アースクライシス2019③〜ネクロマンサー、NYに立つ
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「集合お疲れ様。今回はヒーローズアースでの作戦だよ」
グリモア猟兵のユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)は集まった猟兵達へ笑顔を向けつつ説明を開始していく。
「皆にはニューヨークに出現したオブリビオンを討伐して、スカムキングの侵略作戦を阻止して欲しいんだ」
スカムキングは凄まじい暴虐センスの持ち主で、彼が発案した『全米を恐怖に陥れる暴虐な作戦』を実行すべく配下のオブリビオンを出撃させているとの事。
もし暴虐指令が遂行してしまったのなら、人々の正義を信じる心が弱ってしまい大変な事になってしまうのだという。
「今回スカムキングが出撃されたオブリビオンは『呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオン』。ネクロマンサーの少女と配下のゾンビ兵士軍団だね」
そう言いつつユェンは画像資料を提示する。
ゾンビの方はネウィの指示で動いているだけなので、討伐するのはネウィだけで大丈夫だそうだ。
「そして暴虐指令の内容は『ゾンビ兵士の材料になりそうな人間を殺せ』……との事なんだけど、わざわざ女性や子供、お年寄りを逃したりもしないだろうね。恐らく放っておけばニューヨークの人達を手当り次第に殺していくと思う……」
スカムキングの作戦抜きにしても、この暴虐指令は阻止すべきだろう。
幸いな事に今すぐ現場に行けば、ニューヨークの人々を守る事は可能だ。
「皆にはニューヨークの人達を守りながら戦って欲しいんだ。この世界の人達はある程度こういう事件には慣れてはいるだろうけど……それでも皆が守ってくれればより安全に逃げられるだろうからね。協力お願いするよ」
一通り話を終えて、ユェンは改めて作戦内容を纏めていく。
「皆にはニューヨークへ転移してもらって、ネウィとゾンビ兵士から人々を守ってもらうよ。それと平行しつつネウィの討伐もお願いするね」
言葉の終わりと共にユェンは皆へと頭を下げる。
「ニューヨークの人々だけじゃなくて、この世界の皆を守るためにも皆の力を貸して欲しいよ。それじゃあ今回もよろしくお願いするね」
ささかまかまだ
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このシナリオは「戦争シナリオ」のため、1フラグメントで完結します。
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こんにちは、ささかまかまだです。
クライシスウォー2019です。頑張っていきましょう。
ニューヨークに出現したオブリビオンの作戦を阻止し、討伐していきましょう。
敵の作戦を阻止するようなプレイングにはボーナスが入りますので、積極的に狙ってみて下さい。
今回のシナリオでは『逃げ惑う人々を守ったり、逃げるサポートをしつつ戦う』を条件とさせて頂きます。
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今回は戦争シナリオですので、青丸の数がオーバーキル気味になりそうな時等はプレイングを却下させていただく場合がございます。ご了承下さい。
(先着順ではなく、プレイングボーナスのつけやすそうなものや書きやすそうなものを優先させて頂きます)
また戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『呪法骸操士ネウィとデッドボディバタリオン』
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POW : ネクロマンサーズ・カウンターアタック
全身を【呪詛の瘴気】で覆い、自身が敵から受けた【ゾンビ軍団の損害】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : デッド・ストリーム・アタック
【巨人型ゾンビ兵の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のゾンビ兵達】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ : サクリファイス・エスケープ
【雑兵ゾンビを捨て駒にして】対象の攻撃を予想し、回避する。
イラスト:つばき
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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転移を終えた猟兵達の目に入ったのは慌ただしい光景だ。
善良な市民は逃げ惑い、ゾンビの兵士達が手当たり次第に暴れまわる。
その中央ではネクロマンサーの少女が指示を出しているようだ。
