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我求めるは強者なり

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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「やあやあ猟兵諸君。くるるちゃんの召集に集まってくれて感謝するねっ」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に腕を広げ、鏡繰・くるる(属性過積載型バーチャル男の娘・f00144)は愛らしい笑顔と共に元気よく切り出した。
「今回は、サムライエンパイアに向かってもらうよ。そこで行われる陰謀を阻止して欲しいんだ」
 敵は、千年を生きたと言われる悪しき妖狐・白仙狐。強大な力を持つ妖怪だ。
「戯れと称して、多くの人を弄ぶ大妖怪なんだ。なんとしても、その野望は打ち砕かないとね!」
 そんな白仙狐が最近好んでいるのは、『強者と自認する者を、それ以上に圧倒的な力で蹂躙する事』だと言う。
 積み重ねて来た強さに対する自信を打ち砕かれる瞬間、その表情が堪らない、らしい。
「趣味悪いよねー。まあ、それならさ、逆に、キミ達が白仙狐の自信を打ち砕いてあげようよ!」

 さて。倒すべき敵は白仙狐だが、普段は姿を隠しているようだ。仙術まで使って隠れた相手を見つけ出すのは、至難の業である。
「と、言う訳で。白仙狐を探し出すんじゃなくて、白仙狐の方から、招いてもらおう、って作戦だよ!」
 白仙狐の活動範囲の近くの町で、『喧嘩祭り』と言う催しが行われる。
 現代地球における喧嘩祭りは、神輿同士のぶつかり合いが喧嘩をしているように見える事からそう呼ばれるが、サムライエンパイアのそれは違う。
 文字通り、喧嘩をするのだ。
「まあ、今風に言うと『バトルロイヤル』って奴かな。集まった腕自慢が喧嘩して、喧嘩して、喧嘩しまくるってわけ!」
 武器の使用や、意図的に大怪我をさせる行為は禁止。だが、それさえ守れば、祭りの間は一切の喧嘩がお咎め無しだ。
 参加者は町人の男がほとんどだが、中には女だてらに参加する者、祭りのためにわざわざやって来た武芸者などもいるらしい。
「まあ、特に優勝者を決めたりはしないみたいだけどね、喧嘩する事が目的みたいだから。で、キミ達はこのお祭りに参加して、思いっきり活躍して目立って欲しいんだ」
 祭りの見物客には、白仙狐の部下・妖狐忍が混じり、品定めをしている。目立った活躍を見せた強者を、白仙狐の元に連れていくためだ。
 それを逆に利用し、妖狐忍に白仙狐の所に案内してもらおう、と言う趣旨である。
「もし活躍出来なくても、ある程度の人数が招かれれば、こっそり後からついていけば良いから、その後の戦いに参加出来ないって訳じゃないよ、安心して。ま、当然活躍するに越したことはないけどね」
 なお、注意すべきは『ただ勝つ事』よりも『目立って勝つ事』の方が重要、と言う点だ。妖狐忍に目を付けて貰えなければ、意味がない。
「あと、もう一度注意するけど、武器の使用や、意図的に大怪我をさせる行為は禁止。あくまで、お祭りだからね!」
 もっとも、猟兵の技量で手加減をすれば、多少の大技でも大怪我をさせる事はないだろう。

「……と、説明はこんなところかな。まあ、キミ達の強い所、バシッ、と見せて来てよ!」
 楽しげにそう言った後、くるるは猟兵達を見渡す。
「それじゃあ、ばっちり解決してきてね。良い知らせを待ってるよ」


一二三四五六
 火事と喧嘩はなんとやら。

 ごきげんよう。レッツ・ガチバトル! 一二三四五六です。

 第一章のフラグメント『喧嘩祭りで勝ち上がれ!』は紅月・知夏(蔓桔梗の漂流者・f02536)さんの、第二章・第三章の宿敵『妖狐忍』『傾国の白仙狐』は御狐・稲見之守(お稲見さん・f00307)の投稿です。ありがとうございます。

 補足。
 第一章の喧嘩祭りで『どんな相手と闘うか』は、プレイングによる指定が可能です(もちろん、サムライエンパイアにいそうな相手のみ)。特に記載しなければ大柄な町人の男(×その場の猟兵の人数)が相手になるでしょう。
 なお、タイマンである必要はないので協力して闘っても構いませんし、逆に猟兵同士で闘っても構いません。
 再三の注意ですが、武器の使用は禁止です、高い可能性で不採用になるので、本当にそれだけは気をつけて。

 また、くるるの言う通り、必ずしも全員が活躍して妖狐忍に目をつけられる必要はありません。そのため、『ただ見物するだけ』『実況中継する』『参加するけど負ける』と言ったプレイングも可能です。
 能力値は、行動に応じてそれっぽいものが適用されます……まあ、一二三は能力値は参考程度にしか見ないのですが。
 なお、見物客に混じった妖狐忍を探すのは構いませんが、何かアクションを仕掛けてはいけません(妖狐忍を警戒させると、案内させる作戦が成立しなくなるため)。

 第二章、第三章は、普通の集団戦とボス戦です。
 章間は自動的に進むので、『妖狐忍に連れていかれる際にどうするか』と言ったプレイングは必要ありません。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
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第1章 冒険 『喧嘩祭りで勝ち上がれ!』

POW   :    圧倒的なパワーを見せつけて参加者の戦意を削ぐ

SPD   :    素早い動きで参加者を圧倒し棄権へ持ち込む

WIZ   :    他参加者同士で戦わせるなど、策をめぐらせる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 誰が言ったか、火事と喧嘩は江戸の華。
 かつて地球に有ったその諺は、サムライエンパイアでも変わらない。
 喧嘩祭りと言う非日常に、浮かれた空気の町人達。
 あちこちで、強者達が拳を交え、その度に歓声が上がる。
月杜・屠
火事と喧嘩は江戸の華……というものね。ひとつ参加させて頂こうかしら。

基本的には大柄の男相手に素早さを生かして立ち回るわ。
スキル「暗殺」で死角に回り込む、スキル「見切り」で一寸の見切りを狙うなど、相手を翻弄しつつ、急所への一撃必倒を狙っていく戦術よ。大技の一つや二つも決めて場を盛り上げたい所ね。
お祭りなのだから加減は忘れないように。



