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カエルそちらに寝ガエルか

#UDCアース #【Q】 #UDC-P #マイ宿敵 #エージェント・アマガエル

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#UDCアース
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#【Q】
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#UDC-P
#マイ宿敵
#エージェント・アマガエル


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●UDCアースのとある場所
「玲音、2人で組織を抜けないか?」
 とある雑貨屋の裏、降太郎は作業の手を止め、思い切って恋人に自分の胸の内を打ち明けた。
「この世界の未来を奪うなんて間違っている。俺はそれに気付いたんだ」
「降太郎さん……」
 熱く語る降太郎を玲音は潤んだ瞳で見つめる。
「でも、この事をボスが知ったら」
「許しちゃくれないだろうな。だから、しばらくは遠くへ逃げよう。隠れる場所も用意してある。温かくて、雨もたくさん降る土地なんだ」
「降太郎さん、本気なのね」
「ああ」
 力強く頷く降太郎に玲音はふっと微笑む。
「そう……」
 そして彼女はスッと手を挙げる。

「なら、この茶番もここまでね」

「玲音?」
 彼女の態度を訝しんだのも束の間、
「降太郎、俺たちゃ信じていたんだぜ? なのに組織を抜けたいなんてショックだな」
「ボス!? 何でここに」
 恰幅のよい、よく知る男の登場に動揺する降太郎に更に追い討ちがかかる。
「まだ泳がされていたことに気付いていないのかよ。おめでたい野郎だ」
 影から次々と組織の面々が現れる。流石に降太郎も気付いたようだ。
「まさか玲音……」
「今更気付いたの? かわいそうな男ね」
 それでもどこか信じたかった降太郎をよそに玲音はボスの側に歩み寄りそのまましなだれかかる。
「見事な泳ぎっぷりだったぜ降太郎。お前が組織……いや、オブリビオンのやり方に反感を持っているんじゃあないかって意見があってな。それを確かめるのに俺のオンナを近づけてみれば、こんな面白いもんを見せてくれちまってよお。楽しいやら、部下に裏切られて悲しいやら……」
 悲しい様子など微塵もない様子でくっくっくと笑うボス。
「裏切り者はどうなるか分かっているだろうな?」
「くそおおおおおおお!!」
 全てを知った降太郎は、やぶれかぶれになって武器を構えようとするが、
「骸の海に戻って出直してきな」
 すでに銃を構えていた、組織の者達の弾丸の雨あられに、降太郎はなす術もなく散っていった。

●グリモアベース
「……というやりとりが、行われているのが予知で見えたのですわ」
 そう話すのは中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の副人格、シルヴァーナだ。
「どうやら、その隆太郎さんというのが、UDC-P……人類に友好的な、『破壊の意志』を持たないオブリビオンみたいなのですわ」
 現在、猟兵を支援するUDC組織はUDC-Pの保護を行っており、世界をオブリビオンから守る助けになる可能性を信じ、彼らの研究を行っている。
「その為、隆太郎さんの保護をお願いしたいのですわ」
 このままだと裏切り者として隆太郎は粛清されてしまうが、予知の時間まで余裕はあるらしいので、場所を特定し、そこへ向かえば間に合うという。
「予知によれば、エージェント・アマガエル達は雑貨屋を開いてまして、商品の中に呪いのこもった品を混ぜて、町中にばらまこうとしているみたいですわ」
 つまり、その店の特定が出来れば、事件の起きる場所なども特定できるという。
「皆様は現場の特定、事件が起きる前にオブリビオンを倒し、隆太郎さんの保護をお願いいたしますわ。然る後、隆太郎さんの扱い方を皆さんで探ってもらいますわ」
 UDC-PはUDC組織に引き渡すに当たって何らかの難点を抱えている。彼がそしてでもうまくやっていけるよう、彼の扱い方を『マニュアル』にしてほしいとのこと。
「それにあたって、言い忘れていましたわね。隆太郎さんの正体は『エージェント・アマガエル』と呼ばれるアマガエル人間みたいな姿のUDCですわ。なので、彼のお仲間もみんなアマガエルですわ」
 つまりは先ほどの予知のやり取りはみんなカエル面でやっていたようだ。
「皆様なら、うまくやっていただけると思いますわ。それでは、頼みましたわよ」
 そういうとシルヴァーナは猟兵達を送り出すのであった。


麦門冬
 だいぶ寒くなってきましたね。どうも、マスターの麦門冬(むぎとふゆ)です。
 そんな訳で今回はUDC-Pである隆太郎の保護をお願いします。
 第1章では、隆太郎が組織の粛清を受ける場所を特定するため、現場のお店がどこだか探ってもらいます。イメージ的には候補として怪しいお店を何店舗か探ってもらい、当たりを見つける感じです。このお店は、エージェント・アマガエルを倒した後、UDC組織がきっちり処理してくれます。
 第2章では、粛清の場面に踏み込んでもらい、隆太郎以外のエージェント・アマガエルを倒してもらいます。粛清の場面には、この作戦を行っているエージェント全員が集まるようなので、敵を討ち漏らさないためにもこのタイミングがベストのようです。
 第3章では、隆太郎がうまくUDC組織でやっていくためのマニュアルを皆さんで作ってもらいます。カエルらしい部分などが、主に注意しなければいけない部分かと思われます。

 以下、補足事項です。

●エージェント・アマガエル
 カエルの顔をしたUDCです。現代への適応能力が高く、人間に化けて潜入したり武器を持って戦ったりと多彩な活動ができる。雨の日はテンションがすごく高い。
 なお、戦闘で使う『エージェントひみつ道具』は特に指定がなければ『対UDCに威力強化した特殊拳銃』ですが、プレイングに何か指定があれば、それらを採用するかもしれません。

●隆太郎
 破壊の意志がないUDC、『UDC-P』であるカエルの青年です。性格はまじめで実直。それゆえにボスの策略に引っ掛かったのかもしれません。

●玲音(レイン)
 彼女を見て、振り返らないカエルはないであろう美女のカエルであり、ボスの情婦です。強さは通常のエージェント・アマガエルと変わりはなく、特に彼女を狙うことで特別なボーナスやペナルティはありません。

●ボス
 恰幅のいいカエルです。ボスではありますが、特にボスを狙うことで特別なボーナスやペナルティはありません。ちなみに、ボスやレインを狙ったプレイングが複数あった場合、順番やプレイング内容によっては、その部分が採用されない場合もあります。また、誰もボスなどを狙わなかった場合も、成功度が規定に達成していれば、描写外で倒されたものとします。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『新しくできた怪しい店に侵入する』

POW   :    店内を歩いて気になる場所を探す

SPD   :    何か売っている物に怪しい物がないか探す

WIZ   :    店員や客と接触して話を聞く

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神代・凶津
今回の仕事はUDC-Pの保護ってわけか、相棒。
予知ではマフィア物映画のワンシーンみたいなのが見えたらしいしな。
・・・まあ、みんなカエル顔だが。
「・・・早く隆太郎という方を助けにいかないと。」
おうよ、相棒。調査開始だぜ。

先ずはカエル野郎共の雑貨屋を見つけないとな。
というわけで、頼んだぜ相棒。
「・・・式、召喚【捜し鼠】」
この式神で怪しい雑貨屋を捜しだすぜ。

式神で捜してる間、スマートフォンでこちらも情報収集するか。
えっと、カエル顔の店主がやっている雑貨屋で検索してみるか?
・・・ってそんなあからさまに怪しい情報は流石に見つからねえか。


【技能・式神使い、情報収集】
【アドリブ歓迎】



●カエルの雑貨屋を見つケロ!
「今回の仕事はUDC-Pの保護ってわけか、相棒」
 UDCアースの街中を歩くは巫女のような姿をした女性。だが、その声は男性のものだ。
「予知ではマフィア物映画のワンシーンみたいなのが見えたらしいしな。……まあ、みんなカエル顔だが」
 よく見てみれば、喋っているのは彼女が頭に付けている赤い鬼の面だ。その正体はヒーローマスクの神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)。
「……早く隆太郎という方を助けにいかないと」
 今度は女性の声。こちらは凶津をつけている女性本人、神代・桜が発しているようだ。
「おうよ、相棒。調査開始だぜ」
 そんな訳で二人で一人の事件調査が始まるのだった。