今から介入すれば、死者を出さずにこのオブリビオンを討伐できる。
逃げ惑う人々もある程度サポートをすれば後は自力で逃れられるだろう。
悪しき作戦を防ぐためにも、猟兵達は武器を手に取る。
十文字・武
<アド連携詠唱略ok>
一般人の避難協力と同時に敵を討つか。
なかなか困難な任務だが、一丁やってみるかね。
親玉は他猟兵に任せて、避難を優先するぜ。
ゾンビどもは一般人を優先して狙うだろうから、ここは……。
UC【悪喰魔狼と笛吹き男】起動。
襲いに来たゾンビどもが近づいたところを、一般人が身につけた無機物、装飾を狼の顎に変換。喰らい付かせろ。
そら、吃驚してねぇでさっさと逃げな。
ルネ・プロスト
ルネは死霊術師だけど無用な殺生はNGだよ
だから、加減なんてしないからね
人形達はUCで増やした分含めて死霊憑依&自律行動
森の友達は一般人の場所を捜索
2+104体のルークは盾受けで一般人をかばう、同数のビショップは一般人に付いて退避完了するまでオーラ防御で護衛させる
2+104体のナイトは子供や老人等の逃げ遅れそうな人優先に抱えて戦闘圏外まで走らせる
8+316体のポーンは敵の行動を遮るように包囲・前線構築
避難終わったない間は援護射撃で敵の行動妨害
一般人の退避が終わったら一斉発射&乱れ撃ちで敵を掃討
巨人型ゾンビ兵の突進は陣形を整え銃剣を構えさせて迎撃
自分から刺さりに来てくれるなんて楽で有難いよ、全く
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人々が逃げ惑うニューヨークに、次々と猟兵達も足を踏み入れていく。
「一般人の避難協力と同時に敵を討つか。なかなか困難な任務だが、一丁やってみるかね」
困難だけど、これは必要な仕事なのだからやってみよう。
そう気合を入れるのは十文字・武(カラバ侯爵領第一騎士【悪喰魔狼】・f23333)。
彼は自らの身体に宿る呪詛へと力を籠めて、迫る戦いへと意識を向けている。
その横では無数の人形を連れた少女が冷ややかな視線で戦場を眺めていた。
「ルネは死霊術師だけど無用な殺生はNGだよ。だから、加減なんてしないからね」
彼女はルネ・プロスト(人形王国・f21741)。
ネウィと同じように死霊を扱う術者ではあるが……だからこそ関係のない人達を巻き込む彼女を許せはしなかった。
ゾンビ軍団が一般人へと喰らいつくまではあと少し。
その直前に、まずは武が彼らの方へ。
「行くぞ……飢えたる餓鬼よ! 暴食たる闇森の獣よ!」
どんどんと場に呪詛が漂いだし、重い空気が場を流れる。
その気配は一般人へと集まると……彼らの持ち物やアクセサリーへと纏わりついた。
ゾンビが彼らに噛み付く寸前、その気配は大きく弾ける。
「終末の宴に応じ顕れよ! 【ジェイルファングビースト】ォッ!」
何かが噛み砕く音がそこら中に広まって、血の匂いが辺りへと充満しだす。
けどそれは一般人のものではない。ゾンビ達のものだ。
「わぁ!? なんだこれ!?」
しかし一般人達も呆気に取られていた。
何故なら彼らの身に付ける無機物が狼の顎へと姿を変えて、次々にゾンビに喰らいついていたからだ。
武はすかさず彼らを助け起こして笑顔を向ける。
「大丈夫、こいつらが噛むのはあのゾンビだけだ。そら、吃驚してねぇでさっさと逃げな」
一般人の方は事情を飲み込みきれてはいないが、自分が武に助けられたという事は分かる様子。
促されるままに逃げていく一般人の背を、武は静かに見守っていく。
しかしゾンビも逃げ惑う人々もまだまだ多い。
「……悪喰魔狼、まだまだいけるよな」
武は自身に宿る魔獣へと声をかけ、互いの戦意を確認し合う。
ゾンビが一般人を狙うなら、逆にこちらが利用させてもらうだけ。
それならば『悪喰魔狼と笛吹き男』の力で一般人に噛み砕く側になってもらえばいいのだ。
力を使えばそれだけ魂が侵食されていく恐れはある。けれどここで誰かを見捨てる方がよっぽど嫌だ。
「よし、まだまだ行くぜ」
こうして武は再び人々の方へと駆けていく。悪魔の力で彼らの事を救うべく。
一方でルネも自らの仲間と共に一般人の救助へと向かっていた。
「――本気、だすよ。ルーク、ビショップ、ナイトは皆を助けて。ポーンは敵の包囲をお願い」
今回は最初から全力だ。
ルネの指揮にある駒盤遊戯と動物人形達は一斉に飛び出して、それぞれが自らの役割を果たしていく。
まずはポーン達がゾンビを押し留め、次々に陣形を構築していく。
その隙に残りの人形達が一般人を助けに走った。
隠れ潜んでいたり、怪我をして動けなくなっている人達の捜索は動物人形達が。
ルークとビショップ達は一般人の盾となり、ゾンビの攻撃から彼らを守る。
そしてナイトが人々を抱えて一斉に走っていけば、彼らは安全に逃走する事が出来ていた。
周囲の安全が確保出来たのならば、今度はこちらが攻勢に出る番だ。
「これで流れ弾の心配もいらないね。あとは……ポーン、お願いするよ」
ルネが大きく手を振るうと、前線を維持していたポーン達が一斉に銃剣を構えた。
そして放たれるのは……凄まじい勢いの一斉射撃だ!