「わたしもひとつ、挑ませて頂こうかしら?」
 喧騒の一つを見つけると、その中央に歩み出る屠。
 豊かな肢体と生地の少ないくノ一装束、見目麗しい美女の登場に、観衆達は大いに盛り上がる。
「お、姉ちゃん。悪い事ぁ言わねぇ、怪我したくなかったら止めときな」
「安心して。私の方は、怪我をさせるつもりはないから」
 巨漢の大男の言葉にも、飄々と返す。挑発というよりは事実を述べただけ、だが、それが逆に大男のプライドを刺激する。
「言うじゃねぇか。手加減は出来ねぇぜ!」
 言葉通り、全力で拳を振るう男……だが、その拳は虚しく空を切る。
「こっちよ?」
「うぉっ……こいつっ!」
 何度男が拳を放っても、ひらひらと舞う屠に当たるどころか、掠めすらしない。大男を美女が翻弄する様で、大いに盛り上がる観客。
「ちょこ、まかとぉ……いい加減にしやがれっ!」
 痺れを切らし、大振りの拳を振り下ろした男……その腕の上を、逆に駆け上がる屠。
「なっ……ぁがっ」
 脚を絡めて肩車させると、コン、とこめかみを一つ小突く。ただそれだけで、脳を揺らされた男は白目を剥いて地面に倒れた。
「滅殺……は、しないでおいてあげるわ」
 くノ一の秘技に、町人達が歓声を上げる。それと同時に、我こそは、と名乗りを上げる者達が。
「何人でも良いわ、かかってきなさい」
 次々と、気絶した男達が積み重なり、その度に歓声は大きくなっていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

蔵方・ラック
【POW】
喧嘩して、喧嘩して、喧嘩しまくるお祭り!!
自分もどかーんと暴れるのは好きでありますよ!血が滾るでありますね!!

殴る蹴るだとうっかり手加減忘れるかもしれないでありますし
ここは純粋に“力”で見せつけてやるであります!

なるべく大きくて重そうで体格差がある相手に挑み
相手に組み付いたらサイボーグの《怪力》で
足がつかないくらい真上に高く高く持ち上げる!
自分の見た目は別に筋骨隆々って訳じゃねーでありますから
きっとビックリしてもらえるし目立つと思うのであります!

持ち上げた相手が「参った」って言ったら優しく下ろしてあげるでありますよ!
ええ!大怪我させるのはいけないらしいでありますからね!



「うぉぉぉぉっ!?」
「さあ、参ったしてくれると嬉しいであります!」
 でっぷり太った、40貫(150kg)はありそうなあんこ型力士が、真上に高々と持ち上げられる。
 持ち上げているのはラック、実はサイボーグである彼は、人間離れした怪力の持ち主だ。
 長身とはいえ決して筋骨隆々ではない男の怪力に、大いに沸き立つ観衆。
「わ、分かった! 参った、参った!」
「了解であります!」
 慌てて降参する力士を、ゆっくりと、優しく下ろしてやる。
「お祭りで怪我をさせてはいけないでありますからね!」
 地面を確かめるように何度も踏みしめ、力士はラックを見やる。
「いやぁ、参った参った!」
「力には自信があるであります!」
 やたらハイテンションで明るいラックは、からっとした態度で悪感情を感じさせない。負けた力士も好意的だし、子供達など、きゃあきゃあ叫びながら、彼周囲を回ったり、肩車をねだったりしている。
「おっと、肩車は後であります!」
 そんな子どもたちを嗜め、親に預けるラック。
 彼の力に目をつけ、喧嘩を挑んでくる力自慢がやって来たのだ。
「誰でも、何人の喧嘩でも買うでありますよ!」
 依頼であるのもそうだが、単純に、こうして後腐れなく暴れるのは楽しいものだ。
 テンションを上げ、新たな巨漢の男に向けて構えを取る。
「自分も血が滾っているであります! かかってくるでありますよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

キーア・エントール
喧嘩祭りとはありますが、私は直接切った張ったは得意ではないのです
という訳ですので、勝手に負けていただきましょう
武器は使っていけないとのことですが、まあ勝手についてきてる霊体の子達が動くのは許してもらえませんでしょうか
怖がって逃げてくれればそれでよし、向かってくるならばこっそり絶対隷奴で見えにくい手枷でも嵌めて、私の周りで派手に自滅していただきましょう
騒ぎの真ん中で一服していれば、きっと目立つはずです
聖霊の子にワインでも出してもらいましょう。舶来の物としてそれも珍しく見えればよし、ですね

アドリブ、絡み歓迎


黒金・華焔
ふーん、中々イイ性格をした敵じゃあないか
面白そうだ、ここは私にも一枚噛ませてもらおうか

さて、まずは喧嘩祭りだったか
格闘術は正直苦手なんだが、負けるのも癪だ
とりあえず参加者の連中の様子を見て、
弱そうなのを選んで連勝回数を重ねるか(戦闘知識、情報収集、見切り)
つっても、雑魚殴ってるだけじゃ目立つには足りんだろうな
ある程度戦ったらそれなりに勝ってる奴にも戦いを挑む
ただし、連戦で疲労してる奴とか怪我を負った奴を狙うぜ
この戦いではフェイントからなるべく派手な大技で決める事で目立ちに行くぜ(フェイント、なぎ払い、二回攻撃)

