベル分の人数のロスト・レイダース】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【四連バリアブルランチャー】で戦う。

イラスト:鋼鉄ヤロウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 穴から外に出てみれば、すでに辺りは夕日に包まれていた。
 猟兵達が辺りを見渡せば、遠くに人影が見える。
 大型のバイクに乗ったレイダーと、宇宙服のようなものを着た人影……情報通りの敵だ。
 今なら集落に近づく前に戦いを始めることができるだろう。
ノル・イース
やれやれ……一仕事終えたところでもう一仕事か。まぁ最初から分かっていたことだが。
しかしこの状況で銃火器類の飛び道具は面倒だな。猟兵はともかく、さっきまで井戸を掘っていた集落の者達にまで影響が及ぶと困る。井戸は守っておくから急ぎ家に戻るよう彼らに声をかけ、集落との距離を取るためにこちらからレイダースに近づいて行こう。もし遠方から集落の者が攻撃されそうならレイシールドを展開して護衛を。

さて――随分と自由に動くランチャーらしい。【サイコキネシス】でそれぞれのランチャーの可変部を操作して、発射せんとする銃口をレイダース自身に向けてやろう。図らずも自害もしくは同士討ちだな。
周囲の猟兵に協力は惜しまない。


シキ・ラジル(サポート)
あーあー、てすてす、マイクテスト…OK?

アタシはシキ・ラジル!
戦闘に救助、呼ばれたらなんでもがんばるよ!あっでも頭使うのは苦手だからごめんね!

戦い方…うーんと、基本はWIZ型
サウンドウェポンを持って「パフォーマンス」しながら「衝撃波」「薙ぎ払い」で敵をぶっ飛ばしちゃう!
皆でボスに立ち向かう時は「鼓舞」とか「援護射撃」でサポートするね

敵が多い時、人手が欲しいなら【アミィズ・マーチ】でミニシキちゃんたちがお手伝いするよ!「時間稼ぎ」に「一斉射撃」ちっちゃいけど数はいるからね!

性格傾向
やかましいくらいにハイテンションな音楽大好きっ子
キマフュ民なので楽しいことはなんでも首を突っ込む

☆アドリブ連携OK!



「やれやれ……一仕事終えたところでもう一仕事か。」
 まぁ最初から分かっていたことだが、とノルは心の中でつぶやきつつ、
「奴らの相手は俺たちがする。あんたらは集落へ戻って隠れてろ。」
「あ、ああ、解った!」
「すまねえ、気を付けてな!」
「ああ、あんたらもな。」
 集落へ走っていく男たちを見送り、ノルはレイダーたちの方へと走った。

「……む?」
 先頭を走る大型バイクのレイダーが、向かってくる人影に気が付いた。
「ちっ、傭兵どもか。……やれ、お前たち。」
 その言葉に頷いた宇宙服の人影たち。
 駆け出す彼らの背中から生えるランチャーが揺れる。
「随分と自由に動くランチャーらしいな。」
 ならば……と精神を集中するノル。
「あーあー、てすてす、マイクテスト……OK?」
 突然、横から聞こえてくる女の子の声。
「オーケー、張り切っていこう! お兄さんの戦い、盛り上げていっくよー!」
「……お、おお。」
 響いた声にノルが驚きと共に目を向ければ、ピンクの髪を揺らしてマイクを構える、シキ・ラジル(揺蕩う雷歌・f11241)。
「あいつらを退治すればいいんだね!?」
「ああ、そうだ……っと、」
 レイダーたちも、にぎやかなシキの方へとランチャーを向けていた。
「あっはっはー! アタシを狙ってもいいけどさー!」
 ウインクと共に、シキは空いた手を銃の形にレイダーの方へと向ける。
 レイダーの発射に合わせ、引き金を引く真似と共に……彼らのミサイルは、レイダーたち自身へと降り注いでいた。
「バッキューンってね!」
「……銃口向ける方向、よく見るんだな。」
 念動力で発射口を曲げたのはノル。
 レイダーたちの意識がシキへと向いているのを利用し、可動部の大きいランチャーを自在に操作していた。
「いえーい、うまくいったね!」
「助かるぜ。じゃあ、後も頼む。」
「オーケーオーケー! はりきっていこう!」
 シキの楽しそうな歌声に背中を押され、愛用のオーブメイスを手に殴り掛かり……その数を着実に減らしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
略奪によって労せずして恩恵のみを享受する…
成る程、其れは確かに効率的でしょう
ですが、其の愚挙を見逃すと思われているのであれば心外ですね