「先ずはカエル野郎共の雑貨屋を見つけないとな。
というわけで、頼んだぜ相棒」
「……式、召喚【捜し鼠】」
 桜が印を結び詠唱を行うと、鼠型の式神が多数召喚され、街中へと散ってゆく。
「さて、式神で捜してる間、スマートフォンでこちらも情報収集するか」
 凶津がそう言うと、桜の指がスマホを上を滑ってゆく。
「えっと、カエル顔の店主がやっている雑貨屋で検索してみるか? ……ってそんなあからさまに怪しい情報は流石に見つからねえか」
「……エージェント・アマガエル。……現代への適応能力が高く、人間に化けることもできるみたい」
 情報を探しながらも、桜はグリモア猟兵から受けた補足情報を改めて口にする。
「化ける精度によっちゃ見分けも難しいか?」
「……でも、こんなの見つけた」
「ん、何々? 『店員がカエルの被り物していたことがあったけど、出来がリアルすぎてすごくシュール』 これ、被り物じゃなくて本当の顔だったとすれば、もしやすると」
「……探し鼠も呪物の反応を見つけたみたい。……外で見つけたから、買い物客? ……例の雑貨屋も近い」
「どうやら目星はついてきたみてぇだな」
 既に一般人に渡ってしまった呪いのこもった品はUDC組織に連絡すれば何とかしてくれるだろう。核心に迫るべく、凶津達は他の猟兵達と連絡を取り、更に捜査を進めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月守・咲凛
まじめにズレてる子です。
目立たないよう武装ユニットを身に付けず、探偵スタイルの服装で探索します。
のろわれた物を捜せばいいのかな?
対象、呪われた物。レーダーアクティベートなのです。
先ずは人手に渡ってしまった物を潰していきましょう。
レーダーで発見した物を確認しに行って、危なそうな物は子供のイタズラ的に(本人はまじめにやっているつもりです)対処して行きます。
正攻法(?)ではどうにもならなそうな物があったら、相手から見えない位置まで移動してこっそり?腕部武装ユニットを装着して、ガトリングで狙撃。きけんぶつを破壊してみっしょんこんぷりーとなのです。武装を髪のソラノナミダに収納して颯爽と立ち去ります。



●探し物は何ですか?
「のろわれた物を捜せばいいのかな?」
 伝統的な探偵スタイルに身を包み、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)はこそこと物陰に隠れ、町を行きかう人々の様子を見つめる。
「対象、呪われた物。レーダーアクティベートなのです」
 こっそりと目の前に時計型レーダーユニット【フルサギリ】を操作し、透過ディスプレイを出し、【ロングレンジレーダーアクティベート】で周囲の呪われた品の反応がないか捜査してゆく。
「うーん、びじゃくな反応がいっぱい? きけんぶつではない?」
 人に害を及ぼすには呪いの反応としては弱そうだ。だが、何か危険な効果があるかもしれない。何とか回収もしくは調べられないかと、咲凛は手近にいる呪物の持ち主、目の前を歩いている女子高生に話しかける。
「そこのおねーさん、ちょっとじじょーちょーしゅに付き合ってきたっだけませんか?」
「え、あたし?」
 咲凛に呼び止められ、振り向く女子高生。すかさず走り寄る咲凛。
「きょーあくはんを捕まえるためにしょーこを集めているのです。ところで、そのキーホルダーはどこで手に入れたのでしょうか?」
「探偵ごっこかな? あ、これ? 近くの雑貨屋さんで買ったんだけど……」
 そう言って反応のあった呪物……何かのキャラクターらしいキーホルダーを見せてもらう。
「ふむふむ、これは大事なしょーこになります。譲っていただけないでしょうか?」
「うーん、これはあげられないかなー? 持ってるとダイエット効果があるっていうし……あ、別にお姉さんは太っていないの。友達が買ったのを分けてくれるっていうから持ってるだけでね。別に痩せたくて持ってるわけじゃないのよ?」
 咲凛の提案に、誰に対してか分からない言い訳をしつつ渋る女子高生。
「ならば、しょーこしゃしんを撮らせてもらってもいいですか?」
 そう言って腕時計をキーホルダーに近づけさせる。
「あ、それ、カメラになってるんだ。そのくらいだったらいいよ」

「かいせきけっかが出ましたか」
 先程【フルサギリ】で探知、検索した呪物のキーホルダーの情報をUDC組織へ送り、解析結果が返ってきたのだ。
「きけんぶつではない?」
 呪物の能力としては『持ち主が摂取した生命エネルギーを吸収して蓄積する』物であり、効果自体もあまり強くないとのこと。端的に言ってしまえば、食事などで摂取したカロリーの一部を魔力として蓄積できるもの。女子高生が言っていたダイエット効果も期待できなくはないが、気のせいの範疇に収まりそうなレベルだという。
 UDC組織が読みだした意図としては、力が微弱で発見されにくい呪物を町中にばらまき魔力を蓄積させ、邪神を呼び出し儀式を行う際に蓄積した魔力を吸い上げて使うためではないかとのことだった。計画自体は長期間を要してしまうが、呪物一つ一つの反応が弱いため、グリモア猟兵の予知でたまたま計画が見つからなければ、気づかれないまま進行されていた可能性が高いとのことだ。
「ならば、むりにこわす必要もないですか?」
 回収や呪いの解除に関してはUDC組織の手だけで十分足りるとのことだ。回収、破壊方法が力技な咲凛にとってはありがたい話だ。
「なら、これでみっしょんこんぷりーとです」
 レーダーに反応のあった場所などのデータを送りつつ、咲凛が一仕事終えたつもりでいると、UDC組織からメッセージが届いているのに気づく。
『ところで、この呪物をばらまいている雑貨屋は見つかりましたか?』
「あ」
 ここで咲凛は自分の役目を思い出す。今回の猟兵の仕事はUDC-Pの保護であり、その為の現場となるであろう雑貨屋を探すことだ。雑貨屋がばら撒いている呪物を見つけるのも手段の一つになりうるが、それ自体が目的ではない。
「うっかりしてました」
 まじめではあるがどこかズレている少女は、自分の情報を役立てるべく雑貨屋を探している仲間達に送るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
アマガエルさんの保護、了解ですぅ。
それでは、頑張ってみましょう。

町の規模次第ですが、『一つの町内』で『雑貨店』となりますと、そう無茶な数では無いでしょう。
『スマフォ』等で検索し『町内の雑貨店』を調べて其々の場所へ【饒僕】で召喚した『僕』を派遣、私自身は残りの『僕』と共に近くの『商店街』等から順に調べますぅ。
『呪詛』を感知出来れば最良ですが、難しそうであれば『店内の湿気が強く暖かい』場所はチェックしておきましょう。
UDCとは言えアマガエルさんであれば『湿気』や『冬眠対策』は欲しいでしょうし。
途中『怪しい店』が有りましたら『僕』を見張りに置いて行きますねぇ。


鳶沢・成美
ふむ、【影烏】を飛ばして”情報収集”ですかね
色々噂話を探ってみましょう

まあ一応雑貨屋というのはわかっているわけだし
僕の”第六感”に引っかかったり”呪詛耐性”にピリっとくるモノを
持っている人が、そこらにいるかもしれません
いたらちょっとどこで手に入れたか聞いてみたいですね

話を聞いた後はUDC組織に任せましょう、
危険物持たせたままってわけにはいきませんから

アドリブ・絡み・可 ””内技能



●いきもの大捜査線
「アマガエルさんの保護、了解ですぅ。それでは、頑張ってみましょう」
「ふむ、色々噂話を探ってみましょう」
 仲間の猟兵達からの情報を受け、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)と鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)はそれぞれの方法で怪しい雑貨屋を探す。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、女神の僕達よ、私の元へ」
「これぞ式神って使い方ですよ」
 るこるは【豊乳女神の加護・饒僕】によって小動物のようなしもべを召喚し、成美は【影烏】で影のようなぼんやりとした存在感をしたカラスの式神を召喚する。
「先程、レーダーの反応が多数あった地点へ飛ばしてみましょうか」
「そのあたりに、雑貨屋さんがいくつか候補があるみたいですぅ」
 仲間の猟兵がレーダーで呪物を多数探知した地点へ式神を飛ばす成美に、スマホを操作して周辺にあるお店などを調べるるこる。だいぶ候補地店は絞れたようだ。
「あの子とか怪しいかな……ビンゴだ!」
 飛ばした先にいた人達の中で、たまたま目の前を歩いていた少女にあたりをつけ、式神を近づけてみると、成美の呪詛耐性に弾かれる『何か』を感じ取る。
「そこのキミ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
 すかさず成美は持ち前のコミュ力で反応のあった少女に話しかけ、反応のあった呪物……キャラクターもののキーホルダーをどこで買ったのか尋ねる。
「ありがとう」
 律儀に教えてくれた少女に礼を言うと成美はその場を後にし、るこると合流する。
「あのお店が怪しいらしいですね」
「しもべ達もあのお店が怪しいって言ってますねぇ」
 るこるの方も、成美程呪物に対する感受性はないものの、別のアプローチで探っていたのだ。
「あのお店、他のお店よりも温度と湿度が高めなんですねぇ」
 UDCとはいえ、相手はアマガエル。自分達の過ごしやすい環境に近づけるよう、温かく湿度の高い環境にしていると踏んだのだ。そしてその読みは当たったようである。
「今、しもべに見張りに行ってもらってますぅ」
「そうか。なら、僕は見張らなくてもいいですかね」
 るこるの言葉に、成美はあたりを見回す。
「一応、情報によれば直接的な害はないみたいですが、邪神復活に利用される危険物。持たせたままってわけにはいきませんから」
 そう言うと、式神に周囲を探らせ、呪物の反応がある人物の情報をUDC組織に入れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キング・ノーライフ
蛙は化けれたのか、初めて知ったぞ。
ただエージェントなら潜入とかはするかと一人納得。