ポーンの弾丸は次々にゾンビ達を撃ち抜いて、彼らの動きを止めていく。
けれど巨人型のゾンビは銃弾だけでは倒せないようだ。
巨人は他のゾンビを盾にして、一気にルネ達へと迫りくる。
けれどその攻撃は読めていた。対応するのは簡単だ。
「ポーン、もう一度陣形を整えるんだ。そして一斉に……構え!」
ルネの号令に従って、ポーン達は銃剣を再び構える。
そして巨人ゾンビの突撃に合わせて迎撃すれば……巨人ゾンビは次々に切り刻まれて、物言わぬ屍へと戻っていく。
「自分から刺さりに来てくれるなんて楽で有難いよ、全く」
口調とは裏腹にルネは決して油断していなかった。
まだまだ避難は終わらない。事件を解決するまで、彼女の全力は続くのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
空葉・千種
アドリブ絡み歓迎
多分、凄く痛い。
大きな体の分、多くのダメージを受けるかもしれない。
それでも……私はヒーローだから。
敵と市民の間に割り込み、
叔母さんに(無理矢理)取り付けられた巨大化装置で巨大化して敵の攻撃からニューヨークの人達をかばうよ!
市民を守るためなら捨て身も厭わない。
絶対誰も死なせないんだから……!
攻撃面は積極的に建造物を巻き込みながら電柱で攻撃!
建物を崩して、逃げた人を追いかけられないように道を塞いじゃう。
……街を破壊すると、きっと後で市民の人達が戻ってきたときに悲しい思いをさせると思う。
でも、私の身体と同じ。命を守るためなら私達のダメージぐらい!
ユースティ・アストライアー
◇アドリブ、絡みOK
◇一人称「私」、二人称以上「名前+さん」
スーパーウィッシュガール参上です!
アテネソードやアテネランスで近距離攻撃
アームドフォートで遠距離攻撃
アイギスシールドやマントを使い敵の攻撃を防御
そして敵とは故郷を踏みにじられた思い、湧き上がる正義の意思によって強化されたスーパー・ジャスティスの戦闘力と【怪力】で戦う
人々の避難にそのあたりに転がっているバスやトラックなどの荷台に乗せ【怪力】を用いて持ち上げスーパージャスティスの飛行で安全な場所に退避させる
またビルが壊れて人々に破片が降り注ぎそうなら【怪力】で抑え、地上では避難する人々を【怪力】で瓦礫や車などを盾にしながら避難させる
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前線へ向かいつつ、空葉・千種(新聞購読10社達成の改造人間・f16500)は自身の内に潜む恐怖へと向き合っていた。
今回の戦いでは、きっととても痛い目に遭うと思う。
身体を大きくして戦う以上、多くダメージを受けてしまう事も避けられない。
けれど千種は逃げなかった。それでも……私はヒーローだから。
きっかけは不可抗力だったけれど、この力で皆を守りたい。
そんな決意を胸に秘め、千種はゾンビ軍団の前に立つ。
「皆を酷い目には遭わせません……悪い人には、電柱ぶつけちゃいますからねー!!」
うなじのスイッチを起動して、千種の身体はどんどん大きくなっていく。
ニューヨークの街に降り立ったのは巨大な少女だ。彼女はゾンビ兵と一般人を隔てるように立ち塞がった。
早速ゾンビ兵が千種へと殺到し、彼女の足を傷付けんと攻撃を加えている様子。
まだダメージは大した事はないが……痛いものはやはり痛い。
(でも……逃げたりしない。絶対誰も死なせないんだから……!)
千種は手近な電柱をへし折ると、棍棒のようにそれを構えた。
「どんどん行きますよ!!」
叫びとともに電柱を振るえば、ゾンビ達は一気に吹き飛ばされていく!
周囲の建物が無人なのも確認すれば、千種はそれも巻き込むように次々に電柱を振るっていく。
崩れた建物はどんどん積み上がっていき、更にゾンビと一般人達を隔てる壁へとなっていった。
本当はこの行動も心が痛む。
あとでニューヨークの人達が戻ってきた時に、瓦礫だらけになった街を見たらきっと悲しんでしまうだろう。
でもこれも自分と同じだ。皆の命を守るためなら、自分達が傷つく事くらい。
「だからこそ……ここから先は通しません!」
少々恥ずかしいこの巨大な姿も、今は皆を守る壁となる。
その事には叔母さんにも感謝すべきなのだろうか?