◆行動
【罠使い】の技能を活かし、【目立たない】様に「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置
遮蔽物に乏しい荒野に於いて、この【範囲攻撃】から逃れる術などありませんよ

設置しつつ『涅槃寂静』にて「死」属性の「霧」を行使し【範囲攻撃】
そんなに水分が欲しければ差し上げましょう
…尤も、其の儘では飲めませんから喉の渇きを癒す事も出来ず、身を蝕むだけですが

加えて私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


雛月・朔
SPD
【ヤド箱】
使用アイテム:ヤドリガミの提灯
UC:桐箪笥の数え唄・五段目

◆心情
あれがこの世界のオブリビオンですか。この世界の人々のためにもオブリビオンに物資や水場を奪われてなるものですか。

◆行動
後衛。
まずは火を灯し、【オーラ防御】で保護した『ヤドリガミの提灯』を空に浮かべこちらに【おびき寄せ】ます。
そしてルパートさんとカガリさんが前衛で敵を撹乱している間にUC『桐箪笥の数え唄・五段目』を唱え、【生命力吸収】の力を得ます。
その後、大きな手の形をイメージした【念動力】で敵を掴み、『生命を奪う呪詛(【呪詛】【生命力吸収】)』で倒していきます。
『たまには奪われる側の気持ちを味わってくださいね?』


出水宮・カガリ
【ヤド箱】団長(朔)と、鎧の(ルパート)と、図書館の(図書館)と

なるほど、なるほど。物騒なものを使うなぁ
ちょこまかしたのは苦手だが、その辺りは鎧のが何とかしてくれるだろう

鎧ののトライクの、前座席に乗せて貰い
【錬成カミヤドリ】で複製した【鉄門扉の盾】を複数周囲に展開して、敵の攻撃を防いでいくぞ
門に刻まれた【不落の傷跡】が弾を防ぐだろうが、更にオーラ防御と、属性攻撃として風も纏わせておこう

防弾は本体を含めた数枚の盾で、残りは敵の進路上に落としたり、敢えて出口を残した壁を作ったりして、団長や図書館のが作った場所へ誘導していくぞ
おおぉ、まるで、UDCアースの遊園地のようなーぁー(トライクの超運転に)


ルパート・ブラックスミス
【ヤド箱】
略奪者に情けをかけるほど温厚ではない。
覚悟せよ。我らが貴様らの死神だ。

専用トライクをUC【炎吹きて蒼駆せし半身】で召喚・変形させる際に【武器改造】。
前座席シートを相乗りするカガリ殿が直立し易い状態に変形させ、自分は後部座席に【騎乗】し操作する。
ハンドル?操縦系はあくまで融合する鉛だ、極論必要ない。

敵の弾幕を【見切り】回避しつつ、敵陣へ【ダッシュ】。
カガリ殿の門盾に着弾分を防いで貰い、そのまま盾と愛機で進路上の邪魔な敵は撥ね飛ばし【蹂躙】だ。

牧羊犬の如き追い回しとカガリ殿の錬成カミヤドリの門による包囲で都合のいい位置に【おびき寄せ】たら、
団長と界立殿に一掃してもらおう。

【アドリブ歓迎】


界立・図書館
【ヤド箱】
「法のない世界でしょうが、勧善懲悪というのを作っておきましょう」
 現地にいるのは引き続きヤドリガミ本人そっくりの式神です。
 敵を集める場所にはあらかじめ上に立つ者の動きを封じる魔法陣を携帯印刷機でせっせと書いておきます。
 前衛2人の誘導の間、自分はUCでビリー・ザ・キッドを召喚して敵の砲台を狙撃してもらうなどして援護をしましょう。
 魔法陣が完成し、最終フェイズに入りましたら、タッチペンを杖に魔法でキッドと共に一掃します。