とりあえず【賢王の目】で【ハッキング】して最近出来た怪しそうな店をピックアップ。そこから何店か客として巡り、商品の中に複数個【呪詛耐性】でレジストしたらそこは当りと判断するか。流石にそこまで多量の呪いの品ある蛙の居ない店は蛙より危険だしな、流石にないと思おう。

後は確認の為に【忍び足】を使って他の店員と離れた店員を監視カメラの死角や試着室に誘導して囁くように【王の誘惑】。それで堕として色々聞きだしていくか。すぐ正気に戻りそうなら【生命力吸収】で音を出さずに気絶させよう。万が一、完堕ちしたら…後で考えるか。



●王の来店
「蛙は化けれたのか、初めて知ったぞ。いや、エージェントなら潜入とかはするか」
 敵の情報に疑問を抱くも、即座に一人で納得しているのはキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)だ。
「そしてここが彼奴等の根城という訳か」
 そう言った彼の目の前にあるのは、とある雑貨屋。仲間たちの情報収集の結果、この店がエージェント・アマガエルが活動している可能性が高いというのだ。
「ふむ。出来て半年とまだ新しく、資本元も調べてみれば名前ばかりのダミー会社。これはほぼ確定か」
 超高度コンピューター内蔵のモノクル型眼鏡『賢王の目』によって集めた情報を確認し、店内へと入ってゆく。
「いらっしゃいませ~」
 店員のフレンドリーな挨拶に迎えられながらも周囲の商品を見て回るキング。仲間の情報にあった呪物と似た形状の商品を手に取ってみる。
(やはり……な)
 彼の呪詛耐性に弾かれる反応。その後も何品か試してみるが、いくつかは同じ反応が感じられる。
(もう、ここは当たりだろう。いや、流石にそこまで多量の呪いの品ある蛙の居ない店は蛙より危険だしな、流石にないと思おう)
 一瞬、恐ろしい考えに行き着くが、思考を切り替え、周囲を見回し、監視カメラの位置を確認する。そして、おもむろに女性店員へ声をかける。
「そこの者、尋ねたいことがあるのだが」
「どうされましたか~?」
 愛想よく近づいてきた店員が監視カメラの死角に入ったことを確認すると、グッと抱き寄せ甘く囁きかける。
「汝の事を、よく教えて欲しい」
「まぁ! いけないわ。貴方と私は違う世界に生きる者だから」
 キングのユーベルコード【王の誘惑】によって虜になってしまったらしく、店員はどこかとろんとした表情で熱い視線を送る。
「ほう、どう違うのか我に教えてくれないだろうか」
「それは……」
 だが、自身がUDCであるということは言えないらしく、態度が硬くなるなる。
「なれば、この店の事で訊きたいことがあるのだが」
「そういうことでしたら」
 より答えやすい内容になったからか、女性店員はキングの言葉に快く承諾する。表向きの雑貨屋としての範囲であるが、店の概要や、店内の構造、店舗の裏側がどのようになっているかなども喋ってくれた。
(ふむ、グリモア猟兵の予知の現場らしき場所も把握できた。ならばこれで十分か)
「そうか。いろいろと教えてもらい、大義であった。礼を言おう」
「あの……」
 必要な情報は手に入れた。ならば長居は無用とキングは離れようとするが、そこで女性店員に呼び掛けらる。
「もし、貴方が『こちら側』に来てくれるのであれば」
 この女性店員、顔だちも美しいのだが、声をかけるとともに、どこか妖艶さを帯びる。
「もっと色々と教えてあげてもいいのよ」
 オブリビオンはUDC-Pなどの例外を除けば世界を停止に追いやり破滅に導く存在。例え誘惑して堕とすことが出来たとしても、その相手をオブリビオン側へと何としてでも引きずり込もうとするだろう。
「……仕方あるまい」
 キングは女性店員の頬にスッと手を添える。店員の顔が華やぐ。
「これは来てるくれるということかし……」
「否。これは泡沫の夢である。忘れるといい」
 触れたところから女性店員の生命力を吸い上げるキング。一瞬のことに意識が飛ぶ店員。体をふらつかせるものの、何とか意識を取り戻し転倒を防ぐが、彼女の視界からキングの姿は消えている。
「いない? 今のは……夢? 白昼夢?」
 狐につままれたような顔をしている彼女をよそに、キングは颯爽と店を出ていき、仲間達のもとへ情報を持ち帰るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『エージェント・アマガエル』

POW   :    はねかえる
【強靭な肉体 】による素早い一撃を放つ。また、【あらかじめ跳ね回る】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    いろいろつかえる
いま戦っている対象に有効な【エージェントひみつ道具 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    死亡フロッグ
自身の【死亡フラグをつい立ててしまう言動 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そして再び訪れる夜
「まだ泳がされていたことに気付いていないのかよ。おめでたい野郎だ」
「まさか玲音……」
「今更気付いたの? かわいそうな男ね」
 今起きているのは予知と同じ光景。UDC-Pである隆太郎が仲間達に囲まれ、絶体絶命の状況であるということ。予知の場面で違うのは、何故か玲音はボスにしなだれかかったりせずに横に立っているくらいだが。
「見事な泳ぎっぷりだったぜ降太郎……」
 予知通りの展開であれば、UDCでも殺傷できるまでに威力を高められた銃弾を全身に浴び、隆太郎は殺されてしまう。
 だが、この場には猟兵達が駆け付けている。今なら隆太郎を助けることができ、この町で悪だくみを行っているエージェント・アマガエル達を一掃できるチャンスでもある。
「裏切り者はどうなるか分かっているだろうな?」
 猟兵達を今こそオブリビオン達に悪事の報いを分からせる時だ。
神代・凶津
裏切り者がどうなるかだって?
当然分かってるぜえ、俺達に助けられるって事をなあッ!
雷神霊装でいくぜ、相棒ッ!
「・・・転身ッ!」

引き上げたスピードでUDC-Pに近付くぜ。
よう、降太郎ってのはあんたかい?
「・・・貴方を助けにきました。」
相棒の言うとおりだぜ。
俺達が来たからにはもう安心しな。
降太郎に『結界霊符』を貼り付けて結界術を発動する。
これである程度は安全なはずだ。

敵共を破魔の雷撃を纏った妖刀でなぎ払いつつ、そのままボスの首を狙うぜ。
特殊拳銃を撃ってきたら引き上げた反応速度で見切り妖刀で受け流しながら近付いて叩き斬ってやるよッ!