少しだけ疑問を浮かべつつも、千種はひたすらに電柱を振るい続ける。
一方で崩れた瓦礫を利用しつつ一般人の避難を助ける者もいた。
「スーパーウィッシュガールが来たからもう安心です! さあ、こっちに逃げて!」
その猟兵、ユースティ・アストライアー(スーパーウィッシュガール・f16665)は瓦礫を持ち上げつつ、一般人へと笑顔で声をかけている。
彼女が行っているのは避難経路の確保とゾンビ軍団の撃破だ。
愛する故郷を蹂躙され、人々が傷付けられている。
そしてオブリビオンがこれ以上悪事を働くのは許さない。
そんな風に湧き上がる正義の心を『スーパー・ジャスティス』の力へと変えて、ユースティは懸命に人々を助けていた。
走ることが難しい者は大きな乗り物へと連れていき、それを自分が持ち運ぶ事で安全に避難させて。
瓦礫はただ退かすだけでなく、ゾンビ軍団の行く手を阻むように積み上げていき。
ユースティは忙しなく動き回りながら人々を助け続けている。
その最中、彼女が纏うオーラが衰える事はない。
彼女は身体を黄金色に輝かせ、辺り一面を飛び回りつつ戦い続ける。
ゾンビ達が追いつきそうならば積極的に立ち向かう事も忘れはしない。
「あなた達の好きにはさせません! 私が相手です!」
黄金の剣『アテネソード』で近場の敵を倒しつつ、遠くの敵はしっかりアームドフォートで射抜いていくユースティ。
更に盾やマントでの防御も万全。
ただ使役されるだけのゾンビに、スーパーヒロインの彼女が遅れをとる事は決してなかった。
ゾンビ軍団は次々に撃破され、人々はユースティへ感謝を述べつつ逃げていく。
いつも通りのヒーロー活動だが、今日はいつもと事情が違う。
この世界の全てがかかっているのだ。その事を認識し、ユースティの意思の力はどんどん強まっていく。
少しずつ避難も進んでいる。
それならここからは仲間と連携を取るタイミングだろうか。
ユースティは上空で戦う千種へと叫ぶ。
「千種さん、地上は私に任せて下さい! だから思い切り攻撃を!」
「わ、分かったよ! それじゃあ……全力で!」
千種が動けばどうしても瓦礫が出てしまう。けれどそれをユースティが活用できれば問題ない。
二人の少女は次々に動き回り、ゾンビをどんどん蹴散らしていく。
彼女達の心はきっとニューヨークの人々に届いている。誰も彼女達を責めたりせず、心の底から感謝しているはずだ。
二人がそれを知るのは、きっと全ての戦いが終わった時だろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アゼリア・リーンフィールド
弱きものを狙うとは許せません!残らず守ってみせます!
戦場へ到着したらすぐさまにUCを発動。敵さんと市民を分断するように迷路を展開します。
着いて真っ先に発動させれば間に合うはずです。
敵さんを迷路の中へ!その間に市民を逃がしましょう。
そしてわたしも迷路の中へ、そこで敵さんを片付けていきます。
捨て駒さんへの攻撃を見て避けてくる、ということなら同時に攻撃してしまえば良いですね。
迷路の直線部を通っている時を狙います。
わたしは迷路の構造が分かるので、上手いこと背後へ回って、目視したら高速詠唱。
杖の先端に貫通の属性を付与、枝を伸ばすように、杖をながーい槍のように伸ばしてゾンビさんごと串刺しです!
ロロ・ゼロロ
ノブレス・オブリージュ……王子を名乗る者として、民草を死の運命より護るのは余の義務である、ぞー。
発動せよ硝子の迷宮、生ける屍共を不帰の牢獄に閉じ込めよ(【ガラスのラビリンス】)
敵を迷宮に取り込んでしまえば、その間に紐育の皆さんが逃げる時間を稼げるし安心安全だ、ねー。
まあ、この力を発動している間は、余自身の力で死人どもの相手をしなければならぬのだがー。やむなし。
さあ出口を知りたければ余と相対せよ死人使い。
余の革命剣にてそなたの野望を革命してくれよう、ぞー。
むう、ゾンビ共を手当たり次第に放って、出口を見出そうというか。使役せし者を使い捨てるとは。
だが、かような方法では、余の高貴な迷宮は破れぬ、ぞー
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ニューヨーク全体のゾンビ軍団は減りつつあったが、ネウィが直接指揮する者共はまだまだ健在だ。
彼らの虐殺が始まるまであと少し。彼女達の近くにいる一般人も諦めてその場で泣き崩れてしまっている。
けれどここにも救いの手は届いていた。
「導き給え、棘はその血を啜るであろう」
突如、一般人とゾンビ軍団の間に壁が出来たのだ。
その壁は一般人側から見れば美しい薔薇の生け垣だが、その内部では鋭い棘がゾンビ達をちくちくと苦しめている。
「弱きものを狙うとは許せません! 残らず守ってみせます!」
生け垣の内側に少女の声が響いた。
声の主はアゼリア・リーンフィールド(空に爆ぜた星の花弁・f19275)。
彼女はこの迷路の創造主であり、一般人を救うべく駆けつけた猟兵の一人だ。
アゼリアはゾンビ軍団を迎撃すべく、蕾のついた杖を片手に迷宮の中を走り回っていた。
「オブリビオンはわたしが引きつけます! その間に皆さんは避難して下さい!」
迷路の外に声をかける事も忘れずに。外の景色は見えずとも、人の動く気配は感じ取る事が出来た。
「……何なの、この迷路」
一方でネウィの方も迷路を攻略中だ。
彼女は配下のゾンビに自分を守らせつつひたすらに出口を目指している様子。
確かに進み続けていれば出口には辿り着けるだろう。けれどこの迷路にはきちんと主がいるのだ。
アゼリアはネウィよりも先に迷路を進み、ネウィ達の後ろへと回り込んでいる。
そしてゾンビ達が長い直線を走り出した瞬間……。
「フラワリング・スタッフ、力を貸して!」
待ち伏せしていたアゼリアが、杖へと一気に魔力を籠める。
その力に呼応するように、柄の花はどんどんと咲いていき、先端は鋭い槍のように伸びていく。
ネウィも咄嗟にゾンビ達を盾にするが、纏めて貫けるのならば関係ない。
「これ以上、酷い事はさせません!」
アゼリアの叫びと共に伸びた杖は、ネウィの左腕を刺し貫く!