くく、勝てばいいのさ、どんな手を使ってもな



 さて……そんな正統派の喧嘩で盛り上がりを見せる中、町の一角だけ、妙に静まり返っている場所がある。
「直接切った張ったは、得意ではないのですよね」
 その中心にいるのは、キーア。整った美貌を持つ天使の美女だ。
 だが、その美貌はあまりに整いすぎていて、どこか作り物感を感じさせる。
 ましてサムライエンパイアに天使の概念はないとなれば、見た目だけでも町人達に畏れを与える。
「なので、私としては、直接喧嘩はしたくないのです」
 だが、本当に恐れられているのは、彼女の行動だ。
 突然喧嘩の真っ只中に現れたかと思えば、喧嘩していた男達が勝手にすっ転んで自滅。
 静かになったその場所でのんびりと寛ぐ。明らかに、常人とは思えない。
「ふふ、ありがとう」
 しかも、何も無い所で話しているわ、どこからともなくワインを生み出して飲んでいるわ。
 妖術遣いか、はたまた天狗か、遠巻きに見つめる町人達が噂を交わす……一応怖いもの見たさもあって逃げてはいないが。
 なお……男達を自滅させたのも、ワインを生み出したのも、彼女に憑いた霊体、悪霊や聖霊の仕業なのだが、それを町人が知れば、今度こそ逃げ散っていたかもしれない。
「よう、そこのあんた。私と勝負しないかい?」
 そんな、キーアを取り巻く町人の中でも、強そうな祭りの参加者を選んで声をかける華焔。
「あ、ああ」
 正直、どうしようか困っていた男は、その呼びかけに頷く。
 華焔も10歳の幼女であり、明らかに喧嘩向きではないのだが、キーアを見た後では感覚が麻痺しているようだ。
「よし、じゃあ相手をしてもらうぜ」
「え、ここでか?」
 キーアを横目で見れば、すっかり喧嘩見物モードの様子。ワインを嗜みながら、2人に応援を送っている(霊体の何匹かも応援しているようだが、幸いと言うか男には見えなかった)。
 男はそんなキーアから離れたいようだが、生憎華焔は場所を変えるつもりはない。
 何か言わせる前に構えを取り、男に飛びかかる。
「当然だろ……行くぜ!」
「あ、ああ……うぉっ!?」
 素早い動きに、目まぐるしいフェイント。翻弄され、男は体勢を崩す。
 華焔の技は、決して優れている訳ではない。だが、意識散漫で見切れるようなものでもない。
(全く、都合の良い状況もあったもんだぜ!)
 もちろんこの状況は、華焔の思惑通りだ。強そうな、しかし実力を発揮出来ないそうにない相手。それを探して巡り合ったこの場は、彼女にとって絶好の狩り場だ。
「そらぁっ!!」
「ぐあっ!」
 華焔の喧嘩の腕では本来まず決まらない、顎への飛び蹴りが炸裂。男が吹っ飛び、観衆達が声を上げる。
 キーアの事をあまり意識したくない、と言う事情もあるにせよ、小柄な華焔が大きな男を翻弄し、一撃で仕留める姿は、十分に観衆の目を惹き付けるものだ。
「くく、勝てばいいのさ、どんな手を使ってもな」
 聞こえぬように呟き笑みを浮かべると、華焔は次の与しやすそうな相手を物色する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桑原・こがね
目立てば良いのね!なんて素敵なのかしら!
武器は禁止なのね。雷出すのも駄目かしら。多分駄目ね、あれ、すごく目立って気持ちが良いのに。

目立つんなら、できるだけ大きい相手を見つけないとね。誰が一番良いかしら。
正面から堂々と挑まないと意味ないわね。名乗りを上げて行きましょう。
「桑原こがね、堂々たる一戦を所望する!」
あたし小さい上に可愛いから舐められるかしら……。相手してもらえなかったら軽く殴って振り向いて貰いましょ。鼻血が出る程度に。うーん、あたしってば健気。

ある程度当身で戦ったら、豪快に投げ飛ばせればかなり目立つ気がするわね。その後で天を指差しこう叫ぶのよ。
「あたしを見ろォ!」


モリ・ダニー
【POW】
力こそパワーだ!ダニーもそう思うよな?
(∪`ω´)オン!オン!オーン!

喧嘩祭りで不参加なぞ有り得ん!見る阿呆より踊る阿呆だ!腕が鳴るわ!
俺もダニーも腕無いけどな!

体格差、実力差が明らかな組み合わせの喧嘩があれば割り込んで優勢の方に喧嘩を仕掛けジャスティス・ペインを活性させていく。
それに、シンプルに強い奴と戦った方が面白いし、アピールできるからな。

攻撃は衣服を噛んで振り回したり、爪を使わず肉球でパンチしたり、のしかかったりして怪我をさせないように手加減をする、手加減をするがした上で出来るだけ派手に大げさに立ち回って力を見せ付ける。


小鳥遊・月緒
派手に戦って勝てば良いのですね。あまり得意ではないですが、やってみましょう。
特に大柄な男性を見つけて相手にします
「そこの大きな人。お相手して下さいな」
私の見た目には細身でしょうけど、猟兵なので。ええ。
あらあら、うふふ、とびたーん、びたーんと投げたりして、怪力具合を示してみます。
もちろん手加減はして怪我をしないように。