「略奪によって、労せずして恩恵のみを享受する……成る程、其れは確かに効率的でしょう。」
 ですが……と、これから始まる殺戮に、ベールの下で笑みを浮かべながら呟く霧島。
「其の愚挙を見逃すと思われているのであれば、心外ですね。」
「あれが、この世界のオブリビオンですか。」
 その声に振り向けば、雛月を筆頭にヤドリガミの箱庭の面々が揃っていた。
「この世界の人々のためにも、オブリビオンに物資や水場を奪われてなるものですか。」
「略奪者に情けをかけるほど温厚ではない。」
 言葉と共に黒い騎士鎧から青い炎を吹き出しつつ、ルパートと出水宮が前に歩み出す。
 その炎で雛月の持つ提灯が点り、宙に放たれると……レイダーたちは視線をこちらに向け、背中についた発射口も動き出した。
「自分とカガリ殿で撹乱しよう。」
 ルパートが一際大きく炎を吐きだすと、その場に生みだされるのは鉛を纏う大型のトライク。
 青く燃えるそれに出水宮と共に乗り込み、
「団長と……ローブのには、迎撃を頼みたい。」
「ふふ、それではそのように。」
 出水宮の言葉に、ローブのこと霧島笑みを深くしつつ罠を取り出す。
「さぁ、始めますよ!」
 わらべ歌を歌う雛月の声を背に、ルパート達は走り出した。

 レイダーたちは突撃してくる青い炎へ、ロケットランチャーを一斉に解き放つ。
 大半は蛇行するトライクを外れるが、それでも一部が着弾していた。
 炸裂した爆風に炎がはれれば、トライクの周囲には鉄門扉の盾が幾重にも張られ……その衝撃は、内部へ通っていない。
「……なるほど、なるほど。物騒なものを使うなぁ。」
 トライクの前座席に立ち、生成した盾で防いだ出水宮。
 後部座席の座るルパートへ振り向き、マイペースに呟いていた。
「だが、止めるのは難しくはないようだ。」
「よし、ではいくぞ。」
 頷くルパートはスロットルを上げ、トライクの速度をあげる。
 そのまま前に展開された盾と共に、レイダーたちへとそのまま突っ込んでいく。
 1人を容赦なく弾き飛ばし、急ターン……改めてレイダーたちへ向け、
「覚悟せよ。我らが貴様らの死神だ。」
 ルパートが宣言した時、前に立つ出水宮が少しふらついていた。
「おおぉ……まるで、UDCアースの遊園地のようなーぁー。」
「……大丈夫か? カガリ殿。」
「こういう物に、慣れていなくてなぁ。」
 マイペースに呟く出水宮が顔の傷痕に手をやると、周囲に鉄門扉の盾が新たに浮かび上がる。
 風を纏う盾に一様に刻まれた傷は、出水宮のものと同じ……難攻不落を誇る門扉、その証。
「だが……もう大丈夫、大丈夫だ。いくぞ、鎧の。」
「応。」
 体勢を立て直し、バリアブルランチャーを向けるレイダーたちへ、二人を乗せたトライクは突っ込んでいった。

「……いつつ、『曰く付きの化けたんす』と娯楽の種に。」
 雛月のわらべ歌に合わせ、周囲に力が満ちてゆく。
 それは収奪の力……生命を奪う、呪いの力。
「奪うのはあなた達だけではない、そう教えてあげます。」
「やっていますね、団長さん。」
 その声に振り向けば、いつの間にか界立の司書が立っていた。
 数冊の本を持ち、手にしたタブレットを操作しながら、
「必要そうな本を見繕っておきました。」
「ありがとう、図書館さん。……今回はお金は取らないですよね?」
「もちろんです、貸し出しですから。」
 界立が本の一つを開くと、一体の亡霊が隣に現れる。
 本に綴られているのはビリー・ザ・キッド……西部開拓時代のアウトロー、小柄なガンマン、その特徴を持った亡霊。
「法のない世界でしょうが、勧善懲悪というのを作っておきましょう。」
 パタンと閉じれば、亡霊は左手に握る拳銃を抜き撃ち……正確に放たれた弾は、ルパートたちを狙うランチャーを貫き、爆破する。
 気が付いたレイダーが発射口を向けるが、目にもとまらぬ速さで撃ち貫かれていった。
 界立はそれを満足そうに眺め、
「さて、仕上げの準備です。」