纏めて貫かれたゾンビ達も物言わぬ死体へと戻っていき、次々に地面へと倒れ込んでいく。
しかしここが『迷宮』である以上、どうしてもゴールは存在してしまう。
ネウィはゾンビ達を次々に捨て駒にして、どうにか雫滴る薔薇の迷宮を脱出してしまいそうだ。
けれどアゼリアは焦らない。何故なら……。
「ロロさん、後はお願いします!」
「ありがとうー、アゼリアさん。ここから先は余に任せよー」
薔薇の迷宮の先には、硝子の迷宮が広がっていたからだ。
こちらの迷宮の主はロロ・ゼロロ(ゆるチュウニ王子・f23416)。
彼もまた一般人を逃すべく、迷路のユーベルコードの準備をしていたのだ。
「ノブレス・オブリージュ……王子を名乗る者として、民草を死の運命より護るのは余の義務である、ぞー」
革命剣を片手にびしっと決めて、ロロもネウィの軍団の方向を目指して走り出す。
このガラスの迷宮は不帰の牢獄。決してゾンビ達を逃しはしない。
その分ロロが直接敵を倒しに行かなくてはいけないのが難点だが……それもまたやむなしだ。
「さあ出口を知りたければ余と相対せよ死人使い。余の革命剣にてそなたの野望を革命してくれよう、ぞー」
のんびりとした口調のロロだが、その表情は真剣だ。
一気に迷宮を逆走してネウィと相対すれば、あとはどれだけ相手の事を削れるか。
「……鬱陶しいわ」
ネウィの方はロロに対して興味を示さず、捨て駒のゾンビをけしかけて対応しようとしている様子。
更には数体のゾンビ兵士を迷路の奥へと進ませてマッピングまで進めているようだ。
「むう、ゾンビ共を手当たり次第に放って、出口を見出そうというか」
ロロからすればネウィの使役術は気に入らない。
大事な配下を使い捨てるなど、人を率いる者としてはとても良くない行いだ。
その事も含めて反省してもらわねば。
「かような方法では、余の高貴な迷宮は破れぬ、ぞー。さあ、余が相手だー」
ロロは直線を一気に駆けてネウィとの距離を縮めていく。
相手がゾンビ軍団で身を固めても、それは所詮意思を保たない存在だ。
光輝く剣を一薙ぎすれば、けしかけられたゾンビ達は次々に切り伏せられる。
どれだけ敵を切り捨てても、革命剣の切れ味は衰えない。
その輝きはロロの道を切り拓き、一気にネウィへも辿り着く。
「行くぞ、死人使い」
短い言葉と共に振るわれた一閃が、ネウィの左腕に更に深い傷を刻みつけた!
相手はそろそろゴールへと辿り着いてしまうが、確実にダメージを与える事は出来ている。
その間に周囲の人々も避難を終える事が出来たようだ。
「ありがとうございます、ロロさん。迷路作戦は成功ですね」
「うむー。死人使いも頑張って倒さないと、ねー」
アゼリアとロロは迷路の出口で互いを労い、逃げるネウィを追う準備を進めていく。
人々を守るため、悪しきオブリビオンとの戦いは続く。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
青葉・まどか
『ゾンビ兵士の材料になりそうな人間を殺せ』
全く笑えない話だよ。
こんな下らない命令の為に殺される人を出すわけにはいかない。
早期殲滅。一般人に手を出す暇なんて与えないよ。
フック付きワイヤーを駆使してワイヤーアクションでのヒット&ウェイが基本戦術
敵の攻撃は【視力】で【見切り】で【カウンター】
ゾンビ相手にダガーは余り有効じゃないから、装備するダガーを【武器改造】で【破魔・属性攻撃】を付与。
『神速軽妙』発動。
【早業・範囲攻撃・2回攻撃】で目に付く敵を攻撃。
悪いけど、命令されるだけのお前たちに負けるわけにはいかないんだ!