【技能・結界術、破魔、なぎ払い、見切り、受け流し】
【アドリブ歓迎】


鳶沢・成美
間に合いましたか、騎兵隊の登場ですよって感じかな
相手はアマガエル人間……ならこれでどうでしょう?
【氷雪竜巻】を”全力魔法”で”範囲攻撃”として使用
さあ、冬眠の時間ですよ

寒さで動きが鈍ればこっちのものですね、
カエル相手なら十分”気絶攻撃”や”マヒ攻撃”として通用するでしょう

あまり同族を倒す場面とか見せたくないんですけど
できれば隆太郎さんは退避しといてもらいたいですね

アドリブ・絡み・可 ””内技能



●UDC-Pを助ケロ!
「裏切り者はどうなるか分かっているだろうな?」
 ボスの言葉と共に周囲の『エージェント・アマガエル達』が【いろいろつかえる】で銃を抜こうとする。
「く……」
 絶体絶命のピンチに慟哭を上げようとした隆太郎だったが、

「裏切り者がどうなるかだって? 当然分かってるぜえ、俺達に助けられるって事をなあッ!」

 突如降ってわいた声に周囲を見回すカエル達。声の出所を確認する前に氷の嵐が巻き起こり、カエル達を包み込む。
「グワーッ! 何だこれは!?」
「相手はアマガエル人間……ならこれは効きますよね? さあ、冬眠の時間ですよ」
 柔和な笑みを浮かべて現れたのは鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)だ。
「間に合いましたか、騎兵隊の登場ですよって感じかな」
 そう話しかける成美のそばからさらに人影が飛び出す。
「雷神霊装でいくぜ、相棒ッ!」
「……転身ッ!」
 先ほどの最初の声の主、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)と相棒の桜は【雷神霊装・二ノ型】で紫電を帯びた礼装の姿になると、寒さで動きの鈍ったアマガエル達を尻目に隆太郎のもとへ駆け寄る。
「よう、降太郎ってのはあんたかい?」
「ああ、俺だがアンタ達は?」
「……貴方を助けにきました」
「相棒の言うとおりだぜ。俺達が来たからにはもう安心しな」
 そう語りかけると凶津と桜は隆太郎に『結界霊符』を貼り付ける。
「これである程度は安全なはずだ。すぐ終わるから、ちっと下がってな」
「あまり同族を倒す場面とか見せたくないんですよね。隆太郎さんはこっちへ……。寒さで動きが鈍ればこっちのものですからね。あとはお任せします」
 成美は最初の氷雪の嵐……【氷雪竜巻】のユーベルコードに自身の全力を注ぎこんだため、隆太郎の避難誘導に専念する。
「おう、任せろ! 行くぜ行くぜ行くぜ!」
 凶津の威勢のいい掛け声とともに、敵へと斬りこんでゆく桜。
「くそ、我々を敵に回してタダで済むと思うなよ!」
 アマガエル達もあるものは銃を構え、あるものは【はねかえる】で跳躍して殴りかかるが、成美による全力の氷雪魔法の影響で動きに精彩を欠く。
「あくびが出るぜ!」
 氷雪で体を冷やされ、動きの鈍っているカエル達と、速度特化の礼装になった桜とのスピードの差は歴然。カエル達の拳や銃弾をかわし、【無銘の妖刀】で受け流し、なぎ払ってゆく。
「隆太郎、テメェ猟兵にタレこみやがったか!」
 ボスも銃を抜き、応戦しようとするが、他のカエル同様動きが鈍っており、桜に全く当たらない。
「……違う……私達が勝手に来ただけ」
「って訳だ。悪事はするもんじゃねえぜ大将」
「クソッ! こちとら用意周到に計画を立ててきたんだ。こんな所で俺の計画を潰させるわけにはいかねえんだよ!」
 桜と凶津の言葉に激昂しつつ銃を乱射するが当たらない。そして羊頭の間合いに入られ、銃をたたっ斬られる。
「ク……なら、玲音お前だけでも」
 最期に自分のそばにいた情婦へと声をかけるボスだが、横を見た時、玲音はすでにその姿はなかった。
「どうやら女に愛想尽かされたみたいだな」
「……悪党にはお似合い」
「テメェ……ッ!」
 その様を酷評されたボスは桜へと殴りかかろうとするが。
「だから、遅ぇんだよ」
 凶津の声と共に桜の妖刀が一閃。そこから一拍遅れてボスのお共とがぱっくり問われ、血飛沫が上がる。
「…………」
 ボスは何か言おうと口をパクパク動かしたのち、ドサリと倒れ、動かなくなる。
「これでいっちょ上がりだな! オラ!まだまだかかってきやがれ!」
「……うるさい」
 ボスを倒したのを確認すると、凶津と桜はまだ残っている敵を倒しに行くのだった。

「アンタ達は……」
「ええ、猟兵です。僕達はUDC-Pである貴方を助けに着ました」
 ひとまず戦場から離れ、成美は隆太郎に説明する。
「UDC-P……俺は、みんなとは違うのか」
「ええ、そういうことになりますね。どうやら貴方は他のアマガエルさんとは違うようです」
「あの中には俺と同じ存在はいないのか?」
「ええ、猟兵の感覚として断言しましょう」
「……そうか」
 ここにきて、隆太郎は自分は普通のUDCでないことを自覚する。
「じゃあ、俺が玲音に言っていたことは無駄だったんだな」
 そして世界を破壊する意思を持つ者と持たない者との隔たりに直面する。
「……」
 うなだれる隆太郎にどう声をかけたものかと思いつつも、成美は周囲の警戒に当たるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●死亡フラグは程々に
「ボスがやられた!」
 そんな誰かの声と共にエージェント・アマガエル達に戦慄が走る。ボスが倒されて士気が落ちたかに思われたが、
「なら、次期ボスは俺だぜ!」
「やりましたね兄貴!」
 一部はすごい盛り上がっていた。
「前から気に入らなかったんだボスの奴は。頭の良さを自慢していたけども、ただコスいだけじゃねえか。今回みたいなチマチマした作戦は反対だったんだ」
「ですよねー、兄貴の器に合わない作戦でしたねー」
 ここぞとばかりにボスの不平を漏らす兄貴ガエルとそれに乗っかる子分ガエル。
「じゃあ、兄貴、どうするんで?」
「この戦い、どうせ犠牲者は出るし作戦は失敗だ。だが、逃げるだけだと後がねえ」
「って、するとどうするんで?」
 兄貴の計画を子分が尋ねる。
「手ごろな弱そうな猟兵を見つけて、そいつを引っさらってからオサラバするのよ。相手は猟兵。弱そうな奴でも生贄にするならそこらの人間とは比べ物にはならねえ。それで強力な邪神様を呼んじまえば、豪快に一発逆転よ!」
「さっすが兄貴! ……弱いのを狙うっていうのもそれはそれでコスいけど」
「……何か言ったか?」
「いえ、何も! それより手頃な猟兵を探しましょうぜ!」
 そう言ってあたりを見回すと、まだ十代そこそこの幼さの残る、巫女服を着た猫耳の少女がいた。
「お、丁度いいくらいの猟兵がいるじゃねえか」
「こんなガキの猟兵なら俺でも捕まえられますぜ」
「オブリビオン!」
 カエル達に狙われた少女スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は『精霊印の突撃銃』を構える。
「そんな物騒なもんは引っ込めてろ。俺は安全に出世したいんだよ」
「まあ、あんな細身でぶっぱなせる銃じゃないですがねえ」
 カエル達は侮っているようでニヤニヤと近づく。
「組織はほとんど全滅しちまうかもしれねえが、とりあえず俺達はそこそこの猟兵を捕まえて離脱するぜ!」
「さすが兄貴! 一生ついてきます!」
 などと言ってスピレイルに掴みかかろうとするカエル達。その動きはユーベルコードによって素早くなっている。彼らのユーベルコード【死亡フロッグ】によって。
 つまり、彼らの今まで吐いていた台詞は死亡フラグなわけで。