「桑原こがね、堂々たる一戦を所望する!」
 ひときわ大きな相手を見つけ出し、大声で名乗りを上げるこがね。
 かなり人相の悪い相手な上に、近くで見上げれば首が痛くなりそうな身長差だが、彼女に恐れなどありはしない。
「冗談言っちゃいけねぇよ。お嬢ちゃんみたいなガキの相手なんかする訳が……ぶっ!?」
 明らかに見下し、勝負を断ろうとする男に対しては、跳び上がって顔面に拳。
「逃げるの?」
「……バカ言うんじゃねぇよ!」
 少女の挑発的な言動に、ドッと観衆が沸き上がる。何せこれは喧嘩だ。礼儀よりも威勢、道理よりも派手が好まれる。
「痛い目見ても知らないぜ!」
「痛い目見るのはそっちの方よ!」
 ましてや、彼女が挑むのは正面からの殴り合い。巨漢と少女が真っ向から殴り合えば、さらに沸き上がる。
「このガキッ……」
 逆に、少女といい勝負を繰り広げる羽目になった男は、怒りから思い切り拳を振り下ろす……その腕を、ガッチリと捕まえるこがね。
「せぇやぁっ!?」
「何……ぐぁっ!?」
 豪快無比な一本背負い。男の身体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。
「あたしを見ろォ!」
 天を指差し、勝利の雄叫びを見せるこがねの姿に、観衆は大喝采だ。
「あらあら、あちらも目立っていますねぇ」
 と、その近く。こちらも、女性の手によって、巨漢の身体が宙を舞った。
「私も負けていられませんね……まだ、やりますか?」
「ぐ、ぁ……参ったっ……」
 温厚そうな笑みとは裏腹に、男を軽々と投げ飛ばす怪力を見せつけた月緒。こちらにも観衆から喝采が送られる。
「あら、あなたもやるわね!」
「いえいえ、そちらこそ」
 互いに、男を投げ飛ばした女性同士。声をかけ、不敵に、あるいはにこやかに微笑み合う。
 このまま女同士の喧嘩が始まるのか……と観衆が期待した所で、突然、男達が2人を取り囲む。
「このままガキにやられっぱなしで済ませるかよ……!」
 どうやらさっきこがねが投げ飛ばしたのは、タチの悪い荒くれだったようで。仲間を引き連れ、逆襲にやってくる。
「あらあら……ずいぶんと殺気立っていますね。お祭りだと言うのに……」
「喧嘩で逆恨みなんて、格好悪いよ!」
 明らかに喧嘩祭りを逸脱しようかと言う様相だが、月緒は落ち着いた様子だ。無論、こがねも引く気はない。
『オン! オン! オーン!』
 だが、今にも二対多数の喧嘩が始まろうとした所で、突然、大声……いや、吠え声と共に割って入る影。
「……犬?」
「……ゴーグル?」
 その正体はゴーグル型ヒーローマスクのモリ。そして彼を身に付けたサモエド犬のダニー。2人……ならぬ、一つと一匹の乱入者は、男達の前に立ちはだかる。
『義を見てせざるは勇無きなり。助太刀するぜ!』
『オン! オン!』
 サムライエンパイアにもヤドリガミがいるので、喋るゴーグルも未知と恐れられる事は無い。いや、ゴーグルは珍しいが、物珍しさと正義の言動から、むしろ歓声を集める。
「ええい、犬っころと……なんだこの妙ちきりんな……邪魔するんならただじゃおかねぇぜ!」
『ただじゃおかないのはこっちの方だ! 行くぞ、ダニー! 力こそパワーだ!』
『オーン!』
 吠えて男の一人に飛びかかるダニー。その衣服に噛み付くと、豪快にぶん回す。
「まあ。犬に負けてはいられませんねぇ」
 そんな立ち回りを見れば、気合も入ろうと、月緒も男達に掴みかかる。
「うわぁぁっ!?」
「うふふ、あなた方が、いけないんですよ?」
 怪力具合を見せつけるように、豪快に、ちぎっては投げ飛ばし。表情は温厚な笑みのままだけに、迫力がある。
「大怪我したくなかったら、さっさと消えな!」
 当然こがねも、小柄な身体で、所狭しと暴れまわる。
『どうだ、こいつめ!』
『オン、オン!』
 ダニーも近くの男にのしかかり、肉球パンチをてしてしと顔面に叩き落とす。
『まあ、怪我をさせるつもりはないからな。ちょっと予定とは変わったが、これも喧嘩だ!』
 せっかく町人たちが愉しんでいるのだ。相手はどうだか知らぬが、あくまで喧嘩祭りの範疇で。
 3人……いや、2人と1匹(と1個)は、派手に大立ち回りを演じ、町人達は歓声を上げる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『妖狐忍』

POW   :    魅了の術
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    小刀一閃
【小刀】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    狐火
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 祭りで強さを見せつけた猟兵達。
 喧嘩の波が途切れ、休憩とばかりに人垣から離れると……各々の元に、美女が近づいてくる。
「お強いのですね……是非、我が主にも、その強さを見せてくださいませんでしょうか?」
 その誘いに応じてついていき……道の角を曲がると、突然、町の喧騒が消える。
 おそらくは白仙狐が作った異空間。景色は同じだが、一般人の気配は存在しなくなる。
「さあ、主はこちらでお待ちです、が……」
 その異空間の中にある一軒の屋敷を示す美女。だが、この屋敷に入って白仙狐と戦う前に、一つやるべき事がある。
 この美女……即ち妖狐忍たちを放置したまま白仙狐の元に向かっても、戦いを邪魔されかねない。
 先に倒して後顧の憂いを断つべきだ。
「どうやらあなた方は、主に仇なす方々のようですね……?」
 そしてあちらも、猟兵達のそんな意図には気づいたようだ。次々と、妖狐忍としての本性を現していく。
 さあ、ここからは戦いだ。喧嘩で町人に強さを見せつけたように、今度は敵の妖狐共に強さを見せつけてやれ!
黒金・華焔
【アドリブ、他猟兵との連携歓迎】
くく、ようやく全力が出せるって訳だな
集団相手は私の最も得意とする所だ
こいつらには悪いが、大物前の肩慣らしに使わせてもらうぜ

見たとこ、私と同じ炎系統の術使いか
面白い、火力勝負と行こうじゃないか
フォックスファイアで纏めて焼いてやる(属性攻撃、範囲攻撃)
私自身も狐火に合わせて突進、フォックスファイアを耐えた奴を
黒焔呪月で薙ぎ払ってやる(薙ぎ払い、二回攻撃)
敵の狐火は武器で斬り払うか、軌道を計算して避けるぜ(戦闘知識、見切り)

ははッ、楽しくなってきたな!
全員死ぬまで燃やしてやるよ


桑原・こがね
そっちから招いてくれるなんて、飛んで火にいる夏の虫!
ん?違うか、入ってきたのはあたし達の方だもんね。まあ良いわ!
さーて、屋敷から親分が出てくる前にちゃちゃっと片付けちゃいましょう!