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「『ゾンビ兵士の材料になりそうな人間を殺せ』。全く笑えない話だよ」
そう呆れた風に呟くのは青葉・まどか(玄鳥・f06729)だ。
片手にワイヤー、片手にダガーを握りしめ、まどかは一気に前線へと駆ける。
下らない命令の為に殺される人を出すわけにはいかない。ならば相手を早期殲滅していくだけだ。
しかしゾンビ相手にダガーはどれだけ有効だろうか。
「今回は……こうかな?」
周囲の瓦礫にワイヤーを引っ掛けつつ進むまどかだが、手にしたダガーにも一工夫を忘れない。
刃に破魔の魔術を掛けたのならば、あとはそれでゾンビ共を切り刻むだけだ。
ちょうど進行方向には一般人へと襲いかかろうとするゾンビの集団も見えている。
彼らには手出しはさせない。そんな暇すら与えない。
「速く、軽やかに」
敵の集団へと突っ込む直前、『神速軽妙』を発動すればまどかの身体は風と化す。
今の彼女は神速モード。その速さは誰にも負けず、そのダガー捌きは芸術的な程だ。
彼女の鎌鼬の如き斬撃は次々にゾンビ達の首を刎ね、死した身体を浄化していく。
勿論ゾンビ達もただ殺されるだけではない。何とかまどかを捉えようと懸命に動き回っているようだ。
けれど、遅い。
今度は自身を軽妙モードへと変えて、まどかは更に加速する。
ゾンビ達がどう動こうと、どう連携しようと。鳥の如く飛び回る少女を捕らえる事など出来はしない。
「いい調子……だけど、あれはちょっと困るかな?」
しかしゾンビ兵達も徐々に学習しているようだ。
巨人型のゾンビ兵がまどかの事を待ち構え、一気に突進しようとしているのが見える。
このままだと正面衝突は必至。けれどまどかは加速し続けた。
何故ならあんな相手に負ける道理はないのだから。
「悪いけど、命令されるだけのお前たちに負けるわけにはいかないんだ!」
相手と衝突するより速く、破魔の刃が一気に振るわれ……細切れにされたゾンビ達は物言わぬ存在へと戻る。
そんな光景を尻目に、まどかは更に軽やかに飛んでいく。
この街にはまだ助けを待つ人がいて、倒すべき敵がいるのだ。
それが終わるまで、制服姿のツバメはひたすらに飛び続ける。
大成功
🔵🔵🔵
セゲル・スヴェアボルグ
壁役なら俺の専売特許だな。
適度に避難を促しつつ、危ないやつは体を割り込ませて庇うのみ。
可能なら盾で凌げばいい。
多少のダメージなど気にする必要もなかろう。
痛みには慣れてるからな。
さて、ゾンビ軍団の猟にかかわらず、瘴気による強化というのは厄介だな。
まぁ、邪魔ならば引き剥がしてしまえば良いだけだ。
俺のUCはそのためにあるようなもんだからな。
しかし、掴んだ瘴気の扱いには若干困るな……食えんよな流石に。
適当な場所に放っておくか。
無論、一般人に被害を与えたり、敵の強化をさせないような場所にだが。
戦闘中も常に一般人に注意を払う。
攻撃は最大の防御ではあるが、安全確保が最優先だ。
隙を見て槍で攻撃するとしよう。
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「壁役なら俺の専売特許だな」
ゾンビから逃げ惑う市民の前へと立ち、静かに前を見つめるのはセゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)。
彼は大盾『スィタデル』をがっしりと前に構え、迫りくるゾンビ軍団を次々に薙ぎ払っていた。
後ろでは一般人達が腰を抜かしてしまっている。
余裕があればそちらの様子も窺いつつ、彼らへと声をかけるのも忘れない。
「俺達の事は気にするな。早く安全な方へと逃げるんだ」
セゲルの姿や声色にはとても迫力があったが、その存在感が一般人にとっては頼もしい。
避難を促された人達は次々に避難を進めているようだ。
それに安心しつつ、セゲルも次々にゾンビ達を屠っていく。
盾を片手に応龍槍『ギュールグルド』も振り回せば、ゾンビ達は次々に吹き飛ばされていった。
けれどここで問題が一つ生じてしまう。
ゾンビを倒せるのはいいが、そこから生じた瘴気はネウィ本体を強化してしまうようだ。
しかしそれに対しても対策はある。
「邪魔ならば引き剥がしてしまえば良いだけだ……握れば拳開けば掌」
セゲルは発生した瘴気を見極めてそちらの方へと手を伸ばす。
すると彼の大きな手は、本来ならば掴む事が出来ないはずの瘴気をがっしりと掴み取ったのだ。
「全ては我が手中にあり。……しかし、こいつはどうしようか」
これがただの精神エネルギーならセゲル自身が吸収しても問題はないだろう。
しかし……ゾンビから生じた瘴気だ。流石に食べて処理するのは難しい。
仕方がないので既に人が去っていった瓦礫の隙間に瘴気を埋め込み、セゲルは再びゾンビ達と相対する。
できるだけ避難の進んでいない方向を見極めて、そちらの方を出来るだけ目指して。
合間合間にゾンビ達がセゲルの身体を傷付けていくが、それを彼は全く厭わなかった。
痛みには慣れている。それよりも罪のない人達が傷付けられる事の方が見過ごせない。
「お前さん達の好きにさせる訳にはいかないからな。ここから先は一歩も通さん」
こうして青い竜人はニューヨークの街に立ち、罪なき人々を守る盾と矛であり続けた。
大成功
🔵🔵🔵
フェルト・ユメノアール
死者を操って罪のない人たちの命を奪う……
そんな酷い事を許すわけにはいかない!