「そこまでです」
 
 制止の言葉と共に天から降り注ぐ【ジャッジメント・クルセイド】の光。
「「ギャー!」」
 突然の攻撃をまともに喰らって悲鳴を上げるカエル達。
「大の大人二人が小さな子に掴みかかろうなんて恥ずかしくないのかしら?」
 おっとりとした声と共に現れたのはふんわりした雰囲気の妖狐の少女、スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)だ。そしてスピレイルに声をかける。
「お姉ちゃんに任せておいてね♪」
「お姉ちゃん……」
「何しやがるこのアマ!」
 ちょっと微笑ましい雰囲気になりかけたが、兄貴ガエルの怒声がぶち壊す。
「邪魔してくれた落とし前、つけてくれるんだろうな?」
「なによ、敵に邪魔もないでしょ! 邪魔って言うならオブリビオンの方が世界の邪魔ものでしょ!」
「てめっ……」
「兄貴兄貴!」
 スピレイルの反論に怒る兄貴ガエルだが、子分が制す。
「お前も邪魔する気か!?」
「違うんでさあ! あの女、ユーベルコードを放つ時、こっちを指差していたのを見たんですよ! あれ、狙いをつけるのに必要などうじゃないですか!?」
「なんだと!? でかした! なら、相手は遠距離攻撃型。手や銃口を見て対処すりゃあチョロい相手だ」
「おいしい相手が増えただけみたいですぜ兄貴」
 途端に下卑た顔になるカエル達。そして立てられる死亡フラグ。
「お姉ちゃんなら妹と一緒に生贄にしてやんよ!」
「ヒャッハー!」
 そう言って狙いがつけられないように跳ねまわろうとするカエル達だったが、
「あ、足が……」
「動かない……」
「土の精霊さん。お願い聞いてくれてありがとう」
 そう言ったスピレイルの視線の先……カエル達の足元には【土の精霊は断つ】で作られた小型ゴーレム達がおり、カエル達の足をつかんで離さなかった。
「手や銃口を見ていれば……どうだったのかしら?」
 そう言っておもむろに相手を指差すスピネル。
「わわ悪かった。俺たちはここから手を引く悪いことはもうしない。だから……」
「嘘よね」
「嘘ですね」
 カエルの咄嗟の命乞いに容赦なく銃弾と光撃を浴びせるスピレイルとスピネル。
「「ぎゃああああ!」」
 断末魔と共に骸の海へと還ってゆくカエル達。
「そもそも、悪いことをしないオブリビオン……UDP-Pの保護に来ているのに、その違いが分からない私達じゃないものね。ところで、怪我はなかった?」
 カエル達を見送った後、スピレイルに気遣うスピネル。
「ええ、おかげ様で。えと、お姉さん?」
「もうちょっとフレンドリーな感じでお姉ちゃん! でもいいのよ? あ、スピネルお姉ちゃんでもいいのよ?」
「スピネル……私はスピレイルです。何だか、名前がちょっと似てますね。あと、双子の姉はお姉様って呼んでいるので、そういう呼び方は慣れないというか…
…」
「スピネルちゃんも双子なのね。妹っぽい感じあるなあって思ってたのだけど、双子で妹ちゃんだったとは」
「スピネルお姉さんも双子の姉妹なんですか」
「うん、私も双子よ。姉妹かって言うと……うーん……」
「?」
 周りの戦闘も落ち着いたこともあり、しばらく双子談議に花を咲かせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

キング・ノーライフ
…蛙顔で分からんがそういう事だろう。多分
王の誘惑で従属する者、堕ちる前に逃げる者、海に還る事を望んだ者と色々居たが堕ちながら誘惑し返す者は初めて見たぞ。やはりこの世界は面白い、だが癪でもある。

折角だ、玲音を行くとしよう。
跳ね回るタイミングに合わせれば【見切り】も容易い。
タイミングを合わせ【王への供物】の初撃に【衝撃波】を起こし面攻撃、相手が勝手に飛び込む形にする。

後は美女に変えた玲音を抱きしめ、二撃目をしながら追い【誘惑】と【催眠術】で世界破壊の衝動を抑え込んでいく。誘惑返しも、敢えて押し引きして見た目イチャつきでボスに寝取られダメージを与えよう。

店より結果は出せんでも遺品は貰うか。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
アマガエルさんの社会も、色々と有るのですねぇ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FRS』『FSS』を展開しますぅ。
そして【秤濤】を使用し『乳白色の波動』を放射、『魅了』と『超重力波』による[2回攻撃]&[範囲攻撃]を行いますぅ。
『魅了』の効果で同士討ちを始めていただいても良いですし、此方を狙おうにも『超重力波』の環境下で『跳躍』は難しいでしょう。
『FSS』は降太郎さんの近くに配置しガード、彼を狙った個体へ[カウンター]で対処させつつ、此処から避難するよう要請しますねぇ。
後は、カエルさんらしく潰れていただくなり、押え込んでいるところを『FRS』の[砲撃]で仕留めましょうかぁ。



●抗エルことなき誘惑の果て
「アマガエルさんの社会も、色々と有るのですねぇ」
 浮遊盾『FSS』を避難していった隆太郎のもとへ飛ばすと、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は浮遊戦輪『FBS』を四肢に装着し、宙へと浮かぶ。
「宙へ浮かぼうが、我らの跳躍力の前には関係……」
「大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい」
 詠唱と共に乳白色のオーラを纏ったるこるの【豊乳女神の加護・秤濤】によって超重力空間が発生し、【はねかえる】で跳び上がってきたカエル達を地面へ叩き返し、押し潰す。
(あとは、魅了効果で同士討ちをしてもらって、その間に片付けましょう)
 そう思い、超重力下のカエル達の様子を見ているのだが、
「美しい……」
「何と神々しい……」
 起き上がったカエル達がるこるを崇め始める。魅了のかからなかったものがいれば、そいつらと同士討ちをしてもらおうと思ったが、思った以上に誘惑の力が成功してしまったか。
「では、これから皆さんには」
 こうなっては魅了された者同士で同士討ちをしてもらおうかと命令しようと思ったのだが、
「ぜひ、我らの神の巫女になっていただきたい」
「へ?」
 カエル達から変なお願いを懇願されてしまった。
「その神々しさ、溢れるカリスマ、まさに我らが神に仕える巫女に相応しい」
「きっと神も喜んで迎えられましょうぞ」
「待ってください! 私にはもう豊乳女神様がいますので~」
 変な方向に話が持っていかれそうになって、何とかお断りを淹れようとするるこる。
「なんと、すでに仕える神がおられたとは……」
「分かってくれましたかぁ~」
 向こうの要求を断れたと思ったるこるだったが、
「なれば、その女神様を我らが神の陣営の一柱といたしましょうぞ」
「さすれば、カタストロフが訪れた後も貴方様も、その女神様も永遠でいられましょうぞ!」
「あれ~? いえいえいえ~、そうではなくてですね」
 どうにも話がかみ合わない。相手はるこるの為を想って話し、行動しているのだが、根本の考え方に致命的なずれを感じられる。
「カエルさん達は同士討ちをして全滅していただければいいんですよぅ!」
「我々がいなくなってしまったら、カタストロフが訪れた時に誰が貴方様をお救い出来ましょうか?」
「まさかの忠誠ゆえの命令拒否ですかぁ!」
 言葉は通じるのに意志がまったく通じていない。このことに、人によってはおぞましさすら感じるだろう。
「こうなったら仕方ないですねえ」
 魅了の方向性が明後日の方面に向かってしまったので、自身のユーベルコードのもう一つの力、超重力の力を強くする。
「ぐえっ」
 るこるが敵対者とみなした相手……カエル達は地面に押し付けられて身動きが全く取れなくなる。
「申し訳ないのですが、そちらのお願いには応えられないんですねぇ」
 そう言って空中砲台『FRS』で狙いをつける。
「そんな! 我々は貴方様を……」
 カエル達は何か言おうとしたが、それ以上はるこるの一斉砲撃が許しはしなかった。