「……そろそろか。」
 トライクで追い回し、時には盾で道を塞ぎ……レイダーたちを狙いの場所へと追い込むルパートたち。
 打ち合わせた場所を見れば、魔法陣の描かれた紙がばらまかれていた。
「誘導はあそこでいいんだな?」
「そのようだ。」
 出水宮は盾を展開し、そちらへの逃げ道を作る。
 さらにルパートがトライクのエンジンを吹かし、次の突進へ……それから逃れようとレイダーが駆け出していく。
 ……次の瞬間、指向性の地雷から放たれた散弾が、レイダーたちを魔法陣の中へと吹き飛ばした。
「水が、欲しいのですね?」
 岩陰から現れて言葉をかける霧島へ、レイダーたちは発射口を向けようとするが、魔法陣に描かれた呪いに動きを封じられていた。
 そんな彼らを霧が包み込む……死を司る、命を奪う霧が。
「……尤も、其の儘では飲めませんから喉の渇きを癒す事も出来ず、身を蝕むだけですが。」
「それが、あなた達が奪おうとしていた物です。」
 水、そして命。
 右手を広げた雛月の言葉に、レイダーは苦しみながらも抗おうとするが……彼らを包み込む念動力がそれを許さない。
 少しずつ握る形に動かす右手に合わせ、まるで大きな手に握りしめられているようで、
「たまには、奪われる側の気持ちを味わってくださいね?」
 雛月が右手を完全に握りしめた時……レイダーたちの命は全て、その身から奪い取られていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『サイバーレイダー』

POW   :    パワーアシストアーマー
予め【パワーアシスト機能に充電しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    奪い尽くす者達
レベル×1体の、【タトゥーで額】に1と刻印された戦闘用【機械化レイダー軍団】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    レイダーズシャウト
【略奪を宣言する叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:鋼鉄ヤロウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 部下たちはすべて倒され、その様を見ていた屈強なレイダー。
「……なかなかやるな。」
 静かに、そして怒りを込めて呟くと、彼の着ているパワーアシストアーマーがうなりをあげる。
 バイクに積んでいた巨大なハンマーを手にし、
「しかし……貴様らを倒せば、後はただの人のみ。」
 勢いよく振り上げ、地面へと打ち据える。
 轟音と共に土埃が巻き上げられ……それがはれた時、倒れていたロスト・レイダーたちが彼の周りに立っていた。
 明らかに生気のない、その額には数字が刻まれている。
 着ている服が稼働し、その体を……すでに生命のない身体を操っていく。
「ならば、そうするまで。」
霧島・絶奈
◆心情
アシスト機能で自他を強化する…ですか
まあ、使える物を使うのは戦術として正しい行為です
…では私も『自助努力』をするとしましょうか

◆行動
<真の姿を開放>し『666』を使用

敵の攻撃は見切り易いとはいえ、その一撃は脅威でしょう
尤も、真面に遣り合う必要はありませんから搦手で攻め立てるとしましょう

一部の<私>は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活用し「魔法で敵を識別し起爆するサーメート」を複数設置
設置をしつつ、敵の攻撃を誘って罠の方へと誘い込みます

更に<私達>全員で射線を調整し【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で其々が【二回攻撃】

負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



「アシスト機能で自他を強化する……ですか。まあ、使える物を使うのは戦術として正しい行為です。」
 口元に笑みを浮かべて霧島が呟くと、その背後から別の霧島が現れる。
 一人二人……さらに数を増し、同じ笑みを浮かべながら、
「……では私も『自助努力』をするとしましょうか。」
 その様子にもレイダーは動じず、ハンマーを構えて言い放つ。
「変わった奴だな……来るがいい。」
「ええ、言われずとも。」
 すでに数十人、異端の神々の群れと化した霧島たちが黒剣を手に襲い掛かる。

 圧倒的な人数による波状攻撃に、いつの間にか配下と分断されたレイダー。
「しかし……、」
 レイダーの強化外骨格がうなりを上げ、ハンマーを振るう。
 一人を捉え、吹き飛ばす……が、周りにいる霧島たちは一歩身を引き、ハンマーから身を躱していた。
「きりがない、な。」
「ふふ……私を一人ずつ倒していては、日が暮れてしまいますよ?」
 クスクスと嗤う声と共に囁かれる言葉。
「ならば、」
 一気にレイダーが踏み込み、振り上げ……そのまま、さらに一歩踏み込む。
「まとめて吹き飛ば……ぐああああ!」
 瞬間、レイダーの足元からテルミットの炎が巻き上がる。
 一部の霧島の仕掛けた地雷の炎、それに巻かれたレイダーに霧島たちの黒剣が突き刺されていく。
「真面に遣り合うだけが戦いではありませんからね。」