まずは間合いを取りつつ刀を投げるのが良いのかしらね。
刀は何本か持ってきてるし、敵の小刀を奪って使ってもいいわ。あたしそういうの得意だし。
隙あらば間合いを詰めて叩き切ってやりたいところだけど、魅了の術は厄介ね。あたし結構動物好きだし、狐も悪くないと思うわ。


キーア・エントール
さて、私は自分が強いか弱いか気にしたことはありませんが
貴女方から見てそうなのでしたら、そのように振る舞いましょう
この場は異空間とのこと、でしたらば神格降臨の礎にて杭を打ちます
ああ、避けてくださってもかまいませんよ
一つが場に打たれる度、此処は私のものになっていくだけですので
その身で受けてどうなるかも保障はしませんが、まあ選んでください
ホームだと思っていたらアウェーにされた、なんて笑い話ですよね、どうぞ笑ってくださいませ
ああ、主替えの相談も受けますよ。身体を失くしたらご一考ください

アドリブ、絡み歓迎



「飛んで、けー!」
「なっ……!?」
 こがねが、手にした刀を豪快にぶん投げ、戦端が開かれた。
 初手での投擲に意表をつかれ、妖狐忍の一人が反応出来ずに斬り裂かれる。
「そっちから招いてくれるなんて、飛んで火にいる夏の虫!」
 予備の刀を抜き放ちながら堂々と言い放ち……そこでふと眉を寄せる。
「あれ、なんか違う?」
「だな、飛んできたのは私らの方だ」
 ぽわり、と、狐火が灯る。だが放ったのは妖狐忍ではない。
「だから、火に入るんじゃなくて、火に入らされるんだよ」
 狐火を操り、従えるのは華焔。名の如く、焔が華と咲き、妖狐忍達に襲いかかる
「狐同士、狐火勝負と行こうじゃねぇか、なあ?」
「く……良いでしょう、望むのならっ!」
 挑発に、すぐさま印を切る妖狐忍たち。一体ずつでは華焔に劣るが、全員が同時に生み出せば、その数は、無数。
「これだけの数、受け切れ……」
「ははッ、馬ぁ鹿っ!」
 だがその時にはすでに、華焔は狐火を放棄し、間合いを詰めている。
 手にするは薙刀、黒焔呪月。銘の通り、黒き三日月を描いて妖狐達を薙ぎ払う。
「き、狐火比べでは……」
「敵の言う事を信じるなんて、人の良い奴らだなぁ。そんなんで忍が務まるのかよ?」
 楽しげに嘲笑い、続けざまに刃を振るう。
「いえいえ、信じるのはとても大事ですよ」
 華焔の言葉を聞き咎めたのはキーア。妖狐達ににっこりと微笑みかける。
「と言う訳で。今からこの杭を投げるのですが……これが突き刺さった空間は、私の神殿になります」
 取り出したるは光の杭。鋭く尖ったそれを見せつけながら、キーアは語りかける。
「はたまた私の言う事を信じず、主の屋敷を乗っ取られるか。それとも信じて、その身を呈して庇うか。どうぞ、選んでください。ああ、身体に当たった時の保証はしませんが」
「あ、あなたはっ……!」
 究極の選択を突き付けておいて、妖狐に睨む視線にもどこ吹く風だ。
「良いねぇ、そういう悪辣なのは好きだぜ?」
「悪辣だなんて、そのような。私はただ、親切で言っているだけですよ……ほら♪」
 華焔に言い返しながら、杭を投げつける。それは、判断に迷い、動けなかった妖狐忍の一人を、容赦なく貫いた。
「くっ、あれを止めますよ!」
 キーアを放置出来ぬと見た妖狐忍の一部は、華焔を迂回してキーアに飛びかかる。
「おや……」
 咄嗟に守護霊達がその前に立ちはだかるが、それで凌げる勢いではない。
「させるかー!」
 だが、それを遮るため、横合いからこがねが跳んできた。
 団長服を翻し、飛びかかる、と言う言葉がよく似合う勢いで、妖狐達に斬りかかる。
「ありがとうございます」
「気にしないで! ちゃちゃっと片付けちゃいましょ!」
 キーアの礼に返しながら、元気よく大立ち回りを繰り広げるこがね。
「どうだ~!」
「くっ、滅茶苦茶、な!?」
 彼女にとって刀剣は飛び道具だ。不意に投げつければ、妖狐忍達はまるで対応出来ない。無論、近づかれれば、普通に斬りかかるだけ。
「そうかな、あたしには普通だけどっ!」
 幸い、武器はそこらじゅうに落ちている。倒れた妖狐忍の短刀を拾って投げ、自分の投げた武器を回収しては投げ。
 そこに生まれるのは、剣戟の暴風雨である。
「ならばこれならどうですか!」
「これならって……あ」
 印を組み、妖術を解き放つ妖狐忍。それを受けたこがねの瞳から、光が消える。
「単純な相手にはこれが効きますね……」
「単純なのは、あんたもな」
 目の前の脅威を捕らえた気の緩み、それを華焔は逃さない。無数の狐火が、妖狐忍を包み、骨まで焦がしていく。
「あ、がっ……そん……な」
「集団相手は、私の最も得意とする所でね?」
 目の前の相手もまだ全て倒した訳ではない、だが、離れた戦いであろうと、隙を逃さぬ抜け目のなさだ。
「ほら、さっさと起きろ!」
「はっ……危なかった。狐も悪くないって思っちゃってた!」
 術者が斃れた事で、正気を取り戻すこがね。パンパンと頬を叩き、気合を入れ直す。
「確かに可愛いですよね、狐」
 深く頷くキーア。その手にはまたも杭が握られており。
「ほーら、こっちですよ?」
「っ……」
 今度は投げず、それを落とす。地に突き刺さるのを慌てて止めようと、駆け寄る妖狐忍。
「ふふ、ほら。こうやって寄ってくる所とか、可愛いです」
 その目の前で、杭は地面に突き刺さり。
 広がる神殿の中、キーアはにこやかに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

モリ・ダニー
オードブルも出さずにいきなりメインディッシュを勧めるのか
躾のなっていない狐だな。ダニー、お前もそう思うよな?
(∪`ω´)オン!
足りない献立は貴様たち自身で賄ってもらうぞ。

喧嘩祭りの続きだ、こちらは肉弾戦でこのまま続けさせてもらうぞ
爪と牙(2回攻撃)は解禁させてもらうがな。
なに、そちらも狐なんだから弱肉強食、命のやり取りは生まれたときから覚悟しているだろう?

魅了の術?なるほどそれなりの物(モフモフ)を持っているようだな
だが、ダニーの敵ではないな。こちとら全身是毛玉よ。
貴様たちとは量が違うのだ!
そして俺達のユーベルコードにより毛質もッャッャに進化する。
質においても勝負にならんのだ!