(……蛙顔で分からんがそういう事だったのだろう。多分)
 ボスの情婦、玲音の予知との微妙な差に気づき、そしてこちらを確認するや向かってきた玲音を見、キング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)は確信する。日中、店内へ潜入した際に誘惑した女性社員が玲音だったのだろう。
「あの時の! 夢ではなかったのね!」
 顔を綻ばせるカエル美女。どうやらキングの使った誘惑のユーベルコードの効果はまだ有効か。
「さあ、貴方もこちら側へいらっしゃい」
 そして、この呼び声。キングをオブリビオン側へと引き込もうとしているのも変わらない。そんな玲音の様子を見て、キングは笑う
「王の誘惑で従属する者、堕ちる前に逃げる者、海に還る事を望んだ者と色々居たが堕ちながら誘惑し返す者は初めて見たぞ。やはりこの世界は面白い」
 そして憮然とした声でこう続ける。
「だが癪でもある」
「あら、不満かしら? でもね、これも貴方の為なの。カタストロフが訪れた後もとわに生きられるようにする為には」
 キングの言葉に、玲音はさも当然のことのように語りかける。この邪悪な提案も、惚れてしまった相手、キングを想っての行動らしい。
「そもそもがカタストロフが前提というのが気に入らんな」
「何故かしら? いずれにせよ、我らが神は降臨され、偉大なる方々が世界を完全なる停止へと導いてくれる。そんな中で真の幸福を得られるのは私達オブリビオンだけなのよ」
 これは何を言っても無駄だろう。完全にこちら側とは違う思考、価値観で玲音は動いている。好意のもとで行っているのが、余計タチが悪い。
「ここまで言って従ってくれないというなら、仕方ないわ。力ずくでもあなたをこちら側に、オブリビオンにしてあげる」
「ふむ、そう来るか。ならば折角だ、我も迎え撃つとしよう」
 あたりを【はねかえる】ことで速度を上げ、キングを攻撃せんとする玲音。オブリビオンの強靭な肉体から放たれる攻撃は、下手すればカエル達の使っていた銃を上回る威力になるかもしれない。
「だが、タイミングに合わせれば見切るのも容易い」
 玲音のその動きに合わせ、キングは信力を込めた衝撃波を放つ。
「きゃっ!」
 衝撃波のあおりを受け、キングへと不用意に呼び込む形になった玲音。そして、優しく抱き留める。
「我への贄に相応しい姿になるがいい」
 そのキングの言葉とともに、玲音の姿はカエル人間から、店内で会話してきた時と同じ、人間の美女の姿へと変貌する。これぞ、キングのユーベルコード【王への供物】である。
「生憎、我はすでに不死なる永遠の王ゆえ、オブリビオンへとなるつもりなど毛頭ない」
 そう話し、玲音の顎に手を添え、瞳を見つめる。このまま魅了で堕ちてしまい、オブリビオンの破壊の意志も失ってしまえばよいのだが、
「貴方もすでに永遠の存在だったのね。ならば、命を奪わなくて済みそうね。それでも、こちら側に来てもらうためにもおとなしくなってもらうわ」
 そう言うと玲音は太ももに隠し持っていた銃を抜き、銃口をキングに押し付ける。何がどうしてでもオブリビオンサイドへとキングを引き込みたいらしい。
「仕方あるまい」
 彼女の動きに、キングをだそれを言うと、玲音が引き金を引く前に、彼女へ口づけを行う。
「……ッ!」
 いきなりの事に動揺する玲音をよそに、キングは彼女の生命エネルギーを吸い取る。その量は日中、玲音から離れるために意識を飛ば程度に吸った量などはるかに超えている。
「あ……ああ……」
 なすすべもなく玲音はその命を吸いつくされ、骸の海へと還ってゆき、カラン、と彼女の持っていた銃と、何かが地面へ落ちる。
「ふむ、こんなところか。ボスにこの様子を見せられなかったのはいささか残念ではあるが」
 見た目いちゃついているようにも見えたので、ボスに寝取られダメージを与えられたかとも思われたが、ボスはすでに他の猟兵に喉元を切り裂かれこと切れていた。
「オブリビオン……UDCにも厄介なものがいるものだな」
 誘惑をするも、根本的な思考や価値観の違いをまざまざと見せられることになってしまった。だからこそ、そうした部分から抜け出して人間達や猟兵と友好的な関係を築けるUDC-Pは貴重な存在なのだろう。
「さて、対象は無事であるか……む、これはペンダントか」
 玲音の落とした銃と共に残った遺品を拾いつつ、キングは隆太郎は無事避難できたのか確認しに向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月守・咲凛
アドリブ他諸々OK。
カエルの人を助けるのです。
んーと、カエルの人、ほかのカエルの人たちの中に居場所がないならUDC組織の人と一緒に働くと良いのですよ。オブリビオンをやるよりはまともなお仕事だし、報酬もちゃんとくれるのです。
後の交渉がやりやすいように、一応カエルさん本人に事前勧誘しておきましょう。
話しながらもアジサイユニットを周囲に展開して敵の攻撃を防ぎますけど、攻撃がいい加減しつこいので怒ってキャバリアを召喚、ガトリングサイズで敵をまとめてハチの巣にしてしまうのです。



●キミのカエル場所
 猟兵達によってエージェント・アマガエル達はほとんど倒され、戦闘の趨勢はほぼ決まったようだ。
「ここにいたか、隆太郎」
 だが、生き残ったアマガエル達が、戦闘に巻き込まれないよう避難していた隆太郎の前に現れる。
「てめぇのせいで俺たちの組織はもう滅茶苦茶だ! せめて、てめぇだけでも道連れにしてやる!」
 そう言って【いろいろつかえる】で対UDC用拳銃を取り出すが、

「カエルの人を助けるのです」

 そこへエルフの少女、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)が現れる。
「何だこのガキは!? 構わねえ、やっちまえ!」
 カエル達は発砲するが、咲凛の遠隔操作武装ユニット群『アジサイ』と、どこからともなく飛んできた、浮遊するビームシールドによって銃弾は阻まれる。
「チッ! 攻撃が通らねえ!」
「もっと強い火器を出せ!」
「んーと、カエルの人、ほかのカエルの人たちの中に居場所がないならUDC組織の人と一緒に働くと良いのですよ」
 猟兵達の防御網を撃ち砕かんと強力な攻撃を仕掛けるあまがえるたちをよそに、UDC組織への勧誘を始める咲凛。
「居場所がない……やはりそれは俺がUDP-Pって奴で他のみんなと違うからか?」
「話が早くて助かるです。わるいことをやるよりはまともなお仕事だし、報酬もちゃんとくれるのです」
「こっちを無視してんじゃねえ!」
 どこから出したのか、ロケットランチャーを取り出してぶっ放すカエル達。爆発と共に爆煙に包まれる隆太郎と猟兵達。
「やったか!」
 その威力に思わず確信の声を上げるカエル達。だが、
「いい加減しつこいです」
 煙が晴れた先にいたのは一騎のキャバリア。咲凛が召喚したサイキックキャバリア『PSS-type B【シーガル】』である。
「武装ユニット開放、撃ちます!」
 そして手にした『ガトリングサイズ』を敵に向けると、【コード・アクセラレーター】でガトリング弾の嵐を相手にお見舞いする。
「ぐわああああああ!!」
 その一斉射撃を受け、跡形もなく吹き飛ぶエージェント・アマガエル達。
「それで、返事は聞かせてもらえるですか?」
 コックピットを開き、キャバリアから降りると咲凛は隆太郎にそう問いかけるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『UDC-P対処マニュアル』

POW   :    UDC-Pの危険な難点に体力や気合、ユーベルコードで耐えながら対処法のヒントを探す

SPD   :    超高速演算や鋭い観察眼によって、UDC-Pへの特性を導き出す

WIZ   :    UDC-Pと出来得る限りのコミュニケーションを図り、情報を集積する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●彼をどう扱エルか
「UDC組織か。なるほど、話は分かった。俺や仲間達がやってきたことの罪滅ぼしになるのであれば協力させてもらおう」
 猟兵達から説明を受け、UDC組織へとやってきたのはエージェント・アマガエルのUDP-Pこと隆太郎。猟兵達とここに訪れたのは単に彼をここへと連れてくるだけが目的ではない。
「自分で言うのも何だが、こう見えても色々な場所へ潜入して様々な任務をこなしてきたんだ。ここもじきに慣れるさ」
 などと豪語する隆太郎。確かに、エージェント・アマガエルは人間社会に溶け込んで活動を行うUDCであり、必要とあれば人間の姿にも化けることが出来る。順応性は高いかもしれないが、それでも油断はできない。普段問題なくても、いざトラブルが起きた時などに的確に対処できるマニュアルが必要なのだ。

 彼を扱う上ですぐ挙げられる点は二つ。一つは、彼がカエルのUDCであること。気温が低くなると動きが鈍るし、湿気が多いとテンションが高くなる。他にもカエルらしい特徴によって彼がUDC組織で活動する上で不都合が起きるかもしれない。
 二つ目は、
「それに、ここはオブリビオンである俺を受け入れてくれたんだ。報いる為ならなんだってするさ」
 やたらと何かのフラグになりそうなセリフを吐く。ただ言ってるだけなら問題ないが、死亡フラグを立てると強くなるという不思議なユーベルコードを使うUDCである以上、実際に何かの伏線回収がありそうで怖い。

 他にもいろいろと問題はあるかもしれないが、隆太郎自体は割と真面目で素直だ。一度にすべての問題を解決できなくても構わない。猟兵達に得意分野はそれぞれあるだろうから、自分の何とかできそうな問題にと組むので構わない。
 なので、猟兵達よ! 隆太郎がUDC組織でうまくやっていくためのマニュアルを作って欲しい。ちなみに、隆太郎のUDC-Pとしてのデータが取れれば、UDC組織的には大きな成果が得られるので、彼に無理にUDCエージェントの活動をさせる必要はないとする。
 ついてに言うと、ここはUDC組織の施設内なので、多少派手なことになっても問題ない。
月守・咲凛
んーと、とりあえず乾燥とか低温にどのくらいよわいのかは自分できちんと認識しておいた方が良いのです。だから〜
がまんたいかいなのです!
温泉施設に行ってサウナや冷水風呂で他の職員の人と我慢大会をしてもらうのです!
わたしも入るのですよ。
(本人は自分も男湯に入るつもりで脱ごうとしますが、水着を持ってきていないので周囲から止められました)
……仕方ないので応援するのです。
耐えられた温度や湿度の情報はきちんと記録してもらえば後で役に立つと思うのですよ。