 炎を振り払い、その中から切り傷だらけのレイダーが姿を現してみれば、すでに霧島の姿はなかった。
「……やってくれる。」
 レイダーは怒りと共にハンマーを握り直していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

出水宮・カガリ
【ヤド箱】団長(朔)、鎧の(ルパート)、図書館の(図書館)と

あとはお前を倒せば、この拠点の脅威は当面、駆逐されるのだな
ならば、潰そう

団長の空間が展開されたら、目標の敵を探そう
本命でないゾンビの方は、【神都落城】でまとめて片付ける
あとから増援に来られても、面倒だからな
ちょうど、森林の空間のようだから
塵も残さず、燃え尽きる事ができるのではないか?

万が一にも、出口から出てしまわぬように
なるべく急いで目標へ辿り着こう
叫びへの共感などあるはずもない
共感するための感覚は、既に死んでいるのだから
ならばここで、今度こそ滅びるがいい
これは滅びの炎、落城の火。終わりの時に、見る景色だ(【神都落城】)


雛月・朔
WIZ
【ヤド箱】
武器:ヤドリガミの念動力
UC:背天ノ呪詛・『夏霞』

◆心情
(レイダーの台詞を聞いて)随分と私達を軽く見ているようですね、今まで負け知らずの略奪者だったのかもしれませんが私達は易々と突破される弱者でもないですよ?

◆行動
敵味方全てをUCで生み出した自然の迷路に隔離します。
『これ以上、この地を傷つけたくないので続きはあちらでしましょうか』

これで周囲や掘った井戸への被害を気にせず思いきり戦えますね、あの略奪者は特に封じるべき属性攻撃を持っていないようなので呪詛の霧は晴らしておきましょう。
あとは【念動力】で周囲の岩を持ちあげて略奪者の頭上に落として攻撃します。


ルパート・ブラックスミス
【ヤド箱】

雛月団長のUC発動直前に【先制攻撃】。
トライクから飛び出し、サイバーレイダーを【グラップル】の要領で団長の迷路に隔離される際に取り巻きから孤立させるように【吹き飛ばし】。

後は仲間たちが合流するまで一騎討ち。
UC【燃ゆる貴き血鉛】、鎧内の炎鉛を放出し敵諸共周囲の空間を火の海にしつつ大剣で白兵戦だ。
この閉鎖空間ならば呑み込むのは容易、敵の攻撃を【見切り】回避するなど尚のこと!

味方が合流したら敵を【挑発】しつつ飛び退き、味方の射線に【おびき寄せ】よう。

貴様が略奪を宣言するならば、自分は粛清を宣言しよう。
その五体、塵も残さず【焼却】してくれる。

【アドリブ歓迎】


界立・図書館
【ヤド箱】
 戦うのは引き続き式神の司書

【7番台 三文演劇】でこちらが有利に、敵が不利になるシナリオの三流以下の台本を即興で書いて読み込んで発動します。(細かい行動はアドリブになるように穴だらけにして)
団長さんの迷路に入ったら、罠としてオブリビオンだけに反応する魔法陣を迷路の壁や床に携帯印刷機で印字、接敵したらサーチライトで魔法陣を照射して発動したりタッチペンを杖に魔法を行使して逃げ回り時間を稼ぎます。

【魔法陣】迷路を破壊しない程度の爆破、串刺し、閃光
【魔法】動きを封じる魔法、対象を吹き飛ばす魔法


クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「パワーアシストアーマーですか……出来栄えは如何程でしょうか」

【POW】

井戸掘り(第一章)から今まで射撃用のちょうど良いポイント(【地形の利用】)を探していました。
既に部下と引き離されているとのことなので、連続して攻撃を仕掛けます。

「CODE:LAXIS。聖銀貫通弾、装填。打ち貫く!」
狙いはパワーアシストアーマーに守られていない生身の内部、臓器です(【スナイパー】)。
臓器はアシストも強化は出来ないので、当たれば痛打になることを種族:サイボーグである私は身に染みて知っています。
「次があればアーマーではなく全身機械化することをオススメします」