月杜・屠
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ……か。さしずめ此度は馬でなく狐ね」

ユーベルコード 「幻影傀儡の術」で、自身に触れて己の分身を作り出し、敵に攻撃を仕掛けさせるわ。分身に与える命令は「妖狐忍どもの撹乱」。飛んで跳ねて場を混乱に導ければ良し、ね。

「お命頂戴つかまつる……わ。覚悟は良くて?」

そして敵方の命を刈り取るはわたしの役目。場の混乱に乗じ、スキル「二回攻撃」を使用し、両手の鉤爪で確実に一体ずつ仕留めていくわ。



『躾のなっていない狐だな。ダニー、お前もそう思うだろ?』
『オン!』
 モリから力を得たダニー。人と比すれば小さなサモエド犬が、戦場を素早く駆ける。
『メインディッシュの前はオードブルが基本、足りない献立は貴様たち自身で賄ってもらうぞ』
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ、ね」
 さらに、屠が生み出した己の幻影。傷つく事を恐れず戦場を飛び回る美しき幻影が、妖狐達の陣形をズタズタにしていく。
「もっとも、今回は将も馬も、狐だけど」
「くっ……このっ……!」
 犬と忍びの影を前に、妖狐達は数の利を活かしきれない。混乱に陥った所を、1人と1匹は逃さない。
「さあ……覚悟は良くて?」
『そちらも狐なんだから、弱肉強食は覚悟しているだろう?』
 崩れた所に、屠の本体が飛び込み、ダニーと共に、1匹、また1匹と、妖狐忍達を斬り裂いていく。
「ならば……これならどうですか!」
 近接戦は通用しないと見た妖狐忍達は、術を編もうと印を組む。
「そんな隙を与えると……でも?」
「ああっ!」
 だが、屠は素早く間合いを詰め、術の隙を与えない。両手に構えた鉤爪は、名刀と妖刀、3本ずつの刀で拵えた特別製だ。小刀の防御など、それごと斬り裂く斬れ味は、妖狐忍達では防げようはずもない。
『魅了の術? そんなもの、ダニーの敵ではないな!』
 対してモリとダニーは、放たれた術を弾き飛ばす。
『貴様らもそれなりにモフモフのようだが、こちとら全身是毛玉、貴様達とは量が違うのだ!』
『オン! オン!』
 そもそもにして、ヒーローマスク(ゴーグル)と犬。術以前に、妖狐の色香が、果たして通じるものなのか。
『さらに、質でも勝負にならん!』
 悪を喰らい、ダニーの毛並みはさらに色艶を増す。無論、見た目だけではない、戦闘力も格段に上がり、より果敢に妖狐達を断ち喰らう。
「そろそろ数も減って来たし……仕留めましょうか」
 数少なくなって来た敵に対し、一気に駆け寄る屠。
「そ、そうはさせないっ……!」
 咄嗟に、狐火を放って迎え撃とうとする妖狐達。放たれた焔が、屠を包み、炎上させ……そして、その姿が消滅する。
「しまった、幻……!」
「気づくのが遅い……わ」
 真の屠は、前方に妖狐が一直線に並ぶ位置に立つ。そして、挟んで反対側には、ダニーの姿。
「お命頂戴つかまつる……わ」
『うむ、行くぞ、ダニー!』
『オーンッ!』
 妖狐忍を挟み、一気に駆け抜ける。旋風となってすれ違う、1人と1匹。
「あっ……!?」
 2人が通過した後、妖狐忍達は鮮血と共に崩れ落ちた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『傾国の白仙狐』

POW   :    その精、喰ろうてやろうぞ
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    出でよ我が僕、死ぬまで遊んでおやり
【自身に従属する妖狐】の霊を召喚する。これは【剣】や【電撃】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    妾の炎に焼かれて死ぬがよい
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は御狐・稲見之守です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ほほほ……子狐どもを倒すとは。此度の強者はなかなかにやるようじゃのう」
 妖狐忍達を全滅させ、屋敷に突入した猟兵たち。畳敷きの広い部屋の一番奥に、妖艶な妖狐が佇む。
 彼女こそ、白仙狐。千年を生きた魔性の妖狐。
「なるほど、そなたらが、猟兵、とか言う奴らかのう。ふむ。妾の部下でありながら勝手に死んだ子狐の罪は、そなたらを連れて来た事で許すとしよう」
 酷薄にして残忍。でありながら、どうしようもなく目を離せぬほどに美しい。
「さあ……妾を楽しませるが良い。絶望と苦痛の中で死に絶える、その顔でな……!」
モリ・ダニー
メインディッシュのお出ましのようだが、やれる事はオードブルの子狐とあまり変わらないようだな。これはちょっとがっかりだよなダニー?
(∪`ω´)オン!
とは言っても親玉なだけあって実力は本物みたいだな

「じっくりしっかり味わわせてもらうぞ」
悪食で喰らいつきそのまま相手を押さえ込み、行動を妨害する

「かまわん、俺ごとやれ」
味方が攻撃するときも喰らいついたまま離さず、敵の妨害をしたままジャスティス・ペインでの強化も狙う。

・戦場の亡霊発動時
「圧倒的な力で蹂躙するのが好きなんだって?」
「俺はな自分が「勝った」と思った奴を倒すのが好きなんだ」

アドリブ、連携大歓迎。


桑原・こがね
あたしが言えた義理じゃないけど、部下をやられて怒らないってのは気に食わないわ!その器、将器にあらず!年輪を重ねた悪行の老木、今ここでうち倒されると心得よ!

この霊はさっき倒した狐かしら?今更説得するつもりも無いけど、こんな主人にそこまで尽くすこと無いでしょうに。あたしが引導を渡してあげるわ。
そもそも剣と電撃であたしに張り合おうなんて身の程知らずね!銀雷の通り名の由来見せてあげる!
斬って、投げて、銀雷を撃って、拾って投げて、また撃って。
あんた達なんかに止められないんだから!


蔵方・ラック
【POW】
ふーむ、喧嘩祭りとはまた趣が違った感じの親玉でありますねぇ……
(祭りで闘った巨漢たちを思い出しながら)
ま、強いってんなら文句ないでありますよ!
自分は絶望も苦痛も見せてあげられないでありますが!存分に楽しもうであります!!