鳶沢・成美
まあ、基本はカエルなわけですから、冬に北国とかの任務は難しいでしょうね
一応、問題なく動ける気温とか湿度とかの限界値は、調べておいた方がいいかもそれません
もちろん体感的にわかっているとは思いますが……

体調が悪かったらいつでも言ってください
今の僕は、それなりの医術の使い手です
過剰な我慢は駄目ですよ、きちんとした数値が必要なんですから

もういっそ、活動するのは南国限定にするという手もありますけど


神代・凶津
ボスガエルをぶった斬って隆太郎を助けだして万事事件解決ッ!
って終わる前にマニュアル作成が残ってるんだよなぁ。
お役所仕事はあまり得意じゃないんだが。
「・・・文句言わない。」
分かってるよ、相棒。
一度受けた仕事は最後まで完遂しねえとな。

だが隆太郎はエージェント・アマガエルとして人間社会に溶け込んでたんだから、UDC組織でも生活するのもそれほど難しくねえんじゃねえか?
・・・やたら死亡フラグ立てまくってるが。
いやむしろ死亡フラグを立てまくれば逆に生存フラグが立つか?
いっちょ、試してみるか隆太郎。
なあに、いざとなったら『結界霊符』で結界術使って守ってやるって!


【技能・情報収集、結界術】
【アドリブ歓迎】



●限界を知ろう!
「ボスガエルをぶった斬って隆太郎を助けだして万事事件解決ッ! って終わる前にマニュアル作成が残ってるんだよなぁ。お役所仕事はあまり得意じゃないんだが」
「……文句言わない」
 ぼやく神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)をたしなめる桜。これから彼らはUDC-Pである隆太郎がUDC組織でうまくやっていくためのマニュアル作りを行うところである。
「分かってるよ、相棒。一度受けた仕事は最後まで完遂しねえとな」
 そんな訳で猟兵達は隆太郎と共にUDC組織の施設にいる。
「まあ、基本はカエルなわけですから、冬に北国とかの任務は難しいでしょうね」
 鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)は隆太郎の姿を見ながら、そう評す。
「おいおい、そんなこと言ってたらエージェントなんてやっていられないぜ? 必要とあらば、南極にだって行ってやらあ! アンタ達もそんなミッションやってるって話を聞いたぜ?」
 成美の言葉に隆太郎は自信満々で返すが、その自信がどこか怖い。
「一応、問題なく動ける気温とか湿度とかの限界値は、調べておいた方がいいかもそれません。もちろん体感的にわかっているとは思いますが……」
「だから〜 がまんたいかいなのです!」
 そして、どどん! と成美の後に続くのは月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)だ。
「とりあえず乾燥とか低温にどのくらいよわいのかは自分できちんと認識しておいた方が良いのです」
 そんな訳で施設内の大浴場を使って、隆太郎の耐久力の実験することになった。
「まずはサウナでがまんたいかいしてもらうです」
 UDCの職員も集まり、みんなで我慢大会をすることとなった。ちなみに咲凛も参加しようとしたものの、「小学生以下の子供がサウナに入るのは危険」「たとえ猟兵でもサウナに耐えられても、成長に悪影響が出るかもしれない」と子供がサウナに入るの反対派の職員に押し切られ、参加を見送ることとなった。
「体調が悪かったらいつでも言ってください。今の僕は、それなりの医術の使い手です」
「俺がカエルだからってナメてもらっちゃ困るぜ。そんじょそこらの人間に負けるほどやわじゃないぜ?」
 医療スタッフとして【神農伝承術】を使用した成美の言葉に、そう自信満々に応えてサウナへと入る隆太郎。ちなみに、隆太郎とUDC職員は、女性職員が実験に参加しても大丈夫なよう、組織内で作成した水着を着用しています。
「おいぃ!? なんで俺まで中に入るんだよ!」
「……もしものために」
 ついでに凶津がサウナの中に放り込まれる。いざとなったら隆太郎を助けられるようにと、気配りだが、他にも理由はある。
「ま、そんな訳でよろしくな。我慢大会だが、限界を知るのが目的だから気楽に行こうや。なあに、いざとなったら『結界霊符』で結界術使って守ってやるって!」
「気遣いすまないな。だが、取り越し苦労だってことが今に分かるさ」
「……やたら死亡フラグ立てまくってるが、大丈夫か?」
「大丈夫、問題ない」
「そうか? いやむしろ死亡フラグを立てまくれば逆に生存フラグが立つか? いっちょ、試してみるか隆太郎」
 凶津の狙いはそこにあった。隆太郎の懸念事項としてフラグを立てまくる性格。だが、死亡フラグなどは乱立すると生存フラグへ裏返る。それを狙っているのだ。
「ああ、とことん付き合ってやるさ。この実験が終わったら俺、キンキンに冷えたフルーツ牛乳を飲むんだ。アンタにも奢ってやるよ」
「そうだ、その調子だ」
 などと話している間に職員達が一人二人と脱落する。
「まだまだ俺は平気だ。俺を干上がらせたきゃ、今の3倍の火力はもってこねえと」
 フラフラになりながらも踏みとどまる隆太郎。
「本当は我慢しないで上がって欲しいところですが……限界超えてそうですよね」
 その様子を外から観察しながら記録する成美。
「もっと乾燥させてみましょうか?」
 咲凛はサウナ室の設定をいじりながら、中の状況を計測する。
「……俺は……どんなミッションでも……帰ってこれた男。……不死身の隆太郎とも呼ばれたんだ。……このくらいで」
「おう、行け行け! 止まるんじゃねえぞ!」
 サウナ室の中はかなりヒートアップしている。隆太郎にエールを送る凶津。
「限界を超えた先に何があるか見るんだ! まだまだやれる……ぞ?」
 だが、あるところで隆太郎の声が途切れる。
「……気絶してる」
「早く言ってください!」
 凶津と桜が結界術で隆太郎を熱から保護すると、成美が救出する。
「我慢しないでって言ったんですけどね。こういうのも、彼らの特性なんですかね?」
「カエルの人、サウナはこれで終わり?」
 そのように首をかしげながら咲凛が尋ねる。
「そうですね。このデータは後でまとめませんと」
「じゃあ、つぎはこっちでがまんたいかいなのです」
 介抱している成美をよそに咲凛が指差したのは冷水風呂。低温の限界を調べるのに用意したものだ。
「休ませてあげてからにしてください!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


 彼の乾燥や高温、低温に対する耐性のデータは実験によって揃ってきた。カエルのUDCである以上、乾燥や低温に弱く、人間ほど体温調節機能も高くないので、熱帯の気候ぐらいならともかく、サウナに長時間いると危険なのも判明。
 ただし、死亡フラグを吐いたり、やせ我慢などで限界値を超えた行動が可能になるため、緊急事態の時は別としても、無理をしすぎないように注意する必要があり、という結論になった。
「もういっそ、活動するのは南国限定にするという手もありますけど」
 成美はそう締めくくるのだった。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
取り敢えず、何とかなりましたねぇ。
後はマニュアルですかぁ。

『食事』と『睡眠』についての把握はしておいた方が良さそうですねぇ。
『食事』の方は隆太郎さんに『好み』を尋ねて実際に何品か[料理]し、そのレシピを作っておきましょう。
その際は【豊饒現界】で[料理]を強化しますねぇ。
『睡眠』の方は『アマガエル』は基本的に『夜行性』のはずですから、其方の影響の有無は把握しておきたいところですぅ。

これに、おそらくデータを取るであろう『温度』『湿度』の件も合わせますと『内勤に入り、UDCエージェントの後方支援や新人教育をしてもらう』と、何かあっても対処し易そうでしょうかぁ?