まずは市民の人たちの避難を支援
市民に危害を加えようとするゾンビ兵の前に立ち塞がり『トリックスターを投擲』して攻撃
背後に庇うように戦闘を行う
もちろん、みんなを守るのが目的なんだけど
でも、それだけじゃないよ
UC発動!
稀代の奇術師よ!その技巧にて想いを集め、闇を打ち払う光に変えよ!
カモン!【SPソウルジャグラー】!
そして、ソウルジャグラーの効果発動!
敵ユニットを撃破した時、その魂を吸収して戦闘力がアップする!
ソウルエナジーチャージ!
魂で作られた光弾をジャグリングのように操り敵に投擲
戦闘力をドンドン上昇させて一気にネウィを倒す
枯井戸・マックス
ここから先は通さないぜ?
久しぶりに体を張るか。……明日は筋肉痛だな。
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ジャスティス・ペイン発動
逃げる市民を守るために奔走し、天秤宮ジャスティスギャザードで【武器受け・かばう】して回る
防御がてら杖による重力属性の【属性&鎧無視攻撃】をゾンビに叩き込み、その体重を超重量化させて殺さず動きを封じよう
これなら実質ゾンビ軍団の損害ゼロだろう?
敵の軍団を完全に無力化or市民の避難を確認したら、武器を交換
天蠍宮ポイズンウィップを手に【フェイント・残像・麻痺攻撃】で攻勢に回る者のサポートに入る
「なめているわけじゃないが、お嬢ちゃん相手にインファイトは質じゃないんだ。悪いがネチネチと行かせてもらうぜ」
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「暴虐指令だろうと罪のない人たちを傷つける人には容赦はしないよ!!」
まずは、避難している人々を"黒焔竜剣 壱式"の【武器受け】で【かばう】ことで時間稼ぎをして、避難完了したことを確認してから急いでネクロマンサーのところへ走っていくよ
軍団の損害によって戦闘力が増大するなら、接近中は雑兵はできるだけ無視するに限るね
というわけで、敵の攻撃をできるだけ【気合い】で避けながら突破するよ
接敵したら、ホムラをネクロマンサーの方へ【槍投げ】で牽制してから"弐式"へ形態変化してから『煉獄黒焔斬』の【なぎ払い】で攻撃するよ
※形態変化時は、一度黒い焔になってその形態へ移行する
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残るゾンビ軍団もあと少し。
人々を守るべく、猟兵達はニューヨークを駆ける。
「死者を操って罪のない人たちの命を奪う……そんな酷い事を許すわけにはいかない!」
フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は使命感を燃やしつつひた走る。
彼女の前には人々を襲わんとするゾンビ軍団。
彼らへと肉薄する直前に、フェルトは懐からド派手なダガーを取り出した。
「させないよ!」
そしてそのままダガー『トリックスター』を投擲すれば、ゾンビ軍団は次々に切り裂かれて倒れ伏す。
その勢いでフェルトは人々の前に立ち、残りのゾンビ達を真っ直ぐに見つめた。
「みんなの事はボクが守るよ。安心してね!」
フェルトの明るい声色は一般人を勇気づけ、彼らが無事に逃げ出せるための力となっていた。
死したゾンビから湧き出る瘴気も無駄にはしない。
「行くよ……稀代の奇術師よ!その技巧にて想いを集め、闇を打ち払う光に変えよ!」
フェルトは懐から一枚のカードを取り出すと、それを天高く掲げた。
「カモン! 【SPソウルジャグラー】!」
彼女の声に応えるように、カードから召喚されたのは魔法のユニット。
その効果は『ソウルエナジーチャージ』。
カードは次々にゾンビの瘴気を吸収し、フェルトの力へと変換していく。
彼女が纏うオーラは虹色の光となって、更にゾンビ達を撃破していった。
けれど本命はまだだ。より力を溜めるべく、フェルトはもっと戦い続ける。
「おっと、ここから先は通さないぜ?」
一方別の地点では、枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)も人々を守りつつの戦闘を行っていた。
『ジャスティス・ペイン』を発動しながらの戦闘だが、ここで彼が選んだ行動は「敵を直接倒さない事」だ。
ゾンビ軍団は脆い。攻撃すれば簡単に撃破する事が出来るだろう。
けれどそれだとネウィの強化にも繋がってしまう。それを防ぎつつユーベルコードを発動するにはこの条件が適切だった。
マックスは天秤型の杖『天秤宮ジャスティスギャザード』を振りかざし、次々にゾンビ達を無力化していく。
杖の効果で生み出した重力場はゾンビ達を押さえつけ、殺さずに動きを封じる事が出来ていた。