万が一、幻惑でぐらーっときたら【気合い】と【鼓舞】でなんとか!
ええい、自分がやりたいのは!血湧き肉躍るバトルでありますからして!!
そもそも、精、とか魅了、とか言われても!
自分、身体機械でありますからそういうのよくわっかんないであります!!

義手に仕込んだ熱線銃で【ヴァリアブル・ウェポン】を使用
攻撃回数重視で敵を追い込む

(アドリブ、連携歓迎)



「そぉら。妾の炎に焼かれて死ぬがよいぞ」
 白仙狐の身体から、無数の狐火が立ち昇る。
『メインディッシュの癖に、オードブルの子狐とあまり変わらないようだな』
 だが、いまさらそれに怖気づく猟兵達ではない。降り注ぐ炎を掻い潜り、ダニーは白仙狐に駆け寄る。
『これはちょっとがっかりだよな、ダニー?』
『オン!』
「ほう、違う趣向が望みか?」
 モリの言葉に、妖艶な笑みを浮かべる白仙狐。ダニーの牙がその肢体を捕らえる直前、横合いから半透明の剣が割って入る。
『む!』
「ほぉれ、我が僕どもと遊ばせてやろうぞ」
 咄嗟に飛び退いたダニーの前に立ちはだかったのは、先程、猟兵達が倒した妖狐忍達の霊だ。
「こんな主人に、そこまで尽くすこと無いでしょうに」
 死してなお白仙狐を守らんと立ちはだかる姿に、憤りを覚えるこがね。
「あたしが言えた義理じゃないけど……部下をやられて怒らないどころか、死んだ後もこき使うなんて!」
「何か、問題でもあるかの? こやつらは妾に尽くすために生き、死してなお妾に尽くすが役目よ」
 悪びれず、妖艶に笑みを零す白仙狐。その傲慢に対する怒りが、銀雷として形をなす。
「その器、将器にあらず! せめて、この子達にはあたしが引導を渡してあげるわ!」
 叫びと共に地を蹴り、駆ける。瞬くこと雷光の如し、その速さは、妖狐霊達では捕らえられない。戦場に、斬撃と電撃の小さな雷雲が轟く。
「おお、さすがであります!」
 その速さに感嘆の声を漏らしつつ、前進するラック。こがねに妖狐忍が駆逐されていく隙をつき、白仙狐へ迫る。
「では、自分も、この肉体を生かすであります!」
「ほう……なかなか美味そうな身体よのう」
 迫り来るラックを見つめ、舌舐めずりする白仙狐。艶かしく指を蠢かせ、手をのばしてくる。
「その精、ちと、妾に喰らわせよ」
「む……!」
 触れられた部分から、蕩けるような感覚。思考が霞み、縛られ、至福の心地が……。
「む、む、む……ええーい!!」
「ぬぅっ!?」
 だが、その術をはねのけ、義手に仕込んだ熱線銃を放つ。身を焼かれ、慌てて飛び離れる白仙狐。
「ええい、貴様、絡繰の類か!」
「はい、ですから、精、とか魅了、とか言われても!」
 身体のほとんどが機械に置換された彼にとって、吸精や魅了など恐れる事ではない。あるいは、その突き抜けた明るさも影響しているかもしれないが。
『残念だったな!』
「何っ……くぅっ!?」
 ラックに気を取られ過ぎた白仙狐に、今度はダニーが飛び掛かり、喰らいつく。
『代わりにこっちが、じっくりしっかり味わわせてもらうぞ!』
「え、ええい、離さぬ、かっ……!」
 正義の牙が、がっちりと喰らいついて離れない。白仙狐の悪を喰らう事で、その毛並みの艶も増していく。
「この妾を喰らおう、とはっ……」
「こちらも忘れないで欲しいであります!」
 ラックもまた、さらに熱線銃を連射していく。狐火で相殺しようとするも、噛まれ続けたままで、無数の連射を前にしては相殺しきれない。
「ええい、子狐どもは何をしておるかっ」
「散々こき使っておいて、いまさら助けを求めるなんて、都合が良いわね!」
 白仙狐を守る筈の妖狐忍の霊は、こがねが駆逐していく。斬って、投げて、拾って、投げて。斬撃と投擲に、雷撃を交えれば、妖狐霊達では太刀打ちできない。
「そもそも剣と電撃であたしに張り合おうなんて、身の程知らずなのよ!」
 妖狐霊の放つ雷を一刀の元に斬り捨て、返す刀で霊体を斬り裂き。その大立ち回りを前に、妖狐霊達は白仙狐を守るどころではない。
『残念だったな、悪の望み通りとは行かないようだ!』
「自分たちでは、絶望も苦痛も見せてあげられないであります!」
 ダニーは容赦なく牙を立て続け、そこにラックが熱線を繰り出して。血を流し、身体を焼かれ、白仙狐の美貌が苦痛に歪む。
「さあ、存分に戦いを楽しもうであります!」
「ええい、妾はそのように楽しむ気はない!」
 なんとかダニーを振り払い、後ろに下がる白仙狐。
『おっと……親玉だけあってなかなか粘るな!』
「言うておれ……!」
 怒りと共に猟兵達を見やり、狐火を束ねる白仙狐。人一人を包み込むほどの、巨大な業火を生み出していく。
「貴様らなど、すぐに灰燼と化してくれるわ……!」
 だが、その炎を前にしても、今更猟兵達に恐れはない。短刀を突き付け、こがねは堂々と宣言する。
「灰となるのはあなたの方。年輪を重ねた悪行の老木、今ここでうち倒されると心得よ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月杜・屠
「強者を求めるが故の此の所業。愉悦の為か強さへの過信か。其の傲慢さが己が身を滅ぼす事になるわ」