「あとはお前を倒せば、この拠点の脅威は当面、駆逐されるのだな?」
 その声にレイダーが振り返れば、そこにいるのはヤドリガミの箱庭の面々。
 問いかけた出水宮に対し、静かに体を向け、
「……そうなるだろうな。」
「ならば、潰そう。」
 そうして鉄門扉の盾を構える出水宮と、ほかの面々……黒い騎士鎧のルパートを除けば、比較的軽装なメンバー。
 その様子にハンマーを肩にかけつつ、見下すようにレイダーは呟く。
「出来るか? お前たちに……力が統べるこの荒野で、その細腕で。」
「……随分と、私達を軽く見ているようですね。」
 むっとしたように、リーダーの雛月が応じていた。
 その後ろでひそひそと、
「もっとも、わたくしもリーダーも細腕ですし、軽いのは事実ですね。」
「そうだな、それは間違いない。」
 そんな話をしている界立とルパート。
 少し気勢をそがれながらも、雛月は言葉を続けていた。
「ともかく、今まで負け知らずの略奪者だったのかもしれませんが……私達は、易々と突破される弱者でもないですよ?」
「ならば……、」
 レイダーの体躯を覆う強化外骨格がうなりをあげ、ハンマーを軽々と振り上げる。
 ……その周囲を、霧が覆い始めていた。
「抵抗してみせろ!」
「ええ。ですが、」
 言葉に合わせ、ルパートは自身の乗るトライクをレイダーへ向けて急発進。
 迎え撃つように振られたハンマーは、高速で飛来した何かに弾かれて軌道を変え……その隙にルパートがトライクから飛び掛かる。
 その姿は、周囲に現れた岩山や木の陰に隠れていった。
「これ以上、この地を傷つけたくないので……続きはこの中でしましょうか。」
 迷宮を作り出した雛月が周囲を見れば、歪に動く宇宙服、ロストレイダーの集団も道の先にいるようだった。

「ヒット。……しかし、なかなかのパワーですね。」
 レイダーのいる場所から離れた崖の上、狙撃銃のスコープから目を離すクネウス。
「スペースシップワールドで見かけるものからは劣るとはいえ、パワーアシストアーマーとしては優秀でしょう。」
 レイダーのハンマーを弾き飛ばすつもりで放った弾丸だったが、その衝撃すらも少し起動が逸れるのみに抑えていたのだ。
 それを踏まえ、クネウスは次を狙う。
 スコープの先では、周囲を青い鉛の炎で焼き焦がしながら、大剣を手にレイダーと対峙する黒い鎧、ルパートの姿があった。

「……貴様1人で止めるというのか。」
「そのつもりだ。」
 ルパートの身体は騎士鎧とはいえ、目の前のレイダーの身体はさらに大きい。
 しかし、鎧の隙間から炎鉛を吹き出す様に、レイダーもうかつに近づけずにいる。
「我が血はもはや栄光なく……されど、」
 ルパートは大剣を振り被り、レイダーへと斬りかかっていく。
「未だこの身、闇に消えず!」
「いいだろう、叩き潰す。」
 レイダーもハンマーで受け、弾き、そこに青い炎が浴びせられ……一進一退の攻防が繰り広げられていた。

「……なかなかこれは、骨が折れますね。」
 追ってくるロストレイダーから、迷路の中を走って逃げる界立。
 飛んでくるミサイルを避けながらデバイスに書き上げるのは、とある三文芝居の台本。
 さらに、時折止まって、足に付けた携帯印刷機で地面に魔法陣を印刷しながら……と忙しい。
「ですが、皆さんがこの台本通りに動くなら、」
「大丈夫か、図書館の!」
 横の道から駆け寄ってくる、出水宮の声。
「ええ、なんとか。あとはよろしくお願いします。」
「よし、まとめて片付ける。図書館のは後ろへ。」
 出水宮が意識を集中する……一瞬、焼け落ちる黄金都市の幻影が周囲に映る。
 ……ここまでは書き上げた台本通り。
「あなたたちには楽しくない筋書、でしょう?」
 クスクスと笑いながら、界立がロストレイダーの足元をサーチライトで照らすと、印刷した魔法陣が浮かび上がる。
 その上に立つ彼らの動きが目に見えて鈍っていき……影に包まれる。
「……汝、邪なる黄金の都。」
 出水宮の言葉に視線を上げれば、幻影で見た黄金都市の一部、その瓦礫が質量を持って現れていた。
 見る間に燃え上がり、迫る。
「再び来たりて、諸共に燃え尽きよ!」
 動きを縛られ、抵抗もできず……ロストレイダーたちは瓦礫に押しつぶされる。
 その死骸ごと周囲の木々が燃え上がっていく。
「ゾンビのようだったからな。これで塵も残さず、燃え尽きる事ができるのではないか?」
「そうですね、後はボスを倒せば終わりでしょう。」
「よし、急ごう。」
 二人は迷路の中を駆け出していった。