更にこの頑丈な杖ならば敵の攻撃を防ぐのにも適している。
「ここは俺達に任せな。みんなはちゃんと逃げるんだぜ」
逃げ惑う一般人への声掛けも忘れない。
戦闘時でも落ち着いたマックスの態度は、人々にも落ち着きを与えていた。
マックスは次々に戦場を駆けて、ゾンビ達の対処にあたる。
しかし……ユーベルコードで身体能力が上がっているとはいえ、今回の仕事はどうにも骨が折れそうだ。
「久しぶりに体を張ってるが……明日は筋肉痛だな」
苦笑いを浮かべつつも攻撃の手は休めない。
ゾンビ達も着実に減りつつある。そろそろ本命へと向かう時だろうか。
「暴虐指令だろうと、罪のない人たちを傷つける人には容赦はしないよ!!」
龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)も人々を守りながらの戦闘を行っていた。
愛刀『黒焔竜剣』を盾のように扱って、皆が逃げるまでの時間を稼ぐ作戦だ。
敵を半端に撃破してしまったのなら、その瘴気はネウィの力になってしまう。
それを防ぐべく、紅音は避難完了までは防戦する事を選んでいた。
「私達は大丈夫、みんなは街の奥まで逃げて!」
人々へ避難の指示を出しつつ、紅音はひたすらゾンビ達を押し止める。
それに合わせて一般人はちゃんと避難をしていくようだ。
安全が確保されたのならば、次に目指すべきはネウィの方だろう。
「それじゃあ……行こう、ホムラ!」
相棒のドラゴン・ホムラへと声をかけ、紅音はニューヨークの街を駆け出した。
その最中も出来るだけ敵は倒さないように。
敵の攻撃は気合で避けて、とにかく紅音は突き進んだ。
多少の損傷は仕方がない。幸いゾンビ達の攻撃もたいしたことはなく、彼女が足を止める必要もなかった。
そろそろネウィの姿も見えてきた。ならばここは一気に攻め込む時だ。
「ホムラ、力を貸して!」
紅音の合図に呼応するように、ホムラは焔槍形態へと姿を変える。
その槍を握りしめたのならば……紅音は一気にそれをネウィへと投げつけた!
「……何?」
残るゾンビ軍団へと指示を出していたネウィへと、突然輝く槍が投擲された。
周りのゾンビにそれを受け止めさせたが、どうにもおかしい。投擲した相手が見当たらないのだ。
それこそが紅音の狙い。次の瞬間には、ネウィの体を黒い炎が包んでいた。
「ホムラ、ありがとう。私も行くよ……!」
その炎の正体は紅音の『黒焔竜剣』だ。炎は偃月刀へと姿を変えて、紅音の手元で鈍く輝く。
「この呪われた焔の斬撃を受けられるかな!」
黒焔竜剣の薙ぎ払いと共に、黒い炎が更に周囲を燃やし始めた。
これはゾンビを盾にしても逃れられない。禍々しく焼き尽くす漆黒の炎は悪しきネクロマンサーを焼き尽くさんと迫る。
なんとか逃げ出そうとしたネウィだったが、そうする事も敵わない。
気がつけば彼女の足には毒針付きの鞭が巻き付いていたからだ。
「逃がす訳にはいかないんでな。大人しくしてくれよ、お嬢ちゃん」
その鞭『天蠍宮ポイズンウィップ』の持ち主はマックスだ。
彼は紅音の攻撃に合わせるようにネウィへと接近し、鞭による支援を行っていた。
「なめているわけじゃないが、お嬢ちゃん相手にインファイトは質じゃないんだ。悪いがネチネチと行かせてもらうぜ」
「こんなもの……!」
瘴気を吸収してパワーアップを図ろうとしたネウィだったが、それも叶わない。
猟兵達ができるだけ瘴気を発生させないように戦っていた事を彼女は知らないのだ。
焦るネウィの元へ、更に虹色のエネルギーが降り注ぐ!
「さあ、キミの事はやっつけさせてもらうよ!」
フェルトもネウィの側まで接近し、彼女を倒そうと攻撃を仕掛け始めていた。
ゾンビのエネルギーを利用して生み出された光弾をジャグリングの要領で操りつつ、フェルトは仲間達へと笑顔を向ける。
「これでフィナーレ、だね。一緒に行こう!」
「ありがとう、私達も合わせるよ!」
「決めるのはお嬢ちゃん達だ。サポートは任せてくれよ」
三人はタイミングを合わせ、それぞれのユーベルコードを高めていく。
マックスの鞭がしっかりとネウィを押さえつけ、紅音の黒き炎が周囲を焦がし、フェルトの光弾が敵を穿つ。
逃げることすら叶わないネウィはその力に呑まれて見事に消え去った!
合わせるようにゾンビ達も次々に倒れ伏していく。
こうして猟兵達は無事にオブリビオンを討伐し、暴虐指令を阻止する事が出来た。
ニューヨークの街は傷ついたが、人々が生きているならばいつだって復興する事が出来るだろう。
人々も猟兵達へと感謝を示し、ゆっくりと元の場所へと帰っていった。
大成功
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