芸達者な感じを受けるから、ここは相手に何もさせない速攻の一手。

一気に間合いを詰めて、近接戦闘に持ち込むわね。

基本戦術はスキル「二回攻撃」による両手の鉤爪を用いた連撃よ。上下左右の方向から斬撃を放つわ。

隙あらば背後に回り込んで、死角からの致命の一撃を狙うわね。

「その身に宿した魔。我が刃にて全て刈り取ってあげる。……千斬万紅」

押し切る最後の一手はユーベルコード 「千斬万紅」による必殺の連斬。
跡形なくなるまで斬り刻むわ。


黒金・華焔
【アドリブ、連携描写歓迎】
まさか私がこちら側に回る事になるとはな
まぁいいさ
お前の自信がへし折られる様を見て、精々楽しませてもらうとするぜ

またまた狐火使いみたいだが、同じ技で戦うのは前の戦いでやったんでな
今回は私の式神で相手をしてやるよ
まずは『黒式術・氷刃双極』を詠唱、式神を召喚(高速詠唱)
白刃を前衛、氷雨を後衛に配置、連携して攻撃させる(二回攻撃、属性攻撃)
私は後方から敵の動きの癖や技の弱点を観察(戦闘知識、情報収集、見切り)
得た情報を元に適宜式神どもに指示を出してく

今回は高みの見物といかせてもらうぜ
精々踊ってみせる事だな


秋津洲・瑞穂
なんでこう、悪事を働く妖孤って馬鹿ばっかなの……。
利口なら悪事になんか手を染めないって言われりゃその通りだけど。

ともあれ。

「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」

更生の余地もなさげだし、斬るよ。
【鎧無視攻撃10・2回攻撃10】を乗せた剣刃一閃でね。
細かい手下を召喚するなら【なぎ払い10】で一網打尽にしよう。
【残像10・オーラ防御10】もあるから、易々とはやられない。

魅了の術はめんどくさいけど、こっちも【誘惑10】持ちなのよね。
素人でもなし、そんな手妻で私の【勇気7】を挫き得ると思うな。

「千年生きてその程度って、どれだけ怠け者なの」
「真面目に修行すれば良かったのに」



「焼き尽くしてくれるわ……がっ!」
 束ねた業火を放たんと、両手を前に突き出した白仙狐……その腕が、斬り裂かれ、制御を外れた狐火が霧散する。
「強者を求めるが故の此の所業……それにしては隙だらけ、ね」
 駆け抜けた屠は、鉤爪の血を払い、白仙狐に向き直る。
「愉悦の為か強さへの過信か。其の傲慢さが己が身を滅ぼす事になるわ」
「生意気に……小娘如きが、妾に説教のつもりか!」
 怒りを露わに、再び狐火を集めていく白仙狐。
「なぁに、お前の自信がへし折られる様を見て楽しもうってだけさ」
 その姿を嘲るように言って、華焔は自作の術書を紐解く。
「戦の時間だ、起きろ。式神氷雨、式神白刃」
 呼び起こされた二柱の式。そのうち白刃を、白仙狐に斬り掛からせる。
「このっ……妾が、折られる、などっ!」
「凍りつく方が良いか?」
 氷雨も氷術を放ち、白刃を援護する。二柱の式神の連携が、確実に白仙狐を追い詰める。
「く、このような……このような筈が……!」
 屈辱に顔を歪める白仙狐だが、術力は高くとも決して動きが早いとか、格闘技に優れたとか言う事はない。屠の素早さにも、式神達の連携にも、全く対応出来ていない。
「千年生きただなんだと偉そうに。所詮、こいつら式神にすら、劣るって事だよ」
 前衛が術者を守り、術者が前衛を援護する。白刃と氷雨の連携は、極めて模範的な物だ。逆に言えば、術者……白仙狐一人では、大きな術を振るう暇すら儘ならない。
「部下を使い捨てた時点で、勝負は決まってた、って事だ」
 氷雨にとっての白刃。妖狐忍や、彼女たちの霊あってこその力、それがなければ脅威ではないと、黒焔は嘲りと共に指摘する。
「お、のれ……子狐どもなどおらずともぉぉぉ!」
 その指摘を、誇り高い……あるいは驕り高ぶった白仙狐は認められない。
「なんでこう、悪事を働く妖孤って馬鹿ばっかなの……?」
 そんな有様に、瑞穂はため息を一つ。
「利口なら悪事になんか手を染めないって言われりゃその通りだけど」
「妾を……馬鹿、と、言ったかぁっ!」
 冷静さを失い、すっかり血走った目で瑞穂を睨みつける白仙狐。痛みを無理やり押さえつけ、強引に術を編むと、狐火を解き放つ。
「やれやれ……」
 そんな、強引な狐火など、恐れるに足りない。小さくため息を漏らし、瑞穂は真っ直ぐに刀を構えた。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
 銘は神獣刀、細身のそれを、二度閃かせ、全ての狐火を斬り捨てる。爆風が肌を軽く熱し、風圧でマフラーが靡く……その程度のものだ。
「13年しか生きてないわたしでもこのくらい出来るのに。千年生きてその程度って、どれだけ怠け者なの」
「はっ、言われてら」
 その言葉に、思わず、と言った様子で笑みを零す黒焔。
「どうせロクに生きては来なかったんだろうよ」
「おのれ……おのれ、おのれ、おのれぇ!」
 どれだけ傷ついても追い詰められても、それを認められはしない。もはや痛みすら感じぬ様子で、何度めか、狐火を生み出し、束ねていく。
「貴様らなぞ……まとめて灰にしてしまえば、どうという、事はぁぁ!」
「そうね、その力だけは脅威、だけれど」
 血走った目で、猟兵達を睨みつける白仙狐。だが、すでに冷静ならざる狐の背後から、屠は抱きつくように、腕を正面に回す。
「使わせるとでも?」
「あ、がっ……!」
 豊かな胸元を、ざっくりと。格子模様を描くように、両手の爪を交差させて斬り裂き、血を飛沫かせてやる。
 痛みには耐えられても、胸部への衝撃で呼吸を封じれば、白仙狐に術を練るすべなどない。
「さあ、そろそろ終わりにしてやろうか」
「同感。長引かせたって意味無いしね」
 溢れる血が氷雨の術で凍りつく。さらに動きの鈍った大妖の身体を、白刃と瑞穂が左右から貫いた。
「その身に宿した魔。我が刃にて全て刈り取ってあげる」
 そして、串刺しで動けぬ白仙狐を、屠が斬り裂き、刻み、血を散らし。
「――千斬万紅」
「……が、ぁ……!」
 まさしく、千の欠片と、万の塵となるまで斬り裂いて。
 千年を生きた悪しき仙狐は、断末魔すら許されず、消滅したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月22日


挿絵イラスト