●おいしい食事の条件は
「取り敢えず、何とかなりましたねぇ。後はマニュアルですかぁ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は隆太郎の実験データを確認しつつ、食堂で隆太郎を待つ。
「お待たせした……おお、いい匂いだな」
 食堂へとやってきた隆太郎の視線の先にはるこるの作った手料理の数々があった。
 隆太郎の話によれば、エージェント・アマガエルは人間の食べられるものであれば、問題なく食べられるらしいが、それでもやはり彼らの食の好みというのはあるらしい。アマガエルと言えば、肉食の両生類であり、主に食べられているのは……、
「おお、イナゴの佃煮に蜂の子ご飯か。作ってくれたのか」
「隆太郎さんが前もって教えてくれましたからねぇ」
 隆太郎の表情が明るくなり、それをぷるぷると見守るるこる。隆太郎の好みを先に聞いており、何品か料理してみたのだ。
「うん、うまい。こんなにうまい料理は初めだ」
 そして、るこるの料理の腕は【豊乳女神の加護・豊饒現界】で引き上げられ、今や一流シェフも舌を巻くほどの腕前だ。
「お、こいつは何だ? かき揚げ?」
「はい~、コオロギのかき揚と、小エビのかき揚ですねぇ。よく、バッタとかがエビの殻に食感や風味が似てるって聞くので、逆にエビとかもお好きになれるのではないかと思いまして~」
 るこるの用意した二種類のかき揚を食べ比べる隆太郎。
「へぇ、確かに同じってまではいかないが風味が確かに似ている。俺はこっちも好きだな」
 と、割と好評のようだ。
「こっちは白子のポン酢和えですねぇ。蜂の子はフグの白子に近い食感って意見もありますが、食材の手に入りやすさから考えて、タラの白子で作ってみました~」
「なるほど、白子か。あまり食べたことなかったが、これもいけるな」
 隆太郎の好きな虫を料理を実際に作ってみるとともに、それらの代用になる食材で料理を作るるこる。料理はどれも好評なようなので、虫料理ばかり出さなくても済みそうだ。今回の料理のレシピなどを残しておき、UDP組織で同じ料理が作れるようにする予定だ。
「あとはそうですねぇ、食の好み以外に訊きたいこととなると……アマガエルさんは夜行性ですが、隆太郎さんたちもそうなんですかぁ?」
「ああ、そうだな。基本は昼間は寝て、夜に活動することが多いが、昼間の生活リズムに慣れてしまえば、そこまで気にならないかな」
「ふむふむ、そうなのですかぁ」
 などと隆太郎に質問しながら、食事会は進んでゆく。
「ごちそーさん。こんなうまい飯、久々に食えた」
 るこるの料理をたいらげた隆太郎は満足そうな表情をすると席を立つ。あとは、処遇が決まるまで部屋に待機するだけだ。
「……できれば、この料理をアイツにも食わせてやりたかったな」
「隆太郎さん?」
「いや、すまない。今のは忘れてくれ」
 一瞬だけ表情に陰を落とした隆太郎だったが、すぐケロッとした表情になると、食堂を出てゆく。
「隆太郎さん……」
 悪事から足を洗うのと、仲間達との決別は、同じようでどこか違うのかもしれない。
「適応できる環境の事もありますし、内勤をやってもらった方がいいかもしれませんねぇ」
 どこか寂しげに感じる後姿を見送りつつ、るこるはそう独り言ちるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キング・ノーライフ
今思うと玲音は根っからのエージェントだったのだろう。大した相手だったのかもしれん。

さて、死亡フラグは本能なのかもしれんが信頼関係を阻害する壮言癖にもとれそうだな。玲音の事も引きずってそうだし確認してみるか。

【贄の名残】で奪った魂を使って人の玲音に変身、
遺品を纏い【演技】しつつ玲音として死んだ事を伝える。
そこから【誘惑】、キスしすいよう人に化けるよう促し
キスすると見せかけ遺品の銃を突き付ける。
「懲りない人ね、ホント。今度は身の丈に合ったお人よしを見つけなさい」とキッパリ振る。

後は隆太郎の中で想いのケリを付け、今を生きようと思わせれば死亡フラグは減るかもしれん。存分に吐き出せばいい、受け止めるさ。



●訣別
(今思うと玲音は根っからのエージェントだったのだろう。大した相手だったのかもしれん)
 アマガエルの美女エージェント、玲音の遺品であるペンダントに触れながら、キング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)は廊下を歩く。キングに心を奪われながらも、盲目的に従うのではなく自身と相手にとって何が最良であるかを計算高く考え、容赦なく実行しようとした彼女。だがらこそ、彼女は今、キングと『共にいる』。
(さて、死亡フラグは本能なのかもしれんが信頼関係を阻害する壮言癖にもとれそうだな。玲音の事も引きずってそうだし確認してみるか)
 キングの進む先には、廊下の大窓から外の景色を見ながらどこか寂しげに佇んでいる隆太郎の姿があった。

「結局……俺だけ生き残っちまったか」
 隆太郎は誰に向見られていないことを確認し、一人項垂れていた。一人、UDC組織や猟兵に接触して自分達の組織を壊滅させるよう依頼することもできたかもしれない。だが、いくらオブリビオンであっても、仲間を害する覚悟が隆太郎にはできなかった。だからこそ、覚悟なき離別に今もこうして引きずられている。
「玲音……」
 隆太郎が口にしたのはかつて好きだった……今でも未練のある女性の名前。例えボスの命令で近づいていただけだったとしても、彼女と楽しく過ごした日々は彼の胸の内に事実としてある。そして、その後の彼女の裏切り、なし崩しに猟兵達の乱入と頭の中をぐるぐるめぐり、そこで思考が止まりそうになり、ため息とともに思考を切りかえるが、心が前に進まない。
「この道を選んだのは俺だ。……なんだがなあ」
「隆太郎」
 声をかけられ、隆太郎はそちらへ振り向く。そこには隆太郎の知っている美女が立っていた。
「玲音……その姿は?」
 死んだはずの玲音が、人間社会へ潜入時によくとっていた人間の美女の姿になっていたが、その姿は何度も隆太郎は見ていたし、彼女がよく身に付けていたペンダントもしている。玲音で間違いないと隆太郎は確信する。
「隆太郎、今日はね、お別れを言いに来たの」
「……ッ!」
 その言葉で隆太郎は彼女が本当に死んでしまったことを実感する。
「ねえ、知ってる? 人の姿でキスすると、触れ合う口の大きさは小さくなるけど、その分お互いの唇を感じやすくなるって」
 そう言いながら、いつの間にか目の前まで近づいてきた玲音は隆太郎の顔を撫でる。彼女が求めていることを察した隆太郎は自身も人間の姿へとなる。別れの挨拶と言ったが、もしこのまま口づけをしてしまえば、彼女についていってしまうかもしれない。だが、そうなってしまっていいかもしれないと思いつつ、顔を近づける。
 次の瞬間、隆太郎に柔らかい唇の感触が触れることはなく、冷たい銃口が下顎に押し付けられる。

「懲りない人ね、ホント」

「うえっ?」
 キスしようとした相手に銃を突きつけられる。突然の事態に情けない声を上げる隆太郎。そしてその直後、容赦ないビンタを顔面に食らう。
「グワッ!」
「今度は身の丈に合ったお人よしを見つけなさい」
 そう言ってそのまま去ってゆく玲音。隆太郎はその様子を見送り、床に寝転がったまま呆然としていたが。
「あっははははははは!!」
 突然笑いだす。
「どうやら俺は骸の海(むこう)側へ行くのを拒否られちまったらしいな」
 そしてむくりと起き上がると、目元を袖でゴシゴシとこする。
「ありがとな、玲音。そしてさようならだ」
 未練は完全に晴らせたかは分からない。だが、歩き出した隆太郎の足取りは軽かった。

「実験中に口走っていた死亡フラグの数々、どこか自棄になっているようにも見えていた。今を生きようと思わせれば死亡フラグは減るかもしれんとは思ったが……」
 玲音が消えた先にはキングがおり、去ってゆく隆太郎の後姿を見送っていた。実はさっきの玲音はキングがユーベルコード【贄の名残】で玲音に変身していた姿だった。
 そのユーベルコードは奪った魂の力を引き出し、その姿になることが出来る。
「……さて、これで満足か」
 キングはそう呟く。その問いは誰に向けれたのかは、彼にしか分からないだろう。

 その後、隆太郎の処遇としてはUDC-Pの貴重なサンプルであるとともに、UDC組織内で新人エージェント達を教育する教官的な仕事もしている。彼が暮らすことになった施設も温暖な場所にあり、健康状態も問題ないようだ。
 当初懸念されていた死亡フラグになりそうなセリフなども今のところ、多用しているところは見られていない。
 また、余談ではあるが猟兵達が作ったマニュアルのお陰か組織内の職員との関係も良好である。かわいい女子職員によく声をかけたりしている姿も見られるが、今のところ特に問題に放っていない様子。また、一部の男性職員から異性との話し方の相談を受けているとかなどといった報告もあったりする。
「そういえば、隆太郎さんって以前に誰かと付き合っていたりするんですか?」
「おいおい、俺の話なんてロクなもんじゃねえぞ」
 そう話す彼の姿はどこか楽しげであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月13日


挿絵イラスト