「……なかなか、やる。」
 ルパートとの幾度かの討ち合い、そして燃え上がる鉛の炎。
 強化外骨格のアシストがあるとはいえ、レイダーの動きにも疲れが見え始めた。
「当然だ、自分は略奪を見過ごす気はない。」
「ふん、略奪か。」
 ハンマーを握り直すレイダーは言葉を続ける。
「この何もない荒野に、どれだけの水があると思う? ……すべての者が渇きを癒せるなど、幻想だ。ならば、」
 一気に駆け出し、ハンマーを振り下ろし、
「……力で奪いとるしかあるまい?」
「生み出す努力もせずに奪い去る、それはお前たち略奪者の理屈に過ぎない。」
 対してルパートは大剣で逸らし、言葉を投げつける。
 ……視界の隅に、白い着物が見えた。
「貴様が略奪を宣言するならば、自分は粛清を宣言しよう。その五体、塵も残さず焼却してくれる。」
「ほざくな!」
 挑発の言葉に殴り掛かってくるレイダー……と、ルパートは一気に飛び退る。
「は! 言葉だけは立派だぐあああ!」
 レイダーが踏み込んだ瞬間、上から落ちてきた岩が襲い掛かる。
 念動力によって浮かび上がる岩に目を向ければ、木の下に立つ白い着物……まるで幽霊のような、雛月の姿。
「その力で井戸掘りを手伝っていれば、集落の人も喜んだでしょうに。」
「今さら、そんなことが出来るか!」
「しなかっただけ、だろう?」
 別の道から駆け寄る出水宮。
「略奪者の末路は決まっている……滅びのみだ。」
「はっ! 見てきたようなことを!」
「……だとしたら?」
 その気迫に、レイダーは言葉に詰まる。
 しかし、すぐにハンマーを手に殴り掛かりに踏み出した瞬間……外骨格に覆われていない腹に、1発の弾丸が突き刺さった。
「ぐぅ!?」
「仲間の命すらも使い捨てるあなたには、お似合いの最期だと思いますよ。」
 雛月の声と共に、あたりが暗くなることに気が付いたレイダー。
 苦しみながらも見上げれば、それは出水宮の見せる、焼け落ちる黄金都市。
「これは滅びの炎、落城の火。終わりの時に、見る景色だ。」
「これが……こんな最後、か!」
 ずずん……あっけなく、巨大な岩に押しつぶされるレイダー。
 機械ののたうつ音がしばらく響くが、それもすぐに静かになった。

「……終わりましたか?」
「ああ、たった今な。」
 物陰から顔を出した界立に、自身の吹き出した炎を消しながら応えるルパート。
「ここの集落の方々も、これで一安心ですね。」
「そうだな……しばらくは大丈夫だろう。」
 雛月は迷宮と化した周囲を元に戻し、元の荒野を眺めて呟く出水宮。
「さて、集落の面々にも伝えにいくか。」
「ええ、そうしましょうか。」
 そうしてヤドリガミの箱庭のメンバーは歩き出す……そんな中、雛月は別の方向を向いて笑顔で手を振り、メンバーについていった。

「ふふ……見えていましたか。」
 スコープの中、こちらを見て手を振る雛月。
 それを見取ったクネウスは、狙撃に使ったアームドフォートを片付ける。
「彼は機械に頼った人間にすぎません。……ゆえに、生身の臓器は弱点となります。」
 CODE:LAXIS、聖銀貫通弾……本来であれば、サイボーグの生身の部分を貫き、内部を破壊する弾丸。
 サイボーグであるクネウスは、それを身に染みて知っていた。
「次があれば、アーマーではなく全身機械化することをオススメしますよ。」
 そう言葉を残し、彼もまた荒野へと消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月17日


挿絵イラスト